(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】加熱バルブ多岐菅組立品を有するシステム、そのシステムの製造方法
(51)【国際特許分類】
F16L 41/02 20060101AFI20230913BHJP
F16L 53/30 20180101ALI20230913BHJP
【FI】
F16L41/02
F16L53/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506017
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 US2020053069
(87)【国際公開番号】W WO2022025950
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー デイビッド フォンタナ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド カール エシェルマン
(72)【発明者】
【氏名】ユスラ ファティマ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ウィリアム ピルツ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン セイデル
【テーマコード(参考)】
3H019
3H025
【Fターム(参考)】
3H019AA04
3H019BA04
3H019BB01
3H019BC05
3H025AA11
3H025AB01
3H025AB05
(57)【要約】
1つ又は複数のツールに流体を分配する、半導体製造のためのシステムであって、少なくとも1つの加熱バルブ多岐菅組立品を有し、前記少なくとも1つの加熱バルブ多岐菅組立品が、ある合計の表面積を有する熱伝導性プレートであって、第一の側部及び第二の側部を有する熱伝導性プレート;前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している少なくとも1つの加熱器;複数のバルブ及びパイプを備えるバルブ多岐菅であって、前記複数のバルブ及びパイプが、ある合計の表面積を有し、前記複数のバルブ及びパイプの表面積の一部が前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している、バルブ多岐菅;並びに絶縁体の1つ又は複数の層であって、(i)前記複数のバルブ及びパイプの表面積の大部分であって、前記一部が前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している、複数のバルブ及びパイプの表面積の大部分と;(ii)前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している前記少なくとも1つの加熱器と;(iii)前記少なくとも1つの熱伝導性プレートの表面積の大部分と、をカバーする絶縁体の1つ又は複数の層、を備える、システム。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のツールに流体を分配する、半導体製造のためのシステムであって、少なくとも1つの加熱バルブ多岐菅組立品を備え、前記少なくとも1つの加熱バルブ多岐菅組立品が、
ある合計の表面積を有する熱伝導性プレートであって、第一の側部及び第二の側部を有する熱伝導性プレート;
前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している少なくとも1つの加熱器;
複数のバルブ及びパイプを備えるバルブ多岐菅であって、前記複数のバルブ及びパイプが、ある合計の表面積を有し、前記複数のバルブ及びパイプの表面積の一部が前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している、バルブ多岐菅;並びに
絶縁体の1つ又は複数の層であって、(i)前記複数のバルブ及びパイプの表面積の大部分であって、前記一部が前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している、複数のバルブ及びパイプの表面積の大部分と;(ii)前記少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している前記少なくとも1つの加熱器と;(iii)前記少なくとも1つの熱伝導性プレートの表面積の大部分と、をカバーする絶縁体の1つ又は複数の層
を備える、システム。
【請求項2】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、絶縁体ボードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、プラスチックカバーに取り付けられた絶縁体を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、柔らかい絶縁体材料で作られた絶縁ジャケットを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、ボルト、ねじ、クランプ、ジッパー、ベルクロ(登録商標)、ケーブルタイ、磁石、接着剤、スナップ、留め金、バンジーコード及びフックアンドアイから選択される固定具を使用して、前記伝導性プレートに取り外し可能に取り付けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、前記複数のバルブ及びパイプに合う仕様で作られている、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、前記複数のパイプ及びバルブが前記熱伝導性プレートに取り付けられている場合に加熱空気容積を提供するように成形されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のバルブ及びパイプの一部が、前記少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一の側部と接触していて;前記少なくとも1つの加熱器が、前記少なくとも1つの熱伝導性プレートの第二の側部と接触している、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のバルブ及びパイプの一部が、前記少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一の側部と接触していて;前記1つ又は複数の加熱器が、前記少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一の側部と接触している、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記パイプ及びバルブが、前記熱伝導性プレートに取り付けられている、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つまたは複数の加熱器が、前記熱伝導性プレートに取り付けられている、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記組立品が、前記熱伝導性プレートの第一の側部に取り付けられているか、又は前記第一の側部をカバーする第一の絶縁体ボードと、前記熱伝導性プレートの第二の側部に取り付けられているか、又は前記第二の側部をカバーする第二の絶縁体ボードとを備える、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記熱伝導性プレートに取り付けられたパイプが、前記加熱バルブ多岐菅組立品の迅速な取り外し及び交換のために接続を断ち、再接続することができるクイックリリースコネクタを有する、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体の少なくとも1つのコンテナ及びキャビネットをさらに備え、前記キャビネットが、前記加熱バルブ多岐菅組立品及び前記少なくとも1つのコンテナを収容している、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記加熱バルブ多岐菅組立品が、スペーサを使用して壁又はパネルに取り付けられていて、前記加熱バルブ多岐菅組立品と前記壁又はパネルとの間の接触が妨げられている、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
