(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】担体上への発泡性材料の塗布を検証するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20230801BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230801BHJP
B32B 41/00 20060101ALI20230801BHJP
B32B 5/18 20060101ALI20230801BHJP
B05D 5/00 20060101ALI20230801BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20230801BHJP
B05D 1/36 20060101ALI20230801BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
B05D3/00 D
G06T7/00 350B
G06T7/00 610Z
B32B41/00
B32B5/18
B05D5/00 J
B05D7/24 301L
B05D1/36 Z
B05C11/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581677
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2021068218
(87)【国際公開番号】W WO2022003122
(87)【国際公開日】2022-01-06
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】シウィク,トマス
(72)【発明者】
【氏名】チェイス,トマス
【テーマコード(参考)】
4D075
4F042
4F100
5L096
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA37
4D075AA76
4D075AA81
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4D075BB91X
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4F100GB07
4F100GB15
4F100GB32
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA02
5L096FA64
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
絶縁部材を製造するために担体(201)上への発泡性材料(202)の塗布を検証するための方法が開示される。方法は、
発泡性材料がその上に塗布される担体の表面を、少なくとも1つの画像取り込み機器(120、460)によって画像データ内に取り込む工程(S1)と、
取り込まれた画像データ及びこれに関連する少なくとも1つの塗布パラメーターを少なくとも含む入力データを、少なくとも1つのデータ処理ユニット(110、310、410)によって受信する工程(S2)と、
受信した入力データを少なくとも1つのデータ処理ユニット(110、310、410)によって処理し、処理は、画像データ上で少なくとも画像分析を実行し、及び少なくとも1つの塗布パラメーターを考慮し、それによって塗布された発泡性材料の塗布品質を決定する工程(S3)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁部材を製造するために、担体(201)上への発泡性材料(202)の塗布を検証するための方法であって、
- 前記発泡性材料がその上に塗布された前記担体の取り込まれた表面を含む画像データを、少なくとも1つのデータ処理ユニット(110、310、410)によって受信する工程(S1)と、
- 取り込まれた前記画像データ、前記画像データに関連する少なくとも1つの塗布パラメーター、及び前記発泡性材料(202)の配合情報を少なくとも含む入力データを、前記少なくとも1つのデータ処理ユニット(110、310、410)によって受信する工程(S2)と、
- 受信した前記入力データを前記少なくとも1つのデータ処理ユニット(110、310、410)によって処理し、処理は、前記画像データ上で少なくとも画像分析を実行し、及び前記発泡性材料(202)の前記少なくとも1つの塗布パラメーター及び配合情報を考慮して行い、それによって塗布された前記発泡性材料の塗布品質を決定する工程(S3)とを備える方法。
【請求項2】
塗布された前記発泡性材料(202)の決定された前記塗布品質及び/又はその査定を少なくとも含む出力データを、前記データ処理ユニット(110、310、410)によって生成する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出力データは、特に決定された前記塗布品質が不十分であると考えられる場合に、使用された前記発泡性材料及び前記少なくとも1つの塗布パラメーターの1つ以上を調整するために使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのデータ処理ユニット(110、310、410)は、前記入力データを処理し及び/又は前記塗布品質を決定するように構成されたコンピューターモデルを利用し、
前記コンピューターモデルは、注釈付きの画像データ、前記注釈付きの画像データに関連する注釈付きの塗布パラメーターデータ、及び前記注釈付きの塗布パラメーターデータに関連する塗布された発泡性材料の前記塗布品質又は欠陥の査定を少なくとも含む、サンプルデータによって訓練される、請求項1から3の何れか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのデータ処理ユニットによって、発泡材塗布機器によって処理すべき制御データを生成する工程をさらに備え、
前記制御データは、前記塗布品質が不十分であると決定された前記担体(201)の前記表面の少なくとも1つの区分を改変するため及び/又は前記発泡材塗布機器(400)の少なくとも1つの塗布パラメーターを調整するための1つ以上のために、前記発泡材塗布機器(400)を制御するように構成される、請求項1から4の何れか1つに記載の方法。
【請求項6】
受信した前記入力データの処理工程は、前記配合情報から取り出した発泡の時間依存性を前記画像データに関連させ、それによって予期された時間依存性の発泡状態を用いて前記画像データを処理し、及び/又は前記予期された時間依存性の発泡状態に基づいて前記塗布品質を決定する、請求項1から5の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記発泡性材料の前記塗布は層的に実行され、方法は、
