(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】単結晶シリコンの結晶片
(51)【国際特許分類】
C30B 29/06 20060101AFI20230906BHJP
C30B 33/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
C30B29/06 B
C30B29/06 A
C30B33/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023502773
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2021068061
(87)【国際公開番号】W WO2022012936
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599119503
【氏名又は名称】ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Einsteinstrasse 172,81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツェンケ,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】バラネットスキー,セルギー
(72)【発明者】
【氏名】レーマン,トーニ
(72)【発明者】
【氏名】マンゲルベルガー,カール
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077AB01
4G077AB09
4G077BA04
4G077EA04
4G077EA06
4G077EG05
4G077FG11
4G077HA12
(57)【要約】
半導体ウェーハの生成のために意図された単結晶シリコンの結晶片であって、8cm以上50cm以下の長さと、280mm以上320mm以下の直径とを有し、30μm以下のサイズを有するピンホールがない、結晶片から生成された半導体ウェーハの割合が、96.2%よりも大きい、結晶片が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハの生成のための単結晶シリコンの結晶片であって、
8cm以上50cm以下の長さと、
280mm以上320mm以下の直径とを有し、
前記結晶片が半導体産業に適した半導体ウェーハになるようワイヤーソーで切り分けられた後で、透過赤外線偏光解消測定(SIRD)で測定される、7μmよりも大きく30μm以下のサイズを有するピンホールがない、生成された前記半導体ウェーハの割合が、98%よりも大きい、結晶片。
【請求項2】
半導体ウェーハの生成のための単結晶シリコンの結晶片であって、
8cm以上50cm以下の長さと、
280mm以上320mm以下の直径とを有し、
30μm以下のサイズを有するピンホールがない、前記結晶片から生成された前記半導体ウェーハの割合が、96.2%よりも大きい、結晶片。
【請求項3】
前記結晶片は、1×10
17at/cm
3以上、好ましくは3×10
17at/cm
3以上、および7×10
17at/cm
3以下、好ましくは6×10
17at/cm
3以下(新ASTM)の格子間酸素を含む、請求項1に記載の結晶片。
【請求項4】
生成された前記半導体ウェーハの前記割合からのすべての前記半導体ウェーハは、シリコン格子間原子が支配的である領域P
iと、シリコン空孔が支配的である領域P
vとの双方を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の結晶片。
【請求項5】
前記領域P
vの面積と前記領域P
iの面積との合計は、半導体ウェーハの面積の95%、好ましくは99%よりも大きい、請求項4に記載の結晶片。
【請求項6】
前記領域P
vの前記面積は、前記半導体ウェーハの前記面積の10%よりも小さい、請求項5に記載の結晶片。
【請求項7】
炭素(C)不純物は、7×10
14at/cm
3未満、好ましくは5.5×10
14at/cm
3未満であり、同時に、鉄(Fe)不純物は、1.0×10
10at/cm
3未満、好ましくは5.0×10
9at/cm
3未満である、先行する請求項のいずれか1項に記載の結晶片。
【請求項8】
すべての前記半導体ウェーハ上で測定された抵抗は、1mohmcm以上1ohmcm以下である、先行する請求項のいずれか1項に記載の結晶片。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の結晶片が使用され、
ワイヤーソーによって半導体ウェーハになるよう切断され、
研磨され、オプションでエピタキシーを受ける、半導体ウェーハを生成するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シリコンからの半導体ウェーハの生成に特に適したシリコン単結晶に関する。
【背景技術】
【0002】
単結晶半導体ウェーハは、現代の電子工学の基盤である。前記半導体ウェーハ上での部品の生成中、それらは、現在非常に複雑な被覆ステップを用いる熱動作を受ける。
【0003】
