(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(54)【発明の名称】乾燥製剤を生成する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/19 20060101AFI20230522BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20230522BHJP
A61K 39/395 20060101ALN20230522BHJP
【FI】
A61K9/19
A61K38/16
A61K39/395 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563979
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2021060120
(87)【国際公開番号】W WO2021213992
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514099673
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カルマン, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】レマ マルティネス, カルメン
(72)【発明者】
【氏名】ラヒミアン,シマ
(72)【発明者】
【氏名】ルーエムケマン, イェルク
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァッハ, グレゴワール
(72)【発明者】
【氏名】マリン, ザナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C076AA30
4C076FF63
4C076GG06
4C084AA27
4C084DC50
4C084MA44
4C084NA03
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC23
4C085DD84
4C085EE01
(57)【要約】
凍結乾燥製剤(2)を生成する方法であって、積層造形される基質を調製することであって、基質が薬物を含む、調製することと、基質から足場本体(21)が形成されるように、基質を積層造形することと、足場本体(21)を凍結乾燥させることと、を含む、方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥製剤(2;20)を生成する方法であって、
積層造形される基質を調製することであって、前記基質が薬物を含む、調製することと、
前記基質から足場本体(21;210)が形成されるように、前記基質を積層造形することと、
前記足場本体(21;210)を乾燥させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記積層造形することが、前記基質を3D印刷することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基質を調製することが、3D印刷に適した前記基質の印刷インクを生成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記足場本体(21;210)が細孔(212;2120)を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記足場本体(21;210)が端辺を有し、前記足場の前記細孔(212;2120)のそれぞれが前記端辺の1つに開口部を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記足場本体(21;210)の前記細孔(212;2120)が、前記足場本体(21;210)の前記端辺の少なくとも2つの間に延在する通路である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記足場本体(21;210)が円筒形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記足場本体(21;210)を乾燥させるときに適用される特定の乾燥手順の乾燥特性を収集することと、収集された前記乾燥特性にしたがって前記足場本体(21;210)の形状を設計することと、前記足場本体(21;210)が設計された前記形状で前記基質から形成されるように、前記基質の前記積層造形を構成することと、を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基質の基質特性を収集する工程を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
収集された前記基質特性にしたがって前記足場本体(21;210)の形状を設計する工程と、前記足場本体(21;210)が設計された前記形状で前記基質から形成されるように、前記基質の前記積層造形を構成する工程と、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
