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▶ メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-11
(54)【発明の名称】フッ素含有ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 293/00 20060101AFI20230904BHJP
   C09D 153/00 20060101ALI20230904BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20230904BHJP
【FI】
C08F293/00
C09D153/00
C09D201/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513343
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2021073213
(87)【国際公開番号】W WO2022043234
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】20192617.7
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】フリードリッヒ,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ラルビッグ,グレガー
【テーマコード(参考)】
4J026
4J038
【Fターム(参考)】
4J026HA11
4J026HA21
4J026HA32
4J026HA49
4J026HB09
4J026HE01
4J038CQ001
4J038EA002
4J038GA12
4J038KA06
4J038PB08
4J038PB09
(57)【要約】
本発明は、新規なフッ素含有ブロックコポリマー、ブロックコポリマーを含む組成物、コーティング組成物におけるブロックコポリマーの、特にコーティング組成物における界面活性添加剤としての使用、かかるブロックコポリマーを含む組成物、およびかかる組成物でコーティングされた製品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1ブロックAおよび少なくとも1つの第2ブロックBを含み、ブロックAが、式(I)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含み、およびブロックBが、式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含む、
(Rf-CHF-CF2-Y-CHR1)m-L-X1 (I)
R2-X2 (II)
式中
Rfはペルフルオロアルキル基であり、任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、
YはOまたはSであり、
R1はHまたはアルキル基であり、
Lは単結合または二価の有機基であり、
R2はアルキル基であり、直鎖、分枝、単環式または多環式であり、および任意には1以上のヘテロ原子を含有し、
X1およびX2は、相互に独立してエチレン性不飽和基であり、
mは1から5までの整数である
ブロックコポリマー。
【請求項2】
RfがペルフルオロC1-C30アルキル基であり、任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、R1がC1-C6アルキル基であり、およびR2がC1-C20アルキル基であり、直鎖、分枝、単環式または多環式であり、および任意には、1以上のヘテロ原子を含有することを特徴とする、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項3】
Rfが、以下の基
CF3-(CF2)0-3-、CF3-(CF2)0-3-O-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2)1-3-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2)1-3-O-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2)1-3-O-CF2-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2-O)1-8-および
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2-O)1-8-CF2-
から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のブロックコポリマー。
【請求項4】
Rfが、以下の基
CF3-(CF2)1-2-、CF3-(CF2)1-2-O-、
CF3-O-(CF2)1-3-、
CF3-O-(CF2)1-2-O-、
CF3-(CF2)1-2-O-CF2-、
CF3-O-(CF2)1-2-O-CF2-、
CF3-O-(CF2-O)1-8-および
