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特表2023-521230炭素材料、金属有機化合物および溶媒を含んでなるスピンコーティング組成物、および基板の上方への金属酸化物膜の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】炭素材料、金属有機化合物および溶媒を含んでなるスピンコーティング組成物、および基板の上方への金属酸化物膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20230516BHJP
   C08L 85/00 20060101ALI20230516BHJP
   C08L 65/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
G03F7/11 502
G03F7/11 503
C08L85/00
C08L65/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562600
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2021059603
(87)【国際公開番号】W WO2021209476
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/011,589
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】關藤 高志
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨン、チョ
【テーマコード(参考)】
2H225
4J002
【Fターム(参考)】
2H225AM16N
2H225AM61N
2H225AM79N
2H225AN38N
2H225AN39N
2H225BA01N
2H225BA32N
2H225CA12
4J002CE00W
4J002CQ03X
4J002GQ01
4J002HA05
(57)【要約】
本発明は、炭素材料および金属有機化合物を含んでなるスピンコーティング組成物に関する。本発明は、それを用いて基板の上方に金属酸化物膜を形成する方法およびデバイスを製造する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素材料(A)、金属有機化合物(B)および溶媒(C)を含んでなる、スピンコーティング組成物であって、
(i)炭素材料(A)は、式(A1)で表される単位(A1)を含んでなり
【化1】
(式中、
Ar11は、置換されていないかまたはR11で置換された、C6-60炭化水素であり、
11は、C1-20の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、アルキル、アミノまたはアルキルアミノであり、
12は、I、BrまたはCNであり、
11は、0~5の整数であり、p12は、0~1の整数であり、q11は、0~5の整数であり、q12は、0~1の整数であり、r11は、0~5の整数であり、かつs11は0~5の整数であり、
ただし、p11、q11およびr11は、同時に0ではない);
(ii)溶媒(C)は、有機溶媒を含んでなり;かつ
(iii)金属有機化合物(B)の質量に対する炭素材料(A)の質量比は、約5~約100質量%、好ましくは、約10~約75質量%、より好ましくは、約10~約50質量%である、組成物。
【請求項2】
式(A1)が、
(i)式(A1-1):
【化2】
(式中、
Ar21は、C6-50芳香族炭化水素環であり、
21、R22およびR23は、それぞれ独立に、C6-50芳香族炭化水素環、水素、または他の単位に結合する単結合であり、
24およびR25は、それぞれ独立に、C1-4アルキルであり、所望により、複数のR24および/またはR25は、互いに結合して隣接するベンゼンと芳香族環を形成することができ、
21は、0~1の整数であり、n24およびn25は、それぞれ独立に、0~3の整数であり、かつ
12は、I、BrまたはCNであり、
11は、0~5の整数であり、p12は、0~1の整数であり、q11は0~5の整数であり、q12は、0~1の整数であり、r11は0~5の整数であり、かつs11は0~5の整数であり、
ただし、p11、q11およびr11は、同時に0ではない);
(ii)式(A1-2):
【化3】
(式中、
31およびL32は、それぞれ独立に、単結合またはフェニレンであり、
31、n32、m31およびm32は、それぞれ独立に、0~6の整数であり、
12は、I、BrまたはCNであり、
11は、0~5の整数であり、p12は、0~1の整数であり、q11は、0~5の整数であり、q12は、0~1の整数であり、r11は、0~5の整数であり、かつs11は0~5の整数であり、
ただし、p11、q11およびr11は、同時に0ではない);および
(iii)式(A1-3):
【化4】
(式中、
Ar41は、C6-50芳香族炭化水素であり、
41およびR42は、それぞれ独立に、C1-10アルキルであり、所望により、R41およびR42は、環状炭化水素を構成し、
41位の炭素原子は、第四級炭素原子であり、
41は、C6-50アリーレン、または他の単位に結合する単結合であり、
12は、I、BrまたはCNであり、
11は、0~5の整数であり、p12は、0~1の整数であり、q11は、0~5の整数であり、q12は、0~1の整数であり、r11は、0~5の整数であり、かつs11は、0~5の整数であり、
ただし、p11、q11、r11は、同時に0ではない)
の1以上であり;かつ
炭素材料(A)がポリマーである場合、ポリマーは、ポリマーの末端位置を除いて、第二級炭素原子および第三級炭素原子を、実質的に含まないか、または含まない、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項3】
炭素材料(A)が、
(iv)式(A2)で表される単位(A2):
【化5】
(式中、
Cy51は、C5-30環状炭化水素環である);および
(v)式(A3)で表される単位(A3):
【化6】
(式中、
Ar61は、単結合、C1-6アルキル、C6-12シクロアルキル、またはC6-14アリールであり、
Ar62は、C1-6アルキル、C6-12シクロアルキル、またはC6-14アリールであり、
61およびR62は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノであり、
63は、水素、C1-6アルキル、またはC6-14アリールであり、
62がC1-6アルキルまたはC6-14アリールであり、かつR63がC1-6アルキルまたはC6-14アリールである場合、R62およびR63は、所望により、互いに結合して炭化水素環を形成し、
61およびr62は、それぞれ独立に、0~5の整数であり、
破線で囲まれたCy61、Cy62およびCy63環の少なくとも1つは、隣接する芳香族炭化水素環Ph61と縮合した芳香族炭化水素環であり、かつ
破線で囲まれたCy64、Cy65およびCy66環の少なくとも1つは、隣接する芳香族炭化水素環Ph62と縮合した芳香族炭化水素環である)
の1以上をさらに含んでなる、請求項1~2のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項4】
金属有機化合物(B)が、加水分解性基を含んでなる金属有機錯体、加水分解性基を含んでなる金属有機錯体の加水分解生成物、加水分解性基を含む金属有機錯体の加水分解縮合生成物、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせである、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項5】
金属有機化合物(B)が、以下の式(B)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載のスピンコート組成物。
【化7】
(式中、
Mは、4価の金属であり、好ましくは、Zr、Ta、Hf、Ti、Sn、Pb、Nb、Mo、GeおよびWからなる群より選択される少なくとも1つであり、
71は、1~20の数であり、かつ
71、R72、R73およびR74は、それぞれ独立に、
(a)式(B)-lで表される第1の有機部分(B)-l:
【化8】
(式中、
75は、C2-10アルキレン、C3-12分岐状アルキレン、C5-12シクロアルキレン、C=C二重結合を含むC2-10アルキレン、C=C二重結合を含むC3-12分岐状アルキレン、およびC=C二重結合を含むC5-12シクロアルキレンからなる群から選択され、かつ
76は、水素、または式(B)-l-lで表されるアルキルオキシカルボニルである:
【化9】
(式中、
77は、C1-8アルキルである));
(b)式(B)-2で表される、少なくとも2個の炭素を有するケイ素含有有機部分(B)-2:
【化10】
(式中、
78およびR79は、それぞれ独立に、C1-8アルキル、C3-12分岐状アルキル、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、およびC6-16アリールからなる群から選択され;
80は、C1-8アルキル、C6-16アリール、ヒドロキシ、および構造(B)-2-1を有するシロキサンからなる群から選択され:
【化11】
(式中、
81は、水素、C1-8アルキル、ヒドロキシで置換されたC1-8アルキル、C6-16アリール、および構造(B)-2-1-1を有するシリル部分からなる群から選択され:
【化12】
(式中、
84およびR85は、それぞれ独立に、C1-8アルキル、C3-12分岐状アルキル、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、およびC6-16アリールからなる群から選択され;かつR86は、C1-8アルキルおよびC6-16アリールからなる群から選択される);
