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特表2023-530629基板ハンドリング用局所化パージモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(54)【発明の名称】基板ハンドリング用局所化パージモジュール
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20230711BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20230711BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B25J15/00 Z
B25J19/00 H
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576080
(86)(22)【出願日】2021-05-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 US2021035055
(87)【国際公開番号】W WO2021252213
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/037,008
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/018,912
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プレスバーガー ツァチ
(72)【発明者】
【氏名】ボルコフ イゴール
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS24
3C707DS01
3C707ES03
3C707ES17
3C707EW16
5F131AA02
5F131CA70
5F131DB02
5F131DB54
5F131JA03
5F131JA16
5F131JA24
(57)【要約】
基板ハンドリングロボットであり、基板を支持するエンドエフェクタと、そのエンドエフェクタに結合されておりそのエンドエフェクタを伸長位置・退却位置間で並進させるアームとを有する。その基板ハンドリングロボットが、エンドエフェクタが退却位置にありそのエンドエフェクタの上に基板があるときにその基板を少なくとも部分的に囲い込む、エンクロージャをも有する。そのエンクロージャが、パージガス流を基板に供給するシャワーを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ハンドリングロボットであって、
基板を支持するエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに結合されており前記エンドエフェクタを伸長位置・退却位置間で並進させるアームと、
前記エンドエフェクタが前記退却位置にありそのエンドエフェクタの上に前記基板があるときに前記基板を少なくとも部分的に囲い込むエンクロージャであり、パージガス流を前記基板に供給するシャワーを備えるエンクロージャと、
を備えるロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のロボットであって、更に、その上に前記アーム及び前記エンクロージャが搭載される可回動プラットフォームを備え、
前記アームが、前記可回動プラットフォームに対し径方向に並進可能であって、前記エンドエフェクタを前記伸長位置・前記退却位置間で並進させうるものであり、且つ
前記エンクロージャが前記可回動プラットフォーム上である固定位置を有しているロボット。
【請求項3】
請求項2に記載のロボットであって、
前記エンクロージャが前記可回動プラットフォームに堅固連結されており、且つ
前記アームが、前記可回動プラットフォームの端を越えて伸長可能であって、前記エンドエフェクタを前記伸長位置まで並進させうるものであるロボット。
【請求項4】
請求項1に記載のロボットであって、前記シャワーが、それを介し前記パージガスが流れることとなる多孔面を備えるロボット。
【請求項5】
請求項4に記載のロボットであって、
前記エンクロージャの上部の内表面に前記多孔面が備わり、且つ
前記内表面が、前記エンドエフェクタが前記退却位置にありそのエンドエフェクタの上に前記基板があるときに、前記基板の表面に対し対向配置されるロボット。
【請求項6】
請求項5に記載のロボットであって、前記シャワーが更に、前記エンクロージャの前記上部にあるチャンバを備え、前記内表面を含む諸面により前記チャンバが囲まれているロボット。
【請求項7】
請求項6に記載のロボットであって、更に、前記パージガスを前記チャンバに供給するための1本又は複数本のチューブを備えるロボット。
【請求項8】
請求項7に記載のロボットであって、更に、
