(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-22
(54)【発明の名称】フサリシジン産生細菌のための新規農薬製剤
(51)【国際特許分類】
A01N 63/25 20200101AFI20230815BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230815BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A01N63/25
A01P3/00
A01N25/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506172
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2021070198
(87)【国際公開番号】W WO2022023109
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マラング,ウルリーケ
(72)【発明者】
【氏名】シュタインバッハー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】アーレンツ,クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ブラッツ,マティーアス
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011BA05
4H011BB21
4H011BC03
4H011BC07
4H011DA15
4H011DC05
4H011DD03
4H011DE15
(57)【要約】
本発明は、フサリシジン産生細菌の胞子、少なくとも1種の第(1)類添加剤及び/又は少なくとも1種の第(2)類添加剤並びに1ヘクタール当たり81g未満の第(3)類添加剤を含む、植物への噴霧に適した噴霧液;フサリシジン産生細菌の胞子、少なくとも1種の第(1)類添加剤及び/又は少なくとも1種の第(2)類添加剤並びに場合により第(3)類添加剤を含む固体及び液体製剤;並びにそのような噴霧液又は製剤を施用する、植物上の植物病原菌の防除方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物への噴霧に適した噴霧液であって、
k. 1ヘクタール当たり50g~1ヘクタール当たり2000gの量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
l. 1ヘクタール当たり20g~1ヘクタール当たり2000gの総量の、少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤、又は少なくとも1種の第1類添加剤と少なくとも1種の第2類添加剤との混合物、及び
m. 1ヘクタール当たり81g未満の総量の第3類添加剤
を含み、
少なくとも1種の第1類添加剤が、添加剤1a)~1f):
1a)約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有するポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックポリマーを含む、ポロキサマー、A-B-A又はB-A-Bタイプのポリエチレングリコール(A)-ポリプロピレングリコール(B)ブロックコポリマー、
1b)ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
1c)炭素原子10~20個、好ましくは炭素原子12~18個の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましくは20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)、
1d)グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエートを含む脂肪酸グリセロールエステル、
1e)アルコールアルコキシレート、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコール、5~80個のオキシエチレン単位、より好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、最も好ましくは7~14個のオキシエチレン単位、
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
少なくとも1種の第2類添加剤が、添加剤2a)~2c):
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、好ましくは、1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
の群に属する、噴霧液。
【請求項2】
群1a)~1f)の少なくとも1種の第1類添加剤が、
群1a)については、ポロキサマー、
群1b)については、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的コポリマー、
群1c)については、20~40個のオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレンソルビトールオレイン酸エステル、
群1d)については、グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、
群1e)については、5~80個のオキシエチレン単位を有するアルコールアルコキシレート、
群1f)については、全体の重合度が1.5である、アルキル鎖長C8~C10並びにモノ及びジグルコシドを有するアルキルポリグルコシド、
から選択される、請求項1に記載の噴霧液。
【請求項3】
群1a)~1f)の少なくとも1種の第1類添加剤が、
群1a)については、10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
群1b)については、最大50000g/molの平均モル質量を有するポリビニルピロリドン、又はポリビニルピロリドン-ポリ酢酸ビニル統計的コポリマー、
群1c)については、ポリオキシエチレン(40)ソルビトールヘキサオレエート、ソルビトールエトキシレートエステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート又は重合脂肪酸のソルビトールエトキシレートエステル、
群1d)については、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、又はグリセロールモノ/ジオレエート、
群1e)については、HLB13のC10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、HLB16のC10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル又はHLB18.5のC16 C18脂肪族アルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、
群1f)については、アルキルポリグルコシド
から選択される、請求項1又は2に記載の噴霧液。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の噴霧液を調製するための少なくとも2つの部品のキットであって、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスが、第1の濃縮形態で提供され、第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤のうちの少なくとも1種が、少なくとも1つのさらなる濃縮形態で提供され、キット中のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの相対量並びに第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤の相対量が、請求項1から3のいずれか一項に記載の量を提供するように適合されている、部品のキット。
【請求項5】
噴霧液が、植物病原菌を防除する方法に使用するために調製される、請求項4に記載の部品のキット。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の噴霧液を植物に噴霧する、植物病原菌の防除方法。
【請求項7】
噴霧液が、1ヘクタール当たり約100リットル~約1000リットルの量で噴霧され、噴霧液が、0.005%重量/重量~2%重量/重量の量のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス並びに0.005%重量/重量~2%重量/重量の総量の第1類添加剤及び/又は第2類添加剤を含む、請求項6に記載の植物病原菌の防除方法。
【請求項8】
植物が、トウモロコシ、小粒穀物、ワタ、キャノーラ、ヒマワリ、タバコ、ピーナッツ、野菜、ブドウの木、葉野菜、根野菜及び塊茎野菜、タマネギ、イチゴ、ブルーベリー、イチゴ、クロスグリ、シロスグリ、アカフサスグリ、ブラックベリー、ラズベリー、トマト、トウガラシ、チリ、キュウリ、ナス、メロン、スイカ、キュウリ、トマト、トウガラシ及びナス、ハーブ、シバ及び観賞植物から選択される、請求項6又は7に記載の植物病原菌の防除方法。
【請求項9】
植物病原菌が、アルテルナリア属の種、ボトリチス・シネレア又はフィトフトラ・インフェスタンスである、請求項6から8のいずれか一項に記載の植物病原菌の防除方法。
【請求項10】
固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WC)又は懸濁剤(SC)製剤であって、
a. 5%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤、又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤の混合物、及び
c. 2%重量/重量未満の第3類添加剤
を含み、
少なくとも1種の第1類添加剤が、添加剤1a)~1f):
1a)約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有する、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールブロックポリマー、
1b)すべて約9000~70000g/molのモル質量を有する、ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
1c)炭素原子10~20個、好ましくは炭素原子12~18個の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましくは20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)、
1d)脂肪酸グリセロールエステル、グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエート、ポリグリセロール脂肪酸エステル、
1e)アルコールアルコキシレート、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコール、5~80個のオキシエチレン単位、より好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、最も好ましくは7~14個のオキシエチレン単位、
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
少なくとも1種の第2類添加剤が、添加剤2a)~2c):
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、好ましくは、1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
の群から選択される、
固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WC)又は懸濁剤(SC)製剤。
【請求項11】
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
c.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d.第1類添加剤としての、少なくとも1種のポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、及び少なくとも1種のソルビタンモノオレエート、又は
e.第1類添加剤としての、10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン
を含む、請求項10に記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【請求項12】
2%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤を含み、第1類添加剤が、
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
c.少なくとも1種のポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、及び少なくとも1種のソルビタンモノオレエート、又は
d.第1類添加剤としての、10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン
の組合せである、請求項10又は11に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【請求項13】
a. 2%重量/重量~15%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び/又はポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物から選択される少なくとも1種の第1類添加剤、並びに
b. 1%重量/重量~15%重量/重量の、メチルメタクリレートグラフトコポリマーから選択される少なくとも1種の第2類添加剤
を含む、請求項10又は11に記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【請求項14】
固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤を製造する方法であって、固体製剤が、
a. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~20%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 30%重量/重量~50%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択され、
方法が、以下の工程:
A.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
B.連続相中に前記バイオマスを分散させる工程、
C.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
D.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
E.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
F.場合により助剤を添加する工程、
G.バイオマス含有スラリーを噴霧乾燥、真空ドラム乾燥、流動床乾燥又は噴霧造粒によって乾燥させる工程
を含み、
工程C.、D.、E.及びF.が、方法における任意の時点で実施することができる、
方法。
【請求項15】
懸濁剤(SC)製剤を製造する方法であって、
a.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
b.剪断又は機械的エネルギーの入力によって、好ましくはローターステーターコロイドミル又はビーズミル内で、連続相中に前記バイオマスを分散させる工程、
c.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
d.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
e.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
f.場合により助剤を添加する工程
を含み、
g.工程c)、d)、e)及びf)が、方法における任意の時点で実施することができる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物に噴霧するのに適した噴霧液であって、フサリシジン産生細菌の胞子、少なくとも1種の第1類添加剤及び/又は少なくとも1種の第2類添加剤、及び1ヘクタール当たり81g未満の第3類添加剤を含む、噴霧液に関する。本発明はさらに、フサリシジン産生細菌の胞子、少なくとも1種の第1類添加剤及び/又は少なくとも1種の第2類添加剤、並びに場合により第3類添加剤を含む固体及び液体製剤、並びにそのような噴霧液又は製剤を植物に施用することにより、植物上の植物病原菌を防除する方法に関する。
【0002】
その主な態様において、本発明は、植物への噴霧に適した噴霧液であって、
a. 1ヘクタール当たり50g~1ヘクタール当たり2000gの量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 1ヘクタール当たり20g~1ヘクタール当たり2000gの総量の、少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤、又は少なくとも1種の第1類添加剤と少なくとも1種の第2類添加剤との混合物、及び
c. 1ヘクタール当たり81g未満の第3類添加剤
を含み、
少なくとも1種の第1類添加剤が、添加剤1a)~1f):
1a)約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有するポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックポリマーを含む、ポロキサマー、A-B-A又はB-A-Bタイプのポリエチレングリコール(A)-ポリプロピレングリコール(B)ブロックコポリマー、
1b)すべて約9000~70000g/molのモル質量を有する、ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
1c)炭素原子10~20個、好ましくは炭素原子12~18個の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましくは20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)、
1d)グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエートを含む脂肪酸グリセロールエステル、
1e)アルコールアルコキシレート、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコール、5~80個のオキシエチレン単位、より好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、最も好ましくは7~14個のオキシエチレン単位、
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
少なくとも1種の第2類添加剤が、添加剤2a)~2c):
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
の群に属する、噴霧液に関する。
【0003】
好ましくは、噴霧液は、好ましい順に、1ヘクタール当たり合計75g未満、70g未満、65g未満、60g未満、55g未満、50g未満、45g未満、40g未満、35g未満、30g未満、25g未満、20g未満、15g未満、10g未満、5g未満、4g未満、3g未満、2g未満、又は1g未満の第3類添加剤を含む。
【0004】
一実施形態では、噴霧液は第3類添加剤を含まない。
【0005】
さらなる態様は、そのような噴霧液を調製するための少なくとも2つの部品のキットである。
【0006】
本発明はまた、固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WC)又は懸濁剤(SC)製剤であって、
a. 5%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤、又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤の混合物、及び
c. 2%重量/重量未満の第3類添加剤
を含み、
少なくとも1種の第1類添加剤が、添加剤1a)~1f):
1a)約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有する、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールブロックポリマー、
1b)すべて約9000~70000g/molのモル質量を有する、ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
1c)炭素原子10~20個、好ましくは炭素原子12~18個の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましくは20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)、
1d)脂肪酸グリセロールエステル、グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエート、ポリグリセロール脂肪酸エステル、
1e)アルコールアルコキシレート、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコール、5~80個のオキシエチレン単位、より好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、最も好ましくは7~14個のオキシエチレン単位、
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
少なくとも1種の第2類添加剤が、添加剤2a)~2c):
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、好ましくは、1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
の群から選択される、固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WC)又は懸濁剤(SC)製剤を含む。
【0007】
本発明は、
a. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 2.0%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~50%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 20%重量/重量~75%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択される、請求項19~29のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤にさらに関する。
【0008】
本発明はまた、植物上の植物病原菌の防除方法であって、
a.上記の少なくとも1種の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤を、1ヘクタール当たり0.5kg~4kgの総量で又は上記の部品のキットを提供する工程、
b. 1ヘクタール当たり100リットル~1000リットルの最終量まで水を添加する工程、及び
c.得られた噴霧液を植物に噴霧する工程
を含む、方法に関する。
【0009】
さらなる態様は、固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤を製造する方法であって、固体製剤が、
a. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~20%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 30%重量/重量~50%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択され、
方法が、以下の工程:
A.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
B.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
C.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
D.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
E.場合により助剤を添加する工程、
F.バイオマス含有スラリーを噴霧乾燥、真空ドラム乾燥、流動床乾燥又は噴霧造粒によって乾燥させる工程
を含み、
工程B)、C)、D)及びE)が、方法における任意の時点で実施することができる、方法である。
【0010】
懸濁剤(SC)製剤を製造する方法であって、
a.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
b.剪断又は機械的エネルギーの入力によって、好ましくはローターステーターコロイドミル又はビーズミル内で、連続相中に前記バイオマスを分散させる工程、
c.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
d.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
e.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
f.場合により助剤を添加する工程
を含み、
工程c)、d)、e)及びf)が、方法における任意の時点で実施することができる、方法も含まれる。
【背景技術】
【0011】
「微生物剤(microbial)」又は「生物学的製剤」とも呼ばれる生物防除剤は、さまざまな害虫から作物を保護するためにますます重要な役割を果たすようになっている。特に、桿菌(Bacillus)種は、殺菌、殺虫、及び殺線虫活性でよく知られている。このような生物学的製剤は、それぞれの胞子の水性又は非水性製剤として施用されることが多い。植物病原菌を防除するために、パエニバチルス(Paenibacillus)種を含む胞子形成細菌を含むいくつかの微生物用殺有害生物剤が記載されてきた。
【0012】
WO1999/059412は、いくつかの植物病原菌に対して活性なパエニバチルス・ポリミクサ(Paenibacillus polymyxa)株PKB1(ATCC受託番号202127を有する)を開示している。
【0013】
WO2006/016558は、パエニバチルス属の種BS-0048株、BS-0074株、BS-0277株及びP.ポリミクサ株BS-0105、並びに菌による感染から植物を保護するためのフサリシジンA及びフサリシジンBを開示している。さらなる抗菌性のパエニバチルス株BRF-1が、ダイズ根圏から分離された(African J. Microbiol. Res. 4巻(24号)、2692~2698頁、2010)。
【0014】
