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特表2023-520236レドックス硬化性組成物およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】レドックス硬化性組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20230509BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20230509BHJP
   C08F 4/40 20060101ALI20230509BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20230509BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20230509BHJP
   C09J 175/14 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
C08F290/06
C08F2/44 C
C08F4/40
C09J4/02
C09J11/06
C09J175/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560144
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2021057444
(87)【国際公開番号】W WO2021197931
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】2004823.7
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】スウィーニー、 ナイジェル
(72)【発明者】
【氏名】ロアン、 マーク
(72)【発明者】
【氏名】ニーフセイ、 ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、 ロリー
【テーマコード(参考)】
4J011
4J015
4J040
4J127
【Fターム(参考)】
4J011PA95
4J011PB40
4J011PC02
4J011PC08
4J015BA04
4J015BA05
4J015BA06
4J015BA14
4J015CA05
4J015CA06
4J015CA07
4J015CA15
4J015EA02
4J015EA04
4J040EF101
4J040EF222
4J040EF281
4J040EF282
4J040FA132
4J040FA291
4J040HB41
4J040HD17
4J040JB06
4J040KA14
4J040LA01
4J040PA05
4J040PA30
4J040PA33
4J040QA09
4J127AA03
4J127AA06
4J127BB031
4J127BB111
4J127BB221
4J127BC021
4J127BC131
4J127BD481
4J127BE241
4J127BE24Y
4J127BF141
4J127BF14X
4J127BF631
4J127BF63X
4J127CB122
4J127CB151
4J127CB283
4J127CC091
4J127CC152
4J127DA55
4J127EA05
4J127FA14
(57)【要約】
レドックス硬化性組成物、その製造方法およびその使用が開示される。レドックス硬化性組成物は、予め塗布された接着剤として有用である。レドックス硬化性組成物は、室温で固体であり、基材に塗布するために加熱することができ、冷却して基材上にドライタッチ接着剤層を形成することができ、必要に応じて別の基材と嵌合し、嫌気性環境にさらすことによって活性化することができる。この組成物は、携帯電話、コンピューター、回路などの複雑な製品の製造に特に適する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(メタ)アクリレートモノマー成分、
40,000g/mol~100,000g/molの範囲の分子量および40℃~80℃の範囲の融点を有する固体熱可塑性ポリウレタン樹脂、
5,000g/mol~35,000g/molの範囲の分子量および50℃~80℃の範囲の融点を有する固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂および
液体(メタ)アクリレートモノマー成分を硬化させる硬化成分を含むレドックス硬化性組成物。
【請求項2】
液体(メタ)アクリレートモノマーが、硬化性組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約60重量%の量で、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、約25重量%~約50重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
固体熱可塑性ポリウレタン樹脂が、硬化性組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約40重量%の量で、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約30重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
固体硬化性メタクリレート樹脂が、硬化性組成物の総重量に基づいて、約20重量%~約70重量%の量で、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、40重量%~約60重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
液体(メタ)アクリレートモノマー成分を硬化させる硬化成分が、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約10、例えば、約1~約5重量%、例えば、組成物の総重量に基づいて、約5重量%の量で存在し、および/または硬化成分が、過酸化物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
液体(メタ)アクリレートモノマー成分が、式:
C=CGCO
(式中、
Gは、水素、ハロゲンまたは1~4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、1~約16個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、アルカリールまたはアリール基から選択され、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンなどで任意に置換または中断されていてもよい)
を有するものから選択される1以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
硬化剤が、1-アセチル-2-フェニルヒドラジン、N,N-ジメチルパラトルイジン、N,N-ジエチルパラトルイジン、N,N-ジエタノールパラトルイジン、N,N-ジメチルオルトトルイジン、N,N-ジメチルメタトルイジン、インドリン、2-メチルインドリン、イソインドリン、インドール、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリンおよび1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-カルボン酸からなる群から選択される1以上を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