収集された前記基質特性にしたがって印刷ヘッドを選択する工程と、選択された前記印刷ヘッドを介して前記足場本体(21;210)が形成されるように、前記基質の前記積層造形を構成する工程と、をさらに含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記印刷ヘッドが、空気圧印刷ヘッド、ピストン印刷ヘッド、スクリュー印刷ヘッドおよび電磁液滴印刷ヘッドの群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
無菌環境をセットアップする工程を含み、積層造形される前記基質を調製することと、前記基質を積層造形することと、前記足場本体(21;210)を乾燥させることとが、前記無菌環境において実行される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記足場本体(21;210)を乾燥させることが、前記足場本体(21;210)を凍結乾燥させることである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記足場本体(21;210)を凍結乾燥するときに適用される特定の凍結乾燥手順の凍結乾燥特性を収集することと、収集された前記凍結乾燥特性にしたがって前記足場本体(21;210)の形状を設計することと、前記足場本体(21;210)が設計された前記形状で前記基質から形成されるように、前記基質の前記積層造形を構成することと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記基質が、前記足場本体(21;210)が凍結して形成されるように凍結部材上に積層造形される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記薬物がタンパク質を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、乾燥または凍結乾燥製剤を生成する方法に関する。そのような方法は、比較的安定な状態で製剤を効率的に提供することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
背景技術
多くの医薬および他の用途では、物質は、乾燥形態で提供される。それにより、長い貯蔵寿命を達成するために、物質を可能な限り乾燥させることを目指すことが多い。これに関連して、物質を乾燥または凍結乾燥することが知られている。特に、例えば不適切な方法で加熱することなく、物質を穏やかに乾燥させることが必要または有益である場合、凍結乾燥が好ましいことが多い。
【0003】
例えば、医薬用途では、多くの場合、製剤原料は、例えば、経口、非経口、静脈内または皮下に、液体形態で投与される。例として、静脈内投与のために、支持体上に懸架され、注入針を介して患者内に液体製剤原料または薬物希釈剤混合物を連続的に滴下することができる注入バッグを使用することが知られている。しかしながら、液体製剤原料に関連して、多くの医薬品、特に生物製剤は、液体形態では一般に十分に安定ではないため、液体形態で適切な期間貯蔵および供給されることができない。より具体的には、多くの抗生物質および生物学的薬物は、液体形態では不安定であるため、それらの品質は、液体状態で維持されることができない。特に、振盪、微生物学的増殖、凝集などによって引き起こされるストレスは、薬物を損なう可能性がある。しかしながら、上述したように、薬物を粉末などの乾燥形態で供給することが知られており、それらは、液体形態と比較して本質的により安定で堅牢である。そして、乾燥製剤原料または製剤は、投与直前に再構成または溶解される。
【0004】
適切な衛生および品質基準を達成または維持するために、物質は、無菌環境などの特定の状態で慎重に凍結乾燥されることが多い。それにより、物質は、通常、無菌状態で凍結乾燥機の棚に配置された特定の容器内で凍結乾燥される。凍結乾燥後、容器内の物質は、これらの容器内に貯蔵されるか、貯蔵および供給のために他の容器またはパッケージに移される。次いで、適用または投与の直前に、物質が再構成される。
【0005】
特に、無菌環境における凍結乾燥は、多くの場合、労力がかかり、時間がかかり、その結果、比較的費用のかかる、または経済性の低いプロセスになる。したがって、連続的に乾燥もしくは凍結乾燥製剤を製造もしくは生成するか、または乾燥製剤を作製する効率を高めることを可能にするシステムまたはプロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
発明の開示
本発明によれば、この必要性は、独立請求項1の特徴によって定義されるように、乾燥製剤を生成する方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0007】
特に、一態様では、本発明は、乾燥製剤を生成または製造する方法である。本方法は、積層造形される基質を調製する工程であって、基質が薬物を含む、調製する工程と、基質から足場本体が形成されるように、基質を積層造形する工程と、足場本体を乾燥させる工程と、を含む。この乾燥の結果は、足場本体として提供される乾燥製剤である。
【0008】