WO2011/069227は、主に食品由来のヒト病原菌である病原菌に対して高い阻害効果を有する、P.ポリミクサ株JB05-01-1(ATCC受託番号PTA-10436を有する)を開示している。
【0015】
Budiら(Appl Environ Microbiol、1999、65巻、5148~5150頁)は、パエニバチルス属の種B2株を、土壌性の菌類病原体、例えばフィトフトラ・パラサイチカ(Phytophthora parasitica)に対する拮抗活性を有するモロコシ(Sorghum bicolor)の菌根圏から分離した。
【0016】
多数の細菌、菌類、及び酵母病原体に対する、多数のパエニバチルス株、すなわち、P.ペオリアエ(P.peoriae)株の抗菌活性が報告されている(Lett. Appl. Microbiol. 43巻、541~547頁、2006)。
【0017】
Razaら(Brazilian Arch. Biol. Techol. 53巻、1145~1154頁、2010; Eur. J. Plant Pathol.125巻、471~483頁、2009)は、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)に対して有効なフサリシジン型化合物産生パエニバチルス・ポリミクサ株SQR-21を記載している。
【0018】
フサリシジンは、パエニバチルス属の種から単離され得る、一群の環状リポデプシペプチド抗生物質である。それらの共通の構造的特徴は、6つのアミノ酸残基からなる大環状環であり、アミノ酸残基のうちの3つはL-Thr、D-allo-Thr及びD-Alaであり、15-グアニジノ-3-ヒドロキシペンタデカン酸尾部がアミド結合によりN末端L-Thr残基に付加されている(ChemMedChem、7巻、871~882頁、2012; J. Microbiol. Meth. 85巻、175~182頁、2011、本明細書の表1)。これらの化合物は、N末端L-Thrヒドロキシル基とC末端D-Alaカルボニル基の間のラクトン架橋によって環化される。デプシペプチド環内のアミノ酸残基の位置は、通常、それ自体がGHPD鎖を有する上記のL-Thrから始まり、C末端のD-Alaで終わる番号が付けられる。パエニバチルスから単離されたフサリシジンの非限定的な例は、LI-F03、LI-F04、LI-F05、LI-F07及びL1-F08(J. Antibiotics、40巻(11号)、1506~1514頁、1987; Heterocycles、53巻(7号)、1533~1549頁、2000; Peptides、32巻、1917~1923頁、2011)及びフサリシジンA (LI-F04aとも称される)、B (LI-F04bとも称される)、C (LI-F03aとも称される)及びD (LI-F03bとも称される) (J. Antibiotics、49巻(2号)、129~135頁、1996; J. Antibiotics、50巻(3号)、220~228頁、1997)と称される。フサリシジンのアミノ酸鎖は、リボソームによって生成されるのではなく、非リボソームのペプチド合成酵素によって生成される。既知のフサリシジンの構造式を表1(Biotechnol Lett.、34巻、1327~1334頁、2012;同文書Fig. 1)に示す。LI-F03a、LI-F03bからLI-F08a及びLI-F08bまでとして命名された化合物は、それらのフサリシジン系統の構造により、本明細書においても、フサリシジンLI-F03a、LI-F03bからLI-F08a及びLI-F08bと称される(表1を参照)。
【0019】
【0020】
【化1】
[式中、矢印は、GHPDのカルボニル部分とL-Thr(L-トレオニン)のアミノ基との間、又は1つのアミノ酸のカルボニル基と隣接アミノ酸のアミノ基との間における単結合(アミド結合)を定義し、矢印の先端は、前記アミノ酸L-Thr又は前記隣接アミノ酸のアミノ基への結合を示し、(矢頭のない)単線は、D-Ala(D-アラニン)のカルボニル基とL-Thrのヒドロキシル基との間の単結合(エステル結合)を定義し、GHPDは、15-グアニジノ-3-ヒドロキシペンタデカン酸である]。
当技術分野で公知のさらなるフサリシジン様化合物には、例えばWO16154297に記載された、パエニセリン(Paeniserine)A1、パエニセリンA2、パエニセリンA3、パエニセリンA4、パエニセリンB1、パエニセリンB2、パエニセリンB3、パエニセリンB4、パエニセリンC1、パエニセリンC2、パエニセリンC3、パエニセリンC4、パエニプロリキシン(Paeniprolixin)A1、パエニプロリキシンA2、パエニプロリキシンB1、パエニプロリキシンB2、パエニプロリキシンC1、パエニプロリキシンC2、パエニプロリキシンD1、パエニプロリキシンD2、パエニプロリキシンE1、パエニプロリキシンE2、パエニプロリキシンF1、パエニプロリキシンF2が含まれる。
【0021】
WO2007/086645は、パエニバチルス・ポリミクサ株E681から単離されたフサリシジン合成酵素及びそのコード化遺伝子を記載している。E681の酵素はフサリシジンA、B、C、D、LI-F03、LI-F04、LI-F05、LI-F07及びLI-F08の合成に関与する。
【0022】
いくつかのパエニバチルス・ポリミクサ株のゲノムは、これまでに公開されている。とりわけ、P.ポリミクサATCC 842 Tについては、JeongH、Park SY、Chung WH、Kim SH、Kim N、Park SHら、Draft genome sequence of the Paenibacillus polymyxa type strain (ATCC 842 T), a plant growth-promoting bacterium. J Bacteriol. 2011;193巻:5026~7頁において公開され、P.ポリミクサCF05については、Lei M、Lu P、Jin L、Wang Y、Qin J、Xu Xら、Complete Genome Sequence of Paenibacillus polymyxa CF05, a Strain of Plant Growth-Promoting Rhizobacterium with Elicita-tion of Induced Systemic Resistance. Genome Announc、2015;3巻:2頁において公開され、P.ポリミクサCR1については、Eastman AW、Weselowski B、Nathoo N、Yuan Z、Complete genome sequence of Paenibacillus polymyxa CR1, a plant growth-promoting bacterium isolated from the corn rhizosphere exhibiting potential for biocontrol, biomass degradation, and biofuel production. Genome Announcements、2014;2巻:1頁において公開され、P.ポリミクサDSM 365については、Xie NZ、Li JX、Song LF、Hou JF、Guo L、Du QSら、Genome sequence of type strain Paenibacillus polymyxa DSM 365, a highly efficient producer of optically active (R,R)-2,3-butanediol. J Biotechnol. 2015;195巻:72~3頁において公開され、P.ポリミクサE681については、Kim JF、Jeong H、Park SY、Kim SB、Park YK、Choi SKら、Genome sequence of the polymyxin-producing plant-probiotic rhizobacterium Paenibacillus polymyxa E681、J Bacteriol、2010;192巻:6103~4頁において公開され、P.ポリミクサM-1については、Niu B、Rueckert C、Blom J、Wang QBorriss R、The genome of the plant growth-promoting rhizobacterium Paenibacillus polymyxa M-1 contains nine sites dedicated to nonribosomal synthesis of lipopeptides and polyketides. J Bacteriol. 2011;193巻:5862~3頁において公開され、P.ポリミクサNRRL B-30509及びP.テルラエ(terrae)NRRL B-30644については、van Belkum MJ、Lohans CT、Vederas JC. Draft Genome Sequences of Paenibacillus polymyxa NRRL B-30509 and Paenibacillus terrae NRRL B-30644, Strains from a Poultry Environment That Produce Tridecaptin A and Pae-nicidins. Genome Announc. 2015;3巻:2頁において公開され、P.ポリミクサSb3-1については、Rybakova D、Wetzlinger U、Muller H、Berg G、Complete Genome Sequence of Paenibacillus polymyxa Strain Sb3-1, a Soilborne Bacterium with Antagonistic Activity toward Plant Pathogens. Genome Announc. 2015;3巻:2頁において公開され、P.ポリミクサSC2については、Mingchao M、Wang C、Ding Y、Li L、Shen D、Jiang Xら、Complete genome sequence of Paenibacillus polymyxa SC2, a strain of plant growth-promoting rhizobacterium with broad-spectrum antimicrobial activity. J Bacteriol. 2011;193巻:311~2頁において公開され、P.ポリミクサSQR-21については、Li S、Yang D、Qiu M、Shao J、Guo R、Shen Bら、Complete genome sequence of Paenibacillus polymyxa SQR-21, a plant growth-promoting rhizobacterium with anti-fungal activity and rhizosphere colonization ability. Genome Announcements. 2014;2巻:2頁において公開され、P.テルラエHPL-003については、Shin SH, Kim S, Kim JY, Song HY, Cho SJ, Kim DRら、Genome sequence of Paenibacillus terrae HPL-003, a xylanase-producing bacterium isolated from soil found in forest residue. J Bacteriol、2012;194巻:1266頁において公開されている。
【0023】
フサリシジンA、B、C及びDは、フザリウムオキシスポラム(Fusarium oxysporum)、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)、ペニシリウムトミー(Penicillum thomii)などの植物病原菌を阻害することが報告されている(J. Antibiotics 49巻(2号)、129~135頁、1996; J. Antibiotics 50巻(3号)、220~228頁、1997)。Li-F05、LI-F07及びLI-F08などのフザリシジンは、フザリウム・モニリフォルム(Fusarium moniliforme)、F.オキシスポラム(oxysporum)、F.ロゼウム(roseum)、ジベレラ・フジクロイ(Giberella fujkuroi)、ヘルミントスポリウム・セサマム(Helminthosporium sesamum)及びペニシリウム・エクスパンザム(Penicillium expansum)などの種々の植物病原菌に対して特定の抗菌活性を有するとわかった(J. Antibiotics 40巻(11号)、1506~1514頁、1987)。さらに、フザリシジンは、セイヨウアブラナの黒色根腐れ病を引き起こすレプトスフェリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)に対する抗菌活性を有する(Can. J. Microbiol. 48巻、159~169頁、2002)。
【0024】
フサリシジンは、主にフサリシジン産生菌の胞子中に存在し、主に接触殺菌剤として作用するようである。したがって、植物感染症に対する防御効果を高めるためには、フサリシジン及びフサリシジン含有細菌胞子を植物表面に均一に拡散させることが重要である。WO2017/151742は、両親媒性スルホン酸塩及び/又は両親媒性硫酸塩を遠心分離補助剤としての細胞培養物と混合して胞子含有凝集体を形成し、遠心分離した胞子から不要な菌体外多糖を分離し、放出補助剤としてポリオキシエチレングリコールアルキルエーテルを胞子に添加して凝集体を破壊する、フサリシジン含有細菌胞子の採取方法を記載する。
【0025】
フサリシジン産生細菌の個々の胞子及びそのような胞子を含む凝集体は粒子状物質である。そのため、胞子を含む生物学的製剤は、個々の胞子及び/又はそのような胞子からなる凝集体として、多くの場合、固体形態で、例えば水和剤又は顆粒水和剤(water-dispersible granule)として製剤されるか、液体製剤タイプ、例えば水性又は非水性懸濁剤又は油分散物として分散される。
【0026】
リポペプチド産生細菌の胞子及び/又はフサリシジン産生細菌の胞子のためのいくつかの製剤タイプが開発されてきた。
【0027】
W02015/184170は、リポペプチド産生細菌株のための相乗的活性添加剤としてのラウリルエーテルサルフェート及び他の硫酸塩及びスルホネート界面活性剤を開示している。
【0028】
WO2017/210508は、線虫防除の分野で使用するための非水性-非油性液体バチルス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)組成物を開示している。
【0029】
WO2009/126473は、プロピレングリコール及びメチルメチクリレートグラフトコポリマー及びリグノスルホン酸のナトリウム塩のようなさらなる添加剤を含む様々なバチルス属の種のための製剤を記載している。
【0030】
WO2013/010322は、懸濁速度、迅速な湿潤及び少ない量の湿式ふるい残留物のような良好な物理的特性を有するパエニバチルス・ポリミクサ水和剤製剤を開示している。
【発明の概要】
【0031】
生物学的製剤のための異なる製剤は、生物学的製剤の貯蔵時間に大きく影響し得、したがって、分解、アグロメレーション及び/又は望ましくない臭気の発生のような望ましくない効果に対して最適化されなければならない。本発明の1つの目的は、安定であり、貯蔵又は施用中にさらに凝塊化しないフサリシジン産生細菌の胞子の製剤を提供することであった。
【0032】
しかしながら、製剤が異なると、植物に施用した場合の生物学的製剤の生物学的効果にも影響を及ぼすことがある。したがって、本発明の1つの目的は、植物の菌類感染及び病気の発生を予防するために増強された効果を示し、例えば、水系噴霧液の調製及び植物への施用のために良好な施用特性を示す、フサリシジン産生細菌の胞子のための製剤を提供することであった。作物保護の製剤の技術分野の当業者には、許容される施用特性を有する物理的に安定な製剤を提供するために、イオン性及び非イオン性表面活性化合物の組合せが必要であることは、周知である。本発明者らは、生物学的及び非生物学的作物保護製剤の分野で製剤添加剤として使用される多くのイオン性分散剤及び界面活性剤が、フサリシジン産生細菌の胞子の生物学的効力と否定的に干渉することを見出した。驚くべきことに、後に第1類添加剤と呼ばれる非イオン性界面活性添加剤の特定の群は、フサリシジン産生細菌の胞子を用いた水系噴霧液の効力をさらに促進して、植物の菌類感染を防止又は軽減することが特定できた。さらに、フサリシジン産生細菌の胞子の効力を阻害しない、いくつかのイオン性界面活性添加剤(後に第2類添加剤と呼ばれる)も特定された。
【0033】
さらに、本発明者らは、単独で使用されるとフサリシジン産生細菌の胞子の効力にとって有害であるが、第1類添加剤及び/又は第2類添加剤と併用することで効力に肯定的に寄与する、後に第3類と呼ばれる添加剤を特定した。このような第1類添加剤、第2類添加剤及び第3類添加剤の有効な組合せが、本明細書に開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明による製剤及び噴霧液は、少なくとも1種類のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを含んでいる。
【0035】
本発明により意図される「胞子」は、(施用時には)休眠しているが生存可能であるフサリシジン産生細菌種の少なくとも1つの生殖単位を指す。さらに、本明細書に開示された胞子は、フサリシジン産生細菌の培養によって産生され、通常、本発明の製剤及び噴霧液の調製に使用する前に発酵ブロスから採取されると認識される。したがって、本発明により意図される「胞子」は、栄養細胞と前胞子(胞子形成の中間段階にある細胞)の組合せ、前胞子と胞子の組合せ、又は前胞子、栄養細胞及び/又は胞子の組合せ、並びに発酵ブロスの他の固形成分を含むことができる。好ましくは、少なくとも1つの胞子は、一旦植物に施用されると、場合により胞子の発芽後に植物に施用されると、菌類感染に対する強化された保護などの、既知の証明された農業上の利益を植物に与えるが、他を排除するものではない。
【0036】
一実施形態では、本発明による製剤及び噴霧液は、無機リン酸塩を含む。噴霧液中の無機リン酸塩の量は、噴霧液が植物及び/又は植物が生育している場所に施用された場合、好ましくは約0.01mM~約1M、好ましくは約0.1mM~約100mMになるように選択される。無機リン酸塩は、通常、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸及び/又はH2PO4
-、H2PO3
-、HPO4
2-又はPO4
3-の塩を含む。無機リン酸塩は、重過リン酸石灰、NPK肥料又は岩石リン酸塩のような無機リン酸塩を含む肥料とのタンク混合によって、又は少なくとも1種のフサリシジン産生細菌の胞子を含む固体製剤との混合物で提供されてもよい。一部の実施形態では、無機リン酸塩の一部又は全部は、噴霧液を調製するために使用される固体製剤又は液体製剤の成分である。例えば、固体製剤は、2%~30%重量/重量の無機リン酸塩を含んでよく、好ましくは、液体製剤は最大10%重量/重量の無機リン酸塩を含んでよく、固体製剤は最大30%重量/重量の無機リン酸塩を含んでよい。
【0037】
一実施形態では、少なくとも1種類のフサリシジン産生細菌の胞子は、無機リン酸に可溶化する能力が高いフサリシジン産生細菌の胞子であるように選択される。無機リン酸への可溶化能が高いフサリシジン産生細菌の一例は、パエニバチルス・ポリミクサVMC10/96である。
【0038】
フサリシジン産生細菌種は、フサリシジン遺伝子クラスターの機能性変異体を含む全ての細菌種である。フサリシジン遺伝子クラスターの一般的な構造は、Jingru Li及びSusan E.、Jensen Nonribosomal Biosynthesis of Fusaricidins by Paenibacil-lus polymyxa PKB1 Involves Direct Activation of a D-Amino Acid Chemistry & Biology 2008、15巻、118~127頁において発表されている。フサリジン遺伝子クラスターのさらなる変異体は、パエニバチルス種のパエニバチルス・ポリミクサ株E681、P.ポリミクサATCC 842 T、P.ポリミクサCF05、P.ポリミクサCR1、P.ポリミクサDSM 365、P.ポリミクサM-1、P.ポリミクサNRRL B-30509、P.ポリミクサSb3-1、P.ポリミクサSC2、P.ポリミクサSQR-21、P.テルラエNRRL B-30644、P.テルラエH PL-003の注釈付きゲノムに記載されている。
【0039】
フサリシジン産生細菌種は主にパエニバチルス属に属し、パエニバチルス属は、P.アガレクセデンス(P. agarexedens)、P.アガリデボランス(P. agaridevorans)、P.アルギノリティカス(P. alginolyticus)、P.アルカリテラエ(P. alkaliterrae)、P.アルベイ(P. alvei)、P.アミロリティカス(P. amylolyticus)、P.アナエリカヌス(P. anaericanus)、P.アンタルクティカス(P. antarcticus)、P.アサメンシス(P. assamensis)、P.アゾレデュセンス(P. azoreducens)、P.アゾトフィクサンス(P. azotofixans)、P.バルキノネンシス(P. barcinonensis)、P.ボレアリス(P. borealis)、P.ブラシリエンシス(P. brasiliensis)、P.ブラシケ(P. brassicae)、P.キャンピナセンシス(P. campinasensis)、P.チンジュエンシス(P. chinjuensis)、P.キチノリティカス(P. chitinolyticus)、P.コンドロイティヌス(P. chondroitinus)、P.シネリス(P. cineris)、P.コキエ(P. cookie)、P.カードラノリティカス(P. curdlanolyticus)、P.デジョネンシス(P. daejeonensis)、P.デンドリティフォルミス(P. dendritiformis)、P.ダラム(P. durum)、P.エヒメンシス(P. ehimensis)、P.エルギイ(P. elgii)、P.フラビスポラス(P. favisporus)、P.グルカノリティカス(P. glucanolyticus)、P.グリカニリティカス(P. glycanilyticus)、P.ゴルドナエ(P. gordonae)、P.グラミニス(P. graminis)、P.グラニボランス(P. granivorans)、P.ホドガイエンシス(P. hodogayensis)、P.イリノイセンシス(P. illinoisensis)、P.ジャミラエ(P. jamilae)、P.コーベンシス(P. kobensis)、P.コレオボランス(P. koleovorans)、P.コーリエンシス(P. koreensis)、P.クリベンシス(P. kribbensis)、P.ラクティス(P. lactis)、P.ラルバエ(P. larvae)、P.ロータス(P. lautus)、P.レンティモルブス(P. lentimorbus)、P.マセランス(P. macerans)、P.マッカリエンシス(P. macquariensis)、P.マシリエンシス(P. massiliensis)、P.メンデリイ(P. mendelii)、P.モトブエンシス(P. motobuensis)、P.ナフタレノボランス(P. naphthalenovorans)、P.ネマトフィルス(P. nematophilus)、P.新種エピフィティクス(P. nov. spec. epiphyticus)、P.オドリファー(P. odorifer)、P.パブリ(P. pabuli)、P.ペオリアエ(P. peoriae)、P.フェニシス(P. phoenicis)、P.フィルロスファエラエ(P. phyllosphaerae)、P.ポリミクサ(P. polymyxa)、P.ポリミクサ亜種ポリミクサ(P. polymyxa ssp. polymyxa)、P.ポリミクサ亜種プランタルム(P. polymyxa ssp. plantarum)、P.ポピリアエ(P. popilliae)、P.プルビファシエンス(P. pulvifaciens)、P.リゾスファエラエ(P. rhizosphaerae)、P.サングイニス(P. sanguinis)、P.ステリファー(P. stellifer)、P.タイチュンゲンシス(P. taichungensis)、P.テラエ(P. terrae)、P.チアミノリティカス(P. thiaminolyticus)、P.チモネンシス(P. timonensis)、P.チロフィリ(P. tylopili)、P.ツリセンシス(P. turicensis)、P.バリダス(P. validus)、P.ボルテクス(P. vortex)、P.ブルネリス(P. vulneris)、P.ウィニイ(P. wynnii)又はP.キシラニリティカス(P. xylanilyticus)の種を含む。
【0040】
好ましいパエニバチルス種は、パエニバチルス・ポリミクサ、パエニバチルス・ポリミクサ亜種ポリミクサ、パエニバチルス・ポリミクサ亜種プランタルム、パエニバチルス新種エピフィティカス、パエニバチルス・テラエ、パエニバチルス・マセランス及びパエニバチルス・アルベイである。
【0041】
一実施形態では、パエニバチルス種は、パエニバチルス・ポリミクサ及びパエニバチルス・テルラエである。
【0042】
好ましい一実施形態において、胞子は、パエニバチルス種の特定の株及び階層的分類のための平均ヌクレオチド同一性法(ANI)(Konstantinidis, K.T.ら(2005) PNAS USA 102巻(7号):2567~72頁)に基づいて計算して、少なくとも98.0%、98.5%、99.0%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%の配列同一性を有するその突然変異株又は株の変異体に属し、これらの株はフサリシジンを産生する能力を保持するものである。好ましい株は、DSMZに受託番号DSM26969で寄託されたパエニバチルス属種株Lu16774、DSMZに受託番号DSM26970で寄託されているパエニバチルス属種株Lu17007、DSMZに受託番号DSM26971で寄託されているパエニバチルス属種株Lu17015、パエニバチルス属種株NRRL B-50972、パエニバチルス属種株NRRL B-67129、パエニバチルス属種株NRRL B-67304、パエニバチルス属種株NRRL B-67306、パエニバチルス属種株NRRL B-67615、パエニバチルス属種株NRRL B-50374、パエニバチルス属種株NRRL B-67721、パエニバチルス属種株NRRL B-67723、及びパエニバチルス属種株NRRL B-67724、P.ポリミクサの株9.4E、P.ポリミクサの株10.6D、P.ポリミクサの株VMC10/96、P.ポリミクサの株KGS-3、パエニバチルス・ポリミクサATCC 842 T、パエニバチルス・ポリミクサCR1、パエニバチルス・ポリミクサDSM365、パエニバチルス・ポリミクサE681、パエニバチルス・ポリミクサM-1、パエニバチルス・ポリミクサSb3-1、パエニバチルス・ポリミクサSC2、パエニバチルス・ポリミクサSQR-21及びパエニバチルス・テルラエHPL-003又はこれらの株のフサリシジン産生突然変異株である。これらの株のいくつかは、WO2014/092345、WO2016/020371、WO2016/154297、WO2016/187703、WO2016019480、WO2017/082761、WO2018/195603、WO2019/221988、WO2019/155253、WO202061140及びWO2020/154813に開示されている。
【0043】
