(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230929BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20230929BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518801
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2021121583
(87)【国際公開番号】W WO2022068853
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011055119.0
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴン ホンウェイ
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045BB15
5F045EE14
5F045EJ02
5F045GB05
5F045GB17
5F131AA02
5F131AA32
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5F131BA04
5F131BA19
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5F131EA03
5F131EA04
5F131EA05
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
本発明は温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置を開示する。該装置は、プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得するための温度監視ユニットと、温度監視ユニットが取得した温度に基づいてウエハの温度変化速度を計算し、温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、温度変化速度を温度変化速度範囲内に制御するように通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は吸気機構に第2制御信号を送信するためのコントローラと、空気圧を調整することによりウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第1制御信号に応じてプロセスチャンバ内にガスを導入するための通気機構と、空気圧を調整することによりウエハの温度変化速度を制御するように、受信された第2制御信号に応じて吸気するための吸気機構と、を備える。本発明はシリコンウエハの降温速度の正確な制御を実現し、且つ粒子汚染の問題を回避することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス装置のプロセスチャンバに応用される温度変化速度の制御装置であって、
温度監視ユニットと、前記温度監視ユニットに接続されるコントローラと、いずれも前記コントローラに接続される通気機構及び吸気機構と、を備え、
前記温度監視ユニットは、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得するためのものであり、
前記コントローラは、前記温度監視ユニットが取得した温度に基づいて前記ウエハの温度変化速度を計算し、前記温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、前記温度変化速度を前記温度変化速度範囲内に制御するように前記通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は前記吸気機構に第2制御信号を送信するためのものであり、
前記通気機構は、前記プロセスチャンバに連通しており、前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入するためのものであり、
前記吸気機構は、前記プロセスチャンバに連通しており、前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気するためのものであることを特徴とする温度変化速度の制御装置。
【請求項2】
前記温度監視ユニットは前記プロセスチャンバの外部に設置される非接触式温度測定素子を備え、前記非接触式温度測定素子は前記プロセスチャンバの頂壁における誘電体窓に対応する位置に位置し、前記誘電体窓を介して前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度を取得して前記コントローラに送信するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の温度変化速度の制御装置。
【請求項3】
前記通気機構は前記プロセスチャンバに連通している通気管路を備え、前記通気管路には前記コントローラに電気的に接続される通気弁が設けられ、前記コントローラは前記通気弁に前記第1制御信号を送信するためのものであり、前記通気弁は前記通気管路を接続又は切断するように前記第1制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の温度変化速度の制御装置。
【請求項4】
