(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】ハイブリッド膨張性組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20230713BHJP
C08L 3/02 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
C08L101/00
C08L3/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578973
(86)(22)【出願日】2021-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 US2021037215
(87)【国際公開番号】W WO2021262469
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】フアン、 テンジン
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン、 クリスティーナ
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AB042
4J002BB181
4J002BC041
4J002BF031
4J002BG021
4J002CK021
4J002DD057
4J002DF037
4J002DG047
4J002FD206
4J002FD207
4J002GC00
4J002GG01
(57)【要約】
改善された膨張およびロフト特性を提供するハイブリッド膨張性組成物が開示される。ハイブリッド膨張性組成物は、断熱および/または緩衝を基材に提供するのに特に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.(i)約-40℃~約60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(ii)デンプンまたはデキストリンの混合物を含むバインダー系;
c.複数の予備膨張または膨張性マイクロスフェア;および
d.水溶性塩
を含有するハイブリッド膨張性組成物。
【請求項2】
エマルションポリマーが、エチレンビニルアセテート、ビニルアセテートエチレン分散体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートポリビニルアルコール、デキストリン安定化ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートコポリマー、ビニルアセテート-エチレンコポリマー、ビニルアクリル、スチレンアクリル、アクリル、スチレンブチルゴム、ポリウレタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項3】
デンプンが、天然デンプンまたは加工デンプンである、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項4】
デキストリンが、約25%~約75%の水溶解度範囲を有する、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項5】
マイクロスフェアが、天然、半合成または合成ポリマーから調製されたシェルを有する、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項6】
マイクロスフェアが、炭化水素コアとポリアクリロニトリルおよび/またはポリアクリレートシェルとを有する膨張性マイクロスフェアである、請求項5に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項7】
マイクロスフェアが、約80℃~約120℃の膨張開始温度を有する、請求項5に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項8】
水溶性塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項9】
消泡剤、可塑剤、防腐剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、充填剤、顔料、染料、安定剤、ポリビニルアルコール、湿潤剤、およびそれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項10】
a.約30~約80重量%のバインダー系;
b.約1~約15重量%のマイクロスフェア;
c.約0.1~約5重量%の水溶性塩;
d.約5重量%までの添加剤
を含む、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項11】
バインダー系が、レオメーターを用いて25℃、0.1s
-1で測定した約20,000cpsを超える剪断粘度、およびレオメーターを用いて25℃、100s
-1で測定した約2,000cps未満の粘度を有する、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項12】
a.約30~約80重量%のバインダー系;
