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特表2023-505070アミノシリコーンおよび顔料の塗布により着色されたケラチン物質の脱色方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】アミノシリコーンおよび顔料の塗布により着色されたケラチン物質の脱色方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20230201BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20230201BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20230201BHJP
   A41G 3/00 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/46
A61Q5/08
A41G3/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531063
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2020076481
(87)【国際公開番号】W WO2021104710
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】102019218230.5
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100162710
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】クルック,コンスタンツェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒルビヒ,ザンドラ
(72)【発明者】
【氏名】モッホ,メラニー
(72)【発明者】
【氏名】ディックホフ,ズザンネ
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー-ベッカー,ダニエラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB211
4C083AB271
4C083AB282
4C083AB351
4C083AB371
4C083AB431
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC232
4C083AC302
4C083AC472
4C083AC491
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC731
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC811
4C083AC841
4C083AC851
4C083AC861
4C083AC931
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB07
4C083BB23
4C083BB24
4C083BB53
4C083CC35
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD47
4C083EE07
4C083EE26
4C083EE27
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの顔料を使用して染色されたケラチン物質の脱色方法であって、(a)少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含み、(b)1.0~4.3のpHを有する脱色剤を、着色されたケラチン物質に塗布して、放置時間後に再びすすぎ流す方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの顔料の塗布により着色されたケラチン物質を脱色するための方法であって、
(a)少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含み、かつ、
(b)1.0~4.3のpH値を有する
脱色剤を、染色されたケラチン物質に塗布して、接触時間後に再びすすぎ流す、方法。
【請求項2】
脱色剤は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび少なくとも1つの顔料を塗布することにより着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
脱色剤は、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーの塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
脱色剤は、式(Si-アミノ):
[式中、ALK1およびALK2は、独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーの塗布により着色されたケラチン材料に塗布されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
脱色剤は、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーの塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
脱色剤は、少なくとも1つの無機顔料、好ましくは、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料の群から、および/または、少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された有色の雲母若しくは雲母ベース顔料から選択される、少なくとも1つの無機顔料の塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
脱色剤は、少なくとも1つの有機顔料、好ましくは、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスナンバーがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスナンバーがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスナンバーがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスナンバーがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスナンバーがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料からなる群から選択される、少なくとも1つの有機顔料の塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
脱色剤は、式(T-1)、(T-2)、(T-3)および/または(T-4):
[式中、
、R、RおよびRは、独立して、直鎖または分枝の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す]
のいずれかで示される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤(a)を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
脱色剤は、式(T-1):
[式中、
は、直鎖の飽和C12-C18アルキル基を表す]
で示される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤(a)を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
脱色剤は、前記脱色剤の総重量に基づいて、1.0~15.0重量%、好ましくは1.5~13.0重量%、より好ましくは3.0~12.0重量%、最も好ましくは6.0~11.0重量%の総量で、1以上の両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
脱色剤は、1.5~4.2、好ましくは2.0~4.1、より好ましくは2.3~3.9、特に好ましくは2.9~3.7のpH(b)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
脱色剤を、着色されたケラチン物質に塗布し、5~60分、好ましくは5~30分、より好ましくは5~15分、非常に特に好ましくは5~10分の曝露時間後に再びすすぎ流す、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ヒトの毛髪を染色し、その後脱色するための方法であって、
(1)着色剤を毛髪に塗布する工程、ここで、前記着色剤は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーと、請求項1~7に記載される少なくとも1つの顔料とを含み、
(2)毛髪に染料を作用させる工程、
(3)毛髪から染料をすすぎ流す工程、
(4)請求項1~13に記載される脱色剤を毛髪に塗布する工程、
(5)毛髪に脱色剤を作用させる工程
(6)毛髪から脱色剤をすすぎ流す工程、
を含む方法。
【請求項14】
ケラチン物質を染色および脱色するための多成分包装ユニット(キット)であって、別個に包装された、
・少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーと、請求項1~7に記載される少なくとも1つの顔料とを含む、着色剤を含む第1の容器、および、
・請求項1~13に記載される脱色剤を含む第2の容器、
を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、化粧品の分野であり、少なくとも1つの顔料の塗布によって着色されたケラチン物質を脱色するための方法に関する。この方法で塗布される脱色剤は、少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤の含有量と、1.0~4.3の範囲のpH値によって特徴付けられる。脱色剤は、染色されたケラチン物質に塗布され、接触時間後に再びすすぎ流される。
【0002】
本出願の第2の対象は、ケラチン物質を染色し、その後脱色するための方法であって、最初に少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび顔料を含む染色剤をケラチンに塗布し、それに続く工程で、上記脱色剤を塗布することにより脱色が行われる方法である。
【0003】
本出願の第3の対象は、別々に調製された容器に着色剤および脱色剤を含む多成分包装ユニットである。
【背景技術】
【0004】
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野である。毛髪の色を変えるため、専門家には、着色の要求に応じた様々なカラーリング系が知られている。良好な堅牢性および良好な白髪カバー性を伴った長期的な強い染色のためには、通常、酸化染料が使用される。このような染料は通常、酸化染料前駆物質(いわゆる顕色成分)および発色成分を含み、これらは、過酸化水素などの酸化剤の影響を受けて、互いに実際の染料を生成する。酸化染料は、非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
【0005】
直接染料を使う場合、既に調製された染料が着色剤から毛髪繊維に拡散する。酸化染毛と比べて、直接染料を用いて得られた染色物は、色の保持時間が短く、より迅速な洗浄性を有する。直接染料による染色は通常、5~20回の洗浄の間、毛髪に残留する。
【0006】
毛髪および/または皮膚の色を短期間変えるため、着色顔料の使用が知られている。着色顔料は、不溶性の着色物質と理解されている。着色顔料は、小粒子として染料組成物中に溶解せずに存在し、外部から毛髪繊維および/または皮膚の表面にもっぱら付着する。従って、着色顔料は通常、界面活性剤を含む洗剤で数回洗えば、残留することなく除去され得る。このタイプの製品は、ヘアマスカラの名称で様々なものが市販されている。
【0007】
ユーザーが特に長持ちする染色を望む場合、これまでのところ、酸化染料の使用が唯一の選択肢であった。しかしながら、多くの最適化の試みにもかかわらず、酸化的染毛剤では不快なアンモニア臭またはアミン臭を完全に回避することはできない。酸化染料の使用に関連する毛髪の損傷も、ユーザーの毛髪に悪影響を及ぼす。したがって、継続的な課題は、代替の高性能染色方法の探索である。近年、ますます注目を集めている1つの代替可能な着色方法は、着色顔料の使用に基づく。
【0008】
顔料による着色には、いくつかの重要な利点がある。顔料は、ケラチン物質、特に毛髪繊維にその外側から付着するのみであるため、染色方法に関連する損傷は特に低くなる。
【0009】
最近の研究においては、この染色方法の耐久性が低いという問題に取り組んでいる。これに関連して、顔料と特定のアミノ官能化シリコーンポリマーとを組み合わせることによって、顔料により得られる着色結果の洗浄堅牢性を改善し得ることが見出された。
【0010】
適切な脱色剤を使用することにより、ユーザーの元々の髪色に影響を与えることなく、これらの着色を除去することができる。このようにして、ユーザーは手間をかけずにすぐに元の髪色に戻すことができる。特に、定期的に髪色を変えたくない消費者にとって、この着色方法は特に魅力的である。
【0011】
好適な脱色剤は、顔料または顔料とアミノシリコーンとを塗布することによって、ケラチン物質表面に形成される着色膜を、できる限り残留物を残すことなく除去できるはずである。この着色されたフィルムが部分的または不完全にしか除去されない場合、望ましくない色の変化、または、まだらな着色結果を生じ、これらはユーザーによって非常に魅力的でないと認識される。
【0012】
