(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】表面保護及び待ち時間延長のための除去可能なCVDポリマーフィルム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/312 20060101AFI20230728BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230728BHJP
C23C 16/30 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H01L21/312 A
H01L21/31 B
H01L21/312 M
H01L21/312 N
C23C16/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500015
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021040009
(87)【国際公開番号】W WO2022006349
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラシュート・グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ハイメス・ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】シラード・スティーブン・エム.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【解決手段】方法は、真空で動作する第1の基板処理ツール内において第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、第1の基板処理の後、第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して基板の露出表面上にポリマーフィルムを堆積し、待ち時間の間に第1の基板処理ツールから基板を取り出し、待ち時間の後に、基板からポリマーフィルムを除去し、第2の基板処理ツール内において第2のドライプロセスを使用して基板に第2の基板処理を実行することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空で動作する第1の基板処理ツール内において第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、
前記第1の基板処理の後、前記第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して前記基板の露出表面にポリマーフィルムを堆積し、
待ち時間の間に前記基板を前記第1の基板処理ツールから取り出し、
前記待ち時間の後、前記基板から前記ポリマーフィルムを除去し、
第2の基板処理ツール内において第2のドライプロセスを使用して、前記基板に第2の基板処理を実行すること
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の基板処理は、前記第1の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、前記ポリマーフィルムを堆積することは、前記第1の基板処理ツールの第2の処理チャンバで実行される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の基板処理は、前記第1の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、前記ポリマーフィルムを堆積することは、前記第1の基板処理ツールの前記第1の処理チャンバで実行される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第2の基板処理は、前記第2の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、前記ポリマーフィルムを堆積することは、前記第2の基板処理ツールの第2の処理チャンバで実行される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記第2の基板処理は、前記第2の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、前記ポリマーフィルムを堆積することは、前記第2の基板処理ツールの前記第1の処理チャンバで実行される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記CVDプロセス中の圧力を所定の圧力範囲内に制御することをさらに備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記所定の圧力範囲は、50mTorrから100Torrの間である、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記基板は半導体基板を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記CVDプロセスは、イニシエートCVD(iCVD)プロセスを含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記iCVDプロセスは、複数の加熱されたフィラメントワイヤを用いて反応を開始する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記待ち時間の間、前記基板を大気条件で保管することをさらに備える、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、待ち時間の間、前記基板を不活性ガスパージ付きFOUP(フロントオープニングユニファイドポッド)に保管することをさらに備える、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムを除去することは、前記基板を所定の期間、所定の温度範囲内の温度に加熱することを備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記所定の温度範囲は、80℃から600℃である、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、前記所定の期間は、1秒から5分の範囲である、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、前記第1の基板処理は、エッチング及び堆積からなる群より選択される、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、前記第2の基板処理は、エッチング及び堆積からなる群より選択される、方法。
【請求項18】
請求項2に記載の方法であって、前記第1の基板処理は、前記第1の基板処理ツールの第2の処理チャンバで実行され、その後、真空搬送モジュールを介して前記第1の基板処理ツールの前記第1の処理チャンバに搬送される、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムは、交互の炭素-酸素結合を有するポリマー骨格を含む、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、ポリデカアルデヒド、又はそれらの任意の組み合わせを含む、方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択されるホモポリマーを含むコポリマーである、方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムの堆積中に、モノマーアルデヒド及び交互の炭素-酸素環構造を有する前駆体からなる群より選択される前駆体を送達することをさらに備える、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記前駆体は、1,3,5-トリオキサン及びパラアルデヒドからなる群より選択される、方法。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の方法であって、前記モノマーアルデヒドは、ホルムアルデヒド、エタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、若しくはデカナール、又はこれらの分子の任意の非直線分岐バージョンからなる群より選択される、方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムは、10nmから5000nmの範囲の厚さを有する、方法。
