IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スミス アンド ネフュー インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲーの特許一覧 ▶ スミス アンド ネフュー ピーティーイー リミテッドの特許一覧

特表2023-512231二平面骨切り術部を形成するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(54)【発明の名称】二平面骨切り術部を形成するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20230316BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20230316BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20230316BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20230316BHJP
【FI】
A61B17/15
A61B17/17
A61B17/88
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545934
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021015715
(87)【国際公開番号】W WO2021155152
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】62/967,252
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/054,561
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/108,238
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トリー、ポール アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】コレラン、デニス
(72)【発明者】
【氏名】マローン、マイルズ
(72)【発明者】
【氏名】スルサルツ、ジョン アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マーサー、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ホルムベルク、レベッカ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
(57)【要約】
第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して決定および設置するための装置および方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属し、方法は、骨を部分的に切って、それを第1および第2の骨セグメントに分離することを含む、装置および方法が開示される。2つの骨セグメントは、骨ヒンジによって一緒に連結されており、2つの骨セグメントを互いに関連して設置することは、両方の骨セグメントをヒンジの周りで伸延させることを含み得る。ヒンジは、ヒンジの単一自由度の周りの両方の骨セグメントの伸延を可能にし、2つの実質的に直交する平面内の補正を提供するように構成され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付ける外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属し、前記方法は、
前記骨を部分的に切って、それを、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに分離するステップと、
両方の骨セグメントを前記骨ヒンジの周りで回転させるステップであって、前記骨ヒンジは、両方の骨セグメントを、前記骨ヒンジの単一自由度の周りで、2つの実質的に直交する補正面内での補正を提供する最終位置合わせまで回転させるように構成されている、ステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記2つの骨セグメントの前記最終位置合わせを得るための、骨セグメントの相対的三次元位置を決定する術前ステップであって、前記相対的三次元位置は、前記2つの実質的に直交する補正面についての回転を含む、術前ステップと、
両方の骨セグメントの前記相対的三次元位置に基づいて、前記骨ヒンジの配向を決定する術前ステップと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2つの実質的に直交する平面は、矢状面および冠状面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記骨ヒンジの前記配向を決定することは、検索テーブル、コンピュータプログラム、または機械的コンピュータのいずれかを使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記骨ヒンジの前記配向を決定した後、前記決定された配向に沿って前記骨に孔をドリル穿孔する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記骨ヒンジの前記配向を決定することは、前記骨の長手方向軸について、かつ前記骨を通る平面に対して、ヒンジ軸の回転角を決定することであって、前記平面は、前記矢状面または冠状面のいずれかに平行である、決定すること、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記骨ヒンジの前記配向を決定することは、前記骨の長手方向軸について、かつ前記骨を通る平面に対して、ヒンジ軸の回転角を決定することと、また、前記2つの骨セグメント間の最終くさび開き角も決定することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記最終くさび開き角を決定することは、検索テーブル、機械的コンピュータ、またはコンピュータプログラムのいずれかを使用することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
固定プレートを使用して、前記第1の骨セグメントを前記第2の骨セグメントと関連して、前記最終位置合わせに固定することであって、前記固定プレートは、両方の骨セグメントを前記骨ヒンジの前記単一自由度の周りで、前記2つの実質的に直交する補正面内の前記補正を提供する前記最終位置合わせまで回転させる結果として前記骨にかかる誘発負荷を提供するように構成されている、固定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の平面と前記第1の平面に垂直な第2の平面とを含む二平面補正を提供する、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付ける外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属し、前記方法は、
前記骨に部分的に切り込むことであって、切り込むことは、前記骨を、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに部分的に分離する部分的切り目を得るまで実施され、前記骨ヒンジは、前記骨を通る前記第1および第2の平面の両方に対して非ゼロの角度に配向されているヒンジ軸を規定する、切り込むことと、
前記第1の骨セグメントを前記第2の骨セグメントに関して、前記骨ヒンジの周りで単一自由度について回転させることであって、前記二平面補正を含み、かつ前記骨セグメントの対向側面が所定の角度だけ互いに分離される位置に到達する前記2つの骨セグメントの所望の三次元位置合わせを得るまで回転させることと、を含む、方法。
【請求項11】
内反補正角入力および前後方向傾斜補正角入力の両方を使用して、前記骨の長手方向軸について、かつ前記第1の平面に対して、ヒンジ軸角を事前決定することをさらに含み、前記骨に部分的に切り込むことは、前記事前決定されたヒンジ軸角に沿って孔をドリル穿孔することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒンジ軸角を事前決定することは、物理的図表、機械的コンピュータ、またはコンピュータプログラムを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記孔をドリル穿孔することは、事前計画ナビゲーションを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記孔をドリル穿孔することは、少なくとも3の自由度に従って作業ヘッドを動かすことができるコンピュータ操縦ロボットを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
切り込むことは、少なくとも3の自由度に従って動くように作業ヘッドが構成されているコンピュータ操縦ロボットであって、前記作業ヘッドは切断ツールを支持する、コンピュータ操縦ロボットを使用することによって実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
切り込むことは、切断ガイドを使用して実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付ける外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属し、前記方法は、
前記第2の骨セグメントに対する前記第1の骨セグメントの単一自由度の回転を提供する骨ヒンジの修正ヒンジ軸角を決定するステップであって、前記ヒンジ軸角は、2つの実質的に直交する平面の補正を含む前記2つの骨セグメントの最終所望位置合わせを考慮するステップと、
前記骨の周りに照準器アセンブリを設置し、前記照準器アセンブリのガイドチューブを第1の配向に配向するステップと、
前記ガイドチューブを前記照準器アセンブリの照準器アームに沿って動かして、ガイドチューブを前記修正ヒンジ軸角に沿って配向させるステップと、
前記ガイドチューブを通してドリルを挿入し、前記骨ヒンジの前記ヒンジ軸角を規定する孔を前記骨に形成するステップと、を含む、方法。
【請求項18】
前記ガイドチューブを動かすことは、前記ガイドチューブを前記照準器アームに沿ってスライドさせることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の配向は、前記2つの実質的に直交する平面の補正のうちの一方のみを考慮する配向として規定される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ガイドチューブは、ヒンジピンを受容するように構成されている、請求項17に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、すべてが「SYSTEMS AND METHOD FOR FORMING BIPLANAR OSTEOTOMIES」と題された、2020年1月29日出願の仮特許出願第62/967,252号、および2020年7月21日出願の仮特許出願第63/054,561号、および2020年10月30日出願の仮特許出願第63/108,238号の利益を主張し、これらは、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、
両方が「SYSTEM AND METHOD FOR HIGH TIBIAL OSTEOTOMY」と題された、2020年2月20日出願の共有特許出願PCT/US20/019094号、および2019年2月20日出願の仮特許出願第62/808129号を、参照により組み込む。
【0003】
この発明は、概して、手術装置および方法に関し、より具体的には、骨を再位置合わせするための二平面骨切り術部を形成するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