b.約1~約15重量%の複数のマイクロスフェア;
c.約0.1~約5重量%の水溶性塩;および
d.約5重量%までの添加剤
を含むハイブリッド膨張性組成物から調製されたハイブリッド膨張性材料であって、ハイブリッド膨張性材料が、クローズドセル構造およびオープンセル構造を有することを特徴とするハイブリッド膨張性材料。
【請求項13】
請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物および少なくとも1つの基材を含む物品。
【請求項14】
基材が、セルロース基材、木材または約100℃を超える融点を有するプラスチックフィルムである、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
セルロース基材が、ファイバーボード、段ボール、固体漂白ボード、クラフト紙またはコート紙である、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
カップ、食品容器、ケース、カートン、バッグ、箱、蓋、パッケージ、封筒、ラップまたはクラムシェルである、請求項13に記載の物品。
【請求項17】
a.(i)(1)約-40℃~約60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(2)デンプンまたはデキストリンとの混合物である、約30~約80重量%のバインダー系;
(ii)約1~約15重量%の複数のマイクロスフェア;
(iv)約0.1~約5重量%の水溶性塩;および
(v)約5重量%までの添加剤
を含むハイブリッド膨張性組成物を調製し、
b.ハイブリッド膨張性組成物を基材上に塗布し、
c.ハイブリッド膨張性組成物を急速加熱し、
d.ハイブリッド膨張性組成物を冷却する工程を含むハイブリッド膨張性材料を形成する方法であって、これにより、ハイブリッド膨張性材料が形成される方法。
【請求項18】
工程bが、ドット、ストライプ、ウェーブ、市松模様、実質的に平坦なベースを有する任意の一般的な多面体形状、円柱、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される構成で適用される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程cが、マイクロ波、赤外線、高周波、および/または超音波エネルギーを用いて実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
工程dは、ハイブリッド膨張性材料に特定の高さを提供するために圧力を加えて行われる、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
改善された膨張およびロフト特性を提供するハイブリッド膨張性組成物に関する。特に本発明は、断熱および/または緩衝を基材に提供する際に使用するための組成物および前記組成物の製造方法を含む。
【背景技術】
【0002】
生分解性および/または堆肥化可能なパッケージおよび容器が求められている。そのようなパッケージの1つには、リサイクル、堆肥化、および/または生分解できる再生可能な材料を原料とするセルロースベースの基材が含まれる。パッケージは、2つのセルロース基材を接合することによって作られ、2つのセルロース基材の間に複数の空隙が介在する。これらの代替パッケージには、プラスチックパッケージに比べて断熱性が低く、構造的完全性が低いという欠点がある。パッケージを扱ったり曲げたりすると、空隙が圧縮され、圧縮された領域の断熱材が破壊される。US9,580,629、US8,747,603、US9,273,230、US9,657,200、US2014/0087109、US2017/0130399、US2017/0130058、US2016/0263876、およびWO2019/018523には、様々な技術が記載されている。一部の技術は、追加のまたはより厚い基材を含めるか、エアギャップ断熱性を強化することにより、構造的完全性を向上させる。このような追加は、二酸化炭素排出量を増加させるか、パッケージ全体のコストを増加させる。環境的および経済的に健全なパッケージおよび容器を製造するために、効果的な断熱および構造的一体性が当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、改善された膨張特性およびロフト特性を提供するハイブリッド膨張性組成物に関する。
【0004】
本発明の第1の実施形態では、(i)約-40℃~約60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(ii)デンプンまたはデキストリンの混合物であるバインダー系;複数の予備膨張または膨張性マイクロスフェア;および水溶性塩を含む、改善された断熱性および緩衝特性を有するハイブリッド膨張性組成物が提供される。
【0005】
本発明の別の実施形態は、約30~約80重量%のハイブリッドバインダー系混合物;約1~約15重量%の複数のマイクロスフェア;約0.1~約5重量%の水溶性塩;および約5重量%までの添加剤を含むハイブリッド膨張性組成物から調製された、クローズドセル構造およびオープンセル構造を有することを特徴とするハイブリッド膨張性組成物を提供する。
