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特表2023-539094有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置
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  • 特表-有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置 図1
  • 特表-有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置 図2
  • 特表-有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置 図3
  • 特表-有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230906BHJP
   H10K 50/11 20230101ALI20230906BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20230906BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20230906BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
C07D487/04 137
C07D487/04 CSP
H10K50/11
H10K59/10
H10K85/60
C09K11/06 690
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511975
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-16
(86)【国際出願番号】 KR2021020118
(87)【国際公開番号】W WO2022146011
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0187970
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨンムク・リム
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ホ・クク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミジン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンキョン・ジョ
【テーマコード(参考)】
3K107
4C050
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC22
3K107DD53
3K107DD59
3K107DD68
4C050AA01
4C050AA08
4C050BB04
4C050CC04
4C050DD10
4C050EE02
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH04
(57)【要約】
化学式1および化学式2の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物、これを含む有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置に関する。前記化学式1および化学式2に関する内容は、明細書で定義した通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1および化学式2の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物:
【化1】
前記化学式1および化学式2において、
化学式1のa ~a のうち隣接した2つはそれぞれ独立して、化学式2の*とそれぞれ連結される連結炭素(C)であり、
化学式1のa ~a のうち化学式2の*と連結されていない残りの2つはそれぞれ独立して、C-L-Rであり、
*は連結地点であり、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
Arは置換もしくは非置換のC6~C20アリール基であり、
、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のC6~C30アリーレン基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびR~Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、または置換もしくは非置換のC6~C30アリール基である。
【請求項2】
前記化学式1および化学式2の組み合わせは、下記の化学式1A~化学式1Fのいずれか1つで表されるものである、請求項1に記載の有機光電子素子用化合物:
【化2】
前記化学式1A~化学式1Fにおいて、
Ar~Ar、L、L、およびR~Rは請求項1で定義した通りであり、
a1~La4は請求項1で定義したLの定義と同じであり、
a1~Ra4は請求項1で定義したRの定義と同じである。
【請求項3】
前記化学式1および化学式2の組み合わせは、前記化学式1Bで表され、
前記化学式1Bは、下記の化学式1B-1~化学式1B-4のいずれか1つで表される、請求項2に記載の有機光電子素子用化合物:
【化3】
前記化学式1B-1~化学式1B-4において、
Ar~Ar、L、L、La3、La4、およびR~Rの定義は請求項2におけるものと同じである。
【請求項4】
前記Arは置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、または置換もしくは非置換のトリフェニレン基である、請求項1に記載の有機光電子素子用化合物。
【請求項5】
前記ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾシロリル基である、請求項1に記載の有機光電子素子用化合物。
【請求項6】
前記*-L-Arおよび*-L-Arはそれぞれ独立して、下記のグループIに挙げられた基から選択される1つである、請求項1に記載の有機光電子素子用化合物:
【化4】
前記グループIにおいて、*は連結地点である。
【請求項7】
下記のグループ1に挙げられた化合物の中から選択される1つである、請求項1に記載の有機光電子素子用化合物:
【化5A】
【化5B】
【化5C】
【化5D】
【化5E】
【化5F】
【化5G】
【化5H】
【請求項8】
第1化合物および第2化合物を含み、
前記第1化合物は、請求項1に記載の有機光電子素子用化合物であり、
前記第2化合物は、下記の化学式3で表される有機光電子素子用化合物;または下記の化学式4および化学式5の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物である、有機光電子素子用組成物:
【化6】
前記化学式3において、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR~R18はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
mは0~2の整数であり;
【化7】
前記化学式4および5において、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
化学式4のb ~b のうち隣接した2つはそれぞれ独立して、化学式5の*とそれぞれ連結される連結炭素(C)であり、
