(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】ハードマスクを除去するための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20230816BHJP
G03F 7/42 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H01L21/306 Z
G03F7/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505895
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021043894
(87)【国際公開番号】W WO2022026822
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー, シン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】クーパー, エマニュエル アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ミン-チェ
【テーマコード(参考)】
2H196
5F043
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196LA03
5F043AA40
5F043BB28
5F043BB30
5F043CC05
5F043CC16
5F043DD07
5F043FF01
5F043GG10
(57)【要約】
ホウ素、塩素、又は窒素などの元素でドープされた非晶質炭素ハードマスクのエッチング、すなわち、除去に有用な組成物及び方法が提供される。組成物は、濃硫酸、水、及び少なくとも1つの酸化剤を利用する。本方法の操作において、組成物は、良好な選択性によって、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、及びポリシリコンなどの層の存在下であってもドープ・ハード・マスク層を選択的に除去する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスから非晶質炭素ハードマスクを除去するための方法であって、前記ハードマスクは、ドープ・ハード・マスクを形成するために、ホウ素、塩素、及び窒素から選択される元素でドープされ、方法は、前記マイクロ電子デバイスを組成物と接触させることであって、組成物は、
a.組成物の全重量に基づいて約50~約98重量パーセントのH
2SO
4、
b.水、及び
c.組成物の全重量に基づいて約0.1~約30重量パーセントの少なくとも1つの酸化剤
を含む、接触させることを含む、方法。
前記元素が塩素又は窒素である、請求項1に記載の方法。
【請求項2】
元素がホウ素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸化剤がヨウ素含有酸化剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ヨウ素含有酸化剤が、H
5IO
6、HIO
4、又はそれらの混合物から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
酸化剤が約1~約15重量パーセントの範囲内で利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酸化剤が約5~約10重量パーセントの範囲内で利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
酸化剤が、過硫酸塩、硝酸、過塩素酸、及び過マンガン酸塩から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
組成物が、約65~約85重量パーセントのH
2SO
4を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
H
2SO
4以外の酸をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ヨウ素含有酸化剤以外の酸化剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
酸が、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、及びリン酸から選ばれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
酸化剤がH
5IO
6である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
マイクロ電子デバイスが3D-NANDストレージデバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
