(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】タンタルを含むフォトレジスト
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20230807BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20230807BHJP
G03F 7/32 20060101ALI20230807BHJP
G03F 7/36 20060101ALI20230807BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
G03F7/004
G03F7/004 531
G03F7/26
G03F7/32
G03F7/36
G03F7/20 521
G03F7/20 503
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502905
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 US2021042104
(87)【国際公開番号】W WO2022016124
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン・エリック・カルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ワイドマン・ティモシー・ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H196CA17
2H196CA20
2H196EA07
2H196GA03
2H196GA37
2H196GA38
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197GA01
2H197HA03
2H225AB03
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CC03
2H225CD05
2H225CD14
2H225EA16P
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、タンタル系前駆体で形成された被膜、ならびにそのような被膜を形成および使用するための方法に関する。本被膜は、光パターニング可能な被膜または放射線感受性被膜として使用することができる。非限定的な実施形態では、放射線は、極紫外(EUV)線または遠紫外(DUV)線を含んでいてもよい。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜と、
を含み、
前記被膜はタンタルおよびスズを含む、積層体。
【請求項2】
請求項1に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、積層体。
【請求項3】
請求項2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、タンタルおよびスズを含む混合有機金属被膜を含む、積層体。
【請求項4】
請求項2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、スズ含有層の上部表面または底部表面に配置されたタンタル含有層を含む、積層体。
【請求項5】
請求項2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、約5nm~約40nmの厚さを有する、積層体。
【請求項6】
被膜を形成するための方法であって、
タンタル系前駆体を基板の表面に成膜して、パターニング放射線感受性被膜をもたらすこと、
を含み、
前記タンタル系前駆体はパターニング放射線感受性部分を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体の前記パターニング放射線感受性部分は、EUV不安定基を含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体は、式(I):
TaR
bL
c (I)
を有する構造を含み、
式中、
各Rは、独立して、EUV不安定基、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいイミノ、または置換されていてもよいアルキレンであり、
各Lは、独立して、還元ガスまたはアセチレンと反応性である配位子または他の部分であり、
b≧0;およびc≧1である、
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体は、式(I-A):
R=Ta(L)
b (I-A)
を有する構造を含み、
式中、
Rは、=NR
iまたは=CR
iR
iiであり、
各Lは、独立して、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、またはTaに結合している二価配位子であり、前記二価配位子は-NR
i-Ak-NR
ii-であり、
各R
iおよびR
iiは、独立して、H、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、または置換されていてもよいシクロアルキルであり、
Akは、置換されていてもよいアルキレンまたは置換されていてもよいアルケニレンであり、
b≧1である、
方法。
【請求項11】
請求項7~10に記載の方法であって、前記パターニング放射線感受性被膜は窒化タンタル被膜を含む、方法。
【請求項12】
請求項7~10に記載の方法であって、前記成膜は有機金属化合物をさらに含み、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は共に成膜させることができる、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記成膜は、前記被膜に成膜させる前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物の相対量を調整することをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記調整は、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物の流量および/または成膜時間を変更することを含む、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記成膜は、
還元ガスまたはアセチレンの任意選択の存在下で前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物を成膜し、それにより2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜を含む前記パターニング放射線感受性被膜を提供することを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記有機金属化合物はスズ系前駆体を含み、前記混合有機金属被膜はタンタルおよびスズを含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記成膜は、約250℃を下まわるかまたは約100℃を下まわる温度にて化学蒸着により成膜することを含む、方法。
【請求項18】
請求項7~10に記載の方法であって、前記成膜は有機金属化合物をさらに含み、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は、シーケンスで順次成膜することができる、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記シーケンスは、前記タンタル系前駆体を成膜し、それに続いてまたはそれに先行して前記有機金属化合物を成膜することを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記成膜は、前記タンタル系前駆体、それに続くまたはそれに先行する前記有機金属化合物のシーケンスの数または順序を調整することをさらに含む、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、
前記成膜は、
チャンバ内で前記有機金属化合物を対反応物の任意選択の存在下で成膜し、それにより有機金属含有層をもたらすこと、
前記チャンバをパージガスでパージすること、
前記チャンバ内で前記タンタル系前駆体を成膜し、それにより前記有機金属含有層の上部表面に配置されたタンタル含有層をもたらすこと、
前記チャンバを別のパージガスでパージすること、および
前記タンタル含有層を還元ガスまたはアセチレンに曝露すること
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記有機金属化合物はスズ系前駆体を含み、前記有機金属含有層はスズを含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記成膜は、原子層堆積により成膜することを含む、方法。
【請求項24】
請求項12に記載の方法であって、前記有機金属化合物は、式(II):
M
aR
bL
c (II)
を有する構造を含み、
式中、
Mは金属であり、
各Rは、独立して、EUV不安定配位子、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり、RおよびLはMと共に一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができるか、またはRおよびLは一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1;b≧1;およびc≧1である、
方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、Rは置換されていてもよいアルキルであり、Mはスズである、方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であって、各Lは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、または置換されていてもよいアルコキシである、方法。
【請求項27】
請求項24に記載の方法であって、前記成膜は、対反応物をさらに含む、方法。
【請求項28】
請求項7に記載の方法であって、前記成膜は、還元ガスまたはアセチレンをさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記還元ガスは、水素(H
2)、アミン(NH
3)、またはトリアルキルアミンを含む、方法。
【請求項30】
請求項7に記載の方法であって、
前記成膜後に、
パターニング放射線露光により前記パターニング放射線感受性被膜をパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜をもたらすこと、および、
前記露光被膜を現像し、それにより前記放射線露光領域を除去してポジ型レジスト被膜内にパターンをもたらすか、または前記放射線未露光領域を除去してネガ型レジスト内にパターンをもたらすこと
をさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、前記パターニング放射線露光は、真空環境で約10nm~約20nmの範囲の波長を有する極紫外線露光を含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記現像は、乾式現像化学物質または湿式現像化学物質を含む、方法。
【請求項33】
請求項33に記載の方法であって、前記乾式現像化学物質は、プラズマ中にHCl、HBr、HI、HF、Cl
2、Br
2、BCl
3、BF
3、NF
3、NH
3、SOCl
2、SF
6、CF
4、CHF
3、CH
2F
2、および/またはCH
3Fを含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、前記湿式現像化学物質は、ケトン、エステル、アルコール、またはグリコールエーテルを含む、方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、前記湿式現像化学物質は、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、アセトン、γ-ブチロラクトン、n-ブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、またはそれらの組合せを含む、方法。
【請求項36】
レジスト被膜を形成するための装置であって、
パターニング放射線感受性被膜を成膜するためのチャンバを具備する成膜モジュールと、
サブ300nm波長放射線の供給源を有するフォトリソグラフィツールを具備するパターニングモジュールと、
前記レジスト被膜を現像するためのチャンバを具備する現像モジュールと、
1つまたは複数のメモリ素子、1つまたは複数のプロセッサ、および機械可読命令を含む命令でコードされたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラであって、前記機械可読命令は、
前記成膜モジュールにおいて、パターニング放射線感受性部分を含むタンタル系前駆体を半導体基板の上部表面に成膜して、前記パターニング放射線感受性被膜をレジスト被膜として形成することを引き起こし、
前記パターニングモジュールにおいて、パターニング放射線露光により直接的に前記レジスト被膜をサブ300nm解像度でパターニングして、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を形成することを引き起こし、
前記現像モジュールにおいて、前記露光被膜を現像して、前記放射線露光領域または前記放射線未露光領域を除去し、前記レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こす、
コントローラと、
を備える、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置であって、前記フォトリソグラフィツールの前記供給源は、サブ30nm波長放射線の供給源である、装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記パターニングモジュールにおいて、EUV露光により直接的に前記レジスト被膜をサブ30nm解像度でパターニングし、それによりEUV露光領域およびEUV未露光領域を有する前記露光被膜を形成することを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記現像モジュールにおいて、前記露光被膜を現像して、前記EUV露光領域または前記EUV未露光領域を除去し、前記レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項41】
請求項37~40に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記成膜モジュールにおいて、還元ガス、アセチレン、および/または対反応物の任意選択の存在下で有機金属化合物をさらに成膜し、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は共に成膜され、2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜がもたらされることを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項42】
請求項37~40に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記成膜モジュールにおいて、還元ガス、アセチレン、および/または対反応物の任意選択の存在下で有機金属化合物をさらに成膜し、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は交互サイクルで成膜され、有機金属含有層および前記有機金属含有層の上部表面に配置されたタンタル含有層がもたらされることを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項43】
方法であって、
半導体基板の上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜を用意し、前記被膜はタンタルまたはタンタルおよびスズを含むことと、
前記パターニング放射線感受性被膜をパターニング放射線露光によりパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を用意することと
を含む、方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、
前記パターニングの後、湿式化学物質を使用して前記露光被膜を現像することをさらに含む、方法。
【請求項45】
請求項43に記載の方法であって、
前記パターニング放射線感受性被膜の前記用意の後、250℃を下まわるかまたは180℃を下まわる温度で塗布後ベークを実施することをさらに含む、方法。
【請求項46】
請求項43に記載の方法であって、
前記パターニングの後、250℃を下まわるかまたは180℃を下まわる温度で露光後ベークを実施することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[参照による組込み]
PCT申請書は、本出願の一部として本明細書と同時に提出されている。同時提出のPCT申請書で特定されているように、本出願がその利益または優先権を主張する各出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2020年7月17日に出願された米国特許仮出願第62/705,853号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、タンタル系前駆体で形成された被膜、ならびにそのような被膜を形成および使用するための方法に関する。本被膜は、光パターニング可能な被膜または放射線感受性被膜として使用することができる。非限定的な実施形態では、放射線は、極紫外(EUV)放射線または遠紫外(DUV)放射線を含むことができる。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景説明は、本技術の状況を一般的に提示することを目的とする。本明細書で名前が挙げられている発明者らの研究、ならびに出願時に先行技術として別様に認定され得ない本明細書の態様は、この背景セクションに記載されているとしても、本技術に対する先行技術であることを明示的にも暗示的にも認めるものではない。
【0004】
半導体処理における薄被膜のパターニングは、半導体の製造における重要なステップであることが多い。パターニングはリソグラフィを含む。193nmフォトリソグラフィなどのフォトリソグラフィでは、光子を光子供給源からマスクに放射し、感光性フォトレジストにパターンを印刷することによりパターンを印刷し、それによりフォトレジストに化学反応を引き起こし、現像後にフォトレジストのある特定の部分が除去されてパターンが形成される。
【0005】
先端技術ノード(国際半導体技術ロードマップで定義されている)は、22nm、16nm、およびそれより微細なノードを含む。例えば、16nmノードでは、ダマシン構造における典型的なバイアまたは線の幅は、典型的には約30nm以下である。先端半導体集積回路(IC)および他の素子のフィーチャの微細化により、リソグラフィの解像度向上が求められている。
【0006】
極紫外線(EUV)リソグラフィは、他のフォトリソグラフィ法で達成可能であると考えられるよりも短いイメージング光源波長に移行することにより、リソグラフィ技術を拡張することができる。およそ10~20nmまたは11~14nmの波長、例えば13.5nmの波長のEUV光源を、スキャナとも呼ばれる最先端リソグラフィツールに使用することができる。EUV放射線は、石英および水蒸気を含む幅広い範囲の固体および流体材料に強く吸収されるため、真空中で作用させる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、パターニング放射線感受性被膜(例えば、EUV感受性被膜)を提供するための、タンタル(Ta)系前駆体の使用に関する。一実施形態では、Ta系前駆体は、フォトレジスト(PR)被膜を成膜するために単独で使用することができるEUV活性有機タンタル化合物である。その代わりに、Ta系前駆体は、混合金属EUV感受性PR被膜を提供するために、別の有機金属化合物(例えば、有機スズ化合物)と併せて使用される。そのような被膜は、蒸着することができ、湿式または乾式現像が可能である。
【0008】
窒化タンタル(TaN)は、主にその機械的安定性のため、半導体処理中に広く使用されているハードマスクであり、EUV吸収性が高いため、EUVリソグラフィマスクの吸収体として使用することが可能である。本明細書で使用される場合、TaNは、TaN、Ta2N、Ta3N5、Ta4N5、Ta4N、Ta5N6、およびTa6N2.5、ならびにそれらの混合物を含む、任意の有用な化学量論量の組成物を指す。
【0009】
したがって、1つの非限定的な例では、本明細書のTa系前駆体は、ひいてはTaN系PR被膜を提供することができる有機タンタル窒素含有化合物であってもよい。このようなTaN系PRは、安定性の増強を呈することができ、そのため、より厚いPR被膜を提供することができ、そうでなければスズ(Sn)単独系PR被膜を損傷する可能性のある過酷な現像化学物質に耐えることができ、および/またはそうでなければSn単独系PR被膜を損傷する可能性のあるエッチング化学物質品に抵抗することができる。さらに、そのようなTa系前駆体は、被膜の光パターニングを可能にし、したがってパターニング化ハードマスクとしてのそのようなTa系被膜の使用が容易になる。
【0010】
第1の態様では、本発明は、上部表面を有する半導体基板;および半導体基板の上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜を含む積層体であって、被膜はTaを含む、積層体を特徴とする。他の実施形態では、被膜はSnをさらに含む。さらに他の実施形態では、被膜は窒素(N)をさらに含む。一部の実施形態では、被膜は、窒化タンタルおよび/または酸化スズを含む。
【0011】
一部の実施形態では、パターニング放射線感受性被膜は、TaおよびSnを含む混合有機金属被膜を含む。他の実施形態では、被膜は、Sn含有層の上部表面または底部表面に配置されたタンタル含有層を含む。さらに他の実施形態では、被膜は、複数の交互のTa含有層およびスズ含有層を含む。非限定的なTa含有層は窒化タンタルを含んでいてもよく、非限定的なSn含有層は有機スズ酸化物を含んでいてもよい。
【0012】
第2の態様では、本開示は、方法であって(例えば、被膜を形成するための)、基板の表面にTa系前駆体を成膜して、パターニング放射線感受性被膜をもたらすことを含み、Ta系前駆体はパターニング放射線感受性部分を含む、方法を特徴とする。一部の実施形態では、Ta系前駆体のパターニング放射線感受性部分は、EUV不安定基を含む。他の実施形態では、Ta系前駆体のパターニング放射線感受性部分は、イミド基を含む。
【0013】
一部の実施形態では、Ta系前駆体は、式(I):
TaRbLc (I)
を有する構造を含み、
式中、各Rは、独立して、EUV不安定基、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいイミノ、または置換されていてもよいアルキレンであり;各Lは、独立して、還元ガスまたはアルキンと反応性である配位子または他の部分であり;b≧0;およびc≧1である。
【0014】
他の実施形態では、Ta系前駆体は、式(I-A):
R=Ta(L)b (I-A)
を有する構造を含み、
式中、R=NRiまたは=CRiRiiであり;各Lは、独立して、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、またはTaに結合している二価配位子であり、二価配位子は-NRi-Ak-NRii-であり;各RiおよびRiiは、独立して、H、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、または置換されていてもよいシクロアルキルであり;Akは、置換されていてもよいアルキレンまたは置換されていてもよいアルケニレンであり;b≧1である。
【0015】
一部の実施形態では、上記成膜は、有機金属化合物をさらに含む。他の実施形態では、Ta系前駆体および有機金属化合物を共に成膜してもよく、またはシーケンスで順次(例えば、交互サイクルで)成膜してもよい。一部の実施形態では、上記成膜は、被膜に成膜されるTa系前駆体および有機金属化合物の相対量を調整することをさらに含む。他の実施形態では、上記調整は、タンタル系前駆体および有機金属化合物の流量および/または成膜時間を変更することを含む。
【0016】
一部の実施形態では、上記成膜は、シーケンスで順次成膜されるTa系前駆体および有機金属化合物をさらに含む。特定の実施形態では、シーケンスは、Ta系前駆体を成膜し、それに続いてまたはそれに先行して有機金属化合物を成膜することを含む。他の実施形態では、上記成膜は、Ta系前駆体およびそれに続くまたはそれに先行する有機金属化合物のシーケンスの数または順序を調整することをさらに含む。
【0017】
特定の実施形態では、上記成膜は、Ta系前駆体および有機金属化合物を還元ガスまたはアルキンの任意選択の存在下で成膜させ、それにより2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜を含むパターニング放射線感受性被膜をもたらすことを含む。一部の実施形態では、有機金属化合物はSn系前駆体を含み、混合有機金属被膜はTaおよびSnを含む。特定の実施形態では、上記成膜は、約250℃を下まわる温度、または約100℃を下まわる温度、または0℃~約250℃(例えば、0℃~50℃、0℃~80℃、0℃~90℃、0℃~95℃、10℃~50℃、10℃~80℃、10℃~90℃、10℃~95℃、10℃~100℃、10℃~130℃、10℃~150℃、10℃~180℃、10℃~200℃、20℃~50℃、20℃~80℃、20℃~90℃、20℃~95℃、20℃~100℃、20℃~130℃、20℃~150℃、20℃~180℃、20℃~200℃、20℃~230℃、20℃~250℃、25℃~50℃、25℃~80℃、25℃~90℃、25℃~95℃、25℃~100℃、25℃~130℃、25℃~150℃、25℃~180℃、25℃~200℃、25℃~230℃、25℃~250℃、30℃~50℃、30℃~80℃、30℃~90℃、30℃~95℃、30℃~100℃、30℃~130℃、30℃~150℃、30℃~180℃、30℃~200℃、30℃~230℃、または30℃~250℃)の温度で化学蒸着(CVD)により成膜することを含む。特定の実施形態では、CVDによる成膜は、被膜にEUV感受性部分を確実に保持するために、より低い温度で実施される。
【0018】
他の実施形態では、上記成膜は、チャンバ内で有機金属化合物を対反応物の任意選択の存在下で成膜し、それにより有機金属含有層をもたらすこと;チャンバをパージガス(例えば、本明細書に記載のいずれかなどの不活性ガス)でパージすること;チャンバ内でTa系前駆体を成膜し、それにより有機金属含有層の上部表面に配置されたTa含有層をもたらすこと;チャンバを別のパージガス(例えば、本明細書に記載のいずれかなどの不活性ガス)でパージすること;およびTa含有層を還元ガスまたはアルキンに曝露することを含む。一部の実施形態では、有機金属化合物はSn系前駆体を含み、有機金属含有層はSnを含む。特定の実施形態では、上記成膜は、原子層堆積により成膜することを含む。
【0019】
一部の実施形態では、有機金属化合物は、式(II):
MaRbLc (II)
を有する構造を含み、
式中、Mは金属であり(例えば、本明細書に記載のいずれか);各Rは、独立して、EUV不安定配位子、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアルコキシ、またはLであり;各Lは、独立して、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり、RおよびLはMと共に一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができるか、またはRおよびLは一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ;a≧1;b≧1;c≧1である。他の実施形態では、Rは置換されていてもよいアルキルであり、Mはスズである。さらに他の実施形態では、各Lは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、または置換されていてもよいアルコキシである。
【0020】
他の実施形態では、上記成膜は、1つまたは複数の対反応物をさらに含む。非限定的な対反応物としては、O2、O3、水、過酸化物、過酸化水素、酸素プラズマ、水プラズマ、アルコール、ジヒドロキシアルコール、ポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジヒドロキシアルコール、フッ素化ポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、ギ酸、およびヒドロキシル部分の他の供給源、ならびにそれらの組合せを含む、酸素含有対反応物が挙げられる。
【0021】
一部の実施形態では、上記成膜は、還元ガス、水素ガス、またはアルキンをさらに含む。非限定的な還元ガスおよびアルキンとしては、水素(H2)、アミン(NH3)、トリアルキルアミン(例えば、NR3であり、各Rは独立して置換されていてもよいアルキルである)、およびアセチレンが挙げられる。
【0022】
第3の態様では、本開示は、方法であって(例えば、レジストを使用するための)、Ta系前駆体を基板の表面に成膜して、レジスト被膜としてのパターニング放射線感受性被膜をもたらすこと;レジスト被膜をパターニング放射線露光によりパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜をもたらすこと;ならびに露光被膜を現像し、それにより放射線露光領域を除去してポジ型レジスト被膜内にパターンをもたらすか、または放射線未露光領域を除去してネガ型レジスト内にパターンをもたらすことを含む、方法を包含する。一部の実施形態では、上記成膜は、対反応物(例えば、本明細書に記載のいずれかなどの酸素含有対反応物)の使用を含む。
【0023】
一部の実施形態では、この方法は、(例えば、上記成膜後に)EUV露光によりフォトレジスト層をパターニングし、それによりEUV露光領域およびEUV未露光領域を有する露光被膜をもたらすことを含む。一部の実施形態では、フォトレジスト層はキャッピング層の下にある。他の実施形態では、EUV放射線は、真空環境において約10nm~約20nmの範囲の波長を有する。
【0024】
一部の実施形態では、上記現像は、乾式現像化学物質または湿式現像化学物質を含む。特定の実施形態では、乾式現像化学物質としては、任意選択でプラズマとして提供される、1つまたは複数のハロゲン化物または他のガス(例えば、HCl、HBr、HI、HF、Cl2、Br2、BCl3、BF3、NF3、NH3、SOCl2、SF6、CF4、CHF3、CH2F2、およびCH3Fなど、ならびにN2およびO2などとの、それらの組合せ)が挙げられる。他の実施形態では、湿式現像化学物質としては、ケトン(例えば、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、またはアセトン)、エステル(例えば、γ-ブチロラクトン、n-ブチルアセテート、または3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP))、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール(IPA))、またはグリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA))などのエーテル、ならびにそれらの組合せなどの有機現像剤が挙げられる。
【0025】
第4の態様では、本開示は、レジスト被膜を形成するための装置を特徴とする。一部の実施形態では、装置は、成膜モジュール;パターニングモジュール;現像モジュール;ならびに1つまたは複数のメモリ素子、1つまたは複数のプロセッサ、および機械可読命令を含む命令でコードされたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラを備える。
【0026】
一部の実施形態では、成膜モジュールは、パターニング放射線感受性被膜(例えば、EUV感受性被膜)を成膜するためのチャンバを備える。他の実施形態では、パターニングモジュールは、サブ300nm波長放射線の供給源を有するフォトリソグラフィツールを備える(例えば、供給源は、サブ30nm波長放射線の供給源であってもよい)。さらに他の実施形態では、現像モジュールは、レジスト被膜を現像するためのチャンバを備える。
【0027】
一部の実施形態では、命令は、パターニング放射線感受性部分を含むTa系前駆体を半導体基板の上部表面に成膜して(例えば、成膜モジュールにおいて)、パターニング放射線感受性被膜をレジスト被膜として形成することを引き起こすための機械可読命令を含む。
【0028】
