(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-28
(54)【発明の名称】荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板
(51)【国際特許分類】
H01J 37/244 20060101AFI20230721BHJP
H01J 37/09 20060101ALI20230721BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
H01J37/244
H01J37/09 Z
H01L21/66 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579910
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-02-17
(86)【国際出願番号】 EP2021068548
(87)【国際公開番号】W WO2022008462
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラント,マルコ,ジャン-ジャコ
(72)【発明者】
【氏名】ニチアノフ,ストヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンストラ,ロイ,ラモン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ホイ
【テーマコード(参考)】
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA38
4M106DB05
4M106DH24
4M106DH33
5C101AA03
5C101EE03
5C101FF02
5C101GG34
5C101GG36
5C101GG37
5C101GG42
5C101GG49
5C101JJ08
(57)【要約】
サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板(又は検出器アレイ)が提供される。検出器基板は、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定する。検出器基板は、センサユニットアレイを含む。センサユニットアレイのセンサユニットは、アパーチャアレイの対応するアパーチャに隣接する。センサユニットは、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成される。検出器アレイは、センサユニットアレイの各センサユニットに関連付けられ、及びアパーチャアレイの対応するアパーチャに近接した増幅回路を含む。増幅回路は、トランスインピーダンス増幅器及び/又はアナログ-デジタル変換器を含む。
【選択図】
図15B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定し、
センサユニットアレイであって、前記センサユニットアレイのセンサユニットは、前記アパーチャアレイの対応するアパーチャに隣接し、及び前記センサユニットは、前記サンプルからの荷電粒子を捕捉する、センサユニットアレイ
を含み、
前記センサユニットアレイの各センサユニットに関連付けられ、及び前記アパーチャアレイの前記対応するアパーチャに近接した増幅回路であって、トランスインピーダンス増幅器及び/又はアナログ-デジタル変換器を含む増幅回路を含む、検出器基板。
【請求項2】
セルのセルアレイを含み、前記セルアレイは、前記センサユニットアレイに関連付けられた回路を含み、前記セルは、前記検出器基板に画定された前記アパーチャアレイの前記アパーチャに対応する、請求項1に記載の検出器基板。
【請求項3】
各センサユニットに関連付けられた前記増幅回路は、前記セルアレイの関連付けられたセルと共に含まれる、請求項2に記載の検出器基板。
【請求項4】
少なくとも1つの回路ワイヤをさらに含み、各回路ワイヤは、前記セルアレイの関連付けられたセルに関連付けられ、前記回路ワイヤは、信号通信のために、前記セルの外部に、及び好ましくは前記検出器基板から離れたコントローラに前記セルを信号によって接続するように、前記関連付けられたセルの前記回路に接続する、請求項2又は3に記載の検出器基板。
【請求項5】
前記少なくとも1つの回路ワイヤは、前記基板のデータパス層でルーティングされる、請求項4に記載の検出器基板。
【請求項6】
前記データパス層は、前記少なくとも1つの回路ワイヤを含む回路ルーティングを含み、前記配線ルートは、好ましくは、前記セルアレイの周囲長に向かう方向において及び/又は半径方向に配置されて、前記セルアレイの他のセル間でルーティングされる、請求項5に記載の検出器基板。
【請求項7】
前記配線ルートをシールドするシールド要素を含む、請求項6に記載の検出器基板。
【請求項8】
前記シールド要素は、
前記データパス層の上及び/又は下の前記基板内における接地層、及び/又は
前記配線ルートの両側及び/又は前記配線ルートの回路ワイヤ間の前記データパス層内におけるシールド要素
を含む、請求項7に記載の検出器基板。
【請求項9】
前記又は各回路ワイヤは、前記セルアレイの前記関連付けられたセルの前記トランスインピーダンス増幅器と、好ましくは前記基板内で前記セルアレイから離れた前記アナログ-デジタル変換器との間でデータを送受信する、請求項4から8の何れか一項に記載の検出器基板。
【請求項10】
増幅器回路及び前記セルアレイを含むCMOS回路を含み、前記CMOS回路は、好ましくは、複数の層を含む、請求項2から9の何れか一項に記載の検出器基板。
【請求項11】
前記トランスインピーダンス増幅器は、前記関連付けられたセル内に位置し、及び前記アナログ-デジタル変換器は、離れており、好ましくは前記セルアレイから離れている、請求項2から8の何れか一項に記載の検出器基板。
【請求項12】
前記セルアレイは、六角形アレイ又は矩形アレイである、請求項2から11の何れか一項に記載の検出器基板。
【請求項13】
前記トランスインピーダンス増幅器は、疑似レジスタを含み、前記疑似レジスタは、好ましくは、複数のトランジスタを含み、好ましくは、前記トランスインピーダンス増幅器は、アテニュエータをさらに含む、請求項1から12の何れか一項に記載の検出器基板。
【請求項14】
前記増幅回路は、前記対応するセンサユニットに直接電気的に接続された直接デジタル変換器である前記アナログ-デジタル変換器を含む、請求項1から13の何れか一項に記載の検出器基板。
【請求項15】
前記増幅回路は、コンパレータ、インテグレータ及び基準を含み、好ましくは、前記基準は、低デューティサイクルスイッチドレジスタ又はスイッチドキャパシタを含む、請求項14に記載の検出器基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年7月6日に出願された欧州特許出願公開第20184160.8号及び2020年12月23日に出願された欧州特許出願公開第20217152.6号の優先権を主張するものであり、これらの特許出願は、それぞれ参照により全体として本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、概して、検出器基板に関し、より具体的には、対物レンズアセンブリ、2つ以上の荷電粒子ビームを使用する荷電粒子ビーム評価ツール装置及びサンプルを評価する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体集積回路(IC)チップを製造する際、望ましくないパターンが製作プロセス中に基板(例えば、ウェーハ)又はマスク上で生じ、それにより歩留まりが低下することがある。欠陥は、例えば、光学効果及び副次的粒子又はエッチング、化学機械研磨の堆積などの他の処理ステップの結果として生じ得る。したがって、望ましくないパターン欠陥の程度をモニタリングすることは、ICチップの製造において重要なプロセスである。より一般的に、基板又は他の物体/材料の表面の検査及び/又は測定は、その製造中及び/又は製造後において重要なプロセスである。
【0004】
[0004] 荷電粒子ビームを用いたパターン検査ツールは、物体を検査するために、例えばパターン欠陥を検出するために使用されてきた。これらのツールは、一般的に、走査電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡法技術を使用する。SEMでは、比較的高いエネルギーの電子の一次電子ビームは、比較的低い着地エネルギーでサンプル上に着地するために、最終減速ステップでターゲットにされる。電子ビームは、サンプル又はターゲット上にプロービングスポットとして集束される。プロービングスポットにおける材料構造と、電子ビームからの着地電子との相互作用により、二次電子、後方散乱電子又はオージェ電子などの電子が表面から放出される。発生した二次電子は、サンプルの材料構造から放出され得る。
【0005】
[0005] サンプル表面にわたり、プロービングスポットとして一次電子ビームを走査することにより、サンプルの表面にわたり二次電子を放出させることができる。サンプル表面からのこれらの放出二次電子を収集することにより、パターン検査ツールは、サンプルの表面の材料構造の特徴を表す画像を取得し得る。そのような検査において、収集された二次電子は、ツール内の検出器によって検出される。検出器は、副次的粒子に応答して信号を生成する。サンプルのあるエリアが検査されるとき、信号は、サンプルの検査エリアに対応する検査画像を生成するように処理されるデータを含む。画像は、ピクセルを含み得る。各ピクセルは、検査エリアの一部分に対応し得る。一般的に、電子ビーム検査ツールは、単一ビームを有し、単一ビームSEMと呼ばれ得る。マルチビームSEM(MBSEM)と呼ばれ得るツール(又は「マルチビームツール」)において、マルチ電子ビーム検査を導入することが試みられてきた。
【0006】
[0006] 荷電粒子検査装置のスループット及び他の特性の向上を可能にするために、検出器の性能及びアーキテクチャを向上させる一般的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本明細書で提供される実施形態は、荷電粒子ビーム検査装置で使用される検出器基板を開示する。
【0008】
[0008] 本発明の第1の態様によれば、サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板(又は検出器アレイ)であって、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定し、センサユニットアレイであって、センサユニットアレイのセンサユニットは、アパーチャアレイの対応するアパーチャに隣接し、及びセンサユニットは、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成される、センサユニットアレイを含み、センサユニットアレイの各センサユニットに関連付けられ、及びアパーチャアレイの対応するアパーチャに近接した増幅回路であって、トランスインピーダンス増幅器及び/又はアナログ-デジタル変換器を含む増幅回路を含む、検出器基板(又は検出器アレイ)が提供される。
【0009】
[0009] 本発明の第2の態様によれば、サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定し、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成されたセンサユニットアレイのセンサユニットと、セルアレイであって、セルアレイのセルは、マルチビームのパスのためのアパーチャアレイのアパーチャに関連付けられ、及びセンサユニットアレイのセンサユニットに関連付けられる、セルアレイと、関連付けられたセルとセルアレイの少なくとも周囲長との間において、関連付けられたセンサユニットから信号を伝送する(例えば、送受信する)ように構成された配線ルートであって、セルアレイの他のセル間でルーティングされるように構成される配線ルートとを含む、検出器基板が提供される。
【0010】
[0010] 本発明の第3の態様によれば、サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、マルチビームのそれぞれのビームパスのためのアパーチャアレイを画定し、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成されたセンサユニットアレイのセンサユニットと、セルアレイであって、セルアレイのセルのそれぞれは、アパーチャアレイのアパーチャに関連付けられる、セルアレイと、セルアレイの各セルと関連付けられた増幅回路であって、可変増幅器及びアナログ-デジタル変換器を含む増幅回路とを含む、検出器基板が提供される。
【0011】
[0011] 本発明の第4の態様によれば、マルチビーム評価ツールのための対物レンズアセンブリであって、複数の荷電粒子ビームをサンプル上に投影するように構成された対物レンズであって、対物レンズにおいて、サンプルに向かうそれぞれの荷電粒子ビームのパスのためのビームアパーチャのアレイが画定される、対物レンズと、本発明の第1~第3の態様の何れか1つに記載の検出器基板とを含む、対物レンズアセンブリが提供される。
【0012】
[0012] 本発明の第5の態様によれば、a.本発明の第1~第3の態様に記載の検出器基板又は本発明の第4の態様に記載の対物レンズアセンブリを使用する、荷電粒子のマルチビームを使用してサンプルを評価する方法が提供される。
【0013】
[0013] 本発明の第6の態様によれば、サンプルに向けて荷電粒子のマルチビームを投影することと、荷電粒子のマルチビームに応答してサンプルから放出された荷電粒子を捕捉することと、荷電粒子の捕捉に応答してアナログ信号を伝送することと、増幅器を使用してアナログ信号を増幅することと、アナログ-デジタル変換器を使用してアナログ信号をデジタル信号に変換することと、増幅器及びアナログ-デジタル変換器の動的範囲を制御することとを含む、サンプルを評価する方法が提供される。
【0014】
[0014] 本発明の他の利点は、実例及び例として本発明の特定の実施形態が記載される添付の図面と併せた以下の説明から明らかになるであろう。
【0015】
[0015] 本開示の上記及び他の態様は、添付の図面と併せた例示的実施形態の説明からより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】[0016]例示的な荷電粒子ビーム検査装置を示す概略図である。
【
図2】[0017]
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置の一部である例示的なマルチビーム装置を示す概略図である。
【
図3】[0018]
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置のソース変換ユニットの例示的な構成を示す例示的なマルチビーム装置の概略図である。
【
図4】[0019]ある実施形態による検査装置の対物レンズの概略断面図である。
【
図5】[0020]
図4の対物レンズの底面図である。
【
図6】[0021]
図4の対物レンズの変更形態の底面図である。
【
図7】[0022]
図4の対物レンズに組み込まれた検出器の拡大概略断面図である。
【
図8】[0023]理論上のトランスインピーダンス増幅器の概略図である。
【
図9】[0024]熱雑音の効果を示すトランスインピーダンス増幅器の概略図である。
【
図10】[0025]
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置の一部であり得る別の例示的なマルチビーム装置を示す概略図である。
【
図11】[0026]ある実施形態による別の例示的なマルチビーム装置を示す概略図である。
【
図12】[0027]ある実施形態による例示的なマルチビーム装置の概略図である。
【
図13】[0028]ある実施形態による検査装置の対物レンズの概略断面図である。
【
図14】[0029]
図13の対物レンズに組み込まれた検出器ユニットの底面図である。
【
図15A】[0030]ある実施形態による、(例えば、検出器基板における)検出器アレイ及び関連付けられたセルアレイの概略図である。
【
図15B】[0030]セルアレイのセルの概略図である。
【
図15C】[0030]ある実施形態によるセルアレイのセルである。
【
図16】[0031]ある実施形態によるセンサユニットの概略図である。
【
図17】[0032]ある実施形態による例示的増幅回路の回路図である。
【
図18】[0033]ある実施形態による別の例示的増幅回路の回路図である。
【
図19】[0034]ある実施形態による別の例示的増幅回路の回路図である。
【
図20】[0035]ある実施形態による、回路ワイヤ及びシールド配置を示す断面配線ルートの概略図である。
【
図21】[0036]ある実施形態による別の例示的マルチビーム装置の一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0037] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表示がない限り、異なる図面における同一の番号は、同一又は類似の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明と一致するすべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0018】
[0038] デバイスの物理的サイズを減少させる、電子デバイスの計算能力の向上は、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることによって達成することができる。これは、さらに小さい構造の作製を可能にする分解能の向上によって可能にされてきた。例えば、親指の爪の大きさであり、2019年以前に利用可能なスマートフォンのICチップは、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪の1/1000未満である。したがって、半導体IC製造が、数百の個々のステップを有する、複雑で時間のかかるプロセスであることは、驚くべきことではない。たとえ1つのステップのエラーであっても、最終製品の機能に劇的に影響を与える可能性がある。1つのみの「キラー欠陥」がデバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップを有するプロセス(ここでは、ステップは、ウェーハ上に形成される層の数を示し得る)に関して75%の歩留まりを得るために、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有していなければならない。個々のステップが95%の歩留まりを有する場合、全体的なプロセス歩留まりは、7%と低い。
【0019】
[0039] ICチップ製造設備において、高いプロセス歩留まりが望ましい一方、1時間当たりに処理される基板の数と定義される高い基板(すなわちウェーハ)スループットを維持することも必須である。高いプロセス歩留まり及び高い基板スループットは、欠陥の存在による影響を受け得る。これは、欠陥を調査するためにオペレータの介入が必要な場合に特に当てはまる。したがって、検査ツール(走査電子顕微鏡(「SEM」)など)によるマイクロスケール及びナノスケール欠陥の高スループット検出及び識別は、高い歩留まり及び低いコストを維持するために必須である。
【0020】
[0040] SEMは、走査デバイス及び検出器装置を含む。走査デバイスは、一次電子を発生させるための電子源を含む照明装置と、一次電子の1つ又は複数の集束ビームで基板などのサンプルを走査するための投影装置とを含む。共に、少なくとも照明装置又は照明システム及び投影装置又は投影システムは、合わせて電子-光学システム又は装置と呼ばれ得る。一次電子は、サンプルと相互作用し、二次電子を発生させる。検出装置は、SEMがサンプルの走査エリアの画像を生成できるように、サンプルが走査されるとき、サンプルからの二次電子を捕捉する。高スループットの検査のために、検査装置の一部は、一次電子の複数の集束ビーム、すなわちマルチビームを使用する。マルチビームの成分ビームは、サブビーム又はビームレットと呼ばれ得る。マルチビームは、サンプルの異なる部分を同時に走査することができる。したがって、マルチビーム検査装置は、単一ビーム検査装置よりもはるかに高速でサンプルを検査することができる。
