(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ヘテロアリールジヒドロピリミジン誘導体及びB型肝炎感染を治療する方法
(51)【国際特許分類】
C07D 498/04 20060101AFI20230209BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230209BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230209BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230209BHJP
A61K 31/5383 20060101ALI20230209BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230209BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20230209BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20230209BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
C07D498/04 112Q
C07D498/04 CSP
A61P31/20
A61P1/16
A61P43/00 121
A61K31/5383
A61K45/00
A61K31/7088
A61K31/713
A61K38/19
C07D498/04 112T
C07D498/04 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537267
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020137480
(87)【国際公開番号】W WO2021121363
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/127038
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】デン,ガン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジャンリン
(72)【発明者】
【氏名】リゥ,ジーグォ
(72)【発明者】
【氏名】リァン,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジァンピン
(72)【発明者】
【氏名】コン,リンロン
(72)【発明者】
【氏名】デン,シャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジァン,イミン
(72)【発明者】
【氏名】スー,ヤンピン
【テーマコード(参考)】
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE07
4C072FF03
4C072FF07
4C072GG01
4C072HH02
4C072HH07
4C072JJ03
4C072UU01
4C084AA19
4C084DA01
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA751
4C084ZA752
4C084ZB072
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZC202
4C084ZC412
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB22
4C086EA16
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA21
4C086MA23
4C086MA28
4C086MA31
4C086MA32
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
本明細書では、それを必要とする対象における、HBV感染を治療するために有用な化合物、その医薬組成物、及び前記対象におけるHBV感染を阻害、抑制又は予防する方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その任意の考えられる重水素化異性体、立体異性体又は互変異性形態を含む、式(I):
【化1】
(式中:
R
1は、それぞれがハロゲン及びC
1~C
6アルキルから選択された1つ以上の置換基で任意選択的に置換されたアリール若しくはヘテロアリールから選択され;
R
2は、それぞれがR
4、R
5及びR
6で置換された、アリール若しくはヘテロアリールから選択され;
R
3は、C
1~C
4アルキルであり;
R
4、R
5及びR
6は独立して、H、-OH、-CN、C
1~C
4アルキル及びハロゲンから成る群から選択され;
R
10は、H及びC
1~
4アルキルから成る群から選択され;
環Bは、環のそれぞれが任意選択的にO、N及びSから選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、及び環のそれぞれがハロゲン、=O、-OH、-CN、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルキルオキシ及びヒドロキシC
1~C
4アルキルから成る群から独立して選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換された、3~8員の飽和若しくは不飽和環から成る群から選択され、ここで各C
1~C
4アルキルは、任意選択的にハロゲンで置換されており;
R
7は、-SO
2-R
8、-SO
2-Q-R
8、-OC(=O)C
1~C
6アルキル、-C(=O)OC
1~C
6アルキル-COOH、-C(=O)NHC
1~C
6アルキル-COOH、-C(=O)O-Q-COOH、-C(=O)NH-Q-COOH、-C(=O)C
1~C
6アルキル、-C(=O)C
1~C
6アルキル-R
8、-NHC
1~C
6アルキル-R
8、-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
6アルキル-R
8、-C
1~C
6アルコキシC
1~C
6アルキル-R
8、-(CH
2)
p-R
8、-(CH
2)
p-C(R
11R
12)-R
8及び-(CH
2)
p-Q-R
8から成る群から選択され;
R
8は、-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
6アルキル-COOH、-COOH及びカルボン酸生物学的等価体から成る群から選択され;
R
11及びR
12は、それらが結合している炭素原子と一緒に任意選択的にR
9で置換された3~8員の飽和環を形成し、前記3~8員の飽和環は、任意選択的にヘテロ原子を含有しており、前記ヘテロ原子はN若しくはOであり;
Qは、それぞれが任意選択的にR
9で置換されたアリール、ヘテロアリール及び3~8員の飽和環から成る群から選択され、前記3~8員の飽和環は、ヘテロ原子を任意選択的に含有しており、前記ヘテロ原子は、N若しくはOであり;
R
9は、H、-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
6アルコキシC
1~C
6アルキル及び-C
1~C
6アルキルカルボニルから成る群から選択され;
pは、0、1、2、3若しくは4の整数である)の化合物
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
環Bは、それぞれが任意選択的にNである1個のヘテロ原子を含み、及びそれぞれが任意選択的にハロゲン、=O、-OH、-CN、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルキルオキシ及びヒドロキシC
1~C
4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている5~7員の飽和環から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の一般式:
【化2】
の化合物である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1は、それぞれが任意選択的にF及びC
1~C
6アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されている、チアゾリル、ピリジル及びオキサゾリルから成る群から選択される、請求項1~3の何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
1は、チアゾリルである、請求項1~4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R
2は、それぞれがR
4、R
5及びR
6(式中、R
4、R
5及びR
6は、独立してH、-OH、-CN、C
1~C
4アルキル及びハロゲンから成る群から選択される)で置換されているフェニル、チオフェニル及びピリジルから成る群から選択される、請求項1~5の何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R
2は、R
4、R
5及びR
6(式中、R
4、R
5及びR
6は、独立してH、-CN、-CH
3、F、Cl及びBrから成る群から選択される)で置換されたフェニルである、請求項1~6の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
3は、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである、請求項1~7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
7は、-SO
2-Q-R
8、-C(=O)OC
1~C
6アルキル-COOH、-C(=O)NHC
1~C
6アルキル-COOH、-C(=O)O-Q-COOH、-C(=O)NH-Q-COOH、-C(=O)C
1~C
6アルキル-R
8、-NHC
1~C
6アルキル-R
8、-C
1~C
6アルキル-R
8、-(CH
2)
p-R
8及び-(CH
2)
p-Q-R
8から成る群から選択される、請求項1~8の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
R
8は、-C
1~C
6アルキル-COOH、-COOH、-C(=O)NHS(=O)
2C
1~C
6アルキル及びテトラゾリルから成る群から選択される、請求項1~9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Qは、アリール、ヘテロアリール及びそれぞれが任意選択的にR
9で置換された3~8員の飽和環から成る群から選択され、前記3~8員の飽和環は、任意選択的にヘテロ原子を含有し、前記ヘテロ原子はN若しくはOであり;及びR
9は、H、-C
1~C
6アルキルから成る群から選択される、請求項1~10の何れか一項に記載の化合物。
【請求項12】
pは、0、1又は2の整数である、請求項1~11の何れか一項に記載の化合物。
【請求項13】
以下の:
【化3】
【化4】
【化5】
の式を有する化合物から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の化合物を含み、及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含む、医薬組成物。
【請求項15】
薬剤として使用するための、請求項1~13の何れか一項に記載の化合物若しくは薬学的に許容される塩、又は請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
それを必要とする哺乳動物におけるHBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は治療に使用するための、請求項1~13の何れか一項に記載の化合物若しくは薬学的に許容される塩、又は請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
慢性B型肝炎の予防又は治療に使用するための、請求項1~13の何れか一項に記載の化合物若しくは薬学的に許容される塩、又は請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
それを必要とする哺乳動物におけるHBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は治療における同時、別々又は順次の使用のために組み合わせ製剤として第1の化合物及び第2の化合物を含む生成物であって、前記第1の化合物は、前記第2の化合物と異なり、前記第1の化合物は、請求項1~13の何れか一項に記載の化合物若しくは薬学的に許容される塩又は請求項14に記載の医薬組成物であり、且つ前記第2の化合物は、HBV組み合わせ薬剤、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤、免疫調節剤、トール様(TLR)受容体調節剤、インターフェロンα受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原(HbsAg)阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(ipi4)阻害剤、シクロヒリン阻害剤、HBVウイルス侵入阻害剤、ウイルスmRNAを標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチド、低分子干渉RNA(siRNA)及びddRNAiエンドヌクレアーゼ調節剤、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、HBV E抗原阻害剤、共有結合閉環状DNA(cccDNA)阻害剤、ファルンソイドX受容体アゴニスト、HBV抗体、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質調節剤、レチノイン酸誘導性遺伝子1刺激剤、NOD2刺激剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)経路阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、組み換えチモシンα-1、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、KDM阻害剤、HBV複製阻害剤、アルギナーゼ阻害剤及び抗HBV薬剤から成る群から選択される別のHBV阻害剤である、生成物。
【請求項19】
請求項1~13の何れか一項に記載の化合物を調製するための方法であって:
a.式(II)(式中、式(II)は、
【化6】
であり)のアルデヒド
、式(III)(式中、式(III)は、
【化7】
のアセトアセテートであり)
、及び式(IV)(式中、式(IV)は、
【化8】
のアミジンである)を
、好ましくはNaOAcである塩基の存在下で、式(I-1):
【化9】
に記載の化合物を形成するために縮合させる工程;
b.式(I-1)の化合物を臭素化する工程であって、式(I-2)記載の化合物を形成するために、臭素化剤は、好ましくは、N-ブロモスクシンイミドであり、式(I-2)は、
【化10】
である工程;
c.式(I)に記載の化合物を形成するために、好ましくはトリエタノールアミンである塩基の存在下で、式(I-2)の化合物と式(V)(式中、式(V)は、
【化11】
である)の化合物をカップリングさせる工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染症は、重要な世界規模の健康問題であり、世界人口の5%超(世界中で3億5千万人超の人々及び米国内で125万人の個体)に影響を及ぼしている。
【0002】
予防用HBVワクチンが入手可能であるにもかかわらず、これは、次善の治療選択肢であり、発展途上国の大半の地域で新規感染率が持続しているため、慢性HBV感染の負担は、依然として対処されていない世界規模の重大な医療問題であり続けている。現行の治療は、治癒をもたらさず、2つのクラスの薬剤(インターフェロンα及びウイルスポリメラーゼのヌクレオシド類似体/阻害剤)のみに限定されており、薬剤耐性、低い有効性及び忍容性の問題は、それらの効果を制限する。HBVの低い治癒率は、少なくとも一部には、単一の抗ウイルス剤ではウイルス産生の完全な抑制を達成することが困難であるという事実に起因する。しかしながら、HBV DNAの持続的な抑制は、肝臓疾患の進行を遅らせ、肝細胞癌を予防するために役立つ。HBV感染患者に関する現在の治療目標は、血清中のHBVのDNAを低いレベル又は検出不能なレベルまで低減させ、最終的に肝硬変及び肝細胞癌の発症を減少させるか又は予防することに向けられる。
【0003】
HBVカプシドタンパク質は、ウイルスの生活環中で必須の機能を果たす。HBVカプシド/コアタンパク質は、細胞間通過中にウイルスゲノムを保護する準安定状態のウイルス粒子又はタンパク質殻を形成し、また、ゲノムカプシド形成、ゲノム複製及びビリオンの形態形成及び放出を含むウイルス複製過程においても中心的な役割を果たす。カプシド構造は、ウイルス侵入後に脱殻を可能にする環境要因にも応答する。一貫して、カプシドの集合及び分解の適切なタイミング、適切なカプシド安定性及びコアタンパク質の機能は、ウイルスの感染性に極めて重要であることが判明している。
【発明の概要】
【0004】
当技術分野において、ウイルス産生の抑制を増加させることができ、HBV感染を治療する、寛解させる、又は予防することができる治療剤が必要とされている。単剤療法として又は他のHBV治療若しくは補助的な治療と組み合わせて、HBV感染患者にそのような治療剤を投与する工程により、ウイルス負荷量の大幅な減少、予後の改善、疾患進行の減少及びセロコンバージョン率の向上がもたらされることになる。
【0005】
HBVの治療における使用のためのヘテロアリールジヒドロピリミジンに関する背景技術としては、国際公開第2015/132276号パンフレット、同第2013/102655号パンフレット、同第01/68641号パンフレット及び同第99/54326号パンフレットが挙げられる。
【0006】
本明細書では、それを必要とする対象におけるHBV感染の治療に有用な化合物が提供される。従って、一態様では、本明細書で提供するのは、その重水素化異性体、立体異性体若しくは互変異性形態又はその薬学的に許容される塩を含む、式(I):
【化1】
(式中:
R
1は、それぞれがハロゲン及びC
1~C
6アルキルから選択された1つ以上の置換基で任意選択的に置換されたアリール若しくはヘテロアリールから選択され;
R
2は、それぞれがR
4、R
5及びR
6で置換された、アリール若しくはヘテロアリールから選択され;
R
3は、C
1~C
4アルキルであり;
R
4、R
5及びR
6は独立して、H、-OH、-CN、C
1~C
4アルキル及びハロゲンから成る群から選択され;
R
10は、H及びC
1~
4アルキルから成る群から選択され;
環Bは、環のそれぞれが任意選択的にO、N及びSから選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含み、及び環のそれぞれがハロゲン、=O、-OH、-CN、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4アルキルオキシ及びヒドロキシC
1~C
4アルキル(式中、各C
1~C
4アルキルはハロゲンで任意選択的に置換されており)から成る群から独立して選択される1個以上の置換基で任意選択的に置換された、3~8員の飽和若しくは不飽和環から成る群から選択され;
R
7は、-SO
2-R
8、-SO
2-Q-R
8、-OC(=O)C
1~C
6アルキル、-C(=O)OC
1~C
6アルキル-COOH、-C(=O)NHC
1~C
6アルキル-COOH、-C(=O)O-Q-COOH、-C(=O)NH-Q-COOH、-C(=O)C
1~C
6アルキル、-C(=O)C
1~C
6アルキル-R
8、-NHC
1~C
6アルキル-R
8、-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
6アルキル-R
8、-C
1~C
6アルコキシC
1~C
6アルキル-R
8、-(CH
2)
p-R
8、-(CH
2)
p-C(R
11R
12)-R
8及び-(CH
2)
p-Q-R
8から成る群から選択され;
R
8は、-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
6アルキル-COOH、-COOH及びカルボン酸生物学的等価体から成る群から選択され;
R
11及びR
12は、それらが結合している前記炭素原子と一緒に任意選択的にR
9で置換された3~8員の飽和環を形成し、前記3~8員の飽和環は、任意選択的にヘテロ原子を含有しており、前記ヘテロ原子はN若しくはOであり;
Qは、それぞれが任意選択的にR
9で置換されたアリール、ヘテロアリール及び3~8員の飽和環から成る群から選択され、3~8員の飽和環は、ヘテロ原子を任意選択的に含有しており、そのヘテロ原子は、N若しくはOであり;
R
9は、H、-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
6アルコキシC
1~C
6アルキル及び-C
1~C
6アルキルカルボニルから成る群から選択され;
pは、0、1、2、3若しくは4の整数である)の化合物
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0007】
別の態様では、本明細書では、薬学的に許容される担体と共に、少なくとも1つの式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
【0008】
別の態様では、本明細書では、薬学的に許容される担体と共に、少なくとも1つの本明細書に開示した化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0009】
別の態様では、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染又はHBV誘導性疾患を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0010】
別の態様では、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害又は低減する方法であって、治療有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0011】
一実施形態では、本明細書で提供する方法の何れかはさらに、本明細書で詳細に定義されるHBV阻害剤から成る群から選択される少なくとも1種の追加の治療剤をその個体に投与する工程を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、対象におけるHBV感染の治療及び予防において有用である、例えば、Iの化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0013】
いかなる特定の作用機序にも束縛されるものではないが、これらの化合物は、HBV集合及びHBVの複製又は感染性粒子の生成に必要な他のHBVコアタンパク質の機能を調節若しくは破壊し、且つ/又はHBVカプシド集合を破壊して、大幅に低減された感染性又は複製能力を有する空のカプシドをもたらし得ると考えられている。言い換えると、本明細書で提供する化合物は、カプシド集合調節剤として作用し得る。
【0014】
本明細書で提供する化合物は、潜在的な抗ウイルス活性を有し、好都合な代謝特性、組織分布、安全性及び医薬プロファイルを呈し、且つヒトにおける使用に好適である。開示した化合物は、通常のウイルスカプシドの集合若しくは分解を調節し得るか(例えば、促進するか、遅らせるか、阻害するか、破壊するか又は減少させる)、カプシドに結合し得るか、又は細胞のポリタンパク質及び前駆体の代謝を変え得る。調節は、カプシドタンパク質が成熟するとき又はウイルス感染性(viral infectivity)中に起こり得る。開示した化合物は、HBV cccDNAの活性若しくは特性又は感染細胞内からのHBV RNA粒子の生成若しくは放出を調節する方法において使用され得る。
【0015】
一実施形態では、本明細書に記載した化合物は、単剤療法に好適であり、且つ自然又は天然のHBV株及び現在知られている薬物に対して耐性のHBV株に対して有効である。別の実施形態では、本明細書に記載した化合物は、組み合わせ療法における使用のために好適である。
【0016】
定義
本発明を説明するために使用する種々の用語の定義は、以下に列挙する。これらの定義は、特定の場合において個別に又はより大きい群の一部として別途限定されない限り、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して使用される用語に適用される。
【0017】
別途定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、概して、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及びペプチド化学における実験手順は、当技術分野で周知であり、一般的に用いられるものである。
【0018】
本明細書で使用する場合、冠詞「1つの」は、この冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(即ち、少なくとも1つ)を指す。一例として、「1つの要素」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」、並びに「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含まれる」等の他の形態の使用は、限定するものではない。
【0019】
本明細書で使用する用語「約」は、当業者により理解され、それが使用される文脈によってある程度変化することになる。量、時間の長さ等の測定可能な値に言及する際に本明細書で使用する用語「約」は、特定の値から±5%、±1%及び±0.1%を含む±20%又は±10%の変動を、本開示の方法を実施するためにそのような変動が適切であるように包含することを意味する。
【0020】
本明細書で使用する用語「カプシド集合調節剤」は、通常のカプシド集合(例えば、成熟の間)若しくは通常のカプシド分解(例えば、感染性である間)を妨害するか、若しくは促進するか、若しくは阻害するか、若しくは妨げるか、若しくは遅らせるか、若しくは低減させるか、若しくは変更するか、又はカプシド安定性を不安定化し、それにより異常なカプシド形態及び機能を誘導する化合物を指す。一実施形態では、カプシド集合調節剤は、カプシドの集合又は分解を促進し、それにより異常なカプシド形態を誘導する。別の実施形態では、カプシド集合調節剤は、主要なカプシド集合タンパク質(CA)と相互作用し(例えば、活性部位に結合するか、アロステリック部位に結合するか、フォールディングを変更するか又は妨げるなどして)、それによりカプシドの集合又は分解を妨害する。さらに別の実施形態では、カプシド集合調節剤は、CAの構造又は機能(例えば、集合する、分解する、基質に結合する、適切な立体構造へとフォールディングする等のCAの能力)における混乱をもたらし、これによりウイルス感染性が減弱されるか、又はウイルスに対して致死性となる。
【0021】
本明細書で使用する用語「治療」若しくは「治療する」は、HBV感染、HBV感染の症状又はHBV感染を発症する可能性を治癒するか、治すか、緩和するか、軽減するか、変化させるか、矯正するか、寛解させるか、改善するか又は影響を及ぼす目的を伴って、HBV感染、HBV感染症の症状又はHBV感染を発症する可能性を有する患者に対し、治療剤、即ち開示した化合物を(単独で若しくは別の医薬品と組み合わせて)適用若しくは投与すること又は患者から単離された組織若しくは細胞株への治療剤の(例えば、診断若しくは生体外適用のための)適用若しくは投与として定義される。そのような治療は、薬理ゲノミクスの分野から得られる知識に基づいて、具体的に調整され得るか又は変更され得る。
【0022】
本明細書で使用する用語「予防する」若しくは「予防」は、何も発生していなかった場合には障害若しくは疾患の発症がないことを意味し、又は既に障害若しくは疾患が発症していた場合には、それ以上の障害若しくは疾患の発症がないことを意味する。また、障害又は疾患に関連する症状の一部若しくは全てを予防する個体の能力も考慮される。
【0023】
本明細書で使用する用語「患者」、「個体」又は「対象」は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を指す。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ヒツジ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ及びネズミ科の哺乳動物等の家畜及びペットが挙げられる。好ましくは、患者、対象又は個体は、ヒトである。
【0024】
本明細書で使用する用語「有効量」、「薬学的有効量」及び「治療有効量」は、無毒性であるが、所望の生物学的結果を提供するのに十分な薬剤の量を指す。この結果は、疾患の徴候、症状若しくは原因の低減若しくは緩和又は生物システムの任意の他の望ましい変化であり得る。任意の個々の場合において適切な治療量は、当業者によって通常の実験を使用して決定され得る。
【0025】
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される」は、化合物の生物活性又は特性を損なわない、比較的無毒性の担体若しくは希釈剤等の材料を指す(即ち、その材料は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、又はそれが含まれる組成物の成分の何れかと有害な様式で相互作用することなく、個体に投与され得る)。
【0026】
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される塩」は、本開示の化合物の誘導体を指し、親化合物は、現存の酸部分若しくは塩基部分をその塩形態へと変換させることにより改変されている。薬学的に許容される塩の例としては、アミン等の塩基性残基の無機酸塩又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩;及び同類のものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的に許容される塩としては、例えば、無毒性の無機酸若しくは有機酸から形成される親化合物の従来の無毒性塩が挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性部分若しくは酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態若しくは遊離塩基形態を、水中若しくは有機溶媒中又はその2つの混合物中(一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい)で、化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることにより調製することができる。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418、及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)で見出され、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
本明細書で使用する用語「組成物」若しくは「医薬組成物」は、本発明の範囲内で有用な少なくとも1種の化合物と薬学的に許容される担体との混合物を指す。医薬組成物は、患者又は対象への化合物の投与を容易にする。当技術分野では、静脈内投与、経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、眼内投与、肺内投与及び局所投与を含むがそれらに限定されない化合物を投与する複数の技法が存在している。
【0028】
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される担体」は、本発明の範囲内で有用な化合物を、その目的とする機能を果たすことができるように、患者の体内において又は患者に運搬又は輸送することに関与する、液体若しくは固体充填剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒又はカプセル化材料等の薬学的に許容される材料、組成物又は担体を意味する。通常、このような構築物は、1つの臓器又は身体の部分から、別の臓器又は身体の部分へと運搬又は輸送される。各担体は、本発明の範囲内で有用な化合物を含む、製剤の他の成分と適合し、患者に有害ではないという意味において「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として機能し得る材料の幾つかの例としては:糖類、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末トラガント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオ脂及び坐剤ワックス;油、例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油;グリコール類、例えば、プロピレングリコール;ポリオール類、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;エステル類、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;界面活性剤;アルギン酸;パイロジェン不含の水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;及び医薬製剤に使用される他の無毒性の適合性物質が挙げられる。
【0029】
本明細書で使用する「薬学的に許容される担体」にはまた、本発明の範囲内で有用な化合物の活性と適合性を有し、患者に対して生理学的に許容されるあらゆるコーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤並びに吸収遅延剤等も含まれる。補助的活性化合物もまた、本組成物に組み込まれ得る。「薬学的に許容される担体」は、さらに、本発明の範囲内で有用な化合物の薬学的に許容される塩を含み得る。本発明の実施に用いられる医薬組成物に含まれ得る他のさらなる成分は、当技術分野において既知であり、且つ例えば参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(Genaro,Ed.,Mack Publishing Co.,1985,Easton,PA)で説明されている。
