(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】測定及び機械学習のためのマルチ・レベル信号循環ループ画像表示用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 13/20 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
G01R13/20 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576550
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021036968
(87)【国際公開番号】W WO2021252869
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ピカード・ジョン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フローレス・イェペス・ウィリアムズ・ファブリシオ
(57)【要約】
システムには、デジタル波形信号を受ける入力部と、メモリと、1つ以上のプロセッサとがあり、1つ以上のプロセッサは、デジタル波形信号に基づいて水平ランプ掃引信号を生成する処理と、デジタル波形信号のセグメントを特定するための選択入力を受ける処理と、選択入力に基づいて水平ランプ掃引信号及びデジタル波形信号をゲートし、デジタル波形のセグメントに関する循環ループ画像データを生成する処理と、循環ループ画像データをメモリに記憶する処理と、循環ループ画像データを1つ以上の入力として機械学習システムに供給する処理とを1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように構成される。循環ループ画像を用いる波形分類方法は、入力波形を受ける処理と、入力波形のセグメントの選択情報を受ける処理と、入力波形中のエッジ遷移に基づいて水平ランプ掃引信号を生成する処理を含む入力波形のセグメントを循環ループ画像データに変換する処理と、循環ループ画像データをメモリに記憶する処理と、循環ループ画像データを機械学習システムに送信して入力波形の属性を決定する処理とを具える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル波形信号を受ける入力部と、
メモリと、
1つ以上のプロセッサと
を具え、該1つ以上のプロセッサが、
上記デジタル波形信号に基づいて水平ランプ掃引信号を生成する処理と、
上記デジタル波形信号のセグメントを特定するための選択入力を受ける処理と、
上記選択入力に基づいて上記水平ランプ掃引信号及び上記デジタル波形信号をゲートし、上記デジタル波形のセグメントに関する循環ループ画像データを生成する処理と、
上記循環ループ画像データを上記メモリに記憶する処理と、
上記循環ループ画像データを1つ以上の入力として機械学習システムに供給する処理と
を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように構成されるシステム。
【請求項2】
上記メモリが、X軸データとして時間の関数としての水平ランプ掃引信号と、Y軸データとして時間の関数としてのデジタル波形信号と、Z軸データとして時間軸のデータ・サンプル間の時間増分とを記憶するXYZメモリを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記デジタル波形信号が、被試験デバイスから取得したマルチ・レベル変調方式に従って変調された信号のデジタル化表現から構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
上記1つ以上のプロセッサが、単一のコンピューティング・デバイス上に常駐するか又はコンピューティング・デバイスと試験測定装置との間で分散される請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
上記入力部が、被試験デバイスからアナログ入力信号を受信し、上記デジタル波形信号を生成するアナログ・デジタル・コンバータを含む入力回路から構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
上記入力部が、上記デジタル波形信号から直流オフセットを除去する減算ブロックと、上記デジタル波形信号のサンプル・レートを調整する補間回路との中の少なくとも1つを有する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
上記1つ以上のプロセッサが、上記循環ループ画像データについて測定を行う処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように更に構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
上記1つ以上のプロセッサが、上記循環ループ画像データを上記機械学習システムに供給する前に、上記循環ループ画像データを測定値と組み合わせる処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように更に構成される請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
外部クロックを受ける外部クロック入力部と、
デジタル外部クロックを生成するクロック・アナログ・デジタル・コンバータと、
リカバリ・クロックを生成するクロック・リカバリ回路と、
上記デジタル外部クロックと上記リカバリ・クロックとの間で選択するマルチプレクサと
を更に具える請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
上記循環ループ画像データを上記機械学習システムに供給する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、複数の循環ループ画像のテンソルを形成する処理と、上記テンソルを上記機械学習システムへの入力として供給する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ディスプレイを更に具え、上記1つ以上のプロセッサが、上記循環ループ画像データを1つ以上の循環ループ画像として上記ディスプレイ上にレンダリングする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように更に構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
循環ループ画像を用いた波形分類方法であって、
入力波形を受けるステップと、
上記入力波形のセグメントの選択情報を受けるステップと、
上記入力波形中のエッジ遷移に基づいて水平ランプ掃引信号を生成するステップを含む上記入力波形の上記セグメントを循環ループ画像データに変換するステップと、
上記循環ループ画像データをメモリに記憶するステップと、
上記循環ループ画像データを機械学習システムに送信して上記入力波形の属性を決定するステップと
を具える方法。
【請求項13】
