(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】液体分配及びカバレージ制御のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230605BHJP
B05D 1/40 20060101ALI20230605BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20230605BHJP
B05D 3/06 20060101ALI20230605BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20230605BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230605BHJP
B05C 11/08 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
H01L21/30 569C
B05D1/40 A
B05D3/00 D
B05D3/06 Z
B05C11/00
B05C11/10
B05C11/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566324
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 US2021024448
(87)【国際公開番号】W WO2021221841
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴコヴィック,ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】フルフォード,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F042
5F146
【Fターム(参考)】
4D075AC64
4D075AC88
4D075AC91
4D075AC94
4D075BB48Y
4D075BB54Y
4D075BB65Z
4D075BB66Z
4D075BB91Y
4D075BB95Y
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA06
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4D075EA05
4D075EA45
4F042AA07
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA27
4F042CA01
4F042CB08
4F042CB25
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB18
4F042EB29
5F146JA01
5F146JA13
5F146JA27
(57)【要約】
基板上に液体をコーティングすることを監視するために光を用いることができる。光を基板上のスポットに向けることにより、液体がそのスポットを通過するとき、一部の光は反射されるが、一部の光は散乱される。この挙動を監視することにより、基板が液体で良好にコーティングされたかどうか、並びに欠陥の識別を示すことができる。更に、プロセス調整を実施するためにコーティング時間を監視することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に液体を分配する方法であって、
基板ホルダ上の基板を軸の周りで回転させることと、
前記基板が前記基板ホルダ上で回転している間に、前記基板の作業表面上に液体を分配することであって、前記基板の回転は、前記液体を前記基板の中心から前記基板の縁部まで前記基板の前記作業表面をコーティングさせる、分配することと、
前記基板の前記作業表面上の縁部位置にレーザービームを向けることと、
前記基板の前記縁部位置からの光を監視して、前記液体が前記基板上の前記縁部位置に到達したことを示す監視された光のパターンを識別することと、
前記作業表面上に前記液体の分配を開始し始めてから前記液体が前記作業表面の前記縁部に到達するまでの前記液体の実際のコーティング時間を識別することと、
前記液体の前記実際のコーティング時間を前記液体の予想されるコーティング時間と比較することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記縁部位置からの光を監視することは、前記レーザービームからの散乱光を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記縁部位置からの光を監視することは、前記レーザービームからの反射光を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記縁部位置からの光を監視することは、前記レーザービームからの散乱光及び前記レーザービームからの反射光の両方を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記液体の前記実際のコーティング時間を前記液体の前記予想されるコーティング時間と比較することに基づいて、所与の分配作業を調整することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記実際のコーティング時間と前記予想されるコーティング時間との間の所定閾値よりも大きい差を識別したことに応答して、所与の分配作業を調整することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所与の分配作業を調整することは、前記液体をより多く分配することを含むことができる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所与の分配作業を調整することは、前記基板の回転速度を増加させることを含むことができる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記実際のコーティング時間と前記予想されるコーティング時間との間の所定閾値よりも大きい差を識別したことに応答して、エラーを示すことを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
複数のスピンオン膜の複数の分配を監視することと、堆積された前記膜の各々の実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間とを比較することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の前記縁部位置からの光を監視して、前記液体から形成された膜が欠陥を有することを示す監視された光のパターンを識別することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記縁部位置からの光を監視することは、複数の光源からの光を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
基板上に液体を分配するシステムであって、
基板を保持し且つ前記基板を軸の周りで回転させるように構成された基板ホルダと、
前記基板が前記基板ホルダ上で回転されている間、前記基板の作業表面上に液体を分配するように構成された分配ユニットと、
前記基板の前記作業表面上の縁部位置にレーザービームを向けるように構成されたレーザーと、
前記基板の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの散乱光を捕捉するために配置された第1の検出器と、
前記基板上の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの散乱光を監視して、前記液体が前記基板上の前記縁部位置に到達したことを示す散乱光のパターンを識別するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記作業表面上に前記液体の所与の分配を開始し始めてから前記液体が前記作業表面の前記縁部位置に到達するまでの前記液体の実際のコーティング時間を識別し、前記液体の前記実際のコーティング時間を前記液体の予想されるコーティング時間と比較するように更に構成されている、システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記基板上の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの散乱光を監視して、前記液体から形成された膜がカバレージ欠陥を有することを示す散乱光のパターンを識別するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記基板の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの反射光を捕捉するために配置された第2の検出器を更に備え、
前記プロセッサは、前記基板上の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの反射光を監視して、前記液体が前記基板上の前記縁部位置に到達したことを示す反射光のパターンを識別するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
基板上に液体を分配するシステムであって、
基板を保持し且つ前記基板を軸の周りで回転させるように構成された基板ホルダと、
前記基板が前記基板ホルダ上で回転されている間、前記基板の作業表面上に前記液体を分配するように構成された分配ユニットと、
