(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】ゲート及び/又はドレイン上に炭化ケイ素貫通ビアを有するトランジスタ・ダイを使用する積層RF回路トポロジ
(51)【国際特許分類】
H03F 3/24 20060101AFI20230508BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230508BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20230508BHJP
H03F 1/02 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
H03F3/24
H01L25/08 C
H01L25/00 B
H03F1/02 188
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559837
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021021851
(87)【国際公開番号】W WO2021202076
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノーリ、バシム
(72)【発明者】
【氏名】マーベル、マーヴィン
(72)【発明者】
【氏名】リム、クワンモ、クリス
(72)【発明者】
【氏名】ムー、チャンリー
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA41
5J500AC18
5J500AC58
5J500AC75
5J500AC86
5J500AF16
5J500AH12
5J500AH24
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AK29
5J500AK68
5J500AM08
5J500AM19
5J500AQ04
5J500AS14
5J500AT01
5J500LV08
5J500WU08
(57)【要約】
高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージは、基板と、第1のダイの底面において基板に取り付けられた第1のダイとを含む。第1のダイは、底面と反対側の第1のダイの頂面上に頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトを含む。頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つは、それぞれの導電性ビア構造によって、第1のダイの底面上のそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続される。基板の反対側の第1のダイ上にある集積相互接続構造は、第1のダイの頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクト上の第1のコンタクト・パッドと、パッケージ・リード、第2のダイのコンタクト、インピーダンス整合回路、及び/又は高調波終端回路に接続された少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
複数のトランジスタ・セルを含む第1のダイであって、前記第1のダイの底面において前記基板に取り付けられ、前記底面の反対側の前記第1のダイの頂面に頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトを含み、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのそれぞれの導電性ビア構造によって前記第1のダイの前記底面上の少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、第1のダイと、
前記基板の反対側の前記第1のダイ上の集積相互接続構造であって、前記第1のダイの前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクト上の第1のコンタクト・パッド、並びにパッケージ・リード、第2のダイのコンタクト、インピーダンス整合回路、及び/又は高調波終端回路に接続された少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドを備える、集積相互接続構造と、
を備える、高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項2】
前記パッケージ・リードが第1のパッケージ・リードであり、前記第1のダイの前記底面上の前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが第2のパッケージ・リードに電気的に接続されている、請求項1に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項3】
前記集積相互接続構造が、前記第1のダイの前記トランジスタ・セルによって規定される回路のための前記インピーダンス整合回路の少なくとも一部を含む、請求項2に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項4】
前記第1のダイの前記トランジスタ・セルによって規定される前記回路のための前記高調波終端回路の少なくとも一部を規定する前記基板上の導電性配線であって、前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが前記導電性配線によって前記第2のパッケージ・リードに結合されている、導電性配線、
をさらに備える、請求項3に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項5】
前記集積相互接続構造の前記第1のコンタクト・パッドを上に有する前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記それぞれの導電性ビア構造によって前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、請求項4に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項6】
前記集積相互接続構造が1つ又は複数の受動電子構成要素を含む集積受動デバイス(IPD)である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項7】
前記第1のコンタクト・パッドが、前記第1のダイの前記頂面に面する前記IPDの表面上の、前記1つ又は複数の受動電子構成要素に電気的に接続されたボンド・パッドであり、前記ボンド・パッドが前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトとの間にある導電性バンプによって前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトに接続されている、請求項6に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項8】
前記第1のダイの前記トランジスタ・セルによって規定される前記回路が高周波(RF)増幅器回路の第1の段を備え、前記第2のダイが前記RF増幅器回路の第2の段を規定するトランジスタ・セルを備える、請求項6又は7に記載の集積回路デバイス・パッケージ。
【請求項9】
前記IPDが、その導電性要素間に絶縁材料を含み、その内部に組み込まれた少なくとも1つのコンデンサを規定する、請求項6から8までのいずれか一項に記載の集積回路デバイス・パッケージ。
【請求項10】
前記第2のダイが、前記インピーダンス整合回路の前記少なくとも一部を規定する1つ又は複数のコンデンサを備える、請求項1から9までのいずれか一項に記載の集積回路デバイス・パッケージ。
【請求項11】
前記第1のダイが、前記少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに隣接する、前記基板の前記底面上のソース・コンタクトにおいて前記基板に取り付けられている、請求項1から10までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが、底部ゲート・コンタクト及び底部ドレイン・コンタクトの両方を含み、前記ソース・コンタクトが、前記第1のダイの前記底面上の前記底部ゲート・コンタクトと前記底部ドレイン・コンタクトとの間にある、請求項1から11までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項13】
前記第1のダイが炭化ケイ素(SiC)上のIII族窒化物ベースの材料を含み、前記それぞれの導電性ビア構造が炭化ケイ素貫通(TSiC)ビアを含む、請求項1から12までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項14】
基板と、
複数のトランジスタ・セルを含む第1のダイであって、前記第1のダイの底面上のソース・コンタクトにおいて前記基板に取り付けられ、前記底面と反対側の前記第1のダイの頂面に頂部ゲート・コンタクト及び頂部ドレイン・コンタクトを含み、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つが、それぞれの導電性ビア構造によって前記底面上のそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、第1のダイと、
を備え、
前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記第1のダイの前記頂面においてインピーダンス整合回路又は高調波終端回路のうちの一方に接続され、前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが、前記第1のダイの前記底面において前記インピーダンス整合回路又は高調波終端回路のうちのもう一方に接続されている、
高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項15】
前記基板の反対側の前記第1のダイ上に前記インピーダンス整合回路の少なくとも一部を備える集積相互接続構造であって、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記集積相互接続構造によって前記基板及び/又は第1のパッケージ・リードに取り付けられた第2のダイに結合されている、集積相互接続構造、
をさらに備える、請求項14に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項16】
前記集積相互接続構造が1つ又は複数の受動電子構成要素を含む集積受動デバイス(IPD)である、請求項15に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項17】
前記集積相互接続構造が、
その表面上の、前記第1のダイの前記頂面に面する第1のコンタクト・パッドであって、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクト上にある、第1のコンタクト・パッドと、
その前記表面上の少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドであって、前記第2のダイのコンタクト上にあり、及び/又は前記パッケージ・リードのうちの1つとの間の導電性バンプによって前記パッケージ・リードのうちの1つに結合されている、少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドと、
を備える、請求項15又は16に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項18】
前記高調波終端回路の少なくとも一部を規定する前記基板上の導電性配線であって、前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが前記導電性配線によって第2のパッケージ・リードに結合されている、導電性配線、
をさらに備える、請求項15から17までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項19】
前記集積相互接続構造の前記第1のコンタクト・パッドを上に有する前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記それぞれの導電性ビア構造によって前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、請求項17又は18に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項20】
前記第2のダイが前記基板の反対側の前記第2のダイの表面上に少なくとも1つのコンタクトを備え、前記集積相互接続構造の前記少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドが前記少なくとも1つのコンタクト上にあり、
前記第2のダイが1つ又は複数のコンデンサを備え、又は
前記第2のダイがRF増幅器回路の段を規定する複数のトランジスタ・セルを備える、
請求項17から19までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許商標庁に2020年4月3日に出願された米国仮出願第63/004,766号からの優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、集積回路デバイスに関し、より詳細には、集積回路デバイスのパッケージングのための構造を対象とする。
【背景技術】
【0003】
