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特表2023-512803低周波バイアスパルスを用いたプラズマ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】低周波バイアスパルスを用いたプラズマ処理方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230322BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230322BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230322BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/31 C
H01L21/302 101C
H05H1/46 A
C23C16/505
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547951
(86)(22)【出願日】2020-11-17
(85)【翻訳文提出日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020060837
(87)【国際公開番号】W WO2021158272
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】16/785,260
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ランジャン,アロック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンツェク,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】大秦 充敬
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB02
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC16
2G084HH05
2G084HH25
2G084HH56
4K030FA01
4K030FA03
4K030FA04
4K030GA02
4K030JA11
4K030JA16
4K030JA18
4K030KA30
4K030LA15
5F004AA16
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB22
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA06
5F004CA08
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA23
5F004DA26
5F004DB01
5F045AA08
5F045DP02
5F045EH02
(57)【要約】
プラズマ処理方法が、ソース電力(SP)結合要素に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、処理チャンバに配置された基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重なる高周波バイアス電力(HBP)パルス持続時間だけHBPパルスを供給することと、基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重ならない第1の低周波バイアス電力(LBP)パルス持続時間だけ第1のLBPパルスを供給することとを含む。HBPパルスは、800kHzよりも高いHBPパルス周波数を含む。第1のLBPパルスは、約800kHzよりも低いLBPパルス周波数を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース電力結合要素(SP結合要素)に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、
前記処理チャンバに配置された基板ホルダに前記第1のSPパルス持続時間の少なくとも一部分と重なる高周波バイアス電力パルス持続時間(HBPパルス持続時間)だけHBPパルスを供給することであって、前記HBPパルスが800kHzよりも高いHBPパルス周波数を含む、ことと、
前記基板ホルダに前記第1のSPパルス持続時間と重ならない第1の低周波バイアス電力パルス持続時間(第1のLBPパルス持続時間)だけ第1のLBPパルスを供給することであって、前記第1のLBPパルスが約800kHzよりも低いLBP周波数を含む、ことと
を含む、プラズマ処理方法。
【請求項2】
前記HBPパルス持続時間が、前記第1のSPパルス持続時間と前記第1のLBPパルス持続時間との両方に完全に重なる、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
【請求項3】
前記HBPパルス持続時間が、前記第1のSPパルス持続時間と完全に重なり、前記第1のSPパルス持続時間に等しい、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
【請求項4】
前記第1のSPパルス持続時間の後、前記SP結合要素に前記第1のLBPパルス持続時間の少なくとも一部分と重なる第2のSPパルス持続時間だけ第2のSPパルスを供給することであって、
前記第1のSPパルスが第1のSPパルス電力を含み、
前記第2のSPパルスが前記第1のSPパルス電力よりも小さい第2のSPパルス電力を含む、こと
を更に含む、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
【請求項5】
前記第1のSPパルス持続時間が約20μsであり、前記第1のLBPパルス持続時間が約80μsである、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
【請求項6】
前記第1のLBPパルス持続時間の後、前記SP結合要素に第2のSPパルス持続時間だけ第2のSPパルスを供給することと、
前記基板ホルダに前記第2のSPパルス持続時間と重ならない第2のLBPパルス持続時間だけ第2のLBPパルスを供給することと
を更に含む、請求項1に記載のプラズマ処理方法。
【請求項7】
前記第1のLBPパルス持続時間の後、前記SP結合要素にSPを、また前記基板ホルダにLBPを遅延持続時間だけ供給しないことであって、
前記第2のSPパルスが前記遅延持続時間の後に供給される、こと
を更に含む、請求項6に記載のプラズマ処理方法。
【請求項8】
前記HBPパルス持続時間が、前記第1のSPパルス持続時間及び前記第1のLBPパルス持続時間に完全に重なり、且つ前記遅延持続時間に少なくとも部分的に重なり、
前記HBPパルスが前記第1のLBPパルスのLBPパルス電力よりも小さいHBP電力を含む、請求項7に記載のプラズマ処理方法。
【請求項9】
ソース電力結合要素(SP結合要素)に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、
前記処理チャンバに配置された基板ホルダに前記第1のSPパルス持続時間と重ならない第1のバイアス電力パルス持続時間(第1のBPパルス持続時間)の間、複数のBPパルスを供給することであって、前記複数のBPパルスのそれぞれが、約800kHzよりも低いBPパルス周波数、及び約10μsよりも短いBPパルス持続時間を含む、ことと
を含む、プラズマ処理方法。
【請求項10】
