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特表2023-529050位置ずれ測定値に対するウェハ傾斜の影響の補正のためのシステムおよび方法
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  • 特表-位置ずれ測定値に対するウェハ傾斜の影響の補正のためのシステムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】位置ずれ測定値に対するウェハ傾斜の影響の補正のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
H01L21/66 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555160
(86)(22)【出願日】2020-04-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 US2020026794
(87)【国際公開番号】W WO2021206670
(87)【国際公開日】2021-10-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レビンスキ ウラディミル
(72)【発明者】
【氏名】ネグリ ダリア
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA50
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB20
4M106DJ06
4M106DJ12
4M106DJ19
(57)【要約】
半導体ウェハの位置ずれ測定値を、ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正する方法であって、方法は、ウェハ上の少なくとも1つの位置に対して、ウェハの表面が計測装置の照射源によって概して垂直に照射される、ウェハに対する第1の照射配置における、計測装置のツールにより誘発されるシフト(TIS)と、表面が照射源によって斜めに照射される、ウェハに対する第2の照射配置における、計測装置のTISとの差を測定することと、位置ずれ測定値から、第1および第2の照射配置におけるTISの差の加重値を減算することによって、位置における、ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して、少なくとも1つの位置における計測装置によって測定された位置ずれ測定値を補正することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハの位置ずれ測定値を、前記ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正する方法であって、
ウェハ上の少なくとも1つの位置に対して、前記ウェハの表面が計測装置の照射源によって概して垂直に照射される、前記ウェハに対する第1の照射配置における、前記計測装置のツールにより誘発されるシフト(TIS)と、前記表面が前記照射源によって斜めに照射される、前記ウェハに対する第2の照射配置における、前記計測装置のTISとの差を測定することと、
前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の加重値を減算することによって、前記位置における、前記ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して、前記少なくとも1つの位置における前記計測装置によって測定された位置ずれ測定値を補正することと
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差は、前記計測装置のパラメータの関数として変化するシグネチャプロファイルを備える方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記計測装置は、多数の波長によって前記ウェハを照射し、前記計測装置のTISにおける前記差は、前記多数の波長の関数として測定される方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、TISにおける前記差を前記測定することは、前記ウェハ上の複数の位置Nで行われ、前記計測装置のTISにおける前記差は、前記複数の位置のそれぞれに対する前記多数の波長の関数として測定される方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の前記加重値は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差に、重み係数を乗算することによって計算される方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記重み係数は、前記位置ずれ測定値と、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差との、可変部分のみに基づいて計算される方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記重み係数は、
【数1】
に従って計算され、α(N)は、前記重み係数であり、
【数2】
は、前記位置ずれ測定値の前記可変部分であり、
【数3】
