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特表2023-529998パーソナライズ化粧品を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(54)【発明の名称】パーソナライズ化粧品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/00 20060101AFI20230705BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20230705BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20230705BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20230705BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230705BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20230705BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230705BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
A61K8/00
A61K8/37
A61K8/31
A61K8/92
A61K8/34
A61K8/25
A61Q19/00
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577507
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2021066394
(87)【国際公開番号】W WO2021255160
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】20180895.3
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズッケルト,アンヤ
(72)【発明者】
【氏名】ミラルドヴィック,ジャドランカ
(72)【発明者】
【氏名】コールマン,クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,マーセル
(72)【発明者】
【氏名】アルバース,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ケーネ,ザビネ
(72)【発明者】
【氏名】グラスマッヒャー,ビルギット
(72)【発明者】
【氏名】マウアー,ヴェルナー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB171
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC341
4C083AC342
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC692
4C083AC782
4C083AC792
4C083AC842
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD252
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD412
4C083AD492
4C083AD572
4C083AD632
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083CC04
4C083CC19
4C083CC20
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE12
4C083EE16
4C083EE17
4C083EE28
4C083FF05
(57)【要約】
本発明は、その組成に関して最終使用者により決定(パーソナライズ)されるパーソナライズ化粧品の分野に属し、前記化粧品を製造する方法及びその製造のための分注容器に関し、また分注容器内の化粧品混合物の使用及び方法を実行するための分注容器の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合デバイスa)、及び少なくとも2つの分注容器を備える少なくとも1つの分注デバイスb)を有するデバイス内で、化粧品製剤の最終使用者により及び/又は最終使用者の希望に従って制御可能な(「パーソナライズ」)、家庭において慣習的な量で化粧品製剤を製造する方法であって、分注容器の1つb1)にベース混合物が存在し、分注容器の他方b2)にパーソナライズに好適な活性化粧品成分が存在し、分注容器b1)及びb2)の内容物が混合デバイスa)内に空けられて混合デバイス内で混合され、ベース混合物を含む分注容器b1)の内容物が、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤とともに混合デバイス内に空けられ、ベース混合物が、1:4~25:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質の比を有する、方法。
【請求項2】
ベース混合物が、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、炭化水素、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、植物性油脂、並びに6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコールにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ベース混合物が、少なくとも1種の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性物質を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ベース混合物が、少なくとも1種のカチオン性及び/又は両性若しくは双性イオン性界面活性物質を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
ベース混合物が、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は双性イオン性ポリマーの群から選択される少なくとも1種のレオロジー調整剤、フュームドシリカ、ベントナイト及びヘクトライトの群から選択される無機物質、並びに45℃超の融点を有する、脂肪、ワックス、アルコール及び/又は炭化水素の群からの有機物質を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ベース混合物が、1:10~10:1の範囲内の皮膚軟化剤:(界面活性物質+レオロジー調整剤)の重量比を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
b1)が、
0.5重量%~75重量%の皮膚軟化剤、
1重量%~30重量%の界面活性物質、
1.5重量%~30重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~50重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
0重量%~90重量%の水
を、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化粧品製剤がベース混合物をb1)内に、化粧品製剤を基準として少なくとも5重量%~80重量%以下、好ましくは少なくとも10重量%~最大70重量%、特に少なくとも15重量%~最大60重量%の量で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
b2)内のパーソナライズのための活性化粧品成分が、活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
b2)内のパーソナライズのための活性化粧品成分が、化粧品製剤を基準として少なくとも1重量%~20重量%以下、好ましくは少なくとも2重量%且つ15重量%以下、特に少なくとも3重量%~12重量%以下の量で存在する、請求項1又は9に記載の方法。
【請求項11】
分注デバイスが、さらなる分注容器b3)及び場合により分注容器b4)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
分注容器b3)及び/又は場合により分注容器b4)内のパーソナライズのための活性化粧品成分が、活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
分注容器b3)及び/又は場合により分注容器b4)内の活性化粧品成分が、化粧品製剤を基準として0.01重量%~20重量%以下、好ましくは少なくとも0.5重量%且つ15重量%以下、特に少なくとも1重量%~最大12重量%の量でそれぞれ存在する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
化粧品製剤としての日焼け防止剤の製造のために、b1)が、
10重量%~60重量%の少なくとも1種の皮膚軟化剤、
1重量%~20重量%のアニオン性界面活性物質、
1重量%~20重量%の非イオン性界面活性物質、
1.5重量%~8重量%のレオロジー調整剤、
5重量%~50重量%のUVフィルター及び場合によりさらなる活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤又は添加剤、及び
0重量%~40重量%の水
のベース混合物を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で3重量%~30重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、b2)が、パーソナライズのための活性化粧品成分、化粧品補助剤及び添加剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)が、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
化粧品製剤としてのスキンローションの製造のために、b1)が、
15重量%~75重量%の少なくとも1種の皮膚軟化剤、
0.5重量%~15重量%の非イオン性界面活性物質、
0.5重量%~15重量%のアニオン性界面活性物質、
2重量%~30重量%のレオロジー調整剤、
0.0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
0.0重量%~25重量%の活性化粧品成分、並びに
0.0重量%~70重量%の水
のベース混合物を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で1重量%~20重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、b2)が、パーソナライズのための活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)が、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
化粧品製剤としての、特に毛髪用のコンディショナー製剤の製造のために、b1)が、
0.5重量%~10重量%の皮膚軟化剤、
3.0重量%~20重量%の界面活性物質、
3.0重量%~20重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~90重量%の水
のベース混合物を、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、b2)が、パーソナライズのための活性化粧品成分、補助剤及び添加剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)が、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、並びに補助剤及び添加剤を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
デバイスが、水タンクc)をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
分注容器b1)及びb2)及び任意のb3)及び場合によりb4)からの内容物が、混合デバイスa)内に空けられ、水タンクc)からの水と混合される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
分注容器b1)及びb2)及び任意のb3)及び場合によりb4)からの内容物が、混合デバイスa)内に空けられ、化粧品製剤を基準として少なくとも35重量%、好ましくは50重量%~80重量%の量の水タンクc)からの水と混合される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
混合デバイスa)内での混合が、混合容器a1)の底部に格納式スターラーを有する混合容器a1)内で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
混合に続いて、混合容器a1)の底部のスターラーが格納され、混合容器が閉じられる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
分注容器b1)、b2)及び任意のb3)及び場合によりb4)が、混合容器a1)内に空けられる前に、加熱システムd)で好ましくは80℃までの温度に加熱される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
分注容器b1)、b2)、任意のb3)及び任意のb4)がカプセルである、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
デバイスが、好ましくはQRコードを用いて、デバイス又は最終使用者に電子的に伝送される情報又はデータによって制御される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
最終使用者が、好ましくはアプリを用いて、最終使用者に電子的に伝送される情報又はデータに好ましくは従って、分注容器b1)、b2)及び任意のb3)及び場合によりb4)を分注デバイスb)に提供する、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
分注容器に対する加熱システムの方法の温度及び/又は水の量が、好ましくはQRコードの形態の、分注容器の外壁上の情報/データを介して、水タンクを用いて制御される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者により又は最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤のベース混合物を含む分注容器。
【請求項28】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択されるパーソナライズのための活性化粧品成分を含む分注容器。
【請求項29】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤のベース混合物を含む分注容器の使用。
【請求項30】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る化粧品製剤のパーソナライズのための、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される活性化粧品成分を含む分注容器の使用。
【請求項31】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む分注容器内のベース混合物の使用。
【請求項32】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る化粧品製剤のパーソナライズのための、分注容器内の好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される活性化粧品成分の使用。
【請求項33】
好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造における、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む分注容器内のベース混合物の、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される、さらなる分注容器内に含まれる化粧品製剤のパーソナライズのための活性化粧品成分と組み合わせた、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その組成が最終使用者により部分的に決定(パーソナライズ)されるパーソナライズ化粧品の分野にあり、その製造方法及びその製造のための分注容器に関し、また分注容器内の化粧品混合物の使用又は方法を実行するためのその分注容器に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的な様式でのその効果に関する最終使用者の要求及び希望のほとんどを満足する、数多くの化粧品が最終使用者に利用可能である。例えば、UVフィルターも含む老化防止作用を有するデイクリーム、又は冷却作用も有し香料を含まない栄養スキンローションがある。しかしながら、皮膚若しくは毛髪の特殊性により、又は環境排出若しくは他の希望により個人的に調整される(「パーソナライズされる」)化粧品のみの使用を好む、又は化粧品の組成を部分的に決定したいと思う最終使用者もまた存在する。
【0003】
EP-A-00443741は、パーソナライズ毛髪用製品の製造のための装置を記載しており、最終使用者は、使用の時点でこれらを自分で製造することができる。したがって、例えば、パーマネントウェーブ組成物を新しく製造することが可能である。この目的のために、最終使用者のデータ、例えば毛髪の長さ、毛髪の状態等がコンピュータに入力され、コンピュータは製剤の作製のための指示を装置に伝え、この目的のために貯蔵容器から必要な量の成分を互いに混合する。
【0004】
EP1656853によれば、最終使用者によりパーソナライズされる皮膚用化粧品はある程度製造可能であり、2つの異なる化粧品成分が別個のチャンバー内に保存され、使用者は異なる光学効果、例えば光沢等を達成する意図を持って制御要素の作動により2つの混合物同士の比を変えることができる。
【0005】
一方、EP-B-2038189は、最終使用者が、まず油相を含むチャンバー内に加熱された水を誘導することにより、包装単位、例えばカプセル内の厳密に事前測定された成分から家庭において慣習的な量の化粧品を製造することができる方法を記載している。次いで、混合物はその後、エマルジョン形成のために均質化ユニットに誘導される。複数の化粧品成分を有する化粧品製剤の場合、この方法は、連続製造ステップにおいてエマルジョンを製造し、異なる原材料を別個に保存する必要がある。ただ1つのカプセルの使用が望ましい場合、カプセルは、成分が別個に保存されるために分割される必要がある。
【0006】
国際特許出願WO2018/073541は、水タンク及び2つ以上のカプセルを受容できる可動プレートを有する化粧製品の製造用の装置を開示しており、1つのカプセル内にはテクスチャリング剤が存在し、他のカプセル内には他の活性構成物質が存在する。
【0007】
国際特許出願WO2018/073541は、異なるカプセルの使用を提案しており、テクスチャリング剤、好ましくは化粧用油が、場合により両親媒性分子をベースとする乳化剤とともに常に1つのカプセル内にある。代替として、テクスチャリング剤は、ポリマー、例えばポリサッカリド、例えばキサンタンガム又はアクリル酸ベースポリマーであってもよい。化粧活性成分、例えば皺取り組成物又は保湿剤は、場合により保存剤とともに第2のカプセル内に存在する。芳香剤がさらなるカプセル内に存在してもよい。この出願では特定の製剤は開示されていない。
【0008】
最終使用者により又は最終使用者のために家庭において慣習的な量の化粧品製剤をその場で製造するには、複雑なプロセス形式及び温度形式での工業規模のプロセスを模倣することは不可能であり、代わりに単純で迅速な製造プロセスが必要である。しかしながら、ほとんど混和性でない、又は非混和性である成分及び活性成分は安定した微細エマルジョンに容易に変換され得ないため、水及び油をベースとする、又は難溶性成分、例えば顔料、UVフィルター、香料等を含む化粧品製剤は、製造するのが比較的困難である。最終使用者の要求又は希望に応じて化粧品製剤中に存在し得る様々な「パーソナライズ」活性成分はまた、化粧品製剤の形成及び安定性を複雑化し得る。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、家庭において慣習的な量での最終使用者による化粧品のより単純な製造方法であって、最終使用者がその希望/要求又は要件に応じて化粧品製剤の組成を部分的に決定する、方法を提供することであった。本方法は、水及び油をベースとする化粧品製剤、又は非水溶性若しくは非油溶性活性成分を含むそのような製剤に特に好適となるものである。さらに、本方法は、高度のパーソナライズを可能にする、すなわち多くの活性化粧品成分に好適な、化粧品として均質な製剤を最終使用者が利用できるようにするためのものである。最後に、本方法は、品質の点で、工業規模で製造される化粧品製剤と同等であること、すなわち、例えば長期間にわたり均質で保存安定性であることが最終使用者により認識される化粧品製剤を提供するためのものである。
【0010】
