(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(54)【発明の名称】マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514876
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021048124
(87)【国際公開番号】W WO2022051197
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン イティング
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル アンクル
(57)【要約】
マイクロ電子デバイス製造中に物理シミュレーションモデルを加速するための方法は、限定はしないが、第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理シミュレーションモデルを実行することと、物理シミュレーションモデルから第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成することと、物理シミュレーションモデルから第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力することと、REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成することとを含み得、物理シミュレーションモデルを実行するコントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する。物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロエレクトロニクス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートすることができる。第2のグリッドサイズは、第1のグリッドサイズよりも小さくてもよい。第2の解像度は、第1の解像度よりも高くてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
1つ以上のプロセッサとメモリとを含み、前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のプロセッサに以下を実行させる前記プログラム命令を実行するように構成されるコントローラであり、前記コントローラは、
第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理的シミュレーションモデルを実行するステップであり、前記物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートする、ステップと、
前記物理シミュレーションモデルから前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成するステップと、
前記物理シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力するステップと、
前記REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成するステップであり、前記第2のグリッドサイズは前記第1のグリッドサイズより小さく、前記第2の解像度は前記第1の解像度より高い、ステップと、
を実行し、
前記物理シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力に基づいて前記REMを介して前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を生成することは、前記物理シミュレーションモデルを実行するための前記コントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する、システム。
【請求項2】
前記物理的シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズにおける出力は、前記第1の解像度を有する1つ以上の画像を含み、前記REMを介して生成された前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力は、前記第2の解像度を有する1つ以上の画像を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のグリッドサイズはΔであり、第2のグリッドサイズはfΔであり、fは1.0未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで実行された前記物理シミュレーションモデルおよび前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで実行された前記物理シミュレーションモデルからの出力に基づいて前記REMを開発するステップと、
を行うようにさらに構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、
深層学習モデル、機械学習モデル、またはヒューリスティックスベースのモデルのうちの少なくとも1つの学習プロセスを通じて前記REMを開発するステップ
を行うようにさらに構成される請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、
n個の試行の間、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記REMから前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでm個の出力を生成するステップであり、mはn未満である、ステップと、
を行うようにさらに構成される請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記n個の試行のサブセットは、前記REMを介する単一の出力に等しい請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記REMによって生成された前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を参照データのセットと比較して、前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力が選択不整合許容範囲内にあるかどうかを判定するステップと、
前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力が選択不整合許容範囲外である場合に、前記物理シミュレーションモデルの1つ以上のパラメータを反復的に調整するステップと、
を行うようにさらに構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、
計測サブシステムから基準データのセットを取得するステップ
を行うようにさらに構成される請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルの複数の試行を実行して、複数の試行の確率分布を生成するステップと、
前記物理シミュレーションモデルの前記複数の試行から前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の出力を生成するステップと、
後処理モデルを介して、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の出力を実行するステップと、
後処理モデルを介して、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の後処理モデル出力を生成するステップと、
前記REMを介して前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の後処理モデル出力を実行するステップと、
前記REMから前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで複数の出力を生成するステップと、
を行うようにさらに構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記後処理モデルはモンテカルロシミュレーションを含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理的シミュレーションモデルを実行するステップであり、前記物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートする、ステップと、
前記物理シミュレーションモデルから前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成するステップと、
前記物理シミュレーションモデルから前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力するステップと、
前記REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成するステップであり、前記第2のグリッドサイズは前記第1のグリッドサイズより小さく、前記第2の解像度は前記第1の解像度より高い、ステップと、
を備え、
前記物理シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力に基づいて前記REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を生成することは、前記物理シミュレーションモデルを実行するコントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する、方法。
【請求項13】
前記物理的シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズにおける出力は、前記第1の解像度を有する1つ以上の画像を含み、前記REMを介して生成された前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力は、前記第2の解像度を有する1つ以上の画像を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のグリッドサイズはΔであり、前記第2のグリッドサイズはfΔであり、fは1.0未満である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで実行された前記物理シミュレーションモデルおよび前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで実行された前記物理シミュレーションモデルからの出力に基づいて前記REMを開発するステップと、
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