その上に前記アーム及び前記エンクロージャが搭載されるボックスが備わる可回動プラットフォームと、
前記ボックス・前記エンクロージャ間をつなぐエルボーと、
を備え、前記1本又は複数本のチューブが前記ボックス内及び前記エルボー内を介し延設されているロボット。
【請求項9】
請求項5に記載のロボットであって、前記エンクロージャが更に、
前記エンクロージャの前記上部につながっている側壁と、
前記側壁につながっており前記エンクロージャを前記可回動プラットフォームに連結させるブラケットと、
を備えるロボット。
【請求項10】
請求項4に記載のロボットであって、前記エンクロージャの第1側壁が内表面を有し、その内表面に前記多孔面が備わるロボット。
【請求項11】
請求項10に記載のロボットであって、
前記多孔面が第1多孔面であり、
前記シャワーが更に、それを介し前記パージガスが流れることとなる第2多孔面を備え、
前記エンクロージャの第2側壁が内表面を有し、且つ
前記第2側壁の前記内表面に前記第2多孔面が備わるロボット。
【請求項12】
請求項1に記載のロボットであって、
前記基板が半導体ウェハであり、且つ
前記エンドエフェクタが、前記半導体ウェハを保持するフォークを備えるロボット。
【請求項13】
方法であって、
アームが伸長位置にあるときに、前記アームに結合されているエンドエフェクタ上に基板をロードし、
前記基板が前記エンドエフェクタ上にロードされているときに前記アームを退却位置まで退却させ、また前記アームを退却させる際に、シャワーが備わるエンクロージャ内で前記基板を少なくとも部分的に囲い込み、且つ
前記基板が前記エンクロージャ内で少なくとも部分的に囲い込まれているときにパージガス流を前記シャワー経由で前記基板に供給する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記アーム及び前記エンクロージャが可回動プラットフォーム上に搭載されていて、前記可回動プラットフォームが第1姿勢であるときに前記ロードが実行される方法であり、更に、
前記可回動プラットフォームを前記第1姿勢から第2姿勢まで回動させ、
前記可回動プラットフォームが回動している間に、前記パージガス流を前記シャワー経由で前記基板に供給し、且つ
前記可回動プラットフォームが前記第2姿勢であるときに前記基板をステーションまで移動させ、その際に前記アームを前記退却位置から前記伸長位置まで伸長させ、更に前記アームを伸長させる際に前記基板を前記エンクロージャから除去する方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記シャワーが多孔面を備え、且つ
前記シャワー経由で前記パージガス流を供給する際に、前記パージガスを前記多孔面経由で流させる方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記エンクロージャの上部の内表面に前記多孔面が備わり、且つ
前記エンクロージャ内で前記基板を囲い込む際に、前記基板の表面を前記内表面に対し対向配置させる方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記シャワーが更に、前記エンクロージャの前記上部にあるチャンバを備え、前記内表面を含む諸面により前記チャンバが囲まれており、且つ
前記パージガス流の供給に際し、1本又は複数本のチューブを介し前記チャンバへと前記パージガスを供給する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記アーム及び前記エンクロージャが、ボックスを備える可回動プラットフォーム上に搭載されており、
前記1本又は複数本のチューブが前記ボックス内で延設されており、且つ
更に、前記パージガス流を前記シャワー経由で前記基板へと供給しつつ前記可回動プラットフォームを回動させる方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、
前記エンクロージャの第1側壁が内表面を有し、その内表面に前記多孔面が備わり、且つ
前記エンクロージャ内で前記基板を囲い込む際に、前記基板を前記内表面に対し近隣配置させる方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法であって、
前記基板が半導体ウェハであり、
前記エンドエフェクタがフォークを備え、且つ
前記エンドエフェクタ上に前記基板をロードする際に、前記フォークで以て前記半導体ウェハをピックアップする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は基板ハンドリング(例.半導体ウェハハンドリング)に関し、より具体的には基板ハンドリングシステムにおけるガスパージに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願]