本発明の目的は、混合デバイスa)、及び少なくとも2つの分注容器を備える少なくとも1つの分注デバイスb)を有するデバイス内で、化粧品製剤の最終使用者により及び/又は最終使用者の希望に従って制御可能な(「パーソナライズ」)、家庭において慣習的な量で化粧品製剤を製造する方法によって達成され、分注容器の1つb1)にベース混合物が存在し、分注容器の他方b2)にパーソナライズに好適な活性化粧品成分が存在し、分注容器b1)及びb2)の内容物が混合デバイスa)内に空けられて混合デバイス内で混合され、ベース混合物を含む分注容器b1)の内容物は、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤とともに混合デバイス内に空けられ、ベース混合物は、1:4~25:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質の比を有する。
【0011】
本発明の文脈において、「化粧品製剤」という用語は、最終使用者の皮膚及び毛髪の清浄化又はケアに使用される化粧品を意味することが理解される。本発明は、例えば、ゲル、ゲルクリーム、乳液、ハイドロフォーミュレーション(hydroformulation)、化粧用油及び油ゲル、セルフタンニング剤、フェイスケア製品、パーソナルケア製品、アフターサン調製物から選択される化粧品製剤に関する。「化粧品製剤」という用語はまた、口腔ケア製剤を意味することも理解される。
【0012】
本発明のさらなる化粧品製剤は、皮膚化粧品製剤、特にスキンケア用のものである。これらは特に、W/O又は好ましくはO/Wスキンクリーム、デイ及びナイトクリーム、アイクリーム、フェイスクリーム、皺取りクリーム、ミミッククリーム(mimic cream)、保湿クリーム、漂白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション、アフターサンローション、サンクリーム、サンローション、サンミルク、サンオイル、サンバルサム(sun balsam)、サンゲル(sun gel)及び保湿ローション、保湿エマルジョン、フェイスクリーム、ボディクリーム及びハンドクリームの形態をとる。
【0013】
本発明のさらなる化粧品製剤は、抗ニキビ製品、虫よけ、シェービング製品、除毛製品、デリケートゾーンケア製品、フットケア製品及びベビーケア製品である。
【0014】
本発明のさらなる好ましい化粧品製剤は、液体からゲル稠度の洗浄、シャワー及び入浴調製物、例えば洗浄ローション、シャワーバス及びゲル、フォームバス、オイルバス及びスクラブ調製物、並びにシェービングフォーム、ローション及びクリームである。
【0015】
本発明のさらなる化粧品製剤は、例えば、毛髪用シャンプー、毛髪用トニック及び毛髪用リンス(コンディショナーと呼ばれる)、毛髪用乳液並びに整髪製品である。
【0016】
本発明に従って製造される化粧品製剤は、クリーム、ゲル、ローション、乳液、セラム、流体、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/油状塊、ペースト又は軟膏の形態をとり得る。
【0017】
本発明の文脈において、「家庭において慣習的な量」という用語は、少なくとも1回の化粧品の適用のために最終使用者により必要とされ、最終使用者が典型的に商業的に購入する化粧品製剤の量を超えない量を意味することが理解される。
【0018】
これらの量は化粧品製剤に依存して変動するが、典型的には少なくとも数ml又は数mg、通常は少なくとも1ml又は1mg、及び最大で1000ml又は1000mgの範囲内である。より好ましくは、本発明の文脈において、化粧品製剤は、15~50ml又は15~50g、好ましくは30ml又は30gの量で製造される。
【0019】
本発明の文脈において、「最終使用者」という用語は、化粧品製剤を使用する、又は使用したいと思っている消費者を意味することが理解される。
【0020】
本発明の文脈において、「分注容器」という用語は、存在する混合物又は活性成分がそこから分注される容器を意味することが理解される。
【0021】
本発明の文脈において、「パーソナライズのための活性化粧品成分」という用語は、化粧品製剤の効果、特に皮膚及び/又は毛髪に対する化粧品の効果、例えば老化防止、保湿、特定の香り、UV保護(SPF)、特定の感覚特性等に関する最終使用者の個人的(個々の)要求により化粧品製剤中に存在する物質を意味することが理解される。パーソナライズのためのそのような活性化粧品成分はまた、以降で単に「活性化粧品成分」と短縮して称される。
【0022】
本発明の文脈において、「皮膚軟化剤」という用語は、皮膚に脂質を供給する、又は蒸発を低減する、又は皮膚の水分含量を増加させることにより皮膚を柔軟でしなやかにする物質を意味することが理解される。好適な皮膚軟化剤は、室温で液体である、又は45℃未満の融点を有する油、脂肪、ワックス、炭化水素及び/又は有機ケイ素化合物の群からの物質である。
【0023】
本発明の文脈において、「界面活性物質」という用語は、液体の界面張力又は2つの相の間の界面張力を低下させる化合物を意味することが理解される。そのような化合物はまた、界面活性剤又は乳化剤とも呼ばれる。
【0024】
本発明の文脈において、「レオロジー調整剤」という用語は、材料の変形及び流動特性を改変する物質を意味することが理解される。これは、化粧品製剤の合着相の粘度が好ましくは増加する様式で、合着(分子内)又は接着(分子間)の形成により分子間力を改変する有機又は無機化合物、通常は巨大分子を含む。
【0025】
本発明の文脈において、本発明の方法は、ベース混合物を含む分注容器b1)を用いて行われ、ベース混合物は、少なくとも1種の皮膚軟化剤、界面活性物質及びレオロジー調整剤を含み、ベース混合物は、1:4~25:1の範囲内の皮膚軟化剤;界面活性物質の比を有する。
【0026】
本発明の文脈において、驚くべきことに、分注容器b1)内のそのようなベース混合物は均質及び貯蔵安定性であることが見出されたが、これはまた本発明の方法により製造される化粧品製剤がクリーミング又は他の分離現象を生じる傾向を有さず、また同様に均質及び貯蔵安定性であるために不可欠な要件である。
【0027】
皮膚軟化剤
ベース混合物中に存在する皮膚軟化剤は、例えばエステル、ワックスエステル、ワックス、トリグリセリド又は部分グリセリド、天然植物油脂、炭化水素、有機ケイ素化合物、Guerbetアルコール、モノ-/ジアルキルエーテル、モノ-/ジアルキルカーボネート、及びそれらの混合物により形成される群からの、油、脂肪及び/又はワックスであってもよい。
【0028】
エステルの群のうち、存在し得るエステルの例は、直鎖脂肪酸と直鎖又は分岐状脂肪アルコールとのエステル、直鎖脂肪アルコールと直鎖又は分岐状カルボン酸とのエステル、アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分岐状脂肪アルコールとのエステル、直鎖又は分岐状脂肪酸と多価アルコール、例えばジオール又は三量体トリオールとのエステル、ワックスエステル、トリグリセリド又は部分グリセリド(モノ-/ジ-/トリグリセリドエステルと呼ばれる)、脂肪アルコール及び/又はGuerbetアルコールと芳香族カルボン酸とのエステル、ジカルボン酸と直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、天然植物油脂、並びにそれらの混合物を含む。
【0029】
直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖若しくは分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル又は分岐状C6~C22カルボン酸と直鎖若しくは分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステルの群からの好適な例は、ミリスチン酸ミリスチル(Cetiol(登録商標)MM)、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル(Cetiol(登録商標)J600)、オレイン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル及びエルカ酸エルシル、ステアリン酸エチルヘキシル(Cetiol(登録商標)868)、ラウリン酸ヘキシル(Cetiol(登録商標)A)、カプリル酸ヤシアルキル(Cetiol(登録商標)C5)、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(Cetiol(登録商標)LC、Cetiol(登録商標)C 5C)、カプリル酸プロピルヘプチル(Cetiol(登録商標)Sensoft)、イソノナン酸セテアリル(Cetiol(登録商標)SN)、オレイン酸デシル(Cetiol(登録商標)V)、エチルヘキサン酸セテアリルである。
【0030】
さらに、アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、好ましくは乳酸のエステル、例えば乳酸ラウリルが好適である。
【0031】
さらに、ジカルボン酸と直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、好ましくはリンゴ酸、アジピン酸及び/又はセバシン酸のエステル、例えばアジピン酸ジブチル、リンゴ酸ジオクチル及び/又はセバシン酸ジイソプロピルが好適である。
【0032】
同じく好適なのは、直鎖及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)とのエステル、例えばジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール(Myritol(登録商標)PGDC)、C6~C10脂肪酸ベースのトリグリセリド、C6~C18脂肪酸ベースの液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物(Myritol(登録商標)331、Myritol(登録商標)312、Myritol(登録商標)318)、C6~C22脂肪アルコール及び/又はGuerbetアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、安息香酸と直鎖及び/又は分岐状C6~C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN、Cetiol(登録商標)AB)である。
【0033】
天然の、特に植物性の油脂として十分に好適であるのは、ピーナツ油、大豆油、ホホバ油、菜種油、アボカド油、アルガン油、ヒマシ油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、亜麻仁油、アーモンド油、麦芽油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、ココアバター及びシアバター、例えばCegesoft(登録商標)PFO、Cegesoft(登録商標)PS6、Cegesoft(登録商標)SBE、Cegesoft(登録商標)SH、Cegesoft(登録商標)VP又はCetiol(登録商標)SB45である。
【0034】
同じく皮膚軟化剤として使用可能なのは、例えば、天然植物ワックス、例えば果実ワックス(例えばオレンジワックス)及び動物ワックス、例えばウールワックスである。
【0035】
同じく皮膚軟化剤として使用可能なのは、通常天然の脂肪、油及びワックスから得られるC12~C15脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール又は1-ペンタデカノールである。
【0036】
さらなる好適な皮膚軟化剤は、しばしば単にシリコーンと呼ばれる有機ケイ素化合物である。これは、環状、分岐状又は直鎖シリコーンの形態をとり得る。シリコーンは、ケイ素原子が酸素原子を介して鎖状及び/又はグリッド状に連結し、ケイ素の残りの結合価が炭化水素基(通常はメチル、より稀にはエチル、プロピル、フェニル基等)により満たされている、高分子量合成ポリマー化合物である。系統的には、シリコーンは、ポリオルガノシロキサンと呼ばれる。
【0037】
有利なポリオルガノシロキサンは、例えば、以下の構造式
【0038】
【化1】
により表され得るメチル置換ポリオルガノシロキサンである。
【0039】
これらはまた、ポリジメチルシロキサン又はジメチコン(INCI)とも呼ばれる。ジメチコンは、様々な鎖長及び様々な分子量で提供される。それらは、例えば、EvonikからAbil(登録商標)350の商品名で、又はDow ChemicalsからXiameter PMX-200 Silicone Fluidの商品名で入手可能である。
【0040】
同じく有利なのは、フェニルメチルポリシロキサン(INCI:フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン)、INCIに従いシクロメチコンとも呼ばれる環式シリコーン(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン又はドデカメチルシクロヘキサシロキサン)、アミノ修飾シリコーン(INCI:アモジメチコン)及びシリコーンワックス、例えばポリシロキサン-ポリアルキレンコポリマー(INCI:ステアリルジメチコン及びセチルジメチコン)及びジアルコキシジメチルポリシロキサン(ステアロキシジメチコン及びベヘノキシステアリルジメチコン)(これらはEvonikから様々なAbilワックスグレードとして入手可能)である。
【0041】
本発明により特に好ましいシリコーンは、ジメチコン及びシクロメチコンである。
【0042】
さらなる好適な皮膚軟化剤は、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジアルキルカーボネート、例えば炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)又は炭酸ジプロピルヘプチル(Cetiol(登録商標)4 All)、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールベースのGuerbetカーボネート、アルキル基当たり6~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状の対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)である。さらなる好適な皮膚軟化剤は、炭化水素、例えば鉱油、鉱物油、ウンデカン/トリデカン(Cetiol(登録商標)Ultimate)、水添ポリイソブテン(Luvitol(登録商標)Lite)、置換シクロヘキサン、イソパラフィン又はパラフィンである。
【0043】
好適なGuerbetアルコールは、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールベースのもの(Eutanol(登録商標)G、Eutanol(登録商標)G16)である。
【0044】
より好ましくは、本発明の文脈において、ベース混合物b1)は、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、炭化水素、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、植物性油脂、並びに6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコールにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤を含む。
【0045】
特に、b1)内のベース混合物は、C4~C8ジカルボン酸と2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、直鎖又は分岐状C6~C12脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、炭化水素、直鎖C6~C18脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、植物性油脂、並びに8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコールにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤を含む。
【0046】
本発明の方法により日焼け防止剤が製造される場合、ベース混合物中の推奨される皮膚軟化剤は、直鎖及び/若しくは分岐状C6~C18脂肪酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステル、ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐状アルコールとのエステル、並びに/又は直鎖及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカーボネート、特に1~18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールのアジピン酸エステル、セバシン酸エステル又はリンゴ酸エステル、安息香酸と直鎖及び/又は分岐状C6~C22アルコールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステルである。好適な例は、カプリル酸ヤシアルキル、乳酸ラウリル、安息香酸アルキル(C12-C15)、アジピン酸ジブチル、炭酸ジカプリリルである。
【0047】
化粧品製剤、例えばスキンケア製剤には、好適な皮膚軟化剤は、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、例えばアジピン酸ジブチル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、例えば炭酸ジカプリル、炭化水素、例えばウンデカン/トリデカン、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、例えばステアリン酸エチルヘキシル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、例えばトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、植物性油脂、例えばシアバター、並びに8~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコール、例えばオクチルドデカノールである。
【0048】
特に好適な皮膚軟化剤の例は、アジピン酸ジブチル、炭酸ジオクチル、炭酸ジプロピルヘプチル、オクチルドデカノール、ウンデカン/トリデカン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、安息香酸アルキル(C12-C15)、ステアリン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸イソプロピル、ジオクチルエーテル、オクタデセニルドコサノエート(octadecenyl docosenoate)、菜種油、麦芽油、及びオルス油(Olus Oil)である。
【0049】
界面活性物質
b1)内のベース混合物はまた、少なくとも1種の界面活性物質を含むことが必須である。これは、非イオン性、アニオン性、及び/又は両性若しくは双性イオン性であってもよい。
【0050】
一実施形態において、ベース混合物中の推奨される界面活性物質は、特に皮膚に対する化粧品製剤用の少なくとも1種の非イオン性界面活性物質である。
【0051】
好適な非イオン性界面活性物質の例は以下の通りである。
(1)2~50モルのエチレンオキシド及び/又は1~20モルのプロピレンオキシドの、8~40個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12~40個の炭素原子を有する脂肪酸、及び8~15個の炭素原子をアルキル基に有するアルキルフェノールへの付加生成物
(2)1~50モルのエチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC12~C18脂肪酸モノ-及びジエステル
(3)6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノ-及びジエステル並びにそのエチレンオキシド付加生成物
(4)好ましくは8~22個の炭素原子をアルキル基に有するアルキルモノ-及びオリゴグリコシド並びにそのエトキシル化アナログ
(5)ヒマシ油及び/又は水添ヒマシ油へのエチレンオキシドの付加生成物、例えば2~15モル又は40~60モルのエチレンオキシドによる付加生成物
(6)ポリオール及び特にポリグリセリルエステル、例えばポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル又はポリグリセリルダイメレート。同様に好適なのは、これらの物質クラスの2種以上の化合物の混合物である。
(7)レシチン及びリン脂質
(8)直鎖、分岐状、不飽和若しくは飽和C6~C22脂肪酸、リシノール酸及び12-ヒドロキシステアリン酸と、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)及びポリグルコシド(例えばセルロース)とをベースとする部分エステル、又は混合エステル、例えばクエン酸ステアリン酸グリセリル及び乳酸ステアリン酸グリセリル。
(9)ポリシロキサン-ポリアルキル-ポリエーテルコポリマー及び対応する誘導体(シリコーン乳化剤と呼ばれる)、
(10)ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪アルコールの混合エステル、並びに/又は、6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロールの混合エステル、並びに/あるいは
(11)6~22個の炭素原子を有する脂肪酸とスクロースとの混合エステル。
