(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(54)【発明の名称】ロッキング部材付き皮下ポート
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A61M5/142 524
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560170
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 JP2021014310
(87)【国際公開番号】W WO2021201273
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【氏名又は名称】大木 信人
(72)【発明者】
【氏名】アルズマンド アイシャ
(72)【発明者】
【氏名】タラパタ クリス
(72)【発明者】
【氏名】ベリサリオ マルク
(72)【発明者】
【氏名】ハーツホーン クリステル
(72)【発明者】
【氏名】ガン マシュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フェッツァー チェイス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF01
4C066JJ01
(57)【要約】
皮下ポートアセンブリは、ベース、コネクタ、ステム、シーリング要素、及びロッキング部材を備える。コネクタは、ベースに取り付けられた第1の端部から遠位端まで延在し、内径を有するソケットを画定する内面を備える。ステムはベースからソケットまで伸びている。ステムは、ソケットの内径より小さい外径を有する外面を備える。シーリング要素は、ステムとソケットの内面との間のソケット内に配置される。ロッキング部材は、遠位端からソケット内に受容されており、かつシーリング要素に面する終端を有する、プランジャを有する。プランジャは、ソケット内のシーリング要素を選択的に圧縮するために、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に移動可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下ポートアセンブリであって:
ベースと;
コネクタであって、ベースに取り付けられた第1の端部から遠位端まで延在し、内径を有するソケットを画定する内面を備える、前記コネクタと;
前記ベースから前記ソケット内に延在するステムであって、前記ソケットの前記内径より小さい外径を有する外面を備える前記ステムと;
シーリング要素であって、前記ステムと前記ソケットの内面との間の前記ソケット内に配置される、前記シーリング要素と;
ロッキング部材であって、前記遠位端から前記ソケット内に受け入れられ、かつ前記シーリング要素に面する終端を有するプランジャを有し、前記プランジャは、前記ソケット内の前記シーリング要素を選択的に圧縮するために、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に移動可能である、ロッキング部材と;
を備える、前記皮下ポートアセンブリ。
【請求項2】
前記ステムが前記シーリング要素によって取り囲まれている、請求項1に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項3】
前記シーリング要素が、圧縮されていない状態で第1の距離だけ前記ステムの前記外面の前記外径から離間している、請求項1または2のいずれか1項に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の位置にある前記プランジャは、前記シーリング要素を前記ステムの前記外面の前記外径に向かって軸方向にかつ半径方向に圧縮するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項5】
前記ロッキング部材が、前記プランジャに取り付けられたキャップをさらに備え、前記キャップが複数の第1のねじ山を備え、前記コネクタが、前記第1のねじ山と係合する複数の第2のねじ山を含む、請求項1~4のいずれかに記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項6】
前記キャップが位置インジケータを含む、請求項5に記載の皮下ポート。
【請求項7】
前記位置インジケータが、前記キャップの回転位置を伝達するように構成されている、請求項6に記載の皮下ポート。
【請求項8】
前記キャップが把持部材を備え、前記位置インジケータが前記把持部材に設けられている、請求項6または7に記載の皮下ポート。
【請求項9】
前記プランジャが、前記第2のねじ山と係合する前記第1のねじ山を介して、前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動する、請求項5~8のいずれか1項に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項10】
前記ソケットが、前記内面に第1の半径方向突出部を備え、前記プランジャが前記プランジャの外面に第2の半径方向突出部と、互いに選択的に係合して前記ソケット内の前記プランジャの少なくとも一部を保持するように構成される、前記第1の半径方向突出部と前記第2の半径方向突出部とを備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項11】
前記シーリング要素が、前記プランジャの終端に面する先細の端部を備え、前記プランジャの前記終端が、前記プランジャが、前記第1の位置から第2の位置に移動するときに、前記シーリング要素の前記先細の端部を軸方向にかつ半径方向に圧縮するように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項12】
皮下ポートアセンブリであって:
ベースと;
前記ベースに隣接する第1の端部から第2の端部まで延在するコネクタであって、前記コネクタは、前記第1の端部で第1の幅を有するネック部分と、前記第2の端部により近い第2の幅を有するショルダー部分と、前記第2の端部から前記コネクタを通って延在する内面によって画定されるソケットと、を備える、前記コネクタと;
ステムであって、前記ベースから前記ソケット内に延在し、前記ソケットの前記内面から内側に離間した外面を備える、前記ステムと;
前記ネック部分の第1の幅よりも大きく、前記ショルダー部分の第2の幅よりも小さい第3の幅を有する内側付勢面を含むカラーであって、前記内側付勢面が前記ネック部分に隣接する第1位置と、前記内側付勢面が前記ショルダー部分に隣接する第2の位置との間で動作可能な前記カラーと;
シーリング要素であって、前記ステムと前記ソケットの内面との間の前記ソケット内に配置され、前記カラーが前記第1の位置にあるときに前記ステムを取り囲み、前記カラーが前記第2の位置にあるときに前記ステムに対して圧縮される、前記シーリング要素と、
を備える、前記皮下ポートアセンブリ。
【請求項13】
前記ステムが前記コネクタによって取り囲まれている、請求項12に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項14】