前記塗布された発泡性材料の前記塗布品質を層ごとに決定する工程と、
前記発泡性材料の前記塗布が再開されるかどうかを層ごとに決定する工程とをさらに備える、請求項1から6の何れか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記発泡性材料の第1の塗布層を塗布した後に、少なくとも1つの画像取込機器(460)によって前記担体の前記表面を前記画像データ内に取り込む取込工程と、
前記第1の塗布層上に塗布された少なくとも1つの追加の塗布層を塗布した後に、前記少なくとも1つの画像取込機器(460)によって前記表面を前記画像データ内に取り込む工程と、
複数の取り込まれた前記層の総得点を前記コンピューターモデルによって決定する工程と、
決定された前記総得点に基づいて前記塗布された発泡性材料の前記塗布品質を決定する工程とをさらに備える、請求項1から7の何れか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの画像取込機器(460)は熱画像カメラを含み、方法は、
前記熱画像カメラによって一連の熱画像を取り込む工程と、
前記塗布された発泡性材料の前記塗布品質を、前記一連の熱画像に基づいて前記発泡性材料の発熱反応を時間にわたって考慮することによって決定する工程とをさらに備える、請求項1から8の何れか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記取り込まれた画像データに基づいて前記担体の寸法を決定する工程と、
前記担体の前記決定された寸法を査定する工程とをさらに備える、請求項1から9の何れか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの塗布パラメーターは、前記発泡性材料が塗布された塗布領域で測定された外気温度、前記発泡性材料が塗布された塗布領域で測定された外気湿度、発泡材塗布機器の塗布圧力、及び発泡材塗布機器の塗布温度のうち1つ以上を含む、請求項1から10の何れか1つに記載の方法。
【請求項12】
絶縁部材を製造するために、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのシステム(100と1000)であって、
請求項1から11の何れか1つの方法を実施するように構成された手段を備える、システム。
【請求項13】
遠隔端末に対して入力データを受け取り及び/又は出力データを供給するように構成されたコンピュータークラウド(300)をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
絶縁部材を製造するために、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのコンピューターモデルを訓練する方法であって、
-初めに及び/又は定期的に入力データを受信し、前記入力データは、発泡性材料(202)がその上に塗布される担体(201)の表面の取り込まれた画像データ、前記取り込まれた画像データに関連する少なくとも1つの塗布パラメーター、及び前記発泡性材料(202)の配合情報を少なくとも含む工程(S1)と、
-コンピューター可読であって、受信した前記入力データに注釈を付け及び注釈付きの前記入力データをサンプルデータとして集め、前記サンプルデータは、塗布された発泡性材料の関連する塗布品質又は塗布欠陥の査定をさらに含む工程(S2)と、
-集めた注釈付きの前記入力データを前記コンピューターモデルへ供給して、塗布された前記発泡性材料(32)の塗布品質を決定すること及び/又は査定することを学習し及び/又は再度学習する工程(S3)とを備える方法。
【請求項15】
前記入力データは、少なくとも一部が異なる地理的位置にある複数の製造所から集められる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、絶縁部材を製造するために及び/又は製造している間に担体上への発泡性材料の塗布を検証するための方法及びシステムに関し、及び絶縁部材を製造するために及び/又は製造している間に担体上への発泡性材料の塗布を検証するためにコンピューターモデルを訓練する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
担体は、これに発泡性材料が塗布されると、異なる技術分野及び/又は産業分野で使用することができる。例として、そのような発泡性材料を含む担体は、絶縁部材を製造するような絶縁目的に使用可能であり、絶縁部材は、多用途に、例えば断熱、遮音その他同種のものを達成するために使用することができる。そのような絶縁部材の塗布分野は、相応して広く、例えば建設業、自動車産業、包装産業などのような多数の産業における塗布に及ぶ。例として、そのような絶縁部材は、広範囲の産業において使用可能な内装装飾品として、外装壁被覆材として、建築部材として、包装材料として、その他同種の用途で使用することができる。
【0003】
担体に発泡性材料を塗布する過程はいくつかの要因に左右され得るので、過程の品質又は結果は、変化可能であり、場合によっては満足できないことがある。典型的な欠陥が様々な形式で現われることがあり、例えば隙間、不均一な膜厚分布などを含み得る。現在、過程又はその結果の品質の検証はそれぞれ手動で実施され、そこで最終結果が検査され、必要ならば測定されるなどされ、これは、発泡性材料の塗布の品質を検証するため、及び必要に応じてそれを査定するためである。それゆえ、品質検証はむしろ主観的であり、例えばそれを実行する作業者の経験、毎日の手順など、品質検証に使用される装備などに左右される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのより効率的でかつ有効な手段を提供する必要があり得る。それに応じて本発明の目的は、担体上への発泡性材料の塗布を検証するための、より効率的でかつ有効な手段を提供することである。この目的は、独立請求項の主題によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の第1の観点は、絶縁部材を製造するために及び/又は製造している間に担体上への発泡性材料の塗布を検証するための、好ましくはコンピューターに実装された方法を提供する。方法は、
- 発泡性材料がその上に塗布される担体の表面を少なくとも1つの画像取込機器によって画像データ内に取り込む工程と、
- 取り込まれた画像データ、これに関連する少なくとも1つの塗布パラメーター、及び発泡性材料の配合情報を少なくとも含む入力データを、少なくとも1つのデータ処理ユニットによって受信する工程と、
