(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(54)【発明の名称】界面近くの流体の精確な温度読み取り
(51)【国際特許分類】
G01N 21/41 20060101AFI20230217BHJP
G01K 13/02 20210101ALI20230217BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20230217BHJP
【FI】
G01N21/41 Z
G01K13/02
G01K1/14 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538085
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 US2020064051
(87)【国際公開番号】W WO2021126633
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マンフレッド, マイケル
【テーマコード(参考)】
2F056
2G059
【Fターム(参考)】
2F056CL06
2F056WF01
2F056WF08
2G059AA01
2G059AA02
2G059BB01
2G059BB04
2G059EE02
2G059FF06
2G059KK01
(57)【要約】
測定表面を有するセンサを使用して温度または温度に関連する変数を決定するためのシステムおよび方法は、1つまたは複数の壁を有し、中間材料を含有するセンサ本体と、測定表面を提供する窓と、におけるまたは窓の近くの第1の温度を取得する第1の温度センサと、中間材料内に位置する第2の温度センサと、第1の温度および第2の温度を受信し、それらの温度に基づいて温度調節を決定するように構成されるプロセッサとを含む。温度調節は、例えば、流体の屈折率を算出するために、測定表面における温度に基づいて温度に関連する変数の値を調節するために使用可能である。追加の温度センサが含まれてよく、温度調節の決定においてさらに含まれてよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、
窓と、
前記センサモジュール本体内に位置する光屈折率センサであって、屈折率を測定するように構成される、光屈折率センサと、
前記窓と接触して前記内部空間内に位置する中間材料と、
第1の位置において前記中間材料内に位置する第1の温度センサと、
第2の位置において前記中間材料内に位置する第2の温度センサであって、前記第2の位置は前記第1の位置よりも前記窓から遠い、第2の温度センサと、
前記第1の温度センサから第1の温度を受信すること、
前記第2の温度センサから第2の温度を受信すること、ならびに、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として温度調節を決定すること、および、
前記温度調節に基づいて、前記光屈折率センサからの外挿屈折率値を調節すること
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、屈折率センサ。
【請求項2】
前記第1の位置および前記第2の位置から分離されている第3の位置において前記中間材料内に位置する第3の温度センサをさらに含み、
前記プロセッサは、前記第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成され、
前記温度調節は、前記第1の温度、前記第2の温度、および前記第3の温度の関数である、
請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項3】
前記中間材料は、前記1つまたは複数の壁の熱伝導率を上回る熱伝導率を有する、請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記中間材料から離れている回路基板上に含まれる、請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項5】
前記第1の温度センサは、前記窓に接触している、請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項6】
前記第1の温度センサは、温度伝導性接着剤によって前記窓に固定される、請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項7】
前記第1の温度および前記第2の温度の前記関数は、線形関数である、請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項8】
センサにおける温度補償の方法であって、
測定表面において温度可変特性を取得することと、
前記センサ内の第1の位置において第1の温度を取得することと、
前記センサ内の第2の位置において第2の温度を取得することであり、前記第2の位置は前記第1の位置よりも前記測定表面から遠い、第2の温度を取得することと、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として温度調節を決定することと、
決定された前記温度調節に基づいて、測定された前記温度可変特性を調節することと
を含み、
前記センサ内の前記第1の位置および前記センサ内の前記第2の位置は、中間材料によって分離されている、
方法。
【請求項9】
前記測定表面は、前記センサの窓にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の温度および前記第2の温度の前記関数は、線形関数である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記温度可変特性は、屈折率である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の温度および前記第2の温度の前記関数は、
所定の温度における、前記測定表面にわたる基準流体の流れを提供することと、
前記第1の温度を取得することと、
前記第2の温度を取得することと、
前記温度調節が前記所定の温度に対応するように、前記関数における1つまたは複数の定数の値を選択することと
を含む較正プロセスによって決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記センサ内の第3の位置において第3の温度を取得することであって、前記第3の位置は前記第1の位置および前記第2の位置から分離されている、第3の温度を取得することをさらに含み、前記温度調節は、前記第1の温度、前記第2の温度、および前記第3の温度の関数である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、
窓と、
前記センサモジュール本体内に位置する光センサであって、温度可変特性を測定するように構成される、光センサと、
前記窓と接触して前記内部空間内に位置する中間材料と、
第1の位置において前記中間材料内に位置する第1の温度センサと、
第2の位置において前記中間材料内に位置する第2の温度センサであって、前記第2の位置は前記第1の位置よりも前記窓から遠い、第2の温度センサと、
前記第1の温度センサから第1の温度を受信すること、
前記第2の温度センサから第2の温度を受信すること、ならびに、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として温度調節を決定すること
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、センサモジュール。
