(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】熱下でのポットライフが長いポリウレタン反応性ホットメルト
(51)【国際特許分類】
C09J 175/06 20060101AFI20230829BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20230829BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20230829BHJP
C09J 133/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
C09J175/06
C09J11/04
C09J201/00
C09J133/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510330
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 US2021044257
(87)【国際公開番号】W WO2022035636
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】リ、 インジー
(72)【発明者】
【氏名】キン、 シュフイ
(72)【発明者】
【氏名】フランケン、 ウーベ
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040DF001
4J040EF111
4J040HA196
4J040HB14
4J040HD30
4J040JB01
4J040JB04
4J040KA42
4J040LA01
4J040LA02
4J040MA02
4J040MA05
4J040MA08
4J040MA10
4J040MB02
(57)【要約】
【解決手段】
ポリイソシアネート、ポリオール、MA-SCA酸、無機充填剤又はオルガノシランの1つ又は両方、任意で熱可塑性ポリマー、及び任意で1つ又は複数の添加剤を含む組合せから調製される水分反応性ホットメルト接着剤組成物が開示される。有用なポリオールとしては、ポリ(ヘキサンジオールアジペート)、式1又は式2の構造を有するポリエステルジオール、及びそれらの組合せが挙げられる。式1は:H-[O(CH2)mOOC(CH2)nCO]k-O(CH2)m-OHであり、式中、m及びnはそれぞれ偶数の整数であり、m+n=8、m及びnはそれぞれ独立に2、4又は6から選択され、kは9~55の整数であり、式1のポリオールは約2,000~約11,000の数平均分子量を有する。式2、ポリカプロラクトンポリオールは:HO-[(CH2)5COO]p-R1-[OOC(CH2)5]q-OHであり;式中、R1は、1,4’-ブタンジオール、1,6’-ヘキサンジオール、又はエチレングリコールのような開始剤であり、pは0~96の整数であり、qは0~96の整数であり、p+q=16~96であり、ポリオールは、約2,000~約11,000以下の数平均分子量を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート、
ポリオール、
MA-SCA酸、
無機充填剤又はオルガノシランの1つ又は両方、
任意で熱可塑性ポリマー、及び
任意で1つ又は複数の添加剤
を含む混合物の生成物である、水分反応性ホットメルト接着剤ポリウレタン組成物。
【請求項2】
前記ポリオールが、ポリ(ヘキサンジオールアジペート)、又は
式1:H-[O(CH
2)
mOOC(CH
2)
nCO]
k-O(CH
2)
m-OH;
(式中、m及びnはそれぞれ偶数の整数であり、m+n=8、m及びnはそれぞれ独立して2、4又は6から選択され、kは9~55の整数であり、式1のポリオールは、約2,000~約11,000の数平均分子量を有する)
若しくは
式2:HO-[(CH
2)
5COO]
p-R
1-[OOC(CH
2)
5]
q-OH;
(式中、R
1は開始剤であり、pは0~96の整数であり、qは0~96の整数であり、p+q=16~96、前記ポリオールは、約2,000~約11,000の数平均分子量を有する)
の構造を有するポリエステルジオールから成る群から選択される、請求項1に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項3】
ポリ(ヘキサンジオールアジペート)と、式1又は式2の構造を有するポリエステルジオールとの両方を含む、請求項2に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項4】
R
1が、1,4’-ブタンジオール、1,6’-ヘキサンジオール、エチレングリコール、及びそれらの組合せから選択されるグリコール開始剤の残基である、請求項2に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリエステルポリオールが、2,000~10,000の数平均分子量を有し、全接着剤重量に基づいて10~35重量%の量で存在する、請求項2~4のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項6】
前記ポリオールが、1,500~6,000の数平均分子量を有するポリエーテルポリオールであり、全接着剤重量に基づいて15~40重量%の量で存在する、請求項1に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項7】
前記ポリオールが、少なくとも1つのポリプロピレングリコールを含む、請求項1に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項8】
前記熱可塑性ポリマーが、30,000から80,000の重量平均分子量を有するアクリルポリマーであり、全接着剤重量に基づいて10~40重量%の量で存在する、請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項9】
前記熱可塑性ポリマーが、35~85℃のガラス転移温度、及び8未満のヒドロキシル価を有するアクリルポリマーである、請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項10】
前記ポリイソシアネートが、全接着剤重量に基づいて5~40重量%の量で存在する、及び/又は前記ポリイソシアネートが、4,4’-メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)を含む、請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項11】
前記無機充填剤が、全接着剤重量に基づいて約10~70重量%の量で存在する、及び/又は前記無機充填剤が存在し、炭酸カルシウムを含む、請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項12】
追加の充填剤、可塑剤、触媒、着色剤、レオロジー調整剤、難燃剤、UV顔料、ナノファイバー、消泡剤、粘着剤、硬化触媒、抗酸化剤、接着促進剤、安定剤、チキソトロピー剤及びそれらの混合物から選択される添加剤をさらに含む、請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項13】
2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)をさらに含む、請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の水分反応性ホットメルト接着剤組成物を含む製品。
【請求項15】
溶融形態の請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤を第1の基材に塗布し、次いで第2の基材を前記第1の基材上の接着剤と接触させて、前記接着剤を冷却して硬化させ、不可逆的な固体にすることを含む、2つの基材を接合する方法。
【請求項16】
請求項1~4、6及び7のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤組成物の硬化反応生成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、水分反応性ポリウレタンホットメルト接着剤に関し、より具体的には、エージング後の粘度上昇が少なく、ポットライフが改善され、及び/又は基材への接着が改善された水分反応性ポリウレタンホットメルト接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