ユーザーの快適性を増すために、脱色剤は可能な限り短い時間内に着色膜を除去すべきであり、ケラチン物質または毛髪は脱色剤の塗布によって損傷されるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、少なくとも1つの顔料、または少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび顔料の塗布によって、先に染色された着色ケラチン繊維を脱色するための脱色剤を提供することであった。ケラチン物質の着色が元々の色味に理想的に対応するよう、この脱色は可能な限り完全でなければならない。さらに、脱色は長持ちし、均一でなければならず、脱色されたケラチン繊維は、ニュアンスの変化や着色結果の不規則性に悩まされるべきでない。さらに、脱色剤によるケラチン物質の損傷は、できる限り少なくすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
驚くべきことに、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーと少なくとも1つの顔料で先に着色されたケラチン物質を、少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含み、かつ、1.0~4.3の範囲のpHを有する脱色剤によって処理する場合に、前記課題を完全に解決し得ることが明らかになった。
【0015】
本発明の第1の対象は、少なくとも1つの顔料の塗布により着色されたケラチン物質を脱色するための方法であって、
(a)少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含み、かつ、
(b)1.0~4.3のpHチを有する、
脱色剤を、染色されたケラチン物質に塗布して、接触時間後に再びすすぎ流す方法である。
【0016】
本発明に至る研究は、ケラチン繊維、特に毛髪が、顔料の塗布によって強く着色され得ることを示した。顔料とアミノシリコーンとの組み合わせで染色を行った場合に、特に強い染色結果が得られた。顔料、または、顔料とアミノシリコーンとの混合物は、ケラチン繊維の表面に着色膜の形態で堆積された。さらに、これらの着色は、前述の脱色剤を使用することにより、毛髪を損傷することなく、短い塗布期間内に再び完全に脱色できることが示された。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<ケラチン物質の脱色>
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手指の爪および/または足指の爪)を包含する。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に含まれる。
【0018】
好ましくは、ケラチン物質は、ヒトの毛髪、ヒトの皮膚およびヒトの爪(特に、手指の爪および足指の爪)であると理解される。ケラチン物質は、ヒトの毛髪であると理解される。
【0019】
用語「脱色剤」は、本発明においては、少なくとも1つの顔料、または、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび顔料の塗布によってケラチン物質上に生成される着色を、再び除去できることを意味すると理解される。この染色方法において、ケラチン物質またはケラチン繊維は、顔料または顔料とアミノシリコーンとから形成される染色膜で被覆される。本発明によれば、脱色剤の塗布は着色剤の塗布の後に行われ、この着色膜をケラチン物質から再び除去できる。
【0020】
本発明による方法の特徴は、少なくとも1つの顔料、または、少なくとも1つのアミノシリコーンと顔料との塗布によって先に着色されたケラチン物質への脱色剤の塗布である。
【0021】
<着色剤中のアミノ官能化シリコーンポリマー>
本発明の方法で使用される脱色剤は、ケラチン物質またはケラチン繊維の先行する着色において、顔料とアミノシリコーンとの組み合わせが使用された場合に特に強い効果を示した。
【0022】
したがって、非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび少なくとも1つの顔料の適塗布よって着色されたケラチン物質に脱色剤が塗布されることを特徴とする。
【0023】
アミノ官能化シリコーンポリマーは、略してアミノシリコーンまたはアモジメチコンと称されることもある。
【0024】
シリコーンポリマーは、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1000g/mol、より好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、反復有機単位を含む巨大分子である。
【0025】
シリコーンポリマーの最大分子量は、重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、一部では重合方法によっても決まる。本発明の目的のためには、シリコーンポリマーの最大分子量が10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下であることが好ましい。
【0026】
シリコーンポリマーは多くのSi-O反復単位を含み、Si原子は、有機基、例えばアルキル基または置換アルキル基を有していてもよい。従って、シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンとも称される。
【0027】
シリコーンポリマーは、その高い分子量に応じて、10個より多くのSi-O反復単位、好ましくは50個より多くのSi-O反復単位、より好ましくは100個より多くのSi-O反復単位、最も好ましくは500個より多くのSi-O反復単位に基づく。
【0028】
アミノ官能化シリコーンポリマーは、アミノ基を有する構造単位を少なくとも1含む官能化シリコーンであると理解される。好ましくは、アミノ官能化シリコーンポリマーは、それぞれが少なくとも1つのアミノ基を有する複数の構造単位を有する。アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を意味すると理解される。これらのアミノ基は全て、酸性環境でプロトン化されてカチオン形態で存在し得る。
【0029】
基本的に、アミノ官能化シリコーンポリマーが少なくとも1つの第一級アミノ基、少なくとも1つの第二級アミノ基および/または少なくとも1つの第三級アミノ基を有する場合、良好な染色性能がアミノ官能化シリコーンポリマーにより得られた。しかしながら、該剤中で、少なくとも1つの第二級アミノ基を有するアミノ官能化シリコーンポリマーを用いた場合に、最良の洗浄堅牢性のある強力な着色が得られた。
【0030】
非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーの塗布により着色されたケラチン物質に脱色剤を塗布することを特徴とする。
【0031】
前記第二級アミノ基は、アミノ官能化シリコーンポリマーにおいて、様々な位置に存在し得る。式(Si-アミノ):
で示される構造単位を少なくとも1つ、好ましくは複数有するアミノ官能化シリコーンポリマーを用いた場合に、特に良好な着色結果が得られた。
【0032】
式(Si-アミノ)で示される構造単位において、略語ALK1およびALK2は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す。
【0033】
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、式(Si-アミノ):
[式中、ALK1およびALK2は、独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含む、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーの塗布により着色されたケラチン物質に、脱色剤を塗布することを特徴とする。
【0034】
アスタリスク(*)で示した位置は、シリコーンポリマーの別の構造単位への結合を示す。例えば、アスタリスクに隣接するケイ素原子は、別の酸素原子に結合し得、アスタリスクに隣接する酸素原子は、別のケイ素原子またはC-Cアルキル基にさえ結合し得る。
【0035】
或いは、二価C-C20アルキレン基は、二価のC-C20アルキレン基と称されることもあり、これは、各ALK1およびALK2基が2つの結合を形成できることを意味する。
【0036】
ALK1の場合、ケイ素原子からALK1基へ1つの結合が生じ、ALK1と第二級アミノ基との間に第二の結合が存在する。
【0037】
ALK2の場合、第二級アミノ基からALK2へ1つの結合が存在し、ALK2と第一級アミノ基との間に第二の結合が存在する。
【0038】
直鎖二価C-C20アルキレン基の例には、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が包含される。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。3個の炭素原子の鎖長から、二価アルキレン基が分岐していてもよい。分岐鎖二価C20アルキレン基の例は、(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
【0039】
別の特に好ましい実施態様では、式(Si-アミノ)で示される構造単位は、アミノ官能化シリコーンポリマーにおける反復単位を表すので、シリコーンポリマーは、式(Si-アミノ)で示される構造単位を複数含む。
【0040】
少なくとも1つの第二級アミノ基を有する特に好適なアミノ官能化シリコーンポリマーを、以下に挙げる。
【0041】
先行する染色中、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含有する少なくとも1つの剤をケラチン物質に塗布した場合に、最良の洗浄堅牢性を有する染色が得られた。
【0042】
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーの塗布により着色されたケラチン物質に脱色剤を塗布することを特徴とする。
【0043】
式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位を有する相応のアミノ官能化シリコーンポリマーは、例えば、市販品のDC 2-8566またはDowsil 2-8566 Amino Fluidであり、これは、Dow Chemical社により市販され、“シロキサンおよびシリコーン、3-[(2-アミノエチル)アミノ]-2-メチルプロピルMe、Di-Me-シロキサン”の名称および106842-44-8のCAS番号を有する。別の特に好ましい市販品は、Dow Chemical社によって商業的にも販売されているDowsil AP-8658 Amino Fluidである。
【0044】
別の好ましい実施態様において、脱色剤は、式(Si-III):
[式中、
・mおよびnは、和(n+m)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
・nは0~999の範囲の数であり、mは1~1000の範囲の数であり、
・R、RおよびRは、同じかまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、
・ここで、R~Rのうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含んでなる着色剤の塗布によって先行して着色されたケラチン物質に塗布され得る。
【0045】
本発明の別の好ましい方法は、式(Si-IV):
[式中
・pおよびqは、和(p+q)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
・pは0~999の範囲の数であり、qは1~1000の範囲の数であり、
・RおよびRは、異なるものであり、ヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、R~Rのうちの少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含んでなる着色剤の、ケラチン物質への先行塗布により特徴付けられる。
【0046】
式(Si-III)で示されるシリコーンと式(Si-IV)で示されるシリコーンとは、窒素含有基を有するSi原子における基が異なる。式(Si-III)では、Rはヒドロキシ基またはC1-4アルコキシ基を表し、一方、式(Si-IV)における基はメチル基である。添え字mおよびnまたはpおよびqが示された個々のSi基はブロックとして存在していなくてもよく、むしろ、個々の単位は統計的に分布して存在していてもよい。すなわち、式(Si-III)および式(Si-IV)では、必ずしも全てのR-Si(CH基が-[O-Si(CH]基に結合していない。
【0047】
また、式(Si-V):
[式中、
Aは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
b、nおよびcは0~1000の整数を表し、
より詳しくは
・n>0およびb+c>0
・条件A=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方が満たされる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含む着色剤をケラチン繊維に適用する本発明の方法が、強力な着色結果の生成に特に有効であることが分かった。
【0048】
上記の式(Si-V)において、添え字b、cおよびnを有する個々のシロキサン単位は統計的に分布している、即ち、それらは、必ずしもブロックコポリマーでなくてもよい。
【0049】
先行して塗布される着色剤は、式(Si-VI):