上記循環ループ画像データを1つ以上の循環ループ画像としてディスプレイ上にレンダリングするステップを更に具える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記入力波形が、被試験デバイスから取得されたマルチ・レベル変調方式に従って変調された信号のデジタル化表現を含み、上記方法が、
上記マルチ・レベル変調方式に関する1つ以上の循環ループの選択情報を受けるステップと、
選択された循環ループのみを上記ディスプレイ上の上記循環ループ画像としてレンダリングするステップと
を更に具える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記環状ループ画像データについて測定を行うステップを更に具える請求項12に記載の方法。
【請求項16】
上記循環ループ画像データを上記機械学習システムに送信する前に、測定値と上記循環ループ画像データを組み合わせるステップを更に具える請求項15に記載の方法。
【請求項17】
被試験デバイスからアナログ入力信号を受信し、アナログ・デジタル・コンバータを使用して上記アナログ入力信号を入力波形としてデジタル信号に変換するステップと、
上記入力波形の平均を減算してDCオフセットなしの上記入力波形を生成するステップと、
上記入力波形を補間して上記入力波形のサンプル・レートを調整するステップと
の中の少なくとも1つを更に具える請求項12に記載の方法。
【請求項18】
上記入力波形中のエッジ遷移に基づいて上記水平ランプ掃引信号を生成するステップが、上記エッジ遷移に基づいてトリガ信号を選択的に送信するステップを含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
上記入力波形の上記セグメントを循環ループ画像データに変換するステップが、水平ランプ・クロック遅延を受けるステップを更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項20】
被試験デバイスから入力波形信号を受信すると共にデジタル波形信号を生成するアナログ・デジタル・コンバータを含む入力回路と、
デジタル波形信号のセグメントを特定するための選択入力部と、
上記デジタル波形信号の上記セグメント内のデータに基づいて水平ランプ掃引信号を生成するランプ信号発生部と、
上記水平ランプ掃引信号に関連する上記デジタル波形信号の上記セグメント内のデータ・サンプルをゲート処理波形信号データとして捕捉するのをトリガするトリガ部と、
上記ゲート処理波形信号データを1つ以上の循環ループ画像として表示するディスプレイと、
1つ以上の循環ループ画像を入力として利用する機械学習システムと
を具えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年6月11日出願の「波形データのためのPAM4循環アイ画像表示」と題する米国仮特許出願第63/038,040号、2020年6月15日出願の「斬新な循環アイ・プロット及び機械学習を用いたリード/ライト・バースト分離及び測定」と題する米国仮特許出願第63/039,360号、2020年6月18日出願の「波形データの循環アイ画像表示」と題する米国仮特許出願第63/041,041号及び2021年4月21日出願の「機械学習を用いて光送信機を測定又はチューニングするための循環アイ」と題する米国仮特許出願第63/177,930号の利益を主張するものであり、これらの夫々は、参照することにより、これらの全体が本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、以下の特許出願に関連する。2021年6月11日出願の「循環ループ画像を用いた信号の分離及び分類のためのシステム及び方法」と題する米国特許出願第17/345,342号(Atty-Dkt 12222-US1)、2021年6月11日出願の「波形データの循環ループ画像表示」と題する米国特許出願第17/345,283号(Atty-Dkt 12223-US1)及び2021年6月11日出願の「測定と機械学習のためのマルチ・レベル信号の循環ループ画像表示のためのシステム及び方法」と題するされた特許出願第17/345,312号(Atty-Dkt No. 12224-US2)。
【0003】
本開示は、信号分析及び測定のための画像の生成に関し、特に、マルチ・レベル又はパルス振幅変調信号波形の測定及び機械学習に使用可能な画像への変換に関する。
【背景技術】
【0004】
オシロスコープの黎明期において、2つの異なる信号によるXY掃引を使用するリサージュ図形は、信号の位相特性と周波数特性を表示するための一般的な方法であった。これら信号としては、同じ周波数又は異なるとしても関連する周波数の正弦波又は矩形波信号が含まれていた。この画像には、単一の閉ループの循環パスという主要な特徴があった。信号は、XとYが同じ周波数の場合に、各サイクルで、このパスの通過を繰り返す。
図1は、2つの入力信号12及び14から生じるこのような画像10の一例を示す。
【0005】
XY循環タイプのプロットの別の例は、オシロスコープのディスプレイ上で、磁気BH曲線の観察から得られる。Bは磁束密度を指し、Hは磁界の強さを指す。ディスプレイ上に生じる循環ループは、磁心材料の磁化のヒステリシス効果を示している。上記のどちらの場合も、入力信号は、周期的でランダムではなく、X軸とY軸は、信号が線形でない限り、直接線形にはならない。
【0006】
プロセッサの大幅な進歩により、プロセッサは、驚異的な速度に達している。これにより、ディープ・ラーニングや機械学習などの人工知能処理を実用的に実装できるようになっている。
【0007】
最新の通信システムでは、概して、シリアル・データ・リンクを使用して周期的なクロック又は擬似ランダム・バイナリ・シーケンス(PRBS)を送信する。オシロスコープは、通常、時間に対する測定値y(t)又はYTを表示し、分析及び視覚化に使用するモード表示信号ダイアグラムを表示する。シリアル・データ信号のこれらのダイアグラムは、多くの場合、アイ(目)に似た形をしているため、アイ・ダイアグラムと呼ばれる。
図2は、このようなアイ・ダイアグラムの例を示し、「アイ」開口部16がある。
【0008】
オシロスコープは、通常、2ユニット・インターバル(UI)の時間間隔でアイ・ダイアグラムを作成する。この場合、1つのUIは、波形表示の時間軸上の1つのシンボル間隔に相当する。これらの画像では、シンボル遷移がオーバーレイされ、ディスプレイの左側と右側で正のエッジと負のエッジが交差する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許公開第2018/0074096号明細書
【特許文献2】欧州特許第2743710号明細書
【特許文献3】米国特許第5397981号明細書
【特許文献4】米国特許第5594655号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2013/0046805号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
