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特表2023-533716ゲームインタラクションからの不正なプレイヤの自動的分離
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ゲームインタラクションからの不正なプレイヤの自動的分離
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/75 20140101AFI20230728BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230728BHJP
   A63F 13/352 20140101ALI20230728BHJP
   A63F 13/837 20140101ALI20230728BHJP
【FI】
A63F13/75
A63F13/55
A63F13/352
A63F13/837
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500034
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 US2021038721
(87)【国際公開番号】W WO2022005849
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】16/917,797
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ドルン、ヴィクトリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヒゲスホフ、エルク
(72)【発明者】
【氏名】アドビンクラ、アンジェリカ
(57)【要約】
【解決手段】少なくとも1台のサーバコンピュータによって行われる方法であって、マルチプレイヤビデオゲームのインタラクティブなゲームプレイ中に、ゲーム状態データを処理して、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、ゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことに応答して、インタラクティブなゲームプレイ中に、そのプレイヤに是正措置を適用することであって、是正措置は、不正であると識別されたゲームプレイアクティビティのプレイヤに指摘を行う、是正措置を適用することと、是正措置を適用した後、ゲーム状態データをさらに処理して、プレイヤの追加のゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、追加のゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことに応答して、プレイヤにペナルティを課すこととを含む方法が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台のサーバコンピュータによって実行される方法であって、
マルチプレイヤビデオゲームのインタラクティブなゲームプレイ中に、ゲーム状態データを処理して、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、
前記ゲームプレイアクティビティを不正であると前記識別したことに応答して、前記インタラクティブなゲームプレイ中に前記プレイヤに是正措置を適用することであって、前記是正措置は、不正であると識別された前記ゲームプレイアクティビティの前記プレイヤに指摘を行うことである、前記是正措置を適用することと、
前記是正措置を適用した後、前記ゲーム状態データをさらに処理して、前記プレイヤの追加のゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、
前記追加のゲームプレイアクティビティを不正であると前記識別したことに応答して、前記プレイヤにペナルティを課すことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記是正措置が、前記プレイヤへの前記ペナルティを示す警告を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペナルティが、前記プレイヤのゲームプレイ機能を削減することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ペナルティが、前記マルチプレイヤビデオゲームの異なるセッションまたはサーバに前記プレイヤを移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ペナルティが、前記インタラクティブなゲームプレイにおけるブレイクポイントを識別することを含み、前記移動させることが、前記ブレイクポイントに到達すると実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると識別することが、前記プレイヤの前記ゲームプレイアクティビティに応答して、前記マルチプレイヤビデオゲームの第2のプレイヤによって開始されたフラグを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると識別することが、機械学習モデルによって、前記マルチプレイヤビデオゲームの前記インタラクティブなゲームプレイをリアルタイムで分析することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1台のサーバコンピュータによって実行される方法であって、
マルチプレイヤビデオゲームの第1のセッションのインタラクティブなゲームプレイ中に、ゲーム状態データを処理して、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、
前記ゲームプレイアクティビティを不正であると前記識別したことに応答して、前記マルチプレイヤビデオゲームの第2のセッションに前記プレイヤを移動させることと
を含む、方法。
【請求項9】
前記ゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことにさらに応答して、前記インタラクティブなゲームプレイのブレイクポイントを識別することをさらに含み、前記移動させることは、前記ブレイクポイントに到達すると実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ブレイクポイントが、前記マルチプレイヤビデオゲームのステージまたはイベントの完了、前記プレイヤによる仮想環境の空間の間の移行、前記インタラクティブなゲームプレイでの前記プレイヤの死亡のうちの1つまたは複数によって定義される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プレイヤを移動させることが、前記第1のセッションで前記プレイヤに関連付けられた設定をキャプチャすることと、前記キャプチャした設定を使用して前記第2のセッションで前記プレイヤを開始することとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記プレイヤを移動させることが、前記マルチプレイヤビデオゲームの前記第1のセッションの状態をキャプチャすることと、前記第1のセッションの他のプレイヤ無しに、前記第2のセッションで前記第1のセッションの前記状態の少なくとも一部を実質的に複製するように前記第2のセッションを構成することとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記プレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると識別することが、前記プレイヤの前記ゲームプレイアクティビティに応答して、前記マルチプレイヤビデオゲームの第2のプレイヤによって開始されたフラグを受信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記プレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると識別することが、機械学習モデルによって、前記マルチプレイヤビデオゲームの前記インタラクティブなゲームプレイをリアルタイムで分析することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1台のサーバコンピュータによって実行される方法であって、
マルチプレイヤビデオゲームの第1のセッションのインタラクティブなゲームプレイ中に、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティに応答して前記マルチプレイヤビデオゲームの第1のプレイヤによって開始されたフラグを受信することであって、前記フラグは、前記第2のプレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正である可能性があると識別するように構成される、前記受信することと、
前記フラグを受信することに応答して、前記マルチプレイヤビデオゲームの記録されたゲームプレイを処理して、前記第2のプレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると検証することと、
前記第2のプレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると前記検証したことに応答して、前記マルチプレイヤビデオゲームの第2のセッションに前記プレイヤを移動させることと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第2のプレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると検証したことにさらに応答して、前記インタラクティブなゲームプレイのブレイクポイントを識別することをさらに含み、前記移動させることが、前記ブレイクポイントに到達すると実行される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ブレイクポイントが、前記マルチプレイヤビデオゲームのステージまたはイベントの完了、前記第2のプレイヤによる仮想環境の空間の間の移行、前記インタラクティブなゲームプレイでの前記第2のプレイヤの死亡のうちの1つまたは複数によって定義される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のプレイヤを移動させることが、前記第1のセッションで前記第2のプレイヤに関連付けられた設定をキャプチャすることと、前記キャプチャした設定を使用して前記第2のセッションで前記第2のプレイヤを開始することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のプレイヤを移動させることが、前記マルチプレイヤビデオゲームの前記第1のセッションの状態をキャプチャすることと、前記第1のセッションの他のプレイヤ無しに、前記第2のセッションで前記第1のセッションの状態の少なくとも一部を実質的に複製するように前記第2のセッションを構成することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のプレイヤの前記ゲームプレイアクティビティを不正であると検証することが、機械学習モデルによって、前記第2のプレイヤの前記インタラクティブなゲームプレイアクティビティを分析することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マルチプレイヤビデオゲームにおけるゲームインタラクションから不正なプレイヤを自動的に分離するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム業界で継続的に開発されている分野は、地理的に互いに離れた場所にいるプレイヤに集合的なゲーム体験を提供できるマルチプレイヤゲームの分野である。ゲーム業界の拡大している分野は、ゲームプレイビデオの共有とゲームプレイの観戦の分野である。現在、ユーザは、ウェブサイト、ソーシャルメディアなどを介して、ゲームプレイを記録及び共有することができる。さらに、ユーザは自分のゲームプレイをライブストリーミングしてよく、他のユーザは、そのゲームプレイを実質的にリアルタイムで発生しているように見ることができる。
【0003】
ゲーム業界における他の最近の傾向は、クラウドゲームへの移行である。クラウドゲームは、ビデオゲームのリソースを保証することができるデータセンタにおいて、ビデオゲームのリモート実行を可能にすることにより、エンドユーザに利点をもたらす。リモートで実行されるビデオゲームによって生成されたビデオは、ユーザの機器にストリーミングされ、ユーザからの入力はデータセンタに返信される。これにより、エンドユーザは、ゲーム自体を実行するために特定のハードウェアを所有する必要が無くなる。そうではなく、エンドユーザはゲームプレイをストリーミングするのに十分なハードウェアを所有するだけでよく、それでもなお高品質ゲーム体験を楽しむことができる。さらに、理論的には、クラウドゲームは、ネットワーク接続が利用可能な任意の場所からのゲームを可能にする。
【0004】
ビデオゲーム業界の継続的な傾向は、グラフィックスの洗練化と、最新のゲームエンジンの要求を満たすためのコンピューティングリソースの可用性である。ビデオゲームが進化するにつれて、その解像度とフレームレートは増加し続け、非常にリアルで詳細な仮想環境のレンダリングが可能になる。さらに、クラウドゲームの人気は高まり続け、クラウドで実行されるビデオゲームへのシフトが、高品質ゲーム体験へのより多くのアクセスを可能にしている。
【0005】
本開示の実施形態が生じるのは、この文脈の範囲内である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施態様は、マルチプレイヤビデオゲームにおけるゲームインタラクションから不正なプレイヤを自動的に分離するためのシステム及び方法を提供する。
【0007】
一部の実施態様では、少なくとも1台のサーバコンピュータによって実行される方法であって、マルチプレイヤビデオゲームのインタラクティブなゲームプレイ中に、ゲーム状態データを処理して、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、ゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことに応答して、インタラクティブなゲームプレイ中に、そのプレイヤに是正措置を適用することであって、是正措置は、不正であると識別されたゲームプレイアクティビティのプレイヤに指摘を行う、是正措置を適用することと、是正措置を適用した後、ゲーム状態データをさらに処理して、プレイヤの追加のゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、追加のゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことに応答して、プレイヤにペナルティを課すこととを含む方法が提供される。
