(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-04
(54)【発明の名称】可溶性タグを有する分子および関連方法
(51)【国際特許分類】
A61K 47/61 20170101AFI20230927BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230927BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20230927BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230927BHJP
C07H 3/06 20060101ALI20230927BHJP
C08B 37/08 20060101ALI20230927BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230927BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230927BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230927BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230927BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230927BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
A61K47/61
A61K45/00
A61K47/68
A61P35/00
C07H3/06
C08B37/08 A
A61K39/395 L
A61K39/395 M
A61K39/395 T
A61K39/395 N
A61K39/395 Y
A61K39/395 C
A61K39/395 D
A61P29/00
A61P37/04
A61P37/06
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517799
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2021075699
(87)【国際公開番号】W WO2022058548
(87)【国際公開日】2022-03-24
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ドイチュ,カール
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】クラッシアー,ヘレーネ
(72)【発明者】
【氏名】コープス,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】フォン ハーゲン,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】リヒター-ザンダー,ウルリーケ
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C084
4C085
4C090
4H045
【Fターム(参考)】
4C057AA18
4C057BB04
4C076AA95
4C076CC04
4C076CC07
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE30
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF02
4C076FF04
4C076FF31
4C076FF68
4C084AA17
4C084MA05
4C084NA02
4C084NA10
4C084NA13
4C084ZB081
4C084ZB082
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB111
4C084ZB112
4C084ZB261
4C084ZB262
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085CC22
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE05
4C085EE07
4C085GG01
4C090AA02
4C090AA05
4C090AA09
4C090BA46
4C090BA47
4C090BB02
4C090BB03
4C090BB08
4C090BB09
4C090BB10
4C090BB11
4C090BB12
4C090BB13
4C090BB14
4C090BB17
4C090BB18
4C090BB32
4C090BB33
4C090BB34
4C090BB36
4C090BB38
4C090BB39
4C090BB40
4C090BB53
4C090BB62
4C090BB98
4C090BD35
4C090DA23
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA72
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、可溶性タグを有する分子および分子の溶解度を増加させる方法に関する。さらに、本発明は、可溶性タグタグを有する抗体-薬物コンジュゲート、そのような抗体-薬物コンジュゲートを調製するための方法および化合物、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を高める方法、そのような方法によって調製された抗体-薬物コンジュゲート、ならびに医療におけるそのような抗体-薬物コンジュゲートの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ターゲティング部分
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるもの、
(iii)該ペイロードまたは該ターゲティング部分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ、
ここで、該可溶性タグは、少なくとも3個、最大12個の単糖単位のキトオリゴ糖を含む
を含む分子。
【請求項2】
該可溶性タグが共有結合によって該少なくとも1個のペイロードおよび/または該リンカーに結合されている、請求項1に記載の分子。
【請求項3】
該キトオリゴ糖が、(GlcN)
3、(GlcN)
2-GlcNAc、(GlcNAc)
2-GlcN、GlcN-(GlcNAc)
2、(GlcNAc)
2、(GlcNAc)
3、(GlcN)
4、(GlcN)
3-GlcNAc、(GlcNAc)
2-(GlcN)
2、GlcNAc-GlcN-GlcNAc- GlcN、GlcNAc-(GlcN)
2-GlcNAc、GlcN-(GlcNAc)
2- GlcN、GlcN-GlcNAc-GlcN-GlcNAc、(GlcN)
2-(GlcNAc)
2、(GlcNAc)
3-GlcN、(GlcNAc)
2-GlcN-GlcNAc、GlcNAc-GlcN-(GlcNAc)
2、GlcN-(GlcNAc)
3、(GlcNAc)
4、(GlcN)
5、(GlcN)
3-(GlcNAc)
2、(GlcNAc)
2-(GlcN)
2-GlcNAc、GlcNAc-GlcN-GlcNAc-GlcN-GlcNAc、GlcNAc-(GlcN)
2-(GlcNAc)
2、GlcN-(GlcNAc)
2-GlcN-GlcNAc、GlcN-GlcNAc-GlcN-(GlcNAc)
2、GlcN-(GlcNAc)
4、(GlcNAc)
5、(GlcN)
6、(GlcN)
2- GlcNAc-(GlcN)
3、GlcNAc-(GlcN)
4-GlcNAc、GlcN-GlcNAc-GlcN-GlcNAc-(GlcN)
2、GlcNAc-(GlcN)
2-GlcNAc-GlcN-GlcNAc、GlcNAc-(GlcN)
3-(GlcNAc)
2、GlcN-GlcNAc-GlcN-(GlcNAc)
3、GlcNAc-(GlcN)
2-(GlcNAc)
3、(GlcNAc)
6、(GlcN)
7および(GlcNAc)
7からなる群から選択される、請求項1に記載の分子。
【請求項4】
該可溶性タグが、以下の(I)~(IV)から選択される構造式を有する化学基を含むまたはそれである、請求項1~3の何れかに記載の分子。
【化1】
【請求項5】
該標的化部分が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、オリゴヌクレオチドおよび小分子からなる群から選択される、請求項1~4の何れかに記載の分子。
【請求項6】
該標的化部分が、標的細胞の表面に存在する抗原に対する抗体またはそのような抗体の抗原結合フラグメントである、請求項1~5の何れかの分子。
【請求項7】
該標的化部分が腫瘍抗原に特異的に結合することができる、請求項1から6の何れかに記載の分子。
【請求項8】
該治療剤が、細胞毒性剤、抗炎症剤、免疫刺激剤または免疫抑制剤である、請求項1~7の何れかの分子。
【請求項9】
該リンカー/該リンカーのそれぞれが、最大1,500Daの分子量を有する、請求項1~8の何れかの分子。
【請求項10】
化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が、
(i)標的化部分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であり、そして
(iii)該ペイロードと該ターゲティング部分とを共有結合するリンカー、
を含み、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含み、該可溶性タグが少なくとも3個から最大12個の単糖単位を有するキトオリゴ糖を含む、方法。
【請求項11】
請求項1~9の何れかに記載の分子を含む医薬組成物であって、薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤をさらに含む医薬組成物。
【請求項12】
薬剤として使用するための、請求項1から9の何れかに記載の分子または請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
活性化基に結合した請求項1~4の何れかに記載の可溶性タグを含む、請求項1~9の何れかに記載の分子の調製に使用するための化合物。
【請求項14】
該分子が抗体-薬物コンジュゲートを含む、請求項1~9の何れかの分子。
【請求項15】
該分子がペプチド-薬物コンジュゲートを含む、請求項1~9の何れかの分子。
【請求項16】
(i)ターゲティング部分
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるもの、
(iii)該ペイロードまたは該ターゲティング部分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ、
を含み、該可溶性タグが少なくとも3個、最大12個の単糖単位を含むものである、分子。
【請求項17】
該可溶性タグが共有結合によって該少なくとも1個のペイロードおよび/または該リンカーに結合されている、請求項16に記載の分子。
【請求項18】
該単糖単位が、アルドース、ケトースおよび該アルドースまたはケトースの化学修飾形態からなる群から独立して選択される、請求項16または17に記載の分子。
【請求項19】
該単糖単位が、テトロース、ペントース、ヘキソースおよびテトロース、ペントースおよびヘキソースの化学修飾形態からなる群から個別に選択される、請求項16~18の何れかに記載の分子であって、
ここで、該テトロースがエリスロースおよびトレオースからなる群から個別に選択され、
該ペントースがリボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースからなる群から個別に選択され、
該ヘキソースがアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースからなる群から個別に選択される、分子。
【請求項20】
該標的化部分が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、オリゴヌクレオチドおよび小分子からなる群から選択される、請求項16~19の何れかに記載の分子。
【請求項21】
該標的化部分が、標的細胞の表面に存在する抗原に対する抗体またはそのような抗体の抗原結合フラグメントである、請求項16から20の何れかに記載の分子。
【請求項22】
該標的化部分が、腫瘍抗原に特異的に結合することができる、請求項16から21の何れかに記載の分子。
【請求項23】
該治療剤が、細胞毒性剤、抗炎症剤、免疫刺激剤または免疫抑制剤である、請求項16から22の何れかに記載の分子。
【請求項24】
該リンカー/該リンカーのそれぞれが、最大1,500Daの分子量を有する、請求項16から23の何れかに記載の分子。
【請求項25】
化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が、
(i)標的化部分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるもの、そして
(iii)該ペイロードと該ターゲティング部分とを共有結合するリンカー、
を含み、該単糖単位がテトロース、ペントース、ヘキソースおよび化学修飾された形態のテトロース、ペントースおよびヘキソースからなる群から個別に選択され、
ここで、該テトロースがエリスロースおよびトレオースからなる群から個別に選択され、
該ペントースがリボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースからなる群から個別に選択され、
該ヘキソースがアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースからなる群から個別に選択される、
該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含み、該可溶性タグが少なくとも3から12までの単糖単位を含む、方法。
【請求項26】
請求項16~24の何れかに記載の分子を含む医薬組成物であって、薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤をさらに含む医薬組成物。
【請求項27】
薬剤として使用するための、請求項16~24の何れかに記載の分子または請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
活性化基に結合した請求項16~19の何れかに記載の可溶性タグを含む、請求項16~24の何れかに記載の分子の調製に使用するための化合物。
【請求項29】
該分子が抗体-薬物コンジュゲートを含む、請求項16~24の何れかに記載の分子。
【請求項30】
該分子がペプチド-薬物コンジュゲートを含む、請求項16~24の何れかに記載の分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月17日出願の欧州特許出願EP20196705.6の優先権の利益を主張し、その全体を引用により本明細書に包含させる。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提供され、引用によりその全体として本明細書に包含させる配列表を含む。該ASCIIコピーは2021年9月16日に作成し、P20-059_WO-PCT_SL.txtなる名称であり、6,527バイトサイズである。
【0003】
発明の分野
本発明は、可溶性タグを有する分子および分子の溶解性を向上する方法に関する。さらに、本発明は、可溶性タグを備えた抗体-薬物コンジュゲート、そのような抗体-薬物コンジュゲートを調製するための方法および化合物、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を向上する方法、このような方法で調製した抗体-薬物コンジュゲートならびに医学的処置におけるそのような抗体-薬物コンジュゲートの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
高度に専門化した化学分子は、現代生活の多くの重要な適用において、例えば臨床診断において、医学的処置においてまたは研究ツールとして不可欠な要素である。しかしながら、しばしば、どの分子がこれらの適用に使用できるかの選択肢は、不十分な溶解性が、そうでなければ特定の目的に完全に適合する分子の使用を阻止するために、厳しく制限されている。故に、頻繁におよび多くの技術分野において溶解性が向上した分子または特定の分子の溶解性の向上をたらす必要性が生ずる。
【0005】
この問題の典型的例は、医学的診断および処置における抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。近年、ADCは、抗体の特異性と小分子治療剤の有効性を合わせることを可能にする新しい生物学的製剤群として出現してきている。
【0006】
構造的に、ADCは、典型的に3個の共有結合で結合された主成分:(i)抗体成分、(ii)リンカーおよび(iii)医薬(「ペイロード」)を含む、細胞ターゲティングコンジュゲートである。患者への投与により、抗体成分が、抗体成分の特異的結合を介して、ADCをその標的抗原、標的細胞または体内の所望の部位に導く。典型的に、ADCは、その後、例えば、受容体介在エンドサイトーシスにより細胞に内在化される。続いて、医薬が、例えばプロテアーゼもしくはpH依存性リンカー切断または抗体分解により、放出される。次いで、放出された医薬は、細胞内でその治療機能を果たす。
【0007】
非標的化薬物は典型的にその作用部位に全身分布および受動的拡散により到達するが、ADCは全身のいたるところに均一に分布されない。むしろ、抗体成分とその標的抗原の相互作用により、ADCはその作用部位に主に濃縮される。結果として、ADCは、薬物が標的細胞内で治療的有効レベルに到達することをなお可能としながら必要投与量が小さく、故に治療ウィンドウを改善する。ADCの形成によるターゲティングは、故に、特異性を増強し、医薬の全身毒性を低減するおよび全身薬物としてあまり適さないまたは不適切である医薬の治療使用を可能とする強力な方法である。
【0008】
ADCの臨床使用についての適性は、適切な標的抗原および抗体成分の選択、リンカー設計および安定性ならびに適切な特徴および有効性を備えた薬物ペイロードの使用などの複数因子に依存する。
【0009】
さらに重要な因子は、ADCの全体的溶解性である。カンプトテシンおよびデュオカルマイシンなどの一般的薬物ペイロードはしばしば疎水性であり、ADC分子の溶解性を顕著に減少させる。それゆえに、新たに開発されたADCはしばしば溶解性問題を有し、凝集および粒子形成する傾向にある。これは、今度は、低薬物対抗体比(DAR)のADCのみが合成され得て、大型のまたはさらに疎水性ペイロードについては、ADCの合成は全く不可能であることを意味する。合成が可能である場合であっても、溶解性減少および凝集傾向はなおADCの分析的特性評価を複雑にし、高い再現性での効率的製造を妨げ、そして長期安定性を減少させる。臨床応用に際して、ADCの低溶解性はしばしば患者安全性の理由で許容され得ない有効性低減、顕著な副作用および小治療ウィンドウをもたらす。
【0010】
これらの問題の観点から、溶解性の欠如は、費用を挙げ、しばしばプロジェクト終結に至る新規ADC開発における顕著なリスクである。
【0011】
ADCの溶解性は、ある程度、より親水性のリンカーまたはペイロードの選択により改善され得る。しかしながら、このような妥協点はADC設計の選択肢を制限し、ADC最適化に必要である薬物対抗体比の調節および微調整を許容しない。故に、このアプローチは、しばしば治療特徴が劣るADCとなる。
【0012】
あるいは、リンカーへの種々の長さのPEG鎖の取り込みは、ADCランドスケープにおける溶解性問題に対処する一般的スキームである。(例えばSimmons et al., Toxicology and Applied Pharmacology(2020), vol. 392, p. 114932; Tiberghien, Organic Process Research & Development(2018), vol. 22(9), p. 1241-1256)。しかしながら、PEG鎖を有するADCの投与は、しばしば抗PEG抗体の発生をもたらす。これは溶解性に対するPEG鎖のプラスの効果を妨げ、しばしばADCに対する免疫応答をもたらす(Thi et al., Polymers(2020), vol. 12(2), p. 298; Hong, Journal of Pharmacological and Toxicological Methods(2020), vol. 102, p. 106678)。
【0013】
従って、ADCの溶解性を向上させる改善された方法が当分野で必要とされる。さらに、ADCの凝集を低減/阻止する改善された方法が当分野で必要とされる。さらに、ADCの薬物対抗体比(DAR)を上げる改善された方法が当分野で必要とされる。さらに、改善されたADC、特に血清半減期がより長く、薬物動態が改善され、有効性がより高く、副作用がより低く、毒性が低減され、免疫原性が低減され、治療ウィンドウが大きいおよび/または患者安全性が改善された改善されたADCが当分野で必要とされる。さらに、ADCの臨床的特徴(例えば、薬物動態、有効性、副作用、治療ウィンドウ、患者安全性)の最適化を達成する改善された方法が当分野で必要とされる。さらに、他の方法ではADCを産生するには疎水性すぎるペイロードからADCを形成することを可能とするアプローチが当分野で必要とされる。さらに、他の方法では溶解性および/または凝集問題により製造できない複数の疎水性ペイロードを備えたADCを形成することを可能とするアプローチが当分野で必要とされる。さらに、種々のADCに広範に使用できる「標準化された」アプローチにより上記必要性に取り組む方法が当分野で必要とされる。さらに、特定のペイロードの種々のADCおよび疎水性に柔軟に適用でき、薬物対抗体比の調節および微調整を可能とするモジュールアプローチにより上記必要性に取り組む方法が当分野で必要とされる。さらに、速い合成アクセスを可能とするアプローチにより上記必要性に取り組む方法が当分野で必要とされる。
【0014】
上に略述したのに類似する必要性が、他のタイプの分子でも存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記課題を解決し、上記必要性に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の概要
本発明は、「発明の背景」のセクションに上記した必要性に、下記の種々の態様および実施態様により取り組む。
【0017】
本発明は、一部、本明細書に記載するオリゴ糖ベースの可溶性タグの抗体-薬物コンジュゲートなどの分子への共有結合が、分子に種々の有利な効果をもたらすとの驚くべき観察に基づく。例えば、ADCで示されるとおり、有利な効果は、溶解性向上、凝集低減、溶解性問題により他の方法では得ることができない分子の利用可能性、高薬物対抗体比のアクセス可能性および臨床的特徴改善を含み得る(しかし、これらに限定されない)。さらに、このアプローチは特定の構造に限定されず、むしろ広範に使用でき、例えば特定のADCへの柔軟な適応を可能とする、モジュールアプローチとして利用できることが判明した。
【0018】
ある態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の可溶性タグを含む分子に関する。
【0019】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および少なくとも1個の可溶性タグを含む分子に関する。
【0020】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分、1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび少なくとも1個の可溶性タグを含む分子に関する。
【0021】
ある実施態様において、該少なくとも1個の機能的部分は治療剤または検出可能な標識であるペイロードである。ある実施態様において、該可溶性タグは少なくとも3個から最大12個の単糖単位を含む。
【0022】
ある実施態様において、該1以上の可溶性タグは該少なくとも1個のペイロードおよび/または該リンカーに共有結合により結合する。
【0023】
ある実施態様において、該単糖単位は、アルドース、ケトースおよび該アルドースまたはケトースの化学修飾形態からなる群から独立して選択される。ある実施態様において、該単糖単位は、テトロース、ペントース、ヘキソースならびにテトロース、ペントースおよびヘキソースの化学修飾形態からなる群から独立して選択され、ここで、該テトロースはエリトロースおよびトレオースからなる群から独立して選択され、該ペントースはリボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースからなる群から独立して選択され、該ヘキソースはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースからなる群から独立して選択される。
【0024】
ある実施態様において、可溶性タグはキトオリゴ糖を含むまたはそれからなる。ある実施態様において、該キトオリゴ糖は、下表1から選択される3~7個の単糖単位を有するキトオリゴ糖である。
【0025】
ある実施態様において、該可溶性タグは、下に定義する構造式(I)~(IV)からなる群から選択される構造式を有する化学基を含むかまたは化学基である。
【0026】
ある実施態様において、該ターゲティング部分はタンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、オリゴヌクレオチドおよび小分子からなる群から選択される。
【0027】
ある実施態様において、該抗体は標的細胞表面に存在する抗原に対する抗体またはそのような抗体の抗原結合フラグメントである。
【0028】
ある実施態様において、該ターゲティング部分は腫瘍抗原に特異的に結合する。
【0029】
ある実施態様において、該治療剤は細胞毒性剤、抗炎症剤、免疫刺激剤または免疫抑制剤である。
【0030】
ある実施態様において、該リンカー/該リンカーの各々は最大1,500Daの分子量を有する。
【0031】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の可溶性タグからなる分子に関する。
【0032】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および少なくとも1個の可溶性タグからなる分子に関する。
【0033】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分、1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび少なくとも1個の可溶性タグからなる分子に関する。
【0034】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分を含む分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0035】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分を含む分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0036】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0037】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分からなる分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0038】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分からなる分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0039】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0040】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分を含む化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0041】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分を含む化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0042】
他の態様において、本発明は、化学化合物の溶解性を増加する方法であって、該化学化合物はターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含み、ここで、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0043】
ある実施態様において、該少なくとも1個の機能的部分は治療剤または検出可能な標識であるペイロードである。ある実施態様において、該可溶性タグは少なくとも3個から最大12個の単糖単位を含む。
【0044】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分からなる化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0045】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分からなる化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0046】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0047】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分を含む分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用に関する。
【0048】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分を含む分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用に関する。
【0049】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用に関する。
【0050】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分からなる分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用に関する。
【0051】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分からなる分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用に関する。
【0052】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用に関する。
【0053】
ある態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロード、(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグを含む抗体-薬物コンジュゲートに関する。
【0054】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロード、(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬物コンジュゲートに関する。
【0055】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0056】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0057】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を向上する方法であって、該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合された形態の該抗体-薬物コンジュゲートの調製を含む、方法に関する。
【0058】
他の態様において、本発明は、抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を向上する方法であって、該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合された形態の該抗体-薬物コンジュゲートの調製を含む、方法に関する。
【0059】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含み、ここで、該分子が抗体-薬物コンジュゲートである、方法に関する。
【0060】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含み、ここで、該分子が抗体-薬物コンジュゲートである、方法に関する。
【0061】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む分子の溶解性を向上する方法であって、該分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合された形式の該分子の調製を含み、故に(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロード、(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグを含む抗体-薬物コンジュゲートをもたらす、方法に関する。
【0062】
他の態様において、本発明は、(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる分子の溶解性を向上する方法であって、ここで、該分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合された形式の該分子の調製を含み、故に(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロード、(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬物コンジュゲートをもたらす、方法に関する。
【0063】
他の態様において、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性の増強のための可溶性タグの使用に関する。ある実施態様において、該使用は、該可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合で結合する工程を含む。
【0064】
該使用のある実施態様において、該抗体-薬物コンジュゲートは(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む。
【0065】
該使用のある実施態様において、該抗体-薬物コンジュゲートは(i)抗体成分、(ii)治療剤または検出可能な標識である少なくとも1個のペイロードおよび(iii)該1以上のペイロードと該抗体成分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる。
【0066】
他の態様において、本発明は、本明細書に定義する抗体-薬物コンジュゲートを製造する方法であって、(a)本明細書に定義する抗体成分、本明細書に定義するペイロードおよび本明細書に定義するリンカーを含む分子と(b)本明細書に定義する可溶性タグの間の共有結合の形成をもたらす反応を実施するまたは(a)本明細書に定義する抗体成分と(b)本明細書に定義するペイロード、本明細書に定義するリンカーおよび本明細書に定義する可溶性タグを含む分子の間の共有結合の形成をもたらす反応を実施するまたは(a)本明細書に定義する抗体成分、本明細書に定義するリンカーおよび本明細書に定義する可溶性タグを含む分子と(b)本明細書に定義するペイロードの間の共有結合の形成をもたらす反応を実施するまたは(a)本明細書に定義する抗体成分および本明細書に定義するリンカーを含む分子と(b)本明細書に定義する可溶性タグおよび本明細書に定義するペイロードを含む分子の間の共有結合の形成をもたらす反応を実施する工程を含み、共有結合で結合した可溶性タグを有する抗体-薬物コンジュゲートを産生する、方法に関する。
【0067】
他の態様において、本発明は、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの調製に使用するための化合物であって、アクティベーター基に結合した本明細書に定義する可溶性タグを含む化合物に関する。
【0068】
他の態様において、本発明は、本発明の方法により調製されている抗体-薬物コンジュゲートに関する。
【0069】
他の態様において、本発明は、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の方法により調製された抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬組成物に関する。
【0070】
ある実施態様において、該医薬組成物は薬学的に許容される担体、希釈剤および/または添加物を含む。
【0071】
他の態様において、本発明は、医薬として使用するためのまたは下に定義する疾患の処置の処置に使用するための本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の医薬組成物に関する。
【0072】
他の態様において、本発明は、処置を必要とする患者における疾患を処置する方法であって、該患者に治療有効量の本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の医薬組成物を投与する過程を含む、方法に関する。
【0073】
他の態様において、本発明は、医薬の製造、好ましくは下に定義する疾患または障害の処置のための医薬の製造のための、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたはof 本発明の医薬組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
以下では、図を参照する。下の図の記載で参照する全ての方法を、実施例で詳述するとおり実施した。
【0075】
【
図1】実施例8で得た皮下SK-OV-3腫瘍担持BALB/cヌードマウスの平均体重曲線を示す。各点は群あたり記録された体重の平均を表す。動物をD31に無作為化し、処置した。D97は試験最終日であった。値は、各郡の動物の少なくとも80%がなお存在した全時点について示す。「Q1Dx1」は、処置が1回の単回投与で行われたことを示す(それはD31に投与された)。
図1Aは、群1(対照)および群2、3および4の平均体重曲線を示す。
図1Bは、群1(対照)および群5、6および7の平均体重曲線を示す。
図1Cは、群1(対照)および群8、9および10の平均体重曲線を示す。
【0076】
【
図2】実施例8で得た皮下SK-OV-3腫瘍担持BALB/cヌードマウスの中央体重曲線を示す。各点は、群あたり記録された体重の中央を示す。値は、各郡の動物の少なくとも80%がなお存在した全時点について示す。
図2Aは、群1(対照)および群2、3および4の中央体重曲線を示す。
図2Bは、群1(対照)および群5、6および7の中央体重曲線を示す。
図2Cは、群1(対照)および群8、9および10の中央体重曲線を示す。
【0077】
【
図3】実施例8で得た皮下SK-OV-3腫瘍担持BALB/cヌードマウスの平均腫瘍体積曲線を示す。各点は、群あたり記録された腫瘍体積の平均を示す。値は、各郡の動物の少なくとも80%がなお存在した全時点について示す。
図3Aは、群1(対照)および群2、3および4の平均腫瘍体積曲線を示す。
図3Bは、群1(対照)および群5、6および7の平均腫瘍体積曲線を示す。
図3Cは、群1(対照)および群8、9および10の平均腫瘍体積曲線を示す。
【0078】
【
図4】実施例8で得た皮下SK-OV-3腫瘍担持BALB/cヌードマウスの中央腫瘍体積曲線を示す。値は、各郡の動物の少なくとも80%がなお存在した全時点について示す。
図4Aは、群1(対照)および群2、3および4の中央腫瘍体積曲線を示す。
図4Bは、群1(対照)および群5、6および7の中央腫瘍体積曲線を示す。
図4Cは、群1(対照)および群8、9および10の中央腫瘍体積曲線を示す。
【0079】
【
図5】実施例8におけるD59の皮下SK-OV-3腫瘍担持BALB/cヌードマウスの腫瘍体積の概要を示す。
【0080】
【
図6】実施例8における処置した皮下SK-OV-3腫瘍担持BALB/cヌードマウスの腫瘍増殖阻害(T/C%)を示す。群1は対照として使用した。D83以降は、対照群で残存マウスが4匹未満であったため、さらなる計算は不可能であった。
図6Aは、群1(対照)および群2、3および4の腫瘍増殖阻害(T/C%)を示す。
図6Bは、群1(対照)および群5、6および7)の腫瘍増殖阻害(T/C%)を示す。
図6Cは、群1(対照)および群8、9および10の腫瘍増殖阻害(T/C%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
ある実施態様の詳細な記載
本発明を上におよび下に詳細に記載するが、本発明は本明細書に記載される特定の方法、プロトコールおよび試薬に、それらが変わり得るため、限定されないことは理解されるべきである。ここで使用する用語は単に特定の実施態様を記載する目的であり、添付する特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定する意図はないことも理解されるべきである。他に定義しない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、当業者に共通して理解されるのと同じ意味を有する。
【0082】
以下で、本発明のある要素は、特定の実施態様の記載を含み、より詳細に記載される。しかしながら、種々に記載される実施例および好ましい実施態様は、本発明を明示的に記載する実施態様にのみ限定すると解釈してはならない。この記載は、明示的に記載する実施態様と、開示されるおよび/または好ましい要素をあらゆる数およびあらゆる方法で組み合わせる実施態様を支持かつ包含すると解釈されるべきである。さらに、本明細書における全ての記載された要素のあらゆる並べ替えおよび組み合わせは、論理的矛盾に至るときまたは文脈から他のことが示される場合を除き、本明細書の記載により開示されると解釈されるべきである。
【0083】
ここで他に定義しない限り、本発明と関連して使用される科学的および技術的用語は、当業者により一般に理解される意味を有する。一般に、本明細書で言及される命名法および技術、例えば、有機化学、化学合成、生物学、医薬品および製薬化学、医学、薬理学または毒性学の命名法および技術は、当分野で周知であり、一般に使用される。本発明の方法および技術は、特に断らない限り一般に当分野で周知の慣用法によりおよび引用する引用文献に記載され、本明細書をとおして記載されるとおりに実施される。
【0084】
ある態様により、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の可溶性タグを含む分子に関する。
【0085】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および少なくとも1個の可溶性タグを含む分子に関する。
【0086】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分、1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび少なくとも1個の可溶性タグを含む分子に関する。
【0087】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の可溶性タグからなる分子に関する。
【0088】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および少なくとも1個の可溶性タグからなる分子に関する。
【0089】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分、1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーおよび少なくとも1個の可溶性タグからなる分子に関する。
【0090】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分を含む分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0091】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分を含む分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0092】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーを含む分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0093】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分からなる分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0094】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分および少なくとも1個の機能的部分からなる分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0095】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上の該機能的部分と該ターゲティング部分を共有結合で結合する1以上のリンカーからなる分子の溶解性を向上する方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合で結合することを含む、方法に関する。
【0096】
他の態様において、本発明は、ターゲティング部分を含む化学化合物の溶解性を向上する方法であって、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合で結合した分子の製造を含む、方法に関する。
【0097】
当業者が理解するとおり、この「該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子」は、「抗体-薬物コンジュゲート」の項で記載される最初の6個の態様で言及される分子であり、これらの態様の何れかに関して本出願で開示される他の特徴の全ての特徴によって特徴付けることができる。
【0098】
別の態様では、本発明は、標的化部分および少なくとも1個の機能的部分を含む化合物の溶解度を増加させる方法であって、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む方法に関する。
【0099】
別の態様では、本発明は、化合物の溶解度を増加させる方法に関し、該化合物は、標的化部分、少なくとも1個の機能的部分および該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカーを含み、該方法は、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む。
【0100】
別の態様では、本発明は、標的化部分からなる化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が少なくとも1個の標的部分からなり、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子を調製することを含む、方法に関する。
【0101】
別の態様では、本発明は、化合物の溶解度を増加させる方法であって、該化合物が標的化部分および少なくとも1個の機能的部分からなり、該方法が、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合する。
【0102】
別の態様では、本発明は、化合物の溶解度を増加させる方法に関し、該化合物は、標的化部分、少なくとも1個の機能的部分および1以上のリンカーからなり、該機能的部分が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法に関する。
【0103】
上述の方法の何れかのある実施態様では、該化合物の全ての成分が共有結合する。
【0104】
別の態様では、本発明は、標的化部分を含む分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用に関する。
【0105】
別の態様では、本発明は、分子の溶解度を高めるための可溶性タグの使用に関し、該分子は標的化部分および少なくとも1個の機能的部分を含む。
【0106】
別の態様では、本発明は、分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用に関し、該分子は、標的部分、少なくとも1個の機能部分および該機能部分およびターゲティング部分と該機能部分を共有結合するリンカーを含む。
【0107】
別の態様では、本発明は、標的化部分からなる分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用に関する。
【0108】
別の態様では、本発明は、標的部分および少なくとも1個の機能部分からなる分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用に関する。
【0109】
別の態様では、本発明は、分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用に関し、該分子は、標的化部分、少なくとも1個の機能的部分および該機能的部分およびターゲティング部分を共有結合する1以上のリンカーからなる。
【0110】
ある実施態様では、使用は、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させる工程を含む。
【0111】
以下の実施態様は、上で定義された分子、方法または使用の何れかに関する。
【0112】
ある実施態様では、該分子の全ての構成要素は共有結合する。
【0113】
ある実施態様では、該標的化部分は、標的分子またはそのフラグメントに特異的に結合する分子基である。ある実施態様では、該標的分子は生体分子である。ある実施態様では、該標的分子は細胞表面の受容体である。ある実施態様では、該標的分子は、標的細胞の表面に存在する抗原である。
【0114】
ある実施態様では、該標的化部分は、標的細胞の表面に存在する抗原に特異的に結合することができる。ある実施態様では、該標的化部分は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドまたは小分子を含む。ある実施態様では、該標的化部分は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドおよび小分子からなる群から選択される。
【0115】
ある実施態様では、該標的化部分はタンパク質を含む。ある実施態様では、該標的化部分はタンパク質である。ある実施態様では、該標的化部分は、細胞表面の受容体に特異的に結合するタンパク質リガンドであるタンパク質を含むかまたはタンパク質である。ある実施態様では、該標的化部分は、抗体またはその抗原結合フラグメントであるタンパク質を含むかまたはそれである。ある実施態様では、該標的化部分は、抗体成分であるタンパク質を含むかまたはそれである。ある実施態様では、該標的化部分は、少なくとも30個のアミノ酸を含むタンパク質を含むかまたはそれを含む。ある実施態様では、該標的化部分は、2~30個のアミノ酸からなるペプチドを含むかまたはそれからなるペプチドである。
【0116】
ある実施態様では、該標的化部分はペプチドを含む。ある実施態様では、該標的化部分はペプチドである。
【0117】
ある実施態様では、該標的化部分はペプチド模倣物を含む。ある実施態様では、該標的化部分はペプチド模倣物である。
【0118】
ある実施態様では、該標的化部分は核酸を含む。ある実施態様では、該標的化部分は核酸である。ある実施態様では、該標的化部分は、DNAまたはRNAである核酸を含むかまたはそれである。
【0119】
ある実施態様では、該標的化部分はオリゴヌクレオチドを含む。ある実施態様では、該標的化部分はオリゴヌクレオチドである。
【0120】
ある実施態様では、該標的化部分は、分子量<1000Daの小分子を含むかまたはそれである。ある実施態様では、該標的化部分は小分子を含む。ある実施態様では、該標的化部分は小分子である。
【0121】
ある実施態様では、該標的化部分は糖ではない。ある実施態様では、該標的化部分は糖を含まない。
【0122】
ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも100Daの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも500Daの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも1000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも2000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも10kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも50kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は少なくとも100kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大1000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大2000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大10kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大50kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大200kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大1MDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大5MDaの分子量を有する。ある実施態様では、該標的化部分は、最大10MDaの分子量を有する。
【0123】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、人体内で生物学的、化学的、治療的および/または診断的機能を果たすことができる化学物質である。
【0124】
当業者が理解するとおり、「化学実体」という用語は、任意の種類の化学基または任意の物質クラスの分子を含み、人体の生物学的、化学的、治療的および/または診断的機能を(本発明による分子の文脈において)満たすことができなければならないという列挙された要件によってのみ限定される。
【0125】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、治療剤または検出可能な標識である。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は治療剤である。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、検出可能な標識である。
【0126】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、治療剤または検出可能な標識であるペイロードである。ある実施態様では、該ペイロードは治療剤である。ある実施態様では、該ペイロードは検出可能な標識である。
【0127】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドまたは小分子を含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドまたは小分子である。
【0128】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はタンパク質を含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はタンパク質である。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、少なくとも30個のアミノ酸を含むタンパク質を含むかまたはそれを含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、2~30個のアミノ酸からなるペプチドを含むかまたはそれからなるペプチドである。
【0129】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はペプチドを含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はペプチドである。
【0130】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はペプチド模倣物を含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はペプチド模倣物である。
【0131】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は核酸を含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は核酸である。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、DNAまたはRNAである核酸を含むかまたはそれである。
【0132】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はオリゴヌクレオチドを含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分はオリゴヌクレオチドである。
【0133】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は小分子を含む。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は小分子である。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は小分子である。
【0134】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、分子量<1000Daの小分子を含むかまたはそれである。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は小分子を含む。
【0135】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は糖ではない。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は糖を含まない。
【0136】
ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、少なくとも100Daの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、少なくとも500Daの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、少なくとも1000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、少なくとも2000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、少なくとも10kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、少なくとも50kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、少なくとも100kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、最大1000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、最大2000Daの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、最大10kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、最大50kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能的部分は、最大200kDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、最大1MDaの分子量を有する。ある実施態様では、該少なくとも1個の機能部分は、最大5MDaの分子量を有する。
【0137】
ある実施態様では、該分子と同一の構造を有するが、該可溶性タグを欠く比較分子は、5~9の等電点(pI)を有する。
【0138】
ある実施態様では、該分子と同一の構造を有するが、該可溶性タグを欠く比較分子は、溶解度(PBS1ml当たりの化合物のgで示される;溶解度はPBS(リン酸緩衝液)中で25℃で測定される)を有する。生理食塩水:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM Na2HPO4、1.8mM KH2PO4、pH7.4))、生理食塩水中の溶解度に対して±50%、好ましくは±30%の範囲内にある。抗体トラスツズマブと、そのFc領域に共有結合した2コピーのオーリスタチンからなる化合物の条件。
【0139】
ある実施態様では、分子当たりの機能性部分の数は、1から15の範囲内である。ある実施態様では、分子当たりの機能性部分の数は、1から10の範囲内である。1分子あたりの機能部分の数は1~8の範囲である。ある実施態様では、1分子あたりの機能部分の数は1~4の範囲である。
【0140】
ある実施態様では、分子は1個を含むが、1個を超えない機能部分を含む。ある実施態様では、分子当たりの機能性部分の数は、2~8の範囲内である。ある実施態様では、分子当たりの機能性部分の数は、4~8の範囲内である。
【0141】
ある実施態様において、1分子あたりのターゲティング部分の数は、1から15の範囲である。ある実施態様において、1分子あたりのターゲティング部分の数は、1から10の範囲である。ある実施態様において、ターゲティング部分の数は、1分子当たりの標的化部分の数は、1から8の範囲である。ある実施態様では、1分子当たりの標的化部分の数は、1から4の範囲である。
【0142】
ある実施態様では、分子は1個を含むが、1個を超えない標的化部分を含む。ある実施態様では、分子当たりの標的化部分の数は、2~8の範囲内である。ある実施態様では、分子当たりの標的化部分の数は、4~8の範囲内である。
【0143】
ある実施態様では、該分子は、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(ここで、該少なくとも1個のペイロードは治療剤または検出可能な標識である)、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを結合する共有結合したリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグを含む抗体-薬物コンジュゲートである。
【0144】
ある実施態様では、該分子は、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(ここで、該少なくとも1個のペイロードは治療剤または検出可能な標識である)、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬物コンジュゲートである。
【0145】
抗体-薬物コンジュゲート
【0146】
別の態様では、本発明は、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(ここで、該少なくとも1個のペイロードは治療剤または検出可能な標識である)、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬物コンジュゲートに関する。
【0147】
本明細書で使用される「抗体-薬物コンジュゲート」(「ADC」と略される)は、リンカーを介してペイロード(「薬物」)に結合される抗体(ADCの「抗体成分」、以下参照)を含む分子である。本発明のADCにおいて、ペイロードは治療剤または検出可能な標識である。抗体-薬物コンジュゲートのさまざまな成分は共有結合される。
【0148】
ADCの抗体成分は、その抗原に結合することにより、ADCをその標的部位に導くことができるターゲティング成分として機能する。例えば、抗体成分の抗原が腫瘍抗原である場合、ADCは、例えば、細胞表面でこの腫瘍抗原を発現する腫瘍細胞に向けられる。ADCが標的部位に動員されると、ペイロードは治療作用(例えば、癌細胞の死滅、炎症の局所的軽減、免疫系の局所的刺激または抑制)を媒介することができ、あるいはペイロードが検出可能な標識である場合には、ペイロードは治療作用を媒介することができる。標的部位は、検出可能な標識の検出によって同定され得る。
【0149】
非標的薬物は通常、全身への分布と受動的拡散によって作用部位に到達する。対照的に、ADCは全身に均一に分布していない標的化合物である。抗体成分とその標的抗原との相互作用により、ADCはその部位の標的部位に優先的に集中する。したがって、ペイロードとして治療剤を備えたADCは、治療効果を発揮するために必要な用量が少なくなり、治療範囲が向上する。
【0150】
多くの場合、ADCは標的細胞に結合すると、例えば受容体媒介エンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれる。リンカーが切断可能なリンカーである場合、リンカーは細胞分解後に(例えば、酵素的または化学的切断によって)切断され得る。あるいは、抗体は細胞内で分解される可能性がある。何れの場合も、ペイロードは細胞内部に放出される。ペイロードが医薬品の場合、細胞内で治療機能を果たすことができる。ペイロードが検出可能なラベルである場合、細胞内で検出される可能性がある。
【0151】
抗体-薬物コンジュゲート、その構造、調製および使用は、例えばAntibody-Drug Conjugates: Fundamentals, Drug Development, and Clinical Outcomes to Target Cancer, 1st edition (2016), editors Olivier and Hurvitz, publisher John Wiley & Sons, Inc. (U.S.); Toader, Topics in Medicinal Chemistry (2018), vol. 28 (Cancer II), p. 289-332; Chau, Lancet (2019), vol. 394 (10200), p. 793-804; Nimoy, Pharmaceuticals (2018), vol. 11 (2), p. 32/1-32/22; Gorka et al., Accounts of Chemical Research (2018), vol. 51(12), p. 3226-3235; Tiberghien et al., Journal of Organic Chemistry (2019), vol. 84(8), p. 4830-4836; Rohrer, in: Process Scale Purification of Antibodies, 2nd edition (2017), editor: Gottschalk, John Wiley & Sons, Inc., p. 595-614; Vaklavas and Forero, Methods in Molecular Biology (2012), vol. 899, p. 489-497に詳細に記載されている。
【0152】
当業者には理解されるとおり、実際には、ADCは、その特性に関してわずかに異なる分子の集団であることが多い。例えば、ADC分子の集団には、ほとんどの場合、ADC分子あたり4個のペイロードを持つADC分子が含まれる可能性があるが、ADC分子あたり3個のペイロードを持つごく一部のADC分子と、ADC分子あたり5個のペイロードを持つADC分子のごく一部が含まれる場合もある。特性に関してADC母集団にわずかなばらつきがある場合、以下に示す数値は通常、母集団全体の丸められた平均数値に関連する。
【0153】
本発明の目的のためには、対象となる集団内のADC間の均一性が高いことが通常望ましい。より高い均一性は、通常、追加の精製/分離工程、例えば、HIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)およびHPLC/逆相 HPLCによって達成できる。ADC集団の均質性は、例えばHIC、HPLC/逆相HPLC、SDS-PAGE分析およびMS(質量分析)分析によって決定することができる。抗体の重鎖と軽鎖を区別する分析では、還元条件下でのSECまたはSDS-PAGEとその後のMS分析を実行できる。
【0154】
抗体成分
【0155】
本明細書で使用する「抗体成分」という用語は、抗体-薬物コンジュゲートの一部として使用されるまたは使用することができる免疫グロブリン分子を指す。「抗体成分」という用語は、インタクトの抗体およびインタクトの抗体の抗原結合フラグメント(すなわち、対応するインタクトの抗体が結合するのと同じ抗原にまだ結合できるインタクトの抗体のフラグメント)を包含し得る。ある実施態様では、この用語は、インタクトの抗体またはインタクトの抗体の抗原結合フラグメントが、1個以上のさらなるインタクトの抗体および/または1個以上のさらなる抗体の抗原結合フラグメントおよび/または別の抗体と共有結合している分子も含む。分子構造。したがって、抗体成分は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1個の抗原結合部位を介して標的(抗原、下記参照)を認識し、特異的に結合する免疫グロブリン分子である。
【0156】
本明細書で使用される「インタクトの」抗体とは、それぞれの抗体クラスの抗体の完全な全長配列を含む抗体を指す。したがって、インタクトの抗体には、抗体クラスに応じて、抗原結合領域(すなわち、完全なVLおよびVHドメイン)、ならびに完全な軽鎖および重鎖定常ドメインが含まれ、抗体ドメインは結合したままである。少なくとも1個の非共有結合性相互作用。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列変異体であり得る。
【0157】
本明細書で使用される抗体の「フラグメント」は、インタクトの抗体の一部である。(インタクトの)抗体の「抗原結合フラグメント」は、インタクトの抗体と同じ抗原に結合する該抗体の一部である。通常、これは、フラグメントがインタクトの抗体と同じ抗原結合領域を含むことを意味する。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab'、F(ab’)2およびFvフラグメント、ならびに単鎖Fv(scFv)抗体が含まれるが、これらに限定されない。ある実施態様では、抗体の「フラグメント」という用語は、前述の抗体フラグメントの2個以上を一緒に結合することによって生成される二価または多価の抗体構築物も包含する。
【0158】
本明細書において使用される「抗原」とは、抗体の可変領域に特異的に結合することができる物質を指す。抗原は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質またはそれらの組み合わせであり得る。
【0159】
抗体の「可変領域」は、単独または組み合わせた、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を指す。重鎖および軽鎖の可変領域はそれぞれ、超可変領域としても知られる3個の相補性決定領域(CDR)によって接続された4個のフレームワーク領域(FR)で構成されている。各鎖のCDRはFRによって近接して一緒に保持され、他の鎖のCDRとともに抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。CDRを決定するには少なくとも2個の技術がある:(1)種間の配列変動に基づくアプローチ(Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed. (1991), editors Kabat et al., National Institutes of Health (Bethesda, USA)); (2)抗原抗体コンジュゲートの結晶学的研究に基づくアプローチ(Al-Lazikani et al., J. Molec. Biol. (1997), vol. 273, p. 927-948))。さらに、これら2個のアプローチの組み合わせは、CDRを決定するために当技術分野で時々使用される。
【0160】
「エピトープ」または「抗原決定基」という用語は、本明細書では互換的に使用され、特定の抗体によって認識され特異的に結合される抗原の部分を指す。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは、タンパク質の三次フォールディングによって並置された連続アミノ酸と非連続アミノ酸の両方から形成される。連続したアミノ酸から形成されたエピトープは通常、タンパク質変性時に保持されるが、三次フォールディングによって形成されたエピトープは通常、タンパク質変性時に失われる。エピトープは、典型的には少なくとも3個、より一般的には少なくとも5個または8~10個のアミノ酸を独特の空間構造で含んでいる。
【0161】
本発明による各ADC分子は、1個の抗体成分を含む(しかし、複数のペイロードおよび複数のリンカーを含み得る)。
【0162】
抗体の種類および供給源に関して、抗体成分は、それが少なくとも1個の抗原結合部位を含み、その標的抗原への結合を示す限り、特に限定されない。抗体の設計および調製の標準的な技術は当業者に知られている(例えば、Antibodies: A Laboratory Manual, 2nd edition (2014), editor Greenfield, Cold Spring Harbor Laboratory Press (U.S.); Antibody Engineering - Methods and Protocols, 2nd edition (2010), editors Nevoltris and Chames, publisher Springer (Germany); Handbook of Therapeutic Antibodies (2014), editors Duebel and Reichert, publisher Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA (Germany); Harper, Methods in Molecular Biology (2013), vol. 1045, p. 41-49参照)。
【0163】
以下の実施態様は、上で定義された分子、抗体-薬物コンジュゲート、方法または使用の何れかに関する。
【0164】
ある実施態様では、該抗体成分は、インタクトの抗体またはその抗原結合フラグメントである。ある実施態様では、該抗体成分はインタクトの抗体である。ある実施態様では、該抗体成分は、インタクトの抗体の抗原結合フラグメントである。
【0165】
ある実施態様では、抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。好ましくは、抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)はモノクローナル抗体である。
【0166】
本明細書で使用される「モノクローナル」抗体とは、ほぼ均一な抗体集団から生じる抗体を意味する。より具体的には、集団の個々の抗体は、最小限の割合で見出され得るいくつかの考えられる天然に存在する突然変異を除いて同一である。言い換えれば、モノクローナル抗体は単一細胞クローンの増殖から生じる均一な抗体で構成され、一般に1個だけのクラスとサブクラスの重鎖と、1個だけのタイプの軽鎖によって特徴付けられる。さらに、通常、さまざまなエピトープに対するさまざまな抗体を含むポリクローナル抗体の調製とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原の単一のエピトープに対するものである。モノクローナル抗体は、通常、Bリンパ球(「B細胞」)の単一クローンによって産生される。モノクローナル抗体は、標準的なハイブリドーマ技術を含む、当業者に知られている様々な技術を使用して(例えば、Koehler and Milstein, Eur. J. Immunol. (1976), vol. 5, p. 511-519; Antibodies: A Laboratory Manual, 2nd edition (2014), editor Greenfield, Cold Spring Harbor Laboratory Press (USA); Immunobiology, 5th ed. (2001), editors Janeway et al., Garland Publishing (USA)および例えば、均一な抗体をコードするDNA分子でトランスフェクトされた真核宿主細胞からのまたは均一な抗体をコードするDNA分子でトランスフェクトされた原核宿主細胞からの発現により得られ得る。
【0167】
本明細書で使用される「ポリクローナル」抗体は、通常、当業者に公知の標準技術により免疫化動物の血清から精製することによって得られる、不均一な抗体集団を指す(例えば、Antibodies: A Laboratory Manual, 2nd edition (2014), editor Greenfield, Cold Spring Harbor Laboratory Press (USA)参照)。
【0168】
ある実施態様では、抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、単一特異性抗体または二重特異性抗体である。
【0169】
本明細書で使用される「単一特異性抗体」は、1個の抗原のみに結合できる抗体である。
【0170】
本発明で使用される「二重特異性抗体」という用語は、同時に2個の異なるエピトープに特異的に結合することができる抗体を指す。エピトープは、同じ抗原に由来することも、2個の異なる抗原に由来することもある。好ましくは、エピトープは2個の異なる抗原に由来する。典型的に、二重特異性抗体は2個の抗原結合部位を有し、例えば、2対の重鎖および軽鎖(HC/LC)のそれぞれが、異なる抗原に特異的に結合する。すなわち、最初の重鎖および最初の軽鎖は、第1の抗原に特異的に結合し、第2の重鎖および第2の軽鎖は第2の抗原に特異的に結合する。二重特異性抗体を作製する方法は当技術分野で知られている。例えば、二重特異性抗体は、2個の免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の共発現を用いて組換え的に産生することができる(例えば、Milstein et al., Nature(1983), vol. 305, p. 537-539参照)。あるいは、二重特異性抗体は、化学的結合を使用して調製することができる(例えば、Brennan et al., Science(1985), vol. 229, p. 81参照)。二重特異性抗体は、例えばSEED技術(ヒトIgAおよびIgGの保存されたCH3ドメイン内の構造的に関連する配列を交換して2個の非対称だが相補的なドメインを形成する二重特異性抗体の生成のためのアプローチ、WO 2016/087650参照)によって調製することもできる。
【0171】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、二重特異性抗体または該二重特異性抗体が特異的である両方の抗原に結合することができるその抗原結合フラグメントである。したがって、該二重特異性抗体の該抗原結合フラグメントは、該二重特異性抗体と同じ2個の抗原に結合する。
