(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】窒化チタン及びモリブデン導電性金属線用エッチング液
(51)【国際特許分類】
H01L 21/308 20060101AFI20230412BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
H01L21/308 F
H01L21/306 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552766
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 US2021020377
(87)【国際公開番号】W WO2021178347
(87)【国際公開日】2021-09-10
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】チャオ-シアン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ツー クイ コー
(72)【発明者】
【氏名】イー-チア リー
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ダー リウ
【テーマコード(参考)】
5F043
【Fターム(参考)】
5F043AA26
5F043BB18
5F043GG02
(57)【要約】
マイクロエレクトロニクス装置から窒化チタン及びモリブデンのエッチングに適したエッチング組成物を提供し、エッチング組成物は、有効量における、水;HNO3;任意に、NH4Cl及びHClからなる群から選択される少なくとも1つの塩化物イオン源;アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物の群から選択される塩基;任意に、少なくとも1つのフッ化物イオン源;任意に、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物;及び任意に、ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロエレクトロニクス装置からのモリブデンに対する窒化チタンの選択的な除去に適したエッチング組成物であって、
(a)約10重量%~約80重量%の水
(b)約0.5重量%~約15重量%のニートHNO
3
(c)
(i)約1重量%~約7重量%の1つ以上のアルカノールアミン、及び
(ii)約0.7重量%~約2重量%のニートNH
4OH
のうち1つ以上である塩基;並びに
(d)
(i)約1重量%~約30重量%の1つ以上の塩化物イオン源、及び
(ii)約0.02重量%~約0.15重量%の1つ以上のフッ化物イオン源
のうち1つ以上であるハロゲンイオン源
を含む、エッチング組成物。
【請求項2】
前記ハロゲンイオン源が、
(i)約3重量%~約30重量%のNH
4Cl
(ii)約1重量%~約25重量%のニートHCl
(iii)約0.02重量%~約0.15重量%のニートHF、及び
(iv)約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH
4F
のうち1つ以上である、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項3】
前記塩基が、約1重量%~約7重量%のアルカノールアミンを含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項4】
前記塩基が、約0.7重量%~約2重量%のニートNH
4OHを含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項5】
前記ハロゲンイオン源が、約3重量%~約30重量%のNH
4Clを含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項6】
前記ハロゲンイオン源が、約1重量%~約21重量%のニートHClを含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項7】
前記ハロゲンイオン源が、約0.02重量%~約0.15重量%のニートHFを含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項8】
前記ハロゲンイオン源が、約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH
4Fを含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項9】
前記塩基が、N-メチルエタノールアミン(NMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、トリエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール及びこれらの混合物の群から選択される1つ又は複数のアルカノールアミンである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項10】
前記塩基が、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、アミノ(エトキシ)エタノール(AEE)、N-メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、及びこれらの混合物の群から選択される1つ又は複数のアルカノールアミンである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項11】
前記塩基が、アミノ(エトキシ)エタノールを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項12】
約70重量%及び約80重量%のニート酢酸を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項13】
少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項14】
環を構成する1つ又は複数のヘテロ原子として1つ又は複数の窒素原子を有する六員ヘテロ芳香環である、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項15】
式(I)で表されるピリジン化合物を含む環を構成する1つ又は複数のヘテロ原子として1つ又は複数の窒素原子を有する六員ヘテロ芳香環である、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を更に含む、エッチング組成物であって、
【化1】
R
1~R
5の少なくとも1つがアミノ基含有置換基を表す条件において、R
1~R
5はそれぞれ独立して、水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基以外であり炭素原子数が1~10である炭化水素誘導基を表し、これらの置換基は、互いに結合して環状構造を形成してよい、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項16】
3-アミノピリジン、2-アミノピリジン、4-アミノピリジン、2-アミノ-3-メチルピリジン、2-アミノ-4-メチルピリジン、2-アミノ-5-メチルピリジン、2-(アミノメチル)ピリジン、3-アミノ-4-メチルピリジン、5-アミノ-2-メチルピリジン、4-アミノ-3-メチルピリジン、3-アミノ-2-メチルピリジン、4-アミノ-2-メチルピリジン、3-アミノ-5-メチルピリジン、2-(メチルアミノ)ピリジン、4-(メチルアミノ)ピリジン、3-(アミノメチル)ピリジン、4-(アミノメチル)ピリジン、2,3-ジアミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2-アミノ-5-シアノピリジン、2-アミノ-3-シアノピリジン、2-アミノピリジン-3-カルボキシルアルデヒド、ピリジン-2-カルボキサミド、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、4-(2-アミノエチル)ピリジン、3-(2-アミノエチル)ピリジン、2-(2-アミノエチル)ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、2-ジメチルアミノピリジン、2-(エチルアミノ)ピリジン、2-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン、4-アセトアミドピリジン、2-アセトアミドピリジン、3-アセトアミドピリジン、4-(エチルアミノメチル)ピリジン、2-アミノキノリン、3-アミノキノリン、5-アミノキノリン、6-アミノキノリン、8-アミノキノリン、4-ジメチルアミノ-1-ネオペンチルピリジニウムクロライド及びこれらの混合物の群から選択される、環を構成する1つ又は複数のヘテロ原子として1つ又は複数の窒素原子を有する六員ヘテロ芳香環である、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項17】
2-アミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2-(アミノメチル)ピリジン、2,6-(アミノメチル)ピリジン、2,6-(アミノエチル)ピリジン、2-アミノ-4-ピコリン、2,6-ジアミノ-4-ピコリン、2-アミノ-3,5-ルチジン、2-アミノキノリン、8-アミノキノリン、2-アミノイソキノリン、アクリフラビン、4-アミノフェナンスリジン、4,5-(アミノメチル)フェノチアジン、4,5-(アミノメチル)ジベンゾオキサジン、10-アミノ-7,8-ベンゾキノリン、ビス(2-ピリジルメタン)アミン、トリス(2-ピリジル)アミン、ビス(4-(2-ピリジル)-3-アザブタン)アミン、ビス(N,N-(2-ピリジル)エタン)アミノメタン)アミン、4-(N,N-ジアルキルアミノメチル)モルホリン及びこれらの混合物の群から選択される、環を構成する1つ又は複数のヘテロ原子として1つ又は複数の窒素原子を有する六員ヘテロ芳香環である、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項18】
8-アミノキノリンを含む、環を構成する1つ又は複数のヘテロ原子として1つ又は複数の窒素原子を有する六員ヘテロ芳香環である、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項19】
ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項20】
ジエチレングリコールブチルエーテルを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項21】
スルホランを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項22】
炭酸プロピレンを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項23】
(i)8-アミノキノリン並びに(ii)ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項24】
前記組成物が、約1:3~約15.1:1の窒化チタンモリブデン金属エッチング選択性比を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエッチング組成物。
【請求項25】
前記組成物が、
(a)約60重量%~約70重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO
3
(c)約1重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約27重量%のNH
4Cl
(ii)約2.1重量%のニートHCl、及び
(iii)約0.025重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項26】
