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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】水素化反応用触媒及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/28 20060101AFI20230912BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20230912BHJP
   C07C 7/167 20060101ALI20230912BHJP
   C07C 11/04 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B01J31/28 Z
B01J37/02 101Z
C07C7/167
C07C11/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513241
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 KR2022009004
(87)【国際公開番号】W WO2023003190
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094099
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】514291196
【氏名又は名称】コリア アドバンスト インスティチュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン、スンファン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チャ、キョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨウン ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ミンキー
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA11
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA02A
4G169BA03A
4G169BA06A
4G169BA20A
4G169BA22A
4G169BA22B
4G169BB02B
4G169BC16A
4G169BC17A
4G169BC31A
4G169BC32A
4G169BC33A
4G169BC35A
4G169BC42A
4G169BC43A
4G169BC50A
4G169BC59A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BC70A
4G169BC72A
4G169BC72B
4G169BC75A
4G169BE01A
4G169BE01B
4G169BE21A
4G169BE21B
4G169BE36A
4G169BE37A
4G169BE37B
4G169CB02
4G169CB03
4G169CB63
4G169DA05
4G169EC28
4G169EE01
4G169FA01
4G169FB14
4G169FB44
4G169FC08
4H006AA02
4H006AD31
4H006BA25
4H006BE20
(57)【要約】
本出願の一実施態様に係る水素化反応用触媒は、多孔性担体;上記多孔性担体に担持された触媒成分;及び、上記多孔性担体及び触媒成分の表面の少なくとも一部分に備えられ、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性担体;
前記多孔性担体に担持された触媒成分;及び
前記多孔性担体及び触媒成分の表面の少なくとも一部分に備えられ、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子
を含む水素化反応用触媒:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
R1及びR2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であるか、互いに隣接した基は、互いに結合して炭化水素環を形成することができ、
m及びnは、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【請求項2】
前記化学式1は、下記化学式2~6のうちのいずれか一つで表されるものである、請求項1に記載の水素化反応用触媒:
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
[化学式5]
【化5】
[化学式6]
【化6】
【請求項3】
前記多孔性担体は、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア及びアルミナ-マグネシアのうちの1種以上を含むものである、請求項1に記載の水素化反応用触媒。
【請求項4】
前記触媒成分は、白金、パラジウム、ルテニウム、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、金、銀、銅、チタン、ガリウム、セリウム、アルミニウム、亜鉛及びランタンのうちの1種以上を含むものである、請求項1に記載の水素化反応用触媒。