足場本体、したがって製剤の文脈における乾燥は、湿度、すなわち水または別の溶媒を除去する特定の手順に関する。より具体的には、典型的には、薬物含有物質は、薬物のいかなる障害も防止するために穏やかな処理を必要とするため、有利には、本発明の文脈における乾燥は、凍結乾燥または乾燥のいずれかを含む。
【0009】
この文脈における凍結乾燥は、低温脱水プロセスであり、これは、基質を凍結し、圧力を下げ、次いで昇華および脱着によって氷を除去することを含む。凍結乾燥の結果は凍結乾燥物である。凍結乾燥(Lyophilisation)は、凍結乾燥(freeze drying)とも呼ばれる。凍結乾燥は、バルク凍結乾燥または連続凍結乾燥さえもカバーすることができる。凍結乾燥におけるエネルギーまたは熱伝達は、典型的には対流および放射プロセスによって駆動され、本発明にかかる特定のプロセスでは、伝導もかなり重要であり得る。
【0010】
本発明の文脈における乾燥は、生成物が一定温度下または温度サイクル内のいずれかで連続的に脱水することを含む、周囲温度または僅かに高温の脱水プロセスである。したがって、生成物は、コンベヤバンドまたはトンネル上で搬送され、温かい空気を介した対流または赤外線源を介した放射による乾燥プロセスの進行のためのエネルギー入力を受け取る。
【0011】
基質は、凍結乾燥または乾燥などの乾燥を受けることを意図した任意の物質とすることができる。それは、特に液体または流体物質とすることができる。それにより、「流体」という用語は、流動する基質の特性に関する。そのような流体基質は、液体、粒状、ペースト状などとすることができる。乾燥物質または乾燥足場本体は、例えば、飲む、食べるなどによって人によって消費されることが意図されることができる。好ましくは、乾燥足場本体は、凍結乾燥または乾燥した製剤である。
【0012】
本明細書で使用される「薬物」という用語は、一般に医薬品有効成分(API)とも呼ばれる治療活性剤、ならびに複数のそのような治療活性物質の組み合わせに関する。この用語はまた、患者に液体形態で投与される必要がある、例えば造影剤(例えば、MRI造影剤)、トレーサ(例えばPETトレーサ)およびホルモンなどの診断薬または造影剤も包含する。
【0013】
本明細書で使用される「製剤」という用語は、上記定義された単一の薬物、または混合もしくは製剤化された複数のそのような薬物に関する。例えば、薬物に加えて、製剤は、賦形剤および/または他の補助成分をさらに含むことができる。乾燥製剤である場合、乾燥足場本体は、固体製剤、半固体または粉末状の製剤原料とすることができる。
【0014】
本明細書で使用される「製剤原料」という用語は、患者への投与に適した形態の上記定義された製剤に関する。それにより、製剤原料は、純粋な製剤または投与可能な形態で再構成、希釈または溶解された製剤とすることができる。本発明の文脈における特に好ましい製剤原料は、溶液、特に経口、非経口の髄腔内または眼投与、注射または注入のための溶液である。
【0015】
本明細書で使用される「製剤」という用語は、製剤原料または複数の製剤原料を含む最終生成物に関する。特に、製剤は、適切な投与量および/または投与のための適切な形態の製剤原料を有するすぐに使用されることができる生成物とすることができる。例えば、製剤は、可撓性容器などの取り扱いまたは貯蔵装置を含むことができる。
【0016】
製剤に関連して使用される「効力」という用語は、所与の強度の効果を生じるのに必要な量に関して表される薬物活性の尺度とすることができる。したがって、「高効力」、「非常に効力がある」または同様の用語は、比較的少量または投与量で活性である製剤または物質に関することができる。換言すれば、高効力製剤は、比較的低い濃度で所与の応答を誘発することができるが、より低効力の製剤は、より高い濃度でのみ同じ応答を誘発することができる。効力は、製剤の親和性および有効性の双方に依存することができる。そのような製剤または物質の取り扱いは、投与の比較的小さな変動が有害であり得るため、特に困難であり得る。
【0017】
数において、高効力製剤は、ヒトにおいて体重1キログラム(kg)あたり約15マイクログラム(μg)以下の生物学的活性を有する製剤として定義されることができる。これは、ヒトにおける約1ミリグラム(mg)以下の治療用量に相当する。したがって、高効力製剤は、1.5μg/d以下の1日許容曝露量(ADE)値を有し、0.15μg/m3の指示的職業被爆限界(IOEL)値に換算される薬物として定義されることができる。特に、高効力製剤は、クラス3B薬物などとすることができる。注入によって投与される高効力薬物製剤とともに使用される場合、本発明にかかる方法は特に有益であり得る。
【0018】
好ましくは、薬物はタンパク質を含み、タンパク質はモノクローナル抗体などの抗体とすることができる。そのようなタンパク質含有薬物を使用する場合、本発明にかかる方法によって達成される効果は特に有利であり得る。さらにまた、本発明によれば、液体形態からの凍結乾燥を伴う従来のタンパク質製剤と比較して、タンパク質薬物が関与する場合に安定性を特に高めることができる。
【0019】
足場本体は、典型的には三次元足場本体である。これに関連して「三次元」という用語は、空間内の3つの方向全ての拡張に関することができる。それにより、本質的に空間内で一方向に延在しないシート状または板状の物体などの二次元物体と比較して、三次元物体は空間寸法を有する。
【0020】
