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特表2023-536597ノイズのあるパターン化フィーチャの検査
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(54)【発明の名称】ノイズのあるパターン化フィーチャの検査
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20230821BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507276
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021042668
(87)【国際公開番号】W WO2022031442
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】16/945,922
(32)【優先日】2020-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルオ タオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヨン
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051BA10
2G051BA20
2G051ED11
4M106AA01
4M106BA02
4M106BA04
4M106CA39
4M106DB05
4M106DB07
4M106DB12
4M106DB13
4M106DH24
4M106DH31
4M106DH33
(57)【要約】
試料上の欠陥を検出する方法及びシステムが提供される。あるシステムにおいては、試料の画像群を生成するよう検査サブシステムが構成され、その試料上の欠陥候補を検出するよう1個又は複数個のコンピュータサブシステムが構成される。欠陥候補検出の際には、その試料につき生成された画像群に含まれているテスト画像内にあるパターン化フィーチャを識別する。また、欠陥候補検出の際に、そのパターン化フィーチャ内に所在しておりそのテスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しておりそのテスト画像内にある他の諸画素のその特性と、の間の差分を決定する。加えて、欠陥候補検出の際に、その決定された差分に基づきその少なくとも1個の画素にて欠陥候補を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料上の欠陥を検出するよう構成されたシステムであって、
試料の画像群を生成するよう構成された検査サブシステムと、
前記試料上の欠陥候補を検出するよう構成された1個又は複数個のコンピュータサブシステムと、
を備え、前記欠陥候補の検出が、
前記試料につき生成された前記画像群に含まれているテスト画像内にあるパターン化フィーチャを識別すること、
前記パターン化フィーチャ内に所在しており前記テスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しており前記テスト画像内にある他の諸画素の前記特性と、の間の差分を決定すること、並びに
決定された前記差分に基づき前記少なくとも1個の画素にて欠陥候補を検出すること、
を含むものであるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記パターン化フィーチャに再分配層上のラインが含まれるシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記パターン化フィーチャが金属で形成されたものであるシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記決定及び検出ステップが参照画像無しで実行されるシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記識別が、前記テスト画像に対しマスクを適用することによって、そのテスト画像内で前記パターン化フィーチャ内にある諸画素をそのテスト画像内の他の全ての画素から仕分けることを、含むものであるシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記試料に係るデザインをもとに前記マスクを生成するよう構成されているシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のシステムであって、前記マスクが、前記パターン化フィーチャのうち別々の向きを有する諸部分を別々の領域へと分類するものであり、前記決定及び検出ステップが、それら別々の領域に関し個別実行されるシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記別々の領域に関し個別実行される前記決定ステップ用に前記所定窓の一通り又は複数通りの特性を独立に決定するよう、構成されているシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、前記差分の決定が、前記少なくとも1個の画素並びに前記所定窓内の前記他の諸画素の前記特性につきレンジを決定すること、を含むものであり、そのレンジが、前記少なくとも1個の画素並びに前記所定窓内の前記他の諸画素の前記特性の最大値・最小値間の差分であり、前記欠陥候補の検出が、そのレンジに対し閾値を適用すること、を含むものであるシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記欠陥候補に、前記パターン化フィーチャにおける完全開放が含まれるシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記欠陥候補が欠陥であるか否かをその欠陥候補の一通り又は複数通りの特性に基づき判別するよう、構成されているシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、前記差分の決定が、前記少なくとも1個の画素の前記特性と、その少なくとも1個の画素並びに前記所定窓内の前記他の諸画素の前記特性の平均と、の間の差分を決定することを、含むものであるシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記所定窓が、前記テスト画像内の前記パターン化フィーチャ全体を包含するものであるシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、前記所定窓が、前記テスト画像内の前記パターン化フィーチャの全体と、そのテスト画像内の他の1個又は複数個のパターン化フィーチャの全体と、を包含するものであり、前記他の1個又は複数個のパターン化フィーチャの全体が、前記パターン化フィーチャと同じ種類及び向きを有するものであるシステム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムであって、前記欠陥候補の検出が、前記平均と、前記少なくとも1個の画素並びに前記所定窓内の前記他の諸画素の前記特性と、をもとに標準偏差を決定すること、その標準偏差により前記差分を除算することによって信号強度を決定すること、並びにその信号強度に対し閾値を適用すること、を含むものであるシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記テスト画像に関し生成されたメディアン参照画像をもとに前記平均及び前記標準偏差を決定するよう、構成されているシステム。
【請求項17】
請求項15に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記テスト画像をもとに前記平均及び前記標準偏差を決定するよう構成されているシステム。
【請求項18】
請求項12に記載のシステムであって、前記識別が、前記テスト画像に対しマスクを適用することによって、そのテスト画像内で前記パターン化フィーチャ内にある諸画素をそのテスト画像内の他の全ての画素から仕分けることと、そのマスクの適用結果を前処理することによって、前記パターン化フィーチャの1本又は複数本のエッジを越えたところにある1個又は複数個の画素を識別し且つ識別されたその1個又は複数個の画素をそのパターン化フィーチャ内の諸画素から除外することと、を含むものであるシステム。
【請求項19】
請求項12に記載のシステムであって、前記識別が、前記テスト画像に対しマスクを適用することによって、そのテスト画像内で前記パターン化フィーチャ内にある諸画素をそのテスト画像内の他の全ての画素から仕分けることと、そのマスクの適用結果を後処理することによって、前記パターン化フィーチャの1本又は複数本のエッジを越えたところにある1個又は複数個の画素を識別し且つ識別されたその1個又は複数個の画素をそのパターン化フィーチャ内の諸画素から除外することと、を含むものであるシステム。
【請求項20】
請求項12に記載のシステムであって、前記欠陥候補に、前記パターン化フィーチャにおける完全又は部分開放が含まれるシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記欠陥候補が欠陥であるか否かを、前記検出の結果を対象にしてモルフォロジカル演算を実行することにより判別するよう、構成されているシステム。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記欠陥候補が欠陥であるか否かを、前記テスト画像に基づきその欠陥候補をビニングすることにより判別するよう、構成されているシステム。
【請求項23】
請求項1に記載のシステムであって、前記1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、前記欠陥候補が欠陥であるか否かを、前記テスト画像に対し深層学習ベースクラシファイアを適用することにより判別するよう、構成されているシステム。
【請求項24】
請求項1に記載のシステムであって、前記検査サブシステムが更に、マクロ検査向けに構成されているシステム。
【請求項25】
請求項1に記載のシステムであって、前記検査サブシステムが更に、電子ビームサブシステムとして構成されているシステム。
【請求項26】
請求項1に記載のシステムであって、前記検査サブシステムが更に、光学サブシステムとして構成されているシステム。
【請求項27】
請求項1に記載のシステムであって、前記試料がウェハであるシステム。
【請求項28】
試料上の欠陥を検出するためのコンピュータ実施方法を実行するため、1個又は複数個のコンピュータシステム上で実行されうるプログラム命令群が、格納されている非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実施方法が、
検査サブシステムにより試料につき生成された画像群に含まれているテスト画像内にあるパターン化フィーチャを識別すること、
前記パターン化フィーチャ内に所在しており前記テスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しており前記テスト画像内にある他の諸画素の前記特性と、の間の差分を決定すること、並びに
決定された前記差分に基づき前記少なくとも1個の画素にて欠陥候補を検出すること、
を含むものである非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
試料上の欠陥を検出するためのコンピュータ実施方法であって、
検査サブシステムにより試料につき生成された画像群に含まれているテスト画像内にあるパターン化フィーチャを識別すること、
前記パターン化フィーチャ内に所在しており前記テスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しており前記テスト画像内にある他の諸画素の前記特性と、の間の差分を決定すること、並びに
決定された前記差分に基づき前記少なくとも1個の画素にて欠陥候補を検出すること、
を含んでおり、前記識別、決定及び検出が、前記検査サブシステムに結合されている1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより実行されるコンピュータ実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総じて、バックエンドパッケージングウェハ上の再分配層(RDL)上にある欠陥等、試料上にある欠陥を検出するよう構成された方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の記述及び諸例は、それらが本欄内に含まれていることを以て従来技術であるとは認められない。
【0003】
半導体デバイス、例えば論理及び記憶デバイスを製造する際には、通常、多数の製造プロセスを用い基板例えば半導体ウェハを処理することで、それら半導体デバイスに備わる様々なフィーチャ(外形特徴)及び複数の階層が形成される。例えばリソグラフィなる半導体製造プロセスにおいては、半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストへと、レティクルからパターンが転写される。半導体製造プロセスの更なる例には、これに限られるものではないが化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積及びイオンインプランテーションがある。1枚の半導体ウェハ上に配列をなし半導体デバイス群を作成した後、それらを個別の半導体デバイスに分けるのがよい。
【0004】
検査プロセスは半導体製造プロセス中の様々な工程にて用いられており、それによりウェハ側の欠陥を検出することで、その製造プロセスにおける歩留まりの向上、ひいては利益の増進を促すことができる。検査は、常に、半導体デバイス製造の重要部分とされてきた。しかしながら、半導体デバイスの寸法縮小につれ、小さめな欠陥でもそれらデバイスに不調を引き起こしうるようになってきたことから、許容しうる半導体デバイスの首尾よい製造のために検査がかつてなく重要になってきている。
【0005】
リソグラフィにおいては一般に「ほとんど同一な」隣接するダイが印刷されるため、集積回路(IC)産業の初期から、ウェハ検査は、主として隣接ダイ間画像強度差に基づき行われてきた。テクノロジが進歩するにつれ、「ゴールデン参照ダイ」又は「標準参照ダイ」と呼ばれる別の技術が、マスク欠陥がもとで引き起こされるありふれたダイ欠陥を有するダイの検査に関し生み出された。ダイ対ダイ検査を実行するにせよダイ対ゴールデンダイ検査を実行するにせよ、そのウェハ上の各ダイがほとんど「同一」であることが、共通の前提となる。これらの旧来型検査方法は、リソグラフィベースウェハ製造プロセスにおいては非常に有効とされてきた。
【0006】