【請求項5】
前記水素化反応用触媒の総重量を基準に、前記触媒成分の含量は、0.01重量%~10重量%である、請求項1に記載の水素化反応用触媒。
【請求項6】
前記水素化反応用触媒の総重量を基準に、前記高分子の含量は、0.01重量% ~5重量%である、請求項1に記載の水素化反応用触媒。
【請求項7】
前記水素化反応用触媒は、アルキンからアルケンへの水素化反応用触媒である、請求項1から6のいずれか一項に記載の水素化反応用触媒。
【請求項8】
多孔性担体に触媒成分を担持させるステップ;
前記触媒成分が担持された多孔性担体に下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を担持させるステップ
を含む水素化反応用触媒の製造方法:
[化学式1]
【化7】
前記化学式1において、
R1及びR2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であるか、互いに隣接した基は、互いに結合して炭化水素環を形成することができ、
m及びnは、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【請求項9】
前記化学式1は、下記化学式2~6のうちのいずれか一つで表されるものである、請求項8に記載の水素化反応用触媒の製造方法:
[化学式2]
【化8】
[化学式3]
【化9】
[化学式4]
【化10】
[化学式5]
【化11】
[化学式6]
【化12】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0094099号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、水素化反応用触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
精油及び石油化学工場では多量の炭化水素が生産され、これは、その後の工程ステップや貯蔵期間の過程で問題を起こす多量の不飽和炭化水素を含んでいる。かかる不飽和炭化水素は、例えば、アセチレン、プロピン(propyne)、プロパジエン、ブタジエン、ビニルアセチレン、ブチン、フェニルアセチレン、スチレンなどを含む。
【0004】
例えば、アセチレンは、エチレン重合工程で触媒の活性を減少させ、重合体の品質を低下させるものとして知られている。そのため、エチレンからポリエチレンを合成する工程で、エチレン原料に含有されているアセチレンの濃度は最低限に抑えなければならない。
【0005】
このような不所望の不飽和化合物は、主に選択的水素添加反応によって数PPM以下程度に除去する。このように不飽和化合物を選択的に水素化する反応で、所望の化合物への選択性を高め、反応活性を低下させるコーク形成を避けるのが非常に重要である。
【0006】
従来は、ニッケル硫酸塩、タングステン/ニッケル硫酸塩又は銅含有触媒が選択的水素添加反応に使用されていた。しかしながら、高い温度でも触媒活性が低くて、重合体形成を低下させる。また、アルミナやシリカに支持されたパラジウム(Pd)又はPd及び銀(Ag)含有触媒も、選択的水素添加工程に使用されるが、選択性が満足ではないか、活性が低い。
【0007】
したがって、当該技術分野では、水素化反応の生成物の選択性に優れ、触媒活性に優れた水素化反応用触媒の開発が必要であるというのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願は、水素化反応用触媒及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の一実施態様は、
多孔性担体;
上記多孔性担体に担持された触媒成分;及び
上記多孔性担体及び触媒成分の表面の少なくとも一部分に備えられ、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子
を含む水素化反応用触媒を提供する。
[化学式1]
【化1】
上記化学式1において、
R1及びR2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であるか、互いに隣接した基は、互いに結合して炭化水素環を形成することができ、
m及びnは、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【0010】
また、本出願の別の実施態様は、
多孔性担体に触媒成分を担持させるステップ;
上記触媒成分が担持された多孔性担体に上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を担持させるステップ
を含む水素化反応用触媒の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本出願の一実施態様によれば、多孔性担体に触媒成分が担持された水素化反応用触媒に上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を追加で担持させることで、水素化反応で生成物の選択度を向上させることができる。
【0012】
また、本出願の一実施態様に係る水素化反応用触媒は、長期安定性に優れ、触媒寿命を向上させることができるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本出願の一実施態様として、水素化反応用触媒の製造方法を概略的に示す図である。