過酸化物などのフリーラジカル重合の開始剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
フリーラジカル重合の開始剤が、クメンヒドロペルオキシド(「CHP」)、パラメンタンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド(「TBH」)、t-過安息香酸ブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ジアセチル、4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)吉草酸ブチル、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、t-過安息香酸ブチル、過酸化ジ-t-ブチル、過酸化ジクミル、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-ペルオキシヘクス-3-イン、4-メチル-2,2-ジ-t-ブチルペルオキシペンタン、t-アミルヒドロペルオキシド、1,2,3,4-テトラメチルブチルヒドロペルオキシドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
フリーラジカル硬化促進成分が、カプセル化した過酸化物を含む、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
硬化促進剤をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
硬化促進剤が、フェロセン、適切にはn-ブチルフェロセンなどの1以上のメタロセンを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
レドックス硬化性組成物が、嫌気硬化性組成物である、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることにより形成した硬化組成物。
【請求項15】
硬化性組成物を嫌気性環境にさらすことによって硬化性組成物を硬化することで形成された、請求項14に記載の硬化組成物。
【請求項16】
硬化性組成物が、嫌気性環境に約1分~30分の範囲の時間さらされ、任意に硬化が、約40℃~約100℃の温度範囲で起こる、請求項15に記載の硬化組成物。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか1項に記載のレドックス硬化性組成物を基材の少なくとも1つに適用し、レドックス硬化性組成物の硬化が起こるのに十分な時間、基材を嵌合し、嵌合したアセンブリを形成することを含む、2つの基材を一緒に結合する方法。
【請求項18】
レドックス硬化性組成物の硬化が、硬化性組成物を加熱すること、および/または硬化性組成物を圧力にさらすことによって開始される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ヒートプレスを使用して基材を嵌合する、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
ヒートプレスが、少なくとも2バールの圧力、好適には少なくとも4バールの圧力を嵌合アセンブリに加える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
熱および/または圧力が、30秒以上、例えば1分以上、例えば5分以上、または20分以上の期間、嵌合アセンブリに加えられる、請求項17~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
熱および/または圧力が、1分間~20分間、嵌合アセンブリに加えられる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
一方または両方の基材が、レドックス硬化性組成物の適用前にプライマーで下塗りされる、請求項17~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
プライマーが、チオ尿素および/またはチオウレタンを含み、例えば、プライマーが、ベンゾイルシクロヘキシルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、ジメチルジエチルチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、チオウレタン、ベンゾイルオクチルチオ尿素、およびベンゾイルモルホリノチオ尿素の1以上を含んでもよい、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば非可動性で実質的に非粘着性のコーティングの形態で物品に予め塗布することができる硬化性組成物に関する。このように、物品は便利に取り扱い、梱包し、輸送し、長期間保管することができ、その後、選択された時間にコーティングを硬化させることができる。特に興味深いのは、嫌気的に硬化する硬化性組成物である。非可動性で実質的に非粘着性のコーティングの形態で物品に事前に適用でき、その後嫌気的に硬化できる組成物が興味深い。このような組成物の最終用途の1つは、携帯電話および/またはハンドヘルド装置の構成部品の接着である。
【背景技術】
【0002】
嫌気硬化性組成物は一般によく知られている。R.D.Rich、接着技術ハンドブックの「嫌気性接着剤」、29、467-79、A.PizziおよびK.L.Mittal編集,Marcel Dekker,Inc.,New York(1994)、およびそこに引用されている参考文献を参照。それらの用途は数多く、新しいアプリケーションが開発され続けている。
【0003】
嫌気性接着剤システムは、酸素の存在下では安定であるが、酸素の不在下では重合するシステムである。重合は、多くの場合ペルオキシ化合物から生成されるフリーラジカルの存在によって開始される。嫌気性接着剤組成物は、酸素の存在下で液体の非重合状態を保ち、酸素を排除すると硬化して固体状態に硬化する能力でよく知られている。
【0004】
多くの場合、嫌気性接着剤系は、メタクリレート、エチルアクリレート、およびクロロアクリレートエステルなどの重合可能なアクリレートエステルを末端に有する樹脂モノマーを含む[例えば、ポリエチレングリコールジメタクリレートおよびウレタン-アクリレート(例えば、米国特許第3,425,988号(Gorman))は、既知のウレタン化学に従って誘導される。嫌気硬化性接着剤組成物中に典型的に存在する他の成分には、例えばクメンヒドロペルオキシド、第三ブチルヒドロペルオキシドなどの有機ヒドロペルオキシドなどの開始剤、組成物の硬化速度を高めるための促進剤、およびキノンまたはヒドロキノンなどの安定剤が含まれ、ペルオキシ化合物の分解による接着剤の早期重合を防ぐために含まれる。
【0005】
嫌気性硬化を誘導および速める望ましい硬化誘導組成物は、マレイン酸と共に、サッカリン、N,N-ジエチル-p-トルイジン(「DE-p-T」)およびN,N-ジメチル-o-トルイジン(「DM-o-T」)などのトルイジンおよびアセチルフェニルヒドラジン(「APH」)のうちの1つ以上を含み得る。米国特許番号第3,218,305号(Krieble)、第4,180,640号(Melody)、4,287,330号(Rich)、および第4,321,349号(Rich)などを参照。