は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の前記可変部分である方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記位置ずれ測定値の前記可変部分は、
【数4】
に従って計算され、MISmeasured(N,λ)は、前記位置ずれ測定値であり、
【数5】
は、前記多数の照射波長にわたって平均化された前記位置ずれ測定値である方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の加重値を前記減算することは、次式に従って行われ、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ)
ここでMIScorrected(N)は、前記位置ずれ測定値の補正された値であり、ΔTIS(λ)は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差である方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法であって、前記計測装置のTISにおける前記差に基づいて、前記計測装置の動作パラメータを最適化することをさらに含む方法。
【請求項11】
半導体ウェハの位置ずれ測定値を、前記ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正するシステムであって、
計測装置の一部を形成する照射源であって、少なくとも、ウェハの表面が前記照射源によって概して垂直に照射される、第1の照射配置と、前記表面が前記照射源によって斜めに照射される、第2の照射配置とにおいて、前記ウェハを照射するように動作可能な照射源と、
前記第1および第2の照射配置における、前記計測装置のTISの差を見出すように動作可能な、TIS計算器と、
前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記計測装置の、前記TISの前記差の加重値を減算することに基づいて、前記位置における、前記ウェハの傾斜に起因して生じるその中の誤差に対して、前記ウェハ上の位置における前記計測装置による位置ずれ測定値を補正するように動作可能なウェハ傾斜補正器と
を備えるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差は、前記計測装置のパラメータの関数として変化するシグネチャプロファイルを備えるシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記照射源は、多数の波長によって前記ウェハを照射するように動作可能であり、前記TIS計算器は、前記計測装置のTISにおける前記差を、前記多数の波長の関数として見出すように動作可能であるシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記TIS計算器は、前記複数の位置のそれぞれに対する前記多数の波長の関数として、前記ウェハ上の複数の位置Nで、TISにおける前記差を見出すように動作可能であるシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の前記加重値を、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差に、重み係数を乗算することによって計算するように動作可能であるシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記重み係数を、前記位置ずれ測定値と、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差との、可変部分のみに基づいて計算するように動作可能であるシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記重み係数を、
【数6】
に従って計算するように動作可能であり、α(N)は、前記重み係数であり、
【数7】
は、前記位置ずれ測定値の前記可変部分であり、
【数8】
は、前記第1および第2の照射配置におけるTISの前記差の前記可変部分であるシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記位置ずれ測定値の前記可変部分を、
【数9】
に従って計算するように動作可能であり、MISmeasured(N,λ)は、前記位置ずれ測定値であり、
【数10】
は、前記多数の照射波長にわたって平均化された前記位置ずれ測定値であるシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、次式に従って、前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の加重値を減算するように動作可能であり、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ)
ここでMIScorrected(N)は、前記位置ずれ測定値の補正された値であり、ΔTIS(λ)は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差であるシステム。
【請求項20】
請求項11~19のいずれか1項に記載のシステムであって、前記計測装置の動作パラメータは、前記計測装置のTISにおける前記差に基づいて最適化されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に計測に関し、より詳細には、半導体ウェハ上の位置ずれ測定値に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハの製造における位置ずれの測定のための様々なシステムおよび方法が、当技術分野では知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7528954号