82およびR83は、それぞれ独立に、C1-8アルキル、C3-12分岐状アルキル、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、およびC6-16アリールからなる群から選択され;かつ、
81は、シロキサン部分(B)-2-1中の繰り返し単位の数を表す));および
(c)C2-8アルキル、C2-8アルキルカルボキシ、C6-20アリールカルボキシ、フルオレニルカルボキシ、フッ素化されたC2-8アルキルカルボキシ、C2-8アルキルスルホニル、フッ素化されたC2-8アルキルスルホニル、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせからなる群から選択される第2の有機部分、および
(d)(a)、(b)および(c)の任意の組み合わせ
からなる群から選択される)
【請求項6】
溶媒(C)が、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、モノアルコール溶媒、ポリオール溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、窒素含有溶媒、硫黄含有溶媒、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項7】
界面活性剤(D)をさらに含んでなり、かつ、
好ましくは架橋剤、酸発生剤、ラジカル発生剤、光重合開始剤、基板密着増強剤、消泡剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、他の添加剤(E)を所望によりさらに含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項8】
炭素材料(A)の分子量が約500~約4、000である、請求項1~7のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項9】
スピンコーティング組成物の全質量に対する金属有機化合物(B)の質量比が、約5~約100質量%、好ましくは約10~約75質量%、より好ましくは約10~約50質量%であり;
スピンコーティング組成物の全質量に対する溶媒(C)の質量比が、約5~約100質量%、好ましくは約10~約75質量%、より好ましくは約10~50質量%であり;かつ
金属有機化合物(B)の質量に対する界面活性剤(D)の質量比が、約5~約100質量%、好ましくは約10~約75質量%、より好ましくは約10~約50質量%である、請求項1~8のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物からなるスピンオン金属ハードマスク組成物。
【請求項11】
金属酸化物膜の製造方法であって、
(1)請求項1~9のいずれか一項に記載のスピンコーティング組成物を基板の上方にスピンコートすること;および
(2)スピンコーティング組成物を加熱して、金属酸化物膜を形成すること
を含んでなり、
前記加熱が、好ましくは約200~約800℃および/または約30~約240秒間で行なわれる、方法。
【請求項12】
金属酸化物膜の金属含有量が、膜の全質量に対して約10~約85質量%である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レジスト被膜の製造方法であって、
(3)請求項11~12のいずれか一項に記載の方法により製造された金属酸化物膜の上方にレジスト組成物を適用すること
を含んでなる、方法。
【請求項14】
レジストパターンの製造方法であって、
(4)請求項13に記載の方法により製造されたレジスト被膜を放射光に暴露すること;
(5)暴露されたレジスト被膜を現像液で現像すること;および
(6)基板から現像液を除去すること
を含んでなる、方法。
【請求項15】
加工基板の製造方法であって、
(7)請求項14に記載の方法により製造されたレジストパターンをエッチングすること;および
(8)基板を加工すること
を含んでなる、方法。
【請求項16】
デバイスの製造方法であって、
(9)請求項15に記載の方法により製造された加工基板に配線を形成すること
を含んでなり、
好ましくは、基板が段差基板である、方法。
【請求項17】
スピンコーティング組成物が、実質的に、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)および溶媒(C)からなる、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項18】
スピンコーティング組成物が、実質的に、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)、溶媒(C)および界面活性剤(D)からなる、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項19】
スピンコーティング組成物が、実質的に、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)、溶媒(C)、界面活性剤(D)、ならびに架橋剤、酸発生剤、ラジカル発生剤、光重合開始剤、基板密着増強剤、消泡剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤(E)からなる、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項20】
スピンコーティング組成物が、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)および溶媒(C)からなる、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項21】
スピンコーティング組成物が、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)、溶媒(C)および界面活性剤(D)からなる、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【請求項22】
スピンコーティング組成物が、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)、溶媒(C)、界面活性剤(D)、ならびに架橋剤、酸発生剤、ラジカル発生剤、光重合開始剤、基板密着増強剤、消泡剤およびこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤(E)からなる、請求項1に記載のスピンコーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素材料および金属有機化合物を含んでなるスピンコーティング組成物およびそれを使用して基板の上方に金属酸化物膜を形成する方法に関する。本発明は、さらに、この組成物を用いたデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物膜は、種々の用途、例えば、リソグラフィハードマスク、反射防止膜用の下層、および半導体分野の電気光学装置に有用である。
【0003】
一例として、フォトレジスト(「レジスト」)組成物は、コンピュータチップおよび集積回路の製造等における微細化された電子部品を製造するためのマイクロリソグラフィプロセスにおいて使用される。一般に、レジスト組成物の薄い被膜は、集積回路を製造するために使用されるシリコンウェハのような基板に適用される。次に、塗布された基板をベークして、レジストから所望の量の溶媒を除去する。次に、基板上のレジスト膜を、可視光、紫外光、極端紫外光、電子線、粒子線および放射X線のような活性光線で像様露光し、現像してパターンを形成する。放射線は、レジストの暴露された領域において化学的変化を引き起こす。暴露された被膜を現像液で処理して、レジストの放射線暴露領域または未暴露領域のいずれかを溶解除去する。
【0004】
半導体デバイスは微細化傾向にあり、このような微細化に伴う困難を克服するため、放射線のより一層短い波長に感光する新しいレジストや、また、高度なマルチレベルシステムの使用がされてきている。
【0005】
多量の耐熱性成分を含有する下層を、ハードマスクとして、反射防止膜として使用することができる。ハードマスクは、その上にあるレジストが、下にある半導体基板に像を転写するために使用されるドライエッチングに対して十分な耐性を供することができない場合に有用である。このような環境では、ハードマスクと呼ばれる材料が使用され、そのエッチング耐性は、その上に形成された任意のパターンを、下の半導体基板に転写するのに十分に高い。これは、有機レジストが、下にあるハードマスクと異なるために、また、レジスト中の像を、下にあるハードマスクに転写することを可能にするエッチングガス混合物をあてがうことができるために、可能となる。次いで、このパターン化されたハードマスクを、適切なエッチング条件およびガス混合物を用いて、ハードマスクから半導体基板に像を転写するために使用できるが、これはレジストそれ自体では単一のエッチングプロセスによりなしえなかった課題である。
【0006】
これらの環境下では、複数の配位子で置換された金属化合物および溶媒を含んでなる組成物が研究され、これは、高K金属酸化物への空気安定性前駆体として有用であり、金属ハードマスク膜を作ることができる。例えば、特許文献1を参照されたい。
【0007】
良好な耐熱性を有する化合物、およびギャップへの良好な充填、良好な平坦化および膜収縮の低減が可能なコーティングを提供するために、ある種の有機炭素材料が研究された。例えば、特許文献2を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開2019/048393号
【0009】
【特許文献2】国際公開2019/121480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
技術的課題
【0011】
