(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(54)【発明の名称】荷電粒子システムにおける高スループット欠陥検査のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230414BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20230414BHJP
H01J 37/20 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01J37/28 B
H01J37/20 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550739
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2021055954
(87)【国際公開番号】W WO2021180743
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マ,ロン
(72)【発明者】
【氏名】ドン,ゾンファ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,テ-ユ
【テーマコード(参考)】
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DH25
4M106DJ04
5C101AA03
5C101BB03
5C101EE48
5C101FF02
5C101FF56
5C101HH11
5C101JJ12
(57)【要約】
荷電粒子ビームシステムにおいてステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる装置、システム、及び方法が開示される。幾つかの実施形態では、コントローラは、ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、ストライプが、ビームの視野よりも大きく、複数の領域の分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、領域のタイプに基づいてステージの速度を制御することによってウェーハを走査することであって、第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、を行うように構成された回路構成を含んでもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる荷電粒子ビームシステムであって、前記システムが、
回路構成を含むコントローラであって、前記回路構成が、
前記ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、前記ストライプが、前記ビームの視野よりも大きく、前記複数の領域の前記分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、
前記領域のタイプに基づいて前記ステージの速度を制御することによって前記ウェーハを走査することであって、前記第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び前記第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、
を行うように構成される、コントローラを含む、システム。
【請求項2】
前記コントローラと通信可能に結合され、及び前記ウェーハと相互作用する前記ビームに関連した荷電粒子の検出に基づいて、検出データを生成するように構成された偏向器をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記偏向器が、前記ビームの移動のパターンが検査中に一定のままであるように前記ビームを偏向させるようにさらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ステージの前記速度を制御することが、前記ステージを連続走査モードで動作させることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記回路構成を含むコントローラが、前記ウェーハの複数のストライプのそれぞれに沿って、複数の領域を領域のタイプによって分類するようにさらに構成され、各ストライプが前記ビームの視野よりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のタイプの領域及び前記第2のタイプの領域のそれぞれが、複数の検査ラインを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のタイプの領域が、第1のフィーチャを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の速度が、前記第1のフィーチャの幅、又は前記第1のタイプの領域におけるフィーチャの密度に基づいて決定される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のタイプの領域が、複数の第1のフィーチャを含み、前記第1の速度が、前記複数の第1のフィーチャの各フィーチャ間の幅に基づいて決定される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2のタイプの領域が、前記第1のフィーチャとは異なる第2のフィーチャを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の速度が、前記第2のフィーチャの幅に基づいて決定され、前記第2のフィーチャの前記幅が、前記第1のフィーチャの前記幅とは異なる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の速度及び前記第2の速度の比が、前記第2のフィーチャの前記幅及び前記第1のフィーチャの前記幅の比に実質的に類似する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2のタイプの領域が、複数の第2のフィーチャを含み、及び前記第2の速度が、前記複数の第2のフィーチャの各フィーチャ間の幅に基づいて決定される、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の領域の前記分類が、第3のタイプの領域を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
ステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる方法であって、前記方法が、
前記ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、前記ストライプが、前記ビームの視野よりも大きく、前記複数の領域の前記分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、
前記領域のタイプに基づいて前記ステージの速度を制御することによって前記ウェーハを走査することであって、前記第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び前記第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年3月12日に出願された米国特許出願第62/988,817号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記載は、荷電粒子ビームシステムの分野に関し、特に、高スループット荷電粒子ビーム検査システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスにおいて、未完成又は完成回路コンポーネントは、それらが設計に従って製造されていること、及び欠陥がないことを保証するために検査される。光学顕微鏡を利用した検査システムは、一般的に、数百ナノメータに至るまでの分解能を有し、分解能は、光の波長によって制限される。ICコンポーネントの物理的サイズは、サブ100ナノメータ、或いはサブ10ナノメータに至るまで減少し続けているため、光学顕微鏡を利用した検査システムよりも高い分解能が可能な検査システムが必要とされる。
【0004】