概して、機械学習(ML:machine learning)ネットワーク又はシステムは、画像データに対して適切に動作する。しかし、従来のアイ・ダイアグラム画像は、MLネットワークではうまく機能しないことがある。従来のアイ・ダイアグラム画像は、データ・ポイントが冗長で、信号の上部と下部でオーバーレイ度が高く、正のエッジがクロス・ポイントで負のエッジにオーバーレイする。これは、システム伝達関数を定義するエッジ形状を曖昧にして不明瞭にする傾向があり、これは、シンボル間干渉(ISI)が増加するにつれて特に当てはまる。更に、これらタイプのダイアグラムは、最も重要な領域として、表示の中央にあるアイの開口部に焦点を当てている。このような状況でML技術を適用するには、システムには、より優れた画像が必要となる。
【0011】
開示された装置及び方法の実施形態は、従来技術における欠点に取り組むものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図2は、アイ・ダイアグラム・プロットの一例を示す。
【
図3】
図3は、2レベルのノン・リターン・トゥ・ゼロ(NRZ)信号の循環ループ画像の実施形態を示す。
【
図4】
図4は、全てのループと全ての遷移レベルを含む4値(4レベル)パルス振幅変調(PAM4)信号の循環ループ画像の実施形態を示す。
【
図5】
図5は、PAM4循環ループ画像から分離された6つのループの画像を示す。
【
図6】
図6は、水平ランプのトリガ遅延を変化させた場合の様々な循環ループ・プロットの画像を示す。
【
図7】
図7は、循環ループ制御ブロックのユーザ・インタフェース・メニューの実施形態を示す。
【
図8】
図8は、PAM4循環ループ画像及びデータを生成するシステムの実施形態を示す。
【
図9】
図9は、遷移中にのみ発生するランプ信号の生成をグラフで表したものである。
【
図10】
図10は、水平ランプ掃引信号生成回路の一実施形態を示す。
【
図11】
図11は、PAM4クリッパ回路を含む水平ランプ掃引生成回路のより詳細な実施形態を示す。
【
図12】
図12は、PAM4クリッパ・ブロックからの出力信号をグラフで表したものを示す。
【
図13】
図13は、機械学習システムへのテンソル入力の実施形態をグラフィカルに表したものを示す。
【
図14】
図14は、機械学習に循環ループ画像を組み込むための構成の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態は、PAM4のようなパルス振幅変調信号などのマルチ・レベル信号のエッジを分離する問題に取り組むもので、シンボル間干渉(ISI)や反射などのシステム特性を、人間の観察、測定、機械学習波形分類システムにより容易に利用できるようにする。本実施形態では、信号を特定し、いくつかの測定を容易にするために使用する画像を作成するためのユニークな循環ループ表現を説明する。
【0014】
循環ループは、典型的なアイ・ダイアグラムよりも、疎な(sparse:希薄な、まばらな)XY画像プロットである。これら実施形態の循環ループは、システム応答を特徴付ける情報の大部分を含むエッジに焦点を当てる。ノン・リターン・トゥ・ゼロ(NRZ)信号の場合、循環ループに1つの閉ループ・パスがある。PAM4信号には、3つの垂直オフセットにおいて1レベルの遷移をカバーする3個の閉ループ・パスと、2つの垂直オフセットにおいて2レベルの遷移をカバーする2個の閉ループ・パスと、垂直オフセットのない3レベルの遷移をカバーする1個の閉ループ・パスとがある。実施形態は、単一の画像に重ねられた、これらのパスを観察するための手段又は個々の閉ループ・パスの任意のものを別々の画像に分離するための手段を提供する。これら循環ループ画像は、既存の事前トレーニング済みニューラル・ネットワークへの入力に非常に適しており、事前トレーニング済みニューラル・ネットワークは、これら新しい画像に適応し、波形を処理して、これらの画像に基づいて波形を分類できる
【0015】
この説明の都合上、ディープ・ラーニング(深層学習)は、概して機械学習(ML)のサブセットと見なされ、機械学習は、概して人工知能(AI)のサブセットと見なされる。ディープ・ラーニング・ニューラル・ネットワークは、システムの伝達関数に基づいて、画像を処理し、波形を分類できる。しかし、これらのネットワークには、従来のアイ・ダイアグラムよりも優れた画像が必要である。例えば、NRZ信号を使用する1つのアプリケーションでは、リード・バーストとライト・バーストを特定して分離することになろう。これらのバーストは、動作ごとに、異なる伝達関数を有しており、これには、メモリ・パッケージの位置ののプローブとインターポーザから見たときの異なるゲインと伝送損失、異なる反射遅延と反射係数などが含まれる。本願での循環ループの実施形態は、これらの特性のもっと良い表示と分類を可能にする。
【0016】
データ・フローの方向に応じて、2つの異なる伝達関数を持つという問題は、エレクトロニクス業界の別のタイプのシリアル・リンクに存在する。観測される伝達関数の差は、ラインの一端にオシロスコープのプローブを配置することに原因の一部がある。高周波では、他端から送信された信号は、伝送ラインを通ることで損失が大きくなる。プローブの端部にあるデバイスが送信する場合、信号は、プローブから見ると伝送損失では減衰しない。
【0017】
本実施形態は、また、一方向の信号解析、特に反射遅延、反射係数及び波形直線性などの波形に関するいくつかの測定を行う際にも有用なことがある。後者の場合、システムが非定常なことがあり、よって、立ち上がり時に非線形なことがあって、エッジ形状が、立ち下がりエッジと比較して、立ち上がりエッジで異なることがある。対称性が異なることがある。本実施形態の循環ループは、様々な波形パラメータを可視化し、分析するのに役立つ図を提供する。本願での説明は、PAM4信号に焦点を当てているが、本実施形態は、他のタイプの信号に適用しても良い。
【0018】
本願の実施形態は、PAM4信号のXY循環ループ・プロット又は画像を得ることができる。垂直方向のY軸は、信号そのものである。水平X軸は、入力信号エッジの遷移でのみ発生する複数の正及び負の傾斜線形ランプで構成される。
図3は、循環ループ18の一例を示す。本願の実施形態は、新規な処理を使用して、入力データ・パターンの全てのエッジ遷移においてのみ、X軸上に線形又はある程度線形のランプ掃引信号を作成する。
【0019】
本願の実施形態は、XY信号パスが、
図3に示す閉ループのラインから構成されており、立ち上がりエッジの全てが、このループの上側に含まれ、立ち下がりエッジの全てが、このループの下側に含まれるように、これらランプ信号のトリガを配置する。この設定は、PRBS信号のクロック・トリガ・ランプの遅延がゼロより大きい場合用である。遅延がゼロより小さい状況では、負のエッジはループの上側のパスにあり、正のエッジは下側のパスにある。クロック遅延がゼロの場合、正のエッジは、負のエッジの上にオーバーレイされ、ループ内に中央領域がない。
【0020】
機械学習アプリケーションや対称性観察の場合、メニュー・システムの制御により、クロック・トリガ・ランプの遅延をオフセットして、正と負のエッジがオーバーレイされないようにしながら、繰り返しの循環ループ・パスを維持できる。
【0021】
システム内のエッジには、システムの伝達関数を定めるほとんどの情報が含まれているため、この単純化した画像は、波形の全サイクルを1つの画像で捕捉するが、従来のアイ・ダイアグラムであれば含む余分な不要のデータ・ポイントの多くを排除した循環ループ表示になる。結果として得られるプロットは、波形の特性によっては、磁気ヒステリシスBHプロットと外観が類似している場合があるが、水平ランプ作成の細部には、独自の生成方法とPRBSデータ・パターンへの適用方法がある。