この節は、本開示に関連する発明概念に対する必ずしも先行技術ではない背景情報を提供する。
【0003】
ホットメルト接着剤は、室温では固体であるが、熱を加えると溶けて液体又は流体の状態になり、その状態で基材に塗布される。接着剤は、冷却すると固体に戻る。ホットメルト接着剤の1つの種類は、熱可塑性ホットメルト接着剤である。熱可塑性ホットメルト接着剤は、一般に熱可塑性であり、繰り返し加熱して流体状態にし、冷却して固体状態にすることができる。熱可塑性ホットメルト接着剤は、架橋又は硬化しない。熱可塑性ホットメルト接着剤の冷却時に形成される硬質相は、最終接着剤に凝集力、靭性、クリープ及び耐熱性の全てを付与する。当然のことながら、熱可塑性により、こうした接着剤を使用できる上限温度は制限される。
【0004】
ホットメルト接着剤の別の種類は、硬化性又は反応性ホットメルト接着剤である。反応性ホットメルト接着剤は、溶融状態への加熱と固体状態への冷却を繰り返すことができる熱可塑性材料から出発する。しかしながら、適切な条件にさらされると、反応性ホットメルト接着剤は架橋し、硬化して不可逆的な固体になる。反応性ホットメルト接着剤の1つの種類は、ポリウレタンホットメルト接着剤である。ポリウレタンホットメルト接着剤は、反応して鎖を延長して新しいポリマーを形成するイソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーを含む。ポリウレタンプレポリマーは、従来、ポリオールをイソシアネートと反応させることによって得られる。ポリウレタンプレポリマーは、大気中の水分又は基材上の水分が接着剤に拡散し、その後反応することによって硬化する。水分と残留イソシアネートとの反応により、カルバミン酸が形成される。この酸は不安定で、アミンと二酸化炭素に分解する。アミンはイソシアネートと急速に反応して尿素を形成する。最終的な接着剤製品は、主に尿素基とウレタン基を介して重合された架橋材料である。
【0005】
反応性ホットメルト接着剤は、使用中には溶融温度に維持する必要がある。しかしながら、一般に無水条件下で維持された場合でも、反応性ホットメルト接着剤は、溶融状態で維持されると粘度がゆっくりと増加する。最終的には、高粘度のホットメルト接着剤を除去するために、装置を停止して洗浄する必要がある。非常に望ましくない場合、反応性ホットメルト接着剤は、使用中に装置内でゲル化又は相分離し得る。いずれの状況でも、装置のシャットダウン、分解、洗浄、及び場合によってはゲル化したホットメルト接着剤を除去できない部品の交換が必要である。反応性ホットメルト接着剤は、望ましくは、熱安定性、すなわち、溶融状態に維持された場合に経時的な粘度変化に抵抗する能力を有する。当然、反応性ホットメルト接着剤のゲル化又は相分離は不具合と見なされる。
【0006】
通常、反応性ホットメルト接着剤配合物は、添加剤を包含する。しかしながら、大量の充填剤等の添加剤は、ほとんどの反応性ポリウレタンホットメルト接着剤に悪影響を及ぼし、熱安定性を望ましくないレベルまで大幅に低下させ得る。熱安定性を維持しながら、高レベルの非化石燃料ベースの持続可能で再生可能な添加剤を包含する反応性ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この節は、本開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲又は全ての特徴、態様、又は目的を包括的に開示するものではない。
【0008】
1つの実施形態では、本開示は、有機ポリイソシアネート、少なくとも1つのポリオール、MA-SCA酸、及び無機充填剤又はオルガノシランの少なくとも1つを含む組合せから調製される水分反応性ホットメルト接着剤組成物を提供する。
【0009】
1つの実施形態では、水分反応性ホットメルト接着剤組成物を調製するために使用される組合せは、熱可塑性ポリマーを含む。
【0010】
1つの実施形態では、水分反応性ホットメルト接着剤組成物を調製するために使用される組合せ中のポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの両方を含む。
【0011】
1つの実施形態では、水分反応性ホットメルト接着剤組成物を調製するために使用される組合せは、式1又は式2の構造を有するポリエステルジオールであるポリエステルポリオールを含む。
【0012】
式1は、H-[O(CH2)mOOC(CH2)nCO]k-O(CH2)m-OHであり;式中、m及びnはそれぞれ偶数の整数であり、m+n=8、m及びnはそれぞれ独立して2、4又は6から選択され、kは9~55の整数であり、式1のポリオールは、約2,000~約11,000の数平均分子量を有する。
【0013】
式2は、HO-[(CH2)5COO]p-R1-[OOC(CH2)5]q-OHであり;式中、R1は1,4’-ブタンジオール,1,6’-ヘキサンジオール,又はエチレングリコールのような開始剤であり、pは0~96の整数であり、qは0~96の整数であり、p+q=16~96、前記ポリオールは、約2,000~約11,000の数平均分子量を有する。式2は、ポリエステルジオールの特殊な形態であるポリカプロラクトンジオールである。したがって、以下、本開示によるポリエステルジオールに言及する場合、式1又は2の構造を有する全てのジオール及び/又は混合物中の各ジオールが式1又は2の構造を有するジオールの混合物を含むことを意図する。この実施形態では、式1及び/又は式2の構造を有さないポリエステルポリオールは、好ましくは組成物から除外される。
【0014】
1つの実施形態では、この組合せは、2,000~11,000の数平均分子量を有する式1又は2によるポリエステルジオールを含み、ポリエステルジオールは、全接着剤重量に基づいて10~35重量%の量で存在する。
【0015】
1つの実施形態では、この組合せは、1,500~6,000の数平均分子量を有するポリエーテルポリオールを含み、ポリエーテルポリオールは、全接着剤重量に基づいて15~40重量%の量で存在する。
【0016】
1つの実施形態では、この組合せは、ポリプロピレングリコールであるポリエーテルポリオールを含む。
【0017】
1つの実施形態では、この組合せは、30,000~80,000の重量平均分子量を有するアクリルポリマーである熱可塑性ポリマーを含み、アクリルポリマーは全接着剤重量に基づいて10~40重量%の量で存在する。
【0018】
1つの実施形態では、この組合せは、35~85℃のガラス転移温度及び8未満のヒドロキシル価を有するアクリルポリマーである熱可塑性ポリマーを含む。
【0019】
1つの実施形態では、ポリイソシアネートは、全接着剤重量に基づいて5~40重量%の量で存在する。
【0020】
1つの実施形態では、ポリイソシアネートは、4,4’-メチレンビスフェニルジイソシアネート(4,4’-MDI)を含む。
【0021】
1つの実施形態では、接着剤は、全接着剤重量に基づいて10~50重量%の無機充填剤を含む。
【0022】
1つの実施形態では、接着剤は炭酸カルシウム充填剤を含む。
【0023】
1つの実施形態では、ホットメルト接着剤組成物は、追加の充填剤、可塑剤、触媒、着色剤、レオロジー調整剤、難燃剤、UV顔料、ナノファイバー、消泡剤、粘着剤、硬化触媒、抗酸化剤、安定剤、チキソトロピー剤及びそれらの混合物から選択される添加剤をさらに含む。
【0024】
1つの実施形態では、ホットメルト接着剤組成物は、オルガノシラン接着促進剤を含む。
【0025】
1つの実施形態では、本開示は、開示されたホットメルト接着剤を硬化又は未硬化形態で含む製品を含む。
【0026】
1つの実施形態では、本開示は、開示されたホットメルト接着剤の硬化反応生成物を含む。
【0027】
開示された化合物は、あらゆる異性体及び立体異性体を包含する。一般に、特に明記しない限り、開示された材料及び方法は、本明細書に開示された任意の適切な構成要素、部分又は工程を含むか、それらから成るか、又は本質的にそれらから成るように交互に処方されてよい。開示された材料及び方法は、先行技術の組成物で使用された、又はそうでなければ本開示の機能及び/又は目的の達成に必要ではない任意の構成要素、材料、成分、アジュバント、部分、種及び工程を欠くか、又は実質的に含まないように追加的に又は代替的に配合されてよい。
【0028】
数値に関して本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、数値±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%以下を指す。