前記第2の位置にある前記カラーが、前記シーリング要素を半径方向に圧縮して、前記シーリング要素と前記ステムとの間にカテーテルを固定するように構成される、請求項12または13に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項15】
前記コネクタが、前記ソケットから前記ショルダー部分を通って延在する少なくとも1つのスロットを備える、請求項12~14のいずれか1項に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項16】
前記カラーが前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとき、前記コネクタが少なくとも1つのスロットを介して前記シーリング要素に向かって半径方向に偏向する、請求項15に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項17】
前記内側付勢面は先細りであり、前記コネクタは先細りの外側付勢面を備え、前記カラーが前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとき、前記内側付勢面と前記先細りの外面との係合が、前記コネクタを前記シーリング要素に向かって半径方向に偏向させ、前記シーリング要素がカテーテルを半径方向に圧迫して前記ステムに固定する、請求項15または16に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項18】
前記コネクタの前記先細の外側表面は、前記ネック部分と前記ショルダー部分との間に配置される、請求項17に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのスロットが、前記コネクタの複数の可塑性タブを画定する複数のスロットを備え、前記コネクタの各可塑性タブが、前記スロットの1つによって前記コネクタの隣接する可塑性タブから離間されている、請求項15~18のいずれか1項に記載の皮下ポートアセンブリ。
【請求項20】
皮下ポートアセンブリ用のロッキング機構であって、前記ロッキング機構は、
ソケットと、前記ソケットの第1端部にある複数のねじ山とを有するコネクタと;
前記ソケット内に配置されたステムと;
前記ソケット内で前記ステムと前記コネクタとの間に配置されるシーリング要素と;
前記ステムに連結され、前記シーリング要素によって取り囲まれた端部を有する編組カテーテルと;
ロッキング部材であって、前記コネクタにスライド可能に連結され、前記コネクタに沿って第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記カテーテルの周りで圧縮状態と非圧縮状態との間で前記シーリング要素を選択的に変更する、前記ロッキング部材と、を備える、前記ロッキング機構。
【請求項21】
前記ロッキング部材は、前記ソケット内に受け入れられるプランジャと、ねじ山によって前記コネクタに結合されたキャップとを備え、前記キャップは、前記ねじ山の係合を介して、前記コネクタに対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能である、請求項20に記載のロッキング機構。
【請求項22】
前記キャップが位置インジケータを備える、請求項21に記載の皮下ポート。
【請求項23】
前記位置インジケータが、前記キャップの回転位置を伝達するように構成されている、請求項22に記載の皮下ポート。
【請求項24】
前記キャップが把持部材を備え、前記位置インジケータが前記把持部材に設けられている、請求項21または22に記載の皮下ポート。
【請求項25】
前記コネクタが内面に第1の半径方向突出部を備え、前記ロッキング部材が外面に第2の半径方向突出部を備え、前記第1の半径方向突出部と前記第2の半径方向突出部とが互いに係合して、前記プランジャの少なくとも一部を前記コネクタに固定するように構成される、請求項21~24のいずれか1項に記載のロッキング機構。
【請求項26】
請求項21~25のいずれかに記載のロッキング機構であって、前記シーリング要素が、先細の第1の端部を有するスリーブを備え、前記プランジャが、前記スリーブの前記先細の第1の端部と係合するように構成された先細の第2の端部を備え、前記ロッキング部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動するとき、前記先細の第1の端部及び前記先細の第2の端部が係合し、スリーブを軸方向にかつ半径方向に圧縮して編組カテーテルをステムに固定する。前記ロッキング機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2020年4月2日出願の米国仮出願63/004,142の優先権を主張する。この先行出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされ、これにより、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
分野
【0002】
本開示は、一般に皮下ポートに関する。
【背景技術】
【0003】
この節は、本開示に関連する背景情報を提供するものであり、これは必ずしも先行技術ではない。
【0004】
カテーテルを皮下ポートに接続する場合、解剖学的干渉(複数可)、手術器具の干渉(複数可)などのような、さまざまな潜在的な問題に起因して、カテーテルを皮下ポートにしっかりと接続することが難しい場合がある。さらに、カテーテルが皮下ポートに接続されたままであることを確認することは、患者に薬を適切に送達するために重要である。したがって、カテーテルを皮下ポートに接続する方法には改善の余地があり得る。
【発明の概要】
【0005】
この節は、開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲または全ての機能を包括的に開示するものではない。
【0006】
本開示の一態様は、ベース、コネクタ、ステム、シーリング要素、及びロッキング部材を備える皮下ポートアセンブリを提供する。コネクタは、ベースに取り付けられた第1の端部から遠位端まで延在し、内径を有するソケットを画定する内面を備える。ステムは、ベースからソケットまで伸びている。ステムは、ソケットの内径より小さい外径を有する外面を備える。シーリング要素は、ステムとソケットの内面との間のソケット内に配置される。ロッキング部材は、遠位端からソケット内に受容され、シーリング要素に面する終端を有するプランジャを有する。このプランジャは、ソケット内のシーリング要素を選択的に圧縮するために、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に移動可能である。
【0007】
本開示の実装形態には、以下のオプション機能のうち1つ以上を備えてもよい。いくつかの実装形態では、ステムはシーリング要素によって囲まれている。任意選択的に、シーリング要素は、圧縮されていない状態で、ステムの外面の外径から第1の距離だけ離間していてもよい。いくつかの実施例では、第2の位置にあるプランジャは、シーリング要素をステムの外面の外径に向かって軸方向にかつ半径方向に圧縮するように構成され得る。