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0286395号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、局在的なウェハ傾斜のそれに対する影響に対して、半導体ウェハに対して行われる位置ずれ測定値の補正のための新規なシステムおよび方法をもたらすことを追求する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、半導体ウェハの位置ずれ測定値を、ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正する方法がもたらされ、方法は、ウェハ上の少なくとも1つの位置に対して、ウェハの表面が計測装置の照射源によって概して垂直に照射される、ウェハに対する第1の照射配置における、計測装置のツールにより誘発されるシフト(TIS)と、表面が照射源によって斜めに照射される、ウェハに対する第2の照射配置における、計測装置のTISとの差を測定することと、位置ずれ測定値から、第1および第2の照射配置におけるTISの差の加重値を減算することによって、位置における、ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して、少なくとも1つの位置における計測装置によって測定された位置ずれ測定値を補正することを含む。
【0006】
好ましくは、第1および第2の照射配置におけるTISの差は、計測装置のパラメータの関数として変化するシグネチャプロファイルを含む。
【0007】
好ましくは、計測装置は、多数の波長によってウェハを照射し、計測装置のTISにおける差は、多数の波長の関数として測定される。
【0008】
好ましくは、TISにおける差を測定することは、ウェハ上の複数の位置Nで行われ、計測装置のTISにおける差は、複数の位置のそれぞれに対する多数の波長の関数として測定される。
【0009】
好ましくは、第1および第2の照射配置におけるTISの差の加重値は、第1および第2の照射配置におけるTISの差に、重み係数を乗算することによって計算される。
【0010】
好ましくは、重み係数は、位置ずれ測定値と、第1および第2の照射配置におけるTISの差との、可変部分のみに基づいて計算される。
【0011】
好ましくは、重み係数は、
【数1】
に従って計算され、α(N)は、重み係数であり、
【数2】
は、位置ずれ測定値の可変部分であり、
【数3】
は、第1および第2の照射配置におけるTISの差の可変部分である。
【0012】
好ましくは、位置ずれ測定値の可変部分は、
【数4】
に従って計算され、MISmeasured(N,λ)は、位置ずれ測定値であり、
【数5】
は、多数の照射波長にわたって平均化された位置ずれ測定値である。
【0013】
好ましくは、位置ずれ測定値から、第1および第2の照射配置におけるTISの差の加重値を減算することは、次式に従って行われ、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ)
ここでMIScorrected(N)は、位置ずれ測定値の補正された値であり、ΔTIS(λ)は、第1および第2の照射配置におけるTISの差である。
【0014】
本発明の方法の1つの好ましい実施形態によれば、方法は、計測装置のTISにおける差に基づいて、計測装置の動作パラメータを最適化することをさらに含む。
【0015】
また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、半導体ウェハの位置ずれ測定値を、ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正するシステムがもたらされ、システムは、計測装置の一部を形成する照射源であって、少なくとも、ウェハの表面が照射源によって概して垂直に照射される、第1の照射配置と、表面が照射源によって斜めに照射される、第2の照射配置とにおいて、ウェハを照射するように動作可能な照射源と、第1および第2の照射配置における、計測装置のTISの差を見出すように動作可能な、TIS計算器と、位置ずれ測定値から、第1および第2の照射配置における計測装置の、TISの差の加重値を減算することに基づいて、位置における、ウェハの傾斜に起因して生じるその中の誤差に対して、ウェハ上の位置における計測装置による位置ずれ測定値を補正するように動作可能なウェハ傾斜補正器を含む。
【0016】
好ましくは、第1および第2の照射配置におけるTISの差は、計測装置のパラメータの関数として変化するシグネチャプロファイルを含む。
【0017】
好ましくは、照射源は、多数の波長によってウェハを照射するように動作可能であり、TIS計算器は、計測装置のTISにおける差を、多数の波長の関数として見出すように動作可能である。
【0018】
好ましくは、TIS計算器は、複数の位置のそれぞれに対する多数の波長の関数として、ウェハ上の複数の位置Nで、TISにおける差を見出すように動作可能である。
【0019】
好ましくは、ウェハ傾斜補正器は、第1および第2の照射配置におけるTISの差の加重値を、第1および第2の照射配置におけるTISの差に、重み係数を乗算することによって計算するように動作可能である。
