IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国科学院光電技術研究所の特許一覧

<>
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図1
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図2
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図3
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図4
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図5
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図6
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図7
  • 特表-マイクロナノ構造の製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】マイクロナノ構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230524BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20230524BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20230524BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20230524BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G02B5/26
B29C59/02 Z
B82Y40/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551796
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2021090554
(87)【国際公開番号】W WO2021219005
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010354559.X
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510232360
【氏名又は名称】中国科学院光電技術研究所
【氏名又は名称原語表記】The Institute of Optics and Electronics, The Chinese Academy of Sciences
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 350, Shuangliu, Chengdu, Sichuan 610209, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110003742
【氏名又は名称】弁理士法人海田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100128749
【弁理士】
【氏名又は名称】海田 浩明
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 先▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 迎▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】蒲 明博
(72)【発明者】
【氏名】李 雄
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲暁▼亮
(72)【発明者】
【氏名】高 平
【テーマコード(参考)】
2H148
2H197
4F209
【Fターム(参考)】
2H148FA05
2H148FA07
2H197AA01
2H197HA03
2H197JA01
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG03
4F209AG05
4F209AH73
4F209PA02
4F209PB01
4F209PG05
4F209PN09
4F209PQ11
4F209PW31
(57)【要約】
本開示は、マイクロナノ構造の製造方法を提供し、基板(8)の表面に順に反射層(7)、流体ポリマー層(6)を形成することと、基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)を加圧して貼り合わせ、流体ポリマー層(6)をマスク版の光透過領域(5)に押し込んで、流体ポリマー層(6)を硬化させることと、露光を行い、透過光及び反射層の反射光の共同作用で光透過領域の流体ポリマーを感光させて、マイクロナノ構造を得ることと、を含む。本方法は、回折が制限された問題を解決し、反射式ライトフィールド増強によりエバネッセント波の伝送損失を低減し、加工分解能を向上させ、浅い押しと露光とを結合する方法によって、マスクの加工難しさ及びコストを低減し、パターン欠陥も低減した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(8)の表面に順に反射層(7)、流体ポリマー層(6)を形成することと、
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせ、前記流体ポリマー層(6)を前記マスク版の光透過領域(5)に押し込んで、前記流体ポリマー層(6)を硬化させることと、
露光を行い、透過光及び前記反射層の反射光の共同作用で前記光透過領域の流体ポリマーを感光させて、前記マイクロナノ構造を得ることと、を含む
