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特表2023-532194大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20230720BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20230720BHJP
   A61B 34/10 20160101ALN20230720BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B34/20
A61B34/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576389
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021039505
(87)【国際公開番号】W WO2022006041
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/047,319
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ネトラヴァリ、ナタン、アニール
(72)【発明者】
【氏名】クイスト、ブライアン、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラブリオラ、ニコラス、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】シュタウファー、アリソン、マリー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL04
4C160LL26
4C160LL27
(57)【要約】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療すること。少なくとも1つの例は、処置コントローラによって、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、処置コントローラによって、三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、股関節の第1の部分から切除された骨の量を追跡することと、処置コントローラによって、股関節の第1の部分を関連付けた計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御することと、を含む、方法である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療する方法であって、前記方法が、
処置コントローラによって、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、
前記処置コントローラによって、前記三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、前記股関節の前記第1の部分から切除された骨の量を追跡することと、
前記処置コントローラによって、前記股関節の前記第1の部分と関連付けられた計画された切除量に対する前記切除デバイスの前記遠位端の前記場所に基づいて、前記切除デバイスの切除速度を制御することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記股関節の前記第1の部分が、大腿骨及び寛骨臼を含む群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切除速度を制御することは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべきより少ない骨を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスのカッターの回転速度を低下させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記切除速度を制御することは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべきより多くの骨を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記切除速度を制御することが、前記計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、前記切除デバイスの前記遠位端の場所に基づいて、前記切除デバイスのカッターの回転速度を制御することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記切除速度を制御することが、前記計画された切除量の外側の骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記切除速度を制御することが、前記計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
複数の画像に基づいて、前記股関節の前記第1の部分の少なくとも一部分の三次元モデルを作成することと、
前記三次元モデルに基づいて前記計画された切除量を作成することと、次いで、
前記三次元モデル及び前記計画された切除量を前記処置コントローラに提供することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の画像が、X線画像、コンピュータ断層撮影画像、超音波画像、及び磁気共鳴撮像画像を含む群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記股関節の前記第1の部分を監視する前に、前記股関節の前記第1の部材を登録して、前記第1の部材を前記モデルに相関させることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療する方法であって、前記方法が、
処置コントローラによって、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、
前記処置コントローラによって、前記三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、切除された骨の量を追跡することと、
前記処置コントローラによって、前記骨の量が除去された後の前記股関節の前記第1の部分を示す、模擬された蛍光透視画像を生成することと、
前記模擬された蛍光透視画像をディスプレイデバイス上に表示することと、を含む、方法。
【請求項12】
複数の画像に基づいて、前記股関節の前記第1の部分の少なくとも一部分の三次元モデルを作成することであって、前記三次元モデルを作成することが、骨を切除する前である、作成することと、
前記三次元モデルを前記処置コントローラに提供することと、を更に含み、
前記模擬された蛍光透視画像を生成することが、前記三次元モデル及び前記切除された骨の量に基づいて、前記模擬された蛍光透視画像を作成することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の画像が、X線画像、コンピュータ断層撮影画像、及び磁気共鳴撮像画像を含む群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記模擬された蛍光透視画像を生成することが、複数の模擬された蛍光透視画像を生成することを更に含み、各画像が、前記股関節に対して異なる角度である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記股関節の前記第1の部分と関連付けられた計画された切除量に対する前記切除デバイスの前記遠位端の前記場所に基づいて、前記切除デバイスの切除速度を制御することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記切除速度を制御することは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも少ない量を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスのカッターの回転速度を低下させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記切除速度を制御することは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも多い量を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記切除速度を制御することが、前記計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、前記切除デバイスの前記遠位端の場所に基づいて、前記切除デバイスのカッターの回転速度を制御することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記切除速度を制御することが、前記計画された切除量の外側の骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記切除速度を制御することが、前記計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するためのシステムであって、前記システムが、
処置コントローラと、
前記処置コントローラに結合された立体カメラと、
前記処置コントローラに結合されたディスプレイデバイスと、
前記処置コントローラに通信可能に結合された切除コントローラと、
前記切除コントローラに動作可能に結合された切除デバイスであって、前記切除デバイスが、ハンドピース、前記ハンドピースに結合され、前記ハンドピースから延在する細長い外側管、及び前記細長い外側管の遠位端上に配設されたカッターを含む、切除デバイスと、
前記切除デバイスに結合され、前記立体カメラの光学的視野内にある光学追跡アレイと、を備え、
前記処置コントローラが、
三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、
前記三次元座標空間における前記切除デバイスの遠位端を追跡することによって、前記股関節の前記第1の部分から切除された骨の量を追跡することと、