[0004] 1ナノメータ未満に至るまでの分解能が可能な、走査電子顕微鏡(SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)などの荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡は、サブ100ナノメータであるフィーチャサイズを有するICコンポーネントを検査するための実用的ツールとして機能する。SEMを用いた場合、単一の一次電子ビームの電子、又は複数の一次電子ビームの電子は、検査下のウェーハの関心場所に集束させることができる。一次電子は、ウェーハと相互作用し、及び後方散乱され得、又はウェーハに二次電子を放出させ得る。後方散乱電子及び二次電子を含む電子ビームの強度は、ウェーハの内部構造及び外部構造の特性に基づいて変化し得、それによって、ウェーハが欠陥を有するか否かを示すことができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、荷電粒子ビームシステムにおいてステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる装置、システム、及び方法を提供する。幾つかの実施形態では、コントローラは、ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、ストライプが、ビームの視野よりも大きく、複数の領域の分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、領域のタイプに基づいてステージの速度を制御することによってウェーハを走査することであって、第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、を行うように構成された回路構成を含んでもよい。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、方法は、ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、ストライプが、ビームの視野よりも大きく、複数の領域の分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、領域のタイプに基づいてステージの速度を制御することによってウェーハを走査することであって、第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0008]本開示の実施形態と一致した、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システムの一部分である例示的なマルチビームシステムを示す概略図である。
【
図3】[0009]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームの走査シーケンスの図である。
【
図4】[0010]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査の概略図である。
【
図5】[0011]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査の概略図である。
【
図6A】[0012]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査、及び検査中の関連のビーム移動パターンの概略図である。
【
図6B】[0012]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査、及び検査中の関連のビーム移動パターンの概略図である。
【
図6C】[0012]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査、及び検査中の関連のビーム移動パターンの概略図である。
【
図6D】[0012]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査、及び検査中の関連のビーム移動パターンの概略図である。
【
図7】[0013]本開示の実施形態に一致した、荷電粒子ビーム検査に関する例示的検査データである。
【
図8】[0014]本開示の実施形態に一致した、ウェーハを検査するためのビームを発生させる例示的方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0015] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りのない限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実施態様は、本開示と一致する全ての実施態様を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙される主題に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。例えば、幾つかの実施形態は、電子ビームを利用するという文脈で説明されているが、本開示はそのように限定はされない。他のタイプの荷電粒子ビームも、同様に適用することができる。さらに、光学撮像、光検出、x線検出などの他の撮像システムが使用されることができる。
【0009】
[0016] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路から構成される。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることができ、集積回路又はICと呼ばれる。多数のより多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路の寸法は劇的に低減された。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪ほど小さいことがあり得るが、20億個を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタの寸法は、人間の髪の毛の寸法の1/1000よりも小さい。
【0010】
[0017] これらの極端に小さなICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百にのぼる個別ステップを含む。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、そのICを使い物にならなくする可能性がある。したがって、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
【0011】
[0018] 歩留まりを向上させる1つの構成要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造物を形成する様々な段階において、チップ回路構造物を検査することである。検査は、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して実行してもよい。SEMを使用すると、これらの非常に小さな構造物を撮像する、要するに、ウェーハのこれらの構造物の「写真」を撮ることができる。この画像を使用して、構造物が適切に形成されたかどうか、及び構造物が適切な位置に形成されたかどうかを決定することができる。構造物に欠陥がある場合、欠陥が再発する可能性が低くなるようにプロセスを調節することができる。
【0012】
[0019] SEMの動作原理はカメラと似ている。カメラは、人又は物体から反射又は放射される光の明るさ及び色を受け取って記録することにより、写真を撮る。SEMは、構造物から反射又は放射される電子のエネルギー又は量を受け取って記録することにより、「写真」を撮る。そのような「写真」を撮る前に、電子ビームが構造物の上に提供されることがあり、その構造物から電子が反射又は放射される(出てゆく)ときに、SEMの検出器が、それらの電子のエネルギー又は量を受け取って記録し、画像を生成することができる。そのような「写真」を撮るために、一部のSEMは単一電子ビームを使用し(「シングルビームSEM」と呼ばれる)、一方、一部のSEMは、複数の電子ビームを使用して(「マルチビームSEM」と呼ばれる)、ウェーハの複数の「写真」を撮る。複数の電子ビームを使用することにより、SEMは、これらの複数の「写真」を取得するために、構造物上により多くの電子ビームを提供することができ、その結果、より多くの電子が構造物から出ることになる。したがって、検出器はより多くの出てゆく電子を同時に受け取り、より高い効率及びより速い速度で、ウェーハの構造物の画像を生成することができる。
【0013】
[0020] しかしながら、ウェーハは、検査される必要があるエリアと、検査される必要がないエリアを含み得る。ウェーハがこれらのエリアの両方を含む場合、検査される必要がないエリアを走査することで検査時間が無駄にされ、それによって、全体的なウェーハスループット(これは、単位時間でどのくらい速く結像システムが検査タスクを完了できるかを示す)が低下し得る。また、検査される必要があるエリアに関して、一部のエリアは、他のエリアよりも走査すべきフィーチャが少ない場合がある。
【0014】
[0021] 従来のシステムは、それらが、ウェーハ上の一部のエリアが検査される必要がないこと、又はウェーハ上の一部のエリアが他のエリアよりもフィーチャの数が少ないことを考慮しない点で、非効率的な走査を欠点として持つ。したがって、これらの従来のシステムは、最適ではないスループットを提供する。
【0015】
[0022] 本開示の幾つかの実施形態は、検査される必要がないウェーハ上のエリア、又はウェーハ上の一部のエリアが他のエリアよりもフィーチャの数が少ないことを考慮する、向上した走査技術を提供する。この開示は、数ある中でも特に、ステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる方法及びシステムを記載する。幾つかの実施形態では、検査システムは、検査中のステージの移動を制御するための回路構成を含むコントローラを含んでもよい。ステージは、検査中に連続的に移動され得る。ステージの速度は、結像システムが検査される必要がないウェーハのエリアを走査しているときに速度を上げるように調整され得る。また、ステージの速度は、検査予定のエリア内のフィーチャに基づいて調整することができる。例えば、フィーチャがより密集したエリアは、検査の品質及び精度を向上させるために、より遅いステージ速度を必要とし得るが、フィーチャがあまり密集していないエリアは、システムがステージ速度を上げることを許容し得る。
【0016】
[0023] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張されていることができる。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。
