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特表2023-541888高温プロセス用の別々のフェースプレートを有するハイブリッドシャワーヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】高温プロセス用の別々のフェースプレートを有するハイブリッドシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20230927BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516060
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021049556
(87)【国際公開番号】W WO2022060615
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】63/079,530
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤップ・リップヤウ
(72)【発明者】
【氏名】ウォンセナカム・パンヤ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラマン・ニヴィン
(72)【発明者】
【氏名】リンド・ギャリー・ビー.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA04
4K030EA05
4K030KA05
5F045AA15
5F045AD06
5F045DP03
5F045EE04
5F045EF05
5F045EF11
5F045EJ03
5F045EK07
5F045EK22
5F045GB05
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】処理チャンバ用のシャワーヘッドは、処理チャンバに取り付けられた金属プレートと、金属プレートに取り付けられ、基板に面する表面上に複数のガス出口を含むセラミックフェースプレートと、セラミックフェースプレートを囲み、処理チャンバに取り付けられた金属リングとを備える。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ用のシャワーヘッドであって、
前記処理チャンバに取り付けられた金属プレートと、
前記金属プレートに取り付けられ、基板に面する表面上に複数のガス出口を含むセラミックフェースプレートと、
前記セラミックフェースプレートを囲み、前記処理チャンバに取り付けられた金属リングと
を備える、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記セラミックフェースプレートは、前記金属プレートよりも小さい直径を有する、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングの外径は、前記金属プレートの直径と同じである、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記セラミックフェースプレートは、前記金属プレートの直径および前記金属リングの外径よりも小さい直径を有する、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングの内縁は、前記セラミックフェースプレートの外縁に接触する、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記セラミックフェースプレートは、前記セラミックフェースプレートのベース部分から半径方向外側に延びる第1のフランジを含み、
前記金属リングは、前記金属リングの内縁から半径方向内側に延びる第2のフランジを含み、
前記第2のフランジは、前記第1のフランジ上に張り出す、
シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングは、前記金属プレートに取り付けられる、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングは、前記金属プレートと一体化される、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングは、前記金属プレートに接触し、
前記金属リングは、前記金属プレートに接触する表面に凹部を含む、
シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、前記セラミックフェースプレートの外縁に近接して前記セラミックフェースプレートに接触する表面に凹部を含む、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングは、前記金属プレートに取り付けられ、前記金属プレートに接触する上面に第1の凹部を含み、
前記金属プレートは、前記セラミックフェースプレートの外縁に近接して前記セラミックフェースプレートに接触する下面に第2の凹部を含む、
シャワーヘッド。
【請求項12】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、前記セラミックフェースプレートの外縁および前記金属リングの内縁を介して前記処理チャンバと流体連通するマニホールドを含む、シャワーヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、マニホールドを含み、
前記金属リングと前記セラミックフェースプレートとの間の界面は、前記処理チャンバから前記マニホールドへの排気ガスの流れを制御する、
シャワーヘッド。
【請求項14】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、
前記処理チャンバと流体連通するマニホールドと、
前記マニホールドと流体連通して前記処理チャンバからガスを排気する出口と
を含む、シャワーヘッド。
【請求項15】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、マニホールドを含み、
前記マニホールドは、前記処理チャンバと流体連通する複数の貫通孔を含む、
シャワーヘッド。
【請求項16】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記マニホールドは、不活性ガスを受け取り、
前記不活性ガスは、前記複数の貫通孔を介して前記処理チャンバに流入する、
シャワーヘッド。
【請求項17】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記マニホールドは、前記処理チャンバから前記複数の貫通孔を介して排気ガスを受け取る、シャワーヘッド。
【請求項18】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、マニホールドを含み、
前記マニホールドの第1の部分は、前記処理チャンバから第1のガスを排気し、
前記マニホールドの第2の部分は、第2のガスを前記処理チャンバに供給する、
シャワーヘッド。
【請求項19】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、マニホールドと、前記マニホールドの第1の部分に接続された出口と、前記第1の部分から分離された前記マニホールドの第2の部分に接続された入口とを含み、
前記セラミックフェースプレートと前記金属リングとの間の界面を通して前記処理チャンバから受け取った第1のガスを前記出口を介して排気する、前記マニホールドの前記第1の部分における第1のセットの孔、および
前記入口から受け取った第2のガスを前記処理チャンバに供給する、前記マニホールドの前記第2の部分における第2のセットの孔、
シャワーヘッド。
【請求項20】
請求項19に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングは、前記マニホールドの前記第2の部分における前記第2のセットの孔および前記処理チャンバと流体連通する複数の貫通孔を含む、シャワーヘッド。
【請求項21】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記セラミックフェースプレートは、