【0020】
好ましくは、ウェハ傾斜補正器は、重み係数を、位置ずれ測定値と、第1および第2の照射配置におけるTISの差との、可変部分のみに基づいて計算するように動作可能である。
【0021】
好ましくは、ウェハ傾斜補正器は、重み係数を、
【数6】
に従って計算するように動作可能であり、α(N)は、重み係数であり、
【数7】
は、位置ずれ測定値の可変部分であり、
【数8】
は、第1および第2の照射配置におけるTISの差の可変部分である。
【0022】
好ましくは、ウェハ傾斜補正器は、位置ずれ測定値の可変部分を、
【数9】
に従って計算するように動作可能であり、MISmeasured(N,λ)は、位置ずれ測定値であり、
【数10】
は、多数の照射波長にわたって平均化された位置ずれ測定値である。
【0023】
好ましくは、ウェハ傾斜補正器は、次式に従って、位置ずれ測定値から、第1および第2の照射配置におけるTISの差の加重値を減算するように動作可能であり、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ)
ここでMIScorrected(N)は、位置ずれ測定値の補正された値であり、ΔTIS(λ)は、第1および第2の照射配置におけるTISの差である。
【0024】
本発明のシステムの好ましい実施形態によれば、計測装置の動作パラメータは、計測装置のTISにおける差に基づいて最適化される。
【0025】
本発明は、以下の詳細な説明から、図面と併せ読めば、より十分に理解され、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の好ましい実施形態により構築されおよび動作可能な、ウェハ傾斜が及ぼす影響に対する位置ずれ測定値の補正のためのシステムの簡略化された概略的な部分的に絵画図、部分的にブロック図を示す図である。
図2A図1に示されるタイプのシステムにおける、位置ずれ測定値の補正のためのデータをもたらすために有用な、半導体ウェハに対する計測装置の第1の照射条件の簡略化された概略図である。
図2B図1に示されるタイプのシステムにおける、位置ずれ測定値の補正のためのデータをもたらすために有用な、半導体ウェハに対する計測装置の第2の照射条件の簡略化された概略図である。
図2C図2Aおよび図2Bの照射条件の下で取得されたデータの簡略化されたグラフ表示を示す図である。
図3】本発明の好ましい実施形態による、ウェハ傾斜が及ぼす影響に対する位置ずれ測定値の補正におけるステップを示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態により構築されおよび動作可能な、ウェハ傾斜が及ぼす影響に対する位置ずれ測定値の補正のためのシステムの簡略化された概略的な部分的に絵画図、部分的にブロック図を示す図である。
【0028】
図1に見られるように、半導体ウェハ104など、半導体デバイスの製造における位置ずれを測定するための計測ツール102を含む、計測システム100がもたらされる。計測ツール102は、ウェハ104の層の間の位置ずれを測定するように、ウェハ104の層上に形成された目標構造物の撮像を可能にするために、ウェハ104を照射するように動作可能な、照射源110としてここでは概略的に表される、照射源を含むことが好ましい。照射源110に加えて、計測ツール102は、当技術分野では周知であり、ここでは分かりやすくするために省かれている、それによってウェハ104の撮像およびウェハ104の層の間の位置ずれの測定を容易にするための、様々な追加の構成要素を通常含むことが理解される。
【0029】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、計測ツール102は、ウェハ104に対する多波長測定を行うように動作可能な、米国カリフォルニア州のKLAから市販されている、Archer700ツールなど、多波長ツールとして具体化され得る。計測ツール102は、好ましくは、その上の少なくとも1つの測定位置における、ウェハ104の層の間の位置ずれを表す、少なくとも1つの位置ずれ測定値を出力するように動作可能である。計測ツール102が多波長計器である場合、それによって出力される位置ずれ測定値MISmeasuredは、MISmeasured(N,λ)として表されることができ、ここでNは、それに関して測定が行われる、ウェハ104上の特定の位置を表し、λは照射源110によってもたらされる多数の照射波長を表す。
【0030】
ウェハ104の表面120の傾斜における局所的変化は、位置ずれ測定値に対するウェハ傾斜の影響により、計測ツール102によって出力される位置ずれ測定値MISmeasured(N,λ)の精度に影響を及ぼす場合があり、従ってその中に誤差を導入し得ることが理解される。本発明者らによって行われた予備的測定は、目標物位置において局所的ウェハ傾斜は、約±0.5mradだけ変化し得ることを示した。このような局所的ウェハ傾斜は、位置ずれ測定値にかなりの影響を及ぼす場合があり、この影響は、ウェハ積み重ね高さの増加と共にますます著しくなり得る。
【0031】
本発明の好ましい実施形態によれば、ウェハ104上の特定の位置での局所的ウェハ傾斜の値が見出されることができ、位置ずれ測定値MISmeasured(N,λ)における誤差に対するその寄与は定量化されることができ、その結果、局所的ウェハ傾斜から生じる誤差に対する位置ずれ測定値の補正を可能にする。これは、ウェハ104に対する実際の位置ずれ値をより正確に表す、改善された位置ずれ測定値の計算に繋がるので有利である。本発明の好ましい実施形態によれば、ウェハ傾斜の測定値、およびそれから生じる位置ずれ測定値における誤差の定量化の両方は、位置ずれ測定値MISmeasured(N,λ)に対するウェハ傾斜の効果と、照射源110によって照射されるウェハ104の表面120に対する照射源110の傾斜の効果とは、両方の傾斜の同じテレセントリシティ効果により等価であるとの、本発明者らの理解に基づいて、見出される。