本願では、2020年6月10日付米国仮特許出願第63/037008に基づく優先権を主張し、目的を問わずその全容を参照により繰り入れる。
【0003】
基板(例.半導体ウェハ)を作成又は検査するためのツールには、装置フロントエンドモジュールが設けられることがある。その装置フロントエンドモジュールにロボットを設け、それを用いることで、基板をそのツール内の様々なステーション間で移動させることができる。その装置フロントエンドモジュールを、パージガス(例.窒素)を用いパージすることで、そのロボットによってハンドリングされる基板に相応しい環境を、提供することができる。例えば、パージを実行してその装置フロントエンドモジュールから酸素を除去することができる。
【0004】
旧来、装置フロントエンドモジュール全体がパージされている。しかしながら、そうしたパージでは大量のパージガス流が用いられるので費用がかかる。装置フロントエンドモジュール全体をパージしても、基板付近における精密な環境制御は果たされない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-092335号公報
【特許文献2】特開2009-023021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ロボットによりハンドリングされる基板に係るガスパージを実行するシステム及び方法の改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある種の実施形態に係る基板ハンドリングロボットは、基板を支持するエンドエフェクタと、そのエンドエフェクタに結合されておりそのエンドエフェクタを伸長位置・退却位置間で並進させるアームとを有する。本基板ハンドリングロボットは、エンドエフェクタが退却位置にありそのエンドエフェクタの上に基板があるときにその基板を少なくとも部分的に囲い込む、エンクロージャ(囲い)をも有する。エンクロージャは、パージガス流を基板に供給するシャワーを有するものとする。
【0008】
ある種の実施形態に係る方法では、アームが伸長位置にあるときに、そのアームに結合されているエンドエフェクタ上に基板をロード(装荷)する。基板がエンドエフェクタ上にロードされているときに、アームを退却位置まで退却させる。アームを退却させる際に、シャワー付のエンクロージャ内で基板を少なくとも部分的に囲い込む。基板がエンクロージャ内で少なくとも部分的に囲い込まれているときに、パージガス流をシャワー経由でその基板に供給する。
【0009】
記載されている様々な実現形態をより良好に理解するため、以下の図面と併せ、後掲の詳細記述を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】ある種の実施形態に係る基板ハンドリングロボットの斜視図であり、退却位置にあるエンドエフェクタ上に基板がある。
図1B】ある種の実施形態に係る図1Aの基板ハンドリングロボットの斜視図であり、伸長位置にあるエンドエフェクタ上に基板がある。
図1C】ある種の実施形態に係る図1A及び図1Bの基板ハンドリングロボットの縦断面図であり、退却位置にあるエンドエフェクタ上に基板がある。
図2】ある種の実施形態に係るエンクロージャの斜視図である。
図3】ある種の実施形態に係る基板ハンドリング方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面及び明細書を通じ、対応する部分を同様の参照符号で指し示している。
【0012】
以下、添付図面にその例が描かれている様々な実施形態を詳細に参照する。以下の詳細記述では、記載されている様々な実施形態の一貫理解を図るべく、多数の具体的細部が説明されている。しかしながら、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には明らかな通り、それら記載されている様々な実施形態を、そうした具体的細部抜きで実施してもよい。他方、周知な方法、手順、部材、回路及びネットワークを詳述しないことで、それら実施形態の諸側面を不必要に曖昧化させないようにしてある。
【0013】
図1A図1Cに、ある種の実施形態に係る基板ハンドリングロボット100を示す。図1A及び図1Bは基板ハンドリングロボット100の斜視図であり、図1Cは基板ハンドリングロボット100の縦断面図である。基板ハンドリングロボット100は可回動プラットフォーム102(例.可回動ボックス、別称ロボットボックス、略称Rボックス)を有しており、それを(図1C中の)軸128(例.中心軸)周りで円104に沿い回動させるようにしている。例えば可回動プラットフォーム102を360°に亘りフル回動させてもよい。可回動プラットフォーム102を別の運動が可能なものとしてもよい。例えば可回動プラットフォーム102を、上昇させ、下降させ、及び/又は、特定方向に沿い側方並進させてもよい。可回動プラットフォーム102にアクスル126を設け、それにより回動を実行してもよい。
