(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】製造された電子回路のプロービング目標を示す
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
G01R31/28 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501453
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 US2021040964
(87)【国際公開番号】W WO2022011191
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】バージェス・デイビッド・エヴァレット
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AD10
2G132AE16
2G132AE23
2G132AF06
2G132AL03
2G132AL04
(57)【要約】
製造された電子回路のプロービング目標を示す方法であって、製造された回路の製造レイアウト情報に基づいて電子的な3次元モデルを生成するステップと、ビジョン・システムを用いて、製造された回路の視覚的環境情報を得るステップと、視覚的環境情報に基づいてスケーラ及びマッパによって3次元モデルのスケール及び配置を調整するステップと、3次元モデルを視覚的環境情報と重ね合わせて相関画像を生成するステップと、製造された回路の所望回路ノードの識別情報を得るステップと、製造された回路の所望回路ノードに対応するプロービング目標を示すステップとを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法であって、
製造された回路の製造レイアウト情報に基づいて電子的な3次元モデルを生成するステップと、
ビジョン・システムを用いて上記製造された回路の視覚的環境情報を得るステップと、
上記視覚的環境情報に基づいてスケーラ及びマッパによって上記3次元モデルのスケール及び配置を調整するステップと、
上記3次元モデルを上記視覚的環境情報に重ね合わせて相関画像を生成するステップと、
上記製造された回路の所望回路ノードの識別情報(ID)を取得するステップと、
上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応するプロービング目標を示すステップと
を具える方法。
【請求項2】
上記製造された回路についての上記視覚的環境情報を得るステップが、上記製造された回路についての1つ以上の基準マーカの位置を得るステップを含む請求項1の方法。
【請求項3】
上記3次元モデルのスケール及び配置を調整するステップが、エッジ検出とパターン・マッチングを含む請求項1の方法。
【請求項4】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、
上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かを判断するステップと
更に具える請求項1の方法。
【請求項5】
上記プロービング目標を示すステップが、上記相関画像中にプロービング目標インジケータを視覚的に表示するステップを含む請求項1の方法。
【請求項6】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、
上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断するステップと、
上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的表示を変更するステップと
を更に具える請求項5の方法。
【請求項7】
上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的表示を変更するステップが、上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状の少なくとも一方を変更するステップを含む請求項6の方法。
【請求項8】
上記プロービング目標を示すステップが、拡張現実を利用して、上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応する位置で、上記製造された回路上に上記プロービング目標インジケータを仮想的に投影するステップを含む請求項1の方法。
【請求項9】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、
上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断するステップと、
上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの仮想的な投影を変更するステップと
を具える請求項8の方法。
【請求項10】
上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの仮想的な投影を変更するステップが、上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状の少なくとも一方を変更するステップを含む請求項9の方法。
【請求項11】
上記プロービング目標を示すステップが、上記製造された回路の上記所望回路ノードの位置に対応する位置情報を自動プロービング・システムに提供するステップを含む請求項1の方法。
【請求項12】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、
上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断するステップと、
上記接続状態を上記自動プロービング・システムに提供するステップと
を更に具える請求項11の方法。
【請求項13】
試験測定装置を用いて、上記製造された回路の上記所望回路ノードから測定波形を取得するステップを更に具える請求項1の方法。
【請求項14】
コンピューティング・デバイスによる実行に応答して、該コンピューティング・デバイスに複数の処理を実行させるコンピュータ実行可能な命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、上記複数の処理が、
製造された回路の製造レイアウト情報に基づいて電子的な3次元モデルを生成する処理と、
ビジョン・システムから上記製造された回路の視覚的環境情報を得る処理と、
上記視覚的環境情報に基づいて上記3次元モデルのスケール及び配置を調整する処理と、
上記3次元モデルを上記視覚的環境情報と重ね合わせて相関画像を生成する処理と、
上記製造された回路の所望回路ノードの識別情報(ID)を得る処理と、
