(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】CD制御をパターン化するための自動化フィードフォワードおよびフィードバックシーケンス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230612BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567212
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 US2021030731
(87)【国際公開番号】W WO2021231138
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クマー・ラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル・プルキット
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ・マイケル・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカーラン・ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラボア・エイドリアン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB28
5F004CB20
5F004EA06
5F045AA06
5F045AA15
5F045DQ17
5F045EE19
5F045EF05
5F045EK07
5F045EM05
5F045GB17
(57)【要約】
【解決手段】CD制御をパターン化するためのフィードバックシーケンスを実施するための方法。方法は、ウエハに対して一連のプロセスステップを実施して複数のフィーチャを得ることを含み、プロセスステップは、プロセス条件下で実施される。方法は、一連のプロセスステップを実施した後に複数のフィーチャの寸法を測定することを含む。方法は、複数のフィーチャについての測定される寸法と目標寸法との間の差を決定することを含む。方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての差および感度係数に基づいて、プロセスステップについてのプロセス条件を修正することを含む。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することであって、前記第1の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、前記一連のプロセスステップにおける第1のプロセスステップは、第1のプロセス条件下で実施され、前記一連のプロセスステップは、少なくとも1つのプロセスステップを含むことと、
第2の複数のテストウエハに対して前記一連のプロセスステップを実施することであって、前記第2の複数のテストウエハの各々は、前記複数のフィーチャを形成し、前記第1のプロセスステップは、第2のプロセス条件下で実施されることと、
前記第1の複数のテストウエハ上に位置する前記複数のフィーチャの第1の寸法を測定することと、
前記第2の複数のテストウエハ上に位置する前記複数のフィーチャの第2の寸法を測定することと、
寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する前記複数のフィーチャについての感度係数を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記決定することは、
前記第1のプロセス条件と前記第2のプロセス条件との間の差と、および前記第1の寸法と前記第2の寸法との間の差と、に基づいて前記感度係数を決定すること
を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のプロセス条件は、前記テストウエハを支持するように構成された台座の第1の温度であり、前記第1のプロセスステップは、エッチングプロセスステップであり、
前記第2のプロセス条件は、前記台座の第2の温度である、
方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記感度係数は、前記第1のプロセスステップとしてエッチングプロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、およびテストウエハを支持するように構成された台座の温度の変化と、に関連するトリム感度係数である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のプロセス条件は、前記第1のプロセスステップとしてエッチングプロセスステップを実施するための第1の期間であり、
前記第2のプロセス条件は、トリムプロセスステップを実施するための第2の期間である、
方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記感度係数は、前記第1のプロセスステップとしてエッチングプロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、および時間の変化と、に関連するトリム感度係数である、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のプロセス条件は、ウエハ支持用に構成された台座の第1の温度であり、前記第1のプロセスステップは、堆積ステップであり、
前記第2のプロセス条件は、前記台座の第2の温度である、
方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記感度係数は、前記第1のプロセスステップとして堆積プロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、およびテストウエハを支持するように構成された台座の温度の変化と、に関連する堆積感度係数である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のプロセス条件は、前記第1のプロセスステップである堆積ステップの第1のサイクル数であり、
前記第2のプロセス条件は、前記堆積ステップの第2のサイクル数である、
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記感度係数は、前記第1のプロセスステップとして堆積プロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、および原子層堆積サイクル数の変化と、に関連する堆積感度係数である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の寸法を前記測定することは、
前記第1の複数のテストウエハ上の前記複数のフィーチャの各々を測定し、複数の寸法を決定することと、
前記第1の寸法である前記複数の寸法の平均を決定することと
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャの各々は、前記一連のプロセスステップの最後に測定され、
前記一連のプロセスステップは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスであり、
前記第1のプロセスステップは、前記SADPプロセスの第1のパターニングに含まれる、
方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャの各々は、前記第1のプロセスステップの最後に測定される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2の寸法を前記測定することは、
前記第2の複数のテストウエハ上の前記複数のフィーチャの各々を測定し、複数の寸法を決定することと、
前記第2の寸法である前記複数の寸法の平均を決定することと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャの各々は、前記一連のプロセスステップの最後に測定され、
前記一連のプロセスステップは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスであり、
前記第1のプロセスステップは、前記SADPプロセスの第1のパターニングに含まれる、
方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャの各々は、前記第1のプロセスステップの最後に測定される、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の複数のテストウエハの各々および前記第2の複数のテストウエハの各々は、ブランケットウエハである、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の複数のテストウエハの各々および前記第2の複数のテストウエハの各々は、トポグラフィウエハである、方法。
【請求項19】
方法であって、
ウエハに対して一連のプロセスステップを実施して複数のフィーチャを得ることであって、プロセスステップは、プロセス条件下で実施されることと、
前記一連のプロセスステップを実施した後に前記複数のフィーチャの寸法を測定することと、
前記複数のフィーチャについての測定される前記寸法と目標寸法との間の差を決定することと、
寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する前記複数のフィーチャについての前記差および感度係数に基づいて、前記プロセスステップについての前記プロセス条件を修正することと
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
別のウエハに対する前記プロセスステップのために修正された前記プロセス条件を使用して前記一連のプロセスステップを実施する
ことをさらに含む、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
前記プロセス条件を前記修正することは、
ウエハ支持用に構成された台座の温度を修正することであって、前記温度は、エッチングプロセスステップである前記プロセスステップを実施するときに使用されること
を含み、
前記感度係数は、前記エッチングプロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、および前記台座の温度の変化と、に関連するトリム感度係数である、
方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、
前記プロセス条件を前記修正することは、
エッチングプロセスステップである前記プロセスステップを実施するための時間を修正すること
を含み、
前記感度係数は、前記エッチングプロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、および時間の変化と、に関連するトリム感度係数である、
方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、
前記プロセス条件を前記修正することは、
ウエハ支持用に構成された台座の温度を修正することであって、前記温度は、堆積ステップである前記プロセスステップを実施するときに使用されること
を含み、
前記感度係数は、前記堆積プロセスステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、および前記台座の温度の変化と、に関連する堆積感度係数である、
方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であって、
前記プロセス条件を前記修正することは、
前記プロセスステップである堆積ステップのサイクル数を修正すること
を含み、
前記感度係数は、前記堆積ステップを実施するときの、前記複数のフィーチャの寸法の変化と、および原子層堆積サイクル数の変化と、に関連する堆積感度係数である、
方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であって、
前記寸法を前記測定することは、
前記複数のフィーチャの各々を測定し、複数の寸法を決定することと、
前記複数の寸法の平均を決定することであって、前記平均は、前記寸法であることと
を含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記複数のフィーチャの各々は、前記一連のプロセスステップの最後に測定され、
前記一連のプロセスステップは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスであり、
前記プロセスステップは、前記SADPプロセスの第1のパターニングに含まれる、
方法。
【請求項27】
方法であって、
ウエハ上のマンドレルの入来するADI寸法を測定することと、
前記マンドレルの入来するADI寸法と所望のADI寸法との間の差を決定することと、
エッチングプロセスステップの差およびエッチング速度に基づいて前記エッチングプロセスステップを実施し、前記入来するADI寸法に基づいてコアフィーチャの所望のADT寸法を達成するための時間を修正することであって、前記コアフィーチャは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスの第1のパターニングプロセスを実施するときに形成されることと、
前記SADPプロセスの第2のパターニングプロセスの変化を受け取ることと、
前記第2のパターニングプロセスの前記変化に基づいて、前記コアフィーチャの上の酸化物層についての修正されたASD寸法を決定することと、
原子層堆積(ALD)プロセスを実施するとき、前記ALDプロセスの堆積速度および前記コアフィーチャの前記所望のADT寸法に基づいて前記修正されたASD寸法を達成するための堆積サイクル数を決定することと
を含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
前記第1のパターニングプロセス内で実施される前記ALDプロセスにおいて前記堆積サイクル数を実施する
ことをさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法であって、
前記第2のパターニングプロセスの前記変化は、ドライエッチングプロセスの変化である、方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法であって、
前記差を前記決定することは、
前記入来するADI寸法が前記所望のADI寸法よりも大きいと決定すること
を含む、方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法であって、
前記差を前記決定することは、
前記入来するADI寸法が前記所望のADI寸法よりも小さいと決定すること