さらなる実施形態では、命令は、還元ガス、アルキン、および/または対反応物の任意選択の存在下で、有機金属化合物のさらなる成膜を引き起こすための(例えば、成膜モジュールにおいて)機械可読命令を含む。特定の実施形態では、Ta系前駆体および有機金属化合物を共に成膜して、2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜をもたらす。一部の実施形態では、レジスト被膜は、TaおよびSnを両方とも含む混合有機金属被膜を含む。他の実施形態では、Ta系前駆体および有機金属化合物を交互サイクルで成膜して、有機金属含有層および有機金属含有層の上部表面に配置されたTa含有層をもたらす。一部の実施形態では、レジスト被膜は、複数のTa含有層およびSn含有層を含む。
【0029】
一部の実施形態では、命令は、(例えば、パターニングモジュールにおいて)パターニング放射線露光により(例えば、EUV露光により)直接的にレジスト被膜をサブ300nmの解像度で(例えば、またはサブ30nmの解像度で)パターニングして、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を形成することを引き起こすための機械可読命令を含む。他の実施形態では、露光被膜は、EUV露光領域およびEUV未露光領域を有する。さらに他の実施形態では、命令は、(例えば、現像モジュールにおいて)露光被膜を現像して、放射線露光領域または放射線未露光領域を除去し、レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こすための機械可読命令を含む。特定の実施形態では、機械可読命令は、EUV露光領域またはEUV未露光領域の除去を引き起こすための命令を含む。
【0030】
本明細書の任意の実施形態では、パターニング放射線感受性被膜は、極紫外線(EUV)感受性被膜、遠紫外線(DUV)感受性被膜、フォトレジスト被膜、または光パターニング可能な被膜を含む。
【0031】
本明細書の任意の実施形態では、パターニング放射線感受性被膜は、有機金属材料、有機金属酸化物材料、窒化タンタル材料、酸化スズ材料、および/または有機スズ酸化物材料を含む。
【0032】
本明細書の任意の実施形態では、パターニング放射線感受性被膜は、約5nm~約50nm(例えば、約5nm~10nm、5nm~20nm、5nm~30nm、5nm~40nm、8nm~20nm、8nm~30nm、8nm~40nm、8nm~50nm、10nm~20nm、10nm~30nm、10nm~40nm、または10nm~50nm)の厚さを有する。
【0033】
本明細書の任意の実施形態では、Ta系前駆体は、本明細書に記載の式(I)または(I-A)を有する構造を含む。
【0034】
本明細書の任意の実施形態では、有機金属化合物は、本明細書に記載の式(II)、(II-A)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、または(IX)を有する構造を含む。
【0035】
本明細書の任意の実施形態では、成膜は、蒸気形態のTa系前駆体および/または有機金属化合物を提供または成膜することを含む。他の実施形態では、成膜は、蒸気形態の還元ガス、炭化水素、アルキン、および/または対反応物を提供することを含む。特定の実施形態では、成膜は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、または分子層堆積(MLD)、およびそれらのプラズマ強化形態を含む。
【0036】
本明細書の任意の実施形態では、Ta系前駆体の成膜は、還元ガス、炭化水素、またはアルキンを提供することをさらに含む。一部の実施形態では、アルキンはアセチレンである。
【0037】
本明細書の任意の実施形態では、有機金属化合物の成膜は、対反応物を提供することをさらに含む。非限定的な対反応物としては、O2、O3、水、過酸化物、過酸化水素、酸素プラズマ、水プラズマ、アルコール、ジヒドロキシアルコール、ポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジヒドロキシアルコール、フッ素化ポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、ギ酸、およびヒドロキシル部分の他の供給源、ならびにそれらの組合せを含む、酸素含有対反応物が挙げられる。
【0038】
本明細書の任意の実施形態では、この方法は、Ta系前駆体または有機金属化合物を成膜した後、チャンバをパージガス(例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、酸素(O2)、周囲空気、またはそれらの混合物などの不活性ガスまたはキャリアガス)でパージすることをさらに含む。追加の詳細は以下の通りである。
【0039】
定義
本明細書では同義的に使用される「アシルオキシ」または「アルカノイルオキシ」は、オキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書に定義のアシル基またはアルカノイル基を意味する。特定の実施形態では、アルカノイルオキシは、-O-C(O)-Akであり、式中、Akは、本明細書に定義のアルキル基である。一部の実施形態では、非置換アルカノイルオキシは、C2~7アルカノイルオキシ基である。例示的なアルカノイルオキシ基としては、アセトキシが挙げられる。
【0040】
「アルケニル」は、1つまたは複数の二重結合を有する置換されていてもよいC2~24アルキル基を意味する。アルケニル基は、環状(例えば、C3~24シクロアルケニル)であってもよくまたは非環状であってもよい。また、アルケニル基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アルケニル基は、アルキルについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0041】
「アルケニレン」は、1つまたは複数の二重結合を有する置換されていてもよいC2~24アルキル基であるアルケニル基の多価(例えば、二価)形態を意味する。アルケニレン基は、環状(例えば、C3~24シクロアルケニル)であってもよくまたは非環状であってもよい。アルケニレン基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アルケニレン基は、アルキルについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。例示的な非限定的アルケニレン基としては、-CH=CH-または-CH=CHCH2-が挙げられる。
【0042】
「アルコキシ」は-ORを意味し、式中、Rは、本明細書に記載の置換されていてもよいアルキル基である。例示的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、トリフルオロメトキシなどのトリハロアルコキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アルコキシ基は、アルキルについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。例示的な非置換アルコキシ基としては、C1~3、C1~6、C1~12、C1~16、C1~18、C1~20、またはC1~24アルコキシ基が挙げられる。
【0043】
「アルキル」および接頭辞「alk」は、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、シクロプロピル、n-ブチル(n-Bu)、イソブチル(i-Bu)、s-ブチル(s-Bu)、t-ブチル(t-Bu)、シクロブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、およびテトラコシルなどの、1~24個の炭素原子の分岐または非分岐飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、環状(例えば、C3~24シクロアルキル)であってもよくまたは非環状であってもよい。アルキル基は、分岐であってもよくまたは非分岐であってもよい。また、アルキル基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アルキル基は、本明細書に記載の、アルキル基が1つまたは複数のハロ基で置換されているハロアルキルを含んでいてもよい。別の例では、アルキル基は、以下のものからなる群から独立して選択される1つ、2つ、3つ、または2つもしくはそれよりも多くの炭素のアルキル基の場合は4つの置換基で置換されていてもよい:(1)C1~6アルコキシ(例えば、-O-Akであり、式中、Akは置換されていてもよいC1~6アルキルである);(2)アミノ(例えば、-NRN1RN2であり、式中、RN1およびRN2の各々は、独立してHまたは置換されていてもよいアルキルであるか、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と共に一緒になってヘテロシクリル基を形成する);(3)アリール;(4)アリールアルコキシ(例えば、-O-Lk-Arであり、式中、Lkは、置換されていてもよいアルキルの二価形態であり、Arは、置換されていてもよいアリールである);(5)アリーロイル(aryloyl)(例えば、-C(O)-Arであり、式中、Arは置換されていてもよいアリールである);(6)シアノ(例えば、-CN);(7)カルボキシアルデヒド(例えば、-C(O)H);(8)カルボキシル(例えば、-CO2H);(9)C3~8シクロアルキル(例えば、一価飽和または不飽和非芳香族環状C3~8炭化水素基);(10)ハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI);(11)ヘテロシクリル(例えば、別様の指定がない限り、窒素、酸素、リン(phosphorous)、硫黄、またはハロなどの1、2、3、または4つの非炭素ヘテロ原子を含む、5員、6員、または7員環);(12)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-Hetであり、式中、Hetは本明細書に記載のヘテロシクリルである);(13)ヘテロシクリロイル(heterocyclyloyl)(例えば、-C(O)-Hetであり、式中、Hetは本明細書に記載のヘテロシクリルである);(14)ヒドロキシル(例えば、-OH);(15)N-保護アミノ;(16)ニトロ(例えば、-NO2);(17)オキソ(例えば、=O);(18)-CO2RA(式中、RAは、(a)C1~6アルキル、(b)C4~18アリール、および(c)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-Lk-Ar、式中、Lkは置換されていてもよいアルキル基の二価形態であり、Arは置換されていてもよいアリールである)からなる群から選択される);(19)-C(O)NRBRC(式中、RBおよびRCの各々は、独立して、(a)水素、(b)C1~6アルキル、(c)C4~18アリール、および(d)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、-Lk-Ar、式中、Lkは置換されていてもよいアルキル基の二価形態であり、Arは置換されていてもよいアリールである)からなる群から選択される);ならびに(20)-NRGRH(式中、RGおよびRHの各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1~6アルキル、(d)C2~6アルケニル(例えば、1つまたは複数の二重結合を有する、置換されていてもよいアルキル)、(e)C2~6アルキニル(例えば、1つまたは複数の三重結合を有する、置換されていてもよいアルキル)、(f)C4~18アリール、(g)(C4~18アリール)C1~6アルキル(例えば、Lk-Arであり、式中、Lkは置換されていてもよいアルキル基の二価形態であり、Arは置換されていてもよいアリールである)、(h)C3~8シクロアルキル、および(i)(C3~8シクロアルキル)C1~6アルキル(例えば、-Lk-Cyであり、式中、Lkは置換されていてもよいアルキル基の二価形態であり、Cyは本明細書に記載の置換されていてもよいシクロアルキルである)であり、一実施形態では、2つの基はカルボニル基を介して窒素原子に結合されていない、(C3~8シクロアルキル)C1~6アルキル。アルキル基は、1つまたは複数の置換基(例えば、1つまたは複数のハロまたはアルコキシ)で置換された第一級、第二級、または第三級アルキル基であってもよい。一部の実施形態では、非置換アルキル基は、C1~3、C1~6、C1~12、C1~16、C1~18、C1~20、またはC1~24アルキル基である。
【0044】
「アルキレン」は、本明細書に記載のアルキル基の多価(例えば二価)形態を意味する。例示的なアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられる。一部の実施形態では、アルキレン基は、C1~3、C1~6、C1~12、C1~16、C1~18、C1~20、C1~24、C2~3、C2~6、C2~12、C2~16、C2~18、C2~20、またはC2~24アルキレン基である。アルキレン基は、分岐であってもよくまたは非分岐であってもよい。また、アルキレン基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アルキレン基は、アルキルについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0045】
「アルキニル」は、1つまたは複数の三重結合を有する、置換されていてもよいC2~24アルキル基を意味する。アルキニル基は、環状であってもよくまたは非環状であってもよく、エチニルおよび1-プロピニルなどにより例示される。また、アルキニル基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アルキニル基は、アルキルについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0046】
「アミノ」は、-NRN1RN2を意味し、式中、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、置換されていてもよいアルキル、もしくは置換されていてもよいアリールであるか、またはRN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と共に一緒になって、本明細書で定義のヘテロシクリル基を形成する。
【0047】
「アリール」は、これらに限定されないが、フェニル、ベンジル、アントラセニル、アントリル、ベンゾシクロブテニル、ベンゾシクロオクテニル、ビフェニリル、クリセニル、ジヒドロインデニル、フルオランテニル、インダセニル、インデニル、ナフチル、フェナントリル、フェノキシベンジル、ピセニル、ピレニル、およびテルフェニルなどが挙げられる任意の炭素系芳香族基を含む基を意味し、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル、およびフルオレニルなどの縮合ベンゾ-C4~8シクロアルキルラジカル(例えば、本明細書で定義されているような)が挙げられる。また、アリールという用語は、芳香族基の環内に組み込まれている少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を含む基であると定義されるヘテロアリールを含む。ヘテロ原子の例としては、これらに限定されないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが挙げられる。同様に、非ヘテロアリールという用語は、アリールという用語内にも含まれ、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義する。アリール基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。アリール基は、アルキルについて本明細書に記載されているいずれかなどの、1、2、3、4、または5つの置換基で置換されていてもよい。
【0048】
「アリーレン」は、本明細書に記載のアリール基の多価(例えば、二価)形態を意味する。例示的なアリーレン基としては、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、トリフェニレン、ジフェニルエーテル、アセナフテニレン、アントリレン、またはフェナントリレンが挙げられる。一部の実施形態では、アリーレン基は、C4~18、C4~14、C4~12、C4~10、C6~18、C6~14、C6~12、またはC6~10アリーレン基である。アリーレン基は、分岐であってもよくまたは非分岐であってもよい。また、アリーレン基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、アリーレン基は、アルキルまたはアリールについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0049】
「カルボニル」は、-C(O)-基を意味し、>C=Oと表すこともできる。
【0050】
「シクロアルケニル」は、別様の指定がない限り、1つまたは複数の二重結合を有する、3~8つの炭素の一価不飽和非芳香族または芳香族環状炭化水素基を意味する。また、シクロアルケニル基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、シクロアルケニル基は、アルキルについて本明細書に記載のものを含む1つまたは複数の基で置換されていてもよい。
【0051】
「シクロアルキル」は、別様の指定がない限り、3~8つ炭素の一価飽和または不飽和非芳香族または芳香族環状炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびビシクロ[2.2.1.]ヘプチルなどにより例示される。また、シクロアルキル基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、シクロアルキル基は、アルキルについて本明細書に記載のものを含む1つまたは複数の基で置換されていてもよい。
【0052】
「ハロ」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0053】
「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロで置換された、本明細書で定義のアルキル基を意味する。
【0054】
「ヘテロアルキル」は、1、2、3、または4つの非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン(phosphorous)、硫黄、セレン、またはハロからなる群から独立して選択される)を含む、本明細書で定義のアルキル基を意味する。
【0055】
「ヘテロアルキレン」は、1、2、3、または4つの非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン(phosphorous)、硫黄、セレン、またはハロからなる群から独立して選択される)を含む、本明細書で定義のアルキレン基の二価形態を意味する。また、ヘテロアルキレン基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、ヘテロアルキレン基は、アルキルについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0056】
「ヘテロシクリル」は、別様の指示がない限り、1、2、3、または4つの非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン(phosphorous)、硫黄、セレン、またはハロからなる群から独立して選択される)を含む3員、4員、5員、6員、または7員環(例えば、5員、6員、または7員環)を意味する。3員環は0~1つの二重結合を有し、4員および5員環は0~2つの二重結合を有し、6員および7員環は0~3つの二重結合を有する。また、「ヘテロシクリル」という用語は、上記の複素環式環のいずれかが、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、ならびにインドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、およびベンゾチエニルなどの別の単環式複素環式環などからなる群から独立して選択される1、2、または3つの環と縮合した二環式、三環式、四環式基を含む。ヘテロ環としては、以下が挙げられる:アクリジニル、アデニル、アロキサジニル(alloxazinyl)、アザアダマンタニル(azaadamantanyl)、アザベンズイミダゾリル、アザビシクロノニル、アザシクロヘプチル、アザシクロオクチル、アザシクロノニル、アザヒポキサンチニル(azahypoxanthinyl)、アザインダゾリル(azaindazolyl)、アザインドリル、アゼシニル(azecinyl)、アゼパニル、アゼピニル、アゼチジニル、アゼチル、アジリジニル、アジリニル、アゾカニル(azocanyl)、アゾシニル、アゾナニル(azonanyl)、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾジアゼピニル、ベンゾジアゾシニル(benzodiazocinyl)、ベンゾジヒドロフリル、ベンゾジオキセピニル(benzodioxepinyl)、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル(benzodioxanyl)、ベンゾジオキソシニル(benzodioxocinyl)、ベンゾジオキソリル、ベンゾジチエピニル(benzodithiepinyl)、ベンゾジチイニル(benzodithiinyl)、ベンゾジオキソシニル(benzodioxocinyl)、ベンゾフラニル、ベンゾフェナジニル(benzophenazinyl)、ベンゾピラノニル(benzopyranonyl)、ベンゾピラニル、ベンゾピレニル(benzopyrenyl)、ベンゾピロニル(benzopyronyl)、ベンゾキノリニル、ベンゾキノリジニル、ベンゾチアジアゼピニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゼピニル、ベンゾチアゾシニル(benzothiazocinyl)、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアジノニル(benzothiazinonyl)、ベンゾチアジニル(benzothiazinyl)、ベンゾチオピラニル、ベンゾチオピロニル(benzothiopyronyl)、ベンゾトリアゼピニル、ベンゾトリアジノニル(benzotriazinonyl)、ベンゾトリアジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサチイニル(benzoxathiinyl)、ベンゾトリオキセピニル(benzotrioxepinyl)、ベンゾオキサジアゼピニル(benzoxadiazepinyl)、ベンゾオキサチアゼピニル、ベンゾオキサチエピニル(benzoxathiepinyl)、ベンゾオキサチオシニル(benzoxathiocinyl)、ベンゾオキサゼピニル(benzoxazepinyl)、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾシニル(benzoxazocinyl)、ベンゾオキサゾリノニル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンジルスルタムイル ベンジルスルチミル(benzylsultimyl)、ビピラジニル、ビピリジニル、カルバゾリル(例えば、4H-カルバゾリル)、カルボリニル(例えば、β-カルボリニル)、クロマノニル(chromanonyl)、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、クマリニル(coumarinyl)、シトジニル(cytdinyl)、シトシニル、デカヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、ジアザビシクロオクチル、ジアゼチル(diazetyl)、ジアジリジンチオニル、ジアジリジノニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、ジベンゾイソキノリニル、ジベンゾアクリジニル、ジベンゾカルバゾリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾフェナジニル、ジベンゾピラノニル(dibenzopyranonyl)、ジベンゾピロニル(キサントニル(xanthonyl))、ジベンゾキノキサリニル、ジベンゾチアゼパゼピル(dibenzothiazepinyl)、ジベンゾチエピニル(dibenzothiepinyl)、ジベンゾチオフェニル、ジベンゾオキセピニル(dibenzoxepinyl)、ジヒドロアゼピニル、ジヒドロアゼチル(dihydroazetyl)、ジヒドロフラニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロイピリジル(dihydroypyridyl)、ジヒドロキノリニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、ジオキサニル、ジオキサジニル、ジオキサインドリル、ジオキシラニル、ジオキセニル、ジオキシニル、ジオキソベンゾフラニル、ジオキソリル、ジオキソテトラヒドロフラニル、ジオキソチオモルフォリニル、ジチアニル、ジチアゾリル、ジチエニル、ジチイニル、フラニル、フラザニル、フロイル、フリル、グアニニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、ヒポキサンチニル、ヒダントイニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インダゾリル(例えば、1H-インダゾリル)、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル(例えば、1H-インドリルまたは3H-インドリル)、イサチニル、イサチル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソクロメニル、イソインダゾイル、イソインドリニル、イソインドリル、イソピラゾロニル、イソピラゾリル、イソオキサゾリジニイル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、モルホリニル、ナフトインダゾリル、ナフトインドリル、ナフチリジニル(naphthiridinyl)、ナフトピラニル、ナフトチアゾリル、ナフトチオキソリル、ナフトトリアゾリル、ナフトオキシンドリル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサビシクロヘプチル、オキサウラシル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリドニル、オキサゾリニル、オキサゾロニル、オキサゾリル、オキセパニル、オキセタノニル、オキセタニル、オキセチル(oxetyl)、オキステナイル(oxtenayl)、オキシインドリル、オキシラニル、オキソベンゾイソチアゾリル、オキソクロメニル、オキソイソキノリニル、オキソキノリニル、オキソチオラニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノチエニル(ベンゾチオフラニル)、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、フタラゾニル、フタリジル、フタルイミジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル(例えば、4-ピペリドニル)、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピラジニル、ピリドピリミジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロニル、ピロリジニル、ピロリドニル(例えば、2-ピロリドニル)、ピロリニル、ピロリジジニル、ピロリル(例えば、2H-ピロリル)、ピリリウム、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル(例えば、4H-キノリジニル)、キノキサリニル、キヌクリジニル、セレナジニル(selenazinyl)、セレナゾリル、セレノフェニル、スクシンイミジル、スルホラニル(sulfolanyl)、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピロニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラジニル、テトラゾリル、チアジアジニル(例えば、6H-1,2,5-チアジアジニルまたは2H,6H-1,5,2-ジチアジニル)、チアジアゾリル、チアンスレニル、チアニル、チアナフテニル、チアゼピニル、チアジニル、チアゾリジンジオニル、チアゾリジニル、チアゾリル、チエニル、チエパニル(thiepanyl)、チエピニル(thiepinyl)、チエタニル、チエチル、チイラニル、チオカニル(thiocanyl)、チオクロマノニル、チオクロマニル、チオクロメニル、チオジアジニル、チオジアゾリル、チオインドキシル、チオモルホリニル、チオフェニル、チオピラニル、チオピロニル、チオトリアゾリル、チオウラゾリル、チオキサニル、チオキソリル、チミジニル、チミニル、トリアジニル、トリアゾリル、トリチアニル、ウラジニル(urazinyl)、ウラゾリル(urazolyl)、ウレチジニル(uretidinyl)、ウレチニル(uretinyl)、ウリシル、ウリジニル、キサンテニル、キサンチニル、およびキサンチオニル(xanthionyl)など、ならびにそれらの修飾形態(例えば、1つまたは複数のオキソおよび/またはアミノを含む)およびそれらの塩。ヘテロシクリル基は、置換されていてもよくまたは非置換であってもよい。例えば、ヘテロシクリル基は、アリールについて本明細書に記載の1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0057】
「ヒドロキシル」は、-OHを意味する。
【0058】
「イミノ」は、-NR-を意味し、Rは、Hであってもよくまたは置換されていてもよいアルキルであってもよい。
【0059】
「オキソ」は、=O基を意味する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、任意の記載値の+/-10%を意味する。本明細書で使用される場合、この用語は、任意の記載値、値の範囲、または1つまたは複数の範囲の端点を修飾する。
【0061】
本明細書で使用される場合、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「上」、および「下」は、構造間の相対的関係を提供するために使用される。こうした用語の使用は、特定の構造が装置の特定の位置に位置していなければならないことを示すものでもなく、要求するものでもない。
【0062】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1A】
図1Aは、成膜用の例示的な前駆体および他の試薬の模式図を示す。非限定的なTa系前駆体(Ta(=N-t-Bu)(NMe
2)
3)を還元ガス(例えば、H
2またはNH
3)と共に含む、TaN系PR被膜を提供するための反応が提供される。
【
図1B】
図1Bは、成膜用の例示的な前駆体および他の試薬の模式図を示す。非限定的なSn系前駆体(Sn(iPr)(NMe
2)
3)の存在下での、TaおよびSnを含む混合有機金属被膜を提供するためのさらなる反応が提供される。
【0064】
【
図2】
図2は、層状被膜を提供するための例示的な前駆体および他の試薬の模式図を示す。非限定的なSn系前駆体(Sn(iPr)(NMe
2)
3)を対反応物(例えば、H
2O)と共に含む、サイクルAでSnO系層を提供するための反応、ならびに非限定的なTa系前駆体(Ta(=N-t-Bu)(NMe
2)
3)を還元ガス(例えば、H
2またはNH
3)と共に含む、サイクルBでTaN系層を提供するための反応が提供される。サイクルAおよびBを交互に行うことにより、層状被膜を形成することができる。
【0065】
【
図3A】
図3Aは、成膜中にTa系前駆体を使用する非限定的な方法のダイヤグラムを示す。Ta系前駆体を成膜することを含む例示的な方法300のブロックダイヤグラムが提供される。
【
図3B】
図3Bは、成膜中にTa系前駆体を使用する非限定的な方法のダイヤグラムを示す。Sn系前駆体と共にTa系前駆体を成膜することを含む別の例示的な方法320のブロックダイヤグラムが提供される。
【
図3C】
図3Cは、成膜中にTa系前駆体を使用する非限定的な方法のダイヤグラムを示す。Ta系前駆体およびSn系前駆体を交互サイクルで成膜することを含むさらに別の例示的な方法340のブロックダイヤグラムが提供される。
【0066】
【
図4】
図4は、乾式現像用の処理ステーション400の実施形態の概略図を示す。
【0067】
【
図5】
図5は、マルチステーション処理ツール500の実施形態の概略図を示す。
【0068】
【
図6】
図6は、誘導結合プラズマ装置600の実施形態の概略図を示す。
【0069】
【
図7】
図7は、半導体処理クラスタツールアーキテクチャ700の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本開示は、概して半導体処理の分野に関する。特に、本開示は、成膜中にTa系前駆体を使用することに関する。そのようなTa系前駆体は、EUV感受性および/または機械的安定性の増強を呈することができる、Taを含む成膜被膜を提供することができる。
