(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(54)【発明の名称】増加した膝蓋骨の運動の自由度を伴う人工膝関節
(51)【国際特許分類】
A61F 2/38 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61F2/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514443
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-01
(86)【国際出願番号】 US2021051279
(87)【国際公開番号】W WO2022066627
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】レンツ、ナサニエル エム.
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC14
4C097CC18
(57)【要約】
膝関節インプラント及びそのコンポーネントが開示されている。膝関節インプラントの大腿骨コンポーネント(500)は、膝蓋骨経路(560)の一部分上に配置された低減された制約領域(505)を含み得る。低減された制約領域は、低減された制約領域上を移動する膝蓋骨の増加された運動の自由度を提供するように構成され得る。増加した運動の自由度は、膝蓋骨の内側-側方運動及び/又は内部-外部回転に対するものであり得る。膝蓋骨経路は、低減された制約領域の下方に位置付けられた制約領域(例えば、滑車溝506)を含み得る。膝蓋骨は、伸張(又は部分屈曲)中に低減された制約領域内、及び屈曲中に滑車溝内で移動し得る。隆起部分(804)を有する人工膝蓋骨(800)もまた開示される。隆起部分は、膝蓋骨が、低減された制約領域から滑車溝に移行する際に、大腿骨コンポーネントの滑車溝との人工膝蓋骨の係合を容易にするように構成され得る。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節インプラントであって、
患者の大腿骨と係合するように配置及び構成された大腿骨コンポーネントであって、前記大腿骨コンポーネントが、脛骨コンポーネント又はインサートに対して関節運動するように配置及び構成された関節表面を含む、大腿骨コンポーネントを備え、
前記関節表面が、膝蓋骨経路を含み、前記膝蓋骨経路に沿って膝蓋骨が移動し、前記膝蓋骨経路が、制約領域及び低減された制約領域を含み、前記低減された制約領域が、前記膝蓋骨が前記制約領域上を移動する際の前記膝蓋骨の運動の自由度と比較して、前記膝蓋骨が前記低減された制約領域上を移動する際の膝蓋骨の増加した運動の自由度を提供するように配置及び構成されている、膝関節インプラント。
【請求項2】
前記低減された制約領域によって提供される前記膝蓋骨の前記増加した運動の自由度が、前記膝蓋骨の増加した内側-側方運動を可能にする、請求項1に記載の膝関節インプラント。
【請求項3】
前記膝蓋骨経路の前記制約領域内の前記膝蓋骨の内側-側方運動と比較して、前記膝蓋骨経路の前記低減された制約領域内の前記膝蓋骨の前記増加した内側-側方運動が、約105パーセント~約150パーセント大きい、請求項2に記載の膝関節インプラント。
【請求項4】
前記膝蓋骨経路の前記制約領域内の前記膝蓋骨の内側-側方運動と比較して、前記膝蓋骨経路の前記低減された制約領域内の前記膝蓋骨の前記増加した内側-側方運動が、約1mm~約20mm大きい、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項5】
前記低減された制約領域によって提供される前記膝蓋骨の前記増加した運動の自由度が、前記膝蓋骨の増加した内部-外部回転を可能にする、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項6】
前記膝蓋骨経路の前記制約領域内の前記膝蓋骨の内部-外部回転と比較して、前記膝蓋骨経路の前記低減された制約領域内の前記膝蓋骨の前記増加した内部-外部回転が、約105パーセント~約150パーセント大きい、請求項5に記載の膝関節インプラント。
【請求項7】
前記膝蓋骨経路の前記制約領域が、前記低減された制約領域に対して下方に位置付けられた滑車溝を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項8】
前記膝蓋骨が、伸張中に前記低減された制約領域内で、及び屈曲中に前記滑車溝内で移動する、請求項7に記載の膝関節インプラント。
【請求項9】
前記大腿骨コンポーネントは、前記膝蓋骨が約10度未満の屈曲を移動するときに、前記膝蓋骨が前記低減された制約領域内にあるように配置及び構成されている、請求項8に記載の膝関節インプラント。
【請求項10】
前記低減された制約領域が、前記大腿骨コンポーネントの近位前方フランジに隣接して形成された平坦化された領域を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項11】
前記低減された制約領域が、遠位前方フランジ領域の長さの約1パーセント~約20パーセントの長さを有する、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項12】
前記低減された制約領域が、1mm~約20mmの長さを有する、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項13】
前記大腿骨コンポーネントの前記関節表面内に形成された前記膝蓋骨経路に沿って移動するように配置及び構成された膝蓋骨インプラントを更に備え、前記膝蓋骨インプラントが、前記膝蓋骨インプラントの後面の遠位領域上に配置及び構成された隆起部分を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の膝関節インプラント。
【請求項14】
前記隆起部分が、前記膝蓋骨経路の前記制約領域内の前記膝蓋骨インプラントの係合を容易にするように配置及び構成されている、請求項13に記載の膝関節インプラント。
【請求項15】
前記隆起部分が、ラッパ状に広がって、外縁から後面の中心に移動するように配置及び構成されている、請求項14に記載の膝関節インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、係属中の2020年9月23日出願の「Knee Prosthesis with Increased Patella Freedom of Movement」と題された米国仮特許出願第63/082,316号の非仮出願であり、その出願日の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、人工膝関節に関し、より具体的には、大腿骨コンポーネントの関節運動中の膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの増加した運動の自由度を容易にするように構成された人工膝関節の大腿骨コンポーネント及び/又は膝蓋骨インプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