化学式4のb ~b のうち化学式5と連結されていない残りの2つはそれぞれ独立して、C-L-Rであり、
*は連結地点であり、
、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基である。
【請求項9】
前記化学式3は、下記の化学式3-8で表される、請求項8に記載の有機光電子素子用組成物:
【化8】
前記化学式3-8において、
~R18はそれぞれ独立して、水素、または置換もしくは非置換のC6~C12アリール基であり、
*-L-Arおよび*-L-Arはそれぞれ独立して、下記のグループIIに挙げられた置換基のうちの1つであり、
【化9】
前記グループIIにおいて、*は連結地点である。
【請求項10】
前記化学式4および化学式5の組み合わせは、下記の化学式4Cで表される、請求項8に記載の有機光電子素子用組成物:
【化10】
前記化学式4Cにおいて、
b3およびLb4は単一結合であり、
およびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C12アリーレン基であり、
19~R26、Rc3およびRc4はそれぞれ独立して、水素またはC6~C12アリール基であり、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、または置換もしくは非置換のビフェニル基である。
【請求項11】
互いに対向する陽極および陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に位置する少なくとも1層の有機層とを含み、
前記有機層は、請求項1~7のいずれか1項に記載の有機光電子素子用化合物、または
請求項8~10のいずれか1項に記載の有機光電子素子用組成物を含む、有機光電子素子。
【請求項12】
前記有機層は、発光層を含み、
前記発光層は、前記有機光電子素子用化合物または前記有機光電子素子用組成物を含む、請求項11に記載の有機光電子素子。
【請求項13】
請求項11に記載の有機光電子素子を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機光電子素子用化合物、有機光電子素子用組成物、有機光電子素子および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機光電子素子(organic optoelectronic diode)は、電気エネルギーと光エネルギーを相互変換できる素子である。
【0003】
有機光電子素子は、動作原理によって、大きく2種類に分けられる。一つは、光エネルギーによって形成されたエキシトン(exciton)が電子と正孔とに分離され、電子と正孔がそれぞれ異なる電極に伝達されながら電気エネルギーを発生する光電素子であり、他の一つは、電極に電圧または電流を供給して電気エネルギーから光エネルギーを発生する発光素子である。
【0004】
有機光電子素子の例としては、有機光電素子、有機発光素子、有機太陽電池および有機感光体ドラム(organic photo conductor drum)などが挙げられる。
【0005】
このうち、有機発光素子(organic light emitting diode、OLED)は、近年、フラットパネル表示装置(flat panel display device)の需要増加によって大きく注目されている。有機発光素子は、電気エネルギーを光に変換させる素子であって、有機発光素子の性能は電極の間に位置する有機材料によって多くの影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一実施形態は、高効率および長寿命有機光電子素子を実現できる有機光電子素子用化合物を提供する。
【0007】
他の実施形態は、前記有機光電子素子用化合物を含む有機光電子素子用組成物を提供する。
【0008】
さらに他の実施形態は、前記有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物を含む有機光電子素子を提供する。
【0009】
さらに他の実施形態は、前記有機光電子素子を含む表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によれば、下記の化学式1および化学式2の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物を提供する。
【化1】
【0011】
前記化学式1および化学式2において、
化学式1のa ~a のうち隣接した2つはそれぞれ独立して、化学式2の*とそれぞれ連結される連結炭素(C)であり、
化学式1のa ~a のうち化学式2の*と連結されていない残りの2つはそれぞれ独立して、C-L-Rであり、
*は連結地点であり、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
Arは置換もしくは非置換のC6~C20アリール基であり、
、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のC6~C30アリーレン基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびR~Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、または置換もしくは非置換のC6~C30アリール基である。
【0012】
他の実施形態によれば、第1化合物、および第2化合物を含む有機光電子素子用組成物を提供する。
【0013】
前記第1化合物は、前述した通りであり、前記第2化合物は、下記の化学式3で表される有機光電子素子用化合物;または下記の化学式4および化学式5の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物であってもよい。
【化2】
前記化学式3において、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR~R18はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
mは0~2の整数であり;
【化3】
前記化学式4および5において、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
化学式4のb ~b のうち隣接した2つはそれぞれ独立して、化学式5の*とそれぞれ連結される連結炭素(C)であり、
化学式4のb ~b のうち化学式5と連結されていない残りの2つはそれぞれ独立して、C-Lb-Rcであり、
*は連結地点であり、
、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基である。
【0014】
さらに他の実施形態によれば、互いに対向する陽極および陰極と、前記陽極と前記陰極との間に位置する少なくとも1層の有機層とを含み、前記有機層は、前記有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物を含む有機光電子素子を提供する。
【0015】
さらに他の実施形態によれば、前記有機光電子素子を含む表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
高効率長寿命有機光電子素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
図2】一実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
図3】一実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