昨今のIC製造プロセスでは新たなパッケージングプロセスが適用されている;これは、図2に示されている通り、ダイシング及びテスト(試験)が済んだ2個以上の良品サブダイを、再分配層(RDL)ラインを介しつなぐことによって、最終ダイユニットが編成されるものである。具体的には、最終ダイユニット200が、複数本のRDLライン206により接続・連結されたサブダイ202及び204で編成される。こうすることで、新規なバックエンド先進ウェハレベルパッケージング(aWLP)プロセスでは、サブダイから新たなダイを作成する。
【0007】
それらサブダイがモールド(型)上に機械的に配置され、RDLラインがそれらサブダイ上に配置されるため、隣接するダイユニット間に非一貫的なサブダイシフトが現れうる。この種の非一貫性がある許で旧来型のダイ対ダイ差分計算を行うと、隣接ダイユニット内RDLラインが完全に整列している場合でさえも、かなりの量のノイズが検査結果に付与されることとなる。例えば、図3に示されている通り、隣接編成ダイユニットにてRDLラインの下側に非一貫的シフトが現れることがある。具体的には、図3には2個の最終ダイユニット300及び302が示されている。最終ダイユニット300はRDLライン308でつながれたサブダイ304及び306により形成され、最終ダイユニット302はRDLライン314でつながれたサブダイ310及び312により形成されている。最終ダイユニット300の伸展図316や最終ダイユニット302の伸展図318中により明瞭に示されている通り、別々な最終ダイユニットでは、非一貫的なシフトが、RDLラインの下側でサブダイ間に現れうる。
【0008】
更に、RDLラインは主に金属(アルミニウム又は銅)で製作される。RDLラインにおける注目欠陥(DOI)には、図4及び図5に示されている通り、ライン開放欠陥(ライン分断)及び部分ライン開放欠陥(別称「マウスバイト」欠陥)がある。具体的には、図4にはRDLライン内完全ライン開放欠陥に係るテスト画像400、参照画像402及び差分画像404が示されている。テスト画像400の円内部分406内にて明瞭に看取されうる通り、ライン開放欠陥がテスト画像にて瞭然としている。しかしながら、差分画像404(テスト画像400から参照画像402を減ずることで生成されたもの)に示されている通り、テスト画像400の円内部分406に対応する円内部分408にてそのライン開放欠陥を検出することができず、また、差分画像のうちそのライン開放欠陥に対応している部分を、その差分画像の他の諸部分、例えば四角内部分410に示されているそれから区別することができない。そのため、差分画像404を用いても、そのライン開放欠陥を首尾よく検出することができない。
【0009】
図5には、RDLライン上の別のライン開放欠陥に係る参照画像500、テスト画像502及び差分画像504が示されている。テスト画像502から看取されうる通り、テスト画像の円内部分510内に所在する部分ライン開放欠陥が、そのテスト画像にて瞭然としている。しかしながら、差分画像504(テスト画像502から参照画像500を減ずることで生成されたもの)に示されている通り、テスト画像内の円内部分510に対応する円内部分514にて、その部分ライン開放欠陥を検出することができない。加えて、差分画像のうちその部分ライン開放欠陥に対応している部分を、その差分画像の他の諸部分から区別すること、例えば参照画像の非欠陥部分506とテスト画像の非欠陥部分508とに対応する四角内部分512に示されているそれから区別することができない。そのため、差分画像504を用いても、テスト画像502では見える部分ライン開放欠陥を検出することができない。
【0010】
このように、図4及び図5の何れでも、テスト画像内に明白なライン開放又は部分ライン開放欠陥があることが明白である。しかしながら、金属RDLラインの表面粗さ故に、実欠陥信号がそのテスト画像内に存在していてさえも強度差ベース検査が極端に困難になる;何故なら、それら差分画像内のライン開放又は部分ライン開放信号が、テスト及び参照画像内の対応するラインにおけるランダム粗さにより生じたノイズ内に、完全に埋もれるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7570796号明細書
【特許文献2】米国特許第7676077号明細書
【特許文献3】米国特許第7782452号明細書
【特許文献4】米国特許第8664594号明細書
【特許文献5】米国特許第8692204号明細書
【特許文献6】米国特許第8698093号明細書
【特許文献7】米国特許第8716662号明細書
【特許文献8】米国特許第8126255号明細書
【特許文献9】米国特許第9222895号明細書
【特許文献10】米国特許第10607119号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、試料例えばバックエンドaWLP試料上のRDLラインにおける完全及び/又は部分ライン開放欠陥等といった欠陥を検出するシステム及び方法であり、上述した難点のうち1個又は複数個を有していないものを開発することが、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
諸実施形態についての以下の記述は、如何様にであれ、別記特許請求の範囲の主題を限定されるものとして解されるべきではない。
【0014】
実施形態の一つは、試料上の欠陥を検出するよう構成されたシステムに関するものである。本システムは、試料の画像群を生成するよう構成された検査サブシステムを有する。本システムは、その試料上の欠陥候補を検出するよう構成された1個又は複数個のコンピュータサブシステムをも有する。その欠陥候補検出の際に、その試料につき生成された画像群に含まれているテスト画像内にあるパターン化フィーチャを識別する。その欠陥候補検出の際に、また、そのパターン化フィーチャ内に所在しておりそのテスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しておりそのテスト画像内にある他の諸画素のその特性と、の間の差分を決定する。加えて、欠陥候補検出の際に、決定されたその差分に基づきその少なくとも1個の画素にて欠陥候補を検出する。本システムは、更に、本願記載の如く構成することができる。
【0015】
もう一つの実施形態は、試料上の欠陥を検出するためのコンピュータ実施方法に関するものである。本方法では、検査サブシステムにより試料につき生成された画像群に含まれているテスト画像内にあるパターン化フィーチャを識別する。本方法では、また、そのパターン化フィーチャ内に所在しておりそのテスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しておりそのテスト画像内にある他の諸画素のその特性と、の間の差分を決定する。加えて、本方法では、決定されたその差分に基づきその少なくとも1個の画素にて欠陥候補を検出する。これら識別、決定及び検出は、その検査サブシステムに結合されている1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより実行される。
【0016】
上述した方法の各ステップは、更に、本願記載の如く実行することができる。加えて、上述した方法の実施形態は、本願記載の何れの他方法(群)の何れの他ステップ(群)を有するものとも、することができる。更に、上述した方法は、本願記載のシステムの何れにより実行することもできる。
【0017】
もう一つの実施形態は、試料上の欠陥を検出するためのコンピュータ実施方法を実行するため1個又は複数個のコンピュータシステム上で実行されうるプログラム命令群が、格納されている非一時的コンピュータ可読媒体に関するものである。そのコンピュータ実施方法は、上述した方法の諸ステップを有する。本コンピュータ可読媒体は、更に、本願記載の如く構成することができる。そのコンピュータ実施方法の諸ステップは、本願詳述の如く実行することができる。加えて、そのプログラム命令群が実行されうるコンピュータ実施方法を、本願記載の何れの他方法(群)の何れの他ステップ(群)を有するものとも、することができる。
【0018】
好適諸実施形態についての後掲の詳細記述を踏まえること、並びに以下の添付図面を参照することで、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には、本発明の更なる利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願記載の如く構成されたシステム実施形態の側面外観が描かれている模式図である。
図1a】本願記載の如く構成された別のシステム実施形態の側面外観が描かれている模式図である。
図2】複数個のサブダイから作成されており、その上に再分配層(RDL)ラインが形成されているダイ例の、平面外観が描かれている模式図である。
図3】複数個のサブダイで構成されており、その上に形成されているRDLラインの下側でサブダイ同士が非一貫的シフトを呈しているダイ例の、平面外観が描かれている模式図である。
図4】RDLラインにおけるライン開放欠陥に関しテスト、参照及び差分画像の例を示す図である。
図5】RDLラインにおける別のライン開放欠陥に関しテスト、参照及び差分画像の例を示す図である。
図6】別々の向きを有し別々のパターン化フィーチャに備わる諸部分の一例の平面外観が描かれている模式図である。
図7】様々な種類のRDLライン内欠陥例が表示されている画像を示す図である。
図8】その上に重ねられている所定窓内で本願記載の如く差分を決定すること、並びにその差分を用いパターン化フィーチャ内欠陥候補を検出すること、ができるパターン化フィーチャ例の平面外観が描かれている模式図である。
図9】本願記載の如く検出されうる欠陥に関しテスト画像例を示す図である。
図10】本願記載の如く検出されうる別の欠陥に関しテスト画像例を示す図である。
図11】様々なパターン化フィーチャのテスト画像例と、その上に重ねられておりそれら別々のパターン化フィーチャの向きによってその特性が異なる所定窓の諸実施形態とを、示す図である。
図12】試料上の欠陥を検出すべく本願記載の実施形態により実行されうる諸ステップの実施形態が描かれているフローチャートである。
図13】試料上の欠陥を検出すべく本願記載の別の実施形態により実行されうる諸ステップの実施形態が描かれているフローチャートである。
図14】試料上の欠陥を検出すべく本願記載の別の実施形態により実行されうる諸ステップの実施形態が描かれているフローチャートである。
図15】1個又は複数個のコンピュータシステムに本願記載のコンピュータ実施方法を実行させるためのプログラム命令群が格納されている非一時的コンピュータ可読媒体の一実施形態が描かれているブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明には様々な修正物及び代替的形態が生じうるので、その具体的諸実施形態を例示により図中に示し且つ本願中で詳述する。それら図面は忠実縮尺でないことがある。但し、理解されるべきことに、図面及びそれについての詳細記述は本発明を特定の被開示形態に限定することを意図しておらず、逆に、その意図は、別項の特許請求の範囲により定義される発明の神髄及び技術的範囲に収まる全ての修正物、均等物及び代替物をカバーすることにある。
【0021】
まず、図面につき注記されることに、諸図面は忠実縮尺で描かれていない。具体的には、諸図面の構成要素のうち幾つかのスケールが、それら構成要素の特徴を強調すべくかなり誇張されている。これも注記されることに、諸図面は同一縮尺で描かれていない。複数個の図面に示されている要素であり同様に構成可能なものが、同じ参照符号を用い指し示されている。本願中で別様に注記されていない限り、記述及び図示されている諸要素の何れも、好適であり商業に入手可能なあらゆる要素を包含する。
【0022】
語「デザイン」及び「デザインデータ」は、本願での用法によれば、大略、ICの物理デザイン(レイアウト)、並びにその物理デザインから複雑なシミュレーション又は単純な幾何演算及びブール演算を通じ導出されたデータ、のことである。こうした物理デザインはデータ構造内にされうるものであり、その例にはグラフィカルデータストリーム(GDS)ファイル、他のあらゆる標準的機械可読ファイル、本件技術分野にて既知であり好適な他のあらゆるファイル、デザインデータベース等がある。GDSIIファイルは、そのデザインレイアウトデータの表現に用いられるファイルの一種である。そうしたファイルの別例にはGL1ファイル及びOASISファイルがあり、また独自ファイルフォーマット、例えば米国カリフォルニア州ミルピタス所在のKLA Corp.に固有なRDFデータがある。そのデザインに他の何らかのデザインデータ又はデザインデータプロキシ、例えば同一譲受人に係り2009年8月4日付でZafar et alに対し発行された特許文献1並びに2010年3月9日付でKulkarni et al.に対し発行された特許文献2に記載されたものを含めうるので、参照により両文献を本願に繰り入れ本願にて全面説明されていると見なすことにする。加えて、そのデザインデータたりうるものに、標準セルライブラリデータ、集積レイアウトデータ、1個又は複数個の層に係るデザインデータ、そのデザインデータからの派生物、並びにフル又は部分チップデザインデータがある。
【0023】
本願記載の「デザイン」及び「デザインデータ」は、デザインプロセスにて半導体デバイスデザイナにより生み出され、従って何らかの有形ウェハ上へのそのデザインの印刷にだいぶ先立ち本願記載の諸実施形態にて利用可能な情報及びデータのことも、指している。その「デザイン」又は「物理的デザイン」が、そのウェハ上に理想上形成されるであろうデザインであることもある。
【0024】
「ヌーサンス」は、本願での用語法によれば、ユーザが関心を持たない欠陥、及び/又は、検査により検出されたが実際には欠陥でない事象のことである。事象(別称「欠陥候補」)として検出されるが実際には欠陥でないヌーサンスが検出されるのは、試料上に非欠陥ノイズ源(例.ラインエッジ粗さ(LER)、パターン化フィーチャにおける比較的小さな限界寸法(CD)変動、厚み変動、金属グレインノイズ等)があるためであり、及び/又は、検査サブシステム自体即ち検査に用いられる構成にマージナリティ(余裕度)があるためである。従って、一般に、試料例えばウェハ上のヌーサンスが検出されないようにすることが、検査の目標となる。
【0025】
語「注目欠陥(DOI)」は、本願での用法によれば、試料上で検出され実際にその試料上にある実欠陥として定義される。一般に、ユーザは検査対象試料上に実欠陥が何個あるか、どの種類かに関心を持つので、こうしたDOIはユーザに注目される。文脈によっては、語「DOI」を用い、試料上の全実欠陥のサブセットのうち、ユーザが関心を持つ実欠陥しか含んでいないサブセットを、指すこともできる。例えば、任意の所与試料上に複数種類のDOIがあり、それらのうち一種類又は複数種類が他の一種類又は複数種類よりも大きく注目されることが、ありうる。とはいえ、本願記載の諸実施形態の文脈では、語「DOI」を用い、試料上の一切の実欠陥を指すようにしている。
【0026】
