(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】静電チャックの気化冷却
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230612BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230612BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H05H1/46 A
H05H1/46 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568756
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 US2021030558
(87)【国際公開番号】W WO2021231127
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドリューリー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フリン・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】スミス・ジェレミー・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】カンプ・トム・エー.
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084CC08
2G084CC12
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2G084CC33
2G084DD02
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2G084HH52
5F004AA01
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB23
5F004FA01
5F131AA02
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5F131EA03
5F131EB14
5F131EB78
5F131EB81
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】基板支持アセンブリのベースプレートが、ベースプレートの上側領域、下側領域、および、側壁の間の空洞と、空洞内で上側および下側領域の間に配置されている複数のピラーと、液体を空洞へ供給するための流入口と、液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。別の実施例において、基板支持アセンブリのベースプレートが、ベースプレート内に配置されている第1流路と、第1流路の上方に配置されている第2流路と、第1流路を第2流路に接続している複数の垂直流路と、液体を第1流路へ供給するための流入口と、第2流路から液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持アセンブリのベースプレートであって、
前記ベースプレートの上側領域、下側領域、および、側壁の間の空洞と、
前記空洞内で前記上側領域および前記下側領域の間に配置されている複数のピラーと、
液体を前記空洞へ供給するための流入口と、
前記液体の蒸気を排気するための流出口と、
を備える、ベースプレート。
【請求項2】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ピラーは、ウィッキング材料で覆われている、ベースプレート。
【請求項3】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記空洞は、円筒形であり、前記空洞の高さは、前記空洞の直径よりも小さい、ベースプレート。
【請求項4】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ピラーは、円筒形であり、前記空洞の底部から前記空洞の上部まで伸びている、ベースプレート。
【請求項5】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ピラーは、円筒形であり、前記空洞の底部から前記空洞の上部まで垂直に伸びている、ベースプレート。
【請求項6】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートおよび前記空洞は、円筒形であり、前記空洞は、前記ベースプレートの直径に沿って半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項7】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記流入口は、前記流出口よりもサイズが小さい、ベースプレート。
【請求項8】
請求項1に記載のベースプレートであって、
前記流入口は、前記空洞の底部に隣接し、前記流出口は、前記空洞の上部に隣接している、ベースプレート。
【請求項9】
請求項1に記載のベースプレートであって、さらに、
前記ベースプレート内で前記空洞の上方に配置されている流路を備え、
前記流出口は、前記流路の第1端部に接続され、
前記流路の第2端部は、前記ベースプレート内のベントに接続されている、ベースプレート。
【請求項10】
請求項9に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートおよび前記空洞は、円筒形であり、
前記流路は、螺旋形であり、
前記空洞および前記流路は、前記ベースプレートの直径に沿って半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項11】
請求項9に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートおよび前記空洞は、円筒形であり、
前記流路は、2本巻きであり、
前記空洞および前記流路は、前記ベースプレートの直径に沿って半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項12】
請求項1に記載のベースプレートであって、さらに、
前記ベースプレートの前記空洞および前記下側領域の間に第2空洞を備え、
前記流出口は、前記第2空洞に接続され、
前記第2空洞は、前記ベースプレート内のベントに接続されている、ベースプレート。
【請求項13】
請求項1に記載のベースプレートであって、さらに、
前記ベースプレート内で前記空洞の上方に配置されている流路と、
前記ベースプレートの前記空洞および前記下側領域の間に第2空洞と、
を備え、
前記流出口は、前記流路の第1端部と前記第2空洞とに接続され、
前記第2空洞、および、前記流路の第2端部は、前記ベースプレート内のそれぞれのベントに接続されている、ベースプレート。
【請求項14】
請求項13に記載のベースプレートであって、
前記流路は、2本巻きまたは螺旋形である、ベースプレート。
【請求項15】
請求項13に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートは、円筒形であり、前記空洞、前記流路、および、前記第2空洞は、前記ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項16】
基板支持アセンブリのベースプレートであって、
前記ベースプレート内に配置されている第1流路と、
前記第1流路の上方に配置されている第2流路と、
前記第1流路を前記第2流路に接続している複数の垂直流路と、
液体を前記第1流路へ供給するための流入口と、
前記第2流路から前記液体の蒸気を排気するための流出口と、
を備える、ベースプレート。
【請求項17】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記第2流路は、前記第1流路よりも大きい断面を有する、ベースプレート。
【請求項18】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記第2流路の内壁は、ウィッキング材料で覆われている、ベースプレート。
【請求項19】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記第1流路および前記第2流路は、螺旋形である、ベースプレート。
【請求項20】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記第1流路および前記第2流路は、2本巻きである、ベースプレート。
【請求項21】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記第1流路および前記第2流路は、互いに平行である、ベースプレート。
【請求項22】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートは、円筒形であり、前記第1流路および前記第2流路は、前記ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項23】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記流入口は、前記第1流路の第1端部に接続され、
前記第1流路の第2端部は、終端され、
前記第2流路の第1端部は、終端され、
前記第2流路の第2端部は、前記流出口に接続されている、ベースプレート。
【請求項24】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記流入口は、前記第1流路の第1端部に接続され、
前記第1流路の第2端部は、終端され、
前記ベースプレートは、さらに、
前記第2流路の上方に配置されている第3流路を備え、
前記第2流路の第1端部は、前記第3流路の第1端部に接続され、
前記第2流路の第2端部は、終端され、
前記第3流路の第2端部は、前記流出口に接続されている、ベースプレート。
【請求項25】
請求項24に記載のベースプレートであって、
前記第2流路は、前記第1流路よりも大きい断面を有し、前記第3流路は、前記第2流路よりも大きい断面を有する、ベースプレート。
【請求項26】
