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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-27
(54)【発明の名称】弾性率改質剤およびそのフィルム
(51)【国際特許分類】
   C07D 241/08 20060101AFI20230720BHJP
   C08G 73/10 20060101ALI20230720BHJP
   C08G 69/36 20060101ALI20230720BHJP
   C07D 241/38 20060101ALI20230720BHJP
   C07J 41/00 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
C07D241/08
C08G73/10
C08G69/36
C07D241/38
C07J41/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581533
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 US2021039670
(87)【国際公開番号】W WO2022006145
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】62/705,479
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517366688
【氏名又は名称】ザイマージェン インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100224591
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 征志
(72)【発明者】
【氏名】ズームベルト,アーリヤン
(72)【発明者】
【氏名】マクナマラ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リッター,ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】マクリーン,マイケル ウィリアム アンガス
(72)【発明者】
【氏名】ハル,ケルビー
(72)【発明者】
【氏名】ホミャック,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ポリアク,ピーター ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】松井 和也
(72)【発明者】
【氏名】岡本 敏
【テーマコード(参考)】
4C091
4J001
4J043
【Fターム(参考)】
4C091AA01
4C091BB01
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE10
4C091FF01
4C091GG01
4C091HH01
4C091JJ01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA11
4C091PA20
4C091PB02
4C091QQ01
4J001DA01
4J001DB02
4J001EB14
4J001EC17
4J001FB03
4J001FC03
4J001JA20
4J043PA04
4J043QB15
4J043QB26
4J043RA06
4J043RA35
4J043SA06
4J043SA46
4J043SA47
4J043SB01
4J043TA22
4J043TA71
4J043TB01
4J043UA131
4J043UA132
4J043UA382
4J043UB121
4J043XA03
4J043ZB60
(57)【要約】
本開示は、アミノ酸および/またはステロイドなどの生体到達可能分子に由来する組成物に関する。特に、組成物は、アミノ酸二量体に由来するモノマー、ポリマーまたはコポリマーであり得る。そのような組成物は、官能化ステロイドを任意に含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
およびGの各々が、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含み;
およびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;
g1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;
g1およびGが、Rg1が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができ;
g2およびGが、Rg2が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができる]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【請求項2】
が-LG1-RG1であり、Gが-LG2-RG2であり;
G1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
G1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換されたアミドアルキル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記任意に置換された環状無水物が、以下の構造:
【化2】
[式中、aおよびbの各々が、独立して0~3の整数である]
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記任意に置換された環状イミドが、以下の構造:
【化3】

[式中、aおよびbの各々が、独立して、0~3の整数であり;RN1が、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたアラルキルである]
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、式(Ia):
【化4】
[式中:
G1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
G1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである]
を有する構造、またはその塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、式(Ib):
【化5】
[式中:
G1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
HetG1およびHetG2の各々が、独立して、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
G1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである]
を有する構造、またはその塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、式(Ic):
【化6】
[式中:
G1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである]
を有する構造、またはその塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物を製造する方法であって、
グリシン、ビニルグリシン、2-アリルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、4-アミノフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、ホモシスチン、システイン、ホモシステイン、セレノシステイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、4-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)-1,2-ベンゼンジカルボン酸、1-アミノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、および4-アミノ-1,2,4-ブタントリカルボン酸からなる群から選択される第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を提供すること;ならびに
前記第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との二量体を形成すること
を含む方法。
【請求項9】
前記第1のアミノ酸および第2のアミノ酸が、チロシン、セリン、トレオニンおよびヒドロキシプロリンからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物を製造する方法であって、
ビニルグリシンおよび2-アリルグリシンからなる群から選択される第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を提供すること;
前記第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との二量体を形成すること;ならびに
前記第1のアミノ酸および第2のアミノ酸上に存在するビニル基をヒドロアミノ化することを含む、方法。
【請求項11】
式(II):
【化7】
[式中:
およびGの各々が、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含み;
、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;
mおよびnの各々が、独立して、0~1の整数であり;
oが、0~2の整数である]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【請求項12】
が-LG1-RG1であり、Gが-LG2-RG2であり;
G1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキル)エン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
G1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
式(III):
【化8】
[式中:
およびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;
g1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;
G1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
ArG1およびArG2の各々が、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキ)レンであり;
HetG1が、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
ArG1、ArG2またはHetG1のうちの少なくとも1つが、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【請求項14】
式(IV):
【化9】
[式中:
およびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;
g1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;
G1、LG2およびLG3の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;
ArG1およびArG2の各々が、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキル)エンであり;
G1、LG2、LG3、ArG1またはArG2のうちの少なくとも1つが、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【請求項15】
式(VIII):
【化10】
[式中:
L1およびGL2の各々が、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含み;
およびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;
g1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;
Arがポリマーセグメントであり;
g1およびGが、Rg1が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができ;
g2およびGが、Rg2が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができる]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【請求項16】
Arが、イミドサブユニット、アミド酸サブユニット、アミドサブユニット、アリーレンサブユニット、アリーレンエーテルサブユニット、アリーレンケトンサブユニット、ウレタンサブユニット、無水フタル酸サブユニット、脂肪族サブユニット、シクロアルキルサブユニット、エーテルサブユニット、チオエーテルサブユニット、パーフルオロアルキルサブユニット、またはパーフルオロアルコキシサブユニットを含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
約450nm未満のUVカットオフ、450nmで少なくとも約95%の光透過、約2未満の黄色度指数、約12GPa未満の弾性率、および/または約350%未満の伸びを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
有機溶媒に任意に可溶性である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
1つ以上の微生物によって生分解性であるように構成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
請求項1に記載の組成物を産生するように構成された、遺伝子組換え生物。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物を含む、フィルム。
【請求項22】
接着剤またはコーティングである、請求項21に記載のフィルム。
【請求項23】
請求項1に記載の組成物を含む、複合体またはバルク構造体。
【請求項24】
請求項1に記載の組成物を含む、繊維または粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アミノ酸および/またはステロイドなどの生体到達可能(bioreachable)分子に由来する組成物に関する。特定の実施形態では、組成物は、アミノ酸二量体に由来するモノマー、ポリマーまたはコポリマーであり得る。そのような組成物は、官能化ステロイドを任意に含むことができる。
【背景技術】
【0002】
ポリマー樹脂は、一般に、様々な程度の毒性と環境への影響を伴う高生産化学物質である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、生物資源由来の生体到達可能分子に由来する組成物に関する。例示的な生体到達可能分子には、発酵および/または生体内変換を通して微生物が産生することができるアミノ酸およびステロイドが含まれる。そのような生体到達可能分子を構造的に修飾して、例えば、環状二量体を提供することができ、これを他の部分によってさらに化学的に官能化して環状誘導体を提供することができる。さらに、ステロイドを構造的に修飾して、官能化ステロイドを提供することができる。得られた環状誘導体および/または官能化ステロイドは、ポリマーまたはコポリマーを提供するためのモノマーとして使用することができる。
【0004】
したがって、第1の態様では、本開示は、式(I):
【化1】
を有する構造、またはその塩を含み、式中、GおよびGの各々が、反応性部分(例えば、本明細書に記載のいずれか)を含む組成物を包含する。いくつかの実施形態では、GおよびGの各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。他の実施形態では、RおよびRの各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルである。さらに他の実施形態では、Rg1およびRg2の各々は、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;Rg1およびGは、Rg1が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができ;Rg2およびGは、Rg2が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、組成物は、式(Ia)、(Ib)もしくは(Ic):
【化2】

を有する構造、またはその塩を含む。特定の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。他の実施形態では、RG1およびRG2の各々は、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである。さらに他の実施形態では、HetG1およびHetG2の各々は、独立して、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。他の実施形態では、組成物は、式(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)を有する構造、またはその塩(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。
【0006】
第2の態様では、本開示は、式(II):
【化3】
を有する構造、またはその塩を含む組成物を包含する。いくつかの実施形態では、GおよびGの各々は、反応性部分(例えば、本明細書に記載のいずれか)を含む。他の実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;mおよびnの各々は、独立して、0~1の整数であり;oは、0~2の整数である。さらに他の実施形態では、組成物は、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)を有する構造、またはその塩(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。
【0007】
(例えば、式(II)の)特定の実施形態では、GおよびGの各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。他の実施形態では、Gは-LG1-RG1であり、Gは-LG2-RG2(例えば、本明細書に記載されるように)である。
【0008】
第3の態様では、本開示は、組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)または(Ik)の構造を有する組成物を含む、本明細書に記載のいずれか)を製造する方法を包含する。いくつかの実施形態では、該方法は、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を提供すること;ならびに第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との二量体を形成することを含む。
【0009】
特定の実施形態では、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸は、本明細書のいずれかから選択される。他の実施形態では、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸は、グリシン、ビニルグリシン、2-アリルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、4-アミノフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、ホモシスチン、システイン、ホモシステイン、セレノシステイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、4-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)-1,2-ベンゼンジカルボン酸、1-アミノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、および4-アミノ-1,2,4-ブタントリカルボン酸から選択される。さらに他の実施形態では、第1および第2のアミノ酸は、チロシン、セリン、トレオニンおよびヒドロキシプロリンの群から選択される。
【0010】
第4の態様では、本開示は、組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)または(Ik)の構造を有する組成物を含む、本明細書に記載のいずれか)を製造する別の方法を包含する。いくつかの実施形態では、該方法は、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を提供すること;第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との二量体を形成すること;ならびに第1のアミノ酸および第2のアミノ酸上に存在する任意に置換されたアルケニル基(例えばビニル基)をヒドロアミノ化することを含む。特定の実施形態では、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸は、1つ以上の任意に置換されたアルケニル基を含む。他の実施形態では、第1のアミノ酸および第2のアミノ酸は、ビニルグリシン、2-アリルグリシン、アルケニルグリシン、O-アリルチロシン、O-アルケニルチロシン、アリルトリプトファン、アルケニルトリプトファン、アリルフェニルアラニン、およびアルケニルフェニルアラニンから選択される。さらに他の実施形態では、ヒドロアミノ化は、任意に置換されたアルケニル基の存在下での窒素含有反応物の使用を含むことができる。例示的な非限定的な窒素含有反応物には、NRN1N2N3などのアミンが含まれ、式中、RN1、RN2およびRN3の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、または脱離基、例えばエステル基である。
【0011】
第5の態様では、本開示は、式(III):
【化4】
を有する構造、またはその塩を含む組成物を包含する。いくつかの実施形態では、ArG1、ArG2またはHetG1のうちの少なくとも1つは、反応性部分、または反応性部分の反応生成物(例えば、本明細書の任意の反応性部分)を含む。他の実施形態では、ArG1、ArG2またはHetG1のうちの少なくとも1つは、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0012】
他の実施形態では、RおよびRの各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;Rg1およびRg2の各々は、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルである。さらに他の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、リンカー(例えば、本明細書のいずれか、例えば、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エン)である。いくつかの実施形態では、ArG1およびArG2の各々は、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキ)レンであり;HetG1は、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。さらに他の実施形態では、組成物は、式(IIIa)を有する構造、またはその塩(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。
【0013】
第6の態様では、本開示は、式(IV):
【化5】
