(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(54)【発明の名称】OGA阻害剤化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20230214BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20230214BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20230214BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230214BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20230214BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20230214BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
C07D471/04 107Z
C07D471/04 CSP
A61K31/444
A61P43/00 111
A61P25/28
A61P25/02
A61P21/00
A61P25/16
A61P25/18
A61K31/437
A61K31/506
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537319
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2020087201
(87)【国際公開番号】W WO2021123294
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】バルトロメ-ネブレダ,ホセ,マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ブイジンスターズ,ペトルス ヤコブス ヨハネス アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】デ ルーカス オリヴァレス,アナ イザベル
(72)【発明者】
【氏名】リーネルツ,ヨゼフ エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】マルティネツ ラメンカ,カロリーナ
(72)【発明者】
【氏名】オールリッヒ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】トラバンコ-シュアレツ,アンドレ,アヴェリノ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ルースブロック,イヴェス エミール エム
(72)【発明者】
【氏名】フェルター,アドリアナ イングリッド
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA05
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ06
4C065KK03
4C065LL01
4C065PP03
4C065PP07
4C065PP09
4C065PP12
4C065PP14
4C065PP16
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA22
4C086ZA94
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)阻害剤に関する。本発明は、こうした化合物を含む医薬組成物、こうした化合物及び組成物を調製するためのプロセス、並びにOGAの阻害が有益である障害、例えばタウオパチー、具体的にはアルツハイマー病若しくは進行性核上性麻痺、及びタウ病変を伴う神経変性疾患、具体的にはC9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉型認知症を予防及び治療するための、こうした化合物及び組成物の使用も対象とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤として使用するための式(I)の化合物
【化1】
若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態であって、式中、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1若しくはX
2のうち一方はNであり、
R
1は、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキル、OH、-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5若しくは6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC
1~6アルキルであって、前記5若しくは6員のヘテロアリールは、任意選択的
に、1つ若しくは2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で置換される、C
1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5若しくは6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル若しくは-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、若しくは
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態、
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
式(I)の化合物
【化2】
若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態であって、式中、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1若しくはX
2のうち一方はNであり、
R
1は、非置換C
2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキル、OH、-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5若しくは6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC
1~6アルキルであって、前記5若しくは6員のヘテロアリールは、任意選択的に、1つ若しくは2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で置換される、C
1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5若しくは6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル若しくは-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、若しくは
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態、
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項3】
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される1H-インダゾリルからなる群から選択され、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
3は、(a)、(b)、及び(c)からなる群から選択され、
【化3】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、但し、R
1a又はR
2aのうち少なくとも1つ、及びR
1b又はR
2bのうち少なくとも一方は水素ではなく、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択され、
R
1c及びR
2cは、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、及び-(C=O)C
1~4アルキルからなる群から選択され、
Cは、それぞれが任意選択的に1つ以上の独立して選択されるC
1~4アルキル置換基で置換されたピラゾリル及びイミダゾリルからなる群から選択される縮合5員芳香族複素環を形成する、請求項2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
式(I)の化合物は、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、又は(I-D)を有し、
【化4】
式中、z1及びz2は、それぞれ独立して、水素、重水素、及びハロゲンから選択され、前記変数の残りは請求項2~4のいずれか一項で定義される通りである、請求項2~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
予防又は治療有効量の請求項2~5のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される担体を、予防又は治療有効量の請求項2~5のいずれか一項に記載の化合物と混合することを含む、請求項6に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス。
【請求項8】
薬剤として使用するための、請求項2~5のいずれか一項に定義される化合物、又は請求項6に定義される医薬組成物。
【請求項9】
タウオパチー、又はαシヌクレイン症の治療又は予防における、請求項1に記載される使用のための化合物。
【請求項10】
タウオパチー、又はαシヌクレイン症の治療又は予防に使用するための、請求項2~5のいずれか一項に定義される化合物又は請求項6に定義される医薬組成物。
【請求項11】
前記タウオパチーが、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされる)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、パーキンソン病、グアドループ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、並びに球状グリア封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択され、前記αシヌクレイン症が、パーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、及びゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択される、請求項9又は10に記載される使用のための化合物又は医薬組成物。
【請求項12】
様々な形態のタウオパチーで観察される、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハイマー病、又はタウ関連神経変性の制御又はリスクの低減における、請求項1に記載される使用のための化合物。
【請求項13】
様々な形態のタウオパチーで観察される、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハイマー病、又はタウ関連神経変性の制御又はリスクの低減に使用するための、請求項2~5のいずれか一項に定義される化合物又は請求項6に定義される医薬組成物。
【請求項14】
前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減における、請求項に定義される使用のための化合物。
【請求項15】
前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減に使用するための、請求項2~5のいずれか一項に定義される化合物又は請求項6に定義される医薬組成物。
【請求項16】
タウオパチー又はαシヌクレイン症、具体的にはアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされる)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、パーキンソン病、グアドループ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、並びに球状グリア封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択されるタウオパチー、又は具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、及びゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択されるαシヌクレイン症からなる群から選択される障害を予防又は治療する方法であって、予防又は治療有効量の請求項2~4のいずれか一項に記載の化合物又は請求項6に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)に示される構造を有するO-GlcNAc加水分解酵素(OGA)阻害剤に関し、
【化1】
式中、ラジカルは、本明細書に定義されるとおりである。本発明は、こうした化合物を含む医薬組成物、こうした化合物及び組成物を調製するためのプロセス、並びにOGAの阻害が有益である障害、例えばタウオパチー、具体的にはアルツハイマー病若しくは進行性核上性麻痺、及びタウ病変を伴う神経変性疾患、具体的にはC9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉型認知症、又はαシヌクレイン症、具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、若しくはゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症を予防及び治療するための、こうした化合物及び組成物の使用も対象とする。
【背景技術】
【0002】
O-GlcNAc化とは、N-アセチル-D-グルコサミン残基がセリン残基及びスレオニン残基のヒドロキシル基に転移してO-GlcNAc化タンパク質を産生する、タンパク質の可逆的修飾である。真核生物の細胞質ゾル及び核の両方において、1000を超えるこのような標的タンパク質が同定されている。この修飾は、転写、細胞骨格プロセス、細胞周期、プロテアソーム分解及び受容体シグナリングを含む広範な細胞プロセスを調節すると考えられている。
【0003】
O-GlcNAc転移酵素(OGT)及びO-GlcNAc加水分解酵素(OGA)は、O-GlcNAcを標的タンパク質に付加(OGT)するか又は標的タンパク質から除去(OGA)すると説明されているただ2つのタンパク質である。OGAは、1994年に最初に脾臓標本から精製され、1998年に髄膜腫により発現する抗原として同定され、MGEA5と命名され、これは、細胞の細胞質ゾルコンパートメントにおけるモノマーとしての916アミノ(102915ダルトン)からなる。これは、タンパク質の輸送及び分泌に重要であるER関連及びゴルジ体関連のグリコシル化プロセスとは区別されるべきであり、これらは、OGAと異なり、至適pHが酸性であるが、OGAは、中性pHで最高活性を示す。
【0004】
2つの可動性ドメインに隣接する酵素のN末端部分において、2つのアスパラギン酸の触媒中心を有するOGA触媒ドメインが存在する。C末端部分は、ストークドメインが先行する推定HAT(ヒストンアセチル転移酵素ドメイン)からなる。HATドメインが触媒的に活性であることは、未だ証明されていない。
【0005】
O-GlcNAc化タンパク質並びにOGT及びOGA自体は、脳及びニューロンにおいて特に豊富であり、この修飾が中枢神経系において重要な役割を果たしていることを示唆している。実際、研究は、O-GlcNAc化がニューロンコミュニケーション、記憶形成、及び神経変性疾患に寄与する重要な調節機構を表すことを確認した。更に、OGTは、いくつかの動物モデルにおける胚形成に必須であり、ogtヌルマウスは、胚致死性であることが示されている。OGAは、哺乳動物の発達にも不可欠である。OGAホモ接合性ヌルマウスが生後24~48時間を超えて生存しないことを2つの独立した研究が示している。Oga欠失は、新生児におけるグリコーゲン動員の欠陥をもたらし、ホモ接合性ノックアウト胚に由来するMEFにおいてゲノム不安定性関連細胞周期停止を引き起こした。ヘテロ接合動物は、成体期まで生存したが、これらは、転写及び代謝の両方において変質を示した。
【0006】
O-GlcNAcサイクリングにおける摂動は、糖尿病などの慢性代謝疾患及び癌に影響を及ぼすことが知られている。Ogaヘテロ接合性は、Apc-/+マウス癌モデルにおける腸腫瘍発生を抑制し、Oga遺伝子(MGEA5)は、立証されたヒト糖尿病感受性遺伝子座である。
【0007】
更に、O-GlcNAc修飾は、神経変性疾患の発症及び進行に関与するいくつかのタンパク質において同定されており、アルツハイマー病におけるタウによる神経原線維変化(NFT)タンパク質の形成におけるO-GlcNAcレベルの変動間の相関が示唆されている。更に、パーキンソン病におけるアルファ-シヌクレインのO-GlcNAc化についても説明されている(Levine,PM,et al.PNAS January 29,2019,Vol.116,No.5,pp 1511-1519;Lewis,YE et al.ACS Chem Biol.2017 Apr 21,Vol.2,No.4,pp 1020-1027;Marotta,NP et al.Nat Chem.2015 Nov,Vol.No.11,pp.913-20)。
【0008】
中枢神経系において、タウの6つのスプライス変異体が説明されている。タウは、第17番染色体上でコードされ、中枢神経系において発現されるその最も長いスプライス変異体中で441のアミノ酸を含む。これらのアイソフォームは、2つのN末端インサート(エクソン2及び3)並びに微小管結合ドメイン内にあるエクソン10が異なる。エクソン10は、以下に記載されるようにタウを凝集しやすくする多重変異を有するため、タウオパチーにおいてかなり興味深いものである。タウタンパク質は、軸索区画に沿った細胞小器官の細胞内輸送の調節に重要なニューロン微小管細胞骨格に結合してこれを安定化する。したがって、タウは、軸索の形成及びそれらの完全性の維持において重要な役割を果たす。更に、樹状突起棘の生理学的役割も示唆されている。
【0009】
タウ凝集は、PSP(進行性核上性麻痺)、ダウン症候群(DS)、FTLD(前頭側頭葉型認知症)、FTDP-17(パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症)、ピック病(PD)、CBD(大脳皮質基底核変性症)、嗜銀顆粒病(AGD)、及びAD(アルツハイマー病)のような、種々のいわゆるタウオパチーの根底にある原因の1つである。更に、タウ病変は、C9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症(ALS)又はFTLDのような更なる神経変性疾患を伴う。これらの疾患では、タウは、過剰なリン酸化によって翻訳後修飾され、これがタウを微小管から分離させて凝集しやすくするものと考えられる。O-GlcNAc残基を有するセリン又はスレオニン残基は、リン酸化を受けにくいため、タウのO-GlcNAc化は、リン酸化の程度を調節する。これは、効果的にタウを微小管から分離しにくくし、最終的に神経毒症状及び神経細胞死をもたらす神経毒性のもつれへの凝集を減少させる。この機構は、近年タウ関連認知症における病態を促進すると考察されている脳内の相互接続回路に沿って、神経細胞により放出されるタウ凝集体の細胞間伝播も減少させ得る。実際、AD患者の脳から単離された過リン酸化タウは、O-GlcNAc化レベルの有意な低下を示した。
【0010】
JNPL3タウトランスジェニックマウスに投与したOGA阻害剤は、明らかな有害作用を生じることなく、NFT形成及び神経細胞脱落を問題なく減少させた。この観察は、FTD中に見出される変異体タウの発現が誘導され得るタウオパチーの別のげっ歯類モデルにおいて確認されている(tg4510)。OGAの小分子阻害剤の投与は、タウ凝集の形成を減少させるのに有効であり、皮質の萎縮及び心室の拡大を弱めた。
【0011】
更に、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のO-GlcNAc化は、可溶性APPフラグメントを産生し、AD関連アミロイドベータ(Aβ)形成を生じる切断を回避する非アミロイド形成経路を介するプロセシングに有利に作用する。
【0012】
OGAの阻害によるタウのO-GlcNAc化の維持は、上記の神経変性疾患におけるタウのリン酸化及びタウの凝集を減少させ、それによって神経変性タウオパチー疾患の進行を減弱又は停止させる潜在的なアプローチを示す。
【0013】
国際公開第2012/117219号パンフレット(Summit Corp.plc.,2012年9月7日公開)は、OGA阻害剤としてN-[[5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-2-イル]メチル]アルキルアミド誘導体及びN-アルキル-2-[5-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-2-イル]アセトアミド誘導体を記載している。
【0014】
国際公開第2014/159234号パンフレット(Merck Patent GMBH,2014年10月2日公開)は、主に、1位がアセトアミド-チアゾリルメチル又はアセトアミドオキサゾリルメチル置換基で置換された4-フェニル又はベンジル-ピペリジン及びピペラジン化合物並びに化合物N-[5-[(3-フェニル-1-ピペリジル)メチル]チアゾール-2-イル]アセトアミドを開示している。
【0015】
国際公開第2016/0300443号パンフレット(Asceneuron S.A.,2016年3月3日公開)、国際公開第2017/144633号パンフレット及び国際公開第2017/0114639(Asceneuron S.A.,2017年8月31日公開)は、OGA阻害剤として1,4-二置換ピペリジン又はピペラジンを開示している。
【0016】
国際公開第2017/144637号パンフレット(Asceneuron S.A,2017年8月31日公開)は、より具体的に、OGA阻害剤として4-置換1-[1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)エチル]-ピペラジン誘導体;1-[1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)エチル]-ピペラジン誘導体;1-[1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)エチル]-ピペラジン誘導体;及び1-[1-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)エチル]-ピペラジン誘導体を開示している。
【0017】
国際公開第2017/106254号パンフレット(Merck Sharp&Dohme Corp.)は、置換N-[5-[(4-メチレン-1-ピペリジル)メチル]チアゾール-2-イル]アセトアミドを記載し、国際公開第2018/217558号パンフレット(Eli Lilly and Company)は5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イルを記載し、国際公開第2019/178191号パンフレット(Biogen Ma Inc)は、OGA阻害剤として[(ヘテロ)アリール-3-イルメチル]ピロリジン-1-イルメチル-誘導体化合物、及び[(ヘテロ)アリール-3-イルメチル]ピペリジン-1-イルメチル-誘導体化合物を開示し、国際公開第2018/140299号パンフレット(Eli Lilly and Company)は、OGA阻害剤としてN-[フルオロ-5-[[(2S,4S)-2-メチル-4-[(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)メトキシ[-1-ピペリジル]メチル]チアゾール-2-イル]アセトアミドを開示している。
【発明の概要】
【0018】
例えば、改善された効力、良好なバイオアベイラビリティ、薬物動態、及び脳浸透性、並びに/又はより良好な毒性プロファイルを有する、特性の有利なバランスを有すOGA阻害剤化合物が依然として必要とされている。したがって、これらの問題の少なくともいくつかを克服する化合物を提供することが本発明の目的である。
【0019】
本発明は、それを必要とする対象において、薬剤として使用するため、具体的には、タウオパチー、具体的にはアルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー、又はタウ病変を伴う神経変性疾患、具体的にはC9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患を予防又は治療するための薬剤として使用するため、或いは、αシヌクレイン症、具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、又はゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症から選択される障害の予防又は治療に使用するための、式(I)の化合物、