前記股関節の前記第1の部分を関連付けた計画された切除量に対する前記切除デバイスの前記遠位端の場所に基づいて、前記切除デバイスの切除速度を制御することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項22】
前記処置コントローラが、前記股関節の前記第1の部分の前記場所を監視するとき、前記処置コントローラが、大腿骨及び寛骨臼を含む群から選択される少なくとも1つを監視するように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも少ない量を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度を低下させるように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも多い量を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させるように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラが、前記計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、前記切除デバイスの前記遠位端の場所に基づいて、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度を制御するように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラが、前記計画された切除量の外側の骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの前記回転速度をゼロに変更するように更に構成されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラが、前記計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御する前に、複数の画像に基づいて、前記股関節の前記第1の部分の少なくとも一部分の三次元モデルを、三次元で受信することと、前記三次元モデルに基づく計画された切除量を受信することと、を行うように更に構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するためのシステムであって、前記システムが、
処置コントローラと、
前記処置コントローラに結合された立体カメラと、
前記処置コントローラに結合されたディスプレイデバイスと、
前記処置コントローラに通信可能に結合された切除コントローラと、
前記切除コントローラに動作可能に結合された切除デバイスであって、前記切除デバイスが、ハンドピース、前記ハンドピースに結合され、前記ハンドピースから延在する細長い外側管、及び前記細長い外側管の遠位端上に配設されたカッターを含む、切除デバイスと、
前記切除デバイスに結合され、前記立体カメラの光学的視野内にある光学追跡アレイと、を備え、
前記処置コントローラが、
三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、
前記三次元座標空間における前記切除デバイスの遠位端を追跡することによって、切除された骨の量を追跡することと、
切除された前記骨の量なしで前記股関節の前記第1の部分を示す模擬された蛍光透視画像を生成することと、
前記模擬された蛍光透視画像を前記ディスプレイデバイス上に表示することと、を行うように構成されている、システム。
【請求項30】
前記処置コントローラが、前記模擬された蛍光透視画像を生成するとき、前記処置コントローラが、複数の模擬された蛍光透視画像を生成するように更に構成され、各画像が、前記股関節に対して異なる角度である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記処置コントローラが、前記股関節の前記第1の部分と関連付けられた計画された切除量に対する前記切除デバイスの前記遠位端の場所に基づいて、前記切除デバイスの切除速度を制御するように更に構成されている、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも少ない量を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度を低下させるように更に構成されている、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラは、前記切除デバイスの前記遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも多い量を有する前記計画された切除量の一部分上にあるときに、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度を上昇させるように更に構成されている、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラが、前記計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、前記切除デバイスの前記遠位端の場所に基づいて、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度を制御するように更に構成されている、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラが、前記計画された切除量の外側の骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成されている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記処置コントローラが、前記切除速度を制御するとき、前記処置コントローラが、前記計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する前記切除デバイスの前記遠位端に応答して、前記切除デバイスの前記カッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成されている、請求項34に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月2日出願の「Planning and Robotic Assistance for Treatment of Femoroacetabular Inpingement」と題された米国仮出願第63/047,319号の利益を主張する。仮出願は、以下で完全に複製されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
大腿骨寛骨臼インピンジメント(Femoroacetabular impingement、FAI)は、股関節部の関節唇又は関節軟骨の損傷の原因である。FAIは、大腿骨の頸部の骨の過成長(カム変形と呼ばれる)、寛骨臼縁の周囲の骨の過成長(ピンサー変形と呼ばれる)、又は2つの組み合わせから結果的に生じる。FAIの治療は、機械的切除装置を使用して、骨を除去し、典型的な可動域の間に衝突を結果的にもたらさない解剖学的プロファイルを作り出すことを伴う。治療は、カム変形、ピンサー変形、又はその両方に関して実施され得る。
【0003】
FAIの治療における課題の1つは、衝突を低減するために除去される骨の適切な場所及び量を判定することが困難であることである。様々な角度からの複数のX線は、関節の周囲の過成長を特定の視点から特徴付けることができるが、二次元(2D)X線画像のみを使用して、解剖学的構造の三次元(3D)の性質を特徴付けることは困難である。これを考慮すると、1つの技術は、磁気共鳴撮像法(magnetic-resonance imaging、MRI)又はコンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)画像を取得して、3Dの視点で解剖学的構造を見ることである。CTのものが3D骨モデルを構築するために使用され得、外科医がカム及びピンサー変形全体を見ることを可能にするが、3D骨モデルは、衝突を緩和するために除去される必要のある骨の量についての情報を外科医に提供しない。更に、関節鏡下治療中、関節鏡下ビデオを通して大腿骨骨頭及び頸部の周囲の周りで除去された骨の量を判定することは困難である。したがって、外科医は、骨のシルエットを判定するための2D画像を提供するために、術中の蛍光透視法に大きく依存し得る。これらの蛍光透視画像を様々な配向で撮影することによって、衝突が解消したかどうかを判定する試みがなされる。
【0004】
過剰切除は、大腿骨頸部骨折及び/又は寛骨臼の骨折につながり得るため、切除不足が一般的である。実際、反復股関節鏡下手術を考慮すると、症例の約64%で切除不足が原因である。
【発明の概要】
【0005】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療すること。1つの例は、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療する方法であって、方法が、処置コントローラによって、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、処置コントローラによって、三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、股関節の第1の部分から切除された骨の量を追跡することと、処置コントローラによって、股関節の第1の部分と関連付けられた計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御することと、を含む、方法である。
【0006】
例示的な方法では、股関節の第1の部分が、大腿骨及び寛骨臼を含む群から選択される少なくとも1つであり得る。
【0007】
例示的な方法では、切除速度を制御することは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべきより少ない骨を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を低下させることを更に含み得る。