前記基板ホルダに前記SPパルス持続時間と重なる第2のBPパルス持続時間だけ高周波バイアス電力パルス(HBPパルス)を供給することであって、前記HBPパルスが800kHzよりも高い周波数を含む、こと
を更に含む、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項11】
前記第2のBPパルス持続時間が、前記SPパルス持続時間と完全に重なり、前記SPパルス持続時間に等しい、請求項10に記載のプラズマ処理方法。
【請求項12】
前記第1のBPパルス持続時間の後、前記SP結合要素に第2のSPパルス持続時間だけ第2のSPパルスを供給することと、
前記基板ホルダに前記第2のSPパルス持続時間と重ならない第2のBPパルス持続時間だけ第2の複数のBPパルスを供給することと
を更に含む、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項13】
前記複数のBPパルスのそれぞれが単一の直流パルス(DCパルス)である、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項14】
前記複数のBPパルスの一部分が正のDCパルスであり、前記複数のBPパルスの残りの部分が負のDCパルスである、請求項13に記載のプラズマ処理方法。
【請求項15】
前記複数のBPパルスのそれぞれが、約1μsよりも短いBPパルス持続時間を含む、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項16】
処理チャンバと、
前記処理チャンバにおいてプラズマを発生させるように構成されたソース電力結合要素(SP結合要素)と、
前記SP結合要素に結合され、前記SP結合要素に高周波電力(RF電力)を供給するように構成されたSP電力供給ノードと、
前記処理チャンバに配置された基板ホルダと、
前記基板ホルダに結合され、前記基板ホルダに第1の直流バイアス電力(第1のDCバイアス電力)を供給するように構成された第1のバイアス供給ノード(第1のBP供給ノード)であって、前記第1のDCバイアス電力が約800kHzよりも低い第1のBP周波数を含む、第1のバイアス電力供給ノード(第1のBP供給ノード)と、
前記基板ホルダに結合され、前記基板ホルダに第2のDCバイアス電力を供給するように構成された第2のBP供給ノードであって、前記第2のDCバイアス電力が800kHzよりも高い第2のBP周波数を含む、第2のBP供給ノードと
を備える、プラズマ処理装置。
【請求項17】
前記第1のBP周波数が約400kHzである、請求項16に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記第2のBP周波数が約13MHzである、請求項17に記載のプラズマ処理装置。
【請求項19】
前記SP結合要素が、前記処理チャンバの外部に配置されたヘリカル共振器であり、前記処理チャンバにおいて誘導結合プラズマを発生させるように構成され、
前記RF電力が、約27MHzに等しいRF電力周波数を含む、請求項18に記載のプラズマ処理装置。
【請求項20】
前記第1のBP供給ノード及び前記第2のBP供給ノードが、前記基板ホルダに前記第1のDCバイアス電力及び前記第2のDCバイアス電力を同時に供給するよう構成される、請求項16に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月7日に出願された米国特許出願第16/785,260号明細書に対する優先権及びその出願日の利益を主張するものであり、同米国特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にプラズマ処理に関し、特定の実施形態では、低周波バイアスパルスを用いたプラズマ処理方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクス加工対象物内のデバイス形成は、基板上でのいくつかの材料層の形成、パターニング、及び除去を含む一連の製造技法を伴い得る。現在及び次世代の半導体デバイスの物理的及び電気的仕様を達成するために、構造的完全性を維持しつつ、フィーチャ寸法を減少させることを可能にする処理フローが様々なパターニングプロセスにとって望ましい。デバイス構造が高密度化し、垂直方向に展開するにつれて、精密材料処理の必要性がますます切実になっている。
【0004】
プラズマプロセスは、一般に、マイクロエレクトロニクス加工対象物においてデバイス、配線、及び接点を形成するために使用される。プラズマプロセスは、フロントエンドオブライン(FEOL)、ミドルオブライン(MOL)、及びバックエンドオブライン(BEOL)など、様々な処理段階で使用される。例えば、プラズマエッチング及びプラズマ堆積は、半導体デバイス製作中の一般的なプロセス工程である。プラズマを発生させ、方向付けるために、結合要素に印加されるソース電力(SP)と基板ホルダに印加されるバイアス電力(BP)との組み合わせが使用され得る。SPは、プラズマ温度を上昇させるプラズマを発生させるために使用され得る。同様に、BPは、プラズマ種に速度を付与するために使用され得る。しかしながら、従来のプラズマプロセスは、これらの影響を互いに切り離すのに苦労しており、結果としてプロセスの制御及び精度が損なわれた。したがって、SPの影響とBPの影響とを切り離すプラズマ処理方法が望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、プラズマ処理方法が、SP結合要素に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、処理チャンバに配置された基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重なる高周波BPパルス持続時間だけ高周波BPパルスを供給することと、基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重ならない第1の低周波BPパルス持続時間だけ第1の低周波BPパルスを供給することとを含む。高周波BPパルスは、800kHzよりも高い高周波BPパルス周波数を含む。第1の低周波BPパルスは、約800kHzよりも低い低周波BPパルス周波数を含む。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、プラズマ処理方法が、SP結合要素に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、処理チャンバに配置された基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重ならない第1のBPパルス持続時間の間、複数のBPパルスを供給することとを含む。複数のBPパルスのそれぞれが、約800kHzよりも低いBPパルス周波数、及び約10μsよりも短いBPパルス持続時間を含む。
【0007】
本発明の更に別の実施形態によれば、プラズマ処理装置が、処理チャンバと、処理チャンバにおいてプラズマを発生させるように構成されたSP結合要素と、SP結合要素に結合され、SP結合要素に高周波(radio frequency、RF)電力を供給するように構成されたSP電力供給ノードと、処理チャンバに配置された基板ホルダとを備える。プラズマ処理装置は、基板ホルダに結合され、基板ホルダに第1の直流バイアス電力を供給するように構成された第1のBP供給ノードと、基板ホルダに結合され、基板ホルダに第2の直流バイアス電力を供給するように構成された第2のBP供給ノードとを更に備える。第1の直流バイアス電力は、約800kHzよりも低い第1のBP周波数を含む。第2の直流バイアス電力は、800kHzよりも高い第2のBP周波数を含む。