【0008】
ロッキング部材は、プランジャに取り付けられたキャップを備えてもよい。いくつかの実施例では、キャップは位置インジケータを備える。位置インジケータは、キャップの回転位置を伝達するように構成され得る。いくつかの実施例では、キャップは把持部材を含み、位置インジケータは把持部材に設けられる。キャップは複数の第1のねじ山を備えてもよく、コネクタは第1のねじ山と係合する複数の第2のねじ山を備えてもよい。プランジャは、第2のねじ山と係合する第1のねじ山を介して、第1の位置と第2の位置との間で移動し得る。
【0009】
ソケットは、内面に第1の半径方向突出部を備えてもよく、プランジャはそのプランジャの外面に第2の半径方向突出部と、互いに選択的に係合してソケット内のプランジャの少なくとも一部を保持するように構成される、第1の半径方向突出部と、第2の半径方向突出部とを備えてもよい。
【0010】
シーリング要素は、プランジャの終端に面する先細りの端部を備えてもよい。プランジャの終端は、プランジャが第1の位置から第2の位置に移動するとき、シーリング要素の先細りの端部を軸方向にかつ半径方向に圧縮するように構成され得る。
【0011】
本開示の別の態様は、ベース、コネクタ、ステム、カラー及びシーリング要素を備える皮下ポートアセンブリを提供する。コネクタは、ベースに隣接する第1の端部から第2の端まで延在する。コネクタは、第1の端部で第1の幅を有するネック部分と、第2の端部により近い第2の幅を有するショルダー部分と、第2の端部からコネクタを通って延在する内面によって画定されるソケットとを備える。ステムは、ベースからソケット内に延在し、ソケットの内面から内側に離間した外面を備える。カラーは、ネック部分の第1の幅よりも大きく、かつショルダー部分の第2の幅よりも小さい第3の幅を有する内側付勢面を備える。カラーは、内側付勢面がネック部分に隣接する第1の位置と、内側付勢面がショルダー部分に隣接する第2の位置との間で動作可能である。シーリング要素は、ソケット内で、ステムとソケットの内面との間に配置される。シーリング要素は、カラーが第1の位置にあるときにステムを取り囲み、カラーが第2の位置にあるときにステムに対して圧縮される。この態様は、以下の任意選択による特徴のうちの1つ以上を備えてもよい。
【0012】
いくつかの実装形態では、ステムはコネクタによって取り囲まれている。任意選択で、第2の位置にあるカラーは、シーリング要素を半径方向に圧縮して、このシーリング要素とステムとの間にカテーテルを固定するように構成され得る。
【0013】
このコネクタは、ソケットからショルダー部を通って延在する少なくとも1つのスロットを備えてもよい。カラーが第1の位置から第2の位置に移動するとき、コネクタは、少なくとも1つのスロットを介してシーリング要素に向かって半径方向に偏向し得る。内側付勢面は先細であってもよく、コネクタは先細の外側付勢面を備えてもよい。カラーが第1の位置から第2の位置に移動するとき、内側付勢面と先細外面との係合により、コネクタがシーリング要素に向かって半径方向に偏向し、シーリング要素がカテーテルを半径方向に圧縮してステムに固定し得る。コネクタの先細外面は、ネック部分とショルダー部分との間に配置され得る。少なくとも1つのスロットは、コネクタの複数の可塑性タブを画定する複数のスロットを備え得る。コネクタの各可塑性タブは、コネクタの隣接する可塑性タブからスロット1つ分、離間され得る。
【0014】
本開示の別の態様は、皮下ポートアセンブリのためのロッキング機構を提供し、このロッキング機構は、コネクタ、ステム、シーリング要素、編組カテーテル、及びロッキング部材を備える。このコネクタは、ソケットと、このソケットの第1端部にある複数のねじ山とを有する。ステムはソケット内に配置される。シーリング要素は、ソケット内でステムとコネクタとの間に配置される。編組カテーテルは、ステムに連結され、シーリング要素によって取り囲まれた端部を有する。ロッキング部材は、コネクタにスライド可能に連結され、コネクタに沿って第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、カテーテルの周りで圧縮状態と非圧縮状態との間でシーリング要素を選択的に変更する。この態様は、以下の任意の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0015】
いくつかの実装形態では、ロッキング部材は、ソケット内に受け入れられるプランジャと、ねじ山によってコネクタに結合されたキャップとを備える。いくつかの実施例では、キャップは位置インジケータを備える。位置インジケータは、キャップの回転位置を伝達するように構成され得る。いくつかの実施例では、キャップは把持部材を備え、位置インジケータは把持部材に設けられる。キャップは、ネジの係合を介して、コネクタに対してロック位置とロック解除位置との間で移動可能であり得る。コネクタは、内面に第1の半径方向突出部を備えてもよく、ロッキング部材は、外面に第2の半径方向突出部を備えてもよい。第1の半径方向突出部及び第2の半径方向突出部は、プランジャの少なくとも一部をコネクタに固定するために互いに係合するように構成され得る。シーリング要素は、先細りの第1の端部を有するスリーブを備えてもよく、プランジャは、スリーブの先細りの第1の端部と係合するように構成された先細りの第2の端部を備えてもよい。ロッキング部材が第1の位置から第2の位置に移動するとき、先細りの第1の端部と先細りの第2の端部が係合し、スリーブが軸方向にかつ半径方向に圧縮され、編組カテーテルをステムに固定し得る。
【0016】
本開示の1つ以上の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明において述べられる。他の態様、特徴、及び利点は、説明及び図面から、ならびに請求項から明らかになる。
【0017】
本明細書に記載の図面は、選択された構成の例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の原理による皮下ポートの部分分解斜視図である。
【
図2】
図1の皮下ポートの分解組み立て斜視図である。
【
図3】線3-3に沿ったロック解除位置での
図1の皮下ポートの断面図である。
【
図4】線3-3に沿ったロック位置での
図1の皮下ポートの断面図である。
【
図5A】線3-3に沿ったロック解除位置での
図1の皮下ポートの一部の断面詳細図である。
【
図5B】
図1の皮下ポートの一部の断面詳細図であり、ロック解除位置にあり、線3-3に沿ってシーリング要素とロッキング部材との間に平らな係合を有する。
【
図6】本開示の原理による別の皮下ポートの斜視図である。
【
図7】ロック位置にある、
図6の皮下ポートの斜視図である。
【
図8】線8-8に沿ったロック解除位置にある、
図6の皮下ポートの断面斜視図である。
【
図9】線8-8に沿ったロック解除位置での、
図6の皮下ポートの断面詳細図である。
【
図10】線8-8に沿ったロック位置での