【0022】
機械学習システムは、データ・セットの削減(次元削減又はデータ削減と呼ばれることもある)によって、より適切に機能する。
図4は、例えば、システム応答、立ち下がりエッジと比較した立ち上がりの非線形性、ISI、信号対ノイズ比(SNR)、振幅、反射遅延、反射係数、立ち上がり時間及び立ち下がり時間などの信号属性を決定するために使用できる簡略化された循環ループ・プロットを示している。
【0023】
上述のように、PAM4などのマルチ・レベル信号には複数の循環ループがあるため、PAM4信号アプリケーションの循環ループは、2レベル信号の循環ループよりも複雑である。これは、
図4に示すように、4つの信号レベルがあり、また、エッジが1レベル、2レベル又は3レベルの遷移しかカバーできないという事実に起因する。PAM4のようなマルチ・レベル信号は、NRZのような2レベル信号とは対照的に、
図5に示すように、様々なループを個別に表示する機能が必要になる場合がある。本開示の状況では、「マルチ・レベル」信号は、シンボルを符号化するために2つ以上のレベルを使用する信号を意味する。
【0024】
図5に示す6つの循環ループの中の任意のものを選択して、1つのプロットにオーバーレイできる。これは、6つのループ全てが1つのプロットに含まれているか、又は、例えば、メニュー設定から選択できる、これらループのいくつかから成る任意の組み合わせである。以下で説明する
図7は、メニューの実施形態を示す。
【0025】
ランプ・クロックの遅延がゼロより小さい場合、ループを回るシーケンの方向は反時計回りで、立ち下がりエッジはループの左上にあり、立ち上がりエッジはループの右下にある。当業者であれば、ループを回るシーケンの方向は、代替実施形態では逆でも良いことが理解できよう。
【0026】
クロック遅延がゼロの場合、
図6の左のプロットに示すように、正と負のエッジがオーバーレイされる。ランプ・トリガのクロック遅延が増加すると、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの間の距離が、正のエッジが左側にあり、負のエッジが右側にある状態で増加する。ランプ遅延が負になると、2つのエッジ間の距離が再び増加するが、負のエッジは左側にあり、正のエッジは右側にある。
【0027】
上述のように、ユーザ操作装置を使用して、このクロック・ランプ・トリガの遅延を変更し、対称性の観察、測定、比較などのために、エッジを手動で分離できる。
【0028】
循環ループは、ゲート処理でディスプレイへ渡される長い全レコード長のデータを収集する。その区間内の全てのサンプルがディスプレイにプロットされる。アクイジションしたデータのXYZバージョンは、カーソルや測定で使用するために保存及び保持することができる。これは、標準的なYTプロットか、又は、循環ループ画像のいずれかにレンダリングされても良い。
【0029】
PAM4信号の場合、垂直方向の振幅は、あるUI間隔から次のUI間隔へ移るときに異なるレベル間を遷移する。4つのレベルがある。掃引用のランプ信号は、PAM4入力信号のエッジ遷移時にのみ生成される。エッジ遷移がない場合、あるUIから次のUIへ移るときに、ランプは生成されない。つまり、複数のUI間隔中にエッジなしでプロットされた全てのデータ・ポイントは、ディスプレイの左側又はディスプレイの右側にある2つの局所的な位置の周辺に表示され、また、PAM4信号の4つの垂直レベルのいずれかのレベルにある。
【0030】
エッジ遷移が発生する複数のUI区間中に、水平軸のランプ信号が生成され、エッジがそれぞれ正又は負のどちらであるかに応じて、ディスプレイ上で左から右に又は右から左にエッジがプロットされる。
【0031】
本願の実施形態によれば、ユーザは、メニュー又は他のユーザ・インタフェースから選択を行うことができる。
図7は、このようなユーザ・インタフェースの例を示す。以下で説明するように、本実施形態は、ユーザ・インタフェースの一例として機能する。なお、ユーザ・インタフェースには、本願で示す以外の操作装置やオプションが含まれていたり、本願で示すより少ないこともあるため、この構成に限定することを意味するものではなく、また、示唆するものでもない。更に、このユーザ・インタフェースは、1つのオプションを与えるものであって、他の実現形態としては、メニュー又はユーザによるインタラクティブな操作なしに、システムによって循環ループが生成されても良い。システムは、使用する入力波形の部分を自動的に選択しても良い。いずれの場合も、このユーザが行う選択的入力又は自動選択入力は、本願では、循環ループ画像の生成に使用する波形部分を特定するための「入力」と呼ぶことにする。
【0032】
図7に示すように、ユーザ・インタフェースには、PAM4循環ループ用のメニュー制御構造が含まれている。このメニューは、オシロスコープ・アプリケーションに組み込みメニューとして組み込まれても良いし、接続されたコンピューティング・デバイス上など、オシロスコープとは独立して実行されるソフトウェア・アプリケーションとして実装されても良い。このアプリケーションは、オシロスコープを制御し、オシロスコープとの間でインタラクティブな処理ができる。これは、オシロスコープのプロセッサのオペレーティング・システム上で動作しても良いし、それぞれ複数のプロセッサを有する2つのシステム間に分散された別個のコンピューティング・デバイス上で動作しても良いし、又は、Webベースのクラウド・アプリケーションとして動作する、などであっても良い。
【0033】
ユーザ・インタフェースの上部には、標準のオシロスコープ表示と同様に、入力PAM4波形を時間に対する振幅としてグラフィカルに表示するYTプロットが表示されても良い。このプロットは、オシロスコープの表示であっても良いし、アプリケーションによって制御される別のプロットであっても良い。このプロットには、グリッド、ズーム、色、ラベルなど、標準の波形プロットに存在すると予想されるような全てのタイプの制御と設定があっても良い。
【0034】
ユーザ・インタフェースには、最小で1つの循環ループ・プロットが表示されても良い。しかし、任意の数のプロットが同時に存在しても良く、それぞれに異なるループを選択したものが含まれているか、又は、異なるアクイジションから選択されたものが含まれていても良い。これらプロットには、通常、プロットに関連する全ての標準的なパラメータの操作部(controls)がある。Y軸は、以下で詳しく説明するゲート処理された入力波形に由来する入力信号で構成される。X軸は、入力信号y(n)がエッジ遷移を有するUI(ユニット・インターバル)の位置に線形ランプを含む波形で構成される。
【0035】
G1及びG2のゲート操作部には、YT表示上で、これらに関連付けられたカーソルがあっても良い。これら操作部と関連するカーソルは、循環ループにプロットされる入力波形のセグメントを指定する。これにより、ユーザは、循環ループに含めるゲート間隔を手動で指定できる。「トリガ・オプション」に関する2番目のタブにより、任意のタイプのアルゴリズム又は任意のタイプの測定を、G1とG2の位置決めに利用可能となる。これにより、ゲート処理されて循環ループに渡されるYT波形のセグメントを決定する自動化された方法を組み込むことができる。例えば、これにより、システムが一方向のデータのアクティブなバーストを検出すると共に、反対方向のデータのアクティブなバーストを検出できるようにすることもできる。このトリガは、どの方向かを知らせる機能を持っているか、データの様々なバーストを認識する機能を持っていても良い。後者の場合、循環ループを分析し、それがどのタイプのバーストであるかを判断するのに、ニューラル・ネットを使用しても良い。