【請求項26】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムは、100nmから1000nmの範囲の厚さを有する、方法。
【請求項27】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムに対する後処理を実行することをさらに備える、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、前記後処理は、溶媒への曝露、アニール、及びソフトベークからなる群より選択される、方法。
【請求項29】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムを除去することは、前記ポリマーフィルムを放射線に曝露することをさらに備える、方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルムの堆積中に基板支持体の温度を、前記ポリマーフィルムの堆積が実行される処理チャンバ内の他の表面よりも低い温度に制御することをさらに備える、方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルム上にキャップ層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記キャップ層は、前記第1の基板処理ツール内においてCVDプロセスによって堆積される、方法。
【請求項33】
請求項31または32に記載の方法であって、前記キャップ層は、無機層である、方法。
【請求項34】
請求項31または32に記載の方法であって、前記キャップ層は、SiO
x、SnO
x、AlO
x、TiO
x、ZrO
x、HfO
x、ZnO
x、及びSiN
xの1つ又は複数を含み、ここでxは0より大きい数である、方法。
【請求項35】
請求項31または32に記載の方法であって、前記キャップ層はポリマー層を含む、方法。
【請求項36】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーフィルム中に弱有機酸を組み入れることをさらに備える、方法。
【請求項37】
真空で動作する第1の基板処理ツール内において、第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、
前記第1の基板処理の後、前記第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して前記基板の露出表面にポリマーを含むポリマーフィルムを堆積し、
待ち時間の間に前記基板を前記第1の基板処理ツールから取り出すことを備え、
前記ポリマーは、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択される、
方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、前記ポリマーフィルム上にキャップ層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、前記キャップ層は、前記第1の基板処理ツール内においてCVDプロセスによって堆積される、方法。
【請求項40】
請求項38または39に記載の方法であって、前記キャップ層は無機層である、方法。
【請求項41】
請求項38または39に記載の方法であって、前記キャップ層は、SiO
x、SnO
x、AlO
x、TiO
x、ZrO
x、HfO
x、ZnO
x、及びSiN
xの1つ又は複数を含み、ここでxは0より大きい数である、方法。
【請求項42】
請求項38または39に記載の方法であって、前記キャップ層は、ポリマーを含む、方法。
【請求項43】
請求項37に記載の方法であって、前記ポリマーフィルム中に弱有機酸を組み入れることをさらに備える、方法。
【請求項44】
真空で動作する第1の基板処理ツール内において、第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、
前記第1の基板処理の後、前記第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して前記基板の露出表面にポリマーを含むポリマーフィルムを堆積し、
待ち時間の間に前記基板を前記第1の基板処理ツールから取り出すことを備え、
前記ポリマーは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択されるホモポリマーを含むコポリマーである
方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法であって、前記ポリマーフィルム上にキャップ層を堆積することをさらに備える、方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法であって、前記キャップ層は、前記第1の基板処理ツール内においてCVDプロセスによって堆積される、方法。
【請求項47】
請求項45または46に記載の方法であって、前記キャップ層は無機層である、方法。
【請求項48】
請求項46または47に記載の方法であって、前記キャップ層はSiO
x、SnO
x、AlO
x、TiO
x、ZrO
x、HfO
x、ZnO
x、及びSiN
xの1つ又は複数を含み、ここでxは0より大きい数である、方法。
【請求項49】
請求項45に記載の方法であって、前記キャップ層はポリマーを含む、方法。
【請求項50】
請求項44に記載の方法であって、前記ポリマーフィルム中に弱有機酸を組み入れることをさらに備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
PCT出願願書が、本出願の一部として、本明細書と同時に提出されている。同時に提出されたPCT出願願書に特定され、本出願がその利益又は優先権を主張する各出願は、その全体が全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板の処理に関し、より詳細には、処理ステップ間に基板の表面保護を提供するためにドライプロセスを用いる、除去可能なポリマーフィルムを堆積する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を大まかに提示することを目的とする。現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術の項で説明される範囲内において、出願時に先行技術として別途みなされ得ない説明の態様と同様に、明示又は暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理装置は、半導体ウェハなどの基板に対して処理を実行する。基板処理の例として、堆積、アッシング、エッチング、洗浄及び/又は他のプロセスが挙げられる。プロセスガス混合物を処理チャンバに供給して、基板を処理してもよい。プラズマを使用してガスに点火し、化学反応を強化してもよい。
【0005】
基板の製造中、半導体ウェハなどの基板には、通常、かなりの数の異なるプロセスが実行される。一般に、単一のツールでは、必要とされる異なる種類のプロセスの全てを実行することはできない。その結果、基板は、1つのツール又は基板処理ステーションで処理され、その後、基板の製造が完了するまで、基板は、1つ又は複数の他のツール及び/又は基板処理ステーションに移動される場合がある。いくつかの例では、基板は、異なるツール又は基板処理ステーションによって実行されるプロセス間の遅延(又は待ち時間)にさらされることもある。
【0006】
待ち時間中、基板は、一時保管中又は別個のツール若しくは基板処理システム間を移動している間に、大気条件にさらされることもある。露出した表面の汚染が発生することもあり、これは1つ又は複数の下流プロセスに悪影響を及ぼすこともある。
【0007】