【請求項15】
前記温度可変特性は、外挿屈折率である、請求項14に記載のセンサモジュール。
【請求項16】
前記第1の位置および前記第2の位置から分離されている第3の位置において前記中間材料内に位置する第3の温度センサをさらに含み、
前記プロセッサは、前記第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成され、
前記温度調節は、前記第1の温度、前記第2の温度、および前記第3の温度の関数である、
請求項14に記載のセンサモジュール。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記温度調節に基づいて屈折率を調節するようにさらに構成される、請求項14に記載のセンサモジュール。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記中間材料から離れている回路基板上に含まれる、請求項14に記載のセンサモジュール。
【請求項19】
前記第1の温度および前記第2の温度の前記関数は、線形関数である、請求項14に記載のセンサモジュール。
【請求項20】
第1の表面および前記第1の表面の反対側の第2の表面を有する物体の前記第1の表面において温度を決定するための方法であって、
前記第2の表面において第1の温度を取得することと、
前記第2の表面から間隔があけられた位置において第2の温度を取得することであり、前記位置は、一定の熱伝導率を有する中間材料によって前記第2の表面から分離されている、第2の温度を取得することと、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として、前記物体の前記第1の表面における前記温度を決定することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/951,474号の利益および優先権を主張するものであり、この内容全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、測定表面における温度の測定および推定を対象とし、詳細には、温度可変特性の値を決定することを対象とする。
【背景技術】
【0003】
光センサは、温度および屈折率などの材料の特性または状態を決定するために使用され得る。いくつかの用途において、屈折率などの特性は、流体の組成もしくは濃度、または、測定される特性に関連するような他の値などのさらなる特質を計算するまたは決定するために使用され得る。これらの状態または特性のいくつは、温度に基づいて少なくとも部分的に可変であり得る。
【0004】
光センサは、例えば流体などの化合物のさまざまな特性を測定するために使用され得る。流体は光センサを通って流れ得る。光センサによる測定は、典型的には流れのバルクの範囲内にあるのではなく流れの端にある、測定表面において行われる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、測定表面における温度の測定および推定を対象とし、詳細には、温度可変特性の値を決定することを対象とする。
【0006】
屈折率センサの外部にある窓の片側などの測定表面で行われる測定について、温度は、センサ内の温度測定を使用して推定可能である。測定表面において温度を推定することによって、測定に対する任意の温度調節は、例えばバルク温度に基づく調節、またはセンサの周囲温度と共に変化し得るセンサからの単一の温度値を使用する調節と比較して、より安定かつ精確となる。実施形態は、限定はされないが温度自体を含む温度可変特性、限定はされないが外挿屈折率などの、他の温度可変特性、または、限定はされないが基準温度における外挿屈折率に基づく流体の組成の推定などの、そのような温度可変特性に基づく値に適用され得る。
【0007】
一実施形態において、屈折率センサは、内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、窓と、センサモジュール本体内に位置する光屈折率センサとを含む。光屈折率センサは屈折率を測定するように構成される。中間材料が、窓と接触して内部空間内に位置する。第1の温度センサが、第1の位置において中間材料内に位置する。第2の温度センサが、第2の位置において中間材料内に位置する。第2の位置は第1の位置よりも窓から遠い。プロセッサが、第1の温度センサから第1の温度を受信することと、第2の温度センサから第2の温度を受信することとを行うように構成される。プロセッサは、第1の温度および第2の温度の関数として温度調節を決定することと、温度調節に基づいて、光屈折率センサからの外挿屈折率値を調節することとを行うように、さらに構成される。
【0008】
一実施形態において、屈折率センサは、第1の位置および第2の位置から分離されている第3の位置において中間材料内に位置する第3の温度センサを含む。プロセッサは、第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成される。温度調節は、第1の温度、第2の温度、および第3の温度の関数である。
【0009】
一実施形態において、中間材料は、1つまたは複数の壁の熱伝導率を上回る熱伝導率を有する。
【0010】
一実施形態において、プロセッサは、中間材料から離れている回路基板上に含まれる。
【0011】
一実施形態において、第1の温度センサは、窓に接触している。
【0012】
一実施形態において、第1の温度センサは、温度伝導性接着剤によって窓に固定される。
【0013】
一実施形態において、第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である。
【0014】
一実施形態において、センサモジュール本体は、内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含む。
【0015】
一実施形態において、センサにおける温度補償の方法は、測定表面において温度可変特性を取得することと、センサ内の第1の位置において第1の温度を取得することと、センサ内の第2の位置において第2の温度を取得することとを含む。第2の位置は第1の位置よりも測定表面から遠い。方法は、第1の温度および第2の温度の関数として温度調節を決定することと、決定された温度調節に基づいて、測定された温度可変特性を調節することとをさらに含む。センサ内の第1の位置およびセンサ内の第2の位置は、中間材料によって分離されている。
【0016】
一実施形態において、測定表面は、センサの窓にある。
【0017】
一実施形態において、第1の温度および第2の温度の関数は、第1の温度と第2の温度との間の差の線形関数である。
【0018】
一実施形態において、温度可変特性は、外挿屈折率である。
【0019】
一実施形態において、第1の温度および第2の温度の関数は、所定の温度における、測定表面にわたる基準流体の流れを提供することと、第1の温度を取得することと、第2の温度を取得することと、温度調節が所定の温度に対応するように、関数における1つまたは複数の定数の値を選択することとを含む較正プロセスによって決定される。
【0020】
一実施形態において、方法は、センサ内の第3の位置において第3の温度を取得することをさらに含む。第3の位置は第1の位置および第2の位置から分離されている。温度調節は、第1の温度、第2の温度、および第3の温度の関数である。
【0021】