深層学習モデル、機械学習モデル、またはヒューリスティックスベースのモデルのうちの少なくとも1つの学習プロセスを通じて前記REMを開発するステップ
をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
n個の試行の間、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記REMから前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでm個の出力を生成するステップであり、mはn未満である、ステップと、
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記n個の試行のサブセットは、前記REMを介する単一の出力に等しい請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記REMによって生成された前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を参照データのセットと比較して、前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力が選択不整合許容範囲内にあるかどうかを判定するステップと、
前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力が選択不整合許容範囲外である場合に、前記物理シミュレーションモデルの1つ以上のパラメータを反復的に調整するステップと、
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項20】
計測サブシステムから基準データのセットを取得するステップ
をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルの複数の試行を実行して、前記複数の試行の確率分布を生成するステップと、
前記物理シミュレーションモデルの前記複数の試行から前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の出力を生成するステップと、
後処理モデルを介して、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の出力を実行するステップと、
後処理モデルを介して、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の後処理モデル出力を生成するステップと、
前記複数の後処理モデル出力を、前記REMを介して前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで実行するステップと、
前記REMから前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで複数の出力を生成するステップと、
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記後処理モデルはモンテカルロシミュレーションを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
システムであって、
試料の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成された計測サブシステムと、
通信可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラは、1つ以上のプロセッサとメモリとを含み、前記メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、前記1つ以上のプロセッサは、前記プログラム命令を実行するように構成され、前記1つ以上のプロセッサは、
前記計測サブシステムから1つ以上の入力を取得するステップであり、前記1つ以上の入力は、第1の解像度を有する画像を含む、ステップと、
第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理的シミュレーションモデルを実行するステップであり、前記物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートする、ステップと、
前記物理シミュレーションモデルから前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成するステップと、
前記物理シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力するステップと、
前記REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成するステップであり、前記第2のグリッドサイズは前記第1のグリッドサイズより小さく、前記第2の解像度は前記第1の解像度より高い、ステップと、
を実行し、
前記物理シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力に基づいて前記REMを介して前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を生成することは、前記物理シミュレーションモデルを実行するための前記コントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する、システム。
【請求項24】
前記物理的シミュレーションモデルからの前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズにおける出力は、前記第1の解像度を有する1つ以上の画像を含み、前記REMを介して生成された前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力は、前記第2の解像度を有する1つ以上の画像を含む請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1のグリッドサイズはΔであり、前記第2のグリッドサイズはfΔであり、fは1.0未満である、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記コントローラは、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで実行された前記物理シミュレーションモデルおよび前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで実行された前記物理シミュレーションモデルからの出力に基づいて前記REMを開発するステップ
を行うようにさらに構成される請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記コントローラは、
深層学習モデル、機械学習モデル、またはヒューリスティックスベースのモデルのうちの少なくとも1つの学習プロセスを通じて前記REMを開発するステップ
を行うようにさらに構成される請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記コントローラは、
n個の試行の間、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルを実行するステップと、
前記REMから前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでm個の出力を生成するステップであり、mはn未満である、ステップと、
を行うようにさらに構成される請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記n個の試行のサブセットは、前記REMを介する単一の出力に等しい請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記コントローラは、
前記REMによって生成された前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を参照データのセットと比較して、前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力が選択不整合許容範囲内にあるかどうかを判定するステップと、
前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力が選択不整合許容範囲外である場合に、前記物理シミュレーションモデルの1つ以上のパラメータを反復的に調整するステップと、
を行うようにさらに構成される請求項23に記載のシステム。
【請求項31】
コントローラは、
前記計測サブシステムから基準データのセットを取得するステップ
を行うようにさらに構成される請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラは、
前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで前記物理的シミュレーションモデルの複数の試行を実行して、前記複数の試行の確率分布を生成するステップと、
前記物理シミュレーションモデルの複数の試行から前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の出力を生成するステップと、
後処理モデルを介して、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の出力を実行するステップと、
後処理モデルを介して、前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の後処理モデル出力を生成するステップと、
前記REMを介して前記第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで複数の後処理モデル出力を実行するステップと、
前記REMから前記第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで複数の出力を生成するステップと、
を行うようにさらに構成される請求項23に記載のシステム。
【請求項33】
前記後処理モデルはモンテカルロシミュレーションを含む請求項32に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してプラズマ処理の分野に関し、より詳細には、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願63/075,223号(2020年9月7日)の利益を主張する。
【0003】