【0172】
ある実施態様では、上で定義された「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体は二重特異性抗体である。
【0173】
本発明の抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、一価、二価または多価であり得る。「一価」抗体/抗体成分には、1個の抗原結合部位がある。「二価」抗体/抗体成分には、2個の抗原結合部位がある。これら2個の抗原結合部位は、同じ抗原または異なる抗原に結合する可能性がある。「多価」抗体/抗体成分には、2個以上の抗原結合部位がある。これらの3個以上の抗原結合部位は、同じ抗原または異なる抗原に結合する可能性がある。
【0174】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体からなる群から選択される抗体である。
【0175】
本発明で使用される「キメラ」抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同である抗体である。一方、鎖の残りの部分は、所望の生物活性を示す限り、別の種に由来する抗体または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体およびそのような抗体のフラグメントの対応する配列と同一または相同である(U.S. Patent 4,816,567; Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA (1984), vol. 81, p. 6851-6855)。本明細書で使用される「ヒト化抗体」は、「キメラ抗体」のサブセットとして使用される。
【0176】
本明細書で使用される「ヒト化抗体」は、非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形態である。「ヒト化抗体」は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含むキメラ抗体である。一実施態様では、ヒト化抗体は、レシピエントのHVR(以下に定義する)からの残基が、所望の特異性、親和性および/または能力を有するマウス、ラット、ウサギなどの非ヒト種のHVR(ドナー抗体)からの残基によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(FR)残基が、対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体には見出されない残基を含み得る。これらの修飾は、結合親和性などの抗体の性能をさらに改良するために行われる場合がある。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1個、典型的には2個の可変ドメインの実質的に全てを含み、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリン配列のループに対応し、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリン配列の可変ドメインに対応する。FR領域はヒト免疫グロブリン配列のFR領域であるが、FR領域には結合親和性、異性化、免疫原性などの抗体の性能を向上させる1個以上の個別のFR 残基置換が含まれる場合がある。FR 内のこれらのアミノ酸置換の数は次のとおりである。ヒト化抗体は場合により、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部も含む。さらなる詳細については、例えば、Jones et al., Nature (1986), vol. 321, p. 522-525; Riechmann et al., Nature (1988), vol. 332, p. 323-329; and Presta, Curr. Op. Struct. Biol. (1992), vol. 2, p. 593-596. See also, for example, Vaswani and Hamilton, Ann. Allergy, Asthma & Immunol. (1998), vol. 1, p. 105-115; Harris, Biochem. Soc. Transactions (1995), vol. 23, p. 1035-1038; Hurle and Gross, Curr. Op. Biotech. (1994), vol. 5, p. 428-433; U.S. Patent 6,982,321; U.S. Patent 7,087,409。
【0177】
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体および/または本明細書に開示されるヒト抗体を作製するための技術の何れかを使用して作製された抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol. (1991), vol. 227, p. 381; Marks et al., J. Mol. Biol. (1991), vol. 222, p. 581)を含む当分野で知られる種々の技術により製造できる。ヒトモノクローナル抗体の調製には、Cole et al., in: Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy (1985), editors Reisfeld and Sell, publisher Alan R. Liss Inc. (New York), p. 77-96; Boerner et al., J. Immunol. (1991), vol. 147(1), p. 86-95; van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. (2001), vol. 5, p. 368-374に記載の方法も利用可能である。ヒト抗体は、抗原攻撃に応答してそのような抗体を産生するとおり改変されているが、その内因性遺伝子座が無効化されているトランスジェニック動物、例えば、免疫化された異種動物に抗原を投与することによって調製することができる(例えば、XENOMOUSETMテクノロジーについて米国特許第6,075,181号および米国特許第6,150,584号参照)。例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体に関して、Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2006), vol. 103, p. 3557-3562も参照。
【0178】
本発明による抗体成分は、任意のクラス(例えば、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM、好ましくはIgG)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2、好ましくはIgG1)のものであり得る。免疫グロブリンの異なるクラスは、異なるよく知られたサブユニット構造および三次元構成を有する(Immunobiology, 5th ed. (2001), editors Janeway et al., Garland Publishing (USA))。
【0179】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgA抗体、IgM抗体およびそれらのハイブリッドからなる群から選択される。
【0180】
異なるクラス/サブクラスの2個の抗体の「ハイブリッド」からなる抗体は、異なるクラス/サブクラスのこれら2個の抗体からの配列を含む抗体を指す。例えば、SEED技術(WO 2016/087650)によって調製された二重特異性抗体は、通常、IgGとIgAの両方の配列を含むため、IgG抗体とIgA抗体の「ハイブリッド」とみなされる。
【0181】
ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、(Fab')2、Fv、scFv、ダイアボディおよびVHHからなる群から選択される。
【0182】
「Fab」フラグメントは、抗体のパパイン消化によって得られ、「Fab」フラグメントと呼ばれる2個の同一の抗原結合フラグメントと、容易に結晶化する能力を反映する残りの「Fc」フラグメントと呼ばれるフラグメントを生成する。Fabフラグメントは、L 鎖全体と、H 鎖の可変領域ドメイン(VH)および1個の重鎖の最初の定常ドメイン(CH1)から構成される。各 Fabフラグメントは抗原結合に関して一価である。つまり、単一の抗原結合部位を持っている。
【0183】
「F(ab’)2」フラグメントは、抗体のペプシン処理によって得られ、異なる抗原結合活性を有する2個のジスルフィド結合Fabフラグメントにほぼ対応する単一の大きなF(ab’)2フラグメントが得られる。架橋抗原。
【0184】
「Fab」フラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1個以上のシステインを含む、CH1ドメインのカルボキシ末端にいくつかの追加残基を有する点でFabフラグメントとは異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab'の名称である。F(ab’)2抗体フラグメントは元々、間にヒンジシステインを有するFab'フラグメントのペアとして生成された。抗体フラグメントの他の化学結合も知られている。
【0185】
Fcフラグメントは、ジスルフィドによって結合された両方のH 鎖のカルボキシ末端部分を含みます。抗体のエフェクター機能は、Fc領域の配列によって決定される。この領域は、特定の種類の細胞に見られるFc受容体(FcR)によっても認識される。
【0186】
「Fv」は、完全な抗原認識および結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。このフラグメントは、緊密な非共有結合による1個の重鎖可変領域ドメインと1個の軽鎖可変領域ドメインの二量体から構成される。これら2個のドメインの折り畳みから6個の超可変ループ(H 鎖とL 鎖からそれぞれ3個のループ)が生じ、これらが抗原結合のアミノ酸残基に寄与し、抗体に抗原結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3個のHVRのみを含むFvの半分)でも、結合部位全体よりも低い親和性ではあるものの、抗原を認識して結合する能力がある。
【0187】
「単鎖Fv」は、「scFv」とも略称され、単一のポリペプチド鎖に結合されたVHおよびVL抗体ドメインを含む抗体フラグメントである。好ましくは、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成できるようにするVHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvの総説については、Pluckthun, in: The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113 (1994), editors Rosenburg and Moore, Springer-Verlag (New York), p. 269-315参照。
【0188】
「ダイアボディ」という用語は、VHドメインとVLドメインの間に短いリンカー(約5~10)残基を備えたscFvフラグメント(前の段落参照)を構築することによって調製された小さな抗体フラグメントを指する。Vドメインが達成され、それにより二価フラグメント、すなわち2個の抗原結合部位を有するフラグメントが得られる。二重特異性ダイアボディは、2個の「クロスオーバー」scFvフラグメントのヘテロ二量体であり、2個の抗体のVHドメインとVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する。ダイアボディは、例えば、EP 0404097; WO 93/11161; Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1993), vol. 90, p. 6444-6448に詳述される。
【0189】
本明細書で使用される用語「VHH」および「ナノボディ」は同じ意味を有する。これらは、抗体の重鎖の単一の単量体可変領域からなる抗体フラグメントである単一ドメイン抗体を指す。完全な抗体と同様に、VHHは特定の抗原に選択的に結合できる。VHHの分子量はわずか12~15kDaで、一般的な抗体(150~160kDa)よりもはるかに小さい。最初の単一ドメイン抗体は、ラクダ科動物に見られる重鎖抗体から設計された。(Gibbs and Wayt, Nanobodies, Scientific American Magazine (2005))。一般に、軽鎖および重鎖定常領域1(CH1)が自然に欠損している抗体が最初に取得される。したがって、抗体の重鎖の可変領域がクローニングされて、以下から構成される単一ドメイン抗体(VHH)が構築される。重鎖可変領域は1個だけである。
【0190】
ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、Fab、Fab'、(Fab')2およびFvからなる群から選択される。ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、scFv、ダイアボディおよびVHHからなる群から選択される。ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の抗原結合フラグメントである。ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、モノクローナル抗体の抗原結合フラグメントである。ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、単一特異性抗体または二重特異性抗体の抗原結合フラグメントである。ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、該二重特異性抗体が特異的である両方の抗原に結合することができる二重特異性抗体の抗原結合フラグメントである。
【0191】
ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体からなる群から選択される抗体の抗原結合フラグメントである。
【0192】
ある実施態様では、該抗原結合フラグメントは、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgA抗体、IgM抗体およびそれらのハイブリッドからなる群から選択される抗体の抗原結合フラグメントである。
【0193】
ある実施態様では、該標的化部分/該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」に標的化部分として含まれる該抗体)は、標的細胞の表面に存在する抗原に特異的に結合することができる。
【0194】
本明細書で使用される「標的細胞の表面に存在する抗原」とは、細胞外環境からアクセスできる(すなわち、抗体が細胞外環境から結合できる)標的細胞の表面に存在する抗原である。例えば、CD8は細胞傷害性T細胞の膜貫通タンパク質であり、その細胞外ドメインは、細胞外環境からCD8の細胞外ドメインに対する抗体にアクセス可能である。したがって、本発明の意味において、CD8は細胞傷害性T細胞の表面に存在する抗原である。一実施態様において、該「標的細胞の表面に存在する抗原」は、標的細胞の表面に存在するタンパク質である。
【0195】
目的の抗原に「結合する」抗体/抗体成分とは、抗体/抗体成分が抗原を発現する細胞を標的化するのに有用であるように、十分な親和性でその抗原に結合できる抗体/抗体成分である。
【0196】
本発明が、第2の分子/分子基(例えば、目的の抗原)に「特異的に結合する」/「特異的に結合する」第1の分子/分子基(例えば、抗体/抗体成分)に言及する場合、これは、第1の分子/分子基(例えば、抗体/抗体成分)が、分子/分子基(この例では、抗体)は、他の分子/分子基に対する親和性よりも少なくとも10倍大きい親和性で、該第2の分子/分子基(この例では、対象の抗原)に結合する。人体内の特定の他の分子/分子基(この例では、当該抗原(または密接に関連した抗原)以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)に対する結合親和性より少なくとも10倍大きい)。好ましい実施態様では、第2の分子/分子基(例えば、目的の抗原)に「特異的に結合する」第1の分子/分子基(例えば、抗体/抗体成分)は、少なくとも100の親和性で該抗原に結合する。他の分子/分子基、特に人体内の他の分子/分子基に対するその親和性よりも何倍も大きい(この例では、該目的の抗原以外の非特異的抗原への結合に対するその親和性より少なくとも100倍大きい)(または密接に関連した抗原))。典型的には、該結合は生理学的条件下で決定される。第2の分子/分子基に「特異的に結合する」第1の分子/分子基は、少なくとも約1×107M-1の親和性でその第2の分子/分子基に結合し得る。対象の抗原に「特異的に結合する」抗体/抗体成分は、少なくとも約1×107M-1の親和性でその抗原に結合し得る。
【0197】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」の標的化部分として含まれる該抗体)は、標的細胞の表面に存在する抗原またはこのような抗体の抗原結合フラグメントに対する抗体である。
【0198】
特定の抗原「に対する」抗体/抗体成分は、該抗原に結合する抗原結合部位を有する抗体/抗体成分である。抗体が抗原に結合するかどうかは、例えば、抗体が細胞表面で抗原を発現する細胞に結合するかどうかを培養細胞を用いた免疫蛍光実験で試験することによって決定できる。
【0199】
ある実施態様では、該標的細胞の表面に存在する該抗原は、他の細胞型の表面よりも該標的細胞の表面に豊富に存在する。
【0200】
細胞型上の表面抗原の存在量は、当業者に知られている標準的な方法、例えばフローサイトメトリー(例えば、該細胞型の細胞を目的の抗体に曝露し、続いて対象の抗体に対する蛍光標識された二次抗体で染色し、フローサイトメトリーによる蛍光標識の検出することによって)によって決定することができる。
【0201】
ある実施態様において、該標的細胞の表面に存在する該抗原は、「該標的細胞の表面には存在するが、他の細胞型の表面には実質的に存在しない」。
【0202】
本明細書で使用される「該標的細胞の表面には存在するが、他の細胞型の表面には実質的に存在しない」抗原は、抗体成分によるADCの補充を可能にするために標的細胞の表面に十分に豊富である。生理的条件下で該抗原に対して作用する。対照的に、他の細胞型の表面における該抗原の存在量は非常に少ないため、生理学的条件下での該ADCの動員はバックグラウンド結合をわずかに上回る程度である。
【0203】
該標的細胞の表面に存在する該抗原は、該標的細胞の表面に存在するが、他の細胞型の表面には存在しない。
【0204】
本明細書で使用される「該標的細胞の表面には存在するが、他の細胞型の表面には存在しない」抗原は、標的細胞の表面に十分に豊富に存在し、それに対する抗体成分を有するADCの補充を可能にする。生理的条件下での該抗原。対照的に、他の細胞型の表面における該抗原の存在量は非常に少ないため、生理学的条件下での該ADCの動員はバックグラウンド結合を超えない。
【0205】
ある実施態様では、該標的細胞の表面に存在する該抗原への該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」の標的化部分として含まれる該抗体)の該結合により、該標的細胞に特異的な抗体-薬物コンジュゲートの動員が可能になる。
【0206】
「抗体-薬物コンジュゲートを該標的細胞に特異的に動員することを可能にする」という用語は、ADCが生理学的条件下で、他の細胞型(すなわち、該ADCの投与中に該ADCが体内で曝露される可能性がある他の細胞型)への動員よりも少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍高い効率で該標的細胞に動員されることを意味する。
【0207】
ある実施態様では、該標的細胞の表面に存在する該抗原は、腫瘍抗原および免疫細胞抗原からなる群から選択される。ある実施態様では、該標的細胞の表面に存在する該抗原は腫瘍抗原である。
【0208】
ある実施態様では、該標的化部分/該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、腫瘍抗原および免疫細胞抗原からなる群から選択される抗原に特異的に結合することができる。
【0209】
ある実施態様では、該標的化部分/該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、腫瘍抗原に特異的に結合することができる。
【0210】
本明細書で使用される「腫瘍」という用語は、新生物細胞の増殖によって形成される異常な細胞塊を指す。腫瘍には良性の場合と悪性の場合がある。好ましくは、本発明において、「腫瘍」という用語は悪性腫瘍を指す。腫瘍は、骨髄腫、白血病やリンパ腫などの血液癌(B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫など)、造血系新生物、胸腺腫、頭頸部癌、肉腫、肺癌、肝臓癌、泌尿生殖器癌(卵巣癌、膣癌、子宮頸癌、子宮癌、膀胱癌、精巣癌、前立腺癌、陰茎癌など)、腺癌、乳癌、膵臓癌、肺癌、腎臓癌、肝臓癌、原発性または転移性黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、星状細胞腫や神経膠芽腫などの脳腫瘍を含む神経腫瘍、血管肉腫、血管肉腫、頭頸部癌、甲状腺癌、軟部組織肉腫、骨肉腫、血管癌、胃腸癌(胃癌、胃癌または結腸癌など)などの癌であり得るが、これらに限定されない(Rosenberg, Ann. Rev. Med. (1996), vol. 47, p. 481-491参照)。
【0211】
本明細書で使用される「癌」という用語は、悪性新生物を指す。癌には、血液癌または固形腫瘍が含まれる。例えば、癌は、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性単球性白血病、前骨髄球性白血病、好酸球性白血病、急性Bリンパ芽球性白血病(B-ALL)などの急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病であり得る)(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL))またはリンパ腫(例、非ホジキンリンパ腫)、骨髄異形成症候群(MDS)、黒色腫、肺癌(例、非小細胞肺癌;NSCLC)、卵巣癌、子宮内膜癌、腹膜癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、頭頸部扁平上皮癌または子宮頸癌であり得る。好ましくは、本発明において、用語「癌」は、固形悪性腫瘍を指す。
【0212】
本明細書で使用される「腫瘍抗原」は、その最も広い意味で、治療作用または診断(例えば、腫瘍部位の標識)が達成できるように、腫瘍部位へのADCの動員を可能にする抗原である。腫瘍抗原は、腫瘍細胞の表面に存在する抗原または腫瘍微小環境に関連する抗原の何れかであり得る。
【0213】
細胞表面発現に関する情報源および腫瘍抗原を同定および検証する方法は当業者に知られており、文献に記載されている(例えば、Bornstein、AAPS J.(2015)、vol. 17(3)、p. 525-534; Bander, Methods Mol Biol (2013), vol. 1045, p. 29-40; Antibody-Drug Conjugates: Fundamentals, Drug Development, and Clinical Outcomes to Target Cancer", 1st edition (2016), editors Olivier and Hurvitz, publisher John Wiley & Sons, Inc. (U.S.); Vigneron et al., Cancer Immun. (2013), vol. 13, p. 15; Hong et al., BMC Syst Biol. (2018), vol. 12 (Suppl 2), p. 17; de Souza et al., Cancer Immun. (2012), vol. 12, p. 15; Immune Epitope Database and Analysis Resource (https://www.iedb.org); Cancer Cell Line Encyclopedia (https://portals.broadinstitute.org/ccle); OASIS Database (http://oasis-genomics.org/)参照)。
【0214】
好ましい実施態様では、該腫瘍抗原は、腫瘍細胞の表面に存在する抗原である。これらの実施態様において、「腫瘍抗原」という用語は、腫瘍細胞の細胞表面に存在し、他の細胞型との腫瘍細胞の区別を可能にする抗原を示す。腫瘍抗原は、腫瘍細胞によって発現され、細胞外環境からアクセス可能な分子(例えば、タンパク質)の一部であり得る。腫瘍抗原は、対応する非腫瘍細胞の対応物とは異なる(すなわち、定性的に異なる)場合がある(例えば、分子が1個または複数のアミノ酸残基によるタンパク質である場合)。あるいは、腫瘍抗原は、対応する非腫瘍細胞の対応物と同一であるが、対応する非腫瘍細胞の表面よりも高いレベルで腫瘍細胞の表面に存在する場合がある。例えば、腫瘍抗原は腫瘍細胞の表面にのみ存在し、非腫瘍細胞の表面には存在しないこともあり、あるいは腫瘍抗原は腫瘍細胞の表面に高いレベルで(例えば、非腫瘍細胞の表面よりも少なくとも5倍、好ましくは少なくとも100倍高い)存在し得る。一実施態様では、腫瘍抗原は、非腫瘍細胞の表面よりも少なくとも1000倍高いレベルで腫瘍細胞の表面に存在する。
【0215】
好ましくは、該腫瘍抗原が関連する腫瘍は癌である(すなわち、腫瘍細胞の表面に存在する腫瘍抗原は癌細胞上に存在する)。
【0216】
ある実施態様では、該腫瘍抗原は、CD11a、CD4、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD52、CD30、CD33、CD37、CD40L、CD52、CD56、CD70、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD138、CD163、Her2、Her3、EGFR、Muc18、インテグリン、PSMA、CEA、BLys、ROR1、NaPi2b、NaPi3b、CEACAM5、Muc1、インテグリンavb6、Met、Trop2、BCMA、ジシアロガングリオシドGD2、B- PR1B、E16、STEAP1、0772P、Sema 5b、ETBR、MSG783、STRAP2、Trp4、CRIPTO、FcRH1、FcRH2、NCA、IL20R-アルファ、ブレビカン、EphB2R、ASLG659、PSCA、GEDA、BAFF-R、CXCR5、HLA-DOB、P2X5、LY64、IRTA2、TENB2、PSMA、FOLH1、STR5、SSTR1、SSTR2、SSTR3、SSTR4、TGAV、ITGB6、CA9、EGFRvlll、IL2RA、AXL、CD3Q、TNFRSF8、TNFRSF17、CTAG、CTA; CD174/フコシルトランスフェラーゼ3(ルイス血液型)、CLEC14A、GRP78、HSPA5、ASG-5、ENPP3、PRR4、GCC、GUCY2C、Liv-1、SLC39A8、5T4、NCMA1、CanAg、FOLR1、GPN B、TIM-1、HAVCR1、ミンディン/RG-1、B7-H4、VTCN1、PTK7、SDC1、クローディン(好ましくはクローディン18.2)、RON、MST1R、EPHA2、MS4A1、TNC(テネイシンC)、FAP、DKK-1、CS1/SLAMF7、ENG(エンドグリン)、ANXA1(アネキシンA1)、VCAM-1(CD106)および葉酸受容体アルファからなる群から選択される。
【0217】
ある実施態様では、該腫瘍抗原は、xCT、gpNMB、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、cKIT、c-MET、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG-72)、TROP-2、TRA-1-60、TRA、TNF-α、TM4SF1、TIM-1、TAA、TA-MUC1(ムチン-1の腫瘍特異的エピトープ)、ソルチリン(SORT1)、STn、STING、STEAP-1、SSTR2、SSEA-4、SLITRK6、SLC44A4、SLAMF7、SAIL、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、ROR2、ROR1、RNF43、プロラクチン受容体(PRLR)、多型上皮ムチン(PEM)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルセリン、PTK7、PSMA、PD-L1、P -カドヘリン、OX001L、OAcGD2、ネクチン-4、NaPi2b、NOTCH3、メソテリン(MSLN)、MUC16、MTX5、MTX3、MT1-MMP、MRC2、MET、MAGE、Ly6E、ルイスY抗原、LRRC15、LRP-1、LIV- 1、LHRH、LGR5、LGALS3BP、LAMP-1、KLK2、KAAG-1、IL4R、IL7R、IL1RAP、IL-4、IL-3、IL-2、IL-13R、IGF-1R、HSP90、HLA-DR、HER-3、HER-2、グロボ H、GPR20、GPC3、GPC-1、GD3、GD2、GCC、FSH、FOLR-アルファ、FOLR、FLT3、FGFR3、FGFR2、FCRH5、EphA3、EphA2、EpCAM、ETBR、ENPP3、EGFRviii、EGFR、EFNA4、ダイサドヘリン、DR5(デスレセプター5)、DPEP3、DLL3、DLK-1、DCLK1、Cripto、カテプシンD、CanAg、CXCR5、CSP-1、CLL-1、CLDN6、CLDN18.2、CEACAM6、CEACAM5、CEA、CDH6、CD79b、CD74、CD71、CD70、CD56、CD51、CD48、CD46、CD45、CD44v6、CD40L、CD38、CD37、CD352、CD33、CD317、CD30、CD300f、CD3、CD25、CD248、CD228、CD22、CD205、CD20、CD19、CD184、CD166、CD147、CD142、CD138、CD123、CCR7、CA9、CA6、C4.4a、BCMA、B7-H4、B7、-H3、Axl、ASCT2、AMHRII、ALK、AG-7、ADAM-9、5T4、4-1BBからなる群から選択される。
【0218】
本発明において示される抗原の名称が遺伝子の名称である限り、これらの名称は、該遺伝子によってコードされるタンパク質を指す。
【0219】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、第1および第2の抗原結合部位を有する。好ましくは、該第1および該第2の抗原結合部位は、異なる抗原に結合することができる。ある実施態様では、該第1の抗原結合部位は腫瘍抗原に特異的に結合することができ、該第2の抗原結合部位は腫瘍抗原に特異的に結合することができる。
【0220】
ある実施態様では、該標的化部分/該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」内の標的化部分として含まれる該抗体)は、免疫細胞抗原に特異的に結合することができる。
【0221】
好ましくは、該免疫細胞抗原は、免疫細胞の表面に存在する抗原、免疫細胞によって分泌される分子である抗原または免疫細胞上の受容体と相互作用する分子である抗原である。より好ましくは、該免疫細胞抗原は、免疫細胞の表面に存在する抗原である。
【0222】
ある実施態様では、該標的細胞の表面に存在する該抗原は、免疫細胞の表面に存在する免疫細胞抗原である。ある実施態様では、該免疫細胞は、B細胞、T細胞または樹状細胞である。好ましくは、該免疫細胞はT細胞である。
【0223】
ある実施態様では、該免疫細胞抗原は、CD80、CD86、B7H3、TNF-α、TGF-β、TGF-β2、TGF-1、IL-1、IL-4、IL-5、IL-6、IL-12、IL-13、IL-22、IL-23、インターフェロン受容体、PD-1、PD-L1、CTLA4、MSR1、葉酸受容体ベータからなる群から選択される。
【0224】
該抗体成分(それぞれ、上で定義した「分子」の標的部分として含まれる該抗体)の該免疫細胞抗原への結合は、免疫刺激効果または免疫抑制効果を有し得る。
【0225】
ペイロード
【0226】
ある実施態様では、上記で定義された「分子」は、1種類の機能部分のみを含む。上述したように、本発明のADCはペイロードを備える。
【0227】
本明細書で使用される「ペイロード」という用語は、抗体-薬物コンジュゲートの一部として抗体成分に結合される化学部分を指す。本発明による抗体-薬物コンジュゲートにおいて、ペイロードは、リンカーを介した共有結合によって抗体成分に結合される。上述のように、本発明のADCにおけるペイロード(それぞれ機能的部分)は、治療剤または検出可能な標識である。抗体成分がその標的抗原に結合することによってADCがその標的部位に動員されると、ペイロードは標的部位でその機能を果たすことができる。例えば、抗体成分が腫瘍抗原に特異的である場合、ペイロードは、腫瘍細胞を殺す細胞傷害性薬剤、例えば、メイタンシノイドまたはデュオカルマイシンであってもよい。あるいは、抗体成分が炎症を示す抗原に特異的である場合、ペイロードは抗炎症剤、例えばコルチゾールやプレドニゾロンなどのグルココルチコイド受容体アンタゴニストであってもよい。あるいは、ペイロードは、標的抗原の存在の検出または標的部位の特定を可能にする検出可能な薬剤であってもよい。
【0228】
ペイロードは、さまざまな準備段階でADCに導入できる。1個のアプローチでは、リンカー-ペイロード構築物(すなわち、ペイロードがリンカーに共有結合している構築物)が有機化学の標準的な方法(実施例に示すように)によって合成され、その後、このリンカー-ペイロードペイロード構築物が結合される。抗体成分に。しかしながら、抗体成分、リンカーおよびペイロードは、異なる順序で調製および結合させることもできる(例えば、リンカーを抗体成分に結合させ、続いてペイロードをリンカーに結合させる)。
【0229】
さまざまなペイロード、その調製、コンジュゲーションおよび抗体-薬物コンジュゲートでの使用については、例えば、Nicolaou et al., Accounts of Chemical Research (2019), vol. 52(1), p. 127-139; Maderna et al., Molecular Pharmaceutics (2015), vol. 12(6), p. 1798-1812; Gromek et al., Current Topics in Medicinal Chemistry (2014), vol. 14(24), p. 2822-2834に記載されている。
【0230】
本発明によるADCは、1種類のペイロードのみを含んでもよい(すなわち、1個のADC分子は、1種類のペイロード、例えばオーリスタチンEのみに結合され、ペイロードの1個以上のコピー(この例ではオーリスタチンEがADC分子に結合していてもよい)または数種類のペイロード(つまり、1個のADC分子が2種類以上のペイロード、例えばオーリスタチンEおよびDM4に結合し、ここで、各ペイロードの1以上のコピー(この例ではオーリスタチンE1以上のコピーおよびDM4の1以上のコピー)にリンクしていてもよい)。好ましくは、本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、1種類のみのペイロードを含む。
【0231】
1個のADC分子にリンクされたコピー数ペイロード(つまり、上記の最初の例では、1個のADC分子にリンクされたオーリスタチンE分子の数、上記の2番目の例では、1個のADC分子にリンクされたオーリスタチンE分子の数に1個のADC分子にリンクされたDM4分子の数を加えたもの)ADC分子)は薬物と抗体の比に反映される。
【0232】
本明細書で使用する場合、ADC(「DAR」と略す)の「薬物抗体比」は、ADC分子あたりのペイロードの(平均)数をADC分子あたりの抗体成分の数で割ったものである。ADCのDARは、例えば、質量分析法によってADC分子の分子成分を同定し、続いてペイロード分子(ペイロードが検出可能な標識である場合には検出可能な標識も含む「薬物」分子)の数を除算することによって決定することができる。ADC分子は、ADC分子中の抗体成分の数に等しい(本発明によるADCは、ADC分子当たり1個の抗体成分を含む)。以下に定義される実施態様のDAR値は、好ましくは、このアプローチによって決定される、すなわち、質量分析によって得られる構造情報から計算される。
【0233】
異なるDARを持つADCは、異なる数のペイロードをADC分子にリンクすることによって準備できる。例えば、リンカー当たり1個のペイロードコピーを含むリンカー-ペイロード構築物を調製することができ、その後、このリンカー-ペイロード構築物の複数のコピーが各抗体成分に結合される。当業者に知られているように、抗体成分ごとに結合されるリンカー-ペイロード構築物の数は、反応条件(例えば、成分の濃度、成分の活性化の程度、結合反応の継続時間など)によって影響され得る。以下の実施例3で説明する。以下のコンジュゲーションに関するセクションも参照のこと。
【0234】
典型的には、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)は、1~15の範囲、好ましくは1~10の範囲、より好ましくは1~10の範囲である。別の実施態様では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)は、4~8の範囲にある。特に好ましいのは、1~4の範囲である。ある実施態様では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの薬物-抗体比(DAR)は、2~8の範囲にある。
【0235】
上記のとおり、本発明のADCのペイロード(それぞれ該機能的部分)は治療剤であり得る。
【0236】
本明細書で使用される「治療剤」は、患者に投与された場合に(例えば、腫瘍細胞を殺すこと、望ましくない炎症を軽減すること、免疫系の活性を刺激することによって)治療上の利益に関連する効果を発揮する薬剤である。感染症に対するまたは自己免疫疾患の場合の免疫反応の抑制)。本発明に従って有用な治療剤には、細胞毒性剤、抗炎症剤、免疫刺激剤および免疫抑制剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0237】
ある実施態様では、治療剤は、細胞毒性剤、抗炎症剤、免疫刺激剤または免疫抑制剤である。いくつかの好ましい実施態様では、治療剤は細胞傷害性薬剤である。
【0238】
本明細書で使用される「細胞傷害性薬剤」は、細胞に対して有毒である(すなわち、細胞死または破壊を引き起こす)物質である。本発明による細胞傷害剤は、典型的には、小分子化合物、ペプチドまたは核酸分子である。ADCで使用できる様々な細胞傷害性薬剤は当業者に知られているNicolaou et al., Accounts of Chemical Research (2019), vol. 52(1), p. 127-139; Maderna et al., Molecular Pharmaceutics (2015), vol. 12(6), p. 1798-1812; Gromek et al., Current Topics in Medicinal Chemistry (2014), vol. 14(24), p. 2822-2834; Garcia-Echeverria, Journal of Medicinal Chemistry (2014), vol. 57(19), p. 7888-7889)。細胞傷害性薬剤の例としては、オーリスタチン(例えば、オーリスタチンE、MMAE(モノメチルオーリスタチンE)、MMAF(モノメチルオーリスタチンF)、ドラスタチン10、ドラスタチン15)、メイタンシノイド(例えば、メイタンシン、DM1、DM2、DM3、DM4; メイタンシノイドはメイタンシンに由来するため、本明細書では「メイタンシン」とも呼ばれることがある)、チューブリシン、エキサテカン、カンプトテシン、SN38、Dxd、エキサテカン、デュオカルマイシン、CBI二量体(シクロプロパンベンズ[e]インドリン二量体、本明細書では「CBI」とも呼ばれることがある)、ドキソルビシンまたはジアゼピン(例えば、ピロロベンゾジアゼピンまたはインドリノベンゾジアゼピン)を含むが、これらに限定されない。
【0239】
ある実施態様では、本発明による細胞傷害性薬剤は、化学療法剤または放射性同位体である。好ましくは、細胞傷害性薬剤は化学療法剤である。
【0240】
ある実施態様では、治療剤は、Eg5阻害剤、V-ATPアーゼ阻害剤、HSP90阻害剤、IAP阻害剤、mTor阻害剤、微小管安定化剤、微小管不安定化剤、オーリスタチン、ドラスタチン、MetAP(メチオニンアミノペプチダーゼ)、タンパク質の核外輸送の阻害剤 CRM1、DPPIV 阻害剤、ミトコンドリアにおけるリン酸転移反応の阻害剤、タンパク質合成阻害剤、キナーゼ阻害剤、CDK2阻害剤、CDK9阻害剤、プロテアソーム阻害剤、キネシン阻害剤、HDAC阻害剤、DNA損傷剤、DNAアルキル化剤、DNAインターカレーター、DNA副溝結合剤、RNAポリメラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤およびDHFR阻害剤である。これらのそれぞれを抗体と適合するリンカーに結合させるための方法および本発明の方法は当技術分野で知られている(例えば、Singh et al., Therapeutic Antibodies: Methods and Protocols(2009), vol. 525, p 445-457参照))。
【0241】
好ましい実施態様では、化学療法剤は、例えば、メイタンシノイド(DM1、DM2、DM3またはDM4など)、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アブレーション剤(例、メクロレタミン、チオテパ・クロランブシル、メイファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス-ジクロロジアミンプラチナ(II)(DDP)シスプラチン、アントラサイクリン(例、ダウノルビシン(旧ダウノマイシン)、ドキソルビシン)、抗生物質(例、ダクチノマイシン(旧アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アントラマイシン(AMC))および抗有糸分裂剤(例、ビンクリスチン、ビンブラスチン)(例、Seattle Genetics US 2009/0304721)、ベンゾジアゼピン化合物(例えば、ピロロベンゾジアゼピンまたはインドリノベンゾジアゼピン)、タキソイド、CC-1065、CC-1065類似体、デュオカルマイシン、デュオカルマイシン類似体、エンジイン(カリケアマイシンなど)、ドラスタチンまたはドラスタチン類似体(例えば、オーリスタチン)、トマイマイシン誘導体、レプトマイシン誘導体、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、メルファラン、クロラムブシル、カリケアマイシン、タキサン(WO 01/038318およびWO 03/097625参照)、DNAアルキル化剤(例えば、CC-1065またはCC-1065類似体)、アントラサイクリン、チューブリシン類似体、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン(それらの誘導体を含む)であってもよい。ADCの細胞傷害性ペイロードに関するさらなる詳細は、例えばCytotoxic Payloads for Antibody-Drug Conjugates (Drug Discovery, Band 71), 1st edition (2019), editors Thurston and Jackson, Royal Society of Chemistry (U.K.に記載されている。
【0242】
放射性同位体である細胞毒性物質の例は、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、P212、Zr89およびLuの放射性同位体である。
【0243】
細胞傷害性薬剤は、さまざまなメカニズムによって細胞死滅を達成する可能性があるため、その作用メカニズムに応じてさまざまなクラスに分類される(Nicolaou et al., Accounts of Chemical Research(2019), vol. 52(1), p. 127-139)。ある実施態様では、本発明のADCに含まれる細胞傷害性薬剤は、微小管形成阻害剤、EG5阻害剤およびDNA損傷剤からなる群から選択される(例えば、Anderl et al., Methods in Molecular Biology (2013), vol. 1045, p. 51-70)。
【0244】
本明細書で使用される「微小管形成の阻害剤」は、チューブリン重合または微小管集合を阻害することによって作用し、したがって細胞に対して抗増殖/毒性効果を有する阻害剤である。好ましい実施態様では、該微小管形成阻害剤は、オーリスタチン(好ましくはオーリスタチンE、MMAEまたはMMAF)、メイタンシノイド(好ましくはメイタンシン、DM1、DM2、DM3またはDM4)およびチューブリシンからなる群から選択される。
【0245】
本明細書で使用される「EG5阻害剤」は、タンパク質EG5を阻害する阻害剤であり、したがって細胞に対して有毒である。EG5はヒトキネシンファミリーのメンバー11を指し、KIF11、HKSP、KNSL1またはTRIP5としても知られている。EG5阻害剤は、例えば、Macroni et al., Molecules (2019), vol. 24(21), p. 3948 or Karpov et al., ACS Medicinal Chemistry Letters (2019), vol. 10(12), p. 1674-1679に記載されるものである。好ましい実施態様において、該EG5阻害剤は、イスペニシブ、フィラネシブ、リトロネシブおよびK858 (Chen et al., ACS Chem Biol. (2017), vol. 12(4), p. 1038-1046)に記載されている構造からなる群から選択される。1046)。
【0246】
本明細書で使用する「DNA損傷剤」は、例えば、二本鎖切断の誘発、DNAの特定部位の架橋またはDNA塩基対間のインターカレーションによって細胞DNAに損傷を与えるように作用する薬剤である。好ましい実施態様では、該DNA損傷剤は、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤およびDNAアルキル化剤からなる群から選択される。ある実施態様では、該細胞傷害性薬剤はトポイソメラーゼI阻害剤である。ある実施態様では、該細胞傷害性薬剤はトポイソメラーゼII阻害剤である。ある実施態様では、該細胞毒性剤はDNAアルキル化剤である。好ましくは、該トポイソメラーゼI阻害剤は、エキサテカン、カンプトテシン、SN38、Dxdおよびそれらの変異体からなる群から選択され、好ましくは、該トポイソメラーゼI阻害剤はエキサテカン、SN38またはDxdである。好ましくは、該トポイスメラーゼII阻害剤はドキソルビシンまたはその変異体、好ましくはドキソルビシンである。好ましくは、該DNAアルキル化剤は、デュオカルマイシン、CBI二量体、ピロロベンゾジアゼピンおよびそれらの変異体からなる群から選択され、好ましくは、該DNAアルキル化剤は、デュオカルマイシン、CBI二量体およびジアゼピン(好ましくは、ピロロベンゾジアゼピンまたはインドリノベンゾジアゼピン)からなる群から選択される。
【0247】
ある実施態様では、細胞傷害性薬剤は、エキサテカン、デュオカルマイシンまたはCBI二量体である。
【0248】
ある実施態様では、治療剤は、オーリスタチン、MMAE(モノメチルオーリスタチンE)、デュオカルマイシン、CBI(シクロプロパンベンゾ[e]インドリン)二量体、メイタンシン、ピロロベンゾジアゼピンおよびインドリノベンゾジアゼピンからなる群から選択される。ある実施態様では、治療剤は、オーリスタチン、デュオカルマイシン、CBI(シクロプロパンベンズ[e]インドリン)二量体およびメイタンシノイドからなる群から選択される。ある実施態様では、治療剤は、MMAE(モノメチルオーリスタチンE)、デュオカルマイシン、CBI(シクロプロパンベンズ[e]インドリン)二量体およびメイタンシノイドDM4からなる群から選択される。
【0249】
ある実施態様では、治療剤は、ドラスタチン、オーリスタチン、MMAE、MMAF、アンベルスタチン269、オーリスタチン101、オーリスタチンf、オーリスタチンw、CEN-106、CM1、DGN462、DGN549、DM1、DM2、DM4、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、エキサテカン、OX-4235、PNU-159682、ラパマイシン、SG3199、SG1882、SN-38、チューブリシン、アマニチン、アミノプテリン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、カンプトテシン、フジマイシン、ヘミアスターリン、メイタンシノイド、PBD、ラパマイシン、ビンブラスチンからなる群から選択される。
【0250】
ある実施態様では、治療剤は抗炎症剤である。本明細書で使用される「抗炎症剤」は、炎症を軽減する物質である。これは、該抗炎症剤が、該抗炎症剤を含まない対照分子の投与と比較して、望ましくない炎症の軽減をもたらすことを意味する。標的細胞として特定の免疫細胞に抗炎症剤を動員することにより、抗炎症効果を炎症部位(これらの免疫細胞が集中している可能性がある)または特定の種類の免疫細胞に集中させることができる。好ましくは、抗炎症剤はグルココルチコイド受容体アゴニストであり得る。
【0251】
ある実施態様では、該抗炎症剤は、ステロイドであり、好ましくは、コルチゾール、酢酸コルチゾン、ベクロメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、トリシノロン、ブデソニド、デキサメタゾン、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾンおよびモメタゾンからなる群から選択される。
【0252】
ある実施態様では、抗炎症剤は、非ステロイド性抗炎症剤、例えば、Cox2阻害剤である。
【0253】
ある実施態様では、治療剤は免疫刺激剤である。本明細書で使用される「免疫刺激剤」は、免疫応答の発生または維持を増強する物質である。免疫刺激剤は、免疫刺激分子のアゴニストであっても、免疫応答を阻害する分子のアンタゴニストであってもよい。ある実施態様では、免疫刺激剤は、免疫細胞(T細胞など)上に見られる共刺激分子のアゴニストなどの免疫刺激分子のアゴニストまたは自然免疫に関与する細胞(T細胞など)上に見られる共刺激分子のアゴニストを含む。NK細胞)。ある実施態様では、免疫刺激剤は、免疫抑制分子のアンタゴニスト、例えば、自然免疫に関与する細胞(例えば、NK細胞)上に見られる共抑制分子のアンタゴニストを含む。好ましくは、免疫刺激剤をペイロードとして含むADCの投与は、所望の免疫応答の改善をもたらす。ある実施態様では、ペイロードとして免疫刺激剤を含むADCの投与は、該免疫刺激剤を含まない対照分子の投与と比較して、異種移植モデルなどの動物癌モデルにおける抗腫瘍応答の改善をもたらす。
【0254】
ある実施態様では、免疫刺激剤は、T細胞活性化の阻害剤のアンタゴニストであるかまたはそれを含む。ある実施態様では、免疫刺激剤は、T細胞活性化の刺激剤のアゴニストであるかまたはそれを含む。ある実施態様では、免疫刺激剤は、IL-6、IL-10、TGFβ、VEGFなどの、T細胞活性化を阻害するサイトカインに拮抗するかまたはこれを阻止する薬剤であるかまたはそれを含む。ある実施態様では、少なくとも1個の免疫刺激剤は、CXCR2、CXCR4、CCR2またはCCR4などのケモカインのアンタゴニストを含む。ある実施態様では、免疫刺激剤は、IL-2、IL-7、IL-12、IL-15、IL-21およびIFNαなどのT細胞活性化を刺激するサイトカインのアゴニストであるかまたはそれを含む。
【0255】
好ましい実施態様では、免疫刺激剤は、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR7アンタゴニスト、TLR8アンタゴニスト、スティング阻害剤、TGFベータ阻害剤、α2A阻害剤およびα2B阻害剤からなる群から選択される。
【0256】
ある実施態様では、治療剤は免疫抑制剤である。
【0257】
本明細書で使用される「免疫抑制剤」は、免疫応答の発生または維持を阻害する薬剤である。免疫抑制剤によるこのような阻害は、例えば、免疫細胞(例えば、TまたはBリンパ球)の排除;他の細胞の機能的能力を調節(例えば、ダウンレギュレーション)し得る免疫細胞の誘導または生成;免疫細胞における無応答状態の誘導(例えば、アネルギー);または、例えば、これらの細胞によって発現されるタンパク質のパターンの変更(例えば、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、転写因子、キナーゼ、コスティミュレイトリー分子または他の細胞表面受容体など、特定のクラスの分子の生産および/または分泌の変更)を含む免疫細胞の活性または機能の増加、減少または変更である。典型的な実施態様では、免疫抑制剤は、免疫応答を促進する免疫細胞に対して細胞毒性または細胞増殖抑制効果を有する。ある実施態様では、該免疫抑制剤は、該免疫抑制剤を含まない対照分子の投与と比較して、望ましくない免疫応答の減少をもたらす。
【0258】
本明細書で使用される「免疫細胞」とは、T細胞(Tリンパ球)、B細胞(Bリンパ球)または抗原(例えば、自己抗原)に対する免疫応答の調節に関与する造血系の任意の細胞を意味する。樹状細胞。好ましくは、本発明による免疫細胞は、T細胞またはB細胞である。
【0259】
好ましい実施態様では、本発明による免疫抑制剤は、IMDH(イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ)阻害剤、mTor(ラパマイシンの機械的標的)阻害剤、SYK(脾臓チロシンキナーゼ)阻害剤、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤およびカルシニューリン阻害剤からなる群から選択される。
【0260】
本発明による抗体-薬物コンジュゲートのある実施態様では、ペイロードは検出可能な標識である。本明細書で使用される「検出可能な標識」は、検出可能な(すなわち、当技術分野で知られている検出方法、例えば、ラジオグラフィー、蛍光、化学発光、酵素活性または吸光度に基づく検出方法を使用して検出可能な)分子を指す。
【0261】
ペイロードとして検出可能なラベルを有するADCは、疾患の診断、疾患の部位の特定または特定の療法の有効性を決定するなどの臨床試験手順の一部として、疾患または障害の発症、発症、進行および/または重症度をモニタリングまたは予後するために有用であり得る。検出可能な標識と治療剤を組み合わせて使用できる状況さえある(例えば、Rondon and Degoul、Bioconjugate Chemistry(2020)、vol.31(2)、p.159-173)。
【0262】
ペイロードとしての検出可能な標識は、例えば、酵素(ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼなど)、補欠分子族(ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンなど)、蛍光物質(Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)405、Alexa Fluor(登録商標)430、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)500、Alexa Fluor(登録商標)514、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)610、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、Alexa Fluor(登録商標)660、Alexa Fluor(登録商標)680、Alexa Fluor(登録商標)700、Alexa Fluor(登録商標)750、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリン)、発光物質(ルミノールなど)、生物発光物質(ルシフェラーゼ、ルシフェリンまたはエクオリンなど)、放射性物質(ヨウ素(131I、125I、123Iまたは121I)、炭素など)(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112Inまたは111In)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、64Cu、113Snおよび117Sn)、陽電子放出金属(陽電子放出断層撮影用)または非放射性常磁性金属イオンなどであり得る。あるいは、検出可能な標識は、例えば、蛍光団、スピン標識、赤外線プローブ、アフィニティープローブ、分光プローブ、放射性プローブまたは量子ドットであり得る。
【0263】
ある実施態様では、検出可能な標識は、放射性同位体、蛍光団、発色団、酵素、色素、金属イオン、リガンド(ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンまたはハプテンなど)または量子ドットである。ある実施態様では、検出可能な標識は、放射性同位体、蛍光化合物または酵素である。
【0264】
ある実施態様では、検出可能な標識は、シアニン色素、スルホシアニン色素、Alexa Fluor(登録商標)色素(Molecular Probes/Thermo Fisher Scientific)、DyLight(登録商標)Fluor色素(Dyomics/Thermo Fisher Scientific)、FluoProbes(登録商標)色素(Interchim)、Seta(登録商標)色素(SETA BioMedicals)およびIRIS TM色素(Cyanine Technologies)からなる群から選択される。好ましくは、該検出可能な標識は、シアニン色素またはスルホシアニン色素である。
【0265】
ある実施態様では、検出可能な標識は、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7からなる群から選択されるシアニン色素である。
【0266】
ある実施態様では、検出可能な標識は、スルホ-Cy2、スルホ-Cy3、スルホ-Cy3B、スルホ-Cy3.5、スルホ-Cy5、スルホ-Cy5.5、スルホ-Cy7からなる群から選択されるスルホ-シアニン色素である。
【0267】
リンカー
【0268】
上記のとおり、本発明による抗体-薬物コンジュゲートはリンカーを含む。リンカーは、ペイロードとADCの抗体成分を共有結合する分子基である。
【0269】
本発明のADCおよび関連方法に使用できる様々なリンカーは、「癌、自己免疫疾患または感染症の治療のための薬物コンジュゲートおよびその使用」と題するWO 2004/010957に記載されている。
【0270】
通常、ペイロードごとに1個のリンカーが存在する(すなわち、ADCにおけるペイロードの個々の出現に対して1個のリンカー分子;これは、ペイロードの2個のコピーがADCに存在する場合、2個のリンカーが存在し、第1のリンカーが第1のペイロードを抗体成分に共有結合し、第2のリンカーが第2のペイロードを抗体成分に共有結合する)ことを意味する)。ただし、1個のリンカーが複数のペイロード部分をADCの抗体成分に結合することも可能である。
【0271】
抗体コンポーネントにリンクされるペイロードの数およびリンカーあたりのペイロードの数に応じて、ADC内に1個以上のリンカーが存在する場合がある。
【0272】
リンカーを介した抗体成分とペイロードの共有結合は、例えば、2個の反応性官能基を有するリンカー(すなわち、反応性の意味で二価であるリンカー)によって達成することができる。2個以上の機能的または生物学的に活性な成分を結合するのに有用な二価リンカー剤は当業者に知られている(例えば、Hermanson、Bioconjugate Techniques(1996)、Academic Press(New York)、p 234-242参照)。
【0273】
あるいは、リンカーに共有結合したペイロードを含むリンカー-ペイロード構築物は、有機合成の方法によって調製され得る。続いて、このリンカー-ペイロード構築物の1個または複数のコピーを、当業者に公知の方法によって抗体成分に結合させることができる(例えば、Behrens et al., Molecular Pharmaceutics (2015), vol. 12(11), p. 3986-3998; Stefano, Methods in Molecular Biology (2013), vol. 1045, p. 145-171; Dickgiesser et al., in: Methods in Molecular Biology: Enzyme-Mediated Ligation Methods (2019), editors Nuijens and Schmidt, vol. 2012, p. 135-149; Dickgiesser et al., Bioconjugate Chem. (2020), vol. 31(4), p. 1070-1076)および以下の実施例3に記載されている。
【0274】
本発明の抗体-薬物コンジュゲートにおけるリンカーは、好ましくは細胞外(すなわち、細胞の外側、例えば血漿中)で安定である。したがって、細胞への輸送または送達の前に、ADCは好ましくは安定であり、インタクトのままである、すなわち、抗体はペイロードに結合されたままである。効果的なリンカーは、(i)抗体の特異的結合特性を維持する。(ii)ペイロードの細胞内送達を可能にする。(iii)コンジュゲートがその標的部位に送達または輸送されるまで、安定かつインタクトのままである、すなわち切断されない;および(iv)ペイロードの治療効果(例えば、ペイロードの細胞毒性、細胞殺傷効果)を維持する。
【0275】
リンカーが細胞外環境で安定しているかどうかは、例えば、(a)ADC(「ADCサンプル」)と(b)等モル量の非結合抗体または治療剤(「ADCサンプル」)の両方を血漿と独立してインキュベートすることによって決定できる。「対照サンプル」)を所定の時間(例えば8時間)放置し、その後、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定した、ADCサンプル中に存在する非結合抗体または治療剤の量を対照サンプル中に存在する量と比較する。
【0276】
標的細胞の外側で安定しているリンカーは、標的細胞の内部である程度の効果的な速度で切断される可能性がある。ある実施態様では、細胞内条件下で切断可能なリンカーは、細胞内環境(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオレア内)に存在する切断剤によって切断可能である。リンカーは、例えば、リソソームプロテアーゼまたはエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されない、細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチジルリンカーであり得る。典型的には、ペプチジルリンカーは少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。切断剤としては、カテプシンBおよびDおよびプラスミンが挙げられ、これらは全て、ジペプチド薬物誘導体を加水分解して、標的細胞内で活性薬物を放出することが知られている(例えば、Dubowchik and Walker, Pharm. Therapeutics(1999), vol.83, p.67-123)。例えば、癌性組織で高度に発現されるチオール依存性プロテアーゼカテプシンBによって切断可能なペプチジルリンカーを使用することができる(例えば、Phe-LeuリンカーまたはGly-Phe-Leu-Glyリンカー(配列番号3))。他のそのようなリンカーは、例えば米国特許第6,214,345号に記載されている。特定の実施態様において、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチジルリンカーは、Val-CitリンカーまたはPhe-Lysリンカーである(例えば、Val-Citリンカーによるドキソルビシンの合成を記載する米国特許第6,214,345号参照)。治療剤の細胞内タンパク質分解放出を使用する利点の1個は、治療剤が結合すると通常は減弱され、コンジュゲートの血清安定性が通常高いことである。
【0277】
他の実施態様では、切断可能なリンカーはpH感受性である、すなわち、特定のpH値での加水分解に対して感受性である。通常、pH感受性リンカーは酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソーム内で加水分解可能な酸に不安定なリンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス-アコニット酸アミド、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)を使用することができる(例えば、米国特許第5,122,368号;米国特許第5,122,368号;米国特許 5,824,805; 米国特許 5,622,929; DubowchikおよびWalker、Pharm. Therapeutics(1999)、vol. 83、p. 67-123; Neville et al.、Biol. Chem.(1989)、vol. 264、p. 14653-14661参照)。このようなリンカーは、血液中などの中性pH 条件下では比較的安定であるが、リソソームのおおよそのpHであるpH 5.5または5.0未満では不安定になる。特定の実施態様では、加水分解性リンカーはチオエーテルリンカー(アシルヒドラゾン結合を介して治療剤に結合したチオエーテルなど、例えば米国特許第5,622,929号参照)である。
【0278】
さらに他の実施態様では、リンカーは還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。様々なジスルフィドリンカーが当技術分野で知られており、例えば、SATA(N-スクシンイミジル-5-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)、SPDBおよびSMPT(例えば、Thorpe et al., Cancer Res. (1987), vol. 47, p. 5924-5931; Wawrzynczak et al., in: Immunoconjugates: Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer (1987), editor Vogel, Oxford U. Press; U.S. Patent 4,880,935)を使用して形成できるものを含む。
【0279】
他の実施態様では、リンカーは標的細胞内で切断可能ではないが、ペイロードは、例えば抗体分解によって放出される。
【0280】
さらに他の特定の実施態様では、リンカーはマロン酸リンカーJohnson et al., Anticancer Res. (1995), vol. 15, p. 1387-1393)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lau et al., Bioorg-Med-Chem. (1995), vol. 3(10), p. 1299-1304)または3'-N-アミド類似体(Lau et al., Bioorg-Med-Chem. (1995), vol. 3(10), p. 1305-1312)である。
【0281】
リンカーは、細胞内条件下で切断可能であっても(上記のとおり)、細胞内条件下では切断可能であってもよい。ある実施態様では、リンカーは細胞内条件下では切断可能ではない。他の実施態様では、リンカーは細胞内条件下で切断可能である。このようなリンカーは、ペイロードが治療剤である場合に特に好ましい。好ましくは、リンカーは、リンカーの切断により細胞内環境において抗体成分からペイロードが放出されるように、細胞内条件下で切断可能である。
【0282】
ADCのリンカーが安定であるか切断されているかどうかは、ADCを試験すべき条件にさらし、その後、処理したサンプルおよび未処理の対照サンプルにおけるリンカーの完全性を、質量分析、HPLC、分離/分析技術LC/MSなどの標準分析技術によって検証することによって調べることができる。
【0283】
ある実施態様では、該リンカー/該リンカーのそれぞれは、最大1,500Da、好ましくは最大1,000Da、より好ましくは最大500Daの分子量を有する。
【0284】
ある実施態様では、該リンカーは細胞外環境において安定である。
【0285】
リンカーが「細胞外環境において安定である」という指定は、好ましくは、該リンカーがヒト血清中で安定であることを意味する。リンカーを含むADC分子がヒト血清に曝露されるアッセイにおいて、37℃で48時間インキュベートした後、リンカーの少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%がヒト血清中で安定である場合、リンカーは「ヒト血清中で安定」である。ADCは切断も劣化もしない。ある実施態様では、該リンカーは細胞内環境において安定である。
【0286】
好ましくは、「細胞内環境において安定な」リンカーは、リンカーを含むADC分子が細胞に取り込まれる(すなわち、細胞の細胞内環境に入る)場合、37℃で24時間放置しても、ADC分子内のリンカーの少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%は切断も分解もされない。
【0287】
ある実施態様では、該リンカーは、細胞内環境に曝露されると切断される。好ましくは、「細胞内環境への曝露により切断される」リンカーは、リンカーを含むADC分子が細胞に取り込まれる(すなわち、細胞の細胞内環境に入る)場合に、リンカーが分解されるような構造を有するリンカーである。ADC分子内のリンカーは効率的に切断される(リンカーの少なくとも90%が24時間以内に切断されることが好ましく、12時間以内に切断されることがより好ましい)。当業者には理解されるとおり、これにより、標的細胞へのペイロードの放出が可能になる。
【0288】
ある実施態様では、該リンカーは細胞外環境では安定であるが、細胞内環境に曝露されると切断される。好ましくは、「細胞外環境では安定であるが、細胞内環境にさらされると切断される」リンカーとは、ヒト血清中では安定であるが、そのリンカーを含むADC分子が細胞に取り込まれた場合(すなわち、細胞の細胞内環境に入った場合)、ADC分子中のリンカーが効率的に切断されるような構造を有するリンカーをいう(好ましくは24時間以内にリンカーの少なくとも90%、より好ましくは12時間以内に切断される)。当業者には理解されるとおり、これにより、標的細胞へのペイロードの放出が可能になる。
【0289】
ある実施態様では、該リンカーは、酵素的または化学的切断によって切断可能である。
【0290】
本明細書で使用する場合、「酵素的切断により切断可能な」リンカーは、特定の酵素の存在下では切断されるが、この酵素の非存在下では安定であるリンカーである。本発明のADCの目的のために、この酵素は、典型的には、ADCが細胞外環境では曝露されないが、標的細胞へのADCの取り込み時に曝露され、細胞外にあるリンカーをもたらす酵素である。安定であるが、標的細胞に入ると切断される。
【0291】
本明細書で使用される「化学的切断によって切断可能な」リンカーは、共有結合の化学結合の切断をもたらす非酵素反応によって切断されるリンカーである。例としては、pH 感受性または還元条件下で切断可能なリンカーが挙げられる(上記参照)。
【0292】
ある実施態様では、該リンカーは酵素切断によって切断可能である。ある実施態様では、該酵素的切断は、グリコシダーゼ、プロテアーゼまたはエステラーゼへの曝露による切断である。
【0293】
グリコシダーゼは、複合糖のグリコシド結合の加水分解を触媒するEC(酵素分類)3.2.1の酵素である。プロテアーゼは、ペプチド結合の切断を触媒するEC 3.4の酵素である。エステラーゼは、エステル結合の切断を触媒するEC 3.1の酵素である。好ましくは、該グリコシダーゼはグルクロニダーゼである。グルクロニダーゼは、β-グルクロニドの切断を触媒するEC 3.2.1.31の酵素である。
【0294】
好ましくは、該プロテアーゼはカテプシン(最も好ましくはカテプシンB)である。カテプシンは、ペプチド結合のタンパク質分解的切断を触媒するEC 3.4内のプロテアーゼのグループである。本発明の目的のために、リソソームの内部タンパク質分解性カテプシンの使用は、これらが(リソソームのように)低pHで活性化され、ペプチド配列内で切断されるため、特に有利である。カテプシンBは、EC 3.4.22.1として分類されるカテプシンである。
【0295】
ある実施態様では、該酵素的切断は、腫瘍特異的酵素、好ましくは腫瘍特異的プロテアーゼまたはエステラーゼへの曝露によるものである。「腫瘍特異的」酵素は、特定の腫瘍内に存在する酵素(すなわち、腫瘍内で該酵素の酵素活性がある)であるが、他の細胞および組織(すなわち、該腫瘍の外側)には酵素が実質的に存在しない酵素である。該酵素の酵素活性が実質的にない、好ましくはない)。
【0296】
ある実施態様では、該リンカーはプロテアーゼ切断部位、好ましくはカテプシンB切断部位を含む/該リンカーはプロテアーゼ切断部位を含む。
【0297】
ある実施態様では、該リンカーはグルクロニド(グルクロニダーゼによって切断され得る分子基)を含む/該リンカーはグルクロニドを含む。
【0298】
ある実施態様では、該リンカーは化学的切断によって切断可能である。ある実施態様では、化学的切断によって切断可能な該リンカーは、pH感受性リンカーである/化学的切断によって切断可能な該リンカーは、pH感受性リンカーである。好ましくは、該リンカーはヒドラゾンを含む/該リンカーはヒドラゾンを含む。
【0299】
ある実施態様では、化学的切断により切断可能な該リンカーは還元条件下で切断可能であり、化学的切断により切断可能な該リンカーは還元条件下で切断可能である。好ましくは、該リンカーはジスルフィド結合を含む/該リンカーはジスルフィド結合を含む。
【0300】
ある実施態様では、該リンカーは、カテプシンB切断部位、グルクロニド結合またはジスルフィド結合を含む。
【0301】
可溶性タグ
【0302】
本発明による抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ、上記で定義した「分子」)は、可溶性タグを含む。
【0303】
当業者が理解するとおり、「可溶性タグ」は、可溶性タグのない同じ対象分子と比較して、水性環境における対象分子の溶解度を増加させる目的を有する対象分子に結合された分子基である。したがって、可溶性タグが結合した分子は、可溶性タグが結合していない同じ分子よりも水性環境において高い溶解度を有することが意図される。
【0304】
本発明の可溶性タグは、オリゴ糖に基づいている。本発明の実施例に示されるように、このような可溶性タグをADCに含めることにより、様々な有利な効果が得られる。
【0305】
本発明によるADCは、ADC分子当たり1個または複数の可溶性タグを含み得る。通常、可溶性タグは抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。
【0306】
典型的には、本発明によるADCにおいて、可溶性タグは、可溶性タグとリンカーとの間の共有結合によって本発明のADCに結合される。しかしながら、可溶性タグは、可溶性タグとリンカー以外のADCの構成要素との間の共有結合によってADCに結合することもできる。
【0307】
本発明が、ある分子または部位Aが別の分子または部位Bに「共有結合によって」付着/結合されていると述べている場合、これは、分子/部位Aと分子/部位Bの間にさらなる原子または分子基がなく、化学結合によって分子/部位Aが該分子/部位Bに直接結合されていることを示す。
【0308】
ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって標的化部分、機能性部分またはリンカーに結合される。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によってターゲティング部分に結合されている。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって機能性部分に結合されている。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によってリンカーに結合されている。
【0309】
ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって抗体成分、少なくとも1個のペイロードまたはリンカーに結合される。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって該抗体成分に結合されている。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって該少なくとも1個のペイロードに結合される。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって該リンカーに結合されている。
【0310】
ある実施態様では、該可溶性タグは、(i)抗体成分には共有結合によって結合されるが、少なくとも1個のペイロードもしくはリンカーには結合されないまたは(ii)少なくとも1個のペイロードもしくはリンカーには共有結合によって結合される。ペイロードには含まれるが、抗体成分またはリンカーには含まれないまたは、(iii)リンカーには含まれるが、抗体成分または少なくとも1個のペイロードには含まれない。
【0311】
ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって抗体成分のみに結合される(少なくとも1個のペイロードまたはリンカーには結合されない)。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によって少なくとも1個のペイロードのみに結合される(抗体成分またはリンカーには結合されない)。ある実施態様では、該可溶性タグは、共有結合によってリンカーのみに結合される(抗体成分または少なくとも1個のペイロードには結合されない)。
【0312】
ある実施態様では、該可溶性タグは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード、(iii)本発明によるADCの該ペイロードおよび該抗体成分を共有結合しているリンカーのうちの少なくとも1個と共有結合によって結合されている。
【0313】
ある実施態様では、抗体成分(i)、ペイロード(ii)およびリンカー(iii)は共有結合する。ある実施態様では、抗体成分(i)、ペイロード(ii)、リンカー(iii)および可溶性タグ(iv)は共有結合する。
【0314】
本発明による抗体-薬物コンジュゲートは、1個以上の可溶性タグを含むことができる。ある実施態様では、該分子は、1個のみの可溶性タグを含む。ある実施態様では、該分子は、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、より好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個の可溶性タグを含む。ある実施態様では、該分子は、10個まで、好ましくは8個まで、より好ましくは6個まで、より好ましくは4個まで、より好ましくは2個までの可溶性タグ、より好ましくは1個だけの可溶性タグを含む。ある実施態様では、該分子は、少なくとも1個、最大4個の可溶性タグを含む。ある実施態様では、該分子は、少なくとも3個、最大10個の可溶性タグを含む。
【0315】