本方法の異なる工程は、基質または製剤または足場本体が一方の装置から他方の装置に移送されなければならない場合であっても、具体的に適切な実施を可能にする1つの単一の装置内でもしくはそれによって、またはより好ましくは複数の装置内でもしくはそれによって実施されることができる。例えば、積層造形は、特定の装置または機器によって実行されることができる。さらに、足場本体の乾燥は、凍結乾燥機内でまたは凍結乾燥機によって実施されることができる。このようにして、本方法の各工程の効率的な実行が達成されることができる。
【0021】
基質を調製することは、特に、積層造形を実行する装置または機器によって使用されることができる形態で基質を提供することをもたらすことができる。例えば、基質は、関与する積層造形に適した組成、粘度、粒度などの特定の特性を有するように調製されることができる。
【0022】
製剤を積層造形することにより、適用される特定の乾燥に特に適した形状で提供され、比較的堅牢な乾燥製剤を提供することができる。それにより、形状は、製剤全体もしくは基質への特に効率的な熱伝達を可能にするように、または特に効果的な液体蒸気除去を可能にする特定の設計を可能にするように設計されることができる。例えば、凍結乾燥のために提供される製剤は、蒸気除去のためのトンネルが設けられたような比較的大きな熱伝達面を有する形状で具現化されることができる。
【0023】
本発明にかかる方法によって、製剤を乾燥させるための比較的低い持続時間が到達されることができる。特に、熱が製剤に効率的に伝達され、水蒸気または他の蒸気が製剤から効率的に移動して製剤の比較的速い乾燥が可能であることが達成されることができる。これを達成するために、基質は、基質への熱および基質からの蒸気の伝達を可能にする比較的大きな接触および乾燥表面を有するように設計および成形されることができる。脱水プロセスの効率が高められることができ、したがって凍結乾燥機の占有率も高められることができる。また、積層造形によって提供される特定の形状および昇華面積の増加、ならびに生成物棚距離の縮小により、基質が均一に乾燥されることが達成されることができる。さらにまた、連続的な積層造形プロセスを設計することによって、連続的なコンベヤベルトを有する乾燥トンネル内での脱水はまた、足場本体のより均一で効率的な乾燥をもたらすことができる。
【0024】
さらにまた、乾燥製剤を専用の形状とすることを可能にすることにより、投与前に製剤が効率的に再構成されることができる。例えば、乾燥製剤の形状は、製剤原料を生成するために、希釈剤が構造全体を効率的に覆って浸透し、投与前に製剤を溶解することを可能にするように設計されることができる。このように、製剤が完全に溶解して適切な投与を可能にすることが保証されることができる。薬物に害を及ぼすことがある、例えば振盪または撹拌によって製剤を能動的に溶解する必要性が低減されることができる。
【0025】
さらに、乾燥基質または製剤の形状は、乾燥基質または足場本体に含まれる薬物および/またはその投与量の視覚的認識を可能にするように設計されることができる。これは、最終製剤の効率的な取り扱いを可能にする。また、形状は、乾燥製剤の堅牢な提供を可能にすることができる。さらに、それは、偽造識別子を提供することを可能にする。3D印刷によって、適切な生成物の識別を確実にするために、作製された構造、すなわち足場本体にいくつかの安全対策を含めることができる。例えば、彫刻のようなパターンが足場本体に具現化されることができる。
【0026】
本発明の文脈における「積層造形」(AM)という用語は、一般に、物体が完成するまで材料を段階的に添加することによって三次元物体を構築することに関する。典型的には、材料は層ごとに添加され、それによって物体が生成される。しかしながら、物体は、異なる材料の選択によって生成されることもできる。例えば、異なる材料は、投与時にのみ組み合わせるべき異なる薬物を含むことができる。
【0027】
積層造形は、基質を押し出すプロセス、基質上にバインダを分配するプロセス、基質上にバインダを噴霧するプロセス、基質をモデル化するペースト押出プロセス、基質をモデル化する溶融堆積プロセス、基質を製造する積層物体プロセス、基質を生成するためにステレオリソグラフィを使用するプロセスなどとすることができる。
【0028】
有利には、乾燥足場本体は、乾燥足場本体をさらに適合または変更することなく、薬物物質として使用または提供される。特に、本方法は、乾燥足場本体を薬物物質として提供する工程を含むことができ、そのような提供は、乾燥足場本体を包装する工程を含むことができる。このように、特に液体状態で比較的急速に劣化することがある生物学的薬物または生物製剤が関与する場合、使用中の製剤原料の安定性および適用性が高められることができる。
【0029】