通常、基板は、FOUP(フロントオープニングユニファイドポッド)内において移動される。一部のFOUPは、基板が大気条件や表面汚染にさらされるのを防止するために、不活性ガス環境(分子状窒素(N2)など)を維持するパージシステムを含む。代替的に、基板の表面汚染を防止し、表面の完全性を維持するために、基板は、完全一体型の真空システム内において処理されることもある。しかし、これらの戦略はいずれも柔軟性に欠け、資本集約的であり、汚染を防止するのに有効でないことが多い。
【発明の概要】
【0008】
方法は、真空で動作する第1の基板処理ツール内において、第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、第1の基板処理の後、第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して基板の露出表面にポリマーフィルムを堆積し、待ち時間の間に基板を第1の基板処理ツールから取り出し、待ち時間の後、基板からポリマーフィルムを除去し、第2の基板処理ツール内において第2のドライプロセスを使用して、基板に第2の基板処理を実行することを含む。
【0009】
他の特徴において、第1の基板処理は、第1の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、ポリマーフィルムを堆積することは、第1の基板処理ツールの第2の処理チャンバで実行される。第1の基板処理は、第1の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、ポリマーフィルムを堆積することは、第1の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行される。
【0010】
他の特徴において、第2の基板処理は、第2の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、ポリマーフィルムを堆積することは、第2の基板処理ツールの第2の処理チャンバで実行される。第2の基板処理は、第2の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行され、ポリマーフィルムを堆積することは、第2の基板処理ツールの第1の処理チャンバで実行される。
【0011】
他の特徴において、方法は、CVDプロセス中の圧力を所定の圧力範囲内に制御することを含む。所定の圧力範囲は、50mTorrから100Torrの間、例えば、50mTorrから10Torrの間であってもよい。基板は半導体基板を含む。CVDプロセスは、イニシエートCVD(iCVD)プロセスを含む。iCVDプロセスは、複数の加熱されたフィラメントワイヤを用いて反応を開始する。
【0012】
他の特徴において、方法は、待ち時間の間、基板を大気条件で保管することを含む。方法は、待ち時間の間、基板を不活性ガスパージ付きFOUP(フロントオープニングユニファイドポッド)に保管することを含む。
【0013】
他の特徴において、方法は、ポリマーフィルムを除去することを含み、ポリマーフィルムを除去することは、基板を所定の期間、所定の温度範囲内の温度に加熱することを含む。所定の温度範囲は、80℃から600℃、例えば、80℃から400℃である。所定の期間は、1秒から5分の範囲、例えば30秒から5分である。第1の基板処理は、エッチング及び堆積からなる群より選択される。第2の基板処理は、エッチング及び堆積からなる群より選択される。
【0014】
他の特徴において、第1の基板処理は、第1の基板処理ツールの第2の処理チャンバで実行され、その後、真空搬送モジュールを介して第1の基板処理ツールの第1の処理チャンバに搬送される。ポリマーフィルムは、交互の炭素-酸素結合を有するポリマー骨格を含む。
【0015】
他の特徴において、ポリマーフィルムは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択されてもよい。ポリマーフィルムは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択されるホモポリマーを含むコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、コポリマーは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択されるホモポリマーから構成されてもよい。
【0016】
他の特徴において、方法は、ポリマーフィルムの堆積中に、モノマーアルデヒド及び交互の炭素-酸素環構造を有する前駆体からなる群より選択される前駆体を送達することを含む。前駆体は、1,3,5-トリオキサン及びパラアルデヒドからなる群より選択される。モノマーアルデヒドは、ホルムアルデヒド、エタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、若しくはデカナール、又はこれらの分子の任意の非直線分岐バージョンからなる群より選択される。
【0017】
ポリマーフィルムは、10nmから5000nmの範囲の厚さを有する。ポリマーフィルムは、50nmから5000nmの範囲の厚さを有する。ポリマーフィルムは、100nmから1000nmの範囲の厚さを有する。
【0018】
他の特徴において、方法は、ポリマーフィルムに対する後処理を実行することを含む。後処理は、溶媒への曝露、アニール、及びソフトベークからなる群より選択される。方法は、ポリマーフィルムを除去することを含み、ポリマーフィルムを除去することは、ポリマーフィルムを放射線に曝露することを含む。方法は、ポリマーフィルムの堆積中に基板支持体の温度を、ポリマーフィルムの堆積が実行される処理チャンバ内の他の表面よりも低い温度に制御することを含む。
【0019】
他の特徴において、方法は、ポリマーフィルム上にキャップ層を堆積することを含む。キャップ層は、CVDプロセスによって堆積される。キャップ層は、第1の基板処理ツール内において堆積される。キャップ層は、無機層、例えば、SiOx、SnOx、AlOx、TiOx、ZrOx、HfOx、ZnOx、及びSiNxであってもよく、ここでxは0より大きい数である。キャップ層はポリマー層であってもよい。他の特徴において、方法は、ポリマーフィルム中に弱有機酸を組み入れることをさらに含む。
【0020】
方法は、真空で動作する第1の基板処理ツール内において、第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、第1の基板処理の後、第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して基板の露出表面にポリマーを含むポリマーフィルムを堆積し、待ち時間の間に基板を第1の基板処理ツールから取り出すことを含み、ポリマーフィルムは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択される。
【0021】
他の特徴において、方法は、ポリマーフィルム上にキャップ層を堆積することを含む。キャップ層は、CVDプロセスによって堆積される。キャップ層は、第1の基板処理ツール内において堆積される。キャップ層は、無機層、例えば、SiOx、SnOx、AlOx、TiOx、ZrOx、HfOx、ZnOx、及びSiNxであってもよく、ここでxは0より大きい数である。キャップ層はポリマー層であってもよい。他の特徴において、方法は、ポリマーフィルム中に弱有機酸を組み入れることをさらに含む。
【0022】
方法は、真空で動作する第1の基板処理ツール内において、第1のドライプロセスを使用して基板に第1の基板処理を実行し、第1の基板処理の後、第1の基板処理ツール内において化学蒸着(CVD)プロセスを使用して基板の露出表面にポリマーフィルムを堆積し、待ち時間の間に基板を第1の基板処理ツールから取り出すことを含み、ポリマーフィルムは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択される1つ又は複数のホモポリマーを含むコポリマーである。いくつかの実施形態では、コポリマーは、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、ポリヘプタアルデヒド、ポリオクタンアルデヒド、ポリノナンアルデヒド、及びポリデカアルデヒドからなる群より選択されるホモポリマーから構成されてもよい。
【0023】