を含む、方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法であって、
ADI寸法の変化および時間の変化に関連する感度係数に基づいて前記エッチング速度を決定し、前記エッチング速度を決定すること
をさらに含む、方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法であって、
堆積サイクルごとのASD寸法の変化に関連する感度係数に基づいて、前記ALDプロセスの前記堆積速度を決定すること
をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体デバイスの製作に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの最新の半導体製作プロセスは、プラズマに曝露されたときに基板が基板ホルダ上に保持されるプラズマプロセスモジュールで実施される。これらのプロセスは、フィーチャを生成するために実施される。高度なデバイスのための複数のエッチングおよび堆積プロセスステップを含む高度なパターニング技法により、フィーチャ寸法のサイズを縮小し続けることができる。特に、より大きな寸法を伴う複数のパターニングステップを使用して、より小さなフィーチャを得ることができる。これらの高度なパターニング技法はまた、基板上のフィーチャの密度も増加させる。例えば、ダブルパターニングは、フィーチャの密度が元の密度の2倍になるように、フィーチャの密度を2倍に増加させる。
【0003】
マルチパターニングスキームは、最先端の論理およびメモリデバイスの継続的なスケーリングを可能にし、厳密な限界寸法(CD)およびウエハ全体にわたる均一性制御、ならびにウエハからウエハへの均一性制御を必要とする。これらの用途についてのプロセスステップの数が増加し続けるにつれて、追加の各ステップが全体的な変動に寄与するため、変動性を最小限に抑えることがますます重要になる。フィーチャの限界寸法は、典型的には、手動の試行錯誤プロセスを使用して制御される。しかし、このプロセスは非効率的で時間がかかり、寸法および/またはプロセスステップにおけるプロセス中の変動には使用することができない。例えば、試行錯誤プロセスは、入来するフォトリソグラフィ基板についての限界寸法の変動を考慮するのが困難であり、プロセスに対する変更を考慮するのが困難である。さらに、これらの試行錯誤プロセスは、ウエハ全体のフィーチャ寸法の不均一性を考慮するのが困難である。
【0004】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0005】
本開示の実施形態は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0006】
本実施形態は、関連技術に見られる1つまたは複数の問題を解決することに関し、具体的には、マルチパターニングプロセスの各ステップ中に導入される変動性を管理するために、基板上で実施されるダブルパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワードおよびフィードバック制御を含む。例えば、フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御は、パターニングプロセスのステップで導入された変動性を補正することによって基板全体の変動を最小限に抑える局所的な微調節、ならびに入来するパターンの不均一性の補正のために使用することができる。本開示のいくつかの発明の実施形態を、以下に説明する。
【0007】
本開示の実施形態は、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するために使用される感度係数を確立するための方法を含む。方法は、第1の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することを含み、第1の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、一連のプロセスステップにおける第1のプロセスステップは、第1のプロセス条件下で実施され、一連のプロセスステップは、少なくとも1つのプロセスステップを含む。方法は、第2の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することを含み、第2の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、第1のプロセスステップは、第2のプロセス条件下で実施される。方法は、第1の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第1の寸法を測定することを含む。方法は、第2の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第2の寸法を測定することを含む。方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての感度係数を決定することを含む。
【0008】
本開示の他の実施形態は、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するために使用される感度係数を確立するための方法を実施するためのコンピュータプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施するためのプログラム命令を含み、第1の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、一連のプロセスステップにおける第1のプロセスステップは、第1のプロセス条件下で実施され、一連のプロセスステップは、少なくとも1つのプロセスステップを含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、第2の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施するためのプログラム命令を含み、第2の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、第1のプロセスステップは、第2のプロセス条件下で実施される。非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第1の寸法を測定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、第2の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第2の寸法を測定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての感度係数を決定するためのプログラム命令を含む。
【0009】
本開示のさらに他の実施形態は、コンピュータシステムであって、プロセッサと、プロセッサに結合され、コンピュータシステムによって実行された場合、コンピュータシステムに、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するために使用される感度係数を確立するための方法を実行させる命令を格納したメモリとを含むコンピュータシステムを開示する。方法は、第1の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することを含み、第1の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、一連のプロセスステップにおける第1のプロセスステップは、第1のプロセス条件下で実施され、一連のプロセスステップは、少なくとも1つのプロセスステップを含む。方法は、第2の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することを含み、第2の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成し、第1のプロセスステップは、第2のプロセス条件下で実施される。方法は、第1の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第1の寸法を測定することを含む。方法は、第2の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第2の寸法を測定することを含む。方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての感度係数を決定することを含む。
【0010】
本開示の他の実施形態は、フィードバックを実施し、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するための方法を含む。方法は、ウエハに対して一連のプロセスステップを実施して複数のフィーチャを得ることを含み、プロセスステップは、プロセス条件下で実施される。方法は、一連のプロセスステップを実施した後に複数のフィーチャの寸法を測定することを含む。方法は、複数のフィーチャについての測定される寸法と目標寸法との間の差を決定することを含む。方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての差および感度係数に基づいて、プロセスステップについてのプロセス条件を修正することを含む。
【0011】
本開示の他の実施形態は、フィードバックを実施し、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するための方法を実施するためのコンピュータプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、ウエハに対して一連のプロセスステップを実施して複数のフィーチャを得るためのプログラム命令を含み、プロセスステップは、プロセス条件下で実施される。非一時的コンピュータ可読媒体は、一連のプロセスステップを実施した後に複数のフィーチャの寸法を測定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、複数のフィーチャについての測定される寸法と目標寸法との間の差を決定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての差および感度係数に基づいて、プロセスステップについてのプロセス条件を修正するためのプログラム命令を含む。
【0012】
本開示のさらに他の実施形態は、コンピュータシステムであって、プロセッサと、プロセッサに結合され、コンピュータシステムによって実行された場合、コンピュータシステムに、フィードバックを実施し、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するための方法を実行させる命令を格納したメモリとを含むコンピュータシステムを開示する。方法は、ウエハに対して一連のプロセスステップを実施して複数のフィーチャを得ることを含み、プロセスステップは、プロセス条件下で実施される。方法は、一連のプロセスステップを実施した後に複数のフィーチャの寸法を測定することを含む。方法は、複数のフィーチャについての測定される寸法と目標寸法との間の差を決定することを含む。方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての差および感度係数に基づいて、プロセスステップについてのプロセス条件を修正することを含む。
【0013】
本開示の他の実施形態は、フィードフォワードを実施し、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するための方法を含む。方法は、ウエハ上のマンドレルの入来するADI寸法を測定することを含む。方法は、マンドレルの入来するADI寸法と所望のADI寸法との間の差を決定することを含む。方法は、エッチングプロセスステップの差およびエッチング速度に基づいてエッチングプロセスステップを実施し、入来するADI寸法に基づいてコアフィーチャの所望のADT寸法を達成するための時間を修正することを含み、コアフィーチャは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスの第1のパターニングプロセスを実施するときに形成される。方法は、SADPプロセスの第2のパターニングプロセスの変化を受け取ることを含む。方法は、第2のパターニングプロセスの変化に基づいて、コアフィーチャの上の酸化物層についての修正されたASD寸法を決定することを含む。方法は、原子層堆積(ALD)プロセスを実施するとき、ALDプロセスの堆積速度およびコアフィーチャの所望のADT寸法に基づいて修正されたASD寸法を達成するための堆積サイクル数を決定することを含む。
【0014】
本開示の他の実施形態は、フィードフォワードを実施し、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するための方法を実施するためのコンピュータプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、ウエハ上のマンドレルの入来するADI寸法を測定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、マンドレルの入来するADI寸法と所望のADI寸法との間の差を決定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、エッチングプロセスステップの差およびエッチング速度に基づいてエッチングプロセスステップを実施し、入来するADI寸法に基づいてコアフィーチャの所望のADT寸法を達成するための時間を修正するためのプログラム命令を含み、コアフィーチャは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスの第1のパターニングプロセスを実施するときに形成される。非一時的コンピュータ可読媒体は、SADPプロセスの第2のパターニングプロセスの変化を受け取るためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、第2のパターニングプロセスの変化に基づいて、コアフィーチャの上の酸化物層についての修正されたASD寸法を決定するためのプログラム命令を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、原子層堆積(ALD)プロセスを実施するとき、ALDプロセスの堆積速度およびコアフィーチャの所望のADT寸法に基づいて修正されたASD寸法を達成するための堆積サイクル数を決定するためのプログラム命令を含む。
【0015】