膝関節に影響を及ぼす重度の疾患又は損傷は、患者の大腿骨及び脛骨の端を、人工大腿骨インプラント又はコンポーネント、脛骨インプラント又はコンポーネント、及び場合によっては、膝蓋骨インプラント又はコンポーネントを含み得る人工膝関節デバイスを用いて外科的に置換する全人工膝関節置換術(TKA)によって治療され得る(区別又は限定する意図なしで、人工、インプラント、コンポーネント、及びデバイスという用語は、本明細書で互換的に使用される)。大腿骨コンポーネントは、患者の大腿骨の適切な切除後に、患者の遠位大腿骨上に配置され得る。脛骨コンポーネントは、一般的に患者の切除された近位脛骨に適合する脛骨トレイを含み得る。脛骨コンポーネントはまた、患者の脛骨の髄内管の外科的に形成された開口部内に延在するために、トレイから延在するステムを含み得る。プラスチック又はポリマーのインサート又はベアリングが、脛骨コンポーネントのトレイと大腿骨コンポーネントとの間に配置されて、患者の膝関節が伸張位置と屈曲位置との間で動く際に大腿骨コンポーネントが関節運動し得る表面を提供し得る。TKA処置はまた、例えば、人工膝関節デバイスの膝蓋骨大腿関節の機能及び協力を強化するために、人工膝蓋骨との患者の膝蓋骨の置換を含み得る。
【0004】
TKA患者の一般的な苦情は、置換された膝関節が機能しないか、又は正常な膝関節のように感じられないことである。より重篤な症例では、患者は、人工膝関節デバイスの関節運動中の痛み又は不快感を訴える。前膝関節の痛み及び不安定性は、TKA処置に対する患者の不満の共通因子である。従来の人工膝関節デバイスは、膝関節の複雑な性質、並びに屈曲及び伸張中の大腿骨、脛骨、及び膝蓋骨の互いに対する動きに起因して、歩行中の正常な膝関節とは異なる運動を生成する。例えば、膝蓋骨大腿関節における患者の痛み及び不快感は、自己解剖学的構造と移植されたコンポーネントとの間の衝突を引き起こし得る、膝蓋骨などのコンポーネントの運動に対する制約に起因して生じ得る。
【0005】
したがって、従来の人工膝関節デバイスと関連付けられた痛み及び不安定性を軽減するために、コンポーネントの可動域を容易にすることを含む、膝関節コンポーネントの自然な動作を支援する人口膝関節デバイスを提供することが有益であろう。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、発明を実施するための形態で以下に更に説明される、簡略化された形態における一連の概念を導入するために提供される。本概要は、特許請求の範囲の主題の主要な特徴又は基本的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求の範囲の主題の範囲を決定するための補助としても意図されていない。
【0007】
本開示は、膝蓋骨経路の一部分上に配置された低減された制約領域を含む、人工膝関節インプラントの大腿骨コンポーネントを提供する。低減された制約領域は、低減された制約領域上を移動する膝蓋骨の増加された運動の自由度を提供するように構成され得る。いくつかの実施態様では、増加した運動の自由度は、膝蓋骨の内側-側方運動及び/又は内部-外部回転に対するものであり得る。膝蓋骨経路は、低減された制約領域の下方に滑車溝の形態で制約領域を含み得る。いくつかの実施態様では、膝蓋骨は、伸張(又は部分屈曲)中に低減された制約領域内、及び屈曲中に滑車溝内で移動し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域は、大腿骨コンポーネントの平坦化された近位前方フランジ領域を含み得る。様々な実施形態では、低減された制約領域は、遠位前方フランジ領域の約1パーセント~約20パーセントの長さを有し得る。様々な実施形態では、低減された制約領域は、1mm~約20mmの長さを有し得る。
【0009】
様々な実施形態では、低減された制約領域は、伸張及び/又は制約された屈曲度を下回る部分的な屈曲状態中に膝蓋骨が移動する、膝蓋骨経路の領域内に配置され得る。いくつかの実施形態では、低減された制約領域は、膝蓋骨が約0度の屈曲(すなわち、伸張又は完全伸張)中に移動する、膝蓋骨経路の領域に配置され得る。いくつかの実施形態では、制約された屈曲度は、約10度未満の屈曲であり得る。いくつかの実施形態では、制約された屈曲度は、約30度未満の屈曲であり得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域の長さは、膝蓋骨が屈曲の閾値パーセンテージの間に低減された制約領域内にあることを提供し得るか、又はそのように決定され得る。いくつかの実施形態では、屈曲の閾値パーセンテージは、約0度~約45度であり得る。
【0011】
様々な実施形態では、膝蓋骨は、膝蓋骨経路の滑車溝内と比較して、低減された制約領域の膝蓋骨経路内で増加した内側-側方運動を有し得る。いくつかの実施形態では、内側-側方運動の増加のパーセンテージは、約105パーセント~約150パーセントであり得る。いくつかの実施形態では、内側-側方運動の増加のパーセンテージは、約1mm~約20mmであり得る。様々な実施形態では、内側-側方運動の増加は、伸張(又は約5%未満の屈曲などの、実質的に伸張に近い)で達成され得る。
【0012】
様々な実施形態では、膝蓋骨は、膝蓋骨経路の滑車溝内と比較して、低減された制約領域の膝蓋骨経路内で増加した内部-外部回転を有し得る。いくつかの実施形態では、内部-外部回転の増加のパーセンテージは、約105パーセント~約150パーセントであり得る。様々な実施形態では、内部-外部回転の増加は、伸張(又は約5%未満の屈曲などの、実質的に伸張に近い)で達成され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域は、約150度~約180度の最大溝角によって特徴付けられ得る。様々な実施形態では、低減された制約領域は、約150度~約180度の平均溝角によって特徴付けられ得る。例示的な実施形態では、低減された制約領域は、約1mm~約2mmの最大溝深さによって特徴付けられ得る。例示的な実施形態では、低減された制約領域は、約1mm~約2mmの平均溝深さによって特徴付けられ得る。
【0014】
本開示は、隆起部分を有する人工膝関節インプラントの人工膝蓋骨を提供する。いくつかの実施形態では、隆起部分は、人工膝蓋骨の後面の遠位領域上に配置される。様々な実施形態では、隆起部分は、人工膝蓋骨が、大腿骨コンポーネントの低減された制約領域から滑車溝に移行する際に、大腿骨コンポーネントの滑車溝との人工膝蓋骨の係合を容易にするように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、隆起部分は、ラッパ状に広がって、外縁から後面の中心に移動するように形成され得る。様々な実施形態では、隆起部分は、約1mm~約5mmの高さを有し得る。いくつかの実施形態では、隆起部分の場所は、膝蓋骨が伸張において内側、側方、又は中心を辿るかどうかなどの、様々な因子に基づいて決定され得る。
【0016】
いくつか実施形態は、大腿骨コンポーネント及び人工膝蓋骨を有する膝関節インプラントシステムを提供し得る。大腿骨コンポーネントは、膝蓋骨経路の一部分上に配置された低減された制約領域を含み得る。低減された制約領域は、低減された制約領域上を移動する膝蓋骨の増加された運動の自由度を提供するように構成され得る。いくつかの実施態様では、増加した運動の自由度は、膝蓋骨の内側-側方運動及び/又は内部-外部回転に対するものであり得る。膝蓋骨経路は、低減された制約領域の下方に滑車溝の形態で制約領域を含み得る。いくつかの実施態様では、膝蓋骨は、伸張(又は部分屈曲)中に低減された制約領域内、及び屈曲中に滑車溝内で移動し得る。
【0017】