センサモジュールの実施形態は、内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、窓と、センサモジュール本体内に位置する光センサとを含む。光センサは、温度可変特性を測定するように構成される。中間材料が、窓と接触して内部空間内に位置する。第1の温度センサが、第1の位置において中間材料内に位置する。第2の温度センサが、第2の位置において中間材料内に位置する。第2の位置は第1の位置よりも窓から遠い。プロセッサが、第1の温度センサから第1の温度を受信することと、第2の温度センサから第2の温度を受信することと、第1の温度および第2の温度の関数として温度調節を決定することとを行うように構成される。
【0022】
一実施形態において、温度可変特性は、屈折率である。
【0023】
一実施形態において、センサモジュールは、第1の位置および第2の位置から分離されている第3の位置において中間材料内に位置する第3の温度センサをさらに含む。プロセッサは、第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成される。温度調節は、第1の温度、第2の温度、および第3の温度の関数である。
【0024】
一実施形態において、プロセッサは、温度調節に基づいて屈折率を調節するようにさらに構成される。
【0025】
一実施形態において、プロセッサは、中間材料から離れている回路基板上に含まれる。
【0026】
一実施形態において、第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である。
【0027】
一実施形態は、第1の表面および第1の表面の反対側の第2の表面を有する物体の第1の表面において温度を決定するための方法である。方法は、第2の表面において第1の温度を取得することを含む。方法は、第2の表面から間隔があけられた位置において第2の温度を取得することであって、該位置は、一定の熱伝導率を有する中間材料によって第2の表面から分離されている、第2の温度を取得することをさらに含む。方法はまた、第1の温度および第2の温度の関数として物体の第1の表面における温度を決定することを含む。
【0028】
一実施形態において、物体は、光センサの窓である。
【0029】
一実施形態において、第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である。
【0030】
一実施形態において、第1の温度および第2の温度の関数は、較正プロセスによって決定される。較正プロセスは、所定の温度における第1の表面にわたる基準流体の流れを提供することと、第1の温度を取得することと、第2の温度を取得することとを含む。方法は、温度調節が所定の温度に対応するように、関数における1つまたは複数の定数の値を選択することをさらに含む。
【0031】
一実施形態において、方法は、第2の表面から間隔があけられた第2の位置であって、第2の温度が取得される位置である、第2の位置において、第3の温度を取得することをさらに含む。
【0032】
本開示は、添付の図面に関連したさまざまな例示的な実施形態の以下の説明を考慮して、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】一実施形態によるセンサモジュールを示す図である。
【
図2】一実施形態による方法のフローチャートである。
【
図3】一実施形態によるフローセル上に設置されたセンサモジュールの概略図である。
【
図4】一実施形態による、補正ありのおよび補正なしの、公称屈折率値に対する、異なる温度におけるセンサからの外挿屈折率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示は、さまざまな変形および代替的な形態が可能であるが、詳細が図面において例として示されており、これについて詳細に説明する。しかしながら、本開示の態様を説明される特定の例示的な実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。むしろ、本開示の趣旨および範囲内にある全ての変形、均等物、および代替物を包含するものとする。
【0035】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段明確な記載のない限り、複数の指示物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合「または」という用語は、一般に、別段明確な記載のない限り、「および/または」を含む意味で用いられる。
【0036】
「約」という用語は、一般に、記載される値と同等である(例えば、同じ機能または結果を有する)とみなされる数の範囲を指す。多くの事例では、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。
【0037】
端点を使用して表される数値範囲には、その範囲に入る全ての数値が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5が含まれる)。
【0038】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面における同様の要素には同じ番号が付けられている。必ずしも正確な縮尺ではない詳細な説明および図面は、例示的な実施形態を示し、本発明の範囲を限定することは意図されていない。示される例示的な実施形態は単なる例示であることが意図されている。いずれの例示的な実施形態の選択された特徴も、逆のことが明記されていない限り、追加の実施形態に組み込まれてよい。
【0039】
本明細書で使用する場合、「コントローラ」は、データを受信すること、データを処理すること、データを提供することまたはこれらの適切な組み合わせを行うように構成される1つまたは複数のプロセッサを指す。
【0040】
本明細書で使用する場合、「外挿屈折率」は、基準温度における屈折率を表すように調節された、測定物質の屈折率を指す。
【0041】
本明細書で使用する場合、「中間材料」は、例えば注封材料など、センサ本体を充填するために使用される任意の材料を指す。
【0042】
本明細書で使用する場合、「センサ」は、温度、温度可変特性、またはこれらの適切な組み合わせを測定する任意の測定デバイスを指す。
【0043】
本明細書で使用する場合、「温度センサ」は、センサにおいて温度を取得するように構成される任意の測定デバイスを指す。温度センサは、非限定的な例として、サーミスタ、熱電対、または半導体ベースのセンサなどとすることができる。
【0044】
本明細書で使用する場合、「温度可変特性」は、温度と共に変化するであろう特性を指す。温度可変特性は、材料に固有であり、かつ温度が変化すると異なる測定値をもたらす特性であり得る。温度可変特性の非限定的な例は、温度、外挿屈折率、または、外挿屈折率測定などに基づいて決定される濃度などの、測定表面において測定される特性から導出される値を含むことができる。
【0045】
図1は一実施形態によるセンサモジュール100を示す。センサモジュール100は温度可変特性を測定するために使用され得る。
【0046】
センサモジュール100は窓102を含む。窓102の第1の側は測定表面104である。トランスデューサ106が、測定表面104の反対側の、窓102の第2の側にある。コントローラ108がトランスデューサ106に接続される。第1の温度センサ110が、窓102においてまたは窓102の近くでコントローラ108に接続される。第2の温度センサ112も、第1の温度センサ110の位置から離れている位置にあるように、コントローラ108に接続される。
【0047】