前記基板の前記作業表面上の縁部位置にレーザービームを向けるように構成されたレーザーと、
前記基板の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの反射光を捕捉するために配置された第1の検出器と、
前記基板上の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの反射光を監視して、前記液体が前記基板上の前記縁部位置に到達したことを示す反射光のパターンを識別するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記作業表面上に前記液体の所与の分配を開始し始めてから前記液体が前記作業表面上の前記縁部位置に到達するまでの前記液体の実際のコーティング時間を識別し、前記液体の前記実際のコーティング時間を前記液体の予想されるコーティング時間と比較するように更に構成されている、システム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記基板上の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの反射光を監視して、前記液体から形成された膜がカバレージ欠陥を有することを示す反射光のパターンを識別するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記基板の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの散乱光を捕捉するために配置された第2の検出器を更に備え、
前記プロセッサは、前記基板上の前記縁部位置に向けられた前記レーザービームからの散乱光を監視して、前記液体が前記基板上の前記縁部位置に到達したことを示す散乱光のパターンを識別するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月1日に出願された米国仮特許出願第63/019,017号明細書、及び2021年3月9日に出願された米国特許出願第17/196,189号明細書に対する優先権を主張し、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、半導体の製造に関し、具体的には、基板上への材料の分配に関する。
【0003】
半導体製造は、基板上に液体又は流体を堆積させることを伴ういくつかの処理ステップを含む。これらの処理ステップは、とりわけ、ウェハをコーティングすること、潜在的パターンを現像すること、ウェハ上の材料をエッチングすること及びウェハを洗浄/リンスすることを含む。
【0004】
通常の微細加工プロセスでは、フォトレジスト(すなわち、レジスト)などの感光性材料の薄層が基板の作業表面(上面)上にコーティングされる。続いて、感光性材料がフォトリソグラフィによってパターン形成されてマスクパターンが画定され、パターン形成されたレジストをエッチングマスクとして使用してエッチングすることにより、マスクパターンが下層に転写される。感光性材料のパターン形成は、一般に、コーティング、露光及び現像のステップを伴う。基板の作業表面は、感光性材料の薄膜でコーティングされる。感光性材料の薄膜は、例えば、マイクロリソグラフィシステムを使用して、レチクル(及び関連する光学素子)を通した放射源で露光される。パターン形成された露光後に現像プロセスが続き、現像プロセス中、現像溶媒を使用して感光性材料の可溶性領域が除去される。使用されるフォトレジストのトーン及び現像液に依存して、可溶性領域は、照射領域又は非照射領域であり得る。
【0005】
コーティングプロセス中、基板が基板ホルダ上に配置され、基板の上面にレジスト溶液が分配されている間、基板が高速で回転される。高速回転スピードは、数千の毎分回転数(rpm)であり得る。例えば、レジスト溶液が基板の中心に分配されると、基板回転によって加えられる遠心力に起因して、レジスト溶液は、基板にわたって半径方向に延展する。ウェットエッチングプロセス及び洗浄プロセスが同様に行われる。現像プロセスでは、溶媒現像液が、高速で回転する基板上に堆積される。溶媒現像液は、フォトレジストの可溶性部分を溶解し、次いで現像液及び溶解したフォトレジストが遠心力により基板にわたって半径方向に除去される。ウェットエッチングプロセス、洗浄プロセス及びリンスプロセスは、回転するウェハ上に液体が堆積され、遠心
力によって除去されて、特定の材料又は残留物が除去又は洗浄されるという点で現像プロセスと同様に実行される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、基板上に液体を分配する方法を提示する。本方法は、基板ホルダ上の基板を軸の周りで回転させることと、基板が基板ホルダ上で回転されている間、基板の作業表面上に液体を分配することであって、基板の回転により、基板の中心から基板の縁部に進行するように基板の作業表面が液体でコーティングされる、ことと、基板の作業表面上の縁部位置にレーザービームを向けることと、基板の縁部位置からの光を監視して、液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す監視された光のパターンを識別することと、作業表面上に液体の分配を開始し始めてから液体が作業表面の縁部位置に到達するまでの液体の実際のコーティング時間を識別することと、液体の実際のコーティング時間を液体の予想されるコーティング時間と比較することと、を含む。
【0007】
一実施形態では、縁部からの光を監視することは、レーザービームからの散乱光を監視することを含む。
【0008】
一実施形態では、縁部からの光を監視することは、レーザービームからの反射光を監視することを含む。
【0009】
一実施形態では、縁部からの光を監視することは、レーザービームからの散乱光及びレーザービームからの反射光の両方を監視することを含む。
【0010】
一実施形態では、本方法は、液体の実際のコーティング時間を液体の予想されるコーティング時間と比較することに基づいて、所与の分配作業を調整することを更に含む。
【0011】
一実施形態では、本方法は、実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間との間の所定閾値よりも大きい差を識別したことに応答して、所与の分配作業を調整することを更に含む。
【0012】
一実施形態では、所与の分配作業を調整することは、液体をより多く分配することを含むことができる。
【0013】
一実施形態では、所与の分配作業を調整することは、基板の回転速度を増加させることを含むことができる。
【0014】
一実施形態では、本方法は、実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間との間の所定閾値よりも大きい差を識別したことに応答して、エラーを示すことを更に含む。
【0015】
一実施形態では、本方法は、複数のスピンオン膜の複数の分配を監視することと、堆積された膜の各々の実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間とを比較することと、更に含む。
【0016】
一実施形態では、本方法は、基板の縁部位置からの光を監視して、液体から形成された膜が欠陥を有することを示す監視された光のパターンを識別することを更に含む。
【0017】
一実施形態では、縁部からの光を監視することは、複数の光源からの光を監視することを含む。
【0018】
本開示はまた、基板上に液体を分配するシステムを提示し、システムは、基板を保持し且つ基板を軸の周りで回転させるように構成された基板ホルダと、基板が基板ホルダ上で回転されている間、基板の作業表面上に液体を分配するように構成された分配ユニットと、基板の作業表面上の縁部位置にレーザービームを向けるように構成されたレーザーと、基板の縁部位置に向けられたレーザービームからの散乱光を捕捉するために配置された第1の検出器と、基板上の縁部位置に向けられたレーザービームからの散乱光を監視して、液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す散乱光のパターンを識別するように構成されたプロセッサと、を備え、プロセッサは、作業表面上に液体の所与の分配を開始し始めてから液体が作業表面の縁部位置に到達するまでの液体の実際のコーティング時間を識別し、液体の実際のコーティング時間を液体の予想されるコーティング時間と比較するように更に構成されている。
【0019】
一実施形態では、プロセッサは、基板上の縁部位置に向けられたレーザービームからの散乱光を監視して、液体から形成された膜がカバレージ欠陥を有することを示す散乱光のパターンを識別するように構成されている。
【0020】
一実施形態では、システムは、基板の縁部位置に向けられたレーザービームからの反射光を捕捉するために配置された第2の検出器を更に備え、プロセッサは、基板上の縁部位置に向けられたレーザービームからの反射光を監視して、液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す反射光のパターンを識別するように構成されている。
【0021】