【0008】
例示的な方法では、切除速度を制御することは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべきより多くの骨を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させることを更に含み得る。
【0009】
例示的な方法では、切除速度を制御することが、計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスのカッターの回転速度を制御することを更に含み得る。切除速度を制御することが、計画された切除量の外側の骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更することを更に含み得る。切除速度を制御することが、計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更することを更に含み得る。
【0010】
例示的な方法は、複数の画像に基づいて、股関節の第1の部分の少なくとも一部分の三次元モデルを作成することと、三次元モデルに基づいて計画された切除量を作成することと、次いで、三次元モデル及び計画された切除量を処置コントローラに提供することと、を更に含み得る。複数の画像が、X線画像、コンピュータ断層撮影画像、超音波画像、及び磁気共鳴撮像画像を含む群から選択され得る。いくつかの場合、股関節の第1の部分を監視する前に、例示的な方法が、股関節の第1の部材を登録して、第1の部材をモデルに相関させることを含み得る。
【0011】
大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療する第2の例示的な方法が、処置コントローラによって、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、処置コントローラによって、三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、切除された骨の量を追跡することと、処置コントローラによって、骨の量が除去された後の股関節の第1の部分を示す、模擬された蛍光透視画像を生成することと、模擬された蛍光透視画像をディスプレイデバイス上に表示することと、を含む。
【0012】
第2の例示的な方法が、複数の画像に基づいて、股関節の第1の部分の少なくとも一部分の三次元モデルを作成することであって、三次元モデルを作成することが、骨を切除する前である、作成することと、三次元モデルを処置コントローラに提供することと、を更に含み得る。模擬された蛍光透視画像を生成することが、三次元モデル及び切除された骨の量に基づいて、模擬された蛍光透視画像を作成することを更に含み得る。
【0013】
例示的な第2の方法では、複数の画像が、X線画像、コンピュータ断層撮影画像、及び磁気共鳴撮像画像を含む群から選択され得る。
【0014】
例示的な第2の方法では、模擬された蛍光透視画像を生成することが、複数の模擬された蛍光透視画像を生成することを更に含み得、各画像が、股関節に対して異なる角度である。
【0015】
例示的な第2の方法が、股関節の第1の部分と関連付けられた計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御することを更に含み得る。切除速度を制御することは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも少ない量を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を低下させることを更に含み得る。切除速度を制御することは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも多い量を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させることを更に含み得る。切除速度を制御することが、計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスのカッターの回転速度を制御することを更に含み得る。切除速度を制御することが、計画された切除量の外側の骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更することを更に含み得る。切除速度を制御することが、計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更することを更に含み得る。
【0016】
別の例は、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するためのシステムであって、システムが、処置コントローラと、処置コントローラに結合された立体カメラと、処置コントローラに結合されたディスプレイデバイスと、処置コントローラに通信可能に結合された切除コントローラと、切除コントローラに動作可能に結合された切除デバイスであって、切除デバイスが、ハンドピース、ハンドピースに結合され、ハンドピースから延在する細長い外側管、及び細長い外側管の遠位端上に配設されたカッターを含む、切除デバイスと、切除デバイスに結合され、立体カメラの光学的視野内にある光学追跡アレイと、を備える、システムである。処置コントローラが、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、股関節の第1の部分から切除された骨の量を追跡することと、股関節の第1の部分を関連付けた計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御することと、を行うように構成され得る。
【0017】
例示的なシステムでは、処置コントローラが、股関節の第1の部分の場所を監視するとき、処置コントローラが、大腿骨及び寛骨臼を含む群から選択される少なくとも1つを監視するように更に構成され得る。
【0018】
例示的なシステムでは、処置コントローラが、切除速度を制御するとき、処置コントローラは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも少ない量を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を低下させるように更に構成され得る。
【0019】
例示的なシステムでは、処置コントローラが、切除速度を制御するとき、処置コントローラは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも多い量を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させるように更に構成され得る。
【0020】
例示的なシステムでは、処置コントローラが、切除速度を制御するとき、処置コントローラが、計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスのカッターの回転速度を制御するように更に構成され得る。処置コントローラが、計画された切除量の外側の骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成され得る。処置コントローラが、計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成され得る。
【0021】
例示的なシステムでは、処置コントローラが、切除速度を制御する前に、複数の画像に基づいて、股関節の第1の部分の少なくとも一部分の三次元モデルを、三次元で受信することと、三次元モデルに基づく計画された切除量を受信することと、を行うように更に構成され得る。
【0022】
第2の例示的なシステムは、処置コントローラと、処置コントローラに結合された立体カメラと、処置コントローラに結合されたディスプレイデバイスと、処置コントローラに通信可能に結合された切除コントローラと、切除コントローラに動作可能に結合された切除デバイスであって、切除デバイスが、ハンドピース、ハンドピースに結合され、ハンドピースから延在する細長い外側管、及び細長い外側管の遠位端上に配設されたカッターを含む、切除デバイスと、切除デバイスに結合され、立体カメラの光学的視野内にある光学追跡アレイと、を備え得る。処置コントローラが、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することと、三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、切除された骨の量を追跡することと、切除された骨の量なしで股関節の第1の部分を示す模擬された蛍光透視画像を生成することと、模擬された蛍光透視画像をディスプレイデバイス上に表示することと、を行うように構成され得る。
【0023】
第2の例示的なシステムでは、処置コントローラが、模擬された蛍光透視画像を生成するとき、処置コントローラが、複数の模擬された蛍光透視画像を生成するように更に構成され得、各画像が、股関節に対して異なる角度である。
【0024】
例示的なシステムでは、処置コントローラが、股関節の第1の部分と関連付けられた計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御するように更に構成され得る。処置コントローラは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも少ない量を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を低下させるように更に構成され得る。処置コントローラは、切除デバイスの遠位端が、除去されるべき所定の骨の量よりも多い量を有する計画された切除量の一部分上にあるときに、切除デバイスのカッターの回転速度を上昇させるように更に構成され得る。処置コントローラが、計画された切除量で除去されるべき残りの骨に関連して、切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスのカッターの回転速度を制御するように更に構成され得る。処置コントローラが、計画された切除量の外側の骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成され得る。処置コントローラが、計画された切除量の下のエリアで骨に隣接する切除デバイスの遠位端に応答して、切除デバイスのカッターの回転速度をゼロに変更するように更に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