【0036】
このユーザ・インタフェースは、X、Y及びTカーソルを有していても良く、これら3つのカーソルは、それらの位置によってマークされる波形サンプルのスペース内の位置の適切なデータ値読み出し情報を有する。Xカーソル及びYカーソルは、XY循環ループ・プロット上に存在し、TカーソルはYTプロット上で時間位置をマークする。カーソル位置の読み出し情報は、メニュー内にあり、適切な単位が付けられる。ユーザは、マウス若しくはタッチスクリーン、ノブ、編集ボックス、又は、PI(プログラマブル・インタフェース)若しくはコマンドなどを使用することによって、オシロスコープで普通の同様のやり方でカーソルを制御しても良い。
【0037】
上述したように、PAM4信号又はその他のマルチ・レベル信号には、複数のループがある。
図7のユーザ・インタフェースの例には、6つのあり得る循環ループの中のどれを循環ループ画像上に現れるようにするかを選択するための6つのチェック・ボックスのセットが含まれている。任意の組み合わせをチェックすることができ、それによってプロットに含めるように選択できる。
【0038】
図8、
図10及び
図11に関して説明するように、システムは、入力波形に適用する水平ランプ信号を生成する。水平ランプ操作部は、遅延及び期間の設定を有していても良い。この遅延により、ユーザは、ランプがいつ開始するかを決定するリカバリ・ランプ・トリガに関する時間量を調整できる。この操作部を調整すると、
図6に示すように、循環ループ画像の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの間の距離が水平方向に増減し、別々に分析できるようになる。
【0039】
ランプ期間操作部は、傾斜(スロープ)を変更することによって、ランプ期間を調整する。デフォルトのランプ期間は、1つのシンボル間隔である1つのUIと等しい。しかし、UI間隔の幅に対して立ち上がり時間が非常に速い信号のハイ・レベルまでループ・トレースが拡張しないようにランプ時間を短縮することが望ましい場合がある。これにより、機械学習と人間が観察する目的のために、エッジ遷移を循環ループの主な注目点にすることができる。全ての波形サンプルは、引き続き循環ループ画像に含まれているが、より多くのサンプルが表示イメージの端部に留まる。
【0040】
ファイル出力操作部を使用すると、ユーザは、循環ループ画像、XYTファイル、YTファイルを保存するなど、ファイルを出力(export)できる。
【0041】
図7に示されていない他の操作部の例としては、XY及びYT画像のズーム及びパンと、補間サンプル・レートがあっても良い。XYプロットが、典型的なズームとパンの調整を含んでいても良く、これにより、人が観察しやすくすると共に、波形エッジ特性の機械学習の解像度をより良いものにするように画像を管理できる。補間操作部により、ユーザは、補間レート又は間引きレートを選択できる。この操作部は、保存される波形のサンプル・レートを調整する。
【0042】
部分的にユーザの選択に基づいて、システムは、循環ループ画像及び関連データを生成できる。
図8は、システムの実施形態を示し、これは、表示用の循環ループ画像を生成でき、また、循環ループ画像データを機械学習システムで利用可能にして、循環ループ画像に関連する信号の特性又は信号の属性の決定できる。20において、入力回路がアナログ信号を受信する。このアナログ信号は、被試験デバイス(DUT)に取り付けられたプローブからのものでも良い。入力回路は、様々な形式があり得るが、20のようなアナログ・デジタル・コンバータが含まれ、これは、入力信号y(t)をサンプリングされたデジタル波形信号y(n)に変換する。代替の実施形態では、アナログ・ディジタル・コンバータ段20がオプションであってもよく、入力デジタル波形信号y(n)は、例えば、記憶された波形ファイルから、27において直接受信されても良い。信号は、入力回路で更に処理を受けても良く、これには信号からDCオフセットを除去することが含まれる。典型的には、これは、22の信号の平均を除去することで実現できる。更に、上述のように、信号は、上記パスのラインを満たすため又は処理するデータ量を減らすために、24で補間又は間引きを受けてサンプル・レートを調整しても良い。
【0043】
次いで、水平ランプ生成部25は、デジタル波形を受信し、循環ループにおいてX軸データとして用いられるランプを生成する。これは、プロセッサによって実行される一連の動作から構成されるもので、プロセッサは、デジタル波形からクロックをリカバリし、データをクリップして整形し、適切なロジック回路を利用して、波形の各遷移中に線形ランプが発生するように、線形ランプをトリガするようゲート処理できる。波形中のエッジ遷移のないユニット・インターバルの場合、ランプは生成されない。
【0044】
ランプは、一定の振幅と一定の傾斜を有していても良い。この傾斜は、期間を制御し、この期間は、デフォルトでは1UIとされる。ユーザは、この期間を調整する操作部を利用できる。これは、UIの期間に対して立ち上がり時間が速い波形の循環ループから長いハイ・レベルを排除するのに適している。これにより、従来のアイ・ダイアグラムと比較して、循環ループの重要な注目点であるエッジの表示が最適化される。
【0045】
ユーザは、
図7のメニューに示すように、リカバリ・クロックのエッジに対するランプの時間オフセットを調整できる。これにより、立ち上がりエッジが立ち下がりエッジの上に重ならないように、循環ループ内のエッジを分離し、測定や対称性の比較のために、循環ループ内のエッジの表示を最適化できる。これは、循環ループ画像がディープ・ラーニング・ニューラル・ネットワーク又は他の機械学習システムで波形画像の分類又は波形の属性の決定に使用される場合にも有益である。
図6は、この遅延を調整した場合の効果を示す。
【0046】
トリガ/ゲート・パターン検出部26も信号を受けると共に、
図7で説明したユーザ・インタフェースからユーザ入力38を受ける。このトリガ/ゲート・ブロックを使用すると、ユーザは、入力デジタル波形に対して複数のゲート・カーソルを設定して、循環ループ表示画像に組み込むデータの量と位置を指定できる。他の検索及びマーク手段又は自動アルゴリズムを使用して、波形のどの部分が循環ループに入るかを決定しても良い。
【0047】
バースト・ゲート30は、XYZメモリ32を介して、どのデータを循環ループ・データ・ベースに入れるかを決定する。ゲート/トリガ・ブロック26は、この実施形態では、乗算器に1又は0を供給し、これによって、いつデータがメモリ32やディスプレイ46へと進み、停止するかを制御する。これは、この図では乗算器として表され、どのデータが循環ループ・データ・ベースに入るかを決定する。ゲート/トリガ・ブロックは、乗算器に1又は0を供給し、乗算器は、データがいつメモリ32やディスプレイ46へと進み、停止するかを制御する。結果として得られるデータは、Y軸データとX軸データからなるゲート処理された波形(ゲート処理波形)と呼ばれることがある。
【0048】