上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応するプロービング目標を示す処理と
を具える非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
上記製造された回路の視覚的環境情報を得る処理が、上記製造された回路に関する1つ以上の基準マーカの位置を得る処理を含む請求項14の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
上記製造レイアウト情報のスケール及び配置を調整する処理が、エッジ検出機能及びパターン・マッチング機能を実行する処理を含む請求項14の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
上記プロービング目標を示す処理が、コンピュータ・ディスプレイにおいて、上記相関画像中にプロービング目標インジケータを視覚的に表示させる処理を含む請求項14の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断する処理と、
上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的な表示を変更する処理と
を更に具える請求項17の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的表示を変更する処理が、上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状のうちの少なくとも一方を変更する処理を含む請求項18の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
上記プロービング目標を示す処理が、上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応する位置で、上記製造された回路上に上記プロービング目標インジケータを仮想現実デバイスに仮想的に投影させる処理を含む請求項14の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断する処理と、
上記接続状態を示すために上記拡張現実デバイスに上記プローブ目標インジケータの仮想的な投影を変更させる処理と
を含む請求項20の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
上記接続状態を示すために上記拡張現実デバイスに上記プローブ目標インジケータの仮想的な投影を変更させる処理が、上記拡張現実デバイスに上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状の少なくとも一方を変更させる処理を含む請求項21の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
上記プロービング目標を示す処理が、上記製造された回路の上記所望回路ノードの位置に対応する位置情報を自動プロービング・システムに提供する処理を含む請求項14の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断する処理と、
上記自動プロービング・システムに上記接続状態を提供する処理と
を更に具える請求項23の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、2020年7月9日に出願された米国仮特許出願第63/050,053号の利益を主張する。この出願は、この参照により、本開示に組み込まれる。
【0002】
本件は、製造された電子回路のプロービング目標を示すためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子回路の特定の部分(即ち、回路ノード)上にどのような信号があるかを求めるために電子回路をプローブする位置を特定するプロセスは、複数ステップのプロセスであり、これは、従来は、(a)回路図中の回路ノードを特定するステップ、(b)印刷回路アセンブリのレイアウト上で、プロービング・デバイスでアクセス可能な回路ノードの部分を特定するステップ、(c)次に、回路の動作中に目的の回路ノードをプロービングして、予想される動作と一致するかどうかを確認するステップ、を必要としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0064372号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0007121号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このプロセスは、面倒で時間がかかることがあり、回路の間違った部分をプロービングする可能性がある。
【0006】
開示された技術の構成は、従来技術における欠点に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に記載される態様は、製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法に関する。このため、開示技術の形態は、回路アセンブリの形状(geometry)及び回路アセンブリの作成に使用される製造レイアウト情報に基づいて、製造された回路に関する所望のプロービング・ポイントの位置を特定し、プロービング目標を示すか又は機械的な位置を提供するプロセスを自動化する。ある形態によれば、ユーザ又は自動化されたプロセスが回路ノードを選択でき、プローブを接続するためのガイド・インジケータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、製造された電子回路のプロービング目標を示すように構成されたシステムの構成要素の構成例の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、製造された電子回路のプロービング目標を示すように構成されたシステムの態様に関する機能コンポーネントの配置例を示す機能ブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、ある形態例による製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法を示す。
【
図4B】
図4Bは、ある形態例による製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法を示す。
【
図4C】
図4Cは、ある形態例による製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法を示す。
【
図4D】
図4Dは、ある形態例による製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法を示す。