マイクロ電子デバイスの製造は、様々なリソグラフィ及び/又はプラズマプロセスステップを含む。例えば、試料は、製造中に数万回以上のリソグラフィおよび/またはプラズマプロセスに曝され得る。マイクロ電子デバイスにおけるクリティカルディメンションが減少し続けるにつれて、リソグラフィ及び/又はプラズマプロセスなどのプロセスのシミュレーションのために利用される物理的モデルは、典型的には、デバイス寸法及びウェハ上プロセス(又は複数のプロセス)の影響を説明するために、グリッドサイズ(モデルの特徴的な長さ)を縮小する方法、又はメッシュ精緻化を利用する。しかしながら、メッシュの精緻化は、大量の計算リソースを必要とすることがあり、時間対ソリューションを著しく遅延させ得る。加えて、物理的モデルが必要とし得る多数のシミュレーションは、開発サイクルを遅延させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0278604号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記で特定された以前のアプローチの欠点を解決するシステムおよび方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態の1つ以上の実施形態によれば、コントローラが1つ以上のプロセッサおよびメモリを含むシステムが開示される。別の例示的な実施形態では、メモリは、プログラム命令を記憶するように構成される。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに、第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理シミュレーションモデルを実行させるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートする。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、物理シミュレーションモデルから第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成することを1つ以上のプロセッサに行わせるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、物理シミュレーションモデルからの第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力することを1つ以上のプロセッサに行わせるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに、REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成させるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、第2のグリッドサイズは、第1のグリッドサイズよりも小さい。別の例示的な実施形態では、第2の解像度は第1の解像度よりも高い。別の例示的な実施形態では、物理シミュレーションモデルからの第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力に基づいてREMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を生成することは、物理シミュレーションモデルを実行するためのコントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する。
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態による方法が開示される。例示的な一実施形態では、本方法は、限定はしないが、第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理的シミュレーションモデルを実行することを含み得る。別の例示的な実施形態では、物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートする。別の例示的な実施形態では、方法は、物理シミュレーションモデルから第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成することを含み得るが、これに限定されない。別の例示的な実施形態では、本方法は、物理シミュレーションモデルからの第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力することを含み得るが、これに限定されない。別の例示的実施形態では、本方法は、REMを介して、第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成するステップを含んでもよいが、それに限定されない。別の例示的な実施形態では、第2のグリッドサイズは、第1のグリッドサイズよりも小さい。別の例示的な実施形態では、第2の解像度は第1の解像度よりも高い。別の例示的な実施形態では、物理シミュレーションモデルからの第1の解像度を有する第1のグリッドサイズの出力に基づくREMを介した第2の解像度を有する第2のグリッドサイズの出力の生成は、物理シミュレーションモデルを実行するコントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する。
【0008】
本開示の1つ以上の実施形態によるシステムが開示される。1つの例示的な実施形態では、システムは、試料の一部分の1つ以上の測定値を取得するように構成された計測サブシステムを含む。別の例示的な実施形態では、システムはコントローラを含む。別の例示的な実施形態では、コントローラは、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含む。別の例示的な実施形態では、メモリは、プログラム命令を記憶するように構成される。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに、計測サブシステムから1つ以上の入力を取得させるプログラム命令を実行するように構成され、1つ以上の入力は、第1の解像度を有する画像を含む。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに、第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで物理シミュレーションモデルを実行させるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、物理的シミュレーションモデルは、少なくとも1つのマイクロ電子デバイス製造プロセスのウェハ上の性能をシミュレートする。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、物理シミュレーションモデルから第1の解像度を有する第1のグリッドサイズで出力を生成することを1つ以上のプロセッサに行わせるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、物理シミュレーションモデルからの第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力を解像度向上モデル(REM)に入力することを1つ以上のプロセッサに行わせるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサは、1つ以上のプロセッサに、REMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズで出力を生成させるプログラム命令を実行するように構成される。別の例示的な実施形態では、第2のグリッドサイズは、第1のグリッドサイズよりも小さい。別の例示的な実施形態では、第2の解像度は第1の解像度よりも高い。別の例示的な実施形態では、物理シミュレーションモデルからの第1の解像度を有する第1のグリッドサイズでの出力に基づいてREMを介して第2の解像度を有する第2のグリッドサイズでの出力を生成することは、物理シミュレーションモデルを実行するためのコントローラの計算時間コストまたは計算リソースコストのうちの少なくとも1つを低減する。
【0009】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、全般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る:
【
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するためのシステムの簡略化されたブロック図を示す。
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するためのシステムの簡略化された概略図を示す。
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法のブロック図を示す。
【
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法のブロック図を示す。
【
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【
図7】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法のブロック図およびブロック図を示す。
【
図8】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【
図9】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法のブロック図を示す。
【
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
【
図11A】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための学習段階の簡略化されたブロック図を示す。
【
図11B】本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための試験/生産段階の簡略化されたブロック図を示す。
【
図12】本開示の1つ以上の実施形態による、解像度向上モデル(REM)を学習するときの検証損失と学習損失とを比較するグラフを示す。
【
図13】本開示の1つ以上の実施形態による、粗い解像度の画像と、2つのパターンの細かい解像度の画像と比較するための粗い解像度の画像のREM生成バージョンとを比較するセットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0012】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。
【0013】
マイクロ電子デバイスの製造は、様々なリソグラフィ及び/又はプラズマプロセスステップを含む。例えば、試料は、製造中に数万回以上のリソグラフィおよび/またはプラズマプロセス(例えば、エッチング、堆積、イオン注入など)に曝され得る。マイクロ電子デバイスにおけるクリティカルディメンションが減少し続けるにつれて、リソグラフィ及び/又はプラズマプロセスなどのプロセスのシミュレーションに利用される物理的モデルは、典型的には、グリッドサイズ(モデルの特徴的な長さ)を縮小する方法、又はメッシュの精緻化を利用して、デバイスの寸法及びウェハ上のプロセス(又は複数のプロセス)の影響を記述する。
