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特表2023-521622液体窒素のための自己整列式真空フィードスルー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(54)【発明の名称】液体窒素のための自己整列式真空フィードスルー
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
G03F7/20 503
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559863
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-11-18
(86)【国際出願番号】 US2021026117
(87)【国際公開番号】W WO2021207316
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/006,690
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/041,124
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/220,719
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーリンガー シャーマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン ロウレン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197GA01
2H197GA05
2H197GA24
(57)【要約】
光源が、回転可能なドラムと、回転可能なドラムに結合されて回転可能なドラムの内部から窒素ガスを排気する排気管と、回転可能なドラムの内部に液体窒素を提供する、排気管内に位置した供給管と、排気管の少なくとも一部分を囲むケーシングと、を含む。光源はまた、排気管が回転可能なドラムと共に回転することを可能にする、排気管とケーシングとの間の回転式空気軸受を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源であって、
回転可能なドラムと、
前記回転可能なドラムの内部から窒素ガスを排気する、前記回転可能なドラムに結合された排気管と、
前記回転可能なドラムの前記内部に液体窒素を提供する、前記排気管内に位置した供給管と、
前記排気管の少なくとも一部分を囲むケーシングと、
前記排気管が前記回転可能なドラムと共に回転することを可能にする、前記排気管と前記ケーシングとの間の回転式空気軸受と、
を備える光源。
【請求項2】
前記回転可能なドラムを回転させるモータを更に備え、前記モータは、前記排気管から独立して前記回転可能なドラムに結合されている、
請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記排気管及び前記供給管は、鉛直方向に延在し、
前記回転可能なドラムは、鉛直方向に並進可能であり、
前記回転式空気軸受は、前記排気管が前記回転可能なドラムと共に鉛直方向に並進することを可能にする、
請求項1に記載の光源。
【請求項4】
前記回転可能なドラムを回転させる、前記排気管から独立して前記回転可能なドラムに結合された第1モータと、
前記回転可能なドラムを鉛直方向に並進させる、前記排気管から独立して前記回転可能なドラムに結合された第2モータと、
を更に備える、請求項3に記載の光源。
【請求項5】
前記第2モータは、前記回転可能なドラムの下方に位置し、
前記排気管及び前記供給管は、前記回転可能なドラムの上方に延在する、
請求項4に記載の光源。
【請求項6】
前記ケーシングを水平にするフランジと、
前記フランジに対する前記ケーシング及び前記排気管の水平方向の並進に対応する、前記ケーシングと前記フランジとの間のリニア空気軸受と、
を更に備える、請求項3に記載の光源。
【請求項7】
前記フランジに接続された第1端部と、前記ケーシングに接続された第2端部と、を有するベローズを更に備える、請求項6に記載の光源。
【請求項8】
前記ケーシング及び前記排気管の傾斜に対応する、前記ケーシングに結合されたジンバルを更に備える、請求項3に記載の光源。
【請求項9】
前記ジンバルは、前記ケーシング及び前記排気管の水平方向の並進に対応するブッシングを備える、請求項8に記載の光源。
【請求項10】
前記排気管は、断熱材を含む、請求項1に記載の光源。
【請求項11】
前記断熱材は、チタンを含む、請求項10に記載の光源。
【請求項12】
前記断熱材は、前記排気管の第1層と前記排気管の第2層との間に真空間隙を含む、請求項10に記載の光源。
【請求項13】
前記排気管から前記窒素ガスを受け取るチャンバであって、前記排気管が、前記チャンバ内で終端し、前記チャンバが、前記窒素ガスを排気する出力口を有する、チャンバと、