【0006】
本発明のさらに別の実施形態は、
(i)(i)約-40℃~約60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(ii)デンプンまたはデキストリンとの混合物である、約30~約80重量%のバインダー系;
(ii)約1~約15重量%の複数のマイクロスフェア;
(iv)約0.1~約5重量%の水溶性塩;および
(v)約5重量%までの添加剤
を含むハイブリッド膨張性組成物を調製し、
ハイブリッド膨張性組成物を基材上に塗布し、
ハイブリッド膨張性組成物を急速加熱し、
ハイブリッド膨張性組成物を冷却して、ハイブリッド膨張性材料を硬化させる工程を含むハイブリッド膨張性材料を形成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、サンプル3の弾性力テストの力(g)対インデント(mm)のグラフである。
【
図3】
図3は、サンプル3の各弾性力テストのピーク力である。
【
図4A】
図4Aは、20%マイクロスフェアを含む膨張比較サンプルの上面写真である。
【
図5A】
図5Aは、20%マイクロスフェアを含む膨張比較サンプルの側面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合は、定義を含む本明細書が優先される。好ましい方法および材料を以下に記載するが、本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料を本開示の実施または試験に使用することができる。本明細書で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、および実施例は、例示のみを目的としており、限定を意図するものではない。
【0009】
本明細書で使用される「含む」という用語は、「からなる」および「本質的にからなる」実施形態を含み得る。「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有する(having)」、「有する(has)」、「できる」、「含む(contain(s))」という用語およびその変形は、本明細書で使用される場合、指定された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許可する無制限の移行句、用語、または単語であることを意図する。しかし、そのような記載は、組成物またはプロセスを、列挙された成分/ステップから「からなる」および「それらから本質的になる」ものとしても記述していると解釈されるべきであり、それにより、指定された成分/ステップのみが、そこから生じる可能性のある不純物とともに存在することが許され、他の成分/ステップを除外する。
【0010】
本明細書の数値は、特にポリマーまたはポリマー組成物に関するものであり、異なる特性の個々のポリマーを含み得る組成物の平均値を示す。さらに、特に断りのない限り、数値は、同じ有効桁数に換算した場合に同じである数値、および値を決定するために本願に記載されたタイプの従来の測定技術の実験誤差よりも少ないだけ記載された値と異なる数値を含むと理解されるべきである。
【0011】
本明細書に開示されるすべての範囲は、列挙されたエンドポイントを含み、独立して組み合わせることができる(例えば、「2~10まで」の範囲は、エンドポイント2と10、およびすべての中間値を含む)。本明細書に開示される範囲の端点および任意の値は、正確な範囲または値に限定されない。これらの範囲および/または値に近似する値を含めるには、十分に不正確である。本明細書で使用されるように、近似言語は、関連する基本機能の変化をもたらすことなく変化し得る任意の量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」などの用語によって修飾された値は、場合によっては、指定された正確な値に限定されない場合がある。少なくともいくつかの例では、近似言語は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。修飾子「約」は、2つのエンドポイントの絶対値によって定義される範囲を開示するものと見なさなければならない。例えば、「約2~約4まで」という表現は、「2~4まで」の範囲も開示する。「約」という用語は、示された数値のプラスまたはマイナス10%を指す場合がある。例えば、「約10%」は9%~11の範囲を示すことができ、「約1」は0.9~1.1を意味することができる。「約」の他の意味は、四捨五入などの文脈から明らかであり、例えば「約1」は0.5から1.4を意味する場合もある。
【0012】
本発明はハイブリッド膨張性組成物を提供し、一旦膨張すると、それが使用される断熱特性および構造的完全性を提供する。本明細書に記載のハイブリッド膨張性組成物は、リサイクル可能、堆肥化可能、または生分解性基材上で有用であり得る。本明細書に記載のハイブリッド膨張性組成物は、緩衝性と断熱性を提供するためにプラスチック気泡緩衝材を必要とする従来のパッケージよりも少ない合成材料しか必要としない。最終結果は、より安価で環境に配慮した製品である。本明細書で有用なハイブリッド膨張性組成物には、パッケージ、容器、封筒、箱などの消費者使用のための紙製品が含まれる。