【0006】
サッカリンとAPHは、嫌気性接着剤硬化システムの標準的な硬化促進剤成分として使用される。実際、Henkel Corporationから現在入手可能なLOCTITE(登録商標)ブランドの嫌気性接着剤製品の多くは、サッカリンのみ、またはサッカリンとAPHの両方を使用している。
【0007】
嫌気硬化性接着剤組成物はまた、通常、金属イオンを封鎖するために使用されるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤を含む。
【0008】
嫌気硬化性成分を含む嫌気硬化性組成物の調製は、典型的には、液体キャリア成分を含む。したがって、組成物は、典型的には液体の形態であり、例えばアプリケータによって分配され得る。使用に際して、嫌気硬化性成分は、適切なアプリケータによって適用され、表面上に層またはコーティングを形成する。多くの場合、嫌気硬化性組成物は、ガスケットを形成するためのビーズ、例えば連続ビーズとして適用される。
【0009】
嫌気硬化性材料は、硬化に適した嫌気性条件にさらされるまで、塗布後も湿ったままであることが多い。例えば、嫌気硬化性組成物は液状モノマーを含む場合が多い。
【0010】
嫌気性硬化性組成物は、例えば蒸発によって(乾燥させるか、または一定期間乾燥させることによって)いくらか乾燥するかもしれないが、材料は湿った粘着性のままであることが多い。これは、材料が適用された物品に接触するあらゆるものの潜在的な汚染、および適用された材料の望ましくない除去につながる。後者の問題は、所望の結合またはシールを形成するのに不十分な量が残る可能性があるため、嫌気硬化性組成物によって後に形成される結合またはシールの完全性を損なう可能性がある。
【0011】
もちろん、液体キャリア材料自体が液体モノマーである場合、嫌気的に硬化するまで液体状のままである。したがって、これらの組成物は、嫌気性条件への暴露を待って基材に塗布することができるとしても、硬化するまで濡れたままであるか、または少なくとも粘着性のままである。
【0012】
過去において、流動性を低下させるために増粘剤などの追加成分が材料に添加されてきたが、他の成分は液体であるため、組成物全体は幾分流動性および/または粘着性を維持する。
【0013】
水平面の上部以外に液体組成物を分配すると、液だれや滴りが発生する。非流動性または少なくともより粘性のある接着剤を形成するために、液体嫌気硬化性組成物に物質を組み込む多くの試みがなされてきた。これは、スレッドロッカーの関連でも重要である。例えば、米国特許第6,451,927号参照。
【0014】
米国特許出願公開第2004/0228998号は、硬化性フィルムプリフォーム組成物に関する。得られるプリフォームが1平方インチ当たり1ポンドを超える引張強度を有するように、ポリマー粉末が混合された硬化性液体前駆体を含む硬化性プリフォームがそこに記載されている。例示的なプリフォームフィルムは、ポリエチレングリコールジメタクリレート嫌気性接着剤を、約61ミクロンの平均粒子サイズ、90℃のガラス転移温度、および325立方センチメートル/グラムの粘度を有するポリメチルメタクリレートと組み合わせることによって形成される。混合し、82℃に10分間加熱し、続いて20℃に冷却すると、伸縮性があり、わずかに粘着性のプリフォームが得られる注入可能な混合物が得られる。硬化性プリフォームは、フィルムとして形成し、所望の形状に切断することができる。組成物は粘着性があるので、事前に適用された用途での使用には適していない。部品に前もって塗布することができ、汚染や接着剤の早期硬化のリスクなしに部品をその後出荷することができ、所望のときに予め適用されたドライタッチ接着剤を有する部品をその後、別の部品に結合するドライタッチ接着剤組成物を有することが望ましい。
【0015】
米国特許出願公開第2007/0021533号は、構造用接着剤として使用するためのカプセル化された硬化性接着剤組成物に関する。接着剤組成物は、モノマーを封入するマイクロカプセルの第1集団と、開始剤を含む第1パート硬化剤とを含む。組成物は、第2パート硬化剤をさらに含む。第2パート硬化剤は、活性化剤および触媒を含む。少なくとも第2パート硬化剤の活性化剤は、マイクロカプセルの第2集団にカプセル化されることが好ましい。モノマーおよび第1パート硬化剤と第2パート硬化剤との反応接触は、マイクロカプセルの破壊を通じてそれぞれのカプセル内容物を反応接触に浸出させることによって行われる。この組成物は、ドライタッチ接着剤を形成するのに適している。しかしながら、組成物は、多種多様な基材の高性能結合には適していない。
【0016】
米国特許第9,305,892号は、(a)ビニル基、マレイミド基、アクリロイル基、メタクリロイル基およびアリル基からなる群から選択される1以上の官能基を有するラジカル重合性モノマー、(b)極性基を有するポリマー、(c)充填剤、および(d)熱ラジカル開始剤を含む、予め塗布されたアンダーフィルシーラント用の接着剤組成物に関する。接着剤組成物は、液体状またはフィルム状であることができる。フィルム状である場合、接着剤組成物を支持テープに積層することができ、その後、接着剤組成物はBステージ化される。Bステージングとは、組成物に含まれるそれぞれの成分が反応(硬化)を積極的に開始しない程度まで接着剤組成物を加熱することを指すが、溶媒を揮発させることによって、接着剤組成物が乾燥、すなわち非粘着性になる。他の場合では、非粘着性状態への接着剤のBステージングは、部分的な硬化またはセットアップによって達成される。
【0017】
複数の構成部品を含む複雑な製品の製造、例えば携帯電話、テレビ、コンピューターなどの製造において、とりわけ電子回路、チップボード、実装基板、およびディスプレイを構成する場合、しばしば構成部品の製造は最終製品の組み立てが行われる場所とは異なる別の場所で行われる。ドライタッチ接着剤を使用すると、部品への硬化性接着剤の事前塗布が有利に促進され、その後、接着剤の汚染を心配することなく部品を別の場所に出荷することができる。これは、粘着硬化性接着剤を使用して容易に達成することはできない。このように、未硬化のドライタッチ状態で安定性を維持し、その後必要なときに活性化できる硬化性接着剤組成物を提供することが非常に望ましい。さらに、例えば、金属対金属結合、金属対プラスチック結合、ガラス対ガラス結合、ガラス対金属結合、ガラス対プラスチック結合、および/またはプラスチック対プラスチック結合など、複数の基板タイプの結合を容易にするような接着剤を提供することも非常に有利である。さらに、高性能結合に適した組成物を提供することが特に望ましい。これらおよび他の要望は、本明細書に開示される組成物によって提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
一態様において、本発明は、
液体(メタ)アクリレートモノマー成分、
40,000g/mol~100,000g/molの範囲の分子量および40℃~80℃の範囲の融点を有する固体熱可塑性ポリウレタン樹脂、
5,000g/mol~35,000g/molの範囲の分子量および50℃~80℃の範囲の融点を有する固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂および
液体(メタ)アクリレートモノマー成分を硬化させる硬化成分を含むレドックス硬化性組成物を提供する。
【0019】