【化2】
並びにその互変異性体及び立体異性体、並びにその重水素化形態であって、式中、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1又はX
2のうち一方はNであり、
R
1は、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキル、OH、-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC
1~6アルキルであって、5又は6員のヘテロアリールは、任意選択的に、1つ又は2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で置換される、C
1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体、並びにその重水素化形態、
並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
【0020】
本発明は、式(I)の化合物、
【化3】
並びにその互変異性体及び立体異性体、並びにその重水素化形態であって、式中、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1又はX
2のうち一方はNであり、
R
1は、非置換C
2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキル、OH、-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC
1~6アルキルであって、5又は6員のヘテロアリールは、任意選択的に、1つ又は2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で置換される、C
1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体、並びにその重水素化形態、
並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物にも関する。
【0021】
本発明の実例となるものは、薬学的に許容される担体と、上記の化合物のいずれかとを含む医薬組成物である。本発明の一例は、上記の化合物のいずれかと、薬学的に許容される担体とを混合することによって作製される医薬組成物である。本発明の実例となるものは、医薬組成物を作製するプロセスであって、上記の化合物のいずれかと、薬学的に許容される担体とを混合することを含むプロセスである。
【0022】
本発明を例示するものは、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害によって媒介される障害を予防又は治療する方法であって、治療有効量の上記の化合物又は医薬組成物のいずれかを、それを必要とする対象に投与することを含む方法である。
【0023】
本発明を更に例示するものは、OGAを阻害する方法であって、予防又は治療有効量の上記の化合物又は医薬組成物のいずれかを、それを必要とする対象に投与することを含む方法である。
【0024】
本発明の一例は、タウオパチー、具体的にはアルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー、又はタウ病変を伴う神経変性疾患、具体的にはC9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患から選択される障害を予防又は治療する、或いは、αシヌクレイン症、具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、又はゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症から選択される障害を予防又は治療する方法であって、それを必要とする対象に予防又は治療有効量の上記の化合物又は医薬組成物のいずれかを投与することを含む、方法である。
【0025】
本発明の別の例は、それを必要とする対象において、タウオパチー、具体的にはアルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチー、又はタウ病変を伴う神経変性疾患、具体的にはC9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患から選択される障害の予防又は治療に使用するための、或いは、αシヌクレイン症、具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、又はゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症から選択される障害の予防又は治療に使用するための、上記の化合物のいずれかである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、上記で定義した式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される付加塩及び溶媒和物を対象とする。式(I)の化合物は、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害剤であり、タウオパチー、具体的にはアルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチーの予防又は治療に有用であり得、或いは、タウ病変を伴う神経変性疾患、具体的にはC9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症若しくは前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患の予防又は治療に有用であり得、或いは、αシヌクレイン症、具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、又はゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症の予防又は治療に有用であり得る。
【0027】
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体を対象とし、式中、
X1及びX2は、それぞれ独立してCR4及びNから選択されるが、但し、X1又はX2のうち一方はNであり、
R1は、非置換C2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、-C(=O)NRxRy、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはRx及びRyは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し、
R2及びR4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、C1~4アルキルオキシ、モノハロC1~4アルキルオキシ、ポリハロC1~4アルキルオキシ、-(C=O)C1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、C1~4アルキルオキシ、モノハロC1~4アルキルオキシ、ポリハロC1~4アルキルオキシ、-(C=O)C1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、C1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される。
【0028】
更なる特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体を対象とし、式中、
X1及びX2は、それぞれ独立してCR4及びNから選択されるが、但し、X1又はX2のうち一方はNであり、
R1は、非置換C2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、-C(=O)NRxRy、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはRx及びRyは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成し、
R2及びR4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、C1~4アルキルオキシ、モノハロC1~4アルキルオキシ、ポリハロC1~4アルキルオキシ、-(C=O)C1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、C1~4アルキルオキシ、モノハロC1~4アルキルオキシ、ポリハロC1~4アルキルオキシ、-(C=O)C1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される1H-インダゾリルラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、C1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される。
【0029】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体を対象とし、式中、
R1は、任意選択的に1つ以上のハロ置換基で置換される-C1~4アルキル-C(=O)NRxRy、非置換C2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはRx及びRyは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成する。
【0030】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体を対象とし、式中、
R1は、任意選択的に1つ以上のハロ置換基で置換される-C1~4アルキル-C(=O)NRxRy であり、式中、Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはRx及びRyは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成する。
【0031】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体を対象とし、式中、
R1は、任意選択的に1つ以上のハロ置換基で置換される-C1~4アルキル-C(=O)NRxRy、具体的には-CH2-C(=O)NRxRyであり、式中、Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択される。
【0032】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、任意選択的に1つ以上のハロ置換基で置換される-C1~4アルキル-C(=O)NRxRy、具体的には-CH2-C(=O)NRxRyであり、式中、Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、及びポリハロC1~4アルキル、具体的には水素及びC1~4アルキルからなる群から選択される。
【0033】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、非置換C2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、オキサゾリル、及び任意選択的に1つ以上の独立して選択されたハロ置換基で置換されたC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたC1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択される。
【0034】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、非置換C2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、オキサゾリル、及び任意選択的に1つ以上の独立して選択されたハロ置換基で置換されたC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたC1~6アルキル、並びに任意選択的にハロ又はC1~4アルキルで置換されたピリジニルからなる群から選択され、但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子である。
【0035】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、非置換C2~6アルキル、並びにそれぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、及び任意選択的に1つ以上の独立して選択されたハロ置換基で置換されたC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたC1~6アルキルからなる群から選択され、但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子である。
【0036】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、非置換C2~6アルキル、具体的にはC4~6アルキル、及びそれぞれ独立してハロから選択される1つ以上の置換基で置換されるC1~6アルキルからなる群から選択される。
【0037】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、-C(=O)NRxRy、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子である。
【0038】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、任意選択的に1つ以上のハロ置換基で置換される-C1~4アルキル-C(=O)NRxRy、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC1~4アルキル、OH、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ置換基で置換されるC3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるC1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC1~4アルキル又は-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、Rx及びRyは、それぞれ独立して水素、C1~4アルキル、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、及びC3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか、或いはRx及びRyは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシクリル環を形成する。
【0039】
なお更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、それぞれがハロ及びC1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールから選択される。
【0040】
なお更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、R1は、それぞれがC1~4アルキルからそれぞれ独立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル及びイミダゾリルからなる群から選択される5又は6員のヘテロアリールから選択される。
【0041】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、式中、R3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、C1~4アルキルオキシ、モノハロC1~4アルキルオキシ、ポリハロC1~4アルキルオキシ、-(C=O)C1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置換基が、R4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、モノハロC1~4アルキル、ポリハロC1~4アルキル、C1~4アルキルオキシ、モノハロC1~4アルキルオキシ、ポリハロC1~4アルキルオキシ、-(C=O)C1~4アルキル、及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される1H-インダゾリルからなる群から選択され、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C1~4アルキル、-CN、C1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される。
【0042】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、式中、R
3は、(a)、(b)、及び(c)からなる群から選択され、
【化4】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、但し、R
1a又はR
2aのうち少なくとも1つ、及びR
1b又はR
2bのうち少なくとも一方は水素ではなく、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択され、
R
1c及びR
2cは、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、及び-(C=O)C
1~4アルキルからなる群から選択され、
Cは、それぞれが任意選択的に1つ以上の独立して選択されるC
1~4アルキル置換基で置換されたピラゾリル及びイミダゾリルからなる群から選択される縮合5員芳香族複素環を形成する。
【0043】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、式中、R
3は、(a)、(b)、及び(c)からなる群から選択され、
【化5】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bは、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、但し、R
1a又はR
2aのうち少なくとも1つ、及びR
1b又はR
2bのうち少なくとも一方は水素ではなく、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0又は1を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択され、
R
1c及びR
2cはそれぞれ水素であり、
Cは、任意選択的に1つのC
1~4アルキルで置換されたピラゾリルから選択される縮合5員芳香族複素環を形成する。
【0044】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、
R
3は、(a)及び(b)からなる群から選択され:
【化6】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、但し、R
1a又はR
2aのうち少なくとも1つ、及びR
1b又はR
2bのうち少なくとも一方は水素ではなく、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される。
【0045】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物を対象とし、式中、
R
3は、(a)及び(b)からなる群から選択され:
【化7】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フェニル、ピリジルからなる群から選択される。
【0046】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、式中、R
3は、基(a)又は(b)からなる群から選択され:
【化8】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、及びポリハロC
1~4アルキルオキシからなる群から選択され、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、及びポリハロC
1~4アルキルオキシからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表す。
【0047】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、式中、R
3は、基(a)又は(b)からなる群から選択され:
【化9】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、及びポリハロC
1~4アルキルオキシからなる群から選択され、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、及びポリハロC
1~4アルキルオキシからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表す。
【0048】
更なる実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、式中、R
3は、基(a)又は(b)からなる群から選択され:
【化10】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、及びポリハロC
1~4アルキルオキシからなる群から選択され、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、及びポリハロC
1~4アルキルオキシからなる群から選択され、式中
nは0又は1を表す。
【0049】
更なる実施形態では、本発明は、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、又は(I-D)を有する本明細書に記載の式(I)の化合物を対象とし、
【化11】
式中、変数のそれぞれは本明細書で定義される通りであり、z1及びz2は、それぞれ独立して、水素、重水素、及びハロゲン、具体的には水素から選択される。
【0050】
定義
「ハロ」は、フルオロ、クロロ及びブロモを指すものとし、「C1~4アルキル」及び「C1~6アルキル」は、それぞれ1個、2個、3個、若しくは4個の炭素原子、又は1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基、例えばメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、ブチル、1-メチル-プロピル、2-メチル-1-プロピル、1,1-ジメチルエチルなどを指すものとし、「C1~4アルキルオキシ」は、C1~4アルキル」が上記で定義される通りのエーテルラジカルを指すものとし、「モノ-及びポリハロC1~4アルキル」は、単独で又は別の基の一部として本明細書で用いられるとき、1、2、3、又は可能であればより多くの上記で定義されるハロ原子で置換される、上記で定義されるC1~4アルキルを指し、「モノ-又はポリハロC1~4アルキルオキシ」は、モノ又はポリハロC1~4アルキルが上記で定義される通りのエーテルラジカルを指すものとする。
【0051】
一般的に、本発明で用語「置換された」が用いられるときは、別段の指示がない限り又は文脈から明らかでない限り、「置換された」を用いる表現で示される原子上又はラジカル上の1つ以上の水素、特に1~3つの水素、好ましくは1つ又は2つの水素、より好ましくは1つの水素が、示されている群からの置換基の選択肢で置換されていることを常に示すものであるが、但し、通常の原子価を超えず、置換により化学的に安定な化合物、即ち反応混合物から有用な程度の純度での単離及び治療剤への製剤化に耐える十分に堅牢な化合物が得られるものとする。
【0052】
本明細書で使用する用語「対象」は、治療、観察又は実験の目的物となるか又は目的物となった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。したがって、本明細書で使用する場合、用語「対象」は、患者及び本明細書で定義する疾患又は病態を発症するリスクのある無症候の又は発症前の個体を包含する。
【0053】
用語「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医によって求められる、組織系、動物又はヒトにおける生物学的又は医学的反応(治療されている疾患又は障害の症状の軽減を含む)を誘発する活性化合物又は医薬剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、本明細書で使用する場合、予防されている疾患又は障害が発症する可能性を実質的に低減する活性化合物又は医薬剤の量を意味する。