【0013】
本発明は、オープンセルフォームおよびクローズドセルフォームのハイブリッド系に基づく断熱および保護製品の製造に使用するためのハイブリッド膨張性組成物という発見に基づく。オープンセルフォームおよびクローズドセルフォームの組み合わせが一緒に形成されると、二酸化炭素排出量の少ない製品に構造的完全性と保護断熱特性が提供される。さらに、ハイブリッドフォームにより、製品はより薄い(坪量の低い)基材を使用できるため、二酸化炭素排出量をさらに削減できる。
【0014】
第1の実施形態では、ハイブリッド膨張性組成物は、(i)約-40℃~約60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(ii)デンプンまたはデキストリンの混合物であるバインダー系;複数の予備膨張または膨張性マイクロスフェア;および水溶性塩を含む。組成物は、1つ以上の消泡剤、可塑剤、防腐剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、充填剤、顔料、染料、安定剤、ポリビニルアルコール、湿潤剤、およびそれらの混合物をさらに含んでもよい。組成物および組成物の断熱特性に悪影響を及ぼさない他の材料を、必要に応じて使用することができる。
【0015】
(i)約-40℃~約60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(ii)デンプンまたはデキストリンの様々な組み合わせを利用して、このバインダー混合物を形成することができる。しかしながら、バインダーは、25℃、0.1s-1で測定した10Pasを超える剪断粘度、およびブルックフィールドを用いて25℃、100s-1で測定した約2Pas未満の粘度を有していなければならない。この粘度範囲は、貯蔵寿命とコーティング能力を向上させる。
【0016】
エマルションポリマーは、ビニルアセテートエチレン分散液、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートポリビニルアルコール、デキストリン安定化ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートコポリマー、ビニルアセテートエチレンコポリマー、ビニルアクリル、スチレンアクリル、アクリル、スチレンブチルゴム、ポリウレタン、デンプンおよびそれらの混合物を含む、任意の所望のポリマー成分を含んでもよい。特に好ましいエマルションポリマー成分は、ビニルアセテートエチレン分散液、およびポリビニルアセテートおよびデンプンである。好ましくは、エマルションポリマーは、親水性の保護コロイドによって安定化される。エマルションポリマーは、約-40℃~約60℃、好ましくは約-40℃~約0℃;最も好ましくは約-35℃~約-5℃のTg範囲を有する。
【0017】
デンプンまたはデキストリン成分は、ハイブリッド膨張性組成物の総重量に基づいて、約5~約30重量%であり得る。
【0018】
デキストリンは通常、150℃未満の温度で、通常、穏やかな加水分解条件下(0.2-2%H2SO4またはHCl中で79-120℃で3時間から8時間)で30-40%懸濁液の酸の存在下でデンプンを加熱することによって調製される。2006年に発行されたMerck Index(Dextrin Monograph No.2953)によると、白色デキスリンの溶解度範囲は5%~90%である。白色デキストリンは、黄色デキストリンやブリテッシュガムよりも水溶性と粘度が低くなる。ハイブリッド膨張性組成物に好ましい白色デキストリンは、約25%~約75%の溶解度範囲を有する。
【0019】
デンプンは、天然デンプンおよび/または加工デンプンであり得る。天然デンプンは、トウモロコシ、ジャガイモ、米、タピオカ、またはその他のデンプン源から選択することができる。加工デンプンは、特定のデンプンを化学的、物理的、または酵素的に修飾することによって調製される。
【0020】
マイクロスフェアは、ハイブリッド膨張性組成物中の予備膨張または膨張性マイクロスフェアであり得る。予備膨張マイクロスフェアは完全に膨張し、さらに膨張させる必要はない。本発明において有用なハイブリッド膨張性マイクロスフェアは、熱および/または放射線エネルギー(例えば、マイクロ波、赤外線、高周波、および/または超音波エネルギーを含む)の存在下でサイズが膨張可能であるべきである。本発明において有用なマイクロスフェアには、例えば、炭化水素コアを有する天然、半合成または合成シェルを有する熱膨張性ポリマーマイクロスフェアが含まれる。好ましい膨張性マイクロスフェアには、炭化水素コアおよびポリアクリロニトリルおよび/またはポリアクリレートシェル(商品名Dualite(登録商標)で販売されているものなど)および他の同様のマイクロスフェア(商品名Expancel(登録商標)で販売されているものなど)が含まれる。ハイブリッド膨張性マイクロスフェアは、直径約10ミクロン~約30ミクロンを含む、膨張していない任意のサイズを有することができる。熱の存在下で、本発明のハイブリッド膨張性マイクロスフェアは、直径が約3倍~約10倍に増加することができる。すなわち、ハイブリッド膨張性マイクロスフェアの直径は、開始直径の約300%から開始直径の約1,000%まで膨張可能であり得、最も望ましくは、ハイブリッド膨張性マイクロスフェアの直径は、開始直径の約350%から約600%まで膨張可能であり得る。膨張すると、マイクロスフェアはクローズドセルフォーム構造を提供し、ハイブリッド膨張性組成物にロフトを提供する。