CF3-O-(CF2-O)1-8-CF2-
から選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項5】
R1が、HまたはC1-C3アルキルから選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項6】
Lが、単結合または飽和のC1-C20アルキレン基であり、直鎖または分枝であり、任意には1以上のヘテロ原子を含有し、好ましくは1以上のO原子、および任意には1以上の官能基を含有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項7】
X1およびX2が、相互に独立してアクリラートまたはメタクリラート基であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項8】
mが、1、2または3であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項9】
R2が、C2-C12アルキル基であり、直鎖または分枝であり、および任意には、1以上のヘテロ原子を含有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項10】
R2が、C2、C3、C4、C5またはC6アルキル基であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項11】
Rfが、CF3-(CF2)1-2-、CF3-(CF2)1-2-O-、CF3-O-(CF2)1-3-、CF3-O-(CF2)1-3-O-、CF3-(CF2)1-2-O-CF2-、CF3-O-(CF2)1-2-O-CF2-、CF3-O-(CF2-O)1-8-およびCF3-O-(CF2-O)1-8-CF2-から選択され、
R1がHまたはCH3であり、
R2がC2-C12アルキル基であり、直鎖または分枝でありおよび任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、
LがC1-C4アルキレン基であり、任意に分枝でありおよび任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、好ましくは1以上のO原子、および任意には、官能基を含有し、
X1およびX2が相互に独立してアクリラートまたはメタクリラート基であり、
mが1または2であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項12】
式(I)および(II)で表されるモノマーが、相互に独立して以下の式:
【化1-1】

【化1-2】

(式中
Rfは、請求項1、2、3または10において与えられる意味の1つを有し、Rは請求項1、8または9に与えられる意味の1つを有し、およびR’およびR’’は、互いに独立してHまたはCHである、)
から選択されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項13】
少なくとも1つの機能的コモノマーに由来するモノマー単位を含む第3ブロックCをさらに含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のブロックコポリマー。
【請求項14】
機能的コモノマーが、OH、エポキシ、-Si(OMe)、-Si(OEt)、COHまたは三級のアミノ基を含むコモノマーから選択されることを特徴とする、請求項13に記載のブロックコポリマー。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのブロックコポリマーの使用による、とくにコーティング組成物のための、機能的コーティングおよび/または表面改変の生産のための方法。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのブロックコポリマー、任意にフィルム形成バインダー、任意に溶媒、および任意に添加剤を含む組成物と基体を接触させること、および該組成物を基体上で乾燥することを含む、基体を処理するための方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法に従って形成される、コーティングされた基体。
【請求項18】
機能的コーティングおよび/または表面改変の調製のための、請求項1~14のいずれか一項に記載のブロックコポリマーの使用。
【請求項19】
ペイント、コーティング、プリントインク、保護コーティング、電子または光学用途における特別なコーティング、フォトレジスト、トップ反射防止コーティングまたはボトム反射防止コーティング、化粧用製品、アグロ化学物質、フロアポリッシュ、写真のコーティング、または光学素子のコーティングにおける、請求項1~14のいずれか一項に記載のブロックコポリマーの使用。
【請求項20】
請求項1~14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのブロックコポリマー、任意にフィルム形成バインダー、任意に溶媒、および任意に添加剤を含む組成物。
【請求項21】