ベース部分であって、前記ベース部分から垂直に延びる壁によって形成された複数の同心チャネルの周りに配置された前記ガス出口を含むベース部分と、
前記ベース部分上に配置された上側部分であって、前記上側部分は、前記壁に接触し、ガスを受け取る1つまたは複数の入口を含む上側部分と
を備え、
前記セラミックフェースプレートにおける前記ガス出口は、前記ガスを前記処理チャンバ内に分散させる、
シャワーヘッド。
【請求項22】
請求項21に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートに接続されたガス入口と、
前記ガス入口および前記セラミックフェースプレートの前記1つまたは複数の入口に取り付けられたアダプタと
をさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項23】
請求項22に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートは、スロットを含み、
前記アダプタは、前記スロット内に配置され、前記セラミックフェースプレートの前記1つまたは複数の入口にそれぞれ結合する1つまたは複数のセグメントを含む、
シャワーヘッド。
【請求項24】
請求項23に記載のシャワーヘッドであって、
前記スロットは、前記金属プレートの中心に配置され、
前記アダプタの前記1つまたは複数のセグメントは、前記中心から半径方向外側に延びる、
シャワーヘッド。
【請求項25】
請求項21に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートの中心に接続されたガス入口であって、前記金属は、前記中心に前記ガス入口と流体連通するスロットを含むガス入口と、
前記スロット内に配置されたアダプタであって、前記ガス入口と流体連通し、前記中心から半径方向外側に延び、かつ前記セラミックフェースプレートの前記1つまたは複数の入口にそれぞれ結合する1つまたは複数のセグメントを含むアダプタと
をさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項26】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
ヒータを含み、前記金属プレート上に配置された第1のプレートと、
冷却チャネルを含み、前記第1のプレート上に配置された第2のプレートと
をさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項27】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属リングは、耐腐食性材料でめっきされる、シャワーヘッド。
【請求項28】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記金属プレートおよび前記金属リングは、耐腐食性材料でめっきされる、シャワーヘッド。
【請求項29】
請求項20に記載のシャワーヘッドであって、
前記壁は、耐腐食性材料でめっきされる、シャワーヘッド。
【請求項30】
システムであって、
請求項1に記載のシャワーヘッドと、
台座であって、前記金属リングは、前記台座に接触する台座と
を備える、システム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムであって、
前記金属リングは、前記台座から前記セラミックフェースプレートを隔離する、システム。
【請求項32】
請求項30に記載のシステムであって、
ガスを前記シャワーヘッドに供給するガス源
をさらに備え、
前記ガスは、前記シャワーヘッドの前記セラミックフェースプレートの前記複数のガス出口を通って前記処理チャンバ内に分散される、
システム。
【請求項33】
請求項30に記載のシステムであって、
冷却剤を前記シャワーヘッドおよび前記台座の少なくとも1つに供給する流体送給システムをさらに備える、システム。
【請求項34】
請求項30に記載のシステムであって、
前記シャワーヘッドおよび前記台座の少なくとも1つは、1つまたは複数のヒータを備える、システム。
【請求項35】
請求項30に記載のシステムであって、
前記処理チャンバに接続された真空ポンプをさらに備える、システム。
【請求項36】
請求項30に記載のシステムであって、
前記処理チャンバに接続され、不活性ガスを前記処理チャンバに供給するガス源をさらに備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年9月17日に出願された米国仮出願第63/079,530号の利益を主張する。上記で参照された出願の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理システムに関し、より詳細には、高温プロセス用の別々のフェースプレートを有するハイブリッドシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
原子層堆積(ALD)は、気体化学プロセスを連続して実施し、材料の表面(例えば、半導体ウエハなどの基板の表面)上に薄膜を堆積する薄膜堆積法である。ほとんどのALD反応は、材料の表面と反応する前駆体(反応剤)と呼ばれる2つの化学物質を使用し、順番に、自己制限的な方式で一度に1つの前駆体を使用する。別々の前駆体に繰り返し曝露することで、薄膜が材料の表面上に徐々に堆積される。
【0005】
熱ALD(T-ALD)は、加熱された処理チャンバ内で実行される。処理チャンバは、真空ポンプおよび不活性ガスの制御された流れを使用して大気圧未満の圧力に維持される。ALD膜でコーティングされる基板は、処理チャンバ内に載置され、ALDプロセスを開始する前に処理チャンバの温度と平衡にすることが可能である。
【発明の概要】
【0006】
処理チャンバ用のシャワーヘッドは、処理チャンバに取り付けられた金属プレートと、金属プレートに取り付けられ、基板に面する表面上に複数のガス出口を含むセラミックフェースプレートと、セラミックフェースプレートを囲み、処理チャンバに取り付けられた金属リングとを備える。
【0007】
別の特徴において、セラミックフェースプレートは、金属プレートよりも小さい直径を有する。
【0008】
別の特徴において、金属リングの外径は、金属プレートの直径と同じである。
【0009】
別の特徴において、セラミックフェースプレートは、金属プレートの直径および金属リングの外径よりも小さい直径を有する。
【0010】
別の特徴において、金属リングの内縁は、セラミックフェースプレートの外縁に接触する。
【0011】
他の特徴において、セラミックフェースプレートは、セラミックフェースプレートのベース部分から半径方向外側に延びる第1のフランジを含む。金属リングは、金属リングの内縁から半径方向内側に延びる第2のフランジを含む。第2のフランジは、第1のフランジ上に配置される。
【0012】
別の特徴において、金属リングは、金属プレートに取り付けられる。
【0013】
別の特徴において、金属リングは、金属プレートと一体化される。
【0014】
他の特徴において、金属リングは、金属プレートに接触する。金属リングは、金属プレートに接触する表面に凹部を含む。
【0015】
別の特徴において、金属プレートは、セラミックフェースプレートの外縁に近接してセラミックフェースプレートに接触する表面に凹部を含む。
【0016】
他の特徴において、金属リングは、金属プレートに取り付けられ、金属プレートに接触する上面に第1の凹部を含む。金属プレートは、セラミックフェースプレートの外縁に近接してセラミックフェースプレートに接触する下面に第2の凹部を含む。
【0017】
別の特徴において、金属プレートは、セラミックフェースプレートの外縁および金属リングの内縁を介して処理チャンバと流体連通するマニホールドを含む。
【0018】
他の特徴において、金属プレートは、マニホールドを含む。金属リングとセラミックフェースプレートとの間の界面は、処理チャンバからマニホールドへの排気ガスの流れを制御する。
【0019】
他の特徴において、金属プレートは、処理チャンバと流体連通するマニホールドと、マニホールドと流体連通して処理チャンバからガスを排気する出口とを含む。
【0020】
他の特徴において、金属プレートは、マニホールドを含む。マニホールドは、処理チャンバと流体連通する複数の貫通孔を含む。
【0021】
別の特徴において、マニホールドは、不活性ガスを受け取る。不活性ガスは、複数の貫通孔を介して処理チャンバに流入する。