半導体ウェーハ、特にシリコン半導体ウェーハは典型的には、まず、フロートゾーン法(float zone:FZ)またはチョクラルスキー法(Czochralski:CZ)によって単結晶ロッドを引き上げることにより生成される。それに応じて生成されたロッドは、ワイヤーソー、内径ソー、またはバンドソーといった、その目的に適したソーによって結晶片に分割され、これらの片は次に、典型的にはワイヤーソーまたは内径ソーで半導体ウェーハに加工される。
【0004】
さらなる機械的ステップ、化学機械的ステップ、および/または化学的ステップの後で、オプションで層がCVDによって塗布されてもよい。
【0005】
こうして生成されたこれらの半導体ウェーハは次に、さらなる部品加工に利用可能になる。
【0006】
適切な品質保証は、実施された作製ステップの成否を決める分析手法の集中的展開を定める。したがって、典型的には、異なる測定手法が、場合によっては個々の処理ステップの後で、一方では生成プロセスを監視するために、他方では使用不可と考えられる半導体ウェーハを排除するために使用される。ここでの半導体ウェーハは典型的には、単一の測定方法または1つの測定パラメータの結果のみを常に使用して評価される。
【0007】
石英るつぼに保持された溶融物から単結晶がチョクラルスキー法(CZ法)に従って引き上げられる場合、るつぼ材料は、単結晶に、およびそれから得られる半導体ウェーハに取り込まれる格子間酸素の源を形成する。取り込まれる格子間酸素の濃度は、たとえば圧力調整や引き上げ装置を通るアルゴンの流れの調整によって、または、単結晶の引き上げ中のるつぼ回転と種結晶回転との連携によって、または、溶融物に課される磁場の印加によって、または、これらの措置の組合せによって、非常に精密に制御され得る。一般的に言えば、CZ法によって生成された結晶で測定された格子間酸素濃度は、5×1016at/cm3以上(新ASTM)である。
【0008】
格子間酸素は、BMD(Bulk Micro Defects:バルク微小欠陥)の発生において重要な役割を果たす。BMDとは、熱処理の過程でBMD種の成長によって形成された酸素析出物である。それらは内部ゲッタとして、言い換えれば、不純物のためのエネルギーシンクとして作用し、したがって原則としては利点である。1つの例外は、それらが、電子部品が位置するよう意図される位置に存在することである。そのような位置でのBMD形成を回避するために、半導体ウェーハ上にエピタキシャル層を堆積させ、電子部品をエピタキシャル層に位置するように提供することが可能である。
【0009】
るつぼは通常、石英などの二酸化シリコンを含有する材料から構成される。それは一般に、多結晶シリコンの塊および/または顆粒で充填され、多結晶シリコンは、るつぼの周りに配置されたサイドヒータとるつぼの下に配置されたベースヒータとによって溶融される。溶融物の熱安定化の段階の後で、単結晶種結晶が溶融物に浸漬されて持ち上げられる。この手順中、シリコンが、溶融物によって濡れた種結晶の端で結晶化する。結晶化速度は、種結晶が持ち上げられる速度(結晶持ち上げ速度)によって、および、溶融シリコンが結晶化を受ける界面の温度によって実質的に影響される。これらのパラメータの適切な制御を通して、まず、「ネック」と呼ばれる区分が、転位をなくすために引き上げられ、その後に単結晶の円錐区分が続き、最後に単結晶の円筒区分が続き、円筒区分から半導体ウェーハが後に切り取られる。
【0010】
たとえばUS-5 954 873 Aに記載されるように、結晶引き上げプロセス中の対応する動作パラメータは、結晶において径方向に均一な欠陥分布を達成するようなやり方で調節される。
【0011】
WO 98/45508 A1は、単結晶の成長中の比率v/Gが実質的に変わらないままであり、かつ、単結晶が意図された領域で成長できるようなやり方で引き上げ速度vを制御するために、引き上げ速度vの時間プロファイルがどのように実験的に確かめられ得るかを記載する、多くの公表文献のうちの1つである。さらに、Pv領域およびPi領域の特徴付けおよび区別のために、検出方法が記載されている。
【0012】
るつぼ材料における遊離したガス状含有物、塊および/または顆粒を包囲するガス、溶融物中に生じる酸化シリコン、および溶融物中に拡散するガスはすべて、「ピンホール」欠陥(COPと混同してはならない)と呼ばれる、単結晶における空洞の形成を引き起こし得る原因と考えられる。それらは、成長している単結晶と溶融物との間の界面に気泡が到達すると生じ、単結晶はこれらの泡の周りで結晶化する。半導体ウェーハが切り取られるときに分割面が空洞と交差すると、結果として生じる半導体ウェーハは、直径が典型的には数マイクロメートル~数ミリメートルになり得る円形のくぼみまたは穴を有する。そのような空洞を含有する半導体ウェーハは、電子部品の生成用の基板ウェーハとして使用できない。
【0013】
インゴット片に形成されたピンホールの密度は、たとえば走査超音波法によって測定可能であり、走査超音波法はたとえばDE 102 006032431 A1に記載されている。その方法は、約50μmの直径からのピンホールを検出する。この方法を使用する、各事例でのピンホールの正確なサイズの判定は、比較的大きい測定誤差によって妨げられる。
【0014】