請求項24に記載のベースプレートであって、
前記第3流路は、2本巻きまたは螺旋形であり、前記第1流路および前記第2流路と平行である、ベースプレート。
【請求項27】
請求項24に記載のベースプレートであって、
前記第1流路、前記第2流路、および、前記第3流路は、螺旋形であり、前記第3流路は、前記第1および第2流路と反対方向の螺旋になっている、ベースプレート。
【請求項28】
請求項24に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートは、円筒形であり、前記第1流路、前記第2流路、および、前記第3流路は、前記ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項29】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記流入口は、前記第1流路の第1端部に接続され、
前記第1流路の第2端部は、終端され、
前記ベースプレートは、さらに、
前記ベースプレートの前記第1流路および底部領域の間に空洞を備え、
前記第2流路の第1端部は、前記空洞に接続され、
前記第2流路の第2端部は、終端され、
前記空洞は、前記流出口に接続されている、ベースプレート。
【請求項30】
請求項29に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートは、円筒形であり、前記第1流路および前記第2流路ならびに前記空洞は、前記ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項31】
請求項29に記載のベースプレートであって、
さらに、複数の多孔質プラグを備え、前記多孔質プラグの各々は、前記第1流路に接続された第1端部と、前記第2流路の前記第1端部を前記空洞に接続する通路に接続された第2端部とを有する、ベースプレート。
【請求項32】
請求項31に記載のベースプレートであって、
前記第1流路を前記第2流路に接続する前記垂直流路は、前記第1流路の中心に向かって前記多孔質プラグの前記第1端部の下方へ伸びている、ベースプレート。
【請求項33】
請求項16に記載のベースプレートであって、
前記流入口は、前記第1流路の第1端部に接続され、
前記第1流路の第2端部は、終端され、
前記ベースプレートは、さらに、
前記第2流路の上方に配置されている第3流路と、
前記ベースプレートの前記第1流路および底部領域の間の空洞と、
を備え、
前記第2流路の第1端部は、前記第3流路の第1端部と前記空洞とに接続され、
前記第2流路の第2端部は、終端され、
前記第3流路の第2端部、および、前記空洞は、前記ベースプレート内のそれぞれのベントに接続されている、ベースプレート。
【請求項34】
請求項33に記載のベースプレートであって、
前記第2流路は、前記第1流路よりも大きい断面を有し、前記第3流路は、前記第2流路よりも大きい断面を有する、ベースプレート。
【請求項35】
請求項33に記載のベースプレートであって、
前記第3流路は、2本巻きまたは螺旋形であり、前記第1流路および前記第2流路と平行である、ベースプレート。
【請求項36】
請求項33に記載のベースプレートであって、前記第1流路、前記第2流路、および、前記第3流路は、螺旋形であり、前記第3流路は、前記第1流路および前記第2流路と反対方向の螺旋になっている、ベースプレート。
【請求項37】
請求項33に記載のベースプレートであって、
前記ベースプレートは、円筒形であり、前記第1流路、前記第2流路、および、前記第3流路ならびに前記空洞は、前記ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている、ベースプレート。
【請求項38】
請求項16に記載のベースプレートであって、さらに、
前記流出口からのフィードバックに基づいて、前記液体を前記流入口へ供給するよう構成されている冷却システムと、
前記第1流路における前記液体の液位を検知するために前記第1流路内に配置された液位センサと、
前記気化冷却システムにおける前記液体の前記液位に基づいて、前記冷却システムから前記流入口への前記液体の供給を制御するよう構成されているコントローラと、
を備える、ベースプレート。
【請求項39】
基板処理システムであって、
基板支持アセンブリと、
前記基板支持アセンブリ内に配置された気化冷却システムと、
液体を前記気化冷却システムへ供給するよう構成されている液体供給部と、
前記気化冷却システムにおける前記液体の液位を検知するために前記気化冷却システム内に配置された液位センサと、
前記気化冷却システムにおける前記液体の前記液位に基づいて、前記液体供給部から前記気化冷却システムへの前記液体の供給を制御するよう構成されているコントローラと、
を備える、基板処理システム。
【請求項40】
請求項39に記載の基板処理システムであって、さらに、
加圧ガスを前記液体供給部へ供給するためのガス供給部と、
前記基板支持アセンブリ内のシステム圧力を検知するための圧力センサと、
を備え、
前記コントローラは、
前記システム圧力に基づいて、前記ガス供給部から前記液体供給部への前記加圧ガスの供給を制御し、
前記ガス供給部から前記液体供給部への前記加圧ガスの前記制御された供給に基づいて、前記液体が気化する圧力を制御するよう構成されている、基板処理システム。
【請求項41】
請求項39に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリの上側領域、下側領域、および、側壁の間の空洞と、
前記空洞内で前記上側領域および前記下側領域の間に配置され、ウィッキング材料で覆われている複数のピラーと、
前記液体供給部から前記空洞へ前記液体を供給するための流入口と、
前記液体の蒸気を排気するための流出口と、
を備える、基板処理システム。
【請求項42】
請求項41に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内で前記空洞の上方に配置されている流路を備え、
前記流出口は、前記流路に接続され、
前記流路は、前記基板支持アセンブリ内のベントに接続されている、基板処理システム。
【請求項43】
請求項41に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内で前記基板支持アセンブリの前記空洞および前記下側領域の間にある第2空洞を備え、
前記流出口は、前記第2空洞に接続され、
前記第2空洞は、前記基板支持アセンブリ内のベントに接続されている、基板処理システム。
【請求項44】
請求項41に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内で前記空洞の上方に配置されている流路と、
前記基板支持アセンブリ内で前記基板支持アセンブリの前記空洞および前記下側領域の間にある第2空洞と、
を備え、
前記流出口は、前記流路と前記第2空洞とに接続され、
前記第2空洞および前記流路は、前記基板支持アセンブリ内のそれぞれのベントに接続されている、基板処理システム。
【請求項45】
請求項39に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内に配置されている第1流路と、
前記基板支持アセンブリ内で前記第1流路の上方に配置されている第2流路と、
前記第1流路を前記第2流路に接続するために前記基板支持アセンブリ内に配置された複数の垂直流路と、
前記液体供給部から前記第1流路へ前記液体を供給するための流入口と、
前記第2流路から前記液体の蒸気を排気するための流出口と、
を備える、基板処理システム。
【請求項46】
請求項45に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内で前記第2流路の上方に配置されている第3流路を備え、
前記第3流路は、前記第2流路と前記流出口とに接続され、
前記第2流路は、前記第1流路よりも大きい断面を有し、
前記第3流路は、前記第2流路よりも大きい断面を有する、基板処理システム。
【請求項47】
請求項45に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内で前記基板支持アセンブリの前記第1流路および底部領域の間にある空洞を備え、
前記第2流路は、前記空洞に接続され、
前記空洞は、前記流出口に接続されている、基板処理システム。
【請求項48】
請求項45に記載の基板処理システムであって、前記気化冷却システムは、
前記基板支持アセンブリ内で前記第2流路の上方に配置されている第3流路と、
前記基板支持アセンブリ内で前記基板支持アセンブリの前記第1流路および底部領域の間にある空洞と、
を備え、
前記第2流路は、前記第3流路と前記空洞とに接続され、
前記第3流路および前記空洞は、前記基板支持アセンブリ内のそれぞれのベントに接続されている、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照:
本願は、2020年5月14日出願の米国仮出願第63/025,043号に基づく利益を主張する。上記の出願の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システムにおいて用いられる静電チャックの気化冷却に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示するためのものである。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされえない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、典型的には、半導体ウエハなどの基板の蒸着、エッチング、および、その他の処理を実行するために、複数の処理チャンバ(処理モジュールとも呼ばれる)を備える。基板に実行されうる処理の例は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、化学強化プラズマ蒸着(CEPVD)、スパッタリング物理蒸着(PVD)、原子層蒸着(ALD)、および、プラズマ強化ALD(PEALD)を含むが、これらに限定されない。基板に実行されうる処理のさらなる例は、エッチング(例えば、化学エッチング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、など)および洗浄処理を含むが、これらに限定されない。