【0030】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、それ自体で又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定の炭素原子数を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味し(即ち、C1~C3アルキルは、1~3個の炭素原子を有するアルキルを意味し、C1~C4アルキルは、1~4個の炭素を有するアルキルを意味する)、直鎖及び分枝鎖を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチルが挙げられる。アルキルの実施形態としては、一般的に、C1~C10アルキル、例えばC1~C6アルキル、例えばC1~C4アルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、それ自体で若しくは別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定の炭素原子数を有する少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む炭化水素の直鎖又は分枝鎖を意味する(即ち、C2~C4アルケニル又はC2~4アルケニルは、2~4~8個の炭素原子を有するアルケニルを意味し、C4~C8アルケニル又はC4~8アルケニルは4つの炭素原子を有するアルケニルを意味する)。アルケニルの実施形態としては、一般的に、C2~C6アルケニル、例えばC2~C4アルケニル、例えばC2~C3アルケニルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用する用語「ハロ」若しくは「ハロゲン」は、単独で又は別の置換基の一部として、別段の指示がない限り、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素若しくは臭素、より好ましくはフッ素若しくは塩素を意味する。
【0033】
本明細書で使用する用語「3~8員の飽和環」は、単環式非芳香族飽和基を指し、環を形成する原子の各々(即ち、骨格原子)は、そのような環が、1個以上のヘテロ原子(そのようにさらに定義される場合)を含有しない限り、炭素原子である。3~8員の飽和環は、3~8個の環原子を有する基を含む。そのような3~8員の単環飽和環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書で使用する3~8員の飽和環は、任意選択的にO、N及びSから選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含有し得るが、環のそれぞれは任意選択的に1個以上の置換基で置換されている。
【0035】
本明細書で使用する用語「芳香族」は、1個以上の多価不飽和環を伴い、且つ芳香族特性を有する、即ち、(4n+2)非局在化π(パイ)電子(式中、nは整数である)を有する炭素環若しくは複素環を指す。
【0036】
本明細書で使用する、単独で又は他の用語と組み合わせて用いられる用語「アリール」は、別途明記しない限り、1個以上の環(典型的には、1、2若しくは3個の環)を含む炭素環芳香族系を意味するが、そのような環は、例えばビフェニル等のペンダント様式で互いに結合され得る、又は例えばナフタレンのように縮合され得る。アリール基の例としては、フェニル、アントラシル及びナフチルが挙げられる。好ましい例は、フェニル(例えばC6-アリール)及びビフェニル(例えばC12-アリール)である。幾つかの実施形態では、アリール基は、6~16個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アリール基は、6~12個の炭素原子を有する(例えばC6~C12-アリール)。幾つかの実施形態では、アリール基は、6個の炭素原子を有する(例えば、C6-アリール)。
【0037】
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」若しくは「ヘテロ芳香族」は、芳香族の特性を有する複素環を指す。ヘテロアリール置換基は、炭素原子の数によって定義され得るが、例えば、C1~C9-ヘテロアリールは、ヘテロ原子の数を含まずにヘテロアリール基に含有される炭素原子の数を示す。例えば、C1~C9-ヘテロアリールは追加の1~4個のヘテロ原子を含むことになる。多環式ヘテロアリールは、部分飽和した1つ以上の環を含み得る。ヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(例えば、2-及び4-ピリミジニルを含む)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル(例えば、2-ピロリルを含む)、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル(例えば、3-及び5-ピラゾリルを含む)、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル及び1,3,4-オキサジアゾリルが挙げられる。
【0038】
多環式複素環及びヘテロアリールの非限定的な例としては、インドリル(例えば、3-、4-、5-、6-及び7-インドリルを含む)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(例えば、1-及び5-イソキノリルを含む)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル(例えば、2-及び5-キノキサリニルを含む)、キナゾリニル、フタラジニル、1,8-ナフチリジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5-ナフチリジニル、ベンゾフリル(例えば、3-、4-、5-、6-及び7-ベンゾフリルを含む)、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,2-ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチエニル(例えば、3-、4-、5-、6-及び7-ベンゾチエニルを含む)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(例えば、2-ベンゾチアゾリル及び5-ベンゾチアゾリルを含む)、プリニル、ベンズイミダゾリル(例えば、2-ベンズイミダゾリルを含む)、ベンゾトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジジニル及びキノリジジニルが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用する用語「置換された」は、原子又は原子群が、別の基に付着した置換基として水素を置換したことを意味する。
【0040】
本明細書で使用する用語法「から選択される」(例えば、「R4は、A、B及びCから選択される」)は、用語法「から成る群から選択される」(例えば、「R4は、A、B及びCから成る群から選択される」)に対応するものとして理解される。
【0041】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)の化合物に関し、ここでカルボン酸生物学的等価体は、-S(=O)
2(OH)、-P(=O)(OH)
2、-C(=O)NHOH、C(=O)NHCN、1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン若しくは3-ヒドロキシ-4-メチルシクロブト-3-エン-1,2-ジオンである。これは、以下の構造:
【化2】
を指す。
【0042】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、環Bは、それぞれが任意選択的にNである1個のヘテロ原子を含み、それぞれが任意選択的にハロゲン、=O、-OH、-CN、C1~C4アルキル、C1~C4アルキルオキシ及びヒドロキシC1~C4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている5~7員の飽和環から選択される)の化合物に関する。
【0043】
一実施形態は、下記の一般式を満たす化合物から成る群から選択される式(I):
【化3】
の化合物に関する。
【0044】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、R1は、それぞれが任意選択的にF及びC1~C6アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されている、チアゾリル、ピリジル及びオキサゾリルから成る群から選択される)の化合物に関する。
【0045】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)の化合物に関し、R1は、チアゾリルである。
【0046】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、R2は、それぞれがR4、R5及びR6(式中、R4、R5及びR6は、独立してH、-OH、-CN、C1~C4アルキル及びハロゲンから成る群から選択される)で置換されているフェニル、チオフェニル及びピリジルから成る群から選択される)の化合物に関する。
【0047】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、R2は、R4、R5及びR6(式中、R4、R5及びR6は、独立してH、-CN、-CH3、F、Cl及びBrから成る群から選択される)で置換されたフェニルである)の化合物に関する。
【0048】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、R3は、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)の化合物に関する。
【0049】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、R7は、-SO2-Q-R8、-C(=O)OC1~C6アルキル-COOH、-C(=O)NHC1~C6アルキル-COOH、-C(=O)O-Q-COOH、-C(=O)NH-Q-COOH、-C(=O)C1~C6アルキル-R8、-NHC1~C6アルキル-R8、-C1~C6アルキル-R8、-(CH2)p-R8及び-(CH2)p-Q-R8から成る群から選択される)の化合物に関する。
【0050】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、R8は、-C1~C6アルキル-COOH、-COOH、-C(=O)NHS(=O)2C1~C6アルキル及びテトラゾリルから成る群から選択される)の化合物に関する。
【0051】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、Qは、アリール、ヘテロアリール及びそれぞれが任意選択的にR9で置換された3~8員の飽和環から成る群から選択され、その3~8員の飽和環は、任意選択的にヘテロ原子を含有し、ヘテロ原子はN若しくはOであり;及びR9は、H、-C1~C6アルキルから成る群から選択される)の化合物に関する。
【0052】
一実施形態は、本明細書に規定した式(I)(式中、pは、0、1若しくは2の整数である)の化合物に関する。
【0053】
一実施形態は、以下の式:
【化4】
【化5】
【化6】
を満たす化合物から成る群から選択される化合物に関する。
【0054】
開示した化合物は、1つ以上の立体中心を有する可能性があり、各立体中心は、R又はS立体配置の何れかにおいて独立して存在し得る。幾つかの化合物については、絶対立体化学が未決定であるときは、指定された中心における立体化学的構造は、「R*」、「S*」、「*R」若しくは(*S)として指定されるが、化合物自体は単一の立体異性体として単離されており、また、エナンチオマー的/ジアステレオマー的に純粋である。一実施形態では、本明細書に記載した化合物は、光学活性体又はラセミ体で存在する。本明細書に記載した化合物は、本明細書に記載した治療上有用な特性を有するラセミ体、光学活性体、位置異性体及び立体異性体又はそれらの組み合わせを包含することを理解されたい。
【0055】
光学活性体の調製は、非限定的な例として、再結晶技術によるラセミ体の分解、光学活性出発物質からの合成、キラル合成又はキラル固定相を使用したクロマトグラフィー分離を含む任意の好適な方法において達成される。一実施形態では、1つ以上の異性体の混合物は、本明細書に記載した開示化合物として利用される。別の実施形態では、本明細書に記載した化合物は、1つ以上のキラル中心を含有する。これらの化合物は、立体選択的合成、エナンチオ選択的合成又はエナンチオマー若しくはジアステレオマーの混合物の分離を含む任意の手段により調製される。化合物及びその異性体の分解は、非限定的な例として、化学プロセス、酵素プロセス、分別結晶化、蒸留及びクロマトグラフィーを含む任意の手段により達成される。
【0056】
化合物の絶対R又はS立体化学が決定できないとき、それは、クロマトグラフィーカラム、溶離液等により決定される特定のクロマトグラフィー条件下でのクロマトグラフィー後の保持時間によって同定され得る。
【0057】
一実施形態では、開示した化合物は、互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書に提示される化合物の範囲内に含まれる。
【0058】
本明細書に記載した化合物はまた、同位体標識化合物を含み、ここで、1つ以上の原子は、同じ原子番号を有するが、自然界で通常見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換される。本明細書に記載した化合物に含めるのに好適な同位体の例としては、2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32P及び35Sが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、同位体標識化合物は、薬物若しくは基質の組織分布試験において有用である。別の実施形態では、重水素等のより重い同位体による置換により、より大きな代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加又は投与量要件の低減)がもたらされる。
【0059】
さらに別の実施形態では、陽電子放出同位体、例えば11C、18F、15O及び13N等による置換は、基質受容体占有率を試験するための陽電子放射トポグラフィー(PET)試験において有用である。同位体標識化合物は、任意の好適な方法により、又は別途用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用するプロセスにより調製される。
【0060】
一実施形態では、本明細書に記載した化合物は、発色団若しくは蛍光部分、生物発光標識又は化学発光標識の使用を含むが、これらに限定されない他の手段により標識される。
【0061】
本明細書に記載した化合物及び異なる置換基を有する他の関連化合物は、本明細書に記載した技術及び材料並びに当業者に知られる技術を使用して合成される。本明細書に記載した化合物の調製のための一般的な方法は、本明細書に提供される式で見出される種々の部分の導入のための適切な試薬及び条件の使用により改変される。
【0062】
本明細書に記載した化合物は、市販の供給源から入手可能である、又は本明細書に記載した手順を使用して調製される化合物から開始する任意の好適な手順を使用して合成される。
【0063】
方法
本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染を治療する方法であって、治療有効量の開示した化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0064】
また、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染を根絶する方法であって、治療有効量の開示した化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0065】
本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染に関連するウイルス量を減少させる方法であって、治療有効量の開示した化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0066】
さらに、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染の再発を減少させる方法であって、治療有効量の開示した化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0067】
本明細書では、それを必要とする個体においてHBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子の形成又は存在を阻害するか又は減少させる方法であって、治療有効量の開示した化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0068】
所定の態様では、本明細書に記載した方法及び/又は組成物は、インビトロ又はインビボ(例えば、細胞内、組織内、臓器内(例えば、肝臓内)、生体内等)においてHBV関連粒子の形成又は存在を阻害するか又は減少させるのに有効である。HBV関連粒子は、HBV DNA(即ち、線状及び/又は共有結合閉環状DNA(cccDNA))及び/又はHBV RNA(即ち、プレゲノムRNA及び/又はサブゲノムRNA)を含有し得る。従って、HBV関連粒子としては、HBV DNA含有粒子又はHBV RNA含有粒子が挙げられる。
【0069】
本明細書で使用する「HPV関連粒子」は、感染性HBVビリオン(即ち、デーン粒子)及び非感染性HBVサブウイルス粒子(即ち、HBVフィラメント及び/又はHBVスフェア)の両方を指す。HBVビリオンは、表面タンパク質を含む外殻、コアタンパク質を含むヌクレオカプシド、少なくとも1つのポリメラーゼタンパク質及びHBVゲノムを含む。HBVフィラメント及びHBVスフェアは、HBV表面タンパク質を含むが、コアタンパク質、ポリメラーゼ及びHBVゲノムを欠く。HBVフィラメント及びHBVスフェアは、合わせて表面抗原(HBsAg)粒子としても知られる。HBVスフェアは、中型及び小型のHBV表面タンパク質を含む。HBVフィラメントは、中型、小型及び大型HBV表面タンパク質も含む。
【0070】
HBVサブウイルス粒子は、非粒子状又は分泌性HBeAgを含む場合があり、これはHBVの活性複製のマーカーとして機能する。
【0071】
本明細書では、HBV感染の生理的悪影響の低減を必要とする個体においてそれを低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0072】
また本明細書では、HBV感染の低減、遅延、又は阻害を必要とする個体においてそれを低減させるか、遅延させるか、又は阻害する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0073】
本明細書では、HBV感染に由来する肝損傷の回復の誘導を必要とする個体においてその回復を誘導する方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0074】
本明細書では、HBV感染に対する長期抗ウイルス療法の生理的影響の低減を必要とする個体においてそれを低減させる方法であって、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0075】
本明細書では、HBV感染の予防的治療を必要とする個体においてHBV感染を予防的に治療する方法であって、この個体が、潜在性HBV感染に罹患しており、方法は、治療有効量の本開示の化合物をその個体に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0076】
一実施形態では、個体は、他の治療クラスのHBV薬(例えば、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、文献に記載されるカプシド集合調節剤、異なる若しくは未知の機構の抗ウイルス化合物等、又はそれらの組み合わせ)に抵抗性である。別の実施形態では、開示した方法は、HBV感染症に罹患している個体におけるウイルス量を、他の治療クラスのHBV薬が個体におけるウイルス量を減少させる程度と比較してより大きい程度まで又はより速い速度で減少させる。
【0077】
一実施形態では、開示した化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する工程により、それを必要とする個体においてHBV感染を予防的に治療する際と同様の結果を達成することが要求される少なくとも1種の追加の治療剤の単独での投与と比較して、より少ない用量又は頻度で少なくとも1種の追加の治療剤を投与する工程が可能になる。
【0078】
一実施形態では、開示した化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与する工程により、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、異なるカプシド集合調節剤、異なる若しくは未知の機構の抗ウイルス化合物及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される化合物の投与と比較してより大きな程度まで又はより速い速度で個体におけるウイルス量を減少させる。
【0079】
一実施形態では、開示した方法は、HBV感染に罹患している個体におけるウイルス量を減少させ、従ってより少ない用量又は組み合わせ療法の様々なレジメンを使用することを可能にする。
【0080】
一実施形態では、開示した方法は、他のクラスのHBV薬と比較して、ウイルス変異又はウイルス耐性の発生率を低下させ、それにより長期間の療法を可能にし、且つ治療レジメンの変更の必要性を最小限に抑える。
【0081】
一実施形態では、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与する工程は、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、ウイルス成熟阻害剤、異なるカプシド集合調節剤、異なる若しくは未知の機構の抗ウイルス化合物及びそれらの組み合わせから成る群から選択される化合物の投与よりウイルス変異又はウイルス耐性の発生率を低下させる。
【0082】
一実施形態では、開示した方法は、HBV感染から非HBV感染へ、又は検出可能なHBVウイルス量から検出不可能なHBVウイルス量へのセロコンバージョン率を既存の治療レジメンよりも上昇させる。本明細書で使用する「セロコンバージョン」は、HBV抗体が生じ、検出可能になる期間を指す。
【0083】
一実施形態では、開示した方法は、それを必要とする個体において、健康な状態を増大させるか若しくは常態化するか若しくは回復させるか、健康な状態の完全な回復を誘発するか、寿命を回復させるか、又はウイルス感染を消散させる。
【0084】
一実施形態では、開示した方法は、HBV感染細胞から放出されるHBV RNA粒子の数を消失させるか又は減少させ、従って開示した化合物の治療効果を増強させる、遷延させる、又は増大させる。
【0085】
一実施形態では、開示した方法は、HBVに感染した個体からHBVを根絶し、それにより長期間若しくは生涯に渡る治療の必要性をなくす、又は治療期間を短くする、又は他の抗ウイルス剤の投薬の低減を可能にする。
【0086】
別の実施形態では、開示した方法はさらに、対象のHBVウイルス量のモニタリング又は検出を含むが、ここでこの方法は、一定期間、例えばHBVウイルスが検出不可能となるまで実施される。
【0087】
従って、一実施形態では、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0088】
従って、一実施形態では、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0089】
別の実施形態では、本明細書では、それを必要とする個体においてHBV感染を治療する方法であって、治療有効量の表1の化合物又はその薬学的に許容される塩をその個体に投与する工程を含む方法が提供される。
【0090】
本明細書で提供する方法の何れかの実施形態では、方法はさらに、対象のHBVウイルス量をモニタリングすることを含み得るが、その方法は、HBVウイルスが検出不可能となるような期間に渡り実施される。
【0091】
組み合わせ療法
開示した化合物は、HBV感染又はHBV関連性若しくはHBV誘導性疾患、又は肝疾患を治療するために有用な1種以上の追加の化合物との組み合わせにおいて有用であり得る。これらの追加の化合物は、他の開示した化合物及び/又はHBV感染若しくはHBV関連性若しくはHBV誘導性疾患若しくは肝疾患の症状又は作用を治療するか、予防するか、又は低減することが知られる化合物を含み得る。
【0092】
特に、一態様では、それを必要とする哺乳動物におけるHBV感染又はHBV誘導性疾患の予防又は治療における同時、別々又は順次の使用のために組み合わせられた製剤として第1の化合物及び第2の化合物を含む生成物であって、前記第1の化合物は、前記第2の化合物と異なり、前記第1の化合物は、本出願の化合物若しくは薬学的に許容される塩又は本出願の医薬組成物であり、且つ前記第2の化合物は、HBV組み合わせ薬剤、HBV DNAポリメラーゼ阻害剤、免疫調節剤トール様(TLR)受容体調節剤、インターフェロンα受容体リガンド、ヒアルロニダーゼ阻害剤、B型肝炎表面抗原(HbsAg)阻害剤、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(ipi4)阻害剤、シクロヒリン(cyclohilin)阻害剤、HBVウイルス侵入阻害剤、ウイルスmRNAを標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチド、短い干渉RNA(siRNA)及びddRNAiエンドヌクレアーゼ調節剤、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、HBV E抗原阻害剤、共有結合閉環状DNA(cccDNA)阻害剤、ファルンソイド(farnsoid)X受容体アゴニスト、HBV抗体、CCR2ケモカインアンタゴニスト、チモシンアゴニスト、サイトカイン、核タンパク質調節剤、レチノイン酸誘導性遺伝子1刺激剤、NOD2刺激剤、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(P13K)阻害剤、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)経路阻害剤、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、組み換えチモシンα-1、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、KDM阻害剤、HBV複製阻害剤、アルギナーゼ阻害剤及び(他の)抗HBV薬剤から成る群から選択される別のHBV阻害剤である生成物が提供される。
【0093】
1種以上の追加の化合物は、例えば、インターフェロン(例えば、インターフェロンα-2aは、ペグ化インターフェロンα-2a(PEGASYS)である)、ヌクレオシド若しくはヌクレオチド又は非ヌクレオシド(ヌクレオチド)ポリメラーゼ阻害剤、免疫調節剤(例えば、とりわけIL-12、IL-18、IFN-α、-β及び-γ並びにTNF-α)、TLRアゴニスト、siRNA及びアンチセンスオリゴヌクレオチドから選択され得る。
【0094】
別の実施形態では、開示した化合物及び少なくとも1種の追加の治療剤は、同時配合される。さらに別の実施形態では、開示した化合物及び少なくとも1種の追加の治療剤は、同時投与される。
【0095】
本明細書に記載した任意の組み合わせ療法に関して、相乗効果は、例えば、Sigmoid-Emax式(Holford & Scheiner,19981,Clin.Pharmacokinet.6:429-453)、Loewe相加性の式(equation of Loewe additivity)(Loewe & Muischnek,1926,Arch.Exp.Pathol Pharmacol.114:313-326)、及び半数効果式(median-effect equation)(Chou & Talalay,1984,Adv.Enzyme Regul.22,27-55)などの好適な方法を用いて計算され得る。上記で言及した各式を実験データに適用して、対応するグラフを作成し、薬物の組み合わせの効果の評価を支援することができる。上記の式に付随する対応するグラフは、それぞれ濃度-効果曲線、アイソボログラム曲線及び組み合わせ指数曲線である。
【0096】
本明細書で提供する組み合わせ療法を施す方法の何れかの実施形態では、本方法は、対象のHBVウイルス量をモニタリング又は検出することをさらに含む場合があり、本方法は、HBVウイルスが検出不可能となるまでを含む期間に渡り実施される。
【0097】
投与/投与量/製剤
別の態様では、本明細書では、薬学的に許容される担体と共に、少なくとも1種の本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
【0098】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性をもたらすことなく、特定の患者、組成物及び投与様式について所望の治療応答を得るのに有効である活性成分の量を得るように変動し得る。
【0099】
特に、選択された投与量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、投与時間、化合物の排出速度、治療期間、化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物又は物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全般的な健康状態及び既往歴並びに医学分野において周知の同様の因子等の種々の因子に依存することになる。
【0100】
特定の実施形態では、化合物は、投与の容易さ及び投与量の均一性のための投与単位剤形で製剤化される。本明細書で使用する投与単位形態は、治療される患者のための単位投与量として適した物理的に異なる単位を指し;各単位は、要求される薬剤溶媒と関連して所望の治療効果を生じるように計算された開示した化合物の所定量を含有する。本発明の投与単位剤形は、(a)開示した化合物の特有の特徴及び達成すべき特定の治療効果、並びに(b)患者におけるHBV感染の治療のためのこのような開示した化合物の配合/製剤化の技術に固有の制限により規定され、且つ直接的に依存する。
【0101】
一実施形態では、本発明の組成物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤又は担体を使用して製剤化される。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、治療有効量の開示した化合物及び薬学的に許容される担体を含む。
【0102】
幾つかの実施形態では、開示した化合物の用量は、約1mg~約2,500mgである。幾つかの実施形態では、本明細書に記載した組成物中で使用される開示した化合物の用量は、約10,000mg未満、又は約8,000mg未満、又は約6,000mg未満、又は約5,000mg未満、又は約3,000未満、又は約2,000mg未満、又は約1,000mg未満、又は約500mg未満、又は約200mg未満、又は約50mg未満である。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書に記載した第2の化合物(即ち、HBV治療のための別の薬物)の用量は、約1,000mg未満、又は約800mg未満、又は約600mg未満、又は約500未満、又は約400mg未満、又は約300mg未満、又は約200mg未満、又は約100mg未満、又は約50mg未満、又は約40mg未満、又は約30mg未満、又は約25mg未満、又は約20mg未満、又は約15mg未満、又は約10mg未満、又は約5mg未満、又は約2mg未満、又は約1mg未満、又は約0.5mg未満、及びそのあらゆる全体的又は部分的な増分である。
【0103】
一実施形態では、本発明は、治療有効量の開示した化合物を、単独で又は第2の医薬品と組み合わせて保持する容器;及び、患者におけるHBV感染の1つ以上の症状を治療するか、予防するか、又は低減するための化合物の使用説明書を含む包装された医薬組成物に向けられる。
【0104】
本発明の組成物の何れかの投与経路としては、経口、経鼻、直腸、膣内、非経口、頬側、舌下又は局所が挙げられる。本発明における使用のための化合物は、任意の好適な経路、経口又は非経口、例えば経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌、(経)頬、(経)尿道、膣(例えば、経膣及び膣周囲)、鼻(内)及び(経)直腸)、膀胱内、肺内、十二指腸内、胃内、髄腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、気管支内、吸入及び局所投与等による投与のために製剤化され得る。
【0105】
好適な組成物及び剤形としては、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット、丸剤、ゲルキャップ、トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、シロップ剤、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、粉末、ペレット剤、マグマ剤、ロゼンジ剤、クリーム剤、ペースト剤、硬膏剤、ローション剤、ディスク剤、坐剤、鼻腔又は経口投与用の液体スプレー、吸入用の乾燥粉末又はエアロゾル化製剤、膀胱内投与用のための組成物及び製剤等が挙げられる。本発明において有用であり得る製剤及び組成物は、本明細書に記載した特定の製剤及び組成物に限定されないことが理解されるべきである。
【0106】
経口適用に関して、特に好適なのは、錠剤、糖衣錠、液剤、滴剤、坐剤又はカプセル剤、カプレット及びゲルキャップである。経口使用が意図される組成物は、当技術分野で知られる任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、錠剤の製造に好適な不活性で無毒性の医薬的賦形剤から成る群から選択される1種以上の薬剤を含有し得る。そのような賦形剤としては、例えば、ラクトース等の不活性希釈剤;コーンスターチ等の造粒剤及び崩壊剤;デンプン等の結合剤;並びにステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤が挙げられる。錠剤は、コーティングされていなくてもよいか、又はそれらは、簡潔さのため、若しくは活性成分の放出を遅延させるために、既知の技術によりコーティングされ得る。経口使用のための配合物は、活性成分が不活性希釈剤と混合されている硬質ゼラチンカプセルとしても提供され得る。
【0107】
非経口投与のために、開示した化合物は、注射又は注入、例えば静脈内、筋肉内若しくは皮下注射若しくは注入又はボーラス用量での投与若しくは持続注入のために配合され得る。懸濁剤、安定剤又は分散剤等のその他の配合剤を任意選択的に含有する油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンを使用することができる。