【
図4E】
図4Eは、ある形態例による製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、製造された電子回路201のプロービング目標を示すように構成されたシステム100の構成要素の構成例の機能ブロック図である。
図2は、製造された回路201の一例を示す。
図3は、製造された電子回路のプロービング目標を示すように構成されたシステムの態様に関する機能コンポーネントの配置例を示す機能ブロック図である。
図4は、例示的な形態による製造される電子回路のプロービング目標を示すための方法400を示す。
【0010】
図1~
図4を参照すると、特に
図4Aを参照すると、工程401において、製造される回路201の製造レイアウト情報302から、製造される回路201の3次元モデルを表すものが生成される。3次元モデルは、3次元モデル生成部303によって生成されても良い。製造レイアウト情報302は、レイアウト製作情報としても知られ、製造される回路201の設計回路
図301に対応する。この状況において、「対応する」とは、機能的に、製造レイアウト情報302が、製造された回路201と実質的に一致することを意味する。本開示で使用される場合、「実質的に一致する」とは、完全な同一性を必要とせずに、大部分又は本質的に等価を意味する。
【0011】
工程402において、ビジョン・システム102は、製造された回路201の視覚的環境情報(視覚的環境に関する情報)を取得する。ビジョン・システム102は、例えば、拡張現実システム又はマシン・ビジョン・システムの一部であっても良い。ある形態では、視覚的環境情報が、製造された回路201に関する1つ以上の基準マーカ202の位置を有していても良い。
【0012】
ビジョン・システム102からの視覚的環境情報を用いて、工程403では、スケーラ(scaler)及びマッパ(mapper)305が、製造された回路201の3次元モデルのスケール(拡大縮小)及び配置を調整しても良い。ある形態では、三次元モデルのスケール及び配置の調整には、視覚的環境情報についてのエッジ検出方法及びパターン・マッチング技術を使用して、製造された回路201のエッジ及び視覚的環境情報内のパターンと一致する製造レイアウト情報(これは、3次元モデルで表現される)302内のパターンを特定する処理が含まれても良い。
【0013】
工程404では、3次元モデルが視覚的環境情報とオーバレイされて(overlay:重ね合わせられて)、相関画像を生成しても良く、この相関画像は、3次元モデル及び視覚的環境情報を含む画像である。従って、(3次元モデルによって表される)製造された回路201の回路ノードは、製造された回路102の視覚的環境(視覚的環境情報によって表される)と相関し、製造された回路102上のプロービング・ポイントの正確な指定が可能になる。
【0014】
工程405において、製造された回路201の所望の回路ノード203のID(identification:識別情報)を得る。
【0015】
工程406において、プロービング目標が指示される。プロービング目標は、製造された回路の所望の回路ノードに対応する。プロービング目標は、プロービング目標生成部306によって生成されても良い。以下で説明するように、この指示は、例えば、人間のオペレータに対する視覚的指示、又は、拡張現実機能105若しくは自動プロービング・システム106に対する電子的指示であっても良い。この指示工程406は、人間のオペレータ又は他の電子システムに対してプロービング目標を明確に特定することによって、回路の正確なプロービングを確実に行うのを支援する。
【0016】
ある形態では、工程407において、試験測定装置103は、製造された回路201の所望の回路ノード203から測定波形を取得しても良い。ある形態では、試験測定装置103が、オシロスコープから構成されても良い。
【0017】
特に
図4Bを参照すると、ある形態では、工程420(サブ工程421で始まる)において、プローブが、製造された回路201の所望の回路ノード203と試験測定装置103との間に結合されても良い。サブ工程422において、製造された回路201の所望の回路ノード203と試験測定装置103との間に電気的接続が存在するか否かに関して判断されても良い。
【0018】
特に
図4Cを参照すると、ある形態では、工程440(サブ工程441で始まる)において、(工程406での)プロービング目標を示す工程が、プロービング目標インジケータ(indicator)を相関画像に視覚的に表示する工程を含む。プロービング目標インジケータは、例えば、矢印、円、「X」、ハイライト又はプロービング目標の他の視覚的インジケータであっても良い。プロービング目標インジケータ及び相関画像は、例えば、コンピュータ・ディスプレイなどの表示装置104に表示されても良い。
【0019】
図4Cに図示するように、工程440は、サブ工程として、上述したような工程420を有していても良い。工程442では、プロービング目標インジケータの視覚的表示が、接続状態を示すように変更されても良い。ある形態では、接続状態を示すためにプロービング目標インジケータの視覚的表示を変更する処理が、プロービング目標インジケータの色を変更する処理を含む。例えば、(工程422において)製造された回路201の所望の回路ノード203と試験測定装置103との間に電気的接続が存在すると判断された場合、プロービング目標インジケータ(これは、相関画像上に表示される)の色が、赤色から緑色に変化しても良い。他の色も使用できる。ある形態では、接続状態を示すためにプロービング目標インジケータの視覚的表示を変更する処理が、プロービング目標インジケータの形状を変更する処理を含む。例えば、(工程422において)製造された回路201の所望の回路ノード203と試験測定装置103との間に電気的接続が存在すると判断された場合、プロービング目標インジケータの形状(これは、相関画像に表示される)を、マイナス記号(-)からプラス記号(+)に変更しても良い。他の形状も使用できる。
【0020】
特に
図4Dを参照すると、ある形態では、工程460(サブ工程461で始まる)において、(工程406での)プロービング目標を示す工程が、拡張現実機能105を使用して、製造された回路201の所望の回路ノード203に対応する位置で、プロービング目標インジケータを製造された回路上に仮想的に投影することを含む。例えば、拡張現実環境において仮想的に目標を投影するために、3次元マッピングを使用しても良い。このため、人間のオペレータは、プロービング目標インジケータを(拡張現実環境において)視覚的に観察することができ、これは、製造された回路201の所望の回路ノード203上にあるように見えるであろう。
【0021】