【0014】
しかしながら、メッシュの精緻化は、大量の計算リソースを必要とすることがあり、時間対ソリューションを著しく遅延させ得る。例えば、メッシュ精緻化は、論理コア、メモリ、およびディスク空間等の計算リソースを必要とし得る。メッシュ精緻化のための計算時間コストおよび/または計算リソースコストは、メッシュ精緻化の程度に基づいて、O(n3-4)のオーダーでスケールする。例えば、グリッドサイズが5倍に減少する場合、メモリ占有率は125倍に増加し、ソリューションまでの時間は少なくとも125倍に増加し、その結果、同じソリューションまでの時間に対して少なくとも125個の論理コアが必要となり得る。
【0015】
加えて、物理的モデルが必要とし得る多数のシミュレーションは、開発サイクルを遅延させ得る。次世代マイクロ電子デバイスの市場に出回る時間の需要を満たすために、物理シミュレーションモデルは、ウェハ上プロセスの様々な態様を説明するためにしばしば利用される。物理シミュレーションモデルは、セルのグリッドを使用して空間位置を確立し、計算を実行して、そのモデルにとって関心のある特性(例えば、パターンなど)の推定を行う。モデルにおいてより高いレベルの詳細を捕捉するために、より小さいグリッドセルサイズが利用され得る。しかしながら、このより高いレベルの詳細は、プロセス開発サイクルを加速するモデルの有効性を低下させる、より長い計算時間を犠牲にして得られる。例えば、物理モデルは、プロセス開発および/またはプロセスウィンドウの最適化に利用することができ、数百個~数万個のシミュレーションが短い時間で完了する必要がある(例えば、物理的実験を実行する実際の費用と比較した。)。そのようにして、長いシミュレーション時間はサイクルの開発には非効率である(例えば、顧客の開発サイクル)。
【0016】
さらに、マイクロ電子デバイス製造における特徴(フィーチャ)の限界寸法が減少し続けるにつれて、マイクロ電子製造におけるフィーチャの連続的な縮小を可能にするプロセスの開発の課題が増大している。例えば、大規模に製造可能なプロセスを開発するための時間、ならびにプロセスの開発に関連する研究および開発コストが増加している。
【0017】
したがって、本開示の実施形態は、従来のシステムおよび方法を上回る利点を有する、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するためのシステムおよび方法を対象とする。例えば、本開示の実施形態は、より小さなグリッドサイズによってもたらされるより高いレベルの詳細の利益(または要件)を保持しながら、ソリューションまでの時間の加速を可能にするために物理的シミュレーションモデルを使用することを対象とし、研究および開発時間およびコストの低減を可能にする。別の例として、本開示の実施形態は、メッシュ精緻化が物理的シミュレーションから独立することを可能にすることを対象とする。別の例として、本開示の実施形態は、深層学習(ディープラーニング)(DL)モデルを予め学習するためにダミープロセス条件を使用することを対象とする。別の例として、本開示の実施形態は、所望の高速計算時間を維持しながらシミュレーション精度および視覚化を向上させることを対象とする。
【0018】
図1A-13は、概して、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するためのシステムおよび方法を図示する。
【0019】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するためのシステムの簡略化されたブロック図を示す。一実施形態では、システム100は、計測サブシステム102を含む。別の実施形態では、システム100は、1つ以上のプロセッサ106およびメモリ108を含むコントローラ104を含む。コントローラ104は、ユーザインターフェース110を含んでもよく、またはそれに通信可能に結合されてもよい。
【0020】
本明細書では、計測サブシステム102は、限定はしないが、光学計測システム、荷電粒子ベースの計測システムなどを含む、当技術分野で知られている任意の計測サブシステム102を含み得ることに留意されたい。例えば、計測サブシステムは、光学限界寸法(OCD)ツール、限界寸法走査電子顕微鏡(CD-SEM)ツール、透過型電子顕微鏡(TEM)ツール、断面走査電子顕微鏡(X-SEM)ツールなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0021】
別の実施形態では、コントローラ104は、計測サブシステム102に通信可能に結合される。この点に関して、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、計測サブシステム102から1つ以上の測定信号を受信するように構成されてもよい。この収集されたデータは、本明細書でさらに論じられる物理的シミュレーションモデルを生成および/または調整するために使用され得る。さらに、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、計測サブシステム102の1つ以上の特性/パラメータを調整するための1つ以上の制御信号を生成するように構成され得る。
【0022】
別の実施形態では、システム100は、コントローラ104に通信可能に結合された1つ以上のプロセスツールをさらに含むことができる。1つ以上のプロセスツールは、リソグラフィ・ツールおよび/またはプラズマ・プロセスツール(例えば、エッチングツール、堆積ツール、研磨ツール、スキャナなど)を含むがこれらに限定されない、当技術分野で知られているマイクロ電子製造のための任意のプロセスツールを含むことができる。例えば、コントローラ104は、物理的シミュレーションモデルに基づいてフィードフォワードまたはフィードバックループにおいて1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を調整するように構成された1つ以上の制御信号を生成するように構成され得る。例えば、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、下流のプロセスツールへの1つ以上の制御信号を生成するように構成されてもよい。別の例では、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106は、上流のプロセスツールへの1つ以上の制御信号を生成するように構成することができる。
【0023】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、反射測定および/または偏光解析構成に配置された計測サブシステム102の簡略化された概略図を示す。
【0024】
一実施形態では、計測サブシステム102は、照明源112と、照明アーム114と、収集アーム116と、検出器アセンブリ118とを含む。照明源112からの照明101は、照明アーム114を介して試料120に向けられ得る。
【0025】
計測サブシステム102は、収集アーム116を介して試料から発する照明を収集するように構成することができる。照明アーム114の経路は、照明101を修正および/または調整するのに適した1つ以上の光学素子122を含むことができる。例えば、1つ以上の光学要素122は、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、1つ以上のレンズ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0026】
照明アーム114は、第1の集束要素124を利用して、照明101(例えば、ビーム)を試料120上に集束および/または方向付けることができる。いくつかの実施形態では、試料120は、試料120の移動を容易にするためにステージアセンブリ126上に配置される。いくつかの実施形態では、ステージアセンブリ126は、作動可能なステージである。例えば、ステージアセンブリ126は、1つ以上の直線方向(例えば、x方向、y方向及び/又はz方向である)に沿って試料120を選択的に平行移動させるのに適した1つ以上の平行移動ステージを含むことができるが、これに限定されない。別の例として、ステージアセンブリ126は、限定はしないが、回転方向に沿って試料120を選択的に回転させるのに適した1つ以上の回転ステージを含むことができる。別の例として、ステージアセンブリ126は、限定はしないが、直線方向に沿って試料120を選択的に並進させる、および/または回転方向に沿って試料120を回転させるのに適した回転ステージおよび並進ステージを含むことができる。本明細書では、システム100は、当技術分野で知られている任意の走査モードで動作し得ることに留意されたい。
【0027】
収集アーム116は、試料120からの照明を収集するための第2の集束要素128を含むことができる。別の実施形態では、検出器アセンブリ118は、収集アーム116を通して試料120から発する照明を捕捉するように構成される。例えば、検出器アセンブリ118は、試料120から反射または散乱された照明(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介する)を受け取ることができる。別の例として、検出器アセンブリ118は、試料120によって生成された照明(例えば、照明101の吸収に伴う発光等である)を受け取ることができる。検出器アセンブリ118は、当技術分野で知られている任意のセンサおよび検出器アセンブリを含み得ることに留意されたい。センサは、電荷結合素子(CCD検出器)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、時間遅延積分(TDI)検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0028】
別の実施形態では、コントローラ104は、試料120の1つ以上の測定値を取得することができる。例えば、コントローラ104は、試料120の計測測定値を収集するように構成されてもよい。
【0029】
収集アーム116はさらに、1つ以上のレンズ、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子、または1つ以上の位相板を含むが、それらに限定されない、第2の集束要素128によって収集される照明を指向および/または修正するための収集光学機器130を含んでもよい。
【0030】