【0108】
当業者であれば、日常的な実験を行なうだけで、本明細書に記載した特定の手順、実施形態、特許請求の範囲、及び実施例の多数の均等物を認識又は確認することができよう。そのような等価物は、本発明の範囲内であり、且つ添付の特許請求の範囲の対象となると見なされた。例えば、当技術分野において認知された代替法を用いて、日常的な実験だけを使用し、反応時間、反応サイズ/容積、及び例えば溶媒、触媒等の実験試薬、圧力、例えば窒素雰囲気等の大気条件、並びに還元剤/酸化剤等を含むが、これらに限定されない反応条件における改変が本出願の範囲内であることを理解すべきである。
【0109】
本明細書において値及び範囲が提供される場合には必ず、これらの値及び範囲に包含される全ての値及び範囲が本発明の範囲内に包含されるものとすることを理解されたい。さらに、これらの範囲内に入る全ての値並びに値の範囲の上限又は下限も本願により企図されている。
【0110】
「含んでいる(including)」又は「含む(containing)」と同義である用語「含んでいる(comprising)」はオープンエンドであり、且つさらなる列挙されていない要素、成分、又は方法工程を除外しないが、これに対して、用語「から成る(consisting of)」はクローズドタームであり、明示的に列挙されていない任意のさらなる要素、工程、又は成分を除外する。
【0111】
用語「から本質的に成る(essentially consisting of)」は、部分的なオープンタームであり、さらなる列挙されていない要素、工程又は成分を除外しない(これらのさらなる要素、工程又は成分が、本発明の基本的及び新規な特性に実質的に影響しない限り)。
【0112】
従って、用語「含む(comprising)」(又は「含む(comprise(s))」)は、用語「から成る(consisting of)」(「から成る(consist(s) of)」)、並びに用語「から本質的に成る(essentially consisting of)」(から本質的に成る「essentially consist(s) of」)を含む。従って、用語「含んでいる(comprising)」(又は「含む(comprise(s))」)は、本願では、特に、用語「から成る(consisting of)」(「から成る(consist(s) of)」)、及び用語「から本質的に成る(essentially consisting of)」(から本質的に成る「essentially consist(s) of」)を包含するものとして意味する。
【0113】
本願の読者を助けるため、明細書は様々なパラグラフ又はセクションに分割されている。これらの分割は、パラグラフ又はセクションの内容を、別のパラグラフ又はセクションの内容から切り離すものと見なされるべきではない。反対に、本明細書は、企図され得る様々なセクション、パラグラフ、及び文の全ての組み合わせを包含する。本明細書で引用される全ての参考文献の関連する開示の各々が、参照により具体的に組み入れられる。以下の実施例は、例示を目的として与えられるものであり、限定を目的とするものではない。
【実施例】
【0114】
次に、本発明の方法において有用な例示的な化合物を、以下のそれらの一般的調製についての例示的な合成スキーム及び続く具体例を参照することによって説明する。本明細書における様々な化合物を得るために、適宜保護を伴うか又は伴わずに、最終的に望ましい置換基が反応スキームを通して保持されて、所望の生成物を生成することになるように、出発材料が好適に選択され得ることを当業者は理解するであろう。或いは、最終的に望ましい置換基の代わりに、反応スキームを通して保持されてもよく、且つ適宜、所望の置換基で置換されてもよい、好適な基を用いることが必要であるか又は望ましい場合もある。特に明記されない限り、変数は、式(I)に関して上で定義されるとおりである。反応は、溶媒の融点と還流温度との間、好ましくは0℃と溶媒の還流温度との間で実施され得る。反応は、従来型の加熱又はマイクロ波加熱を用いて加熱され得る。反応はまた、溶媒の通常の還流温度を超える密閉圧力容器中で実行され得る。
【0115】
調製用の実施例
別段の指摘がない限り、LCMS及びNMRは、以下の一般的な方法の1つを使用することによって実施した。
【0116】
LCMS及びNMRの一般的な方法
一般的手順A
LCMS測定は、脱気装置を備えた二成分ポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン(別段の指示がない限りは40℃に設定)及び以下のそれぞれの方法において指定されるカラムを含むAgilentシステムを使用して実施した。カラムからの流れを分割して、MS及びUVスペクトロメーターに送った。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源を備えて構成した。質量スペクトルは、1.06秒/サイクルで100~1000のスキャニングによって取得した。キャピラリー電圧は、ポジティブイオン化モードに関して3kV及びネガティブイオン化モードに関して2.5kVであり、源の温度は100℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。データ取得は、Agilent Chemstationデータシステムで実施した。
【0117】
方法1
一般的手順Aに加えて:品質管理のための逆相LCMSは、ダイオードアレイ検出器(DAD)を備えたAgilent 1200によって実施し、1.5ml/分の流速でSunfire C18カラム(5μm、4.6×50mm)上で実行した。2つの移動相(移動相A1:水中の0.02%の酢酸アンモニウム;移動相A2:水中の0.1%のTFA;移動相B1:アセトニトリル)を4.0分間で95%のA1又はA2及び5%のBから5%のA1又はA2及び95%のBになる勾配条件を実行するために利用した。1~10μlの注入体積を使用した。
【0118】
方法2
一般的手順Aに加えて:反応をモニターするための逆相LCMSは、可変波長検出器(VWD)を備えたAgilent 1260によって実施し、2.0ml/分の流速でDikma Diamonsil plus C18カラム(5μm、4.6×30mm)上で実行した。2つの移動相(移動相A1:H2O+0.02%の酢酸アンモニウム+5%のACN;移動相A2:H2O+0.1%のTFA+5%のACN;移動相B:アセトニトリル)を、1.4分間で95%のA1又はA2及び5%のBから5%のA1又はA2及び95%のBになる勾配条件を実行するために利用した。1~5μlの注入体積を使用した。
【0119】
方法3
一般的手順Aに加えて:反応をモニターするための逆相LCMSは、Agilent 6120(固定相 Sunfire C18 2.5μm、3.0×30mm。移動相:水中の0.01%のFA溶液、及びACN、2.5分間で5%のACN:95%の勾配及び1分間の95%)によって実施した。
【0120】
一般的手順B
LCMS測定は、脱気装置を備えた四成分ポンプ、オートサンプラー、光ダイオードアレイ検出器(PAD)及び下記のそれぞれの方法で指定したとおりのカラムを含むUPLC(超高速液体クロマトグラフィー)Acquity(Waters)システムを使用して実施し、カラムは40℃の温度で保持した。カラムからの流れを、MS検出器に送った。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源とともに構成した。質量スペクトルは、0.25秒/サイクルで100:1000のスキャニングによって取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、源温度は120℃で維持された、コーン電圧は、ポジティブイオン化モードに関して30V及びネガティブイオン化モードに関して30Vであった。窒素をネブライザーガスとして使用した。データ取得は、Waters-Micromass MassLynx-Openlynxデータシステムで実施した。
【0121】
逆相UPLCは、0.5ml/分の流速でWaters Acquity BEH(架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド)C18カラム(1.7μm、2.1×50mm)上で実行した。2つの移動相(移動相A:95%(H2O+0.02%の酢酸アンモニウム+5%ACN);移動相B:アセトニトリル;移動相C:95%(H2O+0.1%のTFA+5%のACN)を採用して、1分間で95%のA又はC及び5%のBから5%のA又はC及び95%のBまでの勾配条件を実行した。0.5μlの注入体積を使用した。
【0122】
一般的手順C
逆相の調製は、脱気装置を有さない2ユニットのポンプ、UV/Vis検出器及び下記の各方法で指定されるカラムを備えるシステムを使用して実施した。カラムからの流れを分割して、UVスペクトロメーターに送った。
【0123】
方法1
一般的手順Cに加えて:分取逆相LCは、15~20ml/分の流速でオートサンプラー、Xbridge分取C18 OBDカラム(5μm、19×150mm)を備えたGilson上で実行した。2つの移動相(移動相A1:H2O(0.1%炭酸水素アンモニウム);移動相A2:H2O(水酸化アンモニウム);移動相A3:H2O(0.1%TFA);移動相B:アセトニトリル)は、95%のA1又はA2又はA3及び5%のBから20%のA1又はA2又はA3及び80%のBになる勾配条件を実行するために利用した。データ取得は、Trilution LCデータシステムで実施した。
【0124】
方法2
一般的手順Cに加えて:逆相調製は、30~100ml/分の流速とともに逆相SW-5231 C18カラム(40~60μm、120Å、18g、40g、130g)によりLisure Science Ltd.からの自動中圧フラッシュ分離-Compact精製装置上で実行した。2つの移動相(移動相A1:H2O(0.1%の炭酸水素アンモニウム);移動相A2:H2O(水酸化アンモニウム);移動相A3:H2O(0.1%の塩酸);移動相A4:H2O;移動相B:アセトニトリル)は、95%のA1又はA2又はA3又はA4及び5%のBから5%のA1又はA2又はA3又はA4及び95%のBになる勾配条件を実行するために利用された。データ取得は、Compactデータシステムで実施した。
【0125】
方法3
一般的手順Cに加えて:分取逆相LCは、20ml/分の流速でオートサンプラー、Xbridge分取C18 OBDカラム(5um、19*150mm)を備えたWaters上で実行した。2つの移動相(移動相A:H2O(0.1%の炭酸水素アンモニウム);移動相B:アセトニトリル)は、95%のA及び5%のBから50%のA及び50%のBになる勾配条件を実行するために利用された。データ取得は、Waters MassLynxデータシステムで実施した。
【0126】
一般的手順D
キラル測定は、オートサンプラー、カラムオーブン(他に指定されない限りは周囲温度に設定)、ダイオードアレイ検出器(DAD)及び下のそれぞれの方法において指定されるカラムを含むシステムを使用して実施した。カラムからの流れを分割して、UVスペクトロメーターに送った。LCスペクトルは、1.2nmのスリット幅を使用する重水素ランプによる190nm~400nm及びタングステンランプによる401nm~800nmのスキャニングによって取得した。Daicel Chiral technologies(China)Ltd.からのキラルchiralpak又はchiralcelカラムは、異なる充填材に応じて2つの型に分割される:型1:IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH;型2:AD-H、AS-H、OD-H、OJ-H。
【0127】
方法1:
一般的手順Dに加えて:キラルHPLCは、脱気装置、キラル分析のための1.0ml/分の流速によるキラルカラム(5um、4.6*250mm)又はキラル調製のための10~20ml/分の流速によるキラルカラム(5um、20*250mm)を備えた四成分ポンプを有するAgilent 1200又はShimadzu LC-20A上で実行した。移動相は、MeOH、EtOH、Hex、IPA等の間で異なる比である。データ取得は、Agilent ChemStation又はShimadzu LabSolutionsデータシステムで実施した。
【0128】
方法2:
一般的手順Dに加えて:キラル分析は、2~3ml/分の流速を有するカラムオーブン(40℃)を備えたWaters-TharSFC上で実行し、データ取得は、TharSFC Chrom Scopeデータシステムで実施した。キラル調製は、45~60ml/分の流速によりWaters-SFC-80上で実行し、データ取得は、Waters-TharSFC SuperChromデータシステムで実施した。移動相はCO2及びMeOHであり、EtOHは、共溶媒として使用され得る。
【0129】
一般的手順E
下記のNMR実験は、内部重水素ロックを使用し、且つZ-勾配を有するBBO 400MHz S1 5mm;400MHzのためのPLUS(2H、1H、BBF)プローブヘッド及び300MHzのためのDUL 300MHz S1 5mm Z-勾配(2H、1H、13C)プローブヘッドを備えたNMRスペクトロメーターを周囲温度で使用して実行した。化学シフト(δ)は、百万分率(ppm)で報告した。
【0130】
方法1:
一般的手順Eに加えて:Bruker Avance III 400MHzスペクトロメーターを使用して、NMR実験を測定した。
【0131】
方法2:
一般的手順Eに加えて:Bruker Avance Neo 400MHzスペクトロメーターを使用して、NMR実験を測定した。
【0132】
方法3:
一般的手順Eに加えて:ZKNJ BIXI-1 300MHzスペクトロメーターを使用して、NMR実験を測定した。
【0133】
方法4:
一般的手順Eに加えて:Bruker Ascend 400MHzスペクトロメーターを使用して、NMR実験を測定した。
【0134】
下記では、本発明の方法において有用な例示的な化合物について、以下のそれらの一般的調製についての例示的な合成スキーム及び続く具体例を参照することによって説明する。
【0135】
【0136】
一般的スキーム2
【化8】
化合物Iの調製を上記のスキーム1及びスキーム2に示した。
【0137】
化合物Vは、NaOAc等の塩基の存在下で、アルデヒドII、アセトアセテートIII及びアミジンIVを縮合することにより調製することができる(方法A)。化合物VI(式中、LGは、例えばブロモ等の脱離基を表す)は、N-ブロモスクシンイミド等の臭素化試薬を使用して化合物Vから調製することができる(方法B)。トリエタノールアミン等の塩基の存在下で化合物VIと化合物VIIとをカップリングすることにより、化合物Iが得られる(方法C)。又は、化合物Vをキラル分離に供して、その単一の立体異性体である化合物Va及び化合物Vbを得ることができ、化合物VIaは、N-ブロモスクシンイミド等の臭素化試薬を使用して化合物Vaから調製した(方法B)。トリエタノールアミン等の塩基の存在下での化合物VIaと化合物VIIとのカップリングにより、化合物Iaが得られる(方法C)。
【0138】
方法A:
【化9】
エタノール若しくはメタノール等の溶媒中の一般式III(1当量)のケトエステルの溶液に、一般式IIのアルデヒド(1当量)、一般式IVのカルボキサミジン塩酸塩(1当量)及び酢酸ナトリウム(1~1.2当量)等の塩基を添加した。混合物の温度を70~100℃まで上げ、窒素雰囲気下にて6時間から一晩撹拌した。室温まで冷却した後、これを濃縮乾固させた。残渣をジクロロメタン又は酢酸エチルから抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般式Vのジヒドロピリミジン生成物を得た。該当する場合、一般式Vのジヒドロピリミジン生成物の立体異性体をキラルクロマトグラフィーにより単離及び精製して、一般式Va及び一般式Vbのジヒドロピリミジン生成物を得た。
【0139】
方法B:
【化10】
四塩化炭素等の溶媒中の一般式V若しくはVa(1当量)のジヒドロピリミジン溶液に、N-ブロモスクシンイミド(0.9~1.1当量)等の臭素化試薬を室温の窒素雰囲気下で添加した。混合物を60℃まで上げ、窒素雰囲気下で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、これを濃縮乾固させた。残渣をジクロロメタン又は酢酸エチルから抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般式VI若しくはVIaそれぞれのジヒドロピリミジン生成物を得た。
【0140】
方法C:
【化11】
ジクロロメタン等の溶媒中の一般式VII(1当量)の溶液に、トリエタノールアミン等の塩基(10当量)を室温で添加した。混合物を35℃で0.5時間撹拌し、次いでジクロロメタン等の溶媒中の一般式VI若しくはVIa(1当量)のジヒドロピリミジン溶液を窒素雰囲気下で添加した。混合物を40℃まで上げ、窒素雰囲気下で2時間撹拌した。0℃まで冷却した後、反応混合物を氷水と塩酸塩水溶液(1.0M)との混合物中に注ぎ入れた。得られた混合物をジクロロメタン又は酢酸エチルから抽出し、水、塩水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残渣を得て、これをC18カラムにより精製して、一般式I若しくはIaそれぞれのジヒドロピリミジン生成物を得た。
【0141】
化学
本発明の化合物を調製するための幾つかの方法を以下に説明する。他に言及されない限り、全ての出発材料は、商業的な供給業者から入手し、さらに精製することなく使用した。
【0142】
以下では、ACNはアセトニトリルを意味し、AcOHは酢酸を意味し、Bocはtert-ブチルオキシカルボニルを意味し、Bnはベンジルを意味し、calcd.は計算値を意味し、Cbzはベンジルオキシカルボニルを意味し、col.はカラムを意味し、conc.は濃縮物を意味し、m-CPBAは3-クロロ過安息香酸を意味し、DASTは(ジエチルアミノ)硫酸トリフルオリドを意味し、DCMはジクロロメタンを意味し、DEAはジエタノールアミンを意味し、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンを意味し、DMAPは4-(ジメチルアミノ)ピリジンを意味し、DMFはジメチルホルムアミドを意味し、DMPはDess-Martinペルヨージナンを意味し、EAは酢酸エチルを意味し、eeはエナンチオマー過剰率を意味し、ESIはエレクトロスプレーイオン化法を意味し、HATUは2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し、Hexはヘキサンを意味し、HNMRは1H NMRを意味し、HPLCは高速液体クロマトグラフィーを意味し、IPAはイソプロピルアルコールを意味し、LC-MS又はLCMSは液体クロマトグラフィー-質量分析を意味し、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを意味し、Msはメタンスルホニルを意味し、PEは石油エーテルを意味し、PMBは4-メトキシベンジルを意味し、prep.は分取を意味し、Prep-HPLCは分取HPLCを意味し、RT若しくはRtは保持時間を意味し、(s)又は(s)は固体を意味し、sat.は飽和を意味し、TBAFはテトラブチルアンモニウムフルオリドを意味し、TBSはtert-ブチルジメチルシリルを意味し、TEOAはトリエタノールアミンを意味し、TEAはトリエチルアミンを意味し、THFはテトラヒドロフランを意味し、T又はTempは温度を意味し、TsClは4-トルエンスルホニルクロリドを意味し、t-BuOKはカリウムtert-ブトキシドを意味し、Wは波長を意味する。
【0143】
実施例1:
化合物VIa-1:(R*)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
中間体V-1:エチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)(方法Aを用いて例示する):
エタノール(200mL)中の2-クロロ-4-フルオロベンズアルデヒド(10.0g、63.1mmol)の溶液に、エチル3-オキソブタノエート(8.20g、63.1mmol)、チアゾール-2-カルボキシイミドアミド塩酸塩(10.3g、63.1mmol)及び酢酸ナトリウム(5.20g、63.1mmol)を室温で加えた。混合物を80℃で一晩撹拌した。これを室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1)により精製して、標題の化合物(14.0g、純度90%、収率58%)を黄色の固体として得た。LC-MS(ESI):RT=1.75分、C17H15ClFN3O2Sの質量計算値379.1、m/z実測値380.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.83(d,J=3.2Hz,0.3H),7.81-7.80(m,1.4H),7.50(d,J=3.6Hz,0.3H),7.46(br s,0.3H),7.43(d,J=3.2Hz,0.7H),7.36-7.32(m,1H),7.14-7.11(m,1H),6.94-6.89(m,1H),6.20(s,0.7H),6.08(s,0.3H),4.10-4.01(m,2H),2.57(s,0.7H),2.51(s,2.3H),1.15-1.11(t,J=7.2Hz,3H).
【0144】
エチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるV-1(1.00g、純度90%、2.37mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IE 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(10mL/分);温度:30℃;波長:254nm)により分離して、標題の化合物Va-1(400mg、純度98.1%、収率44%、100%のee)及びVb-1(405mg、純度98.6%、収率40%、99.7%のee)を黄色の固体として得た。
【0145】
中間体Va-1:LC-MS(ESI):RT=4.295分、C17H15ClFN3O2Sの質量計算値379.1、m/z実測値380.1[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm;RT=7.663分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.83(d,J=3.2Hz,0.3H),7.80(d,J=2.8Hz,1H),7.50(d,J=3.2Hz,0.3H),7.43(d,J=3.2Hz,1H),7.36-7.32(m,1H),7.14-7.11(m,1H),6.94-6.89(m,1H),6.20(s,0.7H),6.08(s,0.3H),4.08-4.01(m,2H),2.57(s,0.8H),2.51(s,2.2H),1.13(t,J=7.2Hz,3H).
【0146】
中間体Vb-1:LC-MS(ESI):RT=3.578分、C17H15ClFN3O2Sの質量計算値379.1、m/z実測値380.1[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=9.471分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.83(d,J=3.2Hz,0.3H),7.80(d,J=2.8Hz,1H),7.50(d,J=3.2Hz,0.3H),7.43(d,J=3.2Hz,1H),7.36-7.32(m,1H),7.14-7.11(m,1H),6.94-6.89(m,1H),6.20(s,0.7H),6.08(s,0.3H),4.08-4.00(m,2H),2.57(s,0.8H),2.51(s,2.2H),1.13(t,J=7.2Hz,3H).
【0147】
化合物VIa-1:(R*)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)(方法Bを用いて例示する):
四塩化炭素(15mL)中の(R*)-エチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVa-1(200mg、純度98.1%、0.518mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(100mg、0.579mmol)を加えた。65℃で0.5時間に渡り撹拌した後、反応を室温に冷却し、ジクロロメタン(20mL)により希釈し、水(10mL)で2回、塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去するために減圧下で蒸発させた。残渣を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、所望の化合物(137mg、純度98%、収率57%)を黄色の固体として得た。LC-MS(ESI):RT=1.80分、C17H14BrClFN3O2Sの質量計算値457.0、m/z実測値458.0[M+H]+。
【0148】
連続的反応による、アリールアルデヒド(II)、ケトエステル(III)及びカルボキサミジン(IV)を組み込んだ一般式Va/VIaのジヒドロピリミジンの調製は、以下の表1に示した:
【0149】
【0150】
【0151】
中間体V-2:エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.86(s,0.8H),9.52(d,J=2.8Hz,0.2H),8.00-7.98(m,0.4H),7.96(d,J=3.2Hz,0.8H),7.88(d,J=2.8Hz,0.8H),7.20-7.15(m,1.2H),7.06-6.99(m,1.8H),5.83(s,0.8H),5.73(d,J=3.2Hz,0.2H),3.99-3.93(m,2H),2.48(s,2.4H),2.45(s,1.2H),2.44(s,1.2H),2.41(s,0.3H),2.40(s,0.3H),2.37(s.0.6H),1.08-1.02(m,3H).
【0152】
中間体V-2は、キラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak OJ-H 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=90:10:0.3(15mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、Va-2及びVb-2を黄色の固体として得た。
【0153】
中間体Va-2:キラル分析(カラム:Chiralpak OJ-H 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=85:15:0.2(1.0mL/分);温度:30℃;波長:230nm;RT=7.251分)。Va-2を遠心分離して、報告されたデータと一致する以下の化学的分割により絶対S立体化学を得た(J.Med.Chem.,2017,60(8),pp3352-3371)。旋光度:[a]D
20-24o(c 0.10、MeOH)。
【0154】
中間体Vb-2:キラル分析(カラム:Chiralpak OJ-H 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=85:15:0.2(1.0mL/分);温度:30℃;波長:230nm;RT=9.072分)。旋光度:[a]D
20+35o(c 0.10、MeOH)。
【0155】
中間体VIa-2:(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-2から合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.84分、C18H17BrFN3O2Sの質量計算値437.0、m/z実測値440.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.22(s,0.5H),7.82(d,J=3.2Hz,1H),7.53(s,0.4H),7.44(s,0.6H),7.25-7.08(m,2.5H),6.96-6.92(s,1H),5.99(s,0.6H),5.93(s,0.4H),4.92-4.77(m,1.6H),4.67-4.65(m,0.4H),4.13-4.07(m,2H),2.53(s,1.7H),2.41(s,1.3H),1.14(t,J=7.2Hz,3H).旋光度:[a]D
20+0.093o(c 0.10、MeOH)。
【0156】
中間体V-3:エチル4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.74分、C17H15ClFN3O2Sの質量計算値379.1、m/z実測値380.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84-7.80(m,1.7H),7.50(d,J=3.6Hz,0.3H),7.47(s,0.3H),7.44(d,J=3.2Hz,0.7H),7.23-7.14(m,2H),7.09-7.01(m,1H),6.27(s,0.7H),6.14(d,J=2.4Hz,0.3H),4.13-3.98(m,2H),2.57(s,0.7H),2.52(s,2.3H),1.13-1.10(m,3H).
【0157】
エチル4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボン酸エチルであるV-3(5.45g、純度95%、13.7mmol)のラセミ混合物をキラル分離(分離条件:カラム:Chiralpak IC 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=95:5:0.3(28mL/分)、温度:30℃、波長:254nmで))、黄色の固体として表題の化合物Va-3(2.5g、1HNMRからの純度90%、収率46%、100%のee)及びVb-3(2.48g、1HNMRからの純度90%、収率46%、92.1%のee)が得られた。
【0158】
Va-3、LC-MS(ESI):RT=3.886分、C17H15ClFN3O2Sの質量計算値379.06、m/z実測値380.1[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IA 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=90:10:0.2(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=7.438分))。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84-7.80(m,1.7H),7.51-7.44(m,1.3H),7.22-7.14(m,2H),7.09-7.01(m,1H),6.27(s,0.7H),6.14(s,0.3H),4.05-4.00(m,2H),2.57(s,0.7H),2.52(s,2.3H),1.13-1.10(m,3H).
【0159】
Vb-3、LC-MS(ESI):RT=3.887分、C17H15ClFN3O2Sの質量計算値379.06、m/z実測値380.1[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IA 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=90:10:0.2(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=6.903分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84-7.80(m,1.7H),7.51-7.43(m,1.3H),7.22-7.14(m,2H),7.09-7.01(m,1H),6.27(s,0.7H),6.14(s,0.3H),4.10-3.98(m,2H),2.57(s,0.7H),2.51(s,2.3H),1.13-1.10(m,3H).
【0160】
中間体VIa-3:(R*)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-3から合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.852分、C17H14BrClFN3O2Sの質量計算値456.9、m/z実測値457.9[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.26(s,0.3H),7.84(d,J=2.8Hz,1H),7.53-7.46(m,1.7H),7.24-7.14(m,2H),7.09-7.01(m,1H),6.26(s,0.3H),6.17(s,0.7H),4.92(d,J=8.0Hz,1H),4.76(d,J=11.2Hz,0.3H),4.60(d,J=8.0Hz,0.7H),4.12(q,J=7.2Hz,2H),1.14(t,J=11.2Hz,3H).
【0161】
中間体V-4:メチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.93(d,J=3.2Hz,0.1H),7.80-7.77(m,1.8H),7.52-7.50(m,0.1H),7.41(d,J=3.2Hz,0.9H),7.20(br s,0.1H),7.16-7.00(m,2H),6.94-6.87(m,1H),6.00(s,0.9H),5.90(s,0.1H),3.60(s,3H),2.55-2.49(m,5.8H),2.40(br s,0.2H).
【0162】
メチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるV-4(1.30g、純度95%、3.58mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak AS-H 5μm 30*250mm;移動相:Hex:EtOH=75:25(15mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、標題の化合物Vb-4(610mg、1H NMRにより純度95%、収率44%、100%立体的に純粋)及びVa-4(520mg、1H NMRにより純度95%、収率40%、97.7%立体的に純粋)を黄色の油として得た。
【0163】
中間体Vb-4:キラル分析(カラム:Chiralpak AS 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=5.247分)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.93(d,J=2.8Hz,0.1H),7.80(br s,0.9H),7.78(d,J=2.8Hz,1H),7.52-7.50(m,0.1H),7.41(d,J=3.2Hz,0.9H),7.10-7.02(m,2H),6.92-6.87(m,1H),6.00(s,0.9H),5.91(s,0.1H),3.61(s,3H),2.55(s,3H),2.53(s,3H).