本開示のさらに他の実施形態は、コンピュータシステムであって、プロセッサと、プロセッサに結合され、コンピュータシステムによって実行された場合、コンピュータシステムに、フィードフォワードを実施し、ダブルパターニングプロセスで形成されたフィーチャに関連するコア限界寸法を制御するための方法を実行させる命令を格納したメモリとを含むコンピュータシステムを開示する。方法は、ウエハ上のマンドレルの入来するADI寸法を測定することを含む。方法は、マンドレルの入来するADI寸法と所望のADI寸法との間の差を決定することを含む。方法は、エッチングプロセスステップの差およびエッチング速度に基づいてエッチングプロセスステップを実施し、入来するADI寸法に基づいてコアフィーチャの所望のADT寸法を達成するための時間を修正することを含み、コアフィーチャは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスの第1のパターニングプロセスを実施するときに形成される。方法は、SADPプロセスの第2のパターニングプロセスの変化を受け取ることを含む。方法は、第2のパターニングプロセスの変化に基づいて、コアフィーチャの上の酸化物層についての修正されたASD寸法を決定することを含む。方法は、原子層堆積(ALD)プロセスを実施するとき、ALDプロセスの堆積速度およびコアフィーチャの所望のADT寸法に基づいて修正されたASD寸法を達成するための堆積サイクル数を決定することを含む。
【0016】
これらおよび他の利点は、明細書全体および特許請求の範囲を読めば当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
実施形態は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【0018】
【
図1A】
図1Aは、本開示の一実施形態による、ウエハを処理し、例えば、ウエハ上に膜を形成するために使用される基板処理システムを示す図である。
【0019】
【
図1B】
図1Bは、本開示の一実施形態による、各ヒータゾーンが熱を提供するために個々に制御可能である、複数のヒータゾーンを含む静電チャックを示す図である。
【0020】
【
図2】
図2は、一実施形態による、4つの処理ステーションが設けられたマルチステーション処理ツールおよび/またはプロセスモジュールの上面図である。
【0021】
【
図3】
図3は、一実施形態による、インバウンドロードロックおよびアウトバウンドロードロックを有するマルチステーション処理ツールの一実施形態の概略図である。
【0022】
【
図4A】
図4Aは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4C】
図4Cは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4D】
図4Dは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4E】
図4Eは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4F】
図4Fは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4G】
図4Gは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【
図4H】
図4Hは、本開示の一実施形態による、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスを実施するときに多数の動作および/またはプロセスを受けるウエハの一部の垂直断面図である。
【0023】
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスの各ステップ中に導入される変動性を管理するために基板上で実施されるダブルパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワードおよびフィードバック制御を実施する目的で、1つまたは複数の感度係数を含む数学的モデルを生成するための方法を示すフロー図である。
【0024】
【
図6A】
図6Aは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスの1つまたは複数のステップ中に導入される変動性を管理するために基板上で実施されるダブルパターニングプロセスに対する自動化フィードバック制御の方法を示すフロー図である。
【0025】
【
図6B】
図6Bは、
図4A~
図4Hに示すものなど、ウエハに対してSADPプロセスを実施した後の複数の最終フィーチャの寸法分布(例えば、ラインCD)の不均一性を示す図である。
【0026】
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスの1つまたは複数のステップ中に導入される変動性を管理するために基板上で実施されるダブルパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワード制御の方法を示すフロー図である。
【0027】
【
図8A】
図8Aは、本開示の実施形態による、マルチパターニングプロセスを実施するときにESCおよび/または台座に対してフィードバックおよび/またはフィードフォワード制御を実施するためのワークフローを示す
図800Aである。
【0028】
【
図8B】
図8Bは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスに対するフィードバック制御を実施するときに使用する温度に対するトリム感度を決定するための、2つの異なる定常状態温度条件についてのエッチングおよび/またはトリムプロセスの温度プロファイル展開を示す
図800Bである。
【0029】
【
図8C】
図8Cは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスに対するフィードバック制御を実施するときに使用する時間に対するトリム感度を決定するための、2つの異なる時間制約の下で動作する定常状態温度条件についてのエッチングおよび/またはトリムプロセスの温度プロファイル展開を示す
図800Cである。
【0030】
【
図8D】
図8Dは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスに対するフィードバック制御を実施するときに使用する温度に対する堆積感度を決定するための、2つの異なる定常状態温度条件について実施される堆積プロセスの堆積速度を示す
図800Dである。
【0031】
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態による、上述のシステムを制御するための制御モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細な説明は、例示の目的で多くの具体的な詳細を含むが、当業者は、以下の詳細に対する多くの変形および変更が本開示の範囲内であることを理解するであろう。したがって、以下に説明する本開示の態様は、この説明に続く特許請求の範囲に対する一般性を失うことなく、また限定を課すことなく記載されている。
【0033】
一般的に言えば、本開示の様々な実施形態は、マルチパターニングプロセスの各ステップ中に導入される変動性を管理するために、基板上で実施されるダブルパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御を提供するシステムおよび方法を説明する。また、フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御は、制御シーケンスの自動化を実施するための数学的フレームワークを含む。さらに、本開示の実施形態は、数学的フレームワークを実装するための過渡ソルバを含む。例えば、フィードフォワードおよびフィードバック制御を手動で実施する代わりに、自動化フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御は、本開示の実施形態では、パターニングプロセスのステップで導入された変動性を補正することによって基板全体の変動を最小限に抑える局所的な微調節、ならびに入来するパターンの不均一性の補正のために使用することができる。例えば、自動化フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御は、ダブルパターニングプロセスが入来する光CD(限界寸法)のあらゆる変化、またはドライエッチングについてのラインにおける変動を考慮するために重要である。その結果、自動化フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御は、マルチパターニングプロセスを伴うプレステップまたはポストステップにおけるあらゆる変化についてグリーン-グリーン間の時間を改善する。自動化の結果として、フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御を使用して、CDおよびCDNU(限界寸法の不均一性)の変動を最小限に抑えることができ、反復の追加コストを節約し、パターニングプロセスを実施するときにプロセス変化を行う柔軟性を与える。
【0034】
自動化および/またはフィードバック制御の実施は、明細書全体を通してダブルパターニングプロセスを使用して説明されるが、自動化および/またはフィードバック制御のために本明細書で説明される技法は、クアドラプルパターニングプロセスなどの任意のマルチパターニングプロセスで使用することができることが理解される。
【0035】
本開示の実施形態は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムで使用され、電気めっき、電気エッチング、電解研磨、電気化学的機械研磨、堆積、ウェット堆積、およびシリコン貫通ビア(TSV)プロセスなどのプロセスを含むものなどのプラズマプロセスモジュールに関する。さらに、本開示の実施形態は、本明細書で提供される例に限定されず、異なる構成、幾何学的形状、およびプラズマ生成技術を用いる異なるプラズマ処理システム(例えば、誘導結合システム、容量結合システム、電子サイクロトロン共鳴システム、マイクロ波システムなど)で実践されてもよい。プラズマ処理システムおよびプラズマプロセスモジュールの例は、同一所有者の米国特許第8,862,855号、第8,847,495号、および第8,485,128号、ならびに米国特許出願番号第15/369,110号に開示されており、上記の開示はすべて、参照によりその全体が組み込まれる。本開示の実施形態のプラズマプロセスモジュールは、基板を支持するように構成された、静電チャック(ESC)を有するまたは有さない構成の台座を含み、台座および/またはESCは、プロセスを実施するときに熱を基板に伝達するために使用される1つまたは複数のヒータゾーンを含むことができる。一般に、加熱アセンブリは、基板を処理するために使用されるリアクタ、チャンバ、プロセスモジュールなどに実装され得るシャワーヘッド、ESC、支持チャック、台座、チャンバ構成要素、または他の構造もしくは構成要素を含み得る。
【0036】
明細書全体を通して、本明細書で使用される「基板」という用語は、本開示の実施形態における半導体ウエハを指す。しかし、他の実施形態では、基板という用語は、サファイア、GaN、GaAs、もしくはSiC、または他の基板材料で形成された基板を指すことができ、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマー材料などを含むことができることを理解されたい。また、様々な実施形態において、本明細書で言及される基材は、形態、形状、および/またはサイズが異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板は、200mm(ミリメートル)の半導体ウエハ、300mmの半導体ウエハ、または450mmの半導体ウエハに対応し得る。また、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板は、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板などの非円形基板に対応することができ、他の形状を含んでもよい。
【0037】
様々な実施形態の上記の一般的な理解により、次に実施形態の例示的な詳細が様々な図面を参照して説明される。1つまたは複数の図において同様に番号付けされた要素および/または構成要素は、一般に、同じ構成および/または機能を有することを意図している。さらに、図は一定の縮尺で描かれていない場合があるが、新規の概念を示し強調することを意図している。本実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができることが明らかであろう。他の例では、本実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0038】
図1Aは、ウェット(例えば、化学)およびドライ(例えば、プラズマ)エッチングならびに原子層堆積(ALD)プロセスなどの堆積プロセスを含む、マルチパターニングプロセスで形成されるものなどの基板の上に膜を堆積するために使用され得るリアクタシステム100を示している。これらのリアクタは、1つまたは複数のヒータを利用することができ、均一性またはカスタム設定のために温度を制御するために、共通の端子構成をこの例示的なリアクタで使用することができる。より具体的には、
図1Aは、ウエハ101を処理するために使用される基板処理システム100を示している。システムは、下部チャンバ部分102bおよび上部チャンバ部分102aを有するチャンバ102を含む。中央コラム160が、台座140を支持するように構成され、台座140は、一実施形態では電力供給電極である。台座140は、整合ネットワーク106を介してRF電源104に電気的に結合される。RF電源104は、制御モジュール110、例えば、コントローラによって制御される。制御モジュール110は、プロセス入力および制御108を実行することによって基板処理システム100を動作させるように構成される。プロセス入力および制御108は、電力レベル、タイミングパラメータ、プロセスガス、ウエハ101の機械的移動など、例えばウエハ101の上に膜を堆積または形成するためのプロセスレシピを含むことができる。
【0039】
本開示の実施形態は、プラズマが生成されるプラズマ処理環境に曝露されている間、基板101を保持するように構成された静電チャック(ESC)145を有するまたは有さない台座140を含む。台座140および/またはESC145は、
図1Bでさらに説明するように、リアクタシステム100内で処理動作を実施するときに個々に制御可能な1つまたは複数のヒータゾーンを含むことができる。
【0040】