下肢の骨切り術は、膝の耐荷重性幾何学的形状を修正するための重要な技術である。例えば、脛骨の骨切り術は、膝関節の幾何学形状を調整して、体重を担う負荷を、関節の関節炎部分から関節の比較的影響のない部分へ移すことによって、膝変形性関節炎を治療し得る。別の例として、脛骨または大腿骨の骨切り術は、例えば出生時欠損、損傷、その他に起因する、異常な膝の幾何学形状に対処し得る。ほとんどの下肢骨切り術は、負荷が膝関節を横切って伝達される様態を調整するように設計される。脛骨の配向を調整する1つの方法は、図1Bに表されたくさび開き術であり、脛骨の上部に切り込みがなされ、骨ヒンジ81によって接続された脛骨の2つのセグメントを形成する。次いで、脛骨を操作して、2つのセグメントを分離し、骨内のくさび様の開口部を開き、次いで(例えば、骨に金属板をねじ込むことによって、または骨内の開口部にくさび形インプラントを挿入することによって)骨をこの位置に固定し、それによって、脛骨の下部を脛骨高平部に対して再配向し、したがって、負荷が大腿骨から脛骨に伝達される様態を調整する。図1Bは、大腿骨70と脛骨80との間の膝関節75に関連付けられた例示的なくさび開き高位脛骨骨切り術を示す。図1Bは、前後方向図である。膝関節75の第1の基準軸Aに対して選択された角度βでの平面的切り目90を作成することができる。これは、部分的切り目であり、すなわち貫通する切り目ではなく、平面的切り目90と脛骨80の外側表面との交点にある外部表面境界92から、図1Bに距離Lとして示された選択された切断深さにある第2の境界94まで延在することができる。第2の境界94は、図1Cに矢印Cによって示されるように、切り目90の第1および第2の対向面96、98の間のくさび角γを開くための(やはり数字94で参照される)ヒンジ軸線として機能する。第1および第2の境界92、94の位置、基準軸Aに対する平面的切り目90の角度β、およびくさび角γは、特定の患者の状態を補正するための術前計画段階の間に決定され得る。典型的には、これらはすべて、平面的切り目90が冠状面のみに沿って延在するように決定され、第2の境界(94)は、矢状面に実質的に平行な前後線を規定する。典型的には、これらはすべて、単一平面補正、この場合は冠状方向補正角に従って決定される。しかしながら、例えばACLまたはPCL状態をさらに補助するために、脛骨高平部の前後方向傾斜が、矢状面(図1Aを参照)内で傾く必要があり得るときがあり得る。したがって、これは、図2Aに表された、以下、二平面補正として定義される、2つの実質的に直交する補正を互いに重畳させる必要がある。これにより、残りの骨ヒンジ81がねじれる可能性があり、亀裂100が生じる可能性がある(図2Aおよび図2B)。図2Aの左側と同様の単一補正面骨切り術部を示す図1Cに戻って参照すると、追加の矢状面補正を提供するために、ここでは、第1および第2の対向面96、98のうちの少なくとも一方が、開き角γが前側から後側まで変化するように、互いに対して回転されねばならない。いくつかの試行解決策は、亀裂の伝播を最小限に抑えるために、切り目の頂点または境界94に応力解放孔を追加することを試みたが、これは処置のニーズに十分に対処しておらず、依然として亀裂が生じ得る。亀裂が検出された場合の他の試行解決策は、より保守的なリハビリ方式である。しかしながら、これには追加の術後フォローアップおよびケアが必要である。したがって、二平面補正を提供する、骨の2つのセグメントの位置合わせを補正しながら骨ヒンジにかかる応力を制御するための改善された方法およびシステムを提供する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
例示的な実施形態の詳細な説明のために、ここで、添付の図面を参照する。
【0006】
図1A】参照目的で、体を通る身体規定平面を示す。
図1B】参照目的で、冠状面内のみの脛骨骨切り術部を示す。
図1C】参照目的で、冠状面内のみで伸延された脛骨骨切り術部を示す。
図1D】参照目的で、冠状面内のみの、大腿骨骨切り術部の開かれて閉じられるくさびを示す。
図2A】矢状面に平行に配向され、それによって単一の平面のみを提供する骨ヒンジ軸または境界を有する二平面補正の考えられる結果を表す。
図2B】参照目的で、第2の直交補正を提供するために開口部をねじる間に形成された亀裂を有する骨ヒンジを示す。
図3A】それぞれ、膝関節の前後方向図(左)および矢状方向図(右)の画像を含むX線画像を表す。
図3B】それぞれ、膝関節の前後方向図(左)および矢状方向図(右)の画像を含むX線画像を表す。
図4A】本開示による、調整ヒンジ軸を計算するのに使用されるモデルを表す。
図4B】本開示による、内反角、AP角、および結果として得られる調整ヒンジ軸をグラフで表す。
図4C】本開示による、脛骨のいくつかの例示的な調整ヒンジ軸角を概略的に表す。
図4D】本開示による、脛骨のいくつかの例示的な調整ヒンジ軸角を概略的に表す。
図5A】本開示による、脛骨のいくつかの例示的な調整ヒンジ軸角を概略的に表す。
図5B】本開示による、脛骨のいくつかの例示的な調整ヒンジ軸角を概略的に表す。
図6A】本開示による、脛骨に、くさび開き二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図6B】本開示による、脛骨に、くさび開き二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図6C】本開示による、脛骨に、くさび開き二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図7A】本開示による、大腿骨に、閉じ合わせくさび状二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図7B】本開示による、大腿骨に、閉じ合わせくさび状二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図7C】本開示による、大腿骨に、閉じ合わせくさび状二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図7D】本開示による、大腿骨に、閉じ合わせくさび状二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図7E】本開示による、大腿骨に、閉じ合わせくさび状二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図7F】本開示による、大腿骨に、閉じ合わせくさび状二平面骨切り術を実行するための例示的な方法およびシステムを概略的に表す。
図8A】本開示による、ヒンジピンを骨に、標的修正角に設置するための照準器アセンブリおよびその構成要素を示す。
図8B】本開示による、ヒンジピンを骨に、標的修正角に設置するための照準器アセンブリおよびその構成要素を示す。
図8C】本開示による、ヒンジピンを骨に、標的修正角に設置するための照準器アセンブリおよびその構成要素を示す。
図8D】本開示による、ヒンジピンを骨に、標的修正角に設置するための照準器アセンブリおよびその構成要素を示す。
図8E】本開示による、ヒンジピンを骨に、標的修正角に設置するための照準器アセンブリおよびその構成要素を示す。
図9】本開示による前側切断ガイドを示す。
図10A】本開示による、骨延展器の様々な図を示す。
図10B】本開示による、骨延展器の様々な図を示す。
図10C】本開示による、骨延展器の様々な図を示す。
図10D】本開示による、骨延展器の様々な図を示す。
図10E】本開示による、骨延展器の様々な図を示す。
図10F】本開示による、骨延展器の様々な図を示す。
図11A】本開示による、代替骨延展器の実施形態の様々な図を示す。
図11B】本開示による、代替骨延展器の実施形態の様々な図を示す。
図11C】本開示による、代替骨延展器の実施形態の様々な図を示す。
図12A】本開示による、複合アパーチャを有する骨プレートの様々な図を示す。
図12B】本開示による、複合アパーチャを有する骨プレートの様々な図を示す。
図12C】本開示による、複合アパーチャを有する骨プレートの様々な図を示す。
図12D】本開示による、複合アパーチャを有する骨プレートの様々な図を示す。
図13A】本開示による、修正ヒンジ軸角を有する骨ヒンジにかかるトルクと、結果として得られる好ましいプレート位置とを示す。
図13B】本開示による、修正ヒンジ軸角を有する骨ヒンジにかかるトルクと、結果として得られる好ましいプレート位置とを示す。
図13C】本開示による、修正ヒンジ軸角を有する骨ヒンジにかかるトルクと、結果として得られる好ましいプレート位置とを示す。
図14A】本開示による、骨ヒンジにかかるトルクを減少させるための位置に設置されるように構成された、複合アパーチャを有する骨プレートの代替実施形態を示す。
図14B】本開示による、骨ヒンジにかかるトルクを減少させるための位置に設置されるように構成された、複合アパーチャを有する骨プレートの代替実施形態を示す。
図15A】本開示による、ヒンジ軸角を修正した結果として、脛骨にかかるねじりモーメントを減少させるように構成された骨プレートの代替実施形態を示す。
図15B】本開示による、ヒンジ軸角を修正した結果として、脛骨にかかるねじりモーメントを減少させるように構成された骨プレートの代替実施形態を示す。
図15C】本開示による、ヒンジ軸角を修正した結果として、脛骨にかかるねじりモーメントを減少させるように構成された骨プレートの代替実施形態を示す。
図15D】本開示による、ヒンジ軸角を修正した結果として、脛骨にかかるねじりモーメントを減少させるように構成された骨プレートの代替実施形態を示す。
図15E】本開示による、ヒンジ軸角を修正した結果として、脛骨にかかるねじりモーメントを減少させるように構成された骨プレートの代替実施形態を示す。
図16A】本開示による、骨ヒンジへの圧迫を調整するためのシステムを示す。
図16B】本開示による、骨ヒンジへの圧迫を調整するためのシステムを示す。
図16C】本開示による、骨ヒンジへの圧迫を調整するためのシステムを示す。
図16D】本開示による、骨ヒンジへの圧迫を調整するためのシステムを示す。
図17A】外部圧迫ツールを使用して骨ヒンジを圧迫する方法を示す。
図17B】外部圧迫ツールを使用して骨ヒンジを圧迫する方法を示す。
図17C】外部圧迫ツールを使用して骨ヒンジを圧迫する方法を示す。
図18A】脛骨のくさび開き骨切り術部と同時に、ACL修復または再建術のプレートおよび方法を示す。
図18B】脛骨のくさび開き骨切り術部と同時に、ACL修復または再建術のプレートおよび方法を示す。
図18C】脛骨のくさび開き骨切り術部と同時に、ACL修復または再建術のプレートおよび方法を示す。
【発明の概要】
【0007】
特定のシステム構成要素を指すために、様々な用語が使用される。異なる集団が異なる名前で構成要素を参照する可能性があり、この文書は、名前は異なるが機能は異ならない構成要素を区別する意図はない。以下の説明および特許請求の範囲において、「含む」および「備える」という用語は、制限のない方法で使用され、したがって、「含むが、これらに限定されない」を意味する。また、「結合」または「結合する」という用語は、間接的または直接的な接続のいずれかを意味することが意図される。したがって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接接続によるか、または他のデバイスおよび接続を介する間接接続によるかであり得る。
【0008】
概して、この開示は、膝のくさび開き脛骨骨切り術であり得る、骨にくさびを形成することを含み得る、骨の再位置合わせを対象とし、所定のまたは計算された頂点を有する切り目を提供することが意図される。この所定の頂点または境界は、骨切り術部を開く間の回転軸を規定し、軸は、冠状方向補正および矢状方向補正の両方を組み込むように決定される。既存の方法は、図1B図1Dを参照して説明されるように、単一平面補正のみを考慮する骨切り術部90を形成することを含むが、この開示は、骨ヒンジの境界または軸を、以下「二平面補正」または「二平面骨切り術」と称する、互いに重畳させた2つの直交する補正面を提供するように計算または決定され得る、骨の長手方向軸A-Aの周りの回転角θを含むように修正する。2つの直交する平面は、矢状面および冠状面の両方に非ゼロ補正を含む。この回転角θは、以下「修正ヒンジ軸」角と称する、結果として得られるヒンジ軸の角度または配向を規定し得る。冠状面のみのように、単一平面補正のみを考慮して骨切り術部が形成され、次いで、骨切り術部をねじって第2の平面補正を提供する方法と比較して、この方法は、骨ヒンジをねじることの必要性を回避または低減する。これにより、骨ヒンジを弱体化したり、骨ヒンジに集中的な応力を発生させたり、または骨ヒンジを亀裂させたりすることが緩和され得る。二平面補正は、単一平面骨切り術部を形成することを含み得、単一平面は、2つの直交する平面の補正を提供する角度に配向される。発明はまた、同様の原理を利用して、閉じ合わせくさび状脛骨骨切り術も対象とし得る。例えば、図1Dでは、本発明は、大腿骨70の骨切り術のために実施され得る。本発明は、任意の骨の閉じ合わせくさび状骨切り術のために実施され得る。図1Dでは、骨は、境界94、95および96の間のくさびとして除去され得、骨は、閉位置または当接位置まで回転される(矢印を参照)。本発明は、境界の改善された配向を決定する。本発明は、非ゼロである2つの重畳させた実質的に直交する補正角が所望される、任意の骨の任意の骨切り術のために実施され得る。
【0009】
様々な実施形態が、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付ける外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属する、方法を対象とする。方法は、骨を部分的に切って、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに分離することと、両方の骨セグメントを骨ヒンジの周りで伸延または回転させることであって、骨ヒンジは、骨ヒンジの単一自由度の周りで両方の骨セグメントを回転させ、かつ2つの実質的に直交する補正面を提供するように構成されている、伸延または回転させることと、を含み得る。図2Aに示されたように骨ヒンジをねじることで、骨セグメントを少なくとも2の自由度で伸延または回転させる。いくつかの実施形態では、方法は、2つの骨セグメントの最終的な所望の位置合わせを得るための、両方の骨セグメントの相対的三次元位置を決定する術前ステップであって、相対的三次元位置は2つの実質的に直交する補正面を含む、術前ステップと、骨ヒンジの配向および位置を決定する術前ステップと、を含み得る。いくつかの実施形態では、2つの実質的に直交する平面は、矢状面および冠状面を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジの配向および位置を決定することは、検索テーブルを使用することを含む。いくつかの実施形態では、ヒンジの配向および位置を決定することは、コンピュータプログラムを使用することを含む。他の実施形態では、ヒンジの配向および位置を決定することは、機械的コンピュータを使用することを含み、その場合、2つの角度が、カムおよびリンケージを介して回転およびくさび角を機械的に解決する機械的構造に入力され得る。いくつかの実施形態では、骨ヒンジの配向および位置を決定した後、方法は、決定された配向および位置でヒンジ軸を形成するための孔を、骨にドリル穿孔することを含み得る。いくつかの実施形態では、骨ヒンジの配向および位置を決定することは、骨の長手方向軸について、骨の垂直面または矢状面に対するヒンジ軸の回転角(θ)を決定することを含む。方法は、2つの骨セグメントの最終的な所望の位置合わせを得るための、両方の骨セグメントの相対的三次元位置を決定する術前ステップであって、相対的三次元位置は、2つの実質的に直交する補正面を含む術前ステップと、最終くさび開き角を決定する術前ステップと、を含み得る。方法は、検索テーブルまたはコンピュータプログラムのいずれかを使用して、最終くさび開き角を決定することを含み得る。方法は、2つの骨セグメントを最終くさび開き角まで回転させることを含み得る。