様々な実施形態では、膝蓋骨は、隆起部分を有し得る。いくつかの実施形態では、隆起部分は、人工膝蓋骨の後面の遠位領域上に配置される。様々な実施形態では、隆起部分は、人工膝蓋骨が、大腿骨コンポーネントの低減された制約領域から滑車溝に移行する際に、大腿骨コンポーネントの滑車溝との人工膝蓋骨の係合を容易にするように構成され得る。
【0018】
いくつか実施形態は、患者に大腿骨コンポーネント、脛骨コンポーネント、及び膝蓋骨を有する人工膝関節システムを移植する外科的方法を提供し得る。方法は、人工膝関節システムを患者の骨の解剖学的構造に固定するステップを含み得る。
【0019】
様々な実施形態では、大腿骨コンポーネントは、膝蓋骨経路の一部分上に配置された低減された制約領域を含み得る。低減された制約領域は、低減された制約領域上を移動する膝蓋骨の増加された運動の自由度を提供するように構成され得る。いくつかの実施態様では、増加した運動の自由度は、膝蓋骨の内側-側方運動及び/又は内部-外部回転に対するものであり得る。膝蓋骨経路は、低減された制約領域の下方に滑車溝の形態で制約領域を含み得る。いくつかの実施態様では、膝蓋骨は、伸張(又は部分屈曲)中に低減された制約領域内、及び屈曲中に滑車溝内で移動し得る。
【0020】
様々な実施形態では、人工膝蓋骨は、隆起部分を含み得る。いくつかの実施形態では、隆起部分は、人工膝蓋骨の後面の遠位領域上に配置される。様々な実施形態では、隆起部分は、人工膝蓋骨が、大腿骨コンポーネントの低減された制約領域から滑車溝に移行する際に、大腿骨コンポーネントの滑車溝との人工膝蓋骨の係合を容易にするように構成され得る。
【0021】
本開示の実施形態は、多数の利点を提供する。1つの非限定的な例示的な利点では、膝関節インプラントシステムは、例えば、膝関節が伸張し、膝蓋骨が屈曲するときに膝蓋骨と大腿骨との間の負荷移動のために適合する滑車に膝蓋骨を移行させている間に本来の膝蓋骨位置により多くの変動性が存在するときに、膝蓋骨に増加した運動の自由度を提供するように構成された低減された制約領域を有する大腿骨コンポーネントを含み得る。したがって、いくつかの実施形態による膝関節インプラントは、従来のシステムと比較して、より自然な膝蓋骨の運動を提供し得る。加えて、いくつかの実施形態による膝関節インプラントは、TKA後の大腿膝蓋骨関節の運動に起因する前膝関節の残存する痛み又は不快感を低減(又は更には排除)するように動作し得る。
【0022】
本開示の実施形態の少なくとも一部の更なる特徴及び利点、並びに本開示の様々な実施形態の構造及び動作が、添付図面を参照しながら以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
例として、本開示のデバイスの特定の実施形態は、次いで、以下の添付図面を参照して、説明される。
【
図1】従来の左人工膝関節の実施形態の斜視図を示す。
【
図2】伸張及び変化する屈曲度の間の人工膝関節の運動を示す、人工膝関節(例えば、大腿骨コンポーネント及び膝蓋骨)の様々な側面図を示す。
【
図3】本開示による大腿骨コンポーネントの実施形態の側面図を示し、大腿骨コンポーネントは、
図1及び
図2に示される人工膝関節と併せて使用され得る。
【
図4A】本開示による大腿骨コンポーネントの実施形態の正面図を示し、大腿骨コンポーネントは、
図1及び
図2に示される人工膝関節と併せて使用され得る。
【
図4B】本開示による大腿骨コンポーネントの代替的な実施形態の側面図を示し、大腿骨コンポーネントは、
図1及び
図2に示される人工膝関節と併せて使用され得る。
【
図4C】本開示による大腿骨コンポーネントの代替的な実施形態の正面図を示し、大腿骨コンポーネントは、
図1及び
図2に示される人工膝関節と併せて使用され得る。
【
図5A】本開示による大腿骨コンポーネントの実施形態の側面図及び対応する断面図を示し、大腿骨コンポーネントは、
図1及び
図2に示される人工膝関節と併せて使用され得る。
【
図5B】本開示による
図5Aの例示的な断面図に対する膝蓋骨軌道情報を示す。
【
図5C】本開示による
図5Aの例示的な断面図に対する膝蓋骨軌道情報を示す。
【
図6】本開示による大腿骨コンポーネントの実施形態の側面図及び対応する断面図を示し、大腿骨コンポーネントは、
図1及び
図2に示される人工膝関節と併せて使用され得る。
【
図7】本開示による膝蓋骨インプラントの実施形態の斜視図を示す。
【
図8】本開示による、シミュレートされた人工膝関節に対する膝関節屈曲度の間の膝蓋骨内側-側方トラッキングのグラフを示す。
【0024】
図面は必ずしも縮尺どおりではない。図面は、本開示の特定のパラメータを描写することを意図するものではなく、単なる表現である。図面は、本開示の例示的な実施形態を図示することを意図しており、したがって、範囲の限定とはみなされるべきではない。図面では、同様の番号は同様の要素を表す。
【0025】
更に、図の一部における特定の要素は、例示の明確さのために省略され得るか、又は縮尺どおりではなく例示され得る。断面図は、例示の明確さのために、「真の」断面図内で別様に視認可能な特定の背景線を省略する、「スライス」、又は「近視」断面図の形態であり得る。更に、明確さのために、いくつかの参照番号は、特定の図面では省略され得る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、改善された膝関節の実施形態は、本開示の好ましい実施形態が提示される添付図面を参照して、より完全に本明細書に説明される。説明及び例示されるように、いくつかの実施形態では、改善された人工膝関節は、人工膝関節で使用するための大腿骨コンポーネントを含み得、大腿骨コンポーネントは、膝関節の伸張及び屈曲中に膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントを係合及びガイドするための膝蓋骨経路を提供するように構成された関節運動表面を有する。いくつかの実施形態では、膝蓋骨経路は、低減された膝蓋骨制約(又は低減された制約)部分、領域、セグメント、又はエリア(区別する意図なしで本明細書で互換的に使用される用語)を含み得、これは、膝蓋骨経路のこの部分にわたって膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントが移動する際に、従来の大腿骨コンポーネントの膝蓋骨経路によって提供される運動の範囲と比較して、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの増加した運動の自由度を可能にするように構成されている。例えば、低減された制約領域は、従来の人工大腿骨コンポーネントの滑車溝又は膝蓋骨軌道内における移動中の膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの運動と比較して、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントのより大きい運動の自由度を容易にし得る。増加した運動の自由度は、限定なしで、内側-側方並進運動、内部-外部回転運動(例えば、膝蓋骨の傾斜)、及び/又は同様のものを含む、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの1つ以上の運動に対するものであり得る。
【0027】
本開示により詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、低減された制約領域は、大腿骨コンポーネントの近位前方フランジ上の平坦化された領域として構成され得る。様々な実施形態では、低減された制約領域は、膝蓋骨が伸張及び/又は部分的な屈曲状態の間に移動する、膝蓋骨経路の領域に配置され得る。