前記組成物が、
(a)約60重量%~約71重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO
3
(c)約1重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約22.5重量%のNH
4Cl
(ii)約1.05重量%のニートHCl、及び
(iii)約0.025重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項27】
前記組成物が、
(a)約60重量%~約72重量%の水
(b)約9.6重量%のニートHNO
3
(c)約2重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約16.5重量%のNH
4Cl、及び
(ii)約0.02重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項28】
前記組成物が、
(a)約60重量%~約70重量%の水
(b)約9.6重量%のニートHNO
3
(c)約2重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約20重量%のNH
4Cl、及び
(ii)約0.035重量%のニートHF
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項29】
前記組成物が、
(a)約60重量%~約70重量%の水
(b)約9.6重量%のニートHNO
3
(c)約0.7重量%のニートNH
4OHを含む塩基、並びに
(d)
(i)約20重量%のNH
4Cl、及び
(ii)約0.035重量%のニートHF
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項30】
前記組成物が、
(a)約70重量%~約80重量%の水
(b)約0.6重量%のニートHNO
3
(c)約1.45重量%のニートNH
4OHを含む塩基、並びに
(d)
(i)約21重量%のニートHCl、及び
(ii)約0.12重量%のニートNH
4F
を含むハロゲンイオン源
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項31】
前記組成物が、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO
3
(c)約7重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基
(d)約0.05重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約75重量%のニート酢酸
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項32】
前記組成物が、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO
3
(c)約6重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基
(d)約0.05重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約76重量%のニート酢酸
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項33】
前記組成物が、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO
3
(c)約6重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基
(d)約0.04重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約78重量%のニート酢酸
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項34】
前記組成物が、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約9重量%のニートHNO
3
(c)約2.03重量%のニートNH
4OHを含む塩基
(d)約0.05重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約77重量%のスルホラン(sulfolone)
を含む、請求項1に記載のエッチング組成物。
【請求項35】
マイクロエレクトロニクス装置からのモリブデンに対する窒化チタンの選択的な除去に適したエッチング組成物であって、
(a)約88重量%~約96重量%の水
(b)約2重量%~約15重量%のニートHNO
3
(c)約0.02重量%~約0.10重量%の1つ又は複数のフッ化物イオン源を含むハロゲンイオン源
(d)ジエチルグリコールブチルエーテル、スルホラン及び炭酸プロピレンから選択される、約70重量%~約95重量%の1つ又は複数の水混和性溶媒
を含む、エッチング組成物。
【請求項36】
前記ハロゲンイオン源が、約0.02重量%~約0.10重量%のニートHFを含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項37】
前記ハロゲンイオン源が、約0.05重量%のニートHFを含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項38】
前記1つ又は複数の水混和性溶媒が、約70重量%~約80重量%のジエチルグリコールブチルエーテルを含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項39】
前記1つ又は複数の水混和性溶媒が、約70重量%~約80重量%のスルホランを含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項40】
前記1つ又は複数の水混和性溶媒が、約85重量%~約95重量%の炭酸プロピレンを含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項41】
8-アミノキノリンを更に含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項42】
トリエタノールアミンを更に含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項43】
(a)約90重量%~約92重量%の水
(b)約12重量%のニートHNO
3
(c)約0.05重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約79重量%のジエチルグリコールブチルエーテル
を含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項44】
(a)約88重量%~約90重量%の水
(b)約15重量%のニートHNO
3
(c)約0.05重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約74重量%のジエチルグリコールブチルエーテル、及び
(e)約0.05重量%の8-アミノキノリン
を含む、請求項35に記載のエッチング組成物。
【請求項45】
マイクロエレクトロニクス装置からのモリブデンに対する窒化チタンの選択的な除去に適したエッチング組成物であって、
(a)約4重量%~約5重量%の水
(b)約2.0重量%~約3.0重量%のニートHNO
3
(c)約0.10重量%~約0.12重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約90重量%~約93重量%の炭酸プロピレン、及び
(e)約0.4重量%~約0.6重量%のトリエタノールアミン
を含む、エッチング組成物。
【請求項46】
(a)約4重量%~約5重量%の水
(b)約2.4重量%のニートHNO
3
(c)約0.12重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約92重量%~約93重量%の炭酸プロピレン、及び
(e)約0.6重量%のトリエタノールアミン
を含む、請求項45に記載のエッチング組成物。
【請求項47】
マイクロエレクトロニクス装置からのモリブデンに対する窒化チタンの選択的な除去に適したエッチング組成物であって、
(a)約35重量%~約50重量%の水
(b)約6.0重量%~約12.0重量%のニートHNO
3
(c)約15重量%~約45重量%のNH
4H
2PO
4を含む塩基、並びに
(d)
(i)約1重量%~約7.5重量%のニートHCl、及び
(ii)約2.5重量%~約5重量%のNH
4Cl
のうち1つ以上を含むハロゲンイオン源
を含む、エッチング組成物。
【請求項48】
(a)約44重量%~約45重量%の水
(b)約12.0重量%のニートHNO
3
(c)約40重量%のNH
4H
2PO
4を含む塩基、及び
(d)約3.0重量%~約3.5重量%のニートHClを含むハロゲンイオン源
を含む、請求項47に記載のエッチング組成物。
【請求項49】
(a)約46重量%~約48重量%の水
(b)約6.0重量%のニートHNO
3
(c)約40重量%のNH
4H
2PO
4を含む塩基、及び
(d)約6.5重量%~約7.5重量%のニートHClを含むハロゲンイオン源
を含む、請求項47に記載のエッチング組成物。
【請求項50】
(a)約46重量%~約48重量%の水
(b)約9.0重量%のニートHNO
3
(c)約45重量%のNH
4H
2PO
4を含む塩基、並びに
(d)
(i)約5重量%~約5.5重量%のニートHCl、及び
(ii)約2.5重量%~約3.5重量%のNH
4Cl
を含むハロゲンイオン源
を含む、請求項47に記載のエッチング組成物。
【請求項51】
マイクロエレクトロニクス装置からのモリブデンに対する窒化チタンの選択的な除去に適したエッチング組成物であって、
(a)約35重量%~約80重量%の水
(b)約0.1重量%~約5重量%のニートHNO
3
(c)
(i)約1重量%~約7重量%の1つ以上のアルカノールアミン、及び
(ii)約0.7重量%~約2重量%のニートNH
4OH
のうち1つ以上を含む塩基;並びに
(d)
(i)約3重量%~約30重量%のNH
4Cl
(ii)約1重量%~約21重量%のニートHCl
(iii)約0.02重量%~約0.15重量%のニートHF、及び
(iv)約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH
4F
のうち1つ以上を含むハロゲンイオン源
を含む、エッチング組成物。
【請求項52】
窒化チタン及びモリブデンを含む複合半導体装置の窒化チタン及びモリブデンのエッチング速度を選択的に向上させる方法であって、前記方法は、
(i)窒化チタン及びモリブデンを含む前記複合半導体装置を、請求項1~51のいずれか一項に記載の組成物と接触させる工程、を含み、
前記窒化チタンが、約1:3~約15.1:1の比で前記モリブデン金属に対して選択的にエッチングされる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示され請求される主題は、エッチング組成物に関するものであり、より詳細には、窒化チタン及びモリブデン金属をエッチングすることができるエッチング組成物、並びにエッチング組成物を使用するエッチング工程を含む、半導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)又はスタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)などの揮発性記憶装置、抵抗ランダムアクセスメモリ(「ReRAM」)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ(EEPROMのサブセットと考えることもできる)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(「FRAM(登録商標)」)、及び磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(「MRAM」)などの非揮発性記憶装置、及び情報を記憶することができる他の半導体要素が挙げられる。記憶装置の種類によって、異なる構成を有する場合がある。例えば、フラッシュ記憶装置は、NAND構成で構成されてもよいし、NOR構成で構成されてもよい。