[式中、Rは、炭化水素、または1~約6個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Qは、一般式-RHZ〔ここで、Rは、炭素および水素原子、炭素、水素および酸素原子、または炭素、水素および窒素原子で構成されている基Zおよび水素が結合している二価連結基であり、Zは、少なくとも1のアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である〕で示される極性基であり;aは、約0~約2の範囲の数であり、bは、約1~約3の範囲の数であり、a+bは、3以下であり、cは、約1~約3の範囲の数であり、xは、1~約2,000、好ましくは約3~約50、最も好ましくは約3~約25の数であり、yは、約20~約10,000、好ましくは約125~約10,000、最も好ましくは約150~約1,000の範囲の数であり、Mは、当技術分野で知られている適当なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである]
で示される1以上の様々なアミノ官能化シリコーンポリマーを更に含んでよい。
【0050】
Rで示される基の非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルなどのアルキル基;ビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリルなどのアルケニル基;シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニル基、ベンジル基;3-クロロプロピル、4-ブロモブチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルなどのハロ炭化水素基;およびメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルなどの硫黄含有基を包含する。好ましくは、Rは、1~約6個の炭素原子を有するアルキル基であり、最も好ましくは、Rはメチルである。Rの例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CHCH(CH)CH-、フェニレン、ナフチレン、-CHCHSCHCH-、-CHCHOCH-、-OCHCH-、-OCHCHCH-、-CHCH(CH)C(O)OCH-、-(CHCC(O)OCHCH-、-C-、-CCH-;および-(CHC(O)SCHCH-を包含する。
【0051】
Zは、少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である。Zに関する1つの式は、NH(CHNH[式中、zは1以上である]である。Zの別の式は、-NH(CH(CHzzNH[式中、zおよびzzは共に、独立して1以上である]であり、この構造は、ピペラジニルのようなジアミノ環構造を含む。Zは最も好ましくは-NHCHCHNH基である。Zに関する別の式は、-N(CH(CHzzNXまたは-NX[式中、Xの各Xは、独立して、水素およびC1-12アルキル基からなる群から選択され、zzは0である]である。
【0052】
Qは、最も好ましくは、式-CHCHCHNHCHCHNHで示される極性アミノ官能性基である。式中、aは、約0から約2の範囲の値を取り、bは、約2から約3の範囲の値を取り、a+bは、3以下であり、cは、約1から約3の範囲の値を取る。RSiO(4-a-b)/2単位とRSiO(4-c)/2単位とのモル比は、約1:2~1:65の範囲であり、好ましくは約1:5~約1:65の範囲であり、最も好ましくは約1:15~約1:20の範囲である。上記式で示される1以上のシリコーンを使用する場合、上記式における様々な可変置換基は、シリコーン混合物中に存在する様々なシリコーン成分について異なっていてよい。
【0053】
特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、式(Si-VII):
[式中、
・Gは、-H、フェニル基、-OH、-O-CH、-CH、-O-CHCH、-CHCH、-O-CHCHCH、-CHCHCH、-O-CH(CH、-CH(CH、-O-CHCHCHCH、-CHCHCHCH、-O-CHCH(CH、-CHCH(CH、-O-CH(CH)CHCH、-CH(CH)CHCH、-O-C(CH、-C(CHであり;
・aは、0~3の間の数、特に0を表し、
・bは、0~1の間の数、特に1を表し、
・mおよびnは、和(m+n)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、nは好ましくは、0~1999、49~149の値を取り、mは好ましくは、1~2000、1~10の値を取り、
・R'は、
・Q-N(R'')-CH-CH-N(R'')
・Q-N(R'')
・Q-N(R'')
・Q-NH(R'')
・Q-N(R'')A
・Q-N(R'')-CH-CH-NR''H
〔ここで、
各Qは、化学結合、-CH-、-CH-CH-、-CHCHCH-、C(CH-、-CHCHCHCH-、-CHC(CH-、-CH(CH)CHCH-であり、
R''は、-H、-フェニル、-ベンジル、CH-CH(CH)Ph、C1-20アルキル基、好ましくは-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-C(CHからなる群から選択される同じまたは異なる基を表し、
Aは、塩化物、臭化物、ヨウ化物またはメトスルフェートから好ましくは選択されるアニオンを表す〕
から選択される一価基である]
で示されるアミノ官能性シリコーンポリマーを含む着色剤を、ケラチン物質に先行して塗布することを特徴とする。
【0054】
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、式(Si-VIIa):
[式中、mおよびnは、和(m+n)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、nは好ましくは、0~1999、49~149の値をとり、mは好ましくは、1~2000、1~10の値をとる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含んでなる着色剤を、ケラチン物質に先行して塗布することを特徴とする。
【0055】
INCI名では、これらのシリコーンは、トリメチルシリルアモジメチコンと称される。
【0056】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の方法は、式(Si-VIIb):
[式中、Rは、-OH、-O-CHまたは-CH基を表し、
m、n1およびn2は、和(m+n1+n2)が1~2000の間、好ましくは50~150の間となるような数であり、和(n1+n2)は好ましくは、0~1999、49~149の値をとり、mは好ましくは、1~2000、1~10の値をとる]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含んでなる着色剤を、ケラチン物質に先行して塗布することを特徴とする。
【0057】
INCI名では、これらのアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコンと称される。
【0058】
どのアミノ官能性シリコーンを使用するかにかかわらず、アミン価が0.25meq/g超、好ましくは0.3meq/g超、0.4meq/g超のアミノ官能性シリコーンポリマーを含む本発明による着色剤が好ましい。アミン価は、アミノ官能性シリコーン1gあたりのアミンのミリ当量を表す。アミン価は、滴定により測定でき、単位mgKOH/gで表される。
【0059】
また、特定の4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマーを含有する着色剤も、本発明の方法における使用に適している。このアミノ官能化シリコーンポリマーは、式(Si-VIII)で示される構造単位および式(Si-IX)で示される構造単位を含む。
【0060】
対応する4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマーを以下に示す。
【0061】
対応するアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーの名称で知られ、Wackerから原料Belsil ADM 8301 Eの形態で市販されており、入手可能である。
【0062】
4-モルホリノメチル置換シリコーンとして、例えば、式(Si-VIII)、(Si-IX)および(Si-X):
[式中、
は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり、
は-CH、-OHまたは-OCHである]
で示される構造単位を有するシリコーンを使用できる。
【0063】
特に好ましい着色剤は、式(Si-XI):
[式中、
は-CH、-OH、-OCH、-O-CHCH、-O-CHCHCHまたは-O-CH(CHであり、
は-CH、-OHまたは-OCHであり、
Bは、基-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCHを表し、
Dは、基-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCHを表し、
a、bおよびcは、a+b+c>0の条件で、独立して0~1000の整数を表し、
mおよびnは互いに独立して、整数1~1000を表す、
ただし、
・条件B=-OHまたはD=-Hのうちの少なくとも一方は満たされ、
・単位a、b、c、mおよびnは、分子において統計的に分布しているか、またはブロック状である]
で示される少なくとも1つの4-モルホリノメチル置換シリコーンを含有する。
【0064】
構造式(Si-XI)では、シロキサン基nおよびmが、必ずしもそれぞれ末端基BまたはDに直接結合していなくてもよいことを示すことが意図されている。むしろ、好ましい式(Si-VI)ではa>0またはb>0であり、特に好ましい式(Si-VI)ではa>0およびc>0、即ち、末端基BまたはDは好ましくはジメチルシロキシ基に結合している。また、式(Si-VI)において、シロキサン単位a、b、c、mおよびnは好ましくは統計的に分布している。
【0065】
本発明に従って使用される式(Si-VI)で示されるシリコーンは、トリメチルシリル末端型(DまたはB=-Si(CH)であってよいが、両端でジメチルシリルヒドロキシ末端型であっても、一端でジメチルシリルヒドロキシ末端型およびジメチルシリルメトキシ末端型であってもよい。本発明において特に好ましいシリコーンは、各関連に対して
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOHおよびD=-Si(CHOCH
B=-O-Si(CHおよびD=-Si(CHOH
B=-O-Si(CHOCHおよびD=-Si(CHOH
であるシリコーンから選択される。これらのシリコーンは、本発明の剤で処理された毛髪の毛髪特性の顕著な向上、および酸化処理における著しく改善された保護をもたらす。
【0066】
本発明の方法において先行する着色のために使用される剤において、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマーは、例えば、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、最も好ましくは0.4~2.5重量%の総量で存在し得る。ここで、前記量は、使用される全てのアミノシリコーンの総量に基づき、着色剤の総重量に対して設定される。
【0067】
さらに特に好ましい実施態様において、本発明による方法は、着色剤が、前記着色剤の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~5.0重量%、より好ましくは0.3~3.0重量%、非常に特に好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1以上のアミノ官能化シリコーンポリマーを含むことを特徴とする。
【0068】
<着色剤中の顔料>
本発明の方法において、脱色剤は、少なくとも1つの顔料を塗布することによって先に着色されたケラチン物質に塗布される。
【0069】
本発明の意味における顔料は、25℃での水への溶解度が0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、更に好ましくは0.05g/L未満の着色化合物である。水への溶解度は、例えば、下記方法により測定できる:0.5gの顔料をビーカーに秤取する。磁気撹拌棒を加える。次いで、1Lの蒸留水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃で1時間加熱する。この時間が経過しても顔料の未溶解成分が混合物中に見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。微細に分散した顔料の強度が高いために、顔料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解顔料がろ紙上に残留する場合は、その顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
【0070】
適当な着色顔料は、無機起源および/または有機起源であってよい。好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、少なくとも1つの無機顔料および/または有機顔料の塗布によって着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする。
【0071】
好ましい着色顔料は、合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、焼成テーラ・ディ・シエナまたはグラファイトから調製できる。また、黒色酸化鉄などの黒色顔料、ウルトラマリンまたは赤色酸化鉄などの有色顔料、および蛍光顔料または燐光顔料を、無機着色顔料として使用できる。
【0072】
有色の金属酸化物、金属水酸化物および金属酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩および/またはモリブデン酸塩が特に適している。好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、pigment blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)および/またはカルミン(コチニール)である。