RF電力増幅器は、ワイヤレス通信システムの基地局などの様々な用途で使用されている。RF電力増幅器によって増幅された信号は、多くの場合、メガヘルツ(MHz)~ギガヘルツ(GHz)の範囲の周波数を有する変調搬送波を有する信号を含む。搬送波を変調するベースバンド信号は、典型的には、比較的低い周波数であり、用途によっては300MHz以上になり得る。多くのRF電力増幅器設計は、増幅デバイスとして半導体スイッチング・デバイスを利用する。これらのスイッチング・デバイスの例には、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide semiconductor field-effect transistor)、二重拡散金属酸化膜半導体(DMOS:double-diffused metal-oxide semiconductor)トランジスタ、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET:metal-semiconductor field-effect transistor)、横方向拡散金属酸化膜半導体(LDMOS:laterally-diffused metal-oxide semiconductor)トランジスタなどのパワー・トランジスタ・デバイスが挙げられる。
【0004】
RF増幅器は、典型的には、半導体集積回路チップとして形成される。ほとんどのRF増幅器は、シリコンで、又は炭化ケイ素(「SiC」)及びIII族窒化物材料などのワイド・バンドギャップ半導体材料(すなわち、1.40eVよりも大きいバンドギャップを有する)を使用して実装されている。本明細書で使用される場合、「III族窒化物」という用語は、窒素と周期表のIII族の元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)との間で形成される半導体化合物を指す。この用語は、AlGaN及びAlInGaNなどの三元化合物及び四元化合物も指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計1モルのIII族元素と結合した実験式を有する。
【0005】
シリコン・ベースのRF増幅器は、典型的には、LDMOSトランジスタを使用して実装され、比較的安価な製造で高レベルの線形性を示すことができる。III族窒化物ベースのRF増幅器は、主に、LDMOSトランジスタ増幅器が固有の性能限界を有することがある高電力及び/又は高周波動作を必要とする用途において、典型的にはHEMTを使用して実装される。
【0006】
RFトランジスタ増幅器は、1つ又は複数の増幅段を含むことができ、各段は、典型的には、トランジスタ増幅器として実装される。出力電力及び電流処理能力を増加させるために、RFトランジスタ増幅器は、典型的には、多数の個々の「単位セル」トランジスタが電気的に並列に配置された「単位セル」構成で実装される。RFトランジスタ増幅器は、単一の集積回路チップ若しくは「ダイ」として実装されてもよく、又は複数のダイを含んでもよい。複数のRFトランジスタ増幅器ダイが使用される場合、それらは、直列及び/又は並列に接続されることがある。
【0007】
RF増幅器は、多くの場合、基本動作周波数におけるRF信号のために能動トランジスタ・ダイ(例えば、MOSFET、HEMT、LDMOSなどを含む)とそれに接続された伝送線路との間のインピーダンス整合を改善するように設計されたインピーダンス整合回路などの整合回路と、2次及び3次高調波積などのデバイス動作中に生成され得る高調波積を少なくとも部分的に終端するように設計された高調波終端回路と、を含む。高調波積の終端は、相互変調歪み成分の生成にも影響を与える。
【0008】
RF増幅器トランジスタ・ダイ、並びにインピーダンス整合回路及び高調波終端回路は、デバイス・パッケージ内に封入されている場合がある。ダイ又はチップとは、電子回路素子が製造される半導体材料又は他の基板の小さなブロックを指す場合がある。集積回路のパッケージングとは、ダイを物理的損傷及び/又は腐食から保護し、外部回路への接続のための電気的コンタクトを支持する支持ケース又はパッケージ内に1つ若しくは複数のダイをカプセル化することを指す場合がある。集積回路デバイス・パッケージの入力及び出力インピーダンス整合回路は、典型的には、能動トランジスタ・ダイのインピーダンスを固定値に整合させるように構成されたインピーダンス整合回路の少なくとも一部を提供するLCネットワークを含む。RF増幅器を入力及び出力RF伝送線路、並びにバイアス電圧源などの外部回路素子に電気的に接続するために、電気的リードがパッケージから延びている場合がある。
【0009】
インピーダンス整合回路、高調波フィルタ、カプラ、バラン、及び電力結合器/分配器などの多くの機能ブロックは、集積受動デバイス(IPD:Integrated Passive Device)によって実現することができる。IPDは、受動電気構成要素を含み、一般に、薄膜及びフォトリソグラフィ処理などの標準的なウエハ製造技術を使用して製造される。IPDは、フリップチップ実装可能又はワイヤ・ボンディング可能な構成要素として設計することができる。IPD用の基板は、通常、シリコン、アルミナ、又はガラスのような薄膜基板であり、これにより、能動トランジスタ・ダイを用いた製造及びパッケージングを容易にすることができる。
【0010】
RFパワー・デバイスを組み立てるための一部の従来の方法は、銅、銅-モリブデン、銅積層構造(CPC:copper,copper-molybdenum,copper laminate structure)若しくは銅フランジ上のセラミック・パッケージ又はオーバモールド・パッケージ内にトランジスタ・ダイ及び整合ネットワーク構成要素の一部(例えば、MOSコンデンサなどの事前整合コンデンサ)を組み立てることを伴う場合がある。トランジスタ・ダイ、コンデンサ、及び入力/出力リードは、金及び/又はアルミニウム・ワイヤなどのワイヤで相互接続されることがある。このような組立プロセスは、時間がかかり、シーケンシャルである場合があり(例えば、一度に1つのパッケージが接合される)、組立コストが高くなる可能性がある(例えば、金ワイヤのコスト及び高価なワイヤ・ボンド機械に起因して)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一部の実施例によると、高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージは、基板と、第1のダイの底面において基板に取り付けられた第1のダイとを含む。第1のダイは、複数のトランジスタ・セルと、底面と反対側の第1のダイの頂面上の頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトとを含む。頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのそれぞれの導電性ビア構造によって、第1のダイの底面上の少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続される。集積相互接続構造が、基板と反対側の第1のダイ上に設けられる。集積相互接続構造は、第1のダイの頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクト上の第1のコンタクト・パッドと、パッケージ・リード、第2のダイのコンタクト、インピーダンス整合回路、及び/又は高調波終端回路に接続された少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドとを含む。
【0012】
一部の実施例では、パッケージ・リードは、第1のパッケージ・リードであってもよく、第1のダイの底面上のそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトは、第2のパッケージ・リードに電気的に接続されてもよい。
【0013】
一部の実施例では、集積相互接続構造は、第1のダイのトランジスタ・セルによって規定される回路のためのインピーダンス整合回路の少なくとも一部を含むことができる。
【0014】
一部の実施例では、第1のダイのトランジスタ・セルによって規定される回路のための高調波終端回路の少なくとも一部を規定する導電性配線が基板上に設けられてもよい。それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトは、導電性配線によって第2のパッケージ・リードに結合されてもよい。
【0015】
一部の実施例では、集積相互接続構造の第1のコンタクト・パッドを上に有する頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトは、それぞれの導電性ビア構造によってそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されてもよい。
【0016】
一部の実施例では、集積相互接続構造は、1つ又は複数の受動電子構成要素を含む集積受動デバイス(IPD:integrated passive device)であってもよい。
【0017】
一部の実施例では、第1のコンタクト・パッドは、第1のダイの頂面に面するIPDの表面上の、1つ又は複数の受動電子構成要素に電気的に接続されたボンド・パッドであってもよい。ボンド・パッドは、頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトとの間の導電性バンプによって頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトに接続されてもよい。
【0018】
一部の実施例では、第1のダイのトランジスタ・セルによって規定される回路は、高周波(RF)増幅器回路の第1の段であってよく、第2のダイは、RF増幅器回路の第2の段を規定するトランジスタ・セルを含んでもよい。
【0019】
一部の実施例では、IPDは、その導電性要素間に絶縁材料を含み、その内部に集積された少なくとも1つのコンデンサを規定することができる。
【0020】
一部の実施例では、第2のダイは、インピーダンス整合回路の少なくとも一部を規定する1つ又は複数のコンデンサを含むことができる。
【0021】
一部の実施例では、第1のダイは、少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに隣接する、第1のダイの底面上のソース・コンタクトにおいて基板に取り付けられてもよい。
【0022】
一部の実施例では、少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトは、底部ゲート・コンタクト及び底部ドレイン・コンタクトの両方を含んでもよい。ソース・コンタクトは、第1のダイの底面上の底部ゲート・コンタクトと底部ドレイン・コンタクトとの間にあってもよい。
【0023】
一部の実施例では、第1のダイは、III族窒化物ベースの材料を含んでもよい。
【0024】
一部の実施例では、第1のダイは、炭化ケイ素(SiC)上のIII族窒化物ベースの材料を含むことができ、それぞれの導電性ビア構造は、炭化ケイ素貫通(TSiC:through silicon carbide)ビアとすることができる。
【0025】
本開示の一部の実施例によると、高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージは、基板と、第1のダイの底面上のソース・コンタクトにおいて基板に取り付けられた第1のダイとを含む。第1のダイは、複数のトランジスタ・セルと、底面と反対側の第1のダイの頂面における頂部ゲート・コンタクト及び頂部ドレイン・コンタクトとを含む。頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つは、それぞれの導電性ビア構造によって底面上のそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続される。頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトは、第1のダイの頂面においてインピーダンス整合回路又は高調波終端回路のうちの一方に接続され、それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトは、第1のダイの底面においてインピーダンス整合回路又は高調波終端回路のうちのもう一方に接続される。
【0026】
一部の実施例では、第1のダイは、III族窒化物ベースの材料を含んでもよい。
【0027】
一部の実施例では、インピーダンス整合回路の少なくとも一部を含む集積相互接続構造が、基板の反対側の第1のダイ上に設けられてもよい。頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトは、集積相互接続構造によって基板及び/又は第1のパッケージ・リードに取り付けられた第2のダイに結合される。
【0028】
一部の実施例では、集積相互接続構造は、1つ又は複数の受動電子構成要素を含む集積受動デバイス(IPD)であってもよい。
【0029】
一部の実施例では、集積相互接続構造は、その表面上の第1のダイの頂面に面する第1のコンタクト・パッドであって、頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクト上にある第1のコンタクト・パッドと、その表面上の少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドであって、第2のダイのコンタクト上にあり、及び/又はパッケージ・リードのうちの1つとの間の導電性バンプによってパッケージ・リードのうちの1つに結合された少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドとを含むことができる。
【0030】
一部の実施例では、高調波終端回路の少なくとも一部を規定する導電性配線が基板上に設けられてもよい。それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトは、導電性配線によって第2のパッケージ・リードに結合されてもよい。
【0031】
一部の実施例では、集積相互接続構造の第1のコンタクト・パッドを上に有する頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトは、それぞれの導電性ビア構造によってそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されてもよい。
【0032】
一部の実施例では、第2のダイは、基板の反対側の表面上に少なくとも1つのコンタクトを含むことができ、集積相互接続構造の少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドは、少なくとも1つのコンタクト上にあってもよい。一部の実施例では、第2のダイは、1つ又は複数のコンデンサを含むことができる。一部の実施例では、第2のダイは、RF増幅器回路の段を規定する複数のトランジスタ・セルを含んでもよい。