図4】一実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、これは例として提示されるものであり、これによって本発明が制限されず、本発明は後述する特許請求の範囲の範疇によってのみ定義される。
【0019】
本明細書において、「置換」とは、別の定義がない限り、置換基または化合物中の少なくとも1つの水素が、重水素、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アミン基、ニトロ基、置換もしくは非置換のC1~C40シリル基、C1~C30アルキル基、C1~C10アルキルシリル基、C6~C30アリールシリル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C30ヘテロシクロアルキル基、C6~C30アリール基、C2~C30ヘテロアリール基、C1~C20アルコキシ基、C1~C10トリフルオロアルキル基、シアノ基、またはこれらの組み合わせで置換されていることを意味する。
【0020】
本発明の一例において、「置換」は、置換基または化合物中の少なくとも1つの水素が、重水素、C1~C30アルキル基、C1~C10アルキルシリル基、C6~C30アリールシリル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C30ヘテロシクロアルキル基、C6~C30アリール基、C2~C30ヘテロアリール基、またはシアノ基で置換されていることを意味する。また、本発明の具体的な一例において、「置換」は、置換基または化合物中の少なくとも1つの水素が、重水素、C1~C20アルキル基、C6~C30アリール基、またはシアノ基で置換されていることを意味する。さらに、本発明の具体的な一例において、「置換」は、置換基または化合物中の少なくとも1つの水素が、重水素、C1~C5アルキル基、C6~C18アリール基、シアノ基で置換されていることを意味する。また、本発明の具体的な一例において、「置換」は、置換基または化合物中の少なくとも1つの水素が、重水素、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、またはナフチル基で置換されていることを意味する。
【0021】
本明細書において、「ヘテロ」とは、別の定義がない限り、1つの官能基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を1~3個含有し、残りは炭素であることを意味する。
【0022】
本明細書において、「アリール(aryl)基」は、炭化水素芳香族部分を1つ以上有するグループを総括する概念であって、炭化水素芳香族部分のすべての元素がp-軌道を有しかつ、これらのp-軌道が共役(conjugation)を形成している形態、例えば、フェニル基、ナフチル基などを含み、2以上の炭化水素芳香族部分がシグマ結合により連結された形態、例えば、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基などを含み、2以上の炭化水素芳香族部分が直接または間接的に融合した非芳香族融合環、例えば、フルオレニル基などを含むことができる。
【0023】
アリール基は、モノサイクリック、ポリサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(つまり、炭素原子の隣接した対を分け合う環)官能基を含む。
【0024】
本明細書において、「ヘテロ環基(heterocyclic group)」は、ヘテロアリール基を含む上位概念であって、アリール基、シクロアルキル基、これらの融合環、またはこれらの組み合わせなどの環化合物内に、炭素(C)の代わりに、N、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含有するものを意味する。前記ヘテロ環基が融合環の場合、前記ヘテロ環基全体またはそれぞれの環ごとにヘテロ原子を1つ以上含むことができる。
【0025】
一例として、「ヘテロアリール(heteroaryl)基」は、アリール基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含有するものを意味する。2以上のヘテロアリール基は、シグマ結合により直接連結されるか、前記ヘテロアリール基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合できる。前記ヘテロアリール基が融合環の場合、それぞれの環ごとに前記ヘテロ原子を1~3個含むことができる。
【0026】
より具体的には、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のp-ターフェニル基、置換もしくは非置換のm-ターフェニル基、置換もしくは非置換のo-ターフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、置換もしくは非置換のフラニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。
【0027】
より具体的には、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基は、置換もしくは非置換のチオフェニル基、置換もしくは非置換のピロリル基、置換もしくは非置換のピラゾリル基、置換もしくは非置換のイミダゾリル基、置換もしくは非置換のトリアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサゾリル基、置換もしくは非置換のチアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル基、置換もしくは非置換のチアジアゾリル基、置換もしくは非置換のピリジル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のピラジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンズイミダゾリル基、置換もしくは非置換のインドリル基、置換もしくは非置換のキノリニル基、置換もしくは非置換のイソキノリニル基、置換もしくは非置換のキナゾリニル基、置換もしくは非置換のキノキサリニル基、置換もしくは非置換のナフチリジニル基、置換もしくは非置換のベンズオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンズチアジニル基、置換もしくは非置換のアクリジニル基、置換もしくは非置換のフェナジニル基、置換もしくは非置換のフェノチアジニル基、置換もしくは非置換のフェノキサジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。
【0028】
本明細書において、正孔特性とは、電場(electric field)を加えた時、電子を供与して正孔を形成できる特性をいうもので、HOMO準位により導電特性を有して陽極で形成された正孔の発光層への注入、発光層で形成された正孔の陽極への移動および発光層での移動を容易にする特性を意味する。
【0029】
また、電子特性とは、電場を加えた時、電子を受け入れる特性をいうもので、LUMO準位により導電特性を有して陰極で形成された電子の発光層への注入、発光層で形成された電子の陰極への移動および発光層での移動を容易にする特性を意味する。
【0030】
以下、一実施形態による有機光電子素子用化合物を説明する。
【0031】
一実施形態による有機光電子素子用化合物は、下記の化学式1および化学式2の組み合わせで表される。
【化4】
【0032】
前記化学式1および化学式2において、
化学式1のa ~a のうち隣接した2つはそれぞれ独立して、化学式2の*とそれぞれ連結される連結炭素(C)であり、