以下を含む、改善が望まれる1つ以上の重要な問題が依然として存在することが判明した:溶質の溶解性が不十分である;溶質の耐熱性が不十分である;金属酸化物膜にクラックが発生する;金属酸化物膜のエッチング耐性が不十分である;調製中に沈殿が起こりうる;金属酸化物膜の密度が低い;組成物および/または金属酸化物膜の塗布性が不十分である;金属酸化物膜のパターンが基板から容易に除去されない;金属酸化物膜と隣接する被膜とのインターミキシングが起こりうる;金属酸化物膜の微細なパターニングが困難である;組成物のギャップ充填が不十分である;膜の表面平坦性が不十分である;膜の硬度が不十分である;膜の内部応力が高い;および、パターンウィグリング(wiggling)が発生することが多い。
【0012】
以下に記載する本発明は、これらの問題の少なくとも1つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
解決するための手段
【0014】
本発明は、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)および溶媒(C)を含んでなるスピンコーティング組成物を提供するものであって、ここで炭素材料(A)は、式(A1)で表される単位(A1)を含んでなり
【化1】
(式中、
Ar11は、置換されていないかまたはR11で置換された、C6-60炭化水素であり、
11は、C1-20の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、C1-20アルキル、アミノまたはアルキルアミノであり、
12は、I、BrまたはCNであり、
11は、0~5の数であり、p12は、0~1の数であり、q11は、0~5の数であり、q12は、0~1の数であり、r11は、0~5の数であり、かつs11は、0~5の数であり、ただし、p11、q11およびr11は、同時に0ではない);
溶媒(C)は、有機溶媒を含んでなり;かつ
金属有機化合物(B)の質量に対する炭素材料(A)の質量比は、約5~約100質量%である。
【0015】
別の形態では、上記のように、組成物は、実質的に成分(A)、(B)および(C)からなる。このような形態では、(A)、(B)および(C)の合計量は、必ずしも100重量%ではなく、組成物の有効性を実質的に変えない、他の成分(例えば、水を含む追加の溶媒、一般的な添加剤および/または不純物)が含むことができる。
【0016】
別の形態では、上記のように、組成物は、成分(A)、(B)および(C)からなる。このような形態では、(A)、(B)および(C)の合計量は約100重量%であるが、少量存在していても組成物の有効性を実質的に変えない、その他の少量および/または微量の添加剤を含むことができる。例えば、1つのこのような形態では、組成物は2重量%以下の添加剤を含有することができる。別の形態では、組成物は1重量%以下の添加剤を含有することができる。さらなる形態では、組成物は0.05重量%以下の添加剤を含有することができる。
【0017】
本発明はまた、スピンオン金属ハードマスク組成物を提供する。
【0018】
本発明は、(1)スピンコーティング組成物を基板の上方にスピンコートすること;および(2)スピンコーティング組成物を加熱して金属酸化物膜を形成することを含んでなる金属酸化物膜の製造方法を提供する。
【0019】
本発明は、(3)上記のようにして製造された金属酸化物膜の上方にレジスト組成物を塗布することを含んでなるレジスト被膜の製造方法を提供する。
【0020】
本発明は、(4)上記のようにして製造されたレジスト被膜を放射光に暴露すること;(5)暴露されたレジスト被膜を現像液で現像すること;および(6)基板から現像液を除去することを含んでなるレジストパターンの製造方法を提供する。
【0021】
本発明は、(7)上記のようにして製造されたレジストパターンを用いてエッチングすること;および(8)基板を加工することを含んでなる加工基板の製造方法を提供する:
【0022】
本発明は、上記した加工基板の製造方法を含んでなる、デバイスの製造方法を提供する。
【0023】
発明の効果
【0024】
スピンコーティング組成物中の溶質は、溶媒(C)への良好な溶解性を示す。スピンコーティング組成物中の溶質は良好な耐熱性を示す。スピンコーティング組成物から形成された金属酸化物膜は、クラックを減少させる。スピンコーティング組成物から形成された金属酸化物膜は、良好なエッチング耐性を示す。スピンコーティング組成物の溶質は沈殿を減少させる。金属酸化物膜の密度を増加する。金属酸化物膜は、基材上への良好な塗布性を示す。マスクと使用後の金属酸化物膜パターンは、容易に除去することができる。金属酸化物膜は、隣接する被膜(例えば、レジスト被膜)とのインターミキシングを減少させる。金属酸化物膜の微細なパターニングが可能である。スピンコーティング組成物は、良好なギャップ充填性を示す。金属酸化物膜は、良好な平坦性を有する。金属酸化物膜は、高い硬度を有する。内部応力が高くなりすぎることや、パターンウィグリングを抑制することができる。
【0025】
実施形態の記述
【0026】
上記の要約および以下の詳細は、本発明を説明するために提供され、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図するものではない。
【詳細な説明】
【0027】
定義
【0028】
本明細書全体を通して、定義された記号、単位、略号および用語は、明示的に限定されない、もしくは述べられない限り、以下の定義、記述および実施例において与えられた意味を有する。
【0029】
単数形の使用は複数形を含み、単語「a」、「an」および「the」は「少なくとも1つ」を意味する。さらに、「含む(includes)」および「含まれる(included)」等と同様に、用語「含んでいる(including)」の使用は、限定的ではない。また、「要素」または「成分」等の用語は、1つの単位を含んでなる、要素または成分、および1つ以上の単位を含んでなる、要素または成分の両方を包含する。
【0030】
用語「および/または」は、単一の要素を使用することを含めて、任意の当該要素の任意の組み合わせを示す。
【0031】
本明細書において、数値範囲が「-」、「to」または「~」で特定されている場合、数値範囲は、これらは「-」、「to」または「~」の前後に示された数の両方を含み、また単位は2つの数値に共通である。例えば、「5~25モル%」は、「5モル%以上25モル%以下」を意味する。
【0032】
用語「約」または「およそ」は、測定可能な数値変数に関連して使用される場合、変数の指示値を意味し、また、表示値の実験誤差内(例えば、平均に対して95%の信頼限界内)または表示値の百分率(例えば、±10%、±5%)の範囲内のいずれか大きい方のすべての変数値を意味する。
【0033】
本明細書において使用される、「Cx-y」、「C-C」および「C」等の用語は、分子中または置換基中の炭素原子の数を意味する。例えば、「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素を有するアルキル鎖(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を意味する。
【0034】
本明細書に記載のポリマーが複数種類の繰り返し単位を有する場合、これらの繰り返し単位は共重合する。共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせから選択されるいずれかであり得る。ポリマーまたは樹脂を化学構造で表した場合、括弧に付記されたn、m等は、繰り返し数を意味する。
【0035】
本明細書に記載の温度の単位は摂氏である。例えば、「20度」は、「摂氏20度」を意味する。
【0036】
スピンコーティング組成物
【0037】
本発明は、炭素材料(A)、金属有機化合物(B)および溶媒(C)を含んでなるスピンコーティング組成物を提供する。金属有機化合物(B)の質量に対する炭素材料(A)の質量比は、約5~約100質量%;好ましくは、約10~約75質量%;より好ましくは、約10~約50質量%である。さらなる形態では、スピンコーティング組成物は、実質的に、これらの成分からなる。さらに別の形態では、スピンコーティング組成物は、これらの成分からなる。
【0038】
別の形態として、本発明は、好ましくは、基板の上方に;より好ましくは、基板の上にスピンコートするための組成物の使用を提供する。本発明は、被膜を形成するために;好ましくは、後に膜とするために、基板の上方にスピンコートするための組成物の使用を提供する。
【0039】
好ましい形態では、スピンオン金属ハードマスク組成物は、実質的に本発明のスピンコーティング組成物からなることができる。別の好ましい形態では、スピンオン金属ハードマスク組成物は、本発明のスピンコーティング組成物からなることができる。本発明の組成物により製造された後の膜は、金属ハードマスク膜であることが好ましいと言える。
【0040】
全ての成分を溶媒(C)に添加し、溶解したことを確認した後、得られた組成物を濾過して不純物および/または小さな破片を除去することができる。この調製には、公知のフィルターを用いることができる。
【0041】
炭素材料(A)、単位(A1)
【0042】
本発明の炭素材料(A)は、式(A1)で表される単位(A1)を含んでなる。
【化2】
【0043】
(A1)において、Ar11は、置換されていないかまたはR11で置換された、C6-60炭化水素である。好ましくは、Ar11は、縮合芳香族環を除外する。Ar11は、好ましくは、9,9-ジフェニルフルオレン、9-フェニルフルオレン、フェニル、C6-60直鎖状ポリフェニレン、または分岐状ポリフェニレンエーテルであり、これらはそれぞれ独立に、R11で置換されていてもよい。
【0044】
11は、C1-20の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、アルキル、アミノまたはアルキルアミノである。R11は、好ましくは、C1-10の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、アルキル、またはアルキルアミノ;より好ましくは、C1-3直鎖状アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはジメチルアミノである。