組成物が、ペイント組成物、コーティング組成物、消火組成物、潤滑剤、除氷組成物、フォトレジスト組成物、フォトリソグラフィ組成物、化粧用製品、アグロ化学物質、フロアポリッシュまたは織物仕上げもしくはガラス処理のための疎水化組成物であることを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
請求項20に記載の組成物を硬化させることにより生成されるフィルム。
【請求項23】
請求項1~14のいずれか一項に記載の少なくとも1つつのブロックコポリマーを含むコーティングを有する生成物。
【請求項24】
(a)開始剤、溶媒、およびコモノマーのうちの1つ以上を任意に含む組成物において、請求項1~12のいずれか一項において定義される式(I)および(II)の一方またはそれらの夫々の下位式で表されるモノマーを重合すること、
(b)得られたポリマーを、開始剤、溶媒、およびコモノマーのうちの1つ以上を任意に含む組成物において、請求項1~12のいずれか一項において定義される式(I)および(II)の他方またはそれらの夫々の下位式で表されるモノマーと反応させること、
(c)得られたポリマーを、機能的コモノマー、好ましくは請求項13または14において定義される機能的コモノマーと、開始剤、溶媒、およびコモノマーのうちの1つ以上を含む組成物において任意に反応させること、および、
(d)ポリマーを任意に単離すること
を含み、
ステップa、b、およびcは、上記とは異なる順序で行われてもまたよく、および少なくとも第1ステップにおいて、組成物は開始剤を含む、ブロックコポリマーの調製のためのプロセス。
【請求項25】
ステップa、bおよびcの少なくとも第1における重合反応が、ニトロキシドラジカル開始剤の存在下でニトロキシド媒介重合(NMP)によって行われることを特徴とする、請求項24に記載のプロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフッ素含有ブロックコポリマー、ブロックコポリマーを含む組成物、コーティング組成物におけるブロックコポリマーの、特にコーティング組成物における表面活性添加剤としての使用、かかるブロックコポリマーを含む組成物、およびかかる組成物でコーティングされた生成物に関する。
フルオロ界面活性剤は、工業用プロセス化学薬品の重要な成分である。しかしながら、その残留性および毒性のために、これらの材料は使用者および環境にとって問題である。フッ素を含有する界面活性剤は、極めて幅広い用途に使用でき、および例えば、表面の湿潤性の向上に寄与する。よってそれらは、例えば、界面促進剤またはレベリング剤、乳化剤、または、ペイント、コーティングまたは接着剤における粘度低下剤として使用される。
【0002】
従来のフルオロ界面活性剤は、長鎖のペルフルオロアルキル鎖(C6~C8)から構築され、および、生物蓄積性および毒性の可能性があると考えられている。しかしながら、一般にフルオロ界面活性剤はペルフルオロアルキル置換基を含有し、生物学的および他の酸化プロセスによって環境中で分解され、ペルフルオロアルカンカルボン酸および-スルホン酸を与える。
【0003】
したがって、コーティング組成物における添加剤としての使用に好適であり、改善された汚れまたは油への反発性および/または改善された湿潤またはレベリング性などのいくつかの利点を示すべきであり、およびそれらの生態毒性学的プロファイルの観点から有益であるべきである代替フルオロ界面活性剤に対する需要が引き続き存在する。
これらの目的の1以上は、以下に開示および特許請求されるブロックコポリマーを提供することによって達成され得ることが見出された。
【0004】
本発明は、少なくとも1つの第1ブロックAおよび少なくとも1つの第2ブロックBを含み、ブロックAが、式(I)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含み、およびブロックBが、式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含む、
(Rf-CHF-CF2-Y-CHR1)m-L-X1 (I)
R2-X2 (II)
式中
Rfはペルフルオロアルキル基、好ましくはペルフルオロC1-C30アルキル基、極めて好ましくはペルフルオロC1-C15アルキル基であり、任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、
YはOまたはSであり、
R1はHまたはアルキル基、好ましくはC1-C6アルキル基であり、
Lは単結合または二価の有機基であり、
R2はアルキル基、好ましくはC1-C20アルキル基であり、直鎖、分枝、単環式または多環式であり、および任意には1以上のヘテロ原子を含有し、
X1およびX2は、相互に独立してエチレン性不飽和基であり、
mは1から5までの整数である、
ブロックコポリマー(単に「ポリマー」とも称する)に関する。
【0005】
好ましくは、Rfは、以下の基から選択される:
CF3-(CF2)0-3-、CF3-(CF2)0-3-O-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2)1-3-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2)1-3-O-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2)1-3-O-CF2-、
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2-O)1-8-および
CF3-(CF2)0-3-O-(CF2-O)1-8-CF2-。
とくに好ましい本発明の変形において、Rfは、以下の基から選択される:
CF3-(CF2)1-2-、CF3-(CF2)1-2-O-、
CF3-O-(CF2)1-3-、
CF3-O-(CF2)1-2-O-、
CF3-(CF2)1-2-O-CF2-、
CF3-O-(CF2)1-2-O-CF2-、
CF3-O-(CF2-O)1-8-および
CF3-O-(CF2-O)1-8-CF2-。
好ましくは、R1は、HおよびC1-C3アルキルから選択される。
【0006】
好ましくは、Lは、単結合および飽和、分枝または分枝でない、任意にヘテロ原子、とくにOおよび/またはS原子、および/または有機基、とくにアルキレン基を含有する官能基から選択される。極めて好ましくはLは、メチレン、エチレンまたはプロピレン、最も好ましくはメチレンである。
好ましくは、R2は、C2-C12アルキル基であり、任意に分枝のおよび任意には、1以上のヘテロ原子を含有する。極めて好ましくはR2は、C2、C3、C4、C5またはC6アルキル基である。
【0007】
好ましくは、X1およびX2は、相互に独立してアクリラートまたはメタクリラート基である。
好ましくは、m1は、1、2または3、具体的に好ましくは1または2である。
変数の1以上が好ましい意味を有する式(I)で表される少なくとも1つのモノマーおよび式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーが好ましい。変数のすべてが同時に好ましい意味を有する式(I)で表される少なくとも1つのモノマーおよび式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーは特に好ましい。
【0008】
具体的な好ましいものは、式(I)および(II)で表される、式中
Rfは、CF3-(CF2)1-2-、CF3-(CF2)1-2-O-、CF3-O-(CF2)1-3-、CF3-O-(CF2)1-3-O-、CF3-(CF2)1-2-O-CF2-、CF3-O-(CF2)1-2-O-CF2-、CF3-O-(CF2-O)1-8-およびCF3-O-(CF2-O)1-8-CF2-から選択され、
R1はHまたはCH3であり、
R2はC2-C12アルキル基であり、直鎖または分枝であり、および任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、
LはC1-C4アルキレン基であり、直鎖または分枝であり、および任意には、1以上のヘテロ原子を含有し、好ましくは1以上のO原子、および任意には官能基を含有し、
X1およびX2は相互に独立してアクリラートまたはメタクリラート基であり、
mは1または2であるモノマーである。
【0009】
とくに好ましくは、以下の式(Ia)~(Id)、とくに(Ia)~(Ic)、および/または(IIa)ポリマーから選択される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含み、
【化1】

式中RfおよびR2は、本明細書において与えられる意味の1つを有し、およびR’およびR’’は、相互に独立してHまたはメチルであり、および好ましくはR’およびRは同じ意味を有する。
【0010】
具体的に好ましいは、式(Ia)~(Ib)から選択される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含むポリマー、式中Rfは、以下の基から選択される:
CF3-(CF2)1-2-、CF3-(CF2)1-2-O-、
CF3-O-(CF2)1-3-、
CF3-O-(CF2)1-2-O-、
CF3-(CF2)1-2-O-CF2-、
CF3-O-(CF2)1-2-O-CF2-、
CF3-O-(CF2-O)1-8-または
CF3-O-(CF2-O)1-8-CF2-
およびR’は、Hまたはメチルである。
【0011】
本発明のとくに好ましい変形において、ポリマーは式(Ia)~(Ib)から選択される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含み、式中Rfは
CF3-(CF2)1-2-、
CF3-(CF2)1-2-O-、
CF3-O-(CF2)1-3-
またはCF3-O-(CF2)1-2-O-
であり、およびR’は、Hまたはメチルである。
好ましくは、ポリマーは、式(Ia)~(Ib)(式中Rfは、CF3-CF2-CF2-O-、CF3-CF2-O-またはCF3-O-であり、およびR’はHまたはメチルである)から選択される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含む。