【0052】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロールモノ-及びジエステル、並びに脂肪酸のソルビタンモノ-及びジエステルへの、又はヒマシ油への付加生成物は、既知の市販製品である。これらはホモログ混合物であり、その平均アルコキシル化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、並びに付加反応が行われる基質の定量的な量の比率に対応する。エトキシル化度に従って、界面活性化合物は油中の水又は水中の油を乳化し得る。エチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC12/18脂肪酸モノ-及びジエステルは、化粧品製剤中の再脂肪化剤としても知られる。
【0053】
非イオン型の好適な市販の界面活性物質の例は、セチルジメチコンコポリオール(例えばAbil EM-90)、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(例えばDehymuls PGPH)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3(例えばLameform TGI)、イソステアリン酸ポリグリセリル-4(例えばIsolan GI 34)、オレイン酸ポリグリセリル-3(例えばIsolan GO 33)、ジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3(例えばIsolan PDI)、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース(例えばTego Care 450)、ポリグリセリル-3ミツロウ(例えばCera BelliNa)、カプリン酸ポリグリセリル-4(例えばPolyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3セチルエーテル(例えばChimexane NL)、ジステアリン酸ポリグリセリル-3(例えばCremophor GS 32)及びポリリシノレイン酸ポリグリセリル(例えばAdmul WOL 1403)、オレイン酸グリセリル(例えばMonomuls 90-O 18)、アルキルグルコシド(例えばPlantacare 1200、Emulgade PL 68/50、Montanov 68、Tego Care CG 90、Tego Glucosid L 55)、イソステアリン酸メチルグルコース(例えばTego Care IS)、セスキステアリン酸メチルグルコース(Tego Care PS)、スクロースエステル(例えばCrodesta F-10、F-20、F-50、F-70、F-110、F-160、SL-40、Emulgade(登録商標)Sucro)、エトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪アルコール、脂肪酸、ヒマシ油及び水添ヒマシ油(例えばEumulgin(登録商標)B1、B2、B3、BA25、L、CO40、CO60、O10、O30、S2、S20、Cremophor(登録商標)WO7、Arlacel 989)、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30(例えばArlacel P135、Dehymuls LE)、ソルビタンエステル、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ソルビタンエステル、並びにそれらの混合物である。特に効果的な混合物は、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2並びにラウリルグルコシド及びグリセロール(例えばEumulgin VL 75)からなる。同じく好適なのは、(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル-4(Isolan GPS)又はジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3(例えばIsolan PDI)である。
【0054】
特に有利な非イオン性界面活性物質は、以下のホモログ分布のポリ-12-ヒドロキシステアリン酸とポリグリセロールとの反応生成物である(好ましい量は括弧内に示されている):
グリセロール:5~35(15~30)重量%
ジグリセロール:15~40(20~32)重量%
トリグリセロール:10~35(15~25)重量%
テトラグリセロール:5~20(8~15)重量%
ペンタグリセロール:2~10(3~8)重量%
オリゴグリセロール:100重量%まで
【0055】
本発明の好ましい実施形態において、使用されるグリセリルエステルは、ポリヒドロキシステアリン酸のジエステル、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2であり、これは、例えばBASF Personal Care and Nutrition GmbHによりDehymuls(登録商標)PGPHの名称で単独で、又はBASF Personal Care and Nutrition Deutschland GmbHによりEumulgin(登録商標)VL75の名称(1:1の重量比でのラウリルグルコシドとのブレンド、O/W乳化剤)若しくはDehymuls(登録商標)SBLの名称(W/O乳化剤)でブレンドとして販売されている。
【0056】
アルキルモノ-又はアルキルオリゴグリコシドの群からの非イオン性界面活性化合物が特に皮膚に優しく、したがって本発明の文脈において単独で、又は組み合わせて使用され得る。C8~C22-アルキルモノ-及びオリゴグリコシドは先行技術から知られている。それらは、特にグルコース又はオリゴサッカリドを8~22個の炭素原子、好ましくは12~22個、より好ましくは12~18個の炭素原子を有する第1級アルコールと反応させることにより調製される。グリコシド基に関して、環状糖基が脂肪アルコールにグリコシド結合したモノグリコシド、又はオリゴマー化度が好ましくは約8までのオリゴマー性グリコシドのいずれかが好適である。ここで、オリゴマー化度は、そのような工業グレード製品に慣習的なホモログ分布に基づく統計的平均値である。Plantacare(登録商標)の名称で入手可能な製品は、1~2の平均オリゴマー化度を有するオリゴグルコシド基にグルコシド結合したC8~C16-アルキル基を含む。グルカミンから誘導されるアシルグルカミドもまた好適である。
【0057】
同じく非イオン性界面活性化合物として好適なのは、レシチン及びリン脂質等の物質である。天然レシチンの例はセファリンを含み、これはホスファチジン酸とも呼ばれ、1,2-ジアシル-sn-グリセロール-3-リン酸の誘導体である。対照的に、リン脂質は通常、リン酸とグリセロールとのモノ-及び好ましくはジエステル(リン酸グリセロール)を意味することが理解され、これは一般に脂肪の1つに数えられる。さらに、スフィンゴシン又はスフィンゴ脂質もまた可能である。
【0058】
存在し得る非イオン性界面活性化合物の例は、シリコーン乳化剤を含む。これらは、例えば、アルキルメチコンコポリオール及び/又はアルキルジメチコンコポリオールの群から、特に以下の化学構造
【0059】
【化2】
[式中、X及びYは、独立して、H(水素)、並びに1~24個の炭素原子を有する分岐状及び非分岐状アルキル基、アシル基及びアルコキシ基の群から選択され、pは0~200であり、qは1~40であり、rは1~100である]
により特徴付けられる化合物の群から選択され得る。
【0060】
シリコーン乳化剤の一例は、ジメチコンコポリオールの乳化剤であり、これは、EvonikによりAXIL(登録商標)B8842、ABIL(登録商標)B8843、ABIL(登録商標)B8847、ABIL(登録商標)B8851、ABIL(登録商標)B8852、ABIL(登録商標)B8863、ABIL(登録商標)B8873及びABIL(登録商標)B88183の商品名で販売されている。さらなる例は、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(セチルジメチコンコポリオール)であり、これは、EvonikによりABIL(登録商標)EM90のブランド名で販売されている。さらなる例は、シクロメチコンジメチコンコポリオールであり、これは、EvonikによりABIL(登録商標)EM97及びABIL(登録商標)WE09のブランド名で販売されている。同じく好適なのは、Dow Corning Ltd.社からDow Corning(登録商標)5200 Formulation Aidのブランド名で入手可能なラウリルPEG/PPG-18/18メチコン(ラウリルメチコンコポリオール)、及びWackerからのオクチルジメチコンエトキシグルコシドである。
【0061】
同じく界面活性化合物として好適なのは、双性イオン性、両性及び/又はカチオン性化合物である。
【0062】
少なくとも1つの四級アンモニウム基及び少なくとも1つの-COO(-)-又は-SO3(-)-基を分子内に保持する界面活性化合物は、双性イオン性と呼ばれる。
【0063】
特に好適な双性イオン性化合物は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及び2-アルキル-3-カルボキシルメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれの場合において8~18個の炭素原子をアルキル又はアシル基内に有する)、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性表面活性化合物は、コカミドプロピルベタインのINCI名で知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0064】
C8~C18-アルキル又はアシル基とは別に、少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH又は-SO3H基を分子内に含み、内部塩を形成し得る界面活性化合物は、両性と呼ばれる。好適な両性化合物の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸(それぞれ約8~18個の炭素原子をアルキル基内に有する)である。
【0065】
使用可能なカチオン性界面活性化合物は、特に四級アンモニウム化合物である。好ましいのは、ハロゲン化アンモニウム、特に塩化アンモニウム及び臭化アンモニウム、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。さらに、脂肪アミン、例えばステアラミドプロピルジメチルアミン(Dehyquart(登録商標)S18)及び極めて容易に生分解可能な四級エステル化合物、例えばStepantex(登録商標)の商品名で市販されているジアルキルアンモニウムメトサルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルコイル(dialkoyl)オキシアルキルアンモニウムメトサルフェート、並びにDehyquart(登録商標)シリーズの対応する製品が、カチオン性界面活性化合物として使用するのに好適である。「エステルクワット(ester quats)」という用語は、一般に、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩を意味することが理解される。同様に好適なのは、四級化タンパク質加水分解物である。
【0066】
同じく好適なのは、少なくとも1つのアニオン基、例えばカルボン酸基、硫酸基、スルホン酸基又はリン酸基を有する界面活性化合物である。好適な界面活性化合物の例は、それぞれその塩の形態の、脂肪酸、エーテルカルボン酸、8~24個の炭素原子をアシル基内に有するアシルサルコシド、8~24個の炭素原子をアシル基内に有するアシルタウリド、8~24個の炭素原子をアシル基内に有するイセチオン酸アシル、8~24個の炭素原子をアシル基内に有するグルタミン酸アシル、8~24個の炭素原子をアルキル基内に有するスルホコハク酸モノ-及びジアルキルエステル、並びに8~24個の炭素原子をアルキル基及び1~6個のオキシエチル基内に有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、8~24個の炭素原子を有する直鎖アルカンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、8~24個の炭素原子を有する直鎖アルファ-オレフィンスルホネート、8~30個の炭素原子を有する脂肪酸のアルファ-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキルサルフェート、アルキルポリグリコールエーテルサルフェート、酒石酸のエステル及びクエン酸のエステル、アルキル及び/又はアルケニルエーテルホスフェート、硫酸化脂肪酸アルキレングリコールエステル、モノグリセリドサルフェート及びモノグリセリドエーテルサルフェート、並びにC8~C30脂肪アルコールとタンパク質加水分解物及び/又はアミノ酸との縮合生成物並びにタンパク質脂肪酸縮合物と呼ばれるその誘導体、例えばLamepon(登録商標)、Gluadin(登録商標)、Hostapon(登録商標)KCG又はAmisoftである。
【0067】
典型的には、塩は、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、並びに2~4個の炭素原子をアルカノール基内に有するモノ-、ジ-及びトリアルカノールアンモニウム塩から選択される。
【0068】
好適な例は、アシルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンナトリウム及びココイルサルコシンナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム又はアンモニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウレススルホコハク酸ジナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ジナトリウム及びスルホコハク酸ウンデシレナミドMEA-2Na、ジナトリウムPEG-5ラウリルシトレートスルホスクシネート、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸MIPA、ラウレス硫酸TIPA、ミレス硫酸ナトリウム及びC12-13パレス硫酸ナトリウム、C12-15パレス-15スルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アンモニウム及びTEA、ラウロイルタウリンナトリウム及びメチルココイルタウリン酸ナトリウム、ラウレス-13カルボン酸ナトリウム及びPEG-6コカミドカルボン酸ナトリウム、PEG-7-オリーブ油カルボン酸ナトリウム、オレス-10リン酸DEA及びジラウレス-4リン酸、ココモノグリセリル硫酸Na、オレフィン(C12-14)スルホン酸Na、ラウリルスルホ酢酸Na、PEG-3コカミド硫酸Mg、パルミトイルアスパラギン酸2TEA及びカプリル/カプリングルタミン酸ナトリウム、パルミトイル加水分解乳タンパク、ナトリウムココイル加水分解大豆タンパク及びナトリウム/カリウムココイル加水分解コラーゲン、ステアロイルラクチレートCa、クエン酸ラウレス-6並びにPEG-4ラウラミドカルボン酸Naである。
【0069】
優れた好適性を有するアニオン性化合物は、アルキル(アルケニル)ポリグリコールエーテルシトレート、特に式(I)
【0070】
【化3】
[式中、
R1、R2及びR3は、独立して、水素又は式
(II)R4(OCH2CHR5)n
(式中、
R4は、6~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルキル及び/又はアルケニル基であり、
R5は、水素又はメチル基であり、
nは、1~20の数であり、但しR1、R2及びR3基の少なくとも1つは水素ではない)
の基である]
に適合するクエン酸及びアルコキシル化アルコールのモノ-、ジ-及びトリエステルの混合物である。
【0071】
エステルのアルコール部分の典型的な例は、平均1~20モル、好ましくは5~10モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのカプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキジル(arachiyl)アルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコールへの付加生成物、並びにそれらの工業グレード混合物である。
【0072】
本発明の文脈において、アニオン性界面活性物質として、アルキルポリグリコールエーテルサルフェートの塩、イセチオン酸アシルの塩、グルタミン酸アシルの塩、8~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩、アルキルサルフェートの塩、アルキルホスフェートの塩、脂肪酸の塩、ステアリン酸グリセリルのクエン酸エステル、及び上ですでに詳述したアルキルポリアルキレングリコールエーテルシトレートを使用すること、特に上ですでに詳述したアルキルポリアルキレングリコールエーテルシトレートを使用することが特に好ましい。
【0073】
好ましくは皮膚用製剤の製造のための本発明の一実施形態において、b1)内のベース混合物中に存在する界面活性物質は、非イオン性及び/又はアニオン性界面活性化合物である。好ましい非イオン性界面活性化合物は、ポリグリセリルエステル、スクロースエステル、エトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化脂肪酸並びにアルキル(オリゴ)グルコシドにより形成される群からのものである。
【0074】
好ましいアニオン性界面活性化合物は、アルキルポリアルキレングリコールエーテルシトレート、グルタミン酸アシルの塩、12~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩、アルキルサルフェート及びアルキルホスフェートの塩、並びにステアリン酸グリセリルのクエン酸エステルにより形成される群からのものである。
【0075】
好適なサブタイプは、2つの異なる非イオン性界面活性化合物からなる混合物、好ましくは、ポリグリセリルエステル、エトキシル化脂肪アルコール及びアルキル(オリゴ)グルコシドにより形成される群から選択される2つの異なる界面活性化合物の混合物のサブタイプである。
【0076】
さらなる好適なサブタイプは、少なくとも1種のアニオン性界面活性化合物及び少なくとも1種の非イオン性界面活性化合物からなる混合物、好ましくはアルキルポリアルキレングリコールエーテルシトレート、グルタミン酸アシルの塩、及び12~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩の群から選択されるアニオン性界面活性化合物の1つ、並びにポリグリセリルエステル、スクロースエステル及びアルキル(オリゴ)グルコシドの群から選択される非イオン性界面活性化合物の1つからなる混合物のサブタイプである。
【0077】
本発明のさらなる実施形態において、b1)内のベース混合物中に存在する界面活性物質は、1種以上のカチオン性及び/又は双性イオン性若しくは両性界面活性化合物、好ましくはすでに上で言及したカチオン性及び/又は双性イオン性化合物、好ましくは四級アンモニウム化合物、ジアルキルアンモニウムメトサルフェート、メチルヒドロキシアルキルジアルコイル(dialkoyl)オキシアルキルアンモニウムメトサルフェート、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩、脂肪アミン及びベタイン、特にジイソステアロイルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び/又はステアラミドプロピルジメチルアミン、ココアミドプロピルベタイン、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、及びステアリルアミドプロピルジメチルアミンである。この実施形態は、毛髪用の化粧品製剤の製造、特にコンディショナー製剤の製造に推奨される。
【0078】
本発明の文脈において、1:4~25:1、好ましくは1:2~25:1の範囲内のベース混合物中の皮膚軟化剤:界面活性物質の比が存在する。
【0079】
本発明の一実施形態において、皮膚用製剤の製造のためのb1)内のベース混合物は、好ましくは、1:1~25:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質の重量比を含む。本発明のさらなる実施形態において、b1)内の毛髪用製剤(コンディショナー製剤)の製造のためのベース混合物は、好ましくは、1:2~2:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質の重量比を含む。
【0080】
レオロジー調整剤
本発明の文脈において、b1)内のベース混合物は、レオロジー調整剤を含むことが必須である。
【0081】
レオロジー調整剤は、好ましくは、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は双性イオン性ポリマー、フュームドシリカ、ベントナイト及びヘクトライトの群から選択される無機物質(これらは場合により化学修飾されていてもよい)、並びに45℃超の融点を有する、脂肪、ワックス、アルコール及び/又は炭化水素の群からの有機物質により形成される群から選択される。
【0082】
ポリマー
好適なレオロジー調整剤は、天然又は合成ベースのアニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は双性イオン性ポリマーである。