【0045】
炭素材料(A)が複数の単位(A1)からなる場合、R11は、リンカーとして介在して単位(A1)同士を結合させることができる。1つのAr11を置換する単一または複数の(好ましくは単一の)R11が存在することができる。
【0046】
1つの単位(A1)において、括弧で囲まれた基(例えば、p11が付記された括弧で囲まれた基)は、R11に結合することができる。この場合、R11は、リンカーとして介在してその基とAr11とを結合させることができる。
【0047】
12は、I、BrまたはCN;好ましくは、IまたはBr;より好ましくは、Iである。
【0048】
11は0~5の数である。炭素材料(A)が2種類の単位(A1)を1個ずつ構成要素とし、両方のAr11がフェニルであり、一方のAr11上のp11が1であり、他方のAr11上のp11が2であることは、本発明の1つの形態であり得る。このような場合、全体でp11=1.5である。本明細書では、特に断らない限り、同じ番号付け規則が使用される。
【0049】
11は、好ましくは、0、1、2または3;より好ましくは、0、1または2;さらに好ましくは、1である。p11=0であることも本発明の1つの形態である。
【0050】
12は0~1の数;好ましくは、0または1;より好ましくは、1である。
【0051】
11は0~5の数;好ましくは0、1、2または3;より好ましくは0、1または2;さらに好ましくは、1である。q11=0であることも本発明の1つの形態である。
【0052】
12は0~1の数;好ましくは、0または1;より好ましくは1である。
【0053】
11は0~5の数;好ましくは、0、1、2または3;より好ましくは0、1または2;さらに好ましくは、1である。r11=0であることも本発明の1つの形態である。
【0054】
11は0~5の数;好ましくは、0、1、2または3;より好ましくは0、1または2;さらに好ましくは、1である。s11=0であることも本発明の1つの形態である。
【0055】
11、q11およびr11は同時に0ではない。
【0056】
本発明に従う単位(A1)は、式(A1-1)、(A1-2)および/または(A1-3)で表される単位(A1-1)、(A1-2)および/または(A1-3)であり得る。以下、それぞれについて詳細に説明する。
【0057】
1つの形態として、好ましくは、式(A1)は、式(A1-1)である。理論に拘束されることを望まないが、炭素材料(A)中の単位(A1-1)は溶解性に寄与し、および/または沈殿を回避することができると考えられる。
【0058】
単位(A1-1)は、式(A1-1)で表される。
【化3】
【0059】
Ar21は、C6-50芳香族炭化水素環;好ましくはフェニルである。理論に拘束されることを望まないが、Ar21がフェニルである場合には、炭素材料(A)の溶解性、および厚膜(例えば、約1μm以上、より好ましくは約1.5μm以上)を形成する能力等の良好な効果が期待できると考えられる。
【0060】
21、R22およびR23は、それぞれ独立に、C6-50芳香族炭化水素環、水素、または他の単位に結合する単結合;好ましくは、それぞれ独立に、フェニル、水素、または他の単位に結合する単結合;より好ましくは、それぞれ独立に、フェニル、または他の単位に結合する単結合;さらに好ましくは、それぞれ独立に、フェニルである。
【0061】
「他の単位に結合する単結合」の「他の単位」という用語は、その中に単結合が存在する1つの単位を含まない。しかし、炭素材料(A)が複数の単位(A1)を有する場合には、単結合は、他の単位(A1)に結合することができる(その中に単結合が存在する単位(A1)ではなく、1つの単位(A1)において自己架橋していない)。特に断らない限り、本明細書では同じ規則が適用される。
【0062】
24およびR25は、それぞれ独立に、C1-4アルキルであり、所望により、複数のR24および/またはR25は、互いに結合して隣接するベンゼンと芳香族環を形成することができる。例えば、2つのR24は互いに結合して、隣接するベンゼンとナフチル環を形成することができる。
【0063】
21は、0~1の整数;好ましくは、0である。
【0064】
24およびn25は、それぞれ独立に、0~3の整数;好ましくは、0、1または2;より好ましくは、0または2;さらに好ましくは、0である。
【0065】
12、p11、p12、q11、q12、r11およびs11の定義および/または形態は、それぞれ独立に、上記と同じである。
【0066】
例えば、左下の化合物は炭素材料(A)であり、1つの単位(A1)と1つの単位(A2)から構成されていると解釈でき、ここで、Ar11は9,9-ジフェニルフルオレンであり、p11=2、p12=1、q11=r11=s11=0である。右下に示すように、矢印で示された結合は、他の単位に結合するのに用いられていない。
【化4】
【0067】
本発明の範囲を限定することを意図するものではないが、単位(A1-1)を含んでなる炭素材料(A)の具体例には、以下のものが含まれる。
【化5】
【0068】
より具体的な形態として、単位(A1-1)は、単位(A1-1-1)であり得る。単位(A1-1-1)は、式(A1-1-1)で表される:
【化6】
【0069】
11、p12、q11、q12およびr11の定義および/または形態は、それぞれ独立に、上記と同じであり、またp11+q11+r11=1~4である。
【0070】
単位(A-2)は、式(A-2)で表される:
【化7】
【0071】
31およびL32は、それぞれ独立に、単結合またはフェニレン:好ましくは、それぞれ独立に、単結合である。
【0072】
31、n32、m31およびm32は、それぞれ独立に、0~6の整数;好ましくは、0~3の整数である。n31+n32=5または6であることは、本発明の1つの好ましい形態である。L31が単結合である場合、m31=1である。L32が単結合である場合、m32=1である。
【0073】
12、p11、p12、q11、q12、r11およびs11の定義および/または形態は、それぞれ独立に、上記と同じである。
【0074】
本発明の範囲を限定することを意図するものではないが、単位(A1-2)を含んでなる炭素材料(A)の具体例には、以下のものが含まれる:
【化8】
【0075】
単位(A-3)は、式(A-3)で表される:
【化9】
【0076】
Ar41は、C6-50芳香族炭化水素;好ましくは、Ar41は、フェニルである。
【0077】
41およびR42は、それぞれ独立に、C1-10アルキル(好ましくは、C1-6直鎖状アルキル)である。任意に、R41およびR42は、環状炭化水素を構成し;好ましくは、R41およびR42は、飽和炭化水素環を構成する。
【0078】
41位の炭素原子は第四級炭素原子である。
【0079】
41は、C6-50アリーレン、または他の単位に結合する単結合;好ましくは、フェニレン、または他の単位と結合する単結合;より好ましくは、他の単位と結合する単結合である。
【0080】
12、p11、p12、q11、q12、r11およびs11の定義および/または形態は、それぞれ独立に、上記と同じである。
【0081】
本発明の範囲を限定することを意図するものではないが、単位(A1-3)を含んでなる炭素材料(A)の具体例には、以下のものが含まれる:
【化10】
【0082】
炭素材料(A)がポリマーである場合、本発明の組成物から製造された膜は高い耐熱性を有する。その好ましい形態において、(i)炭素材料(A)の主鎖は、第二級炭素原子または第三級炭素原子を含まないか、または(ii)炭素材料(A)の主鎖に含まれる第二級炭素原子と第三級炭素原子の合計量が少ない。
【0083】
本発明の1つの好ましい形態において、炭素材料(A)がポリマーである場合、炭素材料(A)の合成中に使用されるアルデヒド誘導体の量は、合成に使用される全ての成分に対して、約0~約30モル%(より好ましくは、約0~約15モル%;さらに好ましくは、約0~約5モル%;さらにまた好ましくは、約0モル%、または0モル%)である。アルデヒド誘導体の一例はホルムアルデヒドである。主鎖に第二級炭素原子および第三級炭素原子を全く含まないかまたはほとんど含まない炭素材料(A)のポリマーを得るために、ケトン誘導体を用いることが本発明の好ましい形態の1つである。
【0084】
第二級炭素原子および/または第三級炭素原子をほとんどまたは全く含まないようにポリマーを合成することが可能である。本発明の1つの好ましい形態として、炭素材料(A)がポリマーである場合、そのポリマーは、(第二級炭素原子および/または第三級炭素原子を受容可能に含むことができるポリマーの末端以外に)第二級炭素原子または第三級炭素原子を含まない。理論に拘束されることを望むものではないが、このようなポリマーは溶解性を有し、形成された膜は改善された耐熱性を有すると考えられる。ポリマーの末端は、第二級炭素原子および/または第三級炭素原子を有することが容認される。
【0085】
本発明の1つの形態として、炭素材料(A)がポリマーである場合には、ポリマーの主鎖はエーテルリンカー(-O-)またはスルホンリンカー(-S(=O)-)を含まないことが好ましい。ここで、「リンカー」という用語は、単位同士を結合する成分を意味する。このような単位による末端変性は容認され、例えば、ヒドロキシ基である。理論に拘束されることを望むものではないが、このようなポリマーは良好な溶解性を示すと考えられる。
【0086】
炭素材料(A)がポリマーである場合、重量平均分子量(Mw)がその分子量として用いられる。
【0087】
本出願では、Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。この測定の好適な例では、GPCカラムを約40℃に設定し;テトラヒドロフランを約0.6mL/分で溶出溶媒として使用し;かつ、単分散ポリスチレンを標準として使用する。
【0088】
