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特表2023-509479スピンする反射性基板の分析のためのハードウェア改善及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】スピンする反射性基板の分析のためのハードウェア改善及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20230301BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20230301BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230301BHJP
   G03F 7/30 20060101ALI20230301BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
G01N21/17 A
H01L21/304 643A
H01L21/304 648G
H01L21/30 569C
G03F7/30 502
B05C11/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541622
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 US2020053372
(87)【国際公開番号】W WO2021141648
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/957,481
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】カーカシ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フーゲ,ジョシュア
【テーマコード(参考)】
2G059
2H196
4F042
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
2G059AA03
2G059AA05
2G059BB16
2G059DD13
2G059FF01
2G059KK04
2G059MM10
2H196AA25
2H196CA14
2H196GA29
4F042AA07
4F042AB00
4F042BA05
4F042BA22
4F042BA25
4F042BA27
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB18
5F146JA13
5F146JA21
5F146LA19
5F157AA91
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BB22
5F157BB45
5F157CE07
5F157CE28
5F157CF40
5F157CF42
5F157CF44
5F157DC21
(57)【要約】
基板の1つ以上の特性を監視するためのシステム及び方法の実施形態が開示される。光学センサ(一実施形態ではカメラ)を利用して、基板上に分注された流体の特性に関するデータを提供する様々な実施形態が記載される。センサデータの収集及び分析を改善するための様々なハードウェアの改善及び方法が提供される。より具体的には、多種多様なハードウェア関連技術を組み合わせて又は単独で利用して、光学センサを使用するデータ収集が改善され得る。これらハードウェア技術は、光源への改善、光学センサへの改善、光学センサに対する光源の物理的な向きの関係、分析する画像の特定のピクセルの選択、及び光学センサのフレームレートと基板の回転速度との関係を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法であって、前記方法は、
前記流体分注システム内にチャックを提供するステップであって、前記チャックはスピンするように構成されている、ステップと、
前記流体分注システム内に基板を提供するステップと、
第1の毎分回転数で前記チャックをスピンさせるステップと、
光源を提供するステップと、
光学センサを提供するステップであって、前記光学センサは、前記基板で反射された前記光源からの光を受光し、前記光学センサは、受光した光を第1のサンプリングレートでサンプリングする、ステップと、
前記第1の毎分回転数と前記第1のサンプリングレートとを同期させるステップと、
前記光学センサからデータを取得して、前記基板上に分注された流体の状態を監視するステップと、を含む
方法。
【請求項2】
前記光学センサはカメラである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カメラはビデオカメラである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の毎分回転数と前記第1のサンプリングレートとを同期させることにより、データの複数のフレームが前記カメラにより収集され、そのとき、前記複数のフレームの各々に関して、前記基板は同じ回転方位に向いている、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の毎分回転数と前記第1のサンプリングレートとを同期させることにより、フレーム間で一貫した回折効果が提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記一貫した回折効果を差し引いて、根底にある反射率信号を分析するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記根底にある反射率信号を分析することによって、流体の厚さの情報が提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の毎分回転数と前記第1のサンプリングレートとを同期させることにより、複数のデータセットが前記光学センサにより収集され、そのとき、前記複数のデータセットの各々に関して、前記基板は同じ回転方位に向いている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の毎分回転数と前記第1のサンプリングレートとを同期させることにより、データセット間で一貫した回折効果が提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一貫した回折効果を差し引いて、根底にある反射率信号を分析するステップを更に含み、前記根底にある反射率信号を分析することによって、流体の厚さの情報が提供される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光学センサの前記サンプリングレートと前記基板のスピンレートとは、5%以内で同期している、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記光学センサの前記サンプリングレートと前記基板のスピンレートとは、1%以内で同期している、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
基板上に膜をコーティングするための流体分注システムであって、前記流体分注システムは、
前記基板を保持することが可能なスピンチャックと、
前記基板上に1つ以上の流体を分注することが可能なノズルと、
光学センサと、
光源と、
前記光学センサ及び前記スピンチャックに結合された1つ以上のコントローラであって、前記スピンチャックのスピンレートと前記光学センサのサンプリングレートとを同期させるように構成された、1つ以上のコントローラと、を備え、
前記1つ以上のコントローラのうちの少なくとも1つが、前記基板上に前記1つ以上の流体が分注されるときに、前記基板から反射された光に関するデータを前記光学センサから受信するように構成されている、
流体分注システム。
【請求項14】
前記光学センサはカメラである、請求項13に記載の流体分注システム。
【請求項15】
前記スピンチャックの前記スピンレートと前記サンプリングレートとを同期させることにより、データの複数のフレームが前記カメラにより収集され、そのとき、前記複数のフレームの各々に関して、前記基板は同じ回転方位に向いている、請求項14に記載の流体分注システム。
【請求項16】
前記1つ以上のコントローラは、回折効果を差し引いて、根底にある反射率信号を分析するように構成されており、前記根底にある反射率信号を分析することによって、流体の厚さの情報が提供される、請求項15に記載の流体分注システム。
【請求項17】
前記光学センサの前記サンプリングレートと前記基板の前記スピンレートとは、5%以内で同期している、請求項15に記載の流体分注システム。
【請求項18】
前記光学センサの前記サンプリングレートと前記基板の前記スピンレートとは、5%以内で同期している、請求項13に記載の流体分注システム。
【請求項19】
前記光学センサはビデオカメラである、請求項18に記載の流体分注システム。
【請求項20】
前記光学センサの前記サンプリングレートと前記基板の前記スピンレートとは、1%以内で同期している、請求項13に記載の流体分注システム。
【請求項21】
流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法であって、前記方法は、
前記流体分注システム内に基板を提供するステップと、
カメラを提供することであって、前記カメラは、近赤外スペクトル以上の波長の光を受信するように構成されている、ステップと、
光源を提供することであって、前記光源は前記近赤外スペクトル以上の波長を提供する、ステップと、