【0021】
ハイブリッド膨張性マイクロスフェアは、膨張を開始する特定の温度と、最大膨張に達する第2の温度を有する。マイクロスフェアのグレードが異なれば、膨張温度(Texp)と最大膨張温度(Tmax)も異なる。例えば、ある特に有用なマイクロスフェアは約80℃のTexpと約120℃のTmaxを有し、別の有用なマイクロスフェアは約135℃のTexpと約200℃のTmaxを有する。任意の特定のグレードのマイクロスフェアを使用できるが、本発明では、マイクロスフェアのTexpおよびTmaxは、配合および加工の際に考慮されるべきである。望ましくは、これらのマイクロスフェアが膨張し始める温度(Texp)は、約80℃から約135℃である。マイクロスフェアが最大膨張に達する温度(Tmax)は、望ましくは約120℃から約200℃である。特定のマイクロスフェアおよびそれらのそれぞれのTexpおよびTmaxの選択は本発明にとって重要ではないが、処理温度はこれらの温度に応じて変更することができる。
【0022】
ハイブリッド膨張性組成物中の水溶性塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。特定の理論に縛られることなく、塩は組成物中の水をより速く加熱し、組成物の膨張に必要な時間を短縮する。添加する場合、組成物の総重量に基づいて約0.1から約5、好ましくは約0.5から3重量%を使用することができる。
【0023】
組成物は、1つ以上の消泡剤、可塑剤、防腐剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、充填剤、顔料、染料、安定剤、ポリビニルアルコール、湿潤剤、およびそれらの混合物をさらに含んでもよい。消泡剤、可塑剤、防腐剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、充填剤、顔料、染料、安定剤、ポリビニルアルコールまたは湿潤剤を含む添加剤は、ハイブリッド膨張性組成物の総重量に基づいて最大5重量%まで添加することができる。
【0024】
別の実施形態では、ハイブリッド膨張性組成物は、
a.約30~約80重量%のバインダー系;
b.約1~約15重量%のマイクロスフェア;
c.約0.1~約5重量%の水溶性塩;および
d.約5重量%までの添加剤を含む。
【0025】
バインダー系に応じて、ハイブリッド膨張性組成物は、湿ったときに基材に粘着性を有する。さらに、ハイブリッド膨張性組成物は、膨張時に基材への粘着性を維持する。強力な接着力は必要ないが、断熱と緩衝を提供するために長時間基材の上に留まることが望ましい。当業者は、接着レベルを修正して、特定の基材への粘着性を増加または減少させることができる。
【0026】
ハイブリッド膨張性材料を形成する方法も提供される。この方法では、ハイブリッド膨張性材料を形成することは、
a.上記ハイブリッド膨張性組成物を調製し、
b.ハイブリッド膨張性組成物を基材上に塗布し、
c.ハイブリッド膨張性組成物を急速加熱し、
d.ハイブリッド膨張性組成物を冷却する工程を含む。
【0027】
組成物は、成形の直前に調製されてもよく、または事前に調製され、必要になるまで保存されてもよい。
【0028】
ハイブリッド膨張性組成物は、一連のドット、ストライプ、ウェーブ、市松模様、実質的に平坦なベースを有する任意の一般的な多面体形状、およびそれらの組み合わせを含む、所望の任意の構成で基材上に適用され得る。さらに、ハイブリッド膨張性組成物は、一連のシリンダー内の第1の表面に適用され得る。さらに、必要に応じて、ハイブリッド膨張性組成物を基材全体に適用することができる。任意に、ハイブリッド膨張性組成物の上面に第2の基材を適用して、第1の基材-膨張性組成物-第2の基材のサンドイッチ構成を形成することができる。別の実施形態では、複数の基材を利用して多層物品を形成し、強化された断熱性および緩衝性を提供することができる。2より多い基材を有する物品の場合、ハイブリッド膨張性組成物は、物品に強度を与えるために、前の基材からずれたパターンで適用されてもよい(各基材上のパターンの構成は、上下の構成からずれている)。基材は、セルロース基材、木材、または約100℃を超える融点を有するプラスチックフィルムであり得る。基材は、ファイバーボード、チップボード、段ボール、段ボール中紙、固体漂白ボード、固体漂白サルファイトボード、固体未漂白ボード、白裏打ちチップボード、クラフト紙、クラフトボード、バインダーボード、コート紙であることが特に好ましい。あるいは、基材は、延伸ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、金属化フィルム、堆肥化可能なポリマーフィルム、生分解性ポリマーフィルム、またはバイオベースのフィルムであってもよい。さらに、基材は、実質的に平面であっても非平面であってもよく、例えば、波形基材に典型的に見られる媒体であってもよい。
【0029】
