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特表2023-533465重複構造上での後方散乱電子をモデル化することによりオーバレイを計測するためのターゲット及びアルゴリズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】重複構造上での後方散乱電子をモデル化することによりオーバレイを計測するためのターゲット及びアルゴリズム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20230727BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20230727BHJP
   G01B 15/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01J37/22 502H
G01B15/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580189
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 US2021039735
(87)【国際公開番号】W WO2022006189
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】16/918,242
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グートマン ナダブ
(72)【発明者】
【氏名】アッヘ オリバー
(72)【発明者】
【氏名】フェルプス ケアリー
【テーマコード(参考)】
2F067
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
2F067AA15
2F067AA41
2F067AA63
2F067BB04
2F067BB16
2F067CC17
2F067EE04
2F067HH06
2F067JJ05
2F067KK04
4M106AB17
4M106BA02
4M106CA50
4M106DB05
4M106DH24
4M106DH33
5C101AA03
5C101BB03
5C101FF04
5C101FF27
5C101HH11
5C101HH56
5C101LL05
(57)【要約】
オーバレイターゲットであって、下格子構造が試料上に配されていてその下格子構造上に上格子構造が配されている格子オーバ格子構造を有する。そのオーバレイターゲットが更に、下格子構造があるが上格子構造がない校正走査ロケーションと、上格子構造及び下格子構造があるオーバレイ走査ロケーションとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバレイターゲットであって、
試料上に配された下格子構造、並びに
前記下格子構造上に配された上格子構造、
を有する格子オーバ格子構造と、
前記下格子構造があるが前記上格子構造がない校正走査ロケーションと、
前記上格子構造と前記下格子構造とがあるオーバレイ走査ロケーションと、
を備えるオーバレイターゲット。
【請求項2】
請求項1に記載のオーバレイターゲットであって、前記格子オーバ格子構造が更に、前記下格子構造も前記上格子構造もない空白エリアを有するオーバレイターゲット。
【請求項3】
方法であって、
電子ビーム式出力捕捉サブシステムで以てオーバレイターゲットを捕捉することで捕捉画像を形成させる方法であり、但し前記オーバレイターゲットが、
下格子構造、並びに
前記下格子構造上に配された上格子構造、
を有する格子オーバ格子構造と、
前記下格子構造があるが前記上格子構造がない校正走査ロケーションと、
前記上格子構造と前記下格子構造とがあるオーバレイ走査ロケーションと、
を備えるオーバレイターゲットであり、且つ
前記捕捉画像を用い前記格子オーバ格子構造のオーバレイを計測する方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記格子オーバ格子構造の前記オーバレイを計測する際に、前記捕捉画像から前記オーバレイを分解及び抽出する方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記分解及び抽出の際に単一層から抽出信号を抽出する方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、更に、前記抽出信号の信号対雑音比の改善を行う方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記改善の際に設計立脚フィルタを前記抽出信号に適用する方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、前記分解及び抽出の際に、更に、前記抽出信号の散乱を分解する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記散乱を分解する際に、
後方散乱電子プロファイルを前記抽出信号に適用し、
前記抽出信号に関し伝達関数を決定し、
前記散乱に係るモデルであり前記伝達関数を有するものを生成する、
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、特定層の後方散乱電子・二次電子間相互作用が見出される第2校正走査ロケーションに対し前記校正走査ロケーションを整合させることにより、或いは局所非対称性又は前記二次電子信号の対称中心を用い、前記モデルのパラメータを最適化する方法。