前記近赤外スペクトル以上の波長におけるデータを前記カメラから取得して、前記基板上に分注された流体の状態を監視するステップと、を含む
方法。
【請求項22】
前記カメラは、CMOSカメラ又はCCDカメラである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光源は、短波長赤外スペクトル以上の波長を提供する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記カメラは、インジウムガリウムヒ素ベースのカメラである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記状態は、膜の厚さ及び/又は膜の均一性を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記光源は、短波長赤外スペクトル以上の波長を提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記状態は、膜の厚さ及び/又は膜の均一性を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記カメラは、700nm~1400nmの範囲の光の波長だけを受光するように構成され、前記光源は、700nm~1400nmの波長だけを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記カメラは、1400nmを超える範囲の光の波長だけを受光するように構成され、前記光源は、1400nmを超える波長だけを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記カメラの波長範囲と前記光源の波長範囲とが、一緒に最適化される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記カメラの波長範囲及び前記光源の波長が、前記近赤外スペクトルよりも短い波長からの干渉効果を最小限に抑えるように選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法であって、前記方法は、
前記流体分注システム内に基板を提供するステップと、
波長のスペクトル範囲を有する光源を提供するステップと、
光学センサを提供するステップであって、前記光学センサは、前記基板から反射された前記光源からの光を受光する、ステップと、
前記光源と前記光学センサとの間の光路内にフィルタを提供するステップであって、前記フィルタは、前記光学センサにより受光された光の受光スペクトル範囲を狭める、ステップと、
前記光学センサからデータを取得して、前記基板上に分注された流体の状態を監視するステップと、を含む
方法。
【請求項33】
前記光学センサはカメラである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記フィルタは、前記基板と前記カメラとの間の前記光路の一部に配置されている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記流体分注システムは、複数のフィルタを含み、前記フィルタは、前記カメラによって受光された光の前記受光スペクトル範囲を変化させるように、前記光路内に選択的に配置されることが可能である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記複数のフィルタのうちの1つ以上の選択が、分注される流体及び/又は前記基板の材料に基づく、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記複数のフィルタは、異なる中心波長を有するバンドパスフィルタである、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記複数のフィルタは、前記複数のフィルタのうちの少なくともいくつかが同じ中心波長を有するバンドパスフィルタである、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記状態は、膜の厚さ及び/又は膜の均一性を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記複数のフィルタのうちの少なくともいくつかが、40nm以下の波長範囲を有するバンドパスフィルタである、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記状態は、膜の厚さ及び/又は膜の均一性を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記フィルタは、40nm以下の波長範囲を有するバンドパスフィルタである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記フィルタは、40nm以下の波長範囲を有するバンドパスフィルタである、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年1月6日に出願された「Hardware Improvements and Methods for the Analysis of Spinning Reflective Substrates」と題する米国仮特許出願第62/957,481号明細書に対する優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板の処理に関する。特に、本開示は、基板処理ステップの1つ以上の特性を監視するための新規のシステム及び方法を提供する。一実施形態では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、半導体基板を処理するときに利用され得る。
【背景技術】
【0003】
従来の基板処理システムは、フォトリソグラフィプロセスを利用し、このプロセスは、フォトレジストコーティング、露光、フォトレジスト現像、及び様々なベークステップを含む。これらのステップで利用される材料及びプロセスは全て、基板上での膜厚、限界寸法のターゲット、ラインラフネス、均一性等に影響を及ぼし得る。基板処理における形状が縮小し続けるにつれて、基板上に構造を形成することに対する技術的課題が増大する。これらのプロセスは、様々なフォトリソグラフィプロセスステップにおいて流体分注システムを利用する。流体分注システムは、また、基板処理フローにおける他のプロセスステップにおいて、流体を塗布するため、及び/又はコーティングを形成するために利用され得る。
【0004】
流体分注システムにおいて、機器故障、材料滴下、不適切なアーム移動などのグロス処理機器の逸脱又は障害が監視されていることが知られている。コーティングモジュールでのグロス処理問題を監視するための一手法は、処理システムのコーティングモジュールにカメラを含めることであった。例えば、コーティングモジュールは、コーティングされる材料の滴下、不適切な分注アーム移動などを識別するために用いられ得るスピンモジュールモニタ(SMM)カメラを含む。SMMカメラからの画像は、処理の後で分析されて、基板がそのようなプロセスの逸脱又は障害を受けたかどうかが判定され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板の1つ以上の特性を監視するためのシステム及び方法の様々な実施形態が本明細書で開示される。より具体的には、本開示は、光学センサを利用して流体分注システムの特性に関する情報を提供する様々な実施形態を提供する。一実施形態では、光学センサは、基板からビデオ画像及び/又は静止画像を取得するために使用されるカメラであり得る。しかしながら、光学センサは、基板から所与の波長又は波長範囲に関するスペクトルデータを取得する任意のタイプの他の光学センサであり得る。例えば、本明細書に開示される流体分注システムでの使用に好適な他の光学センサには、レーザーベースのトランシーバの分光計又はセンサが含まれるが、これらに限定されない。したがって、カメラである光学センサの一実施形態に関して本明細書に記載されているが、本明細書に記載されている技術は、他の光学センサにも適用可能であり、カメラに限定されないことが理解されるであろう。したがって、以下で論じる実施形態におけるセンサとしてのカメラの使用は、単なる例示であり、非限定的である。光学センサは、ビデオ画像、静止画像、分光光度信号、光学的出力信号等を収集するために利用され得る。
【0006】
本明細書で開示されるように、光学センサデータの収集及び分析を改善するために、様々なハードウェアの改善及び方法が提供される。より具体的には、後述するように、多種多様なハードウェア関連技術を組み合わせて又は単独で利用して、光学センサシステム(例えばカメラ)を使用するデータ収集を改善し得る。これらハードウェア技術は、光源への改善、光学センサのセンサへの改善、光学センサに対する光源の物理的な向きの関係、分析する画像の特定のピクセルの選択、光学センサのフレームレートと基板の回転速度との関係を含み得る。これらハードウェアの改善により、膜厚測定能力が改善され、データにおける信号ノイズが低減され得る。
【0007】
第1の実施形態では、光源は、複数の波長が同時に干渉効果を有することを最小限に抑えることを手助けするために、より長い波長の光を供給するように選択され得る。具体的には、光源は、光学センサの吸収能力/限界に近い波長(高波長側における)を有するように選択され得る。これにより、構造的(constructive)干渉及び破壊的干渉の期間の性質が増加しているので、信号対雑音比の増加から利益がもたらされる。これは、光源からの複数の波長が同時に干渉を有する、最大公倍数を生成する厚さの状況が発生する可能性が小さいことを意味する。