他の特徴において、方法は、ポリマーフィルム上にキャップ層を堆積することを含む。キャップ層は、CVDプロセスによって堆積される。キャップ層は、第1の基板処理ツール内において堆積される。キャップ層は、無機層、例えば、SiOx、SnOx、AlOx、TiOx、ZrOx、HfOx、ZnOx、及びSiNxであってもよく、ここでxは0より大きい数である。キャップ層はポリマー層であってもよい。他の特徴において、方法は、ポリマーフィルム中に弱有機酸を組み入れることをさらに含む。
【0024】
本開示の応用可能性のさらなる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び具体例は、例示のみを目的とすることを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0026】
【
図1】
図1は、本開示に係る、化学蒸着(CVD)を使用して基板の露出表面上にポリマーフィルムを堆積するための基板処理システムの一例の機能ブロック図である。
【0027】
【
図2A】
図2Aは、本開示に係る、CVDを使用して基板上でポリマーフィルムを堆積及び除去するための方法である。
【
図2B】
図2Bは、本開示に係る、CVDを使用して基板上でポリマーフィルムを堆積及び除去するための方法である。
【0028】
【
図3】
図3は、本開示に係る、イニシエートCVD(iCVD)を使用して基板上にポリマーフィルムを堆積するための基板処理システムの別の例の機能ブロック図である。
【0029】
【
図4】
図4は、本開示に係る、反応を開始させるために
図3において使用される加熱されたワイヤフィラメントを例示する平面図である。
【0030】
【
図5A】
図5Aは、本開示に係る、iCVDを使用してポリマーフィルムを塗布及び除去するための方法のフローチャートである。
【
図5B】
図5Bは、本開示に係る、iCVDを使用してポリマーフィルムを塗布及び除去するための方法のフローチャートである。
【0031】
【
図6】
図6は、本開示に係る、複数の基板処理ステーションを含む基板処理ツールの一例の機能ブロック図である。
【0032】
【
図7】
図7は、本開示に係る複数の基板処理ツールを含むファブルームの一例の機能ブロック図である。
【0033】
【
図8】
図8は、ポリマーフィルム及びキャップ層を含む多層保護スタックで保護された表面を含む基板の概略的な例である。
【0034】
図面では、類似及び/又は同一の要素を識別するために参照符号が再使用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0035】
前述の問題のいくつかを緩和するために、本開示に係るシステム及び方法は、待ち時間中に基板を保護するためにドライプロセスを使用して基板の外部表面上にポリマーフィルムを堆積する。ポリマーフィルムは、下流処理の前に、待ち時間後に容易に除去できる。いくつかの例では、除去は、400℃より低い温度で加熱することによって、ほとんど又は全く残留物なしに実行される。
【0036】
ポリマーフィルムを使用することにより、プロセス間の待ち時間中、又は基板が製造中に使用される基板処理システム間で移動されるときの、基板の表面汚染に関連する問題が緩和される。言い換えれば、1つのツール又は基板処理システムで基板を処理した後、基板は、ドライCVD又はiCVDプロセスを使用してポリマーフィルムでコーティングされる。ポリマーフィルムは、基板が真空環境にないときに、基板の外面が大気条件にさらされることを防止する。
【0037】
ポリアルデヒドポリマー(ポリフタルアルデヒド及び関連コポリマーなど)を含むポリマーフィルムは、大気条件への曝露による基板表面の汚染を防ぐために、ウェットプロセスを使用して堆積されてきた。エッチング、堆積、洗浄などの基板処理は、通常、真空環境で実行されるドライプロセスを含む。上記のポリマーフィルムはウェットプロセスを使用して塗布されるため、基板を先行するドライプロセスの真空環境から取り出し、ポリマーフィルムを塗布するウェット処理システムに移動させる必要がある。そのため、ポリマーフィルムの塗布前に基板が大気条件にさらされるという問題がある。ウェット処理はまた、様々な下流処理の問題を引き起こすこともある。例えば、ウェット処理は、基板の高アスペクト比(HAR)フィーチャに対してパターン崩壊などの問題を引き起こす場合がある。本明細書に記載されるHARフィーチャは、4:1より大きい深さと幅の比を有するフィーチャを指す。
【0038】
本開示に係るシステム及び方法は、待ち時間中の表面汚染から基板を保護するために、基板上にポリマーフィルムを堆積するためのドライCVD又はiCVDプロセスに関する。ドライフィルム堆積プロセスは真空ツールに統合でき、汚染低減を改善し、ウェット処理ツールを不要にすることでコストを削減する。
【0039】
先行するプロセスステップ(堆積、洗浄、又はエッチングなど)の後、基板は、先行するプロセスステップと同じ又は異なるチャンバ内において真空にされる。いくつかの例では、ポリマーフィルムの堆積中の所定の圧力は、50mTorrから100Torr、又は50mTorrから10Torrの範囲であるが、他のプロセス圧力を使用することもできる。ポリマーフィルム用の1つ又は複数の前駆体ガスが処理チャンバに供給される。いくつかの例では、2つ以上の異なる前駆体が、コポリマーフィルムを作るために使用される。コポリマーは、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーであってもよい。さらに、開始剤及び/又は触媒も、典型的には第2のプレナムを通して供給できる。
【0040】
CVD又はiCVDを実行する基板処理システムを使用して、ポリマーフィルムを基板上に堆積させ、基板の露出表面を酸素、水、ハロゲン、又は他の反応種による改質から保護し、プロセスステップ間の待ち時間に関連する変動を最小化する。ポリマーフィルムは、下流プロセスの前に除去される。いくつかの例では、ポリマーフィルムは、真空下で基板を80℃以上600℃以下、又は400℃以下の温度まで加熱することによって除去される。
【0041】
いくつかの例では、ポリマーフィルムは、ポリマー骨格が交互の炭素-酸素結合を含むポリアルデヒド(ポリアセタールと呼ばれることもある)を含む。これらのポリマーフィルムは、低い天井温度を有し、十分に高い温度にさらされると、容易にモノマー形態に戻る。
【0042】
これらの種類のポリマーフィルムの例として、ドライCVD又はiCVDプロセスを使用して堆積されるポリオキシメチレン及びポリアセトアルデヒドが挙げられる。いくつかの例では、ポリマーフィルムの前駆体は、モノマーアルデヒド、又は1,3,5-トリオキサン若しくはパラアルデヒドなどの交互の炭素-酸素環構造を有する前駆体を含む。モノマーアルデヒドの例として、ホルムアルデヒド、エタナール、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、又はデカナール、及びこれらの分子の任意の非直線(分岐)バージョンが挙げられる。
【0043】
ポリマーフィルムの他の例として、ポリプロピオンアルデヒド、ポリブチルアルデヒド、ポリバレルアルデヒド、及びポリヘプタアルデヒド、並びにこれらの前述のホモポリマーのコポリマー、例えばポリオキシメチレン-r-ポリアセトアルデヒドが挙げられる。
【0044】
いくつかの例では、前駆体は基板上で結合される。例えば、加熱されたワイヤフィラメント又は高温表面などのエネルギー源が、前駆体の1つ又は複数を活性化するために使用される。いくつかの例では、基板は、基板上への前駆体の吸着、又はポリマーフィルムの凝縮を促進するために、処理チャンバ内の他の表面の温度よりも低く冷却される。他の例では、基板は、重合反応を促進するために所定の温度まで加熱される。
【0045】
ポリマーフィルムが所定の厚さに成長するまでプロセスは所定の期間継続し、その後、反応を停止させる。いくつかの例では、所定の厚さは10nmから5000nmの範囲である。いくつかの例では、所定の厚さは50nmから5000nmの範囲である。他の例では、所定の厚さは100nmから1000nmの範囲である。
【0046】
いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムは弱有機酸を含む。弱有機酸は、pKa≧1の有機酸であり、例として、酒石酸及びシュウ酸が挙げられる。例として、直鎖アルキルカルボン酸、CXH2XO2(Xは整数)、及び対応するジカルボン酸の変種が挙げられる。特定の例として、メタン酸(X=1)及び酢酸(X=2)が挙げられる。ジカルボン酸の具体例として、エタン二酸及びプロパン二酸が挙げられる。弱有機酸はまた、さらにアルコール置換及び/又は不飽和結合を有するこれらのいずれかの変種であってもよい。例えば、オキソエタン酸、2-ヒドロキシエタン酸、プロプ-2-エン酸、2-プロピン酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、2,2-ジヒドロキシプロパン二酸、2-オキソプロパン酸、2-ヒドロキシプロパン酸、3-ヒドロキシプロパン酸、2,3-ジヒドロキシプロパン酸等を用いても良い。
【0047】
弱有機酸は、いくつかの実施形態において、他の前駆体と共に弱酸を流すことによって、ポリマーフィルムのポリマーと同時に堆積されてもよい。他の実施形態では、堆積後にポリマーフィルムに添加されてもよく、ポリマーフィルムが弱有機酸の蒸気にさらされ、弱有機酸がある程度フィルム内に拡散する。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムの一部は、弱有機酸の組み入れ又は他の堆積に続いて堆積され、ポリマーフィルムの後続の部分は同じ方法で堆積されてもよい。いくつかの例では、ポリマーフィルムへの弱有機酸の組み入れは、0.001から10重量%の範囲である。いくつかの例では、ポリマーフィルムへの弱有機酸の組み入れは、0.01から1重量%の範囲である。
【0048】
上記のような弱有機酸を含むポリマーフィルムは、室温で安定であるが、弱有機酸なしに配合されたニートポリマーフィルムと比較して加速された分解特性を示すことがある。
【0049】
ポリマーフィルムが堆積された後、基板上で後処理が実行されてもよい。いくつかの例では、後処理は、溶媒への曝露、アニール及び/又はソフトベークを含む。後処理は、フィルムが成長したのと同じ処理チャンバで実行することができ、又は基板を別の処理チャンバに移動させることができる。例えば、アニールは、フィルムの均一性の向上、回路配置(特に高アスペクト比フィーチャ)の書き込み、未反応前駆体又は他の揮発物質の追い出し、ボイドの除去、及び/又はフィルム特性の向上のために使用されることがある。熱アニールは、分解温度よりも低い温度で実行され、250℃以下であってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムが堆積された後に、1つ又は複数のキャップ層が堆積される。ポリマーフィルムと同様に、いくつかの実施形態では、1つ又は複数のキャップ層を蒸着できる。キャップ層の形成については、以下でさらに論じる。
【0051】
ポリマーフィルムの処理が完了した後、基板は、汚染なしに待ち時間の間、大気条件にさらされ得る。ポリマーフィルムは、典型的な待ち時間の間、基板の露出表面を保護するのに有効である。例えば、典型的な待ち時間は24時間以下である(後続の処理が実行される前に)。他の例では、典型的な待ち時間は4時間以下である。ただし、より長い又はより短い待ち時間を使用することもできる。
【0052】
後続又は下流の処理が開始される前に、ポリマーフィルムが除去される。いくつかの例では、基板は、ポリマーフィルムを剥離するために、所定の期間、所定の温度で、チャンバ内において加熱される。いくつかの例では、所定の温度は80℃から400℃の範囲であるが、600℃までを含む他の温度を使用することもできる。いくつかの例では、所定の期間は30秒から5分の範囲であるが、より長い又はより短い期間を使用することもできる。いくつかの実施形態では、所定の期間は、1秒から5分の範囲、例えば、1秒から30秒である。
【0053】
いくつかの例では、基板は、ポリマーフィルムの分解、又は分解が起こるにつれて形成され得る微量有機チャー汚染の分解を促進するために、1つ又は複数の波長で電磁放射線に曝露される。いくつかの例では、電磁放射線は、主に紫外線又は真空紫外線の波長範囲にある。放射線は、広帯域又は単色であってもよい。ポリマーフィルムが除去されると、基板は次のツール又は基板処理システムに移動される。いくつかの例では、基板の加熱速度を正確に制御できるように、ポリマーフィルムはラピッドサーマルプロセス(RTP)チャンバで剥離される。RTPチャンバでは、フィルム除去を最適化するために多設定値の温度プロファイルが採用されてもよい。目標温度は80℃から600℃、例えば80℃から400℃であり、ドエルタイムは1秒から5分、例えば30秒から5分である。ラピッドサーマルアニーラでの加熱又は冷却の速度は、1℃/分から200℃/秒の範囲である。
【0054】
ここで
図1を参照すると、基板上にポリマーフィルムを堆積するための基板処理システム110の一例が示されている。基板処理システム110は、基板処理システム110の他のコンポーネントを取り囲む処理チャンバ122を含む。基板処理システム110は、プロセスガスを導入し分配するシャワーヘッドなどのガス分配装置124を含む。代替的に、プロセスガスは別の方法で導入されてもよい。基板支持体126は、ガス分配装置124の下に配置されてもよい。いくつかの例では、基板支持体126は、台座又は静電チャック(ESC)を含む。
【0055】
いくつかの例では、基板支持体126は温度制御される。いくつかの例では、基板支持体の温度は、ポリマーCVDを開始するのを助けるために使用される。例えば、基板支持体126は、抵抗加熱器30及び/又は冷却チャネル134を含んでもよい。冷却チャネル134は、ポンプ138及び流体源140を使用して送達される流体によって供給されてもよい。基板支持体126の温度を監視するために、1つ又は複数のセンサ142が使用されてもよい。1つ又は複数のセンサ142は、基板支持体126に、又は基板支持体126に接続された流体導管に配置された熱電対を含んでもよい。代替的に、処理チャンバ122内(基板支持体から遠隔)に配置された熱センサ又は赤外線センサなどの他の種類のセンサを使用して、基板又は基板支持体の温度を監視できる。
【0056】
処理チャンバ122の表面は、ヒータ144によって加熱できる。
図1では処理チャンバ122の側壁が加熱されているが、上面、底面及びガス分配装置などの処理チャンバ122の他の表面も加熱できる。いくつかの例では、処理チャンバの表面は、基板の温度よりも高い温度まで加熱される。温度及び/又は圧力などのチャンバ動作パラメータを監視するために、1つ又は複数のセンサ146が使用されてもよい。
【0057】
基板処理システム110は、1つ又は複数のガス源152-1、152-2、…152-N(まとめてガス源152)を有するガス送達システム150をさらに含み、ここでNは0より大きい整数である。ガス源は、1つ又は複数のガスを処理チャンバ122に供給する。ガス源152は、バルブ154-1、154-2、…154-N(まとめてバルブ154)及び質量流量コントローラ(MFC)156-1、156-2、…156-N(まとめて質量流量コントローラ156)によりマニホールド160に接続されている。マニホールド160の出力は、処理チャンバ122に供給される。単なる例であるが、マニホールド160の出力は、ガス分配装置124に供給される。
【0058】
気化した前駆体を処理チャンバ122に送達するために、蒸気送達システム170が使用されてもよい。蒸気送達システム170は、液体前駆体176を貯蔵するアンプル174を含む。ヒータ178は、気化を増加させるために必要に応じて液体前駆体を加熱するために使用されてもよい。アンプル174内の圧力もまた、所定の圧力に制御されてもよい。加熱されるとモノマーが不安定になるため、モノマーは室温に保たれるか、又は冷却されてもよく、気化装置に送達される小部分は、気化の時点で加熱されてもよい。
【0059】
ガス源182からのキャリアガス又はプッシュガスの供給及び/又は気化した前駆体の供給を制御するために、バルブシステム180が使用されてもよい。例えば、バルブシステム180は、バルブ184、186及び188を含んでもよい。この例では、バルブ184の入口は、ガス源182とバルブ186の入口との間に接続されている。バルブ184の出口は、アンプル174の入口に接続されている。アンプル174の出口は、バルブ188の入口に接続されている。バルブ188の出口は、バルブ186の出力と、ガス分配装置124の入口とに接続されている。バルブシステム180は、ガスを供給しない、キャリアガスを供給する、かつ/又はキャリアガスと気化した前駆体を供給するように構成されてもよい。バルブ190及びポンプ192は、処理チャンバ122内の圧力を制御するため、及び/又は処理チャンバ122から反応物を排出するために使用されてもよい。