図1に示される実施形態において、第3の温度センサ114も、第1の温度センサ110および第2の温度センサ112の位置から離れている第3の位置にあるように、コントローラ108に接続される。
図1に示される構成要素は、
図3に示されかつ後述されるセンサモジュール300に含まれるなど、センサ本体内に置かれてよい。センサ本体には中間材料が充填されてよい。センサモジュール100は、窓が流路内の流体経路に面するように流路に置かれるように構成されてよい。
【0048】
窓102は、センサモジュール100によって測定される特性を有する流体と界面を有するように構成されるセンサモジュール100の一部分である。窓102は、選択された波長で光が透過可能であるように、測定波長において半透明または透明であり得る。窓102は一定の熱伝導率を有する。一実施形態において、窓102はサファイアから形成される。一実施形態において、窓102はガラスを含んでよい。一実施形態において、窓102はシリカを含んでよい。
【0049】
測定表面104は、センサモジュール100の他の構成要素から離れる方に向き、かつセンサモジュール100によって測定される特性を有する流体の方に向いた、窓102の表面である。一実施形態において、センサモジュール100が
図3に示されるようなフローセルに含まれる時、測定表面104は、センサモジュール100と、フローセルを通る気体または液体などの流体の流れとの間の接触面にある。
【0050】
トランスデューサ106は、測定される温度可変特性に対応する信号をコントローラ108に送信することができるように、コントローラ108に動作可能に接続される。トランスデューサ106は、温度、屈折率、または温度の関数として変化する他の特性などの温度可変特性に基づく信号を生成するトランスデューサである。トランスデューサ106は、例えば、光センサであってよい。一実施形態において、トランスデューサ106は、光屈折率センサである。一実施形態において、トランスデューサ106はプリズムを含む。一実施形態において、プリズムは、窓102の、測定表面104の反対側の面に接触している。一実施形態において、プリズムは、測定表面104が測定される対象と接触している時にプリズム内の内部反射率が測定可能であるように、光検出器を含む屈折率センサなどの全内部反射センサに含まれる。
【0051】
コントローラ108は、トランスデューサ106から信号を受信し、かつ温度調節を含む、センサモジュール100によって行われた測定を出力するように構成されるコントローラである。測定は、例えば、温度、外挿屈折率、濃度などの外挿屈折率に基づく値、またはこれらの組み合わせであってよい。コントローラ108は、第1の温度センサ110、第2の温度センサ112、およびオプションの第3の温度センサ114などのセンサモジュール100内の任意のさらなる温度センサに動作可能に接続されることで、コントローラ108は、これらの温度センサから温度読み取りを受信する。
【0052】
コントローラ108は、少なくとも第1の温度センサ110および第2の温度センサ112を含む、温度センサからの温度読み取りに基づいて温度調節を決定するように構成される。温度調節は、窓102における、とりわけ、測定表面104における温度を反映するものであってよい。温度調節は、その中でセンサモジュール100によって特性が測定されるセンサモジュール100またはフローセルに対する周囲温度の効果に対して補正するために使用することができる。温度調節は、測定表面104を含むフローセルを通るバルク流の温度と、窓102の測定表面104におけるまたは測定表面104に最も近いところの温度との間の差を補正するために使用され得る。温度調節は、センサモジュール100によって出力されるその後の特性の導出で使用するために、値を基準状態に補正するために使用され得る。例えば、温度調節は、濃度を決定するために使用できるように、外挿屈折率を調節するために使用され得る。温度調節は、第1の温度センサ110および第2の温度センサ112を含む温度センサからの読み取り、ならびにセンサモジュール100の構成要素の熱伝導率に基づいて、測定表面104における温度の外挿に基づいて決定されてよい。一実施形態において、外挿は、センサモジュール100内の、第1の温度センサ110と第2の温度センサ112との間の中間材料の熱伝導率に基づく線形関数に基づく。
【0053】
第1の温度センサ110は、窓102におけるまたは窓102の近くの温度センサである。第1の温度センサ110は、センサモジュール100内の第1の温度センサ110の位置における温度を取得し、その温度はコントローラ108に通信される。一実施形態において、第1の温度センサ110は、測定表面104の反対側において窓102と接触している。一実施形態において、第1の温度センサ110は接着剤によって窓102に固定される。一実施形態において、接着剤は熱伝導性を有する。第1の温度センサ110は、例えば、サーミスタ、熱電対、または半導体ベースの温度センサなど、窓102におけるまたは窓102の近くの温度を読み取るための任意の適切なタイプの温度センサであってよい。一実施形態において、第1の温度センサ110はサーミスタを含む。
【0054】
第2の温度センサ112は、センサモジュール100の本体内に位置する別の温度センサである。第2の温度センサ112は、第1の温度センサ110の位置と異なる第2の位置に位置する。第2の温度センサ112は、第1の温度センサ110よりも窓102から遠くに位置付けられ得る。第2の温度センサは、センサモジュール100内に位置する中間材料内に位置してよく、中間材料は、注封材料、例えば、熱硬化プラスチックまたはシリコーンゴムゲルを含んでよい。一実施形態において、第2の温度センサ112はサーミスタを含む。第2の温度センサ112は、第2の位置における温度を取得し、その温度をコントローラ108に提供する。
【0055】
第3の温度センサ114は、
図1に示される実施形態に含まれるオプションの構成要素である。第3の温度センサ114は、第3の温度センサ114の位置における温度値を検出し報告する温度センサである。第3の温度センサ114は、例えばサーミスタまたは熱電対などの、任意の適切な温度センサであってよい。一実施形態において、第3の温度センサ114は、第1の温度センサ110および第2の温度センサ112によって画定される線に沿っていてよい。一実施形態において、第3の温度センサ114は、第1の温度センサ110および第2の温度センサ112の両方よりも窓102から遠くてよい。またさらなる温度センサが、センサモジュール100などのセンサに含まれてよく、他の温度センサから離れている他の地点に位置し、かつコントローラ108に接続されてよい。第3の温度センサ114および任意のさらなるオプションの温度センサは、センサモジュール100内の各々の位置における温度を取得し、それらの温度はコントローラ108に通信され得る。
【0056】
センサモジュール100は、中間材料が充填されたセンサ本体に設置され得る。中間材料は、一定の熱伝導率を有する材料であってよい。中間材料は、窓の熱伝導率と同様の熱伝導率を有し得る。第1の温度センサ110、第2の温度センサ112、および第3の温度センサ114は、中間材料によって互いに分離され得る。一実施形態において、中間材料は注封材料である。
【0057】
図2は、一実施形態による方法200のフローチャートである。方法200は、測定表面において温度可変特性を取得すること202と、センサ内の第1の位置において第1の温度を取得すること204と、センサ内の第2の温度において第2の温度を取得すること206と、測定における温度を決定すること208と、決定された温度に基づいて測定された温度可変特性を調節すること210とを含む。
【0058】