図2】本出願の一実施態様として、合成例1~4に係る高分子の交差分極-マジック角回転13C核磁気共鳴(cross polarization magic-angle spinning 13C nuclear magnetic resonance, CP/MAS 13C NMR)の分析結果を示す図である。
図3】本出願の一実施態様として、合成例1~4に係る高分子の溶解度特性の評価結果を示す図である。
図4】本出願の一実施態様として、合成例1~4に係る高分子の結晶性を示す図である。
図5】本出願の一実施態様として、合成例1~4に係る熱安定性を示す図である。
図6】本出願の一実施態様として、実施例1及び比較例 1に係る触媒の透過電子顕微鏡(Transmission electron microscope, TEM)像を示す図である。
図7】本出願の一実施態様として、実施例1に係る触媒の水素化学吸着(Hydrogen chemisorption)の結果を示す図である。
図8】本出願の一実施態様として、実施例1~2及び比較例1に係る触媒を用いた水素化反応のとき、アセチレンの転換率によるエチレンの選択度を示す図である。
図9】本出願の一実施態様として、実施例3~5に係る触媒を用いた水素化反応のとき、アセチレンの転換率によるエチレンの選択度を示す図である。
図10】本出願の一実施態様として、実施例1及び比較例1に係る触媒の長期安定性の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0015】
本明細書において、ある部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた別の部材が存在する場合も含む。
【0016】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0017】
上述のように、従来は、水素化反応用触媒としてアルミナ支持体にPdを担持した触媒を使用するのが一般的であった。しかしながら、かかる触媒は、触媒の速い非活性化によって触媒の交換周期が早いという問題点があり、これによって工程コストが上昇し得るという問題点がある。また、従来は、水素化反応の生成物の選択度を向上させるために改質剤を投入していたが、これは工程コストが上昇するおそれがあり、追加の分離工程が必要であるという問題点がある。
【0018】
エチレン原料に微量含まれたアセチレンを除去するためのアセチレンの水添反応では、多量のエチレンがアセチレンとともに存在するので、アセチレンの除去過程でエチレンの消耗を伴う。また、上記アセチレンの水添反応では、触媒上にコークが早く形成されて、短時間で触媒の非活性化が発生し得る。
【0019】
そこで、本出願では、水素化反応の生成物の選択性に優れ、触媒の長期安定性に優れた水素化反応用触媒を開発しようとした。特に、本発明者らは、多孔性担体に触媒成分が担持された水素化反応用触媒に硫黄を含む高分子を追加で担持させる研究を行って、本出願を完成するに至った。
【0020】
本出願の一実施態様に係る水素化反応用触媒は、多孔性担体;上記多孔性担体に担持された触媒成分;及び、上記多孔性担体及び触媒成分の表面の少なくとも一部分に備えられ、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を含む。
[化学式1]
【化2】
上記化学式1において、
R1及びR2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基であるか、互いに隣接した基は、互いに結合して炭化水素環を形成することができ、
m及びnは、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【0021】
本出願の一実施態様において、化学式の「
【化3】
」は、繰り返し単位が連結される地点を意味する。
【0022】
本出願の一実施態様において、上記化学式1は、下記化学式2~6のうちのいずれか一つで表されることができる。
[化学式2]
【化4】
[化学式3]
【化5】
[化学式4]
【化6】
[化学式5]
【化7】
[化学式6]
【化8】
【0023】
本出願の一実施態様において、上記化学式1のアルキル基は、直鎖又は分枝鎖であってよく、炭素数は、1~10であることが好ましい。上記アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルブチル基などがあるが、これにのみ限定されるものではない。
【0024】
本出願の一実施態様において、上記化学式1のアリール基の具体的な例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クアテルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0025】
本出願の一実施態様において、上記化学式1のR1及びR2は、いずれも水素であってよい。
【0026】