ことを特徴とするマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項2】
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせることは、
精密圧力伝達により前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせ、前記流体ポリマー層(6)を前記マスク版の光透過領域(5)に均一に押し込むことを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項3】
精密圧力伝達により前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせることにおいて、精密圧力伝達の方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項4】
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせる前に、
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とをレベリングして接触させることをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項5】
前記光透過領域の流体ポリマーを硬化させることは、
前記基板(8)を現像液に置いて現像し、感光硬化されていない流体ポリマーを除去して、前記マイクロナノ構造を得ることをさらに含む
ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項6】
前記マスク版(2)のマイクロナノパターン(3)に一層の粘着防止層(4)がさらに含まれ、前記粘着防止層(4)の材料は、ダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項7】
前記流体ポリマー層(6)は、高分解能の流体ポリマー材料であり、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項8】
前記基板(8)の表面に反射層(7)を形成する方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項9】
前記基板(8)の表面に流体ポリマー層(6)を形成することは、前記流体ポリマーを前記反射層(7)の表面にスピンコーティングして、流体ポリマー層を形成することを含む
ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項10】
前記反射層(7)は低損失銀反射層、低損失アルミニウム反射層を含む
ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項11】
基板の表面に一層の低損失の反射層を堆積するステップ1と、
高分解能の流体ポリマー材料を反射層の表面にスピンコーティングするステップ2と、
マイクロナノマスク版の表面に一層の粘着防止層を製造するステップ3と、
機械装置により、反射層の表面に高分解能流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板とマイクロナノマスク版パターン面とをレベリングして接触させるステップ4と、
精密圧力伝達方法により高分解能の流体ポリマー材料の表面浅層をマスク版パターン光透過領域に押し込むステップ5と、
露光を行い、反射層の作用でマスク版パターンを通過したライトフィールドを光透過領域に局在させ、マスク版パターンの光透過領域と反射層との間に押し込まれた局所的な流体ポリマー材料を感光し硬化させるステップ6と、
離型した後に基板を現像液に入れて現像し、感光及び硬化されていないポリマー材料を除去し、複製されたパターンを得るステップ7と、を含む
ことを特徴とする反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項12】
前記ステップ1における低損失の反射層の製造方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項13】
前記ステップ2における高分解能の流体ポリマー材料は、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項14】
前記ステップ3における粘着防止層は、ダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランである
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項15】
前記ステップ5における精密圧力伝達方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項16】
前記ステップ5における圧力伝達方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年04月29日に提出され、出願番号が202010354559.Xである中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、マイクロナノ製造の技術分野に関し、具体的にはマイクロナノ構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、多くの研究報告はマイクロナノ特徴スケールを有する人工構造がマイクロナノ光子デバイス、マイクロナノ電子デバイス、マイクロナノ電気機械システム、マイクロナノエネルギー及び表示デバイスの性能を大幅に向上させることができることを示す。これらのマイクロナノスケール構造及びデバイス製造の基礎として、低コスト、高分解能、高産出、大面積の新型ナノ加工技術/方法の需要は非常に切実である。