前記ケーシングを前記チャンバから熱的に隔離する、前記チャンバと前記ケーシングとの間のヒータブロックと、
を更に備える、請求項10に記載の光源。
【請求項14】
前記排気管を前記回転可能なドラムに結合するナットを更に備える、請求項1に記載の光源。
【請求項15】
光源を動作させる方法であって、
ドラムを回転させるステップと、
供給管を通して前記ドラムの内部に液体窒素を提供するステップと、
前記ドラムの前記内部から、前記ドラムに接合された排気管を通して窒素ガスを排気するステップであって、前記供給管は、前記排気管内に位置する、ステップと、
前記排気管と、前記排気管の少なくとも一部分を囲むケーシングとの間の回転式空気軸受を使用して、前記排気管が前記ドラムと共に回転することを可能にするステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記排気管及び前記供給管は、鉛直方向に延在し、前記方法は、
前記ドラムを回転させながら、前記ドラムを鉛直方向に並進させるステップと、
前記回転式空気軸受を使用して、前記排気管が前記ドラムと共に鉛直方向に並進することを可能にするステップと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ケーシングとフランジとの間のリニア空気軸受を使用して、前記フランジに対する前記ケーシング及び前記排気管の水平方向の並進に対応するステップを更に含み、
前記フランジは、前記ケーシングを水平にする、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ケーシングに結合されたジンバルを使用して、前記ケーシング及び前記排気管の傾斜に対応するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ジンバルは、ブッシングを備え、前記方法は、前記ブッシングを使用して、前記ケーシング及び前記排気管の水平方向の並進に対応するステップを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外(EUV)光源のような光源における液体窒素のための真空フィードスルーに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2020年4月7日に出願された米国仮特許出願第63/006,690号及び2020年6月19日に出願された同第63/041,124号の優先権を主張し、両出願内容は全ての目的のために全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
EUV光源は、固体キセノンで被覆された外面を有する回転ドラムを含んでもよい。EUV光を放出するプラズマが、外面上のキセノンにレーザを当てることによって形成される。液体窒素がドラムの内部に供給されて、外面を低温に維持する。窒素ガスが、ドラムの内部から排気される。従来、窒素供給管及び排気管は、ドラムを回転させるシャフトの中央を通って走っている。このような配列は、可能なドラム構成を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-037324号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0075641号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、窒素供給管及び排気管が、ドラムの内部でドラムの動作から分離されているドラム構成が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態では、光源が、回転可能なドラムと、回転可能なドラムに結合されて回転可能なドラムの内部から窒素ガスを排気する排気管と、排気管内に位置して回転可能なドラムの内部に液体窒素を提供する供給管と、排気管の少なくとも一部分を囲むケーシングと、を含む。光源はまた、排気管とケーシングとの間に回転式空気軸受を含むことにより、排気管が回転可能なドラムと共に回転することを可能にする。
【0007】
いくつかの実施形態では、光源を動作させる方法は、ドラムを回転させ、供給管を通してドラムの内部に液体窒素を提供し、ドラムの内部からドラムに結合された排気管を通して窒素ガスを排気することを含む。供給管は、排気管内に位置している。方法はまた、排気管と、排気管の少なくとも一部分を囲むケーシングとの間に回転式空気軸受を使用して、排気管がドラムと共に回転することを可能にすることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
様々な記述された実装例についてよりよく理解するためには、次の図面と共に以下の詳細な説明を参照すべきである。
図1】いくつかの実施形態に従うEUV光源についての断面側面図である。
図2】いくつかの実施形態に従う、図1のEUV光源のフィードスルーアセンブリについての断面側面図である。
図3】いくつかの実施形態に従う、図1のEUV光源のフィードスルーアセンブリ及びドラムアセンブリについての斜視図である。