- 受信した入力データを少なくとも1つのデータ処理ユニットによって処理し、処理は、画像データ上で少なくとも画像分析を実行し、及び発泡性材料の少なくとも1つの塗布パラメーター及び配合を考慮して行い、それによって塗布された発泡性材料の塗布品質を決定する工程とを備える。
【0006】
これにより、少なくとも半自動的に検証すること、つまり、発泡性材料又はこれを担体上に塗布した後に時間にわたって発泡した材料の品質を検査すること及び/又は査定することが可能になる。この検証は画像取込及び画像分析に基づく。そのために、塗布する材料の塗布又は過程に関連する1つ以上のパラメーターが考慮される。これは、品質検証を具体化し、かつ例えばより安定した過程、信頼できる(最終)生産物、より少ないスクラップ、費用節約及び他の技術的な利点に寄与することができる。発泡性材料の配合を考慮することにより、塗布品質をさらに正確に決定することが可能になる。
【0007】
この方法は、コンピューター指令を備えるコンピュータープログラム要素内で実現することができ、指令は、例えば好ましくは例えば少なくとも1つの回路を含む少なくとも1つのデータ処理ユニット、例えばプロセッサーによって実施できる。さらに、方法は、単一のコンピューター機器又はシステムによって、又は例えばコンピュータークラウド及びエッジコンピューター機器を含む分散コンピューターシステムによって、実行することができる。いくつかの実施形態において、システムは、システム又は上述したコンピューター機器の1つ以上と通信するように構成された遠隔端末、携帯機器又は同類のものをさらに備えることができる。方法がエッジコンピューター機器によって実施される場合、方法又はコンピュータープログラム要素は、それぞれダウンロードによって供給され、エッジコンピューター機器に局所的に格納することができる。方法が分散コンピューターシステムによって実施される場合、画像データの取り込みのような上記方法工程のうちいくつかは、発泡性材料が塗布される製造所のような、第1の位置で実行することができ、またデータ処理のような上記方法工程のうちいくつかは、コンピュータークラウドのような第2の位置で実行することができる。後者の場合、画像データは、第1の位置から第2の位置へ供給することができる。その後、データ処理に起因するデータは、第2の位置から第1の位置へ戻すことができる。
【0008】
本明細書で使用するように、発泡性材料は、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレンなどのような、発泡性プラスチック材料を含むことができる。発泡した後に、発泡性材料は発泡体と呼ぶこともできる。発泡する過程は、材料の発熱過程を含むことができる。
【0009】
担体は、例えばフレーム部分などであることができ、そこで発泡性材料は、1つ以上の空洞内などで少なくとも1つの表面に塗布される。担体は、別のプラスチック材料、材木、複数材料の組み合わせなどから成ることができる。結果として生じる生産物又は部品、つまり発泡性材料を含み又は発泡体がそれに塗布された担体は、絶縁する部材又は同類のものと呼ぶこともできる。
【0010】
画像取込機器は、例えばカメラ、温度カメラ、画像センサーなどのうち1つ以上を含むことができ、また材料が担体に塗布される生産環境に永久に取り付ける(又は固定する)ことができ、又は携帯電話、スマートフォンなどのような携帯機器の部品であることができる。画像取込機器は、上述した又は別の少なくとも1つのデータ処理ユニットによって実施される、適切なコンピューターアプリケーションによって制御できることに注目されたい。画像取込機器によって生成された画像データは、適切なデータインターフェースなどを経由して、例えば少なくとも1つのデータ処理ユニットに供給することができる。
【0011】
少なくとも1つのデータ処理ユニットは、データプロセッサーを含むことができる。データ処理は、遠隔でも作動可能ないくつかのデータ処理ユニットに分配でき、それらは、データ処理の部分を実行するコンピュータークラウド、及びデータ処理の別の部分を実行するエッジコンピューターであることに注目されたい。データ処理の複数部分の1つ又は追加部分は、例えば携帯端末が実行することも可能である。
【0012】
画像分析という用語は広く理解することができる。それは、例えばディジタル画像処理技術を用いて画像から意味のある情報を抽出することを含み、ディジタル画像処理技術は、例えば2次元、3次元物体認識、画像区分化、例えば単一粒子追跡、ビデオトラッキング、オプティカルフローなどの運動検出である。画像分析は、エッジ検出器、ニューラルネットワーク又は同類のもののような、1つ以上の画像解析ツールを利用することができる。本明細書で使用するように、画像分析の結果は、例えば担体の表面の1つ以上の区分に関する情報であることができ、情報は、材料がそこに塗布されたかどうか、材料の厚さ、隙間があるかどうか、凹所があるかどうか、などを表示する。
【0013】
例えば、いくつかの入力データは互いに関連することができ、つまり少なくとも画像データ上の画像分析、少なくとも1つの塗布パラメーター、及び発泡性材料の配合は、互いに関連することができる。これにより、例えば、塗布された発泡した材料の時間依存性の発泡状態を考慮することが可能になり、その理由は、発泡は期間にわたって起こるからである。このように、塗布及び/又は発泡体品質は、発泡する過程が完全に終了する前にさらに査定することができ、及び/又は発泡の時間依存性が考慮されるので、より正確に査定することができる。発泡過程の進行は、配合及び予期値から既知であるので、発泡性材料の塗布から測定された所定の時間中の時間依存性の発泡状態に関する指標などは、それから引き出すことができる。これに代えて又は加えて、発泡する過程及び/又は時間依存性の発泡状態の進行は、モデル化などすることができる。
【0014】
塗布された発泡性材料の塗布品質という用語は指標にすることができ、指標から生産物の仕様書がそれに適応することができるか、又は品質が十分である又は不十分であることをどの指標が表示するかを推定できる。
【0015】
実施形態によれば、方法は、塗布された発泡性材料の決定された塗布品質及び/又はその査定を少なくとも含む出力データを、データ処理ユニットによって生成する工程をさらに備えることができる。出力データは、例えば、塗布品質が十分であるか又は仕様書にかなうかどうかをそれぞれ表す、作業者又は使用者への通知及び/又はメッセージを作成するために使用できる。さらに、出力データを供給すること、例えばデータインターフェース、コンピューターネットワーク、通信ネットワークなどを経由して、例えば遠隔端末、遠隔のコンピューター機器又は同類のものへ送信することができ、及び/又は出力データを、コンピューターアプリケーションによって使用することができる。