中央コラム160はまた、リフトピン(図示せず)を含み、その各々は、リフトピン制御122によって制御される対応するリフトピン作動リング120によって作動される。リフトピンは、台座140からウエハ101を上昇させ、エンドエフェクタがウエハを持ち上げ、エンドエフェクタによって載置された後にウエハ101を下降させることを可能にするために使用される。基板処理システム100は、プロセスガス114、例えば、設備からのガス化学物質供給に接続されたガス供給マニホールド112をさらに含む。実施される処理に応じて、制御モジュール110は、ガス供給マニホールド112、チャンバ圧力、1つまたは複数のRF電源からのRF電力の生成、排気ポンプなどを介したプロセスガス114の送給を制御する。次に、選択されたガスは、シャワーヘッド150に流入し、ウエハ101に面するシャワーヘッド150の面と台座140の上に存在するウエハ101との間に画定される空間容積に分配される。ALDプロセスでは、ガスは、吸収、または吸収された反応剤との反応のために選択された反応剤であり得る。
【0041】
さらに、ガスは、予め混合されていてもいなくてもよい。プロセスの堆積およびプラズマ処置段階中に正しいガスが送給されることを確実にするために、適切な弁調節および質量流量制御機構を用いることができる。プロセスガスは、出口を介してチャンバを出る。真空ポンプ(例えば、1段または2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ)がプロセスガスを引き出し、スロットル弁または振り子弁などの閉ループ制御流量制限デバイスによってリアクタ内を適切に低い圧力に維持する。
【0042】
台座140の外側領域を取り囲むキャリアリング175も示されている。キャリアリング175は、台座140の中心にあるウエハ支持領域から一段下がったキャリアリング支持領域の上に位置するように構成される。キャリアリングは、そのディスク構造の外縁側、例えば、外半径、およびそのディスク構造のウエハ縁側、例えば、ウエハ101が着座する場所に最も近い内半径を含む。キャリアリングのウエハ縁側は、キャリアリング175がスパイダフォーク180によって持ち上げられるときにウエハ101を持ち上げるように構成された複数の接触支持構造を含む。したがって、キャリアリング175は、ウエハ101と共に持ち上げられ、例えば、マルチステーションシステム内の別のステーションに回転させることができる。他の実施形態では、チャンバは、単一のステーションチャンバである。
【0043】
さらに、ヒータ温度コントローラ105は、ESC145を有するまたは有さない構成の台座140の1つまたは複数のヒータゾーンの温度を制御するように構成され、ヒータゾーンは、台座および/またはESC内に位置することができる。ヒータゾーンは、基板の処理中、ESC145の有無にかかわらず台座140の表面温度の正確な制御を可能にするために使用される。制御可能な複数のヒータゾーンは、ESC145の有無にかかわらず台座140の温度プロファイル(例えば、半径方向プロファイル、方位角プロファイルなど)を調節し、マルチパターニングプロセスのステップ中に導入される変動性を補償する能力を提供する。例えば、変動性は、変化する環境条件(例えば、異なるプロセスステップ間で変化する熱損失条件、熱伝達条件など)によって引き起こされる可能性がある。ESC145を有するまたは有さない構成の台座140の1つまたは複数のヒータゾーンの温度の制御は、ヒータコントローラ105およびコントローラ110によって、各々単独でまたは組み合わせて実施することができることが理解される。
【0044】
図1Bは、本開示の一実施形態による、各ヒータゾーンが熱を提供するために個々に制御可能である、複数のヒータゾーンを含むマルチゾーン加熱システムとして構成された台座140Aを示している。台座140Aの上面は、処理中に基板101を支持するように構成された領域を含むことができる。別の実施形態では、ヒータゾーンは、台座140の最上層であり得るESC内に構成され得、ESCは、ベースプレート、ベースプレートの上に配置された結合層、および結合層の上に配置されたセラミック層を含むことができる。簡単かつ明瞭にする目的で、以下では台座内のヒータゾーンについて説明するが、ヒータゾーンは、様々な実施形態において台座および/またはESC内に位置し得ることが理解される。
【0045】
例示の目的で、ESCを有するまたは有さない構成の台座140A内の各ヒータゾーンは、一実施形態では、ヒータコントローラ105および/またはコントローラ110によって制御される1つまたは複数のヒータトレース(例えば、抵抗要素)によって加熱され得る。例えば、ヒータゾーンの各々は、対応するヒータトレースに供給される電力(例えば、対応するヒータ電源(図示せず)を通して供給される電力)を制御するためのコントローラに電気的に結合されたヒータトレース(例えば、抵抗要素)を含み得る。ヒータトレースの各々は、対応するヒータゾーンに一体化または埋め込むことができ、熱を対応するヒータゾーンに提供するように構成される。例えば、ヒータトレースは、台座140Aおよび/またはESCの層のうちの1つの内部に製作および形成され、ヒータトレースが層の内部に配置されるようにすることができる。したがって、ヒータトレースによって生成された熱は、台座140Aおよび/またはESCの層に伝達され、さらに、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aの表面に伝達され得る。
【0046】
図1Bに示す、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aのマルチゾーン加熱システムは一例にすぎず、様々なレイアウト構成がサポートされ得ることを理解されたい。例えば、ヒータゾーンのレイアウト構成(例えば、グリッドパターン)は、対称、非対称、グリッドパターン全体に均一に分布したもの、グリッドパターン全体に不均一に分布したもの、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aの輪郭内に収まる様々な形状のものなどであり得る。例えば、内側ゾーン、中間ゾーン、および外側ゾーンを含む3つのヒータゾーンシステムなど、1つまたは複数のヒータゾーンを有する加熱システムを設けることができる。ヒータゾーンの数はシステム間で異なり、例として1~5の番号のヒータゾーンを含むか、または5~10、または5~15、または5を超えるヒータゾーン、または10を超えるヒータゾーン、または20を超えるヒータゾーン、または50を超えるヒータゾーン、または75を超えるヒータゾーン、または100を超えるヒータゾーン、または125を超えるヒータゾーン、または150を超えるヒータゾーンの番号のヒータゾーンを含んでもよい。さらに他の例では、ヒータゾーンは、層にグループ化することができ、複数のヒータゾーンの1つのセットは、1つの水平層にあり、少なくとも1つの他の層は、複数のヒータゾーンの別のセットを含む。他の実施形態では、ヒータゾーンは、パイ形状、円形に配向された加熱円、個々の抵抗要素のグリッド、ジグザグ抵抗要素、単一の抵抗要素など、様々な構成で配向させることができる。実施形態の例示として、いくつかのレイアウト構成は、複数のゾーンのための抵抗要素の連続的な円形リングを提供することができる。
【0047】
純粋に説明のために、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aは、1~10までの10個のヒータゾーンを含む。ヒータゾーンは、半径方向および/または方位角パラメータによって画定することができる。例えば、台座140Aは、半径181、半径182、半径183、および半径184を含む1つまたは複数の半径によって分割され得る。加えて、台座140Aは、方位角191~198を含む1つまたは複数の方位角によって分割され得る。
図1Bに示すように、ゾーン1は半径方向ゾーンであり、半径181以下の半径に位置する。ゾーン2も半径方向ゾーンであり、半径181と182との間に位置する。ゾーン3~6は、半径182および183によって画定された半径方向ゾーン内に位置し、各々が異なる方位角の間にある。例えば、上で画定された半径方向ゾーン内において、ゾーン3は方位角191と192との間に位置し、ゾーン4は方位角192と193との間に位置し、ゾーン5は方位角193と195との間に位置し、ゾーン6は方位角191と194との間に位置する。さらに、ゾーン7~10は、半径183および半径184によって画定された半径方向ゾーン内に位置し、各々が異なる方位角の間にある。例えば、上で画定された半径方向ゾーン内において、ゾーン7は方位角195と198との間に位置し、ゾーン8は方位角197と198との間に位置し、ゾーン9は方位角196と197との間に位置し、ゾーン10は方位角195と196との間に位置する。
【0048】
一実施形態では、マルチゾーン加熱システムが、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aの1つの層に設けられ、ゾーンは、1つまたは複数のグリッドパターンで配置される。グリッド内の要素の各々は、熱を提供するために個々に制御可能である。ESCを有するまたは有さない台座140Aの1つの層に設けられたマルチゾーン加熱システムは、台座140A全体の熱の微調節を提供するように構成することができる。別の実施形態では、加熱システムは、ESCを有するまたは有さない台座140Aの複数の層にわたって分布させることができる。例えば、1つの層は、台座140Aに提供される熱の微調節を提供することができる。熱の微調節は、マルチゾーン加熱システムについて上述した加熱要素および/または加熱ゾーンのグリッドパターンにより提供され得る。加熱システムは、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aに加えられる熱の粗調節を提供するように構成された1つまたは複数の加熱ゾーンの別の層を含むことができる。例えば、粗調節は、デュアルヒータゾーン台座140A(例えば、2つのヒータゾーン)、トリヒータゾーン台座140A(例えば、3つのヒータゾーン)、またはクアドヒータゾーン台座140A(例えば、 4つのヒータゾーン)など、ESCを有するまたは有さない構成の台座140Aにわたって提供され得るヒータゾーンの1つまたは複数のリングによって実施され得る。
【0049】
図2は、4つの処理ステーションが設けられたマルチステーション処理ツールまたはプロセスモジュール110の上面図を示している。この上面図は、下部チャンバ部分102bのものであり(例えば、説明のために上部チャンバ部分が取り除かれている)、4つのステーションは、スパイダフォーク226によってアクセスされる。各スパイダフォークまたはフォークは、第1および第2のアームを含み、それらの各々は台座140の各側面の一部の周りに位置決めされる。この図では、スパイダフォーク226は、それらがキャリアリング200の下にあることを伝えるために破線で図示されている。スパイダフォーク226は、係合および回転機構220を使用して、同時にステーションから(すなわち、キャリアリング200の下面から)キャリアリング200を上昇させて持ち上げ、次にキャリアリング200(キャリアリングの少なくとも1つがウエハ101を支持する)を次の場所に下降させる前に少なくとも1つまたは複数のステーションを回転させるように構成され、それによりさらなるプラズマ処理、処置、および/または膜堆積をそれぞれのウエハ101上で行うことができる。
【0050】
図3は、インバウンドロードロック302およびアウトバウンドロードロック304を有するマルチステーション処理ツールまたはプロセスモジュール110の一実施形態の概略図を示す。ロボット131は、大気圧において、ポッド308を介してロードされたカセットから、大気圧ポート310を介してインバウンドロードロック302に基板を移動させるように構成される。インバウンドロードロック302は真空源(図示せず)に結合され、したがって大気圧ポート310が閉じている場合、インバウンドロードロック302をポンプダウンすることができる。インバウンドロードロック302はまた、処理チャンバ102bと連動するチャンバ搬送ポート316を含む。したがって、チャンバ搬送316が開かれると、別のロボット(真空移送モジュール190のロボット312など、図示せず)が、基板をインバウンドロードロック302から処理のために第1の処理ステーションの台座140に移動させることができる。
【0051】
図示の処理チャンバ102bは、
図3に示す実施形態において1から4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを備える。いくつかの実施形態では、処理チャンバ102bは、低圧環境を維持するように構成されてもよく、それにより基板は、真空破壊および/または空気曝露を受けることなく、プロセスステーション間でキャリアリング200を使用して移送され得る。
図3に図示される各プロセスステーションは、プロセスステーション基板ホルダ(ステーション1に対して318で示される)と、プロセスガス送給ライン入口とを含む。
【0052】
図3はまた、処理チャンバ102b内で基板を移送するためのスパイダフォーク226を図示する。スパイダフォーク226は回転し、1つのステーションから別のステーションへのウエハの移送を可能にする。移送は、スパイダフォーク226が外側下面からキャリアリング200を持ち上げることができるようにすることによって行われ、これによりウエハが持ち上げられ、ウエハとキャリヤが共に次のステーションまで回転する。一構成では、スパイダフォーク226は、処理中の高レベルの熱に耐えるようにセラミック材料から作製される。
【0053】
半導体ウエハ(以下、「ウエハ」)の製作において、コア材料の層をウエハ上に堆積させ、ウエハ上/ウエハ内の1つまたは複数の下地材料を処理する際のマスクとして使用するためにパターニングすることができる。様々な実施形態において、ウエハは、形態、形状、および/またはサイズが異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で言及されるウエハは、直径200mm(ミリメートル)の半導体ウエハ、直径300mmの半導体ウエハ、または直径450mmの半導体ウエハに対応し得る。また、いくつかの実施形態では、本明細書で言及されるウエハは、他の形状の中でも特に、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板などの非円形形状を有することができる。
【0054】
コア材料の層は、レチクルを通してフォトリソグラフィプロセスでウエハ上に透過する光のパターンに曝露され、それによりコア材料は、フィーチャの所定のパターンに展開することができ、コアフィーチャのいくつかは、限界寸法を有する。この文脈における限界寸法は、特定の製作プロセスで制御される最小寸法を指す。コアフィーチャの限界寸法は、コア材料の層をパターニングするために使用されるフォトリソグラフィプロセスの能力によって制御される。例えば、193ナノメートルの光に基づくフォトリソグラフィを使用するなど、標準的なフォトリソグラフィプロセスを使用してコアフィーチャの限界寸法を縮小することができる程度には、限界がある。限界寸法が小さすぎるコアフィーチャを形成しようとすると、標準的なフォトリソグラフィプロセスを使用してコア材料の層をパターニングする際に問題が発生する可能性がある。したがって、標準的なフォトリソグラフィプロセスは、コアフィーチャの限界寸法を小さくすることができる程度を効果的に制限する。しかし、フォトリソグラフィプロセスが正確に提供することができる最小限界寸法でコアフィーチャが形成されると、一連のエッチングプロセスを実施し、フォトリソグラフィでパターニングされたコアフィーチャに基づくフィーチャを有するマスクを形成することによって、コアフィーチャを使用してさらに小さな限界寸法のフィーチャを製作することが可能である。そのようなエッチングプロセスは、自己整合多重パターニング(SAMP)プロセスを含み、とりわけ、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスおよび自己整合クアドラプルパターニング(SAQP)プロセスを含むことができる。