実施形態の一つは、試料上の欠陥を検出するよう構成されたシステムに関するものである。ある実施形態ではその試料がウェハとされる。そのウェハには、半導体分野にて既知なあらゆるウェハが包含されうる。実施形態によっては1枚又は複数枚のウェハとの関連で本願に記載されることがあるが、諸実施形態が、それらを用いうる試料に従い限定されるわけではない。例えば、本願記載の諸実施形態を使用可能な試料には、レティクル、フラットパネル、パーソナルコンピュータ(PC)ボード、並びにその他の半導体試料がある。
【0027】
ある実施形態では試料が金属の上側層を有する。その種のある実施形態によれば、その上側層をアルミニウム層とすることができる。そのアルミニウム層には、本件技術分野にて既知で好適なあらゆるアルミニウム層が包含されうる。試料の上側層にはバックエンドオブライン(BEOL)層、例えば本願記載のそれらを初め本件技術分野にて既知あらゆるBEOL層が包含されうる。更なる実施形態によれば、試料の上側層を再分配層(RDL)、例えば本件技術分野にて既知で好適な何れかの構成を有するそれとすることができる。
【0028】
試料の上側層は、金属ラインを有するものともすることができる。例えば、BEOL層及びRDL層内に金属ラインを設け、試料上に形成されるデバイスの様々な要素をそれにより形成することができる。そうした金属ラインでは、本願にて詳述されるかなりの量の「グレイン」ノイズが生じうる。「グレイン」は、本願での用語法によれば、金属(例えばアルミニウム又は銅)の結晶構造内の転位のことを指している。本願記載の諸実施形態は、グレインノイズに関わらずそうした層上の欠陥を検出しうるよう構成される。
【0029】
ある種の実施形態では試料がポストダイシング試料とされる。「ポストダイシング」試料は、大略、ウェハその他の基板、特にその上に複数個のデバイスが(例.別々のダイ又はダイスの態で)形成され更に様々な手法のうち一つに従いそれらデバイスが相互分離されたものとして、定義することができる。「ポストダイシング」試料が、複数個のダイ又はダイスに分けられてはいるがまだパッケージングプロセスに投入されていない試料であることもある。
【0030】
また、ある実施形態では試料に高ノイズ層が備わる。「高ノイズ」層は、本願での語の定義によれば、大略、それによるノイズがその層の検査に際し優勢な障害となる層のことである。例えば、個々のウェハ層を何らかの検査ツールにより検査すると、他の諸層に対する多少こそあれノイズが現れるものであるが(またそうしたノイズの検出を扱うための技術を一般に個々のウェハ層の検査に用いねばならないが)、ウェハ層を首尾よく検査する上での主たる障害となるのは、大抵は、検出しなければならない欠陥が極端に小さなサイズであることである。これに対し、本願記載の諸実施形態がとりわけ適するのは、約200nm以上のサイズを有する比較的大きな(「マクロ」)欠陥の検出である。従って、そうした検査における主たる障害は、必ずしも、検出しなければならない欠陥のサイズではない(多くの検査ツール構成では大抵の層上でそのような大きい欠陥を検出できるからである)。寧ろ、本願記載の諸層では、それらの層に係る生成画像内で一般に「高ノイズ」レベルが現れるであろうし、ひいては、そうした大きなサイズの欠陥の検出でさえも、不可能ではないにしろ困難になりかねない。しかしながら、本願記載の諸実施形態は、本願記載の欠陥検出を通じそうしたノイズレベルを扱えるように設計されている。
【0031】
本願記載の諸実施形態は、多種多様な理由で、そうした欠陥の検出向けにひときわ有効なものとなるよう設計される。例えば、旧来型のフロントエンドリソグラフィックウェハ製造プロセスでは、隣接する諸ダイに発する画像がそっくりであるとの有効な仮定を理由にして、隣接ダイ間画像比較によりウェハ検査が実行されるのが普通である。合理的な前処理ステップ、例えば隣接ダイ画像アライメント(整列)や、ヒストグラム再マッピングを通じたグレイレベル均一度スケーリングの許では、通常、不正常個所ひいては潜在的欠陥により閾値超の差分が引き起こされる。
【0032】
新規な先進的ウェハレベルパッケージ(aWLP)テクノロジによれば、(テストにより良品であることが判明している)サブダイ群を、RDLラインを介しつなぐことで、編成ダイユニットを製作することができる。そうした編成ダイユニットの一例が、先に詳述した図2に示されている。先に詳述した図3に示されている通り、RDLライン及びそれらRDLラインの下側にあるサブダイは、非一貫的な相対空間シフトを有するものとなりうる。RDLラインを基準として隣接ダイ間アライメントを実行した場合でも、それらRDLラインの下側にあるサブダイ構造は誤整列されうる。そうした誤整列(ミスアライメント)により、RDLラインの下側にある構造からミスアライメントノイズが生じるため、旧来型のダイ対ダイ差分ベース手法はかなり困難となる。
【0033】
加えて、それらRDLラインが通常は金属(銅)であることでRDLライン画像には表面粗さ誘起性のランダムな光学的容貌が生じ、ライン開放欠陥信号がその表面粗さ誘起性ノイズ内に完全に埋もれてしまうので、RDLライン開放欠陥の強度差ベース検出は、より困難なこととなりうる。その種のある例によれば、RDL金属ライン内ノイズ、例えば過剰な金属グレインにより引き起こされるそれが原因で、かなりのノイズが検査により検出されることがありうる。その種の別例によれば、そのRDL層の上又は下にある透明誘電ポリマにより引き起こされるRDL金属層間ノイズが原因で、かなりのノイズが検査により検出されることがありうる。
【0034】
本願記載の諸実施形態では、これに対し、過酷なダイ対ダイ差分ノイズにより阻害されることなくRDLライン検査が実現される。加えて、本願記載の諸実施形態によれば、RDLラインに関しテスト画像単独(即ち非ダイ対ダイ)検査を実行することができる。このように、本願記載の諸実施形態を、それら欠陥を検出しうる単一ダイ検査(SDI)又は単一画像検出(SID)システム及び方法とし、検査におけるダイ対ダイノイズ源を解消することができる。
【0035】
図1には、試料上の欠陥を検出するよう構成されたシステムの一実施形態が示されている。本システムは、検査サブシステム10と、1個又は複数個のコンピュータサブシステム(例.コンピュータサブシステム36及びコンピュータサブシステム(群)102)を有している。検査サブシステム10は、試料に係る出力(例.画像群)を生成するよう構成されている。ある実施形態によれば、この検査サブシステムが光学サブシステムとして構成される。例えば、図1の実施形態における検査サブシステムは、有形版の試料上を光により走査し又はそれに光を差し向けつつ、その試料からの光を検出することでその試料に係る出力を生成するよう、構成されている。検査サブシステムを、複数通りのモードで以てそうした走査(又は差し向け)及び検出を実行するよう、構成することもできる。
【0036】
ある実施形態によれば、検査サブシステムがマクロ検査向けに構成される。本願記載のシステムは、そうした場合、マクロ検査ツールと呼ぶことができる。マクロ検査ツールは、金属ライン側にグレイン等といった莫大なノイズが存在している許で欠陥を検出するRDL及びポストダイシングアプリケーション等、相対的にノイジーなBEOL層の検査にひときわ適している。マクロ検査ツールは、本願での定義によれば、必ずしも回折制限性でなく約200nm~約2.0μm以上の空間分解能を有しているシステムのことである。この空間分解能は、そのシステムにて検出できる最も小さな欠陥が約200nm超の寸法を有するものであることを意味しており、この寸法は昨今の市場に出ている最も先進的な検査ツールにて検出できる最小の欠陥のそれよりかなり大きいので、「マクロ」インスペクタとの呼び名に値する。こうしたシステムでは、昨今の市場に出ている最も先進的な検査ツールでのそれに比べ、長い波長の光(例.約500nm~約700nm)が利用される傾向がある。こうしたシステムは、DOIが比較的大きなサイズを有しているときに用いることができ、潜在的にはまた、100ウェハ毎時(wph)以上のスループットが求められているときに用いることができる(ここで言うウェハスループットとは300mmウェハの毎時検査個数のことである)。
【0037】
図1に示されている実施形態のシステムでは、検査サブシステム10が、試料14に光を差し向けるよう構成された照明サブシステムを有している。照明サブシステムには少なくとも1個の光源を設ける。例えば、図1に示されている照明サブシステムは光源16を有している。照明サブシステムは、一通り又は複数通りの入射角、例えば一通り又は複数通りの斜め角及び/又は一通り又は複数通りの直交角を含むそれにて試料に光を差し向けるよう、構成することができる。例えば、図1に示されている例では、光源16からの光が光学素子18、次いでレンズ20を通じ試料14へと、ある斜め入射角にて差し向けられている。この斜め入射角は好適な何れの斜め入射角でもよく、その試料の特性に従い変えることもできる。
【0038】
検査サブシステムは、異なる時点では異なる入射角にて試料に光を差し向けるようにも構成することができる。例えば、検査サブシステムを、照明サブシステムの1個又は複数個の構成要素の一通り又は複数通りの特性を改変することで、図1に示されているそれとは異なる入射角にて試料に光を差し向けうるように構成することができる。その種のある例によれば、光源16、光学素子18及びレンズ20を動かせるよう、ひいては光が別の斜め入射角又は直交(又は近直交)入射角にて試料に向かうこととなるよう、検査サブシステムを構成することができる。
【0039】
検査サブシステムを、同時に複数通りの入射角にて試料に光を差し向けるよう構成することもできる。例えば、照明サブシステムに複数個の照明チャネルを設けることができ、それら照明チャネルのうち1個を、図1に示す如く光源16、光学素子18及びレンズ20を有するものとすることができ、他の1個(図示せず)を、それに類する諸素子例えば別様に構成されたそれ又は同様に構成されたそれらを有するものとすること、或いは少なくとも1個の光源及び潜在的には1個又は複数個の他部材例えば本願詳述のそれらを有するものとすることができる。その光を他の光と同時に試料に差し向ける場合、別々の入射角にて試料に差し向けられる光の一通り又は複数通りの特性(例.波長、偏向等々)を別々なものとすることで、別々の入射角での試料照明によりもたらされる光を検出器(群)にて互いに弁別可能とすることができる。
【0040】
別例によれば、照明サブシステムを、単一の光源(例.図1に示されている光源16)しか有していないものとすることができ、その光源からの光を、その照明サブシステムに備わる1個又は複数個の光学素子(図示せず)によって(例.波長、偏向等々に基づき)別々な光路内へと分入させるようにすることができる。その後は、それら別々な光路それぞれの光を試料へと差し向ければよい。複数個の照明チャネルを、試料に対し同時に又は別時点で光を差し向けるよう構成することもできる(例.別々な照明チャネルを用い試料を順次照明する際)。別例によれば、同一の照明チャネルを、別々な時点では別々な特性で以て試料に光を差し向けるよう、構成することもできる。例えば、ある種の例によれば、光学素子18を分光フィルタとして構成することができ、またその分光フィルタの諸特性を、別々な時点にて別々の波長の光を試料に差し向けうるよう多様なやり方で(例.その分光フィルタの換装によって)変化させることができる。照明サブシステムは、別々な又は同じ特性を有する光を試料に対し別々な又は同じ入射角にて順次又は同時に差し向けることができ、本件技術分野にて既知で好適な、他の何れの構成を有するものともすることができる。
【0041】
ある実施形態によれば、光源16を、広帯域プラズマ(BBP)光源を有するものとすることができる。こうすることで、光源により生成され試料へと差し向けられる光を、広帯域光を含むものとすることができる。とはいえ、光源を他の何らかの好適光源、例えばレーザを有するものとすることもできる。そのレーザは、本件技術分野にて既知で好適な何れのレーザとすることもでき、また、本件技術分野にて既知で好適な何れの波長又は波長群にて光を生成するよう構成することもできる。加えて、そのレーザを、単色又は近単色な光を生成するよう構成することもできる。こうすることでそのレーザを狭帯域レーザとすることができる。その光源を、複数通りのとびとびな波長又は波帯にて発光する多色光源が備わるものと、することもできる。
【0042】
光学素子18からの光は、レンズ20により試料14上へと集束させることができる。図1ではレンズ20が単体の屈折性光学素子として示されているが、実際には、レンズ20を複数個の屈折性及び/又は反射性光学素子が備わるものとし、それらの協働でその光学素子からの光を試料へと集束させるのでもよい。図1に示され本願に記載されている照明サブシステムは、他の何れの好適な光学素子(図示せず)を有するものともすることができる。そうした光学素子の例には、これに限られるものではないが偏向部材(群)、分光フィルタ(群)、空間フィルタ(群)、反射性光学素子(群)、アポダイザ(群)、ビームスプリッタ(群)、アパーチャ(群)等があり、またれらには本件技術分野にて既知で好適なあらゆる類種光学素子が含まれうる。加えて、検査サブシステムを、検査に用いられる照明の種類を踏まえ照明サブシステムの構成要素のうち1個又は複数個を変えるよう構成することもできる。
【0043】
検査サブシステムを、試料上を光で走査するよう構成された走査サブシステムを有するものと、することもできる。例えば、検査サブシステムを、検査時にその上に試料14が配置されるステージ22を有するものとすることができる。走査サブシステムを、何らかの好適な機械及び/又はロボットアセンブリ(ステージ22を有するそれ)を有するものとし、そのアセンブリを、試料を動かしその試料上を光で走査することができるよう構成することもできる。これに加え又は代え、検査サブシステムを、その検査サブシステムに備わる1個又は複数個の光学素子により試料に対しある種の光走査が実行されるよう構成することもできる。光による試料上の走査は、何れの好適な様式で行うこともでき、例えば蛇状路又は螺旋路に沿い行うことができる。
【0044】
検査サブシステムは、更に、1個又は複数個の検出チャネルを有している。その1個又は複数個の検出チャネルのうち少なくとも1個に、試料の照明によりその試料からもたらされる光を検出しその検出光に応じ出力を生成するよう構成された、検出器を設ける。例えば、図1に示されている検査サブシステムは2個の検出チャネルを有しており、そのうち1個は集光器24、素子26及び検出器28により、他の1個は集光器30、素子32及び検出器34により形成されている。図1に示されている通り、それら2個の検出チャネルは、別々の集光角にて光を集め検出するよう構成されている。ある種の例では、両検出チャネルが、散乱光を検出するよう構成され、且つそれら検出チャネルが、別々の角度にて試料から散乱されてくる光を検出するよう構成される。とはいえ、検出チャネルのうち1個又は複数個を、試料からの他種の光(例.鏡面反射光)を検出するよう構成することもできる。
【0045】