本開示はまた、基板上に液体を分配するシステムを提示し、本システムは、基板を保持し且つ基板を軸の周りで回転させるように構成された基板ホルダと、基板が基板ホルダ上で回転されている間、基板の作業表面上に液体を分配するように構成された分配ユニットと、基板の作業表面上の縁部位置にレーザービームを向けるように構成されたレーザーと、基板の縁部位置に向けられたレーザービームからの反射光を捕捉するために配置された第1の検出器と、基板上の縁部位置に向けられたレーザービームからの反射光を監視して、液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す反射光のパターンを識別するように構成されたプロセッサと、を備え、プロセッサは、作業表面上に液体の所与の分配を開始し始めてから液体が作業表面の縁部位置に到達するまでの液体の実際のコーティング時間を識別し、液体の実際のコーティング時間を液体の予想されるコーティング時間と比較するように更に構成されている。
【0022】
一実施形態では、プロセッサは、基板上の縁部位置に向けられたレーザービームからの反射光を監視して、液体から形成された膜がカバレージ欠陥を有することを示す反射光のパターンを識別するように構成されている。
【0023】
一実施形態では、システムは、基板の縁部位置に向けられたレーザービームからの散乱光を捕捉するために配置された第2の検出器を更に備え、プロセッサは、基板上の縁部位置に向けられたレーザービームからの散乱光を監視して、液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す散乱光のパターンを識別するように構成されている。
【0024】
この概要のセクションは、本開示又は特許請求の範囲に記載される本発明の全ての実施形態及び/又は段階的に新規な態様を指定するわけではないことに留意されたい。代わりに、この概要は、異なる実施形態及び従来技術に対する新規性の対応点についての予備的な考察のみを提供する。本発明及び実施形態の更なる詳細及び/又は可能な観点について、読者は、以下で更に議論される本開示の詳細な説明のセクション及び対応する図を参照されたい。
【0025】
添付図面と併せて検討される以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の様々な実施形態のより詳細な理解及びそれらに付随する利点の多くが容易に明らかになるはずである。図面は、縮尺が必ずしも正確ではなく、むしろ特徴、原理、及び概念を図解することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本明細書で開示される実施形態による例示的な分配システムの概略断面図である。
【
図2】本明細書で開示される実施形態による例示的なコーティングプロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図3】本明細書で開示される実施形態による例示的なコーティングプロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図4】本明細書で開示される実施形態による例示的なコーティングプロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図5】本明細書で開示される実施形態による例示的なコーティングプロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図6】本明細書で開示される実施形態による例示的な除去プロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図7】本明細書で開示される実施形態による例示的な除去プロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図8】本明細書で開示される実施形態による例示的な除去プロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図9】本明細書で開示される実施形態による例示的な除去プロセスのフローを示す例示的な基板セグメントの上面図である。
【
図10】平坦な基板の縁部に向けられた光に対する反射光及び散乱光の経時的な挙動を、液体が基板にわたって延展されているとき、特に、液体が基板の縁部にまだ到達していないとき、液体が基板の縁部にあるとき、及び液体が基板の縁部を良好に被覆した後について示す。
【
図11】平坦な基板の縁部に向けられた光に対する反射光及び散乱光の経時的な挙動を、液体が基板にわたって延展されているとき、特に、液体が基板の縁部にまだ到達していないとき、液体が基板の縁部にあるとき、及び液体が基板の縁部を被覆した後であるが欠陥が残っているときについて示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書の技術は、リアルタイムのカバレージ及び除去の制御によって、基板上に液体を分配するためのシステム及び方法を含む。本明細書の技術は、基板(例えば、半導体ウェハ)のコーティング、膜の現像、材料のウェットエッチング、並びに基板の洗浄及びリンスを含む様々な製造作業に適用可能である。様々な実施形態が、基板上の1つ以上の所定位置に向けられたレーザービーム光を使用して、それら1つ以上の所定位置からの散乱光及び/又は反射光の挙動を監視する。この散乱光/反射光の挙動を監視することにより、基板の作業表面上の所与の液体がレーザービームと相互作用したときに、その液体の位置を示すことができ、次いで、基板を欠陥品として標識付けすることができる、又は流体の分配される体積を増加/減少させること若しくは基板の回転速度を増加/減少させることなどにより、対応する分配作業をリアルタイムで変更するためのフィードバックデータを生成することができる。監視は、手動又は自動であり得る。
【0028】
回転する基板上に分配される液体材料を伴う様々な製造作業があるが、例示的な実施形態の説明は、本明細書における技術を説明する際の便宜上、主に基板をコーティングすることに焦点を当てる。慣例的な、従来の微細加工技術は、膜(フォトレジスト)を基板上にコーティングし、化学線のパターンで露光し、次いで現像して可溶性材料を除去するフォトリソグラフィを伴う。
【0029】
従来、基板を完全に被覆するのに必要な分よりも多くのフォトレジスト(すなわち、レジスト)が分配される。基板全体が確実に一様にコーティングされるように、余分又は過剰なレジストが分配される。基板(典型的には半導体ウェハ)は、液体レジストがウェハの作業表面上に分配される間、比較的速い速度(回転速度)で回転される。その後、スピンしているウェハは、遠心力によってレジストを基板(典型的には円形のウェハ)の縁部に押し付ける。所与のレジスト、現像液又は他の流体には、均一な縁部を常に有すると限らない進行線がある。すなわち、フォトレジストは、一様に拡大する真円のような半径方向に一様に延展する外側縁部又は外側メニスカスを有しない。代わりに、フォトレジストの外縁部は、均一ではなく、フォトレジストのある区域が他の区域よりも先に基板の縁部に到達する可能性がある。結果は、基板の縁部におけるフォトレジストのギザギザの縁部として見える。この不完全なカバレージは、基板が回転している間、目に見えない。代わりに、回転されているときに液体がぼやけることに起因して、回転している基板は、完全にコーティングされたように見える。
【0030】
カバレージ制御のための一手法は、基板全体にわたるコーティング液の進行を、例えばストロボスコープ又はカメラを用いて、視覚的に監視することである。視覚的な監視は、一部の液体及び膜厚に対しては効果的であり得るが、他の場合では効果が劣り得る。例えば、一部のフォトレジスト及び膜は、数十ナノメートル程度のカバレージ厚さを有する。この厚さの膜は比較的薄く、その結果、膜は本質的に透明になり得る。それに応じて、ウェハが所与の膜で完全にコーティングされたときを視覚的に決定することが困難になる。散乱光/反射光を用いて監視することにより、そのような課題は解決できる。
【0031】
多くの用途にとって、基板の作業表面上への均一で完全なフォトレジストのコーティングが必要である。この要件を満たすために、スピンしている基板が完全にコーティングされ得るように、余分なレジストが分配される。余分なレジストは、ウェハの縁部から落ち、無駄なレジストになる。従来、製造業者は、完全なカバレージに影響を与える可能性のあるいくつかの異なる変数を考慮する安全計数として、400%以上もの余分なフォトレジスト及び他の液体化学物質を堆積させる場合がある。1つの要因は、分配システム自体の分配能力である。例えば、いくつかのフォトレジスト組成物は、約0.2ccのレジストで基板をコーティングすることができる。分配の変動に起因して、約0.8ccのレジストを分配することが一般的である。
【0032】
分配される過度の流体に寄与する様々な要因又は変数がある。いくつかの要因は、分配システム自体の能力に関連している。これには、バルブ応答、導管、測定手段などの変動性が含まれる。別の要因は、所与のフォトレジスト又は液体の化学物質の性能である。たとえ化学式が同じであっても、フォトレジスト組成物に僅かな変動があると、分配される所与の量の液体は、任意の所与の分配において粘度が大きい場合も小さい場合もある。粘度の変動に対処する必要があり、これは、通常、より多くの化学物質を分配することにより、安全在庫の量を増加させる原因となる。カバレージに影響を与える別の要因は、基板表面自体の物理的特性である。ウェハ上での半導体デバイスの製造中、製造の様々な段階で使用される様々な材料が存在する。その上、表面トポグラフィは、製造段階及び製造されるデバイスの種類(例えば、メモリ対ロジック)に依存して異なる場合がある。所与の材料及び/又はトポグラフィは、この表面にわたって延展するフォトレジストの粘度を増加させる場合がある。液体と基板との相互作用に有意な変動が存在する場合があるため、基板の濡れ性は、重要な要素である。この相互作用は、通常、基板にわたる液体の流れに偏りを引き起こす。これらの安全計数が混合されると、製造業者は、完全なカバレージのために実際に必要な量よりも実質的に多くの化学物質を使用する可能性がある。いくつかの製造業者は、実際に必要な体積と比較して4倍以上の余分な体積を作業し得る。