本発明にかかる方法は、作製される足場本体の形状を設計する工程をさらに含んでもよい。それにより、乾燥足場本体である薬物物質の生成および適用に有益であり得る異なる特性または特徴が具現化されることができる。例えば、形状は、足場本体が、凍結乾燥または他の乾燥手順において煙突として作用することができる比較的広い細孔を含むように設計されてもよい。このように、乾燥が特に効率的とすることができ、具体的には、昇華した水の除去が改善されることができる。また、昇華前面とチャンバ環境との間のより薄いケーキ距離は、水蒸気がケーキまたは足場本体から逃げるための抵抗物質をより少なくすることを可能にすることができる。ケーキ材料または足場本体のエネルギー供給棚への直接接触は、昇華または乾燥プロセスの継続に必要な熱の伝達を改善することができ、したがってプロセス時間を短縮することができる。底部が広く、上部が狭い、または複雑な内部形状の足場の円錐形状は、水蒸気の良好な除去を維持しながら熱流を改善することができ、乾燥の改善も促進することができる。例えば、高密度または粘性材料は、典型的には、より高いケーキ耐性、したがってより低い昇華速度が典型的に関与するため、凍結乾燥中により低い温度を必要とする。また、印刷された形状または幾何学的形状の流動を回避するために、より低い粘度を有する溶液にはより低い印刷温度が必要とされることがある。
【0030】
好ましくは、積層造形することは、基質を3D印刷することを含む。基質を3D印刷する場合、印刷プロセスのパラメータを基質の特性に適合させることが必要な可能性がある。例えば、層の厚さ、層の数または孔の直径、印刷ヘッドの種類、印刷速度および/または温度は、関与する基質に応じて適合されることができる。3D印刷は、基質の多種多様な形状を作製することを可能にする。それにより、効率的な乾燥を実現するための形状の設計の自由度が比較的高くされることができる。
【0031】
基質を調製することは、好ましくは、3D印刷に適した基質の印刷インク、印刷ペーストまたは印刷粒状物を生成することを含む。そのような調製は、粒径、粘度、電荷比、融解温度、混合速度および/または薬物濃度を定義することを含むことができる。
【0032】
好ましくは、足場本体は細孔を有する。それにより、細孔は、足場本体の内部の貫通孔または通路とすることができる。それらは、足場本体の周囲または境界の開口部を介してアクセス可能な、足場本体の内部のダクトのネットワークを形成することができる。そのような細孔は、乾燥プロセス中に基質から蒸気を移動させることを可能にする。また、細孔は、足場本体中の基質によって具現化された製剤の効率的な再構成を可能にする。
【0033】
それにより、足場本体は、端辺を有し、足場の細孔のそれぞれは、端辺の1つに開口部を有することが好ましい。足場本体の細孔は、好ましくは、足場本体の端辺の少なくとも2つの間に延在する通路である。端部側で開口するか、または特に2つの端部側を接続するそのような通路は、足場本体を通る効率的な熱および/または蒸気の移動を可能にする。
【0034】
足場本体の細孔は、約1mmから約5mm、約1mmから約1.2mm、約1.8mmから約2.2mm、または約3.5mmから約4.5mmの範囲の直径を有することができる。そのような直径を有するように寸法決めされた細孔は、乾燥中に基質に熱を効率的に伝達し、基質から蒸気を効率的に伝達するのに適している。
【0035】
好ましくは、足場本体は、円筒形状を有する。円筒形状は、円形、楕円形または多角形の基部を有する円筒によって確立されることができる。それにより、足場本体または円筒の基部は、好ましくは、約15mmから約60mmの直径を有する。そのような円筒は、足場本体の効率的な取り扱いを可能にする。特に、円筒は、バイアルの取り扱い機器が使用されて基質および乾燥製剤を取り扱うことができるように、バイアルと同様の寸法および形状にされることができる。より具体的には、バイアル用に具現化された一般的な凍結乾燥機が凍結乾燥に使用されることができる。
【0036】
好ましくは、本方法は、足場本体を乾燥させるときに適用される特定の乾燥手順の乾燥特性を収集し、収集された乾燥特性にしたがって足場本体の形状を設計し、足場本体が設計された形状で基質から形成されるように、基質の積層造形を構成する工程を含む。足場本体の形状の設計は、例えば、コンピュータ支援設計(CAD)ツールまたは同様のツールを用いて、コンピュータ上で行われることができる。有利には、3Dプリンタなどの基質の積層造形に使用される機器によって転送またはインポートされることができるデータセットまたはgコード、すなわちスライサプログラムなどによって切断されたデータセットの層を生成することを可能にするツールが使用される。したがって、本方法は、足場本体の形状を層で表すデータセットを生成する工程を含むことができ、基質の積層造形は、足場本体が設計された形状の基質から形成されるようにデータセットによって構成される。
【0037】
好ましくは、本方法は、基質の基質特性を収集する工程を含む。本発明にかかる方法をセットアップおよび実行するときに基質の特性を含むことは、特に適切で精巧な手順を達成することを可能にする。
【0038】
積層造形、より具体的には3D印刷に重要な基質特性は、典型的には、基質またはインクおよび環境の粘度および温度を含む。タンパク質含有薬物が関与する場合、粘度は、通常、タンパク質濃度によって影響を受ける。
【0039】
例えば、積層造形工程または印刷プロセスは、室温およびより高い温度で実行されることができる。しかしながら、基質またはインクの必要なまたは有益な高粘度値を維持するために、典型的には、より低い温度が好ましい。具体的には、タンパク質含有基質の3D印刷において、印刷は、印刷前に基質を氷上に保った状態で約2℃から約8℃および室温で行われることができる。次いで、印刷された足場は、印刷後に氷または凍結状態に戻されることができる。剪断ひずみの増加に伴って粘度が低下する基質の場合、粘度は、100mPas(ミリパスカル秒)から800mPasの範囲とすることができるが、はるかに高い初期粘度の印刷も可能である。粘度の範囲は、毎秒1’000の一定の剪断速度および20℃の温度における粘度に関する。