バックアップ加熱器をさらに備える、請求項1~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
1つ又は複数の温度センサをさらに備える、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
1つ又は複数の制御器をさらに備える、請求項1~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ又は複数の加熱器のための制御器をさらに備える、請求項1~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
気体又は化学物質輸送キャビネットである、請求項1~19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
バルブ多岐菅ボックスである、請求項1~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
バルブ多岐菅パネルである、請求項1~21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記絶縁体の1つ又は複数の層が、接着剤を含有しない固定具を使用して、前記伝導性プレートに取り外し可能に取り付けられている、請求項1~22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項に記載のシステムの製造方法であって、
前記バルブ多岐菅の前記パイプ及びバルブを前記熱伝導性プレートに接触させるか、及び/又は取り付ける工程;
1つ又は複数の加熱器を前記熱伝導性プレートに接触させるか、及び/又は取り付ける工程;
絶縁体の1つ又は複数の層を、前記1つ又は複数の加熱器に、前記熱伝導性プレートによって加熱されるか、前記熱伝導性プレートと接触している前記パイプ及びバルブの表面積の大部分に、及び/又は前記熱伝導性プレートの表面積の大部分に、カバーするか、及び/又は接触させる工程
を含む、製造方法。
【請求項25】
前記バルブ多岐菅のパイプ及びバルブを接合して、前記バルブ多岐菅における流体タイトシールを作る工程をさらに含む、請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記絶縁体の1つ又は複数の層を取り付ける方法が、機械的固定具を含む、請求項24又は25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記絶縁体の1つ又は複数の層を取り付ける方法が、接着剤を含まない、請求項24~26のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項28】
請求項1~23に記載のシステムの修理方法であって、前記絶縁体の1つ又は複数の層を取り外して、前記バルブ多岐菅にアクセスする取り外し工程;欠陥のあるバルブ、パイプ又は他の構成要素を修理する工程;前記絶縁体の1つ又は複数の層を再度取り付ける工程、を含む、修理方法。
【請求項29】
前記取り外し工程の前に、1つ又は複数の機械的固定具を取り外す工程があり、前記再度取り付ける工程が、前記1つ又は複数の機械的固定具を再度取り付ける工程を含む、請求項27に記載のシステムの修理方法。
【請求項30】
請求項1~23のいずれか1項に記載のシステムの修理方法であって、前記加熱バルブ多岐菅組立品を前記システムから取り外す工程と、それを新しい加熱バルブ多岐菅組立品と交換する工程とを含む、修理方法。
【請求項31】
請求項29に記載のシステムの修理方法であって、前記取り外し工程の前に、1つ又は複数の機械的固定具を取り外す工程及び幾つかのクイックリリースコネクタを開ける工程があって;前記交換する工程が、前記1つ又は複数の機械的固定具を再度取り付ける工程及び幾つかのクイックリリースコネクタを閉める工程を含む、修理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年7月28日に提出された米国仮出願63/057872号に対する優先権を主張するものであり、米国仮出願63/057872号の全体の内容は、参照によって、全ての可能な目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、加熱バルブ多岐菅組立品、それを有するシステム、それを組み立てる方法、及びそれを修理する方法に関する。
【0003】
しばしば、工業設備中に位置する一連の使用するポイントに化学物質を分配することが必要である。例えば、半導体製造設備においては、液体化学物質、例えばフォトレジスト、スラリー、フッ化水素酸、過酸化水素、水酸化アンモニウム等は、半導体製造において使用される種々のツールに分配される。同様に、気相化学物質、例えばフッ化水素、三フッ化窒素及び無水アンモニア、を同じ手法で分配する必要がある場合もある。典型的には、1つ又は複数のポンプである場合がある供給源ユニット、化学物質容器又は圧力容器は、ツールの群を流体回路に接続するのに使用される一連のバルブ多岐菅を有する流体回路を通して、流体流を誘導する。しばしば、流体回路は、バルブ多岐菅を囲むバルブボックスを設けられている。結果として、パイプ又はバルブ多岐菅のいずれかからのあり得る漏洩は、バルブ多岐菅ボックス(VMB)中に堆積され、それによって、バルブ多岐菅ボックスは漏洩物を含有する働きをする。これらのボックスは、換気を利用して、危険な蒸気相プロセス材料の排除又は危険な蒸気相プロセス材料からの保護の手段を提供することができる。代わりに、危険な材料が存在しない場合には、内包されるボックスが全くなくてもよい。この場合には、全体の組立品は、バルブ多岐菅パネル又はVMPといわれる場合もある。
【0004】
多岐菅は、気体又は化学物質輸送キャビネット中に設けられる場合もある。典型的には、気体輸送キャビネットは、気体で充填された供給コンテナから、半導体製造設備中の1つ又は複数のツールへと気体を供給する。化学物質輸送キャビネットは、半導体製造設備中の1つ又は複数のツールへと流体を供給する。典型的には固体、液体又は気体を中に有する供給コンテナから、ツールに供給されるとき、流体は気体又は液体である場合がある。気体及び化学物質輸送キャビネットでは、押し出しガス若しくはパージガスの供給及び/又は溶媒洗浄若しくは気体の供給を空気圧アクチュエータ等にすることを可能とするのが非常に複雑である場合がある。
【0005】
とりわけ流体が低温で粘性を有する場合、及び/又は室温が、流体が物質の所望の輸送相へと(若しくは物質の所望の輸送相から)変化する温度であるか若しくはその温度に近い場合、バルブ多岐菅において使用される、例えばバルブ多岐菅ボックス、気体輸送キャビネット、又は化学物質輸送キャビネットにおいて使用されるバルブ及びパイプを加熱して、その中の1つ又は複数の流体の流れを改善することが必要であるか又は有利であることがある。
【0006】