【0014】
可回動プラットフォーム102上にはアーム106及びエンドエフェクタ112が搭載されている。エンドエフェクタ112は、アーム106に結合(例.堅固連結)され且つアーム106の端を越え延びており、基板116を支持することができる。エンドエフェクタ112はアーム106により可回動プラットフォーム102に結合されており、そのアーム106が後部108及び前部110を有している。即ちエンドエフェクタがアーム106の前部110の端を越え延びている。実施形態によっては基板116が半導体ウェハとされる。実施形態によってはエンドエフェクタ112がフォーク(例.2本の爪を有するもの)とされ、それにより基板116(例.半導体ウェハ)が支持される。
【0015】
アーム106は可回動プラットフォーム102に可並進結合されており、従ってそれを可回動プラットフォーム102に沿い前後動させうるので、エンドエフェクタ112及び基板116を伸長位置・退却位置間で前後に並進させることができる。図1A及び図1Cには退却位置にあるエンドエフェクタ112及び基板116を、図1Bには伸長位置(即ち引出位置)にあるそれを、示してある。実施形態によっては、アーム106が可回動プラットフォーム102に対し(例.図1C中の軸128に対し)径方向に可並進なものとされ、それにより伸長位置・退却位置間でエンドエフェクタ112及び基板116が並進される。例えば、アーム106が、可回動プラットフォーム102の側部に対し実質的に(例.製造公差の枠内で)平行な方向に沿い、可並進なものとされる。アーム106を伸長させ可回動プラットフォーム102の端118を越えさせることで、エンドエフェクタ112及び基板116を、図1Bに示す如く伸長位置まで並進させることができる。エンドエフェクタ112及び基板116は、伸長位置時には可回動プラットフォーム102の端118を越えたところに、また退却位置時には可回動プラットフォーム102の上方(例.端118の上方)に、位置決めすればよい。エンドエフェクタ112及び基板116が伸長位置にあるときには、アーム106を伸長させ可回動プラットフォーム102の端118を越えさせることができるが、エンドエフェクタ112及び基板116が退却位置にあるときにはそうすることができない。エンドエフェクタ112及び基板116が退却位置にあるときには、アーム106を可回動プラットフォーム102の上方に位置決めすることができる。可回動プラットフォーム102に(例.可回動プラットフォーム102のボックス内に)モータを設け、それによりアーム106を動かすことでエンドエフェクタ112及び基板116を並進させてもよい。
【0016】
エンクロージャ114は、退却位置にあるときに(即ちエンドエフェクタ112が退却位置にありその上に基板116がロードされているときに)、基板116を少なくとも部分的に囲い込む。実施形態によっては、エンクロージャ114が(例.端118又はその近隣にて)可回動プラットフォーム102に結合(例.堅固連結)される。反面、実施形態にもよるが、エンクロージャ114は可回動プラットフォーム102を囲まない。可回動プラットフォーム102の回動につれ、エンクロージャ114が、アーム106及びエンドエフェクタ112と共に回動する。エンクロージャ114の位置は、可回動プラットフォーム102上のある固定位置(例.端118又はその近隣)とすることができる。実施形態によっては、基板116が退却位置にあるときに、エンクロージャ114の上部により基板116が覆われ、及び/又は、エンクロージャ114の側壁により基板116の各側部が囲まれる。(図1A及び図1Bには、下側にある構造を明らかにするため、塗りつぶし無しでエンクロージャ114の上部を示してある)。エンクロージャ114は、基板が退却位置にあるときにアーム106全体を覆い又は囲むものではないが、実施形態次第で、アーム106の一部分(例.前部110の端)を囲むものとも囲まないものともされうる。エンクロージャ114に側部開口(例.可回動プラットフォーム102の端118に対し平行なそれ)を設け、退却位置から伸長位置への並進時に基板116、エンドエフェクタ112、並びにアーム106のうち一部分がその中を通るようにしてもよい。
【0017】
エンクロージャ114は、パージガス124の流れを基板に供給するためのシャワーを有している。実施形態によってはそのパージガス124が窒素(N)とされる。実施形態によってはそのシャワーに1個又は複数個の多孔面が設けられ、それを介しパージガス124が流される。例えば、エンクロージャ114の上部の内表面122(図1C)又はその一部分が多孔質なものとされる。基板116がエンドエフェクタ112上にロードされていてエンドエフェクタ112及び基板116が退却位置にあるときに、その内表面122が基板116の表面に対し対向配置される。パージガス124は内表面122を介し(即ち内表面122内の孔を介し)基板116の表面上へと流れる。