を有する構造、またはその塩を含む組成物を包含する。いくつかの実施形態では、ArG1、ArG2またはLG3のうちの少なくとも1つは、反応性部分、または反応性部分の反応生成物(例えば、本明細書の任意の反応性部分)を含む。他の実施形態では、LG1、LG2、LG3、ArG1またはArG2のうちの少なくとも1つは、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、RおよびRの各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;Rg1およびRg2の各々は、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルである。他の実施形態では、LG1、LG2およびLG3の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;ArG1およびArG2の各々は、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキル)エンである。さらに他の実施形態では、組成物は、式(IVa)、(IVb)、(IVc)を有する構造、またはその塩(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。
【0015】
第7の態様では、本開示は、式(V)、(VI)もしくは(VII):
【化6】
を有する構造、またはその塩を含む組成物を包含する。いくつかの実施形態では、HetG1、HetG2、LG3またはLG4のうちの少なくとも1つは、反応性部分、または反応性部分の反応生成物(例えば、本明細書の任意の反応性部分)を含む。R、R、Rg1およびRg2の各々は、本明細書に記載のいずれかであることができる。他の実施形態では、HetG1、HetG2、LG1、LG2、LG3またはLG4のうちの少なくとも1つは、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、LG1、LG2、LG3およびLG4の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;HetG1およびHetG2の各々は、独立して、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。さらに他の実施形態では、組成物は、式(Va)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VIIa)を有する構造、またはその塩(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。
【0017】
第8の態様では、本開示は、式(VIII):
【化7】
を有する構造、またはその塩を含む組成物を包含する。いくつかの実施形態では、GL1またはGL2のうちの少なくとも1つは、反応性部分、または反応性部分の反応生成物(例えば、本明細書の任意の反応性部分)を含む。いくつかの実施形態では、GL1およびGL2の各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。R、R、Rg1およびRg2の各々は、本明細書に記載のいずれかであることができ、Arはポリマーセグメント(例えば、本明細書に記載のいずれか)である。
【0018】
いくつかの実施形態では、Arは、イミドサブユニット、アミド酸サブユニット、アミドサブユニット、アリーレンサブユニット、アリーレンエーテルサブユニット、アリーレンケトンサブユニット、ウレタンサブユニット、無水フタル酸サブユニット、脂肪族サブユニット、シクロアルキルサブユニット、エーテルサブユニット、チオエーテルサブユニット、パーフルオロアルキルサブユニットまたはパーフルオロアルコキシサブユニットを含む。
【0019】
第9の態様では、本開示は、本明細書に記載の任意の組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)もしくは(VIII)の構造、またはその塩を含む組成物)を産生するように構成された遺伝子組換え生物(例えば、本明細書に記載のいずれか)を包含する。
【0020】
第10の態様では、本開示は、本明細書に記載の任意の組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)もしくは(VIII)の構造、またはその塩を含む組成物)を含むフィルム(例えば、本明細書に記載のいずれか)を包含する。いくつかの実施形態では、フィルムは、接着剤またはコーティングである。
【0021】
第11の態様では、本開示は、本明細書に記載の任意の組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)もしくは(VIII)の構造、またはその塩を含む組成物)を含む複合体またはバルク構造体(例えば、本明細書に記載のいずれか)を包含する。
【0022】
第12の態様では、本開示は、本明細書に記載の任意の組成物(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)もしくは(VIII)の構造、またはその塩を含む組成物)を含む繊維または粒子(例えば、本明細書に記載のいずれか)を包含する。
【0023】
本明細書の任意の実施形態では、Gは-LG1-RG1であり、Gは-LG2-RG2であり、Gは-LG1-RG1であり、Gは-LG2-RG2であり、式中、LG1およびLG2の各々はリンカー(例えば、本明細書のいずれか)であり、RG1およびRG2の各々は反応性部分(例えば、本明細書のいずれか)である。いくつかの実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、-NRN1-(式中、RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである)、カルバメート結合(例えば、RN1がHまたは任意に置換されたアルキルである-O-C(O)-NRN1-結合)、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。他の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキル)エンである。さらに他の実施形態では、RG1およびRG2の各々は、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、任意に置換されたカルボキシアルキル、任意に置換されたカルボキシアリール、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換されたアミドアルキル、任意に置換された環状無水物、任意に置換された環状イミド、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたエポキシ、または任意に置換された(ヘテロ)シクロアルキルである。
【0024】
本明細書の任意の実施形態では、本明細書の任意のリンカー(例えば、LG1、LG2、LG3、LG4、GL1およびGL2の各々)は、独立して、共有結合、アミド結合、-NRN1-(式中、RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである)、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキル)エン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。
【0025】
本明細書の任意の実施形態では、任意の反応性部分(例えば、R、RG1およびRG2の各々)は、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、任意に置換されたカルボキシアルキル、任意に置換されたカルボキシアリール、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換されたアミドアルキル、任意に置換された環状無水物、任意に置換された環状イミド、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたエポキシ、または任意に置換された(ヘテロ)シクロアルキルである。
【0026】
本明細書の任意の実施形態では、任意に置換された環状無水物は、以下の構造:
【化8】
[式中、aおよびbの各々は、独立して、0~3の整数である]
を有する。
【0027】
本明細書の任意の実施形態では、任意に置換された環状イミドは、以下の構造:
【化9】
[式中、aおよびbの各々は、独立して、0~3の整数であり;RN1は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたアラルキルである]
を有する。
【0028】
本明細書の任意の実施形態では、組成物は、約450nm未満のUVカットオフ、450nmで少なくとも約95%の光透過、約2未満の黄色度指数、約12GPa未満の弾性率、および/または約350%未満の伸びを含む。
【0029】
本明細書の任意の実施形態では、組成物は、有機溶媒(例えば、本明細書に記載のいずれか)に可溶性である。
【0030】
本明細書の任意の実施形態では、組成物は、1つ以上の微生物によって、または1つ以上の酵素(例えば、プロテアーゼ、ヒドロラーゼ、環状ジペプチダーゼなど)によって生分解性であるように構成される。
【0031】
本明細書の任意の実施形態では、組成物は、組成物内の弾性率(例えばヤング率)を改変するために、本明細書の任意の式(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)および(VIII))の構造を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約20GPa未満、約18GPa未満、約15GPa未満、約12GPa未満、約10GPa未満、約8GPa未満、約5GPa未満またはそれ以下の弾性率を有する。追加の詳細を以下に示す。
【0032】
定義
「アルカリール」または「アルキルアリール」とは、-Ar-Akを意味し、式中、Arは、本明細書で定義される任意に置換されたアリーレンであり、Akは、本明細書で定義される任意に置換されたアルキルである。アルカリール基は、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アルカリール基を置換することができる。例示的な非置換アルカリール基は、7~16個の炭素のもの(C7~16アルカリール)、ならびに1~6個の炭素を有するアルキル基および4~18個の炭素を有するアリーレン基を有するもの(すなわち、(C1~6アルキル)C4~18アリール)である。
【0033】
「アルケニル」とは、1つ以上の二重結合を有する任意に置換されたC2~24アルキル基を意味する。アルケニル基は、環状(例えばC3~24シクロアルケニル)または非環状であることができる。アルケニル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アルケニル基を置換することができる。例示的なアルケニル基には、例えば、ビニル(-CH=CH)、ビニリデン(例えば=C=CH)、エチリデン(例えば=CH-CH)、アリル(-CH-CH=CH)、1-プロペニル(-CH=CH-CH)、メチルアリル(-CH-C(CH)=CH)、アリリデン(例えば=CH-CH=CH)、ホモアリル(例えば-CH-CH-CH=CH)、1-ブテニル(-CH=CH-CH-CH)、2-ブテニル(-CH-CH=CH-CH)、3-メチル-2-ブテニルまたはプレニル(-CH-CH=C(CH)、3-ブテニル(-CH-CH-CH=CH)、4-メチル-3-ペンテニル(-CH-CH-CH=C(CH)などが含まれる。
【0034】
「アルケニレン」とは、本明細書で定義されるアルケニル基の多価(例えば二価)形態を意味する。アルケニレン基は、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アルケニレン基を置換することができる。例示的なアルケニレン基には、例えば、ビニレン(-CH=CH-)、ビニリデン(例えば>C=CH)、エタンジイリデン(例えば=CH-CH=)、エチリデン(例えば>CH-CH)、アリリデン(例えば>CH-CH=CH)、プロペニレン(例えば、-CH-CH=CH-または-CH=C=CH-)、1-プロパニル-3-イリデン(=CH-CH-CH-)、2-ブテニレン(-CH-CH=CH-CH-)などが含まれる。
【0035】
「アルコキシ」とは、-O-Ak基を意味し、式中、Akは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0036】
「アルコキシアルキル」とは、本明細書で定義されるアルコキシ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0037】
「アルキル」および接頭辞「alk」とは、1~24個の炭素原子の分岐または非分岐飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどを意味する。アルキル基は、環状(例えばC3~24シクロアルキル)または非環状であることができる。アルキル基は、分岐または非分岐であることができる。アルキル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、以下からなる群から独立して選択される1、2、3個の置換基によって、または2個以上の炭素のアルキル基の場合4個の置換基によって、アルキル基を置換することができ:(1)C1~6アルコキシ(例えば、-O-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(2)C1~6アルキルスルフィニル(例えば、-S(O)-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(3)C1~6アルキルスルホニル(例えば、-SO-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(4)アミノ(例えば、-NRN1N2(式中、RN1およびRN2の各々は、独立して、Hもしくは任意に置換されたアルキルであるか、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル基を形成する));(5)アリール;(6)アリールアルコキシ(例えば、-O-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである));(7)アリーロイル(例えば、-C(O)-Ar(式中、Arは、任意に置換されたアリールである));(8)アジド(例えば-N);(9)シアノ(例えば-CN);(10)カルボキシアルデヒド(例えば-C(O)H);(11)C3~8シクロアルキル(例えば、一価の飽和または不飽和の非芳香族環状C3~8炭化水素基);(12)ハロ(例えば、F、Cl、BrまたはI);(13)ヘテロシクリル(例えば、特に指定されない限り、1、2、3または4個の非炭素ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、リン、硫黄またはハロを含む5、6または7員環);(14)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-Het(式中、Hetは、本明細書に記載のヘテロシクリルである));(15)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-Het(式中、Hetは、本明細書に記載のヘテロシクリルである));(16)ヒドロキシル(例えば-OH);(17)N-保護アミノ;(18)ニトロ(例えば-NO);(19)オキソ(例えば=O);(20)C3~8スピロシクリル(例えば、親基の同じ炭素原子に両端が結合しているアルキレンジラジカルまたはヘテロアルキレンジラジカル);(21)C1~6チオアルコキシ(例えば、-S-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(22)チオール(例えば-SH);(23)-CO(式中、Rは、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリールおよび(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(24)-C(O)NR(式中、RおよびRの各々は、独立して、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリールおよび(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(25)-SO(式中、Rは、(a)C1~6アルキル、(b)C4~18アリールおよび(c)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(26)-SONR(式中、RおよびRの各々は、独立して、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリールおよび(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);および(27)-NR(式中、RおよびRの各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1~6アルキル、(d)C2~6アルケニル(例えば、1つ以上の二重結合を有する任意に置換されたアルキル)、(e)C2~6アルキニル(例えば、1つ以上の三重結合を有する任意に置換されたアルキル)、(f)C4~18アリール、(g)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))、(h)C3~8シクロアルキル、および(i)(C3~8シクロアルキル)C1~6アルキル(例えば、-L-Cy(式中、本明細書に記載されるように、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Cyは、任意に置換されたシクロアルキルである))からなる群から選択される)、一実施形態では、カルボニル基またはスルホニル基を介して2つの基が窒素原子に結合していない。アルキル基は、1つ以上の置換基(例えば、1つ以上のハロまたはアルコキシ)によって置換された第一級、第二級または第三級アルキル基であることができる。いくつかの実施形態では、非置換アルキル基は、C1~3アルキル基、C1~6アルキル基、C1~12アルキル基、C1~16アルキル基、C1~18アルキル基、C1~20アルキル基、C1~24アルキル基、C2~3アルキル基、C2~6アルキル基、C2~12アルキル基、C2~16アルキル基、C2~18アルキル基、C2~20アルキル基、C2~24アルキル基、C3~6アルキル基、C3~12アルキル基、C3~16アルキル基、C3~18アルキル基、C3~20アルキル基、C3~24アルキル基、C4~6アルキル基、C4~12アルキル基、C4~16アルキル基、C4~18アルキル基、C4~20アルキル基、C4~24アルキル基、C5~6アルキル基、C5~12アルキル基、C5~16アルキル基、C5~18アルキル基、C5~20アルキル基、C5~24アルキル基、C6~12アルキル基、C6~16アルキル基、C6~18アルキル基、C6~20アルキル基、C6~24アルキル基、C7~12アルキル基、C7~16アルキル基、C7~18アルキル基、C7~20アルキル基、C7~24アルキル基、C8~12アルキル基、C8~16アルキル基、C8~18アルキル基、C8~20アルキル基、C8~24アルキル基、C9~12アルキル基、C9~16アルキル基、C9~18アルキル基、C9~20アルキル基、C9~24アルキル基、C10~12アルキル基、C10~16アルキル基、C10~18アルキル基、C10~20アルキル基またはC1~24アルキル基である。
【0038】
「アルキレン」とは、本明細書に記載されるアルキル基の多価(例えば二価)形態を意味する。例示的なアルキレン基には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アルキレン基は、C1~3アルキレン基、C1~6アルキレン基、C1~12アルキレン基、C1~16アルキレン基、C1~18アルキレン基、C1~20アルキレン基、C1~24アルキレン基、C2~3アルキレン基、C2~6アルキレン基、C2~12アルキレン基、C2~16アルキレン基、C2~18アルキレン基、C2~20アルキレン基またはC2~24アルキレン基である。アルキレン基は、分岐または非分岐であることができる。アルキレン基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アルキレン基を置換することができる。例示的なアルキレン基には、例えば、メチレン(例えば、=CH、>CH、または-CH-)、エチレン(-CH-CH-)、プロピレン(例えば、-CH(CH)-CH-、または-CH-CH-CH-)などが含まれる。
【0039】
「アルキニル」とは、1つ以上の三重結合を有する任意に置換されたC2~24アルキル基を意味する。アルキニル基は、環状または非環状であることができ、エチニル、1-プロピニルなどによって例示される。アルキニル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アルキニル基を置換することができる。
【0040】
「アミド結合」とは、-C(O)NRN1-、または-NRN1C(O)-を意味し、式中、RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである。非限定的なアミド結合には、-C(O)NH-が含まれる。
【0041】
「アミド」とは、-C(O)NRN1N2を意味し、式中、RN1およびRN2の各々は、独立して、Hもしくは任意に置換されたアルキルであるか、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成する。
【0042】
「アミドアルキル」とは、本明細書で定義されるアミド基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0043】
「アミノ」とは、-NRN1N2を意味し、式中、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、もしくは任意に置換されたアリールであるか、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成する。
【0044】
「アミノアルキル」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0045】
「アミノアリール」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアリール基を意味する。
【0046】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、-Ak-Arを意味し、式中、Akは、本明細書で定義される任意に置換されたアルキレンであり、Arは、本明細書で定義される任意に置換されたアリールである。アラルキル基は、置換または非置換であることができる。例えば、アリールおよび/またはアルキルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アラルキル基を置換することができる。非限定的な非置換アラルキル基は、7~16個の炭素のもの(C7~16アラルキル)、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および1~6個の炭素を有するアルキレン基を有するもの(すなわち、-C1~6アルキレン-C4~18アリール)である。
【0047】