【0073】
本発明では、着色真珠光沢顔料もまた、特に好ましい着色顔料である。これらは通常、雲母および/または雲母ベースであり、1以上の金属酸化物で被覆されている場合がある。雲母は層状ケイ酸塩に属する。これらのケイ酸塩の最も重要な代表例は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、鱗雲母およびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせた真珠光沢顔料を製造するためには、白雲母または金雲母などの雲母を金属酸化物で被覆する。
【0074】
天然の雲母の代替品として、1以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用できる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成の雲母(マイカ)をベースとし、上記した金属酸化物の1以上で被覆されたものである。金属酸化物の層の厚さを変えることで、それぞれの顔料の色を変えることができる。
【0075】
別の好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、少なくとも1つの無機顔料、好ましくは、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫酸化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された有色の雲母または雲母ベース顔料から選択される、少なくとも1つの無機顔料の塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする。
【0076】
別の好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、Pigment Blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、酸化クロム(CI 77288)および/または紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)からなる群から選択される1以上の金属酸化物で着色された雲母または雲母ベース顔料から選択される、少なくとも1つの顔料の塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする。
【0077】
特に適当な着色顔料の例は、Merck社からRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)の商品名で、Sensient社からAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)の商品名で、Eckart Cosmetic Colors社からPrestige(登録商標)の商品名で、Sunstar社からSunshine(登録商標)の商品名で市販されている。
【0078】
商品名がColorona(登録商標)の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Colorona Copper,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange,Merck,Mica,CI77491(酸化鉄),アルミナ
Colorona Patina Silver,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona RY,Merck,CI 77891(二酸化チタン),雲母,CI75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue,Merck,雲母,二酸化チタン,フェロシアン化鉄
Colorona Chameleon,Merck,CI77491(酸化鉄),雲母
Colorona Aborigine Amber,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue,Merck,CI77499(酸化鉄),雲母
Colorona Patagonian Purple,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン),CI77510(フェロシアン化鉄)
Colorona Red Brown,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄),CI77891(二酸化チタン)
Colorona Russet,Merck,CI77491(二酸化チタン),雲母,CI77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),D&C RED NO.30(CI73360)
Colorona Majestic Green,Merck,CI77891(二酸化チタン),雲母,CI77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),フェロシアン化鉄(CI77510)
Colorona Red Gold,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25,Merck,雲母,二酸化チタン(CI77891),酸化鉄(CI77491)
Colorona Carmine Red,Merck,雲母,二酸化チタン,カーマイン
Colorona Blackstar Green,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20,Merck,雲母,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine,Merck,CI77491(酸化鉄),雲母
Colorona Sienna,Merck,雲母,CI77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),シリカ,CI77491(酸化鉄),酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29,Merck,雲母,二酸化チタン,酸化鉄,雲母,CI77891,CI77491(EU)
Colorona Mica Black,Merck,CI77499(酸化鉄),Mica,CI77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),CI77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold,Merck,雲母,CI77499(酸化鉄)
【0079】
商品名がXirona(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Xirona Golden Sky,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Caribbean Blue,Merck,Mica,CI77891(二酸化チタン),シリカ,酸化スズ
Xirona Kiwi Rose,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Magic Mauve,Merck,シリカ,CI77891(二酸化チタン),酸化スズ
【0080】
また、商品名がUnipure(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Unipure Red LC 381 EM,Sensient CI77491(酸化鉄),シリカ
Unipure Black LC 989 EM,Sensient,CI77499(酸化鉄),シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM,Sensient,CI77492(酸化鉄),シリカ
【0081】
別の実施態様では、先行塗布される着色剤は、1以上の有機顔料を含み得る。
【0082】
本発明における有機顔料は、例えばニトロソ、ニトロ-アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリノン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケト-ピロロピロール、インディゴ、チオインディゴ、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物からなる群から選択されてよい、相応に不溶性の有機染料またはカラーラッカーである。
【0083】
特に適当な有機顔料の例は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスナンバーがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスナンバーがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスナンバーがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスナンバーがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスナンバーがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料である。
【0084】
別の特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、脱色剤が、少なくとも1つの有機顔料、好ましくは、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスナンバーがCl42090、CI69800、CI69825、CI73000、CI74100、CI74160の青色顔料、カラーインデックスナンバーがCI11680、CI11710、CI15985、CI19140、CI20040、CI21100、CI21108、CI47000、CI47005の黄色顔料、カラーインデックスナンバーがCI61565、CI61570、CI74260の緑色顔料、カラーインデックスナンバーがCI11725、CI15510、CI45370、CI71105の橙色顔料、カラーインデックスナンバーがCI12085、CI12120、CI12370、CI12420、CI12490、CI14700、CI15525、CI15580、CI15620、CI15630、CI15800、CI15850、CI15865、CI15880、CI17200、CI26100、CI45380、CI45410、CI58000、CI73360、CI73915および/またはCI75470の赤色顔料からなる群から選択される、少なくとも1つの有機顔料の塗布により着色されたケラチン物質に塗布されることを特徴とする。
【0085】
有機顔料はカラーペイントであってもよい。本発明の意味において、用語「カラーラッカー」は、吸収された染料の層を含んでなる粒子を意味し、粒子および染料のユニットは、上記条件下で不溶性である。粒子は例えば無機物質であり得、これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムまたはアルミニウムであり得る。
【0086】
例えば、アリザリンカラーワニスを使用できる。
【0087】
光および温度に対する優れた安定性のために、前記剤においては上記顔料を使用することが特に好ましい。また、使用する顔料が特定の粒度を有することが好ましい。従って、本発明では、少なくとも1種の顔料が1.0~50μm、好ましくは5.0~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒度D50を有することが有利である。平均粒度D50は、例えば、動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
【0088】
本発明の方法において先行する着色に使用される剤において、1つ以上の顔料は、例えば、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、非常に特に好ましくは0.25~1.5重量%の総量で存在し得る。ここで、前記量は、使用する全ての顔料の総量に基づき、着色剤の総重量に対して設定される。
【0089】
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明における着色剤は、着色剤が、前記着色剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、非常に特に好ましくは0.25~1.5重量%の総量で、1以上の顔料を含むことを特徴とする。
【0090】
さらなる任意の成分として、着色剤は、1以上の直接染料をさらに含んでいてもよい。直接作用染料は、毛髪に直接作用し、色を形成するために酸化工程を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料、またはインドフェノールである。
【0091】
本発明の意味における直接染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
【0092】
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分類できる。
【0093】
別の好ましい実施態様では、本発明における剤は、アニオン性直接染料、非イオン性直接染料およびカチオン性直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物をさらに含むことを特徴とし得る。
【0094】