好ましくは、上記のような従来の工業的方法によって、発酵ブロスを濃縮して「ブロス濃縮物」を製造するが、液体形態のままで、好ましくは例えば透析ろ過プロセスを介して洗浄して、残留する発酵ブロス及び代謝産物を除去する。次に、このブロス濃縮物は、当技術分野で使用される方法によって乾燥され、好ましくは噴霧乾燥を介して乾燥されて、本発明の噴霧液及び製剤を調製するために使用されるフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを生成する。フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスは、通常、15%重量/重量未満、より好ましくは10%重量/重量未満、最も好ましくは5%重量/重量未満の残留水分量を有する。バイオマスは両方の濃縮物を乾燥させて製造されるため、発酵ブロスの残りの他の固形物をある程度含み得る。好ましくは、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスは、5×108~1×109CFU/グラムの量を有する。
【0044】
しかしながら、本発明の液体製剤又は固体製剤を調製するために、両方の濃縮物を使用することも可能である。この場合、固体又は液体製剤に使用されるバイオマスの量は、それぞれの濃縮物の乾燥バイオマスの量に基づいて計算される。発酵ブロスの濃縮物が使用される場合、濃縮物は、WO2019/222253に記載されているとおり、アミン、第4級アンモニウム化合物、リン酸塩又はクエン酸塩、2~10個の炭素原子を有する短鎖ポリオール、尿素、及びこれらの組合せからなる群から選択される安定化剤を補給されることが好ましい。
【0045】
前記細菌胞子及びバイオマスは、固体製剤又は分散液体製剤に使用され、それらは第1類添加剤及び/又は第2類添加剤を含み、第3類添加剤を含んでも含まなくてもよい。噴霧液は、これらの固体又は液体製剤に水又は油を添加し、1ヘクタール当たりのフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの所望量を有する、1ヘクタール当たりの噴霧液の所望量に達するようにすることで、調製される。噴霧液はまた、第1の濃縮形態におけるフサリシジン産生細菌の胞子、並びに1つ以上のさらなる濃縮形態における第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤のうちの少なくとも1種を含む、少なくとも2つの部品のキットの内容物と水を合わせることによって調製することができ、ここで、キット中のフサリシジン産生細菌の胞子の相対量と第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤の相対量は、1ヘクタール当たり所望の量であり、かつフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの1ヘクタール当たりの所望の量を有する噴霧液を調製するのに適した量をもたらすように適合されている。
【0046】
好適な第1類添加剤は、以下の群の非イオン性界面活性添加剤である。
1a)Aが親水性ブロックであり、Bが疎水性ブロックであるA-B-Aタイプ(「ポロキサマー」)又はAが親水性ブロックであり、Bが疎水性ブロックであるB-A-Bタイプ(「メロキサポール」)のポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー。好ましいポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロックコポリマーは、約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有するポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックポリマーを含み、好ましくは、
10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE3100、
40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400、
20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200、又は50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500、さらにより好ましくは、
40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400、
20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200、又は50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500
のタイプのポロキサマーを含む。
【0047】
ポロキサマーは、ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の疎水性中央鎖をポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖で挟んだ非イオン性のトリブロックコポリマーである。
【0048】
ポリマーブロックの長さをカスタマイズすることができるため、わずかに異なる特性を有する多くの異なるポロキサマーが存在する。ポロキサマーの総称として、これらのコポリマーでは、一般に、(ポロキサマーを表す)文字Pの後に3桁の数字が続く。最初の2桁に100を掛けるとポリオキシプロピレンコアのおおよその分子量になり、最後の桁に10を掛けるとポリオキシエチレン含有量の百分率になる(例えば、P407=ポリオキシプロピレン分子量4000g/mol、ポリオキシエチレン含量70%のポロキサマー)。Pluronic(登録商標)及びSynperonic(登録商標)の商標では、これらのコポリマーのコーディングは、室温での物理的形態を定義する文字(L=液体、P=ペースト、F=フレーク(固体))から始まり、2桁又は3桁の数値が続く。数字表示の最初の桁(3桁の番号では2桁)を300倍すると疎水性物質のおおよその分子量になり、最後の桁×10でポリオキシエチレン含有量の百分率になる(例えば、L61は、ポリオキシプロピレン分子量1800g/mol、ポリオキシエチレン含量10%を表す)。例えば、ポロキサマー184(P184)は、Pluronic(登録商標)PE6400及びSynperonic(登録商標)PE-L64に等しい。
【0049】
1b)ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
好ましくは、すべて約9000~70000g/molのモル質量を有する、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
さらにより好ましくは、ポリビニルピロリドンM40000 95%、例えば、他を除外するものではないが、Sokalan(登録商標)HP50、又はポリビニルピロリドン-ポリ酢酸ビニル統計的コポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Luvitec(登録商標)VA 64。
【0050】
1c)10~20個の炭素原子、好ましくは12~18個の炭素原子の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましい20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)及びソルビトール脂肪酸エステル、
好ましくは、ポリオキシエチレン(40)ソルビトールヘキサオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Atlas(商標)G-1086、ソルビトールエトキシレートエステル、例えば、他を除外するものではないが、Atlas(商標)G-1096、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、例えば、他を除外するものではないが、Tween(登録商標)20、ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Tween(登録商標)80、ソルビタンモノオレエート(Span(商標)80)、又は重合脂肪酸のソルビトールエトキシレートエステル、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4916、
さらにより好ましくは、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、例えば、他を除外するものではないが、Tween(登録商標)20、ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Tween(登録商標)80、及び重合脂肪酸のソルビトールエトキシレートエステル、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4916。
【0051】
1d)グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエートを含む脂肪酸グリセロールエステル、
好ましくは、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)SP133、又はグリセロールモノ/ジオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)EM O 5、
さらにより好ましくは、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)SP133。
【0052】
1e)5~80個のオキシエチレン単位を有するアルコールアルコキシレート(ここで、アルコールは、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコールであり、オキシエチレン単位は、好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、より好ましくは7~14個のオキシエチレン単位である)、
好ましくは、5~40個のオキシエチレン単位を有するアルコールアルコキシレート(ここで、アルコールはC10~C13アルコールである)、
さらにより好ましくは、7~14個のオキシエチレン単位を有するアルコールアルコキシレート(ここで、アルコールは、C10アルコールである)、
最も好ましくは、親水性-親油性バランス値(HLB)が13である、C10ゲルベ(Guerbet)アルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、例えば、他を除外するものではないが、Lutensol(登録商標)XL70、親水性-親油性バランス値(HLB)が16である、C10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、例えば、他を除外するものではないが、Lutensol(登録商標)XL140、親水性-親油性バランス値(HLB)が18.5である、C16 C18脂肪族アルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、例えば、他を除外するものではないが、Lutensol(登録商標)AT80、又はポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、例えば、他を除外するものではないが、Brij(登録商標)-23。
【0053】
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド、
好ましくは、全体の重合度が1.5である、アルキル鎖長C8~C10並びにモノ及びジグルコシドを有するアルキルポリグルコシド、
さらにより好ましくは、Agnique(登録商標)PG 8107-G。
【0054】
好適な第2類添加剤は、以下の群のイオン性界面活性添加剤である。
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
好ましくは、メチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、及びTersperse(登録商標)2500。
【0055】
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
好ましくは、エトキシル化カチオン性ポリエチレンイミン、例えば、他を除外するものではないが、Sokalan(登録商標)HP20。
【0056】
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するラウリルエーテル硫酸ナトリウム及び1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム、
好ましくは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、例えば、他を除外するものではないが、Agnique(登録商標)SLES370、又はGenapol(登録商標)LRO。
【0057】
好適な第3類添加剤は、以下の群のスルホネート、スルホン酸共縮合物及びサルフェートである。
3a)リグノスルホネート、
好ましくは、リグノスルホン酸、アンモニウム塩、カルシウム塩又はナトリウム塩、例えば、他を除外するものではないが、Polyfon(登録商標)H、Polyfon(登録商標)F、Polyfon(登録商標)O、Borresperse Ca、Borresperse Na又はVanisperse(登録商標)CB、さらにより好ましくは、Borresperse Na又はBorresperse Ca、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、例えば、他を除外するものではないが、Wettol(登録商標)D3、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム、例えば、他を除外するものではないが、Tensiofix(登録商標)BCZ、Loxanol(登録商標)K12P又はTeaxapon(登録商標)K12。
【0058】
好ましい群は、3a)及び3g)である。
【0059】
一部の実施形態では、噴霧液、又は固体若しくは液体製剤は、群1a)~1f)のいくつかの第1類添加剤の混合物を含む。
【0060】
そのような混合物を調製するための好ましい添加剤は、以下からなる群から選択される1種以上の第1類添加剤である。
ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)SP133、
20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200、
40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400、
50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500、
ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、
ソルビタンモノオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Span(商標)80、及び
アルキルポリグルコシド、例えば、他を除外するものではないが、Agnique(登録商標)PG8107-G、又は
【0061】
一部の実施形態では、噴霧液、又は固体若しくは液体製剤は、群1a)~1f)の1種以上の第1類添加剤と1種以上の第2類添加剤の混合物を含む。そのような混合物を調製するための好ましい添加剤は、以下からなる群から選択される1種以上の第1類添加剤である。
ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)SP133、
20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200、
40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400、又は
50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500、及び
アルキルポリグルコシド、例えば、他を除外するものではないが、Agnique(登録商標)PG8107-G。
【0062】
1種以上の第1類添加剤と組み合わせる好ましい第2類添加剤は、以下からなる群から選択される第2類添加剤である。
メチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム、例えば、他を除外するものではないが、Agnique(登録商標)SLES370又はGenapol(登録商標)LRO。
【0063】
第2類添加剤と組み合わせても組み合わせなくてもよい第1類添加剤の好ましい組合せは、以下のとおりである。
a. 50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500と、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200、
b. 50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500と、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)SP133、
c. 50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500と、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400、
d.少なくとも1種のポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Tween(登録商標)80と、少なくとも1種のソルビタンモノオレエート、例えば、他を除外するものではないが、Span(商標)80、又は
e. 10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE3100と、最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン、例えば、他を除外するものではないが、Sokalan(登録商標)HP50。
【0064】
1種以上の第1類添加剤と1種以上の第2類添加剤の好ましい組合せは、以下のとおりである。
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500と、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200と、第2類添加剤としての少なくとも1種のラウリルエーテル硫酸ナトリウム、例えば、他を除外するものではないが、Agnique(登録商標)SLES370又はGenapol(登録商標)LRO、
b.第1類添加剤としての20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6200と、第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、
c.第1類添加剤としての50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500と、第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、
d.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、例えば、他を除外するものではないが、Break-Thru(登録商標)SP133と、第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、
e.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE10500、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400と、第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、
f.第1類添加剤としての40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Pluronic(登録商標)PE6400と、第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913、又は
g.第1類添加剤としての少なくとも1種のアルキルポリグルコシド、例えば、他を除外するものではないが、Agnique(登録商標)PG8107-Gと、第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、例えば、他を除外するものではないが、Atlox(商標)4913。
【0065】
一部の実施形態では、噴霧液、又は固体若しくは液体製剤は、群1a)~1f)の1種又は数種の第1類添加剤と、0又は1種以上の第2類添加剤と、以下の群:
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
から選択される1種以上の第3類添加剤との混合物を含む。
【0066】
噴霧液中のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの総量は、好ましくは、0.005%重量/重量~2%重量/重量、0.0167%重量/重量~2%重量/重量、0.0375%重量/重量~2%重量/重量、0.1500%重量/重量~2%重量/重量、又は0.4000%重量/重量~2%重量/重量、又は0.005%重量/重量~0.4000%重量/重量、0.0167%重量/重量~0.4000%重量/重量、0.0375%重量/重量~0.4000%重量/重量、又は0.1500%重量/重量~0.4000%重量/重量、又は0.0167%重量/重量~0.4000%重量/重量である。
【0067】
噴霧液中の第1類添加剤と第2類添加剤の総量は、好ましくは、0.0020%重量/重量~2%重量/重量、0.0117%重量/重量~2%重量/重量、0.0250%重量/重量~2%重量/重量、0.1500%重量/重量~2%重量/重量、又は0.4%重量/重量~2%重量/重量、又は0.0020%重量/重量~0.4%重量/重量、0.0117%重量/重量~0.4%重量/重量、0.0250%重量/重量~0.4%重量/重量、0,1500%重量/重量~0.4%重量/重量、又は0.0117%重量/重量~0.1500%重量/重量である。
【0068】
存在する場合、噴霧液中の第3類添加剤の総量は、好ましくは、0.0001%重量/重量~0.08%重量/重量、0.0003%重量/重量~0.08%重量/重量、0.0013%重量/重量~0.08%重量/重量、又は0.001%重量/重量~0.08%重量/重量、又は0.0001%重量/重量~0.001%重量/重量、0.0003%重量/重量~0.001%重量/重量、0.0013%重量/重量~0.001%重量/重量、又は0.0001%重量/重量~0.0013%重量/重量、0.0003%重量/重量~0.0013%重量/重量である。一部の実施形態では、第3類添加剤は存在しない。存在する場合、噴霧液中の第3類添加剤の総量は、通常、噴霧液がフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを大量に含む場合に、より多い。好ましくは、第3類添加剤の量とフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの量との比は、好ましくは、好ましさの度合いが高い順に、1:15未満、1:16未満、1:17未満、1:18未満、1:19未満、1:20未満である。
【0069】
固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤中のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの総量は、好ましくは、5%重量/重量~50%重量/重量、10%重量/重量~50%重量/重量、15%重量/重量~50%重量/重量、30%重量/重量~50%重量/重量、又は40%重量/重量~50%重量/重量、又は5%重量/重量~40%重量/重量、10%重量/重量~40%重量/重量、15%重量/重量~40%重量/重量、30%重量/重量~40%重量/重量、又は10%重量/重量~40%重量/重量、15%重量/重量~40%重量/重量、30%重量/重量~40%重量/重量である。
【0070】
固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤中の第1類及び第2類添加剤の総量は、好ましくは、2%重量/重量~50%重量/重量、7%重量/重量~50%重量/重量、10%重量/重量~50%重量/重量、30%重量/重量~50%重量/重量、40%重量/重量~50%重量/重量、又は2%重量/重量~40%重量/重量、7%重量/重量~40%重量/重量、10%重量/重量~40%重量/重量、30%重量/重量~40%重量/重量、又は7%重量/重量~40%重量/重量、10%重量/重量~40%重量/重量、30%重量/重量~40%重量/重量である。
【0071】
存在する場合、固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤中の第3類添加剤の総量は、好ましくは、0.05%重量/重量~2%重量/重量、0.1%重量/重量~2%重量/重量、0.5%重量/重量~2%重量/重量、又は1%重量/重量~2%重量/重量、又は0.05%重量/重量~0.5%重量/重量、0.1%重量/重量~0.5%重量/重量、0.5%重量/重量~0.5%重量/重量、又は0.05%重量/重量~0.5%重量/重量、0.1%重量/重量~0.5%重量/重量である。
【0072】
存在する場合、噴霧液中の第3類添加剤の総量は、通常、フサリサイジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを多量に含む固体又は液体製剤において、より多い。好ましくは、第3類添加剤の量とフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの量との比は、好ましくは、好ましさの度合いが高い順に、1:15未満、1:16未満、1:17未満、1:18未満、1:19未満、1:20未満である。
【0073】
通常、1ヘクタール当たりの固体又は液体製剤の総量は、0.5kg/ha~4kg/ha、1kg/ha~4kg/ha、2kg/ha~4kg/ha、又は0.5kg/ha~2kg/ha、1kg/ha~2kg/ha、好ましくは、総量は、1kg/ha~2kg/haである。
【0074】
噴霧液を調製する場合、1ヘクタール当たりのフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの所望の量は、50g/ha~2000g/ha、100g/ha~2000g/ha、150g/ha~2000g/ha、600g/ha~2000g/ha又は800g/ha~2000g/ha又は50g/ha~1000g/ha、100g/ha~1000g/ha、150g/ha~1000g/ha、600g/ha~1000g/ha又は800g/ha~1000g/ha、又は50g/ha~800g/ha、100g/ha~800g/ha、150g/ha~800g/ha、600g/ha~800g/ha、又は150g/ha~1000g/ha、150g/ha~1000g/ha、600g/ha~1000g/haである。
【0075】