ある実施態様では、少なくとも1個の可溶性タグが該分子に共有結合する。他の実施態様では、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個の可溶性タグが該分子に共有結合する。ある実施態様では、10個まで、好ましくは6個まで、より好ましくは4個まで、より好ましくは2個までの可溶性タグが該分子に共有結合され、より好ましくは1個の可溶性タグのみが該分子に共有結合される。ある実施態様では、少なくとも1個、最大4個の可溶性タグが該分子に共有結合する。ある実施態様では、少なくとも3個、最大10個の可溶性タグが該分子に共有結合する。当業者には理解されるとおり、分子に共有結合した可溶性タグの数は平均数である(これは、該分子の集団について決定される)。好ましくは、該集団は均一な集団である。
【0316】
ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、少なくとも1個の可溶性タグを含む。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個の可溶性タグを含む。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、10個まで、好ましくは8個まで、より好ましくは6個まで、より好ましくは4個まで、より好ましくは2個までの可溶性タグを含む。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、少なくとも1個、最大4個の可溶性タグを含む。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、少なくとも3個、最大10個の可溶性タグを含む。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、1個のみの可溶性タグを含む。
【0317】
ある実施態様では、少なくとも1個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。他の実施態様では、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個の可溶性タグが、該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。ある実施態様では、1個だけ、好ましくは2個まで、より好ましくは4個まで、より好ましくは6個まで、より好ましくは8個まで、より好ましくは10個までの可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。ある実施態様では、少なくとも1個、最大4個の可溶性タグが、該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。ある実施態様では、少なくとも3個、最大10個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。当業者には理解されるとおり、抗体-薬物コンジュゲートに共有結合した可溶性タグの数は平均数である(これは、ADCの分子の集団にわたって決定される)。好ましくは、該集団は均一な集団である。
【0318】
ある実施態様では、リンカー当たり3個以下の可溶性タグが共有結合される。好ましい実施態様では、リンカー当たり2個以下の可溶性タグが共有結合される。より好ましい実施態様では、リンカー当たり1個以下の可溶性タグが共有結合される。
【0319】
ある実施態様では、ペイロード当たり3個以下の可溶性タグが共有結合される。好ましい実施態様では、ペイロード当たり2個以下の可溶性タグが共有結合される。より好ましい実施態様では、ペイロード当たり1個以下の可溶性タグが共有結合される。
【0320】
ある実施態様では、抗体成分当たり3個以下の可溶性タグが共有結合される。好ましい実施態様では、抗体成分当たり2個以下の可溶性タグが共有結合される。より好ましい実施態様では、抗体成分当たり1個以下の可溶性タグが共有結合される。
【0321】
好ましい実施態様では、1種類の可溶性タグのみが抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。これは、抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している全ての可溶性タグが同一であることを意味する(それらは分子構造に関して同じ種類である)。
【0322】
ある実施態様では、2種類以上の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する。これは、抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、異なる構造を有する少なくとも2個の異なる種類の可溶性タグが存在することを意味する(つまり、ADCに共有結合している可溶性タグは、分子構造に関して2種類以上である)。
【0323】
ある実施態様では、最大2種類の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合される。
【0324】
好ましい実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、1種類のみの可溶性タグを含む。これは、抗体-薬物コンジュゲートに含まれる全ての可溶性タグが同一であることを意味する(それらは分子構造に関して同じ種類である)。
【0325】
ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、2種類以上の可溶性タグを含む。これは、抗体-薬物コンジュゲートが、異なる構造を有する少なくとも2個の異なるタイプの可溶性タグを含むことを意味する(すなわち、ADCに共有結合している可溶性タグは、その分子構造に関して複数の種類である)。
【0326】
ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、最大2個の異なる種類の可溶性タグを含む。
【0327】
典型的には、本発明のADCの可溶性タグは、共有結合によって結合された単糖単位を含むことになる。
【0328】
ある実施態様では、該可溶性タグは単糖単位を含む/該可溶性タグは単糖単位を含む。ある実施態様では、該可溶性タグは単糖単位からなる/該可溶性タグは単糖単位からなる。
【0329】
本明細書で使用される「単糖」は、加水分解によってより単純な糖に分解できず、アルドースまたはケトースの何れかに分類され、分子当たり1個以上のヒドロキシル基(-OH)を含む糖である。単糖類の例には、グルコース(デキストロース)、フルクトース(レブロース)およびガラクトースが含まれる。単糖類は、二糖類(スクロースや乳糖など)、オリゴ糖、多糖類(セルロースやデンプンなど)の構成要素である。本発明では、「単糖」または「単糖単位」という用語を、オリゴ糖中の単一の単糖残基を指すのに使用する。オリゴ糖の文脈内では、単糖単位は、該単糖のヒドロキシル基によって形成される共有結合(例えば、グリコシド結合)を介して別の単糖に結合する単糖である。
【0330】
本明細書で使用される「オリゴ糖」は、2個以上の単糖単位を含む化合物を指す。好ましくは、「オリゴ糖」という用語は、グリコシド結合によって結合された2~12個の単糖単位を含む化合物を指す。受け入れられた命名法に従って、オリゴ糖は、本明細書では左側に非還元末端、右側に還元末端を持って描かれている。
【0331】
単糖およびオリゴ糖は、炭水化物化学の標準的な方法によって化学合成することができる(例えば、Preparative Carbohydrate Chemistry (1997), editor Hanessian, publisher Marcel Dekker, Inc. (New York); Carbohydrate Chemistry: Proven Synthetic Methods (2015), editors Roy and Vidal, CRC Press; Carbohydrate Chemistry: State of the Art and Challenges for Drug Development (2016), editor Cipolla, Imperial College Press (London); CRC Handbook of Oligosaccharides (1990), Vol. I-III, (published 2019), editors: Liptak et al., CHR Press, Inc.; Liaqat and Eltem, Carbohydrate Polymers (2018), vol. 184, p. 243-259参照)。
【0332】
あるいは、オリゴ糖は、バイオテクノロジー的方法によって調製することもできる(例えば、Meyer et al., Biotechnological Production of Oligosaccharides - Applications in the Food Industry, Food Production and Industry (2015), Ayman Hafiz Amer Eissa, IntechOpen, DOI: 10.5772/60934; Liaqat and Eltem, Carbohydrate Polymers (2018), vol. 184, p. 243-259; Samain et al., Carbohydrate Research (1997), vol. 302, p. 35-42; Samain et al., Biotechnol. (1999), vol. 72, p. 33-47参照)。
【0333】
上記のアプローチによって調製されたオリゴ糖の純度をさらに高めるために、オリゴ糖は、例えば沈殿、再結晶、限外濾過、ナノ濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、HPLC精製、UPLC精製または例えばPineloら、Separation and Purification Technology(2009)、vol. 70(1)、p. 1-11.
【0334】
単糖およびオリゴ糖は、当業者に知られている標準的な方法によって特徴付けることができる(例えば、Carbohydrate Chemistry (1988), editor El Khadem, Academic Press (San Diego)参照)。これには、例えば、LC-MS/ESI MS 法、1Dおよび2D NMR、ゲル浸透クロマトグラフィーまたはイオン移動度質量分析法が含まれる(Seeberger et al., Nature(2015), vol. 526(7572), p. 241-244)。
【0335】
ある実施態様では、該可溶性タグは、単糖単位からなるオリゴ糖を含む/該可溶性タグは、単糖単位からなるオリゴ糖を含む。ある実施態様では、該可溶性タグは、単糖単位からなるオリゴ糖からなる。
【0336】
ある実施態様では、可溶性タグは、最大25個、好ましくは最大20個、より好ましくは最大15個、より好ましくは最大12個、より好ましくは最大10個、より好ましくは最大9個、8個まで、より好ましくは7個まで、より好ましくは6個まで、より好ましくは5個までの単糖単位を含む。
【0337】
ある実施態様では、可溶性タグは、少なくとも2、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも4、より好ましくは少なくとも5の単糖単位を含む。
【0338】
ある実施態様では、可溶性タグは5個の単糖単位を含む/各可溶性タグは5個の単糖単位を含む。
【0339】
ある実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグは、3~8、好ましくは4~8、より好ましくは4~7、より好ましくは4~6、より好ましくは4または5の単糖単位からなる。
【0340】
ある実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグは、3~8個、好ましくは4~8個、より好ましくは4~7個の単糖単位からなる。
【0341】
特に好ましい実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグは、4~6個の単糖単位からなる。
【0342】
ある実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグは、4または5個の単糖単位からなる。ある実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグは、5または6個の単糖単位からなる。ある実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグは、5個の単糖単位からなる。
【0343】
ある実施態様では、該可溶性タグ/各可溶性タグを構成する単糖単位は、共有結合によって結合され、オリゴ糖を形成する。
【0344】
特に好ましい実施態様では、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの可溶性タグは、キトオリゴ糖を含むかまたはキトオリゴ糖から構成され得る。
【0345】
本明細書で使用する場合、用語「キトオリゴ糖」(本明細書では「CO」と略す)は、希鉱酸水溶液によるキチン(脱アセチル化されていない、部分的に脱アセチル化または完全に脱アセチル化されている)の加水分解により得られるオリゴ糖を指す。これにより、例えば限外濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィーおよびキャピラリー電気泳動によって、さらに異なるキトオリゴ糖種に分離できる様々なキトオリゴ糖の混合物が得られる。このアプローチによるキトオリゴ糖の調製は、例えば、Schmitzら、Marine Drugs(2019)、vol. 17(8)、p.452.
【0346】
あるいは、キトオリゴ糖は、化学合成によって得ることもできる(Bohe and Crich, in: Comprehensive Organic Synthesis, 2nd edition (2014), vol. 6, editors Knochel and Molander, Elsevier Ltd.; Solid Support Oligosaccharide Synthesis and Combinatorial Carbohydrate Libraries (2001), editor Seeberger, John Wiley & Sons, Inc.)。さらなる代替として、キトオリゴ糖は、バイオテクノロジー的アプローチによって得ることができる(例えば、Samain et al., Carbohydrate Research (1997), vol. 302, p. 35-42; Samain et al., Biotechnol. (1999), vol. 72, p. 33-47参照)。次いで、キトオリゴ糖をさらに精製し、一般的なオリゴ糖について上述したように特徴づけることができる。
【0347】
通常、キトオリゴ糖はD-グルコサミン(GlcN)および/またはN-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc)で構成され、一般式(GlcNAc)m(GlcN)nになる。ここで、mとnは整数である。キトオリゴ糖の単糖単位は、通常、β-(1,4)-グリコシド結合によって結合されている。
【0348】
本明細書で使用する場合、「N-アセチル-D-グルコサミン」は、「N-アセチルグルコサミン」とも呼ばれ、「GlcNAc」と略称され、2-アセチルアミノ-2-デオキシ-D-グルコース(2-アセタミド-2-デオキシ-D-グルコースとも称される)である。グルコースは、本明細書では「Glc」と略記される。
【0349】
本明細書で使用する場合、「グルコサミン」とも呼ばれ、「GlcN」と略されるD-グルコサミンは、2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコースである。
【0350】
キトオリゴ糖の例を以下の表1にまとめてある。化合物の正確な定義に対するCAS(登録商標)登録番号が提供される。
【表1-1】
【表1-2】
【0351】
ある実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグはキトオリゴ糖を含む。
【0352】
好ましい実施態様では、可溶性タグ/各可溶性タグはキトオリゴ糖である(すなわち、可溶性タグ/各可溶性タグはキトオリゴ糖からなる)。
【0353】
ある実施態様において、該キトオリゴ糖は、表1に示されるキトオリゴ糖から選択される。好ましくは、該キトオリゴ糖は、表1に示される3~7個の単糖単位を有するキトオリゴ糖である。より好ましくは、該キトオリゴ糖は、より好ましくは、該キトオリゴ糖は、表1に示す単糖単位を4~6個有するキトオリゴ糖である。
【0354】
ある実施態様では、本発明による可溶性タグの単糖単位(すなわち、本発明による可溶性タグに含まれる単糖単位、それぞれ、本発明による可溶性タグを構成する単糖単位)は、独立して存在する。アルドース、ケトースおよび該アルドースまたはケトースの化学修飾された形態からなる群から選択される。
【0355】
n (H 2 O) n (nは整数)および単一のアルデヒド基(-CH=O)を有するポリヒドロキシアルデヒドである単糖を指す。分子あたり(環形成中に、アルデヒド基がヒドロキシル基と反応してヘミアセタールを形成する)。アルドースの非限定的な例には、アルドヘキソース(例えば、グルコース、マンノースおよびガラクトースを含む全ての炭素数6のアルデヒド含有糖)、アルドペントース(例えば、キシロースおよびアラビノースを含む全ての炭素数5のアルデヒド含有糖)およびアルドテトロース(全て四炭素、アルデヒド含有糖、例えばエリスロースを含む)。
【0356】
本明細書で使用する場合、「ケトース」という用語は、一般化学式Cn(H2O)n(nは整数)を有し、1分子当たり単一のケトン基(=O)を有するポリヒドロキシケトンである単糖を指す。(環形成中、ケトン基はヒドロキシル基と反応してヘミケタールを形成する)。ケトースの非限定的な例には、ケトヘキソース(例えば、フルクトースを含む、全て炭素数6のケトン含有糖)、ケトペントース(例えば、キシルロースおよびリブロースを含む、全て炭素数5のケトン含有糖)およびケトテトロース(全て炭素数4の、ケトン含有糖)が含まれる。ケトース含有糖、例えばエリスルロースを含む。
【0357】
本発明では、上で定義したアルドースおよびケトースは「未修飾」単糖とみなされる。
【0358】
単糖の「化学修飾型」とは、上記で定義した未修飾の単糖ではなく、少なくとも1個の原子または分子基の付加、除去または置換によって上記で定義した未修飾の単糖とは異なる単糖を指す。
【0359】
実施例で使用したオリゴ糖であるCO-V(構造式(I)参照)は、未修飾のオリゴ糖に比べ、軽く修飾されている: GlcN対Glc(すなわち、グルコースの水酸基をアミノ基で置換)は1回、GlcNAc対Glc(すなわち、グルコースの水酸基をN-アセチルアミノ基で置換)は4回である。当業者が認識するとおり、実施例の可溶性タグと比較してより強力な化学修飾は、実施例の可溶性タグと比較して可溶性タグの特性のより顕著な変化をもたらし得る。したがって、本発明は、実施例と比較してさらなる化学修飾を伴う可溶性タグを包含するが、実施例における可溶性タグからの逸脱が少なくなる程度の化学修飾が、より過剰な程度の化学修飾よりも好ましいことが理解される。
【0360】
ある実施態様では、該単糖単位は、アルドースおよび該アルドースの化学修飾形態からなる群から独立して選択される。
【0361】
ある実施態様では、該単糖単位は、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトースおよびテトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびオクトースの化学修飾形態からなる群から個別に選択される。好ましくは、該単糖単位は、テトロース、ペントース、ヘキソースおよびテトロース、ペントースおよびヘキソースの化学修飾形態からなる群から個別に選択される。より好ましくは、該単糖単位は、ペントース、ヘキソースおよびペントースおよびヘキソースの化学修飾形態からなる群から個別に選択される。より好ましくは、該単糖単位は、ヘキソースおよび化学修飾された形態のヘキソースからなる群から選択される。
【0362】
「個別に選択」という用語は、個々の単糖単位ごとに、列挙されたオプションから独立した選択を行うことができることを示する。例えば、3個の単糖単位からなるオリゴ糖の単糖単位がペントース(P)および六単糖(H)からなる群から「個別に選択」される場合、該オリゴ糖の第1、第2および第3の単糖単位はそれぞれ独立して存在し得る。ペントース(P)およびヘキソース(H)からなる群から選択される。したがって、この例では、PPP、PPH、PHP、PHH、HPP、HPH、HHPおよびHHHの組み合わせが含まれる。
【0363】
当業者が承知しているように、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびオクトースは化学式Cn(H2O)nを有し、テトロースについてはn=4、ペントースについてはn=5、ヘキソースについてはn=6である。、ヘプトースではn=7、オクトースではn=8である。テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトースは、アルドースまたはケトースとして存在できる。
【0364】
ある実施態様では、該単糖単位は、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびオクトースからなる群から個別に選択される。好ましくは、該単糖単位は、テトロース、ペントースおよびヘキソースからなる群から個別に選択される。より好ましくは、該単糖単位は、ペントースおよびヘキソースからなる群から個別に選択される。より好ましくは、該単糖単位はヘキソースである。
【0365】
ある実施態様では、該可溶性タグの該単糖単位は、化学修飾によって修飾されていない。
【0366】
ある実施態様では、該テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびオクトースは、化学式Cn(H2O)nを有する。ここで、テトロースについてはn=4、ペントースについてはn=5、ヘキソースについてはn=6、ヘプトースについてはn=7、オクトースについてはn=8n。
【0367】
ある実施態様では、該アルドースは化学式C n (H 2 O) nを有し、好ましくはnは整数であり、4≦n≦12であり、より好ましくはnは整数であり、4≦n≦8であり、より好ましくはnである。は整数であり、5≦n≦7であり、より好ましくはnは5または6であり、さらに好ましくはnは6である。
【0368】
ある実施態様では、該ケトースは化学式Cn(H2O)nを有し、好ましくはnは整数であり、4≦n≦12であり、より好ましくはnは整数であり、4≦n≦8であり、より好ましくはnである。は整数であり、5≦n≦7であり、より好ましくはnは5または6であり、さらに好ましくはnは6である。
【0369】
好ましくは、該テトロースは、エリスロースおよびトレオースからなる群から個別に選択される。
【0370】
好ましくは、該ペントースは、リボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースからなる群から個別に選択される。
【0371】
好ましくは、該ヘキソースは、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースからなる群から個別に選択される。
【0372】
ある実施態様では、該単糖単位はD-糖である。本明細書で使用される用語「D-糖」は、当業者に知られているフィッシャー投影を指す。
【0373】
ある実施態様では、該可溶性タグの少なくとも1個の単糖単位は、少なくとも1個の化学修飾によって修飾される。ある実施態様では、該可溶性タグの全ての単糖単位が、少なくとも1個の化学修飾によって修飾される。ある実施態様では、該可溶性タグの単糖単位は、3個を超える、好ましくは2個を超える、より好ましくは1個を超える化学修飾によって修飾されていない。
【0374】
ある実施態様では、該可溶性タグの単糖単位あたりの化学修飾の平均数は≦3である。好ましくは、該可溶性タグの単糖単位あたりの化学修飾の平均数は≦2である。より好ましくは、可溶性タグあたりの化学修飾の平均数は≦2である。該可溶性タグの単糖単位は≦1.5である。より好ましくは、該可溶性タグの単糖単位あたりの化学修飾の平均数は≦1である。
【0375】
当業者が理解するとおり、該可溶性タグの単糖単位あたりの化学修飾の平均数は、該可溶性タグの全ての単糖単位に対する化学修飾の総数を、該可溶性タグの単糖単位の数で割ることによって計算される。
【0376】
ある実施態様において、該単糖単位の該化学修飾された形態は、少なくとも1個の化学修飾を有する該単糖単位の形態である。ある実施態様において、該単糖単位の該化学修飾形態は、3個までの化学修飾、好ましくは2個までの化学修飾、より好ましくは1個の化学修飾を有する該単糖単位の形態である。
【0377】
ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:(i)水素、アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキル、ハロゲン、アミノ、N-アシルアミノ、アジド、硫酸、セレニルおよびアジド;(ii)ヒドロキシル基を、スルホキシド、スルホン、硫酸、硫酸エステル、チオ硫酸塩、チオエステル、チオエーテルおよびスルホキシイミンからなる群から選択される硫黄含有部分によって置換する工程;(iii)リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン、リン酸およびリン酸エステルからなる群から選択されるリン含有部分によるヒドロキシル基の置換;(iv)シリル基によるヒドロキシル基の置換またはシリルエーテルの形成によるシリル基の該ヒドロキシル基への共有結合。(v)分岐多価アルコールによるヒドロキシル基の置換。(vi)ヒドロキシル基をアミノ酸もしくは最大3アミノ酸のペプチドで置換するかまたはアミノ酸もしくは最大3アミノ酸のペプチドと該単糖単位との共有結合;(vi)該単糖単位の水酸基によるアセタール形成;(vii)PEG(ポリエチレングリコール)基の該単糖単位への共有結合;(viii)芳香族または複素芳香族置換基への共有結合;(ix)該単糖単位の糖環内の環内二重結合の形成。
【0378】
炭水化物の化学修飾は当業者に知られており、例えば、The Organic Chemistry of Sugars, editors Levy and Fuegedi (2005), CRC Press/Taylor & Francis (USA); Tamburrini et al., Medicinal Research Reviews (2020), vol. 40(2), p. 495-531; Koviach-Cote and Pirinelli, Chemical Reviews (2018), vol. 118(17), p. 7986-8004; Saloranta and Leino, Synlett (2015), vol. 26(4), p. 421-425; Corsaro et al., in: Microwaves in Organic Synthesis, 2nd edition (2006), publisher Wiley-VCH Verlag, p. 579-614; Lichtenthaler, in: Methods and Reagents for Green Chemistry (2007), editors Tundo et al., publisher John Wiley & Sons, p. 23-63に記載されている。
【0379】
ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:水素、アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキルからなる群から選択される置換基によるヒドロキシル基の置換、カルボキシアルキル、ハロゲン、アミノ、N-アシルアミノ、アジド、硫酸塩、セレニルおよびアジド。
【0380】
ある実施態様では、該アルキルは置換または非置換のC1-C5アルキルであり、該アシルは置換または非置換のC1-C5アシルであり、該アシルオキシは置換または非置換のC1-C5アシルオキシであり、該アルケニルは置換または非置換のC1-C5アルケニルであり、該アルキニルは置換または非置換のC1-C5アルキニルであり、該O-アルキルは置換または非置換のC1-C5 O-アルキルであり、該S-アルキルは置換または非置換のC1-C5 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルは置換または非置換のC1-C5カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノは置換または非置換のC1-C5 N-アシルアミノで。好ましくは、該アルキルは非置換のC1-C5アルキルであり、該アシルは非置換のC1-C5アシルであり、該アシルオキシは非置換のC1-C5アシルオキシであり、該アルケニルは非置換のC1-C5アルケニルであり、該アルキニルは非置換である。C1-C5アルキニルであり、該O-アルキルは非置換C1-C5O-アルキルであり、該S-アルキルは非置換C1-C5S-アルキルであり、該カルボキシアルキルは非置換C1-C5カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノは、非置換のC1-C5N-アシルアミノである。
【0381】
いくつかの好ましい実施態様では、該アルキルは置換または非置換のC1-C2アルキルであり、該アシルは置換または非置換のC1-C2アシルであり、該アシルオキシは置換または非置換のC1-C2アシルオキシであり、該アルケニルは置換または非置換のC1-C2アルケニルであり、該アルキニルは置換または非置換のC1-C2アルキニルであり、該O-アルキルは置換または非置換のC1-C2 O-アルキルであり、該S-アルキルは置換または非置換のC1-C2 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルは置換または非置換のC1-C2カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノは置換または非置換のC1-C2 N-アシルアミノである。好ましくは、該アルキルは非置換のC1-C2アルキルであり、該アシルは非置換のC1-C2アシルであり、該アシルオキシは非置換のC1-C2アシルオキシであり、該アルケニルは非置換のC1-C2アルケニルであり、該アルキニルは非置換のC1-C2アルキニルであり、該O-アルキルは非置換のC1-C2 O-アルキルであり、該S-アルキルは非置換のC1-C2 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルは非置換のC1-C2 カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノは非置換のC1-C2 N-アシルアミノである。
【0382】
ある実施態様において、該アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノは、直鎖状または分枝鎖状である。好ましくは、該アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノは直鎖である。
【0383】
ある実施態様では、該置換アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノは、ハロゲン、CN、OH、アミノ、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシから選択される基で置換されている。
【0384】
ある実施態様において、該置換アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノは、分子量≦100Da、好ましくは分子量≦100Daを有する原子または基で置換されている。≦80Da、より好ましくは≦50Daの分子量。
【0385】
ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:スルホキシド、スルホン、硫酸、硫酸エステル、チオ硫酸塩からなる群から選択される硫黄含有部分によるヒドロキシル基の置換、チオエステル、チオエーテルおよびスルホキシイミン。いくつかの好ましい実施態様では、該硫黄含有部分は、100Daまで、より好ましくは50Daまでの分子量を有する。
【0386】
ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:リン酸、ホスホン酸、ホスフィン、リン酸およびリン酸エステルからなる群から選択されるリン含有部分によるヒドロキシル基の置換。いくつかの好ましい実施態様では、該蛍光体含有部分は、100Daまで、より好ましくは50Daまでの分子量を有する。
【0387】
ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:シリル基によるヒドロキシル基の置換またはシリルエーテルの形成によるシリル基の該ヒドロキシル基への共有結合。いくつかの好ましい実施態様では、該シリル基は、150Daまで、より好ましくは100Daまでの分子量を有する。
【0388】
ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:アミノ酸もしくは最大3アミノ酸のペプチドによるヒドロキシル基の置換または最大3アミノ酸のアミノ酸もしくはペプチドの共有結合酸を該単糖単位に付加する。ある実施態様では、該化学修飾は以下から個別に選択される:該単糖単位のヒドロキシル基とのアセタール形成。いくつかの好ましい実施態様では、単糖単位への共有結合ではないアセタールの各置換基は、最大100Da、より好ましくは最大50Daの分子量を有する。
【0389】
ある実施態様では、該化学修飾は、以下から個別に選択される:分岐多価アルコールによるヒドロキシル基の置換。いくつかの好ましい実施態様では、該分岐ポリアルコールは、最大8個のヒドロキシル基、より好ましくは最大5個のヒドロキシル基を有する分岐ポリアルコールである。
【0390】
ある実施態様では、該化学修飾は、以下から個別に選択される:該単糖単位へのPEG(ポリエチレングリコール)基の共有結合。いくつかの好ましい実施態様では、該PEG基は、1000Daまで、より好ましくは500Daまで、より好ましくは120Daまでの分子量を有する。
【0391】
ある実施態様では、該化学修飾は、芳香族または複素芳香族置換基への共有結合から個別に選択される。いくつかの好ましい実施態様では、該芳香族または複素芳香族置換基は、200Daまで、より好ましくは100Daまでの分子量を有する。
【0392】
該単糖単位の糖環内の環内二重結合形成。
【0393】
ある実施態様では、該単糖の該化学修飾は、水素、アミノ、N-アセチルアミノ、メチル、メトキシおよび硫酸からなる群から選択される置換基による該単糖のヒドロキシル基の置換である。
【0394】
ある実施態様では、該単糖の該化学修飾は、水素、アミノ、N-アセチルアミノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択される置換基による該単糖のヒドロキシル基の置換である。
【0395】
ある実施態様では、該単糖の該化学修飾は、水素、アミノおよびN-アセチルアミノからなる群から選択される置換基による該単糖のヒドロキシル基の置換である。
【0396】
ある実施態様では、該単糖単位の該化学修飾された形態は、1、2または3個の化学修飾、好ましくは1個または2個の化学修飾、より好ましくは1個の化学修飾を有する該単糖単位の形態である。
【0397】
ある実施態様において、該単糖単位の該化学修飾形態は、1、2または3個のヒドロキシル基が独立して置換された該単糖単位の形態である。いくつかの好ましい実施態様において、該単糖単位の該化学修飾された形態は、1個または2個のヒドロキシル基が独立して置換された該単糖単位の形態である。いくつかのより好ましい実施態様において、該単糖単位の該化学修飾された形態は、1個のヒドロキシル基が独立して置換された該単糖単位の形態である。
【0398】
ある実施態様では、該単糖単位の該化学修飾された形態は、1個または2個のヒドロキシル基が水素、アミノ基、N-アセチルアミノ基、メチル基、メトキシ基または硫酸基によって独立して置換された該単糖単位の形態である。
【0399】
ある実施態様では、該単糖単位の該化学修飾された形態は、1個または2個のヒドロキシル基が水素、アミノ基、N-アセチルアミノ基、メチル基またはメトキシ基によって独立して置換された該単糖単位の形態である。
【0400】
ある実施態様において、該単糖単位の該化学修飾形態は、1個または2個のヒドロキシル基が独立して水素、アミノ基またはN-アセチルアミノ基によって置換された該単糖単位の形態である。
【0401】
ある実施態様では、化学修飾から生じる単糖単位の炭素主鎖に対する置換基は、800ダルトン以下、好ましくは400ダルトン以下、より好ましくは200ダルトン以下、より好ましくは100ダルトン以下の分子量を有する。
【0402】
ある実施態様では、該可溶性タグは、グルコース、化学修飾された形態のグルコース、ガラクトースおよび化学的に修飾された形態のガラクトースからなる群から選択される単糖単位以外の単糖単位を含む/該可溶性タグは含まない。
【0403】
該可溶性タグは、グルコサミン(GlcN)、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)、フコース(Fuc)および6-メチル-フコースから選択される単糖以外の単糖単位を含まない。いくつかの好ましい実施態様では、該可溶性タグは、単糖単位としてグルコサミン(GlcN)およびN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)から選択される単糖のみを含む。いくつかのより好ましい実施態様では、該可溶性タグは、単糖単位としてN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)のみを含む/該可溶性タグは含む。
【0404】
本明細書で使用される「フコース」(「Fuc」と略される)は、6-デオキシ-L-ガラクトースである。
【0405】
ある実施態様では、該可溶性タグは、グルコサミン(GlcN)、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)および6-メチル-フコースからなる群から選択される共有結合した単糖単位のみからなる/該可溶性タグは、からなる。いくつかの好ましい実施態様では、該可溶性タグは、グルコサミン(GlcN)およびN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)からなる群から選択される共有結合した単糖単位のみからなる。いくつかのより好ましい実施態様では、該可溶性タグは、共有結合したN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位のみからなる。
【0406】
ある実施態様では、該可溶性タグは、少なくとも3個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位、好ましくは少なくとも4個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位を含む。
【0407】
ある実施態様では、該可溶性タグは、1個のグルコサミン(GlcN)単位および4個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位を含む/該可溶性タグは、1個のグルコサミン(GlcN)単位を含む。いくつかの好ましい実施態様では、該可溶性タグは、1個のグルコサミン(GlcN)単位と4個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位からなる。
【0408】
ある実施態様では、該可溶性タグの単糖単位は、分岐のない直線状に結合する。ある実施態様では、該可溶性タグの単糖単位は分岐状に結合する。
【0409】
ある実施態様では、該単糖単位は、グリコシド結合、エーテル結合、エステル結合および別の単糖への結合に対する単糖単位のアノマー中心にあるヒドロキシ基の交換からなる群から個別に選択される結合によって共有結合する。ある実施態様では、該単糖単位は、グリコシド結合によって共有結合する。当業者には分かるように、これは、単糖単位が、単糖単位のヘミアセタールまたはヘミケタール基と別の単糖単位のヒドロキシル基との間に形成される共有結合によって結合されていることを意味する。
【0410】
ある実施態様では、可溶性タグの単糖単位は環状である。当業者が承知しているように、単糖は環状(「環状」)または開鎖状の何れかで存在することができる。オリゴ糖の末端単糖の場合、環の形態は開鎖の形態と平衡にあり得ることが理解される。本発明によれば、そのような末端単糖は依然として環状であるとみなされる。
【0411】
ある実施態様では、該可溶性タグは、該可溶性タグのGlcN単糖単位と該リンカーとの間の共有結合を介して、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される。
【0412】
ある実施態様では、該可溶性タグは、該可溶性タグのGlcN単糖単位を該リンカーに共有結合するベータアラニン基を介して、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される。
【0413】
ある実施態様では、該可溶性タグは、該可溶性タグのGlcN単糖単位と該リンカーとの間の共有結合の形成によって、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される。
【0414】
ある実施態様では、該可溶性タグは、該リンカーと、該可溶性タグの単糖単位の炭素2に結合したアミノ基との間の共有結合を介して、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ、該分子)に結合される。「炭素2」の数字は、単糖類の炭素主鎖の炭素原子の標準的な番号付けを指す(つまり、炭素原子には、C=O基に最も近い端から開始して、主鎖に沿って1からxまで番号が付けられる)。オリゴ糖のC=O基はアセタールまたはヘミアセタールを形成する可能性がある。
【0415】
好ましくは、該アミノ基は、該オリゴ糖(すなわち、該可溶性タグに含まれる/該可溶性タグを構成するオリゴ糖)の非還元末端の末端単糖単位の炭素C-2に結合する。
【0416】
ADC分子あたりの可溶性タグの数は、抗体成分との結合前に化学反応によって可溶性タグがリンカーまたはリンカー-ペイロード構築物に結合されている場合に便利に制御できる。最終的なADC内の可溶性タグの数を増やすには、リンカー/リンカー-ペイロード構築物ごとにさらに多くの可溶性タグを含めるか、ADC内の可溶性タグ付き隣家-/リンカー-ペイロード構築物の数を増やすことができる。
【0417】
当業者が承知しているように、リンカー/リンカー-ペイロード構築物当たりのより多くの可溶性タグの結合は、例えばリンカーモチーフにおける適切な反応基の使用によって促進される。2個の反応性基の適切な組み合わせにより、一方はリンカー/リンカーペイロード構築物上に、他方はタグ上に(例えば、オリゴ糖タグのグルコサミンユニットのアミノ基とのアミド結合形成のためのカルボン酸またはアジド/アルキンやハロゲン/チオールなどの組み合わせ。タグは、それぞれリンカーまたはリンカー-ペイロード構築物の合成の初期段階または後期段階で追加できる。
【0418】
それとは別にまたはそれに加えて、抗体成分あたりのリンカー/リンカー-ペイロード構築物の数は、結合方法の変更によって制御できる。トランスグルタミナーゼなどの部位特異的結合では、抗体成分ごとのリンカー/リンカー-ペイロード構築物の数が認識配列の数に制限される(通常、全長抗体の配列には2個のトランスグルタミナーゼ認識配列があるが、これは可能性がある)。抗体配列を突然変異させることによって変更することによって適応させることができる)、非特異的なリジン結合またはより特異的な鎖間システインの使用により、比率の調節が可能になる。これらのアプローチは、可溶性タグが抗体成分に直接(すなわち、リンカーまたはペイロードを介さずに)結合している場合、抗体成分当たりの可溶性タグの数を制御することも可能にする。
【0419】
ある実施態様では、可溶性タグは、オリゴ糖GlcN-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAcを含む/各可溶性タグは含む。
【0420】
ある実施態様では、可溶性タグはオリゴ糖GlcN-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAcからなる/各可溶性タグはオリゴ糖からなる。
【0421】
好ましくは、該オリゴ糖GlcN-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAcは、該オリゴ糖のGlcN単糖単位への共有結合によって、抗体-薬物コンジュゲートの別の成分に結合される。
【0422】
ある実施態様では、該可溶性タグは、O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(14)-O-(→2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)であるか、又はそれを含む-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース。
【0423】
ある実施態様では、該可溶性タグは、O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(14)-O-(→2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)であるか、又はそれを含む-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-{(6-デスオキシ-2-O-メチル-α-L-ガラクトピラノシル)-(16→)-O}-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)であるかまたはそれを含む。
【0424】
ある実施態様では、該可溶性タグは、O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(14)-O-(→2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)であるか、又はそれを含む-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)であるかまたはそれを含む。
【0425】
ある実施態様では、該可溶性タグは、O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(14→)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-6-O-スルホ-D-グルコピラノースのナトリウム塩であるかまたはそれを含む。
【0426】
ある実施態様では、該可溶性タグは、O-(2-デオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(14)-O- →(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)であるかまたはそれを含む。
【0427】
ある実施態様では、該可溶性タグは、N-[(3R,4R,6R)-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)]であるかまたはそれを含む-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む。
【0428】
ある実施態様では、該可溶性タグは、N-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-6-[[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-テトラヒドロピラン[-2-イル]オキシメチル]-2,4-ジヒドロキシ-テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む。
【0429】
ある実施態様では、該可溶性タグは、N-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む。
【0430】
ある実施態様では、該可溶性タグは、((2R,3S,4R,5R)-5-アセトアミド-3-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4,6-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル硫酸ナトリウム(I)であるかまたはそれを含む。
【0431】
ある実施態様では、該可溶性タグは、N-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-]であるかまたはそれを含む。(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む。
【0432】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(I)を有する化学基を含む。
【化1】
【0433】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(II)を有する化学基を含む。
【化2】
【0434】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(III)を有する化学基を含む。
【化3】
【0435】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(IV)を有する化学基を含む。
【化4】
【0436】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(I)を有する化学基である。
【化5】
【0437】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(II)を有する化学基である。
【化6】
【0438】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(III)を有する化学基である。
【化7】
【0439】
ある実施態様では、該可溶性タグは、構造式(IV)を有する化学基である。
【化8】
【0440】
当業者が理解するとおり、構造式(I)~(IV)を有する化学基は、そ例えば、上記または実施例に記載の結合の何れか(例えば、該分子/抗体-薬物コンジュゲート/その成分と、該化学基内の単糖単位の炭素2に結合したアミノ基との共有結合)によって、該分子/抗体-薬物コンジュゲート/その成分に結合することができる。構造式(I)~(IV)を有する化学基が該分子/抗体-薬物コンジュゲートにそれぞれその成分として共有結合している場合、例えば構造式(I)~(IV)中の水素原子が該分子/抗体-薬物コンジュゲートによって置換されていてもよい理解される(すなわち、構造式(I)~(IV)において代わりに水素原子に結合しているように示されている共有結合は、該化学基が該分子/抗体薬物コンジュゲート/その成分に結合している共有結合を形成している)。
【0441】
当業者には理解されるとおり、天然の抗体のグリコシル化は、本発明による可溶性タグではない。
【0442】
ある実施態様では、該可溶性タグはN結合型グリカンではない。ある実施態様では、該可溶性タグは、N結合型グリカンではなく、N結合型グリカンを含まず、N結合型グリカン内の分子基でもない。
【0443】
本明細書で使用する「N結合型グリカン」という用語は、糖タンパク質の一部としてポリペプチド内のアスパラギンの側鎖の窒素に共有結合によって結合している単糖、オリゴ糖または多糖である。
【0444】
本明細書で使用される「N結合型グリカン内の」分子基は、該N結合型グリカンの化学構造の一部である分子基である。
【0445】
ある実施態様では、該可溶性タグは、N結合型グリカンまたはO結合型グリカンではない。ある実施態様では、該可溶性タグは、N結合型グリカンまたはO結合型グリカンではなく、N結合型グリカンまたはO結合型グリカンを含まず、N結合型グリカンまたはO結合型グリカン内の分子基ではない。
【0446】
本明細書で使用する場合、「O結合型グリカン」は、糖タンパク質の一部としてポリペプチド内のセリンまたはスレオニンの側鎖の酸素に共有結合で結合した単糖類(典型的にはN-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、キシロース)である。
【0447】
ある実施態様では、該抗体成分はグリコシル化されていないかまたはIgG1重鎖のAsn297位(EU番号付け)のみにグリコシル化を有するかの何れかである。好ましくは、Asn297における該グリコシル化は、天然抗体のグリコシル化である。
【0448】
「EUナンバリング」という用語は、抗体重鎖のナンバリングが、Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed. (1991), editors Kabat et al., National Institutes of Health (Bethesda, USA)に教示されている。EUインデックスは、ヒトIgG1EU抗体の残基番号付けに基づいている(Edelmanら、Proc Natl Acad Sci USA(1969)、vol.63、p.78-85)。
【0449】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体または抗原結合フラグメント)は、単糖を全く持たないかまたは抗体のグリコシル化における単糖以外の単糖を持たない。ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体または抗原結合フラグメント)は、いかなる抗体グリコシル化も有さない。
【0450】
ある実施態様では、該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体または抗原結合フラグメント)は、いかなるキトオリゴ糖も含まない。ある実施態様では、該抗体成分は単糖単位を含まない。
【0451】
ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)は、可溶性タグのキトオリゴ糖を超えるキトオリゴ糖を含まない。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、可溶性タグの単糖単位および場合により抗体成分(抗体または抗原結合フラグメントのそれぞれ)のグリコシル化の一部である単糖単位を超える他の単糖単位を含まない。項目[38]の)。ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)は、可溶性タグの単糖単位を超える他の単糖単位を含まない。
【0452】
ある実施態様では、可溶性タグを有する該分子は、同じ構造であるが、該可溶性タグを有さない分子よりも高い溶解性を有する。
【0453】
ある実施態様では、可溶性タグを有する該ADCは、同じ構造であるが、該可溶性タグを有さないADCよりも高い溶解度を有する。
【0454】
ADCの溶解度は、製剤開発中に適切な緩衝液中のさまざまなADC濃度下で凝集体の形成を測定することによって評価できる(Kalonia et al., J. Phys. Chem. B (2016), vol. 120, p. 7062-7075; Duerr and Friess, European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics (2019), vol. 139, p. 168-176)、好ましくはDuerr and Friessの方法による。このアプローチにより、特定の可溶性タグがある場合とない場合のADCの溶解度を比較できる。タグがADCの溶解度を増加させるかどうかの適切な最初の評価は、以下の実験セクションで説明するとおり、HIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)実験によっても行うことができる。
【0455】
ある実施態様では、該ペイロードを含まない対応する分子(すなわち、該抗体薬物コンジュゲートの抗体成分、リンカー及び可溶性タグのみからなる分子)は、静脈内投与により、該マウスの体重1kgあたり6mgの用量でマウスに対して非毒性である。
【0456】
ある実施態様において、抗体薬物コンジュゲートは、該ペイロードを含まない対応する分子(すなわち、該抗体薬物コンジュゲートの抗体成分、リンカー及び可溶性タグのみからなる分子)が、マウスを用いた動物試験において、肝毒性の兆候を導かないようなものである。
【0457】
好ましくは、マウスを用いた該動物実験は、該ペイロードを含まない該分子を、成体雌BALB/cヌードマウスに、該マウスの体重1kgあたりADCの6mgの用量で単回静脈内投与し、ヘマトキシリン&エオシンで染色したホルマリン固定肝臓組織を調製し、光学顕微鏡下で病理学分析を行い、ここで光学顕微鏡下の可視病変がないことは、肝臓毒性がないことを表す。この実験をどのように実行できるかについてのさらなる詳細は、以下の実施例8に見出すことができる。
【0458】
別の態様では、本発明は(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(該少なくとも1個のペイロードは治療薬または検出可能なラベルである)、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、および(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬物コンジュゲートに関する。
【0459】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲート、該抗体成分、該少なくとも1個のペイロード、該治療薬、該検出可能なラベル、該リンカー/リンカー及び該少なくとも1個の可溶性タグは、(これが論理的矛盾を招かない限りにおいて)上記実施形態の何れかにおいて定義される通りであるか、又は上記実施形態の何れかの組み合わせによって定義される通りである。
【0460】
溶解性を高める方法
【0461】
上記および以下の実施例セクションに記載されるように、本発明による可溶性タグの共有結合により、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を増加させることができる。したがって、さらなる態様では、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を増加させる方法を提供する。
【0462】
別の態様では、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高めるための方法に関し、該抗体-薬物コンジュゲートは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロードを含み、該少なくとも1個のペイロードは、治療剤または検出可能な標識であるものおよび(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合する1以上のリンカーを含み、該方法は、少なくとも1個の可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合することを含む。
【0463】
別の態様では、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を増加させる方法に関し、該抗体-薬物コンジュゲートは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロードからなり、該少なくとも1個のペイロードは、治療剤または検出可能な標識であるものおよび(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合する1以上のリンカーからなり、該方法は、少なくとも1個の可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合することを含む。
【0464】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲート、該抗体成分、該少なくとも1個のペイロード、該治療薬、該検出可能なラベル、該リンカー/リンカー及び該少なくとも1個の可溶性タグは、(これが論理的矛盾を招かない限りにおいて)上記の実施形態の何れかにおいて定義される通り、又は上記の実施形態の何れかの組み合わせによって定義される通りである。
【0465】
さまざまなアプローチによるADCの一般的な調製方法は、例えば、Matsuda et al., Organic Process Research & Development (2019), vol. 23(12), p. 2647-2654; Walker et al., Bioconjugate Chemistry (2019), vol. 30(9), p. 2452-2457; Barfield and Rabuka, Methods in Molecular Biology (2018), vol. 1728 (Noncanonical Amino Acids), p. 3-16に記載されている。
【0466】
抗体成分、ペイロードおよびリンカーは、「抗体-薬物コンジュゲート」の項で上記に記載し、実施例の項で詳細に示すように、標準的なバイオテクノロジーの方法および合成有機化学の方法によって調製し、共有結合させることができる。
【0467】
「抗体-薬物コンジュゲート」の項で上述したように、本出願によるオリゴ糖ベースの可溶性タグは、炭水化物化学の標準的な方法によって化学的に合成することができる(例えば、Preparative Carbohydrate Chemistry (1997), editor Hanessian, publisher Marcel Dekker, Inc. (New York); Carbohydrate Chemistry: Proven Synthetic Methods (2015), editors Roy and Vidal, CRC Press; Carbohydrate Chemistry: State of the Art and Challenges for Drug Development (2016), editor Cipolla, Imperial College Press (London); CRC Handbook of Oligosaccharides (1990), Vol. I-III, (published 2019), editors: Liptak et al., CHR Press, Inc.; Liaqat and Eltem, Carbohydrate Polymers (2018), vol. 184, p. 243-259参照)。
【0468】
あるいは、オリゴ糖タグは、バイオテクノロジー的方法によって調製することができる(例えば、Meyer et al., Biotechnological Production of Oligosaccharides - Applications in the Food Industry, Food Production and Industry (2015), Ayman Hafiz Amer Eissa, IntechOpen, DOI: 10.5772/60934; Liaqat and Eltem, Carbohydrate Polymers (2018), vol. 184, p. 243-259; Samain et al., Carbohydrate Research (1997), vol. 302, p. 35-42; Samain et al., Biotechnol. (1999), vol. 72, p. 33-47参照)。
【0469】
さらなる精製は、例えば、再結晶化もしくは沈殿、ナノ濾過、限外濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、HPLC精製、UPLC精製または記載の膜および担体のアプローチを含む、例えば、Pineloら、Separation and Purification Technology(2009)、vol. 70(1)、p. 1-11に記載の有機化学の標準的な方法によって実行することができる。
【0470】
中間の単糖およびオリゴ糖、ならびに結合前の最終可溶性タグは、当業者に知られている標準的な方法、例えばLC-MS/ESI MS法、1Dおよび2D NMR、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって特徴付けることができる。またはイオン移動度質量分析法(例えば、Carbohydrate Chemistry (1988), editor El Khadem, Academic Press (San Diego); Seeberger et al., Nature (2015), vol. 526(7572), p. 241-244参照)。
【0471】
異なる成分の結合に直交結合法(トランスグルタミナーゼとシステイン結合の組み合わせなど)を使用することにより、高レベルの制御を達成できる。可溶性タグをリンカーに結合すると、合成中に適切な反応性基をリンカーに含めるのが通常簡単になるという利点がある。一方、抗体成分への可溶性タグの特異的結合は、通常、酵素結合アプローチによって達成できる。
【0472】
可溶性タグを酵素的に付加する際の反応環境は、通常、ADCのタンパク質成分に有害ではないが、タンパク質成分への損傷を避けるために、化学反応による結合条件を適切に選択する必要がある。適切な条件は、抗体成分への化学的リンカー結合の条件から推測することができる。したがって、タグは、例えば、クリックケミストリーまたはディールスアルダー型修飾(Rossin et al., Bioconjugate Chemistry (2016), vol. 27(7), p. 1697-1706)などの付加環化反応を介してまたはアルデヒド(Barfield and Rabuka, Methods in Molecular Biology (2018), vol. 1728, p. 3-16)を使用して付加することができる。
【0473】
場合によっては、抗体-薬物コンジュゲートへの可溶性基の共有結合は、以下に記載する中間化合物を用いて実施することができる。この中間化合物を得るには、標準的な有機合成方法により活性化基を導入して可溶性タグを活性化する。活性化剤基は反応性官能基であり、例えばマレイミド、ハロゲンアセトアミド、アルキルハロゲン、マイケルアクセプター(ビニルピリジンなど)または付加環化に適した基(ケトン、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルボン酸など)であり得る。付加環化に適した酸、アルケンまたはアルキン)。続いて、該活性化剤基と抗体-薬物コンジュゲート内の適切な分子基との反応によって、可溶性タグが抗体-薬物コンジュゲートに共有結合される。当業者には理解されるとおり、可溶性タグの抗体-薬物コンジュゲートへの共有結合は、可溶性タグではなく抗体-薬物コンジュゲート上の活性化基を用いて達成することもできる。
【0474】
次いで、可溶性タグの抗体-薬物コンジュゲートへの共有結合の成功は、当業者に知られている標準的な方法、例えばLC-MSによって確認することができる。
【0475】
本発明が修飾または作用が「抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高める」ことを示す場合、これは、該方法を実行した後の抗体-薬物コンジュゲートの溶解度が、該方法を実行する前よりも高くなる状況を指す。
【0476】
抗体-薬物コンジュゲートの溶解度の増加が実際に達成されたかどうかを検証するには、可溶性タグの共有結合の前後の抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を、例えば、以下の条件下で凝集体の形成を測定することによって評価することができる。製剤開発中の適切な緩衝液中の異なるADC濃度(Kalonia et al., J. Phys. Chem. B (2016), vol. 120, p. 7062-7075; Duerr and Friess, European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics (2019), vol. 139, p. 168-176)、好ましくはDuerrとFriessの方法による。このアプローチにより、特定の可溶性タグがある場合とない場合のADCの溶解度を比較できる。
【0477】
あるいは、以下の実施例4に記載されているように、HIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)実験を実施することもできる。サンプル間の比較性は、内部標準を使用することで保証できる。疎水性相互作用クロマトグラフィーにおける保持時間が短い場合は、溶解度が増加していることを示する。
【0478】
別の態様では、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を高めるための可溶性タグの使用に関する。
【0479】
ある実施態様では、該使用は、該可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合させる工程を含む。
【0480】
該使用のある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(ここで、該少なくとも1個のペイロードは治療剤または検出可能な標識である)および(iii)リンカーを含む。該ペイロードまたは複数のペイロードと該抗体成分とを共有結合させる工程とを含む。
【0481】
該使用のある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(ここで、該少なくとも1個のペイロードは治療剤または検出可能な標識である)および(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーからなる。
【0482】
好ましくは、そのような使用において、該抗体-薬物コンジュゲート、該抗体成分、該少なくとも1個のペイロード、該治療剤、該検出可能な標識、該リンカーおよび該少なくとも1個の可溶性タグは、(これが論理的矛盾につながらない限り)は、上記の実施態様の何れかで定義されるかまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義される(上記の「抗体-薬物コンジュゲート」のセクション参照)。
【0483】
抗体成分、ペイロードおよびリンカーの調製と共有結合、可溶性タグの調製、精製および特性評価、可溶性タグの共有結合、可溶性タグの結合が成功したことの確認および可溶性タグが実際に増強をもたらしたことの検証抗体-薬物コンジュゲートの溶解度の調整は全て、上記の抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高める方法に関して記載したように行うことができる。
【0484】
別の態様では、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高めるための方法に関し、該抗体-薬物コンジュゲートは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロードを含み、該少なくとも1個のペイロードは、治療剤または検出可能な標識および(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合する1以上のリンカーを含み、該方法は、該抗体-薬物コンジュゲートが共有結合している形態で該抗体-薬物コンジュゲートを調製することを含む。少なくとも1個の可溶性タグにリンクされている。
【0485】
別の態様では、本発明は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を増加させる方法に関し、該抗体-薬物コンジュゲートは、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロードからなり、該少なくとも1個のペイロードは、治療剤または検出可能な標識および(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合する1以上のリンカーであって、該方法が、該抗体-薬物コンジュゲートが、少なくとも1個の可溶性タグに共有結合する。
【0486】
別の態様では、本発明は、(i)抗体成分と、(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療薬または検出可能な標識であるものと、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカーとを含む化学化合物の溶解度を高める方法に関し、該方法は、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子を調製することからなり、該分子は抗体-薬剤コンジュゲートである。
【0487】
別の態様では、本発明は、抗体成分と、(i)抗体成分と、(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療薬または検出可能なラベルであるものと、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカーとを含む化学化合物の溶解度を高める方法に関し、該方法は、該化学化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子を調製することからなり、該分子は抗体-薬剤コンジュゲートである。
【0488】
別の態様では、本発明は、((i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(該少なくとも1個のペイロードは治療薬または検出可能な標識)、および(iii)該ペイロード/ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー/リンカーからなる分子の溶解度を高めるための方法に関し、該方法が、該分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している形態で該分子を調製することを含み、その結果、(i)抗体成分、(ii)該少なくとも1個のペイロードが治療薬または検出可能なラベルである少なくとも1個のペイロード、(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合しているリンカー、および(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬物コンジュゲートを生じる。
【0489】
別の態様では、本発明は、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード(該少なくとも1個のペイロードは治療薬または検出可能なラベル)、および(iii)該ペイロード/ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー/リンカーからなる分子の溶解度を高めるための方法に関し、該方法該分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合する形態で該分子を調製することを含み、その結果、(i)抗体成分、(ii)少なくとも1個のペイロード、ここで該少なくとも1個のペイロードは治療薬または検出可能ラベル、(iii)該ペイロード/ペイロードと該抗体成分とを共有結合でつなぐリンカー/リンカーおよび(iv)少なくとも1個の可溶性タグからなる抗体-薬剤コンジュゲイトを生じる。
【0490】
好ましくは、そのような方法において、該抗体-薬物コンジュゲート、該抗体成分、該少なくとも1個のペイロード、該治療剤、該検出可能な標識、該リンカー/リンカーおよび該少なくとも1個の可溶性タグは、(これが論理的な問題につながらない限り)矛盾)は、上記の実施態様の何れかで定義されるかまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義される(上記の「抗体-薬物コンジュゲート」のセクション参照)。
【0491】
抗体成分、ペイロードおよびリンカーの調製、ならびに可溶性タグの調製、精製および特性評価は、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を増加させる方法について上述したように行うことができる。
【0492】
「該抗体-薬物コンジュゲート/分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している形態で」抗体-薬物コンジュゲート/分子を調製することは、抗体-薬物コンジュゲート/分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している化合物を生成することを意味する。可溶性タグが1個ある。これは、抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高める方法について上述したように、個々の成分(すなわち、抗体成分、ペイロード、リンカーおよび可溶性タグ)を調製および特徴付けし、次いでそれらを共有結合させることによって達成され得る。個々のコンポーネントがリンクされる順序は制限されません。したがって、例えば、有機合成化学の方法によって、可溶性タグに共有結合したリンカー-ペイロード構築物を調製し、最終段階でこの構築物を、文献に記載されているような標準的な結合方法によって抗体成分に結合させることも可能である(例えばBehrens et al., Molecular Pharmaceutics (2015), vol. 12(11), p. 3986-3998; Stefano, Methods in Molecular Biology (2013), vol. 1045, p. 145-171; Dickgiesser et al., in: Methods in Molecular Biology: Enzyme-Mediated Ligation Methods (2019), editors Nuijens and Schmidt, vol. 2012, p. 135-149; Dickgiesser et al., Bioconjugate Chem. (2020), vol. 31(4), p. 1070-1076参照)および以下の実施例3に記載されている。
【0493】
所望の化合物が得られたことの確認および可溶性タグを含めることにより実際に溶解度が増加することの検証を、上記のとおり実行することができる。
【0494】
本発明に従ってADCを準備するための方法およびツール
【0495】
本発明によるオリゴ糖ベースの可溶性タグを有する抗体-薬物コンジュゲートは、「抗体-薬物コンジュゲート」および「溶解性を高めるための方法」の項で上述したように調製することができる。本発明による抗体-薬物コンジュゲートを調製するためのさらなる方法およびツールを以下に開示する。
【0496】
別の態様では、本発明は、本発明で定義される抗体-薬物コンジュゲートを調製するための方法に関し、該方法は、(i)(a)本開示において定義される抗体成分、本開示において定義されるペイロードおよび本開示において定義されるリンカーを含む分子と(b)本開示において定義される可溶性タグとの間の共有結合の形成を生じる反応を実施する工程を含むまたは(ii)(a)本開示において定義される抗体成分と、(b)本開示において定義されるペイロード、本開示において定義されるリンカーおよび本開示において定義される可溶性タグを含む分子との間の共有結合の形成をもたらす反応または(iii)(a)本開示で定義される抗体成分、本開示で定義されるリンカーおよび本開示で定義される可溶性タグを含む分子と、(b)本開示で定義されるペイロードとの間の共有結合の形成をもたらす反応または(iv)(a)本開示で定義される抗体成分および本開示で定義されるリンカーを含む分子と、(b)本開示で定義される可溶性タグを含む分子と、本開示で定義されるペイロードとの間の共有結合の形成をもたらす反応を実施し、共有結合した可溶性タグを有する抗体-薬剤コンジュゲートを生成させる。好ましくは、該ペイロードは、治療薬または検出可能な標識である。好ましくは、該ペイロードは治療剤または検出可能な標識である。
【0497】
好ましくは、そのような方法において、該抗体-薬物コンジュゲート、該抗体成分、該ペイロード、該治療剤、該検出可能な標識、該リンカーおよび該可溶性タグは、(これが論理的矛盾を引き起こさない限り)以下の何れかにおいて定義されるとおりである。上記の実施態様または上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義される(上記のセクション「抗体-薬物コンジュゲート」参照)。