【0055】
図4A~
図4Hは、いくつかの実施形態による、SADPプロセスで多数の動作を受けるウエハ101の一部の垂直断面図を示す。
図4A~
図4Cは、SADPプロセスにおける第1のパターニングを示し、
図4D~
図4Hは、SADPプロセスにおける第2のパターニングを示し、パターニングプロセスの各々は、異なるチャンバで実施され得る。
【0056】
図4Aは、1つまたは複数のフォトレジスト(PR)マンドレル403を形成するためにフォトリソグラフィが実施されるウエハ101の一部の垂直断面図を示す。特に、エッチングされる目標材料405の層は、ウエハ101の上、すなわち、ウエハ101の下地材料407の上に堆積される。コア1層401およびコア2層402などの1つまたは複数のコア材料層が、下地材料107の上に形成されてもよい。
【0057】
フォトレジスト(PR)層は、スピンコーティングプロセスなどによってコア2層402に適用することができる。フォトレジスト層は、フォトマスクを通して光(例えば、紫外光)または他の曝露放射に曝露され、これにより一部のフォトレジストが光に曝露される。リソグラフィは、保護されていないフォトレジストをエッチングすることができるように実施される。示すように、フォトレジストが現像され、曝露されたフォトレジストが除去され、それによってコア1層401上に形成されたPRマンドレル403のパターンが現れる。様々な実施形態において、フィーチャを画定するPRマンドレル403は、フォトレジスト材料または炭素材料、とりわけ、スピンオンカーボン、化学気相堆積(CVD)カーボン、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)カーボン、または流動性炭素混合物などで形成することができる。PRマンドレル403は各々、ウエハ101の底面412に実質的に平行な水平方向に測定された限界寸法ADIを有する。いくつかの場面では、パターニングされたPRマンドレル403は、コアマンドレル、またはエッチングおよび堆積プロセスのためにチャンバに導入される流入PRマンドレルと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、PRマンドレル403の限界寸法ADIは、フォトリソグラフィプロセスが正確に提供することができる最小サイズで製作することができる。
【0058】
図4Bは、PRマンドレル403のパターンを使用した、下地コア1層401へのマスクの転写を示す。特に、エッチングは、PRマンドレル403によって保護されていないコア1層401のエリアを等方的にエッチングすることができるように実施することができる。エッチングは、ウェット化学物質(例えば、ウェットエッチングプロセスにおける酸)を使用して実施することができる。エッチングプロセス中、コア1層401は横方向にトリミングされ、ウエハ101の底面412と実質的に平行な水平方向に測定された限界寸法ADTを有するコア1フィーチャ401Aを明らかにすることもできる。コア1フィーチャ401Aの限界寸法ADTは、PRマンドレル403の限界寸法ADIと等しいか、またはそれより小さくてもよい(すなわち、ADT=ADIまたはADT<ADI)。エッチングが完了すると、PRマンドレル403内のフォトレジストを剥がすことができ、それによってコア1フィーチャ401Aが所望のマスクパターンで明らかになる。
【0059】
図4Cでは、SADPプロセスにおける第1のパターニングは、コア1フィーチャ401の上へのマスク材料(例えば、酸化物材料)またはスペーサ1DEP415の共形堆積に続く。いくつかの実施形態では、マスク材料は、原子層堆積プロセスを使用して堆積される。マスク材料は、酸化物層がスペーサ1DEP415としてコア1フィーチャ401Aに適合するように選択的にエッチングされてもよく、コア2層402を明らかにするために、いくらかの間隔を空けてコア1フィーチャ401の間でマスク材料が除去されてもよい。共形スペーサ1DEP415は、ウエハ101の底面412に実質的に平行な水平方向に測定された限界寸法ASDによって画定される。
【0060】
図4Dでは、第1のパターニングプロセスは(例えば、第2のパターニングプロセスにおいて)、スペーサ1DEP415の上部が選択的にエッチングされてコア1フィーチャ401Aを明らかにするプラズマエッチングプロセスに続き、その後エッチングされる(例えば、コア1層401を引っ張る)。いくつかの実施形態では、プラズマエッチングプロセスは、別々のチャンバで実施される。マスク材料415の上部およびコア1フィーチャ401Aを除去するためのプラズマエッチングプロセスは、等方性または異方性エッチングプロセスであり得る。示すように、スペーサ1DEP415のサイドスペーサ415Aは、ウエハ101上に残り、コア2層402にフィーチャをプラズマエッチングするためのマスクとして使用される。いくつかの実施形態では、サイドスペーサ415Aは、正方形のスペーサである。
【0061】
図4Eは、下地コア2層402への(コア1層401の材料で形成された)サイドスペーサ415Aのパターンで形成されたマスクの転写を示す。特に、エッチングは、サイドスペーサ415Aによって保護されていないコア2層402のエリアを等方的にエッチングすることができるように実施することができる。また、コア2層は、エッチングプロセス中に横方向にトリミングすることができる。加えて、サイドスペーサ415Aもまた、選択的にエッチングすることができる。エッチングは、ドライエッチングプロセスを使用して(例えば、ドライプラズマ環境で)異方性方式(例えば、トップダウンエッチング)で実施することができる。示すように、トリミングされ得るコア2フィーチャ402Aは、ウエハ101上に残る。
【0062】
図4F、SADPプロセスにおける第2のパターニングは、コア2フィーチャ402A上へのスペーサ2DEP425(例えば、酸化物材料)の共形堆積に続く。いくつかの実施形態では、酸化物材料堆積層は、原子層堆積プロセスを使用して堆積される。堆積層は、酸化物層がスペーサ2DEP425としてコア2のフィーチャ402Aに適合するように選択的にエッチングされてもよい。
【0063】
図4Gでは、第2のパターニングプロセスは(例えば、第2のパターニングプロセスにおいて)、スペーサ2DEP425の上部が選択的にエッチングされてコア2フィーチャ402Aを明らかにするプラズマエッチングプロセスに続き、同じくエッチングおよびトリミングすることができる(例えば、コア2を引っ張る)。スペーサ2Dep425の上部およびコア2フィーチャ402Aを除去するためのプラズマエッチングプロセスは、材料を除去するように定義された等方性または異方性エッチングプロセスであり得る。示すように、スペーサ2DEP425のサイドスペーサ425Aは、ウエハ101上に残り、目標材料405にフィーチャをプラズマエッチングするためのマスクとして使用される。
【0064】
図4Hは、最終フィーチャ405Aを形成するための最終プラズマエッチングプロセス後のウエハ101の一部の垂直断面図を示し、下地目標材料405への(コア2層402の材料で形成された)サイドスペーサ425Aのパターンで形成されたマスクの転写を示す。特に、エッチングは、サイドスペーサ425Aによって保護されていない目標材料405のエリアを等方的にエッチングすることができるように実施することができる。また、目標材料405は、エッチングプロセス中に横方向にトリミングすることができる。加えて、サイドスペーサ425Aもまた、選択的にエッチングすることができる。エッチングは、ドライエッチングプロセスを使用して(例えば、ドライプラズマ環境で)等方性または異方性方式(例えば、トップダウンエッチング)で実施することができる。示すように、最終フィーチャ405Aは、ウエハ101上に残る。
【0065】
最終フィーチャ405Aの限界寸法は、ウエハ101の底面412に実質的に平行な水平方向で測定されるライン幅または「ラインCD」によって定義され得る。最終フィーチャ405A間の間隔は、複数の要因に依存する。例えば、異なる最終フィーチャ405A間の間隔の変動は、コア1フィーチャ401A、コア2フィーチャ402A、サイドスペーサ415A、およびサイドスペーサ425Aの形成に依存し得る。最終フィーチャ405A間の間隔は、均一であることが望ましい場合がある。また、最終フィーチャ405Aのライン幅またはラインCDがウエハ101全体で均一であることが望ましい場合もある。ウエハ全体にわたる最終フィーチャ405AのラインCD間の変動は、限界寸法の不均一性(CDNU)と呼ばれる。ウエハ101全体において、CDNUを最小限に抑えることが望ましい。CDNUは、ウエハ101上に形成されたいくつかのダイについてのデバイス故障、および/または同じウエハまたは異なるウエハ上に形成された異なるダイについてのデバイス性能の変動につながる可能性がある。本開示の実施形態は、導入された変動性を管理する(例えば、CDNUを最小限に抑える)ために、ダブルパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御の実施を提供する。
【0066】
図5は、本開示の一実施形態による、基板上で実施されるマルチパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワードおよび/またはフィードバック制御を実施し、マルチパターニングプロセスの各ステップ中に導入される変動性を管理する目的で、1つまたは複数の感度係数を含む数学的モデルを生成するための方法を示すフロー図である。例えば、数学的モデルは、プロセスの変動性によって引き起こされる可能性があるマルチパターニングプロセスの出力(例えば、ウエハ上の最終フィーチャの寸法)の変動を決定することによって、フィードバック制御に使用することができる。別の例では、数学的モデルは、出力(例えば、ウエハ上の最終フィーチャの寸法)が目標を達成するようにマルチパターニングプロセスを実施しながら、プロセスステップについての入力変数の変動(例えば、所望の寸法からの入来するPRマンドレルの寸法の変動)を調整することによってフィードフォワード制御に使用され得る。
【0067】
数学的モデルは、温度および時間に対するフィーチャ寸法(例えば、最終フィーチャ、トリム、堆積の寸法)の感度を提供する1つまたは複数の感度係数を含む。これらの感度係数は、プロセス変動または外乱の測定などの経験的試験を通じて決定することができる。
【0068】
510において、方法は、第1の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することを含み、第1の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成する。テストウエハは、ブランケットウエハおよび/またはトポグラフィウエハ(例えば、フィーチャを有する)であってもよい。例えば、一連のプロセスステップは、ウエハ上で実施されるマルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)に含まれてもよく、少なくとも1つのプロセスステップ(例えば、SADPプロセスの第1のパターニング)を含む。一連のプロセスステップにおける第1のプロセスステップは、第1のプロセス条件下で実施される。520において、方法は、第2の複数のテストウエハに対して一連のプロセスステップを実施することを含み、第2の複数のテストウエハの各々は、複数のフィーチャを形成する。より具体的には、第1のプロセスステップは、第2のプロセス条件下で実施される。
【0069】
そのようにして、一連のプロセスステップ内の中間位置で、または一連のプロセスステップの実施の最後に決定された(例えば、測定された)第1および第2の複数のテストウエハ間の変動を使用して1つまたは複数の感度係数を生成し、例えば、数学的モデルを構築することができる。特に、530において、方法は、第1の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第1の寸法を測定することを含む。また、540において、方法は、第2の複数のテストウエハ上に位置する複数のフィーチャの第2の寸法を測定することを含む。第1または第2の寸法の測定は、それぞれの複数のテストウエハ上の複数のフィーチャの各々を測定し、複数の寸法を決定することによって達成され得る。複数の寸法の平均が、第1または第2の寸法になる。複数のフィーチャは、一連のプロセスステップの中間点または最後に測定することができる。
【0070】
550において、方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての感度係数を決定することを含む。一実施形態では、感度係数は、第1のプロセス条件と第2のプロセス条件との間の差、および第1の寸法と第2の寸法との間の差に基づく。
【0071】
一実施形態では、第1のプロセス条件は、台座の第1の温度および/または台座のESCであり、台座は、ウエハ支持用に構成される。第1のプロセスステップは、エッチングプロセスステップであり得、エッチングプロセスは、トリムプロセスを含み得る。この場合、第2のプロセス条件は、台座および/またはESCの第2の温度である。上記を考慮すると、感度係数は、複数のフィーチャの寸法の変化、ならびにESCおよび/または台座の温度の変化に関連するトリム感度係数であり得る。一実施形態では、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、温度に対するエッチングおよび/またはトリムプロセス(第1のプロセスステップとして)の感度を示すことができる。別の実施形態では、寸法は、マルチパターニングプロセス中に形成された中間フィーチャから決定される。
【0072】
別の実施形態では、第1のプロセス条件は、第1のプロセスステップとしてエッチングプロセスステップを実施するための第1の期間であり、エッチングプロセスは、トリムプロセスを含み得る。第2のプロセス条件は、エッチングおよび/またはトリムプロセスステップを実施するための第2の期間である。上記を考慮すると、感度係数は、エッチングおよび/またはトリムプロセスステップを実施する際の複数のフィーチャの寸法の変化、ならびに時間の変化に関連するトリム感度係数であり得る。一実施形態では、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、時間に対するエッチングおよび/またはトリムプロセス(第1のプロセスステップとして)の感度を示すことができる。別の実施形態では、寸法は、マルチパターニングプロセス中に形成された中間フィーチャから決定される。