【0021】
[0041] マルチビーム検査装置では、一次電子ビームの幾つかのパスが走査デバイスの中心軸、すなわち一次電子光軸の中点から外れる。すべての電子ビームが実質的に同じ入射角でサンプル表面に達することを確実にするために、中心軸からより大きい半径方向距離を有するサブビームパスは、中心軸により近いサブビームパスよりも大きい角度を移動するように操作される必要がある。このより強力な操作は、収差を生じさせることがあり、収差は、サンプル基板のぼやけた焦点外画像をもたらす。具体的には、中心軸上にないサブビームパスに関して、サブビームの収差は、中心軸からの半径方向変位と共に増大し得る。このような収差は、二次電子の検出時に二次電子に関連付けられたままであり得る。したがって、このような収差は、検査中に生成される画像の品質を低下させる。
【0022】
[0042] 既知のマルチビーム検査装置の実装形態を以下に説明する。
【0023】
[0043] 図は、概略図である。したがって、図面では、コンポーネントの相対寸法は、明瞭にするために拡大される。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。説明及び図面は、電子光学装置を対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するために使用されないことが理解される。したがって、本明細書全体を通して、電子への言及は、より一般的に、荷電粒子への言及であると見なすことができ、荷電粒子は、必ずしも電子ではない。
【0024】
[0044] ここで、
図1を参照すると、
図1は、例示的な荷電粒子ビーム検査装置100を示す概略図である。
図1の荷電粒子ビーム検査装置100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、電子ビームツール40、機器フロントエンドモジュール(EFEM)30及びコントローラ50を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内に位置する。
【0025】
[0045] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の1つ又は複数の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、検査予定の基板(例えば、半導体基板若しくは他の材料で作られた基板)又はサンプルを含む基板前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取ることができる(以下では、基板、ウェーハ及びサンプルは、まとめて「サンプル」と呼ばれる)。EFEM30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填ロックチャンバ20にサンプルを運ぶ。
【0026】
[0046] 装填ロックチャンバ20は、サンプルの周囲の気体を取り除くために使用される。これは、周囲環境の圧力より低い局所気体圧力である真空を生じさせる。装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され得、装填ロック真空ポンプシステムは、装填ロックチャンバ20内の気体粒子を取り除く。装填ロック真空ポンプシステムの動作により、装填ロックチャンバが大気圧を下回る第1の圧力に達することが可能になる。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10にサンプルを運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。メインチャンバ真空ポンプシステムは、サンプルの周囲の圧力が、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内の気体粒子を取り除く。第2の圧力に達した後、サンプルは、電子ビームツールに運ばれ、サンプルは、電子ビームツールによって検査され得る。電子ビームツール40は、マルチビーム電子光学装置を含み得る。
【0027】
[0047] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置100を制御するように構成されたプロセッサ(コンピュータなど)であり得る。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。そのような回路は、制御回路を含み得る。
図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20及びEFEM30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部であり得ることが理解される。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査装置のコンポーネント要素の1つの内部に位置し得るか、又はコントローラ50は、コンポーネント要素の少なくとも2つに分散され得る。本開示は、電子ビーム検査ツールを収納するメインチャンバ10の例を提供するが、本開示の態様は、広い意味において、電子ビーム検査ツールを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、第2の圧力下で動作する装置の他のツール及び他の配置にも適用できることが理解される。
【0028】
[0048] ここで、
図2を参照すると、
図2は、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部であるマルチビーム検査ツールを含む例示的な電子ビームツール40を示す概略図である。マルチビーム電子ビームツール40(本明細書では装置40とも呼ばれる)は、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220、一次投影装置230、電動ステージ209及びサンプルホルダ207を含む。電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220は、マルチビーム電子ビームツール40によって包含される照明装置のコンポーネントである。サンプルホルダ207は、検査のためにサンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するために、電動ステージ209によって支持される。マルチビーム電子ビームツール40は、二次投影装置250及び関連する電子検出デバイス240をさらに含み得る。一次投影装置230は、対物レンズ231(例えば、ビーム全体に作用する単体レンズ)を含み得る。対物レンズは、マルチビームのパス又は電子光学システムにおける最後の電子光学要素であり得、したがって、対物レンズは、最後の電子光学要素の一種と呼ばれ得る。電子検出デバイス240は、複数の検出要素241、242及び243を含み得る。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は、一次投影装置230内に配置され得る。
【0029】
[0049] 一次ビームを発生させるために使用されるコンポーネントは、装置40の一次電子光軸とアライメントされ得る。これらのコンポーネントは、電子源201、ガンアパーチャプレート271、集光レンズ210、ソース変換ユニット220、ビームセパレータ233、偏向走査ユニット232及び一次投影装置230を含み得る。二次投影装置250及びそれに関連した電子検出デバイス240は、装置40の二次電子光軸251とアライメントされ得る。
【0030】
[0050] 一次電子光軸204は、照明装置である電子ビームツール40の部分の電子光軸によって構成される。二次電子光軸251は、検出装置である電子ビームツール40の部分の電子光軸である。一次電子光軸204は、本明細書では、(参照しやすいように)主光軸又は一次荷電粒子光軸とも呼ばれ得る。二次電子光軸251は、本明細書では、副光軸又は二次荷電粒子光軸とも呼ばれ得る。
【0031】
[0051] 電子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含み得る。動作中、電子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成される。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されることにより、一次ビームクロスオーバー(虚像又は実像)203を形成する一次電子ビーム202を形成する。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバー203から放出されると視覚化することができる。
【0032】
[0052] この配置では、一次電子ビームは、それがサンプルに到達するときまで、好ましくはそれが投影装置に到達する前にはマルチビームである。このようなマルチビームは、多くの異なる方法で一次電子ビームから発生させることができる。例えば、マルチビームは、クロスオーバーの前に位置するマルチビームアレイ、ソース変換ユニット220に位置するマルチビームアレイ又はこれらの場所間にある任意の地点に位置するマルチビームアレイによって発生させることができる。マルチビームアレイは、ビームパスにわたりアレイに配置された複数の電子ビーム操作要素を含み得る。各操作要素は、サブビームを発生させるように一次電子ビームに影響を与え得る。したがって、マルチビームアレイは、入射一次ビームパスと相互作用することにより、マルチビームアレイのダウンビームでマルチビームパスを生成する。
【0033】
[0053] ガンアパーチャプレート271は、動作時、クーロン効果を低減するために、一次電子ビーム202の周辺電子をブロックするように構成される。クーロン効果は、一次サブビーム211、212、213のプローブスポット221、222及び223のそれぞれのサイズを拡大し、したがって検査分解能を低下させ得る。ガンアパーチャプレート271は、クーロンアパーチャアレイとも呼ばれ得る。
【0034】
[0054] 集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束させるように構成される。集光レンズ210は、平行ビームとなり、ソース変換ユニット220に垂直に入射するように一次電子ビーム202を集束させるように設計され得る。集光レンズ210は、第1の主平面の位置が可動であるように構成され得る可動集光レンズであり得る。可動集光レンズは、磁性を有するように構成され得る。集光レンズ210は、回転防止集光レンズであり得、及び/又はそれは、可動であり得る。
【0035】
[0055] ソース変換ユニット220は、像形成要素アレイ、収差補償器アレイ、ビーム制限アパーチャアレイ及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイを含み得る。事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、ビーム制限アパーチャアレイ、像形成要素アレイ及び収差補償器アレイに垂直に入るように、一次電子ビーム202の複数の一次サブビーム211、212、213を偏向させ得る。この配置では、像形成要素アレイは、マルチビームパスにおいて複数のサブビーム、すなわち一次サブビーム211、212、213を発生させるためのマルチビームアレイとして機能し得る。像形成アレイは、一次電子ビーム202の複数の一次サブビーム211、212、213に影響を与え、及び一次ビームクロスオーバー203の複数の平行像(虚像又は実像)を形成するために、マイクロ偏向器又はマイクロレンズ(又は両方の組み合わせ)などの複数の電子ビームマニピュレータを含み得る(一次サブビーム211、212及び213のそれぞれに対して1つずつ)。収差補償器アレイは、像面湾曲補償器アレイ(図示せず)及び非点収差補償器アレイ(図示せず)を含み得る。像面湾曲補償器アレイは、一次サブビーム211、212及び213の像面湾曲収差を補償するための複数のマイクロレンズを含み得る。非点収差補償器アレイは、一次サブビーム211、212及び213の非点収差を補償するための複数のマイクロ非点収差補正装置を含み得る。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次サブビーム211、212及び213の直径を制限するように構成され得る。
図2は、一例として3つの一次サブビーム211、212及び213を示すが、ソース変換ユニット220は、任意の数の一次サブビームを形成するように構成され得ることが理解されるものとする。コントローラ50は、ソース変換ユニット220、電子検出デバイス240、一次投影装置230又は電動ステージ209など、
図1の荷電粒子ビーム検査装置100の様々な部分に接続され得る。以下により詳細に説明するように、コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子マルチビーム装置を含む荷電粒子ビーム検査装置の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
【0036】
[0056] 集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力を異ならせることにより、ソース変換ユニット220のダウンビームで一次サブビーム211、212、213の電流を調整するようにさらに構成され得る。代替的又は追加的に、一次サブビーム211、212、213の電流は、個々の一次サブビームに対応するビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャの半径方向サイズを変えることによって変更され得る。電流は、ビーム制限アパーチャの半径方向サイズ及び集光レンズ210の集束力の両方を変えることによって変更され得る。集光レンズが可動であり、及び磁性を有する場合、回転角度を有してソース変換ユニット220を照明するオフアクシスサブビーム212及び213が生じ得る。回転角度は、集束力又は可動集光レンズの第1の主平面の位置と共に変化する。回転防止集光レンズである集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力が変化する間、回転角度が不変のままであるように構成され得る。可動でもあるこのような集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力及びその第1の主平面の位置が変化するとき、回転角度を変化させないことが可能である。
【0037】
[0057] 対物レンズ231は、検査のためにサンプル208上にサブビーム211、212及び213を集束させるように構成することができ、サンプル208の表面に3つのプローブスポット221、222及び223を形成することができる。
【0038】
[0058] ビームセパレータ233は、例えば、静電双極子場及び磁気双極子場(
図2では図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタであり得る。動作時、ビームセパレータ233は、静電双極子場により、一次サブビーム211、212及び213の個々の電子に対して静電力をかけるように構成され得る。この静電力は、ビームセパレータ233の磁気双極子場によって個々の電子にかかる磁力に対して、大きさが等しいが、方向が反対方向である。したがって、一次サブビーム211、212及び213は、少なくとも実質的にゼロの偏向角度でビームセパレータ233を少なくとも実質的に直線に通過し得る。
【0039】
[0059] 偏向走査ユニット232は、動作時、サンプル208の表面の一セクションの個々の走査エリアにわたってプローブスポット221、222及び223を走査するために、一次サブビーム211、212及び213を偏向させるように構成される。サンプル208上への一次サブビーム211、212及び213又はプローブスポット221、222及び223の入射に応答して、二次電子及び後方散乱電子を含む電子がサンプル208から発生する。そのような電子は、信号粒子又は信号電子と呼ばれ得る。二次電子は、3つの二次電子ビーム261、262及び263において伝搬する。二次電子ビーム261、262及び263は、一般的に、(50eV以下の電子エネルギーを有する)二次電子を有し、(50eVと一次サブビーム211、212及び213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する)後方散乱電子の少なくとも一部も有し得る。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262及び263のパスを二次投影装置250に向けて偏向させるように配置される。続いて、二次投影装置250は、二次電子ビーム261、262及び263のパスを電子検出デバイス240の複数の検出領域241、242及び243上に集束させる。検出領域は、対応する二次電子ビーム261、262及び263を検出するように配置された別個の検出要素241、242及び243であり得る。検出領域は、対応する信号を生成し、これらの信号は、例えば、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するためにコントローラ50又は信号処理システム(図示せず)に送られる。
【0040】
[0060] 検出要素241、242及び243は、対応する二次電子ビーム261、262及び263を検出することができる。検出要素241、242及び243への二次電子ビームの入射時、要素は、対応する強度信号出力(図示せず)を生成し得る。出力は、画像処理システム(例えば、コントローラ50)に向けられ得る。各検出要素241、242及び243は、1つ又は複数のピクセルを含み得る。検出要素の強度信号出力は、検出要素内のすべてのピクセルによって生成された信号の合計であり得る。
【0041】
[0061] コントローラ50は、画像取得器(図示せず)及びストレージデバイス(図示せず)を含む画像処理システムを含み得る。例えば、コントローラは、プロセッサ、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、コントローラの処理機能の少なくとも一部を含み得る。したがって、画像取得器は、少なくとも1つ又は複数のプロセッサを含み得る。画像取得器は、とりわけ、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はこれらの組み合わせなど、信号通信を可能にする装置40の電子検出デバイス240に通信可能に結合され得る。画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信し、信号に含まれるデータを処理し、そこから画像を構築することができる。したがって、画像取得器は、サンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成及び取得画像へのインジケータの重畳などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を行うように構成され得る。ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合され得、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存するか、又は後処理された画像を保存するために使用することができる。
【0042】
[0062] 画像取得器は、電子検出デバイス240から受信された撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。単一の画像は、ストレージに保存することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。各領域は、サンプル208の特徴を含む1つの撮像エリアを含み得る。取得画像は、ある期間にわたって複数回サンプリングされたサンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに保存することができる。コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを行うように構成され得る。