【請求項11】
1個又は複数個の情報処理装置上で請求項3に記載の方法を実行するための1個又は複数個のプログラムを備える非一時的コンピュータ可読格納媒体。
【請求項12】
1個又は複数個の情報処理装置上で請求項4に記載の方法を実行するための1個又は複数個のプログラムを備える非一時的コンピュータ可読格納媒体。
【請求項13】
システムであって、
オーバレイターゲットを有する試料を保持するよう構成されたステージを備え、但し前記オーバレイターゲットが、
前記試料上に配された下格子構造、並びに
前記下格子構造上に配された上格子構造、
を有する格子オーバ格子構造と、
前記下格子構造があるが前記上格子構造がない校正走査ロケーションと、
前記上格子構造と前記下格子構造とがあるオーバレイ走査ロケーションと、
を備えるオーバレイターゲットであり、
前記ステージ上で前記オーバレイターゲットを計測するよう構成された電子ビーム式出力捕捉サブシステムを備え、且つ
前記捕捉画像を用い前記格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するよう構成されており前記電子ビーム式出力捕捉サブシステムと電子通信するプロセッサを、備えるシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記捕捉画像から前記オーバレイを分解及び抽出することにより、前記捕捉画像を用い前記格子オーバ格子構造の前記オーバレイを計測するよう、前記プロセッサが構成されているシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記分解及び抽出の際に単一層から抽出信号を抽出するシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、更に、前記プロセッサを用い前記抽出信号の信号対雑音比の改善を行うシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記改善の際に設計立脚フィルタを前記抽出信号に適用するシステム。
【請求項18】
請求項15に記載のシステムであって、前記分解及び抽出の際に、更に、前記抽出信号の散乱を分解するシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記散乱を分解する際に、
後方散乱電子プロファイルを前記抽出信号に適用し、
前記抽出信号に関し伝達関数を決定し、
前記散乱に係るモデルであり前記伝達関数を有するものを生成する、
システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、特定層の後方散乱電子・二次電子間相互作用が見出される第2校正走査ロケーションに対し前記校正走査ロケーションを整合させることにより、或いは局所非対称性又は前記二次電子信号の対称中心を用い、前記モデルのパラメータを最適化するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は、一般に半導体ターゲット及び計量に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造業界の発展につれ歩留まり管理、とりわけ計量及び検査システムへの要請が強まっている。限界寸法が縮まり続けているのに、業界にはより短時間で高歩留まり高付加価値生産を達成することが求められている。歩留まり問題を察知してからそれを正すまでの合計時間を縮めることが、半導体製造業者にとり投資収益率の決め手となっている。
【0003】
検査プロセスは半導体製造中の様々な工程にて用いられており、それによりウェハ側の欠陥を検出することで、その製造プロセスの歩留まり向上ひいては利益増進を促進することができる。検査はずっと、半導体デバイス例えば集積回路(IC)の製造の重要部分とされてきた。しかしながら、半導体デバイスの寸法縮小につれ、より小さな欠陥でもデバイス不調につながりうることとなったため、許容しうる半導体デバイスの首尾よい製造のため、検査がかつてなく重要になっている。例えば、半導体デバイスの寸法縮小につれて、相対的に小さな欠陥でさえもそれら半導体デバイスに不要なずれを引き起こしかねないことから、より小サイズ欠陥の検出が必要になってきている。
【0004】
電子ビームオーバレイ計測にて用いられる標準的なマークには、分離型パターンを有しているため別層由来の信号を非重複的要領で切り離せるもの、例えば図1に示されている横並びマークや図2に示されている間挿マークがある。これらの例では単純なアルゴリズムを用い各層の位置を抽出することができる。
【0005】
図3及び図4には、上層2及び埋込層3が備わる多層パターン1が描かれている。複数個の層が存在している場合、二次電子信号が上層2からの二次電子4、即ちSEと記しうるそれに相当しているのか、それとも埋込層3からの二次電子5、即ちSE2と記しうるそれに相当しているのかを、弁別不能なことがある。図3に描かれている通り、SE2は、埋込層3での散乱による後方散乱電子がもとで生じた二次電子5に、対応付けることができる。同様に、図4に描かれている通り、後方散乱電子(BSE)信号6又は7が上層2及び埋込層3のどちらに対応するものであるのかを、判別不能なことがある。
【0006】