前記吸気機構は前記プロセスチャンバに連通している吸気管路を備え、前記吸気管路には前記コントローラに電気的に接続される排気弁が設けられ、前記コントローラは前記排気弁に前記第2制御信号を送信するためのものであり、前記排気弁は前記吸気管路を接続又は切断するように前記第2制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の温度変化速度の制御装置。
【請求項5】
半導体プロセス装置であって、
プロセスチャンバと、請求項1~4のいずれか1項に記載の温度変化速度の制御装置と、を備えることを特徴とする半導体プロセス装置。
【請求項6】
前記プロセスチャンバ内にブラケット及び冷却盤が設けられ、前記ブラケットはウエハを前記冷却盤の上方に支持して、前記ウエハと前記冷却盤との間に隙間を持たせるためのものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体プロセス装置。
【請求項7】
前記プロセスチャンバの頂壁に誘電体窓が設けられ、前記温度監視ユニットは前記プロセスチャンバの外部に設置される非接触式温度測定素子を備え、前記非接触式温度測定素子は前記誘電体窓に対応する位置に位置し、前記誘電体窓を介してプロセスチャンバ内に位置する前記処理対象部材の温度を取得するためのものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体プロセス装置。
【請求項8】
半導体プロセス装置のプロセスチャンバに応用される温度変化速度の制御方法であって、
請求項1~4のいずれか1項に記載の温度変化速度の制御装置を用い、前記温度変化速度の制御方法は、
前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得することと、
前記温度に基づいて前記ウエハの温度変化速度を計算し、且つ前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲内にあるか否かを判断し、前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、前記ウエハの温度変化速度を制御するように前記通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は前記吸気機構に第2制御信号を送信し、前記通気機構は前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入し、前記吸気機構は前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気することと、
次に、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、
前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲内にある場合、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、を含むことを特徴とする温度変化速度の制御方法。
【請求項9】
前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、前記通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は前記吸気機構に第2制御信号を送信することは具体的に、
前記ウエハの温度変化速度が前記温度変化速度範囲を上回るか、それとも前記温度変化速度範囲を下回るかを判断することと、
前記ウエハの温度変化速度が前記温度変化速度範囲を上回る場合、前記吸気機構に前記第2制御信号を送信することにより、前記吸気機構が前記プロセスチャンバ内の空気圧を減少させるように受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気するようにし、次に、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、
前記ウエハの温度変化速度が前記温度変化速度範囲を下回る場合、前記通気機構に第1制御信号を送信することにより、前記通気機構が前記プロセスチャンバ内の空気圧を増加させるように受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入するようにし、次に、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の温度変化速度の制御方法。
【請求項10】
前記通気機構は前記プロセスチャンバに連通している通気管路を備え、前記通気管路には前記コントローラに電気的に接続される通気弁が設けられ、前記コントローラは前記通気弁に前記第1制御信号を送信するためのものであり、前記通気弁は前記通気管路を接続又は切断するように前記第1制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものであり、前記吸気機構は前記プロセスチャンバに連通している吸気管路を備え、前記吸気管路には前記コントローラに電気的に接続される排気弁が設けられ、前記コントローラは前記排気弁に前記第2制御信号を送信するためのものであり、前記排気弁は前記吸気管路を接続又は切断するように前記第2制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものであり、
前記吸気機構に前記第2制御信号を送信することにより、前記吸気機構が受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気するようにすることは具体的に、
前記排気弁を制御して第1所定時間開弁させてから閉弁させることを含み、