【0004】
従来のマイクロナノ製造技術は、主に、直写類、フォトリソグラフィ類及びインプリント類という三種類に分けられる。直写類マイクロナノ製造技術は、高分解能を有するが、加工効率が低く、大規模な量産に適用できない。リソグラフィ類のマイクロナノ製造技術は、効率、材料及びプロセスの互換性等の面で強い技術的優位性を有するが、レイリー基準の理論的な制限を受け、露光分解能を向上させるために、より短い露光波長及びより高い開口数の対物レンズを採用する必要があるが、露光波長を縮小しかつ対物レンズの開口数を向上させていくことに伴って、コストが激増していく。インプリント類マイクロナノ製造技術は近年開発された低コストの加工技術であり、露光過程に係らず、パターン形状及び品質が直接にスタンパにより決定されるため、加工分解能に物理的限界及び近接効果がない。しかし、高分解能のスタンパの製造コストが高く、かつ転写パターンに欠陥が多く、位置合わせ及びオーバーレイの精度が高くなく、多層のマイクロナノ構造パターンを加工することができず、その大規模な普及及び応用を制限した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題に対して、本開示はマイクロナノ構造の製造方法を提供し、従来のマイクロナノ製造方法の加工効率が低く、製造コストが高く、パターン欠陥が多いなどの技術的課題を少なくとも部分的に解決するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、マイクロナノ構造の製造方法を提供し、基板の表面に順に反射層、流体ポリマー層を形成することと、基板とマイクロナノパターン付きのマスク版とを加圧して貼り合わせ、流体ポリマー層をマスク版の光透過領域に押し込んで、流体ポリマー層を硬化させることと、露光を行い、透過光及び反射層の反射光の共同作用で光透過領域の流体ポリマーを感光させて、マイクロナノ構造を得ることと、を含む。
【0007】
さらに、基板とマイクロナノパターン付きのマスク版とを加圧して貼り合わせることは、精密圧力伝達により基板とマイクロナノパターン付きのマスク版とを加圧して貼り合わせ、流体ポリマー層をマスク版の光透過領域に均一に押し込むことを含む。
【0008】
さらに、精密圧力伝達により基板とマイクロナノパターン付きのマスク版とを加圧して貼り合わせることにおいて、精密圧力伝達の方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達を含む。
【0009】
さらに、基板とマイクロナノパターン付きのマスク版とを加圧して貼り合わせる前に、基板とマイクロナノパターン付きのマスク版とをレベリングして接触させることをさらに含む。
【0010】
さらに、光透過領域の流体ポリマーを硬化させることは、基板を現像液に置いて現像し、感光硬化されていない流体ポリマーを除去して、マイクロナノ構造を得ることをさらに含む。
【0011】
さらに、マスク版のマイクロナノパターンに一層の粘着防止層がさらに含まれ、粘着防止層の材料は、ダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランを含む。
【0012】
さらに、流体ポリマー層は、高分解能の流体ポリマー材料であり、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体を含む。
【0013】
さらに、基板の表面に反射層を形成する方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法を含む。
【0014】
さらに、基板の表面に流体ポリマー層を形成することは、流体ポリマーを反射層の表面にスピンコーティングして、流体ポリマー層を形成することを含む。
【0015】
さらに、反射層は低損失銀反射層、低損失アルミニウム反射層を含む。
【0016】
本開示の他の態様は、反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法を提供し、基板の表面に一層の低損失の反射層を堆積するステップ1と、高分解能の流体ポリマー材料を反射層の表面にスピンコーティングするステップ2と、マイクロナノマスク版の表面に一層の粘着防止層を製造するステップ3と、機械装置により、反射層の表面に高分解能流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板とマイクロナノマスク版パターン面とをレベリングして接触させるステップ4と、精密圧力伝達方法により高分解能の流体ポリマー材料の表面浅層をマスク版パターン光透過領域に押し込むステップ5と、露光を行い、反射層の作用でマスク版パターンを通過したライトフィールドを光透過領域に局在させ、マスク版パターンの光透過領域と反射層との間に押し込まれた局所的な流体ポリマー材料を感光し硬化させるステップ6と、離型した後に基板を現像液に入れて現像し、感光及び硬化されていないポリマー材料を除去して、複製されたパターンを得るステップ7と、を含む。
【0017】
さらに、ステップ1における低損失の反射層の製造方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法である。
【0018】
さらに、ステップ2における高分解能の流体ポリマー材料は、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体である。
【0019】
さらに、ステップ3における粘着防止層は、ダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランである。
【0020】
さらに、ステップ5における精密圧力伝達方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達である。
【0021】