【0008】
一部の実施態様では、是正措置は、プレイヤへのペナルティを示す警告を含む。
【0009】
一部の実施態様では、ペナルティは、プレイヤのゲームプレイ機能を削減することを含む。
【0010】
一部の実施態様では、ペナルティは、プレイヤをマルチプレイヤビデオゲームの異なるセッションまたはサーバに移動させることを含む。
【0011】
一部の実施態様では、ペナルティは、インタラクティブなゲームプレイでブレイクポイントを識別することを含み、移動させることは、ブレイクポイントに到達すると実行される。
【0012】
一部の実施態様では、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することは、プレイヤのゲームプレイアクティビティに応答して、マルチプレイヤビデオゲームの第2のプレイヤによって開始されたフラグを受信することを含む。
【0013】
一部の実施態様では、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することは、機械学習モデルによって、マルチプレイヤビデオゲームのインタラクティブなゲームプレイをリアルタイムで分析することを含む。
【0014】
一部の実施態様では、少なくとも1台のサーバコンピュータによって実行される方法であって、マルチプレイヤビデオゲームの第1のセッションのインタラクティブなゲームプレイ中に、ゲーム状態データを処理して、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することと、ゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことに応答して、そのプレイヤをマルチプレイヤビデオゲームの第2のセッションに移動させることとを含む方法が提供される。
【0015】
一部の実施態様では、ゲームプレイアクティビティを不正であると識別したことにさらに応答して、インタラクティブなゲームプレイのブレイクポイントを識別し、移動させることは、ブレイクポイントに到達すると、実行される。
【0016】
一部の実施態様では、ブレイクポイントは、マルチプレイヤビデオゲームのステージまたはイベントの完了、プレイヤによる仮想環境の空間の間の移行、インタラクティブなゲームプレイでのプレイヤの死亡のうちの1つまたは複数によって定義される。
【0017】
一部の実施態様では、プレイヤを移動させることは、第1のセッションでプレイヤに関連付けられた設定をキャプチャすることと、キャプチャした設定を使用して第2のセッションでプレイヤを開始することとを含む。
【0018】
一部の実施態様では、プレイヤを移動させることは、マルチプレイヤビデオゲームの第1のセッションの状態をキャプチャすることと、第1のセッションの他のプレイヤ無しに、第2のセッションで第1のセッションの状態の少なくとも一部を実質的に複製するように第2のセッションを構成することとを含む。
【0019】
一部の実施態様では、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することは、プレイヤのゲームプレイアクティビティに応答して、マルチプレイヤビデオゲームの第2のプレイヤによって開始されたフラグを受信することを含む。
【0020】
一部の実施態様では、プレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると識別することは、機械学習モデルによって、マルチプレイヤビデオゲームのインタラクティブなゲームプレイをリアルタイムで分析することを含む。
【0021】
一部の実施態様では、少なくとも1台のサーバコンピュータによって実行される方法であって、マルチプレイヤビデオゲームの第1のセッションのインタラクティブなゲームプレイ中に、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティに応答して、マルチプレイヤビデオゲームの第1のプレイヤによって開始されたフラグを受信することであって、フラグは、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティが不正である可能性があると識別するように構成される、フラグを受信することと、フラグを受信したことに応答して、マルチプレイヤビデオゲームの記録されたゲームプレイを処理して、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると検証することと、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると検証したことに応答して、第2のプレイヤをマルチプレイヤビデオゲームの第2のセッションに移動させることとを含む方法が提供される。
【0022】
一部の実施態様では、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると検証することにさらに応答して、インタラクティブなゲームプレイのブレイクポイントを識別し、移動させることは、ブレイクポイントに到達すると、実行される。
【0023】
一部の実施態様では、ブレイクポイントは、マルチプレイヤビデオゲームのステージまたはイベントの完了、第2のプレイヤによる仮想環境の空間の間の移行、インタラクティブなゲームプレイでの第2のプレイヤの死亡のうちの1つまたは複数によって定義される。
【0024】
一部の実施態様では、第2のプレイヤを移動させることは、第1のセッションで第2のプレイヤに関連付けられた設定をキャプチャすることと、キャプチャした設定を使用して第2のセッションで第2のプレイヤを開始することとを含む。
【0025】
一部の実施態様では、第2のプレイヤを移動させることは、マルチプレイヤビデオゲームの第1のセッションの状態をキャプチャすることと、第1のセッションの他のプレイヤ無しに、第2のセッションで第1のセッションの状態の少なくとも一部を実質的に複製するように第2のセッションを構成することとを含む。
【0026】
一部の実施態様では、第2のプレイヤのゲームプレイアクティビティを不正であると検証することは、機械学習モデルによって、第2のユーザのインタラクティブなゲームプレイアクティビティを分析することを含む。
【0027】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例示として示す以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示は、そのさらなる利点とともに、添付の図面と共に以下の説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【0029】
図1】本開示の実施態様による、マルチプレイヤビデオゲームの異なるサーバ/セッションへの不正なプレイヤの自動的移動を概念的に示す。
【0030】
図2】本開示の実施態様による、既存のマルチプレイヤゲームセッションから不正なプレイヤを移動させる重要なイベントまたは移行点の検出を概念的に示す。
【0031】
図3】本開示の実施態様による、不正なプレイヤの空間関係を使用して、いつ不正なプレイヤを別のサーバ/セッションに移動させるべきかを決定することを概念的に示す。
【0032】
図4】本開示の実施態様による、不正なプレイヤによるインタラクションの完了を可能にするオフラインコピーサーバの実装を概念的に示す。
【0033】
図5】本開示の実施態様による、機械学習モデルを使用して不正なプレイヤの代わりをすることを概念的に示す。
【0034】
図6】本開示の実施態様による、マルチプレイヤビデオゲームにおける不正行為を検出し、これに応答するためのプレイヤ行為システムを概念的に示す。
【0035】
図7A】本開示の実施態様による、ビデオゲームのシーンのプレイヤビューを示しており、プレイヤは不正なまたは悪質な行為についてフラグが立てられている。
【0036】
図7B図7Aの実施態様による、キャプチャされたデータの分析後のビデオゲームのプレイヤビューを示す。
【0037】
図8A】本開示の実施態様による、ゲームプレイ中のプレイヤによる報告を容易にするために起こり得る不正行為を識別する自動認識システムの適用を示す。
図8B】本開示の実施態様による、ゲームプレイ中のプレイヤによる報告を容易にするために起こり得る不正行為を識別する自動認識システムの適用を示す。
【0038】
図9A】本開示の実施態様による、クラウドゲームサイトを通して利用可能なゲームのゲームファイルをロードするために使用される例示的なシステムを示す。
【0039】
図9B】本開示の実施態様による、クラウドビデオゲームをクライアントデバイスにストリーミングするために実行される様々な動作を概念的に示すフロー図である。
【0040】
図10】本開示の実施態様による、情報サービスプロバイダアーキテクチャの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明では、本開示の完全な理解をもたらすために、いくつかの具体的な詳細が示されている。しかしながら、本開示は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてが無くても実施できることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を曖昧にしないために、周知のプロセスステップは詳細に説明していない。
【0042】
マルチプレイヤゲームプレイでよくある問題は、所与のプレイヤによる不適切または不正なアクションに対処する方法に関するものである。このようなアクションは、ビデオゲームの精神や原則に反するゲームプレイや、他のプレイヤに対する嫌がらせや不適切なアクティビティを含み得る。したがって、本開示の実施態様は、不正なゲームプレイを検出して対処するための方法及びシステムを提供する。そのような方法及びシステムは、プレイヤが集合的により良いゲームプレイ体験を促進するように、不適切な行為の是正に影響を与える際に役立ち得る。
【0043】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、システムによるフォローアップのためにビデオゲームのプレイヤが不正行為にフラグを立てることができるプレイヤのフラグ立てによって検出される。一部の実施態様では、機械学習モデルは不正行為を認識するように訓練され、さらに、不正行為と思われる行為が認識されたときに、そのような行為にフラグを立てるオプションをプレイヤに与えることをプレイヤに提案してよい。
【0044】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、ビデオゲームの所与のマルチプレイヤセッションまたはサーバから自動的に分離される。例えば、不正なプレイヤの側で不正行為を検出したことに応答して、不正なプレイヤを異なるセッションまたはサーバに移動させることができる。不正なプレイヤのそのような移動は、不正なプレイヤ及びビデオゲーム内の他のプレイヤに対してシームレスになるように、または最小限の中断しか生じないように管理することができる。一部の実施態様では、不正者は、ゲームをプレイすることを許可されるが、それらのゲームでは、不正者は、一緒にプレイすることに集中され、ゲームを進めるためにゲームメカニクスに従ったり、協力したりする通常のプレイヤとは離される。不正なプレイヤを異なるサーバ、または異なるゲームのインスタンスもしくは世界に切り替えることが可能で、このような再割り当てはバックグラウンドで行うことができ、不正なプレイヤには完全には分からない。
【0045】
図1は、本開示の実施態様による、マルチプレイヤビデオゲームの異なるサーバ/セッションへの不正なプレイヤの自動的移動を概念的に示す。
【0046】
図示の実施態様では、ゲームサービス100は、ビデオゲームのマルチプレイヤゲームプレイを可能にするように構成されている。ゲームサービス100は、典型的には、インターネットなどのネットワーク経由で、ビデオゲームの各プレイヤによって操作されるプレイヤデバイスを通してアクセスされる。一部の実施態様では、マルチプレイヤビデオゲームは、ゲームサービス100によって実行されるクラウドビデオゲームであり、ゲームプレイのビデオとオーディオがプレイヤデバイスにストリーミングされる。他の実施態様では、ビデオゲームの各インスタンスはプレイヤデバイスによってローカルに実行され、マルチプレイヤゲームプレイはゲームサービス100によって促進され、セッションはゲームサービスを通して同期される。
【0047】
図示の実施態様に示すように、ゲームサービスは、マルチプレイヤゲームプレイセッション104、108、及び112をそれぞれ実行する様々なサーバ102、106、及び110をホストする。一部の実施態様では、ゲームサービス100は、ビデオゲームのマルチプレイヤゲームプレイのためのマッチメイキングサービスを提供するように構成されたマッチメイキングサーバ120をさらに含む。すなわち、マッチメイキングサーバ120は、ビデオゲームのマルチプレイヤセッションに参加する要求をプレイヤから受信し、プレイヤのそれぞれのスキルレベルまたは経験などの基準に基づいて、ビデオゲームの特定のセッションにプレイヤを割り当て、チームの競争力、プレイヤの地理的位置、言語などのバランスをとる。
【0048】
例えば、一部の実施態様では、プレイヤ122、124、及び126は、マッチメイキングサーバ122によってマルチプレイヤゲームプレイセッション104に割り当てられる。他の実施態様では、最初のプレイヤにチームを形成させたり、マルチプレイヤゲームプレイセッションをホストさせたり、他のプレイヤを参加するように招待させたりするなどして、プレイヤが、自己編成して、どのプレイヤを所与のセッションに参加許可するかを決定することができる。したがって、図示の実施態様では、プレイヤ122、124、及び126は、マルチプレイヤゲームプレイセッション104に接続され、ビデオゲームのマルチプレイヤゲームプレイに参加している。
【0049】
前述のように、マルチプレイヤゲームの問題は、特定のプレイヤが不正または不適切な行為に関与する可能性があることである。不正なプレイヤのアクションは、ビデオゲームの他のプレイヤのゲームプレイ体験を低下させる。したがって、マルチプレイヤビデオゲームでの不正行為を検出して対処することが重要である。この目的のために、ゲームサービス100は、不正行為を検出し、様々な機構を介して不正行為に対処するように構成されたプレイヤ行為システム114をさらに含む。プレイヤ行為システム114は行為検出ユニット116を含み、行為検出ユニット116は、所与のプレイヤによる不正行為がいつ生じたかを決定するように構成される。一部の実施態様では、行為検出ユニット116は、ビデオゲームの所与のセッションのプレイヤからのフラグまたは報告を受信したことに少なくとも部分的に基づいて、不正行為を検出する。一部の実施態様では、行為検出ユニット116は、少なくとも部分的に機械学習モデルを使用することによって、不正行為を検出する。