本出願の一実施態様において、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子は、メタ-フェニレン結合とパラ-フェニレン結合が混成されたポリフェニレンスルフィド構造を含む高分子である。上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子は、有機溶媒に対する溶解度に優れ、無定形に近い構造を有しており、熱安定性が高いという特徴を有する。また、上記化学式1で表される高分子は、少ない含量でも、水素化反応用触媒の活性及び長期安定性をより効果的に向上させることができるという特徴がある。
【0027】
本出願の一実施態様において、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子は、上記多孔性担体及び触媒成分の表面の少なくとも一部分に備えられることができる。また、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子は、上記多孔性担体及び触媒成分の表面全体に備えられて高分子層を形成することもできる。
【0028】
アルキン(alkyne)のアルケン(alkene)への水素化反応において、従来のアルミナ又はシリカベースの金属担持触媒の場合には、アルキン(alkyne)とアルケン(alkene)がいずれも金属表面に容易に吸着するので、アルキン(alkyne)のアルケン(alkene)への水素化とアルケン(alkene)のアルカン(alkane)への水素化とが非選択的になされる。しかしながら、本出願の一実施態様のように上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子をさらに含む場合には、上記高分子と活性金属間の強い結合力によって、活性金属の表面が高分子で取り囲まれるようになる。よって、活性金属を基準に、アルキン(alkyne)のように活性金属と高分子間の結合力よりも相対的に強い結合力を示す反応物は、活性金属に吸着するが、アルケン(alkene)のように相対的に弱い結合力を示す反応物は、活性金属に吸着できなくなる反応特性を有する。かかる特性によって、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を活性金属が担持された多孔性担体に追加で担持させた触媒は、アルキン(alkyne)の水素化反応性はそのまま維持しながら、アルケン(alkene)の水素化反応性は抑制して、アルキン(alkyne)の水素化反応でアルケン(alkene)への高い選択性を示すことができる。
【0029】
本出願の一実施態様において、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子の重量平均分子量は、1,000g/mol~10,000g/mol であってよく 1,500g/mol~7,000g/molであってよい。上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子の重量平均分子量が1,000g/mol未満の場合には、触媒的安定性が低くなって、水素化反応中に高分子消失による触媒の非活性化が発生し得るので、好ましくない。また、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子の重量平均分子量が10,000g/molを超過する場合には、溶解度が低くなるおそれがあり、活性金属の表面の改質化に必要な高分子の量が増加するおそれがあるので、好ましくない。
【0030】
上記重量平均分子量とは、分子量が均一でなく、ある高分子物質の分子量が基準として使用される平均分子量の一つであって、分子量分布のある高分子化合物の成分分子種の分子量を重量分率で平均して得られる値である。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography, GPC)方法で測定することができる。
【0031】
本出願の一実施態様において、上記多孔性担体は、当該技術分野に知られているものを用いることができ、特に制限されるものではない。例えば、上記多孔性担体は、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア及びアルミナ-マグネシアのうちの1種以上を含むことができ、アルミナであることが好ましいが、これにのみ限定されるものではない。
【0032】
本出願の一実施態様において、上記触媒成分は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、 金(Au)、 銀(Ag)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、セリウム(Ce)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)及びランタン(La)のうちの1種以上を含むことができる。
【0033】
本出願の一実施態様において、上記水素化反応用触媒の総重量を基準に、上記触媒成分の含量は、0.01重量%~10重量%であってよく、0.05重量%~5重量%であってよい。上記水素化反応用触媒の総重量を基準に、上記触媒成分の含量が、0.01重量%未満の場合には、触媒の反応性が低下するおそれがあって、好ましくない。また、上記触媒成分の含量が10重量%を超過する場合には、上記多孔性担体に比べて相対的に多量の活性金属を含有するようになって、活性金属と多孔性担体との結合が容易でないおそれがあり、これによって水素化反応によるアルケン(alkene)の選択度が低くなって、重量増加による水素化反応の実益が少なくなるおそれがある。