適当なカチオン性直接染料は、Basic Blue 7、Basic Blue 26、HC Blue 16、Basic Violet 2、Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 16、Basic Blue 347(Cationic Blue 347 / Dystar)、HC Blue No. 16、Basic Blue 99、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87、Basic Orange 31、Basic Red 51、Basic Red 76を包含する。
【0095】
非イオン性直接染料として、非イオン性ニトロおよびキノン染料並びに天然アゾ染料を使用できる。適当な非イオン性直接染料は、以下の国際名称または商品名で記載されているものである:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9の既知の化合物、および1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
【0096】
アニオン性直接染料は、酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)および/または少なくとも1個のスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に依存して、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、それらの脱プロトン化形態(-COO、-SO 存在)と平衡関係を示す。プロトン化形態の割合は、pHの低下とともに増える。直接染料をその塩として使用する場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために、対応する化学量論的に同等のカチオンで中和される。本発明の酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはそのカリウム塩の形態でも使用できる。
【0097】
本発明の意味における酸性染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における酸性染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
【0098】
酸性染料のアルカリ土類塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、対応するアルカリ塩よりも低い溶解度をしばしば有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L未満(25℃、760mmHg)の場合、それらは直接染料の定義に含まれない。
【0099】
酸性染料の本質的な特徴は、アニオン性電荷を形成する能力であり、その原因となるカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、様々な発色団系に結合している。適当な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンタン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見られる。
【0100】
さらなる実施態様において、ケラチン物質を染色するための剤は、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群から選択される少なくとも1つのアニオン性直接染料を含んでなり、上記群からの染料はそれぞれ、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SONa)および/またはスルホン酸カリウム基(-SOK)を有することを特徴とし得る。
【0101】
例えば、下記群から選択される1以上の化合物が適当な酸性染料として包含される:Acid Yellow 1(D&C Yellow 7、Citronin A、Ext.D&C Yellow No.7、Japan Yellow 403、CI10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow 3(COLIPA n°54、D&C Yellow N°10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow 13)、Acid Yellow 9(CI13015)、Acid Yellow 17(CI18965)、Acid Yellow 23(COLIPA n°29、Covacap Jaune W1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E102(BASF)、Tartrazine、Food Yellow 4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No.5)、Acid Yellow 36(CI13065)、Acid Yellow 121(CI18690)、Acid Orange 6(CI14270)、Acid Orange 7(2-Naphthol orange、Orange II、CI15510、D&C Orange 4、COLIPA n°015)、Acid Orange 10(C.I.16230;Orange G ナトリウム塩)、Acid Orange 11(CI45370)、Acid Orange 15(CI50120)、Acid Orange 20(CI14600)、Acid Orange 24(BROWN 1;CI20170;KATSU201;ナトリウム塩不含有;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE 24;Japan Brown 201;D&C Brown No.1)、Acid Red 14(C.I.14720)、Acid Red 18(E124、Red18;CI16255)、Acid Red 27(E123、CI16185、C-Rot46、Real red D、FD&C Red Nr.2、Food Red 9、Naphthol red S)、Acid Red 33(Red33、Fuchsia Red、D&C Red33、CI17200)、Acid Red 35(CI C.I.18065)、Acid Red 51(CI45430、Pyrosin B、Tetraiodfluorescein、Eosin J、Iodeosin)、Acid Red 52(CI45100、Food Red106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacyl Brilliant Pink)、Acid Red 73(CI27290)、Acid Red 87(Eosin、CI45380)、Acid Red 92(COLIPA n°53、CI 45410)、Acid Red 95(CI45425、Erythtosine,Simacid Erythrosine Y)、Acid Red 184(CI15685)、Acid Red 195、Acid Violet 43(Jarocol Violet 43、Ext.D&C Violet n°2、C.I.60730、COLIPA n°063)、Acid Violet 49(CI42640)、Acid Violet 50(CI50325)、Acid Blue 1(Patent Blue、CI42045)、Acid Blue 3(Patent Blue V、CI42051)、Acid Blue 7(CI42080)、Acid Blue 104(CI42735)、Acid Blue 9(E133、Patent blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI42090、C.I.Food Blue 2)、Acid Blue 62(CI62045)、Acid Blue 74(E132、CI73015)、Acid Blue 80(CI61585)、Acid Green 3(CI42085、Foodgreen1)、Acid Green 5(CI42095)、Acid Green 9(C.I.42100)、Acid Green 22(C.I.42170)、Acid Green 25(CI61570、Japan Green 201、D&C Green No.5)、Acid Green 50(Brilliant Acid Green BS、C.I.44090、Acid Brilliant Green BS、E142)、Acid Black 1(Black n°401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI20470、COLIPA n°B15)、Acid Black 52(CI15711)、Food Yellow 8(CI14270)、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1。
【0102】
例えば、アニオン性直接染料の水溶性は、下記方法で測定できる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに導入する。磁気撹拌棒を加える。次いで、100mLの水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃に加熱する。60分間撹拌する。次いで、水性混合物を視覚的に評価する。未溶解残留物がまだ存在する場合、例えば10mL刻みで、水の量を増やす。使用した染料の量が完全に溶解するまで水を加える。染料の強度が高いために、染料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解染料がろ紙上に残留する場合は、より多くの水を用いて溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン性直接染料が25℃で100mLの水に溶解した場合、その染料の溶解度は1.0g/Lである。
【0103】
Acid Yellow 1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、少なくとも40g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 3は、2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸およびジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より大きい。
Acid Yellow 23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃の水に高度に溶解できる。
Acid Orange 7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水への溶解度は、7g/L(25℃)より大きい。
Acid Red 18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホネートの三ナトリウム塩であり、20重量%を超える著しく高い水溶性を有する。
Acid Red 33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートの二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
Acid Red 92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より大きい。
Acid Blue 9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートの二ナトリウム塩であり、20重量%(25℃)より大きい水への溶解度を有する。
【0104】
従って、別の実施態様では、本発明における着色剤は、Acid Yellow 1、Acid Yellow 3、Acid Yellow 9、Acid Yellow 17、Acid Yellow 23、Acid Yellow 36、Acid Yellow 121、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 11、Acid Orange 15、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Red 14、Acid Red 27、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 73、Acid Red 87、Acid Red 92、Acid Red 95、Acid Red 184、Acid Red 195、Acid Violet 43、Acid Violet 49、Acid Violet 50、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 104、Acid Blue 9、Acid Blue 62、Acid Blue 74、Acid Blue 80、Acid Green 3、Acid Green 5、Acid Green 9、Acid Green 22、Acid Green 25、Acid Green 50、Acid Black 1、Acid Black 52、Food Yellow 8、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1からなる群から選択される少なくとも1つの直接染料を含むことを特徴とする。
【0105】
直接染料は、所望の色強度に応じて、着色剤中において様々な量で使用され得る。着色剤が、前記着色剤の総重量に基づき、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1以上の直接染料を含む場合に、満足のいく結果を得ることができた。
【0106】
さらに、前記剤は、追加の任意の成分として、フォトクロミック染料またはサーモクロミック染料からなる群から選択される着色化合物含んでいてもよい。
【0107】
フォトクロミック染料は、UV光(太陽光またはブラックライト)の照射に反応して、色相が可逆的に変化する染料である。この過程では、UV光によって染料の化学構造が変化し、その結果、染料の吸収挙動(フォトクロミズム)が変化する。