1ヘクタール当たりの噴霧液中の第1類及び第2類添加剤の所望の量は、20g/ha~2000g/ha、70g/ha~2000g/ha、100g/ha~2000g/ha、600g/ha~2000g/ha、800g/ha~2000g/ha、又は20g/ha~800g/ha、70g/ha~800g/ha、100g/ha~800g/ha、又は20g/ha~600g/ha、70g/ha~600g/ha、100g/ha~600g/haである。
【0076】
存在する場合、1ヘクタール当たりの噴霧液中の第3類添加剤の総量は、0.5g/ha~80g/ha、1g/ha~80g/ha、5g/ha~80g/ha、20g/ha~80g/ha、又は0.5g/ha~20g/ha、1g/ha~20g/ha、5g/ha~20g/ha、又は0.5g/ha~5g/ha、1g/ha~5g/haである。
【0077】
通常、1ヘクタール当たりの噴霧液の総量は、1000L/ha~100L/ha、600L/ha~100L/ha、400L/ha~100L/ha、200L/ha~100L/ha、又は1000L/ha~600L/ha、1000L/ha~400L/ha又は1000L/ha~200L/ha、又は600L/ha~200L/ha、600L/ha~400L/haである。
【0078】
ここで、通常、1ヘクタール当たりの噴霧液量が多いほど、植物の表面が均一かつ完全に覆われる。1ヘクタール当たりの噴霧液の総量は、通常、1ヘクタール当たりに施用されるように選択された量の固体又は液体製剤を、水又は油又は水と油の混合物、好ましくは水に添加することによって調製される。
【0079】
噴霧液は、少なくとも2つの部品のキットを使用して調製することもでき、ここで、部品のキットは、1つ又は複数の部品を含み、ここで、これらの部品の内容物を合わせると、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、第1類、第2類、及び存在する場合は第3類の添加剤が、0.005%重量/重量~2%重量/重量、0.0167%重量/重量~2%重量/重量、0.0375%重量/重量~2%重量/重量、0.15%重量/重量~2%重量/重量、0.4%重量/重量~2%重量/重量のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの総量、好ましくは0.002%重量/重量~2%重量/重量、0.0117%重量/重量~2%重量/重量、0.025%重量/重量~2%重量/重量、0.15%重量/重量~2%重量/重量、0.4%重量/重量~2%重量/重量の第1類及び第2類添加剤の総量、並びに必要に応じて、好ましくは0.0001%重量/重量~0.08%重量/重量、0.0003%重量/重量~0.08%重量/重量、0.0013%重量/重量~0.08%重量/重量、0.001%重量/重量~0.08%重量/重量の第3類添加剤の総量を含む噴霧液を生成するのに必要な量で得られる。
【0080】
好適な通例のタイプの固体又は液体製剤は、懸濁液、粉塵、粉末、ペースト、顆粒、圧搾物、カプセル、及びこれらの混合物である。製剤タイプの例は、懸濁液(例えば、SC、OD、FS)、カプセル(例えばCS、ZC)、ペースト、トローチ、水和剤、水分散性粉末、油分散性粉末又は粉塵性粉末(例えば、WP、WS、OP、DP)、圧搾物(例えば、BR、TB、DT、WT)、水分散性又は直接施用顆粒(例えば、WG、GR)、及び種子などの植物繁殖材料を処理するためのゲル製剤(例えば、GF)である。
【0081】
ここで、各製剤のタイプ若しくは選択又は選択された補助剤は、製剤の貯蔵中及び最終的に土壌、植物又は植物繁殖材料に施用されたときに、微生物の生存率に影響を及ぼしてはならないことを考慮しなければならない。これら及びさらなる製剤タイプは、「Catalogue of pesticide formulation types and international coding system」、Technical Monograph No.2、第6版、2008年5月、CropLife Internationalに定義されている。
【0082】
製剤は、既知の方法、例えば、Mollet及びGrubemann、Formulation technology、Wiley VCH、Weinheim、2001;又はKnowles、New developments in crop protection product formulation、Agrow Reports DS243、T&F Informa、London、2005に記載された方法で調製される。
【0083】
固体製剤、特に顆粒又は粉末のような微粒子製剤は、好ましくは、真空密封されたマルチホイル若しくはマイラーパウチ、又は水溶性ポリマーから製造されたパウチ、例えば、ポリビニルアルコールパウチで提供される。
【0084】
製剤タイプ及びその調製方法の例は、以下のとおりである。
i)懸濁液(SC、OD、FS)
攪拌ボールミル又はコロイドミル内で、本発明のフサリシジン産生細菌の乾燥及び粉砕バイオマス20~60重量%に、5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤と2%重量/重量未満の第3類添加剤との混合物、5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の水溶性有機液体、好ましくはさらに0.1~2%重量/重量の増稠剤(例えば、キサンタンガム)を添加し且つ水を添加して100%重量/重量として、混練して、微細な活性物質の懸濁液を得る。水で希釈すると、活性物質の安定した懸濁液が得られる。FSタイプの組成物では、最大40%重量/重量の結合剤(例えば、ポリビニルアルコール)を添加する。水を含まない懸濁液の場合、100%重量/重量の量の水を、追加の水溶性有機液体で置き換えることができる。油分散体(OD)は、噴霧乾燥した技術的活性成分(バイオマス)と、油、少なくとも1種の第1類添加剤又は少なくとも1種の第2類添加剤又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤の混合物、及び2%重量/重量未満の第3類の混合物、及び場合により乳化剤、消泡剤及び増粘剤などのさらなる助剤とを混合することで製造することができる。
【0085】
ii)顆粒水和剤(WG)
50~80重量%のフサリシジン産生細菌のバイオマスに、5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤と2%重量/重量未満の第3類添加剤との混合物を100重量%として添加して微粉砕し、技術設備(例えば、押出成形、噴霧塔、流動床、好ましくは流動床造粒)により、顆粒水和剤又は顆粒水溶剤として調製する。水で希釈すると、活性物質の安定した分散液又は溶液が得られる。顆粒水和剤を製造する別の方法は、フサリシジン産生細菌のバイオマスに由来する湿潤生地と、少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤と2%重量/重量未満の第3類添加剤との混合物、場合により充填剤を混合し、生地を低圧ドーム押出機に通し、続いて乾燥工程、例えば流動層乾燥して顆粒を形成する方法である。
【0086】
ii)水和剤(WP)
50~80重量%のフサリシジン産生細菌の乾燥粉砕バイオマスに、5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤と2%重量/重量未満の第3類との混合物及び固体担体(例えば、シリカ、珪藻土、カオリン、可溶性無機塩、糖類、マルトデキストリン)を100%重量/重量として添加して混合する。あるいは、1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤と2%重量/重量未満の第3類添加剤との混合物、場合により充填剤を、乾燥工程の前に添加してもよい。噴霧乾燥により乾燥を実施し、微粉末を得ることができる。水で希釈すると、活性物質の安定した分散液又は溶液が得られる。
【0087】
iii)粉塵性粉末(DP、DS)
1~10%重量/重量のフサリシジン産生細菌のバイオマスを微粉砕し、100%重量/重量として固体担体(例えば、微粉化カオリン)と密に混合する。
【0088】
iv)顆粒(GR、FG)
0.5~30%重量/重量のフサリシジン産生細菌のバイオマスを微粉砕し、100%重量/重量として固体担体(例えば、ケイ酸塩)と一緒にする。造粒は、押出成形、噴霧乾燥によって、又は流動床内で達成される。
【0089】
v)超低容量液体(UL)
1~50%重量/重量のフサリシジン産生細菌のバイオマスを有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素)中に溶解させ、100%重量/重量とする。
【0090】
組成物タイプi)~v)は、場合により、0.1~1%重量/重量の殺菌剤、5~15%重量/重量の凍結防止剤、0.1~1.5%重量/重量の消泡剤、及び0.1~20%重量/重量の着色剤などの助剤をさらに含んでいてもよい。
【0091】
組成物タイプiv~vは、好ましくは、製剤iv~viiが第1の濃縮形態を表し、第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤のうちの少なくとも1種が少なくとも1つのさらなる濃縮形態で提供される少なくとも2つの部品のキットの構成要素として使用される。
【0092】
種子処理用の製剤、すなわち、サスポエマルジョン(SE)、フロアブル製剤(flowable concentrate)(FS)、乾燥処理用粉末(DS)、スラリー処理用粉末水和剤 (WS)は、通常、植物繁殖材料、特に種子を処理する目的で用いられる。
【0093】
種子処理の製剤タイプ又はプレミックス組成物のための土壌施用の好ましい例は、WS、FS又はWGタイプである。
【0094】
製剤を調製するためにさらなる助剤を添加してもよく、そのような助剤は、可溶性充填剤、担体、不溶性充填剤、増粘剤、レオロジー調整剤及び固結防止剤、消泡剤、着色剤、さらにはpH調整剤、pH緩衝剤、殺生剤、付着剤、湿潤剤、忌避剤、誘引剤、相溶化剤、保存剤、粘着剤及び結合剤である。好適な可溶性充填剤、担体、不溶性充填剤、増粘剤、レオロジー調整剤及び固結防止剤、消泡剤、着色剤、さらには緩衝剤、pH調整剤、殺生剤、付着剤、湿潤剤、忌避剤、誘引剤、相溶化剤、保存剤、粘着剤及び結合剤は、当業者に周知である。第1類添加剤、第2類添加剤及び第3類添加剤は、さらなる助剤の群から除外される。
【0095】
好ましい可溶性充填剤又は担体は、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、二塩基性若しくは一塩基性リン酸カリウム若しくはリン酸ナトリウムのような無機塩、又はラクトース、スクロース、マルトース、フルクトース、マルトデキストリン、可溶性変性デンプンのような可溶性の有機化合物である。
【0096】
好ましい不溶性充填剤は、チョーク、炭酸カルシウム、粘土、カオリン、珪藻土、沈降シリカ又はヒュームドシリカである。
【0097】
好ましい増粘剤、レオロジー調整剤及び固結防止剤は、粘度及び有機粘土、親水性及び疎水性シリカ、可溶性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン及び酸化エチレンと酸化プロピレンのブロックコポリマー、キサンタンガム又は変性セルロース、例えば、微結晶セルロース及びヒドロキシプロピルセルロースである。
【0098】
好ましい消泡剤は、シリコーン消泡剤、長鎖アルコール、脂肪酸の塩である。
【0099】
好ましい着色剤(例えば、赤、青、又は緑)は、低水溶性染料及び水溶性染料の顔料として使用され、無機着色剤(例えば、酸化鉄、酸化チタン、ヘキサシアノ鉄)及び有機着色剤(例えば、アリザリン、アゾ及びフタロシアニン着色剤)を含むがこれに限らない。
【0100】
保存中に本発明の微生物又は他の生物の増殖を避けるために、固体又は液体製剤は、さらなる添加剤として1種以上の制生剤(biostatic agent)を含んでいてもよい。好適な制生剤は、低分子有機酸、乳酸、酢酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、安息香酸及びこれらの塩である。保存中の微生物の増殖を防ぐ別の方法は、水分量を40%重量/重量未満、好ましくは10%重量/重量未満、最も好ましくは5%重量/重量未満に下げることである。
【0101】
フサリシジン産生細菌の胞子は、通常、1~25μm、好ましくは1~10μm、より好ましくは1~8μmの粒子サイズd50(粒子の50%がこの値未満の直径を有する)及び1~90μm、好ましくは1~80μm、より好ましくは1~70μm、さらにより好ましくは1~60μm(CIPAC法187による液体分散液中での光散乱法により決定)の粒子サイズd90(粒子の90%がこの値未満の直径を有する)を有する固体粒子の形態で製剤中に存在する。好ましくは、平均粒子サイズは、室温で16週間保存した後又は40℃で16週間保存した後のような長時間の保存の後でも、これらの範囲にある。
【0102】
1ml当たりの胞子の密度数は、約20~約35℃の温度で数日間培養した後、寒天培地、例えばポテトデキストロース寒天上のコロニー形成単位(CFU)の数を特定することにより決定することができる。
【0103】
本発明の製剤を調製するために使用されるバイオマスのCFU/gの量は、通常、1×108CFU/g~1×1010CFU/g、好ましくは5×108~5×109CFU/gである。一実施形態において、バイオマスのCFU/gの量は、5×108~1×109CFU/gである。バイオマスのCFU/gは、本発明の製剤を調製するために使用されるバイオマスの量に影響を与える。比較的大量のCFU/gを有するバイオマスを使用して、比較的少量のバイオマスを有する製剤を調製することができる。本発明の製剤を調製するために使用されるバイオマスの量は、通常、それぞれの目的に施用されるべき1ヘクタール当たりのCFUの量に適合するように選択される。
【0104】
第1類添加剤、第2類添加剤、及び存在する場合には第3類添加剤のような、それぞれの製剤の他の成分の量及びさらなる添加剤の量は、貯蔵安定性、低粘度、及び良好な希釈特性、例えば再分散性、湿潤性、分散性及び懸濁性、並びに噴霧液の安定性のような、さらなる所望の特徴を達成するように選択される。
【0105】
本発明による液体製剤は、好ましくは、剪断速度100秒-1で80~350mPasの粘度を有する(CIPAC方法192による回転レオメーター)。好ましくは、液体製剤は、室温で16週間保存した後又は40℃で16週間保存した後でも、100秒-1の剪断速度で80~350mPasの粘度を有する。
【0106】
本明細書に記載の製剤のいずれかにおいて、各成分のシェアの量が100%を超える場合、連続相の最大量は、各成分のシェアの量が100重量%に等しくなるように、適宜減らされるものとする。
【0107】
一部の実施形態では、固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤は、以下の成分を有する。
成分1:フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス
成分2:不溶性充填剤、好ましくはシリカ、ケイ酸塩若しくは炭酸カルシウム又は両方の混合物
成分3:硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム若しくは硫酸マグネシウム(水なし)、若しくはこれらの混合物、又はリン酸水素塩とリン酸二水素塩のナトリウム塩又はカリウム塩の混合物
成分4:第1類添加剤、好ましくは群1aからのもの、より好ましくはPluronic(登録商標)PE10500又はPluronic(登録商標)PE6200から選択される添加剤、最も好ましくはPluronic(登録商標)PE10500とPluronic(登録商標)PE6200との組み合わせであるもの、及び場合により、
成分5は、第2類添加剤であり、好ましくは群2cからのものであり、より好ましくは、Agnique(登録商標)SLES370又はGenapol(登録商標)LROである。
【0108】
ここで、異なる成分1~4及び場合により5は、以下の量で存在する。
成分1: 20~40%重量/重量
成分2: 10~40%重量/重量
成分3: 0~25%重量/重量
成分4: 15~40%重量/重量
成分5: 0.5~1.9%重量/重量
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0109】
好ましくは、異なる成分1~4及び場合により5は、以下の量で存在する。
成分1: 24~38%重量/重量
成分2: 15~38%重量/重量
成分3: 5~25%重量/重量
成分4: 16~25%重量/重量
成分5: 0.8~1.5%重量/重量。
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0110】
より好ましくは、異なる成分1~4及び場合により5は、以下の量で存在する。
成分1: 27~33%重量/重量
成分2: 20~33%重量/重量
成分3: 10~22%重量/重量
成分4: 18~22%重量/重量
成分5: 0.8~1.3%重量/重量。
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0111】
さらにより好ましくは、成分1~4及び存在する場合の5の量は、本明細書に記載の実施例に開示されているものである。
【0112】
一部の実施形態では、固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤は、以下の成分を含む。
成分1:フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス
成分2:不溶性充填剤、好ましくはシリカ、ケイ酸塩若しくは炭酸カルシウム又は両方の混合物
成分3:硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム若しくは硫酸マグネシウム(水なし)、若しくはこれらの混合物、又はリン酸水素塩とリン酸二水素塩のナトリウム塩又はカリウム塩の混合物、好ましくは硫酸アンモニウム、
成分4:第1類、第2類又は第3類添加剤以外の湿潤剤、好ましくはシロキサン湿潤剤、さらにより好ましくはBreak Thru S 301
成分5:第1類添加剤、好ましくは群1a又は1dからのもの、より好ましくはPluronic(登録商標)PE10500、Pluronic(登録商標)PE6200又はBreak Thru SP 133から選択されるもの、最も好ましくはPluronic(登録商標)PE10500とPluronic(登録商標)PE6200との組合せ、又はPluronic(登録商標)PE10500とBreak Thru SP 133との組合せであるもの、
及び好ましくはさらに、
成分6は、第2類添加剤であり、好ましくは群2aからのものであり、より好ましくは、Atlox(商標)4913である。
【0113】
場合により、固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤は、さらなる助剤を含んでもよい。さらなる好適な助剤は、好ましくは可溶性充填剤、pH緩衝剤及び乾燥助剤である。これらの助剤は、当技術分野で通常使用される量で施用される。
【0114】
ここで、異なる成分1~6は、以下の量で存在する。
成分1: 20~40%重量/重量
成分2: 10~40%重量/重量
成分3: 0~25%重量/重量
成分4: 0.5~5%重量/重量
成分5: 10~25%重量/重量
成分6: 1~15%重量/重量。
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0115】
好ましくは、異なる成分1~6は、以下の量で存在する。
成分1: 24~38%重量/重量
成分2: 15~38%重量/重量
成分3: 5~25%重量/重量
成分4: 1~5%重量/重量
成分5: 10~25%重量/重量
成分6: 1~10%重量/重量。
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0116】
より好ましくは、異なる成分1~6は、以下の量で存在する。
成分1: 27~33%重量/重量
成分2: 27~33%重量/重量
成分3: 18~22%重量/重量
成分4: 2~3%重量/重量
成分5: 10~25%重量/重量
成分6: 5~8%重量/重量
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0117】
さらにより好ましくは、成分1~4及び存在する場合の5の量は、本明細書に記載の実施例に開示されているものである。
【0118】
一部の実施形態では、液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤は、以下の成分を含む。
成分1:フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス
成分2:水溶性有機液体、好ましくは、グリセロール、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、ブタン-1,4-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、ヘプタン-1,7-ジオール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、平均分子量150g/mol~450g/molのポリエチレングリコール(PEG)、平均分子量200~500g/molのポリプロピレングリコール(PPG)、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボキシレート(クエン酸トリエチル)、N,N-ジメチルラクトアミド又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物、より好ましくは、平均分子量150g/mol~450g/molのポリエチレングリコール(PEG)、プロパン-1,2-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール又はクエン酸トリエチル又はこれらの混合物、より好ましくは、クエン酸トリエチル、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、PEG400及びPEG200、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物、さらにより好ましくはPEG200、
成分3:第1類添加剤、好ましくは群1a又は1dからのもの、より好ましくはPluronic(登録商標)PE10500、Pluronic(登録商標)PE6200又はBreak Thru SP 133から選択されるもの、最も好ましくはPluronic(登録商標)PE10500とPluronic(登録商標)PE6200との組合せ、又はPluronic(登録商標)PE10500とBreak Thru SP 133との組合せであるもの、
成分4:第2類添加剤、好ましくは群2aからのもの、より好ましくはAtlox(商標)4913、
成分5:水。
【0119】
場合により、液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤は、さらなる助剤を含んでもよい。好ましいさらなる助剤は、増粘剤、消泡剤、保存剤、制生剤、及びpH緩衝剤である。これらの助剤は、当技術分野で通常使用される量で施用される。
【0120】
ここで、異なる成分1~4及び場合により5は、以下の量で存在する。
成分1: 50~300g/L
成分2: 250~500g/L
成分3: 10~150g/L
成分4: 5~150g/L
成分5: 0~685g/L
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して1リットルになるように選択される。
【0121】
好ましくは、異なる成分1~4及び場合により5は、以下の量で存在する。
成分1: 100~250g/L
成分2: 300~450g/L
成分3: 20~130g/L
成分4: 10~100g/L
成分5: 0~570g/L
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して1リットルになるように選択される。
【0122】
より好ましくは、異なる成分1~4及び場合により5は、以下の量で存在する。
成分1: 180~220g/L
成分2: 380~420g/L
成分3: 40~110g/L
成分4: 15~80g/L
成分5: 250~385g/L
ここで、成分1~5、及び場合により助剤の量は、合計して1リットルになるように選択される。
【0123】
さらにより好ましくは、成分1~4及び存在する場合の5の量は、本明細書に記載の実施例に開示されているものである。
【0124】
あるいは、液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤は、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを含むブロス濃縮物を含んでもよい。そのような液体製剤は、以下の成分を含む。
成分1:フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを含むブロス濃縮物
成分2:少なくとも1種の第1類添加剤、好ましくはPluronic PE 10500、Pluronic PE 6200、Pluronic PE 6400又はPluronic PE 3100
成分3:第2類添加剤、好ましくはAtlox 4913、及び
場合により成分4:安定剤及び/又はさらなる助剤。
【0125】
より好ましくは、異なる成分1~3は、以下の量で存在する。
成分1: 4%重量/重量~50%重量/重量
成分2: 1%重量/重量~20%重量/重量
成分3: 2%重量/重量~10%重量/重量
成分4: 20%重量/重量~93%重量/重量
ここで、成分1~4の量は、合計して100%重量/重量になるように選択される。
【0126】
成分4の安定剤は、好ましくは、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムのような可溶性塩及び/又はソルビン酸、乳酸、安息香酸のような低分子有機酸の塩である。
【0127】
一部の実施形態では、液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤は、以下の成分を有する。
成分1:フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス
成分2:水溶性有機液体、グリセロール、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、ブタン-1,4-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、平均分子量150g/mol~450g/molのポリエチレングリコール(PEG)、平均分子量200~500g/molのポリプロピレングリコール(PPG)、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸トリエチル(クエン酸トリエチル)、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸トリブチル(クエン酸トリブチル)、N,N-ジメチルラクトアミド又はこれらの混合物、より好ましくは、平均分子量150g/mol~450g/molのポリエチレングリコール(PEG)、プロパン-1,2-ジオール、2-メチル-2.4-ペンタンジオール、クエン酸トリエチル若しくはクエン酸トリブチル、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物、より好ましくはクエン酸トリエチル、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、2-メチル-2.4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、PEG400及びPEG200、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物、最も好ましくはPEG200、