空間分離型ターゲットの計測には難点があろう。そうした難点の一つは、空白エリアが広くなることであろう。空白エリアはコストを増大させるので微細電子回路作成との相性が良くない。もう一つの難点は、電子ビームを用い非対称視野に対する撮像を行うと、その面の不均一帯電を原因とするビーム配置歪が生じかねないことであろう。加えて、分離型エリアではそのデバイス、例えばスタック層(層の積層体)が備わるそれを、適切に代表しえない。
【0007】
これらの難点を避けるための(即ち各層からの信号の空間分離が可能でない場合にスタック層を計測するための)従来策の一つに、電子ビーム対スタック相互作用をモデル化する策がある。しかしながら、全面的なモデル化には設計、プロセス工程及びツール対素材相互作用についての知識が必要になる。この種の策では、光学計測、例えば光学限界寸法(OCD)アプリケーションを用いそれが実行される。電子ビームオーバレイ計量に関しては正確で高速な計量方法がない。
【0008】
もう一つの従来策に、指定されたシフト付で専用格子オーバ格子ターゲットを構築する策がある。その構築には、差分信号を用いるアルゴリズムを取り入れることができる。信号対雑音比(SNR)が、空間分離型フィーチャ(外形特徴)に比べ桁違いに低くて所要計測時間が長くなるため、そうしたターゲットは、インライン生産制御と両立させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7274814号明細書
【特許文献2】米国特許第7068833号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0060148号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのため、改善されたオーバレイターゲット及びその計測方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ある実施形態では、オーバレイターゲットを、格子オーバ格子構造、校正走査ロケーション及びオーバレイ走査ロケーションを備えるものとすることができる。
【0012】
別の実施形態では、方法を、電子ビーム式出力捕捉サブシステムで以てオーバレイターゲットを捕捉し、それにより捕捉画像を形成させ、その捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するものと、することができる。そのオーバレイターゲットを、格子オーバ格子構造、校正走査ロケーション及びオーバレイ走査ロケーションを備えるものとすることができる。捕捉画像を用いた格子オーバ格子構造のオーバレイの計測の際に、捕捉画像からオーバレイを分解及び抽出してもよい。
【0013】
ある例では、非一時的コンピュータ可読格納媒体を、方法ステップを実行するための1個又は複数個のプログラムが備わるものとすることができ、例えばその方法を、電子ビーム式出力捕捉サブシステムで以てオーバレイターゲットを捕捉するステップ、それにより捕捉画像を形成させるステップ、並びにその捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するステップを有するものとすることができる。それらのステップのなかに、更に、捕捉画像からオーバレイを分解及び抽出するステップを含めてもよい。
【0014】
ある例では、システムを、ステージ、電子ビーム式出力捕捉サブシステム、並びにその電子ビーム式出力捕捉サブシステムと電子通信するプロセッサを、備えるものとすることができる。そのステージを、オーバレイターゲットを有する試料を保持しうるよう構成されたものとすることができる。そのオーバレイターゲットを、格子オーバ格子構造、校正走査ロケーション及びオーバレイ走査ロケーションを備えるものとすることができる。そのプロセッサを、捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するよう構成されたものとすることができる。そのプロセッサを更に、捕捉画像からオーバレイを分解及び抽出することでその捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するよう、構成されたものとしてもよい。
【0015】
その格子オーバ格子構造を、下格子構造及び上格子構造を有するものとすることができる。下格子構造は試料上に配すればよい。試料はステージ上とすればよい。上格子構造は下格子構造上に配すればよい。上格子構造及び下格子構造の双方を試料、例えば半導体ウェハその他の種類の試料の一部分としてもよい。校正走査ロケーションは、下格子構造があるが上格子構造がないところとすればよい。ある種の実施形態によれば、校正走査ロケーションを、本質的に下格子構造のみで構成することができる。オーバレイ走査ロケーションは、上格子構造及び下格子構造があるところとすればよい。
【0016】
格子オーバ格子構造を、空白エリアを有するものとしてもよい。空白エリアは、下格子構造及び上格子構造の何れもないところとすればよい。
【0017】
分解及び抽出の際に単一層から抽出信号を抽出してもよい。本方法にて更に、抽出信号の信号対雑音比の改善を行うようにしてもよい。その改善の際に、設計立脚フィルタを抽出信号に適用してもよい。分解及び抽出の際に更に、抽出信号の散乱を分解してもよい。
【0018】
その散乱分解の際に、後方散乱電子プロファイルを抽出信号に適用し、その抽出信号に関し伝達関数を決定し、その散乱に係るモデルでありその伝達関数を有するものを生成してもよい。
【0019】
そのモデルのパラメータを、局所非対称性又は二次電子信号の対称中心を用い最適化してもよい。そのモデルのパラメータを、特定層の後方散乱電子・二次電子間相互作用が見出されうる第2校正走査ロケーションに対し校正走査ロケーションを整合させることにより、最適化してもよい。