図6の皮下ポートの断面詳細図である。対応する参照番号は、図面全体にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、例示的な構成を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。例示的な構成は、この開示が完全になり、開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。本開示の構成の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、及び方法の例などの特定の詳細が説明される。特定の詳細を採用する必要がないこと、例示的な構成を多くの異なる形態で具現化し得ること、ならびに特定の詳細及び例示的な構成が本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。
【0020】
図1~
図5Bを参照すれば、皮下ポートアセンブリ100の第1の例が一般的に示されている。皮下ポートアセンブリ100は、ベース104、キャップ106、隔壁108、及びコネクタ110を備えるポート102を備える。皮下ポートアセンブリ100は、患者の皮膚の下に外科的に設置され得る。
図2及び3でわかるように、ベース104はリザーバ112を画定し得、キャップ106は、シリコーンまたは他の適切な材料で形成された膜であり得る、隔壁108を受け入れるアクセス開口114を画定し得る。以下により詳細に説明するように、コネクタ110は、カテーテル10の遠位端10aを受容し得、カテーテル10の反対側の端部は、患者の静脈、筋肉、骨、組織、または任意の他の適切な解剖学的構造もしくはシステムに接続され得る。カテーテル10は、任意の適切な弾性、強度、及び剛性を有する編組カテーテルであってもよい。いくつかの実装形態では、カテーテル10は、その長手方向軸に沿って最小の弾性または伸縮性を有する。
【0021】
医師、看護師などのヘルスケア提供者は、注射器及び針を介して、患者の皮膚及び隔壁を通して薬剤を注射して、薬剤をリザーバ112に送達し得る。次いで、薬剤は、カテーテル10を介して、薬剤適用のための所望の位置に送達され得る。ベース104、キャップ106、及びコネクタ110は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金、金、プラチナ、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、ポリカーボネート、または上記の任意の組み合わせなどの任意の適切な材料で形成し得る。
【0022】
コネクタ110は、ベース104に取り付けられた第1の端部110aから、ベース104から離間した遠位端110bまで延在する。コネクタ110は、ソケット118を画定する内面116を備える。
図5Aに示すように、ソケット118は、第1の内径ID
118aと、第1の内径ID
118aより大きい第2の内径ID
118bとを備える。第1の内径ID
118aは、第2の内径ID
118bよりも第1の端部110aにより近く配置され得る。ソケット118は、第2の内径ID
118bを有する部分、例えば、遠位端110bから延在する部分で、内面116上に複数の第1のねじ山120を備え得る。
【0023】
図3~5Bを参照すると、ソケット118は、第1の内径ID
118aを有する部分で内面116から延在する第1の半径方向突出部122を備えてもよい。第1の半径方向突出部122は返しであってもよく、遠位端110bから第1の端部110aに向かって延在する方向に傾斜する角度付き部分を有してもよく、第1の半径方向突出部122は、角度付き部分に隣接して第1端部110aに対向するほぼ平坦な部分を有してもよい。第1の半径方向突出部122の平坦部分は、内面116に垂直であってもよく、または内面116に沿って障害物を提供するためにアンダーカットされてもよい。いくつかの実装形態では、第1の半径方向突出部122は、第1の内径ID
118aを有するソケット118の部分の端部に配置され得る。他の実装形態では、第1の半径方向突出部122は、第1の内径ID
118aを有するソケット118の任意の位置に配置され得る。ソケット118は、ベース104またはコネクタ110のうちの1つによって画定される導管124を介してリザーバ112と流体連通され得る。
【0024】
ポート102は、ベース104からソケット118内に延在するステム126を備える。ステム126は、ソケット118の第1の内径ID118a及び第2の内径ID118bより小さい外径OD126を有する外面128を備える。いくつかの実装形態では、ステム126の外径OD126は、約0.2mm~1.0mmの間であり得る。いくつかの実装形態では、ステム126の外径OD126は、約0.3mm~0.7mmの間であり得る。ステム126は、ソケット118の実質的に全長に沿って、すなわちベース104からコネクタ110の遠位端110bまで延在し得る。いくつかの実装形態では、ステム126は、コネクタ110の遠位端110bを越えて延在してもよいし、またはその前で終了してもよい。ステム126は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金、金、プラチナ、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、ポリカーボネート、または上記の任意の組み合わせなどの任意の適切な材料で形成され得る。
【0025】
引き続き
図3~
図5Bを参照すると、皮下ポートアセンブリ100は、ステム126の外面128とソケット118の内面116との間のソケット118内に配置されたスリーブまたはシーリング要素130を備える。シーリング要素130は、近位端130aから遠位端130bまで延在する。近位端130aは、第1の内径ID
118aを有するソケット118の部分の端部またはその近くに配置され得る。いくつかの実装形態では、遠位端130bは、
図5Aに示されるように、シーリング要素130の長手方向中心に向かって先細になっていてもよい。他の実装形態では、遠位端130bは、
図5Bに示されるように、ほぼ平坦であってもよいし、または先細でなくてもよい。シーリング要素130は、このシーリング要素130がステム126を完全に取り囲むように、シーリング要素130を完全に貫通して延在する中央ボア132を備え得る。シーリング要素130は、圧縮されていない状態にあるとき、ステム126の外面128から離れていてもよい。特に、シーリング要素130の中央ボア132を画定する表面は、カテーテル10の壁厚よりも大きい距離だけ、ステム126の外面128から離間している。したがって、シーリング要素130が圧縮されていない状態にあるとき、カテーテルは、ステム126の外面128とシーリング要素130との間の空間を通して挿入され得る。シーリング要素130は、発泡体、ゴム、ネオプレン、シリコーンなどの任意の適切な材料で形成されてもよい。
【0026】
皮下ポートアセンブリ100は、プランジャ136、プランジャ136に隣接するキャップ138、ならびにプランジャ136及びキャップ138を通って延在する中央ボア140を有するロッキング部材134を備える。プランジャ136は、遠位端110bからソケット118内に受け入れられる。プランジャ136は、シーリング要素130の遠位端130bに面する終端136aを備える。いくつかの実装形態では、終端136aは、プランジャ136の長手方向の中心から離れて先細になり、