【0071】
現行のCVD処理可能なEUV PRとしては、機械的安定性が限定的である低密度Sn系被膜が挙げられる。そのようなSn系PR被膜の化学的性質が柔質であることは、機械的安定性の低減に結び付く可能性があり、それによりどの程度の厚さの現像前PR層が、印刷されたフィーチャの線潰れに結び付くかが制限される。さらに、Sn系PR被膜は機械的に不安定であるため、湿式または乾式現像が、侵襲性のより低い化学物質に制限される可能性があり、それによりパターニング最適化の機会が制限される場合がある。Ta系前駆体をこのような被膜に組み込むことにより、純粋なTa被膜または混合Ta/Sn被膜の構造安定性の増強を観察することができる。さらに、被膜内のEUV吸収性Ta原子の密度を増加させることにより、EUV感受性を増強することができる。
【0072】
本明細書では、本開示の特定の実施形態が詳細に参照されている。特定の実施形態の例は、添付の図面に示されている。本開示はそうした特定の実施形態と関連して説明されることになるが、本開示をそのような特定の実施形態に限定することは意図されていないことが理解されるだろう。むしろ、本開示の趣旨および範囲内に含めて差し支えない代替物、改変物、および均等物を包含することが意図されている。以下の説明では、本開示の十分な理解を提供するために、数多くの特定の詳細が記載されている。本開示は、そうした特定の詳細の一部または全てを用いずに実施してもよい。他の例では、周知の処理動作は、本開示を不必要に不明瞭なものにしないために、詳細には説明されていない。
【0073】
EUVリソグラフィでは、パターニングされたEUVレジストを使用して、下層のエッチングに使用するためのマスクを形成する。EUVレジストは、液体系スピンオン技法により生成されるポリマー系化学増幅レジスト(CAR)であってもよい。CARの代替物は、Inpria Corp.(オレゴン州コーバリス)から入手可能なもの、例えば、米国特許出願公開第2017/0102612号明細書、同第2016/0216606号明細書、および同第2016/0116839号明細書に記載のものなどの、直接的に光パターニング可能な金属酸化物含有被膜である。こうした文献は、少なくとも光パターニング可能な金属酸化物含有被膜の開示に関して、参照により本明細書に組み込まれる。そのような被膜は、スピンオン技法または乾式蒸着により生成してもよい。金属酸化物含有被膜は、例えば、2018年6月12日に交付された、名称がEUV PHOTOPATTERNING OF VAPOR-DEPOSITED METAL OXIDE-CONTAINING HARDMASKSである米国特許第9,996,004号明細書および/または2019年5月9日に出願され、国際公開第2019/217749号パンフレットとして公開された、名称がMETHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSである国際出願PCT/US19/31618号パンフレットに記載のように、サブ30nmパターニング解像度を提供する真空環境でのEUV露光により直接的に(つまり、別個のフォトレジストを使用せずに)パターニングすることができる。こうした文献の、少なくとも組成、成膜、およびEUVレジストマスクを形成するための直接的に光パターニング可能な金属酸化物被膜のパターニングに関する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。一般に、パターニングは、EUV放射線でEUVレジストを露光してレジストに光パターンを形成し、続いて現像して光パターンに従ってレジストの一部を除去し、マスクを形成することを含む。
【0074】
直接的に光パターニング可能なEUVまたはDUVレジストは、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成されていてもよくまたは含んでいてもよい。金属/金属酸化物は、EUVまたはDUV光子吸着を増強させ、二次電子を生成させ、ならびに/または下層被膜積層および素子層に対するエッチング選択性の増加を示すことができるという点で非常に有望である。
【0075】
一般に、レジストは、レジストの化学的性質および/または現像剤の溶解度もしくは反応性を制御することにより、ポジ型レジストまたはネガ型レジストとして使用することができる。ネガ型レジストまたはポジ型レジストのいずれの機能も果たすことができるEUVまたはDUVレジストを有することは有益であろう。本開示は、ネガ型またはポジ型レジストのいずれかとしての被膜の使用および現像を包含する。
【0076】
Ta系前駆体を使用するための方法
本開示は、概して、本明細書に記載のTa系前駆体を使用する任意の有用な方法を含む。そのような方法は、本明細書に記載の、任意の有用なリソグラフィ処理、成膜処理、放射線露光処理、現像処理、および塗布後処理を含むことができる。
【0077】
特に、タンタル系前駆体は、パターニング放射線感受性部分を含むことができる。そのような部分は、EUV不安定基としての機能を果たすことができる二重結合配位子であってもよい。
図1Aに見られるように、非限定的なTa系前駆体(Ta(=N-t-Bu)(NMe
2)
3)を、還元ガス(例えば、H
2またはNH
3)の存在下で提供して、TaN系PR被膜を提供し、この被膜をさらにEUVに露光し、現像することができる(例えば、Cl
2およびプラズマによる乾式現像により)。
【0078】
特定の実施形態では、単一の前駆体のみを使用するTa系PR被膜の成膜は、CVDにより実施することができる。そのような被膜は、得られるPRの機械的安定性の向上などの特定の特質を呈し、より侵襲性の湿式および乾式現像化学物質を可能にし、したがってパターニング品質の向上に結び付く。また、そのような被膜は、Sn系PRと同様のEUV感受性を可能にしてもよい。さらに、そのような被膜をパターニングし、ネガ型化学物質で現像して、TaNハードマスクを産出することができ、それにより完全な積層処理のためのエッチングステップの数を低減することができるだろう。
【0079】
混合金属被膜は、他の金属前駆体を組み込むことによっても形成することができる。
図1Bに見られるように、非限定的なTa系前駆体(Ta(=N-t-Bu)(NMe
2)
3)を、還元ガス(例えば、H
2またはNH
3)および有機金属化合物、例えばSn系前駆体(Sn(i-Pr)(NMe
2)
3)の存在下で提供する。成膜すると、Ta系前駆体の二重結合配位子およびSn系前駆体のi-Pr基により提供される、Ta-N結合およびEUV不安定配位子を有する混合金属(Ta/Sn)被膜が産出される。この混合金属被膜をさらにEUVに露光し、現像することができる(例えば、HBr次いでCl
2プラズマによる乾式現像により)。本明細書には、さらなる非限定的なTa系前駆体および他の金属前駆体が記載されている。
【0080】
成膜は、同時にまたは順次に実施することができる。
図1Bに見られるように、Ta系前駆体およびSn系前駆体を同時に成膜させて、混合金属被膜を提供することができる。その代わりに、前駆体を
図2のようにサイクルで提供し、それによりサイクルAを実施し、次いでサイクルBを実施してSn含有層およびTa含有層を交互に成膜することができる。任意選択で、サイクルAとサイクルBとの間でパージステップを実施することができる。
【0081】
特定の実施形態では、混合金属Sn系およびTa系PR被膜の同時成膜は、CVDまたはALDにより実施することができる。そのような被膜は、PRのEUV感受性部分の密度低減などの特定の特質を呈し、PR EUV感受性の増加;得られるPRの機械的安定性の向上をもたらし、それにより、より侵襲性の湿式および乾式現像化学物質が可能になり、したがってパターニング品質の向上に結び付いてもよい。また、そのような被膜は、より厚いPR層を可能にし、それによりパターニングおよび現像されたPRが、エッチングハードマスクとしての機能を果たすことを可能にしてもよく、それにより完全な積層処理のためのエッチングステップの数が低減されることになるだろう。そのような混合金属被膜は、積層内のTa含有層、Sn含有層、および混合Ta/Sn含有層の任意の有用な組合せおよび配置、ならびに基板に近づくと共にEUV吸収が増加する勾配被膜を有することができる。一例では、Ta含有層はキャッピング層として使用され、および/またはSn含有層は基板により近い。別の例では、積層は、下側Sn含有層、上側Ta含有層、および下側層と上側層との間に配置された中間Ta/Sn含有層を含む。さらに別の例では、
図1A~1Bおよび
図2の被膜および層のいずれかを、積層内で組み合わせることができる。
【0082】
図3A~3Cは、任意選択の動作を含む種々の動作を有する例示的な方法のフローチャートを提供する。本明細書の任意の方法では、EUV感受性被膜、基板、フォトレジスト層、および/またはキャッピング層をさらに調節、改変、または処理するために、任意選択のステップを実施してもよい。
【0083】
図3Aには、Ta系前駆体を使用する例示的な方法302が示されている。図から分かるように、動作302では、還元ガス、炭化水素、アルキン、またはそれらの幾つかの組合せの存在を任意選択で含んでいてもよいTa系前駆体を使用して被膜が成膜される。
【0084】
Ta系前駆体のみが使用される場合、得られる被膜は、純粋なTa系PR被膜を含むことができる。そのような被膜は、EUV光子への露光時にTaNを形成することができ、高い機械的安定性および現像化学物質に対する抵抗力を有するパターンをもたらすネガ型PRとしての機能を果たすことになるだろう。Ta系PRは、CVD法またはALD法において、還元ガス(例えば、H2、NH3、NRN1RN2RN3であり、式中、RN1、RN2、およびRN3の各々は、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-ブチルなどの、置換されていてもよいアルキルである)を使用してTa前駆体を部分的に反応させ、得られるTa系被膜がある程度のEUV不安定性有機部分を含むように調製することができる。
【0085】
任意選択の動作304では、基板の裏側表面またはベベル部を洗浄することができ、および/または前のステップで成膜されたフォトレジストのエッジビードを除去することができる。このような洗浄または除去ステップは、フォトレジスト層の成膜後に存在する可能性がある粒子の除去に有用であり得る。除去ステップは、湿式金属酸化物(MeOx)エッジビード除去(EBR)ステップでウェハを処理することを含んでいてもよい。
【0086】
別の例では、この方法は、成膜したフォトレジスト層の塗布後ベーク(PAB)を実施し、それにより層から残留水分を除去して被膜を形成するか;または任意の有用な様式でフォトレジスト層を前処理する任意選択の動作306を含むことができる。任意選択のPABは、被膜成膜後だがEUV露光前に行うことができる。また、PABは、熱処理、化学的曝露、および水分を組み合わせて被膜のEUV感受性を増加させ、それにより被膜にパターンを現像するためのEUV線量を低減することができる。特定の実施形態では、PABステップは、約100℃よりも高い温度で、または約100℃~約200℃もしくは約100℃~約250℃の温度で実施される。一部の場合では、PABは、この方法内では実施されない。
【0087】
動作308では、被膜をEUV放射線に露光してパターンを現像する。一般に、EUV露光は、被膜の化学的組成の変化を引き起こし、被膜の部分を除去するために使用することができるエッチング選択性のコントラストを作出する。そのようなコントラストは、本明細書の記載のポジ型レジストまたはネガ型レジストを提供することができる。EUV露光は、例えば、真空環境で約10nm~約20nmの範囲の波長(例えば、真空環境で約13.5nm)を有する露光を含んでいてもよい。
【0088】
動作310は、露光被膜の任意選択の露光後ベーク(PEB)であり、それにより残留水分をさらに除去し、被膜内の化学物質濃縮を促進させるか、または露光被膜のエッチング選択性のコントラストを増加させるか、または任意の有用な様式で被膜を後処理する。PEBのための温度の非限定的な例としては、例えば、約90℃~600℃、100℃~400℃、125℃~300℃、170℃~250℃またはそれよりも高い温度、190℃~240℃、ならびに本明細書に記載の他の温度が挙げられる。一例では、露光被膜を熱処理して(例えば、任意選択で、種々の化学種の存在下で)、剥離剤(例えば、HCl、HBr、H2、Cl2、Br2、BCl3、またはそれらの組合せなどのハロゲン化物系エッチャント、ならびに本明細書に記載の任意のハロゲン化物系現像処理;水性アルカリ現像溶液;または有機現像溶液)またはポジ型現像剤への曝露時にレジストのEUV露光部分内の反応性を促進することができる。別の例では、露光被膜を熱処理して、レジストのEUV露光部分内の配位子をさらに架橋し、それにより剥離剤(例えば、ネガ型現像剤)への曝露時に選択的に除去することができるEUV未露光部分を提供することができる。
【0089】
次いで、動作312では、PRパターンが現像される。現像の種々の実施形態では、露光領域が除去されるか(ポジ型レジスト内にパターンが提供される)または未露光領域が除去される(ネガ型レジスト内にパターンが提供される)。種々の実施形態では、こうしたステップは、乾式処理であってもよくまたは湿式処理であってもよい。特定の実施形態では、現像ステップは乾式処理である(例えば、HBr、HCl、HBr、HI、HF、Cl2、Br2、BCl3、BF3、NF3、NH3、SOCl2、SF6、CF4、CHF3、CH2F2、および/またはCH3Fなどの気体エッチャントならびに本明細書に記載の他のハロゲン化物により、およびプラズマの任意選択の存在下で)。他の実施形態では、現像ステップは湿式処理である(例えば、本明細書に記載の有機溶媒による)。
【0090】
純粋なTa系PR被膜の場合、湿式現像は、PRの未露光領域の非極性低分子量種と、リソグラフィ露光材料の印刷領域の高密度高分子量種とを区別する非極性溶媒を用いて達成することができる。非限定的な溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール(IPA))、ケトン(例えば、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、またはアセトン)、またはグリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA))、および本明細書に記載の他のもの、ならびにそれらの組合せが挙げられる。乾式現像は、ハロゲン化物エッチング化学物質(例えば、Cl2、NF3、SOCl2、SF6、CF4、CHF3、CH2F2、および/もしくはCH3Fエッチング、または本明細書に記載のいずれか)を含むことができる。
【0091】
混合Ta系およびSn系PR被膜の場合、湿式現像は、非極性溶媒を用いて達成することができる(例えば、純粋なTa系被膜に関して本明細書に記載のように)。乾式現像は、ハロゲン化物の混合物を含むハロゲン化物エッチング化学物質を含むことができる(例えば、単一ステップまたは一連のステップでの、HBr、BCl3、Cl2、および/またはNF3エッチング)。
【0092】
現像ステップは、気相のハロゲン化物化学物質(例えば、HBr化学物質)の使用、または液相の水性もしくは有機溶媒の使用を含むことができる。現像ステップは、低圧力条件(例えば、約1mTorr~約100mTorr)、プラズマ曝露(例えば、真空の存在下)、および/または熱条件(例えば、約-10℃~約100℃の温度の)など、任意の有用な化学物質(例えば、ハロゲン化物化学物質または水性化学物質)と組み合わせてもよい任意の有用な実験条件を含むことができる。現像は、例えば、HCl、HBr、H2、Cl2、Br2、BCl3、NF3、もしくはそれらの組合せ、ならびに本明細書に記載の任意のハロゲン化物系現像処理などのハロゲン化物系エッチャント;水性アルカリ現像溶液;または有機現像溶液を含んでいてもよい。特定の実施形態では、現像は、長期の現像時間、より高い圧力条件(例えば、約100mTorr~900mTorr)、より高い温度条件(例えば、20℃~120℃)、より強力な乾式エッチャント(例えば、NF3)、またはより強力な酸もしくは塩基(例えば、リン(phosphorous)含有無機酸)を有する湿式現像剤など、より侵襲性の高い条件を含むことができる。本明細書には、追加の現像処理条件が記載されている。
【0093】
別の例では、この方法は、パターニング化被膜を硬化させ(例えば、現像後に)、それにより基板の上部表面に配置されたレジストマスクを提供することを含むことができる。硬化ステップは、プラズマ(例えば、O2、Ar、He、またはCO2プラズマ)に暴露するステップ、紫外線に曝露するステップ、アニーリングするステップ(例えば、約180℃~約240℃の温度で)、熱ベークを行うステップ、または現像後ベーク(PDB)ステップに有用であり得るそれらの組合せなど、EUV未露光領域または露光領域をさらに架橋または反応させるための任意の有用な処理を含むことができる。本明細書には追加の塗布後処理が記載されており、本明細書に記載の任意の方法の任意選択のステップとして実施してもよい。
【0094】
成膜は、他の金属前駆体の使用を含むことができる。
図3Bに見られるように、方法320は、Ta系前駆体およびSn系前駆体による被膜の成膜322を含むことができ、成膜322は、任意選択で、対反応物、還元ガス、炭化水素、および/またはアルキンの存在を含むことができる。そのような処理は、ALDまたはCVDを含むことができ、その場合、混合Ta系およびSn系PRは、Ta系前駆体およびSn系前駆体を、還元ガス(例えば、本明細書のいずれか)を用いてまたは用いずに流動させ、所望の被膜厚へと成長させることにより調製することができる。前駆体の濃度、流量、および/または成膜時間を変更して、混合金属、合金様被膜の組成および特質を微調整することができる。このようにして、被膜として成膜されるTa系およびSn系前駆体の相対量を最適化することができる。
【0095】
得られる被膜は、混合金属被膜であり、それを任意選択で洗浄324し、任意選択でPABまたは前処理326に供することができる。混合金属被膜は、EUV露光328がPRパターンを生成し、現像332が被膜内にパターンを提供するようなPR被膜であってもよい。露光被膜は、任意選択で、PEBまたは後処理330に供することができる。
【0096】
そのような前駆体は、任意の有用な様式で提供することができる。
図3Cに見られるように、方法340は、被膜にTa系前駆体342Aを成膜させ、それに続いてまたはそれに先行してSn系前駆体342Bを成膜すること342を含むことができる。前駆体は、任意の有用な様式で順次提供することができる。一部の例示的なシーケンスは、Ta含有層およびSn含有層を交互に繰り返すn回のサイクル(例えば、nは1~100回)などの、1つまたは複数のサイクルを含んでいてもよい。使用されるシーケンスは、所望の厚さ、所望の平均パターニング放射感受性、パターニング放射感受性の所望のプロファイルもしくは勾配、所望の機械的特性、またはそれらの幾つかの組合せを有する被膜を構築またはさらには特注生産することなどのために、少なからぬ要因のいずれかにより決定することができる。図示されているように、動作342AはTa含有層を生成し、動作342BはSn系層を生成する。こうした動作342A、342Bは、任意選択で、対反応物、還元ガス、炭化水素、またはアルキンの存在下で実施することができる。
【0097】
CVDによる成膜に加えて、混合Ta系およびSn系PR被膜は、2つまたはそれよりも多くのステップのALDにより調製することができる。一例では、2段階処理は、(i)Sn系前駆体および任意選択の対反応物によるSn系酸化物成膜およびその後のガスパージ、続いて(ii)Ta系前駆体および任意選択の還元ガス/アルキンによるTa系酸化物または窒化物成膜の塗布およびその後のパージを含んでいてもよく、この場合、所望の被膜厚が達成されるまで(i)および(ii)の各々を繰り返すことができる。動作(i)および(ii)は、逆の順序で、つまりTa系前駆体がまず成膜され、次いでSn系前駆体が成膜されるという順序で実施することができる。その代わりに、動作(i)および(ii)は、(i)のn回サイクル(例えば、(i)1、(i)2、...(i)n);(ii)のn回サイクル(例えば、(ii)1、(ii)2、...(ii)n);(i)のn回サイクル次いで(ii)のm回サイクル(例えば、(i)1、(i)2、...(ii)n、(ii)1、(ii)2、...(ii)m、この場合、nはmと等しくてもよくまたは等しくなくてもよい);または(i)それに続いて(ii)のn回サイクル(例えば、(i)1、(ii)1、...(i)n、(ii)m、この場合、nはmと等しくてもよくまたは等しくなくてもよい)など、任意の有用な様式で調製することができる。
【0098】
別の例では、3段階処理は、(i)Sn系前駆体および任意選択の対反応物によるSn系酸化物成膜およびその後のガスパージ;(ii)Ta系前駆体および任意選択の還元ガス/アルキンによるTa系酸化物または窒化物成膜の塗布およびその後のパージ;ならびに(iii)還元ガス(例えば、本明細書に記載のいずれか)の塗布およびその後のガスパージを含んでいてもよく、これらを、所望の被膜厚が達成されるまで繰り返すことができる。
【0099】
得られる被膜は、層状被膜であってもよく、それを任意選択で洗浄344し、任意選択でPABまたは前処理346に供することができる。層状被膜は、EUV露光348がPRパターンを生成し、現像352が被膜内にパターンを提供するようなPR被膜であってもよい。露光被膜は、任意選択で、PEBまたは後処理350に供することができる。
【0100】
任意の有用なタイプの化学物質を、成膜ステップ、パターニングステップ、および/または現像ステップ中に使用することができる。そのようなステップは、気相の化学物質を使用する乾式処理に基づいてもよく、または湿相の化学物質を使用する湿式処理に基づいてもよい。種々の実施形態は、蒸着、(EUV)リソグラフィ光パターニング、乾式剥離、および乾式現像による被膜形成のあらゆる乾式動作を組み合わせることを含む。種々の他の実施形態は、本明細書に記載の乾式処理動作を湿式処理動作と有利に組み合わせることを含み、例えば、Inpria Corpから入手可能なものなどのスピンオンEUVフォトレジスト(湿式処理)を、乾式現像または本明細書に記載の他の湿式または乾式処理と組み合わせてもよい。種々の実施形態では、ウェハ洗浄は、本明細書に記載の湿式処理であってもよく、他の処理は乾式処理である。さらに他の実施形態では、湿式現像処理を使用してもよい。
【0101】
本技術の機序、機能、または有用性を限定するものではないが、本技術の乾式処理は、湿式処理に比べて種々の利益を提供してもよい。例えば、本明細書に記載の乾式蒸着技法を使用して、スピンコーティング技法を使用して塗布することができるものと比べて、より薄くおよびより欠陥の少ない被膜を成膜することができ、成膜した被膜の正確な厚さは、成膜ステップまたはシーケンスの長さを単に増加または減少させることにより調節および制御することができる。
【0102】
他の実施形態では、乾式動作および湿式動作を組み合わせて、乾式/湿式処理を提供することができる。本明細書の処理のいずれでも(例えば、リソグラフィ処理、成膜処理、EUV露光処理、現像処理、前処理処理、塗布後処理など)、種々の特定の動作は、湿式、乾式、または湿式および乾式実施形態を含むことができる。例えば、湿式成膜を乾式現像と組み合わせてもよく;または湿式成膜を湿式現像と組み合わせてもよく;または乾式成膜を湿式現像と組み合わせてもよく;または乾式成膜を乾式現像と組み合わせてもよい。これらはいずれも、ひいては、本明細書に記載の、湿式または乾式の塗布前および塗布後処理と組み合わせることができる。
【0103】
したがって、一部の非限定的な実施形態では、乾式処理は、より多くの調整可能性を提供し、さらなる臨界寸法(CD)制御およびスカム除去をもたらすことができる。乾式現像は、性能を向上させる(例えば、湿式現像において表面張力による線潰れを防止する)ことができ、および/またはスループットを増強させることができる(例えば、湿式現像トラックを回避することにより)。他の利点としては、有機溶媒現像剤の使用が排除されること、接着問題に対する感受性が低減されること、湿式レジスト配合物の塗布および除去の必要性が回避されること(例えば、スカム形成およびパターン歪みが回避されること)、ラインエッジラフネスの改善、素子トポグラフィに対して直接パターニングされること、ハードマスク化学物質を特定の基板および半導体素子設計に合わせて調整する能力が提供されること、ならびに他の溶解度に基づく制限が回避されることを挙げてもよい。本明細書には、追加の詳細、材料、処理、ステップ、および装置が記載されている。
【0104】
Ta系前駆体
任意の有用なTa系前駆体および他の金属化合物(例えば、有機金属化合物)を、本明細書の方法および処理に使用することができる。本明細書には、非限定的なTa系前駆体および有機金属化合物が記載されている。
【0105】
Ta系前駆体は、放射線に対して感受性であるパターニング可能な被膜(またはパターニング放射線感受性被膜または光パターニング可能な被膜)を提供する任意の前駆体(例えば、本明細書に記載の)を含んでいてもよい。そのような放射線は、パターニング化マスクを通して照射することにより提供され、それによりパターニング放射線となるEUV放射線またはDUV放射線を含んでいてもよい。そのような放射線に曝露することにより、被膜が放射線感受性になるように被膜自体を変化させることができる。
【0106】
特定の実施形態では、Ta系前駆体は、少なくとも1つのTa中心、および還元ガスまたはアルキンと反応することができる少なくとも1つの配位子を含む有機金属化合物である。一部の非限定的な実施形態では、Ta系前駆体は、金属中心からの除去または排除を起こすことによるか、または被膜内の他の部分と反応もしくは重合することによるなど、パターニング放射線の存在下で反応性であり得る有機部分も含む。
【0107】
一部の実施形態では、Ta系前駆体は、式(I):
TaRbLc (I)
を有する構造を含み、
式中、
各Rは、独立して、EUV不安定基、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいイミノ、または置換されていてもよいアルキレンであり;
各Lは、独立して、還元ガスまたはアルキンと反応性である配位子または他の部分であり;
b≧0;およびc≧0である。
他の実施形態では、bは1であり、cは3である。他の実施形態では、c≧1である。さらに他の実施形態では、b≧1である。特定の実施形態では、Lは、置換されていてもよいアミノである(例えば、-NRN1RN1であり、式中、各RN1およびRN2は、独立して、H、またはメチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t-ブチル、n-ブチルなどの、置換されていてもよいアルキルである)。一部の実施形態では、Rは、二重結合配位子(例えば、=NRiまたは=CRiRiiであり、式中、各RiおよびRiiは、独立して、H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-ブチルなどの、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、または置換されていてもよいシクロアルキルである)を含むEUV不安定基である。
【0108】
他の実施形態では、Ta系前駆体は、式(I-A):
R=Ta(L)b (I-A)
を有する構造を含み、
式中、
Rは、=NRiまたは=CRiRiiであり;
各Lは、独立して、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、またはTaに結合している二価配位子であり、二価配位子は-NRi-Ak-NRii-であり;
各RiおよびRiiは、独立して、H、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、または置換されていてもよいシクロアルキルであり;
Akは、置換されていてもよいアルキレンまたは置換されていてもよいアルケニレンであり;
b≧1である。
【0109】
一部の実施形態では、置換されていてもよいアミノは-NR1R2であり、式中、各R1およびR2は、独立してHまたはアルキルであるか;またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と共に一緒になって、本明細書で定義のヘテロシクリル基を形成する。他の実施形態では、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノは、-N(SiR1R2R3)2であり、式中、各R1、R2、およびR3は、独立して、置換されていてもよいアルキルである。さらに他の実施形態では、置換されていてもよいトリアルキルシリルは、-SiR1R2R3であり、式中、各R1、R2、およびR3は、独立して、置換されていてもよいアルキルである。式(I)および(I-A)の置換基RおよびLはいずれも、本明細書に記載の式(II)、(II-A)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、または(IX)のいずれにおけるRまたはLとしても使用することができる。
【0110】
一部の実施形態では、Ta系前駆体は、R=Ta(NRN1RN2)3であり、式中、RN1およびRN2の各々は、独立して、置換されていてもよいアルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t-ブチル、n-ブチルなど)であり、Rは、二重結合配位子(例えば、=NRiまたは=CHRiであり、式中、Riは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-ブチルなど、置換されていてもよいアルキルである)である。そのような前駆体では、二重結合配位子は、窒素源およびEUV不安定基の両方としての機能を果たすが、3つのアミノ系配位子は、成膜基板表面の既存の官能基と結合するための反応部位としての機能を果たす。
【0111】
非限定的なTa系前駆体としては、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(V)(Ta[NMe2]5)、t-アミルイミドトリス(ジメチルアミノ)タンタル(V)(Ta(=N-CHMe2Et)(NMe2)3、(t-ブチルイミド)トリス(ジエチルアミノ)タンタル(V)(Ta(=N-t-Bu)(NEt2)3)、(t-ブチルイミド)トリス(ジメチルアミノ)タンタル(V)(Ta(=N-t-Bu)(NEt2)3)、および(t-ブチルイミド)トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)(Ta(=N-t-Bu)(NMeEt)3)が挙げられる。
【0112】
さらなる金属前駆体
本明細書の方法は、任意の有用な金属前駆体と組み合わせて使用されるTa系前駆体を含むことができる。特定の例では、金属前駆体は、Sn系前駆体、有機金属化合物、または下記に記載の任意のさらなる金属前駆体である。
【0113】
金属前駆体は、放射線に感受性であるパターニング可能な被膜(またはパターニング放射線感受性被膜または光パターニング可能な被膜)を提供する任意の前駆体(例えば、本明細書に記載の)を含むことができる。そのような放射線は、パターニング化マスクを通して照射することにより提供され、それによりパターニング放射線となるEUV放射線、DUV放射線、またはUV放射線を含むことができる。そのような放射線に曝露することにより、被膜が放射線感受性になるように被膜自体を変化させることができる。特定の実施形態では、金属前駆体は、少なくとも1つの金属中心を含む有機金属化合物である。
【0114】
金属前駆体は、任意の有用な数およびタイプの配位子を有することができる。一部の実施形態では、配位子は、対反応物の存在下またはパターニング放射線の存在下で反応する能力により特徴付けることができる。例えば、金属前駆体は、金属中心間の連結(例えば、-O-連結)を導入することができる、対反応物と反応する配位子(例えば、ジアルキルアミノ基またはアルコキシ基)を含むことができる。別の例では、金属前駆体は、パターニング放射線の存在下で脱離する配位子を含むことができる。そのような配位子は、ベータ水素を有する分枝または直鎖アルキル基を含むことができる。
【0115】
金属前駆体は、有機金属化合物、有機金属剤、金属ハロゲン化物、またはキャッピング剤(例えば、本明細書に記載の)などの、任意の有用な金属含有前駆体であってもよい。非限定的な例では、有機金属化合物は、式(II):
MaRbLc (II)
を有する構造を含み、
式中、
Mは、高いEUV吸収断面を有する金属または原子であり;
各Rは、独立して、EUV不安定配位子、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアルコキシ、またはLであり;
各Lは、独立して、対反応物と反応性である配位子(例えば、陰イオン性配位子、中性配位子、または多座配位子)、イオン、または他の部分であり、RおよびLはMと共に一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができるか、またはRおよびLは一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ;
a≧1;b≧1;およびc≧1である。
【0116】
一部の実施形態では、Rは置換されていてもよいアルキルであり、Mはスズである。他の実施形態では、各Lは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、または置換されていてもよいアルコキシである。特定の実施形態では、Lは、置換されていてもよいアミノである(例えば、-NR1R2であり、式中、各R1およびR2は、独立して、置換されていてもよいアルキルである)。