【0008】
本発明及びその利点をより完全に理解するために、ここで、添付図面と併せて読まれるべき以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理方法の概略タイミング図、並びにBPパルス周波数及びBPパルス持続時間の結合に対する影響の対応する定性グラフを示す。
図2】本発明の実施形態による、別の例としてのプラズマ処理方法の概略タイミング図、イオン密度及び基板における電位の対応する定性グラフ、並びに基板において生じ得る高周波BPパルスの影響の概略図を示す。
図3】本発明の実施形態による、更に別の例としてのプラズマ処理方法の概略タイミング図、並びにイオン密度及び基板における電位の対応する定性グラフを示す。
図4】本発明の実施形態による、様々なプラズマ処理方法の概略タイミング図を示す。
図5】本発明の実施形態による、いくつかのプラズマ処理方法の概略タイミング図、並びに電子密度及びイオンフラックスの対応する定性グラフを示す。
図6】本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理システムの概略ブロック図を示す。
図7】本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理方法を示す。
図8】本発明の実施形態による、別の例としてのプラズマ処理方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
異なる図中の対応する数字及び記号は、特段の指示のない限り、対応する部分を概して参照する。図面は、実施形態の関連する態様を明確に示すように描かれており、必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。図面に描かれる特徴の端部は、特徴の範囲の終端を必ずしも示していない。
【0011】
様々な実施形態を作成すること及び使用することについて、以下に詳述する。しかしながら、本明細書で説明される様々な実施形態は、多様な具体的な文脈において適用可能であると理解されたい。論じられる具体的な実施形態は、様々な実施形態を作成及び使用する具体的な方法を単に例示するものであり、限定された範囲において解釈されるべきではない。
【0012】
プラズマ特性の制御は、プラズマ処理方法(例えば、プラズマエッチング及びプラズマ堆積)を実施する際に重要であり得る。処理チャンバに適切なタイミングでソース電力及びバイアス電力を供給するパルス化技法を利用することにより、更なる制御が実現され得る。SPパルス及び/又はBPパルスを含む技法は、高度パルス化技法(APT)と場合により呼ばれ得る。APTは、印加電力の形状及びタイミングを制御するために1つ又は複数の波形発生器及びコントローラを使用して実装され得る。
【0013】
特に、例えば、APTは、大まかに定義された2つ以上のフェーズを含むパルスの周期的パルスシーケンスとして実装され得る。第1のフェーズ(例えば、SPフェーズ又はプラズマ発生フェーズ)では、イオン及びラジカルを含む高密度プラズマを発生させるために、結合要素(例えば、ヘリカル共振器のコイル)にSPパルスが印加され得る。第2のフェーズ(例えば、BPフェーズ又はイオン加速フェーズ)では、イオンにエネルギーを結合させ、基板ホルダによって支持された基板に向けてイオンを方向付けるために、基板ホルダに1つ又は複数のBPパルスが印加され得る。処理チャンバ内の副生成物の制御を可能にするために、SP及び/又はBPがオフの状態である第3のフェーズが利用されてもよい(例えば、オフフェーズ又は副生成物管理フェーズ)。
【0014】
SPは、高周波(RF)帯(例えば、高周波(HF)、超高周波(VHF)など)の交流(AC)電力として供給され得る。BPは、直流(DC)電力(例えば、連続DC電力、パルスDC電力、バイポーラDC電力など)又はAC電力(例えば、HF、中波(MF)、低周波(LF)、超低周波(VLF)など)として供給され得る。
【0015】
従来のプラズマ処理方法は、SPとBPとの両方をHF帯で印加する。しかしながら、BPパルスによってプラズマ中のイオンに付与されるエネルギーは、BPフェーズ中にSPが存在しないにもかかわらず、最小限であり得る。BP周波数が2MHz(つまり、MF帯)であっても、基板表面に到達するイオンのバルクは熱平衡近傍であり得る(つまり、垂直方向速度を無視できる/イオン角度が大きい状態)。例えば、約645kHz超のBP周波数は、プラズマの電子温度Tを上昇させ、BPフェーズ中に寄生プラズマを発生させ得る。寄生プラズマの発生は、イオンの垂直性の欠如に寄与し得る。これは、大きなバイアス電圧及び大きなシースにより、イオンエネルギーの大部分が衝突で失われ得るためである。
【0016】
基板ホルダにBPパルスを印加する場合、SP結合要素(例えば、誘導コイル)は、基板ホルダを介して基板に結合された電力の低周波帰路として機能し得る。低周波BPパルスは、高周波BPパルスと比較して、プラズマの構造を変化させ得る。コイルにおける少量のLF電力によって、プラズマは敏感に影響を受け得る。例えば、BPが増加すると、プラズマ密度(例えば、n)は上昇するが、nの立ち上がり時間及び立ち下がり時間は両方とも減少し得る。加えて、SPがBPに対して増加すると、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が減少し得るが、nは実質的に影響を受けない。
【0017】
BPの印加に対するプラズマ特性の感度に起因して、幅広い条件によって、寄生プラズマが発生し、プラズマ発生とイオン加速との間の切り離しが破壊され得る。BPが増加すると、イオンエネルギー(すなわち、イオン温度)もまた望ましくないほどに上昇して、結果として、基板表面に寄生プラズマが発生するまで、イオン密度分布が基板に向かって大きくなり得る。具体的な例として、塩素(例えば、Cl)を添加したアルゴン(Ar)プラズマを含む系では、800kHzで500VのBP電圧で寄生プラズマが発生し得る。
【0018】
様々な実施形態において、本明細書で説明されるプラズマ処理方法は、処理チャンバにSP及びBPを異なる周波数で供給することを含む。例えば、SPパルスがSP結合要素に印加されて、処理チャンバにおいてプラズマを発生させてもよく、低周波BP(LBP)パルスが基板ホルダに印加されてもよい。LBPパルスは、例えば、約800kHzよりも低い周波数を有してもよい。また、任意選択で、高周波BP(HBP)パルスが印加されてもよい。例えば、HBPパルスは、例えば約13MHzなど、800kHzよりも高い周波数を有してもよい。任意選択で、LBPパルスのそれぞれが、SPパルスの後に供給される短い持続時間の複数のBPパルスとして印加されてもよい。例えば、複数のBPパルスのそれぞれの継続時間は、例えば約10μsよりも短くてもよい。
【0019】
実施形態としてのプラズマ処理方法は、好都合なことに、プラズマの発生を印加されるBPから切り離すことができる。例えば、有益なことに、SPとBPとは切り離されて、制御を強化し、複雑さを低減することができる。換言すれば、ソースとバイアスとの間のクロストークを低減又は排除することができる。本明細書で説明されるプラズマ処理方法はまた、好都合なことに、結果として、略垂直なイオン速度V(すなわち、基板表面に対して垂直/小さいイオン角度)、プラズマの加熱(例えば、T)又は発生がほとんどないかまったくない、且つイオン加熱がほとんどないかまったくない(すなわち、小さい水平/平行速度VII)ようにすることができる。よって、イオンの垂直性は、有益なことに、BPフェーズ全体を通して維持され得る。
【0020】