本開示を通して使用されるように、「試料(サンプル)」という用語は、概して、半導体または非半導体材料(例えば、ウェハ、レチクル等である)から形成される基板を指す。例えば、半導体または非半導体材料は、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、およびリン化インジウムを含み得るが、それらに限定されない。試料は、1つ以上の層を含んでもよい。例えば、そのような層は、レジスト、誘電材料、導電性材料、および半導体材料を含んでもよいが、それらに限定されない。多くの異なる種類のそのような層が当技術分野において公知であり、本明細書で使用される試料という用語は、その上にすべての種類のそのような層が形成され得る試料を包含することが意図される。試料上に形成される1つ以上の層は、パターン化されてもよく、またはパターン化されなくてもよい。例えば、試料は、複数のダイを含んでもよく、各ダイは、反復可能なパターン化特徴を有する。そのような材料の層の形成および処理は、最終的に、完成したデバイスをもたらし得る。多くの異なるタイプのデバイスを試料上に形成することができ、本明細書で使用する試料という用語は、当技術分野で知られている任意のタイプのデバイスが作製されている試料を包含することを意図する。さらに、本開示の目的のために、試料およびウェハという用語は、交換可能であると解釈されるべきである。
【0031】
本明細書では、システム100の1つ以上の構成要素は、当技術分野で知られている任意の方法でシステム100の様々な他の構成要素に通信可能に結合され得ることに留意されたい。たとえば、1つ以上のプロセッサ106は、ワイヤライン(例えば、銅線、光ファイバケーブルなどである)またはワイヤレス接続(例えば、RF結合、IR結合、WiMax、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、4GLTE、5Gなど)を介して、互いおよび他の構成要素に通信可能に結合され得る。別の例として、コントローラ104は、当技術分野で知られている任意の有線または無線接続を介して、計測サブシステム102の1つ以上の構成要素に通信可能に結合され得る。
【0032】
一実施形態では、1つ以上のプロセッサ106は、当技術分野で知られている任意の1つ以上の処理要素を含むことができる。この意味で、1つ以上のプロセッサ106は、ソフトウェアアルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。一実施形態では、1つ以上のプロセッサ106は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または本開示全体にわたって説明されるように、システム100を動作させるように構成されたプログラムを実行するように構成された他のコンピュータシステム(たとえば、ネットワーク化されたコンピュータ)から構成され得る。本開示全体にわたって説明されるステップは、単一のコンピュータシステムによって、または代替として、複数のコンピュータシステムによって実行され得ることを認識されたい。さらに、本開示全体にわたって説明されるステップは、1つ以上のプロセッサ106のうちの任意の1つ以上において実行され得ることを認識されたい。一般に、「プロセッサ」という用語は、メモリ108からのプログラム命令を実行する1つ以上の処理要素を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。さらに、システム100の異なるサブシステム(例えば、照明源112、検出器アセンブリ118、コントローラ104、ユーザインターフェース110など)は、本開示全体にわたって説明されるステップの少なくとも一部を実行するのに適したプロセッサまたは論理要素を含み得る。したがって、上記の説明は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0033】
メモリ108は、関連する1つ以上のプロセッサ106によって実行可能なプログラム命令および計測サブシステム102から受信されたデータを記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ108は、非一時的な記憶媒体を含んでもよい。例えば、メモリ108は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光学メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得るが、これらに限定されない。さらに、メモリ108は、1つ以上のプロセッサ106とともに共通のコントローラハウジング内に収容され得ることに留意されたい。代替実施形態では、メモリ108は、プロセッサ106、コントローラ104などの物理的位置に対して遠隔に位置してもよい。別の実施形態では、メモリ108は、1つ以上のプロセッサ106に、本開示を通して説明される様々なステップを実行させるためのプログラム命令を保持する。
【0034】
一実施形態では、ユーザインターフェース110は、コントローラ104に通信可能に結合される。一実施形態では、ユーザインターフェース110は、限定はしないが、1つ以上のデスクトップ、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチなどを含むことができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース110は、システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース110のディスプレイは、当技術分野で知られている任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含んでもよいが、それらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース110と統合可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示における実装に好適であることを認識するはずである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース110のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されるデータに応答して、選択および/または命令を入力してもよい。
【0035】
1組の実施形態では、少なくとも
図2~
図5に示すように、解像度向上は、物理シミュレーションモデルの計算時間コストおよび/または計算リソースコストを低減するのに役立ち得、物理シミュレーションモデルの第1のグリッドサイズでの出力を入力として使用し、第2のグリッドサイズに基づいて精緻化された出力を生成する。
【0036】
本明細書では、物理的シミュレーションモデルは、本開示全体にわたって説明されるように、マイクロ電子デバイス製造中にリソグラフィおよび/またはプラズマプロセス(例えば、エッチング、堆積、イオン注入など)を適用するウェハ上性能のシミュレーションであり得ることに留意されたい。
【0037】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、解像度向上モデル(REM)を開発するための方法またはプロセス200を示す流れ図を示す。
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、REMを開発するための方法またはプロセス200のブロック
図300を示す。方法またはプロセス200は、計測ツール(例えば、
図1A及び
図1Bに示される計測サブシステム102)からの1つ以上の測定値などの情報を利用することができる。これに関して、方法またはプロセス200は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって/その中で実行されるステップを含むことができる。
【0038】
ステップ202において、物理シミュレーションモデルを第1のグリッドサイズで実行することができる。物理的シミュレーションモデル302は、グリッドサイズΔを含むことができ、ここで、「Δ」は、より速い解時間が可能になる計算効率のよいメッシュ精緻化またはグリッド解像度の度合いである。グリッドサイズΔにおける出力304は、物理的シミュレーションモデル302によって生成され得る。
【0039】
ステップ204において、物理的シミュレーションモデルを第2のグリッドサイズで実行することができる。物理的シミュレーションモデル306は、グリッドサイズfΔを含んでもよく、ここで、fは、シミュレーション出力における選択または所望の詳細レベルを捕捉するために利用されるメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。例えば、fは1.0未満であってもよい。グリッドサイズfΔにおける出力308は、物理的シミュレーションモデル306によって生成され得る。
【0040】
本明細書では、ステップ202および204でそれぞれ使用される物理的シミュレーションモデル302、306は、同じ物理的シミュレーションモデルまたは異なる物理的シミュレーションモデルであり得ることに留意されたい。加えて、本明細書では、ステップ202および204は、任意の順番で、または同時に行われてもよいことに留意されたい。
【0041】
ステップ206において、REMは、第1のグリッドサイズで実行された物理的シミュレーションモデルおよび第2のグリッドサイズで実行された物理的シミュレーションモデルからの出力に基づいて開発され得る。REM310を開発することは、REMを生成すること、REMを調整すること、REMを精緻化することなどを含み得る。
【0042】
Δグリッドサイズで実行される物理シミュレーションモデルの出力は、fΔグリッドサイズで実行される物理シミュレーションモデルの出力にマッピングされてもよい。1つの非限定的な例では、物理シミュレーションモデルの出力を処理して、結果の所望の均一性を達成することができる。例えば、物理的シミュレーションモデルの出力が画像である場合、画像は、画像の鮮鋭度、色深度、色範囲、または同等物のために随意に操作されることができる。別の非限定的な例では、物理シミュレーションモデルの出力は、REMの利用および/または開発のために拡大(または縮小)され得る。
【0043】
REMは、いくつかの技法を使用して開発され得る。例えば、REMは、教師あり学習、教師なし学習等を含むが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の技法を利用する、機械学習モデルを使用して開発されてもよい。例えば、機械学習モデルは、限定はしないが、線形回帰、ニューラルネットワークまたはディープニューラルネットワーク、ヒューリスティックベースのモデルなどを含む学習ベースのプロセスを含み得る。例えば、ヒューリスティックスベースのモデルは、モデル化されているプロセスに関する物理的情報(例えば、圧力、温度、気体混合物流量、気体混合物濃度など)を活用してもよい。
【0044】
REMは、REMモデルからの出力において所望の程度の類似性を達成するように、調整または精緻化(例えば、選択された量の最適化に対して)を通して開発されてもよい。たとえば、類似度を記述するメトリックは、データのタイプに依存し得る。例えば、メトリックは、標準化された二乗偏差の合計、適合度、および/または最小二乗偏差の合計、信号対雑音比(例えば、(ピーク、幾何学的等)、構造的類似性指数尺度(およびその変形)、または当技術分野で公知の任意の他の統計的メトリックを含むが、それらに限定されない、他の統計的検定に基づき得る。