化学式1のa ~a のうち化学式2の*と連結されていない残りの2つはそれぞれ独立して、C-L-Rであり、
*は連結地点であり、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
Arは置換もしくは非置換のC6~C20アリール基であり、
、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のC6~C30アリーレン基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびR~Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、または置換もしくは非置換のC6~C30アリール基である。
【0033】
化学式1および化学式2の組み合わせで表される化合物は、インドロカルバゾールコアのN方向置換基のうちの1つは置換もしくは非置換のトリアジン基であり、他の1つはフェニレンを中心にortho方向にフェニル基および他の方向に追加置換基を含む構造である。
【0034】
このような構造は、N方向置換基が並んで位置するインドロカルバゾール骨格内で前記トリアジンと前記追加置換基を含むortho-フェニレン部分が互いに立体構造的障害を有して分子の自由度が小さくなり、これによって分子が一定の方向に配列される。これは分子間配向性を高めて、分子間電子、および正孔移動度を高め、相対的に高い効率および寿命をもたらす。
【0035】
前記化学式1および化学式2の組み合わせは、下記の化学式1A~化学式1Fのいずれか1つで表される。
【化5】
【0036】
前記化学式1A~化学式1Fにおいて、
Ar~Ar、L、L、およびR~Rは前述した通りであり、
a1~La4は前述したLの定義と同じであり、
a1~Ra4は前述したRの定義と同じである。
【0037】
一例として、前記化学式1および化学式2の組み合わせは、前記化学式1Bで表される。
【0038】
具体的な一例として、前記化学式1Bは、インドロカルバゾール骨格内ortho-フェニレン部分が含む追加の置換基の置換方向により、例えば、下記の化学式1B-1~化学式1B-4のいずれか1つで表される。
【化6】
【0039】
前記化学式1B-1~化学式1B-4において、
Ar~Ar、L、L、La、La、およびR~Rの定義は前述した通りである。
【0040】
一実施例において、前記Arは置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、または置換もしくは非置換のトリフェニレン基であってもよい。
【0041】
一実施例において、前記ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾシロリル基であってもよい。
【0042】
具体的な一実施例において、前記ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のクォーターフェニル基、または置換もしくは非置換のナフチル基であってもよい。
【0043】
一実施例において、前記LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のビフェニレン基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニレン基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニレン基であってもよい。
【0044】
具体的な一実施例において、前記L~L3それぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のフェニレン基であってもよい。
【0045】
例えば、前記*-L-Arおよび*-L-Arはそれぞれ独立して、下記のグループIに挙げられた基から選択される。
【化7】
【0046】
前記グループIにおいて、*は連結地点である。
【0047】
前記ArおよびArが置換される場合、置換基はC6~C12アリール基であってもよい。さらに具体的には、前記置換基はフェニル基であってもよい。
【0048】
一例として、前記ArおよびArの少なくとも1つは置換もしくは非置換のC10~C30アリール基であってもよい。
【0049】
具体的な一例として、前記ArおよびArの少なくとも1つは置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、または置換もしくは非置換のフルオレニル基であってもよい。
【0050】
一実施例において、前記R~Rはそれぞれ独立して、水素、または置換もしくは非置換のフェニル基であってもよい。
【0051】
具体的な一実施例において、前記R~Rはそれぞれ水素であってもよい。
【0052】
前記化学式1および化学式2の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物の最も具体的な一実施例としては、下記のグループ1に挙げられた化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【化8A】
【化8B】
【化8C】
【化8D】
【化8E】
【化8F】
【化8G】
【化8H】
【0053】
他の実施形態による有機光電子素子用組成物は、第1化合物、および第2化合物を含み、前記第1化合物は、前述した有機光電子素子用化合物であり、前記第2化合物は、下記の化学式3で表される有機光電子素子用化合物;または下記の化学式4および化学式5の組み合わせで表される有機光電子素子用化合物であってもよい。
【化9】
前記化学式3において、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR~R18はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
mは0~2の整数であり;
【化10】
前記化学式4および5において、
ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
化学式4のb ~b4のうち隣接した2つはそれぞれ独立して、化学式5の*とそれぞれ連結される連結炭素(C)であり、
化学式4のb ~b のうち化学式5と連結されていない残りの2つはそれぞれ独立して、C-Lb-Rcであり、
*は連結地点であり、
、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、または置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基である。
【0054】
前記第2化合物は、前記第1化合物と共に発光層に使用されて、電荷の移動性を高め、安定性を高めることによって、発光効率および寿命特性を改善させることができる。
【0055】
一例として、前記化学式3のArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のフルオレニル基であり、
前記化学式3のLおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、または置換もしくは非置換のビフェニレン基であり、
前記化学式3のRおよびR~R18はそれぞれ独立して、水素、重水素、または置換もしくは非置換のC6~C12アリール基であり、
mは0または1であってもよい。
【0056】
一例として、前記化学式3の「置換」とは、少なくとも1つの水素が、重水素、C1~C4アルキル基、C6~C18アリール基、またはC2~C30ヘテロアリール基で置換されていることを意味する。