【0029】
本開示のこれら及び他の特徴及び利点は、好ましい実施形態の詳細な説明から当業者にはより明らかになるであろう。以下、詳細な説明に付随する図面について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別の指示をしない限り、複数の指示対象を包含する。
【0031】
数値に関して本明細書で使用される「約」又は「およそ」は、数値±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%以下を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの」は、1以上、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9、又はそれ以上を意味する。成分に関しては、分子の絶対数ではなく、成分の種類を示している。したがって、「少なくとも1つのポリマー」は、例えば、少なくとも1つの種類のポリマー、すなわち、1つの種類のポリマー又はいくつかの異なるポリマーの混合物を使用してよいことを意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「から構成される(comprised of)」という用語は、「包含する(including)」、「包含する(includes)」、「含有する(containing)」又は「含有する(contains)」と同義であり、包括的又は無制限であり、追加の列挙されていない部材、要素、又は方法工程を除外するものではない。
【0034】
量、濃度、寸法及びその他のパラメータが、範囲、好ましい範囲、上限値、下限値又は好ましい上限値及び下限値の形で表される場合、任意の上限又は好ましい値を任意の下限又は好ましい値と組み合わせることによって得られる任意の範囲もまた、得られた範囲が文脈において明確に言及されているかどうかに関係なく、具体的に開示されていることを理解すべきである。
【0035】
好ましい(preferred)及び好ましくは(preferably)、特定の状況下で特定の利益をもたらす可能性がある本開示の実施形態を指すために、本明細書で頻繁に使用される。しかしながら、1つ又は複数の好ましい(preferable)又は好ましい(preferred)実施形態の列挙は、他の実施形態が有用でないことを意味せず、それらの他の実施形態を開示の範囲から除外することを意図しない。
【0036】
特に断りのない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、ポリマーに言及する場合の分子量という用語は、ポリマーの数平均分子量(Mn)を指す。数平均分子量Mnは、末端基分析(DIN EN ISO4629によるOH値、EN ISO11909による遊離NCO含有量)に基づいて計算することができ、又は溶離剤としてTHFを使用するDIN55672によるゲル浸透クロマトグラフィーによって決定することができる。特に断りのない限り、与えられた全ての分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定されたものである。
【0037】
接着剤のオープンタイムは、接着剤が材料に結合できる時間を指す。
【0038】
ポリウレタンホットメルト接着剤は、パネルの積層手順で広く使用されている。それらは、様々な材料への優れた接着性と優れた構造的結合を提供する。それらは溶剤を必要とせず、グリーン強度が速く、耐熱性、耐寒性、及び様々な化学物質に対する優れた耐性があるため、建築業界での使用に理想的な選択肢となっている。特に、RV車のパネルラミネート及びドアに使用されている。これらの構造の形成には複雑なラミネーションが含まれ得るため、6分以上の長いオープンタイムと高いグリーン強度を有することが重要である。さらに、硬化したアセンブリが極端な温度にさらされた場合でも、最終的な強度を維持する必要がある。さらなる使用を可能にするために、従来の配合物よりも高い温度で硬化強度を保持する反応性ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することが望ましい。
【0039】
本開示は、熱安定性等の望ましい特性を維持しながら、充填剤等の持続可能で再生可能な非化石燃料成分を高レベルで組み込む反応性ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することを対象とする。
【0040】
開示されたホットメルト接着剤は、有機ポリイソシアネート、ポリオール、MA-SCA、及び無機充填剤又はオルガノシランの少なくとも1つを含む混合物の反応生成物である。混合物は、任意に、熱可塑性ポリマー、触媒、及び添加剤のうちの1つ又は複数を含むことができる。反応後の反応生成物には、無機フィラーや熱可塑性ポリマー等の非反応性成分を添加することもできる。反応後の反応生成物には、無機充填剤及び熱可塑性ポリマー等の非反応性成分を添加することもできる。好ましくは、ホットメルト接着剤は、有機溶剤、水及び光開始剤を含まない。
【0041】
使用できる有機ポリイソシアネートとしては、アルキレンジイソシアネート、シクロアルキレンジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族-芳香族ジイソシアネートが挙げられる。本開示で使用するためのイソシアネートの例としては、限定ではなく一例として、メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化メチレンビスフェニルジイソシアネート(HMDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、エチレンジイソシアネート、エチリデンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロペンチレン-1,3-ジイソシアネート、シクロ-へキシレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2-ジフェニルプロパン-4,4'-ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,4-ナフチレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニル-4,4'-ジイソシアネート、アゾベンゼン-4,4'-ジイソシアネート、ジフェニルスルホン-4,4'-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、ジクロロヘキサ-メチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、1-クロロベンゼン-2,4-ジイソシアネート、4,4',4"-トリイソシアナトトリフェニルメタン、1,3,5-トリイソシアネート-ベンゼン、2,4,6-トリイソシアネート-トルエン、4,4'-ジメチルジフェニル-メタン-2,2',5,5-テトライソシアネート等が挙げられる。そのような化合物は市販されているが、そのような化合物を合成する方法は当技術分野で周知である。好ましいイソシアネート含有化合物は、メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化MDI(HMDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)の異性体である。
【0042】
使用できるポリオールとしては、ポリウレタンの製造に使用されるポリオールが挙げられ、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアミドポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリアルキレンポリエーテルポリオール、ポリチオエーテルポリオール及びそれらの混合物、好ましくはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール及びそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0043】