US-9665931 A1は、半導体ウェーハにおけるピンホールの密度およびそれぞれのサイズを判定するための対応する方法を記載する。この方法は、ピンホールのサイズが高精度で提示されることを可能にする。
【0015】
インゴット片におけるピンホールのサイズを正確に測定できるようになるために、測定用のインゴット片は、先行技術に従って、DE 102 006 032431 A1のとおりに測定を受け、発見されたピンホールの座標が格納される。
【0016】
対応するピンホールを含有するゾーンは次に、半導体ウェーハになるよう切り分けられ、US-9665931 A1に記載された方法によって分析される。それに応じて発見されたピンホールのサイズは、数パーセントの測定誤差でこのように判定され得る。
【0017】
半導体ウェーハを排除するための正当化は、半導体ウェーハが部品加工における処理を受けているときにのみ、その不適切な性質または欠陥のある性質が検出された場合、しかるべきコストが発生するということである。逆に、材料が使用に適さないと誤って分類された場合、半導体ウェーハの製造業者への経済的損害が必然的に存在する。
【0018】
半導体ウェーハに影響を与え得る、異なる欠陥がある。部品加工に依存して、欠陥タイプとその外観(外観の位置および形)との双方が、部品加工に関する限り、欠陥が有害であるとして分類されるか、またはそれほど重要ではないとして分類されるかを決定する。
【0019】
たとえば、半導体ウェーハの内部(すなわち、表面から離れた位置)におけるピンホールは、部品加工についての観察可能な結果なく存在し得る。一方、ピンホールが表面上または表面近傍に位置する場合、それは実際に、部品加工において悪影響を生じさせる。
【0020】
US 2008/0032429 A1はこの問題を引き受け、欠陥が起こると半導体ウェーハ上の欠陥ゾーンの追加画像を準備し、それらを使用してこの領域内の欠陥タイプを特定する測定方法のための手法を記載する。このため、システムによっていったん認識された欠陥が、同じ測定器具上でさらなる測定データによって再測定され、それに応じて、決定が真実であることが立証されるか、またはその誤りが立証される。これは、分析労力の増加、ひいてはコストの増加を必要とする。
【0021】
US 2008/0163140 A1では、欠陥が認識された後で、半導体ウェーハ上の欠陥の座標が格納され、欠陥は、目標とされるやり方で第2の測定方法を受ける。この測定ステップの目的は、欠陥タイプを明確に識別することである。ここでも、さらなる測定方法の適用を通して、コストの増加が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
先行技術に記載された方法は双方とも、欠陥がいったん発見されると、欠陥が真実であることを立証するかまたはその誤りを立証することができる。これは欠陥レビューと呼ばれる。双方の手法は、追加で実施される測定を目標とされるやり方で使用する、いったん検出された欠陥の明確な識別を目的とする。
【0023】
この追加測定の背景は、現在、標準ベースで使用される測定手法が、制限を有してのみ、好適な分類を提供するということである。
【0024】
追加の測定手法は各々、第1にコストを発生させ、第2に半導体ウェーハへの変化(たとえば汚染)をもたらし得る。これらの変化は次に、このように分析された半導体ウェーハを部品加工において使用することを妨げる。したがって、これらの手法を半導体ウェーハの大量生産で展開することはできない。
【0025】
結晶引き上げ中のピンホールの形成をどのように抑制することができるかに関し、一連の提案もすでに公開されてきた。これらの提案の多くは、るつぼ材料の特性を改良することに焦点を合わせている。
【0026】
るつぼへの損傷、ひいては、溶融物における気泡および単結晶におけるピンホールの形成を防止するために、るつぼの供給を最適化する提案(たとえば、EP 247 1980 A1)もある。
【0027】
他の提案は、塊および/または顆粒の溶融期間中にピンホールを抑制または排除することに焦点を合わせている。たとえば、US 2011/304081 A1は、使用されるヒータの好適な時間調節電力分配によって、結晶に生じるピンホールの密度を減少させるようなやり方で、るつぼを管理するための穏やかなアプローチを推奨する。
【0028】
引き上げられた結晶の所望の(欠陥)特性を達成するには、加熱電力の分配を対応するように固定比率で調節することが必要である。これは、たとえば、DE10 339 792 A1で提案された方法と矛盾する。その場合、それでは、双方の目的(低いピンホール密度および所望の欠陥特性)を達成することが可能である。
【0029】
JP-5009097 A2は、ポリシリコンの溶融中、結晶引き上げユニットにおける圧力が5~60mbarの圧力まで減少され、結晶の引き上げ中、圧力は100mbar以上である、単結晶シリコンを生成するための方法を記載する。
【0030】
US 2011/214603 A1は、溶融中、ヒータの電力が、その後の結晶引き上げでの電力よりも高く設定される、単結晶シリコンを生成するための手法を記載する。加えて、溶融中の圧力は30mbar以下に設定され、それは、その後の結晶引き上げでの圧力よりも小さい。
【0031】