【0017】
[0024] 本明細書で使用する場合、特段の断りがない限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことができると記載されている場合、特段の断りがない限り又は実行不可能でない限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことができると記載されている場合、特段の断りがない限り又は実行不可能でない限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0018】
[0025]
図1は、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。EBIシステム100は、撮像のために使用されることができる。
図1に示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、電子ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。電子ビームツール104は、メインチャンバ101内部に配置されている。EFEM106は、第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bを含む。EFEM106は、追加の装填ポートを含むことができる。第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bは、検査対象のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、互換的に使用されることができる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。「ロット」とは、バッチとして処理するために装填されることができる複数のウェーハである。
【0019】
[0026] EFEM106内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填/ロックチャンバ102に運ぶことができる。装填/ロックチャンバ102は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填/ロックチャンバ102内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に運ぶことができる。メインチャンバ101は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ101内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハは電子ビームツール104による検査にかけられる。電子ビームツール104は、シングルビームシステム又はマルチビームシステムであり得る。
【0020】
[0027] コントローラ109は、電子ビームツール104に電子的に接続されている。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を行うように構成されたコンピュータであり得る。
図1では、コントローラ109は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外部にあるものとして示されているが、コントローラ109はこの構造の一部とすることもできることが理解されよう。
【0021】
[0028] 実施形態によっては、コントローラ109は1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)を含むことができる。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用的な又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、プロセッサは、任意の数の、中央処理装置(即ち「CPU」)、グラフィックス処理装置(即ち「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブル論理制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ、IP(intellectual property)コア、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、プログラマブル・アレイ・ロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理可能な任意の種類の回路、の任意の組み合わせを含むことができる。プロセッサはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のプロセッサを含む、仮想プロセッサであり得る。
【0022】
[0029] 実施形態によっては、コントローラ109はさらに、1つ又は複数のメモリ(図示せず)を含むことができる。メモリは、(例えば、バスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶することができる、汎用の又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、メモリは、任意の数のランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティ・デジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクト・フラッシュ(CF)カード、又は任意の種類の記憶デバイス、の任意の組み合わせを含むことができる。コードには、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスク用の1つ又は複数のアプリケーション・プログラム(即ち「apps」)が含まれることができる。メモリはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のメモリを含む、仮想メモリであり得る。
【0023】
[0030] ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施形態と一致した、
図1のEBIシステム100の一部である例示的な電子ビームツール104を示す概略図である。電子ビームツール104は、単一ビーム装置又はマルチビーム装置でもよい。
【0024】
[0031]
図2に示されるように、電子ビームツール104は、電動サンプルステージ201と、検査予定のウェーハ203を保持するために電動ステージ201によって支持されるウェーハホルダ202とを含んでもよい。電子ビームツール104は、対物レンズアセンブリ204、(電子センサ面206a及び206bを含む)電子検出器206、対物アパーチャ208、集光レンズ210、ビーム制限アパーチャ212、ガンアパーチャ214、アノード216、及びカソード218をさらに含む。対物レンズアセンブリ204は、幾つかの実施形態では、改変SORIL(swing objective retarding immersion lens)を含んでもよく、これは、磁極片204a、制御電極204b、偏向器204c、及び励磁コイル204dを含む。電子ビームツール104は、ウェーハ203上の材料を特徴付けるために、エネルギー分散X線スペクトロメータ(EDS)検出器(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0025】
[0032] 一次荷電粒子ビーム220(例えば、電子ビーム)は、アノード216及びカソード218間に電圧を印加することによって、カソード218から放出され得る。一次電子ビーム220は、ガンアパーチャ214及びビーム制限アパーチャ212を通過し、ガンアパーチャ214及びビーム制限アパーチャ212は共に、ビーム制限アパーチャ212の下にある集光レンズ210に入る電子ビームのサイズを決定し得る。一次荷電粒子ビーム220が、対物レンズアセンブリ204に入る前に一次電子ビームのサイズを設定するための対物アパーチャ208に入る前に、集光レンズ210は、ビームを集束させる。偏向器204cは、ウェーハ203上のビーム走査を容易にするために、一次電子ビーム220を偏向させる。例えば、走査プロセスにおいて、偏向器204cは、ウェーハ203の異なる複数の部分の画像再構築のためのデータを提供するために、異なる複数の時点で、ウェーハ203の上面の異なる複数の場所の上に一次電子ビーム220を逐次偏向させるように制御され得る。また、偏向器204cは、ある特定の場所におけるウェーハ構造の立体画像再構築のためのデータを提供するために、異なる複数の時点で、その場所におけるウェーハ203の異なる複数の面上に一次電子ビーム220を偏向させるようにも制御され得る。さらに、幾つかの実施形態では、アノード216及びカソード218は、複数の一次電子ビーム220を発生させるように構成されてもよく、電子ビームツール104は、ウェーハ203の異なる複数の部分の画像再構築のためのデータを提供するために、複数の一次電子ビーム220をウェーハの異なる複数の部分/面に同時に投影するための複数の偏向器204cを含んでもよい。
【0026】
