(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】ポリウレタン系粘着剤組成物、これを含む表面保護フィルム、表面保護フィルムの製造方法、および有機発光電子装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
C09J 175/04 20060101AFI20230518BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20230518BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20230518BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230518BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20230518BHJP
H10K 71/80 20230101ALI20230518BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230518BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20230518BHJP
B32B 7/06 20190101ALI20230518BHJP
【FI】
C09J175/04
C09J11/06
C09J7/38
H10K50/10
H10K77/10
H10K71/80
B32B27/00 L
B32B27/00 M
B32B27/40
B32B7/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559710
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 KR2021012095
(87)【国際公開番号】W WO2022050808
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113642
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジンホ・キム
(72)【発明者】
【氏名】サン・ファン・キム
(72)【発明者】
【氏名】クワン・ス・ソ
【テーマコード(参考)】
3K107
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4J004
4J040
【Fターム(参考)】
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4J040LA01
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4J040NA17
(57)【要約】
ポリウレタン系粘着剤組成物、これを含む表面保護フィルム、表面保護フィルムの製造方法、および有機発光電子装置の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2官能ポリオールおよび3官能ポリオールを含むポリウレタン重合体;および
イソシアネート系架橋剤を含むポリウレタン系粘着剤組成物であって、
前記粘着剤組成物の粘度は、25℃、相対湿度60%の条件で、1,000cPs以上10,000cPs以下であり、
前記ポリウレタン重合体100重量部に対して2官能ポリオール5~40重量部、および
前記ポリウレタン重合体100重量部に対して3官能ポリオール60~95重量部を含む、ポリウレタン系粘着剤組成物。
【請求項2】
前記ポリウレタン重合体は、溶媒を含み、前記溶媒は、
前記2官能ポリオールおよび前記3官能ポリオールの合計100重量部に対して5重量部以上35重量部以下で含まれる、請求項1に記載のポリウレタン系粘着剤組成物。
【請求項3】
前記ポリウレタン重合体の水酸基とイソシアネート官能基のモル比率(-OH/NCO)が1.3以上1.7以下である、請求項1に記載のポリウレタン系粘着剤組成物。
【請求項4】
前記ポリウレタン重合体の分子量は、50,000g/mol以上200,000g/mol以下である、請求項1に記載のポリウレタン系粘着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリウレタン系粘着剤組成物のガラス転移温度(Tg、Glass Transition Temperature)値が0℃以下である、請求項1に記載のポリウレタン系粘着剤組成物。
【請求項6】
前記ポリウレタン系粘着剤組成物は、溶媒、硬化剤、分散剤、光開始剤、熱開始剤、シランカップリング剤、可塑剤、粘着付与剤、および帯電防止剤からなる群より選択された一つ以上をさらに含む、請求項1に記載のポリウレタン系粘着剤組成物。
【請求項7】
基材フィルム;および
前記基材フィルムの一面に備えられた請求項1~6のいずれか1項に記載のポリウレタン系粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着フィルム;
を含む、表面保護フィルム。
【請求項8】
前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、1.8m/minの速度で剥離する際、低速剥離力が5gf/inch以上であり、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、20m/minの速度で剥離する際、高速剥離力が50gf/inch以下である、請求項7に記載の表面保護フィルム。
【請求項9】
前記基材フィルムの厚さは、25μm以上150μm以下である、請求項7に記載の表面保護フィルム。
【請求項10】
前記粘着フィルムの厚さは、10μm以上100μm以下である、請求項7に記載の表面保護フィルム。
【請求項11】
前記粘着フィルムの前記基材フィルムと接する面の反対面に離型シートをさらに含む、請求項7に記載の表面保護フィルム。
【請求項12】
前記基材フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycylicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択される、請求項7に記載の表面保護フィルム。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか1項に記載のポリウレタン系粘着剤組成物を準備するステップ;
前記ポリウレタン系粘着剤組成物に硬化剤を添加するステップ;および
前記ポリウレタン系粘着剤組成物を基材フィルムにコーティングするステップ;
を含む、表面保護フィルムの製造方法。
【請求項14】
前記ポリウレタン系粘着剤組成物を基材フィルムにコーティングするステップの後に、
前記ポリウレタン系粘着剤組成物を乾燥するステップ;および
前記ポリウレタン系粘着剤組成物を熱硬化するステップ;
を含む、請求項13に記載の表面保護フィルムの製造方法。
【請求項15】
基材フィルム;および前記基材フィルムの一面に備えられた請求項1~6のいずれか1項に記載のポリウレタン系粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着フィルムを含む表面保護フィルムの前記粘着フィルムを有機発光素子の封止層上に付着するステップを含む、有機発光電子装置の製造方法。
【請求項16】
前記有機発光素子は、ガラス、プラスチック基板、薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、および封止層を順に含む、請求項15に記載の有機発光電子装置の製造方法。
【請求項17】