【0108】
サーモクロミック染料は、温度変化に反応して、色相が可逆的に変化する染料である。この過程では、温度の変化によって染料の化学構造が変化し、その結果、染料の吸収挙動(サーモクロミズム)が変化する。
【0109】
着色剤は、前記着色剤の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量の総量で、1以上のフォトクロミック染料および/またはサーモクロミック染料を含み得る。
【0110】
<脱色剤>
本発明の方法において、脱色剤は、上記のように染色されたケラチン物質、ヒトの毛髪に塗布される。脱色剤は、染色されたケラチン物質に塗布され、接触時間後に再びすすぎ流される。
【0111】
脱色剤を塗布する時間は、ユーザーのニーズによって異なり、ユーザーの習慣に合わせて調整できる。
【0112】
例えば、脱色剤を、染色されたばかりの、まだ湿っている、または好ましくは乾燥したケラチン物質に塗布することが可能であり、これにより、染色剤のすすぎ流しと脱色剤の塗布との間には数時間の時間が存在する。この染色直後の脱色剤の塗布は、特に、染色結果がユーザーの期待に合わない場合に行うことができる。例えば、特定の機会に非常に強いまたは人目を引く着色を適用し、その機会の後に着色を除去することも可能である。
【0113】
同様に、前回の着色剤の塗布から脱色剤の塗布までの時間が長くなる可能性があり、これは2,3日から数日、さらには数週間に及ぶ可能性がある。これに関して、脱色剤が着色されたケラチン物質に塗布されることが必要であり、これは、ケラチン物質が、顔料の塗布によって依然として着色されていなければならないことを意味する。
【0114】
脱色剤は、
(a)少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含み、かつ、
(b)1.0~4.3のpH値を有する
ことを特徴とする。
【0115】
<脱色剤中の両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤>
本発明の方法において用いられる脱色剤は、少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0116】
界面活性剤(T)という用語は、表面および界面に吸着層を形成し得るか、バルク相で凝集してミセルコロイドまたはリオトロピック中間層を形成し得る表面活性物質を意味する。疎水性基と負に帯電した親水性頭部基からなるアニオン性界面活性剤、負電荷と相殺する正電荷との両方を有する両性または双性イオン性界面活性剤、疎水性基に加えて正に帯電した親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷を有さないが水溶液中で強く水和し、強い双極子モーメントを有する非イオン性界面活性剤に分類される。
【0117】
特定の双性イオン性界面活性剤または両性界面活性剤を使用した場合に、特に良好な脱色効果が観察された。非常に特に好ましい双性イオン性界面活性剤は、式(T-1)、(T-2)、(T-3)および/または(T-4)の界面活性剤(a)から選択される。
[式中、
、R、RおよびRは、独立して、直鎖または分岐の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。]
【0118】
式(T-1)、(T-2)、(T-3)および/または(T-4)で示される双性イオン性界面活性剤は、それぞれ、2つのメチル基に加えて、Rを含む各基および酸官能基を含む基を有する、第四級窒素原子の形態のカチオン電荷を有する。第四級窒素原子のカチオン電荷は、脱プロトン化されたカルボン酸またはスルホン酸であってもよい酸官能基によって中和される。
【0119】
特に酸性環境においては、水溶液中で酸官能基もそのプロトン化された形態と平衡状態にあり得る。pHが薄まる、または、上昇すると、この平衡は脱プロトン化された酸の側にシフトする。プロトン化された酸官能基を有する式(T-1)、(T-2)、(T-3)および/または(T-4)の界面活性剤も、双性イオン性界面活性剤の定義に含まれる。
【0120】
非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、式(T-1)、(T-2)、(T-3)および/または(T-4)で示される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤(a)を含むことを特徴とする方法である。
[式中、
、R、RおよびRは、独立して、直鎖または分枝の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。]
【0121】
基Rは、直鎖または分枝の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。
【0122】
基Rは、直鎖または分岐の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC11-C21アルキル基、非常に特に好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC11-C17アルキル基を表す。
【0123】
基Rは、直鎖または分枝の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC12-C18アルキル基を表す。
【0124】
基Rは、直鎖または分岐の、飽和または不飽和のC-C30アルキル基、好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC11-C21アルキル基、非常に特に好ましくは直鎖の、飽和または不飽和のC11-C17アルキル基を表す。
【0125】
特に適切な式(T-1)の双性イオン性界面活性剤は、例えば、C12-C14アルキルジメチルベタインであり、これは、InCI名でココベタインのもと、Global Amines社(以前はクラリアント)から市販品Genagen KBの形態で入手可能である。ココベタインのCAS No.は、66455-29-6である。
【0126】
特に適切な式(T-2)の双性イオン性界面活性剤は、アルキルアミドアルキルベタインである。特に適切な両性界面活性剤には、INCI名コカミドプロピルベタインのもと既知のものが含まれる。
【0127】
特に、式(T-1)および(T-2)の双性イオン性界面活性剤は、本発明における課題を解決するために、特に良好な適合性を示した。
【0128】
本発明の方法において、式(T-1)の双性イオン性界面活性剤を含む脱色剤を使用した場合に、最良の脱色結果が得られた。したがって、式(T-1)の界面活性剤が最も好ましい。
【0129】
明示的に非常に特に好ましい実施態様の範囲において、本発明の方法は、脱色剤が、式(T-1):
[式中、Rは、直鎖の飽和C12-C18アルキル基を表す]
で示される少なくとも1つの双性イオン性界面活性剤(a)を含むことを特徴とする方法である。
【0130】
直鎖の飽和C12-C18アルキル基の例は、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基およびステアリル基である。
【0131】
可能な限り最も完全かつ均一に着色を除去するために、脱色剤は、好ましくは特定の量的範囲で両性界面活性剤または双性イオン性界面活性剤(a)を含む。脱色剤が、前記脱色剤の総重量に基づいて、1.0~15.0重量%、好ましくは1.5~13.0重量%、より好ましくは3.0~12.0重量%、最も好ましくは6.0~11.0重量%の総量で、1以上の両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含む場合に、特に信頼性のある結果が得られた。
【0132】
非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、前記脱色剤の総重量に基づいて、1.0から15.0重量%、好ましくは1.5~13.0重量%、より好ましくは3.0~12.0重量%、最も好ましくは6.0~11.0重量%の総量で、1以上の両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする方法である。
【0133】
<脱色剤の水分含有量>
本発明によると、脱色剤は1.0~4.3の範囲の酸性pHに調整されるため、水を含むか、水含有担体を含む。
【0134】
したがって、本発明の第1の対象は、言い換えると、少なくとも1つの顔料の塗布によって着色されたケラチン材料を脱色するための方法であって、
(a)少なくとも1つの両性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤を含み、かつ、
(b)水を含み、pH値が1.0~4.3である、
脱色剤を、染色されたケラチン物質に塗布し、接触時間後に再びすすぎ流す、方法である。
【0135】
脱色剤が、該脱色剤の総重量に基づき、50~99重量%、好ましくは55~98重量%、より好ましくは60~97重量%、特に好ましくは70~96重量%の水分量を有する場合、過剰の顔料またはアミノシリコーンの特に良好な除去が可能であった。
【0136】
したがって、さらに特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、該脱色剤の総重量に基づき、50~99重量%、好ましくは55~98重量%、より好ましくは60~97重量%、特に好ましくは70~96重量%の水分量を有することを特徴とする。
【0137】
<脱色剤のpH値>
脱色剤は、1.0~4.3の範囲の酸性pH値によって特徴付けられる。
【0138】
本発明に至る一連の実験において、最適なpH値の選択により、脱色性能を制御し得ることが示された。良好な脱色効果は、4.3のpH値からすでに観察できた。しかしながら、pHをさらに下げることにより、この脱色性能をさらに向上させることができる。
【0139】
これに関して、脱色剤が1.5~4.2、好ましくは2.0~4.1、より好ましくは2.3~3.9、最も好ましくは2.9~3.7のpH値(b)を有する場合に、特に好ましいことがわかった。
【0140】
さらに非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が1.5~4.2、好ましくは2.0~4.1、さらに好ましくは2.3~3.9、非常に特に好ましくは2.9~3.7のpH(b)を有することを特徴とする。
【0141】
<脱色剤の塗布>
本発明の方法において、脱色剤は、着色されたケラチン物質に塗布され、反応時間後に再びすすぎ流される。
【0142】
脱色剤は着色された毛髪に塗布されるため、脱色剤は、前述の着色剤の塗布後にケラチン物質に塗布されなければならない。
【0143】
言い換えると、好ましくは着色結果を正確に決定するために、脱色剤は着色剤がすすぎ流され、ケラチン物質が乾燥された後に、ケラチン物質へ塗布される。
【0144】
脱色剤の正確な塗布時間は、望まない、または、不要になった着色の除去を希望するユーザーによって決まる。例えば、脱色剤は、染色剤の塗布後12~24時間で、染色されたケラチン物質に塗布され得る。しかしながら、さらなる実施態様において、ユーザーは、色を再び変更することを決めるか、髪色を元に戻したいと思うまで、数日から数週間、着色されたケラチン物質、毛髪を着用し得る。
【0145】
<脱色剤中の他の界面活性剤>
上記の双性イオン性または両性界面活性剤(a)に加えて、本発明における脱色剤は、場合により、さらなる界面活性剤を含んでいてもよい。
【0146】
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が、少なくとも1つのカチオン性、非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤をさらに含むことを特徴とする。
【0147】
界面活性剤(T)という用語は、表面および界面で吸着層を形成するか、またはバルク相で凝集してミセルコロイドまたはリオトロピック中間相を形成できる界面活性物質を意味する。疎水性基と負に帯電した親水性の頭部基からなるアニオン性界面活性剤、負と相殺する正の両方の電荷を持つ両性界面活性剤、疎水性基に加えて正の電荷を持つ親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷は有さないが、水溶液中で強く水和し、強い双極子モーメントを有する非イオン性界面活性剤に分類される。
【0148】
カチオン性界面活性剤は、各々、1個以上の正電荷を有する界面活性剤、すなわち表面活性化合物である。カチオン性界面活性剤は正電荷のみを含む。通常、このような界面活性剤は疎水性部および親水性頭部基で構成されており、疎水性部は通常、(例えば、1つまたは2つの直鎖または分岐鎖のアルキル鎖からなる)炭化水素主鎖からなり、正電荷は親水性頭部基に存在する。カチオン性界面活性剤の例は、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ若しくは2つのアルキル鎖を疎水性基として有し得る第四級アンモニウム化合物、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換されている第四級ホスホニウム塩、または
・第三級スルホニウム塩
である。
【0149】
さらに、カチオン電荷もまた、オニウム構造の形態の複素環(例えば、イミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であり得る。カチオン性界面活性剤は、カチオン電荷を有する官能性単位に加えて、例えばエステルクワットの場合のように他の無電荷官能基を含んでもよい。カチオン性界面活性剤は、各剤の総重量に基づき0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0150】
非イオン性界面活性剤は、例えば、親水性基として、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。そのような群には、以下が包含される:
・6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、または脂肪アルコールポリプロピレングリコールエーテル、または混合脂肪アルコールポリエーテル、