ハイブリッド膨張性組成物を発泡させるためには、マイクロ波、赤外線、高周波、および/または超音波エネルギー加熱を含む急速加熱が必要である。急速加熱は、膨張性組成物中のバインダーからオープンセル構造を提供する。組成物中で使用される場合、最大加熱温度は、ハイブリッド膨張性マイクロスフェアのTmaxよりも約30°F高くすべきではない。Tmaxよりも約30°F高い温度では、マイクロスフェアが破裂する。
【0030】
ハイブリッド膨張性組成物は、発泡すると、クローズドセル構造およびオープンセル構造を有することを特徴とする。クローズドセル構造はマイクロスフェアに由来し、オープンセル構造はバインダー系から生成される。エマルションポリマーバインダーとデンプンまたはデキストリンとのバインダー混合物は、これらのオープンセル構造を提供する。特定の理論に拘束されるわけではないが、マイクロスフェアによって作成されたスペースと組み合わされたデンプンまたはデキストリンの急速な加熱およびさらにエマルションポリマーからの弾力性と組み合わされることにより、組成物がハイブリッド膨張系のより高いロフト、または膨張性を作成することを可能にする。クローズドセル構造とオープンセル構造の両方を組み合わせることで、より高い膨張の相乗効果が得られる。マイクロスフェアのより高い添加は同様の膨張を提供する可能性があるが、バインダーポリマーが膨張した球の間のギャップを埋めることができない場合、添加の制限が発生する。さらに、そのような系は脆弱になりすぎて、保護用の断熱(詰め物)と緩衝を提供できなくなる。マイクロスフェアを含まない系は、有意なロフトを提供できない。さらに、この特定の相乗的な発泡システムは、弾力性を提供し、圧力が加えられた場合でもクローズドセル構造とオープンセル構造を維持する。
【0031】
ハイブリッド膨張性材料が冷えると、クローズドセル構造とオープンセル構造が硬化する。この冷却段階の間、基材に圧力を加えることによって、基材の高さを標準化することができる。これにより、基材全体で膨張材料の一定の高さが得られる。
【0032】
本発明のハイブリッド膨張性組成物は、パッケージおよび容器に必要な保護断熱および緩衝を提供できることが発見された。接着剤およびコーティングを基材上に塗布して、所望のパッケージおよび容器を形成することができる。接着剤は、基材の端部に連続的または非連続的に塗布して、パッケージおよび容器を密封することができる。別の実施形態では、接着剤は、基材を一緒に保持するために非エッジ部分に選択的に塗布されてもよい。パッケージおよび容器は、封筒、パウチ、バッグ、ボックス、カートン、ケース、蓋、ラップ、クラムシェル、カップ、食品容器などとして形成することができる。
【0033】
一実施形態では、パッケージは、非連続パターンで2つの基材の間に散在するハイブリッド膨張性組成物で形成される。例えば、2つの基材を一緒に保持して平面物品を形成するために、1つの基材の端部に接着剤を塗布することができる。次いで、第2の単一の平面物品を同じまたは異なる接着剤で3/4面に接着して、パウチを形成することができる。あるいは、単一の平面物品を1つの継ぎ目で折り畳み、他の2つの端部を異なる接着剤の同じもので一緒にシールしてパウチを形成することができる。パッケージをシールするために、最後に残った端部に感圧接着剤ストリップを取り付けることも考えられる。一実施形態では、最終エッジは、フラップに感圧接着剤が塗布されたフラップとして形成されてもよい。感圧接着剤はライナーカバーを有することができ、このライナーカバーは後で取り外してフラップを閉じてシールすることができる。ハイブリッド膨張性材料を含む平面物品は、接着剤を有する封筒、バッグ、箱、カートン、ケース、蓋、ラップ、クラムシェル、カップ、および食品容器を含む物品を形成するための基礎となり得る。あるいは、これらの物品は最初に成形し、次に、ハイブリッド膨張性組成物および接着剤を使用し、膨張させて、所望の物品を形成することができる。
【0034】
上述の接着剤はまた、二酸化炭素排出量をさらに減少させるために、再生可能または堆肥化可能、または生分解性の材料から作られてもよい。ホットメルト接着剤と水性接着剤の両方が、ハイブリッド膨張性組成物と同時に加工できるため、想定される。ハイブリッド膨張性組成物が急速加熱中に膨張すると、ホットメルト接着剤と水性接着剤が硬化し、基材を結合する。
【0035】
家庭用電子レンジでの加熱の不均一性により、膨張フォームの一部が対称でない場合がある。「膨張サンドイッチ」の高さを測り、膨らみ具合の目安として用いることができる。ただし、ハイブリッド組成物の膨張の程度を判断するために高さだけを使用することはできず、固形分率、粘度、膨張率、フォーム損失、フォームの弾力性などの他の要因を使用して、発泡材料を評価する。
【0036】
フォームの弾力性は、フォームの4つの要素と、圧縮を繰り返した後の回復能力を評価したものである。4つの要素とは、初期圧縮力、初期フォームの高さ、フォーム高さの損失(インデント)、および力の減少の勾配である。このように、弾力性特性は、単一の定量的な数値を表すものではなく、最も弾力性のある膨張フォームと望ましい値を決定するための4つの側面からの方法である。フォームの高さは、膨張性組成物が急速に加熱され乾燥された後の初期の高さである。初期のフォームの高さが高いことが望ましい。初期力は、圧縮に対する発泡材料の抵抗である。初期力が高いほど、発泡材料は圧縮に抵抗する力が強くなる。フォーム損失は、圧縮サイクルを繰り返した後の最初のフォーム高さの減少である。フォーム損失が少ないことは、繰り返しの圧縮サイクルからの回復が良好であることを意味するため、望ましいことである。勾配は、5サイクルの弾性試験での圧縮ピーク力の低下の半対数フィッティングから得られる。低い勾配は、フォームが繰り返しの圧縮から回復することを示す。