測定表面において温度可変特性を取得すること202は、例えばセンサに含まれるトランスデューサを介して、測定表面における測定を行うことを含む。温度可変特性は、例えば、温度、外挿屈折率、または、外挿屈折率測定に基づいて決定される濃度など、測定表面において測定される特性から導出される値であってよい。一実施形態において、屈折率は光センサを介して測定される。一実施形態において、光センサはプリズムを含む。一実施形態において、光センサは全内部反射センサである。
【0059】
センサ内の第1の位置における第1の温度が204で取得される。第1の温度は、第1の位置に位置する第1の温度センサを介して取得されてよい。第1の位置は、測定表面を含むセンサの窓にまたは窓の近くにあってよい。第1の温度センサは、例えば熱伝導性接着剤によって、窓に取り付けられてよい。一実施形態において、第1の温度センサはサーミスタを含む。
【0060】
センサ内の第2の温度における第2の温度が206で取得される。第2の温度は、第2の位置に位置する第2の温度センサを介して取得され得る。一実施形態において、第2の温度センサはサーミスタを含む。第2の位置は、温度が204で取得される第1の位置から離れている。一実施形態において、中間材料は、第2の温度センサを第1の温度センサから分離している。一実施形態において、中間材料は注封材料である。一実施形態において、第1の位置と第2の位置との間の距離は、所定の値である。一実施形態において、第2の位置は第1の位置よりもセンサの窓から遠い。
【0061】
測定表面における温度は208が決定される。温度調節は、204で取得される第1の温度、および206で取得される第2の温度に少なくとも部分的に基づく。温度調節は、センサ内の他の位置から取得される追加の温度にさらに基づいてよい。他の位置は第1の位置および第2の位置から離れていてよい。他の位置は、注封材料などの中間材料によって第1の位置および第2の位置から分離されていてよい。温度調節は、温度読み取りがセンサ内で取得される位置の間の距離にさらに基づいてよい。温度調節は、中間材料の熱伝導率、窓材料の熱伝導率、またはこれらの組み合わせにさらに基づいてよい。
【0062】
208で決定される温度は、温度可変特性が202で取得される窓における温度を反映し得る。一実施形態において、温度調節は、センサの窓の測定表面における温度の外挿である。一実施形態において、線形外挿に基づいて近似が行われる。一実施形態において、外挿は、センサ内で取得される温度および中間材料の熱伝導率の関数である。一実施形態において、測定表面における温度を近似するために使用される関数は、204で取得される第1の温度と206で取得される第2の温度との間の差に基づく線形関数である。
【0063】
測定された温度可変特性は、210で決定された温度に基づいて調節される。温度可変特性が温度測定を含む一実施形態において、温度測定は、208で決定された温度調節になるように調節され得る。温度可変特性が温度自体以外の温度可変特性である一実施形態において、値は、温度と温度可変特性との間の関係に基づく公称値に調節され得る。一実施形態において、公称値への調節は、温度と温度可変特性との間の関係の関数に基づいてよい。一実施形態において、公称値への調節は、測定表面における温度と測定された温度可変特性に対して行われる調節とを相関させるルックアップテーブルなど、温度と温度可変特性との間の関係に関する記憶されたデータを参照することによるものであってよい。一実施形態において、公称値への調節は、行列に基づいてよい。一実施形態において、公称値への調節は線形方程式に基づいてよい。一実施形態において、公称値への調節は二次方程式に基づいてよい。
【0064】
測定表面における温度を決定すること208は、オプションとして、較正212に基づいてよい。較正212は、所定の温度における、測定表面にわたる流れを提供すること214と、第1の温度を取得すること216と、第2の温度を取得すること218と、測定表面温度を決定するために使用される関数における1つまたは複数の定数の値を選択すること220とを含んでよい。
【0065】
較正212は、所定の温度における、測定表面にわたる流れを提供すること214を含む。214で提供される流れは、測定表面における温度が所定の温度で提供されるバルク流の温度に近くなるように、高熱伝導率を有する材料のものであってよい。214で提供される流れは、一定の粘度、速度、流量、またはこれらの適切な組み合わせで提供されてよい。
【0066】
流れが214で提供されている間に、第1の温度は216で取得され、第2の温度は218で取得される。204において説明されるように、第1の温度は第1の位置において取得される。206において説明されるように、第2の温度は第2の位置において取得される。センサが追加の温度を取得し、208において測定表面における温度を決定する時にこれらを使用する場合、これらの温度も取得され得る。
【0067】
214で提供される流れの下での温度が取得されると、測定表面温度を決定するために使用される関数における1つまたは複数の定数の値が、220において選択される。値の選択220は、取得された温度値を、208において測定表面における温度を決定するために使用されることになる関数に入力し、214において提供された流れの所定の温度を出力する関数をもたらすことになる定数の値を決定することによって行われてよい。一実施形態において、定数は線形関数の定数である。較正212は、所定の一定の周囲温度で行われ得る。220における値の選択は、所定の一定の周囲温度にさらに基づいてよい。一実施形態において、214において流れを提供する代わりに、212における較正は、窓を所定の温度における熱伝導固体と接触させることを含んでよい。較正212は、次いで、216および218において第1の温度および第2の温度を取得すること、および、220において1つまたは複数の定数の値を決定することに進んでよい。
【0068】
図3は、一実施形態によるフローセル312上に設置されたセンサモジュール300の概略図を示す。センサモジュール300は、1つまたは複数の壁302、窓304、センサ306、第1の温度センサ308、および第2の温度310を含む。中間材料320は、壁302によって画定される空間を充填し、センサ306、第1の温度センサ308、および第2の温度センサ310を取り囲む。センサモジュール300は、入口314および出口316を含むフローセル312に接合される。
【0069】
1つまたは複数の壁302は、センサモジュール300の内部空間を少なくとも部分的に画定する。壁302は、センサモジュール300の1つまたは複数の側壁を含むことができる。一実施形態において、壁302は複数の側壁を含む。オプションとして、壁302は上壁をさらに含んでよい。壁302によって画定される内部空間は、中間材料320を含有し得る。一実施形態において、中間材料320は注封材料である。一実施形態において、中間材料320は一定の熱伝導率を有する。壁302は、低熱伝導率を有するため、内部空間内への熱流束を限定または低減し得る。壁302は窓304を含む表面に垂直に延在し得る。壁302は、センサモジュール300が接合されるフローセル312から離れるように延在し得る。
【0070】
窓304は、フローセル312を通る流体の流れと界面を有するように構成されるセンサモジュール300の一部分である。窓304は半透明または透明であり得る。一実施形態において、窓304はサファイアから形成される。一実施形態において、窓304はガラスを含んでよい。一実施形態において、窓304はシリカを含んでよい。窓304は測定表面318を含む。窓304の測定表面318は、センサモジュール300の他の構成要素から離れる方に向き、かつフローセル312の内部の方に向いた、窓304の面である。