発明者らは、表向きは欠陥のない半導体材料が比較的高密度のピンホールを含有するということを認識した。先行技術に記載された技術は、この問題の一部を解決することができるが、先行技術に従って生成された半導体ウェーハは依然として、部品生成中に不具合を有する可能性が非常に高いということが分かっている。
【0032】
発明者らはまた、先行技術に記載された手法がさらなる欠点を有するということを認識した。特に、引き上げられた単結晶は増加したレベルの炭素不純物および鉄不純物を有することが指摘されてきた。
【0033】
発明者らは加えて、先行技術において提案された方法では、大型ピンホールの密度が非常に低いだけでなく鉄および炭素による汚染のレベルも非常に低く、同時に所望の欠陥特性を有する(欠陥のない)単結晶を、チョクラルスキー法によって生成することはできないということを認識した。
【0034】
この発明の目的は、上述の欠点を有さないシリコン結晶、およびそれらから生成された半導体ウェーハを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
この目的は、半導体ウェーハの生成のために意図された単結晶シリコンの結晶片であって、8cm以上50cm以下の長さと、280mm以上320mm以下の直径とを有し、30μm以下のサイズを有するピンホールがない、結晶片から生成された半導体ウェーハの割合が、95%よりも大きい、結晶片によって達成される。
【0036】
この目的はさらに、従属請求項に記載される方法および製品によって達成される。上に述べられた、この発明の方法の実施形態に関して報告された特徴は、この発明の製品に対応するように書き換えられ得る。逆に、上に述べられた、この発明の製品の実施形態について報告された特徴は、この発明の方法に対応するように書き換えられ得る。この発明の実施形態のこれらのおよび他の特徴は、図面および請求項の説明において解明される。個々の特徴は、この発明の実施形態として、別々にまたは組合されて実現されてもよい。加えて、それらは、独立して保護可能な有利な構成を説明していてもよい。
【0037】
用語の定義
MWS(multi wire saw:マルチワイヤーソー)は、ソーイングワイヤーによる、結晶片からの半導体ウェーハの同時スライスを指す。この方法の一般的な説明は、WO18149631 A1で与えられる。
【0038】
ENG(edge notch grinding:エッジノッチ研削)は、一般的にDE102013212850 A1で再現されるエッジ丸み付けのための方法を指す。
【0039】
CMP(chemical mechanical polishing;化学機械研磨)は、非接合研磨剤と好適な化学薬品とを使用して、アブレーション研磨が半導体ウェーハの片面で生じる研磨を指す。さらなる詳細は、たとえばDE 10 2008 045 534 B4に記載されている。
【0040】
両面研磨(Double-sided polishing:DSP)は、化学機械加工ステップ(CMP)のグループからの方法である。半導体ウェーハのDSP加工は、たとえばUS 2003/054650 A1に記載されており、この目的に適した装置は、DE 100 07 390 A1に記載されている。DSPは、アルカリを使用する化学エッチングと、非接合研磨剤を使用する機械的侵食とを包含しており、非接合研磨剤は水媒体に分散され、半導体ウェーハと接触する硬い物質を含有しない研磨布によって半導体ウェーハと接触させられる。こうして、材料は、圧力および相互運動下で半導体ウェーハからアブレーションされる。
【0041】
CVD(chemical vapor deposition)は化学気相成長を表わし、一般的にWO19020387 A1に記載されている。
【0042】
DDG(double-sided grinding:両面研削)は、たとえば研削ディスクといった担体において接合研磨剤を使用する機械的アブレーションのための手法である。この方法は、DE 10 2017 215 705 A1に例示的に記載されている。
【0043】
エッチングは、半導体の、化学的に誘発された、またはアルカリによって誘発されたアブレーションを指す。この方法は、US7829467 B2に例示的に記載されている。
【0044】
エッジ丸み付けは、半導体ウェーハのエッジの機械的丸み付けを指す。
エッジ研磨は、半導体ウェーハのエッジの研磨を指す。
【0045】
抵抗測定(抵抗)は、単結晶シリコンの電気抵抗の測定を指す。この目的にとって好ましいのは、4点測定として知られている測定手法であるが、他の手法も使用可能である。
【0046】
光散乱は、たとえばMO6、MO4、LLS、IR-LST(局所的光散乱)といった測定手法を指すと理解される。この手法では、分析中の物体、すなわち、シリコンウェーハが光線で走査され、表面上または体積内の凹凸で散乱された光および/または反射された光が検出器を使用して記録される。散乱光の場合、使用される用語は暗視野検査であり、反射光の検出は明視野測定と呼ばれる(SEMI規格M52も参照されたい)。
【0047】
赤外線偏光解消(infrared depolarization:SIRD)を使用して、半導体ウェーハは赤外線ビームを使用して走査される。この走査では、材料において起こり得る局部応力を判断するために、反射または透過されたレーザー光の偏光における不均一性が空間分解能を用いて記録される。