典型的には、それぞれのバルブ及びパイプに熱を提供することを目的とする、多岐菅を構成するそれぞれのバルブ及びパイプの周りを囲む電気抵抗加熱ワイヤ、ヒートトレースを使用することによって、多岐菅を構成するバルブ及びパイプに熱が提供される。典型的には、ワイヤの上に、絶縁テープの1つ又は複数の層がラップされ、熱が周囲環境へと放熱されるのを妨げる。
図1は、先行技術の気体又は化学物質輸送キャビネット中のパイプの周りで使用されるヒートトレースを示している。バルブ又はパイプに対して修理が必要である場合、ヒートトレースのラップを外し、ヒートトレースを取り外す必要がある。中断がない場合にはヒートトレースは効果的であり信頼性があるが、ヒートトレースを取り外す際には、ワイヤはしばしば壊れ、交換しなければならない。ヒートトレース、及び上に取り付けられた絶縁層は、元々の製造の間に設置するのに、修理のために取り外すのに、及び修理を行った後に再度設置するのに、多くとの労働力及び時間を要する。製造のために必要な気体及び化学物質で供給するシステムを含む、製造施設におけるツールの全ての稼働時間を最大化する大きな働きかけがあり、したがって、気体及び化学物質をツールに供給する多岐菅を有する全てのシステムの稼働時間を増加させる働きかけがある。さらに、多岐菅、及び多岐菅を中に有する輸送システムの専有面積を減少させて、所与のスペース中のバルブ及びパイプの数の増加、気体輸送キャビネット及び化学物質輸送キャビネットについての、それらのキャビネット中のコンテナへの供給のサイズ及び数の増加も含む、をもたらすことへの働きかけもある。さらに、これらの多岐菅の製造を加速することの要求がある。本発明は、これらの問題に取り組むものである。
【発明の概要】
【0007】
1つの態様において、本発明は、半導体製造のための1つ又は複数のツールへと流体を分配するシステムであって、少なくとも1つの加熱バルブ多岐菅組立品を有し、少なくとも1つの加熱バルブ多岐菅組立品が、ある合計の表面積を有する熱伝導性プレートであって、第一の側部及び第二の側部を有する熱伝導性プレート;少なくとも1つの熱伝導性プレートに接触している少なくとも1つの加熱器;ある合計の表面積を有する複数のバルブ及びパイプであって、複数のバルブ及びパイプの合計の表面積の一部が少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している、複数のバルブ及びパイプ、を備えるバルブ多岐菅;並びに(i)複数のバルブ及びパイプの表面積の大部分であって、前記一部が、少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している、複数のバルブ及びパイプの表面積の大部分と、(ii)少なくとも1つの熱伝導性プレートと接触している少なくとも1つの加熱器と、(iii)少なくとも1つの熱伝導性プレートの表面積の大部分とをカバーする熱絶縁材料の1つ又は複数の層、を備えるシステムを提供する。
【0008】
システムにおいて、絶縁体の1つ又は複数の層は、絶縁体ボード、プラスチックカバーに取り付けられた絶縁体;及び/又は絶縁されたジャケットを含んでよく、それらは、柔らかい絶縁材料で作られているか、複数のバルブ及びパイプに対して形状を合う仕様で作られたものであるか、並びに/又は熱伝導性プレートの中央に向かって加熱空気容積を提供するように成形されているかであり、ここで、複数のパイプ及びバルブの多くは熱伝導性プレートに取り付けられている。本明細書において説明される任意の実施態様における絶縁体の1つ又は複数の層は、ボルト、ねじ、クランプ、ケーブルタイ(cable tie)、磁石、接着剤、ジッパー、スナップ、留め金、バンジーコード(bungee cord)、フックアンドアイ(hook and eye)、若しくはフックアンドループストリップ(hook and loop strip)(例えばVelcro(登録商標))又は同様のもの、から選択される固定具を使用することによって、伝導性プレートに取り外し可能に取り付けられていてよい。
【0009】
本発明の1つの別の態様において、単独で又は任意の態様に加えて、複数のバルブ及びパイプの一部は、少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一の側部と接触していて、;少なくとも1つの加熱器は、少なくとも1つの熱伝導性プレートの第二の側部と接触している。さらなる態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、複数のバルブ及びパイプは少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一の側部と接触していて、1つ又は複数の加熱器は、少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一の側部と接触している。さらなる態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、複数のバルブ及びパイプは、少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一及び/又は第二の側部と接触していて、1つ又は複数の加熱器は、少なくとも1つの熱伝導性プレートの第一及び/又は第二の側部と接触している。任意のシステムにおいて、パイプ及びバルブは熱伝導性プレートに取り付けられていてよく、及び/又は1つ若しくは複数の加熱器は熱伝導性プレートに取り付けられていてよい。1つの別の態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、組立品は、熱伝導性プレートの第一の側部に取り付けられた、又は熱伝導性プレートの第一の側部をカバーする第一の絶縁体ボードと、熱伝導性プレートの第二の側部に取り付けられた、又は熱伝導性プレートの第二の側部をカバーする第二の絶縁体ボードとを備える。1つの別の態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、熱伝導性プレートに取り付けられたパイプは、加熱バルブ多岐菅組立品の迅速な取り外し及び交換のために、接続を断つこと及び再接続することができるクイックリリースコネクタを有する。1つの別の態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、先のクレームのうち任意のシステムは、キャビネット及び少なくとも1つの流体のコンテナをさらに備え、キャビネットは、加熱バルブ多岐菅組立品及び少なくとも1つのコンテナを収容する。1つの別の態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、先のクレームのうち任意のシステムはキャビネットをさらに備え、キャビネットは、加熱バルブ多岐菅組立品を収容する。
【0010】