【0050】
大まかに言えば、不正行為は、所与のプレイヤによるあらゆる種類の不適切なゲームプレイ、悪意のあるゲームプレイアクティビティ、またはゲームプレイ中に発生する不適切な行為を含み得る。不正行為の例としては、ゲームプレイを行わない、もしくは「AFK」(キーボードから離れている)、自分のチームもしくはチームの仲間に対して損害を与えるもしくは有害なようにプレイする、悪意で、もしくはゲームメカニクスに従わずにプレイする、「グリーフィング」もしくは故意にゲームの側面を意図しない方法で使用して他のプレイヤを(に)苛立たせる/嫌がらせをする/迷惑をかける/害を及ぼす、テキスト/ボイスチャットハラスメント(例えば、嫌がらせもしくは乱暴な言葉もしくは画像を用いた)、テキストもしくはボイスチャットチャネルにスパムを送るなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
図示の実施態様では、プレイヤ126は、ビデオゲームのマルチプレイヤセッション104で不正/不適切なアクションを行った不正なプレイヤとして識別された。不正/不適切なアクションは行為検出ユニット116によって検出される。それに応答して、プレイヤ行為システム114は、不正なアクションが検出されたことをプレイヤ126に警告する、そのような行為をやめるようにプレイヤにアドバイスする、プレイヤに対して課される可能性のあるペナルティを通知するなど、様々な措置を実行してよい。本開示では、不正行為の検出及び検証に応答して課すことができる、以下で説明する移動を含む、様々な種類のペナルティについて説明する。当然ながら、一部の実施態様では、不正行為が少なくとも1回繰り返された(2回以上検出された)後、またはプレイヤが少なくとも1つの警告を受け取った後に、そのようなペナルティが課される場合がある。
【0052】
一部の実施態様では、プレイヤ行為システム114は、不正なプレイヤをビデオゲームの別のセッションに移動させるように構成された移動ロジック118を含む。図示の実施態様を引き続き参照すると、プレイヤ126による不正行為を検出したことに応答して、移動ロジック118は、サーバ106によって実行される異なるマルチプレイヤセッション108にプレイヤ126を移動させる。このようにして、不正なプレイヤ126は、他のプレイヤ122及び124から分離されるため、プレイヤ126は、プレイヤ122及び124に対して有害または迷惑な不正行為を行うことができなくなる。以下でさらに詳細に説明するように、不正なプレイヤ126の移動は、プレイヤ122及び124、ならびに不正なプレイヤ126のゲームプレイへの中断を最小限にするように構成することができる。
【0053】
一部の実施態様では、不正なプレイヤ126が移動されるサーバ106は、プレイヤ126による不正行為をそれ以上、可能にしないように選択または構成される。そのような構成は、プレイヤ126によって行われた不正行為に応じて、様々な形を取ることができる。例えば、一部の実施態様では、不正なプレイヤが他のプレイヤに対して不適切なアクションを行う能力を制限するように、不正なプレイヤと他のプレイヤとの接触を制限することが望ましい場合がある。したがって、不正なプレイヤが移動されるサーバは、大幅に少ない数のプレイヤ、わずかな数のプレイヤ、広く分散しているプレイヤ、または他のプレイヤがいないサーバとして選択または構成することができ、その結果、不正なプレイヤが他のプレイヤと接触する可能性が減り、それによって不正なプレイヤが他のプレイヤに影響を与える不適切なアクションを行う機会を低減する。
【0054】
一部の実施態様では、不正行為は、同じチームの他のプレイヤに有害なように、または他のプレイヤを苛立たせるように、ビデオゲームの特定のゲームメカニクスを悪用または意図的に誤用することを伴い得る。例えば、不正なプレイヤは、特定の設定でオブジェクトを悪用したり、適切なゲームプレイと矛盾する悪意のある方法で所与の場所のメカニクスを悪用したりする場合がある。これを考慮して、不正なプレイヤが移動されるサーバは、そのような不正行為につながるシナリオを提示しないように選択または構成することができる。例えば、一部の実施態様では、不正なプレイヤが移動されるサーバは、前のサーバとはビデオゲームの実質的に異なる場所/シナリオ/シーン/設定/世界/レベル、または不正なプレイヤによって以前、悪用されたオブジェクトもしくは設定を含まないものを提示するように選択または構成される。
【0055】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、新しいサーバ上のプレイヤの特性、及び/または以前のサーバでのプレイヤの特性に少なくとも部分的に基づいて、新しいサーバに移動される。例えば、不正なプレイヤは、経験の浅いプレイヤがより影響を受けやすく、経験の豊富なプレイヤが影響を受けにくい不正行為に関与する場合がある。したがって、一部の実施態様では、不正なプレイヤは、プレイヤが以前のサーバのプレイヤよりも高いスキルレベルを有するサーバに移動される。概念を拡張すると、所与の種類の不正行為に対する感受性を決定するプレイヤの特性を分析し、相関させることができる。次に、不正なプレイヤによる所与の種類の不正行為が検出されると、不正なプレイヤは、検出された種類の不正行為の影響を受けにくい特性を示すプレイヤを有するサーバに移動させることができる。このようにして、不正なプレイヤは、不正なプレイヤが他のプレイヤに同じように付け込むのが困難なセッションに移される。
【0056】
上記の概念を広く拡張すると、当然ながら、様々な実施態様で、不正なプレイヤが前のサーバ/セッションで以前に検出されたのと同じ種類の不正行為に関与する可能性を低減するようにマルチプレイヤビデオゲームの条件が構成されたサーバ/セッションに不正なプレイヤを移動させることができる。
【0057】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、不正なプレイヤ同士が一緒にプレイするように同じセッション/サーバに移動される。例えば、図示の実施態様では、ビデオゲームの別のマルチプレイヤセッション112がサーバ110によってインスタンス化される。プレイヤ128、130、及び132は、マルチプレイヤセッション112でビデオゲームのゲームプレイに参加している。ゲームプレイ中、プレイヤ128側の不正行為が、行為検出ユニット116によって検出される。それに応答して、不正なプレイヤ128はサーバ106に移動される。このようにして、不正なプレイヤ128は、不正なプレイヤ126と同じサーバに移動され、不正なプレイヤ同士が同じセッションに集中するようになる。不正なプレイヤ同士が同じセッションで一緒にプレイすることで、ゲームプレイの適切なメカニクスに従って誠実にビデオゲームをプレイしようとしている他のプレイヤに対して不適切なアクションを行うことができなくなる。
【0058】
一部の実施態様では、異なるサーバ/セッションへの不正なプレイヤの再割り当ては、不正なプレイヤ及び/または他のプレイヤにとってのゲームの継続性を保存するような方法で行われる。不正なプレイヤは依然としてゲームを終了したいと考えている可能性があるため、突然、不正なプレイヤのゲームを終了することは望ましくない場合がある。ただし、不正なプレイヤが識別されており、例えば、不正なプレイヤが不正を行う対象となる傾向のある他のプレイヤと一緒にいるため、または不正なプレイヤがゲームメカニクスに従わずにプレイする傾向がある状況にいるため、不正なプレイヤは移動が求められる。したがって、一部の実施態様では、既存のセッションの側面が、不正なプレイヤが移動される新しいセッションに複製/クローン/コピーされる。
【0059】
例えば、一部の実施態様では、不正なプレイヤのデジタルインベントリが前のセッションから複製され、不正なプレイヤは、移動が発生した時点で、前のセッションで所有していたのと同じ武器、スキン、鎧、デジタル通貨、仮想オブジェクトなどを所有する。このようにして、不正なプレイヤは、新しいセッションに移動されても、自身のデジタルインベントリの継続性を認識する。
【0060】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、新しいセッションで、移動が発生した時点での前のセッションでの最後の場所とゲーム世界の同じ仮想場所に移動される。一部の実施態様では、不正なプレイヤは、新しいセッションで、前のセッションでの最後の向きと同じ向きを有する。一部の実施態様では、前のセッションでの不正なプレイヤの以前のゲームプレイ体験の他の側面が、不正なプレイヤが移動される新しいセッションで複製される。限定的ではない例として、そのような他の側面は、敵または仮想キャラクタの存在及び構成、仮想オブジェクトの存在/場所/条件、天気、音楽、ゲーム設定などを含み得る。
【0061】
当然ながら、不正なプレイヤが移動された場合、残りのプレイヤは不正なプレイヤと一緒に移動しないため、不正なプレイヤは他のプレイヤから分離される。一部の実施態様では、不正なプレイヤのゲームプレイの継続性をさらに維持し、移動をより透過的にするために、新しいセッションに移動されない他のプレイヤの代わりに、AI代理キャラクタ(またはボット)が新しいセッションでインスタンス化される。AI代理キャラクタは、同じまたは類似の外観、スキン、武器、オブジェクト等を有するなど、前のセッションの他のプレイヤにとって同じまたは類似の構成を有するように構成することができる。さらに、一部の実施態様では、AI代理キャラクタは、代理として挿入されたプレイヤと類似の方法で実行するように構成されている。例えば、AI代理キャラクタは、類似のスキルレベル、プレイスタイルなど、代理を務めるプレイヤと類似のゲームプレイを有するように構成することができる。これによって、移動の体験は、不正なプレイヤにとってさらに透過的になり得る。
【0062】
図2は、本開示の実施態様による、既存のマルチプレイヤゲームセッションから不正なプレイヤを移動させる重要なイベントまたは移行点の検出を概念的に示す。マルチプレイヤセッション104は、前述のようにゲームサービス100によってホストされ、プレイヤ122、124、及び126がゲームプレイに参加している。当然ながら、ビデオゲームのプレイヤは、ゲームコンソール、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、携帯電話、またはプレイヤに対してローカルにある他のコンピューティングデバイスなどのプレイヤデバイスを介してマルチプレイヤセッション104に接続される。ゲームプレイビデオは、通常、ディスプレイデバイスでレンダリングされ、ディスプレイデバイスは、プレイヤデバイスに組み込まれているか、プレイヤデバイスとは別個であってよい。図示の実施態様では、プレイヤ122、124、126は、ネットワーク216経由でマルチプレイヤセッション104と通信する各プレイヤデバイス218、222、及び226を操作する。
【0063】
プレイヤデバイス218、222、及び226は、ビデオゲームのローカルセッション220、224、及び228をそれぞれ実行する。マルチプレイヤゲームアーキテクチャに応じて、ビデオゲームのゲーム状態のより多くのまたはより少ない処理と取扱が、プレイヤデバイスでのローカルセッションで取り扱うことができる、またはサーバでのマルチプレイヤセッションで取り扱うことができる。一部の実施態様では、ビデオゲームは完全にクラウドで実行され、マルチプレイヤセッション104からのゲームプレイビデオ(画像データ及びオーディオデータを含む)がネットワークを介してプレイヤデバイスにストリーミングされ、ローカルセッションは、(例えば、ディスプレイやスピーカを介して)ビデオの提示を行い、入力を収集して、マルチプレイヤセッションに返信する。一部の実施態様では、ビデオゲームは主にローカルセッションによって実行され、各ローカルセッションはゲーム状態のローカルコピーを維持し、マルチプレイヤセッション104はプレイヤデバイス全体でゲーム状態の同期を可能にする。一部の実施態様では、ビデオゲームは、プレイヤデバイスのローカルセッションによって部分的に実行され、サーバのマルチプレイヤセッションによって部分的に実行される。
【0064】
上記のように、不正なプレイヤが検出されると、一部の実施態様では、不正なプレイヤは別のサーバ/セッションに移動される。しかし、ビデオゲームの現在のセッションの継続性を維持するために、一部の実施態様では、不正なプレイヤが移動されると決定した直後に、不正なプレイヤの移動が必ずしも発生しない。そうではなく、不正なプレイヤ及び/またはマルチプレイヤセッションの残りのプレイヤのいずれかへの混乱を最小限に抑え、既存のゲームプレイの中断を最小限に抑えてイベントの継続性を維持するように、移動のためにゲームの適切な時間またはブレイクポイントが決定される。このようにして、不正なプレイヤの移行は、不正なプレイヤ及び/または他のプレイヤに透過的にさえなり得る邪魔にならない方法で行うことができる。
【0065】
1つまたは複数の適格な移行/重要な/ブレイクポイントイベントが検出され、不正なプレイヤは、適格な移行イベントが発生すると、新しいサーバ/セッションに移行される。マルチプレイヤセッションの実行は、ゲームエンジンに適用されたユーザからの入力を使用して、ゲームプレイを推進する、継続的に更新されるサーバゲーム状態200を生成する。ゲームプレイ中に発生するイベントを検出するために、サーバゲーム状態200からゲーム状態データ202(及び/またはゲームテレメトリデータ)が取得され、イベント検出プロセス204を使用して分析されて、適格な移行イベントがいつ発生するかが識別される。一部の実施態様では、ゲーム状態データ202は、プレイヤのローカルセッションのいずれかからのゲーム状態データ及び/またはゲームテレメトリデータをさらに含み得る。
【0066】
適格な移行イベントまたはブレイクポイントの非限定的な例には、不正なプレイヤまたは他のプレイヤの死亡(参照番号206)、ゲームのある領域から他の領域への横断または移行(参照番号208、例えば、ドア/扉/入口/仕切りなどを開ける、またはそれを通って移動する、境界を超える、ゲームマップ上の場所間でジャンプする)、ゲームストーリ内の重大なアクティビティを完了(参照番号210、例えば、ステージ/章/レベル/大きなイベントの完了、ボスキャラクタに勝つ、パズルを解く、ゲーム空間の新しい領域に入る、あるチームが他のチームに勝つ、あるチームが他のチームに対して得点するなど)、活動が少ない、またはプレイヤ間のインタラクションが少ない期間(例えば、不正なプレイヤ及び/またはゲームの他のプレイヤによる戦闘や武器の使用が無い期間、戦闘が閾値レベル未満など)、ゲームの一時停止(参照番号212)などが含まれる。そのような適格な移行イベントを検出すると、次いで検出された不正なプレイヤは新しいセッション/サーバに移動される(参照番号214)。換言すれば、検出された不正なプレイヤの移動は、検出後すぐに発生するとは限らず、適格な移行イベントが発生するまで遅延され、その後、移動が処理される。