図9は、PAM4波形52及びランプ信号生成部25の動作の一例を示す。ランプ信号生成部25は、トリガ54、56に基づいてランプ掃引信号50を生成する。トリガ54、56は、クロックのエッジとデジタル波形データ52との組み合わせから得られる。本願の説明では、これをランプ掃引信号と呼ぶが、これは、ランプ掃引信号が、データを捕捉するために、指定された時間間隔で掃引する複数のランプ(ramp:傾斜)信号から構成されるからである。トリガ・インパルスは、正の54又は負の56のいずれかである。パルスの極性によって、循環ループ・プロットのX軸データとして生成されるランプの傾きが決まる。
【0049】
XYZメモリ32は、ゲート処理波形データをXYZデータ・セットとして記憶する。Xデータは、時間の関数として生成された複数のランプからなるセットから構成される。Yデータ・セットは、時間の関数としての入力データ波形サンプルで構成される。Zデータは、サンプル間の時間軸の増分で構成される。データ・セットは、カーソル、測定、波形出力機能で使用するために維持される。また、これは、循環ループ画像データ・ベースにレンダリングするためのデータ源としても使用される。Zデータ・ベクトルは、単純に、サンプル間隔番号ごとに1つの時間と、開始値の時間として記憶できる。他のデータへの配列インデックスに、このサンプル間隔を乗算し、開始値を加えたものが、YT波形の各サンプルの時間位置の数値を与える。
【0050】
画像レンダリング・ブロック34には、システム・プロセッサ48で表されるプロセッサによる処理が含まれても良い。システム・プロセッサは、オシロスコープのような試験測定装置上の1つ以上のプロセッサ、別個のコンピューティング・デバイス、2つ以上のプロセッサ間で分散されても良い。プロセッサは、プロセッサにXYZデータを循環ループ画像にマッピングさせるコード(プログラム)を実行し、この循環ループ画像は、ディスプレイ46に表示でき、また、メモリ36に記憶できる。循環ループ画像は、XYデータから構成されても良い。ループの数は、ユーザ入力38によって決定されても良い。循環ループ画像は、44の深層学習波形分類アルゴリズム又は他の機械学習システムへの入力のために、ファイルに書き出す(エクスポートする)こともできる。画像レンダリング・ブロック34は、メニュー・システム38からユーザ入力を受けて、6つのループ・パスのどれを循環ループ画像に含めるかを指定する。ループの任意の組み合わせを指定できる。
【0051】
循環ループ画像を生成することに加えて、システムは、XYZメモリのデータ又は循環ループ画像データに対して、40で測定を実行しても良い。測定の例としては、立ち上がり時間、立下り時間、反射係数、反射遅延、振幅、SNR、信号損失によるISI信号、対称性と非直線性、BER(ビット・エラー・レート)、ループ幅、ループ高さ、ジッタ、TDECQ(transmitter dispersion eye closure quaternary)などがある。システムは、測定値をメタ・データとして循環ループ画像に関連付けることなどによって、42において、測定値を機械学習システムに提供された循環ループ画像と組み合わせても良い。
【0052】
機械学習システム44は、循環ループ画像ファイルを受信し、次いで、例えば、波形を分類できる。1つの使用例は、伝送中にリード・サイクルとリード・サイクルを識別することであり、このとき、これら2つの動作間でシステムの伝達関数は異なる。例えば、システムの一方の端部にあるプローブ・ポイントでは、リード動作とライト動作に基づいて、異なる反射遅延と異なる損失形状が見られる場合がある。また、BERやSNRなどの他の測定値又は他のあり得る測定値の観点から、波形を分類できる場合がある。ディスプレイ46は、波形の標準的なYT表示のプロット及び循環ループ画像データの1つ以上のXYプロットを表示しても良い。プロットは、ズーム、カーソル、マーカ、色、グリッド制御などのプロットの標準的機能を利用できる。
【0053】
システムの全ての部分は、システム・コントローラ48によって制御されても良い。これは、システムのメインプロセッサであっても良い。これは、プロセッサのアレイ又はプロセッサのネットワークであっても良い。これに代えて、FPGA、GPU、ディスクリート回路、クラウド・ベースのプロセッサなど、複数の異なる形式のプロセッサで構成されていても良い。
【0054】
図10及び
図11は、水平ランプ生成部25の異なる実施形態を示す。図を単純化する目的で、
図10及び
図11は、実施形態の要素と、これらがシステム全体の残りの部分にどのように接続するかのみを示している。
【0055】
図10は、外部の明示的なクロック(explicit clock)入力を受信する第2アナログ・デジタル・コンバータ62を示しており、デジタル化されたクロック入力はメモリ64に記憶されても良い。このクロックのエッジは、UIごとに変わる。しかし、このクロックに基づく全てのランプ・トリガ・パルスの位置は、PAM4レベルとシンボルシーケンスに基づくロジックによって、ゲートされる必要がある。標準的なPAM4クロック・リカバリ60は、クロック・リカバリ・システムを表す。リカバリ・クロックのエッジは、UIごとに発生する。しかし、このクロックに基づく全てのランプ・トリガ・パルスの位置は、PAM4レベルとシンボルシーケンスに基づくロジックによってゲートされる必要がある。クロック・マルチプレクサ66は、明示的なクロックとリカバリ・クロックとの間で選択する。クリッパ(clipper)又はゲート68は、ランプ・トリガの位置を作成する。しかし、入力の明示用クロック又はPAM4リカバリ・クロックは、全てのクロック遷移でトリガになる。このブロック68は、論理回路の形態をとっても良いし、プロセッサによって実行されるコード(プログラム)で実装されても良い。
【0056】
ブロック68は、入力のy(n)信号を調べて、クロック・エッジを通過させるべきか否かを決定する。次に、結果として得られる出力信号には、ロー(低)からハイ(高)に向かう正のランプをトリガする正のトリガ・インパルスがあることがある。インパルスが負の場合、ハイ(高)からロー(低)に向かう負のランプが生成される。y(n)信号中のエッジ遷移がないUIの場合、トリガ・パルスは発生しない。
【0057】
微分(derivative)ブロック70は、真(true)としてゲート処理されたクロックのエッジ及びレベルを、各クロック・エッジのトリガ・インパルスに確実に変換する。ブロック70によって生成された微分信号は、各クロック・エッジの後にゼロに戻る。これは、各ランプを生成するべき基準位置をマークするトリガ・インパルスのストリームを形成する。これらインパルスの極性は、ランプの傾きを示す。
図9に示すように、正のインパルスは正の傾斜を生じ、負のインパルスは負の傾斜を生じる。
【0058】
このシステムの場合、ランプ生成部72は、トリガ・インパルスのストリームを受ける。これは、トリガ・インパルスが正の場合、ロー(低)からハイ(高)への正のランプを生成する。トリガ・インパルスが負の場合、ハイ(高)からロー(低)への負のランプを生成する。UIにエッジ遷移がない場合、ランプ出力信号は、前のUIの内容に応じてハイ(高)又はロー(低)のままである。これは、これらの区間でトリガ・インパルスが作成されないためである。もしランプ出力信号がハイだった場合、出力はハイのままである。ローだった場合、出力はローのままである。72から得られた信号は、次に