炭素材料(A)がポリマーでなく、その代わりに低分子量化合物である場合には、液体クロマトグラフ質量分析(LC-MASS)を用いてその分子量を測定することができる。
【0089】
本発明の1つの形態として、炭素材料(A)の分子量は、約500~約6,000;好ましくは、約600~約5,500;より好ましくは、約700~約5,000;さらに好ましくは、約800~約5,000である。
【0090】
本発明の炭素材料(A)は、単位(A1)以外の繰り返し単位を含んでいてもよいし、含まなくてもよい。好ましい形態では、炭素材料(A)は、実質的に繰り返し単位(A1)からなる。他の好ましい形態では、炭素材料(A)は、繰り返し単位(A1)からなる。炭素材料(A)が、単位(A1)以外の繰り返し単位を含まないことは、本発明の1つの形態である。
【0091】
炭素材料(A)、単位(A2)
【0092】
本発明の炭素材料(A)は、単位(A2)および/または単位(A3)をさらに含んでなることができる。
【0093】
単位(A2)は、式(a2)で表される。
【化11】
【0094】
Cy51は、C5-30環状炭化水素環;好ましくは、9-フェニルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、アダマンタン、フェニル、ナフチル、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、またはペリレン;より好ましくは、フルオレン、9-フェニルフルオレン、9,9-ジフェニルフルオレン、またはアダマンタン;さらに好ましくは、フルオレン、またはアダマンタン;さらにより好ましくは、フルオレンである。
【0095】
本発明の1つの形態として、式(A2)は式(A2-1)である。
【化12】
【0096】
Cy51の定義および/または形態は、上記と同じである。
【0097】
炭素材料(A)、単位(A3)
【0098】
単位(A3)は、式(A3)で表される。
【化13】
【0099】
Ar61は、単結合、C1-6アルキル、C6-12シクロアルキル、またはC6-14アリール;好ましくは、単結合、C1-6アルキル、またはフェニル;より好ましくは、単結合、C直鎖状アルキル、C直鎖状アルキル、第三級ブチル、またはフェニル;さらに好ましくは、単結合またはフェニル;さらにより好ましくはフェニルである。
【0100】
Ar62は、C1-6アルキル、C6-12シクロアルキル、またはC6-14アリール;好ましくは、イソプロピル、第三級ブチル、Cシクロアルキル、フェニル、ナフチル、フェナントリル、またはビフェニル;より好ましくは、フェニルである。
【0101】
61およびR62は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノ;好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、第三級ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、またはシアノ;より好ましくは、メチル、ヒドロキシ、フッ素、または塩素である。
【0102】
63は、水素、C1-6アルキル、またはC6-14アリール;好ましくは、水素、C1-6アルキル、またはフェニル;より好ましくは、水素、メチル、エチル、C直鎖状アルキル、第三級ブチル、またはフェニル;より好ましくは、水素またはフェニル;さらに好ましくは、水素である。
【0103】
62がC1-6アルキルまたはC6-14アリールであり、かつR63がC1-6アルキルまたはC6-14アリールである場合、R62およびR63は、所望により、互いに結合して炭化水素環を形成する。
【0104】
61およびr62は、それぞれ独立に、0~5の数;好ましくは、0または1;より好ましくは、0である。
【0105】
各々、破線で囲まれたCy61、Cy62およびCy63環の少なくとも1つは、隣接する芳香族炭化水素環Ph61と縮合した芳香族炭化水素環である。その芳香族炭化水素環と芳香族炭化水素環Ph61の合計炭素数は、好ましくは、C10-14;より好ましくは、C10である。
【0106】
各々、破線で囲まれたCy64、Cy65およびCy66環の少なくとも1つは、隣接する芳香族炭化水素環Ph62と縮合した芳香族炭化水素環である。その芳香族炭化水素環と芳香族炭化水素環Ph62の合計炭素数は、好ましくは、C10-14;より好ましくは、C10である。
【0107】
式(A3)において、R61、R62およびOHの結合位置は限定されない。
【0108】
例えば、以下の化合物は、式(A3)の構造を単位(A3)として有することができる。すなわち、芳香族炭化水素環Ph61と芳香族炭化水素環Cy63とが互いに縮合してナフチル環(C10)を形成し、かつ、OHが芳香族炭化水素環Cy63に結合している。Ar61は、単結合であり、Ar62およびR63は、各々、フェニルであり、かつ、Ar62およびR63は、互いに結合して炭化水素環(フルオレン)を形成している:
【化14】
【0109】
本発明の範囲を限定することを意図するものではないが、単位(A3)の具体例には、以下のものが含まれる。
【化15】
【0110】
炭素材料(A)がポリマーである場合、単位(A1)、単位(A2)、および(A3)の繰り返し数は、各々、nA1、nA2およびnA3により示され、かつ、nA1>0%である。
【0111】
A1/(nA1+nA2+nA3)は、好ましくは、約1~約100%;より好ましくは、約10~約100%;さらに好ましくは、約20~約100%;さらにより好ましくは、約30~約100%である。
【0112】
A2/(nA1+nA2+nA3)は、好ましくは、約0~約99%;より好ましくは、約10~約50%;さらに好ましくは、約20~約40%である。本発明の1つの形態では、nA2/(nA1+nA2+nA3)=0%である。
【0113】
A3/(nA1+nA2+nA3)は、好ましくは、約0~約99%;より好ましくは、約10~約50%;さらに好ましくは、約20~約40%である。本発明の1つの形態では、nA3/(nA1+nA2+nA3)=0%である。
【0114】
炭素材料(A)がポリマーである場合、ntotalはその中の繰り返しの総数を表す。
【0115】
(nA1+nA2+nA3)/ntotalは、好ましくは、約80~約100%;より好ましくは、約90~約100%;さらに好ましくは、約95~約100%である。本発明の1つの好ましい形態では、(nA1+nA2+nA3)/ntotal=100%である。
【0116】
例えば、以下のポリマーは、単位(A1)、単位(A2)および単位(A3)を各々この順に有する交互共重合体と解釈することができる。そのような実施形態では、nA1/(nA1+nA2+nA3)、nA2/(nA1+nA2+nA3)、nA3/(nA1+nA2+nA3)=約1/3(約33%)であり、また、((nA1+nA2+nA3)/ntotal=100%である。
【化16】
【0117】
金属有機化合物(B)
【0118】
本発明のスピンコーティング組成物は、金属有機化合物(B)を含んでなる。金属有機化合物(B)は、好ましくは、加水分解性基を含む金属有機錯体、加水分解性基を含む金属有機錯体の加水分解生成物、加水分解性基を含む金属有機錯体の加水分解縮合生成物、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせである。本発明の1つの形態として、金属有機化合物(B)は、それぞれが(B)で表される構造を有する複数の金属有機化合物の混合物である。
【0119】
理論に拘束されるものではないが、膜中に金属成分のみを含むことは、クラックが発生することが多いため、良好ではなく、また、炭素材料(A)は、金属との析出を避けることができるので、溶質として良好であると考えられている。
【0120】
理論に拘束されるものではないが、さらに、本発明の金属酸化物膜を形成する場合には、(一部または全部が炭素材料(A)に由来する)炭素成分は、金属有機化合物(B)から作られたポリマー間の空隙に位置することができ;膜密度(質量密度、より好ましくは、原子数密度)を高め;かつ、エッチング耐性に寄与することができると考えられている。
【0121】
金属有機化合物(B)は、式(B)で表される:
【化17】
【0122】
Mは4価の金属である。Mは、好ましくは、Al、Zr、Ta、Hf、Ti、Sn、Pb、Nb、Mo、Ge、およびW;より好ましくは、Al、Zr、Hf、Ti、Ta、Nb、およびSn;さらに好ましくは、Al、Zr、Hf、およびTi;よりさらに好ましくは、Al、Ti、およびZrからなる群より選択される少なくとも1つである。
【0123】
71は、1~20の整数である。
【0124】
71、R72、R73およびR74は、それぞれ独立に、第1の有機部分(B)-l、少なくとも2個の炭素を有するケイ素含有有機部分(B)-2、第2の有機部分、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせからなる群から選択される。理論に拘束されることを望むものではないが、R71および/またはR74は、金属有機化合物(B)の溶解性に寄与することができ、また、R72および/またはR73は、開裂され、さらなる重合結合点になると考えられている。
【0125】
式(B)において、R71、R72、R73およびR74に対して少なくとも1つの部分が、以下のものからなる群から選択される。
【化18】
【0126】
第1の有機部分(B)-1は、式(B)-1で表される。
【化19】
【0127】
75は、C2-10アルキレン、C3-12分岐状アルキレン、C5-12シクロアルキレン、C=C二重結合を含むC2-10アルキレン、C=C二重結合を含むC3-12分岐状アルキレン、およびC=C二重結合を含むC5-12シクロアルキレン;好ましくは、C2-10アルキレン、C=C二重結合を含むC2-10アルキレン、およびC5-12シクロアルキレン;より好ましくは、C2-10アルキレンからなる群から選択される。本発明の別の形態では、R75は、C=C二重結合を含むC2-10アルキレンである。本発明の別の形態では、R75は、C5-12シクロアルキレンである。