【0060】
コントローラ198は、基板処理システム110の様々なコンポーネントを制御するために使用されてもよい。単なる例であるが、コントローラ198は、プロセスガス、キャリアガス及び前駆体ガスの流れ、気化した前駆体、水蒸気、アンモニア蒸気、反応物の除去、チャンバパラメータの監視等を制御するために使用されてもよい。
【0061】
いくつかの例では、基板処理システム110を使用して基板上にポリマー層を堆積する前に、基板上に堆積、エッチング、又は洗浄などのドライプロセス処理を実行するために基板処理システム110を使用してもよい。他の例では、ポリマーフィルムの堆積のために基板処理システム110に送られる前に、別のチャンバで基板に処理が実行される。
【0062】
ここで
図2A及び2Bを参照すると、基板上にポリマーフィルムを堆積するための方法200が示されている。
図2Aの204で、基板は、チャンバ内の基板支持体上に配置される。208で、チャンバ内の圧力が所定の圧力範囲に設定される。212で、基板の温度は、所定の温度範囲に制御される。いくつかの例では、基板の温度は、チャンバ内の他の表面よりも低い温度に制御される。216で、ポリマー前駆体ガス混合物がチャンバに送達される。222で判定されるように所定のポリマーフィルム厚に達すると、230でポリマー前駆体ガス混合物が停止される。232で、任意選択の後処理が実行される。
【0063】
いくつかの例では、後処理は、溶媒への曝露、アニール及び/又はソフトベークを含む。後処理は、フィルムが成長したのと同じ処理チャンバで実行することができ、又は基板を別の処理チャンバに移動させることができる。例えば、アニールは、フィルムの均一性の向上、回路配置(特に高アスペクト比フィーチャ)の書き込み、未反応前駆体又は他の揮発物質の追い出し、ボイドの除去、又はフィルム特性の向上のために使用されてもよい。234で、基板はチャンバから取り出される。
【0064】
以下でさらに論じるように、いくつかの実施形態では、1つ又は複数のキャップ層が堆積される。それらは、動作230の後かつ動作234の前に、いくつかの実施形態においてCVDによって堆積されてもよい。そのような実施形態では、1つ又は複数のキャップ層は、動作232の前又は後に、あるいは動作232の一部として堆積されてもよい。他の実施形態では、1つ又は複数のキャップ層は、動作234の後に異なるチャンバで堆積されてもよい。
【0065】
図2Bにおいて、ポリマーフィルムを除去するための方法250は、待ち時間の終了時に、かつさらなる処理の前に、実行される。252で基板が処理の準備ができているとき、基板はチャンバ内の基板支持体上に配置される。
【0066】
258で、ポリマーフィルムが除去される。基板は、ポリマーフィルムを剥離するために、所定の期間、所定の温度範囲内の所定の温度で、チャンバ内において加熱される。いくつかの例では、所定の温度範囲は80℃から400℃であるが、他の温度を使用することもできる。例えば、ポリアルデヒドはこの温度範囲で分解する。いくつかの例では、所定の期間は30秒から5分の範囲であるが、より長い又はより短い期間を使用することもできる。
【0067】
いくつかの例では、基板は、ポリマーフィルムの分解、又は分解が起こるにつれて形成され得る微量有機チャー汚染の分解を促進するために、1つ又は複数の波長で電磁放射線に曝露される。ポリマーフィルムが除去されると、基板は同じチャンバで処理され、又は次のツール若しくは基板処理チャンバに移動される。いくつかの例では、ポリマーフィルムは、基板の加熱速度の速度を制御できるように、ラピッドサーマルプロセス(RTP)チャンバで剥離される。262で、基板のさらなる処理が、同じチャンバ又は異なるチャンバで実行される。
【0068】
キャップ層が存在する場合、その除去は以下でさらに論じられる。
【0069】
ここで
図3~4を参照すると、iCVD(initiated chemical vapor deposition)を実行するための基板処理システム300が示されている。基板処理システム300は、上述した基板処理システム110と同様である。しかしながら、基板処理システム300は、
図3において概して310で識別される複数の加熱されたフィラメントワイヤをさらに含む。加熱されたフィラメントワイヤ310によって生成された熱は、反応を開始させるために使用される。
図4において、複数の加熱されたフィラメントワイヤ310の一例が、加熱されたフィラメントワイヤ412に接続されている導体対410を含むように示されている。この例では、導体対410は、処理チャンバ122内に配置されている(例えば、処理チャンバ122の側壁に取り付けられている)第1の支持体414及び第2の支持体416に取り付けられている。
【0070】
ここで、
図5A及び5Bを参照すると、基板上にポリマーフィルムを堆積するための方法500が示されている。
図5Aの504で、基板は、チャンバ内の基板支持体上に配置される。508で、チャンバ内の圧力は、所定の圧力範囲に設定される。512で、基板の温度は、所定の温度範囲に制御される。いくつかの例では、基板の温度は、チャンバ内の他の表面よりも低い温度に制御される。516で、ポリマー前駆体ガス混合物がチャンバに送達される。522で判定されるように所定のポリマーフィルム厚に達すると、530でポリマー前駆体ガス混合物が停止される。532で、後処理が、前述したように実行されてもよい。534で、基板はチャンバから取り出される。
【0071】
以下でさらに論じるように、いくつかの実施形態では、1つ又は複数のキャップ層が堆積される。それらは、いくつかの実施形態において、動作530の後かつ動作534の前に、CVDによって堆積されてもよい。そのような実施形態では、1つ又は複数のキャップ層は、動作532の前又は後に、あるいは動作532の一部として堆積されてもよい。他の実施形態では、1つ又は複数のキャップ層は、動作234の後に異なるチャンバで堆積されてもよい。
【0072】
図5Bでは、ポリマーフィルムを除去するための方法550は、待ち時間の終了時に、かつさらなる処理の前に、実行される。552で基板が処理の準備ができているとき、基板はチャンバ内の基板支持体上に配置される。558で、ポリマーフィルムは、前述のように除去される。562で、基板のさらなる処理が、同じチャンバ又は異なるチャンバで実行される。キャップ層が存在する場合、その除去は以下でさらに論じられる。
【0073】
ここで
図6を参照すると、本開示に係るツール600の一例が示されている。ツール600は、処理チャンバ624-1、624-2、…624-Nを含み、ここでNは1より大きい整数である。基板は、FOUP内においてローディング/アンローディングステーション612に送達されてもよい。ロードロック617、619内のロボット614、616はそれぞれ、FOUPから、ロボット622を含む真空搬送モジュール618に基板を運ぶ。ロボット622は、乾燥処理、ポリマーフィルム除去及び/又はポリマーフィルム堆積のために、基板を処理チャンバ624-1、624-2、…624-Nのうちの1つ又は複数に運ぶ。
【0074】
例えば、事前に堆積されたポリマーフィルムを含む基板は、待ち時間の後、保管場所又は別の場所から、さらなる処理のために処理チャンバ624-1に送られる。処理チャンバ624-1において、ポリマーフィルムは、本明細書に記載されるように除去される。その後、ロボット622は、基板を1つ又は複数の処理チャンバに移動させ、堆積、エッチング、又は洗浄などの基板処理が実行される。代替的に、基板は、ポリマーフィルムを除去した同じ処理チャンバ(例えば624-1)に留まり、同じチャンバ内において堆積やエッチングなどの基板処理が実行される。
【0075】
ロボットは、基板を処理チャンバの別のもの(例えば624-3)に移動させ、ポリマーフィルムを再び堆積させる。代替的に、ロボットは同じ処理チャンバ(例えば624-1又は624-2)に留まり、ポリマーフィルムは同じチャンバ内において堆積される。その後、基板はツール600から取り出され、待ち時間後に別のツールで処理される。
【0076】
ここで