【0033】
基板をコーティングする所与のフォトレジストが異なる速度で基板の縁部に到達するので、典型的には、完全なカバレージのために必要な量の安全在庫が存在することに留意されたい。この最小限の余分なフォトレジストは、通常、約2~20%の余分である。したがって、所与の基板は、計算によると、完全なカバレージのために実際に堆積する必要があるレジストの102~120%のレジストで完全にコーティングすることができる。しかし、様々な性能要因のため、製造業者は、実際に必要な量よりも300%~500%多くのフォトレジスト(又は現像液)を日常的に堆積させている。余分は、単に安全在庫である。これは、基板をコーティング/リンスするために必要な量ではないが、基板が決して部分的コーティングにならないようにするためにのみ含まれる。
【0034】
本明細書における技術は、半導体ウェハなどの基板上にスピンオン膜を堆積させるためのカバレージ制御用のスピンオン分配プロセスセンサ及び欠陥モニタを含む。各基板は、基板上の所定位置に向けられたレーザービームが液体と相互作用したときの、レーザービームからの散乱光及び/又は反射光の挙動により特徴付けることができる。例えば、液体が基板を完全に被覆したことを検出するために、レーザーを基板の縁部に向けることができる。回転する基板の中心近くに分配された液体が、レーザー/基板縁部に向かって外向きに流れるにつれて、徐々に基板を被覆し始めることになる。液体の縁部及びレーザービームが相互作用すると、散乱光及び反射光の挙動に瞬間的な変化が生じることになり、この変化は、散乱光及び/又は反射光を検出するための1つ以上の光学検出器により検出することができ、液体の進行/基板のカバレージを示すことができる。更なる進行/カバレージ情報を得るために、追加のレーザー又は他のタイプの光源が基板の他の領域をターゲットにすることができる。システムは、基板が適切な液体カバレージを有しない場合、その基板を欠陥として標識付けることができ、又はシステムは、フィードバック制御ループ(例えば、高度プロセス制御(APC))を使用して、厳密な量の体積が堆積されることを確実にすることができ、これにより分配される安全在庫の体積が大幅に減る。したがって、必要な量よりも300%、又は400%、又は500%多い安全在庫を有する代わりに、本明細書のシステム及び方法は、フォトレジスト、現像液又は他の液体を50%未満、20%未満又は更に2%未満だけ過剰に堆積させることができる。これは、無駄を排除し、チャンバ洗浄の必要性を減らし、ツールダウンタイムを減らすことができる。液体の堆積により処理されている各基板を、反射光及び/又は散乱光を検出するための1つ以上の光学検出器を用いてリアルタイムで監視することができ、基板を横切る液体の縁部に沿った点を、縁部がレーザービームと相互作用する毎に時間に対してマッピングすることができる。この縁部は、基板をコーティングする液体の外縁部又は基板から除去される液体の内縁部であり得る。
【0035】
液体の進行又は挙動の分析に基づいて、分配システムへのいくつかのアクション又は変更を加えることができる。例えば、一部の分配では、フォトレジストが比較的急速に進行し、基板の縁部を越えて移動して早すぎるコーティングとなることが観察される場合がある。システムがコーティングの進行を追跡し、コーティングが完了するとき(又は進行速度を識別することにより、完了することになるとき)を識別することで、システムは、完全なコーティングが達成されたか又は達成されることになるとき又は時点を示し(フィードバックを提供し)、液体の分配を中止することができる。レジストの縁部が減速してゆっくりと移動していることをシステムが観察又は判断した場合、基板ホルダの回転を加速し、且つ/又は追加のレジストを基板上に分配して、完全なコーティング又はウェッティングを実現するためのアクションをとることができる。
【0036】
従来、コーティング性能の分析は、コーティングプロセス後に行われる。基本的に、コーティングカバレージを調べるために、基板は、回転が停止されるか又は処理チャンバから取り出される。肉眼では、高速回転により不均一性が不鮮明になるため、コーティングの進行が均一に見える場合がある。しかし、本明細書の技術は、散乱光又は反射光に関するデータを見て、任意選択で、そのデータをリアルタイムフィードバックとして適用して、例えば分配又は回転停止点を識別することにより、基板のコーティングの将来のリアルタイムにおける状況及びそのコーティングの能力を提供する。プロセッサは散乱光又は反射光検出器に接続されることができ、散乱光/検出光を分析して、所与の分配が許容可能であるか否かを確認してコーティングが必要かどうかを確認すること、プロセス統計(例えば、歩留まり統計)を収集すること、又はスピン速度及び分配速度/量を調整することができる。このような制御は、可変プロセス条件にリアルタイムで適応できる。したがって、基板の濡れ性及びフォトレジストの粘度を推定して安全な分配量及びスピン時間を計算する代わりに、初期的に停止点を知らなくても、回転する基板にフォトレジストを堆積させることができる。フォトレジストが基板にわたって延展するにつれて、この進行に関する散乱光及び/又は反射光のデータを受信しているプロセッサは、基板の背景が静止しているかのように進行速度を時間の関数として識別することができ、したがって停止点を精度良く示すことができる。それに応じて、基板が完全にコーティングされたとき、システムは、所与のコーティング作業を停止できるため、基板の濡れ性及びフォトレジストの粘度を知る必要はない。換言すれば、停止時間を推定し、分配される液体の体積を推定する代わりに、液体の進行を示す散乱光/反射光の観察に基づいて厳密な分配体積及び停止時間をリアルタイムで計算することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、最初の基板は、その上に分配された流体を有する場合があり、次いで散乱光/反射光データを使用して、完全なコーティングに必要なスピン及び分配時間を識別する。その後、この分配時間及び体積データは、その後の分配に使用できる。
【0038】
いくつかの実施形態では、プロセス条件(分配体積、スピン速度プロファイル等を含む)の関数としての堆積歩留まりの統計を収集することができる。分配プロセスは、統計及び所望のプロセス歩留まりに基づいて定めることができる。製造の間、堆積歩留まり統計を収集し、プロセスドリフトを監視し続けることができる。(大量製造(HVM)を含む)製造において、コーティングプロセスが仕様内に入ることを確実にするために堆積歩留まりを監視しプロセスを調整し続けることができ、それによりプロセス又は環境のドリフトが連続的に補正される。HVMにおいて欠陥が検出された場合、基板を直ちに修理に送ることができる。カバレージ歩留まりを介するプロセス整合により、システムが変動を考慮し、ツールの変動(プロセスボウル、分配システム等)、環境効果(ファブの温度、湿度)、化学的変動、ドリフト(ボトル間の影響又は補間寿命の効果)等の影響を相殺することが可能になる。
【0039】
本明細書における技術は、基板からの散乱光及び/又は反射光を測定し、延展している液体の最前部の通過を検出する。本技術はまた、放射状のストリエーション型欠陥を検出することができる。したがって、センサは、特定の堆積が成功であったか又は不成功であったかを決定できる。
【0040】
ここで、本明細書における技術を添付図面に関して説明する。
図1を参照すると、システム100は、基板105上に液体117を分配するためのシステムである。基板ホルダ122は、基板105を保持し、且つ軸の周りで基板105を回転させるように構成される。モータ123を使用して、基板ホルダ122を選択可能な回転速度で回転させることができる。基板105が基板ホルダ122によって回転されている間、分配ユニット118が、基板105の作業表面上に液体を分配するように構成される。分配ユニット118は、基板ホルダの直上に配置することができるか又は別の場所に配置することができる。基板ホルダから離れて配置される場合、導管112を使用して流体を基板に送達することができる。流体は、ノズル111を通って出ることができる。
図1は、液体117が基板105の作業表面上に分配されていることを示す。次いで、所与の分配作業中、基板105から振り落とされる過度の液体117を捕捉又は収集するために収集システム127が使用され得る。
【0041】
分配構成要素は、ノズルアーム113及び支持部材115を含むことができ、これを使用して、基板105にわたってノズル111の位置を移動させるか、又は分配作業の完了時点での休止などのために、基板ホルダ122から離して静止位置に移動させることができる。代わりに、分配ユニット118をノズル自体として具現化することができる。そのようなノズルは、システムコントローラ160と連通する1つ以上のバルブを有することができる。分配ユニット118は、基板上への選択可能な体積の流体の分配を制御するように構成された様々な実施形態を有することができる。
【0042】
分配ユニット118は、様々な技術を使用して具現化することができる。様々なバルブ、流量コントローラ、フィルタ、ノズルなどを使用することができる。使用するために選択された様々な分配技術は、様々なレベルの体積制御及び遅延を提供することができる。ここでの技術は、「High-Purity Dispense Unit」という名称の米国特許出願公開第2018/0046082号明細書(米国特許出願第15/675,376号明細書)に記載されているようなブラダベースの分配ユニットを使用することにより、精密な体積制御から便益を得ることができる。しかし、このような精密な分配システムは必要ない。それに応じて、本明細書における技術を、従来の分配システムを用いて実施することができる。