有用なポリエステルポリオールとしては、重縮合反応においてジカルボン酸をポリオールと反応させることによって得られるものが挙げられる。ジカルボン酸は、脂肪族、脂環式若しくは芳香族、及び/又は無水物、エステル若しくは酸塩化物等のそれらの誘導体であってよい。これらの具体例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、グルタル酸無水物、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、二量体脂肪酸、ドデカン二酸及びテレフタル酸ジメチルである。適切なポリオールの例は、モノエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール)、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オタングリコールシクロヘキサンジメタノール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール及びポリブチレングリコールである。あるいは、それらは、環状エステル、好ましくはカプロラクトンの開環重合によって得られてよい。ポリエステルポリオールは市販されており、例えば、パノラム・インダストリーズ・インターナショナルから入手可能なピオタンポリオール、及びエボニックから入手可能なダイナコールポリオールである。他の供給元としては、ステパン、COIM、ランクセスが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリヘキサンジオールアジペートポリオールが好ましい。
【0044】
使用できる有用なポリエーテルポリオールとしては、ヒドロキシル基を有する直鎖状及び分枝状ポリエーテルが挙げられる。ポリエーテルポリオールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。また、ポリオキシアルキレンポリオールのホモポリマー及びコポリマーも使用してよい。ポリオキシアルキレンポリオールの特に好ましいコポリマーは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2-エチルヘキサンジオール-1,3、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン及びエタノールアミンから成る群から選択される少なくとも1つの化合物の付加物を包含してよい。最も好ましくは、ポリエーテルポリオールはポリプロピレングリコールを含む。好ましくは、ポリエーテルポリオールは、1,500~6,000の数平均分子量を有し、より好ましい範囲は2,000~4,000ダルトンである。ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオールの混合物を含んでもよい。
【0045】
有用なポリカーボネートポリオールは、炭素酸誘導体、例えばジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート又はホスゲンとジオールとの反応によって得ることができる。こうしたジオールの適切な例としては、エチレングリコール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、1,3-及び1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール-1,3、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールA、並びにラクトン変性ジオールが挙げられる。いくつかの実施形態では、ジオール成分は、好ましくは40~100重量%のヘキサンジオール、好ましくは1,6-ヘキサンジオール及び/又はヘキサンジオール誘導体を含有する。より好ましくは、ジオール成分は、末端OH基に加えて、エーテル又はエステル基を示す例を包含する。ポリカーボネートポリオールは、実質的に線状でなければならない。しかしながら、それらは、多官能性成分、特に低分子ポリオールを組み込むことによって、任意でわずかに分岐することができる。適切な例としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール-1,2,6、ブタントリオール-1,2,4、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、及びソルビトール、メチルグリコシド、1,3,4,6-ジアンヒドロヘキシットが挙げられる。
【0046】
有用なポリオールは、ヒドロキシ官能化ポリマーであるポリオール、例えばヒドロキシ官能化シロキサン、及びビニル基又はアミノ基等の追加の官能基を含むポリオールをさらに含む。
【0047】
1つの実施形態では、反応混合物は、式1又は式2の構造を有するポリエステルジオールポリマーを、単独で、又は1つ又は複数の追加のポリオールと組み合わせて含む。式1又は式2のポリエステルジオールポリマーは、好ましくは2,000~11,000ダルトン、より好ましくは2,000~10,000、さらに好ましくは2,500~6,000の数平均分子量を有する。ポリエステルジオールポリマーについて、本開示によれば、数平均分子量(Mn)、ポリオールの官能価(f)、及びポリオールのヒドロキシル価(OH価)の間の関係は、以下の式:Mn=(f)×(56100/OH価)で表すことができる。
【0048】
式1は、H-[O(CH2)mOOC(CH2)nCO]k-O(CH2)m-OHであり;式中、m及びnはそれぞれ偶数の整数であり、m+n=8、m及びnはそれぞれ独立して2、4又は6から選択され、kは9~55の整数であり、式1のポリオールは、約2,000~約11,000の数平均分子量を有する。
【0049】
式2、ポリカプロラクトンは、HO-[(CH2)5COO]p-R1-[OOC(CH2)5]q-OHであり;式中、R1は1,4’-ブタンジオール、1,6’-ヘキサンジオール、又はエチレングリコール等の開始剤であり、pは0~96の整数であり、qは0~96の整数であり、p+q=16~96、前記ポリオールは、約2,000~約11,000の数平均分子量を有する。
【0050】
この組み合わせは、MA-SCA酸を包含する。MA-SCA酸は、酸性基が最終的に単一の中心原子に結合した多塩基酸のサブセットである。MA-SCA酸の例としては、硫酸、ホスホン酸、リン酸、二リン酸(ピロリン酸)が挙げられる。本開示ではMA-SCA酸ではなく、開示された組成物で使用されるべきではない他の酸の例としては、塩酸、硝酸、ホスフィン酸、p-トルエンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、エタン二酸、アジピン酸が挙げられる。
【0051】
驚くべきことに、MA-SCA酸は、粘度が問題のレベルに上昇する前に、ホットメルト接着剤が作動温度で維持できる時間を長くする。別の言い方をすれば、MA-SCA酸をホットメルト接着剤に添加すると、動作温度に維持した場合にホットメルト接着剤の粘度が上昇する速度が驚くほど低下する。
【0052】
室温で使用されるポリウレタン接着剤及びシーラントは、大量の充填剤を問題なく組み込むことができる。しかしながら、ホットメルト接着剤に多量の充填剤、例えば10重量%以上又は20重量%以上を添加すると、ホットメルト接着剤の熱安定性が低下し、場合によっては高充填ホットメルト接着剤を製造するレベルまで低下し、商業的に望ましくない。高充填ホットメルト接着剤にMA-SCA酸を添加すると、高充填ホットメルト接着剤の熱安定性が驚くほど向上する。MA-SCA酸は充填剤と望ましくない相互作用をすると予想されるかもしれないが、そのような相互作用は見られなかった。
【0053】
マレイン酸及びアジピン酸等のMA-SCA酸に構造的に類似する酸も、分子中に複数の酸性基を含むことに注目することは驚くべきことである。しかしながら、2つの酸性基は最終的に1つの中心原子に結合しないため(これらの場合、2つの異なる炭素原子に結合する)、高温下でのホットメルト接着剤の安定性が驚くほど低下する。
【0054】
「中立の」酸が存在しないことはさらに驚くべきことである。MA-SCA酸は、温度下でのホットメルト接着剤の安定性を向上させる。他の酸は、温度下でのホットメルト接着剤の安定性を低下させる。
【0055】
任意で充填剤を使用できる。使用できる充填剤としては、炭酸カルシウム、カオリン、ドロマイト等の無機材料が挙げられる。炭酸カルシウムは、非化石燃料ベースの持続可能で再生可能な材料と呼ばれてきた。適切な充填剤の他の例は、ジョージ・ウィピッチ、第3版、2009による充填剤ハンドブックと、ハリー・カッツとジョン・ミレフスキーによるプラスチック用充填剤と補強材のハンドブックハンドブック1978に記載されている。無機充填剤は、接着剤の総重量に基づいて、好ましくは約10重量%~約50重量%、より好ましくは20重量%~30重量%の量で存在する。このような充填剤を大量に利用する従来の試みは、オープンタイムが短く、使用中に溶融ホットメルト接着剤が望ましくないほど増加する等の問題を有するホットメルト接着剤をもたらした。