前記通気機構に第1制御信号を送信することにより、前記通気機構が受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入するようにすることは具体的に、
前記通気弁を制御して第2所定時間開弁させてから閉弁させることを含むことを特徴とする請求項9に記載の温度変化速度の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体集積回路の製造技術分野に関し、より具体的に、温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
28nm以下の技術世代の粒子の寸法及び粒子の数への要求が絶えず高まっているにつれて、シリコンウエハの加工過程において発生した粒子がプロセス結果に与える影響もますます明らかになり、これにより、プロセス過程における粒子の数を減少させることは非常に重要である。集積回路のトレンチ及び線幅の寸法が非常に小さいため、微小な粒子でもシリコンウエハのプロセス結果に大きな損害、例えば異なる導線の接続、同一導線の切断・接続、正孔の形成による一層大きなエネルギー消費量及び発熱などを与える恐れもある。これらの問題が発生したシリコンウエハにおいてチップユニットを製造すれば、チップユニットが使用できなくなって廃棄される恐れがあり、このため、製品の歩留まりを低下させてしまう。
【0003】
28nm以下の技術世代、特に14nm~7nm及びこれ以下の技術世代の粒子への要求は主に以下の2つの面に体現される。粒子の寸法がより小さく、ひいては10nm以下に達するように求められる一方、粒子の数がより少ないように求められ、一般的に10粒以下に安定化するように求められる。
【0004】
且つ、プロセス過程において発生した粒子を厳しく制御することに加えて、シリコンウエハのプロセスチャンバ外での搬送過程において発生した粒子も特に注意を払う必要がある。代表的な物理気相成長プロセス過程を例とし、シリコンウエハはプロセスを完了した後にいずれも不活性ガス環境において冷却されなければ、大気環境に搬出できない。
【0005】
現在、通常の冷却プロセスは、
1.シリコンウエハを冷却チャンバに搬入して、ブラケット上に搬送し、
2.シリコンウエハをブラケットとともに冷却盤に落とし、
3.冷却チャンバ内の空気圧を設定空気圧に達するように通気弁を開弁して冷却チャンバに不活性ガスを導入し、且つ所定時間経過してから閉弁し、
4.シリコンウエハを上記設定空気圧下で所定時間冷却し、
5.シリコンウエハを冷却チャンバから搬出する。
【0006】
しかし、プロセスを完了したシリコンウエハは冷却チャンバにおいて上記冷却プロセスを行った後、粒子が基準を超える問題が生じることとなり、14nm~7nm及びこれ以下の技術世代の粒子への要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置を提供することであり、プロセスチャンバ内のウエハの温度変化速度の制御を実現し、ウエハの冷却が速すぎることによる粒子汚染の問題を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様では、本発明は温度変化速度の制御装置を提供し、半導体プロセス装置のプロセスチャンバに応用され、温度監視ユニットと、前記温度監視ユニットに接続されるコントローラと、いずれも前記コントローラに接続される通気機構及び吸気機構と、を備え、
前記温度監視ユニットは、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得するためのものであり、
前記コントローラは、前記温度監視ユニットが取得した温度に基づいて前記ウエハの温度変化速度を計算し、前記温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、前記温度変化速度を前記温度変化速度範囲内に制御するように前記通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は前記吸気機構に第2制御信号を送信するためのものであり、
前記通気機構は、前記プロセスチャンバに連通しており、前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入するためのものであり、
前記吸気機構は、前記プロセスチャンバに連通しており、前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気するためのものである。
【0009】
選択肢として、前記温度監視ユニットは前記プロセスチャンバの外部に設置される非接触式温度測定素子を備え、前記非接触式温度測定素子は前記プロセスチャンバの頂壁における誘電体窓に対応する位置に位置し、前記誘電体窓を介して前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度を取得して前記コントローラに送信するためのものである。
【0010】
選択肢として、前記通気機構は前記プロセスチャンバに連通している通気管路を備え、前記通気管路には前記コントローラに電気的に接続される通気弁が設けられ、前記コントローラは前記通気弁に前記第1制御信号を送信するためのものであり、前記通気弁は前記通気管路を接続又は切断するように前記第1制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものである。
【0011】