1つの別の態様において、単独で又は任意の他の態様に加えて、加熱バルブ多岐菅組立品は、加熱バルブ多岐菅組立品と壁又はパネルとの間の接触を妨げるようにスペーサを使用して、壁又はパネルに取り付けられる。加熱バルブ多岐菅組立品を備える任意のシステムは、バックアップ加熱器、1つ若しくは複数の温度センサ、1つ若しくは複数の制御器、及び/又は1つ若しくは複数の加熱器のための制御器をさらに備えてよい。任意のシステムは、気体若しくは化学物質の輸送キャビネット、バルブ多岐菅ボックス又はバルブ多岐菅パネルであってよい。さらに、任意のシステムの任意の加熱バルブ多岐菅組立品は、接着剤を実質的に含有しない固定具又は含有しない固定具を使用して、伝導性プレートに取り外し可能に取り付けられている、絶縁体の1つ又は複数の層を有してよい。1つの別の態様において、本発明は、本発明のシステムを製造する方法であって、バルブ多岐菅のパイプ及びバルブを熱伝導性プレートに接触させるか、及び/又は取り付ける工程;1つ又は複数の加熱器を熱伝導性プレートに接触させるか、及び/又は取り付ける工程;1つ又は複数の加熱器に、加熱パイプ及びバルブの表面の大部分に、及び/又は熱伝導性プレートの表面積の大部分に絶縁体の1つ又は複数の層をカバーするか、及び/又は取り付ける工程を含み、加熱バルブ多岐菅組立品を形成する方法をさらに提供する。1つの別の態様において、方法は、バルブ多岐菅のパイプ及びバルブを結合して、バルブ多岐菅における流体タイトシールを作る工程をさらに備える。製造する方法の1つの別の態様において、単独で又は他の態様とともに、製造する方法は、絶縁体の1つ又は複数の層を機械的固定具によって取り付ける工程を含む。任意の方法において、絶縁体の1つ又は複数の層を取り付ける工程は、接着剤を実質的に含有しないか、又は含有しなくてよい。1つの別の態様は、単独で又は他の態様とともに、システムを修理する方法であって、1つ又は複数の絶縁層を除去してバルブ多岐菅にアクセスする工程;欠陥のあるバルブ、パイプ又は他の構成要素を修理する工程;並びに1つ又は複数の絶縁体層を再度取り付ける工程を含む方法である。修理する方法の1つの別の態様において、除去工程の前に、1つまたは複数の機械的固定具を取り外す工程があり、再度取り付ける工程は、1つ又は複数の機械的固定具を再度取り付ける工程を含む。本発明の1つの別の態様において、システムを修理する方法は、システムから、単一のユニットとしての加熱バルブ多岐菅組立品を取り外す工程、並びにそれを新たな既に組み立てられた加熱バルブ多岐菅組立品と交換する工程を含んでよい。修理する方法の1つの別の態様において、取り外し工程の前に、1つ又は複数の機械的固定具を取り外す工程及び幾つかのクイックリリースコネクタを開ける工程があり、交換工程は、1つ又は複数の機械的固定具を再度取り付ける工程及び幾つかのクイックリリースコネクタを閉める工程を含む。
【0011】
本発明は、加熱バルブ多岐菅組立品のより速い製造及び修理、並びにそれを使用するシステムのために提供される。少数の固定具、典型的には機械的固定具、例えばナット、ボルト、ねじ及び/又は他のものと、熱絶縁体の1つまたは複数の層との取り外しによって、例えば欠陥のあるバルブ、又は他の欠陥のある構成要素は、容易にアクセスされ、修理され、次いで、熱絶縁体の1つ又は複数の層は、1つ又は複数の固定具を使用して再度設置され、加熱バルブ多岐菅組立品は、もしある場合には必要なパージ工程の後には、再使用のための準備ができている。好ましくは、加熱バルブ多岐菅組立品を修理する方法に先立って、任意の固定具及び/又は絶縁体層を取り外す前に、プロセスガス供給に対するいずれかのバルブを閉じる工程、プロセスガスの性質に起因して、必要な場合には、加熱バルブ多岐菅組立品及び/又は気体キャビネット又はバルブ多岐菅ボックス又はバルブ多岐菅パネルをパージするか、及び/又は排気する工程がある。本発明の加熱バルブ多岐菅組立品は、多くの労働力を必要とする、それぞれのパイプ及びバルブを、ヒートトレースワイヤ及び熱絶縁体の層で複数回囲む工程なしに、製造及び修理することができる。本発明の加熱バルブ多岐菅組立品の使用は、システムの製造及び修理の速度を上げる。加熱バルブ多岐菅組立品のパイプ若しくはバルブ又は他の構成要素が動作していない場合、全体の加熱バルブ多岐菅組立品は、もしある場合には、複数のパイプ接続のねじを外し、任意の電気的接続のプラグを抜き、任意の取り付け固定具を取り外した後に、取り外すことができ、次いで、その全体を新たな加熱バルブ多岐菅組立品で置き換えることができる。取り外された動作していない加熱バルブ多岐菅組立品は、次いで、養生、品質の分析及び試験、場合によっては後のあり得る再使用のために工場へと送り返されてよい。本発明は、中に加熱バルブ多岐菅組立品を有するシステムから、製造のために必要な気体及び化学物質で供給される設備中の全てのツールの稼働時間の最大化と、中に加熱バルブ多岐菅組立品を有する本発明のシステムの増加した稼働時間とを可能とする。さらに、本発明の加熱バルブ多岐菅組立品は、それぞれのバルブ及びパイプの周りの熱絶縁体の層のために必要な空間を排除することによって、多岐菅中のパイプ及びバルブのための空間を最大化することも可能とし、それによって、同じ専有面積又はキャビネットで、バルブ及びパイプ並びに供給コンテナの数を増加させることを可能とする。これらの利点及び他の利点は、本発明によって提供されるものである。
【0012】
出願人が出願人の発明とみなす対象を別個に指摘する特許請求の範囲とともに、本明細書は完結するものであるが、添付の図面と関連付けられたときに、本発明はさらに良く理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ヒートトレース及び熱絶縁体に囲まれたパイプ及びバルブを示す、先行技術のシステムの内部の部分的な前面図である。
【0014】
【
図2】加熱バルブ多岐菅組立品の1つの態様を示す、本発明のシステムの内部の部分的な前面図である。
【0015】
【
図3】加熱バルブ多岐菅組立品の第二の実施態様を示す、本発明のシステムの内部の部分的な前面図である。
【0016】
【
図4】熱絶縁体の層が取り外されている、本発明のシステムにおいて使用される加熱バルブ多岐菅組立品の前面図である。
【0017】
【
図5】本発明のシステムにおいて使用される加熱バルブ多岐菅組立品の一部の部分的な分解図である。
【0018】
【
図6】本発明のシステムにおいて使用される加熱バルブ多岐菅組立品の1つの実施態様の背面斜視図である。
【0019】
【
図7】本発明の加熱バルブ多岐菅組立品を中に有する本発明のシステムの1つの別の実施態様の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
【0021】
本発明のシステムは、VMB及びVMP、気体及び化学物質輸送システム、又は設備中の1つ又は複数のツールに流体を輸送する任意のシステムを含む。1種類のシステムの説明は限定することを意味するものではない。さらに、本明細書において使用されるとき、絶縁体は、熱絶縁体を意味し、所望の場合には熱反射材料を含んでもよい。
【0022】
図1は、先行技術のシステムにおける複数のパイプ12及びバルブ14を示していて、それぞれのパイプ及びバルブは、ヒートトレース(図示されていない)を上に有し、テープ付けされた絶縁体16を有する。図示されているとおり、システムは、ハウジング65、供給コンテナ83及び補充コンテナ84を有する気体又は化学物質供給キャビネットであってよい。先述のとおり、効果的ではあるが、テープ付けされた絶縁体及びヒートトレースを取り付け、取り外し、再度取り付けるには時間がかかり、扱いにくい。ヒートトレース及び絶縁体の層は空間をとり、修理する人が手を入れるための及び/又は修理するための空の空間をパイプ及びバルブの周りに必要とする。
【0023】
図2及び
図3は、同じ又は同様のシステム100、例えば
図1に示される気体又は化学物質輸送システムの一部を示していて、パイプ12及びバルブ14には同様の番号を付されているが、本発明の加熱バルブ多岐菅組立品20の種々の態様を使用している。システム中の多岐菅組立品20へと繋がる、又はシステム中の多岐菅組立品20から繋がるパイプは、ヒートトレース(図示されていない)及びパイプにテープ付けされた絶縁体16を使用して加熱され、絶縁されることができるが、パイプ及びバルブの面積であって、本発明のシステムにおいて使用される加熱バルブ多岐菅組立品の熱伝導性プレートと接触する、それらのパイプ及びバルブの少なくとも小さい割合の面積は、本発明の熱伝導性プレートによって加熱され、それによってヒートトレース及び上に設置されるラップされる絶縁体テープを要しなくなる。パイプ及びバルブは、少なくとも実質的に金属で作られていて、そうでなければ全体が金属で作られているため、熱伝導性プレートと接触しているパイプ及びバルブを加熱することによって、それらのパイプ及びバルブ中の流体、気体又は化学物質もまた、それによって加熱される。好ましくは、先述のとおり、バルブ多岐菅組立品のパイプ及びバルブの少なくとも大部分又は多くは熱伝導性プレートと接触している。バルブ多岐菅組立品の一部であるパイプ及びバルブの表面積の大部分又は残部について、その表面の少なくとも一部は加熱バルブ多岐菅組立品の熱伝導性プレートと接触しておらず、好ましくはそれらのパイプ及びバルブの表面積の少なくとも幾らかの部分は、好ましくは熱伝導性プレートに近接している。近接はシステムのパイプのサイズに対する相対的なものであるが、好ましくは、熱伝導性プレートに接続された最大直径のパイプの直径に等しい距離よりも小さい距離だけ、熱伝導性プレートから離れている。代わりに、幾つかの実施態様において、近接は、好ましくは、熱伝導性プレートと接触している部分がない場合には、バルブ多岐菅組立品のパイプ又はバルブの少なくとも最も近い部分が、10、5、4、2又は1センチメートル未満だけ、熱伝導性プレートの表面から離れていることを意味する。