前記表面保護フィルムを前記封止層から剥離するステップ;および前記封止層上にタッチスクリーンパネルおよびカバーウィンドウを積層するステップをさらに含む、請求項15に記載の有機発光電子装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年09月07日付けで韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2020-0113642号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【0002】
本出願は、ポリウレタン系粘着剤組成物、これを含む表面保護フィルム、表面保護フィルムの製造方法、および有機発光電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ディスプレイ関連技術の発達とともに、折り畳んだり、ロール(Roll)形状に丸めたり、ゴムバンドのように伸ばしたりするなど、使用段階で変形可能なディスプレイ装置が研究および開発されている。これらのディスプレイは、多様な形態に変形可能であるため、使用段階でのディスプレイの大型化への要求および携帯のためのディスプレイの小型化への要求をいずれも満たすことができる。
【0004】
また、近年、移動通信端末(wireless terminal)、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、電子手帳などのような携帯端末は、携帯性のために、大きさが小型化の傾向にある。
【0005】
ところで、ユーザは、携帯端末の画面を介して文字情報、動画、ゲームなどのような各種コンテンツから情報提供を受けることを望むため、ディスプレイ画面の大きさに対しては、大型化またはワイド(Wide)化を求めている。しかし、携帯端末の小型化は、ディスプレイ画面の大きさの縮小をもたらすため、二つの要求事項を両方とも満たすには限界がある。
【0006】
従来、ディスプレイ装置としては変形しないディスプレイ(unbreakable display)を用いたが、上記のような限界を克服するために、変形可能なディスプレイ、すなわち、曲面を有するディスプレイ(Curved display)、湾曲したディスプレイ(bended display)、フォルダブルディスプレイ(foldable display)、およびローラブルディスプレイ(rollable display)などのフレキシブルディスプレイが開発されている。
【0007】
フレキシブルディスプレイの基板素材として用いられるプラスチック基板は、水分および酸素などの気体遮断特性が顕著に低いという問題がある。そこで、従来は、基板上に多様な物質および構造を適用したバリアフィルムを形成してプラスチック基板の問題を改善した。
【0008】
しかしながら、近年、既存のバリアフィルムが用いられなくなるにつれて、フレキシブルな光学素子の製造工程中に薄膜封止(Thin Film Encapsulation、TFE)層を保護できる工程用表面保護フィルムの開発が求められている。工程用表面保護フィルムは、一時的に薄膜封止層を保護するフィルムであって、工程中に薄膜封止層に付着されることで、工程中に薄膜封止層表面の汚染や損傷を防止し、工程が終了すると除去される。
【0009】
前記表面保護フィルムに求められる物性は、第1に、表面保護フィルムに備えられる粘着剤が被着体の表面によく付着されなければならず、除去ステップで低い剥離力によっても除去が可能であって、この際、被着体の損傷を防止するべきである。第2に、表面保護フィルムの除去後に粘着剤の残渣が少なくて被着体の汚染を防止するべきである。
【0010】
一般に、表面保護フィルムに用いられる粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系粘着剤などが挙げられる。アクリル系粘着剤の場合は、粘着力に優れるものの、粘着後の再剥離性が良くないため、被着体の損傷または被着体に残渣が残る恐れがあり、シリコーン系粘着剤の場合は、被着体に粘着後の低速および高速剥離力に両方とも優れるものの、被着体の汚染を生じさせやすい。
【0011】
したがって、このような問題を解決するために、新規な粘着剤組成物およびこれを含む保護フィルムの開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】日本特許公開第2006-299283号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本出願は、ポリウレタン系粘着剤組成物、これを含む表面保護フィルム、およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本出願の一実施態様は、2官能ポリオールおよび3官能ポリオールを含むポリウレタン重合体;およびイソシアネート系架橋剤を含むポリウレタン系粘着剤組成物であって、前記粘着剤組成物の粘度は、25℃、相対湿度60%の条件で、1,000cPs以上10,000cPs以下であり、前記ポリウレタン重合体100重量部に対して2官能ポリオール5~40重量部、および前記ポリウレタン重合体100重量部に対して3官能ポリオール60~95重量部である、ポリウレタン系粘着剤組成物を提供しようとする。
【0015】
他の一実施態様は、基材フィルム;および前記基材フィルムの一面に備えられた本出願に係るポリウレタン系粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着フィルムを含む、表面保護フィルムを提供しようとする。
【0016】
また他の一実施態様は、本出願に係るポリウレタン系粘着剤組成物を準備するステップ;前記ポリウレタン系粘着剤組成物に硬化剤を添加するステップ;および前記ポリウレタン系粘着剤組成物を基材フィルムにコーティングするステップを含む、表面保護フィルムの製造方法を提供しようとする。
【0017】
最後に、本出願のさらに他の一実施態様は、本出願に係る表面保護フィルムの粘着フィルムを有機発光素子の封止層上に付着するステップを含む、有機発光電子装置の製造方法を提供しようとする。
【発明の効果】
【0018】
本出願の一実施態様によるポリウレタン系粘着剤組成物の場合、2官能ポリオールおよび3官能ポリオールの含量部が特定の範囲を満たし、ウレタンポリオールの水酸基を調節してウレタン架橋密度を効果的に調節できるという特徴を有するようになる。
【0019】
また、粘着剤組成物の粘度が特定の範囲を満たすことにより、粘着コーティング時に基材に対する厚さ偏差が小さい、優れたコーティング性を示すことができる。その後、これを含む粘着フィルムは、被着体に良好な密着性を有し、粘着力に優れ、また、低速での再剥離性が良好であるとともに高速での再剥離性にも優れており、工程中に被着体との粘着力に優れるため被着体を保護できるとともに除去時に粘着フィルムの残渣が少ないため被着体の汚染を防止できるという特徴を有する。
【0020】
なお、本出願の一実施態様による表面保護フィルムは、被着体から表面保護フィルムを除去しても被着体の表面に粘着フィルムの残渣量が少ないため、表面保護フィルムの除去後に被着体表面の損傷や汚染を防止できるという特徴を有する。
【0021】
また、本発明の表面保護フィルムは、温度が上昇しても被着体との粘着力が維持され、高温で表面保護フィルムが被着体から浮く現象を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本出願の一実施態様による表面保護フィルムの側面図を示す図である。
【
図2】本発明の一実施態様による表面保護フィルムが有機発光素子510に付着された一実施態様を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本明細書についてより詳しく説明する。