【0037】
【0038】
本発明は、非限定的であり、本発明の説明を助けることだけを意図した以下の実施例の分析を通じて、よりよく理解され得る。
【実施例】
【0039】
例1-サンプルの形成
以下のサンプルは、容器内で成分を以下の順序で室温で混合し、約300rpmでオーバーヘッドパドルミキサーを使用して混合することによって作成した。最も低い粘度から最も高い粘度の順に水、塩、マイクロスフェア、バインダー系をおよび次に添加物。各サンプルの成分を表1に示す。
【0040】
【0041】
例2-サンプルの性能特性
各サンプルについて、固形分パーセント、粘度、膨張率、勾配、初期力、フォームの高さ、フォーム損失、および弾性力テストサイクルを測定し、表2に示す。
【表3】
【0042】
固形分パーセントは、分析天秤で予め秤量した皿に約1.0mlのサンプルを秤量し、次いでそれを130℃のオーブンに30分間置くことによって測定した。乾燥後にサンプルを再度秤量し、固形分パーセントを計算して表2に報告した。
【0043】
サンプルのせん断粘度は、25℃で直径2.5cmの平行プレートを備えたARES-Fluidレオメーターで測定した。サンプル1滴をジオメトリ上に配置し、ギャップを約0.2mmに設定して、液体サンプルがプレート間にちょうど満たされるようにした。せん断速度スイープは0.01s-1から1000s-1で行われ、データセットから0.1s-1および100s-1の2つのデータポイントがとられ、表2に報告した。
【0044】
フォームの高さは、サンプルが膨張した後のサンプルの高さである。膨張性サンプルの既知の質量、通常は20~100ミリグラムを半球状のドット/ドロップとして薄いガラスカバースリップ上に配置し、1kWの家庭用電子レンジのリングトラックの上の端近くのターンテーブルに直接配置した。次に、これをフルパワーで10秒間加熱した。半球状のドットは、対称的な「マッシュルームキャップ」またはそれに非常に近い位置まで膨張する。膨張したばかりのフォームには、膨張時にまだ水分が含まれているため、乾燥または固まるまで放置する。次に、既知の幅を参照して、乾燥フォームの側面図を撮影した。プロファイルを画像解析ソフトウェア(ImageJまたはFiji)でデジタル化し、フォームの高さと体積の決定を可能にする。
【0045】
図1は、サンプル3の側面図である。
図1Aは、未膨張の湿ったサンプル1であり、図 1Bは、膨張して乾燥したサンプル1である。
【0046】
膨張率は、膨張したドライフォームの体積を液体サンプルの体積で割ったものである。上述のように、20~100ミリグラムのサンプルサイズを使用して、電子レンジで高さ約4~8mmの膨張フォームドットを形成した。サンプルの湿潤密度は既知であるため、湿潤体積が計算され、したがって、膨張率が得られた。あるいは、ウェットドロップの側面プロファイルを撮影し、デジタル化して湿潤体積を計算した。
【0047】
初期力、フォーム損失、および勾配を測定するために、5回の弾性力テストサイクルが実施された。これらの測定は、Texture Analyzer(モデルTA.XPlus)で平行プラテンをセットアップして行った。Texture Analyzerソフトウェアで専用の手順がプログラムされ、テストはコンピューターによって自動的に実行された。最初に、上部プレート/プローブを下部プレートの10mm上に配置した。次いで、紙-膨張したサンプル-紙(上記のようにマイクロ波オーブンで記載したように膨張した)の構成を有するサンドイッチサンプルをプレートの間に置いた。次に、力変換器が10グラムの力を感じるまで、上部プレートをサンドイッチに向かってゆっくりと動かした。その時点で上部プレートが停止し、その位置がプログラムによって記録されたため、サンドイッチの厚さ(初期フォームの高さ)が記録された。次に、上部プレートをサンドイッチの上面から1mm後退させた。次に、プログラムはサイクル圧縮テストを5回実行した。プローブ圧縮速度は2mm/s、圧縮距離は、3mmであった。プローブは1mm離れて開始したため、サンドイッチで実行された実際の圧縮は2mmであった。全体の時間、力、距離、および時間を記録し、コンピュータープログラムは各サイクルでのピーク圧縮力を記録する。最初の圧縮サイクルのピーク力を初期力として記録した。5回目のサイクルで、フォームの高さを測定し、最初と最後の高さの差を計算し、フォーム損失として報告した。一般に、ピーク力はサイクルごとに減少し、サンドイッチの厚さもその後減少する。チャートは、各テストサイクルの力(g)対インデント(mm)を示すためにプロットした。これは、サンプル3の
図2に示されている。
【0048】
勾配を決定するために、各テストサイクルのピーク力をサイクル数に対してプロットし、片対数減衰関数を当てはめた。勾配(絶対値)を分析用に引き出した。これを
図3に示す。