例示的な実施形態の詳細な説明について、次に、添付図面を参照する。
【0026】
図1】例示的な大腿骨寛骨臼関節の3つの図を示す。
図2】少なくともいくつかの実施形態によるシステムを示す。
図3】少なくともいくつかの実施形態による、例示的なユーザインターフェースを示す。
図4A】少なくともいくつかの実施形態による、計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端を示す。
図4B】少なくともいくつかの実施形態による、計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端を示す。
図4C】少なくともいくつかの実施形態による、計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端を示す。
図4D】少なくともいくつかの実施形態による、計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端を示す。
図5】少なくともいくつかの実施形態による、例示的なユーザインターフェースを示す。
図6】少なくともいくつかの実施形態による、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するためのシステムの部分ブロック図及び部分フロー図を示す。
図7】少なくともいくつかの実施形態による方法を示す。
図8】少なくともいくつかの実施形態による切除デバイスの切除速度を制御する方法を示す。
図9】少なくともいくつかの実施形態によるコンピュータシステムを示す。
【0027】
定義
様々な用語は、特定のシステム構成要素を指すために使用される。異なる会社は、異なる名称で構成要素を参照する場合がある-本文書は、名称が異なるが機能は異ならない構成要素間で区別することを意図しない。以下の考察及び特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、オープンエンド形式で使用され、したがって、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである。また、「連結(couple)」又は「連結(couples)」という用語は、間接的又は直接的な接続のいずれかを意味することが意図されている。したがって、第1の装置が第2の装置に結合される場合、その接続は、直接接続を介して、又は他の装置及び接続を介した間接的な接続を介してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の議論は、本発明の様々な実施形態を対象とする。これらの実施形態のうちの1つ以上が好ましい場合があるが、開示された実施形態は、特許請求の範囲を含む、本開示の範囲を限定するものとして、解釈されるべきではなく、又は別様に使用されるべきではない。加えて、当業者は、以下の説明が広範な応用を有し、任意の実施形態の議論はその実施形態の例示のみを意図し、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを暗示することを意図するものではないことを理解するであろう。
【0029】
様々な例が、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するための方法及びシステムを対象とする。具体的には、様々な例は、股関節の場所で三次元座標空間における切除デバイスの遠位端を追跡することによって、股関節の部分から切除された骨の量を追跡することと、股関節の部分と関連付けられた計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御することと、を対象とする。股関節の部分は、大腿骨、寛骨臼、又はその両方であってもよい。可読性のために、股関節(acetabulofemoral joint)は、以下、単に「股関節(hip joint)」と称される。他の例では、股関節の部分から切除された骨の量の追跡に基づいて、例示的な方法及びシステムは、大腿骨寛骨臼インピンジメントに対処するために十分な骨が除去されたか否かを判定する際に外科医を支援するために、術中処置の任意の中間段階における切除を考慮して、股関節が実際の蛍光透視画像で見えるように股関節の部分を示す模擬された蛍光透視画像を生成する。説明は、最初に、読み手を導くために大腿骨寛骨臼インピンジメントの説明に移る。
【0030】
図1は、例示的な股関節の3つの図を示す。具体的には、図1の各図では、大腿骨102の一部分及び寛骨臼104の一部分を含む例示的な股関節100が視認可能である。視認可能である大腿骨102の一部分は、大腿骨102の上端により大きい転子106、大腿骨102から延在する大腿骨頸部108、及び大腿骨頸部108の遠位端上の大腿骨骨頭110を含む。大腿骨骨頭110は、球形状であり、したがって、股関節の球関節の球を形成する。寛骨臼104は、図1の左及び中央図の部分破断で示される、関節窩112を形成する球形状内部表面を画定する。大腿骨骨頭110は、関節窩112内で回転し、関節窩112の外縁は、寛骨臼縁114(中央図)によって画定される。
【0031】
大腿骨寛骨臼インピンジメントは、股関節の関節唇又は関節軟骨への刺激及び/又は損傷を引き起こし得る。大腿骨寛骨臼インピンジメントは、寛骨臼縁114の周りの骨の過成長から結果的に生じ得、ピンサー変形116を結果的にもたらす(左図)。他の場合、大腿骨寛骨臼インピンジメントは、大腿骨102、特に大腿骨骨頭110に近接した大腿骨頸部108からの骨の過成長から結果的に生じ得、カム変形118(中央図)を結果的にもたらす。更に他の場合では、ピンサー変形116及びカム変形118の両方が存在し得る(右図)。
【0032】
大腿骨頸部108からの骨の過成長は、大腿骨頸部108の長手方向中心軸に対して、任意の放射方向で大腿骨頸部108から延在し得るが、ほとんどの場合、骨の過成長は、上位面及び前面でより顕著である。寛骨臼縁114からの骨の過成長は、関節窩112の周りの任意の場所で寛骨臼縁114から延在し得るが、ほとんどの場合、骨の過成長は、上位面でより顕著であり、大腿骨頸部108に向かって延在する。ポイントは、ピンサー変形及びカム変形が、大腿骨頸部108及び/又は寛骨臼縁114の周りの任意の場所に配設され得ることである。蛍光透視画像は、股関節のシルエットのみを示し、したがって、関連技術では、手術中、多くの外科医は、インピンジメントを補正するために除去されるように残っている骨の量を測定しようとする際に、複数の角度から蛍光透視画像を生成する。
【0033】
図2は、少なくともいくつかの実施形態によるシステムを示す。具体的には、図2は、計画コンピュータ200、クラウドコンピュータ202、デバイスカート204、患者の股関節100を示す例示的な患者、及び股関節100に対する操作関係にある切除デバイス206を示す。各々が順番に対処される。
【0034】
例示的なシステムでは、計画コンピュータ200及びクラウドコンピュータ202は、様々な術前タスクを実施するために、術前計画中に使用され得る。いくつかの例では、術前計画態様のためのソフトウェアは、クラウドコンピュータ202で実行され、デスクトップ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、又はスマートフォンデバイスなどの任意の好適なコンピュータであり得る計画コンピュータ200によってアクセスされる。例えば、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202は、股関節100の複数の画像を受信し得る。画像は、X線画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、超音波画像、磁気共鳴撮像(MRI)画像、又は組み合わせであってもよい。例示的なシステムでは、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202は、画像から、大腿骨102の外部表面の三次元モデル、寛骨臼104の三次元モデル、又はその両方を作成し得る。大腿骨102に関して、三次元モデルは、大腿骨102の上部分又は上位部分を含み得る。寛骨臼104に関して、三次元モデルは、寛骨臼104の関連部分(例えば、問題となる股関節100の単に一部分)のみを含み得る。
【0035】
計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202を使用して、例示的なシステムでは、外科医は、次の外科手術のための切除計画を作成するか、又は自動的に生成された切除計画を修正し得るが、いずれの場合においても、切除計画は、股関節100と関連付けられた計画された切除量を結果的にもたらす。計画された切除量は、大腿骨頸部108から除去されるべき骨の量、寛骨臼縁114から除去されるべき骨の量、又はその両方を表す。計画された切除量は、任意の好適な形態をとり得る。例えば、計画された切除量は、股関節100の2つの三次元モデル、すなわち、骨の過成長を含む術前表面モデルである第1の三次元モデル、及び除去された骨の過成長を有する計画された術後表面モデルである第2の三次元モデルによって表され得る。他の場合、計画された切除量は、股関節100の標的部分の術前表面モデルの起点から除去されるべき骨を直接的に表す三次元量であり得る。なお更なる場合、計画された切除量は、股関節100の標的部分の計画された術後表面モデルと比較して除去されるべき骨を表す三次元量であり得る。三次元表面モデル及び計画された切除量の精密な性質にかかわらず、術前に確立されると、三次元表面モデル及び計画された切除量は、例示的な方法の術中部分の間に使用するために、処置コントローラ(以下で更に論じられる)に転送され得る。
【0036】