更なる利点は、低温のバルクイオンを有するプラズマを発生させて、高密度、高圧、且つ薄いシースをもたらすことであり得る。好都合なことに、本明細書で説明されるプラズマ処理方法では、印加されるBPからのプラズマの発生がほとんどないかまったくないようにすることができる。特定の臨界周波数閾値未満の周波数のBPパルスによって、好都合なことに、基板において大きなイオンフラックスを取り出すことができる。
【0021】
以下に提示する実施形態は、様々なプラズマ処理方法、並びにプラズマ処理方法、特にLBPパルスを含むプラズマ処理方法を実行するためのシステム及び装置を説明する。以下の説明は、これらの実施形態を説明する。図1を用いて、実施形態としてのプラズマ処理方法の例としての概略タイミング図を説明する。図2及び図3を用いて、HBPパルスを含む実施形態としてのプラズマ処理方法の例としての2つの概略タイミング図を説明する。図4及び図5を用いて、実施形態としてのプラズマ処理方法のいくつかの追加的な概略タイミング図を説明する。図6を用いて、例としてのプラズマ処理装置を備える例としてのプラズマ処理システムを説明する。図7及び図8を用いて、例としての2つのプラズマ処理方法を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理方法の概略タイミング図、並びにBPパルス周波数及びBPパルス持続時間の結合に対する影響の対応する定性グラフを示す。
【0023】
図1を参照すると、概略タイミング図100は、プラズマ処理システムにおけるSP及びBPの印加を示す。少なくとも1つのSPパルス112と少なくとも1つのLBPパルス122とがプラズマ処理システムに供給される。様々な実施形態においてSPはAC電力であり、いくつかの実施形態ではRF電力である。したがって、各SPパルス112は、印加される電力の周波数を示すSPパルス周波数fを有する。例えば、SPパルス周波数fは、HF帯、VHF帯などであってもよい。一実施形態では、SPパルス周波数fは約26MHzである。別の実施形態では、SPパルス周波数fは約13MHzである。
【0024】
同様に、BPはAC電力(例えば、DCバイアスされたAC電力)であってもDC電力であってもよい。各LBPパルス122は、約800kHzよりも低いLBPパルス周波数fを含む。LBPパルス周波数fは、MF帯、LF帯、VLF帯、及びそれよりも低くてもよい。例えば、LBPパルス周波数fは、連続波(CW)DC電力に対応するゼロであってもよい。加えて、DC電力として送達されるBPは、基板における帯電効果を打ち消すためにバイポーラ型であってもよい。いくつかの実施形態では、LBPパルス周波数fは約645kHzよりも低く、一実施形態では約400kHzである。LBPパルス周波数fに対するSPパルス周波数fには、予想される制限はない。
【0025】
各種類のパルスの持続時間を示すものとして、各SPパルス112にはSPパルス持続時間tがあり、各LBPパルス122にはLBPパルス持続時間tがある。図示のように、SPパルス持続時間tとLBPパルス持続時間tとは時間的に重ならない。様々な実施形態において、LBPパルス持続時間tは約100μsよりも短く、一実施形態では約80μsである。SPパルス持続時間tとLBPパルス持続時間tとの間に必要とされる関係は存在しない。換言すれば、LBPパルス持続時間tは、所与のプラズマプロセスの具体的な詳細に応じて、SPパルス持続時間tよりも長くてもよいし、SPパルス持続時間tに等しくてもよいし、SPパルス持続時間tよりも短くてもよい。
【0026】
SPパルスとLBPパルスとの間の適切なタイミングと、LBPパルスの低い周波数との組み合わせによって、好都合なことに、印加されるSPの影響を印加されるBPの影響から切り離すことができる。例えば、BPパルス周波数対BPパルス持続時間の定性グラフ101に示すように、最適領域11において、プラズマ発生に対するBPの影響を低減又は排除することができる。
【0027】
最適領域11は、BPパルス周波数及びBPパルス持続時間の値が十分に小さい場合に対応する。特に、特定の臨界BPパルス周波数fを超えると、強い結合が存在して、結果として、望ましくない2次プラズマが発生し得る。例えば、13.56MHzのBPが印加されると、ウェーハの上方に2次プラズマが発生し、その結果、ラジカル対イオン比が変化し、それにより、とりわけ側壁の不動態化の程度及び/又は選択性が変化し得る。臨界BPパルス周波数fの具体的な値は様々な因子に依存し得るが、臨界BPパルス周波数fは約645kHzであり得る。例えば、645kHzでDC電力として供給されるBPパルス(例えば、インパルスバイアス)は、補足的なプラズマ発生をもたらさず、以前のSPパルスによって発生したプラズマ又は対応するアフターグローを変動させないことができる。
【0028】
同様に、特定の臨界BPパルス持続時間tを超えるBPパルス持続時間は、望ましくないプラズマ構造の変化をもたらす強い結合を形成し得る。例えば、持続時間が長いことで生じ得る欠点は、プラズマが減少し始め、それによりプラズマの構造が変化し得るということである。臨界BPパルス持続時間tの具体的な値もまたいくつかの因子に依存し得、例えば約25μs~約300μsであり得る。tの具体的な値に影響を与え得る1つの因子として、BPが電子温度Tを変化させる速度がある。BPによるTの上昇が遅いと、tの値が大きくなり得る。
【0029】
したがって、最適領域11に留まり、強い結合のシナリオを回避するために、臨界BPパルス周波数fよりも低いLBPパルス周波数f、及び臨界BPパルス持続時間tよりも短いLBPパルス持続時間tを有するLBPパルスが印加される。例えば、場合によっては、約400kHzのLBPパルス周波数fは、プラズマの発生又は電子温度Tの上昇から良好に切り離され得るため、望ましい周波数である。しかしながら、必須ではないが、HBPパルスはまた、以下に述べるように、弱い結合又は無結合を維持しながら、LBPパルスと適切に併用されてもよい。
【0030】
図2は、本発明の実施形態による、別の例としてのプラズマ処理方法の概略タイミング図、イオン密度及び基板における電位の対応する定性グラフ、並びに基板において生じ得るHBPパルスの影響の概略図を示す。図2の概略タイミング図は、例えば図1の概略タイミング図など、本明細書で説明される他の概略タイミング図の具体的な実装形態であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0031】
図2を参照すると、概略タイミング図200は、プラズマ処理システムにおけるSP及びBPの印加を示す。必要に応じて繰り返され得るパルス周期209の間に、SPパルス周波数f及びSPパルス持続時間tを有するSPパルス212と、LBPパルス周波数f及びLBPパルス持続時間tを有するLBPパルス222とが、プラズマ処理システムに供給される。具体的には、所与の実施形態としてのプラズマ処理方法を実行するために、パルス周期209は周期的に複数回実行されてもよい。パルス周期209は、任意の適切な持続時間を有してよく、一実施形態では約1msである。
【0032】
パルス周期209は、図示のように3つのフェーズなど、いくつかのフェーズに概念的に分割され得る。SPパルス212はフェーズ201においてプラズマ処理システムに印加され、LBPパルス222はフェーズ202において印加される。フェーズ201は、SPフェーズ又はプラズマ発生フェーズと呼ばれ得る。フェーズ202は、BPフェーズ又はイオン加速フェーズと呼ばれ得る。任意選択で図示のようにフェーズ203も含めてもよく、フェーズ203の間、SP及びBPはオフにされる。フェーズ203は、オフフェーズ又は副生成物管理フェーズと呼ばれ得る。
【0033】