【0024】
本発明の加熱バルブ多岐菅組立品20の一部である、絶縁体22の外側層は
図2に示されるとおりである。絶縁体22の外側層は、絶縁体ボード又は絶縁発泡体の1つ又は複数のピースを備えてよい。絶縁体は、少なくとも熱伝導性プレート(図示されていない)、加熱器(図示されていない)、並びに熱伝導性プレートと接触しているパイプ及びバルブを備えるバルブ多岐菅の大部分をカバーするように切断された硬いシート、例えば硬い発泡体又はボードであってよい。さらに、当業者にとって公知であるように、絶縁体は、多岐菅に入る(化学物質供給ライン、パージガス、空気圧ガスライン、チューブ若しくはパイプ)か、又は多岐菅を出る(ツールへと供給される流体、排出ライン)流体供給パイプへの多岐菅の必要な接続をするように、絶縁体を通ってバルブ及びパイプが通過することを可能とするように切断又は形成される。代わりに又は加えて、絶縁体ボード又は発泡体は、パイプ若しくはバルブの少なくとも幾つか、又は加熱バルブ多岐菅組立品の一部である他の構成要素に合わせるように形成又は切断されてよい。プレートと接触していないか、プレートから突き出た部分を有するか、又は熱伝導性プレートに近接している(オフセットである)バルブ及びパイプについて、絶縁体のさらなる層が、絶縁体の1つ又は複数の層の上に加えられてよく、絶縁体の最も下の層の少なくとも一部は、熱伝導性プレートの少なくとも一部、及び/又は熱伝導性プレートと接触しているバルブ若しくはパイプの少なくとも一部をカバーしているか、及び/又はそれらと接触している。絶縁体は布、ボード又は発泡体であってよく、ポリスチレン発泡体、ウレタン発泡体、繊維ガラス、セラミックウール、セルロース、コルク、シリコーンゴム、パーライト、バーミキュライト又は当分野において公知である他のもので作られていてよい。
図2において、97及び98として示される、絶縁体のさらなる(外側)層が、熱伝導性プレートから突き出した、又は熱伝導性プレートからオフセットである(若しくは近接している)バルブに合うように形成されている。絶縁体層97及び98は一般に長方形であり、バルブに合うように形成されるか、及び/又は絶縁体層下方に取り付けられたフックアンドループストリップ等によって保持されてよい。絶縁体を説明する用語である層は、限定するものではないが、本発明のバルブ多岐菅組立品に適用又は取り付けされたピース又は部品を含む。
【0025】
例えば
図3に示されている代わりの実施態様において、加熱バルブ多岐菅組立品20の部品である絶縁体の1つ若しくは複数の層、又は少なくとも外側層は、バルブ多岐菅、1つ又は複数の熱伝導性プレート及び1つ又は複数の加熱器の少なくとも一部を囲むか及び/又はカバーする熱ジャケット28の形態をとってよい。
図3に示されるとおり、熱ジャケットは、多岐菅、1つ又は複数の熱伝導性プレート、及び1つ又は複数の加熱器の周りに合う仕様で作られ、必要な場合にはバルブ及びパイプのための開口部を開けられている。熱ジャケットは、任意の上記のものやその他のものを含む固定具27、例えばジッパー、スナップ、留め金、バンジーコード、フックアンドアイ又はフックアンドループストリップ(例えばVelcro(登録商標))又は同様のもの、を使用して設置される。さらに他の実施態様において、他の絶縁体材料、例えば絶縁布を使用することができる。さらに他の実施態様において、幾つかの材料、又は材料の幾つかの異なる層の組み合わせを使用することができる。例えば、多岐菅の一部、例えば多岐菅組立品の後方側は、硬い絶縁体ボードを備えてよく(硬い絶縁体ボードによってカバーされていてよく)、前方側は熱ジャケットによってカバーされていてよい。(加熱バルブ多岐菅組立品の前方側が、
図2及び3に示されている。)代わりに及び加えて、加熱バルブ多岐菅の一部又は全体は、適合されたプラスチックカバー(図示されていない)によってカバーされて、カバーの下の絶縁体層を保護することができる。プラスチックカバー、及び下にある絶縁体の層又は他の層は、加熱バルブ多岐菅組立品のパイプ及びバルブへの配管及び電気的接続を可能とするために必要な開口部を設けられる。プラスチックカバーは、それに取り付けられた絶縁体を有してよい。
【0026】
好ましくは、絶縁体は、1つ又は複数の熱伝導性プレートの外部(表面積)の大部分、75%超、90%超又は99%超と、1つ又は複数の熱伝導性プレートと接触しているパイプ及びバルブの全ての外部(表面積)、並びに1つ若しくは複数の熱伝導性プレートと接触しているか、又は1つ若しくは複数の熱伝導性プレートに取り付けられている、1つ又は複数の加熱器の外部の大部分(熱伝導性プレートと接触していない、1つ又は複数の加熱器の部分を意味する)と、をカバーするサイズである。より好ましい実施態様において、好ましくは、絶縁体は、1つ又は複数の熱伝導性プレートの表面積の大部分、75%超、90%超又は99%超と、熱伝導性プレートと接触しているパイプ及びバルブの全ての表面積の大部分、75%超、90%超又は99%超と、1つ若しくは複数の熱伝導性プレートと接触しているか、又は1つ若しくは複数の熱伝導性プレートに取り付けられている、1つ又は複数の加熱器の外部表面積の大部分、75%超、90%超又は99%超とをカバーするサイズである。絶縁体の1つ又は複数の層によってカバーされていない、加熱バルブ多岐菅組立品の部分が最小化されて、大気、又はシステムの残部への熱の損失を妨げる。幾つかの実施態様において、全体の加熱バルブ多岐菅組立品は、熱絶縁体によってカバーされる。絶縁体層は、熱伝導性プレート又はそれに取り付けられたパイプ若しくはバルブをカバーしていてよいが、1つ又は複数の加熱器に、並びに複数のパイプ及びバルブに接触していない伝導性プレートの全体の表面と接触しているか、又は接触していなくてよい。さらに、他のバルブ及びパイプへの接続がされなければならない場合、バルブは絶縁体によってカバーされていないままであってよいが、好ましくはバルブのカバーされていない部分は最小化される。絶縁体によってカバーされることは、必ずしも絶縁体と接触することを意味するものではないが、幾つかの実施態様において、カバーされることは、絶縁体によってカバーされていること、及び絶縁体と接触していることの両方を意味する場合がある。
【0027】
幾つかの実施態様において、絶縁体は、例えば絶縁体ボードのストリップを使用することによって、例えば写真のフレーム又は写真のフレームの一部のように、例えば2つの鉛直方向のストリップと、熱伝導性プレートの上部及び/又は下部を横切る1つ又は2つの水平方向のストリップによって、熱伝導性プレートの端部の周りに設置されてよく、次いで絶縁体ボードの第二のより大きい層が写真フレームの上部に取り付けられてよい。このようにして絶縁体の層を適用することによって、(1つの側部の熱伝導性プレートの表面と、好ましくは熱伝導性プレートの外側端部の周りに位置する絶縁体の鉛直方向及び/又は水平方向のストリップと、絶縁体の鉛直方向及び/又は水平方向のストリップに取り付けられた絶縁体の層の下側とによって画定される)加熱容積64が作られ、それは、加熱容積中の熱を保持し、その熱を、加熱容積中の熱伝導性プレートと接触して位置するパイプ及びバルブに、より均一に提供することを可能とする。典型的には、加熱容積は、加熱される、空気充填又は不活性ガス充填された空間である。