【0054】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、及び特定の成分の特定の量での組合せから直接的又は間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0055】
上記及び下記では、用語「式(I)の化合物」は、その付加塩、溶媒和物及び立体異性体を含むものとする。
【0056】
上記又は下記では、用語「立体異性体」又は「立体化学異性体」は同義的に使用される。
【0057】
本発明は、式(I)の化合物の全ての立体異性体を純粋な立体異性体又は2種以上の立体異性体の混合物のいずれかとして含む。
【0058】
エナンチオマーとは、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体のことである。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち、これらは鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置又はZ配置となり得る。化合物が二置換シクロアルキル基を含有する場合、置換基は、シス配置又はトランス配置となり得る。したがって、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びこれらの混合物を含む。
【0059】
絶対配置は、カーン・インゴールド・プレローグ系に従って特定される。不斉原子における配置は、R又はSのいずれかによって指定される。絶対配置が不明である分割化合物は、これらが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)又は(-)で示すことができる。
【0060】
特定の立体異性体が同定される場合、これは、上記の立体異性体が他の異性体を実質的に含まない、即ち他の異性体を50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、更により好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満伴うことを意味する。したがって、式(I)の化合物が例えば(R)と特定される場合、これは、その化合物が実質的に(S)異性体を含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばEと特定される場合、これは、その化合物が実質的にZ異性体を含まないことを意味し、式(I)の化合物が例えばシスと特定される場合、これは、その化合物が実質的にトランス異性体を含まないことを意味する。
【0061】
医薬中で使用される場合、本発明の化合物の付加塩は、非毒性の「薬学的に許容される付加塩」を指す。しかしながら、他の塩が本発明による化合物又はその薬学的に許容される付加塩の調製に有用である場合がある。本化合物の好適な薬学的に許容される付加塩としては、例えば、化合物の溶液を塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩が挙げられる。更に、本発明の化合物が酸部分を有する場合、その好適な薬学的に許容される付加塩としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩又はマグネシウム塩及び好適な有機配位子と形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
【0062】
薬学的に許容される付加塩の調製に使用され得る代表的な酸としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、(+)-樟脳酸、樟脳スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、L-グルタミン酸、β-オキソ-グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、及びウンデシレン酸。薬学的に許容される付加塩の調製に使用することができる代表的な塩基としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:アンモニア、L-アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、ジメチルエタノール-アミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、エチレン-ジアミン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、L-リシン、水酸化マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン及び水酸化亜鉛。
【0063】
化合物の名称は、Chemical Abstracts Service(CAS)によって取り決められた命名規則、又は国際純正・応用化学連合(IUPAC)によって取り決められた命名規則に従って生成された。
【0064】
薬効薬理
本発明の化合物及びその薬学的に許容される組成物は、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)を阻害し、したがってタウオパチーとしても知られるタウ病変を伴う疾患及びタウ封入体を有する疾患の治療又は予防において有用であり得る。こうした疾患としては、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされる)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、パーキンソン病、グアドループ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、並びに球状グリア封入体を伴う白質タウオパチーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明の化合物、及びその薬学的に許容される組成物は、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)を阻害するため、αシヌクレイン症が関係する疾患、具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、又はゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症の治療又は予防にも有用であり得る。
【0066】
本明細書で使用する場合、「治療」という用語は、疾患の進行の遅延、中断、阻止若しくは停止又は症状の軽減があり得る全てのプロセスを指すものとするが、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではない。本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、疾患の発症を遅延、中断、阻止又は停止し得る全てのプロセスを指すものとする。
【0067】
本発明は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされる)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、球状グリア封入体を伴う白質タウオパチー、パーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、並びにゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択される疾患又は病態の治療又は予防に使用するための、一般式(I)の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される酸若しくは塩基付加塩にも関する。
【0068】
本発明は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされる)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、球状グリア封入体を伴う白質タウオパチー、パーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、並びにゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択される疾患又は病態の治療、予防、改善、管理、又はリスクの低減に使用するための、一般式(I)の化合物、その立体異性体、又はその薬学的に許容される酸若しくは塩基付加塩にも関する。具体的には、疾患又は状態は、具体的にはタウオパチー、より具体的にはアルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、及び嗜銀顆粒病からなる群から選択されるタウオパチーから選択され得、或いは、疾患又は状態は、具体的にはタウ病変を伴う神経変性疾患、より具体的には、C9ORF72変異によって引き起こされる筋萎縮性側索硬化症又は前頭側頭葉型認知症から選択される神経変性疾患であり得る。
【0069】
具体的には、疾患又は状態は、具体的にはαシヌクレイン症、より具体的にはパーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、及びゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択されるタウオパチーから選択され得る。
【0070】
アルツハイマー病及びタウオパチー疾患における臨床前状態:
近年、米国(US)国立老化研究所(National Institute for Aging)及び国際ワーキンググループ(International Working Group)は、臨床前(無症候)段階のADをより明確に定義するためのガイドラインを提案した(Dubois B,et al.Lancet Neurol.2014;13:614-629;Sperling,RA,et al.Alzheimers Dement.2011;7:280-292)。仮説モデルは、Aβの蓄積及びタウ凝集が、明白な臨床的障害が発現する何年も前に始まることを前提とする。アミロイド蓄積の上昇、タウ凝集、及びADの発症の重要な危険因子は、年齢(即ち65歳以上)、APOE遺伝子型、及び家族歴である。臨床的に正常な75歳より高齢の個体のおよそ3分の1は、アミロイド及びタウのPET画像診断(タウについては現在のところあまり進んでいない)でAβ又はタウの蓄積のエビデンスを示す。更に、CSF測定値におけるAβレベルの減少が観察される一方、非修飾タウ及びリン酸化タウのレベルは、CSFにおいて上昇している。類似の所見が大規模な剖検調査で見られ、20歳以下の早期に脳内にタウ凝集体が検出されていることが示されている。アミロイド陽性(Aβ+)の臨床的に正常な個体は、一貫して他のバイオマーカーで「AD様エンドフェノタイプ」のエビデンスを示し、これには、機能的磁気共鳴画像法(MRI)及び安静時結合の両方における機能的ネットワーク活動の崩壊、フルオロデオキシグルコース18F(FDG)の代謝低下、皮質薄化、及び萎縮の加速が含まれる。時系列データを積み上げると、やはり、Aβ+の臨床的に正常な個体は、認知機能低下、並びに軽度認知障害(MCI)及びAD認知症への進行のリスクが増大していることが強く示唆されている。アルツハイマー病の科学界には、これらのAβ+の臨床的に正常な個体がAD病理の連続体の初期段階を呈しているという意見の一致がある。したがって、Aβの産生又はタウの凝集を減少させる治療剤の介入は、広範な神経変性が起こる前の病期で開始すると、より有効になりそうであると主張されてきた。多くの製薬会社が、現在、前駆性ADにおけるBACEの阻害を試験中である。
【0071】
バイオマーカー研究の発展の結果、現在では、最初の症状が発生する前の臨床前段階でのアルツハイマー病を特定することが可能である。臨床前アルツハイマー病に関する様々な問題、例えば定義及び用語、範囲、自然経過、進行のマーカー、並びに無症候段階での疾患の検出の倫理的重大性などは、全てAlzheimer’s&Dementia12(2016)292-323でレビューされている。
【0072】
臨床前アルツハイマー病又はタウオパチーにおいて、2つのカテゴリーの個体が識別され得る。PETスキャンでアミロイドβ又はタウ凝集のエビデンスがある、又はCSF Aβ、タウ及びリン酸タウに変化のある、認知が正常な個体は、「アルツハイマー病の無症候性のリスク状態(AR-AD)」又は「タウオパチーの無症候状態」にあると定義される。家族性アルツハイマー病の完全浸透性優性常染色体の変異を有する個体は、「症状が出る前のアルツハイマー病」を有すると言われる。タウタンパク質内の優性常染色体の変異は、多様な形態のタウオパチーに関しても説明されている。
【0073】
したがって、ある実施形態では、本発明は、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハイマー病、又はタウオパチーの様々な形態に見られるタウ関連の神経変性の制御又はリスクの低減に使用するための、一般式(I)による化合物、その立体異性体型又はその薬学的に許容される酸付加塩若しくは塩基付加塩にも関する。
【0074】
パーキンソン病の前駆状態も研究されている。したがって、一実施形態では、本発明は、前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減に使用するための、一般式(I)の化合物、その立体異性体型、又はその薬学的に許容される酸若しくは塩基付加塩にも関する。
【0075】
本明細書で既に上述したように、用語「治療」は、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではないが、上記の障害のうちいずれかの対症治療を指す場合もある。式(I)の化合物の有用性を鑑みて、本明細書で上述した疾患のうちいずれか1つに罹患したヒトを含む温血動物などの対象を治療する方法、又は、ヒトを含む温血動物などの対象が、本明細書で上述した疾患のうちいずれか1つに罹患することを予防する方法が提供される。
【0076】
上記の方法は、予防又は治療有効量の式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される付加塩又は溶媒和物の、ヒトを含む温血動物などの対象への投与、すなわち全身投与又は局所投与、好ましくは経口投与を含む。
【0077】
従って、本発明はまた、本明細書で上述した疾患のいずれかを予防及び/又は治療する方法であって、予防又は治療有効量の本発明の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法にも関する。
【0078】
本発明は、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)の活性を調節する方法であって、それを必要とする対象に、予防又は治療有効量の本発明による及び特許請求の範囲で定義される化合物、又は本発明による及び特許請求の範囲で定義される医薬組成物を投与することを含む方法にも関する。
【0079】
治療方法は、1日当たり1~4回摂取するレジメンで活性成分を投与することも含み得る。これらの治療方法では、本発明の化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。本明細書で後述するように、好適な医薬製剤は、公知であり且つ容易に入手可能な成分を使用して、既知の手順で調製される。
【0080】
上記の障害のいずれか又はそれらの症状を治療又は予防するのに好適であり得る本発明の化合物は、単独で投与され得るか、又は1種以上の追加の治療剤と組み合わせて投与され得る。組み合わせ治療には、式(I)の化合物及び1種以上の追加の治療剤を含有する単一医薬投与製剤の投与、並びに式(I)の化合物及び各追加の治療剤(それ自体の個別の医薬投与製剤中)の投与が含まれる。例えば、式(I)の化合物及び治療剤は、患者に錠剤若しくはカプセル剤などの単一経口投与組成物中で一緒に投与されてもよく、又は各剤が個別の経口投与製剤中で投与されてもよい。
【0081】
当業者は、本明細書に記載の疾患又は状態の代替的な専門用語、疾病分類、及び分類体系に精通しているであろう。例えば、American Psychiatric AssociationのDiagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders(DSM-5(商標))の第5版は、神経認知障害(NCD)(重度及び軽度の両方)、具体的にはアルツハイマー病による神経認知障害などの用語を使用している。こうした用語は、本明細書に記載する疾患又は状態の一部の代替的な専門用語として当業者が使用する場合がある。
【0082】
医薬組成物
本発明は、O-GlcNAc加水分解酵素(OGA)の阻害が有益である疾患、例えば、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、ダウン症候群、前頭側頭葉型認知症、パーキンソニズム-17を伴う前頭側頭型認知症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、嗜銀顆粒病、筋萎縮性側索硬化症、C9ORF72変異によって引き起こされる前頭側頭葉型認知症、パーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、又はゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症を予防又は治療するための組成物も提供し、上記の組成物は、治療有効量の式(I)の化合物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。
【0083】
活性成分を単独で投与することも可能であるが、それを医薬組成物として提供することが好ましい。したがって、本発明は、本発明の化合物を、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物を更に提供する。この担体又は希釈剤は、この組成物の他の成分と適合し且つそのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0084】
本発明の医薬組成物は、薬学技術分野で周知される任意の方法により調製され得る。治療有効量の特定の化合物は、活性成分として、塩基形態又は付加塩形態において、薬学的に許容される担体と組み合わされて均質な混合物にされ、これは、投与に所望される製剤の形態に応じて多様な形態を取り得る。これらの医薬組成物は、好ましくは、経口、経皮又は非経口投与などの全身投与、或いは吸入、鼻腔スプレー、点眼剤によるか又はクリーム、ゲル若しくはシャンプーなどによる局所投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、組成物を経口剤形に調製する際、懸濁液、シロップ剤、エリキシル剤及び溶液剤などの経口液体製剤の場合、例えば水、グリコール類、油及びアルコールなど;又は散剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤の場合、固体担体、例えばデンプン、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤などの通常の医薬媒体のいずれかを使用することができる。錠剤及びカプセル剤は、その投与が容易であるため、最も有利な経口単位剤形であり、その場合、固体医薬担体が当然ながら使用される。非経口組成物の場合、担体は、通常、滅菌水を少なくとも大部分含むことになるが、例えば溶解性を促進するための他の成分も含まれ得る。例えば、担体が生理食塩水、グルコース溶液又は生理食塩水とグルコース溶液との混合物を含む注射用溶液が調製され得る。注射用懸濁液もまた調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁剤などを用いることができる。経皮投与に好適な組成物では、担体は、皮膚に重大な有害作用を引き起こさない任意の性質の少量の好適な添加剤と任意選択的に組み合わせて、浸透促進剤及び/又は好適な湿潤剤を任意選択的に含む。上記の添加剤は、皮膚への投与を容易にし得、且つ/又は所望の組成物の調製に役立ち得る。これらの組成物は、様々な方法で、例えば経皮貼付剤、スポットオン製剤、又は軟膏剤として投与することができる。
【0085】
投与を容易にし、投与量を均一にするために、前述の医薬組成物を単位剤形に製剤化することが特に有利である。単位剤形は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単位投与量として好適な、物理的に別々の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共に、所望の治療効果を生じるように算出された所定量の活性成分を含む。そのような単位剤形の例としては、錠剤(割線入り錠剤又はコーティング錠を含む)、カプセル剤、丸剤、分包散剤、カシェ剤、注射用溶液又は注射用懸濁液、小さじ量、大さじ量、及び同類のもの、並びにそれらを分割して複合化したものがある。
【0086】
正確な投与量及び投与頻度は、当業者に公知であるように、使用される式(I)の特定の化合物、治療される特定の病態、治療される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度、及び全身の健康状態、並びにその個体が摂取している可能性がある他の医薬によって異なる。更に、上記の有効1日量が、治療対象の応答に応じて、且つ/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、減少され得るか又は増加され得ることは明らかである。
【0087】
投与方法に応じて、本医薬組成物は、0.05~99重量%の、好ましくは0.1~70重量%の、より好ましくは0.1~50重量%の活性成分と、1~99.95重量%の、好ましくは30~99.9重量%の、より好ましくは50~99.9重量%の薬学的に許容される担体と含むことになり、パーセンテージは全て、この組成物の全重量に基づく。
【0088】
本化合物は、経口投与、経皮投与、若しくは非経口投与等の全身投与、又は吸入、鼻腔スプレー、点眼剤を介したもの、又はクリーム、ゲル、シャンプー、若しくは同類ものを介したもの等の局所投与のために使用され得る。本化合物は、好ましくは経口投与される。正確な投与量及び投与頻度は、当業者に公知であるように、使用される式(I)の特定の化合物、治療される特定の病態、治療される病態の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度、及び全身の健康状態、並びにその個体が摂取している可能性がある他の医薬によって異なる。更に、上記の有効1日量は、治療対象の応答に応じて、且つ/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて、減少され得るか又は増加され得ることは明らかである。
【0089】
単回剤形を製造するために担体材料と組み合わされ得る式(I)の化合物の量は、治療される疾患、哺乳動物種、及び特定の投与方式に応じて変動するであろう。しかし、一般的な指針として、本発明の化合物についての好適な単位用量は、例えば、好ましくは0.1mg~約1000mgの活性化合物を含み得る。好ましい単位用量は、1mg~約500mgである。より好ましい単位用量は、1mg~約300mgである。より一層好ましい単位用量は、1mg~約100mgである。そのような単位用量を、70kgの成人の総投与量が、1回の投与につき対象の体重1kg当たり0.001~約15mgの範囲になるように、1日に1回超投与し得、例えば、1日に2回、3回、4回、5回、又は6回投与し得るが、好ましくは1日に1回又は2回投与し得る。好ましい投与量は、投与毎に対象の体重1kg当たり0.01~約1.5mgであり、このような治療は、数週間又は数カ月間、場合により数年間に延長することができる。しかし、当業者によく理解されているように、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用する特定の化合物の活性、治療を受ける個体の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事、投与時間及び投与経路、排泄率、以前投与された他の薬物、並びに治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存することが理解されるであろう。
【0090】
典型的な投与量は、1日1回若しくは1日複数回服用される1つの1mg~約100mg錠剤若しくは1mg~約300mg、又は1日1回服用され、比較的高含有量の活性成分を含有する1つの徐放性カプセル剤若しくは錠剤であり得る。徐放効果は、異なるpH値で溶解するカプセル材料、浸透圧で徐々に放出するカプセル又は任意の他の既知の放出制御手段により得ることができる。
【0091】
当業者に明らかとなるように、一部の場合、これらの範囲外の投与量を使用することが必要となり得る。更に、臨床医又は処置医は、個々の患者の応答に応じて、治療を開始、中断、調整又は終了する方法及び時点を知っているであろうことにも留意されたい。
【0092】