【0056】
任意でオルガノシランを使用できる。使用できるオルガノシランとしては、第二級アミノシラン等のアミノシランが挙げられる。1つの魅力的なシランは、少なくとも2つのシリル基を包含し、3つのメトキシ基が各シランヒンダード2級アミノ基又はそれらの任意の組合せに結合する。こうした市販のアミノシランの例は、ビス-(トリメトキシシリルプロピル)-アミン、例えばシルクエストA-1170である。有用なオルガノシランの他の例としては、ヒドロキシ官能基、メルカプト官能基、又はその両方を有するシランが挙げられ、例えば3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリスメトキシ-エトキシエトキシシラン、3-アミノプロピル 1-メチル1-ジエトキシシラン、N-メチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ブチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピル1-メチル-ジメトキシシラン、(N-シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(N-シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(N-フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N-フェニルアミノメチル)トリ-メトキシシラン、N-エチル-アミノイソブチルトリメトキシシラン、4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(n-ブチル)-3-アミノプロピルアルコキシジエトキシ-シラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン及びこれらの任意の組合せが挙げられる。
【0057】
オルガノシランは、多くの供給元、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(シルクエスト)及びエボニック(ダイナシラン)から市販されている。いくつかの有用な例としては、シルクエストAリンク15(N-エチル-3-トリメトキシシリル-2-メチルプロパンアミン)、シルクエストAリンク35(ガンマ-イソシアナートプロピルトリメトキシシラン)、シルクエストA174NT(ガンマ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、シルクエストA187(ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、シルクエストA189(ガンマ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、シルクエストA597(トリス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート)、シルクエストA1110(ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン)、シルクエストA1170(ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン)、ダイナシラン1189(N-ブチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、シルクエストA1289(ビス-(トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド)、及びシルクエストY9669(N-フェニル-ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。
【0058】
任意で熱可塑性ポリマーを使用できる。使用できる熱可塑性ポリマーとしては、当技術分野で知られているように、アクリレート、メタクリレート、及びそれらの混合物から形成されるアクリルポリマーが挙げられる。メチルメタクリレートモノマー及びn-ブチルメタクリルモノマーの少なくとも1つを含むアクリルコポリマーが好ましい。これらの好ましいアクリルコポリマーの例としては、重量平均分子量34,000を有するメチルメタクリレートとn-ブチルメタクリレートのコポリマーであるエルバサイト(登録商標)2013;重量平均分子量60,000を有するメチルメタクリレートとn-ブチルメタクリレートのコポリマーであるエルバサイト(登録商標)2016;及び重量平均分子量60,000を有するメチルメタクリレートとn-ブチルメタクリレートとメタクリル酸ヒドロキシエチルメタクリレートのコポリマーであるエルバサイト(登録商標)4014が挙げられる。エルバサイト(登録商標)ポリマーは、ルーサイト・インターナショナルから入手可能である。適切なアクリルポリマーの追加の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,465,104号及び同第5,021,507号に見出すことができる。アクリルポリマーは、活性水素を包含しても包含しなくてもよい。好ましくは、アクリルポリマーは、30,000~80,000、より好ましくは45,000~70,000の重量平均分子量を有する。それは、接着剤の総重量に基づいて、好ましくは約10重量%~40重量%、より好ましくは15重量%~25重量%の量で存在する。アクリルポリマーは、好ましくは8未満、より好ましくは5未満のOH価を有する。アクリルポリマーは、好ましくは約35~約85℃、より好ましくは45~75℃のガラス転移温度Tgを有する。
【0059】
接着剤配合物は、触媒、追加の充填剤、可塑剤、着色剤、レオロジー調整剤、難燃剤、UV顔料、ナノファイバー、消泡剤、相溶性粘着剤、硬化触媒、抗酸化剤、安定剤、ヒュームドシリカ等のチキソトロピー剤等の様々な既知ホットメルト接着剤添加剤の1つ又は複数を任意で包含できる。任意で使用できる触媒としては、例えば2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル、トリエチレンジアミン、ジブチルスズジラウレート及びオクタン酸第一スズが挙げられる。好ましい触媒は、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルである。本発明による組成物と適合する従来の添加剤は、潜在的な添加剤を組成物と組み合わせ、それらが適合するかどうかを決定することによって簡単に決定されてよい。添加剤は、室温及び使用温度で、製品内で均一であれば適合性がある。
【0060】
1つの実施形態では、ホットメルト接着剤は、以下を含む混合物の反応生成物を含む。
【0061】
【0062】
開示されたホットメルト接着剤は、以下の手順を使用して調製することができる。ポリウレタン反応から水分を排除しなければならないことに注意。ポリオール、任意の熱可塑性ポリマー、及び任意の充填剤を反応器に加え、加熱及び真空下に置いて水分を除去する。一旦乾燥したポリイソシアネートを反応器に添加し、水分を排除するために加熱下で不活性ガスバリアを維持する。反応時間の後、任意の触媒を反応生成物に添加して混合することができる。最終生成物を防湿容器に移し、直ちに密閉する。オルガノシランを使用する場合は、ポリオールと一緒に、又は反応後に添加することができる。充填剤を乾燥させ、それを反応生成物に添加することも可能であろう。
【0063】
本開示によるホットメルト接着剤は、噴霧、ローラーコーティング、押し出しにより、及びビーズとして等の様々な方法で塗布することができる。開示されたホットメルト接着剤は、ある範囲の粘度で調製することができ、水分が排除される限り、貯蔵中安定である。金属、木材、プラスチック、ガラス、繊維等、様々な基材に適用できる。
【0064】
本開示によるホットメルト接着剤は、ある温度に保持され、商業用塗布装置で使用される間、ゲル化又は相分離しない。いくつかの実施形態では、開示されたホットメルト接着剤は、ある温度に保持され、商業用塗布装置で使用される時間の間、1000%以下、より典型的には500%以下、好ましくは200%以下の粘度増加を有する。商業用条件に近づけるために、試料を密閉容器内(例:空気と水分を除く)で、121℃で24時間保持した。
【0065】
