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特表2023-529080収差影響システム、モデル、及び製造プロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(54)【発明の名称】収差影響システム、モデル、及び製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573169
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2021062795
(87)【国際公開番号】W WO2021249720
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/037,494
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/147,831
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ペン,シンユウ
(72)【発明者】
【氏名】シ,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ドワン-フ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル,ラファエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ゲルイ
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197CA05
2H197CA08
2H197CA10
2H197CC05
2H197CC13
2H197DA02
2H197DA03
2H197DA06
2H197DB10
2H197DB11
2H197EA03
2H197GA05
2H197GA06
2H197HA03
(57)【要約】
半導体製造プロセスにおけるスキャナ収差影響モデリングが記載される。スキャナ収差影響モデリングは、複数のスキャナの共同最適化を促進し得る。スキャナ収差影響モデリングは、較正済みモデルを実行することと、モデルからの出力に基づいてスキャナを制御することとを含み得る。モデルは、パターニングシステム収差データを受信するように構成される。モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される。モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定し得る。モデルは、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む。超次元関数は、空間像又はその表現の計算を含まずに、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行することであって、前記モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される、実行することと、
前記モデルに基づいて、前記受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することと、
を行わせ、
前記モデルは、空間像表現を計算することなく、前記受信したパターニングシステム収差データを簡易形態の前記新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、媒体。
【請求項2】
前記モデルは、パターニングシステム収差較正データをベースモデルに提供して、前記パターニングプロセス影響較正データの予測を取得し、前記ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして、前記パターニングプロセス影響較正データを使用することによって較正され、前記1つ又は複数の構成は、前記パターニングプロセス影響較正データと前記パターニングプロセス影響較正データの前記予測との比較に基づいて更新される、請求項1に記載の媒体。
【請求項3】
前記モデルは、線形アルゴリズム、二次アルゴリズム、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項4】
前記パターニングシステム収差較正データは、関連する瞳形状及び層固有パターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる、請求項2に記載の媒体。
【請求項5】
前記新パターニングプロセス影響データは、前記受信したパターニングシステム収差データによって定義される前記パターニングシステム収差である、対応するパターニングシステム収差s(Z)の費用関数を含み、前記費用関数s(Z)は、前記対応するパターニングシステム収差によって生じる前記パターニングプロセスへの影響を示す、請求項1に記載の媒体。
【請求項6】
前記モデルからの前記新パターニングプロセス影響データは、第2のモデルに提供されて、パターニングシステムの動的in-situ収差制御を可能にするように構成され、前記第2のモデルは投影光学系補正モデルである、請求項1に記載の媒体。
【請求項7】
前記パターニングシステムはスキャナを含み、前記スキャナの動的in-situ制御は、所与のスキャナ収差の補正済みスキャナ制御パラメータレシピを生成して、リソグラフィ性能メトリックの一セットを最適化することを含む、請求項6に記載の媒体。
【請求項8】
前記モデルからの前記新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、前記パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される、請求項1に記載の媒体。
【請求項9】
前記パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定することは、特異値分解を費用関数ヘッセに対して実行することを含む、請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィメトリックを含み、前記新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す、請求項8に記載の媒体。
【請求項11】
前記モデルは、前記新パターニングプロセス影響データが前記パターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱からの効果の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、請求項1に記載の媒体。
【請求項12】
前記モデルからの前記新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成され、前記個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、複数のスキャナの共同最適化を促進するのに使用されるように構成される、請求項1に記載の媒体。
【請求項13】
前記モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのスキャナごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、前記パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのスキャナにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む、請求項12に記載の媒体。
【請求項14】
前記費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素、及び1つ又は複数のスキャナの物理的機能制限と関連する第3の構成要素のうちの2つ以上を含む、請求項12に記載の媒体。
【請求項15】
前記共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同特定することを含む、請求項12に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2020年6月10日付けで出願された米国特許出願第63/037,494号及び2021年2月10日付けで出願された米国特許出願第63/147,831号の優先権を主張するものであり、これらの米国特許出願は参照により全体的に本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本明細書における説明は、一般的には半導体製造におけるリソグラフィに関し、より詳細には計算リソグラフィに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ投影装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。パターニングデバイス(例えばマスク)が、ICの個別の層に対応するパターン(「設計レイアウト」)を含み、又はこれを提供し得、このパターンは、放射感応性材料(「レジスト」)層により被覆された基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は複数のダイを含む)へと、パターニングデバイス上のパターンを通してターゲット部分を照射する等の方法によって転写し得る。一般に一枚の基板には、隣接する複数のターゲット部分が含まれ、パターンはリソグラフィ投影装置によってターゲット部分に連続的に一度に1つずつ転写される。あるタイプのリソグラフィ投影装置においては、パターニングデバイス全体のパターンが一つのターゲット部分に一動作で転写される。こうした装置は一般にステッパと呼ばれる。ステップアンドスキャン装置と一般に呼ばれる代替の装置においては、投影ビームがパターニングデバイスを所与の基準方向(「走査」方向)に走査するとともに基板がこの基準方向と平行又は逆平行に同期して移動する。パターニングデバイス上のパターンの異なる複数の部分が一つのターゲット部分へと漸進的に転写される。一般にリソグラフィ投影装置は縮小率M(例えば4)を有するので、基板を移動させる速さFは、投影ビームがパターニングデバイスを走査する速さの1/Mとなる。リソグラフィデバイスに関する更なる情報は、本書に援用される例えば米国特許第6,046,792号に見出すことができる。
【0004】
[0004] パターンをパターニングデバイスから基板に転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、ソフトベーク等の種々の工程を受け得る。露光後、基板は、ポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク、転写されたパターンの測定/検査等の他の工程(「ポスト工程」)を受け得る。この一連の工程は、デバイス、例えばICの個別の層を作るための基礎として使用される。そして基板は、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨等の、デバイスの個別層を完成させることを目的とした種々の工程を受け得る。デバイスに幾つかの層が必要とされる場合、全工程又はその変形が層ごとに繰り返される。最終的に、デバイスが基板上の各ターゲット部分に存在することになる。そしてこれらデバイスは、ダイシング又はソーイング等の技術によって互いから分離され、個別のデバイスはキャリアにマウントされ、ピンに接続される等が可能である。
【0005】
[0005] 半導体デバイス等の製造デバイスは典型的には、デバイスの種々のフィーチャ及び複数の層を形成するための幾つかの作製プロセスを使用して、基板(例えば半導体ウェーハ)を処理することを含む。このような層及びフィーチャは典型的には、例えば堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を使用して製造及び処理される。複数のデバイスを基板上の複数のダイ上に作製し、次いで個々のデバイスに分離し得る。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスと見なすことができる。パターニングプロセスは、リソグラフィ装置においてパターニングデバイスを使用して、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写する光及び/又はナノインプリントリソグラフィ等のパターニングステップを含み、典型的にであるが任意選択的に、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを使用した基板のベーク、エッチング装置を使用した、パターンを使用したエッチング等の1つ又は複数の関連するパターン処理ステップを含む。
【0006】
[0006] リソグラフィはIC等のデバイスの製造における中心的なステップであり、基板に形成されるパターンがマイクロプロセッサ、メモリチップ等のデバイスの機能要素を定める。同様のリソグラフィ技術は、フラットパネルディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)、及び他のデバイスの形成にも使用される。
【0007】
[0007] 半導体製造プロセスが進化し続けるにつれて、機能要素の寸法は縮小し続けてきた。同時に、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って、デバイスあたりのトランジスタ等の機能要素の数は着実に増加してきている。現状の技術では、デバイスの層は、深紫外照明源からの照明を使用して基板に設計レイアウトを投影するリソグラフィ投影装置を使用して製造され、100nmをかなり下回る寸法(即ち照明源(例えば193nmの照明源)からの放射の波長の半分より小さい)をもつ個別の機能要素が生成される。
【0008】
[0008] リソグラフィ投影装置の古典的な解像度限界よりも小さい寸法をもつフィーチャがプリントされるこのプロセスは、低k1リソグラフィとして一般に知られており、解像度の公式であるCD=k1×λ/NAに従い、式中、λは採用される放射の波長であり(現在では大半の場合、248nm又は193nm)、NAはリソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは「クリティカルディメンション」-一般に、プリントされる最小のフィーチャサイズ-であり、k1は経験的な解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的な機能及び性能を達成するために設計者によって計画された形状及び寸法に類似するパターンを基板に再現することが困難になる。これらの困難を克服するために、高度な微調整ステップがリソグラフィ投影装置、設計レイアウト、又はパターニングデバイスに適用される。これらには、限定ではなく例として、NA及び光学コヒーレンス設定の最適化、照明方式のカスタマイズ、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接効果補正(OPC、「光及びプロセス補正」と呼ばれることもある)、又は「解像度増強技術」(RET)として一般に定義される他の方法がある。
【0009】
[0009] OPC及び他のRETは、リソグラフィプロセスを記述するロバストな電子モデルを利用する。したがって、プロセスウィンドウにわたり有効でロバスト且つ正確なモデルを提供するこのようなリソグラフィモデルの較正工程が望ましい。現在、較正は、ウェーハ測定と共に特定の数の一次元及び/又は二次元ゲージパターンを使用して行われている。より具体的には、一次元ゲージパターンは、ピッチ及びクリティカルディメンション(CD)が様々な線間パターン、孤立ライン、複数ライン等を含む。二次元ゲージパターンは典型的には、ラインエンド、接点、及びランダムに選択されたSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)パターンを含む。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 一実施形態によれば、命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行させる。モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される。命令は、コンピュータに、モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することを行わせるように構成される。モデルは、空間像又はその表現をシミュレート、生成、又は他の方法で計算することなく、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む。
【0011】
[0011] 幾つかの実施形態において、超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態及び/又は簡易形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。
【0012】
[0012] 幾つかの実施形態において、モデルは、パターニングシステム収差較正データをベースモデルに提供して、パターニングプロセス影響較正データの予測を取得し、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして、パターニングプロセス影響較正データを使用することによって較正される。1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響較正データとパターニングプロセス影響較正データの予測との比較に基づいて更新される。
【0013】
[0013] 幾つかの実施形態において、モデルは1つ又は複数の非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、及び/又は二次アルゴリズムを含む。
【0014】
[0014] 幾つかの実施形態において、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新することは、アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータを較正することを含む。
【0015】
[0015] 幾つかの実施形態において、受信したパターニングシステム収差データは、受信した波面データを含み、新パターニングプロセス影響データは1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含む。
【0016】
[0016] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントを含む。
【0017】
[0017] 幾つかの実施形態において、モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのパターニングシステムごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのパターニングシステムにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む。
【0018】
[0018] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される。
【0019】
[0019] 幾つかの実施形態において、費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素と、1つ又は複数のパターニングシステムの物理的機能制限と関連する第3の構成要素とを含む。
【0020】
[0020] 幾つかの実施形態において、費用関数は、パターニングプロセス波面調整ペナルティと関連する第4の構成要素を更に含む。
【0021】
[0021] 幾つかの実施形態において、モデルから出力される新パターニングプロセス影響データは、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される。
【0022】
[0022] 幾つかの実施形態において、複数のパターニングシステムはスキャナを含み、共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定することを含む。
【0023】
[0023] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される。
【0024】
[0024] 幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す。
【0025】
[0025] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用の特定を促進するように構成される。個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用は、モデルに提供されて、パターニングプロセス波面調整の決定及び/又はパターニングプロセス波面調整と関連する費用の特定を促進するように構成される。パターニングプロセス波面調整と関連する費用は、ドライバレンズモデルに提供されて、個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される。個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、オプティマイザに提供されて、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される。