図5Aに示されるように、シーリング要素130の遠位端130bの先細りと嵌合し得る。他の実装形態では、プランジャ136の終端136aは、
図5Bに示されるように、シーリング要素130の遠位端130bの平坦端に隣接するように実質的に平坦であってもよい。このプランジャ136は、ソケット118内のシーリング要素を選択的に圧縮するために、第1の位置(
図3)と第2の位置(
図4)との間で軸方向に移動可能である。ロッキング部材134は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金、金、プラチナ、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、ポリカーボネート、ポリマー材料、プラスチック材料、または上記の任意の組み合わせなどの任意の適切な材料で形成され得る。
【0027】
プランジャ136は、ソケット118の第1の内径ID
118a内に延在する外面142を備える。外面142は、外面142から延在する第2の半径方向突出部144を備える。第2の半径方向突出部144は、終端136aからキャップ138に向かって延在する方向に傾斜が増大する傾斜部分を有してもよく、この第2の半径方向突出部144は、傾斜部分に隣接し、キャップ138に面するほぼ平坦な部分を有してもよい。ソケット118の第1の半径方向突出部122及びプランジャ136の第2の半径方向突出部144は、
図5A及び
図5Bからわかるとおり、プランジャ136の少なくとも一部をソケット118内に保持するために互いに選択的に係合するように構成される。第1及び第2の半径方向突出部122、144の傾斜部分は、プランジャ136がソケット118の第1の内径ID
118aに入ることを可能にするが、第2の半径方向突出部144が第1の半径方向突出部122を通過した後、第1及び第2の半径方向突出部122、144のうち平坦部分は、プランジャ136がソケット118の第1の内径ID
118aから出るのを制限する。そのような構成は、適切な設置後、ロッキング部材134がポート102から外れないことを保証する。第1の半径方向突出部122及び第2の半径方向突出部144は、直角三角形に似た形状を有するものとして図示及び説明されているが、任意の適切な形状が企図されることを理解すべきである。
【0028】
キャップ138は、複数の第2のねじ山148及び複数の把持部材150を有する外面146を備える。複数の第2のねじ山148は、ソケット118の第2の内径ID
118bに延在し、複数の第1のねじ山120と係合するように構成される。プランジャ136は、第2のねじ山148と係合する第1のねじ山120を介して、第1の位置(
図3)と第2の位置(
図4)との間で移動する。第2のねじ山148は、ロッキング部材134の1回の回転がプランジャ136を第1の位置(
図3)と第2の位置(
図4)との間で移動させて、シーリング要素130をソケット118内で選択的に圧縮してカテーテルを固定するように構成される。より具体的には、プランジャが
図3に示す第2の位置(すなわち、完全に後退)にあるとき、ロッキング部材134を時計方向に1回回転させると、プランジャ136を
図4に示す第1の位置に移動して、ISO 10555に準拠してカテーテル10にロッキング力を提供するためにシーリング要素130を圧縮する。逆に、反時計方向に完全に回転すると、プランジャ136は、完全にロックされた第1の位置から、
図3に示される完全にロック解除された第2の位置に戻り、これにより、カテーテル10をステム126から容易に取り外すことが可能になる。
【0029】
把持部材150は、例えば医療提供者によるキャップ138の把持及びねじれを容易にするために、一連の凹部、突出部、またはより高い摩擦係数を有する領域であり得る。キャップ138は、ロッキング部材134の位置をユーザに伝えるように構成された位置インジケータ151aを備えてもよい。具体的には、上述のように、第1及び第2のねじ山120、148は、ロッキング部材134の単一回転が、完全にロック解除された第1の位置(
図3)と完全にロックされた第2の位置(
図4)との間でロッキング部材134を移動させるように構成される。したがって、位置インジケータ151aは、ロッキング部材134が第1の位置にあるか、第2の位置にあるか、または第1の位置と第2の位置との間の中間位置にあるかをユーザが判断できるように、キャップ138の回転位置をユーザに伝える。位置インジケータ151aはさらに、第1及び第2の半径方向突出部122、144と協働して、ロッキング部材134がコネクタ110から不注意に取り外されることを防止する。例えば、位置インジケータ151aは、ロッキング部材134が第1の位置に隣接している、または第1の位置にある(すなわち、完全に後退している)という視覚的フィードバックをユーザに提供し、一方、第1及び第2の半径方向突出部122、144は、プランジャ136の第2の半径方向突出部144が、第1の位置でソケット118の第1の半径方向突出部122に当接するとき、物理的または触覚的フィードバックをユーザに提供する。冗長フィードバック(すなわち、視覚及び触覚)は、ロッキング部材134がソケット118から取り外される可能性を有利に最小化し、これは、患者内に挿入されるカテーテルで実施される場合に特に有利である。
【0030】
図示した実施例では、位置インジケータ151aは、把持部材150の突出部の1つに対応する外面146の着色部分として提供される。任意選択で、コネクタ110に対するロッキング部材134の相対位置を示すために、参照インジケータ151bをコネクタ110上に形成してもよい。インジケータ151a、151bのそれぞれは、タンポグラフィプロセス(すなわち、パッド印刷)を使用して適用され得る。しかしながら、インジケータ151a、151bのそれぞれを形成するために、他のコーティングプロセス(例えば、陽極酸化)を使用してもよい。追加的または代替的に、インジケータ151a、151bのそれぞれは、ローレット加工または整列スロットなど、外面146に形成された触覚特徴を備えてもよい。
【0031】
キャップ138は、中央ボア140に向かって延在する放物線状の凹部152を備える。カテーテル10の設置の際に、放物線状の凹部152は、カテーテル10を中央ボア140に向けるように構成される。例えば、カテーテル10の遠位端10aは、放物線状の凹部152の表面に沿って中央ボア140に向かってスライドし得る。
【0032】
操作では、ロッキング部材134は、第1の位置(
図3)で始まり、カテーテル10の遠位端10aは、ロッキング部材134の中央ボア140に挿入される。カテーテル10の遠位端10aは、ソケット118の中央ボア140に沿って、ステム126の外面128上をスライドして、シーリング要素130の中央ボア132を通って、カテーテル10の遠位端10aが、ソケット118の端部で終了するまで続く。この時点で、カテーテル10はステム126を取り囲んでいるが、カテーテル10はステム126に適切に固定されていない場合もある。ロッキング部材134は、キャップ138との相互作用を介して回転し、これにより、第1のねじ山120が第2のねじ山148と係合するにつれて、プランジャ136がシーリング要素130に近づくように移動する。プランジャ136は、プランジャ136の終端136aがシーリング要素130の遠位端130bと係合するまで、ソケット118内にさらに移動する。ロッキング部材134は回転を続け、第2の位置に向かって移動し(