【0033】
一部の実施例による他のデバイス、装置、及び/又は方法は、以下の図面及び詳細な説明を検討すると当業者には明らかになるであろう。上記の実施例のいずれか及びすべての組合せに加えて、すべてのそのような追加の実施例は、本明細書内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【
図2A】本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【
図3A】本開示の一部の実施例による積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【
図4A】本開示の一部の実施例による積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【
図5A】本開示の一部の実施例による積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【
図5C】本開示の一部の実施例による、
図5Aの実施例のパッケージ・フットプリントを示す底面図である。
【
図5D】本開示の一部の実施例による、
図5Cの実施例のパッケージ・フットプリントを示す上面図である。
【
図6A】本開示の一部の実施例によるIPDの一例を示す平面図である。
【
図6B】本開示の一部の実施例によるIPDの一例を示す斜視図である。
【
図7A】本開示の一部の実施例による、対向する表面上のボンド・パッド間の導電性貫通ビア接続を含む能動トランジスタ・ダイの一例を示す断面図である。
【
図7B】本開示の一部の実施例による、対向する表面上のボンド・パッド間の導電性貫通ビア接続を含む能動トランジスタ・ダイの一例を示す断面図である。
【
図7C】本開示の一部の実施例による、対向する表面上のボンド・パッド間の導電性貫通ビア接続を含む能動トランジスタ・ダイの一例を示す断面図である。
【
図7D】
図7Aの頂部側メタライゼーション構造の一部を通って取られた断面図である。
【
図8】本開示のさらなる実施例による、積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む熱強化集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【
図9】本開示のさらなる実施例による、積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む熱強化集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の一部の実施例は、集積回路デバイス・パッケージに含まれる様々な構成要素のパラメータの組立及び最適化における難しさに起因する場合がある。例えば、一部の従来のIII族窒化物ベースのRF増幅器は、ボンド・ワイヤを使用して、トランジスタ・ダイをパッケージ・リード、インピーダンス整合回路、及び/又は高調波終端回路に接続することがある。これらのボンド・ワイヤは、RF増幅器のインピーダンス整合回路及び/又は高調波終端回路におけるインダクタのうちの一部を実装するために使用されることがある固有インダクタンスを有する。提供されるインダクタンスの量は、ボンド・ワイヤの長さ及び/又は断面積(例えば、直径)とともに変化する可能性がある。用途がより高い周波数に移行するにつれて、ボンド・ワイヤのインダクタンスは、インピーダンス整合回路及び/又は高調波終端回路のための所望の量のインダクタンスを超えることがある。非常に短く、及び/又は大きな断面積を有するボンド・ワイヤが、そのインダクタンスを適切なレベルまで減少させようとして使用されることがある。しかしながら、非常に短いボンド・ワイヤは、適所にはんだ付けすることが困難である場合があり、又は製造可能性の設計ルールに違反する場合があり、これにより、製造コストが増加する可能性があり、及び/又はデバイスの故障率が高くなる可能性がある。断面積の大きなボンド・ワイヤは、RF増幅器ダイ上により大きなゲート・ボンド・パッド及び/又はドレイン・ボンド・パッドを必要とする場合があり、これは、RF増幅器ダイの全体的なサイズを増大させる可能性がある。さらに、一部のより高い周波数の用途では、断面積の大きな非常に短いボンド・ワイヤであっても、インダクタンスが大きすぎて、整合ネットワークが、例えば、より高次(例えば、2次又は3次)の高調波を適切に終端することができないことがある。
【0036】
また、一部の受動RFデバイス(例えば、本明細書では一般に受動デバイスと呼ばれる、インダクタ又はコンデンサなどの受動電子構成要素を含むIPD)の性能は、接地面への近接度に基づいて影響を受けることがある。特に、インダクタ・コイルの品質係数Qは、インダクタ・コイルの巻線とデバイス・パッケージの接地接続されたフランジ(又は他の接地された構造)との間の距離が短くなるとともに低下する可能性がある。しかしながら、ダイは、典型的には、外部ダイ又はデバイスへの電気的接続のために、その表面上に導電性コンタクト要素(本明細書では、コンタクト・パッド、ボンド・パッド、パッド、又はコンタクトとも呼ばれる)を有する平面構造であるため、受動構成要素と接地面との間の距離が増加すると、受動構成要素を、能動トランジスタ・ダイ(本明細書では、トランジスタ・ダイ又は能動ダイとも称される)に含まれる1つ又は複数の能動電子構成要素(例えば、トランジスタ・セルを含むパワー・トランジスタ・デバイスなどのトランジスタ)と接続するボンド・ワイヤの長さが増加する可能性がある。接続長が増加すると、特に、より高い周波数において、受動構成要素によって提供されるインピーダンス整合ネットワークの有効性が低下し又は無効になることがある。
【0037】
入力及び出力事前整合を実装するためにワイヤ・ボンド・ループを使用することがある一部の従来のRFパワー・デバイスとは対照的に、本開示の実施例は、高電力用途(例えば、5G又は基地局用途)向けのパッケージングされたRF電力製品における構成要素の配置を提供し、構成要素間(例えば、1つ又は複数の能動トランジスタ・ダイのボンド・パッド間、及び/又は能動トランジスタ・ダイのボンド・パッドとパッケージのゲート・リード及び/又はドレイン・リードとの間などの回路レベル構成要素間)の接続は、本明細書では一般に集積相互接続構造と呼ばれ、ワイヤ・ボンドを使用せずに、層又は基板上の導電性構成要素を含む1つ若しくは複数の構造によって実装される。
【0038】
集積相互接続構造若しくはデバイス(又は「集積相互接続」)とは、一般に、層若しくは基板上に抵抗器(伝送線路を含む)、ビア、インダクタ、及び/又はコンデンサなどの集積回路を含む構造、例えば、関連する寄生誘導及び製造問題を低減及び/又は回避するためにボンド・ワイヤの代わりに使用することができる集積トレース、ビア、及び/又は回路を有する誘電体ベースの構造を指すことがある。集積相互接続は、本明細書に記載される一部の実施例では、受動デバイス(シリコン、アルミナ、若しくはガラスなどの薄膜基板を有するIPDを含む)及び/又は導電性配線構造(再配線層(RDL:redistribution layer)構造若しくは他の基板上の導電性ワイヤを含む)として実装されてもよい。上述したように、IPDは、インダクタ及び/又は他の受動電気構成要素を含み、薄膜及び/又はフォトリソグラフィ処理などの標準的な半導体処理技術を使用して製造することができる。IPDは、フリップチップ実装可能又はワイヤ・ボンディング可能な構成要素とすることができ、シリコン、アルミナ、又はガラスなどの薄膜基板を含むことができる。RDL構造とは、導電層パターン及び/又は導電性ビアを有する基板若しくは積層体を指す。RDL構造は、半導体処理技術を使用して、ベース材料上に導電層と絶縁層、及び/又はパターンを堆積させ、RDL構造を通して信号を伝達するためのビア及び銅配線パターンを構造内に形成することによって製造することができる。
【0039】
集積相互接続は、本明細書に記載されるように、トランジスタ・ダイの入力、出力、及び/又は段間の接続を提供するために、並びにトランジスタ・ダイの動作に有用及び/又は必要な場合がある回路を提供するために使用することができる。例えば、集積相互接続は、能動トランジスタ・ダイとの間、及び/又はパッケージ・リードに接続された外部デバイスとの間のインピーダンス不整合を低減するように構成されたインピーダンスを提供することができる。特定の例では、能動トランジスタ・ダイのための入力及び/又は出力事前整合ネットワーク回路は、IPDなどの集積相互接続によって実装することができ、ワイヤ・ボンディングを最小限に抑えるか、又は全くなくすことができる。一部の実施例では、1つ又は複数のトランジスタ・ダイのそれぞれのコンタクトに面するそれぞれのコンタクトを含むフリップチップIPDは、例えば、多段増幅器の実装において、複数のトランジスタ・ダイを相互接続するために使用することができる。すなわち、一部の実施例では、集積相互接続は、相互接続機能とインピーダンス整合/高調波終端機能の両方を提供することができ、その結果、パッケージ内のワイヤ・ボンドの使用を低減又は排除することができる。本明細書に記載されるIPDは、一部の実施例では、能動構成要素を含まなくてもよい。
【0040】
一部の実施例では、能動ダイのためのインピーダンス整合ネットワークを提供するIPD(本明細書では事前整合IPDとも呼ばれる)は、トランジスタ・ダイのゲート・コンタクト・パッド及び/又はドレイン・コンタクト・パッド、並びに/或いはコンデンサ・チップの上に直接配置又は積層され、したがって、ゼロ又は非常に少ないワイヤ・ボンディングで相互接続関連損失を低減又は最小にする。また、複数のチップをバッチ・プロセスで組み立てることができ、組立時間及びコストをさらに低減する。受動構成要素と、デバイス・パッケージ・ダイ・パッドの接地接続フランジなどの取付け面との間の高さが増大又は距離が増加すると(例えば、厚さ100μmの能動トランジスタ・ダイの上の積層配置によってもたらされる)、接地への容量結合が低減され、したがって品質係数Q(を場合によっては増大させ)に対する悪影響が低減又は最小限に抑えられ、受動構成要素の損失が低減又は最小限に抑えられ、より良好なRF性能につながる可能性がある。
【0041】
受動デバイス内に、及び/又は受動デバイスの真下のパッケージの取付け面上に(例えば、特定用途向けの)追加の受動構成要素を含めることができる。例えば、一部の実施例では、入力事前整合IPDと取付け面との間に、事前整合及び/又は高調波終端のためのコンデンサ(例えば、MOSコンデンサ)を配置することができる。同様に、ビデオ帯域幅(VBW:video bandwidth)を改善するために、出力事前整合IPDと取付け面との間に高密度出力コンデンサを配置することができ、高密度VBWコンデンサの収容に使用するための広い領域を提供することができる。一部の実施例では、受動デバイスは、金属-絶縁体-金属(MIM:metal-insulator-metal)コンデンサなど、内部に集積されたコンデンサを含むことができる。
【0042】
本開示の実施例は、能動トランジスタ・ダイのコンタクト又はボンド・パッドのうちの1つ又は複数を、集積相互接続構造又はデバイス(例えば、フリップチップIPD)によってダイの一方の側から、及び本明細書では導電性ビア(例えば、SiCベースのトランジスタ・ダイを貫いて延在する場合は炭化ケイ素貫通(TSiC)ビア)とも呼ばれる導電性貫通ビア接続構造を使用してダイのもう一方の側から、同時に接続することができるトランジスタ・ダイ構成をさらに提供する。例えば、トランジスタ・ダイの底部側(例えば、パッケージ基板取付け面に隣接する)の底部コンタクト又はボンド・パッドは、パッケージ基板(例えば、RDL層)内又はパッケージ基板上の(例えば、高調波終端のための)整合素子に接続されてもよく、一方、トランジスタ・ダイの頂部側(例えば、パッケージ基板取付け面と反対側)の頂部コンタクト又はボンド・パッドは、層又は基板上に導電性構成要素を含む1つ又は複数の構造(例えば、集積相互接続構造)に接続されてもよく、或いはその逆であってもよく、それぞれのTSiCビアが頂部コンタクトと底部コンタクトとの間に延在する。
【0043】
トランジスタ・ダイの異なる表面上のコンタクトを接続する(例えば、トランジスタ・ダイの頂面と底面のそれぞれのゲート・コンタクト間、及び/又はそれぞれのドレイン・コンタクト間に延在する)導電性ビアを設けることにより、RF信号をパッケージのゲート・リード/ドレイン・リードに接続するための追加のIPD、銅シム、及び/又はワイヤ・ボンディングの必要性を排除することができる。さらに、導電性ビアは、パッケージのゲート・リード/ドレイン・リードに接触するための複数の経路を提供し、これにより、トランジスタ・ダイの底面において(例えば、RDL上の導電性配線によって)基板内/上での少なくとも一部のインピーダンス整合に寄与することが可能になると同時に、トランジスタ・ダイの頂面においてインピーダンス整合を行い(例えば、積層IPDによって)、基本波周波数及び/又は高調波をさらに事前整合させることが可能になる。トランジスタ・ダイの頂部及び底部における整合の寄与を組み合わせることにより、事前整合回路をより小さなスペースに集積することができ、複数の機能間でボンド・パッドのスペースを共有しなければならないことによる性能劣化を低減又は排除することができる。
【0044】
すなわち、トランジスタのボンド・パッドのスペースが、ドレイン・ワイヤとチューニング・ワイヤとの間で、又は基本波周波数を事前整合するためのワイヤ及び/若しくはIPDと高調波終端のためのワイヤ及び/若しくはIPDとの間で共有される一部の従来のパッケージとは対照的に、本開示の実施例は、トランジスタのボンド・パッドの1つの側面全体(例えば、頂部側)を1つの機能に専用にし、別の側面全体(例えば、TSiCビアを介した底部側)を他の機能に専用にすることができる。例えば、能動ダイの頂部ボンド・パッドは、基本波周波数f0でのインピーダンス整合専用であってもよく、一方、底部ボンド・パッドは、図に示すように、入力/出力及び高調波終端のための接続を提供することができ、又はその逆も可能である。特定の実施例では、入力及び出力での高調波終端は、TSiCビア及び底部側RDL上に配線されたトレースを通して達成することができるが、頂部側は、基本波周波数を事前整合するためにフリップチップIPDと接続されている。代替として、同じボンド・パッド上のスペースを共有する直列ワイヤ及びシャント・ワイヤの代わりに、シャント・チューニング・ワイヤを頂部側からフリップチップIPDに実装することができ、直列ドレイン接続を底部側からドレイン・リードに直接実装することができる。より一般的には、事前整合、高調波終端、及び/又はデバイス相互接続は、本明細書に記載されるような導電性貫通ビア接続と集積相互接続との組合せを使用することによって、トランジスタ・ボンド・パッドの頂部側、底部側、又は両側のいずれかから行うことができる。