【0022】
別の特徴において、マニホールドは、処理チャンバから複数の貫通孔を介して排気ガスを受け取る。
【0023】
他の特徴において、金属プレートは、マニホールドを含む。マニホールドの第1の部分は、処理チャンバから第1のガスを排気する。マニホールドの第2の部分は、第2のガスを処理チャンバに供給する。
【0024】
他の特徴において、金属プレートは、マニホールドと、マニホールドの第1の部分に接続された出口と、第1の部分から分離されたマニホールドの第2の部分に接続された入口とを含む。セラミックフェースプレートと金属リングとの間の界面を通して処理チャンバから受け取った第1のガスを出口を介して排気する、マニホールドの第1の部分における第1のセットの孔。入口から受け取った第2のガスを処理チャンバに供給する、マニホールドの第2の部分における第2のセットの孔。
【0025】
別の特徴において、金属リングは、マニホールドの第2の部分における第2のセットの孔および処理チャンバと流体連通する複数の貫通孔を含む。
【0026】
他の特徴において、セラミックフェースプレートは、ベース部分であって、ベース部分から垂直に延びる壁によって形成された複数の同心チャネルの周りに配置されたガス出口を含むベース部分を備える。セラミックフェースプレートは、ベース部分上に配置された上側部分を含み、上側部分は、壁に接触し、ガスを受け取る1つまたは複数の入口を含む。セラミックフェースプレートにおけるガス出口は、ガスを処理チャンバ内に分散させる。
【0027】
他の特徴において、シャワーヘッドは、金属プレートに接続されたガス入口と、ガス入口およびセラミックフェースプレートの1つまたは複数の入口に取り付けられたアダプタとをさらに備える。
【0028】
他の特徴において、金属プレートは、スロットを含む。アダプタは、スロット内に配置され、セラミックフェースプレートの1つまたは複数の入口にそれぞれ結合する1つまたは複数のセグメントを含む。
【0029】
他の特徴において、スロットは、金属プレートの中心に配置される。アダプタの1つまたは複数のセグメントは、中心から半径方向外側に延びる。
【0030】
他の特徴において、シャワーヘッドは、金属プレートの中心に接続されたガス入口をさらに備え、金属は、中心にガス入口と流体連通するスロットを含む。シャワーヘッドは、スロット内に配置されたアダプタであって、ガス入口と流体連通し、中心から半径方向外側に延び、かつセラミックフェースプレートの1つまたは複数の入口にそれぞれ結合する1つまたは複数のセグメントを含むアダプタをさらに備える。
【0031】
他の特徴において、シャワーヘッドは、ヒータを含み、金属プレート上に配置された第1のプレートと、冷却チャネルを含み、第1のプレート上に配置された第2のプレートとをさらに備える。
【0032】
別の特徴において、金属リングは、耐腐食性材料でめっきされる。
【0033】
別の特徴において、金属プレートおよび金属リングは、耐腐食性材料でめっきされる。
【0034】
別の特徴において、壁は、耐腐食性材料でめっきされる。
【0035】
他の特徴において、システムは、シャワーヘッドと、台座とを含み、金属リングは、台座に接触する。
【0036】
別の特徴において、金属リングは、台座からセラミックフェースプレートを隔離する。
【0037】
他の特徴において、システムは、ガスをシャワーヘッドに供給するガス源をさらに備え、ガスは、シャワーヘッドのセラミックフェースプレートの複数のガス出口を通って処理チャンバ内に分散される。
【0038】
別の特徴において、システムは、冷却剤をシャワーヘッドおよび台座の少なくとも1つに供給する流体送給システムをさらに備える。
【0039】
別の特徴において、シャワーヘッドおよび台座の少なくとも1つは、1つまたは複数のヒータを備える。
【0040】
別の特徴において、システムは、処理チャンバに接続された真空ポンプをさらに備える。
【0041】
別の特徴において、システムは、処理チャンバに接続され、不活性ガスを処理チャンバに供給するガス源をさらに備える。
【0042】
本開示を適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0044】
図1図1は、本開示に従って設計されたシャワーヘッドを備える処理チャンバを含む基板処理システムの一例を示す図である。
【0045】
図2A図2Aは、セラミックフェースプレートが取り付けられるバッキングプレートと同じサイズであるセラミックフェースプレートを備えるシャワーヘッドの一部の断面図である。
【0046】
図2B図2Bは、図2Aのシャワーヘッドにおける温度勾配を示す図である。
【0047】
図2C図2Cは、図2Aのシャワーヘッドのセラミックフェースプレートにおける温度勾配を示す図である。
【0048】
図2D図2Dは、図2Cに示す温度勾配によって引き起こされる、図2Aのシャワーヘッドのセラミックフェースプレートにおける亀裂の起点近くの応力集中の一例を示す図である。
【0049】
図3A図3Aは、バッキングプレートよりも小さく、本開示による金属リングによって囲まれたセラミックフェースプレートを備えるシャワーヘッドの一部の断面図である。
【0050】
図3B図3Bは、図3Aのシャワーヘッドにおける温度勾配を示す図である。
【0051】
図3C図3Cは、セラミックフェースプレートに欠陥が生じていない、図3Aのシャワーヘッドのセラミックフェースプレートにおける応力集中を示す図である。
【0052】
図4図4は、本開示に従って設計されたシャワーヘッドの一例の断面図である。
【0053】
図5図5は、本開示による図4のシャワーヘッドと共に台座の一例の断面図を示す図である。
【0054】
図6A図6Aは、本開示による第1のシャワーヘッドの一部の断面図である。
【0055】
図6B図6Bは、本開示による第2のシャワーヘッド(図3A図5と同じ)の一部の断面図である。
【0056】
図6C図6Cは、本開示による第3のシャワーヘッドの一部の断面図である。
【0057】
図7図7は、さらに詳細に第1のシャワーヘッドの断面を示す図である。
【0058】
図8A図8Aは、さらに詳細に第2のシャワーヘッドの一部の断面を示す図である。
図8B図8Bは、さらに詳細に第3のシャワーヘッドの一部の断面を示す図である。
【0059】
図9A図9Aは、さらに詳細に第3のシャワーヘッドの異なる断面を示す図である。
図9B図9Bは、さらに詳細に第3のシャワーヘッドの異なる断面を示す図である。
【0060】
図9C図9Cは、不活性ガスを処理チャンバ内に供給するためのバッキングプレートにおける入口を示す図である。
【0061】
図10図10は、本開示のシャワーヘッドと共に使用される冷却プレートの一例を示す図である。
【0062】
図11A図11Aは、さらに詳細に本開示のシャワーヘッドと共に使用される金属リングの一例を示す図である。
図11B図11Bは、さらに詳細に本開示のシャワーヘッドと共に使用される金属リングの一例を示す図である。
図11C図11Cは、さらに詳細に本開示のシャワーヘッドと共に使用される金属リングの一例を示す図である。
【0063】
図12図12は、本開示のシャワーヘッドと共に使用されるバッキングプレートの一例を示す図である。
【0064】
図13A図13Aは、本開示のシャワーヘッドのセラミックフェースプレートの断面図である。
図13B図13Bは、本開示のシャワーヘッドのセラミックフェースプレートの断面図である。
図13C図13Cは、本開示のシャワーヘッドのセラミックフェースプレートの断面図である。
【0065】
これらの図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0066】
ほとんどのシャワーヘッドは、アルミニウムなどの金属で作製される。一部のシャワーヘッドは、熱制御のためにアルミニウムなどの金属で作製されたバッキングプレートに装着されたセラミックフェースプレートを含むことができる。セラミックフェースプレートは、典型的には、バッキングプレートと同じサイズ(直径)である。その結果、セラミックフェースプレートは、プロセスモジュールのトッププレートに直接接触する。トッププレートは、金属製かつ比較的低温であり、セラミックフェースプレートとは非常に異なる熱膨張係数(CTE)を有する。加えて、セラミックフェースプレートの外径(OD)に近いセラミックフェースプレートの底部は、処理チャンバ内の台座から近い空間距離にあり、基板処理中に台座の熱負荷を受けることになる。したがって、ODに近いセラミックフェースプレートの一部は、以下でさらに詳細に説明するように、セラミックフェースプレートのODの近くで亀裂を引き起こす可能性がある比較的高い温度勾配を有する。