【0003】
半導体記憶装置の製造には、誘電体の層中に導電路の所望のパターンを形成するために、多層の材料の堆積及びエッチングを必要とする。異方性エッチング(すなわち、選択された方向における優勢なエッチング)は、半導体基材に埋め込み特徴部を形成するための貴重な手段である。異方性エッチングの典型的な例において、当該材料は、水平方向にエッチングされることなく、垂直方向にエッチングされる。例えば、埋め込み特徴部の幅を維持しながら、埋め込み特徴部の底面から当該材料を除去することができる。
【0004】
従来の垂直NANDストリングは、高アスペクト比のピラー(トレンチ)エッチングを停止するための酸化アルミニウム(酸化Al)エッチング停止層を使用する(例えば、酸化Alエッチング停止層は、十分なエッチング選択性を有しないため、エッチングの停止を制御できるようにするために、酸化Alの比較的厚い層が必要である)。比較的厚い酸化Al層は、NANDストリングのセレクトゲート(SG)と第1のワードライン(WL)との間のチャネル距離を不必要に長くして、それによって、NANDストリングチャネルの全長を十分に利用しない。
【0005】
タングステン(W)は、3D NAND装置の導電性金属線の材料として広く使用される。3D NAND記憶装置の製造中、ワードライン(WL)分離のためのタングステン(W)リセスは、重要な工程段階の1つである。典型的に、high-k/金属ゲートが、タングステン制御ゲートの接続のために使用される。リセス工程において、TiN及びWは、同じ厚さで同時にエッチングされる必要がある。しかし、タングステンの高い引張応力は、装置構造に反りを発生させる可能性がある。モリブデンは、タングステンよりも柔らかい金属であり、タングステンの堆積に必要な金属バリア金属層よりも薄い金属バリア材料層を使用して堆積できる可能性がある。さらに、モリブデンは、タングステンよりも装置全体の性能を維持するために、薄い寸法での低い抵抗率を有する。3D NAND記憶製造工程におけるワードラインWリセスでは、W金属に代わってMo金属が使用される。Moは、エッチングレートにおいてWよりも高活性を有する。
【0006】
モリブデン及びモリブデン含有材料は、導電層として、並びに最近ではダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び3D NAND製造におけるハードマスクとして、IC製造において多くの用途がある材料として現れた。化学気相成長法(CVD)、原子層堆積法(ALD)、及び物理気相成長法(PVD)を含む、モリブデンの堆積のために使用することができる様々な方法があるが、モリブデンのエッチング方法は、依然として限定的である。
【0007】
例えば、3D NAND記憶装置の製造中、ワードライン(WL)分離用のモリブデン(Mo)リセスは重要な工程段階の1つである。典型的に、high-k/金属ゲートは、モリブデン制御ゲートの接続のために使用される。リセス工程において、TiN及びMoを同じ厚さで同時にエッチングしなければならない。AlOxは、損傷してはならない保護層である。層の数が多くなると、上層のドライエッチングの副生成物が、トレンチに残り、下層をエッチングすることが制限されるため、ドライエッチング法では下層のMo及びTiNを完全にエッチングすることが難しい。したがって、ウェットエッチング法が、Moリセスの代替法として提案されている。
【0008】
従来のウェットエッチング法には、技術的な課題がある。典型的なウェットエッチング薬品は、AlOxを容易にエッチングして、望ましくないフローティングゲートを形成し、NANDストリングに対してオン電流の低下をもたらすAlOx層でチャネルの側壁にリセスを生じさせる可能性がある。追加で、従来のウェットエッチング液は、工程時間が非常に長くなる(1時間を超える)結果をもたらす、低いTiNエッチング速度又はMoエッチング速度を示す。長い工程時間は、ウェットエッチング液が、バッチ式の装置で塗布される必要があり、その段階でのシングルウェハーツール(SWT)の使用を非現実的にすることを意味する。
【0009】
したがって、例えば、low-k誘電体層などが存在し得る他の層に対して、TiNハードマスク層及びMo金属導体層を選択的に除去する組成物に対する当該技術分野における必要性がある。
【発明の概要】
【0010】
一態様では、開示され請求された主題は、マイクロエレクトロニクス装置からの窒化チタン及びモリブデンのエッチングに適したエッチング組成物を提供し、エッチング組成物は、有効量における、水;HNO3;任意に、NH4Cl及びHClからなる群から選択される少なくとも1つの塩化物イオン源;アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物の群から選択される塩基;任意に、少なくとも1つのフッ化物イオン源;任意に、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物;並びに任意に、ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
【0011】
他の態様では、開示され請求された主題は、窒化チタン及びモリブデンを含む複合半導体装置の窒化チタン及びモリブデンのエッチング速度を選択的に向上させる方法を提供し、当該方法は、窒化チタン及びモリブデンを含む複合半導体装置を、水;HNO3;任意に、NH4Cl及びHClからなる群から選択される少なくとも1つの塩化物イオン源;アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物の群から選択される塩基;任意に、少なくとも1つのフッ化物イオン源;任意に、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物;及び任意に、ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる組成物と接触させる工程;及び、窒化チタン及びモリブデンが少なくとも部分的に除去された後、複合半導体装置を洗浄する工程、を含む。
【0012】
開示され請求された主題の実施形態は、単独で又は互いに組み合わせて使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に引用された刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての文献は、各文献が参照により組み込まれることが個別にかつ明確に示され、その全体が本明細書に説明された場合と同じ程度まで、参照によりここに組み込まれる。
【0014】
その後の詳細な説明は、好ましい例示的な実施形態のみを提供し、開示され請求された主題の範囲、適用性、又は構成を制限することを意図していない。むしろ、好ましい例示的な実施形態のその後の詳細な説明は、当業者に、開示され請求された主題の好ましい例示的な実施形態を実施するための可能な説明を提供する。添付の特許請求の範囲に説明されるように、開示され請求された主題の精神及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更がなされてよい。
【0015】
開示され請求された主題を説明する文脈中の(特に以下の特許請求の範囲の文脈中の)用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の参照語の使用は、本明細書において別途明記しない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むように解釈される。
【0016】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、「含む(including)」、及び「含む(includes)」は包括的又は開放的であり、追加の列挙されない要素、組成成分、又は方法段階を除外しない。したがって、これらの用語は、より限定的な用語「から本質的になる」及び「からなる」を包含する。別途明記しない限り、本明細書で提供される全ての値は、与えられた終点まで及び終点を含み、組成物の構成要素又は成分の値は、組成物中の各成分の重量パーセントで表される。
【0017】
列挙された成分「から本質的になる」組成物において、このような成分は、合計100重量%の組成物であってもよく、合計100重量%未満であってもよい。成分が100重量%未満まで添加する場合、このような組成物は、非必須汚染物又は不純物をある程度少量含んでよい。例えば、このような一実施形態では、エッチング組成物は、不純物を2重量%以下含むことができる。他の実施形態では、エッチング組成物は、不純物を1重量%以下含むことができる。更なる実施形態では、エッチング組成物は、不純物を0.05重量%以下含むことができる。他のこのような実施形態では、成分は、少なくとも90重量%、より好ましくは、少なくとも95重量%、より好ましくは、少なくとも99重量%、より好ましくは、少なくとも99.5重量%、最も好ましくは、少なくとも99.9重量%を形成することができ、エッチング組成物の性能に重大な影響を及ぼさない他の成分を含むことができる。その他の点で、重要な非必須不純物成分が存在しない場合、全ての必須構成成分の組み合わせは、本質的に合計100重量%であり得ることが理解される。
【0018】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途明記しない限り、又は別途文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるいずれかの及び全ての例、若しくは例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、開示され請求された主題をより明らかにすることを単に意図しており、別途請求されない限り、開示され請求された主題の範囲に制限を与えることはない。本明細書におけるいかなる言語も、開示され請求された主題の実施に必須であるとして、請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0019】
この開示され請求された主題の好ましい実施形態が、開示され請求された主題を実施するための本発明者らに知られた最良の方法を含んで、本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読み取ることにより、当業者に明らかになる可能性がある。本発明者らは、当業者がこのような変形を必要に応じて使用することを期待し、本発明者らは、開示され請求された主題が、本明細書に具体的に記載されたものとは異なるように実施されることを意図する。したがって、この開示され請求された主題は、適用される法律によって許可される、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題の全ての変更及び同等物を含む。さらに、その全ての可能な変形における上述の要素のいずれかの組み合わせは、本明細書に別途明記しない限り、又は別途文脈によって明らかに矛盾しない限り、開示され請求された主題によって包含される。
【0020】
開示され請求された主題は、概ね、製造中にマイクロエレクトロニクス装置上に窒化チタン及びモリブデン金属のような材料を有するマイクロエレクトロニクス装置から窒化チタン及びモリブデン金属を選択的に除去するために有用な組成物に関する。本明細書に開示された組成物は、特定の必要性に基づいて変化させることができる速度で、窒化チタン及びモリブデン金属の両方を除去することが可能である。
【0021】