デバイス及び組成物が、約100℃~170℃の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
デバイス及び組成物が、約140℃~170℃の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
1つ又は複数の容器内に、1つ又は複数の成分
a.H
2SO
4、
b.水、及び
c.少なくとも1つの酸化剤
を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、マイクロ電子デバイス製造の分野、及びホウ素ドープ非晶質炭素ハードマスクのエッチング、すなわち、除去のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体及びマイクロ電子デバイスを処理することは、材料の層を蒸着させ、「エッチング」と呼ばれる化学プロセスによって材料を除去する様々なステップを含む。エッチングによって、蒸着材料の層の上に薄いマスク層が配置される。次いで、マスク内に開口部が形成され、基板の選択部分が曝露される。次いで、マスクされた基板をエッチャントと接触させ、エッチャントは、マスク内の開口部を通して、下にある基板の材料に接触し、基板の材料を化学的に分解及び除去して基板内に開口部(三次元空間)を形成する。
【0003】
三次元メモリデバイスを調製するために使用されるものなど、多くのより新しいタイプの基板は、高アスペクト比を有する開口部、例えば、開口部の幅寸法(例えば、直径)よりも大幅に大きい基板内に延びる深さを有する開口部を形成するように処理される。一例として、垂直に延びる開口部を深さ方向にエッチングして蒸着膜の多くの層のスタックにすることによって、3D NANDメモリデバイスの垂直に延びる「チャネルホール」が形成される。チャネルホールの深さは、チャネルホールの直径の20倍、40倍、又は50倍、あるいはそれ以上であり得る。このタイプの高アスペクト比特徴を、エッチングによってマイクロ電子デバイス内に形成するには、高度に特殊化された、正確で精密なエッチングプロセスが必要である。
【0004】
このタイプのエッチングステップでは、化学的耐性「ハードマスク」が、蒸着膜の複数の層のうちの最上層の上に配置される。「膜スタック」と呼ばれることもある膜層は、メモリデバイスの機能性材料であり、蒸着酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリシリコンなどの層であり得る。ハードマスクは、膜スタックの材料を化学的に分解及び除去して基板内に高アスペクト比開口部(例えば、チャネルホール)を形成するために使用されるエッチング溶液に対して耐性がある。
【0005】
1つの一般的なタイプのハードマスクは、非晶質炭素ハードマスクである。このタイプのハードマスクは、マイクロ電子デバイス基板上に連続層として蒸着され、次いで、ハードマスク内に開口部を形成するためにエッチングされる。次いで、下にある基板をエッチングする後続のステップが、ハードマスクを有する基板を、膜スタックの材料を化学的に分解することができるガス状化学エッチャントに曝露することによって実行される。ガス状エッチャントは、ハードマスク内の開口部を通過して、基板の材料に接触し、それをエッチング、すなわち、除去して、基板内に開口部を作る。基板材料が所望の通りエッチングされた後に、ハードマスクは、基板がさらに処理されて完成したマイクロ電子デバイスになることを可能にするために、基板から除去されなければならない。
【0006】
高アスペクト比を示す、精密に形成され、明確に画定された基板開口部を作ることは、非常に困難であり得る。プロセス全体を改善するためにしばしば研究されるエッチングプロセスの1つの構成要素がハードマスクであり、これは、ハードマスクの組成物と、ハードマスクを適用及び除去する方法とを含む。
【0007】
ハードマスクは、厚い非晶質炭素膜、又はプラズマ・エッチング・プロセスに耐えることができる様々な同様の材料からなり得る。非晶質炭素は、3D NAND構造のための不完全なハードマスク材料であるが、これは、非晶質炭素が、そのような構造を処理するために必要とされる時間の長さにわたって反応性プラズマに曝露されるとエッチングを受けやすいためである。そのような非晶質炭素膜の耐久性を高める1つの方法は、ホウ素、塩素、及び窒素などの耐エッチング性元素で炭素層をドープすることを含む。ホウ素ドーピングの場合、マスクは硬化され、それにより、炭化ホウ素を形成し、マスクをセラミック形態に似せ、したがって、化学エッチャント耐性にする。そのようなマスクは、次いで、O2プラズマを利用する、又はH2プラズマと共にO2プラズマを利用する、(ドライ)反応性イオンエッチング技法を使用して最終的に除去される。(例えば、米国特許第9,229,581号を参照されたい。)