【0067】
このように、不正なプレイヤの移動は、移行による邪魔を最小限に抑えるために、ゲームの移行の瞬間に実行される。例えば、不正なプレイヤが死亡すると、不正なプレイヤは、新しいセッション/サーバにリスポーンされる場合がある。例えば、不正なプレイヤがドアを通り抜けると、不正なプレイヤは移動され、一部の実施態様では、異なるセッション/サーバではあるが、ゲーム空間の意図した場所(例えば、ドアの反対側)に到着する。
【0068】
図3は、開示の実施態様による、不正なプレイヤの空間関係を使用して、いつ不正なプレイヤを別のサーバ/セッションに移動させるべきかを決定することを概念的に示す。記載したように、一般的には、不正なプレイヤの移動による邪魔を最小限に抑えることが望ましい。したがって、一部の実施態様では、不正なプレイヤと他のプレイヤとの空間的関係を使用して、いつ不正なユーザを移動させるべきかを決定することができる。
【0069】
例えば、図示の実施態様では、仮想空間内の不正なプレイヤ126の他のプレイヤ122及び124に対する位置/場所が示されている。不正なプレイヤ126は、最も近いプレイヤ122から第1の距離300に配置される。一部の実施態様では、このステージで、不正なプレイヤ126は、不正であると識別され、移動が予定されていても、不正なプレイヤ126が最も近いプレイヤ122に近すぎるため、移動されない。つまり、一部の実施態様では、不正なプレイヤが最も近い他のプレイヤから所定の距離内にいる場合、移動は発生しない。しかしながら、不正なプレイヤ126が、参照番号126aで示される位置に動くと、不正なユーザ126は新しいサーバ/セッションに移動される。換言すれば、一部の実施態様では、不正なプレイヤ126が最も近い他のプレイヤから所定の距離を超えて動くと、不正なプレイヤは現在のセッションから新しいセッションに移動される。このように、不正なプレイヤ126は、不正なプレイヤ126が十分に孤立しているか、または他のプレイヤの近傍から十分に離れていると判断されると、移動される。
【0070】
一部の実施態様では、不正なプレイヤ126が仮想空間のある領域から仮想空間の別の領域に移ると、移動が開始される。例えば、図示の実施態様では、プレイヤ126は、仮想空間の領域308から領域310に動く。一部の実施態様では、領域310への動きを検出すると、不正なプレイヤの移動が開始される。
【0071】
一部の実施態様では、不正なプレイヤの視線方向または視野が分析され、少なくとも部分的に、いつ不正なプレイヤを移動させるべきかを決定するために使用される。例えば、最初に、不正なプレイヤ126は、少なくともプレイヤ124に向かう視線方向304を有し、視野がプレイヤ122をさらに含み得るように示される。一部の実施態様では、不正なプレイヤの視線方向または視野が他のプレイヤに向けられている間、または仮想空間の不正なプレイヤの視野が他のプレイヤを含む間、不正なプレイヤの移動は発生しない。しかしながら、不正なプレイヤの視線方向が、図示の実施態様では、例えば、視線方向306に変更されると、移動が発生する。すなわち、不正なプレイヤの視線方向が他のプレイヤから離れている場合、または不正なプレイヤの視野が他のプレイヤを含まない場合、不正なプレイヤは移動される。
【0072】
一部の実施態様では、不正なプレイヤの動き及び/または他のプレイヤの動き、及び/またはプレイヤ同士の相対的な動きが分析され、いつ不正なプレイヤを移動させるべきかを決定するために少なくとも部分的に使用される。例えば、一部の実施態様では、不正なプレイヤと、不正なプレイヤの所定の近傍内のあらゆるプレイヤが互いに離れる方に動いていると判断されるまで、不正なプレイヤは移動されない。これは、不正なプレイヤが他のプレイヤの1人または複数から離れる方に動いているという判断、及び/または他のプレイヤの1人または複数が不正なプレイヤから離れる方に動いているという判断に基づいてよい。一部の実施態様では、いつ不正なプレイヤを移動させるべきかを決定する際に、プレイヤたちの動きの速度及び/または加速度も考慮される。例えば、プレイヤ同士の相対的な動きの速度及び/または加速度は、いつ不正なプレイヤをいつ移動させるべきかを決定する際に、そのような動きの影響を増幅する可能性がある。
【0073】
当然ながら、一部の実施態様では、上記の概念は組み合わせることができる。例えば、一部の実施態様では、次に近いプレイヤからの不正なプレイヤの距離、不正なプレイヤの視線方向もしくは視野、及びプレイヤの互いに対する動きは、いつ不正なプレイヤを移動させるかを決定するために利用される要因である。例えば、そのような要因を定量化してスコアに組み合わせることができ、スコアが閾値を超えると、不正なユーザが移動される。一部の実施態様では、最も近いプレイヤからの不正なプレイヤの距離は、移動が発生する可能性と正の相関があり、距離が増加すると、不正なプレイヤの移動の可能性も増加する。一部の実施態様では、不正なプレイヤの視線方向が他のプレイヤに向いている程度、または視野が他のプレイヤを含む程度は、移動が発生する可能性と負の相関があり、不正なプレイヤの視線が他のプレイヤの方を向いていればいるほど、または不正なプレイヤの視野が他のプレイヤを多く含めば含むほど、不正なプレイヤの移動の可能性が高くなる。一部の実施態様では、不正なプレイヤと少なくとも1人の他のプレイヤが互いに離れる方に相対的に動くと、不正なプレイヤの移動の可能性が高くなる。
【0074】
図4は、本開示の実施態様による、不正なプレイヤによるインタラクションの完了を可能にするオフラインコピーサーバの実施態様を概念的に示す。例えば、不正なプレイヤは戦闘の最中である可能性があるが、移動に値する/移動が必要なほど十分な数のフラグを受信しているか、または十分な不正を犯している。したがって、不正なプレイヤが戦闘または主要なインタラクションを完了できるようにしながら、不正なプレイヤを別のサーバに適切に移行することが望ましい。したがって、一部の実施態様では、一時的なオフラインコピーサーバ400がプレイヤデバイス226でローカルにインスタンス化されて、不正なプレイヤのマルチプレイヤセッションのゲームプレイ体験を実質的に複製する。
【0075】
コピーサーバ400は、不正なプレイヤのゲームプレイの側面を実質的に複製するために、サーバゲーム状態200の少なくとも一部を取得またはコピーし、ローカルセッション228は、マルチプレイヤセッション104との通信から、コピーサーバ400との通信に切り替える。このようにして、不正なプレイヤ126のローカルセッション228はマルチプレイヤセッション104と通信しなくなり、したがって、不正なプレイヤ126はマルチプレイヤセッション104でインタラクトできなくなる。それでも、不正なプレイヤ126は、実質的に同様の継続的な方法でゲームプレイを継続し、その世界での戦闘または他の主要なインタラクションを終わらせることができる。当然ながら、コピーサーバ400は、マルチプレイヤセッション104に同様の機能を提供するため、不正なプレイヤのローカルセッション228は、コピーサーバ400にリダイレクトされる以外に大きく調整する必要がない。
【0076】
一部の実施態様では、コピーサーバ400は、AIボットをインスタンス化して、マルチプレイヤセッション104からの他のプレイヤに取って代わる。一部の実施態様では、AIボットは、不正なプレイヤ126に、他のプレイヤがまだ同じセッションでプレイしているように見えるように構成される。
【0077】
一部の実施態様では、コピーサーバ400を使用してゲーム世界での戦闘またはその他の主要なインタラクションが完了した後、不正なプレイヤは、実際のプレイヤが参加しているライブサーバ/セッションに戻される。例えば、最初のローカルセッション228が終了されてよく、異なるマルチプレイヤセッション404に接続する新しいローカルセッション402がインスタンス化されてよい。他の実施態様では、ローカルセッション228は継続し、マルチプレイヤセッション404に移行される。一部の実施態様では、コピーサーバ400からの側面は、マルチプレイヤセッション404のサーバゲーム状態406にマージまたは追加される。
【0078】
コピーサーバ400はローカルで実行されるものとして説明されているが、一部の実施態様では、コピーサーバはクラウドベースで、ネットワーク経由でアクセスすることができる、及び/またはゲームサービス100の一部であってよい。
【0079】
図5は、本開示の実施態様による、機械学習モデルを使用して不正なプレイヤの代わりをすることを概念的に示す。図示の実施態様では、不正なプレイヤ126が識別され、異なるセッション/サーバに移動されて、不正なプレイヤ126は、現在のマルチプレイヤセッション104でもはや不正行為に関与しない。しかしながら、これは、図示の実施態様において、不正なプレイヤ126の不在下で残りのプレイヤ122及び124がどのようにゲームプレイを継続するかという問題を提起する。したがって、一部の実施態様では、AIプレイヤ504が、移動された不正なプレイヤ126に取って代わる。
【0080】
AIプレイヤ504を提供するために、一部の実施態様では、プレイヤAI/機械学習モデル502は、不正なプレイヤ126のように振る舞うように訓練される。テレメトリデータ及び/またはゲーム状態データ202が、マルチプレイヤセッション104などのゲームセッションから取得され、プレイヤデータ500として記憶される。プレイヤデータ500は、不正なプレイヤによるゲームプレイに関するデータを含む。次に、プレイヤデータ500を使用して、ゲームプレイに関して不正なプレイヤと同様に振る舞うようにAI/機械学習モデル502を訓練する。すなわち、機械学習モデル502は、不正なプレイヤ126によって実行されるものと同様のゲームプレイアクションを実行するように、不正なプレイヤ126の記録されたゲームプレイを使用して訓練される。例えば、ゲームの状況及びシナリオに応答して不正なプレイヤによって提供された記録された入力が与えられると、機械学習モデル502は、同じ/類似の状況とシナリオに応答して、同じまたは類似の入力を提供するように訓練することができる。
【0081】
当然ながら、プレイヤデータ500は、プレイヤ126が直面するゲームシナリオを記述するデータと、コントローラ入力または他の入力などのプレイヤの応答を記述するデータとを含む。一部の実施態様では、プレイヤデータ500はプレイヤのゲームプレイのビデオをさらに含み、機械学習モデル502は、ビデオによって描写されるシーンに応答するプレイヤ126のゲームプレイを模倣するように、ビデオを使用して訓練される。
【0082】
当然ながら、機械学習モデル502は、プレイヤ126の記録されたゲームプレイを使用して訓練されるが、機械学習モデル502の訓練は、不正行為を行うように機械学習モデル502を訓練することを回避するように構成されている。この目的のために、一部の実施態様では、不正行為が生じたシナリオを示すデータが識別され、訓練データセットから消去/除去される。
【0083】
したがって、一部の実施態様では、訓練された機械学習モデル502を使用して、マルチプレイヤセッション104において、別のセッションに移動した不正なプレイヤ126に取って代わるAIプレイヤ504をインスタンス化する。したがって、AIプレイヤ504は、不正なプレイヤ126のスタイルと同様のスタイルでマルチプレイヤセッション104のゲームプレイに参加するように構成される。当然ながら、AIプレイヤ504は、移動された不正なプレイヤ126と同じ外観及びインベントリを有するように構成することができ、不正なプレイヤ126がマルチプレイヤセッションから移動されるのと同時に同じ位置に挿入することができ、不正なプレイヤ126のAIプレイヤ504との置き換えは、マルチプレイヤセッションの他のプレイヤ122及び124にとって透過的である。
【0084】
一部の実施態様では、不正なプレイヤ126がマルチプレイヤセッション104から移動されると、新しいプレイヤが、プレイヤ126に代わってマルチプレイヤセッション104に参加することが認められる。例として、一部の実施態様では、ゲームサービスは、ビデオゲームのマルチプレイヤセッションへの参加を待っているプレイヤをキューに入れるプレイヤキュー506を実装してよい。したがって、一部の実施態様では、不正なプレイヤ126がセッションから移動されると、プレイヤキュー506から新しいプレイヤ508がマルチプレイヤセッション104に追加される。他の実施態様では、マルチプレイヤセッション104への参加に関心のある可能性があるプレイヤは、ゲームサービスによって実施され得るメッセージサービスなどを通して通知され、参加するように招待される。
【0085】
当然ながら、新しいプレイヤ508は、他のプレイヤが既にゲームプレイを行っているマルチプレイヤセッションに参加するため、新規プレイヤは、既にプレイしている他のプレイヤに比べて不利である可能性がある。したがって、一部の実施態様では、新しいプレイヤ508がセッション及びそのゲームプレイの知識を持ってセッションに入ることができるように、新しいプレイヤ508にマルチプレイヤセッション104に関するコンテキスト情報が提供されてよい。例えば、新しいプレイヤ508は、マルチプレイヤセッション104でゲームプレイが行われているビデオゲームの設定/場所/シーン、発生したイベントの説明、他のプレイヤに関する統計及び他の情報などを与えられてよい。一部の実施態様では、新しいプレイヤ508は、参加する前にマルチプレイヤセッション104で発生したイベントを理解できるように、マルチプレイヤセッション104の以前のゲームプレイのビデオを見せられてよい。
【0086】
一部の実施態様では、新しいプレイヤ508は、マルチプレイヤセッション104で不正なプレイヤ126によって制御されたキャラクタ(または他の代表的な仮想オブジェクト)の制御を引き受けることによって、マルチプレイヤセッション104に参加する。このように、不正なプレイヤ126に関連付けられたキャラクタは、マルチプレイヤセッション104に存在し続けるが、現在、異なるプレイヤによって操作及び制御されている。これは、マルチプレイヤセッション104の他のプレイヤの観点から見たゲームプレイへの混乱を最小限に抑えるのに役立つ。
【0087】