「アリール」とは、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル、フルオレニルなどのような縮合ベンゾ-C4~8シクロアルキルラジカル(例えば、本明細書で定義されるように)を含む、限定するものではないが、フェニル、ベンジル、アントラセニル、アントリル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロオクテニル、ビフェニリル、クリセニル、ジヒドロインデニル、フルオランテニル、インダセニル、インデニル、ナフチル、フェナントリル、フェノキシベンジル、ピセニル、ピレニル、テルフェニルなどを含む任意の炭素系芳香族基を含有する基を意味する。アリールという用語はまた、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を含有する基として定義されるヘテロアリールを含む。ヘテロ原子の例には、限定するものではないが、窒素、酸素、硫黄およびリンが挙げられる。同様に、非ヘテロアリールという用語は、アリールという用語にも含まれ、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含有する基を定義する。アリール基は、置換または非置換であることができる。以下からなる群から独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基によって、アリール基を置換することができる:(1)C1~6アルカノイル(例えば、-C(O)-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(2)C1~6アルキル;(3)C1~6アルコキシ(例えば、-O-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(4)C1~6アルコキシ-C1~6アルキル(例えば、-L-O-Ak(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(5)C1~6アルキルスルフィニル(例えば、-S(O)-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(6)C1~6アルキルスルフィニル-C1~6アルキル(例えば、-L-S(O)-Ak(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(7)C1~6アルキルスルホニル(例えば、-SO-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(8)C1~6アルキルスルホニル-C1~6アルキル(例えば、-L-SO-Ak(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(9)アリール;(10)アミノ(例えば、-NRN1N2(式中、RN1およびRN2の各々は、独立して、Hもしくは任意に置換されたアルキルであるか、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル基を形成する));(11)C1~6アミノアルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上の-NRN1N2基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(12)ヘテロアリール(例えば、芳香族であるヘテロシクリル基(例えば、特に指定されない限り、1、2、3または4個の非炭素ヘテロ原子を含む5、6または7員環)のサブセット);(13)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである));(14)アリーロイル(例えば、-C(O)-Ar(式中、Arは、任意に置換されたアリールである));(15)アジド(例えば-N);(16)シアノ(例えば-CN);(17)C1~6アジドアルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上のアジド基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(18)カルボキシアルデヒド(例えば-C(O)H);(19)カルボキシアルデヒド-C1~6アルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上のカルボキシアルデヒド基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(20)C3~8シクロアルキル(例えば、一価の飽和または不飽和の非芳香族環状C3~8炭化水素基);(21)(C3~8シクロアルキル)C1~6アルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上のシクロアルキル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(22)ハロ(例えば、F、Cl、BrまたはI);(23)C1~6ハロアルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上のハロ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(24)ヘテロシクリル(例えば、特に指定されない限り、1、2、3または4個の非炭素ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、リン、硫黄またはハロを含む5、6または7員環);(25)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-Het(式中、Hetは、本明細書に記載のヘテロシクリルである));(26)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-Het(式中、Hetは、本明細書に記載のヘテロシクリルである));(27)ヒドロキシル(例えば-OH);(28)C1~6ヒドロキシアルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上のヒドロキシルによって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(29)ニトロ(例えば-NO);(30)C1~6ニトロアルキル(例えば、本明細書に記載される1つ以上のニトロによって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(31)N-保護アミノ;(32)N-保護アミノ-C1~6アルキル(例えば、1つ以上のN-保護アミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基);(33)オキソ(例えば=O);(34)C1~6チオアルコキシ(例えば、-S-Ak(式中、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(35)チオ-C1~6アルコキシ-C1~6アルキル(例えば、-L-S-Ak(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Akは、任意に置換されたC1~6アルキルである));(36)-(CHCO(式中、rは、0~4の整数であり、Rは、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリールおよび(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(37)-(CHCONR(式中、rは、0~4の整数であり、各RおよびRは、独立して、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリールおよび(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(38)-(CHSO(式中、rは、0~4の整数であり、Rは、(a)C1~6アルキル、(b)C4~18アリールおよび(c)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(39)-(CHSONR(式中、rは、0~4の整数であり、RおよびRの各々は、独立して、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリールおよび(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))からなる群から選択される);(40)-(CHNR(式中、rは、0~4の整数であり、RおよびRの各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1~6アルキル、(d)C2~6アルケニル(例えば、1つ以上の二重結合を有する任意に置換されたアルキル)、(e)C2~6アルキニル(例えば、1つ以上の三重結合を有する任意に置換されたアルキル)、(f)C4~18アリール、(g)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))、(h)C3~8シクロアルキルおよび(i)(C3~8シクロアルキル)C1~6アルキル(例えば、-L-Cy(式中、本明細書に記載されるように、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Cyは、任意に置換されたシクロアルキルである))からなる群から選択される)(一実施形態では、カルボニル基またはスルホニル基を介して2つの基が窒素原子に結合していない);(41)チオール(例えば-SH);(42)パーフルオロアルキル(例えば、フッ素原子によって置換された各水素原子を有するアルキル基);(43)パーフルオロアルコキシ(例えば、-OR(式中、Rは、フッ素原子によって置換された各水素原子を有するアルキル基である));(44)アリールオキシ(例えば、-OAr(式中、Arは、任意に置換されたアリールである));(45)シクロアルコキシ(例えば、-O-Cy(式中、本明細書に記載されるように、Cyは、任意に置換されたシクロアルキルである));(46)シクロアルキルアルコキシ(例えば、-O-L-Cy(式中、
本明細書に記載されるように、Lは、任意に置換されたアルキルの二価形態であり、Cyは、任意に置換されたシクロアルキルである));および(47)アリールアルコキシ(例えば、-O-L-Ar(式中、Lは、任意に置換されたアルキル基の二価形態であり、Arは、任意に置換されたアリールである))。特定の実施形態では、非置換アリール基は、C4~18アリール基、C4~14アリール基、C4~12アリール基、C4~10アリール基、C6~18アリール基、C6~14アリール基、C6~12アリール基またはC6~10アリール基である。
【0048】
「(アリール)(アルキル)エン」とは、本明細書に記載のアルキレン基またはヘテロアルキレン基に結合した、本明細書に記載のアリーレン基を含む二価形態を意味する。いくつかの実施形態では、(アリール)(アルキル)エン基は、-L-Ar-、または-L-Ar-L-、または-Ar-L-であり、式中、Arはアリーレン基であり、各Lは、独立して、任意に置換されたアルキレン基、または任意に置換されたヘテロアルキレン基である。
【0049】
「アリーレン」とは、本明細書に記載されるアリール基の多価(例えば二価)形態を意味する。非限定的なアリーレン基には、フェニレン(例えば、ベンゼン-1,4-ジイル、ベンゼン-1,3,4-トリイル、またはベンゼン-1,2,4,5-テトライルなど)、ナフチレン(例えば、ナフタレン-2,6-ジイル、ナフタレン-2,7-ジイル、ナフタレン-2,3-ジイル、ナフタレン-1,5-ジイル、またはナフタレン-2,3,6,7-テトライルなど)、ビフェニレン、トリフェニレン、ジフェニルエーテル、アセナフテニレン、アントリレン(例えば、アントラセン-2,6-ジイル、アントラセン-2,7-ジイル、またはアントラセン-2,3,6,7-テトライルなど)またはフェナントリレン(例えば、フェナントレン-2,7-ジイル、フェナントレン-1,8-ジイル、またはフェナントレン-1,8,9,10-テトライルなど)が含まれる。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、C4~18アリーレン基、C4~14アリーレン基、C4~12アリーレン基、C4~10アリーレン基、C6~18アリーレン基、C6~14アリーレン基、C6~12アリーレン基またはC6~10アリーレン基である。アリーレン基は、分岐または非分岐であることができる。アリーレン基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アリールについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、アリーレン基を置換することができる。アリーレン基は、本明細書のいずれかの二価、三価または四価の形態であることができる。
【0050】
「カルボニル」とは、-C(O)-基を意味し、これは>C=Oとして表すこともできる。
【0051】
「カルボキシル」とは、-COH基を意味する。
【0052】
「カルボキシアルキル」とは、1つ以上の-COH基によって置換された、本明細書に記載のアルキル基を意味する。
【0053】
「カルボキシアリール」とは、1つ以上の-COH基によって置換された、本明細書に記載のアリール基を意味する。
【0054】
「環状無水物」とは、特に指定されない限り、環内に-C(O)-O-C(O)-基を有する3、4、5、6または7員環(例えば、5、6または7員環)を意味する。用語「環状無水物」はまた、上記の環のいずれかが、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環および別の単環式複素環からなる群から独立して選択される1、2または3個の環に縮合している二環式基、三環式基および四環式基を含む。例示的な環状無水物基には、1つ以上の水素を除去することによって、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソクロマン-1,3-ジオン、オキセパンジオン、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無水物、ナフタル酸無水物、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物などから形成されるラジカルが含まれる。他の例示的な環状無水物基には、ジオキソテトラヒドロフラニル、ジオキソジヒドロイソベンゾフラニルなどが含まれる。環状無水物基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、ヘテロシクリルについて本明細書に記載されるものを含む1つ以上の基によって、環状無水物基を置換することができる。
【0055】
「環状イミド」とは、特に指定されない限り、環内に-C(O)-NRN1-C(O)-基(式中、RN1は、本明細書で定義されるように、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたアリールである)を有する3、4、5、6または7員環(例えば、5、6または7員環)を意味する。用語「環状イミド」はまた、上記の環のいずれかが、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環および別の単環式複素環からなる群から独立して選択される1、2または3個の環に縮合している二環式基、三環式基および四環式基を含む。例示的な環状イミド基には、1つ以上の水素を除去することによって、スクシンイミド、グルタルイミド、マレイミド、フタルイミド、テトラヒドロフタルイミド、ヘキサヒドロフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド、ナフタルイミドなどから形成されるラジカルが含まれる。他の例示的な環状イミド基には、スクシンイミド、フタルイミドなどが含まれる。環状イミド基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、ヘテロシクリルについて本明細書に記載されるものを含む1つ以上の基によって、環状イミド基を置換することができる。
【0056】
「シクロアルキル」とは、特に指定されない限り、炭素数3~8の一価の飽和または不飽和の非芳香族環状炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.]ヘプチルなどが例示される。シクロアルキル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるものを含む1つ以上の基によって、シクロアルキル基を置換することができる。例示的なシクロアルキル基には、C3~6シクロアルキルおよびC3~8シクロアルキルが含まれる。
【0057】
「エポキシ」とは、Lがリンカーであり、Rが任意に置換されたオキシラニル基である-L-Rを意味する。特定の実施形態では、Lは、結合、任意に置換されたアルキレン、または任意に置換されたヘテロアルキレンであることができ;Rは、1個の酸素原子および2個の炭素原子を有する一価の飽和シクロアルキル基であることができ、ここで、各炭素原子は水素原子を含むことができるか、またはアルキルについて本明細書に記載されるものを含む1つ以上の基によって水素原子を置換することができる。他の実施形態では、Rは、任意に置換された2-オキシラニルであり、アルキルについて本明細書に記載される1つ以上の置換基によって、
【化10】
内の各Hを置換することができる。
【0058】
「エステル結合」とは、-C(O)O-、または-OC(O)-を意味する。
【0059】
「ハロ」とは、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0060】
「ハロアルキル」とは、1つ以上のハロによって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0061】
「ヘテロアルキレン」とは、1、2、3または4個の非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン、硫黄、セレンまたはハロからなる群から独立して選択される)を含む、本明細書で定義されるアルキレン基の二価形態を意味する。ヘテロアルキレン基は、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、ヘテロアルキレン基を置換することができる。非限定的なヘテロアルキレン基には、例えば、-O-Ak-、-Ak-O-、-S-Ak-、または-Ak-S-(式中、Akは、本明細書に記載の任意に置換されたアルキレンである)が含まれる。
【0062】
「(ヘテロ)シクロアルキル」とは、非炭素ヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)によって置換されていてもよい1つ以上の炭素原子を有する、本明細書で定義される飽和シクロアルキル基を意味する。(ヘテロ)シクロアルキルの例には、オキシラニル(例えば、2-オキシラニル、例えば
【化11】
)、オキセタニル(例えば、3-オキセタニル、例えば
【化12】
;または2-オキセタニル
【化13】
)およびテトラヒドロフリル(例えば、2-テトラヒドロフリルまたは3-テトラヒドロフリル)がある。(ヘテロ)シクロアルキル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アルキルについて本明細書に記載されるものを含む1つ以上の基によって、(ヘテロ)シクロアルキル基を置換することができる。例示的な(ヘテロ)シクロアルキル基には、C2~6シクロアルキルおよびC2~8シクロアルキルが含まれる。さらに他の例示的な(ヘテロ)シクロアルキル基には、非炭素ヘテロ原子がOである環状エーテル基が含まれる。
【0063】
「ヘテロシクリル」とは、特に指定されない限り、1、2、3または4個の非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン、硫黄、セレンまたはハロからなる群から独立して選択される)を含む3、4、5、6または7員環(例えば、5、6または7員環)を意味する。3員環は、0~1個の二重結合を有し、4および5員環は、0~2個の二重結合を有し、6および7員環は、0~3個の二重結合を有する。用語「ヘテロシクリル」はまた、上記複素環のいずれかが、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環および別の単環式複素環、例えば、インドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどからなる群から独立して選択される1、2、または3個の環に縮合している二環式基、三環式基および四環式基を含む。複素環には、アクリジニル、アデニル、アロキサジニル、アザアダマンタニル、アザベンズイミダゾリル、アザビシクロノニル、アザシクロヘプチル、アザシクロオクチル、アザシクロノニル、アザヒポキサンチニル、アザインダゾリル、アザインドリル、アゼシニル、アゼパニル、アゼピニル、アゼチジニル、アゼチル、アジリジニル、アジリニル、アゾカニル、アゾシニル、アゾナニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾジアゼピニル、ベンゾジアゾシニル、ベンゾジヒドロフリル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソシニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジチエピニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソシニル、ベンゾフラニル、ベンゾフェナジニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾピレニル、ベンゾピロニル、ベンゾキノリニル、ベンゾキノリジニル、ベンゾチアジアゼピニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゼピニル、ベンゾチアゾシニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジノニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾチオピロニル、ベンゾトリアゼピニル、ベンゾトリアジノニル、ベンゾトリアジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾトリオキセピニル、ベンゾオキサジアゼピニル、ベンゾオキサチアゼピニル、ベンゾオキサチエピニル、ベンゾオキサチオシニル、ベンゾオキサゼピニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾシニル、ベンゾオキサゾリノニル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンジルスルタミル、ベンジルスルチミル、ビピラジニル、ビピリジニル、カルバゾリル(例えば4H-カルバゾリル)、カルボリニル(例えばβ-カルボリニル)、クロマノニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、クマリニル、サイトジニル、シトシニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、ジアザビシクロオクチル、ジアゼチル、ジアジリジンチオニル、ジアジリジノニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、ジベンズイソキノリニル、ジベンゾアクリジニル、ジベンゾカルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾフェナジニル、ジベンゾピラノニル、ジベンゾピロニル(キサントニル)、ジベンゾキノキサリニル、ジベンゾチアゼピニル、ジベンゾチエピニル、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾオキセピニル、ジヒドロアゼピニル、ジヒドロアゼチル、ジヒドロフラニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、ジオキサニル、ジオキサジニル、ジオキシンドリル、ジオキシラニル、ジオキセニル、ジオキシニル、ジオキソベンゾフラニル、ジオキソリル、ジオキソテトラヒドロフラニル、ジオキソチオモルホリニル、ジチアニル、ジチアゾリル、ジチエニル、ジチイニル、フラニル、フラザニル、フロイル、フリル、フリル、グアニニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、ヒポキサンチニル、ヒダントイニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル(例えば1H-インダゾリル)、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル(例えば、1H-インドリルまたは3H-インドリル)、イサチニル、イサチル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソクロメニル、イソインダゾイル、イソインドリニル、イソインドリル、イソピラゾロニル、イソピラゾリル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフトインダゾリル、ナフトインドリル、ナフトイリジニル、ナフトピラニル、ナフトチアゾリル、ナフトチオキソリル、ナフトトリアゾリル、ナフトキシンドリル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサビシクロヘプチル、オキサウラシル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリドニル、オキサゾリニル、オキサゾロニル、オキサゾリル、オキセパニル、オキセタノニル、オキセタニル、オキセチル、オクステナイル、オキシンドリル、オキシラニル、オキソベンゾイソチアゾリル、オキソクロメニル、オキソイソキノリニル、オキソキノリニル、オキソチオラニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノチエニル(ベンゾチオフラニル)、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、フタラゾニル、フタリジル、フタルイミジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル(例えば4-ピペリドニル)、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピラジニル、ピリドピリミジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロニル、ピロリジニル、ピロリドニル(例えば2-ピロリドニル)、ピロリニル、ピロリジジニル、ピロリル(例えば2H-ピロリル)、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル(例えば4H-キノリジニル)、キノキサリニル、キヌクリジニル、セレナジニル、セレナゾリル、セレノフェニル、スクシンイミジル、スルホラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピロニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラジニル、テトラゾリル、チアジアジニル(例えば、6H-1,2,5-チアジアジニルまたは2H,6H-1,5,2-ジチアジニル)、チアジアゾリル、チアンスレニル、チアニル、チアナフテニル、チアゼピニル、チアジニル、チアゾリジンジオニル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チエパニル、チエピニル、チエタニル、チエチル、チイラニル、チオカニル、チオクロマノニル、チオクロマニル、チオクロメニル、チオジアジニル、チオジアゾリル、チオインドキシル、チオモルホリニル、チオフェニル、チオピラニル、チオピロニル、チオトリアゾリル、チオウラゾリル、チオキサニル、チオキソリル、チミジニル、チミニル、トリアジニル、トリアゾリル、トリチアニル、ウラジニル、ウラゾリル、ウレチジニル、ウレチニル、ウリシル、ウリジニル、キサンテニル、キサンチニル、キサンチオニルなど、ならびにそれらの修飾形態(例えば、1つ以上のオキソおよび/またはアミノを含む)、およびそれらの塩が含まれる。ヘテロシクリル基は、置換または非置換であることができる。例えば、アリールについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、ヘテロシクリル基を置換することができる。
