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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】農業用組成物およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/00 20060101AFI20230217BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230217BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01P13/00
A01N43/54 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537088
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020065188
(87)【国際公開番号】W WO2021126895
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/949,642
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(72)【発明者】
【氏名】フェレイラ ダ シウヴァ,エドゥアルド チャガス
(72)【発明者】
【氏名】ポーラック,ジョン・アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA02
4H011BB09
4H011BC08
(57)【要約】
本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を含む農業用組成物に関する。本発明はさらに、PPO阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を、雑草または雑草防除を必要とする領域に、同時にまたは連続して適用することを含む雑草を防除する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料を含む農業用組成物。
【請求項2】
PPO阻害剤が、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル、フルミオキサジン、ラクトフェン、ホメサフェン、サフルフェナシル、スルフェントラゾンおよびトリフルジモキサジンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
PPO阻害剤が、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチルである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
1つまたは複数の肥料が、窒素および鉄をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
1つまたは複数の肥料が、約5% w/vの窒素および約5% w/vび鉄をさらに含み、、w/vが、組成物の総体積に対する重量を意味する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
1つまたは複数のオーキシン除草剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
1つまたは複数のオーキシン除草剤が、ジカンバ、2,4-D、ジクロロプロップ、(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)酢酸(MCPA)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、トリクロピル、フルロキシピル、ピクロラム、アミノピラリド、クロピラリドおよびアミノシクロピラクロルならびにそれらの農業上許容される塩およびエステルからなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
1つまたは複数のオーキシン除草剤が、ジカンバの塩である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ジカンバの塩が、ジカンバ-ビプロアミン、ジカンバ-ジグリコールアミン、およびジカンバ-テトラブチルアミンからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチルならびにマンニトール、窒素および鉄を含む肥料を含む農業用組成物。
【請求項11】
ジカンバの塩をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤ならびにマンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料を、雑草または雑草防除を必要とする領域に、同時にまたは連続して適用することを含む雑草を防除する方法。
【請求項13】
1つまたは複数のオーキシン除草剤を、雑草または雑草防除を必要とする領域に、同時にまたは連続して適用することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
PPO阻害剤が、ヘクタール当たり約1~約100gの量で適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
PPO阻害剤が、ヘクタール当たり約10~約50gの量で適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
PPO阻害剤が、ヘクタール当たり20gの量で適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料が、ヘクタール当たり約100~約100,000gの量で適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
1つまたは複数の糖アルコールが、ヘクタール当たり約1,000~約30,000gの量で適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料が、ヘクタール当たり約6,800gの量で適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