【0043】
[0063] コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、制御回路及び/又は測定回路(例えば、アナログ-デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓中に収集された電子分布データは、サンプル表面に入射した一次サブビーム211、212及び213の各々の対応する走査パスデータと組み合わせて、検査中のサンプル構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル208の内部又は外部の構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができる。したがって、再構築された画像は、サンプルに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
【0044】
[0064] コントローラ50は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように電動ステージ209を制御することができる。コントローラ50は、電動ステージ209が、少なくともサンプルの検査中、好ましくは継続的に例えば一定の速度である方向にサンプル208を移動させることを可能にし得る。コントローラ50は、電動ステージ209が、様々なパラメータに依存するサンプル208の移動の速度を変えるように、電動ステージ209の移動を制御することができる。例えば、コントローラは、走査プロセスの検査ステップの特性に応じて、ステージ速度(その方向を含む)を制御することができる。
【0045】
[0065]
図2は、装置40が3つの一次電子サブビームを使用することを示すが、装置40は、2つ以上の数の一次電子サブビームを使用し得ることが理解される。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0046】
[0066] ここで、
図3を参照すると、
図3は、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置のソース変換ユニットの例示的な構成を示す例示的なマルチビーム装置の概略図である。装置300は、電子源301、プレサブビーム形成アパーチャアレイ372、集光レンズ310(
図2の集光レンズ210に類似)、ソース変換ユニット320、対物レンズ331(
図2の対物レンズ231に類似)及びサンプル308(
図2のサンプル208に類似)を含み得る。電子源301、プレサブビーム形成アパーチャアレイ372、集光レンズ310は、装置300によって包含される照明装置のコンポーネントであり得る。ソース変換ユニット320、対物レンズ331は、装置300によって包含される投影装置のコンポーネントであり得る。ソース変換ユニット320は、
図2のソース変換ユニット220に類似し得、ソース変換ユニット320では、
図2の像形成要素アレイは、像形成要素アレイ322であり、
図2の収差補償器アレイは、収差補償器アレイ324であり、
図2のビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャアレイ321であり、
図2の事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323である。電子源301、プレサブビーム形成アパーチャアレイ372、集光レンズ310、ソース変換ユニット320及び対物レンズ331は、装置の一次電子光軸304とアライメントされる。電子源301は、概ね一次電子光軸304に沿って、及びソースクロスオーバー(虚像又は実像)301Sを有する一次電子ビーム302を発生させる。プレサブビーム形成アパーチャアレイ372は、結果として生じるクーロン効果を低減するために、一次電子ビーム302の周辺電子をカットする。クーロン効果は、異なるサブビームパスの電子間の相互作用による、サブビームに対する収差の原因である。一次電子ビーム302は、プレサブビーム形成機構のプレサブビーム形成アパーチャアレイ372により、指定された数のサブビーム(3つのサブビーム311、312及び313など)に削減され得る。3つのサブビーム及びそれらのパスが前述及び以下の説明で参照されるが、この説明は、任意の数のサブビームを用いた装置、ツール又はシステムへの適用を意図したものであることが理解されるものとする。
【0047】
[0067] ソース変換ユニット320は、一次電子ビーム302のサブビーム311、312及び313を制限するように構成されたビーム制限アパーチャを備えたサブビーム制限アパーチャアレイ321を含み得る。ソース変換ユニット320は、像形成マイクロ偏向器322_1、322_2及び322_3を備えた像形成要素アレイ322も含み得る。各サブビームのパスに関連付けられたそれぞれのマイクロ偏向器が存在する。マイクロ偏向器322_1、322_2及び322_3は、サブビーム311、312及び313のパスを電子光軸304に向けて偏向させるように構成される。偏向されたサブビーム311、312及び313は、ソースクロスオーバー301Sの虚像を形成する。虚像は、対物レンズ331によってサンプル308上に投影され、及びサンプル上にプローブスポットを形成し、これらのプローブスポットは、3つのプローブスポット391、392及び393である。各プローブスポットは、サンプル表面上のサブビームパスの入射場所に対応する。ソース変換ユニット320は、各サブビームの収差を補償するように構成された収差補償器アレイ324をさらに含み得る。各サブビームの収差は、一般的に、サンプル表面上に形成されるプローブスポット391、392及び393上に存在する。収差補償器アレイ324は、マイクロレンズを備えた像面湾曲補償器アレイ(図示せず)を含み得る。像面湾曲補償器及びマイクロレンズは、プローブスポット391、392及び393において顕著な像面湾曲収差に関してサブビームを補償するように構成される。収差補償器アレイ324は、マイクロ非点収差補正装置を備えた非点収差補償器アレイ(図示せず)を含み得る。マイクロ非点収差補正装置は、そうでなければプローブスポット391、392及び393に存在する非点収差を補償するために、サブビームに対して作用するように制御される。
【0048】
[0068] ソース変換ユニット320は、サブビーム311、312及び313をそれぞれ屈曲させる事前屈曲マイクロ偏向器323_1、323_2及び323_3を備えた事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323をさらに含み得る。事前屈曲マイクロ偏向器323_1、323_2及び323_3は、サブビームのパスをビームレット制限アパーチャアレイ321上に屈曲させることができる。ビームレット制限アパーチャアレイ321への入射のサブビームパスは、ビームレット制限アパーチャアレイ321の配向平面に対して直角となり得る。集光レンズ310は、サブビームのパスをビームレット制限アパーチャアレイ321上に誘導し得る。集光レンズ310は、一次電子光軸304に沿って平行ビームとなるように、3つのサブビーム311、312及び313を集束させることができ、したがって、このサブビームは、ソース変換ユニット320に垂直に入射し、ソース変換ユニット320は、ビームレット制限アパーチャアレイ321に対応し得る。
【0049】
[0069] 像形成要素アレイ322、収差補償器アレイ324及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイ323は、サブビーム操作デバイスの複数の層を含み得、サブビーム操作デバイスの幾つかは、形式又はアレイであり得る(例えば、マイクロ偏向器、マイクロレンズ又はマイクロ非点収差補正装置)。
【0050】
[0070] ソース変換ユニット320では、一次電子ビーム302のサブビーム311、312及び313は、一次電子光軸304に向けて、それぞれ像形成要素アレイ322のマイクロ偏向器322_1、322_2及び322_3によって偏向される。サブビーム311のパスは、マイクロ偏向器322_1に到達する前に既に電子光軸304と対応し得るため、サブビーム311のパスは、マイクロ偏向器322_1によって偏向されなくてもよいことが理解されるものとする。
【0051】
[0071] 対物レンズ331は、サブビームをサンプル308の表面上に集束させ、すなわち、対物レンズ331は、3つの虚像をサンプル表面上に投影する。3つのサブビーム311~313によってサンプル表面上に形成された3つの像は、サンプル表面上に3つのプローブスポット391、392及び393を形成する。サブビーム311~313の偏向角度は、3つのプローブスポット391~393のオフアクシス収差を低減するように、対物レンズ311によって調整される。3つの偏向されたサブビームは、結果として対物レンズ331の前側焦点を通過するか、又は対物レンズ331の前側焦点に近づく。描かれるように、対物レンズ331は、すべてのサブビームを集束させる磁気レンズである。本発明のある実施形態では、対物レンズは、望ましくは、静電レンズのアレイであり、静電レンズのアレイは、マルチビームパスが、ソース変換ユニット320、具体的には例えばマイクロ偏向器を備えた像形成要素アレイ322により、対物レンズ331の静電レンズのアレイに向けて誘導されることを必要とし得る。(例えば、各ビームは、アレイ内の独自の対応マイクロレンズに向けて誘導され得る)。
【0052】
[0072]
図2及び
図3の上記のコンポーネントの少なくとも幾つかは、それらが1つ又は複数の荷電粒子ビーム又はサブビームを操作するため、個々に又は互いに組み合わせて、マニピュレータアレイ、マルチマニピュレータアレイ、マルチマニピュレータ又はマニピュレータと呼ばれ得る。
【0053】
[0073] 既存のマルチ電子ビーム欠陥検査システムは、1時間当たり10~6000mm2のスループットで約2~10nmの分解能を有する。このようなシステムは、上述の通り、二次コラムに検出器を有する。既存のマルチ電子ビーム検査ツールのアーキテクチャは、後方散乱電子及び二次電子などのサンプルから放出される電子のソースから離れて検出器を有し、後方散乱電子及び二次電子は、多ビームシステムの場合、測定可能ではない。静電レンズなどのアレイ対物レンズを備えたツール内に二次コラムを組み込むことも難しい(これは、クーロン相互作用に対処する必要がある)。
【0054】
[0074] ある実施形態では、前述の実施形態で参照された対物レンズは、アレイ対物レンズである。一般的に、このようなレンズ配置は、静電的なものである。アレイ内の各要素は、マルチビームにおける異なるビーム又は異なるビームの一群を操作するマイクロレンズである。静電アレイ対物レンズは、少なくとも2つのプレートを有し、各プレートは、複数の孔又はアパーチャを有する。一方のプレートにおける各孔の位置は、他方のプレートにおける対応する孔の位置に対応する。対応する孔は、使用時、マルチビームにおける同じビーム又は同じビームの一群に対して作用する。アレイ内の各要素のレンズのタイプの適切な例は、アインツェルレンズである。対物レンズの底部電極は、マルチビームマニピュレータアレイ内に組み込まれたCMOSチップ検出器である。対物レンズ内への(例えば、検出器基板における)検出器アレイの組み込みは、二次投影装置250の必要性を取り除く。CMOSチップは、好ましくは、(ウェーハと電子光学システムの底部との間の小さい距離(例えば、100μm)により)サンプルと向き合うように配向される。ある実施形態では、二次電子信号を捕捉するための捕捉電極が設けられる。捕捉電極は、例えば、CMOSデバイスの金属層に形成することができる。捕捉電極は、対物レンズの底層を形成し得る。捕捉電極は、CMOSチップの底面を形成し得る。CMOSチップは、CMOSチップ検出器であり得る。CMOSチップは、対物レンズアセンブリのサンプル対向面に組み込まれ得る。捕捉電極は、二次電子を検出するためのセンサユニットの例である。捕捉電極は、他の層に形成され得る。CMOSの電力及び制御信号は、スルーシリコンビアによってCMOSに接続され得る。ロバスト性のために、底部電極は、好ましくは、2つの要素:CMOSチップ及び孔を有するパッシブSiプレートからなる。このプレートは、高電界からCMOSをシールドする。
【0055】
[0075] 対物レンズの底部又はサンプル対向面に関連付けられたセンサユニットは、二次電子及び/又は後方散乱電子が電子光学システムの電子光学要素に遭遇し、それにより操作されるようになる前に検出され得るため、有利である。有利には、このような電子を発するサンプルの検出にかかる時間は、縮小することができ、好ましくは最小にすることができる。
【0056】
[0076] 検出効率を最大にするために、(アパーチャを除く)アレイ対物レンズの実質的にすべてのエリアが電極によって占められるように、電極表面をできる限り大きくすることが望ましい。各電極は、アレイピッチに実質的に等しい直径を有し得る。電極表面は、アレイ対物レンズのサンプル対向面上に形成され得る。電極表面は、アレイ対物レンズのサンプル対向面を実質的に埋め尽くし得る。ある実施形態では、電極の外形は、円形であるが、これは、検出エリアを最大にするために正方形にされ得る。また、基板スルーホールの直径を最小にすることができる。電子ビームの一般的なサイズは、約5~15ミクロンである。
【0057】
[0077] ある実施形態では、単一の捕捉電極が各アパーチャを取り囲む。複数の捕捉電極は、ビームアパーチャのうちのそれぞれのビームアパーチャに隣接し得、サンプルから放出された荷電粒子を捕捉するように構成され得る。単一の捕捉電極は、円の周囲長及び/又は外径を有し得る。捕捉電極は、アパーチャと捕捉電極の周囲長との間に延在するエリアを有し得る。
図5及び
図6に示されるように、捕捉電極405は、矩形アレイ又は六角形アレイに配置され得る。
【0058】
[0078] 別の実施形態では、捕捉電極は、複数の電極要素であり得る。複数の電極要素は、各アパーチャの周りに設けられる。複数の電極要素は、一緒に、円の周囲長及び/又は直径を有し得る。複数の電極要素は、一緒に、アパーチャと複数の電極要素の周囲長との間に延在するエリアを有し得る。複数の電極要素405は、矩形アレイ又は六角形アレイに配置され得る。電極要素は、センサ要素の例である。1つのアパーチャを取り囲む複数の電極要素によって捕捉された電子は、単一の信号に統合され得るか、又は独立した信号を生成するために使用され得る。電極要素は、半径方向に分割され得る。電極要素は、複数の同心の環又はリングを形成し得る。電極要素は、角度的に分割され得る。電極要素は、複数のセクター様片又はセグメントを形成し得る。これらのセグメントは、類似の角度サイズ及び/又は類似の面積のものであり得る。電極要素は、半径方向に及び角度的に分割され得るか、又は他の好都合な方法で分割され得る。
【0059】
[0079] しかしながら、電極表面の拡大は、寄生容量の増大、したがって帯域幅の低下をもたらす。このため、電極の外径を制限することが望ましい場合がある。特に、電極の拡大が、わずかな検出効率の向上を与えるにすぎないが、キャパシタンスの大幅な増加を与える場合である。円形(環状)電極は、収集効率と寄生容量との良好な妥協点を提供し得る。
【0060】
[0080] 電極の外径の増大はまた、クロストーク(隣接した孔の信号に対する感度)の増加をもたらし得る。これは、電極の外径をより小さくする理由にもなり得る。特に、電極の拡大が、わずかな検出効率の向上を与えるにすぎないが、クロストークの大幅な増加を与える場合である。
【0061】
[0081] 電極によって収集された後方散乱及び/又は二次電子電流が増幅される。増幅器の目的は、測定されるべき、センサユニットによって受け取られる電流又は収集される電流、したがって後方散乱電子及び/又は二次電子の数の十分に感度の高い測定を可能にすることである。これは、レジスタの電流測定又は電位差によって測定することができる。幾つかのタイプの増幅器設計を使用して、電極によって収集された後方散乱及び/又は二次電子電流を増幅させることができる(例えば、トランスインピーダンス増幅器)。このようなトランスインピーダンス増幅器では、TIAの電圧出力は、TIA抵抗(RTIA)に測定された電流を掛けたものに等しい。
【0062】
[0082] RTIAが大きいほど、増幅が大きい。しかしながら、帯域幅は、RC時間によって決定され、RC時間は、RTIAにTIAの入口側のキャパシタンスの合計を掛けたものに等しい。
【0063】
[0083] 有限RC時間は、より大きい電子光学系スポットサイズと同様の効果を有するため、それは、偏向方向におけるぼやけの寄与を効果的に知らせる。検出器のぼやけ寄与バジェット及び偏向速度を所与として、許容されるRC時間が決定される。このRC時間及び入口キャパシタンスRTIAが決定される。
【0064】
[0084] 後方散乱及び/又は二次電子電流並びにRTIAに基づいて、信号電圧が決定される。
【0065】
[0085] 検出器の雑音寄与は、後方散乱及び/又は二次電子電流の散弾雑音と比較されるべきである。一次電子ビームの散弾雑音のみを考慮することにより、散弾雑音によるsqrt(Hz)当たりの電流雑音が、以下で実証されるように、一般的に約1nV/sqrt(Hz)の最新式のCMOS増幅器の電圧雑音よりも大幅に大きい。以下に示す概算は、提案される電極が雑音の観点から実現可能であることを実証する。
N
PE_def=5000 (1)
I
beam=1nA (2)
d
def=4nm (3)
N
pix_defect=4 (4)
blur
rc=0.5nm (5)
【数1】
【0066】
[0086] 上記の計算は、以下のように説明することができる。欠陥の検出に必要とされる一次電子の数が5000であり(式1)、ビーム電流が1nAであり(式2)、欠陥の直径が4nmであり(式3)、及び欠陥当たりのピクセル数が4である(式4)と仮定する。0.5nmの増幅器の有限RC時間によるぼやけが許容可能である(式5)と仮定する。検出器のキャパシタンスは、例えば、式6に示されるように、配置のジオメトリから計算することができ、ここで、3は、捕捉電極の下にある絶縁体の誘電率であり、100μmは、捕捉電極の直径であり、1μmは、捕捉電極の下の絶縁体の厚さである。固有散弾雑音は、式7のように計算される。1つの欠陥を撮像するための時間は、式8のように計算され、式8では、Qeは、電子電荷である。欠陥を検出するための走査の長さは、式9で計算され、走査速度は、式10で計算される。達成されるべきRC時間は、式11で計算され、したがって、検出器の抵抗は、式12で計算され、結果として生じる電圧雑音は、式13で計算される。式14は、前の式を単一の式に統合して、依存関係を示すものである。CMOS増幅器において達成することができる一般的な電圧雑音レベルは、約1nV/sqrt(Hz)である - この一般的な雑音レベルのCMOS増幅器。したがって、雑音が、このCMOS増幅器によって加えられた電圧雑音によってではなく、基本的な散弾雑音によって独占されることが妥当と思われる。このため、提案される電極が、雑音の観点から実現可能であることが妥当と思われる。すなわち、一般的なCMOS増幅器雑音は、散弾雑音と比較して小さい雑音レベルを有すれば十分である。(それが散弾雑音と比較して大きい場合でも、この配置は、依然として機能し得るが、帯域幅又はスループット(すなわち速度)に関する有効性が低下し得る)。
【0067】
[0087]
図8は、理論上のトランスインピーダンス増幅器(TIA)の概略図であり、この理論上のトランスインピーダンス増幅器(TIA)では、電圧出力V
outは、単純に、測定された電流I
in及びフィードバック抵抗R
fの積である。しかしながら、実際のTIAは、
図9に示されるように、雑音、具体的には入力i
snにおいて散弾雑音を有し、フィードバックレジスタi
nにおいて熱雑音を有する。ほとんどの場合、熱雑音が支配する。出力v
nにおける電圧雑音は、
【数2】
によって得られ、式中、k
bは、ボルツマン定数である。したがって、TIAへの入口における電流雑音は、
【数3】
であり、散弾雑音は、
【数4】
によって得られる。したがって、フィードバック抵抗が増加すると、熱雑音は、入力電流(すなわち後方散乱及び/又は二次電子電流)の散弾雑音と比較して低くなる。
【0068】