本発明はまた、反応性ホットメルト接着剤を冷却された、典型的には固体の形態で提供すること;反応性ホットメルト接着剤を加熱して溶融状態にすること;溶融した反応性ホットメルト接着剤組成物を溶融形態で第1の物品に塗布すること;第2の物品を、第1の物品に塗布された組成物と接触させること;接着剤を冷却して固化させること;及び適用された組成物を、組成物が完全に硬化して不可逆的な固体形態を有する組成物になる条件(この条件は水分を含む)に、適用された組成物を供することを含む物品を一緒に接着する方法を提供する。ホットメルト接着剤は、典型的には、固体形態で分配及び保管され、保管中の硬化を防ぐために水分のない状態で保管される。組成物は、適用前に溶融形態に加熱され、溶融形態で適用される。典型的な適用温度は、約80℃~約145℃の範囲である。したがって、本開示は、典型的には保管及び分配される未硬化の固体形態、適用直前に溶融された後の溶融形態、及び硬化後の不可逆的固体形態の両方の反応性ポリウレタンホットメルト接着剤組成物を包含する。
【0066】
適用後、物品を接着するために、反応性ホットメルト接着剤組成物は、固化し、不可逆的な固体形態を有する組成物に硬化することを可能にする条件にさらされる。液体溶融物が適用温度から室温まで冷却し始めると、固化又は硬化が発生する。不可逆的な固体形態を有する組成物への硬化、すなわち鎖延長は、周囲の水分の存在下で起こる。
【0067】
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0068】
以下の実施例では、以下の成分を利用した。
【0069】
【0070】
121℃で30分間平衡化した後、加熱された試料カップを備え、#27スピンドルを使用する、ブルックフィールドDV-1+粘度計で、粘度を測定した。
【0071】
次のエージング試験を使用して熱安定性を測定した。未硬化のポリウレタンホットメルト接着剤をアルミチューブに充填し、チューブを密閉して空気と水分を排除する。チューブと試料を121℃のオーブンで24時間熱エージングさせる。エージング後、熱エージングの前後にブルックフィールド粘度計(#27スピンドル)を使用して試料の粘度を測定し、粘度の増加率を記録する。空気と水分を排除することで、エージングした試料が水分と反応するのを防ぐことができる。エージング試験は、ホットメルト接着剤が溶融温度に長時間保持されたときに、使用中にどのように反応するかを概算したものである。
【0072】
熱エージング後の試料がゲル化又は相分離している場合、エージング後の粘度は測定せず、熱安定性は許容できず、不合格と見なされる。酸による粘度増加が、酸を含まない同じ組成物よりも小さい場合、これを改善と呼び、そのような酸を「良い酸」と呼ぶ。酸を使用した場合の粘度増加が、酸を使用しない場合よりも大きい場合、又は系がゲル化する場合、そのような酸を「悪い酸」と呼ぶ。こうした酸の有無にかかわらず、粘度の増加が本質的に同じままである場合、こうした酸を「中立の酸」と呼ぶ。結果に示されているように、酸は良い酸か悪い酸のどちらかである。非常に驚くべきことに、中立の酸は見つからなかった。
【0073】
以下に記載するように例を調製した。いずれの場合も、材料は水分反応性であるため、反応、包装、保管は水分を排除する条件下で行われた。
【0074】
例1-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56(PPG2000)を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22をその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、65部の4,4’-ジフェニルメタン-ジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0075】
例2-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0076】
例3-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。次に反応器を窒素でパージし、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0077】
例4-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.238部のリン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。次に反応器を窒素でパージし、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0078】
例5-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.609部のリン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0079】
例6-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.21部のエタンスルホン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。次に反応器を窒素でパージし、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0080】
例7-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.14部のHCl、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0081】
例8-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.175部の硝酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0082】
例9-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.175部の硫酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0083】
例10-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.175部の硫酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0084】
例11-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.14部のホスフィン酸(次亜リン酸)、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0085】
例12-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のホスホン酸(亜リン酸)、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0086】
例13-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のリン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0087】
例14-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のリン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0088】
例15-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部の二リン酸(ピロリン酸)、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0089】
例16-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.14部のリン酸、0.14部のエタンスルホン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0090】
例17-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のp-トルエンスルホン酸及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0091】
例18-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のp-トルエンスルホン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0092】