【0067】
本開示は、セラミックフェースプレートの直径を低減し、セラミックフェースプレートの周りに金属(例えば、アルミニウム)リングを追加するシャワーヘッド設計を提供する。金属リングは、トッププレートおよび台座の熱負荷からセラミックフェースプレートを切り離す。金属リングは、セラミックフェースプレートとトッププレートとの間における断熱層を提供する。セラミックフェースプレートの代わりに、金属リングが台座の熱負荷を受けることになる。セラミックフェースプレートのODに導入された断熱層は、セラミックフェースプレートの縁部近くのトッププレートの冷却効果からセラミックフェースプレートを熱的に隔離する。
【0068】
セラミックフェースプレートのより小さな直径、ならびに金属リングによって提供される切り離しおよび断熱層により、セラミックフェースプレートは、セラミックフェースプレートがバッキングプレートと同じサイズ(直径)である場合と比較して、より小さく均一な温度勾配を有する。セラミックフェースプレートの代わりに金属リングがトッププレートに接触し、セラミックフェースプレートの代わりに金属リングが台座の熱負荷を受けるため、摂氏590度超~最大摂氏650度の温度において亀裂(または欠陥)がセラミックフェースプレートに発生することはない。
【0069】
ある設計では、金属リングは、バッキングプレートに組み込まれる。別の設計では、セラミックフェースプレートの縁部における温度プロファイルを変化させるようにより小さいセラミックフェースプレートとバッキングプレートとの間の接触ギャップが設計され、それにより比較的高い温度を必要とするプロセス中に熱衝撃および局所的な応力による亀裂が生じないようにする。シャワーヘッド設計はまた、セラミックフェースプレートとバッキングプレートとの間の接触コンダクタンスにより、より小さいセラミックフェースプレートの軸方向冷却(すなわち、直径に垂直な垂直軸に沿った冷却)を強化する。さらに、冷却コイルをバッキングプレートに組み込み、冷却能力を高めることができる。
【0070】
本開示のシャワーヘッド設計では、セラミックフェースプレートの代わりに、セラミックフェースプレートに隣接する金属リングおよびバッキングプレートが処理チャンバのための主真空シールを形成する。これらのシャワーヘッド設計により、バッキングプレートの分解を必要とせずに処理チャンバの蓋(トッププレート)を単に持ち上げることによって、セラミックフェースプレートを容易に交換可能(例えば、均一性の改善、微量の低減、および材料の選択のため)およびアクセス可能(例えば、取り外し可能)にする。さらに、以下で説明するように、バッキングプレート内のマニホールドを通した微量の排気ガスのポンピングは、フローチョークを断熱層(すなわち、金属リングがセラミックフェースプレートに接触する場所)に組み込むことによって促進される。フローチョークは、バッキングプレート内のマニホールドを通して微量の排気ガスをポンピングするための均一性制御を提供する。
【0071】
これらの特徴により、セラミックフェースプレートの亀裂が排除され、より小さいセラミックフェースプレートのより低い温度勾配および線膨張により、熱応力が安全なレベルまで低減される。加えて、一部の設計では、セラミックフェースプレートを囲む金属リングなどのシャワーヘッドの他の特徴は、拡散接合プロセスによりバッキングプレートに組み込まれる。バッキングプレートの材料の連続性および冷却能力により、これらのガス通路を効果的に冷却することが可能である。したがって、これらの特徴の表面は、プロセス副生成物に対する耐食性のために、耐食性材料で(例えば、無電解ニッケルめっきを使用して)めっきすることができる。金属リングは、耐食性材料で(例えば、無電解ニッケルめっきを使用して)めっきすることも可能である。ここで、本開示のシャワーヘッドのこれらおよび他の特徴を以下で詳細に説明する。
【0072】
本開示は、以下のように構成される。本開示に従って設計されたシャワーヘッドを使用することができる処理チャンバの一例が、図1を参照して示され説明される。本開示のシャワーヘッド設計によって解決される問題が、図2A図2Cを参照して示され説明される。問題に対する解決策が、図3A図3Cを参照して示され説明される。本開示によるシャワーヘッド設計の一例が、図4を参照して示され説明される。本開示に従って設計された台座およびシャワーヘッドの一例が、図5を参照して示され説明される。
【0073】
その後、本開示による3つの異なるシャワーヘッド設計が、図6A図6Cを参照して示され説明される。各シャワーヘッド設計が、図7図9Cを参照してさらに詳細に示され説明される。本開示のシャワーヘッドと共に使用される冷却プレートの一例が、図10を参照して示され説明される。本開示のシャワーヘッド用の金属リングが、図11A図11Cを参照してさらに詳細に示され説明される。本開示のシャワーヘッド用のバッキングプレートが、図12を参照してさらに詳細に示され説明される。本開示のシャワーヘッドのセラミックフェースプレートが、図13A図13Cを参照してさらに詳細に示され説明される。
【0074】
図1は、熱原子層堆積(T-ALD)を使用して基板を処理するように構成された処理チャンバ102を備える基板処理システム100の一例を示す。処理チャンバ102は、基板処理システム100の他の構成要素を取り囲んでいる。処理チャンバ102は、基板支持体(例えば、台座)104を備える。処理中、基板106が台座104上に配置される。
【0075】
1つまたは複数のヒータ108(例えば、ヒータアレイ)を台座104の金属ベースプレート上に配置されたセラミックプレート内に配置させ、処理中に基板106を加熱することができる。ゾーンヒータまたは一次ヒータ(図示せず)と呼ばれる1つまたは複数の追加のヒータを、ヒータ108の上または下のセラミックプレートに配置させることができる。加えて、図示されていないが、台座104を冷却するために冷却剤を通して流すことができる冷却チャネルを備える冷却システムが、台座104のベースプレート内に配置されてもよく、1つまたは複数の温度センサが、台座104の温度を感知するために台座104内に配置されてもよい。
【0076】
処理チャンバ102は、処理ガスを処理チャンバ102内に導入および分配するシャワーヘッドなどのガス分配デバイス110を備える。ガス分配デバイス(以下、シャワーヘッド)110は、処理チャンバ102の上面に接続された一端を含むステム部分112を含むことができる。シャワーヘッド110のベース部分114は、概して円筒形であり、処理チャンバ102の上面から離間した場所においてステム部分112の反対側の端部から半径方向外側に延びる。
【0077】
シャワーヘッド110のベース部分114の基板に面する表面は、セラミックフェースプレート(後続の図に示す)を備える。セラミックフェースプレートは、前駆体が処理チャンバ102に通って流入する複数の出口または特徴(例えば、スロットまたは貫通孔)を備える。図13A図13Cを参照して詳細に示され説明されるシャワーヘッド110のセラミックフェースプレートは、示すよりも台座104に近い。
【0078】
セラミックフェースプレートは、本開示に従って設計された金属リング(後続の図を参照して示され説明される)によって囲まれている。シャワーヘッド110はまた、加熱プレートおよび冷却プレート(後続の図を参照して示され説明される)を備える。加熱プレートは、1つまたは複数のヒータを含む。冷却プレートは、以下で説明するように冷却剤を通して循環させることができる冷却チャネル(図10参照)を含む。加えて、図示されていないが、1つまたは複数の温度センサが、シャワーヘッド110の温度を感知するためにシャワーヘッド110内に配置されてもよい。
【0079】
ガス送給システム130は、1つまたは複数のガス源132-1、132-2、…、および132-N(総称してガス源132)を備え、Nは、ゼロよりも大きい整数である。ガス源132は、弁134-1、134-2、…、および134-N(総称して弁134)およびマスフローコントローラ136-1、136-2、…、および136-N(総称してマスフローコントローラ136)によってマニホールド139に接続される。マニホールド139の出力は、処理チャンバ102に供給される。ガス源132は、プロセスガス、洗浄ガス、パージガス、不活性ガスなどを処理チャンバ102に供給することができる。