[0088] 本発明は、各欠陥の検出に必要とされる電子の数が10,000に増やされ、2nmのぼやけバジェットが設定され、及び電極直径が50μmに縮小されたと仮定することにより、散弾雑音の効果を考慮に入れても実用的なままであることを示すことができる。この場合、電極のキャパシタンスは、約0.011pFとなり、これは、約3.6×107Ωの抵抗を必要とし、散弾雑音よりも約20%大きい熱雑音のレベルがもたらされる。したがって、提案される検出器の様々な異なる配置が実現可能である。電極のキャパシタンスは、隣接する誘電体層の厚さを変えることによっても制御することができ、隣接する誘電体層の厚さは、約1~約5μmの範囲内であり得る。
【0069】
[0089] 例示的実施形態を
図4に示し、
図4は、概略断面でマルチビーム対物レンズ401を示す。対物レンズ401の出力側(サンプル208に対向する側)には、検出器モジュール402が設けられる。
図5は、検出器モジュール402の底面図であり、検出器モジュール402は、上に複数の捕捉電極405が設けられる基板404を含み、各捕捉電極405は、ビームアパーチャ406を取り囲む。ビームアパーチャ406は、一次電子ビームの何れもブロックしないだけの大きさがある。捕捉電極405は、後方散乱又は二次電極を受け取り、検出信号(この場合電流)を生成するセンサユニットの例と見なすことができる。ビームアパーチャ406は、基板404を貫通してエッチングすることによって形成することができる。
図5に示される配置では、ビームアパーチャ406は、矩形アレイで示されている。ビームアパーチャ406は、異なるように(例えば、
図6に示されるように六方最密アレイで)配置されることも可能である。
【0070】
[0090]
図7は、縮尺を大きくして、検出器モジュール402の一部を断面で示す。捕捉電極405は、検出器モジュール402の一番下の面、すなわちサンプルに最も近い面を形成する。捕捉電極405とシリコン基板404の本体との間に論理層407が設けられる。論理層407は、増幅器、例えばトランスインピーダンス増幅器、アナログ-デジタル変換器及び読出し論理回路を含み得る。ある実施形態では、1つの捕捉電極405につき1つの増幅器及び1つのアナログ-デジタル変換器が存在する。論理層407及び捕捉電極405は、捕捉電極405が最終メタライゼーション層を形成するCMOSプロセスを使用して製造することができる。
【0071】
[0091] 配線層408は、基板404の裏側(すなわち捕捉電極の反対側、例えば検出器側)、又は捕捉電極の周りの検出器側、又は基板内(例えば、2つの基板間の層内)に設けられ得る。裏側又は検出器側の配線層への言及は、幾つかの層の内部、例えば1つ又は複数の層の下を含み得る。配線層は、スルーシリコンビア409によって論理層407に接続され得る。スルーシリコンビア409の数は、ビームアパーチャ406の数と同じである必要はない。具体的には、電極信号が論理層407においてデジタル化される場合、データバスを提供するために、少数のスルーシリコンビアのみが必要とされ得る。配線層408は、制御線、データ線及び電力線を含み得る。ビームアパーチャ406にもかかわらず、すべての必要な接続のためのスペースが存在することが分かるであろう。検出モジュール402は、バイポーラ又は他の製造技術を使用して製作することもできる。プリント回路基板及び/又は他の半導体チップが検出器モジュール402の裏側に設けられ得る。捕捉電極405に言及されるが、電子検出デバイス240は、センサユニット、例えば捕捉電極402を含み得る。
【0072】
[0092] 配線層408及び/又は論理層407は、基板に形成された制御回路を含み得る。制御回路は、増幅器(例えば、トランスインピーダンス増幅器)、アナログ-デジタル変換器、データマルチプレクサ及び読出しゲートの1つ又は複数を含み得る。制御回路は、センサユニット(例えば、捕捉電極)ごとに1つの増幅器を含む。配線層及び/又は論理層は、例えば、配線層において、センサユニット(例えば、捕捉電極)に対して基板の反対側に設けられた導電トレースをさらに含み得る。ある実施形態では、例えば、配線層の導電トレースは、追加的又は代替的に基板内に存在し得る。基板は、基板を貫通するビアをさらに含み得る。基板は、シリコンから形成され得る。センサユニット(例えば、捕捉電極)は、CMOSプロセスによって形成される。
【0073】
[0093]
図4は、3つの電極対物レンズを示すが、任意の他の対物レンズ形態、例えば二電極レンズも使用され得ることが理解されるであろう。
【0074】
[0094] ここで、
図10を参照すると、
図10は、
図2のツール40の代わりに、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部であり得る別の例示的な電子ビームツール40aを示す概略図である。
図2の装置40の対応部分と同様の機能を有する装置40aの部分は、同じ参照番号で識別される。場合により、このような部分の削減した説明又は簡略化した説明が以下に含まれる。
【0075】
[0095] マルチビーム電子ビームツール40a(本明細書では装置40aとも呼ばれる)は、電子源201、投影装置230、電動ステージ209及びサンプルホルダ207を含む。電子源201及び投影装置230は、まとめて照明装置と呼ばれ得る。サンプルホルダ207は、検査のためにサンプル208(例えば、基板又はマスク)を保持するために、電動ステージ209によって支持される。マルチビーム電子ビームツール40aは、電子検出デバイス1240をさらに含む。(電子検出デバイス1240は、同じ機能(すなわちサンプルから電子を検出すること)を有するが、
図2及び
図3に関連して参照された実施形態の二次電子光学コラムにおける電子検出デバイス240と構造的に異なり得ることに留意されたい)。
【0076】
[0096] 電子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含み得る。動作中、電子源201は、一次電子として電子をカソードから放出するように構成される。一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されることにより、一次電子ビーム202を形成する。
【0077】
[0097] 投影装置230は、一次電子ビーム202を複数のサブビーム211、212、213に変換し、及び各サブビームをサンプル208上に誘導するように構成される。簡潔にするために3つのサブビームが示されるが、何十、何百又は何千ものサブビームが存在し得る。サブビームは、ビームレットと呼ばれ得る。
【0078】
[0098]
図1のコントローラ50は、電子源201、電子検出デバイス1240、投影装置230及び電動ステージ209など、電子ビームツール40aの様々な部分に接続され得る。コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子マルチビーム装置を含む荷電粒子ビーム検査装置の動作を制御するための様々な制御信号を生成することもできる。
【0079】
[0099] 投影装置230は、検査のためにサンプル208上にサブビーム211、212及び213を集束させるように構成することができ、サンプル208の表面に3つのプローブスポット221、222及び223を形成することができる。投影装置230は、サンプル208の表面の一セクションの個々の走査エリアにわたってプローブスポット221、222及び223を走査するために、一次サブビーム211、212及び213を偏向させるように構成され得る。サンプル208上のプローブスポット221、222及び223への一次サブビーム211、212及び213の入射に応答して、二次電子及び後方散乱電子を含む電子がサンプル208から発生する。二次電子は、一般的に、50eV以下の電子エネルギーを有し、後方散乱電子は、一般的に、50eVと一次サブビーム211、212及び213の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する。
【0080】
[0100] 電子検出デバイス1240は、二次電子及び/又は後方散乱電子を検出し、並びに対応する信号を生成するように構成され、これらの信号は、例えば、サンプル208の対応する走査エリアの画像を構築するためにコントローラ又は信号処理システム(図示せず)に送られる。電子検出デバイス1240は、
図4~7を参照して上記で説明したように、対物レンズ401と一体化した検出器モジュール402を含み得る。
【0081】
[0101]
図11は、
図2のツール40の代わりに、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部であり得る別の例示的な電子ビームツール40bを示す概略図である。
図2の装置40の対応部分と同様の機能を有する装置40aの部分は、同じ参照番号で識別される。場合により、このような部分の削減した説明又は簡略化した説明が以下に含まれる。
【0082】
[0102] 電子源201は、投影システム230の一部を形成する集光レンズ1231のアレイに向けて電子を誘導する。電子源は、望ましくは、明度と全放出電流との良好な妥協点を有する高明度の熱電界放出器である。何十、何百又は何千もの集光レンズ1231が存在し得る。集光レンズ1231は、多電極レンズを含み得、欧州特許出願公開第1602121A1号に基づく構造を有し得、この文献は、特に電子ビームを複数のサブビームに分割するためのレンズアレイ(このアレイは、サブビームごとに1つのレンズを提供する)の開示に対して参照により本明細書に援用される。集光レンズのアレイは、電極として機能する少なくとも2つのプレートの形態を取り得、各プレートのアパーチャは、互いにアライメントされ、サブビームの場所に対応する。プレートの少なくとも2つは、所望のレンズ効果を達成するために、動作中に異なる電位に維持される。
【0083】
[0103] ある配置では、集光レンズのアレイは、3つのプレートアレイから形成され、これらのプレートアレイでは、荷電粒子は、各レンズに入るとき及び各レンズを離れるときに同じエネルギーを有し、この配置は、アインツェルレンズと呼ばれ得る。アインツェルレンズに入るときのビームエネルギーは、アインツェルレンズを離れるときと同じである。したがって、分散がアインツェルレンズ自体の内部(レンズの入口電極と出口電極との間)でのみ生じ、それによりオフアクシス色収差が限定される。集光レンズの厚さが薄い、例えば数mmである場合、このような収差は、小さいか又は無視できる影響を有する。
【0084】
[0104] 集光レンズのアレイは、複数のビームアパーチャ110を含み得る。ビームアパーチャ110は、例えば、実質的に平面のビームアパーチャ本体111における開口によって形成され得る。ビームアパーチャ110は、ソース201からの荷電粒子ビームを対応する複数のサブビームに分割する。アレイの各集光レンズは、電子をそれぞれのサブビーム1211、1212、1213に誘導し、各サブビーム1211、1212、1213は、それぞれの中間焦点1233で集束される。中間焦点1233には、偏向器235がある。偏向器235は、主光線(ビーム軸とも呼ばれ得る)がサンプル208に実質的に垂直に(すなわちサンプルの公称面に対して実質的に90°に)入射することを確実にするのに有効な量だけ各サブビーム1211、1212、1213を屈曲させるように構成される。偏向器235は、コリメータとも呼ばれ得る。中間焦点1233のダウンビーム(すなわちサンプルにより近い)には、複数の対物レンズ1234があり、各対物レンズ1234は、それぞれのサブビーム1211、1212、1213をサンプル208上に誘導する。対物レンズ1234は、10を超える率、望ましくは50~100以上の範囲内の率で電子ビームを縮小するように構成することができる。
【0085】
[0105] 電子検出デバイス1240は、サンプル208から放出された信号粒子、例えば二次電子及び/又は後方散乱電子を検出するために、対物レンズ1234とサンプル208との間に設けられる。電子検出デバイス1240は、
図4~7を参照して上記で説明したように、対物レンズ401と一体化した検出器モジュール402を含み得る。電子検出デバイス1240は、センサユニット、例えば捕捉電極402を含み得る。
【0086】
[0106]
図11のシステムは、サンプル上の電子の着地エネルギーを制御するように構成することができる。着地エネルギーは、評価されているサンプルの性質に依存する二次電子の放出及び検出を高めるように選択することができる。対物レンズ1234を制御するために設けられたコントローラは、所定範囲内の任意の望ましい値又は複数の所定の値の望ましい1つに着地エネルギーを制御するように構成され得る。ある実施形態では、着地エネルギーは、1000eV~5000eVの範囲内の所望の値に制御することができる。着地エネルギーの制御に使用することができる電極構造及び電位の詳細は、欧州特許出願公開第20158804.3号に開示されており、この文献は、参照により本明細書に援用される。
【0087】
[0107] 幾つかの実施形態では、荷電粒子評価ツールは、サブビームにおける1つ又は複数の収差を低減する1つ又は複数の収差補正器をさらに含む。ある実施形態では、収差補正器の少なくとも1つのサブセットのそれぞれは、複数の中間焦点のそれぞれの中間焦点において又はそれに直接隣接して(例えば、中間像面内に又は中間像面に隣接して)位置決めされる。サブビームは、中間平面などの焦点面内又はその付近に最小断面積を有する。これは、他の場所において、すなわち中間平面のアップビーム(ソースにより近い)若しくはダウンビーム(サンプルにより近い)で利用可能なスペース(又は中間像面を有しない代替の配置で利用可能となるスペース)よりも多くのスペースを収差補正器のために提供する。
【0088】
[0108] ある実施形態では、中間焦点(若しくは中間像面)において又はそれらに直接隣接して位置決めされた収差補正器は、異なるビームにとって異なる位置にあるように見えるソース201を補正するための偏向器を含む。補正器は、各サブビームと対応する対物レンズとの間の良好なアライメントを阻む、ソースに起因した巨視的収差を補正するために使用することができる。
【0089】
[0109] 収差補正器は、適切なコラムアライメントを阻む収差を補正することができる。このような収差はまた、サブビームと補正器との間のミスアライメントをもたらし得る。このため、追加的又は代替的に収差補正器を集光レンズ1231又はその近くに位置決めすることが望ましい場合がある(例えば、このような収差補正器のそれぞれは、集光レンズ1231の1つ又は複数と一体化されるか又は直接隣接する)。これは、集光レンズ1231がビームアパーチャと垂直方向に近いか、又はビームアパーチャと一致するため、集光レンズ1231又はその近くでは、収差が対応するサブビームのシフトを依然として引き起こしていないことから望ましい。しかしながら、集光レンズ231又はその近くに補正器を位置決めすることに関する課題は、各サブビームが比較的大きい断面積を有し、さらにダウンビームの場所と比べて、この場所において比較的小さいピッチを有する点である。
【0090】
[0110] 幾つかの実施形態では、収差補正器の少なくとも1つのサブセットのそれぞれは、対物レンズ1234の1つ又は複数と一体化されるか又は直接隣接する。ある実施形態では、これらの収差補正器は、像面湾曲、フォーカスエラー及び非点収差の1つ又は複数を減少させる。追加的又は代替的に、1つ又は複数の走査偏向器(図示せず)は、サンプル208上でサブビーム1211、1212、1213を走査するために、対物レンズ1234の1つ又は複数と一体化され得るか又は直接隣接し得る。ある実施形態では、米国特許出願公開第2010/0276606号に記載の走査偏向器が使用され得、この文献は、参照により全体として本明細書に援用される。
【0091】
[0111] 収差補正器は、欧州特許出願公開第2702595A1号に開示されるようなCMOSベースの個々のプログラマブル偏向器又は欧州特許出願公開第2715768A2号に開示されるような多極偏向器のアレイであり得、両方の文献におけるビームレットマニピュレータの説明は、参照により本明細書に援用される。
【0092】
[0112] ある実施形態では、前述の実施形態で参照された対物レンズは、アレイ対物レンズである。アレイ内の各要素は、マルチビームにおける異なるビーム又は異なるビームの一群を操作するマイクロレンズである。静電アレイ対物レンズは、少なくとも2つのプレートを有し、各プレートは、複数の孔又はアパーチャを有する。一方のプレートにおける各孔の位置は、他方のプレートにおける対応する孔の位置に対応する。対応する孔は、使用時、マルチビームにおける同じビーム又は同じビームの一群に対して作用する。アレイ内の各要素のレンズのタイプの適切な例は、二電極減速レンズである。
【0093】
[0113] 電子検出デバイス1240は、サンプル208から放出された信号粒子、例えば二次電子及び/又は後方散乱電子を検出するために、対物レンズ1234とサンプル208との間に設けられる。電子検出デバイスは、
図4~7を参照して上記で説明したように、対物レンズ401と一体化した検出器モジュール402を含み得る。電子検出デバイス240は、センサユニット、例えば捕捉電極405を含み得る。
【0094】
[0114] 本発明のある実施形態では、中間焦点1233における補正器235は、スリット偏向器300によって具現化される。スリット偏向器300は、マニピュレータの一例であり、スリット補正器とも呼ばれ得る。
【0095】
[0115]
図2のツール40の代わりに、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査装置100の一部であり得る別の例示的な電子ビームツール40cが
図12に概略的に示される。
図2の装置40の対応部分と同様の機能を有する装置40aの部分は、同じ参照番号で識別される。場合により、このような部分の削減した説明又は簡略化した説明が以下に含まれる。
【0096】
[0116]
図12の実施形態では、電子光学システムは、ソース201を含む。ソース201は、荷電粒子(例えば、電子)ビームを提供する。サンプル208上に集束されたマルチビームは、ソース201によって提供されたビームから得られる。サブビームは、例えば、ビーム制限アパーチャのアレイを画定するビーム制限器を使用して、ビームから得ることができる。ソース201は、望ましくは、明度と全放出電流との良好な妥協点を有する高明度の熱電界放出器である。図示される例では、コリメータが対物レンズアレイアセンブリのアップビームに設けられる。コリメータは、マクロコリメータ270を含み得る。ビームがマルチビームに分割される前に、マクロコリメータ270は、ソース201からのビームに作用する。マクロコリメータ270は、ビームから得られたサブビームのそれぞれのビーム軸が実質的に垂直に(すなわちサンプル208の公称面に対して実質的に90°に)サンプル208に入射することを確実にするのに効果的な量だけビームのそれぞれの部分を屈曲させる。マクロコリメータ270は、マクロ的コリメーションをビームに適用する。したがって、マクロコリメータ270は、それぞれがビームの異なる個々の部分に作用するように構成されたコリメータ要素のアレイを含むのではなく、ビームのすべてに作用し得る。マクロコリメータ270は、磁気レンズ又は複数の磁気レンズサブユニット(例えば、多極配置を形成する複数の電磁石)を含む磁気レンズ配置を含み得る。代替的又は追加的に、マクロコリメータは、少なくとも部分的に静電的に実装され得る。マクロコリメータは、静電レンズ又は複数の静電レンズサブユニットを含む静電レンズ配置を含み得る。マクロコリメータ270は、磁気レンズ及び静電レンズの組み合わせを使用し得る。
【0097】
[0117] 別の配置(図示せず)では、マクロコリメータは、上側ビーム制限器のダウンビームに設けられるコリメータ要素アレイによって部分的又は全体的に置き換えられ得る。各コリメータ要素は、それぞれのサブビームをコリメートする。コリメータ要素アレイは、空間的にコンパクトであるようにMEMS製造技術を使用して形成され得る。コリメータ要素アレイは、ソース201のダウンビームのビームパスにおける最初の偏向又はフォーカス電子光学アレイ要素であり得る。コリメータ要素アレイは、制御レンズアレイ250のアップビームにあり得る。コリメータ要素アレイは、制御レンズアレイ250と同じモジュール内にあり得る。