【0028】
様々な実施形態では、膝蓋骨経路は、低減された制約領域及び膝蓋骨制約(又は制約)領域を含み得る。様々な実施形態では、制約領域は、滑車溝又は膝蓋骨軌道であり得るか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネントは、従来の大腿骨コンポーネントの滑車溝と比較して、遠位大腿顆から上方より下に延在して、伸張及び/又は部分的な屈曲状態における膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントのより多くの運動の自由度を可能にする、制約領域(すなわち、滑車溝)を含み得る。
【0029】
図1を参照すると、既存の大腿骨コンポーネントは、切除された前骨の可能な限り大部分を覆うサイズ及び形状の前方フランジを含み、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントのための滑車溝は、前方フランジの上縁まで延在する。滑車溝(例えば、直線、角度付き、オフセット、S字曲線、漏斗、及び/又は同様のもの)並びに人工膝蓋骨(例えば、円形ドーム/ソンブレロ、中心化楕円、オフセット楕円、解剖学的構造、可動ベアリング、及び/又は同様のもの)を形成するための複数の設計が存在する。異なる方法が、大腿骨(例えば、前方-後方軸/Whiteside’s line、上顆、後顆、及び/又は同様のものに基づいて内部-外部回転を整列する)並びに膝蓋骨(内側化、高被覆率、内側化されたインプラントを用いて被覆されていない骨を除去するための側方椎間関節切除、非再表面化)を位置付けるために使用されている。
【0030】
全人工膝関節置換術(TKA)後の最も一般的な合併症は、顕著な患者集団で明らかとなった前膝関節の残存する痛みを伴う、大腿膝蓋骨の問題に関連する。TKA後の膝蓋骨合併症の発症の主な要因として、変形膝蓋骨運動が引用されている。例えば、従来の大腿骨インプラントでは、滑車溝又は膝蓋骨軌道は、自己骨の滑車溝よりも更に上方に延在する。したがって、従来の大腿骨インプラントとの膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの運動は、特に伸張において、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントが自己解剖学的構造で制限されない、膝蓋骨経路の一部分で拘束され得る。膝蓋骨経路の低減された制約領域を有する膝関節インプラントの大腿骨コンポーネントは、自己解剖学的構造における膝蓋骨の運動に対応するか、又はより厳密に対応する、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの運動の自由度を可能にし得る。
【0031】
したがって、いくつかの実施形態は、既存の膝関節インプラントよりも複数の技術的利点を提供し得る。技術的利点の1つの非限定的な例は、特に伸張及び/又は部分的な屈曲状態で、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの増加した運動の自由度を可能にする大腿膝蓋骨関節を提供するように構成された、大腿骨コンポーネント、及び様々な実施形態では、膝蓋骨インプラントを提供することを含み得る。技術的利点の別の非限定的な例は、自己解剖学的構造内の伸張及び/又は部分的な屈曲状態における膝蓋骨又は膝蓋骨インプラントの運動に対応するか、又はより厳密に対応する、増加した運動の自由度を可能にすることを含み得る。技術的利点の更なる非限定的な例は、低減された(又は更には排除された)大腿膝蓋骨の問題、特に大腿膝蓋骨関節の運動に起因する前膝関節の残存する痛み又は不快感を有する、膝関節インプラントを提供することを含み得る。
【0032】
図1は、左人工膝関節の実施形態の斜視図を示す。
図1に示されるように、人工膝関節100は、患者の大腿骨の遠位端と患者の脛骨の近位端との間の左膝関節の少なくとも一部分を置換するように設計され得る。人工膝関節100の鏡像(図示せず)は、患者の大腿骨の遠位端と患者の脛骨の近位端との間の右膝関節の少なくとも一部分を置換するように構成され得る。
【0033】
人工膝関節100は、患者の大腿骨の遠位端に取り付けるための大腿骨コンポーネント200と、患者の脛骨の近位端に取り付けるための脛骨コンポーネント300と、大腿骨コンポーネント200と脛骨コンポーネント300との間に位置付けられたインサート400と、を含み得る。大腿骨コンポーネント200は、内側顆区分202と、側方顆区分204と、内側及び側方顆区分202、204の前方部分214、216を一緒に接合する滑車溝206と、を含み得る。
【0034】
内側及び側方顆区分202、204は、互いに離れて配置されて、顆間凹部又はノッチ208を形成し得る。各顆区分202、204は、脛骨コンポーネント300又はインサート400を接触させ、係合させるためなどの外面210、212を有し得る。各顆区分202、204の外面210、212は、膝関節が伸張され、部分的に屈曲しているときに脛骨コンポーネント300又はインサート400の一部分を接触させ、係合させるためなどの遠位部分(図示せず)と、膝関節が実質的に90度以上の角度で屈曲されたときに脛骨コンポーネント300又はインサート400の一部分を接触させ、係合させるためなどの後方部分222、224と、を有し得る。
【0035】
前方フランジ250は、内側及び側方顆区分202、204、並びに顆間ノッチ208から近位に延在して、膝蓋骨又は膝蓋骨インプラント(図示せず、例えば、
図2参照)と関節運動し得る。
【0036】
いくつかの実施例では、大腿骨コンポーネント200は、TKAに必要な骨切除とほぼ一致する厚さを有し得る。様々な実施例では、大腿骨コンポーネント200は、内側顆区分202の幾何学的形状とは幾何学的形状が異なる側方顆区分204を有し得る。例えば、側方顆区分204の前方サイズは、内側顆区分202の前方サイズより大きくてもよい。いくつかの実施例では、大腿骨コンポーネント200は、丸みを帯びた内側輪郭を含み得る。実施例は、この文脈に限定されない。
【0037】
自己ヒト膝関節では、膝関節は、完全伸張から完全屈曲まで大腿顆上を滑走する。約20度~約30度の屈曲によって、膝蓋骨は、最初に滑車溝206内で関節運動を開始する。極端な屈曲では、膝蓋骨は、顆間凹部208に位置する。最初に、膝蓋骨の接触は、遠位に発生し、増加した屈曲とともに、最終的には、接触エリアが膝蓋骨上で近位にシフトする。膝蓋骨大腿接触力は、歩行時には実質的に体重であり、階段を登るときには体重の実質的に5倍まで増加する。したがって、これらの接触力は、特定の実施形態による人工関節が、TKA処置後の低減された(又は更には除去された)大腿膝蓋骨関節の痛み及び/又は不快感を有する膝関節インプラントを提供するために対処する、膝関節に対する実質的な負荷を課す。
【0038】
図2は、伸張及び変化する屈曲度の間の人工膝関節(例えば、大腿骨コンポーネント及び膝蓋骨)の運動を示す、人工膝関節の側面図を示す。
図2に示されるように、膝蓋骨265は、前方フランジ250に沿って、(完全)伸張270及び屈曲271~275(それぞれ、約30度、約60度、約90度、約120度、及び約150度の屈曲)中に、膝蓋骨経路260に沿って移動し得る。膝蓋骨経路260の点線は、伸張270及び様々な屈曲度271~275の間の大腿骨コンポーネント200の前面と接触する膝蓋骨265の移動の経路を示す。