有利なことに、本発明の組成物は、溶融状態で基材に塗布され、固化することができ、例えば、基材上にドライタッチフィルムを形成することができる。有利なことに、硬化性組成物は、溶融状態から基材に塗布されると、室温で約5分以内に非流動性になり固化する。アセンブリは、本発明の組成物が塗布された基材を別の基材と嵌合することによって形成することができ、必要に応じて熱を加えて接着剤を溶かし、レドックス硬化を開始することによって硬化を開始することができる。組成物は嫌気条件下で硬化することができ、すなわち、レドックス硬化性組成物は、嫌気性硬化性組成物であることができる。嫌気性組成物の硬化は、組成物を嫌気性環境にさらすことによって行うことができる。
【0020】
固体熱可塑性ポリウレタン樹脂は、40,000g/mol~100,000g/molの範囲の分子量および40℃~80℃の範囲の融点を有する。分子量が約40,000g/mol未満である場合、硬化した組成物は脆くなる傾向がある。分子量範囲が、約100,000g/molより大きい場合、組成物は粘着性になる傾向があり、ドライタッチを達成することは困難である。
【0021】
固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、5,000g/mol~35,000g/molの範囲の分子量および50℃~80℃の範囲の融点を有する。この温度範囲は、レドックス硬化成分、特に過酸化物を含む成分に最適である。
【0022】
液体(メタ)アクリレートモノマーは、硬化性組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約60重量%の量で、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、約15重量%~約55重量%の量で、好適には、硬化性組成物の総重量に基づいて、約25重量%~約50重量%の量で存在する。
【0023】
固体熱可塑性ポリウレタン樹脂は、硬化性組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約40重量%の量で、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、約7.5重量%~約30重量%の量で、硬化性組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約20重量%の量で、好適には、硬化性組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約18重量%の量で、存在する。本明細書で特定される固体熱可塑性ポリウレタン樹脂が約5重量%未満の組成物は、もろくなる傾向があり、構造結合および固体形成特性が不十分であることが観察される。固体熱可塑性ポリウレタン樹脂が、約40重量%を超える組成物は、硬化したときの接着特性があまり効果的でない傾向がある。本発明のレドックス硬化性組成物は、固体熱可塑性ポリウレタン樹脂の量が、約10重量%~約20重量%の量で組成物中に存在する場合、未硬化状態で最適なドライタッチ特性を達成する。
【0024】
固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、硬化性組成物の総重量に基づいて、約20重量%~約70重量%の量で、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、約30重量%~約65重量%の量で、好適には、硬化性組成物の総重量に基づいて、約40重量%~約60重量%の量で存在する。約20重量%未満の固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む組成物は、より液体になる傾向があり、ドライタッチレドックス硬化性組成物を形成することはより困難である。約70重量%を超える固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む組成物は、接着特性があまり有効でない傾向がある。レドックス硬化性組成物が約30重量%~約65重量%の量で固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む場合、最適な乾燥時間および接着性能が達成される。
【0025】
液体(メタ)アクリレートモノマー成分を硬化させる硬化成分が、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約10%、例えば、約1~約5重量%、例えば、約5重量%の量で存在し、および/または硬化成分が、過酸化物を含む。
【0026】
液体(メタ)アクリレートモノマー成分が、式:
C=CGCO
を有するものから選択される1以上であってもよい。
式中、
Gは、水素、ハロゲンまたは1~4個の炭素原子を有するアルキル基であってもよく、Rは、1~約16個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、アルカリールまたはアリール基から選択され、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンなどで任意に置換または中断されていてもよい。
【0027】
硬化剤は、1-アセチル-2-フェニルヒドラジン、N,N-ジメチルパラトルイジン、N,N-ジエチルパラトルイジン、N,N-ジエタノールパラトルイジン、N,N-ジメチルオルトトルイジン、N,N-ジメチルメタトルイジン、インドリン、2-メチルインドリン、イソインドリン、インドール、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン、2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、および1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-カルボン酸からなる群から選択される1つ以上を含んでもよい。
【0028】
本発明の組成物は、過酸化物などのフリーラジカル重合の開始剤をさらに含んでもよい。
【0029】
フリーラジカル重合の開始剤は、クメンヒドロペルオキシド(「CHP」)、パラメンタンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド(「TBH」)、t-過安息香酸ブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ジアセチル、4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)吉草酸ブチル、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、t-過安息香酸ブチル、過酸化ジ-t-ブチル、過酸化ジクミル、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-ペルオキシヘクス-3-イン、4-メチル-2,2-ジ-t-ブチルペルオキシペンタン、t-アミルヒドロペルオキシド、1,2,3,4-テトラメチルブチルヒドロペルオキシドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上であってもよい。
【0030】
フリーラジカル硬化促進成分は、カプセル化された過酸化物を含んでもよい。
【0031】