図6は、本開示の実施態様による、マルチプレイヤビデオゲームにおける不正行為を検出し、これに応答するためのプレイヤ行為システムを概念的に示す。一部の実施態様では、プレイヤ行為システム114は、前述のようにゲームサービス100によって実装される。プレイヤ行為システム114の構成要素を例示的な実施態様を参照して説明する。前述のように、プレイヤ行為システム114は、マルチプレイヤビデオゲームのプレイヤ側の不正行為を検出するための行為検出ユニット116を含む。
【0088】
一部の実施態様では、ユーザ/プレイヤは、プレイヤの悪質または不正な行為(例えば、AFK、チャットでの嫌がらせ、グリーフィング、スパムなど)を報告することができる。この目的のために、行為検出ユニット116はフラグシステム600を含み、これはプレイヤが不正行為に遭遇したときにプレイヤが不正行為にフラグを立てることを可能にするように構成されている。例えば、ゲームプレイ中に、プレイヤが、不正行為のために他のプレイヤにフラグを立てたいとき、ボタンを押すか、インタフェースを開いて、他のプレイヤのフラグ立てを開始してよい。一部の実施態様では、インタフェースによって、認識された不正行為の性質を説明する情報をプレイヤが入力可能にすることができる。一部の実施態様では、そのようなインタフェースは、記録するプレイヤが選択可能な所定のオプションを含み得る。
【0089】
さらに、フラグイベントが開始されると、潜在的な不正行為の証拠として、ゲーム状態及びビデオキャプチャを記録することができる。例えば、一部の実施態様では、報告するプレイヤがフラグ立てを開始することに応答して、報告するプレイヤには、報告している不正行為疑惑を示すゲームプレイビデオの部分を識別するためのインタフェースが提供される。一部の実施態様では、インタフェースによって、報告するプレイヤは、バッファリング/記録された既存のゲームプレイビデオをトリミングして、フラグ立てのために選択された部分を識別することが可能になる。さらに、対応するゲーム状態データ、例えば、報告するプレイヤによって識別された選択されたゲームプレイビデオのタイムコードに対応するゲーム状態データがキャプチャされる。
【0090】
一部の実施態様では、プレイヤがフラグ立てを開始すると、フラグの開始前の所定の期間からのゲームプレイビデオ及び/またはゲーム状態が、例えばゲーム状態/ビデオキャプチャユニット606によって自動的にキャプチャされ、不正行為データストレージ614に記憶される。例えば、一部の実施態様では、ビデオ及び/またはゲーム状態の直前のN秒(例えば、N=5、10、20、30、45、60、90、120など)をキャプチャすることができる。一部の実施態様では、キャプチャされ、フラグイベントに関連付けられる持続時間は、ゲームプレイで発生するインタラクションの分析に依存する。例えば、フラグイベントが潜在的に不正なプレイヤを識別する場合、キャプチャされる持続時間は、ゲーム状態を分析して、フラグ立て開始の直前の不正なプレイヤと報告しているプレイヤが関与するインタラクションの期間を識別することによって決定されてよい。他の実施態様では、キャプチャされる持続時間は、ゲーム状態を分析して、フラグ立て開始の直前のアクティビティの期間(例えば、戦闘アクティビティまたは他のゲームインタラクションの期間)を識別することによって決定される。
【0091】
一部の実施態様では、キャプチャされたゲームプレイビデオ及び/またはゲーム状態は、フラグ立て後の所定の期間、または報告しているプレイヤが関与するゲームアクティビティが終わるもしくは完了される(例えば、戦闘、重大なイベントの完了など)までなど、報告しているプレイヤがフラグイベントを開始した後に生じたゲームプレイビデオ及び/またはゲーム状態をさらに含む。
【0092】
当然ながら、所与のプレイヤが、他のプレイヤを、不正行為を示していると誤って識別する可能性がある。したがって、一部の実施態様では、行為検出ユニット116は、フラグを立てられてた行為が実際に悪質または不正な行為であったかどうかを検証するように構成された検証ロジック604をさらに含む。一部の実施態様では、検証ロジック604は、機械学習モデル602を採用して、報告された行為が実際に悪質または不正であったかどうかを判断する。一部の実施態様では、機械学習モデルは、不正行為のデータセットを使用して訓練されて、機械学習モデルが所与のシナリオが不正行為を構成するかどうかを判断することができる。
【0093】
一部の実施態様では、検証ロジック604は、不正なプレイヤであると申し立てられたプレイヤと同じチームのプレイヤ、相手チームのプレイヤ、または両チームからのプレイヤの組み合わせなど、ゲームの他のプレイヤに調査することによって、報告された行為が不正であったかどうかを検証するように構成される。具体的には、プレイヤは、申し立てられた不正行為を示す記録されたゲームプレイビデオを提示され、申し立てられた不正行為が生じたと考えるかどうかを示す入力を行うようにプレイヤに要求してよい。一部の実施態様では、調査されたプレイヤの大多数が、その行為が実際に不正であったという考えを示した場合、申し立てられた不正行為が検証される。
【0094】
一部の実施態様では、機械学習モデルと他のプレイヤへの調査の両方を組み合わせて利用して、不正行為が発生したかどうかを判断する。例えば、一部の実施態様では、機械学習モデルは、同数のプレイヤが不正行為と非不正行為を示した場合のタイブレーカとして使用される。一部の実施態様では、機械学習モデルとプレイヤの指摘は、報告された行為が不正であったかどうかを確認するために使用される重み付け係数である。例えば、不正行為を申し立てられたプレイヤと同じチームのプレイヤは、相手チームのプレイヤよりもその指摘をより強く重み付けすることができる。一部の実施態様では、評判の高いプレイヤには、評判の低いプレイヤの指摘よりも高い重み付けが与えられる。様々な実施態様において、機械学習モデルの決定は、プレイヤの一部またはすべての指摘よりも多くまたは少なく重み付けすることができる。
【0095】
一部の実施態様では、行為検出ユニット116は、悪質な行為について自動的にプレイヤを報告またはプレイヤにフラグを立てることができる。例えば、機械学習モデル602は、不正行為を認識するように訓練することができ、その後、現在のマルチプレイヤゲームセッションで実行され、悪質な行為にフラグを立てるために適用することができる。一部の実施態様では、機械学習モデルによってフラグが立てられた申し立てられた不正行為は、例えば、申し立てられたプレイヤのチームメイトにフラグが立てられた行為を提示し(例えば、ビデオを提示し)、チームメイトに、フラグが立てられた行為は実際に不正であったと考えるかどうかに関して判断するように依頼することによって、検証ロジック604によって検証される。
【0096】
当然ながら、ビデオ及び/またはゲーム状態のキャプチャは、機械学習モデルによってフラグが立てられた行為に対して実行することができ、不正行為データストレージ614に記憶することができる。識別された不正行為(プレイヤによって識別されたか、機械学習モデルによって識別されたかにかかわらず)のキャプチャされたデータ、及び特に検証された不正行為は、機械学習モデルをさらに訓練するために使用することができ、その結果、時間の経過とともに、機械学習モデルは、不正行為の認識を、範囲及び正確性の両方で改善する。
【0097】
説明したように、一部の実施態様では、不正行為が検出されると、移動ロジック608が関与して、不正なプレイヤを異なるセッション/サーバに移動させる。
【0098】
一部の実施態様では、不正行為が検出されると、是正措置ユニット610によって是正措置が実施される。是正措置は、不正行為が再発するのを防止するか、または不正なプレイヤが不正行為を行わないように動機付けるように構成されている。一部の実施態様では、悪質な行為が報告されたことを不正なプレイヤに通知することができる(例えば、行為が機械学習モデルによって悪質であると検証された場合)。一部の実施態様では、不正なプレイヤは、彼らが間違ったことをしていると判断されたことが何であったかを通知される。これは、彼らが自分の過ちから学ぶように、学ばなければ(例えば、一時的または永久に)禁止されるように構成することができる。
【0099】
一部の実施態様では、ビデオゲームは、API618を介して上記の機能及びデータにアクセスすることができるので、ビデオゲームは独自の是正措置及びシステムを実装し得る。例えば、ビデオゲームは、独自の「3ストライク」システムを実装する場合がある。
【0100】
一部の実施態様では、ゲームサービスシステム側で是正措置を実行し、悪質な行為のために、ゲームサービスまたは特定のゲームを一時的に禁止することができる。
【0101】
当然ながら、様々な実施態様において、不正行為の検出及び/または検証に応答して、様々な是正措置を実行することができる。例えば、一部の実施態様では、例えば、テキスト/キーボードチャット、ボイス/マイクチャット、カメラ、マイクなど、不正なプレイヤの一部の機能が、削減、無効、またはオフにされる。一部の実施態様では、そのような機能は、重要なイベントが発生するまで、またはセッションが終了するまで、所定の期間、無効になる。一部の実施態様では、そのような機能は、不正行為の犠牲者であるか、または不正行為を報告した所与のプレイヤに関して特に無効にされる。例えば、不正なプレイヤは、犠牲者または報告したプレイヤとのキーボードチャットまたはボイスチャットへの参加を許可されない。
【0102】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、他のプレイヤ(犠牲者または報告したプレイヤ)からマスクされる、または他の方法で、そのプレイヤとの社交から排除される。一部の実施態様では、不正なプレイヤは、他のプレイヤがゲーム内で不正なプレイヤを見ることがないように、不可視または透明にされる。一部の実施態様では、不正なプレイヤが他のプレイヤを見ることができないように、他のプレイヤは不正なプレイヤには見えないようにされる。
【0103】
一部の実施態様では、不正なプレイヤは、ゲーム世界の別の場所に移されることによって社交から排除される。
【0104】
一部の実施態様では、悪評のインジケータを提供し得る何らかの方法でアバタの外観を着色または変更するなどして、不正なプレイヤの外観が変更される。
【0105】
一部の実施態様では、不正なプレイヤのリスポーンに時間がかかるか、時間の遅延が発生する。一部の実施態様では、リスポーンする前に、ペナルティを受けた理由を説明するチュートリアルが不正なプレイヤに提示される。
【0106】
一部の実施態様では、マルチプレイヤマッチメイキングキューへの参加に時間がかかったり、遅らされたり、保留されるなどして、ゲームのキューで不正なプレイヤの優先順位を下げる。一部の実施態様では、不正なプレイヤは、不正なプレイヤが以前に不正を行った特性またはプレイヤを有するセッションへの参加を妨げられるか、または保留される。
【0107】
一部の実施態様では、無礼にならないためのヒント、または不正行為を回避するためのヒントが含まれるように、不正なプレイヤのツールヒントが変更される。
【0108】
当然ながら、所与のインスタンスに適用される特定の是正措置は、検出された特定の不正行為に依存し得る。例えば、選択した是正措置は、不正行為の再発を防ぐように構成することができる。一部の実施態様では、様々な種類の不正行為状況と、それに応じて適用される様々な種類の是正措置との間でマッピングが確立される。
【0109】
さらに、不正行為または状況の重大性に応じて、是正措置の程度を調整することができる。例えば、一部の実施態様では、不正行為の重大性に応じて機能の無効化の長さまたは範囲が増加するため、より重大な不正の場合、特徴/機能の無効化は、より長い期間またはより多くの特徴に対し課すことができ、それほど重大でない不正の場合、特徴/機能の無効化は、より短い期間またはより少ない機能に対して課されてよい。移動の場合、不正なプレイヤの移動は、不正行為の重大性に応じてより突然である、またはあまり突然でない場合があり、より重大な不正行為はより突然の移動に値し、それほど重大でない不正行為はより透過的で流動的な移動に値する。
【0110】
同様の概念は、1つまたは複数の警告にもかかわらず、不正行為に関与し続ける不正なプレイヤに適用することができる。例えば、1つまたは複数の警告の後の違反者による不正行為は、警告が先行していない不正行為の最初のインスタンスよりも重大であると見なすことができる。
【0111】
さらに、システムによって不正と見なされる様々なレベルが存在する場合がある。これは、例えば、機械学習モデル及び/または検証プロセスを通して実装することができる。行為検出は、例えば、ビデオゲーム、所与のセッションのホストプレイヤなどによる不正行為に対しては、より感度が高くなるまたは低くなるように調整することができる。一部の実施態様では、様々な要因に基づいて行為の重大性を調整することができる。例えば、プレイヤが初めて少数のプレイヤから告発された場合、そのような行動は、プレイヤが警告を受けた後に繰り返し違反者である場合よりも重大でないと見なされてよい。
【0112】
プレイヤは、何を悪質な行為と認識するかという点で、様々なレベルの感受性を持っている可能性がある。したがって、一部の実施態様では、プレイヤの報告/フラグ立てを追跡及び分析して、所与のプレイヤが様々な種類の行為にどの程度敏感であるかを判断することができる。したがって、報告しているプレイヤの感受性は、申し立てられた不正行為事件が発生したかどうか、及びそのような事件の重大性を考慮する際に使用される要因または重みとなってよい。例えば、一部のプレイヤは過度に敏感で、虚偽の告発を行う傾向を有する場合がある。そのため、そのプレイヤの感受性レベルを調整することで、システムは虚偽の告発をより適切に除去することができる。
【0113】
一部の実施態様では、不正行為に対して柔軟なペナルティが存在し得る。例えば、一部の実施態様では、不正なプレイヤに、より良い行為を促すためのオプションを提示することができる。例えば、ペナルティとしてリスポーンの遅延の場合、不正なプレイヤに、(a)リスポーンの遅延を受け入れる、または、(b)これ以上不正を行わないことに同意した場合はすぐにリスポーンされるが、さらに不正が検出された場合は、より厳しいペナルティ(例えば、リスポーンのより長い遅延、またはセッションからの削除)に同意する、のオプションを提示することができる。このように、不正なプレイヤは、不正行為が将来検出された場合に、より悪いペナルティを受け入れることに同意する代わりに、最近の行為に対するペナルティを軽減または排除するオプションを有する。
【0114】
所与のプレイヤを、他のプレイヤにフラグを立てたことに対する報復から保護することも重要な場合がある。したがって、一部の実施態様では、報告するプレイヤは、不正なプレイヤのビューから隠されてよい。一部の実施態様では、報告するプレイヤのスクリーンネームがぼやけているか、他の方法で見えないようにされる。一部の実施態様では、公開されたプロファイルに情報が含まれている可能性があるため、報告するプレイヤはプライバシ設定について通知される。したがって、報告したプレイヤは、報復にさらされる可能性のある公開プロファイルの情報について通知される場合がある。