【0083】
天然ベースのポリマーの例は、
デンプン及び修飾デンプン、
四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、
ポリサッカリド、特にキサンタンガム、カラギーナン、ゲランガム、アカシアガム、タラガム、セルロースガム、スクレログルカン、グルコマンナン、グアーガム、寒天、アルギネート、ペクチン、
化学修飾ポリサッカリド、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチル-及びヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
修飾グアーポリマー、例えばSolvayからのJaguar(登録商標)ブランドのもの、
誘導体化セルロースエーテルである。
【0084】
レオロジー調整剤として好適なアニオン性ポリマーの例は、特にカルボン酸基を含むポリマー又はコポリマーである。好適なカルボン酸含有ポリマーは、例えば、α,β-エチレン性不飽和モノマーm1)のフリーラジカル重合により得ることができる。ここで使用されるモノマーは、分子当たり少なくとも1つのフリーラジカル重合性α,β-エチレン性不飽和二重結合並びに少なくとも1つのアニオン生成(anionogenic)基及び/又はアニオン基を含む。好適なモノマーは、3~25個、好ましくは3~6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸であり、これはまたその塩又は無水物の形態で使用され得る。その例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びフマル酸である。モノマーは、さらに、4~10個、好ましくは4~6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸のモノエステル、例えばマレイン酸モノメチルを含む。モノマーはまた、モノエチレン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、1-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホン酸を含む。モノマーはまた、上述の酸の塩、特にナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩、並びに上述のアミンとの塩を含む。モノマーは、単独で、又は互いに混合して使用され得る。
【0085】
モノマーは、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びそれらの混合物、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物から選択される。好ましいのは、10000~10000000ダルトンの範囲内の分子量を有するアクリル酸及び/又はメタクリル酸のコポリマーである。
【0086】
さらに、上述のモノマーとモノマーm2とのコポリマーが好ましい。好適なモノマーm2)は、メチル(メタ)アクリレート、メチルエタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルエタクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、1,1,3,3-テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセレニル(メタ)アクリレート、セロチニル(メタ)アクリレート、メリシニル(メタ)アクリレート、パルミトレイニル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノリル(メタ)アクリレート、リノレニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物である。
【0087】
好適なモノマーm2)は、さらに、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミド及びモルホリニル(メタ)アクリルアミド、N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アシルアミド、N-(n-ノニル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アシルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アシルアミド、N-アラキニル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミド並びにN-ラウリル(メタ)アクリルアミドである。
【0088】
カルボン酸基含有ポリマーとして好ましいアニオン性ポリマーは、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸並びにそれらの塩のホモポリマー及びコポリマーである。これらはまた、アクリル酸の架橋ポリマーを含み、カルボマーのINCI名で入手可能である。そのようなアクリル酸の架橋ホモポリマーは、例えばLubrizolからCarbopoll(登録商標)の名称で市販されている。同じく好ましいのは、疎水性修飾架橋及び非架橋ポリアクリルコポリマー、例えばLubrizolからのCarbopol(登録商標)Ultrez 21である。
【0089】
好適なアニオン性ポリマーのさらなる例は、アクリル酸及びアクリルアミド及びそれらの塩のコポリマー、ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、ポリウレタン並びにポリ尿素である。特に好適なポリマーは、ポリエーテル鎖がC8~C30-アルキル基で終端された(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマーである。これらは、例えば、DowからAculyn(登録商標)の名称で入手可能なアクリレート/べへネス-25-メタクリレートコポリマーを含む。好適なポリマーは、さらに、アクリル酸及びメタクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、例えばメタ(アクリル酸)のC4~C30-アルキルエステル、C4~C30-アルキルビニルエステル、C4~C30-アルキルビニルエーテル及びヒアルロン酸である。
【0090】
レオロジー調整剤として同様に好適なのは、カチオン性ポリマー、例えばポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-47又はポリクオタニウム-86のINCI名を有する四級アンモニウム化合物と呼ばれるものである。
【0091】
さらに、非イオン性ポリマー、例えば800g/mol超の平均モル質量を有するポリエチレングリコール、又は疎水性修飾エトキシル化ウレタンポリマー(略してHEUR)、例えばポリウレタン-39をレオロジー調整剤として使用することも可能である。
【0092】
無機物質
さらに、レオロジー調整剤としても機能し得る無機物質は、フュームドシリカ、ベントナイト及びヘクトライト、例えば親水性及び疎水性フュームドシリカ(これらはとりわけAerosil(登録商標)の商品名で販売されている)、並びにベントナイト及びヘクトライト又は疎水性修飾ヘクトライト及びベントナイト、例えばベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、ジメチルジオクチルアンモニウムヘクトライト又はクオタニウム-18ヘクトライト、及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムベントナイト又はクオタニウム-18ベントナイト(これらは例えばBentone(登録商標)、Claytone(登録商標)、Tixogel(登録商標)の商品名で入手可能である)の群から選択されるものである。
【0093】
有機物質
さらに、レオロジー調整剤としても機能し得る有機物質は、45℃超の融点を有する、脂肪、ワックス、アルコール及び/又は炭化水素の群から選択されるものである。レオロジー調整剤はまた、全体的又は部分的ワックスエステル、すなわち45℃の融点を有する化合物、例えばモノ-、ジ-及び/又はトリグリセリド、例えばBASF Personal Care and Nutrition Deutschland GmbH & Co. KGにより市販されているCutina(登録商標)MD又はCutina(登録商標)GMS(ステアリン酸グリセリル)製品であってもよい。使用可能なレオロジー調整剤はまた、例えば、天然植物ワックス、例えばキャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ロウ、米胚芽油ワックス、サトウキビワックス、モンタンワックス、ヒマワリワックス、及び動物ワックス、例えばミツロウである。
【0094】
水添又は硬化ワックス、例えば鉱物系ワックス、例えばセレシン及びオゾケライト、又は石油化学系ワックス、例えばワセリン、パラフィンワックス及びマイクロワックスを使用することも可能である。使用可能なレオロジー調整剤はまた、化学修飾ワックス、例えばモンタンエステルワックス、Sasolワックス及び水添ホホバワックスを含む。本発明に従って使用可能な合成ワックスは、例えば、ワックス様ポリアルキレンワックス及びポリエチレングリコールワックスを含む。
【0095】
さらなる使用可能なワックスは、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸(例えば12-ヒドロキシステアリン酸)並びに飽和及び/又は不飽和の分岐状及び/又は非分岐状アルコールのエステルである。そのようなエステルの例は、ステアリン酸アルキル(C16-C40)、ステアリン酸アルキル(C20-C40)(例えばKesterwachs K82H)、二量体酸のC20~C40-ジアルキルエステル、ヒドロキシステアロイルステアリン酸アルキル(C18-38)又はエルカ酸アルキル(C20-C40)である。同じく好適なのは、C30~C50-アルキルミツロウ、クエン酸トリステアリル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリラウリル、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、エチレングリコールジ(12-ヒドロキシステアレート)、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸パルミチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸セテアリル、モノ/ジラウリン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル若しくはステアリン酸グリセリル、グリセロールとヒドロキシステアリン酸とのトリエステル(Cutina(登録商標)HR)若しくはトリステアリン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル(例えばSyncrowax(登録商標)HRC)、トリパルミチン酸グリセリル、又はSyncrowax(登録商標)HGLCの名称で知られているトリグリセリド混合物である。
【0096】
存在するレオロジー調整剤はまた、脂肪アルコール、脂肪酸(不けん化)並びに/又はグリセリルモノ-、ジ-及び/若しくはトリ脂肪酸エステル並びにワックスエステルであってもよい。典型的な例は、セチルアルコール(Lanette(登録商標)16)、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール(Lanette(登録商標)18)、セテアリルアルコール(Lanette(登録商標)O)、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール(Lanette(登録商標)22)、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール、並びにそれらの工業グレード混合物であり、これらは例えばRoelenのオキソ合成からの脂肪及び油又はアルデヒドをベースとする工業グレードメチルエステルの高圧水素化において、また不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー画分として得られる。特に好ましい脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びセテアリルアルコールである。グリセリルエステルの例は、ラウリン酸グリセリル、例えばMonomuls(登録商標)90-L-12、オレイン酸グリセリル、例えばMonomuls(登録商標)90-O 18、ステアリン酸グリセリル、例えばCutina(登録商標)GMS V及びCutina(登録商標)GMS V/MB、ジステアリン酸グリコール、例えばCutina(登録商標)AGS、ステアリン酸ソルビタン、例えばDehymuls(登録商標)SMS、Cutina(登録商標)HVGである。
【0097】
特に好ましいレオロジー調整剤は、アニオン性、非イオン性又はカチオン性の合成及び/又は天然ポリマーのポリマー群から選択されるもの、特にポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、並びにポリサッカリドにより形成される群から選択されるものである。
【0098】
有機物質の群のうち、レオロジー調整剤は、より好ましくは脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル、並びにワックスエステルである。
【0099】
特に好ましい実施形態において、b1)内のベース混合物は、様々なレオロジー調整剤の組合せを含み、レオロジー調整剤の1つは、場合により化学修飾されたヘクトライト及びベントナイトにより形成される無機物質の上で定義された群から選択される。そのような組合せは、ベース混合物及び製造される化粧品製剤の両方の熱安定性及び長期安定性を改善し得る。
【0100】
レオロジー調整剤の好ましい組合せは、アニオン性、非イオン性又はカチオン性の合成及び/若しくは天然ポリマーで場合により疎水性修飾されていてもよいヘクトライト及び/若しくはベントナイトの混合物、又は、脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/若しくはトリ-脂肪酸エステル、並びにワックスエステルの群から選択される有機物質で場合により疎水性修飾されていてもよいヘクトライト及び/若しくはベントナイトの混合物である。
【0101】
レオロジー調整剤の特に好ましい組合せは、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー並びにポリサッカリドの群から選択されるポリマーで場合により疎水性修飾されているヘクトライト及び/又はベントナイトの混合物、並びに、脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル並びにワックスエステルの群から選択される有機物質で場合により疎水性修飾されていてもよいヘクトライト及び/又はベントナイトの混合物である。
【0102】
b1)内のベース混合物中の量
本発明の文脈において、b1)内のベース混合物は、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤を含み、皮膚軟化剤:界面活性物質の重量比は、好ましくは1:4~25:1の範囲内である。本発明の一実施形態において、b1)内の皮膚用化粧品製剤、例えばスキンローションの製造のためのベース混合物は、好ましくは、1:1~25:1、より好ましくは1.5:1~12:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質の重量比を含む。本発明のさらなる実施形態において、b1)内の毛髪用製剤(コンディショナー製剤)の製造のためのベース混合物は、好ましくは、1:2~2:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質の重量比を含む。
【0103】
b1)内のベース混合物が1:10~10:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質+レオロジー調整剤の重量比を有する場合、特に好適である。本発明の一実施形態において、皮膚用製剤の製造のためのb1)内のベース混合物は、好ましくは、1:1~7:1の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質+レオロジー調整剤の重量比を含む。本発明のさらなる実施形態において、b1)内の毛髪用製剤(コンディショナー製剤)の製造のためのベース混合物は、好ましくは1:10~2:1、より好ましくは1:10~1:1、特に好ましくは1:5~1:3の範囲内の皮膚軟化剤:界面活性物質+レオロジー調整剤の重量比を含む。
【0104】
さらなる化粧品成分
b1)内のベース混合物は、さらなる化粧品成分を含んでもよい。本発明の文脈における化粧品成分は、化粧品補助剤及び添加剤又は他の活性化粧品成分であってもよい。
【0105】
b1)内のベース混合物は、好ましくは、化粧品において慣習的に使用される補助剤及び添加剤、例えば水、安定剤、溶媒、可溶化剤、保存剤、中和剤及び緩衝剤、錯化剤等を含む。
【0106】
化粧品補助剤及び添加剤
中和剤及び緩衝剤
好適な中和剤の例は、化粧品産業において知られている適合した酸又は塩基であり、化粧品規則(Cosmetics Directive)にも同様に列挙されている。緩衝剤は、化粧品製剤のpH安定性を確実にする。主にクエン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤及びリン酸緩衝剤が使用される。
【0107】
保存剤
好適な保存剤は、例えば、エタノール、イソプロパノール、フェノキシエタノール、フェノキシエタノールとメチルジブロモグルタロニトリルとの組合せ、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール又はソルビン酸、安息香酸及びその塩、ベンジルアルコール、サリチル酸ベンジル、尿素縮合物、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸、メチルチアゾリノン又はソルビン酸及びその塩、並びにSurfacine(登録商標)の名称で知られている銀錯体、並びに化粧品規則の附則6、パートA及びBに列挙されるさらなる物質クラスである。さらに、保存助剤として機能する物質、例えばエチルヘキシルグリセリン及びカプリリルグリコール、並びにポリオール又はアルコール、例えばイソプロピルアルコール、プロパンジオール、フェニルプロパノール、フェネチルアルコール及びウンデシルアルコール、並びにSurfacine(登録商標)の名称で知られている銀錯体が使用される。さらに、保存剤として好適なのは、5~8個の炭素原子を有する1,2-アルカンジオールであり、これはWO07/048757に記載されている。
【0108】
本発明の文脈において有利な保存剤は、例えば、ホルムアルデヒド放出物質(例えばGlydant(登録商標)の商標(Lonza)で市販されているDMDMヒダントイン等)、ヨードプロピルブチルカルバメート(例えば、Glycacil-L(登録商標)、Glycacil-S(登録商標)(Lonza)、Dekaben(登録商標)LMB(Jan Dekker))、パラベン(アルキルp-ヒドロキシベンゾエート、例えばメチル-、エチル-、プロピル-及び/又はブチルパラベン)、デヒドロ酢酸(Euxyl(登録商標)K702(Schulke&Mayr)、フェノキシエタノール、エタノール、安息香酸である。また、保存助剤と呼ばれるもの、例えばオクトキシグリセリン、グリシン、大豆等を使用することも有利である。
【0109】
以下の表は、好適である可能な保存剤の概要を示している。
【0110】
【表1】
【0111】
同じく有利なのは、化粧品において一般的に使用されている保存剤又は保存助剤、例えばジブロモジシアノブタン(2-ブロモ-2-ブロモメチルグルタロジニトリル)、フェノキシエタノール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、イミダゾリジニル尿素、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-クロロアセトアミド、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、サリチル酸及びサリチレートである。
【0112】
特に好ましい保存剤は、安息香酸ナトリウム、パラベン(メチル-、エチル-、プロピル-及び/若しくはブチルパラベン)並びに/又はフェノキシエタノールである。
【0113】
錯化剤
好適な錯化剤は、エチレンジアミン四酢酸の塩、ニトリロ三酢酸の塩、イミノジコハク酸の塩、又はホスフェートである。
【0114】
安定剤
使用される安定剤は、エマルジョン安定性を改善するために、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸/リシノール酸マグネシウム、ステアリン酸/リシノール酸アルミニウム、及び/又はステアリン酸/リシノール酸亜鉛であってもよいが、製剤の変色又は臭いの変化を防止するために、光安定剤としてのクエン酸トリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)等の化合物であってもよい。
【0115】
可溶化剤