【0010】
第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付けるための代替的な外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属する、方法が開示される。方法は、骨に部分的に切り込むことであって、切り込むことは、骨を、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに部分的に分離する部分的切り目を得るまで実施され、骨ヒンジは、骨に、矢状面に対して非ゼロの角度に配向されているヒンジ軸を規定する、切り込むことを含む。方法はまた、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントに関して、骨ヒンジを中心に単一自由度について回転させることであって、本明細書で定義されるような二平面補正を含み、かつ骨セグメントの対向側面が所定の開き角だけ互いに分離される位置に到達する、2つの骨セグメントの所望の三次元位置合わせを得るまで回転させることも含む。いくつかの実施形態では、方法はまた、標的の内反補正角入力および標的の前後方向傾斜補正角入力を使用して、矢状面に対するヒンジ回転角を決定し、したがって、単一自由度の周りでの第2の骨セグメントに関する第1の骨セグメントの回転を提供するヒンジ軸角を規定することも含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、物理的図表を使用してヒンジ回転角(θ)を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、コンピュータプログラムを使用してヒンジ回転角(θ)を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、孔をドリル穿孔し、したがって、骨ヒンジ軸を作成することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、事前計画ナビゲーションを使用して孔をドリル穿孔することを含み得る。いくつかの実施形態では、孔は、少なくとも3の自由度に従って作業ヘッドを動かすことができるコンピュータ操縦ロボットを使用して、ドリル穿孔され得る。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも3の自由度に従って作業ヘッドを動かすことができるコンピュータ操縦ロボットを使用することによって実施される、骨を切ることであって、作業ヘッドは切断ツールを支持する、切ることを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、切断ガイドを使用して切断ツールの配向を案内することを含み得る。
【0011】
第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付ける外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属する、方法を実施するために、少なくとも3の自由度に従って可動である作業ヘッドを有するコンピュータ操縦ロボットを制御するさらなる方法が開示される。切断ツールが作業ヘッドに結合される場合、この方法は、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに骨を部分的に分離する部分的切り目を得るまで、切断ツールに骨を部分的に切らせることであって、骨ヒンジは単一ヒンジ軸を規定する、切らせることを含む。方法はまた、2つの骨セグメントを単一自由度について回転させて、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントに対して、2つの実質的に直交する平面内の非ゼロの補正を含む所望の配向に再配向することも含む。いくつかの方法では、2つの実質的に直交する平面は、冠状方向補正および矢状方向補正を含み得る。いくつかの方法では、コンピュータ制御ロボットは、コンピュータと通信し得、コンピュータは、術前にまたは術中に、部分的切り目の位置および方向を決定するように構成され、その深さを計算し、2つの骨セグメントの最終的な所望の位置合わせを得るのに必要な、第2の骨セグメントに関する第1の骨セグメントの開き角および相対位置を計算し、最終的な所望の位置合わせは二平面補正を含む。
【0012】
プロセッサによって実行されると、プロセッサに、骨の第1の補正角を示す値を受信させ、かつ第1の補正角に実質的に直交する、骨の第2の補正角を示す値を受信させるように構成されているプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体も開示される。このプロセッサは、第1の補正角および第2の補正角の両方を含む修正骨ヒンジ軸角を示す値を決定するように構成される。このプロセッサはまた、第1の補正角および第2の補正角の両方を提供する、骨の第2の骨セグメントに対する骨の第1の骨セグメントの最終くさび開き角を示す値を決定するようにも構成され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、少なくとも3の自由度に従って可動である作業ヘッドを有するコンピュータ操縦ロボットに通信可能に結合され得、プログラムは、プロセッサによって実行されると、コンピュータ操縦ロボットに、作業ヘッドを、プロセッサによって決定された、決定された修正骨ヒンジ角に、配向させるように構成される。いくつかの実施形態では、コンピュータ操縦ロボットは、決定された修正骨ヒンジ角に作業ヘッドを配向するのを助けるように構成された、ナビゲーションセンサと通信し得る。いくつかの実施形態では、切断ツールが作業ヘッドに結合される場合、プロセッサは、コンピュータ操縦ロボットに、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに骨を部分的に分離する部分的切り目を得るまで、骨を切断ツールで部分的に切らせるように構成され得、骨ヒンジは、修正骨ヒンジ軸に配向される。いくつかの実施形態では、ドリル穿孔ツールが作業ヘッドに結合される場合、プロセッサは、コンピュータ操縦ロボットに、修正骨ヒンジ軸に沿って骨にドリル穿孔させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、くさび開きツールが作業ヘッドに結合される場合、プロセッサは、コンピュータ操縦ロボットに、単一自由度について、第2の骨セグメントに対して第1の骨セグメントを回転させることによって、2つの骨セグメントを最終くさび開き角まで伸延させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、切断ガイドが作業ヘッドに結合される場合、プロセッサは、コンピュータ操縦ロボットに、切断ガイドを、決定された修正骨ヒンジ軸に従う所望の配向に配向させるように構成され得る。
【0013】
加えて、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントと関連して取り付ける例示的な外科的方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属し、方法は、第2の骨セグメントに対する第1の骨セグメントの単一自由度の回転を提供する骨ヒンジの修正ヒンジ軸角を決定するステップであって、修正ヒンジ軸角は、2つの実質的に直交する平面の補正を含む2つの骨セグメントの最終的な所望の位置合わせを考慮する、ステップを含む、方法が、本明細書に開示される。次いで、照準器アセンブリが骨の周りに設置される。方法は、照準器アセンブリのガイドチューブを第1の配向に配向することと、次いで、ガイドチューブを照準器アセンブリの照準器アームに沿って動かして、決定された修正ヒンジ軸角に沿ってガイドチューブの軸を配向することと、を含み得る。次いで、ドリルをガイドチューブに挿入して、骨に孔を形成し得、孔の軸は、骨ヒンジの修正ヒンジ軸を規定する。いくつかの例示的な方法では、ガイドチューブを動かすことは、照準器アームに沿ってガイドチューブをスライドさせることを含む。ガイドチューブを動かすことは、修正ヒンジ軸角に相関する、照準器アセンブリ上に示された標的数値まで、ガイドチューブを動かすことを含み得る。照準器アセンブリを設置することは、まず、骨の後側部分の周りに後側レトラクタを設置することと、後側レトラクタのスロット内に照準器アームを結合して、骨の内側かつ前側の部分の周りに照準器アームを設置することと、を含み得る。ガイドチューブを第1の配向に配向することは、後側レトラクタから延在するハンドルを操作することを含み得る。第1の配向は、2つの実質的に直交する平面の補正のうちの一方のみを考慮する配向として規定され得る。例示的な方法はまた、ガイドチューブからドリルを取り外すことと、ガイドチューブを通してヒンジピンを挿入することと、も含み得る。例示的な方法は、ドリル穿孔された孔にヒンジピンを挿入して、後側レトラクタの一部分に確実に係合させることを含み得る。例示的な方法は、後側レトラクタから照準器アセンブリを取り外すことと、ヒンジピンを孔の中に、後側レトラクタと結合させたまま残すことと、骨切り術切断ガイドを後側レトラクタおよびヒンジピンに結合することと、を含み得る。
【0014】
所定の修正ヒンジ軸角で骨に孔を形成するための、照準器アセンブリの例示的な実施形態が、本明細書に開示される。例示的なアセンブリは、レトラクタに連結し、骨の外側部分の周りに延在する照準器アームを含む。アセンブリはまた、照準器アームに結合され、照準器アームに沿って動き、それによって骨の周りを動き、骨に対するガイドチューブの配向を変えるように構成されたガイドチューブも含む。ガイドチューブは、それを通して骨の孔を形成する手段を受容するように構成されている。ガイドチューブおよび照準器アームは各々、修正ヒンジ軸角に対するガイドチューブの配向に相関する値を示すために互いに協力する指示マーカーを含む。いくつかの例示的な実施形態では、ガイドチューブは、照準器アームにスライド式に結合される。いくつかの例示的な実施形態では、ガイドチューブはまた、骨にヒンジピンを設置するために、それを通るヒンジピンを受容するようにも構成されている。いくつかの実施形態では、ガイドチューブは、ヒンジピンをレトラクタの係合機構の方へ向ける。指示マーカーは、修正ヒンジ軸角に相関する、照準器アーム上の数値を含み得る。数値は、基準角に対して最大31度の修正ヒンジ軸角を提供し得る。基準角は、骨に対する、単一補正面を考慮する角度を規定し得、修正ヒンジ角は、二平面補正を考慮する。ガイドチューブおよび照準器アームは、ヒンジピンおよびレトラクタから接続解除されるように構成され、ヒンジピンおよびレトラクタは、互いに結合されたまま残され、ヒンジピンは骨の孔を通ったままになる。
【0015】
骨切り術部の2つの対向側面を分離するための、層状延展器の例示的な実施形態もまた、本明細書に開示される。例示的な層状延展器は、骨切り術部の2つの側面の間に滑り込むようにテーパ状にされた遠位端を有するベースを含み得る。層状延展器はまた、近位自由端を有し、ベース遠位端に隣接してベースに枢動可能に結合されたリフタであって、ベースに対して回転して、ベースとリフタとの間に空洞を画定するリフタも含み得る。層状延展器はまた、ベースに動作可能に結合されたくさび構造であって、空洞に沿ってくさび構造のくさびを軸方向に動かして、リフタを回転させ、骨切り術部の2つの側面の分離角を規定するように構成されたくさび構造も含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、くさび構造は、ベースの長手方向軸に平行に配向され、くさびに結合されて動作可能な送りねじを含む。送りねじを回転させると、くさびが空洞に沿って軸方向に動く。くさびは、くさびの上面の離散的部分で、リフタと係合し得る。くさびの上面は、空洞内に配置され得、かつリフタから離間され得る。くさびは、骨切り術部の2つの側面の分離値を示すように構成された位置で、リフタと係合し得る。
【0016】