【0039】
いくつかの実施形態では、膝蓋骨265は、自己ヒト膝蓋骨であってもよい。様々な実施形態では、膝蓋骨265は、人工膝蓋骨であってもよい。したがって、本明細書の膝蓋骨への言及は、別段の明示的な記載がない限り、自己ヒト膝蓋骨及び膝蓋骨インプラントの両方を含むことが意図される。いくつかの実施形態では、人工膝蓋骨は、限定なしで、円形ドーム/ソンブレロ、中心化楕円、オフセット楕円、解剖学的構造、及び可動ベアリングを含む、当業者に公知の様々な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、本開示により詳細に説明されるように、膝蓋骨265は、隆起した遠位部分(例えば、
図6参照)などの、1つ以上の隆起部分を含み得る。
【0040】
図3は、本開示による、例えば、人工膝関節100などの人工膝関節に使用され得る大腿骨コンポーネント500の実施形態の側面図を示す。
図3に示されるように、大腿骨コンポーネント500は、膝蓋骨経路560を含む。一実施形態では、膝蓋骨経路560は、前方フランジ550に沿って、経路開始領域510(伸張)から、顆間ノッチ508(屈曲)の経路端領域512まで延在する。膝蓋骨経路560の一部分は、例えば、移行領域511から開始領域510まで(又は、いくつかの実施形態では、前方フランジ550の頂部513まで)延在する、低減された制約領域505を含み得る。膝蓋骨経路560の別の部分は、例えば、端領域512(すなわち、顆間ノッチ508)から移行領域511まで延在する滑車溝506の形態の制約領域を含み得る。概して、移行領域511は、低減された制約領域505の下方開始部(すなわち、滑車溝506に最も近い端)と関連付けられた開始点、線、領域、又は他の要素であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、移行領域511は、滑車溝506と低減された制約領域505との間の漸進的な移行を提供し得る。例えば、滑車の適合性は、移行領域511の下方で開始して低減された制約領域505の遠位に徐々に発現し得る。
【0042】
様々な実施形態では、膝蓋骨(例えば、
図2の膝蓋骨265)は、大腿骨コンポーネント500が伸張(すなわち、0度の屈曲)又は制約された屈曲度を下回る部分的な屈曲にあるとき、低減された制約領域505内に位置付けられ得る(例えば、移動又は動き得る)。いくつかの実施形態では、制約された屈曲度は、約1°未満の屈曲、約1°の屈曲、約2°の屈曲、約3°の屈曲、約4°の屈曲、約5度の屈曲、約10度の屈曲、約15度の屈曲、約20度の屈曲、約30度の屈曲、約60度の屈曲、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、膝蓋骨は、大腿骨コンポーネント500の伸張及び屈曲中に、低減された制約領域505及び滑車溝506を通って移動し得る。
【0043】
図4Aは、本開示による、例えば、人工膝関節100などの人工膝関節に使用され得る大腿骨コンポーネント500の実施形態の正面図を示す。
図4Aに示されるように、大腿骨コンポーネント500は、大腿骨コンポーネント500の一部分上に形成された低減された制約領域505を含み得る。いくつかの実施形態では、場所、サイズ、及び/又は他の特性は、前方フランジ550、内側前方部分514、側方前方部分516、関節表面及び/若しくはその部分、内側顆区分502、側方顆区分504、(遠位)膝関節切除エリア若しくは境界、並びに/又は同様のものなどの、大腿骨コンポーネント500の様々な部分に関して基づき得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域505は、前方フランジ550の上方部分に形成され得る。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505は、例えば、前方フランジ550(又は開始領域510)の頂部又は上方領域513から移行領域511まで延在する、長さ540を有し得る。概して、低減された制約領域505の長さ540は、従来の膝関節インプラントと比較して、低減された制約領域505内の膝蓋骨のより多くの運動の自由度を可能にするために、遠位大腿骨顆502、504から上方より下に延在する滑車溝506を大腿骨コンポーネント500に提供するように決定され得る。
【0045】
様々な実施形態では、低減された制約領域505の長さ540は、顆間ノッチ508の反対側の端における大腿骨コンポーネント500又は前方フランジ550の前方-後方長さのパーセンテージ(すなわち、例えば、大腿骨コンポーネント500の遠位部分又は前方フランジ550において、低減された制約領域505によって覆われる、大腿骨コンポーネント500又は前方フランジ550の遠位部分の長さのパーセンテージ)に基づいて決定され得る。例えば、低減された制約領域505の長さ540は、大腿骨コンポーネント500の約1パーセント未満、約5%未満、約10%未満、約15パーセント未満、約20パーセント未満、約30パーセント未満、約40パーセント未満、約50パーセント未満、約60パーセント未満、約70パーセント未満、約80パーセント未満、約90パーセント未満、約100パーセント未満、約1パーセント、約5パーセント、約10パーセント、約15パーセント、約20パーセント、約30パーセント、約40パーセント、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、約95パーセント、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の長さのパーセンテージであり得る。例えば、低減された制約領域505の長さ540は、前方フランジ550の約1パーセント未満、約5%未満、約10%未満、約15パーセント未満、約20パーセント未満、約30パーセント未満、約40パーセント未満、約50パーセント未満、約60パーセント未満、約70パーセント未満、約80パーセント未満、約90パーセント未満、約100パーセント未満、約1パーセント、約5パーセント、約10パーセント、約15パーセント、約20パーセント、約30パーセント、約40パーセント、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、約95パーセント、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の長さのパーセンテージであり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域505の長さ540は、離散値であってもよい。例えば、低減された制約領域505の長さ540は、約0.25mm未満、約0.5mm未満、約1mm未満、約2mm未満、約3mm未満、約4mm未満、約5mm未満、約6mm未満、約7mm未満、約8mm未満、約9mm未満、約10mm未満、約11mm未満、約12mm未満、約13mm未満、約14mm未満、約15mm未満、約16mm未満、約17mm未満、約18mm未満、約19mm未満、約20mm未満、約21mm未満、約22mm未満、約23mm未満、約24mm未満、約25mm未満、約0.25mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域505の長さ540は、膝蓋骨が屈曲の閾値パーセンテージ(伸張は約0度の屈曲)の間に低減された制約領域505内に留まることを確保し得るか、又はそのように決定され得る。例えば、屈曲の閾値パーセンテージは、約0度の屈曲、約1度未満の屈曲、約5度未満の屈曲、約10度未満の屈曲、約15度未満の屈曲、約20度未満の屈曲、約25度未満の屈曲、約30度未満の屈曲、約35度未満の屈曲、約40度未満の屈曲、約45度未満の屈曲、約50度未満の屈曲、約55度未満の屈曲、約60度未満の屈曲、約1°の屈曲、約5度の屈曲、約10度の屈曲、約15度の屈曲、約20度の屈曲、約25度の屈曲、約30度の屈曲、約35度の屈曲、約40度の屈曲、約45度の屈曲、約50度の屈曲、約55度の屈曲、約60度の屈曲、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であり得る。