【0064】
「(ヘテロシクリル)(アルキル)エン」とは、本明細書に記載のアルキレン基またはヘテロアルキレン基に結合した、本明細書に記載のヘテロシクリルジイル基を含む二価形態を意味する。いくつかの実施形態では、(ヘテロシクリル)(アルキル)エン基は、-L-Het-、-L-Het-L-、または-Het-L-であり、式中、Hetはヘテロシクリルジイル基であり、Lは、任意に置換されたアルキレン基、または任意に置換されたヘテロアルキレン基である。
【0065】
「ヘテロシクリルジイル」とは、本明細書に記載のヘテロシクリル基の二価形態を意味する。一例では、ヘテロシクリルジイルは、ヘテロシクリル基から水素を除去することによって形成される。例示的なヘテロシクリルジイル基には、ピペリジリデン、キノリンジイルなどが含まれる。ヘテロシクリルジイル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、ヘテロシクリルについて本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基によって、ヘテロシクリルジイル基を置換することができる。
【0066】
「ヒドロキシル」とは、-OHを意味する。
【0067】
「ヒドロキシアルキル」とは、1個以下のヒドロキシル基がアルキル基の単一の炭素原子に結合していてもよいという条件で、1~3個のヒドロキシル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味し、ヒドロキシメチル、ジヒドロキシプロピルなどによって例示される。
【0068】
「ヒドロキシアリール」とは、1個以下のヒドロキシル基がアリール基の単一の炭素原子に結合していてもよいという条件で、1~3個のヒドロキシル基によって置換された、本明細書で定義されるアリール基を意味し、ヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルなどによって例示される。
【0069】
「オキシ」とは、-O-を意味する。
【0070】
「保護基」とは、反応性基を望ましくない合成反応から保護することを意図した任意の基を意味する。一般的に使用される保護基は、参照により本明細書に組み込まれる“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,” John Wiley&Sons,New York,2007(4th ed.,eds.P.G.M.Wuts and T.W.Greene)に開示されている。O-保護基には、任意に置換されたアルキル基(例えば、反応性基Oを有するエーテルを形成する)、例えば、メチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンゾイルオキシメチル、t-ブトキシメチルなど;任意に置換されたアルカノイル基(例えば、反応性基Oを有するエステルを形成する)、例えば、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、フルオロアセチル(例えば、パーフルオロアセチル)、メトキシアセチル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、フェノキシアセチルなど;任意に置換されたアリーロイル基(例えば、反応性基Oを有するエステルを形成する)、例えば、ベンゾイルを含む-C(O)-Ar;任意に置換されたアルキルスルホニル基(例えば、反応性基Oを有するアルキルスルホネートを形成する)、例えば、-SO-RS1(式中、RS1は、任意に置換されたC1~12アルキルである)、例えば、メシルもしくはベンジルスルホニル;任意に置換されたアリールスルホニル基(例えば、反応性基Oを有するアリールスルホネートを形成する)、例えば、-SO-RS4(式中、RS4は、任意に置換されたC4~18アリールである)、例えば、トシルもしくはフェニルスルホニル;任意に置換されたアルコキシカルボニル基もしくはアリールオキシカルボニル基(例えば、反応性基Oを有するカーボネートを形成する)、例えば、-C(O)-ORT1(式中、RT1は、任意に置換されたC1~12アルキルまたは任意に置換されたC4~18アリールである)、例えば、メトキシカルボニル、メトキシメチルカルボニル、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、もしくはベンジルオキシカルボニル(Cbz);または任意に置換されたシリル基(例えば、反応性基Oを有するシリルエーテルを形成する)、例えば、-Si-(RT2(式中、各RT2は、独立して、任意に置換されたC1~12アルキル、または任意に置換されたC4~18アリールである)、例えば、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、もしくはt-ブチルジフェニルシリルが含まれる。N-保護基には、例えば、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、アラニル、フェニルスルホニル、ベンジル、BocおよびCbzが含まれる。そのような保護基は、保護基を切断し、それによって、保護されていない反応性基の反応性を回復させるために、任意の有用な作用物質を使用することができる。
【0071】
「塩」とは、電気的に中性の化合物または構造を形成するカチオン化合物またはアニオン化合物を含む、化合物または構造(例えば、本明細書に記載の任意の式、化合物または組成物)のイオン形態を意味する。塩は、当技術分野で周知である。例えば、非毒性塩は、Berge S M et al.,“Pharmaceutical salts,” J.Pharm.Sci.1977 January;66(1):1-19;および“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,” Wiley-VCH,April 2011(2nd rev.ed.,eds.P.H.Stahl and C.G.Wermuth)に記載されている。塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製中にインサイチュで、または遊離塩基基を好適な有機酸と反応させる(それによってアニオン性塩を製造する)ことによって、もしくは酸基を好適な金属塩もしくは有機塩と反応させる(それによってカチオン性塩を製造する)ことによって別個に調製することができる。代表的なアニオン性塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二塩酸塩、二リン酸塩、ドデシル硫酸塩、エデト酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル塩、硝酸メチル塩、硫酸メチル塩、粘液酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酸塩、チオシアン酸塩、トリエチオジド塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。代表的なカチオン性塩には、金属塩、例えば、アルカリ塩またはアルカリ土類塩、例えば、バリウム、カルシウム(例えば、エデト酸カルシウム)、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど;他の金属塩、例えば、アルミニウム、ビスマス、鉄および亜鉛;ならびに限定するものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ピリジニウムなどを含む非毒性アンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオンが含まれる。他のカチオン性塩には、有機塩、例えば、クロロプロカイン、コリン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メチルグルカミンおよびプロカインが含まれる。さらに他の塩には、アンモニウム、スルホニウム、スルホキソニウム、ホスホニウム、イミニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、アミジニウム、グアニジニウム、ホスファジニウム、ホスファゼニウム、ピリジニウムなど、および本明細書に記載の他のカチオン基(例えば、任意に置換されたイソオキサゾリウム、任意に置換されたオキサゾリウム、任意に置換されたチアゾリウム、任意に置換されたピロリウム、任意に置換されたフラニウム、任意に置換されたチオフェニウム、任意に置換されたイミダゾリウム、任意に置換されたピラゾリウム、任意に置換されたイソチアゾリウム、任意に置換されたトリアゾリウム、任意に置換されたテトラゾリウム、任意に置換されたフラザニウム、任意に置換されたピリジニウム、任意に置換されたピリミジニウム、任意に置換されたピラジニウム、任意に置換されたトリアジニウム、任意に置換されたテトラジニウム、任意に置換されたピリダジニウム、任意に置換されたオキサジニウム、任意に置換されたピロリジニウム、任意に置換されたピラゾリジニウム、任意に置換されたイミダゾリニウム、任意に置換されたイソオキサゾリジニウム、任意に置換されたオキサゾリジニウム、任意に置換されたピペラジニウム、任意に置換されたピペリジニウム、任意に置換されたモルホリニウム、任意に置換されたアゼパニウム、任意に置換されたアゼピニウム、任意に置換されたインドリウム、任意に置換されたイソインドリウム、任意に置換されたインドリジニウム、任意に置換されたインダゾリウム、任意に置換されたベンズイミダゾリウム、任意に置換されたイソキノリニウム、任意に置換されたキノリジニウム、任意に置換されたデヒドロキノリジニウム、任意に置換されたキノリニウム、任意に置換されたイソインドリニウム、任意に置換されたベンズイミダゾリニウム、および任意に置換されたプリニウム)が含まれる。
【0072】
「立体異性体」とは、本発明の所与の化合物について存在し得る様々な立体異性体構成のいずれかを意味し、幾何異性体を含む。置換基は、炭素原子のキラル中心に結合していてもよいことが理解される。用語「キラル」は、それらの鏡像パートナーに重ねることができないという特性を有する分子を指し、用語「アキラル」は、それらの鏡像パートナーに重ねることができる分子を指す。したがって、本開示は、化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。「エナンチオマー」は、互いに重ねることができない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。該用語は、必要に応じてラセミ混合物を示すために使用される。「ジアステレオマー」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、Cahn-Ingold-Prelog R-S系に従って特定することができる。
【0073】
「チオ」とは、-S-基を意味する。
【0074】
「結合している(attaching)」、「結合(attachment)」、または関連する単語形態は、2つの構成要素間の任意の共有結合相互作用または非共有結合相互作用を意味する。非共有結合相互作用には、限定するものではないが、水素結合、イオン相互作用、ハロゲン結合、静電相互作用、π結合相互作用、疎水性相互作用、包接錯体、包接、ファンデルワールス相互作用、およびそれらの組合せが含まれる。
【0075】
本明細書で使用される場合、用語「溶媒」は、純粋な溶媒、および異なる溶媒の混合物を包含する。
【0076】
本明細書で使用される場合、用語「発酵」は、化学変換工程を必要とせずに、1つ以上の生物学的変換工程によって、微生物細胞が1つ以上の基質を所望の生成物に変換するプロセスを指すために本明細書で使用される。
【0077】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、列挙された値の+/-10%を意味する。本明細書で使用される場合、この用語は、列挙された値、値の範囲、または1つ以上の範囲の終点を修飾する。
【0078】
本明細書で使用される場合、用語「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「上(above)」および「下(below)」は、構造間の相対関係を提供するために使用される。これらの用語の使用は、特定の構造が装置内の特定の位置に配置されなければならないことを示すか、または要求するものではない。
【0079】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、またはそれらの任意の他の変形例は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴の列挙を含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品もしくは装置に固有でない他の特徴を含み得る。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または(or)」は、包含的なまたは(or)を指し、排他的なまたは(or)を指すものではない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0080】
本明細書は、最良の形態を含む実施形態を開示するために、また当業者が本発明を作成および使用することを可能にするために、例を使用する。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0081】
一般的な説明または実施例で上述した活動のすべてが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされなくてもよく、記載した活動に加えて1つ以上のさらなる活動が行われてもよいことに留意されたい。活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0082】
本明細書では、概念は具体的な実施形態を参照して説明されている。しかし、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解する。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきであり、そのような修正はすべて本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0083】
恩典、他の利点、および課題に対する解決手段が、具体的な実施形態に関して本明細書に記載されている。しかし、恩典、利点、課題に対する解決手段、および任意の恩典、利点または解決手段を発生させ得る、またはさらに顕著にし得る任意の特徴は、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0084】
本明細書を読んだ後、当業者であれば、明確にするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴が、単一の実施形態では組み合わせて提供され得ることを理解するであろう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴は、別個にまたは任意の部分的組合せで提供され得る。さらに、範囲で記載された値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
【発明を実施するための形態】
【0085】
本開示は、微生物(例えば、所望の生体分子を過剰発現するように操作された微生物)から得られるアミノ酸またはステロイドなどの生体到達可能分子に由来する組成物に関する。そのような生体到達可能アミノ酸を反応させて環状二量体または環状誘導体を形成することができ、これをさらに化学的に官能化することができる。さらに、ステロイドを反応させて官能化ステロイドを形成することができる。そのような官能化されたアミノ酸、環状二量体およびステロイドは、例えば、1つ以上の反応性部分、重合性部分などの包含を含むことができる。次いで、そのような環状誘導体および/または官能化ステロイドをモノマー、ポリマーまたはコポリマーとして使用することができる。
【0086】
一態様では、環状誘導体は、式(I)、(Ia)、(Ib)もしくは(Ic):
【化14】

を有する構造、またはその塩を含むことができる。いくつかの実施形態では、G、G、RG1およびRG2の各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、もしくは任意に置換された環状イミドであるか、またはそれらを含む。いくつかの実施形態では、RおよびRの各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルである。さらに他の実施形態では、Rg1およびRg2の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルである。特定の実施形態では、Rg1およびGは、Rg1が結合している窒素と一緒になって;ならびに/またはRg2およびGは、Rg2が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができる。
【0087】
いくつかの非限定的な実施形態では、Rg1およびRg2の各々はHではない。
【0088】
他の非限定的な実施形態では、LG1およびLG2の各々は、アリールまたはアリーレンを含まない。他の実施形態では、G、G、RG1およびRG2のうちの少なくとも1つは、アリールまたはアリーレンを含まない。さらに他の実施形態では、G、G、RG1、RG2、LG1およびLG2の各々は、アリールまたはアリーレンを含まない。
【0089】
別の態様では、官能化ステロイドは、式(II)、(IIa)もしくは(IIb):
【化15】

を有する構造、またはその塩を含むことができる。いくつかの実施形態では、GおよびGの各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、もしくは任意に置換された環状イミドであるか、またはそれらを含む。特定の実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルである。いくつかの実施形態では、mおよびnの各々は、独立して、0~1の整数であり;oは、0~2の整数である。他の実施形態では、m、nおよびoの各々は0である。さらに他の実施形態では、m、nおよびoの各々は1である。特定の実施形態では(例えば、式(II)または(IIa)では)、R12は任意に置換されたアルキルである。他の実施形態では(例えば、式(II)または(IIb)では)、R、R、R、R、RおよびR11の各々は、任意に置換されたアルキルである。
【0090】
このように(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)または(IIb)では)、いくつかの例では、G、G、GおよびGは、1つ以上の反応性部分を含むことができ、これにより、環状誘導体がモノマーとして使用される場合にポリマーを提供することができる。ポリマー内では、同じ環状誘導体を使用することができるか、または2つ以上の異なる環状誘導体を使用してもよい。例示的な反応性部分には、例えば、R、RG1またはRG2について本明細書に記載されるもの、例えば、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、ハロ、ハロアルキル、カルボキシル、任意に置換されたカルボキシアルキル、任意に置換されたカルボキシアリール、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換されたアミドアルキル、任意に置換されたアルキル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドが含まれる。
【0091】
いくつかの実施形態では、G、G、GまたはGのうちの1つ以上は、-GOHの構造を有し、式中、Gは、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキル)エンであることができる。一実施形態では、Gは、メチレン、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、2-メチルプロピレン、n-ペンチレン、2-メチルブチレン、2,3-ジメチルプロピレン、1,4-フェニレン、メチレン-フェニレン、パラ-メチレン-フェニレン、エチレン-フェニレン、またはパラ-エチレン-フェニレンであることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、G、G、GまたはGのうちの1つ以上は、ROH、ArOH、RNH、ArNH、RNH、ArNH、ArArNH、
【化16】