第1の骨セグメントを第2の骨セグメントに関連して取り付ける例示的な方法であって、両方のセグメントは同じ骨に属し、方法は、骨に部分的に切り込むことであって、切り込むことは、骨を、骨ヒンジによって一緒に連結された2つの骨セグメントに部分的に分離する部分的切り目を得るまで実施される、切り込むこと、を含む方法が開示される。骨ヒンジは、二平面補正を考慮するように配向されている修正ヒンジ軸角を規定し得る。方法はまた、骨セグメントの対向側面が所定の開き角だけ互いに分離されている、2つの骨セグメントの所望の三次元位置合わせを得るまで、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントに関して、骨ヒンジの周りで単一自由度について回転させることも含む。方法はまた、骨プレートを用いて2つの骨セグメントの所望の三次元位置合わせを固定することであって、骨プレートは、骨係合表面と、それを貫く孔とを含み、係合表面の輪郭、および孔のうちの少なくとも1つの配向は、少なくとも部分的に、修正ヒンジ軸角を考慮するように構成されている、固定すること、を含む。いくつかの実施形態では、骨プレートの骨係合表面は、修正ヒンジ軸とほぼ平行である骨の第1および第2のセグメントの好ましい位置の輪郭に整合するように輪郭形成されている。いくつかの実施形態では、骨プレートの骨係合表面は、修正ヒンジ軸にほぼ対向する位置にプレートを位置付けるように輪郭形成されている。いくつかの例示的な実施形態では、プレートを貫く孔のうちの少なくとも1つは、互いにある角度で配向されている2つの重複するねじ孔を含む複合アパーチャを画定する。2つの重複するねじ孔間の角度は、修正ヒンジ軸によって少なくとも部分的に規定され得る。単一補正面のみのためのヒンジ軸に対してより大きな所定の修正ヒンジ軸の場合、2つの重複する孔の軸間の角差は、低減される。いくつかの例示的な方法では、骨は、膝の骨であり、方法はまた、ACLを再建するために骨にトンネルを形成することを含み得、2つの重複するねじ孔は、それを通る少なくとも1つの固定部材を、骨のトンネルを回避する方向に設置するように構成される。いくつかの例示的な方法では、プレートを貫く孔は、それを通って延在する固定部材を第1の角度に配向するように構成された下側の複数の孔と、それを通って延在する固定部材を、修正ヒンジ軸から生じる骨に沿ったねじれを考慮するように構成されたオフセット角を規定する、第1の角度に対して異なる角度で配向するように構成された上側の複数の孔とを画定する。単一補正面のみのためのヒンジ軸に対する修正ヒンジ軸が大きいほど、オフセット角は大きくなる。
【0017】
2つのセグメントが骨ヒンジの周りで伸延された後、同じ骨の第1の骨セグメントを第2のセグメントに対して固定するための別の例示的なプレートが、本明細書に開示される。骨ヒンジは、単一自由度について回転するように構成され得、かつ、骨セグメントの対向側面が所定の開き角だけ互いに分離されている、2つの直交する補正面を考慮する2つの骨セグメントの所望の三次元位置合わせを得るための修正ヒンジ角軸に配向され得る。プレートは、修正ヒンジ角軸を考慮する好ましい位置のプレートの表面と整合するように構成された骨係合表面を含み得る。いくつかの実施例では、骨は、膝の骨であり、ACLを再建または修復するためにトンネルが形成され得る。プレートは、同時的なACL修復または再建を提供するように固定部材を向けるように構成された、プレートの上側部分を貫くアパーチャを含み得る。固定部材は、アパーチャを通って延在し、それを通して形成されたトンネルに隣接するが、交差し得ない。いくつかの例示的な実施形態では、アパーチャは、互いに対してある角度で配向されている2つの重複するねじ孔を含む複合アパーチャを画定し、角度は、少なくとも部分的には、修正ヒンジ軸角によって規定される。単一補正面のみのためのヒンジ軸に対してより大きな所定のヒンジ軸角の場合、2つの重複する孔間で、角度はより小さい。2つの重複するねじ孔は、ACLを再建するためのトンネルを回避する方向に、それを通る少なくとも1つの固定部材を設置するように構成されている。いくつかの例示的な実施形態では、プレートの骨係合表面は、伸延部を横切りかつ修正ヒンジ軸角にほぼ対向する好ましい位置で、骨の表面輪郭に整合するように輪郭形成される。プレートは、それを通って延在する第1の固定部材を第1の角度に配向するように構成された下側の複数のアパーチャと、それを通って延在する固定部材を、修正ヒンジ軸角に起因する骨に沿ったねじれを考慮するように構成された、第1の角度に対してオフセット角に配向するための上側の複数のアパーチャとを規定する、プレートを貫く複数のアパーチャを含み得、単一補正面のみのためのヒンジ軸に対して修正ヒンジ軸角が大きいほど、オフセット角はより大きい。
【0018】
加えて、くさび開き骨切り術部の骨の外側ヒンジを圧迫するための骨プレート撓曲システムであって、骨プレートおよび留め具と共に使用するための撓曲システムが開示される。骨プレートは、ねじ孔と係合してそれを通る複数の留め具を受容するための複数のねじ孔を規定する。骨プレートは、骨に接触する第1の表面と、反対側の第2の外側表面と、第1の表面と第2の表面との間の寸法に延在する厚さとを含む。システムは、ハンドル端と、複数のねじ孔のうちの第1のねじ孔とねじ込み式に係合するためねじ切り端とを有する第1のシャフトを含む。システムはまた、ハンドル端と、複数のねじ孔のうちの第2のねじ孔とねじ込み式に係合するためのねじ切り端とを有する第2のシャフトも含む。第1シャフトおよび第2シャフトは、各々、長手方向軸を規定する。システムはまた、両方のシャフトのハンドル端に係合するように構成された遠位端を有する装置を含む。装置はまた、骨プレートと係合している間に、第1および第2のシャフトのハンドル端を互いに対して動かし、それによって骨プレートを弾性的に撓曲させるための作動手段も含む。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、装置は、骨プレートを、弾性的に撓曲した構成に維持する手段を含む。第1および第2のシャフトは、両方が、ドリルガイドを規定し得る。第1および第2のシャフトのねじ切り端は、ねじ切り端がプレートの第1の表面を超えて延在し、第1の表面と骨との間に局所的なスタンドオフを形成するように、プレートの厚さよりも長い長さを規定し得る。第1および第2のシャフトの端部は、独立して、骨プレートと係合可能であり得、かつ手動で係合および係合解除され得る。第1および第2のシャフトの端部は、両方が、複数の孔のうちの第3の孔のいずれかの側に配置されている骨プレートの孔と係合し得る。第1および第2のシャフトの端部は、両方が、下側端部および上側端部など、プレートの反対側の端部に配置されている骨プレートの孔と係合し得る。第1および第2のシャフトの端部は、両方が、骨切り術伸延部の各側に1つずつある骨プレートの孔に係合し得る。
【0020】
骨プレートを弾性的に撓曲させ、それによってくさび開き骨切り術部の骨ヒンジを圧迫する方法もまた、本明細書に開示される。骨プレートは、くさび開き骨切り術部を安定させ、骨切り術部の上側で固定するための上側部分と、骨切り術部の下側側面で固定するための下側部分とを含む。方法は、骨の骨切り術部に隣接して骨プレートを設置することであって、骨プレートは、プレートの上側部分を貫いて配置された第1の複数のねじ孔と、プレートの下側部分を貫いて配置された第2の複数のねじ孔とを有する、設置することを含む。プレートの上側部分は、骨に固定される。第1の細長い本体を、第1の複数の孔の孔のうちの1つと係合させ、第2の細長い本体を、第2の複数の孔のうちの1つと係合させる。次いで、プレート撓曲ツールを、第1および第2の細長い本体と係合させる。プレート撓曲ツールを使用して、第1および第2の細長い本体を介して、力を加え、プレートをプレートの長手方向軸に沿って弾性的に撓曲させる。力を加えている間、骨プレートは、第1の細長い本体と第2の細長い本体との間の離間した位置で、骨にさらに固定され、それによって骨ヒンジを圧迫する。いくつかの例示的な方法では、プレートを弾性的に撓曲させる力を加えることにより、プレートの下側部分を骨からさらに遠ざける。方法は、骨プレートの一部分を、第1の本体と第2の本体との間の離間した位置で、骨に固定した後、プレート撓曲ツールを第1および第2の細長い本体から解放し、それによってプレートの下側部分を骨の方へ弛緩させることを含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明は、発明の様々な実施形態を対象とする。これらの実施形態のうちの1つ以上が好ましい可能性があるが、開示される実施形態は、特許請求の範囲を含む、開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないし、または他の方法で使用されるべきではない。加えて、当業者は、以下の説明が広範な応用を有し、任意の実施形態の説明はその実施形態の例示のみを意味し、特許請求の範囲を含む開示の範囲がその実施形態に限定されることを暗示する意図はないことを理解するであろう。
【0022】
開示は、概して、骨切り術部を含み、2つの実質的に直交する平面内の補正を用いる骨位置合わせを提供する位置合わせ調整を、決定、形成、および固定するための改善された方法およびシステムを含み得る。この開示は、同時骨位置合わせ調整を含む、ACL修復または再建術の改善されたシステムおよび方法を含み得る。これらの方法およびシステムは、2つの実質的に直交する平面を含む標的の骨位置合わせを提供する、修正されたくさび開き角または閉じ合わせくさび角および骨ヒンジ軸を決定し得る。これらの2つの実質的に直交する平面は、体の矢状面および冠状面であり得る。この開示はまた、2つの実質的に直交する平面の周りの標的の骨位置合わせを提供するための、改善されたヒンジ開き角およびヒンジ軸を計算または決定することを含む方法を含み得る。このヒンジ開き角およびヒンジ軸は、単一自由度のみについて骨切り術部を回転させ、それによって、二平面位置合わせを提供するための骨ヒンジのねじれを必要としないように構成される。この開示はまた、骨にかかる力およびねじれを変化させることを提供する、この改善された骨切り術部切り目角および/ヒンジ線ならびにヒンジ開き角を形成および維持するためのシステムを含む。骨切り術部は、高位脛骨骨切り術部、または下位(または遠位)大腿骨骨切り術部の一部であり得る。骨切り術は、肩肘腕(縫合)再位置合わせの一部であり得る。骨切り術は、くさび開き骨切り術または閉じ合わせくさび状骨切り術を含む処置の一部であり得る。閉じ合わせくさび状骨切り術では、くさび状の骨が除去され、2つのセグメントが、互いに向かって回転される。したがって、この開示はまた、除去されると、2つのセグメントの回転が、それらを単一自由度の周りで回転させ、二平面補正を提供するように、除去されるべきくさび状の骨のサイズ、角度、および位置に関連付けられたパラメータを決定することを含み得る。
【0023】
2つの実質的に直交する平面を含む所望の補正角は、処置の術前計画段階の間に決定され得る。例えば、一連のいくつかの術前医療画像およびデータ(例えば、X線エコー、MRI、またはCATスキャン)を使用して、外科医は、患者の病理学的角度HKA(股-膝-踝)または代替的にSEW(肩、肘、手首)を知る。例えば、図3Aおよび図3Bに表されているのは、一般にX線によって撮影された脛骨の2つの図を表す。図3Aは、別様には冠状面内の補正として定義される、内反補正を決定するのに使用される、前後方向図を示す。図3Bは、別様には矢状面内の補正として定義されるAP補正を決定するのに使用される、矢状方向図である。これらの所望の角度に基づいて、コンピュータは、2つの骨セグメントの所望の標的位置合わせを決定するように構成され得る。コンピュータは、一連の数理式、または検索テーブルを含み得る。コンピュータは、医療画像データに基づいて現在の解剖学的配向を自動的にモデル化し、ヒンジ軸の標的の配向を決定し得る3Dモデル化プログラムを含み得る。代替的または追加的に、コンピュータは、骨表面上の開始位置(92)、矢状面および冠状面に対する配向、行く先の部分的切り目の深さ、骨セグメントの伸延または回転後のヒンジのくさび開き角、および第2の骨セグメントに関する第1の骨セグメントの相対的三次元位置のうちの少なくとも1つを決定し得る。コンピュータは、医療画像データに基づいて現在の解剖学的配向を対話形式でモデル化し、外科医が標的の骨位置合わせを修正し、行く先の部分的切り目の位置、方向、および深さ、骨セグメントの回転後のヒンジの開き角、ならびに第2の骨セグメントに関する第1の骨セグメントの相対的三次元位置のうちの少なくとも1つを決定することを可能にし得る3Dモデル化プログラムを含み得る。コンピュータは、「アプリ」を含むタブレットの形態であり得、外科医または外科技師に情報を提供し得る。コンピュータは、仮想モデルを用いて解剖学的構造を登録した後、切断ツール、ガイド、および/またはドリルを所望の位置および配向に設置するように構成されたロボットおよび/または外科用ナビゲーションシステムもしくは3Dローカライザと(直接にまたは無線で)通信し得る。
【0024】
コンピュータはまた、高位脛骨骨切り術(HTO)を伴う前十字靭帯(ACL)再建術などの複合手術にも対処し得る。この例では、ACL再建トンネルおよびプレート固定ねじを伴う骨切り術部切り目が不注意により交差し、悪い手術結果を生じさせる可能性がある。3Dコンピュータナビゲーションを用いて、この問題を解消できる。あるいは、コンピュータを使用するのではなく、これらの医療画像に基づいて、図表または検索テーブルが、外科医によって直接参照されて、行く先の部分的切り目の位置、配向、および深さ、矢状面に対するヒンジ軸の角度、ならびに第2の骨セグメントに関する第1の骨セグメントの相対的三次元位置のうちの少なくとも1つを決定し得る。他の実施形態では、機械的コンピュータが使用され得、医療画像に基づく2つの角度が、カムおよびリンケージを介して回転およびくさび角を機械的に解決する機械的コンピュータ構造に入力され得る。
【0025】
例えば、所望の内反補正角およびAP傾斜補正角について、例えば図3Aおよび図3Bの2つの画像を使用して、修正ヒンジ軸配向が決定され得る。内反補正角のみについては、ヒンジ軸は、典型的には、矢状面に実質的に平行に延在し、以下、基準面として規定される。図4Aは、様々な入力角を有する脛骨のモデルを表す。これは、前述したように、コンピュータに組み込まれるか、または検索テーブルを形成するために使用され得る、基準面に対する修正ヒンジ軸角を計算する手段として使用され得る。図4Aに示されているのは、例えば前後方向画像(図3A)を使用して決定された、例示的な内反補正角∠400である。図4Aに示されているのは、例えば矢状方向画像(図3B)を使用して決定された、例示的なAP傾斜補正角∠410である。参照目的で、前側、後側、外側、および内側が表され、脛骨の前側、後側、外側、および内側に対応する。基準点について、真のAP軸は、図1Bおよび図1Cの境界線94であり得、矢状面に平行な単一平面補正に対応することが示される。基準として図4Bを使用して、既知のAP∠410および内反∠400を用いて、AP軸に対するまたは矢状面に対する回転角(θ)によって修正された修正ヒンジ軸450を決定し得る式は、以下のようになり得る。