本発明は、本発明による化合物、「リーフレット」としても知られる処方情報、ブリスターパッケージ、又はボトル及び容器を含むキットも提供する。更に、本発明は、本発明による医薬組成物、「リーフレット」としても知られる処方情報、ブリスターパッケージ、又はボトル及び容器を含むキットを提供する。処方情報には、本発明による化合物又は医薬組成物の投与に関して患者への注意又は説明を含めることが好ましい。特に、処方情報には、タウオパチーの予防及び/又は治療のために、それを必要とする対象において、本発明による化合物又は医薬組成物がどのように使用されるべきかについて、上記の本発明による化合物又は医薬組成物の投与に関して患者への注意又は説明が含められる。したがって、一実施形態では、本発明は、式(I)の化合物若しくはその立体異性体型、若しくはその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、又は上記の化合物を含む医薬組成物、及びタウオパチーを予防又は治療するための説明を含む部品のキットを提供する。本明細書に記載されるキットは、具体的には、市販に好適な医薬パッケージとすることができる。
【0093】
上記の組成物、方法、及びキットについて、当業者は、それぞれで使用するのに好ましい化合物が、上記で好ましいと記載される化合物であることを理解するであろう。組成物、方法、及びキットに更により好ましい化合物は、下記の非限定的な実施例で提供される化合物である。
【実施例】
【0094】
実験の部
以下、用語「m.p.」は融点を意味し、「min」は分を意味し、「ACN」はアセトニトリルを意味し、「aq.」は水性を意味し、「BrettPhos」は[(2-ジ-シクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネートメタンスルホネートを意味し、「DAST」は(ジエチルアミノ)硫黄三フッ化物を意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「DIAD」はジイソプロピルアゾジカルボキシレートを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「DMF」はジメチルホルムアミドを意味し、「DMA」はN,N-ジメチルアセトアミドを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、「EDC-HCl」はN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩を意味し、「FCC」はフラッシュカラムクロマトグラフィーを意味し、「HOBt」は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを意味し、「OL」は有機層を意味し、「「PdCl2(dppf)2」は[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(ジクロロメタンとの複合体)を意味し、「Pd(PPh3)4」はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を意味し、「Pd2(dba)3」はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を意味し、「X-Phos」は2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-イソプロピル-1,1’-ビフェニルを意味し、「Xant-Phos」は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンを意味し、「r.t.」又は「RT」は室温を意味し、「rac」又は「RS」は「ラセミの」を意味し、「LC-MS」は液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味し、「r.m.」は反応混合物を意味し、「RP」は逆相を意味し、「Rt」は滞留時間(分単位)を意味し、「MIK」はメチルイソブチルケトンを意味し、「[M+H]+」は化合物の遊離塩基のプロトン化質量を意味し、「wt」は重量を意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「NCS」はN-クロロスクシンイミドを意味し、「RBF」は丸底フラスコを意味し、「sat」は飽和を意味し、「soltn」又は「sol.」は溶液を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「TPP」は「トリフェニルホスフィン」を意味する。
【0095】
「RS」という表記が本明細書で示されている場合は、常に、別途指示しない限り、その化合物が、示された中心でのラセミ混合物であることを意味する。一部の化合物では、中心の立体化学的配置は、混合物が分離された場合に「R」又は「S」と指定されており、一部の化合物では、化合物自体は、単一の立体異性体として単離され、エナンチオマー的に/ジアステレオマー的に純粋であるが、絶対立体化学が未確定の場合、示された中心での立体化学的配置は、「R*」又は「S*」と指定されている。本明細書で報告される化合物の鏡像体過剰率は、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によるラセミ混合物の分析、及びその後の分離されたエナンチオマーのSFC比較により決定した。
【0096】
マイクロ波補助反応は、シングルモード式反応器:Initiator(商標)Sixty EXPマイクロ波反応器(Biotage AB)で実施した。
【0097】
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、試薬グレード溶媒を使用し、シリカゲル60 F254プレート(Merck)で行った。オープンカラムクロマトグラフィーは、標準的な技術を用いて、シリカゲル、粒径60Å、メッシュ=230~400(Merck)上で行った。
【0098】
自動フラッシュカラムクロマトグラフィーは、直ちに接続可能なカートリッジを用い、粒径15~40μmの不定形シリカゲル(順相使い捨てフラッシュカラム)上で、様々なフラッシュシステム:Armen InstrumentからのSPOT若しくはLAFLASHシステムのいずれか、又はInterchimからのPuriFlash(登録商標)430evoシステム、又はAgilentからの971-FPシステム、又はBiotageからのIsolera 1SVシステム上で実施した。
【0099】
中間体1
2-(4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
【化12】
K
2CO
3(22.73g、164mmol)を、RTの窒素雰囲気下で、DMF(426ml)中4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(21.05g、0.14mol)の攪拌懸濁液に添加した。続いてDMF(100ml)中の2-クロロ-N,N-ジメチルアセトアミド(14.83mL、0.14mol)を滴下し、混合物を70℃で16時間攪拌した。続いて混合物を濾過し、CH
3CNで洗浄した。濾過ケークを廃棄し、濾液を真空中で蒸発させた。残渣にDCMを添加し、固体を濾別し、DCMで洗浄して淡黄色固体を得た。濾液を蒸発させ、残渣にDCMを再度添加した。固体を濾別し、DMCで洗浄して緑色がかった固体を得た。両方の固体をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって個別に精製した(シリカ;DCM中MeOH中アンモニアの7M溶液 0/100~7/93)。所望の画分を回収し、真空中で蒸発させ、固体としてI-1(14.94g、46%)を得た。
【0100】
中間体2
tert-ブチル2-(4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)アセテート
【化13】
DMF(40mL)と、4-クロロ-1H-イミダゾ(4,5-c)ピリジン(1.0g、6.5mmol)と、K
2CO
3(1.5g、6.51mmol)との混合物に、ブロモ酢酸tert-ブチル(1.18mL、7.81mmol)を添加し、これをRTで16時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc及び水に溶解させた。有機層を水(×2)及びブラインで洗浄し、続いて分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中EtOAc 0/100~80/20)によって精製し、DIPEからトリチュレートした後に固体としてI-2(1.25g、66%)を得た。
【0101】
下記の中間体を、下記に示される中間体及び試薬から類似の方法で合成した。
【0102】
【0103】
【0104】
中間体12
2-(4-クロロイミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N-メチル-N-(トリジュウテリオメチル)アセトアミド
【化14】
水素化ナトリウム[7646-69-7](鉱物油中60%分散液、39mg、0.97mmol)を、0℃の窒素下で、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド[68-12-2](3mL)中I-11(200mg、0.89mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を5分間攪拌し、ヨードメタン[74-884](60μL、2.28g/mL、0.97mmol)を添加し、RMをRTで20時間攪拌した。その後、混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、AQ相をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。得られた残渣を、溶離液として0/100~7/95のDCM中MeOHの勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色固体としてI-12(純度91%、64%)を得た。
【0105】
中間体13
4-クロロ-1-(2,2-ジフルオロプロピル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン
【化15】
DIAD(0.96mL、4.9mmol)を、0℃のTHF(80mL)中4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(0.50g、3.26mmol)、2,2-ジフルオロプロパノール(0.47g、4.88mmol)、及びTPP(1.28g、4.88mmol)の攪拌及び冷却された(0℃)溶液に添加した。混合物を0℃で30分間、続いてRTで攪拌した。生成物は形成されなかった。混合物を終夜60℃に加熱した。2種の異性体が観察された。生成物を、シリカゲル(溶離液:DCM中0~2%MeOH)で精製した。この溶離液系の場合、より極性の異性体が所望の異性体であった。他方の異性体は、最初にカラムから溶離し、トリフェニルホスフィンオキシドと共溶離したが、精製されなかった。より極性の所望の異性体をRPで再精製した(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25% NH
4HCO
3水溶液、CH
3CN)。純粋な画分を蒸発させてI-13を得た(130mg、17%)。
【0106】
中間体14
2-クロロ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン塩酸塩
【化16】
DMF(50mL)中2-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン(5g、0.029mol)の攪拌溶液(20℃)に、NCS(4.28g、0.031mol)を少量ずつ添加した。続いて生じた溶液を2時間で50℃に加熱し、続いて冷却し、真空中で濃縮した。残渣をDCMで希釈し、飽和K
2CO
3溶液(2×)で処理し、OLをMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、DMFを依然として含有する黄褐色油を得た。これを、ヘプタン中0~40%EtOAcで溶離する80gのredisepフラッシュカラムを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、黄褐色油を得た(5.6g、収率93.6%)。これをDIPEに溶解させ、i-PrOH中6MのHClで処理し、終夜攪拌した。濾過によって明白色の固体を回収して乾燥させ、I-14を得た(5.6g、収率80%)。
【0107】
中間体15
2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-アミン
【化17】
三つ口RBF中、N
2流下で、Pd(PPh
3)
4(45.1g、39.0mmol)を、ジオキサン(741mL)及びNaHCO
3水溶液(742mL、1M、742mmol)中の2-ブロモ-4-メチルピリジン-3-アミン(73.0g、390mmol)及びイソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(78.7g、468mmol)の混合物に添加した。RMを100℃で終夜攪拌し、続いてこれをRTに冷却し、Celite(登録商標)で濾過し、EtOAcで洗浄して層を分離した。水層をEtOAc(2×)で再度抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空下で濃縮して、暗黄色油として粗生成物を得た。粗生成物をDCMに溶解し、続いて0℃に冷却し、続いてHCl(400mL、2M、800mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で20分間攪拌した。水層をEtOAc(2×)で再度抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、真空下で濃縮して、暗黄色油として粗生成物を得た。粗生成物をDCMに溶解し、続いて0℃に冷却し、続いてHCl(400mL、2M、800mmol)を添加し、得られた混合物を0℃で20分間攪拌した。水層を分離し、続いてDCM(3×)で抽出した。合わせた水層を丸底フラスコに入れ、DCM(200mL)と混合させ、続いて0℃に冷却した。Na
2CO
3(87g、82mmol)を少量ずつ添加し、5分間攪拌し、続いて100mLの水を添加した。得られた混合物を20分間攪拌し、続いて有機層を分離した。水層をDCM(2×)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、蒸発させて、4-メチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリジン-3-アミン(55.7g、96%)を得、これをそのまま次の工程で使用した。
【0108】
EtOH(687mL)中4-メチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリジン-3-アミン(24.0g、0.162mol)の溶液に、Pd/C(10%、2.1g、1.9mmol)を添加し、これを続いてH2雰囲気下で8時間攪拌した。懸濁液をCelite(登録商標)で濾過し、真空中で濃縮して黄色油を得た(24g)。これを、DCM中0~2%MeOHの勾配を溶離液として用いるシリカゲル上で精製した。所望の画分を回収し、溶媒を蒸発させて、油としてI-15を得た(18.8g、77%)。
【0109】
中間体16
2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメトキシ)アニリン
【化18】
4-(トリフルオロメトキシ)アニリン(1.15mL、1.31g/mL、8.47mmol)をDMF(27mL)に溶解した。NCS(1.24g、9.32mmol)を添加し、続いて反応物を60℃で4時間攪拌した。追加のNCS(0.1eq.)を添加し、混合物を60℃で更に2時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO
3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~20/80)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、橙色粘稠性固体として中間体I-16を得た(1.97g、収率93%)。
【0110】
中間体17
2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン
【化19】
3Lの四つ口フラスコ中で、乾燥THF(1000mL)中2,6-ジブロモ-4-(トリフルオロメチル)アニリン[72678-19-4](63.8g、200mmol)の混合物を、窒素で10分間脱気した。シリンジを用いて、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)[53199-31-8](3.0g、5.87mmol)を添加し、続いてメチル亜鉛クロリド[5158-46-3](300mL、2M、600mmol)を添加し(発熱反応、温度50℃)、混合物を1時間かけて室温に冷却しながら攪拌した。100mlの水でr.m.を慎重に分解した。溶液をDicalite(登録商標)で濾過し、有機物を蒸発させた(30℃、100mm Hg)。この水性残渣に更なる水(200mL)を添加し、残渣をDCMで抽出し、続いて有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を減圧下で蒸留した(浴温度125℃、6mm Hg)。これによって油としてI-17の一画分を得た(25.04g、66%)(bp 6mm Hg、78~82℃)。
【0111】
中間体18
2-[4-[2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)アニリノ]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]酢酸
【化20】
I-7(389mg、2.05mmol)及びCs
2CO
3[534-17-8](1.217g、3.735mmol)を、tBuOH[75-65-0](31mL)中I-2(500mg、1.87mmolの溶液に添加した。最後に、BrettPhos[1470372-59-8](102mg、0.11mmol)を添加し、窒素雰囲気下、混合物を100℃で16時間加熱した。この後、RMを減圧下で濃縮し、得られた残渣を水に溶解した。水溶液をDCM(3×)で抽出し、続いて合わせたOLをMgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。得られた残渣を逆相によって精製し(Phenomenex Gemini C18 100×30mm 5μmカラム;81%[25mM NH
4HCO
3]-19%[ACN:MeOH(1:1)]から45%[25mM NH
4HCO
3]-55%[ACN:MeOH(1:1)])、白色固体として305mg(44%)の中間体18を得た。
【0112】
中間体19
4-クロロ-1-(5-フルオロピリジン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン
【化21】
K
2CO
3(540mg、3.91mmol)を、RTで、DMF(9mL)中4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン[2770-01-6](600mg、3.91mmol)及び2,5-ジフルオロピリジン[84476-99-3](462μL、1.27g/mL、5.12mmol)の攪拌溶液に添加した。続いて反応混合物を160℃で18時間攪拌した。混合物をRTに冷却し、溶媒を真空中で除去した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン中EtOAc、0/100~100/0)により精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、白色固体としてI-19を得た(142mg、15%)。
【0113】
中間体20
2-イソプロピル-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン
【化22】
2-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン[67169-22-6](1g、5.71mmol)を、DMF(20mL)に溶解した。反応物を0℃で冷却した。N-ブロモスクシンイミド(1.12g、6.28mmol)を添加した。混合物をr.tに温め、rtで16時間攪拌した。EtOAc及び飽和NaHCO
3を添加し、有機層を分離し、水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。溶液を濾過し、全ての揮発性物質を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc、0/100~20/80)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、褐色の粘稠性油として2-ブロモ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリンを得た(1.38g、94%)。
【0114】
炭酸セシウム(2.15g、6.61mmol)を、予め窒素で5分間脱気した水(2.5mL)及び1,4-ジオキサン(20mL)中の[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン[95464-05-4](135mg、0.17mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物をrtで5分間攪拌し、続いて2-ブロモ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン(700mg、2.76mmol)及びトリフルオロ(プロパ-1-エン-2-イル)ホウ酸カリウム[395083-14-4](612mg、4.13mmol)を順次添加した。反応混合物を95℃で16時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc、0/100~10/90)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、黄色油として2-メチル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)アニリンを得た(416mg、95%)。
【0115】
RTの窒素雰囲気下で、パラジウム炭素(66mg、0.062mmol)を、メタノール(20mL)中2-メチル-6-(プロパ-1-エン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)アニリン(416mg、1.93mmol)の攪拌溶液に添加した。続いて、窒素雰囲気を水素に置き換え、反応混合物をRTで16時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)のパッドで濾過し、MeOH/DCM混合物で洗浄し、続いて溶媒を真空中で除去して、褐色油として2-イソプロピル-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)アニリン(394mg、94%)を得た。
【0116】
中間体21
1,4,6-トリメチル-1H-インダゾール-5-アミン
【化23】
窒素下で、炭酸セシウム(3.68g、11.29mmol)及びヨードメタン(0.42mL、2.28g/mL、6.79mmol)を、THF(25mL)中6-メチル-5-ニトロ-1H-インダゾール[81115-43-7](1g、5.64mmol)の混合物に添加した。混合物をrtで18時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc及び水に溶解した。有機層を水(×2)及びブラインで洗浄し、続いて分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~50/50)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、黄色固体として1,6-ジメチル-5-ニトロ-1H-インダゾール(573mg、53%)を得た。
【0117】
窒素下で、Pd/C(10%)(80mg、0.075mmol)を、MeOH(10mL)中1,6-ジメチル-5-ニトロ-1H-インダゾール(572mg、2.99mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を、大気圧及びRTで18時間水素化した。混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、濾過ケークをメタノールで洗浄した。濾液を真空中で蒸発させて、白色固体として1,6-ジメチル-1H-インダゾール-5-アミン(431、89%)を得た。
【0118】
1,6-ジメチル-1H-インダゾール-5-アミン(0.43g、2.67mmol)をDCM(20mL)に溶解した。続いて、DCM(20mL)中のBr2(0.15mL、3.12g/mL、2.94mmol)溶液を、激しく攪拌しながら溶液に滴下した。混合物を室温で16時間攪拌した。続いて、DCMを添加し、溶液を水で処理し、有機層をMgSO4で乾燥させた。溶液を濾過し、全ての揮発性物質を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~50/50)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、白色固体として4-ブロモ-1,6-ジメチル-1H-インダゾール-5-アミン(610mg、95%)を得た。