【0028】
絶縁体の1つ又は複数の層は、任意の取り付け機構によって、例えばねじ、ナット、ボルト、ベルクロ(登録商標)、ストラップ、クランプ、ジッパー、ケーブルタイ、磁石又は接着剤から選択される1つ又は複数等によって、熱伝導性プレートに保持されてよい。好ましい実施態様において、絶縁体ボード及び絶縁体ボードのストリップは、熱伝導性プレートの穴を通過する部分的にねじ切りされたボルトと、ワッシャー及び対応するねじ切りされたナットとによって固定される。幾つかの実施態様において、絶縁体のための取り外し可能な固定具又は取り付け機構は、接着剤を含まない。
【0029】
図4は、絶縁体ボードの上部層が取り外されて示されている、加熱多岐菅組立品20の1つの実施態様の一部を示していて、複数のバルブ14及びパイプ12とを備えるバルブ多岐菅33と、絶縁体ボードの上部層の下の熱伝導性プレート400の一部とを示している。バルブ多岐菅33は、例えば制御器及び/又はセンサ(
図4においては図示されていない)への、電気的構成要素及びワイヤをさらに備えていてよい。図示されているように、
図4において、加熱バルブ多岐菅組立品20は熱伝導性プレート400を備え、パイプ及びバルブは、任意の数の取り付け機構88によって、熱伝導性プレート400に接触しているか、及び/又は物理的に取り付け若しくは設置されていてよい。
図5に記載されるものにおいて、これらの機構は、バルブ若しくはパイプのいずれかに固定されたスタンドオフ若しくはZブランケット、伝導性プレートを通ってバルブのボディに直接的に取り付けられたねじ、及び/又はタイダウン若しくはアンカリング位置を介して、VMP若しくはVMBの後方プレートに、又は気体若しくは化学物質輸送システムのハウジング(例えば後方壁)に、バルブ多岐菅組立品を固定する固定具を備えてよい。
図4において、取り付け機構は、複数のブラケット88であって、好ましくは、好適な熱伝導特性を有する材料、例えば金属、例えばアルミニウム、で構成された複数のブラケット88であり、それらはプレート400にボルトで留めるか、又はねじで留められていてよく、あるいはそうでない場合は、プレート400み取り付けられていてよい。
図4に示される実施態様では、熱伝導性プレート400の鉛直方向の端部をカバーする、絶縁体ボードの2つの(鉛直方向の)ストリップ29、又は同様のものがある。(バルブへのパイプの取り付けを可能とする絶縁体ボードの上部層の穴によって)絶縁体ボードの上部層(図示されていない)が絶縁体ストリップ29に取り付けられているとき、絶縁体ボードの上部層の下に、パイプ及びバルブのための加熱容積64が作られる。絶縁体の上部層を加える前に、所望される場合には、とりわけ熱伝導性プレート400の上部端部75に、若しくはその近くに、及び/又は下部端部76に、若しくはその近くに、さらなる絶縁体を加えてパイプ及びバルブをカバーしてよい。代わりに、さらなる絶縁体の層、例えば熱ジャケット(
図4においては図示されていない)を加えてよい。熱伝導性プレート400に絶縁体の層を保持するボルトを受け入れるボルト穴81が
図4に示されている。
【0030】
化学物質輸送キャビネットで示されている実施態様について、熱伝導性プレートは、ハウジング65の壁の1つ、例えば後方壁であってよいが、好ましくは、キャビネットに設置されている、別個の1つ又は複数の熱伝導性プレートである。壁又はパネルは、バルブ多岐菅ボックス、バルブ多岐菅パネルのための加熱プレートとして使用することもできるが、別個の1つ又は複数の熱伝導性プレートを、本発明の加熱バルブ多岐菅組立品を有するシステムにおいて使用することが好ましい。熱伝導性プレートは金属プレートであってよい。目下好ましい金属は、アルミニウム及び銅並びにそれらの合金であるが、熱を伝えることができる任意の金属を使用することができる。熱伝導性プレートは任意の形であってよい。熱伝導性プレートは、好ましくは剛体であり、すなわち本発明のバルブ多岐菅組立品において用いられるときにその形状を維持する。好ましくは、熱伝導性プレートは、バルブ多岐菅組立品20の一部であって、加熱される必要があるパイプ及びバルブの、少なくとも一部、少なくともその大部分、少なくともその80%超の部分、少なくともその90%超の部分、又は理想的にはその99%超の部分が、1つ若しくは複数の熱伝導性プレートによって加熱されるか、及び/又は1つ若しくは複数の熱伝導性プレートと接触する、サイズである。(多岐菅の一部であるパイプは、プロセスガス又は化学物質をツールに分配する、気体若しくは化学物質輸送キャビネットシステム又はVMB若しくはVMPの外側にあるパイプ及びバルブを含まない。)多岐菅のパイプ及びバルブと接触している1つ又は複数の熱伝導性プレートは、典型的には略長方形の形であるが、任意の形であってよく、好ましくは多岐菅及び1つ又は複数の加熱器の一部のための十分な表面積を有するサイズであり、多岐菅並びに多岐菅のパイプ及びバルブ中の流体を効果的に加熱する。加熱バルブ多岐菅組立品が収まらなければならないキャビネット、ボックス又はハウジングが存在するシステムにおいて、熱伝導性プレート及び加熱バルブ多岐菅組立品は、十分な多岐菅のパイプ及びバルブと接触するサイズであり、好ましくは、システム中のヒートトレースによって加熱され、絶縁テープによって絶縁される必要があるパイプ及びバルブの面積の、少なくとも35%、少なくとも50%又は少なくとも60%の減少をもたらす。熱伝導性プレートは、バルブ多岐菅33のバルブ及びパイプの重量並びに1つ又は複数の加熱器の重量を支持するのに十分に物理的に強くあってよく(厚さ又は他の寸法を有する)、したがって、バルブ及びパイプ並びに1つ又は複数の加熱器は、1つ又は複数の熱伝導性プレートに取り付け及び/又は設置することができる。バルブ多岐菅及び加熱器は、熱伝導性プレートの逆側に接触しているか、取り付けられていてよく、あるいはバルブ多岐菅及び1つ又は複数の加熱器は、熱伝導性プレートの同じ側に接触しているか、及び/又は取り付けられていてよい。代わりに、熱伝導性プレートは、加熱器の重量のみを支持するのに十分に物理的に強くあってよく、熱伝導性プレートは、バルブ多岐菅(パイプ及びバルブを含む)と物理的に接触し、それに取り付けられた加熱器を有する。バルブ多岐菅は、熱伝導性プレートの第一の側部と接触していてよく、加熱器は、逆の側部、熱伝導性プレートの第二の側部と接触しているか、及び/又はそれに取り付けられていてよい。1つの別の実施態様において、熱伝導性プレートは、バルブ多岐菅33のバルブ及びパイプ、又は1つ若しくは複数の加熱器の重量を支持するのに十分に物理的に強くなくてよい。その実施態様において、伝導性プレートは、第一の側部で1つ又は複数の加熱器と、圧力をかけられて接触していてよく、バルブ多岐菅は、熱伝導性プレートの同じ(第一の)又は逆の(第二の)側部(図示されていない)の上にあって、その全てが多岐菅によって支持されてよい。好ましくは、熱伝導性プレートは、多岐菅及びそれに取り付けられた1つ又は複数の加熱器の重量を支持するのに十分に物理的に強い。
【0031】