【0026】
[0026] 幾つかの実施形態において、モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される。
【0027】
[0027] 幾つかの実施形態において、パターニングシステム収差較正データは、関連する瞳形状及びパターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる。
【0028】
[0028] 幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、対応するパターニングシステム収差s(Z)の費用関数を含む。パターニングシステム収差s(Z)は、受信したパターニングシステム収差データによって定義される。
【0029】
[0029] 幾つかの実施形態において、費用関数s(Z)は、対応するパターニングシステム収差によって生じるパターニングプロセスへの影響を示す。
【0030】
[0030] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、第2のモデルに提供されて、パターニングシステムの動的in-situ収差制御を促進するように構成される。幾つかの実施形態において、第2のモデルは投影光学系補正モデルである。
【0031】
[0031] 幾つかの実施形態において、パターニングシステムはスキャナを含む。スキャナの動的in-situ制御は、所与のスキャナ収差の補正済みスキャナ制御パラメータレシピを生成して、リソグラフィ性能メトリックの一セットを最適化することを含む。
【0032】
[0032] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成される。パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される。
【0033】
[0033] 幾つかの実施形態において、パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィメトリックを含む。
【0034】
[0034] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数ヘッセを含む。パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定することは、特異値分解を費用関数ヘッセに対して実行することを含む。
【0035】
[0035] 幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す。
【0036】
[0036] 幾つかの実施形態において、モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される。
【0037】
[0037] 幾つかの実施形態において、モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムと関連するフォーカス、線量、及び/又はステージ変動(MSD)の制御増強を促進するように構成されるよう較正される。
【0038】
[0038] 別の実施形態によれば、パターニングプロセス影響データを特定する方法が提供される。本方法は、パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行することを含む。モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される。本方法は、モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することを含む。モデルは、空間像表現をシミュレート、生成、又は他の方法で計算することなく、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む。
【0039】
[0039] 幾つかの実施形態において、超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態及び/又は簡易形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。
【0040】
[0040] 幾つかの実施形態において、モデルは、パターニングシステム収差較正データをベースモデルに提供して、パターニングプロセス影響較正データの予測を取得し、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして、パターニングプロセス影響較正データを使用することによって較正される。1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響較正データとパターニングプロセス影響較正データの予測との比較に基づいて更新される。
【0041】
[0041] 幾つかの実施形態において、モデルは1つ又は複数の非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、及び/又は二次アルゴリズムを含む。
【0042】
[0042] 幾つかの実施形態において、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新することは、アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータを較正することを含む。
【0043】
[0043] 幾つかの実施形態において、受信したパターニングシステム収差データは、受信した波面データを含み、新パターニングプロセス影響データは1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含む。
【0044】
[0044] 幾つかの実施形態において、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントを含む。
【0045】
[0045] 幾つかの実施形態において、モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのパターニングシステムごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのパターニングシステムにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む。
【0046】
[0046] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される。
【0047】
[0047] 幾つかの実施形態において、費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素と、1つ又は複数のパターニングシステムの物理的機能制限と関連する第3の構成要素とを含む。
【0048】
[0048] 幾つかの実施形態において、費用関数は、パターニングプロセス波面調整ペナルティと関連する第4の構成要素を更に含む。
【0049】
[0049] 幾つかの実施形態において、モデルから出力される新パターニングプロセス影響データは、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される。
【0050】
[0050] 幾つかの実施形態において、複数のパターニングシステムはスキャナを含み、共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定することを含む。
【0051】
[0051] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される。
【0052】
[0052] 幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す。
【0053】
[0053] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用の特定を促進するように構成される。個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用は、モデルに提供されて、パターニングプロセス波面調整の決定及び/又はパターニングプロセス波面調整と関連する費用の特定を促進するように構成される。パターニングプロセス波面調整と関連する費用は、ドライバレンズモデルに提供されて、個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される。個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、オプティマイザに提供されて、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される。
【0054】
[0054] 幾つかの実施形態において、モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される。
【0055】
[0055] 幾つかの実施形態において、パターニングシステム収差較正データは、関連する瞳形状及びパターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる。
【0056】
[0056] 幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、対応するパターニングシステム収差s(Z)の費用関数を含む。パターニングシステム収差s(Z)は、受信したパターニングシステム収差データによって定義される。
【0057】
[0057] 幾つかの実施形態において、費用関数s(Z)は、対応するパターニングシステム収差によって生じるパターニングプロセスへの影響を示す。
【0058】
[0058] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、第2のモデルに提供されて、パターニングシステムの動的in-situ収差制御を促進するように構成される。幾つかの実施形態において、第2のモデルは投影光学系補正モデルである。
【0059】
[0059] 幾つかの実施形態において、パターニングシステムはスキャナを含む。スキャナの動的in-situ制御は、所与のスキャナ収差の補正済みスキャナ制御パラメータレシピを生成して、リソグラフィ性能メトリックの一セットを最適化することを含む。
【0060】
[0060] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成される。パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される。
【0061】
[0061] 幾つかの実施形態において、パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィメトリックを含む。
【0062】
[0062] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数ヘッセを含む。パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定することは、特異値分解を費用関数ヘッセに対して実行することを含む。
【0063】
[0063] 幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す。
【0064】
[0064] 幾つかの実施形態において、モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される。
【0065】
[0065] 幾つかの実施形態において、モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムと関連するフォーカス、線量、及び/又はステージ変動(MSD)の制御増強を促進するように構成されるよう較正される。
【0066】
[0066] 別の実施形態によれば、命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに上記段落の何れかに記載の方法を実行させる。
【0067】
[0067] 別の実施形態によれば、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、パターニングプロセス空間像表現を計算することなくパターニングプロセス影響データを特定する電子モデルを実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセスで使用される複数のスキャナの共同最適化を促進するように構成される。命令は、パターニングシステム収差データをモデルに提供することであって、モデルは、受信したパターニングシステム収差データをパターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、提供することと、モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することであって、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成され、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、複数のスキャナの共同最適化を促進するのに使用されるよう構成される、特定することとを含む動作を生じさせる。
【0068】
[0068] 幾つかの実施形態において、モデルに提供されるパターニングシステム収差データは波面データを含み、新パターニングプロセス影響データは、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含む。
【0069】
[0069] 幾つかの実施形態において、モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのスキャナごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのスキャナにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む。
【0070】
[0070] 幾つかの実施形態において、費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素と、1つ又は複数のスキャナの物理的機能制限と関連する第3の構成要素とを含む。
【0071】
[0071] 幾つかの実施形態において、共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同特定することを含む。
【0072】
[0072] 別の実施形態によれば、予測モデルと、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、予測モデルを提供する命令とを記憶した1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。予測モデルは、パターニングシステム収差データ及び対応するパターニングプロセス影響データを取得することと、パターニングシステム収差データをベース予測モデルに提供して、パターニングプロセス影響データの予測を取得することと、パターニングプロセス影響データをフィードバックとして使用して、ベース予測モデルの1つ又は複数の構成を更新することとを行うことによって生成され、1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響データとパターニングプロセス影響データの予測との比較に基づいて更新される。予測モデルは、空間像を計算することなくパターニングシステム収差データをパターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む。
【0073】
[0073] 幾つかの実施形態において、予測モデルは線形アルゴリズム又は二次アルゴリズムを含む。
【0074】
[0074] 幾つかの実施形態において、予測モデルの1つ又は複数の構成を更新することは、関数の1つ又は複数のパラメータを較正することを含む。
【0075】
[0075] 幾つかの実施形態において、パターニングシステム収差データは、関連する瞳形状及びパターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる。
【0076】
[0076] 幾つかの実施形態において、パターニングプロセス影響データは、パターニングシステム収差データによって定義されるパターニングシステム収差である、対応するパターニングシステム収差の費用関数s(Z)を含む。
【0077】
[0077] 添付図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなし、1つ又は複数の実施形態を示し、説明と共にこれらの実施形態を説明する。本発明の実施形態について、添付模式図面を参照して単なる例としてこれより説明し、図面中、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】[0078]一実施形態によるリソグラフィ投影装置の種々のサブシステムのブロック図を示す。
図2】[0079]一実施形態によるリソグラフィ投影装置におけるリソグラフィを十分にシミュレートする例示的なフローチャートを示す。
図3】[0080]一実施形態による本方法を示す。
図4】[0081]一実施形態による、フルシミュレーションと比較した本収差影響モデルの動作を示す。
図5】[0082]一実施形態による、本収差影響モデルを構築する動作例を示す。
図6】[0083]一実施形態による、オフライン又は研究及び開発フェーズ中、本収差影響モデル(例えば図5に示される動作)を構築し、次いでモデルを製造フェーズにおいて使用することを示す。
図7】[0084]一実施形態による、投影光学系補正モデルによってパターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定するために使用される収差影響モデルからの費用関数の構成の一例を示す。
図8】[0085]一実施形態による動的収差制御(一例としてミラー加熱を使用する)を示す。
図9】[0086]一実施形態による、費用関数(収差影響モデルからの)をリソメトリックのフォーマットに変換する(例えば投影光学系補正モデルによるパターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定を促進するために)ことを示す。
図10】[0087]一実施形態により、本収差影響モデルが基板ごと(例えばウェーハごと又は層ごとであっても)の動的収差補正をいかに可能にすることができるかを示す。
図11】[0088]一実施形態による、上述した動作のサマリフローを示す。
図12】[0089]一実施形態による費用関数の構成要素を示す。
図13】[0090]一実施形態による最適化アーキテクチャ例を示す。
図14】[0091]一実施形態によるコンピュータシステムの一例のブロック図である。
図15】[0092]一実施形態によるリソグラフィ投影装置の模式図である。
図16】[0093]一実施形態による別のリソグラフィ投影装置の模式図である。
図17】[0094]一実施形態によるリソグラフィ投影装置の詳細図である。
図18】[0095]一実施形態によるリソグラフィ投影装置のソースコレクタモジュールの詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
[0096] 半導体製造プロセスにおけるスキャナ収差影響モデリングは有利である。本明細書に記載されるモデルは広範な用途を有し得る。スキャナ収差影響モデリングは、複数のスキャナの共同最適化、モデルからの出力に基づくスキャナのin-situ制御、及び/又は他の使用を促進し得る。本明細書に記載されるモデルは、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む。超次元関数は、空間像又はその表現の計算を含むことなく、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。これは計算時間、計算リソースを節減し得、及び/又は他の利点を有し得る。
【0080】
[0097] 例えば、ミラー加熱の特性及び/又はパターニングプロセススキャナ(例えばEUVスキャナ)で収差を生じさせる他の動的変化する変数は、生産製造環境で安定した結像性能を達成するために、高速in-situ制御を必要とする。この高速in-situ制御の従来の試みは、スキャナの瞳レベル特性(例えば基準状態に関するデルタ波面のRMS)に基づいてメリット関数の定義を含んだが、基板(例えばウェーハ)レベルでの結像性能特性は認識していなかった。その結果、瞳レベル上の収差は最小化されたが、結像性能(基板上又はウェーハレベル)は最適化されなかった。
【0081】