さらに、ステップ5における圧力伝達方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達である。
【発明の効果】
【0022】
本開示の実施例が提供するマイクロナノ構造の製造方法は、反射式ライトフィールド増強によりエバネッセント波の伝送損失を低減し、加工分解能を向上させ、回折が制限されるという問題を解決する。浅い押しと露光とを結合する方法によって、パターンの深さは主に露光の深さにより決定され、マスクの加工難しさ及びコストを低下させ、マスクに押し込まれるパターンの深さが浅く、主に露光によりパターンの深さを向上させ、パターン欠陥を大幅に低減する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本開示の実施例に係るマイクロナノ構造の製造方法のフローチャートを概略的に示す。
図2図2は、本開示の実施例に係るマイクロナノ構造の製造概略図を概略的に示す。
図3図3は、本開示の実施例に係る基板の表面に反射層を堆積しかつ流体ポリマー材料をスピンコーティングした後の断面構造概略図を概略的に示す。
図4図4は、本開示の実施例に係るマスク版表面に粘着防止層を製造した後の断面構造概略図を概略的に示す。
図5図5は、本開示の実施例に係る反射層の表面に流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板とマイクロナノマスク版パターン面をレベリングして接触させた後の断面構造概略図を概略的に示す。
図6図6は、本開示の実施例に係る流体ポリマー材料の表面浅層をマスク版パターンの光透過領域に押し込んだ後の断面構造概略図を概略的に示す。
図7図7は、本開示の実施例に係る露光が完了した後に離型する断面構造概略図を概略的に示す。
図8図8は、本開示の実施例に係る現像後に得られた複製されたパターン断面構造概略図を概略的に示す。
【符号の説明】
【0024】
1 紫外線照明光源;
2 マスク版;
3 マイクロナノパターン;
4 粘着防止層;
5 光透過領域;
6 流体ポリマー層;
7 反射層;
8 基板。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下に具体的な実施例に合わせて、かつ図面を参照して、本開示をさらに詳細に説明する。
【0026】
本開示の実施例は、マイクロナノ構造の製造方法を提供し、下地に一層の反射層を形成し、浅い押しと露光を結合する方法を採用し、反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法の解決手段を提供し、前述の課題の解決に対して、技術的サポートを提供する。
【0027】
図1は、本開示の実施例に係るマイクロナノ構造の製造方法のフローチャートを概略的に示す。
【0028】
S1において、基板8の表面に、順に、反射層7、流体ポリマー層6を形成する。
【0029】
図2は、本開示の実施例に係るマイクロナノ構造の製造方法の概略図を概略的に示す。基板8の表面に一層の低損失の反射層7を堆積し、さらに、高分解能である流体ポリマー材料を反射層7の表面にスピンコーティングし、図3に示すとおりである。紫外線露光を行う時、反射層7は透過された紫外線を反射することができ、透過領域の流体ポリマー6を感光させて、エバネッセント波の伝送損失を低減し、加工分解能を向上させ、露光波長を短縮して対物レンズの開口数を向上させる必要がなく、製造コストを低減する。流体ポリマー層6における流体ポリマー材料は高い分解能を有し、マイクロナノ構造を製造することに適する。
【0030】
S2において、基板8とマイクロナノパターン付きのマスク版2を加圧して貼り合わせ、流体ポリマー層6をマスク版の光透過領域5に押し込んで、流体ポリマー層6を硬化させる。
【0031】
図4は、マイクロナノパターン付きのマスク版2の断面構造概略図である。従来のインプリントマイクロナノ製造技術に比べて、インプリント過程においてインプリントレジストをスタンパに押し込んで、さらに熱硬化又は紫外線硬化によりパターンを形成し、パターンの深さはスタンパにより決定され、そのため、スタンパの製造難しさ及びコストが高い。一方、本開示は、浅い押しと露光とを結合する方法を採用し、パターンの深さは主に露光の深さにより決定され、マスクの加工難しさ及びコストを低減する。次にインプリントパターンは一定のアスペクト比を保証する必要があるため、離型の過程でパターン構造が必然的に応力の原因により、スタンパから分離されず、パターン欠陥を引き起こす。一方、本方法において、マスクに押し込まれるパターンの深さが浅く、主に露光によりパターンの深さを向上させるため、パターン欠陥を大幅に低減する。
【0032】
説明すべきものとして、ここで、加圧方式により流体ポリマー層6をマスク版の光透過領域5に押し込むことは、流体ポリマー層6を光透過領域5全体を完全に充填させるのではなく、マスク版の光透過領域5を部分的に充填し、押し込んだ後に流体ポリマー層6とマスク版2の下地との間にまた一定の隙間が存在し、図6に示すとおり、該浅い押しの方式により、スタンパに対する高分解能の要求を低減し、スタンパの製造コストを低減する。そして、マスクに押し込まれるパターンの深さが浅いため、スタンパと基板8との分離過程において応力の不均一によるパターン欠陥を低減する。
【0033】
S3において、露光を行い、透過光及び反射層の反射光の共同作用で光透過領域の流体ポリマーを感光させ、マイクロナノ構造を得る。
【0034】
マスク版2の上方に紫外線照明光源を使用して露光し、マスク版2上のマスクパターン領域3は光を透過せず、マスクパターン3がない領域は光透過領域5であり、光ビームは該光透過領域を透過して該光透過領域内の流体ポリマー層6を感光させ、同時に一部の光は基板8上の反射層7により反射され、反射層7に近接する流体ポリマー層6も感光させ、図2における5はシミュレーションにより得られたローカルライトフィールドであり、砂時計型に類似し、該反射層7の使用によりエバネッセント波の伝送損失を強く低減し、加工分解能を向上させる。図8は現像後に得られた複製されたパターン断面構造概略図であり、即ち得られたマイクロナノ構造の断面図である。