【0016】
実施形態において、出力データは、特に決定された塗布品質が不十分であると考えられる場合に、使用された発泡性材料及び少なくとも1つの塗布パラメーターの1つ以上の調整を行う又は調整を始動するために使用することができる。例えば、出力データは、別のおそらくより適切な発泡性材料の供給を始めるためにウェアハウスに供給すること及び/又は1つ以上の塗布パラメーターを調整するために発泡材塗布機器に供給することができ、これはよりよい品質を達成するためである。
【0017】
実施形態によれば、少なくとも1つのデータ処理ユニットは、例えば記憶装置又は同類のもの内に格納し得るコンピューターモデルを利用することができ、コンピューターモデルは、入力データを処理し及び/又は塗布品質を決定するように構成されている。この目的のために、コンピューターモデルは、注釈付きの画像データ、これに関連する注釈付きの塗布パラメーターデータ、及びこれに関連する塗布された発泡性材料の塗布の品質又は欠陥の査定を少なくとも含む、サンプルデータによって訓練することができる。言いかえれば、コンピューターモデル例えば機械学習モデルは、発泡体の望ましい塗布はどのように見えるか、及び/又は異なる欠陥はどのように見えるかを、学習するために訓練することができる。コンピューターモデルという用語は、広く理解することができ、例えば特にサンプルデータに基づいて1つ以上の機械学習アルゴリズムからコンパイルされたモデルを指すことができ、これによって発泡性材料の塗布又はその塗布品質に関する予測及び/又は決定をそれぞれ行う。例えば、機械学習アルゴリズムは、決定木、ナイーブベイズ分類、隣り合う同種のもの、ニューラルネットワーク、回旋状ニューラルネットワーク、発生敵対的生成ネットワーク、サポートベクターマシーン、線形回帰、ロジスティックス回帰、ランダムなフォレスト及び/又は勾配上昇アルゴリズムを含むことができる。コンピューターモデルは実体として理解することができ、実体は、典型的には1セットの自由なパラメーターを有する内部処理チェーンを用いて、1つ以上の入力を1つ以上の出力へ処理する。内部処理チェーンは、入力から出力へ移る場合に連続的に横断する、相互に連結した層内で編成することができる。コンピューターモデルは「訓練する」ことができる。それは、訓練又はサンプルデータの記録を用いて訓練することができる。訓練データの記録は、訓練入力データと、好ましくは対応する訓練出力データとを含む。訓練データの記録の訓練出力データは、訓練データの同じ記録の訓練入力データが入力として与えられる場合、モジュールによって生成すべき予期された結果である。この予期された結果とモジュールによって生成された実際の結果との間の偏りが、観察され、「損失関数」を用いて格付けされる。この損失関数は、モジュールの内部処理チェーンのパラメーターを調整するためにフィードバックとして使用される。例えば、パラメーターは、全ての訓練入力データが供給されるときコンピューターモデルに帰する損失関数の値を、最小化する最適化目標目的で調整することができ、また最終結果が対応する訓練出力データと比較される。この訓練の結果は、訓練データの比較的少数の記録が「地上検証測定」として与えられたものであり、コンピューターモデルは、そのジョブ、例えば画像がどのオブジェクトを含むかに関する画像の分類を、数桁分高い入力データの多くの記録についてうまく実行することが可能である。例えば、約100、1000、又はより多い一連の訓練画像が、そのオブジェクトが各画像の中に存在する地上検証測定で「ラベル付けされ」又は注釈付きとされ、これらの訓練画像はモジュールを訓練するのに十分であり、結果としてモジュールは、次いで例えば1920×1080ピクセルの解像度及び8ビットの色深さにて5億3000万個以上の画像である、あらゆる可能な入力画像内でこれらのオブジェクトを認識することができる。
【0018】
モジュールは、塗布品質を、例えば製造すべき生産物の参照データ又は仕様書との比較によって査定するように構成することもできる。コンピューターモデルは、それ自体の全体的性能を改善するために、サンプルデータを用いて事前訓練することができ、及び/又は時間にわたって再度訓練することができる。
【0019】
少なくともいくつかの実施形態において、実際の部品製造ジョブを実施する前に、少なくとも1つの塗布パラメーターを検証するためにテストモードを実施することができる。例えば、テストモードは、塗布品質、例えば噴霧パターンが仕様書に従っているかどうかを検証するために、ある量の発泡性材料を事前噴霧する工程を備えることができる。この場合、コンピューターモデルは、テストモードの及び実際の製造ジョブの塗布品質を決定する目的のために、別個に訓練し及び/又は事前訓練することができる。
【0020】
実施形態において、方法は、少なくとも1つのデータ処理ユニットによって、発泡材塗布機器によって処理すべき制御データを生成する工程をさらに備えることができる。そのために、制御データは、塗布品質が不十分であると決定された担体の表面の少なくとも1つの区分を改変するため、及び発泡材塗布機器の少なくとも1つの塗布パラメーターを調整するための1つ以上のために、発泡材塗布機器を制御するように構成することができる。例えば、発泡材塗布機器は、調整された塗布パラメーターでも表示された場合に、発泡性材料をよりスポット的に噴霧するように制御して、塗布品質を改善することができる。
【0021】
実施形態によれば、受信した入力データを処理する工程は、発泡を時間依存性に関連させる工程を含むことができ、この工程は、配合情報から画像データとともに引き出され、例えば決定され、電算され、モデル化などされる。それによって、予期された時間依存性の発泡状態を用いて画像データを処理し、及び/又は予期された時間依存性の発泡状態に基づいて塗布品質を決定する。このように、塗布及び/又は発泡品質は、ある程度時間がかかる発泡過程中に正確に査定し及び/又は決定することができる。
【0022】
実施形態において、発泡性材料の塗布は層的に実行することができる。方法は、塗布された発泡性材料の塗布品質を層ごとに決定する工程、及び発泡性材料の塗布が再開されるかどうかを層ごとに決定する工程をさらに備えることができる。これにより、発泡性材料及び/又は塗布パラメーターが本当に適切かどうかを早く決定することが可能になり、こうしておそらくスクラップが回避され、製造時間が節約されるなどである。
【0023】