例19-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のエタンスルホン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0093】
例20-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のエタンスルホン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0094】
例21-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のメタンスルホン酸及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0095】
例22-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)(ジオール)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のメタンスルホン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0096】
例23-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のトリフルオロメタンスルホン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0097】
例24-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のトリフルオロメタンスルホン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0098】
例25-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部の酢酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0099】
例26-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部の酢酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0100】
例27-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のプロピオン酸及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0101】
例28-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のプロピオン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0102】
例29-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のフマル酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0103】
例30-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のマレイン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0104】
例31-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のエタン二酸(シュウ酸)、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0105】
例32-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ブタンジオールアジペート)、OH値22、0.28部のエタン二酸(シュウ酸)、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、98部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0106】
例33-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30をその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、58部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0107】
例34-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0108】
例35-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、0.28部のリン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0109】
例36-本発明
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のリン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0110】
例37-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、0.28部のエタンスルホン酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0111】
例38-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部のエタンスルホン酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0112】
例39-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、0.28部の酢酸、及び175部の炭酸カルシウムをその中で加熱した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2’-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0113】
例40-比較
194.95部のポリプロピレングリコール、OH値56を、真空接続を備えた加熱可能な攪拌タンク反応器に導入し、133部のエルバサイト2016アクリル樹脂、98部のポリ(ヘキサンジオールアジペート)、OH値30、及び175部の炭酸カルシウムをその中に溶解した。次に水分を真空中121℃で1.5時間かけて除去した。次いで、反応器を窒素でパージし、77部の4,4`-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を添加し、反応器の内容物を窒素下121℃で15分間攪拌し、次いで真空中121℃で3時間攪拌した。反応器を窒素でパージし、0.77部の2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE)及び0.28部の酢酸を添加し、窒素下で15分間攪拌した。次いで、反応生成物を防湿容器に移し、後の試験のために直ちに密封した。
【0114】
上記の例について、121℃での初期粘度及びエージング後の粘度について試験した。結果を次の表にまとめる。
【0115】
【0116】
前=ポリイソシアネートとの反応前に酸を添加した
後=ポリイソシアネートとポリオールが反応した後、酸を添加した
番号=例の番号;I=本発明の例;C=比較の例
【0117】
例1、2及び3は、組成物が触媒を包含しなくても、反応性ホットメルト接着剤に充填剤を添加すると、その接着剤の熱安定性が低下することを示している。
【0118】
例4は、約300ppmのMA-SCAリン酸を添加すると、反応性ホットメルト接着剤組成物が望ましい熱安定性に戻ることを示している。しかしながら、例5は、同じMA-SCAリン酸を過剰に(約900ppm)添加すると、相分離、熱安定性の不具合をもたらすことを示している。
【0119】
例6~8は、全ての酸が熱安定性を高めることができるわけではないことを示しており、驚くべきMA-SCA酸の結果を補強している。例11、12、17~32及び37~40は、驚くほど狭い範囲の酸によって熱安定性の向上がもたらされることを再度示している。他の酸は、反応性ホットメルト接着剤の熱安定性を低下させ得る。