【0040】
それにより、本方法は、好ましくは、収集された基質特性にしたがって足場本体の形状を設計する工程と、設計された形状で基質から形成される足場本体などの基質の積層造形を構成する工程とをさらに含む。基質特性を含めることによって、効率的な乾燥が可能であることが達成されることができる。例えば、基質の特性に応じて、凍結乾燥または乾燥中の熱によってアクセス可能な表面、または一般的な細孔設計が最適化されることができる。さらにまた、足場本体の一般的な通路設計は、基質の抵抗特性による蒸気排出の改善を促進するように適合されることができる。
【0041】
追加的または代替的に、本方法は、好ましくは、収集された基質特性にしたがって印刷ヘッドを選択する工程と、選択された印刷ヘッドを介して足場本体が形成されるように、基質の積層造形を構成する工程と、をさらに含む。印刷ヘッドは、好ましくは、空気圧印刷ヘッド、ピストン印刷ヘッド、スクリュー印刷ヘッドおよび電磁液滴印刷ヘッドの群から選択される。
【0042】
積層造形、特に薬物を含有する基質を3D印刷する場合、印刷ヘッドのタイプの選択は、基質がどのように正確に押し出されるかを定義することを可能にする。これは、印刷パラメータに直接影響を与える。これらのパラメータは、典型的には、いくつかが個々の印刷手法にのみ適用可能であるため、異なる印刷技術/印刷ヘッド間で全て共有されるわけではない。したがって、特定の基質の特性に適合する適切な印刷ヘッドを選択することは、プロセスの効率を高めることを可能にする。
【0043】
全てのタイプの印刷ヘッドに共通することは、印刷ヘッドが移動する印刷速度または速度であってもよい。インクまたは基質が押し出されるノズル/針の直径および任意の印刷層の層厚は、重要なパラメータとすることができる。空気圧印刷が使用される場合、駆動力は空気圧である。ピストンまたはスクリュー駆動押出では、垂直または回転機械力がそれぞれ加えられることができる。したがって、空気圧印刷ヘッドでは、加えられる圧力が重要であり、ピストン/スクリュー駆動押出では、押出速度が決定または事前定義される必要がある。
【0044】
さらに、インクジェットまたは電磁液滴印刷が使用されることができる。この場合、インクフィラメントの代わりに小さな液滴が形成されて堆積される。これは、流体が加圧され、バルブが開いているときに流体が流れることができるときに電磁作動バルブを開閉することによって達成される。このために、バルブを開く頻度、ならびにバルブが開いたままである時間の長さが事前定義または設定される必要がある。この場合、従来の針またはノズルが使用されることはできない。
【0045】
上述した全ての印刷ヘッドを用いた印刷の実現可能性は、特に基質パラメータなどの所与の状況に応じて効率的とすることができる。例えば、ピストン印刷ヘッドとしてのシリンジポンプ型では、インクとしての基質がシリンジに装填され、ピストンが搬送されるときに押し出されるため、3μL/sから10μL/sの押出速度と組み合わせた1mm/sから20mm/sの印刷速度が適切であることが証明されており、18Gから22Gの範囲の直径および0.58mmから0.84mmの範囲の層高さまたは厚さを有する針またはノズルが適切とすることができる。例えば安定性研究の目的で多数の足場が印刷される場合、選択される印刷速度は、3mm/sに設定されることができ、1.9までの押出速度が適切とすることができ、20Gの直径の針が使用されることができる。18G、20Gおよび22Gは、ISO 9626およびISO 7884の定義を指すことができる。上述した直径は、ノズルの外径に関連してもよい。
【0046】
好ましくは、本方法は、無菌環境をセットアップする工程を含み、積層造形される基質を調製することと、基質を積層造形することと、足場本体を乾燥させることとが、無菌環境において実行される。そのような無菌環境は、製剤の製造に必要な要件を提供することを可能にすることができる。
【0047】
好ましい一実施形態において上述したように、足場本体を乾燥させることは、足場本体を凍結乾燥させることである。それにより、本方法は、好ましくは、足場本体を凍結乾燥するときに適用される特定の凍結乾燥手順の凍結乾燥特性を収集する工程と、収集された凍結乾燥特性にしたがって足場本体の形状を設計する工程と、足場本体が設計された形状で基質から形成されるように、基質の積層造形を構成する工程と、を含む。
【0048】
好ましくは、基質は、足場本体が凍結して形成されるように凍結部材上に積層造形される。特に、凍結部材を含むことにより、足場本体が効率的に凍結製剤として提供されることができる。凍結部材は、冷却されたプラットフォームまたは同様の構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明にかかる方法は、例示的な実施形態により、添付の図面を参照して、本明細書で以下により詳細に説明される:
【
図1】第1の実施形態の乾燥製剤を生成するための本発明にかかる方法の実施形態を示している。
【
図2】