【0045】
したがって、本開示の実施例は、積層チップ・トポロジと、貫通ビア接続構造を含むトランジスタ・ダイとの組合せを使用して、利得損失及び不安定性につながる可能性があるゲート・ボンド・ワイヤとドレイン・ボンド・ワイヤとの間の結合の問題を大幅に低減することができる。一部の実施例では、ゲート・ボンド・ワイヤ及び/又はドレイン・ボンド・ワイヤを排除又は低減することができ、集積相互接続(例えば、事前整合IPD)の薄い、低プロファイル導電性トレースにより、ゲート・ボンド・ワイヤとドレイン・ボンド・ワイヤとの間の結合がほとんどなくなり、及び/又は出力ワイヤ若しくはトレースへの結合を低くすることができる。
【0046】
本開示の実施例は、5G及び基地局用途向けのRF電力製品、並びにレーダ及び/又はモノリシック・マイクロ波集積回路(「MMIC:monolithic microwave integrated circuit」)タイプの用途で使用することができる。例えば、III族窒化物ベースのRF増幅器は、1つ又は複数のトランジスタ・ダイが、それらの関連付けられたインピーダンス整合回路及び高調波終端回路とともに、単一の集積回路ダイに実装されたMMICデバイスとして実装することができる。
【0047】
図1Aは、本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
図1Aに示すように、本開示の一部の実施例は、パッケージ基板101の取付け面101s上に組み立てられた少なくとも1つの導電性貫通ビア構造105vを含む能動トランジスタ・ダイ105と、コンデンサ・チップ又はダイ104(例えば、MOSコンデンサ)とを含み、集積相互接続デバイス(IPD又は他の受動デバイス110iとして示される)が取付け面101sと反対側にあるRFパワー・デバイス・パッケージ100を提供する。
【0048】
能動ダイ105は、例えば、RF電力増幅器を規定するパワー・トランジスタ・デバイスを含んでもよい。一部の実施例では、能動ダイ105は、ディスクリート多段、MMIC、及び/又は多経路(例えば、ドハティ)トランジスタ・デバイスを含んでもよい。導電性貫通ビア構造105vは、能動ダイ105の半導体層構造を貫いて物理的に延在して、その異なる側面又は表面上のコンタクト105p(ボンド・パッドなど)を電気的に接続することができる。一部の実施例では、貫通ビア構造105vは、
図7A~
図7Cの能動ダイ705を参照して以下でより詳細に説明するように、III族窒化物ベースの半導体層構造230を貫通して延在する導電性ゲート・ビア262、導電性ドレイン・ビア264、及び/又は導電性ソース・ビア266を含むことができる。
【0049】
本明細書に記載される能動トランジスタ・ダイは、シリコンで、又は炭化ケイ素(「SiC」)及びIII族窒化物材料などのワイド・バンドギャップ半導体材料を使用して実装されてもよい。特定の実施例では、能動ダイは、窒化ガリウム(GaN)などのIII族窒化物ベース、及び/又は炭化ケイ素(SiC)ベースであってもよく、半導体層構造の上部に並列に接続された単位セル・トランジスタと、取付け面に隣接する半導体層構造の下面又は底面上のソース・コンタクトに隣接するゲート・コンタクト及び/又はドレイン・コンタクトとを含む。「半導体層構造」という用語は、半導体基板及び/又は半導体エピタキシャル層などの1つ若しくは複数の半導体層を含む構造を指すことがある。
図1Aでは、能動ダイ105は、SiCダイ上のRF GaNを含み、1つのコンタクト105p(本例では、ドレイン・コンタクト)が、ダイ105の頂部側又は頂面と、取付け面101sに隣接するダイ105の底部側又は底面上のドレイン・コンタクト105pとの間の信号の電気的接続及びルーティングを行うドレイン・ビア構造105v(本例では、炭化ケイ素貫通(TSiC)ビア構造)を含む。
【0050】
図1Aの例では、基板101は、再配線層(RDL)積層構造である。RDL101は、半導体処理技術を使用して製造された導電層を含むことができる。しかしながら、基板101はそのように限定されず、例えば、基板101は、プリント回路板(例えば、金属トレースを有する多層プリント回路板)、導電性ビア及び/又は導電性パッドを含むセラミック基板、或いは能動ダイ105のための任意の他の適切な実装面であってもよいことが理解されるであろう。RDL101の底部側は、取付け面101s上の構成要素と外部回路板などの外部デバイス(図示せず)との間で電気信号を伝導するパッケージ・リード(特に、ゲート・リード102g、ドレイン・リード102d、及びソース・リード102s、一括してパッケージ・リード102)を含む。取付け面101sは、1つ又は複数の導電性ダイ・パッド103を含んでもよく、これらは、一部の実施例では、パッケージ100の構成要素のための電気的接地を提供することができる。RDL101は、底部側ドレイン・ボンド・パッド105pからパッケージ100の外部ドレイン・リード102dに信号を転送するために、信号を伝達するためのビア及び/又は多層導電性配線を含む。RDL101内の信号トレースは、ソース・リード102sから十分な間隔(例えば、約5μmよりも大きい)を有し、信号の接地への短絡及び/又は有害な寄生結合の導入を回避することができる。
【0051】
RF増幅器は、多くの場合、高電力及び/又は高周波用途で使用されるため、動作中にトランジスタ・ダイ内で高レベルの熱が生成されることがある。トランジスタ・ダイが熱くなりすぎると、RF増幅器の性能(例えば、出力電力、効率、線形性、利得など)が劣化することがあり、及び/又はトランジスタ・ダイが損傷することがある。そのため、RF増幅器は、典型的には、熱除去のために最適化又はその他の方法で構成されることがあるパッケージに取り付けられる。
図1Aの例では、ソース・リード102sは、熱伝導性(例えば、ヒートシンク)を提供する導電性熱放散構造103(埋め込まれた導電性スラグ又はビアとして示されている)を含み、又はそれに取り付けられている。特に、トランジスタ・ダイ105の下のRDL101のセクションは、トランジスタ・ダイ105のトランジスタからの熱を伝達するための銅ビアの高密度導電性アレイ103で充填(例えば、約85%を超えて充填、完全に充填、又はほぼ完全に充填)されていてもよい。導電性構造103は、埋め込みパッケージング・プロセスにおいて、例えば埋め込み銅スラグ又はコインで充填されてもよい。トランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ104は、共晶材料、プレコート(例えば、AuSnプレコート)、プリフォーム、焼結(例えば、Ag焼結)などのダイ取付け材料107及び技術を用いてRDL101の取付け面101sに取り付けられる。
【0052】
やはり
図1Aを参照すると、能動トランジスタ・ダイ105とパッケージ・リード102との間(特に、トランジスタ・ダイ105の頂部側又は頂面上のコンタクト又はボンド・パッド105pとの間)の1つ又は複数の接続は、それらの間にワイヤ・ボンドを含まずに、集積相互接続110i(本例では、IPD110i)及び/又は貫通ビア構造105vによって実装されている。貫通ビア構造105vによって提供される接続は、基板101内に1つ又は複数の導電性要素(例えば、導電性トレース又はビア)をさらに含んでもよい。受動デバイス110iによって提供される接続は、能動ダイ105の底部側又は底面が取り付けられる取付け面101s又は基板101(にあるのではなく)と反対側にある。より詳細には、トランジスタ・ダイ105の頂面上のボンド・パッド105pは、IPD110iの対向面上のボンド・パッド110pに接続され、IPD110iのボンド・パッド110pは、導電性配線構造114によってゲート・リード102gに接続されている。上述したように、受動デバイス110iは、半導体若しくは他の基板上の抵抗器/伝送線路、インダクタ、及び/又はコンデンサなどの受動電子構成要素を含むことができる。貫通ビア構造105vも、何らかの直列インダクタンス及び/又は抵抗を提供することができる。
【0053】
図1Aでは、受動デバイス110iの構成要素は、能動ダイ105のトランジスタ・セルによって規定される回路(例えば、RF増幅器回路)のための入力インピーダンス整合ネットワークを提供するように構成され、IPDとして示されているが、本明細書に記載される受動デバイスはこれに限定されない。入力インピーダンス整合回路は、RFパワー・デバイス・パッケージ100に入力されるRF信号の基本波成分のインピーダンスを、能動ダイ105の入力におけるインピーダンスに整合させることができる。
図1Aの例では、IPD110iは、基本波周波数f0を事前整合するための、また、入力に存在し得る基本RF信号の高調波(例えば、2f0)を終端するためのインダクタ及び伝送線路の構成を組み込む。
【0054】
図1Aの例では、入力事前整合ネットワークのためのIPD110iは、IPD110iの表面上にボンド・パッド110pを含むフリップチップ・デバイスである。したがって、IPD110iは、IPD110iのボンド・パッド110pがトランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ104のボンド・パッド105p及び104pとそれぞれ位置合わせされるように、トランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ104の上に「フリップチップ」される。IPD110iは、ボンド・パッド110pをボンド・パッド105p及び104pに接続するための導電性バンプ111(例えば、一部の実施例ではIPD110に予め取り付けられた導電性エポキシ・パターン又ははんだバンプ)を含むことができる。トランジスタ・ダイ105の底部側ドレイン・パッド105p上に導電性バンプ111を予め配置して、RDL101の導電性トレース及び/又はビアを介してドレイン・パッド105pをパッケージのドレイン・リード102dに接続することもできる。
【0055】
コンデンサ・チップ104及びトランジスタ・ダイ105の頂面は、(ダイ又はコンデンサ・チップの)ウエハを研削することによって、及び/又は異なる厚さのプリフォーム107を使用してIPD110iの下の要素104及び105の高さを揃えることによって、同じ高さに揃えることができる。そのように、パッケージ100は、基板101と集積相互接続110iとの間の(接地への電気的接続を提供することができる)取付け面101sに取り付けられた要素104及び105を有する積層構造を含む。集積相互接続110iと少なくとも1つの貫通ビア構造105vとの組合せは、要素104、105とリード102との間にそれぞれのボンド・ワイヤが延在することなく、要素104、105とリード102との間の電気的接続を提供する。パッケージング材料(プラスチック・オーバ・モールド(OMP:over mold)113として示される)は、本明細書では一般に外部デバイスと呼ばれる、パッケージ100の外部にある回路又はデバイスに接続するためのリード102へのアクセスを提供すると同時に、ダイ105、110を封入又はその他の方法で保護する。オーバモールド113は、ダイ105、110を実質的に取り囲むことができ、プラスチック又はプラスチック・ポリマ化合物で形成され、それによって外部環境からの保護を提供することができる。オーバモールド・タイプのパッケージの利点には、パッケージの全体的な高さ又は厚さの低減、並びにリード102の配置及び/又は間隔に関する設計の柔軟性が含まれる。一部の実施例では、本明細書に記載されるオーバモールド・タイプのパッケージは、約400マイクロメートル(μm)~約700μmの高さ又はOMP厚さを有することができる。他の実施例では、ダイ105、110は、ダイ105、110を取り囲むキャビティを画定し、約1400マイクロメートル(μm)~約1700μmの高さ又は厚さを有してもよいセラミック材料を含む開放キャビティ・パッケージ(例えば、熱強化パッケージ(thermally enhanced package)(TEPAC又はT3PAC))内に含まれてもよい。
【0056】
図1Bは、
図1Aの実施例の等価回路図である。入力事前整合ネットワークは、IPD110i及び入力コンデンサ104によって実装され、基本波周波数f0におけるL-C整合回路(例えば、ローパスL-C)、並びに高調波周波数(例えば、2f0)の最適な終端のためのシャントLインダクタンスLs整合回路(例えば、ハイパスLs)を提供する。入力IPD110iの直列伝送線路110rは、トランジスタ・ダイ105からゲート・リード102gへの適切なインピーダンス変換を行うように選択することができる。直列伝送線路(例えば、導電性構造110rによって提供されるような)は、基板伝送線路整合ネットワークの延長として扱うことができ、電気的幅は、インピーダンス整合のための所望の特性インピーダンスを達成するように選択又は構成することができる。ドレイン・ビア105vは、トランジスタ・ダイ105の底部側のドレイン・コンタクト105pからドレイン・リード102dへの直列ドレイン接続を提供し、それ自体がいくらかの内部インダクタンスを含む。
【0057】
本明細書に記載されるゲート・ビア及び/又はドレイン・ビア105vによって導入される直列インダクタンスは、同等のゲート・ボンド・ワイヤ及びドレイン・ボンド・ワイヤによって導入される直列インダクタンスのほんの数分の一(例えば、従来のゲート・ボンド・ワイヤ及びドレイン・ボンド・ワイヤによって導入されるインダクタンスの15~20%程度)であってもよく、これにより、III族窒化物ベースのRF増幅器の様々な整合回路のための最適な直列インダクタンス量が提供され得ることが保証され得る。そのように、本明細書に記載されるゲート・ビア及び/又はドレイン・ビア105vは、トランジスタ・ダイ105の入力及び/又は出力におけるインピーダンス整合回路及び/又は高調波終端回路に寄与することができる。
図2A及び
図2Bに示すように、さらなる寄与がパッケージ基板101内に提供されてもよい。
【0058】