の構造を有し、式中、RおよびRの各々は、任意のアルキル、オレフィン、またはそれらの組合せを二価形態で含み;ArおよびArの各々は、任意の芳香環、例えば、限定するものではないが、それらの二価形態を含むベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、テルフェニルを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、G、G、GおよびGの各々は、反応性部分(例えば、R、RG1またはRG2)に結合した1つ以上のリンカー(例えば、L、LG1、LG2、LG3、LG4、AkG1、AkG3、ArG1、ArG2、ArG3、Ar、HetG1またはHetG2)を含むことができる。例示的なリンカーには、例えば、共有結合、アミド結合、-NRN1-(式中、RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである)、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキル)エン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エン、およびそれらの組合せが含まれる。特定の実施形態では、リンカーは、アリール部分またはアリーレン部分を含まない。本明細書に記載の任意のLG1、LG2、LG3、LG4、AkG1、AkG3、ArG1、ArG2、Ar、HetG1またはHetG2では、さらに他のリンカーには、-LG1-LG3-、-LG3-LG1-、-LG1-ArG1-、-LG1-HetG1-、-HetG1-LG1-、-LG1-ArG1-LG3-、-LG3-ArG1-LG1-、-LG2-LG4-、-LG4-LG2-、-LG2-ArG2-、-LG2-ArG2-LG4-、-LG2-HetG2-、-LG2-ArG2-LG4-、-LG4-HetG1-、-HetG1-ArG1-LG1-、-HetG2-HetG1-ArG1-LG1-、-AkG3-LG3-ArG1-LG1-、-ArG3-LG3-ArG1-LG1-、および-Ar-が含まれることが可能である。
【0094】
本明細書の任意の化合物(例えば、環状誘導体または官能化ステロイド)では、G、G、GおよびGの各々は、-L-Rを含むことができ、式中、Lは、反応性部分R(例えば、RG1またはRG2)に結合したリンカー(例えば、LG1またはLG2)である。いくつかの実施形態では、L(例えば、LG1またはLG2)は、結合、または任意に置換されたアルキレンであり;R(例えば、RG1またはRG2)は、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、任意に置換されたカルボキシアルキル、任意に置換されたカルボキシアリール、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換されたアミドアルキル、任意に置換された環状無水物、任意に置換された環状イミド、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたエポキシ、または任意に置換された(ヘテロ)シクロアルキルである(例えば、式(I)のGおよびGについては)。特定の実施形態では、L(例えば、LG1またはLG2)は、結合、または任意に置換されたアルキレンであり;R(例えば、RG1またはRG2)は、ヒドロキシルまたはアミノである(例えば、式(II)のGおよびGについては)。
【0095】
環状誘導体では(例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)または(Ic)のように)、リンカーおよび反応性部分は、環状二量体を形成するために使用されるアミノ酸に存在する側鎖に結合していてもよい。例示的な側鎖には、例えば、アルキル、アミドアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、アリール、アラルキル、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシアラルキルまたはヘテロシクリルが含まれることが可能である。したがって、GおよびGの各々は、反応性部分(例えば、R、RG1またはRG2)に結合したリンカー(例えば、L、LG1、LG2、LG3、LG4、AkG1、AkG3、ArG1、ArG2、HetG1またはHetG2)を提供するために反応したそのような側鎖のいずれかを含むことができる。
【0096】
官能化ステロイドでは(例えば、式(II)、(IIa)または(IIb)のように)、リンカーおよび反応性部分は、官能化前にステロイドの四環式構造または五環式構造内に存在する側鎖に結合されてもよい。例示的な側鎖には、例えば、直鎖アルキル、分岐アルキル、アルケニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキルなどが含まれる。したがって、GおよびGの各々は、反応性部分(例えば、R、RG1またはRG2)に結合したリンカー(例えば、L、LG1、LG2、LG3、LG4、AkG1、AkG3、ArG1、ArG2、HetG1またはHetG2)を提供するために反応したそのような側鎖のいずれかを含むことができる。
【0097】
一実施形態では、反応性部分は、任意に置換された環状無水物であるか、またはそれを含む。したがって、G、G、G、G、GL1、GL2、R、RG1またはRG2は、そのような反応性部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、任意に置換された環状無水物は、以下の構造:
【化17】
を有し、式中、aおよびbの各々は、独立して、0~3の整数である。特定の実施形態では、aおよびbの各々は0である。
【0098】
一実施形態では、反応性部分は、任意に置換された環状イミドであるか、またはそれを含む。したがって、G、G、G、G、GL1、GL2、R、RG1またはRG2は、そのような反応性部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、任意に置換された環状イミドは、以下の構造:
【化18】
を有し、式中、aおよびbの各々は、独立して、0~3の整数であり;RN1は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたアラルキルである。特定の実施形態では、aおよびbの各々は0である。他の実施形態では、RN1はHである。
【0099】
環状誘導体および官能化ステロイドは、任意の有用な反応性部分を含むことができる。一実施形態では、反応性部分は、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、もしくは任意に置換されたヒドロキシアリールであるか、またはそれらを含む。特定の実施形態では、環状誘導体または官能化ステロイドは、以下の群から選択される構造:
【化19】
、またはその塩を含むことができ、式中、Rg1、Rg2、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、本明細書に記載のいずれかであることができ;m、nおよびoは、本明細書に記載の任意の整数であることができ;LG1およびLG2は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。特定の実施形態では、Rg1、Rg2、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルである。他の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、-Ak-、-hAk-、-Ak-Ar-、-hAk-Ar-、-Ar-Ak-、または-Ar-hAk-であり、式中、Akは任意に置換されたアルキレンであり、hAkは任意に置換されたヘテロアルキレンであり、Arは任意に置換されたアリーレンである。いくつかの実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、-Ak-、または-hAk-である。
【0100】
別の実施形態では、反応性部分は、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、もしくは任意に置換されたアミノアリールであるか、またはそれらを含む。特定の実施形態では、環状誘導体または官能化ステロイドは、以下の群から選択される構造:
【化20】
、またはその塩を含むことができ、式中、Rg1、Rg2、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、本明細書に記載のいずれかであることができ;m、nおよびoは、本明細書に記載の任意の整数であることができ;LG1およびLG2は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。特定の実施形態では、Rg1、Rg2、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルである。他の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、-Ak-、-hAk-、-Ak-Ar-、-hAk-Ar-、-Ar-Ak-、または-Ar-hAk-であり、式中、Akは任意に置換されたアルキレンであり、hAkは任意に置換されたヘテロアルキレンであり、Arは任意に置換されたアリーレンである。いくつかの実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、-Ak-、または-hAk-である。
【0101】
さらに別の実施形態では、反応性部分は、任意に置換された環状無水物、もしくは任意に置換された環状イミドであるか、またはそれらを含む。特定の実施形態では、環状誘導体は、以下の群から選択される構造:
【化21】
、またはその塩を含むことができ、式中、Rg1、Rg2およびRN1は、本明細書に記載のいずれかであることができ;LG1およびLG2は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。特定の実施形態では、Rg1、Rg2およびRN1の各々は、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルである。他の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、-Ak-、-hAk-、-Ak-Ar-、-hAk-Ar-、-Ar-Ak-、または-Ar-hAk-であり、式中、Akは任意に置換されたアルキレンであり、hAkは任意に置換されたヘテロアルキレンであり、Arは任意に置換されたアリーレンである。いくつかの実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、-Ak-、または-hAk-である。
【0102】
本明細書の組成物は、ポリマーまたはコポリマー内のサブユニットとして使用することができる。例示的なサブユニットは、式(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)および(VIII)を有する構造を含むことができる。このように、サブユニットは、1つ以上のリンカー(例えば、LG1、LG2、LG3、LG4、AkG1、AkG3、ArG1、ArG2、ArG3、Ar、HetG1、HetG2、GL1およびGL2)を有することができ、サブユニット内のリンカーは、2つ以上の反応性部分(例えば、R、RG1またはRG2)の反応から生じる反応生成物を含むことができる。非限定的な一実施形態では、第1の環状誘導体の第1の反応性部分と第2の環状誘導体の第1の反応性部分とが反応して、アミド結合またはエステル結合の反応生成物を形成することができる。他の例では、反応生成物は、以下のうちの1つ以上を提供することができる:ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、および任意に置換された環状イミド。
【0103】
いくつかの実施形態では、サブユニットは、リンカー内に1つ以上のヘテロシクリル部分を含む。特定の実施形態では、サブユニットは、式(III)、(IIIa)、(V)もしくは(Va):
【化22】
の構造、またはその塩を含み、式中、Rg1、Rg2、RおよびRは、本明細書に記載のいずれかであることができ;LG1、LG2、ArG1、ArG2、Ar、HetG1およびHetG2は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。特定の実施形態では、LG1およびLG2の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、または任意に置換されたアルキレンであり;ArG1およびArG2の各々は、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキ)レンであり;HetG1およびHetG2の各々は、独立して、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;Arはポリマーセグメント(例えば、本明細書に記載のいずれか)である。他の実施形態では、ArG1、ArG2、HetG1またはHetG2のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、サブユニットは、リンカー内に1つ以上のアリール部分を含む。特定の実施形態では、サブユニットは、式(IV)、(IVa)、(IVb)もしくは(IVc):
【化23】
の構造、またはその塩を含み、式中、Rg1、Rg2、RおよびRは、本明細書に記載のいずれかであることができ;LG1、LG2、LG3、LG4、ArG1、ArG2、ArG3、AkG3およびArは、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。特定の実施形態では、LG1、LG2、LG3、LG4およびAkG3の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、または任意に置換されたアルキレンであり;ArG1、ArG2およびArG3の各々は、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキ)レンであり;Arはポリマーセグメント(例えば、本明細書に記載のいずれか)である。他の実施形態では、LG3、LG4、AkG3、ArG1、ArG2またはArG3のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0105】
サブユニットは、リンカーの任意の有用な組合せを含むことができる。特定の実施形態では、サブユニットは、式(VI)、(VIa)、(VIb)もしくは(VIc):
【化24】
の構造、またはその塩を含み、式中、Rg1、Rg2、RおよびRは、本明細書に記載のいずれかであることができ;LG1、LG2、LG3、LG4、AkG1、ArおよびHetG1は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。特定の実施形態では、LG1、LG2、LG3、LG4およびAkG1の各々は、独立して、共有結合、アミド結合、または任意に置換されたアルキレンであり;Arはポリマーセグメント(例えば、本明細書に記載のいずれか)であり;HetG1は、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンである。他の実施形態では、LG3、LG4、AkG1、HetG1またはArのうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0106】
サブユニットは、環状プロリン誘導体を含むことができる。特定の実施形態では、サブユニットは、式(VII)もしくは(VIIa):
【化25】

の構造、またはその塩を含み、式中、Rg1、Rg2、RおよびRは、本明細書に記載のいずれかであることができ;LG1、LG2、LG3およびLG4は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができる。他の実施形態では、LG1、LG3またはLG4のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む。
【0107】
サブユニットは、任意の有用なポリマーセグメントを含むことができる。特定の実施形態では、サブユニットは、式(VIII):
【化26】
の構造、またはその塩を含み、式中、Rg1、Rg2、RおよびRは、本明細書に記載のいずれかであることができ;GL1およびGL2は、本明細書に記載の任意のリンカーであることができ;Arは、本明細書に記載の任意のポリマーセグメントであることができる。いくつかの実施形態では、GL1およびGL2の各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、任意に置換された環状イミド、カルバメート結合(例えば、RN1がHまたは任意に置換されたアルキルである-O-C(O)-NRN1-結合)、または-NRN1-(式中、RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである)を含む。
【0108】
本明細書の任意の実施形態では、リンカー(例えば、式(Ia)、(Ib)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(IIc)、(IId)、(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)または(VIII)のLG1、LG2、LG3、LG4、GL1またはGL2)は、本明細書の任意のリンカーから選択することができる。例示的なリンカーには、共有結合、アミド結合、-NRN1-(式中、RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである)、カルバメート結合(例えば、RN1がHまたは任意に置換されたアルキルである-O-C(O)-NRN1-結合)、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキル)エン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エン、およびそれらの組合せが含まれる。特定の非限定的な実施形態では、LG1、LG2、LG3またはLG4は、共有結合、アミド結合、-NRN1-、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換されたアルキレン、または任意に置換されたヘテロアルキレンである。他の非限定的な実施形態では(例えば、式(VIII)では)、GL1およびGL2の各々は、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、もしくは任意に置換された環状イミドであるか、またはそれらを含む。
【0109】
本明細書の任意の実施形態では、リンカーは、アルキル部分を含むことができる。いくつかの実施形態では(例えば、式(IVb)または(VIb)では)、リンカーは、任意に置換されたアルキレン、または任意に置換されたヘテロアルキレンであることができる、AkG1またはAkG3について本明細書に記載されるいずれかである。例示的なリンカーには、-Ak-、-Ak-O-、-O-Ak-、-Ak-O-Ak-、-Ak-NRN1-、-NRN1-Ak-、または-Ak-NRN1-Ak-が含まれ、式中、Ak、AkおよびAkの各々は、独立して、任意に置換されたアルキレンであり;RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルである。
【0110】
本明細書の任意の実施形態では、リンカーは、アリール部分を含むことができる。いくつかの実施形態では(例えば、式(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(Va)、(VIc)または(VIII)では)、リンカーは、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキ)レンであることができる、ArG1、ArG2、ArG3またはArについて本明細書に記載されるいずれかである。例示的なリンカーには、-(Ar)-、-(Ar)-(Ak)-、-(Ak)-(Ar)-、-(Ar)-C(O)-(Ar)-、-(Ar)-O-(Ar)-、-(Ar)-NRN1-(Ar)-、-(Ak)-C(O)-(Ar)-、-(Ak)-O-(Ar)-、-(Ak)-NRN1-(Ar)-、-(Ar)-C(O)-(Ak)-、-(Ar)-O-(Ak)-、-(Ar)-NRN1-(Ak)-が含まれ、式中、Arは任意に置換されたアリーレンであり;Akは任意に置換されたアルキレンであり;RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;各aおよびbは、約0~10の整数であり、aまたはbのうちの少なくとも1つは、1以上であり;cは、0または1である。特定の非限定的な実施形態では、Arは任意に置換されたフェニレンである。
【0111】
本明細書の任意の実施形態では、リンカーは、ヘテロシクリル部分を含むことができる。いくつかの実施形態では(例えば、式(Ib)、(III)、(IIIa)、(V)、(Va)または(VIa)では)、リンカーは、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであることができる、HetG1またはHetG2について本明細書に記載されるいずれかである。例示的なリンカーには、任意に置換された2,5-ジオキソ-1,3-ピロリジンジイル、任意に置換された2,5-ジケト-3,6-ピペラジンジイル、任意に置換された1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2,5-ジイル、または任意に置換された2,8-ジケト-1,7-ジアザトリシクロ[7.3.0.03,7]ドデカン-4,10-ジイルが含まれる。
【0112】
本明細書の任意の実施形態では、リンカーは、ポリマーセグメント(例えば、式(VIII)のように、Ar)を含むことができる。いくつかの実施形態では(例えば、式(VIII)では)、リンカーは、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキ)レン、イミドサブユニット、アミド酸サブユニット、アミドサブユニット、アリーレンサブユニット、アリーレンエーテルサブユニット、アリーレンケトンサブユニット、ウレタンサブユニット、無水フタル酸サブユニット、脂肪族サブユニット、シクロアルキルサブユニット、エーテルサブユニット、またはチオエーテルサブユニットであることができる、Arについて本明細書に記載されるいずれかである。
【0113】
さらなる例示的なポリマーセグメントには、任意に置換されたアリーレン(例えば、-(Ar)-、-(Ar)-C(O)-(Ar)-、-(Ar)-O-(Ar)-、または-(Ar)-NRN1-(Ar)-);任意に置換された(アリール)(アルキ)レン(例えば、-(Ar)-(Ak)-、-(Ak)-(Ar)-、-(Ak)-C(O)-(Ar)-、-(Ak)-O-(Ar)-、-(Ak)-NRN1-(Ar)-、-(Ar)-C(O)-(Ak)-、-(Ar)-O-(Ak)-、または-(Ar)-NRN1-(Ak)-);イミドサブユニット(例えば、イミド結合を含むサブユニット、例えば、-[C(O)]-NRNa-[C(O)]-または
【化27】
(式中、R’は、アリールについて本明細書に記載される置換基によって任意に置換された脂肪族または芳香族四価有機部分である));アミド酸サブユニット(例えば、(i)本明細書で定義されるカルボン酸単位またはエステル結合、および(ii)本明細書で定義されるカルボキサミド単位またはアミド結合を含むサブユニット);アミドサブユニット(例えば、本明細書で定義されるアミド結合を含むサブユニット);アリーレンサブユニット(例えば、本明細書で定義される任意に置換されたアリーレンを含むサブユニット);アリーレンエーテルサブユニット(例えば、任意に置換されたアリーレンおよびオキシ結合を含むサブユニット、例えば-(Ar)-O-(Ar)-);アリーレンケトンサブユニット(例えば、-(Ar)-C(O)-(Ar)-);ウレタンサブユニット(例えば、-O-C(O)-NRN1-結合などのカルバメート結合を含むサブユニット);無水フタル酸サブユニット(例えば、任意に置換された多価形態の1,3-ジオキソ-イソベンゾフランなどのフタル酸の無水物を含むサブユニット);脂肪族サブユニット(例えば、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたアルキニレン、任意に置換されたヘテロアルキレンなどのような非芳香族有機部分を含むサブユニット);シクロアルキルサブユニット(例えば、それらの二価、三価または四価形態を含む、シクロアルキル部分を含むサブユニット);エーテルサブユニット(例えば、本明細書で定義されたオキシを含むサブユニット、例えば、-Ak-O-Ak-、または-Ak-O-Ar);チオエーテルサブユニット(例えば、本明細書で定義されたチオを含むサブユニット、例えば、-Ak-S-Ak-、または-Ak-S-Ar);パーフルオロアルキルサブユニット(例えば-(CFf1-);またはパーフルオロアルコキシサブユニット(例えば、-O(CFf1-、-(CFf1O-、-O(CFf1CF(CFf2-、または>CFO(CFf1CF(CFf2)が含まれる。これらのリンカーのいずれについても、Arは任意に置換されたアリーレンであり;Akは任意に置換されたアルキレンであり;RN1は、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;各aおよびbは、約0~10の整数であり、aまたはbのうちの少なくとも1つは、1以上であり;cは、0または1であり;RNaは、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、任意に置換されたアラルキル、または任意に置換されたヘテロシクリルであり;各f1およびf2は、独立して、1~約16の整数である。さらに、脂肪族または芳香族四価有機部分は、例えば、任意に置換されたアルカン-テトライル、任意に置換されたベンゼン-1,2,4,5-テトライル、任意に置換されたナフタレン-2,3,6,7-テトライル、任意に置換されたアントラセン-2,3,6,7-テトライル、任意に置換されたフェナントレン-1,8,9,10-テトライル、>Ar*-Ar*<、>Ar*-O-Ar*<、>Ar*-C(O)-Ar*<、>Ar*-S-Ar*<、>Ar*-S(O)-Ar*<、>Ar*-Si(CH-Ar*<、>Ar*-O-Ar-O-Ar-O-Ar*<、>Ar*-O-Ar-C(O)-Ar-O-Ar*<、>Ar*-O-Ar-S-Ar-O-Ar*<、>Ar*-O-Ar-S(O)-Ar-O-Ar*<、または>Ar*-O-Ar-Si(CH-Ar-O-Ar*<(式中、Ar*は、ベンゼン-1,3,4-トリイルなどの任意に置換された三価アリーレンであり、Arは任意に置換された二価アリーレンである)であることができる。