【0117】
一部の実施形態では、有機金属化合物はSnRL3であり、式中、各Lは、独立して、置換されていてもよいアミノ(例えば、-NR1R2であり、各R1およびR2は、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、n-ブチルなどの、置換されていてもよいアルキルである)であり、Rは、置換されていてもよいアルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、tert-ブチル、n-ブチルなど)である。
【0118】
一部の実施形態では、金属前駆体内の各配位子は、対反応物と反応性である配位子であってもよい。一例では、金属前駆体は式(II)を有する構造を含み、式中、各Rは独立してLである。別の例では、金属前駆体は、式(II-A):
MaLc (II-A)
を有する構造を含み、
式中、
Mは、高いEUV吸収断面を有する金属または原子であり;
各Lは、独立して、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり、2つのLは一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ;
a≧1;およびc≧1である。
式(II-A)の特定の実施形態では、aは1である。さらなる実施形態では、cは2、3、または4である。
【0119】
別の非限定的な例では、金属前駆体は、式(IV):
MaRb (III)
を有する構造を含み、
式中、
Mは、高いEUV吸収断面を有する金属または原子であり;
各Rは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルケニル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルカノイルオキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、オキソ、陰イオン性配位子、中性配位子、または多座配位子であり;
a≧1;およびb≧1である。
【0120】
本明細書の任意の式では、Mは、高いパターニング放射線吸収断面(例えば、1×107cm2/molと等しいかまたはそれよりも大きなEUV吸収断面)を有する金属、半金属、または原子であってもよい。一部の実施形態では、Mは、スズ(Sn)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、タンタル(Ta)、セシウム(Cs)、インジウム(In)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、ヨウ素(I)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、白金(Pt)、および鉛(Pb)である。さらなる実施形態では、式(II)、(II-A)、または(III)では、MはSnであり、aは1であり、cは4である。他の実施形態では、式(II)、(II-A)、または(III)では、MはSnであり、aは1であり、cは1または2である。特定の実施形態では、MはSn(II)であり(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)では)、それによりSn(II)系化合物である金属前駆体を提供する。他の実施形態では、MはSn(IV)であり(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)では)、それによりSn(IV)系化合物である金属前駆体を提供する。特定の実施形態では、前駆体はヨウ素を含む(例えば、過ヨウ素酸塩において)。
【0121】
本明細書の任意の式では、各RまたはLは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルケニル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアルキニル、置換されていてもよいアルコキシ(例えば、-OR1であり、式中、R1は置換されていてもよいアルキルであってもよい)、置換されていてもよいアルカノイルオキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、オキソ、陰イオン性配位子(例えば、オキシド、クロリド、ヒドリド、アセテート、イミノジアセテートなど)、中性配位子、または多座配位子である。
【0122】
一部の実施形態では、置換されていてもよいアミノは、-NR1R2であり、式中、各R1およびR2は独立してHまたはアルキルであるか;またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と共に一緒になって、本明細書に定義のヘテロシクリル基を形成する。他の実施形態では、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノは、-N(SiR1R2R3)2であり、式中、各R1、R2、およびR3は、独立して、置換されていてもよいアルキルである。さらに他の実施形態では、置換されていてもよいトリアルキルシリルは、-SiR1R2R3であり、式中、各R1、R2、およびR3は、独立して、置換されていてもよいアルキルである。
【0123】
他の実施形態では、式は、-NR1R2である第1のR(または第1のL)および-NR1R2である第2のR(または第2のL)を含み、ここで各R1およびR2は、独立して、Hまたは置換されていてもよいアルキルであるか;または第1のR(または第1のL)のR1および第2のR(または第2のL)のR1は、各々が結合している窒素原子および金属原子と共に一緒になって、本明細書で定義のヘテロシクリル基を形成する。さらに他の実施形態では、式は、-OR1である第1のRおよび-OR1である第2のRを含み、ここで、各R1は、独立して、Hまたは置換されていてもよいアルキルであるか;または第1のRのR1および第2のRのR1は、各々が結合している酸素原子および金属原子と共に一緒になって、本明細書で定義のヘテロシクリル基を形成する。
【0124】
一部の実施形態では、RまたはL(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)における)のうちの少なくとも1つは、置換されていてもよいアルキルである。非限定的なアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、またはt-ブチルなど、CnH2n+1が挙げられ、式中、nは、1、2、3、またはそれよりも大きい。種々の実施形態では、RまたはLは、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を有する。
【0125】
一部の実施形態では、各RもしくはLまたは少なくとも1つのRもしくはL(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)における)は、ハロである。特に、金属前駆体は、金属ハロゲン化物であってもよい。非限定的な金属ハロゲン化物としては、SnBr4、SnCl4、SnI4、およびSbCl3が挙げられる。
【0126】
一部の実施形態では、各RもしくはLまたは少なくとも1つのRもしくはL(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)における)は、窒素原子を含んでいてもよい。特定の実施形態では、1つまたは複数のRまたはLは、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいモノアルキルアミノ(例えば、-NR1Hであり、式中、R1は置換されていてもよいアルキルである)、置換されていてもよいジアルキルアミノ(例えば、-NR1R2であり、式中、各R1およびR2は、独立して、置換されていてもよいアルキルである)、または置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノであってもよい。非限定的なRおよびL置換基としては、例えば、-NMe2、-NHMe、-NEt2、-NHEt、-NMeEt、-N(t-Bu)-[CHCH3]2-N(t-Bu)-(tbba)、-N(SiMe3)2、および-N(SiEt3)2を挙げることができる。
【0127】
一部の実施形態では、各RもしくはLまたは少なくとも1つのRもしくはL(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)における)は、ケイ素原子を含んでいてもよい。特定の実施形態では、1つまたは複数のRまたはLは、置換されていてもよいトリアルキルシリルまたは置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノであってもよい。非限定的なRまたはL置換基としては、例えば、-SiMe3、-SiEt3、-N(SiMe3)2、および-N(SiEt3)2を挙げることができる。
【0128】
一部の実施形態では、各RもしくはLまたは少なくとも1つのRもしくはL(例えば、式(II)、(II-A)、または(III)における)は、酸素原子を含んでいてもよい。特定の実施形態では、1つまたは複数のRまたはLは、置換されていてもよいアルコキシまたは置換されていてもよいアルカノイルオキシであってもよい。非限定的なRまたはL置換基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ(i-PrO)、t-ブトキシ(t-BuO)、アセテート(-OC(O)-CH3)、および-O=C(CH3)-CH=C(CH3)-O-(acac)が挙げられる。
【0129】
本明細書の任意の式は、1つまたは複数の中性配位子を含んでいてもよい。非限定的な中性配位子としては、置換されていてもよいアミン、置換されていてもよいエーテル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケン、置換されていてもよいアルキン、置換されていてもよいベンゼン、オキソ、または一酸化炭素が挙げられる。
【0130】
本明細書の任意の式は、1つまたは複数の多座(例えば、二座)配位子を含んでいてもよい。非限定的な多座配位子としては、ジケトネート(例えば、アセチルアセトネート(acac)または-OC(R1)-Ak-(R1)CO-または-OC(R1)-C(R2)-(R1)CO-)、二座キレート二窒素(例えば、-N(R1)-Ak-N(R1)-または-N(R3)-CR4-CR2=N(R1)-)、芳香族(例えば、-Ar-)、アミジネート(例えば、-N(R1)-C(R2)-N(R1)-)、アミノアルコキシド(例えば、-N(R1)-Ak-O-または-N(R1)2-Ak-O-)、ジアザジエニル(例えば、-N(R1)-C(R2)-C(R2)-N(R1)-)、シクロペンタジエニル、ピラゾレート、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいアルキレン、または置換されていてもよいヘテロアルキレンが挙げられる。特定の実施形態では、各R1は、独立して、H、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいハロアルキル、または置換されていてもよいアリールであり;各R2は、独立して、H、または置換されていてもよいアルキルであり;R3およびR4は一緒になって、置換されていてもよいヘテロシクリルを形成し;Akは、置換されていてもよいアルキレンであり;Arは置換されていてもよいアリーレンである。
【0131】
特定の実施形態では、金属前駆体はスズを含む。一部の実施形態では、スズ前駆体は、SnRまたはSnR2またはSnR4またはR3SnSnR3を含み、式中、各Rは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいC1~12アルキル、置換されていてもよいC1~12アルコキシ、置換されていてもよいアミノ(例えば、-NR1R2)、置換されていてもよいC2~12アルケニル、置換されていてもよいC2~12アルキニル、置換されていてもよいC3~8シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、シクロペンタジエニル、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、-N(SiR1R2R3)2)、置換されていてもよいアルカノイルオキシ(例えば、アセテート)、ジケトネート(例えば、-OC(R1)-Ak-(R2)CO-)、または二座キレート二窒素(例えば、-N(R1)-Ak-N(R1)-)である。特定の実施形態では、各R1、R2、およびR3は、独立して、H、またはC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、またはネオペンチル)であり;Akは置換されていてもよいC1~6アルキレンである。非限定的なスズ前駆体としては、SnF2、SnH4、SnBr4、SnCl4、SnI4、テトラメチルスズ(SnMe4)、テトラエチルスズ(SnEt4)、トリメチルスズクロリド(SnMe3Cl)、ジメチルスズジクロリド(SnMe2Cl2)、メチルスズトリクロリド(SnMeCl3)、テトラアリルスズ、テトラビニルスズ、ヘキサフェニルジスズ(IV)(Ph3Sn-SnPh3であり、式中、Phはフェニル)、ジブチルジフェニルスズ(SnBu2Ph2)、トリメチル(フェニル)スズ(SnMe3Ph)、トリメチル(フェニルエチニル)スズ、水素化トリシクロヘキシルスズ、水素化トリブチルスズ(SnBu3H)、ジブチルスズジアセテート(SnBu2(CH3COO)2)、スズ(II)アセチルアセトネート(Sn(acac)2)、SnBu3(OEt)、SnBu2(OMe)2、SnBu3(OMe)、Sn(t-BuO)4、Sn(n-Bu)(t-BuO)3、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(NMe2)4)、テトラキス(エチルメチルアミノ)スズ(Sn(NMeEt)4)、テトラキス(ジエチルアミノ)スズ(IV)(Sn(NEt2)4)、(ジメチルアミノ)トリメチルスズ(IV)(Sn(Me)3(NMe2)、Sn(i-Pr)(NMe2)3、Sn(n-Bu)(NMe2)3、Sn(s-Bu)(NMe2)3、Sn(i-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)(NMe2)3、Sn(t-Bu)2(NMe2)2、Sn(t-Bu)(NEt2)3、Sn(tbba)、Sn(II)(1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4,5-ジメチル-(4R,5R)-1,3,2-ジアザスタンノリジン-2-イリデン)、またはビス[ビス(トリメチルシリル)アミノ]スズ((SiMe3)2]2)が挙げられる。
【0132】
他の実施形態では、金属前駆体は、BiR3などのビスマスを含み、式中、各Rは、独立して、ハロ、置換されていてもよいC1~12アルキル、モノ-C1~12アルキルアミノ(例えば、-NR1H)、ジ-C1~12アルキルアミノ(例えば、-NR1R2)、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、-N(SiR1R2R3)2)、またはジケトネート(例えば、-OC(R4)-Ak-(R5)CO-)である。特定の実施形態では、各R1、R2、およびR3は、独立して、C1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、またはネオペンチル)であり;各R4およびR5は、独立して、H、または置換されていてもよいC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、またはネオペンチル)である。非限定的なビスマス前駆体としては、BiCl3、BiMe3、BiPh3、Bi(NMe2)3、Bi[N(SiMe3)2]3、およびBi(thd)3が挙げられ、式中、thdは、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネートである。
【0133】
他の実施形態では、金属前駆体は、TeR2またはTeR4などのテルルを含み、式中、各Rは、独立して、ハロ、置換されていてもよいC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、およびネオペンチル)、置換されていてもよいC1~12アルコキシ、置換されていてもよいアリール、ヒドロキシル、オキソ、または置換されていてもよいトリアルキルシリルである。非限定的なテルル前駆体としては、ジメチルテルル(TeMe2)、ジエチルテルル(TeEt2)、ジ(n-ブチル)テルル(Te(n-Bu)2)、ジ(イソプロピル)テルル(Te(i-Pr)2)、ジ(t-ブチル)テルル((t-Bu)2)、水素化t-ブチルテルル(Te(t-Bu)(H))、Te(OEt)4、ビス(トリメチルシリル)テルル(Te(SiMe3)2)、およびビス(トリエチルシリル)テルル(Te(SiEt3)2)が挙げられる。
【0134】
また、金属前駆体は、セシウムを含んでいてもよい。非限定的なセシウム前駆体としては、Cs(OR)が挙げられ、式中、Rは、置換されていてもよいC1~12アルキルまたは置換されていてもよいアリールである。他のセシウム前駆体としては、Cs(Ot-Bu)およびCs(Oi-Pr)が挙げられる。
【0135】
金属前駆体は、SbR3などのアンチモンを含んでいてもよく、式中、各Rは、独立して、ハロ、置換されていてもよいC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、およびネオペンチル)、置換されていてもよいC1~12アルコキシ、または置換されていてもよいアミノ(例えば、-NR1R2であり、ここで、各R1およびR2は、独立して、Hまたは置換されていてもよいC1~12アルキルである)である。非限定的なアンチモン前駆体としては、SbCl3、Sb(OEt)3、Sb(On-Bu)3、およびSb(NMe2)3が挙げられる。
【0136】
他の金属前駆体としては、InR3などのインジウム前駆体が挙げられ、式中、各Rは、独立して、ハロ、置換されていてもよいC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、およびネオペンチル)、またはジケトネート(例えば、-OC(R4)-Ak-(R5)CO-であり、ここで、各R4およびR5は、独立して、HまたはC1~12アルキルである)である。非限定的なインジウム前駆体としては、InCpが挙げられ、式中、Cpは、シクロペンタジエニル、InCl3、InMe3、In(acac)3、In(CF3COCHCOCH3)3、およびIn(thd)3である。
【0137】
さらに他の金属前駆体としては、MoR4、MoR5、またはMoR6などのモリブデン前駆体が挙げられ、式中、各Rは、独立して、置換されていてもよいC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、およびネオペンチル)、置換されていてもよいアリル(例えば、C3H5などのアリル、またはC5H5Oなどのアリルの酸化物)、置換されていてもよいアルキルイミド(例えば、=N-R1)、アセトニトリル、置換されていてもよいアミノ(例えば、-NR1R2)、ハロ(例えば、クロロまたはブロモ)、カルボニル、ジケトネート(例えば、-OC(R3)-Ak-(R3)CO-)、または二座キレート二窒素(例えば、-N(R3)-Ak-N(R3)-または-N(R4)-CR5-CR2=N(R3)-)である。特定の実施形態では、各R1および各R2は、独立して、H、または置換されていてもよいアルキルであり;各R3は、独立して、H、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいハロアルキル、または置換されていてもよいアリールであり;R4およびR5は一緒になって、置換されていてもよいヘテロシクリルを形成する。非限定的なモリブデン前駆体としては、Mo(CO)6、ビス(t-ブチルイミド)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン(VI)すなわちMo(NMe2)2(=Nt-Bu)2、モリブデン(VI)ジオキシドビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート)もしくはMo(=O)2(thd)2、またはMo(η3-アリル)X(CO)2(CH3CN)2(式中、アリルはC3H5またはC5H5Oであり、Xは、Cl、Br、またはアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、またはネオペンチル)であってもよい)などのモリブデンアリル錯体が挙げられる。
【0138】
また、金属前駆体としては、HfR3またはHfR4などのハフニウム前駆体を挙げることができ、式中、各Rは、独立して、置換されていてもよいC1~12アルキル、置換されていてもよいC1~12アルコキシ、モノ-C1~12アルキルアミノ(例えば、-NR1Hであり、ここで、R1は置換されていてもよいC1~12アルキルである)、ジ-C1~12アルキルアミノ(例えば、-NR1R2であり、ここで、各R1およびR2は、独立して、置換されていてもよいC1~12アルキルである)、置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル、ベンゼン、またはシクロペンタジエニル、ならびにそれらの置換形態)、置換されていてもよいアリル(例えば、アリルまたはアリル酸化物)、またはジケトネート(例えば、-OC(R4)-Ak-(R5)CO-であり、ここで、各R4およびR5は、独立して、H、または置換されていてもよいC1~12アルキルである)である。非限定的なハフニウム前駆体としては、Hf(i-Pr)(NMe2)3;Hf(η-C6H5R1)(η-C3H5)2(式中、R1はHまたはアルキルである);HfR1(NR2R3)3(式中、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、置換されていてもよいC1~12アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、またはネオペンチル)である);HfCp2Me2;Hf(Ot-Bu)4;Hf(OEt)4;Hf(NEt2)4;Hf(NMe2)4;Hf(NMeEt)4;およびHf(thd)4が挙げられる。
【0139】
本明細書には、さらに他の金属前駆体および非限定的な置換基が記載されている。例えば、金属前駆体は、上記に記載の式(II)、(II-A)、もしくは(III)、または下記に記載の式(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、もしくは(IX)の構造を有する任意のものであってもよい。本明細書に記載の置換基M、R、X、またはLはいずれも、式(II)、(II-A)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、または(IX)のいずれにおいても使用することができる。
【0140】
Ta系前駆体、金属前駆体、還元ガス、炭化水素、アルキン、および/または対反応物に存在する種々の原子を、勾配被膜内に提供することができる。本明細書で考察されている技法の一部の実施形態では、フォトレジスト(PR)被膜のEUV感受性をさらに向上させることができる非限定的な戦略は、被膜組成が垂直方向に傾斜しており、深さ依存性EUV感受性がもたらされる被膜を作出することである。高い吸収係数を有する均質なPRでは、被膜の深さに応じて光強度が減少するため、底部が十分に露光されることを保証するためにより高いEUV線量が必要となる。高いEUV吸収率を有する原子の密度を、被膜の上部と比較して被膜の底部において増加させることにより(つまり、EUV吸収が増加する勾配を作出することにより)、利用可能なEUV光子をより効率的に使用しつつ、より高度に吸収性である被膜の底部に向かって吸収分布(および二次電子の効果)をより均一にすることが可能になる。1つの非限定的な例では、勾配被膜は、被膜の底部に向かって(例えば、基板に対してより近くに)Te、I、または他の原子を含む。
【0141】
PR被膜に垂直方向組成勾配を設計する戦略は、特に、MLD、CVD、およびALDなどの乾式成膜法に適用可能であり、成膜中に異なる反応物間の流動比を調整することにより実現することができる。設計することができる組成勾配のタイプとしては、異なる高吸収金属間の比、EUV切断可能な有機基を持つ金属原子のパーセンテージ、Ta系前駆体、Sn系前駆体、他の金属前駆体のパーセンテージ、および/または高吸収元素を含む対反応物、ならびに上記の組合せが挙げられる。
【0142】
また、EUV PR被膜の組成勾配は、追加の利点をもたらす。例えば、被膜の底部部分に高密度の高EUV吸収元素があると、被膜の上側部分をより良好に露光することができるより多くの二次電子が効果的に生成される。加えて、そのような組成勾配は、嵩高い末端置換基に結合していないEUV吸収種のより高い割合と直接的に相関する可能性もある。例えば、Sn系レジストの場合、4つの脱離基を有するスズ前駆体を組み込むことが可能であり、それにより界面でのSn-O-基板結合の形成が促進され、接着性が向上する。
【0143】
そのような勾配被膜は、本明細書に記載の任意の金属前駆体(例えば、Ta系、Sn系、または他の金属系前駆体)および/または対反応物を使用することにより形成することができる。さらに他の被膜、方法、前駆体、および他の化合物は、2019年10月2日に出願された米国特許仮出願第62/909,430号明細書、ならびに2020年10月1日に出願され、国際公開第2021/067632号パンフレットとして公開された国際出願第PCT/US20/53856号パンフレット(これら文献の各々は、SUBSTRATE SURFACE MODIFICATION WITH HIGH EUV ABSORBERS FOR HIGH PERFORMANCE EUV PHOTORESISTSという名称である);ならびに2020年6月24日に出願された、PHOTORESIST WITH MULTIPLE PATTERNING RADIATION-ABSORBING ELEMENTS AND/OR VERTICAL COMPOSITION GRADIENTという名称の国際出願第PCT/US20/70172号パンフレットに記載されており、これらの開示は、少なくとも、EUVレジストマスクを形成するための直接光パターニング可能な金属酸化物被膜の組成、成膜、およびパターニングに関して、参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
さらに、2つまたはそれよりも多くの異なる前駆体を、各層(例えば被膜)内に使用することができる。例えば、本明細書の任意の金属含有前駆体のうちの2つまたはそれよりも多くを使用して、合金を形成することができる。1つの非限定的な例では、-NR2配位子を含むスズ前駆体を、RTeH、RTeD、またはTeR2前駆体(式中Rは、アルキル、特にt-ブチルまたはi-プロピルである)と共に使用することにより、テルル化スズを形成することができる。別の例では、アルコキシまたはハロ配位子を含む第1の金属前駆体(例えば、SbCl3)を、トリアルキルシリル配位子を含むテルル含有前駆体(例えば、ビス(トリメチルシリル)テルル)と共に使用することにより、金属テルル化物を形成することができる。
【0145】
さらに他の例示的なEUV感受性材料、ならびに処理方法および装置は、米国特許第9,996,004号明細書および国際公開第2019/217749号パンフレットに記載されており、これら文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0146】
本明細書に記載のように、本明細書の被膜、層、および方法は、任意の有用な前駆体と共に使用することができる。一部の場合では、金属前駆体は、以下の式(IV):
MXn (IV)
を有する金属ハロゲン化物を含み、
式中、Mは金属であり、Xはハロであり、nは、Mの選択に応じて2~4である。Mの例示的な金属としては、Sn、Te、Bi、またはSbが挙げられる。例示的な金属ハロゲン化物としては、SnBr4、SnCl4、SnI4、およびSbCl3が挙げられる。
【0147】
別の非限定的な金属含有前駆体は、式(V):
MRn (V)
を有する構造を含み、
式中、Mは金属であり;各Rは、独立して、H、置換されていてもよいアルキル、アミノ(例えば、-NR2であり、ここで、各Rは独立してアルキルである)、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ(例えば、-N(SiR3)2であり、ここで、各Rは独立してアルキルである)、または置換されていてもよいトリアルキルシリル(例えば、-SiR3であり、ここで、各Rは独立してアルキルである)であり;nは、Mの選択に応じて2~4である。Mの例示的な金属としては、Sn、Te、Bi、またはSbが挙げられる。アルキル基は、CnH2n+1であってもよく、式中、nは、1、2、3、またはそれよりも大きい。例示的な有機金属剤としては、SnMe4、SnEt4、TeRn、RTeR、水素化t-ブチルテルル(Te(t-Bu)(H))、ジメチルテルル(TeMe2)、ジ(t-ブチル)テルル(Te(t-Bu)2)、ジ(イソプロピル)テルル(Te(i-Pr)2)、ビス(トリメチルシリル)テルル(Te(SiMe3)2)、ビス(トリエチルシリル)テルル(Te(SiEt3)2)、トリス(ビス(トリメチルシリル)アミド)ビスマス(Bi[N(SiMe3)2]3)、およびSb(NMe2)3などが挙げられる。
【0148】
別の非限定的な金属含有前駆体は、以下の式(VI):
MLn (VI)
を有するキャッピング剤を含んでいてもよく、
式中、Mは金属であり;各Lは、独立して、置換されていてもよいアルキル、アミノ(例えば、-NR1R2であり、ここで、R1およびR2の各々は、H、または本明細書に記載のいずれかなどのアルキルであってもよい)、アルコキシ(例えば、-ORであり、ここで、Rは、本明細書に記載のいずれかなどのアルキルである)、ハロ、または他の有機置換基であり;nは、Mの選択に応じて2~4である。Mの例示的な金属としては、Sn、Te、Bi、またはSbが挙げられる。例示的な配位子としては、ジアルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、およびジエチルアミノ)、アルコキシ(例えば、t-ブトキシ、およびイソプロポキシ)、ハロ(例えば、F、Cl、Br、およびI)、または他の有機置換基(例えば、アセチルアセトンまたはN2,N3-ジ-tertブチル-ブタン-2,3-ジアミノ)が挙げられる。非限定的なキャッピング剤としては、SnCl4;SnI4;Sn(NR2)4(式中、Rの各々は、独立してメチルまたはエチルである);またはSn(t-BuO)4が挙げられる。一部の実施形態では、複数のタイプの配位子が存在する。
【0149】
金属含有前駆体は、以下の式(VII):
RnMXm (VII)
を有するヒドロカルビル置換キャッピング剤を含んでいてもよく、
式中、Mは金属であり、Rは、C2~10アルキルまたはベータ水素を有する置換アルキルであり、Xは、露出したヒドロキシル基のうちのヒドロキシル基と反応する際の好適な脱離基である。種々の実施形態では、n=1~3であり、m=4-n、3-n、または2-nであり、ただし、m>0(またはm≧1)である。例えば、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、またはベータ位にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体であってもよい。好適なヘテロ原子としては、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI)または酸素(-OHまたは-OR)が挙げられる。Xは、ジアルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、またはジエチルアミノ)、アルコキシ(例えば、t-ブトキシ、イソプロポキシ)、ハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)、または別の有機配位子であってもよい。ヒドロカルビル置換キャッピング剤の例としては、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(t-Bu)(NMe2)3)、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(n-Bu)(NMe2)3)、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ(Sn(t-Bu)(NEt2)3)、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ(Sn(t-Bu)2(NMe2)2)、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(s-Bu)(NMe2)3)、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(n-ペンチル)(NMe2)3)、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(i-Bu)(NMe2)3)、i-プロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(i-Pr)(NMe2)3)、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(t-Bu)(t-BuO)3)、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(n-Bu)(t-BuO)3)、またはイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ(Sn(i-Pr)(t-BuO)3)が挙げられる。