【0120】
MA-SCA酸を使用すると、熱安定性が向上する。驚くべきことに、例16のようにMA-SCA酸と非MA-SCA酸を組み合わせて使用しても、熱安定性は改善されず、ゲル化をもたらし得る。
【0121】
例33及び34は、充填剤の添加が熱安定性を低下させることを再度示している。例35及び36は、約400ppmの良いリン酸を添加すると、反応性ホットメルト接着剤組成物の熱安定性が望ましく向上することを示している。
【0122】
多くの酸は熱安定性を向上させず、熱安定性を低下させる可能性がある。約300ppmのリン酸で熱安定性が向上したが、同様の量のエタンスルホン酸(例6、19、20、37、38)、塩酸(例7)、硝酸(例8)、ホスフィン酸(例11)、トルエンスルホン酸(例17、18)、メタンスルホン酸(例21、22)、トリフルオロメタン酸(例23、24)、酢酸(例25、26、39、40)、プロピオン酸(例27、28)、フマル酸(例29)、マレイン酸(例30)、及びアジピン酸(例32)は、同じ熱安定性の向上をもたらさない。これらの例の多くには、望ましくないゲル化又は相分離の不具合があった。
【0123】
以下のプロセスに従い、以下の配合物を使用して追加の例を調製した。パーセンテージは、全組成に基づく重量%である。
【0124】
【0125】
結果を四捨五入しているため、合計が100重量%からわずかにずれていることに注意。
1 4,4’MDI
2 コベストロからのPPG2000
3 パノラム・インダストリーズ・インターナショナルからのピオタン3500HA
4 ルーサイトからのエルバサイト2016
5 2,2'-ジモルホリニルジエチルエーテル(ハンツマンからのジェフキャットDMDEE)
6 材料と量は結果の表に示されている
【0126】
開示されたホットメルト接着剤は、以下の手順を使用して調製することができる。水分はポリウレタン反応から排除されなければならないことに注意。ポリオール、任意の熱可塑性ポリマー、及び任意の充填剤を反応器に加え、加熱及び真空下に置いて水分を除去する。一旦乾燥したポリイソシアネートを反応器に添加し、水分を排除するために反応器を加熱下に維持し、不活性ガスバリアを維持する。反応時間の後、任意の触媒を反応生成物に添加して混合することができる。最終製品を防湿容器に移し、すぐに密封する。オルガノシランを使用する場合は、ポリオールと一緒に、又は反応後に添加することができる。充填剤を乾燥させ、それを反応生成物に添加することも可能であろう。
【0127】
上記の配合物から試料を作製した。試料について、次の手順で異なる基材への接着性について試験した。水分反応性ホットメルト接着剤のサンプルを約121℃に加熱し、未処理の基材(ガラス、アルミニウム、ステンレス鋼、ABS)の1インチ×4インチのストリップの表面に押し出す。押し出された接着剤のビーズは、直径約3mmで、基材の表面に自動的に接着する。接着剤が付着した基材を、周囲条件(室温及び湿度)で5日間保管し、完全に硬化する。硬化後、狭いパテナイフを使用して、接着剤のビーズを基材から手作業で剥がす。
【0128】
結果を次の表にまとめる。
【0129】
【0130】
接着結果を次のように評価した。
E:優れた接着強度;基材の破損、又は50%を超える凝集破壊を起こさずに、接着を壊すことはできない。
G:良好な接着;ある程度(1/3未満)の凝集破壊、又はいくつかの軽度の基材破壊を起こさずに、接着を壊すことはできない。
F:適正な接着強度;基材の破損又は凝集破壊なしで、接着を壊すことができるが、接着を分離するにはある程度の力が必要である;通常は100%接着不良である。
P:弱い接着強度;本質的に力を必要とせずに、接着を非常に簡単に分離できる;接着不良。
【0131】
例41は、ガラス及びアルミニウム基材への接着が弱く、鋼への接着が弱い~適正であり、ABSポリマーへの接着が良好~優れていることを示した。リン酸の添加は、鋼への接着力をわずかに増加させるだけで、他の基材への接着力を増加させなかった。硫酸の添加は、全ての基材への接着力をわずかに増加させた。
【0132】
例44はオルガノシランシルクエストA1170を包含していた。このオルガノシランを添加すると、オルガノシランを含まないこと以外は同じ組成を有する例41と比較して、全ての基材への接着が実質的に増加した。リン酸又は硫酸を添加しても、いずれの基材への接着性も実質的に変化しなかった。
【0133】
例47は、オルガノシランダイナシラン1189を包含していた。このオルガノシランを添加すると、オルガノシランを含まないこと以外は同じ組成を有する例41と比較して、全ての基材への接着が実質的に増加した。リン酸又は硫酸を添加しても、いずれの基材への接着性も実質的に変化しなかった。
【0134】
例50はオルガノシランシルクエストY9669を包含していた。このオルガノシランを添加すると、オルガノシランを含まないこと以外は同じ組成を有する例41と比較して、全ての基材への接着が実質的に増加した。リン酸又は硫酸を添加しても、いずれの基材への接着性も実質的に変化しなかった。
【0135】
例41~52は、121℃での初期粘度、並びに空気及び水分を排除した密閉環境で121℃にて24時間エージング後の粘度について試験された。
【0136】
【0137】
例41の初期粘度は13,380cPであり、密閉容器内で250°Fで24時間エージングさせた後、25,600cPに増加した。これは91%の粘度上昇である。組成物にリン酸又は硫酸を添加すると、初期粘度とエージング後の粘度の両方が低下した。
【0138】
オルガノシランシルクエストA1170を包含する例44は、12,180cPの初期粘度を有し、オルガノシランなしで作製された比較試料よりも低かった。エージング後、粘度は128,300cPで、900%以上増加した。リン酸を添加すると、初期粘度はわずかに低下し、エージング後の粘度は大幅に低下した。硫酸を添加すると、初期粘度はわずかに上昇し、エージング後の粘度はわずかに低下した。
【0139】
オルガノシランダイナシラン1189を包含する例47は、12,080cPの初期粘度を有し、オルガノシランなしで作製された比較試料よりも低かった。エージング後、粘度は77,750cPであり、500%以上増加した。リン酸を添加すると、初期粘度はわずかに低下し、エージング後の粘度は大幅に低下した。硫酸を添加すると、初期粘度はわずかに低下し、エージング後の粘度は大幅に低下した。
【0140】
オルガノシランシルクエストY9669を包含する例50の初期粘度は10,100cPであり、オルガノシランを使用せずに作製した比較試料よりも低かった。エージング後、粘度は52,100cPであり、400%以上増加した。リン酸を添加すると、初期粘度はわずかに上昇し、エージング後の粘度は大幅に低下した。硫酸を添加すると、初期粘度が増加し、エージング後の粘度がわずかに減少した。
【0141】
例は、オルガノシランを水分反応性ホットメルト接着剤に添加すると、その接着剤の多くの基材への接着強度を望ましく増加させることができることを示している。接着強度の増加は、ホットメルト接着剤の熱安定性の望ましくない低下を伴う。ホットメルト接着剤が使用中に溶融温度に保たれる場合に、これらの大幅な粘度上昇が問題となり得る。最悪の場合、粘度が大幅に上昇すると、望ましくない装置をシャットダウンして、粘性のあるホットメルト接着剤を装置から除去してパージする必要がある。
【0142】
充填剤又はオルガノシランを包含しないホットメルト接着剤にMA-SCA酸を添加すると、初期粘度及びエージング後の粘度が低下するため、多少の利点が得られる可能性がある。オルガノシラン成分を含むホットメルト接着剤にMA-SCA酸を添加しても、オルガノシランによって提供される接着の改善は減少しない。オルガノシラン成分を含むホットメルト接着剤にMA-SCA酸を添加すると、エージング後の粘度が予想外かつ驚くほど低下する。
【0143】
実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提供されたものである。網羅的であること、又は本開示を制限することを意図したものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合、交換可能であり、特に図示又は説明されていなくても、選択された実施形態で使用することができる。同じものも様々な方法で変更してよい。こうした変更は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような全ての修正は、本開示の範囲内に包含されることが意図されている。
【国際調査報告】