選択肢として、前記吸気機構は前記プロセスチャンバに連通している吸気管路を備え、前記吸気管路には前記コントローラに電気的に接続される排気弁が設けられ、前記コントローラは前記排気弁に前記第2制御信号を送信するためのものであり、前記排気弁は前記吸気管路を接続又は切断するように前記第2制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものである。
【0012】
第2態様では、本発明は半導体プロセス装置を提供し、プロセスチャンバと、第1態様に記載の温度変化速度の制御装置と、を備える。
【0013】
選択肢として、前記プロセスチャンバ内にブラケット及び冷却盤が設けられ、前記ブラケットはウエハを前記冷却盤の上方に支持して、前記ウエハと前記冷却盤との間に隙間を持たせるためのものである。
【0014】
選択肢として、前記プロセスチャンバの頂壁に誘電体窓が設けられ、前記温度監視ユニットは前記プロセスチャンバの外部に設置される非接触式温度測定素子を備え、前記非接触式温度測定素子は前記誘電体窓に対応する位置に位置し、前記誘電体窓を介してプロセスチャンバ内に位置する前記処理対象部材の温度を取得するためのものである。
【0015】
第3態様では、本発明は更に温度変化速度の制御方法を提供し、半導体プロセス装置のプロセスチャンバに応用され、第1態様に記載の温度変化速度の制御装置を用い、前記温度変化速度の制御方法は、
前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得することと、
前記温度に基づいて前記ウエハの温度変化速度を計算し、且つ前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲内にあるか否かを判断し、前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、前記ウエハの温度変化速度を制御するように前記通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は前記吸気機構に第2制御信号を送信し、前記通気機構は前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入し、前記吸気機構は前記プロセスチャンバの空気圧を調整することにより前記ウエハの温度変化速度を制御するように、受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気することと、
次に、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、
前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲内にある場合、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、を含む。
【0016】
選択肢として、前記ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、前記通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は前記吸気機構に第2制御信号を送信することは具体的に、
前記ウエハの温度変化速度が前記温度変化速度範囲を上回るか、それとも前記温度変化速度範囲を下回るかを判断することと、
前記ウエハの温度変化速度が前記温度変化速度範囲を上回る場合、前記吸気機構に前記第2制御信号を送信することにより、前記吸気機構が前記プロセスチャンバ内の空気圧を減少させるように受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気するようにし、次に、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、
前記ウエハの温度変化速度が前記温度変化速度範囲を下回る場合、前記通気機構に第1制御信号を送信することにより、前記通気機構が前記プロセスチャンバ内の空気圧を増加させるように受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入するようにし、次に、前記プロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得する前記ステップに戻ることと、を含む。
【0017】
選択肢として、前記通気機構は前記プロセスチャンバに連通している通気管路を備え、前記通気管路には前記コントローラに電気的に接続される通気弁が設けられ、前記コントローラは前記通気弁に前記第1制御信号を送信するためのものであり、前記通気弁は前記通気管路を接続又は切断するように前記第1制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものであり、前記吸気機構は前記プロセスチャンバに連通している吸気管路を備え、前記吸気管路には前記コントローラに電気的に接続される排気弁が設けられ、前記コントローラは前記排気弁に前記第2制御信号を送信するためのものであり、前記排気弁は前記吸気管路を接続又は切断するように前記第2制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものであり、
前記吸気機構に前記第2制御信号を送信することにより、前記吸気機構が受信された前記第2制御信号に応じて前記プロセスチャンバを吸気するようにすることは具体的に、
前記排気弁を制御して第1所定時間開弁されてから閉弁させることを含み、
前記通気機構に第1制御信号を送信することにより、前記通気機構が受信された前記第1制御信号に応じて前記プロセスチャンバ内に前記ウエハと反応しないガスを導入するようにすることは具体的に、