【0048】
超音波測定(超音波)の場合、サンプルは超音波で貫通照射される。音波が凹凸に当たると、反射が生じて検出される。ここでのサンプルも同様に走査される。波についての通過時間の測定とともに、凹凸の局所的位置を正確に判定することが可能である。
【0049】
少数電荷キャリアの寿命測定(寿命):結晶欠陥および不純物についてのパルス応答に応じた、フェルミエネルギーを下回る状態への生成された自由電荷キャリアの再結合寿命の判定(参照:SEMI規格MF1535)。
【0050】
少数電荷キャリアの自由行程長の測定(自由行程長):これは、寿命および自由拡散定数(物理定数、参照:SEMI規格MF391)から計算される。
【0051】
局所的形状の測定(局所的形状):この手法のために、サンプルの平坦性および/または厚さの局所的変動が、容量測定によって、干渉分光法によって、または三角測量によって判定される(SEMI規格M49も参照されたい)。
【0052】
顕微鏡法(電子顕微鏡法、可視光波長範囲での光学顕微鏡法):顕微鏡が、対応する製造ステップの後でのシリコンウェーハの特定ゾーンの定常的監視のために使用される。これらのゾーンは特に、周縁ゾーンと、ノッチゾーンと、レーザーマーキングのゾーンと、ウェーハ取扱いおよび配置システムとの接触点とを含む。
【0053】
シリコンにおける外来原子の(場合によっては局所的分解能を用いた)識別のために、および、そのような原子の濃度の判定のために、質量分析およびX線蛍光が定常的に使用される。
【0054】
FTIRは、層(たとえばエピタキシャル層または酸化物層)の厚さを確かめ、また、O、C、H、Nなどの外来原子の濃度を(スペクトル分析を介して)確かめるために使用され得る。
【0055】
LLS(localized light scattering:局所的光散乱)は、光散乱によってウェーハ表面上で認識された光散乱点を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】プラント圧力p[mbar]の関数としての不活性ガスの流量f[l/h]の関係を示す。
【
図2】各事例における相対単位での輝度値bに関する、シリコンsの加熱中にカメラによって測定された輝度の典型的な時間プロファイルを示す。
【
図3】結晶片から形成され、ピンホールを有していない半導体ウェーハの割合をパーセントで示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、プラント圧力p[mbar]の関数としての不活性ガスの流量f[l/h]の関係を示す。溶融シリコンsのための圧力と流量との比率について、(102)によって識別された区域は好ましい範囲を表わし、(101)によって識別された区域は特に好ましい範囲を表わす。
【0058】
当業者であれば、l/h(毎時リットル)という単位は、毎時標準リットル、言い換えれば、ガスが標準圧力下で有するであろう単位時間当たりの体積を指すことを理解する。
【0059】
図2は、各事例における相対単位での輝度値bに関する、シリコンsの加熱中にカメラによって測定された輝度の典型的な時間プロファイルを示す。名称(201)は、シリコンが依然として固体であるゾーンを表わし、名称(203)は、シリコンがすでに完全に液体であるゾーンを表わす。名称(202)は、シリコンが依然として固体であるとともにすでに部分的に液体であるゾーンを表わす。
【0060】
図3における縦座標は、結晶片から形成され、ピンホールを有していない半導体ウェーハの割合をパーセントで示す。ここでの名称A~Eは異なる実験条件を表わし、それらは後で説明される。
【0061】
発明の実施例の詳細な説明
各事例での多数の結晶は、チョクラルスキー引き上げ法によってるつぼから引き上げられた。少数電荷キャリア(SPV)の平均自由行程長と転位のない結晶の長さとの双方の測定が行なわれた。結晶の転位のない部分の長さは、理論的に達成可能な全長に対して表わされた。
【0062】
結晶引き上げ中、先行技術から公知の手段が、欠陥のない結晶を生成するために使用された。これは原則として、カスプ磁場、水平磁場、または移動磁場を用いて達成され得る。さらに、結晶回転およびるつぼ回転が、この目的のために適宜設定される。
【0063】
少数電荷キャリアの特徴的な平均自由行程長は、測定された最大自由行程長に対して表わされた。この統計値は、結晶中に存在し、シリコン上にその後作成される部品を妨害するかもしれない、起こり得る不純物についての品質基準として以下に使用される。理論的には、結晶の品質についての他の統計値を使用することも可能であろう。それらの例は、μPCDによる寿命測定、および、それに代えて、結果として生じるシリコンのICP-MSによる化学分析である。多くの好適な方法がここで当業者にとって利用可能である。
【0064】
発明者らは、上述の測定手法を、適切な手法であるとして、特に、容易にアクセス可能であるとして識別した。
【0065】
シリコン中の炭素の濃度は、たとえばDE 1020 14217514 A1に記載されているガス融合分析によって測定された。それに代えてFTIRを使用することも可能である。
【0066】