【0098】
[0118] 制御レンズアレイ250は、それぞれの電位源に接続された3つのプレート電極アレイを含み得る。制御レンズアレイ250の機能は、ビームの縮小率に対してビーム開口角度を最適化すること及び/又は対物レンズ234に届けられるビームエネルギーを制御することであり、対物レンズ234のそれぞれは、それぞれのサブビーム211、212、213をサンプル208上に誘導する。ある実施形態では、
図11に示される配置は、対物レンズアレイのアップビームの制御レンズアレイを特徴とし得ることに留意されたい。制御レンズアレイの設計及び機能に関して、2020年9月17日に出願された欧州特許出願公開第20196716.3号が参照により本明細書に援用される。
【0099】
[0119]
図12の実施形態では、サンプル208にわたりサブビームが走査されるようにマクロ走査偏向器265が設けられる。マクロ走査偏向器265は、サンプル208にわたりサブビームが走査されるように、ビームのそれぞれの部分を偏向させる。ある実施形態では、マクロ走査偏向器265は、例えば、8つ以上の極を有するマクロ的多極偏向器を含む。偏向は、ビームから得られたサブビームが、(例えば、X軸などの単一軸と平行な)1つの方向又は(例えば、X軸及びY軸などの2つの非平行軸に対する)2つの方向においてサンプル208にわたり走査されるようなものである。マクロ走査偏向器265は、それぞれがビームの異なる個々の部分に作用するように構成された偏向器要素のアレイを含むのではなく、ビームのすべてにマクロ的に作用する。図示される例では、マクロ走査偏向器265は、マクロコリメータ270と制御レンズアレイ250との間に設けられる。
【0100】
[0120] 別の配置(図示せず)では、マクロ走査偏向器は、走査偏向器アレイによって部分的又は全体的に置き換えられ得る。走査偏向器アレイ260は、複数の走査偏向器を含む。走査偏向器アレイ260は、MEMS製造技術を使用して形成され得る。各走査偏向器は、サンプル208にわたりそれぞれのサブビームを走査する。したがって、走査偏向器アレイ260は、サブビームごとに走査偏向器を含み得る。各走査偏向器は、(例えば、X軸などの単一軸と平行な)1つの方向又は(例えば、X軸及びY軸などの2つの非平行軸に対する)2つの方向にサブビームを偏向させ得る。偏向は、1つ又は2つの方向において(すなわち一次元的又は二次元的に)、サブビームがサンプル208にわたり走査されるようなものである。走査偏向器アレイは、対物レンズアレイ241のアップビームにあり得る。走査偏向器アレイは、制御レンズアレイ250のダウンビームにあり得る。1つの走査偏向器に関連付けられた単一のサブビームが言及されているが、複数のサブビーム群が1つの走査偏向器に関連付けられ得る。ある実施形態では、欧州特許出願第2425444号(この文献は、特に走査偏向器に関して参照により全体として本明細書に援用される)に記載される走査偏向器が、走査偏向器アレイを実装するために使用され得る。(例えば、上述のようにMEMS製造技術を使用して形成された)走査偏向器アレイは、マクロ走査偏向器よりも空間的にコンパクトであり得る。走査偏向器アレイは、対物レンズアレイ241と同じモジュール内にあり得る。
【0101】
[0121] 他の実施形態では、マクロ走査偏向器265及び走査偏向器アレイの両方が設けられる。そのような配置では、サンプル表面にわたるサブビームの走査は、マクロ走査偏向器及び走査偏向器アレイ260を一緒に、好ましくは同期して制御することによって達成され得る。
【0102】
[0122] 対物レンズアレイアセンブリは、コリメータアレイ及び/又は走査偏向器アレイをさらに含み得る。
【0103】
[0123] 本明細書に記載される対物レンズアレイアセンブリの何れかも検出器アレイ240をさらに含み得る。検出器アレイ240は、サンプル208から放出された荷電粒子を検出する。検出された荷電粒子は、サンプル208から放出された信号粒子(例えば、二次電子及び/又は後方散乱電子)を含む、SEMによって検出された荷電粒子の何れかを含み得る。
【0104】
[0124]
図13及び
図14は、本発明の一実施形態で使用され得る電子検出デバイス240の別の例を示し、例えば、この電子検出デバイス240は、例えば、
図2、
図10、
図11及び
図12を参照して上記で説明した電子ビームツール40、40a、40b、40cに組み込むことができる。
図13は、対物レンズアレイ501内に組み込まれた又は対物レンズアレイ501に関連付けられた電子検出デバイス240の概略側面図であり、
図14は、電子検出デバイス240の下方からの図である。
【0105】
[0125]
図13に示されるように、この例の電子検出デバイス240は、それぞれのビームアパーチャ504を取り囲む複数のセンサユニット503を備えた基板502を含む。基板502は、減速アレイ対物レンズ501の(サンプル208からより遠い)上部電極に取り付けられる。センサユニット503は、サンプル208と対向する。センサユニットは、センシング面が上部電極のアップビーム対向面とダウンビーム対向面との間に位置するように位置決めされ得る。センサユニット503は、サンプル208から最も遠い対物レンズ501の電極内に組み込まれ得るか又はそれと関連付けられ得る。これは、
図7の電子検出デバイス240と対照的であり、
図7の電子検出デバイス240は、アレイ対物レンズの下部電極内に組み込まれるか又はそれと関連付けられる。すなわち、両方の実施形態において、センサユニットは、対物レンズ501内に組み込まれ得る。(
図7のセンサユニット503は、ソースから最も遠い又はサンプルに最も近いアレイ対物レンズの電極に取り付けられ得るが、必ずしもそれと一体化されなくてもよい)。
図13は、二電極対物レンズを描くが、他の形態の対物レンズ、例えば三電極レンズも使用可能であることが理解されるであろう。
【0106】
[0126] この例の電子検出デバイス240は、ソースから最も遠い対物レンズ501の電極から離れて、すなわち対物レンズ501のアップビーム電極から離れて配置される。この位置では、対物レンズ501の電極は、サンプルにより近いか、又は電子検出デバイス240のダウンビームにある。したがって、サンプル208によって放出された二次電子は、対物レンズ501のダウンビーム位置の電極アレイにより、例えば多数のkV(おそらく約28.5kV)まで加速される。動作中にセンサユニット503を支持する基板は、上部電極と同じ電位(これは、すなわち、ソース又はサンプルなどの基準電位に対する電位差である)に保持され得る。その結果、センサユニット503は、例えば、PIN検出器及び/又はシンチレータを含み得る。シンチレータ及びPIN検出器は、PIN検出器に関する例えば200eVのより低い値が知られているが、例えば一般的に約1kVを超える検出閾値を上回る荷電粒子を検出することが一般的に可能である。シンチレータに関して、検出閾値は、例えば、ダウンビームに対向する(サンプルに面するなど)シンチレータ表面上の金属層などの導電性コーティングの厚さの選択によって変化し得る。そのようなシンチレータ又はPIN検出器は、検出閾値を下回るエネルギーを有する荷電粒子に反応しない。放出時、二次電子などの二次荷電粒子は、一般的に、約50Vのゼロに近いエネルギーを有する。したがって、対物レンズのダウンビームではなく、対物レンズ内でシンチレータ又はPIN検出器を使用することにより、ダウンビームに位置決めされた電極による荷電粒子の加速により、サンプルからのそのような低エネルギー荷電粒子が、シンチレータ又はPIN検出器による検出に十分なエネルギーを有することが確実となる。PIN検出器又はシンチレータの使用は、PIN検出器及びシンチレータが信号の大きい初期増幅を有するため、大きい追加の雑音源が存在しないという利点を有する。この配置の別の利点は、例えば、電力及び信号接続を行うため又は使用時の修理のために電子検出デバイス240にアクセスしやすい点である。代わりに、捕捉電極を有するセンサユニットがこの場所で使用され得るが、これは、性能の低下をもたらし得る。
【0107】
[0127] PIN検出器は、逆バイアスPINダイオードを含み、pドープ領域とnドープ領域との間に挟まれた真性(非常に低濃度ドープの)半導体領域を有する。真性半導体領域に入射した二次電子は、電子正孔対を発生させ、電流が流れることを可能にし、検出信号を生成する。
【0108】
[0128] シンチレータは、電子がそれに入射したときに光を発する材料を含む。検出信号は、カメラ又は他の撮像デバイスを用いてシンチレータを撮像することによって生成される。
【0109】
[0129] センサユニット503上に二次電極を正しく結像させるために、最後の電極とサンプル208との間に比較的大きい電位差を設けることが望ましい。例えば、対物レンズの上部電極は、約30kVであり得、下部電極は、約3.5kVであり得、サンプル208は、約2.5kVであり得る。下部電極とサンプル208との間の大きい電位差は、一次ビームに対する対物レンズの収差を増大させ得るが、適切なトレードオフを選択することができる。
【0110】
[0130] ある実施形態の正確な寸法は、ケースバイケースで決定することができる。ビームアパーチャ504の直径は、約5~20μmの範囲内(例えば、約10μm)であり得る。電極のスリットの幅は、50~200μmの範囲内(例えば、約100μm)であり得る。ビームアパーチャ及び電極スリットのピッチは、100~200μmの範囲内(例えば、約150μm)であり得る。上部電極と下部電極との間のギャップは、約1~1.5mmの範囲内(例えば、約1.2mm)であり得る。下部電極の深さは、約0.3~0.6mmの範囲内(例えば、約0.48mm)であり得る。下部電極とサンプル208との間の作動距離は、約0.2~0.5mmの範囲内(例えば、約0.37mm)であり得る。望ましくは、下部電極とサンプル208との間の電界強度は、サンプル208へのダメージを回避又は低減するために、約2.7kV/mm以下である。上部電極と下部電極との間のギャップにおける電界は、より大きくてもよい(例えば、20kV/mmを超える)。
【0111】
[0131] センサユニットに関連付けられたビームアパーチャ504は、サンプルから生じる電極を捕捉するために利用可能なセンサユニットの表面を拡大するために、電極アレイよりも小さい直径を有する。しかしながら、ビームアパーチャ直径の寸法は、それらがサブビームの通過を可能にするように選択され、すなわち、ビームアパーチャは、ビームを制限しない。ビームアパーチャは、サブビームの断面を整形することなく、サブビームの通過を可能にするように設計される。同じコメントは、
図4~7に示される実施形態のセンサユニット402に関連付けられたビームアパーチャ406にも当てはまる。
【0112】
[0132] ある実施形態では、単一のセンサユニット(例えば、PIN検出器)が各アパーチャを取り囲む。複数のセンサユニットは、ビームアパーチャのうちのそれぞれのビームアパーチャに隣接し得、サンプルから放出された荷電粒子を捕捉するように構成され得る。単一のセンサユニットは、円の周囲長及び/又は外径を有し得る。センサユニットは、アパーチャとセンサユニットの周囲長との間に延在するエリアを有し得る。センサユニット503は、矩形アレイ又は六角形アレイに配置され得る。
【0113】
[0133] 別の実施形態では、センサユニットは、複数のセンサ要素(例えば、より小さいPIN検出器)を有し得る。各センサユニットの複数のセンサ要素は、アパーチャの周りに設けられる。複数のセンサ要素は、一緒に、円の周囲長及び/又は直径を有し得る。複数のセンサ要素は、一緒に、アパーチャと複数のセンサ要素の周囲長との間に延在するエリアを有し得る。複数のセンサ要素は、矩形アレイ又は六角形アレイに配置され得る。1つのアパーチャを取り囲む複数のセンサ要素によって捕捉された電子から生成された信号は、単一の信号に統合され得るか、又は独立した信号を生成するために使用され得る。センサ要素は、半径方向に分割され得る。センサ要素は、複数の同心の環又はリングを形成し得る。センサ要素は、角度的に分割され得る。センサ要素は、複数のセクター様片又はセグメントを形成し得る。これらのセグメントは、類似の角度サイズ及び/又は類似の面積のものであり得る。センサ要素は、半径方向に及び角度的に分割され得るか、又は他の好都合な方法で分割され得る。センサユニット、任意選択的にそれらのセンサ要素の表面は、センサユニットを支持する基板の表面を実質的に埋め尽くし得る。
【0114】
[0134]
図15Aに示されるように、(例えば、検出器基板における)検出器アレイの表面又はサンプルに対向する(さらに使用時に近接する)検出器モジュール402は、センサユニットのアレイを特徴とする。各センサユニットは、アパーチャに関連付けられる。一般的に、アパーチャのピッチは、10~500マイクロメートル、より好ましくは50~300マイクロメートル、例えば70マイクロメートルである。各センサユニットは、検出器モジュール402の基板の割り当てられた表面エリアに関連付けられる。例えば、CMOS構造を有する場合に基板が層状にされるため、基板内の各層は、それぞれのセンサユニットに対して好ましくは近接して位置決めされる。市販のCMOS構造は、例えば、3~10(通常、約5つ)の通常範囲の層を有する。(
図7に関して提供される詳細は、例示的なものであり、説明を簡単にするために、2つの機能層が設けられる。配線層及び論理層のこれら2つの層は、必要な数の層を表すことができ、各層は、それぞれ配線又は論理に限定されない)。層の数は、商業的入手可能性によって制限され、任意の数の層が実現可能である。しかしながら、実用性の観点から、基板は、利用可能なスペースが限られた効率的な設計のために、限られた数の層を有する。
【0115】
[0135] 理想的には、基板の回路層(これは、配線層及び/又は論理層であり得る)は、各センサユニットに割り当てられた部分を有する。異なる層の割り当てられた部分は、セル550と呼ばれ得る。フルマルチビーム配置に関する基板における部分の配置は、セルアレイ552と呼ばれ得る。セル550は、六角形などの各センサユニットに割り当てられた表面エリアと同じ形状又は
図16に関して説明されるように、矩形状など、埋め尽くすことができ、並びにすべて形状及び/又は面積が類似し得る任意の合理的な形状であり得る。矩形又は直線形状を有することは、配置及びルーティング設計によってより簡単に使用され得る。そのような設計は、六角形アーキテクチャの場合などの鋭角又は鈍角を必要とするアーキテクチャに比べて、直交方向を有する矩形タイプのアーキテクチャを有するチップを画定するのに適したソフトウェアによって一般に実装される。
図15Aでは、セル550は、六角形として描かれており、セルアレイ552は、個々のセルを含む六角形として描かれている。しかしながら、理想的には、それぞれがセンサユニットに対して同様に配置される。配線ルート554は、各セル550に接続し得る。配線ルート554は、セルアレイ552の他のセル間にルーティングされ得る。アレイのセル間に存在する配線ルートを参照すると、少なくとも配線ルートは、例えば、セルアレイを通して画定されるアパーチャのアレイのビームアパーチャを避けることが意図されていることに留意されたい。ある配置では、回路アーキテクチャ、少なくとも回路層におけるセルサイズは、配線ルートがセル間でルーティングされるように、配線ルートを収容するように縮小され得る。追加的又は代替的に、配線ルートは、例えば、セルの他の回路に対する配線ルートの干渉を減少させるために、好ましくはセルの周囲長に向けてセルアレイのセルを通過する。したがって、セル間の配線ルートへの言及は、セルの回路間の配線ルート、好ましくはセルの周囲に向けた及び少なくともセルを通るビームアパーチャの周りのセル内の配線ルート並びに任意の中間バリエーションを包含する。これらのすべての配置において、例えばCMOSアーキテクチャでは、配線ルートは、配線ルートの一部と同じセル内にある回路又は周りに配線ルートがルーティングされるセル内の回路を画定し得る他の回路と同じダイ内にあり得る。したがって、セル及び配線ルートは、例えば、検出器アレイのセンサユニット402を有するモノリシック構造の一部であり得る。配線ルート554は、信号によってセルを接続し得る。したがって、配線ルートは、信号によってセル550をセルアレイの外部のコントローラ若しくはデータプロセッサ又はさらに基板若しくは検出器モジュール402に接続する。回路層は、セルアレイの外側のセルからのセンサ信号の伝送のためのデータパス層を含み得る。
【0116】
[0136] コントローラ又はデータプロセッサは、基板内の回路又は検出器モジュール402の前、好ましくは例えば制御及び入出力回路(図示せず)としてセルアレイの外部にあり得る。制御及び入出力回路は、セルアレイと同じダイ内に存在し得、制御及び入出力回路は、例えば、同じCMOSチップ内でセルアレイとモノリシックに集積され得る。制御及び入出力回路は、セルアレイ552のすべてのセルからのデータ間の効率的な接続を可能にする。例えば、それぞれが8ビットのデジタル出力を有する2791個のセルの配置を考える。そのような配置は、CMOSチップの外側に位置する電子回路に対して22328個の信号(すなわち8ビットの出力*2791個のセル)を有する。これを実施する標準的な方法は、SERDES回路(シリアライザ/デシリアライザ)を使用することである。そのような回路は、時分割多重方式により、多数の低データレート信号を少数の高データレート信号に変換する。したがって、セルアレイとモノリシックに、又は検出器モジュール402の外部ではなく、少なくとも検出器モジュール内に制御及び入出力回路を有することが有益である。
【0117】
[0137] 実施形態では、制御及び入出力回路は、例えば、本明細書に記載されるような増幅及び減算などのオフセットの制御のために特定の設定をロードすることを可能にするために、CMOSチップの外部の電子回路と通信するための回路などの一般的サポート機能を特徴とし得る。
【0118】
[0138] セル550の回路層は、各セルのセンサユニット503に接続される。回路層は、増幅及び/デジタル化機能を有する回路を含み、例えば、それは、増幅回路を含み得る。セル550は、
図15Bに示されるように、トランスインピーダンス増幅器(TIA)556及びアナログ-デジタル変換器(ADC)558を含み得る。この図は、捕捉電極などの関連付けられたセンサユニット503及びトランスインピーダンス増幅器556に接続されたフィードバックレジスタ562及びアナログ-デジタル変換器558を有するセル550を概略的に示す。アナログ-デジタル変換器558からのデジタル信号線559は、セル550を離れる。センサユニットは、検出器要素560として示され、フィードバックレジスタは、トランスインピーダンス増幅器556に関連付けられるのではなく、ディスク562として検出器エリアに関連付けられて示されることに留意されたい。この概略図は、相対サイズを示すためのエリアとして検出器要素及びフィードバックレジスタのそれぞれを示すためのものであり、その理由は、
図15Cを参照することにより明らかとなるであろう。
【0119】
[0139]
図16は、セル550及び関連付けられたセンサユニット503の概略図を示す。センサユニット503は、検出器要素560によって示される。検出器要素に画定されるのは、ビームアパーチャ504、406である。ビームアパーチャ504と検出器要素560との間は、非生産的領域である。非生産的領域は、検出器モジュール402の基板を通して延在する。セルの非生産的領域564は、回路、例えばCMOSアーキテクチャを有しない。この非生産的領域は、マルチビームのサブビームパスに近過ぎる。非生産的領域に存在する回路は、例えば、それぞれのサブビームによって生成される場への曝露により、正常に機能しない可能性が高い。追加的又は代替的に、回路の動作は、電子ビームを乱し得る。一般的に、基板502を通るビームアパーチャ504の表面に沿った非生産的領域564のすべての金属層は、基板電位に近い電位にあるべきである。したがって、基板を通るビームアパーチャ504の表面は、回路層に存在するアイソレータを有するべきではない。したがって、回路は、非生産的領域564に存在しないとは言わないまでも、望ましくは避けられる。
【0120】
[0140] アパーチャに対して検出器要素の外側にあるセルの外側領域566が示されている。外側領域の周囲長は、