【0018】
更に、シャワーがチャンバ120を有していて、そのチャンバ120がエンクロージャ114の上部にあるのでもよい。チャンバ120は、内表面122、エンクロージャ114の上部の外表面、並びにエンクロージャ114の上部の側表面を初めとする諸面によって、囲まれたところである。パージガス124はチャンバ120に供給され、そこから内表面122内を介し流れていく。実施形態によっては、1本又は複数本のチューブ130(図1C)によりパージガス124がチャンバ120に供給される。その1本又は複数本のチューブ130を、可回動プラットフォーム102のボックス内に通し延設してもよい。(図1C中の断面では、1本又は複数本のチューブ130用の可回動プラットフォーム102・エンクロージャ114間連結が見えていない。そうした連結の一例がエルボー218であり、これについては図2との関係で後に論ずる)。
【0019】
実施形態にもよるが、エンクロージャ114は気密封止されていない。例えば、エンクロージャ114に、基板116、エンドエフェクタ112、並びにアーム106の一部分が通される側部開口を設け、それを介しパージガス124を流すことができる。シャワーにより供給されるパージガス124の流れを連続的なものとしてもよい。例えば、パージガス124の流れを、エンドエフェクタ112及び基板116が退却位置にある間、連続させてもよいし、エンドエフェクタ112及び基板116が退却位置にないときに続けてもよい。
【0020】
図2はある種の実施形態に係るエンクロージャ200の斜視図である。エンクロージャ200はエンクロージャ114(図1A図1C)の一例である。エンクロージャ200の上部202には、チャンバ120(図1C)の一例たるチャンバ204がある。上部202の内表面206は内表面122(図1C)の一例であり、多孔面208を有している。基板116がエンドエフェクタ112上にロードされていてエンドエフェクタ112及び基板116が退却位置にあるときに、多孔面208が基板116の表面に対し対向配置される。パージガス124は、チャンバ204から多孔面208内を経て基板116(図1A図1C)の表面上へと通される。
【0021】
エンクロージャ200は更に、エンクロージャ200の上部202につながる(例.その一部を形成する)側壁210を有している。実施形態によってはそれら側壁210の個々の部分がチャンバ204の側表面とされる。側壁210はブラケット214につながっており、そのブラケット214を用いエンクロージャ200が可回動プラットフォーム102(図1A図1C)に連結されている。例えば、ブラケット214に設けられている孔216に連結器(例.ネジ、ボルト等)を挿入することで、それらブラケット214を、可回動プラットフォーム102のボックスの個々の側部に連結することができる。ブラケット214を面212により側壁210に連結させてもよく、その面212を側壁210からブラケット214にかけて下方且つ内方に傾斜させてもよい。エンドエフェクタ112上の基板116はエンクロージャ200内に挿入される(例.図1A図1Cのアーム106によりエンクロージャ200内へと退却する)ようにすればよく、その挿入先は、内表面206(例.多孔面208があるところ)がある側と、表面212並びに可回動プラットフォーム102の上部がある別の側と、の間の空間内とすればよい。その上に基板116がロードされているエンドエフェクタ112も、退却位置にあるときにこの空間内に収容されうる。
【0022】
実施形態によっては、側壁210のうち一方又は双方が内表面を有していて、その全体又は一部分が多孔質なものとされうる。多孔面208に代え又は加え、こうした多孔面を用い、パージガス124の流れを基板116に供給してもよい。多孔面208がなくてもよい。パージガス124を、チャンバ204経由で側壁210の多孔面に供給してもよい。
【0023】
実施形態によっては、エルボー218が、エンクロージャ200(例.その上部202)につながっていて、可回動プラットフォーム102(例.可回動プラットフォーム102のボックス)に対し連結可能なものとされる。エルボー218には、パージガス124をチャンバ204に供給する1本又は複数本のチューブ130(図1C)用の、通り道が設けられる。その1本又は複数本のチューブ130をエルボー218内に通し延設することができる。例えば、1本又は複数本のチューブ130を、可回動プラットフォーム102のボックス内及びエルボー218内を経て、チャンバ204へと延設する。
【0024】
図3はある種の実施形態に係る基板ハンドリング方法300を示すフローチャートである。本方法300では、アームが伸長位置(例.図1Bに示されている位置)にあるときに、そのアーム(例.図1A図1Cのアーム106)に結合されているエンドエフェクタ(例.図1A図1C中のエンドエフェクタ112)上に、基板(例.図1A図1C中の基板116)をロードする(302)。実施形態によっては、基板を半導体ウェハとし、エンドエフェクタをフォークが備わるものとし、そのフォークにより半導体ウェハをピックアップする(304)。