【0115】
一部の実施態様では、プレイヤ行為システムは、プレイヤの評判が管理される評判システム612を実装する。一部の実施態様では、評判システム612は、プレイヤが評判ポイントを獲得するポイントベースのシステムであり、評判ポイントの数が高いほど、評判が良くなり、評判ポイントの数が低いほど、評判は悪くなる。一部の実施態様では、良い行為を示した、または悪質な行為に関与していないプレイヤは、その良い行為に対して肯定的な評判ポイントを獲得する。一方、悪質な行為を示すプレイヤは否定的な評判ポイントを獲得し、評判ポイントが減少する。一部の実施態様では、プレイヤが虚偽の報告をするのを思いとどまらせるために、プレイヤが別のプレイヤを悪質な行為で誤って告発した場合、プレイヤは罰せられる場合がある(例えば、否定的な評判ポイントを受け取る)。一部の実施態様では、評判システム612は、プレイヤの評判情報/ポイント、プレイヤの評判履歴、あらゆる悪質な行為の事件/イベントなどを含む、プレイヤの評判に関する情報をプレイヤ行為レジストリに記憶する。
【0116】
当然ながら、不正なプレイヤが自分の評判を再構築/回復させるための機構を提供して、不正なプレイヤが不正な行為に対するペナルティの影響を永久に受けないようにすることが重要である。したがって、一部の実施態様では、プレイヤは、良い行為を示すことで評判を高め、長時間にわたって不正/フラグが無いと、例えば、評判にポイントが追加されることによって、プレイヤの評判は自動的に高くなる。したがって、不正なプレイヤは、不正行為に関与しないことで、時間の経過とともに評判を回復することができる。
【0117】
図7Aは、本開示の実施態様による、ビデオゲームのシーンのプレイヤビューを示しており、プレイヤは不正または悪質な行為に対してフラグが立てられている。図示の実施態様では、マルチプレイヤビデオゲームのシーン700のプレイヤビューが示されている。プレイヤは、プレイヤがゲームプレイ中に制御または操作する仮想キャラクタ702によって表される。
【0118】
図示の実施態様では、プレイヤは、不正または悪質な行為に対して報告され/フラグが立てられ、それに応じて、ポップアップ通知704及び706がプレイヤのビューに表示される。プレイヤは、他のプレイヤによって、または機械学習モデルを使用した行為検出システム自体によって報告された可能性がある。通知704は、悪質な行為が報告されたことを示し、通知706は、例えば、悪質な行為の性質を判断し、それを検証するために、申し立てられた悪質な行為のキャプチャされたデータが分析されていることをさらに示す。ポップアップ通知/メッセージは、プレイヤにフラグが立てられるとすぐに表示できるため、悪質な行為が報告されるとすぐに、報告された行為についてプレイヤに通知される。当然ながら、ポップアップ通知は、プレイヤのゲームプレイを過度に混乱させたり、プレイヤの視野の多すぎる部分を不明瞭にしたりしないように、ゲーム内の小さな通知であってよい。
【0119】
図7Bは、図7Aの実施態様による、キャプチャされたデータの分析後のビデオゲームのプレイヤビューを示す。図に示すように、行為が不正行為を構成するとして確認/検証された場合、より多くの情報がプレイヤに表示される。例えば、より大きな通知708がさらなる説明とともに提示される。そのような大きな通知708は、ゲーム終了後、またはアクティビティが少ない時間(例えば、戦闘アクティビティが少ないまたは無い)など、ゲームプレイに干渉する可能性が低い時間に提示することができる。一部の実施態様では、ゲームプラットフォームメッセージシステム、電子メール、電話テキストメッセージ、ソーシャルネットワークメッセージ、チャットサービス、その他の電子受信トレイなど、他のメッセージプラットフォームを介して、悪質な行為に関する追加情報もプレイヤに送信される。当然ながら、一部の実施態様では、不正行為に関する通知及び情報は、ゲームプレイ中またはゲームプレイ後にプレイヤに提示できる音声オーディオを使用して通信することができる。
【0120】
図示の実施態様では、通知708は、特定のゲーム中に悪質な行為に対してフラグが立てられたことをプレイヤに示す。不正であると判断された特定の行為のより詳細な説明が提供される。また、悪質な行為のインスタンスが一定の数に達すると、例えば、プレイヤがゲームサービス/ネットワークを一時停止されるという、行為による影響が示される。通知708は、さらなる詳細へのリンク、またはプレイヤが何をしていると報告されたかのビデオを見るためのリンクをさらに含む。一部の実施態様では、コントローラボタンを押すことでビデオにアクセスできるようになる。
【0121】
さらに、通知708は、ユーザが同意しないと示すことができることをさらに示す。一部の実施態様では、プレイヤはボタンを押して、虚偽の報告を受けたと考えていると示すことができる。一部の実施態様では、そのような不一致を示すことで、他のプレイヤに質問することでその行為が不正であったかどうかを検証するなど、さらなる検証をトリガしてよい。一部の実施態様では、そのようなオプションの乱用を防ぐために、プレイヤが同意しないことを示し、その後、申し立てられた不正行為が不正であると追加の検証によって確認された場合、ペナルティがより厳しくなる場合がある。
【0122】
説明したように、一部の実施態様では、重み関数を適用して、行為が悪質または不正であると見なされるかどうか、及び/または課されるペナルティの厳しさを決定する。例えば、第三者の苦情は、プレイヤ自身のチームのメンバーからの苦情/フラグほど高い重みが付けられなくてよい。また、様々なアクション(例えば、AFK、グリーフィング、チャット不正など)の重み付けも異なる場合がある。
【0123】
さらに、一部の実施態様では、機械学習モデルをゲームプレイの初期の部分に適用して、以前の不正のインスタンスを識別してよい。おそらく、そのインスタンスが報告された時間は、それが行われた最後または最近の時間であった。ただし、以前のインスタンスが存在する可能性があり、機械学習モデルはこれらを識別することができる。当然ながら、ビデオ全体、またはゲームセッションからのゲーム状態キャプチャを分析することは、非常にリソース集約的な場合がある。したがって、一部の実施態様では、必要な処理量を削減するために、機械学習システムは、プレイヤ間(例えば、告発されたプレイヤとあらゆる他のプレイヤとの間)のインタラクションの時間を判断して、不正が起こり得た可能性のある時間を決定することができる。同様に、機械学習システムは、特定の悪質な行為が起こり得る特定の状況または条件の別の時間を判断することができ、そのような時間を分析して、そのような行為がどこで発生したかを判断する。
【0124】
図8A及び8Bは、本開示の実施形態による、ゲームプレイ中のプレイヤによる報告を容易にするために、起こり得る不正行為を識別する自動認識システムの適用を示す。例えば、図8Aでは、マルチプレイヤビデオゲームのシーン800のプレイヤビューが示されている。プレイヤビューは、図示の実施態様では第1の仮想キャラクタ802によって表される第1のプレイヤのビューである。プレイヤビューには、第2のプレイヤの他の仮想キャラクタ804も示されている。非限定的な例として、第2のプレイヤは、現在「グリーフィング」しているか、マルチプレイヤゲームでの試合に勝つのをもはや助けようとしていない可能性がある。不正行為を報告する際の問題は、報告するのが一般的に面倒であり、報告するプレイヤの時間と注意が必要であり、これは、ゲーム内で非実用的であり、特にキーボードの無いコンソールゲームシステムを使用して入力して説明するのが難しい場合がある。
【0125】
したがって、一部の実施態様では、プレイヤ行為システムは、ゲームプレイ中の潜在的に不正な行為の自動認識を実装し、ゲーム内の1人または複数のプレイヤの注意を引く。例えば、図8Bに示すように、システムは、第2のプレイヤが悪質な行為に関与している可能性があると判断したので、ポップアップ通知806が第1のプレイヤのプレイヤビューに現れる。通知806は、第2のプレイヤがグリーフィングしているように見えることを示し、第1のプレイヤがそれを報告したいかどうかを尋ねる。非限定的な例として、特定のボタンを押して、第2のプレイヤの報告を続行するか、または報告しないようにすることができる。
【0126】
このようにして、他のプレイヤによる悪質な行為の報告は、自動的に認識されるため、不正なプレイヤが何をしているかをプレイヤが特定する必要さえないため、より摩擦のないものにすることができる。不正行為の報告はそうでなければ非常に摩擦が大きく、多くの不正行為は単に報告を提出する手間のために報告されないため、これは重要である。当然ながら、一部の実施態様では、機械学習システムでは、プレイヤが他のプレイヤにフラグを立てると、データ(例えば、ゲームの状態やビデオキャプチャ)を収集して訓練データセットを形成することができ、アクティブなゲームセッション中に実質的なリアルタイムで様々なタイプの不正行為を認識、分類するように機械学習を訓練することができる。また、機械学習モデルが不正行為を自動的に認識するため、プレイヤによる報告が大幅に摩擦の無いものになる。
【0127】
一部の実施態様では、プレイヤがボタンを押すなどして不正行為が発生したことを示すと、以前の期間(例えば、前の30秒)が機械学習モデルによって分析されて、不正行為が発生したかどうか、及びどの種類の不正行為が発生したかが決定される。繰り返しになるが、報告するプレイヤはどのような不正行為が発生したかを正確に特定する必要はなく、機械学習システムが不正行為の種類と詳細を判断し、確認のため報告したプレイヤに結果を提示することができる。
【0128】
一部の実施態様では、潜在的に悪質な行為の他のトリガを認識することができる。例えば、プレイヤは、不正行為に関与している別のプレイヤに対して不満や怒りを口頭で表現する場合がある。したがって、一部の実施態様では、プレイヤの言葉による表現が、システムによって(例えば、プレイヤのマイク/ヘッドセットを通して、音声認識を使用して)認識され、これにより、機械学習モデルによる分析がトリガされて、不正行為が発生したかどうか、及びどのような不正行為が発生したかが決定される。一部の実施態様では、ジェスチャや顔の表情などの他のプレイヤの手がかりが、(例えば、プレイヤの方を向いているカメラを通して、顔/ジェスチャ認識を使用して)認識される。
【0129】
一部の実施態様では、機械学習モデルは、ビデオゲームの所与のシナリオの適切なメカニクスを理解するように以前のゲームプレイから訓練することができる。したがって、機械学習モデルは、プレイヤの行為が適切なメカニクスから逸脱し、それが悪質または不正な行為を構成する可能性がある時を認識できるようになる。
【0130】
本開示の実施態様は、ゲームエンジンの一部として含まれてよい。大まかに言えば、ゲームエンジンは、ビデオゲームの効率的な開発を可能にする特徴を提供するソフトウェア開発フレームワークである。ゲームエンジンは、ゲーム機能の様々な側面を処理するための再利用可能なモジュールを備えたソフトウェアライブラリを含むことができ、これらには、非制限的な例として、グラフィックレンダリング(例えば、頂点処理、ポリゴン処理、シェーディング、照明、テクスチャリングなどを含む)、サウンド、物理的現象(衝突処理を含む)、アニメーション、スクリプティング、人工知能、ネットワーキング、ストリーミング、メモリ管理、スレッド化、ローカリゼーションサポート、シーングラフ、シネマティクスなどが含まれる。
【0131】
ゲームエンジンは、ゲームコンソール、モバイルデバイス、パーソナルコンピュータなど、様々なハードウェアプラットフォーム用に最適化することができる。非限定的な例として、ゲームエンジンは、プラットフォームに応じてメモリ使用を最適化し得る(例えば、いかにしてグラフィックスパイプライン内の様々なタスクを優先付けるかなど)。一部の実施態様では、ハードウェアは、ゲームコンソールなどの何らかの特定の処理エンティティのブレードバージョンであってよい。このように、ユーザは、特定のブレードに割り当てられてよく、これは、コンソールゲームが最適化されたのと同じハードウェアをもたらす。
【0132】
当然ながら、ストリーミング及び/または他のサービス(パケット化、符号化、サービス品質(QOS)監視、帯域幅テスト、ソーシャルネットワーク/友人へのアクセスなど)を提供するためのゲームサーバロジックも存在し得る。
【0133】
一部の実施態様では、クラウドインフラストラクチャが、ハイパーバイザを実行してよく、ハイパーバイザは、ハードウェアを抽象化し、オペレーティングシステム(OS)をロードすることができる仮想マシンフレームワークを提供する。したがって、スタックは、基盤となるハードウェアにロードされるハイパーバイザによってインスタンス化された仮想マシン(VM)にロードされる、OS上で実行されるアプリケーション/ビデオゲームを含み得る。このように、アプリケーションの実行は、必ずしも特定のハードウェアに結合されていない。
【0134】
一部の実施態様では、アプリケーション/ビデオゲームは、コンテナ上で実行してよく、コンテナは、アプリケーション層で抽象化され、コードと依存関係が一緒にパッケージ化されるため、OSやハードウェアプラットフォームに依存しないソフトウェア開発が可能になり、プラットフォーム間でのソフトウェアの移植性を容易にする。
【0135】
一部の実施態様では、ゲームエンジンの異なる部分を異なる計算エンティティによって処理することができる分散型ゲームエンジンが採用されている。例えば、物理エンジン、レンダリングエンジン(2D/3Dグラフィックス)、サウンド、スクリプト、アニメーション、AI、ネットワーキング、ストリーミング(符号化)、メモリ管理、スレッド化などのゲームエンジンの機能は、多くの異なる計算間で分散されている異なる機能処理ブロック及び/またはサービスに分割することができる。当然ながら、分散型ゲームエンジンの場合、レイテンシ問題を回避するために低レイテンシ通信が必要とされる。所望のフレームレートを維持するには、計算と通信の合計時間が一定の制約を満たす必要がある。したがって、プロセスをより短い時間で完了することが可能かどうかに応じて、一定のタスクを分割することが効率的である場合とそうでない場合がある。
【0136】
分散型ゲームエンジンを使用する利点は、必要に応じてコンピューティングリソースをスケールアップまたはスケールダウンできるエラスティックコンピューティングの利用が可能なことである。例えば、従来は単一のハードウェアサーバで実行されていた大規模なマルチプレイヤゲームでは、例えば約100人のプレイヤが参加すると、ハードウェアリソースが制限され、それ以上のプレイヤを追加できなくなる。ゲームは追加のプレイヤをキューに入れることがあり、つまり、プレイヤはゲームに参加するのを待たなければならない。しかしながら、分散型ゲームエンジンでは、エラスティッククラウドコンピューティングリソースを使用することで、需要を満たすためにより多くの計算ノードを追加することができ、したがって、例えば数千人のプレイヤが利用できる。ゲームは、もはや特定のハードウェアサーバの制限により制約されない。