【0035】
上記実施例を基に、基板8とマイクロナノパターン付きのマスク版2を加圧して貼り合わせることは、精密圧力伝達により基板8とマイクロナノパターン付きのマスク版2を加圧し貼り合わせ、流体ポリマー層6がマスク版の光透過領域5に均一に押し込まれることを含む。
【0036】
流体ポリマー材料の表面の浅層をマスク版パターンの光透過領域に押し込むために、押し込む深さを正確に制御する必要があり、圧力伝達の方式により流体ポリマー層6が光透過領域5に均一に押し込まれ、かつ深さが制御可能である。
【0037】
上記実施例を基に、精密圧力伝達により基板8とマイクロナノパターン付きのマスク版2を加圧して貼り合わせる中で、精密圧力伝達の方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達を含む。
【0038】
ピストン類の機械伝達は、ピストンユニットによりシリンダに沿って往復移動し、精密制御により圧力を基板8に伝達し、それによりマスク版2と加圧して貼り合わせる。圧電アクチュエータ伝達は、圧電効果による圧力伝達であり、ダイヤフラムにより被測定圧力を圧電素子に伝達し、次に圧電素子により被測定圧力と一定の関係にある電気信号を出力し、これにより基板に印加された圧力を精密に制御する。エアフィルム伝達は、エアフィルム内の圧力がエアフィルム外の圧力より大きい場合、一定の気圧差が発生し、エアフィルム内の気体はフィルムを支持して基板に圧力を印加することができる。気圧伝達は、気体を圧縮することにより圧力が大きくなることを実現し、基板に圧力を印加する。以上の方式はいずれも基板に印加された圧力の大きさを制御することができ、かつ印加された圧力は基板表面に均一に分布し、押し込む深さを正確に制御することを実現し、最終的に得られたマイクロナノ構造は高分解能を有する。
【0039】
上記実施例を基に、基板8とマイクロナノパターン付きのマスク版2を加圧して貼り合わせる前に、基板8とマイクロナノパターン付きのマスク版2をレベリングして接触させることを更に含む。
【0040】
加圧して貼り合わせる前に、さらに機械装置により反射層7の表面に高分解能流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板8とマイクロナノマスク版のパターン面をレベリングして接触させる必要があり、図5に示すとおり、接触面の不平坦による流体ポリマー6の押し込み深さの不均一によるパターンの欠陥問題を避ける。
【0041】
上記実施例を基に、光透過領域の流体ポリマーを硬化させることは、基板8を現像液に置いて現像し、感光及び硬化されていない流体ポリマーを除去し、マイクロナノ構造を得ることを更に含む。
【0042】
図7は、露光が完了した後に離型する断面構造概略図であり、離型した後に、基板を現像液に入れて現像し、感光及び硬化されていないポリマー材料を除去し、感光及び硬化されていない材料は主にマスクパターン領域3と反射層7との間に位置し、すなわちマスク版パターン領域は基板8に複製され、残されたパターンはマスク版2の光透過領域であり、最終的に基板に、複製されたパターンを得て、パターンのマスク版2からの転移を実現し、図8は現像後に得られた複製されたパターン断面構造概略図である。
【0043】
上記実施例を基に、マスク版2のマイクロナノパターン3にさらに一層の粘着防止層4を含み、粘着防止層4の材料はダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランを含む。
【0044】
図4は、マイクロナノマスク版の表面に粘着防止層4を製造した後の断面構造概略図である。ダイヤモンドライクカーボンフィルムは、ダイヤモンドおよび黒鉛の優れた特性を兼備し、ここでダイヤモンドライクカーボンフィルムを粘着防止層として使用することは、高硬度、良好な光学的透明性を有し、流体ポリマー層6と接着しにくく、その後の露光過程に影響を与えないからである。フッ素含有ポリシロキサンは、低表面エネルギー、耐溶剤性、柔軟性、耐高低温性を有し、良好な疎水撥油性及び耐汚染性を有するため、マスク版2の耐粘着性能を向上させることができる。
【0045】
上記実施例を基に、流体ポリマー層6は高分解能の流体ポリマー材料であり、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体を含む。
【0046】
高分解能のマイクロナノ構造を製造するために、流体ポリマー材料は、一般的に、材料性能に一定の要求がある。例えば分解能が100ナノメートルより小さく、粘度が5×10-3Pa・sより小さく、分子量が40より小さく、コントラストが4より大きい等を含み、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体等の材料は、本開示の流体ポリマー層6を製造することができる。
【0047】
上記実施例を基に、基板8の表面に反射層7を形成する方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法を含む。
【0048】
反射層7の材料は一般的に金属又は合金金属であり、主に真空蒸着、スパッタリングの方式により堆積を実現する。分子線エピタキシーは、数十原子層と薄い単結晶薄膜を製造することができ、成長品質が高く、高品質の反射層7を得やすい。スパッタリングは制御しやすく、メッキ面積が大きく、付着力が強いなどの利点を有し、高品質の反射層7を得やすい。
【0049】
上記実施例を基に、基板8の表面に流体ポリマー層6を形成することは、流体ポリマーを反射層7の表面にスピンコーティングして、流体ポリマー層を形成することを含む。
【0050】