本発明を説明するに先立ち、先ず、幾つかの用語を定義する。
【0024】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする際、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
本明細書において、「p~q」は、「p以上q以下」の範囲を意味する。
【0025】
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートを両方とも含む。
【0026】
本明細書において、重合体がある単量体を単量体単位として含むとは、その単量体が重合反応に参加し、重合体中で繰り返し単位として含まれることを意味する。本明細書において、重合体が単量体を含むとする際、これは、重合体が単量体を単量体単位として含むということと同様に解釈される。
【0027】
本明細書において、「重合体」とは、「単独重合体」と明示しない限り、共重合体を含む広義の意味で用いられたものと理解する。
本明細書において、「単量体単位」とは、当該化合物が重合され、重合体中に結合された状態を意味する。
【0028】
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、分子量測定用として市販中の多様な重合度の単分散ポリスチレン重合体(標準試料)を標準物質とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)により測定されたポリスチレン換算分子量である。本明細書において、分子量とは、特に記載しない限り、重量平均分子量を意味する。
【0029】
前記重量平均分子量とは、分子量が均一ではなく、ある高分子物質の分子量が基準として用いられる平均分子量の一つであって、分子量分布がある高分子化合物の成分分子種の分子量を重量分率で平均して得られる値である。
前記重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)分析により測定することができる。
【0030】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。但し、本発明は、種々の異なる形態に実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0031】
本出願の一実施態様は、2官能ポリオールおよび3官能ポリオールを含むポリウレタン重合体;およびイソシアネート系架橋剤を含むポリウレタン系粘着剤組成物であって、前記粘着剤組成物の粘度は、25℃、相対湿度60%の条件で、1,000cPs以上10,000cPs以下であり、前記ポリウレタン重合体100重量部に対して2官能ポリオール5~40重量部、および前記ポリウレタン重合体100重量部に対して3官能ポリオール60~95重量部である、ポリウレタン系粘着剤組成物を提供しようとする。
【0032】
本出願の一実施態様によるポリウレタン系粘着剤組成物の場合、2官能ポリオールおよび3官能ポリオールの含量部が特定の範囲を満たし、ウレタンポリオールの水酸基を調節してウレタン架橋密度を効果的に調節できるという特徴を有するようになる。
【0033】
また、粘着剤組成物の粘度が特定の範囲を満たすことにより、粘着コーティング時に基材に対する厚さ偏差が小さい、優れたコーティング性を示すことができる。その後、これを含む粘着フィルムは、被着体に良好な密着性を有し、粘着力に優れ、また、低速での再剥離性が良好であるとともに高速での再剥離性にも優れており、工程中に被着体との粘着力に優れるため被着体を保護できるとともに除去時に粘着フィルムの残渣が少ないため被着体の汚染を防止できるという特徴を有するようになる。
【0034】
本出願の一実施態様において、前記2官能ポリオールおよび3官能ポリオールは、エーテル(Ether)ポリオールが特に好ましい。
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体100重量部に対して2官能ポリオール5~40重量部、および前記ポリウレタン重合体100重量部に対して3官能ポリオール60~95重量部を含んでもよい。
【0035】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体100重量部に対して2官能ポリオール5~40重量部、好ましくは7~35重量部、より好ましくは10~30重量部を含んでもよい。
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体100重量部に対して3官能ポリオール60~95重量部、好ましくは60~90重量部、より好ましくは70~90重量部を含んでもよい。
【0036】
本出願に係るポリウレタン系粘着剤組成物がポリウレタン重合体を有し、特にポリウレタン重合体中の2官能ポリオールおよび3官能ポリオールが上記の重量範囲を満たすものであって、特に2官能ポリオールが前記重量範囲を満たす場合、2次元架橋およびその後の被着体に密着性および柔軟性を付与し、架橋距離が適していて剥離力が適しているという特徴を有するようになり、3官能ポリオールが前記重量範囲を満たす場合、3次元架橋度を高めて再剥離力を減少させ、分子量の範囲を特定の範囲に調節することで、これを含む粘着剤組成物のゲル(GEL)化を防止できるという特徴を有するようになる。
【0037】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の水酸基とイソシアネート官能基のモル比率(-OH/NCO)が1.3以上1.7以下である、ポリウレタン系粘着剤組成物を提供する。
【0038】
他の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の水酸基とイソシアネート官能基のモル比率(-OH/NCO)が1.3以上1.7以下、好ましくは1.35以上1.7以下、より好ましくは1.4以上1.65以下であってもよい。
【0039】
本出願において、官能基とは、機能原子団、機能基、または作用基と称されるものであって、共通の化学的特性を有する一群れの有機化合物において、その特性の原因となる共通した原子団または結合様式を意味し得る。
【0040】
すなわち、本出願において、2官能、3官能などの表現は、特定の分子において、共通した化学的特性を有する官能基の個数を意味し、具体的に、2官能とは官能基を2個含むことを意味し、3官能とは官能基を3個含むことを意味し得る。
【0041】
本出願において、ポリオールは、分子中に水酸基(Hydroxyl Group、-OH)もしくはアミン基(Amine Group、-NH2)を2個以上有する多官能(Multifunctional)アルコールまたは芳香族アミンなどの開始剤(Initiator)と、酸化プロピレン(Propylene Oxide、PO)または酸化エチレン(Ethylene Oxide、EO)を特定の条件下で反応させて得られる物質であって、イソシアネートとともにポリウレタン重合体を製造する原料であり、前記ポリオールは、PPG(propylene glycol)、PTMEG(tetramethylene glycol)、PEG(ethylene glycol)Polyesterと、酸化プロピレン(Propylene Oxide、PO)または酸化エチレン(Ethylene Oxide、EO)を反応させ、官能基を2個または官能基を3個有する物質を意味し得る。
【0042】