更に図2を参照すると、例示的なシステムは、デバイスカート204を更に含む。デバイスカート204は、例示的な方法の術中部分の間に外科的設定で使用され得る。デバイスカート204は、処置コントローラ208と、処置コントローラ208に結合された立体カメラ210と、処置コントローラ208に結合されたディスプレイデバイス212と、処置コントローラ208に通信可能に結合された切除コントローラ214と、を備え得る。他の装置及びコントローラは、内視鏡光源及びビデオコントローラ216(以下、単にビデオコントローラ216)、及び股関節100内の流入及び流出を制御するために使用され得るペリスタルポンプシステム218などの、デバイスカート204の一部として存在し得る。例示的なデバイスカート204は、処置コントローラ208によって使用される単一のディスプレイデバイス212のみを示すが、実際には、第2のディスプレイデバイスが、内視鏡又は関節鏡(図示せず)によって作成されたビデオ画像を示すために存在し得る。第2のディスプレイデバイスは、複製ディスプレイ、又は拡張現実(Augmented Reality、AR)若しくは仮想現実(Virtual Reality、VR)システムを実装するヘッドマウントディスプレイなどの、任意の好適な形態をとり得る。更に他の場合、ディスプレイデバイス212は、関節鏡と関連付けられた処置コントローラ208及びビデオコントローラ216によって共有され得る。
【0037】
立体カメラ210は、任意の好適な形態をとり得る。いくつかの場合、立体カメラ210は、赤外線(infrared、IR)周波数帯内の光を受信するように設計及び構築されているが、他の場合では、立体カメラ210は、可視範囲の光で動作可能であってもよく、又はその両方であってもよい。いずれにせよ、立体視である際、立体カメラ210は、三次元座標空間の手術室の様々なデバイス及び構造の場所を監視するために、処置コントローラ208によって使用され得る。すなわち、例示的なシステムは、手術室内の周囲光に基づいて動作するか、又は外科処置に向かって光を照射する(例えば、IR周波数)かのいずれかである。関心対象の光は、基準アレイの反射体によって反射され、反射された光に基づいて、処置コントローラ208は、基準アレイ(及びそれらの取り付けられたデバイス/構造)の場所を判定し得る。なお更なる他の例では、基準アレイの基準は、立体カメラ210による捕捉のために、関連周波数で光を能動的に放射し得る。例えば、切除の前に、外科医は、大腿骨基準アレイ220を大腿骨102のより大きい転子106に結合することなどによって、大腿骨基準アレイ220を大腿骨102に機械的かつ堅固に結合し得る。大腿骨基準アレイ220が取り付けられ、大腿骨102が大腿骨102の三次元モデルに相関又は登録されると、処置コントローラ208は、手術室の三次元座標空間内で、大腿骨基準アレイ220、及びしたがって、大腿骨102の場所を監視し得る。
【0038】
三次元座標空間における様々なデバイス及び構造の場所を監視する別の例として、切除前に、外科医は、寛骨臼104に寛骨臼基準アレイ222を機械的かつ堅固に結合し得る。寛骨臼基準アレイ222は、上腸骨背骨224若しくは下腸骨背骨226、又はその両方などの、任意の好適な場所で結合され得る。寛骨臼基準アレイ222が寛骨臼104に結合され、寛骨臼104が寛骨臼104の三次元モデルに相関又は登録されると、処置コントローラ208は、寛骨臼基準アレイ222、及びしたがって、寛骨臼104の場所を三次元座標空間内で監視し得る。図2は、処置コントローラ208が大腿骨102及び寛骨臼104の両方の場所を監視するシステムを示すが、いくつかの場合、カム変形のみが切除されるべきであるときに大腿骨102のみを監視するか、又はピンサー変形のみが切除されるべきであるときに寛骨臼104のみを監視するなど、股関節100の1つの部分のみが監視され得る。
【0039】
図2を更に参照すると、処置コントローラ208は、立体カメラ210を使用して、切除コントローラ214に動作可能に結合された切除デバイス206の場所を監視し得る。より具体的には、例示的なシステムでは、処置コントローラ208は、切除中に除去された骨の量を追跡するために、切除デバイス206の遠位端の場所を監視し得る。例示的な切除デバイス206は、モータ駆動ユニット(motor drive unit、MDU)又はハンドピース230と、ハンドピース230に結合され、かつそれから延在する細長い外側管232と、細長い外側管232の遠位端上のカッター234と、を備える。一例では、切除デバイス228は、カッター234がバリである機械切除デバイスであるが、任意の好適な機械切除デバイスが使用され得る。切除デバイス228の遠位端(例えば、カッター234)を追跡するために、光学追跡アレイ236は、立体カメラ210の光学的視野で切除デバイス228に結合される。三次元座標空間内のカッター234の場所を監視することによって、処置コントローラ208は、いくつかの有利なタスクを実施し得る。例えば、処置コントローラ208は、切除された骨の量を追跡し得、処置コントローラ208は、切除デバイス206の切除速度を制御し得る。各々が順番に対処される。
【0040】
図3は、少なくともいくつかの実施形態による、例示的なユーザインターフェースを示す。具体的には、例示的なユーザインターフェース300は、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するための術中処置中に、デバイスカート204(図2)のディスプレイデバイス212(同様に図2)上に表示され得る。例示的なユーザインターフェース300は、カム変形を治療するための大腿骨からの骨切除の文脈で示されているが、表示技術及び関連する特徴は、ピンサー変形を治療するための寛骨臼からの骨切除に等しく適用可能である。したがって、図3は、大腿骨102の一部分を図示する。図示された大腿骨102の一部分は、術前計画中に作成された三次元モデル(例えば、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202によって)からレンダリングされ得る。図3は、大腿骨102に対する計画された切除量302を更に示す。具体的には、計画された切除量302は、大腿骨102の描写上にレンダリングされて、除去されるべき骨の場所及び量の視覚的指示を与える。図2では、計画された切除量302は、2つのパターンのクロスハッチングによって、変化する切除の2つの例示的な領域を示すが、実際には、1つ以上の領域が、計画された切除量に存在し得る。例示的なより高密度のクロスハッチングは、除去されるべきより多い量を示し、より低密度のクロスハッチングは、除去されるべきより少ない量を示す。同等に述べると、より高密度のクロスハッチングの領域では、除去されるべき骨の深さは、より低密度のクロスハッチングの領域で除去されるべき骨の深さよりも深い。実際には、計画された切除量の領域は、色分けされた形式で示され得る。例えば、除去されるべきより多くの骨を有する領域は、「より暖」色(例えば、赤及びピンク)で示され得、除去されるべきより少ない骨を有する領域は、「より寒」色(例えば、青及び緑)で示され得る。
【0041】
図3は、例示的な大腿骨102及び計画された切除量302に関連して、切除デバイス206(図2)のカッター234の描写を更に示す。具体的には、例示的なシステムによると、処置コントローラ208(図2)は、光学追跡アレイ236(図2)を追跡することによって、三次元座標空間内の切除デバイス206の場所を監視するように設計及び構築される。光学追跡アレイ236の各面に対するカッター234の場所を知ることで(例えば、登録プロセスによって)、処置コントローラ208は、股関節(ここでは大腿骨102)の部分の三次元モデルの場所及び/又は計画された切除量302に対するカッター234の場所を計算し得る。次いで、例示的な処置コントローラ208は、例示的な大腿骨102及び計画された切除量302に関連して、切除デバイス206の一部分(例えば、示されるようなカッター234及び細長いシャフト)の描写をレンダリングし得る。
【0042】
なお更に、例示的なシステムでは、処置コントローラ208(図2)は、切除デバイス206(図2)のカッター234によって除去又は切除された骨の量を追跡し得る。すなわち、例示的な処置コントローラ208が、計画された切除量302に対するカッター234の場所を監視するため、カッター234が計画された切除量302に隣接し、切除デバイス206が動作可能であるとき、処置コントローラ208は、カッター234が計画された切除量302に隣接する場所から所定の骨の量が除去されると仮定するように設計及び構築される。いくつかの場合、処置コントローラ208は、術中処置の前に、接触時間の関数としての骨切除速度を示す値を提供される。更に他の場合、処置コントローラ208は、術中処置の前に、カッター234の回転速度及び接触時間の関数としての骨切除速度を示す値を提供される。他の実施形態では、処置コントローラ208は、レンダリングにおけるカッター234の場所と骨モデルのボクセルとの間の任意の衝突又は重複が骨除去を結果的にもたらすと仮定する。更に別のアプローチでは、処置コントローラ208は、注記された重複チェックを実施するが、骨モデルの更新は、カッター238が回転しているときのみ起こる。所定の切除速度の精密な性質にかかわらず、カッター234が、計画された切除量302と相互作用するため、処置コントローラ208は、所定の切除速度を使用して除去された骨の量を追跡する。
【0043】
例示的なシステムによると、処置コントローラ208(図2)は、骨が切除される際にユーザインターフェース300を更新するように設計及び構築され得る。高レベルでは、骨が除去されると、ユーザインターフェース300は、計画された切除量302の視覚的指示を更新して、除去されるべき残りの骨を示し得る。色で図示される計画された切除量302の観点で再び検討すると、骨が除去されると、処置コントローラ208は、色を「より寒色」にすることによって、計画された切除量302の視覚的描写内の色を変化させ得る。エリアが、最初に、除去されるべきより多い量を示す「より暖」色である場合、骨が除去されると、残りの骨は、漸進的に「より寒」色で示され得る(例えば、ピンクが青になり、青が緑色になる)。計画された切除量からの全ての骨が除去されたとき、処置コントローラ208は、画面上で白色として、露出した骨を示し得、これは、計画された切除量の外側の骨の残りの部分と合致する。過剰に骨が除去されると、露出した骨が、異なる、警報、又は警告色(例えば、赤)に見えてもよい。更に他の場合、過剰に骨が除去されたエリアにカッター234が隣接するとき、追加の聴覚的及び視覚的変化が実装されてもよい。計画された切除量に関して述べると、最初に、処置コントローラ208は、計画された切除量302の描写を示す。骨が除去されると、計画された切除量は、除去されるべき残りの切除量に効果的になるように更新され、それは、図3に示されるようにディスプレイデバイス212(図2)上に図示される、除去されるべき残りの切除量である。ここで明細書は、カッター234と計画された切除量302との間の物理的関係に基づいて、切除速度を制御することに移る。