図1の方法における3D印刷の層のセットアップを示している。
【
図3】
図1の方法に関与する3Dプリンタを示している。
【
図4】本発明にかかる方法によって生成された第2の実施形態の乾燥製剤を示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
実施形態の説明
以下の説明では、特定の用語は便宜上使用され、本発明を限定することを意図しない。「右(right)」、「左(left)」、「上(up)」、「下(down)」、「下方(under)」、「上方(above)」という用語は、図における方向を指す。用語は、明示的に言及された用語と、それらの派生語および同様の意味を有する用語を含む。また、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下方(lower)」、「上方(above)」、「上方(upper)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」などの空間的に相対的な用語を使用して、図に示すように、別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を説明することができる。これらの空間的に相対的な用語は、図に示されている位置と向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる位置と向きを包含することを意図している。例えば、図の装置が裏返されている場合、他の要素または特徴の「下」または「下方」として記述されている要素は、他の要素または特徴の「上」または「上方」になる。したがって、「下方」という例示的な用語は、上と下の位置と方向の双方を包含することができる。装置は、他の方法で方向付けられ(90度回転または他の方向に)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子がそれに応じて解釈され得る。同様に、様々な軸に沿った動きの説明は、様々な空間装置の位置と方向を含む。
【0051】
様々な態様および例示的な実施形態の図および説明の繰り返しを回避するために、多くの特徴が多くの態様および実施形態に共通であることを理解されたい。説明または図からの態様の省略は、その態様がその態様を組み込んだ実施形態から欠落していることを意味するものではない。代わりに、明確にするため、および冗長な説明を回避するために、態様が省略されている場合がある。この文脈では、この説明の残りの部分に以下が適用される。図面を明確にするために、図に説明の直接関連部分で説明されていない参照符号を含む場合は、前または後の説明セクションを参照されたい。さらに、明確にするために、図面において部品の全ての特徴に参照符号が付されていない場合、同じ部品を示す他の図面を参照する。2つ以上の図の同様の数字は、同じまたは類似の要素を表す。
【0052】
図1は、本発明にかかる方法1の実施形態を示している。方法1では、乾燥製剤としての凍結乾燥製剤2が以下のように生成される:
【0053】
工程11において、薬物を含有する流体基質の特徴または特性が収集される。このため、基質が分析され、薬物ならびに基質の他の成分に関する情報が取得される。例えば、粘度、粒度、耐熱性などの基質固有の特性の分析において測定されることができる。
【0054】
並行して、工程12において、意図された積層造形および凍結乾燥の特徴が収集される。このため、関与する装置、すなわち3Dプリンタ3および凍結乾燥機の特徴および能力が分析および/または取得される。
【0055】
工程13において、コンピュータ支援設計ソフトウェア(CAD)を使用してコンピュータ上で基質の意図された形状が設計される。特に、意図された形状は、足場本体を含む。形状を設計するとき、基質、3Dプリンタ3および凍結乾燥機の収集された特徴および特性が考慮される。また、最終的な凍結乾燥基質が満たすべき要件などのさらなる情報も考慮される。そのような要件は、例えば、堅牢性、視覚的外観、残留水分などを含むことができる。
【0056】
工程14において、基質が調製される。それにより、薬物および賦形剤などの他の成分が構成される。基質は、3Dプリンタ用のインクとして好適であるように特に調製される。あるいは、工程14において、調製された基質は、別のプロセスまたは実体から取得される。
【0057】
工程15において、工程13におけるCADプロセスによって作成されたまたはそれに続いて作成されたデータセットは、3Dプリンタ3が設計された形状を印刷するように構成されるために3Dプリンタ3に転送される。さらにまた、3Dプリンタのプロセスパラメータは、基質の特性にしたがって調整されるか、またはデータセット内に含まれる。構成後、3Dプリンタ3は、設計された形状にしたがって足場本体が形成された基質を印刷する。
【0058】
図3には、3Dプリンタ3が概略的に示されている。特に、3Dプリンタは、プリンタヘッド31と、基質が印刷されるプラットフォーム32とを備える。プリンタヘッド31は、流体基質が3Dプリンタ3によって処理されるように配置される基質リザーバ311を備えている。3Dプリンタ3は、基質リザーバ311に結合されたノズル33をさらに有する。ノズル33は、正確な印刷が可能であるように正確に移動可能である。
【0059】