【0057】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式3は、下記の化学式3-1~化学式3-15のうちの1つで表される。
【化11】
【0058】
前記化学式3-1~化学式3-15において、R~R18はそれぞれ独立して、水素、または置換もしくは非置換のC6~C12アリール基であり、*-L-Arおよび*-L-Arはそれぞれ独立して、下記のグループIIに挙げられた置換基のうちの1つであってもよい。
【化12】
【0059】
前記グループIIにおいて、*は連結地点である。
【0060】
一実施例において、前記化学式3は、前記化学式3-8で表される。
【0061】
また、前記化学式3-8の*-L-Arおよび*-L-Arはそれぞれ独立して、前記グループIIから選択され、例えば、C-1、C-2、C-3、C-4、C-7、C-8、およびC-9のいずれか1つであってもよい。
【0062】
一例として、前記化学式4および化学式5の組み合わせで表される第2化合物は、下記の化学式4A、化学式4B、化学式4C、化学式4Dおよび化学式4Eのいずれか1つで表される。
【化13】
【0063】
前記化学式4A~化学式4Eにおいて、Ar、Ar、L、L、およびR19~R26は前述した通りであり、
【0064】
b1~Lb4は前述したLおよびLの定義と同じであり、
【0065】
c1~Rc4は前述したR19~R26の定義と同じである。
【0066】
例えば、前記化学式4および5のArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
【0067】
c1~Rc4およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基であってもよい。
【0068】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式4および5のArおよびArはそれぞれ独立して、前記グループIIに挙げられた置換基から選択される。
【0069】
一実施例において、前記Rc1~Rc4およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基であってもよい。
【0070】
例えば、前記Rc1~Rc4およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、または置換もしくは非置換のフェニル基であってもよいし、
【0071】
具体的な一実施例において、前記Rc1~Rc4、およびR19~R26はそれぞれ独立して、水素、またはフェニル基であってもよい。
【0072】
本発明の具体的な一実施例において、前記第2化合物は、前記化学式3-8で表され、前記化学式3-8のArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合、または置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、R~R18はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基であってもよい。
【0073】
本発明の具体的な他の実施例において、前記第2化合物は、前記化学式4Cで表され、前記化学式4CのLb1~Lb4は単一結合であり、LおよびLはそれぞれ独立して、単一結合であるか、置換もしくは非置換のC6~C12アリーレン基であり、R19~R26、Rc1~Rc4はそれぞれ水素またはフェニル基であり、ArおよびArはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、または置換もしくは非置換のターフェニル基であってもよい。
【0074】
例えば、第2化合物は、下記のグループ2に挙げられた化合物から選択された1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0075】
【化14A】
【化14B】
【化14C】
【化14D】
【化14E】
【化14F】
【化14G】
【化14H】
【化14I】
【化14J】
【0076】
第1化合物と第2化合物は、例えば、1:99~99:1の重量比で含まれる。前記範囲に含まれることによって、第1化合物の電子輸送能力と第2化合物の正孔輸送能力を利用して適切な重量比を合わせてバイポーラ特性を実現して効率と寿命を改善することができる。前記範囲内で、例えば、約10:90~90:10、約20:80~80:20の重量比で含まれ、例えば、約20:80~約70:30、約20:80~約60:40、そして約30:70~約60:40の重量比で含まれる。具体的な一例として、40:60、50:50、または60:40の重量比で含まれる。
【0077】
前述した第1化合物および第2化合物のほか、1種以上の化合物をさらに含むことができる。
【0078】
前述した有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物は、ドーパントをさらに含む組成物であってもよい。
【0079】
ドーパントは、例えば、燐光ドーパントであってもよく、例えば、赤色、緑色または青色の燐光ドーパントであってもよく、例えば、赤色または緑色燐光ドーパントであってもよい。
【0080】
ドーパントは、有機光電子素子用化合物または組成物に微量混合されて発光を起こす物質であり、一般に、三重項状態以上で励起させる多重項励起(multiple excitation)によって発光する金属錯体(metal complex)のような物質が使用できる。ドーパントは、例えば、無機、有機、有機-無機化合物であってもよいし、1種または2種以上含まれる。
【0081】
ドーパントの一例として燐光ドーパントが挙げられ、燐光ドーパントの例としては、Ir、Pt、Os、Ti、Zr、Hf、Eu、Tb、Tm、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、またはこれらの組み合わせを含む有機金属化合物が挙げられる。燐光ドーパントは、例えば、下記の化学式Zで表される化合物を使用することができるが、これに限定されるものではない。
[化学式Z]
MX
前記化学式Zにおいて、Mは金属であり、LおよびXは互いに同一または異なり、Mと錯化合物を形成するリガンドである。
【0082】
前記Mは、例えば、Ir、Pt、Os、Ti、Zr、Hf、Eu、Tb、Tm、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、またはこれらの組み合わせであってもよく、前記LおよびXは、例えば、バイデンテートリガンドであってもよい。
【0083】
前述した有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物は、化学気相蒸着のような乾式成膜法によって形成される。
【0084】
以下、上述した有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物を適用した有機光電子素子を説明する。
【0085】
有機光電子素子は、電気エネルギーと光エネルギーを相互変換できる素子であれば特に限定されず、例えば、有機光電素子、有機発光素子、有機太陽電池および有機感光体ドラムなどが挙げられる。
【0086】
ここでは、有機光電子素子の一例である有機発光素子を、図面を参照して説明する。
【0087】
図1図4は、一実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
【0088】
図1を参照すれば、一実施形態による有機発光素子100は、互いに対向する陽極120および陰極110と、陽極120と陰極110との間に位置する有機層105とを含む。
【0089】