【0073】
別の実施形態では、第1のプロセス条件は、ウエハ支持用に構成されたESCおよび/または台座の第1の温度である。第1のプロセスステップは、堆積ステップであり得る。第2のプロセス条件は、ESCおよび/または台座の第2の温度である。上記を考慮すると、感度係数は、複数のフィーチャの寸法の変化、ならびにESCおよび/または台座の温度の変化に関連する堆積感度係数であり得る。一実施形態では、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、温度に対する堆積プロセス(第1のプロセスステップとして)の感度を示すことができる。別の実施形態では、寸法は、マルチパターニングプロセス中に形成された中間フィーチャから決定される。
【0074】
さらに別の実施形態では、第1のプロセス条件は、第1のプロセスステップである堆積ステップ(例えば、ALD)の第1のサイクル数である。第2のプロセス条件は、堆積ステップの第2のサイクル数である。上記を考慮すると、感度係数は、第1のプロセスステップとして堆積プロセスステップを実施するときの複数のフィーチャの寸法の変化、および原子層堆積サイクル数の変化に関連する堆積感度係数である。一実施形態では、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、温度に対する堆積プロセス(第1のプロセスステップとして)の感度を示すことができる。別の実施形態では、寸法は、マルチパターニングプロセス中に形成された中間フィーチャから決定される。
【0075】
図6Aは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスの1つまたは複数のステップ中に導入される変動性を管理するために基板上で実施されるマルチパターニングプロセスに対する自動化フィードバック制御の方法を示すフロー
図600Aである。例えば、マルチパターニングプロセスは、自己整合ダブルパターニングプロセスであってもよい。フィードバック制御は、マルチパターニングプロセスを実施した後にウエハ上に形成された最終フィーチャの寸法を観察することを伴い、1つまたは複数のプロセスを調整し、後続のウエハ上の目標または所望の寸法からのそれらの寸法の変動を補正する。
【0076】
一実施形態では、マルチパターニングプロセスは、SADPプロセスである。フィードバック制御は、SADPプロセスの第1のパターニング時に適用され、トリムプロセスを含み得るウェットエッチングプロセスおよび堆積プロセスを含む。SADPプロセスにおける第1のパターニングは第1のチャンバで実施され、SADPプロセスにおける第2のパターニングは第2のチャンバで実施される。フィードバック制御を実施し、第1のチャンバで実施される第1のパターニングにおけるプロセスを調節することができる。
【0077】
610において、方法は、ウエハに対して一連のプロセスステップを実施して複数のフィーチャを得ることを含み、プロセスステップは、プロセス条件下で実施される。例えば、一連のプロセスステップは、SADPプロセスなどのマルチパターニングプロセスであってもよい。プロセスステップは、SADPプロセスの第1のパターニング内に含めることができる。また、フィーチャは、
図4Hの最終フィーチャ405Aなど、一連のプロセスステップの最後に形成された最終フィーチャであってもよい。
【0078】
620において、方法は、一連のプロセスステップを実施した後に複数のフィーチャの寸法を測定することを含む。特に、複数のフィーチャの寸法の各々が測定され、複数の寸法を得る。寸法は、SADPプロセスなどの一連のプロセスステップを終了した後に形成された最終フィーチャから測定することができる。例えば、寸法は、
図4Hの最終フィーチャ405AのラインCDであってもよい。
複数の寸法の平均が、複数のフィーチャの寸法になる。
【0079】
630において、方法は、複数のフィーチャについての測定される寸法と目標寸法との間の差を決定することを含む。例えば、目標寸法は、SADPプロセスにより形成された最終フィーチャ405Aの顧客指定のラインCDであってもよい。
【0080】
フィードバック制御を使用して、マルチパターニング(例えば、SADP)プロセスの第1のパターニングにおける少なくとも1つのプロセスステップを調整し、後続のウエハが目標寸法に一致する最終フィーチャの寸法を達成することができるようにする。特に、640において、方法は、寸法の変化およびプロセス条件の変化に関連する複数のフィーチャについての差および感度係数に基づいて、プロセスステップについてのプロセス条件を修正することを含む。前述のように、感度係数は、出力の変動(たとえば、ウエハ上の最終フィーチャの寸法)をプロセスの変動性に関連付けるために使用される数学的モデルであり得る。そのようにして、出力の変動を考慮すると、目標寸法を有する出力を達成するために、プロセス条件の変化を感度係数から決定することができる。したがって、修正されたプロセスステップを含む一連のプロセスステップが別の少なくとも1つの後続のウエハに対して実施され、それにより後続のウエハが目標寸法である最終フィーチャの寸法を達成する。
【0081】
一実施形態では、プロセス条件は、ウエハ支持用に構成されたESCおよび/または台座の温度である。例えば、プロセス条件は、ESCおよび/または台座の1つまたは複数のヒータゾーンに適用される1つまたは複数の温度であり得る。プロセスステップは、トリムプロセスを含み得るエッチングプロセスステップであり得る。その場合、感度係数は、複数のフィーチャの寸法の変化、ならびにESCおよび/もしくは台座の温度変化、またはESCおよび/もしくは台座内のヒータゾーンの温度変化に関連するトリム感度係数であってもよい。すなわち、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、温度に対するエッチングおよび/またはトリムプロセスの感度を示す。したがって、温度は、後続のウエハのエッチングプロセスステップを実施するときに修正することができる。
【0082】
別の実施形態では、プロセス条件は、ウエハ支持用に構成されたESCおよび/または台座の温度である。例えば、プロセス条件は、ESCおよび/または台座の1つまたは複数のヒータゾーンに適用される1つまたは複数の温度であり得る。プロセスステップは、堆積ステップであり得る。その場合、感度係数は、複数のフィーチャの寸法の変化、ならびにESCおよび/もしくは台座の温度変化、またはESCおよび/もしくは台座の1つまたは複数のヒータゾーンの温度変化に関連する堆積感度係数であってもよい。すなわち、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、温度に対する堆積プロセスの感度を示し得る。したがって、温度は、後続のウエハの堆積プロセスステップを実施するときに(例えば、1つまたは複数のヒータゾーンについて)修正することができる。さらに別の実施形態では、プロセスステップは、トリムプロセスおよび堆積ステップを含むことができるエッチングプロセスステップの組み合わせであり得る。その場合、感度係数は、最終フィーチャから決定される寸法に変換されるエッチングプロセスと堆積プロセスの両方の感度を示し、感度係数は、複数のフィーチャの寸法の変化、およびESCおよび/または台座の温度の変化に関連する。したがって、定常状態温度は、後続のウエハのエッチングおよび堆積プロセスステップを実施するときに修正することができる。
【0083】
一実施形態では、プロセス条件は、プロセスステップを実施するための時間であり、プロセスステップは、トリムプロセスを含み得るエッチングプロセスである。その場合、感度係数は、エッチングプロセスを実施する際の複数のフィーチャの寸法の変化および時間の変化に関連するトリム感度係数であり得る。すなわち、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定される寸法に変換される、時間に対するエッチングおよび/またはトリムプロセスの感度を示す。したがって、エッチングおよび/またはトリムプロセスを実施するための期間は、後続のウエハで修正することができる。
【0084】
別の実施形態では、プロセス条件は、プロセスステップである堆積ステップのサイクル数である。その場合、感度係数は、堆積ステップを実施するときの複数のフィーチャの寸法の変化、および原子層堆積サイクル数の変化に関連する堆積感度係数であり得る。したがって、ALDサイクル数は、後続のウエハ上で修正することができる。別の場合では、堆積感度係数は、堆積ステップを実施する際の複数のフィーチャの寸法の変化、および全体的な期間の変化に関連する。したがって、堆積を実施するための全体の期間は、後続のウエハで修正することができる。
【0085】
図6Bは、
図4A~
図4Hに示すものなど、ウエハに対してSADPプロセスを実施した後の複数の最終フィーチャの寸法分布(例えば、ラインCD)の不均一性を示している。例えば、SADPプロセスは、そのヒータゾーンの各々にわたって摂氏50度の温度を有する台座上に載置されたウエハに対して実施される。示すように、外側半径方向ゾーン660における最終フィーチャのラインCDの寸法は、約192オングストロームである。また、内側半径方向ゾーン650における最終フィーチャのラインCDの寸法は、約194オングストロームである。すなわち、ウエハ上の最終フィーチャは、ラインCDに対して寸法のドーム型分布を有し、内側半径方向ゾーン650における最終フィーチャは、外側半径方向ゾーン660における最終フィーチャよりも広い。約2オングストロームの差が、内側および外側半径方向ゾーンに位置する最終フィーチャのラインCDの寸法間に存在する。例えば、トリム感度係数を選択してフィードバック制御を提供することができ、それにより例えば、外側半径方向ゾーン660に見られるものと同様の寸法を有するウエハ全体にわたる平坦なプロファイルを達成することが望まれる場合、温度の変化が内側半径方向ゾーン650に対応する1つまたは複数のヒータゾーンに適用される。したがって、修正された温度が1つまたは複数のヒータゾーンに適用されて内側半径方向ゾーン650の寸法を縮小し(例えば、2オングストロームだけ)、それによりウエハ全体にわたる最終フィーチャに対するラインCDの寸法は、平坦である(例えば、寸法は、ウエハ全体で約192オングストロームである)。前述のように、感度係数は、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定されるラインCDの寸法に変換される、温度に対するエッチングおよび/またはトリムプロセスの感度を示す。トリム感度係数は、式1で定義される。
【数1】
【0086】
図7は、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスの1つまたは複数のステップ中に導入される変動性を管理するために基板上で実施されるマルチパターニングプロセスに対する自動化フィードフォワード制御の方法を示すフロー図である。フィードフォワード制御は、独自のハードウェア技術と組み合わせて高度なソフトウェアアルゴリズムを用いて、制御パラメータおよび/またはプロセス条件の変動性を補正することによってウエハ全体の変動を最小限に抑える局所的な微調節を可能にする。例えば、フィードフォワード制御は、ウエハ上で実施されるマルチパターニングプロセスのプロセスの1つの制御パラメータを測定および/もしくは決定すること、ならびに所望の値からのその制御パラメータの変動性に応答して、そのウエハについてのマルチパターニングプロセスの出力(例えば、ウエハの最終ラインCD寸法)に対するその変動性の影響を低減することを伴う。フィードフォワード制御は、特定のウエハのマルチパターニングプロセスの出力に対する制御パラメータの変動性の影響を正確に予測する数学的モデルを必要とする。特に、フィードフォワード制御の場合、SADPプロセスにおけるプロセスステップのプロセス条件に対して行われる修正は、プロセスの知識に基づく。
【0087】
フィードフォワードシステムでは、制御パラメータの変動性の考慮は、感度係数を含む数学的モデルの形態でのマルチパターニングプロセスにおけるプロセスに関する知識、およびプロセス変化に関する知識または測定値に基づく。一実施形態では、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャの限界寸法は、所望の寸法である。別の実施形態では、最終フィーチャの限界寸法は、所望のものとは異なる場合がある。
【0088】
一実施形態では、マルチパターニングプロセスは、SADPプロセスである。フィードフォワード制御は、SADPプロセスの第1のパターニングで適用され、トリムプロセスを含み得るウェットエッチングプロセスおよび堆積プロセスを含み得る。SADPプロセスにおける第1のパターニングは第1のチャンバで実施され、SADPプロセスにおける第2のパターニングは第2のチャンバで実施される。フィードフォワード制御を実施し、第1のチャンバで実施される第1のパターニングにおけるプロセスを調節することができる。
【0089】
710において、方法は、ウエハ上のマンドレルの入来するADI寸法を測定することを含む。特に、入来するウエハ上の複数のPRマンドレルのADI寸法を測定することができ、ウエハは、SADPプロセスの第1のパターニングを実施するように構成されたチャンバに導入される。ADI寸法の平均をとって、代表的なマンドレルの入来するADI寸法を決定することができ、入来するADI寸法は、フィードフォワード制御に使用される。例えば、
図4Aは、PRマンドレル403のADI寸法を示している。
【0090】
SADPプロセスの場合、SADPプロセスのステップを実施するときに導入される変動性を最小限に抑えるPRマンドレルの所望の入来するADI寸法が存在する。720において、方法は、マンドレルの入来するADI寸法と所望のADI寸法との間の差を決定することを含み、差は、変動性である。所望のADI寸法からのPRマンドレルの入来するADI寸法のいかなる差または変動性も、入来するADI寸法が所望のADI寸法であることをプロセス条件の基礎とするSADPプロセスの後続のステップに影響を与える。本開示の実施形態は、入来するADI寸法の変動性を考慮して、SADPプロセスに対するその変動性の影響を低減することができる(例えば、SADPプロセスの実施中に形成されるフィーチャのラインCD寸法が所望の寸法と同様になるように)。例えば、変動性は、所望のADI寸法からの入来するADI寸法の増加を含み得るか、または変動性は、所望のADI限界寸法からの入来するADI限界寸法の減少を含み得る。それに応じて、SADPプロセスの第1のパターニングにおけるプロセス条件の変化は、PRマンドレルの入来するADI寸法の変動性を考慮するために、フィードフォワード制御によって実施され得る。
【0091】