【0020】
本件開示の性質及び目的をより遺漏なく理解頂くため、後掲の詳細記述と併せ以下の添付図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のターゲット設計が描かれている図である。
図2】従来のターゲット設計が描かれている図である。
図3】従来のターゲット設計が描かれている図である。
図4】従来のターゲット設計が描かれている図である。
図5】本件開示の実施形態に係るターゲットが描かれている図である。
図6】本件開示の実施形態に係るターゲットが描かれている図である。
図7】本件開示の実施形態に係るターゲットが描かれている図である。
図8】本件開示の実施形態に係る方法が描かれている図である。
図9A】信号汚染清掃ステップのグラフ表現が描かれている図である。
図9B】信号汚染清掃ステップのグラフ表現が描かれている図である。
図9C】信号汚染清掃ステップのグラフ表現が描かれている図である。
図9D】信号汚染清掃ステップのグラフ表現が描かれている図である。
図9E】信号汚染清掃ステップのグラフ表現が描かれている図である。
図9F】信号汚染清掃ステップのグラフ表現が描かれている図である。
図10】本件開示の実施形態に係るシステムが描かれている図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ある特定の諸実施形態によって特許請求の範囲記載の主題を記述するが、本件開示の技術的範囲内には、本願にて説明されている諸利益及び諸特徴が全ては提供されない諸実施形態を含め、他の諸実施形態も包含される。様々な構造的、論理的、処理ステップ的及び電子的改変を、本件開示の技術的範囲から離隔することなくなすことができる。従って、本件開示の技術的範囲は別項の特許請求の範囲への参照によってのみ定まる。
【0023】
諸実施形態では、電子ビーム(eビーム)計量ツールを用いるオーバレイ計測(即ちミスレジストレーション(位置ずれ)計測)につき改善を行うことができる。ここでいう電子ビーム計量ツールに含まれうるものには、限界寸法走査型電子顕微(CD-SEM)ツール、欠陥/欠陥レビューツール、検査ツール等がある。専用のターゲット及びアルゴリズムを複雑な半導体スタックに適用することで、複数個の層からの信号の混合を原因とする正確度誤差を、克服することができる。
【0024】
電子ビーム計量においては、(例.走査型電子顕微鏡(SEM)を用い)ターゲット上を集束電子ビームで走査することによって、像を構築することができる。二種類の電子を、1個又は複数個の検出器を用い各走査ポイントから捉えて、像を生成することができる。その二種類の電子とは、後方散乱電子(BSE)及び二次電子(SE)のことである。多層構造、例えばミスレジストレーション又はオーバレイ計測に用いられるそれらをもとに像を構築する際には、それら二組の電子が、そのビームを触れさせている層の何れでも生じうる。
【0025】
ある例によれば、実施形態のターゲットを、ターゲット対デバイスバイアスを原因とする総合計測不確定性(TMU)及び不正確性で表される計量性能に関して、最適なものとすることができる。短い計測時間及び低めなTMU向けにターゲットが最適化されている場合でさえも、オーバレイ計測値が半導体デバイス毎に違ってくることがある。このバイアスのことを、ターゲット不正確度又は非ゼロオーバレイ(NZO)と呼ぶことができる。このバイアスを克服するため、実施形態のターゲットに、そのデバイスに類似したフィーチャ(例.スタック層や小さなピッチ)を持たせることができる。
【0026】
デバイスに似たターゲットとすることで課される難題のなかに、例えば、空間分離無しでの信号汚染克服がある。そうした複雑な相互作用を、光学的相互作用に関し行われている如く分析的にモデル化することは、現実的でなかろう。本願特許請求の範囲に係る諸実施形態によれば、こうした難題を克服することができる。
【0027】
ある例に係るアルゴリズムによれば、等式1により記述されている通りSE間相互作用を規定することができる。
SE(x)=SE(x)+SE(x+x) [1]
【0028】
等式1中、xはターゲット沿い位置を表しており、xは第2の格子のオフセット(例.オーバレイ)であり、SEは上層からの検出二次電子(SE)及び下層からのそれ(SE)を表している。その第2の層の位置を十分な精度で以て計測できる場合、それを入力として役立てることができる。十分な精度とは、例えば十分に明瞭な信号が捕捉される場合のことであり、その場合、ノイズを克服することができ且つその格子の位置を計測することができる。とはいえ、第2の層の位置を入力とする必要はなく、本件開示の諸実施形態に従いそれを計算することもできる。例えば、一方の格子の位置が既知である場合でも一方の格子の位置が未知である場合でも、第2の層の位置を計算することができる。
【0029】
本願中の諸実施形態によれば、埋込層からの二次電子(SE)及び後方散乱電子(BSE)についての知識を用い二次電子信号をモデル化することで、信号汚染を克服することができる。α、γ及び関数fは、電子を用い層から層へと信号が伝達される際の散乱係数である。
SE(x)=SE(x)+αBSE(x+x) [2]
SE(x)=SE(x)+γSE(x)BSE(x+x) [3]
SE(x)=SE(x)+f(SE(x),BSE(x+x)) [4]
【0030】
但し、各等式2~4で表現される相互作用の複雑度は増しており、変数が多くなっており、また感度が高くなっている。何れも、ターゲット内専用エリアを活用してBSE及びSE双方のプロファイルを明瞭に計測する能力に根差している。