図1に詳示されている通り、両検出チャネルは図上で紙面内に位置しており、照明サブシステムも図上で紙面内に位置している。即ち、本実施形態では両検出チャネルが入射面内に位置している(例.その中心に位置している)。とはいえ、検出チャネルのうち1個又は複数個を入射面外に配置することもできる。例えば、集光器30、素子32及び検出器34により形成されている検出チャネルを、入射面外に散乱された光を集め検出するよう構成することもできる。こうした場合、その検出チャネルのことを「サイド」チャネルと通称することができ、またそうしたサイドチャネルを、入射面に対し実質的に垂直な平面の中心に配置することもできる。
【0046】
図1に示す実施形態では検査サブシステムが2個の検出チャネルを有しているが、検査サブシステムが別の個数の検出チャネル(例.単一の検出チャネル又は2個以上の検出チャネル)を有していてもよい。その種のある例によれば、集光器30、素子32及び検出器34により形成されている検出チャネルにより1個のサイドチャネルを上述の如く形成すると共に、その検査サブシステム内に、入射面を挟み逆側に位置するもう1個のサイドチャネルとして形成された付加的な検出チャネル(図示せず)を設けることができる。ひいては、その検査サブシステム内に、集光器24、素子26及び検出器28を有し入射面の中心に位置する検出チャネルを設け、試料表面に対し直交するかそれに近い一通り又は複数通りの散乱角の光を集め検出するよう構成することもできる。この検出チャネルは従って「トップ」チャネルと通称されうるものであり、また、その検査サブシステムを、上述の如く構成された2個以上のサイドチャネルをも有するものとすることができる。こうすることで、検査サブシステムを、少なくとも3個のチャネル(即ち1個のトップチャネルと2個のサイドチャネル)を有し、それら少なくとも3個のチャネルそれぞれがそれ自身の集光器を有していて、他の何れの集光器とも異なる散乱角の光を集めるよう各集光器が構成されているものと、することができる。
【0047】
先に詳述した通り、検査サブシステム内に備わる検出チャネルそれぞれを、散乱光を検出するよう構成することができる。従って、図1に示されている検査サブシステムを、試料の暗視野(DF)検査向けに構成することができる。とはいえ、検査サブシステムが、これに加え又は代え、試料の明視野(BF)検査向けに構成された検出チャネル(群)を有していてもよい。言い換えれば、検査サブシステムが、試料から鏡面反射されてきた光を検出するよう構成された、少なくとも1個の検出チャネルを有していてもよい。従って、本願記載の検査サブシステムは、DF単独での、BF単独での、或いはDF,BF双方でのイメージング用に、構成することができる。図1では各集光器が単体の屈折性光学素子として示されているが、各集光器が1個又は複数個の屈折性光学素子及び/又は1個又は複数個の反射性光学素子を有するものであってもよい。
【0048】
1個又は複数個の検出チャネルを、本件技術分野にて既知で好適な何れの検出器を有するものともすることができる。例えば、それら検出器のなかに、光電子増倍管(PMT)、電荷結合デバイス(CCD)、時間遅延積分(TDI)カメラその他、本件技術分野にて既知で好適なあらゆる検出器を含めることができる。それら検出器のなかに、非イメージング型検出器やイメージング型検出器を含めることもできる。それら検出器が非イメージング型検出器である場合、各検出器を、散乱光の特定特性例えば強度を検出するよう構成すること、しかしその特性をイメージング面内位置の関数としては検出しないよう構成することもできる。こうすることで、検査サブシステムの各検出チャネル内の各検出器により生成される出力を、信号又はデータではあるが画像信号又は画像データではないものとすることができる。この種の例においても、コンピュータサブシステム例えばコンピュータサブシステム36を、検出器の非イメージング出力をもとに試料の画像を生成すよう構成することができる。他方、別例によれば、検出器を、画像信号又は画像データを生成するよう構成されたイメージング型検出器として、構成することができる。このように、検査サブシステムは、画像を生成するよう多様なやり方で構成することができる。
【0049】
注記されることに、本願に図1を設けたのは、本願記載の諸システム実施形態に組み込める検査サブシステムの構成、或いは本願記載の諸システム実施形態により用いられる出力を生成できる検査サブシステムの構成を、大まかに描出するためである。明白な通り、本願記載の検査サブシステム構成を改変することによって、商用検査システムの設計時に通常行われている通り、検査サブシステムの性能を最適化することができる。加えて、本願記載の諸システムを、KLAから商業的に入手できるAltair(商標)シリーズのツール等、既存のシステムを用い(例.本願記載の機能を既存システムに付加することにより)実施することもできる。その種のあるシステム向けに、本願記載の諸実施形態を、そのシステムのオプション的機能として(例.そのシステムの他の機能に加え)提供することもできる。これに代え、本願記載の検査サブシステムを「いちから」設計し、完全に新規な検査サブシステムを提供することもできる。検査サブシステムは、更に、2010年8月24日付でMehanian et al.に対し発行された特許文献3に記載の如く構成することができるので、同文献を参照により本願に繰り入れ本願にて全面説明されていると見なすことにする。
【0050】
コンピュータサブシステム36を、何れかの好適な要領にて(例.1個又は複数個の伝送媒体、例えば「有線」及び/又は「無線」伝送媒体を含むそれを介し)検査サブシステムの検出器に結合させることにより、そのコンピュータサブシステムにて、試料の走査中にそれら検出器により生成される出力を受け取れるようにすることができる。コンピュータサブシステム36は、本願中に詳述されている複数の機能を、それら検出器の出力を用い実行するよう、構成することができる。
【0051】
図1に示されているコンピュータサブシステム(並びに本願記載の他のコンピュータサブシステム)のことを、本願ではコンピュータシステム(群)とも呼ぶことができる。本願記載のコンピュータサブシステム(群)又はシステム(群)各々は、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器その他の装置を初め、様々な形態を採ることができる。一般に、語「コンピュータシステム」は、記憶媒体から得られる命令を実行するプロセッサを1個又は複数個有するデバイス全てが包括されるよう、広く定義することができる。そのコンピュータサブシステム(群)又はシステム(群)のなかには、本件技術分野にて既知で好適な何れのプロセッサ、例えば並列プロセッサも含めることができる。加えて、そのコンピュータサブシステム(群)又はシステム(群)のなかには、スタンドアロンかネットワーク接続されたツールかを問わず、高速な処理及びソフトウェアを伴うコンピュータプラットフォームを含めることができる。
【0052】
システム内に複数個のコンピュータサブシステムがある場合、それら別々なコンピュータサブシステムを互いに結合させて、画像、データ、情報、命令等をそれらコンピュータサブシステム間で送れるようにすることができる。例えば、何らかの好適な伝送媒体、例えば本件技術分野にて既知で好適な何らかの有線及び/又は無線伝送媒体を含むそれにより、図1中に破線で示されている通り、コンピュータサブシステム36をコンピュータサブシステム(群)102に結合させることができる。そうしたコンピュータサブシステムのうち2個以上を、共有型コンピュータ可読格納媒体(図示せず)により実質結合させることもできる。
【0053】
検査サブシステムを、光学又は光ベース検査サブシステムであるものとして上述したが、実施形態によっては、検査サブシステムが電子ビームサブシステムとして構成される。図1aにはその種のある実施形態が示されており、その検査サブシステムには、コンピュータサブシステム124に結合された電子カラム122が備わっている。やはり図1aに示されている通り、その電子カラムは、電子を生成するよう構成された電子ビーム源126を有しており、それら電子が1個又は複数個の素子130により試料128へと集束されている。この電子ビーム源に含まれうるものには、例えばカソードソース又はエミッタチップがあり、1個又は複数個の素子130に含まれうるものには、例えばガンレンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲートバルブ、ビーム流選択アパーチャ、対物レンズ及び走査サブシステムがあり、それらの何れにも、本件技術分野にて既知で好適なその種のあらゆる素子が包含されうる。
【0054】
試料から戻ってくる電子(例.二次電子)を、1個又は複数個の素子132により検出器134へと集束させることができる。1個又は複数個の素子132に含まれうるものには例えば走査サブシステムがあり、これは素子(群)130に含まれる走査サブシステムと同じものにすることができる。
【0055】
電子カラム内には、本件技術分野にて既知で好適な他の何れの素子も設けることができる。加えて、電子カラムは更に、Jiang et al.に対し2014年4月4日付で発行された特許文献4、Kojima et al.に対し2014年4月8日付で発行された特許文献5、Gubbens et al.に対し2014年4月15日付で発行された特許文献6、並びにMacDonald et al.に対し2014年5月6日付で発行された特許文献7に記載の通り構成することができるので、それらの文献を参照により繰り入れ本願にて全面説明されていると見なすことにする。
【0056】
電子カラムを、電子がある斜め入射角にて試料に差し向けられその試料から他の斜め角にて散乱されるよう構成されたものとして図1a中に示したが、電子ビームが試料に向かう角度及びそこから散乱される角度は、何れの好適な角度ともすることができる。加えて、電子ビームベースサブシステムを、本願詳述の通り複数通りのモードを用い(例.別々な照明角、収集角等々で以て)試料の画像群を生成するよう、構成することもできる。電子ビームベースサブシステムの複数通りのモードは、その検査サブシステムの何らかの画像生成パラメータが異なるものとすることができる。
【0057】
コンピュータサブシステム124は、上述の如く検出器134に結合させることができる。その検出器にて、試料の表面から戻ってくる電子を検出することにより、その試料の電子ビーム画像を形成させることができる。それら電子ビーム画像にはあらゆる好適な電子ビーム画像が包含されうる。コンピュータサブシステム124は、検出器134により生成される出力を用い、その試料に関し本願詳述の一通り又は複数通りの機能を実行するよう、構成することができる。コンピュータサブシステム124は、本願記載の何れの付加的ステップ(群)を実行するようにも構成することができる。図1aに示されている検査サブシステムを有するシステムを更に、本願記載の如く構成することができる。
【0058】
注記されることに、本願に図1aを設けたのは、本願記載の諸実施形態に組み込める電子ビームベースサブシステムの構成を大まかに描出するためである。上述した光学サブシステムと同様、本願記載の電子ビームサブシステムの構成を改変することで、商用検査システムの設計時に通常行われている通り、検査サブシステムの性能を最適化することができる。加えて、本願記載の諸システムを、KLAから商業的に入手可能なeSxxxシリーズ(商品名)及びeDR-xxxxシリーズ(商品名)のツール等、既存システムを用い(例.本願記載の機能を既存システムに付加することにより)実施することもできる。その種のあるシステム向けに、本願記載の諸実施形態を、そのシステムのオプション的機能として(例.そのシステムの他の機能に加え)提供することもできる。これに代え、本願記載のシステムを「いちから」設計して完全に新規なシステムを提供することもできる。
【0059】
検査サブシステムを、光学又は電子ビームサブシステムであるものとして上述したが、検査サブシステムをイオンビームベースサブシステムとすることもできる。そうした検査サブシステムは、本件技術分野にて既知で好適な何らかのイオンビーム源で以て電子ビーム源が置換されるであろうが、その点を除けば図1aに示されている通り構成することができる。加えて、検査サブシステムを他の何らかの好適なイオンビームベースサブシステム、例えば商業的に入手可能な集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微(HIM)システム及び二次イオン質量分析(SIMS)システムに組み込まれているそれらにすることもできる。
【0060】
先に注記した検査サブシステムは、エネルギ(例.光、電子等)により有形版の試料上を走査することでその有形版試料に関する出力を生成するよう、構成されている。こうすることで、その検査サブシステムを、「バーチャル」サブシステムではなく「実」サブシステムとして構成することができる。とはいえ、格納媒体(図示せず)、並びに図1に示されているコンピュータサブシステム(群)102を、試料の画像を生成するよう構成された「バーチャル」検査サブシステムとして、構成することもできる。具体的には、それら格納媒体及びコンピュータサブシステム(群)を、同一譲受人に係り参照により本願に繰り入れられ本願にて全面説明されていると見なされるところの、Bhaskar et al.に対し2012年2月28日付で発行された特許文献8並びにDuffy et al.に対し2015年12月29日付で発行された特許文献9に記載の通り、「バーチャル」検査システムとして構成すること、並びに本願記載の諸実施形態にて検査サブシステムとして用いることができる。本願記載の諸実施形態は、両特許文献に記載の通り更に構成することができる。
【0061】
先に詳記した通り、検査サブシステムは、複数通りのモードで以て試料に係る出力を生成するよう構成することができる。一般に、「モード」は、試料に係る出力(例.画像)を生成するのに用いられる検査サブシステムのパラメータの値によって、定義することができる。従って、検査サブシステムの少なくとも1個のパラメータ(その試料上にありその出力が生成される位置以外のもの)を別の値とすることで、別のモードが定義される。例えば光学検査サブシステムでは、別々なモードにて、少なくとも一通りの別な波長の光が照明に用いられるようにすることができる。それらのモードにて、本願詳述の通り(例.別々の光源、別々の分光フィルタ等を別々のモードで用いるようにすることにより)照明波長が異なるようにすることもできる。別例によれば、別々のモードにてその検査サブシステムの別々な照明チャネルが用いられるようにすることもできる。例えば、先に注記した通り、検査サブシステム内に複数個の照明チャネルを設けることができる。その場合、別々な照明チャネルを別々なモード向けに用いることができる。これと共に又は代え、それらのモードを、その検査サブシステムの1個又は複数個の収集/検出パラメータが異なるものとすることもできる。検査サブシステムを、同じ走査又は別の走査にて別々なモードで以て試料を走査するよう構成すること、例えば複数通りのモードを用いその試料を同時走査する能力を踏まえそうすることもできる。
【0062】