【0043】
分配ユニットは、システムコントローラからの入力に基づいて、選択的な量のフォトレジスト、ネガ型現像液又は他の液体を基板上に分配するように構成され得る。分配ユニットは、基板の作業表面の上方に配置された分配ノズルを含み得る。
【0044】
システム100は、基板105上の所定位置(すなわち、ターゲット)にレーザービーム131を送るように構成された少なくとも1つのレーザー130を含む。レーザー130は、ビーム形成光学素子を有するレーザーダイオード又は発光ダイオードであり得る。所定位置は、液体117のカバレージ進行又は欠陥検出に関する知識が望まれる場所であり得る。本明細書では、様々な所定位置を使用することができる。例えば、基板105全体が液体117によって被覆されたかどうかを知るために、レーザー130を、レーザービーム131を基板105の縁部(又は縁部から数ミリメートル以内)に向けるように構成できる。別の実施形態では、2つ以上のレーザー装置130を使用することができる。例えば、第2のレーザービームを基板105の縁部と中心部との間に向けて、液体117の中間的な進行を監視することができる。別の実施形態では、レーザービーム131の代わりに又はそれに加えて、異なる光源を使用することができる。分配されている所与のフォトレジストを活性化しない限り、いかなるレーザー(例えば、緑色又は赤色)も使用できる。
【0045】
レーザービーム131からの反射光を捕捉するために反射光検出器132が配置される。レーザービーム131が基板105上の所定位置に当たり、そこから反射される場合、その所定位置が滑らかであれば、レーザービーム131の大部分が反射されて、(散乱光検出器133よりもむしろ)反射光検出器132に向かい、それにより検出されることになる。所定位置が滑らかであることは、その位置がまだ液体117により被覆されていないこと、又はその位置が液体117により良好に被覆されていることを示す可能性がある。2つ以上の反射光検出器を使用できることに留意されたい。例えば、第1のレーザービームが基板の縁部に向けられる場合、第1の反射光検出器を使用して基板の縁部からの反射光を検出することができる。第2のレーザービームが基板の内部に向けられる場合、第2の反射光検出器を使用して基板の内部からの反射光を検出することができる。
【0046】
レーザービーム131からの散乱光を捕捉するために散乱光検出器133が配置される。液体117の縁部がレーザービーム131と相互作用すると、より多くの光が散乱されることになり、より少ない光が反射されることになる。液体117のこの縁部は、まだ液体117で被覆されていない基板105上に液体又はスライバー(マウスバイト)を半径方向に延展させることができる。散乱光の増加(又は反射光の減少)の検出が、液体117が基板105上の所定位置に到達したこと、又は基板105が欠陥を有することを示すことができる。2つ以上の散乱光検出器を使用できることに留意されたい。例えば、第1のレーザービームが基板の縁部に向けられる場合、第1の散乱光検出器を使用して基板の縁部からの散乱光を検出することができる。第2のレーザービームが基板の内部に向けられる場合、第2の散乱光検出器を使用して基板の内部からの散乱光を検出することができる。
【0047】
一実施形態では、システム100は反射光を捕捉するための少なくとも1つの検出器を有することに留意されたい。別の実施形態では、システム100は散乱光を捕捉するための少なくとも1つの検出器を有する。システム100は、散乱光検出器133及び反射光検出器132の両方を有することができるが、これは必ずしも必要でない。
【0048】
反射光検出器132及び散乱光検出器133は、光を検出するための従来技術を使用することができる。例えば、反射光検出器132及び散乱光検出器133は、光を検出するための光検出器を有することができる。更に、レーザービーム131、散乱光及び/又は反射光を対応するターゲット位置に向けるために、追加の構成要素をシステム100内に配置できる。そのような構成要素の例は、ミラー、楕円集光器、四分の一波長板、偏光ビームスプリッタ、焦点レンズ、コリメータ/円柱状レンズ等を含むことができる。一実施形態では、反射光を反射光検出器に向けるために偏光ビームスプリッタが使用される一方で、1次ミラーが散乱光を2次ミラーに向け、2次ミラーは散乱光を散乱光検出器に向ける。
【0049】
検出された散乱光及び/又は反射光の情報は、プロセッサ150に送信されるか又はプロセッサ150により収集されることができる。プロセッサ150は、散乱光検出器133及び/又は反射光検出器132から受信した散乱光及び/又は反射光の情報を検討するように構成されている。プロセッサ150は、基板が欠陥(例えば、スライバー)を有する場合、基板に標識付けすることができる。プロセッサ150はまた、コーティング時間を監視することができる。プロセッサ150は、基板105の作業表面上に液体117の分配を開始し始めてから作業表面の所定位置(例えば、縁部、内部)に液体が到達するまでの液体117の実際のコーティング時間を識別することができる。更に、プロセッサ150は、液体117の実際のコーティング時間を、予想されるコーティング時間と比較できる。プロセッサ150はまた、基板105が基板上の液体117と共に回転している間、フィードバックデータを生成するように構成されることができる。散乱光及び/又は反射光を分析することにより、プロセッサ150は、流体の縁部の伝播がどの程度完全であるかを決定するか又はとりわけディウェッティング条件を決定することができる。次いで、この縁部進行データをシステムコントローラ160に供給することができる。システムコントローラ160は、基板ホルダ122に接続され、且つ分配ユニット118に接続される。システムコントローラ160は、基板が基板上の液体117と共に回転している間、フィードバックデータに基づいて、基板の作業表面上に分配される液体の体積を調整するように構成され得る。例えば、システムコントローラ160に接続された専用制御ループ若しくはAPC制御ループ又はフィードバック制御ループは、対応する分配システム及び/又は基板スピン機構を制御するように構成される。
【0050】
1つ以上の散乱光検出器及び/又は反射光検出器が、それぞれ、検出された散乱及び反射光に対する位置である。プロセッサ150は、システム100に接続されているか又はシステム100によりアクセス可能であり、それらの対応する検出器から受け取った散乱光及び/又は反射光を分析するように構成されている。プロセッサ150は、基板105が基板上の液体117と共に回転している間、フィードバックデータを生成するように構成され得る。フィードバックデータは、分配作業後にも生成及び提供され得る。プロセッサ150は、散乱光及び/又は反射光の検査に基づいて、基板105の作業表面にわたるフォトレジストのコーティングの進行を監視し、且つ基板105の作業表面の完全なカバレージのために十分なフォトレジストが分配されたときを示すフィードバックデータを生成するようにも構成され得る。この指示は、進行速度に基づいて予想できる。
【0051】
プロセッサ150は、液体117が基板105上のターゲット位置に到達したこと、又は液体117から形成された膜がカバレージ欠陥を有することを示す、散乱光及び/又は反射光のパターンを識別するように構成できる。散乱及び反射光の定常状態の挙動が、液体117がまだターゲット位置(すなわち、レーザービーム131の位置)に到達していないこと、又はターゲット位置が良好に被覆されていることを示す可能性がある。散乱光又は反射光のスパイク/非定常状態の挙動が、液体117の縁部がターゲット位置にちょうど到達したこと、又はカバレージ欠陥が存在することを示すことができる。そのような挙動の例が、本開示において後述される。
【0052】
システムコントローラ160が、基板ホルダ122に接続され、且つ分配ユニット118に接続される。システムコントローラ160は、基板105がその上にある液体117と共に回転している間、フィードバックデータに基づいて、基板105の作業表面上に分配される液体117の体積を調整するように構成される。システムコントローラ160は、フィードバックデータに基づいて基板ホルダ122の回転速度を調整するように更に構成できる。
【0053】
システムコントローラ160は、基板105の作業表面上に液体117の初期体積を分配し、次いで基板の作業表面上に液体117の追加体積を分配するように構成でき、液体117の追加体積は、基板105の作業表面上で液体117の完全なカバレージを完成させるのに十分である。換言すれば、ウェハを完全に被覆するのにより多くの流体が必要であると判断された場合、より多くの流体を分配することができる。
【0054】
システムコントローラ160は、基板105の作業表面上の液体117の不十分なカバレージを示すフィードバックデータに基づいて、基板ホルダ122の回転速度を増加させるように構成できる。このような回転速度の増加は、基板105にわたって膜を延展させるのに役立ち得る。代わりに、システムコントローラ160は、例えば、基板105の作業表面上の液体117の乱流状態又は基板105から飛散する過度のレジストを示すフィードバックデータに基づいて、基板ホルダ122の回転速度を減少させることができる。システムコントローラ160は、基板105の作業表面上の液体117の不十分なカバレージを示すフィードバックデータに基づいて、基板105の作業表面上に分配される液体117の体積を増加させることができる。