【0032】
照射源傾斜は、計測ツール102の固有の限られた測定精度に寄与し、この固有の測定精度は、計測ツール102の、ツールにより誘発されるシフト(TIS)として定量化されることができ、180°のウェハ104の回転によって変化しない。しかし、ウェハ傾斜は、TISが校正された位置ずれ測定値に直接寄与し、180°のウェハ102の回転によって変化する。この理解に基づいて、意図的に傾斜された照射条件の下での計測ツール102のTISの変化の測定は、傾斜されない照射条件と比較して、等価なウェハ傾斜の結果として、位置ずれ測定値における対応する変化を見出すため、従ってウェハ傾斜を定量化すること、およびそれに対するウェハ傾斜の影響に対して位置ずれ測定値を補正することの両方を行うためのベースとして用いられ得る。
【0033】
図1に見られるように、計測ツール102のTISに対する、傾斜された照射条件の効果は、TIS差分計算器130によって見出され得る。TIS差分計算器130の好ましい動作は、図2A~2Cをさらに参照して最もよく理解される。
【0034】
図2Aに見られるように、計測ツール102のTISは、最初に第1の傾斜されない照射配置で測定されることが好ましく、そこでは照射源110は、表面120が照射源110によって、照射軸200に沿って概して垂直に照射されるように、ウェハ104の表面120上の照射される位置に対して中心に置かれることが好ましい。計測ツール102のTISは、任意の適切な方法によって見出されることができ、その様々なタイプは当技術分野では周知である。好ましくはTISは、ウェハ104の0°および180°の回転における、表面120上の同じフィーチャを測定することによって定量化されることができ、TISは、各ウェハ方位における測定値の和の半分に等しい。
【0035】
図2Bに見られるように、計測ツール102のTISは、第2の、傾斜された照射配置においてさらに測定されることが好ましく、そこでは照射源110は、表面120が、照射源110によって照射軸200に対して、概して斜めに照射されるように、ウェハ104の表面120上の照射される位置に対して中心を外れてシフトされることが好ましい。ここで、例として、照射源110は、それによってもたらされる照射が約5mradの斜角で表面120に入射するように、10μmだけシフトされるように示される。
【0036】
ウェハ104の表面120に対する第1および第2の照射条件の下でのこのような測定は、任意選択で計測ツール102に対してその動作の前に行われる事前の訓練手順の一部として、ウェハ104上の計測ツール102による計測測定の動作の前に実行されることが好ましいことが理解される。このような測定は、ウェハ104上の複数の位置に対して、および多波長撮像計測ツールの場合は照射の複数の波長において行われ得る。
【0037】
測定精度の差は、複数の測定位置に対する、ウェハ104の表面120に対して、図2Aに示されるなどの、第1の中心に置かれた照射条件の下での、および図2Bに示されるなどの、第2の中心を外れた照射条件の下での、計測ツール102のTISにおける差として表されることが好ましく、照射波長の関数としてプロットされ得る。このようなプロットの例は図2Cに示され、そこでは図2Aおよび2Bの第1および第2の照射条件の間の計測ツール102のTISにおける差(ΔTIS)が、10個の測定位置に対して、照射波長の関数としてプロットされ、各測定位置に対するΔTISは、図2Cのグラフ内の個々の線によって表される。
【0038】
図2Cの考察から理解されるように、ΔTISは、照射波長と共に著しく変化するが、照射される位置に対しては著しく変化しないことが分かる。図2Cに示されるような波長の関数としてのΔTISの変化は、従って、意図的な、制御された、照射傾斜の効果と、従って計測ツール102の測定精度に対するウェハ傾斜の等価な効果とを表す、差分シグネチャプロファイルまたは様相に対応すると考えられ得る。このプロファイルに基づいて、計測ツール102による位置ずれ測定値に対する局所的ウェハ傾斜の効果は、本明細書の以下でさらに詳述されるように、補正され得る。
【0039】
図2Cに示されるタイプのプロファイルは、図2Aおよび2Bに示される条件の下での測定に基づいて、TIS差分計算器130によって出力され得ることが理解される。このようなプロファイルは、ウェハ104と、ウェハ104の所与の層との両方に特有であり、従ってこのようなプロファイルは、計測ツール102による位置ずれ測定値がそれに対して行われることになる、ウェハ104の各層に対して、TIS差分計算器130によって取得されることが好ましいことが理解される。TIS差分計算器130によるこのようなプロファイルの出力は、図1では単にΔTISとして表される。本発明の1つの好ましい実施形態において、TIS差分計算器130は、ΔTISプロファイルを見出すために動作可能なコンピュータコードを含んだ、計算モジュールとして具体化され得る。TIS差分計算器130は、図1では別個のモジュールとして具体化されるように示されるが、これは見やすくするためのみであり、TIS差分計算器130の機能は、代替として計測ツール102内に含められ得ることが理解される。
【0040】