【0128】
76は、水素、または式(B)-l-lで表されるアルキルオキシカルボニルである。
【化20】
【0129】
本発明の1つの形態として、R76のアルキルオキシカルボニルは、好ましくは、C1-8アルキルオキシカルボニル;より好ましくは、C2-6アルキルオキシカルボニル;さらに好ましくは、C3-4アルキルオキシカルボニルである。
【0130】
77は、C1-8アルキル;好ましくは、C2-6アルキル;好ましくは、C3-4アルキルである。
【0131】
少なくとも2個の炭素を有するケイ素含有有機部分(B)-2は、式(B)-2で表される。
【化21】
【0132】
78およびR79は、それぞれ独立に、C1-8アルキル、C3-12分岐状アルキル、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、およびC6-16アリール;好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびt-ブチルからなる群から選択される。本発明の別の形態では、R78およびR79が、それぞれ独立に、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、またはC6-16アリールであることが好ましい。
【0133】
80は、C1-8アルキル、C6-16アリール、ヒドロキシ、および構造(B)-2-1を有するシロキサン;好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、および構造(B)-2-1を有するシロキサン;より好ましくはメチル、および構造(B)-2-1を有するシロキサン;よりさらに好ましくはメチルからなる群から選択される:
【化22】
【0134】
81は、水素、C1-8アルキル、ヒドロキシで置換されたC1-8アルキル、C6-16アリール、および構造(B)-2-1-1を有するシリル部分;好ましくは、水素、C1-8アルキル、および構造(B)-2-1-1を有するシリル部分;より好ましくは、水素、C1-4アルキル、および構造(B)-2-1-1を有するシリル部分;さらにより好ましくは、水素、および構造(B)-2-1-1を有するシリル部分からなる群から選択される。R81がC1-4アルキル、および構造(B)-2-1-1を有するシリル部分からなる群から選択されることも本発明の1つの形態である。R81がメチルまたはt-ブチル:好ましくは、メチルであることは本発明の別の形態である:
【化23】
【0135】
84およびR85は、それぞれ独立に、C1-8アルキル、C3-12分岐状アルキル、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、およびC6-16アリール;好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、メトキシおよびフェニル;より好ましくは、メチル、t-ブチルおよびフェニル;さらに好ましくは、メチルからなる群から選択される。
【0136】
86は、C1-8アルキルおよびC6-16アリール;好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、およびフェニル;より好ましくは、メチル、t-ブチル、およびフェニル;さらに好ましくは、メチルからなる群から選択される。
【0137】
81は、シロキサン部分(B)-2-1中の繰り返し単位の数を表わす。本発明の1つの形態として、p81=1~500;好ましくは、1~200;より好ましくは、1~50である。
【0138】
82およびR83は、それぞれ独立に、C1-8アルキル、C3-12分岐状アルキル、C1-8アルキルオキシ、C3-12分岐状アルキルオキシ、およびC6-16アリール;好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t-ブチル、およびフェニル;より好ましくは、メチル、t-ブチル、およびフェニル;さらに好ましくは、メチルからなる群から選択される。
【0139】
第2の有機部分は、C2-8アルキル、C2-8アルキルカルボキシ、C6-20アリールカルボキシ、フルオレニルカルボキシ、フッ素化されたC2-8アルキルカルボキシ、C2-8アルキルスルホニル、フッ素化されたC2-8アルキルスルホニル、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0140】
本発明の範囲を限定することを意図するものではないが、金属有機化合物(B)の具体例には、以下のものが含まれる。
【化24-1】
【化24-2】
【化24-3】
【化24-4】
【0141】
本発明の1つの形態では、スピンコーティング組成物の全質量に対する金属有機化合物(B)の質量比は、約5~約100質量%;好ましくは、約10~約75質量%;より好ましくは、約10~約50質量%である。
【0142】
溶媒(C)
【0143】
本発明のスピンコーティング組成物は、溶媒(C)を含んでなり、また、溶媒(C)は、有機溶媒を含んでなる。溶媒(C)は、無機溶媒、例えば水のみからなることはできない。
【0144】
溶媒(C)が、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、モノアルコール溶媒、ポリオール溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、窒素含有溶媒、硫黄含有溶媒、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせからなる群から選択されることは、本発明の好ましい形態である。
【0145】
溶媒(C)の例としては、n-ペンタン、i-ペンタン、n-ヘキサン、i-ヘキサン、n-ヘプタン、i-ヘプタン、シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルケトン、n-プロピルベンゼン、i-プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、およびi-ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、2-エチルヘキサノール、n-ノニルアルコール、2,6-ジメチルヘプタノール-4、n-デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、およびクレゾール等のモノアルコール溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、およびグリセリン等のポリオール溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルn-プロピルケトン、メチルn-ブチルケトン、ジエチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、およびフェンコン等のケトン溶媒;エチルエーテル、i-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、n-ヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルエーテル、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、および2-メチルテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、n-プロピルアセテート、i-プロピルアセテート、n-ブチルアセテート、i-ブチルアセテート、n-ブチルプロピオネート、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、γ-ブチロラクトン、n-ブチルラクテート、n-アミルラクテート、ジエチルマロネート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエステル溶媒;n-メチルホルムアミド等の窒素含有溶媒;および硫化ジメチル等の硫黄含有溶媒が挙げられる。これらの溶媒のいずれかの任意の組み合わせも使用することができる。
【0146】
特に、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、PGME、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、PGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、EL、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせが、溶液の保存安定性の点で好ましい。
【0147】
塗布性および/または溶質の溶解性に関しては、PGME、PGMEA、EL、およびそれらから選択される任意の2つの溶媒の組み合わせが好ましい。このためには、PGMEAとPGMEとの組み合わせが、溶媒(C)としてより好ましい。
【0148】
溶媒(C)が2つの有機溶媒の組み合わせである場合、第1の溶媒と第2の溶媒の質量比は、好ましくは、約95:5~約5:95;より好ましくは、約90:10~約10:90;さらに好ましくは、約80:20~約20:80;さらにより好ましくは、約70:30~約30:70である。
【0149】
溶媒(C)中の水の量は、好ましくは、0.1質量%以下であり、また、さらに好ましくは、い0.01質量%以下である。別の層または被膜との関係から、溶媒(C)は水を含まないことが好ましい。本発明の1つの形態として、溶媒(C)中の水の量は、好ましくは、0.00質量%である。
【0150】
本発明の1つの形態として、スピンコーティング組成物の全質量に対する溶媒(C)の質量比は約5~約100質量%;好ましくは、約10~約75質量%;より好ましくは、約10~約50質量%である。
【0151】
界面活性剤(D)
【0152】