成分3:沈降防止剤、好ましくは、粘土及び有機粘土、親水性及び疎水性シリカから選択され、より好ましくは、Aerosil200、
成分4:第1類添加剤、好ましくは群1a又は1fからのもの、より好ましくはPluronic(登録商標)PE6400及びAgnique(登録商標)PG8107から選択されるもの、又はPluronic(登録商標)PE6400及びAgnique(登録商標)PG8107の組合せ、
成分4:第2類添加剤、好ましくは群2aからのもの、より好ましくはAtlox(商標)4913。
【0128】
場合により、液体製剤、好ましくは非水性懸濁剤(SC)製剤は、助剤を含んでもよい。好ましいさらなる助剤は、増粘剤、消泡剤、保存剤、制生剤、及びpH緩衝剤である。これらの助剤は、当技術分野で通常使用される量で施用される。
【0129】
ここで、異なる成分1~4は、以下の量で存在する。
成分1: 50~300g/L
成分2: 600~900g/L
成分3: 0~50g/L
成分4: 50~150g/L
ここで、成分1~4、及び場合によりさらなる添加剤の量は、合計して1リットルになるように選択される。
【0130】
好ましくは、異なる成分1~4は、以下の量で存在する。
成分1: 50~300g/L
成分2: 500~850g/L
成分3: 0~30g/L
成分4: 50~150g/L
ここで、成分1~4、及び場合によりさらなる添加剤の量は、合計して1リットルになるように選択される。
【0131】
より好ましくは、異なる成分1~4は、以下の量で存在する。
成分1: 50~300g/L
成分2: 450~830g/L
成分3: 0~25g/L
成分4: 65~135g/L
ここで、成分1~4、及び場合によりさらなる添加剤の量は、合計して1リットルになるように選択される。
【0132】
さらにより好ましくは、成分1~4及び存在する場合の5の量は、本明細書に記載の実施例6~10に開示されているものである。
【0133】
このような製剤を調製するために、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスは、好ましくは乾燥形態で、好ましくは噴霧乾燥によって生成され、(プレミックスとして)液体連続相又はその一部に分散される。胞子凝集体の分散とデアグロメレーションには、高剪断混合装置(Siefer社製コロイドミル、又はSilverson社、Ultraturrax社、若しくはPolytron社製ミキサーなど)を使用することができる。好ましくは、胞子凝集体は、(CIPAC法187に従って分散液中の光散乱法で決定された)1~25μm、好ましくは1~10μm、より好ましくは1~8μmの最終平均粒子サイズを有する。第1類添加剤、第2類添加剤、第3類添加剤及び助剤は、剪断安定性に応じてバイオマスの導入前又は導入後に添加できる。
【0134】
したがって、本発明の別の態様は、製剤を製造する方法である。したがって、固体又は液体製剤に適していると本明細書に記載されているすべての成分及びそれらの個々の量は、そのような製剤を製造する方法に等しく適している。
【0135】
1つの方法は、固体製剤を製造する方法であって、通常、以下の工程:
a)フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
b)固体製剤の選択された最終量まで、少なくとも1種の第1類添加剤、第2類添加剤、第3類添加剤又は助剤を添加する工程
c)混合して均質なスラリー又は生地を形成する工程、及び
d)固体製剤を、好ましくは押出成形及び後乾燥によって又は噴霧乾燥によって乾燥させる工程
を含む、方法である。ここで、工程a)及びb)は逆の順序で行うことができ、並びに/又は固体製剤のすべての成分が得られるまで工程c)と共に繰り返すことができる。
【0136】
さらなる態様は、固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤を製造する方法であって、固体製剤が、
a) 5.0%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b) 5.0%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤、
c) 0%重量/重量~20%重量/重量の第2類添加剤、
d) 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e) 30%重量/重量~50%重量/重量の助剤
を含み、
a)、b)、c)、d)、及びe)の総量は、総量100%重量/重量になるように選択され、方法が、以下の工程:
A.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
B.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
C.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
D.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
E.場合により助剤を添加する工程、
F.バイオマス含有スラリーを、噴霧乾燥、真空ドラム乾燥、流動床乾燥、又は噴霧造粒によって乾燥させる工程
を含み、
工程C)、D)、E)及びF)が、方法における任意の時点で実施することができる、
方法である。
【0137】
さらなる方法は、液体製剤を製造する方法であって、以下の工程:
a)フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを高濃度又は乾燥状態で提供する工程、
b)少なくとも1種の第1類添加剤、第2類添加剤、第3類添加剤及び助剤を添加する工程、
c)水及び/又は1種以上の水溶性有機液体を添加する工程、
d)混合して均質な液体製剤を形成する工程
を含む、方法である。ここで、工程a)及びb)は逆の順序で行うことができ、及び/又は固体製剤のすべての成分が得られるまで工程c)と共に繰り返すことができる。
【0138】
別の方法は、液体製剤を製造する方法であって、以下の工程:
a)フサリシジン産生細菌の胞子を含むブロス濃縮物を提供する工程、
b)ブロス濃縮物を連続相に分散させる工程であり、連続相が、以下:
a.少なくとも1種の第1類添加剤
b.場合により少なくとも1種の第2類添加剤、
c.場合により少なくとも1種の安定剤
d.場合によりさらなる添加剤
を含む、工程
を含む、方法である。
【0139】
安定剤は、好ましくは、少なくとも1種の可溶性塩、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、低分子有機酸、例えば、ソルビン酸、乳酸、安息香酸及びこれらのナトリウム若しくはカリウム塩、若しくは酸(クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸)又は低分子有機酸の効果のためにわずかに酸性のpHを与える緩衝剤である。
【0140】
懸濁剤(SC)製剤を製造する方法であって、
a)フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
b)剪断又は機械的エネルギーの入力によって、好ましくはローターステーターコロイドミル又はビーズミル内で、連続相中に前記バイオマスを分散させる工程、
c)少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
d)場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
e)場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
f)場合により助剤を添加する工程
を含み、
工程c)、d)、e)及びf)が、方法における任意の時点で実施することができる、
方法も含まれる。
【0141】
本発明の別の態様は、植物病原菌(植物病原性卵菌類を含む)を駆除する方法であって、本発明による製剤を使用して水性又は油性噴霧液を調製し、この噴霧液を植物に施用する、方法である。
【0142】
ユーザーは、通常、プレ投与装置、背負式噴霧器、噴霧タンク、噴霧飛行機、又は灌漑システムから本発明による噴霧液を施用する。通常、農薬噴霧液は、水、緩衝剤、及び/又はさらなる助剤により所望の施用濃度になるように構成される。通常、農業有用面積1ヘクタール当たり20~2000リットル、好ましくは50、100、200、300、400、500、600、700、800、900~1000リットルの噴霧液が施用される。植物のすべての部位に均一に噴霧液を行き渡らせるためには、噴霧液の量を多くすることが好ましい。
【0143】
本発明の噴霧液により駆除される植物病原菌は、アルブゴ属の種(Albugo spp.)(白さび病)であって、観賞植物、野菜作物におけるもの(例えばA.カンジダ(A. candida))及びヒマワリにおけるもの(例えばA.トラゴポゴニス(A. tragopogonis));アルテルナリア属の種(Alternaria spp.)(黒班病)であって、野菜(例えば、A.ダウシ(A. dauci)又はA.ポリ(A. porri))、ナタネにおけるもの(例えばA.ブラシコラ(A. brassicola)又はA.ブラシケ(A. brassicae))、サトウダイコンにおけるもの(例えばA.テヌイス(A. tenuis))、果実におけるもの(A.グランディス(A. grandis))、イネ、ダイズにおけるもの、ジャガイモ及びトマトにおけるもの(例えばA.ソラニ(A. solani)、A.グランディス又はA.アルテルナタ(A. alternata))、並びにトマトにおけるもの(例えばA.ソラニ又はA.アルテルナタ)、並びにコムギにおけるもの(例えば、A.トリチシナ(A. triticina));サトウダイコン及び野菜におけるアファノマイセス属の種(Aphanomyces spp.);穀物及び野菜におけるアスコキタ属の種(Ascochyta spp.)、例えばコムギにおけるA.トリチシ(A. tritici)(炭疽病)及びオオムギにおけるA.ホルデイ(A. hordei);トウモロコシにおける灰斑病;ビポラリス属の種(Bipolaris spp.)及びドレシュレラ属(Drechslera spp.)(テレオモルフ:コクリオボルス属の種(Cochliobolus spp.))、例えばトウモロコシにおけるごま葉枯病(D.マイディス(D.maydis))又は北方斑点病(B.ゼイコラ(B. zeicola))、例えば穀物における斑点病(B.ソロキニアナ(B. sorokiniana)、及び例えばイネ及びシバにおけるB.オリザエ(B. oryzae);穀物(例えばコムギ又はオオムギ)におけるブルメリア(Blumeria)(以前は:エリシフェ(Erysiphe))・グラミニス(graminis)(ウドンコ病);ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(テレオモルフ:ボトリチニア・フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana):灰色かび病)であって、果実及び漿果(例えばイチゴ)、野菜(例えばレタス、ニンジン、セロリ及びキャベツ)におけるもの;B.スカモサ(B. squamosa)又はB.アリー(B. allii)であって、タマネギの仲間におけるもの、ナタネにおけるもの、観賞植物におけるもの(例えばB.エリピティカ(B. eliptica))、ブドウにおけるもの、林産植物におけるもの及びコムギにおけるもの;レタスにおけるブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)(べと病);落葉樹及び針葉樹におけるセラトシスチス属の種(Ceratocystis spp.)(オフィオストマ属の種(Ophiostoma spp.)と同義)(青変病)、例えばニレにおけるC.ウルミ(C. ulmi)(オランダニレ病);セルコスポラ属の種(Cercospora spp.)(褐斑病)であって、トウモロコシにおけるもの(例えば灰色斑点病:C.ジアエマイディス(C. zeae-maydis))、イネにおけるもの、サトウダイコンにおけるもの(例えばC.ベチコラ(C. beticola))、サトウキビにおけるもの、野菜におけるもの、コーヒーにおけるもの、ダイズにおけるもの(例えばC.ソジナ(C. sojina)又はC.キクチイ(C. kikutii))及びイネにおけるもの;クラドボトリウム属(同義:ダクチリウム属)の種(Cladobotryum (syn.Dactylium) spp.)(例えばC.ミコフィルム(C. mycophilum)(以前はダクチリウム・デンドロイデス(Dactylium dendroides)、テレオモルフ:ネクトリア・アルベルティニ(Nectria albertinii)、キノコにおけるネクトリア・ロゼラ(Nectria rosella)、同義:ヒポミケス・ロゼルス(Hypomyces rosellus));クラドスポリウム属の種(Cladosporium spp.)であって、トマトにおけるもの(例えばC.フルブム(C. fulvum):葉かび病)及び穀物におけるもの、例えばコムギにおけるC.ヘルバルム(C. herbarum)(黒耳病(black ear));穀物におけるクラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)(麦角病);コクリオボルス属(アナモルフ:ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)又はビポラリス属(Bipolaris))の種(Cochliobolus spp.)(斑点病)であって、トウモロコシにおけるもの(C.カルボヌム(C. carbonum))、穀物におけるもの(例えばC.サチブス(C. sativus)、アナモルフ:B.ソロキニアナ(B. sorokiniana))及びイネにおけるもの(例えばC.ミヤベアヌス(C. miyabenus)、アナモルフ:H.オリザエ(H. oryzae));コレトトリクム属(テレオモルフ:グロメレラ属(Glomerella))の種(Colletotricum spp.)(黒葉枯病、炭疽病)であって、ワタにおけるもの(例えばC.ゴシピイ(C. gossypii))、トウモロコシにおけるもの(例えばC.グラミニコラ(C. graminicola):茎腐れ病)、ソフトフルーツ、ジャガイモにおけるもの(例えばC.ココデス(C. coccodes:立ち枯れ病))、マメ類におけるもの(例えばC.リンデムチアヌム(C. lindemuthianum))及びダイズにおけるもの(例えばC.トルンカツム(C. truncatum)又はC.グロエオスポリオイデス(C. gloeosporioides))、野菜におけるもの(例えばC.ラゲナリウム(C. lagenarium)又はC.カプシシ(C. capsici))、果実におけるもの(例えばC.アクタツム(C. acutatum))、コーヒーにおけるもの(例えばC.コフェアヌム(C. coffeanum)又はC.カハワエ(C. kahawae))及び種々の穀物におけるC.グロエオスポリオイデス;イネにおけるコルチキウム属の種(Corticium spp.)、例えばC.ササキイ(C. sasakii)(紋枯病);ダイズ、ワタ及び観賞植物におけるコリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola)(葉の斑点病);シクロコニウム属の種(Cycloconium spp.)、例えばオリーブにおけるC.オレアギヌム(C. oleaginum);シリンドロカルポン属の種(Cylindrocarpon spp.)(例えば果樹胴枯病又はブドウの衰弱、テレオモルフ:ネクトリア属の種(Nectria spp.)又はネオネクトリア属の種(Neonectria spp.))であって、果樹におけるもの、ブドウにおけるもの(例えばC.リリオデンドリ(C. liriodendri)、テレオモルフ:ネオネクトリア・リリオデンドリ(Neonectria liriodendri)、黒足病)及び観賞植物におけるもの;ダイズにおけるデマトフォラ(Dematophora)(テレオモルフ:ロゼリニア(Rosellinia))・ネカトリクス(necatrix)(根及び茎腐れ病(root and stem rot));ダイズにおけるディアポルテ属の種(Diaporthe spp.)、例えばD.ファゼオロルム(phaseolorum)(立枯れ病);ドレシュレラ属(同義:ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)、テレオモルフ:ピレノフォラ属(Pyrenophora)の種(Drechslera spp.)であって、トウモロコシにおけるもの、穀物、例えばオオムギにおけるもの(例えばD.テレス(D. teres)、網斑病)及びコムギにおけるもの(例えばD.トリチシ-レペンチス(D. tritici-repentis):黄褐斑病))、イネ及びシバにおけるもの;ブドウにおいて、ホルミチポリア(Formitiporia)(フェリヌス(Phellinus)と同義)・プンクタタ(punctata)、F.メジテラネア(F. mediterranea)、フェオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora)(以前はフェオアクレモニウム・クラミドスポルム(Phaeoacremonium chlamydosporum))、フェオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及び/又はボトリオスフェリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa)に起因するエスカ(Esca)病(ブドウの衰弱、アポプレキシー);エルシノエ属の種(Elsinoe spp.)であって、リンゴ類におけるもの(E.ピリ(E. pyri))及びソフトフルーツにおけるもの(E.ベネタ(E. veneta):炭疽病)、並びにブドウにおけるもの(E.アンペリナ(E. ampelina):炭疽病);イネにおけるエンチロマ・オリザエ(Entyloma oryzae)(黒しゅ病);コムギにおけるエピコックム属の種(Epicoccum spp.)(黒変病);エリシフェ属の種(Erysiphe spp.)(ウドンコ病)であって、サトウダイコンにおけるもの(E.ベーテ(E. betae))、野菜におけるもの(例えばE.ピシ(E. pisi))、例えばキュウリにおけるもの(例えばE.シコラセアルム(E. cichoracearum))、キャベツにおけるもの、ナタネにおけるもの(例えばE.クルシフェラルム(E. cruciferarum));果樹、ブドウ及び多くの観賞樹におけるユーチパ・ラタ(Eutypa lata)(ユーチパ胴枯病又は枝枯れ病、アナモルフ:シトスポリナ・ラタ(Cytosporina lata)、リベルテラ・ブレファリス(Libertella blepharis)と同義);トウモロコシにおけるエクセロヒルム属(ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)と同義)の種(Exserohilum spp.)(例えばE.ツルシクム(E. turcicum));種々の植物におけるフザリウム属の種(テレオモルフ:ジベレラ(Gibberella)と同義)(Fusarium spp.)(立ち枯れ病、根又は茎腐れ病)、例えば、穀物(例えばコムギ又はオオムギ)におけるF.グラミネアルム(F. graminearum)又はF.クルモルム(F. culmorum)(根腐れ病、そうか病及び胴枯れ病)、トマトにおけるF.オキシスポルム(F. oxysporum)、ダイズにおけるF.ソラニ(F. solani) (f.sp.グリシネス(f. sp. glycine)、現在F.ビルグリフォルメ(F. virguliforme)と同義)及びトウモロコシにおけるF.バーチシリオイデス(F. verticillioides);穀物(例えばコムギ又はオオムギ)及びトウモロコシにおけるゲウマノマイセス・グラミニス(Gaeumanomyces graminis)(麦類立枯病);ジベレラ属の種(Gibberella spp.)であって穀物におけるもの(例えばG.ゼア(G. zeae))及びイネにおけるもの(例えばG.フジクロイ(Gibberella fujikuroi)、馬鹿苗病);ブドウ、ナシ状果果実及び他の植物におけるグロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)及びワタにおけるG.ゴシピイ(G. gossypii);イネにおける穀粒汚染複合体(grain staining complex);ブドウにおけるギグナルディア・ブドウェリ(Guignardia budwelli)(黒腐れ病);バラ科植物及びトショウにおけるギノスポランギウム属の種(Gymnosporangium spp.)、例えばエンドウにおけるG.サビネ(G. sabinae)(さび病);トウモロコシ、穀物、ジャガイモ及びイネにおけるヘルミントスポリウム属(ドレシュレラ(Drechslera)と同義、テレオモルフ:コクリオボルス(Cochliobolus))の種(Helminthosporium spp.);ヘミレイア属の種(Hemileia spp.)、例えばコーヒーにおけるH.バスタトリクス(H. vastatrix) (コーヒー葉さび病);ブドウにおけるイサリオプシス・クラビスポラ(Isariopsis clavispora)(クラドスポリウム・ビチス(Cladosporium vitis)と同義);ダイズ及びワタにおけるマクロフォミナ・ファゼオリナ(Macrophomina phaseolina)(ファゼオリ(phaseoli)と同義)(根及び茎腐れ病);穀物(例えばコムギ又はオオムギ)におけるミクロドキウム(Michrodochium)(フザリウム(Fusarium)と同義)・ニバレ(nivale)(ピンク雪腐れ病);ダイズにおけるミクロスフェラ・ディフューザ(Microsphaera diffusa)(ウドンコ病);核果及び他のバラ科植物におけるモニリニア属の種(Monilinia spp.)、例えばM.ラクサ(M. laxa)、M.フルクチコラ(M. fructicola)及びM.フルクチゲナ(M. fructigena)(モニラ属の種(Monilia spp.)と同義:花及び枝枯れ病);穀物、バナナ、ソフトフルーツ及びラッカセイにおけるマイコスフェレラ属の種(Mycosphaerella spp.)、例えばコムギにおけるM.グラミニコラ(M. graminicola)(アナモルフ:チモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)、以前はセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、セプトリア葉枯れ病)又はバナナにおけるM.フィジエシス(M. fijiesis)(シュードサーコスポラ・フリゲナ(Pseudocercospora fijiensis)と同義:黒縞病)及びM.ムシコラ(M. musicola)、M.アラチジコラ(M. arachidicola) (M. アラチディス(M. arachidis)又はセルコスポラ・アラチディス(Cercospora arachidisと同義)、ピーナッツにおけるM.ベルケレイ(M. berkeleyi)、エンドウにおけるM.ピシ(M. pisi)、アブラナ属におけるM.ブラシシオラ(M. brassiciola);ペロノスポラ属の種(Peronospora spp.)(ベト病)であって、キャベツにおけるもの(例えばP.ブラシケ(P. brassicae))、ナタネにおけるもの(例えばP.パラサイチカ(P. parasitica))、球根植物におけるもの(例えばP.デストラクター(P. destructor))、タバコにおけるもの(P.タバキナ(P. tabacina))及びダイズにおけるもの(P.マンシュリカ(P. manshurica));ダイズにおけるファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びP.メイボミエ(P. meibomiae)(ダイズさび病);フィアロフォラ属の種(Phialophora spp.)、例えばブドウにおけるもの(例えばP.トラケイフィラ(P. tracheiphila)及びP.テトラスポラ(P. tetraspora))及びダイズにおけるもの(例えばP.グレガタ(P. gregata):茎腐れ病);ナタネ及びキャベツにおけるフォマ・リンガム(Phoma lingam)(レプトスフェ