【0008】
第1の実施形態の一代替形態では、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法が提供される。この方法は、流体分注システム内に基板を提供することと、光学センサを提供することであって、光学センサは検出された波長の範囲の光学範囲を有する、ことと、光源を提供することであって、光源は光学範囲の上位50%だけの波長を提供する、ことと、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視することと、を含み得る。
【0009】
第1の実施形態の別の代替形態では、基板上に膜をコーティングするための流体分注システムが提供される。流体分注システムは、基板を保持することが可能なチャックと、基板上に1つ以上の流体を分注することが可能なノズルと、光学センサであって、検出された波長の光学範囲を有する、光学センサと、光源であって、光学範囲の上位50パーセントだけの波長を提供する、光源と、光学センサに結合されたコントローラであって、基板上に1つ以上の流体が分注されるときに、基板から反射された光に関するデータを光学センサから受信するように構成されている、コントローラと、を備え得る。
【0010】
第1の実施形態の代替形態では、光学センサはカメラであり得る。いくつかの代替形態では、光源は、光学範囲の上位20パーセントだけの波長を提供する。
【0011】
第2の実施形態では、光学センサ及び光源は、光源により提供されるより高い波長を除外しないように(フィルタによる排除など)、光学センサを構成することにより共に最適化され得る。一実施形態では、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)/電荷結合デバイス(CCD)カメラがフィルタの存在なしで利用される。一実施形態では、光源とカメラの組み合わせは、近赤外線(NIR)及び/又は短波赤外線(SWIR)スペクトルで動作し得る。
【0012】
第2の実施形態の一代替形態では、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法が提供される。この方法は、流体分注システム内に基板を提供することと、カメラを提供することであって、カメラは、近赤外スペクトル以上の波長の光を受光するように構成されている、ことと、光源を提供することであって、光源は近赤外スペクトル以上の波長を提供する、ことと、近赤外スペクトル以上の波長におけるデータをカメラから取得して、基板上に分注された流体の状態を監視することと、を含み得る。
【0013】
第2の実施形態の別の代替形態では、基板上に膜をコーティングするための流体分注システムが提供される。流体分注システムは、基板を保持すること可能なチャックと、基板上に1つ以上の流体を分注することが可能なノズルと、カメラであって、近赤外スペクトル以上の波長の光を受光するように構成された、カメラと、光源であって、近赤外スペクトル以上の波長を提供する、光源と、カメラに結合されたコントローラであって、基板上に1つ以上の流体が分注されるときに、基板から反射された光に関するデータをカメラから受信するように構成されている、コントローラと、を備え得る。
【0014】
第2の実施形態の代替形態では、カメラは、CMOSカメラ又はCCDカメラであり得る。更に、光源は、短波長赤外スペクトル以上の波長を提供し得る。カメラは、インジウムガリウムヒ素ベースのカメラであり得る。
【0015】
第3の実施形態では、複数の波長が同時に干渉する場合を制限するために、フィルタリングが利用され得る。具体的には、光源と光学センサとの間の光路内に光学フィルタを設けて、利用される光のスペクトル範囲を低減させ得る。更に、フィルタリングの量を選択的に変更できるように、システム内に複数のフィルタを設けてもよい。フィルタリングの変更は、コーティングされる材料及び/又は下にある基板材料に依存し得る。
【0016】
第3の実施形態の一代替形態では、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法が提供される。この方法は、基板を流体分注システム内に提供することと、波長のスペクトル範囲を有する光源を提供することと、光学センサを提供することであって、光学センサは、基板から反射された、光源からの光を受光する、ことと、光源と光学センサとの間の光路内にフィルタを提供することであって、フィルタは、光学センサにより受光された光の受光スペクトル範囲を狭める、ことと、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視することと、を含み得る。
【0017】
第3の実施形態の別の代替形態では、基板上に膜をコーティングするための流体分注システムが提供される。流体分注システムは、基板を保持することが可能なチャックと、基板上に1つ以上の流体を分注することが可能なノズルと、光学センサと、光源であって、基板から反射された光源からの光を光学センサが受光するように、光源と光学センサとの間に光路がある、光源と、光源と光学センサとの間の光路内のフィルタであって、フィルタは、光学センサにより受光された光の受光スペクトル範囲を狭める、フィルタと、光学センサに結合されたコントローラであって、コントローラは、1つ以上の流体が基板上に分注されるときに、基板から反射された光に関するデータを光学センサから受信するように構成されている、コントローラと、を備え得る。
【0018】
第3の実施形態の代替形態では、光学センサはカメラであり得る。更に、フィルタは、基板とカメラとの間の光路の一部に配置され得る。加えて、流体分注システムは、複数のフィルタを備えてもよく、フィルタは、カメラによって受光された光の受光スペクトル範囲を変化させるように、光路内に選択的に配置されることが可能である。いくつかの実施形態では。複数のフィルタのうちの1つ以上の選択は、分注される流体及び/又は基板の材料に基づく。
【0019】
第4の実施形態では、光源及び光学センサの向き及び物理的関係が制御され得る。具体的には、光源及び光学センサは、以下の条件のうちの1つ以上が存在するように配置され得る:1)光源及び光学センサの基準面(基板面に平行な)に対して同様の角度を維持すること、2)光源から基板の中心及び基板の中心から光学センサの距離関係を同様に維持すること、及び3)光源から対角線方向180度に光学センサを位置決めすること。このような条件により、基板から光の0次反射を確実に得ること、及び下にある基板により引き起こされ得る光回折効果を最小限に抑えることに役立つ。
【0020】
第4の実施形態の一代替形態では、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法が提供される。この方法は、流体分注システム内に基板を提供することと、光源を提供することと、光学センサを提供することであって、光学センサは、基板から反射された、光源からの光を受光する、ことと、基板で反射された光の0次反射が光学センサによって受光されるように、光学センサ及び光源の物理的場所を構成することと、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視することと、を含み得る。
【0021】
第4の実施形態の別の代替形態では、基板上に膜をコーティングするための流体分注システムが提供される。流体分注システムは、基板を保持することが可能なチャックと、基板上に1つ以上の流体を分注することが可能なノズルと、光学センサと、光源であって、基板から反射された光源からの光を光学センサが受光するように、光源と光学センサとの間に光路があり、光路が、基板から反射された光の0次反射を光学センサにおいて含むように、光学センサ及び光源が物理的に配置されている、光源と、光学センサに結合されたコントローラであって、コントローラは、1つ以上の流体が基板上に分注されるときに、基板から反射された光に関するデータを光学センサから受信するように構成されている、コントローラと、を備え得る。
【0022】
第4の実施形態の代替形態では、光学センサはカメラであり得る。いくつかの実施形態では、基板に供給される、光源からの光の入射角と、カメラに供給される、基板から反射された光の入射角とは、ほぼ同じである。更に、いくつかの実施形態では、光源及びカメラは、基板の中心からほぼ等距離に配置されている。いくつかの実施形態では、光源及びカメラは、基板を基準にして互いに対角線方向に配置されるように、流体分注システム内に配置されている。
【0023】
第5の実施形態では、データ処理のために、基板から反射された全てのピクセルを使用するのではなく、ピクセルのサブセットのみが利用される。ピクセルのサブセットは、画像ノイズの発生源を最小限に抑え、また非0次反射を除外するように選択され得る。これは、選択されるピクセルを、光源の観察可能な一次反射に極めて接近しているピクセルに限定することにより達成され得る。
【0024】
第5の実施形態の一代替形態では、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法が提供される。この方法は、流体分注システム内に基板を提供することと、光源を提供することと、カメラを提供することであって、カメラは基板から反射される光源からの光を受光する、ことと、カメラにコントローラを結合させることであって、コントローラは、基板上に1つ以上の流体が分注されるときに、基板から反射された光に関するデータをカメラから受信するように構成され、コントローラは、基板上に分注された流体の状態を監視するために、カメラからのデータのピクセルのサブセットのみを選択的に考慮するようにデータを処理する、ことと、を含み得る。