【0119】
窒素下で、4-ブロモ-1,6-ジメチル-1H-インダゾール-5-アミン(610mg、2.54mmol)及びメチルボロン酸[13061-96-6](380mg、6.35mmol)を、1,4-ジオキサン(8mL)、水(2mL)、及び炭酸ナトリウム(808mg、7.62mmol)の攪拌溶液に添加した。次に、PdCl2(dppf)2[95464-05-4](104mg、0.13mmol)を添加した。反応混合物を105℃で終夜攪拌した。水及びEtOAcを添加した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~50/50)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、黄色固体としてI-21を得た(330mg、74%)。
【0120】
中間体22
1-ブチル-4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン[2137779-69-0]
【化24】
0℃の窒素下で、4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン[2770-01-6](500mg、3.26mmol)をDMF(7.6mL)に溶解し、水素化ナトリウム(97.3mg、4.2mmol)を少量ずつ添加した。RMをRTに到達させ、攪拌を45分間継続した。続いて、1-ブロモブタン[109-65-9](0.35mL、1.269g/mL、3.3mmol)を0℃で滴下し、RMをRTに到達させて、終夜攪拌した。NaHCO
3飽和溶液を添加し、これをEtOAcで抽出し、続いて水及びブラインで洗浄し、続いてMgSO
4で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーカラム(ヘプタン/EtOAc 100/0~25/75)によって精製して、無色油としてI-22(300mg、収率43.945%)を得た。
【0121】
中間体23
3-[(4-クロロイミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)メチル]-5-メチル-イソオキサゾール
【化25】
RTで、3-クロロメチル-5-メチルイソオキサゾール[35166-37-1](180mg、1.3mmol)を、アセトニトリル[75-05-8](4mL)中4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン[2770-01-6](200mg、1.24mmol)及びK
2CO
3[584-08-7](207mg、1.49mmol)の攪拌溶液に添加した。RMを75℃で16時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO
3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物を、溶離液として0/100~3.5/96.5のDCM中MeOH勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色発泡体状固体としてI-23(純度85%、64%)を得た。
【0122】
中間体24
3-[(4-クロロイミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)メチル]イソオキサゾール
【化26】
中間体24を、3-(クロロメチル)イソオキサゾール[57684-71-6]及び4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン[2770-01-6]から出発して、I-23と同様の方法で調製した。
【0123】
中間体25
2-クロロ-6-メチル-4-(トリフルオロメトキシ)アニリン塩酸塩
【化27】
圧力管に、蒸留水(7mL)中K
2CO
3(7.14g、0.052mol)の溶液を投入し、続いてジオキサン(70mL)を添加した。2-ブロモ-6-クロロ-4-(トリフルオロメトキシ)アニリン(5g、0.017mol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン複合体(1.42g、0.0017mol)、及びトリメチルボロキシン(2.67mL、0.019mol)を添加しながら、懸濁液をN
2でパージした。管に蓋をし、120℃の油浴に入れ、この温度で懸濁液を16時間攪拌した。得られた懸濁液をEtOAc/水で処理して澄んだ相分離を得て、層を分離した。水層をEtOAc(3×)で抽出し、合わせたOLをブライン、MgSO
4で処理し、濾過し、真空中で濃縮して、油を得た。これを、ヘプタン中0~10%EtOAcの勾配で溶離する120gのRedisepフラッシュカラムを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して無色油を得た。これをDIPEに溶解し、iPrOH中6NのHClで処理して、rtで16時間攪拌すると白色固体が生じ、これを濾過によって回収して、I-25(2.46g、収率55%)を得た。
【0124】
中間体26
2-イソプロピル-6-メチル-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アニリン
【化28】
0℃で、DMF(乾燥)(16mL)中の2-イソプロピル-6-メチルアニリン[773887-07-3](1g、6.701mmol)に、NBS(1.30g、7.4mmol)を添加した。続いて反応混合物をRTに温め、終夜攪拌した。続いて水をr.m.に添加し、これをDCMで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、MIKと共蒸発させた。続いて、溶離液として純ヘプタン~20%EtOAcを用いて粗製物を精製した。全ての生成物画分をプールし、蒸発させて、4-ブロモ-2-イソプロピル-6-メチルアニリン(1.30g、収率85%)を得た。
【0125】
1,4-ジオキサン(16mL)と水(0.1mL)との混合物中の4-ブロモ-2-イソプロピル-6-メチルアニリン(871mg、3.82mmol)、1-メチル-1H-ピラゾール-4-ボロン酸(744mg、4.58mmol)、及び炭酸ナトリウム(1.2g、11mmol)の溶液を、N2で5分間バブリングした。次に、PdCl2(dppf)2[95464-05-4](156mg、0.191mmol)を添加し、反応混合物を100℃で6時間攪拌した。水及びEtOAcを添加し、層を分離し、有機層をMgSO4で乾燥させて蒸発させた。純ヘプタン~ヘプタン中50%EtOAcを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を実施した。所望の画分を合わせ、溶媒を蒸発させて、I-26(855mg、収率98%)を得た。
【0126】
中間体27
2,4-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン
【化29】
この反応を、2つのマイクロ波バイアル中で実施した。
【0127】
1.2,4-ジブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン[1214365-67-9](900mg、2.813mmol)を、1,4-ジオキサン(7.2mL)と水(0.9mL)との混合物に溶解した。トリメチルボロキシン[823-96-1](1.13mL、0.896g/mL、8.07mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体[95464-05-4](206mg、0.252mmol)、及びK2CO3(1.2g、8.5mmol)を、溶液に添加し、マイクロ波を用いて混合物を140℃で1時間加熱した。水及びEtOAcを混合物に添加し、水層を抽出した。続いてこれをブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。
【0128】
2.2,4-ジブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン[1214365-67-9](100mg、0.313mmol)を、1,4-ジオキサン(0.8mL)と水(0.1mL)との混合物に溶解した。トリメチルボロキシン[823-96-1](0.126mL、0.896g/mL、0.896mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン複合体[95464-05-4](23mg、0.028mmol)、及びK2CO3(0.13g、0.94mmol)を、溶液に添加し、マイクロ波を用いて混合物を140℃で1時間加熱した。両方の粗製r.m.を合わせ、溶離液として純DCMを用いたFCCで精製した。全ての生成物画分を合わせ、蒸発させて、I-27(424mg、収率79%)を得た。
【0129】
中間体28
4-(ジフルオロメチル)-2-メチルピリジン-3-アミン
【化30】
水素化アルミニウムリチウム[16853-85-3](0.2g、5.14mmol)を、-20℃で乾燥THF(10mL)中メチル3-アミノ-2-クロロイソニコチネート[173435-41-1](1g、4.29mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を0℃で30分間攪拌した。NH
4Cl(800mg)、MeOH(5mL)、及びMgSO
4を添加し、混合物を15分間攪拌した。混合物を濾過し、真空中で濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカ;DCM中MeOH 0/100~3.5/96.5)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、白色固体として(3-アミノ-2-クロロピリジン-4-イル)メタノールを得た(704mg、100%)。
【0130】
デス-マーチンペルヨージナン[87413-09-0](2.82g、6.66mmol)を、THF(44mL)及びDCM(44mL)中の(3-アミノ-2-クロロピリジン-4-イル)メタノール(704mg、4.44mmol)の攪拌溶液に添加した。続いて、混合物を、飽和NaHCO3溶液並びにNa2S2O3(1.5g)及びEtOAc(45mL)でクエンチした。混合物を30分間攪拌し、続いてEtOAc(20mL)で希釈した。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカ;DCM中EtOAc 0/100~30/70)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮し、黄色固体として3-アミノ-2-クロロイソニコチンアルデヒドを得た(480mg、68%)。
【0131】
DAST[38078-09-0](1.71mL、1.22g/mL、12.3mmol)を、-78℃の窒素下で、無水DCM(30mL)中3-アミノ-2-クロロイソニコチンアルデヒド(480mg、3.07mmol)の溶液に添加した。反応物を-78℃~rtで48時間攪拌した。0℃で、反応物を飽和NaHCO3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~12/88)によって精製して、橙色固体としてI-28を得た(170mg、30%)。
【0132】
中間体29
2-(4-クロロ-6-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
【化31】
POCl
3(20mL、1.65g/mL、215mmol)中の4-ヒドロキシ-6-メチル-3-ニトロピリジン-2(1H)-オン[4966-90-9](5g、29mmol)を、100℃で2時間攪拌した。混合物をrtで冷却し、続いて真空中で濃縮してトルエンと共蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc、0/100~20/80)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、白色固体として2,4-ジクロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン(2.77g、45%)を得た。
【0133】
メタノール中7Nのアンモニア溶液[7664-41-7](14.1mL、7 M、98.59mmol)を、THF(28mL)中2,4-ジクロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン(2.77g、13.4mmol)の攪拌溶液に添加した。溶媒を真空中で蒸発させ、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~20/80)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、黄色固体として2-クロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(1.0g、36%)を得た。
【0134】
鉄粉[7439-89-6](1.52g、27.2mmol)を、エタノール(18.5mL)中2-クロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(1g、5.3mmol)、塩化アンモニウム(2.42g、27.2mmol)、及び水(4.8mL)の溶液に添加した。混合物をRTに冷却し、混合物をcelite(登録商標)で濾過した。溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:DCM/MeOH(100/0~95/5)により精製した。所望の画分を回収し、濃縮して、褐色固体として2-クロロ-6-メチルピリジン-3,4-ジアミン(410mg、44%)を得た。
【0135】
2-クロロ-6-メチルピリジン-3,4-ジアミン(360mg、2.28mmol)、オルトギ酸トリエチル[122-51-0](2.2mL、0.89g/mL、13mmol)、及び無水酢酸[108-24-7](2.2mL、1.08g/mL、23mmol)の混合物を、140℃で5時間攪拌した。過剰な試薬を蒸発により除去した。続いて、混合物を水で処理し、0℃でpH9になるまでNaOH(10%)を添加した。この混合物を真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM/MeOH 100/0~95/5)により精製した。所望の画分を回収し、濃縮して、白色固体として4-クロロ-6-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(306mg、70%)を得た。
【0136】
炭酸カリウム(577mg、2.51mmol)を、r.t.の窒素雰囲気下で、アセトニトリル(8.0mL)中4-クロロ-6-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(350mg、2.09mmol)混合物に添加した。続いてアセトニトリル(8mL)中の2-クロロ-N,N-ジメチルアセトアミド[2675-89-0](226μL、1.18g/mL、2.2mmol)を滴下し、混合物を70℃で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水(×2)及びブラインで洗浄し、続いて分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中EtOAc 0/100~80/20)によって精製して、白色粘着性固体としてI-29を得た(307mg、58%)。
【0137】
以下の中間体を同様の方法で調製した。
【0138】
【0139】
中間体31
2-フルオロ-6-イソプロピル-4-(トリフルオロメチル)アニリン
【化32】
工程1.
2-フルオロ-6-イソプロペニル-4-(トリフルオロメチル)アニリン
【化33】
炭酸セシウム[534-17-8](1.712g、5.256mmol)を、予め脱気した水(2.01mL)及び1,4-ジオキサン(16.0mL)の溶液中の[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン[95464-05-4](107.563mg、0.131mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物をrtで5分間攪拌し、続いて2-ブロモ-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)アニリン[1034325-63-7](565mg、2.19mmol)及びトリフルオロ(プロパ-1-エン-2-イル)ホウ酸カリウム[395083-14-4](486mg、3.28mmol)を順次添加した。反応混合物を95℃で16時間攪拌すると、TLCによる分析は完全な変換を示した。rmを飽和 NaHCO
3水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc、0/100~10/90)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、217mg(44.76%)の2-フルオロ-6-イソプロペニル-4-(トリフルオロメチル)アニリンを得た。
【0140】
工程2.
rtの窒素雰囲気下で、パラジウム炭素 [7440-05-3](33.4mg、0.031mmol)を、メタノール(10mL)中2-フルオロ-6-イソプロペニル-4-(トリフルオロメチル)アニリン(215mg、0.98mmol)の攪拌溶液に添加した。続いて、窒素雰囲気を水素に置き換え、rmをrtで16時間攪拌した。混合物をcelite(登録商標)のパッドで濾過し、MeOH/DCMの混合物で洗浄し、溶媒を真空中で除去し、橙色油として168mg(73.6%)のI-31を得た。
【0141】
中間体32
1-(5-フルオロ-2-ピリジル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-アミン
【化34】
工程1.
2-(3,5-ジメチル-4-ニトロ-ピラゾール-1-イル)-5-フルオロ-ピリジン
【化35】
3,5-ジメチル-4-ニトロ-1h-ピラゾール[14531-55-6](600mg、4.25mmol)、2-ブロモ-5-フルオロピリジン[41404-58-4](1.53g、8.50mmol)、及びK
2CO
3[584-08-7](1.24g、8.93mmol)を、窒素下の封管中で、予め脱気したDMA(3mL)に溶解した。続いて、ヨウ化銅[7681-65-4](41mg、0.21mmol)及びN,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン[61798-24-1](138μL、0.902g/mL、0.85mmol)を添加し、得られた混合物を180℃で4時間攪拌した。rmを飽和NaHCO
3水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。得られた残渣を、溶離液として0/100~20/80のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、黄色固体として146mg(14%)の2-(3,5-ジメチル-4-ニトロ-ピラゾール-1-イル)-5-フルオロ-ピリジンを得た。
【0142】
工程2.
1-(5-フルオロ-2-ピリジル)-3,5-ジメチル-ピラゾール-4-アミン
鉄[7439-89-6](0.17g、3.09mmol)を、エタノール(4mL)と水(0.62mL)との混合物中の2-(3,5-ジメチル-4-ニトロ-ピラゾール-1-イル)-5-フルオロ-ピリジン(146mg、0.62mmol)とNH4Cl[12125-02-9](132mg、2.47mmol)との攪拌懸濁液に添加した。混合物を65℃で3時間攪拌し、続いてこれをcelite(登録商標)のパッドで濾過し、MeOH/DCM混合物で洗浄し、続いて溶媒を真空中で除去した。得られた残渣をNaHCO3で希釈し、CHCl3/MeOHの混合物(4:1)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、黄色油としてI-32を得た(106mg、82%)。
【0143】
以下の中間体を同様の方法で調製した。
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
中間体41
2-(4-クロロピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチル-アセトアミド
【化36】
DMF中4-クロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン[871836-51-0](846mg、5.51mmol)の混合物に、RT及び窒素雰囲気下(15mL)で1分間にわたりNaH[7646-69-7](331mg、8.26mmol)を少量ずつ添加した。RMをRTで1時間攪拌し、続いて2-クロロ-N,N-ジメチルアセトアミド[2675-89-0](0.68mL、1.182g/mL、6.61mmol)を滴下し、得られた混合物をRTで2.5時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、得られた残渣をEtOAcと水との間で分配した。有機層を分離し、続いて水(×2)及びブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。得られた残渣を、溶離液として0/100~20/80のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色固体としてI-41(566mg、43%)を得た。
【0148】
中間体42
2-(4-アセトアミドピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチル-アセトアミド
【化37】
アセトアミド[60-35-5](123mg、2.07mmol)及びI-17(450mg、1.88mmol)を、窒素下で無水ジオキサン(10mL)中酢酸パラジウム(II)[3375-31-3](17.0mg、0.075mmol)、9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン[161265-03-8](98.2mg、0.17mmol)、及び炭酸セシウム[534-17-8](1.23g、3.77mmol)の攪拌溶液に添加した。得られた混合物を90℃で18時間攪拌及び加熱し、続いてこれを減圧下で濃縮した。得られた残渣をEtOAcと水との間で分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。得られた残渣を、溶離液として0/100~100/0のDCM中DCM/MeOH(9:1)勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、黄色固体としてI-42(390mg、79%)を得た。
【0149】
中間体43
2-(4-アミノピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチル-アセトアミド
【化38】
メタノール中塩酸の溶液[132228-87-6](3.6mL、1.25M、4.48mmol)をMeOH(2mL)中I-18(390mg、1.49mmol)の溶液に添加し、混合物を80℃で18時間攪拌した。メタノール中塩酸[132228-87-6]の別の部分(1.2mL、1.25M、1.49mmol)をRMに添加し、これを80℃で48時間攪拌及び加熱した。この後に、溶媒を真空中で蒸発させ、得られた残渣をNaHCO
3とEtOAcとの間に分配した。OLを分離し、水層をEtOAcで逆抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、黄色固体としてI-43を得た(431mg、97%)。
【0150】
中間体44
1-ブチル-4-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化39】
無水DMF(4.0mL)中4-クロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン[871836-51-0](100mg、0.65mmol)の溶液に、RTでNaH(鉱油中60%分散液)、[7646-69-7](26.0mg、0.65mmol)を添加した。ガスの発生が止まったら、RTで1-ブロモブタン[109-65-9](70μL、1.276g/mL、0.65mmol)を添加した。RMをRTで3時間攪拌し、続いてこれを水でクエンチし、EtOAcを添加した。水層をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、溶離液として100/0~90/10のヘプタン/EtOAc勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、油としてのI-44(50mg、36.6%)、及び油としてのその位置異性体である2-ブチル-4-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(28mg、20.5%)を得た。
【0151】
中間体45
3,4-ジフルオロ-2,6-ジメチルアニリン
【化40】
工程1.