使用される可溶化剤は、例えば、ヒマシ油又は水添ヒマシ油への20~60のエトキシル化レベルを有するエチレンオキシド付加物、8~40個の炭素原子を有する脂肪アルコール又は12~40個の炭素原子を有する脂肪アルコール又はアルキル基内に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、2~20のエチレンオキシド単位及び1~20モルのプロピレンオキシド単位を有するエチレンオキシド付加物及び/又はプロピレンオキシド付加物であってもよい。同じく好適なのは、グリセロール又はポリグリセロール又はソルビタンのC12~C18脂肪酸モノ-及びジエステルへの、1~50モルのエチレンオキシド単位のエチレンオキシド付加物である。優先的に好適な可溶化剤は、Eumulgin(登録商標)HRE40(INCI:PEG-40水添ヒマシ油)、Eumulgin(登録商標)HRE60(INCI:PEG-60水添ヒマシ油)、Eumulgin(登録商標)L(INCI:PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル)、及びEumulgin(登録商標)SML20(INCI:ポリソルベート-20)である。
【0116】
溶媒
好適な溶媒は、アルコール、例えばエタノール、プロパンジオール又はグリセロールである。
【0117】

本発明の文脈において、b1)内のベース混合物中の成分として水も同様に存在し得る。本明細書において、水は、「溶媒」という用語から明示的に除外され、それに含まれない。さらに、水の量は、本明細書において明示的に述べられている。
【0118】
活性化粧品成分
b1)内のベース混合物は、化粧品製剤のパーソナライズに利用される活性化粧品成分、例えば活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤をすでに含んでもよい。これは、例えば、使用者の要求又は所望の効果に従って、極めて多量の活性化粧品成分が化粧品製剤中に存在すべき場合に有利である。
【0119】
UV光保護フィルター
好適なUV光保護フィルターは、紫外線を吸収して、吸収したエネルギーを再びより長波長の放射線、例えば熱の形態で放出することができる、室温で液体又は結晶性(光保護フィルター)である有機物質である。UVフィルターは、油溶性又は水溶性であってもよい。典型的な油溶性UV-Bフィルター又は広域スペクトルUV-A/Bフィルターの例は、
3-ベンジリデンカンファ又は3-ベンジリデンノルカンファ(Mexoryl SDS20)及びそれらの誘導体、例えばEP0693471B1に記載の3-(4-メチルベンジリデン)カンファ;
3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルサルフェート(Mexoryl SO);
3,3'-(1,4-フェニレンジメチン)ビス(7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸)及び塩(Mexoryl SX);
3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩(Mexoryl SL);
N-{(2及び4)-[2-オキソボルン-3-イリデン)メチル}ベンジル]アクリルアミドのポリマー(Mexoryl SW);
2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール;
4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-オクチル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート及びアミル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート;
桂皮酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、プロピル4-メトキシシンナメート、イソアミル4-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-フェニルシンナメート(オクトクリレン);
サリチル酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシルサリチレート、4-イソプロピルベンジルサリチレート、ホモメンチルサリチレート;
ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
ベンザルマロン酸のエステル、好ましくはジ-2-エチルヘキシル4-メトキシベンズマロネート;
トリアジン誘導体、例えばEP0818450A1に記載の2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン及び2,4,6-トリス[p-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン(Uvinul T150)、又はビス(2-エチルヘキシル)4,4'-[(6-[4-((1,1-ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]ベンゾエート(Uvasorb(登録商標)HEB);
2,2-(メチレンビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)(Tinosorb M);
2,4-ビス[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinosorb S);
プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;
EP0694521B1に記載のケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体;
ジメチコジエチルベンザルマロネート(Parsol SLX)
を含む。
【0120】
有用な水溶性UVフィルターは、
2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカンモニウム塩;
2,2-(1,4-フェニレン)ビス(1H-ベンズイミダゾール-4,6-ジスルホン酸、一ナトリウム塩)(Neo Heliopan AP);
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩;
3-ベンジリデンカンファのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸並びにそれらの塩
を含む。
【0121】
有用な典型的UVAフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、及びDE19712033A1(BASF)に記載のエナミン化合物、並びに安息香酸2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A plus)である。
【0122】
当然ながら、UVA及びUVBフィルターもまた、混合物において使用され得る。特に有利な組合せは、桂皮酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート及び/又はプロピル4-メトキシシンナメート及び/又はイソアミル4-メトキシシンナメートと組み合わせたベンゾイルメタンの誘導体、例えば4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)及び2-エチルヘキシル 2-シアノ-3,3-フェニルシンナメート(オクトクリレン)からなる。この種類の組合せは、水溶性フィルター、例えば2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカンモニウム塩と有利に組み合わされる。
【0123】
好適なUV光保護フィルターは、特に、ここで明示的に参照される委員会規則(Commission Directive)の附則VII(バージョン:その附則VIIを技術的進歩に適合させる目的で化粧品に関してCouncil Directive 76/768/EECを補正した2005年1月28日のCommission Directive 2005/9/EC)に従って承認された物質である。
【0124】
言及された可溶性物質に加えて、不溶性光保護顔料、具体的には微細に分散した金属酸化物及び塩もまた、この目的に有用である。好適な金属酸化物の例は、特に酸化亜鉛及び二酸化チタンであり、さらに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム及びセリウムの酸化物、並びにそれらの混合物である。使用される塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウム又はステアリン酸亜鉛であってもよい。酸化物及び塩は、スキンケア及び皮膚保護エマルジョン用、並びに装飾化粧品用の顔料の形態で使用される。粒子は、100nm未満、好ましくは5~50nm、特に15~30nmの平均直径を有するべきである。それらは、球形状を有するが、楕円形状、又はいくつかの他の様式で球の構成から逸脱した形状を有する粒子を使用することも可能である。顔料はまた、表面処理形態、すなわち親水又は疎水処理形態であってもよい。典型的な例は、被覆二酸化チタン、例えばT805二酸化チタン(Degussa)又はEusolex(登録商標)T、Eusolex(登録商標)T-2000、Eusolex(登録商標)T-Aqua、Eusolex(登録商標)AVO、Eusolex(登録商標)T-ECO、Eusolex(登録商標)T-OLEO及びEusolex(登録商標)T-S(Merck)である。典型的な例は、酸化亜鉛、例えば酸化亜鉛ニュートラル、酸化亜鉛NDM(Symrise)又はZ-Cote(登録商標)(BASF)又はSUNZnO-AS及びSUNZnO-NAS(Sunjun Chemical Co. Ltd.)である。好適な疎水性コーティング剤は、特にシリコーン、具体的にはトリアルコキシオクチルシラン又はシメチコンである。日焼け防止組成物では、いわゆるマイクロ顔料又はナノ顔料の使用が好ましい。微細化酸化亜鉛の使用が好ましい。さらなる好適なUV光保護フィルターは、P. FinkelによるSOFW-Journal 122、8/1996、543~548頁、及びParf.Kosm.第80巻、第3号/1999、10~16頁におけるレビューに見出すことができる。
【0125】
一次光保護物質の2つの上述の群だけでなく、UV放射線が皮膚に侵入した場合に誘引される光化学連鎖反応を阻害する酸化防止剤型の二次光保護剤を使用することも可能である。その典型的な例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)及びその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びに非常に低い耐性用量(例えばpmol~mol/kg)でのスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、また(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、ガンマ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンA及び誘導体(パルミチン酸ビタミンA)、並びにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛及びその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、並びに本発明に従い好適なこれらの特定の活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)である。
【0126】
これらのUV光保護フィルターは、例えば以下の商品名で市販されている:
NeoHeliopan(登録商標)MBC(INCI:4-メチルベンジリデンカンファ;製造者:Symrise);NeoHeliopan(登録商標)BB(INCI:ベンゾフェノン-3、製造者:Symrise);Parsol(登録商標)1789(INCI:ブチルメトキシジベンゾイルメタン、製造者:Hoffmann-La Roche(Givaudan);Tinosorb(登録商標)S(INCI:ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);Tinosorb(登録商標)M(INCI:メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール):製造者:BASF;Uvasorb(登録商標)HEB(INCI:ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、製造者:3V Inc.)、Uvinul(登録商標)T150(INCI:エチルヘキシルトリアゾン、製造者:BASF AG);Uvinul(登録商標)A plus(INCI:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、製造者:BASF AG;Mexoryl(登録商標)SO:3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルサルフェート、INCI:カンファベンザルコニウムメトサルフェート;Mexoryl(登録商標)SX:3,3'-(1,4-フェニレンジメチン)ビス(7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ-[2.2.1]-ヘプタン-1-メタンスルホン酸)、CTFA:INCIテレフタリリデンジカンファスルホン酸;Mexory(登録商標)SL:3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン、INCIベンジリデンカンファスルホン酸;Mexoryl(登録商標)SW:N-{(2及び4)-[2-オキソボルン-3-イリデン)メチル}ベンジル]アクリルアミドのポリマー、INCIポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファ;Mexoryl(登録商標)SL:2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール;INCI:ドロメトリゾールトリシロキサン;Parsol(登録商標)SLX:ジメチコジエチルベンザルマロネート、INCIポリシリコン-15。
【0127】
さらなる例は、顔料光フィルター、例えば無機顔料光フィルター、例えば二酸化チタン及び酸化亜鉛、並びに/又は有機顔料光フィルター、例えばメチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(Tinosorb M)である。
【0128】
セルフタンニング剤
セルフタンニング剤は、皮膚の褐色化を引き起こす物質を意味することが理解される。その例は、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース及びアルファ,ベータ-不飽和アルデヒドを含み、これらは皮膚内のアミノ酸とメイラード反応の様式で反応して、着色化合物を生成する。セルフタンニング剤の有用なさらなる活性成分は、天然又は合成ケトール又はアルドールを含む。好適な活性成分の例は、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、グリセロールアルデヒド、アロキサン、ヒドロキシメチルグリオキサール、ガンマ-ジアルデヒド、6-アルド-D-フルクトース、ニンヒドリン及びメソ-タルタルアルデヒドを含む。好適なセルフタンニング剤は、特にジヒドロキシアセトン及び/又はエリトルロースである。
【0129】
活性生体成分
存在する活性生体成分は、天然ベースの活性成分、好ましくは皮膚特性を改善するもの、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸及びその断片化生成物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物エキス、例えばアロエベラ、落花生エキス、バンバラ豆エキス及びビタミン複合体であってもよい。
【0130】
以下の活性生体成分は、皮膚用の保湿剤として好適である:AMC(登録商標)Advanced Moisture Complex NP(INCI:グリセリン(及び)水(及び)ナトリウムPCA(及び)尿素(及び)トレハロース(及び)ヘキシレングリコール(及び)ポリクオタニウム-51(及び)トリアセチン(及び)カプリリルグリコール(及び)ヒアルロン酸ナトリウム);Hyalurosmooth(登録商標)LS8998(INCI:水(及び)ホソバセンナ(Cassia Angustifolia)種子ポリサッカリド);Hyalurosmooth(登録商標)LS8997(INCI:ホソバセンナ(Cassia Angustifolia)種子ポリサッカリド);Irwinol(登録商標)(INCI:オクチルドデカノール(及び)アフリカマンゴノキ(Irvingia Gabonensis)核脂(及び)水添ココグリセリル);Lipofructyl(登録商標)Argan(INCI:アルガニアスピノサ(Argania Spinosa)核油);Melhydran(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ハチミツエキス(及び)グリセリン(及び)尿素(及び)乳酸ナトリウム(及び)アルギニンHCl(及び)リシンHCl(及び)オルニチンHCl);Oligolin(登録商標)(INCI:加水分解アマ種子エキス);PatcH2O(登録商標)(INCI:水(及び)グリセリン(及び)トレハロース(及び)尿素(及び)セリン(及び)ペンチレングリコール(及び)ポリアクリル酸グリセリル(及び)アルギン(及び)カプリリルグリコール(及び)ヒアルロン酸ナトリウム(及び)プルラン(及び)リン酸二ナトリウム(及び)リン酸カリウム);Relipidium(登録商標)(INCI:加水分解酵母タンパク(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール);Sphingoceryl(登録商標)VEG(INCI:オクチルドデカノール(及び)水添ココグリセリル(及び)ヒマワリ(Helianthus Annuus)種子エキス)。
【0131】
以下の活性生体成分は、老化防止剤として好適である:AH-Care(登録商標)(INCI:水(及び)乳酸(及び)アルギニン);Argassential(登録商標)(INCI:アルガニアスピノサ(Argania Spinosa)果実エキス(及び)ジカプリリルエーテル(及び)ソルビトール(及び)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(及び)ラウリルグルコシド(及び)グリセリン(及び)水);Argatensyl(登録商標)(INCI:アルガニアスピノサ(Argania Spinosa)核エキス(及び)ココイルグルタミン酸Na);Collalift(登録商標)18(INCI:グリセリン(及び)水(及び)カーヤセネガレンシス(Khaya Senegalensis)樹皮エキス(及び)マルトデキストリン);Deliner(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)トウモロコシ(Zea Mays)核エキス(及び)キサンタンガム);Dermagenist(登録商標)(INCI:マルトデキストリン(及び)マヨラナ(Origanum Majorana)エキス);Dermican(登録商標)LS9837(INCI:グリセリン(及び)水(及び)アセチルテトラペプチド-9);Dermican(登録商標)LS9838(INCI:マンニトール(及び)アセチルテトラペプチド-9);Elestan(登録商標)LS9913(INCI:グリセリン(及び)マニルカラムルチネルビス(Manilkara Multinervis)葉エキス(及び)水);Elestan(登録商標)LS 9879(INCI:マニルカラムルチネルビス(Manilkara Multinervis)葉エキス(及び)マルトデキストリン);Eperuline(登録商標)(INCI:マルトデキストリン(及び)エペルアファルカタ(Eperua Falcata)樹皮エキス);Epigenist(登録商標)(INCI:マルトデキストリン(及び)バンバラマメ(Voandzeia Subterranea)種子エキス);Hyalufix(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ナンキョウソウ(Alpinia Galanga)エキス(及び)ペンチレングリコール(及び)キサンタンガム(及び)トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、Hyaluronic Filling Spheres(登録商標)(INCI:パルミチン酸エチルヘキシル(及び)トリヒドロキシステアリン(及び)ヒアルロン酸ナトリウム);Linefactor(登録商標)C(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)トロロアオイモドキ(Hibiscus Abelmoschus)エキス(及び)キサンタンガム);Lox-Age(登録商標)(INCI:水(及び)キクニガナ(Cichorium Intybus)葉エキス(及び)ヘキシレングリコール(及び)カプリリルグリコール(及び)キサンタンガム);Lys'lastine(登録商標)V(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)イノンド(Peucedanum Graveolens)エキス(及び)ペンチレングリコール(及び)キサンタンガム);Myoxinol(登録商標)(INCI:加水分解オクラ(Hibiscus Esculentus)エキス(及び)デキストリン);Neurobiox(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)セイヨウノコギリソウ(Achillea Millefolium)エキス(及び)キサンタンガム);Oligolin(登録商標)(INCI:加水分解アマ種子エキス);Perlaura(登録商標)(INCI:水(及び)イブキトラノオ(Polygonum Bistorta)根エキス(及び)ヘキシレングリコール(及び)カプリリルグリコール(及び)キサンタンガム);Phytokine(登録商標)(INCI:水添大豆タンパク(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)1,2-ヘキサンジオール(及び)カプリリルグリコール);Proteasyl(登録商標)LS9818(INCI:水(及び)グリセリン(及び)エンドウ(Pisum Sativum)エキス);Proteasyl(登録商標)LS8951(INCI:エンドウ(Pisum Sativum)エキス(及び)シクロデキストリン); Shadownyl(登録商標)(INCI:水(及び)ヒバマタ(Fucus Vesiculosus)エキス(及び)ヘキシレングリコール(及び)カプリリルグリコール(及び)キサンタンガム);Slim-Excess(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)塩化ナトリウム(及び)加水分解紅藻(Rhodophycea)エキス(及び)キサンタンガム);Speci'Men(登録商標)(INCI:グリセリン(及び)水(及び)加水分解バオバブ(Adansonia Digitata)エキス);Sqisandryl(登録商標)(INCI:チョウセンゴミシ(Schizandra Chinensis)果実エキス);Syniorage(登録商標)(INCI:マンニトール(及び)アセチルテトラペプチド-11);Ultra Filling Sphreres(登録商標)(INCI:パルミチン酸エチルヘキシル(及び)トリヒドロキシステアリン(及び)ヒアルロン酸ナトリウム(及び)グルコマンナン);Vegeseryl(登録商標)HGP(INCI:水(及び)ダイズタンパク(及び)ココイルグルタミン酸Na(及び)エチルヘキシルグリセリン);Vit-A-Like(登録商標)LS9793(INCI:水(及び)モスビーン(Vigna Aconitifolia)種子エキス(及び)ココイルグルタミン酸Na);Vit-A-Like(登録商標)LS9898(INCI:モスビーン(Vigna Aconitifolia)種子エキス(及び)マルトデキストリン);X-pressin(登録商標)R(INCI:水(及び)パパイン(及び)カルボマー(及び)カプリリルグリコール(及び)アルギン)。