前記通気弁を制御して第2所定時間開弁させてから閉弁させることを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0019】
本発明に係る温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置の技術案においては、温度監視ユニットによってプロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得し、且つコントローラによってウエハの温度変化速度を計算し、温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は吸気機構に第2制御信号を送信し、通気機構は受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ内にウエハと反応しないガスを導入することができ、吸気機構は受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバを吸気することができ、これによりプロセスチャンバ内の空気圧調整を実現し、それにより該温度変化速度が温度変化速度範囲内になるまでウエハの温度変化速度を制御するようにウエハと熱源又は冷熱源との間の熱伝導を間接的に調整し、更にウエハの温度変化速度の正確な制御を実現し、且つプロセスチャンバの温度調節効率を効果的に向上させるとともに、従来技術におけるウエハの冷却が速すぎることによる粒子汚染の問題を回避することができる。
【0020】
本発明に係る装置は他の特性及び利点を有し、これらの特性及び利点は本明細書に組み込まれた図面及びその後の具体的な実施形態から明らかとなり、又は本明細書に組み込まれた図面及びその後の具体的な実施形態において詳しく説明し、これらの図面及び具体的な実施形態はいずれも本発明の特定原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面を参照しながら本発明の例示的な実施例をより詳しく説明することにより、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点はより明らかになり、本発明の例示的な実施例において、同じ参照番号は一般的に同じ部材を代表する。
【
図1】
図1は異なるガスにおけるウエハの降温曲線図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施例に係る温度変化速度の制御装置の構造概略図である。
【
図3】
図3は本発明の一実施例に係る半導体プロセス装置の構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明に係る温度変化速度の制御方法のフローチャートである。
【
図5】
図5は本発明に係る温度変化速度の制御方法の他のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
従来のプロセスチャンバにおいてプロセスを完了したウエハに対しては、
1.ウエハをプロセスチャンバに搬入して、ブラケット上に搬送し、
2.ウエハをブラケットとともに冷却盤に落とし、
3.プロセスチャンバ内の空気圧を設定空気圧に達するように通気弁を開弁してプロセスチャンバに不活性ガス(例えば、Ar)を導入し、且つ設定時間(例えば、10s)経過してから閉弁し、
4.ウエハを上記設定空気圧下で所定時間冷却し、
5.プロセスチャンバの内部が大気状態になるまで通気弁を開弁し、次にウエハをプロセスチャンバから搬出する、という冷却過程を行う。
【0023】
従来の冷却過程においてウエハのリアルタイム温度を監視できず、ウエハの降温速度を取得できず、さらにウエハの降温速度も制御できない。
【0024】
図1に示すように、プロセスチャンバの空気圧が真空から大気圧まで増加するにつれて、ウエハ(例えば、シリコンウエハ)の降温速度は徐々に速くなり、降温速度は~1℃/sから~10℃/sに上昇することができ、チャンバ内の空気圧が高ければ高いほど、ウエハの熱が冷却盤に伝達されやすくなるため、ウエハの降温をより速くする。プロセス過程において、ウエハの降温速度が速すぎる(~10℃/s)と、粒子のテスト結果が基準を大幅に上回り(10nm直径の粒子が100粒よりも大きく、且つ不規則的なランダム分布を呈する)、プロセスチャンバ内の空気圧を100Torrに制御した後、降温速度が遅くなり、その後の粒子のテスト結果が合格した(10nm直径の粒子が10粒よりも小さい)。
【0025】
以上から分かるように、降温速度が速すぎると、成長薄膜の性質が変わりやすく、例えば粒子の問題が生じる。しかし、降温速度が遅すぎてはいけなく、遅すぎると、機械本体の生産能力が低下してしまう。したがって、ウエハの温度変化速度の制御を実現することは非常に重要である。
【0026】
本発明に係る温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置によれば、ウエハの温度変化速度を監視して制御することができ、更にウエハの降温速度が速すぎることによる粒子汚染の問題を効果的に低減させ、且つ機械本体の生産能力を向上させる。
【0027】
以下、図面を参照して本発明をより詳しく説明する。図面には本発明の好ましい実施例を示すが、理解されるように、様々な形態で本発明を実現することができるが、ここに詳述する実施例により制限されるべきではない。それとは逆に、これらの実施例を提供する目的は本発明をより徹底的且つ完全にして、本発明の範囲を当業者に完全に伝えることを可能にすることである。