【0025】
第5の実施形態のいくつかの代替形態では、データのピクセルのサブセットのみの使用は、全ての利用可能なピクセルが使用される場合よりも少ないノイズを有する出力を提供する。更に、選択されるピクセルのサブセットは、基板から反射された光の0次反射を含む。
【0026】
第6の実施形態では、光学センサのサンプリングレートは、基板の回転速度に一致するように同期される。このような同期により、各サンプルを基板の同じ領域から取得することが可能になる。この同期を実行することにより、基板の異なる領域からサンプルを取得することから生じ得る回折効果を最小限に抑えることができる。
【0027】
第6の実施形態の一代替形態では、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する方法が提供される。この方法は、流体分注システム内にチャックを提供することであって、チャックはスピンするように構成されている、ことと、基板を流体分注システム内に提供することと、第1の毎分回転数でチャックをスピンさせることと、光源を提供することと、光学センサを提供することであって、光学センサは、基板から反射された光源からの光を受光し、光学センサは、受光した光を第1のサンプリングレートでサンプリングする、ことと、第1の毎分回転数を第1のサンプリングレートに同期させることと、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視することと、を含み得る。
【0028】
第6の実施形態の別の代替形態では、基板上に膜をコーティングするための流体分注システムが提供される。流体分注システムは、基板を保持することが可能なスピンチャックと、基板上に1つ以上の流体を分注することが可能なノズルと、光学センサと、光源と、光学センサ及びスピンチャックに結合された1つ以上のコントローラであって、スピンチャックのスピンレートを光学センサのサンプリングレートに同期させるように構成された、1つ以上のコントローラと、を備え得る。1つ以上のコントローラのうちの少なくとも1つは、基板上に1つ以上の流体が分注されるときに、基板から反射された光に関するデータを光学センサから受信するように構成されている。
【0029】
第6の実施形態のいくつかの代替形態では、光学センサはカメラである。いくつかの実施形態では、第1の毎分回転数(又はスピンチャックのスピンレート)を第1のサンプリングレートに同期させることにより、複数のデータフレームがカメラにより収集され、そのとき、複数のフレームの各々に関して、基板は同じ回転方位に向いている。
【0030】
本発明及びその利点のより詳細な理解は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって得ることができ、図面では、同様の参照番号が同様の特徴を示す。しかし、添付の図面は、開示する概念の例示的な実施形態のみを示し、したがって適用範囲を限定するものと見なすべきではなく、開示する概念を他の同等に効果的な実施形態にも適用できることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】例示的な流体分注システムである。
図2図1の流体分注システムのための例示的なカメラ位置を示す。
図3図1の流体分注システムのための例示的なライト位置を示す。
図4】波長仮定のための反射率とレジスト厚との関係のプロットを示す。
図5】光源、カメラ、及び基板の物理的配置関係を示す。
図6】カメラ及び光源の代替の配置を示す。
図7】ピクセルの異なる選択の場合の反射率強度とフレームとの関係のプロットを示す。
図8A】カメラフレームレートが基板スピン速度に同期していない場合に、フレームにおいて分析されたピクセル位置を示す。
図8B】カメラフレームレートが基板スピン速度に同期していない場合に、フレームにおいて分析されたピクセル位置を示す。
図8C】カメラフレームレートが基板スピン速度に同期していない場合に、フレームにおいて分析されたピクセル位置を示す。
図9A】カメラフレームレートが基板スピン速度に同期している場合に、フレームにおいて分析されたピクセル位置を示す。
図9B】カメラフレームレートが基板スピン速度に同期している場合に、フレームにおいて分析されたピクセル位置を示す。
図9C】カメラフレームレートが基板スピン速度に同期している場合に、フレームにおいて分析されたピクセル位置を示す。
図10】本明細書に記載される技術の例示的実施形態を利用する方法を示す。
図11】本明細書に記載される技術の例示的実施形態を利用する方法を示す。
図12】本明細書に記載される技術の例示的実施形態を利用する方法を示す。
図13】本明細書に記載される技術の例示的実施形態を利用する方法を示す。
図14】本明細書に記載される技術の例示的実施形態を利用する方法を示す。
図15】本明細書に記載される技術の例示的実施形態を利用する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書に記載される技術は、多種多様な流体分注システム内で利用され得る。例えば、例示的な流体分注システムが、処理のために流体が基板に塗布される、様々な流体分注目的(例えば、レジストコーティングユニット、レジスト現像ユニット、又は他のスピンコーティングユニットなど)のために利用され得る。本明細書に示される流体分注システムは、本明細書に記載される監視技術が適用され得る処理システムの単なる例示的実施形態であることを理解されたい。したがって、本明細書で開示される技術は、他の流体分注システム及び/又は他の処理ユニットに適用され得る。更に、これらの流体分注システムは、独立型ユニットであり得るか、又はより大きいシステムに統合され得る。例えば、本明細書に記載される流体分注システムは、コーティング、現像、ベーク、検査、露光などのモジュールを含む、より大きいシステム内に統合され得る。
【0033】
本明細書に記載される流体分注システムは、基板を、例えばレジストコーティングユニット、現像ユニット、又は他の流体分注システム(例えば、スピンオンハードマスクユニット、スピンオン反射防止コーティングユニットなど)の一部であり得る多種多様な処理液体にさらすために利用され得る。図1に示すように、流体分注システム60は、チャンバ壁62によって境界が定められた処理チャンバを含む。チャンバ壁62の内側に配置されたスピンチャック64は、基板に対する支持を提供し、基板は、いくつかの実施形態では半導体ウェハー(W)であってもよい。より具体的には、スピンチャック64は、処理中に基板が支持される水平な上面を有する。基板を吸引力でスピンチャックに固定するために、吸引ポート(図示せず)がスピンチャック64の水平な上面に設けられ得る。スピンチャック64及びスピンチャック64により支持された基板は、ステッパモータ等であり得る駆動機構66により可変角速度で回転され得る。駆動機構66は、基板上にて液体材料を塗布するため及び液体材料をフローさせるために、様々な角速度で動作し得る。
【0034】
ノズル68は、指定されたレートで1つ以上の溶液を基板上に分注して、基板の上面上に1つ以上の層又は膜を塗布するように適合されている。基板表面に塗布され得る典型的な層又は膜は、イメージング層(例えばフォトレジスト)、現像液、トップコート(TC)バリア層、トップコート反射防止(TARC)層、ボトム反射防止(BARC)層、エッチストップのための犠牲層及びバリア層(ハードマスク)などを含むが、これらに限定されない。ノズル68は、液体供給ライン70を通して液体供給ユニット(図示せず)に結合されている。いくつかの実施形態では、ノズル68は、ノズルホルダ74を通してノズルスキャンアーム72の先端に取り付けられ得る。ノズルスキャンアーム72は、ガイドレール78上を一方向(例えばY方向)に水平移動可能な垂直支持部材76の上端部に取り付けられている。図示していないが、ノズル68をY方向に移動させるために、駆動機構(図示せず)が、ノズルスキャンアーム72、垂直支持部材76、又はガイドレール78に結合され得る。ノズル68をZ方向及び/又はX方向に移動させるために、他の機構(ここでも図示せず)が使用され得る。多種多様な分注技術が当技術分野において周知であるため、本明細書に記載される具体的な分注及びアームの機構及び移動は、単なる例示であることが理解されるであろう。
【0035】
カップ71が設けられて、スピンチャック64による回転中に発生する遠心力により基板から放出される液体材料の大部分を捕捉し収集する。スピンチャック64は、基板を支持し、静止したカップ71に対して基板をその中心法線軸を中心として回転させる(すなわち、スピンさせる)。基板59から放出され、カップ71により収集された液体材料は、排出ライン65及び排出ユニット(図示せず)を介して排出される。いくつかの実施形態では、排気ライン67、及び真空ポンプ又は他の負圧発生デバイスなどの排気ユニット(図示せず)も使用して、カップ71内部の処理空間からガス種(処理中に基板層から放出される蒸気を含むが、これに限定されない)が除去され得る。
【0036】