参照しやすいように、「マイクロエレクトロニクス装置」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路、エネルギー収集、又はコンピュータチップの用途に使用するために製造された、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、相変化記憶装置、太陽電池パネル、及び太陽電池装置、太陽光発電装置、及び微小電気機械システム(MEMS)を含む他の製品に対応する。「マイクロエレクトロニクス装置」、「マイクロエレクトロニクス基材」及び「マイクロエレクトロニクス装置構造」という用語は、いかなる方法でも制限することを意味するのではなく、最終的にマイクロエレクトロニクス装置又はマイクロエレクトロニクスアセンブリとなるいずれかの基材又は構造を含むことが理解される。マイクロエレクトロニクス装置は、パターン化、ブランケット化、制御及び/又は試験装置とすることができる。
【0022】
本明細書で使用する「ハードマスクキャッピング層」又は「ハードマスク」は、プラズマエッチング工程中に誘電材料を保護するために誘電材料に堆積される材料に対応する。ハードマスクキャッピング層は、従来、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化チタン、酸窒化チタン、チタン及び他の類似の化合物である。
【0023】
本明細書で使用する場合、「窒化チタン」及び「TiNx」は、純窒化チタン、並びに異なる化学量論及び酸素含有量(TiOxNy)を含む不純物窒化チタンに対応する。
【0024】
本明細書で定義するように、「low-k誘電材料」は、層状マイクロエレクトロニクス装置の誘電材料として使用される材料に対応し、当該材料は約3.5未満の誘電率を有する。好ましくは、low-k誘電材料としては、ケイ素含有有機ポリマー、ケイ素含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸ガラス(OSG)、TEOS、フッ化ケイ酸ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が挙げられる。low-k誘電材料は、様々な密度及び様々な多孔性を有してよいことが認識される。
【0025】
本明細書で定義するように、「金属導体層」は、銅、タングステン、コバルト、モリブデン、アルミニウム、ルテニウム、これらを含む合金、及びこれらの組み合わせを含む。
【0026】
本明細書で定義するように、用語「バリア材料」は、金属線、例えば、銅の相互接続を密閉し、前記金属、例えば、銅の誘電材料への拡散を最小化するために、当該技術分野で使用される材料に相当する。好ましいバリア層材料としては、タンタル、チタン、ルテニウム、ハフニウム、及び他の耐火性金属並びにそれらの窒化物並びにそれらのケイ化物が挙げられる。
【0027】
「実質的に含まない(Substantially free)」は、2重量%未満、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満として、本明細書で定義される。「実質的に含まない」はまた、0.0重量%を含む。用語「含まない(free of)」は、0.0重量%を意味する。
【0028】
本明細書で使用する場合、「約(about)」又は「約(approximately)」は、記載値の±5%に対応することを意図する。
【0029】
本明細書で使用する場合、「フッ化物」種は、イオン性フッ化物(F-)又は共有結合したフッ化物を含む種に対応する。フッ化物種は、フッ化物種として含まれてもよく、in situで生成されてもよいことが認識される。
【0030】
本明細書で使用する場合、「塩化物」種は、塩化物アニオンを含む界面活性剤が、この定義では「塩化物」とは見なされないことを条件として、イオン性塩化物(Cl-)を含む種に対応する。
【0031】
開示され請求された主題の組成物は、以下により十分に説明されるように、多種多様の具体的な配合で具現化され得る。
【0032】
全てのこのような組成物において、組成物の特定の成分が、ゼロ下限を含む重量パーセントの範囲を参照して議論される場合、このような成分が、組成物の様々な特定の実施形態において存在しても存在しなくてもよく、このような成分が存在する例では、このような成分が使用される組成物の総重量に基づいて、0.001重量パーセントという低い濃度で存在してもよいことが理解される。
【0033】
本明細書で開示されるものは、マイクロエレクトロニクス装置から窒化チタン及びモリブデンをエッチングするために適したエッチング組成物であり、エッチング組成物は、有効量で、水;HNO3;任意に、NH4Cl及びHClの群から選択される少なくとも1つの塩化物イオン源;アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物の群から選択される塩基;任意に、少なくとも1つのフッ化物イオン源;任意に、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物;及び任意に、ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
【0034】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるエッチング組成物は、以下の化学化合物、すなわち、4-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、過酢酸、過酸化水素、過酸化尿素及び金属含有塩の少なくとも1つを実質的に含まない、又は含まないように配合される。
【0035】
本明細書に開示される組成物の各成分の役割について、以下でより詳細に説明する。
【0036】
エッチング組成物
【0037】
一実施形態では、開示され請求された主題は、
(A)水
(B)HNO3
(C)アルカノールアミン、NH4OH及びこれらの混合物の群から選択される塩基
(D)1つ又は複数の塩化物イオン源及びフッ化物イオン源であるハロゲンイオン源
を含むマイクロエレクトロニクス装置から窒化チタン及びモリブデンのエッチングに適したエッチング組成物に関係する。
更なる態様では、エッチング組成物は、(E)少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物及び(F)ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒、の一方又は両方を更に(任意に)含むことができる。
【0038】
更なる態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C及びDから本質的になる。他の態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C及びDからなる。
【0039】
更なる態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C、D及びEから本質的になる。他の態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C、D及びEからなる。
【0040】
更なる態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C、D及びFから本質的になる。他の態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C、D及びFからなる。
【0041】
更なる態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C、D、E及びFから本質的になる。他の態様では、エッチング組成物は、成分A、B、C、D、E及びFからなる。
【0042】
幾つかの実施形態では、ハロゲンイオン源は、1つ又は複数のNH4Cl、ニートHCl、ニートHF及びニートNH4Fである。これらの実施形態の一態様では、ハロゲンイオン源は、NH4Clを含む。これらの実施形態の一態様では、ハロゲンイオン源は、ニートHClを含む。これらの実施形態の一態様では、ハロゲンイオン源は、ニートHFを含む。これらの実施形態の一態様では、ハロゲンイオン源は、ニートNH4Fを含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、リン酸は、本明細書で開示される組成物中に存在しない。
【0044】
A.水
【0045】
開示され請求された主題のエッチング組成物は、水性系であり、したがって、水を含む。開示され請求された主題では、水は、例えば、組成物の1つ又は複数の固体成分を溶解するため、成分の担体として、無機塩及び錯体の除去を促進するための補助剤として、組成物の粘度調整剤として、及び希釈剤としてなど、様々な方法で機能する。好ましくは、エッチング組成物に採用される水は、脱イオン化水(DIW)水である。
【0046】
一実施形態では、水は、エッチング組成物の約2重量%~約80重量%、又は約2重量%~約86重量%を構成する。開示され請求された主題の他の実施形態では、水の約4重量%~約74重量%、又は約4重量%~約76重量%を含む。開示され請求された主題の他の好ましい実施形態では、水の約60重量%~約75重量%を含む。開示され請求された組成物における水の量は、エッチング組成物の1重量%、2重量%、4重量%、6重量%、8重量%、10重量%、11重量%、13重量%、25重量%、26重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、34重量%、36重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、44重量%、45重量%、46重量%、49重量%、51重量%、54重量%、56重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、64重量%、66重量%、69重量%、71重量%、74重量%、76重量%、79重量%、80重量%、84重量%、85重量%、86重量%の群から選択される下限及び下限のいずれかを有する範囲であってよい。例えば、水の量は、約42重量%~約46重量%又は約39重量%~約51重量%又は約55重量%~約70重量%又は他の上限及び下限の組み合わせの範囲にわたってよい。幾つかの実施形態では、水の量は、約10重量%~約80重量%、約60重量%~約70重量%、約60重量%~約71重量%、約60重量%~約72重量%、約70重量%~約80重量%、約10重量%~約15重量%、約88重量%~約96重量%、約70重量%~約95重量%、約88重量%~約90重量%、約90重量%~約92重量%、約4重量%~約5重量%、約35重量%~約50重量%、約44重量%~約45重量%、約46重量%~約48重量%の範囲にわたってよい。当業者は、水の量がこれらの範囲及びその周辺で変化させることができ、さらに、開示され請求された主題の範囲内に入ることを認識する。
【0047】
水の割合が大きい組成物は、本明細書において「水が豊富な組成物」と呼ばれることもある。開示され請求された主題の更に他の実施形態は、組成物内の他の成分の所望の重量パーセントを達成するための量で水を含み得る。
【0048】
B.硝酸(HNO3)
【0049】
開示され請求された主題のエッチング組成物は、硝酸を含む。硝酸は、主に窒化チタンをエッチングするための酸化剤として機能する。商用グレードの硝酸を使用することができる。典型的には、市販の硝酸は、60%~90%水溶液として入手可能である。一実施形態では、電子グレードの硝酸溶液が使用され、このような電子グレードの溶液は、典型的に100粒子/mL未満の粒子数を有し、粒子の大きさが、0.5ミクロン以下であり、金属イオンが酸中に低百万分率レベルから十億分率レベル(容量)で存在する場合である。
【0050】
一実施形態では、組成物中の硝酸の量は、組成物の約0.5重量%~約50重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中の硝酸は、組成物の約1.8重量%~約15重量%(100%硝酸組成物として、すなわち、「ニート」)である。
【0051】