【数1】
【0026】
同様の基準を使用して、他の骨について、同様の計算を行い得る。例えば、骨の長手方向軸を中心に、かつ解剖学的に、適切である骨に沿った任意の平面を基準にして、修正軸を回転し得る。例えば、骨を通る矢状面または冠状面のいずれかに対して、回転角θを計算することができる。
【0027】
加えて、新たな伸延角γ’が、決定され得、2つの実質的に直交する角度、つまり内反補正角∠400およびAP傾斜補正角∠410を考慮した、結果として得られる角度である。この新しい伸延角γ’または修正ヒンジ軸角と組み合わせた単一の複合「総角度」は、少なくとも2つの実質的に直交する作成面を考慮する(2つの骨セグメントを互いに対してねじることなく)、単一自由度についての回転で、第1の骨セグメントを第2の骨セグメントに対して配向するように構成される。
【0028】
既知のAP∠および内反∠を用いて結果として得られるくさび角γ’を決定し得る式は、次のようになる。
【数2】
【0029】
上記の式を使用する、例示的な検索テーブルを以下に示す。V/Vは、内反補正角∠400を表し、A/PはAP傾斜補正角∠410を表す。「総角度」は、結果として得られるくさびの開き∠(γ’)、または上述のものである。以下の図表の「回転角」は、上記式により「ヒンジ∠」であり、図5Aおよび図5Bにθとして示すように、ヒンジ線軸に対する角度()の修正である。要約すると、このアルゴリズムまたは一連の計算は、2つの補正面内の角度(線)、つまり内反角(冠状面)およびAP角(矢状面)によって記述される平面を使用し、それを、空間内の軸(ヒンジ軸)および単一(総)角度を使用して記述される「外科的に有用な」単一平面内の解を導く。
【表1】
【0030】
図4Cは、脛骨高平部の前/後方向傾斜を減少させる第1の方向における冠状面についての一連のAP補正のための15度内反補正のための例示的な一連のヒンジ軸角配向を概略的に表す。図4Dは、脛骨高平部の前/後方向傾斜を増加させる第2の方向における冠状面についての一連のAP補正のための15度内反補正のための例示的な一連のヒンジ軸角配向を概略的に表す。二平面補正を最適化するために、患者がAP傾斜の増加を必要とする場合と、患者がAP傾斜の減少を必要とする場合とがあろう。不適切なAP傾斜は、ACL断裂のリスクを高める可能性がある。場合によっては、HTO処置と同時に、ACL再建術が完了する。
【0031】
AP傾斜補正は、脛骨高平部のAP傾斜の増加させることまたは減少させることを含み得る。骨切り術部は、骨ヒンジの位置の反対側で開く。図4Cに示されたようにヒンジを前側に(または時計回りに)回転させる場合、骨切り術部は後側に開き、脛骨高平部のAP傾斜を減少させる。ヒンジを後側に回転させると(図4D)、骨切り術部は前側に開き、AP傾斜を増加させる。要約すると、ヒンジ軸を後側に回転させると、AP傾斜の正の増加を有する。ヒンジを前側に回転させると、AP傾斜を減少させる。図5Aは、軸A-Aなどの長手方向軸を中心とするヒンジ軸の回転角θの3つの変形態様を表す図を示す。この例では、角度θは、矢状面に対して設けられている。左側のイメージは、ヒンジを前側に回転させることを表し、右の2つのイメージは、ヒンジ軸を後側に回転させることを表す。図5Bは、例示的な回転角θ(回転角)を有する、横断面と平行な脛骨の上面図を示す。基準線R-Rは、図1Bおよび図1Cに図示され説明されたように、冠状方向補正のみのために作られた典型的な切り目を示す。
【0032】
図6A図6Cは、本明細書に開示されるように、骨80に二平面骨切り術部を形成するために使用され得るシステムおよび方法の一部を表す。例示的なシステムおよび方法は、修正ヒンジ軸の角度(θ)および位置を決定することを含み得る。これは、例えば、コンピュータプログラムまたは検索テーブルを使用して達成され得る。次いで、ヒンジピン600が、この修正ヒンジ軸の位置および配向で、骨に位置し得る。外科医がこのピン600を修正ヒンジ軸角に沿って設置するのを助けるために、機械的ガイドが使用され得る。例えば、ガイド構造は、複数の離散的修正ヒンジ角に対応する、互いに一連の角度で位置合わせされた一連の開口部またはチューブを含み得、開口部は、それを通るガイドワイヤ、ドリル、トレフィン、またはピンのうちの少なくとも1つを受容するように構成される。別の実施例として、ガイド構造は、一連の位置の間でスライド可能なマーカーまたは開口部を含み得、位置は、複数の修正ヒンジ角に対応し、開口部は、やはり、それを通るガイドワイヤ、ドリル、トレフィン、またはピンのうちの少なくとも1つを受容するように構成される。
【0033】
例示的な照準器アセンブリ800を、少なくとも図8A図8Dに開示する。この実施形態では、まず、ドリルビットが開口部810を通して挿入され得、いったん照準器アセンブリ800が位置合わせされると、開口部810は、所定の修正ヒンジ軸配向に位置合わせされる。ドリルを、骨に挿入して、修正角θのヒンジ線軸に対応するトンネルを作成し得る。次いで、ドリルを取り外し、ピン600をその代わりに置き得る。あるいは、ドリルビットはまた、ヒンジピンを兼ねて、所定の位置にとどまってもよい。切断ガイド610をヒンジピン600に動作可能に結合して、切断ツール620をヒンジピン600に対して所望の位置に設置し得る。次いで、ガイド610およびヒンジピン600を取り外し、2つの骨部分を、修正ヒンジ軸角によって規定される単一自由度について伸延し、それによって二平面位置合わせを達成し得る。これにより、冠状方向補正および矢状方向補正の両方を考慮する開口部が生成され得、骨ヒンジのねじれは伴わない、したがって、単一自由度に制限された伸延である。
【0034】
代替的なシステムおよび方法では、ヒンジピン600は省略され得、切断ガイド610は、決定された修正角に従う矢状面に対する角度で調整および配向される切れ目を形成するための所望の配向に、切断ツール620を設置するように構成され得る。したがって、切れ目の終端は、修正ヒンジ軸450または修正ヒンジ軸を規定する境界を規定し、矢状面に非平行である修正角(θ)。あるいは、照準器アセンブリ800を避けてもよく、ドリルビットを、ドリルビットを所望の配向および位置に配向し、ヒンジピン600を所定の配向に配向して、それを骨内に設置するように動作可能なロボットの作業端部に結合してもよい。あるいは、照準器アセンブリ800を避けてもよく、切断ツールを、切断ツールを所望の配向および位置に配向し、骨切り術部600を決定された配向に配向して、所定の修正ヒンジ軸と位置合わせする境界で終端する骨切り術部を部分的に骨に形成しするように動作可能なロボットの作業端部に結合してもよい。
【0035】
代替的なシステムおよび方法は、患者固有の切断ガイドおよび/またはヒンジピン配向構造を形成することを含み得る。これを使用して、2つの実質的に直交する補正面を考慮する、骨80を通るヒンジピンおよび/または対応する切断面を設置し得る。開示された先の実施例と同様に、この例示的なシステムおよび方法は、修正ヒンジ軸の角度および位置、または切断面の配向および位置を決定することを含み得る。この例示的なシステムおよび方法は、脛骨の外部表面輪郭に適合する切断ガイド表面形態を決定することを含み得る。ガイド表面輪郭は、ガイドを、所定の骨切り術部を形成する標的位置および配向に設置するように構成され得る。より具体的には、ガイド輪郭は、ガイドを位置決めし得、かつ、ヒンジピンおよび/または切断のこぎり620を脛骨に、単一自由度についての回転で骨を再位置合わせし、二平面補正を提供する決定された位置および配向で配向し得る。ガイド形態は、画像(例えば、CTまたはX線)、および3D画像を使用して決定され得る。3D表面形態を決定することは、コンピュータプログラムを使用することを含み得る。機械的ガイドが、受信したこれらの画像に基づいて、患者に固有の決定された形態に従って形成または修正され得る。例えば、ガイドの内側表面は、患者に固有の脛骨外部表面の内側の決定された位置に係合および整合するように構成された内側表面形態を有するように形成または修正され得る。整合は、好ましくは、決定された骨切り術軌道を形成するための、決定された開始位置および配向に、のこぎり620を設置するように構成される。ガイド610はまた、ヒンジピン600を決定された角度で位置合わせする構造を含み得る。ヒンジピン位置合わせ構造は、脛骨を通るヒンジピンを決定された修正軸角で位置合わせするように特に構成された患者整合基準面を含み得る。ヒンジピン患者整合基準面は、ガイドの表面と、または患者の骨の外部表面と協働し得る。
【0036】
図6Cは、2つの実質的に直交する補正面を考慮する、決定されたくさび伸延角γ’を形成する手段を示す。第1の手段は、スケール660を有するくさび650を含み得る。スケール660は、角度γ’などのくさび開き角を示す値を含み得る。くさび600は、徐々に挿入および伸延するためにテーパ状とされ、決定されたくさび角まで、軽く叩いたりまたは押し込み得、スケール660は、伸延角γ’を示す。実質的に直交する両方の補正面を考慮するために、くさびを使用して、2つの骨セグメントを、修正伸延角γ’まで回転させ得る。くさび650は、2つの骨セグメントを徐々に伸延するために、軽く叩いたりまたはハンマで打つように構成された表面を含むハンドルに選択的に結合され得る。
【0037】
図7A図7Fは、大腿骨70に閉じ合わせくさび状二平面補正を形成する例示的な方法を示す。先に開示された方法と同様に、例示的な方法は、修正ヒンジ軸の角度および位置を決定することによって開始し得る。閉じ合わせくさび状骨切り術は、骨のくさび状部分を取り除き、残りの2つの表面を互いに向かって回転させるので、この方法はまた、くさびサイズを決定し、それによって、骨への2つの切り込みの配向を決定し得る。修正ヒンジ軸およびくさびサイズを事前決定することは、例えばコンピュータプログラム、アプリ、または検索テーブルを使用して達成され得る。アセンブリ800に類似する照準器アセンブリが、まず、大腿骨70と係合し得、開口部810が、アーム820に沿って、決定された角度まで動かされ得る(図7A)。ドリルを、開口部810を通して挿入して、所定の修正ヒンジ軸と位置合わせする孔を大腿骨に形成し得る。ドリルは、ピンとして作用するために、所定の位置にとどまってもよいし、取り外され、ヒンジピン600で置き換えられてもよい。次いで、照準器アセンブリ800を取り外して、ピン600を所定の位置に残し、切断ガイド610をヒンジピン600に動作可能に結合して、大腿骨70の第1の切り目701をヒンジピン600まで案内し得る(図7B)。次いで、切断ガイド610を、ヒンジピン600と係合したままで、第2の位置に動かし得る(図7C)。切断ガイド610を、所定の量だけ回転させて、所定のくさびサイズを形成し得る。くさびサイズを示すためのマーキングを有する、くさびサイズインジケータ755が切断ガイド610に動作可能に結合され得る。インジケータ755は、切断ガイド610ののこぎりガイドスロット612を通して挿入され得る第1のリップ756と、第1の切り目701に挿入され得る第2のリップ757とを含み得る。次いで、切断ガイド610を、インジケータ755上に示されるような所定のくさびサイズまで、ピン600を中心に回転させ得る。次いで、インジケータ755を取り外し、第2の切り目702をピン600まで形成し得る。次いで、ガイド610およびヒンジピン600を取り外し、結果として得られる骨のくさびを取り外して、二平面補正を提供した回転軸を有する開口部γ’を形成し得る(図7E)。次いで、2つの骨部分を、修正ヒンジ軸角によって規定される単一自由度について互いに向かって回転させ、それによって二平面位置合わせを達成し得る。次いで、2つのセグメントを、プレート780を用いて所定の位置に固定し得る。
【0038】
図8A図8Cは、ヒンジピン600を設置し、それによって修正ヒンジ軸θに骨ヒンジ軸を配向するための照準器アセンブリ800の詳細を示す。示されたようなアセンブリ800は、基準角R-R(図5B)から両方向に、最大30度のヒンジ角回転を可能にし得る。図8Aに示されているのは、角度がゼロであり、照準器アセンブリ800は、基準角R-Rに沿って配向されている。使用に際して、外科医は、まず、脛骨80の後側部分の周りに後側レトラクタ850を設置し、次いで、照準器アセンブリ800をレトラクタ850と連結させ得る。次いで、照準器800は、まず、内反補正角のみについて(ゼロに)、したがって本明細書では基準角R-Rに沿って規定される、矢状面に実質的に平行に、ガイドチューブ810を位置合わせするように調整され得る。処置前の画像および計画と共に、検索テーブル、コンピュータプログラム、またはアプリからの情報を使用して、ガイドチューブ810は、次いで、照準器800の一部分を、照準器アーム820の周りで、決定された修正軸角度θまでスライドさせることによって調整され得る。ガイドチューブ810は、それを通るドリルを受容し、ドリルを、脛骨80を通して所定の修正ヒンジ軸角θに向けるように構成され得る。次いで、(図6Aおよび図6Bに開示されたような)ヒンジピン600が、任意選択的に、この予め計画された軸角でドリル穿孔された孔内に設置され得る。
【0039】