スピンコーティングの主な利点は密度が大きいコーティングを取得しやすく、コーティングの厚さが均一であり、ここで流体ポリマー層6をスピンコーティングする方式を採用することは、主に厚さが均一であるコーティングを得て、後続の流体押し込みの深さが一致することを保証するためである。
【0051】
上記実施例を基に、反射層7は、低損失銀反射層、低損失アルミニウム反射層を含む。
【0052】
ここで反射層に用いられる材料には、銀、銀合金(例えばAg-Pd合金)、アルミニウム、アルミニウム合金(例えばAl-Ti合金)があり、該種類の材料はいずれも高反射率を示し、エバネッセント波の伝送損失を最大限に減少させ、加工分解能を向上させることができる。
【0053】
以下、二つの具体的な実施例により本開示を詳細に説明する。
【0054】
[実施例1]
線幅分解能が200nmであり、深さが300nmであるフォトプリントパターンを製造し、その具体的な製造過程は以下のとおりである。
(1)厚さが0.35mmである石英基板をベースとして選択する。分子線エピタキシーと低温焼鈍とを結合するメッキ方式によって基板の表面に厚さが50nmである低損失銀反射層を堆積する。
(2)銀反射層の表面に厚さ300nmの高分解能流体ポリマー材料をスピンコーティングし、前述のステップS1に相当する。
(3)加熱蒸発の方式で線幅分解能が200nmであるクロムマスク版の表面に一層の均一な単分子粘着防止剤層を形成する。
(4)パッシブレベリング機械構造によって高分解能流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板と、線幅分解能が200nmであるクロムマスク版パターン面とをレベリングして接触させる。
(5)基板の裏面に0.2MPaの気圧を印加することにより、厚さが100nmである高分解能流体ポリマー材料の表面をマスク版パターンの光透過領域に押し込み、かつ加熱して硬化させ、前述のステップS2に相当する。
(6)中心波長が365nmである紫外線露光光源をオンにし、電力が0.2mW/cmである条件で、20s露光する。反射層の作用で、マスク版パターンを通過したライトフィールドを光透過領域に局在させ、マスク版パターンの光透過領域と反射層との間に押し込まれた局所的な流体ポリマー材料を感光させる。
(7)露光が完了した後、基板とマスクを分離し、離型を実現する。基板を現像液に入れて22℃の温度条件で20s現像することにより、感光及び硬化されていないポリマー材料を除去し、分解能が200nmであって深さが300nmであるフォトプリントパターンを得て、前述のステップS3に相当する。
【0055】
[実施例2]
線幅分解能が30nmであって深さが50nmであるフォトプリントパターンを製造し、その具体的な製造過程は以下のとおりである。
(1)厚さが0.21mmであるシリコンウェハをベースとして選択する。アルミニウムと銅とのコスパッタのメッキ方式を採用して基板の表面に一層の厚さが60nmである低損失アルミニウム反射層を堆積する。
(2)アルミニウム反射層の表面に厚さが50nmである高分解能流体ポリマー材料をスピンコーティングし、前述のステップS1に相当する。
(3)加熱蒸発の方式で線幅分解能が30nmであるモリブデンマスク版の表面に一層の均一な単分子粘着防止剤層を形成する。
(4)三点アクティブレベリングシステムを採用して高分解能流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板と、線幅分解能が30nmであるモリブデンマスク版パターン面とをレベリングして接触させる。レベリング過程で、三点のギャップ値をリアルタイムに監視して調整する。
(5)圧電アクチュエータにより基板の裏面に200Nの圧力を印加し、厚さが20nmである高分解能流体ポリマー材料の表面をマスク版パターンの光透過領域に押し込み、加熱して硬化させ、前述のステップS2に相当する。
(6)中心波長が365nmである紫外線露光光源をオンにし、電力が0.2mW/cmである条件で、10s露光する。反射層の作用でマスクパターンを通過したライトフィールドを光透過領域に局在させ、マスク版パターンの光透過領域と反射層との間に押し込まれた局所的な流体ポリマー材料を感光させる。
(7)露光が完了した後、基板とマスクを分離し、離型を実現する。基板を現像液に入れて0℃の温度条件で40s現像することにより、感光及び硬化されていないポリマー材料を除去し、分解能が30nmであって深さが50nmであるフォトプリントパターンを得て、前述のステップS3に相当する。
【0056】
本開示は、従来の直写類マイクロナノ製造技術と比較して、本方法も直写法によってマスクを製造する必要があるが、該マスクにより低コストでマイクロナノ構造を一括して複製することができ、加工効率は従来の直写類マイクロナノ製造技術よりはるかに高い。従来のリソグラフィ類マイクロナノ製造技術と比較して、本方法は、回折が制限された問題を解決し、反射式ライトフィールド増強によりエバネッセント波の伝送損失を低減し、加工分解能を向上させ、露光波長を短縮して対物レンズの開口数を向上させる必要がない。従来のインプリント類マイクロナノ製造技術と比較し、インプリント過程においてインプリントレジストをスタンパに押し込み、さらに熱硬化又は紫外線硬化によりパターンを形成し、パターンの深さはスタンパにより決定され、したがってスタンパの製造難しさ及びコストが高い。一方、本方法は浅い押しと露光を結合する方法を採用し、パターンの深さは主に露光の深さにより決定され、マスクの加工難しさ及びコストを低下させる。次にプリントパターンは一定のアスペクト比を保証する必要があるため、離型過程においてパターン構造は必然的に応力の原因により、スタンパから分離されず、パターン欠陥を引き起こす。一方、本方法は、マスクに押し込まれたパターンの深さが浅く、主に露光によりパターンの深さを向上させるため、パターン欠陥を大幅に低減する。
【0057】