他の実施形態では、組成物中のHNO3の量は、エッチング組成物の0.1重量%、0.5重量%、0.7重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、7.0重量%、8.0重量%、9.0重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、25重量%、26重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、34重量%、36重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、44重量%、45重量%、46重量%、49重量%、及び50重量%の群から選択される下限及び上限のいずれかを有する範囲であってよい。幾つかの実施形態では、例えば、ニートHNO3の量は、約0.1重量%~約1重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約15重量%、約5重量%、約4.8重量%、約10重量%、約9.6重量%、約9重量%、約1重量%、約0.6重量%、約12重量%、約15重量%、約2.0~約3.0重量%、約2.4重量%、約 6.0~約12.0重量%、約6重量%の間の範囲又はこれらの範囲であってよい。
【0052】
C.塩基
【0053】
本明細書に開示されるエッチング組成物は、アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物の群から選択される少なくとも一つの塩基性化合物(すなわち、塩基)も含む。塩基は、主に組成物のpHを制御するために機能する。
【0054】
一実施形態では、組成物中に使用される塩基は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド(TMPAH)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、及びアンモニウムヒドロキシドの群から選択される。
【0055】
他の実施形態では、塩基は、アルカノールアミンである。当該実施形態の一態様では、好ましいアルカノールアミンとしては、1~5の炭素原子を有する第1級、第2級及び第3級である低級アルカノールアミンが挙げられる。このようなアルカノールアミンの例としては、N-メチルエタノールアミン(NMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びトリイソプロパノールアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、トリエタノールアミン(TEA)、N-エチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール及びこれらの混合物が挙げられる。幾つかの好ましい実施形態では、アルカノールアミン化合物は、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、アミノ(エトキシ)エタノール(AEE)、N-メチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、シクロヘキシルアミンジエタノール、及びこれらの混合物のうち1つ以上である。
【0056】
他の実施形態では、組成物中の塩基(アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、又はこれらの混合物)の量は、組成物の約1重量%~約10重量%である。本実施形態の一態様では、塩基の量は、組成物の約1重量%~約5重量%である。本実施形態の他の態様では、塩基の量は、組成物の重量で約1重量%~約3重量%である。
【0057】
他の実施形態では、組成物中に使用される場合の(モノエタノールアミン(MEA)、アミノ(エトキシ)エタノール(AEE)又はその他及びこれら混合物などの)アルカノールアミン化合物の量は、1重量%、2重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、24重量%、26重量%、28重量%、及び30重量%の群から選択される下限及び上限を有するいずれかの範囲内であってよい。例えば、組成物中のアミン又はアルカノールアミンの量は、組成物の約1重量%~約10重量%であってよい。本実施形態の他の態様では、組成物中のアミン又はアルカノールアミンの量は、組成物の約1重量%~約8重量%であってよい。本実施形態の他の態様では、組成物中のアミン又はアルカノールアミンの量は、組成物の約1重量%~約5重量%であってよい。本実施形態の他の態様では、組成物中のアミン又はアルカノールアミンの量は、組成物の約1重量%~約4重量%であってよい。本実施形態の他の態様では、組成物中のアミン又はアルカノールアミンの量は、組成物の約1重量%~約3重量%であってよい。本実施形態の他の態様では、組成物中のアミン又はアルカノールアミンの量は、組成物の約1重量%~約2重量%であってよい。
【0058】
幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約1重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約2重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約6重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約7重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約0.7重量%のニートNH4OHを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約1.5重量%のニートNH4OHを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約2重量%のニートNH4OHを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約40重量%のニートNH4H2PO4を含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩基は、約45重量%のニートNH4H2PO4を含む。
【0059】
D.ハロゲンイオン源
【0060】
1.塩化物イオン源
【0061】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるエッチング組成物は、少なくとも1つの塩化物イオン源を任意に含む。少なくとも1つの塩化物イオン源は、主に窒化チタンのエッチングを補助するために機能する。
【0062】
塩化物イオン源は、塩化物イオンを供給することができる限り、特に限定されない。幾つかの実施形態では、塩化物イオン源は、ハロゲン化水素酸(塩酸など);並びに塩化物塩(塩化アンモニウム(NH4Cl)など)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化カルシウム(CaCl2)及び塩化銅(CuCl2)のうちの1つ又は複数である。これらの塩化物イオン源は、単独で使用してもよく、混合物として使用してもよい。一実施形態では、好ましい塩化物イオン源は、HCl及び/又はNH4Clである。一実施形態では、塩化物イオン源は、HClである。一実施形態では、塩化物イオン源は、NH4Clである。
【0063】
幾つかの実施形態では、塩化物イオン源の量は、使用する場合、組成物の約1重量%~約35重量%の範囲で組成物中に存在する。本実施形態の一態様では、組成物中に存在する塩化物イオン源の量は、組成物の約1重量%~約30重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在する塩化物イオン源の量は、組成物の約10重量%~約25重量%である。本実施形態の他の態様では、組成物中に存在する塩化物イオン源の量は、組成物の約15重量%~約20重量%である。本実施形態の他の態様では、組成物中に存在する塩化物イオン源の量は、組成物の約15重量%~約30重量%である。本実施形態の他の態様では、組成物中に存在する塩化物イオン源の量は、組成物の約20重量%~約40重量%である。
【0064】
幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約27重量%のNH4Clを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約22.5重量%のNH4Clを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約20重量%のNH4Clを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約16.5重量%のNH4Clを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約2.5重量%~約5重量%のNH4Clを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約2.5重量%~約3.5重量%のNH4Clを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約3重量%~約30重量%のNH4Clを含む。
【0065】
幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約1重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約2重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約20重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約21重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約3.0重量%~約3.5重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約5.0重量%~約5.5重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約6.5重量%~約7.5重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約1重量%~約7.5重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約1重量%~約25重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約1重量%~約21重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約10重量%~約40重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約20重量%~約40重量%のニートHClを含む。幾つかの具体的な実施形態では、塩化物イオン源は、約30重量%~約40重量%のニートHClを含む。
【0066】
2.フッ化物イオン源
【0067】
幾つかの実施形態では、開示され請求された主題のエッチング組成物は、少なくとも1つのフッ化物イオン源を任意に含む。フッ化物イオンは、主に窒化チタンのエッチング促進剤として機能する。本開示によるフッ化物イオンを提供する例示的な化合物は、フッ化水素酸及びその塩、フッ化アンモニウム、例えば、フッ化テトラメチルアンモニウム及びフッ化テトラブチルアンモニウムなどの第4級フッ化アンモニウム、フルオロホウ酸塩、フルオロホウ酸、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロホウ酸塩及び六フッ化アルミニウムである。一実施形態では、好ましいフッ化物イオン源は、HF及び/又はNH4Fである。一実施形態では、フッ化物イオン源は、HFである。一実施形態では、フッ化物イオン源は、NH4Fである。
【0068】
HFがフッ化物イオン源である場合、商用グレードのフッ化水素酸を使用することができる。典型的には、市販のフッ化水素酸は、5%~70%水溶液として入手可能である。好ましい実施形態では、電子グレードのHF酸溶液が使用され、このような電子グレードの溶液は、典型的に100粒子/mL未満の粒子数を有し、粒子の大きさが0.5ミクロン以下であり、金属イオンが酸中に低百万分率レベルから十億分率レベル(容量)で存在する場合である。
【0069】