陽極120は、例えば、正孔注入が円滑となるように仕事関数の高い導電体で作られ、例えば、金属、金属酸化物および/または導電性高分子で作られる。陽極120は、例えば、ニッケル、白金、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnOとAlまたはSnO2とSbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン)(polyehtylenedioxythiophene:PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0090】
陰極110は、例えば、電子注入が円滑となるように仕事関数の低い導電体で作られ、例えば、金属、金属酸化物および/または導電性高分子で作られる。陰極110は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、鉛、セシウム、バリウムなどのような金属、またはこれらの合金;LiF/Al、LiO2/Al、LiF/Ca、LiF/AlおよびBaF2/Caのような多層構造の物質が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0091】
有機層105は、前述した有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物を含むことができる。
【0092】
前記有機層105は、発光層130を含み、発光層130は、前述した有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物を含むことができる。
【0093】
ドーパントをさらに含む前記有機光電子素子用組成物は、例えば、緑色発光組成物であってもよい。
【0094】
発光層130は、例えば、前述した有機光電子素子用化合物または有機光電子素子用組成物をそれぞれ燐光ホストとして含むことができる。
【0095】
有機層は、発光層のほか、電荷輸送領域をさらに含むことができる。
【0096】
前記電荷輸送領域は、例えば、正孔輸送領域140であってもよい。
【0097】
図2を参照すれば、有機発光素子200は、発光層130のほか、正孔輸送領域140をさらに含む。正孔輸送領域140は、陽極120と発光層130との間の正孔注入および/または正孔移動性をさらに高め、電子を遮断することができる。具体的には、前記正孔輸送領域140は、陽極120と発光層130との間の正孔輸送層、および前記発光層130と前記正孔輸送層との間の正孔輸送補助層を含むことができ、下記のグループAに挙げられた化合物の少なくとも1つは、前記正孔輸送層、および正孔輸送補助層の少なくとも1つの層に含まれる。
【0098】
【化15A】
【化15B】
【化15C】
【化15D】
【化15E】
【0099】
前記正孔輸送領域には、前述した化合物のほかにも、US5061569A、JP1993-009471A、WO1995-009147A1、JP1995-126615A、JP1998-095973Aなどに記載された公知の化合物およびこれと類似する構造の化合物も使用できる。
【0100】
また、前記電荷輸送領域は、例えば、電子輸送領域150であってもよい。
【0101】
図3を参照すれば、有機発光素子300は、発光層130のほか、電子輸送領域150をさらに含む。電子輸送領域150は、陰極110と発光層130との間の電子注入および/または電子移動性をさらに高め、正孔を遮断することができる。
【0102】
具体的には、前記電子輸送領域150は、陰極110と発光層130との間の電子輸送層、および前記発光層130と前記電子輸送層との間の電子輸送補助層を含むことができ、下記のグループBに挙げられた化合物の少なくとも1つは、前記電子輸送層、および電子輸送補助層の少なくとも1つの層に含まれる。
【0103】
【化16A】
【化16B】
【化16C】
【0104】
本発明の一実施形態は、図1のように、有機層105として、発光層130を含む有機発光素子であってもよい。
【0105】
本発明の他の実施形態は、図2のように、有機層105として、発光層130のほか、正孔輸送領域140を含む有機発光素子であってもよい。
【0106】
本発明のさらに他の実施形態は、図3のように、有機層105として、発光層130のほか、電子輸送領域150を含む有機発光素子であってもよい。
【0107】
本発明のさらに他の実施形態は、図4のように、有機層105として、発光層130のほか、正孔輸送領域140および電子輸送領域150を含む有機発光素子であってもよい。
【0108】
本発明のさらに他の実施形態では、図1図4それぞれにて、有機層105として、発光層130のほか、追加的に電子注入層(図示せず)、正孔注入層(図示せず)などをさらに含む有機発光素子であってもよい。
【0109】
有機発光素子100、200、300、400は、基板上に陽極または陰極を形成した後、真空蒸着法(evaporation)、スパッタリング(sputtering)、プラズマメッキおよびイオンメッキのような乾式成膜法などで有機層を形成した後、その上に陰極または陽極を形成して製造することができる。
【0110】
上述した有機発光素子は、有機発光表示装置に適用可能である。
【実施例
【0111】
以下、実施例を通じて上述した実施形態をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は単に説明の目的のためのものであり、権利範囲を制限するのではない。
【0112】
以下、実施例および合成例で使用された出発物質および反応物質は、特別な言及がない限り、Sigma-Aldrich社、TCI社、tokyo chemical industryから購入したか、公知の方法により合成した。
【0113】
(有機光電子素子用化合物の製造)
【0114】
合成例1:化合物1-3の合成
【0115】
【化17】
【0116】
第1段階:中間体Int-1の合成
【化18】
4-bromo-2-fluoro-1-iodobenzene50g(166mmol)、Phenylboronic acid43g(349mmol)、Pd(PPh3)4 13.4g(11.6mmol)、KCO 57g(415mmol)、600mlのToluene、200mlのEthanol、200mlの精製水を反応器に入れて、還流撹拌して反応を完了する。反応物をTolueneと精製水で抽出し、Methanolで結晶化して、Int-1(2’-fluoro-1,1’:4’,1’’-terphenyl、white solid)36gを得た。
【0117】
第2段階:中間体Int-2の合成
【化19】
11,12-dihydroindolo[2,3-a]carbazole36g(141mmol)、Int-1 35g(141mmol)、およびN-Methyl-2-pyrrolidone350mlを入れて、Sodium hydride6.8g(170mmol)を入れた後、窒素雰囲気下で撹拌する。反応物を還流撹拌して反応を完了する。反応物を冷却し、精製水を投入して固体を生成させた後、ろ過して乾燥する。乾燥物をカラム精製して、Int-2 40g(light brown solid)を得た。
【0118】
第3段階:化合物1-3の合成
【化20】
Int-2 40g(82.5mmol)、2-([1,1’-biphenyl]-4-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazine34g(100mmol)、Pd(dba) 3.8g(4.1mmol)、P(t-Bu) 6ml(12.3mmol)、NaOt-Bu16g(165mmol)、および400mlのxyleneを反応器に入れて、還流撹拌して反応を完了する。反応物を冷却し、Tolueneと精製水で抽出し、有機層を濃縮する。濃縮物をカラム精製して、化合物1-3 34g(light yellow solid)を得た。(LC/MS:理論値791.94g/mol、測定値:792.49g/mol)