【0031】
この等式群を解けるようにするため、ターゲットを、2個の層のうち一方が汚染されていないエリアが少なくとも1個あり又はそれにより構成されているものとする。そうしたターゲット設計の例を図5図7中に見出すことができる。
【0032】
ある例においては、オーバレイターゲットを、格子オーバ格子構造、校正走査ロケーション及びオーバレイ走査ロケーションを備えるものとすることができる。
【0033】
図5はその種のオーバレイターゲット10の例示的実施形態である。オーバレイターゲット10は下格子構造12、上格子構造11及び注目領域13を備えるものとすることができ、またその注目領域13を用い下格子構造12の位置及び信号プロファイル双方を捉えうるものとすることができる。捉えたものを等式1中のSE又はBSEとして用いることができる。デバイス効果及びプロセス工程を捉えるターゲット設計では、ピッチの範囲を、40nmの細ピッチから200及び400nmの粗ピッチに至る範囲とすることができる。合計ターゲットサイズは1μm~数μm(例.2~4μm)とすることができる。
【0034】
図6はその種のオーバレイターゲット20の例示的実施形態である。オーバレイターゲット20は下格子構造22、上格子構造21及び注目領域23を備えるものとすることができる。図6の実施形態におけるピッチ及びターゲットサイズは、図5のそれと同様なものとすることができる。校正エリアは200nm以下とすることができる。
【0035】
図7はその種のオーバレイターゲット30の例示的実施形態である。オーバレイターゲット30は下格子構造32、上格子構造31及び注目領域33を備えるものとすることができる。図7の実施形態におけるピッチ及びターゲットサイズは、図5のそれと同様なものとすることができる。校正エリアは200nm以下とすることができる。
【0036】
ある種の実施形態では、透明レジストを用いることや、BSEチャネルを本方法向けのシードとして用いることができる。透明レジストを用いる場合、そのオーバレイターゲットが空白エリアを有していても、空白エリアを有していなくてもよい。透明レジストを伴う例の一つは、そのオーバレイターゲットに2個の空白エリア、例えば注目領域13を取り巻いている図5中の2個の長方形を設けたものである。
【0037】
格子オーバ格子構造は、下格子構造及び上格子構造を有するものとすることができる。下格子構造は試料上に配すればよい。試料はステージ上とすればよい。上格子構造は下格子構造に配すればよい。校正走査ロケーションの一例は、下格子構造はあるが上格子構造がないところである。ある種の実施形態では、その校正走査ロケーションを、本質的に下格子構造のみで構成されたところとすることができる。オーバレイ走査ロケーションの一例は、下格子構造及び上格子構造があるところである。
【0038】
格子オーバ格子構造は、空白エリアを有するものとすることができる。空白エリアの一例は、下格子構造も上格子構造もないところである。その場合、空白エリアを校正に用いることができる。ある例においては、空白エリアを、本願開示の諸等式を解くのに役立つ単一の格子シグネチャが捕捉されるロケーションとすることができる。
【0039】
ある例においては、図8に示されている通り、方法100を、101にて電子ビーム式出力捕捉サブシステムで以てオーバレイターゲットを捕捉し、それにより102にて捕捉画像を形成させ、そして103にてその捕捉画像を用いその格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するものと、することができる。そのオーバレイターゲットを、格子オーバ格子構造、校正走査ロケーション及びオーバレイ走査ロケーションを備えるものとすることができる。103にて捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測する際に、その捕捉画像からオーバレイを分解及び抽出してもよい。
【0040】
その分解及び抽出の際に、例えばそのプロファイルをモデル化することで、単一層からの抽出信号の抽出を行ってもよい。そのプロファイルたりうるものには、図5図7にてフレームエリアとしてマーキングされている2D注目領域の射影がある。
【0041】
本方法にて更に、その抽出信号の信号対雑音比の改善を行ってもよい。ある例では設計立脚フィルタリングが適用される。これは、設計基準についての情報を取り入れるフィルタリングアルゴリズムである。信号対雑音比の改善について特許文献1及び2中に記述があるので、参照によりそれらの全容を繰り入れることにする。
【0042】
その改善の際に、設計立脚フィルタをその抽出信号に適用してもよい。これは、非汚染領域が小さい場合に役立ちうる。ある例では、1D又は2D的であり既知な細及び粗ピッチが用いられる。ターゲット設計者であればそれら設計パラメータを提供することができる。プロファイル抽出時には、その設計に従わないもの全てがノイズとされ、除去されるので、信号対雑音比が改善される。
【0043】
分解及び抽出の際に、更に、その抽出信号の散乱を分解してもよい。BSEプロファイルを等式2又は等式3に適用することで、散乱を分解することができる。
【0044】
その散乱分解の際に、後方散乱電子プロファイルを抽出信号に適用し、その抽出信号に関し伝達関数を決定し、そしてその散乱に関するモデルでありその伝達関数を有するものを生成するのでもよい。その伝達関数は、等式4に例示されたものとすることができる。
【0045】