幾つかの実施形態では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.01重量%~約0.25重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.02重量%~約0.15重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.02重量%~約0.10重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.10重量%~約0.12重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.01重量%~約0.5重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.01重量%~約0.1重量%である。本実施形態の一態様では、組成物中に存在するフッ化物イオン源の量は、組成物の約0.01重量%~約2重量%である。
【0070】
幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.025重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.02重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.035重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.05重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.04重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.10重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.12重量%のニートHFを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.15重量%のニートHFを含む。
【0071】
幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4Fを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.02重量%~約1重量%のニートNH4Fを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.02重量%~約2重量%のニートNH4Fを含む。幾つかの具体的な実施形態では、フッ化物イオン源は、約0.12重量%のニートNH4Fを含む。
【0072】
E.ヘテロ芳香族化合物(任意)
【0073】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるエッチング組成物は、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物を任意に含む。少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物は、主にモリブデン腐食抑制剤として機能する。
【0074】
幾つか実施形態では、ヘテロ芳香族化合物は、環を構成する1つ又は複数のヘテロ原子として1つ又は複数の窒素原子を有する六員ヘテロ芳香環であることが好ましい。本実施形態の一態様では、ヘテロ芳香族化合物は、それぞれアミノ基含有置換基で置換されたピリジン化合物、ピリミジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ピラゾール化合物及び1,3,5-トリアジン化合物のうち1つ以上を含む。本実施形態の他の態様では、ヘテロ芳香環は、アミノ基含有置換基又はアルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシ基、ハロゲン、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基又はスルホ基などの置換基若しくはラジカルによって置換されてよい。
【0075】
アミノ基含有置換基でそれぞれ置換された上記ピリジン化合物は、ピリジン化合物が、それぞれピリジン環を有し、アミノ基含有置換基で置換された化合物である限り、特に限定されるものではない。幾つかの実施形態では、ピリジン化合物は、例えば、それぞれ、以下の式(I)で表されるピリジン化合物であって、
【化1】
R
1~R
5の少なくとも1つがアミノ基含有置換基を表す条件において、R
1~R
5はそれぞれ独立して、水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基以外であり、炭素原子数が1~10である炭化水素誘導基を表し、これらの置換基は、互いに結合して環状構造を形成してよい。
【0076】
それぞれアミノ基含有置換基で置換されたピリジン化合物の具体例としては、3-アミノピリジン、2-アミノピリジン、4-アミノピリジン、2-アミノ-3-メチルピリジン、2-アミノ-4-メチルピリジン、2-アミノ-5-メチルピリジン、2-(アミノメチル)ピリジン、3-アミノ-4-メチルピリジン、5-アミノ-2-メチルピリジン、4-アミノ-3-メチルピリジン、3-アミノ-2-メチルピリジン、4-アミノ-2-メチルピリジン、3-アミノ-5-メチルピリジン、2-(メチルアミノ)ピリジン、4-(メチルアミノ)ピリジン、3-(アミノメチル)ピリジン、4-(アミノメチル)ピリジン、2,3-ジアミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2-アミノ-5-シアノピリジン、2-アミノ-3-シアノピリジン、2-アミノピリジン-3-カルボキシルアルデヒド、ピリジン-2-カルボキサミド、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、4-(2-アミノエチル)ピリジン、3-(2-アミノエチル)ピリジン、2-(2-アミノエチル)ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、2-ジメチルアミノピリジン、2-(エチルアミノ)ピリジン、2-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン、4-アセトアミドピリジン、2-アセトアミドピリジン、3-アセトアミドピリジン、4-(エチルアミノメチル)ピリジン、2-アミノキノリン、3-アミノキノリン、5-アミノキノリン、6-アミノキノリン、8-アミノキノリン及び4-ジメチルアミノ-1-ネオペンチルピリジニウムクロライドが挙げられる。
【0077】
環に含まれない、少なくとも1つの追加の窒素原子結合部位を有する1つの窒素原子を含む六員ヘテロ環の例としては、2-アミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2-(アミノメチル)ピリジン、2,6-(アミノメチル)ピリジン、2,6-(アミノエチル)ピリジン、2-アミノ-4-ピコリン、2,6-ジアミノ-4-ピコリン、2-アミノ-3,5-ルチジン、2-アミノキノリン、8-アミノキノリン、2-アミノイソキノリン、アクリフラビン、4-アミノフェナンスリジン、4,5-(アミノメチル)フェノチアジン、4,5-(アミノメチル)ジベンゾオキサジン、10-アミノ-7,8-ベンゾキノリン、ビス(2-ピリジルメタン)アミン、トリス(2-ピリジル)アミン、ビス(4-(2-ピリジル)-3-アザブタン)アミン、ビス(N,N-(2-ピリジル)エタン)アミノメタン)アミン、4-(N,N-ジアルキルアミノメチル)モルホリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
幾つかの実施形態では、ヘテロ原子化合物は、組成物の約0.01重量%~約3.0重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、ヘテロ原子化合物は、組成物の約0.01重量%~約2.0重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、ヘテロ原子化合物は、組成物の約0.01重量%~約1.0重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、ヘテロ原子化合物は、組成物の約0.01重量%~約0.5重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、ヘテロ原子化合物は、組成物の約0.01重量%~約0.3重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、ヘテロ原子化合物は、組成物の約0.02重量%~約0.1重量%の範囲で組成物中に存在する。
【0079】
F.水混和性溶媒(任意)
【0080】
開示され請求された主題のエッチング組成物は、少なくとも1つの水混和性溶媒を任意に含む。少なくとも1つの水混和性溶媒は、主に低い水性媒体でのMoエッチングを減少させるために機能する。
【0081】
適切な水混和性溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール及び1,4-ブタンジオール、テトラヒドロフルフリルアルコール(THEA)、炭酸ブチレン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、2,3-ジヒドロデカフルオロペンタン、エチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル ジヒドロデカフィオロペンタン、エチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、炭酸アルキル、炭酸アルキレン、4-メチル-2-ペンタノール、テトラメチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0082】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、スルホラン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、炭酸プロピレン、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール、エチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びこれらの組み合わせの群から選択される。
【0083】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、スルホラン、ジエチレングリコールブチルエーテル、炭酸プロピレン、及びこれらの混合物の組み合わせの群から選択される。
【0084】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、組成物の約40重量%~約99重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、組成物の約50重量%~約99重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、組成物の約40重量%~約75重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、組成物の約50重量%~約75重量%の範囲で組成物中に存在する。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの水混和性溶媒は、組成物の約70重量%~約93重量%の範囲で組成物中に存在する。
【0085】
他の任意の成分
【0086】