【0080】
流体送給システム140は、冷却剤を台座104における冷却システムおよびシャワーヘッド110における冷却チャネルに供給する。温度コントローラ150が、台座104におけるヒータ108、ゾーンヒータ、および温度センサ、ならびにシャワーヘッド110における加熱プレートおよび温度センサに接続され得る。温度コントローラ150は、台座104におけるヒータ108、ゾーンヒータに供給される電力、および冷却システムを通る冷却剤の流れを制御し、台座104および基板106の温度を制御することができる。温度コントローラ150はまた、シャワーヘッド110の加熱プレート内に配置されたヒータに供給される電力、およびシャワーヘッド110の冷却プレート内に配置された冷却チャネルを通る冷却剤の流れを制御し、シャワーヘッド110の温度を制御することができる。
【0081】
真空ポンプ158が、基板処理中に処理チャンバ102内を大気圧未満に維持する。弁155が、シャワーヘッド110における出口(後続の図に示す)に接続され、出口から排気ガスがシャワーヘッド110を出る。弁156が、処理チャンバ102の排気ポートに接続される。弁156、157および真空ポンプ158は、処理チャンバ102内の圧力を制御し、弁155を介してシャワーヘッド110から排気ガスを排出し、弁156を介して処理チャンバ102から反応剤を排出するために使用される。隔離弁157が、図示のように弁155、156と真空ポンプ158との間に配置され得る。システムコントローラ160が、弁155、156、157および真空ポンプ158を含む基板処理システム100の構成要素を制御する。
【0082】
図2A図2Cは、セラミックフェースプレートが、セラミックフェースプレートが取り付けられるバッキングプレートと同じサイズであるシャワーヘッドの一例を示す。図2Bおよび図2Cは、シャワーヘッドにおける温度勾配および結果として生じる応力を示す。図2Dは、シャワーヘッドのセラミックフェースプレートにおける温度勾配および結果として生じる応力によって引き起こされる亀裂の起点を示す。続いて、図3A図3Cは、セラミックフェースプレートがバッキングプレートよりも小さく、金属リングがセラミックフェースプレートの周りに配置される、本開示に従って設計されたシャワーヘッドの一例を示す。図3Bおよび図3Cは、このシャワーヘッドにおける温度勾配および結果として生じる応力を示し、この温度勾配および結果として生じる応力は、以下で詳細に説明するように、より小さいセラミックフェースプレートおよびセラミックフェースプレートの周りの金属リングの配置のために、図2A図2Cに示すシャワーヘッドとは異なる。
【0083】
図2Aは、シャワーヘッド200の一部の断面を示す。シャワーヘッド200は、バッキングプレート204に取り付けられたセラミックフェースプレート202を備える。セラミックフェースプレート202は、バッキングプレート204と同じサイズ(直径)である。マニホールド206は、セラミックフェースプレート202とバッキングプレート204との間に配置される。処理チャンバからの微量の排気ガスは、図4以降を参照して以下で説明するように、バッキングプレート204における出口を通ってマニホールド206を介して出る。セラミックフェースプレート202は、ガスを処理チャンバ内に分散させるために、図13A図13Cを参照して以下に示され説明されるガス通路および貫通孔を含む。
【0084】
図2Bは、加熱プレート208および冷却プレート210が追加されたシャワーヘッド200の断面を示す。加熱プレート208は、バッキングプレート204上に配置される。冷却プレート210は、加熱プレート208上に配置される。加熱プレートは、1つまたは複数のヒータ209を含む。冷却プレート210は、冷却チャネル320(図10に詳細に示す)を含む。シャワーヘッド200全体に温度勾配を生じさせる、変動温度を有するシャワーヘッド200の領域(すなわち、温度ゾーン)が、波線211によって示されている。
【0085】
例えば、プロセス中の台座の温度についての設定点が摂氏約590度であり、冷却プレート210の温度が摂氏約20~25度である場合、セラミックフェースプレート202の中心から線211aまでの温度は、摂氏約290~295度であり、線211aから線211bまでの温度は、摂氏約250度であり、線211bから線211cまでの温度は、摂氏約225度などである。シャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202の周囲またはODにおける温度は、摂氏約200度である。したがって、温度は、セラミックフェースプレート202の中心における摂氏約290~295度からセラミックフェースプレート202の周囲またはODにおける摂氏約200度までの間においてシャワーヘッド200全体で半径方向および軸方向に(すなわち、シャワーヘッド200の垂直軸に沿って)変化し、シャワーヘッド200全体に比較的高い温度勾配を引き起こす。
【0086】
図2Cは、シャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202を示す。セラミックフェースプレート202全体の温度勾配によって引き起こされる変動応力(平方インチあたりのキロポンドまたはksiで表される)を有するセラミックフェースプレート202の領域が、波線213によって示されている。例えば、プロセス中の台座の温度についての設定点が摂氏約590度であり、冷却プレート210の温度が摂氏約20~25度である場合、セラミックフェースプレート202の中心から線213aまでの応力は、約1.6ksiであり、線213aから線213bまでの応力は、約2.9ksiであり、線213bから線213cまでの応力は、約6.7ksiであり、線213bから線213cまでの応力は、約7.9ksiであり、シャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202の周囲またはODにおける応力は、約9.2ksiである。したがって、応力は、セラミックフェースプレート202全体で半径方向に増加する。
【0087】
セラミックフェースプレート202のODにおいて、セラミックフェースプレート202の底部は、処理チャンバの台座から近い空間距離にある。したがって、セラミックフェースプレート202の縁部は、基板処理中に台座からの熱負荷を受けることになる。その結果、セラミックフェースプレート202のODにおける温度は、212において比較的高い。
【0088】
さらに、セラミックフェースプレート202がバッキングプレート204と同じサイズ(直径)であるため、セラミックフェースプレート202のODは、シャワーヘッド200を囲む処理チャンバのトッププレート(または側壁)に直接接触する。トッププレートは、比較的低温であり、セラミックフェースプレート202とは非常に異なるCTEを有する。したがって、台座からの熱負荷、およびセラミックフェースプレート202とは異なるCTEを有する低温トッププレートとの直接接触により、セラミックフェースプレート202全体の半径方向温度勾配は比較的高い。
【0089】
図2Dは、セラミックフェースプレート202の周辺領域(すなわち、OD付近)における半径方向温度勾配によって引き起こされる応力を示す。台座設定点温度の上記の例に従って、応力は、213aから213gまで徐々に増加し、212において最大(例えば、10ksiを超える)である。したがって、セラミックフェースプレート202全体の比較的高い半径方向温度勾配、およびセラミックフェースプレート202のODにおける比較的高い応力は、212に示すようにセラミックフェースプレート202のODにおいて亀裂を引き起こす。この問題は、一部のプロセスに必要な台座の比較的高い設定点温度(例えば、摂氏650度を超える)によって悪化する。
【0090】
図3Aは、本開示によるシャワーヘッド300の一部の断面を示す。シャワーヘッド300は、シャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202よりも直径が小さいセラミックフェースプレート302を備える。具体的には、セラミックフェースプレート302は、バッキングプレート204よりも直径が小さい。金属リング304(例えば、アルミニウムで作製される)が、示すようにセラミックフェースプレート302の周りに配置される。セラミックフェースプレート302および金属リング304は、マニホールド206に取り付けられる。したがって、セラミックフェースプレート302の代わりに、金属リング304が処理チャンバのトッププレート(または側壁)に直接接触する。