【0114】
反応性部分は、重合性基として特徴付けることもできる。重合性基には、ホモポリマーまたはコポリマーを形成する基が含まれる。第1の実施形態では、重合性基は、ホモポリマーを主に形成することができ、これは、化合物Aが、-(A-A-A)-(式中、xは整数である)として表されるポリマーを形成することを意味する。これらの基は、単独重合性として定義される。そのような基の例には、不飽和基、例えば、ビニル基およびアリル基、オキシラン(エチレンオキシドまたはエポキシド)、アジリジン(エチレンイミン)、オキセタンがある。別の実施形態では、重合性基は共重合性であり、すなわち、ポリマー-(A-B-A-B)-(式中、xは整数である)を形成するために第2の化合物Bが必要である。そのような基の例には、カルボン酸、ヒドロキシル基、アミノ基およびチオール基があり;それぞれのコポリマーモノマーの例には、ジオールまたはジアミン、二酸、二酸無水物、イソシアネート、およびジ-イソシアネートがある。
【0115】
一実施形態では、重合性基は、ビニル基、アリル基、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、環状無水物、環状イミド、またはそれらの組合せから選択することができる。
【0116】
別の実施形態では、化合物または組成物の少なくとも35重量%、例えば、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%が該部分によって構成される。別の実施形態では、化合物または組成物の98重量%以下、例えば、96重量%以下、95重量%以下、94重量%以下、92重量%以下、または90重量%以下が該部分によって構成される。なおさらなる一実施形態では、化合物または組成物の該部分は、30重量%~99.5重量%、例えば、40重量%~98重量%、またはさらには50.5重量%~96重量%の範囲の重量パーセントを有する。
【0117】
なおさらなる一実施形態では、化合物または組成物の少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、または少なくとも88重量%が、該部分および重合性基の重量パーセントの合計によって構成される。別の実施形態では、化合物または組成物の99.9重量%以下、例えば、99重量%以下、98重量%以下、96重量%以下、94重量%以下、92重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、または80重量%以下が、該部分および重合性基の重量パーセントの合計によって構成される。なおさらなる一実施形態では、該部分および重合性基の重量パーセントの合計は、55重量%~99.99重量%、例えば、65重量%~99重量%、または75重量%~98重量%の範囲であることができる。
【0118】
本明細書の式のいずれでも、Rg1およびRg2は、H、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはそれらの任意の組合せであることができる。他の非限定的なRg1基およびRg2基には、それぞれ独立して、水素、またはC1-20直鎖もしくは分岐アルキル鎖、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル、ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、3-エチルペンチル、2,2,3-トリメチルブチル、オクチル、2-メチルヘプチル、3-メチルヘプチル、4-メチルヘプチル、5-メチルヘプチル、6-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、3,4-ジメチルヘキシル、3,5-ジメチルヘキシル、4,5-ジメチルヘキシル、2-プロピルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびイコシルが含まれる。
【0119】
さらなる実施形態では、前述の化合物または組成物は、ASTM D6866によって決定された場合、少なくとも10%、例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、または少なくとも35%の生物系炭素含有量を有する。本明細書で定義される生物系炭素含有量とは、化合物中の炭素の総数に対する、植物または動物などの再生可能源または生体源由来の炭素のパーセンテージである。
【0120】
例えば、以下の環状誘導体は、生物源チロシンおよび石油化学エピクロロヒドリンから調製される:
【化28】
【0121】
次いで、16個の炭素原子が生物系であり、6個の炭素原子が石油化学起源である。ASTM D6866に従って分析すると、この化合物は、16/(16+6)=72.7%の生物系炭素含有量を有する。
【0122】
追加の環状誘導体および官能化ステロイドを以下の表1に示す。
【0123】
表1:非限定的な環状誘導体および官能化ステロイド
【表1-1】

【表1-2】
【0124】
本明細書の環状誘導体は、例えば、第1の生体分子および第2の生体分子を提供し、第1の生体分子と第2の生体分子との二量体を形成することによって、任意の有用な方法で調製することができる。第1および第2の生体分子は、例えば、アミノ酸、例えば、グリシン、ビニルグリシン、2-アリルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、4-アミノフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、ホモシスチン、システイン、ホモシステイン、セレノシステイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、4-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)-1,2-ベンゼンジカルボン酸、1-アミノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、4-アミノ-1,2,4-ブタントリカルボン酸、ならびに任意に置換されたアルケニル、アミノおよび/またはヒドロキシルを含むこれらのいずれかを含む、本明細書のいずれかであることができる。追加の非限定的な生体分子が本明細書にさらに記載される。
【0125】
二量体は、さらに官能化することができる(例えば、1つ以上のリンカーおよび/または反応性部分を含むように)。本明細書の方法は、窒素含有反応物(例えば、NRN1N2N3などのアミン(式中、RN1、RN2およびRN3の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、または脱離基、例えばエステル基である))の存在下でアルケニル基をヒドロアミノ化することをさらに含むことができる。
【0126】
さらに他の実施形態では、本明細書の環状誘導体は、当技術分野で確立されているものと類似のプロセス、例えば、スキーム1~2に示される反応順序によって製造することができる。
【0127】
スキーム1:環状アミノ酸誘導体の非限定的な合成
【化29】
【0128】
スキーム1に見られるように、アミノ酸(1a、1b)を提供することができ、式中、RおよびRは、H、アルキル、RおよびRについて本明細書に記載されるいずれかであることができ;AおよびAは、アミノ酸側鎖、またはその官能化形態であることができる。アミノ酸内の置換基を、保護基(例えば、アミノではN-保護基、またはヒドロキシルではO-保護基)によって任意に保護することができるか、または任意に官能化してさらに良好な脱離基(例えば、アルコキシ脱離基を提供するための酸素のためのアルキル化剤)を提供することができる。アミノ酸(1a、1b)は、同じであるかまたは異なることが可能である。さらに、生物資源によって、そのようなアミノ酸を任意に提供することができる。
【0129】
環状アミノ酸(2)は、溶媒(例えばエチレングリコール)の存在下でのアミノ酸(1a、1b)の二量体化および環化によって提供することができる。所望であれば、二量体を最初に形成して、二量体内の内部環化を促進することができる。二量体化は、任意の有用な方法で(例えば、保護基を使用して)行うことができ;その後の環化は、触媒条件下で(例えば、保護基を除去するためのその後の脱保護化学を用いて)任意に行うことができる。
【0130】
反応性部分は、二量体化の前に、アミノ酸(それぞれ1a、1b)のAおよびAの側鎖内に提供することができる。あるいは、環状アミノ酸(2)をR-LGにより官能化して、Rが反応性部分(例えば、R、RG1またはRG2についてなど、本明細書に記載されるいずれか)であるかまたはそれを含み、LGが脱離基(例えばハロ)である環状誘導体(3)を提供することができる。
【0131】
化合物(3)をさらに官能化することによって、ジケトピペラジンの窒素原子をさらに置換することが可能である別の環状誘導体(4)を提供することができる。ここで、化合物(3)をR-LGにより官能化して環状誘導体(4)を提供することができ、式中、Rは、(例えば、Rg1およびRg2についてなど)本明細書に記載されるいずれかであることができる。
【0132】
スキーム2:環状プロリン誘導体の非限定的な合成
【化30】
【0133】
スキーム2に見られるように、プロリン誘導体(5a、5b)を提供することができ、式中、AおよびAは、アミノ酸側鎖、またはその官能化形態であることができる。一例では、AおよびAは、ヒドロキシプロリン誘導体(例えば4-ヒドロキシプロリン)のヒドロキシルを含む。アミノ酸(5a、5b)は、同じであるかまたは異なることが可能であり、生物資源によって任意に提供されることができる。
【0134】
環状アミノ酸(6)は、溶媒(例えばエチレングリコール)の存在下でのアミノ酸(5a、5b)の二量体化および環化によって提供することができる。反応性部分は、二量体化の前に、プロリン誘導体(それぞれ5a、5b)のAおよびAの側鎖内に提供することができる。あるいは、環状アミノ酸(6)をR-LGにより官能化して、Rが反応性部分(例えば、R、RG1またはRG2についてなど、本明細書に記載されるいずれか)であるかまたはそれを含み、LGが脱離基(例えばハロ)である環状誘導体(7)を提供することによって、反応性部分を提供することができる。
【0135】
本明細書の環状誘導体は、例えば、第1の生体分子および第2の生体分子を提供し、第1の生体分子と第2の生体分子との二量体を形成することによって、任意の有用な方法で製造することができる。第1および第2の生体分子は、例えば、アミノ酸、例えば、グリシン、ビニルグリシン、2-アリルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、4-アミノフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、ホモシスチン、システイン、ホモシステイン、セレノシステイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、4-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)-1,2-ベンゼンジカルボン酸、1-アミノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、4-アミノ-1,2,4-ブタントリカルボン酸、ならびに任意に置換されたアルケニル、アミノおよび/またはヒドロキシルを含むこれらのいずれかを含む、本明細書のいずれかであることができる。追加の非限定的な生体分子が本明細書にさらに記載される。
【0136】
本明細書に記載されるように、環状誘導体は、ポリマーまたはコポリマー内のサブユニットとして使用することができる。サブユニットの非限定的な構造を以下の表2に示す(例えば、式中、nは、1~100などの任意の整数である)。そのようなサブユニットは、任意の有用なポリマーまたはコポリマー、例えば、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、またはそれらの組合せを提供することができる。
【0137】
表2:非限定的なサブユニット
【表2-1】

【表2-2】
【0138】
サブユニット(例えば、本明細書に記載のいずれか)を有するポリマーを製造する方法は、環状誘導体(例えば、本明細書に記載のいずれか)を任意の有用なモノマー(例えば、石油系モノマー、または別の環状誘導体、例えば、本明細書のいずれか)と反応させることを含むことができる。非限定的なモノマーには、本明細書の任意の環状誘導体(例えば、任意に置換された環状無水物、任意に置換された環状イミド、または他の反応性基を含む環状誘導体)を有するジアミン(例えば石油系ジアミン);本明細書の任意の環状誘導体(例えば、任意に置換された環状無水物、任意に置換された環状イミド、または他の反応性基を含む環状誘導体)を有する二酸(例えば石油系二酸)もしくは四酸(例えば、石油系二酸または石油系四酸);本明細書の任意の環状誘導体(例えば、アミノ、ヒドロキシルまたは他の反応性基を有する環状誘導体)を有する二無水物(例えば石油系二無水物);またはヒドロキシル、カルボキシルもしくはアミノを含む第2の環状誘導体(例えば、本明細書のいずれか)と反応する、任意に置換された環式無水物、もしくは任意に置換された環式イミドを含む第1の環状誘導体(例えば、本明細書のいずれか)が含まれる。
【0139】
非限定的なジアミンには、例えば、NRN1N2-Ak-NRN3N4、NRN1N2-Cy-NRN3N4、NRN1N2-Ar-NRN3N4、またはNRN1N2-[Ar-X]-Ar-NRN3N4が含まれ、式中、各Akは、独立して、任意に置換されたアルキレンであり;Cyは、本明細書に記載されるように、シクロアルキル基の多価(例えば二価)形態であり;各Arは、独立して、任意に置換されたアリーレンであり;各Xは、独立して、共有結合、オキシ、チオ、アルキレンまたはカルボニルであり;RN1、RN2、RN3およびRN4の各々は、独立して、H、任意に置換されたアルキル、またはN-保護基であり;rは、0~4の整数である。
【0140】
ジアミンの例には、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-ODA);3,4’-オキシジアニリン(3,4’-ODA);4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェニル-1,1’-ジイルジオキシ)ジアニリン;m-フェニレンジアミン(MPD);p-フェニレンジアミン(PPD);2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP);4,4’-メチレンジアニリン(MDA);4,4’-(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(4BPDA);2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-ヘキサフルオロプロパン(BDAF);4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリン-M);4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリン-P);1,2-ジアミノエタン(1,2-DAE);1,3-ジアミノプロパン(1,3-DAP);1,4-ジアミノブタン(1,4-DAB);1,5-ジアミノペンタン(1,5-DAP);1,6-ジアミノヘキサン(1,6-HMDA)、1,7-ジアミノヘプタン;1,8-ジアミノオクタン;1,9-ジアミノノナン;1,10-ジアミノデカン;1,11-ジアミノウンデカン;1,12-ジアミノドデカン;N-(3-アミノプロピル)-1,4-ブタジアミン;N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,4-ブタンジアミン;N-(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン;N1-(3-(3-アミノプロピルアミノ)プロピル)ブタン-1,4-ジアミン;1,4-ジアミノ-2-メチルシクロヘキサン;1,4-ジアミノ-2-エチルシクロヘキサン;1,4-ジアミノ-2-n-プロピルシクロヘキサン;1,4-ジアミノ-2-イソブチルシクロヘキサン;および1,4-ジアミノ-2-tert-ブチルシクロヘキサンが挙げられる。さらに他のジアミンには、例えば、GおよびGの両方がアミノ、任意に置換されたアミノアルキル、もしくは任意に置換されたアミノアリールであるかまたはそれらを含む、式(I)の構造を有する環状誘導体が含まれる。
【0141】
非限定的な二酸および四酸には、HOC(O)-Ak-C(O)OH、または
【化31】
が含まれ、式中、Akは任意に置換されたアルキレンであり、R’は、アリールについて本明細書に記載される置換基によって任意に置換された脂肪族または芳香族四価有機部分である。脂肪族または芳香族四価基の例には、任意に置換されたアルカン-テトライル(アルキルの四価形態)、任意に置換されたベンゼン-1,2,4,5-テトライル、任意に置換されたナフタレン-2,3,6,7-テトライル、任意に置換されたアントラセン-2,3,6,7-テトライル、任意に置換されたフェナントレン-1,8,9,10-テトライル、>Ar*-Ar*<、>Ar*-O-Ar*<、>Ar*-C(O)-Ar*<、>Ar*-S-Ar*<、>Ar*-S(O)-Ar*<、>Ar*-Si(CH-Ar*<、>Ar*-O-Ar-O-Ar-O-Ar*<、>Ar*-O-Ar-C(O)-Ar-O-Ar*<、>Ar*-O-Ar-S-Ar-O-Ar*<、>Ar*-O-Ar-S(O)-Ar-O-Ar*<、または>Ar*-O-Ar-Si(CH-Ar-O-Ar*<(式中、Ar*は、ベンゼン-1,3,4-トリイルなどの任意に置換された三価アリーレンであり、Arは任意に置換された二価アリーレンである)が挙げられる。
【0142】
二酸および四酸の例には、1,4-ブタン二酸(コハク酸)、1,6-ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7-ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8-オクタン二酸(スベリン酸)、1,9-ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10-デカン二酸(セバシン酸)、1,11-ウンデカン二酸、1,12-ドデカン二酸(1,10-デカンジカルボン酸)、1,13-トリデカン二酸(ブラシル酸)、1,14-テトラデカン二酸(1,12-ドデカンジカルボン酸)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、およびフタル酸が挙げられる。さらに他の二酸には、例えば、GおよびGの両方が、カルボキシル、任意に置換されたカルボキシアルキル、もしくは任意に置換されたカルボキシアリールであるか、またはそれらを含む、式(I)の構造を有する環状誘導体が含まれる。
【0143】
非限定的な二無水物には、R’が四酸について本明細書で提供される脂肪族または芳香族四価有機部分である
【化32】
が含まれる。二無水物の例には、例えば、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s-BPDA);2,2’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA);2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA);4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA);ピロメリット酸二無水物(PMDA);ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物(BTDA);イソフタロイルビスフタル酸二無水物(IPDA);4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA);ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA);トリプチセンテトラカルボン酸二無水物(TDAおよびTPDA);3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA);4,4’-ビスフェノールA二無水物または4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)(BPADA);ヒドロキノンジフタル酸無水物(HQDEA);2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物;5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸二無水物;1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H-PMDA);3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸;3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物(H-BPDA);3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’-ジフェニルプロパン2,2-テトラカルボン酸二無水物;2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物;1,4-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物;1,3-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物;ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物;スピロビスインダンジエーテル無水物;ビス-フェノールAビスエーテル-4-フタル酸二無水物;1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物;p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物;およびm-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物が挙げられる。さらに他の二無水物には、例えば、GおよびGの両方が任意に置換された環状無水物であるかまたはそれを含む、式(I)の構造を有する環状誘導体が含まれる。
【0144】
アミノ酸、ステロイド、およびその誘導体を含む生体分子