幾つかの実施形態では、開示され請求されたエッチング組成物は、1つ又は複数の金属キレート剤を含むこともできる。金属キレート剤は、組成物が溶液中に金属を保持する能力を高め、金属残渣の溶解を促進するように機能することができる。この目的に有用なキレート剤の典型的な例としては、以下の有機酸並びにその異性体及び塩、すなわち、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ブチレンジアミン四酢酸、(1,2-シクロヘキシレンジアミン)四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DETPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、N,N,N’,N’-エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’-四酢酸(DHPTA)、メチルイミノ二酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトロ三酢酸(NTA)、酢酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、サッカリン酸、グリセリン酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、マンデル酸、マロン酸、乳酸、サリチル酸、没食子酸プロピル、ピロガロール、8-ヒドロキシキノリン、及びシステインが挙げられる。好ましいキレート剤は、EDTA、CyDTAなどのアミノカルボン酸類、及びEDTMPなどのアミノホスホン酸類である。
【0087】
幾つかの実施形態では、キレート剤は、約0.1重量%~約10重量%の範囲で組成物中に存在する。本実施形態の一態様では、キレート剤は、組成物の約0.5重量%~約5重量%の範囲で組成物中に存在する。
【0088】
幾つかの実施形態では、この開示され請求された主題の組成物は、組成物に添加される上記のキレート剤のいずれか又は全てを含まない又は実質的に含まない。
【0089】
強調された配合
【0090】
好ましい一実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約80重量%の水
(b)約0.5重量%~約15重量%のニートHNO3
(c)
(i)約1重量%~約7重量%の1つ以上のアルカノールアミン、及び
(ii)約0.7重量%~約2重量%のニートNH4OH
のうち1つ以上を含む塩基;並びに
(d)
(i)約1重量%~約30重量%の1つ以上の塩化物イオン源、及び
(ii)約0.02重量%~約0.15重量%の1つ以上のフッ化物イオン源
のうち1つ以上を含むハロゲンイオン源、を含む。
本実施形態の一態様では、塩基は、約1重量%~約7重量%のアルカノールアミンを含む。本実施形態の他の態様では、塩基は、約0.7重量%~約2重量%のニートNH4OHを含む。
【0091】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約80重量%の水
(b)約0.5重量%~約15重量%のニートHNO3
(c)
(i)約1重量%~約7重量%の1つ以上のアルカノールアミン、及び
(ii)約0.7重量%~約2重量%のニートNH4OH
のうち1つ以上を含む塩基;並びに
(d)
(i)約3重量%~約30重量%のNH4Cl
(ii)約1重量%~約25重量%のニートHCl
(iii)約0.02重量%~約0.15重量%のニートHF、及び
(iv)約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4F
のうち1つ以上を含むハロゲンイオン源、を含む。
本実施形態の一態様では、エッチング組成物は、約3重量%~約30重量%のNH4Clを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約1重量%~約25重量%のニートHClを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートHFを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4Fを含む。
【0092】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約80重量%の水
(b)約0.5重量%~約15重量%のニートHNO3
(c)
(i)約1重量%~約7重量%の1つ以上のアルカノールアミン、及び
(ii)約0.7重量%~約2重量%のニートNH4OH
のうち1つ以上を含む塩基;並びに
(d)
(i)約3重量%~約30重量%のNH4Cl
(ii)約1重量%~約21重量%のニートHCl
(iii)約0.02重量%~約0.15重量%のニートHF、及び
(iv)約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4F
のうち1つ以上を含むハロゲンイオン源、を含む。
本実施形態の一態様では、エッチング組成物は、約3重量%~約30重量%のNH4Clを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約1重量%~約21重量%のニートHClを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートHFを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4Fを含む。
【0093】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約35重量%~約80重量%の水
(b)約0.1重量%~約5重量%のニートHNO3
(c)
(i)約1重量%~約7重量%の1つ以上のアルカノールアミン、及び
(ii)約0.7重量%~約2重量%のニートNH4OH
のうち1つ以上を含む塩基;並びに
(d)
(i)約3重量%~約30重量%のNH4Cl
(ii)約1重量%~約21重量%のニートHCl
(iii)約0.02重量%~約0.15重量%のニートHF、及び
(iv)約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4F
のうち1つ以上を含むハロゲンイオン源、を含む。
本実施形態の一態様では、エッチング組成物は、約3重量%~約30重量%のNH4Clを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約1重量%~約21重量%のニートHClを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートHFを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.15重量%のニートNH4Fを含む。
【0094】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約60重量%~約70重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO3
(c)約1重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約27重量%のNH4Cl
(ii)約2.1重量%のニートHCl、及び
(iii)約0.025重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0095】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約60重量%~約71重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO3
(c)約1重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約22.5重量%のNH4Cl
(ii)約1.05重量%のニートHCl、及び
(iii)約0.025重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0096】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約60重量%~約72重量%の水
(b)約9.6重量%のニートHNO3
(c)約2重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約16.5重量%のNH4Cl、及び
(ii)約0.02重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0097】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約60重量%~約70重量%の水
(b)約9.6重量%のニートHNO3
(c)約2重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基、並びに
(d)
(i)約20重量%のNH4Cl、及び
(ii)約0.035重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0098】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約60重量%~約70重量%の水
(b)約9.6重量%のニートHNO3
(c)約0.7重量%のニートNH4OHを含む塩基、並びに
(d)
(i)約20重量%のNH4Cl、及び
(ii)約0.035重量%のニートHF
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0099】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約70重量%~約80重量%の水
(b)約0.6重量%のニートHNO3
(c)約1.45重量%のニートNH4OHを含む塩基、並びに
(d)
(i)約21重量%のニートHCl、及び
(ii)約0.12重量%のニートNH4F
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0100】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO3
(c)約7重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基
(d)約0.05重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約75重量%のニート酢酸、を含む。
【0101】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO3
(c)約6重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基
(d)約0.05重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約76重量%のニート酢酸、を含む。
【0102】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約4.8重量%のニートHNO3
(c)約6重量%のアミノ(エトキシ)エタノールを含む塩基
(d)約0.04重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約78重量%のニート酢酸、を含む。
【0103】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約10重量%~約15重量%の水
(b)約9重量%のニートHNO3
(c)約2.03重量%のニートNH4OHを含む塩基
(d)約0.05重量%のニートHFを含むハロゲンイオン源、及び
(e)約77重量%のスルホラン(sulfolone)、を含む。
【0104】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約88重量%~約96重量%の水
(b)約2重量%~約15重量%のニートHNO3
(c)約0.02重量%~約0.10重量%の1つ又は複数のフッ化物イオン源を含むハロゲンイオン源
(d)ジエチルグリコールブチルエーテル、スルホラン及び炭酸プロピレンから選択される、約70重量%~約95重量%の1つ又は複数の水混和性溶媒、を含む。
【0105】