2,6-ジブロモ-3,4-ジフルオロアニリン
【化41】
N-ブロモスクシンイミド[128-08-5](16.2g、91.02mmol)を、アセトニトリル(100mL)中3,4-ジフルオロアニリン[3863-11-4](3.84mL、38.73mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を86℃で16時間攪拌した。この混合物を真空中で濃縮し、残渣を、溶離液として5/95~20/80のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、褐色固体として2,6-ジブロモ-3,4-ジフルオロアニリン(9g、79%)を得た。
【0152】
工程2.
Pd2dba3[51364-51-3](160mg、0.17mmol)、X-Phos[564483-18-7](166mg、0.35mmol)、及びリン酸カリウム[7778-53-2](2.22g、10.46mmol)を、窒素雰囲気下の封管中で、1,4-ジオキサン(35mL、5分間予め脱気した発泡窒素)中に希釈した。続いて、2,6-ジブロモ-3,4-ジフルオロアニリン(1g、3.49mmol)及びトリメチルボロキシン[823-96-1](1.46mL、0.9g/mL、10.46mmol)を添加し、混合物を100℃で18時間攪拌した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、DCM/MeOH(9:1)の混合物で洗浄した。溶媒を真空中で濃縮し、残渣を、溶離液として0/100~30/70のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル(乾燥装填)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、どちらも赤色油としてのI-45の2つの画分:画分1(700mg、64%)及び画分2(79mg、14%)を得た。画分1を、溶離液として0/100~30/70のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって再精製して、赤色油としてI-45の第3の画分(288mg、52%)を得た。
【0153】
中間体46
N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミンピリジン
【化42】
工程1.
rac-4-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジンピリジン
【化43】
3,4-ジヒドロ-2H-ピラン[110-87-2](2.38mL、26.05mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物[6192-52-5](0.25g、1.30mmol)を、DCM(60mL)中4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン[2770-01-6](2g、13.02mmol)の攪拌溶液に添加した。混合物を40℃で48時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO
3で希釈して、DCM(×2)で抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物を、溶離液として0/100~100/0のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、無色油としてrac-4-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(2.5g、79%)を得た。
【0154】
工程2.
N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン
【化44】
DMA(16mL)中rac-4-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(1g、4.21mmol)、I-27(0.876g、4.63mmol)、及びCs
2CO
3[534-17-8](3.02g、9.26mmol)の混合物を、窒素で脱気した。Pd(OAc)
2[3375-31-3](189mg、0.84mmol)及びキサントホス[161265-03-8](487mg、0.84mmol)を添加し、混合物を130℃で16時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水で希釈し、DCMで抽出し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物を、溶離液として0/100~80/20のEtOAc/ヘプタン勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、黄色発泡体としてN-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(906mg、55%)を得た。
【0155】
工程3
N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミンピリジン
TFA[76-05-1](5.91mL、76.58mmol)を、N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(906mg、2.32mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物をrtで1.5時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させた。混合物を、飽和NaHCO3で希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させ、黄色固体としてI-46(495mg、70%)を得、これを更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0156】
最終化合物の調製
化合物1
1-(2,2-ジフルオロプロピル)-N-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン
【化45】
tBuOH(2.4mL)中I-13(200mg、0.863mmol)、I-15(160mg、1.07mmol)、及びCs
2CO
3 (563mg、1.73mmol)の混合物を、N
2で脱気した。Pd(OAc)
2(36mg、0.16mmol)及びキサントホス[161265-03-8](60.5mg、0.104mmol)を添加し、混合物を110℃で1時間加熱した。混合物をDCM中で希釈し、Celite(登録商標)で濾過し、溶媒を真空中で濃縮した。生成物を、シリカゲル(溶離液:DCM中0~5%の7M NH
3/MeOH)で精製した。所望の画分を蒸発させ、DIPEから結晶化させた。結晶を濾別し、乾燥させ、白色固体として化合物番号1を得た(139mg、47%)。
【0157】
下記の化合物を、下記に示される中間体及び試薬から類似の方法で合成した。
【0158】
【0159】
化合物4
2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N-メチルアセトアミド
【化46】
I-2(389mg、2.05mmol)及びCs
2CO
3(1.22g、3.74mmol)を、中間体8(500mg、1.87mmol)とtBuOH(31mL)との攪拌溶液に添加した。続いて、BrettPhos[1470372-59-8](102mg、0.11mmol)を添加し、窒素雰囲気下、混合物を100℃で16時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、水に溶解させ、DCMで抽出し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物を逆相によって精製した(Phenomenex Gemini C18 100×30mm 5μmカラム;81%[25mM NH
4HCO
3]-19%[ACN:MeOH(1:1)]から45%[25mM NH
4HCO
3]-55%[ACN:MeOH(1:1)])。所望の画分を回収し、濃縮して、白色固体として2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)酢酸を得た(305mg、44%)。
【0160】
N-メチルイミダゾール[616-47-7](36μL、0.74g/mL、0.33mmol)を、rtで、NMP(1.18mL)及びACN(0.59mL)中の2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)酢酸(70mg、0.19mmol)及びメチルアミン塩酸塩[593-51-1](19.5mg、0.29mmol)の攪拌溶液に添加した。反応物を均質な溶液となるまで65℃で15分間加熱した。HOBt[123333-53-9](39mg、0.29mmol)及びEDC-HCl[25952-53-8](53mg、0.27mmol)をRTで添加した。混合物を65℃で1.5時間、続いてrtで16時間攪拌した。0℃で、混合物を飽和NaHCO3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;DCM中0~10%MeOH)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。生成物をDIPEでトリチュレートして、白色固体として化合物番号4を得た(62.5、85%)。
【0161】
化合物5
2-[4-[2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)アニリノ]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]アセトアミド
【化47】
N-メチルイミダゾール[616-47-7](43.07μL、0.742g/mL、0.387mmol)を、rtで、NMP[872-50-4](1.4mL)とACN(0.698mL)との混合物中のI-18(83mg、0.228mmol)及びNH
3[7664-41-7](ジオキサン中0.5M、683.461μL、0.342mmol)の攪拌溶液に添加した。反応物を均質な溶液となるまで65℃で15分間加熱した。HOBt[123333-53-9](46.176mg、0.342mmol)及びEDC-HCl[25952-53-8](63.034mg、0.319mmol)をr.t.で添加した。混合物を65℃で1.5時間攪拌した。0℃で、混合物を飽和NaHCO
3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;DCM中MeOH 0/100~10/90)。粗製物を逆相によって精製した(Phenomenex Gemini C18 100×30mm 5μmカラム;72%[25mM NH
4HCO
3]-28%[ACN:MeOH(1:1)]から36%[25mM NH
4HCO
3]-64%[ACN:MeOH(1:1)])。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。生成物をDIPEでトリチュレートして、白色固体として化合物番号5を得た。
【0162】
化合物6
2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-メチル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
【化48】
N-ヨードスクシンイミド(95mg、0.42mmol)を、DMF(1.5mL)中化合物61(150mg、0.38mmol)の溶液に少量ずつ添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO
3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~30/70)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、白色固体として2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミドを得た(172mg、82%)。
【0163】
トリメチルボロキシン[823-96-1](69μL、0.9g/mL、0.49mmol)を、窒素下で、1,4-ジオキサン(3mL)中の2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド(170mg、0.33mmol)、K3PO4(140mg、0.66mmol)、X-Phos[564483-18-7](16mg、0.033mmol)、及びPd2(dba)3[51364-51-3](15.05mg、0.016mmol)の攪拌懸濁液に添加した。混合物を95℃で16時間攪拌した。同量のトリメチルボロキシン[823-96-1](69μL、0.9g/mL、0.49mmol)、2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-ヨード-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド(170mg、0.33mmol)、X-Phos[564483-18-7](16mg、0.033mmol)、及びPd2(dba)3[51364-51-3](15.05mg、0.016mmol)を添加した。反応物を110℃で更に16時間攪拌した。水及びEtOAcを添加した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(シリカ;ヘプタン中EtOAc 0/100~50/50)。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、淡黄色粘着性固体を得た。粗製物を逆相によって精製した(Phenomenex Gemini C18 100×30mm 5μmカラム;72%[25mM NH4HCO3]-28%[ACN:MeOH(1:1)]から36%[25mM NH4HCO3]-64%[ACN:MeOH(1:1)])、DIPEでトリチュレートした後で灰白色固体として化合物番号6を得た(22mg、16%)。
【0164】
下記の化合物を、下記に示される中間体及び試薬から類似の方法で合成した。
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
化合物59
N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(イソオキサゾール-3-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン
【化49】
3-(クロロメチル)イソオキサゾール[57684-71-6](32μL、0.34mmol)を、CH
3CN(1.5mL)中I-46(100mg、0.33mmol)及びK
2CO
3[584-08-7](55mg、0.39mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を75℃で16時間攪拌した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、DCM/MeOH(9:1)の混合物で洗浄した。溶媒を真空中で濃縮し、残渣を、溶離液として0/100~1.8/98.2のMeOH/DCM勾配を用いるシリカゲル(乾燥装填)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。得られた残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製した(Phenomenex Gemini C18 100×30mm 5μmカラム;70%[25mM NH
4HCO
3]-30%[ACN:MeOH(1:1)]から27%[25mM NH
4HCO
3]-73%[ACN:MeOH(1:1)])。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、白色発泡体状固体として化合物59を得た(13mg、10%)。
【0181】
化合物60
N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(5-フルオロピリジン-2-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン
【化50】
I-18(142mg、0.57mmol)、I-17(119mg、0.63mmol)、及びCs
2CO
3(409mg、1.26mmol)、DMA(2.2mL)の混合物を窒素で脱気した。Pd(OAc)
2[3375-31-3](12.8mg、0.057mmol)及びキサントホス[161265-03-8](33.1mg、0.057mmol)を添加し、混合物を120℃で18時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水で希釈し、DCMで抽出し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製した(90%[0.1%HCOOH]-10%[ACN:MeOH 1:1]から54%[0.1%HCOOH]-46%[ACN:MeOH 1:1])。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、白色固体として化合物番号60を得た(80mg、35%)。
【0182】
化合物61
2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
【化51】
DMA(104mL)中I-1(8.03g、33.64mmol)、I-17(7.0g、37mmol)、及びCs
2CO
3(24.1g、74mmol)の混合物を、窒素で脱気した。Pd(OAc)2[3375-31-3](755mg、3.36mmol)及びキサントホス[161265-03-8](1.95g、3.36mmol)を添加し、混合物を120℃で16時間加熱した。冷却後、5%LiClの水溶液(100ml)を添加し、混合物をEtOAc(4×)で抽出した。有機層を分離し、更なる5%LiClの水溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカ;DCM中MeOH中のアンモニアの7M溶液 0/100~4/96)。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をEt2Oでトリチュレートした。固体を濾別し、Et2Oで洗浄し、50℃のデシケーター中で3日間乾燥させ、灰白色固体として化合物番号61を得た(7.9g、60%)。
【0183】
化合物62
2-[7-クロロ-4-[2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)アニリノ]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]-N,N-ジメチル-アセトアミド
【化52】
NCS[128-09-6](38mg、0.28mmol)を、DMF(1mL)中化合物61(100mg、0.26mmol)の溶液に少量ずつ添加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO
3で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製物を逆相によって精製した(Phenomenex Gemini C18 100×30mm 5μmカラム;81%[0.1% HCOOH]-19%[ACN:MeOH(1:1)]から45%[0.1% HCOOH]-55%[ACN:MeOH(1:1)])。所望の画分を回収して濃縮した。生成物をDIPEでトリチュレートして、灰白色固体として化合物番号62を得た(52mg、47%)。
【0184】
化合物63
2-[4-[2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)アニリノ]イミダゾ[4,5-c]ピリジン-1-イル]N-エチル-N-メチル-アセトアミド
【化53】
N-メチルイミダゾール[616-47-7](36μL、0.742g/mL、0.327mmol)を、RTで、NMP[872-50-4](1.18mL)及びACN(0.589mL)中I-18(70mg、0.19mmol)及びN-エチルメチルアミン[624-78-2](25μL、0.688g/mL、0.288mmol)の攪拌溶液に添加した。反応物を均質な溶液となるまで65℃で15分間加熱した。HOBt[123333-53-9](39mg、0.29mmol)及びEDC-HCl[25952-53-8](53mg、0.27mmol)をRTで添加し、RMを65℃で1.5時間攪拌した。RMを0℃の飽和NaHCO
3でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。得られた残渣を、溶離液として0/100~10/90のDCM中MeOHの勾配を用いるシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、DIPEでトリチュレートした後に白色固体として69mg(87%)の化合物番号63を得た。
【0185】
化合物64
2-[4-[2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)アニリノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-N,N-ジメチル-アセトアミド
【化54】
Pd
2dba
3[51364-51-3](9.7mg、0.017mmol)を、N
2流下で、DMF(15mL)中炭酸セシウム[534-17-8](330mg、1.01mmol)及びキサントホス[161265-03-8](19.5mg、0.034mmol)の脱気溶液に添加した。得られた混合物を40℃で2分間攪拌し、続いてN
2流下でI-43(100mg、0.34mmol)を添加した。混合物を40℃で更に5分間攪拌し、続いて、最終的に、[2-ヨード-1,3-ジメチル-5-(トリフルオロメチル)ベンゼン[875550-67-7](121.5mg、0.41mmol)を添加して、RMを85℃で18時間攪拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて残渣を得、これを100mg(0.34mmol)のI-43上で実施した類似の手順に由来する粗製物と組み合わせ、得られた混合物を、溶離液としてDCM中DCM/MeOH(20:1)、0/100~5/95の勾配を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過して、淡白色固体として化合物番号64(261mg、収率99%)を得た。
【0186】
化合物65
2-[4-[(2-イソプロピル-4-メチル-3-ピリジル)アミノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-N,N-ジメチル-アセトアミド
【化55】
Pd
2dba
3[51364-51-3](4.5mg、0.0078mmol)を、N
2流下でDMF(15mL)中Cs
2CO
3[534-17-8](151.5mg、0.46mmol)及びキサントホス[161265-03-8](9.0mg、0.015mmol)の溶液に添加し、混合物を40℃で2分間攪拌した。I-41(50mg、0.155mmol、純度74%のバッチ)をN
2流下で添加し、得られた混合物を40℃で5分間攪拌し、続いて4-メチル-2-(1-メチルエチル)-3-ピリジンアミン [1698293-93-4](28mg、0.18mmol)を添加した。RMを85℃で18時間攪拌した。RMを減圧下で蒸発させ、続いて得られた残渣を、100mg(0.31mmol、純度74%)のI-41上で実施した類似の手順に由来する粗製物と組み合わせ、これを分取HPLCによって精製して(固定相:XBridge Prep C18 3.5μm、4.6×100mm;移動相: 95%[65mM NH
4OAc+ACN(90:10)]-5%[100% deアセトニトリル]から63%[65mM NH
4OAc+ACN(90:10)]-37%[100% deアセトニトリル])、化合物番号65を得た(38mg、23%)。
【0187】
化合物66
1-ブチル-N-(2,6-ジクロロフェニル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-アミン
【化56】
tBuOH(2.3mL)中のI-44(120mg、0.57mmol)、2,6-ジクロロアニリン[608-31-1](464mg、2.86mmol)、及びCs
2CO
3[534-17-8](0.522g、1.60mmol)の混合物をN
2で脱気した。Pd(OAc)
2[3375-31-3](5mg、0.023mmol)及びキサントホス[161265-03-8](13mg、0.023mmol)を添加し、混合物を80℃で1時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をRPによって精製し(固相:XBridge C18_3.5μm、100×4.6mm、移動相:0.2% NH
4HCO
3+MeOH)、白色固体として化合物番号66を得た(90mg、47%)。
【0188】
下記の化合物を、下記に示される中間体及び試薬から類似の方法で合成した。
【0189】
【0190】
下記の化合物も、本明細書に記載されるものと類似の手順に従って作製された。
【化57】
【0191】
下記の化合物は、本明細書に記載されるものと類似の手順に従って、指示された中間体及び試薬から製された。
【0192】
【0193】
化合物81
2-(4-((2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
【化58】
化合物81を、化合物64から出発して、化合物6の合成に関して記載したものと同様に調製した。
【0194】
化合物82
N-(2,6-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-アミン
【化59】
I-46(120mg、0.39mmol)、4-ヨード-1-メチル-1H-イミダゾール[71759-87-0](166mg、0.78mmol)、及びリン酸カリウム[7778-53-2](336mg、1.57mmol)を、窒素下の封管中、無水ジグリム[111-96-6](3mL、窒素で5分間予め脱気した)中で希釈した。続いてヨウ化銅(I)[7681-65-4](23mg、0.12mmol)及びtrans-1,2-シクロヘキサンジアミン[1121-22-8](14μL、0.12mmol)を添加し、混合物を120℃で16時間攪拌した。混合物をCelite(登録商標)で濾過し、DCM/MeOH(9:1)の混合物で洗浄した。溶媒を真空中で濃縮し、残渣を、溶離液として0/100~2/98のMeOH/DCM勾配を用いるシリカゲル(乾燥装填)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を回収し、真空中で濃縮して、黄色粘着性固体として化合物番号82を得た(36mg、22%)。
【0195】
下記の化合物を、下記に示される中間体及び試薬から類似の方法で合成した。
【0196】
【0197】
分析の部
融点
値は、ピーク値又は融解範囲のいずれかであり、この分析方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られる。
【0198】
DSC823e又はDSC1 STAR((a)として示される) & Mettler Toledo MP50:
いくつかの化合物に関して、DSC823e又はDSC1 STAR(Mettler-Toledo)で融点を判定した。融点は、10℃/分の温度勾配で測定した。最高温度は300℃であった。
【0199】
いくつかの化合物に関して、MP50(Mettler-Toledo)((b)として示される)で融点を判定した。融点は、10℃/分の温度勾配で測定した。
【0200】
LCMS
一般手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、それぞれの方法で指定されるLCポンプ、ダイオードアレイ検出器(DAD)、又はUV検出器及びカラムを使用して実施した。必要に応じて追加の検出器を含めた(下記の方法の表を参照されたい)。
【0201】