【0034】
本出願の一実施態様において、上記水素化反応用触媒の総重量を基準に、上記高分子の含量は、0.01重量%~5重量%であってよく、0.05重量%~2重量%であってよい。上記水素化反応用触媒の総重量を基準に、上記高分子の含量が0.01重量%未満の場合には、反応物の選択度及び触媒安定性の増進効果が微々たるものであって、好ましくない。また、上記高分子の含量が5重量%を超過する場合には、触媒活性度が大きく減少するおそれがあるので、好ましくない。
【0035】
本出願の一実施態様に係る水素化反応用触媒の製造方法は、多孔性担体に触媒成分を担持させるステップ;上記触媒成分が担持された多孔性担体に上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を担持させるステップを含む。
【0036】
本出願の一実施態様に係る水素化反応用触媒の製造方法において、上記多孔性担体、触媒成分、化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子などに関する内容は、上述した通りである。
【0037】
本出願の一実施態様において、上記多孔性担体に触媒成分を担持させるステップは、当該技術分野に知られている方法を用いることができ、特に制限されない。例えば、上記多孔性担体に触媒成分を担持させる方法は、上記触媒成分の前駆体としての化合物を含有する水溶液又は有機溶液(担持液)を準備し、上記多孔性担体を担持液に浸してから乾燥した後、水素気体で還元させる過程を経て担持する浸漬法を用いるか、あらかじめ還元をした金属ナノ粒子とともに撹拌して合成することができる。上記触媒成分の前駆体は、 Pd(acac)、Pd(NH(NO、Pd(NO、Pt(acac)、Pt(NO・4NHのような有機金属化合物を用いることができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0038】
本出願の一実施態様において、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子の製造方法は、後述する実施例に具体的に記載した。例えば、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子は、金属硫化物、メタ-結合を含む有機単量体及びパラ-結合を含む有機単量体を縮合重合して合成することができる。特に、上記縮合重合後に得られた固体は、高分子重合反応に参加できなかった有機単量体と一部の硫黄化合物が高分子と混在されたまま得られるので、本出願の一実施態様では、後述する実施例のように精製過程を導入して不純物を効果的に除去した。
【0039】
本出願の一実施態様において、上記触媒成分が担持された多孔性担体に上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を担持させるステップは、上記高分子を含有する有機溶液(担持液)を準備し、上記触媒成分が担持された多孔性担体を担持液に浸してから乾燥した後、水素気体で還元させる過程を経て担持する浸漬法を用いることができる。
【0040】
本出願の一実施態様として、水素化反応用触媒の製造方法を下記図1に概略的に示す。
【0041】
本出願の一実施態様に係る触媒は、水素化反応に適用されることができる。例えば、上記触媒は、アルキン(alkyne)からアルケン(alkene)への水素化反応に適用されることができる。本出願の一実施態様に係る触媒は、アセチレン(acetylene)のみならず、三重結合を持つ炭化水素化合物に同様に適用されることができる。例えば、プロピン(propyne)、ブチン(butyne)、ペンチン(pentyne)、ヘキサイン(hexayne)、へプチン(heptyne)、オクチン(octyne)などを含む。また、三重結合以外の他の作用基や二重結合を含む化合物、例えば、フェニルアセチレンのようなベンゼン環を有する化合物、カルボニル基を有するアルキン化合物、アルコール基を有するアルキン化合物、アミン基を有するアルキン化合物などで、水素化分解反応は抑制し、アルキン基のみアルケン基への選択的水素化反応に適用することができる。
【実施例
【0042】
以下、本出願を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。ところが、本出願に係る実施例は、種々の異なる形態に変形されることができ、本出願の範囲が、以下に詳述する実施例に限定されるものとは解釈されない。本出願の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本出願をより完全に説明するために提供されるものである。
【0043】
<実施例>
<合成例1> 上記化学式2で表される繰り返し単位を含む高分子の合成
16.8gの硫化ナトリウム水和物(sodium sulfide hydrate、61.3重量%のNaS)、70gのn-メチル-2-ピロリドン(n-methyl-2-pyrrolidone, NMP)を混合した後、473Kに加熱して脱水した後、上記混合物を373Kに冷却した。上記混合物に7.35gのm-ジクロロベンゼン(m-dichlorobenzene)、7.35gのp-ジクロロベンゼン(p-dichlorobenzene)と15gのNMPが混合された溶液を注入し、アルゴンガスを用いて圧力を6barまで高めた後、503Kで24時間撹拌して高分子を重合した。