[0033] 励磁コイル204d及び磁極片204aは、磁極片204aの一方の端部で始まり、磁極片204aの他方の端部で終わる磁界を発生させる。一次電子ビーム220によって走査されるウェーハ203の一部は、磁界に浸漬されてもよく、及び帯電されてもよく、これは、次に電界を生じさせる。電界は、一次電子ビーム220がウェーハ203にぶつかる前に、ウェーハ203の表面付近で、衝突する一次電子ビーム220のエネルギーを低下させる。磁極片204aから電気的に分離された制御電極204bは、ウェーハ203のマイクロアーチング(micro-arching)を防止し、及び適切なビーム焦点を保証するために、ウェーハ203上の電界を制御する。
【0027】
[0034] 二次電子ビーム222は、一次電子ビーム220を受け取り次第、ウェーハ203の一部から放出され得る。二次電子ビーム222は、電子検出器206のセンサ面206a及び206b上にビームスポットを形成し得る。電子検出器206は、ビームスポットの強度を表す信号(例えば、電圧、電流など)を生成し、その信号を画像処理システム250に提供し得る。二次電子ビーム222の強度及び結果として得られるビームスポットは、ウェーハ203の外部又は内部構造に応じて異なり得る。また、上述の通り、一次電子ビーム220は、異なる強度の複数の二次電子ビーム222(及び結果として得られるビームスポット)を発生させるために、ウェーハの上面の異なる複数の場所、又はある特定の場所のウェーハの異なる面の上に投影され得る。したがって、ビームスポットの強度をウェーハ203の場所にマッピングすることによって、処理システムは、ウェーハ203の内部又は外部構造を反映する画像を再構築することができる。
【0028】
[0035] 結像システム200は、ステージ201上のウェーハ203を検査するために使用することができ、上述のような電子ビームツール104を含む。結像システム200は、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109を含む画像処理システム250も含んでもよい。画像取得器260は、1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、画像取得器260は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。画像取得器260は、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機、又はそれらの組み合わせなどの媒体によって、電子ビームツール104の検出器206と接続し得る。画像取得器260は、検出器206から信号を受信し、及び画像を構築することができる。したがって、画像取得器260は、ウェーハ203の画像を取得することができる。画像取得器260は、輪郭の生成、及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器260は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージ270は、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、及び他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体でもよい。ストレージ270は、画像取得器260と結合されてもよく、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存するため、及び後処理された画像を保存するために使用することができる。画像取得器260及びストレージ270は、コントローラ109に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109は、1つの制御ユニットとして統合されてもよい。
【0029】
[0036] 実施形態によっては、画像取得器は、検出器206から受け取った撮像信号に基づいて、サンプルの1つ又は複数の画像を取得し得る。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するためのスキャン動作に対応していることができる。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。この単一の画像は、ストレージ270内に記憶されることができる。この単一の画像は、複数の領域に分割されることができる元画像であり得る。これらの領域の各々は、ウェーハ203のフィーチャを包含する1つの撮像エリアを含むことができる。
【0030】
[0037]
図2は、装置104が1つの電子ビームを使用することを示しているが、装置104は、2つ以上の数の一次電子ビームを使用し得ることが理解される。本開示は、装置104で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0031】
[0038] 本開示の実施形態は、単一荷電粒子ビーム結像システム(「単一ビームシステム」)、又は複数荷電粒子ビーム結像システム(「マルチビームシステム」)を使用することによって、異なる走査モードのスループットを最適化し、異なる複数のスループット及び分解能要件に適合する能力をシステムに与える。
【0032】
[0039] ここで、荷電粒子ビームの走査シーケンスの図である
図3を参照する。電子ビームツール(例えば、
図2の電子ビームツール104)は、ウェーハサンプル300にわたり電子ビーム302を連続ラスタ走査することによって、画像を生成し得る。電動ステージ(例えば、
図2の電動ステージ209)の速度は、ウェーハサンプルを保持するステージの速度が検査中に変化し得るように、及びウェーハが連続的に走査され得るように制御されてもよい。
図3は、5×5ピクセル画像を生成するための連続ラスタ走査の例示的シーケンスを示す。ラスタ走査では、電子ビームは、ウェーハ300にわたり、ピクセル(例えば、ピクセル311、312、313、314、及び315)のストライプ(又はライン)Aを走査するために、1つ又は複数の速度で、左から右へ(例えば、ピクセル311からピクセル315へ)水平に移動する。幾つかの実施形態では、電子ビーム302は、ピクセル全体(例えば、ピクセル311)を走査するのに十分な大きさのサイズ(又は直径)を有し得る。電子ビーム302が走査されているストライプ(例えば、ストライプA)の最後のピクセル(例えば、ピクセル315)に到達すると、ビームは、次の行の走査が開始され得る、次のストライプの最初のピクセル(例えば、ストライプBのピクセル321)に迅速に戻る。これらのステップは、ストライプBのピクセル321~325、ストライプCのピクセル331~335、ストライプDのピクセル341~345、及びストライプEのピクセル351~355に関して繰り返され得る。常に一方向に走査するのではなく、往復走査(back and forth scanning)では、一部のストライプは、一方向に走査され、他のストライプは、第2の反対方向に走査され得る。例えば、ピクセル311~315を走査した後に、電子ビームは、ストライプBとアライメントするように垂直に調整することができ、ビームは、次に325~321を走査し得る。電子ビームは、一部のストライプを第1の方向に走査することができ(例えば、左から右へ走査されるストライプA、C、及びE)、他のストライプを第1の方向の反対の第2の方向に走査することができる(例えば、右から左へ走査されるストライプC及びD)。幾つかの実施形態では、電子ビーム302は、ウェーハの別のエリアの走査が開始され得る別の場所に再位置決めされ得る。幾つかの他の実施形態では、マルチビームツールを使用してウェーハを走査するために、複数のビームが使用され得る。本開示は、ウェーハ上の行又はピクセルの数を限定しない。マルチビーム装置を使用した連続走査に関するさらなる情報は、全体として援用される米国特許出願第62/850,461号に見つけることができる。
【0033】
[0040] ここで
図4を参照すると、
図4は、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査を概略的に示す。
図4は、ラスタ走査に関する幾つかの走査技術を示すが、同様の走査技術を往復走査にも利用できることが理解される。
図4に示される実施形態では、一次ビームレットは、サンプル(例えば、
図2のサンプル208)上にプローブスポット410を生成する。
図4は、サンプルに対するプローブスポット410の移動を示す。図示された実施形態では、プローブスポット410の直径はWである。しかしながら、開示された実施形態では、プローブスポットの直径は、必ずしも同じとは限らない。幾つかの実施形態では、プローブスポット410は、検査ライン(例えば、検査ライン420A)全体を走査するのに十分な大きさのサイズ(例えば、直径W)を有してもよい。検査予定のストライプ401及び402(例えば、
図3のストライプA、B、C、D、又はE、
図5のストライプ501又は502)は、矩形状であるが、必ずしも矩形状とは限らない。ストライプ401は、複数の検査ライン(例えば、検査ライン420A及び検査ライン421A)を含む複数の領域(例えば、
図5の領域521A、523A、525A、521B、523B、又は525B)を含む場合があり、ストライプ402は、走査予定の複数の検査ライン(例えば、検査ライン420B)を含む複数の領域を含む場合がある。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の領域は、フィーチャ(例えば、
図5のフィーチャ521、523、又は525)を備えた検査ラインを含む場合があり、他の領域は、フィーチャを持たない検査ライン(例えば、
図5の領域530A、532A、534A、又は523B)を含む場合がある。サンプルを保持する電動ステージ(例えば、