本明細書に記載されるように、本明細書の組成物および方法は、二量体化、環化および/または官能化をさらに受けることができる生体分子を使用することができる。非限定的な生体分子には、アミノ酸、例えば、グリシン、ビニルグリシン、アリルグリシン、アルケニルグリシン、チロシン、O-アリルチロシン、O-アルケニルチロシン、トリプトファン、アリルトリプトファン、アルケニルトリプトファン、フェニルアラニン、アリルフェニルアラニン、アルケニルフェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン(例えば4-ヒドロキシプロリン)、セリン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、4-アミノフェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、ホモシスチン、システイン、ホモシステイン、セレノシステイン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、4-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)-1,2-ベンゼンジカルボン酸、1-アミノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、および4-アミノ-1,2,4-ブタントリカルボン酸が含まれる。他の非限定的な生体分子には、ステロイド、例えば、ベツリン、プレグナンなどが含まれる。
【0145】
さらに他の非限定的な生体分子には、例えば、アルケニル部分、アミノ部分、カルボキシル部分またはヒドロキシル部分を含む任意のアミノ酸の誘導体が含まれ得る。特定の実施形態では、生体分子は、アルケニル部分、アミノ部分、カルボキシル部分またはヒドロキシル部分を有するL-アミノ酸または官能化L-アミノ酸である。
【0146】
生体分子は、任意の有用な方法で形成することができる。一例では、生体分子は、酵母、グラム陽性菌、グラム陰性菌または真菌から製造される。他の実施形態では、アミノ酸、ならびにその誘導体および/またはその二量体、およびステロイドは、発酵によって生物学的に製造される。さらに他の実施形態では、アミノ酸二量体は、石油系出発材料を使用して化学的手段によって製造される。
【0147】
用途
本明細書の組成物は、任意の有用な用途において成分および/またはモノマーとして使用することができる。例示的な非限定的な用途には、接着剤、コーティング、フィルムおよびプラスチックが含まれる。そのような用途には、電子機器、産業用接着剤、建築用接着剤およびコーティング、土木工学用接着剤およびコーティング、輸送用接着剤およびコーティング、携帯装置、電子装置、エネルギー貯蔵装置、エネルギー発生装置、パーソナル電子機器(例えば、スマートフォン、ラップトップまたはタブレット)、ディスプレイ、センサ、半導体材料(例えば、チップパターニング、製造およびパッケージングなどにおいて)、パッケージなどの構築に使用するための材料が含まれ得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、限定するものではないが、マイクロ電子部品または電子ディスプレイなどの電子機器用途に使用することができる。例えば、組成物は、ディスプレイ内の透明基材として使用することができる。様々な実施形態では、組成物は、導波路、有機発光ダイオード、電子ペーパー、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ、薄膜トランジスタ、フレキシブルエレクトロニクス、ウェアラブルエレクトロニクスにおいて、および誘電材料として使用することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、太陽電池に使用することができ、例えば、組成物は、太陽電池の透明基板である。
【0149】
特定の実施形態では、組成物は、10nm以上1cm以下の厚さを有するフィルムとして使用されるか、またはそのようなフィルムに組み込まれる。様々な実施形態では、フィルムの厚さは、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800もしくは900nm、または1、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800もしくは900mm、または1cm程度である。いくつかの実施形態では、フィルムの厚さは、これらの値のいずれか、例えば、50nm~900mm、200nm~700mm、500nm~500mm(終点を含む)の範囲内にある。
【0150】
さらに他の用途には、ポリマー硬化剤、樹脂、ポリマーまたはコポリマーのためのモノマーなどとしての組成物の使用が含まれる。組成物は、フィルム、複合構造体、バルク構造体、繊維または粒子などの任意の有用な形態で提供することができる。組成物は、環状誘導体とともに使用するための1つ以上の硬化剤を任意に含むことができる。非限定的な硬化剤には、例えば、ジアミン(1,4-ジアミノブタン(DAB)、1,13-ジアミノ-4,7,10-トリオキサトリデカン(TDD)、または本明細書のいずれかなど)が含まれる。所望であれば、組成物はまた、促進剤、例えば、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、または他の添加剤(例えばレゾルシノールジグリシジルエーテル)を含むことができる。
【0151】
特定の実施形態では、本明細書の組成物は、接着剤、コーティングおよび複合体の剥離のために、バイオ誘発分解が生じ得る。分解は、例えば、1つ以上のプロテアーゼ、ヒドロラーゼ、ペプチダーゼなどを使用することによって誘発することができる。そのような分解は、微生物、またはそのような微生物に由来する上清(例えば、ストレプトマイセス・フラボビレンス、パエニバシラス・チベンシス、レイフソニア種、バチルス種、リゾビウム種、パエニバシラス種およびミクロバクテリウム種など)を提供することによって促進することができる。使用中、最終酵素分解生成物は、環状誘導体、およびそのような誘導体を含む任意の組成物が生分解性を示すことができるように、出発アミノ酸であり得る。非限定的な一例では、操作された微生物を用いて要求に応じて剥離し、良性の出発材料(アミノ酸)に戻すことができるフィルム、コーティングまたは接着剤として、環状誘導体(例えば、本明細書のいずれか)を使用することができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、本開示は、接着剤、コーティング、フィルム、プラスチック、複合体、電子装置、エネルギー貯蔵装置またはエネルギー発生装置のアセンブリに本明細書の組成物(例えば、任意の前述の化合物)を適用することによって、本明細書の任意の使用(例えば、接着剤、コーティング、フィルム、プラスチック、複合体、電子装置、エネルギー貯蔵装置、エネルギー発生装置など)を製造するための方法を包含する。他の実施形態では、組成物は、ポリマー硬化剤として提供される。
【0153】
組成物は、任意の有用な特性を有することができる。一実施形態では、組成物の光透過率は、290nm、300nm、350nm、400nm、450nm、550nm以上で少なくとも60%である。様々な実施形態では、組成物は、550nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の光透過率を有する。様々な実施形態では、そのような組成物は、500nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の透過率を有する。様々な実施形態では、そのような組成物は、450nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の透過率を有する。様々な実施形態では、そのような組成物は、400nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の透過率を有する。様々な実施形態では、そのような組成物は、350nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の透過率を有する。様々な実施形態では、そのような組成物は、300nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の透過率を有する。様々な実施形態では、そのような組成物は、270nm以上で少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%の透過率を有する。
【0154】
様々な実施形態では、本明細書に記載の組成物は、-0.005および+0.005、-0.002および+0.002、-0.001および+0.001、または-0.0005および+0.0005(これらの終点を含む)の範囲の複屈折を有する。
【0155】
特定の実施形態では、組成物は、光学的に透明であり、視覚的に色がないと知覚される。いくつかの実施形態では、組成物は、約450nm未満、約400nm未満、約350nm未満、約300nm未満、約270nm未満またはそれ以下のUVカットオフを有する。他の実施形態では、組成物は、約2未満、約1.8未満、約1.6未満、約1.5未満、約1.4未満または約1未満の黄色度指数を有する。さらに他の実施形態では、組成物は、約12GPa未満、約10GPa未満またはそれ以下の弾性率を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、約350%未満、約300%未満、約250%未満、約200%未満、約150%未満またはそれ以下の伸びを有する。
【0156】
他の実施形態では、組成物は、有機溶媒(例えば、有機極性溶媒、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、シクロペンタノン、クロロホルム、およびそれらの組合せ)に可溶性である。特に、組成物を溶媒に溶解して、材料(例えば、フィルム、繊維、コーティング、接着剤、複合体、バルク構造体または粒子)に加工される溶液を製造することができる。処理は、溶液流延ライン、インク噴射、浸漬コーティング、噴霧、スピンコーティング、キャスティング、ブロー成形、押出、引抜成形、射出成形、溶融加工および/またはエレクトロスピニングを含むことができる。
【0157】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のいくつかを本明細書に記載する。本明細書を読んだ後、当業者であれば、それらの態様および実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される項目のうちの任意の1つ以上に従い得る。
【0158】
実施形態1。式(I):
【化33】
[式中:GおよびGの各々が、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含み;RおよびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;Rg1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;Rg1およびGが、Rg1が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができ;Rg2およびGが、Rg2が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができる]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【0159】
実施形態2。Gが-LG1-RG1であり、Gが-LG2-RG2であり;LG1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;RG1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換されたアミドアルキル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである、実施形態1の組成物。
【0160】
実施形態3。任意に置換された環状無水物が、以下の構造:
【化34】
[式中、aおよびbの各々が、独立して、0~3の整数である]
を有する、実施形態2の組成物。
【0161】
実施形態4。任意に置換された環状イミドが、以下の構造:
【化35】

[式中、aおよびbの各々が、独立して、0~3の整数であり;RN1が、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたアラルキルである]
を有する、実施形態2の組成物。
【0162】
実施形態5。組成物が、式(Ia):
【化36】
[式中:LG1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;RG1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである]
を有する構造、またはその塩を含む、実施形態1の組成物。
【0163】
実施形態6。組成物が、式(Ib):
【化37】
[式中:LG1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;HetG1およびHetG2の各々が、独立して、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;RG1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである]
を有する構造、またはその塩を含む、実施形態1の組成物。
【0164】
実施形態7。組成物が、式(Ic):
【化38】
[式中:RG1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである]
を有する構造、またはその塩を含む、実施形態1の組成物。
【0165】
実施形態8。実施形態1の組成物を製造する方法であって、グリシン、ビニルグリシン、2-アリルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、4-アミノフェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、ホモシスチン、システイン、ホモシステイン、セレノシステイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、4-(2-アミノ-2-カルボキシエチル)-1,2-ベンゼンジカルボン酸、1-アミノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、および4-アミノ-1,2,4-ブタントリカルボン酸からなる群から選択される第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を提供すること;ならびに第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との二量体を形成すること、を含む方法。
【0166】
実施形態9。第1のアミノ酸および第2のアミノ酸が、チロシン、セリン、トレオニンおよびヒドロキシプロリンからなる群から選択される、実施形態8の方法。
【0167】
実施形態10。実施形態1の組成物を製造する方法であって、ビニルグリシンおよび2-アリルグリシンからなる群から選択される第1のアミノ酸および第2のアミノ酸を提供すること;第1のアミノ酸と第2のアミノ酸との二量体を形成すること;ならびに第1のアミノ酸および第2のアミノ酸上に存在するビニル基をヒドロアミノ化することを含む、方法。
【0168】
実施形態11。式(II):
【化39】
[式中:GおよびGの各々が、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含み;R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;mおよびnの各々が、独立して、0~1の整数であり;oが、0~2の整数である]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【0169】
実施形態12。Gが-LG1-RG1であり、Gが-LG2-RG2であり;LG1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたアリーレン、任意に置換された(アリール)(アルキル)エン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;RG1およびRG2の各々が、独立して、ヒドロキシル、任意に置換されたヒドロキシアルキル、任意に置換されたヒドロキシアリール、カルボキシル、アミノ、任意に置換されたアミノアルキル、任意に置換されたアミノアリール、アミド、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドである、実施形態11の組成物。
【0170】
実施形態13。式(III):
【化40】
[式中:RおよびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;Rg1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;LG1およびLG2の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;ArG1およびArG2の各々が、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキ)レンであり;HetG1が、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または任意に置換された(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;ArG1、ArG2またはHetG1のうちの少なくとも1つが、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【0171】
実施形態14。式(IV):
【化41】
[式中:RおよびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;Rg1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;LG1、LG2およびLG3の各々が、独立して、共有結合、アミド結合、任意に置換されたアルキレン、任意に置換されたアルケニレン、任意に置換されたヘテロアルキレン、任意に置換されたヘテロシクリルジイル、または(ヘテロシクリル)(アルキル)エンであり;ArG1およびArG2の各々が、独立して、任意に置換されたアリーレン、または任意に置換された(アリール)(アルキル)エンであり;LG1、LG2、LG3、ArG1またはArG2のうちの少なくとも1つが、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含む]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【0172】
実施形態15。式(VIII):
【化42】
[式中:GL1およびGL2の各々が、独立して、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アミド、アミド結合、エステル結合、オキシ、カルボニル、任意に置換された環状無水物、または任意に置換された環状イミドを含み;RおよびRの各々が、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり;Rg1およびRg2の各々が、独立して、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアルカリール、または任意に置換されたアラルキルであり;Arがポリマーセグメントであり;Rg1およびGが、Rg1が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができ;Rg2およびGが、Rg2が結合している窒素と一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを任意に形成することができる]
を有する構造、またはその塩を含む、組成物。
【0173】
実施形態16。Arが、イミドサブユニット、アミド酸サブユニット、アミドサブユニット、アリーレンサブユニット、アリーレンエーテルサブユニット、アリーレンケトンサブユニット、ウレタンサブユニット、無水フタル酸サブユニット、脂肪族サブユニット、シクロアルキルサブユニット、エーテルサブユニット、チオエーテルサブユニット、パーフルオロアルキルサブユニットまたはパーフルオロアルコキシサブユニットを含む、実施形態15の組成物。
【0174】
実施形態17。約450nm未満のUVカットオフ、450nmで少なくとも約95%の光透過、約2未満の黄色度指数、約12GPa未満の弾性率、および/または約350%未満の伸びを含む、実施形態1~7および11~16の組成物。
【0175】
実施形態18。有機溶媒に任意に可溶性である、実施形態17の組成物。
【0176】
実施形態19。1つ以上の微生物によって生分解性であるように構成される、実施形態1~7および11~18の組成物。
【0177】
実施形態20。実施形態1~7および11~19の組成物を産生するように構成された遺伝子組換え生物。
【0178】
実施形態21。実施形態1~7および11~19の組成物を含むフィルム。
【0179】
実施形態22。接着剤またはコーティングである、実施形態21のフィルム。
【0180】
実施形態23。実施形態1~7および11~19の組成物を含む、複合体またはバルク構造体。
【0181】
実施形態24。実施形態1~7および11~19の組成物を含む、繊維または粒子。
【0182】
以下の実施例は、本発明のプロセスおよび組成物をさらによく開示および教示するために提供される。それらは例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲に列挙される本発明の趣旨および範囲に実質的に影響を及ぼすことなく、わずかな変形および変更を行うことができることを認識しなければならない。
【実施例
【0183】
実施例1:アミノ酸二量体由来のポリマーおよびコポリマー
本明細書の組成物は、ポリマーまたはコポリマーを提供するために使用することができる。一例では、ヒドロキシ、アミノ、環状無水物または環状イミドを含む反応性基によりさらに官能化することができる環状誘導体を提供するためにアミノ酸が使用される。
【0184】
一例では、コポリマーは、(i)アミノ反応性基を有する環状誘導体と(ii)二無水物または二酸との間の反応から生じる。別の例では、コポリマーは、(i)環状無水物反応性基を有する環状誘導体と(ii)ジアミンとの間の反応から生じる。さらに別の例では、コポリマーは、(i)環状無水物反応性基を有する環状誘導体と(ii)アミノ反応性基を有する環状誘導体との間の反応から生じる。得られたコポリマーは、表2の化合物番号VIII-1~VIII-9の構造、ならびに式(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)、(IVb)、(IVc)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VII)、(VIIa)および(VIII)の構造を有するかまたは含むことができる。
【0185】
実施例2:チロシン二量体の非限定的な合成
【化43】
【0186】
磁気攪拌機およびオーバーヘッドコンデンサを備えた3L二口丸底フラスコ内で、200gのTyr-OHと800mlのエチレングリコールとを混合し、フラスコをシリコン油浴に入れた。油浴を190°Cに加熱し、反応混合物を7時間攪拌した。HPLCによって出発材料の変換を追跡した。7時間後、反応混合物を室温に冷却し、沈殿した固体を濾過し、エタノール(2×200ml)を用いて洗浄した。次いで、固体を真空オーブン内で乾燥させ、そのまま次の工程に使用した。(収率:64%)
【0187】
実施例3:4-ヒドロキシ-プロリン二量体の非限定的な合成
【化44】
【0188】
磁気攪拌機およびオーバーヘッドコンデンサを備えた二口1L丸底フラスコ内で、100gのトランス-4-ヒドロキシ-L-プロリンと200mlのエチレングリコールとを混合し、フラスコをシリコン油浴に入れた。油浴を190°Cに加熱し、反応混合物を7時間攪拌した。7時間後、反応混合物を室温に冷却し、沈殿した固体を濾過し、アセトン(2×100ml)を用いて洗浄した。次いで、固体を真空オーブン内で乾燥させた。(収率:44%、生成物37.95グラムを単離した)NMR H NMR(DO):4.75(d,1H),4.63(d,1H),3.69(d,1H),3.537(d,1H),2.33(d,1H),2.20(d,1H).