1つまたは複数のオーキシン除草剤が、ヘクタール当たり約1~約1,000gの量で適用される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を含む農業用組成物に関する。本発明はさらに、PPO阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を、雑草または雑草防除を必要とする領域に、同時にまたは連続して適用することを含む雑草を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
雑草などの不要な植物は、作物に利用することができる資源の量を減少させ、作物の収量および品質に悪影響を及ぼす可能性がある。たとえば、報告によれば、雑草蔓延は、ダイズの収量を80%減少させる原因となった。Bruce, J.A.、およびJ.J. Kells、植え付け前および発芽前除草剤を使用した不耕起ダイズ(Glycine max)におけるヒメムカシヨモギ(Conyza Canadensis)の防除、Weed Technol、1990、4、642-647。作物植物環境における不要な植物には、広葉雑草、イネ科植物およびスゲが含まれる。時間、お金および資源を節約するために、イネ科植物の除草剤を広葉雑草の除草剤と混合して、さまざまな雑草を防除することが多い。さらに、除草剤耐性に対抗するために、異なる作用様式を有する複数の除草剤を一緒に適用することができる。
【0003】
上述のように、複数の雑草を防除する1つの方法は、複数の除草剤を連続的または同時に適用することである。しかしながら、複数の除草剤を適用する場合、製剤、タンクミックス、または適用後のいずれかで組み合わせた場合に、それらの組成物中で除草剤のそれぞれが安定し、有効であることを確実にするために注意を払う必要がある。
【0004】
プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤は、主に広葉雑草を防除する除草剤である。PPO阻害剤は、雑草と接触すると毒性の高い分子を生成し、植物組織を破壊する。PPO阻害剤はいくつかのイネ科植物に対しても効果的である。
【0005】
オーキシン除草剤は、主に広葉雑草を防除する。オーキシン除草剤は、オーキシンを模倣し、制御されない成長と枯死をもたらす植物成長調節剤である。これらの除草剤は、穀物中の広葉雑草を防除するために60年以上にわたって成功裏に使用されてきた。オーキシン除草剤は、イネ科植物に対して効果的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、時間、お金および資源を節約するために、オーキシン除草剤と組み合わせると有効である、PPO阻害剤を含む組成物が当技術分野で必要とされている。この組成物は、適用時に安定かつ効果的でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概略
本発明は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を含む農業用組成物に関する。
【0008】
本発明はさらに、PPO阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を、雑草または雑草防除を必要とする領域に、同時にまたは連続して適用することを含む雑草を防除する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な記載
出願人は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ阻害剤(「PPO阻害剤」)を含む農業組成物へのマンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料の添加が、オーキシン除草剤と組み合わせた場合に安定した組成物および効果的な適用を提供することを予期せず発見した。
【0010】
1つの実施形態では、本発明は、PPO阻害剤、ならびにマンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料を含む農業用組成物に関する。
【0011】
本明細書で使用される「プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ阻害剤」または「PPO阻害剤」という用語は、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ酵素との相互作用を介してプロトポルフィリノーゲンの酸化を阻害することができる任意の化合物を意味するが、これらに限定されず、まだ、発見されていないか、または合成されていない化合物を含む。現在のPPO阻害剤には、アシフルオルフェン-ナトリウム、ビフェノックス、クロルニトロフェン、クロメトキシニル、エチオキシフェン-エチル、フルオログリコフェン-エチル、ホメサフェン、ラクトフェンおよびオキシフルオルフェンなどのジフェニルエーテル;シニドン-エチル、フルミクロラックおよびフルミオキサジンなどのN-フェニルフタルイミド;オキサジアルギルおよびオキサジアゾンなどのオキサジアゾール;ペントキサゾンなどのオキサゾリジンジオン;フルアゾレートおよびピラフルフェン-エチルなどのフェニルピラゾール;ベンツフェンジゾン、ブタフェナシルおよびサフルフェナシルなどのピリミジンジオン;フルチアセット-メチルおよびチジアジミンなどのチアジアゾール;アザフェニジン、カルフェントラゾン-エチルおよびスルフェントラゾンなどのトリアゾリノン;ならびにフルフェンピル-エチル、プロフルアゾールおよびピラクロニルなどの他のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
好ましい実施形態では、PPO阻害剤は、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル、フルミオキサジン、ラクトフェン、ホメサフェン、サフルフェナシル、スルフェントラゾンおよびトリフルジモキサジンからなる群から選択される。より好ましい実施形態では、PPO阻害剤は、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチルである。
【0013】
別の好ましい実施形態では、PPO阻害剤は、約0.1%~約99.9% w/v、より好ましくは約1%~約99% w/vの濃度で本発明の組成物中に存在しうる。
【0014】
別の好ましい実施形態では、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料は、窒素および鉄をさらに含む。Manni-Plex(登録商標) FEは、5% w/v窒素および5% w/v鉄をさらに含む肥料を含むマンニトールである。
【0015】