・6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪酸への2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪酸ポリグリコールエーテル、または脂肪酸ポリプロピレングリコールエーテル、または混合脂肪酸ポリエーテル、
・アルキル基中に8~15個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキルフェノールへの2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、またはアルキルポリプロピレングリコールエーテル、または混合アルキルフェノールポリエーテル、
・メチルまたはC-Cアルキル基で終端された、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、8~30個の炭素原子を有する脂肪酸への、および8~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコールへの、2~50モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドの付加生成物、例えば、商品名Dehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis)で得られるグレードのもの、
・グリセロールへの1~30モルのエチレンオキシドの付加生成物のC12-C30脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
・ひまし油および硬化ひまし油への5~60モルのエチレンオキシドの付加生成物、
・ポリオール脂肪酸エステル、例えば、市販品であるHydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol(登録商標)グレード(Cognis)、
・アルコキシル化トリグリセリド、
・式(Tnio-1):
[式中、RCOは、直鎖または分岐鎖、飽和および/または不飽和のC6-22アシル基であり、Rは、水素またはメチルであり、Rは、直鎖または分岐鎖C1-4アルキル基であり、wは1~20の数である]
で示されるアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
・アミンオキシド、
・例えばDE-OS 19738866に記載されているヒドロキシ混合エーテル、
・ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルへのエチレンオキシド付加生成物、例えばポリソルベート、
・糖脂肪酸エステル、および糖脂肪酸エステルへのエチレンオキシドの付加生成物、
・脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへのエチレンオキシドの付加生成物、
-式(E4-II):
[式中、Rは4~22個の炭素原子を含むアルキルまたはアルケニル基であり、Gは5または6個の炭素原子を含む糖残基であり、pは1~10の数である]
で示されるアルキルおよびアルケニルオリゴグリコシド型の糖界面活性剤(これらは、有機化学の関連する方法によって得ることができる。アルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドは、5または6個の炭素原子を有するアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースから誘導することができる。従って、好ましいアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(Tnio-2)の添え字pは、オリゴマー化(DP)度、即ちモノグリコシドとオリゴグリコシドの分布を示し、1~10の数を表す。pは個々の分子において常に整数でなければならず、p=1~6の値をとることができるが、特定のアルキルオリゴグリコシドの値pは分析的に決定された算術的な量であり、通常は小数を表す。好ましくは、1.1~3.0の平均オリゴマー化度pを有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが使用される。応用技術の観点から、それらのアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、オリゴマー化度が1.7未満、1.2~1.4の間であることが好ましい。アルキルまたはアルケニル基Rは、4~11個、好ましくは8~10個の炭素原子を含む第一級アルコールから誘導され得る。典型的な例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデクリルアルコール、およびそれらの工業的混合物、例えば、工業用脂肪酸メチルエステルの水素化またはローレンのオキソ合成からのアルデヒドの水素化の際に得られるものである。鎖長がC-C10(DP=1~3)のアルキルオリゴグルコシドが好ましい。これは、工業用C-C18ココナツ脂肪アルコールの蒸留分離の予備段階として得られ、6重量%未満のC12アルコール、および工業用C9/11オキソアルコール(DP=1~3)に基づくアルキルオリゴグルコシドで汚染されている場合がある。アルキルまたはアルケニル基R15はまた、12~22個、好ましくは12~14個の炭素原子を有する第一級アルコールから誘導することもできる。典型的な例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールおよびそれらの工業的混合物であり、これらは上記したようにして得ることができる。1~3のDPを有する硬化C12/14ココナツアルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい)、
【0151】
-脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミド型の糖界面活性剤、式(Tnio-3):
[式中、RCOは、6~22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、Rは、水素、1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基またはアルキル基であり、[Z]は、3~12個の炭素原子および3~10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分岐鎖ポリヒドロキシアルキル基である]
で示される非イオン性界面活性剤(脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、還元糖のアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンによる還元的アミノ化、およびその後の、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物でのアシル化により通常得られる既知の物質である。好ましくは、脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、5または6個の炭素原子を有する還元糖、特にグルコースから誘導される。従って、好ましい脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、式(Tnio-4):
で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドである)
【0152】
好ましくは、式(Tnio-4)で示されるグルカミドは、脂肪酸-N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドとして使用され、式中、Rは水素またはアルキル基を表し、RCOは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸またはエルカ酸のアシル基またそれらの工業的混合物を表す。特に好ましいものは、グルコースをメチルアミンで還元的にアミノ化し、続いてラウリン酸、C12/14ココナツ脂肪酸または対応する誘導体でアシル化することにより得られ、式(Tnio-4)で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドである。また、ポリヒドロキシアルキルアミドもマルトースおよびパラチノースから誘導され得る。
【0153】
非イオン性界面活性剤の他の典型的な例は、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、混合エーテル若しくは混合ホルマール、タンパク質加水分解物(特に、小麦由来植物製品)およびポリソルベートである。
【0154】
それぞれ脂肪アルコールまたは脂肪酸1モルあたり2~30モルのエチレンオキシドを含む飽和直鎖脂肪アルコールおよび脂肪酸へのアルキレンオキシド付加生成物、並びに糖界面活性剤が、好ましい非イオン性界面活性剤であることが見出された。非イオン性界面活性剤としてエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含む場合にも、優れた特性を備えた調製物が得られる。
【0155】
本発明におけるアニオン性界面活性剤の例は、それぞれの場合において、ナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、並びに、アルカノール基中に2~4個の炭素原子を有するモノ-、ジ-およびトリアルカノールアンモニウム塩の形態である、以下である。
・8~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐の脂肪酸(石鹸)、
・式 R-O-(CH-CHO)-CH-COOH[式中、Rは8~30個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、x=0または1~16である]
で示されるエーテルカルボン酸、
・アシル基中に8~24個の炭素原子を有するアシルサルコシド、
・アシル基中に8~24個の炭素原子を有するアシルタウリド、
・脂肪酸を2-ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)のナトリウム塩でエステル化することにより入手可能な、アシル基中に8~24個の炭素原子を有するアシルイセチオネート。このエステル化に、8~24個の炭素原子を有する脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸若しくはステアリン酸、または、工業的脂肪酸画分、例えばヤシ油脂肪酸から得られるC12~C18脂肪酸画分を使用する場合に、本発明において好ましいC12-C18アシルイセチオネートを得ることができる。
・アルキル基中に8~24個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノおよびジアルキルエステル、および、アルキル基中に8~24個の炭素原子および1~6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル。スルホコハク酸モノおよびジアルキルエステルは、無水マレイン酸を8~24個の炭素原子を有する脂肪アルコールと反応させて脂肪アルコールのマレイン酸モノエステルを形成し、さらに亜硫酸ナトリウムと反応させてスルホコハク酸エステルを形成することによって調製できる。特に好適なスルホコハク酸エステルは、12~18個の炭素原子を有する脂肪アルコール画分から誘導され、例えば、ヤシ油脂肪酸またはヤシ油脂肪酸メチルエステルから水素化することにより入手可能なものである。
・8~24個の炭素原子を有する直鎖アルカンスルホネート、
・8~24個の炭素原子を有する直鎖α-オレフィンスルホネート、
・8~30個の炭素原子を有する脂肪酸のα-スルホ脂肪酸メチルエステル、
・式 R-O(CH-CHO)-OSOH[式中、Rは、好ましくは8~30個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、x=0または1~12である]
で示されるアルキル硫酸塩およびアルキルポリグリコールエーテル硫酸塩、
・以下の2つの式の少なくとも1つに対応するヒドロキシスルホン酸塩またはその混合物、およびその塩、
CH-(CH-CHOH-(CH-(CH-SOM)-(CH-CH-O-(C2nO)-H、および/または、CH-(CH-(CH-SOM)-(CH-CHOH-(CH-CH-O-(C2nO)-H
[両式中、yおよびz=0または1~18の整数、p=0、1または2、および(y+z+p)の合計は12~18の数であり、x=0または1~30の数であり、nは2~4の整数であり、M=Hまたはアルカリ金属、特にナトリウム、カリウム、リチウム、アルカリ土類金属、特にマグネシウム、カルシウム、亜鉛および/または任意に置換されていてもよいアンモニウムイオン、特にC1~C4のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を有するモノ、ジ、トリまたはテトラアンモニウムイオンである]
・式:R-(CHOSOM)-CHR-(OCHR-CH)n-OR[式中、Rは、1~24個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、Rは、1~24個の炭素原子を含む直鎖または分岐の飽和アルキル基であり、Rは、水素または1~24個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、Rは水素またはメチル基であり、Mは、水素、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム(ここで、前記アルキル基およびアルカノール基はそれぞれ1~4個の炭素原子を有する)、または、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムから選択される金属原子であり、nは、0~12の範囲の数であり、さらにRおよびRに含まれる炭素原子の総数は2~44である]