鉄の濃度は、ICPMS(inductively coupled plasma-mass spectrometry:誘導結合プラズマ質量分析)法を使用して測定された。それはまた、適切な較正を用いて実行されるNAA(neutron activation analysis:中性子放射化分析)によっても測定され得る。
【0067】
それに応じて引き上げられた各単結晶インゴットは、バンドソーを使用してインゴット片へと分割され、その後、ウェーハになるよう切断され、ウェーハは、ピンホールについて、欠陥特性について、および不純物(炭素、鉄)について検査された。
【0068】
発明者らは、チョクラルスキー法によって複数の結晶を連続して引き上げるためにるつぼが使用される場合、先行技術に従って製造されたるつぼの使用は明らかな欠点を有するということを認識した。結晶引き上げはまた、引き上げプロセスの持続時間が増加するとともにより困難になるようであった。
【0069】
先行技術に記載されるような、自然に得られたSiO2から生成され、内部がバリウム含有成分で被覆されたるつぼを用いて、結晶が引き上げられる場合、結晶の転位のない部分の長さは大きいままであるものの、平均自由行程長のかなりの低下が明らかであることが分かった。そのため、平均自由行程長は、平均して初期値の70%まで低下する。したがって、一貫した品質を有する結晶がるつぼを用いて生成され得るということは当てはまらない。
【0070】
先行技術に記載されるような、合成的に得られたSiO2から生成され、内部がバリウム含有成分で被覆されたるつぼを用いて、結晶が引き上げられる場合、測定された自由行程長において大幅に増加した散乱が発見される。
【0071】
最適条件下であっても、たとえば結晶は平均して10%小さい平均自由行程長を呈する。この品質の結晶は半導体産業にとって十分ではない。こうして得られた結晶の転位のない部分の長さはまた、対応する経済的損害をもたらし得る受け入れがたい散乱を呈する。
【0072】
発明者らはまず、るつぼ材料が測定された欠点の原因であると識別し、当該欠点をなくすために広範な実験に着手した。
【0073】
βクリストバライトは石英よりも高い溶融温度を有することが、先行技術から公知である。また、βクリストバライトの生成に有利に働くことがある何らかの結晶化促進剤があることも、公知である。
【0074】
別の公知の事実は、合成的に得られたSiO2から作られた石英るつぼは、自然に得られたSiO2から作られた石英るつぼとは異なった特性を有するということである。
【0075】
発明者らは驚いたことに、表面を形成する溶融シリカの内部層が存在する内側を有し、内部層には結晶化促進剤が設けられている、溶融シリカるつぼは、特に、表面からある距離に位置する合成的に得られたSiO2の濃度Cが、表面からさらに離れた距離に位置する合成的に得られたSiO2の濃度よりも大きい場合に、るつぼからの結晶の複数回引き上げに関してプラスの特性を呈するということを発見した。
【0076】
結晶化促進剤としてここで特に好ましい効果を有する物質は、バリウムおよびストロンチウムを含み、バリウムが特に好ましい。
【0077】
発明者らはまた、表面からの距離が0.4mm未満である場合に、合成的に得られたSiO2の濃度Cが90%よりも大きければ、有利であるということを認識した。
【0078】
さらなる実験により、距離dの関数としての合成的に得られたSiO2の濃度に当てはまる関係が、
C[%]≦100-(d[mm]-0.25)×30、および
C[%]≧100-(d[mm]+0.25)×80
である場合、結晶の品質(SPV)と転位のない長さの部分との双方に関して利点が生じるということが、予期せず明らかになった。
【0079】
発明者らは、さらなる実験を通して範囲を幾分狭くすることに成功し、距離dの関数としての合成的に得られたSiO2の濃度に当てはまる関係が、
C[%]≦100-(d[mm]+0.1)×80、および
C[%]≧100-(d[mm]-0.05)×36
である場合、結晶の品質(SPV)と転位のない長さの部分との双方に関して利点が生じるということを発見した。
【0080】
ここで特に好ましくは、結晶促進剤の濃度は、シリコンに基づいて、1ppbaよりも小さく、0.05ppbaよりも大きい。
【0081】
上述のるつぼ材料を使用して生成された単結晶は次に、半導体ウェーハへと加工された。
【0082】
発明者らはここで、半導体ウェーハへの結晶片の加工は、有害なピンホールのよりよい検出を提供するために、および、対応する包括的措置のより効果的で迅速な最適化を可能にするために、修正されなければならないということを発見した。
【0083】
対応する製造ステップの後で、典型的には測定が行なわれ、その結果、半導体ウェーハは排除されるかまたは次の加工ステップについて承認される。
【0084】
このアプローチは、半導体ウェーハの生成のための個々の製造ステップの後で測定を実行し、これらの測定に適しているように見える測定方法を使用し、結果をデータベースに格納することによって修正された。ここでは、測定結果から独立して、個々の半導体ウェーハは常に、次の意図された作製ステップについて承認される。この文脈における測定結果は、起こり得る異常または欠陥の性質、この異常または欠陥の局所座標、使用される測定方法(詳細を含む)、および作製ステップの性質と見なされる。