図8に示すバースト・ゲート30へ送られる。
【0059】
図11は、水平ランプ生成部25の別の実施形態を示す。オプションのマルチプレクサ80は、入力信号y(n)が、アナログ・デジタル・コンバータ20の出力信号による連続するライブのストリームであっても良し、又は、アクイジション・メモリ(82など)から供給されても良いことを示す。メモリ82は、中間の波形の結果の記憶を表す。メモリ82は、集中型メモリであっても良いし、システム全体に分散されたいくつかの異なるメモリを表しても良い。システムがライブのストリーム用に設計されている場合、波形メモリは使用されず、全てのプロセスが、サンプルとサンプルの間の時間に行われる。ライブ・ストリームは、プロセッサの速度の観点から、サンプル・レートが低い場合にのみ実用的である。
【0060】
もう1つのマルチプレクサ83を使用して、ランプ・トリガを入力信号y(n)から直接導出するかどうか、又は、リカバリ・クロックを使用するかどうかを選択できる。
図11のシステムの実施形態では、リカバリ・クロックは、UIごとに切り替わり、NRZタイプの入力信号に対してのみ使用されることになる。別のマルチプレクサ92は、ランプ・トリガの位置を決定するのに、NRZクリッパの出力を使用するか又はPAM4クリッパの出力を使用するかを選択する。本願の実施形態は、説明する例は4つのレベル及び3つの閾値を有するPAM4用ではあるが、より多くの又はより少ないレベル及び閾値のものへと拡大縮小しても良い。
【0061】
ブロック90は、本願でPAM4クリッパ(clipper)と呼ぶものの実施形態を示す。クリッパは、ISIとノイズを含む入力波形を、クリーンで四角いのPAM4信号に変換する。PAM4クリッパの出力信号には、4つのPAM4レベルと遷移が含まれている。これは、エッジ遷移が存在するUI区間中にのみランプをトリガできるメカニズムであり、遷移のない区間中にはランプが生成されないため、重要である。PAM4クリッパは、レベル及び閾値コントローラ84内のPAM4制御ブロック86から、入力パラメータ、典型的には、PAM4信号の4つのレベルL1~L4と、レベルからレベルへの遷移が起こる3つの閾値レベルth1、th2、th3とを表す電圧レベルを受ける。PAM4クリッパは、マルチプレクサ83の出力からy(n)の入力信号も入力として受ける。PAM4クリッパは、また、レベル及び閾値コントローラ84からNRZ信号88を受信しても良い。入力信号y(n)は、コンパレータ、インバータ、乗算器及び合算器の組み合わせとして示されているコンパレータと論理回路によって処理される。合算器の出力は、PAM4信号の理想的なクリーン・バージョンである。PAM4クリッパの出力信号cc(n)のMathcad(登録商標)形式の論理式は、次のように表される。
[数式1]
ccn:=(yn≦th1)*L1+[(yn>th1)^(yn≦L2)]*L2+[(yn>L2)^yn≦th2]*L2+[(yn>th2)^(yn≦L3)]*L3+[(yn>L3)^yn≦th3]*L3+(yn>th3)*L4
【0062】
よって、
図12に示されるcc波形の微分は、94に示すように計算される。これは、ccの正の遷移が発生する全ての場所で正のインパルスを作成する。これは、ccで負の遷移が発生する全ての場所で負の遷移を作成する。この微分波形は、他のところはどこもゼロである。これにより、ランプ生成部96で、トリガ・スパイクが作成される。遷移が生じないUI区間では、トリガ・スパイクは生じない。
【0063】
循環ループ画像は、機械学習システムへの有用な入力となる。循環ループ画像は、テンソルの別々の要素に編成又は形成できる。
図13は、テンソルのインデックスiに沿って編成された6つのXY循環ループ画像を使用した循環ループ画像テンソルのグラフィカル表現を示している。6つの画像の各々は、例えば、PAM4信号に対する6つの可能な循環ループのうちの1つに関する循環ループ画像であっても良い。又は、別の例では、6つの画像の各々は、PAM4信号に関する6つの可能な循環ループのうちの1つと同じであっても良いが、それぞれが6つの異なるDUTから取得されても良い。各循環ループ画像のエッジの形状は、システムの伝達関数を表しているため、これらを分離すると、従来のアイ・ダイアグラムよりも機械学習システムで伝達関数が区別しやすくなる。各PAM4循環ループの各循環ループ画像は、各画像内のデータを他の画像から分離するために、独自のレイヤーに存在する。従来のアイ・ダイアグラムでは、全てのエッジがオーバーレイされて(重なり合って)互いに干渉している。
【0064】
図14は、複数の循環ループ画像を機械学習システムに入力するための別の構成を示す。
図14において、
図13からの各循環ループ画像1~6は、個々の第1レベル・ニューラル・ネットワークへの入力となり、特徴を抽出するものとして機能する。次に、第2レベルのニューラル・ネットワークは、第1レベルのニューラル・ネットワークの出力を組み合わせて、更に処理と分析を行う。
【0065】
このようにして、y(n)サンプル・データを水平ランプ・データと組み合わせて使用し、XYデータの循環ループ・ダイアグラムが作成される。このダイアグラムには、従来のアイ・ダイアグラムよりも含まれているデータは少ないが、おそらく、より多くの情報が含まれている。その後、システムは、これらダイアグラムと、これに関連するデータを機械学習システムに提供できる。
【0066】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0067】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0068】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0069】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
【0070】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0071】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
実施例
【0072】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0073】
実施例1は、システムであって、デジタル波形信号を受ける入力部と、メモリと、1つ以上のプロセッサとを具え、該1つ以上のプロセッサが、上記デジタル波形信号に基づいて水平ランプ掃引信号を生成する処理と、上記デジタル波形信号のセグメントを特定するための選択入力を受ける処理と、上記選択入力に基づいて上記水平ランプ掃引信号及び上記デジタル波形信号をゲートし、上記デジタル波形のセグメントに関する循環ループ画像データを生成する処理と、上記循環ループ画像データを上記メモリに記憶する処理と、上記循環ループ画像データを1つ以上の入力として機械学習システムに供給する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように構成される。
【0074】
実施例2は、実施例1のシステムであって、上記メモリが、X軸データとして時間の関数としての水平ランプ掃引信号と、Y軸データとして時間の関数としてのデジタル波形信号と、Z軸データとして時間軸のデータ・サンプル間の時間増分とを記憶するXYZメモリを有する。