【0044】
重合後、得られた固体は、高分子重合反応に参加できなかった有機単量体と一部元素の硫黄化合物が高分子と混在されたまま得られるので、下記に提示する精製過程を導入して不純物を効果的に除去した。
【0045】
合成の結果得られた溶液を340gのメタノール(methanol)と混合して、有機不純物及びNMPを除去し、遠心分離機を通じて上層液のみ除去して固形物を得た。
【0046】
得られた固形物は200g、0.5M NaOH水溶液と混合して、333Kで12時間撹拌して、固形物内に存在していた微量の元素硫黄成分を除去し、蒸留水を用いて洗浄した。その後、323Kで24時間乾燥し、上記製造された高分子は 「m, p-PPS」と表した。
【0047】
<合成例2> 上記化学式3で表される繰り返し単位を含む高分子の合成
16.8gの硫化ナトリウム水和物(sodium sulfide hydrate、61.3重量%のNaS)、70gのn-メチル-2-ピロリドン(n-methyl-2-pyrrolidone, NMP)を混合した後、473Kに加熱して脱水した後、上記混合物を373Kに冷却した。上記混合物に8.05gの2,4-ジクロロトルエン(2,4-dichlorotoluene)、7.35gのp-ジクロロベンゼン(p-dichlorobenzene)と15gのNMPが混合された溶液を注入し、アルゴンガスを用いて圧力を6barまで高めた後、503Kで24時間撹拌して高分子を重合した。
【0048】
重合後、得られた固体は、高分子重合反応に参加できなかった有機単量体と一部元素の硫黄化合物が高分子と混在されたまま得られるので、下記に提示する精製過程を導入して不純物を効果的に除去した。
【0049】
合成の結果得られた溶液を340gのメタノール(methanol)と混合して有機不純物及びNMPを除去し、遠心分離機を通じて上層液のみ除去して固形物を得た。
【0050】
得られた固形物は、200g、0.5M NaOH水溶液と混合して333Kで12時間撹拌して、固形物内に存在していた微量の元素硫黄成分を除去し、蒸留水を用いて洗浄した。その後、323Kで24時間乾燥し、上記製造された高分子は「m(t), p-PPS」と表した。
【0051】
<合成例3> 上記化学式4で表される繰り返し単位を含む高分子の合成
16.8gの硫化ナトリウム水和物(sodium sulfide hydrate、61.3重量%のNaS)、70gのn-メチル-2-ピロリドン(n-methyl-2-pyrrolidone, NMP)を混合した後、473Kに加熱して脱水した後、上記混合物を373Kに冷却した。上記混合物に7.5gのm-ジクロロベンゼン(m-dichlorobenzene)、8.05gの2,5-ジクロロトルエン(2,5-dichlorotoluene)と15gのNMPが混合された溶液を注入し、アルゴンガスを用いて圧力を6barまで高めた後、503Kで24時間撹拌して高分子を重合した。
【0052】
重合後、得られた固体は、高分子重合反応に参加できなかった有機単量体と一部元素の硫黄化合物が高分子と混在されたまま得られるので、下記に提示する精製過程を導入して不純物を効果的に除去した。
【0053】
合成の結果得られた溶液を340gのメタノール(methanol)と混合して有機不純物及びNMPを除去し、遠心分離機を通じて上層液のみ除去して固形物を得た。
【0054】
得られた固形物は、200g、0.5M NaOH水溶液と混合して333Kで12時間撹拌して、固形物内に存在していた微量の元素硫黄成分を除去し、蒸留水を用いて洗浄した。その後、323Kで24時間乾燥し、上記製造された高分子は「m, p(t)-PPS」と表した。
【0055】
<合成例4> 上記化学式5で表される繰り返し単位を含む高分子の合成
16.8gの硫化ナトリウム水和物(sodium sulfide hydrate、61.3重量%のNaS)、70gのn-メチル-2-ピロリドン(n-methyl-2-pyrrolidone, NMP)を混合した後、473Kに加熱して脱水した後、上記混合物を373Kに冷却した。上記混合物に11.2gの3,5-ジクロロ-1,1'-ビフェニル(3,5-dichloro-1,1'-biphenyl)、7.35gのp-ジクロロベンゼン(p-dichlorobenzene)と15gのNMPが混合された溶液を注入し、アルゴンガスを用いて圧力を6barまで高めた後、503Kで24時間撹拌して高分子を重合した。
【0056】
重合後、得られた固体は、高分子重合反応に参加できなかった有機単量体と一部元素の硫黄化合物が高分子と混在されたまま得られるので、下記に提示する精製過程を導入して不純物を効果的に除去した。
【0057】
合成の結果得られた溶液を340gのメタノール(methanol)と混合して有機不純物及びNMPを除去し、遠心分離機を通じて上層液のみ除去して固形物を得た。
【0058】
得られた固形物は、200g、0.5M NaOH水溶液と混合して333Kで12時間撹拌して、固形物内に存在していた微量の元素硫黄成分を除去し、蒸留水を用いて洗浄した。その後、323Kで24時間乾燥し、上記製造された高分子は「m(bp), p-PPS」と表した。
【0059】
<実験例1> 合成した高分子の構造及び物理化学的特性の分析