実施形態によれば、方法は、発泡性材料の第1の塗布層を塗布した後に、少なくとも1つの画像取込機器によって担体の表面を画像データ内に取り込む取込工程と、第1の塗布層上に塗布された少なくとも1つの追加の塗布層を塗布した後に、少なくとも1つの画像取込機器によって表面を画像データ内に取り込む工程と、複数の取り込まれた層の総得点をコンピューターモデルによって決定する工程と、決定された総得点に基づいて塗布された発泡性材料の塗布品質を決定する工程とをさらに備えることができる。例えば、総得点は、塗布品質を決定し及び/又はこれを査定するために、所定の閾値と比較することができる。これにより、複数層が全体として塗布品質に寄与する、結果として生じる最終生成物を考慮して塗布品質を決定することが可能になる。
【0024】
実施形態において、少なくとも1つの画像取込機器は熱画像カメラを含むことができる。方法は、熱画像カメラによって一連の熱画像を取り込む工程、及び塗布された発泡性材料の塗布品質を、一連の熱画像に基づいて発泡性材料の発熱反応を時間にわたって考慮することによって決定する工程をさらに備えることができる。言いかえれば、発泡性材料は、その発泡過程中に一連の画像を使用することによって監視することができる。これにより、塗布品質をさらに正確に決定することが可能になる。
【0025】
実施形態によれば、方法は、取り込まれた画像データに基づいて担体の寸法を決定する工程と、担体の決定された寸法を査定する工程とをさらに備える。例えば、寸法は仕様書からはずれてもよい。査定は、実寸法を仕様書と比較する工程を備えることができる。
【0026】
実施形態において、少なくとも1つの塗布パラメーターは、発泡性材料が塗布された塗布領域で測定された外気温度、発泡性材料が塗布された塗布領域で測定された外気湿度、発泡材塗布機器の塗布圧力、及び発泡材塗布機器の塗布温度のうち1つ以上を含むことができる。これらのパラメーターは、適切な検出手段によって測定し及び/又は監視することができる。さらに、パラメーターは、例えば上述した出力又は制御データに基づいて調整可能にできる。これにより、塗布品質をさらにもっと正確に決定することが可能になる。
【0027】
第2の観点は、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのシステムを供給する。コンピューター機器は、第1の観点による方法を実施するように構成された手段を備える。例えば手段は、データ処理ユニット、記憶装置、データインターフェース、通信インタフェースなどのうち1つ以上を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、コンピューター機器は、
- 発泡性材料がその上に塗布された担体の取り込まれた表面を含む取り込まれた画像データを、少なくとも1つのデータ処理ユニットによって受け取り、
- 少なくとも取り込まれた画像データ及びこれに関連する少なくとも1つの塗布パラメーターを含む入力データを、少なくとも1つのデータ処理ユニットによって受け取り、
- 受信した入力データを少なくとも1つのデータ処理ユニットによって処理し、処理は、画像データ上で少なくとも1つの画像分析を実行し、及び少なくとも1つの塗布パラメーターを考慮することによって行い、それによって塗布された発泡性材料の塗布品質を決定するように構成することができる。さらに、少なくともいくつかの実施形態において、入力データ及び/又は出力データは、少なくとも1つのデータインターフェースを経由して受け取り及び/又は供給することができる。コンピューター機器は、局所に、又は現地につまり製造所に、中央サイトつまりコンピュータークラウドに位置することができ、又は現地の及びコンピュータークラウドからの両方のコンピューター資源を部分的に使用して、分散コンピューターシステムを形成することができる。
【0028】
実施形態によれば、システムは、遠隔端末及び/又は遠隔のエッジコンピューターから入力データを受け取り及び/又はこれに出力データを供給するように構成された、コンピュータークラウドにすることができる。コンピュータークラウドは、インターネットのような通信ネットワークに作動的に接続することができる。コンピュータークラウドは、例えば発泡性材料の供給機及び/又は発泡材塗布機器及び/又は他の製造設備によって作動することができる。さらに、遠隔端末及び/又はエッジコンピューター機器は、生産物を製造するためにそれを使用する顧客が作動させることができる。
【0029】
これに代えて、システムはエッジコンピューター機器にすることができる。好ましくは、エッジコンピューター機器は、発泡性材料が塗布される製造所に位置することができる。エッジコンピューター機器は、独立して作動することができ、またコンピュータークラウドに一時的に接続することができ、それによってそこから演算結果、例えば更新などのようなデータを受け取ることができる。
【0030】
第3の観点は、コンピュータークラウド及びエッジコンピューター機器を少なくとも備える、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのシステムを提供する。少なくともいくつかの実施形態において、システムは、さらに携帯機器などのような端末をさらに備えることができる。
【0031】
第4の観点は、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためにコンピューターモデルを訓練する方法を提供する。方法は、
- 好ましくは初めに及び/又は定期的に入力データを受信し、入力データは発泡性材料がその上に塗布される担体の表面の取り込まれた画像データ、これに関連する少なくとも1つの塗布パラメーター、及び発泡性材料の配合情報を少なくとも含む工程と、
- コンピューター可読であって、受信した入力データに注釈を付け及び注釈付きの入力データをサンプルデータとして集め、サンプルデータは発泡性材料の関連する塗布の品質及び/又は欠陥の査定をさらに含む工程と、
- 集めた注釈付きの入力データをコンピューターモデルへ供給して、塗布された発泡性材料の塗布品質を決定すること及び/又は査定することを学習し及び/又は再度学習する工程とを備える。
【0032】
方法は、コンピューターで実施することができしかも適切なコンピューター手段を利用することができ、コンピューター手段は、データ処理ユニット、データインターフェース、記憶装置、通信インタフェースなどのうち1つ以上を含む。例えば、入力データつまり画像データ及び少なくとも1つの関連する塗布パラメーターは、例えば製造所及び/又は顧客のような異なる位置から取り戻して、例えばデータベース内に集めることができる。これをもとに、コンピューターモデルは、塗布された発泡性材料の塗布品質を決定し及び/又は査定するために事前訓練し及び/又は再度訓練することができ、訓練は、好ましくは所定の位置、製造所及び/又は顧客に関連した少なくとも1つの塗布パラメーターに左右される所定の塗布条件の下で行う。これにより、塗布品質をさらにもっと正確に決定することが可能になる。少なくともいくつかの実施形態において、入力データは、直接に又は少なくとも1つのデータインターフェース経由で少なくとも1つのデータ処理ユニットによって受け取ることができる。入力データは画像取込機器によって生成することができ、そのデータはコンピューター機器などによって処理される。注釈を付ける工程は、適切な注釈を付けるソフトウェア又は同類のものを動かすコンピューター機器の利用によって、実行することができる。注釈付きの入力データは、コンピューター手段によって、例えばコンピューターモデルを動かすデータ処理ユニットへ供給することができる。