本発明の組成物は、硬化促進剤をさらに含むことができる。有利なことに、硬化促進剤の存在は、プラスチック基材などの「非活性」または「受動」基材上での本発明の組成物の硬化を促進する。有利なことに、硬化促進剤の存在は、プラスチック基材などの「非活性」または「受動」基材上での本発明の組成物の硬化を促進する。さらに、硬化促進剤の存在は、結合される基材間に結合ギャップが存在する場合、接着剤組成物の体積全体にわたる硬化を促進する。
【0032】
適切には、硬化促進剤は、フェロセン、適切にはn-ブチルフェロセンなどの1以上のメタロセンを含むことができる。特に有用な硬化促進剤はベンゾイルシクロヘキシルチオ尿素である。
【0033】
本発明の組成物は、任意の方法で適用することができる。1つの利点は、溶媒の使用を必要としない方法で、本発明の組成物を製造および/または基材に適用できることである。
したがって、溶媒(有機溶媒または水)は必要ない。これにより、組成物のための液体キャリアの必要性が回避される。本発明の組成物は本質的に乾燥しており、結果として取り扱い上の利点を有する。例えば、本発明の組成物は粒子状で流動し、液体キャリアを必要とせず、基材への適用を達成するために溶媒または水を乾燥させる必要がない。
【0034】
したがって、例えば生産ラインでの製品のドライハンドリングが達成可能であり、有利である。(基材に)適用されると、本発明の組成物も乾燥する。ドライタッチ製品は、汚染、汚れ、こぼれ、基材からの組成物の損失などを取り除くために、取り扱いの観点から望ましい。有利なことに、本発明の組成物は、例えば、硬化性組成物をその固体状態から溶融状態まで加熱し、次いで溶融硬化性組成物を基材上に室温で基材に塗布し、溶融硬化性組成物を基材上で冷却および固化させ、それによって基材上に予め塗布された接着剤を形成することによって、基材上に予め塗布されたドライタッチ接着剤を形成するために使用され得る。硬化性組成物は、室温で基材に塗布した後、約5分未満の期間内で、好適には約30秒~300秒の期間内で、例えば、約30秒~120秒の期間内で、溶融状態からドライタッチになる。
【0035】
本発明の組成物は、従来の嫌気硬化性組成物と同様に多くの最終用途を有する。
【0036】
本発明の組成物は固体であるため、任意の設計された形態/形状で提供され得ることが理解されるであろう。
【0037】
本発明の別の態様は、本明細書で特許請求される本発明の硬化性組成物を硬化することによって形成される硬化組成物を提供する。適切には、硬化性組成物は、嫌気性環境への曝露によって硬化され得る。硬化性組成物は、例えば、嫌気性環境に約1分~30分、例えば約1分~約20分の範囲の時間さらすことによって硬化することができる。任意に、硬化性組成物は、約40℃~約100℃の温度範囲内で硬化され得る。例えば、硬化性組成物は、約40℃~約100℃の温度範囲内で、約1分~約30分の範囲の期間、嫌気性環境に曝露することによって硬化することができる。
【0038】
別の態様では、本発明は、2つの基材を一緒に結合する方法を提供し、
本発明のレドックス硬化性組成物を基材の少なくとも1つに適用し、
レドックス硬化性組成物の硬化が起こるのに十分な時間、基材を嵌合し、嵌合したアセンブリを形成することを含む。
【0039】
好適には、レドックス硬化性組成物の硬化が、硬化性組成物を加熱すること、および/または硬化性組成物を圧力にさらすことによって開始される。レドックス硬化性組成物の硬化は、硬化性組成物を嫌気性環境にさらすことによって開始することができる。任意に、レドックス硬化性組成物の硬化は、硬化性組成物を加熱すること、および/または硬化性組成物を嫌気性環境で圧力にさらすことによって開始される。
【0040】
基材は、ヒートプレスを使用して嵌合してもよい。ヒートプレスは、嵌合アセンブリに少なくとも2バールの圧力、適切には少なくとも4バールの圧力を加える。
【0041】
本発明の方法において、本発明の組成物は、30秒以上、例えば1分以上、例えば5分以上、または20分以上嵌合したアセンブリに熱および/または圧力を加えることによって硬化され得る。例えば、熱および/または圧力は、1分~20分間、嵌合したアセンブリに加えられる。
【0042】
本発明のレドックス硬化性組成物を塗布する前に、結合される1以上の基材をプライマーで下塗りすることができる。有利なことに、プライマーの適用は、本発明の組成物を使用して多種多様な基材の結合を促進する。適切には、プライマーはチオ尿素またはチオウレタンであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明で使用するための固体熱可塑性ポリウレタン樹脂のDSCサーモグラムを示し、樹脂は40,000g/mol~100,000g/molの範囲の分子量を有する。
図2図2は、本発明で使用するための固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂のDSCサーモグラムを示し、樹脂は、約5,000g/mol~35,000g/molの範囲の分子量を有する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(詳細な説明)
上で概説したように、本発明は、液体(メタ)アクリレートモノマー成分、
40,000g/mol~100,000g/molの範囲の分子量および40℃~80℃の範囲の融点を有する固体熱可塑性ポリウレタン樹脂、
5,000g/mol~35,000g/molの範囲の分子量および50℃~80℃の範囲の融点を有する固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂および
液体(メタ)アクリレートモノマー成分を硬化させる硬化成分を含む嫌気硬化性組成物などのレドックス硬化性組成物を提供する。
【0045】
<定義と標準試験方法>
「液体」という用語は、約5℃~30℃の温度範囲内の液体状態、好適には室温および大気圧で液体状態を意味する。
【0046】
「固体」という用語は、約5℃~40℃の温度範囲内での固体状態、好適には室温および大気圧での固体状態を意味する。固体状態は、物質が流体ではなく、サポートなしで境界を保持し、原子または分子が互いに対して固定位置を占有し、自由に移動できない物質の状態として定義される。本発明の予め塗布された接着剤組成物は、実質的にドライタッチである。組成物は、溶融状態から基材に塗布することができ、その上でそれらはドライタッチ固体硬化性組成物を形成する。ドライタッチは、室温で5分までの期間内、適切には室温で約30秒~約300秒の期間内、適切には室温で約30秒~120秒で非流動性として定義される。
【0047】
本明細書に開示される分子量は、ISO13885-1:2008,「塗料およびワニス用バインダー-ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)-パート1:溶離剤としてのテトラヒドロフラン(THF)」に従って決定される。
【0048】
溶融および再固化温度範囲は、ISO1137-1:2016「プラスチック‐示差走査熱量測定(DSC)-パート1一般原理」に従って測定した。
【0049】
液体(メタ)アクリレート成分は、β-カルボキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-デシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、エトキシル化フェニルモノアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセロール1,3-ジメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、メチルトリグリコールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、およびそれらの混合物から選択される1つ以上の(メタ)アクリレートモノマーを含んでもよい。