図4Dに図示するように、工程460には、サブ工程として、上述したような工程420があっても良い。工程462において、プロービング目標インジケータの仮想的な投影が、接続状態を示すように変更されても良い。ある形態では、接続状態を示すためにプロービング目標インジケータの仮想投影を変更する処理が、プロービング目標インジケータの色又は形状を変更する処理を含む。このため、もし(工程422において)製造された回路201の所望の回路ノード203と試験測定装置との間に電気的接続が存在すると判断された場合、別の例について上述したように、プロービング目標インジケータの色が赤から緑に変化するか、又は、プロービング目標インジケータの形状がマイナス記号からプラス記号に変化しても良い。他の色や形も使用できる。
【0022】
図4Eを特に参照すると、ある形態では、工程480(サブ工程481で始まる)において、(工程406での)プロービング目標を示す工程が、自動プロービング・システム106に位置情報を提供することを含む。この位置情報は、製造された回路201の所望の回路ノード203の位置に対応する。自動プロービング・システム106は、試験測定装置103の一部であってもよく、例えば、ロボット・アーム、3軸位置決め装置、又は、試験測定装置103に結合されたプローブを、製造された回路201に対して位置決めするように構成された別の機械的位置決め装置を含んでも良い。位置情報としては、例えば、機械的位置決め装置に機械的位置を提供するための3次元マッピングが含まれても良い。
【0023】
図4Eに図示するように、工程480は、サブ工程として、上述したような工程420を有していても良い。工程482において、接続状態が、自動プロービング・システム106に提供されても良い。接続状態は、例えば、機械的位置決め装置が、製造された回路201の所望の回路ノード203に対して、試験測定装置103のプローブを正しく位置決めしたことを確認するためのフィードバックとして提供されても良い。
【0024】
ある形態では、
図1に描かれるプロセッサ101などのプロセッサは、ビジョン・システム102及び試験測定装置103と情報交換するように構成されても良い。ある形態では、プロセッサ101は、
図4A~
図4Dに図示される工程のうちの1つ以上を実行するように構成されても良い。
【0025】
更に、態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
実施例
【0026】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の特定の形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0027】
実施例1は、製造された電子回路のプロービング目標を示すための方法であって、この方法は、製造された回路の製造レイアウト情報に基づいて電子的な3次元モデルを生成するステップと、ビジョン・システムを用いて、上記製造された回路の視覚的環境情報を得るステップと、上記視覚的環境情報に基づいてスケーラ及びマッパによって上記3次元モデルのスケール(拡大縮小)及び配置を調整するステップと、上記3次元モデルを上記視覚的環境情報にオーバレイして(overlay:重ね合わせて)相関画像を生成するステップと、上記製造された回路の所望回路ノードの識別情報(ID:identification)を取得するステップと、上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応するプロービング目標を示すステップとを具える。
【0028】
実施例2としては、実施例1の方法があり、このとき、上記製造された回路についての上記視覚的環境情報を得るステップが、上記製造された回路についての1つ以上の基準マーカの位置を得るステップを含む。
【0029】
実施例3としては、実施例1から2のいずれかの方法があり、このとき、上記3次元モデルのスケール及び配置を調整するステップが、エッジ検出とパターン・マッチングを含む。
【0030】
実施例4としては、実施例1から3のいずれかの方法があって、上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かを判断するステップと更に具える。
【0031】
実施例5としては、プロービング目標を示す実施例1から4のいずれかの方法があり、このとき、上記プロービング目標を示すステップが、上記相関画像中にプロービング目標インジケータを視覚的に表示するステップを含む。
【0032】
実施例6としては、実施例5の方法があり、更に、試験測定装置のプローブを上記製造された回路の上記所望回路ノードに結合するステップと、上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断するステップと、上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的表示を変更するステップとを更に具える。
【0033】
実施例7としては、実施例6の方法があり、このとき、上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的表示を変更するステップが、上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状の少なくとも一方を変更するステップを含む。
【0034】
実施例8としては、実施例1から7のいずれかの方法があり、このとき、上記プロービング目標を示すステップが、拡張現実を利用して、上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応する位置で、上記製造された回路上に上記プロービング目標インジケータを仮想的に投影するステップを含む。
【0035】
実施例9としては、実施例8の方法があり、更に、上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断するステップと、上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの仮想的な投影を変更するステップとを具える。
【0036】
実施例10としては、実施例9の方法があり、このとき、上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの仮想的な投影を変更するステップが、上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状の少なくとも一方を変更するステップを含む。
【0037】
実施例11としては、実施例1から10のいずれかの方法があり、このとき、上記プロービング目標を示すステップが、上記製造された回路の上記所望回路ノードの位置に対応する位置情報を自動プロービング・システムに提供するステップを含む。
【0038】