【0091】
金属リング304は、シャワーヘッド300を囲む処理チャンバのトッププレート(または側壁)からセラミックフェースプレート302を(物理的および熱的に)切り離す。さらに、セラミックフェースプレート302のODの代わりに、金属リング304は、処理チャンバの台座から近い空間距離にある(図5参照)。その結果、セラミックフェースプレート302のODの代わりに、金属リング304は、基板処理中に台座からの熱負荷を受けることになる。セラミックフェースプレート302は、ガスを処理チャンバ内に分散させるために、図13A図13Cを参照して以下に示され説明されるガス通路および貫通孔を含む。
【0092】
シャワーヘッド300では、バッキングプレート204における出口(図5に示す)を通して排気ガスをポンピングするのを容易にすることに加えて、マニホールド206の外側部分は、金属リング304における複数の孔308を通して不活性ガス(例えば、アルゴン)を処理チャンバ(例えば、図1に示す処理チャンバ102)内に注入するために使用される。孔308は、図11A図12に詳細に示されている。孔308を通して不活性ガスを処理チャンバ内に注入することによって、不活性ガスのカーテンが処理チャンバ内の反応ゾーン(すなわち、堆積領域または基板を囲む領域)の周りに形成され、チャンバ容積内の汚染物質/副生成物の逆流から基板(例えば、図1に示す基板106)を隔離する。金属リング304における孔308は、図11A図12に示すようにマニホールド206の外側部分における対応する孔と整列する。不活性ガスを孔308に供給するための入口は、図9Cを参照して以下に示され説明されるようにバッキングプレート204を通して配置される。
【0093】
締結具309が、マニホールド206をセラミックフェースプレート302に締結するために使用される。マニホールド206は、締結具309用の孔(図12に示す)を含む。同様の締結具(図4に示す)が、マニホールド206を金属リング304に締結するために使用される。金属リング304は、締結具用の孔(図11A図11Cに示す)を含む。アダプタ330が、図12を参照して以下でさらに詳細に説明するように、ステム部分312におけるガス入口からのガス流を分割し、ステム部分312におけるガス入口から受け取ったガスをセラミックフェースプレート302の複数のガス入口に供給する。示される他の構造については、図4以降を参照して後述される。まず、シャワーヘッド300全体の温度勾配、およびセラミックフェースプレート302全体の温度勾配によって引き起こされる応力について以下に説明する。
【0094】
図3Bは、加熱プレート208が追加されたシャワーヘッド300の断面を示す。冷却プレート210は、加熱プレート208の上に存在し、図4に示されている。シャワーヘッド300全体に温度勾配を生じさせる、変動温度を有するシャワーヘッド300の領域(すなわち、温度ゾーン)が、波線215によって示されている。
【0095】
例えば、プロセス中の台座の温度についての設定点が摂氏約590度であり、冷却プレート210の温度が摂氏約20~25度である場合、線215aよりも下のセラミックフェースプレート302の領域における温度は、摂氏約270~290度であり、線215aから線215bまでのセラミックフェースプレート302の領域における温度は、摂氏約250~270度であり、線215bから線215cまでのセラミックフェースプレート302の領域における温度は、摂氏約250~225度であり、金属リング304の温度を含む、線215cから線215dまでのセラミックフェースプレート302の領域における温度は、摂氏約225~200度であり、線215dを超えるセラミックフェースプレート302の領域における温度は、摂氏約200~185度である。したがって、シャワーヘッド300全体、特にシャワーヘッド300のセラミックフェースプレート302全体の温度勾配は、シャワーヘッド200全体およびシャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202全体の温度勾配と比較して低く、かつより均一である。
【0096】
図3Cは、シャワーヘッド300のセラミックフェースプレート302における応力集中を示す。セラミックフェースプレート302全体の温度勾配によって引き起こされる変動応力を有するセラミックフェースプレート302の領域が、波線217によって示されている。例えば、プロセス中の台座の温度についての設定点が摂氏約590度であり、冷却プレート210の温度が摂氏約20~25度である場合、線217mによって示すセラミックフェースプレート202全体の最大応力は約6.4ksiであり、これはシャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202全体の最大応力よりも約40%小さい。
【0097】
上述のように、金属リング304は、トッププレートからセラミックフェースプレート302を切り離す。さらに、セラミックフェースプレート302のODの代わりに、金属リング304は、台座からの熱負荷を受けることになる。したがって、セラミックフェースプレート302は、シャワーヘッド200のセラミックフェースプレート202よりも比較的小さく均一な温度勾配を有する。その結果、セラミックフェースプレート302のODは、台座の比較的高い設定点温度(例えば、摂氏590度超~最大摂氏650度)において亀裂または変形しない(または欠陥を有さない)。
【0098】
図4は、シャワーヘッド300全体の断面を示す。シャワーヘッド300は、処理チャンバ(例えば、図1に示す処理チャンバ102)のトッププレートに取り付けることができるステム部分312に接続された弁310を備える。シャワーヘッド300は、セラミックフェースプレート302における貫通孔(図13Cに示す)を介して1つまたは複数のガス(例えば、図1に示すガス送給システム130によって供給される)を処理チャンバ内に供給するために、ステム部分312にガス入口を含む。金属リング304は、314に示すようにセラミックフェースプレート302のODにおいて断熱層をセラミックフェースプレート302に提供する。締結具309および311が、マニホールド206をセラミックフェースプレート302および金属リング304に締結するためにそれぞれ使用される。
【0099】
シャワーヘッド300は、マニホールド206に排気孔316を含む(図12も参照)。処理チャンバからの微量の排気ガスは、バッキングプレート204における出口(図5に示す)を介して排気孔316を通ってシャワーヘッド300を出る。断熱層を提供することに加えて、金属リング304のIDとセラミックフェースプレート302のODとの間(すなわち、金属リング304の内縁とセラミックフェースプレート302の外縁との間)の界面は、フローチョーク(314にも示す)を提供する。フローチョークは、マニホールド206を通して微量の排気ガスをポンピングするための均一性制御を提供する。
【0100】
図5は、シャワーヘッド300および台座350の断面を示す。基板が、352において台座350上に載置される。金属リング304は、354に示すように台座350の周囲または外縁に接触する。セラミックフェースプレート302は、台座350に接触しない。微量の排気ガスは、バッキングプレート204を通ってマニホールド206に接続された出口356を介してシャワーヘッド300を出る。
【0101】
図6A図6Cは、本開示の異なるシャワーヘッドの部分断面を示す。図6Aは、本開示によるシャワーヘッド300-1の部分断面を示す。シャワーヘッド300-1は、ギャップ301-1および301-2(総称してギャップ301)がマニホールド206の底部と金属リング304の上部との間、およびマニホールド206の底部とセラミックフェースプレート302のOD付近のセラミックフェースプレート302の上部との間にそれぞれ設けられることを除いて、シャワーヘッド300と同様である。例えば、ギャップ301は、約0.020インチとすることができる。
【0102】