上記合成例1~4で製造した高分子の構成成分を確認するために、元素分析法(elemental analysis)と13C NMR分析を実施した後、その結果をそれぞれ表1及び表2に示した。
【0060】
下記表1の結果のように、合成例1で製造された高分子は常用p-PPS(182354, Sigma-aldrich)と類似する構成成分を有していた。また、合成例1~4で製造された高分子は、C/S比が理論的に計算された値と類似していた。下記図2の結果のように、合成例1~4で製造された高分子は、それぞれ上記化学式2~5で表される繰り返し単位を含む構造として存在することと把握された。
【0061】
【表1】
【0062】
また、本出願の一実施態様として、合成例1~4に係る高分子の溶解度特性の評価結果を下記の図3に示した。より具体的に、上記合成例1~4で製造した高分子のテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran, THF)での溶解性を観察するために、500:1で溶解した結果を下記図3に示した。その結果、合成例1~4で製造した高分子は、p-PPSと異なって、THFで高い溶解度を有することを確認することができる。
【0063】
また、本出願の一実施態様として、合成例1~4に係る高分子の物理化学的特性を測定するために、XRD分析及びHe条件でTGA分析を実施した後、その結果を下記図4及び図5にそれぞれ示した。合成例1~4で製造した高分子は、下記図4の結果のように、p-PPSと異なって、低い結晶性が現われることを確認することができ、下記図5の結果のように、高い熱安定性を有することを確認することができる。
【0064】
<比較例1>
0.28gのPd(NH(NO水溶液 (10重量%)を1gの蒸留水に混合した後、10gのα-Al(Alfa-aesar)に水分含浸法で担持した後、333Kで12時間乾燥した。乾燥後、当該サンプルを673Kの空気条件で2時間焼成し、その後673Kの水素条件で還元処理した。上記製造された触媒は、「Pd/α-Al2O3」と表した。
【0065】
<実施例1> 0.30PPS/Pd/α-Al2O3の製造
上記合成例1で製造した0.03gのm, p-PPSを10gのTHFに混合した溶液を上記比較例1の10gのPd/α-Al2O3に担持して、常温で12時間乾燥した。乾燥後、当該サンプルを373Kで水素条件で2時間還元処理した。上記製造された触媒は、 「0.30PPS/Pd/α-Al2O3」と表した(「0.30」は、製造された触媒中のm, p-PPSの重量%を意味する)。
【0066】
<実施例2> 1.0PPS/Pd/α-Al2O3の製造
上記合成例1で製造した0.1gのm, p-PPSを10gのTHFに混合した溶液を上記比較例1の10gのPd/α-Al2O3に担持して、常温で12時間乾燥した。乾燥後、当該サンプルを373Kで水素条件で2時間還元処理した。上記製造された触媒は、 「1.0PPS/Pd/α-Al2O3」と表した(「1.0」は、製造された触媒中のm, p-PPSの重量%を意味する)。
【0067】
<実施例3> 0.30m(t), p-PPS/Pd/α-Al2O3の製造
上記合成例2で製造した0.03gのm(t), p-PPSを10gのTHFに混合した溶液を上記比較例1の10gのPd/α-Al2O3に担持して、常温で12時間乾燥した。乾燥後、当該サンプルを373Kで水素条件で2時間還元処理した。上記製造された触媒は、「0.30m(t), p-PPS/Pd/α-Al2O3」と表した(「0.30」は、製造された触媒中のm(t), p-PPSの重量%を意味する)。
【0068】
<実施例4> 0.30m, p(t)-PPS/Pd/α-Al2O3の製造
上記合成例3で製造した0.03gのm, p(t)-PPSを10gのTHFに混合した溶液を上記比較例1の10gのPd/α-Al2O3に担持して、常温で12時間乾燥した。乾燥後、当該サンプルを373Kで水素条件で2時間還元処理した。上記製造された触媒は、「0.30m, p(t)-PPS/Pd/α-Al2O3」と表した(「0.30」は、製造された触媒中のm, p(t)-PPSの重量%を意味する)。
【0069】
<実施例5> 0.30m(bp), p-PPS/Pd/α-Al2O3の製造
上記合成例4で製造した0.03gのm(bp), p-PPSを10gのTHFに混合した溶液を上記比較例1の10gのPd/α-Al2O3に担持して、常温で12時間乾燥した。乾燥後、当該サンプルを373Kで水素条件で2時間還元処理した。上記製造された触媒は、「0.30m(bp), p-PPS/Pd/α-Al2O3」と表した(「0.30」は、製造された触媒中の m(bp), p-PPSの重量%を意味する)。
【0070】
<実験例2> 水素化反応用触媒の構造及び特性の分析
実施例1及び比較例1で合成された触媒の活性金属の状態を確認するために、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope, TEM)分析を実施し、その結果を下記図6に示した。
【0071】
下記図6の結果のように、比較例1のPd/α-Al2O3と実施例1の0.30PPS/Pd/α- Al2O3はいずれも約1.3nm直径のパラジウム粒子が均一に分散していることを確認することができた。
【0072】
また、実施例1の触媒の高分子含量による活性金属の表面状態を確認するために、水素化学吸着(Hydrogen chemisorption)を行い、その結果を下記図7に示した。