本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.02重量%~約0.10重量%のニートHFを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約0.05重量%のニートHFを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約70重量%~約80重量%のジエチルグリコールブチルエーテルを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約70重量%~約80重量%のスルホランを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、約85重量%~約95重量%の炭酸プロピレンを含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、8-アミノキノリンを更に含む。本実施形態の他の態様では、エッチング組成物は、トリエタノールアミンを更に含む。
【0106】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約90重量%~約92重量%の水
(b)約12重量%のニートHNO3
(c)約0.05重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約79重量%のジエチルグリコールブチルエーテル、を含む。
【0107】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約88重量%~約90重量%の水
(b)約15重量%のニートHNO3
(c)約0.05重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約74重量%のジエチルグリコールブチルエーテル、及び
(e)約0.05重量%の8-アミノキノリン、を含む。
【0108】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約4重量%~約5重量%の水
(b)約2.0重量%~約3.0重量%のニートHNO3
(c)約0.10重量%~約0.12重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約90重量%~約93重量%の炭酸プロピレン、及び
(e)約0.4重量%~約0.6重量%のトリエタノールアミン、を含む。
【0109】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約4重量%~約5重量%の水
(b)約2.4重量%のニートHNO3
(c)約0.12重量%のHFを含むハロゲンイオン源
(d)約92重量%~約93重量%の炭酸プロピレン、及び
(e)約0.6重量%のトリエタノールアミン、を含む。
【0110】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約35重量%~約50重量%の水
(b)約6.0重量%~約12.0重量%のニートHNO3
(c)約15重量%~約45重量%のNH4H2PO4を含む塩基、並びに
(d)1つ又は複数の
(i)約1重量%~約7.5重量%のニートHCl、及び
(ii)約2.5重量%~約5重量%のNH4Cl
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0111】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約44重量%~約45重量%の水
(b)約12.0重量%のニートHNO3
(c)約40重量%のNH4H2PO4を含む塩基、及び
(d)約3.0重量%~約3.5重量%のニートHClを含むハロゲンイオン源、を含む。
【0112】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約46重量%~約48重量%の水
(b)約6.0重量%のニートHNO3
(c)約40重量%のNH4H2PO4を含む塩基、及び
(d)約6.5重量%~約7.5重量%のニートHClを含むハロゲンイオン源、を含む。
【0113】
他の好ましい実施形態では、エッチング組成物は、
(a)約46重量%~約48重量%の水
(b)約9.0重量%のニートHNO3
(c)約45重量%のNH4H2PO4を含む塩基、並びに
(d)
(i)約5重量%~約5.5重量%のニートHCl、及び
(ii)約2.5重量%~約3.5重量%のNH4Cl
を含むハロゲンイオン源、を含む。
【0114】
開示され請求された組成物は、上記に例示され説明されたものに限定されない。
【0115】
使用方法
【0116】
開示され請求された課題の他の態様では、窒化チタン及びモリブデンを含む複合半導体装置の窒化チタン及びモリブデンのエッチング速度を選択的に向上させる方法が提供されている。当該方法は、
a.窒化チタン及びモリブデンを含む複合半導体装置を、例えば、水;HNO3;任意に、NH4Cl及びHClの群から選択される少なくとも1つの塩化物イオン源;アルカノールアミン、NH4OH、第4級アンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物の群から選択される塩基;任意に、少なくとも1つのフッ化物イオン源;任意に、少なくとも1つのヘテロ芳香族化合物;並びに任意に、ジエチレングリコールブチルエーテル、スルホラン、及び炭酸プロピレンの群から選択される少なくとも1つの水混和性溶媒を含むものなど、上記の組成物のいずれかを含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる組成物と接触させる工程、及び
b.窒化チタン及びモリブデンが少なくとも部分的に除去された後、複合半導体装置を洗浄する工程
を含む。
【0117】
また、追加の乾燥工程c.が、当該方法に含まれ得る。「少なくとも部分的に除去された」とは、少なくとも90%の材料の除去、好ましくは少なくとも95%の材料の除去を意味する。最も好ましくは、本開発の組成物を使用して少なくとも99%を除去することである。他の実施形態では、本明細書に開示された組成物を用いて上記方法を実行することにより、1:3~15.1:1の割合でモリブデン金属に対して窒化チタンを選択的にエッチングする。
【0118】
接触工程は、例えば、浸漬、スプレー、又はシングルウェハー工程によってなど、適切な手段によって実施することができる。接触工程中の組成物の温度は、好ましくは約20~80℃であり、より好ましくは約40~70℃である。更に好ましくは、接触工程中の組成物の温度は、約60℃である。
【0119】
洗浄工程は、適切な手段、例えば、浸漬又はスプレー技術によって脱イオン水を用いて基材を洗浄することによって実施される。好ましい実施形態では、洗浄工程は、脱イオン水と、例えばイソプロピルアルコールなどの水混和性有機溶媒との混合物を用いて実施される。
【0120】
乾燥工程は、適切な手段、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)の蒸気乾燥、熱、求心力、又は窒素流によって実施される。
【0121】
特徴及び利点は、以下に説明する例示的な実施例によってより完全に示される。
【0122】
ここで、本開示のより具体的な実施形態及びこのような実施形態を支援する実験結果を参照する。実施例は、開示された主題をより完全に説明するために以下に示され、開示された主題をいかなる方法でも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0123】
開示された主題の精神又は範囲から逸脱することなく、本明細書で提供される開示された主題及び具体例において様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者にとって明らかである。したがって、以下の実施例によって提供される説明を含む、開示された主題は、特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に入る開示された主題の修正及び変形を含むことが意図される。
【実施例】
【0124】
エッチング組成物の調製のための一般的な手順
【0125】
開示され請求された主題のエッチング溶液組成物は、典型的に、全ての固体が水性系媒体に溶解するまで、室温で容器内で成分を一緒に混合することによって調製される。例えば、本実施例の主題である全ての組成物は、250mLビーカー中で1”テフロン(登録商標)コーティング撹拌子(1”Teflon-coated stir bar)を用いて成分を混合することによって調製された。典型的には、ビーカーに加えられる最初の材料は、脱イオン(DI)水であった。
【0126】
基材の組成
【0127】
本実施例で採用した20mm×20mmの各試験片は、シリコン基材に窒化チタン層及びモリブデン層を含む。2つの分離された基材がある。
【0128】
処理条件
【0129】
250mlビーカーに100gのエッチング組成物を使用し、1”テフロン(登録商標)撹拌子を用いて500rpmに設定して、エッチング試験を行った。エッチング組成物は、ホットプレート上で約60℃の温度まで加熱した。テストクーポンは、撹拌しながら約100秒又は3分あるいは5分間、組成物中に浸漬させた。次に、その部分をDI水槽又はスプレーで3分間洗浄し、その後、濾過窒素を使用して乾燥させた。窒化チタン及びモリブデンのエッチング速度は、エッチング前後の厚みの変化から推定し、4点プローブで測定した(CDE ResMap Control、米国)。典型的な開始層の厚さは、TiNxでは300Å、モリブデンでは200Åであった。
【0130】
以下の一連の表は、評価した組成物の幾つかの態様の評価を示している。表中、丸括弧内の値は、ニート重量%の値である。
【表1】
【0131】
表1は、HNO
3を酸化剤として、H
3PO
4/NH
4H
2PO
4を緩衝系として使用することで、TiN/Moエッチング速度選択性の比が1:2になることを説明する。任意のHCl及びNH
4H
2PO
4混合液は、H
3PO
4/NH
4H
2PO
4/NH
4Clを生成し、これにより、同様の結果を与えることができる。HNO
3を減らし、HClを増やすことにより、より多くの塩化物の効果により、Moエッチング速度に対するTiNの選択性が>1となることができる。温度を高くすることにより、Moエッチング速度に対するTiNの選択性を増加させることができる。
【表2】
【0132】
表では、NH
4Clを塩化物源として添加することにより、48Vは、NH
4H
2PO
4/NH
4Cl/HCl系を提供し、良好なTiN/Mo選択性を与えることを示している。製法を簡素化するために、NH
4H
2PO
4を除去し、NH
4Cl/HCl系によるTiNエッチング速度をわずかに向上させることができる。
【表3】
【0133】
実施例57Cは、少量のHF(<0.1%)を含むNH
4Cl/HCl系を使用し、これにより、TiNエッチング速度を5A/minから46A/minに高めることができた。実施例58Lは、NH
4Clの量を27%から16%に減らしてHNOの量を増やし、これにより、良好なTiN/Mo E/R選択性を与えた。61Qは、塩基成分をAEEからNH
4OHに変更し、これも良好なTiN/Mo E/R選択性を示した。実施例33Jは、カップリングすると、50℃で1:1のMo/TiNエッチング速度選択性を示した。
【表4】
【0134】
表4は、酢酸が、実施例63N、63Q、63Rにおいて、Mo E/Rを抑制する適切なpHを有する弱酸として、及び溶媒として使用されていることを示している。HNO
3は、酸化剤であり、HFは、良好なTiN/Mo選択性を提供することができるエッチング促進剤である。
【表5】
【0135】
表5では、ジエチルグリコールブチルエーテル(BDG)、スルホラン、及び炭酸プロピレン(PC)を含む溶媒豊富な配合は、HNO3/HF活性化の組み合わせでNH4Clを除去できることを示している。8-アミノキノリンは、Mo E/Rを抑制するMo腐食抑制剤となり得る。
【0136】
前述の説明は、主に説明の目的として意図されたものである。開示され請求された主題は、その例示的な実施形態に関して示され説明されたが、その形態及び詳細における前述の及び他の種々の変更、省略及び追加が、開示され請求された主題の精神及び範囲から逸脱することなく、そこで行われ得ることが当業者によって理解されるべきである。
【国際調査報告】