【0008】
しかしながら、ホウ素などの耐エッチング性元素でドープされたハードマスクを除去するための改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
要約すれば、本発明は、ホウ素、塩素、又は窒素などの元素でドープされた非晶質炭素ハードマスクのエッチング、すなわち、除去に有用な組成物及び方法を提供する。組成物は、濃硫酸、水、及び少なくとも1つの酸化剤を利用する。酸化剤は、一実施形態では、ヨウ素酸塩及び過ヨウ素酸などのヨウ素含有酸化剤から選ばれる。組成物は、硫酸以外のさらなる酸をさらに含み得る。本発明の方法において、組成物は、望ましくは高温で除去されるマスクに適用され得る。本方法の操作において、組成物は、良好な選択性によって、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、及びポリシリコンなどの層の存在下であってもドープ・ハード・マスク層を選択的に除去する。
【0010】
したがって、本発明の方法の実施において、96層以上の層を処理する3D-NAND構造を含む適用例によく適している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.第1の態様において、本発明は、マイクロ電子デバイスから非晶質炭素ハードマスクを除去するための方法であって、上記ハードマスクが、ドープ・ハード・マスクを形成するために、ホウ素、塩素、及び窒素から選択される元素でドープされ、本方法は、上記マイクロ電子デバイスを組成物と接触させることであって、組成物が、
a.組成物の全重量に基づいて約50~約98重量パーセントのH2SO4、
b.水、及び
c.組成物の全重量に基づいて約0.1~約30重量パーセントの少なくとも1つの酸化剤
を含む、接触させることを含む、方法を提供する。
【0012】
一実施形態では、元素はホウ素である。
【0013】
特定の実施形態では、酸化剤は、ヨウ素酸塩及び過ヨウ素酸、硝酸、過塩素酸、過マンガン酸塩、並びに過硫酸塩などの酸化剤から選ばれる。一実施形態では、酸化剤は、約1~約15重量パーセント又は約5~10重量パーセントの量で存在する。別の実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸であり、約5~約8%の量で存在する。別の実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸であり、約5~約6%の量で存在する。
【0014】
一実施形態では、ヨウ素含有酸化剤は、H5IO6、HIO4、又はそれらの混合物から選ばれる。
【0015】
一実施形態では、組成物は、約65~約85重量パーセントのH2SO4を含む。
【0016】
特定の実施形態では、組成物は、H2SO4以外の酸をさらに含む。特定の実施形態では、H2SO4以外の酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、及びリン酸から選ばれる。
【0017】
特定の実施形態では、組成物は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む。本明細書で使用される「界面活性剤」という用語は、2つの液体の間又は液体と固体の間の表面張力(又は界面張力)を低下させる有機化合物、典型的には、疎水性基(例えば、炭化水素(例えば、アルキル)「テール」)及び親水基を含む有機両親媒性化合物を指す。有利には、界面活性剤は、熱的に安定であり、本発明のエッチングプロセスの条件などの強酸性条件下でイオン性のままである。例は、パーフルオロアルキルスルホン酸及び長鎖第四級アンモニウム化合物(例えば、ドデシルトリメチルアンモニウム硫酸水素塩)を含む。ChemoursのCapstone(登録商標)FS-31/FS-35などのフッ素化非イオン性界面活性剤も使用され得る。ポリ(エチレングリコール)-ポリ(プロピレングリコール)コポリマー(「PEG-PPG」)などの非イオン性非フッ素化界面活性剤も使用され得る。
【0018】
エッチング組成物中の界面活性剤の量は、エッチング組成物の他の材料と組み合わせて、所望の全体的な性能を提供する量であり得る。例えば、組成物は、組成物の全重量に基づいて、約0.001~約10重量パーセント、例えば、約0.01~約0.5、1、2、7、又は7重量パーセントの範囲内にあり得る量の界面活性剤を含むことができる。
【0019】
本発明の組成物は、したがって、そのような組成物をマイクロ電子デバイスの表面に適用することによって、そのようなホウ素、塩素、又は窒素ドープ非晶質ハードマスクをエッチング又は除去するために利用され得る。除去される膜の厚さに応じて、硫酸の濃度及び動作温度が変化され、最適化され得る。一実施形態では、組成物の適用は、約100℃~170℃の環境において行われる。一実施形態では、組成物の適用は、約140℃~170℃の環境において行われる。