【0132】
皮膚を改善する(スキンパーフェクション)ための好適な活性生体成分は、AH-Care(登録商標)(INCI:水(及び)乳酸(及び)アルギニン);Beta-Hydroxyde(登録商標)ACSD(INCI:サリチル酸(及び)アラビアゴム);Betapur(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ボルド(Peumus Boldus)葉エキス(及び)ペンチレングリコール(及び)キサンタンガム);Biophytex(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)パンテノール(及び)エスシン(及び)グリセリン(及び)ナギイカダ(Ruscus Aculeatus)根エキス(及び)グリチルリチン酸アンモニウム(及び)ツボクサ(Centella Asiatica)葉エキス(及び)加水分解酵母タンパク(及び)トウキンセンカ(Calendula Officinalis)花エキス);Lox-Age(登録商標)(INCI:水(及び)キクニガナ(Cichorium Intybus)葉エキス(及び)ヘキシレングリコール(及び)カプリリルグリコール(及び)キサンタンガム);Mat-XS(登録商標) Clinical(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)サルコシン(及び)キサンタンガム);Neurobiox(登録商標)(INCI:水(及び)ブチレングリコール(及び)ペンチレングリコール(及び)セイヨウノコギリソウ(Achillea Millefolium)エキス(及び)キサンタンガム;X-pressin(登録商標)C(INCI:水(及び)パパイン(及び)カルボマー(及び)カプリリルグリコール(及び)アルギン)である。
【0133】
保湿剤
保湿剤は、水に結合することができ、したがって蒸発を防止する。
【0134】
好適な保湿剤は、2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を有するポリオール、例えばグリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール又はキシリトールである。
【0135】
防虫剤
有用な防虫剤の例は、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール又はエチル3-(N-n-ブチル-N-アセチルアミノ)プロピオネート(これはMerck KGaAによりInsect Repellent(登録商標)3535の名称で販売されている)、及びブチルアセチルアミノプロピオネートを含む。
【0136】
チロシン阻害剤
メラニンの形成を防止し、脱色素剤としての用途が見出される有用なチロシン阻害剤の例は、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマル酸及びアスコルビン酸(ビタミンC)を含む。
【0137】
香油
香油は、天然及び合成臭気物質の混合物を含む。天然臭気物質は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウエイ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス)、木(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー材、シタン)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、低マツ)、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)のエキスである。同じく好適なのは、動物原材料、例えばジャコウ及びビーバーである。典型的な合成臭気物質化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素型の生成物である。エステル型の臭気物質化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテルは、例えばベンジルエチルエーテルを含み、アルデヒドは、例えば8~18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールを含み、ケトンは、例えばイオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンを含み、アルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールを含み、炭化水素は、主にテルペン及びバルサムを含む。しかしながら、一緒になって心地よい香りを生成する異なる臭気物質の混合物の使用が好ましい。ほとんどの場合香気成分として使用される比較的低揮発性の精油もまた香油として好適であり、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ハッカ油、シナモンリーフ油、リンデンブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油及びラバンジン油がある。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、へジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラベンジン油、サルビア油、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックス・ケウアー(Vertofix Coeur)、イソ-E-スーパー(Iso-E-Super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エベルニル(evernyl)、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミレート(romillate)、イロチル(irotyl)及びフロラメート(floramate)を単独又は混合物として使用することが好ましい。好適な香気の例は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、スターアニス油、キャラウェイ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、レモン油、ウィンターグリーン油、クローブ油、メントール等を含む。
【0138】
膜形成剤
好適な膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶性キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、並びに類似の化合物である。
【0139】
染料
使用され得る染料は、例えばFarbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft[ドイツ染料研究学会]からの出版物「Kosmetische Farbemittel」[化粧品着色剤]、Verlag Chemie、Weinheim、1984、81~106頁に列挙されているような、化粧品目的に承認され好適な物質である。その例は、コチニールレッドA(C.I.16255)、パテントブルーV(C.I.42051)、インジゴチン(C.I.73015)、クロロフィリン(C.I.75810)、キノリンイエロー(C.I.47005)、二酸化チタン(C.I.77891)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)及びマダーレーキ(C.I.58000)である。発光染料として、ルミノールが存在してもよい。これらの染料は、通常、全混合物を基準として0.001重量%~0.1重量%の濃度で使用される。
【0140】
効果顔料
顔料が存在してもよい。好ましい粒子サイズは、0.01~200μm、特に0.02~150μm、より好ましくは0.05~100μmである。
【0141】
顔料は、塗布媒体中に事実上不溶性である着色剤であり、無機顔料又は有機顔料であってもよい。無機-有機混合顔料もまた可能である。無機顔料が好ましい。
【0142】
無機顔料の利点は、その優れた光安定性、耐候安定性及び熱安定性である。無機顔料は、天然起源であってもよく、例えば白亜、黄土、アンバー、緑土、バーントシエナ又はグラファイトから調製され得る。顔料は、白色顔料、例えば二酸化チタン又は酸化亜鉛等、黒色顔料、例えば黒色酸化鉄等、着色顔料、例えばウルトラマリン又は赤色酸化鉄等、光沢顔料、金属効果顔料、真珠光沢顔料及び蛍光又はリン光顔料であってもよく、好ましくは、少なくとも1つの顔料は非白色の着色顔料である。
【0143】
金属酸化物、水酸化物及び水和酸化物、混合相顔料、硫黄含有シリケート、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩及びモリブデン酸塩、並びに金属自体(ブロンズ顔料)が好適である。特に好適なのは、二酸化チタン(CI77891)、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色及び褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、CI77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化第二鉄、CI77510)、カルミン(コチニール)である。
【0144】
特に好ましいのは、マイカベース又はボロシリケートベースの真珠光沢顔料及び着色顔料であり、これらは、金属酸化物又は金属オキシ塩化物、例えば二酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆され、また適切な場合にはさらなる色素付与物質、例えば酸化鉄、紺青、ウルトラマリン、カルミン等で被覆され、色は層厚を変化させることにより決定され得る。そのような顔料は、例えば、MerckによりRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Dichrona(登録商標)及びTimiron(登録商標)の商品名で、又はBASFによりReflecks(登録商標) Cloisonne(登録商標)、Timica(登録商標)、Chione(登録商標)、Pearl-Glo(登録商標)若しくはBi-Lite(登録商標)の商品名で販売されている。
【0145】
有機顔料は、例えば、天然顔料セピア、雌黄、骨炭、カッセルブラウン、インジゴ、クロロフィル及び他の植物顔料である。
【0146】
合成有機顔料は、例えば、アゾ顔料、アントラキノイド、インジゴイド、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレン及びペリノン、金属錯体、アルカリブルー及びジケトピロロピロール顔料である。
【0147】
特に好適なのは、例えば、シリカ、シリケート、アルミネート、アルミナ、マイカ、塩、特に有機金属塩、金属酸化物、例えば二酸化チタンであり、場合により蛍光又はリン光顔料と組み合わされてもよい。
【0148】
感覚添加剤(sensory additive)
好適な感覚添加剤の例は、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、タポカ(Tapoca)、ジメチコン及びジメチコンクロスポリマー又はポリメチルシルセスキオキサンを含む。
【0149】
冷却剤
好適な冷却剤の例は、エタノール、メントール及び/又はカンファを含む。
【0150】
活性化粧品成分は、活性物質として計算して、0重量%~50重量%、好ましくは30重量%までの量でb1)内のベース混合物中に存在し得る。水を含まない化粧品補助剤及び添加剤は、0重量%~25重量%の量で存在し得る。水は、化粧品の適用に応じて0重量%~75重量%、好ましくは0.5重量%~70重量%の量でベース混合物中に存在し得る。
【0151】
b1)内には、好ましくは、
0.5重量%~75重量%の皮膚軟化剤、
1.0重量%~30重量%の界面活性物質、
1.5重量%~30重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~50重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
0重量%~90重量%の水
が、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で存在する。
【0152】
本発明のプロセスにより化粧品製剤として日焼け防止剤が本発明に従い製造される場合、有利には、b1)内のベース混合物中には、
10重量%~60重量%の皮膚軟化剤、
3重量%~30重量%の界面活性物質、好ましくはアニオン性及び非イオン性界面活性物質、
1.5重量%~8重量%のレオロジー調整剤、
5重量%~50重量%のUVフィルター及び場合によりさらなる活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~40重量%の水
が、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で存在する。
【0153】
特に好ましくは、b1)内の日焼け防止剤の製造のためのベース混合物は、
10重量%~60重量%の、直鎖及び/若しくは分岐状C6~C18脂肪酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステル、ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐状アルコールとのエステル、並びに/又は直鎖及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカーボネート、特に1~18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールのアジピン酸エステル、セバシン酸エステル又はリンゴ酸エステル、安息香酸と直鎖及び/又は分岐状C6~C22アルコールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステルにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤、
1重量%~20重量%の、アルキルポリエチレングリコールエーテルシトレート、グルタミン酸アシルの塩、12~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩、アルキルサルフェート及びアルキルホスフェートの塩、並びにステアリン酸グリセリルのクエン酸エステルにより形成される群から選択されるアニオン性界面活性剤、
1重量%~20重量%の非イオン性界面活性物質、好ましくはポリグリセリルエステル、スクロースエステル、エトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化脂肪酸並びにアルキル(オリゴ)グルコシドにより形成される群からのもの、
1.5重量%~8重量%の、好ましくは、場合により疎水性修飾されているヘクトライト及び/又はベントナイト、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、ポリサッカリド、脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル及びワックスエステルにより形成される群から選択されるレオロジー調整剤、
5重量%~50重量%のUVフィルター及び場合によりさらなる活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~40重量%の水
を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で3重量%~30重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含む。
【0154】
本発明のプロセスによりスキンローションが製造される場合、有利には、b1)内のベース混合物中には、
15重量%~75重量%の皮膚軟化剤、
1重量%~20重量%の界面活性物質、
2重量%~30重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~70重量%の水
が、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で存在し、より好ましくは、b1)内のベース混合物中には、
15重量%~75重量%の少なくとも1種の皮膚軟化剤、
0.5重量%~15重量%の非イオン性界面活性物質、
0.5重量%~15重量%のアニオン性界面活性物質、
2重量%~30重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、並びに
0重量%~70重量%の水
が、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で1重量%~20重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で存在する。
【0155】
より好ましくは、スキンローションの製造に好適なb1)内のベース混合物は、
15重量%~75重量%の、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、例えばアジピン酸ジブチル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、例えば炭酸ジカプリル、炭化水素、例えばウンデカン/トリデカン、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、例えばステアリン酸エチルヘキシル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、例えばトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、植物性油脂、例えばシアバター、並びに6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコール、例えばオクチルドデカノールにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤、
0.5重量%~15重量%の非イオン性界面活性物質、ポリグリセリルエステル、スクロースエステル、エトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化脂肪酸並びにアルキル(オリゴ)グルコシドにより形成される群からのもの、
0.5重量%~15重量%のアニオン性界面活性剤、アルキルポリアルキレングリコールエーテルシトレート、グルタミン酸アシルの塩、12~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩、アルキルサルフェート及びアルキルホスフェートの塩、並びにステアリン酸グリセリルのクエン酸エステルにより形成される群から選択されるもの、