本発明のスピンコーティング組成物は、界面活性剤(D)を含んでなることができ、これは、被膜中のピンホールまたはストリエーションを減少させ、組成物の塗布性および/または溶解性を増加させるために有用である。
【0153】
本発明の1つの形態において、金属有機化合物(B)の質量に対する界面活性剤(D)の質量比は、約5~約100質量%;好ましくは、約10~約75質量%;より好ましくは、約10~約50質量%である。
【0154】
界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、およびポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル化合物;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、およびソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル化合物;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、およびポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物が挙げられる。界面活性剤のその他の例としては、エフトップ(商品名)EF301、EF303およびEF352(トーケムプロダクツ)、MEGAFACE(商品名)F171、F173、R-08、R-30、R-41およびR-2011(DIC)、フロラード FC430およびFC431(住友3M)、アサヒガード(商品名)AG710(旭硝子)、およびサーフロンS-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105およびSC106(旭硝子)等のフルオロ界面活性剤;および、KP341(信越化学)等のオルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
【0155】
添加剤(E)
【0156】
本発明のスピンコーティング組成物は、界面活性剤(D)以外の添加剤(E)をさらに含んでなることができる。このような添加剤は、架橋剤、酸発生剤、ラジカル発生剤、光重合開始剤、基板密着増強剤、および消泡剤からなる群から選択される。
【0157】
本発明の1つの形態において、金属有機化合物(B)の質量に対するその他の添加剤(E)の質量比は、好ましくは、約0.05~約10質量%;より好ましくは、約0.10~約5質量%;さらに好ましくは、約0.10~約2質量%である。本発明の1つの形態では、スピンコーティング組成物は、これらの添加剤(E)を全く含有しない(0質量%)。
【0158】
金属酸化物膜の形成
【0159】
本発明は、
(1)上記のスピンコーティング組成物を基板の上方にスピンコートすること;および
(2)スピンコーティング組成物を加熱して金属酸化物膜を形成すること
を含んでなる金属酸化物膜の製造方法を提供する。
【0160】
明瞭化のために説明するが、括弧内の数字は工程の順序を示している。例えば、工程1は、工程2の前に行われる。この規則は、特に断らない限り、本明細書に記載の他の工程にも当てはまる。
【0161】
好ましくは、加熱条件は、約150~約400℃および/または約30~約120秒間である。「基板の上方に」という用語は、塗布されたスピンコーティング組成物が基板上に直接(すなわち、基板と直接接触して)被膜を形成することができることを示すだけでなく、基板と塗布された組成物との間に下層を介在させてもよいことを含んでいる。上記の用語「上方に」は、特に断らない限り、以下において「直接接触して」および「層を介して」を含む。
【0162】
組成物が配置される基材表面は、例えば、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン溶液で前処理することができる。基板の上面は平坦であっても非平坦であってもよい。基板は、パターン形成された基板またはパターン化されていない基板とすることができる。基板は、単層基板であってもよいし、複数の基板層からなる多層基板であってもよい。本発明の1つの形態では、基板の最上部表面はパターン化された半導体である。半導体は、酸化物、窒化物、金属、およびこれらのいずれかの任意の組み合わせから構成することができる。基板の表面は、好ましくは、Si、Ge、SiGe、Si、TaN、SiO、TiO、Al、SiON、HfO、T、HfSiO、Y、GaN、TiN、TaN、Si、NbN、Cu、Ta、W、Hf、およびAlからなる群から選択される。
【0163】
本発明の組成物中の金属有機化合物(B)の内容物の耐熱性により、形成された金属酸化物膜は種々のプラズマに対して良好なエッチング耐性を有し、パターンをエッチングして基板に転写することができる。
【0164】
スピンコート組成物は、スピンコーターやコーター等の適切な適用手段によって適用される。
【0165】
加熱条件が、約200~約800℃(好ましくは、約250~750℃;より好ましくは、約300~約700℃;さらに好ましくは、約350~約650℃;よりさらに好ましくは、約400~約600℃)の範囲から選択され、および/または加熱時間が、約30~約240秒(好ましくは、約40~約150秒;より好ましくは、約50~約120秒;よりさらに好ましくは、約60~約90秒)の範囲から選択されることは、本発明の1つの形態である。加熱は、別々の工程で行うことができる(ステップベーキング)。例えば、加熱は、2ステップ加熱または3ステップ加熱とすることができる。例えば、第1の加熱が、約200~約300℃で約30~約120秒間行われ、第2の加熱が、約300~約500℃で約60~約180秒間行われることが好ましい。
【0166】
加熱は空気雰囲気中で行うことができ、その酸素濃度は、スピンコーティング組成物および形成された金属酸化物膜の酸化を防止するために減少させることができる。例えば、不活性ガス(N、Ar、He、またはこれらの混合物)を雰囲気中に導入することにより、酸素濃度を約1,000ppm以下(好ましくは、約100ppm以下)に調整することができる。複数の加熱ステップにおいて雰囲気の変更が可能である。N雰囲気中で加熱を行うことは、本発明の1つの形態である。
【0167】
本発明の1つの形態では、スピンコーティング組成物は、下層(例えば、スピンオン炭素層、平坦化層)またはトポグラフィ(topographical feature)を含む基板に塗布される。本発明の形態として、形成された金属酸化物膜は、このトポグラフィを覆うのに十分な厚さを有する;および化学剥離液またはフッ素化プラズマエッチングを使用して、金属酸化物膜がトポグラフィの頂部と同一表面にある、充填されたトポグラフィを生成することができる。このトポグラフィは、約1~約10のアスペクト比および/または約5nm~約100nmの限界寸法(CD)を有することができる。
【0168】
本発明の好ましい形態において、金属酸化物膜の金属含有量は、膜の全質量に対して約5~約85質量%(より好ましくは、約10~約50質量%;さらに好ましくは、約15~約40質量%)である。金属酸化物膜中の金属含有量は、ラザフォード後方散乱分光法/水素前方散乱法(RBS/HFS)により測定することができる。
【0169】
レジスト層の形成
【0170】
本発明はさらに、
(3)上記の方法により製造された金属酸化物膜の上方にレジスト組成物を塗布すること
を含んでなるレジスト被膜の製造方法を提供する。
「金属酸化物膜の上方に」という用語は、塗布されたレジスト組成物が金属酸化物膜上に直接(すなわち、金属酸化物膜と直接接触して)レジスト被膜を形成することができることを示すだけでなく、金属酸化物膜と塗布されたレジスト組成物との間に中間層(例えば、下層反射防止膜、BARC)を介在させることができることを含んでいる。中間層は、単一の層または複数の層を含むことができる。レジスト膜上には、その他の層(例えば、上層反射防止膜、TARC)が形成されていてもよい。
【0171】
公知の方法が、スピンコーティング等の適用に使用することができる。適用されたレジスト組成物をベークして、組成物中の溶媒を除去して、レジスト被膜を形成することができる。ベーク温度は、使用するレジスト組成物に応じて変えることができ、これは好ましくは、約70~約150℃(より好ましくは、約90~約150℃;さらに好ましくは、約100~約140℃)である。これは、ホットプレート上の場合、約10~約180秒間;好ましくは、約30~約90秒間、または高温ガス雰囲気中(例えば、クリーンオーブン中)の場合、約1~約30分間、行なうことができる。形成されたレジスト被膜は、好ましくは、約0.40~約5.00μm(より好ましくは、約0.40~約3.00μm;さらに好ましくは、約0.50~約2.00μm)の厚さを有することができる。
【0172】
レジストパターンの形成
【0173】
本発明は、
(4)上記の方法により製造されたレジスト被膜を放射光に暴露すること;(5)暴露されたレジスト被膜を現像液で現像すること;および(6)基板から現像液を除去すること
を含んでなるレジストパターンの製造方法を提供する。
【0174】
レジスト組成物は、一定のマスクを通して照射下で反応を受ける。好ましくは、ArF露光では液浸リソグラフィ技術を用いることができる。レジスト組成物がポジ型である場合、照射された部分は現像液による溶解に対して耐性を増大させる。露光に用いる照射光の波長は限定されない。露光は、好ましくは、波長約13.5~約365nm(好ましくは、約13.5~約248nm)の光で行なわれる。KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、または極端紫外光(13.5nm)が好適な形態であり;ArFエキシマレーザがより好ましい。この組成物がEUVまたは液浸ArFを使用するプロセスで使用されることも、本発明の他の好ましい形態である。これらの波長は±1%以内で変化してもよい。
【0175】