本出願において、前記ポリウレタン重合体の官能基の比が前記範囲を満たすことにより、粘着剤組成物のゲル化を防止することができ、分子量および粘度の範囲を適宜調節することができるため、粘着剤組成物のコーティングに適した特徴を有するようになる。すなわち、本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の官能基の比は、適した分子量および粘度を有するために調節するものであって、調節因子は、粘着剤組成物に含まれる溶媒または架橋剤の含量および種類によるものである。
【0043】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤組成物の粘度は、25℃、相対湿度60%の条件で、1,000cPs以上10,000cPs以下であってもよい。
【0044】
本出願において、粘度は、流体の流れにおける難しさの大きさを示す量、すなわち、粘つく程度を示すものであって、流体が流動している際、隣接する流体層間に作用する単位面積当たりの剪断力は、その位置の速度勾配に比例し、この比例定数を粘度といえる。すなわち、本出願において、粘度とは、流体が流動する場合の内部抵抗であり、粘度の表示法には、動粘度、絶対粘度などがある。
【0045】
本出願の一実施態様において、前記粘度の測定は、低粘度から高粘度の液状試料を一定温度でブルックフィールド(Brookfield)社のHBタイプの回転型もしくは振動型粘度計を用いて粘度を測定することができる。
【0046】
具体的に、前記粘度の測定は、ブルックフィールド粘度計(Brook field HB)測定器により、25℃の温度で、ブルックフィールドが提供する40番および52番スピンドル(Spindle)を用いて測定することができ、この際、回転速度は、組成物にかかる力であるトルク値が20%~60%の間に来るように回転速度を調整して測定することができる。
【0047】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤組成物の粘度は、25℃、相対湿度60%の条件で、1,000cPs以上10,000cPs以下、好ましくは1,500cPs以上8,000cPs以下、より好ましくは2,000cPs以上7,000cPs以下の範囲を満たしてもよい。
【0048】
本出願において、前記粘着剤組成物の粘度が前記下限の範囲から外れる場合には、その後の粘着剤組成物のコーティング時に粘度が低いため流れてコーティングし難くなり、前記上限の範囲から外れる場合には、量産時にコーティング液をポンプに投入し難いため粘着フィルムの生産性が低下するという特徴を有するようになる。
【0049】
本出願の一実施態様において、前記粘度は、基本的に分子量が大きくなるほど高くなり、また、粘着剤組成物に含まれる3官能ポリオールの比率が増加するほどその値が高くなるものであって、結局、本出願に係るポリウレタン系粘着剤組成物は、ポリウレタン重合体中の2官能ポリオールおよび3官能ポリオールが上記の特定の重量範囲を満たし、官能基の比(-OH/NCO)が特定の範囲を満たすことで、上記のような粘度範囲および後述の分子量範囲を導き出したことを本発明の主な目的とする。
【0050】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体は、溶媒を含み、前記2官能ポリオールおよび前記3官能ポリオールの合計100重量部に対して5重量部以上35重量部以下で前記溶媒を含む、粘着剤組成物が提供される。
【0051】
前記ポリウレタン重合体に含まれる溶媒としては、トルエン(Toluene)、メチルエチルケトン(MEK、Methyl Ethyl Ketone)、メチルイソブチルケトン(MIBK、Methyl isobutyl ketone)、エチルアセテート(EAc、Ethyl Acetate)が用いられてもよいが、特定の物質を溶解可能であれば、これに制限されず、これに応じた一般の有機溶媒が用いられてもよい。
【0052】
他の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体は、溶媒を含み、前記2官能ポリオールおよび前記3官能ポリオールの合計100重量部に対して5重量部以上35重量部以下、好ましくは7重量部以上35重量部以下、より好ましくは10重量部以上30重量部以下を含んでもよい。
【0053】
前記ポリウレタン重合体の官能基の比は、適した分子量および粘度を有するために調節するものであって、調節因子は、粘着剤組成物に含まれる溶媒または架橋剤の含量および種類によるものであり、特に、上記のようにポリウレタン重合体の製造において、溶媒の含量範囲を調節することにより粘着剤組成物自体の粘度を特定の範囲に調節して生産性に優れ、ゲル化を防止できるという特徴を有するようになる。
【0054】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の不揮発分は、65%以上95%以下の範囲を満たしてもよい。
他の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の不揮発分は、65%以上95%以下、70%以上95%以下、75%以上90%以下であってもよい。
【0055】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の分子量は、50,000g/mol以上200,000g/mol以下である、粘着剤組成物を提供する。
他の一実施態様において、前記ポリウレタン重合体の分子量は、50,000g/mol以上200,000g/mol以下、好ましくは60,000g/mol以上180,000g/mol以下、より好ましくは80,000g/mol以上150,000g/mol以下の範囲を満たしてもよい。
【0056】
前記ポリウレタン重合体の分子量が上記の範囲を満たすことにより、これを含む粘着剤組成物の粘度が特定の範囲を満たして生産性に優れ、ゲル化を防止できるという特徴を有するようになる。
【0057】
すなわち、本出願に係るポリウレタン系粘着剤組成物の場合、2官能ポリオールおよび3官能ポリオールの含量部が特定の範囲を満たし、また、粘着剤組成物の粘度が特定の範囲を満たすことにより、その後、これを含む粘着フィルムは、被着体に良好な密着性を有し、粘着力に優れ、また、低速での再剥離性が良好であるとともに高速での再剥離性にも優れるという特徴を有する。また、工程中に被着体との粘着力に優れるため被着体を保護することができ、除去時に粘着フィルムの残渣が少ないため被着体の汚染を防止するとともに、ポリウレタン重合体の生産面においても、ゲル化を防止してコーティング性に優れ、生産性に優れるという特徴を有するようになる。
【0058】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物のガラス転移温度(Tg、Glass Transition Temperature)値が0℃以下であってもよく、-60℃以上、好ましくは-50℃以上であってもよい。
【0059】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物のガラス転移温度は、粘着剤組成物に含まれるポリウレタン重合体およびイソシアネート系架橋剤のモル比(含量比)を調節して前記範囲を満たしてもよい。
【0060】
本出願に係る粘着剤組成物のガラス転移温度値が前記範囲を満たすことにより、これを含む粘着フィルムの折り畳み特性に特に優れるという特徴を有するようになる。すなわち、本出願に係る粘着剤組成物の場合、粘着剤組成物に含まれるポリウレタン重合体およびイソシアネート系架橋剤のモル比(含量比)を特定の範囲に調節することで、全体粘着剤組成物のガラス転移温度を0℃以下の範囲に調節することができ、これにより、折り畳みおよび曲げ特性に特に優れた粘着フィルムを形成できるという特徴がある。
【0061】