図4)、プランジャ136の終端136aが、シーリング要素130の遠位端130bを、ステム126の外側表面128の外径OD
126に向かって軸方向にかつ半径方向に圧縮し、したがって、カテーテル10をステム126に固定する。換言すれば、ロッキング部材134が第1の位置から第2の位置に移動すると、シーリング要素130は、非圧縮状態(すなわち、カテーテルから離間)から圧縮状態(すなわち、カテーテルに接触)に移動して、カテーテル10をステム126へ固定する。
【0033】
図6~10を参照すると、皮下ポートアセンブリ200の第2の実施例がおおまかに示されている。皮下ポートアセンブリ200は、ベース204、キャップ206、隔壁208、及びコネクタ210を有するポート202を備える。リザーバ212を画定するベース204、アクセス開口214を画定するキャップ206、及び隔壁208は、構造及び機能において、上述の皮下ポートアセンブリ100のベース104、キャップ106、及び隔壁108と実質的に同様であり、したがって、これらの構成要素については詳しくは説明しない。
【0034】
コネクタ210は、ベース204に隣接する第1の端部210aから、ベース204から離れた遠位の第2の端部210bまで延在する。コネクタ210は、ソケット218を画定する内面216を備える。ソケット218は内径ID218を備える。ソケット218は、内面216からソケット218の中心に向かって延在する少なくとも1つの半径方向突出部220を備える。いくつかの実装形態では、少なくとも1つの半径方向突出部220は、2つの半径方向突出部220、または任意の他の適切な数の半径方向突出部を備えてもよい。半径方向突出部220は、正三角形などのほぼ三角形の形状、または任意の他の適切な形状を有し得る。ソケット218は、ベース204またはコネクタ210のうちの1つによって画定される導管224を介してリザーバ212と流体連通され得る。
【0035】
コネクタ210は、ヘッド部分222、ネック部分234、及びヘッド部分222とネック部分234との間のショルダー部分236を備える。ネック部分234は、コネクタの第1の端部210a、例えばベース204に接続する部分に第1の幅W234を備え、ショルダー部分236は、コネクタ210の第2の端部210bにより近い、この第1の幅W234より大きい第2の幅W236を備える。ソケット118は、ヘッド部分222を通り、ショルダー部分236を通って、そして少なくとも部分的にネック部分234の中に延在する。ショルダー部分236は、ショルダー部分236の外面にリップまたは第1のキャッチ244を備える。第1のキャッチ244は、コネクタ210の第2の端部210bに向かって面してもよく、例えば、第1のキャッチ244は、ヘッド部分222に向かって面してもよい。
【0036】
ヘッド部分222は、コネクタ210の第2の端部210bまで延在する先細の外面238を備えてもよい。ヘッド部分222は、ソケット218に向かって延在する先細の凹部240を備える。カテーテル10の設置の際、先細の凹部240は、カテーテル10をソケット218に向けるように構成される。例えば、カテーテル10の遠位端10aは、先細の凹部240の表面に沿ってソケット218に向かってスライドし得る。
【0037】
図8~
図10を参照すれば、コネクタ210は、ネック部分234の外面からショルダー部分236の外面まで延在する外側付勢面242を備える。この外側付勢面242は、ネック部分234及びショルダー部分236に対して先細になっていてもよい。例えば、ネック部分234の第1の幅W
234は、ショルダー部分236の第2の幅W
236よりも小さいので、外側付勢面242は、ネック部分234からショルダー部分236まで幅が増大する。
【0038】
図6及び7を参照すると、コネクタ210は、ソケット218からヘッド部分222、ショルダー部分236、及びネック部分234の少なくとも一部を通って延在する少なくとも1つのスロット246を備える。この少なくとも1つのスロット246は、4つのスロット、または任意の他の適切な数のスロットを備えてもよい。スロット246は、協働して、コネクタ210の少なくとも1つの可塑性タブ248を画定し得る。例えば、4つのスロット246がある実装では、4つのスロット246によって確定される4つの可塑性タブ248があってもよい。各タブ248は、スロット246の1つによって隣接するタブ248から離間され得る。
【0039】
ポート202は、ベース204からソケット218内に延在するステム226を備える。ステム226は、ソケット218の内面216から内側に離間し、ソケット218の内径ID218より小さい外径OD226を有する外面228を備える。いくつかの実装形態では、ステム226の外径OD226は、約0.2mm~1.0mmの間であり得る。いくつかの実装形態では、ステム226の外径OD226は、約0.3mm~0.7mmの間であり得る。ステム226は、コネクタ210によって取り囲まれてもよく、ソケット218の実質的に全長に沿って、すなわちベース204からコネクタ210の第2の端部210bまで延在し得る。いくつかの実装形態では、ステム226は、コネクタ210の第2の端部210bを越えて延在するか、またはその前に終了してもよく、例えば、ステム226は、ヘッド部分222の開始点またはその近くで終了し得る。ステム226は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金、金、プラチナ、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、ポリカーボネート、または上記の任意の組み合わせなどの任意の適切な材料で形成され得る。
【0040】
図8~10を参照すると、皮下ポートアセンブリ200は、ステム226とソケット218の内面216との間のソケット218内に配置されたスリーブまたはシーリング要素230を備える。シーリング要素230は、近位端230aから遠位端230bまで延在する。近位端230aは、ベース204により近いソケット218の部分の端またはその近くに配置され得る。シーリング要素230は、シーリング要素230がステム226を完全に取り囲むように、シーリング要素230を完全に貫通して延在する中央ボア232を備えてもよい。シーリング要素230は、圧縮されていない状態にあるとき、ステム226の外面228から離間されていてもよい。特に、シーリング要素230の中央ボア232を画定する表面は、カテーテル10の壁厚よりも大きい距離だけ、ステム226の外面228から離間している。したがって、シーリング要素230が圧縮されていない状態にあるとき、カテーテル10は、ステム226の外面228とシーリング要素230との間の空間を通して挿入され得る。シーリング要素230は、発泡体、ゴム、ネオプレン、シリコーンなどの任意の適切な材料で形成されてもよい。