【0164】
中間体Va-4:キラル分析(カラム:Chiralpak AS 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=9.049分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.78(d,J=3.2Hz,2H),7.42(d,J=2.4Hz,1H),7.10-7.05(m,2H),6.92-6.89(m,1H),5.99(s,1H),3.61(s,3H),2.54(s,3H),2.53(m,3H).
【0165】
中間体VIa-4:(S*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-4から合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.23(s,1H),7.82(d,J=3.2Hz,1H),7.53-7.44(m,1H),7.12-7.07(m,2H),6.93(s,1H),5.98-5.94(m,1H),4.89-4.66(m,2H),3.65(s,3H),2.53-2.41(m,3H).
【0166】
中間体V-5:メチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.70分、C16H13ClFN3O2Sの質量計算値365.04、m/z実測値366.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84-7.83(m,0.9H),7.81-7.80(m,0.8H),7.55-7.50(m,0.6H),7.44-7.43(m,0.7H),7.33-7.26(m,1H),7.13-7.11(m,1H),6.95-6.88(m,1H),6.18(s,0.7H),6.05(s,0.3H),3.63(s,0.8H),3.60(s,2.2H),2.57(s,0.8H),2.51(s,2.2H).
【0167】
メチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるV-5(20g、純度95%、51.9mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IG 5μm 30*250mm;移動相:CO2:MeOH=70:30(55g/分);カラム温度:40℃;波長:230nm、背圧:100bar)により分離して、標題の化合物Va-5(9.46g、NMRからの純度95%、収率47%、100%ee)及びVb-5(9.5g、NMRからの純度95%、収率48%、98.0%のee)を黄色の固体として得た。
【0168】
Va-5:LC-MS(ESI):RT=1.69分、C16H13ClFN3O2Sの質量計算値365.0、m/z実測値366.0。キラル分析(カラム:Chiralpak IA 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=5.593分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84-7.83(m,1H),7.80(d,J=2.8Hz,0.7H),7.52-7.50(m,0.5H),7.44(d,J=2.8Hz,0.7H),7.34-7.30(m,1H),7.15-7.11(m,1H),6.96-6.88(m,1H),6.19(s,0.7H),6.06(d,J=2.4Hz,0.3H),3.63(s,0.8H),3.60(s,2.2H),2.57(s,0.8H),2.51(s,2.2H).
【0169】
Vb-5:LC-MS(ESI):RT=1.68分、C16H13ClFN3O2Sの質量計算値365.0、m/z実測値366.0。キラルHPLC(カラム:Chiralpak IA 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=6.827分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.85-7.82(m,1H),7.80(d,J=3.2Hz,0.7H),7.54-7.50(m,0.5H),7.43(d,J=3.2Hz,0.7H),7.34-7.30(m,1H),7.14-7.11(m,1H),6.96-6.88(m,1H),6.18(s,0.7H),6.06(d,J=2.4Hz,0.3H),3.62(s,0.8H),3.60(s,2.2H),2.57(s,0.8H),2.50(s,2.2H).
【0170】
中間体VIa-5:(R*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-5から合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.802分、C16H12BrClFN3O2Sの質量計算値442.9、m/z実測値443.9[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.29(br s,0.3H),7.84(d,J=3.2Hz,1H),7.59-7.53(m,1.4H),7.47(br s,0.3H),7.41-7.31(m,1H),7.14(d,J=8.4Hz,1H),6.99-6.90(m,1H),6.18(s,0.3H),6.09(d,J=2.0Hz,0.7H),4.93(d,J=8.4Hz,1H),4.74(d,J=11.2Hz,0.3H),4.58(d,J=8.4Hz,0.7H),3.67(s,2.1H),3.65(s,0.9H).
【0171】
中間体V-6:メチル4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.86(s,0.8H),7.83(d,J=2.8Hz,0.3H),7.80(d,J=2.8Hz,0.7H),7.55(s,0.2H),7.50(d,J=2.8Hz,0.2H),7.44(d,J=2.8Hz,0.8H),7.23-7.13(m,2H),7.11-7.00(m,1H),6.25(s,0.8H),6.11(d,J=1.6Hz,0.2H),3.62(s,0.6H),3.60(s,2.4H),2.58(s,0.6H),2.51(s,2.4H).
【0172】
メチル4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるV-6(3.00g、純度95%、7.79mmol)のラセミ混合物を、キラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IC 5μm 20*250mm、移動相:Hex:IPA:DEA=90:10:0.3(18mL/分)、温度:30℃、波長:230nm)により分離して、標題の化合物Va-6(820mg、純度96%、収率28%、100%立体的に純粋)及びVb-6(800mg、純度97%、収率27%、99.2%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0173】
化合物Va-6:LC-MS(ESI):RT=1.587分、C16H13ClFN3O2Sの質量計算値365.0、m/z実測値366.0[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:IPA:DEA=90:10:0.2(1mL/分);カラム温度:30℃;波長:254nm、RT=10.808分)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.86(s,0.7H),7.83(d,J=3.2Hz,0.2H),7.80(d,J=2.8Hz,0.8H),7.55(s,0.3H),7.50(d,J=3.2Hz,0.2H),7.44(d,J=3.2Hz,0.8H),7.22-7.13(m,2H),7.08-6.99(m,1H),6.25(s,0.8H),6.12(d,J=2.4Hz,0.2H),3.62(s,1H),3.60(s,2H),2.58(s,1H),2.51(s,2H).
【0174】
化合物Vb-6:LC-MS(ESI):RT=1.584分、C16H13ClFN3O2Sの質量計算値365.0、m/z実測値366.0[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:IPA:DEA=90:10:0.2(1Ll/分);カラム温度:30℃;波長:254nm、RT=12.482分)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.86(s,0.7H),7.83(d,J=3.2Hz,0.3H),7.80(d,J=3.2Hz,0.7H),7.56(s,0.3H),7.50(d,J=2.8Hz,0.3H),7.43(d,J=3.2Hz,0.7H),7.23-7.13(m,2H),7.09-7.00(m,1H),6.25(s,0.8H),6.11(d,J=2.0Hz,0.2H),3.60(s,3H),2.57(s,0.6H),2.52(s,2.4H).
【0175】
中間体VIa-6:(R*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-6から合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.695分、C16H12BrClFN3O2Sの質量計算値442.9、m/z実測値444.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.15-7.91(m,2H),7.41-7.31(m,2H),7.26-7.24(m,1H),6.03(s,1H),4.99-4.68(m,2H),3.56(s,3H).
【0176】
中間体V-7:メチル4-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.58分、C17H15F2N3O2Sの質量計算値363.3、m/z実測値364.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.80-7.78(m,2H),7.42(d,J=3.2Hz,1H),7.00-6.85(m,2H),5.93(s,1H),3.61(s,3H),2.58(s,1.5H),2.57(s,1.5H),2.53(s,1.5H),2.51(s,1.5H).
【0177】
メチル4-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるV-7(1.00g、純度90%、2.48mmol)のラセミ混合物を、キラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IH 5μm 30*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(18mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、所望の生成物Va-7(400mg、1H NMRからの純度90%、収率40%、100%立体的に純粋)及びVb-7(400mg、1H NMRからの純度95%、収率42%、99.9%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0178】
中間体Va-7:キラル分析(カラム:Chiralpak IH 5μm 4.6*150mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1mL/分);温度:30℃;波長:230nm;RT=4.809分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.84(br s,1H),7.78(d,J=3.2Hz,1H),7.42(d,J=3.2Hz,1H),6.96-6.86(m,2H),5.93(s,1H),3.61(s,3H),2.57(d,J=1.6Hz,3H),2.52(s,3H).
【0179】
中間体Vb-7:キラル分析(カラム:Chiralpak IH 5μm 4.6*150mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1mL/分);温度:30℃;波長:230nm;RT=7.018分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.82(br s,1H),7.79(d,J=3.2Hz,1H),7.42(d,J=3.2Hz,1H),6.97-6.88(m,2H),5.93(s,1H),3.61(s,3H),2.58(d,J=2.0Hz,3H),2.52(s,3H).
【0180】
中間体VIb-7:(S*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVb-7から合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.24(s,1H),7.83(d,J=3.6Hz,1H),7.54-7.45(m,1H),7.00-6.93(m,2H),5.91(s,1H),4.94-4.80(s,21H),3.66(s,3H),2.56-2.45(m,3H).
【0181】
中間体V-8:メチル4-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.08(d,J=2.8Hz,0.1H),7.98(d,J=2.8Hz,0.1H),7.93(d,J=2.8Hz,0.9H),7.72(d,J=2.8Hz,0.9H),7.26-7.18(m,2H),6.13(s,0.9H),6.09(s,0.1H),3.61(s,3H),2.53(s,3H).
【0182】
ラセミV-8(1.10g、2.90mmol)をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IC 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(18mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、標題の化合物Va-8(450mg、収率41%、100%立体的に純粋)及びVb-8(450mg、収率41%、99.8%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0183】
中間体Va-8:キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=6.457分)。
【0184】
中間体Vb-8:キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=7.641分)。
【0185】
中間体VIa-8:(R*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-8から合成した。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.92(d,J=3.2Hz,1H),7.80(d,J=3.2Hz,0.5H),7.70(d,J=3.2Hz,0.5H),7.32-7.17(m,2H),6.11(s,0.5H),6.09(s,0.5H),4.91(d,J=10.0Hz,0.5H),4.81(d,J=10.0Hz,1H),4.57(d,J=8.4Hz,0.5H),3.64(s,1.5H),3.62(s,1.5H).
【0186】
中間体V-9:エチル4-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.83-7.81(m,1.8H),7.52-7.44(m,1.2H),7.13-7.10(m,1H),7.08-7.00(m,1H),6.20(s,0.8H),6.08(s,0.2H),4.11-4.00(m,2H),2.57(s,0.5H),2.51(s,2.5H),1.13(t,J=7.2Hz,3H).
【0187】
ラセミV-9(1.00g、2.51mmol)をキラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IC 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(18mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、所望の化合物Va-9(353mg、収率35%、98.1%立体的に純粋)及びVb-9(321mg、収率32%、99.8%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0188】
中間体Va-9:キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=5.901分)。
【0189】
中間体Vb-9:キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=90:10(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=6.914分)。
【0190】
中間体VIa-9:(R*)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-9から合成した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.25(s,0.3H),7.85(d,J=3.2Hz,1H),7.54(d,J=3.2Hz,0.6H),7.47 -7.45(m,0.9H),7.22-7.00(m,2.2H),6.19(s,0.4H),6.11(d,J=2.4Hz,0.6H),4.97(d,J=11.2Hz,0.4H),4.94(d,J=8.8Hz,0.6H),4.73(d,J=11.2Hz,0.4H),4.56(d,J=8.4Hz,0.6H),4.16-4.04(m,2H),1.19-1.13(m,3H).
【0191】
中間体V-10:4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-(ジフルオロピリジン-2-イル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
方法Aの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.657分、C18H13ClF3N3O2の質量計算値 395.1、m/z実測値396.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.43(d,J=2.4Hz,1H),7.71-7.65(m,1H),7.45(dd,J=8.4Hz,6.4Hz,1H),7.21(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),7.04(dt,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),6.16(s,1H),3.59(s,3H),2.48(s,3H).
【0192】
中間体Va-10及びVb-10:
(R*)-メチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び
(S*)-メチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
メチル4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-6-メチル-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるV-10(1.2g、純度95%、2.88mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak AS-H 5um 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(18mL/分);温度:40℃;波長:214nm)により、化合物Va-10(550mg、1H NMRからの純度95%、収率46%、100%立体的に純粋)及びVb-10(530mg、1H NMRからの純度95%、収率44%、99.8%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0193】
中間体Va-10:LC-MS(ESI):RT=1.692分、C18H13ClF3N3O2の質量計算値 395.1、m/z実測値396.1[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak AS-H 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=4.952分)。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.43(s,1H),7.70-7.66(m,1H),7.46-7.43(m,1H),7.19(d,J=7.2Hz,1H),7.04(t,J=8.0Hz,1H),6.16(s,1H),3.59(s,3H),2.48(s,3H).
【0194】
中間体Vb-10:LC-MS(ESI):RT=1.692分、C18H13ClF3N3O2の質量計算値 395.1、m/z実測値396.1[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak AS-H、5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=80:20(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=7.598分)。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.43(d,J=2.4Hz,1H),7.71-7.65(m,1H),7.45(dd,J=8.4Hz,6.4Hz,1H),7.21(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),7.04(dt,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),6.16(s,1H),3.59(s,3H),2.48(s,3H).
【0195】
中間体VIa-10:(R*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVa-10から合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.808分、C18H12BrClF3N3O2の質量計算値473.0、m/z実測値474.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.47(d,J=2.4Hz,1H),7.75-7.70(m,1H),7.54(dd,J=8.8Hz,6.4Hz,1H),7.28(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.12-7.07(m,1H),6.19(s,1H),4.92(d,J=9.6Hz,1H),4.75(d,J=9.6Hz,1H),3.68(s,3H).
【0196】
中間体VIb-10:(S*)-メチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体としてVb-10から合成した。
LC-MS(ESI):RT=1.802分、C18H12BrClF3N3O2の質量計算値473.0、m/z実測値474.0[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.47(d,J=2.4Hz,1H),7.75-7.70(m,1H),7.55(dd,J=10.0Hz,8.8Hz,1H),7.28(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.12-7.07(m,1H),6.19(s,1H),4.92(d,J=9.6Hz,1H),4.75(d,J=9.2Hz,1H),3.68(s,3H).
【0197】
化合物I-1A:3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化12】
【0198】
中間体I-1-2:(トランス(trans))-tert-ブチル3-ブロモ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
エチレングリコール(100mL)中のtert-ブチル2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレートであるI-1-1(23g、136mmol)の溶液に、0℃の窒素雰囲気下でN-ブロモスクシンイミド(25g、140mmol)を加えた。窒素雰囲気下にて室温で一晩撹拌した後、混合物を水(200mL)中に注ぎ、酢酸エチル(300mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(300mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、標題の化合物(35g、1H NMRからの純度90%、収率70%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.30(s,1H),4.16-4.15(m,1H),3.96-3.92(m,1H),3.87-3.61(m,6H),3.52-3.43(m,1H),2.05(br s,1H),1.47(s,9H).
【0199】
中間体I-1-3:(trans)-tert-ブチル3-ブロモ-4-(2-(トシルオキシ)エトキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(150mL)中の(trans)-tert-ブチル3-ブロモ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートであるI-1-2(26.3g、純度90%、76.3mmol)及びトリエチルアミン(24g、237mmol)の溶液に、塩化トシル(15g、78.7mmol)を0℃で添加した。室温で一晩撹拌した後、混合物を水(200mL)中に注ぎ、酢酸エチル(300mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(300mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、標題の化合物(30g、1H NMRからの純度90%、収率76%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.35(d,J=8.0Hz,2H),4.15-4.11(m,3H),4.08-4.04(m,1H),3.86-3.68(m,5H),3.35(t,J=12.0Hz,1H),2.46(s,3H),1.47(s,9H).
【0200】
中間体I-1-4:(シス(cis))-tert-ブチル4-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-ジカルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
1-メチル-2-ピロリジノン(100mL)中の(trans)-tert-ブチル3-ブロモ-4-(2-(トシルオキシ)エトキシ)ピロリジン-1-カルボキシレートであるI-1-3(30g、純度90%、58.1mmol)及びベンジルアミン(20g、187mmol)の混合物を140℃で一晩撹拌した。室温へ冷却した後、混合物を水(500mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(300mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水(500mL)で3回洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、黄色の油として標題の化合物(15.7g、1H NMRからの純度90%、収率76%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.35-7.27(m,5H),4.04-3.99(m,1H),3.87-3.82(m,1H),3.70-3.57(m,4H),3.46-3.22(m,4H),2.78-2.68(m,1H),2.49-2.44(m,1H),1.47-1.44(m,9H).
【0201】
中間体I-1-5:(cis)-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
メタノール(100mL)中の(cis)-tert-ブチル4-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるI-1-4(15.7g、90%純度、44.37mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム炭素(5.0g)を添加した。水素雰囲気下(50psi)にて50℃で一晩撹拌した後、混合物を濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(10.0g、1H NMRからの純度90%、収率89%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.96(s,1H),3.84(dt,J=11.2Hz,2.4Hz,1H),3.58-3.52(m,2H),3.48-3.36(m,4H),3.16-3.09(m,1H),2.67(dt,J=13.2Hz,2.4Hz,1H),1.45(s,9H).
【0202】
中間体I-1-6:(cis)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(100mL)中の(cis)-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるI-1-5(10g、純度90%、39.4mmol)及びN,N-ジイソプロピル-エチルアミン(15.0g、116mmol)の溶液に、カルボノクロリド酸ベンジル(10.0g、170mmol)を0℃で加えた。室温で4時間撹拌した後、混合物を水(100mL)中に注ぎ入れ、ジクロロメタン(200mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(500mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、黄色の油として標題の化合物(15.4g、1H NMRからの純度90%、収率97%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.42(s,5H),5.21(s,2H),4.64-4.44(m,1H),4.02-3.06(m,9H),1.51(s,9H).
【0203】
中間体I-1-7:(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
酢酸エチル(20mL)中の2Mの塩酸塩中の(cis)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレートであるI-1-6(5.1g、純度90%、12.7mmol)の溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(20mL)中に注ぎ入れ、酢酸エチル(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(3.3g、1H NMRからの純度90%、収率89%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.39-7.30(m,5H),5.19-5.11(m,2H),4.38-4.30(m,1H),3.90-3.46(m,5H),3.26-2.87(m,4H).
【0204】
中間体I-1-9:(cis)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
1,2-ジクロロエタン(10mL)中の(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-1-7(1.0g、純度90%、3.43mmol)及び4-メトキシベンジル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートであるI-1-8(1.0g、3.81mmol、純度90%)の溶液を30℃で0.5時間に渡り撹拌し、その後にシアノホウ化水素ナトリウム(600mg、9.55mmol)を加えた。30℃で一晩撹拌した後、混合物を水(20mL)中に注ぎ入れ、ジクロロメタン(30mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4(s)で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=30%~60%)により精製し、標題の化合物(600mg、1H NMRからの純度90%、収率32%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.38-7.23(m,7H),6.89-6.83(m,2H),5.18-5.00(m,4H),4.35-4.17(m,1H),3.86-3.69(m,6H),3.47-3.40(m,1H),3.26-3.20(m,1H),3.16-2.53(m,6H),1.15(s,6H).
【0205】
中間体I-1-9A及びI-1-9B:
(4aR*,7aS*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び
(4aS*,7aR*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(cis)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-1-9(3g、純度90%、5.60mmol)の混合物をキラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IF 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=70:30(18mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、黄色の油として標題の化合物であるI-1-9A(1.2g、1H NMRからの純度95%、収率42%、100%立体的に純粋)及びI-1-9B(1.1g、1H NMRからの純度95%、収率38%、97.6%立体的に純粋)を得た。
【0206】
中間体I-1-9A:キラル分析(カラム:Chiralpak IF 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=70:30(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=8.127分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.38-7.23(m,7H),6.89-6.83(m,2H),5.15-5.00(m,4H),4.32-4.20(m,1H),3.87-3.69(m,6H),3.47-3.42(m,1H),3.26-3.22(m,1H),3.13-2.53(m,6H),1.15(s,6H).
【0207】
中間体I-1-9B:キラル分析(カラム:Chiralpak IF 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=70:30(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=9.391分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.38-7.23(m,7H),6.89-6.83(m,2H),5.18-5.00(m,4H),4.32-4.18(m,1H),3.86-3.79(m,6H),3.47-3.40(m,1H),3.26-3.22(m,1H),3.16-3.28(m,2H),2.81-2.53(m,4H),1.15(s,6H).
【0208】
中間体:3-((4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
メタノール(20mL)中の(4aR*,7aS*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-1-9A(1.2g、純度95%、2.36mmol)及び10重量%のパラジウム炭素(600mg)を水素バルーン下の30℃で一晩撹拌した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮して、黄色の固体として粗標題化合物(477mg、1H NMRから純度95%、収率84%)を得た。粗標題化合物(200mg、純度95%)は、メタノール溶液(5滴)及びアセトニトリル(5mL)により粉砕した。黄色の固体を濾過によって収集し、純粋な標題の化合物(100mg、純度99.4%、収率18%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=7.443分、C11H20N2O3の質量計算値228.1,m/z実測値229.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.99-3.92(m,1H),3.84-3.81(m,1H),3.55-3.46(m,2H),3.32-3.19(m,2H),3.12-2.98(m,2H),2.94-2.84(m,2H),2.79-2.67(m,2H),1.23(s,3H),1.21(s,3H).
【0209】
化合物I-1A:3-((4aR*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
1,2-ジクロロエタン(5mL)中の3-((4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸であるI-1-10A(70mg、純度90%、0.276mmol)及びトリエタノールアミン(100mg、0.934mmol)の溶液に、(R*)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-1(100mg、純度95%、0.207mmol)を加えた。窒素雰囲気下にて30℃で一晩撹拌した後、混合物を水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。次に合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=5%~50%)により精製して、標題の化合物(70mg、純度97.8%、収率40%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.811分、C28H33ClFN5O5Sの質量計算値605.2、m/z実測値606.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 13.13(br s,1H),9.63(s,1H),8.01(d,J=3.2Hz,1H),7.94(d,J=3.2Hz,1H),7.43-7.38(m,2H),7.20-7.15(m,1H),6.05(s,1H),4.07-3.93(m,5H),3.86-3.83(m,1H),3.59-3.53(m,1H),3.14-3.05(m,2H),2.81-2.67(m,5H),2.56-2.51(m,2H),1.07-1.02(m,9H).
【0210】
化合物I-2A:4-((4aR
*,7aS
*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸(単一の立体異性体)
【化13】
【0211】
中間体I-1-6A及びI-1-6B:
(4aR*,7aS*)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレート(単一の立体異性体)及び
(4aS*,7aR*)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレート(単一の立体異性体)
(cis)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレートであるI-1-6(8.0g、20.97mmol)の混合物をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IC 5um 20*250mm;移動相:CO2:IPA=75:25(50g/分);温度:40℃;波長:214nm)により分離して、I-1-6A(4.0g、純度95%、収率50%、100%立体的に純粋)及びI-1-6B(4.0g、純度95%、収率50%、99.4%立体的に純粋)を黄色の油として得た。
【0212】
中間体I-1-6A:LC-MS(ESI):RT=3.731分、C19H26N2O5の質量計算値362.2、m/z実測値263.1[M+H-100]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm、移動相:CO2:IPA=75:25(3.0g/分);温度:40℃;波長:214nm;背圧:100bar、RT=4.31分)。
【0213】
中間体I-1-6B:LC-MS(ESI):RT=3.727分、C19H26N2O5の質量計算値362.2、m/z実測値263.2[M+H-100]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm、移動相:CO2:IPA=75:25(3.0g/分);温度:40℃;波長:214nm;背圧:100bar、RT=7.08分)。
【0214】
中間体I-1-7A:(4aR*,7aS*)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩(単一の立体異性体)
酢酸エチル(16mL)中の4Mの塩酸塩中の(4aR*,7aS*)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレートであるI-1-6A(400mg、純度95%、1.05mmol)を1時間に渡り窒素雰囲気下の室温で撹拌した。混合物を濃縮して、標題の化合物(340mg、1H NMRからの純度90%、収率98%)を白色の固体として得た。LC-MS(ESI):RT=1.30分、C14H18N2O3の質量計算値262.1m/z実測値263.0[M+H]+。
1H NMR(400MHz,D2O)δ 7.48(s,5H),5.23(s,2H),4.92-4.69(m,1H),4.25(s,1H),4.01-3.79(m,2H),3.67-3.52(m,4H),3.42-3.36(m,1H),3.30-3.17(m,1H).
【0215】
中間体I-2-1A:4-((4aR*,7aS*)-4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸(単一の立体異性体)
テトラヒドロフラン(10mL)中の(4aR*,7aS*)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩であるI-1-7A(340mg、純度90%、1.02mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で3,3-ジメチルジヒドロフラン-2,5-ジオン(160mg、1.25mmol)及びトリエチルアミン(310mg、3.06mmol)を加えた。30℃で一晩撹拌した後、混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(40mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(10mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=50%~85%)により精製して、標題の化合物(340g、1H NMRからの純度95%、収率81%)を黄色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.31分、C20H26N2O6の質量計算値390.2,m/z実測値391.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37-7.33(m,5H),5.22-5.11(m,2H),4.62-4.58(m,0.5H),4.52-4.45(m,0.5H),4.04-3.39(m,8H),3.22-3.11(m,1H),2.63-2.43(m,2H),1.31-1.30(m,6H).