【0048】
様々な実施形態では、低減された制約領域505の幅541は、大腿骨コンポーネント500の前方-後方幅のパーセンテージ(すなわち、低減された制約領域505によって覆われる大腿骨コンポーネント500又は前方フランジ550の幅のパーセンテージ)に基づいて決定され得る。例えば、低減された制約領域505の幅541は、大腿骨コンポーネント500の約1パーセント未満、約5%未満、約10%未満、約15パーセント未満、約20パーセント未満、約30パーセント未満、約40パーセント未満、約50パーセント未満、約60パーセント未満、約70パーセント未満、約80パーセント未満、約90パーセント未満、約100パーセント未満、約1パーセント、約5パーセント、約10パーセント、約15パーセント、約20パーセント、約30パーセント、約40パーセント、約50パーセント、約60パーセント、約70パーセント、約80パーセント、約90パーセント、約95パーセント、約100パーセント、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の幅のパーセンテージであり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、低減された制約領域505の幅541は、離散値(例えば、大腿骨コンポーネント500の正中線に均等に跨る)であってもよい。例えば、低減された制約領域505の幅541は、約0.25mm未満、約0.5mm未満、約1mm未満、約2mm未満、約3mm未満、約4mm未満、約5mm未満、約6mm未満、約7mm未満、約8mm未満、約9mm未満、約10mm未満、約11mm未満、約12mm未満、約13mm未満、約14mm未満、約15mm未満、約16mm未満、約17mm未満、約18mm未満、約19mm未満、約20mm未満、約21mm未満、約22mm未満、約23mm未満、約24mm未満、約25mm未満、約0.25mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、約25mm、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であり得る。
【0050】
したがって、
図4Aに示されるように、いくつかの実施形態は、適合する滑車溝が典型的にある近位前方フランジ550領域に、低減された制約(すなわち、平坦化された)領域505を有する大腿骨コンポーネント500を含む膝関節インプラントを提供し得る。様々な実施形態では、滑車溝506の滑車の適合性は、移行領域511の下の低減された制約領域505の遠位に徐々に発現し得る。
【0051】
図4Bは、本開示による、例えば、人工膝関節100などの人工膝関節に使用され得る大腿骨コンポーネント500の代替的な実施形態の側面図を示す。例示されたように、いくつかの実施形態では、移行領域511(すなわち、低減された制約領域505の開始部)は、遠位内側関節表面502又は遠位側方関節表面504に基づき得る。例えば、移行領域511は、内側関節表面502の端514又は遠位側方関節表面504の端515からの距離(すなわち、距離D)であってもよい。様々な実施形態では、移行領域511は、膝切除領域516に基づいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、移行領域511は、限定なしで、約5mm、約10mm、15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約35mm、約40mm、約45mm、約50mm、約60mm、約70mm、約80mm、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)を含む、端514、端515、及び/又は領域516に対して上方の離散距離であり得る。
【0052】
図4Cは、本開示による、例えば、人工膝関節100などの人工膝関節に使用され得る大腿骨コンポーネント500の代替的な実施形態の正面図を示す。いくつかの実施形態では、大腿骨コンポーネント500は、例えば、移行領域511で、又はそのすぐ上に、切断される前方先端570を含む。そのような実施形態では、低減された制約領域505は、移行領域511から端領域517まで延在し得る。いくつかの実施形態では、
図4Cの実施形態における低減された制約領域505の長さ540は、約1mm、約5mm、約10mm、約20mm、及び/又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値若しくは範囲(端点を含む)であり得る。
【0053】
様々な実施形態では、
図4A及び
図4Cを参照すると、滑車溝506及び低減された制約領域505は、膝蓋骨の異なる運動の自由度を有する、膝蓋骨経路部分560a、560bを提供するように動作し得る。例えば、膝蓋骨は、滑車溝506に位置する経路部分560aと比較して、低減された制約領域505に位置する経路部分560b内の増加した内側-側方運動を有し得る。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505は、滑車溝506と比較して、低減された制約領域505内で内側-側方運動の増加のパーセンテージを提供するように構成され得る。例えば、膝蓋骨は、滑車溝506内の制約された内側-側方運動値又は範囲(例えば、1mm)と、低減された制約領域505内の増加した内側-側方運動値又は範囲と、を有し得る(例えば、低減された制約領域505内の増加した内側-側方運動値又は範囲は、滑車溝506内の制約された内側-側方運動値又は範囲にわたる増加のパーセンテージであり得る)。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505内の内側-側方運動の増加のパーセンテージは、約105パーセント、約110パーセント、約125パーセント、約150パーセント、約300パーセント、約300パーセント、約400パーセント、約500パーセント、約1000パーセント、約1000パーセント超、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であり得る。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505は、例えば、約0.25mm、約0.5mm、約1mm、約5mm、約10mm、約20mm、約20mm超、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の、滑車溝506と比較して、低減された制約領域505内の内側-側方運動の離散値(又は従来のデバイスと比較した運動の増加)を提供するように構成され得る。
【0054】