実施例12としては、実施例11の方法があり、上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間にプローブを結合するステップと、上記製造された回路の上記所望回路ノードと上記試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断するステップと、上記接続状態を上記自動プロービング・システムに提供するステップとを更に具える。
【0039】
実施例13としては、実施例1から12のいずれかの方法があり、このとき、試験測定装置を用いて、上記製造された回路の上記所望回路ノードから測定波形を取得するステップを更に具える。
【0040】
実施例14としては、コンピューティング・デバイスによる実行に応答して、該コンピューティング・デバイスに複数の処理を実行させるコンピュータ実行可能な命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体があり、上記複数の処理が、製造された回路の製造レイアウト情報に基づいて電子的な3次元モデルを生成する処理と、ビジョン・システムから上記製造された回路の視覚的環境情報を得る処理と、上記視覚的環境情報に基づいて上記3次元モデルのスケール(拡大縮小)及び配置を調整する処理と、上記3次元モデルを上記視覚的環境情報と重ね合わせて(overlay:オーバレイして)相関画像を生成する処理と、上記製造された回路の所望回路ノードの識別情報(ID)を取得する処理と、上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応するプロービング目標を示す処理とを具える。
【0041】
実施例15としては、実施例14の非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記製造された回路の上記視覚的環境情報を得る処理が、上記製造された回路に関する1つ以上の基準マーカの位置を得る処理を含む。
【0042】
実施例16としては、実施例14から15のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記製造レイアウト情報のスケール及び配置を調整する処理が、エッジ検出機能及びパターン・マッチング機能を実行する処理を含む。
【0043】
実施例17としては、実施例14の非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記プロービング目標を示す処理が、コンピュータ・ディスプレイにおいて、上記相関画像中にプロービング目標インジケータを視覚的に表示させる処理を含む。
【0044】
実施例18としては、実施例17の非一時的コンピュータ可読媒体があり、上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断する処理と、上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的な表示を変更する処理とを更に具える。
【0045】
実施例19としては、実施例18の非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記接続状態を示すために上記プロービング目標インジケータの視覚的表示を変更する処理が、上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状のうちの少なくとも一方を変更する処理を含む。
【0046】
実施例20としては、実施例14から19のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記プロービング目標を示す処理が、上記製造された回路の上記所望回路ノードに対応する位置で、上記製造された回路上に上記プロービング目標インジケータを仮想現実デバイスに仮想的に投影させる処理を含む。
【0047】
実施例21としては、実施例20の非一時的コンピュータ可読媒体があり、更に、上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断する処理と、上記接続状態を示すために上記拡張現実デバイスに上記プローブ目標インジケータの仮想的な投影を変更させる処理とを含む。
【0048】
実施例22としては、実施例21の非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記接続状態を示すために上記拡張現実デバイスに上記プローブ目標インジケータの仮想的な投影を変更させる処理が、上記拡張現実デバイスに上記プロービング目標インジケータの色及び上記プロービング目標インジケータの形状の少なくとも一方を変更させる処理を含む。
【0049】
実施例23としては、実施例14から22のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体があり、このとき、上記プロービング目標を示す処理が、上記製造された回路の上記所望回路ノードの位置に対応する位置情報を自動プロービング・システムに提供する処理を含む。
【0050】
実施例24としては、実施例23の非一時的コンピュータ可読媒体があり、上記製造された回路の上記所望回路ノードと試験測定装置との間に電気的接続が存在するか否かの接続状態を判断する処理と、上記自動プロービング・システムに上記接続状態を提供する処理とを更に具える。
【0051】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0052】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書での開示技術は、これら特定の特徴のあり得る全ての組み合わせを含むと理解すべきである。例えば、ある特定の特徴が特定の形態に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の形態との関連においても利用できる。
【0053】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0054】
更に、用語「を具える(comprises)」及びその文法的に等価なものは、本願において、他のコンポーネント(components)、機能(features)、ステップ、処理(processes)、工程(operations)がオプションで存在することを示すのに使用される。例えば、コンポーネントA、B及びC「を具える(comprising)」又は「何かが」コンポーネントA、B及びC「を具える(which comprises)」という条件は、コンポーネントA、B及びCだけを含んでも良いし、又は、コンポーネントA、B及びCと共に1つ以上の他のコンポーネントを含んでいても良い。
【0055】
説明の都合上、具体的な形態例を説明してきたが、本開示の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。
【国際調査報告】