【0137】
したがって、クラウドゲームエンジンは、異なる処理エンティティに機能を分散させることができる。当然ながら、異なる機能を異なるフレームワークで実行することができる。例えば、一部の機能(例えば、ソーシャル)は、コンテナ内で実行する方が容易な場合があるが、グラフィックスはGPUに接続されたVMを使用して実行する方が良い場合がある。
【0138】
クラウドゲームエンジンの機能の分散を容易にするために、分散/同期層は、例えば、ジョブの送信、データの受信、どのタスクがいつ実行されるかの識別、例えば、ジョブが必要以上に早く終了した場合のキューイングの扱いなど、ジョブの分散を管理することができる。一部の実施態様では、所与のタスクが、必要に応じて動的に細分化されてよい。例えば、アニメーションは照明を有する場合があり、照明が特に複雑な場合、照明は3つの照明ジョブに細分化され、3つの照明ジョブは、コンピューティングのために送信され、返信されると、再構築することができる。したがって、ゲームエンジン機能は、さらなる作業が必要な場合に細分化することができる。
【0139】
クラウドサービスプロバイダは、例えば、1秒あたりの入出力操作(「IOPS」)の特定のパフォーマンスレベルで計算を提供する。したがって、ゲームプロバイダは、クラウドサービスプロバイダからVM、専用処理能力、メモリ量などを指定してよく、クラウドサービスプロバイダのシステムを使用して、分散されたクラウドゲームエンジンをインスタンス化してよい。
【0140】
一部の実施態様では、ライブラリモジュールと更新ハンドラは、ゲームエンジンの1つまたは複数のコンポーネントまたはモジュールであってよい。一部の実施態様では、ライブラリモジュールと更新ハンドラは、別個のコンポーネントであってよい、または統合することもできる。一部の実施態様では、ライブラリモジュール及び更新ハンドラは、ゲームエンジンへの追加として動作し得る。一部の実施態様では、ゲームエンジンは、上述のように分散されたゲームエンジンであってよい。
【0141】
前述のように、本開示の実施態様は、クラウドゲームシステムに適用することができる。クラウドゲームシステムの一例は、Playstation(登録商標)Nowクラウドゲームシステムである。そのようなシステムでは、クライアントデバイスは、Playstation(登録商標)4またはPlaystation(登録商標)5ゲームコンソールなどのゲームコンソールであってよい、またはパーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯電話、モバイルデバイスなどの別のデバイスであってよい。
【0142】
大まかに言えば、クラウドゲームを有効にするために、ゲームタイトルに対してユーザ要求を受信するとき、クラウドゲームサイトに関連付けられたデータセンタ内の1つまたは複数のサーバによっていくつかの操作が実行される。クラウドゲームサイトがユーザ要求を受信すると、選択されたゲームタイトルに関連付けられたゲームをホストするデータセンタが識別され、選択されたゲームタイトルのゲームをインスタンス化するために、識別されたデータセンタに要求が送信される。要求に応答して、データセンタのサーバは、ゲームコンテンツをユーザに提示する準備として、ゲームコードを識別し、識別したゲームコードをロードし、ゲームコードに関連するファイルを初期化する。ゲームに関連付けられたゲームデータは、一般的なゲームデータと、ユーザ固有のゲームデータとを含み得る。したがって、ファイルを初期化することは、一般的なゲームデータ及びユーザ固有のゲームデータの両方を識別し、ロードし、初期化することを含み得る。一般的なゲームデータを初期化することは、グラフィックスエンジンを初期化すること、グラフィックスデータをインストールすること、サウンドファイルを初期化すること、アートワークをインストールすることなどを含み得る。ユーザ固有のデータを初期化することは、ユーザデータ、ユーザ履歴、ゲーム履歴などを検索すること、転送すること、及びインストールすることを含み得る。
【0143】
一般的なゲームデータがロード及び初期化されている間、クライアントデバイスでレンダリングするための「スプラッシュ」画面が提供されてよい。スプラッシュ画面は、ロード中のゲームの代表的な画像を提供するように設計されてよく、ロード中のゲームの種類をユーザがプレビューするのを可能にする。一般的なゲームデータがロードされると、一定の初期コンテンツがレンダリングされてよく、ユーザの選択とカスタマイズのために選択/ナビゲーション画面が提示されてよい。選択/ナビゲーション画面で提供されるユーザ選択入力には、ゲームレベル選択、ゲームアイコン(複数可)選択、ゲームモード選択、ゲーム賞金(賞品)、及び追加のゲームコンテンツのアップロードを必要とし得る他のユーザ関連データを含み得る。一部の実施形態では、ゲームコンテンツは、ビューイング及びインタラクションのためにゲームクラウドシステムからユーザのコンピューティングデバイスにゲームコンテンツをストリーミングすることによって利用可能になる。一部の実施態様では、ユーザ固有のデータをロードした後、ゲームコンテンツがゲームプレイに利用可能になる。
【0144】
図9Aは、クラウドゲームサイトを通して利用可能なゲームのゲームファイルをロードするために使用される例示的なシステムを示す。システムは、ネットワーク902経由でクラウドゲームサイト904に通信可能に接続された複数のクライアントデバイス900を含み、ネットワーク902は、LAN、有線、無線、セルラ(例えば、4G、5Gなど)、またはインターネットを含む任意の他の種類のデータネットワークを含み得る。クラウドゲームサイト904にアクセスする要求がクライアントデバイス900から受信されると、クラウドゲームサイト904は、ユーザデータストア908に記憶されたユーザアカウント情報906にアクセスして、要求が開始されたクライアントデバイスと関連付けられたユーザを識別する。一部の実施形態では、クラウドゲームサイトはまた、ユーザがビュー/プレイすることを許可されているすべてのゲームを決定するために、識別されたユーザを検証してよい。ユーザアカウントの識別/検証に続いて、クラウドゲームサイトは、ゲームタイトルデータストア910にアクセスして、要求を開始したユーザアカウントのためにゲームクラウドサイトで利用可能なゲームタイトルを識別する。ゲームタイトルデータストア910は次に、ゲームデータベース912とインタラクトして、クラウドゲームサイトに対して利用可能なすべてのゲームのゲームタイトルを取得する。新たなゲームが導入されると、ゲームデータベース912は、ゲームコードで更新され、新たに導入されたゲームのゲームタイトル情報がゲームタイトルデータストア910に提供される。要求が開始されたクライアントデバイスは、要求が開始されたときにクラウドゲームサイトに登録されている場合もあり、されていない場合もある。要求を開始したクライアントデバイスのユーザが登録ユーザでない場合、クラウドゲームサイトは、そのユーザを新規ユーザとして識別して、新規ユーザに適切な(例えば、ゲームタイトルのデフォルトセットの)ゲームタイトルを選択してよい。図9Aに示すように、識別されたゲームタイトルは、ディスプレイ画面900-a上に提示するためにクライアントデバイスに返信される。
【0145】
クライアントデバイスでレンダリングされたゲームタイトルの1つでのユーザインタラクションが検出され、信号がクラウドゲームサイトに送信される。信号は、ユーザインタラクションが検出されたゲームタイトル情報と、ゲームタイトルで登録されたユーザインタラクションとを含む。クライアントデバイスから受信した信号に応答して、クラウドゲームサイトは積極的に、ゲームがホストされているデータセンタを決定し、識別されたデータセンタに信号を送信して、ユーザインタラクションが検出されたゲームタイトルに関連付けられたゲームをロードする。一部の実施形態では、複数のデータセンタがゲームをホストしている場合がある。このような実施形態では、クラウドゲームサイトは、要求を開始したクライアントデバイスの地理的位置を決定し、クライアントデバイスに地理的に近いデータセンタを識別し、そのデータセンタにゲームをプリロードするように信号を送信してよい。ユーザの地理的位置は、いくつかの例を挙げると、クライアントデバイス内の全地球測位システム(GPS)機構、クライアントのIPアドレス、クライアントのping情報を使用して、決定されてよい。当然ながら、ユーザの地理的位置を検出する前述の方法は例示的であってよく、他の種類の機構またはツールを使用して、ユーザの地理的位置を決定してもよい。クライアントデバイスに近いデータセンタを識別することにより、ゲームとのユーザインタラクション中、レイテンシを最小限にすることができる。一部の実施形態では、識別されたデータセンタは、ゲームをホストするのに必要な帯域幅/処理能力を有さない場合がある、または過使用されている場合がある。これらの実施形態では、クラウドゲームサイトは、クライアントデバイスに地理的に近い第2のデータセンタを識別してよい。ゲームをロードすることは、ゲームコードをロードすることと、ゲームのインスタンスを実行することとを含む。
【0146】
クラウドゲームサイトからの信号の受信に応答して、識別されたデータセンタは、サーバ上でゲームをインスタンス化するために、データセンタでサーバを選択してよい。サーバは、利用可能なハードウェア/ソフトウェアの能力とゲーム要件とに基づいて選択される。サーバは、複数のゲームコンソールを含んでよく、サーバは、ゲームをロードするのに、複数のゲームコンソールのうちのどのゲームコンソールを使用するかを決定してよい。ゲームコンソールは、独立したゲームコンソールに類似し得る、またはラックマウントサーバもしくはブレードサーバであってよい。ブレードサーバは、次に、複数のサーバブレードを含んでよく、各ブレードは、ゲームなどの単一の専用アプリケーションをインスタンス化するのに必要な回路を有する。当然、上記のゲームコンソールは例示的なものであり、限定的であるとみなされるべきではない。ゲームステーションなどを含む他の種類のゲームコンソール、及び他の形態のブレードサーバも、識別されたゲームをホストするために用いられてよい。
【0147】
ゲームコンソールが識別されると、ゲームのための一般的なゲーム関連コードがゲームコンソールにロードされ、ゲームがインスタンス化されるゲームコンソールを識別する信号がネットワーク経由でクラウドゲームサイトを介してクライアントデバイスに返信される。したがって、ロードされたゲームはユーザが利用できるようになる。
【0148】
図9Bは、本開示の実施態様による、クラウドビデオゲームをクライアントデバイスにストリーミングするために実行される様々な動作を概念的に示すフロー図である。ゲームシステム918は、ビデオゲームを実行し、未処理の(圧縮されていない)ビデオ920及びオーディオ922を生成する。ビデオ920及びオーディオ922は、例示の図では参照番号924で示されるように、ストリーミング目的でキャプチャ及び符号化される。符号化は、ビデオ及びオーディオストリームの圧縮を提供して、帯域幅の使用量を低減し、ゲーム体験を最適化することができる。符号化形式の例には、H.265/MPEG-H、H.264/MPEG-4、H.263/MPEG-4、H.262/MPEG-2、WMV、VP6/7/8/9、等が含まれる。
【0149】
符号化されたオーディオ926及び符号化されたビデオ928は、インターネットなどのネットワーク経由の送信目的で、参照番号932で示されるように、ネットワークパケットにさらにパケット化される。ネットワークパケット符号化プロセスは、データ暗号化プロセスも採用することができ、それにより、強化されたデータセキュリティをもたらす。図示の実施態様では、参照番号940で示されるように、ネットワーク経由のトランスポートのためにオーディオパケット934及びビデオパケット936が生成される。
【0150】
ゲームシステム918はさらに、触覚フィードバックデータ930を生成し、これもまた、ネットワーク送信のためにネットワークパケットにパケット化される。図示の実施態様では、触覚フィードバックパケット938は、参照番号940でさらに示されるように、ネットワーク経由のトランスポートのために生成される。
【0151】
生のビデオ及びオーディオ及び触覚フィードバックデータを生成し、ビデオ及びオーディオを符号化し、符号化されたオーディオ/ビデオ及び触覚フィードバックデータをトランスポート用にパケット化する前述の動作は、クラウドゲームサービス/システムを集合的に規定する1つまたは複数のサーバ上で実行される。参照番号940で示されるように、オーディオ、ビデオ、及び触覚フィードバックパケットは、インターネットなどの、及び/またはインターネットを含むネットワーク経由でトランスポートされる。参照番号942で示されるように、オーディオパケット934、ビデオパケット936、及び触覚フィードバックパケット938は、クライアントデバイスによって復号/再構築されて、クライアントデバイスにおいて、符号化されたオーディオ946、符号化されたビデオ948、及び触覚フィードバックデータ950を定義する。データが暗号化されている場合、ネットワークパケットも復号される。符号化されたオーディオ946及び符号化されたビデオ948は次に、参照番号944で示されるように、ディスプレイデバイス952上でレンダリングするためにクライアント側の生のオーディオ及びビデオデータを生成する。触覚フィードバックデータ950は、触覚効果をレンダリングすることができるコントローラデバイス956または他のインタフェースデバイスで触覚フィードバック効果を生成するために処理/通信することができる。触覚効果の一例は、コントローラデバイス956の振動またはランブルである。
【0152】
当然ながら、ビデオゲームはユーザ入力に応答し、その結果、ユーザ入力の送信及び処理について上述した同様の手順フローであるが、クライアントデバイスからサーバへの逆方向で実行することができる。図に示すように、コントローラデバイス956を操作するユーザは、入力データ958を生成してよい。この入力データ958は、ネットワーク経由でクラウドゲームシステムにトランスポートするために、クライアントデバイスでパケット化される。入力データパケット960は、クラウドゲームサーバによって解凍及び再構築されて、サーバ側で入力データ962を定義する。入力データ962がゲームシステム918に供給され、ゲームシステム918は、入力データ962を処理して、ビデオゲームのゲーム状態を更新する。
【0153】