【0033】
注釈を付けるという用語は広く理解し、例えば、基礎にある画像を変更することなく、画像上に可視メタデータをラベル付けすること及び/又は重ねて置くことと理解できる。これは、手動的に、半自動的に又は完全自動的に実施することができる。
【0034】
実施形態において、入力データは、少なくとも一部が異なる地理的位置にある複数の製造所から集めることができる。その結果、画像データは、異なる環境条件つまり異なる温度、湿度などの下で、及び同様に環境条件に左右され得る、異なる塗布パラメーターの下で集めることができる。これにより、サンプルデータのためのデータ基礎が広くなる。
【0035】
実施形態によれば、訓練されたコンピューターモデルは、例えば所定の位置、製造所及び/又は顧客用の1つ以上の塗布パラメーターを変更することができる。
【0036】
実施形態において、訓練されたコンピューターモデルは、例えばそれが再度訓練されるときはいつでも、所定の位置、製造所及び/又は顧客へ、随意的に又は定期的に供給することができる。
【0037】
第5の観点は、担体上への発泡性材料の塗布を検証するための指令を含むコンピュータープログラム要素を供給し、指令は、コンピューター機器によって実行されるとき、コンピューター機器に第1の及び/又は第3の観点による方法を実施させる。
【0038】
第6の観点のコンピューター可読な媒体は、第5の観点のコンピュータープログラム要素を備える。コンピューター可読な媒体は、CD-ROM、USBスティック、その他同種のもののような物理的なデータ担体として供給することができ、又はインターネットのような通信ネットワークを経由してディジタル的に供給することができる。例えば、コンピュータープログラム要素は、ブルートゥース(登録商標)、無線LAN(Wi-Fi)などのような無線通信ネットワークによって送信することができる。
【0039】
本発明のこれらの及び他の観点は、以下に記述された実施形態を参照して明白になりかつ解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
発明の典型的な実施形態が以下の図面を参照して説明されるであろう。
【
図1】担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのシステムを、実施形態による発泡性材料を塗布するためのシステムの一部として概要ブロック線図で示す。
【
図2】実施形態による担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのシステムを概要ブロック線図で示す。
【
図3】実施形態による担体上への発泡性材料の塗布を検証するための方法をフローチャートで示す。
【
図4】実施形態による担体上への発泡性材料の塗布を検証するためにコンピューターモデルを訓練するための方法をフローチャートで示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面は単なる略図であり、本明細書に開示された観点を例示するのに役立つだけである。同一又は等価な要素には、同じ参照符号が一貫して付与される。
【0042】
図1は、担体上への発泡性材料の塗布を検証するためのシステム100を概要ブロック線図で示す。例として、システム100は、発泡性材料を塗布するためのシステム1000の一部であり又はこの中に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、発泡性材料の塗布は、絶縁部材200を製造するために使用することができ、絶縁部材200は、プレハブ建築産業又は同種のものにおいて、パネル化された建物に使用する建築パネルのような絶縁された建築部材である。もちろん、絶縁部材200は、異なる構成として他の産業での使用に適するように熟考できる。絶縁部材200は、パネルなどのような、少なくとも1つの発泡性材料塗布区分、例えば表面、空洞又は同類のものを含む担体201と、その上に塗布された発泡性材料202とを少なくとも含み、いくつかの実施形態において、発泡性材料202は、ポリウレタン(PUR)又は同類のものにすることができる。システム1000は、コンピュータークラウドサイトに、インターネットのような通信ネットワークを経由してコンピューターシステム資源及びサービスを提供するのに適したコンピュータークラウド300をさらに備える。従って、コンピュータークラウド300は、1つ以上のプロセッサー、データ格納装置、データインターフェースなどを含むデータ処理ユニット310を備える。さらに、システム1000は、コンピュータークラウドサイトから(地理的に)遠い製造所に、塗布機400と、特にデータインターフェースを有する遠い製造所エッジコンピューター410とをさらに備え、データインターフェースは、例えば、インターネットのような通信ネットワークを経由して、コンピュータークラウド300とデータを交換するのに適している。さらに、製造所において、システム100、及び特に塗布機400は、エッジコンピューター410によって制御するのに適する塗布ロボット420を備える。いくつかの実施形態において、塗布ロボット420は6つの自由度を有する産業用ロボットである。加えて、塗布ロボット420は、重合する材料202を噴霧、注入又は同類のものによって塗布するのに適している。この目的のために、塗布機400及び特に塗布ロボット420は、例えば、噴霧ヘッド又は同類のものとして供給できる材料出口、材料給送部、釣り合わせ機、材料貯槽430、材料温度を規制する手段、及び材料圧力規制手段などを備える。さらに、製造所において、システム1000及び特に塗布機400は、
図1に点線によって示されるブース440を備える。このブース440内に又はこれに隣接して、塗布機400又はシステム1000それぞれは、製造所内に特にブース440内に、1つ以上の実際の気候条件測定手段450を有することができる。実際の気候条件測定手段450は、制御コンピューター機機器410へ、ひいてはコンピュータークラウド300へ作動的に接続することができる。
【0043】