リア・ビッグロボサ(Leptosphaeria biglobosa)及びL.マクランス(L. maculans)と同義:根及び茎腐れ病)及びサトウダイコンにおけるP.ベーテ(P. betae)(根腐れ病、斑点病及び立枯病)並びにトウモロコシにおけるP.ジアエ-マイディス(P. zeae-maydis) (フィロスティクタ・ジアエ(Phyllostica zeae)と同義) ;フォモプシス属の種(Phomopsis spp.)であって、ヒマワリ、ブドウにおけるもの(例えばP.ビチコラ(P. viticola):茎葉斑点病)及びダイズにおけるもの(例えば茎腐れ病:P.ファゼオリ(P. phaseoli)、テレオモルフ:ディアポルテ・ファゼオロルム(Diaporthe phaseolorum));トウモロコシにおけるフィゾデルマ・マイディス(Physoderma maydis)(褐色斑点病);種々の植物におけるフィトフトラ属の種(Phytophthora spp.)(萎凋病、根、葉、果実及び茎の腐れ病)、例えばパプリカ及びウリ科植物におけるもの(例えばP.カプシキ(P. capsici))、ダイズにおけるもの(例えばP.メガスペルマ(P. megasperma)、P.ソヤエ(P. sojae)と同義)、ジャガイモ及びトマトにおけるもの(例えばP.インフェスタンス(P. infestans):疫病)及び広葉樹におけるもの(例えばP.ラモルム(P. ramorum):サドンオークデス病(sudden oak death));キャベツ、ナタネ、ダイコン及び他の植物におけるプラスモディフォラ・ブラシケ(Plasmodiophora brassicae)(根こぶ病);プラスモパラ属の種(Plasmopara spp.)、例えばブドウにおけるP.ビチコラ(P. viticola)(ブドウべと病)及びヒマワリにおけるP.ハルステディイ(P. halstedii);バラ科植物、ホップ、ナシ状果及びソフトフルーツにおけるポドスフェラ属の種(Podosphaera spp.)(うどんこ病)(例えばリンゴにおけるP.ロイコトリカ(P. leucotricha))及びウリ科植物(P.クサンティ(P. xanthii));ポリミクサ属の種(Polymyxa spp.)、例えばオオムギ及びコムギなどの穀物におけるもの(P.グラミニス(P. graminis))及びサトウダイコンにおけるもの(P.ベーテ(P. betae))及びそれにより感染するウイルス病;穀物、例えばコムギ又はオオムギにおけるシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(オクリマクラ・ヤルンデ(Oculimacula yallundae)、O.アクフォルミス(O. acuformis)と同義:眼紋病、テレオモルフ:タペシア・ヤルンデ(Tapesia yallundae));種々の植物におけるシュードペルノスポラ属(Pseudoperonospora)(べと病)、例えばウリ科植物におけるP.キュベンシス(P. cubensis)又はホップにおけるP.フミリ(P. humili);ブドウにおけるシュードペツィクラ・トラケイフィライ(Pseudopezicula tracheiphilai)(赤色花火病又は「ロットブレンナー(rotbrenner)病」、アナモルフ:フィアロフォラ(Phialophora));種々の植物におけるプッチニア属の種(Puccinia spp.)(さび病)、例えばコムギ、オオムギ又はライムギなどの穀物におけるP.トリチシナ(P. triticina)(赤さび病(brown or leaf rust))、P.ストリホルミス(P. striformis)(縞さび病)、P.ホルデイ(P. hordei)(矮化葉さび病)、P.グラミニス(P. graminis)(茎さび病、黒さび病)又はP.レコンジタ(P. recondita)(赤さび病)、サトウキビにおけるP.クエフニイ(P. kuehnii)(黄さび病)及びアスパラガスにおけるP.アスパラギ(P. asparagi);ナタネにおけるピレノペジザ属の種(Pyrenopeziza spp)、例えばブラシカエ(P. brassicae);コムギにおけるピレノフォラ(Pyrenophora)(アナモルフ:ドレシュレラ(Drechslera))・トリチシ-レペンチス(tritici-repentis)(黄褐色斑点病)又はオオムギにおけるP.テレス(P. teres)(網斑病);ピリクラリア属の種(Pyricularia spp.)、例えばイネにおけるP.オリザエ(P. oryzae)(テレオモルフ:マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、イネイモチ病)及びシバ及び穀物におけるP.グリセア(P. grisea);シバ、イネ、トウモロコシ、コムギ、ワタ、ナタネ、ヒマワリ、サトウダイコン、野菜及び他の種々の植物におけるピチウム属の種(Pythium spp.)(立ち枯れ病)(例えばP.ウルチムム(P. ultimum)又はP.アファニデルマツム(P. aphanidermatum))並びにキノコにP.オリガンドラム(P. oligandrum)おける;ラムラリア属の種(Ramularia spp.)、例えばオオムギにおけるR.コロ-シグニ(R. collo-cygni)(葉斑点病、生理的葉斑点病)、ワタにおけるR.アレオラ(R. areola) (テレオモルフ:マイコスファエレラ・アレオラ(Myco-sphaerella areola))及びサトウダイコンにおけるR.ベチコラ(R. beticola);ワタ、イネ、ジャガイモ、シバ、トウモロコシ、ナタネ、ジャガイモ、サトウダイコン、野菜及び種々の他の植物におけるリゾクトニア属の種(Rhizoctonia spp.)、例えばダイズにおけるR.ソラニ(R. solani)(根及び茎腐れ病)、イネにおけるR.ソラニ(紋枯病)又はコムギ若しくはオオムギにおけるR.セレアリス(R. cerealis)(リゾクトニア春枯れ病(Rhizoctonia spring blight));イチゴ、ニンジン、キャベツ、ブドウ及びトマトにおけるリゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)(黒変病、軟腐病);オオムギ、ライムギ及びライコムギにおけるリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)及びR.コムネ(R. commune)(火傷病);イネにおけるサロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)及びS.アテヌアツム(S. attenuatum)(鞘腐れ病);スクレロチニア属の種(Sclerotinia spp.)(茎腐れ病又は白かび病)であって、野菜におけるもの(S.ミノル(S. minor)及びS.スクレロチオルム(S. sclerotiorum))及び農作物、例えばナタネ、ヒマワリにおけるもの(例えばS.スクレロチオルム)及びダイズにおけるもの、ダイズ、ピーナッツ、野菜、トウモロコシ、穀物及び観賞植物におけるS.ロルフシイ(S. rolfsii)(アテリア・ロルフシイ(Athelia rolfsii)と同義);種々の植物におけるセプトリア属の種(Septoria spp.)、例えばダイズにおけるS.グリシネス(S. glycines)(褐斑病)、コムギにおけるS.トリチシ(S. tritici)(チモセプトリア・トリティシ(Zymoseptoria tritici)、セプトリア・ブロチ(Septoria blotch)と同義) (セプトリア葉枯病)及び穀物におけるS.(スタゴノスポラ(Stagonospora)と同義)・ノドルム(nodorum);ブドウにおけるウンシヌラ(Uncinula)(エリシフェ(Erysiphe)と同義)・ネカトル(necator)(ウドンコ病、アナモルフ:オイジウム・ツッケリ(Oidium tuckeri));セトスフェリア属の種(Setospaeria spp.)(黒葉枯病)であって、トウモロコシにおけるもの(例えばS.ツルシクム(S. turcicum)、ヘルミントスポリウム・ツルシクム(Helminthosporium turcicum)と同義)及びシバにおけるもの;スファセロテカ属の種(Sphacelotheca spp.)(すす病)であって、トウモロコシにおけるもの(例えばS.レイリニア(S. reilinia)、ウスチラゴ・レイリアナ(Ustilago reiliana)と同義:黒穂病)、雑穀及びサトウキビにおけるもの;ウリ科植物におけるスフェロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ポドスフェラ・クサンティ(Podosphaera xanthii)と同義:ウドンコ病);ジャガイモにおけるスポンゴスポラ・スブレラネア(Spongospora subterranea)(粉疥癬病)及びそれにより感染するウイルス病;穀物におけるスタゴノスポラ属の種(Stagonospora spp.)、例えばコムギにおけるS.ノドルム(S. nodorum)(葉及び花斑点病、テレオモルフ:レプトスフェリア[フェオスフェリア(Phaeosphaeria)と同義]・ノドルム(nodorum)、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)と同義);ジャガイモにおけるシンキトリウム・エンドビオチクム(Synchytrium endobioticum)(ジャガイモいぼ病);タフリナ属の種(Taphrina spp.)、例えばモモにおけるT.デフォルマンス(T. deformans)(縮葉病)及びプラムにおけるT.ブルニ(T. pruni)(スモモ類膨らみ病);タバコ、ナシ状果果実、野菜、ダイズ及びワタにおけるチエラビオプシス属の種(Thielaviopsis spp.)(黒根腐れ病)、例えばT.バシコラ(T. basicola)(カララ・エレガンス(Chalara elegans)と同義);穀物におけるチレチア属の種(Tilletia spp.)(なまぐさ黒穂病又はナマグサクロボ病)、例えばコムギにおけるT.トリチシ(T. tritici)(T.カリエス(T. caries)と同義、コムギ黒穂病)及びT.コントロロベルサ(T. controversa)(矮化黒穂病);キノコにおけるトリコデルマ・ハルチアナム;オオムギ又はコムギにおけるチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)(灰色雪腐れ病);ウロシスチス属の種(Urocystis spp.)、例えばライムギにおけるU.オクルタ(U. occulta)(縞すす病);野菜におけるウロマイセス属の種(Uromyces spp.)(さび病)、例えばインゲン(beans)におけるもの(例えばU.アペンジムラツス(U. appendiculatus)、U.ファセオリ(U. phaseoli)と同義)、サトウダイコンにおけるもの(例えばU.ベーテ(U. betae)又はU.ベチコラ(U. beticola))及びマメ類(pulses)におけるもの(例えばU.ビグナエ(U. vignae)、U.ピシ(U. pisi)、U.ビシエ-ファーベ(U. viciae-fabae)及びU.ファーベ(U. fabae));ウスチラゴ属の種(Ustilago spp.)(すす病)であって、穀物におけるもの(例えばU.ヌダ(U. nuda)及びU.アベネアエ(U. avaenae))、トウモロコシにおけるもの(例えばU.マイディス(U. maydis):トウモロコシすす病)及びサトウキビにおけるもの;ベンツリア属の種(Venturia spp.)(疥癬)であって、リンゴにおけるもの(例えばV.イネクアリス(V. inaequalis))及びナシにおけるもの;並びに種々の植物、例えば果樹及び観賞植物、ブドウ、ソフトフルーツ、野菜及び農作物におけるバーチシリウム属の種(Verticillium spp.)(萎凋病)、例えばナタネにおけるV.ロンギスポルム(V. longisporum)、イチゴ、ナタネ、ジャガイモ及びトマトにおけるV.ダリアエ(V. dahliae)、及びキノコにおけるV.ファンジコラ(V. fungicola);穀物におけるチモセプトリア・トリチシである。
【0144】
好ましい植物病原菌は、アルテルナリア属の種、ボトリチス属の種(Botrytis spp.)、フィトフトラ属の種、ピチウム属の種、プラスモパラ属の種、スクレロチニア属の種、フザリウム属の種である。
【0145】
好ましい植物病原菌種は、A.ソラニ及びA.アルテルナタ、ボトリチス・シネレア、フィトフトラ・インフェスタンス、並びにスクレロチニア・スクレロチオルムである。
【0146】
本発明の噴霧液で処理される植物には、上に挙げた植物病原菌の1種以上によって攻撃されているか、又は攻撃される危険があるすべての植物が含まれる。好ましい植物には、デュラム及び他のコムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ、イネ、又はトウモロコシ(飼料トウモロコシ及び砂糖トウモロコシ/スイートコーン及びフィールドコーン);ビート、例えばテンサイ又は飼料ビート;果物、例えばナシ状果、核果又はソフトフルーツ、例えば、リンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、ネクタリン、アーモンド、チェリー、パパイヤ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー又はグーズベリー;マメ科植物、例えばインゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメ、アルファルファ又はダイズ;油性植物、例えば、ナタネ(アブラナ)、ナノハナ、マスタード、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ豆、ヒマシ油植物、アブラヤシ、ラッカセイ又はダイズ;ウリ科植物、例えば、カボチャ、ペポカボチャ、キュウリ、メロン;繊維植物、例えば、ワタ、亜麻、大麻、ジュート;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン;野菜、例えば、ナス、ほうれん草、レタス(例えばアイスバーグレタス)、チコリー、キャベツ、アスパラガス、ニンジン、タマネギ、ニンニク、ニラ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物又はピーマン;クスノキ科植物、例えば、アボカド、シナモン又は樟脳;エネルギー及び原料植物、例えば、トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、サトウキビ又はアブラヤシ;タバコ;ナッツ類、例えばクルミ;ピスタチオ;コーヒー;お茶;バナナ;ブドウ(食用ブドウ及びぶどうジュースぶどうつる);ホップ;スイートリーフ(ステビアとも呼ばれる);天然ゴム植物又は観賞用及び林業植物、例えば、花(例えば、カーネーション、ペチュニア、ゼラニウム/ペラルゴニウム、パンジー及びホウセンカ)、低木、広葉樹(例えばポプラ)又は常緑樹、例えば針葉樹;ユーカリノキ;シバ;芝生;草、例えば動物飼料用又は観賞用の草が含まれる。好ましい植物としては、ジャガイモ、サトウダイコン、タバコ、コムギ、ライムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、豆果実、ヒマワリ、コーヒー又はサトウキビ;果物;ブドウ; 観賞植物;又は野菜、例えば、キュウリ、トマト、トウガラシ(pepper)、インゲンマメ又はカボチャが挙げられる。
【0147】
本発明の別の態様は、本発明による製剤又は本発明に従って調製された製剤を使用して種子を処理する方法である。
【0148】
用語「種子処理」は、種子ドレッシング、種子コーティング、種子ダスティング、種子ソーキング、種子ペレット化、及びインファーロー施用方法などの、当技術分野で公知のすべての好適な種子処理技術を含む。好ましくは、活性化合物の種子処理施用は、植物の播種前及び植物の出芽前に、種子を噴霧又は散布することにより実施される。
【0149】
本発明はまた、活性製剤で被覆された、又は活性製剤を含有する種子を含む。「~で被覆された及び/又は~を含有する」という用語は、一般に、施用時に活性成分の大部分が繁殖製品の表面にあるが、施用方法によっては、成分のより多くの部分又はより少ない部分が繁殖製品に浸透し得ることを意味する。前記繁殖製品は、植え付け(植え替え)の際に、有効成分を吸収し得る。
【0150】
好適な種子は、例えば、他を除外するものではないが、穀物、根菜作物、油料作物、野菜、香辛料、観賞植物の種子、例えば、デュラムコムギ及びその他のコムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、トウモロコシ(飼料トウモロコシ及び砂糖トウモロコシ/スイートコーン及びフィールドコーン)、ダイズ、アブラナ、はつか草、ワタ、ヒマワリ、バナナ、イネ、ナタネ、かぶ菜、ナノハナ、サトウダイコン、飼料ビート、ナス、ジャガイモ、草、芝生、シバ、飼料用草、トマト、ネギ、ペポカボチャ/カボチャ、キャベツ、アイスバーグレタス、トウガラシ、キュウリ、メロン、ブラシケ種、メロン、インゲンマメ、エンドウマメ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、塊根植物、例えば、ジャガイモ、サトウキビ、タバコ、ブドウ、ペチュニア、ゼラニウム/ペラゴニウム、パンジー、ホウセンカの種子である。
【0151】
したがって、本発明はまた、本発明の製剤が施用された種子に関する。本発明の製剤の有効成分の量は、一般に、種子100kg当たり0.1g~10kg、好ましくは種子100kg当たり1g~5kg、特に種子100kg当たり1g~1000gとなる。
【0152】
噴霧液が葉面処理として又は土壌に施用される場合、施用率は、通常、約1×106~5×1015CFU/ha(又はそれ以上)、好ましくは約1×107~約1×1013CFU/ha、さらに好ましくは1×109~5×1012CFU/haの範囲とする。一実施形態では、施用率は約2×109~4×109CFU/haの範囲である。
【0153】
本発明の製剤が種子処理に用いられる場合、植物繁殖材料に関する施用率は、通常、約1×101~1×1012CFU/種子(又はそれ以上)、好ましくは約1×103~約1×1010CFU/種子、さらに好ましくは約1×103~約1×106CFU/種子の範囲である。あるいは、植物繁殖材料に関する施用率は、好ましくは、種子100kg当たり約1×107~1×1016CFU(又はそれ以上)、好ましくは種子100kg当たり1×109~約1×1015CFU、さらに好ましくは種子100kg当たり1×1011~約1×1015CFUの範囲である。
【0154】
本発明による製剤は、製造が容易かつ経済的であり、環境に優しく、無毒である。
本発明による製剤は、小さな平均粒子サイズ、低粘度、及びよく分散された細菌胞子を有するように調製することができる。
本発明による製剤は非常に安定であり、沈降が生じる又は細菌胞子の凝塊を形成する傾向が低い。本発明による製剤は、経時的に粘度の増加をほとんど示さない。
本発明による製剤は、分解に対して安定であり、変色又は望ましくない臭いを発生する傾向が低く、取り扱い及び噴霧が容易である。
本発明による製剤は、対象物に均質かつ均一に分布させることができ、優れた生物学的性能を示す。
【0155】
以下に列挙する実施形態は、本発明の好ましい例示的な実施形態を示すが、本発明を限定するものと理解すべきではない。実施例6~10に開示される、第1類添加剤、第2類添加剤、及び存在する場合には第3類添加剤の量、並びに第1類添加剤、第2類添加剤、及び存在する場合には第3類添加剤の特定の組合せは、特に好ましいものである。
【0156】
実施形態1:
植物への噴霧に適した噴霧液であって、
d. 1ヘクタール当たり50g~1ヘクタール当たり2000gの量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
e. 1ヘクタール当たり20g~1ヘクタール当たり2000gの総量の、少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤、又は少なくとも1種の第1類添加剤と少なくとも1種の第2類添加剤との混合物、及び
f. 1ヘクタール当たり81g未満の総量の第3類添加剤
を含み、
少なくとも1種の第1類添加剤が、添加剤1a)~1f):
1a)約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有するポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリエチレングリコールブロックポリマーを含む、ポロキサマー、A-B-A又はB-A-Bタイプのポリエチレングリコール(A)-ポリプロピレングリコール(B)ブロックコポリマー、
1b)ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
1c)炭素原子10~20個、好ましくは炭素原子12~18個の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましくは20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)、
1d)グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエートを含む脂肪酸グリセロールエステル、
1e)アルコールアルコキシレート、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコール、5~80個のオキシエチレン単位、より好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、最も好ましくは7~14個のオキシエチレン単位、
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
少なくとも1種の第2類添加剤が、添加剤2a)~2c):
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、好ましくは、1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
の群に属する、
噴霧液。
【0157】
実施形態2:
群1a)~1f)の少なくとも1種の第1類添加剤が、
群1a)については、ポロキサマー、
群1b)については、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的コポリマー、
群1c)については、20~40個のオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレンソルビトールオレイン酸エステル、
群1d)については、グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、
群1e)については、5~80個のオキシエチレン単位を有するアルコールアルコキシレート、
群1f)については、全体の重合度が1.5である、アルキル鎖長C8~C10並びにモノ及びジグルコシドを有するアルキルポリグルコシド、
から選択される、実施形態1に記載の噴霧液。
【0158】
実施形態3:
群1a)~1f)の少なくとも1種の第1類添加剤が、
群1a)については、10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
群1b)については、最大50000g/molの平均モル質量を有するポリビニルピロリドン、又はポリビニルピロリドン-ポリ酢酸ビニル統計的コポリマー、
群1c)については、ポリオキシエチレン(40)ソルビトールヘキサオレエート、ソルビトールエトキシレートエステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート又は重合脂肪酸のソルビトールエトキシレートエステル、
群1d)については、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、又はグリセロールモノ/ジオレエート、
群1e)については、HLB13のC10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、HLB16のC10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル又はHLB18.5のC16 C18脂肪族アルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、
群1f)については、アルキルポリグルコシド
から選択される、実施形態1又は2に記載の噴霧液。
【0159】
実施形態4:
少なくとも1種の第1類添加剤が、
a.ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、
b. 10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
c. 20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d. 40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
e. 50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
f.最大50000g/molの平均モル質量を有するポリビニルピロリドン、
g.ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、
h.ソルビタンモノオレエート、
i.アルキルポリグルコシド、又は
g. a.、b.、c.、d.、e.、f.、g.、h.又はi.から選択される少なくとも2種の第1類添加剤の混合物
である、実施形態3に記載の噴霧液。
【0160】
実施形態5:
群2a)~2c)の少なくとも1種の第2類添加剤が、
群2a)については、メチルメタクリレートグラフトコポリマー、
群2b)については、エトキシル化カチオン性ポリエチレンイミン、
群2c)については、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
から選択される、実施形態3に記載の噴霧液。
【0161】
実施形態6:
少なくとも1種の第1類添加剤が、
a.ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、
b. 10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
c. 20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d. 40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
e. 若しくは50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は
f.アルキルポリグルコシド、
g.最大50000g/molの平均モル質量を有するポリビニルピロリドン
から選択され、第2類添加剤が、
h.メチルメタクリレートグラフトコポリマー、
i.エトキシル化カチオン性ポリエチレンイミン若しくは
j.ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
から選択され、又は第1類及び第2類添加剤が、a.、b.、c.、d.、e.、f.、若しくはg.のうちの少なくとも1種の第1類添加剤とh.、i.若しくはj.のうちの少なくとも1種の第2類添加剤との混合物である、
実施形態4又は5に記載の噴霧液。
【0162】
実施形態7:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
c.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d.少なくとも1種のポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、及び少なくとも1種のソルビタンモノオレエート、又は
e.第1類添加剤としての、10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン
を含む、実施形態4~6のいずれかに記載の噴霧液。
【0163】
実施形態8:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のラウリルエーテル硫酸ナトリウム
b.第1類添加剤としての20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
c.第1類添加剤としての50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
d. 第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
e.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
f.第1類添加剤としての40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、又は
g.第1類添加剤としての少なくとも1種のアルキルポリグルコシド及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、実施形態6又は7に記載の噴霧液。
【0164】
実施形態9:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、
c.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー
を含む、実施形態4~8のいずれかに記載の噴霧液。
【0165】
実施形態10:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のラウリルエーテル硫酸ナトリウム、
b.第1類添加剤としての20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
c.第1類添加剤としての50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
d.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、並びに第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
e.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー並びに第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