本明細書において、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC、Mettler社)を用いて、約10mgの試料を専用パン(pan)に密封し、一定の昇温環境に加熱する際、相転移が起こることに伴う物質の吸熱および発熱量を温度に応じて描いて測定した値である。
【0062】
具体的に、ガラス転移温度は、文献、カタログなどに記載された公称値であるか、または下記一般式1(Fox式)に基づいて計算された値である。
[一般式1]
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+…+Wn/Tgn
【0063】
前記一般式1中、Tgは、重合体Aのガラス転移温度(単位:K)、Tgi(i=1、2、…n)は、単量体iが単独重合体を形成した際のガラス転移温度(単位:K)、Wi(i=1、2、…n)は、単量体iの全体単量体成分中の質量分率を示す。
前記一般式1は、重合体Aが単量体1、単量体2、…、単量体nのn種類の単量体成分を含む場合の計算式を意味する。
前記一般式1は、アクリルモノマーをベースとしたアクリル樹脂の場合であるが、本願発明のようにウレタン樹脂で公知のポリオールのガラス転移温度などに同様に測定されてもよい。
【0064】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤組成物のガラス転移温度は、成分分析によりそれぞれのモノマーの含量を推定することができ、これにより、前記一般式1(fox式)に基づいてガラス転移温度を計算することができる。
【0065】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物は、溶媒、硬化剤、分散剤、光開始剤、熱開始剤、シランカップリング剤、可塑剤、粘着付与剤、および帯電防止剤からなる群より選択された一つ以上をさらに含む、粘着剤組成物を提供する。
【0066】
本出願の一実施態様において、前記架橋剤は、架橋性化合物を含んでもよく、前記架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤を用いてもよく、当業界で周知のものを用いてもよい。
【0067】
前記イソシアネート架橋剤は、ウレタン化反応に利用可能な化合物であれば、当業界で通常用いられる任意の適切な多官能イソシアネート化合物を選択して用いてもよい。
【0068】
前記多官能イソシアネート化合物としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物、3官能イソシアネートでポリイソシアネートを変性したトリメチロールプロパン付加体(adduct)、ポリイソシアネートと水を反応させたビウレット体(biuret body)、イソシアヌレート環を有する三量体などを用いてもよいが、これに限定されない。
【0069】
前記多官能脂肪族系イソシアネート化合物は、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどを含むが、これに限定されない。
【0070】
前記多官能脂環族系イソシアネート化合物は、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)などを含むが、これに限定されない。
【0071】
前記多官能芳香族系イソシアネート化合物は、例えば、トルエン2,4-ジイソシアネート(TDI)、トルエン2,6-ジイソシアネート(TDI)、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、2,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、高分子メチレンジフェニルジイソシアネート(PMDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PDI)、m-フェニレンジイソシアネート(PDI)、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、ナフタレン2,4-ジイソシアネート(NDI)、p-キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン(TMXDI)などを含むが、これに限定されない。
【0072】
本明細書の一実施態様において、前記粘着剤組成物に2種以上のイソシアネート化合物を混合して用いてもよく、この場合、2種以上のイソシアネート化合物の種類および含量は、適宜選択されてもよい。例えば、前記粘着剤組成物に含まれるイソシアネート化合物としては、多官能芳香族系イソシアネート化合物と多官能脂肪族系イソシアネート化合物を混合して用いてもよい。
【0073】
前記帯電防止剤は、目的とする効果を達成するために公知の物質を用いてもよく、本出願の目的を考慮して適切な帯電防止組成物からなってもよい。例えば、前記アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン-アクリル系共重合体、エステル系樹脂、エーテル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、およびメラミン樹脂からなる群より選択された一つまたはこれらの混合物を含んでもよいが、これに限定されない。
【0074】
一つの例示において、前記帯電防止組成物は、導電性物質を含んでもよい。前記導電性物質は、導電性高分子またはカーボンナノチューブを含んでもよいが、これに限定されない。
【0075】
前記導電性高分子は、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン系、これらの誘導体または共重合体を含んでもよいが、これに限定されない。
【0076】
前記カーボンナノチューブは、6個の炭素からなる六角環が互いに連結されてなる黒鉛板状を丸く巻いてできたチューブ状を有してもよい。前記カーボンナノチューブは、剛性および電気伝導性に優れており、表面保護フィルムの帯電防止組成物に含まれる場合、硬度が増加し、帯電防止機能が向上することができる。
また、前記熱開始剤としては、当業界で周知のものを用いてもよい。
【0077】
前記溶媒としては、トルエン(Toluene)、メチルエチルケトン(MEK、Methyl Ethyl Ketone)、メチルイソブチルケトン(MIBK、Methyl isobutyl ketone)、エチルアセテート(EAc、Ethyl Acetate)が用いられてもよいが、特定の物質を溶解可能であれば、これに制限されず、これに応じた一般の有機溶媒が用いられてもよい。
【0078】
本出願の一実施態様において、基材フィルム;および前記基材フィルムの一面に備えられた前記ポリウレタン系粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着フィルムを含む、表面保護フィルムを提供する。
【0079】
本出願において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物を含む粘着フィルムの意味は、前記粘着剤組成物をそのまま含むことを含んでもよい。
本出願において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物を含む粘着フィルムの意味は、前記粘着剤組成物を乾燥して含むことを含んでもよい。
【0080】
本出願において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物を含む粘着フィルムの意味は、前記粘着剤組成物を熱硬化して含むことを含んでもよい。
本出願において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物を含む粘着フィルムの意味は、前記粘着剤組成物を光硬化して含むことを含んでもよい。
【0081】