カラムからの流れを、大気圧イオン源を装備した質量分析計(MS)に導入した。イオンを得て、化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)及び/又は正確な質量モノアイソトピック分子量の同定を可能にするための調整パラメータ(例えば、スキャン範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。データ取得は適切なソフトウェアで実施した。
【0202】
化合物は、それらの実験滞留時間(Rt)及びイオンによって表される。データの表に別段記載されていなければ、報告された分子イオンは、[M+H]+(プロトン化分子)及び/又は[M-H]-(脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化可能でなかった場合には、付加体の種類を特定する(即ち、[M+NH4]、[M+HCOO]、[M+CH3COO]-等)。複数の同位体パターンを有する分子(Br、Cl等)の場合には、報告する値は、最低同位体質量に関して得られた値である。全ての結果は、使用される方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られた。
【0203】
本明細書では、これ以後、「SQD」は、シングル四重極検出器、「MSD」は、質量選択検出器、「QTOF」は、四重極-飛行時間、「rt」は、室温、「BEH」は、架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、HSS」は、高強度シリカ、「CSH」は、荷電表面ハイブリッド、「UPLC」は、超高速液体クロマトグラフィー、「DAD」は、ダイオードアレイ検出器である。
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
NMR
いくつかの化合物に関して、クロロホルム-d(重水素化クロロホルム、CDCl3)又はDMSO-d6(重水素化DMSO、ジメチル-d6スルホキシド)を溶媒として使用して、400MHzで動作するBruker AV III HD分光計、500MHzで動作するBruker Avance NEO、又は400MHzで動作するBruker Avance NEO分光計上で、1H NMRスペクトルを記録した。化学シフト(δ)を、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対して百万分率(ppm)単位で報告する。
【0209】
化合物番号10:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.42(s,1H),8.03(s,1H),7.58(d,J=5.8,1H),7.46(s,1H),7.43(s,1H),6.81(d,J=5.8,1H),5.22(s,2H),3.11(s,3H),2.88(s,3H),2.62(q,J=7.5,2H),2.19(s,3H),1.06(t,J=7.5,3H).
化合物番号12:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.41(s,1H),8.03(s,1H),7.57(d,J=5.8,1H),7.49 - 7.40(m,2H),6.79(d,J=5.8,1H),5.22(s,2H),3.29 - 3.17(m,1H),3.11(s,3H),2.88(s,3H),2.18(s,3H),1.10(d,J=6.9,6H).
化合物番号13:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.15(s,1H),8.02 - 7.98(m,2H),7.52(d,J=5.7,1H),7.30(s,1H),6.74(d,J=5.8,1H),5.21(s,2H),4.00(s,3H),3.11(s,3H),2.88(s,3H),2.34(s,3H),2.26(s,3H).
化合物番号42:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.43(br s,1H),8.04(s,1H),7.59(d,J=5.8Hz,1H),7.45(s,2H),6.82(d,J=5.8Hz,1H),5.22(s,2H),2.21(s,6H).
化合物番号45:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.05(s,1H),8.01(s,1H),7.65(d,J=5.8,1H),7.41(d,J=8.4,2H),7.31(d,J=8.2,2H),6.79(d,J=5.8,1H),5.22(s,2H),3.11(s,3H),2.88(s,3H),2.37(s,3H),2.16(s,3H),2.05(s,3H).
化合物番号47:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.35(s,1H),8.02(s,1H),7.58(d,J=5.8Hz,1H),7.30(dd,J=8.3,2.9Hz,1H),7.18(dd,J=10.0,2.9Hz,1H),6.79(d,J=5.8Hz,1H),5.22(s,2H),3.25 - 3.15(m,1H),3.11(s,3H),2.88(s,3H),1.09(d,J=6.8Hz,6H).
化合物番号52:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=8.43(s,1H),8.08(s,1H),7.59(d,J=5.8,1H),7.45(s,2H),6.85(d,J=5.8,1H),5.32(s,2H),3.00 - 2.92(m,1H),2.85(s,3H),2.22(s,6H),1.00 - 0.88(m,4H).
化合物番号53:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.43(br s,1H),8.04(s,1H),7.59(d,J=5.8Hz,1H),7.45(s,2H),6.82(d,J=5.8Hz,1H),5.22(s,2H),2.21(s,6H)
化合物番号59:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.92(d,J=1.6Hz,1H),8.51(br s,1H),8.31(s,1H),7.62(d,J=5.8Hz,1H),7.44(s,2H),6.85(d,J=5.8Hz,1H),6.62(d,J=1.6Hz,1H),5.62(s,2H),2.19(s,6H).
化合物番号61:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 2.21(s,6H),2.88(s,3H),3.12(s,3H),5.23(s,2H),6.82(d,J=5.70Hz,1H),7.45(s,2H),7.59(d,J=5.70Hz,1H),8.04(s,1H),8.42(s,1H).
化合物番号63:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 8.43(s,3H),8.06(d,J=12.2Hz,3H),7.59(d,J=5.8Hz,3H),7.45(s,6H),6.80(dd,J=12.1,5.8Hz,3H),5.24(s,0.9H),5.20(s,1.1H),3.09(s,1.7H),2.85(s,1.3H),2.21(s,6H),1.24(t,J=7.1Hz,1.3H),1.04(t,J=7.1Hz,1.7H).2つの回転異性体が観察された(比60:40)。
化合物番号64:1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ ppm 2.31(s,6H),3.00(s,3H),3.14(s,3H),5.12(s,2H),6.55(br s,1H),6.75(br d,J=6.05Hz,1H),6.94(s,1H),7.46(s,2H),7.95(br d,J=5.91Hz,1H).
化合物番号65:1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.15-1.23(m,6H)2.23(s,3H)2.99(s,3H)3.11(s,3H)3.37-3.58(m,1H)5.11(s,2H)6.73(br d,J=5.91Hz,1H)6.82(br s,1H)7.13(br d,J=4.67Hz,1H)7.91(br d,J=5.91Hz,1H)8.53(d,J=4.67Hz,1H)
化合物番号66:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 0.88(t,J=7.37Hz,3H),1.24(sxt,J=7.44Hz,2H),1.78(quin,J=7.21Hz,2H),4.29(t,J=6.93Hz,2H),6.87(br d,J=5.50Hz,1H),7.26-7.35(m,1H),7.55(d,J=8.14Hz,2H),7.59(br s,1H),7.99(br s,1H),9.38(br s,1H).
化合物番号67:1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.94(t,J=7.32Hz,3H),1.26-1.38(m,2H),1.77-1.96(m,2H),4.21-4.29(m,2H),6.57(d,J=6.92Hz,1H),7.41(s,1H),7.48(d,J=6.51Hz,1H),8.49(s,2H),9.43(br s,1H).
化合物番号68:1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 0.94(t,J=7.37Hz,3H),1.22-1.38(m,2H),1.78-1.94(m,2H),1.94-2.17(m,1H),2.20(s,6H),4.26(t,J=7.15Hz,2H),6.72(d,J=6.16Hz,1H),7.18(s,1H),7.84(br d,J=6.16Hz,1H),8.39(s,2H).
化合物番号78:1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 2.20(d,J=2.4Hz,3H)2.21(s,3H)3.05(s,3H)3.17(s,3H)4.93(s,2H)6.65(d,J=5.9Hz,1H)6.75(br s,1H)6.89-6.97(m,1H)7.83(s,1H)7.88(d,J=5.8Hz,1H).
【0210】
薬理学的実施例
1)OGA-生化学的アッセイ
本アッセイは、O-GlcNAcアーゼ(OGA)とも称される組換え体ヒト髄膜腫発現抗原5(MGEA5)によるフルオレセインモノ-β-D-N-アセチル-グルコサミン(FM-GlcNAc)の加水分解の阻害に基づく(Mariappa et al.2015,Biochem J 470:255)。加水分解FM-GlcNAc(Marker Gene technologies、カタログ番号M1485)は、β-D-N-グルコサミン酢酸塩及びフルオレセインの形成をもたらす。後者の蛍光は、励起波長485nm及び発光波長538nmで測定され得る。酵素活性の増大は、蛍光シグナルの増大をもたらす。全長OGA酵素をOriGeneで購入した(カタログ番号TP322411)。酵素を、25mM Tris.HCl、pH7.3、100mMグリシン、10%グリセロール中において-20℃で保存した。Thiamet G及びGlcNAcStatinを基準化合物として試験した(Yuzwa et al.2008 Nature Chemical Biology 4:483;Yuzwa et al.2012 Nature Chemical Biology 8:393)。アッセイは、0.005%のTween-20を加えた200mMのクエン酸/リン酸緩衝液中で実施された。35.6gのNa2HPO42H2O(Sigma、#C0759)を1Lの水に溶解させて200mMの溶液を得た。19.2gのクエン酸(Merck、#1.06580)を1Lの水に溶解させて100mMの溶液を得た。リン酸ナトリウム溶液のpHをクエン酸溶液で7.2に調整した。反応を停止するための緩衝液は、500mMの炭酸緩衝液(pH11.0)からなる。
【0211】
734mgのFM-GlcNAcを5.48mLのDMSOに溶解させて250mMの溶液を得、これを-20℃で保管した。OGAを2nM濃度で使用し、FM-GlcNAcを100μMの最終濃度で使用した。希釈物をアッセイ緩衝液中で調製した。
【0212】
DMSOに溶解された50nlの化合物を、Black Proxiplate TM384 Plusアッセイプレート(Perkin Elmer、#6008269)に分注し、その後、3μlのfl-OGA酵素混合物を添加した。プレートを室温で60分間プレインキュベートし、続いて2μlのFM-GlcNAc基質混合物を添加した。最終DMSO濃度は1%を超えなかった。プレートを1000rpmで1分間手短に遠心分離し、室温で6時間インキュベートした。反応を停止するために、5μlの停止緩衝液を添加し、プレートを再度1000rpmで1分間遠心分離した。Thermo Scientific Fluoroskan Ascent又はPerkinElmer EnVisionの中で、励起波長485nm及び発光波長538nmで蛍光を定量した。
【0213】
分析のために、最良適合曲線を最小二乗法により適合させる。これから、IC50値及びヒル係数を得た。高対照(阻害剤なし)及び低対照(飽和濃度の標準阻害剤)を使用して、最小値及び最大値を定義した。
【0214】
2)OGA-細胞アッセイ
P301L変異体ヒトタウ(アイソフォーム2N4R)誘導性のHEK293細胞は、Janssenで確立された。Thiamet-Gを、プレートバリデーション(高対照)のため、及び参照化合物(参照EC50アッセイバリデーション)としての両方で使用した。OGA阻害を、前述のO-GlcNAc化残基を検出するモノクローナル抗体(CTD110.6;Cell Signaling、#9875)を使用して、O-GlcNAc化タンパク質を免疫細胞化学(ICC)的に検出することにより評価する(Dorfmueller et al.2010 Chemistry&biology,17:1250)。OGAの阻害する結果、O-GlcNAc化タンパク質レベルが増加し、その結果、実験においてシグナルが増加する。細胞核をHoechstで染色して、細胞培養の品質管理を行い、即時の化合物毒性があれば、そのおよその推定を行う。ICC画像をPerkin Elmer Opera Phenixプレート顕微鏡で撮像し、提供されたソフトウェアPerkin Elmer Harmony 4.1で定量化する。
【0215】
細胞を、標準的な手順に従ってDMEM高グルコース(Sigma、#D5796)中で増殖させた。細胞アッセイの2日前に細胞を分離させ、計数し、ポリ-D-リシン(PDL)でコーティングした96ウェル(Greiner、#655946)プレートに100μlのアッセイ培地(GlcNAc化の基底レベルを低下させるために低グルコース培地を用いる)中において12,000細胞/cm2(1ウェル当たり4,000個の細胞)の細胞密度で播種する(Park et al.2014 The Journal of biological chemistry 289:13519)。化合物の試験日にアッセイプレートから培地を除去し、90μlの新鮮アッセイ培地を補充した。10μlの化合物を最終濃度10倍でウェルに添加した。プレートを遠心分離し、その直後に細胞インキュベーターに入れて6時間インキュベートした。DMSO濃度を0.2%に設定した。真空を適用することにより培地を廃棄した。細胞を染色するために、培地を除去し、細胞を100μlのD-PBS(Sigma、#D8537)で1回洗浄した。次の工程以降、特に明記しない限り、アッセイ容量は、常に50μlであり、インキュベーションは、攪拌せずに室温で実施した。細胞を、室温で50μlの4%パラホルムアルデヒド(PFA、Alpha aesar、#043368)PBS溶液中に15分間固定した。続いて、PFA PBS溶液を廃棄し、細胞を10mMのトリス緩衝液(LifeTechnologies、#15567-027)、150mMのNaCl(LifeTechnologies、#24740-0110、0.1%のTriton X(Alpha aesar、#A16046)、pH7.5(ICC緩衝液)中で1回洗浄してから、同じ緩衝液中で10分間透過化処理した。続いて、試料を、室温の5%ヤギ血清(Sigma、#G9023)を含有するICC中で45~60分間ブロックする。続いて、試料を、一次抗体(市販品供給元からの1/1000、上記参照)を用いて4℃で終夜インキュベートし、次にICC緩衝液中で5分間の洗浄を3回行った。試料を二次蛍光抗体(1/500希釈物、Lifetechnologies、#A-21042)と共にインキュベートし、ICC中の最終濃度1μg/mlでHoechst 33342(Lifetechnologies、#H3570)により1時間核染色した。分析前に、試料をICC塩基緩衝液で5分にわたり2回手作業で洗浄した。
【0216】
撮像は、20×水浸対物レンズを使用し、1ウェル当たり9視野を記録するPerkin Elmer Phenix Operaを使用して実施する。488nmでの強度読み出しを、
ウェル中の全タンパク質のO-GlcNAc化レベルの尺度として使用する。化合物の潜在的毒性を評価するために、Hoechst染色を用いて核を計数した。IC50値は、パラメトリック非線形回帰モデルフィッティングを使用して計算する。最大阻害として、200uM濃度でのThiamet Gが各プレート上に存在する。加えて、Thiamet Gの濃度応答を各プレート上で計算する。
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
本発明の代表的な化合物を、上記で説明した手順に従って試験し、下記の表で列挙する結果が得られた(n.d.は未決定を意味する)。下記の表で報告される値は、典型的な許容誤差の影響を受けており、機器の再校正後に得られた特定の化合物のいくつかの実験にわたる平均値である。
【0221】
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態であって、式中
、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1若しくは
X
2のうち一方はNであり、
R
1は、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキル、OH、
-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル
、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5
若しくは6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ
置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基
で置換されるC
1~6アルキルであって、前記5若しくは6員のヘテロアリールは、任意
選択的
に、1つ若しくは2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で置換される、C
1
~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子
がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、
並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される
2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チ
アゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5若し
くは6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル若しくは-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素
原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル
、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか
、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシ
クリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及
びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~
4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、
及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置
換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に
位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6
員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、若しくは
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~
4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4ア
ルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及び
Hetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、
1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピ
リジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イ
ミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、
イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~
10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4
アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フ
ェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、若しくはその互変異性
体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態、
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物
を含む、薬剤として使用するための組成
物。
【請求項2】
式(I)の化合物
【化2】
若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態であって、式中
、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1若しくは
X
2のうち一方はNであり、
R
1は、非置換C
2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキ
ル、OH、-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選
択される5若しくは6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択
されるハロ置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以
上の置換基で置換されるC
1~6アルキルであって、前記5若しくは6員のヘテロアリー
ルは、任意選択的に、1つ若しくは2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で
置換される、C
1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジ
ェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラ
ヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独
立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、
オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から
選択される5若しくは6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル若しくは-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素
原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル
、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか
、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシ
クリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及
びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~
4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、
及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置
換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に
位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6
員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、若しくは
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~
4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4ア
ルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及び
Hetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、
1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピ
リジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イ
ミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、
イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~
10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4
アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フ
ェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、若しくはその互変異性
体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態、
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項3】
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~
4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、
及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置
換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に