以上に述べた具体的な実施例は、本開示の目的、技術的解決手段及び有益な効果をさらに詳細に説明し、理解すべきこととして、以上の記載は本開示の具体的な実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換、改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(8)の表面に順に反射層(7)、流体ポリマー層(6)を形成することと、
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせ、前記流体ポリマー層(6)を前記マスク版の光透過領域(5)に押し込んで、前記流体ポリマー層(6)を硬化させることと、
露光を行い、透過光及び前記反射層の反射光の共同作用で前記光透過領域の流体ポリマーを感光させて、前記マイクロナノ構造を得ることと、を含む
ことを特徴とするマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項2】
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせることは、
精密圧力伝達により前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせ、前記流体ポリマー層(6)を前記マスク版の光透過領域(5)に均一に押し込むことを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項3】
精密圧力伝達により前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせることにおいて、精密圧力伝達の方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項4】
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とを加圧して貼り合わせる前に、
前記基板(8)とマイクロナノパターン付きのマスク版(2)とをレベリングして接触させることをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項5】
前記光透過領域の流体ポリマーを硬化させることは、
前記基板(8)を現像液に置いて現像し、感光硬化されていない流体ポリマーを除去して、前記マイクロナノ構造を得ることをさらに含む
ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項6】
前記マスク版(2)のマイクロナノパターン(3)に一層の粘着防止層(4)がさらに含まれ、前記粘着防止層(4)の材料は、ダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項7】
前記流体ポリマー層(6)は、高分解能の流体ポリマー材料であり、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項8】
前記基板(8)の表面に反射層(7)を形成する方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項9】
前記基板(8)の表面に流体ポリマー層(6)を形成することは、前記流体ポリマーを前記反射層(7)の表面にスピンコーティングして、流体ポリマー層を形成することを含む
ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項10】
前記反射層(7)は低損失銀反射層、低損失アルミニウム反射層を含む
ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロナノ構造の製造方法。
【請求項11】
基板の表面に一層の低損失の反射層を堆積するステップ1と、
高分解能の流体ポリマー材料を反射層の表面にスピンコーティングするステップ2と、
マイクロナノマスク版の表面に一層の粘着防止層を製造するステップ3と、
機械装置により、反射層の表面に高分解能流体ポリマー材料がスピンコーティングされた基板とマイクロナノマスク版パターン面とをレベリングして接触させるステップ4と、
精密圧力伝達方法により高分解能の流体ポリマー材料の表面浅層をマスク版パターン光透過領域に押し込むステップ5と、
露光を行い、反射層の作用でマスク版パターンを通過したライトフィールドを光透過領域に局在させ、マスク版パターンの光透過領域と反射層との間に押し込まれた局所的な流体ポリマー材料を感光し硬化させるステップ6と、
離型した後に基板を現像液に入れて現像し、感光及び硬化されていないポリマー材料を除去し、複製されたパターンを得るステップ7と、を含む
ことを特徴とする反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項12】
前記ステップ1における低損失の反射層の製造方法は、分子線エピタキシーと低温焼鈍との結合、コスパッタ、高温スパッタ法である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項13】
前記ステップ2における高分解能の流体ポリマー材料は、フッ素ドープケイ素基共重合体又は誘導体、ビニルエーテル共重合体、アクリル酸共重合体、カリクサレン分子ガラス、過酸解離活性アセタールポリマー、ポリp-ヒドロキシルスチレン共重合体である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項14】
前記ステップ3における粘着防止層は、ダイヤモンドライクカーボンフィルム、フッ素ドープシランである
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【請求項15】
前記ステップ5における精密圧力伝達方法は、ピストン類機械伝達、圧電アクチュエータ伝達、エアフィルム伝達、気圧伝達である
ことを特徴とする請求項11に記載の反射式ライトフィールド増強によるマイクロナノフォトプリント製造方法。
【国際調査報告】