本出願の一実施態様において、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、1.8m/minの速度で剥離する際、低速剥離力が5gf/inch以上であり、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、20m/minの速度で剥離する際、高速剥離力が50gf/inch以下である、表面保護フィルムを提供する。
【0082】
本出願において、上記のポリウレタン系粘着剤組成物を含む粘着フィルムは、低速での再剥離力が良好であるとともに、高速での再剥離力にも優れた特徴を有することを特徴とする。
【0083】
他の一実施態様において、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、1.8m/minの速度で剥離する際、低速剥離力が5gf/inch以上、好ましくは5.5gf/inch以上、より好ましくは6gf/inch以上であってもよい。
【0084】
また他の一実施態様において、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、1.8m/minの速度で剥離する際、低速剥離力が60gf/inch以下、好ましくは55gf/inch以下、より好ましくは40gf/inch以下であってもよい。
【0085】
他の一実施態様において、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、20m/minの速度で剥離する際、高速剥離力が50gf/inch以下、好ましくは48gf/inch以下、より好ましくは45gf/inch以下であってもよい。
【0086】
また他の一実施態様において、前記粘着フィルムの一面をガラス基板に対して接合した後、剥離角度180°、20m/minの速度で剥離する際、高速剥離力が10gf/inch以上、好ましくは20gf/inch以上、より好ましくは35gf/inch以上であってもよい。
【0087】
本出願に係る粘着フィルムの高速および低速剥離力が前記範囲を満たすことにより、被着体に良好な密着性を有し、粘着力に優れ、また、低速での再剥離性が良好であるとともに高速での再剥離性にも優れており、工程中に被着体との粘着力に優れるため被着体を保護できるとともに除去時に粘着フィルムの残渣が少ないため被着体の汚染を防止できるという特徴を有するようになる。
【0088】
前記低速剥離力は、本発明に係る粘着フィルムを1インチ(inch)の幅に切った後、2kgのゴムローラで1回往復してガラス基板に付着および23℃で10分以内放置した後、180°角度および1.8m/minの剥離速度で剥離し、テクスチャーアナライザー(Texture analyzer(Stable Micro Systems社)を用いて測定した値を意味する。
【0089】
前記高速剥離力は、本発明に係る粘着フィルムを1インチ(inch)の幅に切った後、2kgのゴムローラで1回往復してガラス基板に付着および23℃で10分以内放置した後、180°角度および20m/minの剥離速度で剥離し、テクスチャーアナライザー(Texture analyzer(Stable Micro Systems社)を用いて測定した値を意味する。
【0090】
本出願の一実施態様において、前記基材フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycylicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されてもよい。
前記PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、およびPAR(polyarylate)は、ポリエステル(polyester)の一種類であってもよい。
他の一実施態様において、前記基材フィルムは、PET(polyethylene terephthalate)であってもよい。
【0091】
本出願の一実施態様において、前記基材フィルムの厚さは、25μm以上150μm以下、好ましくは38μm以上130μm以下、より好ましくは50μm以上125μm以下であってもよい。
【0092】
ここでの基材フィルムは、透明基材フィルムであってもよく、透明であるとは、可視光(400~700nm)の光透過率が80%以上であることを示す。
【0093】
前記基材フィルムが前記範囲を有する場合、積層された保護フィルムが薄膜化可能な特性を有することになり、その後の工程に適用時に外部の衝撃から十分に被着体を保護できるという特徴を有するようになる。
【0094】
本出願の一実施態様において、前記粘着フィルムの厚さは、10μm以上100μm以下であってもよい。
【0095】
他の一実施態様において、前記粘着フィルムの厚さは、10μm以上100μm以下、好ましくは12μm以上75μm以下、より好ましくは15μm以上50μm以下であってもよい。
【0096】
前記粘着フィルムの厚さが前記範囲を有する場合、粘着フィルムの内部に気泡の発生比率が低くなり、これにより、被着体との接着時に、粘着力に優れ、浮き現象が発生しないという特徴を有し、凹みの問題が発生しないという特徴を有するようになる。
【0097】
本出願の一実施態様において、前記基材フィルムの前記粘着フィルムが接する面に帯電防止層を含んでもよい。この場合、前記基材フィルムの前記粘着フィルムが接する反対面に前記帯電防止ハードコーティング層を含んでもよい。
【0098】
一実施態様による本発明の粘着フィルムは、帯電防止層の一面に備えられることで、累積静電気量が減少することができる。また、粘着フィルムの表面抵抗が減少するため、表面保護フィルムから保護層を剥離する際、粘着フィルム表面の静電気の発生が減少することができる。
【0099】
そこで、前記粘着フィルムを被着材の表面に付着するために表面保護フィルムから保護層を除去するか、被着材の表面から表面保護フィルムを剥離する際、静電気により粘着フィルムまたは被着材に付着され得る異質物を防止することができる。また、工程中に被着材表面の汚染を防止して被着材表面の特性の低下を防止することができる。
【0100】
本明細書において、用語「帯電防止層」は、静電気の発生を抑制することを目的とする層を意味する。
【0101】
前記帯電防止層は、目的とする効果を達成するために公知の方法により形成されてもよい。例えば、前記帯電防止層は、基材層の一面または両面にインラインコーティング方法により形成されてもよい。
【0102】
本発明において、前記帯電防止層は、本出願の目的を考慮して適切な帯電防止組成物からなってもよい。例えば、前記第1帯電防止層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン-アクリル系共重合体、エステル系樹脂、エーテル系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、およびメラミン樹脂からなる群より選択された一つまたはこれらの混合物を含んでもよいが、これに限定されない。
【0103】
一つの例示において、前記帯電防止層は、導電性物質を含んでもよい。前記導電性物質は、導電性高分子またはカーボンナノチューブを含んでもよいが、これに限定されない。
【0104】
前記導電性高分子は、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン系、これらの誘導体または共重合体を含んでもよいが、これに限定されない。
【0105】
前記カーボンナノチューブは、6個の炭素からなる六角環が互いに連結されてなる黒鉛板状を丸く巻いてできたチューブ状を有してもよい。前記カーボンナノチューブは、剛性および電気伝導性に優れており、表面保護フィルムの帯電防止層として用いられる場合、帯電防止層の硬度が増加し、帯電防止機能が向上することができる。