そのモデルのパラメータを、局所非対称性又は二次電子信号の対称中心を用い最適化してもよい。そのモデルのパラメータを、特定層の後方散乱電子・二次電子間相互作用が見出されうる第2校正走査ロケーションに対し校正走査ロケーションを整合させることで、最適化してもよい。
【0046】
物理特性を、その散乱モデルのパラメータを最適化するのに用いてもよい。例えばフルSE信号の対称中心を用いることができる。対称中心は、そのターゲットの設計者が従わねばならない仮定事項である。散乱問題を解く際にその仮定事項を用いることができる。この対称性は、格子オーバ格子が配置される際に破れかねない。従って、そのアルゴリズムに制約をかけ、諸等式内の各格子が対称的なものとなるようにした方がよい。
【0047】
局所非対称性(例.qMerit関数)を用いてもよい。局所非対称性は、周期信号抽出時に発生させることができる。それでいて、参照によりその全容が繰り入れられるところの特許文献3等に開示されている通り、各周期を非対称的なものとすることができる。qMeritは、本願開示の諸等式を解く際に用いることができる。拘束条件を用いることで、確と、局所非対称性(qMerit)が、諸等式向けの入力たる格子毎に最小化されるようにすることができる。
【0048】
特定層のBSE・SE間相互作用が見出されうる空白エリア(校正エリア)の整合を、等式4にて関数f(SE(x),BSE(x+x))により表される通り用いることができる。本願開示の諸等式が解かれた後、拘束条件に従い見出された信号を空白エリアに対し整合させることができる。
【0049】
信号汚染清掃ステップが図9A図9F中に描かれており、そこにはその散乱問題を解くプロセスが描かれている。図9A図9Bは順にプロファイル,画像である。プロファイルとは画像から抽出された1D射影のことである。これは格子オーバ格子を撮像したものであるため、それら格子双方が見えている。それら2個の格子は整列しておらず、プロセスオーバレイや設計の影響を受けている。このミスアライメント(誤整列)が原因でプロファイルが非対称的となり、それらが対称的に処理されている場合でもそうなる。本願開示の諸実施形態にて記述されている手順によれば、各層のプロファイル及び画像が抽出される。このことが、順に上格子,下格子について、図9C及び図9D図9E及び図9Fに示されている。プロファイルが何れも射影及び画像として示されており、対称的に見えるようそれらが再構成されている。
【0050】
図10はある実施形態のシステム200のブロック図である。本システム200は、ウェハ204の画像を生成するよう構成された(電子カラム201を有する)ウェハ検査ツールを有している。
【0051】
そのウェハ検査ツールを、少なくともエネルギ源及び検出器が備わる出力捕捉サブシステム(例.電子ビーム式出力捕捉サブシステム)を有するものと、することができる。その出力捕捉サブシステムを、電子ビーム式出力捕捉サブシステムとすることができる。例えばある実施形態では、ウェハ204に差し向けるエネルギが電子によるもの、ウェハ204から検出されるエネルギが電子によるものとされる。なお、ウェハ204を以て試料とすることができる。この構成にて、エネルギ源を電子ビーム源としてもよい。図10に示されているその種の実施形態では、出力捕捉サブシステムを、コンピュータサブシステム202に結合させうる電子カラム201を有するものと、することができる。ステージ210によりそのウェハ204を保持することができる。
【0052】
ウェハ204は、オーバレイターゲットを有するものとすることができる。そのオーバレイターゲットを、格子オーバ格子構造、校正走査ロケーション及びオーバレイ走査ロケーションを備えるものとすることができる。
【0053】
これも図10に示されている通り、電子カラム201を、電子が生成されるよう構成された電子ビーム源203を有するものとし、それら電子を、1個又は複数個の素子205によりウェハ204へと集束させるようにしてもよい。電子ビーム源203たりうるものには、例えばカソード式電子源やエミッタチップがある。その1個又は複数個の素子205に含めうるものには、例えばガンレンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲートバルブ、ビーム流選択アパーチャ、対物レンズ及び走査サブシステムがあり、それらの何れにも、本件技術分野にて既知で好適なあらゆる類種素子が含まれうる。
【0054】
ウェハ204から戻ってきた電子(例.二次電子)を、1個又は複数個の素子206により検出器207へと集束させてもよい。1個又は複数個の素子206に含めうるものには例えば走査サブシステムがあるところ、それを素子(群)205に含まれる走査サブシステムと同じものとしてもよい。
【0055】
電子カラム201を、本件技術分野にて既知で好適な他の何らかの類種素子をも有するものとしてもよい。
【0056】
電子カラム201は、図10では、電子がある斜め入射角にてウェハ204に差し向けられ別の斜め角にてそのウェハ204から散乱されてくるよう構成された態で示されているが、電子ビームがウェハ204に差し向けられまたそこから散乱されてくる角度が、好適な何れの角度であってもよい。加えて、その電子ビーム式出力捕捉サブシステムを、複数通りのモードを用い(例.異なる照明角、収集角等々で以て)ウェハ204の画像を生成するよう構成してもよい。電子ビーム式出力捕捉サブシステムに備わる複数通りのモードの間の違いを、その出力捕捉サブシステムの何らかの画像生成パラメータにおける違いとしてもよい。
【0057】