図8Bは、照準器800の分解図を示す。照準器アーム820は、図8Eに見られ、本明細書に開示されるように、骨切り術部を案内する構造に後で結合するために使用され得る、後側レトラクタ850に連結するように構成されている。照準器アーム820は、連結端812を画定し、連結端812は、ボールプランジャ814を含み得る。これは、照準器アーム820を後側レトラクタスロット内に維持するのを助けるための付勢部材を含み得る。照準器アーム820は、患者の膝の外側表面の周りに延在するように構成されている。照準器アーム820は、本明細書に開示される「回転角」または修正ヒンジ線軸θに対応する角度を示すための、レーザーマークなどのマーキングを規定する。照準器ガイド825が、照準器アーム820にスライド式に結合され得る。照準器ガイド825はまた、ガイドチューブ810が照準器ガイド825から取り外され得るように、それを通るガイドチューブ810を受容するためのカニューレ挿入部を含み得る。ガイド825をアーム820に沿って、それによって骨80の周りでスライドさせると、ガイドチューブ810を骨の周りで動かすことになる。照準器アーム820を動かして、マークを回転角θを示す値に位置合わせすることは、ガイドチューブを決定された修正ヒンジ軸角に位置合わせするように構成される。照準器ガイド825はまた、アーム820に対する標的位置にガイド825を選択的にロックするための手段を含み得る。ねじ込み式プランジャ830が、アーム825を貫いて延在し得、アーム820の一部分と選択的に係合して、ガイド825を標的修正角でロックし得る。ノブ832が、ガイド825を選択的にロックするようにプランジャ830を操作し得る。一連の孔または細長いスロット824が、ノブ832を使用して選択的に挿入される、プランジャ830の端部を受容し得る。照準器800はまた、チューブ810を適所に保持するための構造860を含み得る。構造860は、チューブ810をガイド825内の適所に軸方向で固定するためにチューブ810上の隆起部811と協働し得るラチェットプランジャ、ロックキャップ、およびばねを含み得る。
【0040】
図8Cは、照準器800およびレトラクタ850を通る断面を示す。ボールプランジャ814が、テーパ状連結端812と共に、レトラクタ850のスロット855に挿入され得る。これにより、照準器アーム820がレトラクタ850に位置合わせし、したがって、ヒンジピン600がレトラクタ850と正確に位置合わせする。レトラクタ850はまた、ヒンジピン600の端部を確実に係合するように構成され得る。例えば、レトラクタ850は、ヒンジピン600を後側レトラクタ850に固定するための、保持用BalSealまたはばね様Oリング854を有する開口部852を含み得る。開口部850は、レトラクタ850の骨係合表面に向かって開いて、開口部852によるピン600の受容および位置合わせを案内するテーパ状開口部853を含み得る。次いで、レトラクタ850およびピン600を所定の位置に残して、照準器800が取り外され得、切断ガイドが、ヒンジピン600およびレトラクタ850に組み立てられ得る。例示的な切断ガイド610を、ヒンジピン600を参照する図6Bに示す。切断ガイドは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR HIGH TIBIAL OSTEOTOMY」と題された、2019年2月20日出願の共有特許出願第62/808129号に開示されている切断ガイドと、部分的に同様であり得る。
【0041】
ヒンジピン600は、修正ヒンジ軸角θに対して好ましい骨切り術平面角を生成するための標的位置および配向に、切断ガイド610を位置させ得る。切断ガイド610は、後側レトラクタ850に接続し得る。ヒンジピン600はまた、骨切り術部にバリアまたは境界を提供し、それによって、高精度の骨切り術切り目を作り出すのこぎり(ツール620など)の進行を制限する。次いで、切断ガイド610およびピン600を取り外し、膝蓋骨腱を弛緩させるように横方向切り目を配向するための、前側切断ガイド900を脛骨80に隣接して設置する。骨切り術によって形成される2つの骨セグメントの間に適合し得るリップを有する、例示的な前側切断ガイド900を示す。前側切断ガイドは、少なくとも、「SYSTEM AND METHOD FOR HIGH TIBIAL OSTEOTOMY」と題された、2019年2月20日出願の共有特許出願第62/808129号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この前側切り目により、骨切り術部開口部が生じることが可能になる。
【0042】
事前計画の間、外科医は、提供される一連の図表を使用し得、その例が本明細書で開示されている。例えば、決定された内反補正(度)および決定されたAP傾斜補正(度)に対して、修正ヒンジ軸角の配向(度)が決定され得、照準器800は、ガイドチューブを、それによってヒンジピン600を、この決定された軸角に配向し得る。加えて、同じ2つの入力補正を用いて、図表は、全体的開き角(ヒンジ∠)を提供し得る。あるいは、開き角γの代わりにまたはそれに加えて、くさび開き距離(例えば、mm)が提供され得る。代替実施形態では、コンピュータプログラムまたはアプリが、2つの入力補正角を変換し、修正ヒンジ角軸およびくさび開き寸法を外科医に提供し得る。
【0043】
図10Aは、2つの骨セグメントを伸延し得るさらなる実施形態の層状延展器を示す。層状延展器1000は、制御された速度で2つの骨セグメントを伸延するように構成されている。層状延展器1000はまた、開き角を示し、かつ開口部を、図表を使用して前以て決定された標的開き角(γ’またはヒンジ∠)に制御するための手段を含み得る。延展器1000はまた、いったん到達したその開口部を維持するための手段を含み得る。開き距離は、処置の前に計画され、患者の結果を改善するために、正確さを必要とする。骨切り術部は、骨ヒンジ81の亀裂を軽減するのに適切な開口サイズに、ゆっくり、慎重に、正確に開かれなければならない。延展器1000はまた、開き寸法についてフィードバックを提供するための手段を含む。延展器1000は、好ましくは、複数回使用され、したがって、分解および滅菌されるように構成される。延展器1000は、好ましくは、骨切り術部の2つの骨セグメントの間に設置されるが、それでも標的部位を覆い隠さないように、幅が1/2インチおよび長さが4インチよりも小さい。
【0044】
図10Bに見られるのは、脛骨80の骨切り術部によって形成された2つの骨セグメントの間に設置された延展器1000を示す。即時開き角は、15度(図10C)であり得、後でより詳細に開示される、リフタ上のマークと位置合わせするくさび部分上の数値によって示されている。延展器1000は、骨切り術部内にスライドする先端部1020を有するベース1010を含み得る。したがって、先端部1020は、テーパ状端部を画定する。延展器1000は、最初に先端部1020を挿入するようにハンマ打ちされ得る。先端部は、低プロファイル構成である間、最初に骨切り術部の最後まで挿入され得る。延展器1000は、骨セグメントのうちの一方と係合し、骨セグメントを互いから伸延するように制御可能に開かれ得るリフタ1030を含む。複数の実施形態が、リフタ1030を制御するために開示される。この延展器アセンブリ1000の主な特徴は、リフタ1030の上昇速度を低速で制御するための手段と、開き値の表示手段、または開き値を標的値に制限するための手段と、低プロファイルであるヒンジ手段とを含む。
【0045】
例えば、図10A図10Fに示されているのは、送りねじくさび機構を含む第1の実施形態である。機構は、くさび1060を先端部1020に向かって軸方向に動かし、リフタ1030に骨切り術部を所望の寸法まで伸延させる、送りねじ1055に結合された送りねじノブ1050を含む。リフタ1030は、自由端1032を含み得る。リフタ1030は、枢動可能に結合され得、ベース1010に対して回転し得、ベース1010とリフタ1030との間に調整可能な空洞1015を画定する。くさび1060は、リフタ1030の配向を規定し、それによって2つの骨セグメント間の開き寸法を規定するように、空洞1015に軸方向に出入りし得る。くさび1060は、くさびの開きサイズを示すインジケータまたは数値マーキングと一致するリフタ1030と係合し得る。ここに示されて、開き寸法は、骨切り術部開き角または開き隙間サイズに対応する数値を有するレーザーマークラインを使用して示されている。例えば、リフタ1030上のインジケータは、図10Cに示されるように、くさび1060上の数字「15」と並んでおり、これは、15mmの骨切り術部の開きと相関し得る。あるいは、ねじ込み式くさびは、例えば、アセンブリ内で規定のレーザーラインまで直線的に前進させたとき、外科医が術前に規定した標的の開きサイズまで骨切り術部を開き得る、患者固有のくさびに切り替えることができる。空洞1015内に配置されたくさび1060の部分は、リフタ1030から離間され得る。リフタは、開きサイズインジケータと一致する離散的位置でくさびと単独で係合し得る。送りねじ1055は、ベース長手方向軸と平行な軸を規定し、くさびをベース1010に沿って直線的に動かすように動作し得る。アセンブリ1000の先端部1020の全体的な高さを低減するために、ピボットは、ハードウェアがなく、それによって低プロファイルの結合部を画定する。図10D図10Fに示されて、リフタは、平坦面1033がベース平坦面1012に平行になるまでリフタ1030を回転させることによって、ベース1010から取り外され得る。
【0046】
ラチェットリフタ1100を使用して開きを制御する手段を含む代替実施形態を、図11Aおよび図11Bに示す。ハンドルの作動が、ラチェットリフタ1100を回転させて、骨切り術部を伸延し得る。ベース1120は、リフタ1110を回転させるためにリフタ1100に動作可能に結合されている定置ラチェット機構1125を含み得る。リフタアーム1100が回転して開くときの各ラチェットステップは、例えば、1mmのくさびの開きに等しくあり得、したがって、ユーザは、可聴ラチェットから、開き距離をカウントし得る。閉じる必要があるときは、ラチェットの上部にあるタブを押すことができ、リフタアームは、自由に回転して所定の位置に戻る。
【0047】
図11Cは、回転させると、線形アクチュエータ1110を前方に駆動する送りねじ1108を介して送りねじ車輪1105に結合された線形アクチュエータを含む、代替実施形態の延展器1150を示す。この線形アクチュエータ1110は、リフタ1180に結合されている結合アーム1115に直接結合され、それによって骨切り術部を開く。他の代替実施形態では、患者固有のくさびのセットが、事前計画画像に基づいて提供または形成され得る。これらのくさびは、連動し得る複数のシム挿入セグメントを含み得る。これらのセグメントは、事前計画の間に決定されたように、事前計画された最終くさび開きγ’まで、開きを徐々に増加させるために、互いに隣接して設置され得る。
【0048】
ここで、開示は、本明細書に記載されるように、骨ヒンジのねじれを回避する二平面位置合わせを提供し得る骨ヒンジへの固定および任意選択的な圧迫を提供するように構成された固定プレートの実施形態に傾注する。一般に、本発明者らは、骨切り術部の配向および回転軸の修正が、骨に沿ったねじり力および骨ヒンジにかかるトルクの変化につながることを見出した。したがって、これらの変化を考慮するための複数の改善されたプレート実施形態を開示する。まず、プレート固定は、好ましくは、解剖学的構造が許容される、修正ヒンジ軸の真向かいに配置され得る。加えて、同時に行われるACL再建処置が脛骨にトンネルを付加するならば、プレートは、このトンネルの周りにまたはそれから離れて、止めねじまたは圧迫用ねじなどの直接固定部材以外に、アパーチャを含み得る。これらのアパーチャの構成は、修正ヒンジ軸、およびそれによってプレートの位置に依存し得る。したがって、一連のプレートは、修正ヒンジ軸に応じて想定される。いくつかのプレートの実施形態は、MCLなどの他の解剖学的考慮事項を考慮すると、一連のヒンジ軸角の真向かいにあり得る骨上の好ましい位置の解剖学的構造に整合する輪郭を含み得る。この一連のプレートはまた、そのプレートの好ましい位置を考慮して、ACLトンネルを提供するように特別に構成されたアパーチャを含み得る。プレートはまた、脛骨にかかるねじり力および局所的な解剖学的考慮事項を考慮するために、プレートの近位ヘッドと遠位テールとの間のオフセット軸を含み得る。
【0049】
図12Aは、伸延された脛骨80上に設置された第1の例示的な実施形態のプレート1200を示す。プレート1200は、それを通る固定部材を受容するための、それを貫く複数の単軸孔1210を含む。プレート1200は、「T」形状であり得る。孔1210は、概して、伸延された骨切り術部の上を含む骨の脛骨80の一部分にプレート1200を取り付けるための非止めねじ/止めねじなどの一連の固定部材1210を受容するように構成されている。プレート1200は、骨と係合するように成形された第1の表面1240と、その間にプレート厚を画定する対向外側表面1245とを画定する。プレート1200は、プレート厚を通して延在する2つの直に隣接して重複する孔を有する少なくとも1つの複合アパーチャ1220を含む。これは、外科医に、固定部材1212を2つの配向のうちの一方に設置するという選択を提供する。例えば、第1の固定配向1221aは、固定部材1212が周囲の近接固定部材のそれに従う直交挿入を可能にする。第2の固定配向1221bは、後脛骨82の表面により平行であり得る。この第2の配向1221bは、複合HTO/ACL手術中に形成される脛骨ACLグラフトトンネルを回避したり、または脛骨骨幹端のより大きな領域をカバーするために近接ねじ間の距離を増加させ得る。したがって、2つの重複する孔は、第1の固定配向に固定部材を設置する第1の軸に沿って延在する第1の孔と、第1の配向とは異なる第2の固定配向に固定部材を設置する第2の軸に沿って延在する第2の孔とを含む。第1の軸と第2の軸との間の角度は、少なくとも修正ヒンジ軸角によって規定され得、さらに脛骨のACLトンネルの位置に基づいて構成され得る、脛骨の周りのプレート位置を少なくとも部分的に考慮して画定され得る。複合アパーチャ1220は、単一の固定部材とのみ係合するように構成され、したがって、両方が同時にではなく、配向1221aまたは1221bのいずれかが選択され得る。