上述の通り、旧来型の純粋なダイ対ダイ強度差ベース欠陥検出アルゴリズムは、図2図5に示されている理由で、aWLP試料上のライン開放欠陥を検出するのに有効ではない。その主たる障害は、ランダムな金属ライン表面粗さ及び/又は非一貫的な空間シフトがもとで生じる過剰なヌーサンスに因むものであり、即ち、差分ベース信号を検出できるけれども、その差分信号中のノイズのグレイレベル強度及び幾何学的サイズが実際のライン開放欠陥のそれよりも大きくなるであろう。ライン開放欠陥を扱うべく、本願記載の諸実施形態は、RDLライン上にあるライン開放欠陥の検出を例えば単一ダイベース検査要領にて実行する特化型検査方法及びシステムとされる。
【0063】
本願記載の諸実施形態はRDLラインにおけるライン開放欠陥の検出に適しており、幾つかの実施形態が、そうした欠陥及び試料との関連で本願中に記述されているが、本願記載の諸実施形態はそうした欠陥及び試料に限定されない。例えば、本願記載の諸実施形態を、他の比較的高ノイズなパターン化フィーチャにおける欠陥の検査や、及び/又は、欠陥及びパターン化フィーチャが検査画像内で実質的に別々な特性を呈する場合にて、用いることができる。
【0064】
コンピュータサブシステム(群)は、試料上の欠陥候補を検出するよう構成される。「欠陥候補」は、本願での用語法によれば、試料上で検出されるあらゆる事象のうちヌーサンスとしてフィルタリング除去されないものとして、定義される。例えば欠陥検出後には、欠陥候補のなかに、試料上で検出された全ての事象、ひいては実欠陥(又はDOI)及びヌーサンスの双方が含まれることとなろう。ヌーサンスフィルタリング後には、欠陥候補のなかに、検出された欠陥候補のうちヌーサンスフィルタリングにより排除されなかったもの全てが含まれることとなろう。ヌーサンスフィルタリング後の欠陥候補にDOIのみが含まれることとなるか否かは、そのヌーサンスフィルタリングによりどれだけ良好にDOIとヌーサンスとが区別されるかにより左右される。全てのヌーサンスフィルタリングが実行された後に、残っている欠陥候補を検出欠陥と認定することができるが、それら認定欠陥のうち1個又は複数個が実際にはヌーサンスであることもある。
【0065】
欠陥候補の検出に際しては、試料につき生成された画像のうちテスト画像内にあるパターン化フィーチャが識別される。テスト画像は、検査サブシステムにより生成される何れのテスト、ターゲット又はフレーム画像であってもよい。テスト画像は何れの好適なサイズを有していてもよいので、比較的小さなパッチ画像とすることができるし、そのパッチ画像のサイズを、検査サブシステムの構成及び/又はその検査サブシステムにより生成された出力についてのコンピュータ処理次第で変えることができる。
【0066】
ある実施形態ではパターン化フィーチャにRDL層上のラインが包含される。また、ある実施形態ではそのパターン化フィーチャが金属で形成される。例えば、本願詳述の通り、本願記載の諸実施形態により欠陥が検出されうる試料を、金属で形成されたRDLラインを有するものとすることができる。その場合、テスト画像内のRDLラインを識別するようコンピュータサブシステム(群)を構成することで、それらにより本願詳述の如くライン開放欠陥に関し検査することが可能となる。同様にして、コンピュータサブシステム(群)を、金属で形成されたその他のパターン化フィーチャを識別し検査に供するよう構成することができる。
【0067】
ある種の実施形態では、パターン化フィーチャの識別に際し、マスクをテスト画像に適用することで、そのテスト画像内でそのパターン化フィーチャ内にある諸画素が、そのテスト画像内の他の全ての画素から仕分けられる。言い換えれば、テスト画像内のパターン化フィーチャの識別に際し、そのパターン化フィーチャに対応するテスト画像内画素を識別することができる。この識別を行える格別に好適なやり方の一つは、マスクをテスト画像に適用することである。そのマスクを、明確に画定及び認定されておりパターン化フィーチャに対応しているエリア(群)と、対応していないそれらとを、有するものにすればよい。例えば、そのマスクを、識別対象たるパターン化フィーチャに対応している透明エリア(群)と、そうしたパターン化フィーチャに対応していない不透明エリア(群)とを、有するものとすればよい(その不透明エリア(群)のなかに注目対象外パターン化フィーチャ、下側又は非パターン化エリア等があってもよい)。一般に、このマスクは、本件技術分野にて既知で好適な何れの構成を有するものであってもよい。マスクをテスト画像に適用する際に、マスクをテスト画像上に重ねた上でそのテスト画像をそのマスクに対し整列させてもよい。そうした重ね合わせ及び整列は、本件技術分野にて既知で好適な何れの要領に従い実行することもできる。
【0068】
本願では、パターン化フィーチャとの関連で識別ステップが記述されているが、実際には、識別ステップにて、同じテスト画像内にある複数個の注目パターン化フィーチャを識別してもよいし、それらが同じ特性を有していても別々な特性を有していてもよい(例.同じ特性を有している複数本のRDLライン、そのうち少なくとも幾本かが互いに別な形状、向き、サイズ等を有している複数本のRDLライン等)。言い換えれば、識別ステップをパターン化フィーチャとの関連で記述したのは、本発明についての理解を簡潔化及び明瞭化するためである。しかしながら、識別ステップは、複数個のパターン化フィーチャに関し同時又は順次実行することができる。同様に、本願では本発明を明瞭性及び簡潔性に鑑み1枚のテスト画像との関連で記述しているが、本願記載の諸ステップは、複数枚のテスト画像に関し順次又は同時実行することができる。テスト画像群に、試料上の1個又は複数個のダイ内の同じダイ内位置にて生成され或いは試料上の1個又は複数個のダイ内の別々なダイ内位置にて生成された複数枚のテスト画像が含まれていてもよい;これは、それらテスト画像が互いに同じパターン化フィーチャを含んでいなくてもよいことを意味している。それらテスト画像には、更に、上述のテスト画像であり、その検査サブシステムの一通り又は複数通りのモードを用い生成されるもののうち、何れを含めることもできる。
【0069】
その種のある実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、試料に係るデザインをもとにマスクを生成するよう構成される。こうすることで、本願記載の諸実施形態によれば、デザイン情報をRDLラインマスク生成に利用することができる。例えば、KLAから商業的に入手可能なKronos(商標)1080ウェハレベルパッケージング検査システムにおいては、FlexPoint(商標)アルゴリズムアーキテクチャ(これはAltair(商標)生産ラインからのKronos(商標)1080製品の導入を伴う適応的検査に係るフィーチャである)により、RDLライン及びそれらライン間のスペースを分離すべくメディアン強度ベースセグメント化が行われる。FlexPoint(商標)により、Altair(商標)検査ツールに係る感度・ヌーサンス間トレードオフ、とりわけその画像強度が通常は比較的静穏なスペースエリアにおけるそれが大きく改善されるため、RDLライン間橋絡を容易に検出可能となる。とはいえ、やはり発明者が見出したところによれば、RDLのLERが原因で、明瞭なラインマスクを生成することが難しくなることがある。KLAから商業的に入手可能な89xxツール(商品名)のうち幾つかにおいては、デザイン情報(例.GDSファイル)に基づきユーザがFlexPoint(商標)マスク(RDLライン/スペースに係るそれ)を生成することを可能にするフィーチャが組み込まれるであろうし、またそのデザイン情報をユーザが提供することもできよう。こうしたマスクの生成は、有利なことに、試料画像をもとにしたマスク生成よりもかなり高速、清浄であり、且つRDLのLERの影響を受けにくい。デザインベースFlexPoint(商標)マスクであれば、RDLスペース内橋絡に加えRDLライン開放を、本願記載の諸実施形態により検出することができる。デザイン情報を用いたFlexPoint(商標)マスク生成は、同一譲受人に係りZhang et al.による2020年6月15日付米国特許出願第16/901102号であり、参照により繰り入れられ本願にて全面説明されていると見なされるそれに記載の如く、実行できるものであり、またこのフィーチャは、KLAから商業的に入手可能な89xxツール(商品名)上で、DesignWise(登録商標)フィーチャとして利用することができよう。本願記載の諸実施形態は、更に、同特許出願に記載の如く構成することができる。
【0070】
RDLラインにおけるライン開放欠陥検出の扱いに関しては、本願記載の諸実施形態では、デザインベースRDLラインスペースマスクの比較的迅速且つ容易な生成に発する利益を、得ることができる。デザインベースFlexPoint(商標)マスク生成を用いることの直接的な利点は、それらの実施形態にて、純粋な合計画像強度に依存することなく、パッチ対マスクアライメント(PMA)、即ちマスクを画像上に正確に配置するためのFlexPoint(商標)フィーチャ内コンポーネントを、実行できる点にある。従って、前層シフト(図3に示されているそれ)に対するRDL由来の曖昧性又は混乱が、アライメントプロセスに影響しないこととなる。
【0071】
また、その種のある実施形態では、マスクによって、パターン化フィーチャに備わり別々な向きを有している諸部分内の諸画素が別々の領域へと仕分けられ、本願詳述の決定ステップ及び検出ステップがそれら別々の領域に関し個別実行される。例えば、別々な向きを有しているRDLライン部分に、別々の領域マスクIDを容易に割り当てることができ、ひいては別々の検査アルゴリズム及びそれに関連するパラメータ群を適用することができる。デザインベースRDLライン/スペースマスクをメディアン参照ダイ(MRD)画像、例えば本件技術分野にて既知で好適な何れかの要領に従い生成されたそれの上に、重ねることができる。別々な色その他の好適な標章を、別々な領域IDを表現するのに用いることができる。有色マスクその他の標章を欠く諸画素を以て非検査領域、即ち注目対象外領域或いは無関心エリアとすることができる。
【0072】
図6に示されている通り、デザイン情報で以て、連続的なRDLラインを、それらRDLライン間のスペースに加え、別々な向きを有する別々の領域、例えば横向き、縦向き、45度斜め及び135度斜め向きのそれへと、容易に分けることができる。具体的には、図6には別々なパターン化フィーチャの例600、602、604及び606が示されており、それらパターン化フィーチャに備わり別々な向きを有している諸部分が別々な領域へと仕分けられている。パターン化フィーチャ600は、横向きな部分608、612及び616、45度斜め向きな部分610、並びに135度斜め向きな部分を有する部分614を有している。パターン化フィーチャ602は、横向きな部分618、622及び626、45度斜め向きな部分620、並びに135度斜め向きな部分624を有している。パターン化フィーチャ604は、縦向きな部分628、632及び636、135度斜め向きな部分630、並びに45度斜め向きな部分634を有している。パターン化フィーチャ606は、縦向きな部分638、642及び646、135度斜め向きな部分640、並びに45度斜め向きな部分644を有している。
【0073】
パターン化フィーチャ(群)の諸部分のうち同じ向きを有するものを同じ領域内へと仕分けることができ、パターン化フィーチャ(群)の諸部分のうち別々な向きを有するものを別々の領域へと仕分けることができる。その種のある例によれば、パターン化フィーチャ600の部分608、612及び616内の諸画素を第1領域へと仕分け、パターン化フィーチャ600の部分610内の諸画素を第2領域へと仕分け、パターン化フィーチャ600の部分614内の諸画素を第3領域へと仕分けることができる。図6に示されている他のパターン化フィーチャの部分内の諸画素を同じやり方で仕分け、諸領域をパターン化フィーチャ毎に個別生成することができる。
【0074】
複数個のパターン化フィーチャの諸部分のうち同じ向きを有する部分内の諸画素を、同じ領域へと仕分けることができる。例えば、パターン化フィーチャ600の部分608、612及び616内、並びにパターン化フィーチャ602の部分618、622及び626内の画素を、第1領域へと仕分けることができる。パターン化フィーチャ600の部分610内、パターン化フィーチャ602の部分620内、パターン化フィーチャ604の部分634内、並びにパターン化フィーチャ606の部分644内の画素を、第2領域へと仕分けることができる。パターン化フィーチャ600の部分614内、パターン化フィーチャ602の部分624内、パターン化フィーチャ604の部分630内、並びにパターン化フィーチャ606の部分640内の画素を、第3領域へと仕分けることができる。パターン化フィーチャ604の部分628、632及び636内、並びにパターン化フィーチャ606の部分638、642及び646内の画素を、第4領域へと仕分けることができる。
【0075】
別々の領域IDを、RDLライン全体に亘り別々のラインセグメントに関し定義することができ、またそれらを、図6に示されている別々な塗りつぶしパターンにより、或いは別のやり方例えば別々なマスク色で以て、表現することができる。1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、相応なRDL抽出ルールスクリプトを用いDesignWise(登録商標)フィーチャで以て、本願記載のマスクを容易に生成し用いることができる。そのマスクのセットアップは、レシピセットアップ期間中に実行することができる。
【0076】
テスト画像内にありパターン化フィーチャ内に所在している少なくとも1個の画素に関し、欠陥候補の検出に際して、その少なくとも1個の画素の特性と、そのテスト画像内にありその少なくとも1個の画素の所定窓に所在している他の諸画素の特性と、の間の差分が決定され、決定された差分に基づきその少なくとも1個の画素にて欠陥候補が検出される。これらのステップでは、RDLライン/スペースにおける構造的連続性/不連続性とRDLライン/スペースに特有なノイズ統計とが、欠陥例えばライン開放欠陥を検出すべく解明及び利用される。これらのステップの目標たりうるのは、上述した如くRDLラインマスクの助力で以てライン開放欠陥を検出することである。上述の通り、ダイ対ダイその他のテスト対参照比較によりもたらされる差分強度では、RDLライン粗さ故に、非常に多くのノイズがもたらされることとなる。しかしながら、そのテスト画像それ自体を見れば、ライン開放欠陥信号がそこにあることが明らかである。例えば図7中のテスト画像にはライン開放欠陥が明瞭に表示されている。具体的には、テスト画像700には比較的小さなライン開放欠陥702が表示されている。テスト画像704には、ライン薄れ欠陥706と、比較的大きなライン消失欠陥708とが表示されており、またそれらがラインの斜めセグメントとそのラインの別の横向きセグメントの双方にあるが、参照画像710ではそれらが見えていない。これらの画像ではラインの粗さも非常に明らかである。
【0077】