図4A】いくつかの実施形態に従う、ジンバルを有するフィードスルーアセンブリについての斜視図である。
図4B】いくつかの実施形態に従う、図4Aのフィードスルーアセンブリについての断面側面図である。
図4C】いくつかの実施形態に従う、図4Aのフィードスルーアセンブリについての断面側面図である。
図5】いくつかの実施形態に従う、光源を動作させる方法についてのフローチャートである。
【0009】
同様の参照番号は、図面及び明細書の全体を通して対応する部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、様々な実施形態に詳細に参照がなされ、それらについての例が添付図面に示されている。以下の詳細な記述において、多数の具体的な詳細が示されて、様々な記述された実施形態についての完全な理解を提供する。しかしながら、様々な記述された実施形態がこれらの具体的な詳細によらずに実施されてもよいことが、当業者には明らかであろう。別の例では、周知の方法、手順、構成要素、回路、及びネットワークが詳細に記述されないことにより、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしない。
【0011】
図1は、いくつかの実施形態に従う極端紫外(EUV)光源100についての断面側面図である。EUV光源100は、真空チャンバ102(例えば、ビレットアルミニウムチャンバ)を含む。真空ポンプ110(例えば、ターボポンプ)が、真空チャンバ102内に真空を提供する。レーザビーム103が、レーザ対物レンズ104及び付随するペリクルを通して真空チャンバ102内に導入される。レーザ対物レンズ104は、固体キセノンで被覆されたドラム118の外面にレーザビーム103を集束させる。レーザビーム103がドラム118の外面のキセノンに衝突すると、それはEUV光105を放出するプラズマをスパークさせる。ミラー106が、EUV光105の一部分を収集し、収集されたEUV光105を真空チャンバ102内の窓108を通して誘導する。ドラム118は、回転させられ、また鉛直方向に並進させられて、その外面上の異なる領域がレーザビーム103に露出されることを可能にする。ドラム118が回転及び並進するとき、その外面上にキセノンが噴霧されることにより、キセノン被覆を維持してもよい。
【0012】
フィードスルーアセンブリ112が、ドラム118の内部に液体窒素を提供して、ドラム118の表面を低温に維持し、それでキセノン被覆を維持する。液体窒素は、EUV光源100の動作中に沸騰して蒸発する。フィードスルーアセンブリ112はまた、結果として生じる窒素ガスをドラム118から排気する。いくつかの実施形態に従う、フィードスルーアセンブリ112は、図2により詳細に示されている(以下に説明される)。
【0013】
ドラム118は、フィードスルーアセンブリ112に結合されているドラムアセンブリ114内に収容されている。ドラムアセンブリ114はまた、ドラム118を回転させる回転モータ116を含む。回転モータ116は、フィードスルーアセンブリ112から独立してドラム118に結合されている。ドラムアセンブリ114は、水冷流入口126から水を受け取る水冷式ドラムカバーを有する。ドラムアセンブリ114の下方に、従ってドラム118の下方に、ドラム118を鉛直方向に線形的に並進させる(すなわち、ドラムを上下に移動させる)並進モータ120がある。並進モータ120はまた、フィードスルーアセンブリ112から独立してドラム118に結合されている。対応する線形ステージ作動装置124が、並進モータ120を作動させる。ドラムアセンブリ114の下方に、重量補償ベローズ122がまた位置している。
【0014】
図2は、いくつかの実施形態に従うEUV光源100(図1)のフィードスルーアセンブリ112についての断面側面図である。供給管202が、ドラム118(図1)内へと延在して、ドラム118の内部に液体窒素を提供する。排気管204が、ドラム118の内部から窒素ガスを排気する。供給管は、排気管204内に(例えば、その中央に)(例えば、供給管202と排気管204とが同軸となるように)位置している。排気管204は、ドラム118に機械的に結合されている。例えば、ナット206は、ドラム118に排気管204を(例えば、図3に示すように)結合する。ナット206は、排気管204及びドラム118と共に回転する。その代替として、別の適切な結合機構が用いられて、ドラム118に排気管204を結合させてもよい。
【0015】
ケーシング214(例えば、ステンレス鋼製ケーシング)が、排気管204の少なくとも一部分を囲んでいる。回転式空気軸受212が、ケーシング214と排気管214との間に位置することにより、排気管204がドラム118と共に回転することを可能にする、すなわち、排気管204はドラム118と共に回転し、一方、ケーシング214は回転しない。回転式空気軸受212は、排気管204とケーシング214との間の狭い間隙内に加圧されたガス(例えば、実質的に微粒子を含まない空気)の薄膜を含む。加圧されたガスのこの薄膜は、排気管204とケーシング214との間の実質的に摩擦のない界面として作用する。ドラム118を回転させる回転モータ116(図1)は、排気管204から独立してドラム118に結合されている。回転モータ116が、それでドラム118を回転させ、ドラム118の回転が、排気管204を回転させる。いくつかの実施形態では、供給管202は、固定されて、排気管204及びドラム118と共には回転しない。