【0050】
図12Cおよび図12Dに示されるように、複合アパーチャ1220は、プレート厚を通して延在し、互いにオフセットした中心を有する、少なくとも2つの重複する孔を備える。複合アパーチャ1220は、プレート表面1245から延在して、それを通る固定部材の設置を容易にする面取り部1222を含み得る。2つの重複する孔の各々は、固定部材1212のねじ山と係合するねじ切り部分を画定する。複合アパーチャ1220は、8の字形を規定し得る。複合アパーチャの面取り部1222は、第2の(外側の)表面1245上の8の字形開口部から延在し、ねじ切り部分と交差し得る。
【0051】
複合アパーチャ1220は、好ましくは、プレート1200の上側部分に、脛骨の前側に最も近いように構成されたプレート1200の一部分を貫いて、設置される。ACL再建手術中の前側部分は、脛骨にトンネルが形成され、それに沿ってグラフトが設置され得る。トンネル位置に応じて、第2の軸配向1221bは、好ましくは、ACL再建トンネルまたは半月板蓋修復トンネルに干渉しない位置に固定ねじを設置し得る。図12Bは、A/P補正に起因する回転がなく、回転角θはゼロであるヒンジ軸(R-R)に対する、脛骨上の好ましい位置にプレート1200を設置することを示す。プレート1200は、好ましくは、示されたように、その内側-前側位置において脛骨の形状と概ね整合するように構成された輪郭表面を有し得、隣接する軟組織とプレートとの間の刺激を低減する。複合アパーチャ1220は、プレート1200に直交する第1の軸と、10~30度の、第1の軸に対してある角度(F)で配向された第2の角度とを規定し得、第1の軸から約15度であることが好ましい。第2の角の配向は、好ましくは、脛骨および各所に形成され得るいかなるACLトンネル(図18Bおよび図18Cの87)も回避する。
【0052】
ここで、開示は、ヒンジ軸角を回転させたときに脛骨80にかかる力の変化の説明に傾注する。図13Aは、非修正プレートヒンジ軸に対して、図12Bに示された位置と同様に、位置Nの周りに設置され、中央合わせされたプレート1200にかかるトルクτ1およびτ2を示す。Fヒンジ抵抗により、余分な力が平衡化される。トルクは、ヒンジ81に直接作用する。図13Bは、冠状面補正を提供するためにヒンジ軸の15度回転が推奨され得る例示的なケースを表す。この例の場合、プレートがNで示される同じ位置に中央合わせされた場合、骨ヒンジにかかるトルクは、dが大きいほど、大きくなる。したがって、点Nをより内側-後側の位置、例えば点Bに向かって移動させることが好ましい。これは、寸法dを低減し、それによって骨ヒンジにかかるトルクを低減する。しかしながら、プレートは、脛骨の後側部分82に向かって、MCLおよびなんらかの神経血管構造に干渉する可能性があるので、修正軸の真向かいのプレート設置は、必ずしも極端に合理的ではない。プレートは、好ましくは、修正ヒンジ軸の真向かいに設置され、それにより、解剖学的制限事項によって制限される寸法dを低減する。
【0053】
したがって、患者の左脚もしくは右脚、または異なる脛骨サイズを提供するためだけでなく、修正ヒンジ軸角θに対して、骨ヒンジ81にかかるトルクを低減するために調整されたプレートの設置を提供するために、複数のプレートが提供され得る。例えば、図4Cに示されたようなA/P補正低減のための二平面補正のために、例示的なプレート1200’は、好ましくは、プレート1200に対してより内側かつ後方に設置されて、修正ヒンジ軸のより真向かいとなるように輪郭形成され得る。プレート1200およびプレート1200’を、図13Cに、それらの相対的な例示的な位置で示す。このプレート1200’は、好ましくは、脛骨80のより内側の外側表面に整合するように輪郭形成されることによって、骨ヒンジ81にかかるトルクを低減するように構成され得る。プレート1200’は、プレートに直交して配向された第1の軸と、第1の軸の配向とは異なる第2の配向で配向された第2の軸とを有する二方向複合アパーチャ1220’を含み得る。この第2の配向は、第1の軸に対して0~30度であり得る。より内側かつ後側に設置されるように構成されているプレート1200’は、プレート1200と比較して、これらの重複する孔の第1および第2の軸の間に、低減された角オフセットを有し得る。例えば、プレート1200’は、ほぼ平行な軸または0~5角度の軸差を有し得、一方、プレート1200は、第1の軸と第2の軸との間に15角度の角を有し得る。
【0054】
一連の修正ヒンジ軸角を提供するために、複数のプレートが提供され得る。プレートは、修正ヒンジ軸角に基づいて好ましい位置に整合するための輪郭を含み得る。プレートは、本明細書で開示されるような複合アパーチャを含み得、複合アパーチャは、互いに異なり得る少なくとも2つの軸配向を有する。2つの軸は、本明細書に開示されるように、修正ヒンジ軸角または修正骨切り術部配向によって規定される値だけ、角オフセットされ得る。2つの軸は、その好ましい位置に対してACLトンネルまたはMCLを回避しながら、固定デバイスの複数の設置角を提供するように角オフセットされ得る。例えば、複数のプレートのうちの第1のプレートは、脛骨外側表面の第1の部分に整合する第1のカスタム輪郭形状を含み得、また、ACLトンネルを回避するための手段を提供するために、互いに角オフセットされた1対の軸を有する第1の複合アパーチャも含み得る。複数のプレートはまた、修正ヒンジ軸角に起因し、第1の部分とは異なる、脛骨外側表面の第2の部分に整合する第2のカスタム輪郭形状を含む第2のプレートも含み得る。第2のプレートはまた、ACLトンネルを回避するための手段を提供するように構成された、第1のプレートの第1の角オフセットとは異なる第2の角オフセットで配向された1対の軸を有する第2の複合アパーチャも含み得る。
【0055】
図14Aおよび図14Bは、プレート1200’と同様に、脛骨80の周りのより内側の位置に設置されるように構成された代替プレートの実施形態を示す。これは、本明細書に開示されるように、ヒンジ軸角θを回転させる結果として、骨ヒンジ81に対するトルクの変化を提供し得る。プレートは、脛骨の最も前側の位置にペーシングされるように構成されているプレート1400の端部に配置された、少なくとも1つの複合アパーチャ1410を有する、「L」形状であり得る。複合アパーチャ1410は、第1の固定部材1415aまたは第2の固定部材1415bを受容するが、両方を同時には受容しないように構成されている。複合アパーチャ1410は、本明細書に開示されるように、第1および第2の固定部材1415aおよび1415bの配向を規定するように構成され、各配向は、互いに異なり、脛骨の解剖学的構造およびACLトンネルの設置を考慮して、外科医に配向の選択を提供するように構成されている。
【0056】
図15A図15Eは、脛骨の周りの内側位置に設置されるように構成された代替プレートの実施形態1500を示す。これは、本明細書に開示されるように、ヒンジ軸角θを回転させる結果として、骨ヒンジ81に対するトルクの変化を提供し得る。加えて、このプレート1500の上側部分は、複合的な幾何学的開口部を必要とし得ないように、ACLトンネルから十分に離れた位置に設置されるように構成され得る。この例示的なプレート1500は、下側の複数の孔1510および上側の複数の孔1515を含む。下側の複数の孔1510は、固定部材1530を、上側の複数の孔1515に対して異なる角度で配向し得る。これは、ヒンジ軸の角度および位置を修正することによって引き起こされる脛骨80にかかるねじりモーメントを考慮し得る。図15Bおよび図15Cは、最も下側の固定部材1530bに対する上側固定部材1530aの第1の配向を示す。角度Zは、プレートがヒンジ軸角に対してより大きな修正を提供するとき、増加し得る。例えば、4度のA/P補正に対して、図4Cに示された表により、修正角は(脛骨モデルに示された14度と相関する)ほぼ14.6度である。したがって、この修正角に対して構成されたプレートは、好ましくは、骨ヒンジにかかるトルクを低減するために脛骨の内側部分の周りの位置に整合する輪郭を含み得、複数の固定部材を第1の角度で配向するための上側の複数の貫通孔1510と、少なくとも1つの固定部材1530bを第1の角度に対して第2の異なる角度で配向するための下側の複数の貫通孔1510とを含み得る。複数のプレートはすべて、複数の固定部材を第1の角度に配向するための上側の複数の貫通孔と、少なくとも1つの固定部材を第1の角度に対して第2の異なる角度に配向する第2の下側の複数の貫通孔とを含み得る。複数のプレートの各々は、修正ヒンジ軸角の値に応じて、脛骨に沿った異なるねじりモーメントに合わせて調整された、上側の複数の貫通孔と下側の複数との間の異なる角オフセットZを有し得る。一般に、修正ヒンジ軸角が大きいほど、角オフセットZは大きくなる。
【0057】
加えて、プレート下側表面部分1520は、上側部分1525の長手方向軸Lに対して角度Xで配向され得る。これにより、この内側における骨表面の改善された並置が可能になる。加えて、下側部分1520は、孔1210の少なくとも2つの中心軸を通って延びる長手方向軸Lを規定し、Lは、プレートの長手方向軸L2からオフセット(W)している。これにより、上側部分1525は、骨切り術部の脛骨上側部分においてより内側に、かつ脛骨下側部分においてより前側に設置され、下側ステム1520を脛骨に沿って中央に設置し、修正軸角の結果として、脛骨にかかるねじりモーメントに抵抗する。より大きな修正ヒンジ軸角を提供するプレートは、より小さな修正ヒンジ軸角を提供するプレートに対して、より大きなWおよびXの値を有し得る。
【0058】
ここで、開示は、HTOの外側骨ヒンジに対する圧迫を調整および増加させるためのシステム1600に傾注する。このシステムは、より伝統的な単一平面のくさび開き高位脛骨骨切り術および本明細書に開示の二平面HTOの両方に適用可能であり得る。骨ヒンジ81にかかる増加した圧迫は、様々な方法で患者の転帰を改善し得る。それは、HTO処置中、より速い骨の治癒を促進し得、処置中に骨の外側ヒンジに亀裂が生じた場合の癒着不能の可能性を低下させ得、かつ、骨切り術部に前負荷をかけるので、骨切り術部への早期の体重負荷を可能にし得、治癒プロセス中の補正の損失の可能性を低下させる。概して、このシステムは、例えば固定プレート1200などの固定プレートに係合する手段と、プレート1200を調整可能に弾性的に屈曲または撓曲する手段とを含む。この撓曲状態のプレートの一部分がいったん骨に固定されると、骨ヒンジ81は、この圧迫状態で固定され得る。
【0059】
図16Aは、それを貫く複数の孔1210を有する本明細書に開示のプレート1200と同様であり得る、例示的な固定プレートを示す。孔1210は、概して、プレート1200を、骨の伸延部分の上を含む骨80の一部分に取り付けるための、非止めねじ/止めねじなどの、それを通る一連の固定手段を受容するように構成されている。孔1210は、ねじ切りされ得る。プレート1200は、例示的な形状であり、孔1210の数および位置は、異なり得る。システム1600は、プレート1200と、離間した位置で、好ましくは、プレート1200の上側端部に向かって1つと、下側端部に向かって1つとの、2つの位置で、係合する手段を含む。この実施形態では、第1のシャフト1610aが、プレートの上側端部に位置する孔1210aにねじ込み式に結合し得る。第1のシャフト1610aは、第1のドリルガイド1610aであり得る。孔1210aは、骨切り術部の上側に配置され、骨切り術部と他のより上側に位置する固定孔1210dとの間に配置され得る。第2のドリルガイド1610bであり得る第2のシャフトが、プレート1200を貫く孔1210bとねじ込み式に係合し得、孔1210bは、骨切り術部の下側で、プレート1200の下側端部に向かって配置される。孔1210bは、プレート1200の最も下側の孔であり得る。好ましくは、孔1210aと1210bとの間の孔1210cなどの少なくとも1つの固定孔が存在し、したがって、固定手段が、孔1210cを通って延在し、プレート1200を、撓曲または応力構成にある間に固定し得る。撓曲は、主にプレートの長手方向軸に沿うことが好ましい。ドリルガイド1610a、1610bは、両方とも、それを通るドリル先端部を可能にし得、したがって、骨80内へのドリル先端部の配向を誘導するようにカニューレ挿入され得る。ドリルガイド1610aおよび1610bは、対応するねじ孔1210とねじ込み式に係合する先端部を含み得る。これらのねじ切り先端部は、関連付けられた孔1210を通り、かつそれを超えて延在し得、プレート1200の骨対向表面1240と骨80との間にスタンドオフを提供する。スタンドオフ距離は、1mm~5mmであり得る。図16Bは、固定孔1210を通り、かつそれを超えて延在するドリルガイド1610aおよび1610bを示す。最大5mmのスタンドオフを形成するドリルガイドのみで、孔1210cを通してプレートを固定しながら、ある程度の制限された圧迫を達成し得る。しかしながら、骨への追加の圧迫は有益であり得る。
【0060】