【0106】
前記帯電防止層の厚さは、本出願の目的を考慮して適宜選択されてもよく、前記帯電防止層の厚さは、10nm以上;または20nm以上であってもよい。一実施態様において、前記帯電防止層の厚さは、400nm以下;300nm以下;または100nm以下であってもよい。前記帯電防止層の厚さが10nm以上400nm以下を満たすことで、前記基材フィルムに優れたコーティング性を有することができる。
【0107】
一実施態様において、前記帯電防止層の表面抵抗は、本出願の目的を考慮して適宜選択されてもよい。例えば、第1帯電防止層の表面抵抗は、それぞれ独立して、104Ω/sq以上;105Ω/sq以上;106Ω/sq以上;107Ω/sq以上;108Ω/sq以上;または109Ω/sq以上である。例えば、帯電防止層の表面抵抗は、それぞれ独立して、5×1012Ω/sq以下;または1011Ω/sq以下であってもよい。前記帯電防止層が前述の範囲内の表面抵抗を有する場合、前記表面保護フィルムが優れた帯電防止機能を有することができる。
【0108】
本出願の一実施態様において、前記表面保護フィルムの厚さは、35μm以上250μm以下である、保護フィルムを提供する。
【0109】
他の一実施態様において、前記表面保護フィルムの厚さは、35μm以上250μm以下、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは60μm以上150μm以下であってもよい。
【0110】
前記表面保護フィルムが前記範囲を有することで、その後、被着体に適用する際、厚さが好適であり、粘着力の低下が発生せず、フォールディング/アンフォールディングを数回繰り返しても信頼性に優れた表面保護フィルムを提供できるという特徴を有するようになる。
【0111】
本出願の一実施態様において、前記粘着フィルムは、複数積層されてもよい。
本出願の一実施態様において、前記粘着フィルムの前記基材フィルムと接する面の反対面に離型シートをさらに含む、表面保護フィルムを提供する。
【0112】
前記粘着フィルムの一面上に離型シートを含むとは、前記粘着フィルムの前記基材フィルムと接する面の反対面に離型シートが備えられることを意味する。
【0113】
本出願の一実施態様において、前記離型シートとしては、疎水性フィルムが用いられてもよく、厚さの非常に薄い粘着シートを保護するための層として、粘着フィルムの一面に付着する透明層をいい、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムを用いてもよい。例えば、トリアセチルセルロース(TAC)のようなアセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、およびアクリル系樹脂フィルムなどを用いてもよいが、市販のシリコーン処理離型シートであれば、これに限定されない。
前記離型シートは、工程用表面保護用途として適用時に全て除去されてもよい。
【0114】
本出願の一実施態様は、本出願に係るポリウレタン系粘着剤組成物を準備するステップ;前記ポリウレタン系粘着剤組成物に硬化剤を添加するステップ;および前記ポリウレタン系粘着剤組成物を基材フィルムにコーティングするステップを含む、表面保護フィルムの製造方法を提供しようとする。
【0115】
表面保護フィルムの製造方法において、ポリウレタン系粘着剤組成物の説明は前述のとおりである。
【0116】
本出願の一実施態様において、前記ポリウレタン系粘着剤組成物を基材フィルムにコーティングするステップの後に、前記ポリウレタン系粘着剤組成物を乾燥するステップ;および前記ポリウレタン系粘着剤組成物を熱硬化するステップを含む、表面保護フィルムの製造方法を提供する。
【0117】
本明細書の一実施態様は、有機発光電子装置の製造方法を提供する。
本明細書の一実施態様において、前記有機発光電子装置の製造方法は、前述の表面保護フィルムの粘着フィルムを有機発光素子の封止層上に付着するステップを含む。
【0118】
すなわち、基材フィルム;および前記基材フィルムの一面に備えられた本出願のポリウレタン系粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着フィルムを含む表面保護フィルムの前記粘着フィルムを有機発光素子の封止層上に付着するステップを含む、有機発光電子装置の製造方法を提供する。
【0119】
一実施態様において、前記表面保護フィルムが保護層をさらに含む場合、前記有機発光電子装置の製造方法は、前記粘着剤層を前記封止層上に付着するステップの前に、前記表面保護フィルムから保護層を除去するステップをさらに含む。
【0120】
本明細書の一実施態様において、前記有機発光素子は、ガラス、プラスチック基板、薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、および封止層を順に含む。
【0121】
図2は、有機発光電子装置の製造工程中、封止層上に本発明の一実施形態による表面保護フィルムを付着した状態を例示的に示す図である。
図2を参照すれば、本発明の一実施態様による
図1の表面保護フィルムは、ガラス511、プラスチック基板512、薄膜トランジスタ513、有機発光ダイオード514、および封止層515を順に含む有機発光素子510の封止層515上に、粘着フィルム20と封止層515が対向するように付着される。
【0122】
前記封止層は、有機発光電子装置において、優れた水分遮断特性および光学特性を示すことができる。また、前記封止層は、トップエミッション(top emission)またはボトムエミッション(bottom emission)などの有機発光電子装置の形態と関係なく、安定した封止層に形成されることができる。
【0123】
一実施態様において、前記封止層は、単層または多層の無機物層を含んでもよい。前記封止層を形成する方法としては、当業界で周知の通常の封止層を形成する方法が適用されてもよい。
【0124】
前記単層または多層の無機物層は、例えば、アルミニウム酸化物(Aluminium oxide)系、シリコン-窒化物(Silicon nitride)系、シリコン酸窒化物(Silicon oxynitride)系などを含んでもよい。
【0125】
本出願の有機発光電子装置の製造方法は、前記表面保護フィルムを前記封止層から剥離するステップ;および前記封止層上にタッチスクリーンパネルおよびカバーウィンドウを積層するステップをさらに含んでもよい。前記表面保護フィルムは、封止層から剥離する際に封止層に優れた帯電防止機能を示すため、前記封止層上にタッチスクリーンパネルを接合する際に、封止層とタッチスクリーンとの間に異質物が付着されるのを防止して素子の不良を防止することができる。
【実施例】
【0126】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施例について詳しく説明する。但し、本発明は、種々の異なる形態に実現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
【0127】
<製造例>
<表面保護フィルムの製造>
製造例1-粘着剤組成物の製造
2Lの五口反応器に、ポリオール100重量部に対して、2官能エーテルポリオール(PPGにEO 20%付加されたもの、商品名:KPX社のSC2204)10部、3官能エーテルポリオール(商品名:KPX社のSC3314)90部を投入した後、OH/NCO(官能基のモル比率)が1.5となる量だけのイソシアネートであるH12MDI(Evonik社)を投入した後、トルエン40重量部を投入した(不揮発分71%)。
常温(25℃)から80℃に昇温維持しつつ、IRスペクトルで残存イソシアネート基の消滅を確認し、反応を終了して樹脂を排出した。