【0071】
センサ306は、温度、外挿屈折率、または温度の関数として変化するような他の特性など、温度可変特性を測定するセンサモジュール300内に位置するセンサである。センサ306は、トランスデューサ、およびトランスデューサに接続されるコントローラ322を含んでよい。センサ306に含まれるトランスデューサは、例えば、光センサであってよい。一実施形態において、トランスデューサは光屈折率センサである。一実施形態において、トランスデューサはプリズムである。一実施形態において、プリズムは、測定表面318の反対側の、センサモジュール300の内部空間に面する、窓304の面に接触する。一実施形態において、プリズムは全内部反射センサに含まれる。
【0072】
センサ306に含まれるコントローラ322は、少なくともトランスデューサ、第1の温度センサ308、および第2の温度センサ310からの入力を受信し、センサ306によって測定された温度可変特性の値を出力するように動作可能に接続されてよい。コントローラ322は、少なくとも第1の温度センサ308および第2の温度センサ310を含む温度センサからの温度読み取りに基づいて温度調節を決定し、その温度調節を、センサ306によって出力される温度可変特性の値に適用するように構成される。コントローラ322は、センサモジュール300内から追加の温度を受信するようにさらに構成されてよく、追加の温度はまた、温度可変特性の調節された値の決定に含まれ得る。温度調節は、窓304における、とりわけ、測定表面318における温度を反映し得る。温度調節は、センサモジュール300およびフローセル312の周囲温度を補正するために使用され得る。温度調節は、フローセル312を通るバルク流の温度と、窓304の測定表面318におけるまたは測定表面318に最も近いところの温度との差を補正するために使用され得る。温度調節は、センサによって出力されるその後の特性の導出で使用するために、例えばフローセル312を流れる流体の濃度または純度を決定するために使用可能であるように、外挿屈折率を調節するために値を基準状態に補正するために使用され得る。温度調節は、第1の温度センサ308および第2の温度センサ310を含む温度センサからの読み取り、ならびにセンサモジュール300内の構成要素の熱伝導率に基づいて、窓304の測定表面318における温度の外挿に基づいて決定されてよい。一実施形態において、外挿は、中間材料320の熱伝導率、および、第1の温度センサ308における温度と第2の温度センサ310における温度との間の差に基づく線形関数に基づく。
【0073】
第1の温度センサ308は、窓304におけるまたは窓304の近くであり、センサモジュール300内に位置する温度センサである。第1の温度センサ308はセンサモジュール300内の第1の温度センサ308の位置における温度を取得し、その温度はコントローラ322に通信される。一実施形態において、第1の温度センサ308は、測定表面318の反対側において窓304と接触している。一実施形態において、第1の温度センサ308は、接着剤によって窓304に固定される。一実施形態において、接着剤は熱伝導性を有する。第1の温度センサ308は、温度を読み取るための任意の適切なタイプの温度センサであってよい。一実施形態において、第1の温度センサ308はサーミスタを含む。
【0074】
第2の温度センサ310は、センサモジュール300の本体内に位置する別の温度センサである。第2の温度センサ310は、第1の温度センサ308の位置と異なる第2の位置に位置する。第2の温度センサ310は、第1の温度センサ308よりも窓304から遠くに位置付けられ得る。第2の温度センサは、壁302によって少なくとも部分的に画定された内部空間内に位置する中間材料320に位置してよい。一実施形態において、中間材料320は注封材料である。一実施形態において、第2の温度センサ310はサーミスタを含む。第2の温度センサ310は、第2の位置における温度を取得し、その温度をセンサ308に含まれるコントローラ322に提供する。
【0075】
フローセル312は、センサモジュール300の窓304にわたる、および窓304を通る流体の流れのための経路を提供する。フローセル312は入口314および出口316を含む。フローセル312は、入口314から出口316まで延在する流動経路を提供する内部空間を含む。フローセル312は、窓304の測定表面318が、フローセル312内の内部空間と流動経路に沿って接触するように、センサモジュール300に接合され得る。入口314は、流体が、フローセル312を通って出口316まで延在する流動経路に進入できるようにする、フローセル312の開口部である。出口316は、入口314が位置する流動経路の端部の反対側のフローセル312を通る流動経路の端部にある。
【0076】
図4は、一実施形態による、補正ありのおよび補正なしの、公称屈折率値に対する、異なる温度における屈折率センサからの外挿屈折率の結果を示す図である。
図4における例において、補正は、温度による流体の屈折率の変動に基づく、20℃の基準温度における屈折率の二次外挿である。使用される流体は、30℃の脱イオン水であった。周囲温度は、試験を通じて、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、そしてその後20℃に戻るように制御された。20℃の基準温度における脱イオン水の屈折率は、1.3330nDである。
【0077】
図4における結果はチャート400上に提示されている。チャート400は、基準温度における試験用流体の屈折率、すなわち、1.3330nDである公称屈折率線402と、試験中に変化させられるセンサの周囲温度を示す温度線404と、本開示による温度補償なしの外挿屈折率センサの出力を示す補正されていない外挿屈折率406と、センサが2つの温度センサを含み、測定表面における温度を決定し、その温度が、周囲温度が変化する際の屈折率値を補正するために屈折率の二次外挿に使用される場合の、補正された外挿屈折率408とを含む。
【0078】
チャート400に見られるように、補正されていない外挿屈折率406は、温度線404に見える周囲温度の変化に対応する著しい偏差を含む。補正されていない外挿屈折率と比較して、補正された外挿屈折率408は、周囲温度が温度線404に示されるように変化する際にも公称屈折率線402にずっと近いままであり、これは、補正された外挿屈折率408の精度の改善を示している。補正された外挿屈折率408は、補正されていない外挿屈折率406と比較して最高で85%まで精度が改善されている可能性がある。
【0079】
公称屈折率により近い値を提供することによって、温度補正を使用してセンサによって提供される屈折率によって、流体の公称屈折率に基づいて計算される濃度値または純度値など、関連する値の決定に対する精度が改善される可能性がある。このような改善はまた、それに応じて、温度感受性変数の他の測定、および、周囲温度、または、測定表面における温度と流体のバルク流内の温度との間の差などの要因に対するそれらの測定の補正を改善することが考えられる。
【0080】
実施態様
【0081】
実施態様1~7のいずれかが実施態様8~13、14~19、または20~24のいずれかと組み合わせ可能であることを理解されたい。実施態様8~13のいずれかが実施態様14~19または20~24のいずれかと組み合わせ可能であることを理解されたい。実施態様14~19のいずれかが実施態様20~24のいずれかと組み合わせ可能であることを理解されたい。
【0082】
実施態様1.