別の好ましい実施形態では、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料は、約0.1%~約99.9% w/v、より好ましくは約1%~約99% w/vの濃度で本発明の組成物中に存在しうる。
【0016】
別の実施形態では、本発明の組成物はさらに、1つまたは複数のオーキシン除草剤を含む。
【0017】
好ましい実施形態では、1つまたは複数のオーキシンは、ジカンバ、2,4-D、ジクロロプロップ、(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)酢酸(MCPA)、4-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)ブタン酸(MCPB)、メコプロップ、ピクロラム、キンクロラック、トリクロピル、フルロキシピル、ピクロラム、アミノピラリド、クロピラリドおよびアミノシクロピラクロルならびにそれらの農業上許容される塩およびエステルからなる群から選択される。より好ましい実施形態では、1つまたは複数のオーキシンは、ジカンバの塩である。さらにより好ましい実施形態では、ジカンバの塩は、ジカンバ-ビプロアミン、ジカンバ-ジグリコールアミン、およびジカンバ-テトラブチルアミンからなる群から選択される。
【0018】
別の好ましい実施形態では、1つまたは複数のオーキシンは、約0.1%~約99.9% w/v、より好ましくは約1%~約99% w/vの濃度で本発明の組成物中に存在しうる。
【0019】
本発明の組成物はさらに、溶媒、固化防止剤、安定剤、消泡剤、スリップ剤、保湿剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、乳化剤、不凍剤および防腐剤からなる群から選択される1つまたは複数の賦形剤を含みうる。これらの成分の生物活性を増強する他の成分が任意選択で含まれうる。
【0020】
本発明の組成物は、任意の便利な手段によって適用することができる。当業者は、噴霧などの葉面散布、ケミゲーション(灌漑システムを通して混合物を適用する方法)または粒剤散布を含む適用モードに精通している。
【0021】
本発明の組成物は、濃縮製剤として、即時使用可能(ready-to-use)製剤として、またはタンクミックスとして調製することができる。
【0022】
別の実施形態では、本発明はさらに、PPO阻害剤、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料、ならびに任意選択で1つまたは複数のオーキシン除草剤を、雑草または雑草防除を必要とする領域に、同時にまたは連続して適用することを含む雑草を防除する方法に関する。
【0023】
好ましい実施形態では、PPO阻害剤は、ヘクタールあたり約1~約1,000グラム(g/HA)、より好ましくは約1~約100g/HA、さらにより好ましくは約10~約50g/HA、さらにより好ましくは約10~約30g/HA、および最も好ましくは約20g/HAの量で適用することができる。
【0024】
別の好ましい実施形態では、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選択される糖アルコールを含む1つまたは複数の肥料は、ヘクタールあたり約1~約100リットル(L/HA)、より好ましくは約2~約50L/HA、さらにより好ましくは約5~約20L/HA、さらにより好ましくは約12~約16L/HA、および最も好ましくは約14L/HAの量で適用することができる。
【0025】
別の好ましい実施形態では、1つまたは複数のオーキシン除草剤は、約1~約1,000 g/HA、より好ましくは約10~約100 g/HAの量で適用することができる。
【0026】
別の実施形態では、本発明の組成物によって防除される雑草は、ヒユモドキ(Amaranthus tuberculatus)、ヒメムカシヨモギ(Conyza Canadensis)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、マメアサガオ(Ipomoea lacunose)、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、オオブタクサ(Ambrosia trifida)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、ブロードリーフシグナルグラス(Brachiaria platyhylla)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、タカサブロウ(Eclipta prostrate)、シロザ(Chenopodium species)、イチビ(Abutilon theophrasti)、エノコログサ(Setaria species)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、自生トウモロコシ(Zea mays)および一年草のうちの少なくとも1つである。本明細書で使用される場合、一年草には、トウモロコシ、ソルガム、コムギ、ライムギ、オオムギ、およびオーツムギが含まれる。好ましい実施形態では、防除される雑草は、イヌビエ、メリケンニクキビ、および自生トウモロコシからなる群から選択される。
【0027】
別の実施形態では、雑草防除を必要とする領域には、雑草の数を減少させるか、または雑草をなくすことが望まれる地域を含めることができる。たとえば、本発明の組成物は、野外の果樹園、またはブドウ園などの作物植物を栽培するために使用される領域に適用することができる。本発明の混合物はまた、芝生、ゴルフコース、または公園などの雑草防除を必要とする非農業領域に適用することができる。
【0028】
本明細書で使用される、量、重量パーセントなどに関連するすべての数値は、特定の値それぞれのプラスまたはマイナス10%である、「約」または「およそ」として定義される。たとえば、「少なくとも5.0重量%」という語句は、「少なくとも4.5重量%~5.5重量%」として理解されるべきである。したがって、特許請求の範囲に記載された値の10%以内の量は、特許請求の範囲に含まれる。
【0029】
本出願を通して、文脈が明確に別の指示をしない限り、単数形「a」「an」および「the」は、複数への言及を包含する。
【0030】
これらの代表的な実施態様は決して限定的なものではなく、本発明のいくつかの態様を例示するためにのみ記載される。
【0031】
さらに、以下の実施例は、限定するためのものではなく、例示のみを目的として提供される。
【実施例
【0032】
Agridex(登録商標)は、作物油濃縮物であって、Bayer CropScienceの登録商標であり、Bayer CropScienceから入手可能である。