より具体的には、3Dプリンタ3は、
図2からわかるように、フレーム構造となる形状の複数の層211i~211vに基質を印刷する。各層において、基質は、平行な直線部分と、直線部分を接続する中間部分とを有する単一の蛇行線に沿って印刷される。各蛇行線の外側境界は、本質的に円形である。それにより、第1の層211i、第3の層211iiiおよび第5の層211vは、第2の層211iiおよび第4の層211ivに対して90°オフセットされている。
図4は、5つの層を例示的に示しているが、適切な厚さを達成するために同じ方法で追加の層が設けられることが理解される。
【0060】
図1に戻り、工程16において、基質からなる足場本体が3Dプリンタ3から凍結乾燥機に移送される。より具体的には、足場本体は、複数の足場本体の割り当てを可能にする大きなトレイ上に印刷されるか、または凍結乾燥機または乾燥トンネルへの単一の搬送のために小さなトレイ上に個別に印刷される。次いで、それらのトレイが凍結乾燥機の内部に配置される。凍結乾燥機では、基質は、最終的に凍結乾燥製剤2が予め調製された形状、すなわち足場本体21の形状を有するように乾燥される。
【0061】
本方法は、無菌環境をセットアップする工程をさらに含む。少なくとも工程14から16は、この無菌環境において実行される。
【0062】
凍結乾燥製剤2の足場本体21は、印刷された層211i~211vおよび複数の細孔212によって形成されたフレーム構造211を有する円筒形である。細孔212は、円筒を通って垂直に延在する通路、および円筒を通って水平に延在する通路である。特に、各通路は、直線状であり、円筒の2つの対向する端部側の円筒開口部を通って延在する。
【0063】
図4に、凍結乾燥製剤20の第2の実施形態が示されている。それは、上述した第1の凍結乾燥製剤2と同じまたは同様のプロセスにおいて製造される。第2の凍結乾燥製剤20は、フレーム2110と、足場本体を通って水平方向および垂直方向に延在する直線状の細孔2120とが設けられた足場本体210を有する。しかしながら、細孔2120の直径は、第1の凍結乾燥製剤2の細孔212の直径よりも大きい。このように、別の熱伝達、蒸気排出および希釈剤浸透が達成されることができる。例えば、比較的大きな細孔2120に起因して、第2の凍結乾燥製剤20の設計は、比較的大きな体積の流れが製剤20から出ることを可能にし、これは、例えば、凍結乾燥中に比較的大量の蒸気を消散させることを可能にし、また、再構成媒体が凍結乾燥製剤20に浸透することができるより大きな細孔に起因するより良好な再構成も可能にする。
【0064】
本発明の態様および実施形態を示すこの明細書および添付の図面は、保護される発明を定義する特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。換言すれば、本発明を図面および前述の明細書において詳細に例示および説明してきたが、そのような例示および説明は、実例的または例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本明細書および特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な機械的、組成的、構造的、電気的、および動作的変更が行われることができる。いくつかの例では、本発明を不明瞭にしないために、周知の回路、構造、および技術は詳細に示されていない。したがって、以下の特許請求の範囲および趣旨の範囲内で当業者によって変更および修正が行われることができることが理解されよう。特に、本発明は、上記および下記の異なる実施形態からの特徴の任意の組み合わせを有するさらなる実施形態を包含する。例えば、図に示されるような実施形態において本発明を動作させることが可能であり、乾燥トンネルを含む乾燥は、凍結乾燥の代わりに実行される。
【0065】
本開示はまた、上記または以下の説明では説明されていない場合もあるが、個別に図に示される全てのさらなる特徴を網羅する。また、図面および説明に記載された実施形態の単一の代替形態およびその特徴の単一の代替形態は、本発明の主題または開示された主題から放棄されることができる。本開示は、特許請求の範囲または例示的な実施形態において定義された特徴からなる主題、ならびに前記特徴を含む主題を含む。
【0066】
さらにまた、特許請求の範囲において、「を備える」という語は、他の要素または工程を除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。単一のユニットまたは工程は、特許請求の範囲に記載のいくつかの特徴の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。属性または値に関連する「本質的に」、「約」、「およそ」などの用語はまた、特に、それぞれ属性または値を正確に定義する。所与の数値または範囲の文脈における「約」という用語は、例えば、所与の値または範囲の20%以内、10%以内、5%以内、または2%以内である値または範囲を指す。結合または接続されたと記載された構成要素は、電気的または機械的に直接結合されてもよく、または1つ以上の中間構成要素を介して間接的に結合されてもよい。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】