図2の電動ステージ209)の速度Kは、検査システムのスループットを向上させるために、フィーチャを持たない領域において増加するように制御され得る。ある領域が1つ又は複数の検査ラインを含み得ることが理解される。説明の便宜上、2つの方向x及びyが、絶対基準系で定義される。x方向及びy方向は、互いに垂直である。
【0034】
[0041] 幾つかの実施形態では、プローブスポット410の移動は、サンプルの移動と連携され得る。例えば、
図4に示されるように、プローブスポット410は、サンプルに対して、期間t1中に、y方向に移動することなく、y方向に長さL分だけ移動し得る。幾つかの実施形態では、プローブスポット410の速度は、第1の検査領域(例えば、
図5の領域521A)における電動ステージの速度Kが、第2の検査(例えば、
図5の領域523A)における電動ステージの速度とは異なり得るように、電動ステージの速度を調整することによって制御され得る。複数の検査領域に関する電動ステージの速度は、検査領域の特徴に依存し得る。例えば、電動ステージの速度は、数ある中でも特に、1つ又は複数の領域における、フィーチャの存在、フィーチャの幅、フィーチャの周期的性質、又はフィーチャの間隔(例えば、各フィーチャ間の距離)に依存し得る。
【0035】
[0042] マルチビームシステムにおいて、ある期間中の複数のプローブスポットの移動方向が異なってもよい。期間中にプローブスポットが移動する長さが異なってもよい。プローブスポットは、互いに対する移動を有してもよく、又は有していなくてもよい。
【0036】
[0043]
図4に示される実施形態では、期間t1中に、検査ライン420Aは、プローブスポット410によって検査され得る。期間t1の終わりに、プローブスポット410は、検査ライン420Aの終わりから検査ライン421Aの開始点へと横に移動し得る。幾つかの実施形態では、電動ステージは、プローブスポット410が第1の検査ラインの終わりから次の検査ラインの開始点へと移動するように、フィーチャを持たない検査ラインを飛ばして移動するように制御され得る。例えば、検査ライン421Aが1つ又は複数のフィーチャを含まず、検査ライン422Aが1つ又は複数のフィーチャを含む場合、プローブスポット410は、検査ライン420Aの終わりから検査ライン422Aの開始点まで横に移動し得る。
【0037】
[0044] 期間t2からtnへ、プローブスポット410及びサンプルは、期間t1中と同様に移動し得る。このようにして、ストライプ401が、t1からtnまで検査される。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、ウェーハサンプルを保持するステージの速度が検査中に変化し得るように、及びウェーハが連続的に走査され得るように制御されてもよい。さらに、連続走査中に、ビームは、幾つかの領域を飛ばすことができ、それらの領域を走査しなくてもよい。
【0038】
[0045] tnでは、プローブスポット410は、ストライプ401の最後の検査ラインの終わりからストライプ402の検査ライン420Bの開始点まで横に移動し得る。tn+1から、プローブスポット410及びサンプルは、ストライプ401に関して上記で説明したのと同じように移動し得る。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、ウェーハサンプルを保持するステージの速度がストライプ402の検査中に変化し得るように、及びウェーハが連続的に走査され得るように制御されてもよい。プローブスポット410及びサンプルは、検査中ウェーハ全体に対して、ストライプ401及びストライプ402に関して上記で説明したのと同じように移動し続けてもよい。
図4は、まず、ストライプ401が、右から左へ走査され、次に、ストライプ402の右端へと斜めのジャンプが行われ、ストライプ402が同じ右から左方向へと走査されることを示すが、ストライプ401の走査後に、ビームがストライプ401の左検査ラインからストライプ402の左検査ラインへと遷移して、ストライプ402が左から右へと走査され得ることが理解される。このタイプの交互の往復走査を使用して、サンプルのストライプを検査できることがさらに理解される。
【0039】
[0046] 偏向器及びサンプルと相互作用するビームのパターン450が、検査速度が変化する検査中にラスタパターンとなり得るように、検査中にビームを偏向させるように構成され得る、コントローラ(例えば、
図1~2のコントローラ109)に通信可能に結合され得る偏向器(例えば、
図2の偏向器204C)。例えば、偏向器は、y方向に対して斜めの方向にビームを偏向させることができ、y方向は、x方向に対して垂直であり、x方向は、連続走査検査中に電動ステージが移動する方向である。検査スループットは、電動ステージの速度が変化しながらプローブスポット410がサンプルの検査ラインに沿って移動するy方向に対して斜めの方向に偏向器が連続的にビームを偏向させることによって向上させることができる。幾つかの実施形態では、偏向器は、取得画像が歪められないように、電動ステージの様々な動きを補償するために異なる位置にスイングし得る。プローブスポット410は、y方向にサンプルの検査ラインに沿って移動すると描かれているが、各検査ラインに沿って移動するときのビームの軌道は、ステージがx方向に移動することを考慮するために、固定位置(例えば、地球)に対してわずかに斜めとなり得ることが理解される。
【0040】
[0047] 本開示は、実施形態を
図4のものに限定しない。例えば、プローブスポットの数、ストライプ、領域、検査ライン、及び電動ステージの速度は限定されない。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、プローブスポットの速度が異なる領域又は検査ラインに応じて調整され得るように制御され得る。幾つかの実施形態では、マルチビームシステムが走査に使用されてもよい。
【0041】
[0048] ここで
図5を参照すると、
図5は、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査を概略的に示す。
図5に示される実施形態では、一次ビームレットは、サンプル(例えば、
図2のサンプル208)上にプローブスポット510を生成する。幾つかの実施形態では、プローブスポット510は、検査ライン(例えば、
図4の検査ライン420A、
図5の検査ライン520A及び520B)全体を走査するのに十分な大きさのサイズ(例えば、
図4の直径W)を有してもよい。
図5は、サンプルに対するプローブスポット510の移動を示す。検査予定のストライプ501及び502(例えば、
図4のストライプ401又は402)は、矩形状であるが、必ずしも矩形状とは限らない。ストライプ501及び502は、走査予定の複数の領域521A、523A、525A、及び521B、523B、525Bをそれぞれ含んでもよい。領域521A、523A、及び525Aは、フィーチャ521、523、525を含み得る1つ又は複数の検査ラインを含み得る。領域521B、523B、及び525Bは、フィーチャ521、523、及び525を含み得る1つ又は複数の検査ラインを含み得る。ある領域の幾つかの検査ラインがフィーチャを含み得る一方で、他の検査ラインは、フィーチャを全く含まない場合がある(例えば、領域523Bの検査ライン)。フィーチャは、EBIシステム(例えば、
図1のEBIシステム100)によって走査される、サンプル上の特定の関心エリア(例えば、デバイスコンポーネント)でもよい。サンプルを保持する電動ステージ(例えば、
図2の電動ステージ209)の速度Kは、検査システムのスループットを向上させるために、検査ラインがフィーチャを含まない場所(例えば、領域523B)などの検査されない領域において増加するように制御され得る。説明の便宜上、2つの方向x及びyが、絶対基準系で定義される。x方向及びy方向は、互いに垂直である。
【0042】
[0049] 幾つかの実施形態では、プローブスポット510の移動は、サンプルの移動と連携され得る。マルチビームシステムでは、ある期間中の複数のプローブスポットの移動方向が異なってもよい。期間中にプローブスポットが移動する長さが異なってもよい。プローブスポットは、互いに対する移動を有してもよく、又は有していなくてもよい。
【0043】
[0050]
図5に示される実施形態では、ストライプ501は、プローブスポット510によって検査される。ストライプ501における領域525Aの最後の検査ラインの終わりに到達した後に、プローブスポット510は、次のストライプ502の検査ラインの開始点に戻るように横に移動し得る。
【0044】
[0051] 幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、ウェーハサンプルを保持するステージの速度が検査中に変化し得るように、及びウェーハが連続的に走査され得るように制御されてもよい。
【0045】
[0052] 本開示は、実施形態を
図5のものに限定しない。例えば、プローブスポットの数、ストライプ、領域、検査ライン、及び電動ステージの速度は限定されない。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、プローブスポットの速度が各領域(例えば、領域521A、523A、525A、521B、523B、525B)内で調整され得るように制御されてもよい。例えば、電動ステージの速度は、領域内の検査ラインに応じて、及び検査ラインがフィーチャを含むか否かに応じて、領域ごとに異なってもよい。幾つかの実施形態では、マルチビームシステムが走査に使用されてもよい。
【0046】