具体的に好ましくは、式(IIa)から選択される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーであり、式中R2は、直鎖または分枝のC2-C12アルキル基、極めて好ましくはC2、C3、C4、C5またはC6アルキル基であり、およびR’は、Hまたはメチルである。
【0012】
さらに好ましくは、以下の下位式から選択される式(IIa)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーであり、式中R’’’’は、Hまたはメチルであり、およびnは、1から6までの整数である:
【化2-1】

【化2-2】

式(I)および(II)で表されるモノマーは、単純な標準的なプロセスステップによって調製され得る。例えば、式(I)で表されるモノマーは、対応するアルコールの酸または酸無水物との当業者に知られる方法による反応により調製され得る。
【0013】
式(II)で表されるモノマーは、例えば対応するアルキルアルコールの、対応する(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸誘導体との反応により調製され得る。
必要な出発材料は市販、市販の生成物から知られるプロセスによりまたは知られている合成により類似して調製され得る。
式(I)で表されるモノマーおよびそれらの調製プロセスは、例としてWO2016/096129に記載される。
【0014】
新しいポリマーはもっぱら式(I)で表される少なくとも1つのモノマーおよび式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含み得る。
本発明の変形において、新しいポリマーは、式(I)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含む第1ブロックA、式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位を含む第2ブロックB、および任意に少なくとも1つの機能的コモノマーに由来するモノマー単位を含む第3のブロックCを含み得る。かかるポリマーは、式(III)で表されてもよく、
【化3】

式中、Raは、式(I)で表されるモノマーに定義されるとおりのフッ素化された基(Rf-CHF-CF2-Y-CHR1)m-L-であり、Rbは、式(II)で表されるモノマーに定義されるとおりアルキル基R2であり、Rcは、以下に定義されるとおり官能基であり、R’、R’’およびR’’’は、Hまたはメチルを示し、および、x、yおよびzは夫々のモノマーの総数を示しここでx>1、y>1、z≧0である。
【0015】
ブロックCの機能的コモノマーは、好ましくは、OH、エポキシ、-Si(OMe)3,-Si(OEt)3、CO2Hまたは三級のアミノ基を含むモノマーから選択される。とくに好ましい機能的コモノマーは、以下のモノマーから選択され、ここでR’’’は、Hまたはメチルである:
【化4】

本発明の好ましい変形において、ポリマーは、少なくとも1つのモノマー式(I)および式(II)で表される少なくとも1つのモノマーに由来するモノマー単位からなる。
【0016】
好ましくは、本発明に従ってブロックコポリマーは、1000から100,000まで、より好ましくは2000から50,000まで、極めて好ましくは3,000から30,000g/molまでの数平均分子量Mnを有する。
ポリマーは、3タイプのモノマー単位(式Iで表されるフッ素化されたモノマー式から形成される単位Rf-U、式IIで表されるアルキルモノマーから形成される単位A-U、および官能基をもつモノマーから形成される単位F-U)を、最終ポリマーの合計が100%に算出される1~99%の各比率%=重量%で含んでもよい。)
好ましい組み合わせは、以下の表1において示される。
【0017】
【表1】
【0018】
コポリマーの組成のバランスをとることは、最終的な組成物またはコーティングにおけるポリマーの最終性能の鍵である。
ブロックコポリマーの合成は、当業者に知られており、文献に記載されている標準的なプロセスによって、好ましくは溶液中、バルク中、またはエマルション中のラジカル重合によって達成することができる。
【0019】
好ましくは、ブロック共重合体は、以下のステップを含むプロセスによって調製される:
(a)開始剤、溶媒、およびコモノマーのうちの1つ以上を含む組成物において、上において定義される式(I)および(II)の一方またはそれらの夫々の下位式で表されるモノマーを重合すること、
(b)得られたポリマーを、開始剤、溶媒、およびコモノマーのうちの1つ以上を任意に含む組成物において、上に定義される式(I)および(II)の他方またはそれらの夫々の下位式で表されるモノマーと反応させること、
(c)得られたポリマーを、上に定義される機能的コモノマーと、開始剤、溶媒、およびコモノマーのうちの1つ以上を含む組成物において任意に反応させること、および、
(d)ポリマーを任意に単離すること
を含む。
【0020】