【0075】
実施例3は、実施例1又は2のいずれかのシステムであって、上記デジタル波形信号が、被試験デバイスから取得したマルチ・レベル変調方式に従って変調された信号のデジタル化表現から構成される。
【0076】
実施例4は、実施例1から3のいずれかのシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、単一のコンピューティング・デバイス上に常駐するか又はコンピューティング・デバイスと試験測定装置との間で分散される。
【0077】
実施例5は、実施例1から4のいずれかのシステムであって、上記入力部が、被試験デバイスからアナログ入力信号を受信し、上記デジタル波形信号を生成するアナログ・デジタル・コンバータを含む入力回路から構成される。
【0078】
実施例6は、実施例1から5のいずれかのシステムであって、上記デジタル波形信号から直流オフセットを除去する減算ブロックと、上記デジタル波形信号のサンプル・レートを調整する補間回路(interpolator)とを有する。
【0079】
実施例7は、実施例1から6のいずれかのシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、上記循環ループ画像データについて測定を行う処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように更に構成される。
【0080】
実施例8は、請求項7のシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、上記循環ループ画像データを上記機械学習システムに供給する前に、上記循環ループ画像データを測定値と組み合わせる処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように更に構成される。
【0081】
実施例9は、実施例1から7のいずれかのシステムであって、外部クロックを受ける外部クロック入力部と、デジタル外部クロックを生成するクロック・アナログ・デジタル・コンバータと、リカバリ・クロックを生成するクロック・リカバリ回路と、上記デジタル外部クロックと上記リカバリ・クロックとの間で選択するマルチプレクサとを更に具える。
【0082】
実施例10は、実施例1から9のいずれかであって、上記循環ループ画像データを上記機械学習システムに供給する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、複数の循環ループ画像のテンソルを形成する処理と、上記テンソルを上記機械学習システムへの入力として供給する処理とを上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0083】
実施例11は、実施例1から10のいずれかのシステムであって、上記1つ以上のプロセッサが、上記循環ループ画像データを1つ以上の循環ループ画像としてディスプレイ上にレンダリングする処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように更に構成されている。
【0084】
実施例12は、循環ループ画像を用いた波形分類方法であって、入力波形を受けるステップと、上記入力波形のセグメントの選択情報を受けるステップと、上記入力波形中のエッジ遷移に基づいて水平ランプ掃引信号を生成するステップを含む上記入力波形の上記セグメントを循環ループ画像データに変換するステップと、上記循環ループ画像データをメモリに記憶するステップと、上記循環ループ画像データを機械学習システムに送信して上記入力波形の属性を決定するステップとを具える。
【0085】
実施例13は、実施例12の方法において、上記循環ループ画像データを1つ以上の循環ループ画像としてディスプレイ上にレンダリングするステップを更に具える。
【0086】
実施例14は、実施例13の方法であって、上記入力波形が、被試験デバイスから取得されたマルチ・レベル変調方式に従って変調された信号のデジタル化表現を含み、上記方法が、上記マルチ・レベル変調方式に関する1つ以上の循環ループの選択情報を受けるステップと、選択された循環ループのみを上記ディスプレイ上の上記循環ループ画像としてレンダリングするステップとを更に具える。
【0087】
実施例15は、実施例11から14のいずれかの方法であって、上記環状ループ画像データについて測定を行うステップを更に具える。
【0088】
実施例16は、実施例11から15のいずれかの方法であって、上記循環ループ画像データを上記機械学習システムに送信する前に、測定値と上記循環ループ画像データを組み合わせるステップを更に具える。
【0089】
実施例17は、実施例11から16のいずれかの方法であって、被試験デバイスからアナログ入力信号を受信し、アナログ・デジタル・コンバータを使用して上記アナログ入力信号を入力波形としてデジタル信号に変換するステップと、上記入力波形の平均を減算してDCオフセットなしの上記入力波形を生成するステップと、上記入力波形を補間して上記入力波形のサンプル・レートを調整するステップとの中の少なくとも1つを更に具える。
【0090】
実施例18は、実施例11から17のいずれかの方法であって、上記入力波形中のエッジ遷移に基づいて上記水平ランプ掃引信号を生成するステップが、上記エッジ遷移に基づいてトリガ信号を選択的に送信するステップを含む。
【0091】
実施例19は、実施例11から18のいずれかの方法であって、上記入力波形の上記セグメントを循環ループ画像データに変換するステップが、水平ランプ・クロック遅延を受けるステップを更に含む。
【0092】
実施例20は、システムであって、被試験デバイスから入力波形信号を受信すると共にデジタル波形信号を生成するアナログ・デジタル・コンバータを含む入力回路と、デジタル波形信号のセグメントを特定するための選択入力部と、上記デジタル波形信号の上記セグメント内のデータに基づいて水平ランプ掃引信号を生成するランプ信号発生部と、上記水平ランプ掃引信号に関連する上記デジタル波形信号の上記セグメント内のデータ・サンプルをゲート処理波形信号データとして捕捉するのをトリガするトリガ部と、上記ゲート処理波形信号データを1つ以上の循環ループ画像として表示するディスプレイと、1つ以上の循環ループ画像を入力として利用する機械学習システムとを具える。
【0093】
明細書、要約書、特許請求の範囲及び図面に開示される全ての機能、並びに開示される任意の方法又はプロセスにおける全ての工程は、そのような機能や工程の少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせである場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。明細書、要約書、特許請求の範囲及び図面に開示される機能の夫々は、特に明記されない限り、同じ、等価、又は類似の目的を果たす代替の機能によって置き換えることができる。
【0094】
説明の都合上、本開示技術の具体的な態様を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本開示技術は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【国際調査報告】