図15A及び15Bに示されるような六角形状と均等なエリアを画定し得る。六角形エリアは、検出器モジュール402の基板対向面の最も近い部分に対応し得る。しかしながら、ビームアパーチャのピッチが70ミクロンの例を考えると、矩形の一辺は、ビームピッチに対応する大きさにされ得、その場合、直交する辺は、60ミクロンの大きさにされる。このようにして、各セルの外側領域の周囲長は、セルアレイを埋め尽くし、充填し得る。この外側領域566は、検出器モジュール402のサンプル対向面、例えばその構成要素基板に対応し得る。検出器モジュールのサンプル対向面のそのような部分は、検出器要素によって覆われないが、ある実施形態では、外側領域は、正方形又は矩形であることが示されるが、外側領域の一部は、隣接するセル550の外側領域と一致し、オーバーラップし得る。
【0121】
[0141] ある配置では、ビームアパーチャは、10~500、好ましくは50~300マイクロメートル、例えば60~70マイクロメートルのピッチであり得る。セルの寸法、したがって外側領域の外寸は、ピッチ寸法に対応し得る。約70マイクロメートルの例示的ビームピッチの場合、検出器要素の寸法は、例えば、30~70マイクロメートルの直径、例えば50マイクロメートルであり得る。例えば、非生産的領域の寸法、すなわちリング又は環状形の外径は、10~20マイクロメートル、例えば15マイクロメートルであり得る。ビームアパーチャ504の検出器要素の平面内の寸法は、5~15マイクロメートル、例えば5マイクロメートルであり得る。したがって、非生産的領域の幅(例えば、その内径と外径との間)は、1~5マイクロメートルであり得る。
【0122】
[0142]
図8及び
図9を参照して説明され、また
図8及び
図9に示されるように、トランスインピーダンス増幅器は、フィードバックレジスタRf562を含み得る。フィードバックレジスタRfの大きさは、最適化されるべきである。このフィードバックレジスタの値が大きくなるにつれて、入力参照電流雑音が低下する。したがって、トランスインピーダンス増幅器の出力における信号対雑音比が向上する。しかしながら、抵抗Rfが大きくなるにつれて、帯域幅が小さくなる。有限帯域幅は、信号の有限立ち上がり及び立ち下がり時間をもたらし、それによりさらなる画像ぼやけがもたらされる。最適化されたRfは、雑音レベルとさらなる画像ぼやけとの良好なバランスをもたらす。
【0123】
[0143] 設計を実装するために、回路、すなわち各センサユニットに関連付けられた増幅回路は、関連付けられたセル550の層内に存在し、及び各関連付けられた層の一部の利用可能な限られた面積内に収まるべきである。70ミクロンのビームピッチの場合、セルにおける1層当たりの利用可能な面積は、一般的に、わずか4000平方ミクロンである。例えばセンサユニットによって測定されるべき電流として、センシングされた信号粒子(例えば、二次電子及び/又は後方散乱電子)に応じて、フィードバックレジスタRfの最適値は、30~300メガオームに達し得る。そのようなレジスタが標準CMOSプロセスにおけるポリレジスタとして実装される場合、そのようなレジスタのサイズは、セル550のCMOS層で利用可能な面積よりもはるかに大きい。例えば、300メガオームのレジスタは、約500000平方ミクロンを消費する。これは、利用可能な面積全体よりも約130倍大きい。
【0124】
[0144] 一般的に、例えばCMOSアーキテクチャにおいて、そのような大きいレジスタは、例えば、ポリシリコンの単一層内に作られる。通常、ポリシリコンの単一層が存在する。状況によっては、そのような高アスペクト比(例えば、層における抵抗構造の幅に対する極端な長さ)では、レジスタの信頼性は残るものの、高レジスタ値を提供可能な材料を有する層が設けられ得る。たとえセルがそのようなレジスタに使用される複数の層を有するとしても、例えば、CMOS技術を使用して容易に利用可能なさらに多くの層が存在しなければならない。追加的又は代替的に、異なる複数の層を通る蛇行経路は、高アスペクト比を軽減せず、抵抗値の変動のリスクは、異なる層間の相互接続によってのみ与えられる。そのような相互接続は、本明細書で後述されるように、コーナとしてのレジスタの抵抗値の変動性に影響を与える。
【0125】
[0145] そのような寸法は、180nmのノードアーキテクチャ及び処理を仮定して計算されることに留意されたい。代替的に、より小さい処理ノードが使用される場合、レジスタ構造の寸法の縮小において1000の係数が得られる可能性は低い。さらに、180のノードアーキテクチャを使用することは、処理上の理由から、より小さいノードよりも好まれる。例えば、180nmのノードにおける相互接続は、処理がより単純である。例えば、ビームアパーチャ504のエッチングにおける検出器チップの後処理は、アルミニウム相互接続を使用する。サブ180nmノードにおけるそのような後処理は、一般的に、銅相互接続を用いたプロセスを使用する。したがって、180nmでの処理は、サブ180nmの場合よりも単純である。
【0126】
[0146] さらに、そのようなレジスタが作られた場合、何れのノードにおいても、レジスタ仕様の信頼性及びレジスタのために利用可能なスペースは、難易度が高い場合がある。
【0127】
[0147] CMOSなどのチップアーキテクチャの層状構造において、コンポーネント及びフィーチャは、層における構造として画定される。コンポーネントの仕様は、層の材料及び層の物理的特性、層の寸法、具体的にはその厚さ及び層に形成される構造の寸法に依存する。レジスタは、長く狭い経路、ルート又はワイヤの形態を取り得る。スペース制約の観点から、経路は、経路に沿ってコーナを有する非線形であり得る。そのような長いコンポーネントの場合、層における経路の幅は、製造公差などにより変動し得る。コーナは、経路の線形セクションよりも大きい変動をもたらす可能性があり、それにより精度が制限される(この精度で指定の抵抗を有するためにレジスタが作られ得る)。多くのコーナ及び長い長さを有する場合、そのようなトポロジーを有するレジスタは、不十分な信頼性で作られる可能性があり、そのため、セルアレイの異なるセルの等価レジスタの抵抗が大きい範囲を有し得る。
【0128】
[0148] そのような抵抗構造は、大きい表面積を有する。追加的又は代替的に、そのような大きい表面積を有するレジスタは、望ましくないキャパシタンスをさらに有し、そのようなキャパシタンスは、寄生容量と呼ばれる。寄生容量は、雑音及びぼやけに望ましくなく寄与する可能性があり、雑音、ぼやけ及び帯域幅の最適化(これは、本明細書の他の箇所に記載される)間のバランスに影響を与える。
【0129】
[0149] 層の材料特性は、化学的に修正することができるが、そのような修正は、セル内の利用可能なスペースに収まるようにサイズに関する数桁の向上を達成する可能性が低い。そのような修正は、必要とされる仕様を有し、所望の信頼できる精度で作られ得るように、フィードバックレジスタのトポグラフィを十分に変更する可能性が低い。
【0130】
[0150] 信頼性及びサイズに関するそのような要件は、レジスタが帯域幅、信号対雑音比及び安定性の観点から所望の性能を達成することを可能にするであろう。残念ながら、これらの要件は、満たすことができない。
【0131】
[0151] そのような大きいフィードバックレジスタを必要としない代替の増幅回路が提案される。例は、フィードバック要素として疑似レジスタを備えるトランスインピーダンス増幅器(
図17を参照されたい)及びトランスインピーダンス増幅器を不要にする直接アナログ-デジタル変換器を含む。直接アナログ-デジタル変換器の2つの例は、低デューティサイクルスイッチドレジスタを使用すること(
図18)及び基準キャパシタを使用すること(
図19)である。任意選択的な配置は、回路ワイヤ570がセル550のトランスインピーダンス増幅器556をセルアレイ552の外部のアナログ-デジタル変換器に接続するように、セル550からアナログ-デジタル変換器558を除去することである(
図15C)。
図15Cに示される配置は、
図8及び
図9に示されるような増幅器回路又は
図17、
図18及び
図19に示される増幅器回路に適用され得る。ここで、各選択肢を順番に説明する。記載される例示的増幅器回路は、使用可能な適切なタイプの増幅器回路の一部にすぎない。本明細書に記載されるメリットに類似したメリットを達成し、及び本明細書に記載されるような類似の回路アーキテクチャを各セルに使用する他の増幅器回路が存在し得る。
【0132】
[0152]
図17に示される増幅回路は、センサユニット503の出力に接続されたフィードバック要素として疑似レジスタRを有するトランスインピーダンス増幅器565である。疑似レジスタは、真のレジスタによってではなく、トランジスタの配置によって形成されたレジスタである。疑似レジスタは、例えば、異なる印加電位差に応答して異なる実効抵抗を有するとき、非線形的方法で応答し得る。このフィーチャは、可変増幅機能を提供することを促進するために、増幅回路において有利に適用され得る。しかしながら、印加電位の振幅を制限することによって制限され得る信号歪みのリスクがある。
【0133】
[0153] そのような疑似レジスタの非線形性の悪影響を制限するために、フィードバック要素のフィードバックループにおいてアテニュエータAが使用される。アテニュエータは、電圧変動又は振幅の揺れを規制するように機能する。アテニュエータは、レジスタを有する。個々に、アテニュエータのこれらのレジスタは、数においてより多いが、フィードバックレジスタRfよりも小さい。
【0134】
[0154] したがって、トランスインピーダンス増幅器のフィードバックループにおける疑似レジスタの使用は、増幅器回路の有効サイズを縮小させる。それがより小さく、及びトランジスタの配置であるため、異なるセルの増幅器回路における疑似レジスタ間の変動のリスクが減少する。異なる疑似レジスタ間の構造、性能及び仕様は、
図8及び
図9に示される配置に見られるようなフィードバックレジスタRfよりも一貫性及び信頼性がある。
【0135】
[0155] フィードバック要素は、疑似レジスタR及びアテニュエータAと並列のキャパシタC
Fと、キャパシタ及び疑似レジスタの並列フィードバックループ間の利得増幅器とをさらに含み得る。例えば、増幅出力電圧V
out及びセンサユニットからの入力電流I
inの観点から、フィードバック要素の実効抵抗を含む、これらの異なる要素間の関係は、以下の通りである。
【数5】
【0136】
[0156]
図17のトランスインピーダンス増幅器の描かれた設計の帯域幅fcは、ほぼ以下の通りである。
【数6】
【0137】
[0157] 有利には、そのような疑似レジスタの使用は、ESD(静電放電)による損傷をさらに防ぐ。トランスインピーダンス増幅器における疑似レジスタの使用に関するさらなる詳細は、参照により本明細書に援用されるD. Djekic, G. Fantner, K. Lips, M. Ortmanns and J. Anders,“A 0.1% THD, 1-MΩ to 1-GΩ Tunable, Temperature-Compensated Transimpedance Amplifier Using a Multi-Element Pseudo-Resistor,”in IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol. 53, no. 7, pp. 1913-1923, July 2018における開示である。
【0138】
[0158] そのようなトランスインピーダンス増幅器を特徴とする増幅器回路は、すべてが全体として本明細書に援用される以下の開示に記載されるように、標準的なアナログ-デジタル変換器と共に使用され得る。
・SAR ADC(例えば、“A Compact 10-b SAR ADC With Unit-Length Capacitors and a Passive FIR, JSSC 2019.”)
・単一スロープADC(例えば、“J. Wei, X. Li, L. Sun and D. Li, “A 63.2μW 11-Bit Column Parallel Single-Slope ADC with Power Supply Noise Suppression for CMOS Image Sensors,”2020 IEEE International Symposium on Circuits and Systems (ISCAS), Sevilla, 2020, pp. 1-4.”)
【0139】
[0159] 代替の増幅回路は、例えば、
図18及び
図19に示されるように、センサユニット503の出力に直接接続されたスイッチドレジスタ又はキャパシタを使用した直接アナログ-デジタル変換器である。直接アナログ-デジタル変換器の適切なタイプは、電荷平衡化直接電流-デジタル変換器である。直接アナログ-デジタル変換器の使用は、トランスインピーダンス増幅器を使用すること及びフィードバックレジスタRf又は新型の代替物を有することを回避する。トランスインピーダンス増幅器を取り除くことにより、増幅回路における最も電力を消費するコンポーネント及び入力雑音の主な発生源が取り除かれる。デルタ/シグマ変調器は、電荷平衡化直接電流-デジタル変換器の最良の実現を提供する。2つの可能な解決策が
図18及び
図19に示されており、基準として低デューティサイクルスイッチドレジスタを使用すること及び基準としてスイッチドキャパシタを使用することである。これらの回路は、例示的なものであり、他の適切な回路が存在し得る。
【0140】
[0160] 低デューティサイクルスイッチドレジスタを有する適切な直接電流-デジタル変換器は、簡略化した形式で示される(
図18)。回路は、センサユニット503及び基準レジスタR
dacからの出力が入力されるインテグレータAを有する。キャパシタC
intは、インテグレータAのフィードバックループにある。インテグレータAから出力された信号は、アナログ信号をデジタル信号に変換する最終ステップのためにコンパレータによって処理される。ビットストリームbsは、電荷平衡ループを使用して、コンパレータの出力からのフィードバックを基準電流I
dacのための制御スイッチに提供する。制御スイッチの設計は、センサ電流I
in及び基準電流I
dac間の長期安定平衡を確実にすることに役立つ。これは、インテグレータがその出力信号をクリッピングしないこと、及び出力ビットストリームbsがセンサ電流I
inのデジタル化バージョンであることを確実にするのに役立つ。
【0141】
[0161] 低デューティサイクルスイッチドレジスタを備えたそのような直接電流-デジタル変換器の使用において、例えばそれをCMOS回路で実現するにあたり、基準レジスタRdacのサイズが縮小される。これは、クロック周期Tclockのごく一部分tにわたり、基準レジスタRdacをインテグレータAの入力に接続することによって達成される。これは、小さいデューティサイクルt/Tclock、例えば1:1000をもたらす。この短い接続時間は、センサユニットからの電流Iin、すなわちセンサ電流において届けられる電荷の平衡を保つために必要とされる基準電流Idacにおける電荷を届けるのに十分なものである。センサ電流の平衡を保つために基準電流をこのように提供することは、基準雑音が小さいことを確実にするのに役立つ。さらに、そのような低デューティサイクルを使用することは、そうでなければ標準トランスインピーダンス増幅器のフィードバックレジスタRfなどの大きいレジスタによって達成されるのと同じ効果を可能にする。したがって、この解決策は、そうでなければ使用されるよりも小さいサイズのレジスタを利用し、レジスタの実際のサイズを最小化しながら、その有効サイズを増加させるデューティサイクルを使用し、有効なものは、このタイプの増幅回路によって必要とされるセルの回路層のものである。
【0142】
[0162] 基準キャパシタを有する適切な直接電流-デジタル変換器は、簡略化した形式で
図19に示される。回路は、別段の規定のない限り、
図18に示されるような低デューティサイクルスイッチドレジスタを有する電流-デジタル変換器と全く同じフィーチャを有する。スイッチド構成で配置された容量性デジタル-アナログ変換器567は、基準電流を供給する。そのようなスイッチドキャパシタデジタル-アナログ変換器は、少なくとも1つのキャパシタを含み、並列キャパシタネットワークを含み得る。個々のキャパシタは、入力に基づいてスイッチに対して接続又は切断される。キャパシタベース回路として、容量性デジタル-アナログ変換器567は、基準キャパシタC
dacとして示され得る。基準レジスタR
dacの代わりに、基準キャパシタCdacが使用される。キャパシタが使用されるため、適切なサイズのキャパシタの選択が適切な基準電流I
dacを生成し、そのため、基準回路へのクロック信号f
sによって電力が供給されるパルサーは必要とされない。クロックの使用をインテグレータに限定すると、クロックジターの効果が最小化される。センサ電流I
inに対する基準電流I
dacの影響は、センサ電流の信号を量子化することである。これは、事実上、直接デジタル変換である。
【0143】
[0163]
図15Cに示されるように、セル550は、検出器要素560に接続されたトランスインピーダンス増幅器556を含む。この増幅回路に関連付けられるのは、効果的なフィードバックレジスタ568である。トランスインピーダンス増幅器の出力は、セルとは離れたアナログ-デジタル変換器558(図示せず)に接続される。回路ワイヤ570は、トランスインピーダンス増幅器及びアナログ-デジタル変換器を接続する。回路ワイヤ570は、アナログ信号を伝送する。セルアレイ552が密に実装されることを考えると、アナログ-デジタル変換器は、セルアレイの外部にある(例えばセルアレイ552と同じダイ上にあり、及び/又はセルアレイ552とモノリシックに集積される)。ある実施形態では、アナログ-デジタル変換器558は、検出器モジュール402の基板に存在する。代替的に、アナログ-デジタル変換器は、基板から離れ、例えば、それは、基板の外部のプロセッサの一部である。
【0144】
[0164]
図15B及び
図15Cに示されるセル間のコンポーネントの違いは、
図15Cのセルがトランスインピーダンス増幅器のみを含み、アナログ-デジタル変換を含まず、回路ワイヤ270が、アナログ-デジタル変換器によって伝送されるデジタル信号ではなく、アナログ信号を伝送する点である。セル550からアナログ-デジタル変換器を取り除くことにより、フィードバックレジスタ要素のためにセル550の回路層で利用可能なスペースがより多く存在する。この相対的な違いは、
図15B及び
図15Cにおけるフィードバックレジスタエリア562の相対サイズによって認識することができる(ただし、相対寸法は、必ずしもこれらの2つの図の他のフィーチャに当てはまらないことに留意されたい)。増幅器回路が、
図8及び
図9に関して図示及び説明されるトランスインピーダンス増幅器回路に代わるトランスインピーダンス増幅器回路を使用する場合、例えば
図17に示されるように、疑似レジスタを備えたトランスインピーダンス増幅器がフィードバック要素として使用される場合、セル550の回路層において、さらにより多くのスペースが存在する。
【0145】
[0165] 疑似レジスタフィードバック要素を備えたトランスインピーダンス増幅器556及びアナログ-デジタル変換器をセルの回路層に収めることは、より簡単であり得るが、ある配置では、スペース制約のために、アナログ-デジタル変換器558がセルアレイ552の外部にあることがより実用的である。これは、面積に関する1~2桁の利得を提供する、トランスインピーダンス増幅器のフィードバック要素における疑似レジスタの使用にもかかわらずそうである。アナログ-デジタル変換器558がセルアレイ552の外部にあるか否かを決定するための検討事項の1つは、マルチビームのビームピッチである。例えば、70ミクロンのビームピッチの場合、一般的に、増幅回路を含む回路のために、セルの1層当たりわずか4000平方ミクロンが利用可能である。
【0146】
[0166] そのようなスペース制約下では、トランスインピーダンス増幅器は、各ビームのセルに位置する。アナログ-デジタル変換器は、ビームアレイの外、すなわちセルアレイの外に位置する。ある実施形態では、アナログ-デジタル変換器は、例えば、セルアレイとモノリシックに、セルアレイと同じダイ上に存在する。そのようなアナログ-デジタル変換器は、制御及び入出力回路と共に位置し得、制御及び入出力回路は、検出器モジュール402上に存在し得るか、又はセルアレイ552とモノリシックであり得る。アナログ-デジタル変換器をセルアレイの外部に配置することは、約2の係数の面積利得を提供し得る。