【0005】
処理中、基板は、基板処理システムの処理チャンバ内に配置された基板支持アセンブリ(ペデスタルまたは静電チャック(ESC)など)上に配置される。典型的には、ロボットが、基板を或る処理チャンバから別の処理チャンバへ、基板の処理される順に移動させる。蒸着中、1または複数の前駆体を含むガス混合物が、処理チャンバに導入され、プラズマが、化学反応を活性化するために点火される。エッチング中、エッチングガスを含むガス混合物が処理チャンバに導入され、プラズマが、化学反応を活性化するために点火される。処理チャンバは、洗浄ガスを処理チャンバ内へ供給してプラズマを点火することによって、定期的に洗浄される。
【発明の概要】
【0006】
基板支持アセンブリのベースプレートが、ベースプレートの上側領域、下側領域、および、側壁の間の空洞と、空洞内で上側および下側領域の間に配置されている複数のピラーと、液体を空洞へ供給するための流入口と、液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。
【0007】
別の特徴において、ピラーは、ウィッキング材料で覆われている。
【0008】
別の特徴において、空洞は、円筒形であり、空洞の高さは、空洞の直径よりも小さい。
【0009】
別の特徴において、ピラーは、円筒形であり、空洞の底部から空洞の上部まで伸びている。
【0010】
別の特徴において、ピラーは、円筒形であり、空洞の底部から空洞の上部まで垂直に伸びている。
【0011】
別の特徴において、ベースプレートおよび空洞は、円筒形であり、空洞は、ベースプレートの直径に沿って半径方向に広がっている。
【0012】
別の特徴において、流入口は、流出口よりもサイズが小さい。
【0013】
別の特徴において、流入口は、空洞の底部に隣接し、流出口は、空洞の上部に隣接している。
【0014】
別の特徴において、ベースプレートは、さらに、ベースプレート内で空洞の上方に配置されている流路を備える。流出口は、流路の第1端部に接続されている。流路の第2端部は、ベースプレート内のベントに接続されている。
【0015】
他の特徴において、ベースプレートおよび空洞は、円筒形であり、流路は、螺旋形であり、空洞および流路は、ベースプレートの直径に沿って半径方向に広がっている。
【0016】
他の特徴において、ベースプレートおよび空洞は、円筒形であり、流路は、2本巻きであり、空洞および流路は、ベースプレートの直径に沿って半径方向に広がっている。
【0017】
別の特徴において、ベースプレートの空洞および下側領域の間に第2空洞が存在する。流出口は、第2空洞に接続されている。第2空洞は、ベースプレート内のベントに接続されている。
【0018】
他の特徴において、ベースプレート内で空洞の上方に配置されている流路と、ベースプレートの空洞および下側領域の間の第2空洞とが備えられている。流出口は、流路の第1端部と第2空洞とに接続されている。第2空洞、および、流路の第2端部は、ベースプレート内のそれぞれのベントに接続されている。
【0019】
別の特徴において、流路は、2本巻きまたは螺旋形である。
【0020】
別の特徴において、ベースプレートは、円筒形であり、空洞、流路、および、第2空洞は、ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている。
【0021】
さらに他の特徴において、基板支持アセンブリのベースプレートが、ベースプレート内に配置されている第1流路と、第1流路の上方に配置されている第2流路と、第1流路を第2流路に接続している複数の垂直流路と、液体を第1流路へ供給するための流入口と、第2流路から液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。
【0022】
別の特徴において、第2流路は、第1流路よりも大きい断面を有する。
【0023】
別の特徴において、第2流路の内壁は、ウィッキング材料で覆われている。
【0024】
別の特徴において、第1および第2流路は、螺旋形である。
【0025】
別の特徴において、第1および第2流路は、2本巻きである。
【0026】
別の特徴において、第1および第2流路は、互いに平行である。
【0027】
別の特徴において、ベースプレートは、円筒形であり、第1および第2流路は、ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている。
【0028】
別の特徴において、流入口は第1流路の第1端部に接続され、第1流路の第2端部は終端され、第2流路の第1端部は終端され、第2流路の第2端部は流出口に接続されている。
【0029】
他の特徴において、流入口は、第1流路の第1端部に接続され、第1流路の第2端部は、終端されている。ベースプレートは、さらに、第2流路の上方に配置された第3流路を備える。第2流路の第1端部は、第3流路の第1端部に接続されている。第2流路の第2端部は、終端されている。第3流路の第2端部は、流出口に接続されている。
【0030】
他の特徴において、第2流路は、第1流路よりも大きい断面を有し、第3流路は、第2流路よりも大きい断面を有する。
【0031】
別の特徴において、第3流路は、2本巻きまたは螺旋形であり、第1および第2流路と平行である。
【0032】
他の特徴において、第1、第2、および、第3流路は、螺旋形であり、第3流路は、第1および第2流路と反対方向の螺旋になっている。
【0033】
他の特徴において、ベースプレートは、円筒形であり、第1、第2、および、第3流路は、ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている。
【0034】
他の特徴において、流入口は、第1流路の第1端部に接続され、第1流路の第2端部は、終端されている。ベースプレートは、さらに、ベースプレートの第1流路および底部領域の間に空洞を備える。第2流路の第1端部は、空洞に接続されている。第2流路の第2端部は、終端されている。空洞は、流出口に接続されている。
【0035】
他の特徴において、ベースプレートは、円筒形であり、第1および第2流路ならびに空洞は、ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている。
【0036】
他の特徴において、ベースプレートは、さらに、複数の多孔質プラグを備える。多孔質プラグの各々は、第1流路に接続された第1端部と、第2流路の第1端部を空洞に接続する通路に接続された第2端部とを有する。
【0037】
他の特徴において、第1流路を第2流路に接続する垂直流路は、第1流路の中心に向かって多孔質プラグの第1端部の下方へ伸びている。
【0038】
他の特徴において、流入口は、第1流路の第1端部に接続され、第1流路の第2端部は、終端されている。ベースプレートは、さらに、第2流路の上方に配置された第3流路と、ベースプレートの第1流路および底部領域の間にある空洞と、を備える。第2流路の第1端部は、第3流路の第1端部と空洞とに接続されている。第2流路の第2端部は、終端されている。第3流路の第2端部、および、空洞は、ベースプレート内のそれぞれのベントに接続されている。
【0039】
他の特徴において、第2流路は、第1流路よりも大きい断面を有し、第3流路は、第2流路よりも大きい断面を有する。
【0040】
別の特徴において、第3流路は、2本巻きまたは螺旋形であり、第1および第2流路と平行である。
【0041】
他の特徴において、第1、第2、および、第3流路は、螺旋形であり、第3流路は、第1および第2流路と反対方向の螺旋になっている。
【0042】
他の特徴において、ベースプレートは、円筒形であり、第1、第2、および、第3流路、ならびに、空洞は、ベースプレートの直径にわたって半径方向に広がっている。
【0043】
他の特徴において、ベースプレートは、さらに、冷却システムと、液位センサと、コントローラと、を備える。冷却システムは、流出口からのフィードバックに基づいて、液体を流入口へ供給するよう構成されている。液位センサは、第1流路における液体の液位を検知するために第1流路内に配置されている。コントローラは、気化冷却システムにおける液体の液位に基づいて、冷却システムから流入口への液体の供給を制御するよう構成されている。
【0044】
さらに他の特徴において、基板処理システムが、基板支持アセンブリと、基板支持アセンブリ内に配置された気化冷却システムと、液体を気化冷却システムへ供給するよう構成されている液体供給部と、気化冷却システムにおける液体の液位を検知するために気化冷却システム内に配置された液位センサと、気化冷却システムにおける液体の液位に基づいて、液体供給部から気化冷却システムへの液体の供給を制御するよう構成されているコントローラと、を備える。
【0045】
他の特徴において、基板処理システムは、さらに、加圧ガスを液体供給部へ供給するためのガス供給部と、基板支持アセンブリ内のシステム圧力を検知するための圧力センサと、を備える。コントローラは、システム圧力に基づいて、ガス供給部から液体供給部への加圧ガスの供給を制御し、ガス供給部から液体供給部への加圧ガスの制御された供給に基づいて、液体が気化する圧力を制御するよう構成されている。
【0046】
他の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリの上側領域、下側領域、および、側壁の間の空洞と、空洞内で上側および下側領域の間に配置されている複数のピラーと、を備える。ピラーは、ウィッキング材料で覆われている。気化冷却システムは、液体供給部から空洞へ液体を供給するための流入口と、液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。
【0047】
別の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内で空洞の上方に配置されている流路を備える。流出口は、流路に接続されている。流路は、基板支持アセンブリ内のベントに接続されている。
【0048】
別の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内で基板支持アセンブリの空洞および下側領域の間にある第2空洞を備える。流出口は、第2空洞に接続されている。第2空洞は、基板支持アセンブリ内のベントに接続されている。
【0049】