TIS差分計算器130によって取得されるΔTISプロファイルは、好ましくは、ここではシステム100に含まれるウェハ傾斜補正計算器モジュール140として具体化されるように示される、ウェハ傾斜補正器に供給される。ウェハ傾斜補正器140は、好ましくは、所与の位置でのウェハ104の傾斜に起因してその中に生じる誤差に対して、ウェハ104上の所与の位置での計測装置102によって測定された、少なくとも1つの位置ずれ測定値を補正するように動作可能である。好ましくは、少なくとも1つの位置ずれ測定値は、TIS差分計算器130によって定量化され、出力されるのに従って、位置ずれ測定値から、第1および第2の照射配置における計測装置102のTISの差の加重値を減算することに基づいて、ウェハ傾斜補正器140によって補正される。
【0041】
特定の位置Nでのウェハ傾斜効果に対して補正された位置ずれ測定値、MIScorrected(N)は、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ) (1)
として表されることができ、MISmeasured(N,λ)は、少なくとも1つの位置ずれ測定値であり、好ましくは位置ずれの様相としてもたらされ、測定位置Nおよび照射測定波長λの関数であり、ΔTIS(λ)は、図2A~2Cに関して本明細書で上述されたように測定される、TIS差分シグネチャプロファイルを表し、α(N)は、所与の位置での特有の局在的なウェハ傾斜を表す、位置特有の重み係数を表す。重み係数α(N)とTIS差分シグネチャプロファイルΔTIS(λ)との積は、ウェハ104のウェハ傾斜の局所値の、対応する局所的な測定された位置ずれ値への寄与を表し、従って、局所的ウェハ傾斜によって引き起こされる誤差に対して補正された「クリーンな」位置ずれの様相をもたらすために、測定された位置ずれの様相から減算されなければならないことが理解される。TIS差分シグネチャプロファイルΔTIS(λ)に基づく位置ずれ測定値の補正は、本明細書の上記で詳述されたように、照射傾斜の結果としての、およびウェハ傾斜の結果としてのTISの変化の間の等価性に基づく。
【0042】
ウェハ傾斜補正計算器モジュール140の望ましい出力であるパラメータの、MIScorrected(N)を見出すために、重み係数α(N)が確認されなければならないことが理解される。重み係数α(N)を確認する第1のステップとして、次式に従って、各位置での測定された位置ずれの可変部分のみが考慮され、
【数11】
ここで
【数12】
は、すべての測定波長にわたって平均された測定された位置ずれである。
【0043】
次いで重み係数α(N)は、次式に従ってΔTISの可変部分によって、各位置での測定された位置ずれの可変部分の投影を計算することによって見出されることができ、
【数13】
ここでΔTISシグネチャの可変部分は、位置ずれがそれにわたって測定される、多数の波長λの同じセットに対して、ΔTISシグネチャから、多数の波長にわたって平均されたΔTISシグネチャの値を減算することによって定義される。これらのパラメータの全部の値ではなく、測定された位置ずれの様相の可変部分、およびTISにおける差の可変部分のみを用いて、各位置における重み係数を計算することは、各位置における実際の位置ずれ値からの、ウェハ傾斜から生じるこれらのパラメータの成分の分離を可能にすることが理解される。
【0044】
次いで式(2)および(3)により見出される重み係数α(N)は、次式に従ってウェハ傾斜に対して補正された位置ずれ測定値を生じるように、式(1)に代入され得る。
【数14】
【0045】
式(1)~(4)を参照して本明細書で上述された計算は、ウェハ傾斜補正計算器モジュール140によって行われることが好ましく、それによって、ウェハ傾斜によりその中に導入された不正確さが取り除かれた、補正された位置ずれ値が出力されることが好ましいことが理解される。本発明の1つの好ましい実施形態において、ウェハ傾斜補正計算器モジュール140は、式(1)~(4)に従って計算を実行するように動作可能なコンピュータコードを含んだ、計算モジュールとして具体化され得る。ウェハ傾斜補正計算器モジュール140は、図1では別個のモジュールとして具体化されるように示されるが、これは見やすくするためのみであり、ウェハ傾斜補正計算器モジュール140の機能は、代替として計測ツール102内に含められ得ることが理解される。
【0046】
システム100によって実行される補正手順は、ウェハ104上に形成された任意のタイプの対称な目標物上で行われる、位置ずれ測定値を補正するために実施されることができ、ウェハ104の製造における位置ずれの測定のための基準構造物として用いられ得ることが理解される。基準目標物が対称でない場合は、局所的ウェハ傾斜から生じる位置ずれ測定値における不正確さと、目標物の非対称性に起因する位置ずれ測定値の成分とを区別するために、位置ずれ測定値の補正において目標物の非対称性がさらに考慮されなければならない。
【0047】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、波長の関数としてのΔTISの測定は、例えば、照射源傾斜に対して、および従って局所的ウェハ傾斜に対して、最小の感受性を有する測定波長を選択する目的で、計測ツール102の設定を最適化するための用いられ得ることがさらに理解される。このような場合に、図1の計測ツール102とTIS差分計算器130との間の任意選択の双方向性通信を示す、両方向矢印によって示されるように、TIS差分計算器130の出力は、計測ツール102にフィードバックされることができ、計測ツール102の設定はそれに従って調整され得る。