2重量%~30重量%の、好ましくは、場合により疎水性修飾されているヘクトライト及び/又はベントナイト、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、ポリサッカリド、脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル及びワックスエステルにより形成される群から選択されるレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~70重量%の水
を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で1重量%~20重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含む。
【0156】
本発明のプロセスにより特に毛髪用のコンディショナー製剤が製造される場合、有利には、b1)内のベース混合物中には、
0.5重量%~10重量%の皮膚軟化剤、
3.0重量%~20重量%の界面活性物質、
3.0重量%~20重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~90重量%の水
が、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で存在する。
【0157】
特に好ましいのは、ベース混合物b1)内に、
0.5重量%~10重量%の皮膚軟化剤、
3.0重量%~20重量%の界面活性物質、
3.0重量%~20重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
50重量%~80重量%の水
を、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含む、特に毛髪用のコンディショナー製剤の製造のための方法である。
【0158】
本発明の方法により製造される化粧品製剤はベース混合物をb1)内に、化粧品製剤を基準として少なくとも5重量%~80重量%以下、好ましくは少なくとも10重量%~最大70重量%、特に少なくとも15重量%~60重量%以下の量で含む。
【0159】
b2)パーソナライズのための化粧品活性成分を有する分注容器
本発明の方法において、化粧品製剤は、化粧品製剤の効果に対する最終使用者の要求に応じて、最終使用者によりその組成に関して部分的に決定(「パーソナライズ」)される。
【0160】
一実施形態において、パーソナライズは、活性化粧品成分により達成することができ、すなわち活性化粧品成分はパーソナライズに利用される。例えば、最終使用者が特に保湿性の化粧品製剤を要求又は所望する場合、これは、例えば分注容器b2)内に保湿剤が存在することで本発明の方法によって満たすことができる。保湿性サンミルク製剤の要求又は所望は、例えば分注容器b2)内にUVフィルター及び保湿剤が存在することで本発明の方法によって満たすことができる。
【0161】
したがって、容器b2)は、最終使用者の要求又は所望に応じてパーソナライズのための多数の活性化粧品成分を含み得る。好ましくは、b2)内の活性化粧品成分の量は、化粧品製剤を基準として少なくとも1重量%~20重量%以下、好ましくは少なくとも2重量%~15重量%以下、特に少なくとも3重量%~12重量%以下である。
【0162】
パーソナライズのためのb2)に対する好適な活性化粧品成分は、すでにb1)に対する活性化粧品成分に関連して説明されており、好ましくは、活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される。好適な化合物は、例としてb1)内のベース混合物に関連して説明されており、ここでそれに対する明示的な参照がなされる。参照はまた、b1)において説明された特に好適な化合物及びその混合物にもここで明示的になされる。
【0163】
所望により、b2)が、ベース混合物に関連して説明された化粧品において慣習的に使用される補助剤及び添加剤、例えば、水、安定剤、溶媒、可溶化剤、保存剤、中和剤及び緩衝剤、香油、染料、保湿剤、錯化剤等を含むことも可能である。好適な化合物は、例としてb1)内のベース混合物に関連して説明されており、ここでそれに対する明示的な参照がなされる。参照はまた、b1)において説明された特に好適な化合物及びその混合物にもここで明示的になされる。
【0164】
本発明の特定の実施形態は、(最終)使用者が高い割合の皮膚軟化剤及び/又は活性化粧品成分を所望する化粧品製剤に関する。最終使用者が、例えば、b1)内のベース混合物からのUVフィルターにより達成され得る光保護係数より高い、非常に高い光保護係数を有するフェイスクリームを所望する場合、これは、b2)内のさらなるUVフィルターにより達成され得る。この目的に好適な化合物は、上記で説明されたベース混合物に関連してUVフィルターの項で説明されたものであり、ここでそれらへの明示的な参照がなされる。特に好適なのは、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール及びジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエートにより形成される群から選択されるさらなるUVフィルターである。(最終)使用者が特に高濃度の化粧品製剤、例えばb1)内のベース混合物からの皮膚軟化剤により達成され得るものより高い割合の皮膚軟化剤を有するフェイスクリームを所望する場合、この種のパーソナライズは、b2)内のさらなる皮膚軟化剤により達成され得る。好適な皮膚軟化剤は、例としてベース混合物に関連して説明されており、ここでそれらに対する明示的な参照がなされる。ここで、特に好適な皮膚軟化剤はまた、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのカーボネート、例えば炭酸ジカプリリル又は炭酸ジプロピルヘプチル、炭化水素、例えばウンデカン/トリデカン、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、及び6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコールにより形成される群から選択されるものである。
【0165】
換言すれば、本発明の文脈におけるパーソナライズは、活性化粧品成分の使用により達成することができ、活性化粧品成分は、b1)及びb2)内、又は別様にはb2)内のみに有することが可能である。
【0166】
本発明のさらなる実施形態において、分注デバイスb)は、さらなる分注容器b3)、及び場合により分注容器b4)を備えてもよく、好ましくはさらなる分注容器b3)を備える。化粧品製剤に対する最終使用者の要求に応じて、方法は、活性化粧品成分又は化粧品補助剤及び添加剤が分注容器b3)及び場合によりb4)内に存在するように実行され得る。パーソナライズのためのb3)及び場合によりb4)に対する好適な活性化粧品成分は、すでにb1)及び/又はb2)に関連して説明されており、好ましい活性化粧品成分は、活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料、保湿剤により形成される群から選択されるものである。好適な化合物は、例としてベース混合物に関連して説明されており、ここでそれに対する明示的な参照がなされる。参照はまた、b1)において説明された特に好適な化合物及びその混合物にもここで明示的になされる。
【0167】
したがって、本発明の方法により、例えば活性化粧品成分が分注容器b3)及び場合によりb4)内に存在することで、化粧品製剤のパーソナライズを達成することができる。しかしながら、これらは、b1)及びb2)及びb3)及び場合によりb4)内に、又は別様にはb2)及びb3)及び場合によりb4)内のみに、又は別様にはb1)及びb2)内のみに存在することも可能である。
【0168】
所望により、b3)及び場合によりb4)が、b1)及び/又はb2)に関連して説明された化粧品において慣習的に使用される補助剤及び添加剤、例えば、水、安定剤、溶媒、可溶化剤、保存剤、中和剤及び緩衝剤、香油、染料、保湿剤、錯化剤等を含むことも可能である。好適な化合物は、例としてベース混合物に関連して説明されており、ここでそれに対する明示的な参照がなされる。参照はまた、ベース混合物として説明された特に好適な化合物及びその混合物にもここで明示的になされる。
【0169】
本発明の方法のさらなる構成において、容器b3)及び場合によりb4)は、追加のレオロジー調整剤又は別様には追加量の皮膚軟化剤を含んでもよい。好適なレオロジー調整剤は、例えば、上記で説明されたb1)内のベース混合物に関連してすでに言及されたレオロジー調整剤であり、ここでそれらへの明示的な参照がなされる。ここでも、特に好適なレオロジー調整剤は、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、ポリサッカリド、有機物質、例えば脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル及びワックスエステル、並びに場合により化学修飾されたヘクトライト及びベントナイトにより形成される群からの1種以上の化合物である。b3)及び/又はb4)におけるレオロジー調整剤の存在は、製造方法に対して、特に化粧品製剤の粘度制御のために有利な効果を有し得る。好適な皮膚軟化剤は、例えば、ここで明示的に参照されるベース混合物b1)又はb2)に関連してすでに上記で言及された皮膚軟化剤であり、好ましくは、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのカーボネート、例えば炭酸ジカプリリル又は炭酸ジプロピルヘプチル、炭化水素、例えばウンデカン/トリデカン、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、及び6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコールにより形成される群から選択されるものである。b3)及び場合によりb4)は、例えばスキンローションの製造のために多量の皮膚軟化剤が所望される場合、好ましくは皮膚軟化剤を追加的に含む。
【0170】
必要な場合、分注容器b3)又はb4)は、パーソナライズのための活性化粧品成分を、好ましくは化粧品製剤を基準として分注容器b3)又はb4)当たり0.01重量%~20重量%以下、好ましくは少なくとも0.5重量%且つ15重量%以下、特に少なくとも1重量%~最大12重量%の量で含む。これは、分注容器のそれぞれに対して、互いに独立して該当する。
【0171】
化粧品製剤としての日焼け防止剤の製造のための本発明の方法の好ましい実施形態において、ベース混合物b1)は、
10重量%~60重量%の少なくとも1種の皮膚軟化剤、
1重量%~20重量%のアニオン性界面活性物質、
1重量%~20重量%の非イオン性界面活性物質、
1.5重量%~8重量%のレオロジー調整剤、
5重量%~50重量%のUVフィルター及び場合によりさらなる活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤又は添加剤、及び
0重量%~40重量%の水
を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で3重量%~30重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、
b2)は、パーソナライズのための活性化粧品成分、化粧品補助剤及び添加剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)が、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含む。
【0172】
サンミルク製剤の製造のための本発明の極めて特定の副次的実施形態において、b1)は、
10重量%~60重量%の、好ましくは直鎖及び/若しくは分岐状C6~C18脂肪酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステル、ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐状アルコールとのエステル、並びに/又は直鎖及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカーボネート、特に1~18個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールのアジピン酸エステル、セバシン酸エステル又はリンゴ酸エステル、安息香酸と直鎖及び/又は分岐状C6~C22アルコールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖C6~C22脂肪アルコールとのエステルにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤、
1重量%~20重量%の、好ましくはアルキルポリエチレングリコールエーテルシトレート、グルタミン酸アシルの塩、12~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩、アルキルサルフェート及びアルキルホスフェートの塩、並びにステアリン酸グリセリルのクエン酸エステルにより形成される群から選択されるアニオン性界面活性剤、
1重量%~20重量%の非イオン性界面活性物質、好ましくはポリグリセリルエステル、スクロースエステル、エトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化脂肪酸並びにアルキル(オリゴ)グルコシドにより形成される群からのもの、
1.5重量%~8重量%の、好ましくは、場合により疎水性修飾されているヘクトライト及び/又はベントナイト、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、ポリサッカリド、脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル及びワックスエステルにより形成される群から選択されるレオロジー調整剤、
5重量%~50重量%のUVフィルター及び場合によりさらなる活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤又は添加剤、及び
0重量%~40重量%の水
で構成されるベース混合物を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で3重量%~30重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、
b2)は、好ましくは活性生体成分、保湿剤、香油、保存剤、UVフィルター、pH調整剤/緩衝剤、染料、皮膚軟化剤及び膜形成剤により形成される群から選択されるパーソナライズのための活性化粧品成分、化粧品補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含み、b3)及び場合によりb4)は、好ましくは活性生体成分、保湿剤、香油、保存剤、UVフィルター、pH調整剤/緩衝剤、染料、皮膚軟化剤及び膜形成剤により形成される群から選択されるパーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含む。
【0173】
化粧品製剤としてのスキンローションの製造のための本発明の方法の好ましい実施形態において、ベース混合物b1)は、
15重量%~75重量%の少なくとも1種の皮膚軟化剤、
0.5重量%~15重量%の非イオン性界面活性物質、
0.5重量%~15重量%のアニオン性界面活性物質、
2重量%~30重量%のレオロジー調整剤、
0.0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
0.0重量%~50重量%の活性化粧品成分、並びに
0.0重量%~70重量%の水
を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で1重量%~20重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、b2)は、パーソナライズのための活性化粧品成分、補助剤及び添加剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)は、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含む。
【0174】
スキンローション製剤の製造のための本発明のさらなる特定の副次的実施形態において、b1)は、
15重量%~75重量%の、好ましくはC2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、例えばアジピン酸ジブチル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、例えば炭酸ジカプリル、炭化水素、例えばウンデカン/トリデカン、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、例えばステアリン酸エチルヘキシル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、例えばトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、植物性油脂、例えばシアバター、並びに6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコール、例えばオクチルドデカノールにより形成される群から選択される少なくとも1種の皮膚軟化剤、
0.5重量%~15重量%の非イオン性界面活性物質、好ましくはポリグリセリルエステル、スクロースエステル、エトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化脂肪酸並びにアルキル(オリゴ)グルコシドにより形成される群からのもの、
0.5重量%~15重量%のアニオン性界面活性物質、好ましくはアルキルポリエチレングリコールエーテルシトレート、グルタミン酸アシルの塩、12~24個の炭素原子をアルキル基内に有するモノ-及びジアルキルスルホスクシネートの塩、アルキルサルフェート及びアルキルホスフェートの塩、並びにステアリン酸グリセリルのクエン酸エステルにより形成される群からのもの、
2重量%~30重量%の、好ましくは、場合により疎水性修飾されているヘクトライト及び/又はベントナイト、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、(メタ)アクリル酸及びポリエーテルアクリレートのコポリマー(ポリエーテル鎖はC8~C30-アルキル基で終端されている)、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩のコポリマー、ポリサッカリド、脂肪アルコール、グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリ-脂肪酸エステル及びワックスエステルにより形成される群から選択されるレオロジー調整剤、
0.0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、
0.0重量%~25重量%の活性化粧品成分、並びに
0.0重量%~70重量%の水
で構成されるベース混合物を、アニオン性及び非イオン性界面活性物質が合計で1重量%~20重量%以下となり、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、
b2)は、好ましくは活性生体成分、保湿剤、香油、保存剤、UVフィルター、pH調整剤/緩衝剤、染料、皮膚軟化剤及び膜形成剤により形成される群から選択されるパーソナライズのための活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含み、b3)及び場合によりb4)は、好ましくは活性生体成分、保湿剤、香油、保存剤、UVフィルター、pH調整剤/緩衝剤、染料、皮膚軟化剤及び膜形成剤により形成される群から選択されるパーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、補助剤及び添加剤、並びに皮膚軟化剤を含む。
【0175】
化粧品製剤としての、特に毛髪用のコンディショナー製剤の製造のための本発明の方法の好ましい実施形態において、b1)内に存在するベース混合物は、
0.5重量%~10重量%の皮膚軟化剤、
3.0重量%~20重量%の界面活性物質、
3.0重量%~20重量%のレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の活性化粧品成分、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
0重量%~90重量%の水
で、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で構成され、b2)は、パーソナライズのための活性化粧品成分、補助剤及び添加剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)は、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、並びに補助剤及び添加剤を含む。
【0176】
コンディショナー製剤の製造のための特定の副次的実施形態において、b1)は、
0.5重量%~10重量%の、好ましくはC2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルコールとのエステル、例えばアジピン酸ジブチル、直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールのモノ-及び/又はジカーボネート、例えば炭酸ジカプリル、炭化水素、例えばウンデカン/トリデカン、直鎖C6~C22脂肪酸と直鎖又は分岐状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、例えばステアリン酸エチルヘキシル、C6~C18脂肪酸をベースとする液体モノ-/ジ-/トリグリセリド混合物、例えばトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル又はC16/C18トリグリセリド、植物性油脂、例えばシアバター、並びに6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするGuerbetアルコール、例えばオクチルドデカノールにより形成される群から選択される皮膚軟化剤、