【0028】
実施例1
図2は本発明の一実施例に係る温度変化速度の制御装置の構造概略図である。
図2に示すように、本実施例は温度変化速度の制御装置を提供し、半導体プロセス装置のプロセスチャンバに応用され、該装置は、温度監視ユニットと、温度監視ユニットに接続されるコントローラ110と、いずれもコントローラ110に接続される通気機構及び吸気機構と、を備え、
温度監視ユニットはプロセスチャンバ101内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得するためのものである。いくつかの選択可能な実施例では、該温度監視ユニットはプロセスチャンバ101の外部に設置される非接触式温度測定素子を備え、該非接触式温度測定素子はプロセスチャンバ101の頂壁における誘電体窓105(例えば、透明な石英窓)に対応する位置に位置し、且つコントローラ110に電気的に接続され、誘電体窓105を介してプロセスチャンバ101内に位置するウエハの温度を取得してコントローラ110に送信するためのものである。例えば、非接触式温度測定素子はプロセスチャンバ101の外部に設置される測温器109及び測温プローブ108を備え、測温器109はコントローラ110に電気的に接続され、測温プローブ108は測温器109に電気的に接続され、測温プローブ108はプロセスチャンバ101の頂壁に位置する誘電体窓105を介してプロセスチャンバ101内に位置するウエハの温度を取得するためのものであり、測温器109は測温プローブ108が取得した温度に基づいてウエハ104の温度変化速度を計算するためのものである。
【0029】
他の実施例では、温度監視ユニットは他のタイプの温度センサによって実現されてもよく、測温プローブ108はプロセスチャンバの内部に設置されてもよい。当業者であれば実際の状況に応じて選択することができる。
【0030】
コントローラ110は温度監視ユニットが取得した温度に基づいてウエハ104の温度変化速度を計算し、温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、温度変化速度を温度変化速度範囲内に制御するように通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は吸気機構に第2制御信号を送信するためのものである。
【0031】
通気機構はプロセスチャンバ101に連通しており、プロセスチャンバ101の空気圧を調整することによりウエハ104の温度変化速度を制御するように、受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ101内にウエハ104と反応しないガスを導入するためのものである。ウエハ104と反応しないガスは例えばアルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスである。
【0032】
いくつかの選択可能な実施例では、通気機構はプロセスチャンバ101に連通している通気管路を備え、該通気管路にはコントローラ110に電気的に接続される通気弁106が設けられ、コントローラ110は通気弁106に第1制御信号を送信するためのものであり、通気弁106は通気管路を接続又は切断するように該第1制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものである。
【0033】
吸気機構はプロセスチャンバ101に連通しており、プロセスチャンバ101の空気圧を調整することによりウエハ104の温度変化速度を制御するように、受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバ101を吸気するためのものである。
【0034】
いくつかの選択可能な実施例では、吸気機構はプロセスチャンバ101に連通している吸気管路を備え、吸気管路にはコントローラ110に電気的に接続される排気弁107が設けられ、コントローラ110は排気弁107に第2制御信号を送信するためのものであり、排気弁107は吸気管路を接続又は切断するように第2制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものである。
【0035】
本実施例におけるコントローラ110はPLC又はPCなどのマイクロプロセッサであってもよく、ウエハの温度変化速度の計算は測温器109又はコントローラ110によって行われてもよい。コントローラ110は通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は吸気機構に第2制御信号を送信し、通気機構は受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ内にウエハと反応しないガスを導入することができ、吸気機構は受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバを吸気することができ、これによりプロセスチャンバ101内の空気圧調整を実現し、それにより該温度変化速度が温度変化速度範囲内になるまでウエハの温度変化速度を制御するようにウエハと熱源又は冷熱源との間の熱伝導を間接的に調整し、更にウエハの温度変化速度の正確な制御を実現し、且つプロセスチャンバ101の温度調節効率を効果的に向上させるとともに、従来技術におけるウエハの冷却が速すぎることによる粒子汚染の問題を回避することができる。
【0036】
実施例2
図3は本発明の一実施例に係る半導体プロセス装置の構造概略図である。
図3に示すように、本実施例は半導体プロセス装置を提供し、プロセスチャンバ101及び実施例1における温度変化速度の制御装置を備える。