【0025】
基板がエンドエフェクタ上にロードされたら、アームを退却位置まで退却させる(306)。その退却位置にて、シャワーを有するエンクロージャ(例.図1A図1C中のエンクロージャ114;図2中のエンクロージャ200)内で、基板を少なくとも部分的に囲い込む。実施形態によってはそのシャワーに多孔面を設ける(308)。例えば、エンクロージャの上部(例.図2中の上部202)の内表面(例.図2中の内表面206)に、そうした多孔面(例.図2中の多孔面208)を設ける。基板の表面を、その内表面に対し対向配置させる(310)。また例えば、エンクロージャの側壁(例.図2中の側壁210)の内表面に、そうした多孔面を設ける。基板を、その内表面に対し近隣配置させる(312)。
【0026】
基板がそのエンクロージャ内で少なくとも部分的に囲い込まれたら、パージガス(例.図1C中のパージガス124)の流れをシャワー経由で基板に供給する(314)。例えばそのパージガス流を連続的に供給する。実施形態によっては、そのパージガス流供給の際に、そのパージガスを多孔面経由で流させる(316)。例えば、そのパージガスを、1本又は複数本のチューブ(例.図1C及び図2中の1本又は複数本のチューブ130)を介し、多孔面を含む諸面により(例.多孔面がその内表面の全体又は一部となっている内表面を含む諸面により)囲まれているチャンバ(例.図1C中のチャンバ120;図2中のチャンバ204)へと、供給する(318)。そのパージガスはそのチャンバからその多孔面を経て基板上へと流れる。
【0027】
実施形態によっては、アーム及びエンクロージャを可回動プラットフォーム(例.図1A図1C中の可回動プラットフォーム102)上に搭載させる。本方法300にて、その可回動プラットフォームが回動している間に、パージガス流をシャワー経由で基板に供給させてもよい。例えば、その可回動プラットフォームが第1姿勢であるときに、エンドエフェクタ上に基板をロードする(302)。その可回動プラットフォームを第1姿勢から第2姿勢まで回動させる(320)。その可回動プラットフォームが回動している間に、そのパージガス流をシャワー経由で基板に供給するのである。可回動プラットフォームが第2姿勢になったら基板をステーションまで移動させる(322)。基板をステーションまで移動させる際には、アームを退却位置から伸長位置まで伸長させることで、その基板をエンクロージャから除去する。そのステーションが、第2姿勢に対応する第2のステーションであってもよい。本方法300にて、第1姿勢に対応する第1のステーションからその第2のステーションへと、基板を移動させるようにしてもよい。例えば、動作302及び306にて第1のステーションから基板をピックアップするようにしてもよい。
【0028】
実施形態によっては可回動プラットフォームにボックスが備わる。パージガスをシャワーに供給する1本又は複数本のチューブを、そのボックス(例.図1Cに示されているそれ)のなかを介し延設する。例えば、その1本又は複数本のチューブを、そのボックス内と、可回動プラットフォーム・エンクロージャ間をつなぐエルボー(例.図2中のエルボー218)内とを介し、延設してもよい。
【0029】
本方法300に含まれる動作を、図3に示されているそれらより少数又は多数とすることができる。複数個の動作の実行が重なっていてもよいし、複数個の動作を組み合わせて単一の動作としてもよい。
【0030】
図1A図1Cの)エンクロージャ114(例.図2中のエンクロージャ200)は、局所化パージモジュールとして動作する。エンクロージャ114及び方法300により、基板との関係でパージを局所的に実行すること、ひいては精密に実行することが可能となる。この局所的パージで用いられるパージガス流も比較的少量であり、例えばウェハハンドラロボットを含め装置フロントエンドモジュール全体をパージするのに用いられるガス流に比べ少量となる。更に、実施形態によっては、費用がかさみ複雑なフルロボットエンクロージャが回避される。
【0031】
以上の記述は説明目的のものであり、具体的な諸実施形態を参照して記述されている。とはいえ、上掲の例証的議論は、排他的であること、或いは諸請求項の技術的範囲を開示されている諸形態そのものに厳格化することを企図していない。上掲の教示に鑑み多くの修正及び変形をなすことができる。それら実施形態が選ばれたのは、特許請求の範囲の下地をなす諸原理及びそれらの実際的応用を最良説明するため、ひいては想定されている具体的用途に相応しくそれら実施形態に様々な修正を施したものを他の当業者が最良使用しうるようにするためである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
【国際調査報告】