[0098] 代替の結像性能ベースの手法も既知であるが、これらの手法は動的in-situスキャナ制御には不適である。例えば、一手法では、膨大な数のクリティカルディメンションのゼルニケ感度の計算が必要とされ、これは計算的に重く、大きなオンライン-オフライン転送を必要とする。この手法を使用すると、リソグラフィ性能メトリックはクリティカルディメンションに制限される。この手法は、離散メトリック(例えば欠陥カウント等)を含め、他のタイプのカスタムメトリックをカバーするのに十分に柔軟ではない。別の例として、異なる手法は、ソースマスク最適化エンジンを使用して収差(波面)最適化を実行することにより、異なるスキャナの性能をマッチングする方法に関わる。しかしながら、この手法は、ミラーの加熱があまりない常温レンズセットアップに向けて設計され、あらゆる反復でフル結像シミュレーションを必要とする反復最適化を実行する。これは計算的に重く、動的in-situスキャナ制御には不適である。
【0082】
[0099] 有利なことに、本開示は、高速動的スキャナ収差(波面)制御を実行するシステム及び方法を記載する。これらのシステム及び方法は両方とも、結像性能アウェアであり、動的in-situスキャナ収差制御(例えば、ミラー加熱によって生じる収差及び/又はパターニング機器及び/又はパターニングプロセスの他の動的態様の制御等)に適する。本システム及び本方法は、パターニングシステム収差データを受信し、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定するように構成された較正済み収差影響モデルを含む。モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される。従来のシステムとは対照的に、モデルは、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された比較的簡単な超次元関数を含む。超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。例えば、幾つかの実施形態において、モデルは線形アルゴリズム又は二次アルゴリズムを含む。モデルからの新パターニングプロセス影響データは、投影光学系補正モデル等の第2のモデルに提供されて、パターニングシステム(例えばスキャナ)の動的in-situ収差制御を促進するように構成される(例えば、モデルからの出力はそのようにフォーマットされる)。
【0083】
[00100] 別の例として、(パターニングプロセスの)同じ設計レイアウトは例えば、異なるスキャナで又は異なるスリットロケーションで別様にプリントし得る。このタイプの変動は、均一プリント誤差と異なり、典型的には光近接効果補正(OPC)又はリターゲティングによって修正することができないため、有害である。従来技術では、同じ設計レイアウトが異なるスキャナ又は異なるスリットロケーションに同じものをプリントすることを保証するには、個々の各反復でフル結像シミュレーションが必要となる。これは計算的に重く、オペレータにとっては明確な選択ではないことが多い(ひいては追加の変動を誘導し得る)基準スキャナの識別が必要とされる。各スキャナは基準スキャナと個々にマッチングされるが、クリティカルフィーチャの変動は必ずしも最小化されるわけではない。
【0084】
[00101] 有利なことに、較正済み収差影響モデルは、波面調整に使用することができる(例えば従来技術によるシステムにおけるフル結像シミュレーションの代わりに)。上述したように、モデルは、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された比較的簡単な超次元関数を含む。超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態(空間像を計算することなく)の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。複数のスキャナの結像性能を記述するために、複数のモデルを使用することができる。本明細書に記載されるモデルは、4要素費用関数の採用を促進して、種々の可能性の中でも特に、結像性能、波面残差、及び/又はアクチュエータ消費を捕捉する。加えて、結像性能はユーザによって任意に指定することができる(ハードスキャナ要件の代わりに)。本明細書に記載されるモデルはまた、複数のスキャナ(例えば単一スキャナの代わりに)の最適なアクチュエータ位置を求めるために、アクチュエータを変数として使用し(例えばゼルニケの代わりに)、一般非リニアオプティマイザの使用(例えば線形ソルバの代わりに)も促進する。
【0085】
[00102] 本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明し、実施形態は、当業者が本開示を実施できるようにするために、本開示の説明のための例として提供される。特に、以下の図及び例は、本開示の範囲を単一の実施形態に限定する意図はなく、説明又は図示される要素の幾つか又は全てを相互交換することにより、他の実施形態も可能である。さらに、本開示の特定の要素が既知の構成要素を使用して部分的又は完全に実施することができる場合、そのような既知の構成要素のうち、本開示の理解に必要な部分のみについて説明し、本開示を曖昧にしないように、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は省かれる。ソフトウェアで実施されるものとして説明される実施形態は、それに限定されるべきではなく、別記される場合を除き、当業者には理解されるように、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せで実施される実施形態を含むことができ、また逆も同様である。本明細書において、単一の構成要素を示す一実施形態は限定として見なされるべきではなく、むしろ、その開示は、別段のことが明示される場合を除き、複数の同構成要素を含む他の実施形態の包含も意図し、また逆も同様である。さらに、本出願人は、本明細書又は特許請求の範囲における何れの用語も一般的ではない意味又は特別な意味に帰するものにする意図は、そのように明記される場合を除き、ない。さらに、本開示は、例示として本明細書で参照される既知の構成要素への現在既知の均等物及び将来既知になる均等物を包含する。
【0086】
[00103] 本文書ではICの製造を特に参照し得るが、本明細書における記載が多くの他の可能な適用用途を有することを明確に理解されたい。例えば、集積光学系、磁気ドメインメモリのガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッド等の製造に採用し得る。そのような代替用途の状況において、本文書における「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の何れの使用もそれぞれ、「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」というより一般的な用語と同義として見なされるべきであることを当業者は理解しよう。
【0087】
[00104] 本文書において、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線放射(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、又は126nmの波長を有する)及びEUV(例えば約5~100nmの範囲の波長を有する極紫外線放射)を含め、全てのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0088】
[00105] 「投影光学系」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば屈折光学系、反射光学系、アパーチャ、及び反射屈折光学系を含め、種々のタイプの光学系を包含するものとして広く解釈されるべきである。「投影光学系」という用語は、放射の投影ビームを集合的に又は単独で方向付け、成形、又は制御するためにこれらの設計タイプの何れかに従って動作する構成要素を含むこともできる。「投影光学系」という用語は、光学構成要素がリソグラフィ投影装置の光路上のどこに配置されるかを問わず、リソグラフィ投影装置内の任意の光学構成要素を含み得る。投影光学系は、放射が(例えば半導体)パターニングデバイスを通過する前にソースからの放射を成形、調節、及び/又は投影する光学構成要素及び/又は放射がパターニングデバイスを通過した後、放射を成形、調節、及び/又は投影する光学構成要素を含み得る。投影光学系は一般に、ソース及びパターニングデバイスを除く。
【0089】
[00106] (例えば半導体)パターニングデバイスは、1つ若しくは複数の設計レイアウトを含むことができ、又は1つ若しくは複数の設計レイアウトを形成することができる。設計レイアウトは、CAD(コンピュータ支援設計)プログラムを利用して生成することができる、このプロセスは多くの場合、EDA(電子設計オートメーション)と呼ばれる。大半のCADプログラムは、機能的な設計レイアウト/パターニングデバイスを作製するために、所定の設計ルールの一セットに従う。これらのルールは、処理制限及び設計制限によって設定される。例えば、設計ルールは、デバイス又はラインが望ましくないように互いと相互作用しないことを保証するように、デバイス(ゲート、キャパシタ等)間又は相互接続ライン間のスペース許容差を定義する。設計ルールは、特定のパラメータ、パラメータへの制限及び/又はパラメータの範囲、及び/又は他の情報を含み得、及び/又は指定し得る。設計ルール制限及び/又はパラメータの1つ又は複数は、「クリティカルディメンション」(CD)と呼ぶことができる。デバイスのクリティカルディメンションは、ライン若しくは孔の最小幅又は2つのライン若しくは2つの孔間の最小スペース、又は他のフィーチャとして定義することができる。したがって、CDは、設計されたデバイスの全体サイズ及び密度を決める。デバイス作製における目標の1つは、当初の設計意図を基板上で忠実に再現する(パターニングデバイスを介して)ことである。
【0090】
[00107] 本文書で採用される「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分に作成されるべきパターンに対応する、パターニングされた断面を有する入力放射ビームを授けるのに使用することができる半導体パターニングデバイス全般を指すものとして広く解釈し得、「ライトバルブ」という用語もこの文脈で使用することができる。古典的なマスク(透過性又は反射性;バイナリ、位相シフト、ハイブリッド等)の他に、他のそのようなパターニングデバイスの例には、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイがある。
【0091】
[00108] プログラマブルミラーアレイの一例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス可能面であることができる。そのような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレスされたエリアは入射放射を回折放射として反射し、一方、アドレスされないエリアは入射放射を非回折放射として反射することである。適切なフィルタを使用して、上記非回折放射は反射ビームから濾波されて、回折放射のみを後に残すことができ、このようにして、ビームはマトリックスアドレス可能面のアドレッシングパターンに従ってパターニングされる。求められるマトリックスアドレッシングは、適した電子手段を使用して実行することができる。プログラマブルLCDアレイの一例は、米国特許第5,229,872号に与えられており、これは参照により本明細書に援用される。
【0092】
[00109] 本明細書で使用される場合、「パターニングプロセス」という用語は一般に、リソグラフィプロセスの一環として、指定されたパターンの光を適用することによってエッチングされた基板を作成するプロセスを意味する。しかしながら、「パターニングプロセス」は、本明細書に記載される特徴の多くはプラズマ処理を使用したプリントパターンの形成に恩恵を提供することができるため、プラズマエッチングを含むこともできる。
【0093】
[00110] 本明細書で使用される場合、「ターゲットパターン」という用語は、基板上でエッチングされるべき理想パターンを意味する。
【0094】
[00111] 本明細書で使用される場合、「プリントパターン」という用語は、ターゲットパターンに基づいてエッチングされた基板上の物理的パターンを意味する。プリントパターンは例えば、トラフ、チャネル、窪み、エッジ、又はリソグラフィプロセスから生成される他の二次元及び三次元フィーチャを含むことができる。
【0095】
[00112] 本明細書で使用される場合、「予測モデル」、「プロセスモデル」、及び/又はモデル(同義で使用し得る)は、パターニングプロセスをシミュレートする1つ又は複数のモデルを含むモデルを意味する。例えば、予測モデル及び/又はプロセスモデルは、光学モデル(例えば、リソグラフィプロセスにおいて光の送達に使用されるレンズ系/投影系をモデリングし、フォトレジストに到達する光の最終光学像をモデリングすることを含み得る)、レジストモデル(例えば、光に起因した化学効果等のレジストの物理的効果をモデリングする)、OPCモデル(例えば、ターゲットパターンの作成に使用することができ、サブレゾリューションレジストフィーチャ(SRAF)等を含み得る)、及び/又は他のモデルを含むことができる。
【0096】
[00113] 本明細書で使用される場合、「較正」という用語は、プロセスモデル等の何かを変更(例えば改善又は調整)及び/又は検証することを意味する。
【0097】
[00114] パターニングシステムとは、上述した構成要素の何れか又は全てに、これらの構成要素と関連する動作の何れか又は全てを実行するように構成された他の構成要素を加えたシステムであり得る。パターニングシステムは例えば、リソグラフィ投影装置、スキャナ、及び/又は他のシステムを含み得る。
【0098】
[00115] 導入として、図1は、一例のリソグラフィ投影装置10Aの種々のサブシステムの図を示す。主要構成要素は、深紫外線エキシマレーザ源又は極紫外線(EUV)ソース(上述したように、リソグラフィ投影装置自体は放射源を有する必要がない)を含む他のタイプのソースであり得る放射源12Aと、例えば部分コヒーレンス(シグマとして示される)を定義し、ソース12Aからの放射を成形する光学系14A、16Aa、及び16Abを含み得る照明光学系と、パターニングデバイス18Aと、パターニングデバイスパターンの像を基板面22Aに投影する伝達光学系16Acである。投影光学系の瞳面における調節可能フィルタ又はアパーチャ20Aが、基板面22Aに衝突するビーム角の範囲を制限し得、可能な限り最大の角度は、投影光学系の開口数を定義し:NA=n sin(θmax)、式中、nは基板と投影光学系の最後の要素との間の媒体の屈折率であり、θmaxは、基板面22A上になお衝突することができる投影光学系から出射するビームの最大角度である。
【0099】
[00116] リソグラフィ投影装置において、ソースは照明(即ち放射)をパターニングデバイスに提供し、投影光学系は、パターニングデバイスを介して照明を基板上に向け、成形する。投影光学系は、構成要素14A、16Aa、16Ab、及び16Acの少なくとも幾つかを含み得る。空間像(AI)は、基板レベルでの放射強度分布である。レジストモデルを使用して、空間像からレジスト像を計算することができ、その一例は米国特許出願公開第2009-0157630号に見出すことができ、この開示は全体的に、参照により本明細書に援用される。レジストモデルはレジスト層の特性(例えば露光中、ポストベーク(PEB)中、及び現像中に生じる化学プロセスの効果)に関連する。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)が空間像を決定づけ、光学モデルで定義することができる。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変わることができるため、パターニングデバイスの光学特性を、少なくともソース及び投影光学系を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離することが望ましい。設計レイアウトを種々のリソグラフィ像(例えば空間像、レジスト像等)に変換するするのに使用される技術及びモデル、それらの技術及びモデルを使用してOPCを適用し、性能を(例えばプロセスウィンドウに関して)評価するのに使用される技術及びモデルの詳細は、米国特許出願公開第2008-0301620号、同第2007-0050749号、同第2007-0031745号、同第2008-0309897号、同第2010-0162197号、及び同第2010-0180251号に記載されており、それらの各々の開示は全体的に、参照により本明細書に援用される。
【0100】
[00117] 例えば、パターニングプロセスの設計、制御、モニタ等に使用することができる1つ又は複数のツールを使用して結果を生成することが望ましいことがある。パターニングデバイスのパターン設計(例えば、サブレゾル-ションアシストフィーチャ又は光近接効果補正を含む)、パターニングデバイスの照明等のパターニングプロセスの1つ又は複数の態様を計算的に制御、設計等するのに使用される1つ又は複数のツールを提供し得る。したがって、パターニングプロセスを含む製造プロセスを計算的に制御、設計等するシステムにおいて、製造システムの構成要素及び/又はプロセスは、種々の機能モジュール及び/又はモデルによって説明することができる。幾つかの実施形態において、パターニングプロセスの1つ又は複数のステップ及び/又は装置を記述する1つ又は複数の電子モデル(例えば数学モデル、パラメータ化モデル等)を提供し得る。幾つかの実施形態において、パターニングプロセスのシミュレーションは、1つ又は複数の電子モデルを使用して実行されて、パターニングプロセスが、パターニングデバイスによって提供される設計パターンを使用してパターン形成された基板をいかに形成することができるかをシミュレートすることができる。
【0101】
[00118] リソグラフィ投影装置におけるリソグラフィをシミュレートする例示的なフローチャートを図2に示す。これは例示的なフルリソグラフィシミュレーションであり得る。照明モデル31は、照明の光学特性(放射強度分布及び/又は位相分布を含む)を表す。投影光学系モデル32は、投影光学系の光学特性(投影光学系によって生じる放射強度分布及び/又は位相分布への変更を含む)を表す。設計レイアウトモデル35は、設計レイアウトの光学特性(所与の設計レイアウトによって生じる放射強度分布及び/又は位相分布への変更を含む)を表し、設計レイアウトは、パターニングデバイス上のフィーチャ又はパターニングデバイスによって形成されるフィーチャの配置の表現である。空間像36は、照明モデル31、投影光学系モデル32、及び設計レイアウトモデル35を使用してシミュレートすることができる。レジスト像38は、レジストモデル37を使用して空間像36からシミュレートすることができる。リソグラフィのシミュレーションは例えば、レジスト像におけるコンター及び/又はCDを予測することができる。
【0102】
[00119] より具体的には、照明モデル31は、NAシグマ(σ)設定及び任意の特定の照明形状(例えば輪帯、四極、ダイポール等のオフアクシス照明)を含むがこれらに限定されない照明の光学特性を表すことができる。投影光学系モデル32は、例えば、収差、歪み、屈折率、物理的サイズ又は寸法等を含む投影光学系の特性を表すことができる。設計レイアウトモデル35は、例えば、米国特許第7,587,704号に記載のように、物理的パターニングデバイスの1つ又は複数の物理特性を表すこともでき、この米国特許は全体的に参照により本明細書に援用される。リソグラフィ投影装置と関連する光学特性(例えば照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)が空間像を決定づける。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変わることができるため、パターニングデバイスの光学特性を、少なくとも照明及び投影光学系(ひいては設計レイアウトモデル35)を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離することが望ましい。
【0103】
[00120] レジストモデル37は、空間像からレジスト像を計算するのに使用することができ、その一例は米国特許第8,200,468号に見出すことができ、この米国特許は全体的に、参照により本明細書に援用される。レジストモデルは典型的には、レジスト層の特性(例えば露光中、ポストベーク中、及び/又は現像中に生じる化学プロセスの効果)と関連する。
【0104】
[00121] フルシミュレーションの目的の1つは、例えばエッジ配置、空間像強度傾き、及び/又はCDを正確に予測することであり、予測は次いで意図される設計と突き合わせて比較することができる。意図される設計は一般に、プリOPC設計レイアウトとして定義され、これは、GDS、GDSII、OASIS、又は他のファイルフォーマット等の標準化されたデジタルファイルフォーマットで提供することができる。
【0105】