他の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内で空洞の上方に配置されている流路と、基板支持アセンブリ内で基板支持アセンブリの空洞および下側領域の間にある第2空洞と、を備える。流出口は、流路と第2空洞とに接続されている。第2空洞および流路は、基板支持アセンブリ内のそれぞれのベントに接続されている。
【0050】
他の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内に配置されている第1流路と、基板支持アセンブリ内で第1流路の上方に配置されている第2流路と、第1流路を第2流路に接続するために基板支持アセンブリ内に配置された複数の垂直流路と、を備える。気化冷却システムは、液体供給部から第1流路へ液体を供給するための流入口と、第2流路から液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。
【0051】
別の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内で第2流路の上方に配置されている第3流路を備える。第3流路は、第2流路と流出口とに接続されている。第2流路は、第1流路よりも大きい断面を有する。第3流路は、第2流路よりも大きい断面を有する。
【0052】
別の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内で基板支持アセンブリの第1流路および底部領域の間にある空洞を備える。第2流路は、空洞に接続されている。空洞は、流出口に接続されている。
【0053】
他の特徴において、気化冷却システムは、基板支持アセンブリ内で第2流路の上方に配置されている第3流路と、基板支持アセンブリ内で基板支持アセンブリの第1流路および底部領域の間にある空洞と、を備える。第2流路は、第3流路と空洞とに接続されている。第3流路および空洞は、基板支持アセンブリ内のそれぞれのベントに接続されている。
【0054】
詳細な説明、特許請求の範囲、および、図面から、本開示を適用可能なさらなる領域が明らかになる。詳細な説明および具体的な例は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示は、詳細な説明および以下に説明する添付図面から、より十分に理解できる。
【0056】
【
図1A】本開示に従って、基板処理システムの第1例を示す図。
【0057】
【
図1B】本開示に従って、基板処理システムの第2例を示す図。
【0058】
【
図2A】本開示に従って、気化冷却システムの第1設計を示す図。
【
図2B】本開示に従って、気化冷却システムの第1設計を示す図。
【0059】
【0060】
【
図4】本開示に従って、気化冷却システムの第2設計を示す図。
【0061】
【
図5】2本巻き流路を用いる第2設計の第1例を示す上面図。
【0062】
【0063】
【
図7】螺旋形流路を用いる第2設計の第2例を示す上面図。
【0064】
【0065】
【
図9】
図2A、
図2B、および、
図3の第1設計に蒸気流路を追加した、本開示に従った気化冷却システムの第3設計の第1例を示す断面図。
【0066】
【
図10】
図4~
図8の第2設計に蒸気流路を追加した、第3設計の第2例を示す断面図。
【0067】
【0068】
【0069】
【
図13】
図4~
図8の第2設計のもとで空洞を含む、本開示に従った気化冷却システムの第4設計を示す上面図。
【0070】
【0071】
【0072】
【
図16】第4設計に相分離器を追加した、本開示に従った気化冷却システムの第5設計を示す断面図。
【0073】
【0074】
【0075】
図面において、同様および/または同一の要素を特定するために、同じ符号を用いる場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0076】
典型的には、冷却流体が、静電チャック(ESC)を冷却するために用いられる。本開示の冷却システムは、冷媒流体と共にESC内部の特別に設計されたエバポレータを利用する。エバポレータの様々な例については、後述する。特に、低温液体(すなわち、-130°F(-90℃)より低い標準沸点を持つ液体)が、基板から冷却された領域への有効な熱伝達と共に効率的かつ反復可能な冷却につながる制御された方法で冷却を提供するために、ESC構造内で気化される。冷却システムは、極低温まで下がる動作によってESCから比較的高い熱負荷を除去する。冷却システムは、二相流に関する問題を解決し、低温液体の冷却能力の効率的な利用を提供する。冷却システムの冷却能力は、冷却流体への熱伝達に依存するシステムよりも、-20℃未満の温度では、はるかに高い。
【0077】
ESC冷却は、典型的には、高圧冷却ガスまたは様々な液体冷却材のいずれかによって実行される。これらの方法の不利点は、これらの方法の限られた冷却能力および/または限られた動作温度範囲を含む。例えば、閉鎖循環式の液体冷却装置は、複数の冷却段の必要性により、動作温度が-20℃未満に下がると、非常に高価になる。冷却材は、極端な温度範囲(-80℃~80℃など)で液体として存在し、腐食または毒性の懸念によって許容不可能ではない材料でなければならない。かかる冷却材は、ほとんどなく、高価である。あるいは、ガスの閉鎖流が用いられてもよい。しかしながら、1~5kWの範囲で冷却を達成するために、必要とされるガス流は比較的大きく、数百ポンド/平方インチの範囲の圧力までガスを圧縮する必要がある。
【0078】
純物質について、キログラムあたりの気化の潜熱は、典型的には、例えば20℃だけ媒体を加熱した時のエンタルピー変化よりもはるかに高く、これは熱均一性の考慮事項により、ESCで用いられる最大量に近い可能性がある。これが、ほとんどの冷却システムで用いられる冷却方法が作動媒体の気化である理由である。しかしながら、利用場所(すなわち、ESC)での気化は、典型的には利用されてこなかった。これは、限られた空間内で液体の相当量の流れを気化させる必要があるからである。閉ループを通して沸騰液を流すことは、安定した方法で制御するのが比較的困難である二相流につながりうる。含まれる表面エネルギに応じて、発泡が起きるか、または、より通常は、液体が沸騰した時にガス領域が膨張するのに伴って、気体および液体の交互のプラグによってプラグ流れが確立される。したがって、これらのプラグの速度は、冷却流路に沿って劇的に増大する。同様に、冷却効率が低下し、比較的大きい背圧が生じる。したがって、設計が流路の断面積の増大を提供しない限り、かかる設計は、熱伝達の均一性の問題を伴う。その代わり、以下で説明するように、本開示の気化冷却システムは、より制御された気化を提供する。
【0079】
本開示は以下のように構成されている。最初に、本開示の冷却システムの利用が可能である基板処理システムの例について、
図1Aおよび
図1Bを参照して図示および説明する。その後、第1設計に従った冷却システムの一例について、
図2A、
図2B、および、
図3を参照して図示および説明する。第2設計に従った冷却システムの一例について、
図4~
図8を参照して図示および説明する。さらなる設計について、
図9~
図16を参照して図示および説明する。様々な冷却システムを制御するために用いられる制御システムの例について、
図17Aおよび
図17Bを参照して図示および説明する。様々な冷却システムを制御する方法について、
図18を参照して図示および説明する。
【0080】
図1Aは、本開示に従って、誘導結合プラズマを用いて半導体ウエハなどの基板をエッチングする基板処理システムの一例10を示す。基板処理システム10は、コイル駆動回路11を備える。いくつかの例において、コイル駆動回路11は、RF源12、パルス化回路14、および、同調回路(すなわち、整合回路)13を備える。パルス化回路14は、RF源12によって生成されるRF信号のトランス結合プラズマ(TCP)エンベロープを制御し、動作中にTCPエンベロープのデューティサイクルを1%~99%の間で変化させる。パルス化回路14およびRF源12は、一体化されてもよいし、別個であってもよい。
【0081】
同調回路13は、誘導コイル16に直接接続されていてよい。基板処理システム10は、単一のコイルを用いているが、いくつかの基板処理システムは、複数のコイル(例えば、内側コイルおよび外側コイル)を用いてもよい。同調回路13は、RF源12の出力を所望の周波数および/または所望の位相に同調させ、コイル16のインピーダンスを整合させる。
【0082】
誘電体窓24が、処理チャンバ28の上側に沿って配置されている。処理チャンバ28は、基板34を支持するための基板支持体(またはペデスタル)30を備える。基板支持体30は、静電チャック(ESC)、機械式チャック、または、その他のタイプのチャックを含みうる。基板支持体30は、ベースプレート32を備える。セラミックプレート33が、ベースプレート32の上面の上に配置されている。熱抵抗層36が、セラミックプレート33とベースプレート32との間に配置されていてよい。基板34は、処理中にセラミックプレート33上に配置される。複数のヒータ35が、処理中に基板34を加熱するためにセラミックプレート33内に配置されている。例えば、ヒータ35は、セラミックプレート33内に埋め込まれたプリント配線を備える。
【0083】
ベースプレート32は、さらに、基板支持体30を冷却するための気化冷却システム38を備える。気化冷却システム38は、液体供給システム39によって供給される液体を用いて基板支持体30を冷却する。気化冷却システム38は、
図2A~
図15を参照して後述する気化冷却システム38のいずれかを含みうる。
【0084】
処理ガスが、処理チャンバ28に供給され、プラズマ40が、処理チャンバ28の内部で生成される。プラズマ40は、基板34の露出面をエッチングする。RF源50、パルス化回路51、および、バイアス整合回路52が、処理中に基板支持体30をバイアスしてイオンエネルギを制御するために用いられてよい。
【0085】
ガス供給システム56が、処理チャンバ28に処理ガス混合物を供給するために用いられてよい。ガス供給システム56は、処理ガス/不活性ガス源57と、ガス計量システム58(バルブおよびマスフローコントローラなど)と、マニホルド59とを備えてよい。ガスインジェクタ63が、誘電体窓24の中央に配置されてよく、ガス供給システム56から処理チャンバ28へガス混合物を注入するために用いられる。追加的または代替的に、ガス混合物は、処理チャンバ28の側面から注入されてもよい。
【0086】