加えて、HBPパルス232もフェーズ201において供給される。HBPパルス232は、HBPパルス周波数f及びHBPパルス持続時間tを有する。図示のように、HBPパルス持続時間tは、一実施形態ではSPパルス持続時間tと一致する。或いは、HBPパルス持続時間tは、SPパルス持続時間tとは異なってもよい。追加的又は代替的に、HBPパルス232はまた、以下に説明するように、他のフェーズにおいて印加されてもよい。例えば、HBPパルス232はまた、フェーズ202において印加され得る。HBPパルス周波数fは、LBPパルス周波数fよりも高い。例えば、様々な実施形態において、fは約800kHzよりも低く、fは800kHzよりも高い。いくつかの実施形態では、fはHF帯にあり、一実施形態では約13.56MHzである。
【0034】
パルスは、イオン密度n及び基板における二乗平均平方根電位Vrmsに影響を与え得る。例えば、定性グラフ205に示すように、フェーズ201におけるSPパルス212の間にイオン密度nが増加する。LBPパルス222は発生されるプラズマから切り離されているため、フェーズ202においてイオン密度nは減少し、このことはアフターグローに対応し得る。対照的に、基板における電位Vrmsは、フェーズ201においては比較的低く一定であるが、フェーズ202においてはLBPパルス222の印加によって上昇する。アフターグローに続いて、イオン密度のnは徐々に減少し続ける一方、電位Vrmsは印加される電力のないフェーズの203ではゼロ付近まで急速に降下する。
【0035】
概略タイミング図200に示すパルスタイミングは、好都合なことに、薄いエッチング、プロファイルエッチング(例えば、薄い頂部及び底部の角丸めの管理)、及びパターニング(例えば、窒化珪素、酸化珪素、珪素)、並びに複数のパターニング用途などのいくつかのプラズマ処理方法(例えば、ロジック製作のためのプラズマ処理方法)で使用され得る。
【0036】
HBPパルスは、ラジカル生成率(例えば、Cl)を変更すること、及び/又はエッチングプロファイルに影響を与えることに望ましい場合がある。HBPパルスはまた、好都合なことに、所与のプラズマプロセスの清浄度を管理するために使用され得る(例えば、逆位相プロセスでのSP印加の際)。例えば、HBPパルスを使用して水平表面の不動態化を制御することができる。ここで概略図206を参照すると、マスク55が、側壁を備えたトレンチ及び孔などのフィーチャを含む基板256のエッチング領域を線引きし得る。不動態化層57を形成することにより、側壁のエッチングを低減又は防止することが望ましい場合がある。不動態化層57は、いくつかの実施形態では酸化膜である。酸化膜は、側壁の保護には有益であり得るが、水平表面上に形成されるとエッチングレートを低下させ、エッチングを停止させる危険性を有し得る。概略図206に示すように、フェーズ201におけるHBPパルス232は、不動態化層57が基板256の水平表面上に形成されることを低減又は防止することができ、このことは、好都合なことに、エッチフロントの管理に役立ち得る。
【0037】
フェーズ202では、HBPパルス232はオフであり、LBPパルス222はオンである。所与のプラズマプロセスにおいてフェーズが異なればBP周波数が異なると有益である場合がある。例えば、場合によっては、バイアスフェーズにおいて純粋な低周波BPを供給することが、切り離しの改善を促進するために有利である場合がある。しかしながら、HBPパルス232はまた、フェーズ202とフェーズ203との両方に延び、両方全体にわたることもできる。同様に、ソースフェーズにおいて高周波BPを供給することは、好都合なことに、基板表面における表面相互作用を制御し得る(例えば、フィーチャの底部などの水平表面上での酸化膜の形成を抑制することによって)。例えば、SPと共にHBPを印加することにより、LBP(例えば、400kHz)がアフターグローのVPPを最大化させながら、電位(プラズマ電位VPP及びDC電位VDC)を維持することができる。また、上述のように、HBPパルスを省略することもできる(例えば、ソースフェーズにおいて基板における電位の制御の重要性が低い場合)。
【0038】
概略タイミング図200を用いて示したプラズマ処理方法の1つの具体的な実装態様として、CF及びOを添加したHBr及びArの50:50混合ガスを用いたシリコン(Si)エッチングがあり得る。この具体的な例では、SPパルス212は、tが約20μsであり、fがHF帯にある(例えば、13.56MHz、26MHzなど)状態で、約500WのSPパルス電力Pで印加され得る。HBPパルス232は、fが約13.56MHzである状態で、SPパルス212と同時に、且つ同じ持続時間(t=20μs)だけ、約100WのHBPパルス電力Pで印加され得る。LBPパルス222は、fが約400kHzである状態で、より長い持続時間(t=80μs)だけ、約500WのLBPパルス電力Pで印加され得る。フェーズ203は、副生成物を制御するためのオフフェーズとして実施されてもよく、約900μsの持続時間を有してもよい。したがって、この具体的な例では、パルス周期209の持続時間は、約1msであってもよい。
【0039】
図3は、本発明の実施形態による、更に別の例としてのプラズマ処理方法の概略タイミング図、並びにイオン密度及び基板における電位の対応する定性グラフを示す。図3の概略タイミング図は、例えば図1の概略タイミング図など、本明細書で説明される他の概略タイミング図の具体的な実装形態であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0040】
図3を参照すると、概略タイミング図300は、プラズマ処理システムにおけるSP及びBPの印加を示す。SPパルス312、HBPパルス332、及びLBPパルス322は、必要に応じて繰り返され得るパルス周期309においてプラズマ処理システムに供給される。図2の概略タイミング図200とは異なり、HBPパルス持続時間tは、概略タイミング図300のパルス周期309の持続時間に等しい。HBPのこの印加は、低電力であり得、プラズマ点火の維持に関連し得る。例えば、点火の問題が存在し得る場合(例えば、低圧、長いオフフェーズなど)には、その後のソースフェーズにおいてプラズマの確実な再点火を促進するために、少量のプラズマを維持するために低電力HBPが望ましい場合がある。
【0041】
定性グラフ305は、HBPパルス332の延長された持続時間がイオン密度n及び基板における電位Vrmsに対して与える影響を示す。図示のように、n及びVrmsは、フェーズ301及びフェーズ302において、対応する図2のフェーズ201及びフェーズ202と同様に振る舞う。しかしながら、フェーズ303では、n及びVrmsは両方とも、HBPパルス332によって比較的一定の非ゼロの値に保持される。n及びVrmsの両方が無視でき得る図2のフェーズ203と比較して、イオン密度nは、フェーズ303のHBPパルス332によって低密度プラズマに対応する望ましいレベルに維持され得る。この「繊細な(tickle)」プラズマは、好都合なことに、フェーズ303の直後の容易な点火を可能にし得る。
【0042】
加えて、この場合、HBPパルス332はフェーズ302を通して維持され、その結果、このフェーズのイオンフラックスが増加し得ることに留意されたい。しかしながら、HBPはまた、場合によってはフェーズ302においてオフに切り替えられ得る。フェーズ302においてHBPパルスを維持することができるか否かは、所与のプロセスに対する副生成物再堆積の影響に依存し得る。
【0043】