【0073】
下記図7の結果のように、高分子含量が増加するほど活性金属上の水素吸着量が減少し、0.15重量%~0.3重量%のm, p-PPS以上の高分子が担持された触媒の場合、水素吸着がほとんど観察されなかった。これを通じて、少量の高分子を用いる場合にも、効果的に活性金属の表面を改質化できることを確認することができた。
【0074】
<実験例3> 触媒を用いたアセチレンの選択的水素化反応
上記実施例及び比較例で製造された担持触媒の活性及び選択度は、下記の方法で確認した。
【0075】
アセチレンの水素化反応は、0.1gの触媒を373K、1気圧の条件で0.6kPaのアセチレン、0.9kPaの水素、49.3kPaのエチレン、窒素ベースの気体から構成された混合ガスを注入して測定し、上記水素化反応での生成物の分析のために、反応器と連結されたガスクロマトグラフィーを用いて分析した。反応物の転換率と生成物の選択度は、下記数式1及び2を通じて計算された。
[数1]
転換率(%)=(反応したアセチレンのモル数)/(供給されたアセチレンのモル数)×100
[数2]
選択度(%)=(生成された生成物のモル数)/(反応したアセチレンのモル数)×100
【0076】
実施例1~2及び比較例1に係る触媒を用いた水素化反応のとき、アセチレンの転換率によるエチレンの選択度を下記図8に示した。下記図8の結果のように、実施例1~2のPPS/Pd/α-Al2O3触媒は、比較例1のPd/α-Al2O3に比べて高いエチレン選択度を示すことを確認することができた。
【0077】
実施例3~5の触媒は、0.30wt%の高分子を担持して触媒を改質化し、上記のような条件で触媒的性能を確認して、下記図9に示した。下記図9の結果のように、実施例3~5の触媒も、比較例1のPd/α-Al2O3に比べて高いエチレン選択度を示した。
【0078】
<実験例4> 触媒の長期安定性
実施例1及び比較例1で製造された触媒の活性金属の触媒の長期安定性を下記の方法で確認した。
【0079】
0.042 gacetylene gcatalyst -1 h-1 重量空間速度(weight hourly space velocity, WHSV)で120時間触媒反応を測定したこと以外には、上記実験例3と同様に行った。
【0080】
実施例1及び比較例1に係る触媒の長期安定性の評価結果を下記図10に示した。下記図10の結果のように、実施例1の0.30PPS/Pd/α-Al2O3触媒は、比較例1の触媒に比べて最小2倍以上の長期安定性を有することを確認することができた。
【0081】
本出願で適用した分析装置及び分析条件は、下記の通りである。
1)元素分析法(elemental analysis)
使用装備:FLASH 2000(Thermo Scientific)
2)交差分極-マジック角回転13C核磁気共鳴(cross polarization magic-angle spinning 13C nuclear magnetic resonance, CP/MAS 13C NMR)
使用装備:AVANCE III HD (400 MHz) with wide bore 9.4 T magnet (Bruker)
分析方法:100.65 MHz, repetition delay time of 3 seconds. Chemical shifts were reported in ppm relative to tetramethyl silane (0 ppm).
3)X線回折分光器(X-ray diffractomer, XRD)
使用装備:D2-Phaser (Bruker)
4)熱重量分析器(Thermogravimetric analysis, TGA)
使用装備:N-1000 (Scinco)
分析方法:Heガスで5K min-1の昇温条件で測定
5)透過電子顕微鏡 (transmission electron microscope, TEM)
使用装備:Titan Cubed G2 60 300 (FEI) at 200 kV
6)水素化学吸着(hydrogen chemisorption)
使用装備:ASAP2020 (Micromeritics)
7)ガスクロマトグラフィー(gas chromatography, GC)
使用装備:YL6500 (Younglin)
分析方法:on-line GC equipped with FID (flame ionized detector), GS-GasPro (Agilent)columnを利用
【0082】
上記化学式2~5で表される繰り返し単位を含む高分子を用いた実験結果から、化学式2~5で表される繰り返し単位に、その作用原理が類似した他のアルキル基、アリール基などの作用基が追加で結合される場合にも、類似した効果を得ることができる。
【0083】
したがって、本出願の一実施態様によれば、多孔性担体に触媒成分が担持された水素化反応用触媒に、上記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子を追加で担持させることで、水素化反応で生成物の選択度を向上させることができる。
【0084】
また、本出願の一実施態様に係る水素化反応用触媒は、長期安定性に優れ、触媒寿命を向上させることができるという特徴がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】