730において、方法は、所望のADI寸法からのPRマンドレルの入来するADI寸法の差または変動性およびエッチングプロセスステップのエッチング速度に基づいて、エッチングプロセスステップを実施するための時間を修正することを含み、エッチングプロセスステップは、トリムプロセスステップを含むことができる。例えば、エッチング速度は、ADI限界寸法の変化および時間の変化(例えば、単位時間当たりおよび所与の温度)に関連する感度係数に基づくことができる。時間の修正は、入来するADI寸法に基づいてコアフィーチャの所望のADT寸法を達成するために実施される。コアフィーチャは、自己整合ダブルパターニング(SADP)プロセスの第1のパターニングプロセスを実施する際に形成される。
【0092】
例えば、320オングストロームの入来するADI寸法は、300オングストロームの所望のADI限界寸法よりも大きい場合がある。
図4Bは、ADT限界寸法を有するコア1フィーチャ401Aを形成するためのウェットエッチングおよびトリムプロセスの実施を示している。入来するADI限界寸法の変動性のために、入来するADI限界寸法に変動性がない(すなわち、所望のADI寸法である)と仮定する後続のプロセスステップは、所望よりも大きいコアフィーチャのADT限界寸法を生成する。例示の目的で、コアフィーチャのADT限界寸法は、所望のADT限界寸法から20オングストローム大きくてもよい。入来するADI限界寸法の変動性(例えば、20オングストロームの増加)を考慮すると、エッチングおよび/またはトリムプロセスステップを実施するための時間は、コアフィーチャの各々について所望のADT限界寸法を達成するために、通常の時間よりも増加され得る(入来するPRマンドレルが所望のADI限界寸法であると仮定する)。すなわち、エッチングおよび/またはトリムプロセスステップを実施するための時間を延長することは、PRマンドレルの入来するADI限界寸法の変動性を考慮し、所望のADT限界寸法を達成するためにコアフィーチャ上でより横方向のエッチングが行われるようにする。特に、エッチングのための増加した時間は、代表的なコアフィーチャの各側面から10オングストロームを横方向にエッチングすることができる。そのようにして、SADPプロセス中に形成されたコアフィーチャのADT限界寸法は、コアフィーチャの所望のADT寸法と同様になる。したがって、プロセス条件の変動性の影響(すなわち、所望のADI限界寸法からの入来するADI限界寸法の増加)は、後続のプロセスステップのプロセス条件を調整する(すなわち、エッチングおよび/またはトリムプロセスステップの時間を調整する)ことによるフィードフォワード制御により最小限に抑えられている。
【0093】
フィードフォワード制御を実施し、1つまたは複数の後続のプロセスステップについての指定されたプロセス条件からのプロセス条件の変化を考慮することができる。特に、740において、方法は、本開示の一実施形態に従って、SADPプロセスの第2のパターニングプロセスのプロセスステップにおける変化を受け取ることを含む。例えば、第2のパターニングプロセスは、ドライエッチングプロセスを含むことができ、したがってドライエッチングプロセスについての対応するプロセス条件を変更することができる。
【0094】
750において、方法は、第2のパターニングプロセスの変化に基づいて、コアフィーチャの上の酸化物層についての修正されたASD寸法を決定することを含む。すなわち、ASD寸法は、第2のパターニングプロセス中にドライエッチングプロセスを実施するときに予想される元のプロセス条件に基づいて、所望の寸法を有することができる。
図4Cは、コア1フィーチャ401Aの上にスペーサ1DEP415を形成するための共形堆積および選択的エッチングプロセスの実施を示しており、スペーサ1DEP415は、ウエハ101の底面412に実質的に平行な水平方向に測定されたASD限界寸法を有する。しかし、第2のパターニングプロセスの変化は、フィードフォワード制御による酸化物層に対するASD寸法の変化を必要とする場合があり、この変化は、修正されたASD寸法に関連付けられる。
【0095】
前述のように、コア1フィーチャ401Aに適合するスペーサ1DEP415としての酸化物層は、原子層堆積により形成することができる。修正されたASD寸法が既知であるため、760において、方法は、原子層堆積(ALD)プロセスを実施するとき、ALDプロセスの堆積速度、および酸化物層が堆積されるコアフィーチャの所望のADT寸法(例えば、横方向)に基づいて修正されたASD寸法を達成するための堆積サイクル数を決定することを含む。例えば、堆積速度は、(例えば、所与の温度に対する)堆積サイクル当たりのASD寸法の変化に関連する感度係数に基づくことができる。したがって、後続のプロセスステップ(例えば、SADPプロセスの第2のパターニングにおけるドライエッチング)におけるプロセス条件に対する変化は、前のプロセスステップのプロセス条件を調整する(すなわち、SADPプロセスの第1のパターニングにおいて原子層堆積を実施するとき、対応するコアフィーチャの上の酸化物層についての修正されたASD寸法を達成するための堆積サイクル数を調整する)ことによるフィードフォワード制御により考慮されている
【0096】
図8Aは、本開示の一実施形態による、感度係数を決定し、マルチパターニングプロセスを実施するときにフィードバックおよび/またはフィードフォワード制御を実施するためのワークフロー800Aを示している。ワークフロー800Aは、前述され
図8B~
図8Dでも説明される感度係数を使用して、
図4~
図7で前に紹介したマルチパターニングプロセスのいずれかで実施することができる。。
【0097】
例示の目的で、ワークフロー800Aに示すマルチパターニングプロセスは、
図4A~
図4Hで前述したSADPプロセスなどの第1のパターニングプロセス804および第2のパターニングプロセス806を含むが、フィードバックおよび/またはフィードフォワード制御を実施する目的で、任意のマルチパターニングプロセスの任意の数のプロセスステップを実施することができることが理解される。例えば、
図4A~
図4Hに関して前述したように、第1のパターニングプロセス804は、エッチングおよびトリム(例えば、ウェットエッチングおよび/またはトリム)ならびに堆積プロセスを含み、第2のパターニングプロセス806は、エッチングおよび/またはトリム(例えば、ドライエッチングおよび/またはトリム)ならびに堆積プロセスを含む。
【0098】
前述のように、経験的試験が、フィードバックおよび/またはフィードフォワード制御に使用することができる数学的モデルを構築する目的で実施される。例えば、フィードバック制御は、マルチパターニングプロセスの制御パラメータまたはプロセス条件の変動性を調整することができる。別の例では、数学的モデルは、出力(例えば、ウエハ上の最終フィーチャの寸法)が目標を達成するようにマルチパターニングプロセスを実施しながら、プロセスステップについての入力変数の変動(例えば、所望の寸法からの入来するPRマンドレルの寸法の変動、または第2のパターニングにおける後続のプロセスステップに対する変化)を調整することによってフィードフォワード制御に使用され得る。数学的モデルは、温度および時間に対するフィーチャ寸法(例えば、最終フィーチャ、トリム、堆積の寸法)の感度を提供する1つまたは複数の感度係数を含む。これらの感度係数は、プロセス変動または外乱の測定などの経験的試験を通じて決定することができる。
【0099】
図5に関連して前述したように、感度係数を決定する目的で、複数のテストウエハ802(例えば、ブランケットウエハまたはフィーチャ/トポグラフィウエハ)に対して2つのプロセス条件下で試験を実施することができる。例示の目的で、プロセス804の第1のパターニングにおいて、第1のプロセス条件は第1の定常状態(SS)温度を含み、第2のプロセス条件は第2の定常状態温度を含む。他のプロセス条件は前述されており、
図8B~
図8Dに関してさらに説明される。
【0100】
したがって、プロセス条件を使用するエッチングおよびトリムならびに堆積プロセスは、第1のパターニングプロセス804および/または第2のパターニングプロセス806のために複数のテストウエハ802に対して実施される。特に、SADPプロセスの第1のパターニング804を含むように、プロセス804の第1のパターニングにおけるエッチングおよびトリムならびに堆積プロセスをウエハ(例えば、フィーチャ/トポグラフィウエハ)に対して実施することができ、ADI限界寸法を有するフィーチャおよびASD限界寸法を有するフィーチャ、ならびに他の限界寸法を有する他のフィーチャが決定され得る(例えば、計測ツールによって測定される)。加えて、ADIおよびASD限界寸法の差またはデルタデータが、2つのプロセス条件間で収集され得る。第1のパターニングプロセス804および/または第2のパターニングプロセス806中の任意の時点でフィーチャの他の測定を行うことができ、第2のパターニングプロセス806の最後に形成された最終フィーチャの寸法を測定することもできる。また、温度読み取り値は、ウエハ上の場所に対応するウエハ上の温度対x-y座標データのセットを含むことができる。
【0101】
一実施形態では、一実施形態における感度係数810を決定するときに過渡温度条件が考慮される。特に、典型的には、ウエハがESCのヒータゾーンに対応する温度に到達するなど、定常状態温度に達した後に堆積が実施される一方で、エッチングおよびトリムプロセスは、ウエハが定常状態温度に達している間など、過渡温度条件下で実施される。過渡温度条件は、定常状態温度に到達する前のエッチングおよび/またはトリムプロセス中の温度の実際の変化を定義する。したがって、2つのプロセス条件下でプロセスステップを実施しながらウエハ内のフィーチャの測定値の差を決定するとき、過渡温度条件を考慮することができる。
【0102】
収集されたデータに基づいて、前述のように、トリムおよび堆積感度係数810を決定することができる。例えば、フィーチャの限界寸法と2つのプロセス条件について測定された温度条件との間の差を使用して、エッチングおよび/またはトリムならびに堆積感度係数810を生成することができる。また、ブランケット堆積プロファイルデータおよび/または測定値が、堆積感度係数810を決定するために使用されてもよい。例えば、ブランケット堆積プロセスをウエハに対して実施することができ、ブランケット堆積プロファイルデータおよび/または測定値が、感度係数(例えば、堆積速度など)を決定するために(例えば、計測ツールから)決定される。加えて、プロセス804の第1のパターニング中に2つのプロセス条件間で堆積厚さの差データを収集し、堆積感度係数を決定することができる。感度係数810は、
図8B~
図8Dに関連してさらに説明される。
【0103】
感度係数810は、マルチパターニングプロセス中および/または最後に得られる制御パラメータの1つまたは複数の測定値に基づくフィードバックおよび/またはフィードフォワード制御のために使用することができる。すなわち、フィードバック制御812を使用して、
図6Aに関して前述したように、現在のウエハに対して行われた測定に基づいて後続のウエハを処理するためのプロセス条件を調整することができる。また、フィードフォワード制御814は、
図7に関して前述したように、変動性がその後のプロセスに影響を及ぼさないように、第1のパターニングプロセスの実施中に測定されたフィーチャの限界寸法の変動性を調整するために、現在のウエハに対して実施されてもよい。さらに、フィードフォワード制御816は、
図7に関して前述したように、現在のウエハに対して実施され、後続のプロセスに対して行われるプロセスパラメータおよび/またはプロセス条件の変化(例えば、第2のパターニングプロセス806におけるプロセスに対する変化)を調整することができる。
【0104】
例えば、フィードバック制御812の場合、マルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)を実施した後、ウエハ全体にわたって平坦なプロファイルを有することが望ましい場合がある。プロセスウエハ808上の最終フィーチャの限界寸法は、(例えば、計測ツールから)決定することができ、測定値は、ウエハ上のx-y座標データを含むことができる。測定値が限界寸法が所望の設定と異なることを示す場合、プロセス条件への調整は、対応する感度係数、および測定された寸法と所望の寸法との間の差に基づいて決定され得る。例えば、測定値は、プロセスウエハ808についてのドーム型プロファイルを示すことができ、最終フィーチャ(例えば、ラインCD)の寸法は、外側半径方向ゾーンの最終フィーチャの寸法よりも内側半径方向ゾーンの方が大きい。フィードバック制御は、対応する感度係数を使用することによって、測定された寸法と所望の寸法(例えば、マルチパターニングを実施した後の最終フィーチャの寸法)との間の平均差を考慮するために調整をヒータゾーン(例えば、ヒータゾーンについての新しい温度)に提供することによって実施され得る。そのようにして、後続のプロセスウエハ808についてのプロセス条件を調整した後、内側半径方向ゾーンと外側半径方向ゾーンの両方にわたる最終フィーチャの寸法の平坦なプロファイルが存在する。
【0105】
フィードフォワード制御814を実施し、変動性が後続のプロセス(例えば、第2のパターニングプロセス)に影響を及ぼさず、その後に形成されるフィーチャがその所望の寸法と一致するように、第1のパターニングプロセスの実施中に測定されたフィーチャ(例えば、入来するPRマンドレル)の限界寸法(例えば、ADI)の変動性を調整することができる。前述のように、測定された入来するADI限界寸法が所望の限界寸法からずれている場合、第1のパターニングプロセスからの出力が予想される寸法と一致するように、第1のパターニングプロセスのプロセスに対して調整を行うことができる。例えば、入来するADI限界寸法が大きすぎる場合、エッチングおよび/またはトリムプロセスの増加を実施し、変動性がその後のプロセスに及ぼす影響を中和することができる。そのようにして、フィードフォワード制御を使用してマルチパターニングプロセスを実施するときに形成された現在のウエハの中間および/または最終フィーチャ(例えば、ラインCD)の寸法は、所望の寸法と一致し得る。
【0106】
加えて、フィードフォワード制御816は、現在のウエハを処理するとき、後続のプロセスに対して行われるプロセスパラメータおよび/またはプロセス条件の変化(例えば、第2のパターニングプロセス806におけるプロセスに対する変化)を調整するために実施され得る。すなわち、前のプロセスステップ(例えば、第1のパターニングプロセス804)の変更を必要とする後続のプロセスステップ(例えば、ドライエッチングなどの第2のパターニングプロセス806)に対して行われた変更を調整するために、フィードフォワード制御を実施することができる。例えば、第1のパターニングプロセス804における1つまたは複数のステップにおけるプロセスステップへの調整は、新たに決定された目標ASD寸法(例えば、温度、時間など)を達成するためのエッチングおよび/もしくはトリムプロセスに対する変化、ならびに/または新たに決定された目標ASD寸法などを達成するための堆積プロセス(例えば、ブランケット厚さ)に対する変化を含み得る。