図4は、本発明の実施形態による、様々なプラズマ処理方法の概略タイミング図を示す。図4の概略タイミング図は、例えば図1の概略タイミング図など、本明細書で説明される他の概略タイミング図の具体的な実装形態であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0044】
図4を参照すると、いくつかの概略タイミング図が、様々なプラズマ処理方法におけるSP、HBP、及びLBPのタイミング及び電力に関するシナリオの非網羅的なサンプリングを示す。図(a)~図(i)のそれぞれが、少なくとも1つのSPパルス412とLBPパルス422とを含み、3つのフェーズ(フェーズ1、フェーズ2、及びフェーズ3)に概念的に分割される。これらの図は、様々な持続時間及びタイミングを有する様々なHBPパルス及び追加のSPパルスも含まれ得る点で、互いに異なる。
【0045】
図(a)は、HBPパルス433がフェーズ1及びフェーズ2全体を通して、またフェーズ3を部分的に通して延びる持続時間で印加されることを除いて、図3のシナリオと同様のシナリオを示す。図(b)及び図(c)は、2つの代替的なシナリオを示しており、一方は、HBPパルス434がフェーズ2を部分的に通して延び、他方は、HBPパルス435がLBPパルス422と同時に終了する持続時間で印加される。これらのシナリオ及び他のシナリオにおいて、HBPパルスは、イオンにエネルギー(すなわち、加速)を付与するためではなく、点火を維持するために主に使用され得る。
【0046】
同様に、図(d)は図2のシナリオと同様のシナリオを示し、ここでは、HBPパルス432がSPパルス412と同時に印加されるが、更に追加のHBPパルス436がLBPパルス422と同時に印加される。したがって、図(d)に示すタイミングシナリオは、SPパルス412とLBPパルス422との間にHBPがオフである間隔を伴うことを除いて、図(c)のシナリオと同様である。図(d)では、HBPパルス432と追加のHBPパルス436とは同じ電力を有するものとして示されている。しかしながら、必ずしもそうでなくてもよい。例えば、図(e)に示すように、LBPパルス422の間に低電力HBPパルス437が供給されてもよい。
【0047】
図(f)は図(a)のシナリオと同様のシナリオを示し、ここでは、低電力SPパルス416を伴う。例えば、SPパルス412は約500Wの第1のSPパルス電力PS1を有し得る一方、低電力SPパルス416は約100Wの第2のSPパルス電力PS2を有し得る。PS1とPS2との間の関係は、任意の関係を用いることができ、所与のプラズマ処理方法の具体的な要件に依存し得る。例えば、PS1に対してPS2の出力が低いことを用いて、少量の更なるプラズマを供給してもよい。更に、図(g)、図(h)、及び図(i)に示すように、連続的な低電力SPパルス417が、フェーズ2とフェーズ3との両方全体を通して印加されてもよい。フェーズ3においてSPがオンにされることにより、イオン密度が下がり、イオンフラックスが増加することがあり、このことは場合によっては望ましい場合がある。
【0048】
また、図示のように遅延がない場合もあり得るが、実際にはSPパルス412と低電力SPパルス416との間に遅延が存在し得ることに留意されたい。例えば、遅延は、約5μsである場合もあれば、他の値である場合もある。印加されるSPの周波数及びデューティサイクルなどの因子は、SPパルス412とそれに続くSPパルス(すなわち、低電力SPパルス416、連続的な低電力SPパルス417)との間の遅延の値に影響を与え得る。
【0049】
図4には多種多様なタイミングシナリオが示されているが、本発明の特定の用途の具体的なニーズを満たすために、少なくとも1つのSPパルスと少なくとも1つのLBPパルスとを含みながら、本明細書で説明されるこれらの実施形態及び他の実施形態のいずれかの任意の適切な組み合わせをなすことができる。HBPパルスがSPパルス又はLBPパルスと同時に開始されるように示されているが、そのようにされる必要はない。換言すれば、示したHBPパルスのいずれの開始も、図4に示すHBPパルスの終了のタイミングをオフセットするのと同様に、SPパルス又はLBPパルスに対して時間的にオフセットされてもよい。
【0050】
図5は、本発明の実施形態による、いくつかのプラズマ処理方法の概略タイミング図、並びに電子密度及びイオンフラックスの対応する定性グラフを示す。図5の概略タイミング図は、例えば図1の概略タイミング図など、本明細書で説明される他の概略タイミング図の具体的な実装形態であり得る。同様にラベルが付与された要素は、前述の通りであり得る。
【0051】
図5を参照すると、概略タイミング図501は、BP印加のない、SPパルス512への印加を示す。電子密度n及びイオンフラックスの対応する定性グラフは、n及びイオンフラックスがSPパルス512の間に高く、その後SPが終了した後に減少することを示す。イオンフラックスは急速に減少し、nは徐々に略一定の速度で減少する。概略タイミング図502に示すように、SPパルス512の後にLBPパルス持続時間tでLBPパルス522を導入することにより、nが減少する速度が変わり得る。特に、tが十分に長いLBPパルス522は、プラズマがより速く減少するようにプラズマを変動させ得る。例えば、イオンフラックスは、背景プラズマ密度を反映し得る。しかしながら、次のSPパルスを印加する前に、より多くのイオンフラックス(例えば、線量)を生成することが望ましい場合がある。
【0052】
例えば、十分に短いLBPパルスは、背景プラズマを強く変動させることなくイオンフラックスに影響を与え得る。換言すれば、インパルスバイアスは、フラックスを取り出すが、アフターグローを変動させない。このことは、概略タイミング図503において見ることができ、概略タイミング図503は、十分に短いLBPパルス(すなわち、LBPスパイク526)が、nに影響を与えない一方で、イオンフラックスにおいて対応する鋭いピークを生成することを示している。図示のように、LBPスパイク526は、イオンフラックスを増加させながら、背景プラズマ(すなわち、n)に対する影響が最小限又はまったくないように十分に短いLBPスパイク持続時間tを有する。様々な実施形態において、tは20μsよりも短く、いくつかの実施形態では10μsよりも短い。一実施形態では、tは約10μsである。別の実施形態では、tは約1μsである。
【0053】
LBPスパイク526は、上述のLBPパルスと同様であるが、持続時間(すなわち、t)はそれよりも短くてもよい。例えば、LBPスパイク526は、約645kHzよりも低い周波数(例えば、400kHz)で印加されるBPであってもよい。追加的に、また上述のLBPパルスと同様に、LBPスパイク526もCWDC電力であってもよい。例えば、一実施形態では、LBPスパイク526は、約10μsのLBPスパイク持続時間tでのCWDC電力の印加である。他の実施形態では、CWDC電力の印加の持続時間は、より長くてもより短くてもよい。
【0054】
長いLBPパルスは、上述のように、寄生プラズマの発生及び/又はプラズマ構造の変化をもたらし得る。しかしながら、BP「パルス列」では、寄生プラズマの発生は、より緩やかに増加し得る。したがって、概略タイミング図504に示すように、適切に間隔を空けて配置された複数のLBPスパイク526が、好都合なことに、アフターグローを減少させずに、比較的一定のイオンフラックスを発生させ得る。例えば、(例えば、背景密度の低下とともに徐々に増加する)エネルギーでの線量列は、好都合なことに、より多くの単一エネルギービームをもたらし得る。
【0055】
隣接するLBPスパイク526間の間隔tは、とりわけ印加されるBPの周波数及びtの長さなど、様々な因子に依存し得る。しかしながら、tは背景プラズマの変動を避けるように(例えば、電子温度Tを上昇させない程度に短く)選択され得る。例えば、様々な実施形態において、tはtより長い。いくつかの実施形態では、tは約20μs~約100μsである。他の実施形態では、tは約10μs~約50μsである。