【0498】
抗体成分、ペイロード、リンカーおよび可溶性タグの調製、精製および特性評価は、記載されているように実行できる。
【0499】
あるいは、ADC合成の中間体(例えば、リンカー、ペイロードおよび可溶性タグを含む構築物)は、事前に調製した成分を共有結合することによってではなく、(例えば、実施例1に示すように)1個の分子内で完全な構築物を徐々に合成することによって構築することができる。下)。合成順序およびその柔軟性は、所望の構造になるように駆動され、様々なアプローチが記載されている(例えば、Quiles et al., Journal of Medicinal Chemistry (2010), vol. 53(2), p. 586-594; Feuillatre et al., ACS Omega (2020), vol. 5(3), p. 1557-1565; Sonzini, Bioconjugate Chemistry (2020), vol. 31(1), p. 123-129; Watkinson, BioProcess International (2017), vol. 15(10), p. 22-33参照)。
【0500】
個々の成分の共有結合には、有機合成化学の標準的な方法を使用できる(上記参照)。可溶性タグを含むADCの調製が成功したことの確認は、上記および実施例に記載のように実行することができる。
【0501】
抗体-薬物コンジュゲートの別の成分への可溶性タグの共有結合は、可溶性タグを「活性化」し(すなわち、反応性化学基を有する中間体を形成することによって)、続いてその活性化された中間体が共有結合する反応を実行することによって達成され得る。抗体-薬物コンジュゲートの他の成分に結合する。
【0502】
したがって、別の態様では、本発明は、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの調製に使用するための化合物に関し、該化合物は、活性化因子基に結合された本発明で定義される可溶性タグを含む。
【0503】
ある実施態様では、該化合物は、活性化基に結合された本発明で定義される可溶性タグからなる。
【0504】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲートおよび該可溶性タグは、(これが論理的矛盾を引き起こさない限り)上記の実施態様の何れかで定義されるとおりまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義されるとおりである(上記の「抗体-薬物コンジュゲート」セクション参照)。
【0505】
本明細書で使用される「活性化基」は、可溶性タグを別の化合物または抗体-薬物コンジュゲート、例えば、本発明で定義される抗体成分、リンカーまたはペイロードに共有結合させるのに有用な反応性化学基である。当業者には理解されるとおり、反応性基は、共役反応について上述したように、適合性および選択性に基づいて選択されなければならない。
【0506】
ある実施態様では、該活性化剤基は、マレイミド、ハロゲンアセトアミド、アルキルハロゲン、マイケルアクセプター(ここで、該マイケルアクセプターは好ましくはビニルピリジンである)および付加環化に適した基(ここで、該マイケルアクセプターは好ましくはビニルピリジンである)からなる群から選択される。付加環化に適した基は、好ましくは、付加環化に適したケトン、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルボン酸、アルケンまたはアルキンである。
【0507】
別の態様では、本発明は、本発明による方法によって調製された抗体-薬物コンジュゲートに関する。本発明による該方法は、本発明による抗体-薬物コンジュゲート/分子の溶解度を高めるための方法の何れであってもよく、本発明による抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を高めるための可溶性タグの使用。本発明または本発明による抗体-薬物コンジュゲートの調製方法に関する。
【0508】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲートは、(論理的矛盾を引き起こさない限り)上記の実施態様の何れかで定義されるとおりまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義されるとおりである(上記の「抗体-薬物コンジュゲーション」セクション参照)。
【0509】
医薬組成物と医療用途
【0510】
別の態様では、本発明は、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明による方法によって調製された抗体-薬物コンジュゲートを含む医薬組成物に関する。
【0511】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲートおよび該方法は、上記の実施態様の何れかで定義されるとおりまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義されるとおりである(上記、「抗体-薬物コンジュゲート」のセクション参照)。
【0512】
医薬組成物を調製するための方法は、当業者に知られている(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed. (2012), Pharmaceutical Press)。
【0513】
ある実施態様では、該医薬組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含む。
【0514】
「薬学的に許容される」という用語は、該担体、希釈剤または賦形剤が、医薬組成物の他の成分と適合し、医薬組成物が投与される患者に有害ではない、非毒性の不活性材料であることを示す。医薬品に使用できる。医薬組成物中の担体、希釈剤または賦形剤として適した物質は当業者に知られている(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed. (2012), Pharmaceutical Press)。医薬組成物は、例えば追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色剤、乳化剤、充填剤、着香剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤および/または他の通常の医薬補助剤をさらに含んでもよい。
【0515】
ある実施態様では、該医薬組成物は、少なくとも1個の追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色剤、乳化剤、充填剤、着香剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤および/または他の通常の医薬補助剤をさらに含む。
【0516】
別の態様では、本発明は、薬剤として使用するための、本発明による抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0517】
別の態様では、本発明は、癌の治療に使用するための、本発明による抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明による医薬組成物に関する。別の態様では、本発明は、悪性腫瘍の治療に使用するための、本発明による抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明による医薬組成物に関する。別の態様では、本発明は、炎症性疾患の治療に使用するための、本発明による抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明による医薬組成物に関する。
【0518】
ある実施態様では、該抗体-薬物コンジュゲートおよび該医薬組成物は、ヒトの治療に使用するためのものである。
【0519】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲートおよび該医薬組成物は、上記の実施態様の何れかで定義されるとおりまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義されるとおりである(特に、上記の「抗体-薬物コンジュゲート」のセクション参照)。
【0520】
本発明による抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明による医薬組成物を含む薬剤の製造は、周知の薬学的方法に従って行うことができる。製剤および投与の技術に関するさらなる詳細は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd ed. (2012), Pharmaceutical Pressに見られ得る。
【0521】
本明細書で使用される疾患の「治療」および疾患を「治療する」とは、対象に薬学的治療、例えば薬物の投与を提供して、該疾患が軽減、軽減、最小化、停止または停止されるプロセスを指す。さらには治癒するおよび/または病気の再発の可能性が減少するか、病気の再発が予防されることさえある。
【0522】
疾患の治療における抗体-薬物コンジュゲートの使用は当業者に知られている(例えば、Coats et al., Clinical Cancer Research (2019), vol. 25(18), p. 5441-5448; Rudra, Bioconjugate Chemistry (2020), vol. 31(3), p. 462-473参照)。したがって、当業者は、治療を成功させるためには、抗体-薬物コンジュゲートの成分、特に抗体成分およびペイロードを適切に選択しなければならないことを認識する。例えば、特定の癌を治療する場合、ADCの抗体成分は、その標的抗原への抗体成分の結合がADCを該癌に向けるように(例えば、癌細胞の表面上に特異的に見出される腫瘍抗原に対する抗体成分を用いることによって)選択される必要がある。同様に、所望の治療効果が達成されるようにペイロードを選択する必要がある。例えば、癌の治療では、細胞傷害性薬剤がペイロードとして選択される場合がある。
【0523】
別の態様では、本発明は、治療を必要とする患者の疾患を治療するための方法であって、治療有効量の本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたはその医薬組成物を該患者に投与する工程を含む方法に関する。現在の開示。
【0524】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲートおよび該医薬組成物は、上記の実施態様の何れかで定義されるとおりまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義されるとおりである(特に、上記の「抗体-薬物コンジュゲート」のセクション参照)。
【0525】
「治療有効量」とは、疾患の症状を改善するのに必要な薬剤の量を意味する。本発明による疾患の治療に使用される活性薬剤(例えば、抗体-薬物コンジュゲート(ADC))の有効量は、投与方法、年齢、体重および一般的な健康状態に応じて変化する。件名。最終的には、担当医または獣医師が適切な量と投与計画を決定する。このような量は、「治療有効」量と呼ばれる。
【0526】
本明細書で使用される「患者」という用語は、哺乳動物(ヒト、ラット、マウス、サル、ブタ、ヤギ、ウシ、ウマ、イヌまたはネコなど)を指す。好ましくは、患者はヒトである。
【0527】
ある実施態様では、該疾患は癌である。ある実施態様では、該疾患は悪性腫瘍である。ある実施態様では、該疾患は炎症性疾患である。
【0528】
別の態様では、本発明は、薬剤の製造のための、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の医薬組成物の使用に関する。
【0529】
別の態様では、本発明は、癌の治療用の薬剤の製造のための、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の医薬組成物の使用に関する。別の態様では、本発明は、悪性腫瘍の治療用の薬剤の製造のための、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の医薬組成物の使用に関する。別の態様では、本発明は、炎症性疾患の治療用の薬剤の製造のための、本発明の抗体-薬物コンジュゲートまたは本発明の医薬組成物の使用に関する。
【0530】
好ましくは、該抗体-薬物コンジュゲートおよび該医薬組成物は、上記の実施態様の何れかで定義されるとおりまたは上記の実施態様の何れかの組み合わせによって定義されるとおりである(特に、上記の「抗体-薬物コンジュゲート」のセクション参照)。
【0531】
ある実施態様では、該薬剤はヒトに投与するために調製される。
【0532】
上記に開示された異なる医療用途のある実施態様では、該炎症性疾患は自己免疫疾患である。
【0533】
上記に開示された異なる医療用途のある実施態様では、該炎症性疾患は、炎症性腸疾患(IBD)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症、関節リウマチ、シェーグレン症候群、及び化膿性汗腺炎(HS)からなる群から選択される。
【0534】
上記に開示された異なる医療用途のある実施態様では、該癌、悪性腫瘍または炎症性疾患はヒトの疾患である。
上述の主題に関して、以下も開示される。
【0535】
[1]
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の可溶性タグ
を含む分子。
【0536】
[2]
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 少なくとも1個の可溶性タグ
を含む分子。
【0537】
[3]
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分、
- 該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカーおよび
- 少なくとも1個の可溶性タグ
を含む分子。
【0538】
[4]
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の可溶性タグ
からなる分子。
【0539】
[5]
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 少なくとも1個の可溶性タグ
からなる分子。
【0540】
[6]
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分、
- 該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカーおよび
- 少なくとも1個の可溶性タグ
からなる分子。
【0541】
[7]標的部分を含む分子の溶解度を増加させる方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させることを含む方法。
【0542】
[8]分子の溶解度を高める方法であって、該分子が
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の機能部分、
を含み、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させることを含む、方法。
【0543】
[9]分子の溶解度を高める方法であって、該分子が
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカー、
を含み、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させることを含む、方法。
【0544】
[10]標的化部分からなる分子の溶解度を増加させる方法であって、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させることを含む方法。
【0545】
[11]分子の溶解度を高める方法であって、該分子が
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の機能部分、
を含み、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させることを含む、方法。
【0546】
[12]分子の溶解度を高める方法であって、該分子が
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカー、
を含み、少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させることを含む、方法。
【0547】
[13]化合物の溶解度を増加させるための方法であって、該化合物が標的部分を含む方法であって、該方法が該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法。
【0548】
[14]化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の機能部分、
を含み、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法。
【0549】
[15]化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカー、
を含み、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法。
【0550】
[16]化合物の溶解度を高めるための方法であって、該化合物が標的化部分からなり、該方法が該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法。
【0551】
[17]化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の機能部分、
からなり、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法。
【0552】
[18]化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 該機能的部分と該標的化部分とを共有結合するリンカー、
からなり、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含む、方法。
【0553】
[19]該化合物の全成分が共有結合している、[13]~[18]の何れかの方法。
【0554】
[20]分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用であって、該分子が標的化部分を含む使用。
【0555】
[21]分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用であって、該分子が
- ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の機能部分
を含む、使用。
【0556】
[22]分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用であって、該分子が
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 該機能的部分(単数または複数)と該標的化部分を共有結合するリンカー
を含む、使用。
【0557】
[23]分子の溶解性を増強するための可溶性タグの使用であって、該分子が標的化部分からなる使用。
【0558】
[24]分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用であって、該分子が
-ターゲティング部分および
- 少なくとも1個の機能部分
からなる、使用。
【0559】
[25]分子の溶解性を高めるための可溶性タグの使用であって、該分子が
- 標的化部分、
- 少なくとも1個の機能部分および
- 該機能的部分(単数または複数)と該標的化部分を共有結合するリンカー
からなる、使用。
【0560】
[26]該使用が少なくとも1個の可溶性タグを該分子に共有結合させる工程を含む、項目[20]~[25]の何れかの使用。
【0561】
[27]、該分子の全ての構成要素が共有結合する、項目[1]~[6]の何れかの分子、項目[7]~[19]の何れかの方法または項目[20]~[26]の何れかの使用。
【0562】
[28]該ターゲティング部分が標的分子またはそのフラグメントに特異的に結合する分子基である、項目[1]~[6]または[27]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]の何れかの方法または項目[20]~[27]の何れかの使用。
【0563】
[29]該標的分子が生体分子である、項目[28]の分子、方法または使用。
【0564】
[30]該標的分子が細胞表面の受容体である、項目[28]~[29]の何れかの分子、方法または使用。
【0565】
[31]該標的分子が標的細胞の表面に存在する抗原である、項目[28]~[30]の何れかの分子、方法または使用。
【0566】
[32]該標的化部分が標的細胞の表面に存在する抗原に特異的に結合することができる、項目[1]~[6]または[27]~[31]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[31]の何れかの方法または項目[20]~[31]の何れかの使用。
【0567】
[33]該標的部分がタンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドまたは小分子を含む、項目[1]~[6]または[27]~[32]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[32]の何れかの方法または項目[20]~[32]の何れかの使用。
【0568】
[34]該標的化部分がタンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドおよび小分子からなる群から選択される、項目[1]~[6]または[27]~[33]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[33]の何れかの方法または項目[20]~[33]の何れかの使用。
【0569】
[35]該ターゲティング部分がタンパク質を含む、項目[1]~[6]または[27]~[34]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[34]の何れかの方法または項目[20]~[34]の何れかの使用。
【0570】
[36]該ターゲティング部分がタンパク質である、項目[1]~[6]または[27]~[35]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[35]の何れかの方法または項目[20]~[35]の何れかの使用。
【0571】
[37]該標的化部分が細胞表面の受容体に特異的に結合するタンパク質リガンドであるタンパク質を含むかまたはそれである、項目[1]~[6]または[27]~[36]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[36]の何れかの方法または項目[20]~[36]の何れかの使用。
【0572】
[38]該ターゲティング部分が抗体またはその抗原結合フラグメントであるタンパク質を含むかまたはそれらである、項目[1]~[6]または[27]~[37]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[37]の何れかの方法または項目[20]~[37]の何れかの使用。
【0573】
[39]該標的化部分が抗体成分であるタンパク質を含むかまたは抗体成分であるタンパク質である、項目[1]~[6]または[27]~[38]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[38]の何れかの方法または項目[20]~[38]の何れかの使用。
【0574】
[40]該標的部分が少なくとも30個のアミノ酸を含むタンパク質を含むかまたはそれである、項目[1]~[6]または[27]~[39]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[39]の何れかの方法または項目[20]~[39]の何れかの使用。
【0575】
[41]項目[1]~[6]または[27]~[40]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[40]の何れかの方法。該ターゲティング部分が2~30個のアミノ酸からなるペプチドを含むかまたはそれである、項目[20]~[40]の何れかの使用。
【0576】
[42]ターゲティング部分がペプチドを含む、項目[1]~[6]または[27]~[41]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[41]の何れかの方法または項目[20]~[41]の何れかの使用。
【0577】
[43]上記ターゲティング部分がペプチドである、項目[1]~[6]または[27]~[34]または[41]~[42]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[34]または[41]~[42]の何れかの方法または項目[20]~[34]または[41]~[42]の何れかの使用。
【0578】
[44]該ターゲティング部分がペプチド模倣物を含む、項目[1]~[6]または[27]~[35]または[37]~[42]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[35]または[37]~[42]の何れかの方法または項目[20]~[35]または[37]~[42]の何れかの使用。
【0579】
[45]該ターゲティング部分がペプチド模倣物である、項目[1]~[6]または[27]~[34]または[44]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]の何れかの方法または項目[20]~[34]または[44]の何れかの使用。
【0580】
[46]該標的化部分がDNAまたはRNAである核酸を含むかまたはそれである、項目[1]~[6]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]の何れかの分子、項目[7]の何れかの方法。[19]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または項目[20]~[35]または[37]~[42]または[44]の何れかの使用。
【0581】
[47]該ターゲティング部分が核酸を含む、項目[1]~[6]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]の何れかの分子、以下の何れかの方法または項目[7]~[19]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]または項目[20]~[35]の何れかの使用または[37]~[42]または[44]または[46]。
【0582】
[48]該ターゲティング部分が核酸である、項目[1]~[6]または[27]~[34]または[46]~[47]の何れかの分子、項目[7]~[19]の何れかの方法または項目[27]~[34]または[46]~[47]の何れかの使用または項目[20]~[34]または[46]~[47]の何れかの使用。
【0583】
[49]該ターゲティング部分がオリゴヌクレオチドを含む、項目[1]~[6]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[48]の何れか一項分子、[7]~[19]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[48]の何れかの方法または項目[20]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[48]の使用。
【0584】
[50]該ターゲティング部分がオリゴヌクレオチドである、項目[1]~[6]または[27]~[34]または[46]~[49]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[34]または[46]~[49]の何れかの方法または項目[20]~[34]または[46]~[49]の何れかの使用。
【0585】
[51]分子量<1000Daの小分子を含むかまたはそれである、項目[1]~[6]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]の何れかの方法または項目[20]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]の何れかの使用。
【0586】
[52]該標的化部分が小分子を含む、項目[1]~[6]または[27]~[35]または[37]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]の何れかの分子、項目[7]~[19]、[27]~[35]、[37]~[42]、[44]、[46]~[47]、[49]、[51]の何れかの方法または項目[20]~[35]、[37]~[42]、[44]、[46]~[47]、[49]、[51]の何れかの使用。
【0587】
[53]該ターゲティング部分が小分子である、項目[1]~[6]または[27]~[34]または[51]~[52]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[34]または[51]~[52]の何れかの方法または項目[20]~[34]または[51]~[52]の何れかの使用。
【0588】
[54]該ターゲティング部分が糖ではない、項目[1]~[6]または[27]~[53]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[53]の何れかの方法または項目[20]~[53]の何れかの使用。
【0589】
[55]該ターゲティング部分が糖を含まない、項目[1]~[6]または[27]~[54]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[54]の何れかの方法または項目[20]~[54]の何れかの使用。
【0590】
[56]該標的化部分が少なくとも100Daの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[55]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[55]の何れかの方法または項目[20]~[55]の何れかの使用。
【0591】
[57]該標的化部分が少なくとも500Daの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[56]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[56]の何れかの方法。または項目[20]~[56]の何れかの使用
【0592】
[58]該ターゲティング部分が少なくとも1000Daの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[50]~[57]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[50]~[57]の何れかの方法または項目[20]~[50]~[57]の何れかの使用。
【0593】
[59]上記ターゲティング部分が少なくとも2000Daの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[52]または[54]~[58]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[52]または[54]~[58]の何れかの方法または項目[20]~[52]または[54]~[58]の何れかの使用。
【0594】
[60]該ターゲティング部分が少なくとも10kDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[59]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[59]の何れかの方法または項目[20]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[59]の何れかの使用。
【0595】
[61]該ターゲティング部分が少なくとも50kDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[60]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[60]の何れかの方法または項目[20]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[60]の何れかの使用。
【0596】
[62]該ターゲティング部分が少なくとも100kDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[61]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[61]の何れかの方法または項目[20]~[42]または[44]~[49]または[52]または[54]~[61]の何れかの使用。
【0597】
[63]該ターゲティング部分が最大10MDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[62]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[62]の何れかの方法または項目[20]~[62]の何れかの使用。
【0598】
[64]該標的化部分が最大5MDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[63]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[63]の何れかの方法または項目[20]~[63]の何れかの使用。
【0599】
[65]該標的化部分が最大1MDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[64]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[64]の何れかの方法または項目[20]~[64]の何れかの使用。
【0600】
[66]該標的化部分が最大200kDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[65]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[65]の何れかの方法または項目[20]~[65]の何れかの使用。
【0601】
[67]該ターゲティング部分が最大50kDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[61]または[63]~[66]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[61]または[63]~[66]の何れかの方法または項目[20]~[61]または[63]~[66]の何れかの使用。
【0602】
[68]該ターゲティング部分が最大10kDaの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[60]または[63]~[67]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[60]または[63]~[67]の何れかの方法または項目[20]~[60]または[63]~[67]の何れかの使用。
【0603】
[69]上記ターゲティング部分が最大2,000Daの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[59]または[63]~[68]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[59]または[63]~[68]の何れかの方法または項目[20]~[59]または[63]~[68]の何れかの使用。
【0604】
[70]上記ターゲティング部分が最大1000Daの分子量を有する、項目[1]~[6]または[27]~[58]または[63]~[69]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[58]または[63]~[69]の何れかの方法または項目[20]~[58]または[63]~[69]の何れかの使用。
【0605】
[71]該少なくとも1個の機能部分が人体内で生物学的、化学的、治療的および/または診断的機能を果たすことができる化学的実体である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[70]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[70]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[70]の何れかの使用。
【0606】
[72]該少なくとも1個の機能的部分が治療剤または検出可能な標識である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[71]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[71]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[71]の何れかの使用。
【0607】
[73]該少なくとも1個の機能的部分が治療剤である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[72]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[72]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[72]の何れかの使用。
【0608】
[74]該少なくとも1個の機能的部分が検出可能な標識である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[72]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[72]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[72]の何れかの使用。
【0609】
[75]該少なくとも1個の機能的部分が治療剤または検出可能な標識であるペイロードである、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[74]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[74]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[74]の何れかの使用。
【0610】
[76]該ペイロードが治療剤である、項目[75]の分子、方法または使用。
【0611】
[77]該ペイロードが検出可能な標識である、項目[75]の分子、方法または使用。
【0612】
[78]該少なくとも1個の機能的部分がタンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、オリゴヌクレオチドまたは小分子を含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[77]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[77]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[77]の何れかの使用。
【0613】
[79]該少なくとも1個の機能部分がタンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、オリゴヌクレオチドまたは小分子である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[78]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[78]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[78]の何れかの使用。
【0614】
[80]少なくとも1個の機能的部分がタンパク質を含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]の何れかの使用。
【0615】
[81]該少なくとも1個の機能的部分がタンパク質である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[80]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[80]の何れかの使用。
【0616】
[82]該少なくとも1個の機能的部分が少なくとも30個のアミノ酸を含むタンパク質を含むかまたはそれを含むタンパク質である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[81]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[81]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[81]の何れかの使用。
【0617】
[83]該少なくとも1個の機能的部分が2から30個のアミノ酸からなるペプチドを含むかまたはそれである、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[82]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[82]の何れかの方法。または項目[21]~[22]または[24]~[82]の何れかの使用。
【0618】
[84]少なくとも1個の機能部分がペプチドを含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[83]の何れかの分子、項目[8]~[9]の何れかの方法。または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[83]または項目[21]~[22]または[24]~[83]の何れかの使用。
【0619】
[85]該少なくとも1個の機能部分がペプチドである、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]または[83]~[84]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]または[83]~[84]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]または[83]~[84]の何れかの使用。
【0620】
[86]該少なくとも1個の機能部分がペプチド模倣物を含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]の何れかの使用。
【0621】
[87]該少なくとも1個の機能的部分がペプチド模倣体である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]または[86]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]または[86]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]または[86]の何れかの使用。
【0622】
[88]該少なくとも1個の機能性部分がDNAまたはRNAである核酸を含むかまたはDNAまたはRNAである核酸である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]の何れかの分子、項目8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[80]または[82]~[84]または[86]の何れかの使用。
【0623】
[89]該少なくとも1個の機能部分が核酸を含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]の何れかの使用。
【0624】
[90]該少なくとも1個の機能部分が核酸である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]または[88]~[89]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]または[88]~[89]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]または[88]~[89]の何れかの使用。
【0625】
[91]該少なくとも1個の機能的部分がオリゴヌクレオチドを含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[90]の何れかの分子、項目[8]~[9]、[11]~[12]、[14]~[15]、[17]~[19]、[27]~[80]、[82]~[84]、[86]、[88]~[90]の何れかの方法または項目[21]~[22]、[24]~[80][82]~[84][86][88]~[90]の何れかの使用。
【0626】
[92]該少なくとも1個の機能部分がオリゴヌクレオチドである、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]または[88]~[91]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]または[88]~[91]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]または[88]~[91]の何れかの使用。
【0627】
[93]該少なくとも1個の機能部分が小分子を含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]の何れかの使用。
【0628】
[94]該少なくとも1個の機能部分が小分子である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]または[93]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]または[93]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]または[93]の何れかに従った使用。
【0629】
[95]該少なくとも1個の機能的部分が分子量<1000Daの小分子を含むかまたはそれである、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]または[93]~[94]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]または[93]~[94]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]または[93]~[94]の何れかの使用。
【0630】
[96]該少なくとも1個の機能的部分が小分子を含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]または[93]~[95]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]または[93]~[95]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[80]または[82]~[84]または[86]または[88]~[89]または[91]または[93]~[95]の何れかの使用。
【0631】
[97]該少なくとも1個の機能部分が小分子である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[79]または[93]~[96]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[79]または[93]~[96]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[79]または[93]~[96]の何れかの使用。
【0632】
[98]該少なくとも1個の機能部分が糖ではない、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[97]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[97]の何れかの方法。または項目[21]~[22]または[24]~[97]の何れかの使用。
【0633】
[99]該少なくとも1個の機能部分が糖を含まない、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[98]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[98]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[98]の何れかの使用。
【0634】
[100]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも100Daの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[99]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[99]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[99]の何れかの使用。
【0635】
[101]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも500Daの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[100]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[100]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[100]の何れかの使用。
【0636】
[102]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも1000Daの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[101]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[101]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[101]の何れかの使用。
【0637】
[103]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも2000Daの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[102]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[102]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[102]の何れかの使用に。
【0638】
[104]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも10kDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[103]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[103]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[103]の何れかの使用。
【0639】
[105]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも50kDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[104]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[104]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[104]の何れかの使用。
【0640】
[106]該少なくとも1個の機能部分が少なくとも100kDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[105]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[105]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[84]または[86]~[91]または[93]または[95]~[105]の何れかの使用。
【0641】
[107]該少なくとも1個の機能性部分が最大1000Daの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[102]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[102]の何れかの方法。または項目[21]~[22]または[24]~[102]の何れかの使用。
【0642】
[108]該少なくとも1個の機能部分が最大2000Daの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[103]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[103]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[103]の何れかの使用。
【0643】
[109]該少なくとも1個の機能的部分が最大10kDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[104]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[104]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[104]の何れかの使用。
【0644】
[110]該少なくとも1個の機能的部分が最大50kDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[105]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[105]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[105]の何れかの使用。
【0645】
[111]該少なくとも1個の機能的部分が200kDaまでの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[106]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[106]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[106]の何れかの使用。
【0646】
[112]該少なくとも1個の機能性部分が最大1MDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[106]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[106]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[106]の何れかの使用。
【0647】
[113]該少なくとも1個の機能性部分が最大5MDaの分子量を有する、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[106]の何れかの分子、項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[106]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[106]の何れかの使用。
【0648】
[114]該可溶性タグを欠くが該分子と同一の構造を有する比較分子が5~9の等電点(pI)を有する、項目[1]~[6]または[27]~[113]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[113]の何れかの方法または項目[20]~[113]の何れかの使用。
【0649】
[115]該分子と同一の構造を有するが該可溶性タグを欠く比較分子がPBS(リン酸緩衝生理食塩水:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM Na2HPO 4、1.8mM KH2PO 4、pH 7.4))中で25℃で測定した溶解度(1ml当たりの化合物のgで示される)において、抗体のトラスツズマブとそのFc領域に共有結合したアウリスタチンの2コピーからなる化合物の同条件での溶解度に対して、±50%、好ましくは±30%の範囲に入るものである、項目[1]~[6]または[27]~[114]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[114]の何れかの方法または項目[20]~[114]の何れかの使用。
【0650】
[116]1分子あたりの機能性部分の数が1~15の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[115]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[115]の何れかの方法または項目[20]~[115]の何れかの使用。
【0651】
[117]1分子当たりの機能性部分の数が1~10の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[116]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[116]の何れかの方法または項目[20]~[116]の何れかの使用。
【0652】
[118]1分子当たりの機能性部分の数が1~8の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[117]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[117]の何れかの方法または項目[20]~[117]の何れかの使用。
【0653】
[119]1分子あたりの機能性部分の数が1~4の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[118]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[118]の何れかの方法または項目[20]~[118]の何れかの使用。
【0654】
[120]分子が1個以下の機能部分を含む、項目[1]~[6]または[27]~[119]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[119]の何れかの方法または項目[20]~[119]の何れかの使用。
【0655】
[121]1分子当たりの機能性部分の数が2~8の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[119]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[119]の何れかの方法または項目[20]~[119]の何れかの使用。
【0656】
[122]1分子当たりの機能性部分の数が4~8の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[119]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[119]の何れかの方法または項目[20]~[119]の何れかの使用。
【0657】
[123]1分子あたりの標的化部分の数が1~15の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[122]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[122]の何れかの方法または項目[20]~[122]の何れかの使用。
【0658】
[124]1分子あたりの標的化部分の数が1~10の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[123]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[123]の何れかの方法または項目[20]~[123]の何れかの使用。
【0659】
[125]1分子当たりの標的化部分の数が1~8の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[124]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[124]の何れかの方法または項目[20]~[124]の何れかの使用。
【0660】
[126]1分子当たりの標的化部分の数が1~4の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[125]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[125]の何れかの方法または項目[20]~[125]の何れかの使用。
【0661】
[127]分子が1個を超えない標的化部分を含む、項目[1]~[6]または[27]~[126]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[126]の何れかの方法または項目[20]~[126]の何れかの使用。
【0662】
[128]1分子あたりの標的化部分の数が2~8の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[126]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[126]の何れかの方法または項目[20]~[126]の何れかの使用。
【0663】
[129]1分子あたりの標的化部分の数が4~8の範囲内である、項目[1]~[6]または[27]~[126]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[126]の何れかの方法または項目[20]~[126]の何れかの使用。
【0664】
[130]または該分子が
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であり、
(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ
を含む、項目[1]~[6]または[27]~[129]の何れかの分子、項目[7]~[19]または[27]~[129]の何れかの方法。
【0665】
[131]該分子が
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であり、
(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ
を含む、項目[1]~[6]または[27]~[130]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[130]の何れかの方法。
【0666】
[132]
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるもの、
(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ
を含む、抗体-薬物コンジュゲート。
【0667】
[133]
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であり、
(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ
からなる抗体-薬物コンジュゲート。
【0668】
[134]抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を増加させる方法であって、該抗体-薬物コンジュゲートが
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー
を含み、少なくとも1個の可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合させることを含む、方法。
【0669】
[135]抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高めるための方法であって、該抗体-薬物コンジュゲートが
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
からなり、少なくとも1個の可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合させることを含む、方法。
【0670】
[136]抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を増加させる方法であって、該抗体-薬物コンジュゲートが
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
を含み、該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している形態で該抗体-薬物コンジュゲートを調製することを含む、方法。
【0671】
[137]抗体-薬物コンジュゲートの溶解度を高めるための方法であって、該抗体-薬物コンジュゲート
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
からなり、該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している形態で該抗体-薬物コンジュゲートを調製することを含む、方法。
【0672】
[138]
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含み、
ここで、該分子が抗体-薬物コンジュゲートである、方法。
【0673】
[139]
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
からなる化合物の溶解度を高める方法であって、該化合物が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している分子の調製を含み、
ここで、該分子が抗体-薬物コンジュゲートである、方法。
【0674】
[140]
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
を含む分子の溶解度を高める方法であって、該分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している形態で該分子を調製することを含み、それにより、
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であり、
(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ
を含む抗体-薬物コンジュゲートが得られる、方法。
【0675】
[141]
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー、
からなる分子の溶解度を高める方法であって、該分子が少なくとも1個の可溶性タグに共有結合している形態で該分子を調製することを含み、それにより、
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であり、
(iii)該ペイロードまたは該抗体成分を共有結合するリンカーおよび
(iv)少なくとも1個の可溶性タグ
からなる抗体-薬物コンジュゲートが得られる、方法。
【0676】
[142]抗体-薬物コンジュゲートの溶解性を高めるための可溶性タグの使用。
【0677】
[143]該使用が該可溶性タグを該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合させる工程を含む、項目[142]の使用。
【0678】
[144]該抗体-薬物コンジュゲートが
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるおよび
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー
を含む、項目[142]~[143]の使用。
【0679】
[145]該抗体-薬物コンジュゲートが
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロードであって、該少なくとも1個のペイロードが治療剤または検出可能な標識であるもの、そして
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー
からなる、項目[142]~[144]の使用。
【0680】
[146]該抗体成分がインタクトの抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目[39]~[40]または[54]~[131]の何れかの分子、項目[132]~[133]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[39]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]の何れかの方法または項目[39]~[40]または[54]~[131]または[144]~[145]の何れかの使用。
【0681】
[147]抗体成分がインタクトの抗体である、
項目[39]~[40]または[54]~[131]または[146]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[39]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]の何れかの方法または項目[39]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]の何れかの使用。
【0682】
[148]抗体成分がインタクトの抗体の抗原結合フラグメントである、項目[39]~[40]または[54]~[131]または[146]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。項目[39]~[40]、[54]~[131]、[134]~[141]、[146]の何れかの方法または項目[39]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]の何れかの使用。
【0683】
[149]該抗体成分(それぞれ項目[38]の抗体)がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、項項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[147]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[147]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[132]~[133]または[146]~[147]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[147]の何れかの使用。
【0684】
[150]該抗体成分(それぞれ項目[38]の該抗体)がモノクローナル抗体である、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[147]または[149]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[147]または[149]の抗体-薬剤コンジュゲート、項目[132]~[133]または[146]~[147]または[149]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[147]または[149]の何れかの使用。
【0685】
[151]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)が単一特異性抗体または二重特異性抗体である、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[147]または[149]~[150]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[147]または[149]~[150]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[147]または[149]~[150]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[147]または[149]~[150]の何れかの使用。
【0686】
[152]、該抗体成分(それぞれ項目[38]の該抗体)が該二重特異性抗体が特異的である両方の抗原に結合することができる二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメントである、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[151]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[151]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[132]~[133]または[146]~[151]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[151]の何れかの使用。
【0687】
[153]項目[38]の該抗体が二重特異性抗体である、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[147]または[149]~[152]の何れかの分子または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[147]または[149]~[152]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[147]または[149]~[152]の何れかの使用。
【0688】
[154]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)がキメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体からなる群から選択される抗体である、項目[38]~[40]、[54]~[131]、[146]~[147]、[149]~[153]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[132]~[133]または[146]~[147]または[149]~[153]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[147]または[149]~[153]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[147]または[149]~[153]の何れかの使用。
【0689】
[155]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)がIgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgA抗体、IgM抗体およびそれらのハイブリッドからなる群から選択される抗体である、項目[38]~[40]、[54]~[131]、[146]~[147]、[149]~[154]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[132]~[133]または[146]~[147]または[149]~[154]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[147]または[149]~[154]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[147]または[149]~[154]の何れかの使用。
【0690】
[156]該抗原結合フラグメントがFab、Fab'、(Fab')2、Fv、scFv、ダイアボディおよびVHHからなる群より選択される、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]の何れかの分子、項目[132]~[133]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[132]~[133]または[146]または[148]または[152]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]の何れかの使用または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]の何れかの使用。
【0691】
[157]該抗原結合フラグメントがFab、Fab’、(Fab')2およびFvからなる群より選択される、項目[38]~[40]、[54]~[131]、[146]、[148]、[152]、[156]の何れかの分子または項目[132]~[133]、[146]、[148]、[152]、[156]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]の何れかの使用。
【0692】
[158]該抗原結合フラグメントがscFv、ダイアボディ、VHHから選択される、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[157]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]または[148]または[152]または[156]~[157]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[157]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[157]の何れかの使用。
【0693】
[159]該抗原結合フラグメントがモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の抗原結合フラグメントである、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[158]の何れかの分子または項目[132]~[133]、[146]、[148]、[152]、[156]~[158]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[158]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[158]の何れかの使用。
【0694】
[160]該抗原結合フラグメントがモノクローナル抗体の抗原結合フラグメントである、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[159]の何れかの分子または
項目[132]~[133]、[146]、[148]、[152]、[156]~[159]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは 項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[159]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[159]の何れかの使用。