【0150】
種々の実施形態では、金属含有前駆体は、気相反応を乗り切ることができる少なくとも1つのアルキル基を各金属原子に含み、金属原子に配位している他の配位子またはイオンは、対反応物により置き換えられてもよい。したがって、別の非限定的な金属含有前駆体は、式(VIII):
MaRbLc (VIII)
を有する有機金属剤を含み、
式中、Mは金属であり;Rは置換されていてもよいアルキルであり;Lは、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり;a≧1;b≧1;およびc≧1である。特定の実施形態では、a=1およびb+c=4である。一部の実施形態では、Mは、Sn、Te、Bi、またはSbである。特定の実施形態では、各Lは、独立して、アミノ(例えば、-NR1R2であり、式中、R1およびR2の各々は、H、または本明細書に記載のいずれかなどのアルキルであってもよい)、アルコキシ(例えば、-ORであり、式中、Rは、本明細書に記載のいずれかなどのアルキルである)、またはハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)である。例示的な作用剤としては、SnMe3Cl、SnMe2Cl2、SnMeCl3、SnMe(NMe2)3、SnMe2(NMe2)2、およびSnMe3(NMe2)などが挙げられる。
【0151】
他の実施形態では、非限定的な金属含有前駆体は、式(IX):
MaLc (IX)
を有する有機金属剤を含み、
式中、Mは金属であり;Lは、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり;a≧1;およびc≧1である。特定の実施形態では、c=n-1であり、nは、2、3、または4である。一部の実施形態では、Mは、Sn、Te、Bi、またはSbである。対反応物は、好ましくは、化学結合を介して少なくとも2つの金属原子と連結するように、反応性部分である配位子またはイオン(例えば、本明細書の式中のL)を置き換える能力を有する。
【0152】
本明細書の任意の実施形態では、Rは、置換されていてもよいアルキル(例えば、C1~10アルキル)であってもよい。一実施形態では、アルキルは、1つまたは複数のハロで置換されている(例えば、F、Cl、Br、またはIなどの、1、2、3、4つ、またはそれよりも多くのハロを含むハロ置換C1~10アルキル)。例示的なR置換基としては、CnH2n+1(式中、好ましくはn≧3である);CnFxH(2n+1-x)(式中、2n+1≦x≦1である)が挙げられる。種々の実施形態では、Rは、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を有する。例えば、Rは、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0153】
本明細書の任意の実施形態では、Lは、アミノ(例えば、-NR1R2であり、式中、R1およびR2の各々は、Hまたは本明細書に記載のいずれかなどのアルキルであってもよい)、アルコキシ(例えば、-ORであり、式中、Rは、本明細書に記載のいずれかなどのアルキルである)、カルボキシレート、ハロ(例えば、F、Cl、Br、またはI)、およびそれらの混合物からなる群から選択される部分など、対反応物により容易に置き換えられてM-OH部分を生成する任意の部分であってもよい。
【0154】
例示的な有機金属剤としては、SnMeCl3、(N2,N3-ジ-t-ブチル-ブタン-2,3-ジアミド)スズ(II)(Sn(tbba))、ビス(ビス(トリメチルシリル)アミド)スズ(II)、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ(IV)(Sn(NMe2)4)、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(t-ブチル)(NMe2)3)、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(i-Bu))(NMe2)3)、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(n-Bu)(NMe2)3)、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ(Sn(s-Bu)(NMe2)3)、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ(Sn(i-Pr)(NMe2)3)、n-プロピルトリス(ジエチルアミノ)スズ(Sn(n-Pr)(NEt2)3)、およびt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ(Sn((t-BuO)3)などの類似のアルキル(トリス)(t-ブトキシ)スズ化合物が挙げられる。一部の実施形態では、有機金属剤は、部分的にフッ素化されている。
【0155】
リソグラフィ処理
EUVリソグラフィでは、EUVレジストが使用され、EUVレジストは、液体系スピンオン技法により生成されるポリマー系化学増幅レジストであってもよく、または乾式蒸着技法により生成される金属酸化物系レジストであってもよい。そのようなEUVレジストは、本明細書に記載の任意のEUV感受性被膜または材料を含んでいてもよい。リソグラフィ法は、例えば、EUVレジストをEUV放射線で露光して光パターンを形成し、続いて光パターンに従ってレジストの部分を除去することによりパターンを現像してマスクを形成することにより、レジストをパターニングすることを含んでいてもよい。
【0156】
本開示は、EUVリソグラフィにより例示されるリソグラフィパターニング技法および材料に関するが、他の次世代リソグラフィ技法にも適用可能であることも理解されるべきである。現行で使用中および開発中の標準的13.5nm EUV波長を含むEUVに加えて、そのようなリソグラフィに最も関連する放射線源は、一般に248nmまたは193nmエキシマレーザー光源の使用が参照されるDUV(深UV)、正式にはより低エネルギー範囲のX線範囲のEUVを含むX線、ならびに幅広いエネルギー範囲をカバーすることができる電子ビームである。そのような方法としては、基板(例えば、露出したヒドロキシル基を任意選択で有する)を、金属含有前駆体(例えば、本明細書に記載のいずれか)と接触させて、基板の表面上のイメージング/PR層としての金属酸化物(例えば、他の非金属および非酸素基を含んでいてもよい、金属酸化物結合のネットワークを含む層)被膜を形成する方法が挙げられる。特定の方法は、半導体基板および最終的な半導体素子に使用される特定の材料および応用に依存してもよい。したがって、本出願に記載の方法は、本技術で使用してもよい方法および材料の単なる例示である。
【0157】
直接的に光パターニング可能なEUVレジストは、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成されていてもよくまたは含んでいてもよい。金属/金属酸化物は、EUV光子吸着を増強させ、二次電子を生成させ、ならびに/または下層被膜積層および素子層に対するエッチング選択性の増加を示すことができるという点で非常に有望である。なお、乾式および湿式(溶媒)手法は両方とも本開示により包含される。湿式現像では、ウェハを現像溶媒に曝露し、乾燥させ、ベークしてもよい。
【0158】
乾式成膜を含む成膜処理
上記で考察されているように、本開示は、半導体基板にイメージング層を製作するための方法であって、イメージング層は、EUVまたは他の次世代リソグラフィ技法を使用してパターニングしてもよい、方法を提供する。方法としては、重合有機金属材料の蒸気を生成し、基板に成膜する方法が挙げられる。一部の実施形態では、乾式成膜には、任意の有用な金属含有前駆体(例えば、本明細書に記載の、Ta系前駆体、金属前駆体、有機金属化合物、金属ハロゲン化物、キャッピング剤、または有機金属剤)を使用することができる。他の実施形態では、スピンオン調合物を使用してもよい。成膜処理は、EUV感受性材料をレジスト被膜として塗布することを含んでいいてもよい。本明細書には例示的なEUV感受性材料が記載されている。
【0159】
本技術は、EUV感受性被膜を基板に成膜することによる方法であって、そのような被膜は、その後のEUVリソグラフィおよび処理のためのレジストとして作用可能である、方法を含む。
【0160】
そのようなEUV感受性被膜は、EUVへの露光時に、低密度M-OH富化材料中の金属原子に結合した嵩高いペンダント配位子の喪失などの変化を起こし、より高密度のM-O-M結合金属酸化物材料への架橋を可能にする材料を含む。他の実施形態では、EUV露光は、金属原子に結合した配位子間のさらなる架橋をもたらし、それにより、より高密度のM-L-M結合有機金属材料(式中Lは配位子である)を提供する。さらに他の実施形態では、EUV露光は、配位子の喪失をもたらし、ポジ型現像剤により除去することができるM-OH材料を提供する。
【0161】
EUVパターニングにより、未露光領域と比べて物理的または化学的特性が変化した被膜の領域が作出される。こうした特性は、未露光領域または露光領域のいずれかを溶解するか、または露光領域または未露光領域のいずれかに対して材料を選択的に成膜させるなど、その後の処理に活用することができる。一部の実施形態では、そのようなその後の処理が実施される条件下では、未露光被膜は疎水性表面を有し、露光被膜は親水性表面を有する(露光領域および未露光領域の親水性特性は、互いに対して相対的なものであることが認識される)。例えば、材料の除去は、被膜の化学的組成、密度、および架橋における差異を活用することにより実施してもよい。除去は、本明細書にさらに記載のように、湿式処理によるものであってもよくまたは乾式処理によるものであってもよい。
【0162】
基板の表面に形成されるEUVパターニング可能な被膜の厚さは、表面特質、使用される材料、および処理条件に応じて様々であってもよい。種々の実施形態では、被膜厚は、約0.5nm~約100nmの範囲であってもよい。好ましくは、被膜は、EUVパターニングの条件下でEUV光の大部分を吸収するのに十分な厚さを有する。例えば、レジスト被膜の全体的な吸収は、レジスト被膜の底部のレジスト材料が十分に露光されるように、30%またはそれ未満(例えば、10%もしくはそれ未満、または5%もしくはそれ未満)であってもよい。一部の実施形態では、被膜厚は、10nm~20nmである。本開示の機序、機能、または有用性を限定するものではないが、乾式処理は、湿式スピンコーティング処理とは異なり、基板の表面接着特性に対する制限がより少なく、したがって幅広く様々な基板に塗布することができると考えられている。さらに、上記で考察されているように、成膜した被膜は、表面フィーチャに密接に追従し、下層フィーチャを有する基板などの基板に、そのようなフィーチャを「埋める」かまたはそうでなければ平坦化することなく、マスクを形成するという利点を提供してもよい。
【0163】
被膜(例えば、イメージング層)は、任意の有用な様式で成膜された金属酸化物層で構成されてもよい。そのような金属酸化物層は、金属含有前駆体(例えば、金属ハロゲン化物、キャッピング剤、または有機金属剤)など、本明細書に記載の任意のEUV感受性材料を使用することにより成膜または塗布することができる。例示的な処理では、重合有機金属材料は、金属酸化物層を提供するために、気相でまたは基板の表面にその場で形成される。金属酸化物層は、被膜、接着層、またはキャッピング層として使用してもよい。
【0164】
任意選択で、金属酸化物層は、キャッピング剤(例えば、本明細書に記載のいずれか)を酸素含有対反応物と共に使用することにより成膜することができるヒドロキシル末端化金属酸化物層を含んでいてもよい。そのようなヒドロキシル末端化金属酸化物層は、例えば、基板と被膜との間および/またはフォトレジスト層と下層との間など、他の2つの層間の接着層として使用することができる。
【0165】
例示的な成膜技法(例えば、被膜のための)は、本明細書に記載のいずれか、例えば、ALD(例えば、熱ALDおよびプラズマ強化ALD)、スピンコート成膜、PVD同時スパッタリングを含むPVD、CVD(例えば、PE-CVDまたはLP-CVD)、スパッタ成膜、電子ビーム同時蒸着を含む電子ビーム成膜など、またはそれらの組合せ、例えば、CVD成分によるALD、例えば、金属含有前駆体および対反応物が時間または空間のいずれかにより分離されている不連続ALD様処理が挙げられる。
【0166】
本開示に適用可能な前駆体およびそれらをEUVフォトレジスト被膜として成膜するための方法のさらなる説明は、2019年5月9日に出願され、国際公開第2019/217749号パンフレットとして公開された、METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSという名称の国際出願第PCT/US19/31618号パンフレットに見出されてもよい。薄被膜は、Ta系前駆体、さらなる金属前駆体、および対反応物に加えて、被膜の化学的もしくは物理的特性を改変するための、例えば、EUVに対する被膜の感受性を改変するためのまたはエッチング耐性を増強するための任意選択の材料を含んでいてもよい。そのような任意選択の材料は、気相形成中のドーピングなどにより、基板への成膜前、被膜の成膜後、またはその両方で導入してもよい。一部の実施形態では、一部のSn-L結合をSn-Hに置き換えて、例えばそれによりEUV下におけるレジストの反応性を増加させることができるように、穏やかなリモートH2プラズマを導入してもよい。
【0167】
一般に、方法は、金属前駆体(例えば、Ta系前駆体、Sn系前駆体、有機金属化合物、または有機金属剤などの金属含有前駆体)の蒸気流を、重合有機金属材料が形成されるように、任意選択の対反応物の蒸気流と混合すること、および有機金属材料を半導体基板の表面に成膜することを含んでいてもよい。一部の実施形態では、金属含有前駆体を任意選択の対反応物と混合することにより、重合有機金属材料を形成することができる。当業者であれば理解するだろうが、処理の混合局面および成膜局面は、実質的に連続した処理において同時であってもよい。
【0168】
例示的な連続CVD処理では、金属前駆体および任意選択の対反応物の供給源の2つまたはそれよりも多くのガス流が別々の入口経路でCVD装置の成膜チャンバに導入され、そこでそれらは気相で混合および反応して、凝集ポリマー材料を形成するか(例えば、金属-酸素-金属結合形成を介して)、または基板に被膜を形成する。ガス流は、例えば、別々の注入入口または二重プレナムシャワーヘッドを使用して導入してもよい。装置は、金属前駆体および任意選択の対反応物の流れがチャンバ内で混合され、金属前駆体および任意選択の対反応物が反応して重合有機金属材料または被膜(例えば、金属-酸素-金属結合形成などによる金属酸化物コーティング材料または凝集ポリマー材料)の形成が可能になるように構成されている。
【0169】
金属酸化物を成膜する場合、CVD処理は、一般に、0.1Torr~10Torrなどの減圧下で実施される。一部の実施形態では、処理は、1Torr~2Torrの圧力で実施される。基板の温度は、好ましくは、反応物流の温度を下まわる。例えば、基板温度は、0℃~250℃または常温(例えば、23℃)~150℃であってもよい。
【0170】
凝集ポリマー材料を成膜する場合、CVD処理は、一般に、10mTorr~10Torrなどの減圧下で実施される。一部の実施形態では、処理は、0.5~2Torrで実施される。基板の温度は、好ましくは、反応物流の温度であるかまたはそれを下まわる。例えば、基板温度は、0℃~250℃または常温(例えば、23℃)~150℃であってもよい。種々の処理では、基板への重合有機金属材料の成膜は、表面温度に反比例する速度で生じる。本技術の機序、機能、または有用性を限定するものではないが、金属原子が架橋対反応物であるため、そのような気相反応の生成物は分子量がより大きくなり、次いで凝縮するかまたはそうでなければ基板に成膜されると考えられる。
【0171】
乾式成膜法を使用する潜在的な利点は、被膜の成長と共に被膜の組成を容易に調整できることである。CVD処理では、これは、成膜中の金属前駆体および対反応物の相対的流動を変更することにより達成してもよい。成膜は、0.01Torr~100Torr、より一般には約0.1Torr~10Torrである圧力において30℃~200℃で生じてもよい。
【0172】
また、被膜(例えば、金属-酸素-金属結合形成によるものなどの、金属酸化物コーティング材料または凝集ポリマー材料)は、ALD処理により成膜してもよい。例えば、金属前駆体および任意選択の対反応物を別々の時間に導入する。これがALDサイクルである。金属前駆体は表面で反応し、一度に最大で材料の単層が各サイクルで形成される。これにより、表面にわたって被膜厚を均一にする優れた制御が可能になってもよい。ALD処理は、一般に、0.1Torr~10Torrなどの減圧下で実施される。一部の実施形態では、処理は、1Torr~2Torrで実施される。基板温度は、0℃~250℃または常温(例えば、23℃)~150℃であってもよい。この処理は、熱処理であってもよく、または好ましくはプラズマ支援成膜であってもよい。
【0173】
本明細書の成膜方法のいずれかを改変して、2つまたはそれよりも多くの異なる金属前駆体の使用を可能にすることができる。一実施形態では、前駆体は、同じ金属であるが異なる配位子を含むことができる。別の実施形態では、前駆体は異なる金属基を含むことができる。1つの非限定的な例では、Ta系前駆体をSn系前駆体と共に使用するなど、種々の揮発性金属含有前駆体を交互に流動させることより、混合金属層を提供することができる。また、本明細書の成膜方法のいずれかを改変して、2つまたはそれよりも多くの異なる対反応物の使用を可能にすることができる。
【0174】
さらに、本明細書の成膜方法のいずれかを改変して、被膜内に1つまたは複数の層を提供することができる。一例では、異なる金属前駆体を各層に使用することができる。別の例では、同じ前駆体を各層に使用してもよいが、最上部層は異なる化学的組成(例えば、異なる密度の金属-配位子結合、異なる金属、または金属前駆体を調節または変更することにより提供される異なる結合配位子)を有することができる。
【0175】
本明細書の処理は、表面改質を達成するために使用することができる。一部の反復では、金属前駆体の蒸気がウェハ上方を通過してもよい。反応が進行するための熱エネルギーを提供するために、ウェハを加熱してもよい。一部の反復では、加熱は、約50℃~約250℃であってもよい。一部の場合では、圧送および/またはパージステップにより隔てられた、対反応物のパルスを使用してもよい。例えば、対反応物を、前駆体パルス間にパルスして、ALDまたはALD様成長をもたらしてもよい。他の場合では、前駆体および対反応体の両方を同時に流動させてもよい。表面改質に有用な元素の例としては、I、F、Sn、Bi、Sb、Te、およびこうした化合物の酸化物または合金が挙げられる。
【0176】
本明細書の処理は、ALDまたはCVDにより薄い金属酸化物または金属を成膜するために使用することができる。例としては、SnOx、BiOx、およびTeが挙げられる。成膜に続いて、被膜を、本明細書の他所に記載の、MaRbLcの形態のアルキル置換前駆体でキャッピングしてもよい。対反応物を使用して配位子をより良好に除去してもよく、複数のサイクルを繰り返して基板表面の完全な飽和を保証してもよい。次いで、表面にEUV感受性被膜を成膜する準備が整うことになってもよい。1つの考え得る方法は、SnOxの薄被膜を生成することである。考え得る化学反応としては、テトラキス(ジメチルアミノ)スズと、水またはO2プラズマなどの対反応物をサイクルさせることによるSnO2の成長が挙げられる。成長後、キャッピング剤を使用することができる。例えば、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ蒸気を表面上方に流動させてもよい。
【0177】
成膜処理は、任意の有用な表面に使用することができる。本明細書で言及される場合、「表面」は、本技術の被膜が成膜されることになるかまたは処理中にEUVに露光されることになる表面である。そのような表面は、基板上に(例えば、その上に被膜が堆積されることになる)、被膜上に(例えば、その上にキャッピング層を成膜することができる)、または下層上に存在してもよい。
【0178】
リソグラフィ処理に、特に集積回路および他の半導体素子の生産に好適な任意の材料構築物を含む、任意の有用な基板を使用することができる。一部の実施形態では、基板はシリコンウェハである。基板は、不規則な表面トポグラフィを有するフィーチャ(「基盤となるトポグラフィーフィーチャ」)がその上に作出されているシリコンウェハであってもよい。
【0179】
そのような基盤となるトポグラフィーフィーチャとしては、本技術の方法を実施する前の処理中に材料が除去された領域(例えば、エッチングにより)または材料が追加された領域(例えば、成膜により)を挙げてもよい。そのような前処理としては、本技術の方法、またはそれによりフィーチャの2つまたはそれよりも多くの層が基板上に形成される反復処理による他の処理方法を挙げてもよい。本技術の機序、機能、または有用性を限定するものではないが、一部の実施形態では、本技術の方法は、中でも、スピンキャスティング法を使用して基板の表面にフォトリソグラフィ被膜を成膜させる方法に対して利点を提供すると考えられる。そのような利点は、本技術の被膜が下層のフィーチャに、そのようなフィーチャを「埋める」かまたはそうでなければ平坦化することなく追従すること、および幅広く多様な材料表面に被膜を成膜させることができることによるものであってもよい。
【0180】
一部の実施形態では、所望の材料の基板表面を有し、レジストパターンを転写する層が最上部材料である次のウェハを準備することができる。材料選択は集積度に応じて様々であってもよいが、EUVレジストまたはイメージング層に対して高い選択性で(つまり、それよりも非常に迅速に)エッチングすることができる材料を選択することが一般に望ましい。好適な基板材料としては、種々の炭素系被膜(例えば、アッシング可能ハードマスク(AHM))、ケイ素系被膜(例えば、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または酸炭窒化ケイ素、ならびにSiOx、SiOxNy、SiOxCyNz、a-Si:H、poly-Si、またはSiNを含む、それらのドープ形態)、またはパターニング処理を容易にするために塗布される任意の他の(一般には犠牲的な)被膜を挙げることができる。
【0181】
一部の実施形態では、基板は、下層半導体材料のリソグラフィエッチングに使用されるハードマスクである。ハードマスクは、無定形炭素(a-C)、SnOx、SiO2、SiOxNy、SiOxC、Si3N4、TiO2、TiN、W、W-ドープC、WOx、HfO2、ZrO2、およびAl2O3を含む、様々な材料のいずれかを含んでいてもよい。例えば、基板は、好ましくは、SnO2などのSnOxを含んでいてもよい。種々の実施形態では、層は、1nm~100nmの厚さ、または2nm~10nmの厚さであってもよい。
【0182】
一部の非限定的な実施形態では、基板は下層を含む。下層は、ハードマスクまたは他の層に成膜されていてもよく、一般に、本明細書に記載のイメージング層(または被膜)の下にある。下層は、PRの感受性を向上させ、EUV吸収率を増加させ、および/またはPRのパターニング性能を増加させるために使用してもよい。重要なトポグラフィを作出する素子フィーチャがパターニングしようとする基板に存在する場合、下層の別の重要な機能は、その後のパターニングステップを、目的のパターンのすべての領域で平坦表面に対して実施することができるように、既存のトポグラフィを上塗りおよび平坦化することであってもよい。そのような応用では、下層(または複数の下層のうちの少なくとも1つ)は、スピンコーティング技法を使用して塗布してもよい。使用されているPR材料が著しい無機成分を有し、例えば、主に金属酸化物フレームワークを呈する場合、下層は、スピンコーティングまたは乾式真空系成膜処理のいずれかにより塗布される炭素系被膜であることが有利であってもよい。層は、炭素系および水素系組成を有する種々のアッシング可能ハードマスク(AHM)被膜を含んでいてもよく、タングステン、ホウ素、窒素、またはフッ素などの追加の元素でドープされていてもよい。
【0183】
一部の実施形態では、表面活性化動作を使用して、将来の動作のために(例えば、基板および/または被膜の)表面を活性化してもよい。例えば、SiOx表面の場合、水または酸素/水素プラズマを使用して、表面にヒドロキシル基を作出してもよい。炭素系または炭化水素系表面の場合、種々の処理(例えば、水、水素/酸素、CO2プラズマ、またはオゾン処理)を使用して、カルボン酸/またはヒドロキシル基を作出してもよい。そのような手法は、そうでなければ取扱い中または現像中の溶媒内で離層または離昇する可能性があるレジストフィーチャの基板に対する接着性を向上させるために重要であることを証明することができる。
【0184】
また、接着性は、表面に粗さを導入して、相互作用に利用可能な表面積を増加させることにより、ならびに機械的接着性を直接的に向上させることにより増強してもよい。例えば、まず、Arまたは他の非反応性イオン衝撃が使用されるスパッタリング処理を使用して、粗表面を生成することができる。次いで、表面を、上記に記載の所望の表面官能基(例えば、ヒドロキシル基および/またはカルボン酸基)で末端化することができる。炭素に対しては、CO2、O2、またはH2O(またはH2およびO2の混合物)などの化学的に反応性の酸素含有プラズマを使用して、局所的な非均一性を有する被膜の薄層をエッチング除去し、同時に-OH基、-OOH基、または-COOH基で末端化することができる組合せ手法を使用することができる。これは、バイアスをかけて行ってもまたはかけずに行ってもよい。上記で言及されている表面改質戦略と併せて、この手法は、無機金属酸化物系レジストへの直接接着またはさらなる官能化のための中間表面改質のいずれかのために、基板表面の表面粗化および化学的活性化という二重の目的を果たすことができる。
【0185】
種々の実施形態では、表面(例えば、基板および/または被膜の)は、露出したヒドロキシル基をその表面に含む。一般に、表面は、露出したヒドロキシル表面を含むかまたはそれが生成されるように処理された任意の表面であってもよい。そのようなヒドロキシル基は、酸素プラズマ、水プラズマ、またはオゾンを使用した基板の表面処理により表面に形成してもよい。他の実施形態では、被膜の表面を処理して、露出したヒドロキシル基を提供することができ、その上にキャッピング層を塗布することができる。種々の実施形態では、ヒドロキシル末端化金属酸化物層は、0.1nm~20nm、または0.2nm~10nm、または0.5nm~5nmの厚さを有する。
【0186】
EUV露光処理
被膜のEUV露光は、EUV媒介性切断事象により生成される、金属原子(M)を含む活性化反応中心を有するEUV露光領域を提供することができる。そのような反応中心としては、ダングリング金属結合、M-H基、切断M-配位子基、二量体化M-M結合、またはM-O-M架橋を挙げることができる。他の実施形態では、EUV露光は、配位子を光重合することにより被膜内に架橋有機部分を提供するか;またはEUV露光は、配位子内の結合の光分解に起因するガス状副生成物を放出する。
【0187】
EUV露光は、10nm~15nm、例えば13.5nmの波長など、真空環境において約10nm~約20nmの範囲の波長を有してもよい。特に、パターニングは、EUV露光領域およびEUV未露光領域を提供して、パターンを形成することができる。
【0188】
本技術は、EUV、ならびにDUVまたは電子ビームを使用したパターニングを含むことができる。そのようなパターニングでは、放射線は、イメージング層の1つまたは複数の領域に集束される。露光は、典型的には、イメージング層被膜が放射線に露光されていない1つまたは複数の領域を含むように実施される。得られるイメージング層は、複数の露光領域および未露光領域を含んでいてもよく、その後の基板処理において材料を基板に追加または基板から除去することにより形成される半導体素子のトランジスタまたは他のフィーチャの作出と一致するパターンを作出する。本明細書で有用なものの中でもEUV、DUV、および電子ビーム放射法および装置としては、公知の方法および装置が挙げられる。
【0189】
一部のEUVリソグラフィ技法では、有機ハードマスク(例えば、PECVD無定形水素化炭素のアッシング可能ハードマスク)が、フォトレジスト処理を使用してパターニングされる。フォトレジスト露光中、EUV放射線は、レジストおよびその下の基板に吸収され、高エネルギー光電子(例えば、約100eV)を生成し、ひいては側方に数ナノメートル拡散する低エネルギー二次電子(例えば、約10eV)のカスケードを生成する。こうした電子は、レジスト内の化学反応の程度を増加させ、それよりEUV線量感受性を増加させる。しかしながら、性質がランダムである二次電子パターンは、光学像と重なり合う。この不要な二次電子露光は、解像度の喪失、パターニング化レジストの観察可能なラインエッジラフネス(LER)および線幅変動をもたらす。こうした欠陥は、その後のパターン転写エッチング中にパターニングされる材料に再現される。
【0190】
本明細書には、被膜形成(成膜/凝縮)および光リソグラフィを組み合わせて、EUVリソグラフィ(EUVL)性能の大幅な向上、例えばラインエッジラフネスの低減という結果をもたらす真空統合金属ハードマスク処理および関連真空統合ハードウェアが開示される。
【0191】
本明細書に記載の種々の実施形態では、成膜(例えば凝縮)処理(例えば、Lam Vector(登録商標)などのPECVDツールで実施されるALDまたはMOCVD)を使用して、EUV(例えば、10nm~20nm程度の波長)にて、例えばEUVL光源の波長(例えば、13.5nm=91.8eV)にて強力な吸収を示す、光感受性金属塩または金属含有有機化合物(有機金属化合物)などの金属含有被膜の薄被膜を形成することができる。この被膜は、EUV露光時に光分解し、その後のエッチング中に(例えば、Lam2300(商標)Kiyo(登録商標)などの導体エッチングツールでの)、パターン転写層である金属マスクを形成する。
【0192】
成膜に続いて、EUVパターニング可能な薄被膜を、典型的には比較的高真空下でEUV光のビームに露光させることによりパターニングする。EUV露光の場合、次いで、金属含有被膜を、リソグラフィプラットフォーム(例えば、オランダ国フェルドホーフェンのASMLにより供給されるTWINSCAN(登録商標) NXE:3300Bプラットフォームなどのウェハステッパ)に統合されているチャンバ内で成膜し、露光前に反応しないように真空下で移送する。リソグラフィツールとの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強力な光吸収を考慮するとEUVLにも大幅な減圧が必要であるという事実により促進される。他の実施形態では、光感受性金属被膜成膜およびEUV露光は、同じチャンバ内で実施してもよい。
【0193】
湿式または乾式現像を含む現像処理
EUV露光領域または未露光領域は、任意の有用な現像処理により除去することができる。一実施形態では、EUV露光領域は、ダングリング金属結合、M-H基、または二量体化M-M結合などの活性化反応中心を有してもよい。特定の実施形態では、M-H基は、1つまたは複数の乾式現像処理(例えば、ハロゲン化物化学)を使用することにより選択的に除去することができる。他の実施形態では、M-M結合を、湿式現像処理を使用することにより、例えば高温のエタノールおよび水を使用して可溶性M(OH)n基を提供することにより、選択的に除去することができる。さらに他の実施形態では、EUV露光領域は、湿式現像(例えば、ポジ型現像剤を使用することにより)または乾式現像を使用することにより除去される。一部の実施形態では、EUV未露光領域は、湿式現像(例えば、ネガ型現像剤を使用することにより)または乾式現像を使用することにより除去される。
【0194】
乾式現像処理は、HCl系またはHBr系処理など、ハロゲン化物を使用することを含んでいてもよい。本開示は特定の理論または作用機序に限定されないが、この手法は、乾式成膜EUVフォトレジスト被膜と洗浄用化学物質(例えば、HCl、HBr、およびBCl3)との化学反応性を活用し、蒸気またはプラズマを使用して揮発性生成物を形成することであると理解される。乾式成膜EUVフォトレジスト被膜は、最大で1nm/秒のエッチング速度で除去することができる。こうした化学物質による乾式成膜EUVフォトレジスト被膜の迅速な除去は、チャンバ洗浄、裏側洗浄、ベベル洗浄、およびPR現像に適用可能である。被膜は種々の温度の蒸気(例えば-10℃よりも高い温度のHClもしくはHBr、または例えば80℃よりも高い温度のBCl3)を使用して除去することができるが、プラズマを使用して反応性をさらに加速または増強することもできる。
【0195】
プラズマ処理としては、公知の装置および技法を使用した、トランス結合プラズマ(TCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、または容量結合プラズマ(CCP)が挙げられる。例えば、処理は、>0.5mTorr(例えば、1mTorr~100mTorrなど)の圧力で、<1000W(例えば、<500W)の電力レベルで実施してもよい。温度は、1~3000秒間(例えば、10秒間から600秒間)にわたって、1分当たり100~1000標準立方センチメートル(sccm)、例えば約500sccmの流量で、30℃~300℃(例えば、30℃~120℃)であってもよい。