スピンチャック64及び駆動機構66は、カップ71の開口部内に配置される。いくつかの実施形態では、エアシリンダ及び上下ガイドユニットなどの昇降機構が、駆動機構66内に設けられてもよく、それによりスピンチャック64は、チャンバ壁62に対して垂直に移動し得る。基板は、処理アーム61により、流体分注システム60のローディング/アンローディング開口部63を通して図1に示す方向51に、スピンチャック64に送達され得る。処理アーム61は、流体分注システム60の一部を形成してもよく、又は他のプロセス機器と相互作用するための別個の基板移送機構(図示せず)の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、処理アーム61は、より大きなシステムの様々なプロセスモジュール間で基板を移送するための、より大きなシステムのメインアーム機構内に含まれてもよい。他の実施形態では、処理アーム61は、他の基板処理システム内に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、昇降機構は、駆動機構66及び/又はスピンチャック64を上に持ち上げて、基板を受け取ることができる。代替として、基板をスピンチャック64上に置くことを可能にするために、カップ71は、上下移動するように構成されてもよく、又は分離して広がるように構成されてもよい。
【0037】
図1に示す流体分注システム60は、本明細書に記載される監視技術が使用され得る処理システムの単なる一例であることに留意されたい。したがって、流体分注システム60は、限定を意図したものではなく、本明細書に記載される監視技術が利用され得る1つの例示的な処理システムを表すだけに過ぎない。更に、流体分注システム60は、いくつかの実施形態では半導体ウェハーであり得る基板を処理するためのシステムを参照して記載されているが、本明細書に記載される技術は、他の種類の基板を処理する際に利用されてもよいことが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載される監視技術は、基板に溶液を塗布する広範な基板処理システム内で利用され得ることが理解されるであろう。
【0038】
基板の1つ以上の特性を監視するためのシステム及び方法の様々な実施形態が本明細書で開示される。より具体的には、本開示は、光学センサを利用して流体分注システムの特性に関する情報を提供する様々な実施形態を提供する。一実施形態では、光学センサは、基板からビデオ及び/又は静止画像を取得するためのカメラシステムであり得る。しかしながら、光学センサはまた、所与の波長又は波長範囲に関するスペクトルデータを基板から取得する他の光学センサを含み得る。例えば、本明細書に開示される基板検査システム内での使用に好適な他の光学センサには、レーザー駆動のトランシーバの分光計又はセンサが含まれるが、これらに限定されない。したがって、カメラである光学センサの一実施形態に関して本明細書に記載されているが、ここに記載されている技術は、他の光学センサに同様に適用可能であり、カメラに限定されないことが理解されるであろう。したがって、以下で論じる実施形態におけるセンサとしてのカメラの使用は、単なる例示であり、非限定的である。光学センサは、ビデオ画像、静止画像、分光光度信号、光学的出力信号等を収集するために利用され得る。
【0039】
本明細書で開示されるように、光学センサデータの収集及び分析を改善するために、様々なハードウェアの改善及び方法が提供される。より具体的には、後述するように、多種多様なハードウェア関連技術を組み合わせて又は単独で利用して、光学センサシステム(例えばカメラ)を使用するデータ収集を改善し得る。これらハードウェア技術は、光源への改善、光学センサのセンサへの改善、光学センサに対する光源の物理的な向きの関係、分析する画像の特定のピクセルの選択、光学センサのフレームレートと基板の回転速度との関係を含み得る。これらハードウェアの改善により、膜厚測定能力が改善され、データにおける信号ノイズが低減され得る。
【0040】
したがって、流体分注システム60はまた、光源92及び光学センサを含む。図の実施形態では、光学センサは、図1に示すようなカメラ90である。しかしながら、前述したように、カメラの使用は、多種多様な光学センサのうちのいずれかの例示的な実施形態にすぎず、光学センサをカメラの実施形態に限定することを意図したものではないことが理解されるであろう。更に、本明細書で使用する場合、「カメラ」は、単にカメラを指し得るか、又はカメラ及び他の電子機器を含むより複雑なシステムであり得る。カメラ90は、以下でより詳細に説明される流体分注プロセス及びコーティングプロセスを監視するために利用され得る。図1に示す光源92及びカメラ90の場所は、単なる例示であり、カメラ90が基板表面の状態を監視することを可能にする多種多様な他の位置も同様に利用されてもよい。図2及び図3は、カメラ90及び光源92の例示的な場所をより良く示すように、流体分注システム60の簡略化された(図1の詳細の多くを除外した)上面図を提供する。しかしながら、これらの場所は単なる例示であり、他の場所を利用してもよいことが理解されるであろう。図2及び図3に示すように、基板59は、ローディング/アンローディング開口部63を有する処理チャンバのチャンバ壁62内に提供される。図2は、基板上方のプロセスチャンバの上部領域にカメラ90を配置するための例示的な場所を示す。より具体的には、図2は、カメラ90を配置する例示的なカメラ場所201、202、203、204、205、206、及び207を示す。図3は、基板上方のプロセスチャンバの上部領域に光源92を配置するための例示的な場所を示す。より具体的には、図3は、光源92を配置するための例示的な光源位置301、302、303、304、305、306、及び307を示す。ここでも、カメラ及び光源のそのような場所は単なる例示であり、他の場所が利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0041】
本明細書に記載される技術は、特定のカメラ及び光源のタイプに限定されない。カメラは、画像からデータを捕捉及び/又は記憶するように設計された任意の多種多様なタイプのカメラであり得る。カメラは、静止画像及び/又はビデオ画像を収集し得る。電荷結合素子(CCD)イメージセンサカメラ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサカメラ、N型金属酸化膜半導体(NMOS)イメージセンサカメラ、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)イメージセンサカメラ、アンチモン化インジウム(InSb)イメージセンサカメラ等を含むが、これらに限定されない、多種多様なカメラが利用され得る。いくつかの例では、光源は、周辺光、発光ダイオード(LED)光源、又はレーザー光源であり得る。いくつかの実施形態では、光源は、典型的には、可視スペクトル又はそれより波長が長い光源であり得る。例えば、可視スペクトル、近赤外線(NIR)、短波赤外線(SWIR)、及び中赤外線(MIR)の光源が例示的な光源である。一実施形態では、可視スペクトルにおけるアンバー光源が利用され得る。別の実施形態では、赤外線(IR)光源が利用される。更に他の実施形態では、マルチスペクトル光源が利用され得る。多くのカメラは、IRスペクトルを遮断する一体型フィルタを含み得ることが理解されるであろう。分析のためにIRスペクトルが望まれる場合、そのようなフィルタの使用は望ましくない場合がある。
【0042】
上述したよう、流体分注プロセスの多様な変数及び状態の監視が、流体分注システムにおける光学センサの利用により実現され得る。様々な監視技術について以下で説明する。これらの技術は、一緒に利用されなくてもよく、むしろ個別に利用されてもよいことが理解されるであろう。代替として、より完全な監視のために、この技術の一部又は全てを組み合わせてもよい。
【0043】
図1に示すような流体分注システム60(又は更にその一部)に結合されているのは、システムの様々なプロセス動作パラメータを設定及び制御するためのコントローラ94であり得る。コントローラ94は、図示するようにカメラ90及び光源92に結合され得る。コントローラ94はまた、信号線96によって示されるように、流体分注システム60の複数の構成要素のいずれか又は全てに結合されて、構成要素から情報を受信し、且つ/又は構成要素を制御し得る。例えば、コントローラ94は、カメラ90、処理アーム61、スピンチャック64、駆動機構66、ノズル68、ノズルスキャンアーム72などから情報を受信し、且つそれらに制御情報を提供してもよい。コントローラ94はまた、概して、流体分注システムにより収集される様々なデータを分析し、場合によっては、様々なプロセス動作パラメータにフィードバック制御を与えるように構成されてもよい。したがって、本明細書に記載されるデータ処理及びシステム制御のための技術は、コントローラ94によって実装されてもよい。本明細書に記載されるコントローラ94は、多種多様な形態で実装され得ることに留意されたい。一実施例では、コントローラは、コンピュータであってもよい。別の実施例では、コントローラ94は、本明細書に記載される機能性を提供するようにプログラムされた1つ以上のプログラム可能集積回路を含んでもよい。例えば、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置など)、プログラム可能ロジックデバイス(例えば、コンプレックスプログラム可能ロジックデバイス(CPLD))、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)など)、及び/又は他のプログラム可能集積回路を、ソフトウェア又は他のプログラミング命令でプログラムして、コントローラ94のための本明細書に記載された機能性を実装できる。ソフトウェア又は他のプログラミング命令は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ記憶デバイス、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、再プログラム可能な記憶デバイス、ハードドライブ、フロッピーディスク、DVD、CD-ROMなど)に記憶されてもよいこと、及び、ソフトウェア又は他のプログラミング命令は、プログラム可能集積回路により実行されると、本明細書に記載されるプロセス、機能、及び/又は能力をプログラム可能集積回路に実行させることに更に留意されたい。他の変形形態もまた実装され得る。コントローラ94は、流体分注システム60の一部として示されているが、代替実施形態では、コントローラ94は、流体分注システム60から分離され得ることに留意されたい。