【0107】
図8Bは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスに対するフィードバックおよび/またはフィードフォワード制御を実施するときに使用する温度に対するトリム感度を決定するための、2つの異なる定常状態温度条件についてのエッチングおよび/またはトリムプロセスの温度プロファイル展開を示す
図800Bである。y軸は、温度を示し、x軸は、エッチングおよび/またはトリムプロセスを実施するための経過時間である。第1の温度(温度1)および第2の温度(温度2)を含む2つの異なるプロセス条件が、
図800Bに提示されている。温度プロファイル830は、第1のプロセス条件(温度1)を使用してマルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)の第1のパターニング(エッチングおよび/またはトリムプロセス)を実施するときのウエハ上の温度の展開を示す。温度プロファイル835は、第2のプロセス条件(温度2)を使用してマルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)の第1のパターニング(エッチングおよび/またはトリムプロセス)を実施するときのウエハ上の温度の展開を示す。時間t
1までの各温度プロファイルの下のエリアは、対応するウエハに加えられる総熱入力に対応し、加えられる総熱は、ウエハに対して実施されるトリミング量にも対応する。示すように、時間t
1は、エッチングおよび/またはトリムプロセス中に発生し、これは典型的には、ESC上にウエハを載置してから最初の30秒から60秒以内に発生する。したがって、時間t
1まで、2つのプロセス条件間の差またはデルタ熱入力がエリア837によって示される。加えて、温度プロファイル830および835の各々に示すように、2つの異なるプロセス条件を使用してエッチングおよび/またはトリムプロセスを受けるウエハに対応するトリム量を測定することができる。別の実施形態では、前述のように、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定されたラインCDの測定値が得られる。エッチングおよび/またはトリムプロセスの感度を温度に関連付けるトリム感度係数を決定することができ、以下の式2で定義される。場合によっては、式2は、前に提示した式1と密接に関連している。
【数2】
【0108】
図8Cは、本開示の一実施形態による、マルチパターニングプロセスに対するフィードバックおよび/またはフィードフォワード制御を実施するときに使用する時間に対するトリム感度を決定するための、2つの異なる時間制約(例えば、プロセス条件)の下で動作する定常状態温度条件についてのエッチングおよび/またはトリムプロセスの温度プロファイル展開を示す
図800Cである。y軸は、温度を示し、x軸は、エッチングおよび/またはトリムプロセスを実施するための経過時間である。第1の時間(t
1)および第2の時間(t
2)を含む2つの異なるプロセス条件が、
図800Bに提示されている。温度プロファイル830は、2つの異なるプロセス条件(例えば、t
1およびt
2)を使用してマルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)の第1のパターニング(例えば、エッチングおよび/またはトリムプロセス)を実施するときのウエハ上の温度の展開を示す。特定の時間(例えば、時間t
1または時間t
2)までの温度プロファイル830の下のエリアは、対応するウエハに加えられる総熱入力に対応し、加えられる総熱は、ウエハ上で実施されるトリミング量にも対応する。したがって、2つの時間t
1とt
2との間で、2つのプロセス条件間の差またはデルタ入熱がエリア839によって示される。加えて、時間t
1までおよび時間t
2まで(2つの異なるプロセス条件)のエッチングおよび/またはトリムプロセスを受けるウエハに対応するトリム量を測定することができる。別の実施形態では、前述のように、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定されたラインCDの測定値が得られる。エッチングおよび/またはトリムプロセスの感度を時間に関連付けるトリム感度係数を決定することができ、以下の式3で定義される。
【数3】
【0109】
図8Dは、本開示の一実施形態による、2つの異なる定常状態温度条件について実施される堆積プロセスの堆積速度の決定を示す
図800Dであり、堆積速度は、温度に対する堆積感度に基づいており、マルチパターニングプロセスに対するフィードバックおよび/またはフィードフォワード制御を実施するときに使用することができる。y軸は、温度を示し、x軸は、エッチングおよび/またはトリムプロセスを実施するための経過時間である。第1の温度(温度1)および第2の温度(温度2)を含む2つの異なるプロセス条件が、
図800Dに提示されている。温度プロファイル840は、第1のプロセス条件(温度1)を使用してマルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)の第1のパターニング(エッチングおよび/またはトリムプロセス)を実施するときのウエハ上の温度の展開を示す。温度プロファイル845は、第2のプロセス条件(温度2)を使用してマルチパターニングプロセス(例えば、SADPプロセス)の第1のパターニング(エッチングおよび/またはトリムプロセス)を実施するときのウエハ上の温度の展開を示す。堆積プロセスは、典型的には、境界線847によって示されるように、ウエハが定常状態の温度に到達した後に発生する。エッチングおよびトリムプロセスは最大30秒かかるが、堆積プロセスはより長い期間(例えば、200秒)にわたって実施することができ、ウエハが温度に対して定常状態にあるときにほとんど発生する。時間t
1までの各温度プロファイルの下のエリアは、対応するウエハに加えられる総熱入力に対応し、加えられる総熱は、ウエハ上に形成される堆積量にも大まかに対応する。示すように、堆積プロセスは、境界線847の後に発生する時間t
1まで実施される。2つのプロセス条件間の差またはデルタ熱入力は、エリア849によって示される。加えて、温度プロファイル840および845の各々に示すように、2つの異なるプロセス条件を使用してエッチングおよび/またはトリムプロセスを受けるウエハに対応する堆積層の厚さを測定することができる。別の実施形態では、前述のように、マルチパターニングプロセスの最後に形成された最終フィーチャから決定されたラインCDの測定値が得られる。堆積プロセスの感度を温度に関連付ける堆積感度係数(または堆積速度)を決定することができ、以下の式4で定義される。
【数4】
【0110】
加えて、堆積厚さは、堆積プロセスの感度を実施中の原子層堆積(ALD)サイクル数に関連付ける堆積感度係数(または堆積速度)により決定することができる。すなわち、堆積厚さは、(例えば、所与の温度で)実施されたALDサイクル数に密接に関連している。特に、堆積プロセスの感度を実施されたALDサイクル数に関連付ける堆積感度係数(例えば、堆積速度)を決定することができ、以下の式5で定義される。
【数5】
【0111】
図9は、上述のシステムを制御するための制御モジュール900を示す。一実施形態では、
図1Aの制御モジュール110は、制御モジュール900の例示的な構成要素のいくつかを含み得る。例えば、制御モジュール900は、プロセッサと、メモリと、1つまたは複数のインターフェースとを含むことができる。制御モジュール900は、感知された値に部分的に基づいてシステム内のデバイスを制御するために使用され得る。ほんの一例として、制御モジュール900は、感知された値および他の制御パラメータに基づいて、弁902、フィルタヒータ904、ポンプ906、ゾーンヒータ950、および他のデバイス908の1つまたは複数を制御することができる。制御モジュール900は、ほんの一例として、圧力計910、流量計912、および/または他のセンサ916から感知された値を受信する。制御モジュール900を用いて、前駆体の送給および膜の堆積中のプロセス条件を制御することもできる。制御モジュール900は、典型的には、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0112】
制御モジュール900は、前駆体送給システムおよび堆積装置の動作を制御することができる。制御モジュール900は、プロセスタイミング、送給システム温度、およびフィルタにわたる圧力差、弁位置、ガスの混合、チャンバ圧力、チャンバ温度、基板温度、RF電力レベル、基板チャックまたは台座位置、および特定のプロセスの他のパラメータを制御するための一連の命令を含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール900はまた、圧力差を監視し、蒸気前駆体の送給を1つまたは複数の経路から1つまたは複数の他の経路に自動的に切り替えることができる。いくつかの実施形態では、制御モジュール900に関連付けられたメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムを用いることができる。
【0113】
典型的には、制御モジュール900に関連付けられたユーザインターフェースが存在する。ユーザインターフェースは、ディスプレイ918(例えば、装置および/またはプロセス条件のディスプレイスクリーンおよび/またはグラフィカルソフトウェアディスプレイ)、およびポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイス920を含むことができる。
【0114】
プロセスシーケンスにおける前駆体の送達、堆積、および他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートランなど)で書かれ得る。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムに識別されたタスクを実施するためにプロセッサによって実行される。
【0115】
制御モジュールパラメータは、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、RF電力レベルおよび低周波RF周波数などのプラズマ条件、冷却ガス圧力、ならびにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関連する。
【0116】
システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成することができる。例えば、様々なチャンバ構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、本発明の堆積プロセスを実行するために必要なチャンバ構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例には、基板位置決めコード、プロセスガス制御コード、圧力制御コード、ヒータ制御コード、およびプラズマ制御コードが挙げられる。
【0117】
基板位置決めプログラムは、基板を台座またはチャック上にロードし、基板とガス入口および/またはターゲットなどのチャンバの他の部分との間の間隔を制御するために使用されるチャンバ構成要素を制御するためのプログラムコードを含むことができる。プロセスガス制御プログラムは、チャンバ内の圧力を安定化するために、ガス組成および流量を制御するためのコード、ならびに任意選択で、堆積前にガスをチャンバに流すためのコードを含むことができる。フィルタ監視プログラムは、測定された差を所定の値と比較するコードおよび/または経路を切り替えるためのコードを含む。圧力制御プログラムは、例えば、チャンバの排気システムのスロットル弁を調節することによってチャンバの圧力を制御するためのコードを含み得る。ヒータ制御プログラムは、前駆体送給システム、基板および/またはシステムの他の部分の構成要素を加熱するための加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板チャックへの熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。
【0118】
堆積中に監視することができるセンサの例には、限定はしないが、質量流量制御モジュール、圧力マノメータ910などの圧力センサ、および送給システム、台座、またはチャックに位置する熱電対が挙げられる。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、所望のプロセス条件を維持することができる。以上は、シングルまたはマルチチャンバ半導体処理ツールにおける本開示の実施形態の実施を説明したものである。
【0119】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(基板台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対する基板の搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の移送ツールおよび/またはロードロックに対する基板の搬入と搬出が含まれる。
【0120】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体基板上で、または半導体基板用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0121】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。
【0122】
リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0123】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0124】
上記のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0125】
実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提供されたものである。これは、網羅的であること、または本開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されるものではなく、適用可能であれば、具体的に図示または説明されていない場合であっても、交換可能であり、選択された実施形態で使用することができる。また、これは多くの方法で変更されてもよい。そのような変形は本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、すべてのそのような修正は本開示の範囲内に含まれることを意図している。
【0126】
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の範囲および均等物内で修正されてもよい。
【国際調査報告】