ステップa、bおよびcの順序を適宜変更することにより、上記のように別の順序でブロックコポリマーのブロックA、BおよびCを調製することも可能である。例えば、最初に官能性コモノマーを重合してブロックCを形成し、次いで得られたポリマーを式(I)および(II)のモノマーとさらに2つのステップで共重合してブロックAおよびBを形成することが可能である。あるいは、式(I)および(II)のモノマーの1つを最初に重合して、ブロックAおよびBの1つを形成し、次いで、得られたポリマーを官能性コモノマーと共重合させてブロックCを形成し、最後に、得られたポリマーを式(I)および(II)の他のモノマーと共重合させて、ブロックAおよびBの他方を形成することが可能である。かかるすべての場合において、ステップa、bおよびcの少なくとも最初のステップは、好ましくは開始剤の存在下で行われる。
【0021】
ブロックA、Bおよび/またはCの合成は、好ましくは制御された重合反応、非常に好ましくは制御された(フリー)ラジカル重合を用いて行われる。制御された重合反応の適切で好ましい例は、限定するものではないが、
-グループトランスファー重合(GTP)
-可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、
-原子移動ラジカル重合(ATRP)、
-ニトロキシド媒介重合(NMP)などのニトロキシドラジカル開始剤の存在下での重合
を包含する。
【0022】
これらの重合法は当業者に知られており、文献に記載されている。例えばGTPはUS4,656,226に記載され、ラフトはWO98/01478に記載され、ATRPは、WO96/30421に記載されおよびNMPはWO94/11412に記載される。
極めて好ましくは、ATRPおよびNMPであり、最も好ましくはNMPである。
好適なニトロキシド開始剤は、先行技術に記載され、および例えばWO2009/103613A1に開示される。好ましいニトロキシド開始剤は、以下の式から選択される。
【化5】
【0023】
極めて好ましくは、以下の式で表される開始剤である。
【化6】
【0024】
さらなる適切および好ましい重合プロセスは、実験の部で例として示されている。ポリマーは、単離されてもよいし、分散液または溶液において使用されてもよい。好ましくは、重合は、後のコーティング分散液が使用されるのと同じ溶媒において行われる。溶媒が好適でない場合は、重合後に溶媒交換を行われてもよい。好ましくは、重合は、AIBNなどの熱活性化開始剤を用いて、不活性雰囲気下でフリーラジカル重合として行われる。
本発明によるポリマーは、例えばコーティング材料として、または従来のコーティング用の添加剤として使用することができる。
【0025】
式(I)および(II)またはそれらの下位式で表されるモノマーに由来するモノマー単位の2つ以上のブロックを含む本発明によるポリマーは、特に、それらの好ましい変形において、先行技術のポリマーと比較して、良好な水および汚れへの反発性ならびに有益な環境特性などのいくつかの利点を提供する。したがって、化学的または生物学的に分解して長鎖PFCAまたはPFASを形成しない。
本発明に従うポリマーの特別な利点は、分子内に特定のノミナルブレイキングポイント(nominal breaking point)を有するため、容易に分解できることである。結果として、分解プロセスでは、対応する低分子量の断片が形成され、大気中に入ることができ、成層圏でUV光の下で分解することができる。
【0026】
以下の構造のヒドロフルオロエーテルは、例えば加水分解および酸化によって、容易に揮発性で紫外線分解性の化合物に変換することができる。分解生成物は、雨によって大気から洗い流され、地面に運ばれ、そこでミネラル化される。
【化7】
【0027】
使用の好ましい領域は例えば、塗料、ラッカー、保護コーティング、電子工学もしくは半導体機器における(例えばフォトレジスト、トップ反射防止コーティング、ボトム反射防止コーティング)または光学機器における(例えば写真コーティング、光学素子のコーティング)特別なコーティングなどの表面コーティングのための調製における、農薬における、例えば家具、床カバー、および自動車のための研磨剤およびワックスにおける、とくに床研磨剤における、消火組成物における、潤滑剤、フォトリソグラフィープロセスにおける、とくに現像液、すすぎ液、浸漬油および/またはフォトレジストそれ自体における浸漬フォトリソグラフィープロセスにおける添加剤、とりわけプリント配線の製造のための添加剤としての、あるいは対応する調製のための添加剤調製における発明によるポリマーの使用である。
【0028】
使用のために、本発明によるポリマーは通常、対応して設計される調製品に導入される。通常の使用濃度は、全組成物に基づき、本発明によるポリマーの重量の0.01~30.0%、好ましくは0.01~10.0%である。本発明は同様に、本発明によるポリマーを含む対応する組成物に関する。好ましくはかかる組成物は、それぞれの用途に好適な溶媒、および任意にさらに活性物質および/または任意に添加剤を含む。
【0029】
好ましい組成物は、塗料、およびコーティング調製物、消火組成物、潤滑剤、洗浄剤、洗剤、および防氷剤、または現像液、すすぎ液、浸漬油および、とくに浸漬フォトリソグラフィープロセスのための、とくにプリント配線のためのフォトリソグラフィープロセスのためのフォトレジスト、農薬、床研磨剤、化粧品、織物仕上げまたはガラス処理のための疎水化剤である。本明細書での好ましい組成物は、塗料およびコーティング調製物およびプリントインクである。