【0044】
図4A、4B、4C、及び4Dは、少なくともいくつかの実施形態による、計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端を示す。最初に図4Aを考慮すると、図4Aは、変化する切除量の2つの領域を有する例示的な計画された切除量302を示し、変化する切除量の領域は、2つのパターンのクロスハッチングによって示される。上記のように、例示的なより高密度のクロスハッチングは、より多くの量が除去されるべきエリアを示し、より低密度のクロスハッチングは、より少ない量が除去されるべきエリアを示す。図4Aは、計画された切除量302に隣接する切除デバイス206のカッター234を更に示す。三次元座標空間におけるカッター234の場所を監視することによって、処置コントローラ208(図2)はまた、計画された切除量302に対するカッター234の場所に基づいて、切除デバイス206の切除速度を制御し得る。図4A~4Cでは、計画された切除量302は、同じであるように示され、切除が始まったばかりであることを示す。しかしながら、図4Dは、除去されるように計画された全ての骨が除去された(したがって、クロスハッチングが存在しない)、計画された切除量の右下のエリアを含む、幾らかの骨の量が除去された、計画された切除量302の中間状態を示す。
【0045】
いくつかの例示的な場合、切除速度を制御することは、計画された切除量302に対するカッター234の場所に基づいて、カッター234の回転速度を制御することを含み得る。図4A及び4Cによって示されるように、計画された切除量302に対するカッター234の第1の移動を考慮する。図4Aでは、カッター234は、計画された切除量302に隣接し、図4Cでは、カッター234は、計画された切除量302の境界の外側に移動しており、これは、図4Cにおけるカッター234が、除去されるべきではない骨に隣接することを意味する。少なくともいくつかの実施形態によると、処置コントローラ208(図2)は、計画された切除量302の外側の骨に隣接するカッター234に応答して、カッター234の回転速度をゼロに低減するように設計及び構築される。言い換えると、例示的なシステムでは、処置コントローラ208は、計画された切除量302に対するカッター234の場所を監視し、処置コントローラ208は、カッター234が、計画された切除量302の外側の骨に隣接したときに、切除デバイスをオフにする(例えば、切除コントローラ214(図2)との通信によって)。
【0046】
更に計画された切除量302に対するカッター234の場所に基づいて切除速度を制御する例示的な場合を考慮すると、ここで、図4A及び4Dによって示されるように、計画された切除量302に対するカッター234の移動を考慮する。図4Aでは、カッター234は、骨が依然として除去されることを必要とするエリアで計画された切除量302に隣接し、図4Dでは、カッター234は、除去されるように計画された全ての骨が除去された骨のエリアに隣接し、これは、ここで、カッター234が、除去されるべきではない骨に隣接することを意味する。少なくともいくつかの実施形態によると、処置コントローラ208(図2)は、除去されるべきではない骨に隣接するカッター234に応答して、カッター234の回転速度をゼロに低減するように設計及び構築される。言い換えると、例示的なシステムでは、処置コントローラ208は、計画された切除量302に対するカッター234の場所を監視し、処置コントローラ208は、カッター234が、計画された切除量302の下の骨に隣接したときに、切除デバイスをオフにする(例えば、切除コントローラ214(図2)との通信によって)。
【0047】
カッター234が除去されるべきではない骨(例えば、計画された切除量302の外側又は計画された切除量302の下)に隣接するときに、切除デバイス206をオフにすることに加えて、更なる例示的な実施形態は、外科医への触覚フィードバック及び/又は外科医への可聴フィードバックを提供して、計画された切除量302に関連してカッター234の場所の指示を与える。触覚/可聴フィードバックに関して、図4A及び4Bに示されるように、計画された切除量302に対するカッター234の移動を考慮する。図4Aでは、カッター234は、より多い骨の量が除去されることを必要とするエリアで、計画された切除量302に隣接し、図4Bでは、カッター234は、より少ない骨の量が除去されることを必要とするエリアに隣接している。少なくともいくつかの実施形態によると、処置コントローラ208(図2)は、除去されるべき異なる骨の量のエリアに隣接するカッター234に応答して、カッター234の回転速度を変更するように設計及び構築される。例えば、カッター234が、除去されるべきより多くの骨を有する計画された切除量302の一部分に隣接するとき(例えば、図4A)、処置コントローラ208は、第1の回転速度でカッター234を駆動するように切除コントローラ214(図2)に指令し得る。しかしながら、カッター234が、除去されるべきより少ない骨を有する部分に隣接するように、計画された切除量302に対して移動すると(図4B)、処置コントローラ208は、第1の回転速度よりも遅い第2の回転速度でカッター234を駆動するように切除コントローラに指令し得る。反対に、カッター234が、除去されるべきより少ない骨を有する計画された切除量302の一部分に隣接するとき(例えば、図4B)、処置コントローラ208は、第1の回転速度でカッター234を駆動するように切除コントローラ214(図2)に指令し、カッター234が、除去されるべきより多い骨を有する部分に隣接するように、計画された切除量302に対して移動すると(図4A)、処置コントローラ208は、第1の回転速度よりも速い第2の回転速度でカッター234を駆動するように切除コントローラ214に指令し得る。そのような速度制御機構は、計画された切除量302内のカッター234の場所に対する切除デバイス206の振動の形態で、外科医に触覚フィードバックを提供し得る。同様に、かつ回転速度の変化が、切除デバイス206によって作成される可聴音の変化も生成し得ることを考えると、そのような速度制御機構は、したがって、計画された切除量302内のカッター234の場所に関する可聴フィードバックを外科医に提供し得る。そのような例では、より多くの骨が除去されるべき場所にカッター234が隣接する場合、切除速度は、より高くてもよい。
【0048】
カッター234の速度に基づく可聴フィードバックに加えて、又はそれの代わりに、処置コントローラ208は、計画された切除量に対するカッター234の場所に基づくように可聴音を生成する、音声生成デバイス又はスピーカを有し得る。なお更なる実施形態では、速度制御態様は、無効化され得、カッター234の回転速度は、外科医の裁量のみに委ねられる(例えば、フットペダル又はハンドピース上のボタンと相互作用する外科医に基づく)。そのような場合、処置コントローラ208は、それにもかかわらず、計画された切除量に関連してカッター238の場所を追跡し得、カッター238が計画された切除量の外側又は下方にあるとき、処置コントローラ208は、可聴及び/又は視覚的警告を提供し得るが、カッター238の回転速度は変更されないままである。
【0049】
外科医への例示的な触覚及び/又は可聴フィードバックはまた、計画された切除量302の外側境界へのカッター234の近接を外科医に知らせるために使用され得る。図4A、4B、及び4Cに示されるように、計画された切除量302に対するカッター234の移動を考慮する。図4Aでは、カッター234は、計画された切除量302に、計画された切除量の中心の近くに隣接する。図4Bでは、カッター234は、計画された切除量の境界に近い中心の近くから移動されている。そして図4Cでは、カッター234は、計画された切除量302の境界を越えて移動している。少なくともいくつかの実施形態によると、処置コントローラ208(図2)は、計画された切除量302の境界に向かうカッター234の移動に応答して、カッター234の回転速度を変更するように設計及び構築される。例えば、カッター234が、計画された切除量302の中心の近くにあるとき、処置コントローラ208は、回転速度でカッター234を駆動するように切除コントローラ214(図2)に指令し得る。しかしながら、カッター234が、計画された切除量302の境界の近くに移動すると、処置コントローラ208は、カッター234が境界にどれだけ近いかの関数として、カッター234を漸進的により低速の回転速度で駆動するように、切除コントローラに指令し得る。いくつかの場合、処置コントローラ208は、次いで、カッター234が、計画された切除量の境界を横切る際に、カッター234の速度をゼロまで低減し得る。反対に、カッター234が、計画された切除量302の境界から離れて移動すると、処置コントローラ208は、カッター234が境界からどれだけ遠いかの関数として、カッター234を漸進的により高速の回転速度で駆動するように、切除コントローラに指令し得る。そのような速度制御機構は、計画された切除量302内のカッター234の場所に関して、切除デバイス206の振動の形態で、外科医に触覚フィードバックを提供し得る。同様に、かつ回転速度の変化が、切除デバイス206によって作成される可聴音の変化も生成し得ることを考えると、そのような速度制御機構は、したがって、計画された切除量302内のカッター234の場所に関する可聴(「スピーカレス」)フィードバックを外科医に提供し得る。同様の可聴フィードバックは、音声生成要素又はスピーカとともに実装され得る。ここで、明細書は、外科医が十分な骨が除去されたか否かを判定するのを支援するために、模擬蛍光透視画像を生成することに移る。
【0050】