【0695】
[161]該抗原結合フラグメントが単一特異性抗体または二重特異性抗体である、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[160]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]または[148]または[152]または[156]~[160]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[160]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[160]の何れかの使用。
【0696】
[162]該抗原項目[38]の結合フラグメントが該二重特異性抗体が特異的である両方の抗原に結合することができる二重特異性抗体の抗原結合フラグメントである、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[161]の何れかの分子または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[161]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[161]の何れかの使用。
【0697】
[163]該抗原結合フラグメントがキメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体からなる群から選択される抗体である、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[162]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]または[148]または[152]または[156]~[162]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは 項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[162]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[162]の何れかの使用。
【0698】
[164]該抗原結合フラグメントがIgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgA抗体、IgM抗体およびそれらのハイブリッドからなる群から選択される抗体である、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]または[148]または[152]または[156]~[163]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]または[148]または[152]または[156]~[163]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]または[148]または[152]または[156]~[163]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[146]または[148]または[152]または[156]~[163]の何れかの使用。
【0699】
[165]該ターゲティング部分/該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)が標的細胞の表面上に存在する抗原に特異的に結合することができる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[164]の何れか1項に従う分子または項目[132]~[133]または[146]~[164]の何れか1項に従う抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[164]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[144]~[164]の何れかの使用。
【0700】
[166]該抗体成分(それぞれ項目[38]の該抗体)が標的細胞の表面に存在する抗原に対する抗体またはそのような抗体の抗原結合フラグメントである、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[165]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[165]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[165]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[165]の何れかの使用。
【0701】
[167]該標的細胞の表面に存在する該抗原が他の細胞型の表面よりも該標的細胞の表面により多く存在する、項目[165]~[166]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0702】
[168]該標的細胞の表面に存在する該抗原が標的細胞の表面に存在するが他の細胞型の表面にが実質的に存在しない、項目[165]~[167]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0703】
[169]該標的細胞の表面に存在する該抗原が標的細胞の表面に存在するが他の細胞型の表面にが存在しない、項目[165]~[168]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0704】
[170]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)の該結合が該標的細胞の表面に存在する該抗原が抗体-薬物コンジュゲートを該標的細胞に特異的に動員することを可能にする項目[165]~[169]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0705】
[171]標的細胞の表面に存在する該抗原が腫瘍抗原および免疫細胞抗原からなる群から選択される、項目[165]~[170]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0706】
[172]該標的細胞の表面に存在する抗原が腫瘍抗原である、項目[165]~[171]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0707】
[173]該標的化部分/該抗体成分(それぞれ項目[38]の該抗体)が腫瘍抗原および免疫細胞抗原からなる群から選択される抗原に特異的に結合することができる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[172]の何れか1項に従う分子または項目[132]~[133]または[146]~[172]の何れか1項に従う抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[172]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[144]~[172]の何れかの使用。
【0708】
[174]該標的化部分/該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)が腫瘍抗原に特異的に結合することができる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[173]の何れか1項に従う分子または項目[132]~[133]または[146]~[173]の何れか1項に従う抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[173]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[144]~[173]の何れかの使用。
【0709】
[175]該腫瘍抗原が腫瘍細胞の表面に存在する抗原である、項目[171]~[174]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0710】
[176]該腫瘍抗原がCD11a、CD4、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD52、CD30、CD33、CD37、CD40L、CD52、CD56、CD70、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD138、CD163、Her2、Her3、EGFR、Mucl8、インテグリン、PSMA、CEA、BLys、ROR1、NaPi2b、NaPi3b、CEACAM5、Muc1、インテグリンavb6、Met、Trop2、BCMA、ジシアロガングリオシドGD2、B-PR1B、E16、STRAP1、0772P、Sema 5b、ETBR、MSG783、STRAP2、Trp4、CRIPTO、FcRH1、FcRH2、NCA、IL20R-α、ブレビカン、EphB2R、ASLG659、PSCA、GEDA、BAFF-R、CXCR5、HLA-DOB、P2X5、LY64、IRTA2、TENB2、PSMA、FOLH1、STR5、SSTR1、SSTR2、SSTR3、SSTR4、TGAV、ITGB6、CA9、EGFRvIII、IL2RA、AXL、CD3Q、TNFRSF8、TNFRSF17、CTAG、CTA; CD174/フコシルトランスフェラーゼ3(ルイス血液型)、CLEC14A、GRP78、HSPA5、ASG-5、ENPP3、PRR4、GCC、GUCY2C、Liv-1、SLC39A8、5T4、NCMA1、CanAg、FOLR1、GPN B、TIM-1、HAVCR1、ミンディン/RG-1、B7-H4、VTCN1、PTK7、SDC1、クローディン(好ましくはクローディン18.2)、RON、MST1R、EPHA2、MS4A1、TNC(テネイシンC)、FAP、DKK-1、CS1/SLAMF7、ENG(エンドグリン)、ANXA1(アネキシンA1)、VCAM-1(CD106)および葉酸受容体アルファからなる群から選択される、項目[171]~[175]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0711】
[177]該腫瘍抗原がxCT、gpNMB、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、cKIT、c-MET、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG-72)、TROP-2、TRA-1-60、TRA、TNF-α、TM4SF1、TIM-1、TAA、TA-MUC1(ムチン-1の腫瘍特異抗原)、ソルチリン(SORT1)、STn、STING、ステープ1、SSTR2、SSEA-4、SLITRK6.SLC44A4、SLAMF7、SAIL、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、ROR2、ROR1、RNF43、プロラクチン受容体(PRLR)、多形上皮性ムチン(PEM)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルセリン、PTK7、PSMA、PD-L1、P-カドヘリン、OX001L、OAcGD2、Nectin-4、NaPi2b、NOTCH3、メソセリン(MSLN)、MUC16、MTX5、MTX3、MT1-MMP、MRC2、MET、MAGE、Ly6E、ルイスY抗原、LRRC15、LRP-1、LIV-1、LHRH、LGR5、LGALS3BP.LAMP-1、KLK2、KAAG-1、IL4R、IL7R、IL1RAP、IL-4、IL-3、IL-2、IL-13R、IGF-1R、HSP90、HLA-DR、HER-3、HER-2、グロボH、GPR20、GPC3.GPC-1、GD3、GD2、GCC、FSH、FOLRα、FOLR、FLT3、FGFR3、FGFR2、FCRH5、EphA3、EphA2、EpcAM、ETB、ENPP3、EGFRviii、EGFR、EFNA4 、ダイサドヘリン、DR5(Death receptor 5)、DPEP3、DLL3、DLK-1、DCLK1、Cripto、カテプシンD、CanAg、CXCR5、CSP-1、CLL-1、CLDN6、CLDN18. 2、CEACAM6、CEACAM5、CEA、CDH6、CD79b、CD74、CD71、CD70、CD56、CD51、CD48、CD46、CD45、CD44v6、CD40L、CD38、CD37、CD352、CD33、CD317、CD30、CD300f、CD3、CD25、CD248、CD22、CD205、CD20、CD19、CD184、CD166、CD147、CD142、CD138、CD123、CCR7、CA9、CA6、C4. 4a、BCMA、B7-H4、B7、-H3、Axl、ASCT2、AMHRII、ALK、AG-7、ADAM-9、5T4、4-1BBからなる群から選択される、項目[171]~[176]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0712】
[178]該抗体成分(それぞれ項目[38]の抗体)が第一および第二の抗原結合部位を有する、項目[38]~[40]または[54]~[131]または[146]~[177]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[177]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[40]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[177]の何れかの方法または項目[38]~[40]または[54]~[131]または[144]~[177]の何れかの使用。
【0713】
[179]該第1の抗原結合部位が腫瘍抗原に特異的に結合することができ、該第2の抗原結合部位が腫瘍抗原に特異的に結合することができる、項目[178]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0714】
[180]該第1および第2の抗原結合部位が異なる抗原に結合することができる、項目[178]~[179]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0715】
[181]該標的細胞の表面に存在する該抗原が免疫細胞抗原である、項目[165]~[171]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0716】
[182]該ターゲティング部分/該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体)が免疫細胞抗原に特異的に結合することができる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[178]または[180]~[181]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[178]または[180]~[181]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[178]または[180]~[181]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[144]~[178]または[180]~[181]の何れかの使用。
【0717】
[183]該免疫細胞抗原が
- 免疫細胞の表面に存在する抗原、
- 免疫細胞によって分泌される分子である抗原または
- 免疫細胞上の受容体と相互作用する分子である抗原
である、項目[171]または[173]または[178]または[180]~[182]の何れかの分子または抗体薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0718】
[184]該免疫細胞抗原がCD80、CD86、B7H3、TNF-α、TGF-β、TGF-β2、TGF-1、IL-1、IL-4、IL-5、IL-6、IL-12、IL-13からなる群より、IL-22、IL-23、インターフェロン受容体、PD-1、PD-L1、CTLA4、MSR1、葉酸受容体ベータからなる群から選択される、項目[171]または[173]または[178]または[180]~[183]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0719】
[185]該免疫細胞がB細胞、T細胞または樹状細胞である、項目[183]~[184]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0720】
[186]該免疫細胞がT細胞である、項目[183]~[185]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0721】
[187]該免疫細胞抗原に対する該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体である)が免疫刺激効果または免疫抑制効果を有する、項目[171]または[173]または[178]または[180]~[186]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0722】
[188]該分子が1種類の機能部分のみを含む、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[131]または[146]~[187]の何れかの分子または項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[131]または[146]~[187]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[131]または[146]~[187]の何れかの使用。
【0723】
[189]該抗体-薬物コンジュゲートが1種類のペイロードのみで構成される、項目[130]~[131]または[146]~[188]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[188]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[188]の何れかの方法または項目[144]~[188]の何れかの使用。
【0724】
[190]抗体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)が1~15の範囲にある、項目[130]~[131]または[146]~[189]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[189]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[189]の何れかの方法または項目[142]~[189]の何れかの使用。
【0725】
[191]抗体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)が1~10の範囲にある、項目[130]~[131]または[146]~[190]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[190]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[190]の何れかの方法または項目[142]~[190]の何れかの使用。
【0726】
[192]抗体-薬物コンジュゲートの 薬物抗体比(DAR)が1~8の範囲にある、項目[130]~[131]または[146]~[191]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[191]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[191]の何れかの方法または項目[142]~[191]の何れかの使用。
【0727】
[193]抗体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)が1~4の範囲にある、項目[130]~[131]または[146]~[192]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[192]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[192]の何れかの方法または項目[142]~[192]の何れかの使用。
【0728】
[194]抗体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)が2~8の範囲にある、項目[130]~[131]または[146]~[193]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[193]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[193]の何れかの方法または項目[142]~[193]の何れかの使用。
【0729】
[195]体-薬物コンジュゲートの薬物抗体比(DAR)が4~8の範囲にある、項目[130]~[131]または[146]~[194]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[194]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[194]の何れかの方法または項目[142]~[194]の何れかの使用。
【0730】
[196]該ペイロード(それぞれ該機能的部分)が治療剤である、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[73]または[75]~[76]または[78]~[131]または[146]~[195]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[195]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[8]~[9]、[11]~[12]、[14]~[15]、[17]~[19]、[27]~[73]、[75]~[76]、[78]~[131]、[134]~[141]、[146]~[195]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[73]または[75]~[76]または[78]~[131]または[144]~[195]の何れかの使用。
【0731】
[197]該治療剤が細胞傷害剤、抗炎症剤、免疫刺激剤または免疫抑制剤である、項目[196]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0732】
[198]該治療剤が細胞傷害性薬剤である、項目[196]~[197]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0733】
[199]細胞傷害性薬剤が微小管形成阻害剤、EG5阻害剤およびDNA損傷剤からなる群より選択される、項目[197]~[198]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0734】
[200]該微小管形成阻害剤がオーリスタチン、メイタンシノイドおよびチューブリシンからなる群から選択される、項目[199]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0735】
[201]該オーリスタチンがオーリスタチンE、MMAEまたはMMAFである、項目[200]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0736】
[202]該オーリスタチンがオーリスタチンEまたはMMAEである、項目[200]~[201]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0737】
[203]該メイタンシノイドがメイタンシン、DM1、DM2、DM3およびDM4からなる群から選択される、項目[200]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0738】
[204]該メイタンシノイドがメイタンシン、DM2およびDM4からなる群から選択される、項目[200]または[203]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0739】
[205]該EG5阻害剤がイスペニシブ、フィラネシブ、リトロネシブおよびK858からなる群から選択される、項目[199]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0740】
[206]該DNA損傷剤がトポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤およびDNAアルキル化剤からなる群から選択される、項目[199]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0741】
[207]細胞傷害性薬剤がトポイズメラーゼI阻害剤である、項目[200]または[206]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0742】
[208]該トポイソメラーゼI阻害剤がエキサテカン、カンプトテシン、SN38、Dxdからなる群から選択される、好ましくは該トポイソメラーゼI阻害剤がエキサテカン、SN38またはDxdであるおよびその変異体である、項目[206]または[207]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0743】
[209]細胞傷害性薬剤がトポイズメラーゼII阻害剤である、項目[200]または[206]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0744】
[210]該トポイズメラーゼII阻害剤がドキソルビシンまたはその変異体、好ましくはドキソルビシンである、項目[206]または[209]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0745】
[211]細胞傷害性薬剤がDNAアルキル化剤である、項目[200]または[206]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0746】
[212]該DNAアルキル化剤がデュオカルマイシン、CBIダイマー、ピロロベンゾジアゼピンおよびそれらの変種からなる群から選択され、好ましくは該DNAアルキル化剤がデュオカルマイシン、CBIダイマーおよびジアゼピン(好ましくはピロロベンゾジアゼピンまたはインドリンベンゾジアゼピン)からなる群から選択される、項目[206]または[211]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0747】
[213]治療剤がオーリスタチン、MMAE(モノメチルオーリスタチンE)、デュオカルマイシン、CBI(シクロプロパンベンゾ[e]インドリン)二量体、メイタンシン、ピロロベンゾジアゼピン、インドリノベンゾジアゼピンからなる群より選択される、項目[196]~[198]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0748】
[214]細胞傷害性薬剤がエキサテカン、デュオカルマイシンまたはCBIダイマーである、項目[196]~[198]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0749】
[215]治療剤がオーリスタチン、デュオカルマイシン、CBI(シクロプロパンベンゾ[e]インドリン)二量体およびメイタンシノイドからなる群から選択される、項目[196]~[198]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0750】
[216]治療剤がMMAE(モノメチルオーリスタチンE)、CBI(シクロプロパンベンゾ[e]インドリン)二量体およびメイタンシノイドDM4、デュオカルマイシンからなる群から選択される、項目[196]~[198]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0751】
[217]治療剤がドラスタチン、オーリスタチン、MMAE、MMAF、アンベルスタチン269、オーリスタチン101、オーリスタチンf、オーリスタチンw、CEN-106、CM1、DGN462、DGN549、DM1、DM2、DM4、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、エキサテカン、OX-4235、PNU-159682、ラパマイシン、SG3199、SG1882、SN-38、ツブリシン、アマニチン、アミノプテリン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、カンプトテシン、フジマイシン、ヘミアスターリン、メイタンシノイド、PBD、ラパマイシン、ビンブラスチンからなる群から選択される、項目[196]~[198]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0752】
[218]治療剤が抗炎症剤である、項目[196]~[197]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0753】
[219]抗炎症剤がグルココルチコイド受容体アゴニストである、項目[197]または[218]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0754】
[220]該抗炎症剤がステロイドである、項目[197]または[218]~[219]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0755】
[221]抗炎症剤がコルチゾール、酢酸コルチゾン、ベクロメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、トリムシノロン、ブデソニド、デキサメタゾン、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾンおよびモメタゾンからなる群から選択される、項目[197]または[218]~[220]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0756】
[222]該抗炎症剤が非ステロイド性抗炎症剤である、項目[197]または[218]~[219]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0757】
[223]該非ステロイド性抗炎症剤がCox2阻害剤である、項目[222]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0758】
[224]治療剤が免疫賦活剤である、項目[196]~[197]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0759】
[225]該免疫刺激剤がTLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR7アンタゴニスト、TLR8アンタゴニスト、Sting阻害剤、TGFβ阻害剤、a2A阻害剤およびa2B阻害剤から選択される、項目[222]または[224]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0760】
[226]治療剤が免疫抑制剤である、項目[196]~[197]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0761】
[227]該免疫抑制剤 がIMDH(イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ)阻害剤、mTor(ラパマイシンの機械的標的)阻害剤、SYK(脾臓チロシンキナーゼ)阻害剤、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤およびカルシニューリン阻害剤からなる群から選択される、項目[197]または[226]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0762】
[228]該ペイロードが検出可能なラベルである、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[72]または[74]~[75]または[77]~[131]または[146]~[195]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[195]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[8]~[9]、[11]~[12]、[14]~[15]、[17]~[19]、[27]~[72]、[74]~[75]、[77]~[131]、[134]~[141]、[146]~[195]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[72]または[74]~[75]または[77]~[131]または[144]~[195]の何れかの使用。
【0763】
[229]検出可能な標識が放射性同位体、蛍光化合物または酵素である、項目[228]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0764】
[230]検出可能な標識がシアニン色素、スルホシアニン色素、Alexa Fluor(登録商標)色素(Molecular Probes/Thermo Fisher Scientific)、DyLight(登録商標)Fluor 色素(Dyomics/Thermo Fisher Scientific)、FluoProbes(登録商標)色素(Interchim)、Seta(登録商標)色素(SETA BioMedicals)およびIRISTM色素(シアニンテクノロジーズ)からなる群から選択される、項目[228]~[229]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0765】
[231]検出可能な標識がCy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7からなる群から選択されるシアニン色素である、項目[228]~[230]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0766】
[232]検出可能な標識がスルホ-Cy2、スルホ-Cy3、スルホ-Cy3B、スルホ-Cy3.5、スルホ-Cy5、スルホ-Cy5.5、スルホ-Cy7からなる群から選択されるスルホ-シアニン色素である、項目[228]~[231]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0767】
[233]該リンカーが該リンカーのそれぞれが最大1,500Daの分子量を有する、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[232]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[232]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[232]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[232]の何れかの使用。
【0768】
[234]該リンカー/各リンカーが最大1,000Daの分子量を有する、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[234]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[234]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[234]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[234]の何れかの使用。
【0769】
[235]該リンカー/各リンカーが最大500Daの分子量を有する、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[235]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[235]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[235]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[235]の何れかの使用。
【0770】
[236]該リンカーが細胞外環境で安定である、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[236]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[236]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[236]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[236]の何れかの使用。
【0771】
[237]該リンカーが細胞内環境において安定である、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[236]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[236]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[236]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[236]の何れかの使用。
【0772】
[238]該リンカーが細胞内環境に曝露されると切断される、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[236]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[236]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[236]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[236]の何れかの使用。
【0773】
[239]該リンカーが酵素的または化学的切断によって切断可能である、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[238]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[238]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[238]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[238]の何れかの使用。
【0774】
[240]該リンカーが酵素切断により切断可能である、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[239]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[239]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[239]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[239]の何れかの使用。
【0775】
[241]該リンカーが化学的切断によって切断可能である、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[239]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[239]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[239]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[239]の何れかの使用。
【0776】
[242]該酵素的切断がグリコシダーゼ、プロテアーゼまたはエステラーゼへの曝露による切断である、項目[239]または[240]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0777】
[243]該酵素的切断が腫瘍特異的酵素、好ましくは腫瘍特異的プロテアーゼまたはエステラーゼへの曝露によるものである、項目[239]~[242]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0778】
[244]該プロテアーゼがカテプシンである、項目[242]~[243]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0779】
[245]該グリコシダーゼがグルクロニダーゼである、項目[242]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0780】
[246]該リンカーがプロテアーゼ切断部位、好ましくはカテプシンB切断部位を含む、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[245]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[245]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[245]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[245]の何れかの使用。
【0781】
[247]該リンカーにがグルクロニドが含まれる、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[246]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[246]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[246]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[246]の何れかの使用。
【0782】
[248]化学的切断により切断可能な該リンカーがpH感受性リンカーである、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[239]または[241]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[239]または[241]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[239]または[241]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[239]または[241]の何れかの使用。
【0783】
[249]該リンカーがヒドラゾンを含む、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[239]または[241]または[248]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[239]または[241]または[248]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[239]または[241]または[248]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[239]または[241]または[248]の何れかの使用。
【0784】
[250]化学的切断により切断可能な該リンカーが還元条件下で切断可能である、項目[239]または[241]の何れかの分子、項目[239]または[241]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[239]または[241]の何れかの方法または項目[239]または[241]の何れかの使用。
【0785】
[251]該リンカーがジスルフィド結合を含む、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[239]または[241]または[250]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[239]または[241]または[250]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[239]または[241]または[250]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[239]または[241]または[250]の何れかの使用。
【0786】
[252]該リンカーがカテプシンB切断部位、グルクロニド結合またはジスルフィド結合を含む、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[251]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[251]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[251]の何れかの方法または項目[22]または[25]または[27]~[131]または[144]~[251]の何れかの使用。
【0787】
[253]該可溶性タグが共有結合によって標的化部分または機能性部分またはリンカーに結合されている、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[252]の何れか1項に従う分子または項目[132]~[133]または[146]~[252]の何れか1項に従う抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[252]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[252]の何れかの使用。
【0788】
[254]該可溶性タグが共有結合によってターゲティング部分に結合される、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[253]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[146]~[253]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[146]~[253]の何れかの使用。
【0789】
[255]該可溶性タグが共有結合により機能性部分に結合されている、項目[2]~[3]または[5]~[6]または[27]~[131]または[146]~[254]の何れかの分子 項目[132]~[133]または[146]~[254]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[8]~[9]または[11]~[12]または[14]~[15]または[17]~[19]または[27]~[131]または[146]~[254]の何れかの方法または項目[21]~[22]または[24]~[131]または[146]~[254]の何れかの使用。
【0790】
[256]該可溶性タグが共有結合によりリンカーに結合されている、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[255]の何れか1項に従う分子または項目[132]~[133]または[146]~[255]の何れか1項に従う抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[146]~[255]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[146]~[255]の何れかの使用。
【0791】
[257]タグが抗体成分、少なくとも1個のペイロードまたはリンカーに共有結合によって結合されている、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[256]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[256]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[256]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[256]の何れかの使用。
【0792】
[258]該可溶性タグが共有結合により該抗体成分に結合されている、項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[257]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[257]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[257]の何れかの方法または項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[257]の何れかの使用。
【0793】
[259]該可溶性タグが共有結合により該少なくとも1個のペイロードに結合されている、項目[75]~[131]または[146]~[258]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[258]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[75]~[131]または[134]~[141]または[146]~[258]の何れかの方法または項目[75]~[131]または[144]~[258]の何れかの使用。
【0794】
[260]該可溶性タグが共有結合によって該リンカーに結合される、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[259]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[259]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[259]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[259]の何れかの使用。
【0795】
[261]該可溶性タグが
- 抗体コンポーネントに、しかし少なくとも1個のペイロードまたはリンカーではない
- 少なくとも1個のペイロードに、しかし抗体成分やリンカーにではないまたは
- リンカーに、しかし抗体成分または少なくとも1個のペイロードではない
共有結合によって結合されている、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[260]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[260]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[260]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[260]の何れかの使用。
【0796】
[262]該可溶性タグが共有結合によって抗体成分のみに結合される(少なくとも1個のペイロードまたはリンカーにが結合されない)、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[261]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[261]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[261]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[261]の何れかの使用。
【0797】
[263]該可溶性タグが共有結合によって少なくとも1個のペイロードにのみ結合される(抗体成分またはリンカーにが結合されない)、項目[75]~[131]または[146]~[261]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[261]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[75]~[131]または[134]~[141]または[146]~[261]の何れかの方法または項目[75]~[131]または[144]~[261]の何れかの使用。
【0798】
[264]該可溶性タグがリンカーとのみ共有結合によって結合される(抗体成分または少なくとも1個のペイロードにが結合しない)、項目[3]または[6]または[27]~[131]または[146]~[261]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[261]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[261]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[261]の何れかの使用。
【0799】
[265]該可溶性タグが(i)から(iii)の少なくとも1個と共有結合によって結合されている、項目[130]~[131]または[146]~[264]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[264]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。
【0800】
[266]該可溶性タグが抗体-薬物コンジュゲートの
(i)抗体成分、
(ii)少なくとも1個のペイロード、
(iii)該ペイロードと該抗体成分とを共有結合するリンカー
の少なくとも1個と共有結合により結合されている、項目[130]~[131]または[146]~[265]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[265]の何れかの抗体-薬物コンジュゲー
【0801】
[267]抗体成分(i)、ペイロード(ii)およびリンカー(iii)が共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[266]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[266]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。
【0802】
[268]抗体成分(i)、ペイロード(ii)、リンカー(iii)および可溶性タグ(iv)が共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[267]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[267]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。
【0803】
[269]該分子が少なくとも1個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[268]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[268]または項目[20]~[131]または[142]~[268]の何れかの使用。
【0804】
[270]該分子が少なくとも2個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[269]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[269]または項目[20]~[131]または[142]~[269]の何れかの使用。
【0805】
[271]該分子が少なくとも3個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]、[27]~[131]または[146]~[270]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[270]または項目[20]~[131]または[142]~[270]の何れかの使用。
【0806】
[272]該分子が少なくとも4個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[271]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[271]または項目[20]~[131]または[142]~[271]の何れかの使用。
【0807】
[273]該分子が最大10個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[272]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[272]または項目[20]~[131]または[142]~[272]の何れかの使用。
【0808】
[274]該分子が最大8個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[273]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[273]または項目[20]~[131]または[142]~[273]の何れかの使用。
【0809】
[275]該分子が最大6個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[274]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[274]または項目[20]~[131]または[142]~[274]の何れかの使用。
【0810】
[276]該分子が最大4個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[275]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[275]または項目[20]~[131]または[142]~[275]の何れかの使用。
【0811】
[277]該分子が最大2個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[270]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[270]または項目[20]~[131]または[142]~[270]の何れかの使用。
【0812】
[278]該分子が可溶性タグを1個だけ含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[269]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[269]または項目[20]~[131]または[142]~[269]の何れかの使用。
【0813】
[279]該分子が少なくとも1個、最大4個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[277]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[277]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[277]の何れかの使用。
【0814】
[280]該分子が少なくとも3個、最大10個の可溶性タグを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[276]または[279]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[276]または[279]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[276]または[279]の何れかの使用。
【0815】
[281]少なくとも1個の可溶性タグが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[280]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[280]または項目[20]~[131]または[142]~[280]の何れかの使用。
【0816】
[282]少なくとも2個の可溶性タグが該分子に共有結合している、
項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[277]または[279]~[281]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[277]または[279]~[281]の何れかの方法または項目[[20]~[131]または[142]~[277]または[279]~[281]の何れかの使用。
【0817】
[283]少なくとも3個の可溶性タグが該分子に共有結合している、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[276]または[279]~[282]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[276]または[279]~[282]の何れかの方法または項目[[20]~[131]または[142]~[276]または[279]~[282]の何れかの使用。
【0818】
[284]少なくとも4個の可溶性タグが該分子に共有結合している、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[276]または[279]~[283]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[276]または[279]~[283]の何れかの方法または項目[[20]~[131]または[142]~[276]または[279]~[283]の何れかの使用。
【0819】
[285]最大10個の可溶性タグが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[284]の何れかの分子または項目[7]~[19]の何れかの方法。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[284]または項目[20]~[131]または[142]~[284]の何れかの使用。
【0820】
[286]最大6個の可溶性タグが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[285]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[285]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[285]の何れかの使用。
【0821】
[287]最大4個の可溶性タグが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[286]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[286]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[286]の何れかの使用。
【0822】
[288]最大2個の可溶性タグが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[287]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[287]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[287]の何れかの使用。
【0823】
[289]1個の可溶性タグのみが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[288]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[288]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[288]の何れかの使用。
【0824】
[290]少なくとも1個、最大4個の可溶性タグ可溶性タグが該分子に共有結合する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[289]の何れかの分子または項目[7]~[19]。または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[289]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[289]の何れかの使用。
【0825】
[291]少なくとも3個、最大10個までの可溶性タグ可溶性タグが該分子に共有結合している、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[276]または[279]~[290]の何れかの分子または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[276]または[279]~[290]の何れかの方法または項目[[20]~[131]または[142]~[276]または[279]~[290]の何れかの使用。
【0826】
[292]該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも1個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[266]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[266]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、]項目[134]~[141]または[146]~[268]の何れかの方法または項目[142]~[268]の何れかの使用。
【0827】
[293]該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも2個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]の何れかの使用。
【0828】
[294]該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも3個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[293]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[293]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[293]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[293]の何れかの使用。
【0829】
[295]該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも4個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[294]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[294]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[294]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[294]の何れかの使用。
【0830】
[296]該抗体-薬物コンジュゲートが最大10個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[295]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[295]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[295]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[295]の何れかの使用。
【0831】
[297]該抗体-薬物コンジュゲートが最大8個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[296]の何れかの分子または項目[133]または[146]~[268]または[292]~[296]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[296]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[296]の何れかの使用。
【0832】
[298]該抗体-薬物コンジュゲートが最大6個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[297]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[297]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[297]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[297]の何れかの使用。
【0833】
[299]該抗体-薬物コンジュゲートが最大4個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[298]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[298]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[298]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[298]の何れかの使用。
【0834】
[300]該抗体-薬物コンジュゲートが2個までの可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[293]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[293]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[293]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[293]の何れかの使用。
【0835】
[301]該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも1個、最大4個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[295]の何れかの分子または項目[133]または[146]~[268]または[292]~[295]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[295]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[295]の何れかの使用。
【0836】
[302]該抗体-薬物コンジュゲートが少なくとも3個、最大10個の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]の何れかの方法または[292]~[299]または[301]または[142]~[268]または[292]~[299]または[301]の何れかの使用。
【0837】
[303]該抗体-薬物コンジュゲートが1個のみの可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]の何れかの使用。
【0838】
[304]少なくとも1個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[303]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[303]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[303]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[303]の何れかの使用。
【0839】
[305]少なくとも2個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[302]または[304]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[302]または[304]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]の何れかの方法。]または[292]~[302]または[304]または項目[142]~[268]または[292]~[302]または[304]の何れかの使用。
【0840】
[306]少なくとも3個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの使用。
【0841】
[307]少なくとも4個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]の何れかの使用。
【0842】
[308]1個の可溶性タグのみが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[304]の何れかの分子または項目[132]~[304]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。[133]または[146]~[268]または[292]~[304]または項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[304]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[304]の何れかの使用。
【0843】
[309]最大2個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[305]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[305]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[305]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[305]の何れかの使用。
【0844】
[310]最大4個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[309]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[309]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[309]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[309]の何れかの使用。
【0845】
[311]最大6個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[310]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[310]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[310]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[310]の何れかの使用。
【0846】
[312]最大8個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[311]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[311]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[311]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[311]の何れかの使用。
【0847】
[313]最大10個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[312]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[312]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[312]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[312]の何れかの使用。
【0848】
[314]少なくとも1個および最大4個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合している、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[313]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[313の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。]または項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[313]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[313]の何れかの使用。
【0849】
[315]少なくとも3個、最大10個の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]~[307]または[310]~[314]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]~[307]または[310]~[314]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]~[307]または[310]~[314]の何れかの方法または項目[142]~[268]または[292]~[299]または[301]~[302]または[304]~[307]または[310]~[314]の何れかの使用。
【0850】
[316]リンカーごとに3個以下の可溶性タグが付加される、項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[315]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[315]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[315]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[315]の何れかの使用。
【0851】
[317]2個以下の可溶性タグがリンカーごとに共有結合する、項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[316]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[316]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[316]の何れかの方法。または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[316]の何れかの使用。