温度コントローラ64が、ヒータ35に接続されていてよく、ヒータ35を制御することで基板支持体30および基板34の温度を制御するために用いられてよい。温度コントローラ64は、基板支持体30を冷却するために気化冷却システム38を通る液体の流れを制御するために、液体供給システム39と通信してよい。例えば、
図17Aを参照して図示および説明するように、液体供給システム39は、液体源、加圧ガス供給部、バルブ、および、圧力センサを備えてよい。例えば、
図17Bを参照して図示および説明するように、液体供給システム39は、冷却システムを備えてよい。気化冷却システム38は、後に詳述するように、気化冷却システム38における液位を検知するために、液位センサ(例えば、
図2A、
図2B、
図17A、および、
図17Bに示す要素230および412)を備えてよい。温度コントローラ64は、液位センサおよび圧力センサからのフィードバックに基づいて、気化冷却システム38を通る液体の流れを制御してよい。
【0087】
排気システム65が、処理チャンバ28内の圧力を制御するため、ならびに/もしくは、パージまたは排出によって処理チャンバ28から反応物質を除去するために、バルブ66およびポンプ67を備える。コントローラ70が、エッチング処理を制御するために用いられてよい。コントローラ70は、基板処理システム10の構成要素を制御する。コントローラ70は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の供給、プラズマの点火、維持、および、消火、反応物質の除去、冷却液の供給などを制御する。さらに、コントローラ70は、コイル駆動回路11、RF源50、および、バイアス整合回路52などの様々な側面を制御してよい。
【0088】
図1Bは、容量結合プラズマを生成するよう構成されている処理チャンバ102を備えた基板処理システムの別の例100を示す。この例は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)の文脈で説明されているが、本開示の教示は、その他のタイプの基板処理(原子層蒸着(ALD)、プラズマ強化ALD(PEALD)、CVD、または、エッチングを含むその他の処理など)に適用されてもよい。
【0089】
基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成要素を収容すると共に(利用する場合に)RFプラズマを閉じ込める処理チャンバ102を備える。処理チャンバ102は、上側電極104と、静電チャック(ESC)106またはその他のタイプの基板支持体と、を備える。動作中、基板108が、ESC106上に配置される。
【0090】
例えば、上側電極104は、処理ガスを導入して処理チャンバ102内へ分散させるガス分配装置110(シャワーヘッドなど)を備えてよい。ガス分配装置110は、処理チャンバ102の上面に接続された一端を備えるステム部分を備えてよい。シャワーヘッドのベース部分は、略円筒形であり、処理チャンバ102の上面から離れた位置でステム部分の反対側の端部から半径方向外向きに広がる。シャワーヘッドのベース部分の基板対向面すなわちフェースプレートは、気化した前駆体、処理ガス、または、パージガスが流れる複数の流出口または特徴部(例えば、スロットまたはスルーホール)を備える。
【0091】
ESC106は、下側電極として機能するベースプレート112を備える。セラミックプレート114が、基板108を加熱するためのヒータ152を備え、ベースプレート112の上面の上に配置されている。ヒータ152は、セラミックプレート114内に埋め込まれたプリント配線を備える。熱抵抗層116が、セラミックプレート114とベースプレート112との間に配置されていてよい。ベースプレート112は、ESC106を冷却するための気化冷却システム118を備える。気化冷却システム118は、
図2A~
図15を参照して後述する気化冷却システム38のいずれかを含みうる。
【0092】
プラズマが利用される場合、RF発生システム(またはRF源)120が、RF電圧を生成して、上側電極104および下側電極(例えば、ESC106のベースプレート112)の一方へ出力する。上側電極104およびベースプレート112のもう一方は、DC接地、AC接地されるか、または、浮遊していてよい。例えば、RF発生システム120は、整合/配電ネットワーク124によって上側電極104またはベースプレート112に供給されるRF電力を生成するRF発生器122を備えてよい。他の例において、図示されていないが、プラズマが、誘導的にまたは遠隔で生成された後に、処理チャンバ102へ供給されてもよい。
【0093】
ガス供給システム130が、1以上のガス源132-1、132-2、・・・、および、132-N(集合的に、ガス源132)を備えており、ここで、Nはゼロより大きい整数である。ガス源132は、バルブ134-1、134-2、・・・、および、134-N(集合的に、バルブ134)ならびにマスフローコントローラ136-1、136-2、・・・、および、136-N(集合的に、マスフローコントローラ136)によってマニホルド140に接続されている。蒸気供給システム142が、マニホルド140または処理チャンバ102に接続された別のマニホルド(図示せず)に気化した前駆体を供給する。マニホルド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。ガス源132は、処理ガス、洗浄ガス、または、パージガスを供給してよい。
【0094】
温度コントローラ150は、ヒータ152を制御することでESC106および基板108の温度を制御するために用いられる。温度コントローラ150は、ESC106を冷却するために気化冷却システム118を通る液体の流れを制御するために、液体供給システム154と通信してよい。例えば、
図17Aを参照して図示および説明するように、液体供給システム154は、液体源、加圧ガス供給部、バルブ、および、圧力センサを備えてよい。例えば、
図17Bを参照して図示および説明するように、液体供給システム154は、冷却システムを備えてよい。気化冷却システム118は、後に詳述するように、気化冷却システム118における液位を検知するために、液位センサ(例えば、
図2A、
図2B、
図11A、および、
図17Bに示す要素230および412)を備えてよい。温度コントローラ150は、液位センサおよび圧力センサからのフィードバックに基づいて、気化冷却システム118を通る液体の流れを制御してよい。
【0095】
バルブ156およびポンプ158が、処理チャンバ102から反応物質を真空引きするために用いられてよい。システムコントローラ160が、基板処理システム100の構成要素を制御する。
【0096】
図2A~
図16に示す以下の気化冷却システムにおいて、液体が、以下で詳しく説明するように、ウィッキング表面への移動によって制御された方法で気化される。様々な実施例が、
図2A~
図16に例として提供されている。様々な気化冷却システムを制御するために用いられる制御システムの例が、
図17Aおよび
図17Bに示されている。様々な気化冷却システムを制御するための方法が、
図18に示されている。
【0097】
図2A、
図2B、および、
図3は、本開示に従って、気化冷却システムの第1設計を示す。
図2Aにおいて、ESC200は、ベースプレート202を備える。セラミックプレート204が、ベースプレート202上に配置されている。複数のヒータ206(例えば、プリント配線)が、セラミックプレート204内に配置されている。熱抵抗層203が、ヒータ206とベースプレート202との間に配置されていてよい。基板(図示せず)が、処理中にセラミックプレート204上に配置される。
【0098】
ベースプレート202内に、空洞210が規定されており、
図3でさらに詳細に示す。ベースプレート202は、金属(アルミニウムまたはチタンなど)または合金(AlSiCまたはSiCなど)を含む熱伝導率の高い材料で形成されうる。
図3は、
図2Aに示す点線に沿って取られたベースプレート202の断面を示す。断面において、空洞210の上部が、説明の目的で開いているように図示されている。
【0099】
図3に示すように、空洞210は、その直径未満の高さを有する円筒形である。空洞210は、空洞210の上部から底部までに至るピラー212を含む。ピラー212は、突起または突出部とも呼ばれうる。単に例として、ピラー212は、円筒形であるように示されている。あるいは、ピラー212は、その他の形状を有してもよい。ピラー212は、比較的表面積の大きい形状を有する。
【0100】
空洞210の内部は、ウィッキング材料214で覆われている。
図2Bにおいて、ウィッキング材料214は、さらに、ピラー212の上面を覆っており、それにより、より広い領域にわたる液体からの熱伝達が可能になる。例えば、ウィッキング材料214は、比較的表面積の大きい金属コーティングを備えてよい。例えば、ウィッキング材料214は、プラズマ溶射アルミニウムまたはツインワイヤアーク溶射アルミニウムを備えてもよい。あるいは、電気メッキが、ウィッキング材料214の表面積を増大させるために用いられてもよい。他の例において、ウィッキング材料214は、焼結硝子ビーズまたは焼結ポリマ球(例えば、ポリエチレン)を備えてもよく、ビーズは、両方の場合において、約10~300μmの直径を有しうる。
【0101】
空洞210は、気化される液体を受け入れるための1または複数の流入ポート220と、気化した蒸気の除去のための1または複数の流出ポート222と、備える。流出ポートは、流入ポート220よりも大きい。熱が、空洞210上方のベースプレート202の上側領域からピラー212へ流れる。空洞210内の液体は、ウィッキング材料214へ移動し、ピラー212からウィッキング材料214へ伝達された熱によって、制御された方法で気化される。
【0102】
空洞210は、空洞210の下側部分で略一定の液位を維持するために制御システム(
図17Aおよび
図17Bに示す例を参照)と共に用いられる1または複数の液位センサ230を備える。液体は、ウィッキング材料214の表面を上がり、大きな気泡形成なしに制御された方法でウィッキング材料214の表面で気化する。気化したガスは、ベント(すなわち、流出ポート222)から空洞210を出て、後述するようにESC200を冷却するためにさらに利用されうる。
【0103】