【0041】
皮下ポートアセンブリ200は、第1のロック解除位置(
図6及び9)と第2のロック位置(
図7及び10)との間でコネクタ210に対してスライド可能なカラー250を備える。カラー250は、コネクタ210のネック部分234の第1の幅W
234よりも大きい第3の幅W
252を有する第1の内面252を備える。第1の内面252は、第1の内面252から延在するリップまたは第2のキャッチ254を備える。第2のキャッチ254は、ショルダー部分236から延在する第1のキャッチ244と係合するように構成される。キャッチ244、254は、ベース204から離れたカラー250の移動を可能にするように配向されるが、第2のキャッチ254が第1のキャッチ244を通過した後、第1のキャッチ244は第2のキャッチ254と係合してカラー250の動きをベース204に向かって制限する。カラー250は、ベース204から離れる方向に増大する第4の幅W
256を有する第2の内面256を備える。すなわち、第2の内面256の一部は、コネクタ210のフレア状の外側付勢面242と協働するように傾斜されている。第2の内面256の第4の幅W
256は、ネック部分234の第1の幅W
234よりも大きく、ショルダー部分236の第2の幅W
236よりも小さい。ロック解除位置では、カラー250の第2の内面256は、ネック部分234に隣接する。ロック位置では、カラー250の第2の内面256はショルダー部分236に隣接する。第2のキャッチ254は、第1の内面252と第2の内面256との間に配置される。
【0042】
カラー250は、複数の把持部材260を含む外面258を備える。把持部材260は、例えば医療提供者によるカラー250の把持及びねじれを容易にするために、一連の凹部、突出部、またはより高い摩擦係数を有する領域であってもよい。追加または代替として、カラー250の内面252、256は、複数の第1のねじ山を備えてもよく、コネクタ210の外面は、第1のねじ山と係合するように構成された複数の対応する第2のねじ山を備えてもよく、その結果、カラー250は、コネクタ210の周りを回転して、ロック解除位置からロック位置に移動し得る。カラー250は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニッケルチタン合金、金、プラチナ、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、ポリカーボネート、ポリマー材料、プラスチック材料、または上記の任意の組み合わせなどの任意の適切な材料で形成され得る。
【0043】
動作中、カラー250はロック解除位置(
図6)から始まる。上記のように、ロック解除位置では、カラー250は、第2の内面256がコネクタ210のネック部分234と整列するように配置される。したがって、ショルダー部分236、より具体的には、ショルダー部分236のタブ248は、カラー250によって圧縮されない。
図9に示すように、圧縮されていない状態では、ソケット218の内面216上に形成された半径方向突出部220は、シーリング要素230から半径方向外側に離間され、その結果、シーリング要素230の内側ボアはステム226から離間される。
【0044】
カラー250がロック解除された状態で、カテーテル10の遠位端10aがソケット218に挿入される。カテーテル10の遠位端10aは、ソケット218に沿って、ステム226の外面228上をスライドして、シーリング要素230の中央ボア232を通って、カテーテル10の遠位端10aが、ソケット218の端部で終了するまで続く。この時点で、カテーテル10はステム226を取り囲み、そこに連結されているが、カテーテル10はステム226に適切に固定されていない場合がある。カラー250は、例えば、第2のキャッチ254が第1のキャッチ244を通過するまで、ロック解除位置からロック位置に向かってスライドされる。この時点で、キャッチ244、254の係合により、カラー250がベース204に向かって後方にスライドすることが制限される。カラー250がロック位置に向かってスライドするにつれて、コネクタ210は、コネクタ210の外側付勢面242に沿ってスライドするカラー250の第2の内面256によって、スロット246を介してシーリング要素230に向かって半径方向に偏向する。シーリング要素230に向かって半径方向に偏向するコネクタ210は、半径方向突出部220にシーリング要素230を半径方向に圧縮させ、それがカテーテル10を圧迫し、カテーテル10をステム226に固定する。
【0045】
前述の説明に加えて、他の実装及び/または実施形態も考えられることが理解されるべきである。さらに、各実装の任意の特徴を含む任意の実装または実施形態は、適切に組み合わせてもよいし、または交換されてもよい。
【0046】
いくつかの実装形態では、カテーテルは、カテーテルの周りを包み込み、ねじ山、リッジ、リブ、突出部、半径方向の圧縮などを含む任意の適切な方法で締め付けられるスリーブまたはインサートを介して、ステムに少なくとも部分的に固定されてもよい。
【0047】
いくつかの実装形態では、ポートアセンブリは、ベースから遠位端まで延在するコネクタを備える。このコネクタは、コネクタの遠位端から延在する内部キャビティを備え、このキャビティの内径は、遠位端から離れる方向に沿って先細になる。上記の例と同様に、ステムがベースからキャビティを通ってコネクタの遠位端に向かって延在する。ポートアセンブリは、コネクタのキャビティ内に軸方向に挿入されるように構成されたチューブを有するロッキング部材をさらに備える。シャフトは、軸方向に貫通して形成された通路を有する中空シャフトまたはチューブとして構成され得る。複数のスロットまたはノッチが、シャフトの遠位端を貫通して形成され、遠位端シャフトに複数の可塑性タブを提供する。シャフトの遠位端がコネクタのキャビティに挿入されると、フィンガはこのキャビティの先細りの内径に係合し、ステムに向かって半径方向内側に付勢される。使用中、ロッキング部材がキャビティの先細りの部分と係合する前に、カテーテルはステムに通される。次いで、シャフトの遠位端がキャビティの先細の部分と係合するように、ロッキング部材をロッキング位置に向かって移動させる。ここで、フィンガは半径方向内側に付勢され、ステムに対してカテーテルを圧縮する。場合によっては、キャビティは、その中に形成されたスロットまたは戻り止めを備えてもよく、ロッキング部材は、対応するリブまたは突出部を備えてもよい。ロッキング部材がキャビティと完全に係合すると、スクリューキャップのリブがコネクタへのスナップ嵌め接続を作成して、カテーテルをコネクタに固定し、ロッキング部材が適切に着座したことを示し得る。
【0048】