【0852】
[318]、2個以下の可溶性タグがリンカーごとに共有結合する、項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[317]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[317]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[317]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[317]の何れかの使用。
【0853】
[319]ペイロード当たり3個以下の可溶性タグが共有結合する、項目[75]~[131]または[146]~[318]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[318]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[75]~[131]または[134]~[141]または[146]~[318]の何れかの方法または項目[75]~[131]または[144]~[318]の何れかの使用。
【0854】
[320]ペイロード当たり2個以下の可溶性タグが共有結合する、項目[75]~[131]または[146]~[319]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[319]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[75]~[131]または[134]~[141]または[146]~[319]の何れかの方法または項目[75]~[131]または[144]~[319]の何れかの使用。
【0855】
[321]ペイロード当たり1個以下の可溶性タグが共有結合する、
項目[75]~[131]または[146]~[320]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[320]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[75]~[131]、[134]~[141]または[146]~[320]の何れかの方法または項目[75]~[131]または[144]~[320]の何れかの使用。
【0856】
[322]抗体成分当たり3個以下の可溶性タグが共有結合する、項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]の何れかの分子。または[146]~[321]または項目[132]~[133]または[146]~[321]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[321]の何れかの方法または項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[321]の何れかによる使用。
【0857】
[323]抗体成分当たり2個以下の可溶性タグが共有結合する、
項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[322]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[322]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[39]~[42]の何れかの方法]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[322]または項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[322]の何れかによる使用。
【0858】
[324]抗体成分当たり1個以下の可溶性タグが共有結合する、項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[323]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[323]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[323]の何れかの方法または項目[39]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]]~[323]の何れかによる使用。
【0859】
[325]1種類のみの可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[324]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[324]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[324]の何れかの方法または項目[142]~[324]の何れかの使用。
【0860】
[326]1種以上の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[324]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[324]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[324]の何れかの方法または項目[142]~[324]の何れかの使用。
【0861】
[327]最大2種類の可溶性タグが該抗体-薬物コンジュゲートに共有結合する、項目[130]~[131]または[146]~[324]または[326]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[324]または[326]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[324]または[326]の何れかの方法または項目[142]~[324]または[326]の何れかの使用。
【0862】
[328]該抗体-薬物コンジュゲートである、可溶性タグが1種類のみで構成される、項目[130]~[131]または[146]~[327]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[327]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[327]の何れかの方法または項目[142]~[327]の何れかの使用。
【0863】
[329]該抗体-薬物コンジュゲートである、複数の種類の可溶性タグで構成される、
項目[130]~[131]または[146]~[327]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[327]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[327]の何れかの方法または項目[142]~[327]の何れかの使用。
【0864】
[330]該抗体-薬物コンジュゲート最大2個の異なる種類の可溶性タグを含む、項目[130]~[131]または[146]~[327]または[329]の何れかの分子または項目[132]~[133]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは[146]~[327]または[329]または項目[134]~[141]または[146]~[327]または[329]の何れかの方法または項目[142]~[327]または[329]の何れかの使用。
【0865】
[331]該可溶性タグが単糖単位を含むまたは該可溶性タグが単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[330]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[330]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[330]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[330]の何れかの使用。
【0866】
[332]該可溶性タグが単糖単位からなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[331]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[331]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[331]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[331]の何れかの使用。
【0867】
[333]該可溶性タグが単糖単位からなるオリゴ糖を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[332]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[332]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[332]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[332]の何れかの使用。
【0868】
[334]該可溶性タグが単糖単位からなるオリゴ糖からなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[333]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[333]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[333]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[333]の何れかの使用。
【0869】
[335]該可溶性タグが含む/各可溶性タグが最大25個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[334]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[334]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[334]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[334]の何れかの使用。
【0870】
[336]該可溶性タグが含む/各可溶性タグが最大20個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[335]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[335]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[335]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[335]の何れかの使用。
【0871】
[337]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大15個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[336]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[336]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[336]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[336]の何れかの使用。
【0872】
[338]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大12個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[337]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[337]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[337]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[337]の何れかの使用。
【0873】
[339]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大10個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[338]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[338]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[338]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[338]の何れかの使用。
【0874】
[340]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大9個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[339]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[339]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[339]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[339]の何れかの使用。
【0875】
[341]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大8個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[340]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[340]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[340]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[340]の何れかの使用。
【0876】
[342]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大7個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[341]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[341]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[341]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[341]の何れかの使用。
【0877】
[343]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大6個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[342]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[342]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[342]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[342]の何れかの使用。
【0878】
[344]該可溶性タグ/各可溶性タグが最大5個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[343]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[343]何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[343]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[343]の何れかの使用。
【0879】
[345]該可溶性タグ/各可溶性タグが少なくとも2個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[344]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[344]]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[344]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[344]の何れかの使用。
【0880】
[346]該可溶性タグ/各可溶性タグが少なくとも3個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[345]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[345]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[345]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[345]の何れかの使用。
【0881】
[347]該可溶性タグ/各可溶性タグが少なくとも4個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[346]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[346]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[346]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[346]の何れかの使用。
【0882】
[348]該可溶性タグまたは各可溶性タグが少なくとも5個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[347]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[347]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[347]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[347]の何れかの使用。
【0883】
[349]該可溶性タグまたは各可溶性タグが5個の単糖単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[348]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[348]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[348]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[348]の何れかの使用。
【0884】
[350]該可溶性タグ/各可溶性タグに含まれる単糖ユニットが共有結合により結合してオリゴ糖を形成している、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[349]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[349]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[349]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[349]の何れかの使用。
【0885】
[351]可溶性タグ/各可溶性タグが3~8個の単糖ユニットからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[350]の何れかの分子または項目[132]~。[133]または[146]~[350]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[350]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[350]の何れかの使用。
【0886】
[352]可溶性タグ/各可溶性タグが4~8個の単糖単位からなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[351]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[351]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[351]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[351]の何れかの使用。
【0887】
[353]可溶性タグ/各可溶性タグが4~7個の単糖単位からなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[352]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[352]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[352]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[352]の何れかの使用。
【0888】
[354]可溶性タグ/各可溶性タグが4~6個の単糖ユニットからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[353]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[353]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[353]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[353]の何れかの使用。
【0889】
[355]可溶性タグ/各可溶性タグが4または5個の単糖単位からなる項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[354]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[354]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[354]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[354]の何れかの使用。
【0890】
[356]可溶性タグ/各可溶性タグが5または6個の単糖単位からなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[355]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[355]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[355]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[355]の何れかの使用。
【0891】
[357]可溶性タグ/各可溶性タグが5個の単糖ユニットからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[356]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[356]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[356]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[356]の何れかの使用。
【0892】
[358]該可溶性タグ/各可溶性タグを構成する単糖単位が共有結合により結合してオリゴ糖を形成している、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[357]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[357]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[357]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[357]の何れかの使用。
【0893】
[359]可溶性タグ/各可溶性タグがキトオリゴ糖を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[358]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[358]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[358]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[358]の何れかの使用。
【0894】
[360]可溶性タグ/各可溶性タグがキトオリゴ糖である、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[359]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[359]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[359]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[359]の何れかの使用。
【0895】
[361]該キトオリゴ糖が表T1に示されるキトオリゴ糖から選択される、項目[359]~[360]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用:
【表2】
[362]該キトオリゴ糖が表T1に示す単糖単位を3~7個有するキトオリゴ糖である、項目[359]~[361]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0896】
[363]該キトオリゴ糖が表T1に示す単糖単位を4~6個有するキトオリゴ糖である、項目[359]~[362]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0897】
[364]該キトオリゴ糖が表T1に示す単糖単位を4または5個有するキトオリゴ糖である、項目[359]~[363]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0898】
[365]該単糖単位がアルドース、ケトースおよび該アルドースまたはケトースの化学修飾型からなる群から独立して選択される、項目[331]~[364]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0899】
[366]該単糖単位がアルドースおよび該アルドースの化学修飾型からなる群から独立して選択される、項目[331]~[365]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0900】
[367]該単糖単位がテトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトースおよびテトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトースの化学修飾型からなる群から個別に選択される、項目[331]~[366]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0901】
[368]該単糖単位がテトロース、ペントース、ヘキソース、及びテトロース、ペントース、ヘキソースの化学的に修飾された形態からなる群から選択される、項目[331]~[367]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0902】
[369]該単糖単位がペントース、ヘキソースおよびペントースおよびヘキソースの化学修飾型からなる群から個別に選択される、項目[331]~[368]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0903】
[370]該単糖単位がヘキソースおよびヘキソースの化学修飾形態からなる群から選択される、項目[331]~[369]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0904】
[371]該単糖単位がテトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびオクトースからなる群から個別に選択される、項目[331]~[370]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0905】
[372]該単糖単位がテトロース、ペントースおよびヘキソースからなる群から個別に選択される、項目[331]~[371]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0906】
[373]該単糖単位がペントースおよびヘキソースからなる群から個別に選択される、項目[331]~[372]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0907】
[374]該単糖単位がヘキソースである、項目[331]~[373]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0908】
[375]該可溶性タグの該単糖単位が化学修飾によって修飾されていない、項目[331]~[374]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0909】
[376]該テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびオクトースが化学式Cn(H2O)nを有する、項目[331]~[376]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0910】
[377]該アルドースが化学式Cn(H2O)nを有する、項目[365]~[376]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0911】
[378]該ケトースが化学式Cn(H2O)nを有する、項目[365]~[377]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0912】
[379]nが4≦n≦12の整数である、項目[376]~[378]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲート、方法または使用。
【0913】
[380]nが4≦n≦8の整数である、項目[376]~[379]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲート、方法または使用。
【0914】
[381]nが5≦n≦7の整数である、項目[376]~[380]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0915】
[382]nが5または6である、項目[376]~[381]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0916】
[383]nが6である、項目[376]~[382]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0917】
[384]該テトロースがエリスロースおよびトレオースからなる群から個別に選択される、項目[367]~[383]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0918】
[385]該ペントースがリボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースからなる群から個別に選択される、項目[367]~[384]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0919】
[386]該ヘキソースがアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースからなる群から選択される、項目[367]~[384]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0920】
[387]該単糖単位がD-糖である、項目[331]~[387]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0921】
[388]該可溶性タグの少なくとも1個の単糖単位が少なくとも1個の化学修飾によって修飾されている、項目[331]~[387]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0922】
[389]該可溶性タグの全ての単糖単位が少なくとも1個の化学修飾によって修飾されている、項目[331]~[388]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0923】
[390]該可溶性タグの単糖単位が3個を超える化学修飾によって修飾されていない、項目[331]~[389]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0924】
[391]該可溶性タグの単糖単位が2個を超える化学修飾によって修飾されていない、項目[331]~[390]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0925】
[392]該可溶性タグの単糖単位が複数の化学修飾によって修飾されていない、項目[331]~[391]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0926】
[393]該可溶性タグの単糖単位当たりの平均化学修飾数が3以下である、項目[331]~[392]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0927】
[394]該可溶性タグの単糖単位あたりの平均化学修飾数が2以下である、項目[331]~[393]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0928】
[395]該可溶性タグの単糖単位当たりの平均化学修飾数が1.5以下である、項目[331]~[394]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0929】
[396]該可溶性タグの単糖単位当たりの平均化学修飾数が1以下である、項目[331]~[395]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0930】
[397]該可溶性タグの単糖単位あたりの平均化学修飾数が該可溶性タグのすべての単糖単位に対する全体の化学修飾数を該可溶性タグの単糖単位の数で割ることにより算出される、項目[331]~[395]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0931】
[398]該単糖単位の該化学修飾された形態が少なくとも1個の単糖単位を有する形態である、項目[365]~[396]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0932】
[399]該単糖単位の該化学修飾形態が最大3個の該単糖単位を有する形態である、項目[365]~[398]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0933】
[400]該単糖単位の該化学修飾形態が最大2個の該単糖単位を有する形態である、項目[365]~[399]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。化学修飾。
【0934】
[401]該単糖単位の化学修飾された形態が1個の化学修飾を有する該単糖単位の形態である、項目[365]~[400]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0935】
[402]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[401]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用:
- 水素、アルキル、アシル、アシロキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキル、ハロゲン、アミノ、N-アシルアミノ、アジド、硫酸、セレニルからなる群から選択される置換基によるヒドロキシル基の置換そしてアジド。
- スルホキシド、スルホン、硫酸、硫酸エステル、チオ硫酸塩、チオエステル、チオエーテルおよびスルホキシイミンからなる群から選択される硫黄含有部分によるヒドロキシル基の置換;
- リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン、リン酸およびリン酸エステルからなる群から選択されるリン含有部分によるヒドロキシル基の置換;
- シリル基によるヒドロキシル基の置換またはシリルエーテルの形成によるシリル基の該ヒドロキシル基への共有結合;
- 分岐多価アルコールによるヒドロキシル基の置換。
- ヒドロキシル基をアミノ酸または最大3アミノ酸のペプチドで置換することまたはアミノ酸または最大3アミノ酸のペプチドと該単糖単位との共有結合;
- 該単糖単位のヒドロキシル基とのアセタール形成;
- PEG(ポリエチレングリコール)基の該単糖単位への共有結合;
- 芳香族または複素芳香族置換基への共有結合;
- 該単糖単位の糖環内での環内二重結合の形成。
【0936】
[403]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[402]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: ヒドロキシル基の置換水素、アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキル、ハロゲン、アミノ、N-アシルアミノ、アジド、硫酸、セレニルおよびアジドからなる群から選択される置換基による。
【0937】
[404]該アルキルが置換または非置換のC1-C5アルキルであり、該アシルが置換または非置換C1-C5アシル、該アシルオキシが置換または非置換のC1-C5アシルオキシであり、該アルケニルが置換または非置換のC1-C5 アルケニルであり、該アルキニルが置換または非置換のC1-C5アルキニルであり、該O-アルキルが置換または非置換のC1-C5 O-アルキルであり、該S-アルキルが置換または非置換のC1-C5 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルが置換または非置換のC1-C5カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノが置換または非置換のC1-C5N-アシルアミノである、項目[365]~[403]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0938】
[405]該アルキルが非置換のC1-C5アルキルであり、該アシルが非置換のC1-C5アシルオキシ、該アルケニルが非置換のC1-C5アルケニル、該アルキニルが非置換のC1-C5アルキニル、該O-アルキルが非置換のC1-C5O-アルキルであり、該S-アルキルが非置換C1-C5 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルが非置換C1-C5カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノが非置換C1-C5 N-アシルアミノである、項目[402]~[404]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0939】
[406]該アルキルが置換または非置換のC1-C2アルキルであり、該アシルが置換または非置換C1-C2アシル、該アシルオキシが置換または非置換のC1-C2アシルオキシ、該アルケニルが置換または非置換のC1-C2アルケニル、該アルキニルが置換または非置換のC1-C2アルキニル、該O-アルキルが置換または非置換のC1-C2 O-アルキルであり、該S-アルキルが置換または非置換のC1-C2 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルが置換または非置換のC1-C2カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノが置換または非置換のC1-C2N-アシルアミノである、項目[402]~[405]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0940】
[407]該アルキルが非置換のC1-C2アルキルであり、該アシルが非置換のC1-C2アシル、該アシルオキシが非置換のC1-C2アシルオキシ、該アルケニルが非置換のC1-C2アルケニル、該アルキニルが非置換のC1-C2アルキニル、該O-アルキルが非置換のC1-C2O-である。アルキルであり、該S-アルキルが非置換C1-C2 S-アルキルであり、該カルボキシアルキルが非置換C1-C2カルボキシアルキルであり、該N-アシルアミノが非置換C1-C2 N-アシルアミノである項目[402]~[406]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0941】
[408]該アルキル、アシル、アシロキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノが直鎖または分枝鎖である、項目[402]~[407]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0942】
[409]該アルキル、アシル、アシロキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノが直鎖である、項目[402]~[408]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0943】
[410]該置換アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノがハロゲン、CN、OH、アミノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシから選択される基で置換されている、項目[402]~[409]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0944】
[411]該置換アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノが分子量100ダルトン以下の原子または基で置換されている、項目[402]~[410]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0945】
[412]該置換されたアルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノが分子量80ダルトン以下の原子または基で置換されている、項目[402]~[411]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0946】
[413]該置換アルキル、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルキニル、O-アルキル、S-アルキル、カルボキシアルキルまたはN-アシルアミノが分子量50ダルトン以下の原子または基で置換されている、項目[402]~[411]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0947】
[414]該化学修飾が以下から個別に選択される項目[365]~[413]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用:ヒドロキシル基の置換スルホキシド、スルホン、硫酸、硫酸エステル、チオ硫酸塩、チオエステル、チオエーテルおよびスルホキシイミンからなる群から選択される硫黄含有部分。
【0948】
[415]該硫黄含有部分が100Da以下、好ましくは50Da以下の分子量を有する、項目[402]~[414]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0949】
[416]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[415]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: ヒドロキシル基の置換リン酸、ホスホン酸、ホスフィン、リン酸およびリン酸エステルからなる群から選択されるリン含有部分による。
【0950】
[417]該リン含有部分が最大100Da、好ましくは最大50Daの分子量を有する、項目[402]~[416]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0951】
[418]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[417]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: ヒドロキシル基の置換シリル基またはシリルエーテルの形成によるシリル基の該ヒドロキシル基への共有結合による。
【0952】
[419]該シリル基の分子量が150Da以下、好ましくは100Da以下である、項目[402]~[418]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0953】
[420]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[419]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: ヒドロキシル基の置換アミノ酸または最大3個のアミノ酸のペプチドまたは最大3個のアミノ酸のアミノ酸またはペプチドと該単糖単位との共有結合による。
【0954】
[421]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[420]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: 該単糖単位のヒドロキシル基とのアセタール形成。
【0955】
[422]単糖単位への共有結合ではないアセタールの各置換基が分子重量が100Daまで、好ましくは50Daまでである、項目[402]~[411]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0956】
[423]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[422]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: ヒドロキシル基の置換分岐ポリアルコールによる置換。
【0957】
[424]該分岐ポリアルコールがヒドロキシル基を8個まで有する分岐ポリアルコールである、項目[402]~[423]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲート、方法または使用。
【0958】
[425]該分岐多価アルコールがヒドロキシル基を5個まで有する分岐多価アルコールである、項目[402]~[424]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0959】
[426]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[425]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: PEGの共有結合(ポリエチレングリコール)基を該単糖単位に付加する。
【0960】
[427]該PEG基の分子量が1000ダルトンまでである、項目[402]~[426]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0961】
[428]該PEG基の分子量が500ダルトンまでである、項目[402]~[427]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0962】
[429]該PEG基の分子量が120ダルトンまでである、項目[402]~[428]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0963】
[430]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[429]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: 芳香族への共有結合または複素芳香族置換基。
【0964】
[431]該芳香族またはヘテロ芳香族置換基が200Da以下、好ましくは100Da以下の分子量を有する、項目[402]~[428]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0965】
[432]該化学修飾が以下から個別に選択される、項目[365]~[431]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用: 環内二重結合形成該単糖単位の糖環内。
【0966】
[433]該単糖類の該化学修飾が該単糖類の水酸基の水素、アミノ、N-アセチルアミノ、メチル、メトキシおよび硫酸からなる群から選択される置換基による置換である、項目[365]~[432]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0967】
[434]該単糖類の該化学修飾が該単糖類の水酸基の水素、アミノ、N-アセチルアミノ、メチルおよびメトキシからなる群から選択される置換基による置換である、項目[365]~[433]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0968】
[435]該単糖類の該化学修飾が該単糖類の水酸基の水素、アミノおよびN-アセチルアミノからなる群から選択される置換基による置換である、項目[365]~[434]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0969】
[436]該単糖単位の該化学修飾形態が該単糖単位が1個、2個または3個の化学修飾を有する形態である、項目[365]~[435]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0970】
[437]該単糖単位の化学修飾された形態が該単糖単位が1個または2個有する形態である、項目[365]~[436]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0971】
[438]該単糖単位の化学修飾された形態が1個の化学修飾を有する該単糖単位の形態である、項目[365]~[437]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0972】
[439]該単糖単位の該化学的に修飾された形態が2個または3個のヒドロキシル基が独立して置換されている、項目[365]~[438]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0973】
[440]該単糖単位の該化学的に修飾された形態が1個または2個のヒドロキシル基が独立して置換されている、項目[365]~[439]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0974】
[441]該単糖単位の該化学修飾された形態が1個のヒドロキシル基が独立して置換されている該単糖単位の形態である、項目[365]~[440]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0975】
[442]該単糖単位の該化学修飾形態が1個または2個のヒドロキシル基が独立して、水素、アミノ基、N-アセチルアミノ基、メチル基、メトキシ基または硫酸基で置換されている、項目[365]~[441]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0976】
[443]該単糖単位の該化学的に修飾された形態が1個または2個のヒドロキシル基が独立して、水素、アミノ基、N-アセチルアミノ基、メチル基またはメトキシ基によって置換されている、項目[365]~[442]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0977】
[444]該単糖単位の該化学修飾形態が以下の1個または2個のヒドロキシル基が独立して水素、アミノ基またはN-アセチルアミノ基に置き換えられている、項目[365]~[443]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0978】
[445]化学修飾により生じる単糖単位の炭素骨格への置換基が800ダルトン以下の分子量を有する、項目[365]~[444]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0979】
[446]化学修飾により生じる単糖単位の炭素骨格への置換基が400ダルトン以下の分子量を有する、項目[365]~[445]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0980】
[447]化学修飾により生じる単糖単位の炭素骨格への置換基が200ダルトン以下の分子量を有する、項目[365]~[446]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0981】
[448]化学修飾により生じる単糖単位の炭素骨格への置換基が100ダルトン以下の分子量を有する、項目[365]~[447]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0982】
[449]該可溶性タグがグルコース、化学的に修飾された形態のグルコース、ガラクトースおよび化学的に修飾された形態のガラクトースからなる群から選択される単糖単位以外の単糖単位を含まない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[448]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[448]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[448]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[448]の何れかの使用。
【0983】
[450]該可溶性タグがグルコサミン(GlcN)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、フコース(Fuc)、6-メチルフコース以外の単糖を含まない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[449]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[449]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[449]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[449]の何れかの使用。
【0984】
[451]該可溶性タグが単糖単位としてグルコサミン(GlcN)およびN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)から選択される単糖のみを含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[450]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[450]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[450]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[450]の何れかの使用。
【0985】
[452]項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[451]の何れかの分子または項目[132]~[451]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。[133]または[146]~[451]または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[451]の何れかの方法。]または該可溶性タグが単糖単位としてN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)のみを含む、項目[20]~[131]または[142]~[451]の何れかの使用。
【0986】
[453]該可溶性タグがグルコサミン(GlcN)、N-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)および6-メチル-フコースからなる群から選択される共有結合により結合した単糖単位のみからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[452]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[452]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[452]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[452]の何れかの使用。
【0987】
[454]該可溶性タグがグルコサミン(GlcN)およびN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)からなる群から選択される共有結合により結合した単糖単位のみからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[453]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[453]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[453]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[453]の何れかの使用。
【0988】
[455]該可溶性タグが共有結合したN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位のみからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[454]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[454]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[454]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[454]の何れかの使用。
【0989】
[456]該可溶性タグが少なくとも3個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[455]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[455]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[455]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[455]の何れかの使用。
【0990】
[457]該可溶性タグが少なくとも4個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[456]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[456]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[456]の何れかの方法。]または項目[20]~[131]または[142]~[456]の何れかの使用。
【0991】
[458]該可溶性タグが1個のグルコサミン(GlcN)および4個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[457]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[457]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[457]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[457]の何れかの使用。
【0992】
[459]該可溶性タグが1個のグルコサミン(GlcN)および4個のN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)単位からなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[458]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[458]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[458]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[458]の何れかの使用。
【0993】
[460]該可溶性タグの単糖ユニットが分岐なく直線状に結合されている、項目[331]~[459]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0994】
[461]該可溶性タグの単糖単位が分岐状に結合されている、項目[331]~[459]の何れかの分子、抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0995】
[462]該単糖単位がグリコシド結合によって共有結合している、項目[331]~[461]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0996】
[463]可溶性タグの単糖単位が環状である、項目[331]~[462]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【0997】
[464]該可溶性タグが該溶解度である、使用。タグが該可溶性タグのGlcN単糖単位と該リンカーとの間の共有結合を介して、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される、項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[463]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[463]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[463]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[463]の何れかの使用。
【0998】
[465]該可溶性タグが該可溶性タグのGlcN単糖単位を該リンカーに共有結合するβ-アラニン基を介して、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される
項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[464]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[464]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[464]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[464]の何れかの使用。
【0999】
[466]該可溶性タグが該可溶性タグのGlcN単糖単位と該リンカーとの間の共有結合の形成によって、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される、項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[465]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[465]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]]~[141]または[146]~[465]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[465]の何れかの使用。
【1000】
[467]タグが該リンカーと該可溶性タグの単糖単位の炭素2に結合したアミノ基との間の共有結合を介して、該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)に結合される、項目[3]、[6]または[27]~[131]または[146]~[466]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[466]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[466]の何れかの方法または項目[22]または[25]~[131]または[144]~[466]の何れかの使用。
【1001】
[468]該アミノ基が前記オリゴ糖(すなわち、前記可溶性タグがそれぞれ構成するオリゴ糖の)の非還元末端の末端単糖単位の炭素2に結合している、項目[467]の分子または抗体薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【1002】
[469]該溶解性/各可溶性タグがオリゴ糖を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[468]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[468]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[468]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[468]の何れかの使用。
GlcN-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc。
【1003】
[470]該可溶性タグ/各可溶性タグがオリゴ糖GlcN-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAcからなる、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[469]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[469]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[469]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[469]の何れかの使用。
【1004】
[471]該オリゴ糖GlcN-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAcが該オリゴ糖のGlcN単糖単位への共有結合による抗体-薬物コンジュゲートの別の成分に結合されている、項目[469]~[470]の何れかの分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【1005】
[472]可溶性タグ/各可溶性タグがO-(2-デオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノースであるかまたはそれを含む(好ましくはそれである、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1006】
[473]該可溶性タグ/各可溶性タグがO-(2-デオキシ-2-)アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-{(6-デスオキシ-2-O-メチル-α-L-ガラクトピラノシル)-(1→6)-O}-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)であるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1007】
[474]該可溶性タグ/各可溶性タグがO-(2-デオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)であるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1008】
[475]該可溶性タグ/各可溶性タグがO-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(14→)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-6-O-スルホ-D-グルコピラノース)のナトリウム塩であるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1009】
[476]該可溶性タグ/各可溶性タグがO-(2-デオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(14→)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)であるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1010】
[477]該可溶性タグ/各可溶性タグがN-[(3R,4R,6R)-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1011】
[478]N-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ- 6-[[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-テトラヒドロピラン-2-イル]オキシメチル]-2,4-ジヒドロキシ-テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1012】
[479]該可溶性タグ/各可溶性タグがN-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1013】
[480]該可溶性タグ/各可溶性タグが((2R,3S,4R,5R)-5-アセトアミド-3-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4,6-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)硫酸メチルナトリウム(I)であるかまたは含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1014】
[481]該可溶性タグ/各可溶性タグがN-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミドであるかまたはそれを含む(好ましくはそれである)、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【1015】
[482]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(I)を有する化学基を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化9】
【1016】
[483]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(II)を有する化学基を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化10】
【1017】
[484]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(III)を有する化学基を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化11】
【1018】
[485]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(IV)を有する化学基を含む、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化12】
【1019】
[486]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(I)を有する化学基である、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化13】
【1020】
[487]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(II)を有する化学基である、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化14】
【1021】
[488]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(III)を有する化学基である、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化15】
【1022】
[489]該可溶性タグ/各可溶性タグが構造式(IV)を有する化学基である、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[471]の何れかの分子または項目[132]~[[133]または[146]~[471]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[471]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[471]の何れかの使用。
【化16】
【1023】
[490]該可溶性タグ/各可溶性タグがN結合型グリカンではない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[489]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[489]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート。または項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[489]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[489]の何れかの使用。
【1024】
[491]該可溶性タグ/各可溶性タグがN結合型グリカンではなく、N結合型グリカンを含まず、N結合型グリカン内の分子基ではない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[490]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[490]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[490]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[490]の何れかの使用。
【1025】
[492]該可溶性タグ/各可溶性タグがN結合型グリカンまたはO結合型グリカンではない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[491]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[491]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[491]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[491]の何れかの使用。
【1026】
[493]該可溶性タグ/各可溶性タグがN結合型グリカンまたはO結合型グリカンではない、N-結合型グリカンまたはO-結合型グリカンを含まない、かつN-結合型グリカンまたはO-結合型グリカン内の分子基ではない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[492]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[492]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[492]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[492]の何れかの使用。
【1027】
[494]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の抗体または抗原結合フラグメント)がいかなるキトオリゴ糖も含まない、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[493]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[493]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[493]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[493]の何れかによる使用。
【1028】
[495]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の抗体または抗原結合フラグメント)がグリコシル化されていないかまたは位置Asn297(EUナンバリング)でのみグリコシル化を有する、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[494]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[494]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[494]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[494]の何れかの使用。