【0216】
中間体I-2-2A:4-((4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸(単一の立体異性体)
メタノール(20mL)中の4-((4aR*,7aS*)-4-((ベンジルオキシ)カルボニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸であるI-2-1A(100mg、純度95%、0.243mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で20重量%の水酸化パラジウム炭素(30mg)を加えた。水素バルーン下の30℃で一晩撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、標題の化合物(50mg、1H NMRからの純度90%、収率72%)を黄色の油として得て、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.30(s,0.4H),4.15(s,0.6H),3.90-3.87(m,1H),3.77-3.31(m,6H),3.22-3.13(m,0.5H),3.01-2.93(m,0.5H),2.74-2.61(m,1H),2.52-2.39(m,2H),1.29-1.23(m,6H).
【0217】
化合物I-2A:4-((4aR*,7aS*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸(単一の立体異性体)
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(100mg、純度95%、0.217mmol)の溶液に、4-((4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸であるI-2-2A(70mg、純度90%、0.246mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(80mg、0.782mmol)を加えた。窒素雰囲気下の30℃で一晩撹拌した後、混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(30mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、これを分取HPLC(カラム:X-bridge C18(5um 19*150mm);移動相A:水(+0.1%炭酸水素アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル、UV:214nm、流速:15mL/分、勾配:15~70%(%B))により精製して所望の生成物を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水(+0.1%の炭酸水素塩)=50%~65%)により精製して、標題の化合物(55mg、純度98.7%、収率41%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.318分、C30H36FN5O6Sの質量計算値613.2、m/z実測値614.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.97(d,J=3.2Hz,0.5H),7.94(d,J=2.8Hz,0.5H),7.76(dd,J=7.6Hz,2.8Hz,1H),7.20-7.09(m,2H),6.97-6.92(m,1H),5.97(d,J=8.4Hz,1H),4.33(br s,0.5H),4.29-4.19(m,1.5H),4.13-3.96(m,4H),3.87-3.77(m,2H),3.72-3.44(m,4H),3.04-2.91(m,1H),2.72-2.66(m,1.4H),2.64-2.55(m,1H),2.55-2.51(m,3.6H),1.26(d,J=7.2Hz,3H),1.21(s,1.4H),1.18-1.14(m,4.6H).
【0218】
化合物I-3A:(S)-3-((4aR
*,7aR
*)-4-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化14】
【0219】
中間体I-3-1A及びI-3-1B:
(4aR*,7aR*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び(4aS*,7aS*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
酢酸エチル(3mL)及び水(3mL)中の(4aR*,7aS*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-1-9A(500mg、純度90%、0.933mmol)の溶液に、過ヨウ酸ナトリウム(400mg、1.87mmol)及び塩化ルテニウム(III)(35mg、0.169mmol)を室温で加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濃縮した。残渣をC18カラム(アセトニトリル:水=50%~80%)により精製して、淡黄色の油として混合物化合物(500mg)を得て、これをキラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IE 5μm 30*250mm;移動相:Hex:EtOH=40:60(30mL/分);温度:35℃;波長:230nm)により分離して、I-3-1A(230mg、1H NMRからの純度90%、収率46%、立体的に100%純粋)及びI-3-1B(140mg、1H NMRからの純度90%、収率28%、100%立体的に純粋)を淡黄色の固体として得た。
【0220】
中間体I-3-1A:LC-MS(ESI):RT=1.68分、C27H32N2O7の質量計算値496.2、m/z実測値497.5[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=40:60(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=12.719分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.41-7.28(m,7H),6.84(d,J=8.8Hz,2H),5.18(d,J=12.4Hz,1H),5.15(d,J=12.4Hz,1H),5.10-5.07(m,1H),5.02-4.99(m,1H),4.41-4.26(m,1H),3.95-3.85(m,2.3H),3.79(s,3H),3.76-3.71(m,0.7H),3.60(d,J=13.6Hz,1H),3.45(td,11.6,2.8Hz,1H),3.38(d,J=13.6Hz,1H),3.31-3.16(m,2H),3.08-2.91(m,1H),1.20(s,6H).
【0221】
中間体I-3-1B:LC-MS(ESI):RT=1.68分、C27H32N2O7の質量計算値496.2、m/z実測値497.5[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IE 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=40:60(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=10.808分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37-7.29(m,7H),6.90-6.86(m,2H),5.25-5.15(m,2H),5.11-5.03(m,2H),4.74(d,J=4.4Hz,0.5H),4.54(d,J=4.4Hz,0.5H),4.02-3.96(m,1H),3.88-3.84(m,1H),3.81(s,1.5H),3.80(s,1.5H),3.79-3.73(m,1H),3.70-3.62(m,1H),3.49-3.42(m,1H),3.39-3.29(m,2H),3.06-3.04(m,1H),3.01-2.90(m,1H),1.22-1.18(m,6H).
【0222】
中間体I-3-2A:2,2-ジメチル-3-((4aR*,7aR*)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)プロパン酸(単一の立体異性体)
メタノール(4mL)中の(4aR*,7aR*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-3-1A(200mg、純度90%、0.362mmol)の溶液に、室温で10%のパラジウム活性炭素(50mg、0.47mmol)を加えた。室温でのバルーンの水素下で1時間撹拌した後、反応混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(80g、1H NMRからの純度90%、収率82%)を淡黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 4.17(d,J=4.4Hz,1H),3.51-3.47(m,2H),3.40-3.30(m,3H),3.17-3.13(m,1H),2.88(d,J=9.2Hz,1H),2.68-2.56(m,2H),1.10(s,3H),1.04(s,3H).
【0223】
化合物I-3A:(S)-3-((4aR*,7aR*)-4-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(4mL)中の(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(115mg、純度95%、0.249mmol)の溶液に、トリエタノールアミン(112mg、0.751mmol)及び2,2-ジメチル-3-((4aR*,7aR*)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)プロパン酸であるI-3-2A(60mg、0.25mmol)を加えた。窒素雰囲気下にて40℃で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=40%~70%)により精製して、標題の化合物(47mg、純度99.1%、収率31%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.323分、C29H34FN5O6Sの質量計算値599.2、m/z実測値600.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.50(s,1H),7.80(d,J=3.2Hz,1H),7.41(d,J=3.2Hz,1H),7.13-7.05(m,2H),6.93-6.88(m,1H),6.02(s,1H),4.39(d,J=5.2Hz,1H),4.33(d,J=16.4Hz,1H),4.12-4.00(m,2H),3.82-3.76(m,3H),3.72-3.62(m,2H),3.40-3.36(m,1H),3.27(d,J=14.0Hz,1H),3.21-3.19(m,1H),2.59-2.54(m,1H),1.51(s,3H),2.48-2.42(m,1H),1.31(s,3H),1.28(s,3H),1.12(t,J=7.2Hz,3H).
【0224】
化合物I-3B:(S)-3-((4aS
*,7aS
*)-4-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化15】
【0225】
中間体I-3-2B:2,2-ジメチル-3-((4aS*,7aS*)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)プロパン酸(単一の立体異性体)
2-プロパノール(2mL)及びテトラヒドロフラン(2mL)中の(4aS*,7aS*)-ベンジル6-(3-((4-メトキシベンジル)オキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-3-1B(140mg、純度90%、0.254mmol)の溶液に、室温で水酸化パラジウム(50mg、0.036mmol)を加えた。50℃の水素雰囲気下(バルーン)にて1時間撹拌した後、反応混合物を濾過し、濃縮して、淡黄色の油として標題の化合物(60mg、1H NMRからの純度30%、収率29%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.14-4.12(m,1H),3.67-3.49(m,4H),3.30-3.18(m,2H),2.78-2.72(m,1H),2.68-2.65(m,1H),2.52-2.48(m,1H),1.23(s,3H),1.19(s,3H).
【0226】
化合物I-3B:(S)-3-((4aS*,7aS*)-4-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(4mL)中の(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(37mg、純度90%、0.076mmol)の溶液に、トリエタノールアミン(34mg、0.228mmol)及び2,2-ジメチル-3-((4aS*,7aS*)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)プロパン酸であるI-3-2B(60mg、純度30%、0.074mmol)を加えた。窒素雰囲気下にて40℃で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=40%~70%)により精製して、標題の化合物(18.4mg、純度95.9%、収率39%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.509分、C29H34FN5O6Sの質量計算値599.2、m/z実測値600.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.48(s,1H),7.83(d,J=3.2Hz,1H),7.41(d,J=3.2Hz,1H),7.10-7.03(m,1H),6.99-6.97(m,1H),6.91-6.87(m,1H),6.01(s,1H),4.65(d,J=17.6Hz,1H),4.54(d,J=17.6Hz,1H),4.29-4.26(m,1H),4.11-4.03(m,2H),3.89-3.76(m,2H),3.63-3.55(m,2H),3.44(d,J=3.6Hz,1H),3.39-3.36(m,2H),2.96-2.90(m,1H),2.57(s,1H),2.54(s,3H),1.26(s,3H),1.23(s,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H).
【0227】
化合物I-4E:(S)-エチル6-(((cis)-6-アセチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
【化16】
【0228】
中間体I-4-1:(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩(2種の立体異性体の混合物)
酢酸エチル(2mL)中の4Mの塩酸塩中の(cis)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレートであるI-1-6(250mg、純度90%、0.621mmol)の溶液を室温で0.5時間撹拌し、この混合物を減圧下で濃縮して、標題の化合物(180mg、収率97%)を紫色の固体として得、これをさらなる精製を行わずに次の工程において直接使用した。
LC-MS(ESI):Rt=1.31分、C14H18N2O3の質量計算値262.1、m/z実測値263.0[M+H]+。
【0229】
中間体I-4-2:(cis)-ベンジル6-アセチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(2mL)中の(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩であるI-4-1(180mg、0.602mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(95mg、0.941mmol)を加えた。この混合物を室温で15分間撹拌し、その後に酢酸無水物(94mg、0.922mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を水(10mL)に注ぎ、ジクロロメタン(5mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製して、標題の化合物(165mg、1H NMRからの純度90%、収率81%)を紫色の油として得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37-7.33(m,5H),5.22-5.09(m,2H),4.62-4.41(m,1H),4.04-3.47(m,8H),3.25-3.07(m,1H),2.05-2.02(m,3H).
【0230】
中間体I-4-3:1-((cis)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)エテノン(2種の立体異性体の混合物)
メタノール(5mL)中の(cis)-ベンジル6-アセチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-4-2(165mg、純度90%、0.488mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム炭素(50mg)を加えた。30℃の水素雰囲気下で2時間撹拌した後、混合物を濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(80mg、1H NMRからの純度90%、収率87%)を無色の油として得て、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.09-4.07(m,0.5H),3.98(t,J=4.0Hz,0.5H),3.86(t,J=2.8Hz,0.5H),3.83(t,J=2.8Hz,0.5H),3.75(t,J=9.6Hz,0.5H),3.67-3.52(m,4.5H),3.48-3.43(m,1H),3.16-3.09(m,1H),2.73-2.68(m,1H),2.08-2.06(m,3H).
【0231】
化合物I-4E:(S)-エチル6-(((cis)-6-アセチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(2mL)中の1-((cis)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)エタノンであるI-4-3(50mg、純度90%、0.264mmol)及び(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(93mg、純度95%、0.202mmol)の溶液に、トリエタノールアミン(119mg、0.798mmol)を室温で加えた。30℃の窒素雰囲気下で3時間撹拌した後、混合物を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=25%~70%)により精製して、標題の化合物(60mg、純度99.7%、収率56%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.851分、C26H30FN5O4Sの質量計算値527.2、m/z実測値528.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.52-9.37(m,1H),7.87-7.77(m,1H),7.46-7.40(m,1H),7.11-7.02(m,1H),6.96-6.94(m,1H),6.90-6.86(m,1H),6.06-5.95(m,1H),4.38-4.14(m,2H),4.11-3.87(m,4H),3.86-3.39(m,6H),3.03-2.81(m,1H),2.85-2.58(m,0.5H),2.55(s,3H),2.50-2.38(m,0.5H),2.10-1.99(m,3H),1.17-1.07(m,3H).
【0232】
化合物I-5:3-((cis)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)シクロペンタンカルボン酸(8種の立体異性体の混合物)
【化17】
【0233】
中間体I-5-1:(cis)-tert-ブチル4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(100mg、純度95%、0.217mmol)の溶液に、(cis)-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるI-1-5(72mg、0.284mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.21mmol)を室温で加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物をC18カラム(アセトニトリル:水=10%~100%)により精製して、標題の化合物(130mg、1H NMRからの純度90%、収率92%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.57-9.51(m,1H),7.83-7.82(m,1H),7.43(s,1H),7.08-6.89(m,3H),6.03-6.02(m,1H),4.37-3.79(m,7H),3.65-3.29(m,5H),3.02-2.82(m,1H),2.60-2.55(m,3.3H),2.43-2.40(m,0.7H),1.46-1.43(m,9H),1.14-1.13(m,3H).
【0234】
中間体I-5-2:(S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-(((cis)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート塩酸塩(2種の立体異性体の混合物)
酢酸エチル(10mL)中の4Mの塩酸塩中の(cis)-tert-ブチル4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるI-5-1(130mg、純度90%、0.2mmol)の溶液を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮して、標題の化合物(110g、純度85%、収率84%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.598分、C24H28FN5O3Sの質量計算値485.2、m/z実測値486.2[M+H]+。
【0235】
中間体I-5-3:(4S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-(((cis)-6-(3-(メトキシカルボニル)シクロペンチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(8種の立体異性体の混合物)
メタノール(5mL)中の(S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-(((cis)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート塩酸塩であるI-5-2(50mg、純度85%、0.076mmol)の溶液に、室温でトリエチルアミン(0.05mL、0.359mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次いでメチル3-オキソシクロペンタンカルボキシレート(21mg、純度95%、0.14mmol)を加えた。60℃で2時間撹拌した後、混合物を室温に冷却させ、次に酢酸(0.2mL)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(12mg、0.191mmol)を加えた。35℃の窒素雰囲気下で一晩撹拌した後、生じた混合物を水(30mL)によりクエンチし、酢酸エチル(20mL)により3回抽出した。合わせた有機層を塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=10%~90%)により精製して、標題の化合物(30g、1H NMRからの純度90%、収率58%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.908分、C31H38FN5O5Sの質量計算値611.3、m/z実測値612.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.36-8.23(m,2H),7.38-7.31(m,2H),7.14-7.09(m,1H),6.25-6.18(m,1H),4.40-4.26(m,2H),4.14-4.12(m,3H),4.06-3.99(m,2H),3.93-3.79(m,3H),3.71-3.69(m,3H),3.63-3.56(m,1H),3.24-3.19(m,3H),3.14-3.08(m,1H),3.04-2.94(m,1H),2.88-2.75(m,1H),2.50(s,3H),2.29-2.17(m,1.3H),2.11-2.00(m,2.7H),1.92-1.80(m,1H),1.17-1.07(m,3H).
【0236】
化合物I-5:3-((cis)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)シクロペンタンカルボン酸(8種の立体異性体の混合物)
メタノール(3mL)及びテトラヒドロフラン(3mL)中の(4S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-(((cis)-6-(3-(メトキシカルボニル)シクロペンチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-5-3(30mg、純度90%、0.044mmol)の溶液に、水(1mL)中の水酸化リチウム一水和物(9mg、0.214mmol)を室温で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を水(5mL)で希釈し、1Mの塩酸塩水溶液でpH=2に酸性化した。次に、混合物を酢酸エチル(15mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=10%~90%)により精製して、標題の化合物(12mg、純度97.1%、収率44%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.342分、3.474分、C30H36FN5O5Sの質量計算値597.2、m/z実測値598.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.93(d,J=3.2Hz,1H),7.73(d,J=3.2Hz,1H),7.17-7.07(m,2H),6.96-6.91(m,1H),5.99(s,0.5H),5.97(s,0.5H),4.35-4.21(m,2H),4.09-3.99(m,3.3H),3.94-3.89(m,0.7H),3.82-3.77(m,2H),3.70-3.63(m,1H),3.58-3.35(m,3H),3.25-3.14(m,1H),3.05-2.79(m,2H),2.68-2.65(m,0.5H),2.51-2.44(m,3.5H),2.34-2.24(m,0.4H),2.17-1.95(m,4.6H),1.87-1.75(m,0.7H),1.64-1.55(m,0.3H),1.13(t,J=7.2Hz,3H).
【0237】
化合物I-6A:3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル))-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化18】
ジクロロメタン(10mL)中の3-((4aR
*,7aS
*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸であるI-1-10A(105mg、純度80%、0.317mmol)及びトリエタノールアミン(485mg、3.25mmol)の溶液に、(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(150mg、純度95%、0.325mmol)を室温で加えた。室温で16時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水(+0.1%の炭酸水素アンモニウム)=05%~80%)により精製して、標題の化合物(116.1mg、純度98.6%、収率60%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):R
T=3.745分、C
29H
36FN
5O
5Sの質量計算値585.2、m/z実測値586.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.92(d,J=3.2Hz,1H),7.73(d,J=3.2Hz,1H),7.16-7.07(m,2H),6.95-6.91(m,1H),5.96(s,1H),4.30(d,J=16.4Hz,1H),4.25(d,J=2.0Hz,1H),4.08-3.98(m,4H),3.89-3.79(m,2H),3.77-3.71(m,1H),3.44(s,2H),3.39-3.32(m,1H),3.24(d,J=13.2Hz,1H),3.14(d,J=13.2Hz,1H),3.03(td,J=12.0,2.8Hz,1H),2.68(d,J=11.6Hz,1H),2.51(s,3H),1.28(s,3H),1.20(s,3H),1.12(t,J=7.2Hz,3H).
【0238】
化合物I-7F:(S)-(cis)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-(メチルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
【化19】
【0239】
中間体I-7-1:(cis)-ベンジル6-(メチルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(3mL)中の(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-1-7(140mg、純度90%、0.480mmol)の溶液に、塩化メタンスルホニル(65mg、0.567mmol)及びトリエチルアミン(166mg、1.64mmol)を室温で加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物をジクロロメタン(30mL)中に溶解させ、塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残渣を得、これをC18カラム(アセトニトリル:水=05%~95%)により精製して、標題の化合物(130mg、収率68%、LCMSからの純度85%)を白色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.47分、C15H20N2O5Sの質量計算値340.1、実測値341.0[M+H]+。
【0240】
中間体I-7-2:(cis)-6-(メチルスルホニル)オクタヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン(2種の立体異性体の混合物)
メタノール(15mL)中の(cis)-ベンジル6-(メチルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-7-1(130mg、純度85%、0.325mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム活性炭素(17mg、0.16mmol)を加えた。水素雰囲気(バルーン)下にて30℃で一晩撹拌した後、混合物をセライトのパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、無色の油として標題の化合物を得た(65mg、1H NMRからの純度95%、収率92%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.98(t,J=3.2Hz,1H),3.86-3.82(m,1H),3.60-3.49(m,4H),3.42-3.37(m,2H),3.13-3.07(m,1H),2.87(s,3H),2.71-2.67(m,1H).
【0241】
化合物I-7F:(S)-(cis)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-(メチルスルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
化合物I-7-2及びVIa-2から変換された。方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.914分、C25H30FN5O5S2の質量計算値564.2、m/z実測値564.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.94(d,J=2.8Hz,1H),7.74(d,J=3.2Hz,1H),7.16-7.09(m,2H),6.95(t,J=8.4Hz,1H),6.00(s,0.5H),5.98(s,0.5H),4.31-4.19(m,2H),4.11-4.05(m,3H),4.00-3.90(m,1.5H),3.81(t,J=11.2Hz,1H),3.71-3.65(m,1.5H),3.58-3.49(m,2H),3.45-3.41(m,2H),3.02(td,J=11.6,3.2Hz,0.5H),2.92(s,1.5H),2.91(s,1.5H),2.66(d,J=12.0Hz,0.5H),2.53(s,3H),1.15(t,J=5.2Hz,3H).
【0242】
化合物I-8F:2-((cis)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)チアゾール-5-カルボン酸(2種の立体異性体の混合物)
【化20】
【0243】
中間体I-8-1:(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩(2種の立体異性体の混合物)
酢酸エチル(2mL)中の(cis)-4-ベンジル6-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4,6-ジカルボキシレートであるI-1-6(460mg、純度90%、1.14mmol)の溶液に、酢酸エチル(5mL)中の4.0Mの塩酸塩を窒素雰囲気下で加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を濃縮して、標題の化合物(380g、1H NMRからの純度90%、収率99%)を白色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.108分、C14H19ClN2O3の質量計算値298.1、m/z実測値263.1[M-HCl+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.45(s,1H),9.18(s,1H),7.38-7.33(m,5H),5.14(s,2H),4.61-4.55(m,1H),4.07(s,1H),3.92-3.86(m,1H),3.70-3.67(m,1H),3.53-3.50(m,1H),3.47-3.42(m,1H),3.39-3.32(m,2H),3.23-3.19(m,2H).
【0244】
中間体I-8-2:(cis)-ベンジル6-(5-(メトキシカルボニル)チアゾール-2-イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の(cis)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩であるI-8-1(380mg、純度90%、1.14mmol)の溶液に、炭酸カリウム(438mg、3.18mmol)、2-ブロモ-5-(メトキシメチル)チアゾール(315mg、1.52mmol)を室温で加えた。70℃の窒素雰囲気下で一晩撹拌した後、混合物を水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(20mL)により3回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(360mg、1H NMRからの純度90%、収率70%)を黄色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.127分、C19H21N3O5Sの質量計算値403.1、m/z実測値404.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.89(s,1H),7.40-7.35(m,5H),5.18-5.17(m,2H),4.75-4.63(m,1H),4.12(s,1H),3.99-3.89(m,2H),3.83(s,3H),3.76-3.69(m,3H),3.59-3.53(m,2H),3.26-3.10(m,1H).
【0245】
中間体I-8-3:(cis)-メチル2-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
メタノール(4mL)中の(cis)-ベンジル6-(5-(メトキシカルボニル)チアゾール-2-イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-8-2(120mg、純度90%、0.267mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム炭素(285mg、0.267mmol)を室温で加えた。水素雰囲気(バルーン)下にて室温で一晩撹拌した後、混合物をセライトのパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、黄色の油として標題の化合物(70mg、1H NMRからの純度90%、収率88%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.90(s,1H),4.15-4.13(m,1H),3.88-3.85(m,1H),3.83(s,3H),3.79-3.75(m,1H),3.70-3.64(m,3H),3.60-3.57(m,1H),3.53-3.48(m,1H),3.19-3.11(m,1H),2.74-2.71(m,1H).
【0246】
中間体I-8-4:(cis)-2-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)チアゾール-5-カルボン酸(2種の立体異性体の混合物)
メタノール(1mL)中の(cis)-メチル2-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)チアゾール-5-カルボキシレートであるI-8-3(70mg、純度90%、0.23mmol)の溶液に、室温の窒素雰囲気下で水(1mL)中の水酸化ナトリウム(19mg、0.48mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(50mg、1H NMRからの純度90%、収率75%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=0.258分、C10H13N3O3Sの質量計算値255.1、m/z実測値256.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.77(s,1H),10.29(s,1H),7.81(s,1H),4.45-4.43(m,1H),4.09-4.08(m,1H),3.94-3.79(m,4H),3.70-3.66(m,1H),3.50-3.47(m,1H),3.30-3.25(m,1H),3.07-3.04(m,1H).
【0247】
化合物I-8F:2-((cis)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)チアゾール-5-カルボン酸(2種の立体異性体の混合物)
化合物I-8-4及びVIa-2から変換された。方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.597分、C28H29FN6O5S2の質量計算値612.2、m/z実測値613.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.93-7.91(m,1H),7.72-7.70(m,2H),7.18-7.09(m,2H),6.95-6.88(m,1H),5.98(s,0.6H),5.96(s,0.4H),4.42-4.36(m,1.6H),4.35-4.29(m,0.4H),4.25-4.07(m,3H),4.02-3.95(m,1H),3.94-3.81(m,2H),3.79-3.75(m,1H),3.74-3.65(m,2H),3.60-3.55(m,1H),3.01-2.90(m,1H),2.70(d,J=10.0Hz,0.4H),2.57(d,J=12.0Hz,0.6H),2.50(s,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H).
【0248】
化合物I-9F:(4aS
*,7aR
*)-(S)-3-((4-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)スルホニル)-1-メチルシクロブタンカルボン酸(2種の立体異性体の混合物)
【化21】
【化22】
【0249】
中間体I-9-2:1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボン酸
メタノール(50mL)及び水(10mL)中のエチル1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボン酸であるI-9-1(4.00g、25.6mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(2.15g、51.2mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を2Mの塩酸塩水溶液でpH約2まで酸性化し、続いて減圧下で濃縮して残渣を得て、これを水(50mL)中に溶解させ、酢酸エチル(30mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4(s)の上で乾燥させ、濃縮して、黄色の油として標題の化合物を得た(4.10g、純度90%、収率100%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.67-3.62(m,2H),2.99-2.93(m,2H),1.62(s,3H).