上述の通り、コンピュータサブシステム202を検出器207に結合させてもよい。検出器207により、ウェハ204の表面から戻ってきた電子を検出して、そのウェハ204の電子ビーム像を形成させればよい。その電子ビーム像にはあらゆる好適な電子ビーム像が含まれうる。コンピュータサブシステム202を、検出器207の出力及び/又は電子ビーム像を用い本願記載の諸機能のうち何れかを実行するように、構成してもよい。コンピュータサブシステム202を、本願記載の何れの付加的ステップ(群)を実行するように構成してもよい。図10に示す出力捕捉サブシステムを有するシステム200は、更に、本願開示の如く構成されうる。
【0058】
なお、図10を本願にて提示する目的は、本願記載の諸実施形態で用いうる電子ビーム式出力捕捉サブシステムの構成を概略描出することにある。本願記載の電子ビーム式出力捕捉サブシステムの構成は、商用の出力捕捉システムを設計する際通常行われている通り、その出力捕捉サブシステムの性能を最適化すべく改変することができる。
【0059】
加えて、本願記載の諸システムを実施する際に、(例.既存システムに本願記載の機能を付加することにより)既存システムを利用してもよい。その種のシステムにて、本願記載の諸方法を、そのシステムのオプション的機能として(例.そのシステムの他機能に加え)提供してもよい。これに代え、本願記載の諸システムを、完全に新規なシステムとして設計してもよい。
【0060】
出力捕捉サブシステムは、上掲の記述では電子ビーム式出力捕捉サブシステムとされているが、出力捕捉サブシステムをイオンビーム式出力捕捉サブシステムとしてもよい。そうした出力捕捉サブシステムは図10に示されている通り構成すればよく、例外として、その電子ビーム源を、本件技術分野にて既知で好適な何れかのイオンビーム源で置き換えればよい。加えて、その出力捕捉サブシステムを他の何れの好適なイオンビーム式出力捕捉サブシステムとしてもよく、例えば市販の集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微(HIM)システム及び二次イオン質量分析(SIMS)システムに組み込まれているそれらとしてもよい。
【0061】
コンピュータサブシステム202はプロセッサ208及び電子データ格納ユニット209を有している。プロセッサ208たりうるものに、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラその他のデバイスがある。
【0062】
コンピュータサブシステム202は、プロセッサ208にて出力を受け取れるよう、何らかの好適要領(例.1個又は複数個の伝送媒体、例えば有線及び/又は無線伝送媒体を含むそれを経る要領)にて、システム200の構成諸部材に結合させればよい。プロセッサ208を、その出力を用い多数の機能を実行するよう構成してもよい。ウェハ検査ツールでは、そのプロセッサ208から、命令その他の情報を受け取ることができる。プロセッサ208及び/又は電子データ格納ユニット209を、オプション的に、別のウェハ検査ツール、ウェハ計量ツール又はウェハレビューツール(図示せず)との電子通信を通じ付加的な情報を受け取り又は命令を送れるものとしてもよい。
【0063】
プロセッサ208はウェハ検査ツール、例えば検出器207と電子通信する。プロセッサ208は、検出器207からもたらされる計測結果を用い生成された画像を処理するよう、構成すればよい。例えば、そのプロセッサにて諸実施形態の方法100を実行させてもよい。
【0064】
コンピュータサブシステム202、他の1個又は複数個のシステム、或いは他の1個又は複数個のサブシステムであり、本願記載のものを、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器その他の装置を初め、様々なシステムの一部としてもよい。その又はそれらのサブシステム又はシステムを、本件技術分野にて既知で好適な何れのプロセッサ、例えば並列プロセッサを有するものとしてもよい。加えて、その又はそれらのサブシステム又はシステムを、スタンドアロンかネットワーク接続ツールかを問わず、高速処理プラットフォーム及びソフトウェアを有するものとしてもよい。
【0065】
プロセッサ208及び電子データ格納ユニット209を、システム200又はその他の装置の内部に配する等、その一部分としてもよい。ある例によれば、プロセッサ208及び電子データ格納ユニット209を、スタンドアロン制御ユニットの一部分とすることや、集中品質制御ユニットの内部に設けることができる。複数個のプロセッサ208又は電子データ格納ユニット209を用いてもよい。
【0066】
プロセッサ208は、実際上、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのどのような組合せにより実施されるのでもよい。また、それらの機能であり本願記載のものを単一ユニットで実行してもよいし、相異なる部材間で分かち合ってもよいし、またそれら部材それぞれが、やはり、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのどのような組合せにより実施されるのでもよい。プロセッサ208に様々な方法及び機能を実行・実施させるためのプログラムコード又は命令は可読格納媒体内に格納すればよく、例えばその媒体を電子データ格納ユニット209のメモリその他のメモリとしてもよい。
【0067】