【0147】
[0167] 回路ワイヤ570は、セル550のトランスインピーダンス増幅器を関連付けられたアナログ-デジタル変換器558に接続する。回路ワイヤ570は、アナログ信号を伝送する。デジタル信号と異なり、アナログ信号を伝送するデータパスは、干渉の影響を受けやすい。信号干渉は、他の回路ワイヤとのクロストーク並びにマルチビームのサブビームなどによって生成される外部場及び対物レンズアレイ241などの近くの電子光学コンポーネントからの場によるものである可能性がある。
【0148】
[0168] 回路ワイヤ570は、
図15Aに示されるように、配線ルート554を通してルーティングされる。配線ルート554は、セル及びその層のエリアがセル上に存在する増幅回路のために使用されるように、セル間にルーティングされる。したがって、配線ルート554は、配線ルートが存在する回路層の一部、すなわち隣接するセル550間(例えば、少なくとも隣接するセル550のビームアパーチャ504、406の周り、セルの周囲に向けた若しくは隣接するセル550に割り当てられた層における回路間などの隣接するセル550を通して又は記載の配置間の任意の配置)のみを使用する。このルーティングは、増幅回路及び配線ルート554のアーキテクチャの構造的干渉を回避する。回路ワイヤは、外側方向、例えば半径方向外側方向にセルアレイの配線ルートに沿ってルーティングされる。セルアレイ552の周囲長により近接するにつれて、周囲長から離れた配線ルート554の部分よりも多くの回路ワイヤ570が存在し得る。配線ルートは、複数の回路ワイヤ570を有し得、これは、上記の通り、アレイのセル間に存在する。したがって、配線ルート554の一部は、2つ以上の回路ワイヤ570を有し得る。しかしながら、互いの近くに位置する回路ワイヤを有することは、回路ワイヤ間のクロストーク及び回路ワイヤ570によって伝送されるアナログ信号の干渉のリスクがある。
【0149】
[0169] クロストーク及び信号干渉のリスクは、配線ルート内で互いにシールドされた回路ワイヤ570を有することにより、少なくとも減少させるか又はさらに防止することができる。
図20は、配線ルート554の例示的配置の断面を示す。配線ルート554内には、配線ルート554及びシールド配置と同じ方向に延在して示される1つ又は複数の回路ワイヤ470がある。回路ワイヤは、同じ層に示されている。回路ワイヤ570の上には、上側シールド層572があり、回路ワイヤ570の下には、下側シールド層574がある。シールド配置の上側及び下側シールド層は、配線ルート554の上及び下の配線ルート554の外部の場から回路ワイヤ570をシールドする。シールド配置は、回路ワイヤ570と同じ層内にシールド要素を有する。シールド要素は、回路ワイヤ570を含む層の外側エッジの外側要素576であり得る。外側要素576は、配線ルート554の外部の場から回路ワイヤ570をシールドする。シールド要素は、隣接する回路ワイヤ間の層内に存在する中間シールド要素578を含み得る。したがって、中間シールド要素578は、防止するとは言わないまでも、回路ワイヤ570間のクロストークを少なくとも抑制し得る。動作時、シールド層572、574及びシールド要素576、578に対して共通電位が印加される。電位は、基準電位、例えば接地電位であり得る。
【0150】
[0170]
図20は、3層配置を示すが、配線ルート570において、望ましい数の層が使用され得る。例えば、上側シールド層572、下側シールド層574及び中間シールド層を含む3つのシールド層を必要とする2層の回路ワイヤが存在し得る。中間シールド層は、防止するとは言わないまでも、配線ルート570の異なる層の回路ワイヤ間のクロストークをさらに減少させ得る。したがって、合計で5つの層が存在する。回路ワイヤの層が追加されるたびに、追加の中間シールド層が必要とされる。配線ルート554において層の数を増加させることは、ワイヤルーティングが必要とする層の割合を減少させる一方、そのような設計のバリエーションは、さらなる層を必要とする。限られた数の層を考慮して、検出器モジュールの基板の他の箇所で必要とされる層の数を超えることなく、配線ルートの幅が縮小される最適な層の数が存在し、これは、5つの層に限定され得る。
【0151】
[0171] 配線ルートの設計のさらなる検討事項は、検出器モジュールの例示的設計において存在する必要があり得る回路ワイヤの数であり、例えば1つの層内にすべての回路ワイヤ570を有する
図20の配置を考える。
【0152】
[0172] 例えば、ビームアレイは、30個のリングを有する六角形アレイに配置される。したがって、検出器モジュールは、対応する設計のセルアレイを有する。セルの数は、約3000、例えば2791である。そのようなセルアレイが70ミクロンのピッチを有し、最も内側のセルが0次のリング(リング#0)であり、及び単一セルを有し、最も内側のリング(リング#1)が中心セルの周りにあり、最も外側のリング(リングN)がセルアレイの周囲長を画定し、及び6Nのセルからなると仮定する。30個のリングのセルアレイの場合、セルの総数は、以下に等しい。
【数7】
【0153】
[0173] 最も外側のリングは、リングを通してルーティングされる必要がある信号の数が最も多い。配線ルートが各セルのセル間にルーティングされることを考えると、これらの信号は、最も外側のリングのセル間の最も外側のリングを通してルーティングされる。最も外側のリングが180個のセルからなるため(例えば、30番目のリング×6、すなわち30*6=6Nである)、最も外側のリングを通して、例えば最も外側のリングのセル間で運ばれる信号の数は、以下の通りである。
【数8】
【0154】
[0174] 隣接セル間で外側リングを通してルーティングされるべき信号の最大数は、信号の総数(2611)を最も外側のリングのセル数(180)で割ったものである。これは、15(小数点第1位で切り上げられたもの)である。例えば、クロストーク及び外部場の影響を制限するために、信号が十分にシールドされるように、配線ルートは、シールド配置を有する。単一層のワイヤ回路において、層は、配線ルートのエッジにおいて外側要素576と、隣接回路ワイヤ570間の中間シールド要素578とを有し得る。15個の回路ワイヤ570の配線ルートの場合、14個の中間シールド要素及び2個の外側シールド要素576を含む16個のシールド要素が存在する。したがって、この例の外側リングの隣接セル550間では、同じ層にすべての回路ワイヤを有する配線ルートは、交互のシールド要素及び回路ワイヤからなる31個の要素を有する。
【0155】
[0175] 70ミクロンのピッチを有するビームアレイのためのセルアレイ552の場合、そのような配線ルート554のために回路層で利用可能な十分なスペース又はエリアが存在する。180nmノードのプロセスを使用して作られた構造において、金属層の最小ハーフピッチは、一般的に約280nmである。この状況では、ハーフピッチは、ラインであり、ピッチは、隣接するギャップと共に、関連付けられたギャップを有するラインである。関連付けられたギャップは、一般的にラインと同じ幅である。31個の要素のための配線ルートは、31個のピッチを必要とする。しかしながら、外側要素576に対応する要素の1つの関連付けられたギャップは、配線ルート554の一部ではなく、配線ルートを隣接する回路から分離する。したがって、31個の要素の場合、61個のハーフピッチが必要とされ、このハーフピッチは、17.1マイクロメートルの回路配線554の幅に対応する。
【0156】
[0176] 異なる配置では、ビームアレイは、108個のリング及び約35000個のセルを有する六角形であり得、モノリシックビームアレイと見なされ得る。最も外側のリングは、約650個のセルを有する。約34350個の信号が、最も外側のリングを通してルーティングされる必要がある。したがって、約54個の信号が、最も外側のリングの隣接するセルを通してルーティングされる必要がある。54個の回路ワイヤ570を有する配線ルート554は、55個のシールド要素を有する。このアーキテクチャを280nmのハーフピッチに適用する際、前の例に関して同様の計算を適用すると、回路ワイヤの幅は、61マイクロメートル未満となる。このサイズは、最も外側のリングのセル550間に収まる。ある代替配置では、ビーム配置は、サポート構造、導管などの冷却フィーチャ、データ伝送線などをルーティングするための1つ又は複数の中間ストリップを備えた2つ以上のストリップに分配される。そのようなビームアレイは、ストリップビームアレイと呼ばれ得る。したがって、配線ルートは、1つ又は複数の中間ストリップを通してルーティングされ得る。これは、合理的な大きさの配線ルートを維持しながら、より大きいビームアレイ、したがってセルアレイを可能にする。ストリップビームアレイがモノリシックビームアレイと同数のビームを有する場合、配線ルートは、モノリシックセルアレイよりも少ない(すなわち54よりも少ない)数の回路ワイヤ570を有する。実際、ストリップビームアレイは、配線ルートに存在し得る回路ワイヤの最大数によって制限されるようなビームアレイのサイズがより大きいため、モノリシックビームアレイよりも多い数のサブビームを達成し得る。
【0157】
[0177] 例えば、帯域幅及び雑音最適化並びにぼやけと雑音とのバランスの観点からの雑音性能の最適化は、トランスインピーダンス増幅器の増幅定数がプログラム可能であることを確実にすることによって可能にすることができる。そのような配置において、セルの増幅器回路、少なくともトランスインピーダンス増幅器がプログラム可能である。そのようなプログラム可能増幅回路は、例えば、その感度の観点から、可変増幅器及び/又は可変アナログ-デジタル変換器を含み得る。可変増幅器は、センサユニット503によって検出された検出ビーム電流によって決まる可変増幅範囲を有する。例えば、検出ビーム電流が低い場合又は一般的な二次放出係数よりも小さい二次放出係数を有するサンプルの場合、可変増幅器は、通常使用されるよりも大きい増幅を提供するように調整され得る。通常よりも大きいビーム電流がセンサユニット503によって検出された場合又は一般的な二次放出係数よりも大きい二次放出係数を有するサンプルの場合、可変増幅器は、より小さい増幅を提供するように調整され得る。
【0158】
[0178] この機能性は、疑似レジスタを有するフィードバック要素を備えたトランスインピーダンス増幅器にとって有益である。疑似レジスタは、すべての印加電位差で単一の抵抗を有する理想レジスタと異なり、異なる印加電圧の印加時に異なる実効抵抗を有する。異なる抵抗を提供する場合、疑似レジスタに関連付けられたトランスインピーダンス増幅器は、可変増幅として動作する。増幅器に可変機能性を与える場合、雑音レベルと、(本明細書において上記で「さらなるぼやけ」と呼ばれた)画像ぼやけとの最適化されたバランスが達成され得る。有利には、プログラム可能増幅回路は、トランスインピーダンス増幅器の出力をアナログ-デジタル変換器の入力に整合させることができる。これは、トランスインピーダンス増幅器の出力とアナログ-デジタル変換器の入力との間で減算されたプログラム可能オフセットとしてのものであり得る。プログラム可能オフセットは、セルの増幅回路から伝送される必要がある必要なビット数を減少させるのに役立ち得る。プログラム可能オフセットは、プログラム可能増幅器において実装され得る。これらの測度は、トランスインピーダンス増幅器及びアナログ-デジタル変換器、したがって好ましくは増幅回路の動的範囲が、異なる使用事例に対して最適に使用されることを確実にするのに役立つ。そのような異なる使用事例には、検査中のサンプルの材料特性、例えば異なるビーム電流を使用する異なる評価ツール構成が含まれ得る。適用範囲は、可変増幅器を設けることによって可能にすることができ、可変オフセット又は閾値(例えば、プログラム可能オフセットによる減算)は、望ましくは、増幅、閾値及び帯域幅の調整を可能にする。本明細書の他の箇所に記述される通り、可変増幅及び減算に関連する回路は、制御及び入出力回路に含まれ得る。
【0159】
[0179] 本明細書は、捕捉電極を特徴とするセンサユニットに関し、本発明が主に関連するのは、捕捉電極を特徴とするそのようなセンサユニットであるように思われ得る。本明細書に記載される通り、捕捉電極は、電流検出器である。電流検出器によって生成された信号は、アナログであり、外部場からの干渉及びクロストークに対して疑わしい。
【0160】
[0180] 使用可能な別のタイプのセンサユニットは、PINダイオード又は別のタイプの半導体検出器であり、これは、捕捉電子又はシンチレータのエネルギーを測定する。PINダイオードによって生成された信号は、電流検出器のものよりも大きい初期増幅を有し得るが、生成された信号は、捕捉電極に関してアナログである。そのようなセンサユニットは、例えば、
図15A~20を参照して説明されるような関連付けられた回路を有し得る。PINダイオードによって生成された信号は、外的影響による雑音及び干渉、すなわちクロストークに対して疑わしい。クロストークの影響は、PINダイオードと、それに関連付けられた回路との間の距離が増加するにつれて大きくなる。PINダイオードに関連付けられたそのような回路は、捕捉電極などの電流検出器を特徴とするセンサユニットに関して説明されるようなトランスインピーダンス増幅器などの増幅器を特徴とし得る。センサユニットに関連付けられたそのような回路が、例えば本明細書に記載されるように、セルアレイの各セルに関連付けられること、例えばモノリシック回路アーキテクチャで、例えばPINダイオードと同じ基板内に集積されることが望ましい。回路は、PINダイオードに近接し得、それにより、干渉のリスク及び検出器アレイ内の関連付けられたセルにおける検出器と、検出器アレイから離れて位置する検出器に関連付けられた回路との間の経路長による起こり得る信号注意のリスクも減少及び減少する。
【0161】
[0181] 本明細書が関連する検出器モジュール402は、サンプル又はサンプルサポート上のサンプルの位置に近接した電子光学コラムに位置し得る。ある実施形態では、センサモジュールは、例えば、対物レンズアセンブリ内で又は対物レンズに関連付けられて、さらにアップビームに位置する。そのような配置は、マルチビームのサブビームのパスに存在する。検出器モジュールは、サブビームのパスのためのアパーチャのアレイを特徴とする。ある配置では、検出器モジュールは、対物レンズのアップビーム及び制御レンズなどの対物レンズに関連付けられ、対物レンズのアップビームにあるレンズの電極のアップビームにも位置決めされ得る。
【0162】
[0182] ある実施形態による電子ビームツール41は、同じ参照番号を有する上記のフィーチャと同じフィーチャを有する。簡潔さのために、そのようなフィーチャの詳細な説明は行わない。例えば、そのような電子ビームツール41は、ソース201、サブビームを発生させ、及び発散サブビームを共通平面内の中間焦点に集束させる集光レンズ231、好ましくは中間焦点の共通平面に位置するマクロコリメータ270、対物レンズアレイ241及びサンプル208を有する。これらのフィーチャは、それぞれ本明細書で例えば上記に記載された他の電子ビームツールに関して説明された通りであり得る。
【0163】
[0183]
図21に示されるように、ある実施形態では、対物レンズアレイ241(これは、複数の対物レンズを含む)は、検出器アレイ240とサンプル208との間にある。偏向器アレイ95は、検出器アレイ240と対物レンズアレイ241との間にある。ある実施形態では、偏向器アレイがビームセパレータと呼ばれ得るように、偏向器アレイ95は、ウィーンフィルタを含む。偏向器アレイ95は、サンプル208からの二次電子などの信号粒子から、サンプル208に投影された荷電粒子を解放するための磁界を提供するように構成される。ウィーンフィルタは、アレイの形態であり得、その結果、ウィーンフィルタは、マルチビームアレイにわたりビームレットの1つ又は複数のラインに対して別個に作用する。すなわち、ある実施形態では、ウィーンフィルタは、マルチビームアレイのすべてのビームレットのパスの周りにアパーチャを有するマクロウィーンフィルタであり得る。別の配置では、ウィーンフィルタは、ウィーンフィルタアレイであり得る。そのようなウィーンフィルタアレイは、2つ以上のアパーチャを有し、各アパーチャは、マルチビームアレイのビームレットのパスの1つ又は複数のラインを取り囲む。ある配置では、ウィーンフィルタは、マルチビームアレイにわたりビームの各ラインを取り囲むアパーチャを有し得る。有利には、それのアパーチャに対してビームレットパスの2つ以上のラインを有することは、例えば、直交方向において、ウィーンフィルタアレイの複数のアレイにわたるマルチビームパスのピッチが、例えば、アパーチャごとにビームパスの1つのラインを有するウィーンフィルタアレイの設計におけるウィーンフィルタアレイのアパーチャのピッチよりも小さいことを可能にする。
【0164】
[0184] ある実施形態では、検出器アレイ240は、荷電粒子のエネルギー(すなわちバンドギャップに依存する)を参照することにより、荷電粒子を検出するように構成される。そのような検出器は、間接電流検出器又は間接検出器と呼ばれ得る。そのような検出器は、PIN検出器などの半導体ベース検出器であり得る。二次電子及び/又は後方散乱電子などのサンプル208から放出される信号粒子は、電極間の場からエネルギーを得る。二次電子は、検出器アレイ240に到達した時点で、検出されるのに十分なエネルギーを有する。代替的又は追加的に、検出器アレイは、本明細書に記載されるように、例えば
図4~9、
図13及び
図14に関して説明され、また
図4~9、
図13及び
図14に示されるように、電流検出器を含み得る。
【0165】
[0185] 検出器アレイは、
図15A~20に示され、及び
図15A~20を参照して説明された構造、配置、電気及び電子回路を有する検出器モジュール402であり得る。検出器モジュールの基板は、アパーチャがマルチビームアレイにわたりサブビームのパスのラインを取り囲む大きさにされる点において、
図4~14を参照して説明され、及び
図4~14に示されたその検出器モジュールと異なり得る。そのようなアパーチャは、パスのラインを延長し得;そのようなアパーチャは、細長くてもよい。そのようなアパーチャは、ある方向とアライメントされ得る。検出器部分は、対応するアパーチャの片側に位置する。これは、例えば、各ビームに関連付けられたアパーチャを取り囲む代わりである。サンプルに対するサブビームの衝突によって発生した信号粒子のパスは、一次サブビームパスを上に向かい、検出器モジュールの対応するアパーチャの片側の対応する検出器要素に向けて偏向器アレイによって方向転換される。
【0166】
[0186] シンチレータなどのフォトニック検出器要素の代わりに、電気信号として信号粒子を検出するための専用の要素を備えた検出器アレイを有する場合、光ファイバなどの光導波路の必要性がある。例えば、米国特許出願公開第2019/0259564号における、シンチレータアレイから、サンプルに向けたマルチビームのパスから離れた光検出器に光検出器信号をガイドするための光ファイバの開示を参照されたい。そのような光ファイバは、嵩張り、複雑さを増し、及びマルチビームアレイで実現可能なビームピッチ範囲の下限を制限する。電気検出信号を発生させる検出器要素を有することは、マルチビームアレイ内でより小さいビームピッチを可能にする際に望ましい場合がある。これは、ウィーンフィルタアレイの異なるアパーチャを通過するように位置決めされたマルチビームアレイのパスの異なるラインにおける隣接ビームパスの場合により該当し得る。そのような隣接ビームは、細長いアパーチャにわたる方向、例えば細長いアパーチャの方向に直交する方向において、アレイのピッチよりも小さいピッチを有することを制限される。
【0167】
[0187]
図21は、電子ビームツール40の一部の拡大図である。ある実施形態では、検出器アレイ240は、信号検出器アレイ91を含む。信号検出器アレイ91は、電流検出器又は間接検出器であり得る複数の検出器要素92を含む。各検出器要素92は、信号検出器アレイ91の平面内に位置する。少なくとも1つの検出器要素92は、サンプル208に向けて投影された一次荷電粒子サブビーム(好ましくはそれぞれ2つの隣接する一次サブビーム)のための2つの隣接するアパーチャ間に配置される。
【0168】