【0030】
さらに、本発明はまた、本発明によるポリマーを単独でまたは添加剤との混合で含む、水に基づく表面コーティング配合物にも関する。以下の合成フィルム形成物に基づく表面コーティング配合物の使用に、好ましさが与えられる:アルキド樹脂、飽和/不飽和ポリエステル、ポリアミド/イミド、シリコン樹脂などの重縮合樹脂;フェノール樹脂;尿素樹脂およびメラミン樹脂、ポリウレタンおよびエポキシ樹脂などの重付加樹脂、ポリオレフィン、ポリビニル化合物およびポリアクリラートなどの重合樹脂。
【0031】
さらに、本発明によるポリマーはまた、天然物および改変された天然物に基づく表面コーティングにおける使用にも好適である。油、デンプンおよびセルロースなどの多糖に基づく、また環状オリゴテルペン、ポリテルペン、および/またはシェラックなどの天然樹脂に基づく表面コーティングに好ましさが与えられる。
【0032】
本発明によるポリマーは、水性表面コーティングシステムを物理的に硬化する際(熱可塑性)、および交差架橋する際において(エラストマーおよび熱硬化性)の両方において使用され得る。好ましくは、本発明によるポリマーは、コーティングされる表面の水および/または汚れへの反発性を改善する。
【0033】
本発明は、本発明に従い利用されるポリマーの、本明細書で述べる全ての使用に関する。ポリマーの前記目的のそれぞれの使用は、当業者に知られ、およびその結果、本発明に従い利用されるポリマーの使用は問題ないと提示する。
【0034】
本発明はとくに本発明による、ならびに、例えばコーティング配合物、例としてエポキシ、アクリル、およびPURコーティングの水および/または汚れへの反発性を改善するための機能性コーティングとして、および、における、上に記載のそれらの好ましい態様によるポリマーの使用に関する。
【0035】
式(I)および/または(II)で表されるモノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーの他に、本発明によるコーティング配合物はまた、溶媒、添加剤、補剤、および充填剤、ならびにフルオロ化されたポリマーを含んでいてもよい。
【0036】
本発明による1以上のポリマーを含む溶液または分散体は、従来のコーティングのための添加剤として適用され得るが、基体上の薄層として、溶液または分散体をスピンコーティングすることが有益であり得る。好適な基体は例えば、ガラス、セラミック、織物、装飾または革である。
【0037】
ポリマーおよびかかるポリマーを含むコーティングは、生態毒性的側面の観点から有益であってもよく、および同時に、よい水および汚れへの反発性を表してもよい。さらにまた、本発明によるポリマーおよびコーティングは、よい加工性および/または貯蔵安定性を表してもよい。
【0038】
全ての用途の完全な開示内容、および明示的に述べる公開はまた、引用の方法で本出願の開示内容に属する。本発明のさらなる特徴、利点、および変形は、請求項および例から生じる。以下の例は、本発明を多大に詳細に、保護範囲を限定することなしで説明する。
【0039】

以下の略語を使用する:
Mn 数平均分子量
Mw 重量平均分子量
D 多分散性
RT 室温
wt.% 重量パーセント
【0040】
重合のための一般手順:
モノマー、開始剤、および溶媒を最初に、乾燥した三つ口丸底フラスコに導入する。真空とアルゴンの導入を交互に行うことにより、不活性雰囲気を作り出す。組成物を115℃に加熱し、48h撹拌する。ブロックコポリマーの合成では、コモノマーを24h後に添加し、混合物をさらに24h加熱および攪拌する。ロータリーエバポレーターを使用して、溶媒と残留モノマーを減圧下で除去する。
【0041】
例1:フッ素化されていないブロックの合成
ポリマー1(ポリ-nBA)を以下のとおり調製する。
【化8】
【0042】
以下の材料の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
1.00g(7,80mmol)のn-ブチルアクリラート(nBA)
0.56gのクロロベンゼン
=6794、M=11,788、D=1.74
【0043】
例2:フッ素化されたブロックの合成
ポリマー2(ポリ-AMPFE)を以下のとおり調製する:
【化9】
【0044】
以下の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
2.717g(7.80mmol)のAMPFE
0.56gのクロロベンゼン
=5452、M=8745、D=1.60
【0045】
例3(比較):フッ素化されたブロックの合成
ポリマー3(ポリ-AFT6:2)を以下のとおり調製する:
【化10】
【0046】
以下の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
3.262g(7.80mmol)のAFT6:2
0.56gのクロロベンゼン
=4560、M=7291、D=1.60
【0047】
例4:ブロックコポリマーの合成