本願記載の諸実施形態では、その構造的連続性/不連続性の特性を用いライン開放欠陥が検出される。RDLライン構造については、本願記載の諸ステップに関わる二通りの所見がある。一つ目の所見はライン開放欠陥エリア内の諸画素に係るものであり、それらの画素がスペースに「属して」いて、それらスペースが通常はBFモードにてラインよりも低く及び/又は均一な強度を有していることである。二つ目の所見はRDLラインのエッジ付近の諸画素に係るものであり、その強度が通常はディップ、即ちライン内画素の強度よりも低いがスペース内画素の強度よりも高いところを、有していることである。
【0078】
上述の通り、ある実施形態では、マスクにより、パターン化フィーチャの諸部分のうち別々な向きを有するものが別々の領域へと仕分けられ、またその種のある実施形態では、本願詳述の決定及び検出ステップがそれら別々の領域に関し個別実行される。例えば、デザインベースFlexPoint(商標)マスク(ネイティブ検査画素ベースのそれ)の利便性を活かすことで、本願記載の諸実施形態によれば、フレーム内画素が横向きRDLライン、縦向きRDLライン、135度RDLライン、45度RDLライン、RDLライン間スペース、別々な向きを有するRDLライン間のスペース、無関心エリア等に属するか否かを、±1画素の正確性で以て容易に識別することができる。その上で、本願記載の諸ステップを、ライン及びスペースに備わり別々な向きを有している別々な領域、潜在的には1個又は複数個の別々なパラメータ例えば別々の所定窓サイズ、別々の閾値、別々の感度等を有している諸領域に関し、個別実行することができる。例えば、ラインのうち縦向きな諸領域を、第1の所定窓サイズ及び形状と第1の閾値又は感度とで以て検査することができ、ラインのうち横向きな諸領域を、第2の所定窓サイズ及び形状と第2の閾値又は感度とで以て検査することができる。本願記載の諸ステップの他のパラメータも同様に変化させることができる。本願記載の他のパターン化構造及び向きに関しても、それらのパラメータを変化させることができる。
【0079】
その種のある実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、別々の領域に関し決定ステップを個別実行するため用いられる所定窓の一通り又は複数通りの特性を、相独立に決定するように構成される。例えば、空間的不連続性判別に用いられる所定窓サイズを、別々なRDLラインセグメントに係る検査レシピ内で定義することができる。各種のラインセグメントを、それ自身の特有窓サイズ定義を有するものとすることができる。それら窓サイズ定義は、レシピセットアップフェーズにて決定することができる。
【0080】
図11には、様々なRDLラインセグメントに関し別々な所定窓サイズ定義が示されている。それら所定窓は、白色で括られたエリアによりそれら画像中に示されている。例えば画像1100には、横向きラインセグメントに係る所定窓サイズ定義が示されている。画像1102には、縦向きラインセグメントに係る所定窓サイズ定義が示されている。画像1104には、135度斜め向きRDLラインセグメントに係る所定窓サイズ定義が示されており、画像1106には、45度斜め向きRDLラインセグメントに係る所定窓サイズ定義が示されている。
【0081】
ある実施形態では、差分を決定する際に、少なくとも1個の画素並びに所定窓内の他の諸画素の特性のレンジ、即ちその少なくとも1個の画素並びにその所定窓内の他の諸画素の特性の最大値・最小値間差分たるレンジが決定され、欠陥候補を検出する際に、閾値がそのレンジに適用される。本願には、単一ダイベース検査に係る手法の実施形態が2個記載されている。この手法では、その空間レンジ窓(即ち所定窓)に基づく空間的連続性指標が用いられる。上述した二通りの所見を踏まえれば、RDLライン上の画素毎に、RDLラインセグメント上の画素を中心とする空間窓を案出し、レンジ(最大・最小強度画素間差分)を計算することができる。
【0082】
図8には、どのようにして本手法によりRDLライン上の欠陥が首尾よく検出されるかが示されている。具体的には、図8には、横向きRDLラインにおけるライン開放欠陥による構造的不連続性を検出するための指標としてレンジを用いる例800と、斜め向きRDLラインにおけるライン開放欠陥の構造的不連続性を検出するための指標としてレンジを用いる例810とが、示されている。例800の画像はライン802及びスペース804並びに2個の所定窓806及び808についてのものであり、それら所定窓がそれらラインのうち1本の別々な部分上に重なっている。所定窓806及び808はまさに同じ所定窓についての二例であり、図示の通りそれらラインのうち一方のなかにある別々な画素を中心としている。例810の画像はライン812及びスペース814並びに2個の所定窓816及び818についてのものであり、それら所定窓がそれらラインのうち1本の上に重なっている。上掲のものと同様、所定窓816及び818はまさに同じ所定窓の二例であり、図示の通り、それらラインのうち一方のなかにある別々な画素を中心としている。所定窓806及び816の中心にある画素に関し決定されるレンジ値は、それら所定窓内の画素が何れも比較的低強度で静穏なスペース内にあるため比較的低くなる。これに対し、所定窓808及び818にて決定されるレンジ値は比較的高い。例えば、検査サブシステムの検査画像用光レベル設定に基づき、それらレンジを、明るいライン構造及びほの暗い空白背景のうちの最大値とすることができる。
【0083】
図8に示されるところによれば、この所定窓により、本願記載の諸実施形態にてRDL不連続性を比較的低い情報処理コストで以て検出することができる。無論、そうしたRDLライン開放欠陥が検出される感度は、その窓のサイズに依存する。その窓サイズが大き過ぎると、幾つかのかなり小さめなライン開放を見つけ損ねかねない。小さ過ぎるとヌーサンスが入り込みかねない。しかしながら、この検出方法それ自体は、必ずしも、0の又はごく低いヌーサンス率で以て十分高い捕捉率にすることを狙っていない。寧ろ、この検出手法は、「安価且つ適正な」RDLライン開放検出方法として用いうるものである。本願記載の他の諸ステップを実行することで、検出された欠陥候補をヌーサンスと欠陥とに仕分けることができる。
【0084】
また、その種のある実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、欠陥候補が欠陥であるか否かをその欠陥候補の一通り又は複数通りの特性に基づき判別するようにも構成される。例えば、こうした検出方法を、ある種のモルフォロジカルな後処理と組み合わせることで、比較的小さなライン開放ヌーサンスが除外されるようにし、及び/又は、KLAから商業的に入手できる幾つかのツール上で利用可能な欠陥分類モジュールたるiDO(商標)を通じて最終欠陥分類が割り当てられるようにしてもよいし、また、深層学習(DL)ベースビニング(ビン分け)と組み合わせることで、過剰なヌーサンスが除外され実ライン開放DOIが留置されるようにしてもよい。そうしたモルフォロジカル後処理及び欠陥分類やビニングは、本願詳述の如く実行することができる。
【0085】
その種のある実施形態では、欠陥候補のなかに、パターン化フィーチャにおける完全開放が含まれる。例えば、上述の第1手法は比較的単純かつ高速であり、RDLライン検査向けに現在用いられている他の諸方法及びシステムよりもヌーサンスが検出されにくくなるものではあるが、その性能が、完全ライン開放に関しては良好な反面で部分ライン開放に関しては必ずしもそうでないものである。
【0086】
第2手法は、パターン化フィーチャにおける平均強度に対する画素強度の差分に基づくものであり、潜在的には各ダイフレーム内の対応する同じRDLラインセグメントにおけるそれに基づくものである(これを本願では単純に「単一ダイ差分対平均」或いは「SDDiftMean」とも呼ぶ)。例えば、別のある実施形態では、その差分を決定する際に、少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素及び所定窓内にある他の諸画素についてのその特性の平均と、の間の差分が決定される。その平均や、画素特性とその平均との間の差分は、何れか好適な要領で決定すればよい。
【0087】
その種のある実施形態では、その所定窓内に、テスト画像内のパターン化フィーチャの全体が囲い込まれる。例えば、第1手法とは違い、そのなかで差分が決定される所定窓内に、テスト画像内のパターン化フィーチャの全体を所在させることができる。具体的には、識別されたパターン化フィーチャ内の全画素の特性例えば強度の平均を決定することができ、その上で、そのパターン化フィーチャ内の何れか1個の画素の特性とその平均との間の差分を決定して、本願記載の検出ステップ向けに用いることができる。こうした実施形態は、図8の例800に示されている諸ラインのように、テスト画像内のパターン化フィーチャ全体がある単一の向きを有している場合に、好適たりうる。
【0088】
また、その種のある実施形態では、その所定窓内に、テスト画像内のパターン化フィーチャの全体と、そのテスト画像の他の1個又は複数個のパターン化フィーチャの全体とが囲い込まれる;但し、当該他の1個又は複数個のパターン化フィーチャの全体が当該パターン化フィーチャと同じ種類及び向きを有するものとする。例えば、テスト画像内に同じ種類及び向きを有する複数個のパターン化フィーチャ、例えば図8の例800に示されている諸ラインがある場合、そのテスト画像内のそれらパターン化フィーチャ全てにおける画素全ての特性の平均を決定した上で、それらパターン化フィーチャ内の何れか1個の画素の特性とその平均との間の差分を決定し、本願記載の検出ステップ向けに用いることができる。テスト画像内にあり同じ種類及び向きを有しているパターン化フィーチャのうち複数個(或いは全て)をもとに平均を決定することで、本願記載の諸検出ステップに関わる長所を提供すること、例えばその平均をより安定なものとし且つそのパターン化フィーチャにおけるノイズに対しあまり反応しないものとすることができる。加えて、そのテスト画像内のそのパターン化フィーチャ又はフィーチャ群のみをもとに(並びにその試料に関し生成される他の全ての画像例えば他のテスト画像又は参照画像をもとにせずに)平均を決定することで、有利なことに、その平均に対する非欠陥性の試料内又は試料横断的変動の影響を低減することができる。
【0089】
その所定窓を、諸パターン化フィーチャに備わり別々な向きを有し且つ別々の画素領域内に仕分けられている別々な部分に関し、同様に変化させることもできる。例えば、テスト画像内のRDLライン内の横向きセグメント内にある全画素をもとにある平均を決定し、そのテスト画像内のRDLラインの縦向きセグメント内にある全画素をもとに別の平均を決定し、等々とすればよい。その上で、何れか1個の画素に関し差分を決定するのに用いられる平均を、そのRDLラインに備わりその画素が所在しているセグメントを踏まえ選定すればよい。言い換えれば、テスト画像内のある画素があるRDLラインの縦向きセグメント内に所在しているのであれば、そのテスト画像内の諸RDLラインの縦向きセグメント全て(又はそのうちの少なくとも幾本か)をもとに決定された平均を選択し、その画素に係る差分の決定に用いることができる。
【0090】
その種の更なる実施形態では、欠陥候補の検出に際し、その平均と、その少なくとも1個の画素及びその所定窓内の他の諸画素の特性と、をもとに標準偏差が決定され、その差分をその標準偏差で除算することにより信号強度が決定され、その信号強度に対しある閾値が適用される。この着想は比較的単純であり、各フレーム内のラインセグメントのグループ(例.横向き、縦向き、135度斜め向き及び45度斜め向きRDLセグメント)毎に、平均強度と強度の標準偏差とを計算すればよい、というものである。この場合の検査は、対応するラインセグメント群に関し、以下の等式
信号強度=(画素強度-平均強度)/標準偏差
に記載の如く、各画素の相対強度を単純に求めるものとなる。
【0091】
その信号強度が所定閾値(極性特化的であり暗欠陥と明欠陥とでは閾値が異なる)よりも大きい場合、その画素は不正常である。本方法は、概念的には単純であるが、情報処理上は比較的高価となりうる。例えば、本方法は2回のフレーム画素訪問パス、即ち各領域又はグループにおけるノイズ統計(例.平均及び標準偏差)を集めるための第1パスと、相対強度計算及び異常検出のための第2パスとを、含むものとなろう。平均及び標準偏差を、本件技術分野にて既知で好適な何れかの要領に従い他のやり方で決定することもできる。
【0092】
その種のある実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが更に、テスト画像に関し生成されたメディアン参照画像をもとに平均及び標準偏差を決定するよう構成される。例えば、諸スペースセグメントにおける平均強度のレンジの対応パラメータを、RDLスペースセグメントマスク及びその下側のMRD画像を用いて自動計算すればよい。MRD画像は、本件技術分野にて既知で好適な何れかの要領に従い生成すればよい。このステップは、レシピセットアップ期間にて実行することができる。
【0093】
スループット最適化を踏まえ実行されるオプション的なステップにて、RDLラインセグメントデザインポリゴンをもとにマスクを生成した(即ちそれらRDLポリゴンのデザインをそのMRD画像内のRDLライン構造に対し整列済にした)後に、横向き、縦向き、45度斜め向き及び135度斜め向きRDLラインセグメントの画素強度の平均及び標準偏差を計算することや、同様の計算をRDLラインセグメント間スペースセグメント内のそれら画素に関し実行することができる。これらのステップはレシピセットアップ期間にて実行することができる。
【0094】
また、その種のある実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、テスト画像をもとに平均及び標準偏差を決定するよう構成される。例えば、それら平均及び標準偏差を1枚のテスト画像から上述の如く決定でき、上述のそれと同じ利点が提供されることとなる。こうすることで、本願記載の諸実施形態によれば、真の単一ダイ画像(SDI)欠陥検出を行うことができる。
【0095】
ある種の実施形態によれば、パターン化フィーチャの識別に際し、マスクをテスト画像に適用することによって、そのテスト画像内でそのパターン化フィーチャ内にある諸画素をそのテスト画像内の他の全ての画素から仕分けた上で、そのマスクの適用結果を前処理することにより、そのパターン化フィーチャの1本又は複数本のエッジを越えたところにある1個又は複数個の画素を識別すること、並びにその識別された1個又は複数個の画素をそのパターン化フィーチャ内の画素群から除外することができる。また、ある実施形態によれば、パターン化フィーチャの識別に際し、マスクをテスト画像に適用することによって、そのテスト画像内でそのパターン化フィーチャ内にある諸画素をそのテスト画像内の他の全ての画素から仕分けた上で、そのマスクの適用結果を後処理することにより、そのパターン化フィーチャの1本又は複数本のエッジを越えたところにある1個又は複数個の画素を識別すること、並びにその識別された1個又は複数個の画素をそのパターン化フィーチャ内の画素群から除外することができる。これらの実施形態によれば、先に詳述した通りマスクをテスト画像に適用しそのマスクの適用結果に対し前処理及び後処理の何れか(或いは更にその双方)を適用することで、そのステップにおけるあらゆるマージナリティに対処することができる。例えば、システム限界故に、大抵のシステムではマスク配置正確度がおよそ±1.5画素となろう。後に詳述する図9にて看取されうる通り、ズームレベルでは、諸RDLラインセグメント内に余分なスペース画素が現れうる。それら余分なスペース画素が過剰なヌーサンス検出をもたらすこととなる。従って、よりロバストな前処理又は後処理にすることが、そうしたヌーサンス検出を軽減する上で有利であろう。それら余分なスペース画素を扱える方法は二通りあり、それは(1)RDLラインセグメントマスクを前処理することによってラインセグメント内スペース画素を除外する、(2)後処理することによって過剰なスペース画素のうち強度が低めなものを除外する、というものである。何れのやり方でも、その演算には、本願記載の第1手法よりも高価な計算がつきものとなる。これら前及び後処理ステップは、本件技術分野にて既知で好適な何れの要領に従い別様に実行することもできる。