【0016】
図2に示すように、供給管202及び排気管204は、ドラム118の上方で鉛直方向に延在している。回転式空気軸受212は、排気管204がドラム118と共に鉛直方向に並進することを可能にする、すなわち、排気管204はドラム118と共に鉛直方向に並進し、一方、ケーシング214は鉛直方向に並進しない。ドラム118を鉛直方向に並進させる並進モータ120(図1)は、排気管204から独立してドラム118に結合されている。並進モータ120は、それで、ドラム118を鉛直方向に並進させ、そしてドラム118の鉛直方向の並進が、排気管204に鉛直方向に並進させる。いくつかの実施形態では、供給管202は、固定されており、排気管204及びドラム118と共に鉛直方向に並進しない。
【0017】
排気管204は、外側層208の下に断熱材210を有する。例えば、断熱材210は、チタン溶接されている。断熱材210は、外側層208及び回転式空気軸受212を排気管204の内部の低温から絶縁するが、その理由は、低温が回転式空気軸受212を誤動作させる可能性があるからである。断熱材210は、排気管204内に低温窒素ガスがあるにもかかわらず、ケーシング214が室温に又は室温付近にあることを可能にし得る。別の例では、排気管204の内側層と外側層との間の真空間隙(例えば、真空間隙406、図4B~4C)は、断熱を提供する。
【0018】
排気管204は、ドラム118から出力口228を有するチャンバ226まで延在している。排気管204は、チャンバ226内で終端する。チャンバ226は、排気管204から窒素ガスを受け取り、出力口228を通して窒素ガスを排気する。ヒータブロック224は、チャンバ226とケーシング214との間に位置して、窒素ガスのために低温であるチャンバ226からケーシング214を熱的に隔離する。例えば、ヒータブロック224は、ケーシング214が室温に又は室温付近にあることを可能にする。
【0019】
ポンプリング222は、空気軸受212から空気をポンプで排気することにより、空気が真空チャンバ102(図1)に入るのを防止する。アルゴンパージリング220は、ポンプリング222によってほとんどがポンプで排気されるアルゴンガスを注入する。アルゴンパージリング220からのアルゴンガスは、空気ベアリング212からの空気が真空チャンバ102に入らないことを確実にするのに役立つ。少量のアルゴンガスが、真空チャンバに入ることがあるけれども、EUV光源100の機能に及ぼす影響は最小である。
【0020】
いくつかの実施形態では、フランジ218が使用されて、ケーシング214を水平にし、それでフィードスルーアセンブリ112を水平にする。リニア空気軸受216が、ケーシング214とフランジ218との間に位置することにより、フランジ218に対するケーシング214及び排気管204の水平方向の並進に対応する。(ヒータブロック224及びチャンバ226はまた、ケーシング214と共に水平方向に並進する。)リニア空気軸受216は、ケーシング214とフランジ218との間の狭い間隙内に加圧されたガス(例えば、実質的に微粒子を含まない空気)の薄膜を含む。加圧されたガスのこの薄膜は、ケーシング214とフランジ218との間の実質的に摩擦のない界面として作用する。リニア空気軸受216は、フィードスルーアセンブリ112とドラムアセンブリ114との間の不整列を、及びドラム118の振れを補償する。ベローズ223が、フランジ218からケーシング214まで(例えば、ケーシング214の底部まで)延在することにより、真空シールを提供する。ベローズ223は、フランジ218に接続された第1端部と、ケーシング214に接続された第2端部と、を有する。
【0021】
図3は、いくつかの実施形態に従う、EUV光源100(図1)のフィードスルーアセンブリ112及びドラムアセンブリ114についての斜視図である。ナット206が、フィードスルーアセンブリ112をドラムアセンブリ114に接合している。ドラムアセンブリ114の側面上の開口部が、レーザ対物レンズ104(図1)を通って真空チャンバ102内に入るレーザビーム103にドラム118の外面を露出させる。
【0022】
図4A~4Cは、いくつかの実施形態に従って、リニア空気軸受216(図2)がジンバル402と置換されている代替のフィードスルーアセンブリ400を示す。図4Aは、フィードスルーアセンブリ400についての斜視図である。図4B及び4Cは、フィードスルーアセンブリ400についての断面側面図である、すなわち、図4Cの図は、図4Bの図に対して90°回転させられている。フィードスルーアセンブリ400は、例えば、レーザ対物レンズ104と、ミラー106と、窓108と、真空ポンプ110と、ドラムアセンブリ114(図1)と、を有する真空チャンバ102を含むEUV光源の一部分である。フィードスルーアセンブリ400は、ケーシング214と排気管204との間に回転式空気軸受212(図4B~4C)を含む。回転式空気軸受212は、フィードスルーアセンブリ112(図2)について記述したように機能する。