【0085】
発明者らは、実行された製造ステップのすべておよびそれらの関連付けられた測定の後での測定結果全体が、材料の大幅に改良された査定をもたらすということを認識した。
【0086】
この手法は、各作製ステップの後での個々の測定結果のデータの査定に関して非常に有利であることが分かっている。異なる工程ステップの後で測定データを組合せることにより、欠陥の原因、ひいてはその性質と、半導体ウェーハ上または半導体ウェーハ内でのその位置とを、より高い精度で特定することが可能になる。欠陥の識別、および部品加工についての適性に関する半導体ウェーハの関連付けられた査定の品質が、それに応じて最適化され得る。
【0087】
生成された結晶片は、超音波測定を用いて分析され、結果(結晶における起こり得る凹凸の座標)が格納された。結晶片は次に、すでに得られた結果にかかわらず、MWSによって半導体ウェーハになるよう切断された。結果として生しる半導体ウェーハに対してIR測定が次に行なわれ、これらの測定の結果が空間分解能を用いて再度格納された。
【0088】
IR測定が異常を示す位置で実行された、先行技術において第2の測定として提案されるような追加の制御措置は、より大きい分解能でのさらなるIR測定を用いる欠陥レビューであった。これらのデータは、先行技術において提案されるように、異常の査定を得るために使用された。しかしながら、先行技術とは対照的に、おそらく有害な欠陥を呈する半導体ウェーハは廃棄されず、代わりに、次の作製ステップを受けた。その後のステップについても、同じ原則が採用された。最後に、このように得られた追加のデータが、この発明の手法のその後の検証のためのデータ基盤として使用された。
【0089】
両面研磨(DSP)の後で、得られた半導体ウェーハはIR測定を受け、データが空間分解能を用いて再度格納された。
【0090】
CMPによる半導体ウェーハのさらなる処理の後で、半導体ウェーハはSIRD測定を受け、それからのデータが空間分解能を用いて格納された。さらに、CMPの後で、半導体ウェーハは前面および裏面の光散乱測定を受け、結果として生じるデータが空間分解能を用いて格納された。
【0091】
このように得られた半導体ウェーハのうちのいくつかは、CVD処理によってさらに加工され、次に、前面および裏面に対する光散乱測定によって分析され、データのすべてが空間分解能を用いて再度格納された。
【0092】
使用された作製ステップの概要が、これらのステップに関して実行された測定とともに、表1に示される。
【0093】
【0094】
最後に、測定結果のすべてが全体的評定で分析された。
ここで驚いたことに、発明者らは、それに応じて発見されたピンホールの最小サイズが約7μmであることを確かめた。また、発見されたピンホールの最大サイズは30μmであることも分かった。
【0095】
それに代えて、若干より時間がかかり、したがって好ましくはないものの、得られた半導体ウェーハはまた、赤外顕微鏡法によって(たとえば透過SIRDを用いて)ピンホールの発生について分析され得る。測定されたピンホールの最小サイズは、この場合も7μmである。
【0096】
結果全体を見て、発明者らは、最適化されたるつぼ材料が採用されたにもかかわらず、かなりの程度のピンホールは、部品加工に適さない結晶片の半導体ウェーハの割合が約3.8%であるということを依然として意味するということを確かめた。
図3は柱Aで、測定されたピンホールがない半導体ウェーハの割合(約96.2%)を示す。測定された鉄汚染は、1.0×10
10at/cm
3未満であり、発見された炭素汚染は、7×10
14at/cm
3以下であった。使用された引き上げ法により、1×10
17~7×10
17at/cm
3(新ASTM)の酸素濃度を確立することが可能であった。抵抗は、1mohmcm~1ohmcmに設定された。
【0097】
修正されたるつぼ材料を使用して、るつぼにおけるポリシリコンの供給および溶融が次に修正された。
【0098】
2cm2/gよりも小さい平均質量ベースの比表面積を有するシリコンを使用することが有利であることが分かった。
【0099】
非常に特に好ましくは、るつぼは、1cm
2/gよりも小さい質量比表面積を有するポリシリコンを用いたるつぼ壁から5cmよりも小さく2cmよりも大きい距離に配向される。るつぼ体積の残りは、1cm
2/gよりも大きく5cm
2/gよりも小さい質量比表面積を有するポリシリコンを備える。最終結果は、
図3に柱Eで示される。ウェーハの約98%にピンホールがない。したがって、この措置はまた、歩留りを向上させる。
【0100】
ポリシリコンが溶融されると、好ましくは10mbar以下の圧力が、結晶引き上げプラントにおいて確立される。同時に、好ましくは、引き上げプラントを通るパージガスの全体的流量fが、それが流量f[l/h]×160よりも大きくなるように設定される。
【0101】
図1はここで、圧力pと流量fとから構成された好ましい区域を示す。
特に好ましくは、引き上げプラントを通るパージガスの全体的流量は、それが流量f[l/h]×400、非常に好ましくは流量f[l/h]×720よりも大きくなるように設定される。この場合に設定される圧力は好ましくは10mbar以下である。