【0045】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス400を示す流れ図を示す。
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス400のブロック
図500を示す。方法またはプロセス400は、計測ツール(例えば、
図1A及び
図1Bに示される計測サブシステム102)からの1つ以上の測定値などの情報を利用することができる。これに関して、方法またはプロセス400は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって/その中で実行されるステップを含むことができる。
【0046】
ステップ402において、第1のグリッドサイズで1つ以上の物理的シミュレーションモデルを実行することができる。1つ以上の物理的シミュレーションモデル502は、グリッドサイズΔを含むことができ、ここで、「Δ」は、より速い時間対ソリューションを可能にする計算的に効率的なメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。しかし、本明細書では、1つ以上の物理的シミュレーションモデル502は、Δとは異なるグリッドサイズ(たとえば、δグリッドサイズ)で実行され得ることに留意されたい。さらに、本明細書では、1つ以上の物理的シミュレーションモデル502は、物理的シミュレーションモデル302、306と同じであっても異なっていてもよいことに留意されたい。グリッドサイズΔにおける出力504は、物理的シミュレーションモデル502によって生成され得る。
【0047】
ステップ404において、物理シミュレーションモデルからの出力は、REMを介して実行されてもよい。例えば、REM506は、方法またはプロセス200の1つ以上のステップを使用して開発されてもよい。
【0048】
ステップ406において、REMを介して第2のグリッドサイズの出力を生成することができる。REM506は、グリッドサイズfΔで出力を生成することができ、fは、シミュレーション出力内の選択または所望の詳細レベルを捕捉するために利用されるメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。例えば、fは1.0未満であってもよい。
【0049】
ステップ402からのグリッドサイズΔでの出力がREM506を1回通過する場合、REM506からの出力は、REM506の開発(例えば、
図2及び
図3に示すように、)に基づいて、グリッドサイズfΔを有する。しかしながら、本明細書では、REM506は、fよりも低い精緻化の程度を伴う出力を生成するために複数回利用され得ることに留意されたい。例えば、REM506を通る「p」回のパスは、「f
pΔ」のグリッドサイズに対応する出力を生成し得る。例えば、REM506を通る2つのパスは、「f
2Δ」のグリッドサイズに対応する出力を生成し得る。
【0050】
図2~
図5では、物理シミュレーションモデルの出力がREMに入力されることが示されているが、本明細書では、REMは、REMが開発された後に入力される物理シミュレーションモデルの出力に限定されないことに留意されたい。
【0051】
別の組の実施形態では、少なくとも
図6および
図7に示すように、反復最適化アルゴリズムを方法またはプロセス200および/または400と組み合わせて利用して、物理シミュレーションモデルのパラメータ(例えば、選択された量の最適化に対して、)を調整または改良することができ、その結果、出力は、基準データの組の50~100パーセントに似ている。例えば、基準データは、システム100によって実験的に収集されてもよく(例えば、画像、プローブ測定、光学測定、散乱パターンなどとして)、および/または別の物理的シミュレーションモデルの出力であってもよい。本実施形態の目的のために、100パーセントまたはその付近に類似する出力は、基準データとの完全な一致を示し得るが、50パーセントまたはその付近に類似する出力は、出力が基準データの±0.5倍であることを示し得る。
【0052】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス600を示す。
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス600のブロック
図700を示す。方法またはプロセス600は、計測ツール(例えば、
図1A及び
図1Bに示される計測サブシステム102)からの1つ以上の測定値などの情報を利用することができる。これに関して、方法またはプロセス600は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって/その中で実行されるステップを含むことができる。
【0053】
ステップ602において、1つ以上の物理的シミュレーションモデルが、1つ以上のパラメータに基づいて第1のグリッドサイズで実行され得る。1つ以上の物理的シミュレーションモデル702は、グリッドサイズΔを含むことができ、ここで、「Δ」は、より速い解時間が可能になる計算的に効率的なメッシュ精緻化またはグリッド解像度の度合いである。さらに、本明細書では、1つ以上の物理的シミュレーションモデル702は、物理的シミュレーションモデル302、306、502と同じであっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0054】
1つ以上の物理的シミュレーションモデル702は、1つ以上のパラメータ704(例えば、pj)に基づいて実行されてもよく、jは、1、2、nの間の範囲である。たとえば、1つ以上のパラメータ704(たとえば、p1、p2、pn)は、最適化されるように選択されたパラメータであり得る。本明細書では、1つ以上のパラメータ704(たとえば、p1、p2、pn)の初期値は、推定されるか、または第三者から受信され得ることに留意されたい。
【0055】
グリッドサイズΔにおける出力706は、物理的シミュレーションモデル702によって生成され得る。出力706(例えば、qj,i)は、異なる条件i、または異なる条件の組み合わせに対する物理的シミュレーションモデルを通して生成される出力リストjを含んでもよく、iは、1、2、...、mの間の範囲である。例えば、出力706(例えば、q1,i,q2i,....qn.i)は、Δのグリッドサイズで出力され得る。本明細書では、n(例えば、jに関して)およびm(例えば、iに関して)は、同じであっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0056】
ステップ604において、物理シミュレーションモデルからの出力は、REMを介して実行されてもよい。例えば、REM708は、方法またはプロセス200の1つ以上のステップを使用して開発されてもよい。
【0057】
ステップ606において、REMを介して第2のグリッドサイズの出力を生成することができる。物理的シミュレーションモデル702からの出力706(例えば、qj.i)は、REM708に入力されてもよく、これは、fΔの高解像度グリッドサイズを有する出力706(例えば、qj.i)を生成してもよく、ここで、fは、シミュレーション出力内の選択または所望の詳細レベルを捕捉するために利用されるメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。例えば、fは1.0未満であってもよい。
【0058】
ステップ608では、第2のグリッドサイズにおけるREMからの出力は、基準データと比較されてもよい。増加した解像度グリッドサイズfΔにおける出力706(例えば、qj.i)は、増加した解像度グリッドサイズfΔにおける出力706(例えば、qj.i)が、対応する参照データ710の所望の不整合(ミスマッチ)許容差または閾値内になるまで、参照データ710と比較されてもよい。例えば、不整合許容値または閾値は、0(例えば、出力が100パーセントまたはその近くに似ている場合、基準データとの完全な一致を示し得る)と50パーセント(例えば、出力は、基準データに対して50パーセントまたはほぼ50パーセントに似ている)との間で変化し得る。
【0059】
ステップ610において、1つ以上のパラメータを反復的に調整することができる。増加した解像度グリッドサイズfΔにおける出力706(例えば、qj,i)が、所望の不整合許容差または閾値の外側にある(例えば、内側にない)場合、モデルパラメータ704(例えば、pj)は、反復的に調整されてもよく、物理的シミュレーションモデル702からの出力706は、REMを通して再実行されてもよい。対照的に、増加した解像度グリッドサイズfΔにおける出力706(例えば、qi,i)が所望の不整合許容差または閾値内にある場合、方法またはプロセス600が完了する。
【0060】
別の組の実施形態では、少なくとも
図8および9に示されるように、後処理手順は、方法またはプロセス200、400、および/または600と組み合わせて利用され、物理的シミュレーションモデルの出力に適用されてもよい。例えば、後処理手順は、限定されないが、ランダム性を利用して、そうでなければ決定論的であるが、確率的解釈を有する結果を生成し得る問題を解決する、モンテカルロシミュレーションを含んでもよい。
【0061】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス800を示す。
図9は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス800のブロック
図900を示す。方法またはプロセス800は、計測ツール(例えば、
図1A及び
図1Bに示される計測サブシステム102)からの1つ以上の測定値などの情報を利用することができる。これに関して、方法またはプロセス800は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって/その中で実行されるステップを含むことができる。
【0062】
ステップ802では、第1のグリッドサイズでの1つ以上の物理的シミュレーションモデルの複数の試行が実行され得る。1つ以上の物理的シミュレーションモデル902は、グリッドサイズΔを含むことができ、ここで、「Δ」は、より速い時間対ソリューションを可能にする計算的に効率的なメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。さらに、本明細書では、1つ以上の物理的シミュレーションモデル902は、物理的シミュレーションモデル302、306、502、702と同じであっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0063】
すべての可能性のあるシナリオを考慮するために、グリッドサイズΔ(例えば、同じまたは類似の条件または入力について)で物理的シミュレーションモデル902を使用して複数の試行を実行することができる。1つ以上の物理的シミュレーションモデル902のグリッドサイズΔでの出力904を生成することができる。
【0064】