図4及び5に示される加熱バルブ多岐菅組立品20において、加熱器410が、バルブ多岐菅33とは逆の、熱伝導体プレート400の側部にあるが、図示されていない代わりの実施態様においては、1つ又は複数の加熱器は、バルブ多岐菅と同じ側部にあってよい。図示されていないさらに他の実施態様において、加熱器は、熱伝導性プレート400の下部端部76と接触しているか、又は熱伝導性プレートの下部端部76の周りで囲まれているか、及び/又はさらに他の実施態様において、熱伝導性プレート400の任意の部分と接触している。バルブ多岐菅33及び加熱器410が、熱伝導性プレート400の逆の側部にあり、加熱多岐菅組立品が、化学物質若しくは気体輸送キャビネット又は他のキャビネット中にある、例えばVMBにおいて使用される実施態様において、キャビネットの逆側にアクセスパネルが設けられるか、又はキャビネットが取り外し可能な壁を備えていて、熱伝導性プレートの両方の側にアクセスすることができる。
【0032】
図5は、本発明の加熱バルブ多岐菅組立品の一部の1つの実施態様の、部分的に分解された前面図を示している。
図5は、絶縁体層22、例えば絶縁体ボードを示している。絶縁体層は、熱伝導性プレート400の第一の側部41をカバーするサイズである。熱伝導性プレート400が、熱伝導性プレート400の第一の側部41に取り付けられたバルブ組立品33とともに示されている。1つ又は複数の加熱器410は、熱伝導性プレート400の第二の側部(図示されていない)に取り付けられているか、又はそれと接触している。加熱器は、接着テープによって、熱伝導性プレートの第二の側部(第一の側部の逆)に直接的に取り付けることができる抵抗ワイヤであるか、又は接着剤、ねじ若しくはボルトによって、熱伝導性プレートの第二の側部に直接的に取り付けられた加熱マット又はパッドであってよい。抵抗ワイヤ及び加熱マット又はパッドは、多くの供給元から商業的に入手可能である。代わりに、1つ又は複数の加熱器は、他の加熱手段、誘導(熱伝導性プレートはサセプタとして機能することができる)、放射、伝達、又は好ましくは熱伝導性プレートの側部のうち1つにおいて、熱伝導性プレートと接触している、中に加熱流体を有する熱交換パイプ、を含む他の加熱手段、を利用することができる。好ましくは、加熱器は、側部、例えば熱伝導性プレートの第二の側部(図示されていない)、の1つの表面積の多くをカバーするサイズである。加えて、
図5に示されるように、加熱バルブ多岐菅組立品20は、熱伝導性プレートの第二の側部と接触している加熱器の側部から離れた、1つ若しくは複数の加熱器の側部をカバーするか、及び/又は1つ若しくは複数の加熱器の側部と接触している絶縁体層420をさらに備える。好ましくは、絶縁体420は、少なくとも、熱伝導性プレート400の第二の側部(図示されていない)の表面積のサイズと適合するサイズである。絶縁体層420は任意の数の絶縁体材料から構成されてよく、好ましくは、1つ又は複数の絶縁体材料は、制御可能な形状、例えば(柔らかい又は硬い)発泡体シート、シリコーンゴム、繊維ガラス、セラミックウール又は「吹き込み(blow-in)」発泡体を有する。絶縁体420は、接着剤、ねじ、ボルト、上記の固定具又は任意の他の固定具を使用することによって、加熱器410及び/又は熱伝導性プレート400に取り付けることができる。熱伝導性プレート400と接触しているか、及び/又は熱伝導性プレート400に取り付けられている1つ又は複数の加熱器をカバーする絶縁体が組み立てられるとき、絶縁体420は、熱伝導性プレート400の端部75、76、77及び79の1つ、複数又は全ての周りを囲むように、形成され、設置されてよい。絶縁体420が、端部の周りを、熱伝導体プレートの逆の表面の一部において囲む場合に、絶縁体420を使用して、
図4に示される実施態様に関連して説明されたように、加熱容積を画定及び形成することができる。
【0033】
図5は、任意選択のボルト穴81及び任意選択のボルト穴82を図示している。図示されているとおり、ボルト穴81を使用して、絶縁体層22の少なくとも幾つかは、加熱バルブ多岐菅組立品の熱伝導性プレート400に取り付けられる。本明細書において説明される加熱バルブ多岐菅組立品を備えるバルブ多岐菅ボックス若しくはパネル、又は任意の他のシステムの壁に、化学物質若しくは気体輸送キャビネット、ボックス若しくはパネルの後方壁に、ボルト穴82を使用して、加熱バルブ多岐菅組立品を取り付けることができる。
図5に図示されているとおり、任意選択のスペーサ89(例えばプラスチック、木、セラミック又はゴムのワッシャー)を使用して、加熱バルブ多岐菅を、取り付けられている場合には、キャビネット、パネル又はボックス中の壁若しくはプレート又は任意の他のあり得る伝導性表面から離れて保持することができる。代わりに、任意の取り付け機構及び固定具を使用して、接触させて、ユニットとして一緒にして、及び/又は加熱バルブ多岐菅組立品を備えるシステム中の正しい場所にして、加熱バルブ多岐菅組立品の層及び個別の構成要素を、取り付け及び/又は保持することができる。
【0034】
さらに、
図5は、加熱バルブ多岐菅組立品20が、制御器(図示されていない)と連絡して、加熱バルブ多岐菅組立品の一部である1つ又は複数の加熱器からの熱の出力を調整する1つ又は複数の温度センサ78を備えてよいことを示している。温度センサが低温を検出した場合、加熱器はその熱出力を上昇させ、温度センサが高温を検出した場合、加熱器はその熱出力を減少させる。さらに、温度センサは、加熱器の故障を制御器(図示されていない)に伝える。(さらに好ましくは、システムからの流体についての需要に基づいて加熱器の電源を入れること及び切ることのために制御器を使用する。加熱器及びセンサからの電気的配線は図示されていない。)幾つかの実施態様において、製造の際に、1つの加熱器が働かなくなった場合に第二の加熱器の電源を入れて、それによって加熱バルブ多岐菅組立品の寿命を延長し、それによって加熱器交換のための、加熱バルブ多岐菅組立品のシャットダウンを回避することができるように、1つ又は複数のバックアップ加熱器を加熱バルブ多岐菅組立品に設けることができる。
【0035】
加えて、幾つかの実施態様において、加熱バルブ多岐菅組立品のいずれかの構成要素に対して修理が必要である場合に、本発明の全体の加熱バルブ多岐菅組立品を、接続を外して、取り外して、離れた場所で製造された新たな加熱バルブ多岐菅組立品と交換して、加熱バルブ多岐菅組立品の中断時間を最小化することができ、このことは1つ又は複数のツールを供給するシステム、例えばバルブ多岐菅ボックス、バルブパネル、気体輸送キャビネット又は化学物質輸送キャビネットの使用中であっても可能である。加熱バルブ多岐菅組立品の迅速な取り外しを助けるために、クイックリリース配管アタッチメント95(
図4及び6において図示されている)を、熱伝導性プレート400の端部の周りで、バルブ多岐菅33の一部であるパイプ12に設けることができる。さらに、熱伝導性プレートに取り付けられる任意の電気的ワイヤを設けて、電気的コネクタ96(
図6において図示されている)の接続を断ち、再接続することを容易にすることもできる。
【0036】
図6は、本発明のバルブ多岐菅組立品20の1つの別の実施態様の後方斜視図であって、
図5に図示されるものと同様のものを図示している。先の図で既に説明された部品にラベル付けするために、同じ番号を使用した。さらに、
図6は、電気的コネクタ96の接続を断ち、再接続することを容易にする電気的ワイヤ94を図示している。
図6に示されるとおり、幾つかの実施態様において、加熱プレートの端部75、76、77及び79は1つ又は複数の絶縁体層によってカバーされていないが、他の実施態様においては、熱伝導性プレート400の端部を含む熱伝導性プレート(及び/又はその上のバルブ多岐菅)の全体の表面積をカバーするように絶縁体が加えられている。
【0037】