図1に点線で示すように、各々が塗布機400を含む複数の製造所があることができる。同様に、所定の製造所に位置する複数の塗布機400があることができる。典型的には、製造所は、異なる地理的位置に及び/又は異なる環境条件及び/又は気候条件に関連することができる。さらに、異なる製造所は、異なる使用者、例えば顧客に関連することができる。これらの異なる製造所及び/又はエッジコンピューター410は、コンピュータークラウド300へ少なくとも部分的に及び/又は一時的に、随意的に接続することができ、これによってコンピュータークラウド300と通信する、例えばそこからデータを受け取り及び/又はそこへデータを送る。
【0044】
システム1000は、担体201から、例えばその1つ以上の表面、空洞などから1つ以上の画像を取り込むように整列された、少なくとも1つの画像取込機器460を備える。画像取込機器460はまた、携帯機器のような遠隔端末に、例えば携帯電話、スマートフォン又は同類のものに実装できることに注目されたい。これはまた、ブース440内の固定機器に供給することができる。
【0045】
担体201上への発泡性材料202の塗布を検証するためのシステム100が点線で表される。システム100は、システム1000とは別個に設け得るので、必ずしもシステム1000に統合する必要はなく、後で追加し得ることが注目される。同様に、システム100の構成部品もシステム1000へ別個に供給することができ、その結果システム100は、それ自体の構成部品を有することができ、必ずしもシステム1000の構成部品を共有する必要はない。より良好に例示するために、システム1000用に記載された構成部品、及びシステム100に割り当てられた構成部品の両方を参照する。
【0046】
担体201上への発泡性材料202の塗布を検証するためのシステム100は、コンピュータークラウド300及び/又はエッジコンピューター機器410のデータ処理ユニット310例えばプロセッサーにし得る、少なくとも1つのデータ処理ユニット110と、少なくとも1つの画像取込機器460にし得る、少なくとも1つの画像取込機器120とを備える。システム100は、発泡性材料202がその上に塗布される担体201の表面を、少なくとも1つの画像取込機器120、460によって画像データ内に取り込むように構成されている。さらに、システム100は、取り込まれた画像データ、これに関連する少なくとも1つの塗布パラメーター、及び発泡性材料202の配合情報を少なくとも含む入力データを、少なくとも1つのデータ処理ユニット110、310によって受信するように構成されている。塗布パラメーターは、発泡性材料202が塗布された塗布領域つまりブース440内で、例えば実際の気候条件測定手段450を用いて測定された外気温度と、発泡性材料202が塗布された塗布領域つまりブース440内で、例えば実際の気候条件測定手段450、塗布機400の塗布圧力及び塗布温度を用いて測定された外気湿度とを含むことができる。もちろん、追加の塗布パラメーターを測定しかつ供給することができる。さらに、システム100は、受信された入力データを少なくとも1つのデータ処理ユニット110、310及び410によって処理し、処理は、少なくとも画像データ上で画像分析を実行し、及び配合情報及び少なくとも1つの塗布パラメーターを考慮しながら行い、それによって担体201上に発泡性材料202を塗布した後にその塗布品質を決定するように構成される。
【0047】
システム100は、局所でつまりエッジコンピューター410をデータ処理ユニット110として使用することによって作動できること、又は中央でつまりコンピュータークラウド300又はそのデータ処理ユニット310をデータ処理ユニット110として使用することによって作動できることが注目される。これに代えて、コンピューター工程は、コンピュータークラウド310及びエッジコンピューター機器410の両方に分散させることができる。
【0048】
図2は、担体201上への発泡性材料202の塗布を検証するためのシステム100を個々に概要ブロック線図で示す。分かるように、少なくとも1つのデータ処理ユニット110は、例えば1つ以上のデータインターフェースを含むことによって本明細書では内データとして指定される、上述した入力データを受け取るように構成され、また外データとして指定される出力データを供給するように構成される。
【0049】
システム100は、塗布された発泡性材料の塗布品質及び/又はその査定を決定する工程を少なくとも含む出力データを、少なくとも1つのデータ処理ユニット110によって生成するようにさらに構成される。これらの出力データは、例えば塗布ジョブに関連した又はそのようなジョブ報告書の形式のジョブ報告書を生成するために、使用者、例えば顧客に供給することができる。その結果、使用者は、所望の塗布品質が充足されたかどうか知ることができる。
【0050】
さらに、システム100及び/又はシステム1000は、特に決定された塗布品質が不十分であると考えられる場合に生成された出力データを使用して、使用された発泡性材料202及び少なくとも1つの塗布パラメーターのうち1つ以上を調整するように構成される。例えば、システム100又は1000は、塗布機400に適用される適切な制御データをそれぞれ生成することができ、これは、発泡性材料202及び/又は塗布温度、塗布圧力などのような塗布パラメーターのうち1つ以上を調整するためである。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態において、コンピューターモデルは入力データを処理し及び/又は塗布品質を決定するように構成された少なくとも1つのデータ処理ユニット110はコンピューターモデルを利用していることが注目され、そこでコンピューターモデルは、注釈付きの画像データ、これに関連する注釈付きの塗布パラメーターデータ、及びこれに関連する塗布された発泡性材料の塗布の品質又は欠陥の査定を少なくとも含む、サンプルデータによって訓練される。
【0052】
さらに、システム100は、発泡材塗布機器つまり塗布機400によって処理すべき制御データを、少なくとも1つのデータ処理ユニット110によって生成するように構成され、そこで制御データは、塗布品質が不十分であると決定された担体の表面の少なくとも1つの区分を再処理すること、及び/又は発泡材塗布機器つまり塗布機400の少なくとも1つの塗布パラメーターを調整することの1つ以上のために、発泡材塗布機器つまり塗布機400を制御するように構成される。例えば、塗布パラメーターは、再処理を始める前に調整することができ、又は工程ごとに調整することができる。
【0053】