【0119】
合成例2:化合物A-136の合成
【化21】
【0120】
第1段階:中間体Int-4の合成
9-phenyl-9H-carbazole-3-boronic acid13.0g(45.3mmol)、3-Bromo-9H-carbazole11.1g(45.3mmol)およびKCO 12.5g(90.6mmol)、およびPd(PPh 2.62g(2.2mmol)をTHF3000ml、蒸留水110mlに懸濁させた後、20時間還流撹拌した。次に、Ethylacetateと蒸留水で抽出し、有機層を減圧濃縮する。生成された固体をDichloromethaneとHexaneで再結晶して、中間体Int-4を15.6g得た。
【0121】
第2段階:化合物A-136の合成
中間体Int-4 15.6g(38.2mmol)と4-Bromobiphenyl8.9g(38.2mmol)、Pd(dba) 1.75g(1.9mmol)、50%P(t-Bu) 2.3g(5.7mmol)、およびNaOt-Bu7.3g(76.4mmol)をトルエン300mlに懸濁させた後、12時間還流撹拌する。反応終了後、蒸留水を添加して30分間撹拌し、抽出した後、カラムクロマトグラフィー(Hexane:Dichloromethane)を用いて化合物A-136を15.4g得た。LC-Mass(理論値:560.7g/mol、測定値:M+=561.40g/mol)
【0122】
合成例3:化合物A-141の合成
【化22】
【0123】
第1段階:中間体Int-5の合成
2-biphenylboronic acid8.3g(41.9mmol)、2,4-dichloro-nitrobenzene8.1g(41.9mmol)、Pd(PPh 1.9g(1.68mmol)、KCO 14.5g(104.7mmol)をTHF100ml、蒸留水52mlに懸濁させた後、18時間還流撹拌した。Ethylacetateと蒸留水で抽出し、有機層を濃縮する。メタノールを用いて結晶を生成させ、結晶をろ過、乾燥して、中間体Int-5を8.3g得た。
【0124】
第2段階:中間体Int-6の合成
中間体Int-5 8.3g(26.8mmol)、Triphenylphosphine21.1g(80.5mmol)を1,2-Dichlorobenzene60mlに懸濁させた後、18時間還流撹拌した。反応が終了した後、1,2-Dichlorobenzeneを蒸留し、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(Hexane:Dichloromethane)を用いて、中間体Int-6を3.95g得た。
【0125】
第3段階:中間体Int-7の合成
中間体Int-6 3.95g(14.2mmol)、Iodobenzene3.05g(15.0mmol)、CuI0.54g(2.84mmol)、KPO 6.04g(28.4mmol)、Ethylenediamine0.86g(14.2mmol)をtoluene50mlに懸濁させた後、18時間還流撹拌した。反応が終了した後、tolueneと蒸留水で抽出し、有機層を濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(Hexane:Dichloromethane)を用いて、中間体Int-7を2.1g得た。
【0126】
第4段階:化合物A-141の合成
中間体Int-7 2.1g(6.0mmol)、9-biphenyl-9H-carbazole-3-boronic ester2.7g(6.0mmol)、Pd(dba) 0.3g(0.3mmol)、50%P(t-Bu) 0.2ml(0.9mmol)、およびCsCo 4.2g(13.1mmol)を1,4-dioxane600mlに懸濁させた後、18時間還流撹拌する。反応終了後、トルエンと蒸留水で抽出し、有機層を減圧濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(Hexane:Dichloromethane)を用いて、化合物A-141を2.45g得た。LC-Mass(理論値:636.78g/mol、測定値:M+=637.87g/mol)
【0127】
合成例4:化合物B-5の合成
【化23】
【0128】
第1段階:中間体Int-8の合成
2-nitrophenyl-4-ylcarbazole50g(173mmol)、4-iodo-biphenyl53.4g(191mmol)、CuI6.6g(34.7mmol)、KPO 73.6g(347mmol)、および1,2-ethylenediamine10.5g(173mmol)をtoluene580mlに懸濁させた後、12時間還流撹拌する。反応終了後、トルエンと蒸留水で抽出し、有機層を減圧濃縮する。濃縮物にメタノール1000mlを入れて、撹拌して固体を生成させ、ろ過して、中間体Int-8を68g得た。
【0129】
第2段階:中間体Int-9の合成
中間体Int-8 68g(156mmol)およびTriphenylphosphine123g(468mmol)を入れて、1,2-dichlorobenzene520mlを入れて、12時間還流撹拌した。反応終了後、1,2-dichlorobenzene400mlを減圧蒸留し、dichloromethaneとメタノールで結晶を生成させてろ過し、中間体Int-9 49.7gを得た。
【0130】
第3段階:化合物B-5の合成
中間体Int-9 49.7g(122mmol)、3-bromo-biphenyl31.2g(134mmol)、Pd(dba) 5.6g(6.1mmol)、50%P(t-Bu) 7.4g(18.63mmol)、およびNaOt-Bu23.4g(243mmol)をxylene600mlに懸濁させた後、12時間還流撹拌する。反応終了後、トルエンと蒸留水で抽出し、有機層を減圧濃縮する。濃縮物にアセトン500mlを入れて、撹拌して固体を生成させ、トルエンで再結晶して、化合物B-5を47g得た。(LC/MS:理論値560.23g/mol、測定値:561.57g/mol)
【0131】
比較合成例1:化合物Host1の合成
【化24】
【0132】
第1段階:化合物Int-10の合成
前記合成例1の第2段階と同様の方法で合成した。
2-Fluoro-biphenyl6g(35.1mmol)、11,12-dihydroindolo[2,3-a]carbazole9g(35.1mmol)、Int-1 35g(0.141mol)、およびN-Methyl-2-pyrrolidone35mlを入れて、Sodium hydride1.7g(42mmol)を入れた後、窒素雰囲気下で撹拌する。反応物を還流撹拌して反応を完了する。反応物を冷却し、精製水を投入して固体を生成させた後、ろ過して乾燥する。乾燥物をカラム精製して、Int-10 7.3g(light brown solid)を得た。
【0133】
第2段階:化合物Host1の合成
Int-2の代わりに、Int-10 7.3gを用いて前記合成例1の第3段階と同様の方法で合成した後、精製して、Host1 8.9gを得た。(LC/MS:理論値715.84g/mol、測定値:716.30g/mol)
【0134】
比較合成例2:化合物Host2の合成
【化25】