【0056】
場合によっては、LBPパルス及び/又はLBPスパイクを印加する場合、表面帯電が問題となり得る(例えば、誘電体基板など)。帯電効果の大きさは、所与の基板に含まれる材料に依存し得、場合によっては、LBPスパイク間で十分に電荷が散逸することもある。しかしながら、他の場合には、LBPスパイク526にバイポーラDC電力を使用することによって望ましくない帯電効果を打ち消すことが望ましい場合がある。例えば、LBPスパイクが1つ置きに正にされてもよいし、----+++、--+、などの他のパターンが使用されてもよい。追加的に、正のLBPスパイクの持続時間は、負のLBPスパイクの持続時間とは異なってもよい。更に、3つのLBPスパイク526が示されているが、LBPスパイク526の数に対して意図されている制限はない。1周期当たりのLBPスパイク526の数は、パルス周期時間、線量要件、及び所与の用途に固有の他の考慮事項に依存し得る。
【0057】
また、複数のLBPスパイク526に加えて、概略タイミング図505に示すように、SPがオンである時の化学制御を容易にするために、HBPパルス532が組み込まれてもよい。図示のように、SPパルス512の間のイオンフラックスは、HBPパルス532によって導入される電位によって最小限に影響を受け得る。このシナリオによって、上述のHBP電力の利点がLBPスパイクの利点と組み合わされ得る。LBPスパイクは、上述のタイミング構成のいずれにも組み込まれ得ることに留意されたい。換言すれば、本発明の範囲は、本明細書で説明される任意のLBPパルスに対する任意選択の実装形態として、LBPスパイクを含むことが意図されている。
【0058】
図6は、本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理システムの概略ブロック図を示す。図6のプラズマ処理システム及びプラズマ処理装置は、例えば図1図5の概略タイミング図など、本明細書で説明される実施形態としてのプラズマ処理方法を実行する概略タイミング図のいずれかを実施するために使用され得る。更に、図6のプラズマ処理システム及びプラズマ処理装置は、例えば図7及び図8のプラズマ処理方法など、本明細書で説明される実施形態としての方法のいずれかを実行するために使用され得る。
【0059】
図6を参照すると、プラズマ処理システム600は、処理チャンバ54に結合されたSP結合要素60(例えば、誘導コイル、ヘリカル共振器など)を備えたプラズマ処理装置50を備える。SP結合要素60はプラズマ処理装置50の水晶窓52の外部に配置された誘導コイルとして示されているが、SP結合要素60はまた、処理チャンバ54の内部にある導電性の板として実装されてもよいし、他の適切な構成(例えば、アンテナ、電極、導波体、電子ビームなど)として実装されてもよい。SP結合要素60は、処理チャンバ54の内部においてプラズマ58を発生させるように、処理チャンバ54にSPを結合するように構成される。プラズマ58は、誘導結合プラズマ(ICP)、容量結合プラズマ(CCP)、表面波プラズマ(SWP)など、任意の種類のプラズマであってもよい。
【0060】
処理チャンバ54内には、基板ホルダ70(例えば、静電チャック)が配置される。基板ホルダ70は、基板656を支持するように構成される。基板ホルダ70は、処理チャンバ54にBPを結合するように更に構成される。結合されるBPは、本明細書で説明するように、HBPとLBPとの両方を含み得る。
【0061】
SPは、SP結合要素60に結合されたSP供給ノード62と、SPコントローラ64とを含むSP制御経路を用いて処理チャンバ54に供給されてもよい。また、SP供給ノード62は、波形発生器に結合されてもよいし、波形発生器を備えてもよい。加えて、SP供給ノード62とSPコントローラ64とは組み合わされてもよい。また、SP結合要素60とSP供給ノード62との間に、任意選択のSP整合段65が含まれてもよい。
【0062】
同様に、HBP及びLBPは、図示のように、基板ホルダ70に、またHBPコントローラ74及びLBPコントローラ84に結合されたHBP供給ノード72及びLBP供給ノード82を含む別々の又は組み合わされたBP制御経路を用いて処理チャンバ54に供給され得る。SPと同様に、HBP供給ノード72とLBP供給ノード82との一方又は両方も、それぞれの波形発生器に結合されてもよいし、それぞれの波形発生器を備えてもよい。また、上と同様に、基板ホルダ70と対応する供給ノードとの間に、任意選択のHBP整合段75及び/又は任意選択のLBP整合段85が含まれてもよい。場合によっては(例えば、バイポーラDCLBPパルス/スパイクの場合)、LBP供給ノード82は、正のLBP電力供給源と負のLBP電力供給源とに分割されてもよい。
【0063】
コントローラ(すなわち、SPコントローラ64、HBPコントローラ74、LBPコントローラ84)は、周期的プラズマ処理中のパルスのタイミングを制御するように構成される。相対的なタイミングは、上述のように十分にカスタマイズ可能である。SPパルス、HBPパルス、及びLBPパルスのそれぞれは、互いに同相であっても、一部重なっていても、逆位相であってもよい。
【0064】
図7は、本発明の実施形態による、例としてのプラズマ処理方法を示す。図7のプラズマ処理方法は、本明細書で説明される実施形態としての概略タイミング図並びに実施形態としてのプラズマ処理システム及び装置を用いて実行され得る。例えば、図7のプラズマ処理方法は、図1図6の実施形態のいずれかと組み合わされ得る。以下の方法の工程は、当業者に明らかであるように、任意の適切な順序で実行され得る。
【0065】
図7を参照すると、プラズマ処理方法700の工程701は、SP結合要素にSPパルス持続時間だけSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることを含む。工程702は、処理チャンバに配置された基板ホルダにSPパルス持続時間と重なるHBPパルス持続時間だけHBPパルスを供給することを含む。HBPパルスは、800kHzよりも高いHBPパルス周波数を有する。工程703は、基板ホルダにSPパルス持続時間と重ならないLBPパルス持続時間だけLBPパルスを供給することを含む。LBPパルスは、約800kHzよりも低いLBPパルス周波数を有する。
【0066】
図8は、本発明の実施形態による、別の例としてのプラズマ処理方法を示す。図8のプラズマ処理方法は、本明細書で説明される実施形態としての概略タイミング図並びに実施形態としてのプラズマ処理システム及び装置を用いて実行され得る。例えば、図8のプラズマ処理方法は、図1図6の実施形態のいずれかと組み合わされ得る。更に、図8のプラズマ処理方法は、本明細書で説明される他のプラズマ処理方法と相互に排他的であるようには意図されていない。例えば、図8のプラズマ処理方法は、図7のプラズマ処理方法と組み合わされ得る。以下の方法の工程は、当業者に明らかであるように、任意の適切な順序で実行され得る。
【0067】
図8を参照すると、プラズマ処理方法800の工程801は、SP結合要素にSPパルス持続時間だけSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることを含む。工程802は、処理チャンバに配置された基板ホルダにSPパルス持続時間と重ならないBPパルス持続時間の間、複数のBPパルスを供給することを含む。複数のBPパルスのそれぞれが、約800kHzよりも低いBPパルス周波数、及び約10μsよりも短いBPパルス持続時間を有する。