[0053] ストライプ501及び502は、ビームレットのFOVよりも大きくてもよい。ストライプ501は、フィーチャ521、523、及び525をそれぞれ備えた検査ラインを含む領域521A、523A、及び525Aを含み得る。ストライプ502は、フィーチャ521及び525を備えたラインを含む領域521B及び525Bを含み得る。
【0047】
[0054] コントローラ(例えば、
図1~2のコントローラ109)は、ストライプ501及び502に沿って複数の領域を領域のタイプによって分類するように構成された回路構成を含む。例えば、領域525Aは、第1のタイプの領域でもよく、領域523Aは、第2のタイプの領域でもよく、領域521Aは、第3のタイプの領域でもよい。幾つかの実施形態では、ストライプ501上の領域521A、523A、及び525Aは、フィーチャを持たない検査ラインを含み得る。幾つかの実施形態では、領域は、フィーチャを備えた検査ラインが、あるタイプの領域であり、及びフィーチャを持たない検査ラインが別のタイプの領域となり得るように分類され得る。幾つかの実施形態では、フィーチャ523間の領域は、幅w1を有してもよく、第1のタイプの領域として分類されてもよい。幾つかの実施形態では、フィーチャ523は、幅w2を有してもよく、第2のタイプの領域として分類されてもよい。本開示は、
図5の実施形態を限定しない。例えば、検査ライン、領域、フィーチャ、及びストライプの数は限定されない。幾つかの実施形態では、検査ラインの何れも、異なるタイプの領域又は同じタイプの領域でもよい。幾つかの実施形態では、回路構成は、フィーチャの存在、フィーチャの幅、フィーチャの周期的性質、又はフィーチャの間隔(例えば、各フィーチャ間の距離)に基づいて、ストライプに沿って領域を分類するように構成されてもよい。
【0048】
[0055] 幾つかの実施形態では、電動ステージ(例えば、
図2の電動ステージ209)の速度は、サンプルを保持するステージの速度が、サンプル上の領域のタイプに基づいて、検査中に変化し得るように、及びウェーハが連続的に走査され得るように制御されてもよい。例えば、ストライプ501上で、フィーチャ525を備えた1つ又は複数の検査ラインを含む領域535Aが第1のタイプの領域として分類され、フィーチャを持たない1つ又は複数の検査ラインを含む領域534Aが、第2のタイプの領域として分類され、フィーチャ523を備えた1つ又は複数の検査ラインを含む領域533Aが第3のタイプの領域として分類され、フィーチャを持たない1つ又は複数の検査ラインを含む領域532Aが第4のタイプの領域であり、フィーチャ521を備えた1つ又は複数の検査ラインを含む領域531Aが第5のタイプの領域として分類され、及びフィーチャを持たない1つ又は複数の検査ラインを含む領域530Aが第6のタイプの領域として分類され得るように、領域が分類されてもよい。電動ステージの速度は、検査中に、電動ステージが、第1のタイプの領域に関して第1の速度で移動し、第2のタイプの領域に関して第2の速度で移動し、第3のタイプの領域に関して第3の速度で移動し、第4のタイプの領域に関して第4の速度で移動し、第5のタイプの領域に関して第5の速度で移動し、及び第6のタイプの領域に関して第6の速度で移動するように、制御されてもよい。第1の速度は、数ある中でも特に、各フィーチャ525間の幅、又は各フィーチャ525の幅に基づいて決定されてもよい。第2の速度は、数ある中でも特に、領域534Aの幅に基づいて決定されてもよい。第3の速度は、数ある中でも特に、各フィーチャ523間の幅、又は各フィーチャ523の幅に基づいて決定されてもよい。第4の速度は、数ある中でも特に、領域532Aの幅に基づいて決定されてもよい。第5の速度は、数ある中でも特に、各フィーチャ521間の幅、又は各フィーチャ521の幅に基づいて決定されてもよい。第6の速度は、数ある中でも特に、領域530Aの幅に基づいて決定されてもよい。
【0049】
[0056] 幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、フィーチャ又は関心エリアを持つ領域又は検査ラインの場合と比べて、フィーチャ又は関心エリアを持たない領域又は検査ラインに対して、より大きくてもよい。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、検査スループットを向上させるため、及び各生成画像を取得する精度の向上を維持するために、検査されない、より短い領域の場合と比べて、検査されない、より長い領域に対して、より大きくてもよい。同様に、幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、検査スループットを向上させるため、及び精度の向上を維持するために、より短い幅を有するフィーチャの場合と比べて、より長い幅を有するフィーチャに対して、より小さくてもよい。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、フィーチャ間により短い幅を有する領域又は検査ラインの場合と比べて、フィーチャ間により長い幅(例えば、w1)を有する領域又は検査ラインに対して、より大きくてもよい。
【0050】
[0057] 幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、領域の分類、ピクセルサイズ、FOV、又はシステムデータレート(例えば、400MHz、100MHz)に基づいて計算されてもよい。
【0051】
[0058] 幾つかの実施形態では、電動ステージは、プローブスポット510が連続的にストライプ501に沿って移動し、及びストライプ502へと横に移動することができるように、連続的に移動し得る。ストライプ502に関して、領域525Bが、第1のタイプの領域として分類され、領域523Bが、第2のタイプの領域として分類され、及び領域521Bが、第3のタイプの領域として分類され得る。ストライプ501に関して説明したように、電動ステージの速度は、検査中に、電動ステージが、第1のタイプの領域に関して第1の速度で移動し、第2のタイプの領域に関して第2の速度で移動し、及び第3のタイプの領域に関して第3の速度で移動するように、制御されてもよい。第1の速度は、数ある中でも特に、検査ラインの各フィーチャ525間の幅、又は検査ラインの各フィーチャ525の幅に基づいて決定されてもよい。第2の速度は、数ある中でも特に、領域523Bの幅に基づいて決定されてもよい。第3の速度は、数ある中でも特に、検査ラインの各フィーチャ521間の幅、又は検査ラインの各フィーチャ521の幅に基づいて決定されてもよい。ストライプ501に関して説明したように、電動ステージの速度は、フィーチャを持つ領域又は検査ラインの場合と比べて、フィーチャを持たない領域又は検査ラインに対して、より大きくてもよい。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、検査スループットを向上させるため、及び各生成画像を取得する精度の向上を維持するために、検査されない、より短い領域の場合と比べて、検査されない、より長い領域に対して、より大きくてもよい。同様に、幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、検査スループットを向上させるため、及び精度の向上を維持するために、より短い幅を有するフィーチャの場合と比べて、より長い幅を有するフィーチャに対して、より小さくてもよい。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、フィーチャ間により短い幅を有する領域又は検査ラインの場合と比べて、フィーチャ間により長い幅を有する領域又は検査ラインに対して、より大きくてもよい。何れの実施形態においても、ビームレットは、検査中にサンプルの任意の領域を連続的に走査し得る。
【0052】
[0059] 例えば、グラフ500Gは、x方向におけるウェーハ上のプローブスポットの位置の関数として、ウェーハを保持するステージの速度を示す。曲線503Gが、従来の検査システムにおけるステージの一定速度を示す一方で、開示の実施形態と一致して、501Gは、ストライプ501の検査中のステージの速度を示し、曲線502Gは、ストライプ502の検査中のステージの速度を示す。横軸は、x方向のウェーハ上のプローブスポット510の位置でもよく、縦軸は、ステージの速度でもよい。曲線501Gによって示されるように、ストライプ501上のステージの速度は、領域533Aにわたり、ストライプ501上の検査領域531A及び535Aにわたるステージの速度よりも小さい。例えば、ストライプ501の領域531Aにわたるステージの速度は、フィーチャを含む領域531Aの割合が、フィーチャを含む領域533Aの割合よりも小さくなり得るため(領域531Aの場合と比べて、領域533Aを検査する際に、より低いステージ速度に対する潜在的必要性を示す)、ストライプ501の領域533Aの場合よりも大きくなり得る。同様に、ストライプ501の領域535Aにわたるステージの速度は、フィーチャを含む領域535Aの割合が、フィーチャを含む領域533Aの割合よりも小さくなり得るため、ストライプ501の領域533Aの場合よりも大きくなり得る。ストライプ501の領域535Aにわたるステージの速度は、フィーチャを含む領域535Aの割合が、フィーチャを含む領域531Aの割合よりも大きくなり得るため(領域535Aを検査する際に、より低い速度ステージに対する潜在的必要性を示す)、ストライプ501の領域531Aの場合よりも小さくなり得る。
【0053】
[0060] 同様に、曲線502Gは、領域523Bがフィーチャを含まない(領域523Bが入念な検査を必要としないことを示す)ため、ストライプ502上のステージの速度が領域525Bから領域523Bへと増加し、及び領域521Bに関して低下することを示す。従来のシステム(例えば、曲線503Gを参照)と比較して、検査中に全体的なステージ速度が増加し得るため、全体的な検査スループットを向上させることができる。