【0096】
具体的には、図9には、試料に関し生成された2枚のテスト画像900及び908が示されている。テスト画像900内には2本のRDLライン902及び904があり、RDLライン904内にはライン開放欠陥906がある。テスト画像908内にも2本のRDLライン910及び912があるが、何れもライン開放欠陥を有していない。とはいえ、それらの画像に関し本願記載の如く相対信号強度を決定することで、テスト画像900内ライン開放DOI及びRDLラインエッジ914在ヌーサンス双方の検出が果たされることとなる。言い換えれば、SDDiftMean法によるRDLライン開放検出によって、ライン開放欠陥及び部分ライン開放欠陥の実効的な検出が行われるだけでなく、そのRDLラインエッジにある諸画素に関し過剰なヌーサンスを検出することもできる。従って、上述の前及び後処理ステップは、本願記載の諸実施形態向けの重要なヌーサンス減数技術となりうる。
【0097】
更なる実施形態では、欠陥候補にパターン化フィーチャ内の完全又は部分開放が含まれる。例えば、図10に示されている通り、SDDiftMean法によって、完全ライン開放欠陥及び比較的大きな部分ライン開放の双方を検出することができる。具体的には、SDDiftMean法によって、完全ライン開放欠陥、例えば図9のテスト画像900中に示されているライン開放欠陥906と、部分ライン開放欠陥、例えば図10に示すテスト画像1000の円内部分1002内に示されているそれとを、共に検出することができる。このようにして、SDDiftMean法により相対信号強度を決定することで、部分ライン開放を検出することができる。
【0098】
ある種の実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、欠陥候補が欠陥であるか否かを、検出ステップの結果を対象にしてモルフォロジカル演算を実行することにより判別するよう、構成される。例えば、本願記載の諸実施形態にて、モルフォロジカル演算を用い比較的少数の候補画素クリークを除外することができる。本願に記載されている二通りの単一ダイベースRDLライン開放候補検出方法においては、不可避的に、どちらの方法でもDOI限定捕捉が行われない。両方法では、旧来型のダイ対ダイ差分ベース検査方法でのそれより良好なDOI捕捉率対ヌーサンス率関係がもたらされる。通常、後者では膨大なヌーサンス検出で以て検査が圧倒されてしまい、実DOIの検出が不可能となる。新規な単一ダイベース法によれば、空間的不連続性ベースのそれであれ相対信号強度ベースのそれであれ、かなり低いヌーサンス率にてかなり良好な捕捉率がもたらされることとなる。とはいえ、生産上有益なウェハ検査にするには、ヌーサンスを更に減らすことが望ましい。そうしたヌーサンスについてのある所見によれば、それらは通常はスポラディック拡散性であり、且つ比較的小さい画素カウントクリークを伴っている。そのため、モルフォロジカル演算を実行することで、それら比較的小さなサイズのヌーサンスを除外することができる。そうしたモルフォロジカル演算ベースヌーサンスフィルタリングにより、その検査の後処理ステージにて、かなりの量、ヌーサンスを減らすことができる。それらのモルフォロジカル特性との関連での欠陥候補の分析や、それらモルフォロジカル特性の使用による潜在的DOIからの潜在的ヌーサンスの仕分けを、何らかの好適な要領に従い別様に実行することもできる。
【0099】
ある付加的実施形態においては、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、欠陥候補が欠陥であるか否かを、テスト画像に基づきその欠陥候補をビニングすることにより判別するよう、構成される。また、ある実施形態では、1個又は複数個のコンピュータサブシステムが、欠陥候補が欠陥であるか否かを、テスト画像に対し深層学習(DL)ベースクラシファイアを適用することにより判別するよう、構成される。例えば、それら実施形態にて、iDO(商標)ベースビニング又はDLベースビニングを用いることで、ヌーサンスを更に除外することができる。その種のある例によれば、空間寸法が比較的大きな何らかの構造が存在していても、それを、その外見、例えばRDLラインエッジ粗さ対部分ライン開放関係或いはライン曲がりにより、ヌーサンスとして識別することができる。iDO(商標)インラインビニングを用いることで、各並列処理ユニットレベルにて、潜在的ヌーサンスをフィルタ除去することができる。DOIとヌーサンスとを視覚的に区別できる場合は、欠陥候補パッチを用いるDLビニングによって、iDO(商標)クラシファイアでのそれより良好なヌーサンス減数結果が得られることがある。DLベースビニングは、2020年3月31日付でHe et al.に対し発行された特許文献10に記載の如く実行されうるので、参照によりその特許を繰り入れ本願にて全面説明されていると見なすことにする。DLベースヌーサンスフィルタリングは、Huang et al.による2019年10月24日付米国特許出願第16/663283号に記載の如く実行されうるので、参照によりその特許出願を繰り入れ本願にて全面説明されていると見なすことにする。本願記載の諸実施形態は更に、それら特許及び特許出願に記載の如く構成することができる。
【0100】
ある実施形態では、決定及び検出ステップが参照画像無しで実行される。言い換えれば、欠陥候補の検出を、ダイ対ダイ検査の如く2枚のダイ画像が必要なものやダイ対参照検査の如くテスト及び参照画像が必要なものではなく、単一画像欠陥検出によるものとすることができる。例えば金属グレインは、バックエンドウェハ検査におけるメジャーなヌーサンスである。金属グレインは試料例えばウェハ上に亘り(例.ウェハ上のダイ全てに亘り)ランダムに分布するので、ダイ対ダイ差分により金属グレインを相殺することはできない。具体的には、金属層に関しダイ対ダイ減算により生成された差分画像が、減算では相殺できず事象として検出されうるグレインノイズを、含むものとなる。実際、ダイ対ダイ差分ベース手法では、金属グレイン由来のノイズが増幅されかねず、それによりDOIを検出できなくなることがある。そのため、現在用いられているダイ対ダイ欠陥検出及びビニング手法は、そうした試料向けにはうまく働かない。その点、本願記載の諸実施形態は、隣接ダイ中のそれであれ標準参照ダイであれ、どのような参照ダイも用いることなく、任意のダイにおける欠陥を検出及び分離するよう、構成することができる。本願記載の諸実施形態によれば、DLを通じ或いは本願詳述の別な要領に従い、1枚のダイ欠陥パッチ画像によって、DOI候補を検出すること及び真のDOI金属グレインヌーサンスから仕分けることができる。
【0101】
図12には、本願記載の如く欠陥を検出するため実行されうる諸ステップの一実施形態が描かれている。これらのステップは二つの別々なフェーズ、即ちセットアップ(設定)フェーズ1200及びランタイム(実行時)フェーズ1202にて実行することができる。セットアップフェーズにおいては、1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、デザインデータ1204例えばGDSファイルを入力として用い、レンダリング兼配置ステップ1206を本件技術分野にて既知で好適な何らかの要領で実行することができる。セットアップフェーズにおいては、また、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて基準生成ステップ1208を実行すること、例えばMRDその他の種類の基準を試料検査用に生成することができる。それら基準生成ステップ及びレンダリング兼配置ステップの結果を、そのコンピュータサブシステム(群)にて用いセグメントマスク生成ステップ1210を行うこと、例えば本願記載のセグメントマスクのうちあるものを生成することができる。また、そのコンピュータサブシステム(群)にて、基準生成ステップ1208の出力を用いてアンカーサイト探索ステップ1212を行い、諸アンカーサイトを既生成の基準に従い選定することができる。その上で、それらアンカーサイトを検査プロセスにて用いて、検査サブシステムにより生成された諸画像を共通の基準に対し整列させることができる。
【0102】
検査実行時には、検査を実行している個々のCPUコアへとレシピパラメータを送り出せばよい。このランタイムフェーズにて、別のRDLライン/スペースセグメントに係る付加的なレシピパラメータ群を、その検査に用いられるマスクと併せ検査コンピュータへと送り出してもよい。ランタイムフェーズにおいては、1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、アンカーサイト探索ステップの出力を用いてパッチ対マスクアライメントステップ1214を実行することにより、その検査サブシステムにより生成された諸画像をそのマスクに対し整列させることができるので、それら画像内のパターン化フィーチャを本願詳述の如く走査画像上マスク配置ステップ1216により識別することが可能となる。その後は、ステップ1218に示されている通り、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、本願記載の如くセグメントベースダイ対ダイ(DtD)差分強度ベース検査又は単一ダイ(SD)検査を実行する。例えば、ランタイムフェーズでは、そのセグメントベースDtD/SDターゲット強度ベース検査ステップにて、セグメントマスクによる旧来的なダイ対ダイ検査を行うことも、本願にて詳述されている二つの手法のうち一つによる新規なセグメントマスク案内型単一ダイ検査を実行すること、即ち(1)構造的連続性に係る空間窓、及び/又は、(2)画素強度と同セグメント内でのその平均強度との間の差分であり例えば同セグメントの標準偏差により正規化されている差分、によるものを実行することもできる。
【0103】
図13には、「空間的連続性」ベース単一ダイRDLライン開放検出のため本願記載の諸実施形態により実行されうる諸ステップの一実施形態が描かれている。図13に示されている通り、これらのステップは二つのフェーズ、即ち検出行程フェーズ1300及び後処理フェーズ1302にて実行される。1個又は複数個のコンピュータサブシステムでは前処理ステップ1304、例えば本願記載の前処理ステップのうち何れかが実行される。前処理ステップが完遂された後には、ステップ1306に示されている通り、画素ループが済んだか否かの判別で以て検出行程を開始することができる。「画素ループ」の実行とは、ジョブフレーム、パッチ画像、テスト画像等のなかの個別画素を通り(訪れ)巡回するという意味である。画素ループが済んでいる場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムは後処理フェーズへと進む。
【0104】
画素ループが済んでいないと判別された場合は、ステップ1308に示されている通り、画素がRDLラインn上にあるか否かが、1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて判別される。画素がRDLライン上にない場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにてステップ1306が反復される。画素がRDLライン上にあると判別された場合は、ステップ1310に示されている通り、その画素の強度がレンジ(n)内にあるか否かがそのコンピュータサブシステム(群)にて判別される。レンジ内画素強度は、そのレンジ設定の最小値よりも大きく且つそのレンジ設定の最大値よりも小さい強度として、定義することができる。その画素がレンジ(n)内でない場合は、この1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1306へと戻る。その画素強度がレンジ(n)内であると判別された場合は、ステップ1312に示されている通り、その単一ダイ画素窓レンジが閾値未満であるか否かがその1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて判別される。単一ダイ画素窓レンジが閾値未満である、とは、隣接画素最大強度-隣接画素最小強度が閾値設定未満であるという意味である。その単一ダイ画素窓レンジが閾値未満でない場合、この1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1306へと戻る。その単一ダイ画素窓レンジが閾値未満であると判別された場合、ステップ1314に示されている通り、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにてその画素が欠陥性としてマークされる。ステップ1314の後、この1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1306へと戻る。
【0105】
1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、画素ループが済んだとステップ1306にて判別されたときには、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、欠陥ブロブが後処理フェーズ1302のステップ1316にて生成される。その上で、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、その欠陥ブロブループが済んだか否かがステップ1318にて判別される。欠陥ブロブループが済んでいないと判別された場合、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、そのブロブにおける欠陥画素の個数が閾値よりも大きいか否かが、ステップ1320に示されている通り判別される。そのブロブにおける欠陥画素の個数がその閾値よりも大きくない場合、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1318に戻る。そのブロブにおける欠陥画素の個数がその閾値よりも大きい場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、ステップ1322に示されている通り欠陥が生成される。その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて欠陥が生成された後は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1318に戻る。その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、その欠陥ブロブループが済んだと判別されたときには、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより後処理ステップ1324、例えば本願記載の後処理ステップのうち何れかが実行される。その後は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて結果リターンステップ1326が実行され、そのコンピュータサブシステム(群)により実行された諸ステップのうち何れかの結果がそのステップにて検査結果ファイルその他の好適なファイルとして出力される。