図7を参照すると、ファブ設備は、複数のツール730-1、730-2、…730-Mを含み、ここでMは1より大きい整数である。ファブ設備は、他の基板処理チャンバ又はツール734-1、734-2、…734-Pと、保管場所736とをさらに含む。基板は、ツール730-1のうちの1つによって処理されてもよく、その後、ツール730-1の処理チャンバがポリマー層を堆積する。基板は、次のプロセスを実行できるまで、待ち時間中に保管場所736又は別の場所に移動されてもよい。いくつかの例では、FOUP又は不活性パージ付きFOUPは、待ち時間中に基板を移動させるため、かつ/又は基板を格納するために使用されてもよい。
【0077】
待ち時間の後、基板は、ツール734-1、734-2、…734-Pの別の1つに移動され、ポリマーフィルムが除去され、さらなる処理が実行される。いくつかの例では、さらなる処理が実行された後、ポリマーフィルムが別の待ち時間の前に加えられ、プロセスは必要に応じて繰り返されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、キャップ層がポリマーフィルム上に堆積されてもよい。
図8は、保護されるべき表面を含む基板801の一例を示す。ポリマーフィルム803とキャップ層805とを含む多層フィルムは、基板表面上にあり、一時的な保護層として機能する。ポリマーフィルム803は、
図2A及び
図5Aに関して上述したような蒸着フィルムであってもよい。
【0079】
ポリマーフィルムに加えて、多層フィルムは、周囲条件への曝露による不要な酸化、腐食、又はハロゲン化からの保護を提供する1つ又は複数のキャップ層を含む。
図2Aの例では、キャップ層は、動作232の前、後、若しくはその一部として、又は動作234の後に形成されてもよい。同様に、
図5Aの例では、キャップ層は、動作532の前、後、若しくはその一部として、又は動作534の後に形成されてもよい。
【0080】
図8の例では、1つのキャップ層805があるが、同じ組成又は異なる組成の追加のキャップ層が使用されてもよい。厚さの例は、ポリマーフィルム803については2~1000nm、1つ又は複数のキャップ層については数nmのものから数ミクロンのものまでの範囲であってよい。厚さは、例えば、保管環境及び時間の長さに依存してもよい。
【0081】
キャップ層805は、固体の非水性フィルムであり、多孔性又は欠陥がほとんど又は全くない高密度材料であってもよい。キャップ層は、ポリマーフィルムよりも大きな防湿性又は酸素バリア性を有することを特徴としてもよい。それは、ポリマーフィルムを劣化させない方法で堆積される。いくつかの実施形態において、これは、150℃(又はポリマーフィルムが分解する他の温度)未満の温度での熱(非プラズマ)蒸着を含む。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムのプラズマへの直接的な曝露はない。堆積プロセス例として、電子ビーム蒸着、様々なスパッタリングプロセス、原子層堆積、及び化学蒸着をあげることができる。キャップ層例として、酸化ケイ素(SiOx)、酸化スズ(SnOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化チタン(TiOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、及び酸化亜鉛(ZnOx)などの酸化膜、並びに窒化ケイ素(SiNx)などの窒化膜をあげることができ、ここでxは0よりも大きい数である。
【0082】
いくつかの実施形態では、キャップ層はまた、ポリマーであってもよい。これらは、ポリマーフィルム803を区別するために、ポリマーキャップ層と呼ばれる。ポリマーキャップ層は、(化学蒸着又は物理蒸着によって)蒸着させることができる。蒸着され得る他のキャップ層は、ポリマー様フィルム、樹脂フィルム、及び有機分子を含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、気相で送達される前駆体からインサイチュで成長させることができる。
【0083】
蒸着又は溶液ベースの蒸着によって堆積できるキャップ層の例として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート(その誘導体、置換形態、及びコポリマーを含む)、ポリスチレン(その誘導体、置換形態、及びコポリマーを含む)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレア、ポリアルデヒド、及びポリウレタンが挙げられる。
【0084】
ポリマーフィルム803は、概ね、上記のような交互の炭素-酸素結合を有する骨格を有し、ほとんど残留物を残さずに温和な方法(例えば、紫外線への曝露及び/又は150℃~300℃でのベーク)で除去できる。多層フィルムを構築するために、交互の炭素-酸素結合を有するポリマー骨格を含むポリマーのポリマーフィルムを、上記のようにCVDによって堆積させる。その後、1つ又は複数のキャップ層をポリマーフィルム上に堆積する。ポリマーフィルムの分解を避けるために、気相、低温、非プラズマCVD技術を使用してもよい。例えば、150℃以下又は未満の温度でのCVD堆積は、放射線を用いずに使用されてもよい。表面の保護を最適化するために、複数の異なる種類のフィルムを繰り返しスタックで複数回堆積させてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、第1のキャップ層は、下層のポリマーフィルムを保護するために穏やかなCVDプロセスによって堆積され、続いて、より速く、より堅牢なフィルムを成長させるためにPECVDなどのより厳しい技術による堆積が実行されてもよい。いくつかの実施形態では、穏やかなCVDプロセスは、ポリマーフィルムの堆積と同じチャンバで実行され、より厳しいプロセスは同じ又は異なるチャンバで実行されてもよい。基板の温度は概ね、プロセス全体を通して、下層のポリマーフィルムの150℃(又は他の分解温度)より低いか、又はわずか数秒間を超えるべきではない。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のキャップ層が、同じ処理チャンバ(例えば、
図1又は
図3の処理チャンバ122)内においてポリマーフィルム上に堆積される。いくつかの実施形態では、マルチステーションチャンバを使用して、第1のステーション又はステーションのセット内においてポリマーフィルム803などのポリマーフィルムを堆積し、第2のステーション又はステーションのセット内においてキャップ層を堆積してもよい。
【0087】
基板をさらに処理する準備ができたとき、1つ又は複数のキャップ層を除去する。これは、単一の動作又は複数の動作とすることができる。さらに、1つ又は複数のキャップ層及びポリマーフィルムは、同じ動作又は異なる動作で除去できる。
【0088】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のキャップ層を除去することは、プラズマ又は溶媒を使用してこれらの層を分解し、下層のポリマーフィルム自体が完全に除去される前にプラズマをオフにし、又は溶媒を除去することを含むことができる。次いで、表面を真空下又は雰囲気でベークしてポリマーフィルムを追い出し、キャップ層を除去するために使用された厳しい化学的構造又は条件から保護された対象の清浄な表面を残すことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の基板をチャックしたまま又はある種のホルダーに固定したまま、1つ又は複数のキャップ層は、別の基板に接着剤で付着させることによって剥がされてもよい。その後、アセンブリ全体が、引き離されながら加熱される。加熱によってポリマーフィルムが分解する場合があるため、この基板とポリマーフィルムの界面では両半分が分離し、保護膜のない清浄な基板が残る一方、保護膜の大部分は接着剤で第2の基板に付着したままである。同様に、いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムと重ね合わせたキャップ層(複数可)を分離させるのに使用される重力又は他の力を用いて、ポリマーフィルムを分解して容易に除去できるようにすることが可能である。