【0189】
実施例4:チロシン二量体の非限定的な段階的合成
以下の経路は、様々なアミノ酸由来の二量体に適用可能であり得る。
【化45】
【0190】
工程1:(S)-メチル 2-((R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエートの調製
磁気攪拌機、温度プローブおよび窒素入口を備えた1L反応器に、((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸(33.2g、118mmol)、(S)-メチル 2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(20g、102mmol)、ヘキサフルオロホスフェートベンゾトリアゾールテトラメチルウロニウム(「HBTU」、48.3g、127mmol)およびDMF(120mL)を入れた。溶液を15分間攪拌し、次いで、0°Cに冷却した。15分間にわたって、トリエチルアミン(42.6mL、306mmol)を混合物に添加した。添加が完了した後、冷却浴を取り除き、反応物を一晩攪拌した。18時間後、アリコートのHPLCは、出発材料の完全な変換を示した。反応物に、100mLの水を0°Cでゆっくり添加した。30分間攪拌した後、混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、層を分離した。有機層を炭酸ナトリウム水溶液(10%、3×50mL)を用いて洗浄し、最後にブライン(50mL)を用いて洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して、所望の生成物を濃厚な油状物として得た。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
【化46】
【0191】
工程2:3,6-ビス(4-ヒドロキシベンジル)ピペラジン-2,5-ジオンの調製
3L単首反応器に、(S)-メチル 2-((R)-2-((tertブトキシカルボニル)アミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(42g、91.6mmol)およびギ酸(420mL)を入れ、混合物を周囲温度で5時間攪拌し、ギ酸およびs-ブタノールを減圧下で除去した。残渣をsec-ブタノール(1600mL)およびトルエン(400mL)に溶解し、溶液を3時間還流した。反応をHPLCによってモニタリングし、反応が完了した後、反応混合物を濃縮して、粗物質をオフホワイト固体として得た。粗物質を5°Cで5%NaOH水溶液に溶解し、250mlの酢酸エチルを用いて抽出した。10%HCl(水溶液)をゆっくり添加することによって、水層をpH3に酸性化した。固体物質を濾過によって分離し、水を用いて洗浄し、真空下で乾燥させた。固体を200mlのアセトニトリルに懸濁し、再び濾過し、乾燥させて、白色固体を純粋な生成物として得た。(収率:22g、73%)。NMR H NMR(DMSO):9.20(s,1H),7.76(s,1H),6.84(d,J=8.4 Hz,2H),6.67(d,J=8.5 Hz,2H),3.85(s,1H),2.55-2.51(m,1H),2.12(d,J=6.6 Hz,1H).
【0192】
実施例5:p-ヒドロキシフェニル-グリシン二量体の非限定的な段階的合成
【化47】
【0193】
窒素下、100mlの二口フラスコ内で、(2R)-2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸(1.00当量、1.00g、5.98mmol)を1,4-ジオキサン(24mL)、水(24ml)、および12.5mlの2M NaOH水溶液に溶解した。二炭酸ジ-tert-ブチル(1.00当量、1.31g、5.98mmol)を溶液に滴下し、反応物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、5M HClを用いてpH2に酸性化し、次いで、酢酸エチルを用いて抽出し、5%炭酸ナトリウム溶液およびブラインを用いて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、次いで、真空中で濃縮した。最後に、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸[4-HPG N-Boc](1.08g、4.03mmol、収率67.36%)をピンク色の粘着性固体として単離し、さらに精製することなく次の工程で使用した。
【化48】
【0194】
rac-(2R)-2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸(1.00当量、1.00g、5.98mmol)を20mlの1.25M HClのメタノール溶液に溶解し、70°Cで3時間攪拌した。次いで、溶媒をロトバップ上で蒸発させて、1.064gの粗なピンク色-白色固体を得た。この固体を250mlの飽和炭酸ナトリウムを用いて洗浄し、酢酸エチル(4×100ml)を用いて抽出して、4-ヒドロキシフェニル-グリシンメチルエステル[4-HPG OMe]を得た。(収率:33.766%、生成物0.366gを単離した)。
【化49】
【0195】
4-ヒドロキシフェニル-グリシンメチルエステル(4-HPG OMe)、4-HPG N-Boc、HBTU、およびDMAcを25mlの二口丸底フラスコに添加し、窒素下、室温で15分間攪拌した。反応物を0°Cに冷却し、トリメチルアミン(0.70ml)を15分間にわたって滴下し、次いで、一晩攪拌した。次いで、反応物を2mlの氷冷水を用いてクエンチし、10分間攪拌し、EtoAc(2ml)を用いて3回抽出した。有機層を5%炭酸ナトリウム、次いでブラインを用いて洗浄し、乾燥させ、濃縮した。
【化50】
【0196】
3L単首反応器に、前述のジペプチドペプチド(0.31g)およびギ酸(2.1mL)を入れ、混合物を周囲温度で5時間攪拌した。トルエンとの共沸蒸留によって、減圧下でギ酸を除去した。残渣をsec-ブタノール(7.5mL)およびトルエン(2.5mL)に溶解し、溶液を3時間還流した。反応混合物を濃縮して、粗物質を黄白色固体として得た。
【0197】
実施例6:3,20-ジアミノ-プレグナンの非限定的な段階的合成
【化51】
【0198】
プロゲステロン(1g、3.1mmol)およびラネーニッケル(1g)を100mlの高圧水素化装置に添加し、容器に液体アンモニア(25ml)を入れ、容器を密封した。次いで、全容器圧力を25気圧に上げ、反応容器を200°Cで20時間加熱した。その後、容器を冷却し、圧力を解放した。アンモニアが蒸発したら、混合物をメタノールに溶解し、触媒を除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、収率70%の標的3,20-ジアミノプレグナン(700mg)を得た。
【0199】
実施例7:4-アミノプロリン二量体の非限定的な段階的合成
【化52】
【0200】
4-ヒドロキシ-プロリン二量体(20g、88mmol)をピリジン(60ml)に懸濁し、触媒量のジメチルアミノピリジン(600mg)を添加した。混合物を-10°Cに冷却し、塩化メタンスルホニル(16ml、200mmol)を滴下した。混合物を室温まで温め、20°Cで20時間攪拌した後、氷水中の希HCl上に注いだ。得られた固体を回収し、真空下で乾燥させて、収率81%(27g)の標的ジメシル-4-ヒドロキシプロリン二量体を得た。
【化53】
【0201】
ジメシル-4-ヒドロキシプロリン二量体(25g、65mmol)をDMF(250ml)に溶解し、0°Cに冷却した。アジ化ナトリウム(21.5g、327mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を75°Cに加熱し、窒素雰囲気下で72時間攪拌した。混合物を冷却し、酢酸エチル(500ml)で希釈し、濾過し、濃縮して、次の工程のために17.5gの粗ジアジドを得た。
【化54】
【0202】
ヒドロキシプロリン二量体に基づくジアジド(10g、36mmol)をメタノール(100ml)に溶解し、水素化反応器内でパラジウム炭素(1g)に添加した。雰囲気を水素によって置換し、反応器に5気圧まで充填した。混合物を水素雰囲気下で4時間攪拌した。圧力を解放し、触媒をセライトを通して濾過し、溶媒を真空中で除去して、標的4-アミノ-プロリン二量体を収率96%(7.7g)で得た。
【0203】
実施例8:4-アミノ-フェニルアラニン二量体の非限定的な段階的合成
【化55】
【0204】
4-ニトロフェニルアラニンメチルエステル(14.3g、64mmol)および4-ニトロ-N-(tert-ブトキシカルボニル)-フェニルアラニン(20g、64mmol)をDMF(500ml)中で合わせた。HBTU(29g、77mmol)を添加し、混合物を15分間攪拌し、0°Cに冷却した。トリエチルアミン(50ml)を0°Cでゆっくり添加し、混合物を室温まで温め、20時間攪拌した。反応混合物を冷水を用いてクエンチし、標的ジペプチドを酢酸エチルを使用して抽出し、精製せずに次の工程に使用した。
【化56】
【0205】
ジニトロ-ジペプチド(34g、66mmol)をギ酸(300ml)に懸濁し、室温で18時間攪拌した。次いで、2-ブタノール(3.5L)およびトルエン(850ml)を添加し、温度を100°Cに上昇させ、混合物を4時間攪拌した。次いで、混合物を冷却し、得られたニトロ-フェニルアラニン二量体を濾別し、メタノールを用いて洗浄し、乾燥させて、標的化合物を収率72%(18g)で得た。
【化57】
【0206】
水素化容器内で、ニトロ-フェニルアラニン二量体(12g、31mmol)およびパラジウム炭素(1.2g)を10%HClのメタノール(1L)溶液に懸濁した。容器に50psiまで充填し、混合物を8時間攪拌した。次いで、圧力を解放し、混合物を濾過して触媒を除去した。溶媒体積を減少させ、固体を単離し、塩基を用いて処理して、標的分子を生成した。
【0207】
実施例9:3-アミノフェニル-グリシン二量体の非限定的な段階的合成
【化58】
【0208】
フェニル-グリシン二量体(39g、25mmol)を硫酸(50ml)に懸濁し、10°Cに冷却した。これに、発煙硝酸と硫酸との1:1混合物(50ml)を滴下した。混合物を4時間攪拌し、次いで氷に注いだ。得られた固体を濾過して50gの固体を得、これをメタノールを用いて大量に洗浄した。
【化59】
【0209】
ニトロ-フェニル-グリシン二量体(12g、34mmol)およびパラジウム炭素(1g)を、10%HClを含有するエタノール(50ml)に懸濁した。この混合物を水素化容器に添加し、系に50psiまで充填し、20時間攪拌した。圧力を解放した後、触媒を濾別し、濾液を中和して、7.9gのメタ-アミノ-フェニルグリシンを固体として得た。得られた化合物をDMFから再結晶化した。
【0210】
実施例10:ジアミノ-エストランの非限定的な段階的合成
【化60】
【0211】
エストロン(15g、56mmol)および炭酸カリウム(15g、110mmol)をエタノール(50ml)に懸濁し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(5.5g、80mmol)を少量ずつ添加し、混合物を2時間攪拌した後、氷水上に放出した。次の工程のために、得られた固体を11gの中間体に濾過した。オキサミン中間体(9g、32mmol)を25%アンモニアのメタノール(300ml)溶液に溶解し、ラネーニッケル(5g)を添加し、混合物を水素化容器に移した。次いで、系に50気圧まで充填し、40°Cで20時間攪拌した。次いで、混合物を冷却し、圧力を解放し、触媒を濾過して除去して、ヒドロキシ-アミノ-エストロン中間体を収率93%(8g)で得た。
【化61】
【0212】
前の工程で製造されたヒドロキシ-アミノ-エストロン(2.2g、8.2mmol)をラネーニッケル(2g)を含む水素化容器に入れ、液体アンモニア(20ml)を添加した。容器の圧力を水素を用いて50気圧に上げ、系を20時間かけて200°Cに加熱した。冷却したら、圧力を解放し、混合物をメタノールに溶解し、触媒を濾過を使用して除去し、蒸発させて、標的化合物を異性体の混合物(1.7g)として収率84%で得た。
【0213】
他の実施形態
本発明をその具体的な実施形態に関連して説明してきたが、さらなる修正が可能であり、本出願は、一般に、本発明の原理に従って、また、本発明が関係する技術分野内の既知のまたは慣習的な実施の範囲内に入り、上述した本質的な特徴に適用され得る、本開示からのそのような逸脱を含む、本発明の任意の変形例、使用または適合を網羅することが意図され、特許請求の範囲に従うことが理解されるであろう。
【0214】
他の実施形態は、特許請求の範囲内である。
【国際調査報告】