具体的には、ギャップ301は、以下のように金属リング304とマニホールド206の両方に凹部を設けることによって形成される。金属リング304の上面は、301-1に示すように金属リング304のOD(図示されていないが、任意選択でIDにおいても)で凹んでいる。金属リング304の上面よりも上の(すなわち、バッキングプレート204のODにおける)マニホールド206の底面の大部分は、凹んでいない。マニホールド206の底面は、301-2に示すように金属リング304のIDの上からセラミックフェースプレート302のODの上まで凹んでいる。
【0103】
ギャップ301は、セラミックフェースプレート302の縁部(OD)からの熱流を制限する。セラミックフェースプレート302およびマニホールド206の中心領域におけるセラミックフェースプレート302とマニホールド206との間の熱接触(図7に示す)により、セラミックフェースプレート302の中心領域からの熱流が上昇し、セラミックフェースプレート302の中心領域において比較的低温の領域が生じる。
【0104】
Oリング305-1、305-2(総称してOリング305)が、金属リング304の上面の非凹状部分とマニホールド206の底面の非凹状部分との間に位置する。Oリング305はまた、以下で説明するように、図6Bに示すようにシャワーヘッド300に存在するが、図6Cに示すようにシャワーヘッド300-2には存在しない。
【0105】
図6Bは、シャワーヘッド300の部分断面を示す。図6Aに示すシャワーヘッド300-1とは異なり、シャワーヘッド300では、マニホールド206の底面と金属リング304の上面との間、およびマニホールド206の底面とセラミックフェースプレート302の上面との間にギャップが存在しない。
【0106】
代わりに、金属リング304の上面およびセラミックフェースプレート302の上面は、303に示すようにマニホールド206の底面と面一である(すなわち、直接接触している)。Oリング305は、金属リング304の上面の非凹状部分とマニホールド206の底面の非凹状部分との間に位置する。
【0107】
図6Cは、シャワーヘッド300-2の部分断面を示す。シャワーヘッド300-2は、金属リング304の上面およびセラミックフェースプレート302の上面がマニホールド206の底面と面一である(すなわち、直接接触している)だけでなく、金属リング304が拡散接合プロセスを使用してマニホールド206と一体化され、セラミックフェースプレート302がマニホールド206に締結(例えば、ボルト締め)される(締結具用の貫通孔を示す図12図13C参照)ことを除いて、シャワーヘッド300と同様である。
【0108】
金属リング304がマニホールド206と一体化されるため、シャワーヘッド300および300-1とは異なり、Oリング305は不要であり、したがってシャワーヘッド300-2には存在しない。拡散接合は、比較的低い温度での表面のNiめっきを可能にする(例えば、図13A図13Cに示すセラミックフェースプレート302におけるガス通路の表面および金属リング304の表面)。
【0109】
図7は、シャワーヘッド300-1の直径全体にわたるシャワーヘッド300-1の断面を示す。金属リング304とマニホールド206との間、およびセラミックフェースプレート302とマニホールド206との間のギャップ301は、環状であるものとして見ることができる。セラミックフェースプレート302およびマニホールド206の中心領域間の熱接触が、360において示されている。
【0110】
図8Aおよび図8Bは、Oリングの溝によるデッドボリュームの存在および不在、ならびにシャワーヘッド300および300-2における排気孔の結果として生じる閉塞についての追加の詳細をそれぞれ示す。図8Aは、370においてOリング溝372-1および372-2(総称して溝372)によるデッドボリューム、ならびにシャワーヘッド300における排気孔316の結果として生じる閉塞374を示す。
【0111】
図8Bは、金属リング304がマニホールド206と一体化され、結果としてOリング305および溝372が存在しないため、図8Aの370に示すデッドボリュームが371に存在せず、図8Bの排気孔316が、375に示すように、374に示す図8Aの排気孔316よりも閉塞されていない(すなわち、より開いている)ことを示す。具体的には、シャワーヘッド300-2では、金属リング304をマニホールド206と一体化することにより、図6Aおよび図6Bに示すOリング305ならびに図8Aに示す溝372の必要性が排除され、したがってシャワーヘッド300に存在するデッドボリュームが除去され、また、シャワーヘッド300-2における排気孔316の閉塞がシャワーヘッド300における閉塞と比較して低減される。
【0112】
図9Aおよび図9Bは、シャワーヘッド300-2の直径全体にわたるシャワーヘッド300-2の断面を示す。図9Aでは、図4に示すシャワーヘッド300と同様に、シャワーヘッド300-2は、処理チャンバ(例えば、図1に示す処理チャンバ102)のトッププレートに取り付けることができるステム部分312を備える。シャワーヘッド300-2は、図9Bに示すようにセラミックフェースプレート302における貫通孔(例えば、図13Cも参照)を介して1つまたは複数のガス(例えば、図1に示すガス送給システム130によって供給される)を処理チャンバ内に供給するために、ステム部分312にガス入口を含む。処理チャンバからの微量の排気ガスは、バッキングプレート204における出口356を介してマニホールド206を通ってシャワーヘッド300-2を出る。
【0113】
金属リング304は、図6Cを参照して上述したようにマニホールド206と一体化される。金属リング304は、314に示すようにセラミックフェースプレート302のODにおいて断熱層をセラミックフェースプレート302に提供する。加えて、金属リング304のIDとセラミックフェースプレート302のODとの間(すなわち、金属リング304の内縁とセラミックフェースプレート302の外縁との間)の界面は、フローチョーク(314にも示す)を提供する。フローチョークは、バッキングプレート204におけるマニホールド206を通して微量の排気ガスをポンピングするための均一性制御を提供する。
【0114】
金属リング304は、図3Aを参照して説明した孔308を含み、図3Aを参照して上に説明したように、不活性ガスを処理チャンバ内に注入し、処理チャンバ内での処理中に基板を囲むガスカーテンを形成する。マニホールド206は、図11A図12に示すように金属リング304における孔308と整列する対応する孔を含む。
【0115】
図9Cは、孔308を通して不活性ガスを処理チャンバ内に供給するための入口313を示す。入口313は、バッキングプレート204を通してマニホールド206に設けられる。入口313の一端は、マニホールド206の外側部分を通って孔308に接続される。入口313の他端は、ガス供給部(例えば、図1に示す要素130)に接続される。例えば、ガス供給部からのガスライン(図示せず)を入口313に接続(挿入)し、不活性ガスを入口313に供給することができる。
【0116】
したがって、マニホールド206は、二重の目的を果たす。排気孔316を含むマニホールド206の内側部分は、バッキングプレート204における出口356を通して処理チャンバから微量の排気ガスを排気するために使用される。加えて、内側部分から分離されたマニホールド206の外側部分は、金属リング304からマニホールド206内に延びる孔308に接続され、金属リング304における孔308を通して不活性ガスを処理チャンバに供給するために使用される。
【0117】
図10は、図9Bで参照された冷却プレート210の断面A-Aを示す。冷却プレート210は、冷却チャネル320を含む。図10は、冷却チャネル320の一例のみを示す。冷却チャネル320は、任意の他の形状およびサイズとすることができる。例えば、冷却チャネル320はバイファイラであるものとして示されているが、冷却チャネル320は代わりに螺旋形状にすることも可能である。他の形状もまた考えられる。図1に示す流体送給システム140は、冷却チャネル320を通って循環される冷却剤を供給する。冷却チャネル320を含む冷却プレート210は、本開示に従って設計されたシャワーヘッド300、300-1、および300-2のいずれにも使用することができる。
【0118】
図11A図11Cは、さらに詳細に金属リング304の異なる図を示す。図11Aは、金属リング304の上面図を示す。図11Bは、金属リング304の底面図を示す。図11Cは、金属リング304の側面図を示す。
【0119】