【0102】
一般的に言えば、流量fをできるだけ高く維持すること、同時に、圧力をできるだけ低く与えることが有利である。与えられた圧力についての最大流量は、ポンプパワーのみに依存する。
【0103】
溶融中に使用されるパージガスは、ガスであるアルゴン、ヘリウム、窒素、またはそれらの組合せのリストからのガスを含む。99.99vol%を上回る純度を有するアルゴンを使用することが好ましい。
【0104】
図3の柱Cは、この措置の結果を示す。ウェーハの99%以上にピンホールがない。
さらに別の実施形態では、第1のポリシリコンが液体になるとすぐに、圧力(ひいては、パージガスの流量)が増加された。この場合の圧力増加は、4mbar、好ましくは8mbar、非常に好ましくは12mbarであった。
【0105】
ここでの溶融動作は、第1のシリコンが液体になった時点を判定するために、デジタル画像処理の好適な手法を使用するカメラを用いて観測された。
【0106】
発明者らは、分析された画像データの輝度の著しい増加を確かめることが可能な時間が、固体から液体への相転移の開始時のタイミングと非常に効果的に相関され得るということを認識した。
【0107】
図2は、たとえば、時間の関数として輝度をプロットする。好ましくはゾーン(201)とゾーン(202)との間の時間において、ピンホールの密度と炭素および鉄の濃度とに関してさらなるプラスの効果を達成するために、圧力が増加されるべきであるということが分かった。
【0108】
図3の柱Dは、上述されたようなこの発明の手段を用いて達成された結晶についての結果を示す。この場合、ウェーハの99.8%以上にピンホールがない。
【0109】
追加の実施形態では、1ppbaを上回る塩素含有量を有したポリシリコンが、供給のために使用された。
【0110】
発明者らはここで、驚いたことに、高温では塩素は必然的にプラントから鉄を放出してシリコンを汚染するであろうという当業者による仮定にもかかわらず、1ppbaを上回る塩素含有量を有するポリシリコンの使用は、鉄汚染についてのさらなるプラスの結果を有するということを認識した。このように達成されたFe汚染は、5.0×109at/cm3未満であると判定された。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハの生成のための単結晶シリコンの結晶片であって、
8cm以上50cm以下の長さと、
280mm以上320mm以下の直径とを有し、
7μmよりも大きく30μm以下のサイズを有するピンホールがない、前記結晶片
から生成された前記半導体ウェーハの割合が、98%よりも大きい
ことを測定が示し、前記測定は、
(a)超音波測定を用いて前記結晶片を分析し、発見された凹凸の座標を格納することと、
(b)マルチワイヤーソーによって前記結晶片から半導体ウェーハを生成することと、
(c)第1のIR測定によって前記半導体ウェーハのすべてを分析し、空間分解能を用いて前記第1のIR測定の結果を格納することと、
(d)両面研磨によって前記半導体ウェーハのすべてを研磨し、次に、第2のIR測定によって前記半導体ウェーハのすべてを分析し、空間分解能を用いて前記第2のIR測定の結果を格納することと、
(e)前記半導体ウェーハのすべてを化学機械研磨してSIRD測定を行ない、空間分解能を用いて結果を格納することと、
(f)光散乱法によって前記半導体ウェーハのすべての前面および裏面を測定し、空間分解能を用いて結果として生じるデータを格納することと、
(g)こうして得られた測定結果のすべてを分析することと、
を、順に含む、結晶片。
【請求項2】
前記結晶片は、1×10
17at/cm
3以上、好ましくは3×10
17at/cm
3以上、および7×10
17at/cm
3以下、好ましくは6×10
17at/cm
3以下(新ASTM)の格子間酸素を含む、請求項1に記載の結晶片。
【請求項3】
生成された前記半導体ウェーハの前記割合からのすべての前記半導体ウェーハは、シリコン格子間原子が支配的である領域P
iと、シリコン空孔が支配的である領域P
vとの双方を有する、
請求項
1または2に記載の結晶片。
【請求項4】
前記領域P
vの面積と前記領域P
iの面積との合計は、半導体ウェーハの面積の95%、好ましくは99%よりも大きい、請求項
3に記載の結晶片。
【請求項5】
前記領域P
v
の面積は、前記半導体ウェーハ
の面積の10%よりも小さい、請求項
3に記載の結晶片。
【請求項6】
炭素(C)不純物は、7×10
14at/cm
3未満、好ましくは5.5×10
14at/cm
3未満であり、同時に、鉄(Fe)不純物は、1.0×10
10at/cm
3未満、好ましくは5.0×10
9at/cm
3未満である、
請求項
1から5のいずれか1項に記載の結晶片。
【請求項7】
すべての前記半導体ウェーハ上で測定された抵抗は、1mohmcm以上1ohmcm以下である、
請求項
1から6のいずれか1項に記載の結晶片。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の結晶片が使用され、
ワイヤーソーによって半導体ウェーハになるよう切断され、
研磨され、オプションでエピタキシーを受ける、半導体ウェーハを生成するための方法。
【国際調査報告】