この設計は、(最大ウィッキング面積を提供するために)空洞材料と空洞空間との間の境界の長さを最大化しつつ、ウィッキング材料214から空洞210の上方のESC200の領域への十分な熱伝達を提供する。
【0104】
一般的に言うと、ESC200などの基板支持アセンブリは、ベースプレート202と、ベースプレート202上に配置されたセラミックプレート204と、を備える。セラミックプレート204は、処理中にセラミックプレート204上に配置された基板を加熱するために、1または複数のヒータ206を備える。ベースプレート202は、ベースプレート202の上側領域、下側領域、および、側壁の間にある(すなわち、それらによって規定された)空洞210を備える。空洞210は、円筒形であり、空洞210の高さは、空洞210の直径よりも小さい。空洞210は、ベースプレート202の直径に沿って半径方向に広がっている。複数のピラー212が、空洞210内でベースプレート202の上側領域および下側領域の間に配置されている。例えば、ピラー212は、円筒形であり、空洞210の底部から空洞210の上部まで伸びている。例えば、ピラー212は、空洞210の底部から空洞210の上部まで垂直に(すなわち、直立に)伸びている。ピラー212は、ウィッキング材料214で覆われている。ベースプレート202は、空洞210へ液体を供給するための流入口220と、ベースプレート202から液体の蒸気を排気するための流出口222と、を備える。流入口220は、流出口222よりもサイズが小さい。流入口220は、空洞210の底部に隣接(すなわち近接)しており、流出口222は、空洞210の上部に隣接(すなわち近接)している。
【0105】
図4は、本開示に従って、気化冷却システムの第2設計を示す。第2設計では、ESC300に、ESC300のベースプレート内に配置された平行な流路のペアが提供されている。図の例において、下側流路302および上側流路304を含む流路のペアが、ESC300のベースプレート内に配置されている。下側流路および上側流路302、304は、それぞれ、本開示を通して第1流路および第2流路もしくは液体流路および蒸気流路とも呼ばれる。
【0106】
下側および上側流路302、304には、下側および上側流路302、304の間に略垂直に伸びる小さいコネクタ(接続流路とも呼ばれる)306が間隔を置いて提供されている。液体が、下側流路302を通して流れ、その中で沸騰するよう意図されていない。下側流路302内での液体の沸騰を最小化するために、十分な液体流量が下側流路302内で維持される。上側流路304は、下側流路302よりもかなり大きい断面積を有する。一実施例において、上側流路304の内壁は、ウィッキング材料310で覆われている。ウィッキング材料310は、
図2Aおよび
図2Bに示したウィッキング材料214と同様であってよい。いくつかの実施例において、ウィッキング材料310は省略されてもよい。
【0107】
動作中、液体は、下側流路302からコネクタ306を通してより大きい上側流路304へ送り込まれる。熱が、上側流路304上方のベースプレートの上側領域から上側流路304へ流れる。液体の気化が、上側流路304で起こり、気化によって形成されたガス(例えば、蒸気)が、上側流路304に沿って流出ポート(
図5に示す)に至る。下側および上側流路304、304ならびにコネクタ306の構成は、液体流をガス流から分離し、二相流に起因する問題を防ぐ。
【0108】
下側および上側流路302、304のレイアウトは、液体輸送流路(すなわち、下側流路302)がガス流路(すなわち、上側流路304)の垂直方向下方にあるようなレイアウトであってよい。レイアウトは、基板の平面と平行である。下側および上側流路302、304も、互いに平行である。
【0109】
図5および
図6は、第2設計に従って、ESC300内に下側および上側流路302、304を実装する第1例を示す。
図5において、ESC300のベースプレート301内に配置された下側流路302(点線で示されている)および上側流路304(実線で示されている)は、温度勾配を最小化するために2本巻きになっている。下側流路302は、液体のための流入口312を備え、上側流路304は、蒸気のための流出口314を備える。蒸気流路(すなわち、上側流路304)は、行き止まりになっている。一実施例において、液体流路(すなわち、下側流路302)は、行き止まりになっている。別の実施例において、液体流路(すなわち、下側流路302)は、行き止まりになっていない。下側および上側流路302、304は、スタックされている。つまり、蒸気流路(すなわち、上側流路304)は、基板(すなわち、ESC300の上面)により近く、液体流路(すなわち、下側流路302)の上方にスタックされている。これらのスタックされた流路の加工は困難でありうるが、
図6が1つの解決策を示している。
【0110】
図5~
図14において、下側および上側流路302、304は、縮尺通りに描かれていない。さらに、上面図に示されている下側および上側流路302、304の間のサイズ差と、対応する断面図に示されている下側および上側流路302、304の間のサイズ差はいずれも、実際の差ではない。
図4に示したように、
図5~
図14において、上側流路304は、下側流路302よりも大きい断面積を有する。さらに、
図5~
図14において、熱抵抗層203は、存在するが図示されていない。
【0111】
図6において、ESC300のベースプレート301内に配置された長方形の流路320は、それ自体が液体流路302を含みまたは規定する構造によって閉じられており、蒸気流路の方向へ構造を貫通しているノズル322がコネクタ306を形成している。この構造は、ESC本体(すなわち、ベースプレート301)内に保持され、液体流路302は、プレート324によって閉じられている。
【0112】
図7および
図8は、第2設計に従って、ESC300内に下側および上側流路302、304を実装する第2例を示す。
図7において、ESC300のベースプレート301内に配置された下側および上側流路302、304は、
図5に示した2本巻き流路である代わりに、2つの別個の螺旋形流路である。下側流路302-1は、液体のための流入口312-1を備え、上側流路304-1は、蒸気のための流出口314-1を備える。下側および上側流路302-1、304-1は、
図4~
図6を参照して図示および上述した流路と同様にスタックされている。下側および上側流路302-1、304-1には、下側および上側流路302-1、304-1の間に略垂直に伸びる
図4に示したような接続流路306が間隔を置いて提供されている。螺旋形の下側および上側流路302-1、304-1は、ベースプレート301の中央付近で終端している。
図8は、スタックされた下側および上側螺旋形流路302-1、304-1の構造を示す。
図8は、
図6と同様であり、参照のためにのみ示されているので、ここで再び説明はしない。
【0113】
本開示を通して、
図5に示した2本巻きの下側および上側流路302、304、ならびに、
図7に示した螺旋形の下側および上側流路302-1、304-1は、集合的に、下側および上側流路302、304と呼ばれている。さらに、すでに上述したように、下側流路および上側流路302、304は、それぞれ、本開示を通して第1流路および第2流路もしくは液体流路および蒸気流路とも呼ばれる。形状(すなわち、2本巻きまたは螺旋形)に関わらず、下側および上側流路302、304には、下側および上側流路302、304の間に略垂直に伸びる接続流路306が間隔を置いて提供されている。
【0114】
一般的に言うと、ESC300などの基板支持体は、ベースプレート301と、ベースプレート301上に配置されたセラミックプレート204と、を備える。セラミックプレート204は、処理中にセラミックプレート204上に配置された基板を加熱するために、1または複数のヒータ206を備える。ベースプレート301は、ベースプレート301内に配置された第1流路(すなわち、液体流路)302を備える。ベースプレート301は、第1管状流路302の上方に配置された第2流路(すなわち、蒸気流路)304を備える。第1および第2流路302、304は、円形(管状)、長方形、または、多角形であってよい。ベースプレート301は、第1流路302を第2流路304に接続する複数の垂直流路(すなわち、コネクタ)306を備える。ベースプレート301は、第1流路302へ液体を供給するための流入口と、第2流路304から液体の蒸気を排気するための流出口と、を備える。例えば、第1および第2流路302、304は、螺旋形または2本巻きである。第1および第2流路302、304は、基板と平行に配置されている。ベースプレート301は、円筒形であり、第1および第2流路302、304は、ベースプレート301の直径にわたって半径方向に広がっている。一実施例において、流入口は第1流路302の第1端部に接続され、第1流路302の第2端部は終端され、第2流路304の第1端部は終端され、第2流路304の第2端部は流出口に接続されている。別の実施例において、第2流路304の第1端部は、別の流出口に接続されている。
【0115】
図4~
図8に示した第2設計において、液体流路302から蒸気流路304への液体の流れの制御は、蒸気流路304内の過剰な液体を検出するセンサによって管理されうる。いくつかの実施例において、液位センサが用いられてよい。他の実施例が、蒸気流路304から発生する液滴または液体プラグを検出するセンサを用いてもよい。液位センサは、任意のタイプであってよい。例えば、液位センサは、熱線抵抗式の液位センサを含んでよい。これらのセンサでは、ワイヤが、(例えば、
図1Aおよび
図1Bに示した温度コントローラ64または150によって供給された)実質的に一定の電流によって温められる。(熱除去能力の高い)液体と接触すると、ワイヤの温度が急激に下がり、その抵抗が高くなり、これが、(例えば、
図1Aおよび
図1Bに示した温度コントローラ64または150によって)電圧低下として検知されうる。本開示の設計は、これらのセンサの選択によって限定されず、多くのその他のオプションが可能であり、利用されてよい。
【0116】
図4~
図8に示した第2設計において(そして、
図2A、
図2B、および、
図3に示した第1設計においても)、上側流路304の上方のESC300の上側領域からの熱で液体を沸騰させることによって上側流路304内で生成されたガス(すなわち、蒸気)は、まだ沸点に近く、ESC300の温度をさらに制御するために利用できる。ガスは、
図9~