【0044】
カメラを用いた流体分注プロセスの分析は、取得された流体分注プロセスの画像を分析及び処理する広範囲の技術を含み得る。そのような技術は、カメラから取得された静止画像を分析すること及び/又はビデオ画像を分析することを含み得る。流体分注プロセス及び取得された画像の監視は、リアルタイム分析/制御、及び/又はポストプロセス分析のために利用され得る。この画像分析は、本技術を用いない場合には利用可能にはならないかも知れないハードウェア及びプロセスフィードバックを提供することができ、改善及び最適化につながり得る。画像記録は、あらゆる基板に対して行うことができるデータ収集の効率的な方法である。画像分析を使用して、膜厚、限界寸法、膜均一性などを含む様々な変数を決定及び/又は制御することができる。収集された画像を効率的且つ正確に分析するために、自動化技術が望ましい場合がある。
【0045】
スピンコーティングプロセスを監視するために利用されるハードウェアは、基板上に形成された膜に関するより正確な情報を提供するように、より多種多様な形態で最適化され得る。より具体的には、後述するように、多種多様なハードウェア関連技術を組み合わせて又は単独で利用して、カメラシステムを使用するデータ収集を改善し得る。これらハードウェア技術は、光源92への改善、カメラ90のセンサへの改善、カメラ90に対する光源92の物理的な向きの関係、分析する画像の特定のピクセルの選択、及びカメラフレームレートと基板の回転速度との関係を含み得る。
【0046】
ハードウェアの最適化は、スピンコーティングプロセス中に光学センサを使用する場合に生じる様々な問題に対処し得る。スピンコーティングプロセスでは、コーティングされた膜がその最終コーティング厚まで減少するにつれて、ウェハー上の色変化を視覚的に観測することが可能である。これら色変化は、薄膜の干渉反射率効果に起因する。例えば、レジスト層を基板上にコーティングする場合、これらの薄膜の干渉反射率効果は、レジスト/基板で反射された光波とレジスト/空気で反射された光波の効果である。異なる波長の干渉は、異なる膜厚で発生するため、干渉効果を有している波長(したがって色)の変化を使用して、膜厚変化を監視し得る。
【0047】
例えば、図4は、スピン中に膜が薄くなるにつれての、反射率への影響を示す。図4では、x軸は、レジスト厚を表し、y軸は、積層体の反射率を示すことに留意されたい。図4に示すように、3つの異なる波長仮定を有する3つの異なる例示的なプロセスに関する反射率変化を示す。より具体的には、プロット405、プロット410、及びプロット415は、シミュレーションにおける、ガウス分布光源仮定に関する異なる中心波長仮定を示す。シミュレーションでは、所与の膜厚仮定での反射率が決定される。
【0048】
しかしながら、関連する膜厚、並びに下にある基板の状態及び材料に応じて、反射された信号の検出、弁別、分析、及び相関付けは困難であり得る。例えば、典型的なレジスト/基板の屈折率の関係では、レジスト膜を通る光路長が、光の波長を材料の屈折率で除したものの整数倍の1/2である場合、空気/材料表面から反射された同じ波長の光に対して構造的干渉を有することになり、光路長が、光の波長を材料の屈折率で除したものの整数倍の1/4である場合、それと同じ光に対して破壊的干渉を有することになる。材料の厚さが減少するにつれて、構造的干渉を生じることになる光波長は変化し、したがって、その結果、観測しているカメラ(又はセンサ)が見る可視スペクトル色(又は強度)が振動する。しかしながら、極めて大きなスペクトル範囲を有することができるいくつかのLED光源では、構造的干渉を同時に有する2つの離れた異なる波長間で最大公倍数となる厚さ関係が生じる状況があることを意味し、これにより、カメラが見る色応答が混合され、信号の損失につながる。
【0049】
第1の実施形態-光源の最適化
第1の実施形態では、上記で論じた問題のいくつかに対処するために、光源の波長が最適化され得る。具体的には、光の波長が長いほど、複数の波長が同時に構造的干渉効果(薄膜干渉の結果でより多くのノイズを誘発する効果)を有することを防止することを支援することになる。したがって、例えば、同じスペクトル範囲の場合、光源は、光学センサの(高波長側における)吸収能力/限界に近くなるように選択され得る。これにより、構造的干渉及び破壊的干渉の期間の性質が増加しているので、信号対雑音比の増加から利益がもたらされる。これは、光源からの複数の波長が同時に干渉を有する、最大公倍数を生成する厚さの状況が発生する可能性が小さいことを意味する。例えば、1つの例示的な実施形態では、400nm~850nmの範囲(又は、カメラアセンブリ内にIRフィルタがない場合は約1050nm)の波長を感知する光学的感知能力を有するカメラが利用されてもよい。しかしながら、光源は、600nm~900nmの範囲の波長を有するように選択することができ、したがって、構造的干渉効果を同時に有する波長の数を減らすことができる。例えば、400nm~850nmの感知範囲を有するIRバンドパスフィルタを有するCMOSタイプのカメラが、775nm~900nmの出力範囲を有するNIR LEDタイプの光源と共に利用され得る。別の例では、400nm~850nmの感知範囲を有するCMOSタイプのカメラは、500nm~800nmの出力範囲を有する琥珀色LEDタイプの光源と共に利用され得る。このように、選択される光源は、カメラの能力の上限でのみ光を供給する光源に限定され得る。一例では、光源は、カメラ範囲の上位50%で動作することができ、別の例では、より好ましくは、カメラの範囲の上位20%で動作することができる。したがって、カメラが感知できる範囲よりも小さい光の波長範囲を提供する光源が選択され得る。より重要なことに、光の波長はカメラの検知能力の上限にて供給される。
【0050】
第2の実施形態-所与の光源に対するカメラセンサの最適化
第2の実施形態では、カメラと光源とが共に最適化され得る。CMOS/CCDカメラは、比較的安価で普及している、可視スペクトルのデジタルカメラ技術であることに留意されたい。しかしながら、CMOS/CCDカメラの吸収能力は多くの場合、NIR(多くの場合、約1050nm)に及ぶ。近赤外スペクトルは、約700nm~1400nmの波長によって特徴付けられ得ることに留意されたい。しかしながら、多くのカメラメーカーは、カメラアセンブリ内にショートパスフィルタを含んで、カメラに入ったIR光をカットして、IRノイズが可視スペクトル画像の忠実度に影響を及ぼすことを防止している。スピンコーティング分析においては、NIRフィルタのないカメラを使用し、カメラをNIR光源に一致させることにより、極めて大きな利点が得られる。同様に、(多くの場合、約1400nm~3000nmの波長として特徴付けられる)SWIR光源を使用し、それをSWIRカメラ(例えば、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)ベースのカメラ)に一致させることで、同様の利点を得ることができる。したがって、第1の実施形態に関して上で論じた利点は、フィルタによる制限のないカメラを利用して、より長い波長を除外し、それに対応して当該のより長い波長を有する光源を使用することにより、拡張することができる。このように、利用される光源とカメラを一緒に最適化して、より長い波長を提供し、それらのより長い波長を検出するシステムを提供し、したがって、ここでも、より短い波長で起こり得るより大きな干渉効果を最小限に抑えることができる。
【0051】
第3の実施形態-光のフィルタリング
第3の実施形態では、光のスペクトル範囲は、フィルタの使用によって制限され得る。上述したように、複数の波長が同時に構造的干渉を生じる場合を制限することが望ましい。なぜなら、そのような場合を制限することにより、光学センサ(この例ではカメラ)が見る色(又は強度)振動に対して、より良好な信号品質が提供されるからである。したがって、システムで利用される光のスペクトル範囲を制限することにより、構造的干渉を生じる波長の数が制限され、したがって改善された信号結果が提供され得る。したがって、光源のスペクトル範囲をカットするように調整されたフィルタが使用され得る。光フィルタリングは、ショートパスフィルタ、ロングパスフィルタ、又はバンドパスフィルタを含む様々なタイプのフィルタを介して実現され得る。フィルタは、システム内の様々な場所における光路に組み込むことができる。一例では、フィルタは、光源と基板との間に配置され得る。別の例では、フィルタは、基板とセンサとの間に配置され得る。このような場合、例示的な例として、フィルタをセンサの前に(又はセンサに接近させて)配置することが望ましい場合がある。現実性のある吸収信号をセンサで検出及び識別できる最小のスペクトル範囲が最適であり得る。例えば、一実施形態では、フィルタリングを実施して、40nmの波長範囲に、更により狭くは10nm範囲の波長範囲に、更により好ましくは5nmの波長範囲にしてもよい。
【0052】