【0049】
図4は、40mmmicro-Nikkor DX DXレンズを取り付けたDSLR Nikonカメラで近距離で撮影した、引き裂かれた膨張サンプルの上面図である。
図4Aの写真のサンプルは、70%のポリビニルアルコール、20%のマイクロスフェア、1%の塩、2%の水、および7%の添加剤で作られている。
図4Bはサンプル3である。マイクロスフェアがわずか4%の場合でも、どちらのサンプルにも同様の空隙量が含まれている。
【0050】
図5は、
図4と同じサンプルの側面図である。側面から見ると、サンプル3には、4%のマイクロスフェアしかないが、どちらの写真も同様のボイドを示す。また、
図5Bには、5Aよりも多くの目に見えるオープンセル構造がある。
【0051】
フォーム高さは、デンプン/デキストリン(比較サンプルB)およびエマルションポリマー(比較サンプルC)にマイクロスフェアを追加すると増加する。しかし、両方をバインダー系として混合すると、フォームの高さが大幅に増加する(サンプル1~5)。重要なことは、バインダー系として両方を混合すると、フォーム損失が少なくなるということである。複合バインダー系を使用すると、傾斜が低くなり、弾力性が向上する。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.(i
)-40℃
~60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(ii)デンプンまたはデキストリンの混合物を含むバインダー系;
c.複数の予備膨張または膨張性マイクロスフェア;および
d.水溶性塩
を含有するハイブリッド膨張性組成物。
【請求項2】
エマルションポリマーが、エチレンビニルアセテート、ビニルアセテートエチレン分散体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートポリビニルアルコール、デキストリン安定化ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートコポリマー、ビニルアセテート-エチレンコポリマー、ビニルアクリル、スチレンアクリル、アクリル、スチレンブチルゴム、ポリウレタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項3】
デキストリンが
、25%
~75%の水溶解度範囲を有する、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項4】
マイクロスフェアが、天然、半合成または合成ポリマーから調製されたシェルを有する、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項5】
マイクロスフェアが
、80℃
~120℃の膨張開始温度を有する、請求項
1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項6】
水溶性塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物。
【請求項7】
a
.30
~80重量%のバインダー系;
b
.1~15重量%の複数のマイクロスフェア;
c
.0.1
~5重量%の水溶性塩;および
d
.5重量%までの
消泡剤、可塑剤、防腐剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、充填剤、顔料、染料、安定剤、ポリビニルアルコール、湿潤剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される添加剤
を含むハイブリッド膨張性組成物から調製されたハイブリッド膨張性材料であって、ハイブリッド膨張性材料が、クローズドセル構造およびオープンセル構造を有することを特徴とするハイブリッド膨張性材料。
【請求項8】
請求項1に記載のハイブリッド膨張性組成物および少なくとも1つの
セルロース基材、木材または100℃を超える融点を有するプラスチックフィルムである基材を含む物品。
【請求項9】
カップ、食品容器、ケース、カートン、バッグ、箱、蓋、パッケージ、封筒、ラップまたはクラムシェルである、請求項
8に記載の物品。
【請求項10】
a.(i)(1
)-40℃
~60℃のTg範囲を有するエマルションポリマーバインダーおよび(2)デンプンまたはデキストリンとの混合物である
、30
~80重量%のバインダー系;
(ii
)1~15重量%の複数のマイクロスフェア;
(iv
)0.1
~5重量%の水溶性塩;および
(v
)5重量%までの添加剤
を含むハイブリッド膨張性組成物を調製し、
b.ハイブリッド膨張性組成物を基材上に
ドット、ストライプ、ウェーブ、市松模様、実質的に平坦なベースを有する任意の一般的な多面体形状、円柱、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される構成で塗布し、
c.ハイブリッド膨張性組成物を
マイクロ波、赤外線、高周波、および/または超音波エネルギーを用いて急速加熱し、
d.ハイブリッド膨張性組成物を冷却する工程を含むハイブリッド膨張性材料を形成する方法であって、これにより、ハイブリッド膨張性材料が形成される方法。
【国際調査報告】