上述したように、入力データは、さらに発泡性材料の配合情報を含む。システム100は、塗布された発泡性材料の塗布品質を決定するために発泡性材料の配合を考慮するように構成される。システム100を随意的に構成して、配合情報から取り出した発泡の時間依存性を画像データに関連させ、それによって予期された時間依存性の発泡状態を用いて画像データを処理し、及び/又は予期された時間依存性の発泡状態に基づいて塗布品質を決定し得るようにできる。
【0054】
さらに、少なくともいくつかの実施形態において、発泡性材料の塗布は層的に実行される。システム100は、塗布された発泡性材料層の塗布品質を層ごとに決定し、及び発泡性材料の塗布が再開されたかどうかを層ごとに決定するように構成される。例えば、システム100は、塗布品質が閾値に合致しない場合、停止信号又は同類のものを生成することができる。さらに、システム100は、塗布過程を再開する前に、1つ以上の塗布パラメーターを調整することができる。
【0055】
システム100は、発泡性材料202の第1の塗布層を塗布した後に、少なくとも1つの画像取込機器120によって担体201の表面を画像データに取り込むようにさらに構成されている。次いで、システム100は、第1の塗布層上に少なくとも1つの追加の塗布層を塗布した後に、少なくとも1つの画像取込機器120によって表面を画像データに取り込む。その後、システム100は、複数の取り込まれた層の総得点をコンピューターモデルによって決定し、及び決定された総得点に基づいて塗布された発泡性材料の塗布品質を決定する。
【0056】
少なくともいくつかの実施形態において、少なくとも1つの画像取込機器120は熱画像カメラを含む。システム100は、熱画像カメラによって一連の熱画像を取り込み、及び塗布された発泡性材料の塗布品質を塗布された発泡性材料の塗布品質を、一連の熱画像に基づき発泡性材料の発熱反応を時間にわたって考慮することによって決定するように構成される。
【0057】
さらに、システム100は、取り込まれた画像データに基づいて担体201の寸法を決定し、及び担体201の決定された寸法を査定するように構成されている。査定の結果は、ジョブ報告書に含まれ、及び/又は仕様書からの偏りの程度に応じて他の測定を開始することができる。
【0058】
図3は、担体201上への発泡性材料202の塗布を検証するための方法をフローチャートで示す。方法は、随意的にシステム1000の一部にし得る、上記システム100によって実行することができる。
【0059】
工程S1は、発泡性材料202が塗布される担体201の表面を、少なくとも1つの画像取込機器120によって画像データ内に取り込む工程を含む。
【0060】
工程S2は、取り込まれた画像データ、これに関連する少なくとも1つの塗布パラメーター、及び発泡性材料の配合情報を少なくとも含む入力データを、少なくとも1つのデータ処理ユニット110によって受信する工程を含む。
【0061】
工程S3は、受信した入力データを少なくとも1つのデータ処理ユニット110によって処理し、処理は、画像データ上で少なくとも画像分析を実行し、及び配合情報及び少なくとも1つの塗布パラメーターを考慮して行う工程を含み、それによって塗布された発泡性材料202の塗布品質を決定する。
【0062】
図3は、担体201上への発泡性材料202の塗布を検証するために、上述したコンピューターモデルを訓練する方法をフローチャートで示す。訓練は、コンピューターモデルを再訓練し又は調整するために、初めに及び/又は定期的な方式で実行することができる。コンピューターモデルは、例えばエッジコンピューター機器410を使用することによって局所で実施することができ、又はコンピュータークラウド300又はそのデータ処理ユニット310を使用することによって中央で実施することができる。ある実施形態において、コンピューターモデルは、携帯機器のような端末によって実施することができる。
【0063】
工程S100は、初めに及び/又は定期的に、発泡性材料202がその上に塗布された担体201の表面の取り込まれた画像データ、及びこれに関連する少なくとも1つの塗布パラメーターを少なくとも含む入力データを受信する工程を含む。
【0064】
工程S200は、コンピューター可読であって、受信入力データに注釈を付ける工程と、注釈付きの入力データをサンプルデータとして集める工程とを含み、サンプルデータは、塗布された発泡性材料202に関連した塗布の品質又は欠陥を査定することをさらに含む。
【0065】
工程S3は、塗布された発泡性材料202の塗布品質を決定する工程及び/又は査定する工程を学習し及び/又は再度学習するために、集めた注釈付きの入力データをコンピューターモデルへ供給する工程を含む。
【0066】
複数の製造所から入力データを集めることができ、これらの製造所は、
図1に異なる製造所について参照符号400及び440で表すように、少なくとも一部が異なる地理的位置にあることが注目される。
【0067】
発明の実施形態は異なる主題に関して記述されることが注目される。特に、いくつかの実施形態は、方法の請求の範囲について記述されるが、他の実施形態は装置の請求の範囲について記述される。しかしながら、当業者は、そうでないとの通知がなければ、上述した及び次の記述から、主題の1つの形式に属する特徴のあらゆる組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴の間のあらゆる組み合わせも、この出願に開示されると考えられることを推測するであろう。しかしながら、全ての特徴を組み合わせて、特徴の単純な総計を越える相乗効果をもたらすことができる。
【0068】
図面及び先の記述に発明が詳しく図示及び説明されているところ、そのような図示及び記述は、提示的又は典型的であるが限定的でないと考えるべきである。発明は開示された実施形態に制限されない。開示された実施形態に対する他の変更は、当業者が請求の範囲に記載された発明を実施する際に、図面、開示及び従属請求項を検討することによって理解し及び達成することができる。
【0069】
請求の範囲において、「comprising」(備える又は含む)という用語は、他の要素又は工程を除外せず、また「a」又は「an」(不定冠詞)は複数であることを除外しない。単一のプロセッサー又は他のユニットは、請求の範囲に記載された複数の項目の機能を充足することができる。異なる従属請求項において所定の方策が相互に引用されても、それだけでは、これらの方策の組み合わせが利益を得るために使用不可能であることを暗示しない。請求の範囲におけるどのような参照符号も、範囲を制限すると解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0070】
100 システム
110 データ処理ユニット
120 画像取込機器
200 絶縁部材
201 担体
202 発泡性材料
300 コンピュータークラウド
310 データ処理ユニット
400 塗布機
410 エッジコンピューター
【国際調査報告】