【0048】
TIS差分計算器130の動作は、計測照射波長に対する、照射源傾斜の結果としてのTISの変化の依存性の測定に関連して本明細書で上述されたが、これは例としてのみであることがさらに理解される。本発明の代替的実施形態において、照射源傾斜の結果としてのTISの変化は、例のみとして、計測ツールの焦点位置など、計測ツールの他のパラメータに関して特徴付けられ得る。
【0049】
次に、本発明の好ましい実施形態による、ウェハ傾斜が及ぼす影響に対する位置ずれ測定値の補正におけるステップを示す簡略化されたフローチャートである、図3を参照する。
【0050】
図3に見られるように、それに対するウェハ傾斜の影響に対する位置ずれ測定値の補正のための方法300は、第1のステップ302で開始することができ、そこで、傾斜されたおよび傾斜されない照射条件の下での計測ツールのTISにおける差のシグネチャプロファイルが取得される。シグネチャプロファイルは、計測ツールの可変特性の関数として、例えば波長の関数として取得され得る。シグネチャプロファイルは、図1のモジュール130など、コンピュータ化されたTIS差分計算器モジュールによって計算され得る。
【0051】
第2のステップ304で分かるように、半導体デバイスの位置ずれは、好ましくは、半導体デバイス上の少なくとも1つの位置に対して、第1のステップ302で特徴付けられた計測ツールによって測定される。第1のステップ302は通常、第2のステップ304の前に行われ得るが、これは必ずしもそうではなく、ステップ302と304とは逆にされ得ることが理解される。
【0052】
第3のステップ306で分かるように、好ましくはTISにおける差のシグネチャプロファイルの加重値が見出され、この加重値は、好ましくは被試験半導体デバイス上の測定位置における局所的ウェハ傾斜の値に対応する。この対応は、位置ずれ測定値に対するウェハ傾斜の効果が、位置ずれ測定値に対する照射源傾斜の効果と等価であるとの理解に基づく。好ましくは、加重値は、本明細書の上記で詳述された式(2)および(3)に従って見出される。
【0053】
第4のステップ308で分かるように、位置ずれ測定値を、局所的ウェハ傾斜によるその中の不正確さに対して補正するために、第3のステップ306で見出された加重値が、位置ずれ測定値から減算されることが好ましい。このようにして取得された補正された位置ずれ測定値は、被試験半導体デバイスの層の間の実際の位置ずれを、より正確に表すことが理解される。好ましくは、減算は本明細書の上記で詳述された式(4)に従って行われる。
【0054】
当業者には、本発明は、本明細書の上記で具体的に示され、述べられたものに限定されないことを理解するであろう。本発明の範囲は、そのすべてが先行技術ではない、本明細書で上述された様々な特徴およびそれらの変形の、組み合わせおよび部分的組み合わせの両方を含む。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハの位置ずれ測定値を、前記ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正する方法であって、
ウェハ上の少なくとも1つの位置に対して、前記ウェハの表面が計測装置の照射源によって概して垂直に照射される、前記ウェハに対する第1の照射配置における、前記計測装置のツールにより誘発されるシフト(TIS)と、前記表面が前記照射源によって斜めに照射される、前記ウェハに対する第2の照射配置における、前記計測装置のTISとの差を測定することと、
前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の加重値を減算することによって、前記位置における、前記ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して、前記少なくとも1つの位置における前記計測装置によって測定された位置ずれ測定値を補正することと
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差は、前記計測装置のパラメータの関数として変化するシグネチャプロファイルを備える方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記計測装置は、多数の波長によって前記ウェハを照射し、前記計測装置のTISにおける前記差は、前記多数の波長の関数として測定される方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、TISにおける前記差を前記測定することは、前記ウェハ上の複数の位置Nで行われ、前記計測装置のTISにおける前記差は、前記複数の位置のそれぞれに対する前記多数の波長の関数として測定される方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の前記加重値は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差に、重み係数を乗算することによって計算される方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記重み係数は、前記位置ずれ測定値と、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差との、可変部分のみに基づいて計算される方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記重み係数は、