【0050】
好ましい液体(メタ)アクリレートモノマーには、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレートおよびメタクリル酸が含まれる。
【0051】
組成物はまた、組成物の総重量に基づいて約5%~約15%の範囲の固体(メタ)アクリレートを含んでもよい。
【0052】
さらに、1以上の適切な(メタ)アクリレートは、これらには限定されないが、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジ-(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレンジグリコールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ-またはトリ-官能性(メタ)アクリレートおよびエトキシ化ビスフェノール-A(メタ)アクリレート(「EBIPMA」)などのビスフェノール-Aモノおよびジ(メタ)アクリレート、およびエトキシ化ビスフェノール-F(メタ)アクリレートなどのビスフェノール-Fモノおよびジ(メタ)アクリレートのポリ官能性(メタ)アクリレートから選択してもよい。
【0053】
例えば、レドックス硬化性成分は、ビスフェノールAジメタクリレート
【化1】
を含むことができる。
【0054】
適切には、レドックス硬化性組成物は、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートを含むことができる。
【0055】
本明細書で使用に好適なさらに他の(メタ)アクリレートは、その開示が参照によって本明細書に明示的に組み込まれる、米国特許第5,605,999号(Chu)によって教示され、特許請求されているようなシリコーン(メタ)アクリレート部分(「SiMA」)が含まれる。
【0056】
他の好適な材料には、以下の式で表されるポリアクリレートエステルから選択されてもよい。
【0057】
【化2】
式中、
は、水素、ハロゲンまたは1~約4個の炭素原子を有するアルキルから選択される基であり;qは、少なくとも1、好ましくは、1~約4に等しい整数であり;Xは、少なくとも2個の炭素原子を含み、総結合容量がq+1である有機基である。X中の炭素原子の数の上限に関し、本質的にいかなる値でも機能できるモノマーが存在する。しかし、実際、一般的な上限値は、約50個の炭素原子、望ましくは30個、最も望ましくは約20個である。
【0058】
例えば、Xは、以下の式の有機基であってもよい。
【0059】
【化3】
式中、
およびYの各々は、少なくとも2個の炭素原子、望ましくは2個~約10個の炭素原子を含む炭化水素基などの有機基であり、Zは、有機基、好ましくは少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2~約10個の炭素原子を含む炭化水素基である。
【0060】
他のモノマーは、フランス特許第1,581,361号に開示されているような、ジ-またはトリ-アルキロールアミン(例えば、エタノールアミンまたはプロパノールアミン)とアクリル酸との反応生成物から選択されてもよい。
【0061】
(メタ)アクリレート官能基を有する好適なオリゴマーもまた用いてもよい。そのような(メタ)アクリレート官能化オリゴマーの例には、以下の一般式を有するものが含まれる。
【0062】
【化4】
式中、Rは、水素、1~約4個の炭素原子を有するアルキル、1~約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、または
【0063】
【化5】

から選択される基であり、
は、水素、ハロゲン、または1~約4個の炭素原子を有するアルキルから選択される基であり;Rは、水素、ヒドロキシルまたは
【0064】
【化6】

であり、
mは、少なくとも1に等しい整数、例えば1~約15またはそれ以上、望ましくは、1~約8であり;nは、少なくとも1に等しい整数、例えば1~約40以上、望ましくは、約2~約10であり;pは、0または1である。
【0065】
上記一般式に対応するアクリル酸エステルオリゴマーの典型例は、ジ-、トリ-およびテトラエチレングリコールジメタクリレート;ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジ(クロロアクリレート);ジグリセロールジアクリレート;ジグリセロールテトラメタクリレート;ブチレングリコールジメタクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;およびトリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
【0066】
ジ-および他のポリアクリレートエステル、特に前の段落に記載されたポリアクリレートエステルが望ましいが、単官能性アクリレートエステル(1つのアクリレート基を含むエステル)も使用できる。
【0067】
適切な化合物は、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、およびクロロエチルメタクリレートの中から選択することができる。
【0068】
別の有用なクラスの材料は、(メタ)アクリレート官能化、ヒドロキシルまたはアミノ含有材料と、すべてのイソシアネート基をそれぞれウレタンまたはウレイド基に変換するための適切な比率のポリイソシアネートとの反応生成物である。
【0069】
そのように形成された(メタ)アクリレートウレタンまたは尿素エステルは、その非アクリレート部分にヒドロキシまたはアミノ官能基を含み得る。使用に適する(メタ)アクリレートエステルは、式
【0070】
【化7】

式中、
Xは、-O-および
【0071】
【化8】

から選択され、
は、水素または1~7個の炭素原子を有する低級アルキルから選択され;Rは、水素、ハロゲン(例えば塩素)またはアルキル(例えばメチルおよびエチル基)から選択され、Rは、1~8個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレンおよびナフチレンから選択される二価の有機基である。
【0072】
これらの基は、ポリイソシアネートとの適切な反応の際に、以下の一般式のモノマーを生成する。
【0073】
【化9】

式中、nは、2~約6の整数であり;Bは、置換および非置換の両方のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリールおよび複素環式基およびそれらの組み合わせから選択される多価有機基であり;R、RおよびXは上記の意味を有する。
【0074】
Bの特性に依存して、尿素またはウレタン結合を有するこれらの(メタ)アクリレートエステルは、それらをオリゴマークラス(約1,000g/mol~約5,000g/molなど)またはポリマークラス(例えば、約5,000g/mol以上)である分子量を有してもよい。
【0075】
スチレン、マレイミド、ビニルエーテル、アリル、アリルエーテル、およびUS6844080B1(Kneafseyらによる)に記載されているものなどの他の不飽和反応性モノマーおよびオリゴマーを使用することができる。US6433091(Xia)に記載のビニル樹脂も使用できる。これらの不飽和反応性基を含むメタクリレートまたはアクリレートモノマーも使用できる。
【0076】