別の実施例では、膝蓋骨は、滑車溝506の経路部分560aに提供される内部-外部回転と比較して、低減された制約領域505の経路部分560b内の増加した内部-外部回転を有し得る。例えば、膝蓋骨は、滑車溝506内の制約された内部-外部回転値又は範囲と、低減された制約領域505内の増加した内部-外部回転値又は範囲と、を有し得る(例えば、低減された制約領域505内の増加した内部-外部回転値又は範囲は、滑車溝506内の制約された内部-外部回転値又は範囲にわたる増加のパーセンテージであり得る)。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505内の内部-外部回転の増加のパーセンテージは、約105パーセント、約110パーセント、約125パーセント、約150パーセント、約300パーセント、約300パーセント、約400パーセント、約500パーセント、約1000パーセント、約1000パーセント超、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であり得る。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505は、例えば、約1°、約5度、約10度、約20度、約30度、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の、滑車溝506と比較して、低減された制約領域505内の内部-外部回転の離散値を提供するように構成され得る。
【0055】
様々な実施形態では、1つ以上の停止部575(
図4A)は、低減された制約領域505内に配置され得る。概して、停止部575は、内側-側方運動などの、膝蓋骨の運動の自由度に限界又は境界を提供するように位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、停止部575は、限定なしで、突起部、バンプ、リッジ、及び/又は同様のものであり得るか、又はそれらを含み得る。
【0056】
代替的な実施形態では、大腿骨コンポーネント500の前方フランジ570は、例えば、低減された制約領域505の上方開始場所において切断され得、及び/又は低減された制約領域505を「平坦化する」代わりに低減された制約領域505の適合性(例えば、溝深さ、溝角)を低減し得る。
【0057】
図5Aは、本開示による、例えば、人工膝関節100などの人工膝関節に使用され得る大腿骨コンポーネント500の実施形態の側面図及び対応する断面図を示す。
図5Aに示されるように、低減された制約領域505を通る横断面
図610~616は、本開示の特徴による大腿骨コンポーネントの例示的な実施形態と、例えば、前方フランジの頂部まで延在する滑車溝又は他の制約領域を有する例示的な従来のデバイスとの間の対比を例示する。例示されるように、本開示の1つ以上の特徴による、低減された制約領域を含む大腿骨コンポーネント500は、影付きで示されている。例示的な従来のインプラントは、影なしで示されている。
図5Aに示されるように、低減された制約領域505は、例示的な従来のデバイスの同じ領域よりも平坦であり得る。
【0058】
図5Bは、本開示による
図5Aの例示的な断面図に対する膝蓋骨軌道情報を示す。低減された制約又は低減された制約領域505の「平坦性」は、溝角、溝深さ、及び/又は同様のものなどの、様々な制約因子と対応し得る。
図650は、
図5Aの断面611の例示的な従来のデバイスに対する溝角測定を図示する。概して、溝角SA-01は、両方の顆の隆起を通って交差する溝角線SAL-01及びSAL-02を使用して測定され得る。
図651は、
図5Aの断面611の本開示の1つ以上の特徴による、大腿骨コンポーネント500に対する溝角SA-02を図示する。
図5Bに示されるように、大腿骨コンポーネントの同じ領域について、SA-02>SA-01である。概して、例示的な従来のデバイスの滑車溝に対する溝角は、約160度未満、約150度未満、又はより典型的には、約145度未満であり得る。比較では、低減された制約領域505は、約145度超、約150度超、約160度超、約170度超、約180度以上、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)を有するエリアを有し得る。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505内の溝角は、約150度超であり得る。様々な実施形態では、低減された制約領域505内の溝角は、約160度超であり得る。低減された制約領域505内の溝角は、最大値又は平均値であってもよい。
【0059】
図652は、
図5Aの断面611の例示的な従来のデバイスに対する溝深さ測定を図示する。概して、溝深さは、内側及び側方大腿顆の前縁に接して引かれた線と溝の最も深い部位との間の距離として測定され得る。溝深さD-01は、例示的な従来のデバイスに対する接線の深さの線DL-01に基づいて測定され得る。
図652は、本開示の1つ以上の特徴に従って構成されたデバイスの同じ領域に対する接線DL-02に基づく溝深さD-02を図示する。
図5Bに示されるように、D-02<D-01である。いくつかの実施形態では、低減された制約領域505のエリアの溝深さは、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約0.5mm未満、約0.25mm未満、約0mm未満、又はこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)であり得る。
【0060】
図5Cは、本開示による
図5Aの例示的な断面図に対する膝蓋骨軌道情報を示す。
図654は、
図5Aの断面611の例示的な従来のデバイスに対する溝角測定を図示する。
図5Cに示されるように、複数の溝角が、様々な解剖学的基準点に基づいて決定され得る。例えば、側方溝角LSA-01又は内側溝角MSA-01は、内側-側方軸670に対して決定され得る。いくつかの実施形態では、内側-側方軸670は、Whiteside’s line、前方-後方軸、上顆軸、後顆軸、及び/又は同様のものに対して画定され得る。側方溝角LSA-01は、SAL-03(又は他の溝角基準線)と内側-側方軸670との間の角度であり得る、及び/又は内側溝角MSA-01は、SAL-04(又は他の溝角基準線)と内側-側方軸670との間の角度であり得る。
【0061】
図6は、本開示による、例えば、人工膝関節100などの人工膝関節に使用され得る大腿骨コンポーネント700の実施形態の側面図及び対応する断面図を示す。大腿骨コンポーネント700の1つ以上の特徴によると、大腿骨コンポーネント700は、低減された制約領域705を有する膝蓋骨経路を含む。大腿骨コンポーネント700の特徴によると、低減された制約領域705は、前方フランジ上に完全に平坦な表面として提供され得る。
【0062】
図6に示されるように、低減された制約領域705を通る横断面
図710~716は、本開示の特徴による、前方フランジ上に完全に平坦な表面を有する大腿骨コンポーネントの例示的な実施形態と、例えば、前方フランジの頂部まで延在する滑車溝又は他の制約領域を有する例示的な従来のデバイスとの間の対比を例示する。例示されるように、本開示の1つ以上の特徴による、低減された制約領域を含む大腿骨コンポーネント700は、影付きで示されている。例示的な従来のインプラントは、影なしで示されている。
図6に示されるように、低減された制約領域705は、完全に平坦であり、したがって、例示的な従来のデバイスの同じ領域よりも平坦である。
【0063】