【0196】
ハロゲン化物反応物流動が水素ガスおよびハロゲン化物ガスの流動である場合、リモートプラズマ/UV放射線を使用して、H2ならびにCl2および/またはBr2からラジカルを生成し、水素およびハロゲン化物ラジカルを反応チャンバに流動させて、ウェハの基板層上のパターニング化EUVフォトレジストと接触させる。好適なプラズマ電力は、バイアスなしで100W~500Wの範囲であってもよい。こうした条件は、一部の処理リアクタ、例えばカリフォルニア州フレモントのLam Research Corporationから入手可能なKiyoエッチングツールに好適であるが、処理リアクタの容量に応じて、より幅広い範囲の処理条件を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0197】
熱現像処理では、基板は、真空チャンバ(例えばオーブン)内で乾式現像化学物質(例えば、ルイス酸)に曝露される。好適なチャンバは、真空ライン、乾式現像ハロゲン化水素化学物質ガス(例えば、HBr、HCl)ライン、および温度制御のためのヒータを含んでいてもよい。一部の実施形態では、チャンバ内部は、有機ポリマーまたは無機コーティングなどの耐腐食性被膜でコーティングされていてもよい。1つのそのようなコーティングは、ポリテトラフルオロエチレン((PTFE)、例えばテフロン1M(テフロンは登録商標))である。そのような材料は、プラズマ曝露による除去のリスクを伴わずに、本開示の熱処理で使用することができる。
【0198】
乾式現像の処理条件は、フォトレジスト被膜ならびにそれらの組成および特性に応じて約10秒~1分間の時間にわたってプラズマを用いずに、100sccm~500sccmの反応物流動(例えば、500sccmのHBrまたはHCl)、-10℃~120℃(例えば、-10℃)の温度、1mTorr~500mTorr(例えば、300mTorr)の圧力であってもよい。
【0199】
種々の実施形態では、本開示の方法は、蒸着による被膜成膜、形成、(EUV)リソグラフィ光パターニング、および乾式現像のすべての乾式ステップを組み合わせる。そのような処理では、基板は、EUVスキャナでの光パターニングに続いて、乾式現像/エッチングチャンバへと直接移送してもよい。そのような処理は、湿式現像に関連する材料および生産コストを回避してもよい。また、乾式処理は、より大きな調整可能性を提供し、さらなるCD制御および/またはスカム除去をもたらすことができる。
【0200】
種々の実施形態では、いくらかの量の金属、金属酸化物、および有機成分を含むEUVフォトレジストは、式RxZy(式中、R=B、Al、Si、C、S、SOであり、x>0であり、Z=Cl、H、Br、F、CH4であり、y>0である)の化合物を含む乾式現像ガスを流動させながら、加熱法、プラズマ法(例えば、ランプ加熱またはUVランプ加熱など、光活性化プラズマを含む場合がある)、または加熱法およびプラズマ法の混合法により乾式現像することができる。乾式現像は、RxZy種が露光材料を選択的に除去し、未露光対応物をマスクとして後に残すポジ型をもたらすことができる。一部の実施形態では、有機スズ酸化物系フォトレジスト被膜の露光部分は、本開示に従って乾式現像により除去される。ポジ型乾式現像は、プラズマを衝突させないハロゲン化水素または水素ならびにHClおよび/もしくはHBrを含むハロゲン化物を含む流動、あるいはリモートプラズマまたはプラズマから生成されるUV放射線によりラジカルが生成される、H2ならびにCl2および/またはBr2の流動に曝露されたEUV露光領域の選択的乾式現像(除去)により達成してもよい。
【0201】
湿式現像法も使用することができる。特定の実施形態では、そのような湿式現像法を使用してEUV露光領域を除去して、ポジ型フォトレジストまたはネガ型レジストを提供する。例示的で非限定的な湿式現像は、アンモニウムを含むもの、例えば、水酸化アンモニウム(NH4OH)などのアルカリ現像剤(例えば、水性アルカリ現像剤);アンモニウム系イオン液体、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、もしくは他の第四級アルキルアンモニウム水酸化物;モノ-、ジ-、およびトリ-有機アミン(例えば、ジエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン)などの有機アミン;またはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、もしくはジエチレングリコールアミンなどのアルカノールアミンの使用を含んでいてもよい。他の実施形態では、アルカリ現像剤は、窒素含有塩基、例えば、式RN1NH2、RN1RN2NH、RN1RN2RN3N、またはRN1RN2RN3RN4N+XN1-を有する化合物を含んでいてもよく、式中、RN1、RN2、RN3、およびRN4の各々は、独立して、有機置換基(例えば、置換されていてもよいアルキルまたは本明細書に記載のいずれか)または互いに一緒になることができる2つもしくはそれよりも多くの有機置換基であり、XN1-は、OH-、F-、Cl-、Br-、I-、または他の当技術分野で公知の第四級アンモニウム陽イオン種を含んでいてもよい。また、こうした塩基は、ヘテロシクリル窒素化合物を含んでもよく、それらの一部は本明細書に記載されている。
【0202】
他の現像方法としては、ハロゲン化物(例えば、HClまたはHBr)、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、またはクエン酸)、または有機フッ素化合物(例えば、トリフルオロ酢酸)を含む酸性現像剤(例えば、水性酸性現像剤または有機溶媒中の酸性現像剤)の使用;またはケトン(例えば、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、またはアセトン)、エステル(例えば、γ-ブチロラクトンまたはエチル3-エトキシプロピオネート(EEP))、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール(IPA))、もしくはグリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA))などのエーテル、ならびにそれらの組合せなどの、有機現像剤の使用が挙げられる。
【0203】
特定の実施形態では、ポジ型現像剤は、水性アルカリ現像剤である(例えば、NH4OH、TMAH、TEAH、TPAH、またはTBAHを含む)。他の実施形態では、ネガ型現像剤は、水性酸性現像剤、有機溶媒中の酸性現像剤、または有機現像剤(例えば、HCl、HBr、ギ酸、トリフルオロ酢酸、2-ヘプタノン、IPA、PGME、PGMEA、またはそれらの組合せ)である。
【0204】
塗布後処理
本明細書の方法は、下記に記載の任意の有用な塗布後処理を含んでいてもよい。
【0205】
裏側およびベベル洗浄処理では、蒸気および/またはプラズマをウェハの特定の領域に限定して、ウェハの表側にある任意の被膜を劣化させることなく、裏側およびベベルの除去のみを保証することができる。除去される乾式成膜EUVフォトレジスト被膜は、一般に、Sn、O、およびCで構成されているが、同じ洗浄手法を、他の金属酸化物レジストおよび材料の被膜に拡張することができる。加えて、この手法は、被膜剥離およびPR再形成にも使用することができる。
【0206】
乾式ベベルエッジおよび裏側洗浄に好適な処理条件は、フォトレジスト被膜および組成および特性に応じて、100sccm~500sccmの反応物流動(例えば、500sccmのHCl、HBr、またはH2およびCl2もしくはBr2、BCl3もしくはH2)、-10℃~120℃(例えば、20℃)の温度、20mTorr~500mTorr(例えば、300mTorr)の圧力、高周波(例えば、13.56MHz)の0~500Wプラズマ電力、および約10秒間~20秒間の時間であってもよい。こうした条件は、一部の処理リアクタ、例えば、カリフォルニア州フレモントのLam Research Corporationから入手可能なKiyoエッチングツールに好適であるが、処理リアクタの容量に応じて、より幅広い範囲の処理条件を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0207】
フォトリソグラフィ処理は、典型的には、フォトレジストの露光領域および未露光領域との間に化学的コントラストを生成するために必要な化学反応を促進するための1つまたは複数のベークステップを含む。大容積製造(HVM)の場合、そのようなベークステップは、典型的にはトラックにて実施され、ウェハは、周囲空気下のまたは一部の場合ではN2流動下の所定温度のホットプレートでベークされる。ベーク環境をより慎重に制御し、ならびにこうしたベークステップ中に追加の反応性ガス成分を環境に導入することにより、線量要件の低減および/またはパターン忠実度の向上をさらに支援することができる。
【0208】
本開示の種々の態様によると、成膜後(例えば、塗布後ベーク(PAB))および/または露光後(例えば、露光後ベーク(PEB))および/または現像後(例えば、現像後ベーク(PDB))の金属および/または金属酸化物系フォトレジストに対する1つまたは複数の後処理は、露光フォトレジストと未露光フォトレジストとの間の材料特性差を増加させ、したがって線量対サイズ(DtS)を減少させ、PRプロファイルを向上させ、その後の乾式現像後のラインエッジラフネスおよびライン幅ラフネス(LER/LWR)を向上させることが可能である。そのような処理は、温度、ガス環境、および水分が制御された熱処理を含んでいてもよく、その後の処理における乾式現像性能の向上をもたらすことができる。一部の場合では、リモートプラズマを使用してもよい。
【0209】
塗布後処理(例えば、PAB)の場合、温度、ガス環境(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、またはそれらの混合物)または真空下、および水分が制御されている熱処理を、成膜後および露光前に使用して、未露光金属および/または金属酸化物フォトレジストの組成を変化させることができる。この変化は、材料のEUV感受性を増加させ、したがって露光および乾式現像後に、より低い線量対サイズおよびエッジラフネスを達成することができる。
【0210】
露光後処理(例えば、PEB)の場合、温度、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、またはそれらの混合物)または真空下、および水分が制御されている熱処理を使用して、未露光および/または露光フォトレジストの両方の組成を変化させることができる。この変化は、未露光フォトレジストと露光フォトレジストとの間の組成/材料特性差、および未露光フォトレジストと露光フォトレジストとの間の乾式現像エッチングガスのエッチング速度差を増加させることができる。これにより、より高いエッチング選択性を達成することができる。選択性の向上により、表面粗さが改善されており、および/またはフォトレジスト残留物/スカムがより少ない、より四角形のPRプロファイルを得ることができる。特定の実施形態では、PEBは、空気中で、ならびに水分およびCO2の任意選択の存在下で実施することができる。
【0211】
現像後処理(例えば、現像後ベークまたはPDB)の場合、温度、ガス雰囲気(例えば、空気、H2O、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、Ar、He、またはそれらの混合物)または真空下(例えば、UVによる場合)、および水分が制御されている熱処理を使用して、未露光フォトレジストの組成を変化させることができる。特定の実施形態では、条件は、プラズマ(例えば、O2、O3、Ar、He、またはそれらの混合物を含む)の使用も含む。この変化は、材料の硬度を増加させることができ、これは、下層基板をエッチングする際に被膜がレジストマスクとして使用されることになる場合に有益であり得る。
【0212】
こうした場合、代替的な実装形態では、熱処理をリモートプラズマ処理に置き換えて反応性種を増加させて、反応のエネルギー障壁を低下させ、生産性を増加させることができる。リモートプラズマは、より反応性のラジカルを生成することができ、したがって処理の反応温度/時間が低下し、生産性の増加に結び付く。
【0213】
したがって、1つまたは複数の処理を適用してフォトレジスト自体を改変し、乾式現像選択性を増加させてもよい。この熱改変またはラジカル改変は、未露光材料と露光材料との間のコントラストを増加させ、したがって、その後の乾式現像ステップの選択性を増加させることができる。その結果もたらされる未露光材料と露光材料との間の材料特性差は、温度、ガス流動、水分、圧力、および/またはRF電力を含む処理条件を調節することにより調整することができる。湿式現像剤溶媒中の材料溶解度により制限を受けない乾式現像により可能になる大きな処理許容度は、より侵襲的な条件の適用を可能にし、達成することができる材料コントラストをさらに増強する。得られる高材料コントラストは、乾式現像のより広い処理窓にフィードバックされるため、生産性の増加、低コスト化、およびより良好な欠陥性能を可能にする。
【0214】
湿式現像レジスト被膜の顕著な制限は、ベーク温度が制限されることである。湿式現像は材料溶解度に依存するため、例えば220℃以上に加熱すると、金属含有PR被膜の露光領域および未露光領域の両方で架橋度が大幅に増加する可能性があり、そのため両方とも湿式現像溶液に不溶性になり、被膜はもはや信頼性高く湿式現像できなくなる可能性がある。例えば、湿式スピンオンまたは湿式現像された金属含有PR被膜の場合、PAB、PEBなどのベークは、例えば180℃を下まわるか、200℃を下まわるか、または250℃を下まわる温度で実施してもよい。PRの露光領域と未露光領域との間のエッチング速度の差異(つまり、選択性)が、レジストの露光部分または未露光部分のみの除去に依存する乾式現像レジスト被膜の場合、PAB、PEB、またはPDBの処理温度を、非常により幅広い窓、例えば、90℃~190℃、90℃~600℃、100℃~400℃、125℃~300℃、および190℃~240℃(例えば、PAB、PEB、および/またはPDBの場合)などの約170℃~250℃またはそれよりも高い温度などの約90℃~250℃にわたって変化させて、処理プロセスを調整および最適化することができる。エッチング速度の減少およびエッチング選択性の向上は、前述の範囲内のより高い処理温度で生じることが見出された。
【0215】
特定の実施形態では、PAB、PEB、および/またはPDB処理は、100sccm~10000sccmの範囲のガス環境流動、数パーセントから100%までの量の水分含有量(例えば、20%~50%)、大気圧と真空との間の圧力、および約1~15分間、例えば約2分間の持続期間で実施してもよい。
【0216】
こうした知見は、処理条件を調整して、処理を特定の材料および状況に合わせるかまたは最適化するために使用することができる。例えば、空気中約20%の湿度で約2分間の220℃~250℃のPEB熱処理により所与のEUV線量で達成される選択性を、そのような熱処理を行わずに約30%より高いEUV線量の場合と同様にすることができる。したがって、半導体処理動作の選択性要件/制約に応じて、本明細書に記載のものなどの熱処理を使用して、必要とされるEUV線量を低下させることができる。または、より高い選択性が必要であり、より高い線量が許容される場合、湿式現像状況で可能になると考えられるよりも非常に高い、露光対未露光で最大100倍の選択性を得ることができる。
【0217】
さらに他のステップとしては、フォトリソグラフィ処理中に物理的および構造的特質(例えば、限界寸法、被膜厚など)を評価することができる、その場計測を挙げることができる。その場計測を実装するためのモジュールとしては、例えば、スキャッタロメトリ、エリプソメトリ、ダウンストリーム質量分析、および/またはプラズマ強化ダウンストリーム発光分光分析モジュールが挙げられる。
【0218】
装置
また、本開示は、本明細書に記載の任意の方法を実施するように構成された任意の装置を含む。一実施形態では、被膜を成膜するための装置は、対反応物の任意選択の存在下でTa系前駆体または他の金属前駆体を提供することによりEUV感受性材料を被膜として成膜するためのチャンバを具備する成膜モジュール;サブ30nm波長放射線の供給源を有するEUVフォトリソグラフィツールを具備するパターニングモジュール;および被膜を現像するためのチャンバを具備する現像モジュールを備える。
【0219】
装置は、そのようなモジュールのための命令を有するコントローラをさらに備えていてもよい。一実施形態では、コントローラは、1つまたは複数のメモリ素子、1つまたは複数のプロセッサ、および被膜の成膜を実施するための命令でコードされたシステム制御ソフトウェアを備える。そのようなものは、成膜モジュールにおいて、Ta系前駆体または他の金属前駆体を、任意選択の還元ガス、アルキン、および/または対反応物を用いて、基板またはフォトレジスト層の上部表面に被膜として成膜すること;パターニングモジュールにおいて、EUV露光により直接的に被膜をサブ30nm解像度でパターニングし、それにより被膜内にパターンを形成すること;および現像モジュールにおいて、被膜を現像することを含んでいてもよい。特定の実施形態では、現像モジュールは、EUV露光領域またはEUV未露光領域の除去を提供し、それにより被膜内にパターンを提供する。
【0220】
図4には、本記載の剥離および現像実施形態の実装に好適な低圧環境を維持するための処理チャンバ本体402を有する処理ステーション400の実施形態の概略図が図示されている。複数の処理ステーション400が、共通の低圧処理ツール環境に含まれてもよい。例えば、
図5には、カリフォルニア州フレモントのLam Research Corporationから入手可能なVECTOR(登録商標)処理ツールなどのマルチステーション処理ツール500の実施形態が図示されている。一部の実施形態では、下記で詳細に考察されているものを含む処理ステーション400の1つまたは複数のハードウェアパラメータは、1つまたは複数のコンピュータコントローラ450によりプログラム的に調整してもよい。
【0221】
処理ステーションは、クラスタツールのモジュールとして構成されていてもよい。
図7には、本明細書に記載の実施形態の実装に好適な真空統合成膜およびパターニングモジュールを有する半導体処理クラスタツールアーキテクチャが図示されている。そのようなクラスタ処理ツールアーキテクチャは、
図6および
図7を参照して本明細書に記載の、レジスト成膜モジュール、レジスト露光(EUVスキャナ)モジュール、レジスト乾式現像モジュール、およびエッチングモジュールを備えていてもよい。
【0222】
一部の実施形態では、ある特定の処理機能、例えば乾式現像およびエッチングを、同じモジュールで連続して実施することができる。また、本開示の実施形態は、エッチングしようとする層または層積層上に配置された光パターニング化EUVレジスト薄被膜層を含むウェハを、EUVスキャナでの光パターニング後、現像/エッチングチャンバ(例えば、乾式現像/エッチングチャンバまたは湿式現像/エッチングチャンバ)に受け取るための;光パターニング化EUVレジスト薄被膜層を現像するための;および次いで本明細書に記載のようにパターニング化EUVレジストをマスクとして使用して下層をエッチングするための方法および装置に関する。
【0223】
図4に戻ると、処理ステーション400は、接続405により処理ガスを分配シャワーヘッド406へと送達するための反応物送達システム401aと流体連通している。反応物送達システム401aは、シャワーヘッド406に送達するための処理ガスを配合および/または前処理するための混合容器404を任意選択で備える。1つまたは複数の混合容器入口バルブ420は、混合容器404への処理ガスの導入を制御してもよい。また、プラズマ曝露が使用される場合、プラズマを、シャワーヘッド406に送達してよく、または処理ステーション400で生成してもよい。処理ガスは、例えば、Ta系前駆体、Sn系前駆体、金属前駆体、還元ガス、アルキン、炭化水素、対反応物、または不活性ガスなど、本明細書に記載のいずれかを含んでいてもよい。
【0224】
図4は、混合容器404に供給される液体反応物を気化させるための任意選択の気化地点403を含む。液体反応物は、金属前駆体(例えば、Ta系前駆体および/またはSn系前駆体)または対反応物を含んでいてもよい。一部の実施形態では、気化させて処理ステーション400に送達するための液体の質量流量を制御するために、気化地点403の上流に液体流量コントローラ(LFC)を設けてもよい。例えば、LFCは、LFCの下流に位置する熱式質量流量計(MFM)を備えていてもよい。次いで、LFCのプランジャバルブを、MFMと電気通信する比例積分微分(PID)コントローラにより提供されるフィードバック制御信号に応答して調整してもよい。
【0225】
シャワーヘッド406は、処理ガスを基板412に向けて分配する。
図4に示されている実施形態では、基板412は、シャワーヘッド406の直下に位置し、ペデスタル408上に置かれていることが示されている。シャワーヘッド406は、処理ガスを基板412に分配するための任意の好適な数および配置のポートを有してもよい。
【0226】
一部の実施形態では、ペデスタル408を上昇または下降させて、基板412を、基板412とシャワーヘッド406との間の容積に曝してもよい。一部の実施形態では、ペデスタルの高さは、好適なコンピュータコントローラ450によりプログラム的に調整してもよいことが理解されるだろう。
【0227】
一部の実施形態では、ペデスタル408は、ヒータ410により温度制御してもよい。一部の実施形態では、ペデスタル408は、本開示の実施形態に記載のような、HBr、HCl、またはBCl3などの乾式現像化学物質への光パターニング化レジストの非プラズマ熱曝露中、0℃よりも高く300℃までのまたはそれよりも高い温度に、例えば、約65℃~80℃などの50℃~120℃に加熱してもよい。
【0228】
さらに、一部の実施形態では、処理ステーション400の圧力制御は、バタフライバルブ418により提供してもよい。
図4の実施形態に示されているように、バタフライバルブ418は、下流の真空ポンプ(図示せず)により提供される真空を絞る。しかしながら、また、一部の実施形態では、処理ステーション400の圧力制御は、処理ステーション400に導入される1つまたは複数のガスの流量を変化させることにより調整してもよい。
【0229】
一部の実施形態では、ペデスタル408に対するシャワーヘッド406の位置を調整して、基板412とシャワーヘッド406との間の容積を変化させてもよい。さらに、本開示の範囲内の任意の好適な機構により、ペデスタル408および/またはシャワーヘッド406の垂直位置を変化させてもよいことが理解されるだろう。一部の実施形態では、ペデスタル408は、基板412の向きを回転させるための回転軸を備えていてもよい。一部の実施形態では、こうした例示的な調整のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の好適なコンピュータコントローラ450によりプログラム的に実施してもよいことが理解されるだろう。
【0230】
例えば、穏やかなプラズマに基づく乾式現像の実施形態および/または同じチャンバ内で実施されるエッチング動作にプラズマを使用してもよい場合、シャワーヘッド406およびペデスタル408は、プラズマ407に電力を供給するための高周波(RF)電源414およびマッチング回路416と電気的に連通している。一部の実施形態では、プラズマエネルギーは、処理ステーション圧力、ガス濃度、RF供給源電力、RF供給源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングのうちの1つまたは複数を制御することにより制御してもよい。例えば、RF電源414およびマッチング回路416を任意の好適な電力で動作させて、所望の組成のラジカル種を有するプラズマを形成してもよい。好適な電力の例は、最大で約500Wである。
【0231】
一部の実施形態では、コントローラ450に対する命令は、入出力制御(IOC)シーケンス命令により提供してもよい。一例では、処理段階の条件を設定するための命令が、処理レシピの対応するレシピ段階に含まれていてもよい。一部の場合では、処理レシピ段階は、処理段階のすべての命令がその処理段階と同時に実行されるように連続して配置されていてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数のリアクタパラメータを設定するための命令がレシピ段階に含まれてもよい。例えば、レシピ段階は、HBrまたはHClなどの乾式現像化学反応物ガスの流量を設定するための命令、およびレシピ段階の時間遅延命令を含んでいてもよい。一部の実施形態では、コントローラ450は、
図5のシステムコントローラ550に関して下記に記載されている機能のいずれかを含んでいてもよい。
【0232】
上記に記載のように、1つまたは複数の処理ステーションが、マルチステーション処理ツールに含まれていてもよい。
図5には、いずれかまたは両方がリモートプラズマ源を備えていてもよい入口ロードロック502および出口ロードロック504を有するマルチステーション処理ツール500の実施形態の概略図が示されている。大気圧下のロボット506は、ウェハを、ポッド508を通じてロードされたカセットから、大気圧ポート510を介して入口ロードロック502へと移動するように構成されている。ウェハはロボット506により入口ロードロック502のペデスタル512に置かれ、大気ポート510が閉鎖され、ロードロックが排気される。入口ロードロック502がリモートプラズマ供給源を備えている場合、ウェハを、処理チャンバ514に導入する前にロードロック内でリモートプラズマ処理に曝露させて窒化ケイ素表面を処理してもよい。またさらに、ウェハを、同様に入口ロードロック502内で加熱して、例えば水分および吸着ガスを除去してもよい。次に、処理チャンバ514へのチャンバ移送ポート516が解放され、別のロボット(図示せず)が、処理のために、ウェハを、リアクタ内に示されている第1のステーションのペデスタルに配置する。
図5に示されている実施形態はロードロックを含むが、一部の実施形態では、処理ステーションへのウェハの直接の進入を提供してもよいことが理解されるだろう。
【0233】
図示されている処理チャンバ514は、
図5に示されている実施形態では、1~4の番号が付けられた4つの処理ステーションを備えている。各ステーションは、加熱ペデスタル(ステーション1のものは518として示されている)およびガスライン入口を有する。一部の実施形態では、各処理ステーションは、異なるまたは複数の目的を有してもよいことが理解されるだろう。例えば、一部の実施形態では、処理ステーションは、乾式現像モードとエッチング処理モードとを切替え可能であってもよい。それに加えてまたはその代わりに、一部の実施形態では、処理チャンバ514は、1つまたは複数の対応する対の乾式現像およびエッチング処理ステーションを含んでいてもよい。図示されている処理チャンバ514は4つのステーションを備えるが、本開示による処理チャンバは、任意の好適な数のステーションを有してもよいことが理解されるだろう。例えば、一部の実施形態では、処理チャンバは、5つまたはそれよりも多くのステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つまたはそれよりも少数のステーションを有してもよい。
【0234】
図5には、処理チャンバ514内でウェハを移送するためのウェハハンドリングシステム590の実施形態が図示されている。一部の実施形態では、ウェハハンドリングシステム590は、種々の処理ステーション間でおよび/または処理ステーションとロードロックとの間でウェハを移送してもよい。任意の好適なウェハハンドリングシステムを使用してもよいことが理解されるだろう。非限定的な例としては、ウェハカルーセルおよびウェハハンドリングロボットが挙げられる。
図5には、処理ツール500の処理条件およびハードウェア状態を制御するために使用されるシステムコントローラ550の実施形態も図示されている。システムコントローラ550は、1つまたは複数のメモリ素子556、1つまたは複数の大容量記憶装置554、および1つまたは複数のプロセッサ552を備えていてもよい。プロセッサ552は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを備えていてもよい。
【0235】
一部の実施形態では、システムコントローラ550は、処理ツール500の活動の全てを制御する。システムコントローラ550は、大容量記憶装置554に格納されており、メモリ素子556にロードされ、プロセッサ552で実行されるシステム制御ソフトウェア558を実行する。その代わりに、制御ロジックが、コントローラ550にハードコードされていてもよい。こうした目的のために、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、すなわちFPGA)などを使用してもよい。以下の考察では、「ソフトウェア」または「コード」が使用されている場合は常に、機能的に同等のハードコードロジックをその代わりに使用してもよい。システム制御ソフトウェア558は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバおよび/またはステーション圧力、チャンバおよび/またはステーション温度、ウェハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板ペデスタル、チャックおよび/またはサセプタ位置、ならびに処理ツール500により実施される特定の処理の他のパラメータを含んでいてもよい。システム制御ソフトウェア558は、任意の好適な様式に構成されていてもよい。例えば、種々の処理プロセスを実施するために使用される処理ツール構成要素の動作を制御するための、種々の処理ツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが書かれていてもよい。システム制御ソフトウェア558は、任意の好適なコンピュータ可読プログラミング言語でコードされていてもよい。
【0236】
一部の実施形態では、システム制御ソフトウェア558は、上記に記載の種々のパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含んでいてもよい。一部の実施形態では、システムコントローラ550に関連する大容量記憶装置554および/またはメモリ素子556に格納された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムを使用してもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例としては、基板位置決めプログラム、処理ガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0237】
基板位置決めプログラムは、基板をペデスタル518にロードし、基板と処理ツール500の他の部分との間隔を制御するために使用される処理ツール構成要素のプログラムコードを含んでいてもよい。
【0238】
処理ガス制御プログラムは、種々のガス組成(例えば、本明細書に記載のHBrまたはHClガス)および流量を制御するためのコード、および任意選択で、処理ステーションの圧力を安定させるために、ガスを成膜前に1つまたは複数の処理ステーションへと流動させるためのコードを含んでいてもよい。圧力制御プログラムは、例えば、処理ステーションの排気システムのスロットルバルブ、処理ステーションへのガス流動などを調節することにより、処理ステーションの圧力を制御するためのコードを含んでいてもよい。
【0239】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含んでいてもよい。その代わりに、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝導ガス(ヘリウムなど)の送達を制御してもよい。
【0240】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って、1つまたは複数の処理ステーションの処理電極に印加されるRF電力レベルを設定するためのコードを含んでいてもよい。
【0241】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態に従って反応チャンバの圧力を維持するためのコードを含んでいてもよい。
【0242】
一部の実施形態では、システムコントローラ550に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置状態および/または処理条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクなどのユーザ入力デバイスを備えていてもよい。
【0243】
一部の実施形態では、システムコントローラ550により調整されるパラメータは、処理条件に関してもよい。非限定的な例としては、処理ガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)などが挙げられる。こうしたパラメータは、ユーザインターフェースを使用して入力してもよいレシピの形態でユーザに提供されてもよい。
【0244】