に対応する、硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンエーテルおよび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル、
・8~24個の炭素原子および1~6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホン酸塩、
・8~22個の炭素原子を有する脂肪アルコールへの約2~15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である、酒石酸およびクエン酸とアルコールとのエステル、
・式 R(OCHCH-O-(PO-OX)-OR[式中、Rは、好ましくは8~30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、Rは、水素、基(CHCHO)またはXであり、nは1~10であり、Xは水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはNR(式中、R~Rは、互いに独立して、水素またはC~C炭化水素基である)である]
で示されるアルキルエーテルリン酸塩および/またはアルケニルエーテルリン酸塩、
・式 RCO(AlkO)SOM [式中、RCO-は、6~22個の炭素原子を有する直鎖または分岐の、脂肪族、飽和および/または不飽和のアシル基であり、Alkは、CHCH、CHCHCHおよび/またはCHCHCHであり、nは0.5~5であり、Mは、金属、例えばアルカリ金属、特にナトリウム、カリウム、リチウム、アルカリ土類金属、特にマグネシウム、カルシウム、亜鉛、または、NR(式中、R~Rは、互いに独立して、水素またはC1~C4炭化水素基を表す)のようなアンモニウムイオンである]
で示される硫酸化脂肪酸アルキレングリコールエステル、
・式 ROC-(OCHCH-OCH-[CHO(CHCHO)H]-CHO(CHCHO)-SOX [式中、RCOは、6~22個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアシル基であり、x、yおよびzはともに0または1~30、好ましくは2~10の数を表し、Xは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である]
で示されるモノグリセリド硫酸塩およびモノグリセリドエーテル硫酸塩。本発明の意味において適切なモノグリセリド(エーテル)硫酸塩の典型例は、ラウリン酸モノグリセリド、ヤシ油脂肪酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドおよび獣脂脂肪酸モノグリセリド、並びに、それらのエチレンオキシド付加生成物と、無水硫酸若しくはナトリウム塩の形態のクロロスルホン酸との反応生成物である。好ましくは、RCOが8~18個の炭素原子を有する直鎖アシル基を表すモノグリセリド硫酸塩が使用される、
・式 R-CO-NR-CHCH-O-(CHCHO)CHCOOM [式中、Rは、鎖中2~30個の炭素原子を有する、直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基であり、nは1~20の整数であり、Rは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基またはイソ-ブチル基であり、Mは、水素または金属、例えばアルカリ金属、特にナトリウム、カリウム、リチウム、アルカリ土類金属、特にマグネシウム、カルシウム、亜鉛、または、NR(式中、R~Rは、互いに独立して、水素またはC1~C4炭化水素基である)のようなアンモニウムイオンである]
で示されるアミドエーテルカルボン酸。このような製品は、例えば、Chem-Y社からAkypo(登録商標)の製品名のもと入手可能である。
・式 XOOC-CHCHCH(C(NH)OR)-COOX [式中、RCOは、6~22個の炭素原子と、0および/または1、2若しくは3個の二重結合を有する直鎖または分岐のアシル基であり、Xは水素、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたはグルカンモニウムである]
で示されるアシルグルタメート。
【0156】
上記の界面活性剤は、好ましくは、適切な量的範囲で脱色剤に用いられる。したがって、脱色剤は、前記脱色剤の総重量に基づいて、0.1~20重量%、好ましくは0.2~10重量%、より好ましくは0.3~5重量%、最も好ましくは0.4~2.5重量%の総量で、1以上の非イオン性、カチオン性および/またはアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0157】
<脱色剤中の他の任意成分>
上述した本発明における必須成分に加えて、脱色剤は他の任意成分、例えば溶媒;アニオン性、非イオン性、双性イオン性および/またはカチオン性ポリマー;ストラクチュラント(structurant)、例えばグルコース、マレイン酸および乳酸、ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えばレシチンおよびケファリン;香油、ジメチルイソソルバイドおよびシクロデキストリン;繊維構造改善剤、特に単糖類、二糖類およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトース;剤を着色するための染料;フケ防止活性成分、例えばピロクトン・オラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物系および/または植物系並びに脂肪酸縮合物または任意にアニオン変性型若しくはカチオン変性型誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩、ビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン類、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物抽出物;脂肪およびワックス、例えば脂肪アルコール、ミツロウ、モンタンワックスおよびケロシン;膨潤剤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、第一級、第二級および第三級ホスフェート;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;真珠光沢剤、例えばエチレングリコールモノ-およびジステアレート並びにPEG-3-ジステアレート;並びに発泡剤、例えばプロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有してもよい。
【0158】
これらの他の物質の選択は、剤の所望の特性に応じて当業者によって行われ得る。他の任意成分およびこのような成分の使用量は、当業者に知られている関連マニュアルに明示されている。付加的な活性成分および助剤は、好ましくは、本発明における調製物中に、各剤の総重量に対して0.0001~25重量%ずつ、0.0005~15重量%ずつの量で使用される。
【0159】
<脱色剤の塗布>
本発明の方法において、前述の脱色剤は、染色されたケラチン物質に塗布され、接触時間後に再びすすぎ流される。
【0160】
塗布は、(手袋をはめた)手で、または、ブラシ若しくはアプリケーターなどのアプリケーター、あるいはブラシや櫛を用いて行うことができる。
【0161】
ユーザーが完全な脱色を希望するか、特定のセクションまたは領域のみの脱色を希望するかによって、脱色すべき毛束は異なり、脱色剤は、ケラチン物質全体(頭部全体の毛髪など)、またはケラチン物質若しくはケラチン繊維の特定の部分または対応する毛束のいずれかに塗布され得る。
【0162】
塗布後、脱色剤をケラチン物質に作用させるため一定時間放置する。例えば、5~60分、好ましくは5~30分、さらに好ましくは5~15分、最も好ましくは5~10分の曝露時間を選択し得る。この曝露時間の後、脱色剤は再び水ですすぎ流される。
【0163】
さらに好ましい実施態様において、本発明の方法は、脱色剤が着色されたケラチン物質に塗布され、5~60分、好ましくは5~30分、さらに好ましくは5~15分、特に好ましくは5~10分の曝露時間の後、再びすすぎ流されることを特徴とする。
【0164】
脱色剤は、室温または体温でケラチン物質に塗布できる。しかしながら、脱色剤に曝露されたケラチン物質を、色落ちをサポートまたはコートするために高温にさらすこともできる。脱色剤を染色されたケラチン物質に塗布し、該ケラチン物質を、脱色剤の作用中に25~70℃、好ましくは25~60℃、より好ましくは30~55℃、非常に特に好ましくは40~55℃の温度に加熱する場合、これは本発明に従う。
【0165】
さらなる実施態様において、本発明の方法は、
・脱色剤が、染色されたケラチン物質に塗布され、
・ケラチン物質が、脱色剤の作用中に、25~70℃、好ましくは25~60℃、より好ましくは30~55℃、最も好ましくは40~55℃の温度に加熱され、その後、
・脱色剤が再びすすぎ流される
ことを特徴とする。
【0166】
脱色方法の熱的なサポートに加えて、脱色剤に曝露されたケラチン物質に機械的応力を施して、着色中にケラチン物質上に形成された膜の剥離を促進させることもできる。例えば、ケラチン物質は、脱色工程中に手でマッサージをしたり、櫛やブラシでとかしたりできる。脱色剤の作用下でのケラチン物質からの着色膜の剥離を促進するのに適した他の機械的応力も考えられ、本発明の方法に包含される。
【0167】
さらに好ましい実施態様において、本発明の方法は、
・脱色剤が、染色されたケラチン物質に塗布され、
・ケラチン物質が、脱色剤の作用中に、櫛で梳かされ、マッサージされ、ブラシをかけられ、またはその他の方法で機械的な力を受け、その後、
・脱色剤が再びすすぎ流される
ことを特徴とする。
【0168】
先に述べたように、本発明における脱色剤は、顔料、または少なくとも1つの顔料と少なくとも1つのアミノシリコーンとの塗布によって着色されたケラチン物質を脱色するために適用できる。例えば、ユーザーが染色後に着色結果が自分の要求を満たしていないことに気付いた場合に、脱色剤を塗布することにより、これを再び染色を取り除く機会ととらえることができる。
【0169】
さらに、ユーザーは、例えば、特別の機会に毛髪を染め、その後再び脱色したい場合などに、最初から着色とその後の脱色を計画することもできる。この目的のために、ユーザーには、着色および脱色の両方に必要なすべての剤または調製物が提供され得る。
【0170】
したがって、本発明の第2の対象は、以下の工程を含む、ヒトの毛髪を着色して、その後脱色するための方法である。
(1)本発明の第1の主題の説明において既に詳細に開示したように、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび少なくとも1つの顔料を含む着色剤を毛髪に塗布する工程
(2)毛髪に染料を作用させる工程
(3)毛髪から染料をすすぎ流す工程
(4)第1の主題発明の説明において詳細に開示した脱色剤を毛髪に塗布する工程
(5)毛髪に脱色剤を作用させる工程
(6)脱色剤を毛髪からすすぎ流す工程
【0171】
本発明の好ましいさらなる主題は、以下に示す順で下記工程を含む、ヒトの毛髪を染色して、その後脱色するための方法である。
(1)本発明の第1の主題の説明において既に詳細に開示したように、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび少なくとも1つの顔料を含む着色剤を毛髪に塗布する工程
(2)毛髪に染料を作用させる工程
(3)毛髪から染料をすすぎ流す工程
(4)第1の主題発明の説明において詳細に開示した脱色剤を毛髪に塗布する工程
(5)毛髪に脱色剤を作用させる工程
(6)脱色剤を毛髪からすすぎ流す工程
【0172】
顔料およびアミノ官能化シリコーンポリマーは、本発明の第1の主題の説明においてすでに詳細に開示されている。脱色剤もまた、本発明の第1の主題の説明において詳細に開示されている。
【0173】
<多成分包装ユニット>
適切な着色剤および脱色剤を多成分包装ユニットの形態で利用できることは、ユーザーにとって特に便利である。
【0174】
したがって、本発明の別の対象は、ケラチン物質を染色および脱色するための多成分包装ユニット(キット)であって、別々に包装された、
・本発明の第1の主題の説明において既に詳細に開示されているような、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーおよび少なくとも1つの顔料を含む着色剤を含む第1の容器、および
・第1の主題発明の説明に詳細に開示されている脱色剤を含む第2の容器
を含むキットである。
【0175】
本発明の多成分包装ユニットのさらに好ましい実施態様および使用に関しては、必要な変更を加えて、本発明の方法について述べたものと同様のことが適用される。
【実施例
【0176】
1.調製物
以下の調製物を調製した(特に明記しない限り、全ての数値は重量%である)。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
2.塗布
調製後、着色剤(FM)を毛髪束(カーリング、ユーロナチュラルヘアホワイト)に塗布した。染料を作用させるため3分間放置した。続いて、毛髪束を水で完全に(1分)洗浄し、乾燥させ、24時間静置した。
【0181】
染色された毛束の1つを、Datacolor製の比色計Spectraflash450を用いて測定された。
【0182】
脱色剤を、着色された毛髪束へ一度に塗布し、5分間マッサージした後、水ですすいだ。このようにして脱色した毛髪を乾燥させた後、比色測定をした。
【0183】
保色性を評価するために使用されるdE値は、以下のように、各毛束部分で測定されたL*a*b*比色値から算出される。
dE=[(L-L+(a-a+(b-b)]1/2
、a、b=未染色毛束の測定値
、a、b=染色/脱色した毛束の測定値
【0184】
dE値が小さいほど、未染色の毛束と比較して色差が小さくなり、脱色効果が高くなる。
【0185】
【表4】
【国際調査報告】