図14を参照して以下で図示および説明されるように、比較的低い熱伝導率の媒体(すなわち、断熱媒体)として利用されてもよい。
【0117】
液体が気化している表面は、液体の沸点に非常に近い温度になりうるが、これは、所望のESC動作温度である可能性は低い。したがって、ESC内に温度勾配が存在することを許容する必要がある。逆に、ガス(すなわち、蒸気)を含む流路の壁は、ガスに対して全く異なる温度でありうる。したがって、冷却システムは、気化システムの上方および/または下方(すなわち、
図4~
図8に示した上側流路304の上方および/または下方、ならびに、
図2A、
図2B、および、
図3に示した空洞210の上方および/または下方)に重ねられたさらなる流路にガスを通すことによって、さらに改善されうる。上側流路304と同様に、この第2ガスループ(すなわち、さらなる蒸気流路)は、最良の(すなわち、最も空間的に均一な)熱除去パターンを提供するように設計可能である。
【0118】
図9および
図10は、
図2A~
図3および
図4~
図8に示したエバポレータシステムの上方に第2蒸気流路352を備えるESCの例を示す。
図9において、第2蒸気流路352は、
図2A、
図2B、および、
図3に示した空洞210の上方に配置されている。第2蒸気流路352は、螺旋形であってよい。
図11は、第2蒸気流路352の上面図を示す。第2蒸気流路352は、ベースプレート202の上側領域内の熱勾配を提供する。
【0119】
図10において、第2蒸気流路352は、
図4~
図8に示した上側流路304の上方に配置されている。第2蒸気流路352は、上側流路304に接続され、上側流路304から蒸気を受け入れる。第2蒸気流路352は、螺旋形であってよい。第2蒸気流路352は、下側および上側流路302、304と反対方向の螺旋になっている。第2蒸気流路352は、下側および上側流路302、304と平行に配置されている。
図11は、第2蒸気流路352の上面図を示す。第2蒸気流路352は、ベースプレート301の上側領域内の熱勾配を提供する。
【0120】
図11および
図12は、
図4~
図8に示した冷却システムの第2設計で実装された第2蒸気流路352の一例を示す。
図11は、第2蒸気流路352の一例の上面図を示す。例において、下側および上側流路302、304は、螺旋形(
図7および
図8を参照)として示されているが、下側および上側流路302、304は、
図5および
図6に示したように、2本巻きであってもよい。下側および上側流路302、304は、すでに上述したように、スタックされている。第2蒸気流路352は、上側流路304の上方にスタックされている。上側流路304は、行き止まりになっている。一実施例において、下側流路302は、行き止まりになっている。別の実施例において、下側流路302は、行き止まりになっていない。上側流路304の一方の端部(すなわち、開口端)は、ベースプレート301の中央付近の第2蒸気流路352へ接続されている。第2蒸気流路352の反対側の端部は、流出口354を通して蒸気を放出する。
図12は、
図10と同様であり、第2蒸気流路352の追加を除けば
図6とも同様であるため、ここで再び説明はしない。
【0121】
図13~
図15は、ESCのベースプレートの底部領域からの液体の寄生加熱を低減するために、上述の冷却システムの下に断熱層を実装する一例を示す。この例は、
図4~
図8に示した冷却システムについて示されている。図示されていないが、同じ設計が、
図2A、
図2B、および、
図3に示した冷却システムに実装されてもよい。例において、空洞390が、ベースプレート301内で下側流路302の下方に(すなわち、下側流路302とベースプレート301の底部との間に)規定されている。例えば、空洞390は、図に示すように、単純な円筒形の空間であってよい。あるいは、図示されていないが、蒸気流が、適切な壁によって導かれてもよい。蒸気は、流出口314から上側流路304を出て空洞390へ入り、流出口392から空洞390を出る。下側および上側流路302、304は、2本巻きとして示されているが、下側および上側流路302、304は、その代わりに、
図7および
図8に示したように螺旋形であってもよい。
図14は、空洞390の追加を除けば
図16と類似しているため、ここで再び説明はしない。
図15は、空洞390の断面図を示す。
【0122】
以下の記載では、第2蒸気流路352および/または空洞390が
図2A~
図3および
図4~
図8に示した冷却システムに追加された場合の、第2蒸気流路352および/または空洞390と、
図2A~
図3および
図4~
図8に示した冷却システムの要素との間の接続を明示的に示す。
【0123】
図9および
図11に示した第2蒸気流路352が、
図2A、
図2B、および、
図3に示した冷却システムに追加された場合、ベースプレート202は、さらに、ベースプレート202内で空洞210の上方の配置された流路(すなわち、第2蒸気流路)352を備える。流路352は、円形(すなわち、管状)、長方形、または、多角形であってよい。流出口222は、流路352の第1端部に接続され、流路352の第2端部は、ベースプレート202内のベントに接続されている。例えば、ベースプレート202および空洞210は円筒形であり、流路352は螺旋形または2本巻きである。空洞210および流路352は、ベースプレート202の直径に沿って半径方向に広がっている。
【0124】
図13に示した空洞390が、
図2A、
図2B、および、
図3に示した冷却システムに追加された場合、ベースプレート202は、さらに、ベースプレート202の空洞210および下側領域の間に空洞390(空洞210と区別するために第2空洞390と呼ぶ)を備える。流出口222は、第2空洞390に接続され、第2空洞390は、ベースプレート202内のベントに接続されている。
【0125】
図9および
図11に示した第2蒸気流路352ならびに
図13に示した空洞390の両方が、
図2A、
図2B、および、
図3に示した冷却システムに追加された場合、ベースプレート202は、さらに、ベースプレート202内で空洞210の上方の配置された流路(すなわち、第2蒸気流路)352を備える。ベースプレート202は、さらに、空洞210とベースプレート202の下側領域との間に空洞390(空洞210と区別するために第2空洞390と呼ぶ)を備える。流出口222は、流路352の第1端部および第2空洞390に接続されている。第2空洞390、および、流路352の第2端部は、ベースプレート202内のそれぞれのベントに接続されている。流路352は、螺旋形または2本巻きである。ベースプレート202は、円筒形であり、空洞210、流路352、および、第2空洞390は、ベースプレート202の直径にわたって半径方向に広がっている。
【0126】
図10~
図12に示した第2蒸気流路352が、
図4~
図8に示した冷却システムに追加された場合、ベースプレート301における流入口は、第1流路(すなわち、液体流路)302の第1端部に接続され、第1流路302の第2端部は終端される。ベースプレート301は、さらに、第2流路(すなわち、蒸気流路)304の上方に配置された第2蒸気流路(第3流路と呼ぶ)352を備える。第2流路304の第1端部は、第3流路352の第1端部に接続されている。第2流路304の第2端部は、終端されている。第3流路352の第2端部は、ベースプレート301内の流出口に接続されている。第3流路352は、第2流路304よりも大きい断面を有する。第3流路352は、螺旋形または2本巻きである。ベースプレート301は、円筒形であり、第1、第2、および、第3流路302、304、352は、ベースプレート301の直径にわたって半径方向に広がっている。
【0127】
図13~
図14に示した空洞390が、
図4~
図8に示した冷却システムに追加された場合、ベースプレート310における流入口は、第1流路(すなわち、液体流路)302の第1端部に接続される。第1流路302の第2端部は、終端されている。ベースプレート301は、さらに、ベースプレート301の第1流路302および底部領域の間に空洞390を備える。第2流路(すなわち、蒸気流路)304の第1端部は、空洞390に接続されている。第2流路304の第2端部は、終端されている。空洞390は、ベースプレート301内の流出口に接続されている。ベースプレート301は、円筒形であり、第1および第2流路302、304、ならびに、空洞390は、ベースプレート301の直径にわたって半径方向に広がっている。
【0128】
図10~
図14に示した第2条気流路352および空洞390が、
図4~
図8に示した冷却システムに追加された場合、ベースプレート301における流入口は、第1流路302の第1端部に接続される。第1流路302の第2端部は、終端されている。ベースプレート301は、さらに、第2流路304の上方に配置された第3流路352を備える。ベースプレート301は、さらに、ベースプレート301の第1流路390および底部領域の間に空洞390を備える。第2流路304の第1端部は、第3流路352の第1端部と空洞390とに接続されている。第2流路352の第2端部は、終端されている。第3流路352の第2端部、および、空洞390は、ベースプレート301内のそれぞれのベントに接続されている。第3流路352は、第2流路304よりも大きい断面を有する。第3流路352は、螺旋形または2本巻きである。ベースプレート301は、円筒形であり、第1、第2、および、第3流路302、304、352、ならびに、空洞390は、ベースプレート301の直径にわたって半径方向に広がっている。
【0129】
図16は、液体からの蒸気を分離して、液体のみが下側流路302から上側流路304に入りうることを保証する相分離器を備えた気化冷却システムの別の例を示す断面図である。
図16は、図に示すように、多孔質プラグ303が下側流路302に追加され、ストロー様通路305が、上側および下側流路304、302の間にノズル322を伸ばすように追加されていることを除けば、
図14と同様である。
【0130】
例えば、多孔質プラグ303は、蒸気が比較的容易に流れることを可能にし、蒸気流よりも液体流への耐性が高い焼結金属元素を含みうる。多孔質プラグ303は、下側流路302の上端部近くに配置されている。例えば、多孔質プラグ303は、可能な限りノズル322の近く配置される。多孔質プラグ303は、上側流路304の流出口314を空洞390に接続する通路307に接続されている。したがって、下側流路302内で生じうる任意の蒸気が、上側流路304に入る代わりに、多孔質プラグ303を通して空洞390へ抜けうるため、下側流路302から液体のみが、上側流路304へ入りうる。