[00122] 設計レイアウトから、1つ又は複数の部分を識別し得、これらは「クリップ」と呼ばれる。一実施形態において、設計レイアウトにおける複雑なパターンを表すクリップの一セットが抽出される(典型的には約50~1000個のクリップであるが、任意の数のクリップを使用し得る)。当業者には理解されるように、これらのパターン又はクリップは、設計の小さな部分(例えば回路、セル等)を表し、特にクリップは、特定の注目及び/又は確認が必要な小さな部分を表す。換言すると、クリップは、クリティカルフィーチャが経験(顧客によって提供されるクリップを含む)、試行錯誤、若しくはフルチップシミュレーションを実行することによって識別される設計レイアウトの部分であってもよく、又はそのような設計レイアウトの部分と同様若しくは同様の挙動を有し得る。クリップは多くの場合、1つ又は複数のテストパターン又はゲージパターンを含む。クリップの最初の大きな一セットは、特定の像最適化を必要とする設計レイアウトにおける既知のクリティカルフィーチャに基づいて顧客によって事前に提供し得る。代替的には、別の実施形態において、クリップの最初の大きな一セットは、クリティカルフィーチャエリアを識別する自動アルゴリズム(マシンビジョン等)又は手動アルゴリズムを使用することによって全体設計レイアウトから抽出し得る。
【0106】
[00123] 例えば、シミュレーション及びモデリングを使用して、パターニングデバイスパターンの1つ又は複数のフィーチャ(例えば光近接効果補正を実行する)、照明の1つ又は複数のフィーチャ(例えば形状変化等の照明の空間/角度強度の1つ又は複数の特性の変化)、及び/又は投影光学系の1つ又は複数のフィーチャ(例えば開口数等)を構成することができる。そのような構成はそれぞれ一般にマスク最適化、ソース最適化、及び投影最適化と呼ぶことができる。そのような最適化はそれ自体で実行することができ、又は異なる組合せで組み合わせることができる。そのような一例はソース-マスク最適化(SMO)であり、SMOは、パターニングデバイスパターンの1つ又は複数のフィーチャを照明の1つ又は複数のフィーチャと一緒に構成することを含む。最適化技術はクリップの1つ又は複数にフォーカスし得る。最適化は、本明細書に記載される機械学習モデルを使用して、種々のパラメータ(像等を含む)の値を予測し得る。
【0107】
[00124] 幾つかの実施形態において、システムの最適化プロセスは費用関数として表され得る。最適化プロセスは、費用関数を最小化するシステムのパラメータの一セット(設計変数、プロセス変数等)を見つけることを含み得る。費用関数は、最適化の目標に応じて任意の適した形態を有することができる。例えば、費用関数は、システムの特定の特性(評価点)の、これらの特性の意図される値(例えば理想値)からのずれの加重二乗平均平方根(RMS)であることができる。費用関数はこれらのずれの最大(即ち最悪のずれ)であることもできる。「評価点」という用語は、システム又は作製方法の任意の特性を含むものとして広く解釈されるべきである。システムの設計変数及び/又はプロセス変数は、システム及び/又は方法の実施の実用性に起因して、有限範囲に留められることができ、及び/又は相互依存することができる。リソグラフィ投影装置の場合、制約は多くの場合、調整可能な範囲及び/又はパターニングデバイス製造可能性設計ルール等のハードウェアの物理的特性及び特徴と関連する。評価点は、基板上のレジスト像上の物理的な点及び例えば線量及びフォーカス等の非物理的特性を含むことができる。
【0108】
[00125] リソグラフィ投影装置において、一例として、費用関数は
【数1】

として表現し得、式中、(z,z,・・・,z)はN個の設計変数又はその値であり、f(z,z,・・・,z)は、(z,z,・・・,z)の設計変数の値の一セットでの特性の実際の値と意図される値との間の差等の設計変数(z,z,・・・,z)の関数であることができる。幾つかの実施形態において、wはf(z,z,・・・,z)と関連する重み定数である。例えば、特性は、エッジ上の所与の点で測定されるパターンのエッジの位置であり得る。異なるf(z,z,・・・,z)は異なる重みwを有し得る。例えば、特定のエッジが狭い範囲の許容位置を有する場合、エッジの実際の位置と意図される位置との間の差を表すf(z,z,・・・,z)の重みwにはより大きな値が与えられ得る。f(z,z,・・・,z)は層間特性の関数であることもでき、そして層間特性は設計変数(z,z,・・・,z)の関数である。当然ながら、CF(z,z,・・・,z)は上記式の形態に限定されず、CF(z,z,・・・,z)は任意の他の適した形態であってもよい。
【0109】
[00126] 費用関数は、リソグラフィ投影装置、リソグラフィプロセス、又は基板の任意の1つ又は複数の適した特性、例えばフォーカス、CD、像シフト、像歪み、像回転、確率的変動、スループット、局所CD変動、プロセスウィンドウ、層間特性、又はそれらの組合せを表し得る。幾つかの実施形態において、費用関数は、レジスト像の1つ又は複数の特性を表す関数を含み得る。例えば、f(z,z,・・・,z)は単に、レジスト像における点とその点の意図される位置との間の距離(即ちエッジ配置誤差EPE(z,z,・・・,z)であることができる。パラメータ(例えば設計変数)は、ソース、パターニングデバイス、投影光学系の調節可能なパラメータ、線量、フォーカス等の任意の調節可能なパラメータを含むことができる。
【0110】
[00127] パラメータ(例えば設計変数)は、(z,z,・・・,z)∈Zとして表現することができる制約を有し得、式中、Zは設計変数の可能な値の一セットである。設計変数への可能な一制約は、リソグラフィ投影装置の所望のスループットによって課し得る。所望のスループットによって課されるそのような制約なしでは、最適化は、非現実的な設計変数の値の一セットを生成し得る。制約は必須として解釈されるべきではない。例えば、スループットは瞳充填率によって影響を受け得る。例えば、照明設計によっては、低瞳充填率は放射を破棄し得、スループットの低下に繋がり得る。スループットはレジストの化学的性質によって影響を受けることもある。レジストが遅いほど(例えば適宜露光されるためにより大きな量の放射を必要とするレジストほど)、低いスループットに繋がる。
【0111】
[00128] 幾つかの実施形態において、照明モデル31、投影光学系モデル32、設計レイアウトモデル35、レジストモデル37、及び/又は集積回路製造プロセスと関連し、及び/又は集積回路製造プロセスに含まれる他のモデルは、本明細書に記載される方法の動作を実行する経験モデルであり得る。経験モデルは、種々の入力(例えばマスク像又はウェーハ像の1つ又は複数の特性、設計レイアウトの1つ又は複数の特性、パターニングデバイスの1つ又は複数の特性、波長等のリソグラフィプロセスで使用される照明の1つ又は複数の特性等)間の相関に基づいて出力を予測し得る。
【0112】
[00129] 一例として、経験モデルは1つ又は複数のアルゴリズムを含み得る。別の例として、経験モデルは機械学習モデル及び/又は任意の他のパラメータ化モデルであり得る。幾つかの実施形態において、機械学習モデル(例えば)は、数式、アルゴリズム、プロット、チャート、ネットワーク(例えばニューラルネットワーク)、及び/又は他のツール及び機械学習モデル構成要素であり得、及び/又はそれらを含み得る。例えば、機械学習モデルは、入力層、出力層、及び1つ又は複数の中間層又は隠れ層を有する1つ又は複数のニューラルネットワークであり得、及び/又はそれらを含み得る。幾つかの実施形態において、1つ又は複数のニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(例えば、入力層と出力層との間に1つ又は複数の中間層又は隠れ層を有するニューラルネットワーク)であり得、及び/又はディープニューラルネットワークを含み得る。
【0113】
[00130] 一例として、1つ又は複数のニューラルネットワークは、神経単位(又は人工ニューロン)の大きな集まりに基づき得る。1つ又は複数のニューラルネットワークは、生物学的脳が機能する様式を大まかに模倣し得る(例えば軸索によって接続された生物学的ニューロンの大きなクラスタを介して)。ニューラルネットワークの各神経単位は、ニューラルネットワークの多くの他の神経単位を用いて接続し得る。そのような接続は、接続された神経単位の活性化状態に対して促進効果又は抑制効果を有することができる。幾つかの実施形態において、個々の各神経単位は、全ての入力の値を一緒に結合する要約関数を有し得る。幾つかの実施形態において、各接続(又は神経単位自体)は、シグナルが、他の神経単位への伝播が可能になるには、閾値を超えなければならないような閾値関数を有し得る。これらのニューラルネットワークシステムは、明確にプログラミングされるのではなく自己学習し、トレーニングし得、従来のコンピュータプログラムと比較して、特定の問題解決分野ではるかに良好に実行することができる。幾つかの実施形態において、1つ又は複数のニューラルネットワークは複数の層を含み得る(例えばシグナルパスが前層から後層に渡る)。幾つかの実施形態において、バックプロパゲーション技術がニューラルネットワークによって利用し得、その場合、前方刺激を使用して、「前方」神経単位への重みをリセットする。幾つかの実施形態において、1つ又は複数のニューラルネットワークの刺激及び抑制はより自由に流れることができ、接続はより無秩序且つ複雑に相互作用する。幾つかの実施形態において、1つ又は複数のニューラルネットワークの中間層は、1つ又は複数の畳み込み層、1つ又は複数の再帰層、及び/又は他の層を含む。
【0114】
[00131] 1つ又は複数のニューラルネットワークは、トレーニング情報の一セットを使用してトレーニングし得る(即ちパラメータが決定される)。トレーニング情報は、トレーニングサンプルの一セットを含み得る。各サンプルは入力オブジェクト(典型的にはベクトルであり、フィーチャベクトルと呼ぶことができる)及び所望の出力値(監視シグナルとも呼ばれる)を含むペアであり得る。トレーニングアルゴリズムはトレーニング情報を分析し、トレーニング情報に基づいてニューラルネットワークのパラメータ(例えば1つ又は複数の層の重み)を調節することによってニューラルネットワークの挙動を調節する。例えば、xが第iの例のフィーチャベクトルであり、yがその監視シグナルであるような形態{(x,y),(x,y),・・・,(x,y)}のN個のトレーニングサンプルの一セットを所与として、トレーニングアルゴリズムはニューラルネットワークg:X→Yを探し求め、ここで、Xは入力空間であり、Yは出力空間である。フィーチャベクトルは、何らかのオブジェクト(例えばシミュレーション空間像、ウェーハ設計、クリップ等)を表す数値フィーチャのn次元ベクトルである。これらのベクトルと関連するベクトル空間は多くの場合、フィーチャ空間と呼ばれる。トレーニング後、ニューラルネットワークは、新しいサンプルを使用して予測を行うために使用し得る。
【0115】
[00132] 本システム及び本方法は、パターニングシステム(例えばスキャナ)収差がパターニングプロセスに対して有し得る影響を予測するように構成された較正済みモデルを含む。較正済みモデルは例えば、本明細書では収差影響モデルと呼ばれ得る。収差影響モデルは、パターニングシステム収差データ(例えば特定の収差の特性を記述するデータ)を受信し、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データ(例えば対応するパターニングプロセス結果に対する収差の影響を記述するデータ)を特定するように構成される。収差影響モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される。従来のシステムとは対照的に、収差影響モデルは、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された比較的簡単な超次元関数を含む。超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに簡易形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。例えば、収差影響モデルは、線形アルゴリズム又は二次アルゴリズムを含み得る。上述したように、フルシミュレーションは、ソース、マスク、線量、フォーカス、及び/又はリソグラフィプロセスの他の態様(例えば図2参照)のシミュレーションを含み得る。フルシミュレーションの代わりに収差影響モデルを用いたモデリングは、少なくとも、空間像表現を生成、シミュレート、又は他の方法で計算することなくモデリングすることを含む。収差影響モデルは、入力パタリングシステム収差データに基づいて、フルシミュレーションでは必要であるソース、マスク、線量、フォーカス等に関連する他の情報を必要とせずに、予測を生成するように構成される。
【0116】
[00133] モデルからの新パターニングプロセス影響データは、投影光学系補正モデル等の第2のモデルに提供(例えばモデルからの出力がフォーマット)されて、パターニングシステムの収差、例えばEVUリソグラフィシステムにおけるミラー加熱又はDUVリソグラフィシステムにおけるレンズ加熱によって生じる収差の動的in-situ制御を可能にする。有利なことに、これは、結像性能アウェアである高速動的スキャナ収差(例えば、ミラー加熱によって生じる収差及び/又はパターニング機器及び/又はパターニングプロセスの他の動的態様を制御するため等)(ひいては波面)制御を促進する。
【0117】
[00134] 図3は、本開示の一実施形態による例示的な方法300を示す。幾つかの実施形態において、方法300は、収差影響モデルを較正すること(302)と、パターニングシステム収差データを受信すること(304)と、パターニングプロセス影響データを予測及び/又は他の方法で特定すること(306)と、パターニングプロセス影響っtを第2のモデルに提供すること(308)と、パターニングシステムの動的in-situ収差制御及び/又は他の動作を実行すること(310)とを含む。以下提示する方法300の動作は、例示であることが意図される。幾つかの実施形態において、方法300は、記載されない1つ又は複数の追加の動作を用いて及び/又は論考された動作の1つ又は複数なしで達成することもできる。例えば、動作308、310、及び/又は他の動作は任意選択的であり得る。さらに、方法300の動作が図3に示され、以下説明される順序は限定を意図していない。
【0118】
[00135] 動作302において、収差影響モデルは較正される。収差影響モデルは、例えば予測モデルであり得る。較正は、モデルの生成、トレーニング、調整、及び/又は他の動作を含み得る。モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される。パターニングシステムは、スキャナ(図1及び後の図に示されるリソグラフィ投影装置等)であり得、及び/又は含み得る。スキャナにおいて、収差は、スキャナにおけるレンズ要素(例えばレンズ、ミラー、及び/又は他の要素)の表面が意図される位置にないとき、生じ得る。レンズ要素の表面は、例えばレンズ要素の加熱のせいで意図される位置にないことがあるが、多くの異なる原因があり得る。パターニングシステム収差データは、特定の収差の特性、収差の原因を記述するデータ及び/又は他のデータを含む。パターニングシステム収差データは、実測収差及び/又はシミュレーション収差、収差と関連するシステム及び/又はプロセスパラメータ、及び/又は他の波面情報を含み得る。波面収差(又は本明細書で使用される場合「収差」)とは、理想的な波面と実際の波面との間のずれ(不一致の程度)を指し得る。
【0119】
[00136] 例えば、レンズ要素が熱せられると、レーザ電力レベル、瞳形状、ターゲット設計、露光線量、及び/又は他のファクタによって形状変化(収差を生じさせる)が生じ得る。これら及び他のファクタの何れか及び/又は全ては、パターニングシステム収差データセットに含まれ得る。パターニングプロセス影響データは、対応するパターニングプロセスに対する収差の影響を記述するデータを含む。例えば、パターニングプロセス影響データは、基板上の結像性能、例えば、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、パターニングプロセスと関連する欠陥カウント、及び/又は他のパラメータに対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示し得る。パターニングプロセス影響データは、種々のパラメータの値、費用関数、メリット関数(例えば後述するように)、及び/又は他の情報を含み得る。
【0120】
[00137] パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データは、既知のデータ及び/又は他の方法で先に特定されたデータを含む。パターニングシステム収差及び/又はプロセス影響較正データは、測定、シミュレート、及び/又は他の方法で特定し得る。幾つかの実施形態において、較正データは、関連する瞳形状、パターニングデバイス設計、及び種々の収差入力(例えば、フルシミュレーションモデルは、照明モデル31、投影光学系モデル32、設計レイアウトモデル35、レジストモデル37、及び/又は他のモデルの1つ又は複数を含み得る)に基づいてフルシミュレーションモデルを実行することによって取得される。
【0121】
[00138] 幾つかの実施形態において、収差影響モデルは、パターニングシステム収差較正データをベース(予測)モデルに提供して、パターニングプロセス影響較正データの予測を取得し、パターニングプロセス影響較正データをフィードバックとして使用して、ベースモデルの1つ又は複数の較正を更新することによって較正される。例えば、収差影響の1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響較正データとパターニングプロセス影響較正データの予測との比較に基づいて更新される。収差影響モデルの較正に使用される較正データは、入力(例えば既知のパターニングシステム収差データ)と対応する既知の出力(例えば既知のパターニングプロセス影響較正データ)とのペア又はセットを含み得る。幾つかの実施形態において、収差影響モデルは、提供されるトレーニング情報ペアを使用して自己学習し得る。次いで較正済み収差影響モデルを使用して、上述したように異なるパターニングシステム収差データ等の種々の入力情報に基づいて(例えばパターニングプロセス影響についての)予測を行う。
【0122】
[00139] 幾つかの実施形態において、収差影響モデルは、受信したパターニングシステム収差データをパターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む。幾つかの実施形態において、モデルを較正することは、関数の1つ又は複数のパラメータを調整及び/又は他の方法で調節することにより、ベースモデルの1つ又は複数の較正を更新することを含む。幾つかの実施形態において、調整することは、予測されたパターニングプロセス影響データが既知のパターニングプロセス影響較正データとよりよく一致するか、又はよりよく対応するように、1つ又は複数のモデルパラメータを調節することを含む。幾つかの実施形態において、調整することは、新しい入力/出力較正データペア及び/又は追加の入力/出力較正データペアを使用してモデルをトレーニング又は再トレーニングすることを含む。
【0123】
[00140] 幾つかの実施形態において、収差影響モデル(例えば超次元関数)は、非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、二次アルゴリズム、又はそれらの組合せの1つ又は複数を含むが、任意の適した数学的関数であることができ、及び/又は含むことができる。例えば、超次元関数は、任意の冪多項式形態、区分多項式形態、指数形態、ガウス形態、シグモイド形態、決定木型の形態、畳み込みニューラルネットワーク型の形態等を有し得る。これらのアルゴリズムは、超次元関数がパターニングシステム収差をフルシミュレーションの代わりに簡易形態のパターニングプロセス影響と相関付けるように構成されるように、任意の数のパラメータ、重み、及び/又は他の特徴を任意の組合せで含み得る。本開示の範囲を以下の例に限定せずに、一例の線形アルゴリズムは、線形形態のゼルニケ項を含み得、その場合、線形係数は、個々のゼルニケ項に対するCD、PPE、EPE、非対称性、欠陥、及び/又は他のパラメータの依存性の線形回帰を介して計算される。一例の二次アルゴリズムは、線形形態及び二次形態のゼルニケ項を含み得、その場合、線形係数及び二次係数は、個々のゼルニケ項に対するCD、PPE、及び/又は他のパラメータの依存性の非線形回帰を介して計算される。
【0124】
[00141] 幾つかの実施形態において、関数の形態(例えば非線形、線形、二次等)、関数のパラメータ、アルゴリズムにおける重み、及び/又は関数の他の特性は、上述した較正、ユーザによって提供される正確性及び実行時性能仕様、本システムに含まれるユーザインターフェースを通したユーザによる情報の手動入力及び/又は選択に基づいて自動的に及び/又は他の方法により決定し得る。幾つかの実施形態において、関数の形態(例えば非線形、線形、二次等)、関数のパラメータ、及び/又は関数の他の特性は、基板の個々の層に伴って(例えば収差変化を生じさせ得、及び/又は影響し得る処理パラメータ及び/又は他の条件として)及び/又は他の情報に基づいて変わり得る。例えば、異なるモデルは、半導体デバイス製造パターニング動作中に生成される基板の異なる層について構成し得る。
【0125】