処理を監視するための信号は、種々の処理ツールセンサから、システムコントローラ550のアナログ入力接続および/またはデジタル入力接続により提供されてもよい。処理を制御するための信号は、処理ツール500のアナログ出力接続およびデジタル出力接続に出力させてもよい。監視してもよい処理ツールセンサの非限定的な例としては、質量流量コントローラ、圧力センサ(マノメータなど)、熱電対などが挙げられる。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこうしたセンサからのデータと共に使用して、処理条件を維持してもよい。
【0245】
システムコントローラ550は、上記に記載の成膜処理を実装するためのプログラム命令を提供してもよい。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度など、様々な処理パラメータを制御してもよい。命令は、本明細書に記載の種々の実施形態に従って乾式現像および/またはエッチング処理を動作させるためのパラメータを制御してもよい。
【0246】
システムコントローラ550は、典型的には、装置が本開示の実施形態による方法を実施することになるように命令を実行するように構成された1つまたは複数のメモリ素子および1つまたは複数のプロセッサを備えることになる。本開示の実施形態に従って処理動作を制御するための命令を含む機械可読媒体が、システムコントローラ550に接続されていてもよい。
【0247】
一部の実装形態では、システムコントローラ550は、上記に記載の例の一部であってもよいシステムの一部である。そのようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、処理のための1つもしくは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理用部品(ウェーハペデスタル、ガス流動システムなど)を含む半導体処理装置を含んでいてもよい。こうしたシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中、処理後の動作を制御するための電子機器と統合されていてもよい。電子機器は「コントローラ」と呼んでもよく、コントローラは、1つまたは複数のシステムの種々の構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラ550は、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置および動作設定、ツールおよび他の移送ツールおよび/または特定のシステムと接続もしくはインターフェース連結されたロードロックの内外へのウェハ移送を含む、本明細書に開示の処理のいずれかを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0248】
概して、システムコントローラ550は、命令を受信すること、命令を発すること、動作を制御すること、洗浄動作を可能にすること、および終点測定を可能にすることなどを行う種々の集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器であると定義してもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)であると定義されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでいてもよい。プログラム命令は、種々の個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でシステムコントローラ550と通信し、半導体ウェハに対するもしくは関する特定の処理またはシステムに対する特定の処理を実施するための動作パラメータを定義する命令であってもよい。動作パラメータは、一部の実施形態では、ウェハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはダイの製造中に1つもしくは複数の処理ステップを達成するようにプロセスエンジニアが定義するレシピの一部であってよい。
【0249】
システムコントローラ550は、一部の実装形態では、システムに統合もしくは接続されているか、別様にシステムとネットワーク化されているか、またはそれらの組合せであるコンピュータの一部であってもよくまたはそのようなコンピュータに接続されていてもよい。例えば、システムコントローラ550は、「クラウド」に存在してもよく、ウェハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる製造ホストコンピュータシステムの全体もしくは一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更するために、現在の処理に続く処理ステップを設定するために、または新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして製造動作の現在の進行状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能指標を調査してもよい。一部の例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよいネットワークを介して処理レシピをシステムに提供することができる。リモートコンピュータは、後にリモートコンピュータからシステムに通信されるパラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えていてもよい。一部の例では、システムコントローラ550は、1つまたは複数の動作中に実施される処理ステップの各々のパラメータを指定する、データの形態の命令を受信する。パラメータは、実施される処理のタイプ、およびシステムコントローラ550がインターフェース接続または制御するように構成されているツールのタイプに特異的であってもよいことが理解されるべきである。したがって、上記に記載のように、システムコントローラ550は、共にネットワーク化されて、本明細書に記載の処理および制御などの共通の目的のために機能する1つまたは複数の別個のコントローラを備えることなどにより分散されていてもよい。そのような目的のための分散コントローラの例は、チャンバでの処理を制御するために組み合わされた、リモートに位置する(プラットフォームレベルでまたはリモートコンピュータの一部としてなど)1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバにある1つまたは複数の集積回路であろう。
【0250】
限定ではないが、例示的なシステムとしては、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、成膜チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、および半導体ウェハの加工および/または製造に関連してもよくまたは使用してもよい任意の他の半導体処理システムを挙げてもよい。
【0251】
上述のように、ツールにより実施される1つまたは複数の処理ステップに応じて、システムコントローラ550は、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体にわたって配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場においてツール位置間および/もしくはロードポート間でウェハの容器を運搬する材料移送に使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信してもよい。
【0252】
ある特定の実施形態では、一部の実施形態の実装に好適なエッチング動作に好適であってもよい誘導結合プラズマ(ICP)リアクタがこれから記載される。本明細書ではICPリアクタが記載されているが、一部の実施形態では、容量結合プラズマリアクタも使用してよいことが理解されるべきである。
【0253】
図6には、乾式現像および/またはエッチングなどの、ある特定の実施形態または実施形態の態様の実装に適切な誘導結合プラズマ装置600の断面図が概略的に示されており、そのような装置の例は、カリフォルニア州フレモントのLam Research Corp.により生産されているKiyo(登録商標)リアクタである。他の実施形態では、本明細書に記載の乾式現像および/またはエッチング処理を実施する機能を有する他のツールまたはツールタイプを、実装に使用してもよい。
【0254】
誘導結合プラズマ装置600は、チャンバ壁601および窓611により構造的に画定される処理チャンバ全体を含む。チャンバ壁601は、ステンレス鋼またはアルミニウムで製造されていてもよい。窓611は、石英または他の誘電材料で製造されていてもよい。任意選択の内部プラズマグリッド650は、プロセスチャンバ全体を、上側サブチャンバ602および下側サブチャンバ603に分割する。ほとんどの実施形態では、プラズマグリッド650を取り外して、それによりサブチャンバ602および603で構成されるチャンバ空間を使用してもよい。チャック617は、下側サブチャンバ603内の底部内側表面付近に位置決めされている。チャック617は、それに対してエッチングおよび成膜処理が実施される半導体ウェハ619を受け取り、保持するように構成されている。チャック617は、ウェハ619が存在する場合、ウェハ619を支持するための静電チャックであってもよい。一部の実施形態では、エッジリング(図示せず)は、チャック617を取り囲み、チャック617の上方に存在する場合は、ウェハ619の上部表面とほぼ平面関係にある上側表面を有する。また、チャック617は、ウェハ619をチャッキングおよびデチャッキングするための静電電極を備える。この目的のために、フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)を設けてもよい。
【0255】
また、ウェハ619をチャック617から持ち上げるための他の制御システムを設けることができる。チャック617は、RF電源623を使用して帯電させることができる。RF電源623は、接続627を介して整合回路621に接続されている。整合回路621は、接続625を介してチャック617に接続されている。RF電源623は、このようにチャック617に接続されている。種々の実施形態では、静電チャックのバイアス電力は、約50Vに設定してもよく、または本開示の実施形態に従って実施される処理に応じて異なるバイアス電力に設定してもよい。例えば、バイアス電力は、約20V~約100Vまたは約30V~約150Vであってもよい。
【0256】
プラズマ生成のための要素は、窓611の上方に位置決めされたコイル633を備える。一部の実施形態では、コイルは、本開示の実施形態では使用されない。コイル633は、導電性材料で製造されており、少なくとも1回りの完全なターンを含む。
図6に示されているコイル633の例は、3回りのターンを含む。コイル633の断面には記号が示されており、「×」を有するコイルはページ奥に向かって回転延在し、「●」を有するコイルはページ手前に向かって回転延在する。また、プラズマ生成のための要素は、コイル633にRF電力を供給するように構成されたRF電源641を備える。一般に、RF電源641は、接続645を介して整合回路639に接続されている。整合回路639は、接続643を介してコイル633に接続されている。RF電源641は、このようにコイル633に接続されている。任意選択のファラデーシールド649が、コイル633と窓611との間に位置決めされている。ファラデーシールド649は、コイル633に対して空間的に離間された関係性で維持されていてもよい。一部の実施形態では、ファラデーシールド649は、窓611の真上に配置されている。一部の実施形態では、ファラデーシールドは、窓611とチャック617との間に存在する。一部の実施形態では、ファラデーシールドは、コイル633に対して空間的に離間された関係性に維持されていない。例えば、ファラデーシールドは、窓の真下に間隔をあけずに存在してもよい。コイル633、ファラデーシールド649、および窓611は各々、互いに対して実質的に平行になるように構成されている。ファラデーシールド649は、処理チャンバの窓611に金属または他の種が成膜されることを防止してもよい。
【0257】
処理ガスは、上側サブチャンバ602に位置決めされた1つまたは複数の主ガス流動入口660から、および/または1つまたは複数の側面ガス流動入口670から処理チャンバに流入してもよい。同様に、明示的には示されていないが、同様のガス流動入口を使用して、処理ガスを容量結合プラズマ処理チャンバに供給してもよい。真空ポンプ、例えば、1段または2段の機械的乾式ポンプおよび/またはターボ分子ポンプ640を使用して、処理チャンバから処理ガスを吸引し、処理チャンバ内の圧力を維持してもよい。例えば、真空ポンプを使用して、ALDのパージ動作中に下側サブチャンバ603を排気してもよい。真空ポンプにより提供される真空環境の適用を選択的に制御するために、バルブ制御導管を使用して真空ポンプを処理チャンバに流体接続してもよい。これは、プラズマ処理動作中に、スロットルバルブ(図示せず)または振り子バルブ(図示せず)などの閉ループ制御流量制限装置を使用して行ってもよい。また、同様に、容量結合プラズマ処理チャンバとの真空ポンプおよびバルブ制御流体接続を使用してもよい。
【0258】
装置600の動作中、1つまたは複数の処理ガスを、ガス流動入口660および/または670から供給してもよい。ある特定の実施形態では、処理ガスは、主ガス流動入口660のみから供給してもよく、または側面ガス流入口670のみから供給してもよい。一部の場合では、図に示されているガス流動入口を、より複雑なガス流動入口に、例えば1つまたは複数のシャワーヘッドに置き換えてもよい。ファラデーシールド649および/または任意選択のグリッド650は、処理チャンバへの処理ガスの送達を可能にする内部チャネルおよび穴を備えていてもよい。ファラデーシールド649および任意選択のグリッド650のいずれかまたは両方が、処理ガスを送達するためのシャワーヘッドとしての機能を果たしてもよい。一部の実施形態では、液体反応物または前駆体が気化されると、気化した反応物または前駆体がガス流動入口660および/または670から処理チャンバに導入されるように、液体気化および送達システムを処理チャンバの上流に配置してもよい。
【0259】
RF電源641からコイル633へと高周波電力が供給され、コイル633を流れRF電流が引き起こされる。コイル633を流れるRF電流は、コイル633の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上側サブチャンバ602内に誘導電流を発生させる。種々の生成されたイオンおよびラジカルとウェハ619との物理的および化学的相互作用は、ウェハ619のフィーチャをエッチングし、ウェハ619に層を選択的に成膜する。
【0260】
上側サブチャンバ602および下側サブチャンバ603の両方が存在するようにプラズマグリッド650が使用される場合、誘導電流は、上側サブチャンバ602に存在するガスに作用して、上側サブチャンバ602に電子-イオンプラズマを発生させる。任意選択の内部プラズマグリッド650は、下側サブチャンバ603内の高温電子の量を局限する。一部の実施形態では、装置600は、下側サブチャンバ603に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマであるように設計および動作する。
【0261】
上側の電子-イオンプラズマおよび下側のイオン-イオンプラズマは両方とも陽イオンおよび負イオンを含んでいてもよいが、イオン-イオンプラズマは、陽イオンに対する負イオンの比率が高いだろう。揮発性エッチングおよび/または成膜副生成物は、ポート622を介して下側サブチャンバ603から除去してもよい。本明細書に開示のチャック617は、約10℃~約250℃の範囲の高温で動作してもよい。温度は、処理動作および特定のレシピに依存することになるだろう。
【0262】
装置600は、クリーンルームにまたは製造施設に設置される際に、設備(図示せず)に接続してもよい。設備は、処理ガス、真空、温度制御、および環境粒子制御を提供する配管を含む。こうした設備は、目標の製造施設に設置される際に装置600に接続される。加えて、装置600を、ロボット装置が典型的な自動化を使用して装置600の内外に半導体ウェハを移送すること可能にする移送チャンバに接続してもよい。
【0263】
一部の実施形態では、システムコントローラ630(1つまたは複数の物理的コントローラまたはロジックコントローラを備えていてもよい)が、処理チャンバの動作の一部または全てを制御する。システムコントローラ630は、1つまたは複数のメモリ素子および1つまたは複数のプロセッサを備えていてもよい。一部の実施形態では、装置600は、本開示の実施形態が実施される際に流量および継続時間を制御するための切替えシステムを備える。一部の実施形態では、装置600は、最大で約600ms、または最大で約750msの切替え時間を有してもよい。切替え時間は、流動化学、選択したレシピ、リアクタアーキテクチャ、および他の要因に依存してもよい。
【0264】
一部の実装形態では、システムコントローラ630は、上記に記載の例の一部であってもよいシステムの一部である。そのようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、処理のための1つもしくは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理用構成要素(ウェハペデスタル、ガス流動システムなど)を具備する半導体処理装置を備えていてもよい。こうしたシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されていてもよい。電子機器は、システムコントローラ630に統合されていてもよく、システムコントローラ630は、1つまたは複数のシステムの種々の構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラは、処理パラメータおよび/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置および動作設定、ツールおよび他の移送ツールおよび/または特定のシステムと接続もしくはインターフェース連結されたロードロックの内外へのウェハ移送を含む、本明細書に開示の処理のいずれかを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0265】
概して、システムコントローラ630は、命令を受信すること、命令を発すること、動作を制御すること、洗浄動作を可能にすること、および終点測定を可能にすることなどを行う種々の集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器であると定義してもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)であると定義されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでいてもよい。プログラム命令は、種々の個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに通信され、半導体ウェハに対するかもしくは関する特定の処理またはシステムに対する特定の処理を実施するための動作パラメータを定義する命令であってもよい。動作パラメータは、一部の実施形態では、ウェハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはダイの製造中もしくは除去中に1つもしくは複数の処理ステップを達成するようにプロセスエンジニアが定義するレシピの一部であってよい。
【0266】
システムコントローラ630は、一部の実装形態では、システムに統合されているか、システムに接続されているか、別様にシステムとネットワーク化されているか、またはそれらの組合せであるコンピュータの一部であってもよくまたはそのようなコンピュータに接続されていてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」に存在してもよく、またはウェハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる製造ホストコンピュータシステムの全体もしくは一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更するために、現在の処理に続く処理ステップを設定するために、または新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして製造動作の現在の進行状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能指標を調査してもよい。一部の例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよいネットワークを介して処理レシピをシステムに提供することができる。リモートコンピュータは、後にリモートコンピュータからシステムに通信されるパラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えていてもよい。一部の例では、システムコントローラ630は、1つまたは複数の動作中に実施される処理ステップの各々のパラメータを指定するデータの形態の命令を受信する。パラメータは、実施される処理のタイプ、およびコントローラがインターフェース接続または制御するように構成されているツールのタイプに特異的であってもよいことが理解されるべきである。したがって、上記に記載のように、システムコントローラ630は、共にネットワーク化されて、本明細書に記載の処理および制御などの共通の目的のために機能する1つまたは複数の別個のコントローラを備えることなどにより分散されていてもよい。そのような目的のための分散コントローラの例は、チャンバでの処理を制御するために組み合わされた、リモートに位置する(プラットフォームレベルでまたはリモートコンピュータの一部としてなど)1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバにある1つまたは複数の集積回路であろう。
【0267】
限定ではないが、例示的なシステムとしては、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、成膜チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、ALEチャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、および半導体ウェハの加工および/または製造に関連してもよくまたは使用してもよい任意の他の半導体処理システムを挙げてもよい。
【0268】
上述のように、ツールにより実施される1つまたは複数の処理ステップに応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体にわたって配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場においてツール位置間および/もしくはロードポート間でウェハの容器を運搬する材料移送に使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信してもよい。
【0269】
EUVLパターニングは、スキャナと呼ばれることが多い任意の好適なツール、例えば、オランダ国フェルドホーフェンのASMLにより供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームを使用して実施してもよい。EUVLパターニングツールは、本明細書に記載のように、成膜およびエッチングするために基板を出し入れする独立型装置であってもよい。または、下記に記載のように、EUVLパターニングツールは、より大きなマルチコンポーネントツールのモジュールであってもよい。
図7には、本明細書に記載の処理の実装に好適な、真空移送モジュールとインターフェース連結された真空統合成膜モジュール、EUVパターニングモジュール、および乾式現像/エッチングモジュールを有する半導体処理クラスタツールアーキテクチャが図示されている。処理は、そのような真空統合装置を用いずに実施してもよく、そのような装置は、一部の実装形態において有利であってもよい。
【0270】
図7には、本明細書に記載の処理の実装に好適な、真空移送モジュールとインターフェース連結された真空統合成膜モジュールおよびパターニングモジュールを有する半導体処理クラスタツールアーキテクチャが図示されている。複数の保管設備および処理モジュール間でウェハを「移送」するための移送モジュールの構成は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれてもよい。成膜モジュールおよびパターニングモジュールは、特定の処理の要件に応じて真空統合される。また、エッチング用などの他のモジュールがクラスタに含まれていてもよい。
【0271】
真空移送モジュール(VTM)738は、種々の製造処理を実施するために個々に最適化されていてもよい4つの処理モジュール720a~720dとインターフェース連結されている。例として、処理モジュール720a~720dは、成膜、蒸着、ELD、乾式現像、エッチング、剥離、および/または他の半導体処理を実施するために実装されていてもよい。例えば、モジュール720aは、カリフォルニア州フレモントのLam Research Corporationから入手可能なVectorツールなど、本明細書に記載の非プラズマ熱原子層堆積を実施するように動作してもよいALDリアクタであってもよい。また、モジュール720bは、Lam Vector(登録商標)などのPECVDツールであってもよい。図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことが理解されるべきである。
【0272】
ロードロックまたは移送モジュールとしても知られているエアロック742および746は、VTM738およびパターニングモジュール740とインターフェース連結されている。例えば、上述のように、好適なパターニングモジュールは、オランダ国フェルドホーフェンのASMLにより供給されるTWINSCAN(登録商標) NXE:3300Bプラットフォームであってもよい。このツールアーキテクチャは、半導体基板またはウェハなどのワークピースが、露光前に反応しないように真空下で移送されることを可能にする。成膜モジュールとリソグラフィツールとの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強力な光吸収を考慮するとEUVLにも大幅な減圧が必要であるという事実により促進される。
【0273】
上述のように、この統合アーキテクチャは、本記載の処理を実装するためのツールの1つの考え得る実施形態にすぎない。また、処理は、独立型EUVLスキャナ、およびLam Vectorツールなどの、例えば
図7を参照して説明したが、統合型パターニングモジュールを有していない、独立型であるかまたはエッチング、剥離などのモジュールとしての他のツール(Lam KiyoまたはGammaツール)を有するクラスタアーキテクチャに統合されているかのいずれかである成膜リアクタを使用して実装してもよい。
【0274】
エアロック742は、成膜モジュール720aとしての機能を果たすVTM738からパターニングモジュール740への基板の移送を指す「搬出」ロードロックであってもよく、エアロック746は、パターニングモジュール740からVTM738へと戻す基板の移送を指す「搬入」ロードロックであってもよい。また、搬入ロードロック746は、基板の出し入れのために、ツールの外部とのインターフェースを提供してもよい。各処理モジュールは、モジュールをVTM738にインターフェース連結する平面を有する。例えば、成膜処理モジュール720aは、平面736を有する。各平面内部のセンサ、例えば、図示のセンサ1~18を使用して、それぞれのステーション間を移動させる際のウェハ726の通過を検出する。同様に、パターニングモジュール740ならびにエアロック742および746には、図示されていないが、追加の平面およびセンサが装備されていてもよい。
【0275】
主VTMロボット722は、エアロック742および746を含むモジュール間でウェハ726を移送する。一実施形態では、ロボット722は1つのアームを有し、別の実施形態では、ロボット722は2つのアームを有し、各アームは、移送のためにウェハ726などのウェハを取り上げるためのエンドエフェクタ724を有する。フロントエンドロボット744は、ウェハ726を搬出エアロック742からパターニングモジュール740へと、パターニングモジュール740から搬入エアロック746へと移送するために使用される。また、フロントエンドロボット744は、基板の出し入れのために、搬入ロードロックとツールの外部との間でウェハ726を移送してもよい。搬入エアロックモジュール746は、大気圧と真空との間で環境を一致させる能力を有するため、ウェハ726は、損傷を受けることなく2つの圧力環境間を移動することができる。
【0276】
EUVLツールは、典型的には、成膜ツールよりも高真空で動作することに留意されたい。その場合、パターニングツールに入れる前に基板の脱気が可能になるように、成膜ツールとEUVLツールとの間の移送中に基板の真空環境を増加させることが望ましい。搬出エアロック742は、パターニングモジュール740内の圧力よりも高くないより低い圧力にて移送ウェハを一定期間保持し、あらゆるオフガスを排気することによりこの機能を提供してもよく、そのためパターニングモジュール740の光学部品は、基板からのオフガスにより汚染されない。オフガス排出エアロックの好適な圧力は、1E-8Torr以下である。
【0277】
一部の実施形態では、システムコントローラ750(1つまたは複数の物理的コントローラまたはロジックコントローラを含んでいてもよい)は、クラスタツールおよび/またはその個別のモジュールの動作の一部または全てを制御する。コントローラは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであってもよく、またはクラスタアーキテクチャ外部の製造フロアに位置していてもよく、または遠隔地にあり、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続してもよいことに留意されたい。システムコントローラ750は、1つまたは複数のメモリ素子および1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、ステッピングモータコントローラボード、および他の類似構成要素を含んでいてもよい。適切な制御動作を実装するための命令は、プロセッサで実行される。そうした命令は、コントローラに関連するメモリ素子に格納されていてもよく、またはネットワークを介して提供されてもよい。ある特定の実施形態では、システムコントローラは、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0278】
システム制御ソフトウェアは、塗布のタイミングおよび/またはツールもしくはモジュール動作の任意の局面の大きさを制御するための命令を含んでいてもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の好適な様式に構成されていてもよい。例えば、種々の処理ツール処理を実施するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するための、種々の処理ツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが書かれていてもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の好適なコンピュータ可読プログラミング言語でコードされていてもよい。一部の実施形態では、システム制御ソフトウェアは、上記に記載の種々のパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含む。例えば、半導体製造処理の各段階は、システムコントローラにより実行される1つまたは複数の命令を含んでいてもよい。凝縮、成膜、蒸着、パターニング、および/またはエッチング段階の処理条件を設定するための命令が、例えば、対応するレシピ段階に含まれていてもよい。
【0279】
種々の実施形態では、ネガパターンマスクを形成するための装置が提供される。そうした装置は、パターニング、成膜、およびエッチングのための処理チャンバ、ならびにネガパターンマスクを形成するための命令を含むコントローラを備えていてもよい。命令は、処理チャンバ内で、基板の表面を露出させるためのEUV露光により半導体基板の化学増幅(CAR)レジストのフィーチャをパターニングするための、光パターニング化レジストを乾式現像するための、およびパターニング化レジストをマスクとして使用して下層または層積層をエッチングするためのコードを含んでいてもよい。
【0280】
ウェハ移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであってもよく、またはクラスタアーキテクチャ外部の製造フロアに位置していてもよく、または遠隔地にあり、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続してもよいことに留意されたい。
【0281】
結論