ステップ804では、1つ以上の物理的シミュレーションモデルの複数の試行からの出力が、1つ以上の後処理モデルを介して実行されてもよい。複数の試行の出力904は、1つ以上の後処理モデル906を通して実行され得る。たとえば、1つ以上の後処理モデル906は、画像鮮明度、色深度、色範囲などについて複数の試行の出力904を操作することができる。別の例として、1つ以上の後処理モデル906は、モンテカルロシミュレーションを含むことができる。1つ以上の後処理モデル906は、複数の試行に対する1つ以上の確率的出力908を生成することができる。これにより、1つ以上の物理的シミュレーションモデル902のグリッドサイズΔにおける出力904の確率的分布を決定することができる。本明細書では、複数の物理的シミュレーションモデルの出力は、一緒に、または1つ以上の(例えば、出力のセット全体までである)バッチで後処理モデルを通して実行され得ることに留意されたい。
【0065】
ステップ806では、1つ以上の後処理モデルからの出力が、REMを介して実行されてもよい。1つ以上の後処理モデル906からのグリッドサイズΔでの確率的出力908は、REM910を通して実行されてもよい。例えば、REM910は、方法またはプロセス200の1つ以上のステップを使用して開発されてもよい。
【0066】
ステップ808において、REMを介して第2のグリッドサイズの出力を生成することができる。REM910は、グリッドサイズfΔで出力912を生成することができ、fは、シミュレーション出力内の選択または所望の詳細レベルを捕捉するために利用されるメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。例えば、fは1.0未満であってもよい。本明細書では、確率的出力908は、一緒に、または1つ以上の(例えば、出力のセット全体までである)バッチでREM910を介して実行され得ることに留意されたい。これに関して、グリッドサイズfΔにおける出力912は、1つ以上の後処理モデル906によって生成された出力908に対応する分布を含むことができ、1つ以上の後処理モデルは、複数の試行の出力904を受け取る。
【0067】
別の組の実施形態では、少なくとも
図10-11Bに図示されるように、REMは、方法またはプロセス200、400、600、および/または800と組み合わせて利用され得る、機械学習モデルにおいて訓練されてもよい。
【0068】
図10は、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス1000を示す。
図11Aおよび
図11Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、マイクロ電子デバイス製造中に物理的シミュレーションモデルを加速するための方法またはプロセス1000の概略
図1100および1110を示す。方法またはプロセス1000は、計測ツール(例えば、
図1A及び
図1Bに示される計測サブシステム102)からの1つ以上の測定値などの情報を利用することができる。これに関して、方法またはプロセス1000は、コントローラ104の1つ以上のプロセッサ106によって/その中で実行されるステップを含むことができる。
【0069】
図11Aに示す学習段階1100中、ステップ1002において、学習されたREMが生成される。第1のグリッドサイズで出力を生成する1つ以上の物理的シミュレーションモデル1102および第2のグリッドサイズで出力を生成する1つ以上の物理的シミュレーションモデル1104は、学習アルゴリズム1106に入力され得る。物理的シミュレーションモデル1102は、グリッドサイズΔを含むことができ、ここで、「Δ」は、より速い時間対ソリューションを可能にする計算的に効率的なメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。物理的シミュレーションモデル1104は、グリッドサイズfΔを含んでもよく、ここで、fは、シミュレーション出力における選択または所望の詳細レベルを捕捉するために利用されるメッシュ精緻化またはグリッド解像度の程度である。例えば、fは1.0未満であってもよい。なお、グリッドサイズΔの出力を入力情報とし、グリッドサイズΔの出力を対象情報としてもよい。
【0070】
学習アルゴリズム1106は、教師あり学習、教師なし学習などを含むがこれらに限定されない当技術分野で知られている任意の技法を利用して機械学習モデルを実装することができる。たとえば、機械学習モデルは、学習されたREM1108を生成するように構成された学習ベースのプロセス(例えば、線形回帰、ニューラルネットワークまたはディープニューラルネットワーク、ヒューリスティックベースのモデルなど)を含み得る。例えば、ヒューリスティックスベースのモデルは、モデル化されているプロセスに関する物理的情報を活用してもよい。
【0071】
図11Bに図示される試験/生産段階1110の間、ステップ1004において、第1のグリッドサイズにおける1つ以上の物理的シミュレーションモデルからのデータが入力される。n回の試行のための第1のグリッドサイズで出力を生成する1つ以上の物理的シミュレーションモデル1112からのデータは、学習されたREM1108に入力され得る。ステップ1006において、第2のグリッドサイズでの出力が、学習されたREMを介して生成され、学習されたREM1108は、m回の試行についてグリッドサイズfΔを有する出力1114を生成することができる。本明細書では、「n」は、(例えば、低解像度で)4から1兆の間の範囲であり得るが、「m」は、(例えば、高解像度で)1から10000の間の範囲であり得ることに留意されたい。加えて、本明細書では、「n」試行のサブセットは、REMを介する単一の出力に等しくなり得ることに留意されたい。1つの非限定的な例では、本明細書では、低解像度Δの4つの画像(またはn=4)は、高解像度fΔの1つの画像(またはm=1)に等しくなり得ることに留意されたい。
【0072】
学習ベースのプロセスの説明は、D.C.Montgomeryら、Introduction to Linear Regression Analysis、New York:Wiley,2001(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に見出される。加えて、学習ベースのプロセスの説明は、I.Goodfellow,et al.,Deep Learning,The MIT Press,2016に見出され、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0073】
システム100の文脈において本明細書で前述された実施形態および有効化技術は、方法またはプロセス200、400、600、800、1000、1000に拡張されると解釈されるべきであることに留意されたい。これに関して、方法またはプロセス200、400、600、800、1000のステップは、システム100によって実行されてもよく、方法またはプロセス200、400、600、800、1000はさらに、システム100のアーキテクチャによって要求または暗示される1つ以上のステップを含んでもよい。しかしながら、方法またはプロセス200、400、600、800、1000は、システム100のアーキテクチャに限定されず、方法またはプロセス200、400、600、800、1000の1つ以上のステップ、あるいはそれらの部分は、代替のシステム構成要素および/またはアーキテクチャを用いて実行され得ることが認識される。さらに、方法またはプロセス200、400、600、800、1000のステップは、本明細書で別段の指定がない限り、任意の順序で実行することができる。
【0074】
1つの非限定的な例では、方法またはプロセスのいずれかに対する任意選択のステップにおいて、1つ以上の制御信号が、REMに基づいて1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を選択的に調整するように構成される。システム100は、コントローラ104に通信可能に結合された1つ以上のプロセスツールをさらに含むことができる。たとえば、1つ以上のプロセスツールは、リソグラフィ・ツールおよび/またはプラズマ・プロセスツール(例えば、エッチングツール、堆積ツール、研磨ツール、スキャナなど)を含むがこれらに限定されない、当技術分野で知られているマイクロ電子製造のための任意のプロセスツールを含むことができる。コントローラ104は、REMに基づいてフィードフォワードまたはフィードバックループにおいて1つ以上のプロセスツールの1つ以上の特性を調整するように構成された1つ以上の制御信号を生成するように構成され得る。
【0075】
別の非限定的な例では、任意選択のステップにおいて、1つ以上の制御信号が、REMに基づいてシステム100の計測サブシステム102の1つ以上の特性を選択的に調整するように構成される。
【0076】
本明細書において、方法またはプロセス200、400、600、800、1000は、提供されるステップおよび/またはサブステップに限定されないことに留意されたい。方法またはプロセス200、400、600、800、1000は、より多いまたはより少ないステップおよび/またはサブステップを含んでもよい。方法またはプロセス200、400、600、800、1000は、ステップおよび/またはサブステップを同時に実行することができる。方法またはプロセス200、400、600、800、1000は、提供された順序または提供された以外の順序を含む、ステップおよび/またはサブステップを連続的に実行することができる。したがって、上記の説明は、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0077】
1つの非限定的な例では、高解像度グリッドサイズfΔでの物理的シミュレーションモデルからの出力および低解像度グリッドサイズΔでの物理的シミュレーションモデルからの出力が受信または生成され得る。この例では、出力は、エッチングプロセスの画像の形状であってもよい。しかしながら、出力は生画像でなくてもよく、代わりに、物理モデルの典型的な出力の忠実な再構成を可能にするパラメータ(例えば、pj)のリストによって前処理及び/又は表現することができる。加えて、本明細書では、物理的モデルは、堆積および/またはリソグラフィまたは任意の他の物理的モデルを含むが、それらに限定されない、代替のウェハ上プロセスのために同様に利用されてもよいことに留意されたい。
【0078】
REMは、方法またはプロセス200、400、600、800、1000の任意の組合せで生成され得る。例えば、REMは、高解像度グリッドサイズfΔにおける物理シミュレーションモデルからの出力を、低解像度グリッドサイズΔにおける物理シミュレーションモデルからの出力にマッピングすることによって生成され得る。例えば、マッピングは、方法またはプロセス1000に関して説明されるような学習アルゴリズムによるREMの訓練を必要とし得る。
【0079】