【0250】
中間体I-9-3:2-(トリメチルシリル)エチル1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボキシレート
テトラヒドロフラン(100mL)中の1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボン酸であるI-9-2(4.10g、純度90%、28.8mmol)及び2-(トリメチルシリル)エタノール(3.75g、31.7mmol)、N,N-ジメチルピリジン-4-アミン(3.50g、28.6mmol)の溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(8.30g、43.2mmol)を窒素下で加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を水(50mL)でクエンチし、続いて減圧下で濃縮して揮発性物質を除去し、酢酸エチル(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層を2Mの塩酸塩水溶液(100mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濃縮して、黄色の油として標題の化合物を得た(5.10g、純度80%、収率100%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.21-4.17(m,2H),3.54-3.49(m,2H),2.85-2.80(m,2H),1.52(s,3H),0.99-0.95(m,2H),0.07(s,9H).
【0251】
中間体I-9-4:2-(トリメチルシリル)エチル3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタンカルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(100mL)及び水(10mL)中の2-(トリメチルシリル)エチル1-メチル-3-オキソシクロブタンカルボン酸であるI-9-3(5.10g、純度80%、17.9mmol)の溶液に、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(2.70g、71.5mmol)を室温で少量ずつ加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を水(20mL)でクエンチし、続いて減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣を水(50mL)中に溶解させ、酢酸エチル(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4(s)上で乾燥させ、濃縮して、黄色の油として標題の化合物(3.80g、純度90%、収率100%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.38-4.22(m,1H),4.16-4.10(m,2H),3.71-3.67(m,1H),2.80-2.71(m,1H),2.32-2.21(m,2H),1.85 -1.77(m,1H),1.35(s,1.5H),1.30(s,1.5H),0.97-0.89(m,2H),0.07(s,9H).
【0252】
中間体I-9-5:2-(トリメチルシリル)エチル1-メチル-3-(トシルオキシ)シクロブタンカルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(100mL)中の2-(トリメチルシリル)エチル3-ヒドロキシ-1-メチルシクロブタンカルボキシレートであるI-9-4(3.70g、純度90%、14.5mmol)及びN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(2.90g、23.7mmol)の溶液に、4-メチルベンゼン-1-塩化スルホニル(3.3g、17.3mmol)を窒素雰囲気下で加えた。室温で一晩撹拌した後、反応溶液を水(40mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、続いて減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)により精製して、淡黄色の油として標題の化合物(3.10g、純度95%、収率48%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.74(d,J=8.4Hz,2H),7.30(d,J=8.0Hz,2H),4.87-4.83(m,1H),4.14-4.10(m,1H),2.72-2.66(m,0.8H),2.56-2.52(m,1.2H),2.42(s,3H),2.17-2.11(m,1.2H),2.08 -2.03(m,0.8H),1.33(s,1H),1.28(s,2H),0.95-0.91(m,2H),0.01(s,9H).
【0253】
中間体I-9-6:2-(トリメチルシリル)エチル3-(アセチルチオ)-1-メチルシクロブタンカルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
N,N-ジメチルホルムアミド(70mL)中の2-(トリメチルシリル)エチル1-メチル-3-(トシルオキシ)シクロブタンカルボキシレートであるI-9-5(3.10g、純度95%、7.26mmol)の溶液に、チオ酢酸カリウム(3.00g、26.3mmol)を室温で加えた。100℃で6時間撹拌した後、反応混合物を冷却し、水(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で3回洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濃縮して、黄色の油として標題の化合物を得た(2.30g、純度90%、収率99%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.27-4.21(m,2H),4.19-4.08(m,1H),3.06 -3.00(m,1H),2.59 -2.50(m,1H),2.41-2.36(m,1H),2.32(s,3H),2.04 -1.99(m,1H),1.50(s,1.2H),1.44(s,1.8H),1.08-1.01(m,2H),0.07(s,9H).
【0254】
中間体I-9-7:2-(トリメチルシリル)エチル3-(クロロスルホニル)-1-メチルシクロブタンカルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
アセトニトリル(50mL)中の2-(トリメチルシリル)エチル3-(アセチルチオ)-1-メチルシクロブタンカルボキシレートであるI-9-6(1.10g、純度90%、7.52mmol)の溶液に、2Mの塩酸塩水溶液(0.2mL)及び1-クロロピロリジン-2,5-ジオン(1.35g、10.1mmol)を0℃で加えた。0℃で1時間撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物を水(30mL)中に注ぎ、酢酸エチル(30mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水(20mL)で3回洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、淡黄色の油として標題の化合物を得た(820mg、純度95%、収率73%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.48-4.33(m,1H),4.26-4.19(m,2H),3.16-3.10(m,0.8H),2.97-2.91(m,1.2H),2.63-2.57(m,1.2H),2.41-2.36(m,0.8H),1.48(s,3H),1.04-0.99(m,2H),0.07(s,9H).
【0255】
中間体I-9-8:(S)-(cis)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(3mL)中の(cis)-tert-ブチル4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるI-5-1(200mg、純度90%、0.307mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加えた。室温で3時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、約7のpHに調整した。混合物をジクロロメタン(10mL)で2回抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4(s)上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題の化合物(153mg、1H NMRからの純度90%、収率92%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.72分、C24H28FN5O3Sの質量計算値485.6、m/z実測値486.6[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.52(s,1H),7.82-7.81(m,1H),7.42-7.41(m,1H),7.09-7.04(m,1H),7.00-6.97(m,1H),6.92-6.88(m,1H),6.02(d,J=6.8Hz,1H),4.29-4.17(m,2H),4.12-3.77(m,5H),3.41-3.30(m,2H),3.16-3.00(m,3H),2.92-2.78(m,1H),2.58-2.54(m,3H),2.45-2.42(m,0.5H),1.12(t,J=7.2Hz,3H).
【0256】
中間体I-9-9:(S)-(cis)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-((3-メチル-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)シクロブチル)スルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボニル(4種の立体異性体の混合物)
1,4-ジオキサン(5mL)中の(S)-(cis)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-9-8(153mg、純度90%、0.284mmol)の溶液に、2-(トリメチルシリル)エチル3-(クロロスルホニル)-1-メチルシクロブタンカルボキシレートであるI-9-7(273mg、純度90%、0.785mmol)及びトリエチルアミン(96mg、0.949mmol)を加えた。室温で4時間撹拌した後、溶液を濃縮して残渣が得られたので、これをシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:3)により精製し、所望の化合物(138mg、純度94%、収率60%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=2.06分、C35H48FN5O7S2Siの質量計算値762.0、m/z実測値762.8[M+H]+。
【0257】
中間体I-9-9A及びI-9-9B:
(4aR*,7aS*)-(S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-((3-メチル-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)シクロブチル)スルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)及び(4aS*,7aR*)-(S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-((3-メチル-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)シクロブチル)スルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
(S)-(cis)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-((3-メチル-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)シクロブチル)スルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-9-9(120mg、純度94%、0.148mmol)のラセミ混合物は、キラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IC 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=60:40:0.3(13mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して標題の化合物I-9-9A(40mg、純度98.7%、収率35%、100%立体的に純粋)及びI-9-9B(30mg、純度99.5%、収率26%、99.8%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0258】
中間体I-9-9A:LC-MS(ESI):RT=2.226分、C35H48FN5O7S2Siの質量計算値 762.0、m/z実測値762.3[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=60:40:0.2(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=9.312分)。
【0259】
中間体I-9-9B:LC-MS(ESI):RT=2.221分、C35H48FN5O7S2Siの質量計算値 762.0、m/z実測値762.2[M+H]+。キラル分析(Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH:DEA=60:40:0.2(1mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=12.250分)。
【0260】
化合物I-9F:(4aS*,7aR*)-(S)-3-((4-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)スルホニル)-1-メチルシクロブタンカルボン酸(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(2mL)中の(4aS*,7aR*)-(S)-エチル4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((6-((3-メチル-3-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)シクロブチル)スルホニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-9-9B(30mg、純度99.5%、0.039mmol)の溶液に、室温でトリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水(+0.1%の重炭酸アンモニウム)=50%~95%)により精製して、標題の化合物(3.5mg、純度98%、収率13%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.498分、C30H36FN5O7Sに対する計算質量値3.746分、m/z実測値662.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.48(s,1H),8.00(d,J=3.2Hz,1H),7.93(d,J=3.2Hz,1H),7.18-7.15(m,1H),7.04-7.00(m,2H),5.90(s,0.2H),5.89(s,0.8H),4.15-3.81(m,7H),3.61-3.42(m,4H),3.25-3.22(m,1H),2.89-2.58(m,4H),2.45(s,3H),2.40-2.19(m,3H),1.35(s,0.5H),1.30(s,2H),1.23(s,0.5H),1.06(t,J=6.8Hz,3H).
【0261】
化合物I-10A:3-((4aR
*,8aS
*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化23】
【化24】
【0262】
中間体I-10-2:tert-ブチルイソブチレート
テトラヒドロフラン(100mL)中の塩化イソブチリルであるI-10-1(70.0g、657mmol)の溶液に、カリウムtert-ブトキシド(150g、1.34mol)を0℃で加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を窒素雰囲気下で0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液(120mL)によりクエンチし、酢酸エチル(80mL)で2回抽出した。合わせた有機層を減圧蒸留下で濃縮して、標題の化合物(77.0g、1H NMRからの純度90%、収率73%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 2.44-2.37(m,1H),1.42(s,9H),1.10-1.08(m,6H).
【0263】
中間体I-10-3:tert-ブチル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエート
テトラヒドロフラン(900mL)中のtert-ブチルイソブチレートであるI-10-2(95.0g、純度95%、626mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中の2Mのリチウムジイソプロピルアミド(376mL、752mmol)を-78℃の窒素雰囲気下にて添加した。混合物を-78℃で0.5時間撹拌し、次いでギ酸エチル(56.0g、756mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を水(1000mL)中に注ぎ、酢酸エチル(400mL)で2回抽出した。合わせた有機相を塩水(200mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、所望の化合物(152g、1H NMRからの純度70%、収率98%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.63(s,1H),1.46(s,9H),1.30(s,6H).
【0264】
中間体I-10-5:(cis)-ベンジル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-((4-ニトロベンゾイル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(300mL)中の(trans)-ベンジル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートであるI-10-4(15.3g、43.7mmol)、トリフェニルホスフィン(17.2g、65.6mmol)及び4-ニトロ安息香酸(11.0g、65.6mmol)の溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(13.2g、65.6mmol)を0℃で滴下した。室温の窒素雰囲気下で一晩撹拌した後、反応混合物を水(200mL)中に注ぎ、酢酸エチル(150mL)で3回抽出した。合わせた有機相を塩水(150mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=6:1)により精製して、標題の化合物(25.0g、粗)を白色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.902分、C25H29N3O8の質量計算値499.2、m/z実測値444.1[M-56+H]+。
【0265】
中間体I-10-6:(cis)-ベンジル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(250mL)及び水(150mL)中の(cis)-ベンジル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-((4-ニトロベンゾイル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレートであるI-10-5(25.0g、粗、約43.7mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(10.5g、250mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を水(150mL)で希釈し、真空中でテトラヒドロフランを除去し、酢酸エチル(150mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(150mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮してシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって精製して、標題の化合物(15.0g、収率98%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.35-7.26(m,5H),5.18-5.09(m,2H),4.93(br s,1H),3.98(s,1H),3.80-3.32(m,5H),2.52-2.43(m,1H),1.74-1.65(m,2H),1.44(s,9H).
【0266】
中間体I-10-7:(cis)-ベンジル3-アミノ-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート塩酸塩(2種の立体異性体の混合物)
酢酸エチル(60mL)中の4Mの塩酸塩中の(cis)-ベンジル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートであるI-10-6(6.80g、19.4mmol)の溶液を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、白色の固体として表題の化合物(5.50g、収率99%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.19-8.14(m,3H),7.39-7.31(m,5H),5.69(s,1H),5.08(s,2H),4.00(s,1H),3.79(d,J=10.4Hz,1H),3.54-3.49(m,1H),3.19(s,1H),1.68-1.66(m,2H).
【0267】
中間体I-10-8:(cis)-ベンジル3-(2-クロロアセトアミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(70mL)中の(cis)-ベンジル3-アミノ-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート塩酸塩であるI-10-7(5.50g、19.2mmol)、トリエチルアミン(4.86g、48.1mmol)の溶液に、2-塩化クロロアセチル(2.40g、21.1mmol)を0℃で滴下した。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、塩水(100mL)で2回洗浄した。分離した有機層をNa2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、標題の化合物(4.60g、収率73%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.98(d,J=10.4Hz,1H),7.40-7.34(m,5H),5.15(d,J=5.2Hz,1H),5.10(s,2H),4.14(s,2H),3.86-3.54(m,4H),3.40-3.35(m,1H),1.70-1.63(m,2H).
【0268】
中間体I-10-9:(cis)-ベンジル3-オキソヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(2000mL)中の(cis)-ベンジル3-(2-クロロアセトアミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートであるI-10-8(4.10g、12.5mmol)の溶液を0℃の窒素雰囲気下で鉱油(5.00g,125mmol)中の60重量%の水素化ナトリウムに加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を水(500mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(500mL)で2回抽出した。合わせた有機相を塩水(200mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水=30%~95%)により精製して、白色の固体として標題の化合物(1.74g、収率43%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.16(s,1H),7.40-7.31(m,5H),5.08(s,2H),4.10-3.98(m,3H),3.92-3.91(m,1H),3.82-3.78(m,1H),3.26-3.24(m,1H),3.93-3.88(m,2H),1.79-1.74(m,2H).
【0269】
中間体I-10-10:(cis)-ベンジル4-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(20mL)中の(cis)-ベンジル3-オキソヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-10-9(1.64g、5.66mmol)の溶液に、窒素雰囲気下の0℃で鉱油(450mg、11.4mmol)中の60重量%の水素化ナトリウムを加えた。次に、臭化ベンジル(1.27g、7.40mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。合わせた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、標題の化合物(1.47g、収率68%)を白色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.722分、C22H24N2O4の質量計算値380.2、m/z実測値381.2[M+H]+。
【0270】
中間体I-10-11:(cis)-4-ベンジルヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(20mL)中の(cis)-ベンジル4-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-10-10(1.50g、3.95mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム活性炭素(1.00g)を室温で加えた。水素雰囲気下(バルーン)にて室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濾過し、濃縮して、淡黄色の油として標題の化合物(1.0g、1H NMRからの純度90%、収率93%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.36-7.25(m,5H),4.94-4.90(m,1H),4.26-4.17(m,3H),3.95(d,J=1.6Hz,1H),3.47-3.42(m,1H),3.21-3.16(m,1H),3.11-3.07(m,1H),2.67-2.61(m,2H),1.76-1.67(m,2H),1.06(t,J=6.8Hz,1H).
【0271】
中間体I-10-12:(cis)-tert-ブチル4-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
アセトニトリル(10mL)中の(cis)-4-ベンジルヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンであるI-10-11(550mg、純度90%、2.01mmol)の溶液に、トリエチルアミン(800mg、7.91mmol)、ジ-tert-ブチルジカルボネート(1.32g、6.05mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(50mg、0.410mmol)を加えた。35℃で一晩撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して残渣が得られたので、これをC18カラム(アセトニトリル:水=05%~95%)で精製して、標題の化合物(700mg、1H NMRからの純度90%、収率90%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.36-7.28(m,5H),5.34-5.24(m,1H),4.41-3.88(m,6H),3.14-2.93(m,3H),1.87-1.83(m,1H),1.73-1.67(m,1H),1.45(s,9H).
【0272】
中間体I-10-13:(cis)-tert-ブチル4-ベンジルヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(10mL)中の(cis)-tert-ブチル4-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-10-12(700mg、純度90%、1.82mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(4.6mL、4.6mmol)中の1Mのボラン-テトラヒドロフラン複合体を0℃で緩徐に加えた。35℃で一晩撹拌した後、混合物を1Mの塩酸塩水溶液でクエンチし、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL)により2回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)により洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色の油として所望の生成物(720mg、純度78%、収率93%)を得た。
LC-MS(ESI):RT=1.904分、C19H28N2O3の質量計算値332.2、m/z実測値333.2[M+H]+。
【0273】
中間体I-10-14:(cis)-4-ベンジルオクタヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(10mL)中の(cis)-tert-ブチル4-ベンジルヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-10-13(720mg、純度78%、1.69mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水(+0.02%の炭酸水素アンモニウム)=05%~95%)により精製して、標題の化合物(256mg、1H NMRからの純度90%、収率59%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.35-7.29(m,4H),7.26-7.22(m,1H),3.90-3.83(m,2H),3.75-3.62(m,3H),3.24-3.18(m,1H),2.94-2.67(m,5H),2.36-2.32(m,1H),1.89-1.86(m,1H),1.70-1.67(m,1H).
【0274】
中間体I-10-15:(cis)-tert-ブチル3-(4-ベンジルヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(2種の立体異性体の混合物)
無水ジクロロメタン(5mL)中の(cis)-4-ベンジルオクタヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジンであるI-10-14(150mg、純度90%、0.581mmol)及びtert-ブチル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエートであるI-10-3(570mg、純度70%、2.32mmol)の混合物にジクロロメタン(1.2mL、1.2mmol)中の1Mのクロロトリイソプロポキシチタニウム(IV)を室温の窒素雰囲気下で加えた。添加後、混合物を室温で0.5時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(600mg、2.83mmol)を加え、次いで酢酸(0.2mL)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)でクエンチし、ジクロロメタン(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=05%~95%)により精製して、標題の化合物(115mg、純度95%、収率48%)を黄色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=2.14分、C23H36N2O3の質量計算値388.3、m/z実測値389.5[M+H]+。
【0275】
中間体I-10-16:(cis)-tert-ブチル3-(ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(2種の立体異性体の混合物)
メタノール(5mL)中の(cis)-tert-ブチル3-(4-ベンジルヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートであるI-10-15(115mg、純度95%、0.281mmol)の溶液に、20重量%の水酸化パラジウム(10mg)を加えた。40℃の水素雰囲気(バルーン)下で2時間撹拌した後、混合物を濾過し、減圧下で濾液を濃縮し、標題の化合物(84g、1H NMRからの純度90%、収率90%)を無色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.87-3.79(m,1H),3.65-3.49(m,2H),3.11-3.03(m,1H),2.90-2.83(m,2H),2.70-2.60(m,1H),2.53-2.36(m,5H),1.93-1.85(m,0.6H),1.75-1.65(m,1.4H),1.44(s,9H),1.10(s,3H),1.09(s,3H).
【0276】
中間体I-10-17:(cis)-(S)-エチル6-((6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(4mL)中の(cis)-tert-ブチル3-(ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートであるI-10-16(80mg、純度90%、0.242mmol)及び(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール--2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(166mg、純度95%、0.360mmol)の溶液に、トリエチルアミン(74mg、0.733mmol)を加えた。25℃で一晩撹拌した後、混合物を濃縮して残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=05%~95%)により精製して、黄色の固体として標題の化合物(91mg、純度97%、収率56%)を得た。
LC-MS(ESI):RT=2.34分、C34H46FN5O5Sの質量計算値655.3、m/z実測値656.8[M+H]+。
【0277】
中間体I-10-17A(単一の立体異性体)及びI-10-17B(単一の立体異性体):
(S)-エチル6-(((4aR*,8aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び(S)-エチル6-(((4aS*,8aR*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
(cis)-(S)-エチル6-((6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-10-17(135mg、純度92%、0.189mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IB 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=95:5(18mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、標題の化合物I-10-17A(68mg、1H NMRからの純度90%、収率49%、99.9%立体的に純粋)及びI-10-17B(64mg、1H NMRからの純度90%、収率46%、99.2%立体的に純粋)を黄色の固体として得た。
【0278】
中間体I-10-17A:キラル分析(カラム:Chiralpak IB 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=95:5(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=4.818分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.71(s,1H),7.81(d,J=3.2Hz,1H),7.40(d,J=2.8Hz,1H),7.08-7.02(m,1H),6.98-6.96(m,1H),6.91-6.87(m,1H),6.00(s,1H),4.10-3.95(m,5H),3.87-3.80(m,2H),2.98-2.96(m,1H),2.85-2.63(m,3H),2.59-2.52(m,5H),2.42-2.40(m,3H),1.78-1.74(m,2H),1.42(s,9H),1.14-1.08(m,9H).
【0279】
中間体I-10-17B:キラル分析(カラム:Chiralpak IB 5μm 4.6×250mm;移動相:Hex:EtOH=95:5(1.0mL/分);温度:30℃;波長:254nm、RT=6.445分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.74(s,1H),7.81(d,J=2.8Hz,1H),7.40(d,J=3.2Hz,1H),7.11-7.06(m,1H),7.01-6.99(m,1H),6.92-6.88(m,1H),6.02(s,1H),4.31(d,J=17.2Hz,1H),4.10-4.01(m,2H),3.92-3.80(m,4H),2.89-2.85(m,3H),2.73-2.71(m,1H),2.65-2.54(m,5H),2.41-2.38(m,2H),2.26-2.23(m,1H),1.80(br s,2H),1.45(s,9H),1.14-1.09(m,9H).
【0280】
化合物I-10A:3-((4aR*,8aS*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(2mL)中の(S)-エチル6-(((4aR*,8aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロ-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-4(3H)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-10-17A(68mg、純度90%、0.093mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水(+0.02%炭酸水素アンモニウム)=20%~70%)により精製して、標題の化合物(45mg、純度99.6%、収率80%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.839分、C30H38FN5O5Sの質量計算値599.3、m/z実測値600.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.94(d,J=3.2Hz,1H),7.74(d,J=3.2Hz,1H),7.17-7.08(m,2H),6.96-6.92(m,1H),5.98(s,1H),4.37(d,J=16.8Hz,1H),4.13-3.86(m,6H),3.56-3.50(m,1H),3.32-3.25(m,1H),3.18-3.00(m,6H),2.60-2.57(m,1H),2.53(d,J=2.0Hz,3H),2.04-2.02(m,2H),1.26(s,3H),1.24(s,3H),1.14(t,J=7.2Hz,3H).
【0281】
化合物I-11A:(S)-3-((4aR
*,8aS
*)-1-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化25】
【化26】
【0282】
中間体I-11-2:ベンジル7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
ジクロロメタン(400mL)中のベンジル5,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-カルボキシレート(25.0g、115mmol)の溶液を0℃に冷却した。ジクロロメタン(100mL)中のm-クロロペルオキシ安息香酸(27.8g、160mmol)の溶液を滴下し、生じた無色の反応混合物を室温に加温した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を5%の飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(300mL)で3回及び塩水(500mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4(s)の上方で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、黄色の油として標題の化合物(26.7g、純度84%、収率84%)を得た。
LC-MS(ESI):RT=1.26分、C13H15NO3の質量計算値233.1、m/z実測値251.2[M+18]+。
【0283】
中間体I-11-3及びI-10-4:
(trans)-ベンジル4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)及び(trans)-ベンジル3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
25~30%の水酸化アンモニウム水溶液(300mL)及びエタノール(250mL)中のベンジル7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレートであるI-11-2(26.7g、純度84%、96.3mmol)の溶液を70℃で5時間撹拌した。この反応混合物を真空中で半分に濃縮した。結果として生じた溶液をテトラヒドロフラン(300mL)により希釈し、炭酸水素ナトリウム(24.0g、287mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボネート(34.0g、150mmol)を滴下した。反応物を室温で一晩撹拌するに任せた。次に、これを飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)でクエンチし、層を分離させた。水層をさらに酢酸エチル(150mL)で2回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~4:1)により精製して、白色の固体として標題の化合物であるI-11-3(17.0g、1HNMRからの純度90%、収率42%)及びI-10-4(9.0g、1HNMRからの純度90%、収率23%)を得た。
【0284】
中間体I-11-3:LC-MS(ESI):RT=1.54分、C18H26N2O5の質量計算値350.2、m/z実測値351.5[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.38-7.33(m,5H),5.16(s,2H),4.76-4.75(m,1H),4.38-4.08(m,2H),3.49-3.42(m,2H),2.86-2.68(m,2H),2.01-1.97(m,1H),1.86(s,1H),1.49(s,9H).
【0285】
中間体I-10-4:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.45-7.35(m,5H),5.23-5.14(m,2H),4.88-4.71(m,1H),4.13-3.92(m,2H),3.69-3.46(m,3H),3.27-3.00(m,2H),2.03-1.75(m,2H),1.49(s,9H).
【0286】
中間体I-11-4:(cis)-ベンジル4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-((4-ニトロベンゾイル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(500mL)中の(trans)-ベンジル4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートであるI-11-3(37.0g、純度95%、101mmol)、トリフェニルホスフィン(39.4g、150mmol)及び4-ニトロ安息香酸(25.0g、150mmol)の溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(30.4g、150mmol)を0℃で滴加した。室温の窒素雰囲気下で一晩撹拌した後、反応混合物を水(200mL)中に注ぎ、酢酸エチル(150mL)で3回抽出した。合わせた有機相を塩水(150mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=6:1)により精製して、標題の化合物(23.0g、純度85%、収率39%)を白色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.75分、C25H29N3O8の質量計算値499.2、m/z実測値444.1[M-56+H]+。
【0287】
中間体I-11-5:(cis)-ベンジル4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(150mL)及び水(150mL)中の(cis)-ベンジル4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-((4-ニトロベンゾイル)オキシ)ピペリジン-1-カルボキシレートであるI-11-4(23.0g、純度85%、39.0mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(6.60g、157mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を水(150mL)で希釈し、真空中でテトラヒドロフランを除去し、酢酸エチル(150mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(150mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、標題の化合物(15.0g、1HNMRからの純度90%、収率98%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.39- 7.31(m,5H),5.17(s,2H),5.03-5.02(m,1H),4.35- 4.11(m,2H),3.94(s,1H),3.79-3.66(m,1H),3.14-2.89(m,2H),2.18-1.93(m,1H),1.83-1.69(m,2H),1.48(s,9H).