【0037】
いくつかの選択可能な実施例では、プロセスチャンバ101内にブラケット103及び冷却盤102が設けられ、ブラケット103はウエハ104を冷却盤102の上方に支持して、ウエハ104と冷却盤102との間に隙間を持たせるためのものである。プロセスチャンバ101に誘電体窓105が設けられ、測温プローブ108は誘電体窓105を介してプロセスチャンバ101内に位置するウエハ104の温度を取得するように誘電体窓105に対応する位置に設置される。
【0038】
具体的な実施過程において、ウエハ104を冷却処理する必要がある場合、冷却盤102内に冷却液体を導入することができ、冷却液体の循環によりウエハ104の熱を間接的に持ち去る。プロセスチャンバ101内にはウエハ104と反応しないガス、例えばアルゴンガスなどの不活性ガスが充填されているため、ウエハ104(例えば、シリコンウエハ)は主に不活性ガスと冷却盤102との間の熱伝導によって降温冷却し、且つプロセスチャンバ101内の不活性ガスの圧力が大きければ大きいほど、不活性ガスと冷却盤102との間の熱伝導が速くなり、そうすると、シリコンウエハの降温速度が大きくなり、それとは逆に、降温速度が小さくなる。したがって、温度変化速度の制御装置によってプロセスチャンバ101内の空気圧調整を実現し、ウエハ104と冷却盤102との間の熱伝導を間接的に調整することができ、それによりウエハ104の温度変化速度を予め設定された温度変化速度範囲内に制御することができ、さらにウエハ104の温度変化速度の正確な制御を実現し、ウエハ104の冷却が速すぎることによる粒子汚染の問題を回避することができる。
【0039】
他の実施例では、本発明に係る温度変化速度の制御装置は更に他のタイプのプロセスチャンバ101の加熱プロセスに応用されてもよく、例えばベース又はチャンバ壁を加熱することによりプロセスチャンバ101内のウエハ104を加熱し、温度変化速度の制御装置によってプロセスチャンバ101内の空気圧調整を実現し、それによりウエハ104の昇温速度が予め設定された昇温速度範囲内になるまでウエハ104と熱源との間の熱伝導を間接的に調整し、これによりウエハ104の昇温速度の正確な制御を実現する。
【0040】
実施例3
図4は本発明に係るシリコンウエハの降温速度制御方法のフローチャートである。
図4に示すように、本実施例は温度変化速度の制御方法を提供し、半導体プロセス装置のプロセスチャンバに応用され、該温度変化速度の制御方法は上記実施例1における温度変化速度の制御装置を用い、且つ下記ステップS101及びステップS102を含む。
【0041】
ステップS101 プロセスチャンバ101内に位置するウエハ104の温度をリアルタイムに取得し、且つ温度に基づいてウエハ104の温度変化速度を計算し、
このステップでは、測温プローブ108及び測温器109によって単位時間内のウエハの所定位置での温度を収集し、コントローラ110はウエハの温度変化速度を決定するように測温器109が取得した温度に基づいてウエハの温度の1秒あたりの変化値を計算する。所定位置はウエハ上の少なくとも1つの所定測温点又は所定測温領域であってもよく、所定測温点に1つのみの測温点がある場合、1つの測温点の温度変化を監視すればウエハの温度変化速度を決定することができ、所定位置が複数の所定測温点又は所定測温領域である場合、降温速度は複数の所定測温点又は所定測温領域内の平均温度の1秒当たりの変化値である。正確な温度変化速度を取得するように確保するために、複数の測温点の平均温度変化値をウエハ全体の温度変化速度として同時に監視することが好ましい。
【0042】
ステップS102 ウエハ104の温度変化速度が設定された温度変化速度範囲内にあるか否かを判断し、ウエハの温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、ウエハの温度変化速度を制御するために通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は吸気機構に第2制御信号を送信する。
【0043】
通気機構はプロセスチャンバ101の空気圧を調整することによりウエハ104の温度変化速度を制御するように、受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ101内にウエハ104と反応しないガスを導入し、吸気機構はプロセスチャンバ101の空気圧を調整することによりウエハ104の温度変化速度を制御するように、受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバ101を吸気し、
次に、上記ステップ101に戻り、
ウエハ104の温度変化速度が設定された温度変化速度範囲内にある場合、上記ステップ101に戻る。
【0044】
いくつかの選択可能な実施例では、
図5に示すように、温度変化速度の制御方法は下記ステップS201~ステップ205を含み、
ステップS201 プロセスチャンバ101内に位置するウエハ104の温度をリアルタイムに取得し、且つ温度に基づいてウエハ104の温度変化速度を計算し、
ステップS202 ウエハ104の温度変化速度が温度変化速度範囲を上回るか、それとも温度変化速度範囲を下回るかを判断し、
ウエハ104の温度変化速度が上記温度変化速度範囲を上回る場合、ステップS203を行い、ウエハ104の温度変化速度が温度変化速度範囲を下回る場合、ステップS204を行い、温度変化速度範囲内にある場合、ステップ201に戻り、