図2Aは、本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び貫通ビア構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
図2Aに示すように、RFパワー・デバイス・パッケージ200は、パッケージ基板101の取付け面101s上に組み立てられた複数の貫通ビア構造105vを含む能動トランジスタ・ダイ105と、コンデンサ・チップ又はダイ104(例えば、MOSコンデンサ)とを含み、集積相互接続(IPD又は他の受動デバイス110iとして示される)が取付け面101sと反対側にある。パッケージ200は、
図1Aに示されるものと同様の構成要素及び接続を含むが、
図2Aの例では、ゲート・コンタクト及びドレイン・コンタクト105pが両方とも、ダイ105の頂部側又は頂面と、取付け面101sに隣接するダイ105の底部側又は底面上のゲート・コンタクト及びドレイン・コンタクト105pとの間の電気的接続及び信号のルーティングをそれぞれ提供するそれぞれの貫通ビア構造105v(本例では、それぞれのTSiCビア構造)を含む。
【0059】
図2Aでは、入力側の高調波終端を実装するために、トランジスタ・ダイ105の底部側のゲート・コンタクト105pが使用されている。底部ゲート・コンタクト105pは、追加のインダクタンス及びシャント・キャパシタンスを提供するように構成された、RDL101上の導電性トレース配線101lciに接触している。入力高調波のために必要とされ得るインダクタンス及び/又はキャパシタンスの量は比較的小さくてもよいため、入力高調波終端のための所望のインピーダンスは、ゲート側ビア105vによって提供されるインダクタンスとRDL101上及び/又は内の追加の導電性トレース配線101lci(例えば、導電性トレース及びオープンシャント・スタブ)との組合せを用いて達成することができる。したがって、入力事前整合のためのフリップチップIPD110i及びコンデンサ・ダイ104は、例えば、フリップチップIPD110iの下により少ないコンデンサを有するより小さいコンデンサ・チップ104(
図2Bでは単一のコンデンサCとして示される)を使用して、基本波周波数f0においてインピーダンス整合を提供するようにより具体的に構成されてもよい。すなわち、ゲート・ビア105vに起因して、頂部ゲート・コンタクト105pは、IPD110iを介したインピーダンス整合専用であってもよく、一方、底部ゲート・コンタクト105pは、(ゲート・ビア105vのインピーダンスが入力高調波終端の一部を規定する)入力高調波終端101lciのための接続を提供することができる。また、
図1Aと比較して、導電性構造103(例えば、銅スラグ)は、サイズが縮小され、トランジスタ・ダイ105の下に閉じ込められ、コンデンサ・ダイ104とソース・リード102sとの間に別々の接続をRDL101内に有する。
【0060】
図2Bは、
図2Aの実施例の等価回路図である。
図1Bに示されるものと同様に、入力事前整合ネットワークは、IPD110i及び入力コンデンサ104によって実装され、基本波周波数f0においてL-C整合回路(例えば、ローパスL-C)を提供する。
図2Bでは、入力高調波終端は、パッケージ基板101の導電性トレース配線101lciのインダクタンスL及びキャパシタンスCによって提供される。ゲート・リード102gとドレイン・リード102dとの間の接続は、IPD110i内の直列伝送線路110r及びドレイン・ビア105vの直列インダクタンスによってそれぞれ提供される。
【0061】
図3Aは、本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び貫通ビア構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
図3Aに示すように、本開示の一部の実施例は、パッケージ基板101の取付け面101s上に組み立てられた能動ダイ105と、コンデンサ・チップ又はダイ104、106とを含むRFパワー・デバイス・パッケージ300を提供する。
図2Aと同様に、トランジスタ・ダイ105のゲート・コンタクト及びドレイン・コンタクト105pは両方とも、ダイ105の頂部側と、取付け面101sに隣接するダイ105の底部側のゲート・コンタクト及びドレイン・コンタクト105pとの間の電気的接続及び信号のルーティングをそれぞれ提供するそれぞれの導電性貫通ビア接続構造105v(本例では、それぞれのTSiCビア構造)を含む。
【0062】
図3Aのパッケージ300は、取付け面101sと反対側の、トランジスタ・ダイ105の頂部側でゲート・コンタクト又はパッド及びドレイン・コンタクト又はパッド105pに接続されたそれぞれの集積相互接続(受動デバイス110i、110o;一括して110として示される)をさらに含む。特に、受動デバイス110の構成要素は、能動ダイ105のトランジスタによって規定される回路(例えば、RF増幅器回路)のための入力110i及び出力110oインピーダンス整合ネットワークを提供するように構成され、高QのIPDとして示されているが、本明細書に記載される受動デバイスはこれに限定されない。入力インピーダンス整合回路は、RFパワー・デバイス・パッケージ300に入力されるRF信号の基本波成分のインピーダンスを、トランジスタ・ダイ105の頂部側のゲート・パッド105pにおけるインピーダンスに整合させることができ、出力インピーダンス整合回路は、RFパワー・デバイス・パッケージ300から出力されるRF信号の基本波成分のインピーダンスを、トランジスタ・ダイ105の頂部側のドレイン・パッド105pに接続された回路のインピーダンスに整合させることができる。
図3Aの例では、入力及び出力事前整合ネットワークのためのIPD110は、IPD110の表面にそれぞれのボンド・パッド110pを含むフリップチップ・デバイスであり、IPD110のボンド・パッド110pが、トランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ104、106のボンド・パッド105p及び104p、106pとそれぞれ位置合わせされ、導電性バンプ111によってそれらに接続されるように、トランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ104、106の上に「フリップチップ」されている。上述したように、コンデンサ・チップ104、106及びトランジスタ・ダイ105の頂面は、(ダイ又はコンデンサ・チップの)ウエハを研削することによって、及び/又は異なる厚さのプリフォーム107を使用して要素104、105、及び106の高さを揃えることによって、同じ高さに揃えることができる。
【0063】
やはり
図3Aを参照すると、トランジスタ・ダイ105の入力及び出力の両方における高調波終端は、ゲート・ビア及びドレイン・ビア105v、底部側コンタクト又はボンド・パッド105p、並びにRDL101上のトレース配線101lci、101lcoによって実装されている。特に、トランジスタ・ダイ105のゲート・ビア105v及び底部側のゲート・コンタクト105pは、RDL101上の導電性トレース配線101lciに接続され、能動ダイ105の入力に存在し得る基本RF信号の高調波(例えば、2f0)を接地に短絡させるために追加のインダクタンス及びシャント・キャパシタンスを提供するように構成されている。同様に、トランジスタ・ダイ105のドレイン・ビア105v及び底部側のドレイン・コンタクト105pは、RDL101上の導電性トレース配線101lcoに接続され、能動ダイ105の出力に存在し得る基本RF信号の高調波を接地に短絡させるために追加のインダクタンス及びシャント・キャパシタンスを提供するように構成されている。
【0064】
トランジスタ・ダイ105の頂部側のゲート・パッド及びドレイン・パッド105p上のフリップチップIPD110i及び110oは、したがって、トランジスタ・ダイ105の入力及び出力における基本波周波数f0を事前整合するために専用のものである。
図2Aの例と同様に、単一のコンデンサ104(例えば、MOSコンデンサ)は、入力高調波終端回路が、ゲート・ビア105vによってトランジスタ・ダイ105の底部側で入力に接続されたトレース配線101lciによって実装されているため、トランジスタ・ダイ105の頂部側で入力に接続されて、インピーダンス整合回路を提供することができる。同様に、単一のコンデンサ106(例えば、改善されたビデオ帯域幅(VBW)のためのMOSコンデンサ又は高密度コンデンサ)は、出力高調波終端回路が、ドレイン・ビア105vによってトランジスタ・ダイ105の底部側で出力に接続されたトレース配線101lcoによって実装されているため、トランジスタ・ダイ105の頂部側で出力に接続されて、インピーダンス整合回路を提供することができる。すなわち、底部側コンタクト105pを高調波終端に使用することによって、頂部側コンタクト105pを基本波周波数事前整合のためだけに使用することができ、より低損失に構成することができるため、より高いRF性能を提供することができる。
図2Aと同様に、導電性構造103(例えば、銅スラグ)は、サイズが縮小され、トランジスタ・ダイ105の下に閉じ込められ、コンデンサ・ダイ104、106とソース・リード102sとの間に別々の接続をRDL101内に有する。
【0065】
そのように、パッケージ300は、基板101と集積相互接続110i、110oとの間の(接地への電気的接続を提供することができる)取付け面101sに取り付けられた要素104、105、及び106を有する積層構造を含む。集積相互接続110i、110oと貫通ビア構造105vとの組合せは、それぞれのボンド・ワイヤが要素104、105、及び106とリード102との間に延在することなく、要素104、105、及び106とリード102との間の電気的接続を提供する。特に、貫通ビア構造105vは、ゲート・コンタクト及び/又はドレイン・コンタクト105pに追加の信号配線経路を提供し、トランジスタ・ダイ105の入力及び出力に周波数整合トポロジを組み込む際の柔軟性を高めることができる。
【0066】
図3Bは、
図3Aの実施例の等価回路図である。基本波周波数f0でのインピーダンス整合は、トランジスタ・ダイ105の頂部側で提供され、入力事前整合ネットワークは、IPD110i及び入力コンデンサ104によって実装されてL-C整合回路(例えば、ローパスL-C)を提供し、出力事前整合ネットワークは、出力コンデンサ106及びIPD110oによって実装されてシャントLインダクタンスLs整合回路(例えば、ハイパスLs)を提供する。高調波周波数(例えば、2f0)の終端は、トランジスタ・ダイ105の底部側で提供され、入力高調波終端は、ゲート・ビア105vと組み合わせてパッケージ基板101の導電性トレース配線101lciのインダクタンス及びキャパシタンスによって提供され、出力高調波終端は、ドレイン・ビア105vと組み合わせてパッケージ基板101の導電性トレース配線101lcoのインダクタンス及びキャパシタンスによって提供される。入力110i及び出力110oのIPDのそれぞれにおける直列伝送線路110rは、トランジスタ・ダイ105の頂部側のゲート・ボンド・パッド及びドレイン・ボンド・パッド105pからゲート・リード102g又はドレイン・リード102dへの適切なインピーダンス変換をそれぞれ提供するように選択することができる。(例えば、導電性構造110rによって提供されるような)直列伝送線路は、基板伝送線路整合ネットワークの延長として扱うことができ、電気的幅は、インピーダンス整合のための所望の特性インピーダンスを達成するように選択又は構成される。
【0067】
図4Aは、本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
図4Aに示すように、RFパワー・デバイス・パッケージ400は、基板101上に組み立てられた能動トランジスタ・ダイ405i、405oと、集積相互接続(IPD又は他の受動デバイス410として示される)とを含む。
図1Aと同様に、基板101は、取付け面101sと、ソース・リード102sと、トランジスタ・ダイ405i、405oのトランジスタからの熱を伝達するための熱伝導性(例えば、ヒートシンク)とを提供する導電性構造103(例えば、銅スラグ)として実装され、受動デバイス410によって提供される接続は、取付け面101s又は基板101(にあるのではなく)と反対側にある。
【0068】
図4Aの実施例では、能動ダイ405i、405oは、2段のGaNベースのRFIC製品などの多段パッケージRF電力増幅器デバイス(例として2段として示される)を規定する。例えば、能動ダイ405iは、ドライバ段を実装するためのより小さいトランジスタ・ダイであってもよく、能動ダイ405oは、増幅器の出力又は最終段を実装するためのより大きなトランジスタ・ダイ405o(例えば、ドライバ段トランジスタ・ダイ405iよりも外周が約6~8倍又は7~10倍大きい)であってもよい。トランジスタ・ダイ405i、405oは、ソース/熱リード102sを提供する基板101/導電性構造103の取付け面101sに取り付けられ、段間コンデンサ・チップ又はダイ404(例えば、1つ又は2つ以上の別々のコンデンサが1つのチップに集積されたMOS又はMIMコンデンサ・チップ)がダイ405iと405oとの間の取付け面101s上にある。(IPD410を参照して説明される)段間受動デバイスは、2つのトランジスタ・ダイ405i、405oの間、並びにコンデンサ・チップ404に取り付けられ、それらの間の電気的接続を提供する。
【0069】
特に、
図4Aでは、IPD410は、IPD410のボンド・パッド410pがトランジスタ・ダイ405i、405o及びコンデンサ・チップ404のボンド・パッド405p及び404pと位置合わせされるように、トランジスタ・ダイ604i、604o及び段間整合コンデンサ・チップ404の上にフリップチップ実装されている。IPD410のボンド・パッド410pは、ドライバのドレイン・リード405dを提供するドライバ段トランジスタ・ダイ405iの頂部側の1つ又は複数のドレイン・パッド405pと、最終ゲート・リード405gを提供する最終段トランジスタ・ダイ405oの頂部側の1つ又は複数のゲート・パッド605pとに接触することができる。IPD410は、ボンド・パッド410pを、間にワイヤ・ボンドを含まずに、ボンド・パッド405p及び404pに接続するための導電性バンプ111(例えば、一部の実施例ではIPD410に予め取り付けられた導電性エポキシ・パターン又ははんだバンプ)を含むことができる。コンデンサ・チップ404及びトランジスタ・ダイ405i、405oの頂面は、IPD410を使用した接続のために、(ダイ又はコンデンサ・チップの)ウエハを研削することによって、及び/又は異なる厚さのプリフォーム107を使用して要素404、405i、405oの高さを揃えることによって、同じ高さに揃えることができる。