内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、
窓と、
センサモジュール本体内に位置する光屈折率センサであって、屈折率を測定するように構成される、光屈折率センサと、
窓と接触して内部空間内に位置する中間材料と、
第1の位置において中間材料内に位置する第1の温度センサと、
第2の位置において中間材料内に位置する第2の温度センサであって、第2の位置は第1の位置よりも窓から遠い、第2の温度センサと、
第1の温度センサから第1の温度を受信すること、
第2の温度センサから第2の温度を受信すること、ならびに、
第1の温度および第2の温度の関数として温度調節を決定すること、および、
温度調節に基づいて、光屈折率センサからの外挿屈折率値を調節すること
を行うように構成されるプロセッサと
を備える、屈折率センサ。
【0083】
実施態様2.
第1の位置および第2の位置から分離されている第3の位置において中間材料内に位置する第3の温度センサをさらに含み、プロセッサは、第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成され、温度調節は、第1の温度、第2の温度、および第3の温度の関数である、実施態様1による屈折率センサ。
【0084】
実施態様3.
中間材料は、1つまたは複数の壁の熱伝導率を上回る熱伝導率を有する、実施態様1~2のいずれかによる屈折率センサ。
【0085】
実施態様4.
プロセッサは、中間材料から離れている回路基板上に含まれる、実施態様1~3のいずれかによる屈折率センサ。
【0086】
実施態様5.
第1の温度センサは、窓に接触している、実施態様1~4のいずれかによる屈折率センサ。
【0087】
実施態様6.
第1の温度センサは、温度伝導性接着剤によって窓に固定される、実施態様1~5のいずれかによる屈折率センサ。
【0088】
実施態様7.
第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である、実施態様1~6のいずれかによる屈折率センサ。
【0089】
実施態様8.
センサにおける温度補償の方法であって、
測定表面において温度可変特性を取得することと、
センサ内の第1の位置において第1の温度を取得することと、
センサ内の第2の位置において第2の温度を取得することであり、第2の位置は第1の位置よりも測定表面から遠い、第2の温度を取得することと、
第1の温度および第2の温度の関数として温度調節を決定することと、
決定された温度調節に基づいて、測定された温度可変特性を調節することと
を含み、
センサ内の第1の位置およびセンサ内の第2の位置は、中間材料によって分離されている、
方法。
【0090】
実施態様9.
測定表面は、センサの窓にある、実施態様8による方法。
【0091】
実施態様10.
第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である、実施態様8~9のいずれかによる方法。
【0092】
実施態様11.
温度可変特性は、屈折率である、実施態様8~10のいずれかによる方法。
【0093】
実施態様12.
第1の温度および第2の温度の関数は、
所定の温度における、測定表面にわたる基準流体の流れを提供することと、
第1の温度を取得することと、
第2の温度を取得することと、
温度調節が所定の温度に対応するように、関数における1つまたは複数の定数の値を選択することと
を含む較正プロセスによって決定される、実施態様8~11のいずれかによる方法。
【0094】
実施態様13.
センサ内の第3の位置において第3の温度を取得することであって、第3の位置は第1の位置および第2の位置から分離されている、第3の温度を取得することをさらに含み、温度調節は、第1の温度、第2の温度、および第3の温度の関数である、実施態様8~12のいずれかによる方法。
【0095】
実施態様14.
内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、
窓と、
センサモジュール本体内に位置する光センサであって、温度可変特性を測定するように構成される、光センサと、
窓と接触して内部空間内に位置する中間材料と、
第1の位置において中間材料内に位置する第1の温度センサと、
第2の位置において中間材料内に位置する第2の温度センサであって、第2の位置は第1の位置よりも窓から遠い、第2の温度センサと、
第1の温度センサから第1の温度を受信すること、
第2の温度センサから第2の温度を受信すること、ならびに、
第1の温度および第2の温度の関数として温度調節を決定すること
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、センサモジュール。
【0096】
実施態様15.
温度可変特性は、外挿屈折率である、実施態様14によるセンサモジュール。
【0097】
実施態様16.
第1の位置および第2の位置から分離されている第3の位置において中間材料内に位置する第3の温度センサをさらに含み、
プロセッサは、第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成され、
温度調節は、第1の温度、第2の温度、および第3の温度の関数である、
実施態様14~15のいずれかによるセンサモジュール。
【0098】
実施態様17.