[00142] フルシミュレーションモデルは典型的には、計算的に高価であり、時間がかかり、したがって、リアルタイム収差変動を処理して、大量製造中に補償を可能にするには適さない。非限定的な例として、図4は、フルシミュレーション402と比較した本収差影響モデル400の動作を示す。上述したように、フルシミュレーションは、ソース、マスク、線量、フォーカス、及び/又はリソグラフィプロセスの他の態様のシミュレーション(例えば図2参照)を含み得る。フルシミュレーションの代わりに本収差影響モデルを用いたモデリングは、少なくとも、空間像又はその表現を計算(例えばシミュレート又は生成)することなくモデリングすることを含む。収差影響モデルは、フルシミュレーションでは必要とされるソース、マスク、線量、フォーカス等に関連する他の情報を必要とすることなく、入力パタリングシステム収差データに基づいて予測を生成するように構成される。
【0126】
[00143] 図4に示されるように、本システム及び本方法の発明前、測定、モデリング、及び/又は他の方法で特定された収差Z(例えばパターニングシステム収差データによって定義される)が、フルリソグラフィシミュレーション406に使用された(404)。次いでフルリソグラフィシミュレーション406を使用して、リソグラフィプロセス費用(例えばパターニングプロセス影響データによって定義され及び/又はパターニングプロセス影響データを含む)を評価した(408)。特定用途での使用事例に応じて、ユーザは、CD、PPE、EPE、CD非対称性、欠陥カウント等の異なるリソグラフィ性能メトリックにフォーカスすることを選び得る。費用(メリット)関数s(CD,PPE,・・・)は、ユーザ要件に従って定義された。任意の所与の収差Zについて、フルリソグラフィシミュレーションを実行してCD、PPE、EPEを取得し、次いでs(CD,PPE,・・・)を評価した。フルリソグラフィシミュレーションは遅く高価である。したがって、そのようなシミュレーションの反復繰り返しは動的in-situ収差制御には不適切である。それとは対照的に、収差影響モデル400は、少なくとも計算的集約度がより低いため、フルシミュレーションよりもはるかに高速に適用することができる。例えば、図4に示されるように、プロセス費用は、収差の関数(例えば示されるようにs(Z))として直接モデリングし定義し得る(410)。関数s(Z)は、収差の関数としてパターニングプロセスに対する影響を示し得る。本開示の実施形態について、収差及び収差補正を参照して更に詳細に説明する。例えば、本明細書で論じたように、波面収差は、理想的な波面と実際の波面との間のずれ(不一致の程度)を指し得る。しかしながら、本明細書に開示されるメカニズムは、本開示の範囲から逸脱せずに、リソグラフィプロセスにおける他の波面態様モニタリング又は補正に適用することもできる。
【0127】
[00144] 別の非限定的な例として、図5は、本収差影響モデル400を構築する一例の動作500を示す。上述したように、較正データ503は、様々な収差(例えばZ・・・Z)の反復シミュレーション502及びパターニングプロセスに対する様々な収差の影響に基づいて生成し得(501)、影響は包括的費用関数s(Z)によって表し得る。較正データ503を使用してベースモデル506(例えば決定された形態-線形、二次等-を有する)を較正し(504)、収差影響モデル400を生成する。
【0128】
[00145] 図3に戻ると、動作304において、パターニングシステム収差データは収差影響モデルによって受信される。受信されたパターニングシステム収差データは、特定の収差の特性、収差の原因を記述するデータ及び/又は他のデータを含み得る。パターニングシステム収差データは、測定された収差及び/又はシミュレートされた収差、収差と関連するシステム及び/又はプロセスパラメータ、及び/又は他の情報を含み得る。データは、予測を生成するための入力としてモデルによって受信される。データは、本システムの1つ又は複数の他の部分から(例えば異なるプロセッサから)電子的に、本システムと関連しないリモート計算システムから、及び/又は他のソースから受信し得る。データは、無線及び/又はワイヤを介して、ポータブル記憶媒体を介して、及び/又は他のソースから受信し得る。データは、例えばクラウドストレージ等の別のソースからアップロード及び/又はダウンロードし得、及び/又は他の方法で受信し得る。
【0129】
[00146] 幾つかの実施形態において、パターニングシステム収差データは、基板の製造中、受信される。例えば、半導体製造プロセスにおける基板の層の処理中又はその直前、収差変動を測定し得る(例えば及び/又はパターニングシステム収差データを特定し得る)。収差影響モデルの比較的時間がかかり計算集約的な構成及び較正は、大量製造において利用される前に達成される。較正済みモデルは、予測を行うために、照明モデル31、投影光学系モデル32、設計レイアウトモデル35、レジストモデル37、又は他のモデルの利用を含まない簡易形態を有し、それにより、有利なことに、スキャナ(パターニングシステム)収差の正確な補償を得るためのリアルタイム又は準リアルタイムの計算が可能になる。さらに、較正済みモデルは、基板に関する1つ又は結像性能ファクタを最適化するように構成することができるため、特定される収差補償は有利なことに、基板上への最適な結像性能を生じさせることができる。
【0130】
[00147] 非限定的な例として、図6は、オフライン又は研究及び開発フェーズ600中、収差影響モデル400を(動作500を使用して)構築し(例えば図5に示される動作)、次いでモデル400を大量製造フェーズ602で使用することを示す。図5に示されるように、製造フェーズ602において、モデル400は、測定された収差604データ(例えばパターニングシステム収差データ)を受信し、新パターニングプロセス影響データs(Z)を出力するように構成される。幾つかの実施形態において、収差影響モデルは結像性能データを「出力」する必要がない。後述するように、モデル400からの出力(例えばs(Z))(及び/又はモデルによって「出力」されない計算結果)は、第2のモデル610によって使用されて、動的in-situスキャナ収差制御612を促進するように構成される。しかしながら、これは単なる例示である。幾つかの他の実施形態において、収差影響モデルは第2のモデルの機能を統合する。
【0131】
[00148] 図3に戻ると、動作306において、パターニングシステム収差データの受信に応答して、パターニングプロセス影響データが特定される。新パターニングプロセス影響データは、収差影響モデル及び/又は他の情報に基づいて特定される。生成されたパターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、パターニングプロセスと関連する欠陥カウント、及び/又はパターニングプロセスの他のパラメータの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による基板に関する影響を示す。幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データを特定することは、収差影響モデルによって新パターニングプロセス影響データを予測することを含む。パターニングプロセス影響データは、受信したパターニングシステム収差データ(例えば大量製造中にリアルタイムで測定された収差)に基づいて予測される。幾つかの実施形態において、予測されたパターニングプロセス影響データは、所与の収差が対応するパターニングプロセス影響を生じさせる確率又は尤度が高いことを示す。
【0132】
[00149] 幾つかの実施形態において、収差影響モデルは、対応するパターニングシステム収差の費用(又はメリット)関数s(Z)の値を含む。費用関数s(Z)は、対応するパターニングシステム収差変動によって生じる、パターニングプロセス(例えば先に列記したパラメータの任意の1つ又は複数)への影響を示す。幾つかの実施形態において、収差変動は主に、リソグラフィ装置の動作中のレンズ加熱又はミラー加熱によって生じる。収差影響モデルによって特定される費用(又はメリット)関数s(Z)は、スキャナ調整ノブと関連するパラメータ、リソグラフィ性能メトリック(例えばユーザによって選ばれるよういに-CD、EPE、欠陥カウント、非対称性パラメータ等)、及び/又は他のパラメータ(動作308及び310並びに図7~9と関連して以下提供される例及び論考を参照のこと)を含み得る。
【0133】
[00150] 幾つかの実施形態において、方法300は、新パターニングプロセス影響データを第2のモデルに提供して(308)、パターニングシステム(例えばスキャナ)の動的in-situ収差制御を促進することを含む。新パターニングプロセス影響データを提供することは、例えば費用関数s(Z)及び/又は他の情報を提供することを含む。幾つかの実施形態において、第2のモデルは投影光学系補正モデル及び/又は他のモデルである。幾つかの実施形態において、収差影響モデルからの新パターニングプロセス影響データ(例えば費用関数)は、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に(例えば投影光学系補正モデルにより)使用されるように構成される。幾つかの実施形態において、パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィ性能メトリック及び/又は他の情報を含む。幾つかの実施形態において、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバ及び/又は他の演算によって決定されるように構成される。
【0134】
[00151] 幾つかの実施形態において、方法300は、パターニングシステム(例えばスキャナ及び/又は他のパターニングシステム)の動的in-situ収差制御を実行すること(310)を含む。幾つかの実施形態において、スキャナの動的in-situ制御は、所与のスキャナ収差の補正済みスキャナ制御パラメータレシピを生成して、リソグラフィ性能メトリックの一セットを最適化することを含む。幾つかの実施形態において、動的in-situ制御は、大量製造中、収差を制御を含む。例えば、幾つかの実施形態において、動作302~310は、新パターニングプロセス影響データ(例えば収差影響モデルによって出力される費用関数)が、製造中、リアルタイム又は準リアルタイムで1つ又は複数のミラー、レンズ、及び/又はパターニングシステムの他の要素の加熱の補償強化及び/又は制御強化(例えばEUV)を促進するように構成されるよう実行し得る。EUVミラー加熱制御は、スキャナが典型的には、限られた数のノブを使用して、ミラー加熱によって誘導される収差を動的に補正する必要があるため、有用である。別の例として、動作302~310は、新パターニングプロセス影響データ(例えば収差影響モデルによって出力される費用関数)が製造中、リアルタイム又は準リアルタイムでパターニングシステム(例えばスキャナ)と関連するフォーカス、線量、及び/又はステージ変動(MSD)の制御強化を促進するように構成されるよう実行し得る。他の例も企図される。
【0135】
[00152] CD、EPE、及び/又は他のパラメータの制御のために、異なる投影光学系ボックスに1つの収差影響モデルを提供することができることに留意されたい。収差影響モデルは、費用(メリット)関数がシミュレーション結果から構築されるように構成し得るため、CD、パターン配置誤差(PPE)、EPE、CD非対称性、ベストフォーカスシフト、欠陥カウント等の任意の所望のメトリックを定義(例えば較正に使用)することができる。このようにして、本収差影響モデルは、所望のメトリックを自動的に反映するように構成し得る。
【0136】
[00153] 幾つかの非限定的な例として、図7図11は、新パターニングプロセス影響データを第2のモデルに提供して(例えば動作308)、スキャナの動的in-situ収差制御を促進する(例えば動作310)ことに含まれる種々の動作を示す。例えば、図7は、パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定するために投影光学系補正モデルによって使用される費用関数を収差影響モデルから構成する一例を示す。図7は、収差(又は波面収差)空間704における費用関数702の視覚図700を提供する。図7は、ターゲット状態(又はスキャナの初期若しくは常温状態)「A」706及び等費用曲線708を示す。上述したように、収差影響モデルは費用関数s(Z)702を特定する。投影光学系補正モデルは、スキャナ性能 指紋=Dδであるように、(スキャナ)レンズ(要素、例えばレンズ、ミラー等)の依存性メトリックスDを定義し、式中、δは可変スキャナ制御ノブ設定を表す。幾つかの実施形態において、収差影響モデルからの費用関数は、
s(Z(δ))=s(ΔZ+Dδ)
として定義し得、式中、ΔZはスキャナからの収差変動を表し、Dは依存性メトリックスであり、δは可変スキャナ制御ノブ設定を表し、Dδは性能指紋(又は換言すると必要とされる補正の指示)を表す。非リニアオプティマイザを使用して、δ=argmin s(δ)であるようにs(δ)を最小化し得、式中、δは必要とされる動的スキャナノブ補正を表す。
【0137】
[00154] 図7に示される視覚図700を続けて、図8は、動的収差制御/補正を示す(一例として(レンズ)ミラー加熱を使用する)。図8は、収差影響モデルによって特定された費用関数に基づいてスキャナ収差を補正する投影光学系補正モデルによる試みを示す。図8は、常温状態A706(スキャナ動作中、ミラーが熱くなり始める前)をビュー800に示し、ホット状態B(スキャナ動作中、ミラーが加熱された後)をビュー802に示し、補正後のホット状態Cをビュー804に示す。常温状態Aにおいて、ΔZ=0であり、δ=0である。費用関数s(Z(δ))は最小であり、s=0である。補正前のホット状態Bにおいて、ΔZ≠0であり、δ=0である。費用関数s=ΔZΤHΔZであり、式中、Hは費用関数ヘッセであり、Τは転置演算を表す。補正後のホット状態Cにおいて、ΔZ≠0であり、δ≠0である。投影光学系補正モデルは、費用s(δ)を最小化するためにノブ(δ)を調節しようとしている。
【0138】
[00155] 上述したように、幾つかの実施形態において、収差影響モデルからの新パターニングプロセス影響データ(例えば費用関数)は、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に(例えば投影光学系補正モデルによって)使用されるように構成される。幾つかの実施形態において、パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィ性能メトリック(又は「リソグラフィメトリック」)及び/又は穂顔情報を含む。幾つかの実施形態において、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバ及び/又は他の演算によって決定されるように構成される。例えば、(この例では)収差影響モデル(及び/又は収差影響モデルによって出力される費用関数)の形態が、
【数2】

等の正定値二次式であると仮定し、式中、総収差Z=ΔZ+Dδであり、ΔZは収差変動(例えばミラー加熱によって誘導される収差)であり、δはスキャナノブを表し、Dδは補正を表す。すると、
【数3】

である。
【0139】
[00156] 上記費用関数は、リソグラフィメトリックの一セットに変換することができる。幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数ヘッセ(例えば上記式中のH)を含む。パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定することは、特異値分解(SVD)をヘッセに対して実行することを含む。ヘッセ(H)は正定値マトリックスである。ヘッセに対してSVDを実行すると、費用関数は「リソメトリック」のフォーマットに変換される。
【0140】
[00157] 例えば、図9は、費用関数(収差影響モデルから)をリソメトリックのフォーマットに変換することを示す(例えば投影光学系補正モデルによるパターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定を促進するために)。図9は、投影光学系補正モデルが典型的に行うことができること902と比較した達成すべきこと900を示す。幾つかの実施形態において、「達成すべきこと」は、先に定義したようにリソグラフィメリット関数の最小化であり、「投影光学系モデルが典型的に行うことができるもの」は、RMSの意味でのゼルニケ変数の線形結合の一セットについて特定のターゲットを達成することである。図9は、費用関数ヘッセ904及びリソメトリック906を示す。2つの表現間のギャップを橋渡しするために、方程式
【数4】

に従って、図9に示されるように、
【数5】

であるように特異値分解(SVD)を実行し得る(固有値が固有ベクトルに吸収される場合)。SVDは基本的に、高次元回転を介して交差項をなくす。
【0141】
[00158] 図10は、本収差影響モデルが基板ごと(例えばウェーハごと又は層ごと)の動的収差補正をいかに可能にすることができるかを示す。図10は、一例としてミラーの加熱を使用する。図10は、ミラーの加熱によって生じる(所与の生産ロットにおける)収差(例えばゼルニケ)1001を経時プロットする。生産ロットのウェーハ1~8(w1,w2,・・・,w8)が図10に示されている。図10は、補正なしで生じるであろう生の1005収差変動(例えばミラー加熱によって生じる時間1003にわたるゼルニケ1001の変化)をプロットする。これとは対照的に、図10は、各ウェーハについて、ミラー加熱残差1007、投影光学系補正モデル残差1009、ミラー加熱残差1007のラストフィールド(last field)1011(最悪ミラー加熱残差と等しい)、及び補正1013も示す。上述したように、補正は投影光学系補正モデルによって適用される。収差影響モデルの動的性質に起因して、オフラインでのみ実行可能な(例えば生産製造設定では実行することができない)静的補正を提供した従来技術によるシステムとは対照的に、補正はウェーハごとに適用することができる。
【0142】
[00159] 図11は、上述した動作のサマリフローを示す。図11は、オフライン又は研究及び開発フェーズ600中に本収差影響モデル400を構築し(例えば図5に示される動作)、次いでモデルを製造フェーズ602において使用する(例えば図6に示されるように)ことを示す。フェーズ600中、収差影響モデル400は、シミュレートされたパターニングシステム収差較正データ及び/又は対応するパターニングプロセス影響較正データに基づいて較正し得る。シミュレーションは、異なるマスク設計1103、瞳形状1105、及び/又は他の情報に基づいてシミュレーションエンジン1101を用いて実行し得る。幾つかの実施形態において、シミュレーションはフルチップレイアウトで実行し得、それにより、生成される費用関数、依存性マトリックス、又はヘッセ行列はフルチップレイアウトを考慮する。本明細書に記載のように、収差影響モデル400からの費用関数は、(スキャナ(パターニングシステム)1109からの測定収差データ1107と組み合わせて)投影光学系補正モデル610によって使用されて、パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定し、動的in-situ収差制御612を促進するように構成される。収差影響モデル400は、例えばADELaslaファイルの形態及び/又は任意の他のスキャナフレンドリ軽量データフォーマットをとり得る。図11に示されるように、単一の較正済み収差影響モデルが幾つかの異なる投影光学系補正モデル610(幾つかの異なるスキャナ1109と関連する)によって使用され得る。
【0143】
[00160] 動的in-situ収差制御612は、製造フェーズである間、半導体デバイス製造プロセスを調節することを含む。調節は、投影光学系補正モデルからの出力及び/又は他の情報に基づいて行われ得る。製造プロセスパラメータ調節(例えば所与のパラメータを変更すべき量)を決定し得、製造プロセスパラメータを例えば前のパラメータ設定点から新しいパラメータ設定点に調節し得る。幾つかの実施形態において、決定及び/又は調節される半導体デバイス製造プロセスパラメータは、瞳形状、線量、フォーカス、電力設定、及び/又は他の半導体デバイス製造プロセスパラメータの1つ又は複数を含む。一例として、仮にプロセスパラメータが(例えば新しい)瞳形状又は新しい線量である場合、スキャナを古い又は前の瞳形状又は線量から決定された(例えば新しい)瞳形状又は線量に調節することができる。幾つかの他の同様の例も企図される。
【0144】
[00161] 上述したように、本明細書に記載されるモデルは広範な用途を有し得る。(例えばミラー加熱及び上述した他の例を超えた)別の用途例は、収差影響モデリングを使用した複数のパターニングシステムの共同最適化である。パターニングシステムは、スキャナ及び/又は他のパターニングシステムを含み得る。例えば、較正済み修正影響モデルを波面調整(例えば従来技術によるシステムにおけるフル結像シミュレーションの代わりに)に使用して、同じ設計レイアウトが異なるスキャナ又は異なるスリットロケーションに同じものをプリントすることを保証することができる。
【0145】
[00162] 注意喚起として、本明細書に記載されるような収差影響モデルは、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された比較的簡単な超次元関数を含む。超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに(空間像を計算することなく)近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される。複数のモデルを使用して、複数のスキャナの結像性能を記述することができる。