【0055】
プロセッサ150は、多くの機能を有することができる。プロセッサ150は、基板105が基板上の液体117と共に回転している間、フィードバックデータを生成するように構成されることができ、及び所与の分配作業は、基板105が基板上の液体117と共に回転している間、調整されることができる。液体117の位置/移動を示す散乱光/反射光の検査に基づいて、プロセッサ150は、液体117が基板105の作業表面をコーティングするにつれて、液体117の外側メニスカスの進行を監視することができる。プロセッサ150は、液体117が基板105の作業表面から振り落とされるにつれて、液体117の内側メニスカスの進行を監視することもできる。液体117のコーティングの進行を監視して、基板105の作業表面が完全にコーティングされる結果となる最小限の体積が分配される結果となるように、液体117のより多くの体積又はより少ない体積が分配されるべきであることを示すフィードバックデータを生成し、且つ/又は基板105の作業表面が完全に被覆されたときを識別することができる。
【0056】
システムコントローラ160は、様々なアクションを実行するように構成され得る。例えば、システムコントローラ160は、基板105が回転している間、フィードバックデータに基づいて、基板105の作業表面上に分配される液体117の体積を調整することができる。基板ホルダ122の回転速度をフィードバックデータに基づいて調整できる。液体117の移動を示す収集されたデータに基づいて、分配される液体117の体積は、基板105の作業表面を完全に被覆するのに必要なカバレージ体積の150%を下回り得る。システムコントローラ160は、基板105の作業表面上の液体117の乱流状態を示すフィードバックデータに基づいて、基板ホルダ122の回転速度を減少させることができ、これにより基板105の損傷を防ぐことができる。システムコントローラ160は、基板105の作業表面が完全に被覆されていることを示すフィードバックデータを受信することに応答して、流体を分配することを停止することもできる。
【0057】
基板105の作業表面上の、液体117の初期体積のコーティングの進行がプロセッサ150によって監視され、且つ基板105の作業表面の不十分なカバレージを示すフィードバックデータを生成することができる。適切なカバレージを示す、散乱光及び/又は反射光の検査に基づいて、プロセッサ150は、50%を下回る過度の体積で基板105を被覆するために基板105上に分配される液体117の総体積を計算することができる。プロセッサ150は、ディウェッティング状態と、基板105の完全なカバレージのために十分なフォトレジストが分配されたときとを示すフィードバックデータを監視及び生成することもできる。基板105の完全なカバレージのために十分なフォトレジストが分配されたときを示すフィードバックデータを受信したことに応答して、システムコントローラ160は、分配作業を停止することができる。散乱及び/又は反射の挙動を分析して、液体117が基板をコーティングする際の液体117の外側メニスカスの進行又は液体117が基板から振り落とされる際の液体117の内側メニスカスの進行を監視することもできる。
【0058】
一実施形態は、基板上に液体を分配するためのシステムを含む。システムは、基板を保持し且つ基板を軸の周りで回転させるように構成された基板ホルダを含む。分配ユニットは、基板が基板ホルダ上で回転されている間、基板の作業表面上に液体を分配するように構成される。散乱光検出器及び反射光検出器のうちの少なくとも1つが、基板の縁部に向けられたレーザービームからの散乱光又は反射光を検出するために配置される。
【0059】
高い精度で液体117の縁部を追跡できる。これは、基板105が完全に被覆されていることを確実にするために、カバレージが不十分な区域(「マウスバイト」発生と呼ばれることがある)又は他の不均一な縁部の進行を識別するのに役立ち得る。例えば、基板105を被覆するためのフォトレジストの堆積に関して、フォトレジストの進行の縁部において被覆されていない形成が起こり得る。この被覆されていない区域及びその形成は、形成前に時間の関数として追跡できる。このような追跡は、完全なコーティングを確実にし、過度の液体117の材料を最小限に抑えるのに役立ち得る。フォトレジストが基板105の縁部を越えて移動するにつれて、フォトレジストの伝播の前縁部を追跡することにより、この進行をフォトレジストのスピン中に時間の関数として追跡できる。次いで、プロセッサ150は、その時間の関数の位置を計算し、次いでフォトレジストの縁部がどこにあるか及び実際にマウスバイトが発生するのに所与の縁部がどの程度近いかを判断することができる。次いで、コーティングされていない部分を識別することにより、基板105を欠陥品として標識付けすること、より多くのフォトレジストを漸増式に堆積させること、又は完全なカバレージを実現するために回転速度を加速させること等の応答を自動的にトリガできる。このような縁部追跡は、進行速度をリアルタイムで計算するためにも使用できる。進行速度は、フォトレジストが基板105を完全に被覆した(又は完全に被覆することになる)ときを識別又は計算するために使用でき、したがってこのカバレージ速度を使用して、基板へのフォトレジストの分配を停止するときを示すことができる。
【0060】
液体化学物質の不均一な伝播のため、所与の基板を完全に被覆するためにある程度の液体117の過剰分が必要である。105しかし、精密な制御により、この過剰分は、分配される余分な材料の2~50%と低い場合がある。
【0061】
図2は、基板105の作業表面を示す基板セグメントの上面図を示す。基板105は、比較的高速、例えば毎分2~3千回転で回転している。半導体ウェハが基板の一箇所にノッチ126又は直線の縁部を有することは、一般的である。このノッチ126がV字形である場合があり、一方で円形ウェハの短く平らな縁部である場合もある。ノッチ126がレーザービーム131と相互作用すると、散乱光及び反射光の挙動に変化を引き起こす可能性がある。これを理解していると、レーザービーム131をノッチ126から離れる方向に向けることができ、又はプロセッサ150がノッチ126により生じる散乱光/反射光を予想してフィルタで除去することができる。
【0062】
図2では、液体117が基板105の作業表面上に示されている。これは、例えば、基板105の中心点又はその近くに堆積されたフォトレジストであり得る。基板105が高速で回転するにつれて、液体117は、半径方向に延展する。
図3は、液体117の半径方向への継続的な進行を示す。外側メニスカス129が不均一な縁部を有することに留意されたい。換言すれば、液体117は均等に又は完全に均等に延展することはない。
【0063】
図4は、液体117の一部が基板の外縁部に到達した後の液体117の進行を示す。液体117で依然として被覆されていないスライバー(マウスバイト)のいくつかの領域があることに留意されたい。この時点でコーティング作業が停止すると、カバレージが不十分(すなわち、欠陥品)になるであろう。レーザービーム131がスライバーに当たる毎に、散乱光及び反射光の挙動は不規則であろう。この挙動を監視することにより、カバレージが完全でないことが示すことができる。これが、基板105を欠陥品として標識付けすること、又は液体117が依然として外向きに延展している場合は基板105を回転させ続けることをトリガすることができる。他のアクションは、基板105の回転速度を増加させること又は基板105上のより多くの液体117を追放することを含み得る。散乱光又は反射光のデータの評価に基づいて、被覆されていない領域の総表面積を精度良く計算又は推定できるため、分配される追加体積を精度良く決定できる。次いで、システムコントローラ160は、このフィードバック又は命令をプロセッサ150から受信し、次いで分配ユニット118を制御して、完全なコーティングカバレージを完成させるのに十分な漸増する追加体積の分配を、最小限の追加体積の分配により行うことができる。結果を
図5に示す。それに応じて、所与の基板105は、最小限の量の余分な液体117が分配されて完全にコーティングされ得る。
【0064】
一部のコーティングプロセスは、完全に平坦な基板上ではなく、構造(トレンチ、穴、メサ等)を有する基板上にコーティングされることに留意されたい。これらのパターン形成された構造は、光反射及び散乱を変更できる。基板が適切に被覆されている場合であっても、散乱光/反射光は不規則に振る舞う可能性がある。したがって、構造は、その散乱光/反射光の信号を、無欠陥と見なされる基準/ターゲット基板からの信号と比較することにより説明できる。散乱光及び/又は反射光の挙動をこの基準基板からの結果と比較して、基板が膜で許容できる程度に被覆されたとき、及び何らかの欠陥が存在するかどうかを判断することができる。本質的に、ターゲット基板からの、散乱光/反射光の挙動のいかなる偏差も液体の縁部の存在を示す可能性がある。代わりに又は加えて、基板が液体により被覆された後に、その同じ基板の基準として、被覆されていない基板からの検出光を使用することができる。基板が液体により被覆される前後で、基板が反射光及び散乱光の類似したパターンを有する場合、基板が許容できる程度に被覆されたことを示す可能性がある。別の実施形態では、パターン形成された構造はプロセッサ又はソフトウェアにより考慮され、フィルタで除去できる。
【0065】