【1029】
[496]Asn297におけるグリコシル化が天然の抗体グリコシル化である、項目[495]の分子、抗体-薬物コンジュゲート、方法または使用。
【1030】
[497]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体または抗原結合フラグメント)がいかなる単糖も担持しないかまたは抗体のグリコシル化における単糖以外の単糖を担持しない、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[496]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[496]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[496]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[496]の何れかの使用。
【1031】
[498]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体または抗原結合フラグメント)がいかなる抗体グリコシル化も有さない、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[497]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[497]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[496]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[47]の何れかの使用。
【1032】
[499]該抗体成分(それぞれ、項目[38]の該抗体または抗原結合フラグメント)がいかなる単糖単位も含まない、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[146]~[498]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[498]の何れかの抗体-薬剤コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[496]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[47]の何れかの使用。
【1033】
[500]該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)が可溶性タグのキトオリゴ糖以外のキトオリゴ糖を含まない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[499]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[499]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[499]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[499]の何れかの使用。
【1034】
[501]該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)が可溶性タグの単糖単位を超える他の単糖単位を含まず、場合により抗体成分(それぞれのグリコシル化の一部である単糖単位を含まない)のグリコシル化の一部である単糖単位を含まない、項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]の何れかの分子、項目[146]~[500]または項目[132]~[133]または[146]~[500]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[134]~[141]または[146]~[500]の何れかの方法または項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[131]または[144]~[500]の何れかによる使用。
【1035】
[502]該抗体-薬物コンジュゲート(それぞれ該分子)が可溶性タグの単糖単位を超える他の単糖単位を含まない、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[501]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[501]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[501]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[501]の何れかの使用。
【1036】
[503]可溶性タグを有する該分子が同じ構造の分子よりも高い溶解性を有する、項目[1]~[6]または[27]~[131]または[146]~[502]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[502]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[7]~[19]または[27]~[131]または[134]~[141]または[146]~[502]の何れかの方法または項目[20]~[131]または[142]~[502]の何れかの使用。
【1037】
[504]該可溶性タグを有するADCと同じ構造の、ただし該可溶性タグのないADCよりも高い溶解度を有する、項目[130]~[131]または[146]~[502]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[502]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[502]の何れかの方法または項目[142]~[502]の何れかの使用。
【1038】
[505]ペイロード(すなわち、該抗体-薬物コンジュゲートの抗体成分、リンカーおよび可溶性タグのみから構成される分子)を含まない対応する分子が静脈内投与により投与される該マウスの体重1kg当たり6mgの用量でマウスに対して無毒である、項目[130]~[131]または[146]~[504]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[504]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[134]~[141]または[146]~[504]の何れかの方法または項目[142]~[504]の何れかの使用。
【1039】
[506]該ADCが該ペイロードのない対応する分子(すなわち、該抗体-薬物コンジュゲートの抗体成分、リンカーおよび可溶性タグのみから構成される分子)がマウスを用いた動物実験において肝毒性の兆候をもたらさない、項目[130]~[131]または[146]~[505]の何れかの分子または項目[132]~[133]または[146]~[505]の何れかの抗体-薬物コンジュゲート、項目[134]~[141]または[146]~[505]の何れかの方法または項目[142]~[505]の何れかの使用。
【1040】
[507]マウスを用いた該動物研究が該ペイロードを含まない前記分子を、成人雌BALB/cヌードマウスに、前記マウスの体重1kgあたりADC6mgの用量で単回静脈内投与し、ヘマトキシリン&エオシンで染色したホルマリン固定肝臓組織の調製および光学顕微鏡での病理学分析を含み、光学顕微鏡で可視病変がないことが肝臓毒性の不在を示す、項目[506]の分子または抗体-薬物コンジュゲートまたは方法または使用。
【1041】
[508]項目[130]~[507]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートを調製する方法であって、
- (a)項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[141]または[144]~[507]の何れかの抗体成分(それぞれ抗体または抗原結合フラグメント)、項目[75]~[141]または[144]~[507]の何れかのペイロード、および項目[3]または[6]または[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[22]または[25]~[141]または[144]~[507]の何れかのリンカーを含む分子および(b)[1]~[19]または[27]~[141]または[146]~[507]の何れかの可溶性タグ間の共有結合の形成をもたらす反応を実施するまたは
- (a)項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[141]または[144]~[507]の何れかの抗体成分(それぞれ抗体または抗原結合フラグメント)(b)項目[75]~[141]または[144]~[507]の何れかのペイロード、項目[3]または[6]または[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[22]または[25]~[141]または[144]~[507]の何れかのリンカー、および項目[1]~[19]または[27]~[141]または[146]~[507]の何れかの可溶性タグを含む分子間の共有結合の形成をもたらす反応を実施するまたは
- (a)項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[141]または[144]~[507]の何れかの抗体成分(それぞれ抗体または抗原結合フラグメント)、項目[3]または[6]または[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[22]または[25]~[141]または[144]~[507]の何れかのリンカー、および項目[1]~[19]または[27]~[141]または[146]~[507]の何れかの可溶性タグを含む分子および(b)項目[75]~[141]または[144]~[507]のいずれかに定義されるペイロード間の共有結合の形成をもたらす反応を実施するまたは
- (a)(a)項目[38]~[42]または[44]または[46]~[47]または[49]または[51]~[52]または[54]~[141]または[144]~[507]の何れかの抗体成分(それぞれ抗体または抗原結合フラグメント)および項目[3]または[6]または[9]または[12]または[15]または[18]~[19]または[22]または[25]~[141]または[144]~[507]の何れかのリンカーを含む分子および(b)項目[1]~[19]または[27]~[141]または[146]~[507]の何れかの可溶性タグおよび項目[75]~[141]または[144]~[507]の何れかのペイロードを含む分子間の共有結合の形成をもたらす反応を実施する
工程を含み、共有結合した可溶性タグを備えた抗体-薬物コンジュゲートを生成することを含む、方法。
【1042】
[509]該ペイロードが治療剤または検出可能な標識である、項目[508]の抗体-薬物コンジュゲートを調製するための方法。
【1043】
[510]項目[132]~[133]または[146]~[507]の何れかの抗体医薬化合物の調製に使用するための化合物であって、該化合物が活性化基にリンクされた項目[1]~[19]または[27]~[141]または[146]~[507]の何れか一項に定義される可溶性タグを含む、化合物。
【1044】
[511]該化合物が項目[1]~[19]または[27]~[141]または[146]~[507]の何れかの可溶性タグからなる、項目[510]の化合物。活性化基にリンクされている。
【1045】
[512]該活性化剤基がマレイミド、ハロゲンアセトアミド、アルキルハロゲン、マイケルアクセプター(式中、該マイケルアクセプターが好ましくはビニルピリジンである)および付加環化に適した基(ここで、付加環化に適した基が好ましくはケトン、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルボン酸、アルケンまたは付加環化に適したアルキンである)からなる群から選択される、項目[510]または[511]の何れかの化合物。
【1046】
[513]項目[508]~[509]の何れかの方法により製造された抗体医薬化合物。
【1047】
[514]項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体医薬化合物を含む医薬組成物。
【1048】
[515]該医薬組成物が薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含む、項目[514]の医薬組成物。
【1049】
[516]該医薬組成物が少なくとも1個の追加のアジュバント、抗酸化剤、緩衝剤、増量剤、着色剤、乳化剤、増量剤、着香剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤および/または他の通常の医薬品補助剤をさらに含む、項目[514]~[515]の何れかの医薬組成物。
【1050】
[517]医薬品として使用するための、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物。
【1051】
[518]癌の治療に使用するための、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物。
【1052】
[519]悪性腫瘍の治療に使用される、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物。
【1053】
[520]炎症性疾患の治療に使用するための、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物。
【1054】
[521]ヒトの治療に使用するためのものである、項目[517]~[520]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは医薬組成物。
【1055】
[522]治療を必要とする患者の疾患を治療するための方法であって、項目[130]~[131]または[146]]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物の治療有効量を該患者に投与する工程を含む、方法。
【1056】
[523]該疾患が癌である、項目[522]の方法。
【1057】
[524]該疾患が悪性腫瘍である、項目[522]の方法。
【1058】
[525]該疾患が炎症性疾患である、項目[522]の方法。
【1059】
[526]該患者がヒトである、項目[522]~[525]の何れかの方法。
【1060】
[527]項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物の使用。[516]医薬品の製造のため。
【1061】
[528]癌治療用の薬剤の製造のための、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物の使用。
【1062】
[529]悪性腫瘍の治療用の薬剤の製造のための、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[516]の何れかの医薬組成物の使用。
【1063】
[530]炎症性疾患の治療用の医薬品の製造のための、項目[130]~[131]または[146]~[507]または[513]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは項目[514]~[514]~[514]の何れかの医薬組成物の使用。
【1064】
[531]該薬剤がヒトに投与するために調製される、項目[527]~[530]の何れかの使用。
【1065】
[532]該炎症性疾患が自己免疫疾患である、項目[520]~[521]の何れかの使用のための抗体-薬物コンジュゲートまたは医薬組成物または項目[525]~[526]の何れかの方法または項目[525]~[526]の何れかの方法または項目[530]~[531]の使用。
【1066】
[533]該炎症性疾患が炎症性腸疾患(IBD)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症、関節リウマチ、シェーグレン症候群および化膿性汗腺炎(HSからなる群より選択される、項目[520]~[521]または[532]の何れかの抗体-薬物コンジュゲートまたは医薬組成物または項目[525]~[526]または[532]の何れかの方法または項目[530]~[532]の何れかの使用。
【1067】
[534]該癌、悪性腫瘍または炎症性疾患がヒトの疾患である、項目[518]~[521]の何れかの使用のための抗体-薬物コンジュゲートまたは医薬組成物または項目[523]~[526]の何れかの方法または項目[523]~[526]の何れかの方法または項目[528]~[521]の何れかの使用。
【1068】
実施例
【1069】
以下の実施例は、本発明に記載されるオリゴ糖タグを有する抗体-薬物コンジュゲートの調製および特性評価、ならびに関連化合物および方法を、比較開示とともに記載する。上記の一般的な説明を考慮すると、実施例に反映された本発明のさまざまな実施態様が実施され得ることが理解される。上記の発明は、理解を明確にするために例示および実施例によってある程度詳細に説明されているが、その説明および実施例は本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【1070】
以下の分子の構造式で、酸素原子が共有結合(-O)のみを形成しているかのように示されているが、その酸素原子に結合している水素原子が示されていない場合(つまり、-OHまたはOHではない)、それはこの酸素原子は、さらに水素原子との共有結合を形成することによって飽和されると理解された(たとえ共有結合によってその酸素原子に結合したこの水素原子が構造式に示されていないとしても)。
【1071】
同同様に、窒素原子の下にある分子の構造式で、1個または2個の共有結合のみを形成するように描かれている場合、この窒素原子はさらに水素原子と共有結合して飽和し、窒素は合計3個の共有結合を形成すると理解される(共有結合によってその窒素原子に結合している全ての水素原子が構造式に示されていない場合でも)。
【1072】
実施例1: リンカーペイロード構造の調製
【1073】
調製されたリンカー-ペイロード構築物の概要
【表3】
1 リストされた化合物のオーリスタチンはMMAE(モノメチルオーリスタチンE)であった。
2 CO-Vの詳細については、以下の「オリゴ糖の合成」のセクションを参照のこと。
3 リストされた化合物中のマイタンシノイドはDM4(=ラブタンシン)であった。
4 シクロプロパンベンゾ[e]インドリン二量体
【1074】
リンカー-ペイロード構築物の化学構造
【1075】
リンカー-ペイロード構築物は、以下に記載する標準的な化学合成方法によって合成した。反応をモニタリングし、全ての反応生成物をAgilent LC MS-1200-6120Bを使用したHPLC-MS(高速液体クロマトグラフィー質量分析)によって特性評価した。全ての場合において、特性評価により、記載された製品が得られたことが確認された。
【1076】
オリゴ糖可溶性タグにリンクされた以下のリンカー-ペイロード構築物を調製/取得した。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【1077】
オリゴ糖の合成
【1078】
オリゴ糖はバイオテクノロジーのアプローチによって合成された。具体的には、キトオリゴ糖CO-V:
【化17】
であって、これは次のように指定できる。O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デオキシ-D-グルコピラノースまたはIUPAC命名法では:N-[(3R,4R,6R)-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R),6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド;これを、Samain et al., Carbohydrate Research (1997), vol. 302, p. 35-42 and Samain et al., Biotechnol. (1999), vol. 72, p. 33-47らによる組換え大腸菌株の使用によって生成した。続いて、オリゴ糖を木炭吸着とそれに続くイオン交換によって精製した。クロマトグラフィーおよび完全に精製された生成物(通常 >90%、少なくとも>70%)を得るために必要な場合は、HPLC 精製。オリゴ糖の同一性は、HPLC-MSによって確認した。
【1079】
同様のアプローチにより、以下のキトオリゴ糖が調製され、それらの同一性が確認される。
CO-V(MeFuc):
【化18】
これは次のように指定できる:O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-{(6-デスオキシ-2-O-メチル-α-L-ガラクトピラノシル)-(1→6)-O}-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)またはIUPAC命名法では:N-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-6-[[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチル-テトラヒドロピラン-2-イル]オキシメチル]-2,4-ジヒドロキシ-テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド。
CO-IV:
【化19】
これは次のように指定できる:O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(14→)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)またはIUPAC命名法ではN-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド
CO-IV:
【化20】
これは次のように指定できる:O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-6-O-スルホ-D-グルコピラノース)またはIUPAC命名法では:((2R),3S,4R,5R)-5-アセトアミド-3-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アセトアミド-5-(((2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-4,6-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル硫酸ナトリウム(I)
CO-II:
【化21】
O-(2-デスオキシ-2-アミノ-β-D-グルコピラノシル)-(1→4)-O-(2-アセトアミド-2-デスオキシ-D-グルコピラノース)またはIUPAC命名法では次のように指定できる。:N-[(3R,4R,5S,6R)-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド。
【1080】
MC-VC-MMAE(化合物1)
【化22】
化合物1は、Levena Biopharma(San Diego, USA)から購入した。
【1081】
CRD012/619(化合物2)の合成
中間体CRD012/450の合成:
【化23】
4-N-ニトロフェニル酢酸(5.000g; 1.00当量)のクロロホルム(55.000ml)溶液に、乾燥ピリジン(11.140ml; 5.00当量)およびtert-ブタノール(26.230ml; 10.00当量)を加え、続いて塩化ホスホリル(3.295ml;1.30当量)を2分間かけて滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1082】
反応混合物を、乾燥ジクロロメタン(12.000ml)および塩酸(10%)(5.032ml;0.50当量)を含有する氷冷溶液に注いだ。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、粗生成物を黄色の油として得た。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【1083】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステル(5.340g; 22.305mmol)を淡黄色油状物として得た。(5.34g、80.8%); MH=236(陰性)
【1084】
CRD012/646の合成:
【化24】
(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステル(5.050g;1.00当量)を四塩化炭素(50.000ml)に溶解した。N-ブロモスクシンイミド(1.949ml;1.10当量)および過酸化ベンゾイル(25%H
2Oを含む)(0.338g;0.05当量)を加えた。反応混合物を一晩加熱還流した。
【1085】
反応混合物を放冷し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をシクロヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【1086】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を真空中で除去して、ブロモ-(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステル(6.018g; 16.808mmol)を黄色の油状物として得た。(6g、80.4%); M-2H=314(陰性)。
【1087】
CRD012/456の合成:
【化25】
ブロモ-(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステル(7.810g; 1.00当量)を、窒素下で一定に撹拌しながら、N,N-ジメチルホルムアミド(60.000ml)と水(30.000ml)の混合物に溶解した。続いて酢酸ナトリウム(2.199g;1.20当量)を添加し、混合物を100℃で3時間撹拌した。
【1088】
反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと食塩水とに分配した。有機層を10%ゾルで洗浄した。HCl、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾液を真空中で濃縮して、粗生成物を黄色の油状物として得た。残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【1089】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を除去して、アセトキシ-(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステルを黄色の油状物として得た。(4.3g、60.1%)MH=294(陰性)。
【1090】
CRD012/657の合成:
【化26】
アセトキシ-(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステル(4.880g; 1.00当量)の乾燥メタノール(10.000ml)溶液を超純炭酸セシウム(0.087ml; 0.10当量)で処理した。乾燥メタノール(40.000ml)を加え、室温で一晩撹拌した。
【1091】
溶媒を除去し、粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【1092】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を除去して、ヒドロキシ-(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステルを黄色固体として得た。(957mg、25.5%); MH=252(陰性)
【1093】
CRD012/471の合成:
【化27】
ヒドロキシ-(4-ニトロ-フェニル)-酢酸tert-ブチルエステル(495.000mg;1.00当量)を乾燥メタノール(20.000ml)に溶解し、溶液をWhatman AutoCup 0.45μm(ナイロン)で濾過した。無色の溶液をH-cube(Thales Nanotechnology)中で水素化した。
【1094】
溶媒を除去し、残渣を一晩凍結乾燥して、(4-アミノ-フェニル)-ヒドロキシ-酢酸tert-ブチルエステルを淡黄色固体として得た。(437mg、100%); M=224
【1095】
CRD012/477の合成:
【化28】
(2S)-2-[[(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタン酸をN,N-ジメチルホルムアミド(4.000ml)に溶解し、反応混合物を0℃まで冷却した。合成用の4-メチルモルホリン(275μl; 1.50当量)を滴下し、次にHATU([ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]-ジメチルを加えた-アンモニウム;ヘキサフルオロリン酸;700.000mg;1.10当量)を添加し、続いて(4-アミノ-フェニル)-ヒドロキシ酢酸tert-ブチルエステル(437.000mg;1.00当量)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(6.000ml)を添加した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で5時間撹拌した。
【1096】
反応溶液を真空中で濃縮し、20mLの水を加えた。淡黄色の沈殿を吸引により収集し、水で洗浄し、真空下で一晩乾燥させて、粗生成物を黄色固体として得た。残渣を、ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【1097】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を除去して、{4-[(S)-2-((S)-2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイド-ペンタノイルアミノ]-フェニル}-ヒドロキシ酢酸tert-ブチルエステルを淡黄色固体として得た。(1.12g、92.8%); M+H=614
【1098】
CRD012/480の合成:
【化29】
{4-[(S)-2-((S)-2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイド-ペンタノイルアミノ]-フェニル}-ヒドロキシ酢酸tert-ブチルエステル(851.000mg; 1.00当量))を乾燥メタノール(100.000ml)に溶解し、溶液をWhatman AutoCup 0.45μm(ナイロン)で濾過した。淡黄色の溶液をH-cube(Thales Nanotechnology)中で水素化した。
【1099】
溶媒を減圧下で除去して、{4-[(S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイド-ペンタノイルアミノ]-フェニル}-ヒドロキシ-酢酸tert-ブチルエステルを淡黄色の粘性油状物として得た。(675mg、98.7%); M+H=480
【1100】
CRD012/485の合成:
【化30】
2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]酢酸(885.491mg; 2.00当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(10.000ml)に溶解し、反応混合物を0℃まで冷却した。4-メチルモルホリン(234μl;1.50当量)を滴下し、次いでHATU(995.109mg;1.80当量)を添加し、淡黄色溶液を30分間撹拌した。次に、{4-[(S)-2-((S)-2-アミノ-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイド-ペンタノイルアミノ]-フェニル}-ヒドロキシ-酢酸tert-ブチルエステルの溶液(N,N-ジメチルホルムアミド(5.000ml)中の847.000mg;1当量)を滴下した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1101】
淡黄色溶液を濃縮乾固し、粗生成物を水/アセトニトリルで溶出するRP(逆相)クロマトグラフィーにより精製した。
【1102】
生成物を含む画分を合わせ、真空中で濃縮し、一晩凍結乾燥して、{4-[(S)-2-((S)-2-{2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-アセチルアミノ)-アセチルアミノ]を得た]-アセチルアミノ}-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイド-ペンタノイルアミノ]-フェニル}-ヒドロキシ-酢酸tert-ブチルエステルを白色泡状物として得た。(897mg、72.3%); M+H=751
【1103】
【1104】
{(S)-2-((S)-2-{2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-アセチルアミノ)-アセチルアミノ]-アセチルアミノ}-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイドの溶液にN,N-ジメチルホルムアミド(5.000ml)中の-ペンタノイルアミノ]-フェニル}-ヒドロキシ酢酸tert-ブチルエステル(200.000mg;1.00当量)に炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(106.890mg;1.50当量)およびNE-エチルジイソプロピルアミン(120μl;3.00当量)を室温で加え、反応混合物を一晩撹拌した。モノメチルオーリスタチンE(274.584mg;1.60当量)およびHOBT(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール;47.478mg;1.50当量)を加え、黄色の溶液を室温で一晩撹拌した。反応溶液を真空中で濃縮すると、黄色の蜂蜜が得られた。粗生成物をRPフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【1105】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を除去して、tert-ブチル2-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-[[(1S)-1-[[(1S)-1-[[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R,2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニル-エチル]アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル][-メチル-カルバモイル]-2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-メチル-カルバモイル]オキシ-アセテートをオフホワイトの固体として得た。(145mg、37.1%); M=1494
【1106】
CRD012/543の合成:
【化32】
tert-ブチル2-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)]の冷却溶液(氷浴)に)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-[[(1S)-1-[[(1S)-1-[[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R,2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニルエチル][アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル]-メチル-カルバモイル[-2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-メチル-カルバモイル]オキシ-アセテート(125.000mg; 1.00当量)の乾燥メタノール(0.750ml)溶液、水酸化リチウム一水和物(10mg); 3.2当量)の蒸留水(0.750ml)溶液を滴下した。15分後、氷浴を取り外し、黄色の溶液を室温で5日間撹拌した。
【1107】
反応溶液を分取HPLCにより直接精製した。
【1108】
生成物を含む画分を合わせ、凍結乾燥して、2-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]を得た。]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-[[(1S)-1-[[(1S)-1- [[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R,2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニルエチル]アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル]-メチル-カルバモイル]- 2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-メチル-カルバモイル]オキシ酢酸を白色固体として得た。(46mg、41.3%); M=1438
【1109】
CRD012/614の合成:
【化33】
EEDQ(N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン)による活性化: 2-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2- [[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-[[(1S)-1-[[(1S)-1-[[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R,2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニル-エチル]アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル]-メチル-カルバモイル]-2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-メチル-カルバモイル]オキシ-酢酸(25.000mg; 0.56当量)およびEEDQ(12.087mg; 1.60当量)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.000ml)溶液を室温で3時間撹拌した。
【1110】
2番目の反応容器では、N-[(3R,4R,6R)-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド]-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン- 2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン[-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド(30.000mg;1.00当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.000ml)に懸濁し、塩化リチウム(7.98mg; 6.10当量)を加えた。懸濁液を5分間超音波処理した。次に、活性化された酸を含む溶液をアミン懸濁液に添加した。反応混合物(黄色の溶液)を室温で5日間撹拌した。溶媒を除去し、粗生成物を分取HPLCで精製した。
【1111】
生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、[2-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-1-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-オキソ-エチル]N-[(1S)-1-[[(1S)-1-[[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R, 2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニル-エチル]アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル]-メチル-カルバモイル]-2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-N-メチル-カルバメートを白色固体として得た。(21mg、28.6%); M/2=1206
【1112】
CRD012/619(化合物2)の合成:
【化34】
【1113】
[2-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド]-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-1-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-オキソ-エチル]N-[(1S)-1-[[(1S)-1-[[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R,2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニル-エチル]アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル]-メチル-カルバモイル]-2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-N-メチル-カルバメート(20.000mg; 1.00当量)をアセトニトリルエクストラピュア(1.600ml)と蒸留水(0.400ml)に溶解し、次いでトリフルオロ酢酸(20.000μl;31.50当量)を加え、溶液を50℃まで加熱した。反応混合物を20時間撹拌した。
【1114】
溶液を真空中で濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製した。
【1115】
生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、[2-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-1-[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[(2-アミノアセチル)アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]-2-オキソ-エチル]N-[(1S)-1-[[(1S)-1-[[(1S,2R)-4-[(2S)-2-[(1R,2R)-3-[[(1R,2S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-2-フェニルエチル]アミノ]-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソ-プロピル]ピロリジン-1-イル]-2-メトキシ-1-[(1S)-1-メチルプロピル]-4-オキソ-ブチル]-メチル-カルバモイル]-2-メチル-プロピル]カルバモイル]-2-メチル-プロピル]-N-メチル-カルバメート、白色固体。(12mg、63%); M/2=1156
【1116】
CRD013/413(化合物3)の合成
【1117】
CRD018/185(化合物8)の合成:
【化35】
N-[(3R,4R,6R)-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-]の撹拌溶液に5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2]-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-乾燥した2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド(200.00mg; 0.16mmol; 1.00当量)およびトリエチルアミン(0.03ml; 0.24mmol; 1.50当量)ジメチルスルホキシド(2.00ml)に、乾燥ジメチルスルホキシド(2.00ml)中の(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(69.97mg;0.24mmol;1.50当量)の溶液を加えた。無色の溶液を室温で一晩撹拌した。
【1118】
反応溶液を分取HPLCのカラムに直接注入した。所望の生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、tert-ブチルN-[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド]-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]カルバメートを得た。(80mg、42.6%);(M+Na)=1185
【1119】
CRD018/205の合成:
【化36】
tert-ブチルN-[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]カルバメート(80.00mg; 0.07mmol; 1.00当量)をトリフルオロ酢酸に溶解した酸(0.01ml;0.14mmol;2.00当量)および水(1.00ml)。溶液を50℃まで2時間加熱した。
【1120】
反応混合物を一晩凍結乾燥して、N-[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル))テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]-3-アミノ-プロパンアミドトリフルオロ酢酸を得た。(80mg、98.8%); M=1063
【1121】
CRD013/408の合成:
【化37】
3-[({[(1S)-3-[6-(1-ベンゾフラン-2-アミド)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1H,2H,3H-ベンゾ[e]インドール-5-イル]オキシ}カルボニル)(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エチル)アミノ]プロパン酸(30.00mg; 0.04mmol; 1.00当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.00ml)に溶解した。HATU(10.29mg;0.04mmol;1.20当量)を加え、溶液を室温で30分間撹拌した。次に、N-[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド- 6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ[-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル][オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]-3-アミノ-プロパンアミドトリフルオロ酢酸および4-メチルモルホリン(0.01ml;0.07mmol;2.00当量)を加え、溶液を室温で撹拌した。温度を1時間維持する。
【1122】
反応溶液を分取HPLCのカラムに直接注入した。所望の生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)を得た。-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R, 5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R),5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]カルバメートを得た。(28mg、41%); M+H=1868
【1123】
【1124】
[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]カルバメート(28.00mg; 0.01mmol; 1.00当量)を水/アセトニトリル1:1に溶解し、50℃で2日間加熱した。
【1125】
溶液を濃縮し、一晩凍結乾燥して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチルを得た。-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)]-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-(メチルアミノ)エチル]カルバメート;2,2,2-トリフルオロ酢酸。(27mg、95%); M+H=1769
【1126】
生成物をさらに精製せずに次の工程で使用した。
【1127】
CRD013/412の合成:
【化39】
炭酸溶液に4-[(S)-2-((S)-2-{2-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-アセチルアミノ)-アセチルアミノ]-アセチルアミノ}-3-メチル-ブチリルアミノ)-5-ウレイド-ペンタノイルアミノ]-ベンジルエステル4-ニトロ-フェニルエステル(11.70mg; 0.01mmol; 1.00当量)、N,N-ジメチルホルムアミド(2.00ml)、N-エチルジイソプロピルアミン(4.88μl; 0.03mmol; 2.00当量).)、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6]-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4, 6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-(メチルアミノ)エチル]カルバメート;2,2,2-トリフルオロ酢酸(27.00mg; 0.01mmol; 1.00当量)およびHOBT(0.97mg; 0.01ミリモル; 0.50当量)を加え、黄色の溶液を室温で2時間撹拌した。
【1128】
反応溶液を分取HPLCのカラムに直接注入した。所望の生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R, 5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R),5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]メトキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル]カルバメートを得た。(4.8mg、13.7%)M/2=1223
【1129】
CRD013/413(化合物3)の合成:
【化40】
【1130】
[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ[アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]メトキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル]カルバメート(4.80mg; 0.002mmol; 1.00当量)をトリフルオロ酢酸(0.151μl; 0.002mmol;1.00当量)および水(1.00ml)に溶解した。溶液を室温で一晩撹拌し、50℃に2時間加熱した。
【1131】
反応混合物を一晩凍結乾燥して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン- 3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[(2-アミノアセチル)アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]メトキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル]カルバメート;2,2,2-トリフルオロ酢酸を得た。(4.9mg、96.4%)M/2+H=1173
【1132】
CRD012/636(化合物4)の合成
【1133】
CRD012/636(化合物4)の合成:
【化41】
{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン- 3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル})メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{ [(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N -メチルカルバメート+2,5-ジオキソピロリジン-1-イル3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパン酸→{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)]-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R, 4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル})メチルN-[(1S)-1-{ [(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメート(9.600mg; N,N-ジメチルホルムアミド(0.096ml; 10.00V)中の1.00当量)の撹拌溶液に4-メチルモルホリン(1.0μl; 3.00当量)およびN-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート(0.900mg; 1.10当量)を0℃で加えた。反応混合物を5分間撹拌し、次に氷浴を取り外し、それを室温で一晩撹拌した。
【1134】
反応混合物を分取HPLCにより精製した。
【1135】
生成物を含む画分を合わせ、溶媒を除去し、残渣を一晩凍結乾燥して、{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R, 4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル})メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン- 1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメートマレイミドプロピオネートを、淡黄色固体として得た。(3.100mg; 98%);(M+H)/2。
【1136】
MC901_335-02(化合物5)の合成
【化42】
リンカー-ペイロード構築物は、化合物3と同様に合成されたが、オリゴ糖の代わりにスルホンを使用した。
【1137】
MC901_333-10(化合物6)の合成
【1138】
MC901_333-5の合成:
【化43】
3-[({[(1S)-3-[6-(1-ベンゾフラン-2-アミド)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-の撹拌溶液に9-メチル-1H,2H,3H-ベンゾ[e]インドール-5-イル]オキシ}カルボニル)(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エチル)アミノ]プロパン酸(150.00mg ;0.15mmol;1.00当量)のDMF(20.00ml;133.33V)溶液にベンゾトリアゾール-1-オール(25.21mg;0.15mmol;1.00当量)を添加し、続いて(3-ジメチルアミノ-プロピル)-エチル-カルボジイミドを添加した。塩酸塩(44.98mg; 0.23mmol; 1.50当量)を窒素雰囲気下0℃で加える。反応混合物を室温で30分間撹拌した。これにN-[(2S,3R,4R,6R)-5-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ}-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R, 5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]アセトアミド(153.62mg;0.15mmol;1.00当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。2日間の気温。反応混合物を35℃で濃縮した。
【1139】
残渣をメタノールで洗浄し、乾燥させて、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-4-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド]-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-2-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)シクロヘキソキシ]-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[tert]-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]エチル]カルバメートを得た。(120mg、30.5%)、M+H=1796
【1140】
粗生成物を精製せずに次の工程に使用した。
【1141】
【1142】
[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2の撹拌溶液に-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-4-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-2-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)シクロヘキソキシ]-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)]アセトニトリル(40.00ml;333V)および水(60.00ml;500.00V)中のアミノ]エチル]カルバメートに、TFA(トリフルオロ酢酸;0.10ml;1.25mmol;24.28当量)を添加した。反応混合物を50℃で18時間撹拌した。
【1143】
反応混合物を室温に冷却し、溶媒を凍結乾燥により除去して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,3R, 4R,6R)-3-アセトアミド-4-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R),5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-2-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)シクロヘキソキシ]-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]- N-[2-(メチルアミノ)エチル]カルバメートを得た。(100mg、68.5%)、M+H=1696
【1144】
粗生成物を精製せずに次の工程に使用した。
【1145】
MC901_333-8の合成:
【化45】
{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{2-[2-(2-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}アセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-3の撹拌溶液に-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メチル4-ニトロフェニルカーボネート(80.00mg; 0.06mmol; 1.00当量)のTHF(0.10ml; 1.25V)溶液にトリエチルアミン(0.03ml; 0.23mmol; 4.00当量)を窒素雰囲気下、0℃で反応させた後、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2R,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-4-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-2-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)シクロヘキソキシ]-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N- [2-(メチルアミノ)エチル]カルバメートを添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌した。
【1146】
反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をメタノールで洗浄して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド- 6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4],6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ][-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]メトキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル]カルバメートを得た。(72mg、49%)M/2=1186
【1147】
粗生成物を精製せずに次の工程に使用した。
【1148】
MC901_333-10(化合物6)の合成:
【化46】
【1149】
[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]メトキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル]カルバメートのアセトニトリル(40.00ml)および水(60.00ml)の撹拌溶液にTFA(0.20ml; 2.50mmol; 132.92当量)を加えた。反応混合物を50℃で18時間撹拌した。
【1150】
反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を凍結乾燥により除去した。粗生成物を分取HPLCによって精製し、溶媒を凍結乾燥によって除去して、[(1S)-3-[6-(ベンゾフラン-2-カルボニルアミノ)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボニル]-1-(クロロメチル)-9-メチル-1,2-ジヒドロベンゾ[e]インドール-5-イル]N-[3-[[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R))-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アミノ]-3-オキソ-プロピル]-N-[2-[[4-[[(2S)-2-[[(2S)-2-[[2-[[2-[(2-アミノアセチル)アミノ]アセチル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-5-ウレイド-ペンタノイル]アミノ]フェニル]メトキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル]カルバメート。(11mg、25.7%); M/2=1136
【1151】
MC901_337-6(化合物7)の合成
【化47】
中間体CRD013/410を使用してMC901_337-6を合成し、5mgの所望の生成物をオフホワイトの固体として得た。
【1152】
CRD018/206(化合物8)の合成
化合物8は、キトオリゴ糖CO-Vのすぐに結合できる形態である。
【化48】
N-[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン- 3-イル]オキシ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]-3-アミノ-プロパンアミドトリフルオロ酢酸塩(31,300mg; 0.027mmol; 1.0当量)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(0.313ml; 10.0V)の撹拌溶液にに4-メチルモルホリン(9μl; 0.080mmol; 3.0当量)およびN-スクシンイミジル3マレイミドプロピオネート(7.787mg; 0.029mmol; 1.1当量)を0℃で加えた。反応混合物を5分間撹拌し、次いで、氷浴を取り外した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1153】
反応混合物を分取HPLCで精製し、所望の生成物を含む画分を合わせて一晩凍結乾燥して、3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)-N-(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3]-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル))オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)プロペンアミドを白色粉末として得た。(3.2mg; 10%)、M=1214
【1154】
化合物9の合成
【1155】
MC901_346-10の合成:
【化49】
3-[(2R)-2-(2-{2-[2-({[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル}アミノ)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)-3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド]プロパン酸(50.00mg; 0.06mmol; 1.00当量)およびN-[(2S,3R,4R,6R)-5-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ}-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R, 4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]アセトアミド(乾燥DMSO(1.00ml;20.00V)中の60.49mg;0.06mmol;1.00当量)およびHATU(33.37mg;0.09mmol;1.50当量)を乾燥DMSO(1.00ml;20.00V)中のエチル-ジイソプロピル-アミン(0.02ml;0.09mmol;1.50当量)に添加した。反応混合物を室温で2日間撹拌した。反応をLCMSによってモニターした。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、沈殿物を濾過によって収集し、乾燥させて、2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-N-(2-{[(2S,3R,4R),5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R),5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ- 2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)-3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロペンアミド、オフホワイトの固体として。(40.00mg; 33.1%);(M+2)/2=724
【1156】
MC901_346-11(化合物9)の合成:
【化50】
DM4(ラブタンシン)(14.96mg;0.02mmol;1.00当量)のN,N-ジメチルアセトアミド(0.50ml;12.50V)溶液に、飽和重炭酸ナトリウム溶液(0.04ml;1.00V)、水(0.04ml); 1.00V)に続いて2)-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-N-(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R),4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサンN,N-ジメチルアセトアミド(0.50ml; 12.50V)中の-3-イル]カルバモイル}エチル)-3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド(40.00mg; 0.02mmol; 1.00当量)を加えた。反応混合物は黄色の溶液に変化した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。UPLCにより生成物の形成が示された。粗反応混合物を分取HPLC精製により精製して、(1S,2R,3S,5S,6S,16E,18E,20R,21S)-11-クロロ-21-ヒドロキシ-12,20-ジメトキシ-2,5,9,16-テトラメチル-8,23-ジオキソ-4,24-ジオキサ-9,22-ジアザテトラシクロ[19.3.1.1
10,
14.0
3,
5]ヘキサコサ-10(26),11,13,16,18-ペンタエン-6-イル(2S)-2-(4-{[(2R)-2-[3-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-)ピロール-1-イル)プロパンアミド]エトキシ}エトキシ)プロパンアミド]-2-[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]エチル]ジスルファニル}-N,4-ジメチルペンタンアミド)プロパン酸;(1S,2R,3S,5S,6S,16E,18E,20R,21S)-11-クロロ-21-ヒドロキシ-12,20-ジメトキシ-2,5,9,16-テトラメチル-8,23-ジオキソ- 4,24-ジオキサ-9,22-ジアザテトラシクロ[19.3.1.11
0,14.03,5]ヘキサコサ-10(26),11,13,16,18-ペンタエン-6-イル(2S)-2-(4-{[(2R)-2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-2-[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド- 6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]エチル]ジスルファニル}-N,4-ジメチルペンタンアミド)プロパン酸;ギ酸をオフホワイトの固体として得た。(6.00mg; 14.2%);(M+H)=2116
【1157】
MC901_347-9(化合物10)の合成
【1158】
MC901_347-8の合成:
【化51】
3-[(2R)-2-(3-{2-[2-({[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル}アミノ)エトキシ]エトキシ}プロパンアミド)-3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド]プロパン酸(70.00mg; 0.09mmol; 1.00当量)およびN-(2S,3R,4R,6R)-5-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ}-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R),5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ- 2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]アセトアミド(95.62mg; 0.09mmol; 1.00当量)および乾燥DMSO(1.40ml; 20.00V)中のHATU(52.76mg; 0.14mmol; 1.50当量)にエチル-ジイソプロピル-アミン(0.02ml; 0.14mmol; 1.50当量)を加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌した。反応をUPLC(超高速液体クロマトグラフィー)によってモニターした。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、沈殿物を濾過によって収集し、乾燥させて、(2R)-2-{3-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパンアミド}-N-(2-{[(2S),3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)-3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミドを得た。(100.00mg; 0.04mmol; 39.5%; オフホワイトの固体; 粗生成物)
【1159】
MC901_347-9(化合物10)の合成:
【化52】
DM4(メイタンシノイドのラブタンシンe; 47.10mg; 0.06mmol; 1.00当量)のN,N-ジメチルアセトアミド(0.50ml; 5.00V)溶液に飽和重炭酸ナトリウム溶液(0.04ml; 0.40V)、続いて(2R)-2-{3-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]プロパンアミド}-N-(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R, 5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)-3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド(100.00mg; 0.06mmol; 1.00当量)のN,N-ジメチルアセトアミド(0.50ml; 5.00V)溶液を加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。UPLCにより生成物の形成が示された。
【1160】
反応混合物を分取HPLCで精製して、(14S,16S,32S,33S,2R,4S,10E,12E,14R)-86-クロロ-14-ヒドロキシ-85,14-ジメトキシ-33,2,7を得た。,10-テトラメチル-12,6-ジオキソ-7-アザ-1(6,4)-オキサジナナ-3(2,3)-オキシラナ-8(1,3)-ベンゼナシクロテトラデカファン-10,12-ジエン-4-イル(11R,20S)-11-((3-(((2S,3R,4R,5S,6R)-2-(((2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-(((2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-(((2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-(((2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドを水色の固体として得た(9.40mg; 6.8%);(M+H)=2104
【1161】
MC901_347-10(化合物11)の合成
【化53】
(14S,16S,32S,33S,2R,4S,10E,12E,14R)-86-クロロ-14-ヒドロキシ-85,14-ジメトキシ-33,2,7,10-テトラメチル-12の溶液に、6-ジオキソ-7-アザ-1(6,4)-オキサジナナ-3(2,3)-オキシラナ-8(1,3)-ベンゼナシクロテトラデカファン-10,12-ジエン-4-イル(11R,20S)-11-((3-(((2S,3R,4R,5S,6R)-2-(((2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-(((2R,4R,5R,6S))-5-アセトアミド-6-(((2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-(((2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル))テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒド(8.00mg; 0.004mmol; 1.00当量)および2,5-ジオキソピロリジン-1-イル3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパノエート(1.90mg; 0.01mmol; 2.00当量)の乾燥DMF(0.08ml; 10.00V)中の溶液に、4-メチルモルホリン;1μl; 0.01mmol; 3.00当量)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応はLCMSでモニタリングした。混合物を分取精製により精製して、(1S,2R,3S,5S,6S,16E,18E,20R,21S)-11-クロロ-21-ヒドロキシ-12,20-ジメトキシ-2,5,9,16を得た。-テトラメチル-8,23-ジオキソ-4,24-ジオキサ-9,22-ジアザテトラシクロ[19.3.1.1
10,
14.0
3,
5]ヘキサコサ-10(26),11,13,16,18-ペンタエン-6-イル(2S)-2-(4-{[(2R)-2-[3-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]エトキシ}エトキシ)プロパンアミド]-2-[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン- 3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]エチル]ジスルファニル}-N,4-ジメチルペンタンアミド)プロパン酸塩をオフホワイトの固体として得た。(1.50mg; 15.3%);(M+H)/2=1127
【1162】
MC901_453(化合物12)の合成
【化54】
オリゴ糖を含まないことを除いて、化合物13と同様の手順により合成した。30mg、黄色固体、MH=1648
【1163】
MC901_433-93(化合物13)の合成
化合物13は、Tietze et al., Angew. Chem. Int. Ed. (2010), vol. 49, p. 7336 -7339を適用したもの。5mgの所望の生成物が3.8%の収率で得られた。M/2=1311
【1164】
MC901_458(化合物14)の合成
【化55】
MC901_458は、MC901_333-10(化合物6)と同様に、スペーサーとしてアセチル-リジンを使用し、マレイミド結合を用いて合成した。(M+2)/2=1212/M+Na=2445
【1165】
MC901_362-42(化合物15)の合成
【1166】
出発物質は、CRD012/619に従って合成した(化合物2)。
【1167】
MC901_362-16の合成:
【化56】