【0054】
[0061] 幾つかの実施形態では、検査されない領域が、フィーチャを含む場合がある(例えば、その領域における欠陥のリスクレベルが低い可能性があり、これは、その領域が検査される必要がないことを示す)。
【0055】
[0062] ここで
図6A~6Dを参照すると、
図6A~6Dは、荷電粒子ビームを使用したサンプルの検査、及び検査中の関連のビーム移動パターンを概略的に示す。
図6A~6Dは、連続走査モードで検査ライン(例えば、620A~620D)を走査する間のy方向のビーム走査を示すが、ビームがサンプルに対してy方向に走査する間に、それは、固定位置(例えば、地球)に対して斜め方向にも移動し、ここで、斜方向のx成分は、サンプルのx方向移動を補償するためのものである。コントローラ(例えば、
図1~2のコントローラ109)に通信可能に結合され得る偏向器(例えば、
図2の偏向器204c)は、検査速度が変化する検査中に、ビームの速度がサンプルに沿って変化し得るように、検査中にビームを偏向させるように構成されてもよい。例えば、プローブスポットは、y方向に検査ラインを走査することができ、偏向器は、y方向に対して斜めの方向にビームを偏向させることができる。幾つかの実施形態では、偏向器は、取得画像が歪められないように、電動ステージの様々な動きを補償するために異なる位置にスイングし得る。検査スループットは、電動ステージの速度が変化しながらプローブスポットがサンプルに沿って移動するy方向に対して斜めの方向に偏向器が連続的にビームを偏向させることによって向上する。プローブスポットは、y方向にサンプルの検査ラインに沿って移動するものとして描かれているが、固定位置(例えば、地球)に対するビームの軌道が、ステージがx方向に移動することを考慮するために、わずかに斜めとなり得ることが理解される。
【0056】
[0063] 第1の例では、
図6Aは、ウェーハの検査中の通常速度(例えば、1倍)で移動するステージ及びそれに関連するビームパターン移動を示す。ビームパターン650Aは、各検査ライン620Aに沿ったビームパターンが、ステージが通常速度でx方向に移動するときに、不動基準に対して同じ状態のままであり得ることを示す。図は近似であること、及びビームのパスがy方向に斜めのオフセットとなり得ることが理解されるものとする。さらに、斜方向のパスは、検査ライン走査ごとの走査パスが不動基準(例えば、地球)に対して同じ状態のままで、検査ライン走査ごとに繰り返され得る。同様に、
図6B、6C、及び6Dのそれぞれは、ウェーハの検査中の、それぞれ通常速度の2倍、3倍、及び4倍で移動するステージ、並びにそれらに関連したビームパターン移動を示す。
図6B~6Dのそれぞれのパターン650B、650C、及び650Dによって示されるように、偏向器は、各検査ライン620B~620D(例えば、
図4の検査ライン420A、
図5の検査ライン520A)をy方向又は上記方向に走査するビームの速度が、x方向に移動するステージの速度が増加するにつれて増加し得るように、検査中にビームを偏向させるように構成され得る。さらに、x方向に沿ったウェーハ上のビームの位置は、検査予定のウェーハ上の領域に応じて変化し得る。例えば、
図6Dに示されるように、ステージの速度が通常速度の4倍である場合、ビームパターン650Dは、ステージの速度が通常速度の2倍(例えば、
図6Bを参照)であるときと比べて、ビームが各検査ライン620D間で2倍のx方向幅を移動し得ることを示す。
【0057】
[0064] ここで
図7を参照すると、
図7は、荷電粒子ビーム検査に関する例示的検査データを示す。フィーチャを備えた検査エリアAは、通常の加速係数1(例えば、通常ステージ速度)を有してもよく、検査エリア率は、検査領域Aの面積を検査時間tで割ることによって計算される。検査領域Aに関して、加速係数が1(例えば、通常ステージ速度)であるため、スループット利得はゼロとなる。検査領域Bは、50%のデューティサイクルを有し得る。例えば、検査領域Bの走査ラインの半分は、検査予定のフィーチャを含み得るが、検査領域Bの走査ラインの半分は、検査される必要がない可能性があり、これは、領域Bの検査予定のエリアが、領域Aの検査予定のエリアの半分となり得ることを意味する。検査領域Bの加速係数は、領域Bの半分が検査されないため、2(例えば、通常ステージ速度の2倍)となり得る。幾つかの実施形態では、検査領域Bの検査率は、検査領域Bの半分のみが、同じ時間tの間に通常ステージ速度で走査されるため、検査エリアAの検査率の半分となる。2の加速係数は、領域Bの半分が通常時間tの半分で走査されるため、検査領域Bの検査率をA/tにまで増加させ得る。この例では、領域Aと比較して領域Bの半分のみが検査され得るため、領域Bを検査する間のステージ速度が領域Aを検査する間のステージ速度の2倍となることにより、スループット利得は2倍に増える。本開示は、
図7の実施形態を限定しない。例えば、ケアエリアの数、幅、及び形状は、限定されない。同様に、加速係数も限定されない。
【0058】
[0065]
図8は、ステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる例示的方法800を示すフローチャートである。方法800は、EBIシステム(例えば、EBIシステム100)によって行われ得る。コントローラ(例えば、
図1~2のコントローラ109)は、方法800を実装するようにプログラムされ得る。例えば、コントローラは、内部コントローラ、又は電子ビームツール(例えば、
図2の電子ビームツール104)に結合された外部コントローラでもよい。方法800は、
図3~7において図示及び記載されたような動作及びステップと結び付けられ得る。
【0059】
[0066] ステップ802では、EBIシステムは、ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することができ、ストライプは、ビームの視野よりも大きく、複数の領域の分類は、検査予定のフィーチャを備えた第1のタイプの領域(例えば、
図5の領域525B)、検査される必要のない第2のタイプの領域(例えば、
図5の領域523B)、及び検査予定のフィーチャを備えた第3のタイプの領域(例えば、
図5の領域521B)を含む。例えば、EBIシステムのコントローラは、ストライプ(例えば、
図5のストライプ501及び502)に沿って複数の領域を領域のタイプによって分類するように構成された回路構成を含み得る。EBIシステムは、第1のタイプの領域が、フィーチャ(例えば、
図5のフィーチャ525)を備えた複数の第1の検査ラインを含み、第2のタイプの領域が、検査される必要がない1つ又は複数の第2の検査ラインを含み(例えば、
図5の領域523B)、及び第3のタイプの領域が、フィーチャ(例えば、
図5のフィーチャ521)を備えた複数の第3の検査ラインを含むことを決定することができる。これらの決定は、これらの領域におけるフィーチャの存在、フィーチャの幅、フィーチャの周期的性質、フィーチャの間隔(例えば、各フィーチャ間の距離)、ある領域における欠陥のリスクレベル、又はこれらの組み合わせに基づいてもよい。例えば、EBIシステムは、通常検査エリア(例えば、
図7の検査エリアA)の面積の半分である検査領域(例えば、
図7の検査領域B)が、第1のタイプの検査領域であり得ることを決定することができる。
【0060】
[0067] ステップ804では、EBIシステムは、領域のタイプに基づいてステージの速度を制御することによってストライプを走査することができ、第1のタイプの領域は、第1の速度で走査され、第2のタイプの領域は、第2の速度で走査され、及び第3のタイプの領域は、第3の速度で走査される。例えば、第1のタイプの領域に関する第1の速度は、複数の第1の検査ラインの各第1の検査ラインの各フィーチャ間の幅に基づいて、及び複数の第1の検査ラインの各第1の検査ラインの各フィーチャの幅に基づいて決定されてもよく、第2の速度は、第2のタイプの領域の幅、及び第2の領域におけるフィーチャの不在に基づいて決定されてもよく、第3の速度は、複数の第3の検査ラインの各第3の検査ラインの各フィーチャ間の幅に基づいて、及び複数の第3の検査ラインの各第3の検査ラインの各フィーチャの幅に基づいて決定されてもよい。コントローラは、サンプル(例えば、
図2のウェーハサンプル208)上の領域のタイプに基づいて、ステージ(例えば、
図2の電動ステージ209)の速度を制御するように構成された回路構成を含み得る。幾つかの実施形態では、電動ステージの速度は、検査スループットを向上させるため、及び各生成画像を取得する精度の向上を維持するために、より短い幅を有する、フィーチャを持たない領域の場合と比べて、より長い幅を有する、フィーチャを持たない領域の場合に、より大きくてもよい。同様に、電動ステージの速度は、検査スループットを向上させるため、及び精度の向上を維持するために、より長いフィーチャを備えた領域の場合と比べて、より短いフィーチャを備えた領域に対して、より大きくてもよい。電動ステージの速度は、各フィーチャ間により短い幅を有する領域の場合と比べて、各フィーチャ間により長い幅を有する領域に対して、より大きくてもよい。例えば、第2の速度は、第1の速度及び第3の速度よりも大きくてもよい。例えば、第1のタイプの検査領域(例えば、
図7の検査領域B)は、第1のタイプの検査領域が、通常検査エリア(例えば、
図7の検査エリアA)の面積の半分である場合に、2の加速係数(例えば、通常ステージ速度の2倍)を有し得る。
【0061】
[0068] 本開示の態様は、以下の番号が付された条項に記載される。
1. ステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる荷電粒子ビームシステムであって、システムが、
回路構成を含むコントローラであって、回路構成が、
ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、ストライプが、ビームの視野よりも大きく、複数の領域の分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、
領域のタイプに基づいてステージの速度を制御することによってウェーハを走査することであって、第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、
を行うように構成される、コントローラを含む、システム。
2. コントローラと通信可能に結合され、及びウェーハと相互作用するビームに関連した荷電粒子の検出に基づいて、検出データを生成するように構成された偏向器をさらに含む、条項1に記載のシステム。
3. 偏向器が、ビームの移動のパターンが検査中に一定のままであるようにビームを偏向させるようにさらに構成される、条項2に記載のシステム。
4. ステージの速度を制御することが、ステージを連続走査モードで動作させることを含む、条項1~3の何れか一項に記載のシステム。
5. 回路構成を含むコントローラが、ウェーハの複数のストライプのそれぞれに沿って、複数の領域を領域のタイプによって分類するようにさらに構成され、各ストライプがビームの視野よりも大きい、条項1~4の何れか一項に記載のシステム。
6. 第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域のそれぞれが、複数の検査ラインを含む、条項1~5の何れか一項に記載のシステム。
7. 第1のタイプの領域が、第1のフィーチャを含む、条項1~6の何れか一項に記載のシステム。
8. 第1の速度が、第1のフィーチャの幅、又は第1のタイプの領域におけるフィーチャの密度に基づいて決定される、条項7に記載のシステム。
9. 第1のタイプの領域が、複数の第1のフィーチャを含み、第1の速度が、複数の第1のフィーチャの各フィーチャ間の幅に基づいて決定される、条項7又は8に記載のシステム。
10. 第2のタイプの領域が、第1のフィーチャとは異なる第2のフィーチャを含む、条項7~9の何れか一項に記載のシステム。
11. 第2の速度が、第2のフィーチャの幅に基づいて決定され、第2のフィーチャの幅が、第1のフィーチャの幅とは異なる、条項10に記載のシステム。
12. 第1の速度及び第2の速度の比が、第2のフィーチャの幅及び第1のフィーチャの幅の比に実質的に類似する、条項11に記載のシステム。
13. 第2のタイプの領域が、複数の第2のフィーチャを含み、及び第2の速度が、複数の第2のフィーチャの各フィーチャ間の幅に基づいて決定される、条項7~12の何れか一項に記載のシステム。
14. 複数の領域の分類が、第3のタイプの領域を含む、条項7~13の何れか一項に記載のシステム。
15. 第3のタイプの領域が、第1のタイプの領域と第2のタイプの領域との間にある、条項14に記載のシステム。
16. 第3のタイプの領域が、第1の速度及び第2の速度とは異なる第3の速度で走査される、条項14又は15に記載のシステム。
17. 第3の速度が、第3のタイプの領域で走査される予定のフィーチャの不在に基づいて決定される、条項16に記載のシステム。
18. 第3の速度が、第1の速度及び第2の速度より大きい、条項16又は17に記載のシステム。
19. 第1の速度が、第1のタイプの領域の幅に基づいて決定される、条項1~5の何れか一項に記載のシステム。
20. 第2の速度が、第2のタイプの領域の幅に基づいて決定される、条項1~5又は19の何れか一項に記載のシステム。
21. 第1の速度が、第1のフィーチャを含む第1のタイプの領域の割合に基づいて決定される、条項7~18の何れか一項に記載のシステム。
22. 第2の速度が、第2のフィーチャを含む第2のタイプの領域の割合に基づいて決定される、条項10~18又は21の何れか一項に記載のシステム。
23. 第3の速度が、第3のフィーチャを含む第3のタイプの領域の割合に基づいて決定される、条項14~18、21、又は22の何れか一項に記載のシステム。
24. ステージ上に位置決めされたウェーハを検査するためのビームを発生させる方法であって、方法が、
ウェーハのストライプに沿って複数の領域を領域のタイプによって分類することであって、ストライプが、ビームの視野よりも大きく、複数の領域の分類が、第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域を含む、分類することと、
領域のタイプに基づいてステージの速度を制御することによってウェーハを走査することであって、第1のタイプの領域が、第1の速度で走査され、及び第2のタイプの領域が、第2の速度で走査される、走査することと、
を含む、方法。
25. コントローラと通信可能に結合され、及びウェーハと相互作用するビームに関連した荷電粒子の検出に基づいて、検出データを生成するように構成された偏向器をさらに含む、条項24に記載の方法。
26. 偏向器が、ビームの移動のパターンが検査中に一定のままであるようにビームを偏向させるようにさらに構成される、条項25に記載の方法。
27. ステージの速度を制御することが、ステージを連続走査モードで動作させることを含む、条項24~26の何れか一項に記載の方法。
28. ウェーハの複数のストライプのそれぞれに沿って、複数の領域を領域のタイプによって分類することをさらに含み、各ストライプがビームの視野よりも大きい、条項24~27の何れか一項に記載の方法。
29. 第1のタイプの領域及び第2のタイプの領域のそれぞれが、複数の検査ラインを含む、条項24~28の何れか一項に記載の方法。
30. 第1のタイプの領域が、第1のフィーチャを含む、条項24~29の何れか一項に記載の方法。
31. 第1の速度が、第1のフィーチャの幅、又は第1のタイプの領域におけるフィーチャの密度に基づいて決定される、条項30に記載の方法。
32. 第1のタイプの領域が、複数の第1のフィーチャを含み、第1の速度が、複数の第1のフィーチャの各フィーチャ間の幅に基づいて決定される、条項30又は31に記載の方法。
33. 第2のタイプの領域が、第1のフィーチャとは異なる第2のフィーチャを含む、条項30~32の何れか一項に記載の方法。
34. 第2の速度が、第2のフィーチャの幅に基づいて決定され、第2のフィーチャの幅が、第1のフィーチャの幅とは異なる、条項33に記載の方法。
35. 第1の速度及び第2の速度の比が、第2のフィーチャの幅及び第1のフィーチャの幅の比に実質的に類似する、条項34に記載のシステム。
36. 第2のタイプの領域が、複数の第2のフィーチャを含み、及び第2の速度が、複数の第2のフィーチャの各フィーチャ間の幅に基づいて決定される、条項30~35の何れか一項に記載の方法。
37. 複数の領域の分類が、第3のタイプの領域を含む、条項30~36の何れか一項に記載の方法。
38. 第3のタイプの領域が、第1のタイプの領域と第2のタイプの領域との間にある、条項37に記載の方法。
39. 第3のタイプの領域が、第1の速度及び第2の速度とは異なる第3の速度で走査される、条項37又は38に記載の方法。
40. 第3の速度が、第3のタイプの領域で走査される予定のフィーチャの不在に基づいて決定される、条項39に記載の方法。
41. 第3の速度が、第1の速度及び第2の速度より大きい、条項39又は40に記載の方法。
42. 第1の速度が、第1のタイプの領域の幅に基づいて決定される、条項24~28の何れか一項に記載の方法。
43. 第2の速度が、第2のタイプの領域の幅に基づいて決定される、条項24~28又は42の何れか一項に記載の方法。
44. 第1の速度が、第1のフィーチャを含む第1のタイプの領域の割合に基づいて決定される、条項30~41の何れか一項に記載の方法。
45. 第2の速度が、第2のフィーチャを含む第2のタイプの領域の割合に基づいて決定される、条項33~41又は44の何れか一項に記載の方法。
46. 第3の速度が、第3のフィーチャを含む第3のタイプの領域の割合に基づいて決定される、条項37~41、44、又は45の何れか一項に記載の方法。
【0062】
[0069] プロセッサ(例えば、
図1~2のコントローラ109のプロセッサ)が、画像処理、データ処理、ビームレット走査、データベース管理、グラフィック表示、荷電粒子ビーム装置の動作、又は別の撮像デバイスを実行するための命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的な媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッド・ステート・ドライブ、磁気テープ、又は他の任意の磁気データ記録媒体、CD-ROM、他の任意の光学データ記録媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM若しくは他の任意のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び前述のもののネットワーク化されたもの、が挙げられる。
【0063】
[0070] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面に図示した通りの構成に限定されるものではなく、また、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることを理解されたい。
【国際調査報告】