【0033】
Intact(商標)は、ポリエチレングリコール、塩化コリン、グアーガムを43.18%含み、Precision laboratoriesから入手可能である。
【0034】
Manni-Plex(登録商標) FEは、マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料の供給源として使用された。Manni-Plexは、Brandt Consolidated, Inc.から入手可能であり、Brandt Consolidated, Inc.の登録商標である。
【0035】
実施例1-マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料は、イヌビエにおけるS-3100の効能を向上させる
マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料の有りまたは無しで、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル(S-3100)の有効性について4つの試験を実施した。具体的には、4ポットのイヌビエを高さ10インチまで成長させた。これらのポットを、処理のために噴霧室内に配置した。すべての組成物は、1% v/vのAgridex(登録商標)を含んだ。S-3100および肥料を含む組成物は、1% v/vのIntact(商標)を含んだ。処理および結果を以下の表1に記載する。
【0036】
表1
【表1】
【0037】
上記の表1に見られるように、処理後の日数(DAT)3では、S-3100と肥料によるイヌビエの防除(88.7%)は、S-3100単独(73.3%)と比較して、15%以上増加した。DAT7では、S-3100と肥料(93.2%)は、S-3100単独(85.2%)と比較して、イヌビエの防除においてほぼ8%の増加を実証した。
【0038】
DAT13においても、改善された残効が観察された。DAT13では、S-3100と肥料(88.0%)は、S-3100単独(84.7%)と比較して、イヌビエの防除において増加を実証した。イヌビエの枯れの速度の増加、より完全な枯死および再成長の減少として、活性の増加が観察された。
【0039】
実施例2-マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料は、メリケンニクキビにおけるS-3100の効能を向上させる
マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料の有りまたは無しで、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル(S-3100)の有効性について4つの試験を実施した。具体的には、4ポットのメリケンニクキビを高さ10インチまで成長させた。これらのポットを、処理のために噴霧室内に配置した。すべての組成物は、1% v/vのAgridex(登録商標)を含んだ。S-3100および肥料を含む組成物は、1% v/vのIntact(商標)を含んだ。処理および結果を以下の表2に記載する。
【0040】
表2
【表2】
【0041】
上記の表2に見られるように、処理後の日数(DAT)3では、S-3100と肥料によるメリケンニクキビの防除(91.7%)は、S-3100単独(75.0%)と比較して、ほぼ17%増加した。DAT7では、S-3100と肥料(95.8%)は、S-3100単独(93.0%)と比較して、メリケンニクキビの防除においてほぼ3%の増加を実証した。
【0042】
DAT14においても、改善された残効が観察された。DAT14では、S-3100と肥料(95.8%)は、S-3100単独(84.2%)と比較して、メリケンニクキビの防除において増加を実証した。メリケンニクキビの枯れの速度の増加、より完全な枯死および再成長の減少として、活性の増加が観察された。
【0043】
実施例3-マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料は、アキノエノコログサにおけるS-3100の効能を向上させる
マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料の有りまたは無しで、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル(S-3100)の有効性について4つの試験を実施した。具体的には、4ポットのアキノエノコログサを高さ10インチまで成長させた。これらのポットを、処理のために噴霧室内に配置した。すべての組成物は、1% v/vのAgridex(登録商標)を含んだ。S-3100および肥料を含む組成物は、1% v/vのIntact(商標)を含んだ。処理および結果を以下の表3に記載する。
【0044】
表3
【表3】
【0045】
上記の表3に見られるように、処理後の日数(DAT)3、7および14では、S-3100へのマンニトールを含む肥料の添加は、アキノエノコログサの防除を維持した。
【0046】
実施例4-マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料は、自生トウモロコシにおけるS-3100の効能を向上させる
マンニトールおよび/またはソルビトールを含む肥料の有りまたは無しで、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル(S-3100)の有効性について4つの試験を実施した。具体的には、4ポットの自生トウモロコシを高さ15インチまで成長させた。これらのポットを、処理のために噴霧室内に配置した。すべての組成物は、1% v/vのAgridex(登録商標)を含んだ。S-3100および肥料を含む組成物は、1% v/vのIntact(商標)を含んだ。処理および結果を以下の表4に記載する。
【0047】
表4
【表4】
【0048】
上記の表4に見られるように、処理後の日数(DAT)3では、S-3100と肥料による自生トウモロコシの防除(93.3%)は、S-3100単独(65.0%)と比較して、18%以上増加した。DAT7では、S-3100と肥料(95.3%)は、S-3100単独(59.2%)と比較して、自生トウモロコシの防除において36%の増加を実証した。
【0049】
DAT14においても、改善された残効が観察された。DAT14では、S-3100と肥料(95.2%)は、S-3100単独(56.7%)と比較して、自生トウモロコシの防除において38%以上の増加を実証した。自生トウモロコシの枯れの速度の増加、より完全な枯死および再成長の減少として、活性の増加が観察された。
【国際調査報告】