ポリマー4(Blc-nBA-AMPFE)を以下のとおり調製する:
【化11】
【0048】
以下の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
1.000g(7.80mmol)のnBA
0.56gのクロロベンゼン
24h後、0.408g(1.048mmol)のAMPFEを添加する。
=9614、M=13,273、D=1.38
【0049】
例5(比較):ランダムコポリマーの合成
ポリマー5(Rnd-nBA-AMPFE)を以下のとおり調製する:
【化12】
【0050】
以下の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
1.000g(7.80mmol)のnBA
0.408g(1.048mmol)のAMPFE
0.56gのクロロベンゼン
=5054、M=12,694、D=2.51
【0051】
例6(比較):ブロックコポリマーの合成
ポリマー6(Blc-nBA-AFT6:2)を以下のとおり調製する:
【化13】
【0052】
以下の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
1.000g(7.80mmol)のnBA
0.56gのクロロベンゼン
24h後、0.438g(1.048mmol)のAFT6:2を添加する。
=7844、M=9970、D=1.27
【0053】
例7(比較):ランダムコポリマーの合成
ポリマー7(Rnd-nBA-AFT6:2)を以下のとおり調製する:
【化14】
【0054】
以下の予混合物を作る:
32mg(0.086mmol)のN-t-ブチル-O-[1-[4-(クロロメチル)フェニルエチル]-N-(2-メチル-1-フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン(NBOP)、
1.000g(7.80mmol)のnBA
0.438g(1.048mmol)AFT:20.56gクロロベンゼン
=5054、M=12,694、D=2.51
【0055】
例8:塗布テスト
合成されたポリマーを、コーティング塗布における表面活性添加剤としてのそれらの適正のためにテストする。この目的のために、ポリマーを2K-PURに分散させ、ドローダウンチャートに付着させる(deposited)。硬化後、水およびジヨードメタン(DIM)に対するそれぞれのポリマーの反発性効果を接触角測定によってテストする。使用する装置は、液滴形状分析器(Kruess、ドイツの DSA100)である。
ベースコート組成物を表2において示す。
【0056】
【表2】
【0057】
ベースコートの調製:
250mlのフラスコに成分1~6を加え、マグネチックスターラーで12h混合する。
ベースコート、硬化剤および例1~7からのポリマー1~7を用いて、以下の混合物を調製する:
【0058】
【表3】
【0059】
ベースコートと添加剤を混合し、マグネチックスターラー(MultiReax)で45min均一化する。硬化剤の添加後、混合物をマグネチックスターラーでさらに20min均一化する。
コーティング塗布のために以下の機器を使用する:
-byko-chart / Opacity Chart (byk-Gardner GmbH AG-5305) Black/White Drawdown chart
-Doctor blade (Erichsen, Model 360, 30μm)
-オートマティックフィルムアプリケイター(byk-Gardner GmbH)
-真空オーブン
【0060】
コーティングの調製:
-ラッカーを30μmのウェット膜厚で塗布する。
-チャートを15mins間水平にする
-硬化条件130℃および250mbarにて30mins。
【0061】
結果:
表4は、ポリマー添加剤を使用した場合と使用しない場合の2K-PURコーティング上の水またはジヨードメタン(DIM)液滴の接触角、およびそこから計算された表面エネルギーを示す。コーティングされた基体の異なる領域で2つの液滴に対して測定を10回繰り返す。
【0062】
【表4】
【0063】
表4から、次のことがわかる。
-フッ素化されたコポリマーをもつ側鎖を含むコーティング(No.2-7)は、フッ素含有ポリマーをもたないコーティング(No.1およびブランク)よりも改善された水および汚れへの反発性を示す。
-フッ素化側鎖と非フッ素化側鎖の両方を含むコポリマー(No.4-7)は、フッ素化側鎖を持つホモポリマー(No.2+3)よりも高い水の接触角を示し、より高い水への反発性を示す。
-フッ素化および非フッ素化側鎖をもつブロックコポリマー(No.4+6)は、対応するランダムコポリマー(No.5+7)よりも高い水およびDIMの接触角を示し、高い水および汚れへの反発性を示す。
-本発明に従うブロックコポリマーNo.4は、先行技術のブロックコポリマーNo.5よりも高い水およびDIMの接触角を示し、より高い水および汚れへの反発性を示す。
【0064】
したがって、本発明によるブロックコポリマーNo.4は、より高い水および汚れへの反発性ならびにより容易な分解性という利点を兼ね備える。

【国際調査報告】