理解され得るように、本明細書の実施形態は、ウェハ上にフォトレジストをコーティングすることに限定されず、回転する基板上に堆積された液体を使用する多くの追加の微細加工技術に適用できる。例えば、本明細書における散乱光/反射光分析は、現像液の分配に便益をもたらすことができる。フォトレジストの層が、パターン形成された化学線で露光された後、可溶性部分が現像される必要がある。膜の現像では、目的は、単に基板をコーティングすることではなく、可溶性材料を溶解させ且つ完全に除去することである。現像では、典型的には、フォトレジストと比較してより多くの体積の流体が分配される。基板は、散乱光/反射光を分析することにより監視できる。検出された光の挙動における不規則な変化は、可溶性材料の溶解の完了、流動力学などを示し得る。
【0066】
本明細書での技術は、ネガ型現像液を含む様々な現像液による現像に便益をもたらし得る。実際には、約6~8ccsのネガ型現像液が分配される一方、約30~50ccsの他の現像液が分配される場合があることが一般的である。使用される現像液に関係なく、現像中、特にウェハの縁部においてディウェッティングが問題になり得る。現像は、フォトレジストの堆積よりも遅い。現像中、溶質がピックアップされ、その結果、フォトレジスト溶液が弱くなり得る。この溶液は、他の区域を移動するよりもスクライブレーンに沿って速く移動できる。溶液が飽和した場合、フォトレジストが基板上に堆積し、再び欠陥を引き起こす可能性がある。また、溶解されたフォトレジストが基板から取り除かれる前に現像液が1つの区域で乾燥した場合、そのフォトレジストは、基板上に再堆積され得る。したがって、本明細書の技術は、基板からの現像液の除去を監視することができる。前縁部と追従エッチとの両方が監視され得る。ウェハの清浄化にガスも使用される場合、後縁部のエアジェット相互作用(窒素パフ)をリアルタイムで監視できる。
【0067】
これらの技術及び監視は、ウェットエッチングにも同様に適用できる。基板の流体の散乱光/反射光の監視を使用して、界面活性剤の状態の変化に起因する現像液の分配及び内容物が変化していないことを確実にすることができる。検出された散乱光/反射光のパターン認識により、エッチング速度及び現像液の消費量を識別できる。そのような光検出技術を使用して特定の状態(完了、乱流)を識別することにより、分配システムは、現像液/エッチャントの分配を停止するか又は乱流状態に応答して回転速度を遅くするなどの対応するアクションをとることができる。使用される現像液又はエッチャントの量を最小限に抑えることにより、全体的な廃棄物を減らして、グリーン処理イニシアティブ(green processing initiative)に便益をもたらすことができる。特定の現像液は、高価な場合があり、分配される体積が最小限に抑えられることで経済的にも便益がもたらされる。
【0068】
本明細書の実施形態は、洗浄及びリンスに同様に適用される。様々なリンス又は洗浄作業では、ピラニア、SC1、SC2、脱イオン水などを使用できる。リンス又は洗浄の進行を知ることで、歩留まり及びスループットを含む便益が得られる。脱イオン水などの一部のリンス液は、レジスト及び現像液と比較して比較的経済的であり、したがって必要な量よりも実質的に多くを使用しても、環境コスト又は材料コストが大きくない場合がある。しかし、歩留まり及びスループットは、リアルタイムのフィードバックから便益を受けることができる。正確な完了ポイントを知ることにより、所与の基板が確実に完全に洗浄又はエッチングされるように安全在庫又はスピン時間を考慮する必要がある従来の技術と比較して、リンス及びエッチングをより早く停止できる。欠陥の低減に関して、微細加工されている一部の構造は、特定の段階において比較的繊細な場合がある。リンス液が層流から乱流になると、この乱流は、構築されている構造を損傷させるか又は破壊する可能性がある。したがって、乱流状態を監視することが歩留まりを向上させ得る。リンス又は洗浄が完了したときを厳密に知ることにより、スループットを増加させることができる。散乱及び/又は反射光のフィードバックの分析に基づいて、所与のリンス又は洗浄プロセスが完了され、その後、直ちに停止された場合、毎時処理されるウェハの数を増加させることができる。一部のリンス作業では、システムは、例えば、基板上に液体をスプレーするために、ノズルのアレイを有するように具現化することができる。
【0069】
図6~
図9は、例示的な現像、エッチング又はリンス作業を示す。
図6では、液体117の分配が停止されている。リンス又は現像液として、この流体は、半径方向に基板105の縁部に移動し続ける。これにより、内側メニスカス121が外向きに移動する可能性がある(
図7)。この内側メニスカス121は、その上にあるデバイスを損傷する可能性がある望ましくない流れ状態を探すなどのために監視され得る。そのような状態が識別された場合、コントローラは、回転速度を減らすことができる。
図8では、ほぼ全ての液体117が振り落とされていることが識別できる。プロセッサは、液体117が実際に基板から全てが除かれたときを計算又は識別し(
図9)、それに応答して対応する分配作業を停止することができる。他の作業を実行することができる。例えば、散乱光/反射光検出分析が材料の再堆積を示す場合、そのような材料を溶解/除去するためにより多くの液体を分配することができる。
【0070】
それに応じて、精度良いコーティング、現像、エッチング、リンス及び洗浄のためにリアルタイム制御を提供することができる。
【0071】
結果の例は、論じないこととする。液体のカバレージに関して、液体の移動する縁部である液体の最前部がレーザービームと相互作用すると、反射光/散乱光の一時的な変化を生じる可能性があることに留意されたい。
図10は、成功した液体のコーティングを示すパターンの一例を示し、レーザービーム131が基板105の縁部に向けられている。反射光1001及び散乱光1002がそれらの対応する検出器により検出されて、時間に対してグラフ表示されている。初期的には、時間10aの間に示すように、反射光1001及び散乱光1002は明確に定常状態の挙動を示し、これは、液体117の移動する縁部が依然としてレーザービーム131に到達していないこと/レーザービーム131と相互作用していないことを示す可能性がある。次いで、時間10bの間に示すように、反射光1001及び散乱光1002は、それらの以前の挙動から逸脱し、代わりに不規則な非定常の挙動を示し、これは液体117の移動する縁部がレーザービーム131に到達しレーザービーム131と相互作用していることを示す可能性がある。時間10aの間におけるそれらの対応する大きさと比較して、反射光1001の量は一時的に減少した一方で、散乱光1002の量は一時的に増加した。最後に、液体117が基板105の縁部を適切に被覆した場合、時間10cにおいて示すように、散乱光1002及び反射光1001の挙動は再び安定することになる。時間10a及び時間10bにおける時間がプロセッサ150により合計されて実際のコーティング時間が得られ、予想されるコーティング時間と比較されることができる。予想されるコーティング時間及び実際のコーティング時間が所定閾値よりも大きい差を有する場合、エラーを示すことができるか又はシステム動作を調整することができる。
【0072】
図11は、基板105が不適当にコーティングされてストリエーションが残っている監視されたパターンの一例を示す。基板105の縁部に向けられたレーザービーム131から反射光1101及び散乱光1102を捕捉するために光検出器が設置されている。初期的には、時間11aの間に示すように、反射光1101及び散乱光1102は定常状態の挙動を示し、これは、液体117の移動する縁部が依然としてレーザービーム131に到達していないこと/レーザービーム131と相互作用していないことを示す可能性がある。次いで、時間11bの間に示すように、反射光1101及び散乱光1102は不規則な非定常の挙動を示し、これは液体117の移動する縁部がレーザービーム131に到達していること/レーザービーム131と相互作用していることを示す可能性がある。最後に、液体117が基板105の縁部を適切に被覆した場合、散乱光1102及び反射光1101の挙動は時間11cにおいて(
図10の時間10cに示すように)安定することになる。代わりに、基板105の各回転の間、ストリエーションとレーザービーム131とが相互作用し、それにより、反射光1101における下向きのスパイク及び散乱光1102における上向きのスパイクが生じて、基板105のコーティングが失敗したことが示される。これがプロセッサ150により認識されて、基板105を欠陥としてマーキングすること又はシステム動作を調整することなどの、次の動作をトリガすることができる。
【0073】
本明細書の別の実施形態は、基板上に液体を分配する方法である。基板は、基板ホルダ上において軸の周りで回転される。基板が基板ホルダ上で回転されている間、基板の作業表面上に液体が分配される。基板の回転により、基板の中心から基板の縁部に進行するように基板の作業表面が液体でコーティングされることができる。基板の作業表面上の縁部位置にレーザービームが向けられる。基板の縁部位置からの光を監視して、液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す監視された光のパターンを識別する。作業表面上に液体の分配を開始し始めてから液体が作業表面の縁部に到達するまでの液体の実際のコーティング時間が識別される。液体の実際のコーティング時間は、予想されるコーティング時間と比較される。実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間との間で所定閾値よりも大きい差を識別したことに応答して、分配作業を調整できるか又はエラーを示すことができる。複数のスピンオン膜の複数の分配を監視することができ、各堆積膜の実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間とを比較することができる。