ステップS203 吸気機構に第2制御信号を送信することにより、吸気機構がプロセスチャンバ101内の空気圧を減少させるように受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバ101を吸気するようにし、次に、ステップ205を行い、
ステップS204 通気機構に第1制御信号を送信することにより、通気機構がプロセスチャンバ101内の空気圧を増加させるように受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ101内にウエハ104と反応しないガスを導入するようにし、次に、ステップ205を行い、
ステップ205 ウエハ104の温度変化速度が温度変化速度範囲を上回るか、温度変化速度範囲を下回るか、それとも温度変化速度範囲内にあるかを判断し、ウエハ104の温度変化速度が上記の温度変化速度範囲を上回る場合、ステップS203を行い、ウエハ104の温度変化速度が温度変化速度範囲を下回る場合、ステップS204を行い、温度変化速度範囲内にある場合、ステップ201に戻る。
【0045】
いくつかの選択可能な実施例では、温度変化速度範囲は4℃/s~6℃/sであってもよく、好ましくは5℃/sである。
【0046】
図2に示される温度変化速度の制御装置を例とし、通気機構はプロセスチャンバ101に連通している通気管路を備え、該通気管路にはコントローラ110に電気的に接続される通気弁106が設けられ、コントローラ110は通気弁106に第1制御信号を送信するためのものであり、通気弁106は通気管路を接続又は切断するように該第1制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものである。吸気機構はプロセスチャンバ101に連通している吸気管路を備え、吸気管路にはコントローラ110に電気的に接続される排気弁107が設けられ、コントローラ110は排気弁107に第2制御信号を送信するためのものであり、排気弁107は吸気管路を接続又は切断するように第2制御信号に応じて開弁又は閉弁するためのものである。
【0047】
このような場合、吸気機構に第2制御信号を送信することにより、吸気機構が受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバを吸気するようにすることは具体的に、
排気弁107を制御して第1所定時間開弁させてから閉弁させることを含む。
【0048】
いくつかの選択可能な実施例では、上記第1所定時間は0.2s~1sであり、好ましくは0.5sである。
【0049】
通気機構に第1制御信号を送信することにより、通気機構が受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ内にウエハと反応しないガスを導入するようにすることは具体的に、
通気弁106を制御して第2所定時間開弁させてから閉弁させることを含む。
【0050】
いくつかの選択可能な実施例では、上記第2所定時間は0.2s~1sであり、好ましくは0.5sである。
【0051】
具体的な実施過程において、シリコンウエハの実際の温度に応じてチャンバ内の不活性ガスの空気圧をリアルタイムに調整することにより、所望の降温速度を取得することができ、プロセス結果例えば粒子表現などが合格するように確保することができるだけでなく、機械本体の生産能力に与えた影響をできる限り低減させて、シリコンウエハによるプロセスチャンバ101の占有を減少させて効率を高めることもできる。
【0052】
他の実施例では、本発明に係る温度変化速度の制御装置は他のタイプのプロセスチャンバの加熱プロセスに応用される場合、本発明に係る温度変化速度の制御方法を採用し、温度変化速度の制御装置によってプロセスチャンバの空気圧調整を実現し、それによりウエハの昇温速度が予め設定された昇温速度範囲内になるまでウエハと熱源との間の熱伝導を間接的に調整し、これによりウエハの昇温速度の正確な制御を実現することができる。
【0053】
要するに、本発明に係る温度変化速度の制御装置、方法及び半導体プロセス装置の技術案においては、温度監視ユニットによってプロセスチャンバ内に位置するウエハの温度をリアルタイムに取得し、且つコントローラによってウエハの温度変化速度を計算し、温度変化速度が設定された温度変化速度範囲から外れる場合、通気機構に第1制御信号を送信し、及び/又は吸気機構に第2制御信号を送信し、通気機構は受信された第1制御信号に応じてプロセスチャンバ内にウエハと反応しないガスを導入することができ、吸気機構は受信された第2制御信号に応じてプロセスチャンバを吸気することができ、これによりプロセスチャンバ内の空気圧調整を実現し、それにより該温度変化速度が温度変化速度範囲内になるまでウエハの温度変化速度を制御するようにウエハと熱源又は冷熱源との間の熱伝導を間接的に調整し、更にウエハの温度変化速度の正確な制御を実現し、且つプロセスチャンバの温度調節効率を効果的に向上させるとともに、従来技術におけるウエハの冷却が速すぎることによる粒子汚染の問題を回避することができる。
【0054】
以上は本発明の各実施例を説明したが、上記説明は例示的なものであって、網羅するものではなく、且つ開示される各実施例に限定されるものでもない。説明される各実施例の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変更は当業者にとって明らかなものである。
【符号の説明】
【0055】
101 プロセスチャンバ
102 冷却盤
103 ブラケット
104 ウエハ
105 誘電体窓
106 通気弁
107 排気弁
108 測温プローブ
109 測温器
110 コントローラ
【国際調査報告】