ここで図16Cに傾注すると、システム1600はまた、プレート1200に追加の可撓性を付与するツール1650を含む。外部圧迫ツール1650が、シャフト1610aおよび1610bと係合し、プレート1200を撓曲させ得る。外部圧迫ツール1650は、使用中、患者の外部に配置され得、2つのシャフト1610aおよび1610bは、皮膚切開部を通して延在する。概して、圧迫ツール1650は、2つのシャフト1610aおよび1610bと係合し、プレート1200を撓曲させるように各シャフトの軸を動かすように構成されている。複数の、これを達成する方法が存在する。例えば、外部圧迫ツール1650は、シャフト1610の長手方向軸から離れるように横方向に延びる枢動クランプまたはペンチスタイルツールであり得る。ツール1650は、ドリルガイド1610aおよび1610bと係合し、各シャフトの長手方向軸を回転させて、プレートおよび弾性撓曲プレート1200に応力を付与する。この例示的なシステム1600では、ツールの遠位端1652は、各ドリルガイド1601aおよび1610bを少なくとも部分的に取り囲む。圧搾ハンドル端1655が、2つのドリルガイドの長手方向軸を互いに対して回転させ、プレート1200に長手方向撓曲を付与する。ハンドル端1655は、撓曲状態を維持するための手段を含み得る。ラチェット手段1657が示されている。各連続するラチェット歯は、プレート1200にかかる応力を増加させ、それによって骨ヒンジ81にかかる圧迫を増加させる。他の実施形態では、ねじ切り部材が、ハンドル端1655にかつそれらの間に、動作可能に結合され得、したがって、ねじ切り部材を作動させてハンドル間の距離を調整して、シャフトの長手方向軸を互いに対して動かし、プレート1200に長手方向撓曲を付与し得る。いくつかの実施形態では、各シャフト1610の長手方向軸は、互いにほぼ平行である状態から非平行まで回転し得る。ツール1650の他の例示的な実施形態は、ドリルガイド1610のカニューレ挿入端部の各々内に挿入され得る。ツール1650は、シャフト1610aおよび1610bから長手方向に延在し得る。ツール1650は、2つのシャフト1610aおよび1610bの間に直接延在するラチェット機構を含み得、ユーザは、2つのシャフトのハンドル端を互いに向かって圧搾して、ラチェット上の連続する歯のセットと係合させ得る。あるいは、ねじ切り部材が、2つのシャフト1610aおよび1610bの間に延在し得、ねじ切り部材を作動させることで、2つのシャフト1610aおよび1610bの間の距離を変化させ得る。図16Dは、システム1600が係合し、プレート1200を弾性的に撓曲させている、骨80上のプレート1200を示す。プレート1200は、弛緩状態では線pと位置合わせし得、ツール1650を介してならびにドリルガイド1610aおよび1610bを介してプレートを撓曲させると、プレート1200は、弾性的に撓曲して、線Qと位置合わせし得る。プレートがこの形状に撓曲している間に固定手段を孔1210cを通して設置することは、撓曲が少ないかまたは弛緩状態のプレートよりも高い圧迫を骨ヒンジ81に付与する。
【0061】
したがって、骨ヒンジ81を調整可能に圧迫する方法を、図17A図17Cに示す。固定プレート1200は、標的骨80の、伸延部の両側に設置し得る。プレートの上側部分は、ガイド1690および止めねじを使用して、骨80と固定し得る。ドリルガイド1610aおよび1610bであり得るシャフトが、プレート1200に結合され得、プレート1200の骨対向表面1240を通り、かつそれを超えて延在して、プレート1200を骨の外側表面から離間させ得る。ドリルガイドは各々、長手方向軸を規定し、ハンドル端を画定する長さを有し、したがって、各ドリルガイド1610を、手動でプレートと係合させ得、ドリルガイドのうちの少なくとも一方を使用して、プレート1200を取り扱い、骨80上に設置し得る。上側のドリルガイド1610aは、プレートを設置するために特許に形成された切開部を通して延在し得る。第2の最小限の切開部が、より下側に形成されて、第2のドリルガイド1610bがプレート1200へアクセスするのを可能にし得る。ドリルガイド1610とプレート1200との間の2つの離散的接続位置は、患者の皮膚の切開部のサイズを減少させるのに好ましくあり得る。第1のドリルガイド1610aは、最も上側の孔と伸延された骨との間に配置されている孔1210aを通して結合され得る。第2のドリルガイド1610bは、プレート1200の最も下側の孔である孔1210bに結合され得る。次いで、外部圧迫ツール1650が、ドリルガイド1610aおよび1610bと係合し、プレート1200を弾性的に撓曲させるように動作してから、固定手段が孔1210cを通して設置されて、骨80の外側ヒンジ82を圧迫し得る。ツール1650は、プレート1200を調整可能に撓曲させるための一連の設定を有し、それによってヒンジ81にかかる調整可能な圧迫を有し得る。孔1210cを介して固定した後、次いで、ツール1650は解放され得る(図17C)。次いで、ドリルガイド1610aおよび1610bを使用して、標的の軌道に沿ってドリルを案内し得る。次いで、ドリルガイド1610aおよび1610bを取り外し、プレート1200を、孔1210および1210(図示せず)を介して骨にさらに固定し得る。プレート1200に応力を付与することは、慎重に計画され、臨床的に必要とされるものに、厳密かつ正確に行うことができる。
【0062】
図18Aは、それを通る固定部材を受容するための、それを貫く複数の単軸孔1810を有する、伸延された脛骨上に設置された、さらなる例示的な実施形態のプレート1800を示す。プレート1800は、非対称「T」形状であり得る。孔1810は、概して、伸延された骨切り術部の上を含み得る骨脛骨80の一部分にプレート1800を取り付けるための非止めねじ/止めねじなどの、それを通る一連の固定部材1805を受容するように構成されている。プレート1800は、骨と係合するように成形された第1の表面1840と、その間にプレート厚を規定する対向外側表面1845とを画定する。プレート1200とは異なり、プレート1800は、複合アパーチャ1220を含まなくてよく、代わりに、プレート1800の上側端部で互いに直接隣接する2つの別個の孔1810aおよび1810bを含み得る。2つの孔1810aおよび1810bは、互いに平行な軸を有してもよいし、または、示されるように、互いに角オフセットされていてもよい。この例示的な実施形態では、孔1810aは、プレート1800に直交する軸を有し得、それに直接隣接する他の孔に平行であり得る。孔1810bは、孔1810aの中心軸から約15の角度()だけ角オフセットされている中心軸を規定し得る。これらの2つの孔1810a、1810bは、固定部材1205に、ACLトンネル87または87’を回避する脛骨の経路を可能にする少なくとも1つの孔1810aまたは1810bを提供するように構成されている。しかしながら、複合アパーチャとは異なり、固定部材1205はまた、解剖学的構造が許容する場合、両方の孔(1810a、1810b)を同時に通って延在してもよく、したがって、プレートの固定を全体的に強める。図18Bは、ACLトンネル87または87’を回避するために、固定部材1205が、好ましくは、孔1810aではなくて、孔1810bを通して設置されている、脛骨80のより前側の位置に設置されたプレート1800を示す。先に説明したように、固定プレートは、好ましくは、トルクを考慮するために、ヒンジ軸の真向かいに設置され、したがって、図4Dに示されたように、脛骨高平部の傾斜を増加させる方向でのヒンジ軸の回転のために、プレートは、より前側に設置され得る。固定部材1205は、孔1810aを通して設置されない。あるいは、図18Cは、ACLトンネル87または87’を回避するために、固定部材1205が、好ましくは、孔1810dではなくて、孔1810aを通して設置されている、脛骨80上のより内側の位置に設置されたプレート1800を示す。これは、図4Cに示されたように、脛骨高平部の液体を減少させる二平面補正と相関し得る。固定部材1205は、孔1810bを通して設置されない。図18Aに戻ると、同時的な手術およびACLの位置に応じて、両方の孔1810aおよび1810bが、それを通る固定部材1205を受容して、脛骨80との固定を高め得る。したがって、2つの孔(1810a、1810b)は、固定部材を第1の固定配向で設置する第1の軸に沿って延在する第1の孔と、固定部材1205を、第1の配向とは異なる第2の固定配向で設置する第2の軸に沿って延在する第2の別個の孔とを含む。第1の軸と第2の軸との間の角度は、少なくとも部分的には、少なくとも修正ヒンジ軸角によって規定され得、かつ脛骨を通るACLトンネルの位置に基づいて構成され得る、脛骨の周りのプレート位置を考慮して規定され得る。
【0063】
上記の説明は、本発明の原理および様々な実施形態を示すことを意味する。いったん上記開示が完全に理解されると、多数の変形態様および改変が当業者に明らかとなろう。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような変形態様および改変を包含すると解釈されることが意図される。

図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脛骨の上側セグメントを前記脛骨の下側セグメントに対して、両方のセグメントが骨ヒンジの周りで伸延された後に、固定するためのプレートであって、前記プレートは、前記脛骨上側セグメントに、準備されたACLトンネルを提供し、前記プレートは、
それを通る固定部材を受容し、前記脛骨上側セグメントと係合して固定するための、それを貫く第1の複数の固定部材孔を有する上側プレート部分と、それを通る固定部材を受容し、前記脛骨下側セグメントと係合して固定するための、第2の複数の固定部材孔を有する下側プレート部分と、を備え、
前記第1の複数の固定部材孔は、分離されているが互いに直接隣接する第1の固定部材孔および第2の固定部材孔を含み、前記第1および第2の固定部材孔は、前記ACLトンネルを横断することを回避しながら、前記プレートを前記ACLトンネルに隣接する前記骨の一部分に固定するように選択された、前記第1の固定孔または前記第2の固定孔のうちの一方を通して、固定部材が選択的に導入されて、前記プレートを前記上側セグメントと固定するように構成されている、プレート。
【請求項2】
前記プレートは、修正ヒンジ軸に対して調整するように構成され、前記修正ヒンジ軸は、伸延中に単一自由度について回転し、2つの直交する補正面を考慮する前記2つの骨セグメントの三次元位置合わせを提供する軸として規定され、前記プレートは、前記修正ヒンジ軸と実質的に反対側の標的位置に設置されるように構成されている、請求項1に記載のプレート。
【請求項3】
前記標的位置が脛骨に沿ってより前側にあるとき、前記第1の固定部材孔が選択され得、前記第2の固定部材孔は占有されないままである、請求項2に記載のプレート。
【請求項4】
前記標的位置が前記脛骨の内側に配置されるとき、前記第2の固定部材孔が選択され得、前記第1の固定部材孔は占有されないままである、請求項3に記載のプレート。
【請求項5】
前記プレートが前記脛骨の周りの第1の位置にあるとき、前記第2の固定部材孔は、前記準備されたACLトンネルの方へ固定部材を向ける軸を規定し得、したがって、前記第1の固定部材孔のみが、それを通る固定部材を受容するように選択され得る、請求項1に記載のプレート。
【請求項6】
前記プレートが前記脛骨の周りの異なる位置にあるとき、前記第1の固定部材孔は、前記準備されたACLトンネルの方へ固定部材を向ける軸を規定し得、したがって、前記第2の固定部材孔のみが、それを通る固定部材を受容するように選択され得る、請求項5に記載のプレート。
【請求項7】
前記第1の位置は、前記異なる位置よりも前側にあり得る、請求項6に記載のプレート。
【請求項8】
前記第1の固定部材孔は第1の軸を規定し、前記第2の固定部材孔は第2の軸を規定し、前記第1および第2の軸は互いに平行である、請求項1に記載のプレート。
【請求項9】
前記第1の固定部材孔は第1の軸を規定し、前記第2の固定部材孔は第2の軸を規定し、前記第1および前記第2の軸は互いに角オフセットしている、請求項1に記載のプレート。
【請求項10】
脛骨の上側セグメントを前記脛骨の下側セグメントに対して、両方のセグメントが骨ヒンジの周りで伸延された後に、固定するためのプレートであって、前記プレートは、前記脛骨上側セグメントに、準備されたACLトンネルを提供し、前記プレートは、
前記上側セグメントと係合して固定するための、それを貫く第1の複数の固定部材孔を有する上側プレート部分と、前記下側セグメントと係合して固定するための、第2の複数の固定部材孔を有する下側プレート部分と、を備え、
前記第1の複数の固定部材孔は、第1の固定部材孔および第2の固定部材孔を含み、前記第1の固定部材孔は、前記プレートが第1の位置にあるとき、前記準備されたACLトンネルから離れるように固定部材を向けるように構成され、前記第1の固定部材孔とは別個であるが直接隣接する第2の固定部材孔が、前記プレートが前記第1の位置とは異なる第2の位置にあるときに、前記準備されたACLトンネルから離れるように固定部材を向けるように構成され、前記第1および第2の固定部材孔は、それを通る固定部材を受容して、単独でまたは組み合わせで、前記プレートを前記上側セグメントに固定するように構成されている、プレート。
【請求項11】
前記骨ヒンジは、伸延中に単一自由度について回転し、2つの直交する補正面を考慮する前記2つの骨セグメントの三次元位置合わせを提供するように構成された修正ヒンジ軸であり、前記修正ヒンジ軸は規定し、前記プレートは前記第1または第2の位置にある、請求項10に記載のプレート。
【請求項12】
前記第1の位置は脛骨のより前部の位置に沿っており、前記第2の位置は、より内側の位置である、請求項10に記載のプレート。
【請求項13】
前記プレートが前記第1の位置にあるとき、前記第2の固定部材孔は、前記準備されたACLトンネルの方へ固定部材を向ける軸を規定し得、前記プレートが前記第2の位置にあるとき、前記第1の固定部材孔は、前記準備されたACLトンネルの方へ固定部材を向ける軸を規定し得、したがって、前記第1の固定部材孔は、前記脛骨への前記プレートの固定を提供しない、請求項10に記載のプレート。
【請求項14】
前記第1の固定部材孔は第1の軸を規定し、前記第2の固定部材孔は第2の軸を規定し、前記第1および第2の軸は互いに平行である、請求項10に記載のプレート。
【請求項15】
前記第1の固定部材孔は第1の軸を規定し、前記第2の固定部材孔は第2の軸を規定し、前記第1および前記第2の軸は互いに角オフセットしている、請求項10に記載のプレート。