【0020】
本発明の組成物は、単一パッケージ配合物、あるいは使用時点で又は使用時点の前に混合されるマルチパート配合物として容易に配合され得、例えば、マルチパート配合物の個々のパートは、ツールにおいて、ツールの上流の貯蔵タンク内で、又は混合配合物をツールに直接送達する出荷パッケージ内で混合され得る。例えば、単一出荷パッケージは、少なくとも2つの別個の容器又はブラダを含み得、これらは、製造工場においてユーザによって一緒に混合され得、混合配合物はツールに直接送達され得る。少なくとも2つの容器又はブラダのうちの1つは、固体であり得る酸化剤を含み得、少なくとも2つの容器のうちの別のものは、硫酸溶液を含み得る。一実施形態では、少なくとも2つの容器又はブラダのうちの1つは、酸化剤を含み得、少なくとも2つの容器又はブラダのうちの第2の容器又はブラダは、硫酸を含む。別の実施形態では、少なくとも2つの容器又はブラダのうちの1つは酸化剤を含み、少なくとも2つの容器又はブラダのうちの第2の容器又はブラダは、硫酸と、硫酸以外の別の酸との混合物を含む。いずれの場合も、水が添加される場合、水は、当業者によって容易に決定されるように、製造業者を離れる前に一方及び/又は両方の容器に添加され得るか、使用前に製造工場において添加され得るか、あるいはその両方の組合せであり得る。出荷パッケージ及びそのパッケージの内部容器又はブラダは、上記組成物成分を貯蔵及び出荷するのに適していなければならず、例えば、Advanced Technology Materials,Inc.(米国コネチカット州ダンベリー)によって提供されるパッケージングである。
【0021】
代替的に、組成物の濃縮物は、配合され、出荷のために、並びに使用前及び/又は使用中に現場の硫酸と随意に硫酸以外の酸とを混合するために、1つの容器内にパッケージングされ得、上記使用方法は本明細書で説明される。例えば、濃縮物は、少なくとも1つの酸化剤、水を含み得、酸化剤は、濃縮物の全重量に基づいて、約0.1重量%~約30重量%、又は約1重量%~約15重量%の範囲内の濃度を有し得る。上記濃縮物中の硫酸の量は、存在する場合、濃縮物の全重量に基づいて、約50重量%~約96重量%の範囲内にあり得る。好ましい実施形態では、現場の酸と合わせるための濃縮物は、少なくとも酸化剤、水、及び随意に硫酸以外の少なくとも1つの酸を含むか、それらからなるか、又は基本的にそれらからなる。別の実施形態では、現場の酸と合わせるための濃縮物は、少なくとも1つのヨウ素含有酸化剤、水、及び硫酸以外の少なくとも1つの酸を含むか、それらからなるか、又は基本的にそれらからなる。濃縮物と現場の酸との比は、低pH組成物中にどのくらいの酸化剤が望まれるか、及び濃縮物中にどのくらいの酸が存在するかを知っている当業者によって容易に決定される。
【0022】
別の態様は、本明細書で説明されるように、1つ又は複数の容器内に、いずれかの態様の組成物を形成するように適合された1つ又は複数の成分を含むキットに関する。キットの容器は、上記組成物を貯蔵及び出荷するのに適していなければならず、例えば、NOWPak(登録商標)容器(Advanced Technology Materials,Inc.、米国コネチカット州ダンベリー)である。本明細書で説明される組成物の成分を含む1つ又は複数の容器は、好ましくは、上記1つ又は複数の容器内の成分を、混合及び分配のために流体連通させるための手段を含む。例えば、NOWPak(登録商標)容器に関して、上記1つ又は複数の容器内のライナの外側にガス圧を加えて、ライナの内容物の少なくとも一部を排出させ、したがって、混合及び分配のための流体連通を可能にし得る。代替的に、ガス圧が従来の加圧可能容器のヘッドスペースに加えられ得るか、又は、流体連通を可能にするためにポンプが使用され得る。さらに、システムは、好ましくは、混合された除去組成物をプロセスツールに分配するための分配ポートを含む。
【0023】
PTFE又はPTFAなど、実質的に化学的に不活性で、不純物がなく、可撓性で弾力性のあるポリマーフィルム材料が、好ましくは、上記1つ又は複数の容器用のライナを作製するために使用される。望ましいライナ材料は、共押出又はバリア層を必要とせずに、また、ライナ内に配置される成分の純度要件に悪影響を及ぼし得る顔料、UV抑制剤、又は処理剤なしに処理される。望ましいライナ材料のリストは、バージンポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PFA、Halar(登録商標)などを含む膜を含む。特定の実施形態では、そのようなライナ材料の厚さは、例えば20ミル(0.020インチ)の厚さのように、約5ミル(0.005インチ)~約30ミル(0.030インチ)の範囲内にある。
【0024】