プロセッサは、温度調節に基づいて外挿屈折率を調節するようにさらに構成される、実施態様14~16のいずれかによるセンサモジュール。
【0099】
実施態様18.
プロセッサは、中間材料から離れている回路基板上に含まれる、実施態様14~17のいずれかによるセンサモジュール。
【0100】
実施態様19.
第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である、実施態様14~18のいずれかによるセンサモジュール。
【0101】
実施態様20.
第1の表面および第1の表面の反対側の第2の表面を有する物体の第1の表面において温度を決定するための方法であって、
第2の表面において第1の温度を取得することと、
第2の表面から間隔があけられた位置において第2の温度を取得することであり、該位置は、一定の熱伝導率を有する中間材料によって第2の表面から分離されている、第2の温度を取得することと、
第1の温度および第2の温度の関数として、物体の第1の表面における温度を決定することと
を含む、方法。
【0102】
実施態様21.
物体は、光センサの窓である、実施態様20による方法。
【0103】
実施態様22.
第1の温度および第2の温度の関数は、線形関数である、実施態様20~21のいずれかによる方法。
【0104】
実施態様23.
第1の温度および第2の温度の関数は、
所定の温度における、第1の表面にわたる基準流体の流れを提供することと、
第1の温度を取得することと、
第2の温度を取得することと、
温度調節が所定の温度に対応するように、関数における1つまたは複数の定数の値を選択することと
を含む較正プロセスによって決定される、実施態様20~22のいずれかによる方法。
【0105】
実施態様24.
第2の表面から間隔があけられた第2の位置であって、第2の温度が取得される位置である、第2の位置において、第3の温度を取得することをさらに含む、実施態様20~23のいずれかによる方法。
【0106】
本開示のいくつかの例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲内において、さらなる他の実施形態がなされ、使用され得ることを当業者は容易に理解するであろう。本文献によって包含される本開示の多数の利点が、以上の説明に述べられている。しかしながら、本開示が多くの点において例示に過ぎないことは理解されるであろう。本開示の範囲を超えることなく、とりわけ、部品の形状、サイズ、および配置の事項において、詳細の変更を行うことが可能である。当然のことながら、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲が表されている文言において定義される。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、
窓と、
前記センサモジュール本体内に位置する光屈折率センサであって、屈折率を測定するように構成される、光屈折率センサと、
前記窓と接触して前記内部空間内に位置する中間材料と、
第1の位置において前記中間材料内に位置する第1の温度センサと、
第2の位置において前記中間材料内に位置する第2の温度センサであって、前記第2の位置は前記第1の位置よりも前記窓から遠い、第2の温度センサと、
前記第1の温度センサから第1の温度を受信すること、
前記第2の温度センサから第2の温度を受信すること
、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として温度調節を決定すること、および、
前記温度調節に基づいて、前記光屈折率センサからの外挿屈折率値を調節すること
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、屈折率センサ。
【請求項2】
前記第1の位置および前記第2の位置から分離されている第3の位置において前記中間材料内に位置する第3の温度センサをさらに含み、
前記プロセッサは、前記第3の温度センサから第3の温度を受信するように構成され、
前記温度調節は、前記第1の温度、前記第2の温度、および前記第3の温度の関数である、
請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項3】
前記第1の温度センサは、温度伝導性接着剤によって前記窓に固定される、請求項1に記載の屈折率センサ。
【請求項4】
センサにおける温度補償の方法であって、
測定表面において温度可変特性を取得することと、
前記センサ内の第1の位置において第1の温度を取得することと、
前記センサ内の第2の位置において第2の温度を取得することであり、前記第2の位置は前記第1の位置よりも前記測定表面から遠い、第2の温度を取得することと、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として温度調節を決定することと、
決定された前記温度調節に基づいて、測定された前記温度可変特性を調節することと
を含み、
前記センサ内の前記第1の位置および前記センサ内の前記第2の位置は、中間材料によって分離されている、
方法。
【請求項5】
前記温度可変特性は、屈折率である、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の温度および前記第2の温度の前記関数は、
所定の温度における、前記測定表面にわたる基準流体の流れを提供することと、
前記第1の温度を取得することと、
前記第2の温度を取得することと、
前記温度調節が前記所定の温度に対応するように、前記関数における1つまたは複数の定数の値を選択することと
を含む較正プロセスによって決定される、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
内部空間を画定する1つまたは複数の壁を含むセンサモジュール本体と、
窓と、
前記センサモジュール本体内に位置する光センサであって、温度可変特性を測定するように構成される、光センサと、
前記窓と接触して前記内部空間内に位置する中間材料と、
第1の位置において前記中間材料内に位置する第1の温度センサと、
第2の位置において前記中間材料内に位置する第2の温度センサであって、前記第2の位置は前記第1の位置よりも前記窓から遠い、第2の温度センサと、
前記第1の温度センサから第1の温度を受信すること、
前記第2の温度センサから第2の温度を受信すること、ならびに、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として温度調節を決定すること
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、センサモジュール。
【請求項8】
前記温度可変特性は、外挿屈折率である、請求項
7に記載のセンサモジュール。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記中間材料から離れている回路基板上に含まれる、請求項
7に記載のセンサモジュール。
【請求項10】
第1の表面および前記第1の表面の反対側の第2の表面を有する物体の前記第1の表面において温度を決定するための方法であって、
前記第2の表面において第1の温度を取得することと、
前記第2の表面から間隔があけられた位置において第2の温度を取得することであり、前記位置は、一定の熱伝導率を有する中間材料によって前記第2の表面から分離されている、第2の温度を取得することと、
前記第1の温度および前記第2の温度の関数として、前記物体の前記第1の表面における前記温度を決定することと
を含む、方法。
【国際調査報告】