[0188] ある実施形態では、検出器要素92は、実質的に水平方向に延在する。代替的に、信号検出器アレイ91は、投影荷電粒子ビームのための開口93が画定される検出器プレートを含み得る。さらなる実施形態では、検出器部分が設けられ得る中間配置が設けられ得、検出器部分は、2つ以上のサブビームに対する検出器要素を提供し、任意選択的に検出器要素でアパーチャが画定され得る。
【0169】
[0189]
図21に破線で示される投影荷電粒子サブビームは、偏向器アレイ95に向けて、検出器要素92間の開口93を介して信号検出器アレイ91の平面を通して投影される。
【0170】
[0190] ある実施形態では、偏向器アレイ95(例えば、ウィーンフィルタ)は、磁気偏向器96及び静電偏向器97を含む。複数のアパーチャが磁気偏向器96及び静電偏向器97のそれぞれに存在する。各アパーチャは、マルチビームアレイにわたり、ビームレットパスの少なくともラインのパスを取り囲む。静電偏向器97は、サンプル208に向けて伝送される投影荷電粒子サブビームに対する磁気偏向器96の偏向に対抗するように構成される。したがって、投影荷電粒子サブビームは、水平面内でわずかにシフトされ得る。偏向器アレイ95のダウンビームのサブビームは、偏向器アレイ95のアップビームのビームと実質的に平行である。
【0171】
[0191] ある実施形態では、対物レンズアレイ241は、サンプル208で生成された二次電子を偏向器アレイ95に向けてガイドするための複数のプレートを含む。静電偏向器97は、信号粒子(例えば、二次電子)の磁気偏向器96による偏向に対抗せず、信号粒子は、投影荷電粒子サブビームとは反対方向に進む。代わりに、静電偏向器97による二次電子の偏向及び磁気偏向器96による二次電子の偏向が合計される。したがって、二次電子を検出器アレイ240の検出器要素92上に伝送するために、二次電子は、光軸に対して角度を成して進むように偏向される。したがって、静電及び磁気偏向器アレイは、荷電粒子のビームパスが一方の方向(通常、一次方向)において実質的に影響を受けず、サンプルから離れる他方の方向において電子光軸から離れるように偏向されるようにウィーンフィルタとして機能する。偏向信号粒子は、検出器アレイ、すなわち検出器要素によって検出され得る。
【0172】
[0192] ある実施形態では、信号検出器アレイ91を含む検出器モジュール402の基板は、回路層及び配線層などの層を有する。代替的に、検出器モジュール402は、信号検出器アレイ91を含む基板及び共に接合された層を含む別の基板を含む。層を含む基板中の層は、回路層と、配線層と、例えば一次サブビームの通過のためのアパーチャとを含む。したがって、一方の基板の検出器セルは、他方の基板における関連付けられた回路及び配線と接続される。(信号検出器アレイ91のフィーチャを備えた又は信号検出器アレイ91のフィーチャを有しない)基板の層は、
図15A~20を参照して説明され、及び
図15A~20に示されるような構造、アーキテクチャ及び機能を有し得る。そのような機能には、例えば、(例えば、トランスインピーダンス増幅器を使用して)検出信号を増幅すること、アナログからデジタル信号への検出信号の変換及び他の検出器からの検出信号とのクロストークを防止するとは言わないまでも、最小限に抑えながら、検出器アレイの各セルから検出器アレイの外部に信号を伝送することを提供することが含まれ得る。
【0173】
[0193] 別の配置では、検出器アレイは、対物レンズアレイ241と検出器アレイ240との間に偏向器アレイ95を備えずに、対物レンズアレイの一次ビームパスに沿ってアップビームに位置する。そのような配置では、間接検出器要素は、マルチビームアレイのそれぞれのサブビームに対応する検出器モジュール402のアパーチャを取り囲み得る。検出器アレイ及びその検出器要素のアーキテクチャは、
図4~7、
図13及び
図14を参照して説明され、また
図4~7、
図13及び
図14に示される実施形態の形態を取り得る。
【0174】
[0194] 別の実施形態では、検出器モジュールは、二次投影装置250(例えば、
図2に示され、及び
図2に関して説明されるような第2の電子光学コラム)の端部に位置決めされ得る。そのような検出器モジュール402は、信号粒子(例えば、二次電子及び/又は後方散乱電子)のパスの端部にあるため、検出器モジュールは、平面のセンサユニットを特徴とする。センサユニットは、ビームアパーチャを特徴とせず、それによってより多くのセンサユニットの表面が電子を捕捉することが可能となる。
【0175】
[0195] 本明細書に記載される本発明は、様々な異なるツールアーキテクチャに適用され得る。例えば、電子ビームツール40は、単一ビームツールであり得るか、又は複数の単一ビームコラムを含み得るか、又は複数のマルチビームコラムを含み得る。コラムは、上記の実施形態又は態様の何れかに記載される荷電粒子光デバイスを含み得る。複数のコラム(又はマルチコラムツール)として、デバイスは、2~100以上のコラムに達し得るアレイに配置され得る。荷電粒子デバイスは、好ましくは、静電走査偏向器アレイ及び静電コリメータアレイを有するが、
図11に関して説明され、及び
図11に示されるような、又は
図12に関して説明され、及び
図12に示されるような実施形態の形態を取り得る。荷電粒子光デバイスは、荷電粒子光学コラムであり得る。荷電粒子コラムは、任意選択的に、ソースを含み得る。
【0176】
[0196] 本発明のある実施形態による評価ツールは、サンプルの定性的評価(例えば、合格/不合格)を行うツール、サンプルの定性的測定(例えば、フィーチャのサイズ)を行うツール又はサンプルのマップの画像を生成するツールであり得る。評価ツールの例は、(例えば、欠陥を識別するための)検査ツール、(例えば、欠陥を分類するための)調査ツール及びメトロロジツール又は検査ツール、調査ツール若しくはメトロロジツール(例えば、メトロ検査ツール)に関連する評価機能性の任意の組み合わせを実施することが可能なツールである。電子ビーム装置40は、検査ツール若しくはメトロ検査ツールなどの評価システムのコンポーネント又は電子ビームリソグラフィツールの一部であり得る。本明細書におけるツールへの言及は、デバイス、装置又はシステムを包含することが意図され、このツールは、一緒に配置されても又はされなくてもよく、特に例えばデータ処理要素に関して別の部屋に位置することさえ可能な様々なコンポーネントを含む。
【0177】
[0197] 以下は、条項として提供される本発明の例示的実施形態である。
【0178】
[0198] 条項1.サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板(又は検出器アレイ)であって、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定し、センサユニットアレイであって、センサユニットアレイのセンサユニットは、アパーチャアレイの対応するアパーチャに隣接し、及びセンサユニットは、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成される、センサユニットアレイを含む、センサユニットアレイの各センサユニットに関連付けられ、及びアパーチャアレイの対応するアパーチャに近接した増幅回路であって、トランスインピーダンス増幅器及び/又はアナログ-デジタル変換器を含む増幅回路を含む、検出器基板(又は検出器アレイ)。
【0179】
[0199] 条項2.セルのセルアレイを含み、セルアレイは、センサユニットアレイに関連付けられた回路を含み、セルは、検出器基板に画定されたアパーチャアレイのアパーチャに対応する、条項1に記載の検出器基板。
【0180】
[0200] 条項3.各センサユニットに関連付けられた増幅回路は、セルアレイの関連付けられたセルと共に含まれる、条項2に記載の検出器基板。
【0181】
[0201] 条項4.少なくとも1つの回路ワイヤをさらに含み、各回路ワイヤは、セルアレイの関連付けられたセルに関連付けられ、回路ワイヤは、信号通信のために、セルの外部に、及び好ましくは検出器基板から離れたコントローラにセルを信号によって接続するように、関連付けられたセルの回路に接続する、条項2又は3に記載の検出器基板。
【0182】
[0202] 条項5.少なくとも1つの回路ワイヤは、基板のデータパス層でルーティングされる、条項4に記載の検出器基板。
【0183】
[0203] 条項6.データパス層は、少なくとも1つの回路ワイヤを含む回路ルーティングを含み、配線ルートは、好ましくは、セルアレイの周囲長に向かう方向において及び/又は半径方向に配置されて、セルアレイの他のセル間でルーティングされる、条項5に記載の検出器基板。
【0184】
[0204] 条項7.配線ルートをシールドするように構成されたシールド要素を含む、条項6に記載の検出器基板。
【0185】
[0205] 条項8.シールド要素は、データパス層の上及び/又は下の基板内における接地層、及び/又は配線ルートの両側及び/又は配線ルートの回路ワイヤ間のデータパス層内におけるシールド要素を含む、条項7に記載の検出器基板。
【0186】
[0206] 条項9.その又は各回路ワイヤは、セルアレイの関連付けられたセルのトランスインピーダンス増幅器と、好ましくは基板内でセルアレイから離れたアナログ-デジタル変換器との間でデータを送受信する、条項4~8の何れか一項に記載の検出器基板。
【0187】
[0207] 条項10.増幅器回路及びセルアレイを含むCMOS回路を含み、CMOS回路は、好ましくは、複数の層を含む、条項2~9の何れか一項に記載の検出器基板。
【0188】
[0208] 条項11.トランスインピーダンス増幅器は、関連付けられたセル内に位置し、及びアナログ-デジタル変換器は、離れており、好ましくはセルアレイから離れている、条項2~8の何れか一項に記載の検出器基板。
【0189】
[0209] 条項12.セルアレイは、六角形アレイ又は矩形アレイである、条項2~11の何れか一項に記載の検出器基板。
【0190】
[0210] 条項13.トランスインピーダンス増幅器は、疑似レジスタを含み、疑似レジスタは、好ましくは、複数のトランジスタを含む、先行する条項の何れか一項に記載の検出器基板。
【0191】
[0211] 条項14.トランスインピーダンス増幅器は、アテニュエータをさらに含む、条項13に記載の検出器基板。
【0192】
[0212] 条項15.増幅回路は、対応するセンサユニットに直接電気的に接続された直接デジタル変換器であるアナログ-デジタル変換器を含む、先行する条項の何れか一項に記載の検出器基板。
【0193】
[0213] 条項16.増幅回路は、コンパレータ、インテグレータ及び基準を含む、条項15に記載の検出器基板。
【0194】
[0214] 条項17.基準は、低デューティサイクルスイッチドレジスタ又はスイッチドキャパシタを含む、条項16に記載の検出器基板。
【0195】
[0215] 条項18.サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定し、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成されたセンサユニットアレイのセンサユニットと、セルアレイであって、セルアレイのセルは、マルチビームのパスのためのアパーチャアレイのアパーチャに関連付けられ、及びセンサユニットアレイのセンサユニットに関連付けられる、セルアレイと、関連付けられたセルとセルアレイの少なくとも周囲長との間において、関連付けられたセンサユニットから信号を伝送するように構成された配線ルートであって、セルアレイの他のセル間にルーティングされるように構成される配線ルートとを含む、検出器基板。
【0196】
[0216] 条項19.配線ルートは、関連付けられたセルとセルアレイの周囲長との間に少なくとも1つの回路ワイヤを含む、条項18に記載の検出器基板。
【0197】
[0217] 条項20.配線ルートは、周囲長のより近くでより多くの回路ワイヤを含む、条項19に記載の検出器基板。
【0198】
[0218] 条項21.配線ルートは、半径方向に延在する、条項19又は20に記載の検出器基板。
【0199】
[0219] 条項22.基板は、配線ルートをシールドするように構成されたシールド配置を含む、条項19~21の何れか一項に記載の検出器基板。
【0200】
[0220] 条項23.シールド配置は、配線ルートの上及び/又は下の基板内における接地層、及び/又は配線ルートの両側及び/又は配線ルートの回路ワイヤ間のデータパス層内におけるシールド要素を含む、条項22に記載の検出器基板。
【0201】
[0221] 条項24.各回路ワイヤは、関連付けられたセルのトランスインピーダンス増幅器と、好ましくは基板内でセルアレイから離れた、関連付けられたアナログ-デジタル変換器との間でデータを伝送する、条項19~23の何れか一項に記載の検出器基板。
【0202】
[0222] 条項25.基板は、増幅器回路及びセルアレイを含むCMOS回路を含み、CMOS回路は、好ましくは、複数の層を含む、条項18~24の何れか一項に記載の検出器基板。
【0203】
[0223] 条項26.サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、マルチビームのそれぞれのビームパスのためのアパーチャアレイを画定し、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成されたセンサユニットアレイのセンサユニットと、セルアレイであって、セルアレイのセルのそれぞれは、アパーチャアレイのアパーチャに関連付けられる、セルアレイと、セルアレイの各セルと関連付けられた増幅回路であって、可変増幅器及びアナログ-デジタル変換器を含む増幅回路とを含む、検出器基板。
【0204】
[0224] 条項27.可変増幅器は、センサユニットアレイによって検出された検出ビーム電流に依存する可変増幅範囲を有するように構成される、条項26に記載の検出器基板。
【0205】
[0225] 条項28.可変増幅器は、異なる印加電圧設定で異なる抵抗を提供するように構成された疑似レジスタを含む、条項27に記載の検出器基板。
【0206】
[0226] 条項29.可変増幅器は、ADCへの入力のためにオフセットを減算するように構成される、条項26~28の何れか一項に記載の検出器基板。
【0207】
[0227] 条項30.可変増幅器は、プログラム可能である、条項26~29の何れか一項に記載の検出器基板。
【0208】
[0228] 条項31.各セルに関連付けられた可変増幅器は、対応するセルに含まれる、条項26~30の何れか一項に記載の検出器基板。
【0209】
[0229] 条項32.各セルに関連付けられたアナログ-デジタル変換器は、対応するセル内に含まれる、条項26~31の何れか一項に記載の検出器基板。
【0210】
[0230] 条項33.サンプルから戻る荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、センサユニットアレイであって、センサユニットアレイのセンサユニットは、マルチビームのサブビームに応答してサンプルから戻る荷電粒子を捕捉するように構成される、センサユニットアレイを含み、センサユニットアレイの各センサユニットに関連付けられたトランスインピーダンス増幅器及び/又はアナログ-デジタル変換器を含む回路を含む、検出器基板。
【0211】
[0231] 条項34.荷電粒子評価ツールにおける荷電粒子マルチビームのビームパスのためのアパーチャのアレイが画定される検出器基板であって、センサユニットアレイであって、センサユニットアレイのセンサユニットは、アパーチャアレイの対応するアパーチャに隣接し、及びセンサユニットは、サンプルから放出された荷電粒子を捕捉するように構成される、センサユニットアレイと、セルアレイであって、セルアレイのセルは、センサユニットアレイの関連付けられたセンサユニットに対応する、セルアレイと、センサユニットアレイの対応するセンサユニットに対して及びそのような対応するセンサユニットからデータを送受信する(例えば、伝送する)ように構成されたデータパスであって、セルアレイの他のセルを通してルーティングされるように構成されるデータパスとを含む、検出器基板。
【0212】
[0232] 条項35.サンプルからの荷電粒子を検出するために荷電粒子マルチビーム評価ツールで使用される検出器基板であって、マルチビームのそれぞれの荷電粒子ビームのビームパスのためのアパーチャのアレイを画定し、サンプルからの荷電粒子を捕捉するように構成されたセンサユニットアレイのセンサユニットと、セルアレイであって、セルアレイのセルは、マルチビームのパスのためのアパーチャアレイのアパーチャに関連付けられ、及びセンサユニットアレイのセンサユニットに関連付けられる、セルアレイと、関連付けられたセルとセルアレイの少なくとも周囲長との間において、関連付けられたセンサユニットから信号を伝送するように構成された配線ルートであって、セルアレイ及び/又はアパーチャアレイのアパーチャ間にルーティングされるように構成される配線ルートとを含む、検出器基板。
【0213】
[0233] 条項36:各センサユニットは、捕捉電極、シンチレータ及びPINダイオードの少なくとも1つを含む、先行する請求項の何れか一項に記載の検出器基板。
【0214】
[0234] 条項37.マルチビーム評価ツールのための対物レンズアセンブリであって、複数の荷電粒子ビームをサンプル上に投影するように構成された対物レンズであって、対物レンズにおいて、サンプルに向かうそれぞれの荷電粒子ビームのパスのためのビームアパーチャのアレイが画定される、対物レンズと、先行する条項の何れか一項に記載の検出器基板とを含む、対物レンズアセンブリ。
【0215】
[0235] 条項38.条項37に記載の対物レンズを含む荷電粒子評価ツール。
【0216】
[0236] 条項39.請求項1~34の何れか一項に記載の検出器基板及び対物レンズアレイを含む荷電粒子評価ツールであって、検出器基板は、対物レンズアレイのアップビームにある、荷電粒子評価ツール。
【0217】
[0237] 条項40:検出器基板と対物レンズアレイとの間に偏向器をさらに含み、好ましくは、アパーチャは、検出器アレイにわたり延在するように細長く、各アパーチャは、マルチビームにわたるサブビームパスの少なくとも1つのラインを取り囲み、好ましくは、マルチビームのそれぞれのサブビームに関連付けられた検出器要素は、対応する細長いアパーチャの片側に隣接して位置決めされる、請求項39に記載の粒子評価ツール。
【0218】
[0238] 条項41.条項1~36の何れか一項に記載の検出器基板、条項37に記載の対物レンズアセンブリ又は条項38~40の何れか一項に記載の荷電粒子評価ツールを使用する、荷電粒子のマルチビームを使用してサンプルを評価する方法。
【0219】
[0239] 条項42.サンプルに向けて荷電粒子のマルチビームを投影することと、荷電粒子のマルチビームに応答してサンプルから放出された荷電粒子を捕捉することと、荷電粒子の捕捉に応答してアナログ信号を伝送することと、増幅器を使用してアナログ信号を増幅することと、アナログ-デジタル変換器を使用してアナログ信号をデジタル信号に変換することと、増幅器及びアナログ-デジタル変換器の動的範囲を制御することとを含む、サンプルを評価する方法。
【0220】
[0240] 条項43.増幅器及びアナログ-デジタル変換器の動的範囲の制御は、増幅器の増幅を制御することを含む、条項42に記載の方法。
【0221】
[0241] 条項44.増幅器の増幅を制御することは、パラメータの数に依存する、条項43に記載の方法。
【0222】
[0242] 条項45.パラメータの数は、ビーム電流のサイズ及びサンプルの第2の放出係数の少なくとも一方を含む、条項44に記載の方法。
【0223】
[0243] 条項46.動的範囲の制御は、増幅器の出力とアナログ-デジタル変換器の入力との間のオフセットを減算することを含む、条項42~45の何れか一項に記載の方法。
【0224】
[0244] 条項47.動的範囲の制御は、プログラム可能増幅器及び/又はプログラム可能オフセットによって制御される、条項42~46の何れか一項に記載の方法。
【0225】
[0245] 上記の説明は、限定ではなく、理解を促進するものであることが意図される。したがって、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明されたような変更形態がなされ得ることが当業者に明らかになるであろう。
【国際調査報告】