f.第1類添加剤としての40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、又は
g.第1類添加剤としてのアルキルポリグルコシド及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、実施形態6~8のいずれかに記載の噴霧液。
【0166】
実施形態11:
1ヘクタール当たり0g超~1ヘクタール当たり80gの総量で第3類添加剤をさらに含み、第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択される、
実施形態1~10のいずれかに記載の噴霧液。
【0167】
実施形態12:
実施形態1~11のいずれかに記載の噴霧液を調製するための少なくとも2つの部品のキットであって、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスが、第1の濃縮形態で提供され、第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤のうちの少なくとも1種が、少なくとも1つのさらなる濃縮形態で提供され、キット中のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスの相対量並びに第1類添加剤及び/又は第2類添加剤及び/又は第3類添加剤の相対量が、実施形態1~11のいずれかに記載された量を提供するように適合されている、部品のキット。
【0168】
実施形態13:
噴霧液が、植物病原菌を防除する方法に使用するために調製される、実施形態12に記載の部品のキット。
【0169】
実施形態14:
実施形態1~11のいずれかに記載の噴霧液を植物に噴霧する、植物病原菌の防除方法。
【0170】
実施形態15:
噴霧液が、1ヘクタール当たり約100リットル~約1000リットルの量で噴霧され、噴霧液が、0.005%重量/重量~2%重量/重量の量のフサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス並びに0.005%重量/重量~2%重量/重量の総量の第1類添加剤及び/又は第2類添加剤を含む、実施形態14に記載の植物病原菌の防除方法。
【0171】
実施形態16:
噴霧液が、0.0001%重量/重量~0.08%重量/重量の量の第3類添加剤を含む、
実施形態15に記載の植物病原菌の防除方法。
【0172】
実施形態17:
植物が、トウモロコシ、小粒穀物、ワタ、キャノーラ、ヒマワリ、タバコ、ピーナッツ、野菜、ブドウの木、葉野菜、根野菜及び塊茎野菜、タマネギ、イチゴ、ブルーベリー、イチゴ、クロスグリ、シロスグリ、アカフサスグリ、ブラックベリー、ラズベリー、トマト、トウガラシ、チリ、キュウリ、ナス、メロン、スイカ、キュウリ、トマト、トウガラシ及びナス、ハーブ、シバ及び観賞植物から選択される、実施形態14~17のいずれかに記載の植物病原菌の防除方法。
【0173】
実施形態18:
植物病原菌が、アルテルナリア属の種、ボトリチス・シネレア又はフィトフトラ・インフェスタンスである、実施形態14~17のいずれかに記載の植物病原菌の防除方法。
【0174】
実施形態19:
固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WC)又は懸濁剤(SC)製剤であって、
a. 5%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 5%重量/重量~50%重量/重量の少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤、又は少なくとも1種の第1類添加剤若しくは少なくとも1種の第2類添加剤の混合物、及び
c. 2%重量/重量未満の第3類添加剤
を含み、
少なくとも1種の第1類添加剤が、添加剤1a)~1f):
1a)約950~6500g/molのモル質量及び10%~50%重量/重量のポリエチレンオキシド含量を有する、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールブロックポリマー、
1b)すべて約9000~70000g/molのモル質量を有する、ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的及びブロックコポリマー、
1c)炭素原子10~20個、好ましくは炭素原子12~18個の長さを有する脂肪酸鎖、最も好ましくはドデカン酸並びにオレイン酸及びリノール酸、10~150個のオキシエチレン単位、好ましくは20~80個のオキシエチレン単位、最も好ましくは20~40個のオキシエチレン単位を有する、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(「ポリソルベート」)、
1d)脂肪酸グリセロールエステル、グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエート、ポリグリセロール脂肪酸エステル、
1e)アルコールアルコキシレート、好ましくはC10~18アルコール、より好ましくはC10~C13アルコール、最も好ましくはC10アルコール、5~80個のオキシエチレン単位、より好ましくは5~40個のオキシエチレン単位、最も好ましくは7~14個のオキシエチレン単位、
1f)アルキル鎖長C5~C15及び1~10個のグルコシド単位を有するアルキルグルコシド
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
少なくとも1種の第2類添加剤が、添加剤2a)~2c):
2a)ポリエチレングリコールグラフト化ポリアクリレート、及びその塩、好ましくはそのナトリウム塩、
2b)エトキシル化ポリエチレンイミン、
2c)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、好ましくは、1~50個のオキシエチレン単位、好ましくは1~7個のオキシエチレン単位、最も好ましくは1~4個のオキシエチレン単位を有するドデシルポリ(オキシエチレン)硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択され、
第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
の群から選択される、
固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WC)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0175】
実施形態20:
群1a)~1f)の少なくとも1種の第1類添加剤が、
群1a)については、ポロキサマー、
群1b)については、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの統計的コポリマー、
群1c)については、20~40個のオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレンソルビトールオレイン酸エステル、
群1d)については、グリセロール及びポリグリセロールの脂肪酸モノ及びジエステル、
群1e)については、5~80個のオキシエチレン単位を有するアルコールアルコキシレート、
群1f)については、全体の重合度が1.5である、アルキル鎖長C8~C10及びモノ及びジグルコシドを有するアルキルポリグルコシド、
から選択される、実施形態19に記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0176】
実施形態21:
群1a)~1f)の少なくとも1種の第1類添加剤が、
群1a)については、10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は50%のエチレンオキシド、1750g/mを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
群1b)については、最大50000g/molの平均モル質量を有するポリビニルピロリドン、又はポリビニルピロリドン-ポリ酢酸ビニル統計的コポリマー、
群1c)については、ポリオキシエチレン(40)ソルビトールヘキサオエレート、ソルビトールエトキシレートエステル、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート又は重合脂肪酸のソルビトールエトキシレートエステル、
群1d)については、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、又はグリセロールモノ/ジオレエート、
群1e)については、HLB13のC10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、HLB16のC10ゲルベアルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル又はHLB18.5のC16 C18脂肪族アルコールに由来するアルキルポリエチレングリコールエーテル、
群1f)については、アルキルポリグルコシド
から選択される、実施形態19又は20に記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0177】
実施形態22:
少なくとも1種の第1類添加剤が、
a.ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
b. 10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
c. 20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d. 40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
e.50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
f.最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン、
g.少なくとも1種のアルキルポリグルコシド、又は
h. a.、b.、c.、d.、e.、f.、又はg.から選択される少なくとも2種の第1類添加剤の混合物
である、実施形態19~21のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0178】
実施形態23:
群2a)~2c)の少なくとも1種の第2類添加剤が、
群2a)については、メチルメタクリレートグラフトコポリマー、
群2b)については、エトキシル化カチオン性ポリエチレンイミン、又は
群2c)については、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
から選択される、実施形態19~22のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0179】
実施形態24:
少なくとも1種の第1類添加剤が、
a.ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
b. 10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
c. 20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d. 40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
e. 50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
f.最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン、又は
g.少なくとも1種のアルキルポリグルコシド
から選択され、
第2類添加剤が、
h.少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
i.少なくとも1種のエトキシル化カチオン性ポリエチレンイミン又は
j.少なくとも1種のラウリルエーテル硫酸ナトリウム
から選択され、又は
第1類及び第2類添加剤が、a.、b.、c.、d.、e.、f.、若しくはg.のうちの少なくとも1種の第1類添加剤とh.、i.若しくはj.のうちの少なくとも1種の第2類添加剤との混合物である、
実施形態19~23のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0180】
実施形態25:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
c.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
d.第1類添加剤としての、少なくとも1種のポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、及び少なくとも1種のソルビタンモノオレエート、又は
e.第1類添加剤としての、10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン
を含む、実施形態19~24のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0181】
実施形態26:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のラウリルエーテル硫酸ナトリウム、
b.第1類添加剤としての20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
c.第1類添加剤としての50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
d.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
e.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、並びに第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
f.第1類添加剤としての40%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、又は
g.第1類添加剤としての少なくとも1種のアルキルポリグルコシド及び第2類添加剤としての少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
を含む、実施形態19~25のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0182】
実施形態27:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、
c.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、又は
d. 10%のエチレンオキシド、850g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び最大50000g/molの平均モル質量を有するポリビニルピロリドン、
を含む、実施形態19~26のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0183】
実施形態28:
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、並びに第2類添加剤としてのラウリルエーテル硫酸ナトリウム、
b.第1類添加剤としての20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
c.第1類添加剤としての50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
d.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、並びに第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
e.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー並びに第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、
f.第1類添加剤としての40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー、又は
g.第1類添加剤としてのアルキルポリグルコシド及び第2類添加剤としてのメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、実施形態19~27のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0184】
実施形態29:
0%重量/重量超~2%重量/重量の総量で第3類添加剤をさらに含み、第3類添加剤が、添加剤3a)~3g)
3a)リグノスルホネート、
3b)アルキルベンゼンスルホネート及びその塩、
3c)アルキルナフタレンスルホネート及びその塩、
3e)ナフタレンスルホン酸共縮合物、
3f)アルキルスルホネート及びその塩、
3g)脂肪族アルコールサルフェート及びその塩、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム
のうちの少なくとも1つの群から選択される、
実施形態19~28のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0185】
実施形態30:
a. 5%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 2%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~50%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 20%重量/重量~75%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択される、
実施形態19~29のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0186】
実施形態31:
a. 10%重量/重量~40%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 10%重量/重量~40%重量/重量の第1類添加剤、
c. 2.5%重量/重量~20%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 20%重量/重量~75%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択される、
実施形態19~30のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0187】
実施形態32:
a. 10%重量/重量~35%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 3%重量/重量~40%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~15%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 20%重量/重量~75%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択される、
実施形態19~31のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0188】
実施形態33:
a. 15%重量/重量~35%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 3%重量/重量~20%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~7%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~1.5%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 20%重量/重量~75%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択される、
実施形態19~33のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0189】
実施形態34:
a. 15%重量/重量~40%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 3%重量/重量~40%重量/重量の第1類添加剤、
c. 2%重量/重量~15%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 30%重量/重量~75%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択される、
実施形態19~33のいずれかに記載の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤。
【0190】
実施形態35:
2%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤を含み、第1類添加剤が、
a.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b.第1類添加剤としての、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及びポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、
c.少なくとも1種のポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート、及び少なくとも1種のソルビタンモノオレエート、又は
d.第1類添加剤としての、10%のエチレンオキシド、850g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び最大50000g/molの平均モル質量を有する少なくとも1種のポリビニルピロリドン
の組合せである、実施形態19~34のいずれかに記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0191】
実施形態36:
10%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤を含み、第1類添加剤が、
a. 5%重量/重量~45%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び
b. 5%重量/重量~45%重量/重量の、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー
の組合せである、実施形態35に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0192】
実施形態37:
10%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤を含み、第1類添加剤が、
a. 第1類添加剤としての、9%重量/重量~45%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー及び1%重量/重量~10%重量/重量の、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物
の組合せである、実施形態35に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0193】
実施形態38:
第1類添加剤として、
a. 1.0%重量/重量~20%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び
b. 10%重量/重量~19%重量/重量の、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー
を含む、実施形態35に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0194】
実施形態39:
a. 第1類添加剤としての、7%重量/重量~45%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー及び3%重量/重量~10%重量/重量の、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物
を含む、実施形態35に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0195】
実施形態40:
第1類添加剤として、
a. 1.0%重量/重量~20%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び
b. 10%重量/重量~19%重量/重量の、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー
を含み、
第2類添加剤として、0.5%重量/重量~2%重量/重量の少なくとも1種のラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含む、
実施形態36~38のいずれかに記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0196】
実施形態41:
a. 1%重量/重量~20%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b. 10%重量/重量~19%重量/重量の、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び
c. 0.5%重量/重量~14%重量/重量の少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、実施形態40に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0197】
実施形態42:
a. 1%重量/重量~20%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b. 10%重量/重量~19%重量/重量の、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び
c. 0.8%重量/重量~8%重量/重量の少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、実施形態40に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0198】
実施形態43:
a. 7%重量/重量~45%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー
b. 第1類添加剤としての、3%重量/重量~10%重量/重量の、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、及び
c. 0.8%重量/重量~14%重量/重量の少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、実施形態35に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0199】
2.