2-([1,1’-biphenyl]-4-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineの代わりに、2-chloro-4,6-di(biphenyl-3-yl)-1,3,5-triazineを用いたことを除けば、前記合成例1の第3段階と同様の方法で合成および精製して、Host2 4gを得た。(LC/MS:理論値791.94g/mol、測定値:792.20g/mol)
【0135】
比較合成例3:化合物Host3の合成
【化26】
【0136】
第1段階:化合物Int-11の合成
1-Bromo-3,5-diphenylbenzene50g(161.7mmol)、11,12-dihydroindolo[2,3-a]carbazole41.5g(161.7mmol)、Pd(dba) 3.0g(3.23mmol)、50%P(t-Bu) 6.5g(16.2mmol)、およびNaOt-Bu15.54g(161.7mmol)をxylene500mlに懸濁させた後、12時間還流撹拌する。反応終了後、トルエンと蒸留水で抽出し、有機層を減圧濃縮する。濃縮物をカラム精製して、化合物Int-11を54.8g得た。
【0137】
第2段階:化合物Host3の合成
前記合成例1の第3段階と同様の方法でInt-11 39.4gおよび2-([1,1’-biphenyl]-4-yl)-4-chloro-6-phenyl-1,3,5-triazineを反応させて合成した後、精製して、Host3 48.3gを得た。(LC/MS:理論値791.94g/mol、測定値:792.24g/mol)
【0138】
(有機発光素子の作製)
実施例1
ITO(Indium tin oxide)で薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波で洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、プラズマ洗浄機に移送させた後、酸素プラズマを用いて前記基板を10分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を移送した。このように用意されたITO透明電極を陽極として用いて、ITO基板の上部に3%NDP-9(Novaled社から市販)でドーピングされた化合物Aを真空蒸着して50Åの厚さの正孔注入層を形成し、前記正孔注入層の上部に化合物Aを1350Åの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成し、前記正孔輸送層の上部に化合物Bを350Åの厚さに蒸着して正孔輸送補助層を形成した。正孔輸送補助層の上部に合成例1の化合物1-3をホストとして用い、ドーパントとしてPhGDを10wt%にドーピングして真空蒸着で400Åの厚さの発光層を形成した。次に、前記発光層の上部に化合物Cを50Åの厚さに蒸着して電子輸送補助層を形成し、化合物DとLiqを同時に1:1の重量比で真空蒸着して300Åの厚さの電子輸送層を形成した。前記電子輸送層の上部にLiQ15ÅとAl1200Åを順次に真空蒸着して陰極を形成することによって、有機発光素子を作製した。
ITO/化合物A(3%NDP-9 doping、50Å)/化合物A(1350Å)/化合物B(350Å)/EML[化合物1-3:PhGD=90:10wt%)](400Å)/化合物C(50Å)/化合物D:LiQ(300Å)/LiQ(15Å)/Al(1200Å)の構造で作製した。
化合物A:N-(biphenyl-4-yl)-9,9-dimethyl-N-(4-(9-phenyl-9H-carbazol-3-yl)phenyl)-9H-fluoren-2-amine
化合物B:N,N-bis(9,9-dimethyl-9H-fluoren-4-yl)-9,9-spirobi(fluorene)-2-amine
化合物C:2-(3-(3-(9,9-dimethyl-9H-fluoren-2-yl)phenyl)phenyl)-4,6-diphenyl-1,3,5-triazine
化合物D:8-(4-(4,6-di(naphthalen-2-yl)-1,3,5-triazin-2-yl)phenyl)quinolone
【化27】
【0139】
実施例2
化合物1の代わりに、化合物1と合成例2の化合物A-136を3:7の重量比で用いたことを除けば、前記実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0140】
比較例1
化合物1の代わりに、Host1を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0141】
比較例2
化合物1の代わりに、Host2を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0142】
比較例3
化合物1の代わりに、Host3を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0143】
比較例4
化合物1の代わりに、比較合成例1のHost1および化合物A-136を3:7の重量比で用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0144】
比較例5
化合物1の代わりに、比較合成例2のHost2および化合物A-136を3:7の重量比で用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0145】
比較例6
化合物1の代わりに、比較合成例3のHost3および化合物A-141を35:65の重量比で用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。
【0146】
評価
実施例1および2と比較例1~6による有機発光素子の駆動電圧、発光効率および寿命特性を評価した。
【0147】
具体的な測定方法は下記の通りであり、その結果は表1の通りである。
【0148】
(1)電圧変化による電流密度の変化の測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら、電流-電圧計(Keithley2400)を用いて単位素子に流れる電流値を測定し、測定された電流値を面積で割って結果を得た。
(2)電圧変化による輝度変化の測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら、輝度計(Minolta Cs-1000A)を用いてその時の輝度を測定して結果を得た。
(3)発光効率の測定
前記(1)および(2)から測定された輝度と電流密度および電圧を用いて同一の電流密度(10mA/cm2)の電流効率(cd/A)を計算した。
(4)寿命の測定
輝度(cd/m2)を18000cd/m2に維持し、電流効率(cd/A)が97%に減少する時間を測定して結果を得た。
(5)駆動電圧の測定
電流-電圧計(Keithley2400)を用いて15mA/cm2で各素子の駆動電圧を測定して結果を得た。
【0149】
【表1】
【0150】
表1を参照すれば、実施例1による有機発光素子は、比較例1~3による有機発光素子と比較して駆動電圧、発光効率および寿命特性が顕著に改善されたことを確認できる。
【0151】
【表2】
【0152】
表2を参照すれば、実施例2による有機発光素子は、比較例4~6による有機発光素子と比較して発光効率および寿命特性が顕著に改善されたことを確認できる。
【0153】
実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0154】
100、200、300、400:有機発光素子
105:有機層
110:陰極
120:陽極
130:発光層
140:正孔輸送領域
150:電子輸送領域
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】