図12は、検証損失1202と学習損失1204とを比較するグラフ1200を示す。グラフ1200に示されるように、検証損失1202および学習損失1204の両方は、学習エポックの数の増加とともに減少する。検証損失1202が選択閾値に達するか、または飽和すると、REMの学習が完了したとみなすことができる。ここで、選択閾値は変化し得ることに留意されたい。さらに、選択閾値の範囲は、REMの学習中に適用される学習モデルおよび/または損失関数の1つ以上の要件に依存し得ることに本明細書において留意されたい。例えば、選択閾値の範囲は、10e
-5と10e
5との間であり得る。
【0080】
REMの学習に続いて、グリッドサイズΔにおける物理的シミュレーションモデルからの画像出力は、グリッドサイズfΔにおける物理的シミュレーションモデルの出力に対応する出力を生成するためにREMにおいて利用され得る。例えば、グリッドサイズΔが2ナノメートル(nm)であり、fが0.25である場合、REMの出力は0.5nmのグリッドサイズである。
【0081】
図13は、2nmの粗い解像度の画像および0.5nmの細かい解像度の画像を含む画像1300のセットが、2つの異なるパターン1302、1304についてシステム100から(例えば、計測サブシステム102から)取得される。画像のセット1300は、2nmにおける実際の物理的モデルと、0.5nmにおける実際の物理的モデルと、2つの異なるパターン1302、1304のそれぞれについて2nmにおける実際の物理的モデルから4倍の解像度増加を有するREMによって生成された画像とを比較する。比較から分かるように、2nmでの実際の物理的モデルのREMによって生成された4×解像度増加画像は、0.5nmでの実際の物理的モデルの属性を正確に捕捉するが、REMを利用する能力は、そうでなければ画像が0.5nm解像度で撮影された場合に必要とされるであろう計算時間および/またはコストを大幅に低減し得る。ピーク信号対雑音比(PSNR)および構造類似性指数尺度(SSIM)の両方のメトリックが、0.5nmにおけるREM出力および実際の物理的モデルの4x解像度増加の類似性の程度を説明するために提供されることに、本明細書では留意されたい。
【0082】
この点に関して、本開示は、従来のシステムおよび方法を上回るいくつかの利点を有する。本開示の実施形態は、より高レベルの詳細を可能にするために、物理モデリングと加速技法との組合せを対象とする。本開示の実施形態は、物理的モデリングと画像ベースの技法との組合せを対象とする。本開示の実施形態は、物理的モデリングと学習アルゴリズムとの組合せを対象とする。本開示の実施形態は、物理的シミュレーションモデルから先験的に生成されたデータを利用することによってデモサイクルを加速することを対象とする。本開示の実施形態は、計算負荷を増加させることなく、より微細なグリッド解像度で確率分布(例えば、モンテカルロ法である)を生成することを対象とする。
【0083】
当業者は、本明細書で説明される構成要素(例えば、動作)、デバイス、オブジェクト、およびそれらに付随する議論が、概念を明確にするために、例として使用され、種々の構成修正が検討されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載される特定の例および付随する議論は、それらのより一般的なクラスの代表であることが意図される。概して、任意の特定の例の使用は、そのクラスを表すことが意図され、特定の構成要素(例えば、動作)、デバイス、およびオブジェクトの非包含は、限定として解釈されるべきではない。
【0084】
これらを、当業者には理解できることだで車両が各種処理及び/又はシステム及び/又は他の技術を用いて行うこともできる(ここで、(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)の車両に変化してしまうと、コンテキストの処理及び/又はシステム及び/又は他の技術が設けられる。例えば、速度および精度が最も重要であると実装者が判断した場合、実装者は、主にハードウェアおよび/またはファームウェアのビークルを選択することができる;代替として、柔軟性が最重要である場合、実装者は、主にソフトウェア実装を選ぶことができる;または、やはり代替的に、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの何らかの組合せを選ぶことができる。したがって、本明細書で説明されるプロセスおよび/またはデバイスおよび/または他の技術が達成され得る、いくつかの可能なビヒクルが存在し、そのいずれも、利用される任意のビヒクルが、ビヒクルが展開される状況および実装者の具体的懸念(例えば、速度、柔軟性、または予測可能性)に依存する選択肢であり、そのいずれも、変動し得るという点で、他よりも本質的に優れていない。
【0085】
前述の説明は、当業者が、特定の用途およびその要件の文脈において提供されるような本発明を作製および使用することを可能にするために提示される。本明細書で使用するとき、「上」、「下」、「上」、「下」、「上」、「上方」、「下方」、「下方」などの方向を示す用語は、説明の目的で相対的な位置を提供することを意図しており、絶対的な基準系を示すことを意図していない。説明された実施形態に対する様々な修正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、図示および説明した特定の実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0086】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に記載されない。
【0087】
本明細書で説明する方法のすべては、方法の実施形態の1つ以上のステップの結果をメモリに記憶することを含み得る。結果は、本明細書で説明される結果のいずれかを含んでもよく、当技術分野で公知の任意の様式で記憶されてもよい。メモリは、本明細書で説明される任意のメモリ、または当技術分野で知られている任意の他の好適な記憶媒体を含み得る。結果が記憶された後、結果は、メモリ内にアクセスされ、本明細書に説明される方法またはシステム実施形態のうちのいずれかによって使用され、ユーザへの表示のためにフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムによって使用される等することができる。さらに、結果は、「永久的に」、「半永久的に「、一時的に」、またはある期間にわたって記憶され得る。例えば、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は、必ずしもメモリ内に無期限に持続しなくてもよい。
【0088】
上述の方法の実施形態の各々は、本明細書に記載される任意の他の方法の任意の他のステップを含み得ることがさらに企図される。加えて、上述の方法の実施形態の各々は、本明細書に記載のシステムのいずれかによって実行することができる。
【0089】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に結合可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素及び/又は無線で相互作用可能及び/又は無線で相互作用する構成要素及び/又は論理的に相互作用及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含むが、これらに限定されない。
【0090】
さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。一般に、本明細書および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は一般に「オープン」用語(例えば、「含む(including)」という用語は、「含む(including)がこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「少なくとも有する(having)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含む(includes)がこれに限定されない」と解釈されるべきである等である)として意図されることが当業者には理解されよう。導入される請求項の記載の具体的な数が意図される場合、そのような意図は、その請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つ以上の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含むことができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、1つのそのような記載のみを含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じ請求項が「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入句および「a」または「an」(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)などの不定冠詞を含む場合でも、同じことが、請求項の記載を紹介するために使用される明確な記事の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載の具体的な数が明示的に列挙されている場合でも、そのような記載は、典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾因子を伴わない「2つの列挙」の裸の列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを、当業者は認識されよう。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例表現が使用される事例では、概して、そのような構成は、当業者が慣例表現(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)を理解するであろう意味で意図される。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例表現が使用される事例では、概して、そのような構成は、当業者が慣例表現(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)を理解するであろう意味で意図される。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、説明、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、その用語の一方(one of the terms)、その用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、「AまたはB「という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0091】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその物質的利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【国際調査報告】