3重量%~20重量%の、好ましくは四級アンモニウム化合物、ジアルキルアンモニウムメトサルフェート、メチルヒドロキシアルキルジアルコイル(dialkoyl)オキシアルキルアンモニウムメトサルフェート、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩、脂肪アミン及びベタイン、特にジイソステアロイルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び/又はステアラミドプロピルジメチルアミン、ココアミドプロピルベタイン、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、及びステアリルアミドプロピルジメチルアミンにより形成される群からの界面活性物質、好ましくは双性イオン性、両性又はカチオン性界面活性物質、
3重量~20重量%の、好ましくは有機化合物からの、好ましくは脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、オレイルアルコール及びベヘニルアルコール、並びにそれらの工業グレード混合物により形成される群からのレオロジー調整剤、
0重量%~25重量%の化粧品補助剤及び添加剤、並びに
50重量%~80重量%の水
で構成されるベース混合物を、全ての構成物質が合計で100重量%となる条件下で含み、b2)は、パーソナライズのための活性化粧品成分、並びに/又は補助剤及び添加剤を含み、任意のb3)及び場合によりb4)は、パーソナライズのためのさらなる活性化粧品成分、並びに/又は補助剤及び添加剤を含む。
【0177】
本発明に従って製造される化粧品製剤は、好ましくは、特に水を含むクリーム、ゲル、ローション、乳液、セラム、流体、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/油状塊、ペースト又は軟膏である。
【0178】
本発明の文脈において、水は、容器b1)、b2)、b3)及び/又は場合によりb4)の1つ以上において存在し得る。
【0179】
好ましくは、本発明の方法は、水タンクc)並びに混合デバイスa)及び分注デバイスb)を追加的に有する装置で行われる。
【0180】
本発明の文脈において、様々なデバイス又は装置が本発明の方法を行うのに好適である。そのようなデバイスは、従来技術から知られている。例えば、DE102016106040A又はEP2038189Bによるカプセル機械が、本発明の方法を行うのに好適なデバイスである。
【0181】
本発明の一実施形態において、デバイスが水タンクc)を追加的に有する場合が好ましい。本発明の方法において、分注容器b1)及びb2)及び任意のb3)及び場合によりb4)の内容物は、混合デバイスa)内に空けられ、有利には水タンクc)からの水と混合される。好ましくは、本発明の方法において、分注容器b1)及びb2)及び任意のb3)及び場合によりb4)からの内容物は、混合デバイスa)内に空けられ、化粧品製剤を基準として少なくとも35重量%、好ましくは50重量%~80重量%の量の水タンクc)からの水と混合される。
【0182】
化粧品製剤を基準として100重量%未満の水の量が、分注容器の1つ以上に存在してもよく、これが混合装置a)内に空けられる。
【0183】
好ましくは、本発明の方法において、混合デバイスa)内での混合は、混合容器a1)の底部に格納式スターラーを有する混合容器a1)内で達成される。有利には、混合後、すなわち化粧品製剤の製造後、混合容器a1)の底部のスターラーは格納され、混合容器が閉じられる。このようにして閉じられると、容器は、最終使用者により運搬可能な化粧品製剤用貯蔵容器として利用され得る。
【0184】
所望により、分注容器b1)、b2)及び任意のb3)及び任意のb4)は、混合容器a1)内に空けられる前に、加熱システムd)において好ましくは最高80℃の温度に加熱され得る。一般に、ベース混合物を有する分注容器b1)が加熱されるように本発明の方法を実行することが望ましい。本発明のプロセスは、代替として、室温のみで実行することができる。本発明によれば、まず第一に、分注容器b1)の内容物が混合デバイス内に空けられ、好ましくは混合容器a1)の底部に存在するスターラーを用いて混合される。その後、好ましくは連続して、分注容器b2)及び任意のb3)及び場合によりb4)の内容物が混合容器a1)内に空けられ、好ましくは上述のように混合容器a1)内で水タンクc)からの水と混合される。必要な場合、水は別個のボイラで事前に加熱されてもよい。
【0185】
分注容器の内容物は、特に圧力により膨張され、スターラーを有する容器(混合デバイスa1)内に空けられる。室温で、又は加熱中(最高85℃)に、最大5000回転/分で約2~30分間容器a1)内で撹拌することが好ましい。特に、20g、25g又は30gの量の化粧品製剤が、この方法により製造される。
【0186】
好ましくは、本発明の文脈において、分注容器b1)、b2)、任意のb3)及び任意のb4)は、カプセルである。b1)には、高さ3.5~4.5cm及び3.8~4.2cmの範囲内の直径の寸法を有するカプセル(大型カプセル)が好ましい。b2)のためのカプセルは、大型カプセルの寸法又は高さ3.5~4.5cm及び直径2.2~2.6cm(中型カプセル)の寸法を有し得る。b3)のためのカプセルは、大型カプセル若しくは中型カプセルの寸法、又は高さ3.5~4.5cm及び1.2~1.8cmの範囲内の直径(小型カプセル)の寸法を有し得、b4)のためのカプセルは、中型又は小型カプセルの寸法を有し得、全てのカプセルの直径は、2つの側で異なってもよい。より好ましくは、カプセルはアルミニウム又はプラスチックで作製される。好適な相当するカプセルは、例えばコーヒー配合物に関連して知られている。特に好ましいのは、カプセル内部にピストン又はプランジャの形態でカプセルの内容物を空けることができるデバイスをすでに有しているカプセルであり、例えば、カプセルは、ピストンシリンジのように構築され得る。
【0187】
WO2018/073541のデバイスが本発明の方法に特に好適であり、それへの明示的な参照がなされる。WO2018/073541は、
液体、特に水用のタンク(水タンクcを参照されたい)と、
液体タンクの出口と液体供給物の入口との間に接続された液体ポンプと、
垂直軸まわりの回転により制御され得、カプセルのうちの1つをそれぞれ包含するように設計された少なくとも2つのチャンバー(分注容器b1)及びb2)を参照されたい)、並びに、カプセルが収容されている対応するチャンバーから圧力により各カプセルの内容物を押し出し、それらを混合容器a1)内に空けることができる機構を備える、可動式プレート(分注デバイスb)を参照されたい)と、
ベース混合物を有するカプセル(分注容器b1)を参照されたい)を備えるチャンバー及びパーソナライズのための活性化粧品成分を有するカプセル(分注容器b2)を参照されたい)を備えるチャンバーを、それぞれのチャンバーから押し出されるb1)及びb2)の内容物を収容するための容器の上に位置付けるために制御される可動式プレートの下に配置された容器(a1を参照されたい)を第一に備え(容器a1)は、特にb1)及びb2)及び任意のb3)及び/又はb4)の内容物を容器内に押し出した後に、液体を容器内に導入するために液体供給物の出口と流体連通している)、また容器a1)内に収容され、液体(特に水タンクからの水)並びにb1)内のベース混合物、b2)及び任意のb3)及び/又はb4)内のパーソナライズのための活性化粧品成分の混合物からこの容器内で化粧品製剤を製造することができる混合要素を第二に備える、混合デバイスと
を備える混合システムで機能する。
【0188】
本発明の文脈において、本発明の方法に使用されるWO2018/073541のデバイスは、好ましい実施形態、及び図1図8において開示される通りであり、特に、
混合要素は、容器a1)の底部に装備され、混合システム内に装備されたモーター、特に電気モーターにより駆動され得るスターラーであり、
容器a1)は、その後の使用のために化粧品製剤を貯蔵できるようにするために基部壁により閉じられる取り外し可能な容器であり、
分注容器b1)、b2)及び場合によりb3)及び/又はb4)は、円筒壁、破壊可能な蓋により閉じられた中央開口部を有する基部壁、及び円筒壁内に収容されるピストンを形成するピストン壁を備えるカプセルであり、
圧力によるカプセルの蓋の貫通は、モーター、特に電気モーターを用いて動かされるピストン又は金属ピン、及びカプセルの内容物の容器a1)内への加圧による流出を用いて達成され、
カプセルに対する可動式プレートは、カプセルの内容物が容器内に流出できるようにするために容器a1)を通して移動され得、
可動式プレートは、圧力排出デバイスが各カプセル内の内容物の混合容器a1)内への流出をもたらし得るように、モーター、特に電気モーターを用いた回転により制御され、
それは加熱ユニットを備える。
【0189】
デバイスの作動様式は、特に図1図2(分注デバイス)、図3(カプセルの内容物が混合システム内に入るための分注デバイスの出口)、図6の混合容器a1)のミキサーに図示されている。
【0190】
そのようなデバイスは、例えば「Emuage(登録商標)」の名称で市販されている。
【0191】
本発明の文脈において、そのようなデバイスは、家庭において慣習的な量で化粧品製剤を製造することができ、最終使用者が例えばWO2018/073541による自分専用のデバイスを所持している場合、自身で製造場所を決定することができ、異なる個人的又は他の業務スタッフ、例えば薬局がそのようなデバイスを有する場合には、最終使用者は少なくとも製造場所を部分的に決定することができる。製造の時点についても同様である。
【0192】
化粧品製剤の組成は、化粧品製剤の効果に対する最終使用者の要求に応じて、最終使用者により決定(「パーソナライズ」)され得る。有利には、本発明の方法は、好ましくはQRコードを用いて最終使用者又はデバイスに電子的に伝送される情報又はデータにより制御される。
【0193】
好ましくは、化粧品製剤の特定の組成が化粧品製剤に対する最終使用者の要求に割り当てられ、そのためにカプセルの組合せが記録される。この情報又はデータは、好ましくはアプリに記録される。
【0194】
好ましくは、本発明によれば、最終使用者が、アプリを用いて最終使用者に伝送される情報又はデータに好ましくは従って、分注容器b1)、b2)及び任意のb3)及び場合によりb4)を分注デバイスb)に提供するように方法が実行される。
【0195】
方法の制御のために、分注容器の外壁上に好ましくはQRコードの形態で情報/データを提供することが特に有用であることが見出された。したがって、分注容器の外壁上の情報/データを用いて、本発明の方法、好ましくはプロセスの順序(カプセルの順序)、方法パラメータ、例えば撹拌速度、分注容器に対する加熱システムの方法の温度、並びに/又は水タンクからの水の時点及び量を制御することが可能である。
【0196】
本発明は、さらに、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、好ましくは本発明の方法に使用可能な、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の表面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤のベース混合物を含む分注容器を提供する。
【0197】
本発明は、さらに、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、好ましくは請求項1に記載の本発明の方法に使用可能な、その組成に関して変動し得る、好ましくは家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択されるパーソナライズのための活性化粧品成分を含む分注容器を提供する。
【0198】
さらなる主題は、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、また好ましくは本発明の方法のために、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤のベース混合物を含む分注容器の使用、並びに、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、好ましくは請求項1に記載の本発明の方法のために、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択されるパーソナライズのための活性化粧品成分を含む分注容器の使用である。
【0199】
さらなる主題は、好ましくは請求項1に記載の方法のための、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の表面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む分注容器内のベース混合物の使用、並びに、好ましくは請求項1に記載の方法の、最終使用者の希望でその場で即時に製造され得、その組成に関して変動し得る、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択されるパーソナライズのための活性化粧品成分の使用、並びに最後に、最終使用者の希望で即時に製造され得る、好ましくは請求項1に記載の本発明の方法のための、家庭において慣習的な量の化粧品製剤の製造のための、少なくとも1種の皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性物質及び少なくとも1種のレオロジー調整剤を含む分注容器内のベース混合物の、さらなる分注容器内に存在する、好ましくは活性生体成分、UV光保護フィルター、セルフタンニング剤、防虫剤、酸化防止剤、膜形成剤、感覚添加剤、効果顔料、チロシン阻害剤(脱色素剤)、冷却剤、香油、染料及び保湿剤により形成される群から選択される、パーソナライズのための活性化粧品成分と組み合わせた、使用に関する。
【0200】
[実施例]
「大型」(容量11.4ml)、「中型」(容量2.25ml)及び「小型」(容量0.9ml)の様々なサイズのカプセルに充填し、封止した。b1)に対応する「大型」カプセルは、化粧品製剤に対応するベース混合物を含んでいた。「中型」カプセルb2)は、パーソナライズされた顧客の希望を満たすために必要な化粧品成分を含んでいた(例えばカプセルb2)a、b2)b又はb2)c内、実施例1を参照されたい)。カプセルb3)及びb4)は、場合によるパーソナライズされた顧客の希望を満たすように機能する化粧品成分を含んでいた。
【0201】
国際特許出願WO2018073541によるカプセル機械を利用した。製造のために、パーソナライズされた顧客の希望に応じて、カプセルを意図されるデバイスに挿入した。実施例9、10及び11では、カプセルb1)を85℃に加熱した。機械のスイッチを入れた後、カプセルの内容物を容器内に押し入れ、選択された化粧品製剤に応じて、別個の水タンクから水をポンピングした。選択されるカプセルの種類及び水の量は、カプセル機械の操作のためのプログラムに記録された。必要とされる水の量を水タンクから分注した。必要な場合、水は別個の「ボイラ」で加熱されてもよい。実施例9、10及び11では、水を加熱した。挿入されたカプセルの内容物は、自動的に搾り出され、スターラーを有する容器(混合デバイスa)内に空けられた。室温で、又は加熱中(実施例9、10及び11、最高85℃)に、最大5000回転/分で約2~30分間容器a1)内で撹拌を行った。厳密な方法条件は、カプセル機械のプログラミングにより自動的に制御された。異なる量の製剤が製造された→20g、25g又は30g。
【0202】
[実施例1]
日焼け止め乳液SPF15
実施例1では、常にカプセルb1)をカプセルb2)a、b又はcの1つとともに挿入することにより、様々な日焼け止め乳液製剤を製造した。カプセルb2)の選択は、最終使用者の希望に依存する。3つの可能な組合せのいずれも、安定したサンミルクを生成した。パーソナライズは、さらなるカプセルb3)及びb4)を用いても可能であった。カプセルb1)+b2a)は、SPF15を有する保存加工及び香り付けされたサンミルクを生成した。カプセルb1)+b2)a+b3)aは、SPF15及び追加の老化防止効果を有する保存加工及び香り付けされたサンミルクを生成した。
【0203】
【表2】
【0204】
製造された日焼け止め乳液製剤は、全て均質で安定であった。
【0205】
[実施例2]
日焼け止め乳液(sunscreen milk)SPF40又は50
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)並びに場合によりさらなるカプセルb3)及びb4)の1つを用いたパーソナライズにより、様々な日焼け止め製剤を製造した。
【0206】
カプセルb2)もまた、SPF40よりもSPF50を有するサンミルクが望ましい場合、UVフィルターを含む混合物を含む。
【0207】
【表3】
【0208】
製造されたサンミルク製剤は、全て均質で安定であった。
【0209】
[実施例3]
スキンローション
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりさらなるカプセルb3)の1つ及び場合によりカプセルb4)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なスキンローションを製造した。
【0210】
【表4】
【0211】
均質で安定なスキンローションが得られる。
【0212】
[実施例4]
フェイスセラム
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりさらなるカプセルb3)の1つ及び場合によりカプセルb4)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なフェイスセラムを製造した。
【0213】
【表5】
【0214】
均質で安定なフェイスセラムが得られた。
【0215】
[実施例5]
美容液(face fluid)
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりカプセルb3)の1つを用いたパーソナライズにより、様々な美容液を製造した。
【0216】
【表6】
【0217】
均質で安定な美容液が得られた。
【0218】
[実施例6]
スキンクリーム
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりカプセルb3)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なスキンクリームを製造した。
【0219】
【表7】
【0220】
均質で安定なスキンクリームが得られた。
【0221】
[実施例7]
スキンローション
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりカプセルb3)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なスキンローションを製造した。
【0222】
【表8】
【0223】
均質で安定なスキンローションが得られた。
【0224】
[実施例8]
スキンローション
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりカプセルb3)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なスキンローションを製造した。
【0225】
【表9】
【0226】
均質で安定なスキンローションが得られた。
【0227】
[実施例9]
毛髪コンディショナー
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なコンディショナー製剤を製造した。
【0228】
【表10】
【0229】
均質で安定なコンディショナー製剤が得られた。
【0230】
[実施例10]
毛髪用コンディショナー
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つ及び場合によりさらなるカプセルb3)の1つ及び場合によりカプセルb4)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なコンディショナー製剤を製造した。
【0231】
【表11】
【0232】
均質で安定なコンディショナー製剤が得られた。
【0233】
[実施例11]
毛髪用コンディショナー製剤
実施例1と同様に、カプセルb1)及びカプセルb2)の1つを用いたパーソナライズにより、様々なコンディショナー製剤を製造した。
【0234】
【表12】
【0235】
均質で安定なコンディショナー製剤が得られた。
【0236】
比較例
スキンセラム/実施例4との比較
成分を指定された量で撹拌し、1日保存し、次いでカプセルb1)内に導入した。カプセルを閉じる前でも、分離現象が観察された。実施例4と同様に、それぞれの場合においてカプセルb2)の1つを用いてカプセルb1)をパーソナライズした。皮膚軟化剤:界面活性物質の比は、本発明の範囲外であり、38.5:1であった。
【0237】
【表13】
【0238】
b1)とb2)カプセルのいずれか1つとから得られた製剤は、それぞれ不安定なスキンセラムをもたらし、それらは室温で3日間保存した後に水の分離を示した。
【0239】
表1は、ベース混合物b1)の量を皮膚軟化剤、界面活性物質及びレオロジー調整剤について重量%で示し、上記の例の定義された比を示している。
【0240】
【表14】
【国際調査報告】