【0131】
下側流路302内での蒸気および液体の分離をさらに確実にし、下側流路302から液体のみが上側流路304に入ることができることを保証するために、上側および下側流路304、302の間のノズル322は、ストロー様通路305によって下側流路302の中へ下方に伸ばされていてよい。例えば、ストロー様通路305は、ノズル322から、少なくとも多孔質プラグ303の高さよりも低く、好ましくは下側流路322の中心まで、下側流路302の中へ伸びていてよい。
【0132】
本明細書に記載の目的で
図1~
図16の冷却システムにおいて利用できる液体は、液体ガスおよび冷媒流体を含みうる。液体ガスの例は、アンモニア、液体窒素、液体アルゴン、または、その他の液体希ガス(すなわち、不活性ガス)を含む。冷媒流体の例は、R404aおよびR134aを含む。より沸点の高い流体が、高温で動作するよう構成されているESCに用いられてもよい。
【0133】
図17Aは、本開示に従って、液体の沸点を調節するために
図2A~
図16の冷却システムで利用できるシステム400を示す。液体が気化する圧力を変化させることによって、液体の沸点の或る程度の調節が得られうる。かかる調節を達成するために、システム400は、バルブを用いて背圧調整を提供する。例えば、バルブは、バネ作動式のチェックバルブまたはコンピュータプログラム可能なアクティブ動制御スロットルバルブを含みうる。
【0134】
システム400は、ESC402(
図2A~
図15を参照して上述したESCのいずれかであってよい)と、液体源404と、加圧ガス供給部406と、第1バルブV1と、第2バルブV2と、コントローラ410(例えば、
図1Aおよび
図1Bに示したコントローラ64、70、170、または、150)と、を備える。
【0135】
液体源404は、液体(例えば、上述の液体ガスまたは冷媒流体)をESC402へ(例えば、
図2A~
図3に示した空洞210へ、または、
図4~
図14に示した下側流路302へ)供給する。加圧ガス供給部406は、第1バルブV1を介して液体源404へ加圧ガスを供給する。第1バルブV1は、液体の圧力を制御するために用いられ、一方、第2バルブV2は、可変バルブであり、システム400を通る液体流を制御するために用いられる。
【0136】
圧力センサ408が、システム圧力Pを測定して、それをコントローラ410に提供する。コントローラ410は、加圧ガス供給部406から加圧ガスを供給するために、第1バルブV1を開く。加圧ガスは、Pが所定のレベルに達するまでに必要とされる最大圧力より大きい圧力を有する。
【0137】
ESC402における(例えば、
図2A~
図3に示した空洞210における、または、
図4~
図14に示した下側流路302における)液体の高さ(すなわち、液位)は、第2バルブV2によって制御される。ESC402における(例えば、
図2A~
図3に示した空洞210における、または、
図4~
図8に示した下側流路302における)液位が第1設定点よりも低いことを、液位センサ412(例えば、
図2Aおよび
図2Bに示した液位センサ230、もしくは、
図4~
図14で用いられている同様のセンサ)が示唆した時、コントローラ410は、第2バルブV2を通したコンダクタンスを増大させ、それにより、液体源404からESC402への液体の流量の増加が可能になる。ESC402における液位が第2設定点に達した時、コントローラ410は、第2バルブV2を部分的に閉じる。
【0138】
圧力変化は、液体の気化温度の大幅な変化を提供しうる。例えば、アンモニアが液体として用いられる場合、沸点は、1バールから4バールへ圧力を増大させると、-30℃から10℃へ変化しうる。あるいは、冷媒R404aは、同様の圧力範囲にわたって-50℃~0℃の間の沸点で利用できる。
【0139】
いくつかの実施形態において、液体を沸騰させることによって生成された蒸気は、回収、冷却、液化され、ESC402内の気化冷却システムに戻されてよい。次いで、ESC402は、ESC402に実装された本開示の冷却システムによって効率的かつ均一に動作可能な閉ループ冷却システムのエバポレータとして機能する。他の実施形態において、蒸気は、大気への放出に向けて、または、窒素などのいくつかの例では、(液体窒素を沸騰させることによって乾燥窒素が設備を通して用いられる場合に)ツールの設備での利用に向けて、排出されてよい。
【0140】
図17Bは、
図2A~
図16の冷却システムと共に利用できるシステム450を示す。システム450は、システム450が、システム400の要素406、V1、および、404の代わりに、冷却システム452を備えることを除けば、
図17Aに示したシステム400と同様である。冷却システム452は、深くサブクールされた液体をESC402へ供給する閉ループ冷却システムである。冷却システム452は、気相なしに液体のみがESC402へ供給されることを確実にし、それにより、二相流の管理の困難を低減できるいくつかの応用例において、システム450は、
図16に示した相分離の設計の代わりに利用できる。バルブV2は、任意選択的であり、ESC402の気化冷却システム内で沸騰する液体の圧力を調節するために利用できる。
【0141】
図18は、上述の冷却システムを制御するための方法500を示す。例えば、方法は、
図17Aおよび
図17Bのコントローラ410によって実行されてよい。工程502で、方法500は、冷却システムにおける液位を監視する。工程504で、方法500は、冷却システムにおける液位が第1設定点以下であるか否かを判定する。冷却システムにおける液位が第1設定点以下でない場合、方法500は、工程502で冷却システムにおける液位を監視し続ける。冷却システムにおける液位が第1設定点以下である場合、方法500は、工程506で冷却システムへ流体を供給する。工程508で、方法500は、冷却システムにおける液位が第2設定点以上であるか否かを判定する。冷却システムにおける液位が第1設定点以上でない場合、方法500は、冷却システムにおける液位が第2設定点以上になるまで、工程506で冷却システムへ液体を供給し続ける。冷却システムにおける液位が第1設定点以上である場合、方法500は、工程502に戻る。
【0142】
上述の記載は、本質的に例示に過ぎず、本開示、応用例、または、利用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施されうる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および、以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されない。
【0143】
方法に含まれる1または複数の工程が、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装することができる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0144】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係および機能的関係性が、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「近接する」、「の上部に」、「上方に」、「下方に」、および、「配置される」など、様々な用語を用いて記載されている。第1および第2要素の間の関係性を本開示で記載する時に、「直接」であると明確に記載されていない限り、その関係性は、他に介在する要素が第1および第2の要素の間に存在しない直接的な関係性でありうるが、1または複数の介在する要素が第1および第2の要素の間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係性でもありうる。本明細書で用いられているように、「A、B、および、Cの少なくとも1つ」という表現は、非排他的な論理和ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、および、Cの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0145】
いくつかの実施例において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(ペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。
【0146】
コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0147】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。
【0148】
プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、ウエハの1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0149】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。
【0150】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。一部の例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続しまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。
【0151】
したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として、リモートに配置されている、など)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0152】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層蒸着(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0153】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
【国際調査報告】