2-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]の溶液フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン- 4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)酢酸(183.00mg; 1.00当量)および3-(2,5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-ピロール-1-イル)-プロピオン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(37.18mg; 0.14mmol; 1.10当量)を、N,N-ジメチルホルムアミド中(7.00ml;38.25V)中で氷で冷却した。これに、4-メチル-モルホリン(DMF中0.1M)(0.04ml;3.00当量)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下35℃で除去した。粗生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製した。合わせた画分を凍結乾燥して、2-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ)]を得た-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)酢酸を白色固体として得た。(190.00mg; 92.6%);(M+H)=1490
【1168】
MC901_362-39の合成:
【化57】
2-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ- 1-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R, 4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ- 2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)酢酸(102.00mg; 1.00当量)および1-ヒドロキシ-ピロリジン-2,5-ジオン(DMF中1M)(684.70μl; 1.00当量)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DMF中0.1M)(684.70μl;1.00当量)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。生成物2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ- 1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)アセテート(108.00mg;71.7%;無色溶液)を濾過し、0.5mLのDMFで濯ぎ、精製せずに次の反応に使用した。M=1586
【1169】
MC901_362-42(化合物15)の合成:
【化58】
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2-{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1- [フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル]-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)アセテート(98.00mg;1.00当量)のDMF(2.36ml)溶液を、3-アミノ-N-[(2S,3R,4R,5S,6R)- 2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ- 6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]プロパンアミド(236.35mg;3.60当量)の水(1.50ml)溶液に加えた。4-メチル-モルホリン(DMF中0.1M)(0.31ml;5.00当量)を直ちに加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。
【1170】
反応混合物を20%クエン酸水溶液(0.5mL)でクエンチした。
【1171】
粗反応混合物を分取HPLCにより精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して、{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ)]を得た-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ- 6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル][-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメートを白色固体として得た。(17.50mg; 11.0%);(M+2)/2=1268
【1172】
CRD010/072(化合物16)の合成:
【化59】
化合物16は、中間体としてオリゴ糖タグを持たないMC901_333-6誘導体を介した合成とその後のβ-グルクロニドリンカーの付加を含む有機化学合成の標準手順によって得た。反応混合物をHPLCで精製し、最終生成物(10.3mg)を白色固体として得た。(M+H)=1214.5
【1173】
MC901_482(化合物17)の合成
【化60】
MC901_482(化合物17)は、配列内のカップリングパートナーとして2,5,8,11,14,17,20,23-オクタオキサペンタコサン-25-アミンを使用して、MC901_488-7(化合物19、下記参照)と同様に合成した。35mg、白色固体、[M+H]=1639
【1174】
CRD012/789(化合物18)の合成:
【化61】
化合物18は、中間体としてMC901_333-6を介した合成とその後のβ-グルクロニドリンカーの付加を含む有機化学合成の標準手順によって得た。反応混合物をHPLCにより精製し、最終生成物(5.6mg)を白色固体として得た。(M+H)/2=1116.5
【1175】
MC901_488-7(化合物19)の合成
【化62】
化合物19は、化学合成の標準手順により中間体としてMC901_333-6を介して合成した。14mgの所望の生成物が45%の収率で得られた。(M+H)/2=1123
【1176】
MC901_455_45(化合物20)の合成
【化63】
化合物20は、標準的な化学合成手順を使用して、CRD012/604と同様の合成経路によって合成した。
【1177】
生成物を分取HPLCにより精製した。生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-(2-{2-[(2S)-2-[3-(2,5-ジオキソ-2, 5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]-5-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン- 3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}ペンタンアミド]アセトアミド}-4-[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ)-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸; {4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.04,9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン]-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメートを白色固体として得た。(4mg、33%);(M+2H)/2=1193
【1178】
(化合物21)の合成
【化64】
この分子は、標準的な化学合成手順を使用して、MC901_362(MC901_362_16、MC901_262_39およびMC901_362-42)と同様の合成経路によって合成された。
【1179】
生成物を分取HPLCにより精製した。生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[1-(4-{2-アザトリシクロ[10.4.0.04,9]ヘキサデカ-1(12),4(9),5,7,13,15-ヘキサエン-10-イン-2-イル}-4-オキソブタンアミド)-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-アミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{ [(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメートを白色固体として得た。(17.20mg、6.9%);(M+H)/2=1374
【1180】
CRD012/604(化合物22)の合成
【1181】
CRD018/177の合成:
【化65】
(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-({4-[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}[-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェニル}カルバモイル)ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-(2-{2-[2-({[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル)}アミノ)アセトアミド]アセトアミド}アセトアミド)ブタン酸;トリフルオロ酢酸; {4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[2-(2-{2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]アセトアミド}アセトアミド)アセトアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R, 5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R])-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメート(30.000mg;0.012mmol;1.0当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.000ml)に溶解し、0℃まで冷却した。N-エチルジイソプロピルアミン(0.006ml;0.036mmol;3.0当量)を添加し、次いでHATU、[ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]-ジメチル-アンモニウム;ヘキサフルオロリン酸(9.074mg; 0.024mmol; 2.0当量)、そして最後にN-[(3R,4R,6R)-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R)、4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,6R)-3-アセトアミド-5-[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-4-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-2-イル]オキシ-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロピラン-3-イル]アセトアミド(23.672mg;0.024mmol;2.0当量)を加えた。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製した。生成物を含む画分を凍結乾燥して、(9H-フルオレン-9-イル)メチルN-[({[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-({4-[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェニル}カルバモイル)ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-3-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン]-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}プロピル]カルバモイル}メチル)カルバモイル]メチル}カルバモイル)メチル]カルバメートを、オフホワイト固体として得た。(4mg);(M+H)/2=1310
【1182】
CRD012/604(化合物22)の合成:
【化66】
ポリマー結合ピペラジン(122mg; 80.00当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.600ml; 400.00V)中で30分間膨潤させた後、(9H-フルオレン-9-イル)メチルN-[({[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-({4-[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェニル}カルバモイル)ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-3-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R),5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3[-イル]カルバモイル}プロピル]カルバモイル}メチル)カルバモイル]メチル}カルバモイル)メチル]カルバメート(4.000mg;1.00当量)を加え、反応混合物を6日間振盪した。
【1183】
反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮し、残渣を分取HPLCで精製した。
【1184】
生成物を含む画分を合わせ、一晩凍結乾燥して、(9H-フルオレン-9-イル)メチルN-[({[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-({4-[({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ- 5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェニル}カルバモイル)ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-3-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル))オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ- 2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}プロピル]カルバモイル}メチル)カルバモイル]メチル}カルバモイル)メチル]カルバメート; {4-[(2S)-2-[(2S)-2-[(2S)-2-{2-[2-(2-アミノアセトアミド)アセトアミド]アセトアミド}-4-{[(2S,3R,4R),5S,6R)-2-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R),5R,6S)-5-アセトアミド-6-{[(2R,4R,5R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ- 2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}ブタンアミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ)ペンタンアミド]フェニル}メチルN-[(1S)-1-{[(1S))-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2- [イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2[-メチルプロピル]-N-メチルカルバメートを白色固体として得た。(2.1mg、33%);(M+H)/2=1199
【1185】
CRD018/507(化合物23)の合成
【1186】
出発物質は、記載された手順に従って合成した。
【1187】
中間体CRD018/477の合成:
【化67】
2-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[(2S)-5-(tert-ブトキシ)-2-アセトアミド-5-オキソペンタンアミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ))ペンタンアミド]フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)酢酸(20,300mg; 0,011mmol; 1,0当量)をN2に溶解した,N-ジメチルホルムアミド(2,000ml)を加え、0℃まで冷却した。DIPEA(0.006ml; 0.033mmol; 3.0当量)を滴下し、続いてHATU [ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]-ジメチルアンモニウム;ヘキサフルオロリン酸(12,618mg; 0,033mmol; 3,0当量)を滴下し、閉環3-アミノ-N-[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6S))-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R)-2-({[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ}メチル)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシオキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]プロパンアミド(40,400mg; 0,033mmol; 3,0当量)を追加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1188】
反応溶液を分取HPLCにより直接精製して、CRD018/477 Fr.72-78を得た:m=30mg(93.9%)。固体は白色である。
【1189】
LC/MSにより、所望の生成物の質量(M/2)を確認した: tert-ブチル(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-[(4-{[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R)-2-({[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ}メチル)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシオキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R, 4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ- 2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル}フェニル)カルバモイル]ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタノエート(30mg; 0,011mmol; 98%; 白色固体)。M/2=1299
【1190】
中間体CRD018/478の合成:
【化68】
tert-ブチル(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-[(4-{[(2-{[(2S,3R,4R,5S),6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R)-2-({[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ}メチル)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシオキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5[-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル}フェニル)カルバモイル]ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸(10,000mg;0.004mmol;1.0当量)をメタノール(1,000ml)に溶解し(軽懸濁液)、水酸化リチウム(3mg;0.036mmol;20.0当量)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1191】
反応混合物を凍結乾燥し、分取HPLCで精製して、(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-[(4-{[(2-{ [(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R)-2-({[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ}メチル)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシオキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4、5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1- [(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1[-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル}フェニル)カルバモイル]ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸を得た(4.6mg;0.002ミリモル;50.1%、白色粉末)。M/2=1271
【1192】
CRD018/507の合成:
【化69】
(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-[(4-{[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R)-2-({[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ}メチル)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシオキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ- 2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル}フェニル)カルバモイル]ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸(23,800mg;0.009mmol;1.0当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(2,000ml)に溶解し、0℃まで冷却した。DIPEA(0.005ml; 0.028mmol; 3.0当量)を滴下し、次にHATU [ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]を加えた。-ジメチルアンモニウム;ヘキサフルオロリン酸(10,476mg、0,028mmol、3,0当量)および閉環N-(2-アミノエチル)-3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド;トリフルオロ酢酸(8,961mg; 0,028mmol; 3.0当量)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。
【1193】
反応溶液をprep.により直接精製した。HPLCで{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[(2S)-4-({2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5)]を得る-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド]エチル}カルバモイル)-2-アセトアミドブタンアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}[(2-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{[(2R,3S,4R,5R,6S)-6-{ [(2R,3S,4R,5R)-2-({[(2R,3S,4R,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ}メチル)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシオキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル}エチル)カルバモイル]メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)]-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメート(9.4mg; 0.003mmol; 30%)を白色粉末として得た。(M+2H)/2=1369
【1194】
CRD018/595(化合物24)の合成
【1195】
中間体CRD018/589の合成:
【化70】
2-{4-[(2S)-2-[(2S)-2-[(2S)-5-(tert-ブトキシ)-2-アセトアミド-5-オキソペンタンアミド]-3-メチルブタンアミド]-5-(カルバモイルアミノ))ペンタンアミド]フェニル}-2-({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)酢酸(20,000mg; 0,011mmol; 1,0当量)をNに溶解した,N-ジメチルホルムアミド(2,000ml)を加え、0℃に冷却した。DIPEA(5,809μl; 0,034mmol; 3.0当量)を滴下し、次にHATU [ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]-ジメチルを加えた。-アンモニウム;ヘキサフルオロリン酸(8,659mg; 0,023mmol; 2,0当量)、そして最後にN-[(2R,3R,4R,5S,6R)-5-{[(2S,3R,4R,5S,6R)-3-アミノ-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]オキシ}-2,4-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]アセトアミド(8,707mg; 0,023mmol; 2,0当量)を追加した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1196】
反応混合物を分取HPLCに直接注入して、(1R)-3-(ベンゼンスルホニル)シクロペンタン-1-オールを得た。(3S)-ピロリジン-3-オール; tert-ブチル(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-{[4-({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル))オキサン-3-イル]カルバモイル}({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル)フェニル]カルバモイル}ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸(18.2mg; 0.010; 91%; 淡黄色)を得た。(M+2H)/2=880
【1197】
中間体CRD018/591の合成:
【化71】
(1R)-3-(ベンゼンスルホニル)シクロペンタン-1-オール;(3S)-ピロリジン-3-オール; tert-ブチル(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-{[4-({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル))オキサン-3-イル]カルバモイル}({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル)フェニル]カルバモイル}ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸(18,200mg; 0,010mmol; 1.0当量)をメタノールに溶解し、乾燥させた(2,000ml; 1.0当量)。水酸化リチウム(4,342mg; 0,103mmol; 10.0当量)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1198】
反応混合物を分取HPLCに直接注入して、(1R)-3-(ベンゼンスルホニル)シクロペンタン-1-オール(3S)-ピロリジン-3-オール;(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-{[4-({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{ [(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン- 3-イル]カルバモイル}({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル)フェニル]カルバモイル}ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸酸; tert-ブチル(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-{[4-({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル))オキサン-3-イル]カルバモイル}({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル)フェニル]カルバモイル}ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸(14.2mg; 0.008mmol; 81%; 透明な油状物)を得た。CRD018/591Fr.10-16: m=14.2mg(100%)。油状物は無色である。(M+2H)/2=852
【1199】
CRD018/595の合成:
【化72】
(1R)-3-(ベンゼンスルホニル)シクロペンタン-1-オール;(3S)-ピロリジン-3-オール;(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-{[4-({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{ [(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン- 3-イル]カルバモイル}({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル)フェニル]カルバモイル}ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタン酸酸; tert-ブチル(4S)-4-{[(1S)-1-{[(1S)-4-(カルバモイルアミノ)-1-{[4-({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R,3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル))オキサン-3-イル]カルバモイル}({[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル)フェニル]カルバモイル}ブチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-4-アセトアミドブタノエート(3,600mg; 0,001mmol; 1.0当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(1,000ml)に溶解し、0℃に冷却した。DIPEA(0,001ml; 0,003mmol; 3.0当量)を滴下し、次にHATU [ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]-ジメチルアンモニウム;ヘキサフルオロリン酸(1,230mg、0,003mmol、3,0当量)および閉環N-(2-アミノエチル)-3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-イル)プロパンアミド;トリフルオロ酢酸(1,052mg; 0,003mmol; 3.0当量)を加えた。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。
【1200】
反応溶液を分取HPLCで直接精製し、トリフルオロ酢酸{4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[(2S)-4-({2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ- 1-ピロール-1-イル)プロパンアミド]エチル}カルバモイル)-2-アセトアミドブタンアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル}({[(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{[(2R, 3S,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-4,6-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]オキシ}-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3-イル]カルバモイル})メチルN-[(1S)-1-{[(1S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-[(2S)-2-[(1R,2R)-2-{ [(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]カルバモイル}-1-メトキシ-2-メチルエチル]ピロリジン-1-イル]-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4[-イル](メチル)カルバモイル}-2-メチルプロピル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]-N-メチルカルバメート(1.7mg;0.001mmol;74.5%、淡黄色固体)を得た。(M+2H)/2=949。
【1201】
実施例2:抗体成分の調製
【1202】
モノクローナル抗HER2抗体トラスツズマブ(アミノ酸配列については、例えば、https://www.drugbank.ca/drugs/DB00072のDrugBank参照)は、Roche Pharma AG resp. Canoma Pharma GmbHから入手した。
【1203】
抗体軽鎖にトランスグルタミナーゼ認識タグを持つトラスツズマブ由来の抗体は、Dickgiesser et al., Site-Specific Antibody-Drug Conjugation Using Microbial Transglutaminase, in: Methods in Molecular Biology: Enzyme-Mediated Ligation Methods (2019), editors Nuijens and Schmidt, vol. 2012, p. 135-149に記載されているように、遺伝子工学および組換え発現によって産生された。この抗体(「トラスツズマブ-T」)は次のアミノ酸配列を有する(トラスツズマブとの違いは顕著である):
トラスツズマブ-Tの軽鎖の配列(配列番号1):
DIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQDVN TAVAWYQQKP GKAPKLLIYS
ASFLYSGVPS RFSGSRSGTD FTLTISSLQP EDFATYYCQQ HYTTPPTFGQ
GTKVEIKRTV AAPSVFIFPP SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV
DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT LSKADYEKHK VYACEVTHQG
LSSPVTKSFN RGEC GGLLQG
(MW=24,162.93Da)
トラスツズマブ-Tの重鎖の配列(配列番号2):
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGFNIK DTYIHWVRQA PGKGLEWVAR
IYPTNGYTRY ADSVKGRFTI SADTSKNTAY LQMNSLRAED TAVYYCSRWG
GDGFYAMDYW GQGTLVTVSS ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK
DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT
YICNVNHKPS NTKVDKKVEP P KSCDKTHTC PPCPAPELLG GPSVFLFPPK
PKDTLMISRT PEVTCVVVDV SHEDPEVKFN WYVDGVEVHN AKTKPREE A Y
NSTYRVVSVL TVLHQDWLNG KEYKCKVSNK ALPAPIEKTI SKAKGQPREP
QVYTLPPSR DEL TKNQVSLT CLVKGFYPSD IAVEWESNGQ PENNYKTTPP
VLDSDGSFFL YSKLTVDKSR WQQGNVFSCS VMHEALHNHY TQKSLSLSPG
K
(MW=49,292.65Da)
【1204】
続いて、抗体精製の標準手順により抗体を精製した。
【1205】
Anti-TumorAntigenAは、乳癌細胞の細胞表面(膜貫通タンパク質の細胞外ドメイン)にある腫瘍抗原である抗原Aに対するモノクローナル完全長IgG抗体である。抗体をCHO細胞で発現させ、その後標準的な抗体精製手順によって精製した。この抗体は、抗体重鎖のQ295(EU番号付け)位置でのトランスグルタミナーゼ結合に適するとおり設計された。
【1206】
Anti-TumorAntigenB&Cは、SEEDフォーマットの二重特異性抗体である(ヒトIgAおよびIgGの保存されたCH3ドメイン内の構造的に関連する配列が交換されて2個の非対称だが相補的なドメインを形成する二重特異性抗体の生成アプローチ、WO 2016/087650参照)。この抗体は2個の腫瘍抗原に対して向けられており、抗原Bと抗原Cは両方とも、異なる腫瘍細胞(肺癌細胞、頭頸部癌細胞、結腸直腸癌細胞など)の細胞表面に発現する腫瘍抗原である。Anti-TumorAntigenB&Cは抗原Bと抗原Cの両方に結合するため、同じ細胞の表面で抗原Bと抗原Cの両方に同時に結合することによって媒介される強いアビディティ効果により、抗原の一方のみを発現する腫瘍細胞(抗原bと抗原cの何れか)よりも、両方の抗原 (抗原bと抗原c) を発現する腫瘍細胞に対する選択性が高まる。抗腫瘍抗原B&Cは、Muda et al., Protein Engineering, Design & Selection (2011), vol. 24(5), p. 447-454 and Davis et al., Protein Engineering, Design & Selection (2010), vol. 23(4), p. 195-202に記載されており、抗体精製の標準手順による精製が含まれる。
【1207】
各抗体の同一性と純度は、SDS-PAGE、MS分析によって確認され、さらにFACS結合およびOctet結合実験による陽性細胞株(すなわち、細胞表面にそれぞれの抗原を発現する細胞株)への特異的結合の検証によって確認された。
【1208】
実施例3: コンジュゲーション
【1209】
標準手順を使用して、以下の表3に示すように、さまざまな抗体成分をリンカー-ペイロード構築物に共有結合させた。
【1210】
(Zedira, Germanyから購入したWTトランスグルタミナーゼ)トランスグルタミナーゼによる結合は、Dickgiesser et al., Bioconjugate Chem. (2020), vol. 31(4), p. 1070-1076にも記載されている手順に従って、標準的な方法で野生型微生物のトランスグルタミナーゼとトラスツズマブ-Tの軽鎖との間で行われた。この目的のために、150mM NaCl、25mM Tris(pH 8.0)を含む緩衝液中の1当量の抗体を、それぞれのペイロードの溶液(結合部位の数に応じて、抗体の濃度の10倍または20倍の過剰)および6U/mlのトランスグルタミナーゼと混合した。混合物をサーモミキサー中、37℃、450rpmで16時間インキュベートした。
【1211】
マレイミド化学による結合のために、PBS(pH 7.4)中の各抗体成分の5mg/mL 溶液を調製した(約33μM抗体)。抗体をTCEP((トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン); 所望のDARに応じて、抗体成分とTCEPの比1:2~1:6; TCEPを2mM ストック、pH 7.0として使用)またはDTT(ジチオスレイトール;20mM)を使用した場合もある。37℃の水浴中で0.5~2時間(活性化されるシステインの数に応じて)インキュベートした後、反応物を室温まで冷却した。
【1212】
をセファデックスG25カラム上で結合緩衝液(10mM リン酸ナトリウム、pH6.0、2mM EDTA、N2脱気)で脱塩し、結合緩衝液中0.2mg/mLの抗体濃度に調整した。
【1213】
還元された抗体を適切なマレイミド活性化リンカー-ペイロード構築物の溶液に適切な比率で添加することによってコンジュゲーションを開始した(例えば、DAR 4の場合、抗体とリンカー-ペイロード構築物の比率は1:4から1:8、例えば1:20の比率)DARの抗体からリンカー-ペイロード構築物への変換 8)。反応物をゆっくりと揺り動かしながら22℃で1時間インキュベートし、その後結合をLCMSでチェックした。必要に応じて、所望のDARに達するまで反応を継続した。
【1214】
結合サンプルを、15PHE(フェニル)カラム(GE Healthcare)またはHiTrap HPまたはFF Butyl Sepharose カラム(GE Healthcare)での疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によって精製した。溶出画分を濃縮し、緩衝液をPBS pH 7.4または10mM リン酸カリウム、200mM NaCl、10mM ヒスチジン、50mM トレハロース、pH 7.0に交換した。
【1215】
調製した各ADCの同一性と純度は、LC-MSおよびSDS-PAGEによって確認された。
【1216】
ADCのDAR(薬物抗体比)は、ADC分子あたりのペイロードの(平均)数をADC分子あたりの抗体成分の数で割ったものである。調製された各ADCのDARは、HIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)データおよび質量分析データから計算および確認された。結果を以下の表3に要約する。
【1217】
調製した各ADCの安定性を凍結融解実験によってテストした。具体的には、ヒスチジン緩衝液中のADCを液体窒素中で-80℃まで急速冷凍し、この温度で数週間から数ヶ月まで保存した。サンプルが完全に解凍されるまでサンプルを室温に置いた後、サンプルをSE-HPLC(サイズ排除高速液体クロマトグラフィー)分析に供して化合物の分解をテストし、解凍したADCの活性を調べた。具体的には、標的抗原結合はOctet結合アッセイによって検査され、ペイロード媒介性細胞毒性は陽性および陰性細胞株に対するCellTiter-Gloアッセイによって検査された。凍結融解したADCの結果を、凍結融解を行わなかった対応するADCと比較した。何れの場合も、可溶性タグを備えたADCはこの凍結融解手順で安定していることがわかった。
【1218】
エンドトキシンは、標準条件下で製造業者の指示に従って、PTS(ポータブルテストシステム)カートリッジ法(Nexgen)によって測定した。調製された各ADCについて、エンドトキシンレベルは< 5.0エンドトキシン単位(EU)/mgであることが判明した。
【表12】
【表13】
【1219】
デュオカルマイシンのような疎水性の高いペイロードを含むADCは、溶解度の問題により結合が失敗するため、形成できないことが多いことが知られています(C. O'Donnell、Pfizer、WorldADCSan Diego2016でのプレゼンテーション)。この理解に従うと、カテプシンBで切断可能なリンカーとペイロードとしてデュオカルマイシンの組み合わせを含むが、オリゴ糖タグ(化合物5)を欠くリンカー-ペイロード構築物に基づいてADC3を形成することは不可能であった。トランスグルタミナーゼカップリングによってこの構築物を抗体成分に結合させる様々な試みは、カップリング条件下でのリンカー-ペイロード構築物の溶解度が不十分であったために失敗した。しかしながら、オリゴ糖タグを有する対応するリンカー-ペイロード構築物(化合物3)を含む、対応するADC2は、首尾よく形成された。また、本発明によるオリゴ糖タグを有するデュオカルマイシンベースのADCの形成が試みられた他の全ての場合においても、結合は成功した(ADC7、ADC16およびADC21)。
【1220】
同様に、CBI 二量体をペイロードとして使用するADCは、困難であることで有名である。実際、このようなADCは、溶解度の問題により結合プロセスが失敗するため、まったく形成できないことが多いと報告されています(WorldADCSan Diego2016でのファイザー社のO'Donnellによるプレゼンテーション)。この報告と一致して、本実施例の基礎となる実験でも、オリゴ糖タグの非存在下ではCBI二量体に基づくADCを得ることができなかった。例えば、オリゴ糖タグなしでは、化合物13様リンカー-ペイロード構築物の結合は不可能であった。このような構築物からきれいなコンジュゲートを得ようとする試みは全て、結合媒体中でのリンカー-ペイロード構築物の溶解度の制限のためまたは結合プロセスにおける凝集体の形成のため失敗した。しかしながら、オリゴ糖可溶性タグを有する対応するCBI二量体ベースのADCは首尾よく得られた(オリゴ糖タグを有するリンカー-ペイロード構築物化合物13に基づくADC24)。
【1221】
溶解度は、デュオカルマイシンのような疎水性ペイロードを含むADCのDARを制限することもよくある。この理解に沿って、DAR >1のADC3(デュオカルマイシンベースのADC)を得ようとする試みは、トランスグルタミナーゼ結合の段階で失敗した。しかし、驚くべきことに、オリゴ糖可溶性タグを含む対応するADC(ADC2)では、1.56のDARを達成できました。
【1222】
同様に、ペイロードとしてオーリスタチンを含む二重特異性SEED抗体に基づくADCの場合、オリゴ糖タグ(ADC4)の非存在下では、DARはわずか約2しか得られませんでしたが(コンポーネントが凝集し、結合が失敗したため)、対応するコンストラクトでは、DARは約2しか得られませんであった。オリゴ糖タグ(ADC5)を使用すると、~6のDARを達成できる。
【1223】
したがって、本発明に記載されるオリゴ糖タグは、他の方法では調製できないADCへのアクセスを可能にする。
【1224】
調製されたADCには、広範囲の抗体成分が含まれている。例えば、ADC6、ADC7およびADC13には、抗体成分としてトラスツズマブ、すなわちHer2受容体を標的とするヒト化IgG1モノクローナル抗体が含まれている。ADC2およびADC9は、トランスグルタミナーゼ結合に最適化された変異配列を持つトラスツズマブの一種であるトラスツズマブ-Tに基づいている。ADC23は、異なる細胞表面抗原に対する抗体に基づいている。この抗体は、薬物動態特性を調節するためにFc 部分に修飾が加えられたヒト化 IgG1である。ADC5は2個の異なる腫瘍抗原に対する二重特異性抗体であり、この抗体はIgAとIgGの両方からの配列ストレッチを利用するSEEDフォーマットで調製された(Muda et al., Protein Engineering, Design & Selection (2011), vol. 24(5), p. 447-454 and Davis et al., Protein Engineering, Design & Selection (2010), vol. 23(4), p. 195-202)。したがって、実施例では様々な異なる抗体が使用され、本発明の可溶性タグが異なる抗体の種類および形式に基づいたADCで使用できることが確認された。
【1225】
同様に、この例で調製されたADCには、まったく異なるクラスのペイロードが含まれている。例えば、ADC9およびADC10には、広く使用されているペイロードクラスのメイタンシノイド(DM4)のペイロードが含まれている。ADC5、ADC6、ADC12、ADC14およびADC18には、やや親水性のペイロードであるモノメチルオーリスタチンEが含まれる。一方、ADC2、ADC7、ADC16およびADC21には、疎水性の高いペイロードであるデュオカルマイシンが含まれ、ADC24には、CBI(シクロプロパンベンズ[e]インドリン二量体)が含まれる。)。この例のADCから、本発明による可溶性タグは、これらのペイロードクラスの何れかと互換性があり、ペイロードクラスに関係なくADCの溶解性を高めることができることが分かる。
【1226】
調製されたADCは、広範囲のリンカータイプも反映する。例えば、ADC10にはチオール媒介切断用のジスルフィドリンカーが含まれ、ADC16にはプロテアーゼ切断可能なリンカー(カテプシンB認識部位)、ADC18およびADC21にはベータグルクロニドリンカー(リソソーム酵素β-グルクロニダーゼによって切断可能)が含まれる。カテプシンB切断部位を持つADC2には短いスペーサーが含まれていますが、ADC7にははるかに長いスペーサーが含まれている。
【1227】
上の表のADCは、非常に異なる結合方法と原理によって調製された。例えば、ADC5、ADC6およびADC7は、マレイミドとのシステインカップリングによって結合された(ADCの一般的な結合アプローチ)。対照的に、ADC1、ADC9およびADC2は、トランスグルタミナーゼとの酵素結合によって結合された。したがって、本発明のオリゴ糖タグは、化学的カップリング法から酵素的カップリング法に至るまでの様々な結合法に広く適合する。
【1228】
また、オリゴ糖タグの結合部位は、調製されたさまざまなADC間で大きく異なる。例えば、ADC18では、可溶性タグは、β-グルクロニド切断モチーフのすぐ隣のリンカーに付加されていますが、ADC13では、カテプシンB切断可能なリンカーであり、タグはPABC(p-アミノベンジルオキシカルボニル)基に付加されている。ADCリンカーに含まれており、柔軟性が向上する。同様に、ADC1にはPABCの一部としてオリゴ糖タグが含まれている。ADC1の特異的リンカーはトランスグルタミナーゼカップリングに使用でき、カップリング酵素の有効性に影響を与えることなく1.7のDARを実現する。ADC7、ADC24、ADC16(カテプシンBによる切断)では、自己犠牲部分にオリゴ糖タグが付加されている。対照的に、ADC10のオリゴ糖基は、有効性や結合性を妨げることなく、ジスルフィド切断架橋の至近距離に結合していました。ADC12およびADC14では、オリゴ糖タグとPABCの間にスペーサーが含まれていたが、ADC6にはそのようなスペーサーが含まれていなかった。より高い柔軟性を可能にするスペーサーが悪影響を及ぼさないことは注目に値する。上述の全ての構築物において、可溶性タグとリンカー切断の両方が機能し、本発明の可溶性タグがあらゆる種類の切断機構および結合部位と広く適合することを示した。例えば、デュオカルマイシンに関しては、活性化するために痕跡なく放出される必要があるが、陽性細胞株および陰性細胞株におけるADC活性から分かるように、オリゴ糖タグは活性化を妨げなかった(以下参照)。
【1229】
さらに、この例のADCの多くのリンカー-ペイロード構築物では、オリゴ糖タグが合成手順の中間工程で結合されたが、ADC1のリンカー-ペイロード構築物は、オリゴ糖ユニットが合成手順の中間段階で結合される分岐アプローチによって調製された。最後から2番目の工程では、準備手順にもバリエーションが可能であることがわかります。ADC12、ADC13およびADC14内では、可溶性タグの付加後にさらなる修飾(保護基の切断とその後のアミドカップリング)が可能であり、タグによって十分に許容される。
【1230】
この例では、まったく異なるDARを持つADCが調製された。これには、約1~2の低いDARを持つADC(ADC2、ADC9、ADC16など)、約3~4のDARを持つADC(ADC6、ADC10、ADC14、ADC15、ADC18など)、8に近い値(ADC12など)のさらに高いDARを持つADCまでが含まれる。本発明によるオリゴ糖タグを含むADCについては、いかなる状況においても凝集は観察されなかった。
【1231】
タグの不在または異なるタグ(PEGタグ)の存在と比較したオリゴ糖タグの効果をさらに研究するには、ADCADC20(タグなし)、ADC22(PEGタグ)およびADC21(オリゴ糖タグCO-V))を用意した。3個のケース全てで結合生成物を得ることができましたが、結合反応中に明らかな違いが観察された。ADC20(タグなし)は、顕著な凝集が見られたため、最も困難な材料であった。ADC22(PEGタグ)は、タグなしADCと比較して凝集レベルが若干低下していることを示したが、ADC21(オリゴ糖タグ)では凝集レベルが最低レベルで観察された。製造プロセス中の凝集体形成は、ADC20(タグなし)の42%に対し、ADC22(PEGタグ)の53%、ADC21(オリゴ糖タグ)の53%という結合収率にも反映された。(これに関連して、リンカーの自滅部分のメチル基を除いてADC21と同一であるADC23の結合収率が75%であったことは注目に値する。これにより、オリゴ糖の好ましい効果がさらに確認された。-タグ)HIC保持時間は、他のシステムと比較して、オリゴ糖タグ付きADCの溶解度が高いことを示した(以下の実施例4参照)。
【1232】
追加の結合反応では、リンカー-ペイロード構築物である化合物6、化合物10および化合物21に基づくADCが調製される。化合物6および化合物10は、トランスグルタミナーゼとの酵素結合によって結合される。化合物21は、結合部位としてアルキンモチーフを有し、Peplow、Nature Biotechnology(2019)、vol. 37、p. 829-841。本実施例で説明する方法によって得られたADCの特性評価は、本発明による他のADCと同様の効果を示す。したがって、これは、依然として所望の効果を達成しながら、本発明によるADCの設計および調製に関して変更が可能であるというさらなる証拠を提供する。
【1233】
さらなる実験では、キトオリゴ糖CO-V(MeFuc)、CO-IV、CO-IV(S)およびCO-IIを使用して、代替のオリゴ糖ベースの可溶性タグを備えたADCを構築する。本実施例に記載の方法による得られたADCの特性評価は、CO-V(MeFuc)、CO-IVおよびCO-IV(S)でタグ付けされたADCが上記のADCと同様の効果を有することを示する。対照的に、CO-IIで観察された効果は遅れている。
【1234】
実施例4: HIC保持時間
【1235】
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)におけるさまざまなADCの保持時間を測定した。
【1236】
測定された保持時間は、疎水性が増加する抗体を生成するとおり修飾された抗 HEL(鶏卵白リゾチーム)抗体である内部標準に対して決定された。これらの条件下で未修飾の抗 HEL抗体の保持時間は10.72分であるが、最も高度に修飾された抗 HEL抗体は19.66分にピークを示する。これらの保持時間は、全ての実験で再現可能であった。したがって、これらの内部標準は、測定の一貫性を確保するための参照として常に使用された。
【1237】
保持時間がより早い溶出に移行すると、親水性が増加することがわかります。これは、水性環境における溶解度の増加、つまりADCの動作にプラスの影響を与えることを示する。
【1238】
これらの実験から得られたHIC保持時間を以下の表4に要約する。
【表14】
1 リストされた化合物のオーリスタチンはMMAE(モノメチルオーリスタチンE)であった。
2 HIC保持時間は、DAR1の種を指する。
【1239】
表4からわかるように、全てのタグ付きADCは、裸の抗体トラスツズマブと比較した場合、中程度の保持時間シフトを示する。ただし、いくつかの効果は顕著で驚くべきものである。
【1240】
ADC8はトラスツズマブの鎖間構築物であり、ペイロードは含まれていませんが、2個の抗体重鎖の結合に関与する抗体のシステイン残基にCO-V オリゴ糖タグが共有結合することによって修飾されている。オリゴ糖タグのない裸のトラスツズマブの保持時間と比較して、ADC8の保持時間は11.5分から10.47分にシフトしており、オリゴ糖タグ付き抗体が天然抗体よりも親水性であることが示されている。
【1241】
オリゴ糖タグの存在下での溶解性の向上は、ペイロードを備えたADCでも見られる。
【1242】
ADC2は、抗体成分としてトラスツズマブ-Tを有し、オリゴ糖可溶性タグを有するデュオカルマイシンベースのADCであるのに対し、ADC3は、オリゴ糖タグのない、対応するデュオカルマイシンベースのトラスツズマブ-T-ADCである。DAR1を持つマイナーADC3種の保持時間は14.80分でしたが、オリゴ糖タグを持つADC2は、ADCあたりより多くの高疎水性デュオカルマイシンペイロードを含んでいるにも関わらず、保持時間はわずか12.39分と短く、したがって溶解度がより優れていました。
【1243】
ADC6およびADC1は、抗体成分としてトラスツズマブ/トラスツズマブ-Tを有し、オリゴ糖可溶性タグを有するオーリスタチンベースのADCであるのに対し、ADC19は、オリゴ糖タグを持たない、対応するオーリスタチンベースのトラスツズマブADCである。ADC6とADC1のDAR 値は、それぞれわずかに高くなる。ADC19のDAR(3.8および1.71対2.5)よりも低い。ただし、オリゴ糖タグを備えた両方のオーリスタチンADCは、オリゴ糖タグを持たないADCよりもHIC保持値が大幅に低くなる(13.25分および13.9分対14.30分)。
【1244】
同様に、PB-8704およびADC23は、オリゴ糖可溶性タグを備えたAnti-TumorAntigenAに対するデュオカルマイシンベースのADCであるが、ADC20はそのようなタグのない対応するデュオカルマイシンベースのADCである。ADC21とADC23のDAR 値は、ADC20のDARの周囲に広がります(2.5と2.0対2.3)。それにもかかわらず、オリゴ糖タグを備えた両方のADCは、ADC20よりもHIC保持時間が短くなる(12.90分および13.2分対13.9分)。
【1245】
ADC3(オリゴ糖タグなし)とオリゴ糖タグ付き変異体ADC7を比較すると、一方では、タグなし変異体の結合は溶解度の問題により高いDARでは成功しなかったのに対し、オリゴ糖タグ付きADCではDAR 1.5であることが明らかになった。達成できた。一方、DAR1を持つマイナーADC3種の保持時間は14.80分でしたが、オリゴ糖タグを持つADC7は、ADCあたりより多くの高疎水性デュオカルマイシンペイロードを含んでいるにもかかわらず、保持時間はわずか13.23分とさらに低く、したがって、より良好な溶解性を有していた。
【1246】
同様の観察は、タグなしのオーリスタチンベースのADC19に対するCO-Vタグ付きのオーリスタチンベースのADC6についても行われ(DAR 3.8対2.5;保持時間 13.25分対14.30分)、この効果が異なる間で変換可能であるというさらなる証拠を提供した。ペイロードクラス。
【1247】
したがって、オリゴ糖タグは、特定の抗体成分、ペイロード、DARに関係なく、ADCの溶解度を高めます。
【1248】
例5: 融点の測定
【1249】
この実施例では、リンカー-ペイロード構築物化合物15(オリゴ糖CO-Vを含む)またはオリゴ糖タグのない対応するリンカー-ペイロード構築物を含む異なるADCの融点を測定した。
【1250】
具体的には、展開/変性温度は、NanoTemperのPrometheus NT.Plexとタンパク質の固有蛍光を使用して測定された。これらの測定結果を表5に示する。
【表15】
1 ADC12およびADC13は、同じリンカー-ペイロード構築物および抗体から調製され、同様のDAR 値を持つADCである。
2 オリゴ糖タグのない化合物15に相当する。
3 ADC14とADC17は、同じリンカー-ペイロード構築物と抗体から調製され、同様のDAR 値を持つADCである。
【1251】
これらの結果は、DAR 値に関係なく、オリゴ糖タグの存在により融点が大幅に高くなることが示されている。このより高い融点は、本発明に記載されるオリゴ糖タグが、ADCに対して驚くべき、そして予想外の安定化効果を有し、対応するADCと比較して、本発明によるオリゴ糖タグ付きADCに保存、安定性および製造可能性に関する利点を提供することを示する。そのようなタグなしで。さらに、ADC12とADC13およびADC17とADC14の比較により、バッチ間の一貫性と測定された効果の再現性が証明される。
【1252】
実施例6: 血清中での安定性
【1253】
この実施例では、ヒト血清中での調製されたADCの安定性が測定された。
【1254】
それぞれのADCをマウス血清またはヒト血清(pH 7.4で安定化)に、血清1mlあたり50μgADCの濃度まで添加し、37℃/5%CO2でインキュベートした。72時間および96時間後、サンプルを採取し(時点ごとに3サンプル)、まだインタクトのリンカー配列および分解生成物を含む残留ADCの量をLC-MSによって分析した。
【1255】
ADCADC10およびADC14の結果を表6に要約する。
【表16】
【1256】
ADC10は、ジスルフィド切断リンカーを備えたADCである。ADCのジスルフィドリンカーはヒト血清でもマウス血清でも不安定で、半減期は約80時間で分解されることが報告されている(Kellogg et al., Bioconjugate Chem.(2011), vol. 22(4), p.717-727)。しかし、ADC10を用いて得られた血清安定性データは、本発明によるオリゴ糖タグの存在下で、リンカーがマウス血清とヒト血清の両方で安定化されることを示す。
【1257】
ADC14は、細胞内プロテアーゼ カテプシンBによる切断部位を含むリンカーを備えたADCである。このタイプのリンカーを備えたADCは、マウス酵素カルボキシエステラーゼ 1Cによる非特異的クリアランスのため、マウス血清中で非常に不安定であることが報告されている。これらのリンカーは非特異的に切断することが知られています(Dorywalska et al.、Mol Cancer Ther(2016)、vol. 15(5)、p. 958-970およびUbink et al.、Mol Cancer Ther、vol. 17(11)、p.を参照.2389-2398)。この影響により、マウス モデルシステムを使用して、このリンカー システムで新規ペイロードを開発または特性評価することが困難になる。ADC14を用いて得られた血清安定性データは、本発明によるオリゴ糖タグの存在下で、リンカーがマウス血清とヒト血清の両方において安定化されることを示す。
【1258】
ADC14は、動物実験において、非常に類似したDARを有し、オリゴ糖タグを欠いているという点を除いてADC14と同一のリンカー-ペイロード構築物に基づいているADC15とも比較された。ここで、ADC14は腫瘍の縮小を示したが、タグのない同じリンカーADC15は腫瘍の増殖を遅らせるだけであった。この効果は、溶解度効果によるものだけではなく、血清中のプロテアーゼ切断に対する安定性の向上の結果である可能性がある。
【1259】
この実験は、本発明に記載のオリゴ糖タグがより高い血清安定性を与えることを示唆する。これは、同様に、本発明によるオリゴ糖タグを有するADCが、そのようなタグを持たない対応するADCと比較して、薬物動態が改善され、したがって優れたインビボ有効性を示すことを示す。
【1260】
実施例7:細胞培養における毒性評価
【1261】
この実施例では、実施例3で調製した抗体-薬物コンジュゲートの毒性を培養細胞で評価した。
【1262】
CRC (結腸直腸癌)および胃癌において観察される腫瘍抗原に対する記載の抗原Aに基づく抗体を用いて行われた。
【1263】
陽性細胞として、各細胞の細胞表面に約100,000~1,000,000コピーの抗原を発現する腫瘍細胞株(CRC、乳癌または肺癌)の細胞を使用した。陰性細胞として、細胞表面でそれぞれの抗原を発現しない異なる腫瘍細胞株を使用した。
【1264】
0日目に、1000~5000個の細胞(細胞株に応じて)を、播種培地として40μL/ウェルのRPMI 1640またはDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で384ウェル培養プレート(=アッセイプレート)のウェルに播種した。細胞を、37℃、適切なCO2レベル(5%または10%)および95%rH(相対湿度)で20~24時間インキュベートした。1日目に、ADCをそれぞれテストする。対照を細胞に添加し(少なくとも4対数単位の濃度をカバーする適切な用量反応曲線に適した用量で)、その後、非DNAターゲティングペイロードの場合は3日間、DNA損傷ペイロードの場合は6日間、37℃でインキュベートした。適切なCO2レベルおよび95%相対湿度。4日目に、製造業者の指示に従ってCellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega)を使用して、生存細胞の数を測定した。具体的には、プレートを室温で30分間平衡化し、その後30μlのCellTiterGlo(登録商標)試薬を各ウェルに添加した。プレートをシェーカー上で2分間インキュベートし、次いで暗所に10分間保持し、続いてEnvisionプレートリーダー(PerkinElmer)で560~590nmで測定した。
【1265】
CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイでは、細胞が溶解し、存在するATP 量に比例した発光シグナルが生成され、代謝活性のある細胞の存在が測定される。したがって、このアッセイは培養細胞の増殖と生存率を示し、したがって細胞に対する試験した抗体-薬物コンジュゲートの毒性を決定することができる。
【表17】
ADCのIC
50濃度:
+++: < 0.1nM/++: <1nM/+: 1桁のnM/-: >10nM/--: 影響なし/ND: 不明
1 リストされた化合物のオーリスタチンはMMAE(モノメチルオーリスタチンE)であった。
3 リストされた化合物中のマイタンシノイドはDM4(=ラブタンシン)であった。
【1266】
表7のデータから、ADCは、その表面でADCの標的抗原を発現する細胞に対して非常に毒性があるが、この標的抗原を発現しない細胞に対しては毒性がないことが分かる。これは、ペイロード、結合方法またはオリゴ糖タグの位置に関係なく、全てのリンカー ペイロード構築物がオリゴ糖タグの存在下で完全な機能を維持することを示する。
【1267】
実施例8: インビボでの抗腫瘍活性および毒性
【1268】
実験計画と処理
【1269】
Foxn1nu/J)マウス(Charles River, France)を用いて実施された。
【1270】
D0(0日目)に、198匹の雌動物の右脇腹にSK-OV-3細胞(ヒト卵巣腺癌細胞株、Oncodesignから購入)を皮下(SC)注射することによって腫瘍を誘導した。SK-OV-3腫瘍細胞の移植は、ガンマ線源(2Gy、60Co、BioMep、France)による全身照射の48時間後に実行された。
【1271】
D31に、個々の腫瘍体積が平均体積150~200mm3に達するまでに動物をランダム化した。198匹のうち120匹の動物を、それぞれ12匹ずつの10グループに無作為に分けた。
【1272】
以下の表8に要約するとおり、異なるADCまたは媒体対照の投与を、無作為化の日(D31)に実施した。
【表18】
* 抗腫瘍活性の分析用に9匹の動物+毒性学的分析用に3匹の動物
【1273】
媒体はPBS、pH7.3~7.4であった。ADCまたは媒体は、尾静脈への1回の静脈内(IV)注射によって投与された。投与量は、各マウスの最新の個体体重に合わせて5mL/kgとした。
【1274】
結果
【1275】
ランダム化
【1276】
ランダム化の日(D31)、腫瘍の平均体積は185~186mm3であった。全てのグループ間に統計的に有意な差はなかった。
【1277】
健康状態パラメータ
【1278】
マウスの健康に対する治療の影響を評価するために、実験全体を通して動物の体重をモニタリングした。群当たりの平均体重変化(MBWC)は、D34(治療後最初に体重が低下した日)の平均体重を無作為化日(D31)の平均体重と比較することによって計算した。D31からD34までの期間、全てのグループで体重が減少したが、これらの体重減少はわずかであり、全てのグループ間に統計的に有意な差はなかった。
【1279】
毒性分析
【1280】
グループ当たり3匹のサテライトマウスをD38に屠殺した。ホルマリンで固定するために腫瘍を収集した(30サンプル)。パラフィン包埋のために腫瘍の最大伸展部で横断面を作成した。組織(肺、心臓、肝臓、脾臓、胃、腸、腸間膜リンパ節)を収集し、ホルマリンで固定した。胸髄と脊髄および目の間を切断した後、皮膚付きの屠体を固定した。
【1281】
次の組織のH&E(ヘマトキシリン&エオシン)染色を実行した: 心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓、胃、腸、腸間膜リンパ節、脳、目、骨髄、骨(大腿骨および胸骨)。さらに、グループ1、4、7および10(対照グループおよび高用量グループ)の皮膚を光学顕微鏡で検査した。
【1282】
結果を以下の表9に要約する。グループ4、7および10のマウスから検査した臓器では治療関連の所見は検出されなかった。高用量グループの動物では標的臓器が同定されなかったため、中間グループのマウスの検査は省略された。表9にリストされている残りの所見は全て、本質的に偶発的/自然発生的なものである。
【表19】
【表20】
NVL: 目に見える病変なし
【1283】
この実施例および媒体対照で試験した異なるADCの毒物学および健康パラメータの直接比較は、本発明によるオリゴ糖タグが、ほぼ8という高いDARの場合であっても、マウスモデル系においてインビボで良好に耐容性であることを示す。(ADC12)。これは予想外であった。なぜなら、PEGなどで知られているように、それ自体は無毒である分子基であっても、体内での代謝処理の際に、腎臓や肝臓などの標的臓器に毒性を及ぼす可能性があるという先例があるからである(Fruijtier-Poelloth, Toxicology (2005), vol. 214, p. 1-38)。
【1284】
抗腫瘍活性
【1285】
BALB/c ヌードマウスの皮下SK-OV-3腫瘍の増殖を実験全体を通じてモニタリングした。腫瘍倍加時間、腫瘍増殖遅延および腫瘍増殖阻害のパラメータを使用して、皮下にマウスに0.5、2および6mg/kgでIV投与された3個の試験物質ADC12、ADC14およびADC15の抗腫瘍活性を評価した。SK-OV-3腫瘍。
【1286】
腫瘍の増殖
【1287】
BALB/c ヌードマウスにおけるSK-OV-3腫瘍の増殖を
図3および
図4に示する。個々の腫瘍体積の測定により、グループ1の媒体処置マウスは、約70日で2000mm
3に達する指数関数的に増殖する腫瘍を示したことが示された。
【1288】
0.5mg/kg(グループ2)、2mg/kg(グループ3)および6mg/kg(グループ4)のADC12で処置したマウスについては、用量依存的な抗腫瘍応答が観察された-。グループ4では、9匹中6匹の動物に腫瘍があり、D52~D59から実験終了までに完全に退縮した(TV(腫瘍体積)=0mm3)。1匹の動物は、D59からD76までに完全に退縮した(TV=0mm3)後、D80から実験終了までに再増殖した(TV=308.71mm3)腫瘍を示した。グループ4の2匹の動物は、ランダム化日(D31)からそれぞれD80およびD69まで成長せず、その後実験の終了まで指数関数的に再増殖した腫瘍を持っていました。
【1289】
0.5mg/kg(グループ5)、2mg/kg(グループ6)および6mg/kg(グループ7)のADC14で処置したマウスについては、用量依存的な抗腫瘍応答が観察された-。グループ7では、9匹中4匹の腫瘍が完全に退縮した(TV=0mm3)。さらに、2匹の動物には実験終了まで腫瘍が退縮した(それぞれ、TV=134.52および48.57mm3)。これらの腫瘍は、研究終了時(D97)のTVが無作為化日(D31)に記録されたTV(それぞれTV=255.24および196.88mm3)よりも低かったため、退縮したとみなされた。グループ7の9匹の動物のうち3匹の腫瘍は、D41からD76またはD80まで退縮し、その後研究が終了するまで指数関数的に再増殖した。
【1290】
0.5mg/kg(グループ8)、2mg/kg(グループ9)および6mg/kg(グループ10)のADC15で処置したマウスについては、わずかな用量依存性の抗腫瘍反応が観察された。グループ8と9では、腫瘍は同様に増殖した。しかし、グループ10の腫瘍体積は、実験全体を通してグループ8および9の腫瘍体積よりも低かった。
【1291】
腫瘍体積の分析は、全てのグループで少なくとも80%の動物が生存した最終日に相当するD59に実行された(
図5)。グループ1では、平均TVは1002mm
3で、全てのグループの平均TVと比較して有意に高かった(p < 0.0001)。グループ2およびグループ3の動物は、それぞれ422.5および591.3mm
3の腫瘍体積を示した。用量依存的な反応のわずかな減少にも関わらず、グループ2と3の間に統計的な差は観察されなかった。しかし、グループ4(TV=14.98mm
3)の腫瘍は、グループ2および3よりも有意に小さかった(p < 0.0001)。グループ5、6と7の動物は、それぞれ601、374mm
3、18.91mm
3でテレビを表示した。統計的差異は、グループ5と7およびグループ6と7の間で観察された(p ≦ 0.0005)が、グループ5と6の間では観察されなかった(p=0.16)。最後に、グループ8、9および10の腫瘍体積(TV=それぞれ572.2、571.1および393.7mm
3)は同様であり、グループ8、9および10間に統計的に有意な差はなかった。
【1292】
腫瘍の倍加時間
【1293】
治療の有効性は、無作為化日(D31)から実験終了日(D97)まで計算された腫瘍倍加時間(DT)を評価することによって評価された。腫瘍倍加時間は、15.17日(グループ1)から24.39日(グループ6)の範囲であった。グループ1、2、5、8、9および10の腫瘍は、15.17≦ DT ≦ 21.90日の腫瘍倍加時間を示した。これらのグループ間に統計的に有意な差はなかった。グループ3(ADC12、0.5mg/kg)およびグループ6(ADC14、0.5mg/kg)の腫瘍倍加時間(それぞれDT=23.46および24.39日)は、前述のグループのものよりも有意に長かった。グループ4および7では、実験全体を通して腫瘍が指数関数的に増殖しなかったため、腫瘍倍加時間パラメータを正確に計算できなかった。この場合、グループ4とグループ7の腫瘍倍加時間は97日より長くなった。
【1294】
腫瘍の増殖遅延
【1295】
腫瘍増殖の遅延は、SK-OV-3腫瘍が平均体積800mm3に達するまでの時間を推定することによって計算された。対照グループ1(n=9)の腫瘍は、目標体積に達するまでに56日かかった。グループ2(n=6)、グループ3(n=8)、グループ4(n=1)の腫瘍増殖遅延は、それぞれ69日、80日、91日であった。グループ3の腫瘍は、目標体積に達するまでにグループ2の腫瘍より1.16倍の時間がかかった。この差は統計的に有意でした(p=0.0006)。グループ4の腫瘍増殖遅延は1匹の動物で計算されたものであるため、慎重に解釈する必要がある。グループ5(n=7)、6(n=6)および7(n=1)の腫瘍増殖遅延は、それぞれ72、85および91日であった。グループ4で観察されたものと同様に、1匹の動物で計算されたグループ7の腫瘍増殖遅延は慎重に解釈される必要がある。グループ8(n=5)、9(n=7)および10(n=8)では、腫瘍の発生にそれぞれ64、71および79日かかったが、これらのグループ間に有意差はなかった。
【1296】
腫瘍増殖阻害
【1297】
各治療群の腫瘍体積の中央値を対照群1と比較することにより、治療の抗腫瘍活性を評価するために腫瘍増殖阻害(T/C%)を計算した(
図6)。研究のほとんどにおいて、低用量治療(グループ2、5および8)は、T/C%最適値がそれぞれ55、58および52%で、わずかから中程度の抗腫瘍活性をもたらした。さらに、ADC12およびADC14による中用量治療(グループ3および6)は、実験全体を通して中程度の抗腫瘍活性をもたらし、T/C%最適値はそれぞれ34および32%であった。しかし、ADC15による中用量および高用量の治療(グループ9および10)では、中程度の抗腫瘍活性(T/C%=それぞれ51%および35%)が得られたが、これはグループ3、4、10の効果よりも効果が低く、遅かったである。最後に、グループ4および7の治療の抗腫瘍活性は、実験の大部分において、T/C%最適値0%でマークされた。
【1298】
結論
【1299】
結論として、全ての治療は忍容性が良好であった。体重減少は全て軽度であり、対照グループ1との有意差はなかった。
【1300】
SK-OV3細胞由来の卵巣腫瘍に対するADCADC12およびADC14による治療では、用量を0.5mg/kgから2mg/kg、6mg/kgに増加させた場合、それぞれ限界、中程度、顕著な範囲の用量依存的な抗腫瘍効果が観察された。同じ用量の0.5mg/kg(グループ2および5)、2mg/kg(グループ3および6)または6mg/kg(グループ4および7)で投与したADC12およびADC14による治療を比較した場合、統計的な差異は観察されなかった。
【1301】
対照的に、ADC15(本発明によるオリゴ糖タグのない対応する化合物)での治療は、ADC12およびADC14で観察されたような用量の増加に伴う用量依存効果をもたらさなかった。ADC15を0.5、2または6mg/kgで投与した場合(グループ8、9および10)、有効性パラメータに有意な差はなく、限界から中程度の範囲であった。
【1302】
有効性パラメータは、低用量(0.5および2mg/kg)でのADC12およびADC14による治療(グループ2、3、5および6)は、6mg/kgの高用量で投与されたADC15(グループ10)と比較して増加したことを示した。
【1303】
腫瘍倍加時間、腫瘍増殖遅延および腫瘍増殖阻害のパラメータは、6mg/kgで投与されたADC12およびADC14IVによる治療(グループ4および7)が、対照媒体(G1)と比較してそして他のグループと一緒に顕著に顕著な抗腫瘍活性をもたらすことを示した。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】1163
【補正方法】変更
【補正の内容】
【1163】
MC901_433-93(化合物13)の合成
【化73】
化合物13は、Tietze et al., Angew. Chem. Int. Ed. (2010), vol. 49, p. 7336 -7339を適用したもの。5mgの所望の生成物が3.8%の収率で得られた。M/2=1311
【国際調査報告】