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲内で、ある特定の変更および改変をなすことができることは明らかであろう。本明細書に開示の実施形態は、そうした特定の詳細の一部または全てを用いずに実施してもよい。他の例では、周知の処理動作は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭なものにしないために、詳細には説明されていない。さらに、本開示の実施形態は特定の実施形態と併せて説明されることになるが、特定の実施形態は、本開示の実施形態を限定することが意図されていないことが理解されるだろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置を実現するための多数の代替法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示であり限定ではないとみなされるべきであり、実施形態は、本明細書で示されている詳細に限定されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜と、
を含み、
前記被膜はタンタルおよびスズを含む、積層体。
【請求項2】
請求項1に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、積層体。
【請求項3】
請求項2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、タンタルおよびスズを含む混合有機金属被膜を含む、積層体。
【請求項4】
請求項2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、スズ含有層の上部表面または底部表面に配置されたタンタル含有層を含む、積層体。
【請求項5】
請求項2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、約5nm~約40nmの厚さを有する、積層体。
【請求項6】
被膜を形成するための方法であって、
タンタル系前駆体を基板の表面に成膜して、パターニング放射線感受性被膜をもたらすこと、
を含み、
前記タンタル系前駆体はパターニング放射線感受性部分を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体の前記パターニング放射線感受性部分は、EUV不安定基を含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体は、式(I):
TaR
bL
c (I)
を有する構造を含み、
式中、
各Rは、独立して、EUV不安定基、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいイミノ、または置換されていてもよいアルキレンであり、
各Lは、独立して、還元ガスまたはアセチレンと反応性である配位子または他の部分であり、
b≧0;およびc≧1である、
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体は、式(I-A):
R=Ta(L)
b (I-A)
を有する構造を含み、
式中、
Rは、=NR
iまたは=CR
iR
iiであり、
各Lは、独立して、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、またはTaに結合している二価配位子であり、前記二価配位子は-NR
i-Ak-NR
ii-であり、
各R
iおよびR
iiは、独立して、H、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、または置換されていてもよいシクロアルキルであり、
Akは、置換されていてもよいアルキレンまたは置換されていてもよいアルケニレンであり、
b≧1である、
方法。
【請求項11】
請求項7~10に記載の方法であって、前記パターニング放射線感受性被膜は窒化タンタル被膜を含む、方法。
【請求項12】
請求項7~10に記載の方法であって、前記成膜は有機金属化合物をさらに含み、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は共に成膜させることができる、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記成膜は、前記被膜に成膜させる前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物の相対量を調整することをさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記調整は、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物の流量および/または成膜時間を変更することを含む、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記成膜は、
還元ガスまたはアセチレンの任意選択の存在下で前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物を成膜し、それにより2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜を含む前記パターニング放射線感受性被膜を提供することを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記有機金属化合物はスズ系前駆体を含み、前記混合有機金属被膜はタンタルおよびスズを含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記成膜は、約250℃を下まわるかまたは約100℃を下まわる温度にて化学蒸着により成膜することを含む、方法。
【請求項18】
請求項7~10に記載の方法であって、前記成膜は有機金属化合物をさらに含み、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は、シーケンスで順次成膜することができる、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記シーケンスは、前記タンタル系前駆体を成膜し、それに続いてまたはそれに先行して前記有機金属化合物を成膜することを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記成膜は、前記タンタル系前駆体
の成膜、それに続くまたはそれに先行する前記有機金属化合物
の成膜、のシーケンスの数または順序を調整することをさらに含む、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、
前記成膜は、
チャンバ内で前記有機金属化合物を対反応物の任意選択の存在下で成膜し、それにより有機金属含有層をもたらすこと、
前記チャンバをパージガスでパージすること、
前記チャンバ内で前記タンタル系前駆体を成膜し、それにより前記有機金属含有層の上部表面に配置されたタンタル含有層をもたらすこと、
前記チャンバを別のパージガスでパージすること、および
前記タンタル含有層を還元ガスまたはアセチレンに曝露すること
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記有機金属化合物はスズ系前駆体を含み、前記有機金属含有層はスズを含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記成膜は、原子層堆積により成膜することを含む、方法。
【請求項24】
請求項12に記載の方法であって、前記有機金属化合物は、式(II):
M
aR
bL
c (II)
を有する構造を含み、
式中、
Mは金属であり、
各Rは、独立して、EUV不安定配位子、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり、RおよびLはMと共に一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができるか、またはRおよびLは一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1;b≧1;およびc≧1である、
方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、Rは置換されていてもよいアルキルであり、Mはスズである、方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であって、各Lは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、または置換されていてもよいアルコキシである、方法。
【請求項27】
請求項24に記載の方法であって、前記成膜は、対反応物をさらに含む、方法。
【請求項28】
請求項7に記載の方法であって、前記成膜は、還元ガスまたはアセチレンをさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記還元ガスは、水素(H
2)、アミン(NH
3)、またはトリアルキルアミンを含む、方法。
【請求項30】
請求項7に記載の方法であって、
前記成膜後に、
パターニング放射線露光により前記パターニング放射線感受性被膜をパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜をもたらすこと、および、
前記露光被膜を現像し、それにより前記放射線露光領域を除去してポジ型レジスト被膜内にパターンをもたらすか、または前記放射線未露光領域を除去してネガ型レジスト内にパターンをもたらすこと
をさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、前記パターニング放射線露光は、真空環境で約10nm~約20nmの範囲の波長を有する極紫外線露光を含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記現像は、乾式現像化学物質または湿式現像化学物質を含む、方法。
【請求項33】
請求項3
2に記載の方法であって、前記乾式現像化学物質は、プラズマ中にHCl、HBr、HI、HF、Cl
2、Br
2、BCl
3、BF
3、NF
3、NH
3、SOCl
2、SF
6、CF
4、CHF
3、CH
2F
2、および/またはCH
3Fを含む、方法。
【請求項34】
請求項3
2に記載の方法であって、前記湿式現像化学物質は、ケトン、エステル、アルコール、またはグリコールエーテルを含む、方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、前記湿式現像化学物質は、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、アセトン、γ-ブチロラクトン、n-ブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、またはそれらの組合せを含む、方法。
【請求項36】
レジスト被膜を形成するための装置であって、
パターニング放射線感受性被膜を成膜するためのチャンバを具備する成膜モジュールと、
サブ300nm波長放射線の供給源を有するフォトリソグラフィツールを具備するパターニングモジュールと、
前記レジスト被膜を現像するためのチャンバを具備する現像モジュールと、
1つまたは複数のメモリ素子、1つまたは複数のプロセッサ、および機械可読命令を含む命令でコードされたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラであって、前記機械可読命令は、
前記成膜モジュールにおいて、パターニング放射線感受性部分を含むタンタル系前駆体を半導体基板の上部表面に成膜して、前記パターニング放射線感受性被膜をレジスト被膜として形成することを引き起こし、
前記パターニングモジュールにおいて、パターニング放射線露光により直接的に前記レジスト被膜をサブ300nm解像度でパターニングして、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を形成することを引き起こし、
前記現像モジュールにおいて、前記露光被膜を現像して、前記放射線露光領域または前記放射線未露光領域を除去し、前記レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こす、
コントローラと、
を備える、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置であって、前記フォトリソグラフィツールの前記供給源は、サブ30nm波長放射線の供給源である、装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記パターニングモジュールにおいて、EUV露光により直接的に前記レジスト被膜をサブ30nm解像度でパターニングし、それによりEUV露光領域およびEUV未露光領域を有する前記露光被膜を形成することを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記現像モジュールにおいて、前記露光被膜を現像して、前記EUV露光領域または前記EUV未露光領域を除去し、前記レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項41】
請求項37~40に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記成膜モジュールにおいて、還元ガス、アセチレン、および/または対反応物の任意選択の存在下で有機金属化合物をさらに成膜し、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は共に成膜され、2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜がもたらされることを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項42】
請求項37~40に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記成膜モジュールにおいて、還元ガス、アセチレン、および/または対反応物の任意選択の存在下で有機金属化合物をさらに成膜し、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は交互サイクルで成膜され、有機金属含有層および前記有機金属含有層の上部表面に配置されたタンタル含有層がもたらされることを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
【請求項43】
被膜を形成するための方法であって、
半導体基板の上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜を用意し、前記被膜はタンタルまたはタンタルおよびスズを含むことと、
前記パターニング放射線感受性被膜をパターニング放射線露光によりパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を用意することと
を含む、方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、
前記パターニングの後、湿式化学物質を使用して前記露光被膜を現像することをさらに含む、方法。
【請求項45】
請求項43に記載の方法であって、
前記パターニング放射線感受性被膜の前記用意の後、250℃を下まわるかまたは180℃を下まわる温度で塗布後ベークを実施することをさらに含む、方法。
【請求項46】
請求項43に記載の方法であって、
前記パターニングの後、250℃を下まわるかまたは180℃を下まわる温度で露光後ベークを実施することをさらに含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
本明細書の任意の実施形態では、Rは、置換されていてもよいアルキル(例えば、C1~10アルキル)であってもよい。一実施形態では、アルキルは、1つまたは複数のハロで置換されている(例えば、F、Cl、Br、またはIなどの、1、2、3、4つ、またはそれよりも多くのハロを含むハロ置換C1~10アルキル)。例示的なR置換基としては、CnH2n+1(式中、好ましくはn≧3である);CnFxH(2n+1-x)(式中、1≦x≦2n+1である)が挙げられる。種々の実施形態では、Rは、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を有する。例えば、Rは、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0201
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0201】
湿式現像法も使用することができる。特定の実施形態では、そのような湿式現像法を使用してEUV露光領域を除去して、ポジ型フォトレジストまたはネガ型レジストを提供する。例示的で非限定的な湿式現像は、アンモニウムを含むもの、例えば、水酸化アンモニウム(NH4OH)などのアルカリ現像剤(例えば、水性アルカリ現像剤);アンモニウム系イオン液体、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、もしくは他の第四級アルキルアンモニウム水酸化物;モノ-、ジ-、およびトリ-有機アミン(例えば、ジエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン)などの有機アミン;またはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、もしくはジエチレングリコールアミンなどのアルカノールアミンの使用を含んでいてもよい。他の実施形態では、アルカリ現像剤は、窒素含有塩基、例えば、式RN1NH2、RN1RN2NH、RN1RN2RN3N、またはRN1RN2RN3RN4N+XN1-を有する化合物を含んでいてもよく、式中、RN1、RN2、RN3、およびRN4の各々は、独立して、有機置換基(例えば、置換されていてもよいアルキルまたは本明細書に記載のいずれか)または互いに一緒になることができる2つもしくはそれよりも多くの有機置換基であり、XN1-は、OH-、F-、Cl-、Br-、I-、または他の当技術分野で公知の第四級アンモニウム陽イオン種を含んでいてもよい。また、こうした塩基は、ヘテロシクリル窒素化合物を含んでもよく、それらの一部は本明細書に記載されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0281
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0281】
結論
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲内で、ある特定の変更および改変をなすことができることは明らかであろう。本明細書に開示の実施形態は、そうした特定の詳細の一部または全てを用いずに実施してもよい。他の例では、周知の処理動作は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭なものにしないために、詳細には説明されていない。さらに、本開示の実施形態は特定の実施形態と併せて説明されることになるが、特定の実施形態は、本開示の実施形態を限定することが意図されていないことが理解されるだろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置を実現するための多数の代替法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示であり限定ではないとみなされるべきであり、実施形態は、本明細書で示されている詳細に限定されるべきではない。本開示は以下の適用例を含む。
[適用例1]
上部表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜と、
を含み、
前記被膜はタンタルおよびスズを含む、積層体。
[適用例2]
適用例1に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、積層体。
[適用例3]
適用例2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、タンタルおよびスズを含む混合有機金属被膜を含む、積層体。
[適用例4]
適用例2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、スズ含有層の上部表面または底部表面に配置されたタンタル含有層を含む、積層体。
[適用例5]
適用例2に記載の積層体であって、前記パターニング放射線感受性被膜は、約5nm~約40nmの厚さを有する、積層体。
[適用例6]
被膜を形成するための方法であって、
タンタル系前駆体を基板の表面に成膜して、パターニング放射線感受性被膜をもたらすこと、
を含み、
前記タンタル系前駆体はパターニング放射線感受性部分を含む、方法。
[適用例7]
適用例6に記載の方法であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、方法。
[適用例8]
適用例7に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体の前記パターニング放射線感受性部分は、EUV不安定基を含む、方法。
[適用例9]
適用例7に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体は、式(I):
TaR
b
L
c
(I)
を有する構造を含み、
式中、
各Rは、独立して、EUV不安定基、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいイミノ、または置換されていてもよいアルキレンであり、
各Lは、独立して、還元ガスまたはアセチレンと反応性である配位子または他の部分であり、
b≧0;およびc≧1である、
方法。
[適用例10]
適用例9に記載の方法であって、前記タンタル系前駆体は、式(I-A):
R=Ta(L)
b
(I-A)
を有する構造を含み、
式中、
Rは、=NR
i
または=CR
i
R
ii
であり、
各Lは、独立して、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、またはTaに結合している二価配位子であり、前記二価配位子は-NR
i
-Ak-NR
ii
-であり、
各R
i
およびR
ii
は、独立して、H、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、または置換されていてもよいシクロアルキルであり、
Akは、置換されていてもよいアルキレンまたは置換されていてもよいアルケニレンであり、
b≧1である、
方法。
[適用例11]
適用例7~10に記載の方法であって、前記パターニング放射線感受性被膜は窒化タンタル被膜を含む、方法。
[適用例12]
適用例7~10に記載の方法であって、前記成膜は有機金属化合物をさらに含み、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は共に成膜させることができる、方法。
[適用例13]
適用例12に記載の方法であって、前記成膜は、前記被膜に成膜させる前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物の相対量を調整することをさらに含む、方法。
[適用例14]
適用例13に記載の方法であって、前記調整は、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物の流量および/または成膜時間を変更することを含む、方法。
[適用例15]
適用例12に記載の方法であって、前記成膜は、
還元ガスまたはアセチレンの任意選択の存在下で前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物を成膜し、それにより2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜を含む前記パターニング放射線感受性被膜を提供することを含む、方法。
[適用例16]
適用例15に記載の方法であって、前記有機金属化合物はスズ系前駆体を含み、前記混合有機金属被膜はタンタルおよびスズを含む、方法。
[適用例17]
適用例15に記載の方法であって、前記成膜は、約250℃を下まわるかまたは約100℃を下まわる温度にて化学蒸着により成膜することを含む、方法。
[適用例18]
適用例7~10に記載の方法であって、前記成膜は有機金属化合物をさらに含み、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は、シーケンスで順次成膜することができる、方法。
[適用例19]
適用例18に記載の方法であって、前記シーケンスは、前記タンタル系前駆体を成膜し、それに続いてまたはそれに先行して前記有機金属化合物を成膜することを含む、方法。
[適用例20]
適用例18に記載の方法であって、前記成膜は、前記タンタル系前駆体、それに続くまたはそれに先行する前記有機金属化合物のシーケンスの数または順序を調整することをさらに含む、方法。
[適用例21]
適用例18に記載の方法であって、
前記成膜は、
チャンバ内で前記有機金属化合物を対反応物の任意選択の存在下で成膜し、それにより有機金属含有層をもたらすこと、
前記チャンバをパージガスでパージすること、
前記チャンバ内で前記タンタル系前駆体を成膜し、それにより前記有機金属含有層の上部表面に配置されたタンタル含有層をもたらすこと、
前記チャンバを別のパージガスでパージすること、および
前記タンタル含有層を還元ガスまたはアセチレンに曝露すること
を含む、方法。
[適用例22]
適用例21に記載の方法であって、前記有機金属化合物はスズ系前駆体を含み、前記有機金属含有層はスズを含む、方法。
[適用例23]
適用例21に記載の方法であって、前記成膜は、原子層堆積により成膜することを含む、方法。
[適用例24]
適用例12に記載の方法であって、前記有機金属化合物は、式(II):
M
a
R
b
L
c
(II)
を有する構造を含み、
式中、
Mは金属であり、
各Rは、独立して、EUV不安定配位子、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアルコキシ、またはLであり、
各Lは、独立して、対反応物と反応性である配位子、イオン、または他の部分であり、RおよびLはMと共に一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができるか、またはRおよびLは一緒になって、任意選択でヘテロシクリル基を形成することができ、
a≧1;b≧1;およびc≧1である、
方法。
[適用例25]
適用例24に記載の方法であって、Rは置換されていてもよいアルキルであり、Mはスズである、方法。
[適用例26]
適用例24に記載の方法であって、各Lは、独立して、H、ハロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいビス(トリアルキルシリル)アミノ、置換されていてもよいトリアルキルシリル、または置換されていてもよいアルコキシである、方法。
[適用例27]
適用例24に記載の方法であって、前記成膜は、対反応物をさらに含む、方法。
[適用例28]
適用例7に記載の方法であって、前記成膜は、還元ガスまたはアセチレンをさらに含む、方法。
[適用例29]
適用例28に記載の方法であって、前記還元ガスは、水素(H
2
)、アミン(NH
3
)、またはトリアルキルアミンを含む、方法。
[適用例30]
適用例7に記載の方法であって、
前記成膜後に、
パターニング放射線露光により前記パターニング放射線感受性被膜をパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜をもたらすこと、および、
前記露光被膜を現像し、それにより前記放射線露光領域を除去してポジ型レジスト被膜内にパターンをもたらすか、または前記放射線未露光領域を除去してネガ型レジスト内にパターンをもたらすこと
をさらに含む、方法。
[適用例31]
適用例30に記載の方法であって、前記パターニング放射線露光は、真空環境で約10nm~約20nmの範囲の波長を有する極紫外線露光を含む、方法。
[適用例32]
適用例31に記載の方法であって、前記現像は、乾式現像化学物質または湿式現像化学物質を含む、方法。
[適用例33]
適用例33に記載の方法であって、前記乾式現像化学物質は、プラズマ中にHCl、HBr、HI、HF、Cl
2
、Br
2
、BCl
3
、BF
3
、NF
3
、NH
3
、SOCl
2
、SF
6
、CF
4
、CHF
3
、CH
2
F
2
、および/またはCH
3
Fを含む、方法。
[適用例34]
適用例33に記載の方法であって、前記湿式現像化学物質は、ケトン、エステル、アルコール、またはグリコールエーテルを含む、方法。
[適用例35]
適用例34に記載の方法であって、前記湿式現像化学物質は、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、アセトン、γ-ブチロラクトン、n-ブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、またはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、またはそれらの組合せを含む、方法。
[適用例36]
レジスト被膜を形成するための装置であって、
パターニング放射線感受性被膜を成膜するためのチャンバを具備する成膜モジュールと、
サブ300nm波長放射線の供給源を有するフォトリソグラフィツールを具備するパターニングモジュールと、
前記レジスト被膜を現像するためのチャンバを具備する現像モジュールと、
1つまたは複数のメモリ素子、1つまたは複数のプロセッサ、および機械可読命令を含む命令でコードされたシステム制御ソフトウェアを含むコントローラであって、前記機械可読命令は、
前記成膜モジュールにおいて、パターニング放射線感受性部分を含むタンタル系前駆体を半導体基板の上部表面に成膜して、前記パターニング放射線感受性被膜をレジスト被膜として形成することを引き起こし、
前記パターニングモジュールにおいて、パターニング放射線露光により直接的に前記レジスト被膜をサブ300nm解像度でパターニングして、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を形成することを引き起こし、
前記現像モジュールにおいて、前記露光被膜を現像して、前記放射線露光領域または前記放射線未露光領域を除去し、前記レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こす、
コントローラと、
を備える、装置。
[適用例37]
適用例36に記載の装置であって、前記パターニング放射線感受性被膜は極紫外線(EUV)感受性被膜を含む、装置。
[適用例38]
適用例37に記載の装置であって、前記フォトリソグラフィツールの前記供給源は、サブ30nm波長放射線の供給源である、装置。
[適用例39]
適用例38に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記パターニングモジュールにおいて、EUV露光により直接的に前記レジスト被膜をサブ30nm解像度でパターニングし、それによりEUV露光領域およびEUV未露光領域を有する前記露光被膜を形成することを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
[適用例40]
適用例39に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記現像モジュールにおいて、前記露光被膜を現像して、前記EUV露光領域または前記EUV未露光領域を除去し、前記レジスト被膜内にパターンをもたらすことを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
[適用例41]
適用例37~40に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記成膜モジュールにおいて、還元ガス、アセチレン、および/または対反応物の任意選択の存在下で有機金属化合物をさらに成膜し、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は共に成膜され、2つまたはそれよりも多くの異なる金属を有する混合有機金属被膜がもたらされることを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
[適用例42]
適用例37~40に記載の装置であって、前記機械可読命令を含む命令は、
前記成膜モジュールにおいて、還元ガス、アセチレン、および/または対反応物の任意選択の存在下で有機金属化合物をさらに成膜し、前記タンタル系前駆体および前記有機金属化合物は交互サイクルで成膜され、有機金属含有層および前記有機金属含有層の上部表面に配置されたタンタル含有層がもたらされることを引き起こすための命令をさらに含む、装置。
[適用例43]
方法であって、
半導体基板の上部表面に配置されたパターニング放射線感受性被膜を用意し、前記被膜はタンタルまたはタンタルおよびスズを含むこと;ならびに
前記パターニング放射線感受性被膜をパターニング放射線露光によりパターニングし、それにより放射線露光領域および放射線未露光領域を有する露光被膜を用意すること
を含む、方法。
[適用例44]
適用例43に記載の方法であって、
前記パターニングの後、湿式化学物質を使用して前記露光被膜を現像することをさらに含む、方法。
[適用例45]
適用例43に記載の方法であって、
前記パターニング放射線感受性被膜の前記用意の後、250℃を下まわるかまたは180℃を下まわる温度で塗布後ベークを実施することをさらに含む、方法。
[適用例46]
適用例43に記載の方法であって、
前記パターニングの後、250℃を下まわるかまたは180℃を下まわる温度で露光後ベークを実施することをさらに含む、方法。
【国際調査報告】