図5は、少なくともいくつかの実施形態による、例示的なユーザインターフェースを示す。具体的には、ユーザインターフェース500は、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するための術中処置中に、デバイスカート204(図2)のディスプレイデバイス212(同様に図2)上に表示され得る。例示的なユーザインターフェース500は、カム変形を治療するための大腿骨からの骨切除の文脈で示されているが、表示技術及び関連する特徴は、ピンサー変形を治療するための寛骨臼からの骨切除に等しく適用可能である。図5のユーザインターフェース500は、カム変形504を有する大腿骨102の一部分を含む、仮想又は模擬された蛍光透視画像502を示す。例示的な場合によると、模擬された蛍光透視画像は、術前計画中に作成された(例えば、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202によって)三次元モデルから、かつ除去された骨の量を考慮してレンダリングされ得る。
【0051】
上述のように、例示的な実施形態では、処置コントローラ208(図2)は、計画された切除量に関連してカッター234の場所を監視し、切除された骨の量を追跡するように設計及び構築される。切除された骨の量の追跡に基づいて、処置コントローラ208は、骨の量が除去された後の股関節が見えるように、股関節を示す模擬された蛍光透視画像502を生成するように設計及び構築され得る。例示的な実施形態によると、処置コントローラ208は、様々な視点のうちのいずれか及び様々な股関節屈曲のいずれかから、模擬された蛍光透視画像を生成し得、全ては、大腿骨寛骨臼インピンジメントに対処するために十分な骨が除去されたか否かを測定する際に外科医を支援する。いくつかの場合、外科医は、実際の蛍光透視撮像なしで、模擬された蛍光透視画像502を単独で使用してもよい。他の場合、外科医は、模擬された蛍光透視画像502を初期ガイドとして使用し、次いで、術中蛍光透視撮像で検証してもよい。
【0052】
図5では、単一の蛍光透視画像が示されており、したがって、図5の模擬された蛍光透視画像502は、単一のX線画像であるのと等価に記述され得る。しかしながら、なお更なる場合、例示的な処置コントローラ208(図2)は、一連の画像をレンダリング及び表示し得、したがって、任意の好適な見地からの潜在的なインピンジメント問題を示すために、寛骨臼140に対する大腿骨102の動きを示すことを含む、模擬された蛍光透視撮像を生成し得る。
【0053】
図6は、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療するためのシステムの部分ブロック図及び部分フロー図を示す。具体的には、図6は、術前計画態様600及び術中処置態様602に概念的に編成される。システムの観点から、図6は、ブロック図形態で、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202、処置コントローラ208、ディスプレイデバイス212、立体カメラ210、切除コントローラ214、切除デバイス206、及び大腿骨基準アレイ220を示す。他の場合、基準アレイは、寛骨臼基準アレイであってもよい。
【0054】
計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202は、術前計画態様600の間に複数の画像が提供される。図6では、提供されている複数の画像が、ブロック604によって、CTスキャン画像を指定することが示されているが、任意の好適な画像タイプ又は画像タイプの組み合わせが、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202に提供されてもよい。例示的な計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202は、骨モデリングソフトウェア606及び切除計画ソフトウェア608を実行し得る。骨モデリングソフトウェア606は、複数の画像(ブロック604からの)に基づいて、股関節の少なくとも一部分の三次元モデルを、上で論じられたように、任意の好適な形態の三次元モデルを用いて作成するように設計及び構築される。切除計画ソフトウェア608は、計画された切除量を作成するように設計及び構築される。術中処置態様602の前に、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202は、矢印609によって示されるように、骨の三次元モデル及び計画切除量を処置コントローラ208に転送し得る。骨の三次元モデル及び計画された切除量の転送は、イーサネット接続、直接結合されたシリアル通信プロトコル、無線点間接続(例えば、Bluetooth)、又はメモリデバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ソリッドステートドライブ)を使用する転送などの、任意の好適な形態をとり得る。
【0055】
更に図6、具体的に、ここで、術中処置態様602を参照する。例示的な処置コントローラ208は、ディスプレイデバイス212に動作可能に結合されて、上記に論じられた例示的なユーザインターフェースのいずれかを表示する。加えて、処置コントローラ208は、立体カメラ210に動作可能に結合されて、切除デバイス206の光学追跡アレイ236(図2)の立体画像、及び図6の例示的な場合、大腿骨基準アレイ220である、骨に結合された基準アレイの立体画像を含む、術野の立体画像を受信する。なお更に、例示的な処置コントローラ208は、任意の好適な形態(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)、コントローラエリアネットワーク(controller area network、CAN)バス)で切除コントローラ214に動作可能に結合される。切除コントローラ214への接続によって、処置コントローラ208は、計画された切除量に対するカッターの場所の関数として、切除デバイス206のカッターの回転速度を制御し得る。いくつかの場合、処置コントローラ208は、計画された切除量及び外科医によって要求される(フットペダルを用いた相互作用などによって)速度に対するカッターの場所の関数として、切除デバイス206のカッターの回転速度を制御し得る。カッター及びフットペダルの場所によって示されるより低速の回転速度は、実際に実装される回転速度であり得る。
【0056】
動作可能に、処置コントローラ208は、切除制御ソフトウェア610を実行する。切除制御ソフトウェア610は、概念的には、必ずしも物理的ではないが、解剖学的登録ソフトウェア612、組織切除ソフトウェア614、及び切除評価ソフトウェア616の3つの例示的な構成要素に分割される。解剖学的登録ソフトウェア612は、登録プロセス中に使用される。例として、大腿骨頸部からカム変形を除去する術中処置を検討する。登録プロセス中、処置コントローラ208は、外科医が、プローブ及び対応するプローブ基準アレイ(図を過度に複雑化しないように、プローブ及び対応するプローブ基準アレイは、示されていない)を用いて大腿骨上の様々な点をタッチする際に、大腿骨基準アレイ220を追跡することによって、計画コンピュータ200及び/又はクラウドコンピュータ202によって提供される骨の三次元モデルを実際の大腿骨に相関させる。登録プロセスが完了すると、例示的な術中処置態様602は、骨切除に進み得る。
【0057】
更に図6を参照すると、骨切除中、組織切除ソフトウェア614は、様々なタスクを実施する。例えば、組織切除ソフトウェア617は、三次元座標空間における股関節の部分の場所を監視し得(例えば、大腿骨基準アレイ220を使用して大腿骨)、監視は、立体カメラ210を使用する。同様に、組織切除ソフトウェア617は、三次元座標空間における切除デバイス206のカッターの場所を監視し得、監視は、立体カメラ210及び切除デバイス206と関連付けられた光学追跡アレイ236(図2)を使用する。股関節の部分の場所及び切除デバイス206のカッターの場所に基づいて、例示的な組織切除ソフトウェア614は、股関節の部分から切除された骨の量を追跡し得る。更に、組織切除ソフトウェア614は、計画された切除量に対する切除デバイス306のカッターの場所に基づいて、切除デバイス206の切除速度を制御し得る。切除速度を制御することは、切除デバイス206のカッターが計画された切除量の外側又は下方にあるとき、切除速度をゼロまで低減する(例えば、切除デバイスをオフにする)ことを含む、上述の形態のうちのいずれかをとり得る。切除速度を制御することは、線618によって示されるように、切除コントローラ214と通信する処置コントローラ208の組織切除ソフトウェア614によって実装され得る。
【0058】
図6は、図の簡便性のために組織切除ソフトウェア614の後に実行される切除評価ソフトウェア616を示すが、実際には、切除評価ソフトウェア616は、組織切除ソフトウェア614と同時に、又は並行して実行され得る。切除評価ソフトウェア616は、三次元骨モデル、計画された切除モデル(切除されるべき残りの骨を含む)、及び計画された切除量に対するカッターの場所の視覚的指示を示すユーザインターフェース300などの、上述の様々なユーザインターフェースを作成するように設計及び構築され得る。図3のユーザインターフェース300に加えて、又はその代わりに、切除評価ソフトウェア616は、既に切除された骨の量を考慮した画像が見えるように、下にある骨を示す画像を有する、単一の仮想蛍光透視画像、又は股関節の動きを含む一連の仮想蛍光透視画像のいずれかを示すユーザインターフェース500を作成し得る。
【0059】
図7は、少なくともいくつかの実施形態による、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療する方法を示す。いくつか又は全ての方法は、ソフトウェアを実行するプロセッサによって実装され得る。具体的には、例示的な方法は、三次元座標空間における股関節の第1の部分の場所を監視することを含む(ブロック700)。関節の場所を監視することと同時に、例示的な方法は、三次元座標空間における切除デバイスのカッターの場所を監視することを含む(ブロック702)。次いで、例示的な方法は、股関節の第1の部分から切除された骨の量を追跡することを含む(ブロック704)。そこから、例示的な方法は、計画された切除量に対する切除デバイスの遠位端の場所に基づいて、切除デバイスの切除速度を制御することを含む(ブロック708)。その後、方法は、大腿骨寛骨臼インピンジメントを治療する術中処置態様の間に繰り返す。
【0060】