【0068】
本発明の実施形態の例を、ここに要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解され得る。
【実施例
【0069】
実施例1.ソース電力(SP)結合要素に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、処理チャンバに配置された基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重なる高周波バイアス電力(HBP)パルス持続時間だけHBPパルスを供給することであって、HBPパルスが800kHzよりも高いHBPパルス周波数を含む、ことと、基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重ならない第1の低周波バイアス電力(LBP)パルス持続時間だけ第1のLBPパルスを供給することであって、第1のLBPパルスが約800kHzよりも低いLBPパルス周波数を含む、こととを含む、プラズマ処理方法。
【0070】
実施例2.HBPパルス持続時間が、第1のSPパルス持続時間と第1のLBPパルス持続時間との両方に完全に重なる、実施例1に記載のプラズマ処理方法。
【0071】
実施例3.HBPパルス持続時間が、第1のSPパルス持続時間と完全に重なり、第1のSPパルス持続時間に等しい、実施例1に記載のプラズマ処理方法。
【0072】
実施例4.第1のSPパルス持続時間の後、SP結合要素に第1のLBPパルス持続時間と重なる第2のSPパルス持続時間だけ第2のSPパルスを供給することであって、第1のSPパルスが第1のSPパルス電力を含み、第2のSPパルスが第1のSPパルス電力よりも小さい第2のSPパルス電力を含む、ことを更に含む、実施例1~3のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
【0073】
実施例5.第1のSPパルス持続時間が約20μsであり、第1のLBPパルス持続時間が約80μsである、実施例1~4のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
【0074】
実施例6.第1のLBPパルス持続時間の後、SP結合要素に第2のSPパルス持続時間だけ第2のSPパルスを供給することと、基板ホルダに第2のSPパルス持続時間と重ならない第2のLBPパルス持続時間だけ第2のLBPパルスを供給することとを更に含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
【0075】
実施例7.第1のLBPパルス持続時間の後、SP結合要素にSPを、また基板ホルダにLBPを遅延持続時間だけ供給しないことであって、第2のSPパルスが遅延持続時間の後に供給される、ことを更に含む、実施例6に記載のプラズマ処理方法。
【0076】
実施例8.HBPパルス持続時間が、第1のSPパルス持続時間及び第1のLBPパルス持続時間に完全に重なり、且つ遅延持続時間に少なくとも部分的に重なり、HBPパルスが第1のLBPパルスのLBPパルス電力よりも小さいHBP電力を含む、実施例7に記載のプラズマ処理方法。
【0077】
実施例9.ソース電力(SP)結合要素に第1のSPパルス持続時間だけ第1のSPパルスを供給して、処理チャンバにおいてプラズマを発生させることと、処理チャンバに配置された基板ホルダに第1のSPパルス持続時間と重ならない第1のバイアス電力(BP)パルス持続時間の間、複数のBPパルスを供給することであって、複数のBPパルスのそれぞれが、約800kHzよりも低いBPパルス周波数、及び約10μsよりも短いBPパルス持続時間を含む、こととを含む、プラズマ処理方法。
【0078】
実施例10.基板ホルダにSPパルス持続時間と重なる第2のBPパルス持続時間だけ高周波バイアス電力(HBP)パルスを供給することであって、HBPパルスが800kHzよりも高い周波数を含む、ことを更に含む、実施例9に記載のプラズマ処理方法。
【0079】
実施例11.第2のBPパルス持続時間が、SPパルス持続時間と完全に重なり、SPパルス持続時間に等しい、実施例10に記載のプラズマ処理方法。
【0080】
実施例12.第1のBPパルス持続時間の後、SP結合要素に第2のSPパルス持続時間だけ第2のSPパルスを供給することと、基板ホルダに第2のSPパルス持続時間と重ならない第2のBPパルス持続時間だけ第2の複数のBPパルスを供給することとを更に含む、実施例9~11のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
【0081】
実施例13.複数のBPパルスのそれぞれが単一の直流(DC)パルスである、実施例9~12のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
【0082】
実施例14.複数のBPパルスの一部分が正のDCパルスであり、複数のBPパルスの残りの部分が負のDCパルスである、実施例13に記載のプラズマ処理方法。
【0083】
実施例15.複数のBPパルスのそれぞれが、約1μsよりも短いBPパルス持続時間を含む、実施例9~14のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
【0084】
実施例16.処理チャンバと、処理チャンバにおいてプラズマを発生させるように構成されたソース電力(SP)結合要素と、SP結合要素に結合され、SP結合要素に高周波(RF)電力を供給するように構成されたSP電力供給ノードと、処理チャンバに配置された基板ホルダと、基板ホルダに結合され、基板ホルダに第1の直流(DC)バイアス電力を供給するように構成された第1のバイアス電力(BP)供給ノードであって、第1のDCバイアス電力が約800kHzよりも低い第1のBP周波数を含む、第1のバイアス電力(BP)供給ノードと、基板ホルダに結合され、基板ホルダに第2のDCバイアス電力を供給するように構成された第2のBP供給ノードであって、第2のDCバイアス電力が800kHzよりも高い第2のBP周波数を含む、第2のBP供給ノードとを備える、プラズマ処理装置。
【0085】
実施例17.第1のBP周波数が約400kHzである、実施例16に記載のプラズマ処理装置。
【0086】
実施例18.第2のBP周波数が約13MHzである、実施例16又は17に記載のプラズマ処理装置。
【0087】
実施例19.SP結合要素が、処理チャンバの外部に配置されたヘリカル共振器であり、処理チャンバにおいて誘導結合プラズマを発生させるように構成され、RF電力が、約27MHzに等しいRF電力周波数を含む、実施例16~18のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
【0088】
実施例20.第1のBP供給ノード及び第2のBP供給ノードが、基板ホルダに第1のDCバイアス電力及び第2のDCバイアス電力を同時に供給するよう構成される、実施例16~19のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
【0089】
本発明は、例示的実施形態を参照して説明されているが、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組み合わせ並びに本発明の別の実施形態が明らかになるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することが意図される。
図1
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【国際調査報告】