材料自体の吸収特性も、実現性のある波長に影響を与え得る。したがって、スペクトル範囲/光源を共に最適化する代替的実施形態は、初期的には広帯域の光源をスペクトルフィルタホイールとペアリングさせることを伴う。スペクトルフィルタホイールは、特定の膜コーティング材料とその下にある基板の組み合わせに最も適した所望のフィルタリングに応じて、光路内へと回転させることができる様々なフィルタを提供することができる。一実施形態では、フィルタホイールは、複数のバンドパスフィルタを含み得る。このようにして、システムの使用中に遭遇し得る様々な異なる材料吸収特性に対して最適なスペクトルバンドの選択を可能にする共通のハードウェア設定が提供され得る。このようなシステムは、プロセスの柔軟性を提供する。更に、任意の所与のスペクトルフィルタの選択は、基板プロセスフローの特定のポイントにおいて、特定のコーティング材料に関するスピンコーティングレシピに組み込まれ得る。したがって、例えば、第1のフィルタで650nm~690nmを通過させ、第2のフィルタで710nm~750nmを通過させ、第3のフィルタで770nm~810nmを通過させ、第4のフィルタで830nm~870nmを通過させるバンドパスフィルタを有するフィルタホイールと併用して、広帯域光源が利用され得る。しかしながら、バンドパス範囲は単なる例示である。更に、利用されるバンドパス範囲は、監視されている膜厚に依存し得る(厚さが大きいほど、バンドパスにとってより狭い範囲を必要とし得る)。
【0053】
スペクトルフィルタホイールの概念の別の代替的な使用は、同じ波長を中心とする一連のバンドパスフィルタである(例えば、40nmバンドパスフィルタ、20nmバンドパスフィルタ、10nmバンドパスフィルタ、及び5nmバンドパスフィルタであって、これら全てのフィルタが同じ波長、例えば850nmを中心としている。このようなフィルタホイールが、異なる膜厚に対処するために利用され得る。信号に必要な最低のスペクトル範囲を使用してもよい(もし存在する場合は、より強い狭いバンドパスフィルタを使用する、より厚い膜、及び、より弱い広いバンドパスフィルタを使用する、より薄い膜)。しかしながら、範囲がより狭いバンドパスフィルタを使用すると、カメラシステムに入る光の量が制限される。したがって、5nmバンドパスフィルタを排他的に使用すると、非常に明るい光源なしでは、そのビデオを一般的な視聴目的で使用することはほぼ不可能になり得る。したがって、フィルタ処理しないブランクのセクションをフィルタホイールに挿入してもよい。フィルタ処理しないセクションのそのような使用の1つは、信号を見るために5nmバンドパスフィルタを必要とする非常に厚い膜を使用する場合であり得る。このような場合、フィルタホイールは、5nmバンドパスフィルタとブランクとの間をカメラの半分の周波数で振動して、処理条件の一般的なレビューに役立つフレームを有してもよく(1フレームおきにブランクがフィルタリングされ)、並びに、依然として、(フィルタリングされたフレームを使用することにより)バンドパス信号を膜厚の監視のために使用できるようにしてもよい。4つの選択可能なフィルタを提供することは単なる例示であり、システムは、より多くの又はより少ないフィルタを可能にするように構成され得ることが理解されるであろう。同様に、フィルタホイールの使用は単なる例示であり、記載される技術はホイールの使用に限定されないので、光源と光学センサとの間の光路内に異なるフィルタを選択的に配置するために、他の機構が利用され得る。
【0054】
第4の実施形態-光源及びカメラの向き
第4の実施形態では、光源及びカメラの物理的場所は、一緒に最適化される。より具体的には、反射率信号が収集されているとき、基板からの光源の0次反射が光学センサ(例えば、カメラ)に収集されていることを保証することにより、反射率信号強度を最大化し得る。これを行うことにより、下にある高反射率の回折格子からの光回折効果等の他のセンサ/光源の向きの関係において経験される他の効果も軽減される。反射率信号を確実にし且つ最大化するために、光源及びカメラの物理的場所が調整され得る。具体的には、1)光源及び光学センサの基準面(基板面に平行する)に対して同様の角度を維持すること、2)光源から基板の中心及び基板の中心から光学センサの距離関係を同様に維持すること、及び3)光源から対角線方向180度に位置する光学センサを有することが望ましい場合がある。これらの概念を示す例示的な場所を図5及び図6に示す。図5に示すように、光源92及びカメラ90は、基板59を基準にして配置される。光源92及びカメラ90の場所は、図の入射角505及び入射角510が同様となるように選択され得る。一実施形態では、入射角は、互いの20度以内にあり、より好ましい実施形態では10度以内にあり、更により好ましい実施形態では概ね同じである。更に、図5に示すように、光源92から基板59の中心までの距離は、dであってもよく、カメラ90から基板59の中心への距離は、同じ距離dであってもよい。一実施形態では、距離は、互いの10%以内であってもよく、別の実施形態では5%以内であってもよく、より好ましい実施形態では実質的に同じであってもよい。
【0055】
更に、図6に示すように、光源92及びカメラ90を互いの真向かいに配置することが望ましい場合がある。一実施形態では、光源92及びカメラ90は、互いから実質的に対角線方向180度にあり、別の実施形態では互いから対角線方向180度の10度以内に配置され、別の実施形態では互いから対角線方向180度の20度以内に配置される。対角線方向180度に近いほど、一般に改善された結果がもたらされることに留意されたい。図6は、そのような対角線関係をもたらす場所の2つの例示的なペアリングを示す。例えば、カメラ90は、場所605Aに配置されてもよく、光源92は、場所605Bに配置されてもよい。場所のこのペアリングにより、望ましい180度関係がもたらされる。同様に、代替の場所610A及び610Bが、光源92及びカメラ90に対して選択され得る。
【0056】
図5及び図6の配置は、上述した角度及び距離の利点を提供するための単なる例示の場所にすぎず、同じ角度及び距離の結果を達成するために他の場所が選択され得ることが理解されるであろう。
【0057】
第5の実施形態-ピクセルの選択
第5の実施形態は、データが基板のフレームにおいて収集されるピクセルの選択に関する。例えば、カメラのピクセル吸収特性におけるあらゆる小さな差、並びに画像ノイズ源(振動、移動するアーム、光源強度のわずかな変化、コーティングカップ外部の光環境等)をピクセル平均化する際の利点のために、基板を表す全てのピクセルが使用され得る。しかしながら、画像ノイズ源を含めることが望ましくない場合がある。また、全てのピクセルを使用すると、非0次反射を表すピクセルを含むことになる。しかしながら、ピクセルのサブセットのみの使用が、これらの問題に対処し、より正確なデータをもたらし得る。例えば、光源/光スペクトル範囲がカメラ吸収特性に十分に整合されていない(例えば、光源のスペクトルテールのみが、カメラによって吸収されるものである)場合、基板からのピクセルの全てを平均化すると信号の損失につながる。この問題に対処し、信号を再取得する一方法は、選択されるピクセルを、カメラフレームにおける光源の観測可能な一次反射内の及び/又はその近傍のピクセルのみに限定することである。カメラフレームにおける光源の観測可能な一次反射内の及び/又はその近傍のそのようなピクセルは、光源の0次反射を最も表すピクセルを表す。同様に、ピクセルのサブセットのみを選択することにより、領域ベースのノイズ源を排除することが可能になり得る。したがって、ピクセルの選択されたサブセットの使用により、基板上の状態に関するデータが抽出され得る改善された信号がもたらされ得る。ピクセルのサブセットが限定され得るエリアのサイズは、利用される光源とカメラとの組み合わせに強く依存し得る。
【0058】
図7は、分析のためにピクセルのサブセットのみを選択することの例示的な効果を示す。図7に示すように、カメラデータから経時的に取得された一連のフレームの平均グレースケール強度(分注開始の直後から処理の終了までの平均フレームを除去した後)のプロットである(したがって、x軸は経時的に収集されている)。プロット705は、カメラから収集された全ての画像にわたって得られた強度を表す。プロット710は、基板に対応する領域にデータが限定された場合に得られた強度を表す。これら両方のプロットに関して、ノイズ源及び広範囲の反射により、多くのフレームにわたって信号が周期的性質を失う大きいノイズエリアがもたらされることが分かる。プロット715及びプロット720は、基板のピクセルのサブセットのみが分析されたプロットである。ピクセルのサブセットが限定され得るエリアのサイズは、利用される光源とカメラとの組み合わせに強く依存し得る。例えば、850nmのIR LED光源及び一体型IRフィルタを有する第1のカメラを使用する場合、光源上の反射場所を狭く選択するために極度のピクセルマスキングすること、例えば基板エリアに対応するピクセルの10%、又は更に5%以下にピクセルを限定することが望ましい場合がある。しかしながら、IRバンドパスフィルタ及び850nmのIR LED源を有しない異なるカメラ(CMOSカメラ)を利用する別の実施形態では、反射信号を判定するには、ピクセルマスキングが、前述した例とは同じレベルではない場合がある(しかし、マスキングは、依然として、検出される信号の振幅を増大させ得る)。例えば、基板エリアに対応するピクセルの概ね半分のみのピクセルマスキングが利用され得る。プロットから分かるように、ピクセルのサブセットの使用は、より良好なノイズ特性を有する信号を提供する。
【0059】
第6の実施形態-カメラフレームレート及び基板回転速度