いくつかの実装形態では、ポートアセンブリは、円筒形状を有し得る可塑性セグメントの周りに半径方向に延在する複数の剛性で、角度の付いたタブを有するカテーテルロックを備える。カテーテルロックは、カテーテルの外面を包み込み、例えば、ねじを通して、カテーテルロックのピンに通すことによって、カテーテルロックをカテーテルに固定し得る。上記の例と同様に、ポートベースはキャビティを画定してもよく、ステムは、ベースからキャビティを通って延在し得る。ポートベースは、キャビティから延在し、複数のタブを受け入れるように構成された複数のスロットを備えてもよい。カテーテルロックは、タブが可塑性セグメントの中心に向かって屈曲するように、タブが可塑性セグメントを圧縮するようにさせるタブの角度でキャビティ内に挿入され得る。カテーテルロックは、スロットがタブを受け入れ、タブとスロットの係合によってカテーテルロックがポートベースから離れて移動するのに抵抗するまで、キャビティ内にさらに入り続ける。そのような実施において、カテーテルロックは、BNCオスとして機能するポートのベースとBNCメスとして機能するカテーテルロックとを備えた、Bayonet Neill-Concelman(BNC)コネクタに類似し得る。
【0049】
いくつかの実装形態では、ポートアセンブリは、近位端から遠位端まで延在し得るポートベースを備える。遠位端は、例えば、ポートベースを通って延在する少なくとも1つのスロットを介して半径方向に屈曲してもよく、このポートベースは柔軟な材料などで形成されている。ポートベースは、キャビティを通って延在するステムを有するキャビティを画定し得る。カテーテルロックはカテーテルの周りに巻き付けられ、例えば摩擦によってカテーテルに一時的に固定され得る。カテーテルロックは、カテーテルロックを縦分割に沿って開いて、カテーテルロックをカテーテルへの取り付けから取り外し得るように、円筒形及びカテーテルロックに沿って延在する縦分割を有してもよい。カテーテルを含むカテーテルロックは、ポートベースのキャビティ内に延在し、遠位端を半径方向外側に屈曲させて、カテーテルがステムの外面に巻き付くことを可能にする。カテーテルロックはキャビティから取り除かれ、遠位端が半径方向内側に曲がり、カテーテルをステムに押し付け得る。次いで、カテーテルロックは、縦分割を介して開かれ、カテーテルから切り離され得る。
【0050】
いくつかの実装形態では、ポートアセンブリは、キャビティと、キャビティを通って延在するステムとを画定し得る。ポートアセンブリは、カテーテルの周りに巻き付けられたコレットを備えてもよく、カテーテルは、スナップ機能を備えたカバーを備えてもよい。カテーテルはコレットを通じてステム上に通されてもよく、スナップ機能を備えたカバーは、カテーテルをコレットに固定し得る。すなわち、カバーはコレットを包み込んでもよく、コレットはカテーテルを包み込んでもよく、カテーテルはステムを包み込んでもよく、これらの構成要素間に締まりばめを生じさせて、カテーテルをステムに固定する。コレットは、スロット、くぼみなど、カバーの一部と係合する返しまたはフレアを有し得る。
【0051】
いくつかの実装形態では、カテーテルは、ほぼ円筒形状を有し、遠位端に取り付けられたシリコーンガスケットを含む、近位端から遠位端まで延在する、ロッキングキャップに接続され得る。ロッキングキャップは、円筒形のロッキングキャップの長手方向に沿って延在する第1の部分、ロッキングキャップの外周の周りで第1の方向に垂直に延在する第2の部分、及び第1の部分に平行に延在する第3の部分を有するキー付きスロットを備えてもよく、例えば、キー付きスロットは、「J」形状に似ていてもよい。カテーテルは、ポートベースのキャビティを通って延在するステムに通されてもよい。ポートベースは、ステムの外面から延在するピンを備えてもよい。ロッキングキャップは、ステム上をスライドし、ロッキングキャップを回転させて、ピンをキー付きスロット、すなわちキー付きスロットの第3部分内に受け入れ、これによってロッキングキャップをポートベースに固定する。ロック位置では、シリコーンガスケットはポートベースに隣接し、圧縮されて、カテーテルをロック位置に維持し得る。
【0052】
本明細書に使用される用語は、特定の事例を説明する目的でしかなく、制限することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「ある、1つの(a:不定冠詞)」、「ある、1つの(an:不定冠詞)」、及び「この、その(the:定冠詞)」とは、文脈が別途明らかに示さない限り、複数形も含むことを意図し得る。「備える、含む(comprises)」、「備えている、含んでいる(comprising)」、「備えている、含んでいる(including)」及び「有する(having)」という用語は、包括的であって、したがって、特徴、ステップ、操作、要素、及び/または構成要素の存在を明示するが、1つ以上のその他の特徴、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/またはそれらの群の存在もしくは追加を排除しない。本明細書に記載の方法のステップ、プロセス、及び操作は、実施の順序として具体的に識別されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序で実施する必要があると解釈されるべきではない。追加または代替のステップを使用してもよい。
【0053】
要素または層が、別の要素または層に「上にある」、「結合されている」、「接続されている」、「取り付けられている」、または「結合されている」として言及される場合、他の要素もしくは層に直接、係合されても、接続されても、取り付けられても、結合されてもよいし、または介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、ある要素が、別の要素もしくは層に「直接」、「直接係合」、「直接接続」、「直接取り付け」、または「直接結合」されていると言及される場合、介在する要素または層が存在しない場合もある。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様の方法で解釈する必要がある (例えば、「間」と「直接の間」、「隣接する」と「直接隣接する」など)。本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意のかつ全ての組み合わせを含む。
【0054】
本明細書では、第1、第2、第3などの用語を使用して、様々な要素、構成要素、領域、層及び/またはセクションを説明し得る。これらの要素、構成要素、領域、層及び/またはセクションは、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」などの用語、及びその他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順序または順番を意味するものではない。したがって、本明細書で考察される第1の要素、構成要素、領域、層またはセクションは、構成例の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼んでもよい。
【0055】
実施形態の説明は、図示及び説明の目的で提示されている。網羅的であること、または開示を制限することを意図したものではない。特定の構成の個々の要素または特徴は、一般にその特定の構成に限定されないが、該当する場合は交換可能であり、特に図示または説明されていなくても、選択した構成で使用され得る。同じものもさまざまな方法で変更されてもよい。そのような変更は、本開示から逸脱するとは見なされず、全てのそのような変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】