図8は、少なくともいくつかの実施形態による切除デバイスの切除速度を制御する方法を示す。いくつか又は全ての方法は、ソフトウェアを実行するプロセッサによって実装され得る。具体的には、図8は、カッターが、計画された切除量に対して最初に配置され、外科医がカッターをオンにした(例えば、カッター要素を回転させた)と仮定し、したがって、概念的に、方法は、ブロック800で開始し得る。カッターをオンにすることから(繰り返しになるがブロック800)、例示的な方法は、カッターが計画された切除量に隣接しているか否かを判定することを含む(ブロック802)。いずれかの時点で、カッターが、計画された切除量の外周の外側の骨又は計画された切除量の骨の下の骨に隣接する場合(繰り返しになるがブロック802)、例示的な方法は、カッターを停止することに進む(ブロック804)。カッターが停止されると、例示的な方法は、計画された切除量に関連してカッターの場所を追跡して、カッターが、計画された切除量内の骨に再び隣接するときを判定することに進み(ブロック806)、カッターが、計画された切除量を有する骨に再び隣接したとき、カッターが、再びオンにされる(繰り返しになるがブロック800)。
【0061】
引き続き図8を参照し、今度は、カッターが、計画された切除量に隣接しているか否かの判定(ブロック802の)から開始する。カッターが、計画された切除量に依然として隣接していると仮定すると(判定ブロック802からの「はい」経路)、次の例示的な判定は、カッターが、計画された切除量の境界に近づいているか否かである(ブロック808)。計画された切除量の境界は、計画された切除量の外周を含むのみならず、計画された切除量の、その下の更なる骨が除去されるべきではない下側境界も含み得る。境界に近づくことに関する判定は、カッターが、計画された切除量の外周の所定の距離(例えば、2mm~8mmを含む)内にあるという判定、又は十分な骨が除去されている場合(例えば、図4D)、カッターが内周から所定の距離内にあることを判定することなどの、任意の好適な形態をとり得る。問題となっている境界の精密な性質又は境界までの距離にかかわらず、境界に近づいたとき(判定ブロック808からの「はい」経路)、例示的な方法は、カッター速度を低速化して(ブロック810)、切除速度を低減するか、境界に近づいているという触覚/可聴フィードバックを外科医に提供するか、又はその両方を行う。そこから、例示的な方法は、カッターが、計画された切除量に隣接しているか否かに関する判定(繰り返しになるがブロック802)に戻る。説明の目的で、カッターが、依然として、計画された切除量に隣接していると仮定すると(判定ブロック802からの「はい」経路)、再度、例示的な方法は、カッターが、計画された切除量の境界に近づいているか否かの判定(繰り返しになるがブロック808)を行う。カッターが依然として境界に近づいている場合、更に別の速度調節(ブロック810)が、例示的な方法によって行われ得る。
【0062】
図8を更に参照して、ここで、カッターが、計画された切除量の境界に近づいていないことを検討する(判定ブロック808からの「いいえ」経路)。例示的な方法は、カッターが、計画された切除量の境界から離れて移動しているか否かに関する判定を行い得る(ブロック812)。カッターが境界から離れて移動しているか否かに関する判定は、任意の好適な形態をとり得る。例えば、カッターが、計画された切除量の任意の境界から離れて所定の距離(例えば、2mm~8mmを含む)を移動することは、カッターが境界から離れて移動している指標であり得る。他の場合、計画された切除量の最も近い境界へのカッターの平均距離が増加するとき、そのようなものは、カッターが境界から離れて移動している指標であり得る。問題となっている境界の精密な性質又は境界までの距離にかかわらず、カッターが境界から離れて移動している場合(判定ブロック812からの「はい」経路)、例示的な方法は、カッターの速度を上昇させ(ブロック814)、次いで、判定ブロック808に再び入り得る。要約すると、カッターが、概して、計画された切除量の境界から離れて移動すると、カッター速度が所定の速度まで上昇し得、カッターが境界に近づくと、カッター速度が低下し得る。
【0063】
図9は、例示的なコンピュータシステム900を示す。一例では、コンピュータシステム900は、計画コンピュータ200、クラウドコンピュータ202、又は処置コントローラ208に対応し得る。コンピュータシステムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のコンピュータシステムに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。コンピュータシステム900は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、又はそのデバイスによって講じられる措置を指定する命令セット(逐次的又は別様の)を実行することができる任意のデバイスであり得る。更に、単一のコンピュータシステムのみが例示されているが、「コンピュータ」という用語はまた、本明細書で論じられる方法のうちの任意の1つ以上を実施するために、命令セット(又は複数のセット)を個々に又は共同で実行する、コンピュータの任意の集合体も含むようにもとられるべきである。
【0064】
コンピュータシステム900は、処理デバイス902、メインメモリ904(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、動的ランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、例えば、同期DRAM(synchronous DRAM、SDRAM))、静的メモリ906(例えば、フラッシュメモリ、静的ランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM))、及びバス910を介して互いに通信するデータ記憶デバイス908を含む。
【0065】
処理デバイス902は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイス902は、複合命令セットコンピューティング(complex instruction set computing、CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(reduced instruction set computing、RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(very long instruction word、VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、若しくは命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。処理デバイス902はまた、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、ネットワークプロセッサなどの、1つ以上の専用処理デバイスであり得る。処理デバイス902は、本明細書で論じられる動作及びステップのうちのいずれかを実施するための命令を実行するように構成される。特定の命令でプログラムされると、処理デバイス902、及びしたがって、コンピュータシステム900全体は、専用デバイスとなる。
【0066】
コンピュータシステム900は、ネットワークインターフェースデバイス912を更に含み得る。コンピュータシステム900はまた、ビデオディスプレイ914(例えば、ディスプレイデバイス212、又は図2の計画コンピュータ200と関連付けられたディスプレイデバイス)、1つ以上の入力デバイス916(例えば、キーボード及び/又はマウス)、並びに1つ以上のスピーカ918を含み得る。1つの例示的な例では、ビデオディスプレイ914及び入力デバイス916は、単一の構成要素又はデバイス(例えば、LCDタッチ画面)に結合され得る。
【0067】
データ記憶デバイス908は、本明細書に説明された方法論又は機能のうちの任意の1つ以上を具現化する、命令922(例えば、本明細書に説明された図示された任意のデバイス及び/又は構成要素によって実施される任意の方法及び任意の機能を実装する)が記憶される、コンピュータ可読記憶媒体920を含み得る。命令922はまた、コンピュータシステム900によるその実行中に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ904内及び/又は処理デバイス902内に存在してもよい。このように、メインメモリ904及び処理デバイス902はまた、コンピュータ可読媒体を構成する。命令922は、ネットワークインターフェースデバイス912を介してネットワーク上で更に送信又は受信され得る。
【0068】
コンピュータ可読記憶媒体920は、単一の媒体であるように例示的な例で示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、並びに/又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むようにとられるべきである。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語はまた、機械による実行のための、かつ機械に本開示の方法論のうちの任意の1つ以上を実施させる命令セットを記憶、符号化、又は担持することができる任意の媒体を含むようにとられるべきである。したがって、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、ソリッドステートメモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないようにとられるべきである。
【0069】
上記の考察は、本発明の原理及び様々な実施形態の例示であることを意味する。上述の開示が完全に理解されると、数多くの変形及び改変が当業者に明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、そのような変形及び改変の全てを受け入れるように解釈されることが意図される。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】