金属リング304は、金属リング304の内縁に(すなわち、IDに沿って)フランジ400を含む。フランジ400は、金属リング304の内縁(すなわち、ID)から金属リング304の中心に向かって半径方向内側に延びる。フランジ400は、図4図9Bの314に示され、図13A図13Cを参照して以下に説明されるようにセラミックフェースプレート302の底部においてフランジ(図13Bに示す要素454参照)上に張り出す。
【0120】
金属リング304は、マニホールド206が金属リング304上に配置される際にマニホールド206が載るOリング用の溝402を含む。金属リング304は、図3Aを参照して説明した孔308を含み、図3Aを参照して上に説明したように、不活性ガスを処理チャンバ内に注入し、処理チャンバ内での処理中に基板を囲むガスカーテンを形成する。
【0121】
金属リング304は、孔404を含む。マニホールド206を金属リング304に締結するために使用される締結具(図3Aに示す締結具309と同様)は、孔404を通過する。金属リング304は、シャワーヘッド300および300-1におけるマニホールド206とは独立した別々の要素として使用することができる。あるいは、金属リング304は、シャワーヘッド300-2におけるマニホールド206と一体化することができる。金属リング304は、プロセスガスからの腐食に抵抗するためにNiめっきすることが可能である。
【0122】
図12は、さらに詳細にマニホールド206の底面図を示す。マニホールド206は、Oリング溝420と、Oリングシールスプライン422とを含む。マニホールド206は、マニホールド206の中心に切欠き(またはスロット)430を含む。スロット430は、ガスをステム部分312におけるガス入口(図4参照)からセラミックフェースプレート302のガス入口(図13A図13C参照)に供給する複数の半径方向に延びるセグメント(またはチャネル)を含む。
【0123】
シャワーヘッド300、300-1、および300-2はステム部分312に単一のガス入口を含むが、セラミックフェースプレート302は、複数のガス入口(図13A図13C参照)を含む。セラミックフェースプレート302のガス入口は、円周に沿って配置される。アダプタ330(図3A以降に示す)は、スロット430内に配置され、セラミックフェースプレート302およびスロット430に隣接するマニホールド206に取り付けられ、ステム部分312におけるガス入口は、バッキングプレート204を通してマニホールド206に取り付けられる。アダプタ330は、スロット430のセグメントと嵌合し、それぞれセラミックフェースプレート302の複数のガス入口に供給を行う複数の半径方向に延びる供給ライン(またはセグメント/チャネル)を含む。アダプタ330は、ステム部分312における単一のガス入口からのガス流をセラミックフェースプレート302の複数のガス入口に分割する。
【0124】
マニホールド206は、金属リング304における孔404およびセラミックフェースプレート302における孔409とそれぞれ嵌合する孔406および408を含む。マニホールド206を金属リング206に締結するために使用される締結具309(図3Aに示す)は、孔406を通過する。マニホールド206をセラミックフェースプレート302に締結するために使用される締結具(図3Aに示す締結具309と同様)は、孔408を通過する。マニホールド206は、セラミックフェースプレート302をマニホールド206に締結する締結具(例えば、ボルト)用の孔431(図13A図13Cに示すセラミックフェースプレート302における孔433と嵌合する)を含む。
【0125】
図13A図13Cは、さらに詳細にセラミックフェースプレート302を示す。図13Aおよび図13Bは、セラミックフェースプレート302の断面を示す。図13Cは、図13Aで参照されたセラミックフェースプレート302の断面B-Bを示す。セラミックフェースプレート302は、ベース部分450と、ベース部分450よりも小さい直径を有する上側部分452とを含む。上側部分452は、ベース部分450から垂直に延び、フランジ454を形成する。金属リング304のフランジ400は、セラミックフェースプレート302のフランジ454上に張り出す。
【0126】
セラミックフェースプレート302の上側部分452は、複数の入口500-1、500-2、500-3、500-4など(総称して入口500)を含み、複数の入口500を通って、マニホールド206の底部におけるスロット430を介して受け取られたステム部分312におけるガス入口(図4以降に示す)からのガスは、セラミックフェースプレート302のベース部分450における様々なガス通路(図13Cに示す)に流入する。入口500は円形パターンにおいて等距離で配置されるが、他の配置およびパターンが代わりに使用されてもよい。ほんの一例として、6つの入口が示されているが、任意の他の数の入口が代わりに使用されてもよい。具体的には、ガスは、入口500を通ってベース部分450における様々なスポーク状構造(トレンチ)512(図13Cに示す)を介してベース部分450における孔パターン510の内側および外側セクションに流入する。
【0127】
セラミックフェースプレート302の上側部分452は、セラミックフェースプレート302をマニホールド206に締結する締結具用の、図12に示すマニホールド206における孔431と嵌合する孔433を含む。セラミックフェースプレート302の上側部分452はまた、マニホールド206における孔408と嵌合する孔409を含む。マニホールド206をセラミックフェースプレート302に締結するために使用される締結具(図3Aに示す締結具309と同様)は、孔409を通過する。セラミックフェースプレート302の上側部分452はまた、温度センサ(例えば、熱電対)用の1つまたは複数の孔433を含む。
【0128】
図13Cでは、孔パターン510は、セラミックフェースプレート302のベース部分450における同心チャネルの壁514の周りに孔を分布させることによって形成される。入口500からのガスは、孔パターン510を通って処理チャンバ(例えば、図1に示す処理チャンバ102)内に分散される。熱は、セラミックフェースプレート302のベース部分450から壁514を介してセラミックフェースプレート302の上側部分452に伝達する。
【0129】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を決して限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲はそのような例に限定されるべきではない。
【0130】
方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていないとしても)可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0131】
要素同士(例えば、モジュール同士、回路要素同士、半導体層同士など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性があるが、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0132】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。
【0133】
コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0134】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。
【0135】
プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0136】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。
【0137】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。
【0138】
したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0139】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0140】
上記のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】