第6の実施形態では、コーティングされている基板上の下地パターンによって引き起こされる問題に対処する。例えば、下地の反射面は、コーティングプロセス中にパターンが回転するにつれて、極めて大きな回折効果を生み出し得る。したがって、絶えず変化する下地パターンがカメラで見える。これらの回折効果は、コーティングされている膜の特性を観察する能力を制限し得る。より具体的には、光源と回折効果を引き起こす回折格子の向きとの関係がフレームごとに変化するので、(下地パターンからの)回折効果はカメラのフレームごとに変化する。この場合、ピクセルの変化が、コーティングされた材料の厚さの変化に起因するのか、又は基板の向きの変化による回折効果の変化に起因するのかを知ることは困難であろう。図8A図8Cは、この問題を示す。図8Aは、基板805のカメラデータの第1のフレームと、第1のフレームにおいてピクセルデータが収集される基板805の第1の部分810とを示す。基板805の回転に起因して、カメラデータの第2のフレームでは、収集されたピクセルデータは、基板805の第2の部分815に対応する。同様に、カメラデータの第3のフレームでは、収集されたピクセルデータは、基板805の第3の部分820に対応する。したがって、収集されたピクセルデータは、基板805上の下地パターンの様々な向きを表すことになる。
【0060】
この第6の実施形態によれば、本明細書に開示される技術は、カメラのフレームレート(又はフレームレートの倍数)をコーティングプロセスのRPMに一致させる。この関係を同期させることにより、カメラは、カメラによりキャプチャされている各フレームにおいて、基板の同じ向きを見ていることになる。したがって、回折格子によって回折が依然として生じているが、それはフレーム間で一貫しているので、差し引いて、厚さの変化に関連する根底にある反射率信号を見ることができる。一実施形態では、光学センサのサンプリングレートと基板のスピンレートとは、5%以内で、別の実施形態では1%以内で同期され、より好ましい実施形態では実質的に同じである。この実施形態は、カメラシステムに関するフレームレートの最適化について論じているが、同様のサンプリング周波数の最適化を他のセンサ方法に用いることができる。したがって、カメラのフレームに関して説明されているが、光学センサのサンプリングレートと基板の回転スピンレートとを相関させることは、任意の光学センサに対して実行され得ることが理解されるであろう。図9A図9Cは、センサのサンプリングレートを基板の回転速度に一致させた影響を示す。より具体的には、図9Aは第1のフレームを示し、図9Bは第2のフレームを示し、図9Cは第3のフレームを示す。カメラフレームレートと基板の回転スピンレートが一致していることに起因して、基板の選択されたピクセルは、基板805の同じ共通部分825である。
【0061】
本明細書に記載される基板は、基板処理が望ましい任意の基板であってもよいことが理解されるであろう。例えば、一実施形態では、基板は、その上に1層以上の半導体処理層(それら全てが一緒に基板を構成し得る)が形成された半導体基板であってもよい。したがって、一実施形態では、基板は、多種多様な構造及び層をもたらす複数の半導体処理ステップが施された半導体基板であってもよく、それらの全てが基板処理技術において知られており、それらは基板の一部と考えることができる。例えば、一実施形態では、基板は、その上に1層以上の半導体処理層が形成された半導体ウェハーであってもよい。本明細書に開示される概念は、基板プロセスフローの任意の段階で利用されてもよいが、本明細書に説明された監視技術は、概して、基板が流体分注動作を受ける前、受けている間、又は受けた後に実行されてもよい。
【0062】
図10図15は、本明細書に記載される処理技術のいくつかを使用するための例示的な方法を示す。図10図15の実施形態は、単なる例示にすぎず、追加の方法が、本明細書に記載される技術を利用してもよいことが理解されるであろう。更に、記載されたステップは排他的であることを意図していないので、図10図15に示す方法に、追加の処理ステップが追加されてもよい。更に、ステップの順序は、異なる順序が生じる場合があり、且つ/又は様々なステップが組み合わせで若しくは同時に実施されてもよいので、図に示す順序には限定されない。
【0063】
図10は、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する例示的な方法を示す。この方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1005と、光学センサを提供するステップ1010であって、光学センサは検出された波長の光学範囲を有する、ステップ1010と、光源を提供するステップ1015であって、光源は光学範囲の上位50%だけの波長を提供する、ステップ1015と、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視するステップ1020とを含む。
【0064】
図11は、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する例示的な方法を示す。この方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1105と、カメラを提供するステップ1110であって、カメラは、近赤外スペクトル以上の波長の光を受光するように構成されている、ステップ1110と、光源を提供するステップ1115であって、光源は近赤外スペクトル以上の波長を提供する、ステップ1115と、近赤外スペクトル以上の波長におけるデータをカメラから取得して、基板上に分注された流体の状態を監視するステップ1120とを含む。
【0065】
図12は、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する例示的な方法を示す。この方法は、基板を流体分注システム内に提供するステップ1205と、波長のスペクトル範囲を有する光源を提供するステップ1210と、光学センサを提供するステップ1215であって、光学センサは、基板から反射された光源からの光を受光する、ステップ1215と、光源と光学センサとの間の光路内にフィルタを提供するステップ1220であって、フィルタは、光学センサにより受光された光の受光スペクトル範囲を狭める、ステップ1220と、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視するステップ1225とを含む。
【0066】
図13は、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する例示的な方法を示す。この方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1305と、光源を提供するステップ1310と、光学センサを提供するステップ1315であって、光学センサは、基板から反射された、光源からの光を受光する、ステップ1315と、基板で反射された光の0次反射が光学センサによって受光されるように、光学センサ及び光源の物理的場所を構成するステップ1320と、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視するステップ1325とを含む。
【0067】
図14は、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する例示的な方法を示す。この方法は、流体分注システム内に基板を提供するステップ1405と、光源を提供するステップ1410と、カメラを提供するステップ1415であって、カメラは、基板から反射される、光源からの光を受光する、ステップ1415と、カメラにコントローラを結合させるステップ1420であって、コントローラは、基板上に1つ以上の流体が分注されたときに、基板から反射された光に関するデータをカメラから受信するように構成され、コントローラは、基板上に分注された流体の状態を監視するために、カメラからのデータのピクセルのサブセットのみを選択的に考慮するようにデータを処理する、ステップ1420とを含む。
【0068】
図15は、流体分注システムの1つ以上の特性を監視する例示的な方法を示す。この方法は、流体分注システム内にチャックを提供するステップ1505であって、チャックはスピンするように構成されている、ステップ1505と、基板を流体分注システム内に提供するステップ1510と、第1の毎分回転数でチャックをスピンさせるステップ1515と、光源を提供するステップ1520と、光学センサを提供するステップ1525であって、光学センサは、基板から反射された、光源からの光を受光し、光学センサは、受光した光を第1のサンプリングレートでサンプリングする、ステップ1525と、第1の毎分回転数を第1のサンプリングレートに同期させるステップ1530と、光学センサからデータを取得して、基板上に分注された流体の状態を監視するステップ1535とを含み得る。
【0069】
本発明の更なる修正形態及び代替実施形態が、本明細書の記載を考慮すると当業者には明らかになるであろう。したがって、本明細書の記載は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され且つ記載された本発明の形態及び方法は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書で例示及び記載されたものの代わりに均等な技術を使用することができ、また、本発明の特定の特徴は、他の特徴の使用とは無関係に利用することができ、これらは、全て本発明の本明細書の記載の利益を享受した後に当業者に明らかになるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】