露光の後、所望により、露光後ベーク(PEB)を行うことができる。PEBの温度は、約80~約150℃(好ましくは、約90~約140℃)の範囲から選択され、PEBの加熱時間は、約0.3~約5分間(好ましくは、約0.5~約2分間)の範囲から選択される。
【0176】
次に、現像液を用いて現像を行う。レジストパターン形成の現像に用いられる現像液としては、約2.38質量%(±1%濃度変化許容)TMAH水溶液が好ましい。現像液には、界面活性剤等の添加剤を添加することができる。現像液の温度は、典型的には約5~約50℃(好ましくは、約25~約40℃)の範囲から選択され、現像時間は、典型的には約10~約300秒(好ましくは、約30~約90秒)の範囲から選択される。現像方法としては、パドル現像等の公知の方法を用いることができる。
【0177】
現像後、現像液は公知の方法(例えば、液置換、スピン乾燥)により除去される。本発明の1つの形態として、レジストパターンは、水および/または洗浄溶液を用いて現像液を置換する際に、水または洗浄溶液によって洗浄することができる。その後、例えばスピン乾燥法により、基板を乾燥させることができる。
【0178】
基板の加工
【0179】
本発明は、
(7)上記の方法により製造されたレジストパターンを用いてエッチングすること;および(8)基板を加工すること
を含んでなる加工基板の製造方法を提供する。
【0180】
上述したように、製造された多層構成には、下層および/または中間層が存在することができる。以下のリストにおける左から右への方向は、多層構成(レジストパターンを含む)における、下から上への方向に対応する:
i.基板/下層/金属酸化物膜/中間層/レジストパターン;
ii.基板/金属酸化物膜/中間層/レジストパターン;
iii.基板/金属酸化物膜/レジストパターン;および/または
iv.基板/下層/金属酸化物膜/レジストパターン。
【0181】
レジストパターンの下の各層および/または金属酸化物膜は、マスクとしてレジストパターンを介してパターン化することができる。パターン形成には、エッチング(ドライエッチング)等の公知の技術を用いることができる。
【0182】
例えば、エッチングマスクとしてレジストパターンを介して中間膜をエッチングし、次いで、得られた中間層パターンをエッチングマスクとして本発明の金属酸化物膜と基板をエッチングして基板上にパターンを形成してもよい。あるいは、レジストパターンや中間層パターンをエッチングマスクとしてマスク酸化物膜をエッチングして、金属酸化物膜パターンを得るようにしてもよい。次いで、得られた金属酸化物膜パターンをエッチングマスクとして下層をエッチングし、次いで、得られた下層パターンをエッチングマスクとして基板をエッチングして、基板上にパターンを形成してもよい。
【0183】
1つの形態において、ドライエッチングは、O、CF、CHF、Cl、またはBClで行うことができる。OまたはFは、有機被膜/層に対して好ましいガスである。
【0184】
1つの形態において、約100~約10,000W(より好ましくは、約200~約5,000W)のRF放電電力、および/またはN、NF、O、希ガス、Cl、HBr、またはそれらのいずれかの任意の混合物のガス雰囲気が、金属酸化物膜をエッチングし、金属酸化物膜を得るのに用いることができる。
【0185】
基板を加工するための本発明の1つの方法を以下に記載する:
i.上記したように金属酸化物膜を形成する、
ii.金属酸化物膜上にBARCを塗布する、
iii.BARC上にレジスト組成物を塗布する、
iv.上記したようにレジストパターンを形成する、
v.フッ素化プラズマを用いて、レジストパターンによって保護されていないBARCを通して、金属酸化物膜に至るまでエッチングする、
vi.塩素プラズマを用いて、BARCおよびレジストパターンによって保護されていない金属酸化物膜を通して、基板に至るまでエッチングし、パターン化された金属酸化物膜を生成する、
vii.フッ素化プラズマを用いて、パターン化された金属酸化物膜によって保護されていない領域で基板をエッチングする。
【0186】
基板を加工した後、パターンおよび/または、パターンの上/上方の層を既知の方法で除去することができる。
【0187】
デバイスの製造
【0188】
本発明は、上記したように加工された基板の製造方法を含んでなる、デバイスの製造方法を提供する。好ましくは、デバイスの製造方法は以下をさらに含んでなる:(9)加工基板に配線を形成すること。好ましくは、基板は段差基板である。
【0189】
デバイスを形成した後、必要に応じて基板はチップに切断され、このチップは、リードフレームに接続され、樹脂でパッケージされる。好ましくは、デバイスは、半導体デバイス、太陽電池チップ、有機発光ダイオードおよび無機発光ダイオードである。本発明のデバイスの1つの好ましい形態は、半導体デバイスである。
【実施例
【0190】
以下、本発明を実施例により説明する。これらの実施例は、説明のためのみのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0191】
次に、本開示のより具体的な形態およびそのような形態の支持を提供する実験結果を参照する。実施例は、開示された主題をより完全に例示するために以下に提示されるが、開示された主題を何ら限定するものと解釈されるべきではない。
【0192】
開示された主題および本明細書に提供された特定の実施例において、開示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変形や変化を行うことができることは、当業者には明らかである。従って、以下の実施例によって提供される記載を含めて、開示された主題は、特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある開示された主題の変形や変化を包含することが意図されている。
【0193】
実施例組成物1の調製例1
【0194】
成分A1(2.0質量%)、B1(7.9質量%)
【化25】
および界面活性剤MEGAFACE(登録商標)R-41(0.1質量%、DIC)を、PGMEA(63質量%)およびPGME(27質量%)の混合物である溶媒に添加する。この液体を攪拌機で、室温で10分間混合する。全ての溶質が溶解していることを目視確認する。得られた液体を0.2μmのフッ素化樹脂フィルターで濾過して、実施例組成物1を得る。
【0195】
使用されるポリマーは、WO2019/121480Al、JP2019-86545AおよびWO2019/048393A1に記載されているのと同じ方法で得られる。
【0196】
実施例組成物2~4の調製例2~4、および比較例組成物1~2の比較調製例1~2
【0197】
調製は、成分(成分A2、A3、A4およびcAlを使用)および/または量を、表1に記載されるように変更することを除いて、上記実施例1と同様にして実施される:
【化26】
【0198】
各組成物中の全ての溶質が溶解することを目視確認する。得られた液体を0.2μmのフッ素化樹脂フィルターで濾過して、実施例組成物2~4および比較例組成物1~2を得る。
【0199】
得られた組成物は以下の特徴を有する:
【表1】
【0200】
表1および次の各表において、括弧内の数字は、組成物中の各成分の質量%による量を意味する。
【0201】
実施例組成物1の金属酸化物膜形成例1
【0202】
実施例組成物1を、クリーントラックACT12(東京エレクトロン)を用いて1,500rpmでSiベアウエハ上にスピンコートする。このウエハを空気雰囲気中で、250℃で60秒間ベークした後、N雰囲気中で、400℃で120秒間ベークして金属酸化物膜を得る。
【0203】
実施例組成物2~4の金属酸化物膜形成例、および比較例組成物1~2の金属酸化物膜比較形成例1~2
【0204】
形成は、実施例組成物または比較例組成物を変更することを除いて、金属酸化物膜形成例1と同様の方法で実施する。
【0205】
溶解度の評価
【0206】
各組成物の溶解度は目視確認によって評価される。評価結果を表2に示す。表2において、「A」は、組成物中の溶質が完全に溶解していることを意味し、「B」は、組成物中の溶質が完全には溶解せず、溶媒中に残留していることを意味する。
【0207】
クラックの評価
【0208】
各組成物から作製された金属酸化物膜表面上のクラックの存在を目視確認により評価する。評価結果を表2に示す。表2において、「A」はクラックが確認されないことを意味し、「B」はクラックが確認されていることを意味する。比較組成物1および2は、クラック評価においてBと評価されているので、それら以外の組成物が、次のさらなる評価のために使用される。
【0209】
膜厚の測定
【0210】
各金属酸化物膜の膜厚を、JSM-7100F(日本電子(株))で撮られたウエハの断面写真で測定する。測定結果を表2に示す。
【0211】
Arスパッタリング耐性の評価
【0212】
ウエハ上の金属酸化物膜を、Arガス、イオンエネルギー:3keV、および2分間の条件で、装置K-Alpha Plus(Thermo Scientific)でスパッタする。
【0213】
スパッタリングの前後の金属酸化物膜について、上記したように膜厚を測定する。厚さの差が得られ、単位時間当たりの厚さの減少が計算される。評価結果を表2に示す。
【0214】
エッチング耐性の評価
【0215】
ウェハ上の金属酸化物膜を、チャンバ圧力:0.17mT、RF電力:200W、ガス流量:CF(50sccm)、Ar(35sccm)およびO(4sccm)、ならびに時間:30秒の条件で、エッチング装置NE-5000N(ULVAC)によってドライエッチングする。
【0216】
エッチングの前後の金属酸化物膜について、上記したように膜厚を測定する。厚さの差が得られ、単位時間当たりの厚さの減少が計算される。評価結果を表2に示す。
【表2】
【0217】
本発明はある程度の特殊性をもって説明および例示されてきたが、開示は例としてのみされており、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者は条件および工程の順序における多数の変更を行なうことができるということが理解される。
【国際調査報告】