オーディオパケット934、ビデオパケット936、及び触覚フィードバックパケット938のトランスポート(参照番号940)の間、ネットワーク経由のデータ送信は、クラウドゲームストリームのサービス品質を保証するために監視することができる。例えば、参照番号964で示されるように、アップストリーム及びダウンストリームの両方のネットワーク帯域幅を含むネットワーク状態を監視することができ、ゲームストリーミングは、利用可能な帯域幅の変化に応答して調整することができる。すなわち、ネットワークパケットの符号化及び復号は、参照番号966で示されるように、現在のネットワーク条件に基づいて制御することができる。
【0154】
図10は、情報サービスプロバイダアーキテクチャの実施形態を示す。情報サービスプロバイダ(ISP)1070は、地理的に分散され、ネットワーク1086を介して接続されたユーザ1082に多数の情報サービスを配信する。ISPは、株価の更新などの1種類だけのサービス、またはブロードキャストメディア、ニュース、スポーツ、ゲームなどの様々なサービスを配信することができる。さらに、各ISPによって提供されるサービスは動的である、つまり、サービスは任意の時点で追加または削除することができる。したがって、特定の個人に特定の種類のサービスを提供するISPは、時間の経過と共に変化し得る。例えば、ユーザが地元にいる間、ユーザの近くのISPによってサービスを受けてよく、ユーザが別の町に移動すると、ユーザは異なるISPによってサービスを受けてよい。地元のISPは、必要な情報及びデータを新しいISPに転送し、これにより、ユーザ情報は新しい町までユーザを「追いかけ」、ユーザはデータにより近くなり、アクセスしやすくなる。別の実施形態では、ユーザの情報を管理するマスタISPと、マスタISPの制御下でユーザと直接インタフェースするサーバISPとの間に、マスタ-サーバ関係が確立されてよい。別の実施形態では、クライアントが世界中を移動すると、データがあるISPから他のISPに転送され、ユーザにサービスを提供するためにより良い位置にあるISPがこれらのサービスを提供するISPになる。
【0155】
ISP1070は、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)1072を含み、これは、ネットワーク(例えば、非限定的な例では、任意の有線または無線ネットワーク、LAN、WAN、WiFi(登録商標)、ブロードバンド、ケーブル、光ファイバ、衛星、セルラ(例えば、4G、5Gなど)、インターネット等を含む)経由で、顧客にコンピュータベースのサービスを提供する。ASPモデルを使用して提供されるソフトウェアは、オンデマンドソフトウェアまたはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)と呼ばれる場合もある。特定のアプリケーションプログラム(顧客関係管理など)へのアクセスを提供する簡単な形式には、HTTPなどの標準プロトコルが使用される。アプリケーションソフトウェアは、ベンダのシステムに常駐し、HTMLを使用するウェブブラウザを通して、ベンダが提供する専用クライアントソフトウェアによって、またはシンクライアントなどの他のリモートインタフェースによって、ユーザによりアクセスされる。
【0156】
広い地理的地域にわたって配信されるサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用する。クラウドコンピューティングとは、動的にスケーラブルで、多くの場合仮想化されたリソースがインターネット経由でサービスとして提供される、コンピューティング様式である。ユーザは、ユーザを支援する「クラウド」の技術インフラストラクチャの専門家である必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、及びサービスとしてのソフトウエア(SaaS)などの様々なサービスに分割することができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ウェブブラウザからアクセスされる共通のビジネスアプリケーションをオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータはサーバ上に記憶される。クラウドという用語は、インターネットが、どのようにコンピュータネットワーク図に描かれているかに基づいて、(例えば、サーバ、ストレージ、及びロジックを使用する)インターネットのメタファとして使用され、かつ、インターネットが隠し持つ複雑なインフラストラクチャの抽象的概念である。
【0157】
さらに、ISP1070は、ゲームクライアントによってシングル及びマルチプレイヤビデオゲームをプレイするために使用されるゲーム処理サーバ(GPS)1074を含む。インターネット経由でプレイされるほとんどのビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームはプレイヤからのデータを収集し、それを他のプレイヤに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。これは、ピアツーピア構成よりも効率的かつ効果的であるが、サーバアプリケーションをホストするために別個のサーバを必要とする。別の実施形態では、GPSは、プレイヤ間の通信を確立し、プレイヤの各ゲームプレイデバイスは、集中型GPSに依存せずに情報を交換する。
【0158】
専用GPSは、クライアントとは無関係に稼働するサーバである。このようなサーバは、通常、データセンタに配置された専用ハードウェア上で稼働し、より多くの帯域幅及び専用処理能力を提供する。専用サーバは、大部分のPCベースのマルチプレイヤゲームのためのゲームサーバをホストするのに好ましい方法である。大規模なマルチプレイヤオンラインゲームは、通常、ゲームタイトルを所有しているソフトウェア会社がホストする専用サーバで実行され、専用サーバがコンテンツを制御し、更新することができる。
【0159】
ブロードキャスト処理サーバ(BPS)1076は、視聴者にオーディオまたはビデオ信号を配信する。非常に狭い範囲の視聴者へのブロードキャストは、ナローキャスティングと呼ばれることがある。ブロードキャスト配信の最終工程は、信号が聴取者または視聴者にどのように到達するかであり、信号は、ラジオ局またはテレビ局と同様にアンテナ及び受信機に地上波で到達し得るか、または局を介してケーブルテレビもしくはケーブルラジオ(もしくは「無線ケーブル」)を通して到達し得るか、またはネットワークから直接到達し得る。インターネットはまた、特に、信号及び帯域幅を共有できるマルチキャストを使用して、ラジオまたはテレビを受信者に届け得る。歴史的に、ブロードキャストは、全国放送または地域放送などの地理的領域により範囲が定められてきた。しかしながら、高速インターネットの普及に伴い、コンテンツが世界中のほぼすべての国に到達できるので、ブロードキャストは地理によって規定されない。
【0160】
ストレージサービスプロバイダ(SSP)1078は、コンピュータストレージ空間及び関連する管理サービスを提供する。SSPはまた、定期的なバックアップとアーカイブも提供する。ストレージをサービスとして提供することにより、ユーザは必要に応じてより多くのストレージを注文することができる。別の大きな利点として、SSPはバックアップサービスを含み、コンピュータのハードドライブに障害が発生しても、ユーザがユーザのすべてのデータを失うことはない。さらに、複数のSSPは、ユーザデータの全体的または部分的なコピーを有することができ、これにより、ユーザのいる場所またはデータへのアクセスに使用されるデバイスとは無関係に、ユーザは効率的な方法でデータにアクセスすることが可能となる。例えば、ユーザは、自宅のコンピュータで個人ファイルにアクセスすることができ、ユーザが移動している間は、携帯電話で、同じように個人ファイルにアクセスすることができる。
【0161】
通信プロバイダ1080は、ユーザに接続性を提供する。通信プロバイダの一種は、インターネットへのアクセスを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)である。ISPは、ダイヤルアップ、DSL、ケーブルモデム、ファイバ、無線、または専用の高速相互接続など、インターネットプロトコルデータグラムの提供に好適なデータ送信技術を使用して、顧客を接続する。通信プロバイダは、電子メール、インスタントメッセージ、及びSMSテキストなどのメッセージサービスも提供することができる。通信プロバイダの別の種類として、インターネットへの直接のバックボーンアクセスを提供することにより帯域幅またはネットワークアクセスを販売するネットワークサービスプロバイダ(NSP)が挙げられる。ネットワークサービスプロバイダは、電気通信会社、データキャリア、無線通信プロバイダ、インターネットサービスプロバイダ、高速インターネットアクセスを提供するケーブルテレビ事業者などで構成されてよい。
【0162】
データ交換部1088は、ISP1070内のいくつかのモジュールを相互接続し、ネットワーク1086を介してこれらのモジュールをユーザ1082に接続する。データ交換部1088は、ISP1070のすべてのモジュールが近接している小さな領域をカバーすることができ、または異なるモジュールが地理的に分散している場合に大きな地理的領域をカバーすることができる。例えば、データ交換部1088は、データセンタのキャビネット内に高速ギガビットイーサネット(登録商標)(またはより高速)、または大陸間仮想エリアネットワーク(VLAN)を含み得る。
【0163】
ユーザ1082は、少なくともCPU、メモリ、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイス1084を用いてリモートサービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、タブレット、ゲームシステム、PDAなどであってよい。一実施形態では、ISP1070は、クライアントによって使用されるデバイスの種類を認識し、採用する通信方法を調整する。他の場合、クライアントデバイスは、htmlなどの標準的な通信方法を使用してISP1070にアクセスする。
【0164】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースもしくはプログラム可能家庭用電化製品、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実践されてよい。本開示は、有線ベースまたは無線ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散型コンピューティング環境でも実施できる。
【0165】
一部の実施形態では、通信は、無線技術を使用して促進され得る。このような技術は、例えば、5G無線通信技術を含み得る。5Gは第5世代のセルラネットワーク技術である。5Gネットワークはデジタルセルラネットワークであり、この場合、プロバイダがカバーするサービスエリアが、セルと呼ばれる小さい地理的領域に分割される。音声と画像を表すアナログ信号は電話でデジタル化され、アナログからデジタルへのコンバータによって変換され、ビットストリームとして送信される。セル内のすべての5Gワイヤレスデバイスは、他のセルで再利用される周波数のプールからトランシーバによって割り当てられた周波数チャネルを介して、セル内のローカルアンテナアレイ及び低電力自動トランシーバ(送信機と受信機)と電波で通信する。ローカルアンテナは、高帯域幅光ファイバまたは無線バックホール接続によって、電話網及びインターネットに接続される。他のセルネットワークと同様に、あるセルから別のセルに移動するモバイルデバイスは、新しいセルに自動的に転送される。当然ながら、5Gネットワークは単に通信ネットワークの種類の例であり、本開示の実施形態では、前の世代の無線または有線通信、ならびに5Gの後に来る後の世代の有線または無線技術を用いてもよい。
【0166】
上記の実施形態を考慮すると、当然ながら、本開示はコンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実施動作を採用することができる。これらの動作は、物理量の物理的操作を要する動作である。本開示の一部を形成する本明細書で説明される動作のいずれも、有用なマシン動作である。本開示はまた、これらの動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は必要な目的に対して特別に構成することもできるし、または装置を、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または構成される汎用コンピュータとすることもできる。詳細には、本明細書の教示に従って書かれたコンピュータプログラムと共に様々な汎用マシンを使用することができる。または、必要な動作を実行するためにさらに特化した装置を構築するほうがより好都合な場合もある。
【0167】
本開示はまた、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとしても具現化することができる。あるいは、コンピュータ可読コードは、前述のデータ交換相互接続を使用して、サーバからダウンロードされてよい。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータストレージデバイスであり、データは、その後、コンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットクワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ならびに他の光学及び非光学データストレージデバイスが含まれる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散的に記憶及び実行されるようにネットワーク結合コンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含み得る。
【0168】
方法動作が特定の順序で説明されたが、当然ながら、他のハウスキーピング動作が動作と動作の間に実行されてよい、または動作が、わずかに異なる時刻に生じるように調整されてもよく、もしくはオーバーレイ動作の処理が所望の手法で実行される限り、処理に関連する様々な間隔で処理動作の発生を可能にするシステム内に分散されてもよい。
【0169】
前述の開示は、理解を明確にする目的で、ある程度詳細に説明されてきたが、一定の変更及び修正は、添付の特許請求の範囲内で実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本開示は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、説明された実施形態の範囲及び均等物の範囲内で修正されてよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】