もちろん、これらの(メタ)アクリレートと他のモノマーとの組み合わせも使用できる。
【0077】
<固体硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂>
本発明で使用するための固体ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂成分は、ポリオールをジイソシアネートと反応させて、遊離イソシアナート基を含むポリウレタンを形成し、続いて遊離イソシアナート基を含むポリウレタンをヒドロキシル官能化(メタ)アクリレート成分と反応させることによって硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂を形成することができる。上で概説したように、本発明で使用される硬化性ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、固体であり、約5,000g/mol~約35,000g/molの範囲の分子量および約50℃~約80℃の範囲の融点を有する。
【0078】
適切には、ポリオールは、1,000~10,000g/molの範囲の分子量を有する。例えば、ポリオールは、二塩基カルボン酸から四塩基カルボン酸から選択される多塩基カルボン酸と二価、三価、四価または五価アルコールから選択される多価アルコールとの反応生成物などのポリエステルポリオールであり得る。
【0079】
好適には、ポリオールは、1,500g/mol~約4,500g/mol、例えば約2,000g/mol~約4,500g/mol、例えば約3,250g/mol~約3,750g/mol範囲の分子量を有する。
【0080】
ポリエステルポリオールは、DIN EN ISO4629-2に従って測定して、25~55、例えば約27~54、例えば27~34の範囲のヒドロキシル価を有してもよい。
【0081】
適切には、ポリエステルポリオールは、DSCによって測定して、45℃~75℃、例えば55℃~75℃、好ましくは60℃~75℃の範囲の融点を有する。
【0082】
ポリオールは、平行平板法を用いて測定して、80℃で0.3~2.3Pa.sの範囲の粘度を有し得る。室温以上での粘度を決定するために使用される方法は、BS5350PartB8「接着剤の試験方法,粘度の決定」に基づく。
【0083】
ジイソシアネート成分は、適切には芳香族ジイソシアネートである。例えば、ジイソシアネートは、トルエンジイソシアネート、メチレンフェニルジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)から選択される脂肪族ジイソシアネートから選択され得る。
【0084】
ポリウレタンと反応する(メタ)アクリレート成分は、アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸、フタル酸モノエチルメタクリレート、マレイン酸モノエチルメタクリレートおよびコハク酸モノエチルマレエートから選択することができる。
【0085】
<固体ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂の合成>
固体ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂合成に使用される原料の例
(a)ポリオール:
(半)結晶性ポリエステルポリオール、例えばEvonikからDynacollの商品名で入手できるもの、例えば、Dynacoll7380、7381、7362
(b)イソシアネート:
トルエンジイソシアネート
メチレンジフェニルイソシアネート
水添キシリレンジイソシアネート
(c)キャッピング剤:
ヒドロキシエチルメタクリレート
グリセロールジメタクリレート
【0086】
<固体ポリウレタン(メタ)アクリレートの合成例>
Dynacoll7380(90.89g)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)(0.03g)、MEHQ(4-メトキシフェノール)(0.03g)とリン酸(0.007g)を反応容器に添加し、120℃まで加熱しながら混合した。温度を下げ、混合を100℃で20分間続けた。DBTDL(ジブチルスズジラウレート)(0.037g)を混合しながら添加し、次いでTDI(トルエンジイソシアネート)(6.28g)をゆっくりと反応混合物に添加し、その間、反応全体を通して温度を100℃に維持した。2~3時間、またはイソシアネート(NCO)のパーセンテージが平衡に達するまで、混合を続けた。反応混合物のサンプルを滴定して、残りのNCOを定量化した。力価に基づいて必要なHEMA(メタクリル酸ヒドロキシエチル)の90重量%(~2.5g)を反応混合物に添加し、続いてDBTDL(0.037g)を添加した。混合を3時間続け、滴定によってNCOの消費について反応をモニターした。残っているNCOの%が0.2%(モル)を超えて平衡化されている場合、残りの10重量%のHEMAを添加した。NCO含有量が<0.2%(モル)になったとき、反応を停止した。
【0087】
本発明の組成物は、40,000g/mol~100,000g/molの範囲の分子量および40℃~80℃の範囲の融点を有する固体熱可塑性ポリウレタン樹脂を含有する。適切な固体熱可塑性ポリウレタン樹脂には、Pearlbond(登録商標)100、Pearlbond(登録商標)106、Pearlbond(登録商標)120、Pearlbond(登録商標)122、Pearlbond(登録商標)180、Pearlstick(登録商標)5712、Pearlstick(登録商標)5714およびPearlstick(登録商標)40-70/08が含まれ、これらはLubrizol,Carrer del Gran Vial,17,08160 Montmelo,Barcelona,Spainから商業的に入手可能である。
【0088】
<プライマー>
上で概説したように、本発明の組成物は、プライマーと組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の組成物を基材に塗布する前に、プライマーを用いて基材を下塗りすることができる。Henkelによって商品名Loctite(登録商標)7952で市販されているプライマーが特に有用である。プライマー組成物は、適切には、チオ尿素またはチオウレタン、好ましくは1つ以上のベンゾイルチオ尿素またはベンゾイルチオウレタンを含む。ベンゾイルチオ尿素および/またはベンゾイルチオウレタンの適切な例は、米国特許第9,371,473B2に開示されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、特にその第3欄56行~第8欄10行までに開示されている。
【0089】
特に好ましいプライマーには、ベンゾイルシクロヘキシルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、ジメチルジエチルチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、チオウレタン、ベンゾイルオクチルチオ尿素、およびベンゾイルモルホリノチオ尿素の1以上が含まれる。
【実施例
【0090】
<例1>
【表1】
【0091】
表1の組成物は、HEMAを固体TPU樹脂(Pearl Bond100)のペレットと高剪断下で予備混合することによって調製した。次いで、残りの成分(クメンヒドロペルオキシドを除く)を混合しながらHEMAおよびTPU樹脂の混合物に添加した。混合物が均質になった後、クメンヒドロペルオキシドを加えて混合した。混合は、Speedmixer(商標)モデルDAX150.1FVZ.Kを使用して密閉容器内で行った。容器を室温まで冷却し、その中の接着剤混合物を固化させた。