【0106】
図14には、「正規化相対強度対平均」ベース単一ダイRDLライン開放検出のため本願記載の諸実施形態により実行されうる諸ステップの一実施形態が描かれている。図14に示されている通り、これらのステップは二つのフェーズ、即ちノイズ収集行程フェーズ1400及び検出行程フェーズ1402にて実行することができる。そのノイズ収集行程の開始に先立ち、1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて前処理1404、例えば本願記載の前処理ステップのうち何れかが実行される。前処理ステップ(群)が完遂された後は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、ステップ1406に示されている通り、第1画素ループが済んだか否かの判別によりノイズ収集行程が開始される。第1画素ループが済んでいない場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、ステップ1408に示されている通り、画素がRDLラインn又はスペースm上にあるか否かが判別される。画素がRDLラインn又はスペースm上にないと判別された場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1406に戻る。画素がRDLラインn又はスペースm上にあると判別された場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、ステップ1410に示されている通り、ライン(n)及び/又はスペース(m)の諸セグメントに係る強度の平均及び標準偏差(std)が収集される。その1個又は複数個のコンピュータサブシステムによりステップ1410が実行された後は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1406へと戻る。
【0107】
その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、ステップ1406にて、第1画素ループが済んだと判別されたときには、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、ステップ1412にて、第2画素ループが済んでいるか否かを判別することで検出行程1402が開始される。その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、第2画素ループが済んでいないと判別された場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、画素がRDLラインn又はスペースm上にあるか否かが、ステップ1414に示されている通り判別される。画素がRDLラインn又はスペースm上にないと判別された場合、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1412に戻る。画素がRDLラインn又はスペースm上にあると判別された場合は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、ステップ1416に示されている通り、(画素強度-平均[n])/std[n]で以てその画素の信号強度が計算される。その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて画素の信号強度が計算された後は、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて、その画素の信号強度が閾値より大きいか否かが、ステップ1418に示されている通り判別される。画素の信号強度が閾値よりも大きくない場合、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムはステップ1412に戻る。その画素信号強度閾値よりも大きい場合、そのコンピュータサブシステム(群)にて、ステップ1420に示されている通りその画素が欠陥性としてマークされる。
【0108】
その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより、第2画素ループが済んだとステップ1412にて判別されたときには、その1個又は複数個のコンピュータサブシステムにて後処理フェーズ1422が開始される。本実施形態にて実行される後処理フェーズは、図13に示されている後処理フェーズと同じものとすることができる。
【0109】
図12図14に従い上述及び図示されている諸実施形態の諸ステップは、本願記載の諸システム実施形態の何れにより実行することもできる。加えて、それら図面に従い記述及び図示されている諸実施形態の諸ステップは、本願詳述の如く実行することができ且つ本願記載の他のあらゆるステップと組み合わせることができる。
【0110】
本願記載の第1・第2手法間には幾つかの相違点及び類似点があるので、それを用い、それらの手法のうち最良なものを、あらゆる具体的用例に関し選択することができる。例えば、第1の画素レンジベース手法は、フレーム内の各画素を訪れる検出パスが1回しか必要でないので、第2の手法、即ちノイズ統計(各セグメントにおける強度の平均及び標準偏差)収集のための1回と検査のための1回を併せ2回のフレーム画素訪問パスが含まれうる手法よりも、情報処理的に低コストなものとなる。加えて、第1の画素レンジベース手法では完全ライン開放欠陥が比較的低コストで検出されるのに対し、第2の平均ベース手法では完全ライン開放欠陥に加えRDL部分ライン開放欠陥を検出することができる。第2の平均ベース手法のコストを低減するため、諸実施形態によれば、本願記載の通りセットアップフェーズにてMRDその他の好適な基準を対象にして平均及び標準偏差を計算することもできる。こうすることで、それら実施形態によれば、画素毎に2回のパスを実行することを避けうるものの、そうした基準を用いると、別々なダイにおけるウェハスケール局所プロセス変動を容れることがほとんどできなくなりうる。両手法の後処理フェーズを同一のものとしてもよい。両手法における後処理ステップ(群)には、本願記載の後処理ステップ(群)、例えばiDO(商標)ベースヌーサンス減数及びDLビニングベースヌーサンス減数の何れも含めることができる。
【0111】
本願記載の諸実施形態は、RDLラインその他のノイジーなパターン化フィーチャ上にある欠陥を検出するため現在用いられているその他のシステム及び方法に勝る、複数個の利点を有している。例えば、本願記載の諸実施形態によれば、単一ダイ強度ベースフィーチャを(部分)ライン開放欠陥の検出に利用することができ、RDLラインの金属表面が比較的粗いためにダイ対ダイ強度差中に過剰なノイズが発生する問題をそれにより克服することができる。加えて、デザインベースマスクを用いることで、諸実施形態にて、RDLラインとそれらRDLラインの下側にあるサブダイ構造との間の非一貫的シフトを回避することが可能となる。本願記載の諸実施形態の助力により、aWLP用例向けの既存のバックエンド検査ツールによるRDLライン開放捕捉の感度を改善することもできる。
【0112】
本願記載の諸実施形態は、RDLラインその他のノイジーなパターン化フィーチャ上にある欠陥を検出するため現在用いられているその他のシステム及び方法とは、複数の重要方面で異なっており、それにより上述した諸利点が実現されている。例えば、本願記載の諸実施形態では、単一ダイ強度ベース検査により、ダイ対ダイ差分ベース検査における過剰なノイズを回避することができる。加えて、本願記載の諸実施形態では、RDLライン開放検出に関し新たな空間的連続性ベース指標が提供される。本願記載の諸実施形態では、RDLライン開放検出に関し新たな相対強度ベース指標も提供される。更に、本願記載の諸実施形態はデザインポリゴン情報を用いるよう、ひいてはRDLラインの別々なセグメント(例.横向き、縦向き、135度斜め向き、45度斜め向き)を別々な領域に仕分けることが単純且つ容易になるよう構成されうるものであり、このことは、旧来型の強度ベースマスク生成が不可能になる状況向けにひときわ重要である。本願記載の諸実施形態によれば、DLベースビニングを用い、強度ベース検出手法をかいくぐったヌーサンスを除外することで、より良好なヌーサンス・DOI間弁別に資することもできる。
【0113】
その1個又は複数個のコンピュータサブシステムを、検出された欠陥候補及び/又は検出された欠陥に係る諸結果を生成するよう構成することもできる。それら欠陥候補及び/又は欠陥に係る諸結果には、本願記載の諸結果、例えば検出された欠陥の境界枠の所在個所等の情報、検出スコア、欠陥分類についての情報例えば階級ラベル又はID等、或いはその類の何らかの好適な情報であり本件技術分野にて既知なもの、の何れをも含めることもできる。それら欠陥候補及び/又は欠陥に係る諸結果は、そのコンピュータサブシステム(群)により何れか好適な要領にて生成すればよい。それら欠陥候補及び/又は欠陥に係る諸結果は、何らかの好適な形態又はフォーマット、例えば標準的なファイルタイプを有するものと、することができる。そのコンピュータサブシステム(群)によりその諸結果を生成及び格納すること、ひいてはその諸結果をそのコンピュータサブシステム(群)及び/又はその他のシステム又は方法にて用いその試料又は同種の別試料に関し一通り又は複数通りの機能を実行することができる。そうした機能には、これに限られるものではないが、その試料を対象にフィードバック要領で実行されたプロセス例えば製造プロセス又は工程について警告するそれ、その試料を対象にフィードフォワード要領で実行されるプロセス例えば製造プロセス又は工程について警告するそれ等がある。
【0114】
上述した諸システムそれぞれの実施形態それぞれを、一体に組み合わせて単一単体の実施形態にすることができる。
【0115】
別の実施形態には、試料上の欠陥を検出するためのコンピュータ実施方法に関するものがある。本方法では、検査サブシステムにより試料につき生成された画像群のうちテスト画像内にあるパターン化フィーチャが識別される。また、本方法では、そのパターン化フィーチャ内に所在しておりそのテスト画像内にある少なくとも1個の画素に関し、その少なくとも1個の画素の特性と、その少なくとも1個の画素の所定窓内に所在しておりそのテスト画像内にある他の諸画素のその特性と、の間の差分が決定される。加えて、本方法では、その決定された差分に基づきその少なくとも1個の画素にて欠陥候補が検出される。これら識別、決定及び検出ステップは、その検査サブシステムに結合された1個又は複数個のコンピュータサブシステムにより実行される。
【0116】
本方法の各ステップは、本願詳述の通り実行することができる。本方法に、本願記載のシステム、コンピュータサブシステム(群)及び/又は検査サブシステムにより実行可能な他の何れのステップ(群)を含めることもできる。それら検査サブシステム及び1個又は複数個のコンピュータサブシステムを、本願記載の諸実施形態の何れかに従い構成し、例えばそれぞれ検査サブシステム10並びにコンピュータサブシステム(群)36及び102にすることもできる。加えて、上述の方法を、本願記載のシステム実施形態のうち何れにより実行することもできる。
【0117】
付加的な実施形態には、試料上の欠陥を検出するためのコンピュータ実施方法を実行するため1個又は複数個のコンピュータシステム上で実行されうるプログラム命令群を格納している、非一時的コンピュータ可読媒体に関するものがある。その種の一実施形態が図15に示されている。具体的には、図15に示されている通り、非一時的コンピュータ可読媒体1500内に、コンピュータシステム(群)1504上で実行可能なプログラム命令1502が入っている。そのコンピュータ実施方法には、本願記載の何れの方法(群)の何れのステップ(群)をも含めることができる。
【0118】
方法、例えば本願記載のそれらを実施するプログラム命令1502を、コンピュータ可読媒体1500上に格納することができる。このコンピュータ可読媒体は格納媒体とすること、例えば磁気又は光ディスク、磁気テープその他、本件技術分野にて既知で好適な何れの非一時的コンピュータ可読媒体ともすることができる。
【0119】
プログラム命令は、就中、手続きベース技術、要素ベース技術及び/又はオブジェクト指向技術を初め、多々あるやり方の何れで実施することもできる。例えば、それらプログラム命令を、ActiveX(登録商標)コントロール、C++オブジェクト、JavaBeans(登録商標)、Microsoft(登録商標)FoundationClasses(「MFC」)、ストリーミングSIMDエクステンション(SSE)その他のテクノロジ又は方法論を用い、所望の如く実施することができる。
【0120】
コンピュータシステム(群)1504は、本願記載の諸実施形態の何れに従い構成することもできる。
【0121】
本発明の様々な態様の更なる修正物及び代替的実施形態については、本明細書に鑑みればいわゆる当業者にとり明らかであろう。例えば、試料上の欠陥を検出する方法及びシステムが提供されている。従って、本明細書は、専ら例証的なものであると解されるべきものであり、且つ本月明の一般的実行要領をいわゆる当業者に教示する目的のものである。理解し得る通り、本発明につき本願にて図示され記述されている諸形態は、好適な実施形態として把握されるべきである。諸要素及び諸素材を本願にて描写及び記述されているそれらで置き換えてもよいし、諸部分及び諸プロセスを反転させてもよいし、また本発明のある種の特徴を独立に利用してもよいのであり、これらは皆、いわゆる当業者であり本発明についての記述を踏まえている者にとり明白なことであろう。以下の特許請求の範囲に記載されている発明の神髄及び技術的範囲から離隔することなく、本願記載の諸要素に改変を施すことができる。
図1
図1a
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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【国際調査報告】