図7は、本開示による膝蓋骨インプラント800の実施形態の斜視図を示す。伸張(及び部分的な屈曲の特定の状態)では、膝蓋骨インプラント800は、様々な潜在的な内側-側方位置で、低減された制約領域に位置し得る。膝が屈曲し始めると、大腿骨コンポーネント及び膝蓋骨インプラント800の滑車溝は、膝蓋骨インプラント800を幅広い潜在的な内側-側方位置から滑車溝内にガイドする必要がある。したがって、いくつかの実施形態では、屈曲よりも伸張における機能的接触エリアである可能性がより高い、膝蓋骨インプラント800の後面の遠位部分は、初期屈曲中に、滑車溝(又は他の制約領域)内への膝蓋骨インプラント800の移行を支援するように形成され得る。
【0064】
図7に示されるように、いくつかの実施形態による膝蓋骨インプラント800は、膝蓋骨インプラント800の後面802の遠位領域上に配置された隆起又は移行部分804を有し得る。屈曲中、膝蓋骨インプラント800が、低減された制約領域から滑車溝(又は他の制約領域)に移動すると、膝蓋骨インプラント800の隆起部分804は、膝蓋骨インプラント800を滑車溝内にガイドするように動作し得る。
図7に示されるように、隆起部分804は、ラッパ状に広がって、外縁から後面802の中心に移動するように形成され得る。
【0065】
膝蓋骨インプラント800は、金属、セラミック、複合材料、繊維強化複合材料、ポリマー、超高架橋ポリエチレン(UHXLPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、それらの組み合わせ、及び/又は同様のものを含む、当業者に公知の様々な材料で形成され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、隆起部分804は、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の高さ(例えば、後面802の最下点と隆起部分804の最高点との間の差に基づく)を有し得る。いくつかの実施形態では、隆起部分804は、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、及びこれらの値のうちのいずれか2つの間の任意の値又は範囲(端点を含む)の長さを有し得る。いくつかの実施形態では、隆起部分804の場所は、膝蓋骨インプラント800が伸張において内側、側方、又は中心を辿るかどうかなどの、様々な因子に基づいて決定され得る。様々な実施形態では、低減された制約領域の溝角及び/又は溝深さは、隆起部分の高さに基づいて決定され得る。
【0067】
図8は、本開示による、シミュレートされた人工膝関節に対する膝関節屈曲度の間の膝蓋骨内側-側方トラッキングのグラフを示す。グラフ905は、San Clemente、California、United StatesのLifeModelerによって生産されたLifeMOD(商標)/KneeSIMを介して生成された膝関節インプラントシミュレーションデータを図示する。より具体的には、グラフ905は、典型的な3°の外部回転(910)に位置付けられた既存のインプラントを比較する、膝蓋骨の初期位置が典型的な患者よりも側方かつ上方である条件についての脛骨に対する膝蓋骨内側-側方トラッキングの膝関節インプラントシミュレーションデータを図示し、典型的な3°の外部回転(910)は、8°の外部回転(911)、及び13°の外部回転(912)と比較され、増加した外部回転は、膝が伸張する際の膝蓋骨の側方移行を平滑化する。グラフ913は、本開示の1つ以上の特徴に従って修正されたインプラントを例示し、修正されたインプラントは、低減された制約領域(すなわち、平坦化された滑車)を含む。例示されるように、低減された制約領域は、膝が伸張する際の、加えて、膝関節の屈曲バランスに影響する欠点なしで、膝蓋骨の側方移行を平滑化する。グラフ914は、低減された制約領域を含むように修正されたインプラントを例示し、低減された制約領域は、増加した膝蓋骨の自由度を提供する、完全に平坦化された表面を含む。
【0068】
本開示は特定の実施形態を指すが、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本開示の領域及び範囲から逸脱することなく、説明された実施形態に対する多数の修正、変更、及び変化が可能である。したがって、本開示は、説明される実施形態に限定されないが、以下の特許請求の範囲の文言及びその均等物によって定義される全範囲を有することが意図される。任意の実施形態の考察は、説明のみを目的とし、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの実施形態に限定されることを示唆することを意図するものではない。言い換えれば、本開示の例示的な実施形態が本明細書に詳細に説明されているが、本発明の概念は、別様に様々に具現化及び採用され得ることが理解されるべきである。
【0069】
上述の考察は、例示及び説明の目的で提示されており、本明細書に開示される形態への開示を制限することを意図していない。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示の合理化を目的のために、1つ以上の実施形態又は構成で一緒にグループ化されている。しかしながら、当然のことながら、本開示の特定の実施形態又は構成の様々な特徴は、代替的な実施形態又は構成で組み合わせられてもよい。
【0070】
本明細書で使用される場合、単数形で列挙され、かつ「a」又は「an」という用語で先行される要素又はステップは、複数の要素又はステップの排除が明示的に列挙されない限り、複数の要素又はステップを排除しないものとして理解されるべきである。更に、本開示の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を排除すると解釈されることを意図していない。
【0071】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」、「1つ以上の」、及び/又は「及び/又は」という語句は、実施における接続性及び分離性の両方を有する非限定的表現である。「a」(又は「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。全ての方向の参照(例えば、近位、遠位、上、下、上向き、下向き、左、右、側方、長手方向、前、後、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、及び反時計回り)は、特に本開示の位置、配向、又は使用に関して、読み手の本開示の理解を助けるための識別目的のみに使用され、限定を生じさせない。
【0072】
接続の参照(例えば、係合、取り付け、結合、接続、固定、装着、接合、及び/又は同様のもの)は、広く解釈されるべきであり、別途示されない限り、要素の集合間、及び要素間の運動に対する中間部材を含み得る。そのため、接続の参照は、2つの要素が直接接続され、互いに固定関係にあることを必ずしも推定しない。全ての回転の参照は、様々な要素間の相対運動を説明する。識別の参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性又は優先順位を示すことを意図しておらず、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。図面は例示のみを目的としており、本明細書に添付された図面に反映される寸法、位置、順序、及びサイズに対する相対性は、変更され得る。
【国際調査報告】