【0074】
基板の作業表面上に液体を分配することは、液体を基板の中心部に分配して、基板の回転が液体を外向きに延展させることを含むことができる。外向きの延展は、液体が基板をコーティングすること又は液体が延展して基板から飛び出すことであり得る。別の実施形態では、基板が基板ホルダ上で回転される前に、液体を基板の作業表面上に分配することができる。
【0075】
レーザービームを基板の作業表面上の縁部位置に向けることは、レーザービームを直接、基板の縁部に、又はほぼ縁部の近くに、例えば縁部から数ミリメートル以内に向けることを含むことができる。基板が回転しているため、散乱光/反射光の監視中に基板の周囲の縁部全体が考慮される。他の実施形態では、追加の又は代替の光源を使用できる。分配されている所与のフォトレジストを活性化しない限り、いかなるレーザー(例えば、緑色又は赤色)も使用できる。
【0076】
レーザービームが向けられる位置は、カバレージの進行が監視され且つ欠陥が検出されることになる半径である。それに応じて、追加のレーザービームを基板の作業表面上に向けることができる。それらは、基板の内部に向けることができる。液体がその内部位置に到達したとき又はその内部位置に欠陥が存在することを示すために、この内部位置からの光を監視することができる。実際のコーティング時間が識別され、その内部位置に対する予想されるコーティング時間と比較できる。この実際のコーティング時間を使用して、全ての基板がコーティングされるであろうときを予測できる。この予想は、基板のどれくらいの量が既に被覆されているか、基板のどれくらいの量が依然として被覆される必要があるか、基板が回転している速度、液体の特性(例えば、粘度)などの多くの異なる要素に基づいて行うことができる。更に、この予想は、基板が適切にコーティングされないであろうことを示唆する場合、システム動作を調整することができる。例えば、内部が1~2秒でコーティングされると予想されていたが代わりに3秒でコーティングされた場合、これは、現在の動作設定ではカバレージが遅れていることを示唆する可能性がある。したがって、基板上に追加の液体を分配すること又は基板の回転速度を増加させることなど、動作設定を調整することができる。
【0077】
光を監視することは、縁部位置においてレーザービームからの散乱光を監視することを含むことができる。散乱光の量が短時間に増加した場合、これは液体が基板上の縁部位置に到達したことを示唆する可能性がある。散乱光の量が周期的に上向きにスパイクする場合、これは基板上の縁部位置における、ストリエーションなどの欠陥を示唆する可能性がある。
【0078】
光を監視することは、縁部位置においてレーザービームからの反射光を監視することを含むことができる。反射光の量が短時間に減少した場合、これは液体が基板上の縁部位置に到達したことを示唆する可能性がある。散乱光の量が周期的に下向きにスパイクする場合、これは基板上の縁部位置における、ストリエーションなどの欠陥を示唆する可能性がある。
【0079】
光を監視することは、縁部位置においてレーザービームからの反射光及び散乱光の両方を監視することを含むことができる。散乱光又は反射光の挙動がカバレージ及び/又はエラーを示すのに十分であり得るが、両方を監視することができ、散乱光及び反射光の挙動は、互いの観察を検証することを手助けできる。
【0080】
光を監視することは、基板の内部を対象とする任意の追加のレーザービームからの反射光、散乱光、又はこれら両方を監視することを含むことができる。
【0081】
液体が基板上の縁部位置に到達したことを示す、監視された光のパターンを識別することは、監視された光が挙動を概ね定常状態から非定常状態へと変化させたときを識別することを含むことができる。一般に、光が液体の縁部と相互作用すると、反射光の量は減少することになり、散乱光の量は減少することになる。更に、液体が基板上の縁部位置を適切に被覆した(すなわち、いかなる欠陥も残っていない)ことを示す、監視された光のパターンを識別することは、監視された光が定常状態に戻ったときを識別することを含むことができる。加えて、欠陥(例えば、ストリエーション)を示す、監視された光のパターンを識別することが、監視された光が周期的にスパイクを生じるときを識別することを含むことができる。一般に、ストリエーションにより、散乱光は上向きにスパイクし、反射光は下向きにスパイクすることになる。基板が一定速度で回転していると想定すると、スパイクは周期的になる。
【0082】
実際のコーティング時間を識別することは、基板の作業表面上への液体の分配の開始と、液体が作業表面のターゲット位置に到達したときとの間の時間を測定することを含むことができる。このターゲット位置は、縁部又は内部とすることができ、レーザービームをそのターゲット位置に向けることにより設定される。複数のターゲット位置が使用される場合、複数のコーティング時間が測定され得る。
【0083】
実際のコーティング時間を予想されるコーティング時間と比較することは、実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間との間で、所定閾値よりも大きい差を識別したことに応答して、所与の分配作業を調整すること及び/又はエラーを示すことを含むことができる。予想されるコーティング時間及び所定閾値は、類似の動作条件下での以前の成功したコーティング時間又は当該技術分野において既知の任意の他の従来技術に基づくことができる。所定閾値を決定する場合、所望のプロセス歩留まりが要因となり得る。
【0084】
分配作業を調整することは、基板の作業表面上に分配される液体の体積を選択的に変更することを含み得る。分配作業を調整することは、基板ホルダの回転速度を選択的に変更することを含み得る。基板の作業表面上の液体の分配作業を調整することは、基板の作業表面の完全なコーティングカバレージを完成させるのに十分な量まで最小限に抑えられた追加体積を分配することを含み得る。
【0085】
エラーを示すことは、基板に標識付けすることを含むことができる。基板は、リワークのために印付けされることができる。動作条件、例えば、基板の回転速度、実際のコーティング時間、分配される液体量等が、将来の分析及びトラブルシューティングのために記録されることができる。
【0086】
複数のスピンオン膜の複数の分配を監視することは、堆積された膜の各々に対して実際のコーティング時間と予想されるコーティング時間とを比較することを更に含むことができる。この情報は、例えば将来の予想されるコーティング時間のより正確な予測をするために、より最適な所定閾値、より最適動作条件などを分析するために格納できる。
【0087】
複数の光源を監視することができる。例えば、分配されている所与のフォトレジストを活性化しない限り、いかなるレーザー(例えば、緑色又は赤色)も使用できる。それに応じて、縁部からの光を監視することは、複数の光源からの光を監視することを含むことができる。
【0088】
前述の説明では、処理システムの特定の形状、並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、具体的な詳細について記載してきた。しかしながら、本明細書における技術は、これらの具体的な詳細から逸脱する他の実施形態で実施されてもよく、そのような詳細は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。本明細書に開示の実施形態について、添付図面を参照して説明してきた。同様に、説明の目的のため、完全な理解をもたらすために特定の数、材料、及び構成を明らかにしてきた。それにもかかわらず、実施形態は、そのような具体的な詳細なしに実施され得る。実質的に同じ機能的構成を有する構成要素は、同様の参照記号によって示され、したがっていかなる冗長な説明も省略されている場合がある。
【0089】
様々な実施形態の理解を助けるために、様々な技術を複数の個別の動作として説明してきた。説明の順序は、これらの動作が必然的に順序依存であることを示唆するものと解釈されるべきではない。実際、これらの動作は提示した順序で実行される必要はない。説明した動作は、説明した実施形態と異なる順序で実行されてもよい。様々な追加の動作が実行されてもよく、且つ/又は説明した動作が追加の実施形態では省略されてもよい。
【0090】
本明細書で使用される「基板」又は「ターゲット基板」は、本発明に従って処理される物体を総称して指す。基板は、デバイス、特に半導体又は他の電子デバイスの任意の材料部分若しくは構造を含んでもよく、例えば半導体ウェハ、レチクルなどのベース基板構造、又は薄膜などのベース基板構造上の層若しくはベース基板構造に重なる層であってもよい。したがって、基板は、パターン形成されているか否かに依らず、いかなる特定のベース構造、下地層又は被覆層にも限定されず、むしろ、任意のそのような層又はベース構造、並びに層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが考慮されている。説明では特定の種類の基板に言及する場合があるが、これは単に例示を目的としたものに過ぎない。
【0091】
当業者であれば、本発明の同じ目的を達成しながらも、上記で説明した技術の動作に対してなされる多くの変形形態が存在し得ることも理解するであろう。そのような変形形態は、本開示の範囲に包含されることが意図される。したがって、本発明の実施形態の上述の説明は、限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の実施形態に対するいかなる限定も以下の特許請求の範囲に提示される。
【国際調査報告】