【0146】
[00163] 本(収差影響)モデルは、従来のモデルと比較して範囲を狭め、実行時性能を改善したコンパクトなモデルである。本モデルは、少なくとも、予測される影響が収差データ(のみ)に基づき、予測される影響が、クリティカルディメンション、欠陥カウント等)等の予め選択されたメトリックに特異的に適用し得、それにより、モデルが正確、高速になり、及び/又は他の有利な特徴を有することになるため、共同最適化用途に適する。本モデルは、調整が関連する収差データのみに基づく使用事例に特化することができる。本モデルの軽量性及び/又は本モデルの他の有利な特徴により、複数のパターニングシステムの同時最適化も可能である。
【0147】
[00164] 例えば、幾つかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ(例えば1つ又は複数のコンピュータ)は、1つ又は複数の電子モデル(例えば収差影響モデル)を実行して、パターニングプロセス空間像表現を計算することなく、パターニングプロセス像データを特定し得る。パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセスで使用される複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成し得る。モデルから出力された新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセスで使用される複数のスキャナの共同最適化を促進するように構成し得る。共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定することを含み得る。幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定するのに使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される(例えば後述するように)。
【0148】
[00165] パターニングシステム収差データは1つのモデル(又は複数のモデル)に提供し得、それにより、モデル(例えば超次元関数)は、受信したパターニングシステム収差データをパターニングプロセス影響データと相関付ける。異なる(収差影響)モデルは異なるパターニングシステム(スキャナ)に対応し得る。新パターニングプロセス影響データは、受信したパターニングシステム収差データについて特定し得る。非限定的な例として、受信したパターニングシステム収差データは、受信した波面データを含み得、新パターニングプロセス影響データは、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含み得る。波面データは、ゼルニケリスト又はピクセル化ビットマップの形態の測定又はシミュレートされた波面データ及び/又は他の波面データを含み得る。この例において、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、パターニングプロセスと関連する欠陥カウント、及び/又は他のメトリックを含み得る。幾つかの実施形態において、新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、パターニングプロセスと関連する欠陥カウント、及び/又は他のメトリックの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す。
【0149】
[00166] 幾つかの実施形態において、所与のモデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのスキャナごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素(例えば超次元関数の1つ又は複数の次元)、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのスキャナにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素(例えば超次元関数の1つ又は複数の他の次元)、及び/又は他の構成要素を含む。所与のモデルのクリティカルフィーチャ構成要素は、共同最適化されているパターニングシステムの一群中のパターニングシステム(例えばスキャナ)の(全て)に定義される。クリティカルフィーチャ構成要素は、パターンにおけるクリティカルフィーチャ(例えば一例としてクリティカルディメンション)のパターニングシステム(例えばスキャナ)ごとの変動を表すように構成される。モデルの調整構成要素は、パターンの非クリティカルフィーチャを表すように構成し得る。モデルの調整構成要素は、パターンの非クリティカルフィーチャに関する所与のスキャナ(又は他のパターニングシステム)の包括的性能を表し得る。この別個のクリティカルフィーチャ構成要素/調整構成要素配置は、ユーザが、非変動又は非クリティカルファクタを同じ(又は同様)に維持しながら、例えば所与の製造ロケーションにおけるパターニングシステム性能又はパターニングプロセスのクリティカルフィーチャに影響する他の独自のファクタに基づいてモデルのクリティカルフィーチャ構成要素をカスタマイズできるようにし得る。例えば、ユーザは、パターンのクリティカルフィーチャについてモデルの1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素によって表すことができる特定のCD感度を提供し得るが、一方で、モデルの調整構成要素が、モデリング及び/又は最適化に多くのリソースを費やす意味がないパターンの非クリティカルフィーチャの出力を生成できるようにする。
【0150】
[00167] 言い換えれば、クリティカルフィーチャは、任意の適した基準に従ってユーザによって指定し得、例えば、ユーザが特に注目するフィーチャ及び/又は解決する必要がある1つ又は複数の問題があるフィーチャであり得る。他のフィーチャを調整フィーチャと見なすこともできる。所与のモデルのクリティカルフィーチャ構成要素及び調整構成要素は、これらの異なるタイプのフィーチャと関連する2つの異なる関数であり得る。幾つかの実施形態において、ユーザは、調整フィーチャ/関数を(例えばクリティカルフィーチャ構成要素/機能に加えて及び/又は代えて)定義することができるが、ユーザが調整フィーチャ/関数を定義する場合、本システムは、ユーザ定義のフィーチャ/関数(定義による)がクリティカルになるように構成し得る。有利なことに、ユーザによって指定された任意のフィーチャ/関数は、調整フィーチャ/関数として既知の統一された様式でモデルによって扱われる。
【0151】
[00168] 幾つかの実施形態において、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される。個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、複数のスキャナの共同最適化を促進するため及び/又は他の目的で使用されるように構成される。
【0152】
[00169] 図12は、一実施形態による一例の費用関数1200の構成要素を示す。図12に示されるように、費用関数1200は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素1202と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素1204と、1つ又は複数のスキャナ及び/又は他のパターニングシステムの物理的機能制限と関連する第3の構成要素1206とを含む。構成要素1202は、共同最適化されているパターニングシステムの一群中のパターニングシステム(例えばスキャナ)の(全て)について定義される。構成要素1202は、クリティカルフィーチャ(例えば一例としてクリティカルディメンション)についてのパターニングシステム(例えばスキャナ)ごとの変動を表すように構成される。構成要素1204は、パターニングシステムにわたって共通の非クリティカルフィーチャの一括リソメトリック値であり得る。構成要素1204は、非クリティカルフィーチャ(例えば調整がなくとも良好にプリントする可能性が高いフィーチャ)に関する所与のスキャナの包括的性能を表し得る。構成要素1206は、所与のパターニングシステムに固有であり、所与のパターニングシステムの特定の物理的制限(例えば特定の運動範囲、任意のオフセット、そのマシンでの規則性と同じように一貫してシフトする特定のパラメータ等)と関連する。幾つかの実施形態において、費用関数1200は、パターニングプロセス波面調整ペナルティと関連する第4の構成要素1208を更に備える。構成要素1208は個々のスキャナごとに定義される。構成要素1208は、(関連するリソグラフィ性能特性ではなく)波面自体に関する任意の追加の所望のユーザ嗜好を表現及び/又は他の方法で考慮するように構成される。例えば、波面の2つのセットが同じリソグラフィ性能特性を有する場合、ユーザは、二乗平均平方根(RMS)の大きさがより小さいものを好み得る。
【0153】
[00170] 図13は、一実施形態による一例の(共同)最適化アーキテクチャ1300を示す。図13に示されるように、幾つかの実施形態において、モデル1304(例えば本明細書に記載されるように収差影響モデル)からの新パターニングプロセス影響データ1302は、費用関数1200(例えばクリティカルフィーチャ及び調整フィーチャを含む)に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリック(例えばds/dCD等)と関連する費用1306の特定を促進するように構成される。個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用1306は、モデル1304に提供されて、パターニングプロセス波面調整(例えばds/dwf)の特定及び/又はそれと関連する費用1308の特定を促進するように構成される。パターニングプロセス波面調整と関連する費用1308は、波面調整ペナルティ1310(例えばユーザによって提供される)及び/又は他の情報に基づいて特定することもできる。パターニングプロセス波面調整と関連する費用1308は、例えばドライバレンズモデル1312に提供されて、個々のパターニングプロセス変数(例えばds/dv)と関連する費用1314の特定を促進するように構成される。ドライバレンズモデル1312は、アクチュエータノブの調整動作が波面にいかに影響するかを決定付けるモデルであり得る。費用1308はまた、1つ又は複数のスキャナ及び/又は他のパターニングシステム(例えばアクチュエータ消費ペナルティ)の物理的機能制限1316及び/又は他の制限に基づいて特定されてもよい。個々のパターニングプロセス変数と関連する費用1314は、オプティマイザ1318に提供されて、複数のパターニングシステム(例えばスキャナ)の共同最適化を促進するように構成される。一般に、オプティマイザは、所与の費用関数の最小を見つけるコンピュータアルゴリズムである。オプティマイザ1318は、例えば複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定するように構成された勾配ベースの非リニアオプティマイザ(例えばL-BFGS-B)であり得る。オプティマイザ1318は、製造能力又は異なるメトリック(例えばクリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、パターニングプロセスと関連する欠陥カウント、及び/又は他のメトリック)と関連する費用と突き合わせて、異なる可能なプロセス変数のバランスをとる(例えば各々それ自体の許容可能な範囲内で)ように構成された1つ又は複数のプロセッサによって形成し得る。
【0154】
[00171] これも図13に示されるように、オプティマイザ1318は、1つ又は複数のプロセス変数(v)(例えばこの例ではレンズアクチュエータ変数)1320を出力するように構成し得、プロセス変数(v)はドライバレンズモデル1312に供給されて波面データ1322(wf)に変換される(これは上述したようにモデル1304に提供される)。ドライバレンズモデル1312は、レンズアクチュエータ変数が調整された場合、生成される波面を予測するように構成される。
【0155】
[00172] 図14は、本明細書に記載される動作の1つ又は複数に使用し得る一例のコンピュータシステムCSの図である。コンピュータシステムCSは、情報を通信するためのバスBS又は他の通信機構と、バスBSと結合された、情報を処理するための1つのプロセッサPRO(又は複数のプロセッサ)とを含む。コンピュータシステムCSは、プロセッサPROによって実行される情報及び命令を記憶するための、バスBSに結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他のダイナミックストレージデバイス等のメインメモリMMも含む。メインメモリMMはまた、プロセッサPROによる命令の実行中、変数又は他の中間情報を一時的に記憶するのに使用することもできる。コンピュータシステムCSは、プロセッサPROのために静的情報及び命令を記憶するために、バスBSに結合された読み取り専用メモリ(ROM)ROM又は他のスタティックストレージデバイスを更に含む。磁気ディスク又は光ディスク等のストレージデバイスSDが提供され、情報及び命令を記憶するためにバスBSに結合される。
【0156】
[00173] コンピュータシステムCSは、情報をコンピュータユーザに表示するために、陰極線管(CRT)、又はフラットパネル、又はタッチパネルディスプレイ等のディスプレイDSにバスBSを介して結合し得る。情報及びコマンド選択をプロセッサPROに通信するために、英数字キー及び他のキーを含む入力デバイスIDがバスBSに結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報及びコマンド選択をプロセッサPROに通信し、ディスプレイDS上でのカーソル移動を制御するたに、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キー等のカーソル制御機構CCである。この入力デバイスは典型的には、デバイスが平面における位置を指定できるようにする、第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy)である2つの軸において自由度2を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイを入力デバイスとして使用することもできる。
【0157】
[00174] 幾つかの実施形態において、本明細書に記載される1つ又は複数の方法の一部は、プロセッサPROがメインメモリMMに含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステムCSによって実行し得る。そのような命令は、ストレージデバイスSD等の別のコンピュータ可読媒体からメインメモリMMに読み込むことができる。メインメモリMMに含まれる命令シーケンスの実行は、プロセッサPROに本明細書に記載されるプロセスステップ(動作)を実行させる。メインメモリMMに含まれた命令シーケンスを実行するために、マルチ処理構成の1つ又は複数のプロセッサを採用してもよい。幾つかの実施形態において、ソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用し得る。したがって、本明細書における説明は、ハードウェア回路とソフトウェアとのいかなる特定の組合せにも限定されない。
【0158】
[00175] 本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読媒体」という用語は、命令を実行のためにプロセッサPROに提供することに参加する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定ではなく、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含め、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイスSD等の光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリMM等のダイナミックメモリを含む。伝送媒体は、バスBSを構成するワイヤを含め、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバを含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成される等の音波又は光波の形態をとることもできる。コンピュータ可読媒体は非一時的であることができ、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジであることができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を記録することができる。命令は、コンピュータによって実行されると、本明細書に記載された動作の何れかを実施することができる。一時的コンピュータ可読媒体は、例えば搬送波又は他の伝播する電磁信号を含むことができる。
【0159】
[00176] 種々の形態のコンピュータ可読媒体が、1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するためにプロセッサPROに搬送することに関わり得る。例えば、命令はまず、リモートコンピュータの磁気ディスク上にあり得る。リモートコンピュータは、命令をダイナミックメモリにロードし、モデムを使用して電話回線を経由して命令を送信することができる。コンピュータシステムCSにローカルなモデムは、電話回線上でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バスBSに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、デバイスをバスBS上に配置することができる。バスBSはデータをメインメモリMMに搬送し、そこからプロセッサPROは命令を検索して実行する。メインメモリMMによって受信された命令は任意選択的に、プロセッサPROによる実行前又は後の何れかで、ストレージデバイスSDに記憶し得る。
【0160】
[00177] コンピュータシステムCSは、バスBSに結合された通信インターフェースCIを含むこともできる。通信インターフェースCIは、ローカルネットワークLANに接続されたネットワークリンクNDLへの双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェースCIは、総合デジタル通信網(ISDN)カード又はモデムであり得、データ通信接続を対応するタイプの電話回線に提供し得る。別の例として、通信インターフェースCIは、ローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得、データ通信接続を互換性のあるLANに提供し得る。無線リンクを実施することもできる。任意のそのような実施態様において、通信インターフェースCIは、種々のタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0161】
[00178] ネットワークリンクNDLは典型的には、1つ又は複数のネットワークを通して他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンクNDLは、ローカルネットワークLANを通してホストコンピュータHCへの接続を提供し得る。これは、現在、「インターネット」INTと一般に呼ばれているワールドワイドパケットデータ通信ネットワークを通して提供されるデータ通信サービスを含むことができる。ローカルネットワークLAN(インターネット)は、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用し得る。デジタルデータをコンピュータシステムCSに搬送又はコンピュータシステムCSから搬送する、種々のネットワークを通る信号並びにネットワークデータリンクNDL及び通信インターフェースCIを通る信号は、情報を輸送する搬送波の例示的な形態である。
【0162】
[00179] コンピュータシステムCSは、ネットワーク、ネットワークデータリンクNDL、及び通信インターフェースCIを通して、プログラムコードを含め、メッセージを送信し、データを受信することができる。インターネットの例において、ホストコンピュータHCは、インターネットINT、ネットワークデータリンクNDL、ローカルネットワークLAN、及び通信インターフェースCIを通して、アプリケーションプログラムの要求されたコードを送信し得る。1つのそのようなダウンロードされたアプリケーションは例えば、本明細書に記載される方法の全て又は一部を提供し得る。受信されたコードは、受信されるにつれてプロセッサPROによって実行されてもよく、及び/又は後で実行するためにストレージデバイスSD又は他の不揮発性ストレージに記憶されてもよい。このようにして、コンピュータシステムCSは、搬送波の形態でアプリケーションコードを取得し得る。
【0163】