【0070】
多段増幅器400では、IPD410は、ドライバ段トランジスタ・ダイ405iの出力と出力段トランジスタ・ダイ405oの入力との間のインピーダンス整合を提供するように、すなわち、ドライバ・ダイ405iの負荷を最終ダイ405oの入力に整合させるように構成された段間整合回路を規定する受動構成要素を含む。2つの段405i及び405oを参照して例示されているが、ある段の出力がそれぞれのIPD410によって次段の入力に接続されている複数の入力又は出力トランジスタ・ダイが取付け面101s上に存在してもよいことが理解されるであろう。
【0071】
パッケージ・リード102g及び102dから(取付け面101sに隣接する)ダイ405i及び405oの底部側のゲート・ボンド・パッド及びドレイン・ボンド・パッド405pへの接続は、導電性ビア構造405v(本例では、TSiCビア構造)を使用してそれぞれ実装されている。特に、ドライバ段トランジスタ・ダイ405iは、ダイ405iの頂部側のゲート・パッド405pからダイ405iの底部側のゲート・パッド405pまで延在するゲート・ビア405vを含み、ダイ405iの底部側からRDL101上の導電性トレース414及び外部ゲート・リード102gへの接続を提供する。同様に、最終段トランジスタ・ダイ405oは、ダイ405oの頂部側のドレイン・パッド405pからダイ405oの底部側のドレイン・パッド405pまで延在するドレイン・ビア405vを含み、ダイ405oの底部側からRDL101上の導電性トレース414及び外部ドレイン・リード102dへの接続を提供する。
【0072】
導電性貫通ビア接続405vは、多段パッケージRF電力増幅器400の入力及び出力への低インダクタンス且つ低損失の接続を提供する。一部の実施例では、ダイ405i及び405oの底部側の接続又はボンド・パッド405pは、RF入力リード102g及びRF出力リード102dに使用することができ、一方、ドライバ・ダイ405iの頂部側及び最終ダイ405oの頂部側の接続又はボンド・パッド405pは、高インダクタンス要素(例えば、DCチョーク)に接続され、RF電力増幅器デバイス400のDCバイアス供給に使用することができる。
【0073】
図4Bは、
図4Aの実施例の等価回路図である。
図4Bに示すように、段間整合ネットワークは、コンデンサ404及び受動デバイス410によって実装され、ドライバ段トランジスタ・ダイ405iの出力及び最終段トランジスタ・ダイ405oの入力におけるシャントL事前整合ネットワークLs、並びにドライバ段トランジスタ・ダイ405iと最終段トランジスタ・ダイ405oを接続する直列L-C-Lネットワークを提供する。このトポロジは、多段RF電力増幅器製品に広帯域応答を提供することができる。
図4Bに示されるトランジスタ・ダイ405iと405oとの間の段間インピーダンス整合ネットワークは、一例にすぎず、本開示の実施例による2つ以上の能動ダイ間の電気的接続を提供する段間受動デバイス410は、他のネットワーク・トポロジを含むか、又は実装してもよいことが理解されるであろう。
【0074】
また、一部の実施例では、コンデンサ404は、出力IPD410の下に位置しなくてもよく、代わりに、キャパシタンスを、例えば、MIMコンデンサCとして、IPD410に組み込むことができる。MIMコンデンサCは、
図5A及び5Bの例に示すように、一部の実施例では、IPD410の導電性要素のうちの1つとボンド・パッド410pのうちの1つ又は複数との間に絶縁材料を設けることによって形成されてもよい。
【0075】
図5Aは、本開示の一部の実施例による、積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む集積回路デバイス・パッケージの一例を示す断面図である。
図5Aに示すように、RFパワー・デバイス・パッケージ500は、パッケージ基板101上に組み立てられた能動ダイ105と、集積相互接続(IPD又は他の受動デバイス110ic、110o;一括して110として示される)とを含み、トランジスタ・ダイ105の入力及び出力とパッケージ・リード102g及び102dとの間の電気的接続をそれぞれ提供する。特に、
図5Aでは、IPD110oは、IPD110oのボンド・パッド110pが、導電性バンプ111を介して(トランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ106の頂部側の)ドレイン・パッド105p及びボンド・パッド106pと位置合わせされ、接触するように、トランジスタ・ダイ105及びコンデンサ・チップ106の上にフリップチップ実装されている。
【0076】
トランジスタ・ダイ105の頂部側のドレイン・パッド105pは、インピーダンス整合専用であり、トランジスタ・ダイ105の出力においてインピーダンス整合回路(シャントLインダクタンスLs事前整合回路として示される)を実装するように構成された受動電子構成要素を含むフリップチップIPD110oに接続されている。ドレイン・ビア105v(例えば、TSiCビア)は、トランジスタ・ダイ105の頂部側のドレイン・パッド105pと底部側のドレイン・パッド105pとを接続する。トランジスタ・ダイ105の底部側のドレイン・パッド105pは、RDL101及び外部ドレイン・リード102dに接続され、外部ドレイン・リード102dは、ソース/熱リード102sに隣接してパッケージ500から出る。フリップチップIPD110oの他端は、出力コンデンサ・ダイ106(例えば、ビデオ帯域幅(VBW)を改善するためのMOSコンデンサ又は高密度コンデンサ)に接続され(且つそれによって支持され)ている。トランジスタ・ダイ105の頂部側のドレイン・パッド105p全体及びフリップチップIPD110oが、シャントLインダクタンスLsへの接続を提供するために使用されているため、より低損失のインダクタンスを実現することができる。出力コンデンサ106の接地端は、出力接地リードGに接続している。
【0077】
トランジスタ・ダイ105はまた、トランジスタ・ダイ105の頂面側のゲート・パッド105pと底部側のゲート・パッド105pとを接続するゲート・ビア105v(例えば、TSiCビア)含む。トランジスタ・ダイ105の底部側のゲート・パッド105pは、RDL101に接続されており、RDL101は、フリップチップIPD110icのボンド・パッド110pへの接続を提供する導電性トレースを含む。IPD110icの他端は、ゲート・リード102gに接続されている。IPD110icは、トランジスタ・ダイ105の入力においてインピーダンス整合回路を実装するように構成された受動電子構成要素を含む。
図5Aの例では、コンデンサC(例えば、MIMコンデンサ)は、例えば、IPD110icの導電性素子のうちの1つとボンド・パッド110pのうちの1つ又は複数との間に絶縁材料を設けることによって、IPD110icに組み込まれている。
図2Aと同様に、導電性構造103(例えば、銅スラグ)は、サイズが縮小され、トランジスタ・ダイ105の下に閉じ込められ、IPD110icの組込みキャパシタンスCとソース・リード102sとの間に別々の接続をRDL101内に有する。
【0078】
図5Bは、
図5Aの実施例の等価回路図である。入力事前整合ネットワークは、フリップチップIPD110icによって実装され、フリップチップIPD110icは、その内部に組み込まれた入力キャパシタンスCとともに、基本波周波数f0におけるL-C整合回路(例えば、ローパスL-C)、並びに高調波周波数(例えば、2f0)の最適な終端のためのシャントLインダクタンスLs整合回路(例えば、ハイパスLs)を提供する。出力事前整合ネットワークは、フリップチップIPD110oによって実装され、フリップチップIPD110oは、コンデンサ・ダイ106によって提供され、接地リードGに接続された出力キャパシタンスCとともに、シャントLインダクタンスLs整合回路(例えば、ハイパスLs)を提供する。ゲート・ビア105vは、ゲート・パッド105pとIPD110icとの間に追加のインダクタンスを提供し、ドレイン・ビア105vは、ドレイン・パッド105pとドレイン・リード102dとの間に追加のインダクタンスを提供する。
【0079】
図5A及び
図5Bに示すように、ドレイン・リード102dは、導電性構造103と出力接地リードGとの間でパッケージ500から出ているため、本明細書に記載される実施例は、このトポロジをサポートするためのパッケージ・フットプリント500f及びPCB回路設計515i、515oを提供する。
図5Cは、
図5Aの実施例のパッケージ・フットプリント500fを示す平面図である。
図5Cに示すように、出力コンデンサ・ダイ106への接地接続は、ドレイン・リード102dを間に挟んで、ソース/熱リード102sと反対側の複数の(3つとして示される)より小さい接地リードGによって実装されている。出力接地リードGは、
図5Dに示すようなRF回路板などの外部回路板515内の、及び外部回路板515への対応する接地ビア515vと位置合わせすることができる。
【0080】
特に、
図5Dは、
図5Cのパッケージ・フットプリント500fを示し、外部回路板515の入力整合回路板515i及び出力整合回路板515oへの接続をさらに示す透明パッケージ500に関する上面図である。入力及び出力整合回路板515i、515oは、一部の実施例では、追加の能動及び/又は受動電気構成要素を含んでもよい。接地リードGは、制約を製造するのに十分な大きさ(例えば、フットプリント500fに対する表面積の観点から)であってもよいが、出力整合回路板515oの性能を実質的に劣化させない程度に十分小さくてもよい。
【0081】
図6A及び
図6Bは、それぞれ、本開示の一部の実施例による、インピーダンス整合及び集積相互接続を提供するIPD110、410の例を示す平面図及び斜視図である。
図6A及び
図6Bの例では、トランジスタの適切な事前整合に必要なシャントLインダクタンスの正確な値は、コイル・インダクタLsを使用して実装されている。コイル・インダクタLsの形状、幅、及び全体的な設計を最適化することで損失を低減することができる。コイル・インダクタLsの一端は、バンプ又はコンタクト・パッド110pl上で終わり、このバンプ又はコンタクト・パッドには、事前整合のためのコンデンサ(例えば、104)又はビデオ帯域幅を改善するための高密度コンデンサ(例えば、106)に取り付けるための導電性バンプ(例えば、111)を予め取り付けることができる。直列インダクタを実装するために使用される直列接続ストリップLの幅は、トランジスタ・ダイからドレイン・リードへの所望のインピーダンス変換を行うように構成することができる。直列接続ストリップLは、バンプ又はコンタクト・パッド110p間に延在してもよく、基板伝送線路整合ネットワークの延長として扱うことができ、各直列接続ストリップLの幅は、所望の特性インピーダンスを提供するように構成することができる。より一般的には、本明細書に記載される受動デバイスのいずれも、コンタクト・パッド105p間に結合された直列接続ストリップLを含み、又は直列接続ストリップLを使用して実装されて、1つ若しくは複数の能動ダイ105のコンタクト・パッド110p間の、及び/又は能動ダイ105のコンタクト・パッド105pとパッケージ・リード102との間の電気的接続を、コンタクト・パッド105pとパッケージ・リード102との間のインピーダンス変換に加えて、提供することができる。同様に、本明細書に記載される受動デバイスのいずれも、コンデンサ(例えば、コンタクト・パッド110plによって、内部に集積されたコンデンサ又は外部コンデンサ)に接続するように構成されたコイル・インダクタLsを含むことができ、又はコイル・インダクタLsを使用して実装されてもよい。
【0082】
図8及び
図9は、本開示のさらなる実施例による積層トポロジ及び導電性貫通ビア接続構造を含む熱強化集積回路デバイス・パッケージの例を示す断面図である。
図8及び
図9の特徴サイズは、説明を容易にするために誇張されている。
図8及び
図9に示すように、RFパワー・デバイス・パッケージ1100、1200は、
図3Aのパッケージ100a、100b、及び100cと同様の構成要素104、105、106、110及び接続を含むが、導電性ベース又はフランジ1101、1201上に取り付けられ、プラスチック・オーバ・モールド113ではなく、熱強化パッケージの蓋部材1113、1213によって保護されている。特に、
図8は、本開示の実施例による熱強化パッケージの第1の実施態様(TEPACパッケージ1100と呼ばれる)を示し、
図9は、本開示の実施例による熱強化パッケージの第2の実施態様(T3PACパッケージ1200と呼ばれる)を示す。
【0083】
図8のTEPACパッケージ1100は、ベース1101と、蓋部材1113及び側壁部材1104を含み得る上部ハウジングと、を含むセラミック・ベースのパッケージであってもよい。蓋部材1113及び/又は側壁1104は、セラミック材料(例えば、アルミナ)を含むことができ、導電性ベース又はフランジ1101上の構成要素104、105、106、110を取り囲む開放キャビティを画定することができる。導電性ベース又はフランジ1101は、構成要素104、105、106、110のための取付け面1101sと、パッケージ1100の外部の構成要素によって生成された熱を放散又はその他の方法で伝達するための熱伝導性(例えば、ヒートシンク)との両方を提供する。
【0084】
図9のT3PACパッケージ1200も、ベース1201と、蓋部材1213及び側壁部材1204を有する上部ハウジングと、を含むセラミック・ベースのパッケージであってもよい。蓋部材1213及び側壁1204は、同様に、導電性ベース又はフランジ1201上の構成要素104、105、106、110を取り囲む開放キャビティを画定し、導電性ベース又はフランジ1201は、同様に、取付け面1201sと、パッケージ1200の外側に熱を放散又はその他の方法で伝達するための熱伝導性(例えば、ヒートシンク)との両方を提供する。パッケージ1200において、蓋部材1213は、セラミック材料(例えば、アルミナ)であってもよく、側壁部材1204は、プリント回路板(PCB)として示されている。
【0085】
図8及び