キット用の容器に関して、以下の特許及び特許出願、「APPARATUS AND METHOD FOR MINIMIZING THE GENERATION OF PARTICLES IN ULTRAPURE LIQUIDS」と題する米国特許第7,188,644号、「RETURNABLE AND REUSABLE,BAG-IN-DRUM FLUID STORAGE AND DISPENSING CONTAINER SYSTEM」と題する米国特許第6,698,619号、John E.Q.Hughes名義で2008年5月9日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR MATERIAL BLENDING AND DISTRIBUTION」と題する国際出願第PCT/US08/63276号、John E.Q.Hughesらの名義で2008年12月8日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR DELIVERY OF FLUID-CONTAINING PROCESS MATERIAL COMBINATIONS」と題する国際出願第PCT/US08/85826号の開示は、それらのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
したがって、さらなる態様では、本発明は、本明細書で説明されたように、本発明の組成物を形成するように適合された、上記で引用された1つ又は複数の成分a.、b.及びc.を1つ又は複数の容器内に含むキットを提供する。
【0026】
本発明は、その好ましい実施形態の以下の実施例によってさらに示され得るが、これらの実施例は、単に例示の目的で含まれ、特に明記しない限り本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されよう。
【実施例】
【0027】
【0028】
以下の実施例1は、配合物の実施例1~3を調製及び試験するための一般的な方法を説明する。
【0029】
実施例A-エッチング組成物の調製
H5IO6の重量50%試料を水及びメタンスルホン酸と合わせた。この混合物に、96%H2SO4を、発熱反応を制御する手段として冷却のために氷水浴を用いてゆっくり添加した。ビーカ試験の全溶液重量は、250mlの三つ口ガラス瓶中で300gであった。得られた溶液を、温度を155℃までに制御しながら加熱マントルで加熱した。全体にわたって360rpmで攪拌を維持した。
【0030】
実施例B-クーポン試験:
ウエハを1.5×3cm2のサイズに切断し、クーポンがTeflon(商標)テープによってTeflon(商標)(ポリテトラフルオロエチレン)試料ホルダに付いた。ブランケットウエハの処理時間は30~60分であり、パターンウエハ(50%オーバーエッチング)は120分であった。エッチングプロセス後、クーポンを脱イオン水で1分間洗浄し、窒素でブロードライした。膜損失をエリプソメータによって測定し、パターンウエハをSEM(走査型電子顕微鏡法)で検査した。
【0031】
以下の表は、ホウ素ドープ非晶質膜のエッチング速度を実施例3の配合物の他の表面組成物と比較する。
【0032】
試験は、磁気攪拌棒を用いて360rpmで攪拌しながら、155℃で30分間行った。エリプソメータを使用して膜損失を測定した。
【0033】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲内でさらに他の実施形態を作成及び使用し得ることを容易に理解するであろう。本文書によってカバーされる本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で例示にすぎないことを理解されよう。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特にパートの形状、サイズ、及び配置に関して変更を行うことができる。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスから非晶質炭素ハードマスクを除去するための方法であって、ハードマスクは、ドープ・ハード・マスクを形成するために、ホウ素、塩素、及び窒素から選択される元素でドープされ、方法は、マイクロ電子デバイスを組成物と接触させることであって、組成物が、a.組成物の全重量に基づいて約50~約98重量パーセントのH
2SO
4、b.水、及びc.組成物の全重量に基づいて約0.1~約30重量パーセントの少なくとも1つの酸化剤
を含む、接触させることを含む、方法。
【請求項2】
元素がホウ素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸化剤がヨウ素含有酸化剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
デバイス及び組成物が、約100℃~170℃の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】