図7は、本発明のバルブ多岐菅組立品20を備える、本発明の1つの別の態様のシステム100を示している。図示されているシステム100はバルブ多岐菅ボックス(VMB)である。バルブ多岐菅ボックスは、2つの扉を有するキャビネット72を備えているが、1つの扉71のみが存在して第二の扉は取り外されて図示されていて、それによって扉の後ろのバルブ多岐菅組立品を図示していて、バルブ多岐菅組立品は、絶縁体22、バルブをカバーしている絶縁体片97及び98を備え、パイプ12及びバルブ14を備える多岐菅33及び熱伝導性プレート400が、絶縁体22の後ろに、切断図で、さらに図示されている。好ましくは熱伝導性プレート400の逆の側部にある1つ又は複数の加熱器、及び絶縁体のさらなる1つ又は複数の層は図示されていない。図示されているように、システムは、1つ又は複数の排出パイプ73(好ましくは1つの排出パイプはバルブ多岐菅組立品33のためであり、好ましくは1つの排出パイプは多岐菅からの、キャビネット72に含有される任意の漏出物のためのものである)と、バルブ多岐菅33にプロセス材料(流体、液体、気体)を提供するプロセス材料供給パイプ66と、上にヒートテープを有して図示される1つより多くのプロセス材料供給パイプ67であって、加熱バルブ多岐菅組立品20を出て、VMBからのプロセス材料でプロセス又はツールを供給する1つより多くのプロセス材料供給パイプとを備える。図示されているように、システム100は、排出口68をさらに備える。好ましくは、システムは、バルブ多岐菅中の加熱器及び/又はバルブを制御する制御器(図示されていない)及び電気的アタッチメントをさらに備える。
【0038】
本発明の利点の1つは、中に加熱されるパイプ及びバルブを有するシステムについての、減少した製造時間及び減少した修理時間である。従来の多岐菅においては、バルブ多岐菅のパイプ及びバルブを加熱する必要がある場合、パイプ及びバルブは、抵抗ワイヤ(ヒートトレース)で注意深く囲まれ、次いで接着絶縁体の第二の層で注意深く囲まれる。修理が必要な場合には、絶縁体及びヒートトレースは、対象のバルブ又はパイプから取り外されなければならず、次いでヒートトレース及び絶縁体は、修理されたパイプ及び/又はバルブに再度取り付けられなければならない。さらに、欠陥のある又は壊れたヒートトレースが問題である場合、ヒートトレース及び絶縁体は、全体のバルブ多岐菅から取り外され、新たなヒートトレースと交換され、絶縁体で囲まれなければならない。従来のシステムにおけるヒートトレース及び絶縁体の設置、取り外し及び再設置は、時間を要する仕事であった。
【0039】
本発明のシステムを使用することによって、製造時間及び修理時間を大きく減らすことができる。加熱バルブ多岐菅組立品を有するシステムを製造する方法は、多岐菅のパイプ及びバルブを熱伝導性プレートに接触させるか、及び/又は取り付ける工程;1つ又は複数の加熱器を熱伝導性プレートの1つ又は複数の側部の表面に接触させるか、及び/又は取り付ける工程;絶縁体の1つ又は複数の層を、1つ又は複数の加熱器に、熱伝導性プレートによって加熱されるか、又は熱伝導性プレートと接触しているパイプ及びバルブの表面積の大部分に、及び/又は熱伝導性プレートの表面積の大部分にカバーするか、接触させるか、及び/又は取り付ける工程、を含む。より好ましくは、絶縁体の1つ又は複数の層をカバーするか、接触させるか、及び/又は取り付ける工程は、1つ又は複数の熱伝導性プレートの表面積の75%超、90%超又は99%超に、熱伝導性プレートに接触しているパイプ及びバルブの全ての表面積の大部分、75%超、90%超又は99%超に、並びに1つ又は複数の熱伝導性プレートに接触しているか、又は取り付けられている1つ又は複数の加熱器の外部表面積の大部分、75%超、90%超又は99%超にされる。製造方法は、バルブ多岐菅のパイプ及びバルブを、取り付けるか、ねじ留めするか、はんだ付けするか、そうでなければ結合して、バルブ多岐菅を作る工程をさらに含んでよい。多岐菅の構成要素の幾つか又は全ては、まず互いに接続されてバルブ多岐菅を作り、そのバルブ多岐菅を熱伝導性プレートに取り付けるか、又は接触させることができる。代わりに、バルブ多岐菅の構成要素は、熱伝導性プレートに取り付けられ、別個の工程で互いに接続されて、多段階の工程で熱伝導性プレートに多岐菅を構成してよく、あるいは1つの別の実施態様において、バルブ及びパイプの一部は別個の工程で互いに接続されて、次いで別個の工程で熱伝導性プレートに取り付けられて、最終的に熱伝導性プレートに取り付けられたバルブ多岐菅となるものであってよい。1つの別の実施態様において、まず熱伝導性プレートがシステムに取り付けられ、バルブ多岐菅が別個に製造され、単一の工程で熱伝導性プレートに取り付けられてよく、あるいはバルブ多岐菅の構成要素の一部が互いに取り付けられ、連続する工程で熱伝導性プレートに取り付けられ、最終的に熱伝導性プレートに取り付けられたバルブ多岐菅をもたらすか、あるいは多岐菅の構成要素が、互いに、及び同時に熱伝導性プレートに取り付けられてよい。製造工程は、任意の順序で行うことができる、絶縁体を加える1つ又は複数の工程をさらに含む。例えば、1つ又は複数の絶縁体層は、1つ又は複数の加熱器が熱伝導性プレートに取り付けられた後に、1つ又は複数の加熱器に取り付けられてよく、バルブ多岐菅の熱伝導性プレートへの取り付けの後に、バルブ多岐菅をカバーしている1つ又は複数の絶縁体層は、熱伝導性プレートに取り付けられるか、又は接触させられてよい。
【0040】
1つの実施態様において、本発明の加熱バルブ多岐菅組立品を備えるシステムを修理する方法は、1つ又は複数の固定具(ねじ、ナット、ボルト、ワッシャー、ジッパー、フックアンドループストリップ等の機械的固定具であってよい)を取り除くことによって1つ又は複数の絶縁体層を取り除いて、熱伝導性プレートによって加熱されているか、熱伝導性プレートに接触しているか、及び/又は熱伝導性プレートに取り付けられている複数のパイプ及びバルブにアクセスする工程;熱伝導性プレートによって加熱されているか、熱伝導性プレートに接触しているか、及び/又は熱伝導性プレートに取り付けられている欠陥のあるバルブ又はパイプを修理又は交換する工程;並びに1つ又は複数の固定具を使用して、1つ又は複数の絶縁体層を再度取り付ける工程、を含む。
【0041】
加熱バルブ多岐菅組立品を別個に製造して、次いで、加熱バルブ多岐菅組立品のパイプを、収容パイプに、存在しない場合にはシステム中に、加熱バルブ多岐菅組立品のパイプ及びシステム中の収容パイプに設けられた対応するコネクタを介して接続することによって、加熱バルブ多岐菅組立品を、加熱バルブ多岐菅組立品の一部であるパイプを収容するように調製されたパイプを有するボックス、キャビネット又はパネルに接続することによって、中に加熱バルブ多岐菅組立品を有するシステムを製造又は修理する方法もまた本発明によって考慮される。Swagelok Companyによって製造されるVCRカップリング等の再使用可能かつ迅速接合のコネクタを利用して、超高純度用途、例えば半導体産業に一般に見られる用途において、流体パイプの2つのセクションを一緒に結合する繰り返し可能な手段を提供することができる。修理が必要であるとき、先述の、システム中の欠陥のある加熱バルブ多岐菅組立品は、迅速接合のコネクタの接続を断ち、全体の加熱バルブ多岐菅組立品を取り外すことによって、取り外すことができ、新たな又は改修された加熱バルブ多岐菅組立品は、同じ接合コネクタによって、好ましくは加熱バルブ多岐菅組立品の交換の際に既にあるのと同じパイプ及びバルブのレイアウトで、再接続される。加熱バルブ多岐菅組立品の部品として電気的構成要素が存在する場合には、迅速接合パイプコネクタと同様に機能するクイックリリース(接合)電気的コネクタを加熱多岐菅組立品の一部として設けることもできる。
【0042】
好ましい実施態様を参照して、本発明は説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者が考慮するとき、多くの変更、追加及び省略を、することができる。「comprising」の使用は、より狭い「consisting essentially of」及び「consisting of」を含む。
【国際調査報告】