【0288】
中間体I-11-6:(cis)-ベンジル4-アミノ-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート塩酸塩(2種の立体異性体の混合物)
酢酸エチル(50mL)中の4Mの塩酸塩中の(cis)-ベンジル4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートであるI-11-5(15.0g、純度90%、38.5mmol)の溶液に、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、標題の化合物(12.0g、1H NMRからの純度90%、収率98%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.13(s,3H),7.37-7.31(m,5H),5.62(s,1H),5.07(s,2H),3.97(d,J=12.0Hz,2H),3.88(s,1H),3.25(d,J=8.0Hz,1H),3.14-2.82(m,2H),1.81-1.69(m,2H).
【0289】
中間体I-11-7:(cis)-ベンジル4-(2-クロロアセトアミド)-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(300mL)中のベンジル4-アミノ-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート塩酸塩であるI-11-6(11.0g、純度90%、34.5mmol)、トリエチルアミン(8.73g、86.3mmol)の溶液に、2-塩化クロロアセチル(4.29g、38.0mmol)を0℃で滴下した。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、塩水(200mL)で2回洗浄した。分離した有機層をNa2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、白色の固体として標題の化合物(11.0g、1H NMRからの純度90%、収率88%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.48-7.34(m,5H),7.06(s,1H),5.19(s,1H),4.42-4.23(m,2H),4.09-3.96(m,4H),3.14-2.89(m,2H),1.92-1.80(m,2H)
【0290】
中間体I-11-8:(cis)-ベンジル2-オキソヘキサヒドロ-1H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(1300mL)中の(cis)-ベンジル4-(2-クロロアセトアミド)-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートであるI-11-7(4.00g、純度90%、11.0mmol)中の溶液に、0℃の窒素雰囲気下で鉱油(1.10g,27.5mmol)中の60重量%の水素下ナトリウムを加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(200mL)で2回抽出した。合わせた有機相を塩水(200mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮してC18カラム(アセトニトリル:水=30%~95%)により精製して、白色の固体として標題の化合物(1.50g、
1H NMRからの純度98%、収率46%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.36-7.31(m,5H),7.00(s,1H),5.15(s,2H),4.58-4.37(m,1H),4.31-4.18(m,3H),3.83-3.80(m,1H),3.42-3.38(m,1H),3.15-3.00(m,1H),2.88-2.68(m,1H),2.02-1.92(m,1H),1.83-1.80(m,1H).
【0291】
中間体I-11-9:(cis)-ベンジル1-ベンジル-2-オキソヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(60mL)中の(cis)-ベンジル2-オキソヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-11-8(1.60g、純度98%、5.40mmol)の溶液に、0℃の窒素雰囲気下で鉱油(431mg、10.7mmol)中の60重量%の水酸化ナトリウムを加えた。次に、臭化ベンジル(1.85g、10.8mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を水(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。合わせた有機相を塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製して、標題の化合物(2.00g、1H NMRからの純度90%、収率87%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.34-7.24(m,10H),5.32-5.28(m,1H),5.14-5.13(m,2H),4.56-4.17(m,4H),3.99(d,J=15.2Hz,1H),3.77-3.71(m,1H),3.17-3.13(m,1H),2.97-2.88(m,1H),2.74- 2.59(m,1H),1.97- 1.83(m,2H).
【0292】
中間体I-11-10:(cis)-tert-ブチル1-ベンジル-2-オキソヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(20mL)中の(cis)-ベンジル1-ベンジル-2-オキソヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-11-9(2.00g、純度90%、4.73mmol)の溶液に、ジ-tert-ブチルジカルボネート(1.20g、5.50mmol)及び10重量%のパラジウム活性炭素(1.00g)を室温で加えた。水素雰囲気下(バルーン)にて室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濾過し、濃縮して、淡黄色の油として標題の化合物(1.65g、1H NMRからの90%純度、収率91%)を得た。
LC-MS(ESI):RT=1.58分、C19H26N2O4の質量計算値346.2、m/z実測値291.2[M+H-56]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.42-7.29(m,5H),5.30(d,J=20.0Hz,1H),4.67-4.11(m,4H),4.03(d,J=20.0Hz,1H),3.80-3.67(m,1H),3.18-3.12(m,1H),2.96-2.80(m,1H),2.68-2.51(m,1H),1.96-1.83(m,2H),1.47(s,9H).
【0293】
中間体I-11-11:(cis)-tert-ブチル1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレート(2種の立体異性体の混合物)
テトラヒドロフラン(10mL)中の(cis)-tert-ブチル1-ベンジル-2-オキソヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-11-10(1.30g、純度90%、3.38mmol)の溶液に、1Mのボラン-テトラヒドロフラン複合体(9mL、9mmol)を0℃で加えた。窒素雰囲気下にて室温で一晩撹拌した後、反応混合物を1Mの塩酸塩水溶液でpH=5に酸性化し、ジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~2:1)により精製して、標題の化合物(950g、1H NMRからの純度90%、収率76%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.42-7.29(m,5H),4.26-4.08(m,3H),3.93-3.83(m,1H),3.70-3.51(m,4H),2.91-2.80(m,1H),2.78-2.64(m,2H),2.61-2.49(m,1H),2.34-2.31(m,1H),2.13-2.06(m,1H),1.45(s,9H).
【0294】
中間体I-11-12:(cis)-1-ベンジルオクタヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン塩酸塩(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(8mL)中の(cis)-tert-ブチル1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-カルボキシレートであるI-11-11(950mg、純度90%、2.57mmol)の溶液に、酢酸エチル(6mL、24mmol)中の4Mの塩酸塩を窒素雰囲気下で加えた。窒素雰囲気下にて室温で1時間撹拌した後、反応混合物を濃縮して、白色の固体として標題の化合物(760mg、1H NMRからの純度90%、収率99%)を得た。
LC-MS(ESI):RT=1.28分、C14H21ClN2Oの質量計算値286.1、m/z実測値233.3[M+H-HCl]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.70(s,2H),7.50(s,3H),4.51-4.38(m,3H),4.21-4.18(m,1H),4.10-4.00(m,1H),3.92-3.89(m,1H),3.63-3.48(m,3H),3.38-3.34(m,1H),3.21-3.11(m,2H),2.66-2.53(m,1H),2.39-2.27(m,1H).
【0295】
中間体I-11-13:(cis)-tert-ブチル3-(1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(2種の立体異性体の混合物)
ジクロロメタン(10mL)中の(cis)-1-ベンジルオクタヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン塩酸塩であるI-11-12(600mg、純度90%、2.01mmol)の溶液に、トリエチルアミン(200mg、1.98mmol)を加えた。20℃で20分間撹拌した後、酢酸(1.5mL)、tert-ブチル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエート(495mg、純度70%、2.01mmol)及びヘキサン(4mL、4mmol)中の1Mの塩化トリイソプロポキシチタニウム(IV)を加えた。混合物を20℃で40分間撹拌し、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.30g、6.13mmol)を加えた。20℃で16時間撹拌した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)でクエンチした。混合物をジクロロメタン(20mL)で3回抽出した。合わせた有機相を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=40%~70%)により精製し、標題の化合物(800mg、1H NMRからの純度90%、収率92%)を淡黄色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=2.09分、C23H36N2O3の質量計算値388.3、m/z実測値389.4[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.34-7.22(m,5H),3.89-3.85(m,1H),3.67-3.52(m,4H),2.98(d,J=12.4Hz,1H),2.88-2.79(m,1H),2.70-2.63(m,1H),2.58-2.56(m,1H),2.50(d,J=13.6Hz,1H),2.42(d,J=13.6Hz,1H),2.30(t,J=12.4Hz,2H),2.16-2.04(m,2H),1.48-1.36(m,1H),1.44(s,9H),1.12(s,6H).
【0296】
中間体I-11-13A(単一の立体異性体)及びI-11-13B(単一の立体異性体):
tert-ブチル3-((4aR*,8aS*)-1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(単一の立体異性体)及びtert-ブチル3-((4aS*,8aR*)-1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(単一の立体異性体)
(cis)-tert-ブチル3-(1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートであるI-11-13(800mg、純度90%、1.85mmol)のラセミ混合物をキラル分取HPLC(分離条件:カラム:Chiralpak IC 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=98:2(25mL/分);温度:30℃;波長:230nm)により分離して、黄色の固体として標題の化合物I-11-13A(320mg、1H NMRからの純度90%、収率40%、100%立体的に純粋)及びI-11-13B(330mg、1H NMRからの純度90%、収率41%、99.6%立体的に純粋)を得た。
【0297】
中間体I-11-13A:LC-MS(ESI):RT=2.09分、C23H36N2O3の質量計算値388.3、m/z実測値389.5[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=98:2(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=4.843分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.35-7.22(m,5H),3.90-3.86(m,1H),3.69-3.51(m,4H),2.98(d,J=12.4Hz,1H),2.86-2.80(m,1H),2.70-2.63(m,1H),2.61-2.55(m,1H),2.50(d,J=13.6Hz,1H),2.42(d,J=13.6Hz,1H),2.33-2.27(m,2H),2.17-2.08(m,2H),1.49-1.36(m,1H),1.44(s,9H),1.12(s,6H).
【0298】
中間体I-11-13B:LC-MS(ESI):RT=2.09分、C23H36N2O3の質量計算値388.3、m/z実測値389.5[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IC 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=98:2(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=6.048分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.34-7.22(m,5H),3.91-3.86(m,1H),3.67-3.53(m,4H),2.98(d,J=12Hz,1H),2.90-2.79(m,1H),2.70-2.64(m,1H),2.60-2.55(m,1H),2.49(d,J=13.2Hz,1H),2.42(d,J=13.2Hz,1H),2.33-2.26(m,2H),2.17-2.05(m,2H),1.50-1.38(m,1H),1.44(s,9H),1.12(s,6H).
【0299】
中間体I-11-14A:tert-ブチル3-((4aR*,8aS*)-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエート(単一の立体異性体)
メタノール(4mL)中のtert-ブチル3-((4aR*,8aS*)-1-ベンジルヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートであるI-11-13A(150mg、純度90%、0.347mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム活性炭素(60mg)を室温で加えた。水素雰囲気下(バルーン)にて室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濾過し、濃縮して、淡黄色の油として標題の化合物(111mg、1H NMRからの純度90%、収率96%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.91-3.82(m,1H),3.67-3.62(m,1H),3.56-3.49(m,1H),3.12-3.04(m,1H),3.00-2.96(m,1H),2.87-2.80(m,1H),2.71-2.68(m,2H),2.51-2.46(m,2H),2.44-2.40(m,1H),2.34-2.23(m,1H),2.15-2.01(m,1H),1.52-1.38(m,1H),1.44(s,9H),1.11(s,6H).
【0300】
中間体I-11-15A:(S)-エチル6-(((4aR*,8aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)オクタヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(6mL)中の(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(170mg、純度95%、0.368mmol)の溶液に、tert-ブチル3-((4aR*,8aS*)-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパノエートであるI-11-14A(111mg、純度90%、0.335mmol)及びトリエチルアミン(110mg、1.09mmol)を室温で加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濃縮した。残渣をC18カラム(アセトニトリル:水=50%~80%)により精製し、標題の化合物(180mg、1H NMRからの純度90%、収率67%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=2.32分、C34H46FN5O5Sの質量計算値655.3、m/z実測値656.5[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.77(s,1H),7.81(d,J=3.2Hz,1H),7.41(d,J=3.2Hz,1H),7.08-7.03(m,1H),6.97-6.95(m,1H),6.92-6.87(m,1H),6.00(s,1H),4.10-3.98(m,5H),3.79-3.72(m,2H),3.06-3.02(m,1H),2.98-2.84(m,2H),2.61-2.58(m,1H),2.55(s,3H),2.51-2.43(m,4H),2.33-2.10(m,2H),1.52-1.47(m,1H),1.44(s,9H),1.14-1.10(m,9H).
【0301】
化合物I-11A:(S)-3-((4aR*,8aS*)-1-((5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-6(7H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(8mL)中の(S)-エチル6-(((4aR*,8aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)オクタヒドロ-1H-ピリド[3,4-b][1,4]オキサジン-1-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるI-11-15A(180mg、純度90%、0.247mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(4mL)を室温で加えた。窒素雰囲気下にて室温で2時間撹拌した後、反応混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4(s)で乾燥させ、濃縮した。残渣をC18カラム(アセトニトリル:水=60%~80%)により精製して、所望の化合物(90mg、純度97.9%、収率59%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.835分、C30H38FN5O5Sの質量計算値599.3、m/z実測値600.3。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 7.93(d,J=3.2Hz,1H),7.75(d,J=3.2Hz,1H),7.17-7.08(m,2H),6.97-6.92(m,1H),5.97(s,1H),4.30(d,J=16.8Hz,1H),4.11-4.03(m,5H),3.93-3.87(m,1H),3.61-3.51(m,2H),3.22(d,J=14.8Hz,1H),3.11-2.96(m,5H),2.61-2.58(m,1.7H),2.53(s,3H),2.52-2.49(s,0.3H),1.92-1.85(m,1H),1.28(s,3H),1.23(s,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H).
【0302】
化合物I-12A:
3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(単一の立体異性体)
【化27】
【0303】
中間体I-12-1A:(4aR*,7aS*)-ベンジル6-(3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(112mg、純度90%、0.454mmol)の溶液に、2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリミジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(V)(172mg、0.452mmol)及びトリエチルアミン(107mg、1.06mmol)を室温の窒素雰囲気下で加えた。室温で15分間撹拌した後、(4aR*,7aS*)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩であるI-1-7A(100mg、純度90%、0.301mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(5mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~3:1)により精製して、標題の化合物(110mg、1H NMRからの純度90%、収率70%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37-7.30(m,10H),5.30-5.24(m,2H),5.17-5.10(m,2H),4.40(s,0.5H),4.22(s,0.5H),3.89-3.43(m,7H),3.11-2.86(m,2H),1.45-1.35(m,6H).
【0304】
中間体I-12-2A:3-((4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(単一の立体異性体)
メタノール(20mL)中の(4aR*,7aS*)-ベンジル6-(3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパノイル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-12-1A(100mg、純度90%、0.179mmol)の溶液に、10重量%のパラジウム活性炭素(200mg、0.188mmol)を室温で加えた。25℃の水素雰囲気(バルーン)下にて一晩撹拌した後、混合物を濾過し、濾液を濃縮して、標題の化合物(48g、1H NMRからの純度90%、収率99%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.01(s,1H),3.87-3.76(m,1H),3.67-3.43(m,6H),3.12-2.99(m,1H),2.70-2.63(m,1H),1.38(s,3H),1.35(s,3H).
【0305】
化合物I-12A:3-((4aR*,7aS*)-4-(((S)-5-(エトキシカルボニル)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(10mL)中の3-((4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロパン酸であるI-12-2A(48mg、純度90%、0.178mmol)の溶液に、トリエタノールアミン(133mg、0.891mmol)及び(S)-エチル6-(ブロモメチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレートであるVIa-2(80mg、純度98%、0.179mmol)を室温の窒素雰囲気下で加えた。35℃で一晩撹拌した後、混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、C18カラム(アセトニトリル:水(+0.1%の炭酸水素アンモニウム)=30%~95%)により精製して、標題の化合物(50mg、純度99.5%、収率46%)を黄色の固体として得た。
LC-MS(ESI):RT=3.408分、C29H34FN5O6Sの質量計算値649.3、m/z実測値600.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6 )δ 9.49(br s,1H),8.00(d,J=3.2Hz,1H),7.92(d,J=3.2Hz,1H),7.20-7.15(m,1H),7.04-7.00(m,2H),5.88(s,0.96H),5.76(s,0.04H),4.14-3.97(m,5H),3.88-3.85(m,1H),3.58-3.54(m,2H),3.47-3.35(m,4H),2.84-2.78(m,1H),2.59-2.54(m,1H),2.44(s,3H),1.26-1.19(m,6H),1.07(t,J=7.8Hz,3H).
【0306】
化合物I-13A:3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化28】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-1-10A及びVIa-3から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):R
T=3.575分、C
28H
33ClFN
5O
5Sの質量計算値 605.2、m/z実測値606.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 13.06(s,1H),9.65(s,1H),8.02(d,J=3.2Hz,1H),7.95(d,J=3.2Hz,1H),7.38-7.28(m,2H),7.24-7.22(m,1H),6.01(s,1H),4.07-3.92(m,4H),3.86-3.83(m,1H),3.59-3.54(m,1H),3.29-3.26(m,1H),3.15-3.06(m,2H),2.81-2.67(m,5H),2.57-2.54(m,1H),1.05-1.02(m,9H).
【0307】
化合物I-14A:3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((S
*)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化29】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-1-10A及びVIa-4から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):R
T=3.449分、C
28H
34FN
5O
5Sの質量計算値571.3、m/z実測値572.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 7.94(d,J=2.8Hz,1H),7.75(d,J=3.2Hz,1H),7.17-7.08(m,2H),6.95(t,J=9.6Hz,1H),5.98(s,1H),4.35-4.26(m,2H),4.06-4.00(m,2H),3.91-3.76(m,3H),3.62(s,3H),3.46(br s,2H),3.40-3.38(m,1H),3.26(d,J=12.8Hz,1H),3.16(d,J=12.8Hz,1H),3.05(td,J=12.4,2.8Hz,1H),2.69(d,J=12.0Hz,1H),2.53(s,3H),1.30(s,3H),1.22(s,3H).
【0308】
化合物I-15A:3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化30】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-1-10A及びVIa-5から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):R
T=3.656分、C
27H
31ClFN
5O
5Sの質量計算値591.2、m/z実測値592.1[M+H]
+。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 13.07(s,1H),9.69(s,1H),8.02(d,J=2.8Hz,1H),7.94(d,J=3.2Hz,1H),7.43-7.36(m,2H),7.19-7.14(m,1H),6.04(s,1H),4.07-3.93(m,3H),3.86-3.83(m,1H),3.60-3.54(m,1H),3.52(s,3H),3.26-3.22(m,1H),3.14-3.05(m,2H),2.81-2.67(m,5H),2.58-2.53(m,1H),1.05(s,3H),1.02(s,3H).
【0309】
化合物I-16A:3-((4aR
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化31】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-1-10A及びVIa-6から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):R
T=3.284分、C
27H
31ClFN
5O
5Sの質量計算値591.2、m/z実測値592.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 13.14(br s,1H),9.72(s,1H),8.02(d,J=3.2Hz,1H),7.95(d,J=2.8Hz,1H),7.38-7.29(m,2H),7.22-7.20(m,1H),6.09(s,1H),4.06(d,J=17.2Hz,1H),3.98-3.94(m,2H),3.86-3.83(m,1H),3.59-3.54(m,1H),3.51(s,3H),3.27-3.22(m,1H),3.17-3.06(m,2H),2.81-2.67(m,5H),2.56-2.51(m,1H),1.05(s,3H),1.02(s,3H).
【0310】
化合物I-17B:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((S
*)-6-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化32】
【0311】
中間体I-17B-1:(4R*,7S*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
ジクロロメタン(200mL)中の(4R*,7S*)-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート塩酸塩であるI-1-7A(20.3g、純度90%、61.2mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(6.19g、61.2mmol)を加えた。10分間撹拌した後、ジクロロメタン(122mL、122mmol)中のtert-ブチル2,2-ジメチル-3-オキソプロパノエート(30.1g、純度70%、122mmol)及び1Mのクロロトリイソプロポキシチタニウム(IV)の溶液を室温で加えた。室温で30分間撹拌した後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(38.9g、184mmol)及び酢酸(11.0g、183mmol)を混合物中に添加した。窒素雰囲気下にて25℃で一晩撹拌した後、混合物を0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)でクエンチした。混合物をセライトパッドに通して濾過し、酢酸エチル(100mL)により2回洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)により精製して、標題の化合物(28.0g、1H NMRからの純度80%、収率88%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.38-7.30(m,5H),5.15(s,2H),4.36-4.29(m,0.4H),4.24-4.19(m,0.6H),3.89-3.71(m,3H),3.49-3.32(m,2H),3.21-3.08(m,1H),3.02-2.98(m,0.4H),2.93-2.88(m,0.6H),2.81-2.74(m,2H),2.68-2.57(m,2H),1.43(s,3H),1.39(s,6H),1.10(s,4H),1.09(s,2H).
【0312】
中間体I-17B-2(単一の立体異性体)及びI-17B-3(単一の立体異性体):
(4S*,7S*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び(4R*,7R*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
酢酸エチル(280mL)及び水(280mL)中の(4R*,7S*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-17B-1(56.0g、純度80%、107mmol)の溶液に、塩化ルテニウム(III)三水和物(2.80g、10.7mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(45.8g、214mmol)を室温で加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)でクエンチし、酢酸エチル(500mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(500mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して残渣を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1~1:1)により精製して、標題の化合物であるI-17B-2(10.5g、1HNMRからの純度90%、収率20%、99.5%立体的に純粋)を褐色の油として得、I-17B-2及びI-17B-3の混合化合物(17.0g、純度90%、収率33%)を褐色の油として得、標題の化合物であるI-17B-3(16.5g、純度90%、収率32%、90.0%立体的に純粋)を褐色の固体として得た。
【0313】
中間体I-17B-2:キラル分析(カラム:Chiralpak IG 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=50:50(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=10.473分)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37-7.30(m,5H),5.25-5.15(m,2H),4.81-4.77(m,0.5H),4.62-4.57(m,0.5H),4.13-4.07(m,1H),3.90-3.73(m,2H),3.69-3.64(m,1H),3.59-3.45(m,2H),3.33-3.29(m,1H),3.25(d,J=11.6Hz,1H),3.08-2.93(m,1H),1.46(s,5H),1.44(s,4H),1.17(s,3H),1.13(s,3H).
【0314】
中間体I-17B-3:キラル分析(カラム:Chiralpak IG 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=50:50(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=15.698分)。
【0315】
中間体I-17B-2(単一の立体異性体)及びI-17B-3(単一の立体異性体):
(4S*,7S*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び(4R*,7R*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-7-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
I-17B-1(26.0g、純度90%、54.1mmol)の混合物は、キラル分取HPLC(カラム:Chiralpak IG 5μm 20*250mm;移動相:Hex:EtOH=50:50(15mL/分);温度:30℃;波長:214nm)により分離して、黄色の固体として標題の化合物I-17B-2(12.7g、1H NMRからの90%純度、収率49%、100%立体的に純粋)及びI-17B-3(9.80g、1H NMRからの純度90%、収率38%、86.3%立体的に純粋)を得た。
【0316】
中間体I-17B-2:LC-MS(ESI):Rt=1.423分、C23H32N2O6の質量計算値432.2、m/z実測値433.2[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IG 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=50:50(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=10.491分)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.41-7.29(m,5H),5.26-5.14(m,2H),4.81-4.77(m,0.5H),4.62-4.57(m,0.5H),4.13-4.07(m,1H),3.90-3.41(m,5H),3.33-3.29(m,2H),3.09-2.92(m,1H),1.45(s,5H),1.43(s,4H),1.17(s,3H),1.13(s,3H).
【0317】
中間体I-17B-3:LC-MS(ESI):Rt=1.411分、C23H32N2O6の質量計算値432.2、m/z実測値433.2[M+H]+。キラル分析(カラム:Chiralpak IG 5μm 4.6*250mm;移動相:Hex:EtOH=50:50(1mL/分);温度:30℃;波長:214nm、RT=15.826分)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.42-7.31(m,5H),5.16(s,2H),4.46-4.36(m,1H),4.01-3.78(m,3H),3.60-3.36(m,5H),3.25-3.11(m,1H),1.42(s,9H),1.15(s,6H).
【0318】
中間体I-17B-4:(4S*,7S*)-tert-ブチル2,2-ジメチル-3-(5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)プロパノエート(単一の立体異性体)
プロパン-2-オール(45mL)及びテトラヒドロフラン(45mL)中の(4S*,7S*)-ベンジル6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-カルボキシレートであるI-17B-2(8.50g、純度90%、17.7mmol)の溶液に、20%の水酸化パラジウム炭素(1.24g、1.77mmol)を室温で加えた。水素雰囲気下(バルーン)にて50℃で2時間撹拌した後、混合物をセライトパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、無色の油として標題の化合物(5.60g、1H NMRからの純度90%、収率95%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 4.23(t,J=3.6Hz,1H),3.76-3.72(m,1H),3.66(d,J=14.0Hz,1H),3.62-3.57(m,1H),3.49-3.45(m,1H),3.41-3.38(m,1H),3.35(d,J=14.0Hz,1H),3.18(d,J=11.6Hz,1H),2.88-2.81(m,1H),2.66-2.62(m,1H),1.45(s,9H),1.18(s,3H),1.12(s,3H).