位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6
員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~
4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4ア
ルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及び
Hetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される1H-インダゾリルから
なる群から選択され、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1
~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル
、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
3は、(a)、(b)、及び(c)からなる群から選択され、
【化3】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4
アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4ア
ルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-
(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、但し、R
1a又はR
2aのうち少なくとも1つ、及びR
1b又はR
2bのうち少なくとも一方は水素ではなく
、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1
又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-C
N、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、
モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1
~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1
~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル
、フェニル、ピリジルからなる群から選択され、
R
1c及びR
2cは、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノ
ハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロ
C
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、及び-(C=O)C
1~4
アルキルからなる群から選択され、
Cは、それぞれが任意選択的に1つ以上の独立して選択されるC
1~4アルキル置換基で
置換されたピラゾリル及びイミダゾリルからなる群から選択される縮合5員芳香族複素環
を形成する、請求項2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
式(I)の化合物は、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、又は(I-D)を有し
、
【化4】
式中、z1及びz2は、それぞれ独立して、水素、重水素、及びハロゲンから選択され、
前記変数の残りは請求項2~4のいずれか一項で定義される通りである、請求項2~4の
いずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
予防又は治療有効量の請求項2~5のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容さ
れる担体と、を含む医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される担体を、予防又は治療有効量の請求項2~5のいずれか一項に記載
の化合物と混合することを含む、請求項6に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス
。
【請求項8】
薬剤として使用するための、請求項2~5のいずれか一項に定義される化合物
を含む組
成物、又は請求項6に定義される医薬組成物。
【請求項9】
タウオパチー、又はαシヌクレイン症の治療又は予防における
使用のための、請求項1
に記載
の組成物。
【請求項10】
タウオパチー、又はαシヌクレイン症の治療又は予防に使用するための、請求項2~5
のいずれか一項に定義される化合物
を含む組成物、又は請求項6に定義される医薬組成物
。
【請求項11】
前記タウオパチーが、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム認
知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うびまん
性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、第
17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に起因
する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされる)
、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、パーキンソン病、グアドループ型
パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・ピッ
ク病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後パー
キンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシス、
進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化型
認知症、並びに球状グリア封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択され、前記
αシヌクレイン症が、パーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキンソ
ン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、及びゴーシェー病に
よって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択される、請求項9又は10に
記載される
組成物又は医薬組成物。
【請求項12】
様々な形態のタウオパチーで観察される、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハイマ
ー病、又はタウ関連神経変性の制御又はリスクの低減における
使用のための、請求項1に
記載される
組成物。
【請求項13】
様々な形態のタウオパチーで観察される、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハイマ
ー病、又はタウ関連神経変性の制御又はリスクの低減に使用するための、請求項2~5の
いずれか一項に定義される化合物
を含む組成物、又は請求項6に定義される医薬組成物。
【請求項14】
前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減における、請求項
1に記載の組成物。
【請求項15】
前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減に使用するための、請求項2~5のいずれ
か一項に定義される化合物
を含む組成物、又は請求項6に定義される医薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0221
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0221】
【表33】
本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.薬剤として使用するための式(I)の化合物
【化60】
若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態であって、式中
、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1若しくは
X
2のうち一方はNであり、
R
1は、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキル、OH、
-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル
、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5
若しくは6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択されるハロ
置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基
で置換されるC
1~6アルキルであって、前記5若しくは6員のヘテロアリールは、任意
選択的
に、1つ若しくは2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で置換される、C
1
~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジェミナル水素原子
がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラヒドロピラニル、
並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される
2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チ
アゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選択される5若し
くは6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル若しくは-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素
原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル
、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか
、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシ
クリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及
びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~
4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、
及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置
換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に
位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6
員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、若しくは
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~
4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4ア
ルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及び
Hetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、
1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピ
リジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イ
ミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、
イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~
10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4
アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フ
ェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、若しくはその互変異性
体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態、
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
2.式(I)の化合物
【化61】
若しくはその互変異性体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態であって、式中
、
X
1及びX
2は、それぞれ独立してCR
4及びNから選択されるが、但し、X
1若しくは
X
2のうち一方はNであり、
R
1は、非置換C
2~6アルキル、それぞれ独立してハロ、-CN、-OC
1~4アルキ
ル、OH、-C(=O)NR
xR
y、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から選
択される5若しくは6員のヘテロアリール、並びに任意選択的に1つ以上の独立して選択
されるハロ置換基で置換されるC
3~6シクロアルキルからなる群から選択される1つ以
上の置換基で置換されるC
1~6アルキルであって、前記5若しくは6員のヘテロアリー
ルは、任意選択的に、1つ若しくは2つの独立して選択されたC
1~4アルキル置換基で
置換される、C
1~6アルキル、オキセタニルで置換されたC
1~6アルキル、2個のジ
ェミナル水素原子がオキセタニリデンによって置換されているC
1~6アルキル、テトラ
ヒドロピラニル、並びにそれぞれがハロ及びC
1~4アルキルからなる群からそれぞれ独
立して選択される2つの置換基で任意選択的に置換され得るピラゾリル、イミダゾリル、
オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、及びピリミジニルからなる群から
選択される5若しくは6員のヘテロアリールからなる群から選択され、
但し、-OC
1~4アルキル若しくは-OH置換基は、存在する場合、二環式コアの窒素
原子から離れた少なくとも2個の炭素原子であり、式中、
R
x及びR
yは、それぞれ独立して水素、C
1~4アルキル、モノハロC
1~4アルキル
、ポリハロC
1~4アルキル、及びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択されるか
、或いはR
x及びR
yは、これらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルからなる群から選択されるヘテロシ
クリル環を形成し、
R
2及びR
4は、存在する場合、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、及
びC
3~6シクロアルキルからなる群から選択され、
R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~
4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、
及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置
換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に
位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6
員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、若しくは
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~
4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4ア
ルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及び
Hetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される、1H-インダゾリル、
1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、1,8-ナフチリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピ
リジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル、イ
ミダゾ[1,5-b]ピリダジニル、インドリジニル、1H-インドリル、キノリニル、
イソキノリニル、及びチアゾロ[4,5-b]ピリジニルからなる群から選択される9~
10員の二環式ヘテロアリールラジカルからなる群から選択され、
Hetが、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、C
1~4
アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル、フ
ェニル、ピリジルからなる群から選択される、式(I)の化合物、若しくはその互変異性
体若しくは立体異性体、若しくはその重水素化形態、
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
3.R
3は、
(a)そのそれぞれが、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~
4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、
及びHetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換され、少なくとも1つの置
換基が、R
4を二環式コアに結合させるNHリンカーに対してオルト位にある炭素原子に
位置する、ピラゾリル、フェニル、及びピリジルからなる群から選択される5若しくは6
員の単環式アリール若しくはヘテロアリールラジカル、又は
(b)任意選択的にそれぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノハロC
1~
4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロC
1~4ア
ルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1~4アルキル、及び
Hetからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換される1H-インダゾリルから
なる群から選択され、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1
~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル
、フェニル、ピリジルからなる群から選択される、上記2に記載の化合物。
4.R
3は、(a)、(b)、及び(c)からなる群から選択され、
【化62】
式中、R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4
アルキル、-CN、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4ア
ルキルオキシ、モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-
(C=O)C
1~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、但し、R
1a又はR
2aのうち少なくとも1つ、及びR
1b又はR
2bのうち少なくとも一方は水素ではなく
、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、N、CH、又はCR
3bから選択され、但し、Z
1
又はZ
2のうち少なくとも一方はNであり、
R
3a及びR
3bは、存在する場合、それぞれ独立して、ハロ、C
1~4アルキル、-C
N、モノハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、
モノハロC
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、-(C=O)C
1
~4アルキル、及びHetからなる群から選択され、式中
nは0、1、又は2を表し、
Hetは、任意選択的に、それぞれ独立してハロ、C
1~4アルキル、-CN、及びC
1
~4アルキルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されるピラゾリル
、フェニル、ピリジルからなる群から選択され、
R
1c及びR
2cは、それぞれ独立して、水素、ハロ、C
1~4アルキル、-CN、モノ
ハロC
1~4アルキル、ポリハロC
1~4アルキル、C
1~4アルキルオキシ、モノハロ
C
1~4アルキルオキシ、ポリハロC
1~4アルキルオキシ、及び-(C=O)C
1~4
アルキルからなる群から選択され、
Cは、それぞれが任意選択的に1つ以上の独立して選択されるC
1~4アルキル置換基で
置換されたピラゾリル及びイミダゾリルからなる群から選択される縮合5員芳香族複素環
を形成する、上記2又は3に記載の化合物。
5.式(I)の化合物は、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、又は(I-D)を有
し、
【化63】
式中、z1及びz2は、それぞれ独立して、水素、重水素、及びハロゲンから選択され、
前記変数の残りは上記2~4のいずれかで定義される通りである、上記2~4のいずれか
に記載の化合物。
6.予防又は治療有効量の上記2~5のいずれかに記載の化合物と、薬学的に許容される
担体と、を含む医薬組成物。
7.薬学的に許容される担体を、予防又は治療有効量の上記2~5のいずれかに記載の化
合物と混合することを含む、上記6に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス。
8.薬剤として使用するための、上記2~5のいずれかに定義される化合物、又は上記6
に定義される医薬組成物。
9.タウオパチー、又はαシヌクレイン症の治療又は予防における、上記1に記載される
使用のための化合物。
10.タウオパチー、又はαシヌクレイン症の治療又は予防に使用するための、上記2~
5のいずれかに定義される化合物又は上記6に定義される医薬組成物。
11.前記タウオパチーが、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズ
ム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核変性症、石灰沈着を伴うび
まん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症
、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(MAPT変異に
起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72変異によって引き起こされ
る)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、パーキンソン病、グアドルー
プ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を伴う神経変性、ニーマン・
ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロン疾患、ピック病、脳炎後
パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害、進行性皮質下グリオーシ
ス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変
化型認知症、並びに球状グリア封入体を伴う白質タウオパチーからなる群から選択され、
前記αシヌクレイン症が、パーキンソン病、パーキンソンによる認知症(すなわちパーキ
ンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、多系統萎縮症、及びゴーシェー
病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群から選択される、上記9又は10
に記載される使用のための化合物又は医薬組成物。
12.様々な形態のタウオパチーで観察される、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハ
イマー病、又はタウ関連神経変性の制御又はリスクの低減における、上記1に記載される
使用のための化合物。
13.様々な形態のタウオパチーで観察される、臨床前アルツハイマー病、前駆アルツハ
イマー病、又はタウ関連神経変性の制御又はリスクの低減に使用するための、上記2~5
のいずれかに定義される化合物又は上記6に定義される医薬組成物。
14.前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減における、上記に定義される使用のた
めの化合物。
15.前駆パーキンソン病の制御又はリスクの低減に使用するための、上記2~5のいず
れかに定義される化合物又は上記6に定義される医薬組成物。
16.タウオパチー又はαシヌクレイン症、具体的にはアルツハイマー病、筋萎縮性側索
硬化症及びパーキンソニズム認知症複合、嗜銀顆粒病、慢性外傷性脳症、大脳皮質基底核
変性症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化、ダウン症候群、家族性英国型認知症、
家族性デンマーク型認知症、第17番染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭
型認知症(MAPT変異に起因する)、前頭側頭葉変性症(一部の症例はC9ORF72
変異によって引き起こされる)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、パ
ーキンソン病、グアドループ型パーキンソニズム、筋強直性ジストロフィー、脳鉄沈着を
伴う神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維変化を伴う非グアム型運動ニューロ
ン疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク質脳アミロイド血管障害
、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺、SLC9A6関連精神遅滞、亜急性硬
化性全脳炎、神経原線維変化型認知症、並びに球状グリア封入体を伴う白質タウオパチー
からなる群から選択されるタウオパチー、又は具体的にはパーキンソン病、パーキンソン
による認知症(すなわちパーキンソン病による神経認知障害)、レーヴィ小体型認知症、
多系統萎縮症、及びゴーシェー病によって引き起こされるαシヌクレイン症からなる群か
ら選択されるαシヌクレイン症からなる群から選択される障害を予防又は治療する方法で
あって、予防又は治療有効量の上記2~4のいずれかに記載の化合物又は上記6に記載の
医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【国際調査報告】