システム200が複数個のコンピュータサブシステム202を有している場合、それら異なるサブシステム同士を結合させ、それらサブシステム間で画像、データ、情報、命令等を送れるようにしてもよい。例えば、あるサブシステムを1個又は複数個の付加的サブシステムに対し何れの好適な伝送媒体により結合させてもよく、またそれが本件技術分野にて既知で好適な何れの有線及び/又は無線伝送媒体であってもよい。そうしたサブシステムのうち2個以上を、共有型コンピュータ可読格納媒体(図示せず)により実質結合させてもよい。
【0068】
プロセッサ208を、システム200の出力その他の出力を用い多数の機能を実行するよう、構成してもよい。例えば、プロセッサ208を、電子データ格納ユニット209その他の格納媒体へと出力を送るように構成してもよい。そのプロセッサ208を更に、本願記載の如く構成してもよい。
【0069】
プロセッサ208又はコンピュータサブシステム202を、欠陥レビューシステム、検査システム、計量システム、或いは他の何らかの種類のシステムの一部としてもよい。即ち、本願開示の諸実施形態にて記述されている幾つかの構成を多様な要領にて仕立て上げ、様々な用途に大なり小なり適する様々な能力を有するシステム向けのものとすることができる。
【0070】
そのシステムが複数個のサブシステムを有している場合、それら異なるサブシステム同士を結合させ、それらサブシステム間で画像、データ、情報、命令等を送れるようにしてもよい。例えば、あるサブシステムを1個又は複数個の付加的サブシステムに対し何れの好適な伝送媒体により結合させてもよく、またそれが本件技術分野にて既知で好適な何れの有線及び/又は無線伝送媒体であってもよい。そうしたサブシステムのうち2個以上を、共有型コンピュータ可読格納媒体(図示せず)により実質結合させてもよい。
【0071】
プロセッサ208を、本願記載の諸実施形態の何れに従い構成してもよい。プロセッサ208を、システム200の出力を用い、或いは他の源泉からの画像又はデータを用い、他の諸機能又は付加的ステップを実現・実行するよう構成してもよい。
【0072】
ある例によれば、プロセッサ208をシステム200と通信させることができる。そのプロセッサ208を、捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するよう構成してもよい。そのプロセッサ208を更に、捕捉画像をもとにオーバレイを分解及び抽出することで、その捕捉画像を用いその格子オーバ格子構造のオーバレイを計測するよう、構成してもよい。
【0073】
プロセッサ208を、システム200に備わる様々な部材又はサブシステムの何れに可通信結合させてもよく、その要領を本件技術分野で既知な何れの要領にしてもよい。更に、プロセッサ208を、伝送媒体例えば有線及び/又は無線区間を有するそれによって、他の諸システムからのデータ又は情報(例.検査システム例えばレビューツールからの検査結果、リモートデータベース内の設計データ等)を受領及び/又は捕捉するよう、構成してもよい。その要領で、その伝送媒体を、プロセッサ208と、システム200の他サブシステム又はそのシステム200外のシステムと、の間のデータリンクとして働かせてもよい。
【0074】
ある例によれば、非一時的コンピュータ可読格納媒体を、方法ステップ実行用の1個又は複数個のプログラムが備わるものとすることができ、またその方法を、例えば、電子ビーム式出力捕捉サブシステムで以てオーバレイターゲットを捕捉し、それにより捕捉画像を形成させ、そしてその捕捉画像を用い格子オーバ格子構造のオーバレイを計測する方法100とすることができる。それらのステップのなかに、更に、その捕捉画像からのオーバレイの分解及び抽出を含めてもよい。
【0075】
本願開示のシステム200及び諸方法の様々なステップ、機能及び/又は動作は、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログ又はディジタルコントローラ/スイッチ、マイクロコントローラ、或いは情報処理システムのうち、1個又は複数個により実行される。方法例えば本願記載のそれらを実施するプログラム命令を、キャリア媒体上で伝送させてもよいし、キャリア媒体上に格納してもよい。そのキャリア媒体に含まれうるものに格納媒体、例えばリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気又は光ディスク、不揮発性メモリ、固体メモリ、磁気テープ等がある。キャリア媒体に含まれうるものに伝送媒体、例えばワイヤ、ケーブル又は無線伝送リンクがある。例えば、本件開示の随所に記載されている様々なステップを、単一のプロセッサ208(又はコンピュータサブシステム202)により実行してもよいし、それに代え複数個のプロセッサ208(又は複数個のコンピュータサブシステム208)により実行してもよい。更に、そのシステム200の様々なサブシステムを、1個又は複数個の情報処理又は論理システムを有するものとしてもよい。従って、上掲の記述は本件開示に対する限定としてではなく、単なる例証として解されるべきである。
【0076】
本願開示の様々な実施形態及び例に従い述べた方法の諸ステップは、本発明の方法を実行するのに十分なものである。即ち、ある実施形態では、本方法が、本質的に、本願開示の諸方法の諸ステップの組合せにより構成される。別の実施形態では、本方法がそれらステップのみで構成される。
【0077】
1個又は複数個の具体的実施形態及び/又は例を基準にして本件開示を記述してきたが、理解し得るように、本件開示の技術的範囲から離隔することなく本件開示の他の諸実施形態を構成することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
【国際調査報告】