【0319】
中間体I-17B-5:メチル(S*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物を化合物I-17B-4及びVIb-7から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.4分、C32H39F2N5O6Sの質量計算値659.3、m/z実測値660.3[M+H]+。
【0320】
化合物I-17B:3-((4aS*,7aS*)-4-(((S*)-6-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
アルゴン中のDCM(1.5mL)中のI-17B-5(33mg、0.05mmol)の溶液に、0℃でTFA(3.0mL)を加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を除去して残渣を得、これをジクロロメタン(20mL)により3回抽出した。合わせた有機相を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して残渣を得て、これをC18カラム(アセトニトリル:水=40%~70%)により精製して、黄色の固体として標題の化合物を得た。
LC-MS(ESI):RT=2.8分、C28H31F2N5O6Sの質量計算値603.6、m/z実測値604.3[M+H]+。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ:7.93(d,1H),7.72(d,1H),6.94-7.05(m,2H),5.89(s,1H),4.50-4.68(m,2H),4.27(m,1H),3.74-3.90(m,2H),3.68(d,1H),3.55-3.65(m,5H),3.27-3.40(m,2H),2.83-2.94(m,1H),2.60-2.67(m,1H),2.55(d,3H),1.21(s,3H),1.17(s,3H).
【0321】
化合物I-18A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化33】
【0322】
中間体I-18A-1:エチル(R*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-3から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.41分、C32H39ClFN5O6Sの質量計算値675.2、m/z実測値676.3[M+H]+。
【0323】
化合物I-18A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-18A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.91分、C28H31ClFN5O6Sの質量計算値 619.2、m/z実測値620.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:9.60(brs,1H),7.84(d,J=3.2Hz,1H),7.44(d,J=3.2Hz,1H),7.20-7.10(m,2H),7.05-7.01(m,1H),6.26(s,1H),4.65-4.52(m,2H),4.30(t,J=3.2Hz,1H),4.08-4.03(q,J=7.2Hz,2H),3.88-3.80(m,2H),3.64-3.60(d,J=13.9Hz,1H),3.55-3.52(dd,J=3.6,11.2Hz,1H),3.45-3.35(m,3H),2.98-2.93(m,1H),2.58(d,J=11.8Hz,1H),1.26(s,3H),1.23(s,3H),1.15(t,J=7.1Hz,3H).
【0324】
化合物I-19A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((S
*)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化34】
【0325】
中間体I-19A-1:メチル(S*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-4から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.29分、C32H40FN5O6Sの質量計算値641.3、m/z実測値642.3[M+H]+。
【0326】
化合物I-19A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((S*)-6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-19A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.69分、C28H32FN5O6Sの質量計算値585.2、m/z実測値586.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:9.52(brs,1H),7.82(d,J=3.2Hz,1H),7.42(d,J=3.2Hz,1H),7.09-7.03(m,1H),6.98-6.96(m,1H),6.90(t,J=9.35Hz,1H),6.01(s,1H),4.68-4.52(m,2H),4.30(m,1H),3.88-3.76(m,2H),3.63(s,3H),3.61-3.37(m,3H),2.98-2.92(m,1H),2.64(s,2H),2.59(s,1H),2.55(d,J=2.0Hz,3H),1.27(s,3H),1.24(s,3H).
【0327】
化合物I-20A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化35】
【0328】
中間体I-20A-1:エチル(R*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.73分、C32H39ClFN5O6Sの質量計算値675.2、m/z実測値676.3[M+H]+。
【0329】
化合物I-20A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-20A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.85分、C28H31ClFN5O6Sの質量計算値 619.2、m/z実測値620.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ:12.27-12.61(m,1H),9.55-9.91(m,1H),7.96(d,J=3.06Hz,1H),7.89(d,J=3.18Hz,1H),7.32-7.38(m,2H),7.10(dt,J=2.69,8.50Hz,1H),5.97(s,1H),4.44(s,2H),4.09(br s,1H),3.82-3.95(m,2H),3.63-3.78(m,2H),3.50-3.62(m,1H),3.38-3.49(m,2H),3.10-3.21(m,1H),3.04(d,J=11.00Hz,1H),2.53-2.71(m,2H),0.97-1.05(m,9H).
【0330】
化合物I-21A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化36】
【0331】
中間体I-21A-1:メチル(R*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-5から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.57分、C31H37ClFN5O6Sの質量計算値661.2、m/z実測値662.3[M+H]+。
【0332】
化合物I-21A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-21A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.71分、C27H29ClFN5O6Sの質量計算値605.2、m/z実測値606.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ:12.15-12.55(m,1H),9.54-9.86(m,1H),7.96(d,J=3.18Hz,1H),7.89(d,J=3.18Hz,1H),7.30-7.38(m,2H),7.10(dt,J=2.63,8.47Hz,1H),5.96(s,1H),4.44(br s,2H),4.01-4.17(m,1H),3.64-3.80(m,2H),3.50-3.63(m,1H),3.45(s,3H),3.38-3.48(m,2H),3.15(d,J=13.69Hz,1H),3.05(d,J=11.00Hz,1H),2.53-2.72(m,2H),1.03(s,3H),1.00(s,3H).
【0333】
化合物I-22A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化37】
【0334】
中間体I-22A-1:メチル(R*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-8から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.37分、C31H36ClF2N5O6Sの質量計算値679.2、m/z実測値680.3[M+H]+。
【0335】
化合物I-22A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-22A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.81分、C27H28ClF2N5O6Sの質量計算値623.1、m/z実測値624.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ:7.94(d,J=3.18Hz,1H),7.74(d,J=3.18Hz,1H),7.17-7.24(m,2H),6.14(s,1H),4.51-4.66(m,2H),4.28(t,J=3.55Hz,1H),3.75-3.88(m,2H),3.66-3.72(m,1H),3.56-3.65(m,5H),3.32-3.40(m,2H),2.83-2.92(m,1H),2.61-2.69(m,1H),1.20(s,3H),1.17(s,3H).
【0336】
化合物I-23A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化38】
【0337】
中間体I-23A-1:エチル(R*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-9から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.73分、C32H38ClF2N5O6Sの質量計算値693.2、m/z実測値694.3[M+H]+。
【0338】
化合物I-23A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-3,4-ジフルオロフェニル)-5-(エトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-23A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.90分、C28H30ClF2N5O6Sの質量計算値637.1、m/z実測値638.2[M+H]+。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ:ppm 7.94(d,J=3.18Hz,1H),7.74(d,J=3.06Hz,1H),7.17-7.25(m,2H),6.14(s,1H),4.51-4.66(m,2H),4.28(t,J=3.55Hz,1H),4.05(q,J=7.09Hz,2H),3.82(td,J=10.42,2.14Hz,2H),3.69(d,J=3.79Hz,1H),3.55-3.63(m,2H),3.33-3.40(m,1H),3.27-3.30(m,1H),2.88(br s,1H),2.60-2.71(m,1H),1.12-1.23(m,9H).
【0339】
化合物I-24A:3-((4aS
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
【化39】
【0340】
中間体I-24A-1:メチル(R*)-6-(((4aS*,7aS*)-6-(3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-4(4aH)-イル)メチル)-4-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1,4-ジヒドロピリミジン-5-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-17B-4及びVIa-6から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.30分、C31H37ClFN5O6Sの質量計算値661.2、m/z実測値662.3[M+H]+。
【0341】
化合物I-24A:3-((4aS*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メトキシカルボニル)-2-(チアゾール-2-イル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)-5-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(単一の立体異性体)
I-17Bの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をI-24A-1から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=2.70分、C27H29ClFN5O6Sの質量計算値605.1、m/z実測値606.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:ppm 9.45-9.64(m,1H),7.80-7.94(m,1H),7.40-7.51(m,1H),7.08-7.21(m,2H),6.97-7.08(m,1H),6.18-6.30(m,1H),4.59-4.74(m,1H),4.45-4.57(m,1H),4.25-4.36(m,1H),3.72-3.94(m,2H),3.62(s,3H),3.39-3.60(m,5H),2.87-2.99(m,1H),2.51-2.63(m,1H),1.22-1.33 ppm(m,6H).
【0342】
国際公開第01/68641号パンフレットからの下記の化合物(本特許における化合物72)を参照物質1として選択した。化学的構造は、下記に示した。
【化40】
【0343】
参照物質1A(単一の立体異性体)及び参照物質1B(単一の立体異性体):
(4aR
*,7aR
*)-tert-ブチル4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び(4aS
*,7aS
*)-tert-ブチル4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
【化41】
【0344】
中間体Ref-1-1:tert-ブチル6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキシレート
ジクロロメタン(300mL)中のtert-ブチル2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレートであるI-1-1(20g、118mmol)の溶液に、3-クロロペルオキシ安息香酸(41g、238mmol)を室温で加えた。室温で12時間撹拌した後、反応混合物は飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(500mL)によりクエンチし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)で3回洗浄し、Na2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、黄色の油として標題の化合物(19g、1H NMRからの純度80%、収率69%)を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 3.82(d,J=12.8Hz,1H),3.74(d,J=12.8Hz,1H),3.68(d,J=2.8Hz,2H),3.36-3.30(m,2H),1.45(s,9H).
【0345】
中間体Ref-1-2:(trans)-tert-ブチル3-(ベンジルアミノ)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート
エタノール(200mL)中のtert-ブチル6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキシレートであるRef-1-1(21g、純度80%、90.7mmol)の溶液に、フェニルメタンアミン(20mL、183mmol)を加えた。95℃で12時間撹拌した後、反応混合物を濃縮して残渣を得た。残渣を石油エーテル(50mL)及び酢酸エチル(50mL)の溶液で希釈した。得られた懸濁液を1時間にわたり室温で撹拌した。沈降物を濾過によって収集し、標題の化合物(21g、1H NMRからの純度95%、収率75%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.36-7.28(m,4H),7.23-7.20(m,1H),5.00(br s,1H),3.97(s,1H),3.70(s,2H),3.46-3.31(m,2H),3.13-3.06(m,2H),2.95-2.93(m,1H),1.39(s,9H).
【0346】
中間体Ref-1-3:(trans)-tert-ブチル3-(N-ベンジル-2-クロロアセトアミド)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート
ジクロロメタン(200mL)中の(trans)-tert-ブチル3-(ベンジルアミノ)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートであるRef-1-2(21g、純度95%、68.2mmol)及びトリエチルアミン(19mL、137mmol)の溶液に、2-塩化クロロアセチル(6.6mL、82.9mmol)を0℃で滴下した。室温で4時間撹拌した後、混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4(s)の上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:0~8:1)により精製して、黄色の固体として表題の化合物(11.5g、1H NMRからの純度80%、収率37%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.41-7.15(m,5H),5.61-5.58(m,0.7H),5.37(s,0.3H),4.87-4.77(m,1.3H),4.51(d,J=14.0Hz,0.7H),4.40-4.21(m,3.3H),3.52-3.38(m,2H),3.18-2.93(m,2H),1.36-1.31(m,9H).
【0347】
中間体Ref-1-4:(trans)-tert-ブチル4-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
テトラヒドロフラン(100mL)中の(trans)-tert-ブチル3-(N-ベンジル-2-クロロアセトアミド)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレートであるRef-1-3(11.5g、純度80%、24.9mmol)の溶液に0℃でカリウムtert-ブトキシド(5.3g、47.2mmol)を加えた。室温で12時間撹拌した後、反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、標題の化合物(2.8g、1H NMRからの純度95%、収率32%)を白色の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 7.41- 7.36(m,2H),7.33-7.26(m,3H),4.83-4.74(m,1H),4.40(s,2H),4.38-4.32(m,1H),4.25-4.16(m,1H),3.77-3.57(m,3H),3.13-2.88(m,2H),1.39(s,9H).
【0348】
中間体Ref-1-5:(trans)-tert-ブチル4-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
テトラヒドロフラン(10mL)中の(trans)-tert-ブチル4-ベンジル-3-オキソヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるRef-1-4(500mg、純度90%、1.35mmol)の混合物に1Mのボラン-テトラヒドロフラン錯体(5.5mL、5.5mmol)を加えた。70℃で4時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4(s)上で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製して、標題の化合物(400mg、1H NMRからの純度90%、収率84%)を黄色の油として得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.41-7.32(m,5H),3.94(dd,J=11.4Hz,3.0Hz,1H),3.81-3.61(m,5H),3.31-3.17(m,2H),3.07-3.00(m,1H),2.73(d,J=11.7Hz,1H),2.46-2.33(m,1H),2.26-2.15(m,1H),1.49(s,9H).
【0349】
中間体Ref-1-6:(trans)-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
メタノール(30mL)中の(trans)-tert-ブチル4-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレートであるRef-1-5(1.7g、純度90%、4.81mmol)の混合物に10重量%のパラジウム炭素(340mg)を加えた。水素雰囲気下(50psi)にて50℃で一晩撹拌した後、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製して、黄色の油として標題の化合物(1.1g、1H NMRからの純度90%、収率90%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.96-3.93(m,1H),3.75-3.56(m,3H),3.50-3.40(m,1H),3.15-2.77(m,5H),1.46(s,9H).
【0350】
化合物の参照物質1A及び参照物質1B:
(4aR*,7aR*)-tert-ブチル4-(((R*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
(4aS*,7aS*)-tert-ブチル4-(((R*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物の濾液を参照物質-1-6及びVIa-10から黄色の固体として合成した。濾液を分取HPLC(カラム:X-bridge C18(5um 19*150mm);移動相A:水(+0.1%の炭酸水素アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル、UV:214nm、流速:15mL/分、勾配:40:90%(Bの%))により精製して、参照物質1A(25mg、純度95.4%、収率32%)及び参照物質1B(28mg、純度96.3%、収率36%)を白色の固体として得た。
【0351】
参照物質1A:LC-MS(ESI):RT=3.105分、C29H31ClF3N5O5の質量計算値621.2、m/z実測値622.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.52(s,1H),7.72-7.68(m,1H),7.41-7.38(m,1H),7.22(d,J=8.8Hz,1H),7.05-7.01(m,1H),6.22(s,1H),4.19-4.02(m,2H),3.94-3.86(m,2H),3.73-3.67(m,3H),3.62(s,3H),3.17-2.94(m,3H),2.63-2.55(m,2H),1.45(s,4H),1.42(s,5H).
【0352】
参照物質1B:LC-MS(ESI):RT=3.255分、C29H31ClF3N5O5の質量計算値621.2、m/z実測値622.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.51(s,1H),7.80-7.69(m,1H),7.50-7.40(m,1H),7.31-7.21(m,1H),7.12-6.99(m,1H),6.33(s,0.2H),6.24(s,0.8H),4.21-4.13(m,1H),4.06-3.88(m,4H),3.83-3.70(m,2H),3.62(s,3H),3.20-3.09(m,2H),2.78(t,J=10.4Hz,1H),2.69-2.60(m,1H),2.49-2.39(m,1H),1.48(s,9H).
【0353】
参照物質1C(単一の立体異性体)及び参照物質1D(単一の立体異性体):
(4aR
*,7aR
*)-tert-ブチル4-(((S
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)及び(4aS
*,7aS
*)-tert-ブチル4-(((S
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
【化42】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物の濾液を参照物質-1-6及びVIa-10から黄色の固体として合成した。濾液を濃縮して、これを分取HPLC(カラム:X-bridge C18(5um 19
*150mm);移動相A:水(+0.1%炭酸水素アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル、UV:214nm、流速:15mL/分、勾配:40:90%(Bの%))により精製して、参照物質1C(16mg、純度99.3%、収率21.3%)及び参照物質1D(6mg、純度98.1%、収率7.9%)を白色の固体として得た。
【0354】
参照物質1C:LC-MS(ESI):RT=3.514分、C29H31ClF3N5O5の質量計算値621.2、m/z実測値622.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.51(s,1H),7.74-7.68(m,1H),7.41-7.37(m,1H),7.21(d,J=8.4Hz,1H),7.05-7.01(m,1H),6.21(s,1H),4.18-4.02(m,2H),3.94-3.85(m,2H),3.75-3.65(m,3H),3.63(s,1H),3.62(s,2H),3.17-2.93(m,3H),2.65-2.52(m,2H),1.44(s,4H),1.41(s,5H).
【0355】
参照物質1D:LC-MS(ESI):RT=3.697分、C29H31ClF3N5O5の質量計算値621.2、m/z実測値622.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.51(s,1H),7.75-7.70(m,1H),7.44-7.42(m,1H),7.25-7.22(m,1H),7.12-7.02(m,1H),6.26(s,1H),4.22-4.14(m,1H),3.99-3.84(m,4H),3.80-3.72(m,2H),3.62(s,3H),3.19-3.13(m,2H),2.78(t,J=10.8Hz,1H),2.69-2.63(m,1H),2.51-2.43(m,1H),1.48(s,9H).
【0356】
参照物質1E:tert-ブチル(4aR
*,7aS
*)-4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
【化43】
【0357】
中間体Ref-1-7:tert-ブチル(4aR*,7aS*)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
メタノール(20mL)中のI-1-6A(150mg、純度90%、0.372mmol)の溶液に、10重量%の水酸化パラジウム炭素(90mg)を室温で加えた。45℃の水素雰囲気下(バルーン)で4時間撹拌した後、混合物を濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(85mg、1H NMRからの純度90%、収率90%)を無色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.25分、C11H20N2O3の質量計算値228.1、m/z実測値229.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.99-3.93(m,1H),3.84(td,J=11.2Hz,2.8Hz,1H),3.61-3.52(m,2H),3.47-3.35(m,4H),3.15-3.10(m,1H),2.66(td,J=13.2Hz,2.4Hz,1H),1.46-1.45(m,9H).
【0358】
参照物質1E:tert-ブチル(4aR*,7aS*)-4-(((R*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をRef-1-7及びVIa-10から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=3.329分、C28H31ClF3N5O5の質量計算値621.2、m/z実測値622.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.53-8.51(m,1H),7.75-7.69(m,1H),7.44-7.38(m,1H),7.23-7.22(m,1H),7.06-6.99(m,1H),6.23(s,0.4H),6.22(s,0.6H),4.35-4.21(m,2H),4.03-3.89(m,2H),3.84-3.74(m,1H),3.62(s,3H),3.58-3.51(m,1.5H),3.48-3.31(m,3.5H),2.96-2.82(m,1H),2.67-2.61(m,0.6H),2.50-2.47(m,0.4H),1.46(s,4H),1.43(s,2.5H),1.37(s,2.5H).
【0359】
参照物質1F:tert-ブチル(4aR
*,7aS
*)-4-(((S
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
【化44】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をRef-1-7及びVIb-10から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):R
T=3.766分、C
28H
31ClF
3N
5O
5の質量計算値621.2、m/z実測値622.2[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.53-8.51(m,1H),7.75-7.68(m,1H),7.44-7.37(m,1H),7.23-7.20(m,1H),7.06-7.00(m,1H),6.24(s,0.5H),6.22(s,0.5H),4.35-4.19(m,2H),4.03-3.90(m,2H),3.84-3.74(m,1H),3.62(s,3H),3.58-3.52(m,1.7H),3.48-3.37(m,3.3H),2.96-2.82(m,1H),2.67-2.59(m,0.5H),2.50-2.47(m,0.5H),1.46(s,4H),1.43(s,2.5H),1.37(s,2.5H).
【0360】
参照物質1G:(4aS
*,7aR
*)-tert-ブチル4-(((R
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
【化45】
【0361】
中間体Ref-1-8:(4aS*,7aR*)-tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート
メタノール(20mL)中のI-1-6B(150mg、純度90%、0.372mmol)の溶液に、10重量%の水酸化パラジウム炭素(90mg)を室温で加えた。45℃の水素雰囲気下(バルーン)で4時間撹拌した後、混合物を濾過した。濾液を濃縮して、標題の化合物(85mg、1H NMRによる純度90%、収率90%)を無色の油として得た。
LC-MS(ESI):RT=1.25分、C11H20N2O3の質量計算値228.1、m/z実測値229.1[M+H]+。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.99-3.93(m,1H),3.84(td,J=11.2Hz,2.8Hz,1H),3.61-3.52(m,2H),3.47-3.35(m,4H),3.15-3.10(m,1H),2.66(td,J=13.2Hz,2.4Hz,1H),1.46-1.45(m,9H).
【0362】
参照物質1G:(4aS*,7aR*)-tert-ブチル4-(((R*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をRef-1-8及びVIa-10から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):RT=4.601分、C29H31ClF3N5O5の質量計算値621.2、m/z実測値622.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.52(d,J=6.4Hz,1H),7.76-7.69(m,1H),7.44-7.37(m,1H),7.24-7.20(m,1H),7.06-7.00(m,1H),6.23(s,1H),4.28-4.21(m,2H),4.04-3.93(m,2H),3.79-3.70(m,1H),3.62(s,3H),3.59-3.56(m,1.3H),3.51-3.38(m,3.7H),2.96-2.91(m,1H),2.68-2.61(m,1H),1.43(s,4.3H),1.37(s,4.7H).
【0363】
参照物質1H:(4aS
*,7aR
*)-tert-ブチル4-(((S
*)-6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-(3,5-ジフルオロピリジン-2-イル)-5-(メトキシカルボニル)-3,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)メチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-カルボキシレート(単一の立体異性体)
【化46】
方法Cの類似の手順を利用することにより、標題の化合物をRef-1-8及びVIb-10から黄色の固体として合成した。
LC-MS(ESI):R
T=3.662分、C
29H
31ClF
3N
5O
5の質量計算値621.2、m/z実測値622.3[M+H]
+。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ 8.51(s,1H),7.74-7.69(m,1H),7.42-7.38(m,1H),7.22(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.04-6.99(m,1H),6.24(s,1H),4.35-4.29(m,1H),4.21-4.19(m,1H),4.01-3.90(m,2H),3.84-3.79(m,1H),3.62(s,3H),3.59-3.52(m,2H),3.49-3.47(m,3H),2.89-2.82(m,1H),2.49(d,J=12.0Hz,1H),1.46(s,9H).
【0364】
実施例2:HepG2.2.15細胞における抗ウィルスアッセイ
材料及び設備
1)細胞株
HepG2.2.15(HepG2.2.15細胞株は、Sells,Chen,and Acs 1987(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:1005-1009)に記載されるとおり、HepG2細胞株のトランスフェクションによって生成することができ、HepG2細胞株は、ATCC(登録商標)から番号HB-8065(商標)の下で入手可能である)。
【0365】
2)試薬
DMEM/F12(INVITROGEN-11330032)
FBS(GIBCO-10099-141)
ジメチルスルホキシド(DMSO)(SIGMA-D2650)
ペニシリン-ストレプトマイシン溶液(HYCLONE-SV30010)
NEAA(INVITROGEN-1114050)
L-グルタミン(INVITROGEN-25030081)
Geneticin選択用抗生物質(G418、500mg/mL)(INVITROGEN-10131027)
トリプシナーゼ消化液(INVITROGEN-25300062)
CCK8(BIOLOTE-35004)
QIAamp 96 DNA Bloodキット(12)(QIAGEN-51162)
FastStart Universal Probe Mast Mix(ROCHE-04914058001)
【0366】
3)消耗品
96ウェル細胞培養プレート(COSTAR-3599)
Micro Amp Optical 96ウェル反応プレート(APPLIED BIOSYSTEMS-4306737)
Micro Amp Optical 384ウェル反応プレート(APPLIED BIOSYSTEMS)
【0367】
4)設備
プレートリーダー(MOLECULAR DEVICES、SPECTRAMAX M2e)
遠心分離器(BECKMAN、ALLEGRA-X15R)
リアルタイムPCRシステム(APPLIED BIOSYSTEMS、QUANTSTUDIO 6)
リアルタイムPCRシステム(APPLIED BIOSYSTEMS、7900HT)
【0368】
方法
1)抗HBV活性及び細胞傷害性の判定
HepG2.2.15細胞は、2%FBS培地中の96ウェルプレートに、HBV阻害活性及び細胞傷害性の判定のためにそれぞれ40,000細胞/ウェル及び5,000細胞/ウェルの密度で播種した。37℃、5%のCO2で一晩インキュベーションした後、化合物を含有する培地で細胞を6日間処理し、処理の3日後に培地及び化合物を一新した。各化合物を、8つの異なる濃度での1:3段階希釈により三連で試験した。化合物の最高濃度は、抗HBV活性アッセイの場合は10uM又は1uMであり、細胞傷害性判定の場合は100uMであった。
【0369】
細胞生存率は、CCK-8アッセイによって判定した。化合物処理の6日後、20μLのCCK-8試薬は、細胞傷害性アッセイプレートの各ウェルに添加した。細胞プレートを、37℃、5%のCO2で2.5時間インキュベートした。450nm波長での吸光度及び参照としての630nm波長での吸光度を測定した。
【0370】
化合物によって誘導されるHBV DNAレベルの変化は、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって評価した。簡潔に述べると、培地中のHBV DNAを手引書に従ってQIAamp 96 DNA Bloodキットを使用して抽出し、続いて下の表1におけるプライマー及びプローブを使用してリアルタイムPCRアッセイにより定量化した。
【0371】
【0372】
2)データ分析
EC50及びCC50値は、GRAPHPAD PRISMソフトウェアによって計算した。DMSO対照のCV%が15%未満であって、参照化合物が期待される活性又は細胞毒性を示す場合、このバッチの実験のデータは適格であると見なした。
【0373】
結果:以下の表3を参照されたい。
【0374】
【配列表】
【国際調査報告】