a. 7%重量/重量~45%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有する少なくとも1種のポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
b. 第1類添加剤としての、3%重量/重量~10%重量/重量の、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの少なくとも1種の混合物、及び
c. 0.8%重量/重量~8%重量/重量の少なくとも1種のメチルメタクリレートグラフトコポリマー
を含む、請求項43に記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0200】
実施形態44:
真空密封されたマルチホイル若しくはマイラーパウチ、又は水溶性ポリマーでできたパウチ、例えばポリビニルアルコールパウチに充填された、実施形態35~44のいずれかに記載の固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤。
【0201】
実施形態45:
a. 2%重量/重量~15%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び/又はポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物から選択される少なくとも1種の第1類添加剤、並びに
b. 1%重量/重量~15%重量/重量の、メチルメタクリレートグラフトコポリマーから選択される少なくとも1種の第2類添加剤
を含む、実施形態19~33の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0202】
実施形態46:
a. 3%重量/重量~10%重量/重量の第2類添加剤のメチルメタクリレートグラフトコポリマー及び
b.以下の選択肢
i. 3%重量/重量~10%重量/重量の、20%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、
ii. 2%重量/重量~15%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマーから選択される少なくとも1種の第1類添加剤、
iii. 2%重量/重量~10%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び1%重量/重量~5%重量/重量の、ポリグリセロールエステルと脂肪酸エステルの混合物から選択される、少なくとも1種の第1類添加剤、
iv. 3%重量/重量~10%重量/重量の、50%のエチレンオキシド、1750g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー、及び3%重量/重量~10%重量/重量の、40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマーから選択される、少なくとも1種の第1類添加剤
から選択される少なくとも1種の第1類添加剤
を含む、実施形態19~33及び45の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0203】
実施形態47:
35%重量/重量~45%重量/重量の、グリセロール、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、ブタン-1,4-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、ヘプタン-1,7-ジオール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、平均分子量150g/mol~450g/molのポリエチレングリコール(PEG)、平均分子量200~500g/molのポリプロピレングリコール(PPG)、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボキシレート(クエン酸トリエチル)、又はN,N-ジメチルラクトアミド又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物を含む、実施形態19~33及び46又は47の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0204】
実施形態48:
35%重量/重量~45%重量/重量の、ポリエチレングリコール(PEG)、プロパン-1,2-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール又はクエン酸トリエチル又はこれらのうちの2種の混合物を含む、実施形態19~33及び46又は47の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0205】
実施形態49:
a. 6%重量/重量~15%重量/重量の第2類添加剤のメチルメタクリレートグラフトコポリマー及び
b. 2%重量/重量~8%重量/重量の第1類添加剤の40%のエチレンオキシド、3250g/molを有するポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー
を含む、実施形態19~33及び46の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0206】
実施形態50:
a. 6%重量/重量~15%重量/重量の第2類添加剤のメチルメタクリレートグラフトコポリマー及び
b. 3%重量/重量~8%重量/重量の第3類添加剤のアルキルポリグルコシド
を含む、実施形態19~33及び46の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0207】
実施形態51:
70%重量/重量~85%重量/重量の、グリセロール、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール)、ブタン-1,4-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、平均分子量150g/mol~450g/molのポリエチレングリコール(PEG)、平均分子量200~500g/molのポリプロピレングリコール(PPG)、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸トリエチル(クエン酸トリエチル)、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸トリブチル(クエン酸トリブチル)、若しくはN,N-ジメチルラクトアミド又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物を含む、実施形態19~33及び46又は47の少なくとも1つに記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0208】
実施形態52:
75%重量/重量~85%重量/重量の、ポリエチレングリコール(PEG)、プロパン-1,2-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、クエン酸トリエチル若しくはクエン酸トリブチル又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、クエン酸トリエチル若しくはクエン酸トリブチル、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物、さらに好ましくはポリエチレングリコール(PEG)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール若しくはクエン酸トリエチル、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合物を含む、実施形態50又は51に記載の液体製剤、好ましくは懸濁剤(SC)製剤。
【0209】
実施形態53:
植物上の植物病原菌の防除方法であって、
a.実施形態19~52のいずれかに記載の少なくとも1種の固体又は液体製剤、好ましくは水和剤(WP)又は懸濁剤(SC)製剤を、1ヘクタール当たり0.5kg~4kgの総量で又は実施形態12又は13に記載の部品のキットを提供する工程、
b. 1ヘクタール当たり100リットル~1000リットルの最終量まで水を添加する工程、及び
c.得られた噴霧液を植物に噴霧する工程
を含む、方法。
【0210】
実施形態54:
固体製剤、好ましくは水和剤(WP)製剤を製造する方法であって、固体製剤が、
a. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の、フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマス、
b. 5.0%重量/重量~50%重量/重量の第1類添加剤、
c. 0%重量/重量~20%重量/重量の第2類添加剤、
d. 0%重量/重量~2%重量/重量の第3類添加剤、及び
e. 30%重量/重量~50%重量/重量の助剤
を含み、
a、b、c、d、及びeの総量が、総量100%重量/重量になるように選択され、
方法が、以下の工程:
A.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
B.連続相中に前記バイオマスを分散させる工程、
C.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
D.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
E.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
F.場合により助剤を添加する工程、
G.バイオマス含有スラリーを、好ましくは噴霧乾燥、真空ドラム乾燥、流動床乾燥又は噴霧造粒によって乾燥させる工程
を含み、
工程C.、D.、E.及びF.が、方法における任意の時点で実施することができる、
方法。
【0211】
実施形態55:
懸濁剤(SC)製剤を製造する方法であって、
d.フサリシジン産生細菌の胞子を含むバイオマスを提供する工程、
e.剪断又は機械的エネルギーの入力によって、例えばローターステーターコロイドミル又はビーズミル内で、連続相中に前記バイオマスを分散させる工程、
f.少なくとも1種の第1類添加剤を添加する工程、
g.場合により少なくとも1種の第2類添加剤を添加する工程、
h.場合により少なくとも1種の第3類添加剤を添加する工程、
i.場合により助剤を添加する工程
を含み、
j.工程c)、d)、e)及びf)が、方法における任意の時点で実施することができる、
方法。
【実施例】
【0212】
材料:
【0213】
【0214】
[実施例1]
様々な添加剤の組合せとタンク混合したパエニバチルス属種株Lu17007粉末の温室試験
パエニバチルス技術的有効成分
1996年にStuttgart (Germany)で単離され、DSMZに受託番号DSM 26970で寄託され、WO2016/020371で開示された、パエニバチルス属種株Lu17007を、複合培地でOD25~50、胞子量5×107CFU/ml~5×108CFU/mlとなるように増殖させた。発酵ブロス全体を透析ろ過により洗浄した。得られたペレットを微粉砕沈降シリカと混合した。この懸濁液を、窒素雰囲気下で、入口温度150℃~160℃、出口温度80℃~95℃で噴霧乾燥した。
【0215】
得られた沈降シリカ9%(得られた乾燥生成物の全乾燥質量を基準とする重量/重量)を含有するパエニバチルス属種株Lu17007の微粉末を、以下の実験において技術的有効成分(TGAI)として使用した。
【0216】
水和剤プレミックス及び添加剤タンク混合溶液
パエニバチルス属種株Lu17007 TGAIを充填材と乾式混合し、水和剤プレミックスを作製した。水和剤プレミックスP.11は、50% (重量/重量)パエニバチルス属種株Lu 17007 TGAI、45%の硫酸アンモニウム及び5%の微粉砕沈降シリカから構成された。WPプレミックスP.12は、50%のパエニバチルス属種株Lu17007 TGAI、25%の硫酸アンモニウム及び25%の珪藻土を充填材とするものから構成された。
【0217】
噴霧懸濁液の希釈媒体を、水道水に湿潤剤と分散剤を添加し、ホモジナイズすることで調製した。希釈媒体A.1は、0.05%(重量/重量)のナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド重縮合物のナトリウム塩及び0.01%のラウリル硫酸ナトリウムを含有していた。希釈媒体N.1は、0.05%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート及び0.05%のソルビタンモノオレエートを含有していた。表1に示すように、水和剤プレミックスP.11及びP.12を希釈媒体A.1及びN.1にそれぞれ投与し、短時間撹拌して均質な噴霧スラリーを作製した。
【0218】
温室ポット試験
パエニバチルス属種株Lu17007水和剤と表1に示す添加剤を含む得られた噴霧懸濁液の殺菌活性を、リンブルガーホフ(Limburgerhof)/ドイツのBASF試験場において温室ポット試験で比較した。試験は、ともにトマトcv. Goldene Koniginにおいて、フィトフトラ・インフェスタンス及びアルテルナリア・ソラニに対して行い、トウガラシcv. Neusiedler Idealにおいてボトリチス・シネレアに対して行った。使用した植物はBBCHステージ12(=2枚目の展葉)である。植物への施用には噴霧用キャビネットを使用した。すべての試験は3反復であり、プロットは無作為に割り振られた。製品施用の1日後、病原菌の胞子懸濁液(2E+5胞子/mL)を用いて、試験物を接種した。培養を温室内で21℃、90%rHで3~5日間行った後、葉の損傷率の評価を行った。
【0219】
【0220】
非イオン性湿潤剤及び分散剤を有する希釈媒体N.1を含有する処理は、アニオン性の湿潤剤及び分散剤を有する希釈媒体A.1を含有する処理よりもはるかに低い有効成分率で、トマト上のアルテルナリア・ソラニ、トウガラシ上のボトリチス・シネレア、トマト上のフィトフトラ・インフェスタンスに対して著しく優れた効果を発揮することが示された。
【0221】
[実施例2]
濃縮ブロスに由来するパエニバチルス属種株A製剤の温室ポット試験
パエニバチルス属種株Lu17007の変異体であるパエニバチルス属種株Aを複合培地でOD25~50、胞子量5×107CFU/ml~5×108CFU/mlとなるように増殖させた。発酵ブロス全体をディスクセパレーターにかけ、乾燥質量8.9%のペレットを作製した。このペレット画分を表2に示す製剤添加剤と混合した。
【0222】
【0223】
表2のパエニバチルス属種株A液体製剤を水道水で所望の濃度に希釈し、記載した。
【0224】
表3は、実施例1で詳細に説明したように、トマト上のアルテルナリア・ソラニ、トウガラシ上のボトリチス・シネレア及びトマト上のフィトフトラ・インフェスタンスに対する温室ポット試験での施用に関するものである。
【0225】
【0226】
非イオン性湿潤剤及び分散剤を有する製剤N.21及びN.22を含有する処理は、希釈したパエニバチルス属種株Aペレット単独又はアニオン性の湿潤剤及び分散剤を有する製剤A.21及びA.22を含有する処理よりもボトリチス・シネレアとフィトフトラ・インフェスタンスに対して2つの最高投与量で著しく優れた性能を発揮することができた。アルテルナリア・ソラニについては、この試験での感染レベルが非常に低かった(67.5%)ため、その効果はそれほど顕著ではなかった。
【0227】
[実施例3]
様々な界面活性添加剤とのタンク混合におけるパエニバチルス属種株B粉末の温室活性
パエニバチルス属種株Lu17007株の変異体であるパエニバチルス属種株Bを、複合培地でOD25~50、胞子量5×107CFU/ml~5×108CFU/mとなるように増殖させた。発酵ブロス全体をディスクセパレーターにかけ、乾燥質量2.3%のペレットを作製した。ペレット画分を微粉砕沈降シリカと混合し、懸濁液を窒素雰囲気下、入口温度170℃~180℃、出口温度89℃~94℃で噴霧乾燥させた。得られた沈降シリカ10%(得られた乾燥生成物の全乾燥質量を基準とする重量/重量)を含有するパエニバチルス属種株Bの微粉末を、以下の実施例4~6において技術的有効成分(TGAI)として使用した。表4では、このTGAIをP.5として参照する。
【0228】
P.5として参照されるパエニバチルス属種株B TGAIを、表4に記載された水道水で希釈した様々な製剤添加剤とタンク混合した。得られた噴霧スラリーを、実施例1に詳細に記載したように、温室ポット試験において、トマト上のアルテルナリア・ソラニ、トウガラシ上のボトリチス・シネレア及びトマト上のフィトフトラ・インフェスタンスに対して試験した。
【0229】
【0230】
ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリグリセロールエステル、又はラウリルエーテル硫酸塩を噴霧スラリー中に含む処理は、乾燥及び液体作物保護製剤に通常使用され当業者に周知の他のアニオン性湿潤剤又は分散剤(ラウリル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸共縮合物、リグノスルホン酸塩)を含有する処理と比べて非常に優れた性能を発揮した。
【0231】
[実施例4]
タンク混合におけるパエニバチルス属種株B粉末との適合性添加剤の温室スクリーニング
P.5として参照される実施例3から得たパエニバチルス属種株B TGAIを、0.083%の濃度で、表5に記載されるように2つの異なる濃度で水道水で希釈した製剤添加剤とタンク混合した。得られた噴霧スラリーを、実施例1で詳細に説明したように、温室ポット試験でトマトのフィトフトラ・インフェスタンスに対して試験した。表5は、水で希釈したTGAI P.5との関連で試験結果を示している。
【0232】
【0233】
表5の温室結果から、主に非イオン性添加剤が、一貫した方法で生物学的効果にプラスの影響を与えていることがわかる。特に、ポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマー(疎水性-親水性比や分子量に関係なく)、アルコールエトキシレート群及びビニルピロリドンの非イオン性ポリマー又はコポリマーの化学群の添加剤は、生物学的効果にプラスの効果を与えている。また、オレイン酸グリセリル(グリセリルオレエート)、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビトールモノオレエート、及びエトキシル化ポリエチレンイミンは、噴霧スラリーに添加すると、温室ポット試験においてフィトフトラ・インフェスタンスに対する効力を向上させた。
【0234】
[実施例5]
パエニバチルス属種株Cとの適合性添加剤の温室試験
パエニバチルス属種株Lu17007の変異体であるパエニバチルス属種株Cを複合培地でOD25~50、胞子量5×107CFU/ml~5×108CFU/mlとなるように増殖させた。発酵ブロス全体を精密ろ過で処理し、濃縮して乾燥質量5.5%のペレットを作製した。ペレット画分を微粉砕沈降シリカと混合し、懸濁液を窒素雰囲気下、入口温度170℃~180℃、出口温度85℃~95℃で噴霧乾燥させた。得られた沈降シリカ10%(得られた乾燥生成物の全乾燥質量を基準とする重量/重量)を含有するパエニバチルス属種株Cの微粉末を、以下の実施例において技術的有効成分(TGAI)として使用した。
【0235】
パエニバチルス属種株C TGAIを、表6に示す2つの異なる濃度の水道水で希釈した製剤添加剤と0.029%の濃度でタンク混合した。これらの噴霧スラリーを、温室ポット試験において、トマト上のフィトフトラ・インフェスタンスに対する処理として試験した。
【0236】
また、株Cでは、ポリエチレン-ポリプロピレングリコールブロックポリマーのPluronic (登録商標) PE10500及びPE6200がフィトフトラ・インフェスタンスに対する生物学的効果を有意に向上させた。アルキルポリグルコシドAgnique(登録商標)PG 8107とラウリルエーテル硫酸ナトリウムAgnique(登録商標)SLESについては、効果への影響は濃度に依存する。中性のアルキルポリグルコシドAgnique(登録商標)PG8107は高濃度が有利であるのに対し、アニオン性界面活性剤であるラウリルエーテル硫酸ナトリウムは低濃度が有利であった。
【0237】
【0238】
[実施例6]
パエニバチルス属種株Cの水和剤製剤とその温室活性
パエニバチルス属種株Cを、複合培地でODが25~50、胞子量が5×107CFU/ml~5×108CFU/mlとなるように増殖させた。発酵ブロス全体を精密ろ過で処理し、濃縮して乾燥質量5.5%のペレットを作製した。ペレット画分を微粉砕沈降シリカと混合し、懸濁液を窒素雰囲気下、入口温度110℃~140℃、出口温度60℃~70℃で噴霧乾燥させた。得られた沈降シリカ10%(得られた乾燥生成物の全乾燥質量を基準とする重量/重量)を含有するパエニバチルス属種株Cの微粉末を、以下の実施例において技術的有効成分(TGAI)として使用した。
【0239】
表7のレシピに従ってペレット画分に製剤添加剤を添加し、次いで上記のパラメータで噴霧乾燥することにより、さらなる水和剤を製造した。
【0240】
【0241】
表7に示す水和剤製剤から製造した、0.028%重量/重量~0.087%重量/重量の製剤を含む噴霧スラリーを、実施例1で詳細に記載したとおり、トマト上のフィトフトラ・インフェスタンス及びトウガラシ上のボトリチス・シネレアに対する処理として、温室ポット試験において試験した。表8に示す結果から、第1類の添加剤を含むWP1~WP5は、同じバイオマス量でTGAIよりも優れた生物学的効果を示すことが明らかである。一方、アニオン性スルホン化分散剤を相当量含むWP6は、その効果をほとんど失い、アニオン性硫酸化分散剤の量が著しく少ないWP7は、WP1~WP5よりも依然として劣っている。
【0242】
【0243】
[実施例7]
パエニバチルス属種株Cの水和剤製剤及びその温室活性
パエニバチルス・ポリミクサCペレット画分に製剤添加剤を添加し、続いて、実施例6に記載の手順に従って噴霧乾燥することにより、表9に挙げたさらなる水和剤を製造した。
【0244】
【0245】
表8及び表9の水和剤製剤を水道水で希釈して製造した、0.017%重量/重量~0.051%重量/重量の製剤を含む噴霧スラリーを、トマト上のフィトフトラ・インフェスタンス及びトウガラシ上のボトリチス・シネレアに対する処理として、実施例1に記載の温室ポット試験で試験した。結果を表10に示す。第1類の好ましい製剤添加剤を含むWP9、WP10及びWP11はTGAIよりはるかに優れた性能を示したが、第3類添加剤を相当量含む製剤WP6及びWP8は著しく劣る生物学的効力を有することが明確に分かる。
【0246】
【0247】
[実施例8]
パエニバチルス属種株Cの懸濁剤製剤とその温室活性
10%の沈降シリカを含むパエニバチルス属種株CのTGAIを、実施例5に記載したように調製した。懸濁剤製剤を調製するために、水とPEG200を1:1重量/重量基準で混合した。表11に示す他の製剤成分を添加した後、TGAIを低剪断で均一な混合物が得られるまで撹拌した。
【0248】
【0249】
表11の懸濁剤製剤を水道水で希釈し、製剤を0.107%重量/重量及び0.160%重量/重量含む噴霧スラリーを作製した。得られた噴霧懸濁液の殺菌活性を、実施例1で詳細に前述したように、両方トマト上のフィトフトラ・インフェスタンス及びアルテルナリア・ソラニに対して、及びトウガラシ上のボトリチス・シネレアに対して、温室ポット試験で比較した。結果を表12に示す。さらなる製剤添加剤を有しないSC1は、ALTESO及びPHYTINにおいて良好な性能を示さなかったが、第1類及び第2類の有利な製剤添加剤を含むSC2~SC4は、BOTRCIにおいても生物学的性能を著しく向上させた。
【0250】
【0251】
[実施例9]
パエニバチルス属種株Cの非水性懸濁剤製剤とその温室活性
パエニバチルス属種株CのTGAIを、実施例5に記載したように調製した。非水性懸濁剤製剤は、PEG200を表13に記載の製剤添加剤と混合し、最後の工程として200g/L TGAI中で低剪断で均質になるまで撹拌し、続いてローターステーターコロイドミルIKA magic labを1回通過させることによって調製した。
【0252】
【0253】
表13の懸濁剤製剤を水道水で希釈し、製剤を0.107%重量/重量~0.215%重量/重量含む噴霧スラリーを作製した。得られた噴霧懸濁液の殺菌活性を、実施例1で詳細に前述したように、両方トマト上のフィトフトラ・インフェスタンス及びアルテルナリア・ソラニに対して、及びトウガラシ上のボトリチス・シネレアに対して、温室ポット試験で比較した。表14に記載された結果は、添加剤を含まない非水性懸濁剤製剤SC6が、最も高い施用率においてのみ良好な性能を有することを示している。SC7~SC9として第1類及び第2類添加剤を有する製剤は、SC6と比較して、特に低い施用率において、さらに強化された生物学的性能を示す。
【0254】
【0255】
[実施例10]
様々な液体媒体を用いた非水性懸濁剤製剤
パエニバチルス属種株CのTGAIを、実施例5に記載したように調製した。非水性懸濁剤製剤を、PEG200(SC10)、クエン酸トリエチル(SC11)又はヘキシレングリコール(SC12)と、表15に記載される製剤添加剤とを混合し、最後の工程として170g/kg TGAI中で低剪断で均質になるまで撹拌し、続いてローターステーターコロイドミルIKA magic labを1回通過させることにより調製した。
【0256】
製剤試料を40℃のインキュベーションチャンバーに入れ、8週間及び16週間後に再評価した。表15においても示す結果から、3つの製剤はすべて、高温の加速保存条件下で十分な安定性を示すことが証明された。
【0257】
【0258】
40℃で16週間保存した後、水道水で希釈して表16の懸濁剤製剤から噴霧スラリーを製造し、0.095%重量/重量~0.196%重量/重量の製剤を含むようにした。得られた噴霧懸濁液の殺菌活性を、予め実施例1で詳細に説明したように、両方トマト上のフィトフトラ・インフェスタンス及びアルテルナリア・ソラニに対して、温室ポット試験で比較した。表16に示す結果は、異なる希釈媒体SC10、SC11及びSC12を有する非水性懸濁剤製剤はすべて、中間投与率から良好な生物学的性能を示すことを示している。SC10及びSC11は、より低い投与率においてSC12よりも低い性能を有する。
【0259】
【国際調査報告】