【0023】
フィードスルーアセンブリ112(図1~3)におけるように、供給管202は、ドラム118の内部へと延在し、排気管204は、ドラム118に結合する。カップリング410(例えば、機械加工されたカップリング)は、フィードスルーアセンブリ400をドラムアセンブリ114に結合させ、したがって排気管204をドラム118に結合させる。管412(図4A及び4B)は、供給管202に接続し、そしてドラム118の内部に液体窒素を提供する供給管202に液体窒素を提供する。菅414は、チャンバ226の出力口228に接続して、チャンバ226から窒素ガスを排気する。窒素ガスは、それでドラム118の内部から、排気管204、チャンバ226、出力口228、及び管214を通して排気される。ヒータブロック224(図2~3)は、いくつかの実施形態に従うと、フィードスルーアセンブリ400には存在していない。
【0024】
アタッチメント412(図4A及び4C)によって真空チャンバ(例えば、真空チャンバ102、図1)に取り付けられているジンバル402は、ケーシング214及び排気管204の傾斜及び回転に対応する。ジンバル402内のブッシング404(図4B)が、(例えば、ドラム118の振れ、及びドラムアセンブリ114とフィードスルーアセンブリ400との不整列から生じる)ケーシング214及び排気管204の水平方向の並進に対応する。
【0025】
排気管204は、真空間隙406によって、排気管204の内面から分離されている外側層408を有する。真空間隙406は、排気管204の内部に対するケーシング214のための断熱を提供する。例えば、真空間隙406は、排気管204内に低温窒素ガスがあるにもかかわらず、ケーシング214が室温に又は室温付近にあることを可能にする。
【0026】
フィードスルーアセンブリ400は、(例えば、ドラムアセンブリ114の交換を可能にするために)EUV光源の組み立て中に真空チャンバ内に下降させられ、そしてメンテナンス中に真空チャンバから上昇させられる。ジンバル402は、フィードスルーアセンブリ400を再び水平にする必要無しに、メンテナンスを行うことを可能にする。
【0027】
図5は、いくつかの実施形態に従う光源(例えば、EUV光源100、図1)を動作させる方法500についてのフローチャートである。方法500において、ドラム118が回転させられる(502)。いくつかの実施形態では、ドラム118は、回転させられながら鉛直方向に並進させられる(504)。
【0028】
液体窒素が、供給管202を通してドラム118の内部に供給される(506)。窒素ガスが、ドラム118に結合された排気管204を通してドラム118の内部から排気される(508)。供給管202は、排気管204内に位置している。
【0029】
排気管204は、排気管204と、排気管204の少なくとも一部分を囲むケーシング214との間の回転式空気軸受212を使用して、ドラム118と共に回転することが可能にされる(510)。いくつかの実施形態では、回転式空気軸受212は、排気管204がドラム118と共に鉛直方向に並進することを可能にする(512)。
【0030】
いくつかの実施形態では、フランジ218に対するケーシング214及び排気管204の水平方向の並進は、ケーシング214とフランジ218との間のリニア空気軸受216(図2)を使用して対応される(514)。フランジ218は、ケーシング214を水平にする。
【0031】
いくつかの別の実施形態では、ケーシング214及び排気管204の傾斜は、ケーシング214に結合されたジンバル402(図4A~4C)を使用して対応される(516)。ジンバル402はまた、ケーシング214及び排気管204の回転に対応してもよい。ケーシング214及び排気管204の水平方向の並進は、ジンバル402内のブッシング404(図4B)を使用して対応されてもよい(518)。
【0032】
図5は、特定の順序での方法500の動作を示しているが、動作の実行が重複してもよい。例えば、動作の全てが、同時に実行される。方法500は、より多い又はより少ない動作を含んでもよい。2つ以上の動作が、単一の動作へと組み合わされてもよい。
【0033】
以上の記述は、説明を目的としたものであり、具体的な実施形態を参照して記述されている。しかし、上述の例示的議論は、網羅的であることが意図されておらず、又は特許請求の範囲を開示されたまさにその形式に限定することは意図されていない。多くの修正及び変形が、上記の教示に鑑みて可能である。実施形態は、特許請求の範囲の基礎をなす原理及びそれらの実際の適用を最もよく説明するように選択されたものであり、それによって、当業者が、意図された特定の使用に適するような様々な変更を伴う実施形態を最良の状態で使用することを可能にする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
【国際調査報告】