【0092】
表1の組成物を適用する前に、プライマーの総重量に基づいて5重量%のベンゾイルシクロヘキシルチオ尿素を含有するLoctite(登録商標)7952プライマーでGF-ポリアリールアミド基材を下塗りした。ステンレス鋼基材は、プライマーの総重量に基づいて0.5重量%の2-ヒドロキシエチルメタクリレートホスフェートを含有するLoctite(登録商標)7952プライマーで下塗りした。
【0093】
事前塗布接着剤を形成するための接着剤の塗布は、表1の組成物を65℃に加熱して流動性を生じさせ、次いで流動性組成物を下塗りされた重ね剪断基材に室温で塗布することによって達成され、その後、組成物は急速に固体を形成した。
【0094】
322.6mm(0.5インチ)の接着面積を完全に覆うことを保証するのに十分な量の接着剤組成物を重ね剪断基材に塗布した。
【0095】
予め塗布された接着剤組成物は、ガラス充填ポリアリールアミド重ね剪断基材をステンレス鋼重ね剪断基材に0.5インチ接着面積で結合するために評価した。硬化は、表2に概説されているように行った。
【表2】
【0096】
引張強度は、ISO4587に従って決定した。結果は、示されている試験片のセット内の標準偏差を含む平均値として示される。別段の記載がない限り、アセンブリは誘導ギャップなし(ゼロギャップ)でテストした。
【0097】
表2から、65℃での硬化が1分間または20分間の場合に得られる引張強度にほとんど差がないことが明らかである。したがって、本発明の組成物は、必要に応じて硬化することができる。
【0098】
表3では、本発明の組成物および2Kメチルメタクリレート構造結合剤の引張強度の比較が提供される。
【表3】
【0099】
表3は、本発明の予め塗布した接着剤が、市販の2Kメチルメタクリレート接着剤に匹敵する接着力を与えることを示している。
【0100】
<例2>
【表4】
【0101】
表4の組成物は、上述の例1の組成物と同じ方法で調製した。
【0102】
例2の予め塗布した接着剤組成物は、ガラス充填ポリアリールアミド基材を別のガラス充填ポリアリールアミド基材に接着するために、半インチの接着面積について評価した。表4の組成物を塗布する前に、5重量%のベンゾイルシクロヘキシルチオ尿素を含有するLoctite(登録商標)7952プライマーで、ガラス充填ポリアリールアミド基材の1つを下塗りした。2番目のガラス充填ポリアリールアミド基材は、Loctite(登録商標)7952のみで下塗りした。第1の基材と第2の基材は、室温で30分間静置する前に、4バールの圧力で65℃のボンドライン温度で20分間維持されたヒートプレスを使用して嵌合した。
【0103】
例2の予め塗布した接着剤組成物の結合強度は、ゼロギャップおよび0.125mmギャップ条件を使用して、2つのガラス充填ポリアリールアミド基材の結合について評価した。結合強度を表5に示す。ここでも、ISO4587に従って結合強度(引張強度)を評価した。
【0104】
【表5】
【0105】
有利なことに、本発明の組成物は、プラスチックなどの受動基材を結合するために使用することができる。さらに、ギャップスペーサーの存在により、接着性能の向上が観察された。
【0106】
<例3>
【表6】
【0107】
例3の組成物は、例1および2の組成物と同じ方法で、HEMAを固体TPU樹脂(Pearl Bond100)のペレットと高剪断下で予備混合し、続いて混合中に残りの成分を添加することによって調製した。混合は、Speedmixer(商標)モデルDAX150.1FVZ.Kを使用して密閉容器内で行った。容器を室温まで冷却し、その中の接着剤混合物を固化させた。
【0108】
予め塗布した接着剤を塗布する前に、基材を下塗りした。予め塗布した接着剤組成物は、ガラス充填ポリアリールアミド基材をステンレス鋼基材に接着して0.5インチの接着面積を形成するために評価した。ガラス充填ポリアリールアミド基材は、前もってLoctite(登録商標)7952で下塗りし、ステンレス鋼基材は、0.5重量%HEMAリン酸塩を含むLoctite(登録商標)7952で下塗りした。
【0109】
予め塗布した接着剤を形成するための表6の接着剤組成物の塗布は、組成物を65℃に加熱して流動性を生じさせ、次いで流動性組成物を下塗りしたガラス充填ポリアリールアミド基材に室温で塗布することによって達成され、組成物は急速に固体を形成した。下塗りしたガラス充填ポリアリールアミド基材と下塗りしたステンレス鋼基材に事前に塗布された接着剤を、65℃のボンドライン温度、4barの圧力で20分間のヒートプレスを使用して、続いて室温および大気圧の24時間によって、嵌合した。次に、ISO4587に従って、接着剤結合の引張強度を評価した。例3の硬化した組成物の平均結合強度は、SUS304ステンレス鋼基材に接着したガラス充填ポリアリールアミド基材上であり、表7に示される。
【0110】
【表7】
【0111】
<例4>
例1の接着剤組成物の薄膜は、例1の溶融接着剤組成物を、2枚の加熱ガラス板の間に挟まれたポリエステル剥離ライナー(メリネックス)の2枚のシートの間に分配することによって調製した。シートをできるだけ薄くするために、スペーサーは使用しなかった。分配が完了すると、ガラス板を放冷し、メリネックスの2枚のシートの間の固化した例1の接着剤組成物を含む薄膜を取り除き、細片に切断した。接着剤の薄膜の引張強度は、下塗りしたガラス充填ポリアリールアミド基材を下塗りしたステンレス鋼基材と結合するために評価した。ガラス充填ポリアリールアミド基材は、5重量%ベンゾイルシクロヘキシルチオ尿素を含むLoctite(登録商標)7952で下塗りされ、ステンレス鋼基材は、0.5重量%HEMAリン酸塩を含むLoctite(登録商標)7952で下塗した。剥離ライナーを接着剤フィルムの片面から剥がし、下塗りしたガラス充填ポリアリールアミド基材に接着剤フィルムを(手で押して)貼り付けた。その後、接着剤フィルムの反対側から第2の剥離ライナーを除去し、ガラス充填ポリアリールアミド基材にあらかじめ塗布された接着剤を、65℃のボンドライン温度、4barの圧力で1分間のヒートプレスを使用して、続いて室温および大気圧の24時間によって、下塗りしたステンレス鋼基材に嵌合した。次に、ISO4587に従って、接着剤結合の引張強度を評価した。例1の硬化した組成物の平均結合強度は、SUS304ステンレス鋼基材に結合したガラス充填ポリアリールアミド基材でのものであり、表8に示される。
【0112】
【表8】
【0113】
本発明を参照して使用される場合、「含む/含んでいる」および「有する/含んでいる」という語は、記述された特徴、整数、ステップまたは成分が存在することを特定するために使用されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、成分またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0114】
明確にするために別個の実施形態の文脈で説明された本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において、組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔のために、単一の実施形態の文脈で説明された本発明の様々な特徴は、別個にまたは任意の適切なサブコンビネーションで提供されることもできる。
図1
図2
【国際調査報告】