図9において、フランジ1101、1201は、導電性材料、例えば、銅層/積層体、又はその合金若しくは金属マトリックス複合体であってもよい。一部の実施例では、フランジ1101は、銅-モリブデン(CuMo)層、CPC(Cu/MoCu/Cu)、若しくは銅-タングステンCuWなどの他の銅合金、及び/又は他の積層/多層構造を含むことができる。
図8の例では、フランジ1101は、側壁1104及び/又は蓋部材1113が取り付けられたCPCベースの構造として示されている。
図9の例では、フランジ1201は、側壁1204及び/又は蓋部材1213が、例えば導電性接着剤1208によって取り付けられた銅-モリブデン(RCM60)ベースの構造として示されている。能動ダイ105の底部ゲート・コンタクト・パッド及びドレイン・コンタクト・パッド105pが導電性フランジ1101、1201に短絡するのを回避するために、誘電体又は他の絶縁材料層101がフランジ1101、1201上に堆積又はその他の方法で設けられ、(入力及び出力高調波終端のための追加のインダクタンス及び/又はシャント・キャパシタンスを提供するようにそれぞれ構成された)導電性トレース101lci及び101lcoが層101上に堆積又はその他の方法で設けられている。
【0086】
図8及び
図9では、能動ダイ105、受動デバイス(例えば、コンデンサ・チップ104及び106)、並びに集積相互接続(一括して110)は、それぞれの導電性ダイ取付け材料層107によってフランジ1101、1201の取付け面1101s、1201sに取り付けられている。フランジ1101、1201は、パッケージ1100、1200のソース・リード102sも提供する。ゲート・リード102g及びドレイン・リード102dは、フランジ1101、1201に取り付けられた、それぞれの側壁部材1104、1204によって支持されたそれぞれの導電性配線構造1114、1214によって提供されている。
【0087】
側壁部材1104、1204の厚さは、結果として、構成要素104、105、106、110とパッケージ・リード102g、102dとの間に、取付け面1101s、1201sに対する高さの差をもたらすことがある。例えば、能動ダイ105とその上の集積相互接続110i、110oとを合わせた高さは、取付け面1101sに対して約100μmである場合があるが、ゲート・リード102g及びドレイン・リード102dは、取付け面1101sから約635μmの距離だけ離間している場合がある。したがって、
図8及び
図9の例では、パッケージ・リード102g、102dを取付け面1101s、1201s上の受動RF構成要素104、106のコンタクト・パッド104p、106pに接続するために、それぞれのワイヤ・ボンド14が使用されている。そのため、リード102g上のRF信号入力は、ワイヤ・ボンド14を介して入力整合回路110i、104に、そしてRFトランジスタ増幅器ダイ105のゲート端子105pに渡されてもよく、増幅された出力RF信号は、RFトランジスタ増幅器ダイ105のドレイン端子105pから出力整合回路110o、106に、そしてそこからボンド・ワイヤ14に渡されて、リード102dを介して出力されてもよい。しかしながら、ワイヤ・ボンド14は、他の実施例では省略されてもよく、異なる電気的接続が使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0088】
本開示の実施例による積層トポロジ構造を含む集積回路デバイス・パッケージは、積層相互接続構造が、一部の従来の設計と比較して、より薄い又は高さを低くしたパッケージを可能にし得るという点で、さらなる利点を提供することができる。(例えば、
図1~
図5に示すような)オーバモールド・パッケージの実施例では、パッケージの底部におけるパッケージ・リードの配線は、パッケージングの柔軟性も可能にする場合がある。例えば、回路板/PCB上のトレースのレイアウトを、修正されたパッケージ・フットプリントに基づいて修正することによってパッケージ・リードの高さ及び/又は間隔の変更に対処することができる。(例えば、
図8~
図9に示すような)熱強化パッケージの実施例は、同様の利点を提供し得るが、標準化された寸法に対してパッケージ寸法(例えば、フランジ高さ及び/又はパッケージ・リード間隔)の変更が必要となる場合がある。
【0089】
したがって、本開示の実施例では、構成要素間(例えば、1つ又は複数の能動トランジスタ・ダイのコンタクト・パッド間、並びに/或いは能動トランジスタ・ダイのコンタクト・パッドとパッケージのゲート・リード及び/又はドレイン・リードとの間などの、回路レベルの構成要素間)の電気的接続は、ワイヤ・ボンドによってではなく、構成要素間に物理的に延在する1つ又は複数の集積相互接続構造(例えば、導電性配線構造及び/又はIPDなどの受動デバイス)によって実装される。すなわち、集積相互接続は、相互接続とインピーダンス整合/高調波終端機能の両方を提供することができ、その結果、パッケージ内のワイヤ・ボンドの使用を低減又は排除することができる。
【0090】
本明細書に記載されるように、本開示の一部の実施例は、トランジスタ及びコンデンサの上に「フリップされた」IPDを使用する。IPDをパッケージの接地面(例えば、能動ダイのための取付け面も規定することができる導電性構造によって提供される)よりも必要以上に高くすることで、Qが高くなり、事前整合の損失が低くなる。フリップされたIPDの下の空間の大部分は、典型的には出力に使用される高密度コンデンサなどのコンデンサに使用することができる。利用可能な空間においてより大きな値のコンデンサを使用することができるため、デバイスのビデオ帯域幅を改善することができる。RF信号をIPDからRDL及びゲート・リード/ドレイン・リードに接続して戻すために、銅シム又はTSVを有するIPDを使用することができる。IPDは、基本波周波数の事前整合並びに高調波周波数の最適な終端の両方のために構成することができる。
【0091】
加えて、本明細書に記載されるトランジスタ・ダイは、能動トランジスタ・ダイの複数の側面又は表面に追加の信号配線経路を提供する導電性貫通ビア構造を含むことができる。本発明の特定の実施例によると、トランジスタ・ダイの同じ側、例えば、パッケージ基板の取付け面に隣接するダイの底面に位置するゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト、及び/又はソース・コンタクトを有するトランジスタ・ダイを含むIII族窒化物ベースのRF増幅器が提供される。トランジスタ・ダイは、トランジスタ・ダイの頂部側にあるゲート・バス及び/又はドレイン・バスを、トランジスタ・ダイの裏側にあるそれぞれのゲート・コンタクト及びドレイン・コンタクトに接続するために使用される1つ又は複数のゲート・ビア及び1つ又は複数のドレイン・ビアを含むことができる。導電性ビアの長さは、従来のボンド・ワイヤの長さのほんの数分の一(例えば、10~30%)であってもよく、したがって、ゲート・バス及びドレイン・バスとキャリア基板との間の接続のインダクタンスを大幅に低減することができる。
【0092】
図7A、
図7B、及び
図7Cは、本開示の一部の実施例による、対向する表面上のボンド・パッド間に導電性貫通ビア接続を含むIII族窒化物ベースのトランジスタ・ダイ705a、705b、及び705c(一括して705)の例を示す断面図である。トランジスタ・ダイ705は、本明細書に記載されるトランジスタ・ダイ105及び/又は405を表すことができる。
【0093】
ここで
図7A~
図7Cを参照すると、III族窒化物ベースのトランジスタ・ダイ705は、半導体層構造230を含む。複数の単位セル・トランジスタが半導体層構造230の上部に設けられ、ソース・コンタクト226が、キャリア基板、例えば、パッケージ基板101の取付け面101sに取り付けられるように構成された下面又は底面214上に設けられている。
【0094】
図7A~
図7Cの例では、トランジスタ・ダイ705は、上側又は頂面212及び下側又は底面214を有するIII族窒化物ベースのHEMT RFトランジスタ増幅器ダイである。RF増幅器ダイ705は、順次積層された底部側メタライゼーション構造220a、220b、220c(一括して220)、半導体層構造230、及び頂部側メタライゼーション構造240a、240b、240c(一括して240)を含む。半導体層構造230は、半導体又は絶縁基板232(SiC又はサファイア基板など)上に形成された少なくともチャネル層234及びバリア層236を含むことができる。基板232は、成長基板であってもよく、非半導体材料で形成されている場合であっても、半導体層構造230の一部と考えることができる。バリア層236とチャネル層234のバンドギャップの差と、それらの間の界面での圧電効果とに起因して、チャネル層234とバリア層236との接合部において、チャネル層234に2次元電子ガス(2DEG)が誘起される。
【0095】
図7A~
図7Cに示すように、頂部側メタライゼーション構造240は、ダイ705の頂面212上に、頂部ゲート・コンタクト又はボンド・パッド242と、頂部ドレイン・コンタクト又はボンド・パッド244とを含む。底部側メタライゼーション構造220は、ソース・コンタクト226と、1つ若しくは複数の追加のコンタクト222及び/又は224とを含むことができる。これらのコンタクト242、244、222、224、226のそれぞれは、例えば、露出した銅パッドを含むことができる。特に、
図7Aでは、底部側メタライゼーション構造220aは、底面214上に、底部ゲート・コンタクト222と、底部ドレイン・コンタクト224と、それらの間の底部ソース・コンタクト226とを含む。
図7Bでは、底部側メタライゼーション構造220bは、底面214上に底部ゲート・コンタクト222と、底部ソース・コンタクト226とを含む。
図7Cでは、底部側メタライゼーション構造220cは、底面214上に底部ドレイン・コンタクト224と、底部ソース・コンタクト226とを含む。すなわち、一部の実施例では(
図7Aに示すように)、ゲート・コンタクト222及びドレイン・コンタクト224の両方が、ソース・コンタクト226を間に挟んでダイの底面214上に設けられてもよく、他の実施例では(
図7B及び
図7Cに示すように)、ゲート・コンタクト222又はドレイン・コンタクト224の一方のみが、ソース・コンタクト226に隣接してダイ705の底面上に設けられる。
【0096】
複数の導電性ビア262、264、266(例えば、金属めっき又は金属充填ビア)が、頂部メタライゼーション構造240から半導体層構造230の部分を貫いて延在して、底部メタライゼーション220への電気的接続を提供する。例えば、ダイ705の底面214上のソース・コンタクト226は、1つ又は複数のソース・ビア266によってソース・コンタクト256に電気的に接続されてもよい。ダイ705は、頂部ゲート・コンタクト242及び頂部ドレイン・コンタクト244のうちの1つ又は複数と、それぞれの底部ゲート・コンタクト222及び底部ドレイン・コンタクト224との間に延在する導電性ビア262及び導電性ビア264をさらに含むことができる。特に、
図7A及び
図7Bでは、頂部ゲート・コンタクト242は、1つ又は複数の導電性ゲート・ビア262によって底部ゲート・コンタクト222に物理的且つ電気的に接続されてもよい。
図7A及び
図7Cでは、頂部ドレイン・コンタクト244は、1つ又は複数の導電性ドレイン・ビア264によって底部ドレイン・コンタクト224に物理的且つ電気的に接続されてもよい。
【0097】
導電性ビア262、264、266は、
図7A~
図7Cでは同じ断面図で見えるように示されているが、一部の実施例では、ビア262、264、266のうちの1つ又は複数は、互いにオフセットされていてもよい。例えば、
図7Dの図における線A-A’に沿ってより容易に見られるように、3つの図示されたソース・ビア266は、同じ軸に沿って整列してもよいが、ゲート・ビア262及び/又はドレイン・ビア264は、3つのソース・ビア266が整列する軸に対してオフセットされていてもよい。導電性ゲート・ビア262及び導電性ドレイン・ビア264を導電性ソース・ビア266からオフセットさせることで、導電性ビア262、264、266間の距離を増加させることができ、これにより、機械的脆弱性に起因するダイ705の亀裂の可能性を低減することができる。この配置はまた、普通ならば利得損失及び/又は不安定性をもたらすことがある、様々なビア262、264、266間で生じる可能性がある寄生ゲート-ソース間結合及び/又は寄生ソース-ドレイン間結合を低減する。導電性ビア262、264、及び/又は266は、一部の実施例では、熱サイクルにおいて生じることがあるストレスを低減するために、金属めっきされていてもよい(例えば、金属充填中心ではなく、空気充填中心で)。
【0098】
一部の実施例では、頂部側メタライゼーション構造240は、半導体層構造230の上面上の1つ又は複数のそれぞれのバスによって接続されてもよい複数のゲート、ドレイン、及び/又はソース「フィンガ」を含むことができる。
図7Dは、線D-D’に沿って、
図7Aのダイ705aの頂部側メタライゼーション構造240の一部を通って取られた断面図である。ゲート・フィンガ252、ドレイン・フィンガ254、及びソース・フィンガ257(及び接続バス)は、ダイ705aのゲート接続電極、ドレイン接続電極、及びソース接続電極の一部をそれぞれ規定することができる。ゲート・フィンガ252は、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、W及び/又はWSiNなどのIII族窒化物ベースの半導体材料にショットキー・コンタクトを行うことができる材料から形成されてもよい。ドレイン・フィンガ254及び/又はソース・フィンガ257は、III族窒化物ベースの材料にオーミック・コンタクトを行うことができるTiAlNなどの金属を含むことができる。ゲート・フィンガ252は、ゲート・バス243によって互いに電気的に接続され、1つ又は複数の導電性ゲート・ビア262によって底部ゲート・コンタクト222に電気的に接続されてもよく、ドレイン・フィンガ254は、ドレイン・バス245によって互いに電気的に接続され、1つ又は複数の導電性ドレイン・ビア264によって底部ドレイン・コンタクト224に電気的に接続されてもよい。ゲート接続構造、ドレイン接続構造、及びソース接続構造を互いに分離するのを助ける1つ又は複数の誘電体層は、各要素をより良く示すために図示されていない。
【0099】