【数1】

に従って計算され、α(N)は、前記重み係数であり、
【数2】

は、前記位置ずれ測定値の前記可変部分であり、
【数3】

は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の前記可変部分である方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記位置ずれ測定値の前記可変部分は、
【数4】

に従って計算され、MISmeasured(N,λ)は、前記位置ずれ測定値であり、
【数5】

は、前記多数の照射波長にわたって平均化された前記位置ずれ測定値である方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の加重値を前記減算することは、次式に従って行われ、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ)
ここでMIScorrected(N)は、前記位置ずれ測定値の補正された値であり、ΔTIS(λ)は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差である方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、前記計測装置のTISにおける前記差に基づいて、前記計測装置の動作パラメータを最適化することをさらに含む方法。
【請求項11】
半導体ウェハの位置ずれ測定値を、前記ウェハの傾斜から生じるその中の誤差に対して補正するシステムであって、
計測装置の一部を形成する照射源であって、少なくとも、ウェハの表面が前記照射源によって概して垂直に照射される、第1の照射配置と、前記表面が前記照射源によって斜めに照射される、第2の照射配置とにおいて、前記ウェハを照射するように動作可能な照射源と、
前記第1および第2の照射配置における、前記計測装置のTISの差を見出すように動作可能な、ツール誘発シフト(TIS)計算器と、
前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記計測装置の、前記TISの前記差の加重値を減算することに基づいて、前記位置における、前記ウェハの傾斜に起因して生じるその中の誤差に対して、前記ウェハ上の位置における前記計測装置による位置ずれ測定値を補正するように動作可能なウェハ傾斜補正器と
を備えるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差は、前記計測装置のパラメータの関数として変化するシグネチャプロファイルを備えるシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記照射源は、多数の波長によって前記ウェハを照射するように動作可能であり、前記TIS計算器は、前記計測装置のTISにおける前記差を、前記多数の波長の関数として見出すように動作可能であるシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記TIS計算器は、前記複数の位置のそれぞれに対する前記多数の波長の関数として、前記ウェハ上の複数の位置Nで、TISにおける前記差を見出すように動作可能であるシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の前記加重値を、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差に、重み係数を乗算することによって計算するように動作可能であるシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記重み係数を、前記位置ずれ測定値と、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差との、可変部分のみに基づいて計算するように動作可能であるシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記重み係数を、
【数6】

に従って計算するように動作可能であり、α(N)は、前記重み係数であり、
【数7】

は、前記位置ずれ測定値の前記可変部分であり、
【数8】

は、前記第1および第2の照射配置におけるTISの前記差の前記可変部分であるシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、前記位置ずれ測定値の前記可変部分を、
【数9】

に従って計算するように動作可能であり、MISmeasured(N,λ)は、前記位置ずれ測定値であり、
【数10】

は、前記多数の照射波長にわたって平均化された前記位置ずれ測定値であるシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記ウェハ傾斜補正器は、次式に従って、前記位置ずれ測定値から、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差の加重値を減算するように動作可能であり、
MIScorrected(N)=MISmeasured(N,λ)-α(N)・ΔTIS(λ)
ここでMIScorrected(N)は、前記位置ずれ測定値の補正された値であり、ΔTIS(λ)は、前記第1および第2の照射配置における前記TISの前記差であるシステム。
【請求項20】
請求項11に記載のシステムであって、前記計測装置の動作パラメータは、前記計測装置のTISにおける前記差に基づいて最適化されるシステム。
【国際調査報告】