【0128】
製造例2-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG)20部、3官能エーテルポリオール(PPG)80部を投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0129】
製造例3-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG+EO)20部、3官能エーテルポリオール(PPG)80部を投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0130】
製造例4-粘着剤組成物の製造
前記製造例3と同様の方法により、イソシアネートであるH12MDIをOH/NCOが1.45となる量に変更したことを除いては、前記製造例3と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0131】
製造例5-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG)20部、3官能エーテルポリオール(PPG+EO)80部を投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0132】
製造例6-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG)30部、3官能エーテルポリオール(PPG+EO)70部を投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0133】
製造例7-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG+EO)20部、3官能エーテルポリオール(PPG)80部を投入し、イソシアネートであるH12MDIをOH/NCOが1.6となる量に変更したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0134】
製造例8-粘着剤組成物の製造
前記製造例7と同様の方法により、イソシアネートであるH12MDIをOH/NCOが1.65となる量に変更したことを除いては、前記製造例7と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0135】
比較製造例1-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG)70部、3官能エーテルポリオール(PPG)30部を投入し、OH/NCOを1.2に調整したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0136】
比較製造例2-粘着剤組成物の製造
前記比較製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG)80部、3官能エーテルポリオール(PPG)20部を投入したことを除いては、前記比較製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0137】
比較製造例3-粘着剤組成物の製造
前記比較製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG)90部、3官能エーテルポリオール(PPG)10部を投入したことを除いては、前記比較製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0138】
比較製造例4-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エステル(Ester)ポリオール20部、3官能エーテルポリオール(PPG)80部を投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0139】
比較製造例5-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG+EO)100部を投入し、OH/NCOを1.1に調整したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0140】
比較製造例6-粘着剤組成物の製造
前記製造例1と同様の方法により、2官能エーテルポリオール(PPG+EO)100部を投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0141】
比較製造例7-粘着剤組成物の製造
前記比較製造例5と同様の方法により、OH/NCOを1.3に調整したことを除いては、前記比較製造例5と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0142】
比較製造例8-粘着剤組成物の製造
前記製造例3と同様の方法により、OH/NCOを1.2に調整したことを除いては、前記製造例3と同様に製造した(不揮発分71%)。
【0143】
比較製造例9-粘着剤組成物の製造
前記製造例1において、トルエンを100重量部投入したことを除いては、前記製造例1と同様に製造した(不揮発分50%)。
前記製造例1~8および比較製造例1~9を固形分基準に100重量部に対して多官能イソシアネート硬化剤15重量部を入れて十分に撹拌した後、ポリエステル(PET)フィルムにコーティングして140℃のオーブンで3分間乾燥させ、75μm厚さのポリウレタン粘着層を製造した。その後、50℃のオーブンで120時間エージングを行った。
【0144】
上記のように粘着層を製造するにおいて、比較製造例6の場合は、樹脂の製造過程においてゲル化によりコーティングされず、前記比較製造例7および比較製造例8の粘着剤組成物は、組成物自体の粘度範囲から外れ、コーティング性が良くないためコーティングが進行しなかった。
製造例1~8および比較製造例1~9に対するOH/NCO官能基比、分子量、粘度、ポリオールの組成および含量は下記表1のとおりである。
【0145】
【0146】
前記製造例1~8および比較製造例1~9による粘着層の低速および高速剥離力は下記表2のとおりである。さらに、比較製造例6の場合は、樹脂の製造過程においてゲル化によりコーティングされず、前記比較製造例7、比較製造例8、および比較製造例9の粘着剤組成物は、組成物自体の粘度範囲から外れ、コーティング性が良くないためコーティングが進行せず、高速および低速剥離力自体を測定することができなかった。
【0147】
【0148】
前記表1および表2から分かるように、実施例1~8のポリウレタン系粘着剤組成物の場合、2官能ポリオールおよび3官能ポリオールの含量部が特定の範囲を満たし、ウレタンポリオールの水酸基を調節してウレタン架橋密度を効果的に調節できるという特徴を有することが分かった。
【0149】
また、粘着剤組成物の粘度が特定の範囲を満たすことにより、粘着コーティング時に基材に対する厚さ偏差が小さい、優れたコーティング性を示すことを確認することができ、特に比較製造例7~比較製造例9の粘着剤組成物は、粘度範囲から外れ、コーティング性が良くないためコーティングが進行していないことを確認することができた。
【0150】
前記実施例1~8のポリウレタン系粘着剤組成物の場合、高速での再剥離性を減少させ、被着材に付着後に再剥離時に被着材の損傷を最小化可能であることを確認することができた。
【符号の説明】
【0151】
10 ・・・基材フィルム
20 ・・・粘着フィルム
40 ・・・表面保護フィルム
510 ・・・有機発光素子
511 ・・・ガラス
512 ・・・プラスチック基板
513 ・・・薄膜トランジスタ
514 ・・・有機発光ダイオード
515 ・・・封止層
【国際調査報告】