[00180] 図15は、一実施形態によるリソグラフィ投影装置の模式図である。リソグラフィ投影装置は、照明システムIL、第1のオブジェクトテーブルMT、第2のオブジェクトテーブルWT、及び投影システムPSを含むことができる。照明システムILは放射のビームBを調整することができる。この例において、照明システムは放射源SOも含む。第1のオブジェクトテーブル(例えばパターニングデバイステーブル)MTは、パターニングデバイスMAを保持するパターニングデバイスホルダ(例えばレチクル)と共に提供され、第1のオブジェクトテーブルMTは第1のポジショナに接続されて、物品PSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めする。第2のオブジェクトテーブル(例えば基板テーブル)WTは、基板W(例えばレジスト被覆シリコンウェーハ)を保持する基板ホルダと共に提供され、第2のポジショナに接続されて、物品PSに対して基板を正確に位置決めすることができる。投影システム(例えばレンズを含む)PS(例えば屈折光学系、反射光学系、又は反射屈折光学系)は、パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に結像することができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは例えば、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントし得る。
【0164】
[00181] 示されるように、装置は透過型であることができる(即ち透過型パターニングデバイスを有する)。しかしながら一般に、例えば反射型であってもよい(反射型パターニングデバイスを有する)。装置は、従来のマスク用に異なる種類のパターニングデバイスを採用してもよく、例にはプログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスがある。
【0165】
[00182] ソースSO(例えば水銀灯又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUV源)は放射ビームを生成する。このビームは、直接又は例えばビームエキスパンダ等の調整手段又はビーム送達システムBD(誘導ミラー、ビームエキスパンダ等を含む)を通った後、照明システム(イルミネータ)ILに供給される。イルミネータILは、ビームにおける強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(それぞれσ-outer及びσ-innerと一般に呼ばれる)を設定する調節手段ADを含み得る。加えて、一般に、積分器IN及びコンデンサCO等の種々の他の構成要素を含む。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、その断面において望ましい均一性及び強度分布を有する。
【0166】
[00183] 幾つかの実施形態において、ソースSOはリソグラフィ投影装置の筐体内にあり得る(ソースSOが、例えば水銀灯である場合に該当することが多い)が、リソグラフィ投影装置から離れてもよい。ソースSOが生成した放射ビームは例えば、装置内に案内し得る(例えば適した誘導ミラーを用いて)。この後者のシナリオは、ソースSOが、例えばエキシマレーザ(例えばKrF、ArF、又はF2レージングに基づく)である場合であることができる。
【0167】
[00184] ビームBは続けて、パターニングデバイステーブルMT上に保持されたパターニングデバイスMAをインターセプトすることができる。パターニングデバイスMAを通ると、ビームBはレンズPLを通ることができ、レンズPLはビームBを基板Wのターゲット部分Cに合焦する。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いて、基板テーブルWTは、例えばビームBの経路における異なるターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動することができる。同様に、第1の位置決め手段を使用して、例えばパターニングデバイスMAをパターニングデバイスライブラリから機械的に検索した後又は走査中、ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、長行程モジュール(粗い位置決め)及び短行程モジュール(細かい位置決め)を用いて実現することができる。しかしながら、ステッパの場合(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、短行程アクチュエータに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
【0168】
[00185] 図示のツールは、2つの異なるモード、即ちステップモード及び走査モードで使用することができる。ステップモードにおいて、パターニングデバイステーブルMTは基本的に静止した状態を保ち、パターニングデバイス像全体は一動作(即ち単一の「フラッシュ」)でターゲット部分Cに投影される。基板テーブルWTは、異なるターゲット部分CをビームBで照射することができるように、x方向及び/又はy方向にシフトすることができる。走査モードにおいて、基本的に同じ状況が該当するが、所与のターゲット部分Cは単一の「フラッシュ」で露光されない。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBにパターニングデバイス像にわたって走査させるように、速度vで所与の方向(例えば「走査方向」又は「y」方向)に移動可能である。同時に、基板テーブルWTは速度V=Mvで同じ方向又は逆方向に同時に移動し、Mはレンズの倍率である(典型的にはM=1/4又は1/5である)。このようにして、解像度を損なう必要なく、比較的大きなターゲット部分Cを露光することができる。
【0169】
[00186] 図16は、本明細書に記載される動作の1つ又は複数に使用し得、及び/又は本明細書に記載される動作の1つ又は複数を促進する別のリソグラフィ投影装置(LPA)の模式図である。LPAは、ソースコレクタモジュールSOと、放射ビームB(例えばEUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、サポート構造MTと、基板テーブルWTと、投影システムPSとを含むことができる。サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MTは、パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構築することができ、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続することができる。基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTは、基板(例えばレジスト被覆ウェーハ)Wを保持するように構築することができ、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続することができる。投影システム(例えば反射型投影システム)PSは、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成することができる。
【0170】
[00187] この例に示されるように、LPAは反射型であることができる(例えば反射型パターニングデバイスを採用する)。大半の材料はEUV波長範囲内で吸収性であるため、パターニングデバイスは、例えばモリブデン及びシリコンのマルチスタックを有する多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例において、マルチスタックリフレクタは、モリブデン及びシリコンの40の層ペアを有し、各層の厚さは波長の1/4である。X線リソグラフィを用いて更に小さな波長を生成し得る。大半の材料はEUV及びX線波長において吸収性であるため、パターニングデバイストポグラフィ上にパターン形成された薄い吸収材料(例えば多層リフレクタの上のTaNアブソーバ)は、フィーチャがプリントされる(ポジ型レジスト)か否(ネガ型レジスト)かを定義する。
【0171】
[00188] イルミネータILは、極紫外線放射ビームをソースコレクタモジュールSOから受け取ることができる。EUV放射を生成する方法は、必ずしも限定されないが、1つ又は複数の放射線がEUV範囲内にある少なくとも1つの元素、例えばキセノン、リチウム、又はスズを有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような一方法において、線発光元素を有する材料の液滴、ストリーム、又はクラスタ等の燃料をレーザビームで照射することにより、プラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、レーザ(図16に示されず)を含むEUV放射システムの一部であり得、燃料を励起させるレーザビームを提供する。生成されたプラズマは出力放射、例えばEUV放射を放射し、これはソースコレクタモジュールに配置された放射コレクタを使用して収集される。例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合、レーザ及びソースコレクタモジュールは別個の実体であり得る。この例において、レーザはリソグラフィ装置の一部をなすと見なされないことがあり、放射ビームは、例えば適した誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビーム送達システムを用いてレーザからソースコレクタモジュールに渡ることができる。他の例において、例えばソースが、DPPソースと呼ばれることが多い放電生成プラズマEUV生成器である場合、ソースコレクタモジュールの一体部分であり得る。
【0172】
[00189] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にσ-outer及びσ-innerとそれぞれ呼ばれる)を調節することができる。加えて、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイス等の種々の他の構成要素を含み得る。イルミネータを使用して、その断面において所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整し得る。
【0173】
[00190] 放射ビームBは、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MTに保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射することができ、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通り、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは正確に移動することができる(例えば放射ビームBの経路中の異なるターゲット部分Cを位置決めするように)。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントし得る。
【0174】
[00191] 図示の装置LPAは、以下のモード、即ちステップモード、走査モード、及び静止モードの少なくとも1つで使用することができる。ステップモードにおいて、放射ビームに付与されるパターン全体が一度にターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは基本的に静止した状態を保つ(例えば単一の静的露光)。基板テーブルWTは次いで、異なるターゲット部分Cを露光することができるようにX方向及び/又はY方向にシフトする。走査モードにおいて、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影されている間、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(即ち単一の動的露光)。サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの倍率(縮小)及び像反転特性によって決定し得る。静止モードにおいて、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影されている間、サポート構造(例えばパターニングデバイステーブル)MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止した状態を保ち、基板テーブルWTは移動又は走査される。このモードにおいて、一般にパルス放射源が採用され、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動後又は走査中の連続放射パルス間で、必要に応じて更新される。この動作モードは、先に参照したようなタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0175】
[00192] 図17は、図16に示されるリソグラフィ投影装置の詳細図である。図17に示されるように、LPAは、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含むことができる。ソースコレクタモジュールSOは、真空環境をソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で維持することができるように構成される。EUV放射放出プラズマ210は放電生成プラズマ源によって形成し得る。EUV放射はガス又は蒸気、例えばXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気によって生成し得、ガス又は蒸気において、高温プラズマ210が作成されて電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出する。高温プラズマ210は、例えば少なくとも部分的に電離プラズマを生じさせる電気放電によって作成される。放射を効率的に生成するには、例えば10Paの分圧のXe、Li、Sn蒸気又は任意の他の適したガス若しくは蒸気が必要とされ得る。幾つかの実施形態において、EUV放射の生成に、励起スズ(Sn)のプラズマが提供される。
【0176】
[00193] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211からコレクタチャンバ212に、ソースチャンバ211における開口部に又はその背後に位置する任意選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(幾つかの場合、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して渡される。汚染物質トラップ230はチャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア又はガスバリアとチャネル構造との組合せを含むこともできる。汚染物質トラップ又は汚染物質バリアトラップ230(後述)はチャネル構造も含む。コレクタチャンバ211は、かすめ入射コレクタであり得る放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを通過した放射は格子スペクトルフィルタ240で反射されて、線「O」によって示される光軸に沿って仮想光源点IFに合焦することができる。仮想光源点IFは一般に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造220における開口部221に又はその近傍に配置されるように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0177】
[00194] 続けて、放射は照明システムILを通過し、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス22と、パターニングデバイスMAに所望の角強度分布の放射ビーム21を提供するとともに、パターニングデバイスMAにおいて所望の均一性の放射強度を提供するように配置されたファセット瞳ミラーデバイス24とを含み得る。サポート構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21が反射されると、パターン付与されたビーム26が形成され、パターン付与されたビーム26は、投影システムPSにより反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板Wに結像される。示されるよりも多くの要素が一般に、照明光学系ユニットIL及び投影システムPSに存在し得る。格子スペクトルフィルタ240は、例えばリソグラフィ装置のタイプに応じて任意選択的に存在し得る。さらに、図示よりも多くのミラーが存在してよく、例えば、図15に示されるよりも投影システムPSに1~6個の追加の反射要素が存在してよい。
【0178】
[00195] 図17に示されるように、コレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、格子入射リフレクタ253、254、及び255を有する入れ子コレクタとして示されている。格子入射リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oの回りで軸方向対称に配置され、このタイプのコレクタ光学系COは、DPPソースと呼ばれることが多い放電生成プラズマソースと組み合わせて使用し得る。
【0179】
[00196] 図18は、リソグラフィ投影装置LPA(前の図に示される)のソースコレクタモジュールSOの詳細図である。ソースコレクタモジュールSOは、LPA放射システムの一部であり得る。レーザLAは、数十’’eVの電子温度を有する高電離プラズマ210を作成する、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)等の燃料にレーザエネルギーを堆積させるように配置することができる。これらのイオンの脱励起及び再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ光学系COによって収集され、閉鎖構造220における開口部221に合焦される。
【0180】
[00197] 本明細書に開示される概念は、サブ波長フィーチャを結像する任意の一般的結像システムをシミュレート又は数学的にモデリングし得、ますます短い波長を生成可能な新興結像技術で有用であり得る。新興技術には、EUV(極紫外線)、ArFレーザを用いて193nm波長を生成可能であり、フッ素レーザを使用して157nm波長さえも生成可能なDUVリソグラフィがある。さらに、EUVリソグラフィは、20~50nmの範囲内の光子を生成するために、シンクロトロンを使用することにより、又は材料(固体若しくはプラズマの何れか)に高エネルギー電子を衝突させることにより、この範囲内の波長を生成可能である。
【0181】
[00198] 本開示の実施形態は以下の条項によって更に説明することができる。
1.命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、パターニングプロセス空間像表現を計算することなくパターニングプロセス影響データを特定する電子モデルを実行させ、パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセスで使用される複数のスキャナの共同最適化を促進するように構成され、命令は、
パターニングシステム収差データをモデルに提供することであって、モデルは、受信したパターニングシステム収差データをパターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、提供することと、
モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することであって、モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成され、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、複数のスキャナの共同最適化を促進するのに使用されるよう構成される、特定することと、
を含む動作を生じさせる、媒体。
2.モデルに提供されるパターニングシステム収差データは波面データを含み、新パターニングプロセス影響データは、1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含む、条項1に記載の媒体。
3.モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのスキャナごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのスキャナにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む、条項1又は2に記載の媒体。
4.費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素と、1つ又は複数のスキャナの物理的機能制限と関連する第3の構成要素とを含む、条項1~3の何れか一項に記載の媒体。
5.共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同特定することを含む、条項1~4の何れか一項に記載の媒体。
6.命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行することと、
モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することと、
を行わせ、
モデルは、空間像表現を計算することなく、受信したパターニングシステム収差データを簡易形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、媒体。
7.超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データを空間像表現の代わりに近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される、条項6に記載の媒体。
8.モデルは1つ又は複数の非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、又は二次アルゴリズムを含む、条項6又は7に記載の媒体。
9.受信したパターニングシステム収差データは、受信した波面データを含み、新パターニングプロセス影響データは1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含む、条項6~8の何れか一項に記載の媒体。
10.1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントを含む、条項9に記載の媒体。
11.モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのパターニングシステムごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのパターニングシステムにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む、条項6~9の何れか一項に記載の媒体。
12.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される、条項6~11の何れか一項に記載の媒体。
13.費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素と、1つ又は複数のパターニングシステムの物理的機能制限と関連する第3の構成要素とを含む、条項12に記載の媒体。
14.費用関数は、パターニングプロセス波面調整ペナルティと関連する第4の構成要素を更に含む、条項13に記載の媒体。
15.モデルから出力される新パターニングプロセス影響データは、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される、条項6~14の何れか一項に記載の媒体。
16.複数のパターニングシステムはスキャナを含み、共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定することを含む、条項15に記載の媒体。
17.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される、条項6~16の何れか一項に記載の媒体。
18.新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す、条項6~17の何れか一項に記載の媒体。
19.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用の特定を促進するように構成され、
個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用は、モデルに提供されて、パターニングプロセス波面調整の決定及び/又はパターニングプロセス波面調整と関連する費用の特定を促進するように構成され、
パターニングプロセス波面調整と関連する費用は、ドライバレンズモデルに提供されて、個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成され、
個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、オプティマイザに提供されて、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される、条項6~18の何れか一項に記載の媒体。
20.モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、条項6~8の何れか一項に記載の媒体。
21.パターニングプロセス空間像表現を計算することなくパターニングプロセス影響データを特定する方法であって、
パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行することと、
モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することと、
を含み、
モデルは、空間像表現を計算することなく、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、方法。
22.超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される、条項21に記載の方法。
23.モデルは1つ又は複数の非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、又は二次アルゴリズムを含む、条項21又は22に記載の方法。
24.受信したパターニングシステム収差データは、受信した波面データを含み、新パターニングプロセス影響データは1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックを含む、条項21~23の何れか一項に記載の方法。
25.1つ又は複数のパターニングプロセスメトリックは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントを含む、条項24に記載の方法。
26.モデルは、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャのパターニングシステムごとの変動をモデリングするように構成された1つ又は複数のクリティカルフィーチャ構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャのパターニングシステムにわたる包括的性能をモデリングするように構成された1つ又は複数の調整構成要素とを含む、条項21~25の何れか一項に記載の方法。
27.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用及び/又は個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成される、条項21~26の何れか一項に記載の方法。
28.費用関数は、パターニングプロセスのクリティカルフィーチャと関連する第1の構成要素と、パターニングプロセスの非クリティカルフィーチャと関連する第2の構成要素と、1つ又は複数のパターニングシステムの物理的機能制限と関連する第3の構成要素とを含む、条項27に記載の方法。
29.費用関数は、パターニングプロセス波面調整ペナルティと関連する第4の構成要素を更に含む、条項28に記載の方法。
30.モデルから出力される新パターニングプロセス影響データは、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される、条項21~29の何れか一項に記載の方法。
31.複数のパターニングシステムはスキャナを含み、共同最適化は、レンズアクチュエータを変数として使用するとともに、勾配ベースの非リニアオプティマイザを使用して、複数のスキャナのアクチュエータ位置を共同決定することを含む、条項30に記載の方法。
32.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される、条項21~31の何れか一項に記載の方法。
33.新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す、条項21~32の何れか一項に記載の方法。
34.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数に提供されて、個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用の特定を促進するように構成され、
個々のパターニングプロセスメトリックと関連する費用は、モデルに提供されて、パターニングプロセス波面調整の決定及び/又はパターニングプロセス波面調整と関連する費用の特定を促進するように構成され、
パターニングプロセス波面調整と関連する費用は、ドライバレンズモデルに提供されて、個々のパターニングプロセス変数と関連する費用の特定を促進するように構成され、
個々のパターニングプロセス変数と関連する費用は、オプティマイザに提供されて、複数のパターニングシステムの共同最適化を促進するように構成される、条項21~33の何れか一項に記載の方法。
35.モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、条項21~34の何れか一項に記載の方法。
36.予測モデルと、命令を記憶した1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、予測モデルを提供し、予測モデルは、
パターニングシステム収差データ及び対応するパターニングプロセス影響データを取得することと、
パターニングシステム収差データをベース予測モデルに提供して、パターニングプロセス影響データの予測を取得することと、
パターニングプロセス影響データをベース予測モデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして使用することであって、1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響データとパターニングプロセス影響データの予測との比較に基づいて更新される、使用することと、
を行うことによって生成され、
予測モデルは、空間像表現を計算することなく、パターニングシステム収差データをパターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、媒体。
37.予測モデルは線形アルゴリズム又は二次アルゴリズムを含む、条項36に記載の媒体。
38.予測モデルの1つ又は複数の構成は、関数の1つ又は複数のパラメータを較正することを含む、条項37に記載の媒体。
39.パターニングシステム収差データは、関連する瞳形状及びパターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる、条項36~38の何れか一項に記載の媒体。
40.パターニングプロセス影響データは、パターニングシステム収差データによって定義されるパターニングシステム収差である、対応するパターニングシステム収差の費用関数s(Z)を含む、条項36~39の何れか一項に記載の媒体。
41.命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行することであって、モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される、実行することと、
モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することと、
を行わせ、
モデルは、空間像表現を計算することなく、受信したパターニングシステム収差データを簡易形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、媒体。
42.超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに近似形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される、条項41に記載の媒体。
43.モデルは、パターニングシステム収差較正データをベースモデルに提供して、パターニングプロセス影響較正データの予測を取得し、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして、パターニングプロセス影響較正データを使用することによって較正され、1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響較正データとパターニングプロセス影響較正データの予測との比較に基づいて更新される、条項41又は42に記載の媒体。
44.モデルは線形アルゴリズム又は二次アルゴリズムを含む、条項41~43の何れか一項に記載の媒体。
45.ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新することは、関数の1つ又は複数のパラメータを較正することを含む、条項43又は44に記載の媒体。
46.パターニングシステム収差較正データは、関連する瞳形状及びパターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる、条項41~45の何れか一項に記載の媒体。
47.新パターニングプロセス影響データは、受信したパターニングシステム収差データによって定義されるパターニングシステム収差である、対応するパターニングシステム収差の費用関数s(Z)を含む、条項41~46の何れか一項に記載の媒体。
48.費用関数s(Z)は、対応するパターニングシステム収差によって生じるパターニングプロセスへの影響を示す、条項47に記載の媒体。
49.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、第2のモデルに提供されて、パターニングシステムの動的in-situ収差制御を促進するように構成される、条項41~48の何れか一項に記載の媒体。
50.第2のモデルは投影光学系補正モデルである、条項49に記載の媒体。
51.パターニングシステムはスキャナを含み、スキャナの動的in-situ制御は、所与のスキャナ収差の補正済みスキャナ制御パラメータレシピを生成して、リソグラフィ性能メトリックの一セットを最適化することを含む、条項49又は50に記載の媒体。
52.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される、条項41~51の何れか一項に記載の媒体。
53.パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィメトリックを含む、条項52に記載の媒体。
54.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数ヘッセを含み、パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定することは、特異値分解を費用関数ヘッセに対して実行することを含む、条項52又は53に記載の媒体。
55.新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す、条項41~54の何れか一項に記載の媒体。
56.モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、条項41~55の何れか一項に記載の媒体。
57.モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムと関連するフォーカス、線量、及び/又はステージ変動(MSD)の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、条項41~56の何れか一項に記載の媒体。
58.パターニングプロセス影響データを特定する方法であって、
パターニングシステム収差データを受信するように構成された較正モデルを実行することであって、モデルは、パターニングシステム収差較正データ及び対応するパターニングプロセス影響較正データを用いて較正される、実行することと、
モデルに基づいて、受信したパターニングシステム収差データの新パターニングプロセス影響データを特定することと、
を含み、
モデルは、空間像表現を計算することなく、受信したパターニングシステム収差データを新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成された超次元関数を含む、方法。
59.超次元関数は、超次元関数は、受信したパターニングシステム収差データをフルシミュレーションの代わりに簡易形態の新パターニングプロセス影響データと相関付けるように構成される、条項58に記載の方法。
60.モデルは、パターニングシステム収差較正データをベースモデルに提供して、パターニングプロセス影響較正データの予測を取得し、ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新するためのフィードバックとして、パターニングプロセス影響較正データを使用することによって較正され、1つ又は複数の構成は、パターニングプロセス影響較正データとパターニングプロセス影響較正データの予測との比較に基づいて更新される、条項58又は59に記載の方法。
61.モデルは線形アルゴリズム又は二次アルゴリズムを含む、条項58~60の何れか一項に記載の方法。
62.ベースモデルの1つ又は複数の構成を更新することは、関数の1つ又は複数のパラメータを較正することを含む、条項60又は61に記載の方法。
63.パターニングシステム収差較正データは、関連する瞳形状及びパターニングデバイス設計に基づいてシミュレートされる、条項58~62の何れか一項に記載の方法。
64.新パターニングプロセス影響データは、受信したパターニングシステム収差データによって定義されるパターニングシステム収差である、対応するパターニングシステム収差の費用関数s(Z)を含む、条項58~63の何れか一項に記載の方法。
65.費用関数s(Z)は、対応するパターニングシステム収差によって生じるパターニングプロセスへの影響を示す、条項64に記載の方法。
66.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、第2のモデルに提供されて、パターニングシステムの動的in-situ収差制御を促進するように構成される、条項58~65の何れか一項に記載の方法。
67.第2のモデルは投影光学系補正モデルである、条項66に記載の方法。
68.パターニングシステムはスキャナを含み、スキャナの動的in-situ制御は、所与のスキャナ収差の補正済みスキャナ制御パラメータレシピを生成して、リソグラフィ性能メトリックの一セットを最適化することを含む、条項66又は67に記載の方法。
69.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、パターニングプロセス制御メトリックの一セットの決定に使用されるように構成され、パターニングプロセス制御メトリックの一セットは、線形ソルバによって決定されるように構成される、条項58~68の何れか一項に記載の方法。
70.パターニングプロセス制御メトリックは、リソグラフィメトリックを含む、条項69に記載の方法。
71.モデルからの新パターニングプロセス影響データは、費用関数ヘッセを含み、パターニングプロセス制御メトリックの一セットを決定することは、特異値分解を費用関数ヘッセに対して実行することを含む、条項69又は70に記載の方法。
72.新パターニングプロセス影響データは、クリティカルディメンション、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンション非対称性、ベストフォーカスシフト、又はパターニングプロセスと関連する欠陥カウントの1つ又は複数に対する、対応するパターニングシステム収差による影響を示す、条項58~71の何れか一項に記載の方法。
73.モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムの1つ又は複数のミラー及び/又はレンズの加熱の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、条項58~72の何れか一項に記載の方法。
74.モデルは、新パターニングプロセス影響データがパターニングシステムと関連するフォーカス、線量、及び/又はステージ変動(MSD)の制御増強を促進するように構成されるよう較正される、条項58~73の何れか一項に記載の方法。
75.コンピュータによって実行されると、条項58~74の何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0182】
[00199] 本明細書に開示される概念は、シリコンウェーハ等の基板上へのウェーハ製造に使用し得るが、開示される概念が任意のタイプの製造システム(例えばシリコンウェーハ以外の基板上への製造に使用されるもの)と併用し得ることが理解されるものとする。
【0183】
[00200] 加えて、開示される要素の組合せ及び部分組合せは別個の実施形態を構成し得る。例えば、収差影響モデル及び投影光学系モデルは別個の実施形態に含まれてもよく、又は同じ実施形態に一緒に含まれてもよい。
【0184】
[00201] 上記説明は限定ではなく例示を目的としている。したがって、以下記載される特許請求の範囲から逸脱せずに変更を記載のように行い得ることが当業者には明らかになろう。
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【国際調査報告】