【0090】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その応用又は用途を限定することを意図しない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施できる。したがって、本開示は特定の例を含むが、他の変形が図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲の検討により明らかになるので、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ又は複数のステップを異なる順序で(又は同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちの任意の1つ又は複数は、他の任意の実施形態において実装でき、かつ/又はその組み合わせが明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態を互いに入れ替えることは、本開示の範囲内である。
【0091】
要素(例えば、モジュール、回路素子、半導体層など)間の空間的及び機能的関係は、「接続された」、「係合した」、「連結された」、「隣接する」、「~の隣」、「~の上」、「上方」、「下方」、及び「配置された」などの様々な用語を用いて説明される。「直接的」であると明示的に記載されていない限り、第1及び第2の要素間の関係が上記開示に記載される場合、その関係は、第1及び第2の要素間に他の介在要素が存在しない直接的関係であり得るが、第1及び第2の要素間に(空間的又は機能的に)1つ又は複数の介在要素が存在する間接的関係である可能性もある。本明細書で使用される場合、A、B、及びCの少なくとも1つというフレーズは、非排他的論理ORを用いた論理(A又はB又はC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0092】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、システムは上述の例の一部であり得る。このようなシステムは、1つ又は複数の処理ツール、1つ又は複数のチャンバ、1つ又は複数の処理用プラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウェハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウェハ又は基板の処理前、処理中、及び処理後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。電子機器は「コントローラ」と呼ばれることもあり、1つ又は複数のシステムの様々なコンポーネント又は子部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件及び/又はシステムの種類に応じて、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、液体送達設定、位置及び動作設定、ツールへのウェハの搬入出、並びに、特定のシステムに接続又は連動する他の搬送ツール及び/又はロードロックへのウェハの搬入出を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。
【0093】
大まかに言えば、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されるチップ、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ又は複数のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、半導体ウェハに対して、半導体ウェハのために、又はシステムに対して、特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個々の設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに通信される命令であってもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、及び/又はウェハのダイの製造中に1つ又は複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0094】
コントローラは、いくつかの実施態様において、システムに統合された、システムに接続された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、又はそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であってもよく、又はそのようなコンピュータに接続されていてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」、すなわちファブホストコンピュータシステムの全体又は一部であってもよく、これによりウェハ処理の遠隔アクセスが可能になる。コンピュータは、製造動作の現在の進行状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向又は性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、処理ステップを設定して現在の処理を追跡し、又は新たなプロセスを開始するために、システムへの遠隔アクセスを可能にしてもよい。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを介してシステムにプロセスレシピを提供でき、ネットワークはローカルネットワーク又はインターネットを含んでもよい。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよく、パラメータ及び/又は設定は次いで遠隔コンピュータからシステムへと伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つ又は複数の動作中に実施される処理ステップのそれぞれのパラメータを指定する、データの形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるプロセスの種類及びコントローラがインタフェース接続する又は制御するように構成されたツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、共にネットワーク化され、本明細書に記載のプロセス及び制御などの共通の目的にむけて動作する1つ又は複数の個別のコントローラを含むことなどにより、分散されてもよい。そのような目的のための分散型コントローラの一例は、遠隔地に設置され(プラットフォームレベルで、又は遠隔コンピュータの一部としてなど)、チャンバでのプロセスを協同で制御する1つ又は複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つ又は複数の集積回路である。
【0095】
システムの例は、プラズマエッチングチャンバ又はモジュール、堆積チャンバ又はモジュール、スピンリンスチャンバ又はモジュール、金属メッキチャンバ又はモジュール、洗浄チャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ又はモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバ又はモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ又はモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、並びに半導体ウェハの製作及び/又は製造に関連し得る、又は使用し得る、任意の他の半導体処理システムを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0096】
上述のように、ツールによって実行される1つ又は複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路又はモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場内のツール位置及び/又はロードポートへウェハの容器を搬入出する材料搬送に用いられるツールの、1つ又は複数と通信してもよい。
【国際調査報告】