図7Dには、単位セル・トランジスタ216のうちの1つも示されている。図示するように、単位セル・トランジスタ216は、半導体層構造230の下にある部分とともに、ゲート・フィンガ252、ドレイン・フィンガ254、及びソース・フィンガ257を含む。ゲート・フィンガ252は、共通のゲート・バス243に電気的に接続され、ドレイン・フィンガ254は、共通のドレイン・バス245に電気的に接続され、ソース・フィンガ257は、導電性ソース・ビア266及びソース・パッド226/256を介して互いに電気的に接続されているため、単位セル・トランジスタ216はすべて、互いに並列に電気的に接続されていることがわかる。
【0100】
本開示の実施例は、基板又は積層体(例えば、再配線層(RDL)積層体)上に構築することができ、最新の高度化されたウエハ・レベル・パッケージング技術を使用してバッチで組み立てることができる。複数の部品を一度に構築することができ、組立時間、コスト、及び歩留まりの問題を低減することができる。加えて、ワイヤ・ボンディング・プロセスを低減又は排除することができ、時間及びコストを節約することができる。(典型的な中空又は部分的に充填されたビアは、高電力RF用途では十分効果的に熱を除去しないため)例えば、効果的に熱を除去するために高密度の銅が充填されたアレイ又は埋め込まれた銅スラグを使用して、トランジスタ・ダイによって生成された熱を効果的に除去し、パッケージの外側のヒートシンクに伝導することができる。本開示の実施例は、様々なセルラ・インフラストラクチャ(CIFR:cellular infrastructure)RF電力製品(5W、10W、20W、40W、60W、80W及び異なる周波数帯を含むが、これらに限定されない)、例えば、5G及び基地局用途に使用することができる。本開示の実施例は、レーダ及びモノリシック・マイクロ波集積回路(MMIC)タイプの用途に適用することもできる。
【0101】
本明細書では、例示的な実施例が示される添付の図面を参照して様々な実施例を説明してきた。しかしながら、これらの実施例は、異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施例に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が完璧且つ完全であり、当業者に発明概念を十分に伝えるように提供されている。本明細書に記載される例示的な実施例並びに包括的な原理及び特徴に対する様々な修正は、容易に明らかになるであろう。図面において、層並びに領域のサイズ及び相対的なサイズは、縮尺通りに示されておらず、場合によっては、明確にするために誇張されていることがある。
【0102】
「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では様々な要素を説明するために使用されることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連付けられ列挙された項目の1つ又は複数の任意の及びすべての組合せを含む。
【0103】
本明細書で使用される術語は、特定の実施例のみを説明するためのものであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈がそうでないと明白に示さない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在若しくは追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0104】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されるであろう。
【0105】
層、領域、又は基板などの要素が別の要素の「上に」ある、別の要素に「取り付けられている」、又は別の要素の「上に」延在していると言及される場合、それは他の要素の直接上にあってもよく、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、又は「直接取り付けられている」、又は「直接上に」延在していると言及される場合、介在要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続されている」又は「結合されている」と言及される場合、それは他の要素に直接接続若しくは結合されていてもよく、又は介在する要素が存在してもよいことも理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と言及される場合、介在する要素は存在しない。
【0106】
「下(below)」、「上(above)」、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「水平(horizontal)」、「横方向(lateral)」、「垂直(vertical)」などの相対的な用語は、本明細書では、1つの要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を図に示されるように記述するために使用されることがある。これらの用語は、図に示されている向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。
【0107】
本発明の実施例は、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明されている。図面における層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されていることがある。さらに、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状とは異なることが予想される。したがって、本発明の実施例は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状の逸脱を含むべきである。点線で示された要素は、図示された実施例では任意選択である場合がある。
【0108】
同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。したがって、同一又は類似の番号は、対応する図面で言及又は説明されていない場合であっても、他の図面を参照して説明することができる。また、参照番号で示されていない要素については、他の図面を参照して説明することができる。
【0109】
図面及び明細書において、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的としたものではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
複数のトランジスタ・セルを含む第1のダイであって、前記第1のダイの底面において前記基板に取り付けられ、前記底面の反対側の前記第1のダイの頂面に頂部ゲート・コンタクト又は頂部ドレイン・コンタクトを含み、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのそれぞれの導電性ビア構造によって前記第1のダイの前記底面上の少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、第1のダイと、
前記基板の反対側の前記第1のダイ上の集積相互接続構造であって、前記第1のダイの前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクト上の第1のコンタクト・パッド、並びにパッケージ・リード、第2のダイのコンタクト、インピーダンス整合回路、及び/又は高調波終端回路に接続された少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドを備える、集積相互接続構造と、
を備える、高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項2】
前記パッケージ・リードが第1のパッケージ・リードであり、前記第1のダイの前記底面上の前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが第2のパッケージ・リードに電気的に接続されている、請求項1に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項3】
前記集積相互接続構造が、前記第1のダイの前記トランジスタ・セルによって規定される回路のための前記インピーダンス整合回路の少なくとも一部を含む、請求項2に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項4】
前記第1のダイの前記トランジスタ・セルによって規定される前記回路のための前記高調波終端回路の少なくとも一部を規定する前記基板上の導電性配線であって、前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが前記導電性配線によって前記第2のパッケージ・リードに結合されている、導電性配線、
をさらに備える、請求項3に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項5】
前記集積相互接続構造の前記第1のコンタクト・パッドを上に有する前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記それぞれの導電性ビア構造によって前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、請求項4に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項6】
前記集積相互接続構造が1つ又は複数の受動電子構成要素を含む集積受動デバイス(IPD)である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項7】
前記第1のコンタクト・パッドが、前記第1のダイの前記頂面に面する前記IPDの表面上の、前記1つ又は複数の受動電子構成要素に電気的に接続されたボンド・パッドであり、前記ボンド・パッドが前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトとの間にある導電性バンプによって前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトに接続されている、請求項6に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項8】
前記第1のダイの前記トランジスタ・セルによって規定される前記回路が高周波(RF)増幅器回路の第1の段を備え、前記第2のダイが前記RF増幅器回路の第2の段を規定するトランジスタ・セルを備える、請求項6又は7に記載の集積回路デバイス・パッケージ。
【請求項9】
前記IPDが、その導電性要素間に絶縁材料を含み、その内部に組み込まれた少なくとも1つのコンデンサを規定する、請求項6から8までのいずれか一項に記載の集積回路デバイス・パッケージ。
【請求項10】
前記第2のダイが、前記インピーダンス整合回路の前記少なくとも一部を規定する1つ又は複数のコンデンサを備える、請求項1から9までのいずれか一項に記載の集積回路デバイス・パッケージ。
【請求項11】
前記第1のダイが、前記少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに隣接する、前記基板の前記底面上のソース・コンタクトにおいて前記基板に取り付けられている、請求項1から10までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが、底部ゲート・コンタクト及び底部ドレイン・コンタクトの両方を含み、前記ソース・コンタクトが、前記第1のダイの前記底面上の前記底部ゲート・コンタクトと前記底部ドレイン・コンタクトとの間にある、請求項1から11までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項13】
前記第1のダイが炭化ケイ素(SiC)上のIII族窒化物ベースの材料を含み、前記それぞれの導電性ビア構造が炭化ケイ素貫通(TSiC)ビアを含む、請求項1から12までのいずれか一項に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項14】
基板と、
複数のトランジスタ・セルを含む第1のダイであって、前記第1のダイの底面上のソース・コンタクトにおいて前記基板に取り付けられ、前記底面と反対側の前記第1のダイの頂面に頂部ゲート・コンタクト及び頂部ドレイン・コンタクトを含み、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトのうちの少なくとも1つが、それぞれの導電性ビア構造によって前記底面上のそれぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトに電気的に接続されている、第1のダイと、
を備え、
前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記第1のダイの前記頂面においてインピーダンス整合回路又は高調波終端回路のうちの一方に接続され、前記それぞれの底部ゲート・コンタクト又は底部ドレイン・コンタクトが、前記第1のダイの前記底面において前記インピーダンス整合回路又は高調波終端回路のうちのもう一方に接続されている、
高周波(RF)電力増幅器デバイス・パッケージ。
【請求項15】
前記基板の反対側の前記第1のダイ上に前記インピーダンス整合回路の少なくとも一部を備える集積相互接続構造であって、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクトが、前記集積相互接続構造によって前記基板及び/又は第1のパッケージ・リードに取り付けられた第2のダイに結合されている、集積相互接続構造、
をさらに備え、
前記集積相互接続構造が、
その表面上の、前記第1のダイの前記頂面に面する第1のコンタクト・パッドであって、前記頂部ゲート・コンタクト又は前記頂部ドレイン・コンタクト上にある、第1のコンタクト・パッドと、
その前記表面上の少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドであって、前記第2のダイのコンタクト上にあり、及び/又は前記パッケージ・リードのうちの1つとの間の導電性バンプによって前記パッケージ・リードのうちの1つに結合されている、少なくとも1つの第2のコンタクト・パッドと、
を備える、請求項14に記載のRF電力増幅器デバイス・パッケージ。
【国際調査報告】